(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-24
(54)【発明の名称】電子スイッチングユニット
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20220517BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L21/60 321E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559145
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(85)【翻訳文提出日】2021-11-15
(86)【国際出願番号】 EP2020058282
(87)【国際公開番号】W WO2020200946
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】102019204889.7
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100195408
【氏名又は名称】武藤 陽子
(72)【発明者】
【氏名】フラム,ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】シュッツ,ライナー
(72)【発明者】
【氏名】キーンレ,ボルフラム
(57)【要約】
少なくとも1つのエレクトロニクスユニット(4)、とりわけパワーエレクトロニクスユニットを含む電子スイッチングユニット(1)、とりわけ電気機械用のインバータとしてまたはコンバータとして用いられるスイッチングユニットであって、エレクトロニクスユニット(4)が、少なくとも1つのキャリア基板(5)と、キャリア基板(5)上に配置された少なくとも1つの電気および/または電子部品(32)とを含み、このキャリア基板(5)では、キャリア基板(5)の基板上面(7)に少なくとも1つの第1の接続部(10)および少なくとも2つの第2の接続部(20)が形成されており、第1の接続部(10)が2つの第2の接続部(20)の間に配置されており、この電子スイッチングユニット(1)がさらに、少なくとも1つの電気または電子コンポーネント(8)を、この電子コンポーネント(8)の電気接触のための少なくとも1つの第1のバスバー(12)およびこの電子コンポーネント(8)の電気接触のための少なくとも1つの第2のバスバー(22)と共に含んでいる電子スイッチングユニット(1)に関し、導電性のブリッジ要素(40)が2つの第2の接続部(20)を導電性に相互に結合し、このブリッジ要素(40)が、ブリッジのように第1の接続部(10)の上に渡されており、かつ隙間によって第1の接続部(10)から離隔および電気絶縁されており、第1の接続部(10)が第1の結合要素(11)により第1のバスバー(12)と導電性に結合しており、第2の接続部(20)が第2の結合要素(21)により第2のバスバー(22)と導電性に結合していることが提案される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのエレクトロニクスユニット(4)、とりわけパワーエレクトロニクスユニットを含む電子スイッチングユニット(1)、とりわけ電気機械用のインバータとしてまたはコンバータとして用いられるスイッチングユニットであって、前記エレクトロニクスユニット(4)が、少なくとも1つのキャリア基板(5)と、前記キャリア基板(5)上に配置された少なくとも1つの電気および/または電子部品(32)とを含み、前記キャリア基板(5)では、前記キャリア基板(5)の基板上面(7)に少なくとも1つの第1の接続部(10)および少なくとも2つの第2の接続部(20)が形成されており、前記第1の接続部(10)が前記2つの第2の接続部(20)の間に配置されており、
前記電子スイッチングユニット(1)がさらに、少なくとも1つの電気または電子コンポーネント(8)を、前記電子コンポーネント(8)の電気接触のための少なくとも1つの第1のバスバー(12)および前記電子コンポーネント(8)の電気接触のための少なくとも1つの第2のバスバー(22)と共に含んでいる電子スイッチングユニット(1)であって、
導電性のブリッジ要素(40)が前記2つの第2の接続部(20)を導電性に相互に結合しており、
前記ブリッジ要素(40)が、橋のように前記第1の接続部(10)の上に渡されており、かつ隙間によって前記第1の接続部(10)から離隔および電気絶縁されており、
前記第1の接続部(10)が第1の結合要素(11)により前記第1のバスバー(12)と導電性に結合しており、前記第2の接続部(20)が第2の結合要素(21)により前記第2のバスバー(22)と導電性に結合していることを特徴とする電子スイッチングユニット(1)。
【請求項2】
前記第1の結合要素(11)がリボンボンディングおよび/もしくはワイヤボンディングとして形成されており、かつ/または前記第2の結合要素(21)がリボンボンディングとしておよび/もしくはワイヤボンディングとして形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子スイッチングユニット。
【請求項3】
前記第1の結合要素(11)と前記第2の結合要素(21)が交互に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子スイッチングユニット。
【請求項4】
前記第1の結合要素(11)と前記第2の結合要素(21)が互いに平行に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電子アセンブリ。
【請求項5】
前記第1の接続部(10)が、前記キャリア基板(5)上で前記2つの第2の接続部(20)の間で、平面的に延び方向(E)に延びていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電子アセンブリ。
【請求項6】
前記第1の結合要素(11)が前記第1の接続部(10)と導電性に接触している箇所が、前記延び方向(E)に沿って相並んで配置されていることを特徴とする請求項5に記載の電子アセンブリ。
【請求項7】
前記第2の結合要素(21)が前記ブリッジ要素(40)と導電性に結合している箇所が、前記ブリッジ要素(40)の延び方向に沿って相並んで配置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電子アセンブリ。
【請求項8】
前記第1の結合要素(11)が前記第1のバスバー(12)に沿って前記第1のバスバー(12)と導電性に接触しており、かつ/または前記第2の結合要素(21)が前記第2のバスバー(22)に沿って前記第2のバスバー(22)と導電性に接触していることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の電子アセンブリ。
【請求項9】
前記ブリッジ要素(40)が金属ストリップとして形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の電子アセンブリ。
【請求項10】
前記ブリッジ要素(40)と前記第1の接続部(10)との前記隙間に、電気絶縁性のスペーサ要素が配置されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の電子アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項1のプリアンブルの特徴を有する電子スイッチングユニット、とりわけ電気機械用のインバータとしてまたはコンバータとして用いられるスイッチングユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車両または電気車両では、中間回路コンデンサと、例えばパワーモジュール内に形成されたハーフブリッジとから成る転流回路を備えたインバータ構造およびコンバータ構造が用いられる。例えば電気機械を動作させるために、電気機械用の相電流を提供するインバータが使用される。インバータおよびコンバータは、例えばパワーモジュールと、一時的に電気エネルギーを提供する少なくとも1つの中間回路コンデンサとを含む。パワーモジュールは、例えば導体路を備えたキャリア基板を含むことができ、このキャリア基板上には例えばパワー半導体が配置されており、パワー半導体はキャリア基板と一緒にエレクトロニクスアセンブリを構成する。中間回路コンデンサの接続コンタクトをパワーモジュールと導電性に結合することが知られている。このために、パワーモジュールから出ており、エレクトロニクスアセンブリに電気接触しているコンタクト要素が、中間回路コンデンサの接続コンタクトと結合される。エレクトロニクスアセンブリを電気絶縁材によって密閉することができ、この電気絶縁材から、エレクトロニクスアセンブリに電気接触しているコンタクト要素が出ており、かつ電気絶縁材の外で接続要素と結合している。
【0003】
米国特許出願公開第2007/0109715号明細書は、パワーモジュールと導電性に結合した中間回路コンデンサを示している。この場合は、パワーモジュールのエレクトロニクスアセンブリがフレーム内に配置されており、かつエレクトロニクスアセンブリに電気接触しているコンタクト要素が、さらなる接触のためにフレームから出されており、そして中間回路コンデンサの接続コンタクトとネジ固定されており、これにより導電性に接触している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明により、電子スイッチングユニット、とりわけ電気機械用のインバータとしてまたはコンバータとして用いられるスイッチングユニットが提案される。電子スイッチングユニットは、少なくとも1つのエレクトロニクスユニット、とりわけパワーエレクトロニクスユニットを含み、このエレクトロニクスユニットは、少なくとも1つのキャリア基板と、キャリア基板上に配置された少なくとも1つの電気および/または電子部品とを含み、このキャリア基板では、キャリア基板の基板上面に少なくとも1つの第1の接続部および少なくとも2つの第2の接続部が形成されており、第1の接続部は2つの第2の接続部の間に配置されており、この電子スイッチングユニットはさらに、少なくとも1つの電気または電子コンポーネントを、この電子コンポーネントの電気接触のための少なくとも1つの第1のバスバーおよびこの電子コンポーネントの電気接触のための少なくとも1つの第2のバスバーと共に含んでいる。本発明によれば、導電性のブリッジ要素が2つの第2の接続部を導電性に相互に結合し、このブリッジ要素は、橋のように第1の接続部の上に渡されており、かつ隙間によって第1の接続部から離隔および電気絶縁されており、第1の接続部は第1の結合要素により第1のバスバーと導電性に結合しており、第2の接続部は第2の結合要素により第2のバスバーと導電性に結合している。
【0005】
本発明の利点
従来技術に対し、独立請求項の特徴を有する電子スイッチングユニットの利点は、この電子スイッチングユニットでは、電子コンポーネントのバスバーが結合要素によりエレクトロニクスユニットと導電性に結合している領域で、インダクタンスが大きく減少しているということである。これは、キャリア基板上で2つの第2の接続部がブリッジ要素によって導電性に結合されることで達成される。キャリア基板、例えばDBC基板(direct bonded copper)が一層構造であり、かつキャリア基板上で両方の第2の接続部の間に第1の接続部が配置されているにもかかわらず、第1の接続部をまたぐことで、両方の第2の接続部が、両方の第2の接続部の間の領域でも第2の結合要素によって導電性に接触され得る。こうして従来技術より多く、結合要素のT+/T-コンタクトペアが、バスバーとキャリア基板の接続部との導電性の接触を確立し得る。これに関し、1つのT+/T-コンタクトペアは、1つずつの第1の結合要素と第2の結合要素から成るペアを意味する。第1の結合要素および第2の結合要素は電流を逆方向に通す。ブリッジ要素により、1つずつの第1の結合要素と第2の結合要素から成る多数のペアが、バスバーと接続部を結合するために形成され得る。こうして電子スイッチングユニット内のインダクタンスを低減でき、したがって電子スイッチングユニット内の半導体スイッチのより速いスイッチングが達成され得る。
【0006】
本発明のさらなる有利な形態および変形例は、従属請求項に提示した特徴によって可能になる。
【0007】
有利な1つの例示的な実施形態によれば、第1の結合要素がリボンボンディングおよび/もしくはワイヤボンディングとして形成されており、かつ/または第2の結合要素がリボンボンディングおよび/もしくはワイヤボンディングとして形成されている。結合要素としてのリボンボンディングまたはワイヤボンディングにより、バスバーと基板の接続部とが良好かつ簡単に結合され得ることが有利であり、結合のために多数の結合要素ペアが使用され得る。多くの結合要素ペアにより、バスバーと基板の接続部とが結合する領域でインダクタンスが低減されることが有利である。
【0008】
有利な1つの例示的な実施形態によれば、第1の結合要素と第2の結合要素が交互に配置されることができる。第1および第2の結合要素のこの交互の配置により、例えば、第1の結合要素が2つの第2の結合要素の間に、および/または逆に第2の結合要素が2つの第1の結合要素の間に配置されている。これにより、個々の結合要素ペアによるインダクタンスの低減に加え、ペア同士も相互作用し、バスバーと基板の接続部との結合のインダクタンスがさらに低減され得る。
【0009】
有利な1つの例示的な実施形態によれば、第1の結合要素と第2の結合要素が互いに平行に配置されていることが企画される。平行な配置により、電流経路が、結合要素内で互いに平行に延びており、かつ第1の結合要素内と第2の結合要素内で逆方向に、互いに平行に延びている。これにより、結合要素によるバスバーと基板の接続部との結合のインダクタンスがさらに低減される。
【0010】
有利な1つの例示的な実施形態によれば、第1の接続部は、キャリア基板上で2つの第2の接続部の間で、平面的に延び方向に延びることができる。これに関し、第1の接続部は例えばブリッジ要素に平行に延びている。よって第1の接続部およびブリッジ要素の全長にわたって、結合要素がペアでおよび/または交互に導電性に接触され得る。
【0011】
有利な1つの例示的な実施形態によれば、第1の結合要素が第1の接続部と導電性に接触している箇所が、延び方向に沿って相並んで配置されることができる。
【0012】
有利な1つの例示的な実施形態によれば、第2の結合要素がブリッジ要素と導電性に結合している箇所が、ブリッジ要素の延び方向に沿って相並んで配置されることができる。
【0013】
有利な1つの例示的な実施形態によれば、第1の結合要素が第1のバスバーに沿って第1のバスバーと導電性に接触しており、かつ/または第2の結合要素が第2のバスバーに沿って第2のバスバーと導電性に接触することができる。
【0014】
有利な1つの例示的な実施形態によれば、ブリッジ要素が金属ストリップとして形成することができる。よって燃料要素は優れた導電性を有しており、かつ良好に成形、加工、および接触され得ることが有利である。
【0015】
有利な1つの例示的な実施形態によれば、ブリッジ要素と第1の接続部との隙間に、電気絶縁性のスペーサ要素を配置することができる。電気絶縁性のスペーサ要素は、導電性のブリッジ要素を第1の接続部から隔て、かつ導電性のブリッジ要素を第1の接続部から絶縁する。同時にスペーサ要素は、ブリッジ要素からキャリア基板への熱接触を確立でき、熱が、ブリッジ要素からキャリア基板を介して例えば冷却体に排出され得る。
【0016】
本発明の1つの例示的な実施形態を図面に示しており、以下の説明においてより詳しく解説する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】従来技術に基づく電子スイッチングユニットを示す図である。
【
図2】従来技術に基づく電子スイッチングユニットの平面図である。
【
図3】本発明による電子スイッチングユニットの1つの例示的な実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明による電子スイッチングユニットは、多種多様に、例えば自動車技術におけるインバータまたはコンバータとして適用され得る。例えばこの電子スイッチングユニットは、ハイブリッド車両または電気車両などの電気機械を動作させるための、逆変換器とも呼ばれるインバータとして用いられ得る。
【0019】
図1および
図2は、従来技術に基づく電子スイッチングユニット1の例示的な実施形態を示している。スイッチングユニット1は、エレクトロニクスユニット4、とりわけパワーエレクトロニクスユニットを含み、このエレクトロニクスユニット4は、キャリア基板5と、キャリア基板5上に配置された電気および/または電子部品32を含む。キャリア基板5は、金属のような導電材料および/または誘電材料から成る複数の層を含み得る。キャリア基板5は、例えば回路基板であり、この例示的な実施形態ではDBC基板(Direct Bonded Copper)である。ただしキャリア基板5は、例えばAMB基板(Active Metal Brazed)、IMS(Insulated Metal Substrate)、プリント基板(PCB:Printed Circuit Board)、またはパワーモジュールに適した別の基板であってもよい。キャリア基板5の基板上面7には、様々な電気および/または電子部品32、例えばパワー半導体、例えばMIS-FET(Metal Insulated Semiconductor Field Effect Transistor)、IGBT(insulated-gate bipolar transistor)、パワーMOSFET(metal oxide semiconductor field-effect transistor)のような電界効果トランジスタおよび/またはダイオード、例えば整流ダイオードが配置され得る。例えば、ハウジングのないパワー半導体(ベアダイ)であり得る。さらに受動部品、例えば抵抗またはコンデンサも、電気および/または電子部品32としてキャリア基板5上に配置され得る。
【0020】
キャリア基板5は、導体路17、27をさらに含み得る。電気および/または電子部品32は相互に、またはエレクトロニクスユニット4の外に配置された不図示のさらなる電気および/もしくは電子素子と、例えばキャリア基板5の導体路17、27を介し、ボンディングワイヤまたはそのほかの適切な導電性コンタクト要素を介し、例えばはんだ付けまたは焼結により、導電性に結合され得る。導体路17、27は、この例示的な実施形態でのように導体面として形成され得る。キャリア基板5の基板上面7には、少なくとも1つの第1の接続部10が形成されており、この第1の接続部10に第1の導体路17が電気接触され得る。キャリア基板5の基板上面7にはさらに少なくとも2つの第2の接続部20が形成されており、この第2の接続部20に第2の導体路27が導電性に接触され得る。エレクトロニクスユニット4は、これらの接続部において、エレクトロニクスユニット4の外に配置された素子と導電性に結合され得る。この場合、例えば、第1の接続部10は第2の接続部20とは逆の極性を有し、この極性がT-で表され、その際、第2の接続部20の極性はT+で表される。
【0021】
図に示したように、キャリア基板上で、1つのエレクトロニクスユニット4は1つの第1の接続部10および2つの第2の接続部20を含んでいる。第1の接続部10は、少なくとも部分的には2つの接続部20の間に配置されており、かつ第2の接続部20を互いから隔てている。2つの接続部20は同じ極性T+を有する。接続部20の間に配置された接続部10は逆の極性T-を有する。接続部10は、例えば第1の導体路17の領域のうち、導体路17が導電性に接触され得る領域を示している。接続部20は、例えば1つまたは複数の第2の導体路27の領域のうち、導体路27が導電性に接触され得る領域を示している。
【0022】
この例示的な実施形態では、エレクトロニクスユニット4のキャリア基板5は、冷却体2の上面3に配置されており、例えば冷却体2の上面3にはんだ付けされている。キャリア基板5は、直接的にまたは熱伝導層を介在させて、冷却体2に載置され得る。冷却体2は、エレクトロニクスユニット4内で生成された熱の排出に役立ち、かつ高い熱伝導性を特色とする。冷却体2は、優れた熱伝導性をもつ材料、例えばアルミニウムまたは銅から作製される。この例示的な実施形態では、冷却体2は銅から作製されており、かつプレートとして形成されている。冷却体2には、例えば、熱排出を改善するための不図示の構造、例えばリブ、ピン、または流路も形成され得る。エレクトロニクスユニット4のキャリア基板5は、例えば冷却体2の上面3に直接的に載置されて、例えばキャリア基板5に含まれる電気絶縁層によって冷却体2から絶縁されてもよい。
【0023】
図1に示したような電子スイッチングユニット1は、エレクトロニクスユニット4に含まれていない少なくとも1つの電気および/または電子コンポーネント8をさらに含んでいる。本願で説明している例示的な実施形態では、電気および/または電子コンポーネント8はコンデンサである。例えば電子スイッチングユニット1の中間回路コンデンサとして用いられる例えばパワーコンデンサであり得る。このようなコンデンサは、複数の相互に導電性に結合された、それ自体で個々のキャパシタンスを形成するコンデンサ要素も、例えばこれらのコンデンサ要素の導電性の結合に必要な導電性の結合要素も含み得る。これに関し、コンデンサとしてまたはコンデンサ要素として、様々なコンデンサ技術、例えばスタック型もしくはラウンド巻回型コンデンサのようなフィルムコンデンサが、またはそのほかの適切なコンデンサ技術が用いられ得る。
【0024】
例示的な実施形態では、電気および/または電子コンポーネント8としてのコンデンサが、2つのバスバー12、22を含んでいる。本願の文脈では、電気および/または電子コンポーネント8のバスバー12、22とは、電気および/または電子コンポーネント8から出ているまたは突き出ている導電性で一体的な部材のことであり、この部材は、電気および/または電子コンポーネント8と、電気および/または電子コンポーネント8の外に配置された電気および/または電子素子との電気接触のために設けられている。よってこの例示的な実施形態では、電気および/または電子コンポーネント8としてのコンデンサから、2つのバスバー12、22が突き出ており、このバスバー12、22は、コンデンサ8の2つの電極と、コンデンサ8の外に配置された電気および/または電子素子、とりわけエレクトロニクスユニット4との電気接触のために設けられている。バスバー12、22は、少なくとも部分的には1種または複数の金属、例えば銅またはアルミニウムから作製でき、例えば、部分的に絶縁することができ、または絶縁されなくてもよい。バスバー12、22は、例えば板金から作製され得る。本願では、第1のバスバー12と第2のバスバー22が区別されていて、例示的な実施形態でのように電気および/または電子コンポーネント8がコンデンサである場合、第1のバスバー12は、コンデンサの2つの電極のうち第1の電極から出ている接続コンタクトであり、第2のバスバー22は、このコンデンサの2つの電極のうち第2の電極から出ている接続コンタクトである。図では、バスバー12、22は、例示的に1つの第1のバスバー12、1つの第2のバスバー22である。ただし、例えばさらなる不図示のエレクトロニクスユニット4に形成されたさらなる接続部とも導電性に結合され得る複数の第1および/または第2のバスバー12、22が形成されてもよい。そのうえ電気および/または電子コンポーネント8は、ほかの不図示の電気コンタクトを介し、例えばほかの不図示の素子、例えばさらなる電気および/または電子コンポーネント8とも導電性に結合され得る。
【0025】
図1に示したように、電子スイッチングユニット1では第1のバスバー12が平面的に形成されており、第2のバスバー22が平面的に形成されている。バスバー12、22とは、本願の文脈では、導電性の平面的な導体、例えば導電バーまたは導電ストリップのことである。したがってバスバー12、22は例えばバスバーであり得る。バスバー12、22は、例えば反っているもしくは湾曲していることができ、または屈曲してもしくは階段状に延びていてもよい。これに関し、電流をできるだけ低インダクタンスで通せるように、バスバー12、22を、広範囲で重ね合わせることができ、例えば、少なくとも部分的には互いに平面平行に敷設することもできる。このために、バスバー12、22が少なくとも一部の領域では互いに平行に敷設できることも、例えば同じ幅であり得ることも好ましい。
【0026】
本発明による電子スイッチングユニット1を
図3に示している。そこでは電子スイッチングユニット1がブリッジ要素40を含んでいる。ブリッジ要素40は、導電材料から製造されている。ブリッジ要素40は、例えば金属ストリップとして形成される。ブリッジ要素40は、第1の接続部10によって隔てられた2つの第2の接続部20を導電性に相互に結合している。このためにブリッジ要素40は、橋構造の形態で第1の接続部10および/または第1の導体路17の上に渡されている。これに関し、ブリッジ要素40は隙間によって第1の接続部10および第1の導体路17から離隔しており、この隙間はブリッジ要素40を電気的に第1の接続部10から絶縁している。隙間は空であってよく、または隙間に電気絶縁性のスペーサ要素を配置することができる。
図3に示したように、第1の接続部10は、キャリア基板5の基板上面7で、ブリッジ要素40の下を2つの第2の接続部20の間で通り抜け、それから広がって、キャリア基板5上で平面的に延び方向Eに延びている。この延び方向Eは、例えば2つの第2の接続部20の結合線に平行に延びている。ブリッジ要素40は第2の接続部20に、例えばはんだ付け、接着、焼結、およびまたは拡散はんだ付けによって固定され得る。
【0027】
図3に示したように、第1の接続部10は、多数の第1の結合要素11を介して第1のバスバー12と導電性に結合している。同時にブリッジ要素40は、多数の第2の結合要素21を介して第2のバスバー22と導電性に結合している。したがって第1の導体路17、第1の接続部10、第1の結合要素11、および第1のバスバー12は導電性に相互に結合しており、よって同じ電位T-を有している。同時に第2の導体路27、第2の接続部20、ブリッジ要素40、第2の結合要素21、および第2のバスバー22は導電性に相互に結合しており、よって同じ電位T+にある。
【0028】
結合要素11、21は、例えばワイヤボンディングとしておよび/またはリボンボンディングとして形成され得る。この例示的な実施形態では、リボンボンディングとして形成された3つの第1の結合要素11と、4つの第2の結合要素21とが設けられており、第2の結合要素21もリボンボンディングとして形成されている。
【0029】
これに関しては、
図3に示したように、第1の結合要素11および第2の結合要素21が交互に配置されており、つまり結合のために1つの第1の結合要素11および1つの第2の結合要素21が交互に配置されている。すなわち、逆の極性T+、T-をもつ結合要素11、21が連なっており、エレクトロニクスユニット4と電子コンポーネント8の結合のインダクタンスが低減されている。
【0030】
結合要素11、21は互いに平行に配置されている。こうして、例えばそれぞれ1つの第1の結合要素11と1つの第2の結合要素21とがペアとして互いに平行に位置合わせされ得る。しかし例えば
図3に示したように、すべての結合要素11、21を互いに平行に位置合わせしてもよい。
【0031】
第1の結合要素11の各々が、第1の結合部10と結合する第1の端部を有し、かつ第1のバスバー12と結合する第2の端部を有する。まったく同じように第2の結合要素21の各々が、ブリッジ要素40と結合する第1の端部を有し、かつ第2のバスバー22と結合する第2の端部を有する。第1の結合要素11が第1の端部で第1の接続部10と導電性に接触している箇所は、第1の結合部10において、延び方向Eに沿って相並んで整列している。第1の結合要素11が第2の端部で第1のバスバー12と導電性に接触している箇所は、第1のバスバー12の長手方向に沿って相並んで整列している。第2の結合要素21が第1の端部でブリッジ要素40と導電性に接触している箇所は、ブリッジ要素40において相並んで整列している。第2の結合要素21が第2の端部で第2のバスバー22と導電性に接触している箇所は、第2のバスバー22の長手方向に沿って相並んで整列している。
【0032】
もちろん、さらなる例示的な実施形態も、図示した例示的な実施形態の混合形態も可能である。
【国際調査報告】