IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルヴェエムアッシュ・スイス・マニュファクチャーズ・エスアーの特許一覧

特表2022-526412時計メカニズムのための球形のオシレーター
<>
  • 特表-時計メカニズムのための球形のオシレーター 図1
  • 特表-時計メカニズムのための球形のオシレーター 図2
  • 特表-時計メカニズムのための球形のオシレーター 図3
  • 特表-時計メカニズムのための球形のオシレーター 図4
  • 特表-時計メカニズムのための球形のオシレーター 図5
  • 特表-時計メカニズムのための球形のオシレーター 図6
  • 特表-時計メカニズムのための球形のオシレーター 図7
  • 特表-時計メカニズムのための球形のオシレーター 図8
  • 特表-時計メカニズムのための球形のオシレーター 図9
  • 特表-時計メカニズムのための球形のオシレーター 図10
  • 特表-時計メカニズムのための球形のオシレーター 図11
  • 特表-時計メカニズムのための球形のオシレーター 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-24
(54)【発明の名称】時計メカニズムのための球形のオシレーター
(51)【国際特許分類】
   G04B 17/10 20060101AFI20220517BHJP
【FI】
G04B17/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559146
(86)(22)【出願日】2020-03-26
(85)【翻訳文提出日】2021-12-03
(86)【国際出願番号】 EP2020058593
(87)【国際公開番号】W WO2020201025
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】1903703
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517202076
【氏名又は名称】エルヴェエムアッシュ・スイス・マニュファクチャーズ・エスアー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】トマ・メルシエ
(72)【発明者】
【氏名】ギー・セモン
(57)【要約】
時計(1)メカニズム(14)の調整器(12)のためのオシレーター(13)は、フレーム(16)と、リジッド本体部(18)と、メカニズム(20)とを含み、メカニズム(20)は、リジッド本体部(18)をフレーム(16)に接続するためのものであり、フレーム(16)に対するリジッド本体部(18)の振動を可能にする。接続メカニズム(20)は、少なくとも1つの第1のおよび1つの第2のリジッドパーツ(16、18)と、リングの角度セクターの形態の第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36)とを含む。第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36)は、主に別個の非平行の平面の中に延在している。第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36)は、同心円状になっている。第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36)は、それぞれ、第1および第2のリジッドパーツ(16、18)を一緒に接続している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計(1)メカニズム(14)の調整器(12)のためのオシレーター(13)であって、前記オシレーター(13)は、フレーム(16)と、リジッド本体部(18)と、メカニズム(20)とを含み、前記メカニズム(20)は、前記リジッド本体部(18)を前記フレーム(16)に接続するためのものであり、前記フレーム(16)に対する前記リジッド本体部(18)の振動を可能にし、前記接続メカニズム(20)は、少なくとも1つの第1のリジッドパーツ(16、18;46)および1つの第2のリジッドパーツ(16、18;46)と、リングの角度セクターの形態の第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36;44;48)とを含み、前記第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36;44;48)は、主に別個の非平行の平面の中に延在しており、前記第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36;44;48)は、同心円状になっており、前記第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36;44;48)は、それぞれ、前記第1および第2のリジッドパーツ(16、18;46)を一緒に接続している、オシレーター(13)。
【請求項2】
前記接続メカニズム(20)は、少なくとも1つの第3のフレキシブルエレメントおよび少なくとも1つの第4のフレキシブルエレメント(34、36;52;54)を含み、前記少なくとも1つの第3のフレキシブルエレメントおよび少なくとも1つの第4のフレキシブルエレメント(34、36;52;54)は、それぞれ、前記第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36;44;48)の共通の中心に関して、前記第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36;44;48)と対称的になっている、請求項1に記載のオシレーター。
【請求項3】
前記第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36;44;48)は同一である、請求項1または2に記載のオシレーター。
【請求項4】
前記第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36;44;48)の前記共通の中心は、前記オシレーター(13)の重心に対応している、請求項2および3に記載のオシレーター。
【請求項5】
前記第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36;44;48)のうちの一方および/または他方は、10°から180°の間の、好ましくは、45°から135°の間の、より好ましくは、80°から100°の間の角度セクターにわたって延在している、請求項1から4のいずれか一項に記載のオシレーター。
【請求項6】
前記第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36;44;48)は、複数の平面の中に延在しており、前記複数の平面は、それらの間に40°から120°の間の角度を形成している、請求項1から5のいずれか一項に記載のオシレーター。
【請求項7】
前記第1および第2のフレキシブルエレメントは、一定の厚さを有している、請求項1から6のいずれか一項に記載のオシレーター。
【請求項8】
前記第1および/または前記第2のフレキシブルエレメントの平均半径は、0.2mmから2mmの間にある、請求項1から7のいずれか一項に記載のオシレーター。
【請求項9】
前記第1および/または前記第2のフレキシブルエレメント(34;36;44;48)は、フレキシブルブレードである、請求項1から8のいずれか一項に記載のオシレーター。
【請求項10】
前記第1および/または第2のフレキシブルエレメント(34、36;44;48)は、複数のリジッドパーツから形成されており、好ましくは、実質的に平面的になっており、フレキシブルパーツによって対になって一緒に接合されている、請求項1から8のいずれか一項に記載のオシレーター。
【請求項11】
前記第1および/または前記第2のフレキシブルエレメント(34、36;44;48)、ならびに、前記第1のリジッドパーツおよび前記第2のリジッドパーツ(16、18;46)のうちの前記少なくとも1つは、平面的な層を重ね合わせるための、および、そのように取得された多層構造体を展開するための方法を実装することによって作製される、請求項1から10のいずれか一項に記載のオシレーター。
【請求項12】
前記オシレーターは、4Hz以上の、好ましくは、5Hz以上の、および/または、500Hz以下の、好ましくは、50Hz以下の、より好ましくは、15Hz以下の周波数において振動するように設計されている、請求項1から11のいずれか一項に記載のオシレーター。
【請求項13】
前記第1のリジッドパーツは、前記フレーム(16)であり、前記第2のリジッドパーツは、前記リジッド本体部(18)である、請求項1から12のいずれか一項に記載のオシレーター。
【請求項14】
前記接続メカニズム(20)は、2つの第1の対のフレキシブルエレメント(44)および2つの第2の対のフレキシブルエレメント(48)を含み、前記第1の対のフレキシブルエレメント(44)のそれぞれの前記フレキシブルエレメント(44)のそれぞれは、前記フレーム(16)を第1のそれぞれの中間リジッドパーツ(46)に接続しており、前記第2の対のフレキシブルエレメント(48)のそれぞれの前記フレキシブルエレメント(48)のそれぞれは、第1のそれぞれの中間リジッドパーツ(46)を前記リジッド本体部(18)に接続しており、前記第1および第2の対のフレキシブルエレメント(44;48)の前記エレメントは、リングの角度セクターの形態になっており、前記第1および第2の対のフレキシブルエレメント(44;48)の前記フレキシブルエレメントは、主に別個の非平行の平面の中に対になって延在しており、前記第1および第2の対のフレキシブルエレメント(44;48)の前記フレキシブルエレメントは、同心円状になっている、請求項1から12のいずれか一項に記載のオシレーター。
【請求項15】
前記接続メカニズム(20)は、また、2つの第3の対のフレキシブルエレメント(52)および2つの第4の対のフレキシブルエレメント(54)を含み、前記第3の対のフレキシブルエレメント(52)のそれぞれの前記フレキシブルエレメント(52)のそれぞれは、前記フレーム(16)を第2のそれぞれの中間リジッドパーツ(50)に接続しており、前記第4の対のフレキシブルエレメント(54)のそれぞれの前記フレキシブルエレメント(54)のそれぞれは、前記第2のそれぞれの中間リジッドパーツ(50)のうちの1つを前記リジッド本体部(18)に接続しており、前記第1および第3の対のフレキシブルエレメント(44;52)は、前記第1の対のフレキシブルエレメント(44)の前記フレキシブルエレメントの中心に関して対称的になっており、前記第2および第4の対のフレキシブルエレメント(48;54)は、前記第2の対のフレキシブルエレメント(48)の前記フレキシブルエレメントの中心に関して対称的になっている、請求項14に記載のオシレーター。
【請求項16】
時計のためのメカニズムであって、前記メカニズムは、
- 請求項1から15のいずれか一項に記載のオシレーター(13)と、
- パレット(11)であって、前記パレット(11)は、エネルギー分配部材(10)と協働するように適合されており、エネルギー貯蔵デバイス(8)によって付勢されることを意図しており、前記パレット(11)は、前記オシレーター(13)によって制御され、規則的におよび交互に前記エネルギー分配部材(10)をロックおよび解放し、前記エネルギー分配部材(10)が、反復移動サイクルに従って、前記エネルギー貯蔵デバイス(8)の付勢の下で、1インクリメントずつ移動させられるようになっており、前記パレット(11)は、この反復移動サイクルの間に、機械的なエネルギーを前記オシレーター(13)に伝達するように適合されている、パレット(11)と
を含む、メカニズム。
【請求項17】
前記オシレーター(13)は、また、
- 振動のために前記フレームの上に弾性的に装着されている第2の振動部材であって、第1および第2の振動部材は、対称的な反対の移動を常に有するように相互接続されている、第2の振動部材と、
- バランシング部材であって、前記第2の振動部材によって制御され、対称的で前記パレット(11)に反対する移動に従って移動する、バランシング部材と
を含む、請求項16に記載の時計メカニズム。
【請求項18】
請求項16または17に記載のメカニズム(14)と前記エネルギー分配部材(10)とを含む時計ムーブメント(3)。
【請求項19】
請求項18に記載の時計ムーブメント(3)を含む時計(1)。
【請求項20】
請求項9と組み合わせた請求項1から15のいずれか一項に記載のオシレーターを作り出すための方法であって、前記方法は、
- フレキシブルブレードの生産と、
- 前記フレーム、前記リジッド本体部、前記第1のリジッドパーツ、および前記第2のリジッドパーツのうちの少なくとも1つを形成する層の重ね合わせと、
- 前記フレーム、前記リジッド本体部、前記第1のリジッドパーツ、および前記第2のリジッドパーツのうちの前記少なくとも1つへのフレキシブルブレードの固定と
を含む、方法。
【請求項21】
前記フレキシブルブレードは、層を重ね合わせることによって作製され、前記層のうちの少なくとも1つは、他の層に対して可撓性になっており、また、前記フレキシブルブレードは、前記ブレードのそれぞれが前記層の重ね合わせの延在平面とは別個の平面の中に主に延在するように、前記フレキシブルブレードを展開することによって作製される、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計メカニズムの調整器のためのオシレーター、メカニズム、また、そのようなオシレーターを含む時計のための、および、そのような時計メカニズムを含む時計のためのムーブメントに関する。別の態様によれば、本発明は、時計のためのオシレーターを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
時計のためのメカニズムが知られており、それは、
- 振動するようにサポートの上に弾性的に装着された少なくとも1つの第1の調整部材を含む調整器またはオシレーターと、
- エネルギー分配部材と協働するように適合されているパレットであって、エネルギー分配部材は、歯を提供されており、エネルギー貯蔵デバイスによって付勢されることを意図しており、パレットは、第1の調整部材によって制御され、規則的におよび交互にエネルギー分配部材をロックおよび解放し、エネルギー分配部材が、反復移動サイクルに従って、エネルギー貯蔵デバイスの付勢の下で、1インクリメントずつ移動させられるようになっている、パレットと
を含む。パレットは、この反復移動サイクルの間に機械的なエネルギーを調整器に伝達するように適合されている。調整器の振動部材は、一般的に、平坦なホイールの形態を有している。それは、従来では、中心シャフトの上に回転可能に装着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/197516A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、好ましくは、回転方向にバランスされていながら、既存の設計とは異なる設計を提示するオシレーターを提案することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のために、時計メカニズムを調整するためのオシレーターであって、オシレーターは、フレームと、リジッド本体部と、メカニズムとを含み、メカニズムは、リジッド本体部をフレームに接続するためのものであり、フレームに対するリジッド本体部の振動を可能にし、接続メカニズムは、少なくとも1つの第1のおよび1つの第2のリジッドパーツと、リングの角度セクターの形態の第1および第2のフレキシブルエレメントとを含み、第1および第2のフレキシブルエレメントは、主に別個の非平行の平面の中に延在しており、第1および第2のフレキシブルエレメントは、同心円状になっており、第1および第2のフレキシブルエレメントは、それぞれ、第1および第2のリジッドパーツを一緒に接続している、オシレーターが提案される。
【0006】
オシレーターは、単独でまたは組み合わせて、以下の特質のうちの1つまたは複数を提示することが可能である:
- 接続メカニズムは、少なくとも1つの第3のフレキシブルエレメントおよび少なくとも1つの第4のフレキシブルエレメントを含み、少なくとも1つの第3のフレキシブルエレメントおよび少なくとも1つの第4のフレキシブルエレメントは、それぞれ、第1および第2のフレキシブルエレメントの共通の中心に関して、第1および第2のフレキシブルエレメントと対称的になっている;
- 第1および第2のフレキシブルエレメントは同一である;
- 第1および第2のフレキシブルエレメントの共通の中心は、オシレーターの重心に対応している;
- 第1および第2のフレキシブルエレメントのうちの一方および/または他方は、10°から180°の間の、好ましくは、45°から135°の間の、より好ましくは、80°から100°の間の角度セクターに延在している;
- 第1および第2のフレキシブルエレメントは、複数の平面の中に延在しており、複数の平面は、それらの間に40°から120°の間の角度を形成している;
- 第1および第2のフレキシブルエレメントは、一定の厚さを有している;
- 第1および/または第2のフレキシブルエレメントの平均半径は、0.2mmから2mmの間にある;
- 1つまたは複数の第1および/または第2のフレキシブルエレメントは、フレキシブルブレードである;
- 第1および/または第2のフレキシブルエレメントは、複数のリジッドパーツによって形成されており、好ましくは、実質的に平面的になっており、フレキシブルパーツによって対になって一緒に接合されている;
- 第1および/または第2のフレキシブルエレメント、ならびに、第1のリジッドパーツおよび第2のリジッドパーツのうちの少なくとも1つは、平面的な層を重ね合わせるための、および、そのように取得された多層構造体を展開するための方法を実装することによって作製される;
- オシレーターは、4Hz以上の、好ましくは、5Hz以上の、および/または、500Hz以下の、好ましくは、50Hz以下の、より好ましくは、15Hz以下の周波数において振動するように設計されている;
- 第1のリジッドパーツは、フレームであり、第2のリジッドパーツは、リジッド本体部である;
- 接続メカニズムは、2つの第1の対のフレキシブルエレメントおよび2つの第2の対のフレキシブルエレメントを含み、第1の対のフレキシブルエレメントのそれぞれのフレキシブルエレメントのそれぞれは、フレームを第1のそれぞれの中間リジッドパーツに接続しており、第2の対のフレキシブルエレメントのそれぞれのフレキシブルエレメントのそれぞれは、第1のそれぞれの中間リジッドパーツをリジッド本体部に接続しており、第1および第2の対のフレキシブルエレメントのエレメントは、リングの角度セクターの形態になっており、第1および第2の対のフレキシブルエレメントのフレキシブルエレメントは、別個の非平行の平面の中に対になって延在しており、第1および第2の対のフレキシブルエレメントのフレキシブルエレメントは、同心円状になっている;
- 接続メカニズムは、また、2つの第3の対のフレキシブルエレメントおよび2つの第4の対のフレキシブルエレメントを含み、第3の対のフレキシブルエレメントのそれぞれのフレキシブルエレメントのそれぞれは、フレームを第2のそれぞれの中間リジッドパーツに接続しており、第4の対のフレキシブルエレメントのそれぞれのフレキシブルエレメントのそれぞれは、第2のそれぞれの中間リジッドパーツのうちの1つをリジッド本体部に接続しており、第1および第3の対のフレキシブルエレメントは、第1の対のフレキシブルエレメントのフレキシブルエレメントの中心に関して対称的になっており、第2および第4の対のフレキシブルエレメントは、第2の対のフレキシブルエレメントのフレキシブルエレメントの中心に関して対称的になっている。
【0007】
別の態様によれば、時計のためのメカニズムであって、メカニズムは、
- すべてのその組み合わせで上記に説明されているようなオシレーターと、
- パレットであって、パレットは、エネルギー分配部材と協働するように適合されており、エネルギー貯蔵デバイスによって付勢されることを意図しており、前記パレットは、オシレーターによって制御され、規則的におよび交互にエネルギー分配部材をロックおよび解放し、前記エネルギー分配部材が、反復移動サイクルに従って、エネルギー貯蔵デバイスの付勢の下で、1インクリメントずつ移動させられるようになっており、前記パレットは、この反復移動サイクルの間に、機械的なエネルギーをオシレーターに伝達するように適合されている、パレットと
を含む、メカニズムが提案される。
【0008】
また、オシレーターは、
- 振動のためにフレームの上に弾性的に装着されている第2の振動部材であって、第1および第2の振動部材は、対称的な反対の移動を常に有するように相互接続されている、第2の振動部材と、
- バランシング部材であって、バランシング部材は、第2の振動部材によって制御され、対称的でパレットに反対する移動に従って移動する、バランシング部材と
を含むことが可能である。
【0009】
別の態様によれば、すべてのその組み合わせで上記に説明されているようなメカニズムと前記エネルギー分配部材とを含む時計ムーブメントが提案される。
【0010】
別の態様によれば、すべてのその組み合わせで上記に説明されているような時計ムーブメントを含む時計が提案される。
【0011】
さらに別の態様によれば、すべてのその組み合わせで上記に説明されているようなオシレーターを作り出すための方法であって、方法は、
- フレキシブルブレードの生産と、
- フレーム、リジッド本体部、第1のリジッドパーツ、および第2のリジッドパーツのうちの少なくとも1つを形成する層の重ね合わせと、
- フレーム、リジッド本体部、第1のリジッドパーツ、および第2のリジッドパーツのうちの少なくとも1つへのフレキシブルブレードの固定と
を含む、方法が提案される。
【0012】
フレキシブルブレードは、層を重ね合わせることによって作り出され、層のうちの少なくとも1つは、他の層に対して可撓性になっており、また、フレキシブルブレードは、ブレードのそれぞれが層の重ね合わせの延在平面とは別個の平面の中に主に延在するように、フレキシブルブレードを展開することによって作り出される。
【0013】
本発明の他の特質、詳細、および利点は、下記の詳細な説明を読むと、および、添付の図面を分析すると、明らかになることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】時計のためのメカニズムを含む時計の概略図である。
図2図1からの時計のムーブメントのブロック図である。
図3】レスト時における、図2のムーブメントの中に実装され得るオシレーターの第1の例の斜視図である。
図4】第1の振動位置におけるオシレーターの第1の例の斜視図である
図5】第2の振動位置におけるオシレーターの第1の例の斜視図である。
図6】オシレーターの第1の例を作製するための例示的な方法のステップを図示する図である。
図7】オシレーターの第2の例を概略的に表す図である。
図8】オシレーターの第3の例の斜視図である。
図9】第1の振動位置におけるオシレーターの第3の例の上面図である。
図10】第1の振動位置におけるオシレーターの第3の例の側面図である。
図11】第2の振動位置におけるオシレーターの第3の例の上面図である。
図12】第2の振動位置におけるオシレーターの第3の例の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
異なる図において、同じ参照符号は、同一のまたは同様のエレメントを指定している。
【0016】
図1は、ウォッチなどの時計1を表しており、時計1は、
- ケース2と、
- ケース2の中に含有されている時計ムーブメント3と、
- 一般的に、巻き上げメカニズム4と、
- ダイアル5と、
- ダイアル5をカバーするクリスタル6と、
- 時間インジケーター7であって、時間インジケーター7は、たとえば、それぞれ時間および分に関する2つの針7a、7bを含み、クリスタル6とダイアル5との間に設置され、時計ムーブメント3によって作動させられる、時間インジケーター7と
を含む。
【0017】
図2に概略的に表されているように、時計ムーブメント3は、たとえば、
- 機械的なエネルギーを貯蔵するためのデバイス8(一般的に、バレルスプリング)と、
- 機械的なエネルギーを貯蔵するためにデバイス8によって駆動される機械式トランスミッション9と、
- 上述の時間インジケーター7と、
- エネルギー分配部材10(たとえば、エスケープホイール)と、
- エネルギー分配部材10をシーケンシャルに保持および解放するように適合されているパレット11と、
- 調整器12であって、調整器12は、振動する慣性調整部材(または、オシレーター)13を含むメカニズムであり、それを規則的に移動させるようにパレット11を制御し、エネルギー分配部材10が一定の時間間隔において1インクリメントずつ移動させられるようになっている、調整器12と
を含むことが可能である。
【0018】
パレット11および調整器12は、メカニズム14を形成している。
【0019】
連結解除部材15が、パレットと調整器との間に間置され得、したがって、それは、メカニズム14の一部である。
【0020】
エネルギー分配部材10は、エスケープホイールであることが可能であり、エスケープホイールは、たとえば、サポートベースの上に回転可能に装着され、メカニズム14の正中面XYに対して垂直の回転軸線の周りに回ることができるようになっている。エネルギー分配部材10は、単一の回転方向にエネルギー貯蔵デバイス8によって付勢されている。
【0021】
調整器12は、オシレーター13を含むことが可能であり、その第1の例は、図3から図5に図示されている。
【0022】
これらの図に見られるように、オシレーター13は、固定フレーム16と、リジッド振動本体部18と、フレーム16をリジッド本体部18に接続するためのメカニズム20とを本質的に含み、フレームに対するリジッド本体部18の振動を可能にする。図示されている例によれば、固定フレーム16は、実質的にオシレーター13の中心に位置しており、一方では、リジッド振動本体部18は、周辺にあるということが留意されるべきである。しかし、反対の構成も可能であり、そこでは、固定化されたリジッド本体部18が、周辺フレームになり、そこでは、中心「フレーム」16が、接続メカニズム20に起因して振動する。
【0023】
より具体的には、ここで、固定フレーム16は、中心パーツ22を含み、このケースでは、実質的に直方体の形状を有している。2つの同一の第1のアーム24が、この中心パーツ22から延在している。ここで、第1のアーム24は、オシレーター13の中心に関して対称的になっている。このケースでは、第1のアーム24は、中心パーツ22の長さの方向Xに沿って延在している。また、フレーム16は、2つの同一の第2のアーム26を含む。ここで、第2のアーム26は、オシレーター13の中心に関して対称的になっている。第2のアーム26は、実質的にフレーム16の中心パーツ22の高さの方向Zに沿って延在している。したがって、第2のアーム26は、第1のアーム24の延在方向Xに垂直な方向Zに沿って延在している。第2のアーム26は、第1のアーム24よりも実質的に長くなっていることが可能であり、オシレーター13の振動を可能にしながら、時計1のケース2の中でのオシレーター13のフレーム16の固定を可能にする。
【0024】
また、オシレーター13は、リジッド本体部18を含む。ここで、リジッド本体部18は、円形パーツ28を含む。2対のアーム30、32が、リジッド本体部18の円形パーツ28から半径方向内向きに延在している。第1の対のアーム30の2つのアーム30は、実質的に同一であり、オシレーター13の重心に関して対称的になっており、重心は、ここでは、オシレーターの幾何学的中心に対応している。加えて、第2の対のアーム32の2つのアーム32は、実質的に同一であり、オシレーター13の重心に関して対称的になっている。ここで、第1および第2のアーム30、32は、フレーム16まで延在しておらず、フレーム16とリジッド本体部18との間にクリアランスを残すようになっているということが留意されるべきである。
【0025】
フレーム16のそれぞれの第1のアーム24は、第1のフレキシブルブレード34によってリジッド本体部18の第1のアーム30に接続されている。加えて、フレーム16のそれぞれの第2のアーム26は、第2のフレキシブルブレード36によってリジッド本体部18の第2のアーム32に接続されている。ここで、第1および第2のフレキシブルブレード34、36は同一である。ここで、第1および第2のフレキシブルブレード34、36は、角度リングセクターの形状を有することが可能である。このケースでは、第1および第2のフレキシブルブレード34、36は、4分の1のリングの形状を有している。フレキシブルブレード34、36は、実質的に一定の厚さを表すことが可能である。しかし、変形例として、第1および第2のフレキシブルブレード34、36は、オシレーター13の中心に向けて半径方向に、より低い厚さを有することが可能である。たとえば、第1および第2のフレキシブルブレード34、36は、実質的に台形の断面を有しており、断面の2つの辺が、オシレーター13の中心に対して実質的にセカント(secant)になるようになっている。
【0026】
第1および第2のフレキシブルブレード34、36は、同心円状になっており、ここで、中心は、オシレーター13の中心に対応している。
【0027】
ここで、第1および第2のフレキシブルブレード34、36は、フレーム16とリジッド本体部18との間に接続メカニズム20を形成しており、それは、フレーム16に対するリジッド本体部18の振動を可能にする。ここで、単一の第1のフレキシブルブレード34および単一の第2のフレキシブルブレード36を含む接続メカニズム20は、フレーム16に対するリジッド本体部18の振動をすでに可能にするということが留意されるべきである。しかし、2つの第1のフレキシブルブレード34(オシレーター13の中心に関して対称的になっている)および2つの第2のフレキシブルブレード36(それらも、オシレーター13の中心に関して対称的になっている)の実装は、オシレーター13がより良好にバランスされることを可能にする。
【0028】
また、ここで、第1および第2のフレキシブルブレード34、36のそれぞれが、ワンピースになっているということが留意されるべきである。第1および第2のフレキシブルブレードは、フレーム16およびリジッド本体部18と同じ材料で作製され得る。フレキシブルブレードは、ブレードに対して満足のいくフレキシビリティーを保証するアスペクト比および細長比を提示する。ここで、アスペクト比は、フレキシブルブレードの幅と厚さとの間の比を指すように理解される。ここで、細長比は、フレキシブルブレードの長さと厚さとの間の比を指すように理解される。ここで、フレキシブルブレードの長さは、フレキシブルブレードの中立繊維(neutral fiber)の長さとして定義される。フレキシブルブレードがリングセクターであるこの例では、フレキシブルブレードの幅は、フレキシブルブレードの外部半径と内部半径との間の差として定義される。フレキシブルブレードの厚さは、フレキシブルブレードの第3の寸法であることが理解されるべきである。典型的に、ブレードの厚さは、このブレードの長さおよび幅よりもはるかに小さい。とりわけ、ブレードの厚さは、ブレードの長さおよび/または幅よりも10倍小さいかまたは100倍も小さい。
【0029】
第1および第2のフレキシブルブレード34、36は、フレーム16および/またはリジッド本体部18とワンピースになっていることが可能である。このケースでは、以前に示されているように、フレーム16およびリジッド本体部18に対するフレキシブルブレード34、36のフレキシビリティーは、とりわけ、アスペクト比がフレーム16および/またはリジッド本体部18のアスペクト比よりも小さいフレキシブルブレード34、36を作り出すことによって取得され得る。とりわけ、フレキシブルブレード34、36のアスペクト比は、フレーム16および/またはリジッド本体部18のアスペクト比よりも10倍小さく、好ましくは、100倍小さい。他の実施形態において、第1および第2のフレキシブルブレードは、フレーム16およびリジッド本体部18を形成する材料とは異なる材料で作製され得る。
【0030】
しかし、他のフレキシブルエレメントが、フレキシブルブレード34、36の代わりに実装され得る。たとえば、フレキシブルエレメントは、フレキシブルパーツまたはフレキシブルブレード(すなわち、リジッドパーツよりも可撓性である)を通して対になって接続されているリジッドパーツを組み合わせることによって作製され得る。リジッドパーツおよびフレキシブルパーツは、ワンピースになっていることが可能であり、または、互いに接続され得る。
【0031】
図示されている例では、フレキシブルブレード34、36は、4分の1のリングを実質的に形成している。しかし、より一般的には、フレキシブルブレード34、36は、10°よりも大きい、好ましくは、45°よりも大きい、より好ましくは、80°よりも大きい、および/または、180°よりも小さい、好ましくは、135°よりも小さい、より好ましくは、100°よりも小さい中心角度に対応する角度セクターにわたって延在することが可能である。一般的に、フレキシブルブレード34、36の中心における角度が広くなるほど、これらのフレキシブルブレード34、36が崩壊するリスクが高くなる。逆に、中心における角度が小さくなるほど、フレキシブルブレード34、36は先験的に可撓性でなくなる。
【0032】
また、フレキシブルブレード34、36の平均半径は、有利には、0.2mmから2mmの間にあることが可能である。ここで、平均半径は、内側半径および外側半径の算術平均を指すように理解される。
【0033】
代替的にまたは加えて、それぞれのフレキシブルブレード34、36の内側半径と外側半径との間の比は、1/10以上、好ましくは、4/10以上、および/または、9/10以下、好ましくは、8/10以下であることが可能である。
【0034】
図3において見られるように、レスト時において、オシレーター13は固定されており、第1のフレキシブルブレード34は、第1の平面の中に延在しており、第2のフレキシブルブレード36は、第2の平面の中に延在しており、第1および第2の平面が分離しているようになっている。また、第1および第2の平面は、平行になっていない。このケースでは、第1および第2の平面は、実質的に垂直になっている。変形例において、フレキシブルブレード34、36は、また、複数の平面の中に延在することが可能であり、複数の平面は、それらの間に40°から120°の間の角度を形成している。
【0035】
図4および図5は、オシレーター13の2つの位置を図示している。このケースでは、フレーム16に対するリジッド本体部18の振動は、比較的に複雑であり、それは、瞬間的な可動性の回転軸線の周りの回転に実質的に対応しており、瞬間的な可動性の回転軸線は、常に、オシレーター13の中心を通り過ぎている。
【0036】
図3から図5のオシレーター13は、有利には、「ポップアップ」タイプの方法を実装することによって、全体的にまたは部分的に作製され得、その例は、特許文献1に説明されている。とりわけ、フレキシブルブレード34、36は、そのような方法を実装することによって作製され得る。ここで、「ポップアップ」タイプ方法は、材料の層(または、シート)の重ね合わせ、必要に応じて事前カット、および、そのように取得された多層構造体の展開を含む、製造方法を指すように理解される。そのような方法は、展開に続いて、オシレーターの正中面に対して非平行の別個の平面の中に延在する、最適なアスペクト比を有するフレキシブルブレードを取得することを可能にする。
【0037】
とりわけ、図6は、そのような方法のステップを図示しており、その間に、第1および第2のフレキシブルブレード34、36が作製され、それらは、それらがその後にフレーム16およびリジッド本体部18と容易に組み立てられることができるように位置決めされる。
【0038】
したがって、図6は、7つの別個の層52、54、56、58、60、62、64のアッセンブリ50を表しており、その中でも、以下の通りである。
- 第1の層52は、第1の材料でできており、好ましくは、リジッドである;
- 第2の層54は、グルーまたは接着剤材料の層であり、第3の層56への第1の層52の固定を保証する;
- 第3の層56は、可撓性材料でできている。とりわけ、可撓性材料は、ポリマーフィルム、たとえば、ポリイミドであることが可能である。例として、可撓性材料は、Kapton(登録商標)であることが可能である;
- 第4の層58は、グルーまたは接着剤材料の層であり、第5の層60への第3の層56の固定を保証する;
- 第5の層60は、第2の材料でできており、好ましくは、リジッドであり、それは、有利には、第1の材料と同じであることが可能である;
- 第6の層62であり、それは、グルーまたは接着剤材料の層であり、第7の層64への第5の層60の固定を保証する;
- 第7の層64であり、それは、第1の材料および第2の材料とは異なる材料でできていることが可能であり、または、それは、第1の材料および第2の材料のなかの1つであることが可能である。この第7の層64は、代替的にまたは加えて、とりわけ、すべてのこれらの層52、60、64が同じ材料でできているケースでは、第1および第5の層52、60よりも薄くなっていることが可能である。フレキシブルブレード34、36は、この第7の層64の中に形成されている。
【0039】
第1および第3の層52、56は、犠牲構造体が作製されることを可能にし、それは、第3の層56によって保証されるフレキシブル接続を含むことが可能である。これを行うために、さまざまなカットが、層52~64の中に作製されており、とりわけ、初期の折り目および/または初期の切れ目を生成させるようになっている。第7の層64の中に作製されたカットは、フレキシブルブレード34、36が画定されることを可能にする。
【0040】
犠牲構造体は、アッセンブリ50の展開を促進させる1つまたは複数の「装着用スカッフォールド(mounting scaffold)」を形成する。犠牲構造体は、多層アッセンブリ50の展開に必要なさまざまなムーブメントが接続されることを可能にすることができる。
【0041】
ここで、アッセンブリを展開することによって、以前に説明されている接続メカニズム20を作製するために必要なさまざまなフレキシブルブレード34、36が位置決めされ得る。
【0042】
実施形態によれば、フレームおよび/または振動本体部は、フレキシブルブレード34、36とは別個に作製されており、それらは、これらのフレキシブルブレード34、36の展開の後に、フレキシブルブレード34、36に組み立てられる。次いで、フレームおよび/またはリジッド本体部は、また、別個または同時のいずれかで、「ポップアップ」タイプの方法を実装することによって作製され得る。
【0043】
変形例によれば、フレームおよび/または振動本体部は、フレキシブルブレードと同時に作製される。このケースでは、フレームおよび/または振動本体部は、フレキシブルブレード34、36が(場合によっては別個に)形成されている層とは分離している層の上に作製され得る。
【0044】
フレーム16および/または振動本体部18は、とりわけ、タングステン、モリブデン、金、銀、タンタル、プラチナ、これらの元素を含有する合金、10を超える密度の粒子(とりわけ、タングステン、スチール、銅合金、とりわけ、黄銅の粒子)を装填されたポリマー材料のうちの1つでできていることが可能である。これらの材料は、実際に重い。実装され得る他の材料も、当業者に利用しやすい。
【0045】
また、フレーム16および/または振動本体部18は、シリコン、ガラス、サファイヤ、またはアルミナ、ダイヤモンド、とりわけ、合成ダイヤモンド、とりわけ、化学蒸気相堆積プロセスによって取得される合成ダイヤモンド、チタン、チタン合金、とりわけ、Gum metal(登録商標)ファミリーの合金、および、Elinvarファミリーの合金、とりわけ、Elinvar(登録商標)、Nivarox(登録商標)、Thermelast(登録商標)、NI-Span-C(登録商標)、およびPrecision C(登録商標)のなかから選ばれる材料でできていることが可能である。
【0046】
実際に、これらの材料は、それらのヤング率が温度変化に非常に鈍感であるという利点を提示する。これは、とりわけ、時計の分野において有利であり、温度変化の場合でも、オシレーター13がその精密度を維持するようになっている。
【0047】
Gum metal(登録商標)は、23%ニオブ;0.7%タンタル;2%ジルコニウム;1%酸素;随意的にバナジウム;および随意的にハフニウムを含む材料である。
【0048】
Elinvar合金は、温度に非常に鈍感なニッケルおよびクロムを含むニッケル-スチール合金である。とりわけ、Elinvar(登録商標)は、59%鉄、36%ニッケル、および5%クロムを含むニッケル-スチール合金である。
【0049】
NI-Span-C(登録商標)は、41.0%から43.5%の間のニッケルおよびコバルト;4.9%から5.75%の間のクロム;2.20%から2.75%の間のチタン;0.30%から0.80%の間のアルミニウム;0.06%以下の炭素;0.80%以下のマンガン;1%以下のシリコン;0.04%以下の硫黄;0.04%以下のリン;および、100%に到達するために必要とされる補足の鉄を含む。
【0050】
Precision C(登録商標)は、42%ニッケル;5.3%クロム;2.4%チタン;0.55%アルミニウム;0.50%シリコン;0.40%マンガン;0.02%炭素;および、100%に到達するために必要とされる補足の鉄を含む。
【0051】
Nivarox(登録商標)は、30%から40%の間のニッケル;0.7%から1.0%の間のベリリウム;6%から9%の間のモリブデン、および/または8%クロム;随意的に、1%チタン;0.7%から0.8%の間のマンガン;0.1%から0.2%の間のシリコン;炭素(最大で0.2%);および補足の鉄を含む。
【0052】
Thermelast(登録商標)は、42.5%ニッケル;1%未満のシリコン;5.3%クロム;1%未満のアルミニウム;1%未満のマンガン;2.5%チタン;および48%鉄を含む。
【0053】
上記のすべての組成は、重量パーセンテージで示されている。
【0054】
フレキシブルブレード34、36は、たとえば、スチールでできている。
【0055】
図7は、主な自由度を提示するオシレーター113の例を図示している。より具体的には、図7のオシレーター113において、リジッド本体部118は、矢印F1、F2によって図示されている並進往復移動に従って、フレームに対して主に振動する。このリジッド本体部118移動を取得するために、リジッド本体部118は、接続メカニズム120を通してフレーム116に接続されており、それは、以下を含む。
- 2つの同一の中間リジッド本体部138;
- 2つの中間リジッド本体部138のそれぞれとフレーム116との間の2つの第1のフレキシブルブレード140;
- 2つの中間リジッド本体部138のそれぞれと振動リジッド本体部118との間の2つの第2のフレキシブルブレード142。このケースでは、第1および第2のフレキシブルブレード140、142は、同一である。ここで、オシレーター113の第1および第2のフレキシブルブレード140、142は、レスト時において直線的になっており、互いに平行の、および、主平面(すなわち、図7からの平面)に対して垂直の平面の中に延在しているということが留意されるべきである。
【0056】
図8から図12は、オシレーター13の第3の例を図示している。この第3の例では、第3の例からのエレメントと同一のまたは同一の機能のエレメントは、同じ数字参照記号を有している。
【0057】
図8から図12のオシレーター13は、主平面に対して垂直の軸線が収束するようにオシレーター13を変換することによって、図7からのオシレーター113から推定され得る。この変換によって、主平面は、球面になり、収束した軸線は、この球面の中心を通り過ぎている。したがって、オシレーター113のフレキシブルブレード140、142は、とりわけ、別個の非平行の平面の中に延在するリングの一部分であるフレキシブルブレード(または、より一般的には、フレキシブルエレメント)と交換され、図8から図12からのオシレーター13のフレキシブルブレードは、また、同心円状になるように配置されている。結果として、8つのそのようなフレキシブルブレードを備えたそのようなオシレーター13は、すでにリジッド本体部を提示しており、それは、回転方向に振動する。しかし、図8からのオシレーターは、8つの追加的なフレキシブルブレードを含み、それは、オシレーター13の中心に関して、上述の8つのブレードと対称的になっている。これらの追加的なフレキシブルブレードは、オシレーター13がより良好にバランスされることを可能にする。
【0058】
加えて、上記の動作を実施することによって、振動本体部は、オシレーター13の中心に見出され、フレームは、周辺に見出される。しかし、第1のオシレーターの例に関してすでに示されているように、実際には、中心パーツがフレームになり、周辺におけるパーツが、このフレームに対して振動することができるように中心パーツをロックするだけで十分である。
【0059】
したがって、図8から図12からのオシレーター13は、より具体的には、接続メカニズム20によって振動リジッド本体部18に接続されているフレーム16を含み、リジッド本体部18がフレーム16に対して振動することを可能にする。ここで、リジッド本体部18は、オシレーター13の中心固定軸線Aの周りに回転方向に振動する。例において、フレーム16の中心パーツ22は、ディスクの形状を有しており、2つの第1のアーム24(それは、ここでは、リングの角度セクターの形状を実質的に有している)がそこから延在している。第1の例と同様に、これらの2つの第1のアーム24は同一であり、オシレーター13の中心に関して対称的になっている。
【0060】
また、オシレーター13は、リジッド本体部18を含み、リジッド本体部18は、このケースでは、フレーム16に対して半径方向外向きに位置付けされている。図示されている例では、リジッド本体部18は、円形パーツ28を含み、円形パーツ28は、このケースでは、2つの横方向の強化体38を備えており、2つの歯40、42が、2つの横方向の強化体38の中で、実質的にオルトラジアル(orthoradial)方向に沿って延在している。第1の歯40が、第2の歯42よりも半径方向にオシレーター13の中心の近くに位置している。2つの横方向の強化体38を備えたリジッド本体部18のこの形状は、リジッド本体部のより良好なバランシングを可能にする。しかし、実際には、2つの歯40、42を備えた単一の横方向の強化体38は、オシレーターを実装し、それをエスケープメント(とりわけ、Grahamタイプのエスケープメント)に関連付けるのに十分であり得る。第2の強化体38が、リジッド本体部18をバランスさせるために提供され得、この第2の強化体38は、歯40、42を提供されていなくてもよい。
【0061】
図示されている例では、リジッド本体部18は、2つの第1の同一のアーム30を含み、2つの第1の同一のアーム30は、このケースでは、オシレーター13の中心に関して対称的になっている。リジッド本体部18の2つの第1のアーム30は、ここでは、実質的に角度リングセクターの形状を有している。
【0062】
ここで、フレーム16は、下記に説明されている接続メカニズム20によってリジッド本体部18に接続されており、実質的に共通の延在平面に垂直な軸線Aの周りの回転によって、リジッド本体部18がフレーム16に対して振動することを可能にする。
【0063】
図8から図12に図示されている例では、接続メカニズム20は、2つの第1の対のフレキシブルブレード44を含み、それぞれの第1の対のフレキシブルブレード44は、フレーム16のアーム24を第1のリジッドのそれぞれの中間パーツ46に接続している。2つの第1の中間パーツ46は、実質的に同一である。ここで、2つの第1の中間パーツ46は、切頭円錐形の角度セクターの形状を有している。しかし、第1の中間パーツ46は、多くの他の形状をとることが可能である(とりわけ、2次曲面の他の部分)。有利には、2つの第1の中間パーツ46は、フレーム16のアーム24に対して、および、リジッド本体部18のアーム30に対して垂直に延在している。加えて、それぞれの第1の中間パーツ46は、第2の対のフレキシブルブレード48によって、リジッド本体部18のアーム30のうちの1つに接続されている。したがって、それぞれの中間パーツ46は、1つの第1の対のフレキシブルブレード44を第2の対のフレキシブルブレード48に接続する機能を本質的に有している。
【0064】
オシレーター13がレスト時にあるとき、第1の対のフレキシブルブレード44のフレキシブルブレード44がそれに沿って延在する平面同士の間の角度偏差は、第2の対のフレキシブルブレード48のフレキシブルブレード48がそれに沿って延在する平面同士の間の角度偏差に実質的に同一である。より一般的には、フレキシブルブレード44、48は、垂直方向(図示されている例の中のフレームおよびリジッド本体部の延在平面に垂直)に対して傾斜されている平面に沿って延在することが可能である。第1および第2の対のフレキシブルブレードのフレキシブルブレード44、48は、(とりわけ、それらの形状に関して)上記に説明されている第1の例のフレキシブルブレードと実質的に同一である。
【0065】
加えて、オシレーター13のより良好なバランシングを保証するために、接続メカニズム20は、オシレーター13の中心に関して実質的に対称的になっている。したがって、フレーム16のそれぞれのアーム20は、第3の対のフレキシブルブレード52によって、第2のそれぞれの中間パーツ50(オシレーター13の中心に関して第1の中間パーツの鏡像である)に接続されている。2つの第2の中間パーツ50のそれぞれは、第1の中間パーツ46と実質的に同一であり、それらは、オシレーター13の中心に関してそれらと対称的になっている。第3の対のフレキシブルブレード52のうちのフレキシブルブレード52のそれぞれは、オシレーター13の中心に関して、第1の対のフレキシブルブレード44のうちのフレキシブルブレード44と対称的になっている。
【0066】
最後に、第2の中間パーツ50のそれぞれは、第4の対のフレキシブルブレード54によって、リジッド本体部18のそれぞれのアーム30に接続されている。第4の対のフレキシブルブレード54のうちのフレキシブルブレード54のそれぞれは、オシレーター13の中心に関して、第2の対のフレキシブルブレードのうちのフレキシブルブレード48と対称的になっている。
【0067】
したがって、接続メカニズム20において、第1の、第2の、第3の、および第4のフレキシブルブレード44、48、52、54は、同心円状になっており、それらの中心は、オシレーター13の中心に対応している。
【0068】
また、この第2の例では、第1および第3のフレキシブルブレード44、52の対のそれぞれは、第1にフレーム16に接続されており、第2にリジッドの中間パーツ46、50に接続されている。
【0069】
このケースでは、第1の、第2の、第3の、および第4のフレキシブルブレード44、48、52、54は、オシレーター13の重心に関して対称的になっている。また、図示されている例では、第1の、第2の、第3の、および第4のフレキシブルブレード44、48、52、54は、リジッド本体部24の延在平面に関して対称的になっている。
【0070】
この第2の例は、図10および図12に図示されているように、リジッド本体部18がその延在平面の中で実質的に振動するという利点を提示する。より具体的には、リジッド本体部18は、フレーム16に対して回転方向に振動する。したがって、第2のオシレーター13の例は、とりわけ、従来のGrahamタイプのエスケープメントと協働するように実装され得る。
【0071】
有利には、以前に説明されている2つのオシレーター13は、4Hz以上の、好ましくは、5Hz以上の、および/または、500Hz以下の、好ましくは、50Hz以下の、さらにより好ましくは、15Hz以下の周波数において振動するように形状決めされている。
【0072】
第1のオシレーター13の例と同様に、図8から図12に図示されている第2のオシレーター13の例は、有利には、全体的にまたは部分的に、「ポップアップ」タイプの方法によって作製され得る。
【0073】
有利には、そのような方法は、低減された寸法を有する、および、さまざまなオシレーターエレメントの互いに対する高い位置決め精度を有する、オシレーター(とりわけ、オシレーターブレード)を作り出すことを可能にする。
【0074】
本発明は、単なる例として上記に説明されている例に限定されるのではなく、本発明は、求められる保護の文脈において当業者が想定することができるすべての変形例を包含する。
【0075】
とりわけ、説明されている例では、一方のパーツは、フレームとして説明され、他方のパーツ(リジッド本体部)は、振動するものとして説明されてきた。しかし、これらの例では、フレームとしてリジッド本体部を確立することが可能であり、他方のパーツ(以前の例ではフレームとして提示されている)は、振動リジッド本体部になるということが留意されるべきである。
【0076】
また、説明されている例では、フレキシブルブレードが実装されている。しかし、第1の例の説明において述べられているように、フレキシブルエレメントは、より一般的には、接続メカニズム20の中に実装され得る。
【0077】
例に説明されているフレーム16、リジッド本体部18、および中間パーツ46、50の幾何学形状は、決して限定するものではない。当業者に利用しやすい多くの他の実施形態が実装され得る。
【符号の説明】
【0078】
1 時計
2 ケース
3 時計ムーブメント
4 巻き上げメカニズム
5 ダイアル
6 クリスタル
7 時間インジケーター
7a、7b 針
8 デバイス
9 トランスミッション
10 エネルギー分配部材
11 パレット
12 調整器
13 オシレーター
14 メカニズム
15 連結解除部材
16 フレーム
18 リジッド本体部
20 接続メカニズム
22 中心パーツ
24 第1のアーム
26 第2のアーム
28 円形パーツ
30 第1のアーム
32 第2のアーム
34 第1のフレキシブルブレード
36 第2のフレキシブルブレード
38 横方向の強化体
40 第1の歯
42 第2の歯
44 第1の対のフレキシブルブレード
46 中間パーツ
48 第2の対のフレキシブルブレード
50 第2の中間パーツ
52 第1の層、第3の対のフレキシブルブレード
54 第2の層、第4の対のフレキシブルブレード
56 第3の層
58 第4の層
60 第5の層
62 第6の層
64 第7の層
113 オシレーター
116 フレーム
118 リジッド本体部
120 接続メカニズム
138 中間リジッド本体部
140 第1のフレキシブルブレード
142 第2のフレキシブルブレード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2021-12-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計(1)メカニズム(14)の調整器(12)のためのオシレーター(13)であって、前記オシレーター(13)は、フレーム(16)と、リジッド本体部(18)と、メカニズム(20)とを含み、前記メカニズム(20)は、前記リジッド本体部(18)を前記フレーム(16)に接続するためのものであり、前記フレーム(16)に対する前記リジッド本体部(18)の振動を可能にし、前記接続メカニズム(20)は、少なくとも1つの第1のリジッドパーツ(16、18;46)および1つの第2のリジッドパーツ(16、18;46)と、リングの角度セクターの形態の第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36;44;48)とを含み、前記第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36;44;48)は、主に別個の非平行の平面の中に延在しており、前記第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36;44;48)は、同心円状になっており、前記第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36;44;48)は、それぞれ、前記第1および第2のリジッドパーツ(16、18;46)を一緒に接続している、オシレーター(13)。
【請求項2】
前記接続メカニズム(20)は、少なくとも1つの第3のフレキシブルエレメントおよび少なくとも1つの第4のフレキシブルエレメント(34、36;52;54)を含み、前記少なくとも1つの第3のフレキシブルエレメントおよび少なくとも1つの第4のフレキシブルエレメント(34、36;52;54)は、それぞれ、前記第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36;44;48)の共通の中心に関して、前記第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36;44;48)と対称的になっている、請求項1に記載のオシレーター。
【請求項3】
前記第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36;44;48)は同一である、請求項1または2に記載のオシレーター。
【請求項4】
前記第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36;44;48)の前記共通の中心は、前記オシレーター(13)の重心に対応している、請求項2および3に記載のオシレーター。
【請求項5】
前記第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36;44;48)のうちの少なくとも1つは、10°から180°の間角度セクターにわたって延在している、請求項1から4のいずれか一項に記載のオシレーター。
【請求項6】
前記第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36;44;48)は、複数の平面の中に延在しており、前記複数の平面は、それらの間に40°から120°の間の角度を形成している、請求項1から5のいずれか一項に記載のオシレーター。
【請求項7】
前記第1および第2のフレキシブルエレメントは、一定の厚さを有している、請求項1から6のいずれか一項に記載のオシレーター。
【請求項8】
前記第1および前記第2のフレキシブルエレメントのうちの少なくとも1つの平均半径は、0.2mmから2mmの間にある、請求項1から7のいずれか一項に記載のオシレーター。
【請求項9】
前記第1および前記第2のフレキシブルエレメント(34;36;44;48)のうちの少なくとも1つは、フレキシブルブレードである、請求項1から8のいずれか一項に記載のオシレーター。
【請求項10】
前記第1および第2のフレキシブルエレメント(34、36;44;48)のうちの少なくとも1つは、複数のリジッドパーツから形成されておりフレキシブルパーツによって対になって一緒に接合されている、請求項1から8のいずれか一項に記載のオシレーター。
【請求項11】
前記第1および前記第2のフレキシブルエレメント(34、36;44;48)のうちの少なくとも1つ、ならびに、前記第1のリジッドパーツおよび前記第2のリジッドパーツ(16、18;46)のうちの前記少なくとも1つは、平面的な層を重ね合わせるための、および、そのように取得された多層構造体を展開するための方法を実装することによって作製される、請求項1から10のいずれか一項に記載のオシレーター。
【請求項12】
前記オシレーターは、4Hz以上の、および、500Hz以下周波数において振動するように設計されている、請求項1から11のいずれか一項に記載のオシレーター。
【請求項13】
前記第1のリジッドパーツは、前記フレーム(16)であり、前記第2のリジッドパーツは、前記リジッド本体部(18)である、請求項1から12のいずれか一項に記載のオシレーター。
【請求項14】
前記接続メカニズム(20)は、2つの第1の対のフレキシブルエレメント(44)および2つの第2の対のフレキシブルエレメント(48)を含み、前記第1の対のフレキシブルエレメント(44)のそれぞれの前記フレキシブルエレメント(44)のそれぞれは、前記フレーム(16)を第1のそれぞれの中間リジッドパーツ(46)に接続しており、前記第2の対のフレキシブルエレメント(48)のそれぞれの前記フレキシブルエレメント(48)のそれぞれは、第1のそれぞれの中間リジッドパーツ(46)を前記リジッド本体部(18)に接続しており、前記第1および第2の対のフレキシブルエレメント(44;48)の前記エレメントは、リングの角度セクターの形態になっており、前記第1および第2の対のフレキシブルエレメント(44;48)の前記フレキシブルエレメントは、主に別個の非平行の平面の中に対になって延在しており、前記第1および第2の対のフレキシブルエレメント(44;48)の前記フレキシブルエレメントは、同心円状になっている、請求項1から12のいずれか一項に記載のオシレーター。
【請求項15】
前記接続メカニズム(20)は、また、2つの第3の対のフレキシブルエレメント(52)および2つの第4の対のフレキシブルエレメント(54)を含み、前記第3の対のフレキシブルエレメント(52)のそれぞれの前記フレキシブルエレメント(52)のそれぞれは、前記フレーム(16)を第2のそれぞれの中間リジッドパーツ(50)に接続しており、前記第4の対のフレキシブルエレメント(54)のそれぞれの前記フレキシブルエレメント(54)のそれぞれは、前記第2のそれぞれの中間リジッドパーツ(50)のうちの1つを前記リジッド本体部(18)に接続しており、前記第1および第3の対のフレキシブルエレメント(44;52)は、前記第1の対のフレキシブルエレメント(44)の前記フレキシブルエレメントの中心に関して対称的になっており、前記第2および第4の対のフレキシブルエレメント(48;54)は、前記第2の対のフレキシブルエレメント(48)の前記フレキシブルエレメントの中心に関して対称的になっている、請求項14に記載のオシレーター。
【請求項16】
時計のためのメカニズムであって、前記メカニズムは、
- 請求項1から15のいずれか一項に記載のオシレーター(13)と、
- パレット(11)であって、前記パレット(11)は、エネルギー分配部材(10)と協働するように適合されており、エネルギー貯蔵デバイス(8)によって付勢されることを意図しており、前記パレット(11)は、前記オシレーター(13)によって制御され、規則的におよび交互に前記エネルギー分配部材(10)をロックおよび解放し、前記エネルギー分配部材(10)が、反復移動サイクルに従って、前記エネルギー貯蔵デバイス(8)の付勢の下で、1インクリメントずつ移動させられるようになっており、前記パレット(11)は、この反復移動サイクルの間に、機械的なエネルギーを前記オシレーター(13)に伝達するように適合されている、パレット(11)と
を含む、メカニズム。
【請求項17】
前記オシレーター(13)は、また、
- 振動のために前記フレームの上に弾性的に装着されている第2の振動部材であって、第1および第2の振動部材は、対称的な反対の移動を常に有するように相互接続されている、第2の振動部材と、
- バランシング部材であって、前記第2の振動部材によって制御され、対称的で前記パレット(11)に反対する移動に従って移動する、バランシング部材と
を含む、請求項16に記載の時計メカニズム。
【請求項18】
請求項16または17に記載のメカニズム(14)と前記エネルギー分配部材(10)とを含む時計ムーブメント(3)。
【請求項19】
請求項18に記載の時計ムーブメント(3)を含む時計(1)。
【請求項20】
請求項1から15のいずれか一項に記載のオシレーターを作り出すための方法であって、前記第1および前記第2のフレキシブルエレメント(34;36;44;48)のうちの少なくとも1つは、フレキシブルブレードであり、前記方法は、
- フレキシブルブレードの生産と、
- 前記フレーム、前記リジッド本体部、前記第1のリジッドパーツ、および前記第2のリジッドパーツのうちの少なくとも1つを形成する層の重ね合わせと、
- 前記フレーム、前記リジッド本体部、前記第1のリジッドパーツ、および前記第2のリジッドパーツのうちの前記少なくとも1つへの前記フレキシブルブレードの固定と
を含む、方法。
【請求項21】
前記フレキシブルブレードは、層を重ね合わせることによって作製され、前記層のうちの少なくとも1つは、他の層に対して可撓性になっており、また、前記フレキシブルブレードは、前記フレキシブルブレードが前記層の重ね合わせの延在平面とは別個の平面の中に主に延在するように、前記フレキシブルブレードを展開することによって作製される、請求項20に記載の方法。
【国際調査報告】