(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-24
(54)【発明の名称】吊り下げ式シアターエッジ作動型シート移動機
(51)【国際特許分類】
E04H 3/12 20060101AFI20220517BHJP
A63G 31/00 20060101ALI20220517BHJP
E04H 3/30 20060101ALI20220517BHJP
A47C 1/12 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
E04H3/12 Z
A63G31/00
E04H3/30
A47C1/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559898
(86)(22)【出願日】2020-04-10
(85)【翻訳文提出日】2021-11-12
(86)【国際出願番号】 US2020027765
(87)【国際公開番号】W WO2020210699
(87)【国際公開日】2020-10-15
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513283682
【氏名又は名称】オーシャニアリング インターナショナル,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【氏名又は名称】新井 剛
(72)【発明者】
【氏名】ジェニングス,クリフォード アレン
(72)【発明者】
【氏名】クルツ,ケネス
(72)【発明者】
【氏名】キレン,ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】ウォール,ジェレミー
【テーマコード(参考)】
3B099
【Fターム(参考)】
3B099FA05
(57)【要約】
シート移動機は、乗客シートアセンブリ(260)を上昇及び下降させる対向するシートサポート(200a、200b)間に配置された乗客シートアセンブリ(260)を備える。1以上の乗客シート梁回転体(241)は、乗客シートアセンブリを回転して上昇及び下降から独立して傾斜を変化させるように動作する。実施形態では、シート列は回転フロアによって旋回上昇されるのではなく、後方シート列を前方シート列の上に持ち上げる昇降機能が実行されている間に、回転機能がそれらの相互の位置を相互に対して変更して、昇降中及び上映中に相互の列位置に対する制御を可能とする。ケーブルを伴わないが、シート移動機を備える没入型シアターシステムは、昇降及び回転の動作を組み合わせることによってかつ更なる機器を要することなく、吊り下げられる座席を採用する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シアター座席アセンブリ(2)であって、
a.シートサポートベース(210a、210b、210c、201d)と、
b.第1のシートサポート(200a)であって、
i.前記シートサポートベース(210a、210b)に旋回可能に接続された第1のリフトアーム(220a)であって
1.下部と、
2.前記下部から角度的にオフセットされて配置された上部と、
を備える第1のリフトアーム(220a)と、
ii.前記第1のリフトアーム(220a)に動作可能に接続された第1のリフトアームアクチュエータ(221a)と、
iii.前記シートサポートベース(210a、210b、210c、210d)から遠位に前記第1のリフトアーム(220a)に動作可能に接続された第1の乗客シート梁回転体(240a)と、
iv.前記第1の乗客シート梁回転体(240a)に動作可能に接続され、前記第1のリフトアーム(220a)の回転から独立して乗客シート列傾斜の変化をもたらすように動作する第1の乗客シート梁回転体アクチュエータ(241a)と、
を備える前記第1のシートサポート(200a)と、
c.前記第1のシートサポート(200a)と第2のシートサポート(200b)の間の長手距離によって規定されるシート軸に対してミラー配位の前記第1のシートサポート(200a)から遠位に配置された第2のシートサポート(200b)であって、
i.前記シートサポートベース(210a、210b、210c、210d)に旋回可能に接続された第2のリフトアーム(220b)であって、
1.下部と、
2.前記下部から角度的にオフセットされて配置された上部と、
を備える前記第2のリフトアーム(220b)と、
ii.前記第2のリフトアーム(220b)に動作可能に接続され、前記第2のリフトアームの動作を前記第1のリフトアームに同調させるように構成された第2のリフトアームアクチュエータ(221b)と、
iii.前記第2のリフトアーム(220b)に動作可能に接続された第2の乗客シート梁回転体(240b)と、
iv.前記シートサポートベース(210a、210b、210c、210d)から遠位に前記第2の乗客シート梁回転体(240b)に動作可能に接続され、前記第1の乗客シート梁回転体アクチュエータ(241a)と協働して前記第2のリフトアーム(220b)の回転から独立して乗客シート列傾斜の変化をもたらすように動作する第2の乗客シート梁回転体アクチュエータ(241b)と、
を備える前記第2のシートサポート(200b)と、
d.前記第1の乗客シート梁回転体(240a)及び前記第2の乗客シート梁回転体(240b)に動作可能に接続され、前記シート軸に実質的に平行に配置され、乗客座席領域(162)を備える乗客シートアセンブリ(260)と、
e.前記第1のリフトアームアクチュエータ(221a)、前記第2のリフトアームアクチュエータ(221b)、前記第1の乗客シート梁回転体アクチュエータ(241a)及び前記第2の乗客シート梁回転体アクチュエータ(241b)と動作可能に通信し、傾斜角の変化を同時にもたらしつつ前記第1のリフトアームの動作を前記第2のリフトアームにそれらのそれぞれのX-Y平面において同調させるとともに、前記第1の乗客シート梁回転体アクチュエータ(241a)の動作を前記第2の乗客シート梁回転体アクチュエータ(241b)に同調させるように動作するシステムコントローラ(201、202)と、
を備えるシアター座席アセンブリ。
【請求項2】
前記シートサポートベース(210a、201b、210c、210d)は、前記第1のリフトアーム(220a)に接続された第1のシートサポートベース(210a、210b)及び前記第2のシートリフトアーム(220b)に接続された第2のシートサポートベース(210c、210d)を備える、請求項1に記載のシアター座席アセンブリ。
【請求項3】
前記システムコントローラ(201、202)と動作可能に通信する安全エンコーダ(280)をさらに備え、該安全エンコーダは、前記シート軸から前記第1の乗客シート梁回転体(240a)又は前記第2の乗客シート梁回転体(240b)のオフセットの測定値を与えるように動作する、請求項1に記載のシアター座席アセンブリ。
【請求項4】
前記システムコントローラ(201、202)と動作可能に通信するセンサ(281、282)をさらに備え、該センサは、前記第1のリフトアーム(220a)又は前記第2のリフトアーム(220b)の所定の物理特性の測定値を与えるように動作する、請求項1に記載のシアター座席アセンブリ。
【請求項5】
前記センサ(281、282)は、圧力トランスデューサ(281)又はリニアトランスデューサ(282)からなる、請求項4に記載のシアター座席アセンブリ。
【請求項6】
各リフトアームアクチュエータ(221a、221b)は、前記シートサポートベース(210a、210b、210c、210d)及び前記第1のリフトアーム(220a)又は前記第2のリフトアーム(220b)に動作可能に接続されたモーションダンパ(221c、221d)をさらに備える、請求項1に記載のシアター座席アセンブリ。
【請求項7】
前記モーションダンパ(221c、221d)は、
a.前記第1のリフトアーム(220a)に動作可能に接続された第1のモーションダンパ(221c)と、
b.前記第2のリフトアーム(220b)に動作可能に接続された第2のモーションダンパ(221d)と、
を備える、請求項6に記載のシアター座席アセンブリ。
【請求項8】
前記シートサポートベース(210a、201b、210c、210d)は、
a.前記第1のモーションダンパ(221c)に動作可能に接続された第1のシートサポートベース(210a)と、
b.前記第1のリフトアーム(220d)に接続された第2のシートサポートベース(210b)と、
c.前記第2のモーションダンパ(221b)に接続された第3のシートサポートベース(210c)と、
d.前記第2のリフトアーム(220b)に接続された第4のシートサポートベース(210d)と、
を備える、請求項7に記載のシアター座席アセンブリ。
【請求項9】
前記第1のリフトアーム(220a)又は前記第2のリフトアーム(220b)に動作可能に接続されたブレーキをさらに備え、該ブレーキは、前記第1のリフトアーム(220a)又は前記第2のリフトアーム(220b)の動作を阻害するように動作する、請求項1に記載のシアター座席アセンブリ。
【請求項10】
a.前記第1の乗客シート梁回転体(240a)は、前記第1の乗客シート梁回転体(240a)の中心に実質的に位置する旋回軸において前記第1のリフトアーム(220a)に旋回可能に接続され、
b.前記第2の乗客シート梁回転体(240b)は、前記第2の乗客シート梁回転体(240b)の中心に実質的に位置する旋回軸において前記第2のリフトアーム(220b)に旋回可能に接続された、請求項1に記載のシアター座席アセンブリ。
【請求項11】
前記乗客シートアセンブリ(260)は、
a.前記第1の乗客シート梁回転体(240a)の第1の端部において前記第1の乗客シート梁回転体(240a)に、及び前記第2の乗客シート梁回転体(240b)の対応する第1の端部において前記第2の乗客シート梁回転体(240b)に動作可能に接続された、前記シート軸に実質的に平行な第1のシート梁(260a)と、
b.前記第2の乗客シート梁回転体(240a)の第2の端部において前記第1の乗客シート梁回転体(240a)に、及び前記第2の乗客シート梁回転体(240b)の対応する第2の端部において前記第2の乗客シート梁回転体(240b)に動作可能に接続された、前記第1のシート梁(260a)に実質的に平行な第2のシート梁(260b)と、
を備える、請求項1に記載のシアター座席アセンブリ。
【請求項12】
前記乗客シートアセンブリ(260)は、
a.シート梁(260a、260b)と、
b.前記シート梁に接続された乗客座席領域(162)と、
をさらに備える、請求項1に記載のシアター座席アセンブリ。
【請求項13】
前記回転体アクチュエータ(241a、241b)の各々は、
a.ロータリーモータと、
b.前記ロータリーモータと動作可能に通信するチェーン又はスプロケットセットと、
を備える、請求項1に記載のシアターシステム。
【請求項14】
前記乗客シートアセンブリ(160)は、キャノピーをさらに備える、請求項1に記載のシアターシステム。
【請求項15】
前記乗客シートアセンブリ(160)は、シールドをさらに備える、請求項1に記載のシアターシステム。
【請求項16】
シアター座席アセンブリを用いてシアター体験を提供する方法であって、
前記シアター座席アセンブリは、シートサポートベース(210a、210b、210c、201d)と;第1のシートサポート(200a)であって、前記シートサポートベース(210a、210b)に旋回可能に接続された第1のリフトアーム(220a)であって下部及び該下部から角度的にオフセットされて配置された上部と を備える第1のリフトアーム(220a)と、該第1のリフトアーム(220a)に動作可能に接続された第1のリフトアームアクチュエータ(221a)と、前記シートサポートベース(210a、210b、210c、210d)から遠位に前記第1のリフトアーム(220a)に動作可能に接続された第1の乗客シート梁回転体(240a)と、前記第1の乗客シート梁回転体(240a)に動作可能に接続され、前記第1のリフトアーム(220a)の回転から独立して乗客シート列傾斜の変化をもたらすように動作する第1の乗客シート梁回転体アクチュエータ(241a)と、を備える第1のシートサポート(200a)と;該第1のシートサポート(200a)と第2のシートサポート(200b)の間の長手距離によって規定されるシート軸に対してミラー配位の前記第1のシートサポート(200a)から遠位に配置された第2のシートサポート(200b)であって、前記シートサポートベース(210a、210b、210c、210d)に旋回可能に接続された第2のリフトアーム(220b)であって、下部及び該下部から角度的にオフセットされて配置された上部を備える第2のリフトアーム(220b)と、前記第2のリフトアーム(220b)に動作可能に接続され、前記第2のリフトアームの動作を前記第1のリフトアームに同調させるように構成された第2のリフトアームアクチュエータ(221b)と、前記シートサポートベース(210a、210b、210c、210d)から遠位に前記第2のリフトアーム(220b)に動作可能に接続された第2の乗客シート梁回転体(240b)と、前記シートサポートベース(210a、210b、210c、210d)から遠位に前記第2の乗客シート梁回転体(240b)に動作可能に接続され、前記第1の乗客シート梁回転体アクチュエータ(241a)と協働して前記第2のリフトアーム(220b)の回転から独立して乗客シート列傾斜の変化をもたらすように動作する第2の乗客シート梁回転体アクチュエータ(241b)と、を備える第2のシートサポート(200b)と;前記第1の乗客シート梁回転体(240a)及び前記第2の乗客シート梁回転体(240b)に動作可能に接続され、前記シート軸に実質的に平行に配置され、乗客座席領域を備える乗客シートアセンブリ(260)と;前記第1のリフトアームアクチュエータ(221a)、前記第2のリフトアームアクチュエータ(221b)、前記第1の乗客シート梁回転体アクチュエータ(241a)及び前記第2の乗客シート梁回転体アクチュエータ(241b)と動作可能に通信し、傾斜角の変化を同時にもたらしつつ前記第1のリフトアームの動作を前記第2のリフトアームにそれらのそれぞれのX-Y平面において同調させるとともに、前記第1の乗客シート梁回転体アクチュエータ(241a)の動作を前記第2の乗客シート梁回転体アクチュエータ(241b)に同調させるように動作するシステムコントローラ(201、202)と、を備え、
前記方法は、
a.乗客を前記乗客シートアセンブリに着席させるのに充分な乗客搭乗位置まで前記第1のリフトアーム及び前記第2のリフトアームを位置決めし、前記乗客シートアセンブリを回転するステップと、
b.前記システムコントローラを用いて、前記左右のリフトアーム及び回転体アームをそれらの関連するアクチュエータを介して実質的に同期して制御し、第1の所定セットの時間において第1のリフトアーム下降位置から第2のリフトアーム上昇位置の間の角度関係を調整することによって、各リフトアームとその関連する回転体の間の動作をもたらして当該二者間の角度関係を調整するステップと、
c.回転フロアによって前記乗客シートアセンブリを旋回させるのではなく、上昇及び下降機能が実行されている間に、前記乗客シートアセンブリの位置を変更するステップと、
を備える前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年4月11日出願の米国仮特許出願番号第62/832763号によって優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
多数の設計形態の移動型シアターは、観客を開始/乗込み位置から投影上映環境に物理的に移動させるものであり、その課題は主にその環境への没入感である。
【0003】
多くの吊り下げ式シアター設計は、現時点まで、通常はケーブル、カウンターウェイト及びウインチによって、そして、通常はオーバーヘッドフレームワーク及び一組の綱車からの、座席装置の文字通りの吊り下げに基づいていた。一般に「フライングシアター」といわれる他の関連する製品は、シートをシアター環境に平行移動させる移動オーバーヘッドフレーム又は旋回フロアによるものであることが多い。
【発明の概要】
【0004】
開示の発明の実施形態の態様を示す種々の図面が、ここに含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態のブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の第2の実施形態の部分斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の第2の実施形態の拡大部分斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の第2の実施形態の拡大部分斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態を用いるシアターの部分斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態を用いるシアターの部分斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の第2の実施形態の側面部分斜視図である。
【
図8-9】
図8は、本発明の第2の実施形態の側面部分斜視図である。
図9は、シートなしでの、本発明の第2の実施形態の側面部分斜視図である。
【
図10-11】
図10は、本発明の第2の実施形態の正面部分斜視図である。
図11は、下降位置における本発明の第2の実施形態の側面部分斜視図である。
【
図12-13】
図12は、下降位置における本発明の第2の実施形態の拡大側面部分斜視図である。
図13は、フロアチャネルを示す下降位置における本発明の第2の実施形態の側面部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
概略として、特に没入型シアターのシアター座席技術の当業者には理解されるように、機器を観客の頭上とするのではなく(これは設備の高さ及び安全の問題を増す)又は観客の下方とするのでもなく(これも設備の高さを増す)、ここに特許請求されるシアター座席アセンブリは、ここに記載されるように、左右用の2つの、左右の相違はあるもののそれ以外は同一の機械を用いることによって左右側のシート列を昇降させる。これにより、配置が設備の高さを最小化することができる。
【0007】
さらに、記載される実施形態では、シート列が回転フロアとともに旋回されて上昇するのではなく、昇降機能が回転などによって行われている間に第2の機能が相互に対してシート列の相互位置を変更する。この回転機能は、後方シート列を前方シート列上に上昇させ、昇降中及び上演中に相互の列位置に対する制御を可能とする。回転機能はまた、昇降中に、下方のシアタースクリーン又は壁を「ホップ」して越え、その後にそのハードルを越えてからそれらの最終縦方向関係に達するために、シート列が前方から後方にかけて平坦化されることを可能とする。
【0008】
第1の実施形態では、
図1を概略として参照すると、シアター座席アセンブリ1は、標準的には1以上のシートサポートベース210a、210b、210c、210dと、第1のシートサポート200aと、第1のシートサポート200aと第2のシートサポート200bの間の長手距離によって画定されるシート軸に関してミラー配位でシートサポートベース210a、210b、210c、210dに沿って第1のシートサポート200aから遠位に配置された第2のシートサポート200bと、第1の乗客シート梁回転体240a及び第2の乗客シート梁回転体240bに動作可能に接続された乗客シートアセンブリ260であってシート軸に実質的に平行に配置されて(
図2の符号163などの)乗客座席領域を備える乗客シートアセンブリ260と、第1のリフトアームアクチュエータ221a、第2のリフトアームアクチュエータ221b、第1の乗客シート梁回転体アクチュエータ241a及び第2の乗客シート梁回転体アクチュエータ241bと動作可能に通信する1以上のシステムコントローラ201、202と、を備える。
【0009】
第1のシートサポート200aは、シートサポートベース210a、210bに旋回可能に接続された第1のリフトアーム220aと、第1のリフトアーム220aに動作可能にかつ標準的には旋回可能に接続されるとともにシートサポートベース210a、210bに標準的には旋回可能に接続された第1のリフトアームアクチュエータ221aと、シートサポートベース210a、210b、210c、210dから遠位に第1のリフトアーム220aに動作可能にかつ標準的には旋回可能に接続された第1の乗客シート梁回転体240aと、第1の乗客シート梁回転体240aに動作可能に接続された第1の乗客シート梁回転体アクチュエータ241aと、を備える。第1の乗客シート梁回転体アクチュエータ241aは、第1のリフトアーム220aの回転から独立して乗客シート列の傾斜の変化をもたらすように動作する。
【0010】
第2のシートサポート200bは、標準的には第1のシートサポート200aをミラーリングし、シートサポートベース210c、210dに旋回可能に接続された第2のリフトアーム220bと、第2のリフトアーム220bに動作可能にかつ標準的には旋回可能に接続されるとともにシートサポートベース210c、210dに標準的には旋回可能に接続された第2のリフトアームアクチュエータ221bであって、第1のリフトアーム220aの動作に第2のリフトアーム220bの動作を同調させるように構成された第2のリフトアームアクチュエータ221bと、第2のリフトアーム220bに動作可能にかつ標準的には旋回可能に接続された第2の乗客シート梁回転体240bと、シートサポートベース210c、210dから遠位に第2の乗客シート梁回転体240bに動作可能に接続された第2の乗客シート梁回転体アクチュエータ241bと、を備える。第2の乗客シート梁回転体アクチュエータ241bは、第1の乗客シート梁回転体アクチュエータ241aと協働して第2のリフトアーム220bの回転から独立して乗客シート列の傾斜の変化をもたらすようにも動作する。
【0011】
第1のX-Y平面はシートサポートベース210a、210b及び第1のリフトアーム220aによって画定され、第2のX-Y平面はシートサポートベース210c、210d及び第2のリフトアーム220bによって画定され、第2のX-Y平面は第1のX-Y平面に実質的に平行である。
【0012】
この第1の実施形態では、第1のリフトアーム220aは下部及びその下部から所定角度のオフセットで配置された上部を含み得るものであり、第2のリフトアーム220bは第1のリフトアーム220aと実質的に同一である。
【0013】
標準的には、この第1の実施形態では、第1の乗客シート梁回転体240aは第1の乗客シート梁回転体240aの中心に実質的に位置する旋回点において第1のリフトアーム220aに旋回可能に接続され、第2の乗客シート梁回転体240bは第2の乗客シート梁回転体240bの中心に実質的に位置する旋回点において第2のリフトアーム220bに同様に旋回可能に接続される。旋回は、第1のリフトアーム220a又は第2のリフトアーム220bの一部であり、それぞれ、第1のリフトアーム220a又は第2のリフトアーム220bにおける対応する空隙に嵌合されてもよいし、第1のリフトアーム220a及び第2のリフトアーム220bの一部であり、それぞれ、第1の乗客シート梁回転体240a及び第2の乗客シート梁回転体240bにおける対応する空隙に嵌合されてもよい。
【0014】
この実施形態では、乗客シート梁回転体アクチュエータ241a、241bは、標準的には、上部列、例えば260aを傾斜させることによって前列、例えば260bが同期して傾斜するように、乗客シートアセンブリ260を乗客シート梁回転体240a、240bを介して移動させて、傾斜回転体240a、240bに対してシート梁260a、260bに傾きを直接与える1以上のロータリーモータを備える。ロータリーモータが使用される場合、傾斜回転体240a、240bは、チェーン又はスプロケットセット242a、242bをさらに備え得る。特定の考慮される実施形態では、各列260a、260bは、それ自体の一対のモータによって傾斜されて、機械的相互接続を回避し得る。
【0015】
システムコントローラ201、202は、乗客シートアセンブリ260の傾斜角に対して変化を同時にもたらしつつ、それらそれぞれのX-Y平面において第1のリフトアーム220a及び第2のリフトアーム220bの動作を制御及び同調させるように動作する。
【0016】
この実施形態の考慮されるバージョンでは、乗客シートアセンブリ260は、標準的には、第1の乗客シート梁回転体240aの第1の端部において第1の乗客シート梁回転体240aに、及び第2の乗客シート梁回転体240bの対応する第1の端部において第2の乗客シート梁回転体240bに動作可能に接続された、シート軸に実質的に平行な1以上のシート梁260a、並びに第1の端部から遠位に第1の乗客シート梁回転体240aの第2の端部において第1の乗客シート梁回転体240aに、及び第2の乗客シート梁回転体240bの対応する第2の端部において第2の乗客シート梁回転体240bに動作可能に接続された、第1のシート梁260aに実質的に平行な1以上のシート梁260bを備える。さらに、乗客シートアセンブリ260は、標準的には、各シート梁260a、260bに接続された1以上の乗客シート163(
図2)をさらに備える。また、乗客シートアセンブリ260は、キャノピー(不図示)及び/又はシールド(不図示)をさらに備えていてもよい。
【0017】
この実施形態のある構成では、1以上の安全エンコーダ280が存在し、システムコントローラ201、202と動作可能に通信してもよく、安全エンコーダ280は、シート軸からの、第1の乗客シート梁回転体240a又は第2の乗客シート梁回転体240bのオフセットの測定値を与えるように動作する。標準的には、1以上の安全エンコーダ280は、所定の位置、標準的には、シート梁回転体240a、240bのジョイントにおいて又はその付近に配置される。
【0018】
また、この実施形態では、1以上のセンサ281、282が存在し、システムコントローラ201、202と動作可能に通信してもよく、圧力トランスデューサ281、リニアトランスデューサ282など又はその組合せなどのセンサ281、282は、第1のリフトアーム220a又は第2のリフトアーム220bの所定の物理的特性の測定値を与えるように動作する。標準的には、センサ281、282は、それらが相互に同期していることを保証するようにリフトアーム位置を監視及び報告するのに使用される。
【0019】
モータ241a、241b及び/又は221a、221bが使用される場合、各々は、安全エンコーダ280であってもよく、及び/又はセンサ281、282は関連するモータ241a、241b及び/又は221a、221bの回転出力を監視するのに使用されてもよい。
【0020】
この実施形態の考慮されるバージョンでは、1以上のブレーキ(不図示)が存在し、第1のリフトアーム220a又は第2のリフトアーム220bと動作可能に接続されてもよく、そのブレーキは第1のリフトアーム220a及び/又は第2のリフトアーム220bの動きを阻害するように動作する。ブレーキは、モータ、モータによって回転若しくは平行移動されるシャフト、又はそのような作用を受けるように設計されたディスク若しくは他の構成に制動作用を与え得る。他の実施形態では、制動は、多少なりとも受動的であってもよく、電力が除去された電気モータの通常状態によって又は加圧下における油圧特性の物理的特性によって行われてもよい。
【0021】
この実施形態の考慮されるバージョンでは、1以上のモーションダンパー221a、221bが存在し、シートサポートベース210a、210b、210c、210d、第1のリフトアーム220a及び/又は第2のリフトアーム220bと動作可能に接続され得る。モーションダンパー221c、221dは、標準的には、第1のリフトアーム220aに動作可能に接続された第1のモーションダンパー221c、及び第2のリフトアーム220bに動作可能に接続された第2のモーションダンパー221dからなる。
【0022】
この実施形態の考慮されるバージョンでは、シートサポートベース210a、210b、210c、210dは、単一片であってもよいし、複数片であってもよい。例示としてかつ限定ではなく、シートサポートベース210a、210b、210c、210dは、第1のリフトアーム220aに接続された第1のシートサポートベース210a、210b及び第2のリフトアーム220bに接続された第2のシートサポートベース210c、210dからなり得る。モーションダンパー221c、221dが存在する場合、シートサポートベース210a、210b、210c、210dは、第1のモーションダンパー221cに動作可能に接続された第1のシートサポートベース210aと、第1のリフトアーム220aに接続された第2のシートサポートベース210bと、第2のモーションダンパー221dに接続された第3のシートサポートベース210cと、第2のリフトアーム220bに接続された第4のシートサポートベース210dと、をさらに備え得る。
【0023】
ここで
図2を参照すると、更なる実施形態では、シートサポートベース110は、第1のエッジ110a及び第1のエッジ110aに対向配置された第2のエッジ110bを備える。この実施形態では、第1のシートサポート200a(
図1)は、第1のリフトアームシートサポートベース端121aにおいて第1のエッジ110aに旋回可能に接続された第1のリフトアーム120aを備え、第2のシートサポート200bは第2のリフトアームシートサポートベース端121cにおいて第2のエッジ110bに旋回可能に接続された第2のリフトアーム120bを備える。この実施形態では、第1のリフトアームアクチュエータ130aが、第1のエッジ110aなどにおいてシートサポートベース110に動作可能に接続され、シートサポートベース110及び第1のリフトアーム120aによって画定される第1のX-Y平面において第1のリフトアーム120aの動作をもたらすように動作する。第2のシートサポート200bは、シートサポートベース110に動作可能に接続されて、シートサポートベース110及び第2のリフトアーム120bによって画定される第2のX-Y平面において、第1のX-Y平面における第1のリフトアーム120aの動作と実質的に同一の第2のリフトアーム120bの動作を協働的にもたらすように動作する第2のリフトアームアクチュエータ130b(第2のX-Y平面は第1のX-Y平面に実質的に平行である)と、第1のリフトアームシートサポートベース端121aに対向配置された取付けアーム端121bにおいて第1のリフトアーム120aの中間に、及び第2のリフトアームシートサポートベース端121cに対向配置された取付けアーム端121dにおいて第2のリフトアーム120bに、可動に配置された乗客シートアセンブリ160(乗客シートアセンブリ160は、第1のリフトアーム120aと第2のリフトアーム120bの間に長手方向に配置された乗客シート列軸を画定する)と、乗客シート列軸に関して乗客シートアセンブリ160の傾斜角を変更するように動作する第1の乗客シート梁回転体140a及び第2の乗客シート回転体140bと、を備える。この実施形態では、第1のエッジ110aはシートサポートベース110から所定角度で延在し得るとともに、第2のエッジ110bもシートサポートベース110から所定角度で延在し得る。
【0024】
この実施形態では、第1のリフトアーム120aの動作は第1のX-Y平面内の動作に制限され、第2のリフトアーム120bの動作は第2のX-Y平面内の動作に制限される。
【0025】
この実施形態では、アームアクチュエータ130は、第1のリフトアーム120aに旋回可能に接続されるとともに第1のエッジ110aにも旋回可能に接続された第1のリフトアームアクチュエータ130a、及び第2のリフトアーム120bに旋回可能に接続されるとともに第2のエッジ110bにも旋回可能に接続された第2のリフトアームアクチュエータ130bを備える。この実施形態では、第1のリフトアームアクチュエータ130aは、標準的には、各々が第1のエッジ110a及び第1のリフトアーム120aに旋回可能に接続された複数のアームアクチュエータを備え、第2のリフトアームアクチュエータ130bは、各々が第2のシートサポートベースエッジ110b及び第2のリフトアーム120bに旋回可能に接続された複数のアームアクチュエータをさらに備える。
【0026】
この実施形態では、第1の乗客シート梁回転体アクチュエータ140aは、第1のリフトアームシートサポートベース端121aに近接してシートサポートベース110に旋回可能に接続され、傾斜リンク145、第1の下部クランク端において第1の乗客シート列回転体140aに旋回可能に接続されるとともに第2の下部クランク端において傾斜リンク145に旋回可能に接続された下部クランク142、及び第1の上部クランク端において取付けアーム端121bに旋回可能に接続されるとともに第2の上部クランク端において傾斜リンク145に旋回可能に接続された上部クランク143をさらに備える。また、第2の乗客シート梁回転体アクチュエータ140bは、第1の乗客シート梁回転体アクチュエータ140aと概ね同一であり、第2のリフトアームシートサポートベース端121bに近接してシートサポートベース110に旋回可能に接続される。第1の乗客シート傾斜アクチュエータ140a及び複数のアームアクチュエータ130は、存在する場合には、協働して乗客シートアセンブリ160の傾斜角に変化をもたらし、シートサポートベース110に対する第2のリフトアーム120bにおける乗客シートアセンブリ160の傾斜角に対して、シートサポートベース110に対する第1のリフトアーム120aにおける乗客シートアセンブリ160を同じ傾斜角に保持するように動作する。
【0027】
さらに、この実施形態では、乗客シート列回転体150は、その各アームの取付けアーム端121b、121dに近接する第1のリフトアーム120a及び第2のリフトアーム120bの少なくとも一方に並びに乗客シート列回転体アクチュエータ151の第1の端部において第1のリフトアーム120a及び第2のリフトアーム120bの少なくとも一方に旋回可能に接続されるとともに乗客シート列回転体アクチュエータ151の第2の端部において乗客シート列回転体傾斜クランク152に旋回可能に接続された乗客シート列回転体アクチュエータ151に旋回可能に接続された1以上の乗客シート列回転体傾斜クランク152をさらに備える。
【0028】
この実施形態では、乗客シートアセンブリ160は、上述したものと同様であり、1本以上のシート梁161及びシート梁161に接続された少なくとも1つの乗客シート162をさらに備える。ただし、この実施形態では、乗客シートアセンブリ160は、上部シート梁ハンガー端601において第1のリフトアーム取付け端121bに近接して第1のリフトアーム120aに及び第1のリフトアーム120aの最も近くでシート梁161の端部に旋回可能に接続された第1のシート梁ハンガー600、並びに上部シート梁ハンガー端601において第2のリフトアーム取付け端121dに近接して第2のリフトアーム120bに及び第2のリフトアーム120bの最も近くでシート梁161の端部に旋回可能に接続された第2のシート梁ハンガー600をさらに備える。乗客シートアセンブリ160が2本のシート梁161を備える場合、シート梁ハンガー600の各シート梁ハンガー600は、標準的には、その各アームのアーム取付け端121b、121dに旋回可能に接続された上部シート梁ハンガークランク602と、下部シート梁ハンガークランク604と、第1のシート梁ハンガーリンク端において上部シート梁ハンガークランクに旋回可能に接続されるとともに第2のシート梁ハンガーリンク端において下部シート梁ハンガークランクに旋回可能に接続されたシート梁ハンガーリンク605と、をさらに備え、上部シート梁ハンガークランク及び下部シート梁ハンガークランクは、それらの各乗客シート列軸に関して相互に対して各シート梁161の実質的に同一の回転を保持するように動作する。
【0029】
この実施形態では、シアターシステム1は、アームアクチュエータ130が第1のエッジ141に動作可能に接続される場所に近接する第1のエッジ110aに配置された第1のリフトアーム移動リミッタ131をさらに備えていてもよく、第1のリフトアーム移動リミッタ131は、第1のX-Y平面において第1のリフトアーム120aの動作を停止させるように構成される。同様のリフトアーム移動リミッタ131が、第2のリフトアーム120bの動作を制限するために第2のエッジ110bに存在して配置されてもよい。
【0030】
図3及び
図4をさらに参照すると、同様の実施形態において、第1の乗客シート梁回転体140a(
図2)及び第2の乗客シート回転体140b(
図2)の各々は、回転体アーム32、及びその回転体アームアクチュエータジョイント32cに関する回転体アーム32の角度移動を、それらのそれぞれのX-Y平面など、リフトアーム120a、120bによって画定される平面において制限するように構成された回転体アームリミッタ32eを備え得る。標準的には、回転体アームリミッタ32eは、回転体アームの面がリフトアーム140の対向面に当接することによって過回転が機械的に防止されるようなジョイントのチャネル又は構成を、それらが接続される旋回ジョイント付近に備える。あるいは、リミッタは、移動の終端の機械的ハード停止部、又は移動の限度を検出するリミットスイッチ若しくはセンサなど、アクチュエータ内の構成を備える。冗長安全対策として物理的ハードトップを含む計画がある。制御の第1の方法は、限度をプログラミングすることによるものである。リミットスイッチが、移動の終了をトリガするのに使用されてもよい。
【0031】
この更なる実施形態では、
図2~4をさらに参照すると、シアターシステム1は、1以上のシートサポートベースプラットフォーム10と、1以上のシートアクチュエータ1と、第1のサイドリフト20と、第1のサイドリフト20と実質的に同一であるがシートサポートベースプラットフォーム10に関して第1のサイドリフトに対してミラー配向で配置された第2のサイドリフト20と、梁ハンガージョイント27eにおいて回転体傾斜クランクジョイント32aに旋回可能に接続された第1のシート列梁ハンガー31と、第1のシート列梁ハンガーに対してミラー配向にある第2のサイドリフトのリフトアームの上端に近接して配置された第2のシート列梁ハンガー31と、第1のシート列梁ハンガーと第2のシート列梁ハンガーの中間に配置され、第1のシート列梁ハンガー及び第2のシート梁ハンガーに堅固に接続されたシート列梁30と、シート列梁30に動作可能に接続された1以上の乗客シート162と、回転アクチュエータ40、傾斜アクチュエータ28及び昇降アクチュエータ22の機能のうちの所定の組合せと動作可能に通信してそれを制御するように構成されたシステムコントローラと、を備える。
【0032】
この実施形態では、シートサポートベース10は、第1のリフトアームシートサポートベース端21aにおいて第1のリフトアーム20aに接続された第1のシートサポートベース10a、及び第2のリフトアームシートサポートベース端21cにおいて第2のリフトアーム20bに接続された第2のシートサポートベース10bを備え得る。
【0033】
第1のサイドリフト20は、この実施形態では、シートサポートベースプラットフォーム10の第1の側に配置された1以上の第1のリフトアーム20aを備え、第1のリフトアーム20aは、シートサポートベースプラットフォーム10に旋回可能に接続された第1の端部21a及び第1の端部21aから遠位に位置する傾斜リンク端21bと、回転体アーム中間ジョイント32bにおいて傾斜リンク端21bに近接するリフトアーム20に旋回可能に接続され、上部梁アームジョイント32a、下部回転体アームジョイント32d、及び上部回転体アームジョイント32aと下部回転体アームジョイント32dの中間に配置された回転体アームアクチュエータジョイント32cをさらに備える1以上の回転体アーム32と、上部回転体アームジョイント32a及び下部回転体アームジョイント32dにおいて回転体アーム32に旋回可能に接続された1以上の回転アクチュエータ40と、上部回転体アームジョイント32aに旋回可能に接続された上部傾斜リンククランク27a、下部回転体アームジョイント32dに旋回可能に接続された下部傾斜リンククランク27c、及び上部傾斜リンククランク27aと下部傾斜リンククランク27cの中間に旋回可能に配置された傾斜リンク27dを備える1以上の上部傾斜リンク27と、リフトアーム20aの第1の端部21a、アームジョイント29cを備える下部傾斜ジョイント、アームジョイント29cから遠位に配置された下部傾斜リンクジョイント29b、及びアームジョイント29cと下部傾斜リンクジョイント29bの中間に配置されたアクチュエータジョイント29aに旋回可能に接続された下部傾斜リンク29と、傾斜リンク端21bに旋回可能に接続された第1の傾斜クランク端25a及び第2の傾斜クランク端25bを備える傾斜クランク25と、第2の傾斜クランク端25bに旋回可能に接続された上部傾斜リンクジョイント24a及び下部傾斜リンクジョイント29bに旋回可能に接続された下部傾斜リンクジョイント24bを備える傾斜リンク24と、シートサポートベースプラットフォーム10に旋回可能に接続され、アクチュエータジョイント29aに旋回可能に接続された傾斜アクチュエータ28と、傾斜アクチュエータ28から遠位にシートサポートベースプラットフォーム10に旋回可能に接続され、シートサポートベースプラットフォーム10と回転体傾斜クランク29の中間のリフトアーム20aの第1の端部21aに近接して配置された昇降アクチュエータジョイント22aにおいてリフトアーム20に旋回可能に接続された昇降アクチュエータ22と、を備える。
【0034】
第2のサイドリフト20は、標準的には、第1のサイドリフト20と実質的に同一であるので、その説明及び符号付けは同じであり、又は非常に類似する。
【0035】
この実施形態では、回転体アーム32が、その関連するリフトアーム20によって規定される平面においてその回転体アームアクチュエータジョイント32cに関して回転体アーム32の角度移動を制限するように構成された回転体アームリミッタ32eをさらに備え得る。さらに、乗客シート列回転体50は、第1のリフトアーム20a及び第2のリフトアーム20bの動作から独立して乗客シート列回転の変化をもたらすように動作する。
【0036】
この実施形態では、第1のシート列梁ハンガー31及び第2のシート列梁ハンガー31の各々が、リンククレビスをさらに備え得る。
【0037】
この実施形態では、
図7~9及び
図11~12をさらに参照すると、回転アクチュエータ40、傾斜アクチュエータ28及び昇降アクチュエータ22は、リフトアーム20とその関連する回転体アーム32の間の角度関係を、第1のリフトアーム下降位置から第2のリフトアーム上昇上映位置までの間でその二者間の角度関係を調整することによって制御するように、協働して動作する。また、回転アクチュエータ40、傾斜アクチュエータ28及び昇降アクチュエータ22は、下降位置と上昇位置の間でリフトアーム20を誘導するように構成されたリニアアクチュエータを備える。
【0038】
この実施形態の特定の構成では、シート列梁ハンガー31は複数のシート列梁ハンガー31を備え、シート列梁30はリフトアーム20の第1の端部21aと第2の端部21bの中間で相互から直線的にずれた複数のシート列梁30を備え、複数のシート列梁30の各シート列梁30は複数のシート列梁ハンガー31の対応する組合せのシート列梁ハンガー31に動作可能に接続され、複数のシート列梁ハンガー31の各シート列梁ハンガー31は複数のシート列梁ハンガー31の少なくとも1つの他のシート列梁ハンガー31に結合され、複数のシート列梁30間の同期的傾斜を生成するように構成される。
【0039】
これらの実施形態のいずれかにおいて、1以上の質量体が、各リフトアームに関連付けられ、釣合い重りとしてリフトアームのシートサポートベース軸受の軸側に配置されてもよい。
【0040】
これらの実施形態のいずれかにおいて、エネルギー消費を低減するように、機械的補助、例えば、リフトアームアクチュエータ22、221に近接して配置されるとともにその負荷に関連して及びその軽減のために作動するように構成された1以上のスプリングアセンブリ、空気圧シリンダ又は(1以上の窒素充填容器に連通する)油圧シリンダが、リフトアームアクチュエータ22、221とともに取り入れられてもよい。
【0041】
ここで
図5及び6を参照すると、没入型シアターシステム100は、シアターハウジング102と、上記実施形態のいずれかにおいて説明したような、少なくとも部分的にシアターハウジング102内に配置されたシアター座席アセンブリ1と、システムコントローラ70、201、202(
図1)と動作可能に通信する1以上の視聴覚プロジェクタ103と、を備える。標準的には、シート列梁161、261(
図1、
図2)は、外向きに、シアター座席アセンブリ1の各側の通路領域107を介して、左右の機器空間104に延在し、それらはその後にそれらのそれぞれの回転体140、240(
図1、
図2)に取り付けられる。ここで用いる視聴覚プロジェクタは、映像プロジェクタ、スピーカ付きの一体型映像-音声システムなど又はその組合せであり得る。
【0042】
さらに
図13を参照すると、この実施形態の特定の構成では、没入型シアターシステム100はフロア101を備え、フロア101の一部は、上部乗客シートから下部乗客シートへの落下物体の遮蔽を促進するように、1以上のシート列梁161、261(
図1、
図2)に対して上昇されるように構成されてもよい。上記のように、キャノピー(不図示)が、その関連する乗客シート162とともに移動する各乗客シート162上に存在し、固定されてもよい。さらに、フロア101は、シート列梁161、261(
図1、
図2)の全部又は一部を収容可能なネスティングスロット又はチャネル105を備えていてもよい。
【0043】
例示の方法の動作において、シアター座席技術における当業者には理解されるように、以下の「一(an)」実施形態とは、特に断りがない限り、これに限られないが上述した他の実施形態に適用可能である。
【0044】
図1及び
図5~6を再度参照すると、シアター体験、典型的には没入型シアター体験が、乗客を乗客シートアセンブリ260に着席させるのに充分な乗客搭乗位置まで、第1のシートサポート200a及び第2のシートサポート200bを位置決めするとともに乗客シートアセンブリ260を回転することによって、上述したシアターシステム1を用いて実現され得る(
図13)。システムコントローラ70、201、202は、第1の所定セットの時間においてリフトアーム下降位置(
図11、13)からリフトアーム上昇位置(
図7~10)の間の角度関係を調整することによるなどして、第1のシートサポート200a及び第2のシートサポート200b並びにそれらの関連する乗客シート梁回転体240a、240bをそれらの関連するシート梁回転体アクチュエータ241a、241bを介して実質的に同期制御して各リフトアーム220a、220b及びその関連するアクチュエータ221a、221bの間の動作をもたらす。乗客シートアセンブリ260を回転フロアとともに旋回させるのではなく、上昇及び/又は下降機能が実行されている間に乗客シートアセンブリ260の位置が変更されることになる。傾斜変化をもたらすことは、通常は、第1のリフトアーム220a及び第2のリフトアーム220bが上昇又は下降されている時の第2の所定セットの時間から所定時間に起こる。
【0045】
標準的には、アームアクチュエータ221a、221bは、シートサポートベース210a、210b及び第1のリフトアーム220aによって規定される第1のX-Y平面において第1のリフトアーム220aにおける動作をもたらし、協働してシートサポートベース210c、210d及び第2のリフトアーム220bによって規定される第2のX-Y平面において第2のリフトアーム220bの実質的に同一の動作をもたらすように動作し、第2のX-Y平面は第1のX-Y平面に実質的に平行である。乗客シート梁回転体240a、240bによってもたらされる動作は、乗客シート列軸に関して乗客シート260の傾斜角を変化させるように動作する。ほとんどの実施形態において、システムコントローラ70、201、202は、アームアクチュエータ221a、221b及び乗客シート梁回転体240a、240bと動作可能に通信し、傾斜角に対する変化を同時にもたらしている間にそれらのそれぞれのX-Y平面において第1のリフトアーム220a及び第2のリフトアーム220bの動作を同調させる。
【0046】
フロア101(
図13)が、シート列梁260a、260bをそこに受け入れるように構成されたネスティングスロット又はチャネル105(
図13)をさらに備える実施形態では、ネスティングスロット105に最も近いシート列梁260a、260bは、第1の位置においてネスティングスロット105にネスティングされることにより、この下降した乗降用の第1の位置にある間は、そのシート列梁260a、260bを観客の視線から隠すようにしてもよい。
【0047】
図6を再度参照すると、没入型シアターシステム100は、標準的には、上述のような1以上の視聴覚プロジェクタ103をさらに備え、第1のシートサポート200a及び第2のシートサポート200bの動作並びに乗客シートアセンブリ260の回転が視聴覚プロジェクタ103と同調される。したがって、第1の所定セットの時間及び第2の所定セットの時間は、標準的には、例えば、視聴覚プロジェクタ103からの投影から又はそれと同調して人間の知覚表現と一致するようにプログラムされる。
【0048】
シートサポート200a、200bが、昇降及び回転の動作を組み合わせて上昇上映位置にある間に、時には前方から後方への急な平行移動が与えられ又はもたらされてもよい。また、傾斜機能は、乗客シートアセンブリ260を上昇又は上映位置で利用可能な前傾及び後傾の所定位置に保持するように用いられてもよい。
【0049】
乗客シートアセンブリ260が複数のシート梁、例えば、上述のような第1のシート梁260a及び第2のシート梁260bを備える場合、回転機能はシステムコントローラ70、201、202を用いて制御されて、シート列梁260a、260bの一方のシート梁及びその関連の乗客シート163(
図2)をシート列梁260a、260bの第2のセット及びその関連する乗客シート163上に持ち上げ、それにより、昇降中及び上映中に相互の列位置上での制御を可能とすることができる。さらに、
図7~12に示すように、昇降中に下方のシアタースクリーン又は壁を「ホップ」して越え、そのハードルを越えてから所定の最終縦方向関係に達するために、シート列梁260a、260b及びそれらの関連する乗客シート列163を、例えば前方から後方に平坦化するのに回転機能が使用されてもよい。また、第2の機能は、昇降機能が実行されている間に相互に対してシート列梁260a及びそれらの関連する乗客シート163の相互位置を変更するように、例えば、コマンドを介してシステムコントローラ70、201、202から実行されてもよい。
【0050】
上記の実施形態の特定のものでは、シート列梁ハンガー600が存在する場合には、個々のシート列梁260a、260b及びそれらの関連する乗客シート163の傾斜は、フロアに対して各シート列梁の端部においてシート列梁ハンガー600の回転を強制することによって前方及び後方移動の双方において制御され得る。
【0051】
更なる実施形態では、ここで概略として
図7~10を参照すると、没入型シアターシステムに対する没入型シアター体験は、システムコントローラを用いて回転アクチュエータ40、傾斜アクチュエータ28及び昇降アクチュエータ22にシートアクチュエータを第1の位置に位置決めするように命令するステップと、第1のリフトアーム下降位置と第2のリフトアーム上昇上映位置(
図7~10)との間の角度関係を調整することによって、各リフトアーム20とその関連する回転体アーム32との間の動作をもたらしてその二者間の角度関係を調整するように、左右リフトアームの回転体アーム32をそれらの関連するアクチュエータ40を介して制御するステップと、シート列梁161及びそれらの関連する乗客シート162を回転フロアとともに旋回させるのではなく、回転機能がシート列梁161の第2のセットのシート列梁161及びその関連する乗客シート162を第2のセットのシート列梁161及びその関連する乗客シート162上に持ち上げ、それにより昇降中及び上映中に相互の列位置に対する制御を可能とするように、昇降機能がリフトアーム20に対して実行されている間にシート列梁161及びそれらの関連する乗客シート162の相互の位置を相互に対して変更するステップと、によって提供され得る。回転体アーム32によって提供される回転機能は、昇降中に下方のシアタースクリーン又は壁を「ホップ」して越え、そのハードルを越えてから所定の最終縦方向関係に達するために、シート列梁161及びそれらの関連する乗客シート162を前方から後方に平坦化するのに使用され得る。
【0052】
さらに、第2の機能は、昇降機能が実行されている間に、シート列梁161及びそれらの関連する乗客シート162のセットの相互の位置を相互に対して変更するように実行され得る。
【0053】
他の方法と同様に、フロア101(
図13)はシート列梁161を受け入れるように構成されたネスティングスロット105をさらに備え、シート列梁161は第1の位置においてネスティングスロット105にネスティングされ、あるいは受容され、それにより、下降された乗降用の第1の位置にある間はシート列梁161を観客の視線から隠すことができる。
【0054】
さらに、個々のシート列梁161及びそれらの関連する乗客シート162の傾斜は、施設のフロア101に対して各シート列梁の端部に対してシート列梁ハンガー31の回転を強制することによって、標準的には前方向及び後方向の双方に制御され得る。これは、標準的には、システムコントローラ70、201、202を用いて実現され、例えば、上映中にプロジェクタ103とさらに関連していてもよい。
【0055】
他の機能も、同様に制御され得る。例示としてかつ限定ではなく、リフトアーム20が上昇上映位置にある間に、昇降及び回転の動作を組み合わせることによって前方から後方への急な平行移動が与えられてもよい。更なる例示としてかつ限定ではなく、傾斜機能が、乗客シート162を上昇上映位置で利用可能な前傾及び後傾の所定位置に保持するのに使用される。
【0056】
ここに記載するように、実施形態では、第1及び第2のリフトアーム、例えば、20は、1以上の、好ましくはリニアアクチュエータ又はロータリーモータによって制御される乗客シート梁回転体を有する旋回ジョイントを有する。これらのアクチュエータ/モータの動作は、アームとそれらの関連する乗客シート梁回転体との間で、その二者間の角度関係を調整することである。
【0057】
ケーブルを伴わないが、ここに記載するシアター座席アセンブリは、各乗客シートが取り付けられたシート梁によって吊り下げられた座席をやはり採用する。実施形態では、ここにも記載されるように、シアター座席アセンブリは、例えば、各シート列梁の端部に対してハンガーの回転を強制することによって、個々のシート列の制御された傾斜を前方及び後方の双方に与えることができる。この回転は、リフトアーム又は回転体ではなく施設のフロアに対するものである。ほとんどの実施形態は、その梁上に載置されるアグノスティックな座席タイプである。例えば、それは、個々の若しくは複数組の移動シートサポートベースシート又は更なる移動のない複数列の静止シートを支持することができる。
【0058】
本発明の以上の開示及び説明は、例示的及び説明的なものである。サイズ、形状及び材料並びに例示的構成及び/又は例示的方法の詳細における種々の変形が、本発明の主旨から逸脱することなく行われ得る。
【国際調査報告】