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特表2022-526458プロピレンオキシド-スチレン単量体プロセスの化学的回収方法
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  • 特表-プロピレンオキシド-スチレン単量体プロセスの化学的回収方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-24
(54)【発明の名称】プロピレンオキシド-スチレン単量体プロセスの化学的回収方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 45/80 20060101AFI20220517BHJP
   C07C 29/80 20060101ALI20220517BHJP
   C07C 29/86 20060101ALI20220517BHJP
   C07C 33/18 20060101ALI20220517BHJP
   C07C 31/20 20060101ALI20220517BHJP
   C07C 47/54 20060101ALI20220517BHJP
   C07C 49/78 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
C07C45/80
C07C29/80
C07C29/86
C07C33/18
C07C31/20 Z
C07C47/54
C07C49/78
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021566135
(86)(22)【出願日】2020-05-06
(85)【翻訳文提出日】2022-01-05
(86)【国際出願番号】 US2020031646
(87)【国際公開番号】W WO2020227388
(87)【国際公開日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】62/844,539
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513074862
【氏名又は名称】ライオンデル ケミカル テクノロジー、エル.ピー.
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】グエン、ハ エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ディース、アンソニー エス.
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AD11
4H006AD16
4H006BB11
4H006BB31
4H006BD84
4H006FE11
4H006FG26
(57)【要約】
プロピレンオキシドとスチレン単量体との同時製造のためのプロセスのストリームから物質を回収する方法及びシステム。プロセスは、モノプロピレングリコールなどの生成物の回収またはα-メチルベンジルアルコールなどの生成物のリサイクルを可能にする。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ以上の化学物質を回収するための方法であって、
プロピレンオキシド及びスチレン単量体を同時に製造するためのプロセスから少なくとも一つのストリームを提供する段階;
少なくとも一つのストリームを沈殿槽に配置して少なくとも一つのストリームを水性ストリームと有機ストリームとに分離する段階であって、前記水性ストリームが、(i)モノプロピレングリコール、及び(ii)α-メチルベンジルアルコールの第1の量、ベンズアルデヒドの第1の量、アセトフェノンの第1の量、またはこれらの組み合わせを含む段階;
液-液抽出部で前記水性ストリームを有機抽出液体と接触させて、第1の水性抽出ストリーム及び第1の有機抽出ストリームを形成する段階を含み、
前記第1の水性抽出ストリームは、(i)モノプロピレングリコール、及び(ii)α-メチルベンジルアルコールの第2の量、ベンズアルデヒドの第2の量、アセトフェノンの第2の量、またはこれらの組み合わせを含み、
前記α-メチルベンジルアルコールの第2の量、前記ベンズアルデヒドの第2の量、前記アセトフェノンの第2の量は、それぞれα-メチルベンジルアルコールの第1の量、ベンズアルデヒドの第1の量及びアセトフェノンの第1の量よりも少ない、方法。
【請求項2】
第1の水性抽出ストリームを追加量の有機抽出液体と接触させて第2の水性抽出ストリーム及び第2の有機抽出ストリームを形成する段階をさらに含み、前記第2の水性抽出ストリームは、(i)モノプロピレングリコール、及び(ii)α-メチルベンジルアルコールの第3の量、ベンズアルデヒドの第3の量、アセトフェノンの第3の量、またはこれらの組み合わせを含み、前記α-メチルベンジルアルコールの第3の量、前記ベンズアルデヒドの第3の量、前記アセトフェノンの第3の量は、それぞれα-メチルベンジルアルコールの第2の量、ベンズアルデヒドの第2の量及びアセトフェノンの第2の量よりも少ない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の水性抽出ストリームをコアレッサに配置する段階をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の水性抽出ストリームを活性炭と接触させる段階をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の水性抽出ストリームからモノプロピレングリコールを分離するように構成された装置に、前記第1の水性抽出ストリームを配置する段階をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記水性ストリームを前記有機抽出液体と接触させる段階は、前記水性ストリームと前記有機抽出液体とを約5秒~約30秒間混合する段階と、前記水性ストリームと前記有機抽出液体とを分離するに十分な時間の間混合を中止する段階とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記水性ストリームと前記有機抽出液体とを分離するに十分な時間は約5分~約2時間である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記水性ストリーム及び前記有機抽出液体は、約0.5:1~約1:0.5(水性ストリーム:有機抽出液体)の重量比で液-液抽出部に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記有機ストリーム、または、前記第1の有機抽出ストリームのうち少なくとも一つを蒸留する段階をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記有機ストリームまたは前記第1の有機抽出ストリームの中で少なくとも一つの蒸留は、前記有機ストリームまたは前記第1の有機抽出ストリームの中で少なくとも一つから、(i)エチルベンゼン、スチレンまたはこれらの組み合わせを含む第1の蒸留ストリーム、(ii)ベンズアルデヒドを含む第2の蒸留ストリーム、(iii)α-メチルベンジルアルコール、アセトフェノン、またはこれらの組み合わせを含む第3の蒸留ストリーム、若しくは(iv)これらの組み合わせを分離する段階を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
(i)前記第1の蒸留ストリームを液-液抽出部に配置する段階と、(ii)前記第1の蒸留ストリームをプロピレンオキシド及びスチレン単量体を同時に製造するプロセスにリサイクルさせる段階と、または(iii)これらの組み合わせをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第3の蒸留ストリームをプロピレンオキシド及びスチレン単量体を同時に製造するプロセスにリサイクルさせる段階をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記液-液抽出部は、混合/分離容器、液液抽出カラム、ミキサー/コアレッサ(coalescer)装置、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記有機抽出液体は、有機非極性液体である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記有機抽出液体は、芳香族液体である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記有機抽出液体は、エチルベンゼン、n-オクタン、トルエン、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
プロピレンオキシド及びスチレン単量体の製造方法からの少なくとも一つのストリームは、パージストリームである、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記液-液抽出部の圧力は、周囲圧力である、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記液-液抽出部の温度は、約20℃~約30℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、モノプロピレングリコール、ベンズアルデヒド、α-メチルベンジルアルコール、アセトフェノン、またはこれらの組み合わせを第1の水性抽出ストリーム、第1の有機抽出ストリーム、またはこれらの組み合わせから分離する段階をさらに含む、請求項1に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、特許協力条約に基づいて2019年5月7日に出願された米国仮出願第62/844,539号に対する優先権の利益を主張し、その全文は参考として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、プロピレンオキシドとスチレン単量体とを同時に製造するためのプロセスによって生成される一つ以上のストリームから一つ以上の化学物質を回収するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
プロピレンオキシド及びスチレン単量体の同時製造方法(「POSM」プロセス)は、エチルベンゼンを酸化させてエチルベンゼンヒドロペルオキシドを形成し、ヒドロペルオキシドをプロピレンと触媒反応させてプロピレンオキシド及び1-フェニルエタノールを形成し、1-フェニルエタノール(α-メチルベンジルアルコールとも知られている)を脱水してスチレン単量体を製造する段階を含む。POSMプロセスの例は、米国特許第3,351,635号に記載されている。POSMプロセスは、また米国特許第5,210,354号及び第5,276,235号、及び米国特許出願公開第2018/0221787号に記載されており、これらはプロセス中に生成された低級重質留分をグレードアップする方法を開示している。これらの文献はそれぞれ本明細書に参照により組み込まれる。
【0004】
POSMプロセスには、モノプロピレングリコール、α-メチルベンジルアルコール、ベンズアルデヒド及び/またはアセトフェノンを含むが、これらに限定されない一つ以上の回収可能な化学物質を含む多重パージストリームが存在することがある。これらのパージストリームは、廃棄物ストリームとして処理されることができ、場合によっては燃料として使われることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一つ以上の化学物質を含むが、これらに限定されないPOSMプロセッシングによって生成される一つ以上のストリームから一つ以上の化学物質を回収することができ、前記ストリームがPOSMプロセスにリサイクルされ、燃料として使われて、精製されて最終的な市販製品及び/または他の工程で用いられることができる製品、またはこれらの組み合わせを得ることができる、方法及びシステムに対する必要性が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書では、プロピレンオキシド及びスチレン単量体を同時に製造するためのプロセスから誘導される、パージストリームを含むストリームからの一つ以上の化学物質の回収を可能にする方法を含む、前述した要求のうち一つ以上を対処する方法が提供される。回収された化学物質中の一つ以上は、POSMプロセスなどのプロセスにリサイクルされることができる。
【0007】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、プロピレンオキシド及びスチレン単量体を同時に製造するためのプロセスから少なくとも一つのストリームを提供する段階;少なくとも一つのストリームを沈殿槽に配置して少なくとも一つのストリームを水性ストリームと有機ストリームとに分離する段階であって、前記水性ストリームが、(i)モノプロピレングリコール、及び(ii)α-メチルベンジルアルコール(1-フェニルエタノールとも知られている)の第1の量、ベンズアルデヒドの第1の量、アセトフェノンの第1の量、またはこれらの組み合わせを含む段階;液-液抽出部で前記水性ストリームを有機抽出液体と接触させて、第1の水性抽出ストリーム及び第1の有機抽出ストリームを形成する段階を含み、前記第1の水性抽出ストリームは、(i)モノプロピレングリコール、及び(ii)α-メチルベンジルアルコールの第2の量、ベンズアルデヒドの第2の量、アセトフェノンの第2の量、またはこれらの組み合わせを含み、前記α-メチルベンジルアルコールの第2の量、前記ベンズアルデヒドの第2の量、前記アセトフェノンの第2の量は、それぞれα-メチルベンジルアルコールの第1の量、ベンズアルデヒドの第1の量及びアセトフェノンの第1の量よりも少ない。
【0008】
いくつかの実施形態において、前記方法はまた、第1の水性抽出ストリームを追加量の有機抽出液体と接触させて第2の水性抽出ストリーム及び第2の有機抽出ストリームを形成する段階を含み、前記第2の水性抽出ストリームは、(i)モノプロピレングリコール、及び(ii)α-メチルベンジルアルコールの第3の量、ベンズアルデヒドの第3の量、アセトフェノンの第3の量、またはこれらの組み合わせを含み、前記α-メチルベンジルアルコールの第3の量、前記ベンズアルデヒドの第3の量、前記アセトフェノンの第3の量は、それぞれα-メチルベンジルアルコールの第2の量、ベンズアルデヒドの第2の量及びアセトフェノンの第2の量よりも少ない。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記方法はまた、モノプロピレングリコール、ベンズアルデヒド、α-メチルベンジルアルコール、アセトフェノン、またはこれらの組み合わせを第1の水性抽出ストリーム、第1の有機抽出ストリーム、またはこれらの組み合わせから分離する段階を含む。
【0010】
この要約は、以下の詳細な説明でさらに説明される概念の選択を紹介するために提供される。この要約は、請求された主題の核心または必須特徴を特定するためのものではなく、請求された主題の範囲を限定する補助として使われるものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本明細書に記載された方法の実施形態を行うためのシステムの実施形態の概路図を示す。
図2】本明細書に記載された方法の実施形態を行うためのシステムの実施形態の概路図を示す。
図3】本明細書に記載された方法の実施形態を行うためのシステムの実施形態の概路図を示す。
図4】本明細書に記載された方法の実施形態を行うためのシステムの実施形態の概路図を示す。
図5】本明細書に記載された方法の実施形態を行うためのシステムの実施形態の概路図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
プロピレンオキシド及びスチレン単量体を同時に製造するためのプロセスから誘導される一つ以上のストリームから一つ以上の化学物質を回収するための方法が提供される。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、プロピレンオキシド及びスチレン単量体を同時に製造するためのプロセスから少なくとも一つのストリームを提供する段階;沈殿槽に少なくとも一つのストリームを配置して少なくとも一つのストリームを水性ストリームと有機ストリームとに分離する段階を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、プロピレンオキシド及びスチレン単量体を同時に製造するためのプロセスからの一つのストリームが沈殿槽に配置される。いくつかの実施形態では、プロピレンオキシド及びスチレン単量体を同時に製造するためのプロセスからの二つのストリームが沈殿槽に配置される。いくつかの実施形態では、プロピレンオキシド及びスチレン単量体を同時に製造するためのプロセスからの三つのストリームが沈殿槽に配置される。いくつかの実施形態では、プロピレンオキシド及びスチレン単量体を同時に製造するためのプロセスからの3つ超過のストリーム(例えば、4~10つのストリーム)が沈殿槽に配置される。一つ以上のストリームが沈殿槽に配置される場合、一つ以上のストリームを沈殿槽に直接配置することができ、一つ以上のストリームは、沈殿槽に配置される前に組み合わせられることができ、またはこれらの組み合わせであることができる。いくつかの実施形態では、プロピレンオキシド及びスチレン単量体を製造するためのプロセスからの少なくとも一つのストリームはパージストリームを含む。
【0014】
沈殿槽は、任意の公知の沈殿槽を含むことができる。沈殿槽は、一般的に、一つの貯留槽、一つ以上の流入口、及び少なくとも一つの流出口を含むことができる。いくつかの実施形態において、沈殿槽で有機ストリーム:水性ストリームの重量比は、約50~75:25~50である。いくつかの実施形態において、沈殿槽で有機ストリーム:水性ストリームの重量比は、約65:35である。追加量の水性液体、有機液体、または両者ともは、プロピレンオキシド及びスチレン単量体を同時に製造するためのプロセスから誘導される一つ以上のストリームは、沈殿槽に配置される前、途中または後に、沈殿槽に添加されることができる。
【0015】
いくつかの実施形態において、沈殿槽の水性ストリームは、(i)モノプロピレングリコール、及び(ii)α-メチルベンジルアルコールの第1の量、ベンズアルデヒドの第1の量、アセトフェノンの第1の量、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載された方法は、液-液抽出部で前記水性ストリームを有機抽出液体と接触させて、第1の水性抽出ストリーム及び第1の有機抽出ストリームを形成する段階を含み、前記第1の水性抽出ストリームは、(i)モノプロピレングリコール、及び(ii)α-メチルベンジルアルコールの第2の量、ベンズアルデヒドの第2の量、アセトフェノンの第2の量、またはこれらの組み合わせを含み、前記α-メチルベンジルアルコールの第2の量、前記ベンズアルデヒドの第2の量、前記アセトフェノンの第2の量は、それぞれα-メチルベンジルアルコールの第1の量、ベンズアルデヒドの第1の量及びアセトフェノンの第1の量よりも少ない。
【0016】
いくつかの実施形態において、α-メチルベンジルアルコールの第2量は、α-メチルベンジルアルコールの第1量よりも約20%~約50%、約25%~約45%、または約25%~約35%少ない。すなわち、前記第1の量が100単位であり、第2の量が第1の量より25%少ない場合、第2の量は75単位である。
【0017】
いくつかの実施形態において、ベンズアルデヒドの第2の量は、ベンズアルデヒドの第1の量よりも約70%~約99%、約75%~約99%、または約80%~約95%少ない。
【0018】
いくつかの実施形態において、アセトフェノンの第2の量は、それぞれ、アセトフェノンの第1の量よりも約70%~約99%、約75%~約99%、または約80%~約99%少ない。
【0019】
いくつかの実施形態において、水性ストリームを有機抽出液体と接触させる段階は、水性ストリームと有機抽出液体とを混合する段階を含む。水性ストリームと有機抽出液体は、約5秒~約60秒、約5秒~約30秒、または約30秒間混合することができる。前記混合は、撹拌、液-液抽出部の移動(例えば、反転)、またはこれらの組み合わせのような任意の公知の技術によって達成され得る。前記方法はまた、水性ストリームと有機抽出液体とを分離するに十分な時間の間、混合を中止する段階を含むことができる。水性ストリームと有機抽出液体とを分離するに十分な時間は、約5分~約2時間、約30分~約1.5時間、または約1時間であってもよい。
【0020】
水性ストリーム及び有機抽出液体は、液-液抽出部に任意の重量比で存在することができる。くつかの実施形態において、水性ストリーム及び有機抽出液体は、約0.5:1~約1:0.5、約0.6:1~約1:0.6、約0.7:1~約1:0.7、約0.8:1~約1:0.8、約0.9:1~約1:0.9、または約1:1(水性ストリーム:有機抽出液体)の重量比で液-液抽出部に存在する。
【0021】
液-液抽出部は、本明細書に記載された方法に望ましくない影響を与えない任意の温度及び/または圧力で作動することができる。いくつかの実施形態において、液体抽出部の圧力は、周囲圧力である。しかし、いくつかの実施形態では、周囲圧力よりも大きい圧力を用いてもよい。例えば、液-液抽出部の圧力は、約1.1bar~約2barであることがある。いくつかの実施形態において、液-液抽出部の温度は、約20℃~約30℃である。「液体抽出部の温度」とは、液-液抽出部の温度及び/または液-液抽出部の内容物の温度を意味することができる。いくつかの実施形態では、上昇した温度を使用することができる。例えば、液-液抽出部の内容物は、該内容物が液-液抽出部に配置される前、途中及び/または後に加熱されてもよい。例えば、液-液抽出部の温度は、約35℃~約75℃であることがある。
【0022】
液-液抽出部は、抽出を行うことができる公知の装置を含むことができる。いくつかの実施形態において、液-液抽出部は、混合/分離容器、液液抽出カラム、ミキサー/コアレッサ(coalescer)装置、またはこれらの組み合わせを含む。
【0023】
有機抽出液体は、実質的に不水溶性の任意の有機液体(すなわち、20℃で水100mL当たり0.1g未満の溶解度)を含むことができる。いくつかの実施形態において、有機抽出液体は、有機非極性液体である。いくつかの実施形態において、有機抽出液体は、芳香族非極性液体を含む芳香族液体である。いくつかの実施形態において、有機抽出液体は、エチルベンゼン、n-オクタン、トルエン、またはこれらの組み合わせを含む。
【0024】
図1は、本明細書に記載された方法の実施形態を行うのに使われることができるシステム100の概路図である。システム100は、沈殿槽110と、液-液抽出部120とを含む。図1に示した実施形態において、POSMプロセスからの3つのパージストリーム101、102、103が組み合わせられて沈殿槽110に配置される。沈殿槽110において、3つのパージストリーム101、102、103は、有機ストリーム111と水性ストリーム112とに分離される。いくつかの実施形態において、有機ストリーム111は、任意選択的に(i)精製され、(ii)3つのパージストリーム101、102、103が引き出されるPOSMプロセスにリサイクルされるか、または(iii)3つのパージストリーム101、102、103が引き出されるPOSMプロセスに精製及びリサイクルされる。水性ストリーム112及び有機抽出液体113は、液-液抽出部120に配置される。水性ストリーム112と有機抽出液体113との接触及びその後の分離によって、有機抽出ストリーム121及び水性抽出ストリーム122を生成する。水性抽出ストリーム122は、本明細書に記載された精製段階のような更なる精製を経ることができ、有機抽出ストリーム121は、3つのパージストリーム101、102、103が引き出されるPOSMプロセスにリサイクルされるか、またはこれらの組み合わせであることができる。いくつかの実施形態において、3つのパージストリーム101、102、103は、実施例1のストリーム1、ストリーム2、及びストリーム3を含む。
【0025】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載された方法は、第1の水性抽出ストリームを追加量の有機抽出液体と接触させて第2の水性抽出ストリーム及び第2の有機抽出ストリームを形成する段階を含み、前記第2の水性抽出ストリームは、(i)モノプロピレングリコール、及び(ii)α-メチルベンジルアルコールの第3の量、ベンズアルデヒドの第3の量、アセトフェノンの第3の量、またはこれらの組み合わせを含み、前記α-メチルベンジルアルコールの第3の量、前記ベンズアルデヒドの第3の量、前記アセトフェノンの第3の量は、それぞれα-メチルベンジルアルコールの第2の量、ベンズアルデヒドの第2の量及びアセトフェノンの第2の量よりも少ない。追加量の有機抽出液体は、有機抽出液体の新しい部分、有機抽出液体のリサイクル部分、またはこれらの組み合わせを含むことができる。例えば、図2及び図3に示したように、有機抽出液体は、精製された後、液-液抽出部にリサイクルされることができる。
【0026】
いくつかの実施形態において、α-メチルベンジルアルコールの第3量は、α-メチルベンジルアルコールの第2量よりも約20%~約50%、約25%~約45%、または約25%~約35%%少ない。すなわち、第2の量が100単位であり、第3の量が第2の量よりも25%少ない場合、第3の量は75単位である。
【0027】
いくつかの実施形態において、ベンズアルデヒドの第3の量は、ベンズアルデヒドの第2の量よりも約70%~約99%、約75%~約99%、または約80%~約95%少ない。
【0028】
いくつかの実施形態において、アセトフェノンの第3の量は、それぞれ、アセトフェノンの第2の量よりも約70%~約99%、約75%~約99%、または約80%~約99%少ない。
【0029】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載された方法は、第1の水性抽出ストリームをコアレッサに配置する段階を含む。コアレッサは、炭化水素の小さい粒子及び/または液滴のより大きい粒子及び/または液滴へのコアレッセンス(coalescence)を促進及び/または増進するように構成された任意の装置を含むことができる。本明細書に記載された方法のコアレッサは、機械的コアレッサまたは静電式コアレッサを含むことができる。
【0030】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載された方法は、第1の水性抽出ストリームを活性炭と接触させる段階を含む。活性炭は、活性炭層の形態であってもよい。活性炭は、吸着などの一つ以上のメカニズムを通じて水性抽出ストリームから不純物の少なくとも一部を除去することができる。
【0031】
いくつかの実施形態において、方法は、第1の水性抽出ストリームからモノプロピレングリコールを分離するように構成された乾燥カラムなどの装置に、第1の水性抽出ストリームを配置する段階を含む。したがって、方法は、第1の水性抽出ストリームからモノプロピレングリコールを分離する段階を含むことができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載された方法はまた、有機ストリーム若しくは第1の有機抽出ストリームのうち少なくとも一つを蒸留する段階を含む。蒸留は、単一蒸留段階または二つ以上の蒸留段階を含むことができる。いくつかの実施形態において、有機ストリームまたは第1の有機抽出ストリームの中で少なくとも一つの蒸留は、有機ストリームまたは第1の有機抽出ストリームの中で少なくとも一つを、(i)エチルベンゼン、スチレンまたはこれらの組み合わせを含む第1の蒸留ストリーム、(ii)ベンズアルデヒドを含む第2の蒸留ストリーム、(iii)α-メチルベンジルアルコール、アセトフェノン、またはこれらの組み合わせを含む第3の蒸留ストリーム、若しくは(iv)これらの組み合わせに分離する段階を含む。
【0033】
いくつかの実施形態において、方法はまた、(i)液-液抽出部に第1の蒸留ストリームを配置する段階、(ii)第1の蒸留ストリームをプロピレンオキシド及びスチレン単量体を同時に製造するためのプロセスにリサイクルさせる段階、または(iii)これらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、方法はまた、第3の蒸留ストリームをプロピレンオキシド及びスチレン単量体を同時に製造するためのプロセスにリサイクルさせる段階を含む。
【0034】
図2は、本明細書に記載された方法の実施形態を行うのに使われることができるシステム200の概路図である。システム200は、沈殿槽210と、液-液抽出部220とを含む。図2に示した実施形態において、POSMプロセスからの3つのパージストリーム201、202、203が組み合わせられて沈殿槽210に配置される。沈殿槽210において、3つのパージストリーム201、202、203は、有機ストリーム211と水性ストリーム212とに分離される。沈殿槽における有機ストリーム211:水性ストリーム212の重量比は、約50~70:30~50、例えば約65:35であることができる。いくつかの実施形態では、3つのパージストリーム201、202、203は、それぞれ、実施例1のストリーム1、ストリーム2及びストリーム3である。水性ストリーム212及び有機抽出液体213は、液-液抽出部220に配置される。水性ストリーム212と有機抽出液体213との接触及びその後の分離によって、有機抽出ストリーム221及び水性抽出ストリーム222を生成する。次いで、水性抽出ストリーム222は、コアレッサ230に移送され、水性抽出ストリーム222から有機物質231を除去して合体された水性抽出ストリーム232を生成し、活性炭層240と接触して洗浄された凝集水性抽出ストリーム241を生成し、これを乾燥カラム250に配置してモノプロピレングリコール251を水252から分離する。沈殿槽210からの有機ストリーム211、液-液抽出部220からの有機抽出ストリーム221、及びコアレッサ230からの有機材料231は、重相262(ベンズアルデヒド、α-メチルベンジルアルコール、及びアセトフェノンを含む)から軽相261(有機抽出液体213及びスチレンを含む)を分離するカラム260に配置される。軽相261は、前記液-液抽出部220内に前記軽相261を配置することでリサイクルすることができる。軽相261は、液-液抽出部220に直接配置されることができるか、または示しているように、液-液抽出部220に配置される前に有機抽出液体213と組み合わせられることができる。軽相261は、3つのパージストリーム201、202、203が引き出されるPOSMプロセス270にリサイクルされることができる。いくつかの実施形態において、軽相261は、[1]液-液抽出部220にのみリサイクルされ、[2]POSMプロセス270にのみリサイクルされるか、または[3]液-液抽出部220及びPOSMプロセス270の両者ともにリサイクルされる。重相262は、カラム280に配置してα-メチルベンジルアルコール/アセトフェノン282を含むストリームからベンズアルデヒド281を含むストリームを分離することができる。α-メチルベンジルアルコール/アセトフェノンを含むストリーム282は、燃料として用いられるか、3つのパージストリーム201、202、203が引き出されるPOSMプロセスにリサイクルされることができる。
【0035】
図3は、本明細書に記載された方法の実施形態を行うのに使われることができるシステム300の概路図である。システム300は、沈殿槽310と、液-液抽出部320とを含む。図3に示した実施形態において、POSMプロセスからの3つのパージストリーム301、302、303が組み合わせられて沈殿槽310に配置される。代案的に、3つのパージストリーム301、302、303は、沈殿槽310に直接配置されることができる。沈殿槽310において、3つのパージストリーム301、302、303は、有機ストリーム311と水性ストリーム312とに分離される。沈殿槽における有機ストリーム311:水性ストリーム312の重量比は、約50~70:30~50、例えば約65:35であることができる。いくつかの実施形態では、3つのパージストリーム301、302、303は、それぞれ、実施例1のストリーム1、ストリーム2及びストリーム3である。水性ストリーム312及び有機抽出液体313は、液-液抽出部320に配置される。水性ストリーム312と有機抽出液体313との接触及びその後の分離によって、有機抽出ストリーム321及び水性抽出ストリーム322を生成する。次いで、水性抽出ストリーム322は、コアレッサ330に移送され、水性抽出ストリーム322から有機物質331を除去して合体された水性抽出ストリーム332を生成し、活性炭層340と接触して洗浄された凝集水性抽出ストリーム341を生成し、これを乾燥カラム350に配置してモノプロピレングリコール351を水352から分離する。沈殿槽310からの有機ストリーム311、液-液抽出部320からの有機抽出ストリーム321、及びコアレッサ330からの有機材料331は、結合されたストリームを第1のストリーム361(有機抽出313及びスチレンを含む)、ベンズアルデヒドを含む第2のストリーム363、α-メチルベンジルアルコール、及びアセトフェノンを含む第3ストリーム362に分離するカラム360に配置される。第1のストリーム361は、第1のストリーム361を液-液抽出部320に配置することでリサイクルされることができる。第1のストリーム361は、液-液抽出部320に直接配置されることができるか、示しているように、液-液抽出部320に配置される前に有機抽出液体313と組み合わせられることができる。第1ストリーム361は、3つのパージストリーム301、302、303が引き出されるPOSMプロセス370にリサイクルされることができる。いくつかの実施形態において、第1のストリーム361は、[1]液-液抽出部320にのみリサイクルされ、[2]POSMプロセス370にのみリサイクルされるか、または[3]液-液抽出部320及びPOSMプロセス370の両者ともにリサイクルされる。α-メチルベンジルアルコール/アセトフェノンを含む第3ストリーム363は、燃料として用いられるか、及び/または3つのパージストリーム301、302、303が引き出されるPOSMプロセスにリサイクルされることができる。
【0036】
図4は、本明細書に記載された方法の実施形態を行うのに使われることができるシステム400の概路図である。システム400は、沈殿槽410と、カラム420とを含む。図4に示した実施形態において、POSMプロセスからの3つのパージストリーム401、402、403が組み合わせられて沈殿槽410に配置される。代案的に、3つのパージストリーム401、402、403は、沈殿槽410に直接配置されることができる。沈殿槽410において、3つのパージストリーム401、402、403は、有機ストリーム411と水性ストリーム412とに分離される。沈殿槽410における有機ストリーム411:水性ストリーム412の重量比は、約50~70:30~50、例えば約65:35であることができる。いくつかの実施形態では、3つのパージストリーム401、402、403は、それぞれ、実施例1のストリーム1、ストリーム2及びストリーム3である。水性ストリーム412は、本明細書に記載されたように有機抽出液体と接触し得る。沈殿槽410からの有機ストリーム411は、ストリームを、スチレンを含む第1のストリーム421、ベンズアルデヒドを含む第2のストリーム422、及びα-メチルベンジルアルコール及びアセトフェノンを含む第3のストリーム423に分離するカラム420に配置される。第1のストリーム421は、3つのパージストリーム401、402、403が引き出されるPOSMプロセスにリサイクルされることができる。α-メチルベンジルアルコール/アセトフェノンを含む第3のストリーム423は、燃料として用いられるか、及び/または3つのパージストリーム401、402、403が引き出されるPOSMプロセスにリサイクルされることができる。
【0037】
図5は、本明細書に記載された方法の実施形態を行うのに使われることができるシステム500の概路図である。システム500は、沈殿槽510と、液-液抽出部520とを含む。液-液抽出部520は、充填床式の逆流液-液抽出部であることができる。図5に示した実施形態において、POSMプロセスからの3つのパージストリーム501、502、503が組み合わせられて沈殿槽510に配置される。代案的に、3つのパージストリーム501、502、503は、沈殿槽510に直接配置されることができる。沈殿槽510において、3つのパージストリーム501、502、503は、有機ストリーム511と水性ストリーム512とに分離される。沈殿槽における有機ストリーム511:水性ストリーム512の重量比は、約50~70:30~50、例えば約65:35であることができる。いくつかの実施形態では、3つのパージストリーム501、502、503は、それぞれ、実施例1のストリーム1、ストリーム2及びストリーム3である。水性ストリーム512及び有機抽出液体513は、液-液抽出部520に配置される。水性ストリーム512と有機抽出液体513との接触及びその後の分離によって、有機抽出ストリーム521及び水性抽出ストリーム522を生成する。次いで、水性抽出ストリーム522は、コアレッサ530に移送され、水性抽出ストリーム522から有機物質531を除去して合体された水性抽出ストリーム532を生成し、活性炭層540と接触して洗浄された凝集水性抽出ストリーム541を生成し、これを乾燥カラム550に配置してモノプロピレングリコール551を水552から分離する。沈殿槽510からの有機ストリーム511、液-液抽出部520からの有機抽出ストリーム521、及びコアレッサ530からの有機材料531は、結合されたストリームを第1のストリーム561(有機抽出513及びスチレンを含む)、「重質」または「底部有機物」(例えば、ベンズアルデヒド、α-メチルベンジルアルコール、アセトフェノン、またはこれらの組み合わせ)を含む第2のストリーム562に分離するカラム560に配置される。第1のストリーム561は、液-液抽出部520に第1のストリーム561を配置することでリサイクルされることができる。第1のストリーム561は、液-液抽出部520に直接配置されることができるか、示しているように、液-液抽出部520に配置される前に有機抽出液体513と組み合わせられることができる。第1のストリーム561は、3つのパージストリーム501、502、503が引き出されるPOSMプロセス570にリサイクルされることができる。いくつかの実施形態において、第1のストリーム561は、[1]液-液抽出部520にのみリサイクルされ、[2]POSMプロセス570にのみリサイクルされるか、または[3]液-液抽出部520及びPOSMプロセス570の両者ともにリサイクルされる。第2のストリーム562は、燃料として用いられるか、及び/または3つのパージストリーム501、502、503が引き出されるPOSMプロセスにリサイクルされることができる。
【0038】
いくつかの実施形態において、前記方法はまた、モノプロピレングリコール、ベンズアルデヒド、α-メチルベンジルアルコール、アセトフェノン、またはこれらの組み合わせを第1の水性抽出ストリーム、第1の有機抽出ストリーム、またはこれらの組み合わせから分離する段階を含む。分離は、本明細書に記載された装置または方法、もしくは任意の一つ以上の公知の装置または方法を用いて達成されることができる。
【0039】
多様な実施形態の開示を容易にするために従来の技術の特定の態様が論議されたが、出願人はこれら技術的態様を決して否認しなく、本開示は、本明細書で論議される従来の技術的態様の一つ以上を含むことができることが考慮される。
【0040】
本明細書の説明において、「含む」「である」「含有する」「有する」及び「備える」という用語は、非制限的に使用されているため、「含むが、これに限定されない」ということを意味するものと解されなければならない。方法及びシステムが種々の成分又はステップを「備える」という用語でクレーム又は説明されるとき、同システム及び方法は、指摘の無い限り、種々の成分から「基本的になる」又は「なる」ものとすることもできる。
【0041】
不定冠詞や定冠詞は、複数の代替、例えば少なくとも1つの代替も含み得ることが意図されている。例えば、「ストリーム」、「有機抽出液体」、「沈殿槽」等の開示は、指摘の無い限り、1種を超えるストリーム、有機抽出液体、沈殿槽のうちの1つ、混合物、又は組み合わせを網羅するものが意味されている。
【0042】
種々の数値範囲について本明細書中に開示している。出願人が任意の種別の範囲について開示又はクレームするとき、出願人の意図は、指摘の無い限り、範囲の終点や、その中に含まれる副次的範囲、及びその副次的範囲の組み合わせを合理的に網羅する、各々個別に可能な数字を開示又はクレームするというものである。さらに、本明細書に開示の範囲のすべての数値的終点は近似値である。代表的な例として、出願人は一実施形態で液-液抽出部の温度が「約20℃~約30℃」であることを開示する。この範囲は、約20℃と約30℃の温度を含み、さらに、それぞれ約21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、及び29℃を含み、これらの値の間のすべての範囲及び下位範囲を含むものと解釈されなければならない。
【0043】
本明細書に使われる用語「約」は、表示された値の5%以内である値を指す。例えば、「約20℃」は19℃~21℃の圧力を含む。
実施例
【0044】
本開示について、以下の実施例によりさらに説明を行うが、これらの実施例は、いかなる方法においても、その範囲に限定を課すものとして理解されてはならない。一方、本明細書に記載の説明を読んだ後に、本開示の要旨又は添付の請求項の範囲から逸脱することなく、当業者に対して提示されてもよいその他種々の態様、実施形態、変形例、及びそれらの同等物について、期待され得ることが理解されなければならない。従って、本開示の他の態様は、本明細書に記載の本開示の詳細と実施を考慮することにより、当業者にとって明らかとなるであろう。
【0045】
<実施例1> POSMパージストリームの分析
【0046】
本実施例では、POSMプロセスからの3つのパージストリームを収集して分析した。ストリームは、以下の表において「1」、「2」及び「3」の任意のラベルが付してあり、これらはストリームの成分の平均重量百分率も示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
以前の表は、ストリーム2の各成分の平均重量パーセントを示す。
【0050】
【表3】
【0051】
本実施例のストリームのうち一つ以上が、以下の実施例に記載されたプロセスを経たが、POSMプロセスの他のストリームは、以下の実施例の方法を含む本明細書に記載された方法を経ることができる。
【0052】
<実施例2> エチルベンゼンによる抽出
【0053】
本実施例において、ストリーム1の試料Aから分離された水性ストリーム上にてエチルベンゼンで液液抽出を行った。試料Aは、抽出前にGC-FID分析を行った結果、モノプロピレングリコール、ベンズアルデヒド及びα-メチルベンジルアルコール/アセトフェノンに該当する3つの重要なピークを現わした。
【0054】
1:1重量比の[1]エチルベンゼン及びストリーム1の試料Aから分離された[2]水性ストリームを周囲温度及び周囲圧力下に液-液抽出部に配置した。抽出部の内容物を15秒間混合し、1時間の間分離させた。
【0055】
液-液抽出部は、有機ストリーム及び水性ストリームを含み、これらをGC-FID分析を行った。エチルベンゼンで抽出した後、水性ストリームを分析した結果、3つのピークを示したが、一番目はモノプロピレングリコールに該当し、二番目はエチルベンゼンに該当し、三番目はα-メチルベンジルアルコール及びアセトフェノンに該当する。抽出前にGC-FID分析で現われたベンズアルデヒドピークは、もう存在しなかった。また抽出前に行われたGC-FID分析と比較して、α-メチルベンジルアルコール及びアセトフェノンの減少も観察された。次に、エチレンベンゼンを除去した。
【0056】
抽出後の本実施例の有機ストリームに対するGC-FID分析は、3つのピークを現わしたが、一番目はエチルベンゼンに該当し、二番目はベンズアルデヒドに該当し、三番目はα-メチルベンジルアルコール及びアセトフェノンに該当する。
【0057】
この実施例の3つの連続するパスに対する抽出効率は、次の表に示す。
【0058】
【表4】
【0059】
以前の表は、ストリーム3の各成分の平均重量パーセントを示す。
【0060】
本実施例では、ストリーム1の試料が使われたが、本実施例の手続きは、POSMプロセスからのストリーム2、ストリーム3、及び/またはパージストリームを含む他のストリームを含むが、これらに限定されない他のストリームに適用されてもよいか;さらに、手続きは、ストリーム1、ストリーム2、ストリーム3、POSMプロセスの他のストリーム、またはこれらの組み合わせの少なくとも2つを含む組み合わせを含むが、これらに限定されないストリームの組み合わせに適用されてもよい。
【0061】
本実施例の液-液抽出部の内容物は、周囲温度と周囲圧力を受けたが、他の温度及び/または圧力が使われることができる。
【0062】
<実施例3> n-オクタンによる抽出
【0063】
本実施例において、ストリーム1の試料Aから分離された水性ストリーム上にてn-オクタンで液液抽出を行った。実施例2のように、試料Aを抽出前にGC-FID分析を行った結果、モノプロピレングリコール、ベンズアルデヒド及びα-メチルベンジルアルコール/アセトフェノンに該当する3つの顕著なピークを現わした。
【0064】
1:1重量比の[1]n-オクタン及びストリーム1の試料Aから分離された[2]水性ストリームを周囲温度及び周囲圧力下に液-液抽出部に配置した。抽出装置の内容物を15秒間混合して1時間の間沈澱させた。
【0065】
分離後、液-液抽出部は、有機ストリーム及び水性ストリームを含んでいたし、これらに対してGC-FID分析を行って抽出効率を決定した。3つをパスした後、GC-FIDデータは、有機ストリームにおいて非常に低い濃度のモノプロピレングリコールを現わした。
【0066】
この実施例の3つの連続するパスに対する抽出効率は、次の表に示す。
【0067】
【表5】
【0068】
本実施例の結果は、水とモノプロピレングリコールとを含む水性ストリームにおいて、n-オクタンの溶解度が非常に低いということを現わした。n-オクタンのこのような特徴は、本実施例のグリコール精製工程の複雑さを減少させた。またモノプロピレングリコールがn-オクタンに対する溶解度が非常に低いという事実のため、本実施例では有機ストリームにおけるモノプロピレングリコールの損失が減少または最小化された。
【0069】
本実施例のn-オクタンは、蒸留を通じて精製及びリサイクルされ、これは、少なくとも部分的には、n-オクタンが有機ストリームの他の成分の全部ではないが大部分よりもずっと低い沸点を有するという事実のため、比較的簡単なプロセスであった。また、n-オクタンは、既に多くのPOSMプロセスで使用され、これは統合オプションを提供することができる。
【0070】
本実施例では、ストリーム1の試料が使われたが、本実施例の手続きは、POSMプロセスからのストリーム2、ストリーム3、及び/またはパージストリームを含む他のストリームを含むが、これらに限定されない他のストリームに適用されてもよいか;さらに、手続きは、ストリーム1、ストリーム2、ストリーム3、POSMプロセスの他のストリーム、またはこれらの組み合わせの少なくとも2つを含む組み合わせを含むが、これらに限定されないストリームの組み合わせに適用されてもよい。
【0071】
本実施例の液-液抽出部の内容物は、周囲温度と周囲圧力を受けたが、他の温度及び/または圧力が使われることができる。
【0072】
<実施例4> トルエンによる抽出
【0073】
本実施例において、ストリーム1の試料Aから分離された水性ストリーム上にてトルエンで液液抽出を行った。実施例2及び3でのように、試料Aは抽出前にGC-FID分析を行った結果、モノプロピレングリコール、ベンズアルデヒド及びα-メチルベンジルアルコール/アセトフェノンに該当する3つの重要なピークを現わした。
【0074】
1:1重量比の[1]トルエン及びストリーム1の試料Aから分離された[2]水性ストリームを周囲温度及び周囲圧力下に液-液抽出部に配置した。抽出装置の内容物を15秒間混合して1時間の間沈澱させた。
【0075】
分離後、液-液抽出部は、有機ストリーム及び水性ストリームを含んでいたし、これらに対してGC-FID分析を行って抽出効率を決定した。
【0076】
この実施例の3つの連続するパスに対する抽出効率は、次の表に示す。
【0077】
【表6】
【0078】
本実施例の結果は、水とモノプロピレングリコールとを含む水性ストリームにおいて、トルエンの溶解度が非常に低いということを現わした。トルエンのこのような特徴は、本実施例のグリコール精製工程の複雑さを減少させた。またモノプロピレングリコールがトルエンに対する溶解度が非常に低いという事実のため、本実施例では有機ストリームにおけるモノプロピレングリコールの損失が減少または最小化された。
【0079】
本実施例のトルエンは、蒸留を通じて精製及びリサイクルされ、これは、少なくとも部分的には、トルエンが有機ストリームの他の成分の全部ではないが大部分よりもずっと低い沸点を有するという事実のため、比較的簡単なプロセスであった。また、トルエンは、既に多くのPOSMプロセスで使用され、これは統合オプションを提供することができる。
【0080】
本実施例では、ストリーム1の試料が使われたが、本実施例の手続きは、POSMプロセスからのストリーム2、ストリーム3、及び/またはパージストリームを含む他のストリームを含むが、これらに限定されない他のストリームに適用されてもよいか;さらに、手続きは、ストリーム1、ストリーム2、ストリーム3、POSMプロセスの他のストリーム、またはこれらの組み合わせの少なくとも2つを含む組み合わせを含むが、これらに限定されないストリームの組み合わせに適用されてもよい。
【0081】
本実施例の液-液抽出部の内容物は、周囲温度と周囲圧力を受けたが、他の温度及び/または圧力が使われることができる。
【0082】
<実施例5> 真空蒸留
【0083】
本実施例は、真空蒸留カラムを用いて有機層を3つの分画に分離する方法を例示する。本実験には、20トライ、内径1インチのオルダーショウ(Oldershaw)ガラス真空カラムが使用された。バッチ蒸留は、略20mmHgで行った。他の真空圧力を用いることができるが、20mmHgを超える圧力で蒸留すると、底部温度が上がるので、エネルギー消費量が高くなる。34%ベンズアルデヒドを含む200gr有機相から、真空蒸留を通じて、前記表7のように3つの分画を収集した。
【0084】
【表7】
【0085】
<実施例6> 水相抽出
【0086】
本実施例は、水相をエチルベンゼンで抽出して有機物含量を減らした後、真空蒸留を用いて混合物で水を除去する方法を示している。表8は、処理される前の水相の組成を示す。
【0087】
【表8】
【0088】
周囲温度及び大気圧下、エチルベンゼン(1:1の割合)による前記水相に対する単一の液液抽出。次に、得られた水性抽出ストリームにおける水は、25mmHgで20トレイー、内径1インチのオルダーショウガラス真空蒸留カラムを用いて減少された。下部生成物の組成は、表9に示す。
【0089】
【表9】

図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-04-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ以上の化学物質を回収するための方法であって、プロピレンオキシド及びスチレン単量体を同時に製造するためのプロセスから少なくとも一つのストリームを提供する段階;
少なくとも一つのストリームを沈殿槽に配置して少なくとも一つのストリームを水性ストリームと有機ストリームとに分離する段階であって、前記水性ストリームが、(i)モノプロピレングリコール、及び(ii)α-メチルベンジルアルコールの第1の量、ベンズアルデヒドの第1の量、アセトフェノンの第1の量、またはこれらの組み合わせを含む段階;
液-液抽出部で前記水性ストリームを有機抽出液体と接触させて、第1の水性抽出ストリーム及び第1の有機抽出ストリームを形成する段階;および
前記第1の水性抽出ストリームをコアレッサに配置する段階を含み、
前記第1の水性抽出ストリームは、(i)モノプロピレングリコール、及び(ii)α-メチルベンジルアルコールの第2の量、ベンズアルデヒドの第2の量、アセトフェノンの第2の量、またはこれらの組み合わせを含み、
前記α-メチルベンジルアルコールの第2の量、前記ベンズアルデヒドの第2の量、前記アセトフェノンの第2の量は、それぞれα-メチルベンジルアルコールの第1の量、ベンズアルデヒドの第1の量及びアセトフェノンの第1の量よりも少ない、方法。
【請求項2】
第1の水性抽出ストリームを追加量の有機抽出液体と接触させて第2の水性抽出ストリーム及び第2の有機抽出ストリームを形成する段階をさらに含み、前記第2の水性抽出ストリームは、(i)モノプロピレングリコール、及び(ii)α-メチルベンジルアルコールの第3の量、ベンズアルデヒドの第3の量、アセトフェノンの第3の量、またはこれらの組み合わせを含み、前記α-メチルベンジルアルコールの第3の量、前記ベンズアルデヒドの第3の量、前記アセトフェノンの第3の量は、それぞれα-メチルベンジルアルコールの第2の量、ベンズアルデヒドの第2の量及びアセトフェノンの第2の量よりも少ない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の水性抽出ストリームを活性炭と接触させる段階をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の水性抽出ストリームからモノプロピレングリコールを分離するように構成された装置に、前記第1の水性抽出ストリームを配置する段階をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記水性ストリーム及び前記有機抽出液体は、約0.5:1~約1:0.5(水性ストリーム:有機抽出液体)の重量比で液-液抽出部に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記有機ストリーム、または、前記第1の有機抽出ストリームのうち少なくとも一つを蒸留する段階をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記有機ストリームまたは前記第1の有機抽出ストリームの中で少なくとも一つの蒸留は、前記有機ストリームまたは前記第1の有機抽出ストリームの中で少なくとも一つから、(i)エチルベンゼン、スチレンまたはこれらの組み合わせを含む第1の蒸留ストリーム、(ii)ベンズアルデヒドを含む第2の蒸留ストリーム、(iii)α-メチルベンジルアルコール、アセトフェノン、またはこれらの組み合わせを含む第3の蒸留ストリーム、若しくは(iv)これらの組み合わせを分離する段階を含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
(i)前記第1の蒸留ストリームを液-液抽出部に配置する段階と、(ii)前記第1の蒸留ストリームをプロピレンオキシド及びスチレン単量体を同時に製造するプロセスにリサイクルさせる段階と、または(iii)これらの組み合わせをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記第3の蒸留ストリームをプロピレンオキシド及びスチレン単量体を同時に製造するプロセスにリサイクルさせる段階をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記液-液抽出部は、混合/分離容器、液液抽出カラム、ミキサー/コアレッサ(coalescer)装置、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記有機抽出液体は、エチルベンゼン、n-オクタン、トルエン、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、モノプロピレングリコール、ベンズアルデヒド、α-メチルベンジルアルコール、アセトフェノン、またはこれらの組み合わせを第1の水性抽出ストリーム、第1の有機抽出ストリーム、またはこれらの組み合わせから分離する段階をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
一つ以上の化学物質を回収するための方法であって、プロピレンオキシド及びスチレン単量体を同時に製造するためのプロセスから少なくとも一つのストリームを提供する段階;
少なくとも一つのストリームを沈殿槽に配置して少なくとも一つのストリームを水性ストリームと有機ストリームとに分離する段階であって、前記水性ストリームが、(i)モノプロピレングリコール、及び(ii)α-メチルベンジルアルコールの第1の量、ベンズアルデヒドの第1の量、アセトフェノンの第1の量、またはこれらの組み合わせを含む段階;
液-液抽出部で前記水性ストリームを有機抽出液体と接触させて、第1の水性抽出ストリーム及び第1の有機抽出ストリームを形成する段階;および
前記第1の水性抽出ストリームを活性炭と接触させる段階を含み、
前記第1の水性抽出ストリームは、(i)モノプロピレングリコール、及び(ii)α-メチルベンジルアルコールの第2の量、ベンズアルデヒドの第2の量、アセトフェノンの第2の量、またはこれらの組み合わせを含み、
前記α-メチルベンジルアルコールの第2の量、前記ベンズアルデヒドの第2の量、前記アセトフェノンの第2の量は、それぞれα-メチルベンジルアルコールの第1の量、ベンズアルデヒドの第1の量及びアセトフェノンの第1の量よりも少ない、方法。
【請求項14】
前記水性ストリーム及び前記有機抽出液体は、約0.5:1~約1:0.5(水性ストリーム:有機抽出液体)の重量比で液-液抽出部に存在する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記有機ストリーム、または、前記第1の有機抽出ストリームのうち少なくとも一つを蒸留する段階をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記有機ストリームまたは前記第1の有機抽出ストリームの中で少なくとも一つの蒸留は、前記有機ストリームまたは前記第1の有機抽出ストリームの中で少なくとも一つから、(i)エチルベンゼン、スチレンまたはこれらの組み合わせを含む第1の蒸留ストリーム、(ii)ベンズアルデヒドを含む第2の蒸留ストリーム、(iii)α-メチルベンジルアルコール、アセトフェノン、またはこれらの組み合わせを含む第3の蒸留ストリーム、若しくは(iv)これらの組み合わせを分離する段階を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
(i)前記第1の蒸留ストリームを液-液抽出部に配置する段階と、(ii)前記第1の蒸留ストリームをプロピレンオキシド及びスチレン単量体を同時に製造するプロセスにリサイクルさせる段階と、または(iii)これらの組み合わせをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
一つ以上の化学物質を回収するための方法であって、プロピレンオキシド及びスチレン単量体を同時に製造するためのプロセスから少なくとも一つのストリームを提供する段階;
少なくとも一つのストリームを沈殿槽に配置して少なくとも一つのストリームを水性ストリームと有機ストリームとに分離する段階であって、前記水性ストリームが、(i)モノプロピレングリコール、及び(ii)α-メチルベンジルアルコールの第1の量、ベンズアルデヒドの第1の量、アセトフェノンの第1の量、またはこれらの組み合わせを含む段階;
液-液抽出部で前記水性ストリームを有機抽出液体と接触させて、第1の水性抽出ストリーム及び第1の有機抽出ストリームを形成する段階;および
前記第1の水性抽出ストリームからモノプロピレングリコールを分離するように構成された装置に、前記第1の水性抽出ストリームを配置する段階を含み、
前記第1の水性抽出ストリームは、(i)モノプロピレングリコール、及び(ii)α-メチルベンジルアルコールの第2の量、ベンズアルデヒドの第2の量、アセトフェノンの第2の量、またはこれらの組み合わせを含み、
前記α-メチルベンジルアルコールの第2の量、前記ベンズアルデヒドの第2の量、前記アセトフェノンの第2の量は、それぞれα-メチルベンジルアルコールの第1の量、ベンズアルデヒドの第1の量及びアセトフェノンの第1の量よりも少ない、方法。
【請求項19】
前記水性ストリーム及び前記有機抽出液体は、約0.5:1~約1:0.5(水性ストリーム:有機抽出液体)の重量比で液-液抽出部に存在する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記有機ストリーム、または、前記第1の有機抽出ストリームのうち少なくとも一つを蒸留する段階をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記有機ストリームまたは前記第1の有機抽出ストリームの中で少なくとも一つの蒸留は、前記有機ストリームまたは前記第1の有機抽出ストリームの中で少なくとも一つから、(i)エチルベンゼン、スチレンまたはこれらの組み合わせを含む第1の蒸留ストリーム、(ii)ベンズアルデヒドを含む第2の蒸留ストリーム、(iii)α-メチルベンジルアルコール、アセトフェノン、またはこれらの組み合わせを含む第3の蒸留ストリーム、若しくは(iv)これらの組み合わせを分離する段階を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
(i)前記第1の蒸留ストリームを液-液抽出部に配置する段階と、(ii)前記第1の蒸留ストリームをプロピレンオキシド及びスチレン単量体を同時に製造するプロセスにリサイクルさせる段階と、または(iii)これらの組み合わせをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【国際調査報告】