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特表2022-526586少なくとも1つのカメラハウジングを車両の車両部品に固定するためのホルダベース部品、カメラハウジング、およびカメラシステム
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  • 特表-少なくとも1つのカメラハウジングを車両の車両部品に固定するためのホルダベース部品、カメラハウジング、およびカメラシステム 図1
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  • 特表-少なくとも1つのカメラハウジングを車両の車両部品に固定するためのホルダベース部品、カメラハウジング、およびカメラシステム 図11
  • 特表-少なくとも1つのカメラハウジングを車両の車両部品に固定するためのホルダベース部品、カメラハウジング、およびカメラシステム 図12
  • 特表-少なくとも1つのカメラハウジングを車両の車両部品に固定するためのホルダベース部品、カメラハウジング、およびカメラシステム 図13
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-25
(54)【発明の名称】少なくとも1つのカメラハウジングを車両の車両部品に固定するためのホルダベース部品、カメラハウジング、およびカメラシステム
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20220518BHJP
【FI】
B60R11/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021558915
(86)(22)【出願日】2020-03-30
(85)【翻訳文提出日】2021-12-01
(86)【国際出願番号】 EP2020058887
(87)【国際公開番号】W WO2020201175
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】102019108882.8
(32)【優先日】2019-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508108903
【氏名又は名称】ヴァレオ・シャルター・ウント・ゼンゾーレン・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】ソーステン、シウィンスキー
(72)【発明者】
【氏名】ラビラジ、シュール
(72)【発明者】
【氏名】カイ、エルマリン
(72)【発明者】
【氏名】ベルント、ビールマン
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BA20
3D020BB01
3D020BC02
3D020BD01
3D020BD02
3D020BD05
(57)【要約】
少なくとも1つのカメラハウジング(20)を車両(10)の車両部品(14)に固定するためのホルダベース部品(22)、カメラハウジング(20)、およびカメラシステム(12)が記載される。前記ホルダベース部品(22)は、少なくとも1つの保持要素(32、36)を備え、前記少なくとも1つの保持要素(32、36)は、少なくとも1つの固定部(54)を有し、前記少なくとも1つの固定部(54)によって、前記少なくとも1つの保持要素(32、36)を、前記車両部品(14)に直接または間接的に固定することができ、前記少なくとも1つの前記保持要素(32、36)は、少なくとも1つの保持部(56、58)を有し、前記少なくとも1つの保持部(56、58)によって、前記少なくとも1つの保持要素(32、36)は、概念的な接続軸(40、42)に沿ったスライド移動により、前記少なくとも1つのカメラハウジング(20)側の少なくとも1つの接続要素(30、34)に分離可能に接続され得る。前記少なくとも1つのハウジング側接続要素(30、34)が前記少なくとも1つの保持要素(32、36)に分離可能に接続するために挿入され得る少なくとも1つの挿入領域(68、78)の画成に、少なくとも1つの保持部(56、58)が少なくとも貢献する。少なくとも1つの保持要素(36)が、少なくとも1つのホルダ係止要素(48)を有し、前記少なくとも1つのホルダ係止要素(48)は、前記少なくとも1つの保持要素(36)と前記少なくとも1つの接続要素(34)との接続を係止するように、前記カメラハウジング(20)側の少なくとも1つのハウジング係止要素(44)と相互作用可能である。少なくとも1つのホルダ係止要素(48)は、少なくとも1つの挿入領域(78)に配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのカメラハウジング(20)を車両(10)の車両部品(14)に固定するためのホルダベース部品(22)であって、
前記ホルダベース部品は、少なくとも1つの保持要素(32、36)を備え、
前記少なくとも1つの保持要素は、少なくとも1つの固定部(54)を有し、
前記少なくとも1つの固定部(54)によって、前記少なくとも1つの保持要素(32、36)を、前記車両部品(14)に直接または間接的に固定することができ、
前記少なくとも1つの前記保持要素(32、36)は、少なくとも1つの保持部(56、58)を有し、
前記少なくとも1つの保持部(56、58)によって、前記少なくとも1つの保持要素(32、36)は、概念的な接続軸(40、42)に沿ったスライド移動により、前記少なくとも1つのカメラハウジング(20)側の少なくとも1つの接続要素(30、34)に分離可能に接続され得る、
ホルダベース部品において、
前記少なくとも1つのハウジング側接続要素(30、34)が前記少なくとも1つの保持要素(32、36)に分離可能に接続するために挿入され得る少なくとも1つの挿入領域(68、78)の画成に、少なくとも1つの保持部(56、58)は少なくとも貢献し、
少なくとも1つの保持要素(36)が、少なくとも1つのホルダ係止要素(48)を有し、
前記少なくとも1つのホルダ係止要素(48)は、前記少なくとも1つの保持要素(36)と前記少なくとも1つの接続要素(34)との接続を係止するように、前記カメラハウジング(20)側の少なくとも1つのハウジング係止要素(44)と相互作用可能であり、
少なくとも1つのホルダ係止要素(48)は、少なくとも1つの挿入領域(78)に配置される、
ことを特徴とするホルダベース部品。
【請求項2】
少なくとも1つのホルダ係止要素(48)が、前記接続軸(42)を横切る概念的な係止軸(46)に沿って延びることにより、前記接続の終了位置において、前記少なくとも1つのホルダ係止要素(48)と前記少なくとも1つのハウジング係止要素(44)とは、前記係止軸(46)に沿って互いに係合し得る、
ことを特徴とする請求項1に記載のホルダベース部品。
【請求項3】
少なくとも1つのホルダ係止要素(48)は、前記少なくとも1つの固定部(54)上の前記少なくとも1つの保持部(58)の概念的な引張軸(88)を横切る概念的な係止軸(46)に沿って延びる、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のホルダベース部品。
【請求項4】
少なくとも1つのホルダ係止要素(48)は、少なくとも1つの凸部を有する又は少なくとも1つの凸部からなる、および/または、
少なくとも1つのホルダ係止要素は、少なくとも1つの凹部を有し又は少なくとも1つの凹部からなる、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のホルダベース部品。
【請求項5】
前記接続軸(42)の方向から見た場合、少なくとも1つの保持部(56、58)は、少なくとも1つの挿入領域(68、78)を横方向に画成する、および/または、
少なくとも1つの保持部(56、58)は、少なくとも1つの挿入領域(68、78)を、前記少なくとも1つの固定部(54)の反対側に画成する、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のホルダベース部品。
【請求項6】
少なくとも1つの保持部(58)および/または少なくとも1つのホルダ係止要素(48)は、少なくとも前記接続軸(42)を横切るように弾性的に移動可能である、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のホルダベース部品。
【請求項7】
少なくとも1つの保持要素(32、36)は、少なくとも1つのストッパ(60)を有し、
前記少なくとも1つのハウジング側接続要素(30、34)の前記少なくとも1つの挿入領域(68、78)内への挿入方向(28)から見た場合、前記少なくとも1つのストッパ(60)は、前記少なくとも1つの挿入領域(68、78)を画成する、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載のホルダベース部品。
【請求項8】
少なくとも1つの保持要素(32、36)は、少なくとも1つのガイド要素(70、82)を有し、
少なくとも1つの前記ガイド要素(70、82)は、前記少なくとも1つの固定部(54)に面する前記少なくとも1つの挿入領域(68、78)側に配置される、
ことを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載のホルダベース部品。
【請求項9】
少なくとも2つの保持要素(32、36)の前記固定部の各々(54)は、それらの前記接続軸(40、42)の方向から見た場合、一方の前記固定部が他方の前記固定部の後方に配置されるように、または一方の前記固定部が他方の前記固定部の斜め後方に配置されるように、共通のベース固定部(50)によって相互接続される、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載のホルダベース部品。
【請求項10】
少なくとも2つの保持要素(32、36)の前記固定部の各々(54)は、共通のベース固定部(50)から見た場合、それらの前記接続軸(40、42)が同一高さにおいて互いに平行になるように、前記ベース固定部(50)によって相互接続される、および/または、
少なくとも2つの保持要素(32、36)の前記固定部の各々(54)は、共通のベース固定部(50)から見た場合、それらの前記接続軸(40、42)が異なる高さにおいて互いに平行になるように、前記ベース固定部(50)によって相互接続される、
ことを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載のホルダベース部品。
【請求項11】
概念的な接続軸(40、42)に沿ったスライド移動によりホルダベース部品(22)の少なくとも1つの保持要素(32、36)に分離可能に接続するための少なくとも1つの接続要素(30、34)を備えるカメラハウジング(20)であって、
前記ホルダベース部品(22)により、前記カメラハウジング(20)を、車両(10)の車両部品(14)に直接または間接的に固定することができ、
少なくとも1つの接続要素(30、34)は、少なくとも1つのハウジング係止要素(44)を有し、
前記少なくとも1つのハウジング係止要素(44)は、前記少なくとも1つの接続要素(30、34)と前記少なくとも1つの保持要素(32、36)との接続を係止するように、前記少なくとも1つの保持要素(32、36)側の少なくとも1つのホルダ係止要素(48)と相互作用可能である、
カメラハウジングにおいて、
少なくとも1つの接続要素(30、34)は、前記ホルダベース部品(22)側の少なくとも1つの保持要素(32、36)の挿入領域(68、78)に挿入され得る少なくとも1つの接続ウィングを有し、少なくとも1つのハウジング係止要素(44)は、前記少なくとも1つの接続ウィングに配置される、
ことを特徴とするカメラハウジング。
【請求項12】
少なくとも1つのハウジング係止要素(44)は、少なくとも1つの前記挿入領域(78)内への前記少なくとも1つのハウジング側接続要素(34)の前記接続軸(42)を横切る概念的な係止軸(46)に沿って延び、これにより、前記少なくとも1つのホルダ係止要素(48)と前記少なくとも1つのハウジング係止要素(44)とは、前記係止軸(46)に沿って互いに係合し得る、
ことを特徴とする請求項11に記載のカメラハウジング。
【請求項13】
少なくとも1つのハウジング係止要素(44)は、少なくとも1つの凹部を有する又は少なくとも1つの凹部からなる、および/または、
少なくとも1つのハウジング係止要素は、少なくとも1つの凸部を有する又は少なくとも1つの凸部からなる、
ことを特徴とする請求項11または請求項12に記載のカメラハウジング。
【請求項14】
少なくとも1つの接続要素(34)は、少なくとも1つの押し付け凸部(86)を有する、
ことを特徴とする請求項11~13のいずれかに記載のカメラハウジング。
【請求項15】
少なくとも2つの接続要素(30、34)は、前記ホルダベース部品(22)が配置された側から見た場合、それらの前記接続軸(40、42)が同一高さにおいて互いに平行になるように前記カメラハウジング(20)に配置される、および/または、
少なくとも2つの接続要素(30、34)は、前記ホルダベース部品(22)が配置された側から見た場合、それらの前記接続軸(40、42)が異なる高さにおいて互いに平行になるように前記カメラハウジング(20)に配置される、
ことを特徴とする請求項11~14のいずれかに記載のカメラハウジング。
【請求項16】
少なくとも1つのカメラハウジング(20)と、少なくとも1つのホルダベース部品(22)と、を備える、固定のための車両(10)用カメラシステムであって、
前記ホルダベース部品(22)により、前記少なくとも1つのカメラハウジング(20)を、前記車両(10)の車両部品(14)に固定することができ、
前記少なくとも1つのカメラハウジング(20)は、概念的な接続軸(40、42)に沿ったスライド移動により、前記少なくとも1つのホルダベース部品(22)に分離可能に接続され得る、
カメラシステムにおいて、
少なくとも1つのホルダベース部品(22)は、請求項1~10のいずれかに記載の少なくとも1つの保持要素(32、36)を有し、少なくとも1つのカメラハウジング(20)は、請求項11~15のいずれかに記載の少なくとも1つの接続要素(30、34)を有する、ことを特徴とするカメラシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのカメラハウジングを車両の車両部品に固定するためのホルダベース部品であって、前記ホルダベース部品は、少なくとも1つの保持要素を備え、前記少なくとも1つの保持要素は、少なくとも1つの固定部を有し、前記少なくとも1つの固定部によって、前記少なくとも1つの保持要素を、前記車両部品に直接または間接的に固定することができ、前記少なくとも1つの前記保持要素は、少なくとも1つの保持部を有し、前記少なくとも1つの保持部によって、前記少なくとも1つの保持要素は、概念的な接続軸に沿ったスライド移動により、前記少なくとも1つのカメラハウジング側の少なくとも1つの接続要素に分離可能に接続され得る、ホルダベース部品に関する。
【0002】
さらに、本発明は、概念的な接続軸に沿ったスライド移動によりホルダベース部品の少なくとも1つの保持要素に分離可能に接続するための少なくとも1つの接続要素を備えるカメラハウジングであって、前記ホルダベース部品により、前記カメラハウジングを、車両の車両部品に直接または間接的に固定することができ、少なくとも1つの接続要素は、少なくとも1つのハウジング係止要素を有し、前記少なくとも1つのハウジング係止要素は、前記少なくとも1つの接続要素と前記少なくとも1つの保持要素との接続を係止するように、前記少なくとも1つの保持要素側の少なくとも1つのホルダ係止要素と相互作用可能である、カメラハウジングに関する。
【0003】
さらに、本発明は、少なくとも1つのカメラハウジングと、少なくとも1つのホルダベース部品と、を備える、固定のための車両用カメラシステムであって、前記ホルダベース部品により、前記少なくとも1つのカメラハウジングを、前記車両の車両部品に固定することができ、前記少なくとも1つのカメラハウジングは、概念的な接続軸に沿ったスライド移動により、前記少なくとも1つのホルダベース部品に分離可能に接続され得る、カメラシステムに関する。
【背景技術】
【0004】
US 2012/0099849 A1は、カメラを車両に装着するための構造体を開示している。この構造体は、車体に固定されるベースと、カメラと、カメラがスライド方向にスライド可能であることでベースに解除可能に係合するように構成されたスライド機構と、ベースとカメラとが係合している場合にそれらの間での移動方向に対して垂直な方向に圧縮力を生成するように構成されたバネ要素であって、カメラをベースに対して保持するバネ要素と、を備えている。
【0005】
本発明は、冒頭に述べたタイプのホルダベース部品、カメラハウジング、およびカメラシステムの設計時の課題に取り組むものである。本発明により、カメラハウジングを、異なる設計を有する、具体的には異なる傾斜を有する車両部品にさえ、より容易に、信頼性を持って装着することができる。
【発明の概要】
【0006】
ホルダベース部品の場合、本課題は、前記少なくとも1つのハウジング側接続要素が前記少なくとも1つの保持要素に分離可能に接続するために挿入され得る少なくとも1つの挿入領域の画成(規定、形成、構成)に、少なくとも1つの保持部が少なくとも貢献し、少なくとも1つの保持要素が、少なくとも1つのホルダ係止要素を有し、前記少なくとも1つのホルダ係止要素が、前記少なくとも1つの保持要素と前記少なくとも1つの接続要素との接続を係止するように、前記カメラハウジング側の少なくとも1つのハウジング係止要素と相互作用可能であり、少なくとも1つのホルダ係止要素が、少なくとも1つの挿入領域に配置されるという点で、本発明により解決される。
【0007】
本発明によれば、少なくとも1つの保持部は、少なくとも1つのハウジング側接続要素のための少なくとも1つの挿入領域を有する。少なくとも1つのホルダ係止要素は、少なくとも1つの挿入領域に配置される。したがって、従来技術から知られる構造とは対照的に、少なくとも1つのホルダ係止要素は、保護されたコンパクトな態様で収容される。少なくとも1つのハウジング側接続要素は、より単純な構造を有し得る。
【0008】
ホルダベース部品は、少なくとも1つのカメラハウジングを車両の車両部品に分離可能に固定するために使用される。このようにすることにより、ホルダベース部品は、車両部品に堅固に接続され得る。この目的のために、ホルダベース部品、具体的には少なくとも1つの保持要素の少なくとも1つの固定部は、車両部品に接着され得る、または他の態様で固定され得る。少なくとも1つのカメラハウジングは、ホルダベース部品に、少なくとも1つの保持要素に対する少なくとも1つの接続要素の分離可能な接続によって、分離可能に接続され得る。したがって、全体として、ホルダベース部品は異なる車両部品に適合可能である。ホルダベース部品は、少なくとも1つのカメラハウジングを車両部品に固定するためのアダプタの一種としての機能を果たし得る。
【0009】
車両部品は、車両長手方向軸に対して斜めに装着され得る。ホルダベース部品により、カメラ軸が所望の態様で、特に車両長手方向軸に対して平行な方向に向けられ得るため、車両部品の傾斜が補正され得る。
【0010】
有利には、ホルダベース部品が固定される車両部品は、車両窓であり得る。車両窓は、有利には、フロントウィンドウまたはリアウィンドウであり得る。
【0011】
有利には、ホルダベース部品、特に少なくとも1つの保持要素は、一体部品として作製され得る。このようにして、ホルダベース部品、特に少なくとも1つの保持要素は、より頑丈な構造を有し得る。種々の部品を組み付けるための追加の設置作業は必要ない。
【0012】
有利には、ホルダベース部品、特に少なくとも1つの保持要素は、プラスチック材料、複合材料、金属、および/またはこれらの材料の混合物等からなり得る、または少なくともこのような材料を含み得る。少なくとも1つの保持要素は、単純な方法で、具体的には射出成形または鋳造により、プラスチック材料から作製され得る。
【0013】
本発明は、車両、特に自動車において使用される。本発明は、有利には、特に、乗用車、トラック、バス、オートバイ等の陸上の車両、航空機および/または水上オートバイで使用され得る。また、本発明は、自律的に、または少なくとも部分的に自律的に操作可能な車両で使用され得る。しかしながら、本発明は車両に限定されない。本発明は、定置の運用でも使用され得る。
【0014】
カメラシステムは、有利には、車両の少なくとも1つの電子制御装置、具体的にはドライバー支援システムおよび/または車体制御システムおよび/またはドライバー情報機器および/または駐車支援システムおよび/またはジェスチャー認識等に接続され得る、または、このような装置またはシステムの一部であり得る。このようにして、車両の少なくとも部分的に自律的な操作が可能とされ得る。
【0015】
有利な一実施形態において、少なくとも1つのホルダ係止要素が、前記接続軸を横切る(横断する)概念的な係止軸に沿って延び得ることにより、前記接続の終了位置において、前記少なくとも1つのホルダ係止要素と前記少なくとも1つのハウジング係止要素とは、前記係止軸に沿って互いに係合し得る。このようにして、少なくとも1つのホルダ係止要素と少なくとも1つのハウジング係止要素とは、接続軸を横切る(横断する)係止軸に沿って、係止のために、または係止を解除するように互いに対して移動可能である。係止または係止解除のために必要とされる、係止軸に沿った係止/係止解除するための力成分は、少なくとも1つのハウジング側接続要素を少なくとも1つの挿入領域に挿入するために、または接続要素をこの領域から引き抜くために必要とされる挿入/引き抜きのための力成分を横切る(横断する)ように向けられ得る。したがって、係止/係止解除のために必要な力成分と、挿入/引き抜きのための力成分とは、より容易に切り離され得る。
【0016】
別の有利な実施形態において、少なくとも1つのホルダ係止要素は、前記少なくとも1つの固定部上の前記少なくとも1つの保持部の概念的な引張軸を横切る概念的な係止軸に沿って延び得る。このようにして、係止または係止解除のために付与する必要のある係止軸に沿った係止/係止解除するための力成分は、カメラハウジングをホルダベース部品に保持する保持力成分を横切るように向けられ得る。したがって、係止/係止解除するために必要な力成分と、カメラハウジングを保持するための力成分とは、より容易に切り離され得る。
【0017】
カメラハウジングをホルダベース部品に保持する力成分は、実質的に重力によって生じる。
【0018】
別の有利な実施形態において、少なくとも1つのホルダ係止要素は、少なくとも1つの凸部を有し得る又は少なくとも1つの凸部からなり得る、および/または、少なくとも1つのホルダ係止要素は、少なくとも1つの凹部を有し得る、又は少なくとも1つの凹部からなり得る。これに対応して、有利には、少なくとも1つのハウジング係止要素は、少なくとも1つの凹部を有し得るか、少なくとも1つの凹部からなり得る、および/または、少なくとも1つのハウジング係止要素は、少なくとも1つの凸部を有し得るか、少なくとも1つの凸部からなり得る。このようにして、少なくとも1つのホルダ係止要素と、対応する、特に相補的なハウジング係止要素とは、噛み合うように係合し得る。
【0019】
凸部は、特にスタッド、ウェブ、ピン等として単純な態様で作製され得る。凹部は、ノッチ、溝、孔等として単純に作製され得る。
【0020】
別の有利な実施形態において、前記接続軸の方向から見た場合、少なくとも1つの保持部は、少なくとも1つの挿入領域を横方向に画成し得る、および/または、少なくとも1つの保持部は、少なくとも1つの挿入領域を、前記少なくとも1つの固定部の反対側に画成し得る。横方向の画成により、接続軸を横切る(横断する)、および/または概念的な係止軸の方向におけるカメラハウジングの移動が定められ得る。少なくとも1つの固定部の反対側における画成により、少なくとも1つのカメラハウジングの重量が、ホルダベース部品に保持され得る。
【0021】
有利には、接続軸の方向から見た場合、少なくとも1つの挿入領域は、側方に開放し得る、および/または、少なくとも1つの挿入領域は、端面で開放し得る。開放した端面を介して、少なくとも1つのハウジング側接続要素は、挿入領域に挿入され得る。終了位置において、少なくとも1つのハウジング側接続要素は、側方開口を介して突出し得る。
【0022】
有利には、接続軸の方向から見た場合、少なくとも1つの挿入領域は、側方に、かつ端面で開放し得る。
【0023】
別の有利な実施形態において、少なくとも1つの保持部および/または少なくとも1つのホルダ係止要素は、少なくとも前記接続軸を横切るように弾性的に移動可能であり得る。このようにして、少なくとも1つの接続要素を少なくとも1つの挿入領域に挿入する際、少なくとも1つのホルダ係止要素および/または少なくとも1つのハウジング係止要素にスペースを提供するように、一方において少なくとも1つの保持部および/または少なくとも1つのホルダ係止要素と、他方において少なくとも1つのハウジング側接続要素とは、係止軸の方向において互いに離れるように移動可能である。少なくとも1つのホルダ係止要素と少なくとも1つのハウジング係止要素とが互いに係合する終了位置に達すると直ちに、少なくとも1つの保持部および/または少なくとも1つのホルダ係止要素は、再びその元の形状を取り得る。
【0024】
これに代えて、またはこれに加えて、少なくとも1つの接続要素は、有利には、接続軸を横切るように弾性的に移動可能である。
【0025】
別の有利な実施形態において、少なくとも1つの保持要素は、少なくとも1つのストッパを有し得る。前記少なくとも1つのハウジング側接続要素の前記少なくとも1つの挿入領域内への前記挿入方向から見た場合、前記少なくとも1つのストッパは、前記少なくとも1つの挿入領域を画成する。このようにして、少なくとも1つの接続要素は、少なくとも1つの保持要素との接続の終了位置から押し出されることが防止され得る。
【0026】
有利には、少なくとも1つのストッパおよび少なくとも1つの保持部は、互いに対して弾性的に移動可能であり得る。このようにして、少なくとも1つの保持部は、少なくとも1つのストッパと別個に弾性的に移動可能である。このようにして、装着が単純化され得る。
【0027】
有利には、分離スロットが、少なくとも1つのストッパと少なくとも1つの保持部との間に画成され得る。このようにして、少なくとも1つのストッパと少なくとも1つの保持部とは、互いに別個に弾性的に移動可能である。
【0028】
別の有利な実施形態において、少なくとも1つの保持要素は、少なくとも1つのガイド要素を有し得る。少なくとも1つの前記ガイド要素は、前記少なくとも1つの固定部に面する前記少なくとも1つの挿入領域側に配置される。少なくとも1つのガイド要素により、少なくとも1つのハウジング側接続要素は、少なくとも1つの挿入領域に挿入される際にガイドされ得る。
【0029】
有利には、少なくとも1つの保持要素は、少なくとも1つの押圧領域を外面に有し得る。押圧領域において、少なくとも1つの保持要素は、弾性変形可能であり得る。このようにして、押圧領域を有する少なくとも1つのカメラハウジング側の対応する押し付け領域によって、押圧が生じ得る。したがって、少なくとも1つの保持要素の少なくとも1つの接続要素に対する接続を、さらに安定させることができる。
【0030】
有利には、少なくとも1つの押圧領域は、固定部に配置され得る。このようにして、対応するハウジング側押し付け領域が、押圧領域に対して支持され得るとともに、少なくとも1つのハウジング側接続要素を、少なくとも1つの挿入領域を少なくとも1つの固定部の反対側から画成する少なくとも1つの保持部の一部に対して押し付けることができる。
【0031】
有利には、少なくとも2つの保持要素の前記固定部の各々は、共通のベース固定部によって相互接続され得る。このようにして、少なくとも1つのカメラハウジングは、異なる地点で保持され得る。
【0032】
有利には、ホルダベース部品は、少なくとも2つの保持要素を有し得る。それらの接続軸は平行である。このようにして、接続軸に沿ったまっすぐな挿入移動によって、カメラハウジングは、ホルダベース部品に接続され得る。
【0033】
少なくとも2つの保持要素が同一のベース固定部上で相互接続されていることにより、これらの保持要素は、車両部品に一緒に固定され得る。さらに、同一のベース固定部によって、少なくとも2つの保持要素の互いに対する向きおよび/またはそれらの間の距離が恒久的に規定されることが保証される。
【0034】
有利には、保持要素の固定部とベース固定部とは、一部品として作製され得る。したがって、ベース固定部は、対応する保持要素に対する各固定部として同時に機能し得る。このため、保持要素は、その固定部およびベース固定部によって、車両部品に固定され得る。
【0035】
別の有利な実施形態において、少なくとも2つの保持要素の前記各固定部は、それらの前記接続軸の方向から見た場合、一方の前記固定部が他方の前記固定部の後方に配置されるように、または一方の前記固定部が他方の前記固定部の斜め後方に配置されるように、共通のベース固定部によって相互接続され得る。このようにして、少なくとも1つのカメラハウジングをホルダベース部品に保持するように、保持力が、一方が他方の背後に配置される複数の地点に分散され得る。
【0036】
有利には、一方が他方の後方に配置された、または一方が他方の斜め後方に配置された少なくとも2つの保持要素をそれぞれ有する2つの組が、並んで配置され得る。このようにして、カメラハウジングは、ホルダベース部品を介して、車両部品に対して少なくとも4つの地点において保持され得る。
【0037】
他の有利な実施形態において、少なくとも2つの保持要素の前記固定部の各々は、共通のベース固定部から見た場合、それらの前記接続軸が同一高さにおいて互いに平行になるように、前記ベース固定部によって相互接続され得る、および/または、少なくとも2つの保持要素の前記固定部の各々は、共通のベース固定部から見た場合、それらの前記接続軸が異なる高さにおいて互いに平行になるように、前記ベース固定部によって相互接続され得る。このようにして、カメラ軸を向けるためのホルダベース部品によって、車両部品の傾斜が全体として補正され得る。
【0038】
さらに、カメラハウジングの場合、この課題は、少なくとも1つの接続要素が、前記ホルダベース部品側の少なくとも1つの保持要素の挿入領域に挿入され得る少なくとも1つの接続ウィングを有し、少なくとも1つのハウジング係止要素が、前記少なくとも1つの接続ウィングに配置されるという点で、本発明により解決される。
【0039】
本発明によれば、少なくとも1つのハウジング係止要素は、接続要素の接続ウィングに配置される。少なくとも1つのハウジング係止要素は、接続ウィングとともに少なくとも1つのホルダ要素の挿入領域に挿入され得る。したがって、少なくとも1つのハウジング係止要素は、少なくとも1つのホルダ要素の少なくとも1つのホルダ係止要素と相互作用し得る。この場合、少なくとも1つのホルダ係止要素は、少なくとも1つのホルダ要素の少なくとも1つの挿入領域に配置され得る。
【0040】
有利な一実施形態において、少なくとも1つのハウジング係止要素は、少なくとも1つの前記挿入領域内への前記少なくとも1つのハウジング側接続要素の前記接続軸を横切る概念的な係止軸に沿って延び得る。これにより、前記少なくとも1つのホルダ係止要素と前記少なくとも1つのハウジング係止要素とは、前記係止軸に沿って互いに係合し得る。このようにして、少なくとも1つのホルダ係止要素と少なくとも1つのハウジング係止要素とは、接続軸を横切る係止軸に沿って、係止のために、または係止を解除するように互いに対して移動可能である。
【0041】
有利な一実施形態において、少なくとも1つのハウジング係止要素は、少なくとも1つの凹部を有し得る又は少なくとも1つの凹部からなり得る、および/または、少なくとも1つのハウジング係止要素は、少なくとも1つの凸部を有し得る、又は少なくとも1つの凸部からなり得る。このようにして、少なくとも1つのハウジング係止要素と、対応する、特に相補的なハウジング係止要素とは、互いに係合し得る。
【0042】
さらなる有利な実施形態において、少なくとも1つの接続要素は、少なくとも1つの押し付け凸部を有し得る。押し付け凸部により、少なくとも1つの保持要素側の弾性変形可能な対応する押圧領域によって押圧が生じ得る。したがって、少なくとも1つの保持要素と少なくとも1つの接続要素との接続を、さらに安定させることができる。
【0043】
有利には、少なくとも1つの押し付け凸部は、少なくとも1つの接続ウィングを横切るように延び得る。このようにして、押圧により生じる押し付け力によって、少なくとも1つの接続ウィングは、少なくとも1つの保持要素の少なくとも1つの保持部に押し付けられ得る。したがって、接続をさらに安定させることができる。
【0044】
有利には、少なくとも2つの接続要素は、それらの各接続軸が互いに平行であるように、カメラハウジングに配置され得る。このようにして、少なくとも2つの接続要素は、まっすぐな移動によって対応する保持要素の対応する挿入領域内に挿入され得る。
【0045】
有利には、少なくとも2つの接続要素は、それらの接続軸の方向から見た場合、一方が他方の後方に配置され得る、または一方が他方の斜め後方に配置され得る。このようにして、複数の固定点が、少なくとも1つのカメラハウジングの同一側に作製され得る。
【0046】
別の有利な実施形態において、少なくとも2つの接続要素は、前記ホルダベース部品が配置された側から見た場合、それらの前記接続軸が同一高さにおいて互いに平行になるように前記カメラハウジングに配置され得る、および/または、少なくとも2つの接続要素は、前記ホルダベース部品が配置された側から見た場合、それらの前記接続軸が異なる高さにおいて互いに平行になるように前記カメラハウジングに配置され得る。このようにして、このようにして、カメラ軸を向けるためのホルダベース部品によって、車両部品の傾斜が全体として補正され得る。
【0047】
カメラシステムの場合、本課題は、少なくとも1つのホルダベース部品が、本発明による少なくとも1つの保持要素を有し、少なくとも1つのカメラハウジングが、本発明による少なくとも1つの接続要素を有するという点で、本発明によりさらに解決される。
【0048】
さらに、本発明によるホルダベース部品、本発明によるカメラハウジング、および本発明によるカメラシステム、ならびにこれらそれぞれの有利な構成に関連して示した特徴および利点は、相互に対応して適用され、逆もまた同様である。当然ながら、個々の特徴や利点は互いに組み合わせることができる。この場合、個々の効果の総和を超えたさらなる有利な効果が発生し得る。
【0049】
本発明のさらなる利点、特徴および詳細は、本発明の例示的な実施形態が図面を参照してより詳細に説明される以下の説明から明らかになるであろう。また、当業者であれば、図面、明細書および特許請求の範囲に組み合わせて開示された特徴を個別に検討し、さらに意味のある組み合わせを形成すべく、それらを適切に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1図1は、自動車のフロントガラスに固定されるカメラシステムを備えた自動車の概略図である。
図2図2は、カメラハウジングと、カメラハウジングをフロントガラスに装着するホルダベース部品とを備えた図1のカメラシステムの前方の等角図である。
図3図3は、図1および図2のカメラシステムの斜視側面図である。
図4図4は、図1図3のカメラシステムの斜視背面図である。
図5図5は、図1図4のカメラシステムの上面図である。
図6図6は、図1図5のカメラシステムの下方からの図である。
図7図7は、図1図6のカメラシステムの第1詳細図であって、車両窓におけるホルダベース部品の後方保持要素およびカメラシステムのカメラハウジングの後方接続要素の領域の背面図である。
図8図8は、図7のカメラシステムの側面図における第2詳細図である。
図9図9は、図7のカメラシステムの背面図における第3詳細図である。
図10図10は、図7のカメラシステムの上面図における第4詳細図である。
図11図11は、図1図10のカメラシステムのホルダベース部品の詳細図であって、後方接続要素の領域の上面図である。
図12図12は、図1図10のカメラシステムのホルダベース部品の下方からの図である。
図13図13は、図1図10のカメラシステムのカメラハウジングの斜め前方の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図面において、同一の構成要素には同じ参照符号が付されている。
【0052】
図1は、例えば乗用車の形態にある自動車10の概略図である。自動車10は、カメラシステム12を有している。カメラシステム12は、車両部品に、例えば、フロントガラス等の高度に傾斜した車両窓14の内面に固定されている。カメラシステム12の概念的なカメラ軸16が、例えば、概念的な車両長手方向軸18に対して平行に方向に向けられている。
【0053】
カメラシステム12は、自動車10の運転方向において自動車10の前方にある監視領域を捕捉するように使用され得る。フロントガラスに代えて、カメラシステム12は、自動車10の別の車両部品、例えば、リアウィンドウ、サイドウィンドウ、または自動車10のルーフの内面に固定され得る、および/または別の方向に向けられ得る。
【0054】
図2図13において、カメラシステム12を、種々の透視図および詳細図で示す。
【0055】
カメラシステム12は、カメラハウジング20とホルダベース部品22とを備えている。カメラハウジング20は、車両窓14にホルダベース部品22によって固定される。
【0056】
カメラハウジング20は、前側にレンズ24を有するカメラ(ここではこれ以上の重要性がない)を収容している。例示として、レンズ24のレンズ軸が、カメラ軸16に一致している。後面において、カメラハウジング20は、電気接続プラグ30を有している。接続プラグ30によって、自動車10の制御・評価ユニット、例えばドライバー支援システムに通じる電気ケーブルを接続することができる。
【0057】
以下で「前側」、「後側」、「前/前方」、「後/後方」等と記載される場合、特に明記しない限り、これらは、カメラハウジング20のホルダベース部品22への挿入方向28に関する。
【0058】
以下で「上/上部/上方」、「下/下部/下方」、「側部/側方」、「横方向」等と記載される場合、特に明記しない限り、これらは、カメラシステム12が車両窓14の内面の下方に空間的に吊り下げられた状態での、車両窓14に対するカメラシステム12の装着に関する。したがって、「上/上部/上方」は、車両窓14に面するカメラシステム12の側である。「下/下部/下方」は、車両窓14から離れるカメラシステム12の側である。
【0059】
カメラハウジング20は、カメラ軸16に対して両側に2つの前方接続要素30を有している。前方接続要素30によって、カメラハウジング20は、ホルダベース部品22の対応する前方保持要素32に分離可能に接続される。
【0060】
カメラハウジング20は、カメラ軸16に対して両側に2つの後方接続要素34をさらに有している。後方接続要素34によって、カメラハウジング20は、ホルダベース部品22の対応する後方保持要素36に分離可能に接続される。
【0061】
挿入方向28から見た場合、後方接続要素34は、前方接続要素30の背後にそれぞれ配置されている。接続要素30および34は、例えば図13に示されている。
【0062】
前方接続要素30および後方接続要素34は、それぞれ、平面状の接続ウィングの形状にある。接続要素30および34は、それぞれ、カメラハウジング20から離れるように横方向外方に延びている。接続要素30および34は、それぞれ、その外面の前方に導入面取部38を有している。
【0063】
前方接続要素30は、概念的な各前方接続軸40に沿って延びている。後方接続要素34は、各後方接続軸42に沿って延びている。前方接続要素30は、カメラハウジング20をホルダベース部品22に接続するように、各前方接続軸40に沿って、各前方保持要素32に挿入され得る。後方接続要素34は、カメラハウジング20をホルダベース部品22に接続するように、各後方接続軸42に沿って、各後方保持要素36に挿入され得る。
【0064】
接続軸40および42は、互いに平行である。ホルダベース部品22、または以下に詳述するベース固定部50から見た場合、前方接続軸40は同一高さにある。これに対応して、後方接続軸42も同一高さにある。カメラ軸16に対してホルダベース部品22またはベース固定部50から見た場合、前方接続要素30および前方接続軸40は、各後方接続要素34および後方接続軸42より下方に配置されている。したがって、前方接続要素30と後方接続要素34とは、異なる高さに配置されている。図示の例示的な実施形態において、例えば図3に示すように、後方接続軸42は、カメラ軸16の上方に配置される。前方接続軸40は、カメラ16の下方に配置されている。このようにして、カメラ軸16が車両長手方向軸18に対して例えばほぼ平行になるようにして、車両窓14の傾斜が補正され得る。
【0065】
後方接続要素34は、それぞれ、ハウジング係止要素44をさらに有している。ハウジング係止要素44は、例えば、凹部状である。ハウジング係止要素44は、各後方接続要素34の、カメラ軸16と反対側を向く外面に配置されている。ハウジング係止要素44は、概念的な各係止軸46に沿って延びている。係止軸46は、各後方接続軸42を横断して延びている。接続を係止するように、係止軸46に沿って、後方保持要素36側の対応するホルダ係止要素48が、対応するハウジング係止要素44と係合する。
【0066】
ホルダベース部品22は、平面状のベース固定部50を有している。ベース固定部50は、カメラシステム12のカメラのレンズ24用のV字形状の視野開口52を前方に有している。
【0067】
カメラハウジング20に面する側において、合計で4つの固定部54が突出している。固定部54は、ホルダベース部品22と一体的に形成されている。固定部54のそれぞれは、保持要素32および36のうちの1つに属している。
【0068】
前方保持要素32は、概念的な対称面に対して対称的に構成されるとともに配置されている。対称面は、挿入方向28に対して平行に延び、かつ、例示的にベース固定部50の範囲に対して垂直である。後方保持要素36も同様に、概念的な対称面に対して対称的に構成されるとともに配置されている。
【0069】
固定部54は、中空である。挿入方向28から見た場合、これらの固定部は、それぞれ、ほぼU字形状の輪郭を有している。固定部54は、前方において閉鎖しており、後方において開放している。固定部54の内部において、ベース固定部50は、貫通開口を有している。
【0070】
ベース固定部54の反対側を向く側において、前方固定部54は、それぞれ、前方保持要素32の保持部56に一体的に合体している。
【0071】
他方の後方固定部54の反対側の外面において、後方固定部54は、それぞれ、側方保持部58に一体的に合体し、前方においてストッパ60に合体している。側方保持部58およびストッパ60は、それぞれ、後方保持要素36の一部である。
【0072】
前方保持要素32の保持部56は、それぞれ、他方の前方保持要素32の反対側に配置される側方領域62と、ストッパ64として機能する前方領域と、下方領域66と、を有している。側方領域62と、ストッパ64と、下方領域66と、対応する固定部54とは、対応する前方保持要素32の前方挿入領域68を規定する。側方領域62およびストッパ64それぞれの反対側において、前方挿入領域68は開放している。
【0073】
さらに、前方保持要素32は、それぞれ、対応する前方接続軸40に沿って、各固定部54から前方挿入領域68に延びるガイドウェブ70を有している。
【0074】
さらにまた、側方ガイド要素72が、側方領域62の内方に配置されている。この要素は、係止軸46の方向において、前方挿入領域68内に延びている。
【0075】
各前方接続要素30は、各前方接続軸40に沿って、前方挿入領域68内に挿入され得る。
【0076】
後方保持要素36の側方保持部58は、上部において対応する固定部54にそれぞれ一体的に合体し、下部において側方領域74に一体的に合体する。側方領域74は、下方領域76に一体的に合体する。
【0077】
後方保持要素36の側方領域74と、下方領域76と、ストッパ60と、固定部54とは、各後方挿入領域78を規定する。側方領域74の反対側において、およびストッパ60と反対側の後側において、後方挿入領域78は開放している。
【0078】
さらに、後方保持要素36の側方保持部58は、それぞれ、他方の後方保持要素36に面するその内面に、ホルダ係止要素48を有している。ホルダ係止要素48は、例えば凸部である。ホルダ係止要素48は、それぞれ、対応する係止軸46に沿って、対応する後方挿入領域78内への対応する後方接続軸42を横断して延びている。
【0079】
各場合において、分離スロット80が、後方保持要素36のストッパ60と後方側方保持部58との間に設けられている。したがって、側方保持部28は、ストッパ60とは別個に、係止軸46の方向に外方に弾性的に曲がり得る。
【0080】
さらに、後方保持要素36は、それぞれ、例えばガイドウェブの形態にあるガイド要素82を有している。ガイド要素82は、それぞれ、固定部54に面する対応する後方挿入領域78の側に配置されている。したがって、これらの要素は、各下方領域76と反対の、後方挿入領域78の側に配置されている。ガイド要素82は、それぞれ、対応する後方接続軸42に沿って、各固定部54から離れる方向において後方挿入領域78内に延びている。ガイド要素82は、対応する後方挿入領域78に挿入される際に、各後方接続要素34をガイドするように使用される。
【0081】
さらにまた、後方保持要素36の固定部54は、それぞれ、外面の領域に押圧領域84を有している。移行領域84は、それぞれ他方の後方保持要素36に面する固定部54側に配置されている。押圧領域84において、固定部54は、少なくとも外面において弾性変形可能である。カメラシステム12が装着される場合、押圧領域84は、押圧が生じるようにカメラハウジング20の各押し付け凸部86に押し付けられる。押し付け凸部86は、各後方接続要素34の各ハウジング係止要素44とは反対側の斜め上方に配置されている。
【0082】
カメラシステム12を車両窓14に固定するためには、まずホルダベース部品22を、保持要素32および36の反対を向く上面によって車両窓15の内面に固定する、例えば接着する。このプロセスにおいて、V字形状の視野開口52が、自動車10の運転方向に向けられる。
【0083】
続いて、レンズ24が視野開口52に面する側に位置するように、各前方接続要素30が前方挿入領域68の後方開口の前方に位置するように、かつ各後方接続要素34が後方挿入領域78の前方開口の前方に位置するように、カメラハウジング20が位置付けられる。
【0084】
次いで、カメラハウジング20を、挿入方向28において直線的な移動で動かすことにより、前方接続要素30が各前方接続軸40に沿って各前方挿入領域68内にスライドするとともに、後方接続要素34が各後方接続軸42に沿って各後方挿入領域78内にスライドする。このプロセスにおいて、後方接続要素34は、それぞれ、対応するガイド要素82によって後方挿入領域78内にガイドされ、前方接続要素30は、それぞれ、対応するガイドウェブ70によって前方挿入領域68内にガイドされる。
【0085】
さらに、ホルダ係止要素48が後方接続要素34の導入面取部38によって外方に押されるため、後方保持要素36の各側方保持部58が外方に弾性的に曲がる。
【0086】
カメラハウジング20が図2図10に示す、ホルダベース部品22に対するその終了位置に達すると直ちに、挿入方向28から見た場合に前方となる前方接続要素30の側面が、前方保持要素32の各ストッパ64にぶつかる。さらに、後方接続要素34の前側が、後方保持要素36の各ストッパ60にぶつかる。したがって、カメラハウジング20は、それ以上押されることが防止される。
【0087】
さらに、終了位置において、ホルダ係止要素48は、各ハウジング係止要素44と、各係止軸46に沿って係合することにより、各後方側方保持部58は再び解除可能となる。この係止により、カメラハウジング20が、不用意にホルダベース部品22から後方にスライドすることが防止される。
【0088】
また、各押し付け凸部86が、後方保持要素36の各押圧領域84を押し、これにより押圧が生じる。このような押圧により、後方保持要素36の後方接続要素34に対する係止が向上する。
【0089】
係止軸46は、装着方向28を横切るように向けられるため、挿入のための対応する装着力、および接続の引き抜きおよび解除の牽引力を横切る。さらに、係止軸46は、それぞれ、各固定部54の保持部58の概念的な各引張軸88を横切るように延びている。このようにして、係止軸46は、少なくとも車両10の静止時に重力によって生じる、カメラハウジング20をホルダベース部品22に保持する対応する力に対しても同様に横切る。このようにして、カメラハウジング20とホルダベース部品22との間の接続を生じさせる、および解除するために必要な力、接続を係止する、または係止解除するために必要な力、およびカメラハウジング20をホルダベース部品22に保持する保持力を、より容易に切り離したり分散させたりすることができる。
【0090】
接続を解除するためには、すなわち、カメラハウジング20をホルダベース部品22から、ひいては車両窓14からも分離するためには、カメラハウジング20の接続要素30および34を、ホルダベース部品22の保持要素32および36から挿入領域28の逆方向に引き抜く。この目的のために、ホルダ係止要素48と各ハウジング係止要素44との係止を解除するように、まず大きな力が必要である。このプロセスにおいて、ホルダベース部品22は、車両窓14にとどまり得る。
【0091】
一実施形態(図示せず)において、前方保持要素32は、ホルダ係止要素48も有し得る。これに対応して、前方接続要素30は、ハウジング係止要素44を有し得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】