(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-25
(54)【発明の名称】金型を挿入または取り出すための搬送装置を備えた射出成形システム
(51)【国際特許分類】
B29C 33/30 20060101AFI20220518BHJP
【FI】
B29C33/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559380
(86)(22)【出願日】2020-04-07
(85)【翻訳文提出日】2021-11-22
(86)【国際出願番号】 US2020027106
(87)【国際公開番号】W WO2020210259
(87)【国際公開日】2020-10-15
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520449345
【氏名又は名称】キヤノンバージニア, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Canon Virginia, Inc.
【住所又は居所原語表記】12000 Canon Blvd., Newport News, Virginia, United States of America
(71)【出願人】
【識別番号】596130705
【氏名又は名称】キヤノン ユーエスエイ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CANON U.S.A.,INC
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柳原 裕一
(72)【発明者】
【氏名】小平 弘毅
(72)【発明者】
【氏名】湊谷 洋平
(72)【発明者】
【氏名】田島 潤子
【テーマコード(参考)】
4F202
【Fターム(参考)】
4F202AM17
4F202CA11
4F202CB01
4F202CR01
4F202CR10
(57)【要約】
射出成形システムは、金型で射出成形を行うように構成された射出成形装置と、支持平面に沿って前記金型を移動させるように構成された搬送装置と、前記金型に接続されたケーブルを覆うように構成されたケーブルキャリアとを含み、前記ケーブルキャリアの形状は、前記搬送装置による前記金型の移動に基づいて前記ケーブルをガイドするために変化し、前記ケーブルキャリアの第1端部および前記ケーブルキャリアの第2端部のうち少なくとも一方は、前記支持平面に垂直な方向において前記支持平面の下方に配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形システムであって、
金型で射出成形を行うように構成された射出成形装置と、
支持平面に沿って前記金型を移動させるように構成された搬送装置と、
を備え、
前記射出成形システムの改良は、前記金型に接続されたケーブルを覆うように構成されたケーブルキャリアを含み、
前記ケーブルキャリアの形状は、前記搬送装置による前記金型の移動に基づいて前記ケーブルをガイドするために変化し、
前記ケーブルキャリアの第1端部および前記ケーブルキャリアの第2端部のうち少なくとも一方は、前記支持平面に垂直な方向において前記支持平面の下方に配置されている、ことを特徴とする射出成形システム。
【請求項2】
前記第1端部および前記第2端部の両方は、前記支持平面に垂直な前記方向において前記支持平面の下方に配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項3】
前記搬送装置は、射出処理が行われる第1位置と、前記第1位置とは異なる第2位置との間で前記金型を移動させる、ことを特徴とする請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項4】
前記ケーブルは、ヒータケーブル、熱電対ケーブル、またはエアホースの少なくとも1つである、ことを特徴とする請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項5】
前記ケーブルは、前記金型と前記金型の温度を調整するためのコントローラとの間を接続する、ことを特徴とする請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項6】
前記ケーブルは、少なくとも2つのコネクタによって少なくとも3つの部分に分けられ、前記ケーブルキャリアは、前記ケーブルの前記少なくとも3つの部分のうちの1つを覆う、ことを特徴とする請求項5に記載の射出成形システム。
【請求項7】
射出成形システムであって、
金型で射出成形を行うように構成された射出成形装置と、
支持平面に沿って前記金型を移動させるように構成された搬送装置と、
前記金型に接続されたケーブルと、
を備え、
前記射出成形システムの改良は、前記搬送装置による前記金型の移動に基づいて変化する前記ケーブルの形状を含み、
前記支持平面に垂直な方向において前記支持平面の上方に前記ケーブルの第1端部が配置されるか、または、前記支持平面に垂直な方向において前記支持平面の下方に前記ケーブルの第2端部が配置されるかの少なくとも一方である、ことを特徴とする射出成形システム。
【請求項8】
前記第1端部および前記第2端部は、前記支持平面に垂直な前記方向において前記支持平面の下方に配置されている、ことを特徴とする請求項7に記載の射出成形システム。
【請求項9】
前記搬送装置は、射出処理が行われる第1位置と、前記第1位置とは異なる第2位置との間で前記金型を移動させる、ことを特徴とする請求項7に記載の射出成形システム。
【請求項10】
前記ケーブルは、ヒータケーブル、熱電対ケーブル、またはエアホースの少なくとも1つである、ことを特徴とする請求項7に記載の射出成形システム。
【請求項11】
前記ケーブルは、前記金型と前記金型の温度を調整するためのコントローラとの間を接続する、ことを特徴とする請求項7に記載の射出成形システム。
【請求項12】
前記ケーブルは、少なくとも2つのコネクタによって少なくとも3つの部分に分けられ、前記第1端部および前記第2端部は、前記ケーブルの前記少なくとも3つの部分のうちの1つの端部である、ことを特徴とする請求項11に記載の射出成形システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
金型を挿入または取り出すための搬送装置を備えた射出成形システム
【0002】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年4月11日に出願された米国仮出願第62/832703号の利益を主張する。
【背景技術】
【0003】
射出成形機による成形部品の製造は、金型を型締め(固定)した後に樹脂を金型内に射出する工程と、樹脂の固化による体積減少を補うために樹脂を金型内に高圧で押し込む工程と、樹脂が固化するまで金型内に成形部品を保持する工程と、成形部品を金型から取り出す工程とを含む。
【0004】
この種の成形アプローチでは、生産性を高めるために1台の射出成形機で2つの金型を使用する方法が提案されている。例えば、US2018/0009146/日本特許出願2018-001738号/VN20160002505は、搬送装置3A,3Bが射出成形機2の両側に配置されるシステムを論じている。このシステムでは、1台の射出成形機2に対して搬送装置3A,3Bにより複数の金型を交代させながら成形部品が製造される。
図18は、US2018/0009146号/日本特許出願公開第2018-001738号/VN20160002505の射出成形システムを示す。
【0005】
1つの金型で所定数の成形が行われた後、その金型が射出成形機から取り出され、次の金型がセットアップされて射出成形機に挿入され、当該次の金型での所定数の射出成形が行われる。セットアップ処理は、多くの場合、時間および資源(リソース)を消費する可能性があり、セットアップ処理中、射出成形機は「アイドル」状態にありうる。これは、全体的な生産性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0006】
射出成形機に搭載されたノズルのメンテナンスを行うために、射出成形機が射出成形のための位置から移動される場合がある。射出成形機に金型を挿入し、射出成形機から金型を取り出す搬送装置は、射出成形機の横に配置されている。結果として、射出成形機を移動させてノズルメンテナンスを行う場合に搬送装置と干渉する可能性がある。
【発明の概要】
【0007】
射出成形システムは、金型で射出成形を行うように構成された射出成形装置と、支持平面に沿って前記金型を移動させるように構成された搬送装置と、前記金型に接続されたケーブルを覆うように構成されたケーブルキャリアとを含み、前記ケーブルキャリアの形状は、前記搬送装置による前記金型の移動に基づいて前記ケーブルをガイドするために変化し、前記ケーブルキャリアの第1端部および前記ケーブルキャリアの第2端部のうち少なくとも一方は、前記支持平面に垂直な方向において前記支持平面の下方に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本開示の様々な実施形態、目的、特徴、および利点を示す。
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態による射出成形システムを示す。
【0010】
【0011】
【
図3】
図3は、固定プラテンの端面図であり、
図2のI-I線の矢印方向から見た図である。
【0012】
【
図4】
図4は、成形動作位置の周囲の構成の部分斜視図である。
【0013】
【
図5】
図5は、アクチュエータを駆動することにより金型を移動させる搬送装置の側面図である。
【0014】
【
図6】
図6は、射出成形システムをY軸方向から見た断面図である。
【0015】
【0016】
【
図8】
図8は、マニホールドおよび案内部品の拡大図である。
【0017】
【
図9】
図9は、射出成形機から搬送装置への金型の移動が終了し、別の金型が、
図6に示された状況からアクチュエータを駆動することによって、別の搬送装置から射出成形機への移動を終了したところを図示している。
【0018】
【
図10】
図10は、射出成形システムをY軸方向から見た断面図である。
【0019】
【
図11】
図11は、
図10の位置からアクチュエータを駆動することによる、射出成形機から搬送装置への移動完了、および、異なる搬送装置から射出成形機への異なるモールドの移動完了を示す図である。
【0020】
【
図12】
図12は、射出装置のノズルのメンテナンスを実施するための構成および手順を示す図である。
【0021】
【
図13】
図13は、シリンダからねじを取り外した射出成形機を示す図である。
【0022】
【
図14】
図14は、安全ドアが安全壁の側面にある場合に開けることができるスライドドアを備えた射出成形機を示す図である。
【0023】
【0024】
【0025】
【
図16】
図16は、射出装置に対する安全ドアの回転方向を示す図である。
【0026】
【
図17】
図17は、射出装置の代替の回転方向を示す図である。
【0027】
【0028】
図面全体を通して、別段の記載がない限り、同じ参照符号および文字は、例示された実施形態の同様の特徴、要素、構成要素または部分を示すために使用される。本開示は図面を参照して詳細に説明されるが、実例となる例示的な実施形態に関連してそのように行われる。添付の特許請求の範囲によって定義される主題の開示の真の範囲および精神から逸脱することなく、記載された例示的な実施形態に対して変更および修正を行うことができることが意図される。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示はいくつかの実施形態を有し、当業者に知られている詳細については、特許、特許出願、および他の参考文献に依拠する。したがって、特許、特許出願、または他の参考文献が本明細書中で引用または反復される場合、それは、すべての目的のため、ならびに記載される課題のために、その全体が参考として援用されることが理解されるべきである。
【0030】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る射出成形システムについて説明する。各図中の矢印記号XおよびYは互いに直交する水平方向を示し、矢印記号Zは、地面に対して垂直(直立)方向を示す。
【0031】
図18および
図2~
図4は、US2018/0009146/日本特許出願2018-001738号/VN20160002505に記載されている射出成形システムを示しており、本明細書では情報/説明のみを目的として提供されている。
【0032】
射出成形システム1は、横型の射出成形機2(IMM2)と、搬送装置3A,3Bとを含む。射出成形システム1は、搬送装置3A,3Bにより複数の金型を挿入および取り出ししながら成形部品を製造するように構成されている。2つの型100A,100Bが使用される。
【0033】
金型100A/100Bは、固定金型101と、固定金型101に対して開閉される可動金型102との対である。成形部品は、固定金型101と可動金型102との間に形成されたキャビティに溶融樹脂を射出することによって成形される。クランプ板101a,102aは、固定金型101および可動金型102にそれぞれ固定されている。クランプ板101a,102aは、IMM2の成形動作位置11(金型クランプ位置)に金型100A/100Bをロックするために使用される。
【0034】
金型100A/100Bについては、固定金型101と可動金型102との間に閉鎖状態を維持するために自動閉鎖部103が設けられている。自動閉鎖部103は、モールド100A/100BをIMM2から搬出した後に、モールド100A/100Bが開くのを防止することを可能にする。自動閉鎖部103は、磁力を用いてモールド100A/100Bを閉鎖状態に維持する。また、自動閉鎖部103は、固定金型101と可動金型102との対向面に沿った複数箇所に位置している。この自動閉鎖部103は、固定金型101の側面にある要素と可動金型102の側面にある要素との組合せである。自動閉鎖部103の場合、典型的には、2以上の対が金型100A,100Bのうちの1つのために設置される。
【0035】
搬送装置3Aは、金型100AをIMM2の成形動作位置11に搬入し、当該成形動作位置11から搬出する。搬送装置3Bは、金型100Bを成形動作位置11に搬入し、当該成形動作位置11から搬出する。搬送装置3A、IMM2、搬送装置3Bは、X軸方向にこの順に並んで配置されている。換言すると、搬送装置3Aおよび搬送装置3Bは、X軸方向においてIMM2を挟むようにIMM2に対して横方向に配置されている。搬送装置3A,3Bは、互いに対面するように配置されており、IMM2の横方向の一方の側に搬送装置3Aが、隣り合う他方の側に搬送装置3Bがそれぞれ配置されている。成形動作位置11は、搬送装置3Aと搬送装置3Bとの間に位置している。搬送装置3Aは、フレーム30と、複数のローラ32と、複数のローラ33とを含む。搬送装置3Bは、フレーム30と、搬送部31Bと、複数のローラ32と、複数のローラ33とを含む。搬送装置コントローラ42Aは搬送装置3Aを制御し、搬送装置コントローラ42Bは搬送装置3Bを制御する。
【0036】
フレーム30は、搬送装置3A/3Bの骨格であり、搬送部31Bと、複数のローラ32,33とを支持している。搬送部31Bは、金型100A/100BをX軸方向の前後に移動させて、金型100A/100Bを成形動作位置11に対して除去および挿入する装置である。搬送部31Bは、搬送装置制御部42Bによって制御される。
【0037】
複数のローラ32は、X軸方向に配置されたローラ列を構成し、2つの列は、Y軸方向に分離して構成されている。複数のローラ32は、Z軸方向における回転軸周りに回転し、金型100A/100Bの側面(クランプ板101aおよび102aの側面)に接触して金型100A/100Bを側方から支持し、金型100A/100BのX軸方向への移動をガイド(案内)する。複数のローラ33は、X軸方向に配置されたローラ列を構成し、2つの列は、Y軸方向に分離して構成されている。複数のローラ33は、Y軸方向における回転軸周りに回転し、金型100A/100Bの底面(クランプ板101aおよび102aの底面)を支持して金型100A/100Bを下方から支持し、金型100A/100BのX軸方向の移動を滑らかにする。
【0038】
コントローラ(制御部)41はIMM2を制御し、コントローラ(制御部)42Aは搬送装置3Aを制御し、コントローラ(制御部)42Bは搬送装置3Bを制御し、コントローラ41,42Aおよび42Bの各々は、例えば、CPU等のプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスク等の記憶デバイス、センサまたはアクチュエータ(図示せず)に接続されたインターフェースを含む。プロセッサは、記憶デバイスに記憶されたプログラムを実行する。以下、制御部41が実行するプログラム(制御)の一例について説明する。コントローラ41は、コントローラ42A,42Bと通信可能に接続され、金型100A/100Bの搬送に関する指令をコントローラ42A,42Bへ提供する。コントローラ42A,42Bは、金型100A/100Bの搬入および搬出が終了した場合、動作完了の信号をコントローラ41に送信する。また、コントローラ42A,42Bは、異常発生時に緊急停止信号をコントローラ41に送信する。
【0039】
図2は、IMM2の側面図を示す。
図3は、固定プラテン61の端面図であり、
図2のI-I線の矢印方向から見た図である。
図4は、成形動作位置11の周囲の構成を説明するための部分斜視図を示す。
【0040】
図18および
図2を参照すると、IMM2は、射出装置5と、クランプ装置6と、成形部品を取り出す取出ロボット7と、コントローラ41とを含む。射出装置5およびクランプ装置6は、Y軸方向におけるフレーム10上に配置されている。
【0041】
射出装置5は、Y軸方向に延びるように配置された射出シリンダ51を含む。射出シリンダ51は、バンドヒータ等の加熱装置(図示せず)を含み、ホッパ53から導入される樹脂を溶融する。射出シリンダ51にはスクリュー51aが一体化されており、スクリュー51aの回転により、射出シリンダ51に導入された樹脂の可塑化および計測が行われ、スクリュー51aの軸方向(Y軸方向)への移動により、射出ノズル52から溶融樹脂を射出することができる。
【0042】
吐出口を開閉する遮断ノズルをノズル52として用いることができる。しかしながら、ノズル52の機能の実装を可能にする任意の機構が適用可能である。
図2では、遮断ノズルの一例が図示されている。開閉機構56には、吐出口52aを開閉するためのピン56aが配置されている。ピン56aはリンク56bを介してアクチュエータ(シリンダ)56cと接続されており、アクチュエータ56cの動作によって吐出口52aが開閉する。
【0043】
射出シリンダ51は駆動部54に支持されている。駆動部54には、スクリュー51aを回転駆動して樹脂を可塑化し計測するモータと、スクリュー51aを軸方向の前後に移動させる駆動モータとが配置されている。駆動部54は、フレーム10上のレール12に沿ってY軸方向の前後に移動することができる。また、駆動部54には、射出装置5をY軸方向の前後に移動させるためのアクチュエータ(例えば電動シリンダ)55が配置されている。
【0044】
クランプ装置6は、金型100A/100Bのクランプおよび開閉を行う。クランプ装置6では、固定プラテン61、可動プラテン62、可動プラテン63がY軸方向にその順番で配置されている。プラテン61~63を介して、複数のタイバー(tie-bars)64が通過する。タイバー64の各々は、Y軸方向に延びる軸であり、その一端が固定プラテン61に固定されている。タイバー64の各々は、可動プラテン62に形成されたそれぞれの貫通孔に挿入される。タイバー64の各々の他端は、調整機構67を介して可動プラテン63に固定されている。可動プラテン62および63はフレーム10上のレール13に沿ってY軸方向に移動可能であり、固定プラテン61はフレーム10に固定されている。
【0045】
可動プラテン62と可動プラテン63との間にはトグル機構65が配置されている。トグル機構65は、可動プラテン62を可動プラテン63に対して(換言すると、固定プラテン61に対して)Y軸方向の前後に移動させる。トグル機構65は、リンク65a~65cを含む。リンク65aは、可動プラテン62に回転可能に接続されている。リンク65bは、可動プラテン63に回動可能に接続されている。リンク65aとリンク65bとは、互いに回動可能に接続されている。リンク65cとリンク65bとは、互いに回動可能に接続されている。リンク65cは、アーム66cに回動可能に接続されている。
【0046】
アーム66cは、ボールナット66bに固定されている。ボールナット66bは、Y軸方向に延びるボールねじ軸66aと係合し、ボールねじ軸66aの回転によりY軸方向の前後に移動する。ボールねじ軸66aは、可動プラテン63によって自由に回転するように支持されており、モータ66は、可動プラテン63によって支持されている。モータ66は、モータ66の回転量が検出されながらボールねじ軸66aを回転駆動する。モータ66の回転量を検出しながらモータ66を駆動することにより、金型100A/100Bのクランプおよび開閉が可能となる。
【0047】
IMM2は、クランプ力を計測するためのセンサ68を含み、各センサ68は、例えば、タイバー64上に設けられた歪みゲージであり、タイバー64の歪みを検出することによってクランプ力を計算する。
【0048】
調整機構67は、可動プラテン63上に回転自在に支持されたナット67bと、駆動源としてのモータ67aと、モータ67aの駆動力をナット67bに伝達する伝達機構とを含む。タイバー64の各々は、可動プラテン63に形成された孔を通過し、ナット67bと係合する。ナット67bを回転させることにより、ナット67bとタイバー64との間のY軸方向の係合位置が変化する。即ち、タイバー64に対して可動プラテン63が固定される位置が変化する。これにより、可動プラテン63と固定プラテン61との間の空間を変化させることができ、これによりクランプ力等を調整することができる。
【0049】
成形動作位置11は、固定プラテン61と可動プラテン62との間の領域である。
【0050】
成形動作位置11に導入された金型100A/100Bは、固定プラテン61と可動プラテン62との間に挟み込まれ、これによってクランプされる。可動プラテン62の移動による可動金型102の移動に基づいて開閉が行われる。
【0051】
図3は、ノズル52が前後に移動する固定プラテン61の中央部分の開口部61aを示している。固定プラテン61の可動プラテン62側の面(内面と呼ぶ)には、複数のローラBRが自由に回転するように支持されている。複数のローラBRは、Y軸方向における回転軸周りに回転し、モールド100A/100Bの底面(クランプ板101aの底面)を支持してモールド100A/100Bを下方から支持し、モールド100A/100BのX軸方向の移動を滑らかにする。固定プラテン61のX軸方向の両側には、ローラ支持体620が固定されており、ローラ支持体620によって複数のローラBRが支持されている。
【0052】
固定プラテン61の内面には、X軸方向に延びる溝61bが形成されている。
【0053】
溝61bは、垂直方向に分離された2つの列に形成されている。溝部61bの各々にはローラ部640が配置されている。ローラ部640については、複数のローラSRが自由に回転するように支持されている。複数のローラSRは、Z軸方向における回転軸周りに回転し、モールド100A/100Bの外面(クランプ板101aの外面)に接触してモールド100A/100Bを側方から支持し、モールド100A/100BのX軸方向への移動をガイドする。線II-IIの断面図に示すように、ローラ部640は、バネ641の付勢により、ローラSRが溝61bから突出する位置に位置しており、クランプする時には溝61bに退避され、ローラSRが溝61bから突出しない位置に位置する。ローラ部640は、金型100A/100Bおよびクランプ61の内面が、金型100A/100Bを交代する時に内面に接触して損傷するのを防止することができ、ローラ部640は、クランプする時に閉じられる固定プラテン61および金型100A/100Bの内面を妨げない。
【0054】
固定プラテン61のX軸方向の両側には、ローラ支持体630が固定されており、ローラ支持体630によって複数のローラSRが支持されている。
【0055】
固定プラテン61上には、複数の固定機構(クランプ)610が、固定金型101を固定プラテン61に固定するために配置されている。各固定機構610は、クランプ板101aと係合する係合部分610aと、係合位置と係合解除位置との間で係合部分610aを移動させる内蔵アクチュエータ(図示せず)とを含む。
【0056】
なお、可動プラテン62についても、固定プラテン61と同様に、可動モールド102を固定するために、複数のローラBRと、ローラ支持体620,630と、ローラ部640と、固定機構610とが配置されている。
【0057】
図4に示すように、クランプ装置6の周囲は、安全のためにカバー(外装板)60で囲まれているが、金型100A/100Bが通る開口60Bが、金型100A/100Bを交代するために成形動作位置11の側面に形成されている。各開口60Bは、典型的には連続的に開口しており、金型100A/100Bの成形動作位置11からの自由な取り出しおよび成形導載置11への自由な挿入を可能にしている。
【0058】
ここで、
図2に戻って、取出ロボット7について説明する。取出ロボット7は、X軸方向に延びるレール71と、レール71上をX軸方向に移動可能な可動レール72とを含む。可動レール72は、Y軸方向に延びるように配置され、可動レール72上にスライダ73が配置されている。スライダ73は、可動レール72によってガイドされてY軸方向に移動し、昇降軸73aをZ軸方向に昇降させる。昇降軸73aの下端には真空ヘッド74が配置され、真空ヘッド74上には、成形部品に特化したチャックプレート75が取り付けられている。
【0059】
取出ロボット7は、開放後、レール71、可動レール7およびスライダ73によって、
図2に破線で示すように、静止金型101と可動金型102との間で真空ヘッド74を移動させ、成形部品に固着して金型100A/100Bの外側に成形部品を搬送する。
【0060】
図5は、搬送装置3Bの側面図であり、金型100Bは、アクチュエータ3010の駆動によって移動される。
【0061】
アクチュエータ3010のためのスライド3032を移動させることによって、スライド3032、プレート3031およびリンク部(連結部)3020にリンク(連結)された金型100Bが移動可能になることが可能になる。アクチュエータ3010はフレーム30Bに固定されるため、アクチュエータ3010およびフレーム30Bは金型100Bの移動に基づいて移動しない。金型100Bは、アクチュエータ3010およびフレーム30Bに対して移動する。
【0062】
図5は、金型100Bとアクチュエータ3010との間に位置するリンク部3020の構成を示す。リンク部3020は、金型100Bに取り付けるベースプレート3024と、4つのリンクブラケット3023と、先端にカム従動子(図示せず)を有する2つのシャフト3022と、スライダ3032に取り付けられるスロットを有するベースプレート3031とを含む。金型100Bおよびアクチュエータ3010は、カム従動子3021をスロットとともにベースプレート3031に挿入することによってリンクされる。
【0063】
以下の説明は、金型100BがX軸方向に沿って移動する状況に向けられ、アクチュエータ3010のY軸方向の中心位置と金型100BのY軸方向の中心位置とがY軸方向にずれている場合に向けられる。より具体的には、金型100Bの移動に起因して、金型100BのY軸方向の中心位置がアクチュエータ3010のY軸方向の中心位置に対してずれている場合について説明している。
【0064】
金型100Bを移動させる際に金型100Bおよびアクチュエータ3010の位置がY軸方向にずれている場合、Y軸方向にベースプレート3031の挿入されたスロットに沿って移動するリンクブラケット3023の滑りを伴うカム従動子3021の滑りは、アクチュエータ3010と金型100BとのY軸方向のずれの負荷の吸収をもたらすことができる。即ち、金型100BのY軸方向の移動は、カム従動子3021のローラが回転する結果となり、アクチュエータ3010およびリンク部3020への負荷を低減することができる。金型100Bおよびアクチュエータ3010のY軸方向へのずれが大きいほど、リンク部品およびアクチュエータ3010への負荷が大きくなる。このように、Y軸方向のシフトを低減することで、負荷が低減または排除されうる。
【0065】
リンク部3020の機構がない場合、および単純にリンクされた場合、金型100BについてのY軸方向の中心は、アクチュエータ3010についてのY軸方向の中心に対してずれることがある。これは、金型100Bの重量と、アクチュエータ3010およびリンク区域に加えられるY軸方向の移動部分の量からの負荷とをもたらしうる。したがって、リンク区域はY軸方向に反り、アクチュエータ3010に対して追加の負荷がY軸方向に加えられうる。
図5に示すようにリンク部3020を形成することによって、カム従動子3021はベースプレート3031に対してY軸方向に移動可能となり、リンク部3020およびアクチュエータ3010については、Y軸方向にシフトする金型100Bからの負荷が低減または排除されるであろう。
【0066】
また、
図5は、アクチュエータ3010についてのZ軸方向の中心位置をZ10に、および金型100BについてのZ軸方向の中心位置をZAに示す。
図5に示すように、Z軸方向の原点は、フレーム30Bの表面である。アクチュエータ3010はフレーム30Bに固定されているため、アクチュエータ3010についてのZ軸方向の中心がZ10(基準位置)であり、金型100BについてのZ軸方向の中心がZA(基準位置)である場合、アクチュエータ3010と金型100BとがZ軸方向にずれることはない。
【0067】
以下の説明は、金型100BがX軸方向に移動し、金型100BのZ軸方向の中心がZAからZ軸方向にずれている状況に向けられている。金型100Bが移動した場合、アクチュエータ3010についてのZ軸方向の基準位置と金型100BについてのZ軸方向の基準位置とが変化すると、即ち、金型100BについてのZ軸方向の中心位置がZ軸方向にずれると、ベースプレート3031のスロットに挿入されたリンクブラケット23のカム従動子3021がスロットに沿ってZ軸方向に移動するであろう。その結果、金型100Bとアクチュエータ3010とのZ軸方向へのずれからの負荷が吸収されうる。カム従動子3021は、スロットのZ軸方向に移動することができる。これは、アクチュエータ3010およびリンク区域に加えられる負荷を低減または排除することを可能にする。
【0068】
リンク部3020の機構がない場合、および単純にリンクされた場合、金型100BについてのZ軸方向の中心は、ZAからZ軸方向にずれうる。これは、金型100Bの重量と、アクチュエータ3010およびリンク区域に加えられるZ軸方向の移動部分の量からの負荷とをもたらしうる。したがって、リンク区域はZ軸方向に反り、アクチュエータ3010に対してZ軸方向に追加の負荷が加えられうる。
図5に示すようにリンク部3020を形成することによって、カム従動子3021がZ軸方向に移動可能となり、リンク部3020およびアクチュエータ3010については、Y軸方向にシフトする金型100Bからの負荷が低減または排除されうる。
【0069】
上述の例示的な実施形態は、2つのカム従動子3021と、ベースプレート3031上のスロットとで構成される。これにより、金型100Bとアクチュエータ3010とのZ軸方向およびY軸方向のずれに対する負荷の低減が可能となる。これにより、アクチュエータ3010への過剰な負荷の印加/負荷の低減の適用を防止し、リンク部3020への損傷の可能性を低減することができる。アクチュエータ3010への損傷を防止することは、より大きな負荷を扱うことができるより大きなアクチュエータの選択を可能にし、これは全体的なコスト低減をもたらしうる。以上の構成により、フレーム30Bに対する過剰な位置調整、または、IMM2に対する側面ガイドローラ3091、底面ガイドローラ3092の過剰な位置精度が不要となり、機械部品の精度を容易にして組み立て中の工数を低減することによりコストを低減することができる。
【0070】
カム従動子3021の形状は、例えば、回転機構または正方形の形状を伴わない丸い形状とすることができ、カム従動子3021がスロット孔の内面に対して低い摩擦係数で移動することを可能にする。例示的な実施形態では、4つのリンクブラケット3023が示されているが、例示的な実施形態の実行を可能にする他の形状も適用可能である。別の例示的な実施形態では、1以上のシャフト3022およびカム従動子3021を使用することができ、カム従動子3021とベースプレート3031のスロットとが重なり合うことを可能にする寸法を有する形状が使用されうる。
【0071】
金型100A/100Bに接続されるケーブルの配線構成について説明する。
図6は、射出成形システム1をY軸方向から見た断面を示す。
【0072】
金型100Aは、IMM2内の成形動作位置11に位置している。金型100Aは、固定プラテン61および可動プラテン62上に設置されたローラBR上に位置決めされる。金型100Aは、リンク部3030によって金型100Bにリンクされ、金型100BがX軸方向に移動する際に金型100Bと同じ方向に移動する。リンク部3030は、金型100Bに固定されたリンクブラケット3025と、金型100Aに固定されたベースプレート3026とを含む。金型100Aは、成形動作位置11から搬送装置3Aの方向に移動する。搬送装置3Aに到着した後、フレーム30Aの上部パネルに沿って移動する。
【0073】
金型100Aには、X軸方向においてリンク部3030が接続される側とは反対側に、金属製の取付ステー(mounting stay)490が設置されている。マニホールド470およびキャリア400Aの一端部410Aは、取付ステー490に固定される。ケーブルキャリア400Aの他端部420Aは、搬送装置3Aのフレーム30Aの上部パネルに固定される。換言すると、ケーブルキャリア400Aの端部410Aおよび端部420Aの双方は、フレーム30Aの上部パネルの上方に位置している。ケーブルキャリア400Aは、以下に説明する各種のケーブルを覆い、それぞれのケーブルの動きを調節(ガイド)する構成要素である。温度制御用の冷却チューブ、ホットランナの温度制御/動作に必要なヒータ、熱電対、およびエアチューブは、金型100Aの内部に位置する。金型100Aの内部の冷却チューブは、温度制御ホース3402に接続される。
【0074】
図7は、
図6の上面図であり、IMM2および搬送装置3A,3Bの拡大を示している。冷却チューブから延びる温度制御ホース3402は、マニホールド470内に設置されたカプラ4701に対してY軸方向に沿って接続されている。カプラ4701は入口点および出口点を含み、出口点は温度制御ホース3404に接続される。温度制御ホース3404は、ケーブルキャリア400Aの端部410Aに入る。温度制御ホース3404は、ケーブルキャリア400Aによってガイドされ、ケーブルキャリア400Aの端部420Aから出る。
【0075】
図6に示すように、ケーブルキャリア400Aは、温度制御ホース3404の最小半径曲率よりも十分に大きい曲率で曲げられる。最小半径曲率は、温度制御ホース3404の破損なしに温度制御ホース3404の内部の流体が円滑に流れることを可能にするであろう最小の可能な曲率半径を指し、温度制御ホース3404の材料または温度制御ホース3404の断面の半径に応じて変化する。温度制御ホース3404のうち、ケーブルキャリア400Aの端部420Aを介して出て行く部分は、フレーム30Aの上部パネルを通過し、IMM2に形成されたギャップ495を介してフレーム30Aの上部パネルの底部に進む。フレーム30Aの上部パネルの底部に位置する温度制御ホース3404の部分は、X軸方向に沿って、マニホールド460内に設置されたカプラ4601と接続する。カプラ4601は入口点および出口点を含み、出口点は、温度制御ホース3401に接続される。温度制御ホース3401は、IMM2の下部に設置された温度コントローラ320に接続される。温度コントローラ320は、温度制御ホース3404の内部を流れる冷却水の温度を調整し、また、冷却水を金型100A内に送り込む。
【0076】
モールド100Aの内部のヒータは、ヒータコネクタを介してヒータケーブル3412に接続される。熱電対は、熱電対コネクタを介して熱電対ケーブル3422に接続される。エアチューブは、エアホース3432に接続される。ヒータケーブル3412、熱電対ケーブル3422、およびエアホース3432は、ケーブルネット、タイラップ、およびストラップと一緒に束ねられ、ホットランナケーブル3442を含む。
図7に示すように、ホットランナケーブル3442は、ケーブルキャリア400Aの端部410Aに入る。ホットランナケーブル3442は、ケーブルキャリア400Aによってガイドされ、ケーブルキャリア400Aの端部420Aから出て行く。
【0077】
図6に示すように、ケーブルキャリア400Aは、ホットランナケーブル3442の最小半径曲率よりも十分に大きい曲率で曲げられる。ケーブルキャリア400Aの端部420Aから出たホットランナケーブル3442の部分は、フレーム30Aの上部パネルを通過し、IMM2に形成されたギャップ495を介してフレーム30Aの上部パネルの底部に進む。フレーム30Aの上部パネルの底部に位置するホットランナケーブル3442の部分は、IMM2の下部に設置されたホットランナコントローラ330に接続される。ホットランナコントローラ330は、ヒータの温度を調整し、熱電対でその温度を監視する。
【0078】
金型100Bは、搬送装置3B上に位置し、搬送装置3B上に設置された複数のローラ33の上部に載置される。金型100Bは、リンク部3020によってスライド3032に接続される。リンク部3020は、スライド3032に接続される。
図5に示すように、スライド3032はアクチュエータ3010に接続されるため、金型100Bはアクチュエータ3010に接続される。マニホールド430およびガイド部品450は、スライド3032に接続される。
【0079】
図7に示すように、ガイド部品450は、ガイド部品450によってフレーム30Bの上部パネルの下にガイドされる円筒形ケーブルである。ケーブルキャリア400Bの端部420Bは、搬送装置3Bのフレーム30Bの底部パネルに固定されている。ケーブルキャリア400Bの端部410Bは、フレーム30Bが位置する側とは反対側のガイド部品450の側に固定されている。換言すると、ケーブルキャリア400Bの端部410Bおよび端部420Bは、フレーム30Bの上部パネルの下方に位置している。温度制御用の冷却チューブ、ホットランナの温度制御/動作に必要なヒータ、熱電対、およびエアチューブは、金型100Bの内部に位置する。金型100Bの内部の冷却チューブは、温度制御ホース3302に接続される。
【0080】
図7に示すように、冷却チューブから延びる温度制御ホース3302は、マニホールド430上に設置されたカプラ4301においてY軸方向に沿って接続されている。カプラ4301は入口点および出口点を含み、出口点は温度制御ホース3340に接続される。
図7に示すように、搬送装置3Bのフレーム30Bの上部パネルにはスリット480が形成されており、その構成は、アクチュエータ311の駆動に基づいてガイド部品450がX軸方向に移動できるようになっている。
図8は、マニホールド430およびガイド部品450の拡大図を示す。
【0081】
温度制御ホース3340は、タイラップまたはストラップでガイド部品450に固定される。ケーブルキャリア400Bの端部410Bは、ガイド部品450の他方側に固定されている。温度制御ホース3340がガイド部品450によってガイドされた後、温度制御ホース3340の最小半径曲率よりも大きい半径を有する円3303を描く構造体で固定される。温度制御ホース3340は、ケーブルキャリア400Bの端部410Bに入る。
【0082】
図6において、温度制御ホース3340は、ケーブルキャリア400Bによってガイドされ、ケーブルキャリア400Bの端部420Bから出る。ケーブルキャリア400Bは、温度制御ホース3340の最小半径曲率よりも十分に大きい曲率で曲げられる。ケーブルキャリア400Bの端部420Bから出る温度制御ホース3340の部分は、X軸方向に沿って、マニホールド440上に設置されたカプラ4401と接続する。カプラ4401は入口点および出口点を含み、出口点は温度制御ホース3301に接続される。温度制御ホース3301は、IMM2の下部に設置された温度コントローラ320に接続される。
【0083】
金型100Bの内部のヒータは、ヒータコネクタを介してヒータケーブル3312に接続される。熱電対は、熱電対コネクタを介して熱電対ケーブル3322に接続される。エアチューブは、エアホース3332に接続される。ヒータケーブル3312、熱電対ケーブル3322、およびエアホース3332は、ケーブルネット、タイラップ、およびストラップによって束ねられ、ホットランナケーブル3342を含む。ホットランナケーブル3342は、タイラップまたはストラップでリンクブラケット3023に固定され、ガイド部品450によってガイドされる。ホットランナケーブル3342は、タイラップまたはストラップでガイド部品450に固定される。ホットランナケーブル3342がガイド部品450によってガイドされた後、ホットランナケーブル3342の最小半径曲率よりも大きい半径を有する円3313を描く構造体で固定される。ホットランナケーブル3342は、ケーブルキャリア400Bの端部410Bに入る。ホットランナケーブル3342は、ケーブルキャリア400Bによってガイドされ、ケーブルキャリア400Bの端部420Bから出る。ケーブルキャリア400Bは、ホットランナケーブル3342の最小半径曲率よりも十分に大きい曲率で曲げられる。ケーブルキャリア400Bの端部420Bから出るホットランナケーブル3342の部分は、フレーム30Bの底部パネルに取り付けられたホットランナコントローラ330に接続される。
【0084】
図9は、金型100AがIMM2から搬送装置3Aへの移動を終了し、金型100Bが、
図6に示される状況からアクチュエータ3010を駆動することによって搬送装置3BからIMM2への移動を終了したところを示す。金型100Bは、搬送装置3B上に設置されたローラ33上を移動する。金型100Bは、IMM2内に設置された固定プラテン61および可動プラテン62に搬送装置3Bから移動する際に、ローラ支持体620の上部のローラBR上を通過する。金型100Bの移動は、金型100Bの中心100が固定プラテン61の中心610と一致する位置(成形動作位置11)に金型100Bがあるときに完了する。金型100Aは、ローラ支持体620の上部のローラBRの上を通過する。金型100Aは、プラテン61から搬送装置3Aに移動する際、固定プラテン61上に設置されたローラ支持体620の上部の上にあるローラBRの上を通り、搬送装置3Aに設置されたローラ33の上を通る。金型100Aの移動は、金型100Bの移動が停止すると同時に停止する。
【0085】
取付ステー490上に固定されたマニホールド470、および、ケーブルキャリア400Aの端部410Aも、アクチュエータ3010によって金型100Aが移動される同一方向に移動する。金型100Aとマニホールド470およびケーブルキャリア400Aの端部410Aとの相対的な位置関係は変化しない。換言すると、金型100Aとマニホールド470およびケーブルキャリア400Aの端部410Aとの間の各ケーブルの長さは変化しない。ケーブルキャリア400Aの端部420Aはフレーム30Aの上部パネルに固定されているため、ケーブルキャリア400Aの端部420Aと温度コントローラ320およびホットランナコントローラ330との間のケーブルの長さは変化しない。ケーブルの形状は、各種のケーブルが金型100Aの移動に伴うようにケーブルキャリア400Aによってガイドされるために変化しうる。端部410Aは取付ステー490に固定され、端部420Aはフレーム30Aの上部パネルに固定されているため、ケーブルキャリア400AのX軸方向に形成されたループが大きくなったり小さくなったりして各ケーブルの長さが調整される。
【0086】
スライド3032上に固定されたマニホールド430およびガイド部品450も、アクチュエータ3010によって金型100Bが移動される同一方向に移動する。モールド100Bとマニホールド430およびガイド部品450との相対的な位置関係は変化しない。換言すると、モールド100Bとマニホールド430およびガイド部品450との間の各種のケーブルの長さは変化しない。ケーブルキャリア400Bの端部410Bはガイド部品450に接続されているため、金型100Bとケーブルキャリア400Bの一端部410Bとの間の各種のケーブルの長さは変化しない。また、ケーブルキャリア400Bの端部420Bはフレーム30Bの底部パネルに固定されているため、ケーブルキャリア400Bの端部420Bと温度コントローラ320およびホットランナコントローラ330との間の各種のケーブルの長さは変化しない。ケーブルキャリア400Bが金型100Bの移動に伴うように各種のケーブルを案内するため、ケーブルの形状が変化する。端部410Bがガイド部品450に固定され、および端部420Aがフレーム30Bの底部パネルに固定されているため、ケーブルキャリア400BのX軸方向に形成されたループが大きくなったり小さくなったりして各種のケーブルの長さが調整される。
【0087】
以上の構成に基づいて、ケーブルキャリア400A/400Bは、金型100A/100Bの移動と共に動作する。金型100A/100Bから延びる複数のケーブルの移動は、ケーブルキャリア400A/400Bによってそれぞれ制御されるため、いずれのケーブルが金型100A/100Bの移動を妨げる可能性が低減される。また、ケーブルキャリア400Bの端部410Bおよび端部420Bは、金型100Bが移動するフレーム30Bの上部パネルの下方に位置しているため、いずれのケーブルが金型100Bの移動を妨げる可能性が更に低減される。
【0088】
上述の例示的な実施形態によれば、温度コントローラ320およびホットランナコントローラ330は、IMM2の下部に取り付けられる。しかしながら、この構成は限定的であるとは見なされない。別の例示的な実施形態では、温度コントローラ320およびホットランナコントローラ330は、フレーム30Aの下部またはフレーム30Bの下部に設置されうる。別の例示的な実施形態では、温度コントローラ320およびホットランナコントローラ330は、IMM2、フレーム30A、またはフレーム30Bの外部に設置されうる。さらに別の例示的な実施形態では、単一/共通の温度コントローラ320および単一/共通のホットランナコントローラ330を搬送装置3Aおよび搬送装置3Bで利用する代わりに、各搬送装置は、独自の温度コントローラおよびホットランナコントローラを利用することができる。さらに1つの例示的な実施形態では、ホットランナコントローラ330の代わりに、ホットランナの温度制御/動作のためにIMM2に個別に設置されたエア回路にエアホースが接続されうる。
【0089】
上述の例示的な実施形態によれば、本実施形態の温度制御ホースは、マニホールド430およびマニホールド440を介して3つの温度制御ホース(3302、3340、3301)に分割されている。しかしながら、ヒータケーブル3312、熱電対ケーブル3322、およびエアホース3332は、マニホールド430および440を介して配線されない。温度制御ホースの構成は、温度制御ホースが典型的に交換される頻度がより高く、3つの別々の温度制御ホースがあることで交換のタスクが容易になるため、他のケーブルおよびホースの構成とは異なる。しかしながら、この構成は限定的であるとは見なされず、マニホールド430またはマニホールド440を介してケーブルを配線することによって、他の種類のケーブルを構築することができる。別の例示的な実施形態では、温度制御ホースは、ケーブルキャリア400Bに直接接続されうる。
【0090】
マニホールド430は、XZ平面に対して平行となるように配置され、マニホールド440は、マニホールド430がX軸方向に移動する際にローラ32との干渉を防止するため、YZ平面に対して平行となるように配置されている。しかしながら、この構成は、例えばマニホールド430のサイズが小さい状況において、限定的であるとは見なされない。
【0091】
図10は、別の例示的な実施形態による、射出成形システム1をY軸方向から見た断面を示す。本実施形態では、
図10に示すように、搬送装置30A側のケーブルの配線構成は、
図6に示す前述の実施形態と同様である。例示的な本実施形態において、差異は、搬送装置30B側のケーブルの配線構成である。
【0092】
金型100Bは、搬送装置3B上に位置し、搬送装置3B上に設置された複数のローラ33の上部に載置される。金型100Bは、リンク部3020によってスライド3032に接続される。
図5に示すように、スライド3032はアクチュエータ3010に接続されるため、金型100Bはアクチュエータ3010に接続される。マニホールド430およびケーブルキャリア400Bの端部410Bは、スライド3032に接続されている。本実施形態では、ガイド部品を設けず、ケーブルキャリア400Bの端部420Bがスライド3032に直接接続される構成である。ケーブルキャリア400Bの端部420Bは、搬送装置3Bのフレーム30Bの底部パネルに固定される。換言すると、ケーブルキャリア400Bの端部410Bは、フレーム30Bの上部パネルの上方に位置し、端部420Bは、フレーム30Bの上部パネルの下方に位置している。
【0093】
金型100Bの内部には、温度制御用の冷却チューブ、ホットランナの温度制御/動作用のヒータ、熱電対、およびエアチューブが配置されている。冷却チューブは、温度制御ホース3302に接続される。冷却チューブから延びる温度制御ホース3302の部分は、マニホールド430上に設置されたカプラ4301に接続される。カプラ4301は入口点および出口点を備え、出口点は温度制御ホース3304に接続される。温度制御ホース3304は、ケーブルキャリア400Bの端部410Bに入る。温度制御ホース3304は、ケーブルキャリア400Bによってガイドされ、ケーブルキャリア400Bの端部420Bから出る。ケーブルキャリア400Bは、温度制御ホース3304の最小曲率半径よりも十分に大きい曲率で曲げられる。ケーブルキャリア400Bの端部420Bに存在する温度制御ホース3304の部分は、マニホールド440上に設置されたカプラ4401に接続される。結合器4401は入口点および出口点を含み、出口点は温度制御ホース3301に接続される。温度制御ホース3301は、IMM2の下部に設置された温度制御器320に接続される。
【0094】
金型100Bの内部のヒータは、ヒータコネクタを介してヒータケーブル3312に接続される。熱電対は、熱電対コネクタを介して熱電対ケーブル3322に接続される。エアチューブは、エアホース3332に接続される。ヒータケーブル3312、熱電対ケーブル3322、およびエアホース3332は、ケーブルネット、タイラップおよびストラップによって束ねられ、ホットランナケーブル3342を含む。ホットランナケーブル3342は、タイラップまたはストラップでリンクブラケット3023に固定され、ケーブルキャリア400Bの端部410Bに入る。ホットランナケーブル3342は、ケーブルキャリア400Bによってガイドされ、ケーブルキャリア400Bの端部420Bから出る。ケーブルキャリア400Bは、ホットランナケーブル3342の最小曲率半径よりも十分に大きい曲率で曲げられる。ケーブルキャリア400Bの端部420Bからでるホットランナケーブル3342の部分は、フレーム30Bの底部パネルに取り付けられたホットランナコントローラ330に接続される。
【0095】
図11は、IMM2から搬送装置3Aへの金型100Aの移動完了、および
図10の位置からのアクチュエータ3010の駆動による搬送装置3BからIMM2への金型100Bの移動完了を示す。
【0096】
金型100Bは、搬送装置3B上に設置されたローラ33上を移動する。搬送装置3BからIMM2内に設置された固定プラテン61に移動する際、金型100Bは、固定プラテン61上に設置されたローラ支持体620の上部のローラBR上を通過し、プラテン61上に設置されたローラBR上を通過する。最後に、金型100Bの移動は、金型100Bの中心110が固定機プラテン61の中心610と一致する位置(成形動作位置11)で完了する。金型100Aは、固定プラテン61上に設置されたローラBR上を移動する。固定プラテン61から搬送装置3Aに移動する際、金型100Aは、固定プラテン61上に設置されたローラ支持体620上のローラBR上を通過し、搬送装置3A上に設置されたローラ33上を通過する。金型100Aは、金型100Bの移動が停止するときに移動を停止する。
【0097】
スライド3032に固定されたマニホールド430、およびケーブルキャリア400Bの端部410Bも、アクチュエータ3010によって金型100Bが移動される同一方向に移動する。金型100Bとマニホールド430およびケーブルキャリア400Bの端部420Bとの相対的な位置関係は変化していない。換言すると、金型100Bとマニホールド430およびケーブルキャリア400Bとの間の各種のケーブルの長さは変化しない。ケーブルキャリア400Bの端部420Bはフレーム30Bの底部パネルに固定されているため、ケーブルキャリア400Bの端部420Bと温度コントローラ320およびホットランナコントローラ330との間の各種のケーブルの長さは変化しない。ケーブルキャリア400Bは金型100Bの移動に伴うように各種のケーブルをガイドするため、ケーブルの形状が変更する。端部410Bはスライド3032に固定され、端部420Bはフレーム30Bの底部パネルに固定されているため、ケーブルキャリア400BのX軸方向に形成されたループが大きくなったり小さくなったりして各種のケーブルの長さが調整される。
【0098】
上述の構成の結果、ケーブルキャリア400A/400Bは、金型100A/100Bの移動に伴って動作する。金型100A/100Bからそれぞれ延びるケーブルの動きは、ケーブルキャリア400A/400Bによって制御されるため、いずれのケーブルが金型100A/100Bの移動を妨げる可能性が低減される。ケーブルキャリア400Bの端部420Bは、金型100Bが移動するフレーム30Bの上部パネルの下方に位置しているため、いずれのケーブルが金型100Bの移動を妨げる可能性が更に低減される。例示的な本実施形態では、例示的な前述の実施形態のガイド部品450を利用しないため、例示的な前述の実施形態の構成よりも低コストと見なすことができる構成を提供する。
【0099】
上述の例示的な本実施形態の構成によれば、金型100Bに接続されたケーブルは、3つの領域に分けられている。この領域は、金型100Bからケーブルキャリア400Bの端部410Bまでの領域である。第2の領域は、ケーブルキャリア400Bの端部410Bからケーブルキャリア400Bの端部420Bまでの領域である。第3の領域は、ケーブルキャリア400Bの端部420Bから温度コントローラ320またはホットランナコントローラ330までの領域である。第1の領域は、金型100Bの移動とともにフレーム30Bに対して移動するが、ケーブルの形状は変化しない。第2の領域は、フレーム30Bに対して移動し、ケーブルの形状が変化する。第3の領域は、フレーム30Bに対しては移動しないが、フレーム30Bに固定されている。
【0100】
第2の領域におけるケーブルはその形状が変わるため、第2の領域におけるケーブルは、他の領域におけるケーブルよりも早く摩耗する可能性がある。第2の領域をフレーム30Bの下方にできるだけ配置することで、温度制御ホースが磨耗して冷却水が漏れ出したとしても、冷却水がローラ32/33または搬送部31Bに接触する可能性を低減することができる。
【0101】
上述の例示的な本実施形態の構成に基づき、ケーブルに負荷が加えられる第2の領域を保護するために、ケーブルキャリア400A/400Bが設置された。しかしながら、この構成は限定的であるとは見なされない。別の例示的な実施形態では、各種のケーブルが十分な強度を有する場合、ケーブルキャリア400A/400Bを必ずしも設置する必要はない。
【0102】
ここで、射出装置5のノズル52のメンテナンスを行うための構成および手順を、
図12を参照して説明する。ノズル52のメンテナンスは、射出シリンダ51の内側に位置するスクリュー51aを交換することによって行われる。成形樹脂を交換する場合、または射出装置5に問題が発生した場合に、メンテナンスが必要となる。
【0103】
メンテナンスを行うには、まず、金型100A,100BをIMM2、搬送装置3A、搬送装置3Bのそれぞれから取り出す必要がある。このとき、金型100A,100Bは、安全ドア302A-Eの少なくとも1つを開くことによってアクセスされうる。したがって、安全ドア302A-Eのサイズは、金型100A,100Bのサイズよりも大きくする必要がある。
【0104】
金型100A,100Bが除去された後、ノズル52の温度は、指定された温度まで上昇させられる。温度が上昇する間、または温度が上昇した後、安全ドア302Eは、中心に回転中心RCEを有する安全壁301D側に開かれうる。安全ドア302Eを開けた後、射出装置5は、回転中心RCFを中心として動作側に回転される。この位置は、メンテナンス位置と見なされる。上述した回転運動が生じる前に、注入装置5は、
図1の位置からY軸に沿った前方方向に退避し、ノズル52が他の構成要素と接触しない状態を作り出す。
図1に示す位置は、射出位置と見なされる。射出装置5の回転後、ノズル52の先端が取り外される。そして、スクリュー51aと駆動部54とが分離される。
【0105】
図13は、シリンダ51から取り外されたスクリュー51aを示す。ノズル52の先端が取り外されると、スクリュー51aがシリンダ51から飛び出す。スクリュー51aは、典型的にはスチールからなり、従って重量物である。そのため、クレーン(図示せず)でスクリュー51aを吊り上げる必要がある。スクリュー51aがクレーンによって吊り上げられた後、スクリュー51aは、限定されるものではないが、人力や特殊な治具などの異なる方法を介して取り外されうる。スクリュー51aの重心は、クレーンが吊り上げている位置を変更するとき、またはクレーンが吊り上げを行う位置を増加させるときに考慮される。
【0106】
スクリュー51aが取り外された後、スクリュー51aは、クレーンで上方向に吊り上げられて特定の位置に置かれる。必要な洗浄作業が終了した後、スクリュー51aとは異なるスクリュー51a’がクレーンで吊り上げられ、
図13に示すようにシリンダ51に平行に設置される。シリンダ51と平行にスクリュー51a’を設置した後、クレーンを用いてスクリュー51a’をシリンダ51に徐々に挿入する。スクリュー51a’の挿入は、スクリュー51a’が駆動部54に接触したときに完了したものとみなされる。挿入完了時には、スクリュー51a’と駆動部54とがリンクし、ノズル52の先端が装着される。射出装置5は、ノズル52の先端を装着した後、回転中心RCFを中心として非動作側に回転されてフレーム10と平行になる。射出装置5がフレーム10と平行になると、安全ドア302Eは、回転中心RCEを中心としてIMM2側に閉じられる。
【0107】
安全ドア302Eは、射出装置5が動作側に回転される前は常に開かれており、射出装置5が非動作側に回転された後は常に閉じられる。これは、回転された射出装置5から取り外されたスクリュー51aが安全ドア302Eと干渉するのを防止する。
【0108】
射出装置5の回転方向、安全ドア302Eの開閉方向、および、上述のように射出装置5のメンテナンスを行う際の順番を特定することは、射出装置5と安全ドア302Eとの干渉を排除する。
【0109】
図12に戻り、安全ドア302Aは、回転中心RCAを中心としてIMM2側に開かれる。安全ドア302Bは、回転中心RCBを中心としてIMM2側に開かれる。安全ドア302Cは、回転中心RCCを中心としてIMM2とは反対側に開かれる。安全ドア302Dは、回転中心RCDを中心としてIMM2側に開かれる。この構成は限定的なものではない。
【0110】
別の例示的な実施形態では、安全ドア302A、302/B、および302Dは、IMM2の反対側に開くことができ、一方、安全ドア302Cは、IMM2側に開くことができる。別の例示的な実施形態では、スクリュー51aが長く、スクリュー51aがシリンダ51から取り外される可能性がある場合、スクリュー51aは、安全ドア302E、302B、および302Cと干渉することになり、安全ドア302B、302Cは、
図12に示す方向に開閉されるように構成される。
【0111】
上述の構成は、安全ドア302Eを開こうとするときに、メンテナンス位置にある注入装置5と安全ドア302Eが干渉する状況にも適用することができる。
【0112】
図14は、安全ドア302Eが安全壁301Dの側面にある場合に開けることができるスライドドアを備えたIMM2を示す。別の例示的な実施形態では、スライドドアを完全に取り外すことができる。
【0113】
図15aおよび
図15bは、安全ドア302EがX軸を中心として回転する構成を示す。
図15は、Z軸方向から見た当該構成の説明図である。
図15bは、X軸方向から見た当該構成の説明図である。
図15aおよび
図15bに示す構成は、安全ドア302EがX軸を中心として下側に回転することを可能にする。別の例示的な実施形態では、安全ドア302Eが上側に回転するような構成である。
【0114】
図16に示すように、安全ドア302Dの回転方向は、射出装置5の位置の反対方向に設定される。これにより、安全ドア302Dの移動が射出装置5と干渉しないことが保証される。別の実施形態では、
図17に例示されているように、射出装置5の回転方向は、
図12に示す方向の反対方向とすることができる。これは、安全ドア302Eが開く方向およびその順序を安全ドア302Dに適用することによって、同じ主題に対処することを可能にする。
【0115】
図1は、本開示の例示的な実施形態に係る構成を示し、
図18に示す構成に対する改善を提供する。
図1に示すように、搬送装置3Aおよび3Bは、それぞれ安全壁301Aおよび安全壁301Bによって囲まれている。安全壁301A/301Bは、X軸方向に沿って配置された2つの平行な壁(以下、「第1の壁」という)と、Y軸方向に沿って配置された壁(以下、「第2の壁」という)とを含む。第1の壁の一端は、第2の壁に固定され、第1の壁の他端は、IMM2の外側カバープレート60(
図4参照)に固定される。
【0116】
図1に示すように、安全壁301A,301Bは、外側カバープレートと共に、搬送装置3A,3Bをそれぞれ取り囲む矩形の領域(以下、「搬送領域」と呼ぶ)を画定する。搬送装置3A,3Bは、金型100A,100Bを移動させるため、金型100A,100Bを移動させる際にオペレータを搬送装置3A,3Bから遠ざける必要がある。第1の壁の高さ、第2の壁の高さ、および搬送領域のサイズは、状況に固有のものであり、安全および生産性の目的のために必要に応じて設計される。別の例示的な実施形態では、搬送領域は、閉鎖された領域である必要はない。しかしながら、このような構成において、装置、構成要素等の間にギャップが存在する場合、これらのギャップの大きさは、オペレータの指等の挿入を防止するように狭くなっている。
【0117】
警告装置350A/350Bは、搬送装置3A/3BおよびIMM2に関連付けられた安全性および生産性状況/状態に関連する通知を提供する。警告装置350A/350Bは、ブザー、1以上のLED、ディスプレイ、これらの任意の組み合わせ、または安全性および生産性に関連する情報の通知を可能にする任意の他の装置、構成要素、方法でありうる。警報装置350Aは、搬送装置コントローラによって制御され、一方、警報装置350Bは、搬送装置コントローラ42Bによって制御される。警報装置350A/350Aは、典型的にはオペレータが容易にアクセスできる位置に配置される。1つの例示的な実施形態では、警報装置350A/350Bは、安全壁301A/301Bの上面に配置される。別の例示的な実施形態では、射出成形システム1は、全ての搬送装置および射出成形機の状態/状況の通知をオペレータに提供する1つの警告装置を含む。
【0118】
安全壁301A/301Bは、ドアロック(図示せず)を有する安全ドア302A/302Bを含む。安全壁301A/301Bおよび安全ドア302A/302Bは、フレーム30A/30Bの上部パネルに配置される。安全ドア302A/302Bは、例えば、オペレータが搬送装置3A/3Bから金型100A/100Bを搬出するときに開かれ、金型100A,100Bが搬送装置3A,3Bによって移動されている間に閉じられてロック(施錠)されうる。安全ドア302A/302Bは、それぞれの搬送領域の内側または外側から手動でロック解除されうる。金型ドア390A/390Bと組み合わせた安全ドア302A/302Bは、搬送装置3A,3Bで作業するオペレータに追加の安全を提供する。安全ドア302A/302Bおよび/またはドアロックは、搬送コントローラ42A/42Bによって電子的に制御されうる。別の例示的な実施形態では、搬送装置3A,3Bが金型100A,100Bを移動する間、搬送コントローラ42A/42Bは、搬送領域からオペレータを遠ざけるために安全ドア302A/302Bを閉鎖および/またはロックする。
【0119】
金型ドア390Bが開けられて開口60Bが露出すると、成形動作位置11からの金型100Bの取り出し、および成形動作位置11への金型100Bの挿入が起こりうる。金型ドア390Bは、スライド可能であり、手動で開閉可能であり、閉じたときに開口部60Bを閉じる。本実施形態では、金型ドア390Bがスライド可能であるが、この移動方法は限定的であるとみなされず、金型ドア390Bの開閉を可能にする任意の方法が適用可能である。金型100Bを別の金型に交換するなどの準備作業を行う場合には、金型ドア390Bによって開口部60Bが閉じられうる。別の開口部(図示せず)がIMM2の反対側に形成される。
【0120】
別の例示的な実施形態では、安全ドア302A/302Bは、ドアロックの開閉状態を検出するセンサを含む。別の例示的な実施形態では、安全ドア302Bが開かれると、コントローラ42Bは、搬送部31Bが金型100Bを取り出す/挿入するのを妨げる。これにより、金型100Bまたは搬送部31Bの任意の部分などの任意の移動部品にオペレータが接触する可能性が低減される。
【0121】
別の例示的な実施形態では、1つの金型がIMM2の一方の側面から挿入されると、IMM2のその側面の金型ドアは、金型を挿入するためにそこで搬送部31BがIMM2に入るために典型的に開いたままである。安全ドア302Bは、断続的に移動する際にオペレータが金型100Aに触れることを防止するために閉じたままにしておくべきである。コントローラ42Bは、安全ドア302Bが開かれたときに射出成形プロセスを停止する。
【0122】
更なる別の例示的な実施形態では、コントローラ42A/42Bは、IMM2の同じ側の安全ドア302A/302Bおよび金型ドア390A/390Bの両方の開口を検出するコントローラ42A/42Bに応答して、警告装置350A/350Bに警告を発令させる。警告の発令に加えて、射出成形プロセスが停止されうる。
【0123】
上述したように、金型ドア390A/390Bは、手動で開閉されうる。別の例示的な実施形態では、射出成形システム1は、金型ドア390A/390Bの開閉状態を検出するセンサを含むことができる。IMM2の一方の側の金型ドア390A/390Bは、IMM2の他方の側から挿入された金型で射出成形が行われている間、閉じられたままにすべきである。金型100Aが搬送装置3Aによって取り出され、金型100Bが搬送装置3Bによって取り出される場合、搬送部31Bがリンク部3020を介して金型100Bとリンクされているため、金型ドア390Bは開けられるべきである。金型100Aが取り出されるときに、オペレータは金型100Aを搬出して別の金型を準備することができるため、オペレータの安全のために金型ドア390Aは閉じられたままにすべきである。IMM2内の射出成形が行われている間に金型ドア390Aが開かれると、コントローラ41は、金型ドア390Aが開いていることを検出し、射出成形処理を停止する。
【0124】
金型ドア390A/390Bが手動で開閉され、金型ドア390A/390Bの開閉状態を検出するセンサを射出成形システム1が含む上記構成において、別の例示的な実施形態では、警告装置350A/350Bは、以下の場合に警告または警報を発令することができる:
(1)金型100Aが搬送装置3Aに取り出され、
(2)射出成形が、金型100Bで行われるか、または行われようとしている、
(3)金型ドア390Aが開いている。
【0125】
警告は、射出成形が実行されている間、金型ドア390Aが開いていることをオペレータに通知する。警告は、金型ドア390Aが閉じられたとき、または射出成形システム1が金型の交換または金型の搬出処理が完了したことを検出したときに停止されうる。
【0126】
別の例示的な実施形態では、金型ドア390A/390Bは、コントローラ41によって制御されるアクチュエータによって開閉される。この例示的な実施形態では、金型100Aが取り出された後に金型100Bで射出成形が行われるときに、金型100Aが取り出された後に金型ドア390Aが強制的に閉じられる。これにより、金型100Aの搬出/交換中のオペレータの安全性が向上する。
【0127】
また、本開示の実施形態は、上述の実施形態の1以上の機能を実行するために記憶媒体(「非一時的コンピュータ可読記憶媒体」とも呼ばれる)に記録されたコンピュータ実行可能命令(例えば、1以上のプログラム)を読み出して実行する、および/または、上述の実施形態の1以上の機能を実行するための1以上の回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))を含むシステムまたは装置のコンピュータによって、および、例えば、上述の実施形態の1以上の機能を実行するために記憶媒体からコンピュータ実行可能命令を読み出して実行する、および/または、上述の実施形態の1以上の機能を実行するための1以上の回路を制御することによってシステムまたは装置のコンピュータによって実行される方法によって実現されうる。コンピュータは、1以上のプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU)、マイクロ処理装置(MPU))を含んでもよく、コンピュータ実行可能命令を読み出して実行するための別個のコンピュータまたは別個のプロセッサのネットワークを含んでもよい。コンピュータ実行可能命令は、例えば、ネットワークまたは記憶媒体からコンピュータに提供されてもよい。記憶媒体は、例えば、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、分散コンピューティングシステムの記憶装置、光ディスク(コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、またはブルーレイディスク(BD)(登録商標)など)、フラッシュメモリデバイス、メモリカードなどの1以上を含んでもよい。I/Oインターフェースは、キーボード、ディスプレイ、マウス、タッチスクリーン、タッチレスインターフェース(例えば、ジェスチャ認識デバイス)、印刷デバイス、ライトペン、光記憶デバイス、スキャナ、マイクロフォン、カメラ、ドライブ、通信ケーブル、およびネットワーク(有線または無線のいずれか)を含むことができる入力デバイスおよび出力デバイスへの通信インターフェースを提供するために使用することができる。
【0128】
定義
説明を参照する際に、開示される実施例の完全な理解を提供するために、特定の詳細が記載される。他の例では、本開示を不必要に長くしないために、周知の方法、手順、構成要素、および回路は詳細に説明されていない。
【0129】
要素または部品が別の要素または部品の「上に」、「対して」、「接続されて」または「結合されて」と本明細書で言及される場合、それは直接的に他の要素または部品の上に、対して、接続され、または結合されることができ、または介在する要素または部品が存在することができることを理解されたい。対照的に、要素が別の要素または部品の「直接上に」、「直接接続されて」、または「直接結合されて」いると言及される場合、介在する要素または部品は存在しない。使用時において、用語「および/または」は、そのように提供される場合、1以上の関連するリストされたアイテムのいずれか、および全ての組み合わせを含む。
【0130】
「下に」、「真下に」、「下方に」、「下側に」、「上方に」、「上側に」、「近位に」、「遠位に」などの空間的な相対用語は、本明細書では説明を容易にするために、様々な図に示すように、1つの要素または特徴と別の要素または特徴との関係を説明するために使用されうる。しかしながら、空間的な相対用語は、図に示す向きに加えて、使用または動作中の装置の異なる向きを包含することを意図していることを理解されたい。例えば、図中の装置が裏返される場合、他の要素または特徴の「下に」または「真下に」として記載された要素は、当該他の要素または特徴の「上に」配向されることになる。したがって、「下に」などの空間的な相対用語は、上下の配向の両方を包含することができる。装置が別の方法で(90度回転されても、または他の配向で)配向されてもよく、本明細書で使用される空間的な相対用語は、それに応じて解釈されるべきである。同様に、「近位」および「遠位」という空間的な相対用語も、適用可能であれば、交換可能であってもよい。
【0131】
本明細書で使用される用語「約」は、例えば、10%以内、5%以内、またはそれ未満を意味する。いくつかの実施形態では、用語「約」は、測定誤差内を意味してもよい。
【0132】
第1、第2、第3などの用語は、本明細書では様々な要素、構成要素、領域、部品、および/またはセクションを説明するために使用されうる。これらの要素、構成要素、領域、部分、および/またはセクションは、これらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、部分、またはセクションを、別の領域、部分、またはセクションから区別するためにのみ使用されている。したがって、以下で説明する第1の要素、構成要素、領域、部分、またはセクションは、本明細書の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、部分、またはセクションと呼ぶことができる。
【0133】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、限定することを意図するものではない。用語「a」および「an」および「the」、ならびに開示を説明する文脈(特に、以下の特許請求の範囲の文脈)における同様の参照の使用は、本明細書中で別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方を包含すると解釈されるべきである。用語「包含する」、「有する」、「含む」、「含んでいる」、および「包含している」は、別段の指示がない限り、限定されない用語(すなわち、「含む、限定されないが」を意味する)として解釈されるべきである。具体的には、これらの用語は、本明細書で使用される場合、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、明示的に述べられていない1以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除しない。本明細書中の数値範囲の記載は、本明細書で特に指摘しない限り、単にその範囲内に該当する各値を個々に言及するための略記法としての役割を果たすことだけを意図しており、各値は本明細書中で個々に列挙されるかのように、明細書に組み込まれる。例えば、範囲10~15が開示される場合、11、12、13、および14も開示される。本明細書で記載した全ての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、或いは明らかに文脈に矛盾しない限り、任意の好適な順序で実行されうる。本明細書で提供される任意のおよびすべての例、または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は単に、本開示をより明確にすることを意図したものであり、特に主張されない限り、本開示の範囲に対する限定を提示するものではない。本明細書中のいかなる言語も、本開示の実施に不可欠であるとして特許請求されていない要素を示すものと解釈されるべきではない。
【0134】
本開示の方法および組成物は、さまざまな実施形態の形態に組み込むことができ、そのうちのいくつかのみが本明細書に開示されることが理解されるのであろう。当業者であれば、前述の説明を読めば、これらの実施形態の変形が明らかになるのであろう。本発明者らは、当業者がそのようなバリエーションを適切に使用することを期待し、本発明者らは、本明細書に具体的に記載される以外の方法で本開示が実施されることを意図する。
【0135】
したがって、本開示は適用法によって許可されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に列挙された主題のすべての修正および均等物を含む。さらに、本明細書で別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、そのすべての可能な変形形態における上述の要素の任意の組合せが、本開示に包含される。
【国際調査報告】