(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-25
(54)【発明の名称】監視モジュール
(51)【国際特許分類】
G05D 1/00 20060101AFI20220518BHJP
B63B 59/10 20060101ALI20220518BHJP
【FI】
G05D1/00 Z
B63B59/10 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559850
(86)(22)【出願日】2020-03-24
(85)【翻訳文提出日】2021-11-08
(86)【国際出願番号】 EP2020058232
(87)【国際公開番号】W WO2020207792
(87)【国際公開日】2020-10-15
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519316391
【氏名又は名称】ヨツン アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ゲイル アクセル オフテダール
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA05
5H301BB11
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC04
5H301CC06
5H301CC07
5H301CC10
5H301GG07
5H301QQ04
(57)【要約】
【課題】船舶の船体を、船体全体にわたって移動している間に、洗浄するように構成されたロボットを制御する。
【解決方法】この方法は、入力データを受信するステップと、ロボットが実施している洗浄の間に、ロボットが損傷のリスクにさらされていると入力データから判定するステップに基づいて、ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを検出するステップと、ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを検出するステップに応答して、洗浄が一時停止される必要があることを示す洗浄一時停止信号を出力するステップと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶の船体を、前記船体全体にわたって移動している間に、洗浄するように構成されたロボットを制御する方法であって、前記方法は、
入力データを受信するステップと、
前記ロボットが実施している洗浄の間に、前記ロボットが損傷のリスクにさらされていると前記入力データから判定するステップに基づいて、前記ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを検出するステップと、
前記ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを検出する前記ステップに応答して、前記洗浄が一時停止される必要があることを示す洗浄一時停止信号を出力するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記入力データは、前記船舶の地理的位置を規定する位置情報を含み、前記方法は、前記位置情報に基づいて、前記ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、
地理的モデルに前記船舶の前記地理的位置を照会するステップと、
前記船舶の前記地理的位置にて洗浄を実施する必要がないことを規定する前記地理的モデルに基づいて、前記ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定するステップと、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記入力データは、前記船舶の前記船体上の前記ロボットの位置を規定する位置情報を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法であって、前記方法は、
前記船舶が静止している間に、前記船舶が所定の期間内に動き始めることになると判定するステップと、
前記船舶の前記船体上の前記ロボットの位置と、前記船舶が前記所定の期間内に動き始めることになると判定する前記ステップとに基づいて、前記ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定するステップと、を含む、方法。
【請求項5】
前記入力データは、前記船舶の錨が上昇状態にあることの表示を含み、前記船舶が前記所定の期間内に動き始めることになると判定する前記ステップは、前記表示に基づくものである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記入力データは、前記船舶のエンジンの動作状態を示す振動データを含み、前記船舶が前記所定の期間内に動き始めることになると判定する前記ステップは、前記振動データに基づくものである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記位置情報は、前記ロボット上又は前記船舶上に位置づけられた位置センサから受信される、請求項2~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記位置情報は、前記ロボットの外部の遠隔計算装置から受信される、請求項2~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記入力データは、前記船舶の環境に関連する環境データを含み、前記方法は、前記環境データに基づいて、前記ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定するステップを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記環境データは、前記船舶の水域環境での水流の速度を含み、前記方法は、所定の水流閾値を超える前記水流の速度に基づいて、ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記環境データは温度を含み、前記方法は、前記温度が所定の温度閾値を下回ることに基づいて、前記ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定するステップを含む、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記環境データは温度を含み、前記方法は、前記温度が所定の温度閾値を超えることに基づいて、前記ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定するステップを含む、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項13】
環境データが波動情報を含み、前記方法は、所定の波高閾値を超える平均波高に基づいて、ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定するステップを含む、請求項9~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記環境データは前記船舶の下の水深を含み、前記方法は、前記水深が所定の深度閾値を下回ることに基づいて、前記ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定するステップを含む、請求項9~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記環境データは、
前記ロボット上の1つ又は複数のセンサと、
前記船舶上の1つ又は複数のセンサと、
前記ロボットの外部にある遠隔計算装置と、
衛星と、のうちの少なくとも1つから受信される、請求項9~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記洗浄が一時停止されている間に、前記ロボットは静止するように構成される、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを検出した時点で、前記ロボットは、前記船舶のドッキングステーションに移動するように構成される、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
追加の入力データを受信するステップと、
前記洗浄が一時停止されている間に、前記ロボットがもはや損傷のリスクにさらされていないと前記追加の入力データから判定するステップに基づいて、前記ロボットが実施した洗浄が再開される必要があることを検出するステップと、
前記ロボットが実施している洗浄が再開される必要があることを検出する前記ステップに応答して、前記洗浄が再開される必要があることを示す洗浄再開信号を出力するステップと、をさらに含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記方法は前記ロボット上の監視モジュールによって実施され、前記ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを検出した時点で、前記方法は、前記洗浄一時停止信号を前記ロボット上の洗浄モジュールに出力して、前記洗浄を一時停止するステップを含み、前記ロボットが実施した洗浄が再開される必要があることを検出した時点で、前記方法は、前記ロボット上の前記洗浄モジュールに洗浄再開信号を出力して、前記洗浄を再開するステップを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記方法は前記ロボット上の監視モジュールによって実施され、前記ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを検出した時点で、前記方法は、ユーザによる検証のために、前記洗浄一時停止信号を前記ロボットの外部にある遠隔計算装置に出力するステップを含み、前記ロボットが実施した洗浄が再開される必要があることを検出した時点で、前記方法は、前記ユーザによる検証のために、洗浄再開信号をロボットの外部の遠隔計算装置に出力するステップを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記方法は、前記ロボットの外部の遠隔計算装置上の監視モジュールによって実施される、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを検出した時点で、前記方法は、前記洗浄一時停止信号を前記ロボット上の洗浄モジュールに自動的に送信して、前記洗浄を一時停止するステップを含み、前記ロボットが実施した洗浄が再開される必要があることを検出した時点で、前記方法は、前記洗浄再開信号を前記ロボット上の前記洗浄モジュールに自動的に送信して、前記洗浄を再開するステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを検出した時点で、前記方法は、検証のために前記洗浄一時停止信号をユーザに出力してから、前記洗浄一時停止信号を前記ロボット上の洗浄モジュールに送信して、前記洗浄を一時停止するステップを含み、前記ロボットが実施した洗浄が再開される必要があることを検出した時点で、前記方法は、検証のために前記洗浄再開信号をユーザに出力してから、前記洗浄再開信号を前記ロボット上の前記洗浄モジュールに送信して、前記洗浄を再開するステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
命令を含むコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに請求項1~23のいずれか一項に記載の方法を実施させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項25】
船舶の船体を、前記船体全体にわたって移動している間に、洗浄するように構成されたロボットであって、前記ロボットは、プロセッサを具備し、前記プロセッサは、
入力データを受信し、
前記ロボットが実施している洗浄の間に、前記ロボットが損傷するリスクにさらされていると前記入力データから判定するステップに基づいて、前記ロボットが実施している前記洗浄が一時停止される必要があることを検出し、
前記ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを検出する前記ステップに応答して、前記洗浄が一時停止される必要があることを示す洗浄一時停止信号を出力する、ように構成される、ロボット。
【請求項26】
前記プロセッサは、前記ロボット上の前記洗浄モジュールに前記洗浄一時停止信号を出力して、前記洗浄を一時停止するように構成される、請求項25に記載のロボット。
【請求項27】
前記プロセッサは、ユーザによる検証のために、前記ロボットの外部の遠隔計算装置に前記洗浄一時停止信号を出力するように構成される、請求項25に記載のロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、監視モジュールに関する。特に、本開示は、船舶の船体を、船体全体にわたって移動している間に洗浄するように構成されたロボットを制御するための監視モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
海水に沈められた全表面には、細菌、珪藻、藻類、イガイ、チューブワーム及びフジツボなどの生物の汚損が付着することになる。海洋汚損とは、海水に沈められた構造物への微生物、藻類及び動物の望ましくない蓄積である。汚損生物は、まとまって生育し、汚損群衆を形成する、微細汚損生物(細菌性生物膜及び二原子生物膜)と大型汚損生物(例えば、大型藻類、フジツボ、イガイ、チューブワーム、コケムシ)とに分けられる。汚損過程の簡単な概要では、最初のステップは、有機分子が表面に付着するコンディショニングフィルムの発現である。これは、表面が海水に沈むと瞬時に発生する。一次コロニー形成物、細菌と珪藻は、1日以内に定着することになる。二次コロニー形成物、大型藻類と原生動物の胞子は、1週間以内に定着することになる。最後に、三次コロニー形成物、大型汚損生物の幼生は、2~3週間以内に定着することになる。
【0003】
海洋汚損の防止は既知の問題である。船舶の船体の汚損が、引き摺り抵抗の増大と燃料消費量の増大又は速度の低下につながることになる。燃料消費量の増大が、CO2、NOX及び硫黄の排出量の増大につながることになる。このほか、汚損が激しいと、船舶の操縦性の低下につながる可能性がある。多くの商用船(例えば、コンテナ船、ばら積み貨物船、タンカー、旅客船)が世界中で航行している。船舶の船体が汚損された場合、生物は、その元の生態系から別の生態系に移送されることになる。これは、新たな種が、影響を受けやすい生態系に導入され、在来種を排除する可能性があるため、問題がある。
【0004】
伝統的に、防汚塗装が、海洋生物の定着と成長を防ぐために使用されてきた。最も効率的な防汚塗装には、塗装膜から漏出することにより汚損の量を減らす殺生物剤が含まれている。
【0005】
このほか、「クローラー」又はROV(遠隔作業機)と呼ばれることもあるロボットが、以前は船体などの水没した表面の洗浄に使用されていた。背景技術が、特許文献1(国際公開第2014/043411号)、特許文献2(米国特許第8506719号明細書)及び特許文献3(国際公開第2014/043395号)に認められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2014/043411号
【特許文献2】米国特許第8506719号明細書
【特許文献3】国際公開第2014/043395号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、船舶への防汚塗装の適用には限界があることを確認した。特に、商業船は、待機期間を含むさまざまな活動で、さまざまな海域、さまざまな航路にて運航することが多い。汚損のリスクは、物体が静止しているか低速の場合は、生物が表面に定着する時間が長くなるため、高くなる。商用船の一般的な業務間隔は24~90カ月である。船舶が業務と修理のために乾ドックに入るとき、防汚塗装は通常、次の期間の計画された航路に従って指定される。しかし、船舶の航路は業務期間中に変更される可能性がある。このため、可能性のあるあらゆる状況に最適な防汚塗装を設計し、指定することは困難である。殺生物剤の使用は厳しく規制されている。このほか、水循環が低い特定の港では、殺生物剤の濃度が蓄積するため、防汚塗装を含む殺生物剤の使用に制限がある。
【0008】
本発明者らはこのほか、ロボットが水中に沈められた表面の洗浄に以前は使用されていたが、洗浄過程は、手動で開始されるか、事前規定された頻度に従って判定されるか、船舶の汚損(例えば、ロボットによって測定されるクロロフィル濃度の増大)によって起動されるかのいずれかであることを確認した。このような技術は、ロボット自体及び/又はロボットの環境内の物体、例えば、人、陸上の物体(例えば、水門)又は船舶自体に損傷を与える可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の実施形態では、船舶の船体の汚損の量を減らすために、船舶全体にわたって移動している間、ロボットによって連続的な洗浄が実施される。ロボットが安全に動作することができないことが検出された場合、ロボットが実施した洗浄が一時停止される。
【0010】
ロボットは、洗浄に貢献する条件の場合にのみ船舶の船体の洗浄を実施するという事実により、本開示の実施形態が、ロボットとドッキングステーション(又は船舶の他の部分)との間に任意のワイヤ又は他の連結具を使用せずにロボットの使用を有利に可能にする。これは、他の方法で、ロボットが船舶から外れて消失するのを防ぐために必要になる場合がある。
【0011】
本開示の一態様によれば、船舶の船体を、船体全体にわたって移動している間に、洗浄するように構成されたロボットを制御する方法が提供される。この方法は、入力データを受信するステップと、ロボットが実施している洗浄の間に、ロボットが損傷のリスクにさらされていると入力データから判定するステップに基づいて、ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを検出するステップと、ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを検出するステップに応答して、洗浄が一時停止される必要があることを示す洗浄一時停止信号を出力するステップと、を含む。
【0012】
入力データは、船舶の地理的位置を規定する位置情報を含んでもよく、この方法は、位置情報に基づいて、ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定するステップを含む。
【0013】
この方法は、地理的モデルに船舶の地理的位置を照会するステップと、船舶の地理的位置にて洗浄を実施する必要がないことを規定する地理的モデルに基づいて、ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定するステップと、を含んでもよい。
【0014】
入力データは、船舶の船体上のロボットの位置を規定する位置情報を含んでもよい。この方法は、船舶が静止している間に、船舶が所定の期間内に動き始めることになると判定するステップと、船舶の船体上のロボットの位置と、船舶が所定の期間内に動き始めることになると判定するステップとに基づいて、ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定するステップと、を含んでもよい。
【0015】
入力データは、船舶の錨が上昇状態にあることの表示を含んでもよく、船舶が所定の期間内に動き始めることになると判定するステップは、この表示に基づくものであってもよい。
【0016】
入力データは、船舶のエンジンの動作状態を示す振動データを含んでもよく、船舶が所定の期間内に動き始めることになると判定するステップは、この振動データに基づくものであってもよい。
【0017】
位置情報は、ロボット上又は船舶上に位置づけられた位置センサから受信されてもよい。
【0018】
位置情報は、ロボットの外部の遠隔計算装置から受信されてもよい。
【0019】
入力データは、船舶の環境に関連する環境データを含んでもよく、この方法は、環境データに基づいてロボットが損傷のリスクにさらされていると判定するステップを含んでもよい。
【0020】
環境データは、船舶の水域環境での水流の速度を含んでもよく、この方法は、所定の水流閾値を超える水流の速度に基づいて、ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定するステップを含んでもよい。
【0021】
環境データは温度を含んでもよく、この方法は、温度が所定の温度閾値を下回ることに基づいて、ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定するステップを含んでもよい。
【0022】
環境データは温度を含んでもよく、この方法は、温度が所定の温度閾値を超えることに基づいて、ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定するステップを含んでもよい。
【0023】
環境データは波動情報を含んでもよく、この方法は、所定の波高閾値を超える平均波高に基づいて、ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定するステップを含んでもよい。
【0024】
環境データは船舶の下の水深を含んでもよく、この方法は、水深が所定の深度閾値を下回ることに基づいて、ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定するステップを含んでもよい。
【0025】
環境データは、ロボット上の1つ又は複数のセンサと、船舶上の1つ又は複数のセンサと、ロボットの外部にある遠隔計算装置と、衛星と、のうちの少なくとも1つから受信されてもよい。
【0026】
洗浄が一時停止されている間に、ロボットは静止するように構成されてもよい。これとは別に、ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを検出した時点で、ロボットは、船舶のドッキングステーションに移動するように構成されてもよい。
【0027】
この方法は、追加の入力データを受信するステップと、洗浄が一時停止されている間に、ロボットがもはや損傷のリスクにさらされていないと追加の入力データから判定するステップに基づいて、ロボットが実施した洗浄が再開される必要があることを検出するステップと、ロボットが実施している洗浄が再開される必要があることを検出するステップに応答して、洗浄が再開される必要があることを示す洗浄再開信号を出力するステップと、をさらに含んでもよい。
【0028】
この方法はロボット上の監視モジュールによって実施されてもよい。ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを検出した時点で、この方法は、洗浄一時停止信号をロボット上の洗浄モジュールに出力して、洗浄を一時停止するステップを含んでもよい。ロボットが実施した洗浄が再開される必要があることを検出した時点で、この方法は、ロボット上の洗浄モジュールに洗浄再開信号を出力して、洗浄を再開するステップを含んでもよい。
【0029】
この方法はロボット上の監視モジュールによって実施されてもよい。ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを検出した時点で、この方法は、ユーザによる検証のために、洗浄一時停止信号をロボットの外部にある遠隔計算装置に出力するステップを含んでもよい。ロボットが実施した洗浄が再開される必要があることを検出した時点で、この方法は、ユーザによる検証のために、洗浄再開信号をロボットの外部の遠隔計算装置に出力するステップを含んでもよい。
【0030】
この方法は、ロボットの外部の遠隔計算装置上の監視モジュールによって実施されてもよい。このような実施形態では、ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを検出した時点で、この方法は、洗浄一時停止信号をロボット上の洗浄モジュールに自動的に送信して、洗浄を一時停止するステップを含んでもよく、ロボットが実施した洗浄が再開される必要があることを検出した時点で、この方法は、洗浄再開信号をロボット上の洗浄モジュールに自動的に送信して、洗浄を再開するステップを含んでもよい。これとは別に、ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを検出した時点で、この方法は、検証のために洗浄一時停止信号をユーザに出力してから、洗浄一時停止信号をロボット上の洗浄モジュールに送信して、洗浄を一時停止するステップを含み、ロボットが実施した洗浄が再開される必要があることを検出した時点で、この方法は、検証のために洗浄再開信号をユーザに出力してから、洗浄再開信号をロボット上の洗浄モジュールに送信して、洗浄を再開するステップを含む。
【0031】
本開示の別の態様によれば、命令を含むコンピュータ可読記憶媒体が提供される。この命令は、装置のプロセッサによって実行されると、装置に本明細書に記載の方法を実施させる。
【0032】
装置は、本明細書で言及されるロボット又はロボットの外部の計算装置(例えば、ロボットと通信する船舶上の計算装置)に対応してもよい。
【0033】
命令は、ディスク、CD-ROM又はDVD-ROMなどの記憶媒体、読み取り専用メモリ(ファームウェア)などのプログラムされたメモリ、あるいは光信号記憶媒体又は電気信号記憶媒体などのデータ記憶媒体に提供されてもよい。本開示の実施形態を実施するためのコード(及び/又はデータ)には、Cなどの従来の(解釈されるかコンパイルされた)プログラミング言語のソース、オブジェクト又は実行可能コード、あるいはアセンブリコード、ASIC(特定用途向け集積回路)又はFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)を設定するか制御するためのコード、あるいはハードウェア記述言語のコードが含まれてもよい。
【0034】
本開示の別の態様によれば、船舶の船体を、船体全体にわたって移動している間に、洗浄するように構成されたロボットが提供される。このロボットはプロセッサを備える。このプロセッサは、入力データを受信し、ロボットが実施している洗浄の間に、ロボットが損傷するリスクにさらされていると入力データから判定するステップに基づいて、ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを検出し、ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを検出するステップに応答して、洗浄が一時停止される必要があることを示す洗浄一時停止信号を出力する、ように構成される。
【0035】
プロセッサは、ロボット上の洗浄モジュールに洗浄一時停止信号を出力して、洗浄を一時停止するように構成されてもよい。
【0036】
プロセッサは、ユーザによる検証のために、ロボットの外部の遠隔計算装置に洗浄一時停止信号を出力するように構成されてもよい。
【0037】
ここに挙げた態様をはじめとする態様は、以下に記載する実施形態から明らかになるであろう。本開示の範囲は、この概要によって限定されることも、記載した不利な点のいずれか又は全部を必然的に解決する実装例によって限定されることも意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本開示をいっそうよく理解し、実施形態をどのように実施し得るかを示すために、添付の図面を参照する。
【
図3a】本開示の一実施形態による監視モジュール及び洗浄モジュールを示す図。
【
図3b】本開示の別の実施形態による監視モジュール及び洗浄モジュールを示す図。
【
図3c】本開示のさらに別の実施形態による監視モジュール及び洗浄モジュールを示す図。
【
図4】監視モジュールによって実施される、ロボットを制御する過程を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
ここで、実施形態を、例としてのみ説明する。
【0040】
図1は、水上船舶100、例えば、コンテナ船、ばら積み貨物船、タンカー又は旅客船を示す。水生船舶は船体101を備える。
【0041】
ロボット102が、動作前に、ロボット102を充電するために使用され得るロボットステーション104(ドッキングステーション)に静止することになる。ロボットステーション104は、海水面より上方の船舶上に位置決めされることになる。本開示のいくつかの実施形態では、ロボットステーション104は、ロボットが実施する洗浄動作が一時停止されたときに、ロボット102の待機を可能にする。ロボット102は、船体101の表面の洗浄中に、海洋汚損が形成される可能性のある船体101の任意の表面(例えば、船体の平坦な底部又は側面の底部)を横断してもよい。
【0042】
図1に示すように、計算装置106を、ロボット102と通信するために、船舶の甲板室に設けてもよい。さらに、船舶の錨110に結合された錨センサ108を設けてもよく、錨センサ108は、計算装置106と通信している。
【0043】
本開示の実施形態では、監視モジュールを、ロボット102が船体101全体にわたって移動している間に、船舶100の船体101の洗浄を制御するように構成する。既知の技術とは対照的に、本明細書に記載の実施形態では、ロボット102の初期設定状態は、船体101を連続的に洗浄することであり、洗浄動作は、ロボット102がその電源を(例えば、ロボットステーション104に戻ることによって)再充電する必要がある場合、あるいはロボットがその洗浄を実施するのが安全でない場合にのみ、一時停止される。
【0044】
ロボット102は、船舶が特定の地理的位置に位置づけられる場合、損傷のリスクにさらされる可能性がある。例えば、運河の狭い水門を通って移動するとき、ロボット102は、水門との衝突に起因する損傷のリスクにさらされている。別の例では、廃棄物/汚染物質の濃度が高い水域を移動する場合、ロボット102は、廃棄物/汚染物質との衝突に起因する損傷のリスクにさらされている。
【0045】
ロボット102はこのほか、特定の環境状態の間に損傷のリスクにさらされる可能性がある。例えば、水中に大電流が流れると、ロボットが船から外れて消失することがある。別の例では、高温及び/又は強い日光により、船体101の金属表面が60℃を超えることがあり、ロボットの構成要素(例えば、ロボットのホイールライナ、ブラシ及び電池)に損傷を与える可能性がある。別の例では、低温により、船舶の船体101上、水面上又はロボット102上に氷が生じることがあり、ロボットに損傷を与えるか、ロボットを船舶から外して消失させるリスクをもたらす可能性がある。さらに別の例では、高波が、ロボットに損傷を与えるか、ロボットを船舶から外して消失させたりするリスクをもたらす可能性がある。
【0046】
本開示の実施形態では、ロボットが実施している洗浄の間に、監視モジュールが、ロボットが損傷のリスクにさらされているとの入力データからの判定に基づいて、ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを検出する。この検出に応答して、監視モジュールは、洗浄が一時停止される必要があることを示す洗浄一時停止信号を出力する。
【0047】
「洗浄」への言及を、本明細書では、船体101の表面からの汚損生物の除去を指すために使用し、そのような洗浄は、「グルーミング」又は「予防的洗浄」と呼ばれることがある。ロボット102は、船体101の表面の連続的な洗浄を実施することにより、典型的には、有機分子が船体101の表面に付着していたり、及び/又は二次コロニー形成物の前の一次コロニー形成物が定着する可能性があった初期コンディショニングフィルムの除去を実施する。しかし、ロボット102が実施する洗浄はこのほか、二次コロニー形成物及びその後の任意のコロニー形成物の除去に及ぶことが理解されるであろう。
【0048】
本明細書で説明するロボット102が実施する連続的洗浄動作の期間は変化してもよい。ロボットが再充電のためにドッキングステーション104に戻ったときにのみ洗浄が一時停止されるという点で、連続的洗浄動作が継続的であってもよい。これとは別に、連続的洗浄動作は、新たな連続的洗浄動作を開始する前に、ロボットがドッキングステーション104に戻るまでの設定期間を有してもよい。例えば、船舶が1週間待機状態で、ロボットが船体の洗浄に半日を費やした場合、ロボットがその日の残りの時間、船体の洗浄を続ける必要がない可能性は否定できない。このため、(例えば、ロボットの損耗を減らすために)連続的洗浄動作を終了し、ロボットは翌日、新たな連続的洗浄動作を再開することができる。
【0049】
図1は、簡略にするために船舶上の単一のロボット102を示しているが、船舶上に複数のロボットがあり得ることが理解されよう。同じように、単一のロボットステーション104を
図1に示しているが、船舶上に複数のロボットステーションがあり得ることが理解されよう。
【0050】
図2は、ロボット102の概略ブロック図である。
図2に示すように、ロボット102は中央処理装置(「CPU」)202を備える。CPU202は、CPU202に結合され、船体101の表面から汚損生物の除去を実施する(回転円筒形ブラシの形態をとり得る)洗浄装置208を制御するように構成された洗浄モジュール204を備える。洗浄モジュール204は、洗浄一時停止信号の受信に応答して、洗浄装置208が実施している洗浄を一時停止するように構成される。洗浄モジュール204は、洗浄再開信号の受信に応答して、洗浄装置208を再開して、洗浄を実施するように構成される。
【0051】
CPU202はこのほか、監視モジュール206を備えてもよい。ロボット102は監視モジュール206を備え得るが、(
図3cを参照して以下でさらに詳細に説明する)代替の実施形態では、監視モジュールは計算装置106の構成要素であり得ることが、以下から明らかになるであろう。
【0052】
CPU202は、電源214(例えば、1つ又は複数の電池)に結合されている。電源214は、例えば、ロボットステーション104を使用して、再充電可能であってもよい。ロボット102はこのほか、当技術分野で知られているように、データを保存するためのメモリ210を備える。メモリ210は、後にさらに詳細に説明する地理的モデル211を含んでもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、インターフェース216を、ロボット102がデータを送受信することができるようにするために提供する。インターフェース216は、有線及び/又は無線のインターフェースを含んでもよい。
【0054】
図2に示すように、ロボット102は、監視モジュール206にセンサ信号を出力するように構成された1つ又は複数のセンサ212を備えてもよい。本明細書に記載のセンサのそれぞれは、物理センサ(即ち、物理学的測定機器)であっても、仮想センサ(即ち、複数の物理センサから感知されたデータを組み合わせて測定値を計算するソフトウェア)であってもよい。
【0055】
センサ212は、位置情報を出力するように構成された1つ又は複数の位置センサを含んでもよい。位置センサは、船舶100の地理的位置及び/又は船舶100の船体101上のロボット102の位置を感知してもよい。位置センサは、全地球測位システム(GPS)センサ及び/又は自動識別システム(AIS)センサを含んでもよい。位置センサは、本明細書に記載していない、当業者に既知の他の位置技術を採用してもよい。センサ212は、船舶のエンジンの動作状態を示す振動データを出力するように構成された振動センサを含んでもよい。例えば、船舶のエンジンは、船舶のエンジンの動作状態(例えば、船舶がエンジンを停止した状態で静止しているか、エンジンを稼働した状態で静止し、船舶が今にも航海を開始しようとしているか、低速で移動しているか、高速で移動しているか、など)に基づいて、船体101全体にわたってさまざまな程度の振動を生成することになる。
【0056】
センサ212は、錨センサ108を含んでもよい。錨センサ108は、上昇状態(この状態から、船舶が移動しているか、移動しようとしていると推測することができる)又は下降状態(この状態から、船舶が静止しているか、停止しようとしていると推測することができる)の船舶の錨110を示すセンサ信号を出力するように構成される。
【0057】
センサ212は、船舶の環境に関連する環境データを出力するように構成された1つ又は複数の環境センサを含んでもよい。船舶の環境に関連する環境データを出力するように構成されたセンサは、(i)気温を感知するように構成された気温センサ、(ii)船舶の水域環境の水温を感知するように構成された水温センサ、(iii)船舶100の水域環境での波動の程度を感知して波動情報を出力するように構成された波動センサ、(iv)船舶100の水域環境での水流の程度を感知するように構成された水流センサ及び(v)船舶の水域環境の深さを感知するように構成された深度センサのうちの1つ又は複数を含んでもよい。
【0058】
センサ212はロボット102上に位置づけられていると説明してきたが、監視モジュール206は、このようなセンサによって提供される情報を追加又は代替の情報源から受信してもよい。
【0059】
例えば、センサ212のうちの1つ又は複数を、船舶100(例えば、ドッキングステーション104又は船舶100上の他の場所)に位置づけてもよい。
【0060】
センサデータを出力する、船舶100上に位置づけられたセンサは、インターフェース216を介してロボット102上の監視モジュール206に直接センサデータを出力してもよい。これとは別に、船舶100上に位置づけられたセンサは、センサデータを計算装置106に出力し、計算装置106は、インターフェース216を介してロボット102上の監視モジュール206にセンサデータを中継する。
【0061】
他の実施形態では、センサデータを、監視モジュール206にて、船舶から離れた計算装置から受信してもよい。例えば、センサデータは、陸上又は水中の計算装置、例えば、気象ブイ又は半潜水型プラットフォーム上の計算装置から受信されてもよい。
【0062】
別の例では、(例えば、船舶上又は陸上の)計算装置が、衛星から位置データ及び/又は環境データを含む衛星データを受信し、衛星データを監視モジュール206に供給してもよい。
【0063】
以下でさらに詳細に記載する実施形態では、上記のセンサデータは、ロボットが損傷のリスクにさらされているかどうかを判定し、洗浄モジュール204が実施している洗浄を制御するために、監視モジュール206によって使用される。
【0064】
図3aは、監視モジュール206及び洗浄モジュール204の両方がロボット102上に位置づけられている、本開示の一実施形態による監視モジュール206及び洗浄モジュール204を示す。
【0065】
図3aの実施形態では、監視モジュール206は、洗浄モジュール204と通信するように構成される。
【0066】
この実施形態では、監視モジュール206は、入力信号を受信するように構成され、このような入力信号に基づいて、監視モジュール206は、ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを検出し、洗浄一時停止信号をロボット102上の洗浄モジュール204に出力するように構成され、このような入力信号に基づいて、ロボットが実施した洗浄が再開される必要があることを検出し、ロボット102上の洗浄モジュール204に洗浄再開信号を出力するようにさらに構成される
【0067】
図3aの実施形態では、監視モジュール206は、受信した入力信号を使用して、ロボットが損傷のリスクにさらされているかどうかを判定する。入力信号は、ロボット上のセンサ、船舶上のセンサ又は遠隔計算装置のうちの1つ又は複数から受信されてもよい。
【0068】
図3bは、監視モジュール206及び洗浄モジュール204の両方がロボット102上に位置づけられている、本開示の別の実施形態による監視モジュール206及び洗浄モジュール204を示す。しかし、この実施形態では、監視モジュール206は、「中間者」機能性を提供するために、洗浄モジュール204ではなく、計算装置106と通信するように構成される。
【0069】
この実施形態では、監視モジュール206は、入力信号を受信するように構成され、このような入力信号に基づいて、監視モジュール206は、ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを検出し、遠隔計算装置106のユーザによる検証のために(例えば、遠隔計算装置106上のディスプレイを介して)洗浄一時停止信号を遠隔計算装置106に出力するように構成される。遠隔計算装置106のユーザが、ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを(遠隔計算装置106の入力装置を使用して)確認した場合、ユーザは、遠隔計算装置106に適切な入力を実施し、洗浄一時停止信号が、遠隔計算装置106からロボット102上の洗浄モジュール204に出力されるようにする。
【0070】
監視モジュール206は、ロボットが実施した洗浄がこのような入力信号に基づいて再開される必要があることを検出し、遠隔計算装置106のユーザによる検証のために遠隔計算装置106に洗浄再開信号を出力するようにさらに構成される。遠隔計算装置106のユーザが、ロボットが実施した洗浄が再開される必要があることを確認した場合、ユーザは、遠隔計算装置106に適切な入力を実施し、洗浄再開信号が遠隔計算装置106からロボット102上の洗浄モジュール204に出力されるようにする。
【0071】
図3bの実施形態では、監視モジュール206は、受信した入力信号を使用して、ロボットが損傷のリスクにさらされているかどうかを判定する。入力信号は、ロボット上のセンサ、船舶上のセンサ又は遠隔計算装置のうちの1つ又は複数から受信されてもよい。
【0072】
図3cは、本開示の別の実施形態による、監視モジュール206及び洗浄モジュール204を示しており、洗浄モジュール204はロボット102上に位置づけられ、監視モジュール206は遠隔計算装置106上に位置づけられる。
【0073】
図3cに示すように、遠隔計算装置106は、メモリ310に結合されたCPU302を備える。メモリ310は、後にさらに詳細に記載する地理的モデル311を含んでもよい。CPU302は、監視モジュール206を備える。
図3cの実施形態では、遠隔計算装置106上の監視モジュール206は、ロボット102上の洗浄モジュール204と通信するように構成される。
【0074】
この実施形態では、監視モジュール206は、入力信号を受信するように構成され、このような入力信号に基づいて、監視モジュール206は、ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを検出するように構成される。ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることの検出に応答して、監視モジュール206は、洗浄一時停止信号をロボット102上の洗浄モジュール204に自動的に送信して、洗浄を一時停止するように構成されてもよい。これとは別に、ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることの検出に応答して、監視モジュール206は、遠隔計算装置106のユーザによる検証のために洗浄一時停止信号を(例えば、遠隔計算装置106上のディスプレイを介して)出力するように構成されてもよい。遠隔計算装置106のユーザが、ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを確認した場合、ユーザは、遠隔計算装置106に適切な入力を実施し、洗浄一時停止信号が遠隔計算装置106からロボット102上の洗浄モジュール204に出力されるようにする。
【0075】
監視モジュール206は、このような入力信号に基づいて、ロボットが実施した洗浄が再開される必要があることを検出するようにさらに構成される。ロボットが実施した洗浄が再開される必要があることの検出に応答して、監視モジュール206は、ロボット102上の洗浄モジュール204に洗浄再開信号を自動的に送信して、洗浄を再開するように構成されてもよい。
【0076】
これとは別に、ロボットが実施した洗浄が再開される必要があることの検出に応答して、監視モジュール206は、遠隔計算装置106のユーザによる検証のために洗浄再開信号を出力するように構成されてもよい。遠隔計算装置106のユーザが、ロボットが実施している洗浄が再開される必要があることを確認した場合、ユーザは、遠隔計算装置106に適切な入力を実施し、洗浄再開信号が遠隔計算装置106からロボット102上の洗浄モジュール204に出力されるようにする。
【0077】
図3cの実施形態では、監視モジュール206は、受信した入力信号を使用して、ロボットが損傷のリスクにさらされているかどうかを判定する。入力信号は、ロボット上のセンサ、船舶上のセンサ又は衛星のうちの1つ又は複数から受信されてもよい。
【0078】
図4は、ロボットを制御するために監視モジュール206が実施する例示的な過程400を示す。
【0079】
上記のように、ロボット102の初期設定状態は、船体101全体にわたって移動している間、船体101を連続的に洗浄することである。監視モジュール206は、連続的な洗浄動作が開始された時点で、過程400を実施するように構成される。
【0080】
ステップS402では、監視モジュール206は入力データを受信する。
図3a~
図3cを参照して上で述べたように、入力データは、ロボット102上に位置づけられた1つ又は複数のセンサ、船舶100上に位置づけられた1つ又は複数のセンサ、遠隔計算装置又は衛星から受信されてもよい。以下に示すように、入力データはさまざまな形態をとることができる。
【0081】
S404では、監視モジュール206は、入力データを使用して、ロボットが損傷のリスクにさらされているかどうかを判定する。この判定は、以下でさらに詳細に説明するさまざまな方法で実施することができる。
【0082】
監視モジュール206が、ロボットが損傷のリスクにさらされていないと判定した場合、ロボット102は、船舶100の船体101を洗浄し続け、過程400は、ステップS402に戻る。
【0083】
監視モジュール206が、ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定した場合、過程400はステップS406に進み、そこで監視モジュール206は洗浄一時停止信号を出力する。
【0084】
図3a及び
図3cの実施形態では、洗浄一時停止信号は、監視モジュール206からロボット102上の洗浄モジュール204に出力される。
図3bの実施形態では、洗浄一時停止信号は、監視モジュール206から計算装置106に出力される。
【0085】
洗浄一時停止信号の受信に応答して、洗浄モジュール204は、洗浄装置208と通信することにより、洗浄装置208が実施している洗浄を一時停止するように構成される。
【0086】
連続的洗浄が一時停止されると、ロボットは船舶の船体上のその現在の位置で静止したままになるように構成されてもよい。これとは別に、ロボットは、ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることを検出した時点で、安全な場所として指定され、それにより、ロボットが高速移動中に損傷することも消失することもない船舶上のドッキングステーション104又は他の場所に移動するように構成されてもよい。
【0087】
連続洗浄が一時停止されている間に、監視モジュール206は、ステップS408にて、追加の入力データを受信する。
【0088】
S410では、監視モジュール206は、追加の入力データを使用して、ロボットが依然として損傷のリスクにさらされているかどうかを判定する。監視モジュール206が、ロボットが依然として損傷のリスクにさらされているとステップS410にて判定した場合、洗浄は再開されない。
【0089】
監視モジュール206が、ロボットがもはや損傷のリスクにさらされていないとステップS410にて判定した場合、過程400はステップS412に進み、そこで監視モジュール206は、ロボットによる連続的洗浄が再開される必要があることを示す洗浄再開信号を出力する。
【0090】
図3a及び
図3cの実施形態では、洗浄再開信号は、監視モジュール206からロボット102上の洗浄モジュール204に出力される。
図3bの実施形態では、洗浄再開信号は監視モジュール206から計算装置106に出力される。ステップS412の後、過程400はステップS402に戻る。
【0091】
洗浄可能なロボット102を監視モジュール206と組み合わせることにより、ロボットは、安全であり、ロボットが損傷のリスクにさらされていないときに、洗浄することになる。過程400は、船舶の船体の汚損の量を減らすための効率的かつ安全な方法を提供する。
【0092】
上記のように、ステップS404及びS410での判定は、以下に記載するさまざまな方法を使用して実施することができる。このような方法は、互いに独立して、あるいは任意の組み合わせで使用されてもよい。ステップS404及びS410が実施される頻度は一定であってもよい。これとは別に、ステップS404及びS410が実施される頻度は一定ではない場合があってもよい。例えば、ステップS404を例にとると、ロボットが損傷するリスクにさらされていることを規定する状態に近づくと、ステップS404が実施される頻度が時間とともに増大してもよい。
【0093】
第1の方法では、ステップS402及びS408にて、監視モジュール206は、船舶の地理的位置を規定する位置情報を受信し、ステップS404及びステップS410にて、監視モジュール206は、位置情報に基づいてロボットが損傷のリスクにさらされているかどうかを判定する。
【0094】
ステップS404及びS410では、監視モジュール206は、地理的モデル211、311に船舶の地理的位置を照会して、ロボットが損傷のリスクにさらされているかどうかを判定する。地理的モデルは、(
図3a及び
図3bの実施形態の)メモリ210又は(
図3cの実施形態の)メモリ310に保存されてもよい。
【0095】
地理的モデル211、311は、地球上の複数の水域のそれぞれについて、その水域にて洗浄を実施するかどうかを規定する。例えば、複数の水域のそれぞれは、「洗浄一時停止」状態に関連付けられてもよい。複数の水域のそれぞれは、座標点(例えば、緯度及び経度)によって規定されてもよく、大きさがさまざまであってもよい。このため、地理的モデル211、311に船舶の地理的位置を照会することにより、監視モジュール206は、洗浄が船舶の地理的位置にて実施される必要があるかどうか、ひいてはロボットが損傷のリスクにさらされているかどうかを判定することができる。
【0096】
水域を、「洗浄一時停止」状態に関連付けてもよい。即ち、船舶がその水域に位置づけられている場合、洗浄中にロボットが損傷することになるリスクが高いため、その水域では洗浄は実施されるべきではない。例えば、パナマ運河は、運河の狭い水門との衝突に起因してロボット102が損傷するリスクが高いため、「洗浄一時停止」状態に関連付けられる可能性がある。別の例では、廃棄物/汚染物質との衝突に起因するロボット102への損傷のリスクが高いため、高濃度の廃棄物/汚染物質があることが知られている水域を「洗浄一時停止」状態に関連付けてもよい。
【0097】
さらに別の例では、水域を、規制上の理由のために、例えば、防汚塗装からの大量の殺生物剤の放出又は外来種の拡散のリスクが懸念されるため洗浄が許可されていない領域では、「洗浄一時停止」状態に関連付ける場合がある。
【0098】
地理的モデル211、311は、水域を「洗浄実施」状態に関連付けることによって、あるいは単に水域を「洗浄一時停止」状態に関連付けないことによって、特定の水域にて洗浄が実施されるべきではないことを示してもよい。廃棄物/汚染物質の濃度が低い海域が、「洗浄実施」状態に関連付けられる可能性のある水域の例に挙げられる。即ち、船舶がその水域にある場合、洗浄中にロボットが損傷することになるリスクが低いため、その水域では洗浄が実施されることになる。
【0099】
実施形態では、地理的モデル211、311は、例えば、水域での廃棄物/汚染物質の量が変動するために、特定の水域の状態が時間とともに変化し得るように更新することができる。
【0100】
ステップS404及びS410にてロボット102が実施する洗浄を制御するために監視モジュール206によって船舶の地理的位置が使用される頻度は、船舶のタイプ、船舶の速度及び船舶の航行ルートをはじめとする多くの要因に応じて制御することができる。さらに、上記のように、ステップS404及びS410が実施される頻度は一定ではなくてもよい。例えば、ステップS404が実施される頻度は、洗浄が許可されている水域内の船舶が、「洗浄一時停止」状態に関連する水域に近づくにつれて、増大してもよい。同じように、ステップS410が実施される頻度は、「洗浄一時停止」状態に関連する水域内の船舶が、洗浄が許可されている水域に近づくにつれて、増大してもよい。
【0101】
ステップS402及びS408での第2の方法では、監視モジュール206は、船舶の船体に対するロボットの位置を規定する位置情報を受信し、船舶が静止している間に、船舶が今にも(例えば、所定の期間内に)動き始めるかどうかを判定するために監視モジュール206が使用することができる情報を入力する。
【0102】
この方法では、ステップS404及びS410にて、監視モジュール206は、船舶の船体上のロボットの位置に基づいてロボットが損傷のリスクにさらされているかどうかと、船舶が今にも動き始めることになるかどうかを判定する。
【0103】
監視モジュール206が、船舶が今にも動き始めることになると判定した場合、監視モジュール206は、メモリに保存されている船舶の船体上の1つ又は複数の所定の位置のうちの1つにロボットが位置づけられる場合、ロボットが損傷のリスクにさらされていると前向きに判定するように構成される(例えば、ロボットが船舶の船体の平坦な底部に位置づけられている場合、ロボットは、船舶が港からその航海を開始すると、浅瀬で損傷のリスクにさらされる)。
【0104】
監視モジュール206は、船舶が今にも動き始めることになるとさまざまな方法で判定するように構成されてもよい。
【0105】
監視モジュール206は、(例えば、ロボット上又は船舶上の)振動センサから受信した振動データに基づいて、船舶が今にも動き始めることになることを判定するように構成されてもよい。特に、監視モジュール206は、所定の閾値を超える検出された振動の強度に基づいて、船舶が今にも動き始めることになると判定してもよい。
【0106】
監視モジュール206は、錨センサ108から受信した錨信号に基づいて、船舶が今にも動き始めることになると判定するように構成されてもよい。錨信号は、船舶の錨が上昇状態又は下降状態にあることを示す。このため、監視モジュール206は、錨が上昇状態にあることを示す錨信号に基づいて、船舶が今にも動き始めることになると判定してもよい。
【0107】
第3の方法では、ステップS402及びS408にて、監視モジュール206は、船舶の環境に関連する環境データを受信し、ステップS404及びS410にて、監視モジュール206は、環境データに基づいてロボットが損傷のリスクにさらされているかどうかを判定する。
【0108】
環境データは、船舶の水域環境での水流の速度を含んでもよく、ステップS404及びS410では、監視モジュール206は、所定の水流閾値を超える水流の速度に基づいて、ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定してもよい。所定の水流閾値は、(
図3a及び
図3bの実施形態の)メモリ210又は(
図3cの実施形態の)メモリ310に保存されてもよく、監視モジュール206は、それ自体、水流の速度を所定の水流閾値と比較してもよい。これとは別に、監視モジュール206は、計算装置(例えば、計算装置106又は陸上(例えば、測候所)の計算装置)からのメッセージの受信に基づいて、所定の水流閾値を超える水流の速度に基づいて、ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定してもよい。所定の水流閾値は、0.1~10.0ノットの範囲であってもよい。好ましくは、所定の水流閾値は、2.0~6.0ノットの範囲にある。例えば、所定の水流閾値は、6.0ノットであってもよい。
【0109】
環境データは、温度(例えば、気温及び/又は水温)を含んでもよい。
【0110】
ステップS404及びS410では、監視モジュール206は、温度が所定の温度閾値を下回っていることに基づいて、ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定してもよい。この所定の温度閾値は、-30.0~5.0℃の範囲であってもよい。好ましくは、この所定の温度閾値は、-5.0~5.0℃の範囲にある。例えば、この所定の温度閾値は、0℃であってもよい。上記のように、温度が低いと、船舶の船体101上、水面上又はロボット102上に氷が生じることがあり、ロボットを損傷するか、ロボットが船舶から外れて消失するリスクがある。
【0111】
ステップS404及びS410では、監視モジュール206は、温度が所定の温度閾値を超えていることに基づいて、ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定してもよい。この所定の温度閾値は、30.0~90.0℃の範囲であってもよい。好ましくは、この所定の温度閾値は50.0~70.0℃の範囲にある。例えば、この所定の温度閾値は、60℃であってもよい。上記のように、船体101の金属表面の温度が高いと、ロボットの構成要素(例えば、ロボットのホイールライナ、ブラシ及び電池)に損傷を与える可能性がある。
【0112】
上記の所定の温度閾値は、(
図3a及び
図3bの実施形態の)メモリ210又は(
図3cの実施形態の)メモリ310に保存されてもよく、監視モジュール206は、それ自体、温度をそれぞれの所定の温度閾値と比較してもよい。これとは別に、監視モジュール206は、計算装置(例えば、計算装置106又は陸上(例えば、測候所)の計算装置)からのメッセージの受信に基づいて検出された温度に基づいて、ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定してもよい。
【0113】
環境データは、船舶の水域環境での波動の程度に関連する波動情報を含んでもよく、ステップS404及びS410では、監視モジュール206は、平均波高が所定の波高閾値を超えることに基づいて、ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定してもよい。所定の波高閾値は、(
図3a及び
図3bの実施形態の)メモリ210又は(
図3cの実施形態の)メモリ310に保存されてもよく、監視モジュール206は、それ自体、判定された平均波高を所定の波高閾値と比較してもよい。これとは別に、監視モジュール206は、計算装置(例えば、計算装置106又は陸上(例えば、測候所)の計算装置)からのメッセージの受信に基づいて、平均波高が所定の波高閾値を超えていることに基づいて、ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定してもよい。所定の波高閾値は、10cm~10.0mの範囲であってもよい。好ましくは、所定の波高閾値は、1.0~3.0mの範囲にある。例えば、所定の波高閾値は2mであってもよい。
【0114】
環境データは、船舶の下の水深を含んでもよく、ステップS404及びS410では、監視モジュール206は、所定の深度閾値を下回る水深に基づいて、ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定してもよい。
【0115】
船舶の下の水深は、深度センサ(例えば、音響センサ、圧力センサなど)によって提供されてもよい。深度センサは、船舶上又はロボット上に設けられてもよい。
【0116】
これとは別に、船舶の下の水深は、船舶の地理的位置、地理的地図、干潮/満潮に関する情報及び船舶の喫水に基づいて計算されてもよい。この計算は、(例えば、ロボット上又は計算装置106上の)監視モジュール206によって実施されてもよい。ロボットが監視モジュール206を備える実施形態では、この計算は、ロボットから離れた計算装置、例えば、計算装置106上で実施されてもよく、船舶の下の水深の測定値は、監視モジュール206に送信される。船舶の地理的位置は、例えば、ロボット又は船舶に位置づけられた位置センサによって提供されてもよい。
【0117】
所定の深度閾値は、(
図3a及び
図3bの実施形態の)メモリ210又は(
図3cの実施形態の)メモリ310に保存されてもよく、監視モジュール206は、それ自体、判定された水深を所定の深度閾値と比較してもよい。これとは別に、監視モジュール206は、計算装置(例えば、計算装置106又は陸上(例えば、測候所)の計算装置)からのメッセージの受信に基づいて水深が所定の深度閾値を下回っていることに基づいて、ロボットが損傷のリスクにさらされていると判定してもよい。所定の深度閾値は、0.3~10.0mの範囲であってもよい。好ましくは、所定の深度閾値は、0.5~5.0mの範囲にある。例えば、所定の深度閾値は、1.0mであってもよい。
【0118】
上記のように、これまでに挙げた方法を組み合わせてもよい。例えば、本開示の一態様によれば、船舶の船体を、船体全体にわたって移動している間に、洗浄するように構成されたロボットを制御する方法が提供される。この方法は、入力データに基づいて、船舶の地理的位置又は地理的位置での環境条件のうちの少なくとも1つを検出するステップと、
ロボットが実施している洗浄の間に、ロボットが実施している洗浄が、船舶の地理的位置及び/又は地理的位置での環境条件に基づいて一時停止される必要があることを検出するステップと、ロボットが実施している洗浄が一時停止される必要があることの検出に応答して、洗浄が一時停止される必要があることを示す洗浄一時停止信号を出力するステップと、を含む。
【0119】
図5は、海洋船舶の塗装された船体を洗浄するための例示的なロボット102を示す。ロボットの車輪4は、鉄の船体に付着するために磁気を帯びている。ロボット102は、車輪4によって駆動され、車輪4は、(図示しない)電気モータによって駆動される。
図5では、ロボット102は、斜視図にて完全に組み立てられた状態で示される。ロボット1のシャーシ2は、電源(例えば、電池)を封入する密封容器3を保持する周囲フレームであり、
図2に示す電気部品のうちの1つ又は複数を含んでもよい。容器3は防水性であり、水の浸入を防ぐために密封される。2つのビーム「軸」5がシャーシ2に固定され、このようなビーム5は、車輪4のほか、車輪4のための懸架装置及び操縦機構の関連要素を支持する。ロボット102は、回転円筒形ブラシの形態をとり得る洗浄機構208を含み、これはこのほか、シャーシ2に固定される。洗浄機構208は、洗浄モジュール204によって制御される。
【0120】
図5は、ロボット102がとり得る形態の一例を示すに過ぎず、他の例が可能であることが理解されよう。
【0121】
一般に、本明細書で説明する機能のいずれも、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア(例えば、固定論理回路)又はこのような実装例の組み合わせを使用して実装することができる。本明細書で使用する「機能性」及び「モジュール」という用語は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア又はその組み合わせを概ね表す。ソフトウェア実装の場合、機能性又はモジュールは、プログラムコードであって、プロセッサ(例えば、1つ又は複数のCPU)で実行されたときに、指定されたタスクを実行するプログラムコードを表す。プログラムコードは、1つ又は複数のコンピュータ可読メモリ装置(例えば、メモリ210又はメモリ310)に保存することができる。以下で説明する手法の特徴は、プラットフォームに依存しない。即ち、さまざまなプロセッサを有するさまざまな商用計算プラットフォームに手法を実装してもよい。
【0122】
本開示を、好ましい実施形態を参照して具体的に示し、説明してきたが、当業者には、添付の請求の範囲によって定義される本開示の範囲から逸脱することなく、形態及び詳細のさまざまな変更を施し得ることが理解されよう。
【国際調査報告】