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特表2022-526676同一基板上への異なる発光構造体の一体的な構成
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-25
(54)【発明の名称】同一基板上への異なる発光構造体の一体的な構成
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/32 20100101AFI20220518BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20220518BHJP
   G09F 9/302 20060101ALI20220518BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220518BHJP
   G02B 30/10 20200101ALI20220518BHJP
   H01L 33/08 20100101ALI20220518BHJP
【FI】
H01L33/32
G09F9/33
G09F9/302 Z
G09F9/30 349Z
G02B30/10
H01L33/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560241
(86)(22)【出願日】2020-04-10
(85)【翻訳文提出日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 US2020027574
(87)【国際公開番号】W WO2020210563
(87)【国際公開日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】62/833,072
(32)【優先日】2019-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/841,119
(32)【優先日】2020-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520414402
【氏名又は名称】ラキシウム インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100091498
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100174089
【弁理士】
【氏名又は名称】郷戸 学
(74)【代理人】
【識別番号】100186749
【弁理士】
【氏名又は名称】金沢 充博
(72)【発明者】
【氏名】ヘ、ガン
(72)【発明者】
【氏名】ハート、シーラ
【テーマコード(参考)】
2H199
5C094
5F241
【Fターム(参考)】
2H199BA19
2H199BA20
2H199BB02
2H199BB03
2H199BB04
2H199BB59
5C094AA43
5C094BA23
5C094CA20
5C094DA13
5C094DB01
5C094EA05
5C094ED01
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB02
5C094FB12
5C094FB16
5C094JA08
5F241CA05
5F241CA40
5F241CA65
5F241CA88
5F241CB25
5F241CB27
5F241FF06
(57)【要約】
本開示は、同一基板上への異なる発光構造体の一体的な構成の様々な態様を説明する。一態様では、GaNを含む材料で構成された1つまたは複数のバッファ層を有する基板を備えた光を生成するためのデバイスが説明される。デバイスはまた、基板の最上部バッファ層の同一表面上にエピタキシャル成長した複数の発光構造体を備え、各発光構造体は、表面と平行で横方向に終端された活性領域を有し、異なる発光構造体の活性領域は、異なる色の光を直接生成するように構成されている。デバイスはまた、各発光構造体の活性領域の上に配置され、GaNを含む材料で構成されたp型ドープ層を備えている。デバイスは、ライトフィールドディスプレイの一部であってもよく、ライトフィールドディスプレイのバックプレーンに接続されていてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を生成するためのデバイスであって、
少なくとも一部がGaNを含む材料で構成された1つまたは複数のバッファ層を有する基板と、
前記1つまたは複数のバッファ層の最上層の同一表面上にエピタキシャル成長した複数の発光構造体と、
p型ドープ層を備え、
各発光構造体は、前記表面と平行で横方向に終端された活性領域を有し、異なる発光構造体の前記活性領域は、異なる色の光を直接生成するように構成されており、
前記p型ドープ層は、前記複数の発光構造体のそれぞれの前記活性領域の上に配置されており、前記p型ドープ層の少なくとも一部はGaNを含むp型ドープ材料で構成されている、デバイス。
【請求項2】
前記p型ドープ層の上に配置されたコンタクト層をさらに備えている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記p型ドープ層の上に配置された前記コンタクト層は、導電層であり、金属コンタクト層または透明コンタクト層のいずれかである、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記透明コンタクトは、インジウムスズ酸化物(ITO)、ニッケル(Ni)と金(Au)の合金、または酸素(O)でアニールされたNiとAuの合金で構成されている、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記1つまたは複数のバッファ層は、前記基板上にエピタキシャル成長されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記1つまたは複数のバッファ層の前記最上層を構成する前記材料は、GaNを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記1つまたは複数のバッファ層を構成する前記材料は、GaN合金を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記p型ドープ層を構成する前記p型ドープ材料は、GaN合金を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記1つまたは複数のバッファ層を構成する前記材料と、前記p型ドープ層を構成する前記p型ドープ材料は、同じ材料である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記異なる発光構造体は、
青色光を直接生成するように構成されたバンドギャップを有するInGaNを含む材料で構成された活性領域を有する、1つまたは複数の発光構造体と、
緑色光を直接生成するように構成されたバンドギャップを有するInGaNを含む材料で構成された活性領域を有する、1つまたは複数の発光構造体と、
赤色光を直接生成するように構成されたバンドギャップを有するInGaNを含む材料で構成された活性領域を有する、1つまたは複数の発光構造体を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記異なる発光構造体は、青色光、緑色光、および赤色光とは異なる光を直接生成するように構成されたバンドギャップを有するInGaNを含む材料で構成された活性領域を有する、1つまたは複数の発光構造体をさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記異なる発光構造体は、
活性領域に1つまたは複数の希土類を有し、前記活性領域は青色光を生成するように構成されている、1つまたは複数の発光構造体と、
活性領域に1つまたは複数の希土類を有し、前記活性領域は緑色光を生成するように構成されている、1つまたは複数の発光構造体と、
活性領域に1つまたは複数の希土類を有し、前記活性領域は赤色光を生成するように構成されている、1つまたは複数の発光構造体を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記異なる発光構造体は、活性領域に1つまたは複数の希土類を有し、前記活性領域は青色光、緑色光、および赤色光とは異なる光を生成するように構成されている、1つまたは複数の発光構造体をさらに含む、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記複数の発光構造体は、格子状のパターンで配列されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記格子状のパターンは、正方形のパターン、長方形のパターン、または六角形のパターンを含む、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記格子状のパターンは、前記異なる発光構造体の1つまたは複数の繰り返し配列を含む、請求項14に記載のデバイス。
【請求項17】
前記活性領域は、バルク活性領域を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
前記活性領域には、1つまたは複数の希土類がドーピングされている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項19】
前記1つまたは複数の希土類は、Eu、Er、Tm、Gd、またはPrのうちの1つまたは複数を含む、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記1つまたは複数の希土類は、超格子またはバルク活性領域に含まれている、請求項18に記載のデバイス。
【請求項21】
前記活性領域は、複数の垂直側壁によって横方向に終端されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項22】
前記活性領域は、前記1つまたは複数のバッファ層の前記最上層の前記表面と平行な少なくとも1つの量子井戸を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項23】
前記少なくとも1つの量子井戸は、均一な厚さを有している、請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
各発光構造体は、ファセット状の複数の側壁を有している、請求項1に記載のデバイス。
【請求項25】
前記活性領域は、少なくとも1つの量子井戸を含む、請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記ファセット状の複数の側壁は、前記複数の発光構造体の成長方向に垂直な平面以外の平面上にある、請求項24に記載のデバイス。
【請求項27】
前記活性領域は、エピタキシャル再成長したパッシベーションによって横方向に終端されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項28】
各発光構造体は、複数の側壁を有し、
パッシベーション材料は、前記複数の側壁に隣接して配置されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項29】
前記パッシベーション材料は、GaNのバンドギャップよりも広いバンドギャップを有している、請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
前記パッシベーション材料は、GaまたはAlを含む、請求項28に記載のデバイス。
【請求項31】
前記活性領域は、少なくとも1つの量子井戸を含み、
前記パッシベーション材料は、前記少なくとも1つの量子井戸のバンドギャップよりも広いバンドギャップを有している、請求項28に記載のデバイス。
【請求項32】
前記パッシベーション材料は、前記発光構造体の対応する部分のドーピングとは反対のドーピングを有している。請求項28に記載のデバイス。
【請求項33】
前記パッシベーション材料は、室温または動作温度でイオン化されないミッドギャップ状態または深い準位を有している、請求項28に記載のデバイス。
【請求項34】
前記複数の側壁は、複数の垂直側壁である、請求項28に記載のデバイス。
【請求項35】
各発光構造体は、複数の側壁を有し、
各発光構造体は、前記複数の側壁に隣接して配置された誘電体パッシベーションをさらに備えている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項36】
前記誘電体パッシベーションの材料は、GaNまたはInGaNのバンドギャップよりも高いバンドギャップを有している、請求項35に記載のデバイス。
【請求項37】
前記複数の側壁は、複数の垂直側壁である、請求項35に記載のデバイス。
【請求項38】
前記活性領域は、垂直な領域である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項39】
各発光構造体の幅、または隣接する発光構造体の間隔は、
1ミクロン未満、
1ミクロンから5ミクロンの間、
または5ミクロン超のいずれかの範囲である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項40】
前記p型ドープ層の上に配置されたコンタクト層と、
前記コンタクト層の上に配置された接続部をさらに備え、前記接続部は、前記デバイス内の前記複数の発光構造体のそれぞれをディスプレイのバックプレーンに電気的に接続するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項41】
前記p型ドープ層の上に配置された前記コンタクト層は、導電層であって、金属コンタクト層または透明コンタクト層のいずれかであり、
前記接続部は、金属バンプである、請求項40に記載のデバイス。
【請求項42】
前記複数の発光構造体は、前記異なる色の光に基づいて異なる配列またはグループに配置されており、
前記デバイスは、
前記p型ドープ層の上に配置された第1コンタクト層と、
前記最上部バッファ層の上に配置された第2コンタクト層をさらに備えている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項43】
前記複数の発光構造体は、前記異なる色の光に基づいて異なる配列またはグループに配置されており、
前記デバイスは、
前記p型ドープ層の上に配置された第1コンタクト層と、
前記最上部バッファ層の上に配置された第2コンタクト層と、
前記複数の発光構造体の少なくとも一部を分離するための、前記1つまたは複数のバッファ層に設けられた1つまたは複数のトレンチをさらに備えている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項44】
前記複数の発光構造体は、それぞれが混合色の発光を含む異なる配列またはグループに配置されており、
前記デバイスは、
前記p型ドープ層の上に配置された第1コンタクト層と、
前記最上部バッファ層の上に配置された第2コンタクト層をさらに備えている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項45】
前記複数の発光構造体は、それぞれが混合色の発光を含む異なる配列またはグループに配置されており、
前記デバイスは、
前記p型ドープ層の上に配置された第1コンタクト層と、
前記最上部バッファ層の上に配置された第2コンタクト層と、
前記複数の発光構造体の少なくとも一部を分離するための、前記1つまたは複数のバッファ層に設けられた1つまたは複数のトレンチをさらに備えている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項46】
前記複数の発光構造体は、複数のマイクロ発光デバイスまたは複数のマイクロLEDである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項47】
前記デバイスは、ライトフィールドディスプレイの一部であり、前記ライトフィールドディスプレイのバックプレーンに接続されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項48】
前記デバイスは、第1デバイスであり、
第2デバイスは、前記第1デバイスと実質的に同様であり、
前記第1デバイスおよび前記第2デバイスは、ライトフィールドディスプレイの一部である、請求項1に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本特許出願は、「同一基板上への異なる発光構造体の一体的な構成」と題され、2020年4月6日に出願された米国非仮特許出願第16/841,119号、および「同一基板上への異なる発光構造体の一体的な構成」と題され、2019年4月12日に出願された米国仮特許出願第62/833,072号に基づく優先権を主張し、それらの内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示の態様は、一般に、様々なタイプのディスプレイに使用される発光素子の構造などの発光構造体、より具体的には、同一基板上に異なる色の光を生成する一体的に構成された発光構造体に関連する。
【0003】
より良いユーザーエクスペリエンスを提供し、新しいアプリケーションを実現するために、ディスプレイに使用される発光素子(例えば、画素)の数が増え続ける中、その数をさらに増やすことは、設計と製造の両方の観点から課題となっている。画素数と密度の両方を増やすために、これまで以上に発光素子の小型化を実現する必要があり、小型の発光ダイオード(LED)の利用の可能性がより注目されている。しかしながら、高画素数、高密度で、カラーディスプレイに必要な異なる色(例えば、赤色、緑色、青色)を生成可能な小型のLEDを製造するための、効果的かつ効率的な技術は広く普及しておらず、従来の技術では、煩雑であり、時間とコストを要する。さらに、ライトフィールドディスプレイなどの、動作とサイズの双方により厳しい要件が必要とされる、より高度なディスプレイアーキテクチャにこれらの小型のLEDを使用することは、かなり困難である。
【0004】
したがって、同一基板上に異なる色の光を生成する半導体構造を一体的に構成すること(例えば、単一の集積された半導体デバイス)により、多数の小型の発光素子を効果的かつ効率的に設計および製造することを可能にする、技術およびデバイスが望まれている。
【発明の概要】
【0005】
このような態様の基本的な理解を得るために、以下に1つまたは複数の態様の簡略化された概要を提示する。この概要は、考え得るすべての態様の広範な概要ではなく、すべての態様の鍵となる要素または重要な要素を特定するものではなく、一部またはすべての態様の範囲を明確にするものでもない。その目的は、後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、1つまたは複数の態様のいくつかの概念を簡略化された形式で提示することである。
【0006】
本開示の一態様では、GaNを含む材料から構成された1つまたは複数のバッファ層を備えた基板を有する、光を生成するためのデバイスが説明される。前記デバイスはまた、前記基板の最上部バッファ層の同一表面上にエピタキシャル成長した複数の発光構造体を有しており、各発光構造体は、前記表面と平行で横方向に終端された活性領域を有し、異なる発光構造体の前記活性領域は、異なる色の光を直接生成するように構成されている。前記デバイスはまた、各発光構造体の前記活性領域の上に配置され、GaNを含むp型ドープ材料から構成されたp型ドープ層を備えている。前記デバイスは、ライトフィールドディスプレイの一部であってもよく、前記ライトフィールドディスプレイのバックプレーンに接続されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
添付の図面は、いくつかの実施形態を例示しているに過ぎず、したがって範囲を限定するものとは見なされない。
【0008】
図1図1は、本開示の態様による、ディスプレイの一例およびディスプレイのコンテンツのソースを示す。
【0009】
図2A図2Aは、本開示の態様による、複数の画素を有するディスプレイの一例を示す。
【0010】
図2B図2Bは、本開示の態様による、複数の画素を有するライトフィールドディスプレイの一例を示す。
図2C図2Cは、本開示の態様による、複数の画素を有するライトフィールドディスプレイの一例を示す。
【0011】
図2D図2Dは、本開示の態様による、ライトフィールドディスプレイの一部の断面図の一例を示す。
【0012】
図3図3は、本開示の態様による、発光素子の配列が組み込まれたバックプレーンの一例を示す。
【0013】
図4A図4Aは、本開示の態様による、画素内の発光素子の配列の一例を示す。
【0014】
図4B図4Bは、本開示の態様による、副画素を備えた画素の一例を示す。
【0015】
図5A図5Aは、本開示の態様による、基板上に一体的に構成された複数の発光構造体の一例の断面図を示す。
【0016】
図5B図5Bは、本開示の態様による、図5Bは、本開示の態様による、基板上に一体的に構成された複数の発光構造体の他の例の断面図を示す。
【0017】
図6A図6Aは、本開示の態様による、複数の発光構造体を有するデバイスの一例の断面図を示す。
【0018】
図6B図6Bは、本開示の態様による、バックプレーンに接続された図6Aのデバイスの断面図を示す。
【0019】
図6C図6Cは、本開示の態様による、複数の発光構造体を有するデバイスの他の例の断面図を示す。
【0020】
図6D図6Dは、本開示の態様による、バックプレーンに接続された図6Cのデバイスの断面図を示す。
【0021】
図7A図7Aは、本開示の態様による、発光構造体の一例の断面図を示す。
図7B図7Bは、本開示の態様による、発光構造体の一例の断面図を示す。
図7C図7Cは、本開示の態様による、発光構造体の一例の断面図を示す。
【0022】
図8A図8Aは、本開示の態様による、1つのタイプの発光構造体の配列またはグループの断面図を示す。
図8B図8Bは、本開示の態様による、1つのタイプの発光構造体の配列またはグループの断面図を示す。
【0023】
図8C図8Cは、本開示の態様による、他のタイプの発光構造体の配列またはグループの断面図を示す。
図8D図8Dは、本開示の態様による、他のタイプの発光構造体の配列またはグループの断面図を示す。
【0024】
図9A図9Aは、本開示の態様による、ディスプレイ内の光を生成するためのデバイスの配置の様々な例の模式図を示す。
図9B図9Bは、本開示の態様による、ディスプレイ内の光を生成するためのデバイスの配置の様々な例の模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
添付の図面に関連して以下に記載する詳細な説明は、様々な構成の説明として意図されており、本明細書に記載の概念が実施され得る唯一の構成を表すことを意図するものではない。詳細な説明には、様々な概念の十分な理解を目的として具体的な詳細が含まれている。しかしながら、これらの概念がその具体的な詳細がなくとも実施され得ることは当業者には明らかであろう。場合によっては、そのような概念の不明瞭化を避けるために、周知の構成要素はブロック図の形式で示される。
【0026】
上述したように、より良いユーザーエクスペリエンスを提供し、新しいアプリケーションを実現するために、ディスプレイ内の発光素子(例えば、画素)の数をこれまで以上に増やす必要があり、その数をさらに増やすことが課題となっている。画素数と密度の両方を増やすために、これまで以上に発光素子の小型化を実現する必要があり、小型のLED(例えば、マイクロLED)の利用の可能性がより注目されている。しかしながら、高画素数、高密度で、異なる色(例えば、赤色、緑色、青色)を生成可能な小型のLEDを製造する技術は少なく、従来の技術では、煩雑であり、時間とコストを要する。ライトフィールドディスプレイ用などのより高度なディスプレイアーキテクチャは、小型のLEDを使用が有効である場合があるが、このようなディスプレイに求められる要件では、小型のLEDの実装はかなり困難である。したがって、異なる色の光を生成する多数の小さな発光構造体を同一基板上に一体的に構成すること(例えば、単一の集積された半導体デバイス)ができる、新たな技術およびデバイスが望まれている。
【0027】
本開示は、以下に説明する図に関連して、そのような技術および装置の例を提供する。例えば、図1乃至図4Bは、一体的に構成された発光構造体を実装することができるディスプレイの例に関する一般的な情報を記載している。図5A乃至図9Bは、そのような一体的に構成された発光構造体の例の様々な態様を説明している。
【0028】
本開示では、「発光構造体」および「発光素子」という用語は交換可能に使用することがあり、「発光構造体」という用語は、特定の色の光を生成するように構成された単一の構成要素の構造的配置(例えば、材料、層、構成)を説明するために使用することがある。また、「発光素子」、「発光体」、または単に「エミッタ」という用語は、より一般的に単一の構成要素を示すために使用することがある。
【0029】
図1は、ソース120からコンテンツ/データ125(例えば、画像コンテンツ、動画コンテンツ、またはその両方)を受信するディスプレイ110の一例を示す模式図100である。ディスプレイ110は、1つまたは複数のパネル150を備えていてもよく(1つが示されている)、ディスプレイ110内の各パネル150は、発光パネルまたは反射パネルである。パネルは、所定の配置または配列で構成された発光素子または光反射素子を備えているだけでなく、発光素子または光反射素子を駆動するためのバックプレーンを備えていてもよい。発光パネルが使用される場合、発光パネルは、複数の発光素子を備えていてもよい(例えば、図2Aの発光素子220参照)。これら発光素子は、1つまたは複数の半導体材料から構成されたLEDであってもよい。LEDは無機LEDであってもよい。LEDは、例えば、マイクロLED(マイクロLED、mLED、またはμLEDとも呼ばれる)であってもよい。発光素子を構成する他のディスプレイ技術としては、液晶ディスプレイ(LCD)技術または有機LED(OLED)技術が挙げられる。さらに、異なる色の光を生成するLEDは、効率的な製造のために、同一の半導体基板に一体的に構成されてもよい。
【0030】
ディスプレイ110は、(例えば、8K以上の解像度に対応する)超高解像度性能、高ダイナミックレンジ(コントラスト)性能、またはライトフィールド性能、またはこれらの性能の組み合わせを有していてもよい。ディスプレイ110がライトフィールド性能を有し、ライトフィールドディスプレイとして動作可能な場合、ディスプレイ110は、複数の画素(例えば、スーパーラクセル)を備えていてもよく、各画素は、それぞれの光誘導光学素子と、発光素子の配列(例えば、サブラクセル)を有している。発光素子の配列(例えば、サブラクセル)は、同一の半導体基板上に一体的に構成され、配列内の発光素子が別個のグループ(例えば、ラクセル)に配置されて、ライトフィールドディスプレイ(例えば、図2B乃至図3参照)によってサポートされる複数のビューを提供する。さらに、ライトフィールドディスプレイでは、発光素子の数とその密度は、高解像度のディスプレイであっても、従来のディスプレイよりも桁違いに大きくなることがある。
【0031】
ソース120は、コンテンツ/データ125を、ディスプレイ110内に一体に組み込まれた表示処理部130に提供してもよい。表示処理部130は、ディスプレイ110に表示するためにコンテンツ/データ125内の画像または動画コンテンツを変更するように構成されてもよい。表示処理部130によって、画像または動画コンテンツを処理するために使用される情報を記憶するディスプレイメモリ135も示されている。ディスプレイメモリ135またはその一部は、表示処理部130に一体に組み込まれてもよい。表示処理部130によって実行可能なタスクのセットは、ライトフィールドアプリケーションのためのカラーマネジメント、データ変換、および/またはマルチビュー処理動作に関連するタスクを含んでもよい。表示処理部130は、処理されたコンテンツ/データをタイミングコントローラ(TCON)140に提供してもよく、これにより、タイミングコントローラ(TCON)140は、適切な表示情報をパネル150に提供する。上述したように、パネル150(ディスプレイパネルとも呼ばれる)は、パネル150内の発光素子または光反射素子を駆動するためのバックプレーンを備えていてもよい。
【0032】
図2Aの模式図200aは、典型的には画素またはディスプレイ画素と呼ばれる、複数の発光素子220を有するディスプレイ210を示している。上述したように、これらの発光素子は、異なる色を生成する発光素子が同一基板上に一体的に構成されることができるような特定の構造(例えば、半導体構造)から構成されてもよい。発光素子220は、説明のために互いに分離して示されているが、一般に、配列状に形成され、互いに隣接することで、高解像度のディスプレイ210を提供する。ディスプレイ210は、模式図100のディスプレイ110の一例であってもよい。
【0033】
図2Aに示す例では、発光素子220は、N×Mの配列で構成または配置されてもよく、Nは配列内の画素の行数であり、Mは配列内の画素の列数である。このような配列の拡大部分がディスプレイ210の右側に示されている。小さなディスプレイの場合、配列サイズの例として、N≧10およびM≧10、N≧100およびM≧100が挙げられる。大きなディスプレイの場合、配列サイズの例として、N≧500およびM≧500、N≧1,000およびM≧1,000、N≧5,000およびM≧5,000、N≧10,000およびM≧10,000が挙げられ、さらに大きな配列サイズも可能である。
【0034】
図示しないが、ディスプレイ210は、発光素子220の配列に加えて、配列を駆動するためのバックプレーンを備えていてもよい。バックプレーンは、低消費電力および高帯域幅で動作可能に構成されてもよい。
【0035】
図2Bの模式図200bは、複数の画素またはスーパーラクセル225を有するライトフィールドディスプレイ210aを示している。本開示では、「画素」という用語と「スーパーラクセル」という用語は、ライトフィールドディスプレイ内の同様の構造単位を説明するために交換可能に使用することがある。ライトフィールドディスプレイ210aは、ライトフィールド性能を有する模式図100のディスプレイ110の一例であってもよい。ライトフィールドディスプレイ210aは、異なるタイプの用途に使用されてもよく、そのサイズは用途に応じて変化し得る。例えば、ライトフィールドディスプレイ210aは、いくつか例を挙げると、時計、近視用アプリケーション、電話、タブレット、ノートパソコン、モニター、テレビ、および看板のディスプレイとして使用される場合、異なるサイズを有してもよい。したがって、用途に応じて、ライトフィールドディスプレイ210a内の画素225は、配列、格子、または他のタイプの順序付けられた、異なるサイズの配置で構成され得る。ライトフィールドディスプレイ210aの画素225は、1つまたは複数のディスプレイパネルに分散させることができる。
【0036】
図2Bの例に示すように、画素225は、P×Qの配列に構成または配置することができ、Pは配列内の画素の行数であり、Qは配列内の画素の列数である。そのような配列の拡大部分は、ライトフィールドディスプレイ210aの右側に示されている。小さなディスプレイの場合、配列サイズの例として、P≧10およびQ≧10、P≧100およびQ≧100を挙げることができる。大きなディスプレイの場合、配列サイズの例は、P≧500およびQ≧500、P≧1,000およびQ≧1,000、P≧5,000およびQ≧5,000、P≧10,000およびQ≧10,000を挙げることができる。
【0037】
配列内の各画素225は、それ自体が発光素子220または(さらに右側に示す)サブラクセルの配列または格子を有する。言い換えれば、各画素225は、複数の発光素子220を含み、これらの各発光素子225は、それぞれに発光構造体を備えている。画素225が、異なる色の光(例えば、赤色(R)光、緑色(G)光、および青色(B)光)を生成する同一の半導体基板上の異なるLEDを発光素子220として含む場合、ライトフィールドディスプレイ210aは、一体的に構成されたRGBLEDスーパーラクセルから作られていると言うことができる。
【0038】
対応する光誘導光学素子215(例えば、図2Cの模式図200cに示す一体型結像レンズ)を含む、ライトフィールドディスプレイ210a内の各画素225は、ディスプレイの解像度によって制限される最小の画素サイズを代表することができる。これに関して、画素225の発光素子220の配列または格子は、その画素に対応する光誘導光学素子215よりも小さくすることができる。しかしながら、実際には、画素225の発光素子220の配列または格子のサイズは、対応する光誘導光学素子215のサイズ(例えば、マイクロレンズまたは小型レンズの直径)と同様であってもよく、これは、画素225間のピッチ230と同様または同じであり得る。
【0039】
上述したように、画素225の発光素子220の配列の拡大図が、模式図200bの右側に示されている。発光素子220の配列は、X×Yの配列とすることができ、Xは配列内の発光素子220の行数であり、Yは配列内の発光素子220の列数である。配列サイズの例として、X≧5およびY≧5、X≧8およびY≧8、X≧9およびY≧9、X≧10およびY≧10、X≧12およびY≧12、X≧20およびY≧20、およびX≧25およびY≧25を挙げることができる。一例では、X×Yの配列は、81個の発光素子またはサブラクセル220を含む9×9の配列であってもよい。
【0040】
各画素225において、配列内の発光素子220は、別個の明確に区別される発光素子220のグループ(例えば、図2Dに示す発光素子260のグループを参照)を含むことができる。これら発光素子220は、空間的および角度的近接性に基づいて割り当てられ、またはグループ化され(例えば、論理的にグループ化され)、ライトフィールドディスプレイ210aによって視聴者に提供されるライトフィールドビューの生成に寄与する異なる光出力(例えば、指向性光出力)を生成するように構成される。サブラクセルまたは発光素子のラクセル220へのグループ化は、一意である必要はない。例えば、組み立て中または製造中に、表示エクスペリエンスを最適化する特定のラクセルへのサブラクセルのマッピングが存在してもよい。同様の再マッピングは、一度配置されたディスプレイによって、例えば、異なる色の発光素子の経年変化および/または光誘導光学素子の経年変化を含む、ディスプレイの様々な部品または要素の経年変化を考慮して、実行され得る。本開示では、「発光素子のグループ」という用語と「ラクセル」という用語は、ライトフィールドディスプレイ内の同様の構造単位を説明するために交換可能に使用されることがある。発光素子またはラクセルの様々なグループの寄与によって生成されるライトフィールドビューは、連続的または非連続的なビューとして視聴者によって知覚され得る。上述したように、異なる色の光を生成する様々な発光素子の構造はすべて、同一の半導体基板上に一体的に構成されてもよく、これについては以下でより詳細に説明する。
【0041】
発光素子220の配列内の発光素子220の各グループ(図2Bの模式図200bの右端)は、少なくとも3つの異なる色の光(例えば、赤色光、緑色光、青色光、あるいはまた、白色光)を生成する複数の発光素子を含む。一例では、これらのグループまたはラクセルのそれぞれは、赤色光を生成する少なくとも1つの発光素子220、緑色光を生成する1つの発光素子220、および青色光を生成する1つの発光素子220を含む。あるいは、白色光を生成する少なくとも1つの発光素子220が含まれていてもよい。
【0042】
図2Cの模式図200cは、上述した対応する光誘導光学素子215を備えた画素225の配列の一部の拡大図を示すライトフィールドディスプレイ210aの他の例を示している。ピッチ230は、画素225間の間隔または距離を表すことができ、光誘導光学素子215のサイズ(例えば、マイクロレンズまたは小型レンズのサイズ)であり得る。
【0043】
図2Dの模式図200dは、本開示で説明される構造単位のいくつかを例示するために、ライトフィールドディスプレイ(例えば、ライトフィールドディスプレイ210a)の一部の断面図を示している。ここで、図1は、ライトフィールドディスプレイとして構成されている。例えば、模式図200dは、3つの隣接する画素またはスーパーラクセル225aを示しており、それぞれは対応する光誘導光学素子215を有する。この例では、光誘導光学素子215は、画素220aとは別個であるとみなすことができるが、他の例では光誘導光学素子215は、画素の一部であるとみなすことができる。
【0044】
図2Dに示されるように、各画素225aは、複数の発光素子220(例えば、複数のサブラクセル)を含み、異なるタイプのいくつかの発光素子220(例えば、いくつかのサブラクセル)は、グループ260に(例えば、ラクセルの中に)グループ化されてもよい。グループまたはラクセルは、中央の画素225a内の最も右側のグループまたはラクセルによって示されるように、特定の光線要素255に寄与する様々な成分を生成することができる。異なる画素内の異なるグループまたはラクセルによって生成された光線要素255は、ライトフィールドディスプレイから離れた視聴者によって知覚されるビューに寄与することができることを理解されるであろう。
【0045】
図2Dに記載されている追加の構造単位は、画素225aと同じタイプの(例えば、同じ色の光を生成する)発光素子220のグループを表す副画素270の概念である。
【0046】
図2Dはまた、画素225(スーパーラクセル)、グループ260(ラクセル)、または副画素270のいずれにおいても、異なる色の光を生成するように構成された様々な発光素子220(または、少なくとも光を生成するように構成されたそれぞれの構造体)を、同一または単一の半導体基板上に一体的に構成されるという概念をサポートするものである。
【0047】
図3の模式図300は、発光素子の配列が一体に組み込まれたバックプレーンの一例を示している。模式図300は、図2Dの模式図200dと同様に断面図を示している。模式図300は、発光素子(サブラクセル)220、発光素子(ラクセル)のグループ260、画素(スーパーラクセル)225a、および光誘導光学素子215を示している。異なる画素からの様々な光線255がどのように寄与して、ビューAおよびビューBなどの異なるビューを生成することができるかについても示している。さらに、画素225aの発光素子220は、より大きな配列330(例えば、ディスプレイパネル)を形成し、この配列330は、接続部320を介してバックプレーン310に接続されている。これにより、バックプレーン310は、発光素子220のそれぞれを駆動するように構成されている。
【0048】
図4Aは、画素225の一実施形態の様々な詳細を説明する模式図400aを示している。例えば、画素225(例えば、スーパーラクセル)は、それぞれの光誘導光学素子215(破線で示される)を有し、同一の半導体基板上に一体的に構成された複数の発光素子220(例えば、サブラクセル)の配列または格子410を含む。光誘導光学素子215は、配列410と同一または同様のサイズであってもよいし、または図示したように配列410よりわずかに大きくてもよい。本開示の図に示されているサイズのいくつかは、説明の目的で誇張されており、実際のサイズまたは相対的なサイズの正確な表現であるとみなされる必要はないことを理解されたい。
【0049】
配列410内の複数の発光素子220は、異なる色の光を生成するための異なるタイプの複数の発光素子を含み、ライトフィールドディスプレイによって生成される複数のビューに異なる寄与を提供する別個のグループ260(例えば、別個のラクセル)内に配置されている。配列410内の発光素子220のそれぞれは、同一の半導体基板上に一体的に構成されることができる。
【0050】
図4Aに示されるように、配列410は、2つまたはそれよりも多い画素の隣接または近接した配置を可能にする幾何学的配置を有する。幾何学的配置は、六角形(図4Aに示される)、正方形、または長方形のいずれかであり得る。
【0051】
図示されていないが、図4Aの画素225は、画素225内の複数の発光素子220を駆動するように構成された複数の駆動回路を含む、対応する電子的手段(例えば、バックプレーン内)を有してもよい。
【0052】
図4Bは、画素225の他の実施形態の様々な詳細を説明する模式図400bを示している。例えば、図4Bの画素225(例えば、スーパーラクセル)は、同一の半導体基板上に一体的に構成された複数の副画素270を含む。各副画素270は、それぞれの光誘導光学素子215(破線で示されている)を有し、同じ色の光を生成する複数の発光素子220(例えば、複数のサブラクセル)の配列または格子410aを含む。光誘導光学素子215は、配列410aと同一または同様のサイズであってもよいし、または図示したように配列410aよりわずかに大きくてもよい。画素225において、副画素270のうちの1つの光誘導光学素子215は、その副画素720内の複数の発光素子220によって生成される光の色の色分散を最適化するように構成されている。さらに、光誘導光学素子215は、それぞれの副画素270の配列410aに整列され、結合され得る。
【0053】
副画素720の発光素子220は、別々のグループ260(例えば、ラクセル)に配置される。図4Bに示されるように、一例では、各グループ260は、副画素270のそれぞれからの、まとまって配置された複数の発光素子220(例えば、各副画素内の同じ位置)を含んでもよい。しかしながら、上述したように、様々な発光素子220の異なるグループ260へのマッピングは、製造中および/または動作中に変化させることができる。様々な副画素270内の発光素子220のそれぞれは、同一の半導体基板上に一体的に構成されることができる。
【0054】
図4Bに示されるように、配列410aは、2つまたはそれよりも多い副画素の隣接する配置を可能にする幾何学的配置を有する。幾何学的配置は、六角形(図4Bに示される)、正方形、または長方形のいずれかであり得る。
【0055】
図示されていないが、図4Bの画素225は、画素225内の複数の発光素子220を駆動するように構成された複数の駆動回路を含む、対応する電子的手段(例えば、バックプレーン内)を有してもよい。いくつかの例では、1つまたは複数の共通の駆動回路を使用して、副画素270のそれぞれを駆動することができる。
【0056】
上述したように、図1乃至図4Bは、一体的に構成された発光構造体(例えば、発光素子220の構造)が実装され得るディスプレイの例に関する一般的な情報を説明するものである。以下の図5A乃至図9Bの説明は、このような一体的に構成された発光構造体の例の様々な態様に関する詳細を提供する。
【0057】
図5Aの模式図500aは、基板510(例えば、半導体基板)上に一体的に構成された発光構造体520a,520b,520cの一例の断面図を示している。基板510は、デバイスの一部であってもよいし、複数の層から構成されてもよい。一例では、基板510は、下層503(例えば、サファイアで作られた層)と、下層の上に配置された1つまたは複数のバッファ層またはイニシエーション層505を有していてもよい。バッファ層505は、例えば、非ドープGaNで構成された第1バッファ層505と、n型ドープGaNで構成された第2バッファ層505を有していてもよく、後者は、基板510の上層を形成している。いくつかの例では、第2バッファ層505は、第1バッファ層505よりも厚くてもよい。基板510の下層は半導体層である必要はないが、1つまたは複数の上層(例えば、バッファ層またはイニシエーション層505)は半導体層であることから、基板510は半導体基板と呼ばれることがある。
【0058】
基板510の最表面(例えば、最上部バッファ層505の表面)の上に、オプションとして、例えば、様々な発光構造体520a,520b,520cの配置または位置を決定する誘電体(図示せず)を堆積し、発光構造体520a,520b,520cを成長させてもよい。このような例では、誘電体は、図2A図2B図2D図3図4A、および図4Bに関連して上述した種類の実装において、発光構造体520を構成または配置するために使用されてもよい。
【0059】
発光構造体520aは、第1の色の光を生成する発光素子(例えば、発光素子220)の一部であるか、または第1の色の光を生成する発光素子に対応するように構成されてもよい。発光構造体520b,520cは、それぞれ第2の色の光および第3の色の光を生成する発光素子の一部であるか、またはそれぞれ第2の色の光および第3の色の光を生成する発光素子に対応するように構成されてもよい。図示しないが、追加の色の光を生成するために、他の発光構造体がさらに設けられてもよい。
【0060】
発光構造体の層、組み立て、または構成の追加の詳細は、中央に示す発光構造体520bに関連して図5Aの模式図500aに示されている。例えば、発光構造体は、発光素子の一部であってもよいし、または発光素子に対応していてもよく、この発光構造体は、活性領域(例えば、光を生成するために使用される領域)を有するエピタキシャル成長領域530、領域530の上に堆積された(例えば、p++ドープ材料で構成された)高濃度ドープ層540、および高濃度ドープ層540の上に堆積された(例えば、金属または透明導電体、あるいは、p型コンタクトまたはp型コンタクト層とも呼ばれる)導電性コンタクト層550を備えていてもよい。また、発光構造体は、高濃度ドープ層540の側面(場合によっては、部分的に高濃度ドープ層540の最上部)に堆積されたパッシベーション層560を備えていてもよい。領域530内の活性領域は、領域530内の個々の量子井戸構造または多重量子井戸(MQW)構造のいずれか形態の少なくとも1つの量子井戸を含んでいてもよい。加えて、または代わりに、領域530内の活性領域は、1つまたは複数の希土類を含んでいてもよく、生成される光の色に応じて希土類が選択される。発光構造体520a,520bは同様に構成されているが、それぞれが異なる色の光を生成するために異なる領域530(すなわち、異なる活性領域)を有していてもよいことを理解されたい。このように、発光構造体520a,520b,520cは、単一の基板510上に一体的に構成されているといえる。
【0061】
この例では、導電性コンタクト層550は、高濃度ドープ層540の最上部のみを覆っている。これは、例えば、導電性コンタクト層550の前にパッシベーション層560を堆積することによって達成され得る。
【0062】
発光構造体520a,520b,520cの側面は、ファセット状であってもよく、すなわち、垂直ではなく、代わりに角度または傾斜を有していてもよい。これは、領域530、高濃度ドープ層540、およびパッシベーション層560の側面または側壁の構成に反映されている。
【0063】
図5Bの模式図500bは、基板510(例えば、半導体基板)上に一体的に構成された発光構造体520e,520d,520fの他の例の断面図を示している。基板510は、デバイスの一部であってもよいし、図5Aの模式図500aに示した基板と同じまたは類似であってもよい。基板510は、下層503および1つまたは複数のバッファ層またはイニシエーション層505を有していてもよい。様々な発光構造体520d,520e,520fは、異なる半導体製造技術を用いて特定の位置または場所で成長させることができ、発光構造体を図2A図2B図2D図3図4A、および図4Bに関連して上述した実装のタイプで構成、または配置することができる。
【0064】
発光構造体520dは、第1の色の光を生成する発光素子(例えば、発光素子220)の一部であるか、または第1の色の光を生成する発光素子に対応するように構成されてもよい。発光構造体520e,520fは、それぞれ第2色の光と第3色の光を生成する発光素子の一部であるか、またはそれぞれ第2色の光と第3色の光を生成する発光素子に対応するように構成されてもよい。図示しないが、追加の色の光を生成するために、他の発光構造体がさらに設けられてもよい。
【0065】
発光構造体の層、組み立て、または構成の追加の詳細は、中央に示す発光構造体520eに関連して図5Bの模式図500bに示されている。例えば、発光構造体は、発光素子の一部であってもよいし、または発光素子に対応してしてもよく、活性領域を有するエピタキシャル成長領域530、高濃度ドープ層540、および導電性コンタクト層550を備えていてもよい。また、発光構造体は、発光構造体の側面(場合によっては、部分的に発光構造体の最上部)に堆積されたパッシベーション層560を備えていてもよい。領域530内の活性領域は、領域530内の個々の量子井戸構造または多重量子井戸(MQW)構造のいずれか形態の少なくとも1つの量子井戸を含んでいてもよい。加えて、または代わりに、領域530内の活性領域は、1つまたは複数の希土類を含んでいてもよく、生成される光の色に応じて希土類が選択される。発光構造体520d,520fは同様に構成されているが、それぞれが異なる色の光を生成するために異なる領域530(すなわち、異なる活性領域)を有していてもよいことを理解されたい。このように、発光構造体520d,520e,520fは、単一の基板510上に一体的に構成されているといえる。発光構造体520d,520e,520fの側面または側壁は、垂直であってもよく、これは、異なる半導体製造技術、および構造体を製造するために用いられるプロセスに従って達成されてもよい。
【0066】
図6Aの模式図600aは、図5Aに関連して上述した発光構造体520a,520b,520cを有するデバイスの一例の断面図を示している。本実施例のデバイスは、ディスプレイパネルに使用されてもよく、発光構造体の間に堆積されたパッシベーション層620(例えば、パッシベーション層560に対応)、およびデバイスの端部(右端)にコンタクトメタル610(例えば、n型コンタクトメタル)を備えている。図6Bの模式図600bに示すように、構造体への電気的接触を可能にするために、パッシベーション層620は、各発光構造体の導電性コンタクト層550の最上部を覆っていない。模式図600bにおいて、バックプレーン310(例えば、図3参照)は、模式図600bのデバイスに接続されてもよい。この例では、接続部320は、導電層550に接触するディスプレイパネル接続部320a、およびバックプレーン310上の対応するバックプレーン接続部320bを有していてもよい。ディスプレイパネル接続部320aおよびバックプレーン接続部320bは、バンプとして示されているが、各導電性コンタクト層550を介して、バックプレーン310と各発光構造体520a,520b,520cとの間の電気的接続を可能にする他のタイプの接続部が使用されてもよい。
【0067】
図6Cの模式図600cは、図5Bに関連して上述した発光構造体520d,520e,520fを有するデバイスの一例の断面図を示している。本実施例のデバイスは、ディスプレイパネルに使用されてもよく、発光構造体の間に堆積されたパッシベーション層620(パッシベーション層560に対応)、およびデバイスの端部(右端)にコンタクトメタル610(例えば、n型コンタクトメタル)を備えている。図6Dの模式図600dに示すように、構造体への電気的接触を可能にするために、パッシベーション層620は、各発光構造体の導電性コンタクト層550の最上部を覆っていない。模式図600dにおいて、バックプレーン310は、接続部320を介して図6Cのデバイスに接続されてもよい。この例では、接続部320は、導電層550に接触するディスプレイパネル接続部320a、およびバックプレーン310上の対応するバックプレーン接続部320bを有していてもよい。ディスプレイパネル接続部320aおよびバックプレーン接続部320bは、バンプとして示されているが、導電性コンタクト層550を介して、バックプレーン310と各発光構造体520d,520e,520fとの間の電気的接続を可能にする他のタイプの接続部が使用されてもよい。
【0068】
図7A乃至図7Cは、本開示の態様による、発光構造体の例の断面図を示す模式図700a,700b,700cを示している。例えば、模式図700aは、複数の層を有する発光構造体を示している。発光構造体は、n型層750、n型層750の上に設けられた活性領域730、活性領域730の上に設けられたp型層720、およびp型層720の上に設けられた導電層710を有していてもよい。活性領域730は、適切な色の光を生成するために、個々の量子井戸構造、またはMQW構造の一部のいずれかの形態の1つまたは複数の量子井戸を含んでいてもよい。加えて、または代わりに、活性領域730は、適切な色の光を生成するために、1つまたは複数の希土類を含んでいてもよい。活性領域730は、領域530の活性領域に対応してもよく、p型層720は、高濃度ドープ層540に対応してもよく、導電層710は、上述した導電性コンタクト層550に対応してもよい。n型層750および活性領域730も同様に、上述した領域530の一部であってもよい。模式図700aの発光構造体は、例えば、図5B図6C、および図6Dに関連して上述した、垂直側壁740などの垂直側壁を有する発光構造体520d,520e,520fの一例であってもよい。
【0069】
模式図700bは、複数の層を有する他の発光構造体を示している。本実施例の発光構造体は、n型層750、n型層750の上に設けられた活性領域730、活性領域730の上に設けられたp型層720、およびp型層720の上に設けられた導電層710を有している。模式図700aの例とは異なり、これらの層は、構造体の端部で下向きに屈曲するように成長または堆積される。活性領域730は、適切な色の光を生成するために、個々の量子井戸構造、またはMQW構造の一部のいずれかの形態の1つまたは複数の量子井戸を含んでいてもよい。1つまたは複数の量子井戸はまた、これらが活性領域730内の構造体の端部で下向きに屈曲するように構成されてもよい。加えて、または代わりに、活性領域730は、適切な色の光を生成するために、1つまたは複数の希土類を含んでいてもよい。活性領域730は、領域530の活性領域に対応してもよく、p型層720は、高濃度ドープ層540に対応してもよく、導電層710は、上述した導電性コンタクト層550に対応してもよい。n型層750および活性領域730も同様に、上述した領域530の一部であってもよい。ファセット状の端部、または傾斜した端部を有しているため、模式図700bに示す発光構造体は、図5B図6C、および図6Dに関連して上述した、垂直側壁を有する発光構造体520d,520e,520fとは異なる場合がある。
【0070】
模式図700cは、模式図700aと同様の例を示している。ただし、この場合、材料の再成長を行って、発光構造体の側面に再成長部760を追加することができる。再成長部760は、再成長部760の形状を示す異なる破線によって示すように、プロセス特性に基づいて変化してもよい。
【0071】
図8Aおよび図8Bは、それぞれ、1つのタイプの発光構造体の配列またはグループの断面図を示す模式図800aおよび模式図800bを示している。例えば、模式図800aのデバイスは、第1の色の光を生成する発光構造体の第1配列810a、第2の色の光を生成する発光構造体の第2配列810b、および第3の色の光を生成する第3配列810cを有していてもよい。一例では、これらの発光構造体は、図5Aの模式図500aの発光構造体のタイプ(例えば、発光構造体520a,520b,520c)と同様であってもよい。3つの異なる発光構造体、すなわち、3つの異なるタイプの色のみが示されているが、発光構造体の数は3つよりも多くてもよいし、少なくてもよいことを理解されたい。この例では、同じ色の光を生成する発光構造体を共に配置して配列を形成してもよい。これらの配列は、例えば、図4Bの模式図400bに示す副画素の配置と一致していてもよい。模式図800aの例では、共通接点820は、様々な配列810a,810b,810cのすべての発光構造体に使用されてもよい。
【0072】
模式図800bのデバイスは、第1の色の光を生成する発光構造体の第1グループ830a、第2の色の光を生成する発光構造体の第2グループ830b、および第3の色の光を生成する発光構造体の第3のグループ830cを有していてもよい。一例では、これらの発光構造体は、図5Aの模式図500aの発光構造体のタイプ(例えば、発光構造体520a,520b,520c)と同様であってもよい。3つの異なる発光構造体、すなわち、3つの異なるタイプの色のみが示されているが、発光構造体の数は3つよりも多くてもよいし、少なくてもよいことを理解されたい。この例では、同じ色の光を生成する発光構造体は、任意の順序(例えば、二次元の順序または配列)で配置されてもよい。これらのグループは、例えば、図4Aの模式図400aに示すラクセルおよびスーパーラクセルのレイアウトまたは配列と一致していてもよい。模式図800bの例では、共通接点820は、様々なグループ830a,830b,830cのすべての発光構造体に使用されてもよい。
【0073】
図8Cおよび図8Dは、それぞれ、他のタイプの発光構造体の配列またはグループの断面図を示す模式図800cおよび模式図800dを示している。模式図800cは、模式図800aと同様に、第1の色の光を生成する発光構造体の第1配列810d、第2の色の光を生成する発光構造体の第2配列810e、および第3の色の光を生成する発光構造体の第3配列810fを有するデバイスを含む。これらの配列の発光構造体は、図5Bの模式図500bに示す発光構造体のタイプ(例えば、発光構造体520d,520e,520f)と同様であってもよく、これらの配列は、例えば、図4Bの模式図400bに示す副画素の配置と一致していてもよい。
【0074】
模式図800dは、模式図800bと同様に、第1の色の光を生成する発光構造体の第1グループ830d、第2の色の光を生成する発光構造体の第2グループ830e、および第3の色の光を生成する発光構造体の第3グループ830fを有するデバイスを含む。これらのグループの発光構造体は、図5Bの模式図500bの発光構造体のタイプ(例えば、発光構造体520d,520e,520f)と同様であってもよく、これらのグループは、例えば、図4Aの模式図400aに記載されているラクセルおよびスーパーラクセルのレイアウトまたは配列と一致していてもよい。
【0075】
上述した単一の基板上に一体的に構成された発光構造体を有するデバイス(例えば、図5A乃至図6D図7A乃至図7C、および図8A乃至図8D)は、例えば、図1の模式図100に示すパネル150のようなディスプレイパネルの一部であってもよい。デバイスが、ディスプレイに必要なすべての発光構造体(発光素子)を有することができる場合、単一のデバイス(例えば、単一の基板)で十分な場合がある。あるいは、ディスプレイに必要な発光構造体(発光素子)の数および/または密度を提供するために、複数のデバイスを組み合わせる(例えば、互いに繋ぎ合わせる)必要がある場合がある。
【0076】
図9Aおよび図9Bは、それぞれ、ディスプレイにおける光を生成するためのデバイスの配置の異なる例の模式図900aおよび模式図900bmを示している。模式図900aでは、単一のデバイス910(例えば、図5A乃至図6D図7A乃至図7C、および図8A乃至図8Dのデバイスの1つ)は、ディスプレイ110が適切に動作するために必要な発光素子を提供するのに十分な数および/または密度で、一体的に構成された発光構造体を有していてもよい。模式図900bでは、単一のデバイス910は、ディスプレイ110が適切に動作するために必要な発光素子を提供するのに十分な数および/または密度で、一体的に構成された発光構造体を有していない。このような場合、複数のデバイス910を互いに組み合わせる必要があり得る。複数のデバイス910は、これらの組み合わせが、ディスプレイ110が適切に動作するために必要な発光素子を提供するのに十分な数および/または密度で、一体的に構成された発光構造体を有する限り、同じサイズまたは異なるサイズであってもよい。
【0077】
上述した図1乃至図9Bの説明に関連して、本開示は、少なくとも一部がGaNを含む材料で構成された1つまたは複数のバッファ層(例えば、1つまたは複数のバッファ層またはイニシエーション層(505)を有する基板(例えば、基板510)を含む、光を生成するためのデバイスを説明する。このデバイスはまた、1つまたは複数のバッファ層の最上層の同一表面上にエピタキシャル成長した複数の発光構造体(例えば、発光構造体520a~520f)を備えていてもよい。各発光構造体は、前記表面と平行で横方向に終端された活性領域(例えば、活性領域730)を有し、異なる発光構造体の活性領域は、異なる色の光を直接生成するように構成されている。「直接生成する」とは、活性領域内、または活性領域と発光構造体に物理的に結合された他の構造との間で起こる遷移や、遷移と同様の効果による光の生成を指すことがある。前記デバイスは、前記発光構造体のそれぞれの前記活性領域の上に配置され、少なくとも一部がGaNを含むp型ドープ材料で構成されたp型ドープ層(例えば、高濃度ドープ層540、p型層720)をさらに含んでいてもよい。本開示では、GaNを含む材料は、例えば、GaN合金を含む材料を指すこともある。活性領域はまた、垂直な領域であってもよい。
【0078】
光を生成するためのデバイスの他の態様では、前記デバイスはまた、前記p型ドープ層の上に配置されたコンタクト層(例えば、導電性コンタクト層550、導電性コンタクト層710)を備えていてもよい。前記コンタクト層は、導電層であってもよく、金属コンタクト層または透明コンタクト層のいずれかである。一例では、透明コンタクトは、インジウムスズ酸化物(ITO)、ニッケル(Ni)と金(Au)の合金、または酸素(O)でアニールされたNiとAuの合金で構成されている。
【0079】
光を生成するためのデバイスの他の態様では、前記1つまたは複数のバッファ層は、前記基板上にエピタキシャル成長させてもよい。前記1つまたは複数のバッファ層の前記最上層を構成する前記材料は、GaNを含む。前記1つまたは複数のバッファ層を構成する材料は、GaN合金を含む。前記p型ドープ層を構成する前記p型ドープ材料は、GaN合金を含む。いくつかの例では、前記1つまたは複数のバッファ層を構成する前記材料と、前記p型ドープ層を構成する前記p型ドープ材料は、同じ材料である。
【0080】
光を生成するためのデバイスの他の態様では、前記異なる発光構造体は、青色光を直接生成するように構成されたバンドギャップを有するInGaNを含む材料で構成された活性領域を有する、1つまたは複数の発光構造体と、緑色光を直接生成するように構成されたバンドギャップを有するInGaNを含む材料で構成された活性領域を有する、1つまたは複数の発光構造体と、赤色光を直接生成するように構成されたバンドギャップを有するInGaNを含む材料で構成された活性領域を有する、1つまたは複数の発光構造体を含んでいてもよい。これら異なる発光構造体は、青色光、緑色光、および赤色光とは異なる光を直接生成するように構成されたバンドギャップを有するInGaNを含む材料で構成された活性領域を有する、1つまたは複数の発光構造体をさらに含んでいてもよい。
【0081】
光を生成するためのデバイスの他の態様では、前記異なる発光構造体は、青色光を直接生成するように構成された活性領域内に少なくとも1つの量子井戸を有する、1つまたは複数の発光構造体と、緑色光を直接生成するように構成された活性領域内に少なくとも1つの量子井戸を有する、1つまたは複数の発光構造体と、赤色光を直接生成するように構成された活性領域内に少なくとも1つの量子井戸を有する、1つまたは複数の発光構造体を含んでいてもよい。前記異なる発光構造体は、青色光、緑色光、および赤色光とは異なる光を直接生成するように構成された活性領域内に少なくとも1つの量子井戸を有する、1つまたは複数の発光構造体をさらに含んでいてもよい。
【0082】
光を生成するためのデバイスの他の態様では、前記異なる発光構造体は、活性領域に1つまたは複数の希土類を有し、活性領域は青色光を生成するように構成されている、1つまたは複数の発光構造体と、活性領域に1つまたは複数の希土類を有し、活性領域は緑色光を生成するように構成されている、1つまたは複数の発光構造体と、活性領域に1つまたは複数の希土類を有し、活性領域は赤色光を生成するように構成されている、1つまたは複数の発光構造体を含む。前記異なる発光構造体は、活性領域に1つまたは複数の希土類を有し、活性領域は青色光、緑色光、および赤色光とは異なる光を生成するように構成されている、1つまたは複数の発光構造体をさらに含んでいてもよい。前記1つまたは複数の希土類は、Eu、Er、Tm、Gd、またはPr(例えば、Eu3+、Er3+、Tm3+、Gd+3、Pr+3、またはこれらの材料の他の帯電状態)のうちの1つまたは複数を含む。
【0083】
光を生成するためのデバイスの他の態様では、前記複数の発光構造体は、格子状のパターンで配列されている(例えば、図4Aおよび図4B参照)。前記格子状のパターンは、例えば、正方形のパターン、長方形のパターン、または六角形のパターンであってもよい。前記格子状のパターンは、前記異なる発光構造体の1つまたは複数の繰り返し配列を含んでいてもよい。
【0084】
光を生成するためのデバイスの他の態様では、前記活性領域は、バルク活性領域を含む。前記活性領域には、1つまたは複数の希土類がドーピングされていてもよい。前記1つまたは複数の希土類の例には、Eu、Er、Tm、Gd、またはPrのうちの1つまたは複数が挙げられる。一例では、Eu3+、Er3+、Tm3+、Gd+3、またはPr+3のいずれかが使用されてもよい。これらの帯電状態は説明のために例示されているに過ぎず、他の帯電状態が使用されてもよい。使用される帯電状態は、希土類が組み込まれているマトリックスによって異なることがある。前記1つまたは複数の希土類は、活性領域またはバルク活性領域の超格子に含まれていてもよい。前記活性領域は、複数の垂直側壁(例えば、垂直側壁740)によって横方向に終端されていてもよい。
【0085】
光を生成するためのデバイスの他の態様では、前記活性領域は、前記1つまたは複数のバッファ層の最上層の表面と平行な少なくとも1つの量子井戸を含む。前記少なくとも1つの量子井戸は、均一な厚さを有していてもよい。
【0086】
光を生成するためのデバイスの他の態様では、各発光構造体は、ファセット状の複数の側壁(例えば、発光構造体520a,520b,520cの側面または側壁、および図7Bの模式図700bに示す発光構造体の側面または側壁)を有している。これらのタイプの発光構造体の前記活性領域は、少なくとも1つの量子井戸を含んでいてもよい。前記ファセット状の複数の側壁は、前記複数の発光構造体の成長方向に垂直な平面以外の平面上にある。
【0087】
光を生成するためのデバイスの他の態様では、前記活性領域は、エピタキシャル再成長したパッシベーションによって横方向に終端されていてもよい(例えば、図7Cの模式図700cに示す発光構造体を参照)。
【0088】
光を生成するためのデバイスの他の態様では、各発光構造体は複数の側壁を有し、パッシベーション材料(例えば、パッシベーション層560,620)は、前記複数の側壁に隣接して配置されている。パッシベーション材料は、GaNのバンドギャップよりも広いバンドギャップを有していてもよい。前記パッシベーション材料は、GaまたはAlを含んでいてもよい。前記活性領域は、少なくとも1つの量子井戸を含んでいてもよく、前記パッシベーション材料は、前記少なくとも1つの量子井戸のバンドギャップよりも広いバンドギャップを有していてもよい。前記パッシベーション材料は、前記発光構造体の対応する部分のドーピングとは反対のドーピングを有していてもよい。前記パッシベーション材料は、室温または動作温度でイオン化されないミッドギャップ状態または深い準位を有していてもよい。この場合の前記複数の側壁は、複数の垂直側壁であってもよい。
【0089】
光を生成するためのデバイスの他の態様では、各発光構造体は、複数の側壁と、前記複数の側壁に隣接して配置された誘電体パッシベーション(例えば、パッシベーション層560,620)を有している。前記誘電体パッシベーションの材料は、GaNまたはInGaNのバンドギャップよりも高いバンドギャップを有していてもよい。この場合の前記複数の側壁は、複数の垂直側壁であってもよい。
【0090】
光を生成するためのデバイスの他の態様では、各発光構造体の幅、または隣接する発光構造体の間隔は、1ミクロン未満、1ミクロンから5ミクロンの間、または5ミクロン超のいずれかの範囲である。
【0091】
光を生成するためのデバイスの他の態様では、コンタクト層(例えば、導電性コンタクト層550)は、前記p型ドープ層の上に配置されてもよい。接続部(例えば、接続部520)は、前記コンタクト層の上に配置されてもよく、前記デバイス内の前記複数の発光構造体のそれぞれをディスプレイのバックプレーン(例えば、バックプレーン310)に電気的に接続するように構成されてもよい。前記p型ドープ層の上に配置された前記コンタクト層は、導電層であってもよく、金属コンタクト層または透明コンタクト層のいずれかであり、前記接続部は、金属バンプであってもよい。
【0092】
光を生成するためのデバイスの他の態様では、前記複数の発光構造体は、前記異なる色の光に基づいて異なる配列またはグループに配置されてもよい。前記デバイスは、前記p型ドープ層の上に配置された第1コンタクト層(例えば、p型コンタクト、導電性コンタクト層550)と、前記最上部バッファ層の上に配置された第2コンタクト層(例えば、n型コンタクト、接点820)をさらに備えている。
【0093】
光を生成するためのデバイスの他の態様では、前記複数の発光構造体は、前記異なる色の光に基づいて異なる配列またはグループに配置されてもよい。前記デバイスは、前記p型ドープ層の上に配置された第1コンタクト層(例えば、p型コンタクト、導電性コンタクト層550)と、前記最上部バッファ層の上に配置された第2コンタクト層(例えば、n型コンタクト、接点820)と、前記複数の発光構造体の少なくとも一部を分離するための、前記1つまたは複数のバッファ層に設けられた1つまたは複数のトレンチをさらに備えている。
【0094】
光を生成するためのデバイスの他の態様では、前記複数の発光構造体は、それぞれが混合色の発光を含む異なる配列またはグループに配置されている。前記デバイスは、前記p型ドープ層の上に配置された第1コンタクト層(例えば、p型コンタクト、導電性コンタクト層550)と、前記最上部バッファ層の上に配置された第2コンタクト層(例えば、n型コンタクト、接点820)をさらに備えている。
【0095】
光を生成するためのデバイスの他の態様では、前記複数の発光構造体は、それぞれが混合色の発光を含む異なる配列またはグループに配置されている。前記デバイスは、前記p型ドープ層の上に配置された第1コンタクト層(例えば、p型コンタクト、導電性コンタクト層550)と、前記最上部バッファ層の上に配置された第2コンタクト層(例えば、n型コンタクト、接点820)と、前記複数の発光構造体の少なくとも一部を分離するための、前記1つまたは複数のバッファ層に設けられた1つまたは複数のトレンチをさらに備えている。
【0096】
光を生成するためのデバイスの他の態様では、前記複数の発光構造体は、複数のマイクロ発光デバイスまたは複数のマイクロLEDである。
【0097】
光を生成するためのデバイスの他の態様では、前記デバイスは、ライトフィールドディスプレイ(例えば、ライトフィールドディスプレイ210a)の一部であり、前記ライトフィールドディスプレイのバックプレーン(例えば、バックプレーン310)に接続されている。
【0098】
光を生成するためのデバイスの他の態様では、前記デバイスは、第1デバイス(例えば、図9Aおよび図9Bに示すデバイス910)であり、第2デバイスは、前記第1デバイスと実質的に同様であり、前記第1デバイスおよび前記第2デバイスは、ライトフィールドディスプレイなどのディスプレイの一部である。
【0099】
本開示では、同一基板上に異なる色の光を生成する発光構造体を一体的に構成することを可能にする様々な技術およびデバイスが説明される。
【0100】
したがって、本開示は、示された実施形態に従って提供されたが、当業者は、実施形態に変形があり得ること、およびそれらの変形が本開示の範囲内にあることを容易に認識するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、当業者によって多くの修正が行われてもよい。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
【国際調査報告】