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特表2022-526682イヌにおける歯周病及び口臭の基礎をなす病原菌を低減し、歯周病及び口臭を治療するための口すすぎ用組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-25
(54)【発明の名称】イヌにおける歯周病及び口臭の基礎をなす病原菌を低減し、歯周病及び口臭を治療するための口すすぎ用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 33/00 20060101AFI20220518BHJP
   A61K 31/728 20060101ALI20220518BHJP
   A61K 8/20 20060101ALI20220518BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20220518BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20220518BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20220518BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220518BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20220518BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20220518BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20220518BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20220518BHJP
   A61P 31/10 20060101ALI20220518BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20220518BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20220518BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20220518BHJP
【FI】
A61K33/00
A61K31/728
A61K8/20
A61K8/73
A61Q11/00
A61P1/02
A61P43/00 121
A61K47/38
A61K47/32
A61P31/04
A61P31/12
A61P31/10
A61K47/02
A61K47/12
A61K47/44
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560541
(86)(22)【出願日】2020-04-09
(85)【翻訳文提出日】2021-11-22
(86)【国際出願番号】 US2020027506
(87)【国際公開番号】W WO2020210518
(87)【国際公開日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】62/832,100
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521134547
【氏名又は名称】ブラック チューリップ マネージメント、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー・スカラ
(72)【発明者】
【氏名】パスクアーレ・マルペソ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エル・ニッケルス
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー・ダブリュー・クロセッティ
(72)【発明者】
【氏名】サラ・ウィルコックス-エーデルマン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
4C086
【Fターム(参考)】
4C076BB22
4C076CC09
4C076CC32
4C076CC35
4C076DD22R
4C076DD37R
4C076DD41R
4C076EE09G
4C076EE31G
4C076EE53
4C076FF39
4C076FF52
4C083AA122
4C083AB051
4C083AB312
4C083AB331
4C083AB332
4C083AC302
4C083AC312
4C083AD092
4C083AD331
4C083AD332
4C083BB41
4C083BB44
4C083BB48
4C083CC41
4C083EE33
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA25
4C086HA24
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA05
4C086MA57
4C086NA14
4C086ZA67
4C086ZB33
4C086ZB35
4C086ZC61
4C086ZC75
(57)【要約】
イヌの歯周病又は悪臭を阻止する、進行を遅らせる、又は治療するための製剤、これらの製剤の調製のための方法、並びにこれらの使用に関連した方法。一実施形態では、本発明の製剤は、次亜臭素酸塩、亜塩素酸塩、ヒアルロナン、水、及びpH調整剤、並びに更に場合によってはもう1種の任意選択による構成成分及び/又は成分を含む、これらから本質的になる、又はこれらのみからなる水溶液又は分散液であり、この製剤は約6~約9のpHを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも以下の成分:次亜臭素酸塩、亜塩素酸塩、ヒアルロナン、水、及びpH調整剤、並びに場合によっては本明細書に記載されている更にもう1種の任意選択による構成成分及び/又は成分を組み合わせることにより調製される、イヌの口腔内への適用に適した製剤であって、製剤が、約4~約9のpHを有し、かつ、製剤の酸化還元電位が約650mV~約800mVの範囲である、製剤。
【請求項2】
次亜臭素酸塩及び亜塩素酸塩がナトリウム塩である、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
製剤の質量に基づいて、製剤を調製するために使用される次亜臭素酸ナトリウムの量が約25~500ppmであり、製剤を調製するために使用される亜塩素酸ナトリウムの量が約150~1,500ppmであり、かつ、製剤の調製に使用されるヒアルロナンの量が約4,000~約16,000ppmである、請求項1又は2に記載の製剤。
【請求項4】
製剤の質量に基づいて、製剤を調製するために使用される次亜臭素酸ナトリウムの量が約100~200ppmであり、製剤を調製するために使用される亜塩素酸ナトリウムの量が約400~600ppmであり、かつ、製剤の調製に使用されるヒアルロナンの量が約7,000~約9,000ppmである、請求項1から3のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項5】
pH調整剤が、緩衝剤であり、約6~約8の範囲のpHを有する製剤をもたらすのに十分な量で加えられる、請求項1から4のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項6】
BHT、BHA、硝酸ナトリウム、亜硫酸塩、及び安息香酸ナトリウムからなる群から選択される保存料を更に含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項7】
保存料、香味剤、甘味剤、歯光沢剤若しくはホワイトナー、フッ化物塩、唾液促進剤、カンナビジオール油、又は増粘剤のうちの1種又は複数を更に含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項8】
不透明容器内に包装されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項9】
製剤の調製後少なくとも30日間、酸化還元電位が少なくとも650mVである、請求項1から8のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項10】
製剤の調製後少なくとも90日間、酸化還元電位が少なくとも650mVである、請求項1から9のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項11】
pHが約7~約9の範囲である、請求項1から10のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項12】
ヒアルロナンの質量平均分子量が約100万~約600万の範囲である、請求項1から11のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項13】
塩化セチルピリジニウム(CPC)、クロルヘキシジングルコン酸塩(CHG)、皮膚軟化剤、アルコール、及びエッセンシャルオイルのうちの1種又は複数を含まない、請求項1から12のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項14】
製剤を調製するために使用される成分が、次亜臭素酸、臭化物又はその塩、ブロマイト、臭素酸塩、及び亜臭素酸を含まない、請求項1から13のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項15】
製剤を調製するために使用される成分が、次亜塩素酸ナトリウム及び塩素含有化合物を含まない、請求項1から14のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項16】
イヌの口腔内の細菌、ウイルス、及び/又は真菌の量を低減する方法であって、以下のステップ:
(a)請求項1から15のいずれか一項に記載の製剤を準備するステップ、及び
(b)前記製剤を、イヌの口腔の表面に、口腔内の細菌、ウイルス、及び/又は真菌の量を低減させるのに十分な量かつ十分な時間のあいだ適用するステップ
を含む、方法。
【請求項17】
表面が1本又は複数の歯である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
表面が歯ぐきである、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
イヌの口腔内の組織が歯周炎に罹患しており、かつ製剤が前記組織に適用される、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
以下の細菌:
アクチノマイセス・カニス(Actinomyces canis)
バージイエラ・ズーヘルカム(Bergeyella zoohelcum)
カプノサイトファーガ(Capnocytophaga)
コリネバクテリウム(Corynebacterium)
モラクセラ(Moraxella)
ナイセリア・アニマロリス(Neisseria animaloris)
ナイセリア・シェイガニ(Neisseria shayeganii)
ナイセリア・ウィーベリ(Neisseria weaveri)
ナイセリア・ズーデグマティス(Neisseria zoodegmatis)
パスツレラ・ダグマティス(Pasteurella dagmatis)
ステノトロホモナス(Stenotrophomonas)
のうちの1種又は複数の量が、ステップ(b)の前に存在する量と比べて、ステップ(b)が実施された後少なくとも1時間のあいだ低減する、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
以下の細菌:
ペプトストレプトコッカス・ジンジバリス(Peptostreptococcus gingivalis)
ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)
バクテロイデス・フラジリス(Bacteriodes fragilis)
プレボテラ・インターメディア(Prevotella intermedia)
のうちの1種又は複数の量が、ステップ(b)の前に存在する量と比べて、ステップ(b)が実施された後少なくとも1時間のあいだ低減する、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
ステージ1、2、3又は4の歯周病に罹患しているイヌの歯を治療するための方法であって、以下のステップ:
(a)請求項1から16のいずれか一項に記載の製剤を準備するステップ、及び
(b)前記製剤を、歯周病に罹患している歯に適用するステップ
を含む、方法。
【請求項23】
少なくとも1本のイヌの歯の上のプラークの量を低減するための方法であって、以下のステップ:
(a)請求項1から16のいずれか一項に記載の製剤を準備するステップ、及び
(b)前記製剤を、少なくとも1本の歯の表面に、少なくとも1本の歯の上のプラークの量を製剤をその上へ適用する前の少なくとも1本の歯の上のプラークの量と比べて低減させるのに十分な量及び時間のあいだ適用するステップ
を含む、方法。
【請求項24】
製剤がイヌの各歯に適用される、請求項16に記載の方法。
【請求項25】
イヌの呼気臭を低減するための方法であって、以下のステップ:
(a)請求項1から16のいずれか一項に記載の製剤を準備するステップ、及び
(b)前記製剤を、歯及び歯の周辺の軟部組織に適用するステップ
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、イヌにおける歯周病の進行を遅らせる、又はこれらを治療するための製剤、これらの製剤の調製のための方法、並びにこれらの製剤を使用するための関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歯周病は、イヌにおいて見出される最も一般的な感染症のうちの1つである。年齢3才を過ぎたすべてのイヌの80%が歯周病を患っていると推測される。
【0003】
歯周病は、歯及び周辺の軟部組織上に細菌含有プラークが蓄積した結果である。イヌにおける細菌蓄積は通常のことであり、唾液の流動、摩耗性の食料製品、及び舌による接触を含むいくつかの要因、並びに歯の表面に対するチェックの結果除去される。しかし、細菌性蓄積を制限する助けとなる舌の摩耗作用は、主に歯の舌側表面上で有効であり、多くの場合、舌の運動の制限により口腔内のすべての領域まで及ばない(例えば、歯の前方の表面)。
【0004】
イヌの歯周病の進行は、菌膜形成から開始し、この菌膜形成は、歯の表面に付着する唾液タンパク質から生じる。一度形成されると、口腔細菌はこの菌膜に付着し始めて、バイオフィルムを形成する。バイオフィルム内の細菌の個体数が増加するにつれて、プラークが形成される。プラークは、24~48時間放置すると、歯の周辺の軟部組織に、歯肉炎として公知の炎症を引き起こす。これは、歯周病の第1段階と考えられるが、適正なケアを用いて逆に戻すこともできる。未治療のままであれば、プラークは唾液中に見出されるミネラルによる石灰化により最終的に硬質となり、これは歯石(tartar)又は歯石(calculus)として公知である。プラーク又はバイオフィルムとは異なり、歯石は摩耗(ブラッシング)により除去することができず、除去のための専門的スケーリングを必要とする。プラーク及び歯石は、放置すると、歯ぐき組織下に蓄積し、歯を支持する硬部組織及び軟部組織の永久の破壊を引き起こし、この永久の破壊を歯周炎と呼ぶ。
【0005】
更に、歯を支持する軟部組織下に蓄積するグラム陰性嫌気性細菌はまた、口内の有機物質、例えば、細胞デブリ、食物粒子及び唾液タンパク質の中に見出されるあらゆる脱落細胞及びこれらの硫黄含有アミノ酸を破壊するように機能する。これは、硫化ガスを口腔に放出する働きをし、これがイヌの呼吸において侵害性の臭気を構成する。これらの臭気は、疾患が進行するにつれて増大し、より侵害性となり、より重症となる。イヌの嗅覚順応によりイヌはこれを認識しないが、この臭気はヒトには容易に明らかである。
【0006】
獣医が直面している1つのジレンマは、歯周病の基礎をなす細菌がイヌの正常フローラ内にも存在することである。したがって、抗生剤の使用によってこれらの細菌を制御しようとしても、イヌの天然フローラに対して有害となる。
【0007】
イヌの口腔衛生をケアする現在の標準法は日々のブラッシングであり、進行した病態では、全身麻酔下での専門的クリーニングである。しかし、日々のブラッシングは特殊な行為であるため、イヌと飼い主の両方にとって、イヌにおける面倒で困難な作業となり得る。専門的クリーニングは、有効ではあるが、費用がかかり、全身麻酔が必要なため、イヌに対して危険となり得る。加えて、歯肉縁上のプラークは、専門的クリーニング後、早ければ24時間内にはイヌにおいて発見されるので、このようなクリーニングは長期的解決をもたらさない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Albert-Kiszelyら,「Comparison of the Effects of Cetylpyridinium Chloride with an Essential Oil Mouth Rinse on Dental Plaque and Gingivitis - a Six-month Randomized Controlled Clinical Trial」 J. Clin. Periodontol. 34巻(8号):658~67頁(2007年8月)
【非特許文献2】Wolf HF, Rateitschak EM、Rateitschak KHら,Color Atlas of Dental Medicine: Periodontology (第3版,Stuttgart: Georg Thieme Verlag) 2005年
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は概して、イヌにおける歯周病の進行を遅らせる、又はこれらを治療するための製剤、これらの製剤の調製のための方法、並びにこれらの製剤を使用するための関連する方法に関する。
【0010】
一実施形態では、本発明は、次亜臭素酸塩、亜塩素酸塩、ヒアルロナン、水、及びpH調整剤、並びに任意選択により場合によっては、本明細書に記載されている更にもう1種の任意選択による構成成分及び/又は成分(optional components and/or ingredients)を含む、これらから本質的になる、又はこれらのみからなる水溶液又は分散液であり、その製剤が、約4~約9のpH、望ましくは約7~約9のpHを有する、水溶液又は分散液を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、イヌの口腔粘膜及び歯への適用に適した製剤、及び関連方法であって、歯及び/又は周辺の軟部組織の上に1種の製剤を適用した後、その上の細菌の濃度の低減が得られる、製剤、及び関連方法を提供する。この細菌の低減は、既に存在する歯周病の進行を遅らせる、又は治療すると考えられる。
【0012】
本発明の製剤は、次亜臭素酸塩、亜塩素酸塩、水、及びpH調整剤、並びに任意選択により場合によっては、本明細書に記載されている更にもう1種の任意選択による構成成分及び/又は成分を含み、これらから本質的になり、又はこれらのみからなる水溶液又は分散液であり、その製剤は、約4~約9のpHを有し、望ましくは非酸性であり、約7~約9のpHを有する。
【0013】
製剤はいくつかのやり方で調製することができるが、本発明は望ましくは、複数の構成成分を混合して水溶液又は分散液を得ることによって製剤を調製することを想定しており、構成成分は、次亜臭素酸塩、亜塩素酸塩、水、及びpH調整剤(ここで、得られた製剤は、約4~約9のpHを有し、望ましくは7~約9のpHを有する)、並びに任意選択により場合によっては、本明細書に記載されている更にもう1種の任意選択による構成成分及び/又は成分を含み、これらから本質的になり、又はこれらのみからなる。
【0014】
本発明の製剤は口腔粘膜への適用を目的とするため、製剤を調製するために使用される各成分、及び生成される製剤それ自体は、関連する規制当局により無毒性であるべきである(又は無毒性と考えられる濃度で成分を含む)。
【0015】
本発明の製剤は、既存の製剤と比べて様々な利点をもたらすことが判明した。例として、比較的低濃度の亜塩素酸塩及び次亜臭素酸塩を使用しているにもかかわらず、製剤のある特定の実施形態は、口腔粘膜と接触させることで細菌カウント数の低減に有効であり(例えば、望ましくは少なくとも約650mVの酸化還元電位(ORP)を保有する)ことが発見された。更に、望ましくは、製剤のある特定の実施形態は、この抗菌作用を非酸性pH、例えば、7~約10において提供する。この程度の抗菌作用を非酸性pHで提供することは極めて望ましい、すなわち、酸性液体はこの状態及びこれに伴う不快感を悪化させるため、製剤を口腔粘膜と接触させて使用する場合、特にこれらを使用して歯周病を治療する場合には極めて望ましい。
【0016】
製剤は、非酸性pHで調製及びパッケージされた製剤においても、これらの活性(例えば、ORP)を長期間、例えば、最大約7、14、30、45、60、90、120、150、又は180日間保持することが更に発見された。望ましくは、活性保持を増強するため、製剤は、UV耐性容器、例えば、色付き又は不透明容器、所望する場合、再密閉可能な容器内に包装することができる。加えて、次亜臭素酸塩は非酸性pHでも製剤内で安定化しており、製剤の調製後、この非酸性pHにおいて存在する次亜臭素酸塩の臭化物及び/又は臭素酸塩への分解は比較的最小限であると考えられている。この安定性はまた望ましくは、安定性の増強を助ける冷蔵を用いて約4℃~約25℃の範囲の温度で保持される。包装される場合、包装中、及びより好ましくは(限定された)圧力下で、容器内の任意のヘッドスペースに不活性ガス(例えば、窒素)を充填することが更に望ましく、この圧力が、最初の使用前に二酸化塩素を溶液中に保持しておくのを助けると考えられる。単回使用(単位用量包装)のための製剤の包装もまた想定される。
【0017】
本発明の水性製剤のそれぞれは次亜臭素酸塩を用いて調製される。この塩は、様々なカチオンのうちの1種、例えば、アルカリ及びアルカリ土類金属塩類、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、及び亜鉛、を含むことができ、望ましくはナトリウム塩及び/又はカリウム塩であり、より望ましくはナトリウム塩である。製剤の調製において、次亜臭素酸塩は、水性分散液又は水性溶液中に、製剤の総質量に対して、約1、約50、約100、約250、約500、約750、約1,000、約1,250、約1,500、約1,750又は約2,000ppmから約3,000、約5,000、約10,000、約15,000、約20,000、約25,000、約30,000、約40,000、約50,000、約60,000、約70,000、約80,000、約90,000、又は約100,000ppmまでの範囲の質量で、望ましくは、この場合も同様に製剤の総質量に基づき、約1、10、25、50、75、100又は125から約150、250、500、750、1,000、1,200又は1,500までの範囲の質量で存在し得る。特定の理論に拘束されることを望むわけではないが、次亜臭素酸塩を含むと、製剤には、細菌、ウイルス及び真菌に対する抗病原性作用がもたらされる(例えば、その中の細胞膜の酸化によって)と考えられる。この酸化が不安定さを、最終的にはその膜の崩壊を引き起こすと更に考えられる。また、製剤は取り込み及び代謝を必要としないので、細菌、ウイルス、及び真菌は、製剤に対する耐性を生み出すことができない。
【0018】
製剤は望ましくは、唯一の次亜臭素酸塩として、より好ましくは唯一の臭素含有化合物として、次亜臭素酸ナトリウムを使用して調製される。しかしながら、製剤を調製するにはまた、その調製中に、任意選択で、例えば、次亜臭素酸、臭化物塩、例えば、臭化ナトリウム、ブロマイト、臭素酸塩、及び亜臭素酸を含めた他の臭素含有化合物を水に加えることもでき、これらの例示された化合物が水性製剤中で比較的不安定であるにもかかわらず、そうである。次亜臭素酸塩に加えて含まれる場合、他の任意選択の臭素含有化合物は、次亜臭素酸塩の量(質量)より少ない量で存在し、望ましくは、製剤の質量に対して、約0.01ppm、約0.1ppm、約1ppm、約5ppm、約10ppm、又は約50ppmから約300ppm以下、約200ppm以下、約100ppm以下、約50ppm以下、約10ppm以下、約5ppm以下、約1ppm以下又は約0.1ppm以下に限定される。
【0019】
本発明の水性製剤のそれぞれはまた亜塩素酸塩を用いて調製される。この塩は、様々なカチオンのうちの1種、例えば、アルカリ及びアルカリ土類金属塩を含むことができ、望ましくはナトリウム塩である。製剤の調製において、亜塩素酸塩は、製剤中に、製剤の総質量に対して、約1、約100、約500、約1,000、約2,000、約4,000、約5,000、約7,000、約10,000、約15,000又は約20,000ppmから約30,000、約40,000、約50,000、約60,000、約70,000、約80,000、約90,000、約100,000、約120,000、又は約150,000ppmまでの範囲の質量で、望ましくは、この場合も同様に製剤の総質量に基づき、約25、50、100、150、200、250、300又は400から約500、600、700、800、900又は1,000ppmまでの範囲の質量で存在し得る。本発明の製剤において、及びそこで生じる多くの反応物の一部として、亜塩素酸塩の少なくとも一部分は、二酸化塩素をもたらす反応にさらされることになり、並びに、亜塩素酸ナトリウムが使用される場合、塩化ナトリウムをもたらすことになる。塩化ナトリウムは次亜塩素酸塩の形成を触媒すると考えられており、ひいてはこれが二酸化塩素の生成を増強し、後者は、それが使用される場合、製剤中に存在することが望ましい。
【0020】
製剤は、好ましくは、唯一の亜塩素酸塩として、より好ましくは唯一の塩素含有化合物として亜塩素酸ナトリウムを使用して調製される。しかし、製剤を調製するにはまた、その調製中に、他の任意選択の塩素含有化合物、例えば次亜塩素酸ナトリウムを水に加えることもできるが、塩素それ自体及び次亜塩素酸塩は含まないことが望ましい。特に次亜塩素酸ナトリウムを含むことは、製剤の味覚及び臭気に悪影響を及ぼすため、本明細書に記載されているように限定されるべきである。亜塩素酸塩に加えて含まれる場合、他の任意選択による塩素含有化合物は、亜塩素酸塩の量(質量による)より有意に少ない量で製剤中に存在し、望ましくは約0.01、約0.1、約1、約5、約10、又は約50ppmから約300、約200、約100、約50、約10、約5、約1ppm以下、又は約0.1ppm以下に限定される。
【0021】
本明細書で更に論じられているように、製剤のpHは慎重に制御されるべきである。pHを制御するための様々な理由が存在する。例えば、製剤のpHは亜塩素酸塩の変換に影響を与え、それが含まれる場合、次亜塩素酸ナトリウムの二酸化塩素への変換に影響を与える。pHはまた次亜臭素酸塩の安定性にも影響を与え、本明細書に記載されている範囲内の比較的高いpHがより望ましく、例えば、少なくとも約5、より望ましくは少なくとも約6である。製剤のpHは、約4~約9、より望ましくは約5~約8、更により望ましくは約6~約8、好ましくは約6~約7の範囲である。ある特定の実施形態では、製剤は非酸性のpHを有し、約7から約7.5、8、8.5、9、又は9.5、又は10まで、更により望ましくは、約7.5から約8、8.5、又は9まで、好ましくは約7.5又は8から約8.5までの範囲であってよく、より好ましくは約8であってよい。
【0022】
製剤のpHは、pH調整剤を含むことでもたらされる。製剤の調製中に水に加えられるこの薬剤は、特定の量で含まれる場合、製剤中の所望のpHをもたらすことが可能な、任意の適切な無毒性成分であっても、又は成分の組合せであってもよい。これを前提に、pHを制御する手段としての酸の直接的添加は好ましくなく、なぜならこれは、二酸化塩素の形成に悪影響を及ぼす可能性があるからである。したがって、好ましくは、pH調整剤は、緩衝剤、例えば、クエン酸ナトリウム及びクエン酸、炭酸ナトリウム及びクエン酸であり、所望のpHを製剤に提供するのに十分な量で含まれる。イヌの口腔内のpHは歯周病の異なる段階(ステージ)と共に変化するので、製剤が最も有効となるためには、pH値の全範囲にわたり、望ましくは非酸性のpHレベルでイヌの歯及び周辺の軟部組織の上に抗菌活性、抗ウイルス活性、及び抗真菌活性をもたらすべきである。
【0023】
本明細書に記載されている製剤はまた、安定であり、イヌの歯の上及び/又は周辺の軟部組織内の細菌、ウイルス、及び/又は真菌の量を低減するその有効性を、少なくとも約7日間、より望ましくは少なくとも約14日間、更により望ましくは少なくとも約30、45、60、90、120、150、又は180日間保持する。
【0024】
好ましい実施形態では、製剤は、約1,000、約1,250、約1,500、約1,750、又は約2,000ppmから、約3,000、約5,000、約10,000、約15,000、約20,000、約25,000、約30,000、約40,000、約50,000、又は約80,000ppmまでの範囲の質量の次亜臭素酸ナトリウム;約5,000、約7,000、約10,000、約15,000、又は約20,000ppmから、約50,000、約60,000、約70,000、約80,000、約90,000、又は約100,000ppmまでの範囲の量の亜塩素酸ナトリウム(すべての質量は製剤を調製するために使用され、製剤の総質量に対するものである);水;及びpH調整剤(ここで、得られた製剤は約6~約8のpHを有する)、並びに場合によっては本明細書に記載されているような更にもう1種の任意選択による構成成分及び/又は成分を含む、これらから本質的になる、又はこれらのみからなる水溶液又は分散液であり、望ましくは、製剤は本明細書に記載されているように様々な他の構成成分を含まない。
【0025】
更に別の実施形態では、製剤は、約1、10、25、50、75、100、又は125から、約150、250、500、750、1,000、1,200、又は1,500までの範囲の質量の次亜臭素酸ナトリウム;約25、50、100、150、200、250、300、又は400から、約500、600、700、800、900、又は1,000ppmまでの範囲の量の亜塩素酸ナトリウム(すべての質量は製剤を調製するために使用され、製剤の総質量に対するものである);水;及びpH調整剤(ここで、得られた製剤は、約6~約8のpHを有する)、並びに場合によっては本明細書に記載されている更にもう1種の任意選択による構成成分及び/又は成分を含む、これらから本質的になり、又はこれらからなる水溶液又は分散液であり、望ましくは、製剤は本明細書に記載されているように様々な他の構成成分を含まない。
【0026】
これらの調製後の製剤中の次亜臭素酸イオン及び亜塩素酸イオンの量は、任意の適切な分析用プロトコル、例えば、分光測光、イオンクロマトグラフィー、HPLC、ICP、及び湿式化学法によって決定することができる。溶液中での湿式化学によって次亜臭素酸イオン(したがって、次亜臭素酸ナトリウム)の量を決定するための1つのこのようなプロトコルの例示は以下の通りである。第1の滴定(滴定I)において、次亜臭素酸ナトリウム(及び、所望する場合、臭素酸ナトリウム)から調製した既知体積(4ml)の溶液を準備する。25mlの脱イオン水(DI)を4mlの溶液に加え、混合する。生成した29mlの溶液を、溶液が黄色に変化するまで、0.02M Na(チオスルフェート)で滴定する。次いで、5mlのデンプン溶液を加え、青色の溶液中で、青色が消滅するまで滴定を継続する。第2の滴定(滴定II)では、滴定Iに使用された、次亜臭素酸ナトリウムから調製した4mlの同じ溶液を6mlのDI水と混合する。1gの硫酸アンモニウムをこの混合物に加え、次いでこれを15分間静置させておく。その後、3gのKI及び10mlの2M HSOを加え、生成した混合物を10分間静置させておく。次いで、滴定を滴定Iに従い行う。以下の式を用いることにより、溶液中の次亜臭素酸イオンの量を計算することができる:
次亜臭素酸塩の質量%=(0.59445)(10/体積)(滴定Iの体積-滴定IIの体積)(チオスルフェート)(モル濃度)。
【0027】
製剤は、様々な構成成分を含まないことが望ましい。例えば、製剤の質量に対して、望ましくは1ppm以下、より望ましくは0.1ppm以下、更により望ましくは0.01ppm以下、好ましくは0.001ppm以下、より好ましくはこれらの構成成分は検出不可能な量でしか存在しない。製剤は比較的強い化学的酸化剤を含有するので、含まないことが望ましい構成成分の1つのクラスの例示としては酸化され得るある特定の構成成分が挙げられる。これらの構成成分の例として、例えば、クロルヘキシジングルコン酸塩、EDTA、第四級アンモニウム化合物(例えば、塩化セチルピリジニウム(CPC))、クロルヘキシジングルコン酸塩(CHG)、ある特定の界面活性剤、皮膚軟化剤、アルコール及びエッセンシャルオイルが挙げられる。一部の第四級アンモニウム化合物、例えば、CPCは、殺菌特性を保有するが、これらの化合物は、本明細書に記載されている製剤に不可欠ではない。これとの関連で、活性成分としてCPCを含有するマウスリンス(0.07%、Crest(登録商標)Pro-Health)は、活性成分としてエッセンシャルオイルを含むマウスリンス(Listerine(登録商標))を超える任意の統計学的に有意なメリットをもたらさないことが判明した。Albert-Kiszelyら、「Comparison of the Effects of Cetylpyridinium Chloride with an Essential Oil Mouth Rinse on Dental Plaque and Gingivitis - a Six-month Randomized Controlled Clinical Trial」 J. Clin. Periodontol. 34巻(8号):658~67頁(2007年8月)を参照されたい。過酸化水素は、次亜臭素酸塩の(有毒性の)臭素への変換を引き起こすため、これらもまた含まれるべきではない。
【0028】
本発明のある特定の実施形態に、望ましくは口腔粘膜と接触する製剤中に、望ましくは(及び任意選択で)含まれる更なる成分はヒアルロナンである。ヒアルロナンは吸湿性及び粘弾性であり、製剤の抗菌特性の増強をもたらし、並びに口腔粘膜に対して抗炎症性であると考えられている。抗炎症性作用は、歯周病に罹患している口腔粘膜に製剤が適用される場合、特に望ましい。
【0029】
ヒアルロナンはポリマー性であり、架橋又は非架橋の形態で使用することができる。ある特定のヒアルロナン、すなわち、比較的低分子量のヒアルロナンは、それが適用される組織に炎症性応答を誘発し得る。したがって、約500,000より大きい、望ましくは約100万(M)~約6M、より望ましくは約1.5M~約4M(質量平均)の分子量を有する非架橋ヒアルロナンを利用することが望ましいと考えられる。架橋したヒアルロナンを使用する場合、架橋は、低分子量ポリマーに伴う欠点を埋め合わせるので、比較的低分子量のポリマーを使用することができる。
【0030】
本発明の製剤に含まれる場合、ヒアルロナンは、最終製剤に対して、約500、1000、1500、2000、4000、又は6,000から、約8,000、9,000、12,000、又は16000ppmまでの範囲の量で製剤に加えることができる。
【0031】
そのうちの1種又は複数が本明細書に記載されている本発明の任意の実施形態に含まれていてもよい他の任意選択の製剤の構成成分として、保存料、香味剤、甘味剤、歯光沢剤/ホワイトナー、フッ化物塩(歯のコンディショニングのため)、唾液促進剤、カンナビジオール(CBD)油、及び追加の増粘剤が挙げられる。
【0032】
保存料は、その名称が意味するように、活性成分の安定化を助けることにより、及びおそらく緩衝剤と相互作用することにより、長期にわたり製剤を維持するのを助けると考えられる。保存料は、所望する程度の保存を提供するのに適した任意の量で製剤に加えることができ、製剤の質量に対して、約1ppm、約100、約500、約1,000、約2,500、約5,000から、約10,000、約12,500、約15,000、約17,500、約20,000、約25,000、又は約30,000ppmまでの範囲の量で加えることができる。適切な保存料として、BHT、BHA、硝酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、及び安息香酸ナトリウム、並びに他の食品安全性のある保存料が挙げられ、安息香酸ナトリウムが好ましい。
【0033】
イヌが受け入れ易くするために、香味剤、例えば、ニワトリ、牛肉、ベーコン、肝臓、若しくは魚の香味料、又はミント若しくは他の薬草抽出物を加えることができ、甘味剤(イヌによる消費に対して安全であることが公知であるもの)、例えば、蜂蜜、糖、及びある特定の人工の甘味剤も加えることができる。使用される量は変動し得るが、香味剤の量は、製剤の約0.001質量%~約1質量%、望ましくは約0.01質量%~約0.5質量%の範囲であってよく、甘味剤の量は、製剤の質量に対して、約0.001質量%~約0.1質量%、望ましくは約0.01質量%及び約0.5質量%の範囲であってよい。歯光沢剤/ホワイトナー、例えば、シリカ、並びに唾液促進剤を加えることができる。それが含まれる場合、歯光沢剤は、製剤の質量に対して約0.001質量%~約1質量%の範囲であってよく、唾液促進剤は、製剤の質量に対して約0.001質量%~約1質量%の範囲であってよい。
【0034】
増粘剤(ヒアルロナンに加えて、又はヒアルロナン以外のもの、後者は本来製剤粘度の増加をもたらす)が含まれてもよい。ある特定の増粘剤によりもたらされる粘度の増加は、粘膜付着性の増粘剤が使用されている場合、製剤の粘膜上での滞留時間も改善する一方で、製剤をイヌの粘膜へ容易に適用するのを助けることを含む利点を製剤にもたらすことが判明した。製剤における使用に適した増粘剤は公知の、例えば、セルロース、カーボポールであり、カーボポールがそれらの粘膜付着性の特性により好ましい。増粘剤は、製剤に、約1~約50センチポアズ(cP)、望ましくは約1~約20、最も望ましくは約1~約10cPの範囲であってよい粘度をもたらすのに十分な量で含むことができる。口腔の表面上への容易な適用を可能にする適用法、例えば、ディスペンサーからの直接的な適用法などに応じて、比較的高い粘度、例えば、約20~約50cPの製剤が望ましいこともあるが、製剤が、吸収アプリケーター、例えば、コットン又は合成スワブを使用して適用される場合には、比較的低い粘度、例えば、約1~約20cPの製剤が望ましい。製剤の粘度は、Brookfield DV2T回転粘度計を、25℃、60rpm、LV#3又は#4スピンドル、及び600mlの低い形のGriffinビーカー(又は直径8.25cmの同等の容器)で使用して決定することができる。
【0035】
製剤は任意の適切なやり方で調製することができる。一実施形態では、製剤は、以下を準備することにより調製することができる:pH調整剤の水溶液(緩衝剤の場合、少なくとも酸性の構成成分);次亜臭素酸塩の水溶液(及び、所望する場合、及び緩衝剤が使用されている場合、共役塩基);及び亜塩素酸塩の水溶液。使用する水は好ましくは脱イオン化されている。pH調整剤の添加で形成された水溶液を、亜塩素酸塩の添加で形成された水溶液に加え、生成した水溶液(望ましくは約5~約9の間、より望ましくは約7~約8.5の間のpHを有する)を、次亜臭素酸塩の添加で形成された溶液に加える。別の実施形態では、製剤は、2成分形に調製して包装し、使用前に混合して、製剤を活性化させることができる。本実施形態では、次亜臭素酸塩及び亜塩素酸塩の添加により形成された水溶液を合わせて1つの組成物にし、pH調整剤(緩衝剤、少なくともその酸性部分)の添加により形成された水溶液を使用前にこれに加える。
【0036】
製剤は、口腔粘膜に適用した場合、以下のイヌの口腔細菌:
アクチノマイセス・カニス(Actinomyces canis)
バージイエラ・ズーヘルカム(Bergeyella zoohelcum)
カプノサイトファーガ(Capnocytophaga)
コリネバクテリウム(Corynebacterium)
モラクセラ(Moraxella)
ナイセリア・アニマロリス(Neisseria animaloris)
ナイセリア・シェイガニ(Neisseria shayegani)
ナイセリア・ウィーベリ(Neisseria weaveri)
ナイセリア・ズーデグマティス(Neisseria zoodegmatis)
パスツレラ・ダグマティス(Pasteurella dagmatis)
ステノトロホモナス(Stenotrophomonas)
によるヒドロキシアパタイト(歯表面)上への初期の定着に対抗する活性、並びにイヌの歯周炎において発見された以下の歯肉縁下嫌気性グラム陰性細菌:
ペプトストレプトコッカス・ジンジバリス(Peptostreptococcus gingivalis)
ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)
バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)
プレボテラ・インターメディア(Prevotella intermedia)。
に対抗する活性をもたらす。
【0037】
本明細書に記載されている他の利点に加えて、本発明の製剤は、臭気の原因であるものを含むイヌの口腔内の嫌気性細菌(本明細書に記載されている1種又は複数)の量を、適用後、少なくとも約1、約2、約4、約6、約8、約10、又は約12時間の間低減することにより、歯周炎及び/又は悪臭の発症を遅らせる、又はこれを治療すると考えられる。製剤は口腔内の硫化ガスを酸化させ、これが悪臭を低減させ、更にイヌの口腔内に存在する嫌気性細菌を接触により死滅させると考えられる。
【0038】
製剤は、口腔内に、歯及び周辺の軟部組織(例えば、歯ぐき)上に、及び任意の他の所望の領域上に、任意の適切な手段、例えば、スプレー、ソフトアプリケーター、塗り付け(粘度の高いゲル、分散液又は粘性溶液の形態の場合)によって、直接適用することによって、穏やかなやり方で上述した表面をカバーすることができる。
【0039】
製剤は、少なくとも1日1回適用されるべきであり、1日当たり2回、例えば、最初の適用から約6、約8、約10、又は約12時間後に適用されてもよい。適用される量は、イヌの口腔のサイズに応じて変わり得るが、一般的には、製剤が、歯周病の予期される発症、又は既存の歯周病に関連するすべての歯及び周辺の軟部組織との完全に接触を可能にするのに十分な量、例えば、約1~約20ml、望ましくは約2~約15mlであるべきである。製剤は、接触により有効となるので、歯及び/又は周辺の軟部組織の上に適用した後、その上に製剤が滞留するのに必要とされる時間は、細菌、ウイルス、及び/又は菌類の量を許容されるレベルまで低減させるのに必要とされる時間に限定される。望ましくは、この時間は、約1秒~約1分間の範囲であり、より望ましくは約5秒~約30秒の範囲である。単一の治療内での繰り返し適用(2、3、又は4回)は、所望する場合、有効性を増強するために行うことができる。
【0040】
本明細書に記載されている製剤は、その酸化電位により、歯の上に存在する菌膜の低減、好ましくは排除をもたらす。その結果、歯表面上の有害な濃度の細菌の再構成が遅れ、これにより、歯周病及び腐敗した(硫化物)臭気の原因となっている病原菌の蓄積を低減する。
【0041】
加えて、製剤は比較的強い酸化剤であるため、製剤の調製に使用される任意の追加成分は、一般的に、製剤の酸化電位に悪影響を及ぼさないものに限定されるべきである。
【0042】
本明細書に記載されている製剤は、これらのORPにより、適用後に、口腔内の細菌の低減、好ましくは排除をもたらし、その再構成を更に遅らせる。その結果、歯の表面及び周辺の組織上の細菌の蓄積が阻止され又は遅らされ、これにより、本明細書に記載されている状態の原因となっている病原菌のその後の蓄積の速度を低減する。
【0043】
一般的に、製剤のORPは少なくとも約650mVであるべきであり、少なくとも約650、675、700、725、750、775、又は790mVであってもよいが、望ましくは800mVを超えるべきではない。一実施形態では、さらに、製剤が口腔内に適用される場合、ORPは約700、725、又は750から、約800mVまで、約725又は750から、約775mVまで、又は約700又は725から、約750mVまでの範囲であってよい。
【0044】
製剤のORPは、製剤が、大気圧下及び室温、例えば、約20℃~約30℃にある間、任意の適切な装置、例えば、白金プローブ(センサー)を使用するHach Model HQ80を使用して評価することができる。センサーの応答は時間の経過と共に劣化し得るので、本発明の製剤のORPを評価する前に、標準液を使用してセンサーを試験して、これが、例えば、+/-10mV以内の正しい応答を与えることを検証するのが望ましい。
【0045】
本発明により想定される製剤は、これらの意図した使用に応じてわずかに変わりうる。例示としてのみ、以下の表は、本発明により想定される製剤を調製するために使用することができ、本明細書に記載されている方法で使用することができる成分及びその量の説明を提供する。
【0046】
以下に記載の表は、本発明により想定される様々な方法において有用であり得る製剤をもたらす成分及びその量について記載している。
【0047】
【表1】
【0048】
本発明の方法は、プラークを低減させるための方法であって、歯の上のプラークの量を低減させるのに十分な量及び時間のあいだ、本発明の製剤を少なくとも1本の歯の上に適用することを含む方法を含む。プラークの低減における製剤の有効性の評価は、口の歯垢検出溶液の使用によって定性的手段を含む任意の公知の手段によって行うことができる。プラークに接着する染料を含むこれらの溶液は、製剤を処置すべき歯へ適用する前及び適用した後に適用することができ、歯の上の染料の相対強度を使用前と使用後で比較する。製剤の適用後の比較的より低い染料強度はプラークの低減を示唆している。本発明の製剤による治療の前及び後のプラーク及び全体的な歯周の健康(及び本発明の製剤の有効性)の評価はまた、イヌの歯周病に最も頻繁に関連する細菌、ポルフィロモナス・グラエ(Porphyromonas gulae)に対するアッセイを使用して測定することができる。
【0049】
本発明はまた、少なくとも1本の歯の上、又は口腔内の領域内の細菌の量を低減するための方法であって、その上の細菌の量を低減させるのに十分な量及び時間のあいだ、本発明の製剤を歯の上又は口腔の領域内に適用することを含む方法を想定している。歯の上、及び口腔内の細菌を低減する製剤の有効性に関して、プラークの低減は細菌の低減の指標でもあるため、例えば口の歯垢検出染料、並びに所望しない口腔細菌に対する公知のDNAアッセイを使用する任意の公知の方法を使用することができる。
【0050】
イヌの口腔の悪臭を低減させる方法であって、本発明の製剤を口腔の悪臭を減少させるのに十分な量及び時間のあいだ口腔内に適用することを含む方法が更に想定される。製剤が口の臭気(悪臭)を低減させるために使用される場合、定性的分析は、製剤の適用前及び適用後のイヌの呼吸の臭いの比較による、正常なヒト嗅覚評価による評価を含む。
【0051】
The American Veterinary Dental Collegeは、スケール0~4を使用した歯の歯周病(PD)を評価するための分類システムを開発した。各歯は独立して分類することができる。異なる歯が異なる分類を有することは可能であり、実際のところ一般的である。PD0の分類は、イヌの歯が臨床的に正常である場合使用され、この場合臨床的に存在する歯肉の炎症又は歯周炎はない。PDステージ1では、歯肉炎のみが付着喪失なしで存在し、歯槽堤の高さ及び構造は正常である。早期歯周炎と呼ぶこともできるPDステージ2では、25%未満の付着喪失が存在し、又は、最大でも多根歯においてステージ1の根分岐部病変が存在し、歯周炎の早期放射線学的徴候が存在し、25%未満の歯周付着喪失は、臨床的付着レベルの調査、又は歯根長に対する、セメント-エナメル境からの歯槽堤の距離の放射線写真による判定のいずれかで測定される。歯周探針が、付着喪失を有する多根歯の任意の方向にクラウンの下の半分未満の長さまで延びる場合、ステージ1(FI)分岐が存在する。中程度の歯周炎と呼ぶことができるPDステージ3では、臨床的付着レベルの調査、歯根長に対する、セメント-エナメル境からの歯槽堤の距離の放射線写真による判定により測定される場合、25~50%の付着喪失が存在するか、又は多根歯にステージ2の根分岐部病変が存在する。歯周探針が、付着喪失を有する多根歯のクラウンの下の半分の長さより長く延びるが、全長までは延びない場合、ステージ2の分岐が存在する。進行した歯周炎と呼ぶことができるPDステージ4では、臨床的付着レベルの調査、又は歯根長に対する、セメント-エナメル境からの歯槽堤の距離の放射線写真による判定により測定された場合、50%超の付着喪失が存在するか、又は多根歯にステージ3の根分岐部病変が存在する。歯周探針が、多根歯のクラウンの下、分岐の片側から他方の側まで全長が延びた場合、ステージ3の分岐が存在する。Wolf HF, Rateitschak EM, Rateitschak KHら, Color Atlas of Dental Medicine: Periodontology (第3版、 Stuttgart: Georg Thieme Verlag) 2005年を参照されたい。
【0052】
本発明の製剤は、少なくとも1本の歯の上に前述の分類の歯周病のいずれかを示すイヌに関連して、例えば、PDステージ0、1、2、3又は4に分類された少なくとも1本の歯を有するイヌに対して、1つのステージから次のステージへのPDの進行を遅らせる(製剤が適用されていないイヌと比べて)方法として、又はより一般的には単一療法又は併用療法として(クリーニング及び/又は抜歯との併用)として使用することができる。
【実施例1】
【0053】
超音波クリーニングにおける(デブリードマン用溶液として)本発明の様々な方法(例えば、歯周病の治療のため)の使用に適した例示的製剤は、以下の表に記載の成分を組み合わせることにより提供される。
【0054】
【表2】
【0055】
1Lのこの製剤を調製するための例示的なプロセスは以下の通りである。400mLのDI水を適切な(非反応性)容器に入れる。均質化が生じるまで連続的に撹拌しながら(約24時間)、8gのカーボポール974Pを水に加える。次いで、溶解するまで穏やかに混合しながら(およそ10分間)、香味剤(例えば、ミント)及び甘味剤(例えば、スクラロース)を加える。次いで、次亜臭素酸ナトリウムを加え、必要とされる場合(好ましくは緩衝剤によって)、pHを6~8の間に調節する。ヒアルロナンを撹拌しながら加え、ヒアルロナンが均質化されるまでこの撹拌を継続する。次いで、亜塩素酸ナトリウム(無水、純度約80~98%)を撹拌しながら加える。この製剤のpHを評価することができ、pHは緩衝剤によって、最適な値6.5~8.5に必要に応じて調整することができる。最終ORP評価は、混合物のORPが少なくとも700mVであることを確実にするために行われるべきである。次いで、混合物の全容積が1Lとなるよう追加のDI水を加え、次いで、使用時まで生成物を光から保護する(例えば、琥珀色又は不透明容器)。
【実施例2】
【0056】
超音波クリーニングにおいて(デブリードマン用溶液として)適切な例示的製剤は、以下の表に記載の成分を組み合わせることにより提供される。
【0057】
【表3】
【0058】
特に別段の記載がない限り、本明細書に記載されているすべての量は質量によるものであり、製剤の総質量に対するものである。
【0059】
本明細書で引用された、刊行物、特許出願、及び特許を含むすべての参考文献は、まるで各参考文献が参照により組み込まれていることが個々に及び具体的に示され、その全体が本明細書で記載されている場合と同程度に、参照により本明細書に援用する。
【0060】
外国語明細書及び外国語特許請求の範囲に記載した「a」及び「an」及び「the」及び「少なくとも1つの」という用語並びに本発明を説明する文脈での類似の指示対象(特に以下の特許請求の範囲の文脈で)の使用は、本明細書で他に指摘されていない限り、又は文脈と明確に矛盾しない限り、単数と複数の両方を網羅すると解釈される。「少なくとも1つ」という用語、これに続く1つ又は複数の項目のリスト(例えば「A及びBのうちの少なくとも1つ」)の使用は、本明細書で他に指摘されていない限り、又は文脈と明確に矛盾しない限り、列挙された項目から選択される1つの項目(A又はB)、又は列挙された項目の2つ若しくはそれよりも多くの任意の組合せ(A及びB)を意味すると解釈される。「含む(comprising)」、「有する(comprising)」、「を含む(including)」及び「を含有する」という用語は、別途明示されていない限り、制限のない用語(すなわち、「~を含むが、これらに限定されない」という意味)として解釈されるべきである。ある範囲の値の本明細書での列挙は、本明細書で他に指摘されていない限り、範囲内に入るそれぞれ別個の値を個々に指す簡単な方法として機能することを単に意図するものであり、それぞれの別個の値は、それが本明細書で個々に列挙されているかのように明細書に組み込まれている。
【0061】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に記載されている。これらの好ましい実施形態の変化形は、前述の記載を読むことで当業者には明らかとなり得る。発明者らは、当業者がこのような変化形を必要に応じて利用することを予想し、発明者らは、具体的に本明細書に記載されているものとは別の方法で本発明が実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用可能な法律により許可された通り、ここに添付されている特許請求の範囲に列挙された主題のすべての修正及び同等物を含む。更に、本明細書で別段の指摘がない限り、さもなければ文脈と明確に矛盾しない限り、上に記載された要素の任意の組合せはそのすべての可能な変化形として本発明により包含される。
【手続補正書】
【提出日】2022-01-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
亜臭素酸塩、亜塩素酸塩、ヒアルロナン、水、及びpH調整剤を含み、イヌの口腔内へ適用するための製剤であって、製剤が、4~9のpHを有し、かつ、製剤の酸化還元電位が650mV~800mVの範囲である、製剤。
【請求項2】
次亜臭素酸塩及び亜塩素酸塩がナトリウム塩である、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
製剤の質量に基づいて、製剤中の次亜臭素酸ナトリウムの量が、25~500ppmである、請求項1又は2に記載の製剤。
【請求項4】
製剤中のヒアルロナンの量が500~16,000ppmである、請求項1から3のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項5】
pH調整剤が、緩衝剤であり、6~8.5の範囲のpHを有する製剤をもたらすのに十分な量で添加されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項6】
BHT、BHA、硝酸ナトリウム、亜硫酸塩、及び安息香酸ナトリウムからなる群から選択される保存料を更に含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項7】
保存料、香味剤、甘味剤、歯光沢剤若しくはホワイトナー、フッ化物塩、唾液促進剤、カンナビジオール油、又は増粘剤のうちの1種又は複数を更に含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項8】
不透明容器内に包装されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項9】
製剤の調製後少なくとも30日間、製剤の酸化還元電位が少なくとも650mVである、請求項1から8のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項10】
製剤の調製後少なくとも90日間、製剤の酸化還元電位が少なくとも650mVである、請求項1から9のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項11】
pHが5~9の範囲である、請求項1から10のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項12】
ヒアルロナンの質量平均分子量が100万~600万の範囲である、請求項1から11のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項13】
塩化セチルピリジニウム(CPC)、クロルヘキシジングルコン酸塩(CHG)、皮膚軟化剤、及びアルコールのうちの1種又は複数を含まない、請求項1から12のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項14】
製剤が、次亜臭素酸、臭化物又はその塩、ブロマイト、臭素酸塩、及び亜臭素酸を含まない、請求項1から13のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項15】
製剤が、次亜塩素酸ナトリウムを含まない、請求項1から14のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項16】
増粘剤をさらに含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項17】
増粘剤がセルロースである、請求項16に記載の製剤。
【請求項18】
増粘剤がカーボポールである、請求項16に記載の製剤。
【請求項19】
カンナビジオール油をさらに含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項20】
イヌの口腔内の細菌、ウイルス、及び/又は真菌の量を低減する方法であって、以下のステップ:
(a)請求項1から19のいずれか一項に記載の製剤を準備するステップ、及び
(b)前記製剤を、イヌの口腔の表面に、口腔内の細菌、ウイルス、及び/又は真菌の量を低減させるのに十分な量かつ十分な時間のあいだ適用するステップ
を含む、方法。
【請求項21】
表面が1本又は複数の歯である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
表面が歯ぐきである、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
以下の細菌:
アクチノマイセス・カニス(Actinomyces canis)
バージイエラ・ズーヘルカム(Bergeyella zoohelcum)
カプノサイトファーガ(Capnocytophaga)
コリネバクテリウム(Corynebacterium)
モラクセラ(Moraxella)
ナイセリア・アニマロリス(Neisseria animaloris)
ナイセリア・シェイガニ(Neisseria shayeganii)
ナイセリア・ウィーベリ(Neisseria weaveri)
ナイセリア・ズーデグマティス(Neisseria zoodegmatis)
パスツレラ・ダグマティス(Pasteurella dagmatis)
ステノトロホモナス(Stenotrophomonas)
のうちの1種又は複数の量が、ステップ(b)の前に存在する量と比べて、ステップ(b)が実施された後少なくとも1時間のあいだ低減する、請求項20から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
以下の細菌:
ペプトストレプトコッカス・ジンジバリス(Peptostreptococcus gingivalis)
ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)
バクテロイデス・フラジリス(Bacteriodes fragilis)
プレボテラ・インターメディア(Prevotella intermedia)
のうちの1種又は複数の量が、ステップ(b)の前に存在する量と比べて、ステップ(b)が実施された後少なくとも1時間のあいだ低減する、請求項20から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
ステージ1、2、3又は4の歯周病に罹患しているイヌの歯を治療するための方法であって、以下のステップ:
(a)請求項1から19のいずれか一項に記載の製剤を準備するステップ、及び
(b)前記製剤を、歯周病に罹患している歯に適用するステップ
を含む、方法。
【請求項26】
少なくとも1本のイヌの歯の上のプラークの量を低減するための方法であって、以下のステップ:
(a)請求項1から19のいずれか一項に記載の製剤を準備するステップ、及び
(b)前記製剤を、少なくとも1本の歯の表面に、少なくとも1本の歯の上のプラークの量を製剤をその上へ適用する前の少なくとも1本の歯の上のプラークの量と比べて低減させるのに十分な量及び時間のあいだ適用するステップ
を含む、方法。
【請求項27】
製剤がイヌの各歯に適用される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
イヌの呼気臭を低減するための方法であって、以下のステップ:
(a)請求項1から19のいずれか一項に記載の製剤を準備するステップ、及び
(b)前記製剤を、歯及び歯の周辺の軟部組織に適用するステップ
を含む、方法。
【国際調査報告】