(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-26
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール内のノイズフィルタ
(51)【国際特許分類】
H02M 1/14 20060101AFI20220519BHJP
H02M 3/155 20060101ALI20220519BHJP
【FI】
H02M1/14
H02M3/155 E
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021547863
(86)(22)【出願日】2019-02-22
(85)【翻訳文提出日】2021-09-22
(86)【国際出願番号】 EP2019054461
(87)【国際公開番号】W WO2020169210
(87)【国際公開日】2020-08-27
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518431934
【氏名又は名称】ポラリウム・エナジー・ソリューションズ・エービー
【住所又は居所原語表記】Jan Stenbecks Torg 17, 164 21 KISTA, Sweden
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メリン、マッツ
【テーマコード(参考)】
5H730
5H740
【Fターム(参考)】
5H730AA02
5H730AS04
5H730BB14
5H730DD02
5H730ZZ17
5H740BA11
5H740BB02
5H740BB07
5H740BC01
5H740BC02
5H740JA01
5H740JB01
5H740NN02
5H740NN11
(57)【要約】
回路は、第1および第2の入力端子、出力端子、DCDCコンバータ、および前記第1の入力端子と、前記コンバータの第1の入力端子との間に接続された第1のインダクタと、前記第2の入力端子と、前記コンバータの第2の入力端子との間に接続された第2のインダクタと、前記出力端子と、前記コンバータの出力端子との間に接続された第3のインダクタを含むトリファイラーチョークを含むように提供される。前記コンバータは、その第1および第2の入力端子において受けた第1の電圧をその出力端子において、第1の電圧より高い第2の電圧に変換する。第1、第2、および第3のインダクタは、同じ芯に巻かれ、相互に結合し、第1および第2のインダクタに共通の電流と、第2および第3のインダクタに共通の電流がブロックされる、あるいは減衰される。電流制限デバイス、バッテリーモジュール、およびノイズフィルタリングの方法もまた、提供される。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の入力端子(110)、第2の入力端子(112)、および出力端子(114)と、
直流-直流コンバータ(120)と、
回路(100)の前記第1の入力端子(110)と前記コンバータ(120)の第1の入力端子(150)との間に接続された第1のインダクタ(140)と、前記回路(100)の前記第2の入力端子(112)と前記コンバータ(120)の第2の入力端子(152)との間に接続された第2のインダクタ(142)と、前記回路(100)の前記出力端子(114)と前記コンバータ(120)の出力端子(154)の間に接続された第3のインダクタを含むトリファイラーチョーク(130)と、
を含み、
前記コンバータ(120)は、その前記第1の入力端子(150)および前記第2の入力端子(152)において受けた第1の電圧(V1)をその前記出力端子(152)における第2の電圧(V2)に変換するように構成され、前記第2の電圧(V2)は、前記第1の電圧(V1)よりも高く、
前記トリファイラーチョーク(130)の前記第1のインダクタ(140)、前記第2のインダクタ(142)、および前記第3のインダクタ(144)は、同じ芯に巻かれ、相互に結合し、そして前記第1のインダクタ(140)と前記第2のインダクタ(142)に共通の電流および前記第2のインダクタ(142)と前記第3のインダクタ(144)に共通の電流がブロックされ、あるいは減衰されるように配置される、
回路(100)。
【請求項2】
前記コンバータ(120)は、
前記コンバータ(120)の前記第2の入力端子(152)と第1のノード(124)との間に接続されたインダクタンス(122)と、
前記第1のノード(124)と、前記コンバータ(120)の前記出力端子(154)との間に接続されたダイオード(126)と、
前記第1のノード(124)と、前記コンバータ(120)の前記第1の入力端子(150)との間に接続されたスイッチング要素(128)と、
前記スイッチング要素(128)を少なくとも開状態と閉状態との間で互い違いに動作させるように構成されたモデュレーション部と、
を含む、請求項1の回路(100)。
【請求項3】
電源が前記コンバータ(120)の前記第1の入力端子(150)および前記第2の入力端子(152)において前記第1の電圧を提供するように接続され、
抵抗が前記コンバータ(120)の前記出力端子(154)および前記第2の入力端子(152)において前記第2の電圧を受け取るように接続された場合、
第1の電流(l1)は、前記スイッチング要素(128)が閉状態で動作されるとき、前記電源から前記コンバータ(120)の前記第2の入力端子(152)へ、前記コンバータ(120)の前記第1の入力端子(150)の外へ流れ、
第2の電流(l2)は、前記スイッチング要素(128)が開状態で動作されるとき、前記コンバータ(120)の出力端子(154)から前記抵抗へ、前記コンバータ(120)の前記第2の入力端子(152)に流れる、請求項2の回路(100)。
【請求項4】
前記コンバータ(120)の前記第1の入力端子(150)と前記第2の入力端子(152)との間に接続された第1のキャパシタ(160)と、
前記コンバータ(120)の前記第2の入力端子(152)と前記出力端子(154)との間に接続された第2のキャパシタ(162)と、
前記回路(100)の前記第1の入力端子(110)と前記第2の入力端子(112)との間に接続された第3のキャパシタ(164)と
前記回路(100)の前記第2の入力端子(112)と前記出力端子(114)との間に接続された第4のキャパシタ(166)とをさらに具備する、請求項1乃至3のうちのいずれか1項の回路(100)。
【請求項5】
充電器に接続可能な第1の入力端子(210)、および第2の入力端子(212)と、
バッテリーセル配置に接続可能な第1の出力端子(220)、および第2の出力端子(222)と、
前記請求項1から4のいずれかにおける前記回路(100)とを具備し、
前記回路(100)の前記出力端子(114)は、電流制限デバイス(200)の前記第1の入力端子(210)、および前記第1の出力端子(220)に接続され、
前記回路(100)の前記第1の入力端子(110)は、前記デバイス(200)の前記第2の入力端子(212)に接続され、
前記回路(100)の前記第2の入力端子(112)は、前記デバイス(200)の前記第2の出力端子(222)に接続される、
電流制限デバイス(200)。
【請求項6】
前記回路(100)の前記第1の入力端子(110)と、前記第2の入力端子(112)との間に接続されたスイッチングデバイス(230)をさらに具備する、請求項5のデバイス(200)。
【請求項7】
前記回路(100)を使用することで、前記デバイス(200)は、前記デバイス(200)の前記第1の入力端子(210)および前記第2の入力端子(212)において、前記充電器によって、充電電圧(Vcharge)が印加されるとき、前記バッテリーセル配置への充電電流(Icharge)を制限するように構成される、請求項5または6のデバイス(200)。
【請求項8】
第1の端子(320)および第2の端子(322)を含むバッテリーセル配置(310)と、
請求項5から7のいずれか一つにおける電流制限デバイス(200)とを具備し、
前記デバイス(200)の前記第1の出力端子(220)は、前記バッテリーセル配置(310)の前記第1の端子(320)に接続され、前記デバイス(200)の前記第2の出力端子(222)は、前記バッテリーセル配置(310)の前記第2の端子(322)に接続される、
バッテリーモジュール(300)。
【請求項9】
前記バッテリーセル配置(310)の前記第2の端子(322)と、前記回路(100)の前記第2の出力端子(152)との間に接続された更なるスイッチングデバイス(330)をさらに具備する、請求項8のバッテリーモジュール(300)。
【請求項10】
第1の端子(320)および第2の端子(322)を含むバッテリーセル配置(310)と、
前記バッテリーセル配置(310)の前記第1の端子(320)に接続されている第1の充電端子(210)および第2の充電端子(212)と、
直流-直流コンバータ(120)と、
前記コンバータ(120)の前記第2の充電端子(212)と、第1の入力端子(150)との間に接続された第1のインダクタ(140)、前記バッテリーセル配置(310)の前記第2の端子(322)と、前記コンバータ(120)の第2の入力端子(152)との間に接続された第2のインダクタ(142)および前記バッテリーセル配置(310)の前記第1の端子(320)と、前記コンバータ(120)の出力端子(154)との間に接続された第3のインダクタ(144)とを含むトリファイラーチョーク(130)を具備し、
コンバータ(120)がその前記第1の入力端子(150)において受けた第1の電圧(V1)を、その前記出力端子(154)における第2の電圧(V2)に変換するように構成され、前記第2の電圧(V2)は前記第1の電圧(V1)よりも高く、
第1のインダクタ(140)、第2のインダクタ(142)、および第3のインダクタ(144)が同じ芯に巻かれ、相互に結合し、前記第1のインダクタ(140)と前記第2のインダクタに共通の電流、および前記第2のインダクタ(142)と前記第3のインダクタ(144)に共通の電流がブロックされ、または、減衰されるように配置される、
バッテリーモジュール(400)。
【請求項11】
直流-直流コンバータ(120)を使用するバッテリーモジュール(400)における充電電流を調整するときのノイズフィルタリングの方法であって、
全てが同じ芯に巻かれ、相互に結合された、第1のインダクタ(140)、第2のインダクタ(142)、および第3のインダクタ(144)を含むトリファイラーチョーク(130)を提供することと、
前記バッテリーモジュール(400)の第1の充電端子(210)をバッテリーセル配置(310)の第1の端子(320)に接続することと、
前記第1のインダクタ(140)を前記コンバータ(120)の第1の入力端子(150)と、前記バッテリーモジュール(400)の第2の充電端子(212)との間に配置することと、
前記第2のインダクタ(142)を前記コンバータ(120)の第2の入力端子(152)と、前記バッテリーセル配置(310)の第2の端子(322)との間に配置することと、
前記第3のインダクタ(146)を前記コンバータ(120)の出力端子(154)と、前記バッテリーセル配置(310)の前記第1の端子(320)との間に配置することと、
前記バッテリーモジュール(400)の前記第1の充電端子(210)および前記第2の充電端子(212)にわたって充電電圧(Vcharge)を提供することと、
を具備し、
前記第1のインダクタ(140)、前記第2のインダクタ(142)、および前記第3のインダクタ(144)は、前記第1のインダクタ(140)と前記第2のインダクタ(142)に共通の電流と、前記第2のインダクタ(142)と前記第3のインダクタ(144)に共通の電流とがブロックされ、または、減衰されるようにさらに配置される、
方法。
【請求項12】
前記コンバータ(120)に接続された前記第1のインダクタ(140)および前記第2のインダクタ(142)の端の間に第1のキャパシタ(160)を提供することと、
前記コンバータ(120)に接続された前記第2のインダクタ(142)および前記第3のインダクタ(144)の端の間に第2のキャパシタ(162)を提供することと、
前記バッテリーモジュール(400)の前記第2の充電端子(212)に、および、前記バッテリーセル配置(310)の前記第2の端子(322)に、それぞれ接続された前記第1のインダクタ(140)、および、前記第2のインダクタ(142)の端の間に第3のキャパシタ(164)を提供することと、
前記バッテリーセル配置(310)の前記第2の端子(322)に、および、前記バッテリーセル配置(310)の前記第1の端子(320)に、それぞれ接続された前記第2のインダクタ(140)、および、前記第3のインダクタ(142)の端の間に第4のキャパシタ(166)を提供することと、
をさらに具備する、請求項11の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電可能なバッテリーモジュールにおいて使われるような電力コンバータの分野に関連する。特に、本開示は、トリファイラーチョークを使用した直流-直流(DC-DC)電力コンバータによって生じる電磁干渉の低減に関連する。
【背景技術】
【0002】
あるDC電圧からもう一方への変換では、電気的なパワーを効率的に変換するために、スイッチモードタイプのDCDC電力コンバータは、スイッチングレギュレータに依拠する。しかし、高いスイッチング周波数で動作するとき、そのような電力コンバータは、スイッチングノイズを引き起こす。もし、注意しない場合、そのようなノイズは、例えば、主電源ライン、および/またはコンバータの出力サイドに接続されたコンポーネントに結合するように戻され得、望まない電磁干渉(EMI)を引き起こし得る。
【0003】
コンバータの入力および/または出力上のノイズは、コモンモード電流となり得る。そのようなノイズをフィルタするために、通常、バイファイラーチョークは、コンバータの入力端子および/または出力端子での同相信号除去構成に提供される。チョークは、チョークが接続されている両方の端子に共通のノイズ電流をブロックし得る、または、少なくとも減衰させ得る。これにより、チョークは、低減されたEMIおよび、電力コンバータの改善された電磁両立性(EMC)を提供する。
【0004】
しかし、電力コンバータが、例えばバッテリーを充電するために使用される場合、チョークは、バッテリーの最大電流を供給可能でなければならない。より大きなバッテリーのためには、そのような電流は、数百アンペアに達し得、チョークは、大きな電流によって損傷を受けない寸法でなければならない。このことは、例えば、コストの増大および/または占有面積の増大を引き起こす。
【0005】
上記に基づいて、DCDC電力コンバータによって引き起こされるフィルタリングノイズを改善する方法の需要がある。
【発明の概要】
【0006】
少なくとも部分的に上記の需要を満たすために、本開示は、独立請求項で定義される回路、電流制限デバイス、バッテリーモジュール、およびノイズフィルタリングの方法を提供することを追求する。さらに、実施形態は、前記独立請求項に示される。
【0007】
本開示の一面によれば、回路は用意される。前記回路は、第1の入力端子、第2の入力端子、および出力端子を含んでいてもよい。前記回路は、直流-直流(DC-DC)コンバータ(または電力コンバータ)を含み得る。前記回路は、さらに、前記回路の前記第1の入力端子と前記コンバータの第1の端子との間に接続される第1のインダクタと、前記回路の第2の入力端子と前記コンバータの第2の入力端子との間に接続される第2のインダクタと、前記回路の前記出力端子と前記コンバータの出力端子の間に接続された第3のインダクタを含み得る。前記コンバータは、その第1の入力端子および第2の入力端子で受け付けた第1の電圧を、その第2の出力端子において第2の電圧に変換するように構成され得る。前記第2の電圧は、前記第1の電圧より高くてもよい。すなわち、前記コンバータは、例えば、ステップアップコンバータ、ブーストコンバータ、または同様のものであってもよい。
【0008】
前記トリファイラーチョークの前記第1のインダクタ、前記第2のインダクタ、および前記第3のインダクタは、同じ芯に巻かれ、互いに結合され、そして、前記第1のインダクタと前記第2のインダクタで共通な電流と、前記第2のインダクタと前記第3のインダクタで共通な電流とがブロックされるあるいは減衰されるように配置される。
【0009】
ここで、二つのインダクタで共通の電流は、同じ振幅、位相、および方向を持つ電流と判断される。例えば、インダクタからコンバータの端子へ、デバイスの端子を通ってきた電流が、別のインダクタからコンバータの端子へ、デバイスの端子を通ってきた別の電流と、同じ振幅および位相を持つ場合、前記インダクタと前記別のインダクタは、これらのインダクタに共通の電流を持つと称される。前記トリファイラーチョークは、例えばコイルのうちの二つが同等および同相の互いに増大させる磁場を作ることによって、コモンモード電流が同じ方向に流れるような方法で、同じ芯に巻かれた三つの巻き線(フィラメント)を例えば含む。このことは、チョークに高いインピーダンスが存在することによって、チョークがコモンモード電流をブロックするまたは減衰することに帰結する。結果として、トリファイラーチョークは、コンバータへの/からのコモンモードノイズ電流を取り除くまたは少なくとも低減するEMI/EMCフィルタとして動作する。
【0010】
よって、本開示における前記回路は、コモンモードEMI/EMCフィルタとして振る舞うトリファイラーチョークを伴うコンバータを提供する。ここで、チョークのコイル内の電流は、チョークの芯における飽和のリスクと釣り合う、および減らす。同時に、二つの分離したバイファイラーチョークの代わりに、単に一つの(トリファイラ―)チョークが必要とされる。このことは、二つまたはそれ以上のバイファイラーチョークを使用した構成と比べて、回路の全体の占有面積の低減を提供する。より詳細については本明細書で後述するが、そのような回路は、充電制限デバイスおよび/またはバッテリーモジュールにおいても有益である。
【0011】
いくつかの実施形態において、コンバータは、コンバータの第2の入力端子と、第1のノードとの間に接続されたインダクタンスを含んでいてもよい。コンバータは、第1のノードと、コンバータの出力端子との間に接続されたダイオードを含んでいてもよい。コンバータは、第1のノードと、コンバータの第1の入力端子との間に接続されたスイッチング要素を含んでいてもよい。コンバータは、少なくとも開状態と閉状態の間でスイッチング要素を交互に動作させるように構成された変調部を含んでいてもよい。
【0012】
閉状態において、第1のノードは、第1の入力端子に接続される。開状態において、第1のノードは、第1の入力端子から切断される。
【0013】
いくつかの実施形態において、回路は、電源がコンバータの第1の入力端子と、第2の入力端子で第1の電圧を供給する回路に接続され、抵抗がコンバータの出力端子と第2の入力端子で第2の電圧を受ける回路に接続される場合、第1の電流は、閉状態でスイッチング要素が動作されるとき電源からコンバータの第2の入力端子およびコンバータの第1の入力端子の外に流れる、そして第2の電流は、開状態でスイッチング要素が動作されるときコンバータの出力端子から抵抗およびコンバータの第2の入力端子に流れる。別の言い方をすると、回路の第2の入力端子とコンバータの第2の入力端子との間で流れる電流の方向は同じになり得、回路の出力端子とコンバータの出力端子との間を流れる電流の方向が対抗し得る。
【0014】
いくつかの実施形態において、回路は、コンバータの第1の入力端子と第2の入力端子との間に接続された第1のキャパシタをさらに含んでいてもよい。回路は、コンバータの第2の入力端子と、出力端子との間に接続された第2のキャパシタを含んでいてもよい。回路は、回路の第1の入力端子と、第2の入力端子との間に接続された第3のキャパシタを含んでいてもよい。回路は、回路の第2の入力端子と、出力端子との間に接続された第4のキャパシタも含んでいてもよい。第1、第2、第3、および第4のキャパシタは、トリファイラーチョークの部品として、トリファイラーチョークの外部の部品として、またはそれらの組み合わせによって提供され得る。キャパシタは、トリファイラーチョークのフィルタ性能をさらに改善し得る。
【0015】
本開示の二つ目の面によれば、電流制限デバイスが提供される。デバイスは、第1の入力端子と、第2の入力端子を含んでいてもよい。デバイスの第1、および第2の入力端子は、充電器に接続可能であってもよい。デバイスは、第1の出力端子と、第2の出力端子を含んでいてもよい。デバイスの第1、および第2の出力端子は、バッテリーセル配置に接続可能であってもよい。デバイスは、本開示の第1の面に関連する本明細書で記載された回路をさらに含んでいてもよい。回路の出力端子は、デバイスの第1の入力端子と第1の出力端子に接続されていてもよい。例えば、デバイスの第1の入力端子と第1の出力端子は、接続されていてもよく、回路の出力端子は、デバイスの第1の入力端子および第1の出力端子の少なくとも1つ、またはその間のポイントに接続されていてもよい。回路の第1の入力端子は、デバイスの第2の入力端子に接続されていてもよい。回路の第2の入力端子は、デバイスの第2の出力端子に接続されていてもよい。
【0016】
本明細書で後述されるが、そのような電流制限デバイスは、最大充電電流が回路を通ることを必要とせずに、効率的な方法でバッテリーへの充電電流を調節するための回路を使用し得る。特に、コンバータにおけるトリファイラーチョークの配置は、例えば電流制限デバイスの出力端子および/または入力端子における代わりに、バッテリーセル配置を充電するとき、しばしば大きな電流がチョークを通過することを必要とせずに、コンバータおよび充電制限デバイスのためのEMI/EMCフィルタとしてトリファイラーチョークを作動させることができる。
【0017】
いくつかの実施形態において、スイッチングデバイスは、回路の第1の入力端子および第2の入力端子の間に接続され得る。スイッチングデバイスは、例えば、トランジスタであってもよく、バッテリーが充電されている間、または少なくともバッテリーに渡る電圧が所定の閾値を下回る間、開く(塞ぐ)ように動作されてもよい。もはやバッテリーが充電されていない、または少なくともバッテリーに渡る電圧が所定の閾値を超えた場合、スイッチングデバイスは、回路の入力端子がショートするように閉じる(伝導する)ようにどうされ得、コンバータを含む回路を効率的に使用できなくする。
【0018】
いくつかの実施形態において、回路は、第1の入力端子および第2の入力端子において充電器によって充電電流が適用されるとき、回路は、デバイスがバッテリーセル配置への充電電流を制限するように構成されるように使用され得る。本明細書において後述されるが、回路は、例えば、出力電圧および変換効率に基づいて、出力電流を提供する。また、これは入力電圧にも依存してもよい。回路の入力電圧は、充電制限デバイスへの適用された充電電圧と、バッテリーセル配置に渡る実際の電圧(すなわち、回路の出力電圧)との間の差であってもよい。
【0019】
本開示の第3の面によれば、バッテリーモジュールが提供される。バッテリーモジュールは、第1の端子および第2の端子を含むバッテリーセル配置を含んでいてもよい。モジュールは、本明細書に関する第2の面で説明された電流制限デバイスをさらに含んでいてもよい。デバイスの第1の出力端子は、バッテリーセル配置の第1の端子に接続され得、デバイスの第2の出力端子は、バッテリーセル配置の第2の端子に接続され得る。
【0020】
本明細書に関する第3の面におけるバッテリーモジュールは、例えば、効率的な充電、および上記のトリファイラーチョークの形態におけるEMI/EMCフィルタを伴うバッテリーモジュールを提供する。上記のように、バッテリーモジュールの出力および/または充電端子ではなく、コンバータにおけるチョークの配置は、チョークを通過しなければならないポテンシャルカレントを低減し得、それによって要求されるチョークの寸法および性能を落とす。
【0021】
いくつかの実施形態において、バッテリーモジュールは、バッテリーセル配置の第2の端子と、回路の第2の出力端子との間に接続されるさらなるスイッチングデバイスを含んでいてもよい。さらなるスイッチングデバイスは、例えば、バッテリーセル配置を充電するために充電器がバッテリーモジュールに接続されたときに開くように、およびバッテリーセル配置を放電させるために抵抗がバッテリーモジュールに接続された場合に閉じるように動作させられてもよい。
【0022】
本開示の第4の面によれば、バッテリーモジュールが提供される。バッテリーモジュールは、バッテリーセル配置を含んでいてもよい。バッテリーセル配置は、第1の端子および第2の端子を含んでいてもよい。モジュールは、第1の充電端子および第2の充電端子を含んでいてもよい。第1の充電端子は、バッテリーセル配置の第1の端子に接続され得る。モジュールは、直流-直流(DC-DC)コンバータを含んでいてもよい。モジュールは、トリファイラーチョークも、含んでいてもよい。トリファイラーチョークは、第2の充電端子とコンバータの第1の入力端子の間に接続された第1のインダクタ、バッテリーセル配置の第2の端子とコンバータの第2の入力端子の間に接続された第2のインダクタ、およびバッテリーセル配置の第1の端子とコンバータの出力端子の間に接続された第3のインダクタを含んでいてもよい。コンバータは、その第1の入力端子および第2の入力端子で受け取った第1の電圧をその出力端子で第2の電圧に変換するように構成され得る。第2の電圧は、第1の電圧よりも高くてもよい。トリファイラーチョークの第1のインダクタ、第2のインダクタ、および第3のインダクタは、同じ芯に巻かれ得、相互に結合し得、第1のインダクタと第2のインダクタで共通の電流および第2のインダクタと第3のインダクタで共通の電流がブロックされる、または減衰されるように配置され得る。
【0023】
上述、および後述のように、コンバータおよびトリファイラーチョークの配置および構成は、バッテリーセル配置への充電電流をコンバータによって効率的に制限するバッテリーモジュールを提供する。ここで、トリファイラーチョークは、バッテリーセル配置のための充電電流を受け取ることを全く必要とせずに、バッテリーモジュールへのEMI/EMCフィルタを提供する。加えて、バッテリーモジュールの充電端子に配置された一つ以上のバイファイラーチョークを利用する従来の解決方法とはさらに対照的に、単一のトリファイラーチョークの利用は、占有面積を減らし、生産コストを減らすこともでき得る。
【0024】
本明細書に記載の実施形態において、コンバータのスイッチング要素、電流制限デバイスのスイッチングデバイス、および/またはバッテリーモジュール(複数可)のさらなるスイッチングデバイスは、例えば、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)、またはバイポーラジャンクショントランジスタ(BJT)タイプであってもよい。種々のスイッチングデバイスおよび/またはスイッチング要素は、リレースイッチのような、力学的なスイッチまたは電気力学的なデバイスに基づいていてもよいことも想定される。種々のスイッチングデバイスおよびスイッチング要素は、同じタイプ、または異なるタイプであってもよい。
【0025】
第5の面によれば、直流-直流コンバータを使用したバッテリーモジュールにおける充電電流の規制のときのノイズフィルタリングの方法が提供される。方法は、全て同じ芯に巻かれ、相互に結合した第1のインダクタ、第2のインダクタ、および第3のインダクタを含むトリファイラーチョークを提供することを含んでいてもよい。方法は、バッテリーモジュールの第1の入力/充電端子をバッテリーセル配置の第1の端子に接続することを含む。方法は、コンバータの第1の入力端子と、バッテリーモジュールの第2の入力/充電端子との間に第1のインダクタを配置することを含んでいてもよい。方法は、コンバータの第2の入力端子と、バッテリーセル配置の第2の端子との間に第2のインダクタを配置することを含んでいてもよい。方法は、コンバータの出力端子と、バッテリーセル配置の第1の端子との間に第3のインダクタを配置することを含み得、バッテリーモジュールの第1の入力/充電端子および第2の入力/充電端子に渡る充電電圧を提供することを含んでいてもよい。方法において、第1のインダクタ、第2のインダクタ、および第3のインダクタは、第1のインダクタと第2のインダクタで共通の電流、および第2のインダクタと第3のインダクタで共通の電流がブロックされる、または減衰されるようにさらに配置されてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態において、方法は、第1のインダクタの終端と、紺端に接続された第2のインダクタとの間に第1のキャパシタを提供することと、第2のインダクタの終端と、コンバータに接続された第3のインダクタとの間に第2のキャパシタを提供することと、第1のインダクタの終端と、モジュールの第2の入力端子およびバッテリーセル配置の第2の端子にそれぞれ接続された第2のインダクタとの間に第3のキャパシタを提供することと、第2のインダクタの終端と、バッテリーセル配置の第2の端子およびバッテリーセル配置の第1の端子のそれぞれに接続された第3のインダクタとの間に第4のキャパシタを提供することとをさらに含んでいてもよい。
【0027】
本開示は、請求項において再び引用された特徴の可能なすべての組み合わせに関連する。さらに、第1の面による回路に関して記載された任意の実施形態は、第2の面に関して記載された電流制限デバイス、第3の面に関して記載されたバッテリーモジュール、第4の面に関して記載されたバッテリーモジュール、および/または第5の面に関して記載された方法、に関して記載された任意の実施形態と組み合わせ可能であってもよく、また、その逆も同様である。
【0028】
本開示の様々な実施形態の更なる目的および利点は、例示的な実施形態によって後述される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
例示的な実施形態は、添付の図面を参照して後述される。
【0030】
【
図1a】
図1aは、本開示における回路の概略的な実施形態を示す。
【
図1b】
図1bは、本開示における回路の概略的な実施形態を示す。
【
図1c】
図1cは、本開示におけるコンバータの概略的な実施形態を示す。
【
図2】
図2は、本開示における電流制限デバイスの概略的な実施形態を示す。
【
図3】
図3は、本開示におけるバッテリーモジュールの概略的な実施形態を示す。
【
図4】
図4は、本開示におけるバッテリーモジュールの概略的な実施形態を示す。 図面において、同じ参照番号は、言及されない限り、同じ要素に使用される。特に明記しない限り、図面は、実施形態の例示に必要とされる要素のみを示し、他の要素は、簡単のために、省略される、または単に示され得る。図に示されるように、要素の大きさおよび領域は、必ずしも正確な比率で描かれなくてもよく、例えば、例証的な目的で誇張されてもよく、すなわち、実施形態の一般的な構造が示される。
【発明を実施するための形態】
【0031】
例示する実施形態は、添付の図面を参照して、より十分に後述される。図面は、現在の好ましい実施形態を示す。しかし、発明は、これらの実施形態が完全性や完成していることを示すよりもむしろ、多数の異なる形態で実施され得、本明細書で示された実施形態に制限されるように構成されるべきではなく、さらに、当業者に、本開示の範囲を十分に示唆する。
【0032】
図1aおよび
図1bを参照して、本開示における回路の実施形態について、さらに詳細に説明する。
【0033】
図1aは、回路100の実施形態の概略図を示す。回路100は、第1の入力端子110と、第2の入力端子112と、出力端子114とを持つ。回路100は、また、第1の入力端子150と、第2の入力端子152と、出力端子154とを持つDCDCコンバータ120を含む。回路100は、第1のインダクタ140と、第2のインダクタ142と、第3のインダクタ144とを含むトリファイラーチョーク130をさらに含む。第1のインダクタ140、第2のインダクタ142、および第3のインダクタ144は、同じ芯に巻かれ(
図1aにおいて各インダクタの下に破線で描かれている)、相互に結合している(
図1aにおいて各インダクタの上に点線で描かれている)。第1のインダクタ140は、回路100の第1の入力端子110と、コンバータ120の第1の入力端子150との間に接続される。第2のインダクタ142は、回路100の第2の入力端子112と、コンバータ120の第2の入力端子152との間に接続される。第3のインダクタ144は、回路100の出力端子114と、コンバータ120の出力端子154との間に接続される。
【0034】
コンバータ120は、例えば、ブーストコンバータ、ステップアップコンバータ、等であってもよく、入力端子150、および152で入力電圧V1を取得し、出力端子154で出力電圧V2を出力する(例えば、出力端子154および第2の入力端子152の間で)。「第2の入力端子」と称されるが、後述のように、(コンバータ120が電力を受信する)電源、および(コンバータ120が電力を提供する)抵抗の両方は、第2のインダクタ142を介して、端子112と端子152に接続され得るため、端子112および152は、一体として入力/出力端子として機能する。
【0035】
回路の動作中では、電源(不図示)は、コンバータ120の第1の入力端子150および第2の入力端子152に接続され得、抵抗(不図示)は、回路100の出力端子114および第2の入力/出力端子112に接続され得る。電源によって供給される回路100の入力端子110および112に渡る入力電圧(例えば、DC入力電圧)は、コンバータ120の端子150および152に渡る電圧V1として供給され得、コンバータ120は、コンバータの出力端子154(例えば、コンバータの出力端子154および第2の入力/出力端子152の間)で電圧V1をより高い電圧V2に変換し得る。電圧V2は、回路100の出力端子114、および第2の入力/出力端子112に渡って、出力電圧として抵抗に提供される。
【0036】
特に、入力電流l1は、第2のインダクタ142を介して、電源からコンバータ120に流れ得、第1のインダクタ140を介して電源に戻り得る。同様に、出力電流l2は、第3のインダクタ144を介して、コンバータ120から抵抗に流れ得、第2のインダクタ142を介してコンバータに戻り得る。通常動作において、第2のインダクタ142における電流は、第1のインダクタ140、および第3のインダクタ144における電流と異なる方向に流れ、複数のインダクタは、このような通常の電流に、低いインピーダンスを示す。しかしながら、相互に結合され、
図1aにおいて点線で示されるように配置されたインダクタ140、142、および144によれば、第1のインダクタ140と、第2のインダクタとの両方において同じ方向、および/または第2のインダクタと、第3のインダクタ144との両方において同じ方向、に流れるノイズ電流は、一緒に合わさる、同等、および同相の複数の磁界を生成し、インダクタ140、142、および144は、そのような「コモンモード」ノイズ電流に対して、高いインピーダンスを示す。本明細書におけるコンバータ120の構成によれば、第2のインダクタ142において常に電流は流れるが、愛1のインダクタ140および第3のインダクタ144において、電流は、コンバータ120のスイッチング要素が開状態あるいは閉状態にあるかに応じて、互い違いに流れる。
【0037】
結果として、共有された入力/出力端子152を伴うコンバータ120の構成は、トリファイラーチョーク130をコモンモードノイズ電流のフィルタとして機能させることができる。このフィルタは、例えば、コンバータ120内のスイッチングによるEMIの効果を減らし、回路100のEMCを改善する。さらに、例えばコンバータの入力端子および出力端子の両方に配置された分離したバイファイラーチョークの代わりに、単一のチョークを使用すると、コンバータおよびフィルタを含む回路の占有面積およびコストを減らすことができる。
【0038】
図1bは、本開示における回路101の別の実施形態の概略図を示す。回路101において、第1のキャパシタ160は、コンバータ120の第1の入力端子150および第2の入力/出力端子152の間に接続され、第2のキャパシタ162は、コンバータ120の第2の入力/出力端子152、および出力端子154の間に接続され、第3のキャパシタ164は、回路101の第1の入力端子110、および第2の入力/出力端子112の間に接続され、第4のキャパシタ166は、回路101の第2の入力/出力端子112、および出力端子114の間に接続される。
図1bにおいて示される回路101において、キャパシタ160~166は、トリファイラーチョーク131の一部を形成する。キャパシタ160~166が含まれる場合、代わりに直の外側に配置され得ることも想定される。そのような回路101の実施形態において、トリファイラーチョーク131は、
図1aにおいて示される回路100に関して記載されたトリファイラーチョーク130と同一であってもよい。種々のキャパシタ160~166は、例えば、回路101から異なるモードのノイズ電流が広がる/現れることを妨げ得、および/または、例えば、コンバータ120の出力におけるリップル電圧を減らし得る。さらに、トリファイラーチョーク130について、フィルタは、図において示していない他の構成要素を含み得ることも想定される。
【0039】
図1cに関して、回路100、および101のいくつかの実施形態において使用されるDCDCコンバータ120のより詳細について説明する。
【0040】
図1cは、DCDCコンバータ120の概略図を示す。コンバータ120は、第1の入力端子150、第2の入力/出力端子152、および出力端子154を有する。コンバータ120は、第2の入力/出力端子152および第1のノード124の間に接続されたインダクタンス122、すなわちストレージインダクタンスを含む。コンバータ120は、第1のノード124および出力端子154の間に接続され、電流が出力端子154から、ダイオード126を通って、第1のノード124に向かって流れることを妨げるように配向されたダイオード126を含む。コンバータ120は、第1のノード124および第1の入力端子150の間に接続されたスイッチング素子128も含む。コンバータ120は、スイッチング素子128に接続され、少なくとも開状態(開状態において、スイッチング素子128は、第1の入力端子150から第1のノード124を切断する)および閉状態(閉状態において、スイッチング素子128は、第1のノード124を入力端子150に接続させる)の間でスイッチング素子128を交互に作動させ得るモデュレーション部(不図示)をさらに含む。
【0041】
スイッチング素子128が開状態で動作されるとき、第1の入力端子150および第2の入力/出力端子152に渡って供給された電圧V1は、電流l1を第2の入力/出力端子152に渡し、インダクタ122を通り、第1の入力端子150を介して外に出させる。この段階で、このような代替的な電流パスにより、ダイオード126を流れる電流は、全くないあるいはごく少量であることが想定される。インダクタ122に渡る極性は、第2の入力/出力端子152に最も近い側のインダクタ122における極性が正であることが想定され得る。電流l1がインダクタ122を通って流れるとき、インダクタ122は、磁界を生成することによっていくつかのエネルギーを蓄え得る。
【0042】
次の段階において、モデュレーション部は、もはやスイッチング素子128に電流が流れないように、スイッチング素子128を開状態に動作させる。電流は、代わりにダイオード126を流れ、出力端子154から出る。閉じられたスイッチング素子128を通る電流パスと比較して、ダイオードを通る電流パスのインピーダンスは増加しているため、ダイオード126を流れる電流l2は、電流l1よりも小さい。しかしながら、電流が流れるインダクタがいくつかの変化に相対するため、以前に作られた磁界は、電流が流れることを維持するために破壊される。結果として、インダクタ122全体の極性が変化し、入力端子152および150の入力電圧とインダクタ122全体の電圧が直列に接続されているため、第1のノード124の電圧がより高くなる。例えば、出力端子154および(出力として使用される)第2の入力/出力端子152に渡る電圧V2の出力は、入力電圧V1よりも高くなる。開および閉状態の間のスイッチング素子128のスイッチングが十分すばやく繰り返された場合、インダクタ122は、各サイクルの間で完全に放電せず、出力端子154および第2の入力/出力端子152全体に接続された抵抗に負荷がかかる出力電圧V2は、常に入力電圧V1より高くなる。入力電圧V1および出力電圧V2の間の比率は、例えば、スイッチングのデューティサイクルによって制御され得る。
【0043】
この、または他の実施形態において、例えば、出力端子154および第2の入力/出力端子152の間に接続された一つ以上のキャパシタを含むことも想定される。スイッチング素子128が開状態にあるとき、一つ以上のキャパシタは電流l2によって充電され、スイッチング素子128が閉状態にあるとき、一つ以上のキャパシタは、次の段階の間、抵抗にエネルギーを提供することができる。このことは、例えば、よりスムーズに抵抗に電圧を出力することを提供し得る。
【0044】
当業者が、種々のインダクタおよびキャパシタのサイズを適切に選択する方法、およびコンバータ120を使用する際に入力電圧と出力電圧の間の望みの比率を得ることに応じて、スイッチング素子128をモデュレートする方法を知っていることを想定している。
【0045】
図2に関して、本開示における電流制限デバイスの実施形態の詳細について説明する。
【0046】
図2は、電流制限デバイス200の実施形態の概略図を示す。デバイス200は、第1の入力端子210および第2の入力端子212を含む。第1および第2の入力端子210、212は、充電端子を提供し得、例えば充電器(不図示)に接続され得る。デバイス200は、第1の出力端子220、および第2の出力端子222を含む。第1、および第2の出力端子220、222は、例えば、充電器によって充電されたバッテリーセル配置(不図示)に接続され得る。デバイス200は、回路100も含む。回路100は、例えば、
図1aに関して説明された回路100または
図1bに関して説明された回路101等の、本明細書で前述の回路であってもよい。
【0047】
回路100の出力端子114は、デバイス200の第1の入力端子210に接続される。回路100の第1の入力端子110は、デバイス200の第2の入力端子212も接続される。回路100の第2の入力端子112は、デバイス200の第2の出力端子222に接続される。
【0048】
デバイス200の入力端子210、および212が充電器(不図示)に接続されている場合、およびデバイス200の出力端子220、および222が充電器によって充電されたバッテリーセル配置(不図示)に接続されている場合、デバイス200の動作は、下記の例によって示され得る。
【0049】
充電器が、入力端子210、および212全体に充電電圧Vchargeを提供する場合を想定する。バッテリーセル配置が完全に充電されたとき、端子220、および222全体の電圧V2は、Vchargeになる、あるいは少なくともVchargeに近づく。しかしながら、バッテリーセル配置が完全に充電されていない間、電圧V2は、Vchargeよりも小さくなり、回路100の入力端子全体の電圧V1は、有限であり、V1=Vcharge-V2が成り立つ。回路100におけるコンバータの入力端子全体の電圧が所定の閾値を上回っている間、コンバータは、入力端子(すなわち、回路100の入力端子110、および112)においてPinputの一定の電力レベルを維持するように適用され得、回路100に流れる電流l1は、l1=Pinput/V1となる。X%の変換効率で(ここで、X=[0-100])、回路100のコンバータの出力である電力レベルPoutput(すなわち、出力端子114および例えば第2の入力/出力端子112において)は、Poutput=(X/100)*Pinputとなる。回路の出力端子114から外に流れる電流l2は、Poutput/V2となり、
図2において、バッテリーへの充電電流Ichargeは、Icharge=I1+I2=Pinput/V1+Poutput/V2=Pinput*(1/(Vcharge-V2)+(X/100)/V2)が成り立つ。
【0050】
もしも、例えば、Vcharge=60V、Pinput=60W、X=50、およびV2=30V(すなわち、バッテリーセル配置が完全に充電された状態に近くない)であれば、回路100は、バッテリーに提供される対応する電力Pbattery=V2*Icharge=120Wで、バッテリーへの充電電流がIcharge=4Aとなるように調節する。その間、充電器によってデバイス200に提供される入力電力Pchargeは、Pcharge=Vcharge*l1=(Vcharge/(Vcharge-V2))*Pinput=150Wによって与えられる。充電器によって提供される入力電圧Pchargeと、バッテリーに供給されるPbatteryとを比較すると、上の例における、合計の充電効率は、80%であることがわかる。
【0051】
もし、代わりに、V2=45V(すなわち、バッテリーセル配置は、完全に充電された状態に近づく)場合、Icharge=12.67A、Pbattery=570W、およびPcharge=600Wとなり、95%の合計の充電効率になる。要約すると、デバイス200は、バッテリーへの充電電流を効率的に調節することができ、コンバータの効率(上記の例の50%)が低い場合であっても高い充電効率を提供する。コンバータの効率の増大は、合計充電効率をさらに改善させる。
【0052】
バッテリーセル配置が完全に充電された状態に近づいた場合、回路100の入力端子110および112全体の電圧V1は、減らされ、コンバータが一定の入力電力Pinputおよび/または変換効率を維持できない閾値より下に徐々に落ちる。しかしながら、バッテリーセル配置が自完全に充電された状態に近いとき、バッテリーセル配置内のバッテリーセルが高い充電電流に低感度であり、コンバータへの要求が減るまたは取り除かれる。例えば、バッテリー全体の電圧(すなわち、電圧V2)を検出することによって、バッテリーセル配置の充電レベルは、決定され得、スイッチングデバイス230は、バッテリーが完全に充電された状態に近づく、あるいは完全に充電されたことが判定されると、スイッチングデバイス230は、閉じられるように(および、回路100への入力をショートさせることによって)動作され得る。同様に、バッテリーが十分に充電された状態に近くない場合、スイッチングデバイス230は、開けられるように動作され得、回路100が上記のバッテリーセル配置への充電電流を調整することを許容する。
【0053】
図3に関して、本開示におけるバッテリーモジュールの実施形態の詳細について説明する。
【0054】
図3は、
図2に関する上記の電流制限デバイス200、およびバッテリーセル配置310を含むバッテリーモジュール300の概略図を示す。バッテリーセル配置310は、デバイス200の第1の出力端子220に接続された第1の端子320、およびデバイス200の第2の出力端子222に接続された第2の端子322を有する。バッテリーモジュール300は、デバイス200の第1の入力端子210、および第2の入力端子220を使用して、充電器340にさらに接続され得る。充電器340は、デバイスの入力端子220、および222全体に電圧Vchargeを提供し得る。バッテリーセル配置310は、例えばリチウム、またはリチウムイオンを含み得る一つ以上のバッテリーセル330を含む。1つ以上のバッテリーセル330は、例えばリチウムセルであってもよいが、他のバッテリー技術がバッテリーセル配置310のバッテリーセル330として使用されてもよい。
【0055】
図4に関して、本開示におけるバッテリーモジュールの実施形態の詳細について説明する。
【0056】
図4は、バッテリーモジュール400の概略図を示す。モジュール400は、第1の入力/充電端子210、および第2の入力/充電端子212を含み、入力/充電端子210、212は、端子210、212全体に充電電圧Vchargeを提供するために、例えば充電器に接続される。
【0057】
モジュール400は、バッテリーセル配置310を含む、ここで、配置310の第1の端子320は、モジュール400の第1の入力端子210に接続され、バッテリーセル配置310は、
図3に関して説明されたモジュール300に関して上述された一つ以上のバッテリーセル330を含む。
【0058】
モジュール400は、本明細書で上述の、例えば、ブーストコンバータ、ステップアップコンバータ、またはコンバータ120のような類似であってもよい、DCDCコンバータ120を含む。コンバータ120は、第1の入力端子150、第2の入力端子152、および出力端子154を有する。本明細書で前述のように、第2の入力端子152は、出力端子としても使用され得、端子152を結合された入力/出力端子とし得る。出力電圧が入力電圧よりも高い場合、コンバータ120は、入力端子150および152において提供された入力電圧を出力端子154における出力電圧に変換するように構成される。
【0059】
特に、トリファイラーチョーク130の形態におけるEMC/EMIフィルタは、モジュール400の残りとコンバータ120を接続するように配置される。例えば、
図1a、および
図1cに関連して説明された回路100、101の実施形態について、トリファイラーチョーク130は、あるインダクタを通過する電流によって引き起こされた磁界が一つ以上の他のインダクタを通過する電流に影響を及ぼすように、または逆も同様に、(各インダクタの下の破線によって示されるように)すべてが同じ芯に巻かれ、(各インダクタにおいて点線によって示されるように)相互に結合した、第1のインダクタ140、第2のインダクタ142、および第3のインダクタ144を含む。各インダクタ上の点線の位置よってさらに示されるので、トリファイラーチョーク130は、同じ方向であって、例えば、第1のインダクタ140と第2のインダクタ142、および/または第2のインダクタ142と第3のインダクタ144内を通る、同等に大きい電流が、同等であり同相であって、増大し、そのような電流に対してトリファイラーチョーク130のインピーダンスを高くする磁界を引き起こすように、コモンモード除去傾向において配置される。言い換えれば、トリファイラーチョーク130は、例えば、第1のインダクタ140と、第2のインダクタ142、および/または第2のインダクタ142と、第3のインダクタ144において反対方向に、電流が流れることを許容し、トリファイラーチョーク130は、同じ方向に流れる対応する電流をブロックし、コンバータ120によって引き起こされるEMIを減らすコモンモード除去フィルタリングを引き起こし、それによってモジュール400のEMCを改善する。
【0060】
コンバータ120は、第3のインダクタ144を介して、バッテリーセル配置310の第1の端子320に接続される。スイッチングデバイス230は、コンバータのそれぞれの入力端子150および152に接続されていないインダクタ140および142の端の間に提供され、また、インダクタ140および142の端それぞれは、モジュール400の第2の入力端子212、およびバッテリー310の第2の端子322に、それぞれ接続される(
図4に示されるように)。
【0061】
ここで、さまざまなコンポーネント/構成要素は、「回路100/101」および/または「充電制限デバイス200」のようなオブジェクトに暗に含まれる代わりに、直接的に示されているが、
図4に関して説明されるバッテリーモジュール400は、例えば、
図3に関して説明されたバッテリーモジュール300と同等であることは注意されたい。
【0062】
バッテリーモジュール400は、バッテリーセル配置310が充電されている間(例えば、モジュール400の入力端子210、212に充電器が接続されているとき)、開かれる(ブロックする)ように、およびバッテリーセル配置310が充電されていない間、閉められる(伝導する)ように動作され得、および、例えば、代わりに抵抗に接続されるとバッテリーセル配置310が放電する、更なるスイッチングデバイス430と共に提供され得る。モジュール400が、充電器および抵抗の両方に(例えば、充電器および抵抗が平行に接続されるように)同時に接続され得ることが想定される。さらなるスイッチングデバイス430は、例えば、バッテリーセル配置310が充電される、あるいは放電されるかどうかを制御するために使用され得る。さらにスイッチングデバイス430は、任意であってもよい。
【0063】
本開示は、DCDCコンバータを使用したバッテリーモジュールにおいて充電電流を調節するときの、ノイズフィルタリングの方法も提供する。その方法は、
図1a、1b、2、3、および4に関して説明されたコンバータのトリファイラ―コイルの接続を提供するために実行されるステップを含み、そして、バッテリーモジュールの出力/入力端子における充電電圧を提供することも含む。
【0064】
いずれの図においても図示されていないが、本明細書に記載の様々な回路、電流制限デバイス、バッテリーモジュール、および方法の実施形態において、様々なスイッチング要素、スイッチングデバイス、およびモデュレーション部を制御するために、必要に応じて、追加の回路系が提供され得ることが想定される。
【0065】
図1a、1b、1c、2、3、および4において示される実施形態を参照すると、DCDCコンバータ120についての更なる詳細および代替、例えばバッテリーモジュール300、400の可能な接続、およびそれらの機能は、同じ出願人による国際特許出願PCT/EP2016/063144に記載されたタイプであってもよい。国際特許出願を参照して、上記において、さらなる詳細および代替が発見された場合、充電制限デバイス200の充電機能、およびバッテリーモジュール300、400にも同じことが当てはまる。従って、国際特許出願PCT/EP2016/063144の内容は、本明細書に完全に組み込まれる。
【0066】
しかしながら、本開示は、トリファイラーチョークを導入することによって、以前の教示を改善する。特に、コンバータの端子にトリファイラーチョークを直接配置することは、バッテリーモジュールの通常動作中に、各インダクタにおいて、一つの方向のみに、常に流れる電流を生じさせる。このことは、通常動作中にチョークのインダクタにおいて釣り合う電流を引き起こし、そして、例えばコンバータ内のスイッチングから望まないEMIを減らすためにコモンモード除去フィルタリングを提供する。このことは、バッテリーモジュールのEMCを高める。さらに、コンバータの端子に直接、および例えばバッテリーモジュールの入力端子においてではない、トリファイラーチョークの配置は、チョークの全体あるいはいくつかの部分を最大充電電流(例えば、充電器によって提供される電流)が走る/流れることを避ける。このことは、チョークの要求性能を減らし、チョークの芯のサチレーションを防ぎ、チョークがより効率的なコストおよび領域で作成されることを許容する。
【0067】
当業者は、本開示が上記の実施形態を決して制限しないことを理解する。反対に、多数の変更および変形は、追加の請求項の範囲内で可能である。
【0068】
特定の組み合わせにおける、特徴および要素は上記で説明されたが、各特徴および要素は、他の特徴および要素を伴わずに単独で、または、他の特徴および要素を伴う、または伴わない様々な組み合わせで使用される。
【0069】
さらに、開示された実施形態の変形は、請求項の発明を実施する当業者によって、図、本開示、および添付の請求項の検討から、理解、および引き起こされ得る。請求項において、単語「具備する」は、他の要素を除外せず、不定詞「a」または「an」は、複数であることを除外しない。特定の特徴が相互に異なる従属項に記載されているという単なる事実は、これらの特徴の組み合わせが有利に使用されないことを示すものではない。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端子(320)および第2の端子(322)を含むバッテリーセル配置(310)と、
前記バッテリーセル配置の前記第1の端子(320)に接続されている第1の充電端子(210)、および第2の充電端子(212)と、
電流制限デバイス(200)と、
を具備し、
前記
電流制限デバイス(200)は、
充電器に接続可能な第1の入力端子(210)および第2の入力端子(212)と、
前記バッテリーセル配置に接続可能な第1の出力端子(220)および第2の出力端子(222)を含む電流制限デバイス(200)と、
回路(100)と、
を含み、
前記回路(100)は、
第1の入力端子(110)、第2の入力端子(112)、および出力端子(114)と、
直流-直流コンバータ(120)と、
前記回路(100)の前記第1の入力端子(110)と前記コンバータ(120)の第1の入力端子(150)との間に接続された第1のインダクタ(140)と、前記回路(100)の前記第2の入力端子(112)と前記コンバータ(120)の第2の入力端子(152)との間に接続された第2のインダクタ(142)と、前記回路(100)の前記出力端子(114)と前記コンバータ(120)の出力端子(154)との間に接続された第3のインダクタとを含むトリファイラーチョーク(130)と
、
を含み、
前記回路(100)の前記出力端子(114)は、前記デバイス(200)の前記第1の入力端子(210)および前記第1の出力端子(220)に接続され、前記回路(100)の前記第1の入力端子(110)は、前記デバイス(200)の前記第2の入力端子(212)に接続され、前記回路(100)の前記第2の入力端子(112)は、前記デバイス(200)の前記第2の出力端子(222)に接続され、
前記コンバータ(120)は、その前記第1の入力端子(150)および前記第2の入力端子(152)において受けた第1の電圧(V1)をその前記出力端子(152)における第2の電圧(V2)に変換するように構成され、前記第2の電圧(V2)は、前記第1の電圧(V1)よりも高く、
前記トリファイラーチョーク(130)の前記第1のインダクタ(140)、前記第2のインダクタ(142)、および前記第3のインダクタ(144)は、同じ芯に巻かれ、相互に結合し、前記第1のインダクタ(140)と前記第2のインダクタ(142)に共通の電流および前記第2のインダクタ(142)と前記第3のインダクタ(144)に共通の電流がブロックされ、または、減衰されるように配置される、
バッテリーモジュール(300)。
【請求項2】
前記コンバータ(120)は、
前記コンバータ(120)の前記第2の入力端子(152)と第1のノード(124)との間に接続されたインダクタンス(122)と、
前記第1のノード(124)と、前記コンバータ(120)の前記出力端子(154)との間に接続されたダイオード(126)と、
前記第1のノード(124)と、前記コンバータ(120)の前記第1の入力端子(150)との間に接続されたスイッチング要素(128)と、
前記スイッチング要素(128)を少なくとも開状態と閉状態との間で互い違いに動作させるように構成されたモデュレーション部と、
を含む、請求項1の
バッテリーモジュール(300)。
【請求項3】
前記コンバータ(120)の前記第1の入力端子(150)と前記第2の入力端子(152)との間に接続された第1のキャパシタ(160)と、前記コンバータ(120)の前記第2の入力端子(152)と前記出力端子(154)との間に接続された第2のキャパシタ(162)と、前記回路(100)の前記第1の入力端子(110)と前記第2の入力端子(112)との間に接続された第3のキャパシタ(164)と、前記回路(100)の前記第2の入力端子(112)と前記出力端子(114)との間に接続された第4のキャパシタ(166)とをさらに具備する、
請求項1または2のバッテリーモジュール(300)。
【請求項4】
前記回路(100)の前記第1の入力端子(110)と、前記第2の入力端子(112)との間に接続されたスイッチングデバイス(230)をさらに具備する、
上記の請求項1乃至3のうちのいずれか1項のバッテリーモジュール(300)。
【請求項5】
前記回路(100)を使用することで、前記デバイス(200)は、前記デバイス(200)の前記第1の入力端子(210)および前記第2の入力端子(212)において、前記充電器によって、充電電圧(Vcharge)が印加されるとき、前記バッテリーセル配置への充電電流(Icharge)を制限するように構成される、
上記の請求項1乃至4のうちのいずれか1項のバッテリーモジュール(300)。
【請求項6】
前記バッテリーセル配置(310)の前記第2の端子(322)と、前記回路(100)の前記第2の出力端子(152)との間に接続された更なるスイッチングデバイス(330)をさらに具備する、
上記の請求項1乃至5のうちのいずれか1項のバッテリーモジュール(300)。
【請求項7】
直流-直流コンバータ(120)を使用するバッテリーモジュール(400)における充電電流を調整するときのノイズフィルタリングの方法であって、
全てが同じ芯に巻かれ、相互に結合された、第1のインダクタ(140)、第2のインダクタ(142)、および第3のインダクタ(144)を含むトリファイラーチョーク(130)を提供することと、
前記バッテリーモジュール(400)の第1の充電端子(210)をバッテリーセル配置(310)の第1の端子(320)に接続することと、
前記第1のインダクタ(140)を前記コンバータ(120)の第1の入力端子(150)と、前記バッテリーモジュール(400)の第2の充電端子(212)との間に配置することと、
前記第2のインダクタ(142)を前記コンバータ(120)の第2の入力端子(152)と、前記バッテリーセル配置(310)の第2の端子(322)との間に配置することと、
前記第3のインダクタ(146)を前記コンバータ(120)の出力端子(154)と、前記バッテリーセル配置(310)の前記第1の端子(320)との間に配置することと、
前記バッテリーモジュール(400)の前記第1の充電端子(210)および前記第2の充電端子(212)にわたって充電電圧(Vcharge)を提供することと、
を具備し、
前記第1のインダクタ(140)、前記第2のインダクタ(142)、および前記第3のインダクタ(144)は、前記第1のインダクタ(140)と前記第2のインダクタ(142)に共通の電流と、前記第2のインダクタ(142)と前記第3のインダクタ(144)に共通の電流とがブロックされ、または、減衰されるようにさらに配置される、
方法。
【請求項8】
前記コンバータ(120)に接続された前記第1のインダクタ(140)および前記第2のインダクタ(142)の端の間に第1のキャパシタ(160)を提供することと、
前記コンバータ(120)に接続された前記第2のインダクタ(142)および前記第3のインダクタ(144)の端の間に第2のキャパシタ(162)を提供することと、
前記バッテリーモジュール(400)の前記第2の充電端子(212)に、および、前記バッテリーセル配置(310)の前記第2の端子(322)に、それぞれ接続された前記第1のインダクタ(140)、および、前記第2のインダクタ(142)の端の間に第3のキャパシタ(164)を提供することと、
前記バッテリーセル配置(310)の前記第2の端子(322)に、および、前記バッテリーセル配置(310)の前記第1の端子(320)に、それぞれ接続された前記第2のインダクタ(140)、および、前記第3のインダクタ(142)の端の間に第4のキャパシタ(166)を提供することと、
をさらに具備する、請求項7の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
スイッチング素子128が閉状態で動作されるとき、第1の入力端子150および第2の入力/出力端子152に渡って供給された電圧V1は、電流l1を第2の入力/出力端子152に渡し、インダクタ122を通り、第1の入力端子150を介して外に出させる。この段階で、このような代替的な電流パスにより、ダイオード126を流れる電流は、全くないあるいはごく少量であることが想定される。インダクタ122に渡る極性は、第2の入力/出力端子152に最も近い側のインダクタ122における極性が正であることが想定され得る。電流l1がインダクタ122を通って流れるとき、インダクタ122は、磁界を生成することによっていくつかのエネルギーを蓄え得る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
さらに、開示された実施形態の変形は、請求項の発明を実施する当業者によって、図、本開示、および添付の請求項の検討から、理解、および引き起こされ得る。請求項において、単語「具備する」は、他の要素を除外せず、不定詞「a」または「an」は、複数であることを除外しない。特定の特徴が相互に異なる従属項に記載されているという単なる事実は、これらの特徴の組み合わせが有利に使用されないことを示すものではない。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
第1の入力端子(110)、第2の入力端子(112)、および出力端子(114)と、
直流-直流コンバータ(120)と、
回路(100)の前記第1の入力端子(110)と前記コンバータ(120)の第1の入力端子(150)との間に接続された第1のインダクタ(140)と、前記回路(100)の前記第2の入力端子(112)と前記コンバータ(120)の第2の入力端子(152)との間に接続された第2のインダクタ(142)と、前記回路(100)の前記出力端子(114)と前記コンバータ(120)の出力端子(154)の間に接続された第3のインダクタを含むトリファイラーチョーク(130)と、
を含み、
前記コンバータ(120)は、その前記第1の入力端子(150)および前記第2の入力端子(152)において受けた第1の電圧(V1)をその前記出力端子(152)における第2の電圧(V2)に変換するように構成され、前記第2の電圧(V2)は、前記第1の電圧(V1)よりも高く、
前記トリファイラーチョーク(130)の前記第1のインダクタ(140)、前記第2のインダクタ(142)、および前記第3のインダクタ(144)は、同じ芯に巻かれ、相互に結合し、そして前記第1のインダクタ(140)と前記第2のインダクタ(142)に共通の電流および前記第2のインダクタ(142)と前記第3のインダクタ(144)に共通の電流がブロックされ、あるいは減衰されるように配置される、
回路(100)。
[2]
前記コンバータ(120)は、
前記コンバータ(120)の前記第2の入力端子(152)と第1のノード(124)との間に接続されたインダクタンス(122)と、
前記第1のノード(124)と、前記コンバータ(120)の前記出力端子(154)との間に接続されたダイオード(126)と、
前記第1のノード(124)と、前記コンバータ(120)の前記第1の入力端子(150)との間に接続されたスイッチング要素(128)と、
前記スイッチング要素(128)を少なくとも開状態と閉状態との間で互い違いに動作させるように構成されたモデュレーション部と、
を含む、[1]の回路(100)。
[3]
電源が前記コンバータ(120)の前記第1の入力端子(150)および前記第2の入力端子(152)において前記第1の電圧を提供するように接続され、
抵抗が前記コンバータ(120)の前記出力端子(154)および前記第2の入力端子(152)において前記第2の電圧を受け取るように接続された場合、
第1の電流(l1)は、前記スイッチング要素(128)が閉状態で動作されるとき、前記電源から前記コンバータ(120)の前記第2の入力端子(152)へ、前記コンバータ(120)の前記第1の入力端子(150)の外へ流れ、
第2の電流(l2)は、前記スイッチング要素(128)が開状態で動作されるとき、前記コンバータ(120)の出力端子(154)から前記抵抗へ、前記コンバータ(120)の前記第2の入力端子(152)に流れる、[2]の回路(100)。
[4]
前記コンバータ(120)の前記第1の入力端子(150)と前記第2の入力端子(152)との間に接続された第1のキャパシタ(160)と、
前記コンバータ(120)の前記第2の入力端子(152)と前記出力端子(154)との間に接続された第2のキャパシタ(162)と、
前記回路(100)の前記第1の入力端子(110)と前記第2の入力端子(112)との間に接続された第3のキャパシタ(164)と
前記回路(100)の前記第2の入力端子(112)と前記出力端子(114)との間に接続された第4のキャパシタ(166)とをさらに具備する、[1]乃至[3]のうちのいずれか1つの回路(100)。
[5]
充電器に接続可能な第1の入力端子(210)、および第2の入力端子(212)と、
バッテリーセル配置に接続可能な第1の出力端子(220)、および第2の出力端子(222)と、
[1]から[4]のいずれかにおける前記回路(100)とを具備し、
前記回路(100)の前記出力端子(114)は、電流制限デバイス(200)の前記第1の入力端子(210)、および前記第1の出力端子(220)に接続され、
前記回路(100)の前記第1の入力端子(110)は、前記デバイス(200)の前記第2の入力端子(212)に接続され、
前記回路(100)の前記第2の入力端子(112)は、前記デバイス(200)の前記第2の出力端子(222)に接続される、
電流制限デバイス(200)。
[6]
前記回路(100)の前記第1の入力端子(110)と、前記第2の入力端子(112)との間に接続されたスイッチングデバイス(230)をさらに具備する、[5]のデバイス(200)。
[7]
前記回路(100)を使用することで、前記デバイス(200)は、前記デバイス(200)の前記第1の入力端子(210)および前記第2の入力端子(212)において、前記充電器によって、充電電圧(Vcharge)が印加されるとき、前記バッテリーセル配置への充電電流(Icharge)を制限するように構成される、[5]または[6]のデバイス(200)。
[8]
第1の端子(320)および第2の端子(322)を含むバッテリーセル配置(310)と、
[5]から[7]のいずれか1つにおける電流制限デバイス(200)とを具備し、
前記デバイス(200)の前記第1の出力端子(220)は、前記バッテリーセル配置(310)の前記第1の端子(320)に接続され、前記デバイス(200)の前記第2の出力端子(222)は、前記バッテリーセル配置(310)の前記第2の端子(322)に接続される、
バッテリーモジュール(300)。
[9]
前記バッテリーセル配置(310)の前記第2の端子(322)と、前記回路(100)の前記第2の出力端子(152)との間に接続された更なるスイッチングデバイス(330)をさらに具備する、[8]のバッテリーモジュール(300)。
[10]
第1の端子(320)および第2の端子(322)を含むバッテリーセル配置(310)と、
前記バッテリーセル配置(310)の前記第1の端子(320)に接続されている第1の充電端子(210)および第2の充電端子(212)と、
直流-直流コンバータ(120)と、
前記コンバータ(120)の前記第2の充電端子(212)と、第1の入力端子(150)との間に接続された第1のインダクタ(140)、前記バッテリーセル配置(310)の前記第2の端子(322)と、前記コンバータ(120)の第2の入力端子(152)との間に接続された第2のインダクタ(142)および前記バッテリーセル配置(310)の前記第1の端子(320)と、前記コンバータ(120)の出力端子(154)との間に接続された第3のインダクタ(144)とを含むトリファイラーチョーク(130)を具備し、
コンバータ(120)がその前記第1の入力端子(150)において受けた第1の電圧(V1)を、その前記出力端子(154)における第2の電圧(V2)に変換するように構成され、前記第2の電圧(V2)は前記第1の電圧(V1)よりも高く、
第1のインダクタ(140)、第2のインダクタ(142)、および第3のインダクタ(144)が同じ芯に巻かれ、相互に結合し、前記第1のインダクタ(140)と前記第2のインダクタに共通の電流、および前記第2のインダクタ(142)と前記第3のインダクタ(144)に共通の電流がブロックされ、または、減衰されるように配置される、
バッテリーモジュール(400)。
[11]
直流-直流コンバータ(120)を使用するバッテリーモジュール(400)における充電電流を調整するときのノイズフィルタリングの方法であって、
全てが同じ芯に巻かれ、相互に結合された、第1のインダクタ(140)、第2のインダクタ(142)、および第3のインダクタ(144)を含むトリファイラーチョーク(130)を提供することと、
前記バッテリーモジュール(400)の第1の充電端子(210)をバッテリーセル配置(310)の第1の端子(320)に接続することと、
前記第1のインダクタ(140)を前記コンバータ(120)の第1の入力端子(150)と、前記バッテリーモジュール(400)の第2の充電端子(212)との間に配置することと、
前記第2のインダクタ(142)を前記コンバータ(120)の第2の入力端子(152)と、前記バッテリーセル配置(310)の第2の端子(322)との間に配置することと、
前記第3のインダクタ(146)を前記コンバータ(120)の出力端子(154)と、前記バッテリーセル配置(310)の前記第1の端子(320)との間に配置することと、
前記バッテリーモジュール(400)の前記第1の充電端子(210)および前記第2の充電端子(212)にわたって充電電圧(Vcharge)を提供することと、
を具備し、
前記第1のインダクタ(140)、前記第2のインダクタ(142)、および前記第3のインダクタ(144)は、前記第1のインダクタ(140)と前記第2のインダクタ(142)に共通の電流と、前記第2のインダクタ(142)と前記第3のインダクタ(144)に共通の電流とがブロックされ、または、減衰されるようにさらに配置される、
方法。
[12]
前記コンバータ(120)に接続された前記第1のインダクタ(140)および前記第2のインダクタ(142)の端の間に第1のキャパシタ(160)を提供することと、
前記コンバータ(120)に接続された前記第2のインダクタ(142)および前記第3のインダクタ(144)の端の間に第2のキャパシタ(162)を提供することと、
前記バッテリーモジュール(400)の前記第2の充電端子(212)に、および、前記バッテリーセル配置(310)の前記第2の端子(322)に、それぞれ接続された前記第1のインダクタ(140)、および、前記第2のインダクタ(142)の端の間に第3のキャパシタ(164)を提供することと、
前記バッテリーセル配置(310)の前記第2の端子(322)に、および、前記バッテリーセル配置(310)の前記第1の端子(320)に、それぞれ接続された前記第2のインダクタ(140)、および、前記第3のインダクタ(142)の端の間に第4のキャパシタ(166)を提供することと、
をさらに具備する、[11]の方法。
【国際調査報告】