IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オンクセオの特許一覧 ▶ アンセルム(アンスティチュート・ナシオナル・ドゥ・ラ・サンテ・エ・ドゥ・ラ・ルシェルシュ・メディカル)の特許一覧 ▶ ユニヴェルシテ ポール サバティエ トゥールーズ 3の特許一覧 ▶ アンスティテュ・クラウディウス・ルゴーの特許一覧

特表2022-526713がんの処置のための、キナーゼ阻害剤と組み合わせたDbait分子
<>
  • 特表-がんの処置のための、キナーゼ阻害剤と組み合わせたDbait分子 図1A
  • 特表-がんの処置のための、キナーゼ阻害剤と組み合わせたDbait分子 図1B
  • 特表-がんの処置のための、キナーゼ阻害剤と組み合わせたDbait分子 図1C
  • 特表-がんの処置のための、キナーゼ阻害剤と組み合わせたDbait分子 図2
  • 特表-がんの処置のための、キナーゼ阻害剤と組み合わせたDbait分子 図3
  • 特表-がんの処置のための、キナーゼ阻害剤と組み合わせたDbait分子 図4
  • 特表-がんの処置のための、キナーゼ阻害剤と組み合わせたDbait分子 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-26
(54)【発明の名称】がんの処置のための、キナーゼ阻害剤と組み合わせたDbait分子
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/713 20060101AFI20220519BHJP
   A61K 31/517 20060101ALI20220519BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220519BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20220519BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20220519BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220519BHJP
   C12N 9/99 20060101ALN20220519BHJP
   C12N 15/11 20060101ALN20220519BHJP
【FI】
A61K31/713 ZNA
A61K31/517
A61P35/00
A61P35/02
A61K31/5377
A61P43/00 121
C12N9/99
C12N15/11 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021553852
(86)(22)【出願日】2020-03-19
(85)【翻訳文提出日】2021-09-08
(86)【国際出願番号】 EP2020057555
(87)【国際公開番号】W WO2020188015
(87)【国際公開日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】19305349.3
(32)【優先日】2019-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】317016006
【氏名又は名称】オンクセオ
【氏名又は名称原語表記】ONXEO
(71)【出願人】
【識別番号】507002516
【氏名又は名称】アンセルム(アンスティチュート・ナシオナル・ドゥ・ラ・サンテ・エ・ドゥ・ラ・ルシェルシュ・メディカル)
(71)【出願人】
【識別番号】506018536
【氏名又は名称】ユニヴェルシテ ポール サバティエ トゥールーズ 3
(71)【出願人】
【識別番号】521404727
【氏名又は名称】アンスティテュ・クラウディウス・ルゴー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フランソワーズ・ボノ
(72)【発明者】
【氏名】ジル・ファーブル
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ・カルヴェラック
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC46
4C086BC73
4C086EA16
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、がんを処置するためのDbait分子とプロテインキナーゼ阻害剤の組み合わせに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Dbait分子及びプロテインキナーゼ阻害剤を含む、医薬組成物、組み合わせ又はキット。
【請求項2】
キナーゼ阻害剤が、EGFRファミリー、ALK、B-Raf、MEK、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FLT3、IGF1R、c-Met、JAKファミリー、PDGFRα及びβ、RET、AXL、c-KIT、TrkA、TrkB、TrkC、ROS1、BTK、並びにSykからなる一覧において選択される1つ又は幾つかの標的を標的にする阻害剤である、請求項1に記載の医薬組成物、組み合わせ又はキット。
【請求項3】
Dbait分子が、少なくとも1つの自由末端、及びヒトゲノムにおける任意の遺伝子に対して60%未満の配列同一性を有する20~200bpのDNA二本鎖部分を有する、請求項1又は2に記載の医薬組成物、組み合わせ又はキット。
【請求項4】
Dbait分子が、以下の式:
【化1】
[式中、Nは、デオキシヌクレオチドであり、nは、15~195の整数であり、下線が付されたNは、修飾ホスホジエステル骨格を有するか又は有しないヌクレオチドを指し、L'は、リンカーであり、Cは、受容体媒介性エンドサイトーシスを可能にする細胞受容体を標的にする、脂溶性分子又はリガンドから選択される、エンドサイトーシスを促進する分子であり、Lは、リンカーであり、m及びpは、独立して、0又は1である整数である]
の1つを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の医薬組成物、組み合わせ又はキット。
【請求項5】
Dbait分子が、以下の式:
【化2】
を有し、
N、N、n、L、L'、C及びmについて式(I)、(II)及び(III)と同じ定義を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の医薬組成物、組み合わせ又はキット。
【請求項6】
Dbait分子が、以下の式:
【化3】
を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の医薬組成物、組み合わせ又はキット。
【請求項7】
キナーゼ阻害剤が、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、バンデタニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ネラチニブ、ダコミチニブ、ブリガチニブ、カネルチニブ、ナコチニブ、ナザルチニブ、ペリチニブ、ロシレチニブ、イコチニブ、AZD3759、AZ5104(CAS番号1421373-98-9)、ポジオチニブ、WZ4002、クリゾチニブ、エヌトレクチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ロルラチニブ、TSR-011、CEP-37440、エンサルチニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、レゴラフェニブ、PLX4720、コビメチニブ、トラメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、PD-325901、CI-1040、PD035901、U0126、TAK-733、レンバチニブ、Debio-1347、ドビチニブ、BLU9931、ソラフェニブ、スニチニブ、レスタウルチニブ、タンデュチニブ、キザルチニブ、クレノラニブ、ギルテリチニブ、ポナチニブ、イブルチニブ、リンシチニブ、NVP-AEW541、BMS-536924、AG-1024、GSK1838705A、BMS-754807、PQ 401、ZD3463、NT157、ピクロポドフィリン(PPP)、チバンチニブ、JNJ-38877605、PF-04217903、フォレチニブ(GSK 1363089)、メレスチニブ、ルキソリチニブ、トファシチニブ、オクラシチニブ、バリシチニブ、フィルゴチニブ、セルデュラチニブ、ガンドチニブ、モメロチニブ、パクリチニブ、PF-04965842、ウパダシチニブ、ペフィシチニブ、フェドラチニブ、イマチニブ、パゾパニブ、テラチニブ、ボスチニブ、ニロチニブ、カボザンチニブ、ベムセンチニブ、アムバチニブ、ギルテリチニブ(ASP2215)、グレサチニブ(MGCD 265)、SGI-7079、ラロトレクチニブ、RXDX-102、アルチラチニブ、LOXO-195、シトラバチニブ、TPX-0005、DS-6051b、フォスタマチニブ、エントスプレチニブ及びTAK-659からなる群から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬組成物又はキット。
【請求項8】
チロシンキナーゼ阻害剤が、EGFR、ALK及びB-Rafからなる群から選択されるプロテインキナーゼの阻害剤、特に、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、バンデタニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ネラチニブ、ダコミチニブ、ブリガチニブ、カネルチニブ、ナコチニブ、ナザルチニブ、ペリチニブ、ロシレチニブ、イコチニブ、AZD3759、AZ5104(CAS番号1421373-98-9)、ポジオチニブ、WZ4002、クリゾチニブ、エヌトレクチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ロルラチニブ、TSR-011、CEP-37440、エンサルチニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、レゴラフェニブ及びPLX4720からなる群から選択されるプロテインキナーゼ阻害剤である、請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬組成物又はキット。
【請求項9】
プロテインキナーゼ阻害剤が、EGFR阻害剤、特に、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、バンデタニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ネラチニブ、ダコミチニブ、ブリガチニブ、カネルチニブ、ナコチニブ、ナザルチニブ、ペリチニブ、ロシレチニブ、イコチニブ、AZD3759、AZ5104(CAS番号1421373-98-9)、ポジオチニブ及びWZ4002からなる群から選択されるEGFR阻害剤である、請求項1から8のいずれか一項に記載の医薬組成物、組み合わせ又はキット。
【請求項10】
プロテインキナーゼ阻害剤が、ALK阻害剤、特に、クリゾチニブ、エヌトレクチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ブリガチニブ、ロルラチニブ、TSR-011、CEP-37440及びエンサルチニブからなる群から選択されるALK阻害剤である、請求項1から8のいずれか一項に記載の医薬組成物、組み合わせ又はキット。
【請求項11】
がんの処置における使用のための、請求項1から10のいずれか一項に記載の医薬組成物、組み合わせ又はキット。
【請求項12】
キナーゼ阻害剤、特に、請求項2及び7から10のいずれか一項に規定のキナーゼ阻害剤と組み合わせた、がんの処置における使用のための、請求項1及び3から6のいずれか一項に規定のDbait分子。
【請求項13】
患者において、キナーゼ阻害剤、特に、請求項2及び7から10のいずれか一項に規定のキナーゼ阻害剤に対して抵抗性のがんの発生を遅延及び/又は防止する使用のための、請求項1及び3から6のいずれか一項に規定のDbait分子。
【請求項14】
がんが、白血病、リンパ腫、肉腫、黒色腫、並びに頭頸部、腎臓、卵巣、膵臓、前立腺、甲状腺、肺、食道、乳房、膀胱、脳、結腸直腸、肝臓及び子宮頸部のがんからなる群から選択される、請求項11に記載の使用のための医薬組成物、組み合わせ若しくはキット、又は請求項12若しくは13に記載の使用のためのDbait分子。
【請求項15】
がんが、肺がん、特に非小細胞肺がん、白血病、特に急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、リンパ腫、特に末梢性T細胞リンパ腫、慢性骨髄性白血病、頭頸部の扁平上皮癌、BRAF突然変異を有する進行性黒色腫、結腸直腸がん、消化管間質腫瘍、乳がん、特にHER2+乳がん、甲状腺がん、特に進行性甲状腺髄様がん、腎臓がん、特に腎細胞癌、前立腺がん、神経膠腫、膵臓がん、特に膵臓神経内分泌がん、多発性骨髄腫、及び肝臓がん、特に肝細胞癌からなる群から選択される、請求項11に記載の使用のための医薬組成物、組み合わせ若しくはキット、又は請求項12若しくは13に記載の使用のためのDbait分子。
【請求項16】
がん、特に、請求項2及び7から10のいずれか一項に規定のキナーゼ阻害剤に対するがん生残細胞の処置におけるがん生残細胞に対する標的効果のための使用のための、請求項1及び3から6のいずれか一項に規定のDbait分子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医学、特に、腫瘍学の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
標的療法に対する多様な抵抗性機構の出現は、今日のがんにおける最重要の課題の1つである。多様な薬物抵抗性機構は、処置の前に既存の突然変異から生じ得るが、ますます多くの証拠が、がん細胞の小さな亜集団が選択的な薬物圧において生き残ることができることを裏付けている。これらの生き残った細胞は、数週間から数か月間、集団の成長がほとんどない~まったくない薬物耐性生残物(DTP)になり、そのようにして、腫瘍細胞の潜在的な貯蔵場所を提供する。DTPの20パーセントが表現型移行を受けて、それらの増殖を再開し、患者の腫瘍再発の起源で抵抗性の遺伝子改変(例えば、EGFR T790M等)を獲得する、薬物抵抗性拡大生残物になる。がん治療は、伝統的に、迅速に成長する細胞の集団を排除することに重点をおいており、その場合、我々は新たなパラダイムに直面する。抵抗性機構を獲得した標的治療における生残物又は薬物耐性細胞(DTP)の役割の5つの証拠が、Sharmaら(Cell 2010、141、69~80)によって記載されており、幾つかの刊行物に更に記載されている(Hataら、Nat Med 2016、22(3):262~269. doi:10.1038/nm.4040.、Ramirezら、Nat Comm 2016、DOI:10.1038/ncomms10690、Gulerら、Can Cell 2017、32、221~237)。これらの業績は、薬物抵抗性機構が、単一の最近の祖先細胞に由来し、同じ選択圧下で成長した生残物から出現し得ることを実証した。この異質性は、「個別化された」治療についてかなりの臨床的課題を提示する:有効な治療があるPERC(生残物由来のエルロチニブ耐性コロニー)のために選択されるとしても、この薬物が、実際には検出できない他のPERCに対して有効であるという保証はない。大量のがん集団の小さな亜集団である生残物は、臨床の状況において研究することが困難であり、臨床的にこの状態を通過している公知の分子的痕跡は存在しない。しかしながら、Hataらは、臨床的に関連する薬物抵抗性がん細胞が、前から存在し、薬物耐性細胞から進化することができ、診療所において抵抗性を防止又は克服するための新たな治療機会の戦略的な標的として生残物を指し示すという証拠を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2005/040378号
【特許文献2】国際公開第2008/034866号
【特許文献3】国際公開第2008/084087号
【特許文献4】国際公開第2011/161075号
【特許文献5】米国特許出願公開第2004/242582号
【特許文献6】国際公開第2007/040469号12~14頁
【特許文献7】国際公開第2008/022309号22~28頁
【特許文献8】国際公開第2011/161075号
【特許文献9】国際公開第19010295号
【特許文献10】国際公開第19034075号
【特許文献11】国際公開第18129645号
【特許文献12】国際公開第18108064号
【特許文献13】国際公開第18050052号
【特許文献14】国際公開第18121758号
【特許文献15】国際公開第18218963号
【特許文献16】国際公開第17114383号
【特許文献17】国際公開第17049992号
【特許文献18】国際公開第17008761号
【特許文献19】国際公開第17015363号
【特許文献20】国際公開第17016463号
【特許文献21】国際公開第17117680号
【特許文献22】国際公開第17205459号
【特許文献23】国際公開第16112847号
【特許文献24】国際公開第16054987号
【特許文献25】国際公開第16070816号
【特許文献26】国際公開第16079763号
【特許文献27】国際公開第16125186号
【特許文献28】国際公開第16123706号
【特許文献29】国際公開第16050165号
【特許文献30】国際公開第15081822号
【特許文献31】国際公開第12167415号
【特許文献32】国際公開第13138495号
【特許文献33】国際公開第10129053号
【特許文献34】国際公開第10076764号
【特許文献35】国際公開第09143389号
【特許文献36】国際公開第05065687号
【特許文献37】国際公開第05018677号
【特許文献38】国際公開第05027972号
【特許文献39】国際公開第04011461号
【特許文献40】国際公開第0134574号
【特許文献41】国際公開第04080980号
【特許文献42】国際公開第05016894号
【特許文献43】国際公開第05009389号
【特許文献44】国際公開第09117097号
【特許文献45】国際公開第09132202号
【特許文献46】国際公開第10085597号
【特許文献47】国際公開第10143664号
【特許文献48】国際公開第11138751号
【特許文献49】国際公開第12037155号
【特許文献50】国際公開第12017239号
【特許文献51】国際公開第12023597号
【特許文献52】国際公開第13013308号
【特許文献53】国際公開第14193932号
【特許文献54】国際公開第15031666号
【特許文献55】国際公開第15127629号
【特許文献56】国際公開第15180685号
【特許文献57】国際公開第15194764号
【特許文献58】国際公開第17076355号
【特許文献59】国際公開第18001251号
【特許文献60】国際公開第18044767号
【特許文献61】国際公開第18094134号
【特許文献62】国際公開第18127184号
【特許文献63】国際公開第14164648号
【特許文献64】国際公開第14206343号
【特許文献65】国際公開第13040515号
【特許文献66】国際公開第11147764号
【特許文献67】国際公開第11047238号
【特許文献68】国際公開第11025968号
【特許文献69】国際公開第11025951号
【特許文献70】国際公開第11025938号
【特許文献71】国際公開第11025965号
【特許文献72】国際公開第11090738号
【特許文献73】国際公開第09111280号
【特許文献74】国際公開第09111279号
【特許文献75】国際公開第09111278号
【特許文献76】国際公開第09111277号
【特許文献77】国際公開第08068507号
【特許文献78】国際公開第08020203号
【特許文献79】国際公開第07119055号
【特許文献80】国際公開第07113558号
【特許文献81】国際公開第07071963号
【特許文献82】国際公開第07113557号
【特許文献83】国際公開第06079791号
【特許文献84】国際公開第06067446号
【特許文献85】国際公開第06040568号
【特許文献86】国際公開第06024836号
【特許文献87】国際公開第06024834号
【特許文献88】国際公開第06003378号
【特許文献89】国際公開第05123696号
【特許文献90】国際公開第15022662号
【特許文献91】国際公開第15058589号
【特許文献92】国際公開第14009319号
【特許文献93】国際公開第14204263号
【特許文献94】国際公開第13107283号
【特許文献95】国際公開第13136249号
【特許文献96】国際公開第13136254号
【特許文献97】国際公開第12095505号
【特許文献98】国際公開第12059041号
【特許文献99】国際公開第11047055号
【特許文献100】国際公開第11054828号
【特許文献101】国際公開第10017051号
【特許文献102】国際公開第10108652号
【特許文献103】国際公開第10121646号
【特許文献104】国際公開第10145197号
【特許文献105】国際公開第09129246号
【特許文献106】国際公開第09018238号
【特許文献107】国際公開第09153554号
【特許文献108】国際公開第09018233号
【特許文献109】国際公開第09013462号
【特許文献110】国際公開第09093008号
【特許文献111】国際公開第08089459号
【特許文献112】国際公開第07014011号
【特許文献113】国際公開第07044515号
【特許文献114】国際公開第07071951号
【特許文献115】国際公開第07022529号
【特許文献116】国際公開第07044084号
【特許文献117】国際公開第07088345号
【特許文献118】国際公開第07121481号
【特許文献119】国際公開第07123936号
【特許文献120】国際公開第06011466号
【特許文献121】国際公開第06056427号
【特許文献122】国際公開第06058752号
【特許文献123】国際公開第06133417号
【特許文献124】国際公開第05023251号
【特許文献125】国際公開第05028426号
【特許文献126】国際公開第05051906号
【特許文献127】国際公開第05051300号
【特許文献128】国際公開第05051301号
【特許文献129】国際公開第05051302号
【特許文献130】国際公開第05023759号
【特許文献131】国際公開第04005284号
【特許文献132】国際公開第03077855号
【特許文献133】国際公開第03077914号
【特許文献134】国際公開第02069960号
【特許文献135】国際公開第0168619号
【特許文献136】国際公開第0176570号
【特許文献137】国際公開第0041994号
【特許文献138】国際公開第0042022号
【特許文献139】国際公開第0042003号
【特許文献140】国際公開第0042002号
【特許文献141】国際公開第0056706号
【特許文献142】国際公開第0068201号
【特許文献143】国際公開第9901426号
【特許文献144】国際公開第19034076号
【特許文献145】国際公開第19001419号
【特許文献146】国際公開第18028438号
【特許文献147】国際公開第18049781号
【特許文献148】国際公開第18121650号
【特許文献149】国際公開第18153373号
【特許文献150】国際公開第18010514号
【特許文献151】国際公開第17028816号
【特許文献152】国際公開第17070708号
【特許文献153】国際公開第16091849号
【特許文献154】国際公開第16134320号
【特許文献155】国際公開第16054483号
【特許文献156】国際公開第15059668号
【特許文献157】国際公開第14007951号
【特許文献158】国際公開第14026125号
【特許文献159】国際公開第14129477号
【特許文献160】国際公開第14162039号
【特許文献161】国際公開第14172644号
【特許文献162】国際公開第13108809号
【特許文献163】国際公開第13129369号
【特許文献164】国際公開第13144339号
【特許文献165】国際公開第13179033号
【特許文献166】国際公開第13053983号
【特許文献167】国際公開第12008563号
【特許文献168】国際公開第12008564号
【特許文献169】国際公開第12047699号
【特許文献170】国際公開第09153592号
【特許文献171】国際公開第08078091号
【特許文献172】国際公開第08075068号
【特許文献173】国際公開第06112479号
【特許文献174】国際公開第04056822号
【特許文献175】国際公開第19034538号
【特許文献176】国際公開第17148440号
【特許文献177】国際公開第15056683号
【特許文献178】国際公開第13170671号
【特許文献179】国際公開第13124869号
【特許文献180】国際公開第13142382号
【特許文献181】国際公開第13157540号
【特許文献182】国際公開第11086085号
【特許文献183】国際公開第09095399号
【特許文献184】国際公開第08111441号
【特許文献185】国際公開第08046802号
【特許文献186】国際公開第06020145号
【特許文献187】国際公開第06106437号
【特許文献188】国際公開第06135719号
【特許文献189】国際公開第16082713号
【特許文献190】国際公開第08076415号
【特許文献191】国際公開第08000922号
【特許文献192】国際公開第08076143号
【特許文献193】国際公開第07121279号
【特許文献194】国際公開第07083017号
【特許文献195】国際公開第07075554号
【特許文献196】国際公開第06080450号
【特許文献197】国際公開第05095399号
【特許文献198】国際公開第05097800号
【特許文献199】国際公開第05037836号
【特許文献200】国際公開第02092599号
【特許文献201】国際公開第18153293号
【特許文献202】国際公開第18187355号
【特許文献203】国際公開第14000713号
【特許文献204】国際公開第14032498号
【特許文献205】国際公開第14067417号
【特許文献206】国際公開第14180182号
【特許文献207】国際公開第1307089号
【特許文献208】国際公開第13107285号
【特許文献209】国際公開第13149581号
【特許文献210】国際公開第12006960号
【特許文献211】国際公開第12015677号
【特許文献212】国際公開第12034055号
【特許文献213】国際公開第12048258号
【特許文献214】国際公開第12075683号
【特許文献215】国際公開第11039527号
【特許文献216】国際公開第11079142号
【特許文献217】国際公開第11121223号
【特許文献218】国際公開第11143646号
【特許文献219】国際公開第11149878号
【特許文献220】国際公開第10007317号
【特許文献221】国際公開第10007316号
【特許文献222】国際公開第10007318号
【特許文献223】国際公開第10019899号
【特許文献224】国際公開第10059668号
【特許文献225】国際公開第10089508号
【特許文献226】国際公開第10089509号
【特許文献227】国際公開第09143211号
【特許文献228】国際公開第09056692号
【特許文献229】国際公開第09093049号
【特許文献230】国際公開第09068955号
【特許文献231】国際公開第08023698号
【特許文献232】国際公開第08008310号
【特許文献233】国際公開第08102870号
【特許文献234】国際公開第07036630号
【特許文献235】国際公開第07066185号
【特許文献236】国際公開第07023768号
【特許文献237】国際公開第07002254号
【特許文献238】国際公開第07002258号
【特許文献239】国際公開第07111904号
【特許文献240】国際公開第06104161号
【特許文献241】国際公開第05082854号
【特許文献242】国際公開第05082855号
【特許文献243】国際公開第0160814号
【特許文献244】国際公開第19034153号
【特許文献245】国際公開第18215389号
【特許文献246】国際公開第18215390号
【特許文献247】国際公開第18204238号
【特許文献248】国際公開第17006968号
【特許文献249】国際公開第17079205号
【特許文献250】国際公開第17091544号
【特許文献251】国際公開第17097224号
【特許文献252】国際公開第17129116号
【特許文献253】国際公開第17140254号
【特許文献254】国際公開第17215630号
【特許文献255】国際公開第16027195号
【特許文献256】国際公開第16032209号
【特許文献257】国際公開第16116025号
【特許文献258】国際公開第16173484号
【特許文献259】国際公開第16191524号
【特許文献260】国際公開第16192563号
【特許文献261】国際公開第15174376号
【特許文献262】国際公開第15039612号
【特許文献263】国際公開第14111037号
【特許文献264】国際公開第14123167号
【特許文献265】国際公開第14146492号
【特許文献266】国際公開第14186706号
【特許文献267】国際公開第13091539号
【特許文献268】国際公開第13188184号
【特許文献269】国際公開第11076419号
【特許文献270】国際公開第10051549号
【特許文献271】国際公開第10083283号
【特許文献272】国際公開第10135621号
【特許文献273】国際公開第10142752号
【特許文献274】国際公開第10149769号
【特許文献275】国際公開第11003065号
【特許文献276】国際公開第09062258号
【特許文献277】国際公開第09114512号
【特許文献278】国際公開第09145856号
【特許文献279】国際公開第09155565号
【特許文献280】国際公開第09155551号
【特許文献281】国際公開第08047831号
【特許文献282】国際公開第08109943号
【特許文献283】国際公開第08116139号
【特許文献284】国際公開第08157207号
【特許文献285】国際公開第07070514号
【特許文献286】国際公開第07084557号
【特許文献287】国際公開第07117494号
【特許文献288】国際公開第07007919号
【特許文献289】国際公開第06034116号
【特許文献290】国際公開第06056399号
【特許文献291】国際公開第06069080号
【特許文献292】国際公開第05095400号
【特許文献293】国際公開第04058753号
【特許文献294】国際公開第04041789号
【特許文献295】国際公開第04041814号
【特許文献296】国際公開第04041810号
【特許文献297】国際公開第03101989号
【特許文献298】国際公開第0152892号
【特許文献299】国際公開第11119894号
【特許文献300】国際公開第08016192号
【特許文献301】国際公開第07004749号
【特許文献302】国際公開第03077892号
【特許文献303】国際公開第0164200号
【特許文献304】国際公開第0125238号
【特許文献305】国際公開第0172711号
【特許文献306】国際公開第0172758号
【特許文献307】国際公開第9957117号
【特許文献308】国際公開第9928304号
【特許文献309】国際公開第18071454号
【特許文献310】国際公開第18136663号
【特許文献311】国際公開第18136661号
【特許文献312】国際公開第18071447号
【特許文献313】国際公開第18060714号
【特許文献314】国際公開第18022761号
【特許文献315】国際公開第18017983号
【特許文献316】国際公開第17146116号
【特許文献317】国際公開第17161269号
【特許文献318】国際公開第17043550号
【特許文献319】国際公開第17011776号
【特許文献320】国際公開第17026718号
【特許文献321】国際公開第14050781号
【特許文献322】国際公開第07136103号
【特許文献323】国際公開第06130673号
【特許文献324】国際公開第18121228号
【特許文献325】国際公開第17059280号
【特許文献326】国際公開第17028797号
【特許文献327】国際公開第16166250号
【特許文献328】国際公開第16104617号
【特許文献329】国際公開第16097918号
【特許文献330】国際公開第16006706号
【特許文献331】国際公開第15143692号
【特許文献332】国際公開第15119122号
【特許文献333】国際公開第15100117号
【特許文献334】国際公開第15068767号
【特許文献335】国際公開第15017607号
【特許文献336】国際公開第15012298号
【特許文献337】国際公開第13115280号
【特許文献338】国際公開第13074633号
【特許文献339】国際公開第12135800号
【特許文献340】国際公開第12028332号
【特許文献341】国際公開第10090764号
【特許文献342】国際公開第10083465号
【特許文献343】国際公開第10005876号
【特許文献344】国際公開第10005879号
【特許文献345】国際公開第09127417号
【特許文献346】国際公開第09054864号
【特許文献347】国際公開第08128072号
【特許文献348】国際公開第08098139号
【特許文献349】国際公開第08083353号
【特許文献350】国際公開第08083357号
【特許文献351】国際公開第08083354号
【特許文献352】国際公開第08083356号
【特許文献353】国際公開第08083367号
【特許文献354】国際公開第08080134号
【特許文献355】国際公開第08045978号
【特許文献356】国際公開第07030680号
【特許文献357】国際公開第19034128号
【特許文献358】国際公開第18112136号
【特許文献359】国際公開第18112140号
【特許文献360】国際公開第17167182号
【特許文献361】国際公開第17121444号
【特許文献362】国際公開第14202763号
【特許文献363】国際公開第13033116号
【特許文献364】国際公開第13033203号
【特許文献365】国際公開第13033167号
【特許文献366】国際公開第13033070号
【特許文献367】国際公開第13014170号
【特許文献368】国際公開第09105712号
【特許文献369】国際公開第08011080号
【特許文献370】国際公開第08005877号
【特許文献371】国際公開第07124369号
【特許文献372】国際公開第07092403号
【特許文献373】国際公開第07038669号
【特許文献374】国際公開第07026251号
【特許文献375】国際公開第06060381号
【特許文献376】国際公開第05073225号
【特許文献377】国際公開第05021531号
【特許文献378】国際公開第05021537号
【特許文献379】国際公開第05021544号
【特許文献380】国際公開第04080462号
【特許文献381】国際公開第04014903号
【特許文献382】国際公開第03035049号
【特許文献383】国際公開第03002114号
【特許文献384】国際公開第03003006号
【特許文献385】国際公開第03004006号
【特許文献386】国際公開第18199166号
【特許文献387】国際公開第18079759号
【特許文献388】国際公開第17135399号
【特許文献389】国際公開第17087778号
【特許文献390】国際公開第17006953号
【特許文献391】国際公開第16164286号
【特許文献392】国際公開第16161572号
【特許文献393】国際公開第16116900号
【特許文献394】国際公開第16036796号
【特許文献395】国際公開第16021629号
【特許文献396】国際公開第15200341号
【特許文献397】国際公開第15175788号
【特許文献398】国際公開第15143653号
【特許文献399】国際公開第15148350号
【特許文献400】国際公開第15148344号
【特許文献401】国際公開第15143654号
【特許文献402】国際公開第15148373号
【特許文献403】国際公開第15148354号
【特許文献404】国際公開第15143652号
【特許文献405】国際公開第15089139号
【特許文献406】国際公開第15039334号
【特許文献407】国際公開第15042085号
【特許文献408】国際公開第15039333号
【特許文献409】国際公開第15017533号
【特許文献410】国際公開第14129431号
【特許文献411】国際公開第14105958号
【特許文献412】国際公開第14078417号
【特許文献413】国際公開第14078408号
【特許文献414】国際公開第14078378号
【特許文献415】国際公開第14078372号
【特許文献416】国際公開第14078331号
【特許文献417】国際公開第14078328号
【特許文献418】国際公開第14078325号
【特許文献419】国際公開第14078322号
【特許文献420】国際公開第14078323号
【特許文献421】国際公開第13183578号
【特許文献422】国際公開第13176970号
【特許文献423】国際公開第13161919号
【特許文献424】国際公開第13088257号
【特許文献425】国際公開第13088256号
【特許文献426】国際公開第13009582号
【特許文献427】国際公開第12158413号
【特許文献428】国際公開第12137089号
【特許文献429】国際公開第12116217号
【特許文献430】国際公開第12034091号
【特許文献431】国際公開第11006074号
【特許文献432】国際公開第10048314号
【特許文献433】国際公開第10033941号
【特許文献434】国際公開第09054468号
【特許文献435】国際公開第08135785号
【特許文献436】国際公開第07123269号
【特許文献437】国際公開第06123113号
【特許文献438】国際公開第06087538号
【特許文献439】国際公開第06087530号
【特許文献440】国際公開第06082392号
【特許文献441】国際公開第05049033号
【特許文献442】国際公開第03027111号
【特許文献443】国際公開第13180183号
【特許文献444】国際公開第13158859号
【特許文献445】国際公開第12005299号
【特許文献446】国際公開第14141129号
【特許文献447】国際公開第15144801号
【特許文献448】国際公開第15144799号
【特許文献449】国際公開第18170381号
【特許文献450】国際公開第18002958号
【特許文献451】国際公開第18001331号
【特許文献452】国際公開第18009017号
【特許文献453】国際公開第18035080号
【特許文献454】国際公開第18088780号
【特許文献455】国際公開第18090792号
【特許文献456】国際公開第18095398号
【特許文献457】国際公開第18133151号
【特許文献458】国際公開第18145525号
【特許文献459】国際公開第18154131号
【特許文献460】国際公開第18175512号
【特許文献461】国際公開第18192536号
【特許文献462】国際公開第18192532号
【特許文献463】国際公開第18196757号
【特許文献464】国際公開第18208132号
【特許文献465】国際公開第18233655号
【特許文献466】国際公開第19034009号
【特許文献467】国際公開第17007987号
【特許文献468】国際公開第17046604号
【特許文献469】国際公開第17066014号
【特許文献470】国際公開第17077507号
【特許文献471】国際公開第17123695号
【特許文献472】国際公開第17127371号
【特許文献473】国際公開第17128917号
【特許文献474】国際公開第17190048号
【特許文献475】国際公開第17106429号
【特許文献476】国際公開第16019233号
【特許文献477】国際公開第16057500号
【特許文献478】国際公開第16065222号
【特許文献479】国際公開第16066726号
【特許文献480】国際公開第16106628号
【特許文献481】国際公開第16106626号
【特許文献482】国際公開第16106629号
【特許文献483】国際公開第16109215号
【特許文献484】国際公開第16106627号
【特許文献485】国際公開第16106623号
【特許文献486】国際公開第16106624号
【特許文献487】国際公開第16106652号
【特許文献488】国際公開第16112637号
【特許文献489】国際公開第16161571号
【特許文献490】国際公開第16161570号
【特許文献491】国際公開第16196776号
【特許文献492】国際公開第16196840号
【特許文献493】国際公開第16192074号
【特許文献494】国際公開第16210165号
【特許文献495】国際公開第16109220号
【特許文献496】国際公開第15017502号
【特許文献497】国際公開第15002894号
【特許文献498】国際公開第15022926号
【特許文献499】国際公開第15048689号
【特許文献500】国際公開第15048662号
【特許文献501】国際公開第15061247号
【特許文献502】国際公開第15084998号
【特許文献503】国際公開第15095102号
【特許文献504】国際公開第15095099号
【特許文献505】国際公開第15116485号
【特許文献506】国際公開第15169233号
【特許文献507】国際公開第15165279号
【特許文献508】国際公開第15132799号
【特許文献509】国際公開第14104757号
【特許文献510】国際公開第14113932号
【特許文献511】国際公開第14114185号
【特許文献512】国際公開第14113942号
【特許文献513】国際公開第14116504号
【特許文献514】国際公開第14130693号
【特許文献515】国際公開第14164558号
【特許文献516】国際公開第14151620号
【特許文献517】国際公開第14152114号
【特許文献518】国際公開第14161799号
【特許文献519】国際公開第14187319号
【特許文献520】国際公開第14210255号
【特許文献521】国際公開第14005217号
【特許文献522】国際公開第14025976号
【特許文献523】国際公開第14039899号
【特許文献524】国際公開第14055928号
【特許文献525】国際公開第14055934号
【特許文献526】国際公開第14068527号
【特許文献527】国際公開第14078578号
【特許文献528】国際公開第14082598号
【特許文献529】国際公開第13067264号
【特許文献530】国際公開第13081016号
【特許文献531】国際公開第13102059号
【特許文献532】国際公開第13116382号
【特許文献533】国際公開第13148603号
【特許文献534】国際公開第13152135号
【特許文献535】国際公開第13185084号
【特許文献536】国際公開第13067277号
【特許文献537】国際公開第13067274号
【特許文献538】国際公開第13059738号
【特許文献539】国際公開第13010869号
【特許文献540】国際公開第13010380号
【特許文献541】国際公開第13010868号
【特許文献542】国際公開第12170976号
【特許文献543】国際公開第12135801号
【特許文献544】国際公開第12021444号
【特許文献545】国際公開第11153514号
【特許文献546】国際公開第11152351号
【特許文献547】国際公開第11029043号
【特許文献548】国際公開第11029046号
【特許文献549】国際公開第10126960号
【特許文献550】国際公開第10056875号
【特許文献551】国際公開第10009342号
【特許文献552】国際公開第09156284号
【特許文献553】国際公開第09098144号
【特許文献554】国際公開第09053269号
【特許文献555】国際公開第08121742号
【特許文献556】国際公開第08039218号
【特許文献557】国際公開第9954286号
【特許文献558】国際公開第18053189号
【特許文献559】国際公開第18053190号
【特許文献560】国際公開第18108083号
【特許文献561】国際公開第18228475号
【特許文献562】国際公開第17046302号
【特許文献563】国際公開第16010809号
【特許文献564】国際公開第15138273号
【特許文献565】国際公開第15140051号
【特許文献566】国際公開第15140054号
【特許文献567】国際公開第15140055号
【特許文献568】国際公開第15144614号
【特許文献569】国際公開第15017610号
【特許文献570】国際公開第15061369号
【特許文献571】国際公開第15094997号
【特許文献572】国際公開第15095444号
【特許文献573】国際公開第15095445号
【特許文献574】国際公開第15100217号
【特許文献575】国際公開第14051654号
【特許文献576】国際公開第14048065号
【特許文献577】国際公開第14060371号
【特許文献578】国際公開第14064134号
【特許文献579】国際公開第14074422号
【特許文献580】国際公開第14086032号
【特許文献581】国際公開第14093191号
【特許文献582】国際公開第14100314号
【特許文献583】国際公開第14176210号
【特許文献584】国際公開第14176216号
【特許文献585】国際公開第14023385号
【特許文献586】国際公開第14027300号
【特許文献587】国際公開第14031438号
【特許文献588】国際公開第14029732号
【特許文献589】国際公開第14045029号
【特許文献590】国際公開第13192125号
【特許文献591】国際公開第13192128号
【特許文献592】国際公開第13192098号
【特許文献593】国際公開第13192088号
【特許文献594】国際公開第13047813号
【特許文献595】国際公開第13052391号
【特許文献596】国際公開第13052394号
【特許文献597】国際公開第13052393号
【特許文献598】国際公開第13064445号
【特許文献599】国際公開第13099041号
【特許文献600】国際公開第13104573号
【特許文献601】国際公開第13104575号
【特許文献602】国際公開第13109882号
【特許文献603】国際公開第13124026号
【特許文献604】国際公開第13126132号
【特許文献605】国際公開第13124025号
【特許文献606】国際公開第12002577号
【特許文献607】国際公開第12025187号
【特許文献608】国際公開第12025186号
【特許文献609】国際公開第12061418号
【特許文献610】国際公開第12123311号
【特許文献611】国際公開第12123312号
【特許文献612】国際公開第12130780号
【特許文献613】国際公開第12151137号
【特許文献614】国際公開第12154519号
【特許文献615】国際公開第12154520号
【特許文献616】国際公開第12154518号
【特許文献617】国際公開第12167423号
【特許文献618】国際公開第12167733号
【特許文献619】国際公開第11014795号
【特許文献620】国際公開第11014515号
【特許文献621】国際公開第11075515号
【特許文献622】国際公開第11075560号
【特許文献623】国際公開第11079051号
【特許文献624】国際公開第11092128号
【特許文献625】国際公開第11112995号
【特許文献626】国際公開第11117160号
【特許文献627】国際公開第11134971号
【特許文献628】国際公開第11144584号
【特許文献629】国際公開第11144585号
【特許文献630】国際公開第10068257号
【特許文献631】国際公開第10068258号
【特許文献632】国際公開第10097248号
【特許文献633】国際公開第10147898号
【特許文献634】国際公開第09131687号
【特許文献635】国際公開第09136995号
【特許文献636】国際公開第09031011号
【特許文献637】国際公開第08033798号
【特許文献638】国際公開第07129226号
【特許文献639】国際公開第07042298号
【特許文献640】国際公開第07042299号
【特許文献641】国際公開第07028445号
【特許文献642】国際公開第07009681号
【特許文献643】国際公開第07085540号
【特許文献644】国際公開第06093247号
【特許文献645】国際公開第05033316号
【特許文献646】国際公開第05026158号
【特許文献647】国際公開第03063794号
【特許文献648】国際公開第03057695号
【特許文献649】国際公開第0183485号
【特許文献650】国際公開第0147922号
【特許文献651】国際公開第0109134号
【特許文献652】国際公開第0075113号
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Sharmaら(Cell 2010、141、69~80)
【非特許文献2】Hataら、Nat Med 2016、22(3):262~269. doi:10.1038/nm.4040.
【非特許文献3】Ramirezら、Nat Comm 2016、DOI:10.1038/ncomms10690、Gulerら、Can Cell 2017、32、221~237
【非特許文献4】Goldstein ら、Ann. Rev. Cell Biol. 1985 1:1~39
【非特許文献5】Leamon及びLowe、Proc Natl Acad Sci USA. 1991、88:5572~5576
【非特許文献6】Expert Opinion on Therapeutic Patents 2002年12月、12巻、12号1903~1907頁;Kane、
【非特許文献7】Expert Opinion on Therapeutic Patents 2006年2月、16巻、2号147~164頁
【非特許文献8】Traxler、Expert Opinion on Therapeutic Patents 1998年12月、8巻、12号1599~1625頁
【非特許文献9】Singhら、Mini Rev Med Chem. 2016;16(14):1134~66;Chengら、Curr Med Chem. 2016;23(29):3343~3359
【非特許文献10】Milikら、Eur J Med Chem. 2017年12月15日;142:131~151.
【非特許文献11】Murtuzaら、Cancer Res. 2019年2月15日;79(4):689~698
【非特許文献12】Tanら、Onco Targets Ther. 2019年1月18日;12:635~645
【非特許文献13】Roskoski、Pharmacol Res. 2019年1月;139:395~411
【非特許文献14】Mountzios、Ann Transl Med. 2018年4月;6(8):140
【非特許文献15】Tanら、Mol Cancer. 2018年2月19日;17(1):29
【非特許文献16】Beardsleeら、J Adv Pract Oncol. 2018年1月-2月;9(1):94~101
【非特許文献17】Pacentaら、Drug Des Devel Ther. 2018年10月23日;12:3549~3561
【非特許文献18】Spagnuoloら、Expert Opin Emerg Drugs. 2018年9月;23(3):231~241
【非特許文献19】Petersら、Curr Treat Options Oncol. 2018年5月28日;19(7):37
【非特許文献20】Goldingsら、Mol Cancer. 2018年2月19日;17(1):52
【非特許文献21】Karachaliouら、Expert Opin Investig Drugs. 2017年6月;26(6):713~722
【非特許文献22】Liuら、Curr Med Chem. 2017;24(6):590~613
【非特許文献23】Crescenzoら、Curr Opin Pharmacol. 2015年8月;23:39~44
【非特許文献24】Sgambatoら、Expert Rev Anticancer Ther. 2018年1月;18(1):71~80
【非特許文献25】Michellysら、Bioorg Med Chem Lett. 2016年2月1日;26(3):1090~1096
【非特許文献26】Straughanら、Curr Drug Targets. 2016;17(6):739~45
【非特許文献27】Tsaiら、PNAS 2月26日、2008 105 (8) 3041~3046
【非特許文献28】Garnett及びMarais、2004 Cancer cell、6巻、4号313~319頁
【非特許文献29】Wilmottら、2012、Cancer Therapy: Clinical、18巻、5号
【非特許文献30】Fujimuraら、Expert Opin Investig Drugs. 2019年2月;28(2):143~148
【非特許文献31】Trojanielloら、Expert Rev Clin Pharmacol. 2019年3月;12(3):259~266
【非特許文献32】Kakadiaら、Onco Targets Ther. 2018年10月17日;11:7095~7107
【非特許文献33】Roskoski、Pharmacol Res. 2018年9月;135:239~258
【非特許文献34】Erogluら、Ther Adv Med Oncol. 2016年1月;8(1):48~56
【非特許文献35】Steebら、Eur J Cancer. 2018年11月;103:41~51
【非特許文献36】Sarkisian及びDavar、Drug Des Devel Ther. 2018年8月20日;12:2553~2565
【非特許文献37】Katoh、Int J Mol Med. 2016年7月;38(1):3~15
【非特許文献38】Rizvi及びBorad、J Gastrointest Oncol. 2016 年10月;7(5):789~796
【非特許文献39】Tanら、Onco Targets Ther. 2019年1月18日;12:635~645
【非特許文献40】Shenら、J Hematol Oncol. 2018年9月19日;11(1):120
【非特許文献41】Portaら、Crit Rev Oncol Hematol. 2017年5月;113:256~267
【非特許文献42】Chengら、Eur J Med Chem. 2017年1月27日;126:476~490
【非特許文献43】Stone、Best Pract Res Clin Haematol. 2018年12月;31(4):401~404
【非特許文献44】Wuら、J Hematol Oncol. 2018年12月4日;11(1):133
【非特許文献45】Shortら、Ther Adv Hematol. 2019年2月15日;10:2040620719827310
【非特許文献46】Elshouryら、Expert Rev Anticancer Ther. 2019年3月;19(3):273~286
【非特許文献47】Zhiら、Eur J Med Chem. 2018年7月15日;155:303~315
【非特許文献48】Tiong IS、Wei AH、Genes Chromosomes Cancer. 2019年3月12日
【非特許文献49】Gallogly及びLazarus、J Blood Med. 2016年4月19日;7:73~83
【非特許文献50】Pitoia及びJerkovich、Drug Des Devel Ther. 2016年3月11日;10:1119~31
【非特許文献51】Quら、Oncotarget. 2017年4月25日;8(17):29501~29518
【非特許文献52】Chenら、Curr Top Med Chem. 2017年11月20日;17(28):3099~3130
【非特許文献53】Zhangら、Expert Opin Ther Pat. 2019年1月;29(1):25~41
【非特許文献54】Gozdzik-Spychalskaら、Curr Treat Options Oncol. 2014年12月;15(4):670~82
【非特許文献55】Bahramiら、J Cell Physiol. 2017年10月;232(10):2657~2673
【非特許文献56】Zhangら、Eur J Med Chem. 2016年1月27日;108:495~504
【非特許文献57】Qiら、World J Gastroenterol. 2015年5月14日;21(18):5445~53
【非特許文献58】Heら、Expert Opin Ther Pat. 2019年2月;29(2):137~149
【非特許文献59】Hobbsら、Hematol Oncol Clin North Am. 2017年8月;31(4):613~626
【非特許文献60】Senkevitch及びDurum, Cytokine. 2017年10月;98:33~41
【非特許文献61】Leroy及びConstantinescu, Leukemia. 2017年5月;31(5):1023~1038
【非特許文献62】Jinら、Pathol Oncol Res. 2019年1月31日
【非特許文献63】Roskoski、Pharmacol Res. 2018年3月;129:65~83
【非特許文献64】Andrick及びGandhi、Ann Pharmacother. 2017年12月;51(12):1090~1098
【非特許文献65】Khalique及びBanerjee、Expert Opin Investig Drugs. 2017年9月;26(9):1073~1081
【非特許文献66】Miyamotoら、Jpn J Clin Oncol. 2018年6月1日;48(6):503~513
【非特許文献67】Chen及びChen、Drug Des Devel Ther. 2015年2月9日;9:773~9
【非特許文献68】Roskoski及びSadeghi-Nejad、Pharmacol Res. 2018年2月;128:1~17
【非特許文献69】Zschabitz及びGrullich;Recent Results Cancer Res. 2018;211:187~198
【非特許文献70】Grullich、Recent Results Cancer Res. 2018;211:67~75
【非特許文献71】Myersら、J Med Chem. 2016年4月28日;59(8):3593~608
【非特許文献72】Abbaspour Babaeiら、Drug Des Devel Ther. 2016年8月1日;10:2443~59
【非特許文献73】Bhangoo及びSigal、Curr Oncol Rep. 2019年2月4日;21(2):14
【非特許文献74】Pacenta及びMacy、Drug Des Devel Ther. 2018年10月23日;12:3549~3561
【非特許文献75】Coccoら、Nat Rev Clin Oncol. 2018年12月;15(12):731~747
【非特許文献76】Lange及びLo、Cancers (Basel). 2018年4月4日;10(4)
【非特許文献77】Rolfoら、Expert Opin Investig Drugs. 2015;24(11):1493~500
【非特許文献78】Lin及びShaw、J Thorac Oncol. 2017年11月;12(11):1611~1625
【非特許文献79】Facchinettiら、Cancer Treat Rev. 2017年4月;55:83~95
【非特許文献80】Yang及びGong、Expert Rev Clin Pharmacol. 2019年3月;12(3):173~178
【非特許文献81】Liuら、Ther Clin Risk Manag. 2018年7月20日;14:1247~1252
【非特許文献82】Kim HO、Arch Pharm Res. 2019年2月;42(2):171~181
【非特許文献83】Liangら、Eur J Med Chem. 2018年5月10日;151:315~326
【非特許文献84】Aw及びBrown、Drugs Aging. 2017年7月;34(7):509~527
【非特許文献85】Wuら、Oncotarget. 2017年1月24日;8(4):7201~7207
【非特許文献86】Wuら、J Hematol Oncol. 2016年9月2日;9(1):80
【非特許文献87】Bartaula-Brevikら、Expert Opin Investig Drugs. 2018年4月;27(4):377~387
【非特許文献88】Liu及びMamorska-Dyga、J Hematol Oncol. 2017;10: 145
【非特許文献89】Geahlen、Trends Pharmacol Sci. 2014年8月;35(8):414~22
【非特許文献90】Norman Expert Opin Ther Pat. 2014年5月;24(5):573~95
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、がん細胞集団内のこれらの細胞及び治療に対するがん細胞の抵抗性の出現に成功裏に対処するための新たな処置方法が必要とされている。実際に、細胞死を起こさないDTPの貯蔵場所を排除し、DTEPへの移行の間に起こる突然変異を防止する新たな方法を発見することは、患者が治癒するために非常に重要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、特に、キナーゼ阻害剤に対する獲得抵抗性の出現を防止又は遅延させるために、キナーゼ阻害剤と組み合わせた、がんの処置のための治療剤であるDBaitを提供する。実際に、Dbait分子は、生残がん細胞に対する標的効果を示し、それによりがんの再燃を防止若しくは遅延させ、及び/又はキナーゼ阻害剤に対する獲得抵抗性の出現を防止若しくは遅延させる。
【0007】
したがって、本発明は、Dbait分子及びプロテインキナーゼ阻害剤を含む、医薬組成物、組み合わせ又はキットに関する。より詳細には、医薬組成物、組み合わせ又はキットは、Dbait分子、及び同じ若しくは異なるキナーゼを標的にする1つ又は幾つかのプロテインキナーゼ阻害剤を含む。
【0008】
一態様において、キナーゼ阻害剤は、EGFRファミリー、ALK、B-Raf、MEK、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FLT3、IGF1R、c-Met、JAKファミリー、PDGFRα及びβ、RET、AXL、c-KIT、TrkA、TrkB、TrkC、ROS1、BTK、並びにSykからなる一覧において選択される1つ又は幾つかの標的を標的にする阻害剤である。例えば、キナーゼ阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、バンデタニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ネラチニブ、ダコミチニブ、ブリガチニブ、カネルチニブ、ナコチニブ、ナザルチニブ、ペリチニブ、ロシレチニブ、イコチニブ、AZD3759、AZ5104(CAS番号1421373-98-9)、ポジオチニブ、WZ4002、クリゾチニブ、エヌトレクチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ロルラチニブ、TSR-011、CEP-37440、エンサルチニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、レゴラフェニブ、PLX4720、コビメチニブ、トラメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、PD-325901、CI-1040、PD035901、U0126、TAK-733、レンバチニブ、Debio-1347、ドビチニブ、BLU9931、ソラフェニブ、スニチニブ、レスタウルチニブ、タンデュチニブ、キザルチニブ、クレノラニブ、ギルテリチニブ、ポナチニブ、イブルチニブ、リンシチニブ、NVP-AEW541、BMS-536924、AG-1024、GSK1838705A、BMS-754807、PQ 401、ZD3463、NT157、ピクロポドフィリン(PPP)、チバンチニブ、JNJ-38877605、PF-04217903、フォレチニブ(GSK 1363089)、メレスチニブ、ルキソリチニブ、トファシチニブ、オクラシチニブ、バリシチニブ、フィルゴチニブ、セルデュラチニブ、ガンドチニブ、モメロチニブ、パクリチニブ、PF-04965842、ウパダシチニブ、ペフィシチニブ、フェドラチニブ、イマチニブ、パゾパニブ、テラチニブ、ボスチニブ、ニロチニブ、カボザンチニブ、ベムセンチニブ、アムバチニブ、ギルテリチニブ(ASP2215)、グレサチニブ(MGCD 265)、SGI-7079、ラロトレクチニブ、RXDX-102、アルチラチニブ、LOXO-195、シトラバチニブ、TPX-0005、DS-6051b、フォスタマチニブ、エントスプレチニブ及びTAK-659からなる群から選択することができる。
【0009】
特定の態様において、チロシンキナーゼ阻害剤は、EGFR、ALK及びB-Rafからなる群から選択されるプロテインキナーゼの阻害剤、特に、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、バンデタニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ネラチニブ、ダコミチニブ、ブリガチニブ、カネルチニブ、ナコチニブ、ナザルチニブ、ペリチニブ、ロシレチニブ、イコチニブ、AZD3759、AZ5104(CAS番号1421373-98-9)、ポジオチニブ、WZ4002、クリゾチニブ、エヌトレクチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ロルラチニブ、TSR-011、CEP-37440、エンサルチニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、レゴラフェニブ及びPLX4720からなる群から選択されるプロテインキナーゼ阻害剤である。
【0010】
非常に具体的な態様において、プロテインキナーゼ阻害剤は、EGFR阻害剤、特に、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、バンデタニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ネラチニブ、ダコミチニブ、ブリガチニブ、カネルチニブ、ナコチニブ、ナザルチニブ、ペリチニブ、ロシレチニブ、イコチニブ、AZD3759、AZ5104(CAS番号1421373-98-9)、ポジオチニブ及びWZ4002からなる群から選択されるEGFR阻害剤である。
【0011】
別の非常に具体的な態様において、プロテインキナーゼ阻害剤は、ALK阻害剤、特に、クリゾチニブ、エヌトレクチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ブリガチニブ、ロルラチニブ、TSR-011、CEP-37440及びエンサルチニブからなる群から選択されるALK阻害剤である。一態様において、Dbait分子は、少なくとも1つの自由末端、及びヒトゲノムにおける任意の遺伝子に対して60%未満の配列同一性を有する20~200bpのDNA二本鎖部分を有する。より詳細には、Dbait分子は、以下の式:
【0012】
【化1】
【0013】
[式中、Nは、デオキシヌクレオチドであり、nは、15~195の整数であり、下線が付されたNは、修飾ホスホジエステル骨格を有するか又は有しないヌクレオチドを指し、L'は、リンカーであり、Cは、受容体媒介性エンドサイトーシスを可能にする細胞受容体を標的にする、脂溶性分子又はリガンドから選択される、エンドサイトーシスを促進する分子であり、Lは、リンカーであり、m及びpは、独立して、0又は1である整数である]
の1つを有する。
【0014】
好ましくは、Dbait分子は、以下の式:
【0015】
【化2】
【0016】
を有し、
N、N、n、L、L'、C及びmについて式(I)、(II)及び(III)と同じ定義を有する。
【0017】
非常に具体的な態様において、Dbait分子は、以下の式:
【0018】
【化3】
【0019】
を有する。
【0020】
本発明は、がんの処置における使用のための、本開示による医薬組成物、組み合わせ又はキットに更に関する。本発明は、キナーゼ阻害剤、特に、本明細書に定義されるキナーゼ阻害剤と組み合わせた、がんの処置における使用のための、本明細書に定義されるDbait分子にも関する。加えて、本発明は、患者において、キナーゼ阻害剤、特に、本明細書に定義されるキナーゼ阻害剤に対して抵抗性のがんの発生を遅延及び/又は防止する使用のための、本明細書に定義されるDbait分子に関する。
【0021】
一態様において、がんは、白血病、リンパ腫、肉腫、黒色腫、並びに頭頸部、腎臓、卵巣、膵臓、前立腺、甲状腺、肺、食道、乳房、膀胱、脳、結腸直腸、肝臓及び子宮頸部のがんからなる群から選択することができる。
【0022】
特定の態様において、がんは、肺がん、特に非小細胞肺がん、白血病、特に急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、リンパ腫、特に末梢性T細胞リンパ腫、慢性骨髄性白血病、頭頸部の扁平上皮癌、BRAF突然変異を有する進行性黒色腫、結腸直腸がん、消化管間質腫瘍、乳がん、特にHER2+乳がん、甲状腺がん、特に進行性甲状腺髄様がん、腎臓がん、特に腎細胞癌、前立腺がん、神経膠腫、膵臓がん、特に膵臓神経内分泌がん、多発性骨髄腫、及び肝臓がん、特に肝細胞癌からなる群から選択される。最後に、本発明は、がん、特に、本明細書に定義されるキナーゼ阻害剤に対するがんの生残細胞の処置におけるがんの生残細胞に対する標的効果のための使用のための、本明細書に定義されるDbait分子に関する
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1A】AsiDNA単独では、(EGFR)依存性非小細胞肺がん(NSCLC)細胞株PC9及びHCC827の細胞死を誘導しない。
図1B】AsiDNAは、(EGFR)依存性非小細胞肺がん(NSCLC)細胞株PC9及びHCC827の細胞死の誘導に対するエルロチニブの有効性を高めない。
図1C】AsiDNAは、エルロチニブ抵抗性クローンの出現を防止する。
図2】(EGFR)依存性非小細胞肺がん(NSCLC)の親のPC9並びにサブクローンのHCC827 sc2及びNSCLC PC9-3におけるエルロチニブ獲得抵抗性に対するAsiDNA処置の長期有効性。AsiDNA処置単独では、NSCLC細胞生存率に影響を与えなかった(図2A-図2C-図2E)。AsiDNAは、全体的に、2つのサブクローンのNSCLC HCC827 sc2の40日間(図2B)及びNSCLC PC9-3の70日間(図2D)に対するエルロチニブ獲得抵抗性を抑止したが、これは、部分的に、NSCLC PC9親細胞株に対する抵抗性を著しく低減した(図2F)。
図3】(EGFR)依存性非小細胞肺がん(NSCLC)PC9-3におけるオシメルチニブ獲得抵抗性に対するAsiDNA処置の長期有効性。AsiDNA処置単独では、細胞生存率に影響を与えなかった(図3A)。AsiDNAは、NSCLC PC9親細胞株に対するオシメルチニブ抵抗性を著しく低減した(図3B)。
図4】(EGFR)依存性非小細胞肺がん(NSCLC)H3122におけるアレクチニブ獲得抵抗性に対するAsiDNA処置の長期有効性。AsiDNA処置単独では、細胞生存率に影響を与えなかった(図4A)。AsiDNAは、全体的に、NSCLC H3122細胞の40日間において、アレクチニブ獲得抵抗性を抑止した(図4B)。
図5】エルロチニブと組み合わせたAsiDNAは、インビボで腫瘍成長を著しく低減した。エルロチニブ処置単独では、一時的に腫瘍成長を制御し(図5B)、AsiDNA処置単独では、処置なし(図5A)と比較して腫瘍成長をわずかに抑止した(図5C)。エルロチニブと組み合わせたAsiDNAは、腫瘍成長を著しく低減し、2つの完全縮小を誘導する(図5D)。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、生残がん細胞、特に、キナーゼ阻害剤に対して抵抗性のがん細胞の出現を強く減少させるDbait分子の能力に関する。
【0025】
したがって、本発明は、特に、がんの処置に対する使用のための、Dbait分子及びキナーゼ阻害剤を含む、医薬組成物、組み合わせ又はキット(パーツのキット)に関する。より具体的には、医薬組成物、組み合わせ又はキットは、Dbait分子、及び同じ若しくは異なるキナーゼを標的にする1つ又は幾つかのプロテインキナーゼ阻害剤を含む。
【0026】
本発明はまた、がんの処置における使用のための、Dbait分子及びキナーゼ阻害剤を含む医薬組成物;同時の、別々の若しくは逐次的な使用のため、特に、がんの処置における使用のための組み合わせ調製物として、Dbait分子及びキナーゼ阻害剤を含む組み合わせ又はキット(パーツのキット)に関する。本発明は、それを必要とする対象におけるがんを処置するための方法であって、治療有効量のDbait分子及び治療有効量のキナーゼ阻害剤、並びに任意選択で薬学的に許容される担体を投与する工程を含む方法に更に関する。本発明は、がんを処置するための薬物の製造のためのDbait分子及びキナーゼ阻害剤の使用に関する。
【0027】
本発明は、キナーゼ阻害剤の組み合わせにおけるがんの処置のための使用のための、Dbait分子、又はDbait分子を含む医薬組成物に関する。より詳細には、本発明は、患者におけるキナーゼ阻害剤に抵抗性のがんの発生を遅延及び/又は防止する使用のための、Dbait分子、又はDbait分子を含む医薬組成物に関する。本発明は、患者のがんの処置におけるキナーゼ阻害剤に対する応答の期間を延長する使用のためのDbait分子に関する。本発明はまた、患者におけるキナーゼ阻害剤に抵抗性のがんの発生を遅延及び/又は防止する使用のため、及び/又は患者のがんの処置におけるキナーゼ阻害剤に対する応答の期間を延長するための方法であって、治療有効量のDbait分子及び治療有効量のキナーゼ阻害剤、並びに任意選択で薬学的に許容される担体を投与する工程を含む方法に関する。本発明は、キナーゼ阻害剤と組み合わせてがんを処置するための薬物の製造のため、患者におけるキナーゼ阻害剤に抵抗性のがんの発生を遅延及び/若しくは防止するため、及び/又は患者のがんの処置におけるキナーゼ阻害剤に対する応答の期間を延長するための、Dbait分子の使用に関する。
【0028】
最後に、より一般的に、本発明は、がん生残細胞の増殖若しくはがん生残細胞のコロニーの形成を阻害又は防止するための使用のためのDbait分子に関し、それによりがんの処置に対するがんの再燃及び/若しくは獲得抵抗性の出現を防止又は遅延する。加えて、がん生残細胞に対するこの効果は、がんの処置に対する完全な応答に到達するのを可能にし得る。実際に、Dbait分子は、がん生残細胞を除去することが可能であろう。本発明はまた、がん生残細胞の集団を除去若しくは減少させるための方法、並びに/又はがんの再燃及びがんの処置に対する獲得抵抗性の出現を防止若しくは遅延させるための方法であって、治療有効量のDbait分子を投与し、それによりがん生残細胞の集団を除去又は減少させる工程を含む方法に関する。Dbait処置は、生存可能な「生残」腫瘍細胞の標的化において有用であり、そのため、特に、キナーゼ阻害剤との組み合わせ処置の文脈において、薬物抵抗性クローンの出現を防止し得る。
【0029】
定義
「キット」、「製品」、「組み合わせ」又は「組み合わせ調製物」という用語は、本明細書で使用される場合、特に、上記に定義された組み合わせパートナーを、独立して、又は組み合わせパートナーの区別された量で異なる固定された組み合わせの使用によって、すなわち、同時又は異なる時点で投薬することができるという意味で、「パーツのキット」を定義する。その結果、パーツのキットのパーツは、例えば、同時又は経時的に交互に、すなわち、パーツのキットの任意のパーツについて異なる時点及び等しい又は異なる時間間隔で、投与することができる。組み合わせ調製物において投与される組み合わせパートナーの総量の比は、変動させることができる。組み合わせパートナーは、同じ経路又は異なる経路によって投与することができる。
【0030】
本発明の文脈内では、「処置」という用語は、治癒的処置、対症的処置、防止的処置、及び維持的処置を表す。本発明の医薬組成物、キット、製品及び組み合わせ調製物は、がんの進行の初期若しくは後期を含む、がん又は腫瘍が存在するヒトにおいて使用することができる。本発明の医薬組成物、キット、組み合わせ、製品及び組み合わせ調製物は、必ずしもがんを有する患者を治癒するわけではないが、進行を遅延若しくは遅らせ、又は疾患の更なる進行を防止し、それにより患者の状態を改善する。特に、本発明の医薬組成物、キット、組み合わせ、製品及び組み合わせ調製物は、腫瘍の発生を低減し、腫瘍負荷を低減し、哺乳動物宿主における腫瘍縮小を生じ、並びに/又は転移の発生及びがんの再燃を防止する。本発明による医薬組成物、キット、組み合わせ、製品及び組み合わせ調製物は、有利には、生残腫瘍細胞及び/若しくは薬物耐性拡大生残物の出現又は発生を防止し、遅延させ、生残腫瘍細胞及び/若しくは薬物耐性拡大生残物の出現を減少させ、或いは除去する。
【0031】
「治療有効量」とは、単独で、又は医薬組成物、キット、組み合わせ、製品若しくは組み合わせ調製物の他の活性成分と組み合わせて、ヒトを含む哺乳動物におけるがんの有害な効果を防止、除去又は低減する、本発明の医薬組成物、キット、組み合わせ、製品又は組み合わせ調製物に関与する化合物の量を意味する。投与された用量が、組成物中のそれぞれの化合物について、単独で、又は本明細書に記載の組み合わせ以外の他の処置との組み合わせで使用されるそれぞれの化合物について定義される「治療有効量」まで下げてもよいことが理解される。組成物の「治療有効量」は、患者、病状、投与様式等に従って、当業者によって適応される。
【0032】
本明細書全体において常に、「がんの処置」又は「がんを処置する」等の用語は、本発明の医薬組成物、キット、組み合わせ、製品若しくは組み合わせ調製物を参照して言及され、a)がんを処置するための方法であって、そのような処置を必要とする患者に本発明の医薬組成物、キット、組み合わせ、製品若しくは組み合わせ調製物を投与する工程を含む方法;b)がんの処置のための、本発明の医薬組成物、キット、組み合わせ、製品若しくは組み合わせ調製物の使用;c)がんの処置のための医薬の製造のための、本発明の医薬組成物、キット、組み合わせ、製品若しくは組み合わせ調製物の使用;及び/又はd)がんの処置における使用のための本発明の医薬組成物、キット、組み合わせ、製品若しくは組み合わせ調製物を意味する。
【0033】
本明細書で考慮される医薬組成物、キット、組み合わせ、製品又は組み合わせ調製物は、活性成分に加えて、薬学的に許容される担体を含んでいてもよい。「薬学的に許容される担体」という用語は、活性成分の生物活性の有効性を妨げず、それが投与される宿主に対して毒性ではない、任意の担体(例えば、支持体、物質、溶媒等)を包含することを意味する。例えば、非経口投与については、活性化合物を、生理食塩水、デキストロース溶液、血清アルブミン及びリンゲル液等の媒体中で注射用の単位剤形に製剤化してもよい。
【0034】
医薬組成物、キット、組み合わせ、製品又は組み合わせ調製物は、当技術分野において公知の方法で、薬学的に適合する溶媒中の液剤として、或いは好適な薬学的溶媒若しくは媒体中のエマルジョン、懸濁剤又は分散剤として、或いは固体媒体を含有する丸剤、錠剤又はカプセル剤として、製剤化することができる。経口投与のために好適な本発明の製剤は、所定量の活性成分をそれぞれ含有する、カプセル剤、サッシェ剤、錠剤又はロゼンジ剤として、別個の単位の形態;粉剤又は顆粒剤の形態;水性液体若しくは非水性液体中の液剤又は懸濁剤の形態;或いは水中油型エマルジョン又は油中水型エマルジョンの形態であってもよい。非経口投与のために好適な製剤は、好都合には、好ましくはレシピエントの血液と等張である活性成分の無菌の油性又は水性の調製物を含む。全てのそのような製剤はまた、他の薬学的に適合し、非毒性の補助剤、例えば、安定剤、抗酸化剤、結合剤、色素、乳化剤又は香味物質等を含有することができる。本発明の製剤は、したがって、薬学的に許容される担体、及び任意選択で他の治療成分と共に活性成分を含む。担体は、製剤の他の成分と適合し、そのレシピエントに対して有害ではないという意味で「許容され」なければならない。医薬組成物、キット、組み合わせ、製品又は組み合わせ調製物は、有利には、好適な無菌溶液の注射若しくは静脈内注入によって、又は消化管により経口投薬として適用される。これらの治療剤の大部分の安全かつ効果的な投与の方法は、当業者に公知である。加えて、これらの投与は、標準的な文献に記載されている。
【0035】
「生残細胞」、「生残がん細胞」、「薬物耐性生残物」又は「DTP」とは、抗がん標的治療の処置下、特に、キナーゼ阻害剤との処置下で、生存を維持するがん細胞の小さな亜集団を指すことを意図する。より詳細には、これは、IC50よりも100倍高い濃度で使用される場合に、高濃度のキナーゼ阻害剤の処置に対する耐性を有するがん細胞を指す。これらの細胞は、ゆっくりとした成長を有し、ほとんど静止状態である。
【0036】
本明細書で使用される場合、「薬物耐性拡大生残物」又は「DTEP」という用語は、高濃度での連続したがん薬物処置、特に、キナーゼ阻害剤での処置で、増殖することができるがん細胞を指す。
【0037】
Dbait分子
「Dbait分子」という用語は、本明細書で使用される場合、シグナル干渉DNA(siDNA)としても公知であり、DNA修復を弱めるように設計された、核酸分子、好ましくは、ヘアピン核酸分子を指す。Dbait分子は、少なくとも1つの自由末端、及びヒトゲノムにおける任意の遺伝子に対して60%未満の配列同一性を有する20~200bpのDNA二本鎖部分を有する。
【0038】
好ましくは、コンジュゲートされているか又はコンジュゲートされていない、本発明における使用のためのDbait分子は、以下の式:
【0039】
【化4】
【0040】
[式中、Nは、デオキシヌクレオチドであり、nは、15~195の整数であり、下線が付されたNは、修飾ホスホジエステル骨格を有するか又は有しないヌクレオチドを指し、L'は、リンカーであり、Cは、受容体媒介性エンドサイトーシスを可能にする細胞受容体を標的にする、脂溶性分子及びリガンドから好ましくは選択される、エンドサイトーシスを促進する分子であり、Lは、リンカーであり、m及びpは、独立して、0又は1である整数である]
によって記載することができる。
【0041】
好ましい実施形態において、式(I)、(II)又は(III)のDbait分子は、以下の特徴のうちの1つ又は幾つかを有する:
- Nは、好ましくは、A(アデニン)、C(シトシン)、T(チミン)及びG(グアニン)からなる群から選択され、CpGジヌクレオチドの出現を回避し、かつヒトゲノムにおける任意の遺伝子に対して80%又は70%未満、更には60%又は50%未満の配列同一性を有するように選択される、デオキシヌクレオチドである:並びに/或いは
- nは、15~195、19~95、21~95、27~95、15~45、19~45、21~45又は27~45の整数であり;好ましくは、nは、27である;並びに/或いは
- 下線が付されたNは、ホスホロチオエート若しくはメチルホスホネート骨格、より好ましくは、ホスホロチオエート骨格を有するか又は有さないヌクレオチドを指し;好ましくは、下線が付されたNは、修飾ホスホジエステル骨格を有するヌクレオチドを指す;並びに/或いは
- リンカーL'は、ヘキサエチレングリコール、テトラデオキシチミジレート(T4)、1,19-ビス(ホスホ)-8-ヒドラザ-2-ヒドロキシ-4-オキサ-9-オキソ-ノナデカン及び2,19-ビス(ホスホル)-8-ヒドラザ-1-ヒドロキシ-4-オキサ-9-オキソ-ノナデカンからなる群から選択される;並びに/或いは
- mは1であり、Lは、カルボキサミドポリエチレングリコール、より好ましくは、カルボキサミドトリエチレングリコール又はカルボキサミドテトラエチレングリコールである;並びに/或いは
- Cは、コレステロール、単鎖若しくは二重鎖の脂肪酸、例えば、オクタデシル、オレイン酸、ジオレオイル若しくはステアリン酸、又は葉酸、トコフェロール、糖、例えば、ガラクトース及びマンノース並びにそれらのオリゴ糖、ペプチド、例えば、RGD及びボンベシン、並びにタンパク質、例えば、トランスフェリン及びインテグリンの細胞受容体を標的にするリガンド(ペプチド、タンパク質、アプタマーを含む)からなる群から選択され、好ましくは、コレステロール又はトコフェロール、更により好ましくは、コレステロールである。
【0042】
好ましくは、C-Lmは、トリエチレングリコールリンカー(10-O-[1-プロピル-3-N-カルバモイルコレステリル]-トリエチレングリコール基である。或いは、C-Lmは、テトラエチレングリコールリンカー(10-O-[1-プロピル-3-N-カルバモイルコレステリル]-テトラエチレングリコール基である。
【0043】
好ましい実施形態において、Dbait分子は、以下の式:
【0044】
【化5】
【0045】
を有し、
N、N、n、L、L'、C及びmについて式(I)、(II)及び(III)と同じ定義を有する。
【0046】
特定の実施形態において、Dbait分子は、PCT特許出願の国際公開第2005/040378号、国際公開第2008/034866号、国際公開第2008/084087号及び国際公開第2011/161075号に広く記載されているものであり、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0047】
Dbait分子は、それらの治療活性に必要な多くの特性、例えば、それらの最小長さ、少なくとも1つの自由末端の存在、及び二本鎖部分、好ましくは、DNA二本鎖部分の存在によって定義され得る。下記で論じるように、Dbait分子の正確なヌクレオチド配列がそれらの活性に影響を与えないことに留意することが重要である。更にまた、Dbait分子は、修飾された骨格及び/又は非天然の骨格を含有していてもよい。
【0048】
好ましくは、Dbait分子は、非ヒト起源であり(すなわち、それらのヌクレオチド配列及び/又は立体構造(例えば、ヘアピン)は、例えば、ヒト細胞中に存在しない)、最も好ましくは、合成起源である。Dbait分子の配列は、もしあっても、わずかな役割しか果たさないので、Dbait分子は、好ましくは、公知の遺伝子、プロモータ、エンハンサー、5'又は3'の上流配列、エクソン、イントロン等に対して著しい程度の配列相同性又は同一性を有さない。言い換えれば、Dbait分子は、ヒトゲノムにおける任意の遺伝子に対して80%又は70%未満、更には60%又は50%未満の配列同一性を有する。配列同一性を決定する方法は、当技術分野において周知であり、例えば、Blastを含む。Dbait分子は、ストリンジェントな条件下で、ヒトゲノムDNAとハイブリダイズしない。典型的なストリンジェントな条件は、完全に相補的な核酸を部分的に相補的な核酸から区別することが可能なものである。
【0049】
加えて、Dbait分子の配列は、好ましくは、周知のtoll様受容体媒介性免疫学的反応を回避するために、CpGを欠いている。
【0050】
Dbait分子の長さは、Ku及びDNA-PKcsタンパク質を含むKuタンパク質複合体を適切に結合させるのに十分である限り、可変であり得る。Dbait分子の長さは、そのようなKu複合体に対する結合及びDNA-PKcsを活性化させるのを確実にするために、20bpより長く、好ましくは、約32bpでなければならないことが示されている。好ましくは、Dbait分子は、20~200bp、より好ましくは、24~100bp、更により好ましくは、26~100、最も好ましくは、24~200、25~200、26~200、27~200、28~200、30~200、32~200、24~100、25~100、26~100、27~100、28~100、30~100、32~200又は32~100bpを含む。例えば、Dbait分子は、24~160、26~150、28~140、28~200、30~120、32~200又は32~100bpを含む。「bp」とは、分子が示された長さの二本鎖部分を含むことを意図する。
【0051】
特定の実施形態において、少なくとも32pb又は約32bpの二本鎖部分を有するDbait分子は、Dbait32(配列番号1)、Dbait32Ha(配列番号2)、Dbait32Hb(配列番号3)、Dbait32Hc(配列番号4)又はDbait32Hd(配列番号5)と同じヌクレオチド配列を含む。任意選択で、Dbait分子は、Dbait32(配列番号1)、Dbait32Ha(配列番号2)、Dbait32Hb(配列番号3)、Dbait32Hc(配列番号4)又はDbait32Hd(配列番号5)と同じヌクレオチド組成を有するが、それらのヌクレオチド配列は異なる。その結果、Dbait分子は、3個のA、6個のC、12個のG及び11個のTを含む二本鎖部分の一本鎖を含む。好ましくは、Dbait分子の配列は、任意のCpGジヌクレオチドを含有しない。
【0052】
或いは、二本鎖部分は、Dbait32(配列番号1)、Dbait32Ha(配列番号2)、Dbait32Hb(配列番号3)、Dbait32Hc(配列番号4)又はDbait32Hd(配列番号5)の少なくとも16、18、20、22、24、26、28、30又は32個の連続するヌクレオチドを含む。より特定の実施形態において、二本鎖部分は、Dbait32(配列番号1)、Dbait32Ha(配列番号2)、Dbait32Hb(配列番号3)、Dbait32Hc(配列番号4)又はDbait32Hd(配列番号5)の20、22、24、26、28、30又は32個の連続するヌクレオチドで構成される。
【0053】
本明細書に開示のDbait分子は、二本鎖破壊(DSB)の模倣体として、少なくとも1つの自由末端を有していなければならない。前記自由末端は、自由な平滑末端又は5'-/3'-突出末端のいずれかであり得る。「自由末端」は、本明細書において、核酸分子、特に、5'末端及び3'末端の両方を有するか、又は3'末端若しくは5'末端のいずれかを有する、二本鎖核酸部分を指す。任意選択で、5'末端及び3'末端の一方を使用して、核酸分子をコンジュゲートすることができ、又はブロッキング基に連結することができる、例えば、3'-3'ヌクレオチド結合することもできる。
【0054】
特定の実施形態において、それらは、自由末端を1つのみ含有する。好ましくは、Dbait分子は、二本鎖DNAステム及びループを有するヘアピン核酸で構成される。ループは、核酸若しくは当業者に公知の他の化学基、又はそれらの混合物であり得る。ヌクレオチドリンカーは、2~10個のヌクレオチド、好ましくは、3、4又は5個のヌクレオチドを含んでいてもよい。非ヌクレオチドリンカーは、非網羅的に、脱塩基ヌクレオチド、ポリエーテル、ポリアミン、ポリアミド、ペプチド、炭水化物、脂質、ポリ炭化水素又は他のポリマー化合物(例えば、2~10個のエチレングリコール単位、好ましくは、3、4、5、6、7又は8個のエチレングリコール単位を有するもの等のオリゴエチレングリコール)を含む。好ましいリンカーは、ヘキサエチレングリコール、テトラデオキシチミジレート(T4)、並びに1,19-ビス(ホスホ)-8-ヒドラザ-2-ヒドロキシ-4-オキサ-9-オキソ-ノナデカン及び2,19-ビス(ホスホル)-8-ヒドラザ-1-ヒドロキシ-4-オキサ-9-オキソ-ノナデカン等の他のリンカーからなる群から選択される。したがって、特定の実施形態において、Dbait分子は、Dbait32(配列番号1)、Dbait32Ha(配列番号2)、Dbait32Hb(配列番号3)、Dbait32Hc(配列番号4)又はDbait32Hd(配列番号5)の少なくとも16、18、20、22、24、26、28、30又は32個の連続するヌクレオチドを含む二本鎖部分又はステム、並びに、ヘキサエチレングリコールリンカー、テトラデオキシチミジレートリンカー(T4)、1,19-ビス(ホスホ)-8-ヒドラザ-2-ヒドロキシ-4-オキサ-9-オキソ-ノナデカン又は2,19-ビス(ホスホル)-8-ヒドラザ-1-ヒドロキシ-4-オキサ-9-オキソ-ノナデカンであるループを有するヘアピン分子であり得る。より詳細な実施形態において、これらのDbait分子は、Dbait32(配列番号1)、Dbait32Ha(配列番号2)、Dbait32Hb(配列番号3)、Dbait32Hc(配列番号4)又はDbait32Hd(配列番号5)の20、22、24、26、28、30又は32個の連続するヌクレオチドで構成される二本鎖部分を有し得る。
【0055】
Dbait分子は、好ましくは、2'-デオキシヌクレオチド骨格を含み、任意選択で、アデニン、シトシン、グアニン及びチミン以外の1つ若しくは幾つか(2、3、4、5又は6個)の修飾ヌクレオチド及び/又は核酸塩基を含む。したがって、Dbait分子は、本質的に、DNA構造である。特に、Dbait分子の二本鎖部分又はステムは、デオキシリボヌクレオチドで構成される。
【0056】
好ましいDbait分子は、特に、分解からそれらを保護するために、一方の若しくはそれぞれの鎖の末端に1つ又は幾つかの化学的に修飾されたヌクレオチド又は基を含む。特に好ましい実施形態において、Dbait分子の自由末端は、一方の鎖若しくはそれぞれの鎖の末端の1、2又は3個の修飾ホスホジエステル骨格によって保護される。好ましい化学基、特に、修飾ホスホジエステル骨格は、ホスホロチオエートを含む。或いは、好ましいDbaitは、3'-3'ヌクレオチド結合、又はメチルホスホネート骨格を有するヌクレオチドを有する。他の修飾骨格は、当技術分野において周知であり、ホスホルアミデート、モルホリノ核酸、2'-0,4'-Cメチレン/エチレン架橋ロックド核酸、ペプチド核酸(PNA)及び短鎖アルキル、或いは可変長のシクロアルキル糖間結合又は短鎖ヘテロ原子若しくは複素環式糖内結合、或いは当業者に公知の任意の修飾ヌクレオチドを含む。第1の好ましい実施形態において、Dbait分子は、一方の鎖若しくはそれぞれの鎖の末端において1、2又は3個の修飾ホスホジエステル骨格によって、より好ましくは、少なくとも3'末端であるが、更により好ましくは5'及び3'末端の両方において3個の修飾ホスホジエステル骨格(特に、ホスホロチオエート又はメチルホスホネート)によって保護された自由末端を有する。
【0057】
最も好ましい実施形態において、Dbait分子は、32bpのDNA二本鎖部分又はステム(例えば、配列番号1~5からなる群から選択される配列、特に、配列番号4を有する)、並びにヘキサエチレングリコール、テトラデオキシチミジレート(T4)、並びに1,19-ビス(ホスホ)-8-ヒドラザ-2-ヒドロキシ-4-オキサ-9-オキソ-ノナデカン及び2,19-ビス(ホスホル)-8-ヒドラザ-1-ヒドロキシ-4-オキサ-9-オキソ-ノナデカンからなる群から選択されるリンカーを含むか若しくはそれらからなる、DNA二本鎖部分又はステムの2つの鎖を連結するループを含むヘアピン核酸分子であり、DNA二本鎖部分又はステムの自由末端(すなわち、ループの反対側)は、3個の修飾ホスホジエステル骨格(特に、ホスホロチオエートヌクレオチド間連結)を有する。
【0058】
前記核酸分子は、化学合成、半生合成又は生合成、任意の増幅方法、続いて任意の抽出及び調製法、並びに任意の化学修飾によって作製される。リンカーは、標準的な核酸化学合成によって組み込まれるように提供される。より好ましくは、核酸分子は、特異的に設計された収束合成によって製造される:2本の相補鎖を、適切なリンカー前駆体の組み込みを伴う標準的な核酸化学合成によって調製し、それらの精製後、それらは、一緒に共有結合的にカップリングされる。
【0059】
任意選択で、核酸分子は、エンドサイトーシス又は細胞取り込みを促進する分子にコンジュゲートされてもよい。
【0060】
特に、エンドサイトーシス又は細胞取り込みを促進する分子は、脂溶性分子、例えば、コレステロール、単鎖若しくは二重鎖の脂肪酸、又は受容体媒介性エンドサイトーシスを可能にする細胞受容体を標的にするリガンド、例えば、葉酸及び葉酸塩誘導体、又はトランスフェリンであってもよい(Goldstein ら、Ann. Rev. Cell Biol. 1985 1:1~39;Leamon及びLowe、Proc Natl Acad Sci USA. 1991、88:5572~5576)。分子はまた、トコフェロール、糖、例えば、ガラクトース及びマンノース、並びにそれらのオリゴ糖、ペプチド、例えば、RGD及びボンベシン、並びにタンパク質、例えば、インテグリンであってもよい。脂肪酸は、飽和又は不飽和であってもよく、C4~C28、好ましくは、C14~C22、更により好ましくは、C18、例えば、オレイン酸又はステアリン酸であってもよい。特に、脂肪酸は、オクタデシル又はジオレオイルであってもよい。脂肪酸は、適切なリンカー、例えば、グリセロール、ホスファチジルコリン若しくはエタノールアミン等と連結されているか、又はDbait分子に結合するために使用されるリンカーによって一緒に連結されている、二重鎖形態として見出され得る。本明細書で使用される場合、「葉酸塩」という用語は、プテロイン酸誘導体及びアナログを含む、葉酸塩及び葉酸塩誘導体を指すことを意味する。本発明における使用のために好適な葉酸のアナログ及び誘導体としては、限定されるものではないが、抗葉酸薬、ジヒドロ葉酸塩、テトラヒドロ葉酸塩、フォリン酸、プテロポリグルタミン酸、1-デアザ、3-デアザ、5-デアザ、8-デアザ、10-デアザ、1,5-デアザ、5,10-ジデアザ、8,10-ジデアザ及び5,8-ジデアザ葉酸塩、抗葉酸薬及びプテロイン酸誘導体が挙げられる。追加の葉酸塩アナログは、米国特許出願公開第2004/242582号に記載されている。したがって、エンドサイトーシスを促進する分子は、単鎖又は二重鎖の脂肪酸、葉酸塩及びコレステロールからなる群から選択され得る。より好ましくは、エンドサイトーシスを促進する分子は、ジオレオイル、オクタデシル、葉酸及びコレステロールからなる群から選択される。最も好ましい実施形態において、核酸分子は、コレステロールにコンジュゲートされる。
【0061】
エンドサイトーシスを促進するDbait分子は、好ましくは、リンカーを通して、エンドサイトーシスを促進する分子にコンジュゲートされ得る。当技術分野において公知の任意のリンカーを使用して、エンドサイトーシスを促進する分子をDbait分子に結合させてもよい。例えば、国際公開公報第09/126933号は、38~45頁に好都合なリンカーについての広範な総説を提供している。リンカーは、非網羅的に、脂肪族鎖、ポリエーテル、ポリアミン、ポリアミド、ペプチド、炭水化物、脂質、ポリ炭化水素、又は他のポリマー化合物(例えば、2~10個のエチレングリコール単位、好ましくは、3、4、5、6、7又は8個のエチレングリコール単位、更により好ましくは3個のエチレングリコール単位を有するもの等のオリゴエチレングリコール)であり得るだけではなく、化学的又は酵素的な方法によって分解され得る任意の結合、例えば、ジスルフィド結合、保護されたジスルフィド結合、酸に不安定な結合(例えば、ヒドラゾン結合)、エステル結合、オルトエステル結合、ホスホンアミド結合、生切断性ペプチド結合、アゾ結合又はアルデヒド結合を組み込む。そのような切断可能なリンカーは、国際公開第2007/040469号の12~14頁、国際公開第2008/022309号の22~28頁に詳述されている。
【0062】
特定の実施形態において、核酸分子は、エンドサイトーシスを促進する1個の分子に連結され得る。或いは、エンドサイトーシスを促進する幾つかの分子(例えば、2、3又は4個)が1個の核酸分子に結合することができる。
【0063】
具体的な実施形態において、エンドサイトーシスを促進する分子、特に、コレステロール、及び核酸分子の間のリンカーは、CO-NH-(CH2-CH2-O)n(式中、nは、1~10の整数であり、好ましくは、nは、3、4、5及び6からなる群から選択される)である。非常に特定の実施形態において、リンカーは、CO-NH-(CH2-CH2-O)4(カルボキサミドテトラエチレングリコール)又はCO-NH-(CH2-CH2-O)3(カルボキサミドトリエチレングリコール)である。リンカーは、核酸分子の活性を改変しない任意の好都合な位置で核酸分子に連結され得る。特に、リンカーは、5'末端で連結され得る。したがって、好ましい実施形態において、企図されるコンジュゲートされたDbait分子は、ヘアピン構造を有し、その5'末端で、好ましくはリンカーを通して、エンドサイトーシスを促進する分子にコンジュゲートされている、Dbait分子である。
【0064】
別の具体的な実施形態において、エンドサイトーシスを促進する分子、特に、コレステロール、及び核酸分子の間のリンカーは、ジアルキル-ジスルフィド{例えば、(CH2)r-S-S-(CH2)s、r及びsは、1~10の整数、好ましくは3~8、例えば、6である}である。
【0065】
最も好ましい実施形態において、コンジュゲートされたDbait分子は、32bpのDNA二本鎖部分又はステム、並びにヘキサエチレングリコール、テトラデオキシチミジレート(T4)、1,19-ビス(ホスホ)-8-ヒドラザ-2-ヒドロキシ-4-オキサ-9-オキソ-ノナデカン及び2,19-ビス(ホスホル)-8-ヒドラザ-1-ヒドロキシ-4-オキサ-9-オキソ-ノナデカンからなる群から選択されるリンカーを含むか若しくはそれらからなる、DNA二本鎖部分又はステムの2つの鎖を連結するループを含むヘアピン核酸分子であり、DNA二本鎖部分又はステムの自由末端(すなわち、ループの反対側)は、3個の修飾ホスホジエステル骨格(特に、ホスホロチオエートヌクレオチド間連結)を有し、前記Dbait分子は、その5'末端でコレステロールに、好ましくは、リンカー(例えば、カルボキサミドオリゴエチレングリコール、好ましくは、カルボキサミドトリエチレングリコール又はカルボキサミドテトラエチレングリコール)を通して、コンジュゲートされる。
【0066】
特定の実施形態において、Dbait分子は、コンジュゲートされたDbait分子、例えば、PCT特許出願の国際公開第2011/161075号に広く記載されているものであり得、この開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0067】
好ましい実施形態において、NNNN-(N)n-Nは、Dbait32(配列番号1)、Dbait32Ha(配列番号2)、Dbait32Hb(配列番号3)、Dbait32Hc(配列番号4)又はDbait32Hd(配列番号5)の少なくとも6、8、10、12、14、16,18,20、22、24、26、28、30又は32個の連続するヌクレオチドを含むか、或いはDbait32、Dbait32Ha、Dbait32Hb、Dbait32Hc又はDbait32Hdの20、22、24、26、28、30又は32個の連続するヌクレオチドで構成される。特定の実施形態において、NNNN-(N)n-Nは、Dbait32(配列番号1)、Dbait32Ha(配列番号2)、Dbait32Hb(配列番号3)、Dbait32Hc(配列番号4)又はDbait32Hd(配列番号5)、より好ましくは、Dbait32Hc(配列番号4)を含むか、又はこれらで構成される。
【0068】
したがって、コンジュゲートされたDbait分子は、以下からなる群から選択され得る。
配列番号1であるNNNN-(N)n-N;
配列番号2であるNNNN-(N)n-N;
配列番号3であるNNNN-(N)n-N;
配列番号1であるNNNN-(N)n-N;又は
配列番号5であるNNNN-(N)n-N
【0069】
好ましい一実施形態において、Dbait分子は、以下の式:
【0070】
【化6】
【0071】
[式中、
- NNNN-(N)n-Nは、28、30又は32個のヌクレオチド、好ましくは、32個のヌクレオチドを含み;並びに/或いは
- 下線が付されたヌクレオチドは、ホスホロチオエート若しくはメチルホスホネート骨格、より好ましくは、ホスホロチオエート骨格を有するか又は有さないヌクレオチドを指し;好ましくは、下線が付されたヌクレオチドは、ホスホロチオエート又はメチルホスホネート骨格、より好ましくは、ホスホロチオエート骨格を有するヌクレオチドを指し;並びに/或いは
- リンカーL'は、ヘキサエチレングリコール、テトラデオキシチミジレート(T4)、1,19-ビス(ホスホ)-8-ヒドラザ-2-ヒドロキシ-4-オキサ-9-オキソ-ノナデカン又は2,19-ビス(ホスホル)-8-ヒドラザ-1-ヒドロキシ-4-オキサ-9-オキソ-ノナデカンからなる群から選択され;並びに/或いは
- mは1であり、Lは、カルボキサミドポリエチレングリコール、より好ましくは、カルボキサミドトリエチレングリコール又はカルボキサミドテトラエチレングリコールであり;並びに/或いは
- Cは、コレステロール、単鎖若しくは二重鎖の脂肪酸、例えば、オクタデシル、オレイン酸、ジオレオイル若しくはステアリン酸、又は葉酸、トコフェロール、糖、例えば、ガラクトース及びマンノース、並びにそれらのオリゴ糖、ペプチド、例えば、RGD及びボンベシン、並びにタンパク質、例えば、トランスフェリン及びインテグリン等の細胞受容体を標的にするリガンド(ペプチド、タンパク質、アプタマーを含む)からなる群から選択され、好ましくは、コレステロールである]
を有する。
【0072】
非常に具体的な実施形態において、Dbait分子(本明細書において、AsiDNAとも称する)は、以下の式:
【0073】
【化7】
【0074】
[式中、Cは、コレステリルであり、Lmは、テトラエチレングリコールであり、L'は、1,19-ビス(ホスホ)-8-ヒドラザ-2-ヒドロキシ-4-オキサ-9-オキソ-ノナデカンである]を有し、以下の式:
【0075】
【化8】
【0076】
によっても表される。
【0077】
「s」は、2個のヌクレオチドの間のホスホロチオエート連結を指す。
【0078】
キナーゼ阻害剤
本発明のキナーゼ阻害剤は、がんを処置するためのキナーゼ阻害剤である。特に、キナーゼは、チロシンキナーゼ、セリン/トレオニンキナーゼ、又は二重特異性を有するキナーゼであり得る。特定の態様において、キナーゼ阻害剤は、がんの処置の間に、獲得抵抗性に関連することが公知である。非常に特定の態様において、キナーゼ阻害剤は、このキナーゼ阻害剤によるがんの処置の間に、生残がん細胞の出現に関連する。
【0079】
キナーゼ阻害剤は、以下のキナーゼ:EGFRファミリー、ALK、B-Raf、MEK、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FLT3、IGF1R、c-Met、JAKファミリー、PDGFRα及びβ、RET、AXL、c-KIT、TrkA、TrkB、TrkC、ROS1、BTK、並びにSykのいずれか1つを標的にし得る。
【0080】
一態様において、キナーゼ阻害剤は、受容体チロシンキナーゼ、特に、EGFRファミリー、ALK、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、c-Met、RET、IGF1R、PDGFRα及びβ、c-KIT、FLT3、AXL、TrkA、TrkB、TrkC、並びにROS1からなる群から選択されるものを標的にする阻害剤である。
【0081】
特定の態様において、キナーゼ阻害剤は、EGFR、ALK、B-Raf、MEK、c-Met、JAK、PDGFRα及びβ、RET、並びにBTKからなる群から選択されるチロシンキナーゼを標的にする阻害剤である。例えば、ALKに進化的及び構造的に関連するチロシンキナーゼの群は、RET、ROS1、AXL及びTrkファミリーキナーゼである。
【0082】
キナーゼ阻害剤は、小有機分子である。この用語は、生体高分子(例えば、タンパク質、核酸等)を排除する。好ましい小有機分子は、2000Daまで、最も好ましくは、約1000Daまでのサイズの範囲である。
【0083】
キナーゼ阻害剤は、ErbB-1及びHER1(UniprotKB-P00533を参照されたい)とも呼ばれるEGFR(上皮性増殖因子受容体)を標的にしてもよい。EGFRキナーゼ阻害剤は周知である。例えば、そのようなEGFRキナーゼ阻害剤を開示する総説が発行されており(Expert Opinion on Therapeutic Patents 2002年12月、12巻、12号、1903~1907頁;Kane、Expert Opinion on Therapeutic Patents 2006年2月、16巻、2号、147~164頁;Traxler、Expert Opinion on Therapeutic Patents 1998年12月、8巻、12号、1599~1625頁;Singhら、Mini Rev Med Chem. 2016;16(14):1134~66;Chengら、Curr Med Chem. 2016;23(29):3343~3359;Milikら、Eur J Med Chem. 2017年12月15日;142:131~151.;Murtuzaら、Cancer Res. 2019年2月15日;79(4):689~698;Tanら、Onco Targets Ther. 2019年1月18日;12:635~645;Roskoski、Pharmacol Res. 2019年1月;139:395~411;Mountzios、Ann Transl Med. 2018年4月;6(8):140;Tanら、Mol Cancer. 2018年2月19日;17(1):29)、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。特許出願、例えば、非網羅的に、国際公開第19010295号、国際公開第19034075号、国際公開第18129645号、国際公開第18108064号、国際公開第18050052号、国際公開第18121758号、国際公開第18218963号、国際公開第17114383号、国際公開第17049992号、国際公開第17008761号、国際公開第17015363号、国際公開第17016463号、国際公開第17117680号、国際公開第17205459号、国際公開第16112847号、国際公開第16054987号、国際公開第16070816号、国際公開第16079
763号、国際公開第16125186号、国際公開第16123706号、国際公開第16050165号、国際公開第15081822号、国際公開第12167415号、国際公開第13138495号、国際公開第10129053号、国際公開第10076764号、国際公開第09143389号、国際公開第05065687号、国際公開第05018677号、国際公開第05027972号、国際公開第04011461号、国際公開第0134574号もEGFRキナーゼ阻害剤を開示しており、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。EGFRキナーゼ阻害剤の具体的な例を以下の表中に開示する。
【0084】
キナーゼ阻害剤は、ALK(未分化リンパ腫キナーゼ、ALKチロシンキナーゼ受容体又はCD246としても公知;UniprotKB-Q9UM73)を標的にしてもよい。ALKキナーゼ阻害剤は周知である。例えば、そのようなALKキナーゼ阻害剤を開示する総説が発行されており(Beardsleeら、J Adv Pract Oncol. 2018年1月-2月;9(1):94~101;Pacentaら、Drug Des Devel Ther. 2018年10月23日;12:3549~3561;Spagnuoloら、Expert Opin Emerg Drugs. 2018年9月;23(3):231~241;Petersら、Curr Treat Options Oncol. 2018年5月28日;19(7):37;Goldingsら、Mol Cancer. 2018年2月19日;17(1):52;Karachaliouら、Expert Opin Investig Drugs. 2017年6月;26(6):713~722;Liuら、Curr Med Chem. 2017;24(6):590~613;Crescenzoら、Curr Opin Pharmacol. 2015年8月;23:39~44;Sgambatoら、Expert Rev Anticancer Ther. 2018年1月;18(1):71~80;Michellysら、Bioorg Med Chem Lett. 2016年2月1日;26(3):1090~1096;Straughanら、Curr Drug Targets. 2016;17(6):739~45)、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。特許出願、例えば、非網羅的に、国際公開第04080980号、国際公開第05016894号、国際公開第05009389号、国際公開第09117097号、国際公開第09143389号、国際公開第09132202号、国際公開第10085597号、国際公開第10143664号、国際公開第11138751号、国際公開第12037155号、国際公開第12017239号、国際公開第12023597号、国際公開第13013308号、国際公開第14193932号、国際公開第15031666号、国際公開第15127629号、国際公開第15
180685号、国際公開第15194764号、国際公開第17076355号、国際公開第18001251号、国際公開第18044767号、国際公開第18094134号、国際公開第18127184号もALKキナーゼ阻害剤を開示しており、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。ALKキナーゼ阻害剤の具体的な例を以下の表中に開示する。
【0085】
キナーゼ阻害剤は、B-Raf(セリン/トレオニン-プロテインキナーゼB-raf、癌原遺伝子B-Raf、p94又はv-Rafマウス肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログB1としても公知;UniprotKB-P15056)を標的にしてもよい。B-Rafキナーゼ阻害剤は周知である。例えば、そのようなB-Rafキナーゼ阻害剤を開示する総説が発行されており(Tsaiら、PNAS 2月26日、2008 105 (8) 3041~3046、Garnett及びMarais、2004 Cancer cell、6巻、4号、313~319頁;Wilmottら、2012、Cancer Therapy: Clinical、18巻、5号; Fujimuraら、Expert Opin Investig Drugs. 2019年2月;28(2):143~148、Trojanielloら、Expert Rev Clin Pharmacol. 2019年3月;12(3):259~266; Kakadiaら、Onco Targets Ther. 2018年10月17日;11:7095~7107;Roskoski、Pharmacol Res. 2018年9月;135:239~258;Erogluら、Ther Adv Med Oncol. 2016年1月;8(1):48~56)、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。特許出願、例えば、非網羅的に、国際公開第14164648号、国際公開第14164648号、国際公開第14206343号、国際公開第13040515号、国際公開第11147764号、国際公開第11047238号、国際公開第11025968号、国際公開第11025951号、国際公開第11025938号、国際公開第11025965号、国際公開第11090738号、国際公開第09143389号、国際公開第09111280号、国際公開第09111279号、国際公開第09111278号、国際公開第09111277号、国際公開第08068507号、国際公開第08020203号、国際公開第07119055号、国際公開第07113558号、国際公開第07071963号、国際公開第07113557号、国際公開第06079791号、国際公開第06067446号、国際公開第06040568号、国際公開第06024836号、国際公開第06024834号、国際公開第06003378号、国際公開第05123696号もB-Rafキナーゼ阻害剤を開示しており、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。B-Rafキナーゼ阻害剤の具体的な例を以下の表中に開示する。
【0086】
キナーゼ阻害剤は、MEK(マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ、MAP2K、MP2K、MAPKK、MAPK/ERKキナーゼ、JNK活性化キナーゼ、c-Jun N末端キナーゼキナーゼ(JNKK)、ストレス活性化プロテインキナーゼキナーゼ(SAPKK)としても公知;UniprotKB-Q02750(MP2K1)、P36507(MP2K2)、P46734(MP2K3)、P45985(MP2K4)、Q13163(MP2K5)、P52564(MP2K6)、O14733(MP2K7))を標的にしてもよい。好ましくは、キナーゼ阻害剤は、MEK-1(MAP2K1、MP2K1、MAPKK1又はMKK1としても公知)及び/又はMEK-2(MAP2K2、MP2K2、MAPKK2又はMKK2としても公知)を標的にする。MEK-1及びMEK-2の両方について、MAPK/ERKカスケードにおいて特異的に機能する。MEKキナーゼ阻害剤は周知である。例えば、そのようなMEKキナーゼ阻害剤を開示する総説が発行されており(Kakadiaら、Onco Targets Ther. 2018年10月17日;11:7095~7107; Steebら、Eur J Cancer. 2018年11月;103:41~51; Sarkisian及びDavar、Drug Des Devel Ther. 2018年8月20日;12:2553~2565; Roskoski、Pharmacol Res. 2018年9月;135:239~258;Erogluら、Ther Adv Med Oncol. 2016年1月;8(1):48~56)、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。特許出願、例えば、非網羅的に、国際公開第15022662号、国際公開第15058589号、国際公開第14009319号、国際公開第14204263号、国際公開第13107283号、国際公開第13136249号、国際公開第13136254号、国際公開第12095505号、国際公開第12059041号、国際公開第11047238号、国際公開第11047055号、国際公開第11054828号、国際公開第10017051号、国際公開第10108652号、国際公開第10121646号、国際公開第10145197号、国際公開第09129246号、国際公開第09018238号、国際公開第09153554号、国際公開第09018233号、国際公開第09013462号、国際公開第09093008号、国際公開第08089459号、国際公開第07014011号、国際公開第07044515号、国際公開第07071951号、国際公開第07022529号、国際公開第07044084号、国際公開第07088345号、国際公開第07121481号、国際公開第07123936号、国際公開第06011466号、国際公開第06011466号、国際公開第06056427号、国際公開第06058752号、国際公開第06133417号、国際公開第05023251号、国際公開第05028426号、国際公開第05051906号、国際公開第05051300号、国際公開第05051301号、国際公開第05051302号、国際公開第05023759号、国際公開第04005284号、国際公開第03077855号、国際公開第03077914号、国際公開第02069960号、国際公開第0168619号、国際公開第0176570号、国際公開第0041994号、国際公開第0042022号、国際公開第0042003号、国際公開第0042002号、国際公開第0056706号、国際公開第0068201号、国際公開第9901426号もMEKキナーゼ阻害剤を開示しており、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。MEKキナーゼ阻害剤の具体的な例を以下の表中に開示する。
【0087】
キナーゼ阻害剤は、FGFR(線維芽細胞増殖因子;UniprotKB-P11362(FGFR1)、P21802(FGFR2)、P22607(FGFR3)、P22455(FGFR4))を標的にしてもよい。FGFRキナーゼ阻害剤は周知である。例えば、そのようなFGFRキナーゼ阻害剤を開示する総説が発行されており(Katoh、Int J Mol Med. 2016年7月;38(1):3~15;Rizvi及びBorad、J Gastrointest Oncol. 2016年10月;7(5):789~796;Tanら、Onco Targets Ther. 2019年1月18日;12:635~645、Shenら、J Hematol Oncol. 2018年9月19日;11(1):120;Portaら、Crit Rev Oncol Hematol. 2017年5月;113:256~267;Chengら、Eur J Med Chem. 2017年1月27日;126:476~490)、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。特許出願、例えば、非網羅的に、国際公開第19034075号、国際公開第19034076号、国際公開第19001419号、国際公開第18028438号、国際公開第18049781号、国際公開第18121650号、国際公開第18153373号、国際公開第18010514号、国際公開第17028816号、国際公開第17070708号、国際公開第16091849号、国際公開第16134320号、国際公開第16054483号、国際公開第15059668号、国際公開第14007951号、国際公開第14026125号、国際公開第14129477号、国際公開第14162039号、国際公開第14172644号、国際公開第13108809号、国際公開第13129369号、国際公開第13144339号、国際公開第13179033号、国際公開第13053983号、国際公開第12008563号、国際公開第12008564号、国際公開第12047699号、国際公開第09153592号、国際公開第08078091号、国際公開第08075068号、国際公開第06112479号、国際公開第04056822号もFGFRキナーゼ阻害剤を開示しており、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。FGFRキナーゼ阻害剤の具体的な例を以下の表中に開示する。FGFRキナーゼ阻害剤は、選択的な1つ又は幾つかのFGFRファミリーのメンバー、特に、FGFR1、FGFR2、FGFR3及びFGFR4から選択されるメンバーであり得る。
【0088】
キナーゼ阻害剤は、FLT3(受容体型チロシン-プロテインキナーゼFLT3、FLサイトカイン受容体、胎児肝臓キナーゼ-2(FLK-2)、Fms様チロシンキナーゼ3(FLT-3)、幹細胞チロシンキナーゼ1(STK-1)又はCD抗原:CD135としても公知;UniprotKB-P36888)を標的にしてもよい。FLT3キナーゼ阻害剤は周知である。例えば、そのようなFLT3キナーゼ阻害剤を開示する総説が発行されており(Stone、Best Pract Res Clin Haematol. 2018年12月;31(4):401~404; Wuら、J Hematol Oncol. 2018年12月4日;11(1):133;Shortら、Ther Adv Hematol. 2019年2月15日;10:2040620719827310;Elshouryら、Expert Rev Anticancer Ther. 2019年3月;19(3):273~286;Zhiら、Eur J Med Chem. 2018年7月15日;155:303~315;Tiong IS、Wei AH、Genes Chromosomes Cancer. 2019年3月12日、Gallogly及びLazarus、J Blood Med. 2016年4月19日;7:73~83;Pitoia及びJerkovich、Drug Des Devel Ther. 2016年3月11日;10:1119~31)、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。特許出願、例えば、非網羅的に、国際公開第19034538号、国際公開第17148440号、国際公開第15056683号、国際公開第13170671号、国際公開第13124869号、国際公開第13142382号、国際公開第13157540号、国際公開第11086085号、国際公開第09095399号、国際公開第09143389号、国際公開第08111441号、国際公開第08046802号、国際公開第06020145号、国際公開第06106437号、国際公開第06135719号もXXキナーゼ阻害剤を開示しており、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。FLT3キナーゼ阻害剤の具体的な例を以下の表中に開示する。
【0089】
キナーゼ阻害剤は、IGF1R(インスリン様増殖因子I受容体(IGF-I受容体)又はCD抗原:CD221としても公知のインスリン様増殖因子1受容体;UniprotKB-P08069又はC9J5X1)を標的にしてもよい。IGF1Rキナーゼ阻害剤は周知である。例えば、そのようなIGF1Rキナーゼ阻害剤を開示する総説が発行されており(Quら、Oncotarget. 2017年4月25日;8(17):29501~29518;Chenら、Curr Top Med Chem. 2017年11月20日;17(28):3099~3130)、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。特許出願、例えば、非網羅的に、国際公開第16082713号、国際公開第08076415号、国際公開第08000922号、国際公開第08076143号、国際公開第07121279号、国際公開第07083017号、国際公開第07075554号、国際公開第06080450号、国際公開第05095399号、国際公開第05097800号、国際公開第05037836号、国際公開第02092599号もIGF1Rキナーゼ阻害剤を開示しており、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。IGF1Rキナーゼ阻害剤の具体的な例を以下の表中に開示する。
【0090】
キナーゼ阻害剤は、c-Met(肝細胞増殖因子受容体、HGF/SF受容体、癌原遺伝子c-Met、Scatter因子受容体又はチロシン-プロテインキナーゼMetとしても公知;UniprotKB-P08581)を標的にしてもよい。c-Metキナーゼ阻害剤は周知である。例えば、そのようなc-Metキナーゼ阻害剤を開示する総説が発行されており(Zhangら、Expert Opin Ther Pat. 2019年1月;29(1):25~41;Gozdzik-Spychalskaら、Curr Treat Options Oncol. 2014年12月;15(4):670~82;Bahramiら、J Cell Physiol. 2017年10月;232(10):2657~2673;Zhangら、Eur J Med Chem. 2016年1月27日;108:495~504;Qiら、World J Gastroenterol. 2015年5月14日;21(18):5445~53)、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。特許出願、例えば、非網羅的に、国際公開第18153293号、国際公開第18187355号、国際公開第14000713号、国際公開第14032498号、国際公開第14067417号、国際公開第14180182号、国際公開第1307089号、国際公開第13107285号、国際公開第13149581号、国際公開第12006960号、国際公開第12015677号、国際公開第12034055号、国際公開第12048258号、国際公開第12075683号、国際公開第11039527号、国際公開第11079142号、国際公開第11121223号、国際公開第11143646号、国際公開第11149878号、国際公開第10007317号、国際公開第10007316号、国際公開第10007318号、国際公開第10019899号、国際公開第10059668号、国際公開第10089508号、国際公開第10089509号、国際公開第09143389号、国際公開第09143211号、国際公開第09056692号、国際公開第09093049号、国際公開第09068955号、国際公開第13013308号、国際公開第08023698号、国際公開第08008310号、国際公開第08102870号、国際公開第07036630号、国際公開第07066185号、国際公開第07023768号、国際公開第07002254号、国際公開第07002258号、国際公開第07111904号、国際公開第06104161号、国際公開第05082854号、国際公開第05082855号、国際公開第0160814号もc-Metキナーゼ阻害剤を開示しており、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。c-Metキナーゼ阻害剤の具体的な例を以下の表中に開示する。
【0091】
キナーゼ阻害剤は、JAK(チロシン-プロテインキナーゼJAK2、ヤヌスキナーゼ2としても公知;UniprotKB-O60674)を標的にしてもよい。JAKキナーゼ阻害剤は周知である。例えば、そのようなJAKキナーゼ阻害剤を開示する総説が発行されており(Heら、Expert Opin Ther Pat. 2019年2月;29(2):137~149;Hobbsら、Hematol Oncol Clin North Am. 2017年8月;31(4):613~626;Senkevitch及びDurum, Cytokine. 2017年10月;98:33~41;Leroy及びConstantinescu, Leukemia. 2017年5月;31(5):1023~1038;Jinら、Pathol Oncol Res. 2019年1月31日)、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。特許出願、例えば、非網羅的に、国際公開第19034153号、国際公開第18215389号、国際公開第18215390号、国際公開第18204238号、国際公開第17006968号、国際公開第17079205号、国際公開第17091544号、国際公開第17097224号、国際公開第17129116号、国際公開第17140254号、国際公開第17215630号、国際公開第16027195号、国際公開第16032209号、国際公開第16116025号、国際公開第16173484号、国際公開第16191524号、国際公開第16192563号、国際公開第15174376号、国際公開第15039612号、国際公開第14111037号、国際公開第14123167号、国際公開第14146492号、国際公開第14186706号、国際公開第13091539号、国際公開第13188184号、国際公開第11076419号、国際公開第10085597号、国際公開第10051549号、国際公開第10083283号、国際公開第10135621号、国際公開第10142752号、国際公開第10149769号、国際公開第11003065号、国際公開第09132202号、国際公開第09143389号、国際公開第09062258号、国際公開第09114512号、国際公開第09145856号、国際公開第09155565号、国際公開第09155551号、国際公開第08047831号、国際公開第08109943号、国際公開第08116139号、国際公開第08157207号、国際公開第07070514号、国際公開第07084557号、国際公開第07117494号、国際公開第07007919号、国際公開第06034116号、国際公開第06056399号、国際公開第06069080号、国際公開第05095400号、国際公開第04058753号、国際公開第04041789号、国際公開第04041814号、国際公開第04041810号、国際公開第03101989号、国際公開第0152892号もJAKキナーゼ阻害剤を開示しており、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。JAKキナーゼ阻害剤の具体的な例を以下の表中に開示する。
【0092】
キナーゼ阻害剤は、PDGFR(血小板由来成長因子受容体、血小板由来成長因子受容体、CD140抗原様ファミリーメンバーとしても公知;UniprotKB-P16234(PGFRA) P09619(PGFRB))を標的にしてもよい。PDGFRキナーゼ阻害剤は周知である。例えば、そのようなPDGFRキナーゼ阻害剤を開示する総説が発行されており(Roskoski、Pharmacol Res. 2018年3月;129:65~83;Andrick及びGandhi、Ann Pharmacother. 2017年12月;51(12):1090~1098;Khalique及びBanerjee、Expert Opin Investig Drugs. 2017年9月;26(9):1073~1081;Miyamotoら、Jpn J Clin Oncol. 2018年6月1日;48(6):503~513;Gallogly及びLazarus、J Blood Med. 2016年4月19日;7:73~83;Pitoia及びJerkovich、Drug Des Devel Ther. 2016年3月11日;10:1119~31;Chen及びChen、Drug Des Devel Ther. 2015年2月9日;9:773~9)、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。特許出願、例えば、非網羅的に、国際公開第11119894号、国際公開第08016192号、国際公開第07004749号、国際公開第03077892号、国際公開第03077892号、国際公開第0164200号、国際公開第0125238号、国際公開第0172711号、国際公開第0172758号、国際公開第9957117号及び国際公開第9928304号もPDGFRキナーゼ阻害剤を開示しており、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。PDGFRキナーゼ阻害剤の具体的な例を以下の表中に開示する。
【0093】
キナーゼ阻害剤は、RET(癌原遺伝子チロシン-プロテインキナーゼ受容体Ret、カドヘリンファミリーメンバー12又は癌原遺伝子c-Retとしても公知;UniprotKB-P07949)を標的にしてもよい。RETキナーゼ阻害剤は周知である。例えば、そのようなRETキナーゼ阻害剤を開示する総説が発行されており(Roskoski及びSadeghi-Nejad、Pharmacol Res. 2018年2月;128:1~17;Zschabitz及びGrullich;Recent Results Cancer Res. 2018;211:187~198;Grullich、Recent Results Cancer Res. 2018;211:67~75;Pitoia及びJerkovich、Drug Des Devel Ther. 2016年3月11日;10:1119~31)、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。特許出願、例えば、非網羅的に、国際公開第18071454号、国際公開第18136663号、国際公開第18136661号、国際公開第18071447号、国際公開第18060714号、国際公開第18022761号、国際公開第18017983号、国際公開第17146116号、国際公開第17161269号、国際公開第17146116号、国際公開第17043550号、国際公開第17011776号、国際公開第17026718号、国際公開第14050781号、国際公開第07136103号、国際公開第06130673号もRETキナーゼ阻害剤を開示しており、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。RETキナーゼ阻害剤の具体的な例を以下の表中に開示する。
【0094】
キナーゼ阻害剤は、AXL(チロシン-プロテインキナーゼ受容体UFO、AXL癌遺伝子としても公知;UniprotKB-P30530)を標的にしてもよい。AXLキナーゼ阻害剤は周知である。例えば、そのようなAXLキナーゼ阻害剤を開示する総説が発行されており(Myersら、J Med Chem. 2016年4月28日;59(8):3593~608;Grullich、Recent Results Cancer Res. 2018;211:67~75)、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。特許出願、例えば、非網羅的に、国際公開第18121228号、国際公開第17059280号、国際公開第17028797号、国際公開第16166250号、国際公開第16104617号、国際公開第16097918号、国際公開第16006706号、国際公開第15143692号、国際公開第15119122号、国際公開第15100117号、国際公開第15068767号、国際公開第15017607号、国際公開第15012298号、国際公開第13115280号、国際公開第13074633号、国際公開第12135800号、国際公開第12028332号、国際公開第10090764号、国際公開第10083465号、国際公開第10005876号、国際公開第10005879号、国際公開第09127417号、国際公開第09054864号、国際公開第08128072号、国際公開第08098139号、国際公開第08083353号、国際公開第08083357号、国際公開第08083354号、国際公開第08083356号、国際公開第08083367号、国際公開第08080134号、国際公開第08045978号、国際公開第07030680号もAXLキナーゼ阻害剤を開示しており、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。AXLキナーゼ阻害剤の具体的な例を以下の表中に開示する。
【0095】
キナーゼ阻害剤は、c-KIT(マスト/幹細胞増殖因子受容体Kit、Piebald形質タンパク質(PBT)、癌原遺伝子c-Kit、チロシン-プロテインキナーゼKit又はp145 c-kitとしても公知;UniprotKB-P10721)を標的にしてもよい。c-KITキナーゼ阻害剤は周知である。例えば、そのようなc-KITキナーゼ阻害剤を開示する総説が発行されており(Abbaspour Babaeiら、Drug Des Devel Ther. 2016年8月1日;10:2443~59、Zschabitz及びGrullich;Recent Results Cancer Res. 2018;211:187~198;Miyamotoら、Jpn J Clin Oncol. 2018年6月1日;48(6):503~513;Chenら、Curr Top Med Chem. 2017年11月20日;17(28):3099~3130;Gallogly及びLazarus、J Blood Med. 2016年4月19日;7:73~83;Pitoia及びJerkovich、Drug Des Devel Ther. 2016年3月11日;10:1119~31、Chen及びChen、Drug Des Devel Ther. 2015年2月9日;9:773~9)、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。特許出願、例えば、非網羅的に、国際公開第19034128号、国際公開第18112136号、国際公開第18112140号、国際公開第17167182号、国際公開第17121444号、国際公開第14202763号、国際公開第13033116号、国際公開第13033203号、国際公開第13033167号、国際公開第13033070号、国際公開第13014170号、国際公開第09105712号、国際公開第08011080号、国際公開第08005877号、国際公開第07124369号、国際公開第07092403号、国際公開第07038669号、国際公開第07026251号、国際公開第06106437号、国際公開第06135719号、国際公開第06060381号、国際公開第05073225号、国際公開第05021531号、国際公開第05021537号、国際公開第05021544号、国際公開第04080462号、国際公開第04014903号、国際公開第03035049号、国際公開第03002114号、国際公開第03003006号、国際公開第03004006号もc-KITキナーゼ阻害剤を開示しており、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。c-KITキナーゼ阻害剤の具体的な例を以下の表中に開示する。
【0096】
キナーゼ阻害剤は、Trk(トロポミオシン受容体キナーゼ、高親和性神経成長因子受容体、神経栄養性チロシンキナーゼ受容体又はTRK変換チロシンキナーゼタンパク質としても公知;UniprotKB-P04629(Trk1)、Q16620(Trk2)、Q16288(Trk3))を標的にしてもよい。Trkキナーゼ阻害剤は周知である。例えば、そのようなTrkキナーゼ阻害剤を開示する総説が発行されており(Bhangoo及びSigal、Curr Oncol Rep. 2019年2月4日;21(2):14、Pacenta及びMacy、Drug Des Devel Ther. 2018年10月23日;12:3549~3561;Coccoら、Nat Rev Clin Oncol. 2018年12月;15(12):731~747;Lange及びLo、Cancers (Basel). 2018年4月4日;10(4);Rolfoら、Expert Opin Investig Drugs. 2015;24(11):1493~500)、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。特許出願、例えば、非網羅的に、国際公開第18199166号、国際公開第18079759号、国際公開第17135399号、国際公開第17087778号、国際公開第17006953号、国際公開第16164286号、国際公開第16161572号、国際公開第16116900号、国際公開第16036796号、国際公開第16021629号、国際公開第15200341号、国際公開第15175788号、国際公開第15143653号、国際公開第15148350号、国際公開第15148344号、国際公開第15143654号、国際公開第15148373号、国際公開第15148354号、国際公開第15143652号、国際公開第15089139号、国際公開第15039334号、国際公開第15042085号、国際公開第15039333号、国際公開第15017533号、国際公開第14129431号、国際公開第14105958号、国際公開第14078417号、国際公開第14078408号、国際公開第14078378号、国際公開第14078372号、国際公開第14078331号、国際公開第14078328号、国際公開第14078325号、国際公開第14078322号、国際公開第14078323号、国際公開第13183578号、国際公開第13176970号、国際公開第13161919号、国際公開第13088257号、国際公開第13088256号、国際公開第13009582号、国際公開第12158413号、国際公開第12137089号、国際公開第12116217号、国際公開第12034091号、国際公開第12037155号、国際公開第11006074号、国際公開第10048314号、国際公開第10033941号、国際公開第09054468号、国際公開第08135785号、国際公開第07123269号、国際公開第06135719号、国際公開第06123113号、国際公開第06087538号、国際公開第06087530号、国際公開第06082392号、国際公開第05049033号、国際公開第03027111号もTrkキナーゼ阻害剤を開示しており、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。Trkキナーゼ阻害剤の具体的な例を以下の表中に開示する。
【0097】
キナーゼ阻害剤は、ROS1(癌原遺伝子チロシン-プロテインキナーゼROS、癌原遺伝子c-Ros、癌原遺伝子c-Ros-1、受容体チロシンキナーゼc-ros癌遺伝子1及びc-Ros受容体チロシンキナーゼとしても公知;UniprotKB-P08922)を標的にしてもよい。ROS1キナーゼ阻害剤は周知である。例えば、そのようなROS1キナーゼ阻害剤を開示する総説が発行されており(Lin及びShaw、J Thorac Oncol. 2017年11月;12(11):1611~1625;Facchinettiら、Cancer Treat Rev. 2017年4月;55:83~95 ;Rolfoら、Expert Opin Investig Drugs. 2015;24(11):1493~500、Yang及びGong、Expert Rev Clin Pharmacol. 2019年3月;12(3):173~178、Liuら、Ther Clin Risk Manag. 2018年7月20日;14:1247~1252;Sgambatoら、Expert Rev Anticancer Ther. 2018年1月;18(1):71~80)、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。特許出願、例えば、非網羅的に、国際公開第13183578号、国際公開第13180183号、国際公開第13158859号、国際公開第12037155号、国際公開第12005299号、国際公開第14141129号、国際公開第15144801号、国際公開第15144799号、国際公開第18170381号もROS1キナーゼ阻害剤を開示しており、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。ROS1キナーゼ阻害剤の具体的な例を以下の表中に開示する。
【0098】
キナーゼ阻害剤は、BTK(チロシン-プロテインキナーゼBTK、無ガンマグロブリン血症チロシンキナーゼ(ATK)、B細胞前駆体キナーゼ(BPK)及びブルトンチロシンキナーゼとしても公知;UniprotKB-Q06187)を標的にしてもよい。BTKキナーゼ阻害剤は周知である。例えば、そのようなBTKキナーゼ阻害剤を開示する総説が発行されており(Kim HO、Arch Pharm Res. 2019年2月;42(2):171~181;Liangら、Eur J Med Chem. 2018年5月10日;151:315~326、Aw及びBrown、Drugs Aging. 2017年7月;34(7):509~527;Wuら、Oncotarget. 2017年1月24日;8(4):7201~7207、Wuら、J Hematol Oncol. 2016年9月2日;9(1):80)、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。特許出願、例えば、非網羅的に、国際公開第18002958号、国際公開第18001331号、国際公開第18009017号、国際公開第18035080号、国際公開第18088780号、国際公開第18090792号、国際公開第18095398号、国際公開第18133151号、国際公開第18145525号、国際公開第18154131号、国際公開第18175512号、国際公開第18192536号、国際公開第18192532号、国際公開第18196757号、国際公開第18208132号、国際公開第18233655号、国際公開第19034009号、国際公開第17007987号、国際公開第17046604号、国際公開第17066014号、国際公開第17077507号、国際公開第17123695号、国際公開第17127371号、国際公開第17128917号、国際公開第17190048号、国際公開第17106429号、国際公開第16019233号、国際公開第16057500号、国際公開第16065222号、国際公開第16066726号、国際公開第16106628号、国際公開第16106626号、国際公開第16106629号、国際公開第16109215号、国際公開第16106627号、国際公開第16106623号、国際公開第16106624号、国際公開第16106652号、国際公開第16112637号、国際公開第16161571号、国際公開第16161570号、国際公開第16196776号、国際公開第16196840号、国際公開第16192074号、国際公開第16210165号、国際公開第16109220号、国際公開第15017502号、国際公開第15002894号、国際公開第15022926号、国際公開第15048689号、国際公開第15048662号、国際公開第15061247号、国際公開第15084998号、国際公開第15095102号、国際公開第15095099号、国際公開第15116485号、国際公開第15169233号、国際公開第15165279号、国際公開第15132799号、国際公開第15039612号、国際公開第14104757号、国際公開第14113932号、国際公開第14114185号、国際公開第14113942号、国際公開第14116504号、国際公開第14130693号、国際公開第14164558号、国際公開第14151620号、国際公開第14152114号、国際公開第14161799号、国際公開第14187319号、国際公開第14210255号、国際公開第14005217号、国際公開第14025976号、国際公開第14039899号、国際公開第14055928号、国際公開第14055934号、国際公開第14068527号、国際公開第14078578号、国際公開第14082598号、国際公開第14082598号、国際公開第13067264号、国際公開第13081016号、国際公開第13102059号、国際公開第13116382号、国際公開第13148603号、国際公開第13152135号、国際公開第13185084号、国際公開第13067277号、国際公開第13067274号、国際公開第13059738号、国際公開第13010869号、国際公開第13010380号、国際公開第13010868号、国際公開第12170976号、国際公開第12135801号、国際公開第12021444号、国際公開第11153514号、国際公開第11152351号、国際公開第11029043号、国際公開第11029046号、国際公開第10126960号、国際公開第10056875号、国際公開第10009342号、国際公開第09156284号、国際公開第09098144号、国際公開第09053269号、国際公開第08121742号、国際公開第08039218号、国際公開第9954286号もBTKキナーゼ阻害剤を開示しており、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。BTKキナーゼ阻害剤の具体的な例を以下の表中に開示する。
【0099】
キナーゼ阻害剤は、Syk(チロシン-プロテインキナーゼSYK、脾臓チロシンキナーゼ、p72-Sykとしても公知;UniprotKB-P43405)を標的にしてもよい。Sykキナーゼ阻害剤は周知である。例えば、そのようなSykキナーゼ阻害剤を開示する総説が発行されており(Bartaula-Brevikら、Expert Opin Investig Drugs. 2018年4月;27(4):377~387;Liu及びMamorska-Dyga、J Hematol Oncol. 2017;10: 145、Geahlen、Trends Pharmacol Sci. 2014年8月;35(8):414~22;Norman Expert Opin Ther Pat. 2014年5月;24(5):573~95)、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。特許出願、例えば、非網羅的に、国際公開第19034153号、国際公開第18053189号、国際公開第18053190号、国際公開第18108083号、国際公開第18228475号、国際公開第17046302号、国際公開第16010809号、国際公開第15138273号、国際公開第15140051号、国際公開第15140054号、国際公開第15140055号、国際公開第15144614号、国際公開第15017610号、国際公開第15061369号、国際公開第15094997号、国際公開第15095444号、国際公開第15095445号、国際公開第15100217号、国際公開第14051654号、国際公開第14048065号、国際公開第14060371号、国際公開第14064134号、国際公開第14074422号、国際公開第14086032号、国際公開第14093191号、国際公開第14100314号、国際公開第14176210号、国際公開第14176216号、国際公開第14023385号、国際公開第14027300号、国際公開第14031438号、国際公開第14029732号、国際公開第14045029号、国際公開第13192125号、国際公開第13192128号、国際公開第13192098号、国際公開第13192088号、国際公開第13047813号、国際公開第13052391号、国際公開第13052394号、国際公開第13052393号、国際公開第13064445号、国際公開第13099041号、国際公開第13104573号、国際公開第13104575号、国際公開第13109882号、国際公開第13124026号、国際公開第13126132号、国際公開第13124025号、国際公開第12002577号、国際公開第12025187号、国際公開第12025186号、国際公開第12061418号、国際公開第12123311号、国際公開第12123312号、国際公開第12130780号、国際公開第12151137号、国際公開第12154519号、国際公開第12154520号、国際公開第12154518号、国際公開第12167423号、国際公開第12167733号、国際公開第11086085号、国際公開第11014795号、国際公開第11014515号、国際公開第11075515号、国際公開第11075560号、国際公開第11079051号、国際公開第11092128号、国際公開第11112995号、国際公開第11117160号、国際公開第11134971号、国際公開第11144584号、国際公開第11144585号、国際公開第10068257号、国際公開第10068258号、国際公開第10097248号、国際公開第10147898号、国際公開第09131687号、国際公開第09136995号、国際公開第09145856号、国際公開第09031011号、国際公開第08033798号、国際公開第07129226号、国際公開第07042298号、国際公開第07042299号、国際公開第07028445号、国際公開第07009681号、国際公開第07009681号、国際公開第07085540号、国際公開第06093247号、国際公開第05033316号、国際公開第05026158号、国際公開第03063794号、国際公開第03057695号、国際公開第0183485号、国際公開第0147922号、国際公開第0109134号、国際公開第0075113号もSykキナーゼ阻害剤を開示しており、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。Sykキナーゼ阻害剤の具体的な例を以下の表中に開示する。
【0100】
非常に具体的な態様において、キナーゼ阻害剤は、以下の表において選択することができる。
【0101】
【表1A】
【0102】
【表1B】
【0103】
【表1C】
【0104】
キナーゼ阻害剤による処置はまた、同じキナーゼ又は異なるキナーゼを標的にする幾つかのキナーゼ阻害剤の組み合わせであり得る。例えば、異なるキナーゼを標的にする幾つかのキナーゼ阻害剤を含む処置は、B-rafキナーゼ阻害剤及びMEKキナーゼ阻害剤、好ましくは、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、レゴラフェニブ及びPLX4720からなる群から選択されるB-rafキナーゼ阻害剤並びにコビメチニブ、トラメチニブ、ビニメチニブ、セルメチニブ、PD-325901、CI-1040、PD035901、U0126及びTAK-733からなる群から選択されるMEKキナーゼ阻害剤の組み合わせ、例えば、ベムラフェニブ及びトラメチニブの組み合わせであり得る。或いは、キナーゼ阻害剤は、異なるキナーゼを標的にしてもよい。
【0105】
特定の態様において、キナーゼ阻害剤は、EGFR阻害剤である。例えば、キナーゼ阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、バンデタニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ネラチニブ、ダコミチニブ、ブリガチニブ、カネルチニブ、ナコチニブ、ナザルチニブ、ペリチニブ、ロシレチニブ、イコチニブ、AZD3759、AZ5104(CAS番号1421373-98-9)、ポジオチニブ、WZ4002からなる群から選択され得、より好ましくは、エルロチニブであり得る。
【0106】
処置されるがん又は腫瘍
「がん」、「癌」又は「悪性腫瘍」という用語は、未制御の細胞増殖によって典型的には特徴付けられる哺乳動物の生理学的状態を指すか、又はそれを記載する。がんの例としては、例えば、白血病、リンパ腫、芽細胞腫、癌腫及び肉腫が挙げられる。
【0107】
さまざまながんも本発明の範囲に包含され、限定されるものではないが以下:膀胱(急速進行型及び転移性膀胱がんを含む)、乳房、結腸(結腸直腸がんを含む)、腎臓、肝臓、肺(小細胞肺がん及び非小細胞肺がん、並びに肺腺癌を含む)、卵巣、前立腺、精巣、尿生殖路、リンパ系、直腸、喉頭、膵臓(外分泌膵臓癌を含む)、食道、胃、胆嚢、子宮頸部、甲状腺及び皮膚(扁平上皮癌を含む)のものを含む癌;白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫(皮膚又は末梢性のT細胞リンパ腫を含む)、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ヘアリー細胞リンパ腫、組織球性リンパ腫及びバーキットリンパ腫を含む、リンパ系の造血器腫瘍;急性及び慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、骨髄性白血病並びに前骨髄球性白血病を含む、骨髄系の造血器腫瘍;星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫及びシュワン細胞腫を含む、中枢及び末梢神経系の腫瘍;線維肉腫、横紋筋肉腫及び骨肉腫を含む間葉系が起源の腫瘍;黒色腫、色素性乾皮症、ケラトアカントーマ、精上皮腫、甲状腺濾胞性がん及び奇形癌腫を含む他の腫瘍;黒色腫、切除不能なIII期又はIV期の悪性黒色腫、扁平上皮癌、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、神経膠腫、消化器がん、腎がん、卵巣がん、肝臓がん、結腸直腸がん、子宮内膜がん、腎臓がん、前立腺がん、甲状腺がん、神経芽細胞腫、膵臓がん、多形神経膠芽腫、子宮頸がん、胃がん、膀胱がん、肝細胞癌、乳がん、結腸癌、及び頭頸部がん、網膜芽細胞腫、胃がん、胚細胞腫瘍、骨がん、骨腫瘍、成人の骨の悪性線維性組織球腫;小児の骨の悪性線維性組織球腫、肉腫、小児肉腫;骨髄異形成症候群;神経芽細胞腫;精巣胚細胞腫瘍、眼球内黒色腫、骨髄異形成症候群;骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、滑膜肉腫が挙げられる。
【0108】
本発明の好ましい実施形態において、がんは固形腫瘍である。例えば、がんは、カポジ肉腫、エイズ関連カポジ肉腫、黒色腫、特に、ぶどう膜黒色腫等の肉腫及び骨肉腫、並びに頭頸部、腎臓、卵巣、膵臓、前立腺、甲状腺、肺、食道、乳房、特にトリプルネガティブ乳がん(TNBC)、膀胱、結腸直腸、肝臓及び胆管、子宮、虫垂及び子宮頸部のがん、精巣がん、消化器がん、並びに子宮内膜及び腹膜がんであってもよい。好ましくは、がんは、肉腫、黒色腫、特に、ぶどう膜黒色腫、並びに頭頸部、腎臓、卵巣、膵臓、前立腺、甲状腺、肺、食道、乳房、特に(TNBC)、膀胱、結腸直腸、肝臓、子宮頸部及び子宮内膜のがん、並びに腹膜がんであってもよい。
【0109】
特定の態様において、がんは、白血病、リンパ腫、肉腫、黒色腫、並びに頭頸部、腎臓、卵巣、膵臓、前立腺、甲状腺、肺、食道、乳房、膀胱、脳、結腸直腸、肝臓及び子宮頸部のがんからなる群から選択することができる。
【0110】
別の態様において、がんは、肺がん、特に非小細胞肺がん、白血病、特に急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、リンパ腫、特に末梢性T細胞リンパ腫、慢性骨髄性白血病、頭頸部の扁平上皮癌、BRAF突然変異を有する進行性黒色腫、結腸直腸がん、消化管間質腫瘍、乳がん、特にHER2+乳がん、甲状腺がん、特に進行性甲状腺髄様がん、腎臓がん、特に腎細胞癌、前立腺がん、神経膠腫、膵臓がん、特に膵臓神経内分泌がん、多発性骨髄腫、及び肝臓がん、特に肝細胞癌からなる群から選択することができる。
【0111】
例えば、キナーゼ阻害剤がEGFR阻害剤である場合、がんは、好ましくは、肺がん、特に非小細胞肺がん、膵臓がん、乳がん、特に早期乳がん、甲状腺がん、特に甲状腺髄様がん、結腸直腸がん、特に転移性又は進行性結腸直腸がん、頭頸部の扁平上皮癌、及び神経膠腫からなる群から選択される。特定の態様において、キナーゼ阻害剤がEGFR阻害剤である場合、がんは、好ましくは、肺がん、特に非小細胞肺がんである。キナーゼ阻害剤がALK阻害剤である場合、がんは、好ましくは、肺がん、特に非小細胞肺がんである。キナーゼ阻害剤がB-Raf阻害剤である場合、がんは、好ましくは、黒色腫、肺がん、結腸直腸がん、及び胃腸の間質がん、特に、BRAF突然変異を有する進行性黒色腫からなる群から選択される。キナーゼ阻害剤がMEK阻害剤である場合、がんは、好ましくは、黒色腫、又は肺がん、特に、BRAF突然変異を有する進行性黒色腫である。キナーゼ阻害剤がFGFR阻害剤である場合、がんは、好ましくは、甲状腺癌、結腸直腸がん、及び胃腸の間質がんからなる群から選択される。キナーゼ阻害剤がFLT3阻害剤である場合、がんは、好ましくは、腎臓がん、膵臓がん、特に、膵臓神経内分泌腫瘍、胃腸の間質がん、多発性骨髄腫、前立腺がん、急性骨髄性白血病及び慢性リンパ球性白血病等の白血病、並びにリンパ腫からなる群から選択される。キナーゼ阻害剤がJAK阻害剤である場合、がんは、好ましくは、リンパ腫、特に、末梢性T細胞リンパ腫、骨髄増殖性新生物、多発性骨髄腫、膵臓がん、及び前立腺がんからなる群から選択される。キナーゼ阻害剤がPDGFR阻害剤である場合、がんは、好ましくは、フィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病等の白血病、胃腸の間質がん、骨髄異形成症候群及び骨髄増殖性症候群、結腸直腸がん、腎臓がん、膵臓がん、特に、膵臓神経内分泌腫瘍、肝臓がん、乳がん、並びに甲状腺癌からなる群から選択される。キナーゼ阻害剤がRET阻害剤である場合、がんは、好ましくは、腎臓がん、又は甲状腺髄様がん等の甲状腺がんである。キナーゼ阻害剤が、AXL阻害剤である場合、がんは、好ましくは、白血病、特に、急性骨髄性白血病又はフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病等の急性白血病、腎臓がん、及びNSCLC等の肺がんからなる群から選択される。キナーゼ阻害剤がTrk阻害剤である場合、
がんは、好ましくは、転移性固形がんである。キナーゼ阻害剤がROS1阻害剤である場合、がんは、好ましくは、NSCLC等の肺がん、及び腎臓がんからなる群から選択される。キナーゼ阻害剤がBTK阻害剤である場合、がんは、好ましくは、慢性リンパ球性白血病(CLL)等のB細胞がん、及び非ホジキンリンパ種からなる群から選択される。キナーゼ阻害剤がSyk阻害剤である場合、がんは、好ましくは、リンパ腫、特に、末梢性T細胞リンパ腫である。
【0112】
キナーゼ阻害剤の処置がB-Rafキナーゼ阻害剤及びMEK1/2キナーゼ阻害剤の組み合わせ、例えば、ベムラフェニブ及びトラメチニブの組み合わせである場合、処置されるがんは、黒色腫、より詳細には、BRAF突然変異を有する進行性黒色腫であり得る。
【0113】
特定の態様において、本発明は、Dbait分子、並びに幾つかのキナーゼ阻害剤、特に、B-Raf阻害剤及びMEK1/2阻害剤の組み合わせを含む、医薬組成物、組み合わせ又はキットを開示する。特定の実施形態において、組み合わせは、ベムラフェニブ及びトラメチニブの組み合わせであり得る。
【0114】
したがって、本発明は、黒色腫、より詳細には、BRAF突然変異を有する進行性黒色腫を処置するための使用のための、本明細書に定義されるDbait分子、並びにベムラフェニブ及びトラメチニブを含む、医薬組成物、組み合わせ又はキットを開示する。
【0115】
本発明に記載の医薬組成物及び製品、キット、組み合わせ又は組み合わせ調製物は、固形腫瘍の成長を阻害するため、腫瘍体積を減少させるため、腫瘍の転移性伝播及び微小転移の成長若しくは発生を防止するため、腫瘍の再発を防止するため、並びに腫瘍の再燃を防止するために有用であり得る。本発明に記載の医薬組成物及び製品、キット、組み合わせ又は組み合わせ調製物は、特に、予後不良の患者、又は放射線若しくは化学療法抵抗性の腫瘍の処置のために好適である。特定の実施形態において、がんは、高悪性度若しくは進行性のがんであるか、又は転移性がんである
【0116】
レジメン、投薬量及び投与経路
本発明の組み合わせ調製物において用いられる組み合わせパートナーのそれぞれの有効投薬量は、用いられる特定の化合物又は医薬組成物、投与の様式、処置される状態、処置される状態の重症度に応じて変わり得る。そのため、本発明の組み合わせ調製物の投薬レジメンは、投与の経路及び患者の状況を含む各種の要因に従って選択される。通常の技能の医師、臨床医又は獣医師は、状態の進行を防止する、対抗する又は阻むために必要な単一の活性成分の有効量を、容易に決定及び処方することができる。毒性なく有効性をもたらす範囲内の活性成分の濃度を達成する最適な精度は、標的部位に対する活性成分の利用能の動態学に基づくレジメンを必要とする。
【0117】
本発明の組み合わせの薬理学的活性は、例えば、臨床研究において、又はより好ましくは、試験手順において、実証され得る。好適な臨床研究は、例えば、進行性腫瘍を有する患者における、非盲検の非無作為化の用量漸増試験である。そのような研究は、本発明の組み合わせの活性成分の相乗効果を証明することができる。増殖性疾患に対する有利な効果は、これらの研究の結果により、又は当業者等に公知の研究設計の変化によって、直接的に決定することができる。そのような研究は、特に、本発明の活性成分及び組み合わせを使用する単剤療法の効果を比較するために好適である。好ましくは、組み合わせパートナー(a)は、固定用量で投与され、組み合わせパートナー(b)の用量は、最大耐容投薬量に達するまで、上昇させる。或いは、組み合わせパートナー(b)は、固定用量で投与され、組み合わせパートナー(a)の用量は、最大耐容投薬量に達するまで、上昇させる。
【0118】
幾つかの実施形態において、「組み合わせ療法」は、これらの治療剤の逐次的な様式での投与を包含することを意図し、それぞれの治療剤は、異なる時間に投与されるだけでなく、これらの治療剤、又は治療剤のうちの少なくとも2つの投与は、共に、又は実質的に同時の様式である。好ましくは、Dbait分子及びキナーゼ阻害剤は、共に、又は同時に投与される。
【0119】
「共に」という用語は、本明細書において、それらの個々の治療効果が時間内に重なる十分に近い時間的近接性を与える、2種以上の治療剤の投与を指すために使用される。したがって、共投与は、1種又は複数の他の薬剤の投与を中止した後、1種又は複数の薬剤の投与が継続される場合の投与レジメンを含む。
【0120】
Dbait分子及びキナーゼ阻害剤は、同じ又は異なる投与レジメンを有し得る。ある特定の実施形態において、第1の薬剤は、第2の治療剤又はその任意の組み合わせの投与の、前(例えば、5分前、15分前、30分前、45分前、1時間前、2時間前、4時間前、6時間前、12時間前、24時間前、48時間前、72時間前、96時間前、1週間前、2週間前、3週間前、4週間前、5週間前、6週間前、8週間前又は12週間前)、実質的にそれと共に、又は後(例えば、5分後、15分後、30分後、45分後、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、12時間後、24時間後、48時間後、72時間後、96時間後、1週間後、2週間後、3週間後、4週間後、5週間後、6週間後、8週間後又は12週間後)に投与することができる。例えば、一実施形態において、第1の薬剤は、第2の治療剤の前、例えば、1週間前に投与することができる。別では、第1の薬剤は、前(例えば、1日前)、次いで第2の治療剤と共に投与することができる。
【0121】
Dbait分子及びキナーゼ阻害剤は、同じ経路によって、又は別個の経路によって、投与されてもよい。例えば、選択された組み合わせの第1の治療剤は、静脈内注射によって投与されてもよく、一方で、組み合わせの他の治療剤は、経口投与されてもよい。或いは、例えば、全ての治療剤を経口投与してもよく、又は全ての治療剤を静脈内注射によって投与してもよい。治療剤はまた、交互に投与されてもよい。投与経路は、経口、非経口、静脈内、腫瘍内、皮下、頭蓋内、動脈内、局所、直腸、経皮、皮内、経鼻、筋肉内、骨内等であり得る。
【0122】
処置は、1又は幾つかのサイクル、例えば、2~10サイクル、特に2、3、4又は5サイクルを含んでいてもよい。サイクルは、継続されてもよく、又は分離されてもよい。例えば、それぞれのサイクルは、1~8週間、好ましくは、3~4週間の期間によって分割される。
【0123】
本発明の更なる態様及び利点を、以下の実施例において記載し、これは、実例としてであって、限定的なものではないものとみなすべきである。
【実施例
【0124】
(実施例1)
材料及び方法
生残細胞に対するAsiDNAの特異的な効果を実証するために、本発明者らは、モデル系として、2つの周知の上皮性増殖因子受容体(EGFR)依存性非小細胞肺がん(NSCLC)細胞株:PC9及びHCC827を選択する。
【0125】
EGFR T790突然変異は、PC9親細胞株に前から存在する(Hataら、Nat. Med. 2016)。PC9-3細胞株は、既存のT790突然変異なしのPC9のサブクローニングの結果である。HCC827 sc2及びsc3はまた、既存のT790突然変異なしのHCC827のサブクローニングの結果である。したがって、PC9-3及びHCC827 sc2細胞株において、エルロチニブ処置下での増殖は、生残細胞からの適応機構に起因する。
【0126】
細胞培養
ヒトNSCLC細胞株、HCC827細胞株(CRL-2868、E749~A750欠失EGFR)及びPC9細胞株(EGFR E746~A750欠失EGFR)は、Antonio Maraver(IRCM、Montpellier、フランス)からの親切な贈与であった。細胞株を、10%のウシ胎仔血清(FBS)を含有するRPMI 1640培地中で培養し、5%のCO2を含む加湿チャンバー中、37℃で維持した。細胞株を、PowerPlex 16 HS(Promega社)を使用して、短いタンデム反復(STR)分析によって証明した。
【0127】
細胞増殖アッセイ
PC9細胞を、96ウェルプレートに、処理の24時間前に、20000個細胞/cm2の密度で播種した。細胞を、1、5若しくは10μMのAsiDNAのあり又はなしで、幾つかの用量のエルロチニブで5日間処理し、生存細胞の相対数を、製造者の推奨の通り、MTS試薬(Promega社製のCellTiter 96(登録商標) AQueous One Solution細胞増殖アッセイ)と共に細胞をインキュベートすることによって測定した。薬物の存在下での相対細胞生存率を、バックグラウンド補正後、未処理細胞に対して正規化した。
【0128】
薬物処理、生残AsiDNA応答
細胞を、6ウェル培養プレートに適切な密度で播種し、37℃で24時間インキュベートした後、エルロチニブ(1μM)若しくはAsiDNA(1μM、5μM若しくは10μM)、又は両方の薬物の組み合わせを添加した。細胞を21日間処理し、対照培地及び薬物含有培地を週に2回交換した。生存細胞を、洗浄し、PFA固定し、クリスタルバイオレットで染色した。プレートを、ChemiDocイメージングシステム(Bio-Rad社)を使用してスキャンし、生存細胞のパーセンテージを、Nikon NISエレメントイメージングソフトウェアを使用して定量化した。
【0129】
結果
AsiDNA処置単独では、細胞の生存に影響を与えなかった(図1A)。AsiDNAは、エルロチニブ媒介細胞死を高めないが(図1B)、AsiDNAは、PC9-3及びHCC827 sc2細胞株において、エルロチニブ抵抗性クローン株が出現する割合を強く減少させ(図1C)、生残細胞の再成長に対するAsiDNAの有効性を実証する。
【0130】
(実施例2)
材料及び方法
細胞培養
ヒトNSCLC細胞株HCC827(CRL-2868、E749~A750欠失EGFR)は、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(ATCC、Manassas、VA、米国)から入手した。ヒトNSCLC細胞PC9(E746~A750欠失EGFR)は、Antonio Maraver(IRCM、Montpellier)からの親切な贈与であった。NSCLC細胞株を、10%のウシ胎仔血清(FBS)を含有するRPMI 1640培地中で培養し、5%のCO2を含む加湿チャンバー中、37℃で維持した。細胞株を、PowerPlex 16 HS(Promega社)を使用して、短いタンデム反復(STR)分析によって証明した。
【0131】
細胞株が、既存の抵抗性亜集団を保有し得るので、全ての細胞株を、薬物耐性状態及びデノボの抵抗性機構の出現に特異的に集中するために、サブクローニングした(すなわち、単一細胞に由来し、限定された数の継代において薬物圧なしで増幅される)。
【0132】
蛍光モニタリングのために、全ての細胞をGFPレンチウイルス(MOI=2)で形質導入し、緑色蛍光集団をFACSによって選別した。
【0133】
薬物処理、生残細胞の生存率の測定
細胞株を、AsiDNA(10μM)あり又はなしで、エルロチニブ(1μM)で処理するか又は処理せず、生存曲線(薬物応答及び再燃)を、分光光度計(Synergy 2、BioTek社)を使用して、蛍光検出によってモニターした。培地を週に2回交換し、培地交換直後に蛍光測定を行った。
【0134】
結果
AsiDNA処置単独では、細胞の生存に影響を与えなかった(図2A-図2C-図2E)。AsiDNAは、全体的に、2つのサブクローンのHCC827 sc2(図2B)及びPC9-3(図2D)に対するエルロチニブ獲得抵抗性を抑止したが、これは、部分的に、PC9親細胞株に対する抵抗性を著しく低減し(図2F)、生残細胞に対するAsiDNAの長期の有効性を更に実証した。
【0135】
(実施例3)
細胞培養
ヒトNSCLC細胞PC9(E746~A750欠失EGFR)は、Antonio Maraver(IRCM、Montpellier)からの親切な贈与であった。NSCLC細胞PC9を、10%のウシ胎仔血清(FBS)を含有するRPMI 1640培地中で培養し、5%のCO2を含む加湿チャンバー中、37℃で維持した。細胞株を、PowerPlex 16 HS(Promega社)を使用して、短いタンデム反復(STR)分析によって証明した。
【0136】
蛍光モニタリングのために、全ての細胞をGFPレンチウイルス(MOI=2)で形質導入し、緑色蛍光集団をFACSによって選別した。
【0137】
薬物処理、生残細胞の生存率の測定
PC9細胞を、AsiDNA(10μM)あり又はなしで、オシメルチニブ(1μM)で処理するか又は処理せず、生存曲線(薬物応答及び再燃)を、分光光度計(Synergy 2、BioTek社)を使用して、蛍光検出によってモニターした。培地を週に2回交換し、培地交換直後に蛍光測定を行った。
【0138】
結果
AsiDNA処置単独では、細胞の生存に影響を与えなかった(図3A)。AsiDNAは、PC9親細胞株に対するオシメルチニブ抵抗性を著しく低減した(図3B)。結果を確認するこれらの結果は、別のTKiエルロチニブで先行して得られた。
【0139】
(実施例4)
材料及び方法
細胞培養
ヒトNSCLがん細胞株H3122(EML4-ALKを発現するNSCLがんモデル)は、Antonio Maraver(IRCM、Montpellier)からの親切な贈与であった。NSCLC細胞株H3122を、10%のウシ胎仔血清(FBS)を含有するRPMI 1640培地中で培養し、5%のCO2を含む加湿チャンバー中、37℃で維持した。細胞株を、PowerPlex 16 HS(Promega社)を使用して、短いタンデム反復(STR)分析によって証明した。
【0140】
蛍光モニタリングのために、細胞をGFPレンチウイルス(MOI=2)で形質導入し、緑色蛍光集団をFACSによって選別した。
【0141】
薬物処理、生残細胞の生存率の測定
細胞株を、AsiDNA(10μM)あり又はなしで、アレクチニブ(1μM)で処理するか又は処理せず、生存曲線(薬物応答及び再燃)を、分光光度計(Synergy 2、BioTek社)を使用して、蛍光検出によってモニターした。培地を週に2回交換し、培地交換直後に蛍光測定を行った。
【0142】
結果
AsiDNA処置単独では、細胞の生存に影響を与えなかった(図4A)。AsiDNAは、全体的に、アレクチニブ獲得抵抗性を抑止し(図4B)、薬物耐性細胞によって誘導されるTKiに対する抵抗性の一般的な機構に対するAsiDNAの有効性を実証した。AsiDNAは、H3122細胞におけるアレクチニブに対する抵抗性を抑止し、生残細胞におけるその細胞傷害活性を確認した。
【0143】
(実施例5)
材料及び方法
マウスモデル
6週齢の雌NMRIヌードマウス(Crl:NMRI-Foxn1nu)を、Charles River Laboratories社、フランスから購入した。動物は、研究の開始前に少なくとも5日間順応させた。全てのインビボ研究は、動物のケア及び倫理委員会(#4181-2016040116494282)の承認により、CREFRE(INSERM U006)で実施した。動物は、管理された温度及び照明(12/12時間の明/暗サイクル)下で収容され、市販の動物飼料及び水を自由に与えた。動物及びそれらのケアに関する全ての手順は、生物医学研究における動物の使用に関する原則的ガイドラインに従った。
【0144】
PC9異種移植
PC9細胞を収集し、5×106個の細胞を、NMRIヌードマウスの左脇腹に皮下移植した。
【0145】
薬物処置、腫瘍体積の測定
腫瘍が平均で250±50mm3に達した時に、マウスを、媒体、又は10mg/kgのエルロチニブ若しくは10mgのAsiDNAのいずれかを受けるために無作為に割り当てた(10頭のマウス/群)。エルロチニブを、媒体として0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)と0.1%のTween 80とを使用して、懸濁液として、1日1回、週に5日、経口で投与した。AsiDNAを、NaClの0.9%溶液中で調製し、-20℃で保管し、投与前に37℃に温めた。AsiDNAを、単独で、又はエルロチニブとの組み合わせで、処置の1、2及び3日目、その後週に1回、腹腔内注射(10mg/マウス)によって投与した。対照の媒体処置マウスは、0.5%のHPMCと0.1%のTween 80の経口投与を受けた。マウスを10週間処置し、腫瘍体積を、式V=(長さ×幅2)/2を使用することによって、キャリパー測定から週に2回決定した。
【0146】
結果
エルロチニブ単独による処置は、臨床的状況におけるように、一時的に腫瘍成長を制御することのみが可能である(図5B)。AsiDNAによる処置は、腫瘍成長をわずかに低減したが(図5C)、両方の薬物の組み合わせは、腫瘍成長を有意に低減し、2つの完全縮小を誘導し(図5D)、EGFR-TKi獲得抵抗性を制御するAsiDNAの可能性をインビボでの設定において実証した。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
【配列表】
2022526713000001.app
【国際調査報告】