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特表2022-526797高温超伝導マグネットコイル用導電アセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-26
(54)【発明の名称】高温超伝導マグネットコイル用導電アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01B 12/06 20060101AFI20220519BHJP
   H01F 6/06 20060101ALI20220519BHJP
   G01R 15/18 20060101ALI20220519BHJP
   H01F 6/02 20060101ALI20220519BHJP
【FI】
H01B12/06
H01F6/06 120
G01R15/18 A
H01F6/02
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021558552
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(85)【翻訳文提出日】2021-11-16
(86)【国際出願番号】 EP2020059184
(87)【国際公開番号】W WO2020201316
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】1904528.5
(32)【優先日】2019-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512317995
【氏名又は名称】トカマク エナジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ベイトマン、 ロッド
(72)【発明者】
【氏名】スレード、 ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ノグテレン、 バス
【テーマコード(参考)】
2G025
5G321
【Fターム(参考)】
2G025AB14
2G025AC01
5G321AA04
5G321BA03
5G321CA04
5G321CA24
5G321CA27
5G321CA42
5G321DB41
(57)【要約】
HTSマグネットコイルに使用する部分絶縁層。部分絶縁層は、1組の連結トラックと1組のピックアップトラックとを内部に有する絶縁体401を含む。各連結トラックは導電性であり、部分絶縁層の第1の表面及び第2の表面に電気的に接続され、第1の表面と第2の表面の間に電気経路を提供する。各ピックアップトラックは導電性であり、それぞれの連結トラックに誘導結合され、第1の表面及び第2の表面から電気的に絶縁されている。ピックアップトラックのそれぞれが、それぞれの連結トラックに流れる電流の変化によってピックアップトラックに誘導される電流を測定するために電流測定装置に接続するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
HTSマグネットコイルに用いる部分絶縁層であって、
各連結トラックが導電性であり、前記部分絶縁層の第1の表面及び第2の表面に電気的に接続されて前記第1の表面と前記第2の表面との間に電気経路を提供する1組の連結トラック421と、
各ピックアップトラックが導電性であり、それぞれの連結トラックに誘導結合され、前記第1の表面及び前記第2の表面から電気的に絶縁されている1組のピックアップトラック431と
をその内部に有する絶縁体401を含み、
前記ピックアップトラックのそれぞれが、それぞれの連結トラックに流れる電流の変化によって前記ピックアップトラックに誘導される電流を測定するために電流測定装置に接続するように構成されている、部分絶縁層。
【請求項2】
前記1組のピックアップトラックは並列に接続され、前記電流測定装置に並列に接続するように構成されている、請求項1に記載の部分絶縁層。
【請求項3】
前記ピックアップトラックは、前記部分絶縁層が同一の更なる部分絶縁層に端と端で接続されたときに、両方の部分絶縁層の前記ピックアップトラックが互いに及び前記電流測定装置に並列に接続されるように配置される、請求項2に記載の部分絶縁層。
【請求項4】
各ピックアップトラック及び各連結トラックは、螺旋状であるセクションを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の部分絶縁層。
【請求項5】
各ピックアップトラック及び各連結トラックは、バタフライコイルであるセクションを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の部分絶縁層。
【請求項6】
各連結トラックは、導電体で被覆されたビアによって前記第1の表面及び前記第2の表面に電気的に接続されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の部分絶縁層。
【請求項7】
HTSマグネットコイルに用いる部分絶縁層であって、
各連結トラックが導電性であり、前記部分絶縁層の第1の表面及び第2の表面に電気的に接続されて前記第1の表面と前記第2の表面の間に電気経路を提供する1組の連結トラック231と、
導電性であり、前記部分絶縁層の長さに沿って延び、前記第1の表面及び前記第2の表面から電気的に絶縁されているピックアップトラック711と
をその内部に有する絶縁体701を含み、
前記ピックアップトラックは、前記HTSマグネットコイルのHTS導体の電流の変化によって前記ピックアップトラックに誘導される電圧を測定するために電圧測定装置に接続するように構成されている、部分絶縁層。
【請求項8】
前記ピックアップトラックは、前記部分絶縁層が同一の更なる部分絶縁層に端と端で接続されたときに、両方の部分絶縁層の前記ピックアップトラックが互いに及び前記電圧測定装置に直列に接続されるように配置される、請求項7に記載の部分絶縁層。
【請求項9】
前記部分絶縁層は複数の層として形成され、各層は絶縁材料によって分離され、前記複数の層は、
前記連結トラックをその内部に有する連結トラック層と、
前記ピックアップトラックをその内部に有するピックアップトラック層と
を含み、
前記連結トラックと前記第1の表面及び前記第2の表面との間の電気的接続は前記絶縁材料を貫通するビアによって達成され、前記ビアは導電性材料を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の部分絶縁層。
【請求項10】
前記第1の表面及び前記第2の表面のそれぞれの上に、前記連結トラックに電気的に接続された導電性接続層を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の部分絶縁層。
【請求項11】
1つ以上のHTSケーブルと1つ以上の部分絶縁層とを含む高温超伝導(HTS)界磁コイルであって、前記1つ以上のHTSケーブルはターンを形成するように配置され、前記1つ以上の部分絶縁層は前記ターンを半径方向に接続するように配置され、前記部分絶縁層は請求項1から10のいずれか一項に記載の部分絶縁層である、HTS界磁コイル。
【請求項12】
前記1つ以上のHTSケーブル及び前記1つ以上の部分絶縁層は、前記ターンを形成するように連続的に巻かれている、請求項11に記載のHTS界磁コイル。
【請求項13】
前記1つ以上のHTSケーブル及び前記1つ以上の部分絶縁層は、接合部によって接続された複数の部分に配置される、請求項11に記載のHTS界磁コイル。
【請求項14】
請求項11から13のいずれか一項に記載のHTS界磁コイルであるトロイダル界磁コイルを含むトカマク。
【請求項15】
請求項11から13のいずれか一項に記載のHTS界磁コイルを含む陽子線治療(PBT)装置であって、前記HTS界磁コイルは、
前記PBT装置の加速器の界磁コイルと
前記PBT装置の陽子線ステアリングシステムの双極子磁石又は四重極磁石
のうちの1つである、PBT装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温超伝導(HTS)磁石に関する。詳細には、本発明は、部分絶縁HTS磁石に用いる部分絶縁層に関する。
【背景技術】
【0002】
超伝導材料は一般に、「高温超伝導体」(HTS)と「低温超伝導体」(LTS)に分けられる。NbやNbTiなどのLTS材料は、その超伝導性をBCS理論で説明できる金属又は金属合金である。すべての低温超伝導体は、約30Kよりも低い臨界温度(それを超えるとゼロ磁場でも材料が超伝導にならない温度)を有する。HTS材料の挙動はBCS理論では説明されず、このような材料は約30Kを超える臨界温度を有する可能性がある(ただし、HTS及びLTS材料を定義するのは、臨界温度ではなく、組成及び超伝導動作の物理的な違いであることに注意すべきである)。最も一般的に使用されるHTSは「銅酸化物超伝導体」、BSCCO又はReBCO(Reは希土類元素、一般にY又はGd)などの銅酸化物(酸化銅基を含む化合物)をベースとするセラミックである。他のHTS材料は、鉄プニクチド(例えば、FeAs及びFeSe)及び二ホウ酸マグネシウム(MgB2)を含む。
【0003】
ReBCOは通常、図1に示すような構造を有するテープとして製造される。このようなテープ100は、一般に約100ミクロンの厚さであり、基板101(通常、約50ミクロンの厚さの電解研磨ハステロイ)を含み、基板101の上に、IBAD、マグネトロンスパッタリング、又は他の好適な技術によって、約0.2ミクロンの厚さのバッファスタック102として知られる一連のバッファ層が堆積される。エピタキシャルReBCO-HTS層103(MOCVD又は他の好適な技術によって堆積される)がバッファスタックを覆い、通常1ミクロンの厚さである。1~2ミクロンの銀層104が、スパッタリング又は他の好適な技術によってHTS層上に堆積され、銅安定化層105が、電気めっき又は他の好適な技術によってテープ上に堆積され、これにより多くの場合テープは完全に封入される。
【0004】
基板101は、製造ラインを通して供給されかつ後続の層の成長を可能にすることができる機械的なバックボーンを提供する。バッファスタック102は、その上にHTS層を成長させるための二軸配向結晶テンプレートを提供するために必要とされ、その超伝導特性を損なう基板からHTSへの元素の化学拡散を防止する。銀層104は、ReBCOから安定化層への低抵抗界面を提供するために必要とされ、安定化層105は、ReBCOのいずれかの部分が超伝導を停止する(「常伝導」状態になる)場合に代替的な電流経路を提供する。
【0005】
また、基板及びバッファスタックがなく、代わりにHTS層の両側に銀層を有する「剥離」HTSテープを製造することができる。基板を有するテープは、「基板付き」HTSテープと呼ばれる。
【0006】
HTSテープは、HTSケーブルに配置することができる。HTSケーブルは、導電性材料(通常は銅)によってそれらの長さに沿って接続された1つ以上のHTSテープを含む。HTSテープは積み重ねる(すなわち、HTS層が平行になるように配置する)ことができ、又はHTSテープはケーブルの長さに沿って変化し得るテープの他の構成を有することができる。HTSケーブルの注目すべき特別なケースは、単一のHTSテープとHTS対である。HTS対は、HTS層が平行になるように配置された1対のHTSテープを含む。基板付きテープを使用する場合、HTS対は、タイプ0(HTS層が互いに向き合う)、タイプ1(一方のテープのHTS層が他方のテープの基板に面する)、又はタイプ2(基板が互いに向き合う)であり得る。3つ以上のテープを含むケーブルは、テープの一部又はすべてをHTS対に配置することができる。積層HTSテープは、HTS対の様々な構成、最も一般的には、タイプ1の対の積層、又はタイプ0の対(又は同等にタイプ2の対)の積層のいずれかを含むことができる。HTSケーブルは、基板付きテープと剥離テープの混合物を含むことができる。
【0007】
超伝導磁石は、HTSケーブル(又は本明細書では単一テープケーブルとして扱うことができる個々のHTSテープ)を巻くかコイルのHTSケーブルから作られた部分を提供してそれらを結合することによって、HTSケーブルをコイル状に配置することで形成される。HTSコイルには大きく分けて3つのクラスがある。
・(電流がHTSケーブルを通って「螺旋状経路」にのみ流れるように)ターンの間に電気絶縁材料を有する絶縁。
・ターンがケーブルに沿ってだけでなく半径方向にも(例えば、HTSケーブルの銅安定化層を接続することによって)接続されている非絶縁。
・ターンが(例えば、銅と比較して)高抵抗を有する材料を使用するか又はコイル間に断続的な絶縁体を設けることによって制御された抵抗で半径方向に接続されている部分絶縁。
【0008】
非絶縁コイルは、部分絶縁コイルの低抵抗の場合と見なすこともできる。
【0009】
巻線の間に絶縁体がないか部分的な絶縁体があると、局所的な「ホットスポット」(常伝導ゾーン)の温度が上昇する速度が遅くなる。HTS磁石における常伝導(抵抗性HTS)ゾーンの成長(空間的伝播)速度は多くのパラメータによって決まるが、通常、軸方向において(すなわち、ケーブルに沿って)100mm/s未満であり、横方向において(すなわち、隣接するターンの間で)約2~100倍遅い。各方向における常伝導ゾーンの正確な伝播速度は、使用される材料及びケーブル構造の熱的特性及び電気的特性によって決まる。特に、横方向の伝播速度は、ターンの間の材料の熱的特性の影響を受ける。
【0010】
大きな磁石では(数メートルの長さ寸法、及びコイルの断面寸法が最大の全体的なコイル寸法よりも小さい(すなわち、約10分の1である)場合)、横方向の伝播によって、コイルの周囲のごく一部をカバーする領域でコイルの全断面が常伝導になり、その結果、すべてのターンの全電流が常伝導部分内で金属安定化材のみに流れる可能性がある。常伝導ゾーンの外側では、導体は依然として超伝導である。この常伝導ゾーンの抵抗は、磁石の電流を急速に低下させるのに十分ではないが、磁石全体の蓄積された磁気エネルギーが、コイル周囲の周りでゆっくりとしか成長しないこの小さな常伝導(抵抗性の)体積に放出される結果となる。磁石の蓄積エネルギーをコイルの外部の抵抗に放出できるようにこの状況が迅速に検出されない限り、常伝導ゾーンの温度が非常に急速に上昇し、常伝導ゾーン内の導体に重大な損傷を与える可能性がある。
【0011】
HTS磁石の1つの用途は、特に球状トカマクにおける、トカマク核融合炉及びプラズマチャンバである。トカマクは2組の磁石、ポロイダル磁場を生成するように位置合わせされ、概ね円形であるポロイダル磁場コイルと、中心柱と複数のリターンリムとを含み、トロイダル磁場を生成するように配置されたトロイダル磁場コイルとを有する。HTS磁石は、いずれの組の磁場コイルにも使用することができるが、小さなトカマクにおけるトロイダル磁場コイルに特に有用である。このような磁場コイルは、HTSの電流密度の向上及び/又は冷却要件の軽減が大いに役立ち得る厳しい空間制限を有するからである。
【0012】
HTS磁石のもう1つの潜在的な用途は、陽子線治療装置である。陽子線治療(PBT、陽子治療としても知られる)は、がん(及び放射線療法に反応する他の病態)の治療に用いられる粒子線治療の一種である。PBTでは、陽子線が治療部位(例えば腫瘍)に向けられる。
【0013】
もう1つの類似の治療法は、ホウ素11を標的部位に導入し、陽子線を用いてp+11B→3α反応を開始する、陽子ホウ素捕捉療法(PBCT)である。同じ装置を用いて、PBT又はPBCT用に陽子線を提供することができる。
【0014】
PBT及びPBCT用の陽子線は、サイクロトロン又は線形加速器などの粒子加速器によって生成される。PBT及びPBCTに通常使用される加速器は、一般に60から250MeVの範囲のエネルギーで陽子を生成し、現在稼働している最も強力な施設は、400MeVの最大エネルギーを有する。
【0015】
PBT又はPBCT装置の設計は、ビームエネルギーで陽子を操作することができる電磁石を保持するガントリを必要とする。これには非常に高い磁場が必要であるため、HTS磁石の使用により、電磁石と電磁石を動かすのに必要なガントリの質量及びサイズを大幅に削減することができる。HTS磁石は、加速器、ステアリング磁石の四重極磁石、又はステアリング磁石の双極子磁石内で使用することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
第1の態様によれば、HTSマグネットコイルに用いる部分絶縁層が提供される。部分絶縁層は、1組の連結トラックと1組のピックアップトラックとを内部に有する絶縁体401を含む。各連結トラックは導電性であり、部分絶縁層の第1の表面及び第2の表面に電気的に接続され、第1の表面と第2の表面の間に電気経路を提供する。各ピックアップトラックは導電性であり、それぞれの連結トラックに誘導結合され、第1の表面及び第2の表面から電気的に絶縁されている。ピックアップトラックのそれぞれが、それぞれの連結トラックに流れる電流の変化によってピックアップトラックに誘導される電流を測定するために電流測定装置に接続するように構成される。
【0017】
第2の態様によれば、HTSマグネットコイルに用いる部分絶縁層が提供される。部分絶縁層は、1組の連結トラックと1組のピックアップトラックとを内部に有する絶縁体701を含む。各連結トラックは導電性であり、部分絶縁層の第1の表面及び第2の表面に電気的に接続され、第1の表面と第2の表面の間に電気経路を提供する。ピックアップトラックは導電性であり、部分絶縁層の長さに沿って延び、第1の表面及び第2の表面から電気的に絶縁されている。ピックアップトラックは、HTSマグネットコイルのHTS導体の電流の変化によってピックアップトラックに誘導される電圧を測定するために電圧測定装置に接続するように構成される。
【0018】
第3の態様によれば、1つ以上のHTSケーブルと1つ以上の部分絶縁層とを含む高温超伝導(HTS)界磁コイルであって、1つ以上のHTSケーブルはターンを形成するように配置され、1つ以上の部分絶縁層はターンを半径方向に接続するように配置され、部分絶縁層は第1又は第2の態様による部分絶縁層であるHTS界磁コイルが提供される。
【0019】
第4の態様によれば、第3の態様によるHTS界磁コイルであるトロイダル界磁コイルを含むトカマクが提供される。
【0020】
第5の態様によれば、第3の態様によるHTS界磁コイルを含む陽子線治療(PBT)装置であって、HTS界磁コイルは、
PBT装置の加速器の界磁コイルと
PBT装置の陽子線ステアリングシステムの双極子又は四重極磁石
のうちの1つであるPBT装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】HTSテープの概略図である。
図2A】HTSコイルの部分絶縁層を示す。
図2B】HTSコイルの部分絶縁層を示す。
図2C】HTSコイルの部分絶縁層を示す。
図2D】HTSコイルの部分絶縁層を示す。
図2E】HTSコイルの部分絶縁層を示す。
図3】例示的な部分絶縁層の原理を説明する回路図を示す。
図4A】例示的な部分絶縁層を示す。
図4B】例示的な部分絶縁層を示す。
図4C】例示的な部分絶縁層を示す。
図4D】例示的な部分絶縁層を示す。
図4E】例示的な部分絶縁層を示す。
図4F】例示的な部分絶縁層を示す。
図5】代替的なコイル構造を示す。
図6図6A及び6Bは更なる代替的なコイル構造を示す。
図7図7A及び7Bは部分絶縁層の代替的な構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図2Aから図2Eは、HTSケーブル間に適用してHTSケーブルを半径方向に接続することができる部分絶縁層を示す。
【0023】
部分絶縁層は5つの層を含み、5つの層は順番に、
・第1の金属接続層211、
・第1の絶縁層221、
・導電層230、
・第2の絶縁層222、及び
・第2の金属接続層212
である。
【0024】
図2Cから図2Eはそれぞれ、第1の金属接続層211、導電層230、及び第2の金属接続層222のレイアウトを示す。図2A及び図2Bは、図2Cから図2Eの線A及び線Bに沿った断面図である。
【0025】
接続層は、(半田付け又は直接接触により)HTSケーブルへのより良好な電気的接続を提供するために存在する。
【0026】
導電層は、いくつかの導電領域に分割される。これらの領域には2つのタイプがある。正方形領域231(実際にはそれらは任意の形状であり得る)は、導電性リンク206によって、金属接続層の一方のみに接続される。これらの領域は、部分絶縁層の電気的特性に影響を与えないが、それぞれの絶縁層を通る熱経路を提供する。これらの領域のサイズ及びこれらの領域と金属接続層との間の接続部の数を変えることによって、部分絶縁層の熱的特性を電気的特性とは無関係に変えることができる。
【0027】
他の領域232は、それぞれ第1の絶縁層221及び第2の絶縁層222にある窓201、202を通して、第1の金属接続層211を第2の金属接続層212にそれぞれ接続する。窓間の抵抗は、領域232の幾何学的形状を変えることによって制御することができる。例えば、図2Bに示すように領域232が細長いトラック233を含む場合、トラックの幅を増大させると、窓間の抵抗が減少し、トラックの長さを増大させると(例えば、非線形トラックを設けること又は窓を移動することによって)、窓間の抵抗が増加する。部分絶縁層全体の抵抗は、窓間の各接続部の抵抗を変えることと部分絶縁層に沿ってこのような接続の数を変えることの両方によって制御することができる。
【0028】
第1の絶縁層の窓201は、第1の接続層及び第1の絶縁層を通るドリル穴によって形成され、次いで第1の接続層211及び導電層230を接続するように金属203(又は他の導電性材料)でめっきされる。第2の絶縁層の窓202は、すべての層を通る穴202を開けることによって形成され、次いで金属204(又は他の導電性材料)でめっきされる。第2の絶縁層の窓202によって第1の接続層への接続部が形成されるのを防ぐために、第1の接続層は、窓202の周りでエッチングされて窓202を電気的に絶縁し、窓202の端部に絶縁キャップ205が配置されて、はんだ付け又はHTSケーブルとの接触によって橋絡が生じないことを確実にする。
【0029】
代替例として、窓202が第2の接続層、第2の絶縁層、及び導電層を通過しかつ第1の絶縁層を通過しない(又は完全には通過しない)ように、代わりに部分絶縁層の他方の側から窓202を開けることができる。更なる代替例として、すべての層を通過する穴からすべての窓を形成することができ、第2の接続層のエッチング及び第2の接続層上の絶縁キャップが第1の絶縁層の窓1601に使用される。
【0030】
この実施及び関連する実施例は、同時係属出願PCT/GB 2019/050275にさらに記載されている。
【0031】
部分絶縁の使用は、同等の非絶縁コイルと比べて、クエンチを検出するのに利用可能な時間を大幅に延長する。しかしながら、磁石への損傷が不可避となる前に対策を講じることができるように、コイル内に形成されるホットスポットを早目に検出するのに十分な速さのクエンチ検出方法が依然として必要である。
【0032】
コイルのHTSケーブルの一部の電流がHTSケーブルの臨界電流に近づくと、電流の一部がHTSを離れ、ケーブルの安定化層を通って流れ始める。この時点で、HTSターンの間の部分絶縁を形成する抵抗リンク及び誘導リンクを通って電流が流れ始める。PCBで製造された部分絶縁は、ターン間抵抗及び連結トラックインダクタンスの正確な設定を可能にする連結トラックの正確なレイアウト及び設計を容易にする。
【0033】
本開示は、その電流の流れを検出し、その検出を使用して、HTS磁石内で電流共有が起こり始めたときに検出することに焦点を当てている。この電流共有モードの検出は、クエンチ(又は起こり得るクエンチ)の高度な警告として使用することができる(本明細書で使用される場合、「クエンチ検出」は、差し迫ったクエンチ又はクエンチを引き起こす可能性が高い状態の検出を含む)。
【0034】
この原理を図3に模式的に示す。図3は部分絶縁層を表す回路図である。部分絶縁層は、(図2のトラック233と同等に)部分絶縁層の両側にHTSケーブル311、312を接続する第1のトラック、すなわち「連結トラック」 301を有する。部分絶縁層はまた、HTSケーブル311、312から電気的に絶縁され、第1のトラックに誘導結合される(変圧器303によって表される)第2のトラック、すなわち「ピックアップトラック」302を有する。第2のトラック302は電流モニター304に接続されている。図3には抵抗器と変圧器を別々に示しているが、以下の実施例では、抵抗及び誘導結合はトラック自体の長さ及び形状により生じることに留意されたい。すなわち、抵抗器と変圧器を別々のコンポーネントとして設ける必要はない。
【0035】
第1のトラックと第2のトラックとの間の誘導結合により、第1のトラックの電流のいかなる変化(例えばクエンチによる)も、第2のトラックの電流の対応する変化を引き起こす。その結果、これを電流モニターで検出することができ、電流モニターからの測定値を磁石のコントローラが使用してクエンチを検出することができる。
【0036】
クエンチ検出の感度を向上させるために、様々な変更を用いることができる。例えば、連結トラック及びピックアップトラックは、例えば共通の軸を共有するコイルとして、より大きな誘導結合を提供するように成形することができる。複数のピックアップトラック(それぞれが別個の連結トラックに対応する)が提供され、電流モニターがすべてのピックアップトラックに誘導される全電流を測定するように、互いに及び電流モニターに並列に接続されてもよい。
【0037】
図4Aから図4Fは、図3の回路を実現する例示的な部分絶縁層を示す。部分絶縁層は11個の層を含み、そのうちの6つの層は導電要素を含み、それぞれが絶縁層401(導電層が印刷された絶縁体、例えばカプトン(登録商標)テープ、又は絶縁性接着剤のいずれかであり得る)によって分離されている。導電要素を含む層は、以下の順序である。
図4Bに示す第1の金属接続層410。
図4Cに示す連結トラック層420。
図4Dに示すピックアップトラック層430。
図4Eに示すピックアップトラック接続層435。
図4Fに示す第2の金属接続層440。
【0038】
図4Aは、図4Bから図4Fの線A-Aに沿った断面図である。
【0039】
第1の金属接続層410及び第2の金属接続層440は、前の実施例のものと実質的に同じであり、すなわち、第1の金属接続層410及び第2の金属接続層440は、HTSケーブルとの電気的接続を容易にするように所定の位置にある。
【0040】
連結トラック層は、この実施例では尾部423を有する螺旋422として形成されたいくつかの連結トラック421を含む。螺旋422の中心は、絶縁層を通って延びて連結トラック421を第1の金属接続層に接続する導電性リンク402に接続し、尾部423の反対端は、連結トラック421を第2の金属接続層に接続する導電性リンク403に接続する。導電性リンクは、前の実施例と同様に、金属で被覆された穴として形成することができる。
【0041】
ピックアップトラック層430は、連結トラック421のそれぞれに対応するピックアップトラック431を含む。各ピックアップトラックは、対応する連結トラック421と同じ寸法の螺旋であり、対応する連結トラック421の直下に位置する。各ピックアップトラックは、螺旋の外側でレール432に接続され、螺旋の内側をピックアップトラック接続層435のトラック436に接続する導電性リンク404と、トラック436をレール433に接続する導電性リンク405とによって、螺旋の内側を介してレール433に接続されている。
【0042】
ピックアップトラック431のレール432、433への接続は、ピックアップトラック431が並列に接続されることを確実にする。これは、レール432、433が電流計(図示せず、ただしレールは部分絶縁層の他の部分のレール又は電流計への接続を可能にするために層の端まで延びるパッド434を有する)を介して接続されている場合、電流計によって測定される電流は、ピックアップトラック内の電流の合計となることを意味する。
【0043】
連結トラック層と第2の金属接続層との間の導電性リンク403はまた、ピックアップトラック層及びピックアップトラック接続層を貫通するが、これらの層内の他の要素には電気的に接続されていない。
【0044】
干渉を避けるために、連結トラック及びピックアップトラックは、磁石の磁場に有意に結合しないように配置されるべきである、例えば局所磁場に垂直な断面は無視できるほどである。これは、上記の実施例に示すように、それらを部分絶縁層の平面に有することによって実現することができるが、他の向きも可能である。
【0045】
図5は、連結トラックの代替的な構成を示す(これはピックアップトラックにも適用できる)。図4Cのように曲線状の螺旋コイルを設ける代わりに、連結トラック層520(連結トラック層420に代えることができる設計である)内の連結トラックは、正方形コイル522として設けられる。
【0046】
図6A及び図6Bは、連結トラックの更なる代替的な構成を示す。図4Aの連結トラック層420は、第1の連結トラック層620及び第2の連結トラック層625に置き換えられている。連結トラックは、「8の字」パターンの「バタフライコイル」として形成される。トラックがそれら自体を横断する領域を含むこのパターンにより、パターンは、短絡を避けるために2つの層に配置する必要がある。このような配置の1つが図6A及び6Bに示されており、バタフライコイル622の主要部分が層620に設けられ、交差トラック626が別個の層625に設けられ、交差トラックとバタフライコイルの主要部分との間に導電性リンク627がある。短絡を回避する他の構成も可能であり、当業者は容易に想像することができる。
【0047】
図4から図6のコイル設計は単なる例である。ピックアップトラックが連結トラックの電流の変化に敏感である(すなわち、連結トラックに誘導結合される)ようになる任意の構成を使用して、部分絶縁層を通る電流漏れを検出することができる。
【0048】
代替的な設計を図7A及びBに示す。図7は、
・第1の金属接続層(図2Aから図2Eの層211と同一)、
・連結トラック層(図2Aから図2Eの層230と同一)、
・ピックアップトラック層710、及び
・第2の金属接続層(図2Aから図2Eの層212と同一)
を含む部分絶縁層701を示す。
これらの層は、前の実施例と同様に、絶縁層701によって分離されている。
【0049】
ピックアップトラック層710は、HTS磁石の螺旋状経路と結合するためにコイルに沿って延びるピックアップトラック711と、(ピックアップトラックに接続せずに)連結トラック層を外側界面層に接続する導電性リンク712とを含む。ピックアップトラック711はそれぞれの端部に接続パッド712を有し、接続パッド712は電圧計に接続されている。ピックアップトラック711は、コイル導体に近接しており、コイル導体と誘導結合する。コイルの両端に現れる電圧は、この共巻きトラックにも現れ、電圧計によって検出される。部分絶縁層の長さに沿って更なる接続パッドを設けることができ、これにより部分絶縁層を容易に大量に作製し、その後磁石に必要な長さに切断することができる(すなわち、HTSコイルのサイズにかかわらず、部分絶縁層の端部で接続パッドが利用できるようにする)。
【0050】
上述の部分絶縁層は、フレキシブルPCB製造プロセスを使用して製造することができ、すなわち、絶縁層の1つから開始して、その上面及び下面に銅を塗布し、銅をエッチングして2つの隣接する導電層を形成する。更なる層は、更なる絶縁層及び銅層を積層体に貼り付け(その場合、絶縁層は次の銅層を積層体に結合するために使用される接着剤であり得る)、次いでエッチングすることによって、又は(例えば、銅-絶縁体-銅-接着剤-銅-絶縁体-銅構造物を形成するために)更なる銅被覆エッチング絶縁層を互いに結合することによって、追加され得る。ビアが適切な銅層及び絶縁層にドリルで開けられ、次いで銅で被覆され、銅層の間の接続部(すなわち、上述の実施例の導電性リンク)を提供することができる。ビアが電気的に接続すべきでない層を通る場合、その層のビアの周囲の領域をエッチングして、ビアと層の導電性コンポーネントとの間に明確な絶縁空間を確保することができる。これが外層(例えば金属接続層410、440)に生じる場合、絶縁キャップをビアの端部に取り付けて、はんだ付け又はHTSケーブルへの接続による短絡を防ぐことができる。
【0051】
上記は、コイル用の単一の「部分絶縁層」に言及しているが、これは、ピックアップトラック層の間の接続部、又はピックアップトラック層のセクションごとの別個の電流検出器(又はいくつかの組み合わせ、例えば、Nセクションごとの電流検出器)のいずれかと、端と端で接続されたいくつかのセクションで構成され得ることが理解されるであろう。
【0052】
部分絶縁層は、HTSテープと同じ幅を有することができる。HTSパンケーキコイルを巻く方法は、複数のスプールからHTSテープを引き出して、コイルに集まる多数のテープの「ケーブル」を形成することを含むことができる。部分絶縁層は、マルチテープケーブルと共に送り込まれ、ターンの一部を形成する。結果として生じるコイル構造は、部分絶縁層と交互に配置されたマルチテープケーブルである。テープ及び部分絶縁層の外面はフラックスで予め濡らされ、その後、巻かれたパックははんだであふれさせることによって固められる。部分絶縁層がターンからターンへとはんだブリッジによってバイパスされないことを確実にするために、コイル面はその後洗浄される。
【0053】
巻かれて固められると、ピックアップコイル層の端の接触パッドに一対の細いワイヤを取り付けることができるように、コイルの外径にある部分絶縁層の端がわずかに剥がされる。このツイストペア線は、漏洩絶縁体に流れる電流の信号を検出するために使用される電流変換器に接続する。
【0054】
上記の実施例は、開示の原理(すなわち、HTSコイル又は部分絶縁層を通る抵抗経路のいずれかに誘導結合されたピックアップトラックを設けること)から逸脱することなく、簡単な方法で修正することができることが理解されるであろう。例えば、部分絶縁層の外面にある接続層は省略することができ、連結トラック層とHTSケーブルとの間の接続が導電性リンクを介して直接行われるか、又は部分絶縁層が上述の多層構造ではなく、固体絶縁体内に配置された連結トラック及びピックアップトラックを有することができる。
図1
図2A
図2B
図2C-2E】
図3
図4A
図4B-4D】
図4E-4F】
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
【手続補正書】
【提出日】2021-11-16
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温超伝導(HTSマグネットコイルに用いる導電アセンブリであって、
前記導電アセンブリは部分絶縁層と第1のHTSケーブル及び第2のHTSケーブルとを含み、
前記部分絶縁層は、
各連結トラックが導電性であり、前記部分絶縁層の第1の表面及び第2の表面に電気的に接続されて前記第1の表面と前記第2の表面との間に電気経路を提供する1組の連結トラック421と、
各ピックアップトラックが導電性であり、それぞれの連結トラックに誘導結合され、前記第1の表面及び前記第2の表面から電気的に絶縁されている1組のピックアップトラック431と
をその内部に有する絶縁体401を含み、
前記第1のHTSケーブル及び前記第2のHTSケーブルは、前記部分絶縁層のそれぞれの第1の表面及び第2の表面にあり、
前記ピックアップトラックのそれぞれが、前記第1の表面及び前記第2の表面以外の前記部分絶縁層の表面にある電気接点に電気的に接続されている導電アセンブリ
【請求項2】
前記1組のピックアップトラックは並列に接続され、電流測定装置に並列に接続するように構成されている、請求項1に記載の導電アセンブリ
【請求項3】
前記ピックアップトラックは、前記部分絶縁層が同一の更なる部分絶縁層に端と端で接続されたときに、両方の部分絶縁層の前記ピックアップトラックが前記電気接点を介して互いに及び前記電流測定装置に並列に接続されるように配置される、請求項2に記載の導電アセンブリ
【請求項4】
各ピックアップトラック及び各連結トラックは、螺旋状であるセクションを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の導電アセンブリ
【請求項5】
各ピックアップトラック及び各連結トラックは、バタフライコイルであるセクションを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の導電アセンブリ
【請求項6】
各連結トラックは、導電体で被覆されたビアによって前記第1の表面及び前記第2の表面に電気的に接続されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の導電アセンブリ
【請求項7】
高温超伝導(HTSマグネットコイルに用いる導電アセンブリであって、
前記導電アセンブリは部分絶縁層と第1のHTSケーブル及び第2のHTSケーブルとを含み、
前記部分絶縁層は、
各連結トラックが導電性であり、前記部分絶縁層の第1の表面及び第2の表面に電気的に接続されて前記第1の表面と前記第2の表面の間に電気経路を提供する1組の連結トラック231と、
導電性であり、前記部分絶縁層の長さに沿って延び、前記第1の表面及び前記第2の表面から電気的に絶縁されているピックアップトラック711と
をその内部に有する絶縁体701を含み、
前記第1のHTSケーブル及び前記第2のHTSケーブルは、前記部分絶縁層のそれぞれの第1の表面及び第2の表面にあり、
前記ピックアップトラックは、前記第1の表面及び前記第2の表面以外の前記部分絶縁層の表面に電気接点を有する導電アセンブリ
【請求項8】
前記ピックアップトラックは、前記部分絶縁層が同一の更なる部分絶縁層に端と端で接続されたときに、両方の部分絶縁層の前記ピックアップトラックが前記電気接点を介して互いに及び電圧測定装置に直列に接続されるように配置される、請求項7に記載の導電アセンブリ
【請求項9】
前記部分絶縁層は複数の層として形成され、各層は絶縁材料によって分離され、前記複数の層は、
前記連結トラックをその内部に有する連結トラック層と、
前記ピックアップトラックをその内部に有するピックアップトラック層と
を含み、
前記連結トラックと前記第1の表面及び前記第2の表面との間の電気的接続は前記絶縁材料を貫通するビアによって達成され、前記ビアは導電性材料を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の導電アセンブリ
【請求項10】
前記第1の表面及び前記第2の表面のそれぞれの上に、一方の側で前記連結トラックに電気的に接続され、他方の側でそれぞれのHTSケーブルに電気的に接続された導電性接続層を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の導電アセンブリ
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の1つ以上の導電アセンブリを含む高温超伝導(HTS)界磁コイルであって、前記HTSケーブルはターンを形成するように配置され、前記部分絶縁層は前記ターンを半径方向に接続するように配置され、HTS界磁コイル。
【請求項12】
前記1つ以上のHTSケーブル及び前記1つ以上の部分絶縁層は、前記ターンを形成するように連続的に巻かれている、請求項11に記載のHTS界磁コイル。
【請求項13】
前記1つ以上のHTSケーブル及び前記1つ以上の部分絶縁層は、接合部によって接続された複数の部分に配置される、請求項11に記載のHTS界磁コイル。
【請求項14】
請求項11から13のいずれか一項に記載のHTS界磁コイルであるトロイダル界磁コイルを含むトカマク。
【請求項15】
請求項11から13のいずれか一項に記載のHTS界磁コイルを含む陽子線治療(PBT)装置であって、前記HTS界磁コイルは、
前記PBT装置の加速器の界磁コイルと
前記PBT装置の陽子線ステアリングシステムの双極子磁石又は四重極磁石
のうちの1つである、PBT装置。
【国際調査報告】