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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-26
(54)【発明の名称】昇降装置
(51)【国際特許分類】
   B66C 23/42 20060101AFI20220519BHJP
【FI】
B66C23/42 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559450
(86)(22)【出願日】2020-03-17
(85)【翻訳文提出日】2021-11-15
(86)【国際出願番号】 DE2020100207
(87)【国際公開番号】W WO2020192838
(87)【国際公開日】2020-10-01
(31)【優先権主張番号】102019002039.1
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521437633
【氏名又は名称】マン, ダーヴィッド
【氏名又は名称原語表記】MANN, David
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】マン, ダーヴィッド
【テーマコード(参考)】
3F205
【Fターム(参考)】
3F205AA01
3F205AA05
3F205CA01
3F205CA03
3F205CB02
3F205DA20
(57)【要約】
昇降装置(1、14、18、28、31、36、46、50)は、可変の長さの3つのブーム(2、19)を有し、その各々は、第1の端部(4、20)と、第1の端部(4、20)とは反対側の端部に第2の端部(5、21)とを有する。すべてのブーム(2、19)の第1の端部(4、20)が互いに関節式に連結されているが、第2の端部(5、21)は、それぞれの軸受(7、24、29)に関節式かつ回転可能に取り付けられる。この場合、軸受(7、24、29)は、互いに対して一定の位置に配置される。また、各ブーム(2、19)において、少なくとも第1の端部(4、20)は、第2の端部(5、21)に対してブーム(2、19)の長手方向軸を中心に回転可能である。特に、ブーム(2、19)は常に三脚を形成し、これは高いレベルの安定性によって特徴付けられる。したがって、昇降装置(1、14、18、28、31、36、46、50)は、非常に重い荷を吊り上げるのに適しており、既知の昇降装置と比較してより大きな範囲が達成可能である。また、昇降装置(1、14、18、28、31、36、46、50)は、公知の昇降装置よりも旋回可能である。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調整可能な長さの3つのブーム(2、19)を有する昇降装置(1、14、18、28、31、36、46、50)であって、それぞれの場合に、第1の端部(4、20)と、第1の端部(4、20)の反対側の第2の端部(5、21)とを有し、
すべてのブーム(2、19)の第1の端部(4、20)が互いに関節状に連結され、
前記第2の端部(5、21)は、それぞれの軸受(7、24、29)に関節状に回転可能に取り付けられ、
前記軸受(7、24、29)は、互いに対して固定の位置に配置され、
各ブーム(2、19)において、少なくとも前記第1の端部(4、20)を、前記第2の端部(5、21)に対して前記ブーム(2、19)の前記長手方向軸を中心に回転させることができる、昇降装置。
【請求項2】
前記ブーム(2、19)のうちの少なくとも1つは、第1の軸を中心にして、かつ前記第1の軸を中心に回転可能な第2の軸を中心にして回転することができ、前記第1の軸および前記第2の軸は互いに交差するか、またはねじれている、請求項1に記載の昇降装置(1、14、18、28、31、36、46、50)。
【請求項3】
前記軸受(29)の少なくとも1つが地面に固定され、および/または
前記軸受(7、24)のうちの少なくとも2つが互いに接続され、および/または
前記軸受(7、24、29)のうちの少なくとも2つが、同じベースに配置および/または固定され、および/または
軸受のうちの少なくとも2つが異なる高さに配置され、および/または
前記ブーム(2、19)のうちの少なくとも1つおよび/または前記軸受(7)のうちの1つは、少なくとも1つの車両の一部であるか、または少なくとも1つの車両である、請求項1または2に記載の昇降装置(1、14、18、28、31、36、46、50)。
【請求項4】
前記第1の端部(4、20)を互いに関節状に連結する少なくとも1つの連結手段(6、38、42、44)を有し、前記第1の端部(4、20)の少なくとも1つは、前記連結手段(6、38、42、44)に着脱可能に連結される、請求項1から3のいずれか一項に記載の昇降装置(1、14、18、28、31、36、46、50)。
【請求項5】
前記連結手段(44)が、回転軸に沿って連続的に配置され、前記回転軸を中心に回転可能な少なくとも3つの副要素(45)を有し、いずれの場合も、前記第1の端部(20)のうちの一方が、前記副要素(45)のそれぞれの一方に関節状に接続される、請求項4に記載の昇降装置(50)。
【請求項6】
少なくとも1つの搬送ケーブル(23)用の少なくとも1つの誘導装置(22)が設けられ、前記誘導装置(22)が前記連結手段(6、38、42、44)に回転可能に取り付けられる、請求項4または5のいずれか一項に記載の昇降装置(1、14、18、28、31、36、46、50)。
【請求項7】
少なくとも1つの安定化装置(46a、61)を有し、前記安定化装置(46a、61)は、長手方向軸を有する少なくとも1つのベース要素(8、34、35、49、62、63、64、65)を有し、それは、実質的に水平な向きで前記軸受(7、24)の少なくとも1つに接続することができ、前記ベース要素(8、34、35、49、62、63、64、65)を前記軸受(7、24)に着脱可能に接続するための少なくとも1つの接続手段(48、66)を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の昇降装置(1、14、18、31、36、46、50)。
【請求項8】
前記ベース要素(8、34、35、49、62、63、64、65)に配置するために設けられた少なくとも1つのウエイト体(9)を有するか、または前記ベース要素(8、34、35、49、62、63、64、65)に配置するために設けられ、前記ベース要素(8、34、35、49、62、63、64、65)に沿って異なる位置に移動することができる少なくとも1つのウエイト体(9)を有する、請求項7に記載の昇降装置(1、14)。
【請求項9】
前記ベース要素(62、63、64、65)に配置された少なくとも1つのハウジング本体(67)を有し、そのハウジング本体内に前記接続手段(66)が静止状態で収容され、前記接続手段(66)が少なくとも部分的にまたは完全に延伸または折り畳まれ得る、請求項7または8のいずれか一項に記載の昇降装置(1、14、18、31、36、50)。
【請求項10】
少なくとも2つのベース要素(8、34、35、49、62、63、64、65)を有し、その長手方向軸が互いに平行に、または互いにある角度で整列され、または異なる高さに配置される、請求項7から9のいずれか一項に記載の昇降装置(1、14、18、31、36、46、50)。
【請求項11】
調整可能な長さの少なくとも3つのブーム(2、19)を有する昇降装置(1、14、18、28、31、36、46、50)を製造するための方法であって、それぞれの場合に、第1の端部(4、20)と、第1の端部(4、20)の反対側の第2の端部(5、21)とを有し、
すべてのブーム(2、19)の第1の端部(4、20)が互いに関節状に連結され、
前記第2の端部(5、21)は、それぞれの軸受(7、24、29)に関節状に回転可能に取り付けられ、
前記軸受(7、24、29)は、互いに対してそれらの位置に固定され、
各ブーム(2、19)において、少なくとも前記第1の端部(4、20)が、前記第2の端部(5、21)に対して前記ブーム(2、19)の前記長手方向軸を中心に回転可能に設計されている、方法。
【請求項12】
前記ブーム(2、19)のうちの少なくとも1つは、第1の軸を中心にして、かつ前記第1の軸を中心に回転可能な第2の軸を中心にして回転可能に設計され、前記第1の軸および前記第2の軸は互いに交差するか、またはねじれて設計されている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記軸受(29)の少なくとも1つが地面に固定され、および/または
前記軸受(7、24)のうちの少なくとも2つが互いに接続され、および/または
前記軸受(7、24、29)のうちの少なくとも2つが、同じベースに配置および/または固定され、および/または
前記軸受のうちの少なくとも2つが異なる高さに配置され、および/または
前記ブーム(2、19)のうちの少なくとも1つおよび/または前記軸受(7)のうちの1つは、少なくとも1つの車両の一部であるか、または少なくとも1つの車両として設けられる、請求項11または12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記軸受の少なくとも1つが車両の上部構造(26)として設けられ、その中に取り付けられた前記ブーム(2、19)が前記上部構造(26)のリフト調整および回転駆動から分離される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の端部(4、20)が、連結手段(6、38、42、44)によって互いに関節状に接続され、前記第1の端部(4、20)の少なくとも1つが、前記連結手段(6、38、42、44)に着脱可能に接続され得る、請求項11から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記軸受(7、24)のうちの少なくとも1つは、長手方向軸を有する少なくとも1つのベース要素(8、34、35、49、62、63、64、65)と、前記ベース要素(8、34、35、49、62、63、64、65)を前記軸受(7、24)に着脱可能に接続するための少なくとも1つの接続手段(48、66)とを有する少なくとも1つの安定化装置(46a、61)に接続され、前記ベース要素(8、34、35、49、62、63、64、65)は、実質的に水平に向けられている、請求項11から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記ブーム(2、19)の少なくとも1つに予め張力がかけられているか、またはすべてのブーム(2、19)に予め張力がかけられている、請求項11から16のいずれか一項に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調節可能な長さのブームを有する昇降装置に関し、この昇降装置は、いずれの場合も、第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部とを有し、第2の端部は、軸受に関節状に回転可能に取り付けられている。具体的には、昇降装置はクレーンである。
【背景技術】
【0002】
建設において、重い荷を持ち上げるために多種多様な昇降装置またはクレーンが使用されている。昇降装置の最大耐荷力を高めるために、いくつかのブームを互いに組み合わせることが知られている。
【0003】
かように、特許文献1は、例えば、少なくとも3つの部分的なブームの長さ調整可能なブームを有する移動式伸縮クレーンを開示している。部分的なブームはそれぞれ、長手方向に延びることができ、少なくとも2つの部分的なブームセクションから構成される。互いに距離を置いて長手方向に対して横方向に配置された部分的なブームセクションは、いずれの場合も、少なくとも1つの弯曲した揺るがない接続要素を有する1つのブームセクションを形成する。ブームは、2つの部分的なブームによって上部構造に関節結合される。ブームのこの設計により、ブームの表面慣性モーメントを増加させることによって耐荷能力の増加が達成される。
【0004】
さらに、伸長可能なクレーンブームは、互いに隣接して配置された2つの部分的なブームを有する特許文献2のフレーム設計で知られている。これらは、弯曲した揺るがないキャリアを介して互いに接続される。
【0005】
これらの既知の昇降装置の場合、実際に、載荷容量の一定の増加を達成することができる。しかし、重い荷を昇降装置で移動させることができる最大のアウトリーチまたは範囲は、実質的に不変のままである。さらに、これらの既知の昇降装置の場合、ブームは0°~90°の極部の角度の範囲内でしか傾斜させることができないため、ブームの枢動性が制限されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】西独国特許出願公告第10,2012,210,12号明細書(DE,B)
【特許文献2】旧東ドイツ専用特許第95,449号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明によって対処される問題は、既知の昇降装置と比較して長い距離にわたって荷を移動させることができ、また既知の昇降装置より大きな角度の範囲にわたって旋回させることもできる、非常に重い荷を吊り上げるための昇降装置を作成することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この問題は、独立請求項の特徴を有する昇降装置および方法によって解決される。好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【0009】
既知の昇降装置とは対照的に、本発明の昇降装置は、調整可能な長さを有する3つのブームを有し、一方では、すべてのブームの第1の端部が互いに関節状に接続され、他方では、第2の端部がそれぞれの軸受に関節状に回転可能に取り付けられる。したがって、各ブームまたは第2の端部には、各ブームまたは第2の端部を個別に移動または傾斜および回転させることができる個別の軸受が設けられる。これにより、すべての軸受が固定の位置で互いに対して配置され、好ましくは互いから離間される。言い換えれば、好ましくは離間した軸受の位置は、不変であるか、揺るがないか、または互いに対して固定されている。第1の端部が互いに接続され、軸受の位置が互いに対して固定されているため、昇降装置は常に四面体の形状をとり、その表面はブームおよび軸受間の接続線によって、区切られるかまたは囲まれる。昇降装置は、特に正四面体または対称四面体の形態をとることができるが、昇降装置が旋回されると、その形状が変化しやすい。したがって、昇降装置の大部分は、実際の使用において、不規則または非対称またはアシンメトリまたは不規則または斜めの四面体形状をとる。上述の正四面体または対称四面体の特別な場合において、昇降装置の3つのブームは、例えば3つの脚を有するスタンドから知られているように、いわゆる三脚を形成するが、本発明による昇降装置とは対照的に、互いに接続されていない三脚の端部は、関節状にも回転可能にも取り付けられていない。加えて、本発明による昇降装置とは対照的に、スタンドは、静的な理由から常に高度に対称的な基本構造を有する。そのような三脚は、とりわけ、高い安定性を特徴とし、それによって昇降装置は全体的に特に安定している。さらに、本発明による昇降装置の各ブームにおいて、少なくとも第1の端部は、ブームの長手方向軸を中心として第2の端部に対して回転することができる。言い換えると、各ブームの第1の端部は、各ブームの長手方向軸を中心とした回転自由度を有する。したがって、各ブームは、それ自体で回転可能に設計されている。昇降装置の最大の可動性または旋回可能性を確保するために、第1の端部の各々は、それぞれのブームの長手方向軸の周りの完全な円を含む任意の回転方向および任意の角度で回転することができる。
【0010】
本発明による昇降装置のブームは、それらの特別な構造に起因する引張力および圧縮力によって荷を吊り上げるときにのみ負荷があるが、曲げる力によっては負荷がない。全体として、これにより、本発明の昇降装置の全体的な揺るぎなさが非常に高次になる。また、この理由のために、昇降装置は、本発明による昇降装置のブームと同様の材料からなり、同様の寸法を有する1つのブームのみを有する昇降装置よりも全体的に実質的に安定しており、したがって必然的に弾性がより高い。これらの理由から、本発明による昇降装置を用いた方が、既知の昇降装置を用いた場合よりも、実質的に重い荷を吊り上げることができるだけではない。より高い安定性およびより高い弾性がある結果として、昇降装置のブームは、重い荷であっても可能な最大の長さに延伸することができ、その結果、重い荷は、既知の昇降装置よりも移動可能であるか、またはさらなる距離にわたって移動することができる。さらに、第1の端部が互いに関節状に接続されるだけでなく、第2の端部もそれぞれの軸受に関節状に回転可能に取り付けられ、第1の端部もそれぞれのブームの第2の端部に対して回転することができるため、本発明による昇降装置の旋回可能性または可動性は、ブームの可変の長さまたは長さの調整可能性と相互作用して達成され、これは三脚の場合でも既知の昇降装置の場合でも不可能である。特に、ブーム間の相互作用、またはブームの長さ調整可能性、別個の軸受におけるそれらの関節式接続および関節式取り付け、ならびにそれぞれのブームのそれぞれの第2の端部に対する第1の端部の回転可能性がある結果として、ブームのうちの1つの長さが変更されたときに、それぞれの2つの他のブームの強制的な誘導が昇降装置において生じる。したがって、3つすべてのブームからなる昇降装置のシステム全体の空間的回転は、ブームのうちの1つのみの長さの単なる変化によってもたらされ得る。
【0011】
これに関連して、ブームの長さ調整可能性は、例えば、ブームが、互いの内部で移動可能な副要素から望遠鏡と同様に構成され、その結果、ブームは、副要素を互いに押し込むか、またはそれらを引き離すことによって伸縮可能に短縮または伸長され得るという点で達成され得る。
【0012】
特に好ましくは、ブームのうちの少なくとも1つは、第1の軸を中心に、ならびに第1の軸を中心に回転可能な第2の軸を中心に回転することができ、第1の軸および第2の軸は互いに交差するか、または互いにスキューされるか、またはブームのうちの少なくとも1つは、第1の軸を中心に、ならびに第1の軸を中心に回転可能な第2の軸を中心に回転可能であるように設計され、第1の軸および第2の軸は互いに交差するか、または互いにスキューされるように設計される。第1の軸および第2の軸が交差する場合、それらは好ましくは互いに垂直であるか、または安定性の理由から互いに直角である。したがって、第1の軸は、好ましくは垂直に向けられ、第2の軸は、好ましくは水平に向けられる。第1および第2の軸を中心とするブームのこの特別な回転可能性がある結果として、本発明の昇降装置では、長さの調整が可能なブームは、空間内でほぼ制限なく移動可能であり、既知の昇降装置の場合よりもはるかに遠くに枢動することができる。具体的には、各ブームがそれぞれの第1の軸の周りおよびそれぞれの第2の軸の周りの両方で回転可能であり、各々が順次それぞれの第1の軸の周りで回転可能になる昇降装置の実施形態では、互いに接続された第1の端部は、ほぼ-90°~+90°の極部の角度の範囲内および360°を含む方位角の範囲内で移動可能である。そのような実施形態では、昇降装置は、可能な最大の旋回性または可動性を特徴とする。これにより、各ブームは、特に、互いに平行な3つの第1の軸のそれぞれの1つを中心として、ならびにそれぞれの平面にあるそれぞれの第2の軸を中心として回転することができ、それぞれが順次第1の軸のそれぞれの1つを中心として回転することができる。それぞれの第1の軸を中心に回転するとき、第2の軸は、好ましくはそれぞれの平面の内部に留まるか、またはこの平面から出ない。第1の軸は互いに平行であるため、第2の軸が存在する平面の各々は、互いに接続されて平面のうちの1つの中に三角形を形成する3点で、第1の軸によって貫通される。第2の軸のうちの2つはまた、同じ平面に位置することができ、第2の軸のうちの第3は、この平面とは異なる平面の内部に位置することができる。加えて、または代替的に、第2の軸はすべて、1つまたは同じ平面の内部に位置することができ、および/または1つまたは同じ平面の内部で移動可能であり得る。例えば、第1の軸のすべてを垂直に互いに平行に配置することができ、第2の軸のすべてを、第1の軸が法線を形成する単一の水平な平面の内部に配置および/または移動させることができる。
【0013】
個々の軸受は、すべて同じまたは異なるように設計することができる。特に、軸受はボール軸受とすることができる。
【0014】
一般に、昇降装置は、準表面に配置することができ、それによって前記準表面に固定することができ、または昇降装置は、移動式であるように設計することができる。準表面は通常地面であり、その上に昇降装置が設置または配置され、前記昇降装置を支持する。移動式の設計では、昇降装置を別の場所に容易に移動させることができる。
【0015】
軸受を相互に交換不能な位置に固定するための多種多様な選択肢がある。例えば、軸受の少なくとも1つは、地面に固定されるか、または固定されるようになり得る。特に、軸受の1つは、静止するように設計することができ、一方、個々の他の2つの軸受は、この静止軸受の周りを移動可能であり得る。もちろん、軸受の2つまたはすべては、地面に固定される、または固定されるようになることもできる。
【0016】
さらに、軸受のうちの少なくとも2つは、互いに接続されてもよく、または互いに接続されるようになってもよい。例えば、これは、軸受の接続要素としてだけでなく、同時に昇降装置全体の安定化要素としても機能する細長い要素によって行うことができる。ここでは、そのような接続要素によってすべての軸受を互いに接続することも可能である。
【0017】
さらに、軸受のうちの少なくとも2つを、同じベースに配置または固定または適合することができ、あるいはそうなるようにすることができるが、軸受のすべてを、同じベースに配置または適合または固定することもでき、あるいはそうなるようにすることができる。このベースは、例えばコンクリートスラブまたはコンクリートベースなどの適切な土台とすることができる。このようにして、軸受の2つまたはすべては、コンパクトな構成要素または構成上の要素として設計することができ、またはそのような構成要素または構成上の要素の中に統合することができる。
【0018】
加えて、軸受のうちの少なくとも2つまたはすべての軸受は、異なる高さに配置することができ、または配置されるようにすることができる。原則として、高さは、それぞれの場合において、昇降装置が使用される場所での優勢な地形の外形によって決定される。
【0019】
しかし、特に好ましくは、ブームの少なくとも1つおよび/または軸受の1つは、車両の少なくとも一部であるか、少なくとも1つの車両であるか、またはそのように設けられる。特に、車両は、モータを有することができる自動運転車両とすることができる。車両の上部構造は、第2の端部のうちの1つのためのそれぞれの軸受として設計または設けることができる。さらに、3つの異なるまたは個々の車両を設けることが可能であり、そのそれぞれの上部構造は、それぞれのブームまたはそれらの第2の端部のための軸受として機能する。さらに、同じ昇降装置内で、1つまたは2つの車両に上部構造および下部走行体を設けることができるが、同時に、1つまたは2つの車両が昇降装置に上部構造なしで設けられる。特に好ましくは、車両は車両クレーンであるため、本発明による方法の特に好ましい実施形態では、ブームの少なくとも1つに車両クレーンブームが設けられる。要約すると、昇降装置自体は、このようにして、移動式昇降装置として、または車両として、または特に自動運転車両として設計することができる。
【0020】
既知の車両の上部構造、特に車両クレーンの上部構造は、通常、ブームのリフト調整用の昇降シリンダと、垂直軸を中心としたブームの回転を可能にする歯付きリングを有する回転駆動部とを備えている。このようなブームの回転は、原則として、完全な円程度が可能である。ここで昇降装置が少なくとも1つのそのような上部構造を有する場合、例えば、既知の車両クレーンが昇降装置に組み込まれているか、または3つの個々の既知の車両クレーンが昇降装置に接続または連結されているため、上部構造に取り付けられたブームまたはすべてのブームを、このリフト調整および回転駆動装置またはその歯付きリングから分離または連結解除することが有利である。リフト調整および回転駆動装置からの1つまたは複数のブームの分離または連結解除の結果として、ブームのうちの1つの長さが変化した場合に、他のブームの上述の強制的な誘導を支障なく行うことができる。
【0021】
原則として、第1の端部は、それらが互いに接続可能であるかまたは互いに直接接続されるように設計される。さらに、第1の端部は、互いにまたは連結手段に着脱可能または着脱不能に接続することができる。これに関連して、第1の端部を互いに関節状に接続する少なくとも1つの連結手段を備えた昇降装置が好ましく、第1の端部の少なくとも1つは連結手段に着脱可能に接続される。しかし、第1の端部のうちの2つまたはすべてがまた、連結手段に着脱可能に接続され得るか、または接続されるようになり得る。着脱可能な接続により、必要に応じて、連結手段をブームまたは第1の端部から分離することができ、他の場所で使用することができる。このような連結手段によって、既存のクレーンまたは移動式クレーンなどの従来の昇降装置も、本発明による昇降装置を形成するために簡単な方法で有利に接続することができる。
【0022】
昇降装置の最大旋回可能性を確保するために、特定の実施形態の連結手段は、好ましくは、回転軸に沿って連続的に配置され、その周りを回転可能な少なくとも3つの副要素を有し、いずれの場合も、第1の端部の1つは、副要素のそれぞれ1つに関節状に接続される。
【0023】
一般に、クレーンは、ケーブルを搬送するための偏向ローラを備える誘導装置を有する。これに対応して、本発明による昇降装置の場合、好ましくは、少なくとも1つの誘導装置が少なくとも1つの搬送ケーブルにも設けられる。誘導装置は、少なくとも1つの偏向ローラを有することができる。ここで、そのような昇降装置の自由な旋回可能性を保証するために、誘導装置は、連結手段に回転可能に取り付けられることが有利である。
【0024】
有利にも、昇降装置は、少なくとも1つの安定化装置を有し、安定化装置は、実質的に水平な向きで軸受の少なくとも1つに接続することができる、長手方向軸を有する少なくとも1つのベース要素と、ベース要素を軸受に着脱可能に接続するための少なくとも1つの接続手段とを有する。本発明による方法の実施形態によれば、軸受は、長手方向軸を有する少なくとも1つのベース要素と、ベース要素を軸受に着脱可能に接続するための少なくとも1つの接続手段とを有する少なくとも1つの安定化装置に接続され、ベース要素は実質的に水平に向けられている。これに関連して、その長手方向軸が実質的に水平に配向されている水平に配向されたベース要素は、例えば地面などの、昇降装置または軸受を支持する準表面に載置することができ、またはこの準表面から支持または離間されることができる。ベース要素が水平の配向である結果として、ベース要素の長さに応じて、軸受または準表面によって支持されたときの昇降装置の接触面または支持ベースの拡大を達成することができ、これは実際の昇降装置の接触面を何倍も超える可能性がある。これに対応して、昇降装置、特に移動式昇降装置の安定性も向上する。ベース要素を軸受に適切に接続することによって昇降装置の追加の構造的補強または剛性を達成することができるため、ベース要素が準表面から離間している昇降装置の安定性も高めることができる。
【0025】
特に、安定化装置の比較的単純な設計がそれによって有利であることが分かる。したがって、最も単純な場合には、安定化装置は、細長い基体および接続手段のみを有することができ、それによってベース要素は、例えば一端で軸受の1つに接続することができる。接続状態では、ベース要素は、昇降装置から離れるように延びることができる。したがって、移動式昇降装置すべての上の支持ベースは、ここでは追加の接触面があるため、拡大される。
【0026】
接続手段および/またはベース要素はまた、ベース要素と昇降装置の軸受の1つとの間に取り外し可能な接続を生成するように設計されているため、必要な場合にのみ安定化装置を使用することが可能であり、昇降装置の特に高い荷が予想される場合には、安定化装置を昇降装置の1つの軸受にのみ接続することが可能である。そうでなければ、安定化装置は、便利で省スペースの方法で軸受とは別に輸送することができる。これにより、接続手段はベース要素の固定した構成要素として設計することができ、または接続手段はベース要素の一部とすることができ、またはベース要素は接続手段を有することができ、または接続手段はベース要素とは別個の構成要素として設計することができる。
【0027】
ベース要素は、異なる材料で作ることができる。例えば、ベース要素は、少なくとも部分的にまたは完全に安定した金属またはプラスチックからなることができる。
【0028】
追加のバラストを設けることによって昇降装置をさらに安定させる可能性は、安定化装置を備えた昇降装置のさらなる利点であることが判明している。したがって、昇降装置は、ベース要素に配置されるように設けられた少なくとも1つのバラスト本体またはウエイト体を有するか、またはベース要素に配置され、ベース要素に沿って異なる位置に移動可能に設けられた少なくとも1つのバラスト本体またはウエイト体を有することが特に好ましい。ウエイト体が、例えば、ベース要素に沿って移動可能または可動であるように設計されているために、ベース要素の異なる位置に配置され得る場合、安定化装置の最適化された平衡化が可能であり、その結果、昇降装置の予想される荷を可能な限り最良に打ち消すことができる。特に、ウエイト体は、ベース要素または安定化装置と機能的に一体化され、ベース要素または安定化装置の機能部を形成することができる。したがって、例えば、2つ以上のベース要素を接続する接続要素を、機能的に一体化されたウエイト体として同時に設けることができる。さらに、ウエイト体は、ベース要素または安定化装置から分離可能に設計することができる。例えば、安定化装置は、ウエイト体のための折り畳み棚を有する折り畳み支持体を有することができる。そのような折り畳み支持体は、細長いベース要素に沿って移動可能であるように設計することができ、またはベース要素に固定的に取り付けまたは固定することができる。2つ以上のそのような折り畳み支持体がある場合、細長いウエイト体を前記折り畳み支持体で支持することもでき、このウエイト体は、棚のそれぞれのセクションで支持され、そうでなければ折り畳み支持体の棚の間に延在する。
【0029】
好ましくは、ベース要素は、特にフレームワークのような格子構造として、またはフレームワーク格子として設計され、および/またはベース要素は中空の内部を有し、および/またはベース要素は直線または湾曲形状を有する。格子構造またはフレームワーク格子によって、機械的に特に安定し、同時にベース要素の軽量設計を実現することができる。これに対応して、ベース要素の中空内部が軽量化に寄与する。さらに、そのような空洞は、安定化装置または昇降装置の輸送中だけでなく、むしろウエイト体を収容するための様々な工具および材料のための貯蔵空間として使用することができる。真っ直ぐな基体は、可能な最大の伸長を伴う可能な限り小さい材料要件を特徴とするが、湾曲形状を有するベース要素を有する安定化装置は、昇降装置が使用される場所における局所的な地面の条件に適合させることができる。
【0030】
特に好ましくは、昇降装置は、少なくとも1つのハウジング本体がベース要素に配置された安定化装置を有し、ハウジング本体内に接続手段が静止状態で収容され、そこから接続手段を少なくとも部分的にまたは完全に延伸または折り畳み可能である。接続手段が常に露出するように設計されている安定化装置とは対照的に、そのような安定化装置は、接続手段が静止状態でハウジング本体に収容されている場合、特に省スペースで便利な方法で輸送することができる。これにより、ハウジング本体は、ベース要素に固定して取り付けることができ、またはベース要素に沿って移動可能であり、異なる位置に固定することができる。
【0031】
原理的には、ベース要素は、その長手方向軸が、例えば下部走行体の軸受の長手方向軸または横方向軸と実質的に平行であるように、またはその長手方向軸が軸受の長手方向軸と角度を形成するように配向することができる。移動式昇降装置の場合、原則として軸受の長手方向軸と一致する移動方向に関して、ベース要素は軸受の前または後ろに配置することができ、ベース要素の長手方向軸は軸受の横軸に平行に延びることができる。一方、ベース要素はまた、走行方向に対して軸受または下部走行体の左右に配置することもでき、ベース要素の長手方向軸は、軸受または下部走行体の長手方向軸に平行に延びることができる。さらに、ベース要素は、その長手方向軸が軸受の長手方向軸にも横軸にも平行ではなく、むしろそれらとそれぞれの角度を形成するように配向することができる。通常、このように配向されたベース要素は、軸受の角から延びる。
【0032】
安定化装置の多くの実施形態は、2つ以上のベース要素を有し、これらは、それぞれの用途および昇降装置の要件に応じて、互いに異なる方法で配置することができる。したがって、少なくとも2つのベース要素の長手方向軸は、互いに平行に、または互いにある角度で整列させることができ、または異なる高さに配置することができる。互いに平行な長手方向軸を有する2つのベース要素は、例えば、移動式昇降装置の進行方向に対して、一方の軸受の左右に、または軸受の前後に配置することができる。第1の場合、ベース要素の長手方向軸は、好ましくは、軸受の長手方向軸に平行に向けられるが、第2の場合、それらは、好ましくは、軸受の横方向軸に向けられる。しかし、ベース要素の互いに平行な長手方向軸はまた、軸受の長手方向軸または横軸とそれぞれの角を囲む。特に、昇降装置の移動方向に関して、軸受の前後および軸受の左右の両方に2つの第1のベース要素を設けることができ、第1のベース要素の長手方向軸は軸受の横軸に平行に向けられ、第2のベース要素の長手方向軸は軸受の長手方向軸に平行に向けられる。
【0033】
さらに、それぞれのベース要素は、軸受の前方左右の角部および軸受の後方左右の角部から延びることができ、その長手方向軸は、軸受の長手方向軸にも横方向軸にも平行ではなく、むしろそれらとそれぞれの角度を形成する。軸受の長手方向軸および横方向軸とそれぞれのベース要素の長手方向軸を形成する角度は、ベース要素ごとに異なり得る。
【0034】
長手方向軸が異なる高さにあるベース要素を使用して、人員用の通路のタイプを形成することもでき、これは、特に、そのベース要素がフレーム状に軸受を囲む安定化装置の場合に有利であり得る。
【0035】
好ましくは、ベース要素の長手方向軸が互いに整列する角度は、変更または調整することができる。したがって、昇降装置を使用するときの様々な条件および使用場所における様々な形態の地形に関して、安定化装置のより高い柔軟性が達成される。原則として、ベース要素の長手方向軸間の角度は、鋭角、鈍角、または直角であり得る。
【0036】
有利にも、ブームの少なくとも1つに予め張力がかけられているか、または空間的に予め張力がかけられているか、またはブームのすべてに予め張力がかけられているか、または空間的に予め張力がかけられている。これは、例えば、ブームの1つまたはブームのすべてをねじることによって行うことができる。ブームのリフト調整のための油圧シリンダがある場合、そのような予めの張力はまた、油圧シリンダによって生成することができる。したがって、当昇降装置の場合、ブームの少なくとも1つが予め張力を受けることができるように設計されているか、またはブームすべてが予め張力を受けることができるように設計されている。ブームのうちの少なくとも1つの予めの張力によって、具体的には静的状態および動的状態の両方において、昇降装置のシステムの全体的な剛性の最適化が可能である。特に、ブームの曲げを予めの張力で打ち消すことができ、重い荷の下でのブームのねじれを防止することができる。
【0037】
本発明は、図面を用いて好ましい実施形態によって、以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】昇降装置を示す。
図2】移動式昇降装置を示す。
図3】さらなる昇降装置を示す。
図4】地面に固定することができる昇降装置を示す。
図5】互いに連結された車両クレーンで構成された昇降装置を示す。
図6】風力発電プラントを有する図5の昇降装置を示す。
図7】円筒形の中央本体を有する連結ユニットを示す。
図8】球状連結ユニットを示す。
図9】回転可能な副要素を有する連結ユニットを示す。
図10】車両クレーン用の安定化装置を備えた昇降装置を示す。
図11】周方向に安定化された車両クレーンを備えた昇降装置を示す。
図12】異なる構成の安定化装置を備えた下部走行体を示す。
図13】安定化装置を示す。
図14】延長可能な把持装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
昇降装置1の第1の実施形態が、側面図、上面図、および空間図で図1に示されている。昇降装置1はクレーンとしての使用を意図しているが、搬送ケーブルまたは昇降ケーブルおよび関連するローラまたは偏向ローラなどのクレーンに典型的な構成要素は、その本質的な構成要素をよりよく説明するために図には示されていない。
【0040】
昇降装置1は、互いに伸縮自在に移動することができる伸縮要素3を有する3つの細長いブーム2を有し、それぞれの場合において、各ブーム2の伸縮要素3の1つには、固定されたラチスジブ3aが追加的に設けられる。伸縮要素3が互いに内側に押し込まれるか、または互いに引き離されると、ブーム2の全長がそれに応じて変更されるか、またはブーム2の長さは、伸縮要素3を互いに対して移動させることによって、設定または調整することができる。さらに、ブーム2の伸縮要素3は、各ブーム2がそれ自体で回転可能であるように、それぞれのブーム2の長手方向軸の周りで互いに対して回転可能であるように設計される。各ブーム2は、固定されたラチスジブ3aに接続された第1の端部4と、第1の端部に対向する第2の端部5とを有する。伸縮要素3が互いに対して回転すると、それぞれのブーム2のそれぞれの第1の端部4および第2の端部5も互いに対して回転する。すべてのブーム2の第1の端部4は、連結要素または連結手段6によって互いに関節状に接続されているが、第2の端部5は、それぞれの軸受7に関節状に回転可能に取り付けられている。それにより、昇降装置1の図示の実施形態における軸受7は、正三角形の角に配置され、準表面に載置された細長い格子状の安定化要素8によって、互いに接続される。安定化要素8が軸受7を接続する結果として、互いに対する3つの軸受の位置は、不変であるか、固定されているか、または揺るがない。安定化要素8上は、昇降装置1のさらなる安定化のために、バラストまたはウエイト体9も配置されている。
【0041】
連結手段6は、実質的に円筒形の外形を有する。連結手段6には、等角度の間隔で3つの凹部10が形成されている。各凹部10aにおいて、ブーム2のそれぞれ1つは、第1の端部4と係合し、連結手段6の内部でそれと関節状に接続されるか、または連結手段6で関節接合される。したがって、各ブーム2は、それぞれの仮想平面の内部で連結手段6に対して傾斜することができ、これらの平面の3つすべてが連結手段6の長手方向軸で交差するか、または連結手段6の長手方向軸が前記平面のそれぞれに関連付けられる。これらの仮想の平面の各々は、連結手段6の長手方向軸によって2つの小領域に細分され、それぞれの場合でブーム2は、それぞれの平面のこれらの小領域のうちの1つだけの内部で傾斜させることができる。3つの凹部10が等角度の間隔で形成されているので、ブーム2が移動する平面の小領域と、ブーム2が移動しない平面の小領域とは、互いに120°の角度を形成する。
【0042】
一方、軸受7は、いずれの場合も、ベース要素またはベース11と、それに配置または位置付けされ、垂直軸を中心に回転可能な回転要素12とを有する。いずれの場合も、溝13が回転要素12に形成され、いずれの場合も、ブーム3は、その第2の端部5と係合して回転要素12のそれぞれの溝13に入り、水平軸を中心に回転可能に取り付けられるか、またはその中で関節接合される。したがって、回転要素12に回転可能性がある結果として、各ブーム2は、その第2の端部5が軸受7のそれぞれに関節状に回転可能に取り付けられる。
【0043】
垂直軸を中心とした各回転要素12は、原則として、完全な円を描くことができ、回転要素12に関節接合されたブーム2は、水平軸を中心とした半円を描くことができるため、連結手段6がない場合のブーム2は、それらの第1の端部4が互いに結合されていなくても、昇降装置1を支持または担持する準表面の上方の空間全体において、枢動することができる。しかし、すべてのブーム2は、連結手段6がある結果として、一方ではそれらの第1の端部4と連結され、他方では軸受7の互いに対する位置を固定する結果として、各々の場合でそれらの第2の端部5が取り付けられる。したがって、ブーム2のいずれも、他のブーム2に影響を及ぼすことなく、枢動することができず、またはその長さを変更することができず、他のブーム2はまた、対応する長さの変更または枢動または移動またはこれらへの追従を行う。ブーム2の長さ調整可能性、それらの第1の端部4の関節接続、互いに対して相対的に固定して配置された軸受7へのそれらの第2の端部5の関節式および回転可能な取り付け、ならびにブーム2自体または第1の端部4および第2の端部5が互いに対して回転可能性がある結果である、ブーム2間での相互作用の結果として、それぞれの他の2つのブーム2の強制的な誘導は、昇降装置1のブーム2のうちの1つの長さが変化した場合に発生する。しかし、とりわけ、3つのブーム2のこの相互作用は、システム全体の剛性値が常に高い状態で、昇降装置1が高い旋回性または可動性であることを保証する。これにより、連結手段6は、昇降装置1が枢動するとき、具体的には、方位角方向に一周する昇降装置の一回転に1回、空間内でロールオフする。
【0044】
加えて、昇降装置1は、互いに連結されたブーム2のあらゆる位置について常に、したがって、ブーム2が正確にどのように枢動または位置決めされるかにかかわらず、ほぼ斜めの四面体の形状をとり、その表面は、ブーム2および軸受7間にある安定化要素8によって、画定または包囲される。したがって、ブーム2は、それらの特定の位置であるにもかかわらず、三脚を常に形成し、それにより、昇降装置1全体に高い安定性を与える。したがって、荷を吊り上げるとき、細長いブーム2は、曲げる力ではなく、引張力や圧縮力によってのみ負荷がかかる。全体として、これにより、昇降装置1の全体的な揺るぎなさが非常に高次になる。これらの理由から、昇降装置1は、既知のクレーンよりも実質的に重い荷を吊り上げることができ、非常に重い荷を可能な最大の長さまで吊り上げる場合でも、昇降装置1のブーム2を延ばすことができ、したがって重い荷も比較的長い距離にわたって移動させることができる。
【0045】
図1に示す昇降装置1は、例えば地面などの任意の準表面に配置されるように意図されている。これにより、単に準表面または地面に載置することができ、あるいは準表面または地面に固定することができる。昇降装置またはクレーンを異なる場所で使用しなければならないことが多いため、昇降装置またはクレーンが可能な限り容易に場所を変更できるか、または移動可能であると有利である。
【0046】
図2は、このような移動式の昇降装置14を示す。昇降装置14は、その設計において図1の昇降装置1のものに対応する。しかし、昇降装置14の場合の後者とは対照的に、軸受7は、可動または移動式ベースに配置される。前記可動ベースは、本ケースのクローラシャーシ15にある。可動ベースはまた、例えば、いわゆる自走式モジュラートランスポーター、つまりSPMTのように異なって設計することもできることが理解される。これにより、各軸受7または各ベース11は、それが配置されているそれぞれのクローラシャーシ15に対して垂直軸を中心に回転可能である。クローラシャーシ15の各々は、いずれの場合も一対のクローラチェーンを有し、2つの平行なクローラチェーン16があり、ローラ17の周りにループ状にされ、任意選択的にこれらのローラ17の周りを同じ方向または反対方向に移動することができる。一対のクローラチェーンのクローラチェーン16を反対方向に移動させると、それぞれのクローラシャーシ15がその垂直軸または垂直回転軸を中心に回転する。しかし、前記クローラシャーシ15に配置されたそれぞれの軸受7は、隣接する軸受7との安定化要素8によるその連結のために、クローラシャーシ15の回転に追従することが防止される。したがって、クローラシャーシ15は、軸受7の下で任意の回転方向に自由に回転することができる。このようにして、例えば、3つすべてのクローラシャーシ15を、それらのそれぞれの対のクローラチェーンが互いにある角度で整列している図2に示す位置に運ぶことが可能であり、その結果、昇降装置14を全体として回転させることができる。昇降装置14を直線状に移動させるために、一対のクローラチェーンは、互いに実質的に平行となるように同じように並べられる。
【0047】
順次図3は、第1の端部20および第2の端部21を有する3つの伸縮的に移動可能なブーム19を有する固定式または非移動式昇降装置18を示す。しかし、ブーム19は、図1に示されている昇降装置1のブーム2とは対照的に、ブーム19につき2つだけでなく、むしろ複数の伸縮要素を有し、伸縮式に互いに押し込むことができる。さらに、ブーム19は、固定されたラチスジブなしで設計されている。昇降装置1の場合と同様に、第1の端部20は、連結手段6によって互いに関節状に接続されている。図1および図2とは対照的に、図3では、搬送ケーブル23用の昇降装置18の連結手段6に配置された誘導装置22を見ることができ、これは、吊り上げるおよび支持する荷のために設けられている。これにより、誘導装置22は、連結手段6に対して回転可能に、または連結手段6上に関節状に配置され、それにより、昇降装置18が回転するとき、搬送ケーブル23の誘導が損なわれないようになっている。しかし、とりわけ、昇降装置18は、それぞれの場合に第2の端部21が関節状に取り付けられる異なる設計の軸受24により、昇降装置1とは異なる。実際、昇降装置18の軸受24はまた、ベース25と、垂直な第1の軸を中心にベース25に回転可能に取り付けられた回転要素とを有し、これはこの場合、既知の移動式クレーンの上部構造26として設計されている。しかし、ブーム19は、今や、水平な第2の軸を中心として、それぞれの軸受24にそれぞれの第2の端部21で回転可能に取り付けられ、この軸は、回転要素または上部構造26が回転可能であるか、またはそれ対して傾斜して配向される第1の軸と、交差しない。ブーム19をこの水平方向の第2の軸の周りに旋回させるために、軸受24は、それぞれの油圧式または空気圧式に作動されるアクチュエータ27を有する。昇降装置1の場合と同様に、軸受24は、地面または準表面に載置された正方形断面の格子状安定化要素8によって互いに接続され、その両端は、互いに隣接する軸受24のそれぞれのベース25に接続される。このようにして、軸受24は、互いに対してそれらの位置に固定されるか、または軸受24の位置または配置が互いに対して不変である。これにより、軸受24は、この場合、正三角形の隅の位置をとる。
【0048】
互いに対する軸受の位置を不変の位置に固定するために、軸受を互いに接続することは、絶対に必要というわけではない。この例として、図4には、安定化要素なしで維持し、軸受29を除いて図3の昇降装置18と構造が同一である昇降装置28が示されている。軸受29は、昇降装置18の軸受24の回転要素または上部構造26と同一の各上部構造26を有するが、上部構造26が垂直軸を中心に回転可能に配置されたベース要素またはベース30は、スパー状に延びるように設計されている。スパー状ベース30は、地面固定具または土壌固定具として設けられ、例えば地面などの、昇降装置28を支持する準表面に沈められ、その中に固定することができ、その結果、軸受29の位置は、軸受29がこの目的のために互いに直接接続されることなく、互いに対して不変に固定される。さらに、昇降装置28は、例えばコンクリートの土台、コンクリートのベース、またはコンクリートのスラブなどの適切なベースに、ベース30によって固定または締結することができる。
【0049】
移動式昇降装置のさらなる例として、図5は、昇降装置31を示し、これは、回転要素または上部構造26を支持するベース32およびそれらを互いに対して固定していることを除いて、構造が図4に示す昇降装置28と同一である。昇降装置28とは対照的に、昇降装置31の場合、回転要素または上部構造26を支持するために、したがって回転要素または上部構造26およびベース32から形成された軸受のためのベース32として、既知の移動式クレーンのそれぞれの下部走行体が設けられる。既知の移動式クレーンの場合のように、通常、下部走行体またはベース32は、それぞれの場合において、両側に2つの支持ビーム33を有しており、その自由端には、それぞれの場合において、支持シリンダまたは加圧スピンドルが、下部走行体またはベース32の追加の支持のために、設けられている。これにより、回転要素または上部構造26は、それぞれの下部走行体またはベース32に既知の移動式クレーンの上部構造として回転可能に配置される。下部走行体またはベース32の互いに対する位置を固定するために、3つの細長い格子状の安定化要素34が設けられ、これらは正三角形を形成するように配置され、三角形の角に位置する接続手段34aによって互いに接続される。これにより、安定化要素34の長さは、下部走行体またはベース32の長さを超え、それぞれが安定化要素34のそれぞれに平行な三角形の外側に配置され、支持シリンダまたは加圧スピンドルを介して、それに接続される。さらなる支持のために、安定化要素34から外方に面する下部走行体またはベース32の側では、より短い安定化要素35がそれぞれの下部走行体またはベース32に平行に延び、そこで安定化要素34と同様に、下部走行体またはベース32のこの側で支持ビームの支持シリンダまたは圧力スピンドルに接続される。安定化要素34ならびに接続手段34a、および安定化要素35の両方は、それによって、昇降装置31を支持する準表面または地面に載置される。特に、昇降装置31の安定性をさらに高めるために、接続手段34aは、特に重くすることができ、またはバラスト本体として設計することができる。任意選択で、安定化要素35を省くこともできる。
【0050】
図5の昇降装置31は、既知の移動式クレーンを適切に連結または接続することによって、多大な労力なしに任意の場所で組み立てまたは構築することができるという特定の利点を伴う。例えば、ラチスマストクローラクレーンの構造は煩雑であり、多大な労力および多くの時間を必要とするが、昇降装置31は、3つの既知の移動式クレーンの適切な配置または位置付け、ならびに連結手段6および安定化要素34によるそれらの接続によって、簡便かつ迅速に製造することができる。
【0051】
図6は、3つの既知の移動式クレーンで構成された昇降装置36の使用の一例を示しており、昇降装置36による風力発電プラント37の立設が、空間的な表現で一度、上面図で一度示されている。そのような風力発電プラント37の高さおよびそれらの構成要素の重量の結果として、実際には、例えば上述のラチスマストクローラクレーンなどの特別なクレーンがそれらの構築に必要である。しかし、このような特別なクレーンは、困難や多大な労力を伴ってようやく、風力発電プラント37の建設に設けることができる。これらの困難はすべて、互いに連結された3つの既知の移動式クレーンで構成された昇降装置36では生じない。
【0052】
先のすべての実施形態では、いずれの場合も、ブームの第1の端部の関節式接続に同じ連結手段6が使用された。図7では、異なる設計の連結手段38をここで見ることができる。連結手段38は、円筒状の中心体39から本質的になり、その側面から、3つのフィン形状またはフィン様形状の突起40が等しい角度距離で突出する。各突起40には貫通孔41が設けられており、各突起40で各ブーム2の第1の端部4を関節運動させることができる。
【0053】
対照的に、球状連結手段42が、図8に3つの異なる図で示されている。等しい角度距離で、連結手段42は溝状の凹部または溝43を有し、そこでは、ブーム19のそれぞれの第1の端部20が係合し、連結手段42に関節状に接続されるか、またはその中で関節接合される。
【0054】
対照的に、回転軸に沿って連続的に配置された3つの副要素45を有する連結手段44が図9に示されている。3つの副要素45はすべて、この回転軸を中心に回転可能である。いずれの場合も、ブーム19の第1の端部20は、この場合にはフォークジョイントによって副要素45のそれぞれに関節状に接続される。したがって、すべての3つの第1の端部20は、副要素45の回転軸に対して横方向に、互いに平行に向けられたそれぞれの回転軸を中心に回転可能である。
【0055】
単純な格子状の安定化要素の代わりに、昇降装置46に連結された移動式クレーンは、図10が例として示すように、より複雑な安定化装置46aによって互いに対してその位置に固定することもできる。安定化装置46aの場合、各下部走行体47に対してそれぞれのレセプタクル48が設けられており、その中に下部走行体47が後退することができ、その中に下部走行体47が固定される、または留められる。この目的のために、レセプタクル48は、例えば、クランプ機構を備えることができる。レセプタクル48は、順次ロッド49によって接続されて、この場合は長さが可変であり、したがってそれらの位置において互いに対して固定されている。
【0056】
図11はまた、それぞれの下部走行体52を有する昇降装置50に連結された3つの移動式クレーン51を示している。各下部走行体52は、地面または準表面に載置された安定化要素8から形成された長方形の内部に配置され、それぞれの下部走行体52の長手方向軸に平行に配向された安定化要素8は、支持シリンダまたはその圧力スピンドルで前記下部走行体に接続されている。長方形が安定化要素8から形成され、下部走行体52に接続された結果として、有効接触面、したがってその傾斜の抵抗または安定性が、各下部走行体52について増加する。さらに、安定化要素8から形成された長方形の3つすべては、いずれの場合も、それぞれの下部走行体52の長手方向軸に平行に配向された安定化要素8の1つが正三角形の辺を形成するように互いに接続されている。長方形間のこの接続の結果として、下部走行体52の位置も互いに対して固定され、それによって、昇降装置50に必要な軸受の不変の固定が、そのブーム19に対して達成される。
【0057】
前述の実施形態によって既に分かっているように、安定化要素8は、一方では昇降装置の個々の軸受またはそれらの位置を互いに対して固定するために、他方では昇降装置全体の安定性を高めるために、様々な方法で互いに組み合わせることができる。これらの可能性のいくつかを図12a)~d)に示す。
【0058】
したがって、例えば、図12a)は、それぞれの移動式クレーンの3つの下部走行体52を示しており、これらは、安定化要素8によって昇降装置のそれぞれの軸受のベース要素またはベースとして互いに連結され、したがって互いに対してそれらの位置に固定される。これにより、安定化要素8は、互いに接続されて正三角形を形成し、各下部走行体52は、この三角形の外側に配置され、安定化要素8のそれぞれに接続される。この構成は、図5の安定化要素35の構成に実質的に対応するが、図5に存在する安定化要素35が、図12a)の構成に欠けている。
【0059】
図12b)では、図12a)の構成は、安定化要素8から形成された外側の三角形によってさらに囲まれているか、または3つの下部走行体52を含む図12a)に示す構成が、安定化要素8から形成された外側の三角形の内部に配置され、下部走行体52の各々は、外側の三角形の安定化要素8のそれぞれに接続されている。
【0060】
図12c)に示す構成はまた、安定化要素8から形成された内側の三角形および外側の三角形を有する。しかし、全体的な安定性を高めるために、外側の三角形および内側の三角形のそれぞれの対向する頂点が、追加の安定化要素8によって互いに接続されている。
【0061】
最終的に、図12d)では、図12a)の構成は、外側の三角形の代わりに互いに接続された6つの安定化要素8から形成された六角形によって囲まれているか、または図12a)の構成は、そのような六角形の内部に全体が配置されている。これにより、下部走行体52のそれぞれの長手方向軸に平行に延びる六角形の3つの安定化要素8が下部走行体52に接続され、残りの3つの安定化要素8の各々は、その中心に当接する内側の三角形のそれぞれの頂点に接続される。
【0062】
繰り返し上述した安定化装置と下部走行体との間の接続を明確にするために、前述の下部走行体52のうちの1つを再び、空間的な表現で一度、また上面図で一度、図13にて見ることができる。その追加の支持のために、下部走行体52は、4つの支持ビーム54、55、56、57が属する支持装置53を有する。これらの支持ビーム54、55、56、57から、下部走行体52の進行方向58に対して、第1の支持ビーム54および第2の支持ビーム55が下部走行体52の左側から延び、第3の支持ビーム56および第4の支持ビーム57が下部走行体52の右側から延びる。下部走行体52から背を向けた支持ビーム54、55、56、57の各々の自由端には、いずれの場合も、支持プレート60を備えた加圧スピンドルまたは支持シリンダ59が配置されており、それによって、下部走行体52が支持されている。
【0063】
下部走行体52、したがって下部走行体52を有する昇降装置の安定性をさらに高めるために、安定化装置61が下部走行体52の支持装置53に接続される。安定化装置61は、正方形の断面を有する細長い格子構造として設計された合計4つの安定化またはベース要素62、63、64、65と、ベース要素62、63、64、65が支持装置53のそれぞれの支持シリンダ59に着脱可能に接続される接続手段66とを有する。したがって、それぞれの接続手段66が、第1のベース要素62の両端に設けられ、この接続手段によって、第1のベース要素62は、第3の支持ビーム56および第4の支持ビーム57のそれぞれの支持シリンダ59に着脱可能に接続される。これに対応して、それぞれの接続手段66が、第2のベース要素63の両端に設けられ、その接続手段により、第2のベース要素63は、第1の支持ビーム54および第2の支持ビーム55のそれぞれの支持シリンダ59に着脱可能に接続される。加えて、同時に、第3のベース要素64および第4のベース要素65のそれぞれの端部が後者の接続手段66に配置され、その結果、第3のベース要素64は、第1の支持ビーム54の支持シリンダ59に接続された接続手段66に取り付けられ、第4のベース要素65は、第2の支持ビーム55の支持シリンダ59に接続された接続手段66に取り付けられる。したがって、第3のベース要素64および第2のベース要素63は、同じ接続手段66によって第1の支持ビーム54の支持シリンダ59に接続され、第4のベース要素65および第2のベース要素63は、同じ接続手段66によって第2の支持ビーム55の支持シリンダ59に接続される。
【0064】
これにより、すべてのベース要素62、63、64、65は水平に配向され、これは、それらの長手方向軸が水平に整列していることを意味する。第1のベース要素62および第2のベース要素63の両方の長手方向軸は、移動方向58と順次一致する下部走行体52の長手方向軸と平行に延びているが、第3のベース要素64および第4のベース要素65のそれぞれの長手方向軸は、第1のベース要素62および第2のベース要素63の長手方向軸と、下部走行体52の長手方向軸またはその移動方向58の両方で角度を囲むか、またはこれらに対して斜めに位置合わせされる。
【0065】
安定化装置61は、様々な理由で、下部走行体52を有する昇降装置の不動または安定性に有利な効果を有する。したがって、一方では、第1のベース要素62および第2のベース要素63がある結果として、下部走行体52自体の剛性が増す。一方、下部走行体52から離れるように斜めに延びる第3のベース要素64、および第2のベース要素63は、昇降装置の有効接触面の拡大をもたらすか、または下部走行体52を支持する準表面の追加の支持をもたらす。したがって、全体として、昇降装置は、安定化装置61がない場合よりも実質的に良好に安定化される。例えば、安定化装置61と支持装置53との間の適切な接続により、安定化装置61で安定化された昇降装置は、安定化装置53なしで上昇することができる同じ昇降装置よりも実質的に大きなアウトリーチで、顕著に重い荷を上昇させることができる。
【0066】
図14は、線A-Aに沿った接続手段66を通る断面の空間図、側面図、および上面図で、接続手段66の一方を一度示す。接続手段66は、開口式の直方体の空洞68を有する実質的に立方体形状のハウジング本体67を有する。空洞68には、移動可能な走行体69が配置されており、これは、2つの関節式グリッパアーム71を有するピン状またはクランプ状の把持手段70を担持する。アクチュエータ72によって、把持アーム71は、把持アーム71間に位置する物体をクランプ式で把持する閉状態と、物体を解放する開状態との間で移動することができる。図14では、走行体69は、ハウジング本体67から延出した状態で示されている。接続手段66が使用されない場合、把持手段70を含む走行体69をハウジング本体67内に引き込むことができ、その結果、走行体69および把持手段70は空洞68の内部に完全に収容される。さらに、接続手段66は、ハウジング本体67のその側に突出するプレート状要素またはプレート要素73を有し、その上に走行体69がハウジング本体67から延出する。このプレート要素73は、延長させた走行体69から準表面に向かってオフセットして配置され、前記準表面に平行に配向され、したがって、準表面に向かって垂直方向に延長走行体69から離間している。
【0067】
ここで、接続手段66によって、任意の方法で前記接続手段に連結または接続されたベース要素62、63、64、65のうちの1つを下部走行体52の支持装置53に接続するために、最初に、支持装置53の支持プレート60のうちの1つがプレート要素73に配置され、一方、走行体69は休止位置をとり、走行体69および把持手段70はハウジング本体67内に完全に引き込まれる。そのとき、走行体69は、ハウジング本体67の外部に延出される。このプロセスの間、把持アーム71は開状態をとる。走行体69の延長状態では、把持アーム71の間に支持プレート60に連結された支持シリンダ59が位置している。ここで、前記把持アームは、アクチュエータ72によって閉状態に移り、それらの間に支持シリンダ59を締め付け、それによって支持シリンダ59と把持手段70との間、したがって支持装置53と接続手段66またはそれぞれのベース要素62、63、64、65との間に、接続が確立される。この接続を解除するために、把持アーム71はアクチュエータ72によって開状態に移行し、それによって支持シリンダ59が解放され、走行体69は把持手段70と共に、ハウジング本体67の内部に再び後退する。
【符号の説明】
【0068】
1 昇降装置
2 ブーム
3 伸縮要素
3a 固定されたラチスジブ
4 第1の端部
5 第2の端部
6 連結手段
7 軸受
8 安定化要素
9 ウエイト体
10 凹部
11 ベース
12 回転要素
13 溝
14 昇降装置
15 クローラシャーシ
16 クローラチェーン
17 ローラ
18 昇降装置
19 ブーム
20 第1の端部
21 第2の端部
22 誘導装置
23 搬送ケーブル
24 軸受
25 ベース
26 上部構造
27 アクチュエータ
28 昇降装置
29 軸受
30 ベース
31 昇降装置
32 ベース
33 支持ビーム
34 安定化要素
34a 接続手段
35 安定化手段
36 昇降装置
37 風力発電プラント
38 連結手段
39 中心体
40 突起
41 貫通孔
42 連結手段
43 溝
44 連結手段
45 副要素
46 昇降装置
46a 安定化要素
47 下部走行体
48 レセプタクル
49 ロッド
50 昇降装置
51 移動式クレーン
52 下部走行体
53 支持装置
54 第1の支持ビーム
55 第2の支持ビーム
56 第3の支持ビーム
57 第4の支持ビーム
58 移動方向
59 支持シリンダ
60 支持プレート
61 安定化装置
62 第1のベース要素
63 第2のベース要素
64 第3のベース要素
65 第4のベース要素
66 接続手段
67 ハウジング本体
68 空洞
69 走行体
70 把持手段
71 把持アーム
72 アクチュエータ
73 プレート要素

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12a)】
図12b)】
図12c)】
図12d)】
図13
図14
【国際調査報告】