(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-26
(54)【発明の名称】スルホニルジアゾール、N-(フルオロスルホニル)アゾール、及びそれらを製造する方法
(51)【国際特許分類】
C07D 233/84 20060101AFI20220519BHJP
B01J 31/02 20060101ALI20220519BHJP
B01J 23/02 20060101ALI20220519BHJP
C07D 249/12 20060101ALI20220519BHJP
C07D 231/18 20060101ALI20220519BHJP
C07D 249/18 20060101ALI20220519BHJP
C07D 235/22 20060101ALI20220519BHJP
【FI】
C07D233/84 CSP
B01J31/02 102Z
B01J23/02 Z
C07D249/12 509
C07D231/18
C07D249/18 502
C07D235/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559568
(86)(22)【出願日】2020-04-06
(85)【翻訳文提出日】2021-10-06
(86)【国際出願番号】 US2020026957
(87)【国際公開番号】W WO2020210174
(87)【国際公開日】2020-10-15
(32)【優先日】2019-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502223275
【氏名又は名称】トリナプコ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105360
【氏名又は名称】川上 光治
(74)【代理人】
【識別番号】100145023
【氏名又は名称】川本 学
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,マーティン,リード
【テーマコード(参考)】
4G169
【Fターム(参考)】
4G169AA06
4G169BE14B
4G169BE20A
4G169BE20B
4G169CB25
4G169DA02
(57)【要約】
本開示は、N-(フルオロスルホニル)アゾール、スルホニルジアゾール、又はそれらの関連誘導体を製造するための方法、並びにN-(フルオロスルホニル)アゾール、スルホニルジアゾール、及びそれらの関連誘導体を含む関連製品を提供する。例えば、N-(フルオロスルホニル)アゾールは、フッ化スルフリルと、アゾール、アゾールアニオン化合物、シリルアゾール、又はそれらの組み合わせとの反応によって得られる。対称及び非対称スルホニルジアゾールは、そのようなN-(フルオロスルホニル)アゾールと、アゾール、アゾールアニオン化合物、又はシリルアゾールとの更なる反応によって得られる。スルホニルジアゾールは、フッ化スルフリルを、アゾール、シリルアゾール、又はそれらの組み合わせとワンポットで反応させることによっても製造することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のアゾール塩基構造(アゾール1)を有するN-(フルオロスルホニル)アゾ
ール(アゾール1-SO
2F)を、第2のアゾール塩基構造(アゾール2)を有するプ
ロトン性アゾール又はアゾールアニオン化合物と反応させるステップと、
N,N’-スルホニルジアゾール(アゾール1-SO
2-アゾール2)を単離するス
テップとを含む、方法。
【請求項2】
前記第1のアゾール塩基構造及び前記第2のアゾール塩基構造は、イミダゾール、ピラゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インダゾール、2-メチルイミダゾール、2-メチルベンズイミダゾール、及び3,5-ジメチルピラゾールからなる群から独立して選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のアゾール塩基構造(アゾール1)と前記第2のアゾール塩基構造(アゾール2)は同じである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記アゾールアニオン化合物は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、及びマグネシウムからなる群から選択される金属のカチオンを有するアゾールアニオン塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記アゾールアニオン化合物は、前記プロトン性アゾール(アゾール2)及び金属炭酸塩に由来し、前記金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、及びマグネシウムからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記アゾールアニオン化合物は、前記プロトン性アゾール(アゾール2)及び非プロトン性塩基、又は前記塩基としての前記プロトン性アゾール(アゾール2)に由来する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記アゾールアニオン化合物は、塩基性触媒の存在下で、第2のアゾール塩基構造(アゾール2)を有するN-(トリアルキルシリル)アゾールに由来する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記N-(トリアルキルシリル)アゾールは、N-(トリメチルシリル)アゾールである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記塩基性触媒は、前記プロトン性アゾール(アゾール2)のアニオン塩、並びにリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、及びマグネシウムからなる群から選択される金属のカチオンからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記塩基性触媒は、非プロトン性有機塩基又は前記プロトン性アゾール(アゾール2)である、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
N-(フルオロスルホニル)アゾール(アゾール1-SO
2F)を、非プロトン性溶媒の存在下で前記プロトン性アゾール又は前記アゾールアニオン化合物と反応させる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のアゾール塩基構造(アゾール1)及び前記第2のアゾール塩基構造(アゾール2)はイミダゾール又はベンズイミダゾールである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
フッ化スルフリル(SO
2F
2)を、第1のアゾール塩基構造(アゾール1)を有す
るアゾール又はアゾールアニオン化合物と反応させるステップと、
N,N’-スルホニルジアゾール(アゾール1-SO
2-アゾール1)を単離するス
テップとを含む、方法。
【請求項14】
前記第1のアゾール塩基構造は、イミダゾール、ピラゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インダゾール、2-メチルイミダゾール、2-メチルベンズイミダゾール、及び3,5-ジメチルピラゾールからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記アゾールアニオン化合物は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、及びマグネシウムからなる群から選択される金属のイオンを有するアゾールアニオン塩である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記アゾールアニオン化合物は、プロトン性アゾール及び金属炭酸塩に由来し、前記金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、及びマグネシウムからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記アゾールアニオン化合物は、プロトン性アゾール及び非プロトン性塩基、又は前記塩基としてのプロトン性アゾールに由来する、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記アゾールアニオン化合物は、塩基性触媒の存在下で、第1のアゾール塩基構造を有するN-(トリアルキルシリル)アゾールに由来する、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
フッ化スルフリル(SO
2F
2)を、第1のアゾール塩基構造(アゾール1)を有す
るN-(トリアルキルシリル)アゾールと反応させるステップと、
N-(フルオロスルホニル)アゾール(アゾール1-SO
2F)を単離するステップ
とを含む、方法。
【請求項20】
前記第1のアゾール塩基構造は、イミダゾール、ピラゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インダゾール、2-メチルイミダゾール、2-メチルベンズイミダゾール、及び3,5-ジメチルピラゾールからなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記N-(トリアルキルシリル)アゾールは、N-(トリメチルシリル)アゾールである、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記反応は、非プロトン性溶媒又は塩基性触媒、あるいはその両方の存在下で行われる、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記塩基性触媒は、非プロトン性有機塩基又は塩基としての前記プロトン性アゾール1である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記塩基性触媒は、プロトン性アゾール(アゾール1)のアニオン塩、並びにリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、及びマグネシウムからなる群から選択される金属のイオンからなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記N-(フルオロスルホニル)アゾール(アゾール1-SO
2F)を、第2のN-(トリアルキルシリル)アゾール又は第2のアゾール塩基構造(アゾール2)を有するアゾールアニオン塩と反応させて、N、N’-スルホニルジアゾール(アゾール1-SO
2-アゾール2)を得るステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記第1のアゾール塩基構造及び前記第2のアゾール塩基構造は同じであり、フッ化スルフリル(SO
2F
2)を、ワンポットで前記第1のN-(トリアルキルシリル)アゾールと直接反応させて、対称スルホニルジアゾールを得る、請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、アゾール誘導体の化学合成に関するものである。より具体的には、開示された主題は、N-(フルオロスルホニル)アゾール、スルホニルジアゾール、又はそれらの関連誘導体を製造するためのプロセスに関するものである。
【0002】
優先権の主張及び相互参照
本願は、2019年4月6日に出願された米国仮出願第62/830,433号、及び2019年4月19日に出願された米国仮出願第62/836,090号の利益を主張するものであり、これらの出願の全体は、参照により本明細書に明示的に援用される。
【背景技術】
【0003】
N,N’-スルホニルジイミダゾール(又は1,1’-スルホニルジイミダゾール)の式はSO2Im2であり、式中、Imはイミダゾリルを表す。SO2Im2は、文献において約150個の異なる反応で使用され、世界中に約300件の特許及び出願に記載される。関連の総説は、Abdoli,M.;Saeidian,H.Journal of Sulfur Chemistry 2015,36,556-582;Behme,C.;Keith,J.M.Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,doi:10.1002/047084289X.rs141.pub2に記載される「N,N’-スルフリルジイミダゾール」を含む。SO2Im2は、例えば、特開2002-280063号公報に開示されるように、リチウムイオン電池用の添加剤としても使用される。
【0004】
SO2Im2は、1966年にイミダゾールと塩化スルフリル(SO2Cl2)から初めて調製される(Staab,H.A.;Wendel,K.Justus Liebigs Annalen der Chemie 1966,694,86-90)。そのような方法は、SO2Im2の製造に最も広く使用される。SO2Im2は、N-(トリメチルシリル)イミダゾール(Me3SiIm)とSO2Cl2からも調製された(Selezneva,E.S.;Belousova,Z.P.;Gusak,L.A.;Zvyagina,E.A.;Purygin,P.P.Pharmaceutical Chemistry Journal 1992,26,259-262)。
【0005】
スルホニルビス(2-メチルイミダゾール)の調製と使用は文献において数回報告され、スルホニルビス(2-メチルイミダゾール)はすべて、ジクロロメタン中の過剰な2-メチルイミダゾールとSO2Cl2との反応によって調製される。SO2Im2とスルホニルビス(2-メチルイミダゾール)を除き、他のスルホニルビスイミダゾールは知られていない。
【0006】
SO2Im2及びスルホニルビス(2-メチルイミダゾール)に加えて、文献において報告された他のスルホニルビサゾールには、スルホニルビス-(1,2,4-トリアゾール)及びスルホニルジピラゾールなどのいくつかの化合物が含まれる。
【0007】
1-(トリメチルシリル)-1,2,4-トリアゾール(Me3SiTz)及び1-(トリメチルシリル)ピラゾール(Me3SiPz)のそれぞれとペンタン中のSO2Cl2との反応によって、スルホニルビス-(1,2,4-トリアゾール)(SO2Tz2)及びスルホニルジピラゾール(SO2Pz2)を調製した(Schroter,M.;Borrmann,T.;Knapp,C.;Lork,E.;Mews,R.;Stohrer,W.-D.Zeitschrift fur anorganische und allgemeine Chemie 2003,629,1300-1307)。Me3SiTz/SO2Cl2を使用するが、トルエンにSO2Tz2も調製した。
【0008】
他の2つのスルホニルジピラゾール、並びにいくつかのN-フルオロスルホニル-ピラゾール、及びN-フルオロスルホニル-ベンゾトリアゾールの調製も報告された。N-(フルオロスルホニル)ピラゾール(「FSO2Pz」)、いくつかの置換N-(フルオロスルホニル)ピラゾール、及びN-(フルオロスルホニル)ベンゾトリアゾールを、1992年にShevelevらによって初めて調製した(Shevelev,S.A.,V.M.Vinogradov,I.L.Dalinger,B.I.Ugrak,A.A.Fainzilberg and V.I.Fillipov,Bulletin of the Russian Academy of Sciences,Division of Chemical Science 1992,41(10):1901-1909)。アゾールの金属塩は、塩基性均一及び塩基性相間移動条件下で化合物O-フルオロスルホニル-N,N-ジフルオロヒドロキシルアミン(FSO2ONF2)と共に、それぞれのN-(フルオロスルホニル)アゾールを得た。0℃未満の冷却温度を必要とし、収率は殆ど50%未満であった。
【0009】
Shevelevはまた、アセトニトリル中での若干過剰の適切なリチウムピラゾールと対応するN-(フルオロスルホニル)ピラゾールとの反応による、スルホニルビス(4-クロロピラゾール)及びスルホニルビス(4-ニトロピラゾール)の合成についても説明した。Shevelevはまた、これらの同じ2つのスルホニルジピラゾールが対応するN-(フルオロスルホニル)ピラゾールの不均化反応によって生成されたことも報告した。この不均化反応では、非プロトン性条件下で可溶性の溶解した金属フッ化物を使用する必要があった。これらは、いずれかの条件セット下でスルホニルビスアゾールを形成するように報告された2つのN-(フルオロスルホニル)ピラゾールのみであり、それらの弱酸性度が授権の原因として挙げられた。
【0010】
N-(フルオロスルホニル)イミダゾール(FSO2Im)は、後に放棄された国際出願番号WO2018/157240のHammamiの名義での理論的特許出願に初めて記載された。Hammamiは、塩基性条件下でのSO2F2とイミダゾールの反応によりFSO2Imが得られると予測した。2018年、Dong、Guoとそれらの同僚(「DongとGuo」)は、固体炭酸ナトリウムを塩基としてアゾールのアセトニトリル溶液にガス状SO2F2を注入することにより、イミダゾール、多数のイミダゾール誘導体、ベンズイミダゾール、及び2-メチルベンズイミダゾールを用いてHammamiの方法を実践に適するように簡略化した(Dong,J;Yang,Q.;Guo,T.;Zhan,X.;Meng,G.;国際公開第2019/101132号及び中国特許出願第2018/107857730号;Guo,T.;Meng,G.;Zhan,X.;Yang,Q.;Ma,T.;Xu,L.;Sharpless,K.B.;Dong,J.,Angewandte Chemie International Edition 2018,57,2605-2610も参照)。DongとGuoはフルオロスルホニルアゾール中間体を単離せず、それらは更なる反応のために溶液中に残され、中間体溶液の化学組成の詳細のみがごくわずかに記載された。DongとGuoによって調製された中間体溶液中のスルホニルビスアゾールについてはいずれも言及されなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2002-280063号公報
【特許文献2】国際公開第2019/101132号
【特許文献3】中国特許出願公開第2018/107857730号
【特許文献4】米国特許第8889872号
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】SHEVELEV, S.A., et al. "Reaction of NH-azoles with O-fluorosulfonyl-N,N-difluorohydroxylamine. Synthesis of N-fluorosulfonylazoles", Bulletin of the Russian Academy of Sciences, Division of chemical science, 1992, Vol. 41, No. 10, pp.1901-1909
【発明の開示】
【0013】
スルホニルジイミダゾール(SO2Im2)は有用であることが知られているが、現在はかなり高価であり、その高コストによってそれがより広く普及されることが妨げられる。根本的な理由の1つは、SO2Im2を製造するための現在の方法がすべて、反応物としてSO2Cl2を利用することである。SO2Cl2は腐食性と毒性の高い液体であり、関連製造プロセスに更なるコストがかかってしまう。
【0014】
したがって、異なる種類のN-(フルオロスルホニル)アゾール、スルホニルジアゾール、又はそれらの関連誘導体を製造するためのより多くの能力を備えた、より安全でより安価な新規プロセスを含ませることが望ましい。
【0015】
発明の概要
本開示は、N-(フルオロスルホニル)アゾール、スルホニルジアゾール、又はそれらの関連誘導体、及び得られた生成物を製造するための方法を提供する。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、本開示は、フッ化スルフリルとアゾール、アゾールアニオン化合物(例えば、塩)、シリルアゾール、又はそれらの組み合わせとの反応によってN-(フルオロスルホニル)アゾールを得る方法を提供する。本開示はまた、N-(フルオロスルホニル)アゾールとアゾール、アゾールアニオン化合物、シリルアゾール、又はそれらの組み合わせとの更なる反応によって対称及び非対称のスルホニルジアゾールを得る方法を提供する。これらの反応を単一のポットで組み合わせて、フッ化スルフリルから直接スルホニジイミダゾールなどの対称スルホニルジアゾールを生成することができる。使用されるアゾールの例は、イミダゾール、ピラゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インダゾール、及びそれらの置換誘導体を含むが、これらに限定されない。
【0017】
一態様では、本開示は、第1のアゾール塩基構造(アゾール1)を有するN-(フルオロスルホニル)アゾール(アゾール1-SO2F)を使用してN,N’-スルホニルジアゾールを製造するための一つの例示的な方法を提供し、該N-(フルオロスルホニル)アゾールは、第2のアゾール塩基構造(アゾール2)を有するアゾール又はアゾールアニオン化合物と反応する、そのような反応は、必要に応じて非プロトン性溶媒の存在下で行われ、N,N’-スルホニルジアゾール(アゾール1-SO2-アゾール2)を生成する。N,N’-スルホニルジアゾール(アゾール1-SO2-アゾール2)を単離することが
できる。
【0018】
第1及び第2のアゾール塩基構造を有する本明細書で使用されるアゾール構造は、任意の適切なアゾール構造、好ましくはプロトン性アゾールを有し得る。いくつかの実施形態では、プロトン性アゾール構造は、アゾール環構造の窒素原子と結合した水素を含む。アゾール塩基構造の例は、イミダゾール、ピラゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インダゾール、2-メチルイミダゾール、2-メチルベンズイミダゾール、及び3,5-ジメチルピラゾールを含むが、これらに限定されない。
【0019】
N,N’-スルホニルジアゾールは対称又は非対称であってもよい。いくつかの実施形態では、第1のアゾール塩基構造(アゾール1)と第2のアゾール塩基構造(アゾール2)は同じである。N,N’-スルホニルジアゾールは対称である。いくつかの実施形態では、第1のアゾール塩基構造(アゾール1)と第2のアゾール塩基構造(アゾール2)は異なる。N,N’-スルホニルジアゾールは非対称である。
【0020】
本明細書に記載の1つ以上の反応は、場合によって非プロトン性溶媒の存在下で行われ得る。適切な非プロトン性溶媒の例は、アセトニトリル、ジクロロメタン、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、メチルシクロペンチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、トルエンなど、及びそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、反応物は溶媒に懸濁又は溶解され得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、アゾールアニオン化合物は、金属のカチオンを有するアゾールアニオン塩である。適切な金属の例は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0022】
いくつかの実施形態では、アゾールアニオン化合物は、アゾール2及び金属炭酸塩などの遊離のプロトン性アゾールに由来する。金属炭酸塩中の金属の例は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、及びマグネシウムを含むが、これらに限定されない。
【0023】
いくつかの実施形態では、アゾールアニオン化合物は、プロトン性アゾール(アゾール2)及び非プロトン性塩基、又は塩基としてのプロトン性アゾール(アゾール2)に由来する。
【0024】
いくつかの実施形態では、アゾールアニオン化合物は、塩基性触媒の存在下で第2のアゾール塩基構造(アゾール2)を有するN-(トリアルキルシリル)アゾールなどのシリアゾールに由来する。例えば、N-(トリアルキルシリル)アゾールは、いくつかの実施形態では、N-(トリメチルシリル)アゾールである。
【0025】
いくつかの実施形態では、そのような塩基性触媒は、プロトン性アゾール(アゾール2)のアニオン塩、及びリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、及びマグネシウムなどの金属のカチオンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、塩基性触媒は、非プロトン性有機塩基又はプロトン性アゾール(アゾール2)である。適切な非プロトン性有機塩基の例は、トリエチルアミンなどの第三級アミン、1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン(DBU)、ホスファゼン、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0026】
別の態様では、本開示は、単一のポットで対称N,N’-スルホニルジアゾールを直接生成するための方法を提供する。フッ化スルフリル(SO2F2)を、非プロトン性溶媒の存在下で、第1のアゾール塩基構造を有する(例えば、アゾール1)アゾール又はアゾールアニオン化合物と反応させる。N,N’-スルホニルジアゾール(アゾール1-SO2-アゾール1)を単離する。
【0027】
適切なアゾール塩基構造の例は、イミダゾール、ピラゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インダゾール、2-メチルイミダゾール、2-メチルベンズイミダゾール、及び3,5-ジメチルピラゾールを含むが、これらに限定されない。
【0028】
そのような反応は、本明細書に記載されるような塩基性触媒の存在下で必要に応じて実施され得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、アゾールアニオン化合物は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、又はそれらの組み合わせであり得る金属のイオンを有するアゾールアニオン塩である。
【0030】
いくつかの実施形態では、アゾールアニオン化合物は、アゾール1及び金属炭酸塩などの遊離のプロトン性アゾールに由来する。金属炭酸塩中の金属の例は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、及びマグネシウムを含むが、これらに限定されない。
【0031】
いくつかの実施形態では、アゾールアニオン化合物は、プロトン性アゾール(アゾール1)及び非プロトン性塩基、又は塩基としてのプロトン性アゾール(アゾール1)に由来する。
【0032】
いくつかの実施形態では、アゾールアニオン化合物は、塩基性触媒の存在下で第2のアゾール塩基構造(アゾール1)を有するN-(トリアルキルシリル)アゾールなどのシリアゾールに由来する。例えば、N-(トリアルキルシリル)アゾールは、N-(トリメチルシリル)アゾールである。
【0033】
別の態様では、本開示は、N-(フルオロスルホニル)アゾール、又はN,N’-スルホニルジアゾール、或いはその両方を生成するための別の方法を提供する。そのような方法では、SO2F2を、非プロトン性溶媒又は塩基性触媒、或いはその両方の存在下で、場合によって第1のアゾール塩基構造(アゾール1)を有する第1のシリルアゾールと反応させて、N-(フルオロスルホニル)アゾール(アゾール1-SO2F)を提供する。N-(フルオロスルホニル)アゾールは、反応中間体として使用され得るか、又は場合によって、例えば、蒸留により単離され得る。シリアゾールは、N-(トリメチルシリル)アゾールなどのN-(トリアルキルシリル)アゾールであり得る。
【0034】
本明細書に記載されるように、アゾール塩基構造は、任意の適切な構造、例えば、イミダゾール、ピラゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インダゾール、2-メチルイミダゾール、2-メチルベンズイミダゾール、及び3,5-ジメチルピラゾールを有し得る。適切な非プロトン性溶媒及び適切な塩基性触媒の例は上述される。
【0035】
いくつかの実施形態では、塩基性触媒は、非プロトン性有機塩基又は塩基としてのアゾール1などのプロトン性アゾールである。いくつかの実施形態では、塩基性触媒は、プロトン性アゾール(アゾール1)のアニオン塩、並びにリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、及びマグネシウムからなる群から選択される金属のイオンからなる群から選択される。非プロトン性有機塩基の例は、トリエチルアミンなどの第三級アミン、1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン(DBU)、ホスファゼン、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0036】
いくつかの実施形態では、該方法は、N-(フルオロスルホニル)アゾール(アゾール1-SO2F)を、必要に応じて非プロトン性溶媒又は非プロトン性触媒の存在下で、第2のシリゾール又は第2のアゾール塩基構造(アゾール2)を有するアゾールアニオン塩と反応させて、対称又は非対称であってもよいN,N’-スルホニルジアゾール(アゾール1-SO2-アゾール2)を得ることをさらに含む。例えば、第1及び第2のアゾール塩基構造は同じであり、フッ化スルフリル(SO2F2)をワンポットで第1のシリルアゾールと直接反応させて、対称スルホニルジアゾールを得る。N,N’-スルホニルジアゾールは、結晶化によって単離又はさらに精製され得る。
【0037】
本明細書に記載のN,N’-スルホニルジアゾールの例は、N,N’-スルホニルジイミダゾール(SO2lm2)、1,1’-スルホニルビス(2-メチル-1H-イミダゾール)、1-(1H-イミダゾール-1-スルホニル)-1H-ピラゾール(ImSO2Pz)、及びスルホニルビス(3,5-ジメチルピラゾール)を含むが、それらに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本開示は、添付の図面と併せて読むと、以下の詳細な説明から最もよく理解される。一般的な実例に従って、図面の様々な特徴は必ずしも縮尺どおりではないことが強調される。それとは逆に、様々な特徴の寸法は、明確にするために任意に拡大又は縮小される。同様の参照番号は、仕様及び図面全体にわたって同様の特徴を示す。
【0039】
【
図1】
図1は、いくつかの実施形態による、N-(フルオロスルホニル)アゾール及び/又はN,N’-スルホニルジアゾールを調製するための例示的な方法を示す。スキーム1は、いくつかの実施形態による、フッ化スルフリル(SO
2F
2)を第1のアゾール塩基構造(アゾール1)を有するシリルアゾールと反応させて、N-(フルオロスルホニル)アゾール(アゾール1-SO
2F)を生成するステップを含む例示的な方法を示す。スキーム2は、いくつかの実施形態による、N-(フルオロスルホニル)アゾール(アゾール1-SO
2F)を第2のアゾール塩基構造(アゾール2)を有するアゾール又はアゾールアニオン化合物と反応させて、N,N’-スルホニルジアゾール(アゾール1-SO
2-アゾール2)を得るステップを含む例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下の説明のために、下記の実施形態により、代替の変形例及び実施形態を想定し得ることが理解される。本明細書に記載の特定の物品、組成物、及び/又はプロセスは例示的なものであり、限定的なものと見なされるべきではないことも理解される。
【0041】
本開示では、単数形「a」、「an」、及び「the」は複数形の言及を含み、特定の数値への言及は、文脈上特に明記されていない限り、少なくともその特定の値を含む。従って、例えば、「リング構造」への言及は、当業者に知られているそのような構造及びその同等物の1つ以上への言及などである。値が近似値として表される場合、先行詞「約」を使用することにより、特定の値が別の実施形態を形成することが理解される。本明細書で使用されるように、「約X」(ここで、Xは数値である)は、好ましくは、記載された値の±10%を指す。例えば、「約8」という句は、好ましくは、7.2から8.8の値を指し、別の例として、「約8%」という句は、好ましくは(常にではないが)7.2%から8.8%の値を指す。存在する場合、すべての範囲は包括的で組み合わせ可能である。例えば、「1から5」の範囲が記載される場合、記載された範囲は、「1から4」、「1から3」、「1~2」、「1~2と4~5」、「1~3と5」、「2~5」などの範囲を含むと解釈される。さらに、代替案のリストが積極的に提供される場合、そのようなリストは、例えば、請求項の否定的限定によって、代替案のいずれかが除外される可能性があることを意味すると解釈できる。例えば、「1から5」の範囲が記載される場合、記載された範囲は、1、2、3、4、又は5のいずれかが否定的に除外される状況を含むと解釈され得、従って、「1から5」の記載は、「1と3~5であるが、2ではない」か又は単に「2が含まれない」と解釈され得る。本明細書に積極的に記載されたいずれかの構成要素、要素、属性、又はステップは、そのような構成要素、要素、属性、又はステップが代替案として列挙されたか、又はそれらが単独で記載されたかに関わらす、特許請求の範囲から明示的に除外され得ることが意図される。
【0042】
本明細書で使用される「プロトン性」及び「非プロトン性」という用語は、窒素又は酸素原子に結合した水素原子の有無を指す。従って、「非プロトン性溶媒」という用語は、-OH又は-NH部分を有さない溶媒を指す。例えば、エチルエーテルは非プロトン性溶媒であり、エタノールはプロトン性溶媒である。アゾールはまた、プロトン性又は非プロトン性であってもよい。非プロトン性アゾールの例は、チアゾール及びオキサゾールである。プロトン性アゾールの例は、イミダゾール、ピラゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インダゾール、2-メチルイミダゾール、2-メチルベンズイミダゾール、及び3,5-ジメチルピラゾールを含むが、これらに限定されない。特に指示がない限り、本明細書に記載の「アゾール」への言及は、非プロトン性アゾールではなく、プロトン性アゾールを包含することが理解される。
【0043】
特に指示がない限り、本明細書に記載の「シリルアゾール」への言及は、プロトン性水素原子のみがトリアルキルシリル基で置換されたプロトン性アゾールを指す。例えば、1-(トリメチルシリル)イミダゾールはシリルアゾールである。シリコン原子が他の環原子に結合したアゾールは、本明細書で使用されるシリルアゾールの定義から除外される。例えば、2-(トリメチルシリル)イミダゾールは、本明細書で定義されるシリルアゾールではない。
【0044】
特に指示がない限り、本明細書に記載の「ポット」への言及は、反応を実行するか、又は反応の移送された内容物を保持するために使用されるフラスコ又はオートクレーブを指す。
【0045】
特に指示がない限り、本明細書に記載の「低圧」への言及は、大気圧以下での反応条件を指し、「高圧」という用語は、大気圧よりも高い反応条件を指す。「圧力下」という用語は、不特定の高圧を表すためにも使用される。
【0046】
本明細書で使用される「氷結」という用語は、氷と水の混合物中でポットを0から+4℃の温度範囲に冷却するプロセスを指す。
【0047】
本明細書で使用される「GCMS」という用語は、ガスクロマトグラフィ-質量分析の分析方法を指す。電荷対質量値は、「m/e」という用語の後に整数が続く形で報告さる。質量検出は電子衝撃によって行われた。
【0048】
本開示は、N-(フルオロスルホニル)アゾール、スルホニルジアゾール、又はそれらの関連誘導体を製造するための方法、並びにN-(フルオロスルホニル)アゾール、スルホニルジアゾール、及びそれらの関連誘導体を含む関連製品を提供する。
【0049】
いくつかの実施形態では、本開示は、プロセスストリームだけでなく、簡略化された非水性後処理手順からもSO2Cl2の除去により、SO2Im2などのスルホニルジアゾールの低コスト製造を可能にする。
【0050】
本発明者は、イミダゾリドとフッ化スルフリル(SO2F2)との反応にイミダゾリドを得るのに十分な強さの金属塩基が使用される場合、Hammamiの予言的特許出願は不正確であり、FSO2Imではなく、スルホニルジイミダゾール(SO2Im2)が優勢であることを見出した。この発見は、イミダゾール以外の他のアゾールにも及ぶ。
【0051】
本発明者はまた、DongとGuoによって使用された方法の修正された条件下で、SO2Im2が82%ほど高い精製収率で主要な生成物として製造できることを発見した。
【0052】
本発明者はさらに、N-(フルオロスルホニル)アゾールがShevelevの限られた発見以上に反応性が高いことを発見した。FSO2Imはイミダゾールと反応して、SO2Im2を得る。代わりにSO2F2を使用して、単一のポットでイミダゾールからSO2Im2を得ることができる。
【0053】
SO2F2は、溶媒の存在下でアゾールアニオン塩と反応する。これらの塩を、非プロトン性溶媒に懸濁するか、又はアゾールと金属炭酸塩との反応によって少量連続的に生成して、対称スルホニルジアゾールを得ることができる。
【0054】
N-(フルオロスルホニル)アゾールはアゾールアニオン塩と反応し、該アゾールアニオン塩は、そのアゾールアニオン塩場合によって非プロトン性溶媒に懸濁するか、又はアゾールと金属炭酸塩との反応によって少量連続的に生成され、対称及び非対称の両方のスルホニルジアゾールを得る。
【0055】
N-(フルオロスルホニル)アゾールは、場合によって塩基性触媒又は溶媒、或いはその両方の存在下でシリルアゾールと反応して、対称及び非対称スルホニルジアゾールを得る。
【0056】
フッ化スルフリルガスは、場合によって、反応条件に応じて、塩基性触媒、又は溶媒、或いはその両方の存在下でシリルアゾールと反応して、N-(フルオロスルホニル)アゾール又は対称スルホニルジアゾールのいずれかを優先的に得る。
【0057】
本発明のN-(フルオロスルホニル)アゾール生成物の精製は、蒸留によって最適に達成される。本発明のスルホニルジアゾール生成物の精製は、再結晶によって最適に達成される。
【0058】
本発明の多くの実施形態は、全液体反応物を使用するか、又は全液体ポットを容易に形成し、流動反応器での連続的で大規模な生成に適する。
【0059】
さらに広い態様では、本発明者らは、N-(フルオロスルホニル)アゾール、スルホニルジアゾール、又はそれらの関連誘導体を生成するための少なくとも3つの例示的な方法を見出した。
【0060】
第1の例示的な方法では、
図1のスキーム2に示されるように、第1のアゾール塩基構造(アゾール1-SO
2F)を有するN-(フルオロスルホニル)アゾールを、第2のアゾール塩基構造(アゾール2)を有するアゾール又はアゾールアニオン化合物と反応させて、N,N’-スルホニルジアゾール(アゾール1-SO
2-アゾール2)を生成する。そのような反応は、場合によって非プロトン性溶媒の存在下で実施される。N,N’-スルホニルジアゾール(アゾール1-SO
2-アゾール2)を単離することができる。
【0061】
第1及び第2のアゾール塩基構造は、任意の適切なアゾール構造、好ましくはプロトン性アゾール構造を有し得る。いくつかの実施形態では、プロトン性アゾール構造は、アゾール環構造の窒素原子と結合した水素を含む。アゾール塩基構造の例は、ベンズイミダゾール、ピラゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、インダゾール、インダゾール、2-メチルイミダゾール、2-メチルベンズイミダゾール、及び3,5-ジメチルピラゾールなどのイミダゾールを含むが、これらに限定されない。該説明は、本明細書に記載の各例示的な方法におけるすべてのアゾール構造に該当する。
【0062】
N,N’-スルホニルジアゾールは対称又は非対称であってもよい。いくつかの実施形態では、第1のアゾール塩基構造(アゾール1)と第2のアゾール塩基構造(アゾール2)は同じである。N,N’-スルホニルジアゾールは対称である。いくつかの実施形態では、第1のアゾール塩基構造(アゾール1)と第2のアゾール塩基構造(アゾール2)は異なる。N,N’-スルホニルジアゾールは非対称である。
【0063】
本明細書に記載の1つ以上の反応は、場合によって非プロトン性溶媒の存在下で行われ得る。適切な非プロトン性溶媒の例は、アセトニトリル、ジクロロメタン、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、メチルシクロペンチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、トルエンなど、及びそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、反応物は溶媒に懸濁又は溶解され得る。
【0064】
本明細書に記載の1つ以上の反応は、場合によって、塩基性触媒の存在下で行われ得る。適切な塩基性触媒の例は、非プロトン性有機塩基、金属水素化物、金属アルコキシド、金属水酸化物、金属炭酸塩、アルキルリチウム、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。適切な金属の例は、アルカリ金属(例えば、Na、K)及びアルカリ土類金属を含むが、これらに限定されない。
【0065】
いくつかの実施形態では、アゾールアニオン化合物は、金属のイオンを有するアゾールアニオン塩である。適切な金属の例は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0066】
いくつかの実施形態では、アゾールアニオン化合物は、アゾール2などの遊離アゾール、並びに金属水素化物、金属アルコキシド、金属水酸化物、金属炭酸塩、アルキルリチウム、及びそれらの組み合わせなどから選択された金属塩基に由来する。いくつかの実施形態では、アゾールアニオン化合物は、アゾール2及び金属炭酸塩などの遊離のプロトン性アゾールに由来する。金属炭酸塩中の金属の例は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、及びマグネシウムを含むが、これらに限定されない。
【0067】
いくつかの実施形態では、アゾールアニオン化合物は、プロトン性アゾール(アゾール2)及び非プロトン性塩基、又は塩基としてのプロトン性アゾール(アゾール2)に由来する。
【0068】
いくつかの実施形態では、アゾールアニオン化合物は、遊離アゾールとしてのアゾール2及び非プロトン性有機塩基に由来する。適切な非プロトン性有機塩基の例は、トリエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン(DBU)、ホスファゼン、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0069】
いくつかの実施形態では、アゾールアニオン化合物は、塩基性触媒の存在下で第2のアゾール塩基構造(例えば、アゾール2)を有するシリアゾールに由来する。いくつかの実施形態では、アゾールアニオン化合物は、塩基性触媒の存在下で第2のアゾール塩基構造(アゾール2)を有するN-(トリアルキルシリル)アゾールなどのシリアゾールに由来する。例えば、N-(トリアルキルシリル)アゾールは、いくつかの実施形態では、N-(トリメチルシリル)アゾールである。いくつかの実施形態では、そのような塩基性触媒は、プロトン性アゾール(アゾール2)のアニオン塩、及びリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、及びマグネシウムなどの金属のカチオンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、塩基性触媒は、非プロトン性有機塩基又はプロトン性アゾール(アゾール2)である。適切な非プロトン性有機塩基の例は、トリエチルアミンなどの第三級アミン、1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン(DBU)、ホスファゼン、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0070】
適切なN,N’-スルホニルジアゾールの例は、N,N’-スルホニルジイミダゾール(SO2lm2)、1,1’-スルホニルビス(2-メチル-1H-イミダゾール)、1-(1H-イミダゾール-1-スルホニル)-1H-ピラゾール(ImSO2Pz)、及びスルホニルビス(3,5-ジメチルピラゾール)を含むが、これらに限定されない。N,N’-スルホニルジアゾールは、再結晶によって単離又はさらに精製することができる。
【0071】
第2の例示的な方法では、対称N,N’-スルホニルジアゾールは単一のポットで直接生成される。本明細書に記載されるように、フッ化スルフリル(SO2F2)を、非プロトン性溶媒の存在下で、第1のアゾール塩基構造を有する(例えば、アゾール1)アゾール又はアゾールアニオン化合物と反応させる。N,N’-スルホニルジアゾール(アゾール1-SO2-アゾール1)を単離することができる。
【0072】
上記のように、適切なアゾール塩基構造の例は、イミダゾール、ピラゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インダゾール、インダゾール、2-メチルイミダゾール、2-メチルベンズイミダゾール、及び3,5-ジメチルピラゾールを含むが、これらに限定されない。そのような反応は、場合によって上記のように塩基性触媒の存在下で実施され得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、上記のように、アゾールアニオン化合物は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、又はそれらの組み合わせであり得る金属のイオンを有するアゾールアニオン塩である。
【0074】
いくつかの実施形態では、アゾールアニオン化合物は、アゾール1及び金属炭酸塩などの遊離のプロトン性アゾールに由来する。金属炭酸塩中の金属の例は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、及びマグネシウムを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アゾールアニオン化合物は、プロトン性アゾール(アゾール1)及び非プロトン性塩基、又は塩基としてのプロトン性アゾール(アゾール1)に由来する。いくつかの実施形態では、アゾールアニオン化合物は、塩基性触媒の存在下で第1のアゾール塩基構造(アゾール2)を有するN-(トリアルキルシリル)アゾールなどのシリアゾールに由来する。例えば、N-(トリアルキルシリル)アゾールは、N-(トリメチルシリル)アゾールである。
【0075】
第3の例示的な方法では、
図1のスキーム1及び2に示されるように、N-(フルオロスルホニル)アゾール、又はN、N’-スルホニルジアゾール、或いはその両方を生成することができる。SO
2F
2を、第1のアゾール塩基構造(アゾール1)を有する第1のシリルアゾールと反応させて、N-(フルオロスルホニル)アゾール(アゾール1-SO
2F)を得る。シリアゾールは、N-(トリメチルシリル)アゾールなどのN-(トリアルキルシリル)アゾールであり得る。そのような反応は、場合によって非プロトン性溶媒又は塩基性触媒、或いはその両方の存在下で実施される。N-(フルオロスルホニル)アゾールは、反応中間体として使用され得るか、又は場合によって、例えば、蒸留により単離され得る。上記のように、アゾール塩基構造は、任意の適切な構造、例えば、イミダゾール、ピラゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インダゾール、インダゾール、2-メチルイミダゾール、2-メチルベンズイミダゾール、及び3,5-ジメチルピラゾールを有し得る。適切な非プロトン性溶媒の例は、アセトニトリル、ジクロロメタン、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、メチルシクロペンチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、トルエン、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。適切な塩基性触媒の例は、上記のものを含む。いくつかの実施形態では、塩基性触媒は、非プロトン性有機塩基又は塩基としてのアゾール1などのプロトン性アゾールである。いくつかの実施形態では、塩基性触媒は、プロトン性アゾール(アゾール1)のアニオン塩、並びにリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、及びマグネシウムからなる群から選択される金属のイオンからなる群から選択される。非プロトン性有機塩基の例は、トリエチルアミンなどの第三級アミン、1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン(DBU)、ホスファゼン、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0076】
N-(フルオロスルホニル)アゾール(アゾール1-SO2F)を、場合によって非プロトン性溶媒又は非プロトン性触媒の存在下で、第2のアゾール塩基構造(アゾール2)を有する第2のシリゾール又はアゾールアニオン塩とさらに反応させて、N,N’-スルホニルジアゾール(アゾール1-SO2-アゾール2)を得ることができる。アゾール1とアゾール2は同じであっても異なっていてもよく、N,N’-スルホニルジアゾールは対称又は非対称であり得る。例えば、第1及び第2のアゾール塩基構造は同じであり、フッ化スルフリル(SO2F2)を、ワンポットで第1のシリルアゾールと直接反応させて、対称スルホニルジアゾールを得る。N,N’-スルホニルジアゾールは、結晶化によって単離又はさらに精製され得る。
【0077】
N,N’-スルホニルジアゾールの例は、N,N’-スルホニルジイミダゾール(SO2lm2)、1,1’-スルホニルビス(2-メチル-1H-イミダゾール)、1-(1H-イミダゾール-1-スルホニル)-1H-ピラゾール(ImSO2Pz)、及びスルホニルビス(3,5-ジメチルピラゾール)を含むが、これらに限定されない。
【0078】
フッ化スルフリル(SO2F2)との反応。
【0079】
SO2F2が反応物であり、スルホニルビスアゾールが所望の生成物であるいくつかの実施形態では、SO2F2とアゾール又はアゾール含有前駆体とのモル比は、好ましくは1:2に近い。SO2F2が反応物であり、スルホニルビスアゾールが所望の生成物であるいくつかの実施形態では、SO2F2とアゾール又はアゾール含有前駆体のモル比が1:2よりも大きい場合、中間体N-(フルオロスルホニル)アゾールの量の増加は、特にSO2F2が急速に添加され、中間体が適時にさらに反応しない場合、生成物を犠牲にして見つけることができる。
【0080】
SO2F2が反応物であり、SO2Im2が所望の生成物であり、非プロトン性有機塩基を使用するいくつかの実施形態では、SO2F2とイミダゾールのモル比は、好ましくは1:2未満、より好ましくは約1:4である。
【0081】
SO2F2が反応物であり、N-(フルオロスルホニル)アゾールが所望の生成物であるいくつかの実施形態では、SO2F2とアゾール又はアゾール含有前駆体とのモル比は、好ましくは1:1以上である。SO2F2が反応物であり、N-(フルオロスルホニル)アゾールが所望の生成物であるいくつかの実施形態では、1:1を超えるモル比を使用すると、N-(フルオロスルホニル)アゾールの収率を高めることができる。
【0082】
SO2F2が反応物であり、N-(フルオロスルホニル)アゾールが所望の生成物であるいくつかの実施形態では、より低い温度が好ましい可能性がある。
【0083】
SO2F2が反応物であり、スルホニルジアゾールが所望の生成物であるいくつかの実施形態では、より高い温度が好ましい可能性がある。
【0084】
SO2F2とイミダゾールとの反応スルホニルジイミダゾール(SO2lm2)。
【0085】
いくつかの実施形態では、SO2F2は、無水条件下で、イミダゾールのアセトニトリル溶液及び金属炭酸塩などの金属塩基の懸濁液を含む密封容器に低圧で導入される。溶解したイミダゾールは、おそらく固体炭酸塩の表面又はその近くで、その陰イオンと平衡状態で存在する。いくつかの溶解した遊離イミダゾリドも存在する可能性がある。ポットにSO2F2を加えると、発熱反応を引き起こす。炭酸カリウム(K2CO3)を使用する場合(実施1)、低圧でもSO2F2の添加は非常に迅速である。炭酸ナトリウム(Na2CO3)を使用する場合(実施2)、低圧では添加の進行が遅くなる。反応は、好ましくは+25℃から+50℃の温度で実施され得る。2モル濃度以上のイミダゾールのポット負荷が採用され得るが、アセトニトリルにおいて、生成物SO2Im2が溶解したままであり、ポットがより容易に空になるため、2モル濃度以下のポット負荷がより好ましい。さらに、2モル濃度のイミダゾールは約20℃以上でのみアセトニトリルに完全に溶解する。反応の終わりに、不溶性塩を分離し、溶媒を除去する。粗製固形物をジクロロメタンに溶解し、濾過し、溶媒を蒸発させることにより、残留塩を除去する。3mL/g以上のエタノールからの再結晶により、生成物が得られる。ポットを十分に冷却した場合、高圧を使用できるが、低圧の使用はより高い安全性を意味し、又はるかに小さいオートクレーブと同じ資本コストで大きな反応器の使用を可能にする。さらに、低圧を使用すると、より効果的な温度制御とより正確な終点が可能になり、従って、過剰の添加されたSO2F2を最小限に抑えることができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、イミダゾールは、SO2F2の添加の前に完全に脱プロトン化され、得られたイミダゾレート塩が使用される。適切なイミダゾリドカチオンは、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、及びマグネシウムを含む。イミダゾリドナトリウムが好ましい(実施例41)。それは、動的真空下での200℃及び50Pa超への加熱により、イミダゾールと水酸化ナトリウムから無水形態で容易に調製される。この処理により、アセトニトリル中で微細な懸濁液を容易に形成する砕けやすい固形物が得られる。SO2F2を添加する前にポットを減圧するときに、添加が低圧で急速に進行する。低圧で実行されるいくつかの実施形態では、完全に脱プロトン化された金属イミダゾリドを使用し、SO2F2の添加前にポットを適切に脱気するときに、終点近くのポット圧力が純粋な溶媒の蒸気圧を下回る可能性がある。
【0087】
イミダゾールがSO2F2と反応することを可能にするくつかの実施形態では、有機塩基は化学量論的に使用される(実施例9及び10)。これらの実施例では、有機塩基は、弱塩基トリエチルアミンと強塩基1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン(DBU)である。イミダゾールがSO2F2と反応することを可能にし、SO2Im2が所望の生成物であるいくつかの実施形態では、トリエチルアミンは、好ましくは塩基であってもよい。それは、DBUよりも安価である。トリエチルアミンフッ化水素酸塩はエタノールに容易に溶解し、エタノール洗浄で粗製ポット固形物から容易に分離される。残りの固形物は純粋な生成物である。イミダゾールがSO2F2と反応することを可能にし、SO2Im2が所望の生成物であるいくつかの実施形態では、ジクロロメタン及びトリエチルアミンの使用が好ましい場合がある。
【0088】
イミダゾールがSO2F2と反応することを可能にし、SO2Im2が所望の生成物であり、トリエチルアミンが有機塩基として使用されるいくつかの実施形態では、過剰のイミダゾールが有益であり得る。実施例44では、1:2:2のモル比のSO2F2/イミダゾール/トリエチルアミンが使用され、生成物SO2Im2が37%の収率で得られた。実施例45では、ほぼ同一の条件下で、1:4:2のモル比のSO2F2/イミダゾール/トリエチルアミンが使用され、SO2Im2が69%の収率で得られた。実施例9も関連する。実施例9では、アセトニトリル中で実施され、1:2.2:2.2のモル比のSO2F2/イミダゾール/トリエチルアミンが使用され、SO2Im2が40%の収率で得られた。本発明者は、実施例45と比較して、実施例44及び9のよりも低い収率は、反応の副生成物である溶解フッ化物に起因すると考える。溶解したフッ化物は、イミダゾールのN-Hとの水素結合を形成することができ、得られた複合体は、第三級アミンによる脱プロトン化に耐える。さらにイミダゾールを添加すると、非結合N-H水素を生成する。次に、この非結合N-H水素を脱プロトン化して中間体FSO2Imと反応させて、SO2Im2を得る。イミダゾール以外のアゾールも同様に挙動できる。
【0089】
いくつかの実施形態では、フッ化物の存在下で腐食するガラスよりも、金属又はプラスチック製の反応器が好ましい。
【0090】
イミダゾール以外の他のアゾールが使用されるいくつかの実施形態では、アゾールをSO2F2と反応させて、対称ビスアゾールを生成することができる。例えば、ピラゾール、1,2,4-トリアゾール(実施例22)、ベンズイミダゾール、及びベンゾトリアゾールの金属塩を使用して、SO2Pz2、SO2Tz2、スルホニルビス(ベンズイミダゾール)、及びスルホニルビス(ベンゾトリアゾール)をそれぞれ生成することができる。他の多くのアゾールの金属塩も、無水形態で取得できる場合に使用できる。いくつかの置換ピラゾール、イミダゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンズイミダゾール、及びベンゾトリアゾールを、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなどで容易に脱プロトン化して、SO2F2と反応させて、対称スルホニルビスアゾールを生成することができる。アゾールの多くの金属塩は、アゾールと金属水酸化物との簡単な反応によって容易に得られないが、代わりに金属水素化物由来のアゾレートを使用することもできる。金属アゾレートが使用され、金属水素化物又は他の金属強塩基に由来するいくつかの実施形態では、金属アゾレート塩の代わりにシリルアゾールの使用が好ましい場合がある。
【0091】
いくつかの実施形態では、ポットが金属塩などのイオン性成分を含有する場合、反応の揮発性成分の除去によって得られた粗製ポット固形物は、極性のより低い溶媒(ジクロロメタンなど)に取り込まれ、濾過され得る。このプロセスにおいて、反応における微量の金属フッ化物及びその他のイオン成分をすべて除去し、不純物として微量の遊離アゾールのみを含む生成物を残すことができる。これらのアゾールは、乾燥した濾液から昇華するのに十分な揮発性である場合が多いため、残留物として純粋な生成物が得られる。
【0092】
SO2F2とシリルアゾールとの反応。
【0093】
いくつかの実施形態では、SO2F2は、N-シリルアゾールと反応することを可能にする。該反応は、溶媒又は触媒なしで実行され得るが、いずれか又は両方が好ましい場合がある。通常、モノ付加物とビス付加物の両方が反応器内で共に見られるが、反応条件と反応物自体に応じて、どちらか一方を優先的に生成することができる。
【0094】
SO2F2がN-シリルアゾールと反応することを可能にするいくつかの実施形態では、トリメチルシリルアゾールが好ましい。
【0095】
いくつかの実施形態では、シリルアゾールが反応物として使用される場合、すべての反応物及び触媒は、容易に除去される揮発性で極性のより低い溶媒(ジクロロメタンなど)に可溶である。これは、特に蒸留生成物が望まれる場合に好ましい場合がある。
【0096】
SO2F2とシリルアゾールとの反応。触媒なし、
【0097】
SO2F2がシリルアゾールと反応するいくつかの実施形態では、温度が十分に高い場合、触媒は必要とされない。SO2F2とMe3SiIm(アセトニトリル中に2モル濃度)との反応をオートクレーブ内でモル比1:2、60℃までの温度で19時間実行した場合、それはいくつかのSO2Im2であるが、主にFSO2Imと反応物を得た。この同じポットを再度密封し、オートクレーブ内でさらに14時間100℃に加熱するときに、反応は実質的に完了し、SO2Im2を73%の収率で回収した。実施例7を参照する。
【0098】
アセトニトリルは、触媒の非存在下でSO2F2とFSO2Imの両方をMe3SiImと反応させるための好ましい高温溶媒である。ブチロニトリルはまた、触媒なしの熱溶媒(実施例8)として試みられ、あまり好ましくないことが見出された。アセトニトリルを100℃の低温でほぼ同時に使用してFSO2Imを完全に変換するのとは対照的に、500mLのブチロニトリル中のFSO2ImとMe3SiImをそれぞれ0.5モルで、15時間(121℃)還流すると、SO2Im2へのわずかな変換のみが行われた(実施例7)。
【0099】
SO2F2とシリルアゾールとの反応。触媒としての弱塩基。
【0100】
SO2F2がシリルアゾールと反応するいくつかの実施形態では、弱塩基が使用され、主要な生成物はN-(フルオロスルホニル)アゾールである。SO2F2/シリルアゾールのモル比は、好ましくは1:1以上である。これらの特定の実施形態では、弱塩基としてトリエチルアミンが好ましい。トリエチルアミンは安価で揮発性であり、後処理中に簡単に除去できる。いくつかの実施形態では、弱塩基とシリルアゾールのモル比は、1モル%から100モル%以上、より好ましくは10~50モル%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、シリルアゾールがトリメチルシリルイミダゾール(Me3SiIm)である場合、主要な生成物はN-(フルオロスルホニル)イミダゾール(FSO2Im)である。実験例3では、Me3SiIm及びSO2F2は反応物であり、トリエチルアミンは触媒であり、反応はオートクレーブ内で高圧で溶媒なしに起こり、FSO2Imが94%の収率で得られる。いくつかの実施形態では、シリルアゾール及びSO2F2は反応物であり、トリエチルアミンは触媒であり、反応は大気圧よりも低い溶媒中で起こり、フルオロスルホニルアゾールは主要な生成物である。実施例23を参照する。
【0101】
SO2F2とシリルアゾールとの反応。触媒としての強塩基。
【0102】
SO2F2がシリルアゾールと反応するいくつかの実施形態では、強塩基は触媒として使用され、対称スルホニルビスアゾールは主要な生成物である。SO2F2とシリルアゾールとの反応を含み、対称SO2-アゾールビス付加物が望ましい生成物であるこれらの特定の実施形態では、SO2F2とシリルアゾールのモル比は好ましくは1:2に近い。シリルアゾールがMe3SiImの場合、主要な生成物はSO2Im2である。強塩基は、シリルアゾールが由来するアゾールの金属塩、水素化ナトリウム又は水素化リチウムなどの金属水素化物、金属アルコキシド又は水酸化物、DBU、及びホスファゼン塩基を含む。DBUは好ましい。DBUは、極性溶媒及びこれまでに試験されたすべてのニート液体シリルアゾールと混和性がある。DBUは、SO2F2及びFSO2-アゾールの両方とシリルアゾールとの反応において非常に強力な触媒である。いくつかの実施形態では、DBUとシリルアゾールのモル比は、0.01:1(1%)から5×10-5:1(0.005%)の範囲であり得る。より高いモル比を使用できるが、利益はない。場合によっては、5×10-5未満の低いモル比を使用できる。最小モル比はシリルアゾールに依存する。DBUがシリルアゾールと直接反応しているか、又は微量の遊離アゾールと反応しているかは不明であるが、いずれにしても少量の遊離アゾールをポットに加えることができる。現在まで、これは必要ではない。
【0103】
強塩基及び周囲温度条件下で見出される1つの例外は、DBU/アセトニトリル中でのSO2F2と1-トリメチルシリル-3,5-ジメチルピラゾールとの反応である(実施例30)。ビス付加物は見つからなかった。モノ付加物3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-スルホニルフルオリド(FSO2PzMe2)を高収率(95%)で生成した。
【0104】
SO2F2がシリルアゾールと反応するいくつかの実施形態では、DBUは触媒であり、反応は低温のジクロロメタン中で行われ、FSO2-アゾールモノ付加物は主要な生成物である。実施例38、39、及び40を参照する。
【0105】
FSO2-アゾールとアゾール、アゾール塩及びシリルアゾールとの反応。
【0106】
いくつかの実施形態では、フルオロスルホニルアゾール(FSO2Imなど)は、アゾール、金属アゾレート塩、又はシリルアゾールと反応し、対称又は非対称のスルホニルビスアゾールが生成される。アゾール基が同じである場合、対称ビスアゾールが得られる。アゾール基が異なる場合、非対称ビスアゾールが得られる。
【0107】
いくつかの実施形態では、フルオロスルホニルアゾール(FSO2Imなど)はアゾールと反応し、スルホニルビスアゾールが得られる。フルオロスルホニルアゾールがアゾールと反応し、スルホニルビスアゾールが生成物であるいくつかの実施形態では、化学量の有機塩基(トリエチルアミンなど)を使用できる。フルオロスルホニルアゾールがアゾールと反応し、スルホニルビスアゾールが生成物であるいくつかの実施形態では、溶媒を使用できる。実施例43を参照する。
【0108】
フルオロスルホニルアゾールとシリルアゾールとの反応を含むいくつかの実施形態では、反応を進行させるのに触媒も溶媒も必要ではないが、触媒、溶媒、又はその両方は使用され得る。フルオロスルホニルアゾールとシリルアゾールとの反応を含むいくつかの実施形態では、触媒が使用されない場合、反応はより高い温度で進行する。多くの実施形態にわたってより高い温度を採用することは、反応時間を延長させる必要があり、ダークポットを生成する傾向があるため、あまり好ましくない。
【0109】
対照的に、溶媒の非存在下でのフルオロスルホニルアゾールとシリルアゾールとの反応を含むいくつかの実施形態では、DBUを使用する場合、より低い温度を使用でき、反応は50℃で数時間しかかからず、反応の最後にほぼ無色のポットが見つかり、定量に近い収率を得ることができる。反応は最低40℃で起こる。実施例33、36、及び37を参照する。
【0110】
DBUの存在下でのフルオロスルホニルアゾールとシリルアゾールとの反応を含むいくつかの実施形態では、溶媒が使用され、反応は室温以下で実行される。アセトニトリル及びジクロロメタンは好ましい溶媒である。
【0111】
いくつかの実施形態では、多くの異なる溶媒、又は溶媒の混合物を使用できる。アセトニトリルにおいて、生成物が固形物の場合、それはポットから高純度で沈殿することが多い。
【0112】
ジクロロメタンは、いくつかのスルホニルジアゾール(SO2Im2、SO2Pz2、SO2Tz2)を遊離に溶解する。微量の遊離アゾールは、適切な溶媒中での粗生成物の再結晶、昇華、又はその両方によって除去できる。実施例8、17、31及び32を参照する。
【0113】
すべての実施形態では、最高の収率は、プロセス全体にわたって無水反応物及び溶媒を使用することによって得られる。
【0114】
実験例
【0115】
すべての反応はドラフト内で行われた。低圧添加は、ポット圧力を調整する圧力ゲートを使用して実行された。ポット圧力が設定圧力を下回った場合、設定圧力に達するまでガスをさらに追加した。圧力ゲートディスプレイは、マノメーターとしても使用された。SO2F2を含む殆どの例では、モノ付加物とビス付加物の両方を生成した。いくつかの実施例では、両方の生成物を単離し、収率を得たが、通常、所望の生成物の収率のみを得る。反応の進行を、多くの場合はGCMSによって監視し、これは、微量での各ピークの同一性については決定的であるが、ポット内のその相対量については定性的である。液体生成物が得られた場合、より揮発性の高いジクロロメタン又はアセトニトリルの除去は実施例から省略され、生成物の沸点のみが報告される。シリルアゾールは、アゾールとヘキサメチルジシラザンとの反応によって調製された。
【0116】
実施例1において、スルホニルジイミダゾール(SO2Im2)。1リットルの4つ口丸底フラスコに、無水の粉末K2CO3(124g、0.9モル)及びアセトニトリル中のイミダゾール溶液(2モル濃度、300mL、0.6モル)を入れた。ポットの内容物を磁気的に撹拌し、一定の静圧(9.7kPa)まで減圧した。SO2F2(30.5g、0.3モル)を93kPaで5分間かけて添加し、ポットの温度を24℃から40℃に上昇させる。さらに36分間撹拌した後、ポットは30℃/49kPaに低下した。ポットを大気圧まで窒素で充填し、ガス入口を水銀バブラーと交換した。反応の進行はGCMSによって監視された。ポットの温度を40℃に2時間保ち、次に50℃に3時間保ち、その後、イミダゾールとFSO2Imの両方がGCMS曲線にまだ存在しても、反応は完了したと見なされた。ポットの内容物を濾過し、固形物を大量の温アセトニトリルで洗浄した。合成した濾液を濃縮乾固させて固形物を得、該固形物をジクロロメタン(400mL)に溶解し、濾過し、透明な無色の濾液を再び濃縮乾固させた。そのようにして得られた固形物(57g)をエタノール(200mL)から再結晶化して、生成物SO2Im2(48g、0.24モル、82%)を得た。M.p.は、139~140℃であった。GCMS単一ピーク、m/e198であった。
【0117】
実施例2において、スルホニルジイミダゾール。1リットルの4つ口丸底フラスコに、無水の粉末Na2CO3(128g、1.2モル)及びアセトニトリル中のイミダゾール溶液(2モル濃度、300mL、0.6モル)を入れた。ポットを周囲水浴に入れ、ポットの内容物を磁気的に撹拌し、一定の静圧(11kPa)まで減圧した。SO2F2(30g、0.3モル)を24℃で42分間かけて93kPaで添加した。さらに73分間撹拌した後、ポットは23℃/25kPaに低下した。ポットを大気圧まで窒素で充填し、ガス入口を水銀バブラーと交換した。反応の進行はGCMSによって監視された。ポットの温度を38~40℃に12時間保ち、次に50℃に3時間保ち、その後、イミダゾールとFSO2Imの両方がGCMS曲線にまだ存在しても、反応は完了したと見なされた。ポットの内容物を濾過し、固形物を温アセトニトリル(300mL)で洗浄した。合成した濾液を濃縮乾固させて固形物を得、該固形物をジクロロメタン(400mL)に溶解し、濾過し、透明な無色の濾液を再び濃縮乾固させた。そのようにして得られた固形物(52g)をエタノール(180mL)から再結晶化して、生成物SO2Im2(39g、0.195モル、67%)を得た。M.p.は、139~140℃であった。GCMS単一ピーク、m/e198であった。濃縮濾液(3g、15ミリモル、5%)から第2の作物を得、m.p.は138~139℃であった。GCMS単一ピーク、m/e198であった。総収率は42g、0.21モル、72%であった。
【0118】
実施例3において、1H-イミダゾール-1-スルホニルフルオリド(FSO2Im)。600mLのオートクレーブに1-トリメチルシリル-1H-イミダゾール(Me3SiIm、151g、1.1モル)とトリエチルアミン(30mL)を入れ、密封、氷結し、一定の静圧(2.9kPa)まで減圧した。SO2F2(123g、1.21モル)を圧力下で急速に加えた。次に、撹拌したポットを25℃で3日間保持し、ポットの圧力は1275kPaから212kPaに低下した。ポットを別の日に撹拌し、圧力は約212kPaのままであった。次に、ポットを通気させ、窒素でスパージし、ポットの内容物を56℃/3.3kPaで蒸留して、生成物FSO2Im(153g、1.02モル、94%)を得た。FSO2Imはすぐに過冷却し、m.p.は31.5℃であった。
【0119】
実施例4において、スルホニルジイミダゾール。500mLの2つ口丸底フラスコに、1H-イミダゾール-1-スルホニルフルオリド(FSO2Im、60g、0.4モル)、イミダゾール(27g、0.4モル)、K2CO3(80g、0.58モル)、及びアセトニトリル(250mL)を入れた。ポットの内容物を50~55℃で8時間磁気的に撹拌し、そして冷却して結晶を得た。ポットを70℃まで短時間温め、濾過し、固形物を高温アセトニトリルで洗浄した。合成濾液を濃縮乾固させた。得られた固形物をジクロロメタン(400mL)に溶解し、濾過し、無色透明の濾液を再び濃縮乾固させた。そのようにして得られた固形物(74g)をエタノールから再結晶化して、生成物SO2Im2(63g、0.32モル、80%)を得た。M.p.は139~140℃であった。
【0120】
実施例5において、スルホニルジイミダゾール。600mLのオートクレーブに、1-(トリメチルシリル)イミダゾール(Me3Si、66g、0.47モル)アセトニトリル(300mL)、及び1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU、1グラム、7ミリモル)を入れた。オートクレーブを密封し、-25℃に冷却し、一定の静圧(133Pa)まで減圧した。圧力計を分離し、SO2F2(23.7g、0.23モル)を逆さにしたレクチャーボトルから液体として導入した結果、温度が-2℃に急速に上昇した。1分後、圧力計が再び係合し、圧力は164kPaであることがわかった。オートクレーブを再び-25℃に冷却し、圧力は61kPaに低下した。さらに8分後、圧力は42kPaに低下した。オートクレーブを16分間かけて+50℃に温めた結果、圧力は102kPaに上昇した。さらに数分後、圧力は87kPaに低下した。オートクレーブを氷浴で1℃/26kPaに冷却し、揮発性副生成物であるフルオロトリメチルシラン(FSiMe3)をコールドトラップに蒸留した。次に、オートクレーブを室温まで温め、窒素で充填し、無色透明の液体と白色の固形物を明らかにするように開いた。固形物を濾過により収集し、アセトニトリルですすぎ、動的真空下で乾燥させて、生成物SO2Im2(23.3g)を白色の微結晶性固形物として得、m.p.は139~141℃であった。濾液を濃縮し、4℃で一晩冷却して第2の作物を得、該作物を濾過し、エタノールで洗浄し、乾燥させて、さらに15.4gの付加物を得、m.p.は140~142℃であった。総収率は38.7g(0.195モル、85%)であった。
【0121】
実施例6において、スルホニルジイミダゾール。600mLオートクレーブに1-(トリメチルシリル)イミダゾール(110g、0.78モル)アセトニトリル(300mL)、及び1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU、0.32g、2ミリモル)を入れ、密封し、撹拌し、氷水浴中で-1℃の指示温度に冷却し、一定の静圧(4.7kPa)まで減圧した。真空計を分離し、SO2F2(38.4g、0.38モル)を93 kPaで7分間かけて氷冷ポットに加え、その間にポット温度は26℃に上昇した。さらに27分後、ポットが2℃/32kPaに低下し、揮発性成分をコールドトラップ(48g)に蒸留した。次に、ポットを一定の静圧まで減圧し、60℃に温め、窒素で充填し、透明無色の液体を明らかにするように開いた。この液体をデカントし、数時間冷蔵(+4℃)した。そのようにして得られた固形物を濾過により収集し、アセトニトリル(20mL)ですすぎ、動的真空下で一晩乾燥させて、生成物(69g、0.35モル、92%)を得、139~140℃であった。
【0122】
実施例7において、スルホニルジイミダゾール。600mLのオートクレーブに、Me3SiIm(66.4g、0.47モル)とアセトニトリル(300mL)を入れ、0℃に冷却し、一定の静圧(5kPa)まで減圧した。SO2F2(66.4g、0.47モル)を160kPaで6分間、+1~+5℃で添加し、次に30℃で約10時間半撹拌した。ポットの圧力は43kPaに低下した。ポットを窒素で充填して開き、ポットの内容物をGCMSで分析した。SO2Im2を、多くのMe3SiIm及びFSO2Imと共に見つけた。ポットを再び密封し、60℃で19時間保持し、冷却して開いた。GCMSによるSO2Im2の量は増加したが、相当なMe3SiImとFSO2Imが残った。次に、ポットを再び密封し、100℃で13時間半保持し、冷却して開いた。GCMSは、微量のFSO2ImとMe3SiImのみを示した。ポットの内容物を氷結し、濾過し、そのようにして得られた固形物をアセトニトリルで洗浄し、動的真空下で一晩乾燥させて、33.5gの生成物SO2Im2(0.17モル、73%)を無色結晶として得、m.p.は139.5~140.5℃であった。
【0123】
実施例8において、スルホニルジイミダゾール。1リットルの1つ口丸底フラスコにFSO2Im(75g、0.5モル)、Me3SiIm(71g、0.5モル)、及びブチロニトリル(500mL)を入れた。フラスコを磁気的に撹拌し、無色透明の内容物を、バブラーを用いて窒素下で還流させ、ガスの流出を監視した。還流(121℃)で15時間後、ポットはまだ透明であったが、かなり暗かった。ポットを15℃に冷却し、透明なままにした。ポットの内容物をGCMSによって分析した。大量の反応物と共に、いくつかのSO2Im2を検出した。この冷却した透明な暗いポットにDBU(0.2g、0.001モル)を加え、プラグを抜いたマントルで断熱しながらポットを撹拌した。22分後、沈殿物を形成し始め、ポットを28℃に温め、さらに40分間保持し、その後冷却し始めた。さらに3時間後、ポットの上清をGCMSで分析した。Me3SiImは完全になくなり、SO2Im2はGC曲線における主要なピークにあった。溶媒を除去し、ポットの内容物を動的真空下で乾燥させて固形物(99g)を得、該固形物をエタノール(総量340mL)から再結晶化し、動的真空下で乾燥させて、生成物SO2Im2(84g、0.42モル、85%)をオフホワイトの結晶として得た。M.p.は、139~140℃であった。
【0124】
実施例9において、スルホニルジイミダゾール。600mLのオートクレーブに、イミダゾール(60g、0.88モル)、トリエチルアミン(90g、0.89モル)、及びアセトニトリル(250mL)を入れ、冷却し、18℃で一定の静圧(12kPa)まで減圧した。SO2F2(41g、0.4モル)を逆さにしたレクチャーボトルから撹拌ポットに迅速に加えた。ポット圧力は900kPaに上昇し、その後迅速に低下した。9分後、ポットは29kPaに低下し、温度は30℃に上昇した。次に、ポットを80~83℃で1時間保持し、約50℃に冷却し、透明な黄色の液体を明らかにするように開いた。液体をビーカーに移し、撹拌し、氷結して、沈殿物を得た。そのようにして得られた固形物を濾過により収集し、冷却エタノール(総量200mL)と共に撹拌し、再び濾過し、動的真空下で乾燥させて、生成物SO2Im2(32g、0.16モル、40%)を得た。M.p.は、140~141.5℃であった。
【0125】
実施例10において、スルホニルジイミダゾール。600mLのオートクレーブに、イミダゾール(40g、0.59モル)、DBU(89.5g、0.59モル)、及びアセトニトリル(300mL)を入れ、冷却して一定の静圧(13kPa)まで減圧した。SO2F2(30g、0.3モル)を22~32℃の温度範囲で5分間かけて26~53kPaで添加し、次に21~27℃で1時間撹拌し、圧力は14.5kPaに低下した。ポットを窒素で充填して開き、GCMSで分析した。DBUピークからの干渉により分析が損なわれたが、SO2Im2とFSO2Imの両方を検出した。ポットを再び密封して減圧し、80℃で2時間保持した。ポットを冷却し、窒素で充填し、暗黄色の混合物を明らかにするように開いた。ポットの内容物をビーカーに移し、冷凍庫に一晩放置した。そのようにして得られた固形物を濾過により収集し、アセトニトリルですすぎ、動的真空下で1日乾燥させて、生成物SO2Im2(31.3g、160ミリモル、54%)を得た。M.p.は、139~140.5℃であった。
【0126】
実施例11において、フルオロスルホニルイミダゾール。600mLのオートクレーブにMe3SiIm(90g、0.64モル)を入れ、イミダゾール(0.5g、7ミリモル)を密封、冷却し、一定の静圧(266Pa)まで減圧した。SO2F2(67g、0.65モル)を加え、ポットを圧力下で12~20℃で15時間撹拌した。ポットを通気させ、内容物を51~53℃/1.8kPaで蒸留して、生成物FSO2Im(57g、0.38モル、59%)を得た。
【0127】
実施例12において、フルオロスルホニルイミダゾール。600mLのオートクレーブにMe3SiIm(86.5g、0.62モル)とアセトニトリル(300mL)を入れ、密封、冷却し、一定の静圧(9.6kPa)まで減圧した。SO2F2(63.5g、0.62モル)を圧力下で7分間かけて加え、ポットを17~25℃で撹拌した。12時間後、ポットの圧力は大気圧以下に低下し、揮発性のFSiMe3副生成物をドライアイストラップに蒸留した。ポットを窒素で充填し、内容物を54~55℃/2.66kPaで蒸留して、生成物FSO2Im(54.8g、0.365モル、59%)を得た。
【0128】
実施例13において、フルオロスルホニルイミダゾール。600mLのオートクレーブにMe3SiIm(87.9g、0.63モル)、トリエチルアミン(6.4g、0.06モル)、及びアセトニトリル(300mL)を入れ、密封し、冷却し、一定の静圧(3.5kPa)まで減圧した。SO2F2(100g、0.98モル)を4分間かけて加圧下で加え、ポットを8~17℃で45分間撹拌した。揮発性のFSiMe3副生成物を静的真空下でドライアイストラップに蒸留し、ポットに充填して開き、52℃/2.66kPaで蒸留して、生成物FSO2Im(80g、0.53モル、85%)を得た。液体生成物は容易に過冷却し、m.p.は31.5℃であった。ポット内の残留物は4.5であった。
【0129】
実施例14において、フルオロスルホニルイミダゾール。600mLのオートクレーブにMe3SiIm(87.9g、0.63モル)とアセトニトリル(300mL)を入れ、密封、冷却し、一定の静圧(7.6kPa)まで減圧した。SO2F2(101.6g、0.995モル)を圧力下で21分間かけて加え、ポットを+1~+14℃で3時間撹拌した。ポットを通気させ、窒素でスパージし、開いた。GCMSは未反応のMe3SiImを明らかにした。ポットの内容物を52℃/2.66kPaで2回蒸留して、生成物FSO2Im(63.3g、0.42モル、67%)を得た。
【0130】
実施例15において、フルオロスルホニルイミダゾール。600mLのオートクレーブに、Me3SiIm(87.9g、0.63モル)、イミダゾール(4.3g、0.063モル)、及びアセトニトリル(300mL)を入れ、密封、冷却し、一定の静圧(4.3kPa)まで減圧した。SO2F2(96.6g、0.95モル)を344kPaで15分間かけて加え、ポットを25℃で17時間撹拌して94kPaまで減圧した。揮発性FSiMe3副生成物をドライアイストラップに蒸留した。ポットを開いて、内容物を49℃/2.66kPaで蒸留して生成物(56.4g、0.38モル、60%)を得た。相当量の固形物を蒸留器に残した。
【0131】
実施例16において、スルホニルジイミダゾール。600mLのオートクレーブに、Me3SiIm(87.9g、0.63モル)、イミダゾール(4.3g、0.063モル)、及びアセトニトリル(300mL)を入れ、密封、冷却し、一定の静圧(4.9kPa)まで減圧した。SO2F2(69.8g、0.68モル)を482kPaで5分間かけて加えた。温度は-3℃から+14℃に上昇し、圧力は482kPaから約180kPaに急速に低下した。ポットを22℃でさらに37分間撹拌し、次に通気させ、窒素でスパージし、開いた。ポットの内容物を移し、揮発性成分を55℃/5.3kPaで除去し、固形物を残し、該固形物をエタノールと共に撹拌し、すすぎ、乾燥させて、生成物SO2Im2(32g、0.16モル、51%)を得、m.p.は139.5~141℃であった。
【0132】
実施例17において、スルホニルジイミダゾール。500mLフラスコに、Me3SiIm(69.2g、0.49モル)、DBU(1.1g、0.007モル)及びアセトニトリル(150mL)を添加した。アセトニトリル(100mL)中のFSO2Im(70g、0.47モル)の溶液を26~53℃で22分間かけて滴下し、周囲温度で9時間撹拌した。翌日、ポットの内容物を濾過し、アセトニトリル(20mL)ですすぎ、動的真空下で乾燥させて、生成物SO2Im2(81.2g、0.41モル、88%)を得、m.p.は141~143℃であった。
【0133】
実施例18において、1,1’-スルホニルビス(2-メチル-1H-イミダゾール)。600mLのオートクレーブにN-(トリメチルシリル)-2-メチルイミダゾール(151g、0.98モル)、DBU(0.32g、2ミリモル)及びアセトニトリル(250mL)を入れ、密封、冷却し、一定の静圧(5.7kPa)まで減圧した。SO2F2(50.5g、0.495モル)を+10℃/73kPaで20分間かけて加えた。ポットをさらに10分間氷上に保ち、31℃に温め、静的真空下での蒸留により副生成物FSiMe3を除去した。ポットを窒素で充填し、透明黄色の溶液を明らかにするように開き、該溶液を回転式蒸発器で濃縮して湿った固形物を得た。この湿った固形物を2-プロパノールで3回すすぎ、動的真空下で乾燥させて、生成物のスルホニルビス(2-メチルイミダゾール)(82.4g、0.36モル、74%)を得、m.p.は95~95.5℃であった。2-プロパノール濾液を濃縮し、第2の作物(12.4g、55ミリモル、11%)を収集し、m.p.は95~95.5℃であった。総収率は95g(0.42モル、86%)であった。GCMSm/eは226であった。
【0134】
実施例19において、2-メチル-1H-イミダゾール-1-スルホニルフルオリド。600mLのオートクレーブに、N-(トリメチルシリル)-2-メチルイミダゾール(100g、0.65モル)、トリエチルアミン(6g、60ミリモル)、及びアセトニトリル(250mL)を入れ、密封、氷結し、一定の静圧(6.9kPa)まで減圧した。SO2F2(66.2g、0.65モル)を+7℃/344kPaで5分間かけて加えた。氷浴を外し、ポットを12~14℃で18時間撹拌した。FSiMe3副生成物を静的真空下で蒸留により除去した。ポットを窒素で充填し、透明黄色の液体を明らかにするように開き、該液体を51℃/2.0kPaで蒸留して、生成物(94g、0.57モル、88%)を透明無色の液体として得た。GCMSm/eは164であった。
【0135】
実施例20において、スルホニルジトリアゾール(SO2Tz2)。600mLのオートクレーブに1-(トリメチルシリル)-1,2,4-トリアゾール(Me3SiTz)(141g、1モル)、DBU(0.32g、2ミリモル)及びアセトニトリル(250mL)を入れ、密封、冷却し、一定の静圧(5.7kPa)まで減圧した。SO2F2(50.5g、0.495モル)を+4~+16℃、73kPaで40分間かけて、2回連続して添加した。ポットを3分間氷結し、31℃に温め、静的真空下で蒸留により副生成物FSiMe3を除去した。ポットを窒素で充填し、針が浮かんている透明黄色の溶液を明らかにするように開いた。針を濾過により収集し、2-プロパノールですすぎ、動的真空下で乾燥させて、生成物SO2Tz2(81g、0.4モル、81%)を得た。M.p.は142~143℃であり、該生成物を密封し再溶解した後、137~139℃になった。Lit.m.p.は98℃であった。GCMSm/eは201([M+H]+、少量)であった。
【0136】
実施例21において、スルホニルジトリアゾール。1リットルの4つ口フラスコに、撹拌子、温度計、ストッパー、及び真空アダプタを装備し、トリメチルシリルトリアゾール(Me3SiTz、248g、1.75モル)、DBU(0.32g、2ミリモル)及びジクロロメタン(250mL)を入れた。ポットをドライアイス-アセトン浴で-25℃に冷却し、一定の静圧(1.5kPa)まで減圧した。磁気的に攪拌したポットに、SO2F2(105g、1.02モル)を-11~-18℃/80kPaで30分間かけて2つの部分に分けて加え、第1の部分は、ポットが厚くなりすぎて撹拌できなかったため不十分になった。この結果は予想外であった。SO2Tz2は、この温度では好ましい生成物でないと予想され、30gのSO2F2のみを添加した。ジクロロメタン(250mL)をさらに加え、添加を再開した。ポットを再冷却して再減圧し、さらにSO2F2(合計105g、1.02モル)を-50~-30℃/80kPaで3分間かけて加えた後、ポットの圧力を下げた。ポットを+4℃に温め、47kPaの静圧を得た。さらに暖めると、ガスが流出し、ポットの内容物がはるかに厚くなった。ポットを撹拌できなくなり、撹拌を容易にするためにさらに100mLのジクロロメタンを添加した。温度が38℃に達するまでポットを還流させ、次に冷却した。生成物を吸引濾過により収集し、少量のジクロロメタンですすぎ、微細な綿状の固形物を50℃のオーブンに6時間半入れて、生成物SO2Tz2(159g、0.79モル、90%)を得、m.p.は137~139℃であった。エタノール(1.8L)からの再結晶により、より結晶性の高く、140g、生成物を得、m.p.は138~139℃であった。エタノール性濾液を濃縮すると、二酸化硫黄の臭気のある油を得た。
【0137】
実施例22において、スルホニルジトリアゾール。1リットルの1つ口丸底フラッシュ中の1,2,4-トリアゾール(1.00NのNaOH水溶液(500mL)中で34.54g、0.5モル)の溶液を、回転式蒸発器で濃縮乾固させ、次に、高真空下で放置し、油浴を使用して200℃/8Paで40分間保持した。砕けやすい固形物(46.6g、102%)を得た。フラスコを冷却し、窒素で充填し、撹拌子を加えた。ポットをゴム製シールで閉じ、アセトニトリル(500mL)をカニューレを介して移した。シールを迅速に真空アダプタと交換し、沸騰し始めたときにポットを10kPaまでポンプダウンした。ポットを約20℃の水浴に入れて撹拌し、SO2F2(40g、0.38モル)を67kPaで18分間かけて加えた。ポットを開封し、凝縮器を入れ、ポットの内容物を穏やかに温めて、過剰のSO2F2ガスの大部分を排出した。残りのガスを短時間の還流により排出した。次に、ポットを濃縮乾固させ、内容物をジクロロメタンに溶解し、濾過した。無色透明の液体を濃縮乾固させ、残りの固形物を109~113℃で溶解した。フラスコにエクステンションを加え、フラスコを水浴に完全に浸漬させ、エクステンションへの昇華を観察できなくなるまで、80℃の動的真空下で放置した。未昇華の固形物は生成物SO2Tz2(31g、0.155モル、62%)であった。生成物は140℃という非常に高い融点を示した。
【0138】
実施例23において、1H-1,2,4-トリアゾール-1-スルホニルフルオリド(FSO2Tz)。3Lの4つ口丸底フラスコに、Me3SiTz(105g、0.74モル)、トリエチルアミン(6.6g、65ミリモル)及びアセトニトリル(1リットル)を入れ、磁気的に撹拌し、密封し、-20℃に冷却し、ポットが沸騰し始めるまで減圧した。SO2F2(158g、1.5モル)を-20~-15℃で30分間かけて大気圧以下で添加し、圧力を大気圧以下に保持した。水銀柱を使用して圧力を測定した。ポットを-15~-25℃で30分間保持し、水銀柱からガスを放出し始めたときに+16℃に温めた。+25℃まで加温を続け、ポットを窒素で30分間スパージした。生成物を51℃/2.0kPa(57.8g、0.38モル、52%)で、刺激臭のある無色透明の液体として蒸留した。ポット内の固形物は約26gであった。生成物FSO2Tzを0.8gの損失で再蒸留した(48℃/1.7kPa)。(全体の収率51%)。GCMSm/eは151であった。
【0139】
実施例24において、1H-1,2,4-トリアゾール-1-スルホニルフルオリド。600mLのオートクレーブにMe3SiTz(210g、1.5モル)とトリエチルアミン(40mL)を入れ、密封、氷結し、一定の静圧(4.4kPa)まで減圧した。SO2F2(153g、1.5モル)を、7kPaの逆止弁をインラインに備えた逆さまにしたレクチャーボトルから圧力下で迅速に添加した。逆さにしたレクチャーボトルを取り付けたままポットに対して開いたままにした。次に、撹拌したポットを25℃で24時間保持した。ポットの圧力は1200kPaから580kPaに低下し、さらに24時間経過してもそれ以上低下しなかった。レクチャーボトルを密封し、ポットを通気させて窒素でスパージし、ほぼ空の容器を明らかにするように開いた。レクチャーボトルを調べたところ、明らかに逆止弁の故障を引き起こす液体が充填されることがわかる。ポットとボトルの両方を空にしてフラスコに移し、53℃/1.95kPaで蒸留して、生成物FSO2Tz(150g、1モル、66%)を得た。GCMSm/eは151であった。蒸留残留物は27gの固形物であった。
【0140】
実施例25において、フルオロスルホニルイミダゾール。500mLの3つ口丸底フラスコに、撹拌子、温度計、ガス注入口、ゴム製シールを装備し、Me3SiIm(70.6g、0.5モル)、DBU(0.3g、2ミリモル)、及びジクロロメタン(310g)を入れた。シールをストッパーと交換した。ポットを氷結し、一定の静圧(17kPa)まで減圧した。SO2F2(57g、0.56モル)を80kPa及び+2~+15℃で18分間かけて添加し、次に温めて揮発性物質を排出し、56℃/3.3kPaで蒸留して、生成物FSO2Im(54.3g、78ミリモル、72%)を得た。ポット内の固形物は約15.5gであった。
【0141】
実施例26において、スルホニルジピラゾール(SO2Pz2)。1リットルの4つ口丸底フラスコに、N-トリメチルシリルピラゾール(Me3SiPz、138g、0.98モル)、DBU(0.3g、2ミリモル)及びアセトニトリル(500mL)を入れ、磁気的に撹拌し、氷結し、一定の静圧(4.8kPa)まで減圧した。SO2F2(51.4g、0.5モル)を+18℃/40kPaで15分間かけて加えた。終点での圧力は28kPaであった。ポットを+27℃まで温め、窒素で大気圧まで充填し、室温、約8℃で一晩撹拌した。形成された結晶を窒素下で加圧濾過により分離し、窒素流中で乾燥させて、生成物SO2Pz2(59g、0.3モル、59%)を得た。M.p.は、138.5~139.5℃であった。濾液を濃縮し、第2の作物(22g、0.11モル、22%)を得た。M.p.は138.5~139℃であった。総収率は80.5g(0.42モル、81%)であった。濾液にはまだ相当量の生成物があったが、第3の作物を収集しなかった。GCMSm/eは198であった。
【0142】
実施例27において、スルホニルジピラゾール(SO2Pz2)。1リットルの1つ口丸底フラスコに、Me3SiPz(184g、1.3モル)、DBU(0.2g、1.5ミリモル)、及びアセトニトリル(500mL)を入れ、磁気的に撹拌し、氷結し、一定の静圧(4.1kPa)まで減圧した。SO2F2(67.8g、0.66モル)を40kPaで50分間かけて加えた。温度を監視しなかった。終点圧力は31kPaであった。10分後、すでに固形物が入っているポットを窒素で大気圧まで充填し、取り付けられたバブラーを用いて室温(12℃)で一晩撹拌した。形成された結晶を窒素下で加圧濾過により分離し、窒素流中で乾燥させて、生成物SO2Pz2(86g、0.43モル、66%)を得た。M.p.は、138.5~139.5℃であった。濾液を濃縮乾固させて(43g)、アセトニトリル(100mL)から再結晶化して、第2の作物(34g、0.17モル、22%)を得た。M.p.は137~138.5℃であった。総収率は121g(0.61モル、92%)であった。
【0143】
実施例28において、スルホニルビス(ベンゾトリアゾール)。1リットルの1つ口丸底フラスコに、トリメチルシリルベンゾトリアゾール(192g、1モル)、DBU(0.3g、2ミリモル)及びアセトニトリル(525mL)を入れ、磁気的に撹拌し、氷結し、一定の静圧(4.1kPa)まで減圧した。SO2F2(52.1g、0.5モル)を93kPaで27分間かけて加えた。温度を監視しなかった。添加した直後に固形物が現れ、ポットは明るい黄色に変わった。ポットは固形物が付着したため厚くなる。ポットを一晩撹拌して通気させ、浴で温めて黄色からオレンジ色に変色させた。窒素下で加圧濾過により固形物を分離し、固形物から殆どの色を除去したアセトニトリル(200mL)で圧力下ですすいだ。濃いオレンジ色の濾液を廃棄し、固形物を窒素流下で乾燥させて、粗生成物(150g、0.5モル、100%)を得、m.p.は167℃(分解状態)であった。
【0144】
実施例29において、スルホニルビス(ベンズイミダゾール)。1リットルの1つ口丸底フラスコに、溶解した固体トリメチルシリルベンズイミダゾール(アセトニトリル中で37.6%w/w、506g、1モル)を入れ、さらにアセトニトリル(200mL)、及びDBU(0.3g、2ミリモル)を入れた。ポットを磁気的に撹拌し、氷結し、一定の静圧(3.2kPa)まで減圧した。SO2F2(51.4g、0.5モル)を67kPaで7分間かけて加えた。温度を監視しなかった。4分後に固形物が現れ、粘性懸濁液を生成した。氷上で放置してさらに28分後、ポットの圧力は23kPaで安定した。次に、ポットを45~50℃に約1時間温め、通気させた。固形物を窒素下で加圧濾過により分離し、窒素流下で乾燥させて、生成物スルホニルビス(ベンズイミダゾール)(142g、0.48モル、95%)を得た。M.p.は190~193℃であった。
【0145】
実施例30において、N-(フルオロスルホニル)-3,5-ジメチピラゾール。1リットルの1つ口ナシ型フラスコに、クライゼンアダプタ、ゴム製シール、ガス入口を装備し、カニューレを介して、1-(トリメチルシリル)-3,5-ジメチルピラゾール(169.2g、1.04モル)、アセトニトリル(500mL)、及びDBU(0.25g、1.6ミリモル)を入れた。ゴム製シールを温度計と交換し、ポットを氷結し、一定の静圧(3 kPa)まで冷却し、33kPaのゲート圧力でSO2F2の添加を開始した(+1~+3℃)。添加は緩徐であり、20分後、10gのSO2F2のみを添加した。46kPaでさらに15分後、添加を停止し、16gのSO2F2のみを添加した。次に、ポットを再び減圧し、窒素で充填し、さらに0.5gのDBUを添加した。ポットを再び3kPa/2℃まで減圧し、33~40kPaのゲート圧力で添加を再開した。添加は以前よりも容易で発熱性であり(+2~+8℃)、約1時間後にさらに106gのSO2F2を添加し、SO2F2が入ったレクチャーボトルを空にした。次に、ポットを55~60℃に温めて通気させ、そして58~59℃/0.27kPaで蒸留して、生成物N-(フルオロスルホニル)-3,5-ジメチルイミダゾール(171g、0.96モル、95%)を得た。GCMSm/eは178であった。
【0146】
実施例31において、1-(1H-イミダゾール-1-スルホニル)-3,5-ジメチル-1H-ピラゾール(ImSO2PzMe2)。500mLの1つ口丸底フラスコに、クライゼンアダプタ、ゴム製シール、ガス注入口を装備し、カニューレを介して、1-(トリメチルシリル)-3,5-ジメチルピラゾール(50g、0.28モル)、アセトニトリル中のFSO2Im(43.5g、0.29モル)、及び更なるアセトニトリル(総アセトニトリル500mL)を入れた。DBU(0.28g、2ミリモル)を注入し、ポットを25℃で2時間撹拌した。変換は部分的(GCMS)であり、更なるDBU(0.36g、2ミリモル)を添加した。撹拌を室温で1日半続けたが、シリルアゾールはまだ存在した。さらに1.4gのFSO2Imをポットに加えた。ポットを10日間の休止中に窒素下で撹拌した。次に、ポットを50℃/0.5kPaで濃縮乾固させ、冷却時に固化する油(67g)を得た。固形物を熱エタノール(200mL)に溶解し、一晩冷蔵した。形成された結晶を窒素下で加圧濾過により分離し、エタノール(50mL)ですすぎ、窒素流中で乾燥させて、生成物ImSO2PzMe2(55.6g、0.25モル、88%)を得、m.p.は100~101℃であった。GCMSは、m/e226にピークを示さなかったが、162にピークを示し、SO2押し出し結合生成物に対応する。
【0147】
実施例32において、スルホニルジイミダゾール。500mLの1つ口のナシ型フラスコに、撹拌棒とガス温度計アダプタを装備し、温度計の開口部から窒素で流した。フラスコに、カニューレを介して開口部から窒素流に逆らって、FSO2Im(53.4g、0.36モル)、Me3SiIm(50.6g、0.36モル)及びアセトニトリル(200mL)を入れた。温度計を入れて、ポットを氷結した。ポットを10℃に冷却したときに、温度計を取り外し、開口部からDBU(0.3g、2ミリモル)を加えた。温度計を再び入れた。2分後、沈殿物を観察した(25℃)。ポットを氷から取り出し、さらに2分後に温度が42℃に上昇し、その後下降した。ポットを再び10℃に氷結し、その結果、懸濁液を凝集させた。凝集物を砕き、ポットを室温でさらに3時間撹拌し、一晩放置させた。翌日、ポットを濃縮乾固させ、そのようにして得られた固形物をエタノール(200mL)から再結晶させた。形成された結晶を窒素下で加圧濾過により分離し、窒素流中で乾燥させて、生成物SO2Im2(60g、0.3モル、85%)を得、m.p.は139~141℃であった。濃縮濾液(6.2g、0.03モル、9%)から第2の作物を収集した。M.p.は、140~141℃であった。総収率は66g、0.33モル、94%であった。
【0148】
実施例33において、スルホニルジイミダゾール。撹拌子、ゴム製シール、温度計、及びガス入口を備えた500mLの3つ口丸底フラスコに、FSO2Im(66g、0.44モル)及びMe3SiIm(63.5g、0.45モル)を入れ、10℃に冷却した。DBU(0.36g、5ミリモル)を注入した。ポットを50℃の浴に入れ、ガスの流出を監視した。ポットが40℃に達したときにガスの流出が始まり、次に、固形物が現れたとき、ポットを20分間かけて60℃に内在的に加熱した。次の4分間で、84℃に急上昇し、ポットを完全に固化させた。浴でさらに数分後、ガスの流出が終わり、ポットを65℃に冷却した。エタノール(250mL)を加え、ポットを沸騰させ、内容物をビーカーで冷却した。形成された結晶を窒素下で加圧濾過により分離し、エタノール(50mL)ですすぎ、窒素流中で乾燥させて、生成物SO2Im2(69.5g、0.35モル、80%)を得、140~141℃であった。
【0149】
実施例34において、スルホニルジイミダゾール。300mLの1つ口丸底フラスコに撹拌子を装備し、FSO2Im(42g、0.28モル)、Me3SiIm(42g、0.3モル)及びトリエチルアミン(5.3g、50ミリモル)を入れ、該撹拌子の上部に凝縮器と窒素ブランケットを付け、油浴に入れた。ポットを磁気的に撹拌し、浴の温度をゆっくりと130℃に上げた。ガスの流出を観察せず、ポットを130℃でさらに18時間撹拌した。翌朝、ポットの内容物は、少量の還流液を含む黒い固体塊であった。この黒い固形物をエタノールから2回再結晶させ、そのようにして得られた結晶を窒素下で加圧濾過により分離し、窒素流中で乾燥させて、生成物SO2Im2(43.1g、0.22モル、78%)を得、m.p.は140~141℃であった。
【0150】
実施例35において、スルホニルジイミダゾール及びフルオロスルホニルイミダゾール。500mLの1つ口丸底フラスコに撹拌子を装備し、Me3SiIm(142.8g、1モル)とDBU(0.33g、2ミリモル)を入れ、密封、氷結し、定圧(0.1kPa未満)まで減圧した。SO2F2を、93kPaのゲート圧力でアイスポットに導入した。約1時間半後、ポットをチェックしたところ、圧力が93kPaを超えていることがわかり、添加を停止した。添加されたSO2F2は94g(0.92モル)であった。ポットを温め、通気させた後、53℃/2.7kPaで蒸留してFSO2Im(86g、0.57モル、57%)を得た。相当なポット質量48gをエタノールから再結晶した。形成された結晶を窒素下で加圧濾過により分離し、エタノール(50mL)ですすぎ、窒素流中で乾燥させて、SO2Im2(33g、0.17モル、33%)を得た。M.p.は、139~141℃であった。Me3SiIm出発物質に基づく両方の生成物の合計収率が90%であった。
【0151】
実施例36において、スルホニルジイミダゾール。撹拌子、ゴム製シール、温度計、及びガスバブラーを備えた500mLの3つ口丸底フラスコに、FSO2Im(70g、0.47モル)及びMe3SiIm(66g、0.47モル)を入れ、反応中50℃の浴に保持した。DBU(2滴、約0.04g、0.3ミリモル)を添加し、温度とガス流出を監視した。反応は丁度4時間かかった。温度をほぼ終始50~53℃に保持した。最初は流出が遅かった。36分(53℃)後、沈殿物が現れた。さらに1時間後、流出速度が上がり、約5分間続く発熱(55℃)でピークに達した。ポットの内容物を固化させた。50℃の浴でさらに15分後、ポットの温度が46℃に下がり、それ以上のガス流出を観察しなかった。ポットの内容物をエタノール(315mL)で希釈し、沸騰させ、ビーカーに注ぎ、透明黄色の溶液を冷却させた。形成された結晶を窒素下で加圧濾過により分離し、エタノール(40mL)ですすぎ、窒素流中で乾燥させて、生成物SO2Im2(80.5g、0.4モル、87%)を得た。M.p.は、140~141℃であった。濃縮濾液9gから、第2の作物を収集し、m.p.は139~140℃であった。総収率は89.5g、0.45モル、97%であった。
【0152】
実施例37において、1-(1H-イミダゾール-1-スルホニル)-1H-ピラゾール(ImSO2Pz)。撹拌子、ゴム製シール、温度計、及びガスバブラーを備えた500mLの3つ口丸底フラスコに、FSO2Im(71.3g、0.475モル)及びMe3SiTz(67.5g、0.477モル)を入れ、反応中、50℃の浴に保持した。DBU(4滴、約0.06g、0.4ミリモル)を添加し、温度とガス流出を監視した。流出が遅く、ポットを1日半撹拌し、少量の固形物のみを観察した。さらにDBU(0.15g、1ミリモル)を添加した直後に結果を得た。温度は13分後に79℃に急上昇し、50℃の浴でさらに30分後に48℃に降下した。さらに1時間エタノール(200mL)を加えた後、ポットを沸騰させ、ビーカーに注ぎ、冷却した。形成された結晶を窒素下で加圧濾過により分離し、窒素流中で乾燥させて、生成物ImSO2Pz(83g、0.42モル、87%)を得た。M.p.は、109~110℃であった。試料をアセトニトリルから再結晶し、m.p.は110~112℃であった。GCMSm/eは199、135であった(SO2押し出し結合生成物)。
【0153】
実施例38において、フルオロスルホニルイミダゾール(FSO2Im)。1リットルの4つ口フラスコに、撹拌子、温度計、ストッパー、及び真空アダプタを装備し、Me3SiIm(235.8g、1.68モル)、DBU(0.37g、2.5ミリモル)及びジクロロメタン(250mL)を入れた。ポットをドライアイス-アセトン浴で-18℃に冷却し、一定の静圧(3.9kPa)まで減圧した。SO2F2(182g、1.78モル)を、磁気的に撹拌したポットに、-11~‐18℃及び80kPaで30分間かけて2つの部分に分けて加えたが、第1の部分は不十分であった。終点は-15.5℃及び40kPaでした。ポットを温め、ポットの圧力が大気圧に達した場合、真空アダプタをバブラーに取り付けられた還流凝縮器と交換し、ポットの温度が43℃に上昇するまでポットを還流させた。次に、ポットを53~54℃/2.7kPaで蒸留して、生成物FSO2Im(217g、1.45モル、86%)を得た。
【0154】
実施例39において、フルオロスルホニルイミダゾール(FSO2Tz)。500mLの2つ口フラスコに、撹拌子、温度計、及び真空アダプタを装備し、Me3SiTz(98g、0.69モル)、DBU(0.06g、0.4ミリモル)及びジクロロメタン(250mL)を入れた。ポットをドライアイス-アセトン浴で-60℃に冷却し、一定の静圧(0.4kPa)まで減圧した。SO2F2(78g、0.76モル)を、磁気的に撹拌したポットに、-65~-57℃及び66~33kPaで6分間かけて加えた。その後、終点圧力は21kPaに低下した。ポットを約-60℃で5分間撹拌し、次に温めた。ポットの圧力は、45から42kPaに低下するときに約-20℃まで温度と共に上昇し、その後、温度と共に上昇し続けた。+13℃では、圧力は大気圧であり、真空出口を蒸留器ヘッドと交換した。揮発性成分を除去した後、生成物FSO2Tz(73g、0.48モル、70%)を50℃/1.7kPaで蒸留した。
【0155】
実施例40において、フルオロスルホニルイミダゾール(FSO2Tz)。500mLの2つ口フラスコに、撹拌子、温度計、及び真空アダプタを装備し、Me3SiTz(98g、0.69モル)、DBU(50μL、55mg,36ミューモル)及びジクロロメタン(250mL)を入れた。ポットをドライアイス-アセトン浴で-64℃に冷却し、一定の静圧(0.4kPa)まで減圧した。SO2F2(108g、1.06モル)を、磁気的に撹拌したポットに、-64~-52℃及び93kPaで6分間かけて加えた。終点の後、ポットを-69℃及び22kPaに冷却した。ポットを-69℃で窒素で充填し、バブラーに取り付け、12時間撹拌しながらゆっくりと温めた。揮発性成分を除去した後、生成物FSO2Tzを52~53℃/2.0kPaで蒸留した。総収率は92g(0.61モル、87%)であった。
【0156】
実施例41において、スルホニルジイミダゾール。1リットルの1つ口丸底フラッシュ中の1.00NのNaOH水溶液(500mL)中のイミダゾール(34.04g、0.5モル)の溶液を、回転式蒸発器で濃縮乾固させ、次に、高真空下で放置し、油浴を使用して200℃/13Paで40分間保持した。砕けやすい固形物(45g、100%)を得た。フラスコを冷却し、窒素で充填し、撹拌子を加えた。ポットをゴム製シールで閉じ、アセトニトリル(500mL)をカニューレを介して移した。シールを迅速に真空アダプタと交換し、沸騰し始めたときにポットを10kPaまでポンプダウンした。ポットを約20℃の水浴に入れて撹拌し、SO2F2(39g、0.38モル)を93kPaで55分間かけて加えた。終点圧力は89kPaであった。ポットを開封し、凝縮器を入れ、ポットの内容物を穏やかに温めて、過剰のSO2F2ガスの大部分を排出した。残りのガスを短時間の還流により排出した。次に、ポットを濃縮乾固させ、内容物をエタノール(250mL)に溶解し、還流させた。次に、ポットの内容物を熱濾過し、オープンビーカーで200mLまで煮詰め、冷却した。形成された結晶を窒素下で加圧濾過により分離し、窒素流中で乾燥させて、(38g、0.19モル、77%)生成物を無色結晶として得た。Mpは139~140℃であった。
【0157】
実施例42において、スルホニルビス(3,5-ジメチルピラゾール)。
【0158】
1.3,5-ジメチルピラゾレートナトリウム。NaOH(0.5リットル、1.00N、0.5モル)を1Lの1つ口丸底フラスコに加え、回転式蒸発器で約50mLに濃縮し、3,5-ジメチルピラゾール(48g、0.5モル)を加え、続いて2-メチルテトラヒドロフラン(2-MeTHF、300mL)、及び大きな撹拌子を加えた。ポットを磁気的に撹拌し、ディーンスタークトラップで還流させて水を除去した。70mLの水を除去した後、さらに300mLの2-MeTHFを添加し、排出される水がなくなるまでポットをさらに還流した。ポットの内容物を分別蒸留して乾固させた後、200℃/30Paに設定された油浴に75分間保持し、動的真空下でさらに加熱しても質量が減少しなかった67gの白色固形物(計算後59g)を得た。この固形物を次のステップで直接使用した。
【0159】
2.スルホニルビス(3,5-ジメチルピラゾール)。ステップ1の固体ポットの内容物にアセトニトリル(500mL)を加え、磁気的に撹拌して懸濁液を生成した。撹拌した懸濁液を一定の静圧(9.3kPa)まで減圧した。SO2F2(28g、0.27モル)を67kPaで15分間かけてポットに加えた。次に、ポットを徐々に加熱して揮発性成分を追い出し、フリットガラスのブフナー漏斗を通して熱いうちに濾過した。このプロセスは非効率的であり、多くの固形物が残り、フィルタが詰まった。フィルタを通過した透明液体を回転式蒸発器で濃縮して、冷却時に固化する油(28g)を得た。この固形物をアセトニトリルに溶解し、溶離液が透明になるまでいくつかの短いシリカカラムを通して窒素下でフィルタプレスした。冷凍庫におけるアセトニトリルからの再結晶、続いて動的真空下での乾燥により、生成物を白色の半結晶性固形物(7.4g、28ミリモル、6%)として得た。M.p.は、再溶解後に98~104℃であった。GCMSm/eは254であった。少量のジメチルピラゾールをGC曲線で検出した。
【0160】
実施例43において、スルホニルジイミダゾール。500mLの1つ口丸底フラスコに、FSO2Im(45g、0.3モル)、イミダゾール(22.5g、0.33モル)、トリエチルアミン(31g、0.3モル)、及びアセトニトリル(150mL)を入れた。ポットを80℃に設定した油浴で50分間撹拌し、GCMSで分析したところ、反応はほぼ完了したことがわかる。ポットを浴から取り出し、一晩撹拌した。翌朝、固体沈殿物が見つかった。固形物を濾過により収集し、冷却エタノール(200mL)と共に撹拌し、再濾過し、ケーキを少量のエタノールですすいだ。固形物を動的真空下で乾燥させて、生成物SO2Im2(43.5g、0.22モル、73%)を無定形の白色固形物として得、m.p.は141~141.5℃である。
【0161】
実施例44において、スルホニルジイミダゾール。600mLのオートクレーブに、イミダゾール(35g、0.51モル)、トリエチルアミン(52g、0.51モル)、及びジクロロメタン(250mL)を入れ、密封し、-50℃未満に冷却し、一定の静圧(1kPa)まで減圧した。SO2F2(26.8g、0.26モル)を逆さにしたレクチャーボトルから迅速に加え、オートクレーブを密封した。オートクレーブを30分間かけて80℃にし、80℃で1時間保持した。次にオートクレーブを氷結し、低圧にして開いた。ポットからの透明淡黄色の液体をフラスコに移し、揮発性成分を除去して(0.3kPa)、湿った固形物(74g)を得た。この固形物をエタノール(2×50mL)で2回洗浄し、動的真空下で乾燥させて、生成物SO2Im2(18.5g、93ミリモル、37%)を得た。M.p.は、139~142℃であった。
【0162】
実施例45において、スルホニルジイミダゾール。600mLのオートクレーブに、イミダゾール(70g、1モル)、トリエチルアミン(52g、0.51モル)、及びジクロロメタン(250mL)を入れ、密封し、-50℃未満に冷却し、一定の静圧(1kPa)まで減圧した。SO2F2(27.2g、0.27モル)を逆さにしたレクチャーボトルから迅速に加え、オートクレーブを密封した。オートクレーブを25分間かけて80℃にし、80℃で1時間保持した。次にオートクレーブを氷結し、低圧にして開いた。ポットからの透明淡黄色の液体をフラスコに移し、揮発性成分を除去して(0.3kPa)、固形物(125g)の入った粘性油を得た。油を氷結エタノール(100mL)に溶解し、油を含まない固形物を濾過により収集した。固形物をエタノール(50mL)で洗浄し、ケーキをエタノールですすいだ。そのようにして得られた白色の結晶性材料を動的真空下で乾燥させて、生成物SO2Im2(36.5g、0.18モル、69%)を得た。M.p.は、139~140℃であった。
【0163】
表1は、上記の実施例の反応条件、生成物及び収率を要約する。
【0164】
【0165】
本主題は例示的な実施形態の観点から説明されたが、それに限定されない。むしろ、添付の特許請求の範囲は、当業者によってなされ得る他の変形及び実施形態を含むように広く解釈されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2020-12-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のアゾール塩基構造(アゾール1)を有するN-(フルオロスルホニル)アゾール
(アゾール1-SO
2F)を、第2のアゾール塩基構造(アゾール2)を有するプロトン性アゾール又はアゾールアニオン化合物と反応させるステップと、
N,N’-スルホニルビサゾール(アゾール1-SO
2-アゾール2)を単離するステップと
を含み、
ここで、前記アゾールアニオン化合物は、塩基性触媒の存在下で、第2のアゾール塩基構造(アゾール2)を有するN-(トリアルキルシリル)アゾールに由来するものである、
方法。
【請求項2】
前記第1のアゾール塩基構造及び前記第2のアゾール塩基構造は、イミダゾール、ピラゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インダゾール、2-メチルイミダゾール、2-メチルベンズイミダゾール、及び3,5-ジメチルピラゾールからなる群から独立して選択されるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のアゾール塩基構造(アゾール1)と前記第2のアゾール塩基構造(アゾール2)は同じものである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記N-(トリアルキルシリル)アゾールは、N-(トリメチルシリル)アゾールである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記塩基性触媒は、前記プロトン性アゾール(アゾール2)のアニオン塩と、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、及びマグネシウムからなる群から選択される金属のカチオンとからなる群から選択されるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記塩基性触媒は、非プロトン性有機塩基又は前記プロトン性アゾール(アゾール2)である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
N-(フルオロスルホニル)アゾール(アゾール1-SO
2F)を、非プロトン性溶媒の存在下で前記プロトン性アゾール又は前記アゾールアニオン化合物と反応させる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のアゾール塩基構造(アゾール1)と前記第2のアゾール塩基構造(アゾール2)は、イミダゾール又はベンズイミダゾールである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
フッ化スルフリル(SO
2F
2)を、第1のプロトン性アゾール塩基構造(アゾール1)
を有するアゾール又はアゾールアニオン化合物と反応させるステップと、
N,N’-スルホニルビサゾール(アゾール1-SO
2-アゾール1)を単離するステップと
を含む、方法。
【請求項10】
前記第1のアゾール塩基構造は、イミダゾール、ピラゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インダゾール、2-メチルイミダゾール、2-メチルベンズイミダゾール、及び3,5-ジメチルピラゾールからなる群から選択されるものである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記アゾールアニオン化合物は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、及びマグネシウムからなる群から選択される金属のイオンを有するアゾールアニオン塩である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記アゾールアニオン化合物は、プロトン性アゾール及び金属炭酸塩に由来し、前記金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、及びマグネシウムからなる群から選択されるものである、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記アゾールアニオン化合物は、プロトン性アゾール及び非プロトン性塩基、又は前記塩基としてのプロトン性アゾールに由来するものである、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記アゾールアニオン化合物は、塩基性触媒の存在下で、第1のアゾール塩基構造を有するN-(トリアルキルシリル)アゾールに由来するものである、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
フッ化スルフリル(SO
2F
2)を、第1のアゾール塩基構造(アゾール1)を有するN
-(トリアルキルシリル)アゾールと反応させるステップと、
N-(フルオロスルホニル)アゾール(アゾール1‐SO
2F)を単離するステップと
を含む、方法。
【請求項16】
前記第1のアゾール塩基構造は、イミダゾール、ピラゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インダゾール、2-メチルイミダゾール、2-メチルベンズイミダゾール、及び3,5-ジメチルピラゾールからなる群から選択されるものである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記N-(トリアルキルシリル)アゾールは、N-(トリメチルシリル)アゾールである、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記反応は、非プロトン性溶媒又は塩基性触媒、或いはその両方の存在下で行われるものである、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記塩基性触媒は、非プロトン性有機塩基又は塩基としての前記プロトン性アゾール1である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記塩基性触媒は、プロトン性アゾール(アゾール1)のアニオン塩と、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、及びマグネシウムからなる群から選択される金属のイオンとからなる群から選択されるものである、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記N-(フルオロスルホニル)アゾール(アゾール1-SO
2F)を、第2のN-(トリアルキルシリル)アゾール又は第2のアゾール塩基構造(アゾール2)を有するアゾールアニオン塩と反応させて、N,N’‐スルホニルジアゾール(アゾール1-SO
2-アゾール2)を提供するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のアゾール塩基構造及び前記第2のアゾール塩基構造は同じであり、フッ化スルフリル(SO
2F
2)を、ワンポットで前記第1のN-(トリアルキルシリル)アゾールと直接反応させて、対称スルホニルジアゾールを提供する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
非プロトン性塩基の存在下で非プロトン性溶媒においてプロトン性アゾールにSO
2F
2を添加する、請求項9に記載の方法。
【請求項24】
前記非プロトン性塩基は、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記非プロトン性塩基は、非プロトン性有機塩基である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記非プロトン性有機塩基は、トリエチルアミンである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記非プロトン性溶媒は、アセトニトリルである、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記アゾールはイミダゾールである、請求項23に記載の方法。
【国際調査報告】