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特表2022-526829取り外し可能なレンズを有するディスプレイ及び視力矯正システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-26
(54)【発明の名称】取り外し可能なレンズを有するディスプレイ及び視力矯正システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20220519BHJP
   G02C 9/00 20060101ALI20220519BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02C9/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559815
(86)(22)【出願日】2020-06-18
(85)【翻訳文提出日】2021-10-08
(86)【国際出願番号】 US2020038438
(87)【国際公開番号】W WO2020257457
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】62/864,664
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100122563
【弁理士】
【氏名又は名称】越柴 絵里
(72)【発明者】
【氏名】マリック イヴァン エス
(72)【発明者】
【氏名】ウェバー アンドレアス ジー
(72)【発明者】
【氏名】ミラベラ アンナ ヴイ
(72)【発明者】
【氏名】シェーファー ベンジャミン エイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン フォレスト シー
(72)【発明者】
【氏名】サウアーズ ジェイソン シー
(72)【発明者】
【氏名】フランクリン ジェレミー シー
(72)【発明者】
【氏名】ホーニグ ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】ヤーデ ユリアン
(72)【発明者】
【氏名】バウアリー クリスティ イー
(72)【発明者】
【氏名】デイ スティーヴン イー
(72)【発明者】
【氏名】リン ウェイ-ジウン
【テーマコード(参考)】
2H199
【Fターム(参考)】
2H199CA12
2H199CA23
2H199CA25
2H199CA30
2H199CA42
2H199CA76
2H199CA92
2H199CA93
2H199CA94
2H199CA95
2H199CA97
2H199CA98
(57)【要約】
ディスプレイ及び視力矯正システムは、ヘッドマウントディスプレイユニットと、眼鏡フレームと、取り外し可能レンズアセンブリとを含む。ヘッドマウントディスプレイユニットは、ユーザの頭部に装着されるように構成され、ユーザにグラフィカルコンテンツを提供するためのディスプレイを含む。眼鏡フレームはユーザの頭部に装着されるように構成されている。取り外し可能レンズアセンブリは、ヘッドマウントディスプレイユニット及び眼鏡フレームに取り外し可能に結合可能である。取り外し可能レンズアセンブリは、矯正レンズエレメントを含む。
【選択図】図18B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの頭部に装着されるように構成され、コントローラ及びユーザにグラフィカルコンテンツを提供するために前記コントローラによって動作されるディスプレイを有するヘッドマウントディスプレイユニットと、
前記ユーザの前記頭部に装着されるように構成された眼鏡フレームと、
前記ヘッドマウントディスプレイユニット及び前記眼鏡フレームに取り外し可能に結合可能であって、矯正レンズエレメントを有する、取り外し可能レンズアセンブリと、
を備える、ディスプレイ及び視力矯正システム。
【請求項2】
前記取り外し可能レンズアセンブリが、前記取り外し可能レンズアセンブリを前記ヘッドマウントディスプレイユニット及び前記眼鏡フレームに取り外し可能に結合するための結合機構を含む、請求項1に記載のディスプレイ及び視力矯正システム。
【請求項3】
前記結合機構のうちの共通のものが、前記取り外し可能レンズアセンブリを前記ヘッドマウントディスプレイユニットに取り外し可能に結合し、かつ前記取り外し可能レンズアセンブリを前記眼鏡フレームに取り外し可能に結合する、請求項2に記載のディスプレイ及び視力矯正システム。
【請求項4】
前記取り外し可能レンズアセンブリが、前記ヘッドマウントディスプレイユニット及び前記眼鏡フレームに取り外し可能に結合可能であり、したがって、前記矯正レンズエレメントの前記ユーザに対する異なる装着位置を提供する、請求項3に記載のディスプレイ及び視力矯正システム。
【請求項5】
前記取り外し可能レンズアセンブリは、レンズ機械的結合機構を含み、前記眼鏡フレームは、眼鏡機械的結合機構を含み、前記取り外し可能レンズアセンブリを前記眼鏡フレームに結合するために、前記レンズ機械的結合機構又は前記眼鏡機械的結合機構のうちの1つは、前記レンズ機械的結合機構又は前記眼鏡機械的結合機構のうちの他方によって受容可能である、請求項1に記載のディスプレイ及び視力矯正システム。
【請求項6】
前記取り外し可能レンズアセンブリの前記レンズ機械的結合機構は雄型構成要素であり、前記眼鏡フレームの前記眼鏡機械的結合機構は、前記雄型構成要素を受容して前記取り外し可能レンズアセンブリを前記眼鏡フレームに結合するための雌型構成要素であり、前記ヘッドマウントディスプレイユニットは、前記雄型構成要素を受容して前記取り外し可能レンズアセンブリを前記ヘッドマウントディスプレイユニットに結合するための別の雌型構成要素であるディスプレイ機械的結合機構を含む、請求項5に記載のディスプレイ及び視力矯正システム。
【請求項7】
前記取り外し可能レンズアセンブリの前記レンズ機械的結合機構は雌型構成要素であり、前記眼鏡フレームの前記眼鏡機械的結合機構は、前記取り外し可能レンズアセンブリを前記眼鏡フレームに結合するために前記雌型構成要素によって受容可能である雄型構成要素であり、前記ヘッドマウントディスプレイユニットは、前記雌型構成要素によって受容可能であり前記取り外し可能レンズアセンブリを前記ヘッドマウントディスプレイユニットに結合する別の雄型構成要素である眼鏡機械的結合機構を含む、請求項5に記載のディスプレイ及び視力矯正システム。
【請求項8】
前記レンズ機械的結合機構及び前記眼鏡機械的結合機構が互いに係合して、前記取り外し可能レンズアセンブリが前記眼鏡フレームに対して、前記取り外し可能レンズアセンブリの光軸に横方向に移動することを防止する、請求項5から7のいずれか一項に記載のディスプレイ及び視力矯正システム。
【請求項9】
前記レンズ機械的結合機構及び前記眼鏡機械的結合機構が互いに係合して、前記取り外し可能レンズアセンブリが前記眼鏡フレームに対して、前記取り外し可能レンズアセンブリの前記光軸に沿って移動すること、及び光学軸を中心として移動することを防止する、請求項8に記載のディスプレイ及び視力矯正システム。
【請求項10】
前記取り外し可能レンズアセンブリが、前記レンズ機械的結合機構から離間された第1の磁気結合機構を含み、前記眼鏡フレームは、前記取り外し可能レンズアセンブリを前記眼鏡フレームに磁気的に結合するための、前記第1の磁気結合機構に対応する第2の磁気結合機構を含む、請求項5から7のいずれか一項に記載のディスプレイ及び視力矯正システム。
【請求項11】
前記ヘッドマウントディスプレイユニットが、前記取り外し可能レンズアセンブリを前記ヘッドマウントディスプレイユニットに磁気的に結合するための、前記第1の磁気結合機構に対応する第3の磁気結合機構を含む、請求項10に記載のディスプレイ及び視力矯正システム。
【請求項12】
前記ヘッドマウントディスプレイユニットが、前記ユーザの顔基準点の第1のセットに係合して前記矯正レンズエレメントを前記ユーザに対する第1の装着位置に位置させ、前記眼鏡フレームは、前記ユーザの顔基準点の第2のセットに係合して前記矯正レンズエレメントを前記ユーザに対する第2の装着位置に位置させる、請求項1から7のいずれか一項に記載のディスプレイ及び視力矯正システム。
【請求項13】
前記顔基準点の第1のセットが、前記ユーザの眉を含み、前記顔基準点の第2のセットが、前記ユーザの耳を含む、請求項12に記載のディスプレイ及び視力矯正システム。
【請求項14】
前記顔基準点の第1のセットは、前記ユーザの耳を含まず、前記顔基準点の第2のセットは、前記ユーザの眉を含まない、請求項13に記載のディスプレイ及び視力矯正システム。
【請求項15】
前記第1の装着位置と前記第2の装着位置とが異なる、請求項12に記載のディスプレイ及び視力矯正システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年6月21日出願の米国特許仮出願第62/864,664号の優先権及び利益を主張し、その開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、ディスプレイシステム、具体的には、ヘッドマウントディスプレイシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
ヘッドマウントディスプレイ(head-mounted display、HMD)は、ユーザの頭部に装着されるディスプレイデバイスであり、ユーザにグラフィックを表示するための1つ以上のディスプレイモジュールを含む。異なるユーザはそれぞれ異なる眼の屈折異常を有し得るため、異なる矯正レンズが必要となる。
【発明の概要】
【0004】
本明細書では、ディスプレイシステムの実施態様が開示される。一実施態様では、ディスプレイシステムは、ディスプレイと、取り外し可能レンズアセンブリと、レンズ検出センサと、を含む。取り外し可能なレンズは、ディスプレイに取り外し可能に結合可能である。レンズ検出センサは、ディスプレイに結合された取り外し可能レンズアセンブリを検出する。ディスプレイシステムは、ディスプレイ及びレンズ検出センサを含むヘッドマウントディスプレイユニットを更に含み得る。ディスプレイシステムは、レンズ検出センサを用いて取り外し可能なレンズからレンズ情報を判定することができ、レンズ情報に従って取り外し可能なレンズのインジケータを提供することができる。
【0005】
別の実施態様では、ヘッドマウントディスプレイユニットを動作させるための方法が提供され、この方法は、ヘッドマウントディスプレイユニットのディスプレイモジュールに結合された取り外し可能なレンズを識別することと、取り外し可能なレンズの識別に従って表示を提供することと、を含む。表示は、ディスプレイモジュールに結合可能である、取り外し可能なレンズと別の取り外し可能なレンズとの間で、異なる構成表示であってもよい。方法は、ユーザを識別することを更に含んでもよく、一方、表示は、取り外し可能なレンズとユーザとの間の適合性の適合性表示であってもよい。
【0006】
別の実施態様では、ディスプレイシステムは、ヘッドマウントディスプレイユニットと、取り外し可能レンズアセンブリとを含む。ヘッドマウントディスプレイユニットは、ディスプレイモジュールを含む。取り外し可能レンズアセンブリは、レンズエレメント及びレンズエレメントに結合されたフレームを含む。取り外し可能レンズアセンブリは、磁気的取り付け機構がフレームに結合されレンズエレメントを取り囲む状態で、ディスプレイモジュールに単一の向きに取り外し可能に結合されていてもよい。取り外し可能レンズアセンブリは、例えば、取り外し可能なレンズがディスプレイモジュールのレンズマウントを軸方向に受容する柔軟な環状突出部を含む状態で、締まり嵌めを用いて、ディスプレイモジュールに取り外し可能に結合可能であってもよい。取り外し可能レンズアセンブリは、バネ駆動ラッチ機構を用いて、ディスプレイモジュールに取り外し可能に結合可能であってもよい。
【0007】
一実施態様では、ディスプレイシステムは、ヘッドマウントディスプレイユニットと、取り外し可能レンズアセンブリとを含む。ヘッドマウントディスプレイユニットは、ディスプレイモジュールと、対応する機械的結合機構とを含む。取り外し可能レンズアセンブリは、矯正レンズエレメントと、矯正レンズエレメントに結合されたフレームと、フレームに結合された機械的結合機構と、を含む。機械的結合機構は、取り外し可能レンズアセンブリをヘッドマウントディスプレイユニットに取り外し可能に結合するために、対応する機械的結合機構によって受容可能である。
【0008】
機械的結合機構は、対応する機械的結合機構と係合して、取り外し可能レンズアセンブリがヘッドマウントディスプレイユニットに対し、矯正レンズエレメントの光軸に対して横方向に移動すること、矯正レンズエレメントの光軸に沿って移動すること、及び/又は矯正レンズエレメントの光軸を中心として移動することを防止する。取り外し可能レンズアセンブリは、機械的結合機構から離間した磁気的結合機構を更に含んでもよく、それによって、取り外し可能レンズアセンブリはヘッドマウントディスプレイユニットに磁気的に結合可能である。ディスプレイモジュールは、対応する機械的結合機構を含むレンズマウントを含んでもよく、取り外し可能レンズアセンブリは、ディスプレイモジュールに取り外し可能に結合可能であってもよい。
【0009】
一実施態様では、ディスプレイ及び視力矯正システムは、ヘッドマウントディスプレイユニットと、眼鏡フレームと、取り外し可能レンズアセンブリとを含む。ヘッドマウントディスプレイユニットは、ユーザの頭部に装着されるように構成され、ユーザにグラフィカルコンテンツを提供するためのディスプレイを含む。眼鏡フレームは、ユーザの頭部に装着されるように構成されている。取り外し可能レンズアセンブリは、ヘッドマウントディスプレイユニット及び眼鏡フレームに取り外し可能に結合可能である。取り外し可能レンズアセンブリは、矯正レンズエレメントを含む。
【0010】
取り外し可能レンズアセンブリは、取り外し可能レンズアセンブリをヘッドマウントディスプレイユニット及び眼鏡フレームに取り外し可能に結合するための、磁気結合機構及び機械的結合機構を含んでもよい。機械的結合機構は、ヘッドマウントディスプレイユニットの雌型構成要素及び眼鏡フレームの雌型構成要素によって受容可能な雄型構成要素を含んでよく、それにより、取り外し可能レンズアセンブリの、矯正レンズエレメントの光軸に対する、横方向の相対的な移動及び矯正レンズエレメントの光軸に沿った方向への相対的な移動を防止することができる。ヘッドマウントディスプレイユニットは、ユーザの顔基準点の第1のセットに係合して、矯正レンズエレメントを、ユーザの眉を含む、ユーザに対する第1の装着位置に、位置させてもよい。眼鏡フレームは、ユーザの顔基準点の第2のセットに係合して、矯正レンズエレメントを、ユーザの耳であってもよい、ユーザに対する第2の装着位置に位置させてもよい。
【0011】
一実施態様では、視力矯正のための方法は、矯正レンズエレメント及び第1の結合機構を有する取り外し可能レンズアセンブリを提供することを含む。第1の結合機構は、取り外し可能レンズアセンブリをヘッドマウントディスプレイユニットに結合するためのヘッドマウントディスプレイユニットの第2の結合機構に対応し、取り外し可能レンズアセンブリを眼鏡フレームに結合するための眼鏡フレームの第3の結合機構に対応する。
【0012】
一実施態様では、取り外し可能レンズアセンブリは、矯正レンズエレメントと、矯正レンズエレメントに結合された第1の機械的結合機構とを有する。第1の機械的結合機構は、ヘッドマウントディスプレイユニットの第2の機械的結合機構に挿入可能であり、矯正レンズエレメントの光軸に対して横方向及び矯正レンズエレメントの光軸に沿った方向への、ヘッドマウントディスプレイユニットに対する矯正レンズエレメントの移動を防止する。機械的結合機構はまた、眼鏡フレームの第3の機械的結合機構に挿入可能であり、矯正レンズエレメントの光軸に対して横方向への、眼鏡フレームに対する矯正レンズエレメントの移動を防止する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】隠れた構成要素が破線で示されているディスプレイシステムの側面図である。
図2図1の線2-2に沿って切り取られた図1のディスプレイシステムの断面図である。
図3A図2の線3-3に沿って切り取られ、かつ、組み立てられた状態で示された、図1のディスプレイシステムのディスプレイユニット及び交換可能なレンズアセンブリの断面図である。
図3B】分解された状態で示された、図3Aのディスプレイユニット及び交換可能なレンズアセンブリの断面図である。
図4】発光点、入射点、及び出射点が、破線(すなわち、一点鎖線)で示されている、図1のディスプレイシステムの取り外し可能なレンズの背面図である。
図5】取り外し可能なレンズの別の実施形態の背面図である。
図6】取り外し可能なレンズの別の実施形態の背面図である。
図7】取り外し可能なレンズの別の実施形態の断面図である。
図8】取り外し可能なレンズの別の実施形態の断面図である。
図9】取り外し可能なレンズの別の実施形態の断面図である。
図10A図2の線10-10に沿って切り取られ、かつ、分解された状態で示された、図1のディスプレイシステムの別のディスプレイユニット及び別の交換可能なレンズアセンブリの断面図である。
図10B】組み立てられた状態で示された、図10Aのディスプレイユニット及び交換可能なレンズアセンブリの断面図である。
図11A】分解された状態で示された、図1のディスプレイシステムの別のディスプレイユニット及び別の交換可能なレンズアセンブリの断面図である。
図11B】組み立てられた状態で示された、図10Aのディスプレイユニット及び交換可能なレンズアセンブリの断面図である。
図12A】ディスプレイシステムで使用するためのディスプレイモジュールの側面図である。
図12B】ディスプレイシステムで使用するためのディスプレイモジュールの正面図である。
図12C】ディスプレイシステムで使用するためのディスプレイモジュールの正面図である。
図12D】ディスプレイシステムで使用するためのディスプレイモジュールの正面図である。
図13A】ディスプレイシステムで使用するためのディスプレイモジュールの正面図である。
図13B図13Aのディスプレイモジュールと共に使用するための取り外し可能レンズアセンブリの正面図である。
図13C】線13C-13Cに沿って切り取られた、図13Aのディスプレイモジュールの断面図である。
図13D】線13D-13Dに沿って切り取られた、図13Bの取り外し可能レンズアセンブリの断面図である。
図13E】部分的に結合された状態の、図13Aのディスプレイモジュール及び図13Bの取り外し可能レンズアセンブリの断面図である。
図13F】結合された状態の、図13Aのディスプレイモジュール及び図13Bの取り外し可能レンズアセンブリの断面図である。
図14A】ディスプレイシステムの概略図である。
図14B】ディスプレイシステムを動作させるための方法のフローチャートである。
図15】取り外し可能なレンズとユーザとの適合性を判定するためのプロセスのフローチャートである。
図16】取り外し可能なレンズとユーザとの適合性を判定するための方法のフローチャートである。
図17】ディスプレイシステムのコントローラの例示的なハードウェア構成の概略図である。
図18A】眼鏡アセンブリの正面図である。
図18B】取り外し可能レンズアセンブリが分離された、図18Aの眼鏡アセンブリの上面図である。
図18C図18Aの眼鏡アセンブリの側面図である。
図19A図18Aの眼鏡アセンブリを装着している人の正面概略図である。
図19B図18Aの眼鏡アセンブリを装着している人の側面概略図である。
図20A図1のヘッドマウントディスプレイユニットを装着している人の正面概略図である。
図20B図1のヘッドマウントディスプレイユニットを装着している人の側面概略図である。
図21】つるが分離された、別の眼鏡アセンブリの上面図である。
図22A】ヘッドマウントディスプレイユニットが引き下げられた構成で装着している人の側面概略図である。
図22B図22Aのヘッドマウントディスプレイユニットが引き上げられた構成で装着している人の側面概略図である。
図22C】線22C-22Cに沿って取られた、図22Aの眼鏡アセンブリ及びヘッドマウントディスプレイユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ヘッドマウントディスプレイユニットと1つ以上の交換可能なレンズとを含むディスプレイシステムの実施形態が、本明細書に開示されている。交換可能なレンズは、異なるユーザの異なる眼の特性に従って(例えば、眼鏡処方に従って)構成され得る。例えば、一対の交換可能なレンズは、1人のユーザに関連付けられ(例えば、処方され)てもよく、一方、別の一対の交換可能なレンズは、別のユーザに関連付けられてもよい。交換可能なレンズは、異なる眼の特性を有する異なるユーザに適応する異なるレンズをヘッドマウントディスプレイユニットに取り付けられるように、交換可能な方法でヘッドマウントディスプレイユニットに取り付け可能である。交換可能なレンズは、様々な異なる方法でヘッドマウントディスプレイユニットに取り付けられ得る。ディスプレイシステムはまた、ヘッドマウントディスプレイユニットに取り付けられた交換可能なレンズを識別し、かつ/又はユーザを識別して、それに応じて様々な動作を実行することができる。
【0015】
図1及び図2を参照すると、ディスプレイシステム100は、一般に、ヘッドマウントディスプレイユニット110と、1つ以上の取り外し可能レンズアセンブリ120とを含む。ヘッドマウントディスプレイユニット110は、一般に、ハウジング112と、ヘッドサポート114と、1つ以上のディスプレイモジュール116(例えば2つ、すなわち、それぞれの眼に1つずつ)と、様々な他の電子装置(例えば、コントローラ若しくはコンピューティングデバイス、通信インタフェース、オーディオ入出力デバイス、センサ、バッテリ、又は他の電力電子装置、図12も参照)と、を含む。ディスプレイシステム100は、コンピュータ生成現実(例えば、仮想現実又は複合現実)を提供するように構成されており、この場合、ディスプレイシステム100は、コンピュータ生成現実システム若しくはコンピュータ生成現実ディスプレイシステム、仮想現実システム若しくは仮想現実ディスプレイシステム、又は複合現実ディスプレイシステム若しくは複合現実システムと見なすことができる。コンピュータ生成現実、仮想現実、及び複合現実という用語は、以下で更に詳細に論じられる。
【0016】
ハウジング112は、1つ以上のディスプレイモジュール116及び他の電子装置を含むか、又はそうでなければそれらに結合される。ハウジング112はまた、ユーザの顔に係合し、その上に支持されるように、ハウジング112に結合された様々な柔軟な構成要素(図示せず)を含んでもよい。ヘッドサポート114は、ヘッドマウントディスプレイユニット110を、1つ以上のディスプレイモジュール116がユーザの眼に対して好適な位置にある状態でユーザの頭部上に支持するようにハウジング112に結合されている。図示のように、ヘッドサポート114は、ユーザの頭部の周囲に延びるように構成されたストラップ又はバンドとして構成され得る。ディスプレイモジュール116は、(図示のように)固定位置でハウジング112に結合されている。
【0017】
図3A及び図3Bを参照すると、ディスプレイモジュール116は、一般に、ディスプレイ316aと、一次レンズ316bと、レンズマウント316cと、を含む。ディスプレイ316aは、ユーザにグラフィックを表示するように構成されている。ディスプレイ316aは、例えば、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)、有機発光ダイオード(organic light-emitting diode、OLED)ディスプレイ、又は他の好適なディスプレイなどのディスプレイ画面であってもよい。ディスプレイ316aは、回路基板又は他の支持体に結合されてもよい。
【0018】
一次レンズ316bは、ディスプレイ316aに結合されている。一次レンズ116bは、ディスプレイ116aとユーザの眼との間に配置され、ディスプレイ316aから放射された光をユーザの眼に到達する前に屈折させる。一次レンズ316bは、ディスプレイ316a及び/又は取り外し可能レンズアセンブリ120の構成に応じて省略され得る。
【0019】
レンズマウント316cは、取り外し可能レンズアセンブリ120に結合し、取り外し可能レンズアセンブリ120をディスプレイ316aとユーザの眼との間に(すなわち、一次レンズ316bがディスプレイ316aと取り外し可能レンズアセンブリ120との間にある状態に)支持するように構成されている。図示のように、レンズマウント316cは、ディスプレイ316aの回路基板又は他の支持体に結合されることなどによって、更に一次レンズ316bに結合されて、ディスプレイ316aに対してこれを支持することができる。レンズマウント316cは、(例えば、一次レンズ316bのベゼル又はバレル構造を形成して)一次レンズ316bを取り囲むことができる。
【0020】
取り外し可能レンズアセンブリ120は、一般に、レンズエレメント330及びレンズフレーム340を含む。レンズフレーム340は、レンズエレメント330に結合され、かつ、レンズエレメント330をディスプレイモジュール116上の(例えば、ディスプレイ316a及び/又は一次レンズ316bに対して)所定の位置に支持するために、レンズマウント316cに取り外し可能に結合するように構成されている。レンズフレーム340は、例えば、レンズエレメント330の外周面に結合される。レンズマウント316cの変形形態、及びレンズフレーム340との相互作用については、以下で更に詳細に論じる。取り外し可能レンズアセンブリ120はまた、交換可能なレンズアセンブリ、交換可能なレンズ、取り外し可能なレンズ、又はレンズと呼ばれ得る。
【0021】
レンズエレメント330は、例えば、近視、遠視、及び/又は乱視などの、ユーザの眼の屈折異常に対処するための矯正レンズであってもよい。取り外し可能レンズアセンブリ120及びレンズエレメント330は、特定のユーザの眼の特定の屈折異常(例えば、眼の特性)に対処するための特定のレンズ特性を有することによって、特定のユーザに関連付けられ得る。そのようなレンズ特性及び眼の特性は、それぞれ、1人以上のユーザの眼の眼鏡処方若しくは屈折異常を定義するために従来使用されている、球面、円柱、軸、及び/又は他のパラメータを含んでもよい。
【0022】
レンズエレメント330、従って、取り外し可能レンズアセンブリ120のレンズ特性はまた、ユーザの瞳孔に位置合わせされる中心(例えば、光軸)を含み得る。したがって、取り外し可能レンズアセンブリ120は、ユーザの眼に対するレンズエレメント330の適切な空間的位置決めを確実に行うため、レンズマウント316cの所定の位置(すなわち、上/下、左/右、及び回転位置)に取り付けられることができる。
【0023】
代わりに、レンズエレメント330は、非矯正レンズであってもよく、そうでない場合にはユーザがディスプレイ316aを見ることを(例えば、擦過傷をつける、又は視界を妨げることで)妨げ得るユーザ及び/又は破片による接触から、一次レンズ316bを保護することができる。例えば、一対の取り外し可能レンズアセンブリ120は、特定のユーザによる使用のために矯正されているレンズエレメント330を含んでもよく、一方、別の一対の取り外し可能レンズアセンブリ120は、他のユーザ(例えば、矯正レンズを必要としないユーザ)による使用のために非矯正のレンズエレメント330を含んでもよい。
【0024】
図4図6を参照すると、取り外し可能レンズアセンブリ120の外周は、異なる形状を有してもよい。図4に示すように、取り外し可能レンズアセンブリ120は、レンズフレーム340によって形成され、かつ、楕円形(すなわち、図示されたような、曲線状の左端及び右端を有する)である、外周を有する。代わりに、外周は、円形であってもよく(図5のレンズアセンブリ520のレンズフレーム540を参照)、又は矩形であってもよい(図6のレンズアセンブリ620のレンズフレーム640を参照)。以下で更に詳細に論じるように、回転対称である(例えば、卵形、円形、矩形、又は他の好適な形状である)外周を有するレンズアセンブリが、ディスプレイモジュール116と共に使用するために、レンズエレメント330の光軸を中心とする異なる回転位置でレンズマウント316cに結合するように更に構成されてもよい。あるいは、取り外し可能レンズアセンブリ120は、回転非対称である外周を有してもよく、その場合、レンズマウント316cは、ディスプレイモジュール116と共に使用するため1つの位置でのみ結合可能である。
【0025】
再び図3A及び図4を参照すると、ディスプレイ316aによって光が放射され、一次レンズ316bを通過し、次いで、ユーザの眼に到達する前にレンズエレメント330を通過する。例えば、ディスプレイ316aの外端360aから放射された光は、概して、外光路360(例えば、光線トレース)をたどることができ、それによって、ディスプレイ316aから放射された光は、一次レンズ316bによって屈折され、その後レンズエレメント330によって屈折される。外光路360は、概して通過位置360bで一次レンズ316bを通過する。外光路360は、入射点360cでレンズエレメント330の入射側330aに入り、入射点360cで光路の出射側330bに出る。レンズエレメント330を通って入射側330aから出射側330bへ移動すると、外光路360は狭くなり、それによってユーザの眼に向かって焦点を合わせる。
【0026】
入射点360c及び出射点360dの外側(すなわち、レンズエレメント330の縁部に向かって半径方向外側)のレンズエレメント330の領域は、ユーザの眼に向かって光を屈折させるように機能せず、非機能性(例えば、非屈折性)と見なされ得る。レンズエレメント330のそのような非機能性領域は、除去かつ/又はレンズフレーム340によって遮断されてもよく、それによって、レンズフレーム340の異なる構造の構成を可能にする。図4に示すように、レンズエレメント330の機能性領域は、示されるように、一次レンズ316bの機能性領域よりも小さくても(例えば、入射点360cでの入射側330a、及び/又は出射点360dでの出射側330b上の機能性通過位置360bよりも、面積、幅、及び/又は高さがより小さくても)よい。図示のように、レンズエレメント330の機能性領域もまた、ディスプレイ316aよりも小さくても(例えば、入射点360cでの入射側330a及び/又は出射点360dでの出射側330b上のディスプレイ316aの発光よりも、面積、幅、及び/又は高さがより小さくても)よい。一次レンズ316bの機能性領域は、図示のように、ディスプレイ316aよりも大きくても(例えば、ディスプレイ316aの発光領域よりも、面積、幅、及び/又は高さが大きくても)よい。加えて、一次レンズ316b及びレンズエレメント330の機能性領域により、ヘッドマウントディスプレイユニット110の(例えば、ディスプレイモジュール116の)任意の眼カメラ319は、ユーザの眼(例えば、ディスプレイ316aによって放射される方向とは反対の方向に移動する光)を観察することが可能とされ得る。
【0027】
更に図3A図3Bを参照すると、レンズエレメント330の外周は、レンズフレーム340の内周に結合され、例えば、それによって係合され、及び/又はそれに接着される。レンズエレメント330の外周とレンズフレーム340の内周とは、対応する形状を有し、その間で結合可能である。対応する形状は、(例えば、軸方向に移動したときに同じ断面形状を有する)真っ直ぐの形状、又は(例えば、ディスプレイモジュール116に向かって移動するにつれ広がる)テーパ状の形状などである。レンズエレメント330の外周は、一次レンズ316bと(例えば、概ね同じ面積、幅、及び/又は高さを有する)概ね同じサイズを有してもよく、これはレンズエレメント330の非機能性領域を画定する。
【0028】
図7図9を参照し、また上述のように、レンズエレメント330の非機能性領域は、レンズエレメント330が一次レンズ316bよりも小さいことにより縮小させられてもよい。
【0029】
図7に示すように、取り外し可能レンズアセンブリ720は、取り外し可能レンズアセンブリ120の変形形態であり、概して、レンズエレメント730及びレンズフレーム740を含む。レンズエレメント730は、レンズ要素330のより小さい変形形態であり、例えば、一次レンズ316bよりも(例えば、面積、幅、及び/又は高さなどがより小さいなど)小さい。レンズフレーム740は、レンズフレーム340に比べて、さらに半径方向内側に延びている点が異なる、レンズフレーム340の変形形態であり、一次レンズ316b及び/又はレンズマウント316cよりも小さい(例えば、面積、幅、及び/又は高さがより小さい)内周を有することなどによってこのような形態を有している。
【0030】
図8を参照すると、取り外し可能レンズアセンブリ820は、取り外し可能レンズアセンブリ120の変形形態であり、概して、レンズエレメント830及びレンズフレーム840を含む。レンズエレメント830は、レンズエレメント830の変形形態であり、面取りされた(例えばテーパ状とされた)端部、又は外光路360がレンズエレメント830を通過する角度(例えば、屈折の角度)とより厳密に一致する湾曲部を有する点が異なる。例えば、レンズエレメント830の外周面は、レンズエレメントの光軸に対して測定されたゼロよりも大きい角度、例えば15~75度、例えば30~60度で延び得る。レンズエレメント830の入射側及び出射側の外周面の縁部は、一次レンズ316bの外面寸法よりも小さくても(例えば、面積、幅、及び/又は高さが小さくても)よい。レンズエレメント830の出射側の周辺面の縁部は、その入射側の周辺表面の縁部より小さくても(例えば、一次レンズ316bから離れユーザの眼に向かって移動するとサイズが減少しても)よい。レンズフレーム840は、レンズフレーム340の変形形態であり、レンズエレメント830の入射側及び出射側の一方又は両方に一次レンズ316bよりも小さい内周を有することなどによって、レンズフレーム340に比べて、さらに半径方向内側に延びている。レンズフレーム840は、レンズエレメント830の外周面に結合され、レンズエレメント830の周面の(例えば、一致する面取り又は輪郭を有する)形状に従うか、又は別の方法で適応することができる。
【0031】
図9を参照すると、取り外し可能レンズアセンブリ920は、取り外し可能レンズアセンブリ120の変形形態であり、概して、レンズエレメント930及びレンズフレーム940を含む。レンズエレメント930は、レンズエレメント330の変形形態であり、レンズフレーム940に結合されてレンズエレメント930の機能性領域を包囲する、平面であってもよい前方表面を形成する、出射側(例えば、又は他の凹面)の非機能性領域を有する点が異なる。レンズフレーム940は、レンズエレメント930の出射側930bの前方表面に結合され、レンズマウント316cから内側に突出する点が異なる、レンズフレーム340の変形形態である。
【0032】
再び図3図4を参照すると、レンズマウント316c及び取り外し可能レンズアセンブリ120は、取り外し可能レンズアセンブリ120が、レンズマウント316cに取り外し可能に結合し、それによって支持されるように協働的に構成されている。図示のように、レンズマウント316c及び取り外し可能レンズアセンブリ120は、それぞれ、協働的結合機構316d、322を含む。協働的結合機構316d、322は磁気的であり、磁気的結合機構と呼ばれ得る。磁気的結合機構316d、322は、レンズエレメント330がユーザの眼に適切に位置合わせされる1つ以上の所定(すなわち、垂直方向、横方向、及び回転方向)の位置において、レンズマウント316cが取り外し可能レンズアセンブリ120を支持するように、可能レンズアセンブリ120のレンズマウント316cと取り外しレンズフレーム340との対応する位置に配置される。
【0033】
対応する磁気的結合機構316d、322の各対について、一方は永久磁石であってもよく、他方は、好適な向きのアトラクタエレメント(例えば、強磁性材料で作製されたアトラクタプレート)又は別の永久磁石であってもよい。例えば、レンズマウント316cの磁気的結合機構316dは、アトラクタプレートであってもよく、一方、取り外し可能レンズアセンブリ120の磁気的結合機構322は永久磁石である。
【0034】
磁気的結合機構316d、322は、レンズマウント316cが使用中に取り外し可能レンズアセンブリ120を適切に支持する一方で、取り外し可能レンズアセンブリ120がユーザによって容易に取り外し可能である、好適なサイズ、数、及び位置で提供される。例えば、図示するように、レンズマウント316cと取り外し可能レンズアセンブリ120とは、おおよそ、6対の磁気的結合機構316d、322を含み得る。
【0035】
取り外し可能レンズアセンブリ120とレンズマウント316cとは、取り外し可能レンズアセンブリ120が1つの所定の位置のみでレンズマウント316cに取り付けられるように構成されてもよい。例えば、レンズエレメント330は、レンズマウント316cに対して偏心して位置する光軸を有してもよく、それによって、取り外し可能レンズアセンブリ120が1つの所定の位置でレンズマウント316cに結合されることを必要とする。代わりに、取り外し可能レンズアセンブリ120がレンズマウント316cの、そこから回転された別の位置に結合された場合、光軸はレンズマウント316cに対し、したがって、ディスプレイ316a及びユーザの眼に対して移動され、その結果、ユーザによって知覚される画質が低下する。
【0036】
磁気的結合機構316d、322は、レンズマウント316cに対する取り外し可能レンズアセンブリ120の不正確な位置合わせを防止するように構成されてもよい。例えば、磁気的結合機構322が(例えば、埋め込まれる、隠される、又は別の方法でレンズフレーム340に結合されて)図4の破線で示されている状態の図4に示すように、磁気的結合機構316d、322は、別の(例えば、180度回転された)位置での、磁気的結合機構316d、322の対応する対の位置合わせを防止し、したがって、取り外し可能レンズアセンブリ120のレンズマウント316cへの結合を防止するように、非対称に配置かつ/又は分布されてもよい。代わりに又はそれに加えて、磁気的結合機構316d、322の磁気特性(例えば、向き、及びアトラクタプレート又は永久磁気であるかどうか)により、互いに対応しない磁気的結合機構316dの別の位置(例えば、回転向き)での磁気的結合を防止することができる。例えば、取り外し可能レンズアセンブリ120が180度回転された場合、位置合わせされるが互いに対応しない磁気的結合機構316d、322は、互いを引き寄せ得ないか(例えば、2つのアトラクタプレート)、又は互いに反発し得る(例えば、共通の極が互いに隣接して配置された状態の永久磁石)。
【0037】
レンズマウント316c及び取り外し可能レンズアセンブリ120は、その間の位置ずれを機械的に防止するように更に構成され得る。例えば、レンズマウント316c及び取り外し可能レンズアセンブリ120は、それぞれ、機械的係合機構316e、324を更に含み得る。機械的係合機構316e、324は、レンズマウント316cと取り外し可能レンズアセンブリ120との間の適切な位置決め及び/又は位置合わせを確実とするために互いに機械的に係合する。機械的係合機構316e、324は、更に互いに係合して、取り外し可能レンズアセンブリ120のレンズマウント316cに対する(例えば、磁気的結合機構316d、322が光軸に沿った移動を防止する一方、光軸に対する垂直方向及び左右方向への)相対移動を更に防止することができる。
【0038】
機械的係合機構316e、324は、例えば、それぞれ凹部及び突出部であり、凹部によって受容されても、又はその逆であってもよい。取り外し可能レンズアセンブリ120がレンズマウント316cに対して異なる位置に配置された場合、突出部は、レンズマウント316cの別の表面に代わりに係合して、取り外し可能レンズアセンブリ120がそれに嵌合するのを防止する。あるいは、ディスプレイモジュール116の対向し、軸方向に面する(例えば、嵌合する)表面(例えば、レンズマウント316c)と、(例えば、レンズフレーム340の)取り外し可能レンズアセンブリ120とは、レンズマウント316cに対する取り外し可能レンズアセンブリ120の位置ずれを防止する三次元輪郭を有してもよい。
【0039】
1つの取り付け位置のみを有する代わりに、取り外し可能レンズアセンブリ120とレンズマウント316cとは、取り外し可能レンズアセンブリ120が2つ以上の位置でレンズマウント316cに取り付けられるように構成されてもよい。例えば、レンズフレーム340及びレンズマウント316cと、結合機構及び/又は機械的位置合わせ機構とは、取り外し可能レンズアセンブリ120が(例えば、2要素回転対称の)2つ又はそれ以上(例えば、3つ、又は4つの)の所定位置でレンズマウント316cに結合し、他の位置ではレンズマウント316cに結合しないように、協働的に構成されてもよい。
【0040】
図10A図11Bを参照すると、取り外し可能レンズアセンブリ120及びレンズマウント316cの変形形態が、取り外し可能レンズアセンブリ120をレンズマウント316cに機械的に結合するように構成されている。
【0041】
図10A図10Bに示すように、ディスプレイモジュール1016は、レンズマウント1016cを含み、これに対し、取り外し可能レンズアセンブリ1020が(例えば、締まり嵌めを形成する)嵌合構造を用いて取り外し可能に結合可能である。取り外し可能レンズアセンブリ1020は、レンズエレメント330及びレンズフレーム1040を含み、それらは互いに結合され、そうでなければ前述の方法で構成されてもよい(例えば、図3A図9を参照)。レンズフレーム1040は、環状突出部1044(例えば、リップ又は円周状リップ)を有するバレル1042を含む。バレル1042は、(例えば、レンズエレメント330の)軸方向後向きに延び、一方、環状突出部1044は、そこから半径方向内向きに突出している。レンズフレーム1040は、更に環状凹部1046(例えば、ラベル付けされていない円周チャネル)を画定することができ、環状凹部1046は、環状突出部1044から半径方向外向きに延び、その軸方向外向きに(すなわち、ディスプレイ316aから離れるように)配置されている。環状突出部1044及び環状凹部1046は、レンズエレメント330の軸を中心とする円周方向の全体又は実質的に全体に(例えば、80%以上)延びる。
【0042】
レンズマウント1016cは、環状突出部1016eを有するバレル1016dを含む。バレル1016dは、軸方向前向きに延び、一方、環状突出部1016eは、そこから半径方向外向きに突出している。環状突出部1016eは、軸方向前向きに配置され、かつ、その半径方向内向きに延びる環状凹部1016f(例えば、円周状チャネル)を更に画定する。それによって画定された環状突出部1016e及び環状凹部1016fは、レンズエレメント330の軸を中心とする円周方向の全体又は実質的に全体に延びる。
【0043】
レンズフレーム1040のバレル1042は、レンズマウント1016cのバレル1016dをその中に受容し、取り外し可能レンズアセンブリ1020をレンズマウント1016cに取り外し可能に結合するように構成されている。レンズフレーム1040の環状突出部1044は、レンズマウント1016cの環状凹部1016fによって受容されてその中に保持され、一方、レンズマウント1016cの環状突出部1016eは、レンズフレーム1040の環状凹部1046によって受容されてその中に保持される。
【0044】
レンズフレーム1040の環状突出部1044の内周は、レンズマウント1016cの環状突出部1016eの外周よりも小さく、それによって、環状突出部1044、1016eの軸方向面が互いに半径方向に重なり合い、かつ、軸方向に互いに係合して、取り外し可能レンズアセンブリ1020が、ディスプレイモジュール1016から意図せずに分離されることを防止する。レンズフレーム1040の環状突出部1044は、バレル1042がそうであり得るように、ゴム又は他のポリマーなどの柔軟な材料で形成されて、それにより環状突出部1044の内周が拡大され、レンズマウント1016cの環状突出部1016e上で引き伸ばされることを可能にする。環状突出部1044を形成する柔軟な材料で形成される、又は他の方法でそれを含む、レンズフレーム1040はまた、ユーザの顔と偶発的に接触し得る、又は別の方法でユーザの顔に係合し得る軟質材料を備えてもよい。あるいは、バレル1042及び/又は環状突出部1044は、湾曲部を形成してもよい。なおも更なる代替例では、取り外し可能レンズアセンブリ1020のバレル1042及び環状突出部1044は、剛性であり、一方、ディスプレイモジュール1016のバレル1016d及び/又は環状突出部1016eは、柔軟である又は屈曲を形成する。
【0045】
レンズフレーム1040及びレンズマウント1016cは、レンズマウント1016c(例えば、バレル1016d及び環状突出部1016e)がレンズフレーム1040内に受容された状態で示されて説明されているが、レンズフレーム1040及びレンズマウント1016cは、レンズフレーム1040がレンズマウント1016cを受容する、反対の方法で配置されてもよい。
【0046】
図11A及び図11Bに示すように、ディスプレイモジュール1116は、取り外し可能レンズアセンブリ1120がバネ機構を用いて取り外し可能に結合されたレンズマウント1116cを含む。取り外し可能レンズアセンブリ1120は、それに対応するレンズマウント1116cのレセプタクル1116d内に受容されるために、通常は半径方向外向きにバネ駆動されている後退可能なラッチ1122(例えば、ラッチ構成部材)を含む。例えば、後退可能なラッチ1122は、レンズフレーム1140の後方軸方向面から軸方向後向きに延び、そこから半径方向外向きに延びる内端1124(例えば、カギ状の又は外向きに突出する端部)を含む。後退可能なラッチ1122が(例えば、ユーザが突出部の露出した端部を押すことによって)後退すると、後退可能なラッチ1122は、それに対応するレンズマウント1116cの前方軸方向面のレセプタクル1116d内に軸方向に挿入可能である、又はそこから取り外し可能である。後退可能なラッチ1122の内端は、レセプタクル1116dのリップ1116eの後ろに受容される。(ラベル付けなく、概略的に示されている)バネは、ユーザによって解放されて、後退可能なラッチ1122の内端がレセプタクル1116dのリップ1116eの後ろに配置され、かつ、それと係合して、取り外し可能レンズアセンブリ1120をレンズマウント1116cに接して保持するように、後退可能なラッチ1122を半径方向外向きに付勢する。後退可能なラッチ1122は、取り外し可能レンズアセンブリ1120の一部であるものとして示されて説明されてきたが、代わりに、後退可能なラッチは、ディスプレイモジュール1116に備えられて、取り外し可能レンズアセンブリ1120に同様の方法で解放可能に係合(例えば、レンズフレーム1140の外周面内のレセプタクルに係合する)してもよい。
【0047】
図12A図12Bを参照すると、なお更なる実施例では、取り外し可能レンズアセンブリ120の変形形態は、他の方法でレンズマウント1216cに結合され得る。例えば、取り外し可能レンズアセンブリ1220及びレンズマウント1216cは、取り外し可能レンズアセンブリ1220を、軸方向動作1222a、垂直動作1222b、又は回転動作1222cのうちの1つ以上でレンズマウント1216cに結合することを可能にする、対応する嵌合機構1222、1223(例えば、タブ及び戻り止め又は突出部)を含んでもよい。軸方向動作1222a、垂直動作1222b、又は回転動作1222c(例えば、4分の1回転)により、対応する嵌合機構1222、1223を介して、取り外し可能レンズアセンブリ1220をレンズマウント1216cへ係合及び結合させる。
【0048】
更に図12Cを参照すると、取り外し可能レンズアセンブリ1220’が、摩擦又は締まり嵌めを介して、ディスプレイユニット1216’に結合されている。具体的には、取り外し可能レンズアセンブリ1220は、ディスプレイユニット1216’のレンズマウント1216c’によって受容されるレンズフレーム1240’を含み、それによって(例えば、レンズフレーム1240’がレンズマウント1216c’によって半径方向内向きに圧縮されている状態で)摩擦を介して保持される。
【0049】
更に図12Dを参照すると、取り外し可能レンズアセンブリ1220’は、後退可能なピン1216dを介してディスプレイユニット1216’に結合されている。例えば、ディスプレイユニット1216’は、取り外し可能レンズアセンブリ1220’のレンズフレーム1240’をその中に受容するレンズマウント1216c’、及びレンズフレーム1240’の対応する凹部内に選択的に延びる後退可能なピン1216dを含む。例えば、ピン1216d’は、レンズフレーム1240’によって受容されるように、半径方向内向きにバネ付勢されてもよい。
【0050】
図13A図13Fを参照すると、なおも更なる例では、取り外し可能レンズアセンブリ1320は、レンズ機械的結合機構1322と呼ばれ得る、機械的結合機構1322(例えば、雄型構成要素、又は突出部)を含み、一方、ディスプレイモジュール1310は、ディスプレイ機械的結合機構1312と呼ばれ得る、対応する機械的結合機構1312(例えば、雌型構成要素、凹部、又はレセプタクル)を含む。レンズ機械的結合機構1322及びディスプレイ機械的結合機構1312は、取り外し可能レンズアセンブリ1320をディスプレイモジュール1310に機械的に結合するために、互いに機械的に嵌合する。例えば、以下で更に詳細に論じるように、レンズ機械的結合機構1322及びディスプレイ機械的結合機構1312は、取り外し可能レンズアセンブリ1320の、ディスプレイモジュール1310に対する、取り外し可能レンズアセンブリ1320の光軸に概ね垂直及び概ね平行方向の移動、並びに/又は取り外し可能レンズアセンブリ1320の光軸を中心とする移動を防止することができる。
【0051】
取り外し可能レンズアセンブリ1320は、レンズ磁気的結合機構1324と呼ばれ得る、1つ以上の磁気的結合機構1324を更に含んでもよく、一方、ディスプレイモジュール1310は、ディスプレイ磁気的結合機構1314と呼ばれ得る、1つ以上の対応する磁気的結合機構1314を含む。レンズ磁気的結合機構1324及びディスプレイ磁気的結合機構1314は、取り外し可能レンズアセンブリ1320をディスプレイモジュール1310に磁気的に結合するために、互いに磁気的に結合する。例えば、以下で更に詳細に論じるように、レンズ磁気的結合機構1324及びディスプレイ磁気的結合機構1314は、取り外し可能レンズアセンブリ1320の光軸と概ね平行な方向の、ディスプレイモジュール1310に対する取り外し可能レンズアセンブリ1320の移動を防止することができる。
【0052】
取り外し可能レンズアセンブリ1320のレンズ機械的結合機構1322は、その第1の側(例えば、左側、右側、上側、下側、内側、又は外側)に配置されてもよく、一方、1つ以上のレンズ磁気的結合機構1324は、その第2の側に、第1の側から離れて、かつ/又は第1の側とは反対側(例えば、レンズエレメント330が間に配置された状態で、例えばそれぞれ、右側、左側、下側、上側、外側、又は内側)に配置されてもよい。レンズ機械的結合機構1322は、レンズフレーム340によって(例えば、それと一体形成されて)形成されてもよく、一方、1つ以上のレンズ磁気的結合機構1324は、レンズフレーム340に結合される。レンズ磁気的結合機構1324は、1つ以上の永久磁石及び/又はアトラクタ材料(例えば、強磁性材料若しくは部材)であってもよく、又はそれらを含んでもよい。
【0053】
ディスプレイモジュール1310は、レンズ機械的結合機構1322及び1つ以上のレンズ磁気的結合機構1324を有するレンズマウント1311を含む。以下で更に詳細に論じるように、レンズマウント1311のディスプレイ機械的結合機構1312は、その中にレンズ機械的結合機構1322を受容するように構成されている。レンズマウント1311の1つ以上のディスプレイ磁気的結合機構1314は、(例えば、反対極性の永久磁石であるか、又はアトラクタ材料である)レンズ磁気的結合機構1324に磁気的に結合する。
【0054】
上述のように、取り外し可能レンズアセンブリ1320のレンズ機械的結合機構1322、及びディスプレイモジュール1310のディスプレイ機械的結合機構1312は、特に、レンズ機械的結合機構1322がディスプレイ機械的結合機構1312によって受容されている状態で、互いに嵌合するように構成されている。それによって受容されると、レンズ機械的結合機構1322は、ディスプレイ機械的結合機構1312と係合して、それらの間の相対移動を防止する。例えば、レンズ機械的結合機構1322は、ディスプレイ機械的結合機構1312と係合して、取り外し可能レンズアセンブリ1320とディスプレイモジュール1310との間の相対的な剪断移動を防止する。これには、上向き移動、(例えば、取り外し可能レンズアセンブリ1320の光軸に対して概ね垂直な方向の)横方向移動、及び/又は、取り外し可能レンズアセンブリ1320の、ディスプレイモジュール1310に対する(例えば、取り外し可能レンズアセンブリ1320の光軸を概ね中心とする)回転移動を含む。
【0055】
相対的な上向き移動を防止するために、レンズ機械的結合機構1322の上向き表面は、ディスプレイ機械的結合機構1312の下向き表面と係合する。相対的な下向き移動を防止するために、レンズ機械的結合機構1322の下向き表面は、ディスプレイ機械的結合機構1312の上向き表面と係合する。例えば、レンズ機械的結合機構1322の上端及び下端は、ディスプレイ機械的結合機構1312のそれぞれの上端及び下端と係合する(図13A及び図13B参照)。あるいは、レンズ機械的結合機構1322の中間高さにおける上向き表面及び下向き表面と、ディスプレイ機械的結合機構1312とは、上向き及び下向きの相対移動を防止するように互いに係合する。
【0056】
(例えば、ユーザの鼻20から離れる)相対的な横方向外向きの移動を防止するために、レンズ機械的結合機構1322の横方向外向き表面は、ディスプレイ機械的結合機構1312の横方向内向き表面(例えば、左側の取り外し可能レンズアセンブリ1320に対して、それぞれ、左向き表面及び右向き表面)と係合する。(例えば、ユーザの鼻20に向かう)相対的な横方向の内向き移動を防止するために、図13Fに示すように、レンズ機械的結合機構1322の横方向内向き表面は、ディスプレイ機械的結合機構1312の横方向外向きの表面(例えば、左側の取り外し可能レンズアセンブリ1320に対して、それぞれ、右向き表面及び左向き表面)と係合する。例えば、図示のように、レンズ機械的結合機構1322の外向き側部及び内向き側部(例えば、凹面及び凸面)が、ディスプレイ機械的結合機構1312のそれぞれの外向き側部及び内向き側部(例えば、それぞれ、凸面及び凹面)と係合する状態において、レンズ機械的結合機構1322及びディスプレイ機械的結合機構1312は、湾曲形状を有している。
【0057】
相対的な回転移動を防止するために、レンズ機械的結合機構1322は、その両側(例えば、それぞれの側に2つ)上の離間した場所において、ディスプレイ機械的結合機構1312にその両側で係合する。例えば、時計回りのトルクが取り外し可能なレンズアセンブリ1320に加えられると、レンズ機械的結合機構1322及びディスプレイ機械的結合機構1312の上部内面及び下部外面が互いに係合して、それらの間の相対的な時計回りの回転を抑制(例えば、防止)する。反時計回りのトルクが取り外し可能レンズアセンブリ1320に加えられると、レンズ機械的結合機構1322及びディスプレイ機械的結合機構1312の上部外面及び下部内面が互いに係合して、それらの間の相対的な反時計回りの回転を抑制する(例えば、防止する)。
【0058】
レンズ機械的結合機構1322及びディスプレイ機械的結合機構1312は、通常の(例えば、概ね光軸の方向の)移動がディスプレイモジュール1310から離れて行われることを防止するように更に構成され得る。例えば、ディスプレイ機械的結合機構1312は、レンズ機械的結合機構1322の後向き表面と係合する、前向き表面(例えば、アンダーカット又はトーイン機構)を含んでもよい。
【0059】
図13Eを参照すると、取り外し可能レンズアセンブリ1320をディスプレイモジュール1310に結合するために、レンズ機械的結合機構1322が、まず、ディスプレイ機械的結合機構1312に挿入され、次いで、以下で更に詳細に論じられるように、取り外し可能レンズアセンブリ1320が回転されて、磁気的結合機構1324、1314を互いに近づけて磁気的に結合させる。
【0060】
上述したように、取り外し可能レンズアセンブリ1320のレンズ磁気的結合機構1324、及びディスプレイモジュール1310のディスプレイ磁気的結合機構1314は、互いに磁気的に結合する。レンズ磁気的結合機構1324及びディスプレイ磁気的結合機構1314は、対応する位置に、かつ、対応する(例えば、反対極性であるか、又は一方が強磁性材料であり、他方が永久磁性である)磁気特性を用いて配置される。レンズ磁気的結合機構1324及びディスプレイ磁気的結合機構1314は、その間の力が概ね光軸の方向に加えられる状態で、互いに磁気的に結合する。レンズ磁気的結合機構1324及びディスプレイ磁気的結合機構1314はまた、ディスプレイ機械的結合機構1312によって画定される枢動軸から離間されており、それによって、それらの間の磁気的結合が、ディスプレイ機械的結合機構1312が画定した枢動軸を中心とする回転を防止する。例えば、図示のように、レンズ磁気的結合機構1324及びディスプレイ磁気的結合機構1314は、それぞれ、レンズ機械的結合機構1322及びディスプレイ機械的結合機構1312とは概ね反対側に配置される。
【0061】
取り外し可能レンズアセンブリ1320及びディスプレイモジュール1310の変形形態を考察する。例えば、レンズ機械的結合機構1322及びディスプレイ機械的結合機構1312は、異なる形状(例えば、真っ直ぐ)であってもよく、異なる数(例えば、上述のように移動を防止するために離間した位置にある、ピン及び開口部などの2つ以上のセット)を備えてもよく、かつ/又は異なる位置(例えば、その上側、下側、又は内側)に設けられてもよい。更に、ディスプレイ機械的結合機構1312は、ヘッドマウントディスプレイユニット110の異なる部分によって、ハウジング112(例えば、ディスプレイモジュール1310を取り囲むカーテン又は他の構造)などに提供されてもよい。更に、磁気的結合機構1324、1314の代わりに、取り外し可能レンズアセンブリ1320及びディスプレイモジュール1310は、代わりに又はそれに加えて、機械的結合機構(例えば、上述のような嵌合構造又はラッチ)を含んでもよい。
【0062】
図3A及び図3B並びに図10A図13Fに関して上述した結合のための方法のそれぞれの場合、レンズマウントは、ディスプレイモジュール116又はその変形形態とは対照的に、ハウジング112(例えば、シャーシ)などのヘッドマウントディスプレイユニット110の別の部分に結合できることに留意すべきである。
【0063】
図14A図16を参照すると、ディスプレイシステム100及び取り外し可能レンズアセンブリ120は、ディスプレイシステム100がヘッドマウントディスプレイユニット110に結合された取り外し可能レンズアセンブリ120を検出するように、協働的に構成されている。例えば、ヘッドマウントディスプレイユニット110は、それに結合された1つ以上の取り外し可能レンズアセンブリ120を検出するための1つ以上のレンズ検出センサ1418aを含む。取り外し可能レンズアセンブリ120を検出する際に、ディスプレイシステム100は、取り外し可能レンズアセンブリ120のいずれかがディスプレイモジュール116に結合されているかどうかを(例えば、近接センサ、画像認識、及び/若しくは機械的スイッチを使用して)判定し、取り外し可能レンズアセンブリ120が適切に結合されているかどうかを(例えば、近接センサ、画像認識、若しくは取り外し可能レンズアセンブリ120に結合された磁石を備えたホールセンサを使用して)判定し、及び/又は他の機能をサポートするための、取り外し可能レンズアセンブリ120に関する他の情報(例えば、矯正レンズかどうか、シリアル若しくはモデル番号、関連付けられたユーザ、及び/若しくは以下で論じる他のタイプのレンズ検出センサ1418aを使用するレンズ特性)を、判定することができる。ディスプレイシステム100は、取り外し可能レンズアセンブリ120がディスプレイモジュール116に結合されているかどうかの表示、取り外し可能レンズアセンブリ120がディスプレイモジュール116に対して適切に配置されているかどうかの表示、並びに/又は他の表示(例えば、以下で論じるレンズ構成及び/若しくはレンズ適合性)を提供してもよい。
【0064】
それぞれの取り外し可能レンズアセンブリ120は、1つ以上のレンズ検出センサ1418aと通信されている、又は1つ以上のレンズ検出センサ1418aが他の方法で読み取り可能な、レンズタグ1428を更に含んでもよい。取り外し可能レンズアセンブリ120の検出により、ディスプレイシステム100は、ディスプレイモジュール116の出力を変更することと、取り外し可能レンズアセンブリ120のインジケータを提供することと、及び/又は取り外し可能レンズアセンブリ120のユーザとの適合性のインジケータを提供することと、を含み得る、1つ以上の後続の動作を実行することができる。ディスプレイシステムはまた、ヘッドマウントディスプレイユニット110の動作を制御して、例えば、それに結合された取り外し可能レンズアセンブリ120を検出し、及び/又はそれに応じて後続の動作を実行する、コントローラ1450を含む。コントローラ1450は、ヘッドマウントディスプレイユニット110内に(破線によって示されるように)全体的に若しくは部分的に物理的に組み込まれてもよく、又はそこから全体的に若しくは部分的に物理的に別個に(例えば、外部コンピューティングデバイス内に)提供されてもよい。コントローラ1450の例示的なハードウェア構成について、図14を参照して以下に説明する。
【0065】
取り外し可能レンズアセンブリ120を検出する際に、ディスプレイシステム100は、レンズ情報と呼ばれ得る、取り外し可能レンズアセンブリ120に関する情報を識別又は判定することができる。レンズ情報は、取り外し可能レンズアセンブリ120の識別子及び/又は技術的特性を含んでもよい。識別子は、取り外し可能レンズアセンブリ120自体(例えば、レンズ識別子と呼ばれる、シリアル番号又はモデル番号)、レンズに関連付けられたユーザ(例えば、関連付けられたユーザ識別子と呼ばれる、ユーザ名又はユーザID)、及び/又は他の識別情報(例えば、製造情報と呼ばれる、製造業者、日付)であってもよい。技術的特性には、取り外し可能レンズアセンブリ120の球面、円柱、及び/若しくは軸パラメータ、並びに/又は光軸位置などの屈折特性を含んでもよく、これは、レンズ特性、レンズ特性情報、又は処方情報と呼ばれ得る。ディスプレイシステム100によって判定されたレンズ情報は、次いで、上記で参照され、以下で更に詳細に説明される後続の動作を実行するために、ディスプレイシステム100によって使用されることができる。
【0066】
ディスプレイシステム100は、様々な異なる方法で、かつ異なるデバイスを用いて、ヘッドマウントディスプレイユニット110に能動的に結合された(例えば、結合される、又は現在結合されている)取り外し可能レンズアセンブリ120のレンズ情報を判定することができる。ディスプレイシステム100は、レンズタグ1428からのレンズ検出センサ1418aなどを用いて、取り外し可能レンズアセンブリ120からのレンズ情報を判定することができる。第1の実施例では、レンズタグ1428は、レンズ情報を記憶する、又は別の方法で電気的に提供する電子デバイスである。例えば、取り外し可能レンズアセンブリ120それぞれのレンズタグ1428は、電気的に消去可能なプログラム可能読み出し専用メモリデバイス(electrically-erasable programmable read-only memory device、EEPROM)、無線周波数識別デバイス(radio frequency identification device、RFID)、又は内部抵抗デバイス(例えば、電気抵抗若しくは抵抗器)であってもよい。レンズ検出センサ1418aは、対応する電気デバイス又はシステムであり、EEPROMと無線で又は物理的に通信することなどにより、レンズタグ1428からレンズ情報を受信及び/若しくは他の方法で受信し、RFIDの信号を読み取り、及び/又は、抵抗デバイスの抵抗シグネチャを測定若しくは他の方法で判定するように構成されている。
【0067】
第2の例では、レンズタグ1428は、磁気シグネチャを有する。取り外し可能レンズアセンブリ120は、様々な磁石(例えば、磁気的結合機構322)又は他の磁石を含み、これらは、様々な強度及び/又は位置を有することによって磁気シグネチャを提供することができ、かつレンズ検出センサ1418aによって検出され、磁石の磁場を感知する1つ以上のホールセンサ又は他の磁気センサを含み得る。レンズ検出センサ1418aによって検出された磁場の組み合わせにより、レンズ情報(例えば、特定の磁気シグネチャのレンズ識別子)を提供する。ホールセンサは、代わりに又はそれに加えて、取り外し可能レンズアセンブリ120が適切に結合されているかどうかを判定するために使用され得る。
【0068】
第3の実施例では、レンズタグ1428は、レンズ情報を表示するか、又は別の方法でそれを通信する光学的マーキングである。例えば、レンズタグ1428は、クイックレスポンスコード(QRコード(登録商標))、バーコード、又は英数字などの、取り外し可能レンズアセンブリ120上の光学的又は赤外線(IR)マーキングであってもよい。ヘッドマウントディスプレイユニット110のレンズ検出センサ1418aは、対応する、カメラ又は照明器/センサデバイス(例えば、QRコード(登録商標)スキャナ)の組み合わせなどの光学的読み取りデバイスであり、これは、前述のように眼の観察も行う眼カメラ319であってもよい。特定の一実施例では、レンズタグ1428は、赤外線バーコードである。
【0069】
ディスプレイシステム100は、取り外し可能レンズアセンブリ120自体から直接、1つ以上の更なる動作に必要なレンズ情報を判定することができる。代わりに又はそれに加えて、ディスプレイシステム100は、後続の動作を実行するために、他の情報源からの追加のレンズ情報を判定してもよい。例えば、ディスプレイシステム100は、取り外し可能レンズアセンブリ120から初期レンズ情報(例えば、レンズ識別子又は関連するユーザ識別子)のみを受信してもよく、一方、他のレンズ情報(例えば、関連付けられたユーザ識別子及び/又はレンズ特性)は、ディスプレイシステム100によって(例えば、コントローラ1450の記憶装置によって)これと関連付けられて記憶される。したがって、取り外し可能レンズアセンブリ120から初期レンズ情報を判定することによって、ディスプレイシステム100は、後続の動作をサポートする他のレンズ情報を判定(例えば、取得)することができる。
【0070】
ディスプレイモジュール116に結合された取り外し可能レンズアセンブリ120のレンズ情報を使用して、ディスプレイ316aを動作させること、それに結合された取り外し可能レンズアセンブリ120のユーザに表示を提供すること、及び/又は取り外し可能レンズアセンブリ120のユーザとの適合性を判定することを含み得る、ディスプレイシステム100の様々な機能を制御することができる。ディスプレイ316aの動作は、ディスプレイモジュール116に結合された取り外し可能レンズアセンブリ120のレンズ情報に従って実行されてもよく、それにより、ディスプレイ316aの動作は、ある1セットのレンズ特性を有する取り外し可能レンズアセンブリ120の動作と、別のセットのレンズ特性を有する取り外し可能レンズアセンブリ120の動作との間では異なり得る(例えば、一次レンズ316bとレンズエレメント330とで形成される光学系又は、異なるレンズ特性とで、異なる特性を考慮した、異なる輝度及び/又は画素出力である)。
【0071】
代わりに又はそれに加えて、ディスプレイモジュール116に結合された取り外し可能レンズアセンブリ120のレンズ情報を使用して、結合された取り外し可能レンズアセンブリ120の表示を、ユーザ又は潜在的ユーザに提供することができ、これをレンズ構成表示と呼ぶことができる。レンズ構成表示は、例えば、取り外し可能レンズアセンブリ120が異なるユーザに関連付けられているため、異なる取り外し可能レンズアセンブリ120ごとに異なる。第1のレンズ構成表示が、取り外し可能レンズアセンブリ120のうちの1つ(又は互いに関連付けられた一対の取り外し可能レンズアセンブリ120)に提供され、一方、第2の、異なるレンズ構成表示が、別の取り外し可能レンズアセンブリ120(又は互いに関連付けられた別の一対の取り外し可能レンズアセンブリ120)に提供される。ディスプレイ表示(例えば、又は出力命令)は、例えば、ディスプレイシステム100によって、レンズ情報(例えば、レンズ識別子、関連付けられたユーザ識別子、又はレンズ特性)に関連付けられて記憶され、レンズ識別子を判定するときに取得され得る。構成表示は、ユーザに関係なく(例えば、ユーザを検出又は識別することなく)提供されてもよい。
【0072】
レンズ構成表示は、例えば、外部光インジケータ、ディスプレイインジケータ、又は音響式インジケータとして提供されてもよい。外部光インジケータは、ヘッドマウントディスプレイユニット110の外部視覚インジケータ1418b(例えば、発光ダイオード)を用いて提供され、潜在的ユーザがヘッドマウントディスプレイユニット110を装着する前に可視であり、例えば、色を変える(例えば、第1のユーザと第2のユーザ間で区別するため、赤色対青色)ことができる。ディスプレイインジケータは、ディスプレイ316aによって提供され、取り外し可能レンズアセンブリ120を介してユーザ又は潜在的なユーザが見ることができる。ディスプレイインジケータは、例えば、異なるユーザに対して異なる色、記号、又は文字のセットであってもよく、取り外し可能レンズアセンブリ120を用いての視力が低い(例えば、ディスプレイ316aがぼやけて見え得る)潜在的ユーザでも識別可能である。音響式インジケータは、ヘッドマウントディスプレイユニット110の、又はそれに関連付けられた、オーディオ出力デバイス1418c(例えば、スピーカ又はヘッドホン)によって提供され、潜在的ユーザがヘッドマウントディスプレイユニット110を装着する前又は装着した後に可聴であり得る。音響式インジケータは、例えば、(例えば、取り外し可能レンズアセンブリ120に関連付けられたユーザを識別する)話された言葉、又は取り外し可能レンズアセンブリ120に関連付けられた異なるユーザの声の調子であってもよい。
【0073】
図14A及び図14Bを参照すると、方法1400は、レンズ構成を示すために提供され、方法は、一般に、ディスプレイモジュール116に結合された取り外し可能レンズアセンブリ120を識別する第1の動作1410と、構成インジケータ命令を取得する第2の動作1420と、命令に従って構成表示を提供する第3の操作1430と、を含む。交換可能なレンズアセンブリを識別する第1の動作1410は、レンズ検出センサ1418a及びコントローラ1450が、ヘッドマウントディスプレイユニット110の1つ以上のディスプレイモジュール116に結合された、1つ以上の取り外し可能レンズアセンブリ120のレンズタグ1428からのレンズ情報を判定する状態で実行される。構成表示命令を取得する第2の動作1420は、例えば、コントローラ1450がレンズ情報に関連付けられた命令を記憶装置から取得することによって実行される。構成表示を提供する第3の動作1430は、例えば、コントローラ1450によって動作される、ディスプレイモジュール116、外部視力インジケータ1418b、及び/又はオーディオ出力デバイス1418cによって提供される。
【0074】
図14A図16を参照すると、代わりに又はそれに加えて、ディスプレイシステム100は、それに結合された取り外し可能レンズアセンブリ120のレンズ情報を使用してユーザとの適合性を判定し、それに応じてユーザに適合性インジケータを提供することができる(例えば、不適合性のみが判定される場合のみ)。ディスプレイシステム100は、ヘッドマウントディスプレイユニット110に結合された取り外し可能レンズアセンブリ120のレンズ情報を判定することに加えて、現在のユーザを識別し、ユーザ情報をレンズ情報と比較して適合性を判定する。
【0075】
ディスプレイシステム100は、例えば、生体感知、ユーザクレデンシャルの受信、及び/又は別のデバイスによる認証を用いて、様々な方法でユーザを識別することができる。生体測定を介してユーザを識別するために、ディスプレイシステム100は、生体測定(例えば、顔認識、指紋認識、音声認識、虹彩認識、及び/又は耳の幾何学的形状、骨伝導若しくは密度特性、額特徴、若しくは皮膚などの他の生体測定パラメータの認識)でユーザを識別するための生体センサ1418dを含んでもよい。生体センサ1418dは、例えば、ヘッドマウントディスプレイユニットに物理的に結合されてもよい。例えば、ユーザを虹彩検出で識別する場合、生体センサ1418dは、前述の眼カメラ319であってもよく、取り外し可能レンズアセンブリ120を識別するためのセンサと同じセンサであってもよい。ユーザクレデンシャルを介してユーザを識別するために、ディスプレイシステム100は、ディスプレイシステム100の入力デバイス、又はディスプレイシステム100に関連付けられた入力デバイス(例えば、ヘッドマウントディスプレイユニットのマイクロフォン、又はコントローラ1450若しくはヘッドマウントディスプレイユニット110と通信している外部デバイス1460)から、ユーザクレデンシャル(例えば、ユーザ名及びパスワード)を受信する。別のデバイスからの認証によってユーザを識別するために、外部デバイス1460は、ユーザを(例えば、生体測定又はクレデンシャルを介して)認証し、そのような認証をコントローラ1450に通信することができる。外部デバイス1460は、ディスプレイシステム100の一部とみなされてもよいが、それらとは独立して機能してもよい(例えば、スマートフォン)。
【0076】
ディスプレイシステム100は、ユーザ情報を記憶するか、又は他の方法でそれを受信する。ユーザ情報は、関連付けられたレンズ識別子(例えば、ユーザに関連付けられた1つ以上の取り外し可能レンズアセンブリ120のシリアル番号若しくはモデル番号)、並びに/又は眼の特性情報(例えば、本明細書では眼の特性と呼ばれる、球面、円柱、及び/若しくは軸パラメータ)に関連付けられて記憶されたユーザ識別子(例えば、ユーザ名又はユーザ番号)を含んでもよい。
【0077】
ディスプレイシステム100は、ユーザ情報がレンズ情報に関連付けられている初期化プロセス中に、ユーザ情報を受信してもよい。初期化プロセス中に、ユーザ情報は、ユーザによって入力されてもよく、又は別のソース(例えば、外部デバイス1460)から受信されてもよい。レンズ情報は、上述したように、ディスプレイモジュール116に結合されたときに(例えば、電子的及び/若しくは光学的に)取り外し可能レンズアセンブリ120から取得されてもよく、又はユーザが入力(例えば、取り外し可能レンズアセンブリ120のシリアル若しくはモデル番号を入力)してもよく、若しくは別のソース(例えば、外部デバイス1460)から受信されてもよい。
【0078】
図15を参照すると、適合性を判定するために、ディスプレイシステム100は、例えば、適合性判定部1500を使用して、レンズ情報1510をユーザ情報1520と比較する。例えば、(a)レンズ識別子1512のレンズ情報1510が、関連付けられたレンズ識別子1522のユーザ情報1520と比較される、(b)関連付けられたユーザ識別子1514のレンズ情報1510が、ユーザ識別子1524のユーザ情報1520と比較される、又は(c)レンズ特性1516のレンズ情報1510が、眼の特性1526のユーザ情報1520と比較される、のうちの1つ以上である。ディスプレイシステム100は、1つ以上の取り外し可能レンズアセンブリ120を、レンズ情報がユーザ情報と一致(例えば、等しい)すれば適合性があり、一致しなければ適合性がない、と判定する。
【0079】
適合性があると判定された場合、適合性表示は、(例えば、取り外し可能レンズアセンブリ120がユーザと適合性があるとの)正の表示を提供してもよく、又は省略しても(例えば、通常動作に進む)よい。適合性がないと判定された場合、適合性表示は(例えば、取り外し可能レンズアセンブリ120がユーザと適合性がないことを示す)負である。そのような負の表示は、例えば、不適合であることをグラフィカルに示すアイコン、テキスト命令若しくは情報、及び/又は音響式の命令若しくは情報を含んでもよい。
【0080】
図16を参照すると、ディスプレイシステム100を動作させて、取り外し可能レンズアセンブリ120のユーザとの適合性を判定して示すための方法1600が提供されている。この方法は、1つ以上のディスプレイモジュール116に結合された1つ以上の取り外し可能レンズアセンブリ120を識別する第1の動作1610、ユーザを識別する第2の動作1620、レンズ情報をユーザ情報と比較する第3の動作1630、及び適合性を示す第4の動作1640を含む。1つ以上の取り外し可能レンズアセンブリ120を識別する第1の動作1610は、コントローラ1450と協働して、1つ以上のレンズ検出センサ1418aによって実行されてもよい。第1の動作1610はまた、レンズ情報を判定することを含み得る。ユーザを識別する第2の動作1620は、ユーザからクレデンシャルを受信することによって、及び/又は外部デバイス1460を用いたユーザ認証によって、生体測定的に(例えば、コントローラ1450と協働して、生体センサ1418dによって協働的に)実行されてもよい。第2の動作1620はまた、ユーザ情報を判定することを含み得る。レンズ適合性を判定する第3の動作1630は、例えば、適合性判定部1500によりコントローラ1450を用いて、レンズ情報をユーザ情報と比較することによって実行される。適合性を示す第4の動作1640は、例えば、コントローラ1450によって動作されるヘッドマウントディスプレイユニット110を用いて実行される。適合性がある場合、ディスプレイシステム100の通常動作であり得る、正の表示が提供される。適合性がない場合、不適合性を反映した(例えば、コントローラ1450によって動作されるヘッドマウントディスプレイユニット110によって)負の表示が提供される。
【0081】
図17を参照すると、コントローラ1450の例示的なハードウェア構成が示されている。コントローラ1450は、一般に、処理デバイス1710(例えば、プロセッサ又はCPU)、メモリ1720(例えば、ランダムアクセスメモリモジュールなどの揮発性短期メモリ)、記憶装置1730(例えば、ハードディスク又はソリッドステートドライブなどの長期記憶デバイス)、コントローラが他の構成要素(例えば、ディスプレイモジュール116及び様々なセンサ)との間で信号を送受信する通信インタフェース1740、並びにコントローラ1450の他の構成要素が互いに通信するバス1750、を含み得るコンピューティングデバイスである。コントローラ1450は、ヘッドマウントディスプレイユニット110に物理的に接続されてもよく、又は別の方法でそれと通信してもよい。ディスプレイシステム100は、追加のコントローラ1450又はその構成要素を含み得る。コントローラ1450は、本明細書に記載される方法及び動作を実行するために処理デバイス1710によって実行可能な命令を含む(例えば、記憶装置1730によって記憶された)ソフトウェアプログラミングを含んでもよい。
【0082】
図18A図18Cを参照すると、取り外し可能レンズアセンブリ120又はその変形(例えば、1020、1120、1220、1120)は、ヘッドマウントディスプレイユニット110とは独立してユーザによって装着されてもよい。例えば、眼鏡アセンブリ1870は、取り外し可能レンズアセンブリ120が結合可能である眼鏡フレーム1880(例えば、取り外し可能レンズアセンブリ120のうちの2つで、眼ごとに1つ)を含む。すなわち、ヘッドマウントディスプレイユニット110と共に使用可能な1つ以上の取り外し可能レンズアセンブリ120もまた、眼鏡アセンブリ1870と共に使用可能である。ヘッドマウントディスプレイユニット110、眼鏡フレーム1880、並びにヘッドマウントディスプレイユニット110及び眼鏡フレーム1880の両方に結合可能な1つ以上の(例えば、一対の)取り外し可能レンズアセンブリ120は、協働的にディスプレイ及び視力矯正システムと呼ぶことができる。
【0083】
眼鏡フレーム1880は一般的に、例えば、鼻ブリッジ1882bによって接続された2つのレンズマウント1882aを含む前方部分1882を含む。眼鏡フレーム1880は、前方部分1882に結合され、前方部分1882から後方に延びる2つのつる1884を更に含む。
【0084】
更に図19A及び19Bを参照すると、眼鏡フレーム1880は、ユーザの顔に係合して、取り外し可能レンズアセンブリ120を、それを通して環境を見るときの視力矯正のための、ユーザの顔の上の所定の位置に支持する。この位置は、視力矯正装着位置と呼ぶことができる。従来の眼鏡と同様に、鼻ピース及び2つのつる1884は、ユーザの顔、特に鼻20及び耳40に係合して、眼鏡フレーム1880及び取り外し可能レンズアセンブリ120をユーザの顔の上の視力矯正装着位置に支持するように構成されている。したがって、ユーザの鼻20及び耳40は、両方が眼鏡アセンブリ1870をその上に支持し、かつ、取り外し可能レンズアセンブリ120をユーザの顔の上の(すなわち、ユーザの眼に対しての)視力矯正装着位置に位置させる基準点として機能する。鼻ブリッジ1882bは、鼻ピースを形成するものとして示されているが、代わりに又は追加的に眼鏡フレーム1880は、他の方法で(例えば、とりわけ、鼻パッド、取り外し可能レンズアセンブリ120によって)、鼻20と係合してもよいことに留意されたい。
【0085】
眼鏡アセンブリ1870とは対照的に、ヘッドマウントディスプレイユニット110は、図20A及び図20Bに示されるように、ヘッドマウントディスプレイユニット110をディスプレイ装着位置と呼ばれることがある所定の位置に支持する、異なる顔基準点と係合してもよい。ヘッドマウントディスプレイユニット110は、ヘッドマウントディスプレイユニット110をユーザの頭部上に支持するヘッドサポート114を備え、ハウジング112の顔境界面(ラベルなし)が、ユーザの顔と係合する。具体的には、顔境界面及び/又はハウジング112は、ヘッドマウントディスプレイユニット110及び、したがって、取り外し可能レンズアセンブリ120を、ユーザの顔の上のディスプレイ装着位置に位置させるための基準点として機能するユーザの顔の特徴部(例えば、ユーザの眼10の下方の鼻20及び/又は頬30と共に、ユーザの眼10の上方の眉50及び/又は前額部)に係合する。
【0086】
眼鏡アセンブリ1870と、ヘッドマウントディスプレイユニット110とでは、取り外し可能レンズアセンブリ120をユーザの顔の上に位置させるために、異なる顔基準点のセットを使用することができる。例えば、眼鏡アセンブリ1870は、基準点として鼻20及び耳を利用できるが前額部、眉50又は頬30を使用できず、一方、ヘッドマウントディスプレイユニット110は、基準点として、前額部及び/又は眉50の一方又は両方、並びに鼻20及び/又は頬30のうちの1つ以上を利用することができるが、耳は利用できない。顔基準点は、眼鏡アセンブリ1870及び/又はヘッドマウントディスプレイユニット110がそれに対して、かつ/又はその上に支持される一次基準点を提供する顔の構造として理解されるべきである。顔基準点は、眼鏡アセンブリ1870及び/又はヘッドマウントディスプレイユニット110が、付随的に接触し、かつ/又は全般に非支持的な接触を行う他の顔の特徴部と区別されるべきである。例えば、ヘッドサポート114は、耳に接触してもよいが、機械的特性(例えば、ヘッドサポート114は柔軟な布地を含む)のため、かつ/又は、それ以外にもたらされ得る不快感のために、ヘッドマウントディスプレイユニット110を支持しない。
【0087】
ヘッドマウントディスプレイユニット110と眼鏡フレーム1880とは、ユーザの顔(例えば、眼10)に対して、かつ/又は互いに対して実質的に同じ装着位置で、取り外し可能レンズアセンブリ120を支持するように構成され得る。すなわち、視力矯正装着位置は、ディスプレイ装着位置と同じであってもよい。再び図18A図18Cを参照すると、装着位置は、頂点間距離1892、二焦点傾斜角度1894、ラップ角度1896、及び/又は瞳孔間レンズ距離1898に従って定義されてもよい。頂点間距離1892は、レンズエレメント330の表面と角膜の前方との間の距離である。二焦点傾斜角度1894は、レンズエレメント330のレンズ平面と眼の水平軸との間の垂直角度である。レンズラップ角度1896は、レンズ平面と眼の水平軸との間の水平角度である。瞳孔間レンズ距離1898は、瞳孔間距離(すなわち、ユーザの眼10の瞳孔間距離)とは異なる測定値である、レンズエレメント330の中心間の水平距離であるが、好ましくは同じ値を有し得る。
【0088】
あるいは、異なる使用シナリオ及びユーザ挙動を考慮すると、ヘッドマウントディスプレイユニット110及び眼鏡フレーム1880は、ヘッドマウントディスプレイユニット110及び眼鏡フレーム1880によって、取り外し可能レンズアセンブリ120がユーザの眼10に対する異なる位置及び/又は向きで保持されるような、異なる装着位置を有するように構成される。更に、単一のユーザのための異なる眼鏡フレーム1880が、例えば、活動に応じて、異なる装着位置を有するように構成されてもよい。
【0089】
一実施例では、眼鏡アセンブリ1870の二焦点傾斜角度1894は、ヘッドマウントディスプレイユニット110のものとは異なっていてもよく、例えば、ユーザがより下の方を見ることが予想される読書又は他の活動のための使用が意図される場合はより大きく、ユーザがより上の方を見ることが予想されるスポーツ又は他の活動のために使用される場合はより小さくてよい。
【0090】
別の実施例では、眼鏡アセンブリ1870の頂点間距離1892は、ヘッドマウントディスプレイユニット110のそれとは異なっていてもよく、例えば、(例えば、取り外し可能レンズアセンブリ120とユーザの鼻20との接触を防止するため)より大きくても、又は(例えば、眼鏡フレーム1880が省略されるため)より小さくてもよい。
【0091】
眼鏡フレーム1880とヘッドマウントディスプレイユニット110とは、好ましくは、互いに同じ方法で、取り外し可能レンズアセンブリ120に結合するように構成されており、その方法は、(例えば、取り外し可能レンズアセンブリ120の結合機構のうち共通のものを使用することによる)前述の結合構成のうちの任意の1つであり得る。したがって、眼鏡フレーム1880は、前述の様々なディスプレイモジュール116、1016、1116、1216、1310のレンズマウント316c、1016c、1116c、1216c、1311のうちの1つを含み、その一方で、そのようなディスプレイモジュールの様々な他の特徴部を省略(例えば、ディスプレイ316a及び一次レンズ316bを省略)してもよい。一次レンズ316bを省略することによって、ユーザは、光を屈折させて視力矯正をもたらすレンズエレメント330を通して、別のレンズを通した矯正目的の更なる屈折なしに、環境を見ることができる。そのような(例えば、機械的及び/又は磁気の)結合機構は、眼鏡結合機構(例えば、眼鏡機械的結合機構及び/又は眼鏡磁気結合機構)と称されてもよい。
【0092】
例えば、図3A及び図3B並びに図18A図18Fに示すように、取り外し可能レンズアセンブリ120及び眼鏡フレーム1880は、ヘッドマウントディスプレイユニット110がそうであり得るように、レンズマウント316cに関して上述した方法で結合するように構成されている。取り外し可能レンズアセンブリ120は、磁気結合機構322及び機械的係合機構324を含み、一方、眼鏡フレーム1880は、それに対応する磁気結合機構316d及び機械的係合機構316eを含むレンズマウント316cを含む。
【0093】
一実施例では、図10A図10Bに示されるように、取り外し可能レンズアセンブリ及び眼鏡フレーム1880、並びにヘッドマウントディスプレイユニット110は、レンズマウント1016c及び取り外し可能レンズアセンブリ1120に関して記載されている方法などにおける、締まり嵌めを用いて結合するように構成されている。取り外し可能レンズアセンブリ1020は、環状突出部1044を有するバレル1042を有するレンズフレーム1040を含み、一方、眼鏡フレーム1880は、それと結合するための、それに対応する環状突出部1016eを有するバレル1016dを含む。
【0094】
一実施例では、取り外し可能レンズアセンブリ及び眼鏡フレーム1880、並びにヘッドマウントディスプレイユニット110は、レンズマウント1116c及び取り外し可能レンズアセンブリ1120に関して記載されている方法などにおける、後退可能な機構と結合するように構成されている。取り外し可能レンズアセンブリは、後退可能なラッチ1122を含み、一方、眼鏡フレーム1880は、後退可能ラッチ1122に結合するためにそれに係合されるリップ1116eを有するレセプタクル1116dを含む。あるいは、眼鏡フレーム1880が代わりに、取り外し可能レンズアセンブリ1120のレセプタクルに係合する、後退可能なラッチを含んでもよい。
【0095】
他の実施例では、取り外し可能レンズアセンブリ及び眼鏡フレーム1880は、タブ/戻り止め(図12A図12B)、摩擦(図12C)、及び/又は後退可能なピン(図12D)を用いて互いに結合されてもよい。
【0096】
一実施例では、取り外し可能レンズアセンブリ及び眼鏡フレーム1880は、ヘッドマウントディスプレイユニット110がそうであり得るように、図13A図13Fに関連して説明されるように(例えば、トーイン機構により)結合するように構成されている。取り外し可能レンズアセンブリ1320は、レンズ機械的結合機構1322及びレンズ磁気結合機構1324を含み、一方、眼鏡フレームは、それと結合するための、それに対応するディスプレイ機械的結合機構1312及びディスプレイ磁気的結合機構1314を含む。
【0097】
図21に示される更なる実施例では、取り外し可能な二重レンズアセンブリ2120は、レンズエレメント330のうちの2つ(すなわち、それぞれの眼について1つ)と、レンズエレメント330の両方に結合されたフレーム2140(例えば、両方のレンズエレメント330を取り囲み、ブリッジによって結合されている)を含む。フレーム2140は、一般に、レンズエレメント330に結合された(例えば、取り囲んでいる)レンズ支持部分2142(例えば、リム)と、レンズ支持部分2142を互いに結合するブリッジ2144と、を含む。つる2146は、任意選択的に提供されてもよく、ユーザの頭部上で支持されることが可能な眼鏡アセンブリ2170を形成するように、フレーム2140に取り外し可能に結合可能である。フレーム2140のブリッジ2144又は他の部分若しくは構成要素及びつる2146は、顔基準点(すなわち、鼻20及び耳)と係合して、矯正装着位置にレンズエレメント330を矯正装着位置に位置させる。つる2146は、磁気的結合機構、ラッチ、及び/又は雄雌境界面などを用いて取り外しを容易化する任意の好適な方法で、レンズ支持部分2142に結合することができる。レンズ支持部分2142に結合されると、つる2146は、例えば、レンズ支持部分2142とつる2146、又はそのいずれかがヒンジを有する状態でレンズ支持部分2142に対して折り畳まれることができる。
【0098】
矢印によって示されるように、フレーム2140は、レンズ支持部分2142(複数)の間での、したがってレンズエレメント330(複数)の間での、調節又は他の移動を可能にし得る。このような移動は、2つのレンズエレメント330の光軸に対して概ね横方向であってもよく、これにより、異なる瞳孔間距離を有するユーザに対してフレーム2140を(例えば、ブリッジ2144内のリードスクリュー又は他の機構を使用してその間の間隔を固定的に調整することにより)調節することが可能となる。別の実施例では、レンズ支持部分2142(複数)がバネ付勢されて離されていてもよく、それによって(例えば、ブリッジ2144内のばね機構を用いて)それらの間での加圧が可能となる。なお更なる実施形態では、レンズ支持部分2142は、(例えば、磁気的になど、ブリッジ2144によって)互いに取り外し可能に結合可能であってもよい。
【0099】
取り外し可能な二重レンズアセンブリ2120は、ヘッドマウントディスプレイユニット110に、前述の方法のうちの1つ(例えば、図3A図3Bに示されるような磁気機構及び機械的機構、図10A図10Bに示されるような嵌合機構、図11A図11Bに示されるようなラッチ、図12A図12Dに示されるような他の機械的嵌合機構、及び/又は図13A図13Fに示されるような機械的結合機構)により、磁気的及び/又は機械的に取り外し可能に結合可能である。なお更なる実施例では、取り外し可能な二重レンズアセンブリ2120は、例えば、ヘッドマウントディスプレイユニット110上の他の磁気結合機構に対応する磁気結合機構を用いて、ブリッジ2144を介して結合可能であってもよい。あるいは、図21に示すように、取り外し可能な二重レンズアセンブリ2120は、(上述のように)ばねで付勢されて圧縮され、(一点鎖線で示される)ヘッドマウントディスプレイユニット110のレセプタクル2112に挿入され、続けて、その中で(例えば、摩擦嵌合により、かつ/又はヘッドマウントディスプレイユニット110の凹部内に)保持されるように拡張することができる。
【0100】
ブリッジ2144及びヘッドマウントディスプレイユニット110の対応する部分は、例えば、それらの間に磁気的及び/又は機械的結合をもたらすことができ、これにより、協働的にレンズエレメント330をディスプレイ装着位置に位置させることができる。
【0101】
図22A図22Cを参照すると、眼鏡アセンブリ2270は、ユーザが眼鏡アセンブリ2270で環境又はグラフィックコンテンツを見ることを可能にするように再構成可能なヘッドマウントディスプレイユニット2210に結合可能である。眼鏡アセンブリ2270は、一般に、前方部分2282と、そこから後方に延びる2つのつる2284とを有する眼鏡フレーム2280を含み、そして前方部分2282に結合された2つの矯正レンズ要素2230を含む。
【0102】
ヘッドマウントディスプレイユニット2210は、一般に、1つ以上のディスプレイ2216(例えば、116を参照)を有するシャーシ2212(例えば、112を参照)と、ユーザの頭部に係合してシャーシ2212及び1つ以上のディスプレイ2216をユーザの頭部上に支持するヘッドサポート2214(例えば、114を参照)とを含む。ヘッドマウントディスプレイユニット2210は、ヘッドサポート2214がユーザの頭部と係合したままで、シャーシ2212が1つ以上のディスプレイ2216と協働してヘッドサポート2214に対して移動可能であるように再構成可能である。例えば、シャーシ2212は、引き下げ位置と引き上げ位置との間で移動可能であるように、ヘッドサポート2214に枢動可能に結合されてもよい。(図22Aに示される)引き下げ位置では、シャーシ2212は、ユーザの眼10を覆うと共に、1つ以上のディスプレイ2216を、矯正レンズエレメント2230がその間に配置された状態でグラフィックコンテンツをユーザに表示するように(すなわち、ユーザが矯正レンズエレメント2230を通してグラフィックコンテンツを見るように)、配置する。引き上げ位置(図22Bに示される)では、シャーシ2212は、ユーザの眼10の上方に位置し、ユーザの眼10を覆わない一方、矯正レンズエレメント2230はユーザの眼10の前にとどまっている(すなわち、それによりユーザは矯正レンズエレメント2230を通して環境を見る)。
【0103】
眼鏡フレーム2280は、ヘッドサポート2214に取り外し可能に結合可能である。例えば、図22Cに示すように、つる2284は、ヘッドサポート2214のレセプタクル2214aによって受容されてもよい。したがって、シャーシ2212が移動される(例えば、上方に枢動される)とき、眼鏡アセンブリ2270は、ヘッドサポート2214に結合され、ユーザがその矯正レンズエレメント2230を通して環境を見るように配置された状態にとどまる。あるいは、眼鏡フレーム2280は、例えば磁石又は他の機構を用いて、他の方法でヘッドサポート2214に結合されてもよい。なお更なる実施例では、眼鏡フレーム2280は、つる2284を省略することができ、その場合、前方部分は、別の方法でヘッドサポート2214に(例えば、ユーザの眼10の上方のユーザの眉50に係合する眉部材に)結合される。ヘッドサポート2214から取り外されているとき、眼鏡アセンブリ2270は、(例えば、ユーザの鼻20及び/又は耳40によって支持される)従来の眼鏡としてユーザが装着してもよい。
【0104】
物理的環境とは、人々が電子システムの助けなしに、感知及び/又は相互作用することができる物理的世界を指す。物理的な公園などの物理的環境には、物理的な木々、物理的な建物、及び物理的な人々などの物理的物品が挙げられる。人々は、視力、触覚、聴覚、味覚、及び臭覚などを介して、物理的環境を直接感知し、及び/又はそれと相互作用することができる。
【0105】
対照的に、コンピュータ生成現実(computer-generated reality、CGR)環境は、人々が電子システムを介して感知及び/又は相互作用する、全体的又は部分的にシミュレーションされた環境を指す。CGRでは、人の身体運動のサブセット又はその表現が追跡され、それに応じて、CGR環境内でシミュレートされた1つ以上の仮想オブジェクトの1つ以上の特性が、少なくとも1つの物理学の法則でふるまうように調整される。例えば、CGRシステムは、人の頭部の回転を検出し、それに応じて、そのようなビュー及び音が物理的環境において変化し得るのと同様に、人に提示されるグラフィカルコンテンツ及び音場を調整することができる。状況によっては(例えば、アクセス性の理由から)、CGR環境における仮想オブジェクト(単数又は複数)の特性(単数又は複数)に対する調節は、身体運動の表現(例えば、音声コマンド)に応答して行われてもよい。
【0106】
人は、視力、聴覚、触覚、味覚及び嗅覚を含むこれらの感覚のうちのいずれか1つを使用して、CGRオブジェクトを感知し、かつ/又はCGRオブジェクトと相互作用してもよい。例えば、人は、3D空間において点音源の知覚を提供する、3D又は空間的広がりを有するオーディオ環境を作り出すオーディオオブジェクトを感知し、かつ/又はそれと相互作用することができる。別の例では、オーディオオブジェクトは、コンピュータ生成オーディオを含め、又は含めずに、物理的環境から周囲音を選択的に組み込むオーディオ透過性を可能にすることができる。いくつかのCGR環境では、人は、オーディオオブジェクトのみを感知し、及び/又はそれと相互作用することができる。
【0107】
CGRの例としては、仮想現実及び複合現実が挙げられる。
【0108】
仮想現実(virtual reality、VR)環境とは、1つ以上の感覚について、コンピュータ生成感覚入力に全面的に基づくように設計されたシミュレーション環境を指す。VR環境は、人が感知及び/又は相互作用することができる複数の仮想オブジェクトを含む。例えば、木、建物、及び人々を表すアバターのコンピュータ生成画像は、仮想オブジェクトの例である。人は、コンピュータ生成環境内に人が存在することのシミュレーションを通じて、かつ/又はコンピュータ生成環境内での人の身体運動のサブセットのシミュレーションを通じて、VR環境における仮想オブジェクトを感知し、かつ/又はそれと相互作用することができる。
【0109】
コンピュータ生成感覚入力に全面的に基づくように設計されたVR環境とは対照的に、複合現実(mixed reality、MR)環境は、コンピュータ生成感覚入力(例えば、仮想オブジェクト)を含むことに加えて、物理的環境からの感覚入力又はその表現を組み込むように設計されたシミュレーション環境を指す。仮想の連続体上で、現実環境は、一端における完全に物理的な環境と、他端における仮想現実環境との間のどこかにあるが、両端は含まない。
【0110】
いくつかのMR環境では、コンピュータ生成感覚入力は、物理的環境からの感覚入力の変更に応答し得る。また、MR環境を提示するためのいくつかの電子システムは、仮想オブジェクトが現実のオブジェクト(すなわち、物理的環境からの物理的物品又はその表現)と相互作用することを可能にするために、物理的環境に対する位置及び/又は向きを追跡することができる。例えば、システムは、仮想の木が物理的な地面に対して静止して見えるように、動きを考慮することができる。
【0111】
複合現実の例としては、拡張現実及び拡張仮想が挙げられる。
【0112】
拡張現実(augmented reality、AR)環境は、1つ以上の仮想オブジェクトが物理的環境上又はその表現上に重ねられたシミュレーション環境を指す。例えば、AR環境を提示するための電子システムは、人が物理的環境を直接見ることができる透明又は半透明のディスプレイを有してもよい。システムは、透明又は半透明のディスプレイ上に仮想オブジェクトを提示するように構成されていてもよく、それによって、人はシステムを使用して、物理的環境上に重ねられた仮想オブジェクトを知覚する。あるいはシステムは、不透明ディスプレイと、物理的環境の表現である、物理的環境の画像又は動画をキャプチャする1つ以上の撮像センサとを有してもよい。システムは、画像又は動画を仮想オブジェクトと合成し、その合成物を不透明ディスプレイ上に提示する。人は、システムを使用して、物理的環境の画像又は動画によって物理的環境を間接的に見て、物理的環境上に重ねられた仮想オブジェクトを知覚する。本明細書で使用するとき、不透明ディスプレイ上に示される物理的環境の動画は、「パススルービデオ」と呼ばれ、システムが、1つ以上の撮像センサ(単数又は複数)を使用して、物理的環境の画像をキャプチャし、不透明ディスプレイ上にAR環境を提示する際にそれらの画像を使用することを意味する。更に代替的に、システムは、仮想オブジェクトを、物理的環境に、例えば、ホログラムとして又は物理的表面上に投影するプロジェクションシステムを有してもよく、それによって、人は、システムを使用して、物理的環境上に重ねられた仮想オブジェクトを知覚する。
【0113】
拡張現実環境はまた、物理的環境の表現がコンピュータ生成感覚情報によって変換されるシミュレーション環境を指す。例えば、パススルービデオを提供する際に、システムは、1つ以上のセンサ画像を変換して、撮像センサによってキャプチャされた遠近法とは異なる選択された遠近法(例えば、視点)による面付けを行うことができる。別の例として、物理的環境の表現は、その一部分をグラフィカルに変更(例えば、拡大)することによって変換されてもよく、それにより、変更された部分を元のキャプチャ画像を表すが非写実的であるバージョンとすることができる。更なる例として、物理的環境の表現は、その一部分をグラフィカルに除去又は曖昧化することによって変換されてもよい。
【0114】
拡張仮想(augmented virtuality、AV)環境は、物理的環境からの1つ以上の感覚入力を仮想環境又はコンピュータ生成環境が組み込むシミュレーション環境を指す。感覚入力は、物理的環境の1つ以上の特性の表現であり得る。例えば、AVの公園には仮想の木及び仮想の建物があり得るが、顔がある人々は、物理的な人々が撮られた画像から写実的に再現される。別の例として、仮想オブジェクトは、1つ以上の撮像センサによって撮像された物理的物品の形状又は色を採用してもよい。更なる例として、仮想オブジェクトは、物理的環境における太陽の位置と一致する影を採用することができる。
【0115】
多種多様の電子システムが存在することによって、人が様々なCGR環境を感知し、かつ/又はCGR環境と相互作用できるようになる。例としては、ヘッドマウントシステム、プロジェクションベースシステム、ヘッドアップディスプレイ(heads-up display、HUD)、統合表示機能を有する車両ウィンドシールド、統合表示機能を有する窓、(例えば、コンタクトレンズと同様に)人の眼の上に配置されるように設計されたレンズとして形成されたディスプレイ、ヘッドホン/イヤフォン、スピーカアレイ、入力システム(例えば、触覚フィードバックを有する又は有さない、装着型コントローラ又はハンドヘルドコントローラ)、スマートフォン、タブレット、及びデスクトップ/ラップトップコンピュータ、が挙げられる。ヘッドマウントシステムは、1つ以上のスピーカ(単数又は複数)及び一体型不透明ディスプレイを有してもよい。あるいはヘッドマウントシステムは、外部の不透明ディスプレイ(例えば、スマートフォン)を受け入れるように構成されていてもよい。ヘッドマウントシステムは、物理的環境の画像若しくは動画をキャプチャするための1つ以上の撮像センサ、及び/又は物理的環境の音声をキャプチャするための1つ以上のマイクロフォンを組み込んでいてもよい。ヘッドマウントシステムは、不透明ディスプレイではなく、透明又は半透明のディスプレイを有してもよい。透明又は半透明のディスプレイは、画像を表す光が人の眼に向けられる媒体を有してもよい。ディスプレイは、デジタル光投影、OLED、LED、uLED、液晶オンシリコン、レーザスキャン光源、又はこれらの技術の任意の組み合わせを利用することができる。媒体は、光導波路、ホログラム媒体、光結合器、光反射器、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。一実施形態では、透明又は半透明のディスプレイは、選択的に不透明になるように構成されていてもよい。プロジェクションベースシステムは、グラフィカル画像を人間の網膜上に投影する網膜投影技術を採用することができる。プロジェクションシステムはまた、例えば、ホログラムとして、又は物理的表面上に、仮想オブジェクトを物理的環境内に投影するように構成されていてもよい。
【0116】
上述のように、本技術の一態様は、様々なソースから利用可能なデータを収集及び使用して、異なるユーザのための異なる矯正レンズをヘッドマウントディスプレイユニットによって適応することである。本開示は、いくつかの例において、この収集されたデータが、特定の人を一意に特定する個人情報データ、又は特定の人に連絡する若しくはその所在を突き止めるために使用できる個人情報データを含み得ることを考察する。そのような個人情報データとしては、人口統計データ、ロケーションベースのデータ、電話番号、電子メールアドレス、ツイッターID、自宅の住所、ユーザの健康又はフィットネスのレベル(例えば、バイタルサイン測定値、服薬情報、運動情報)に関するデータ若しくは記録、誕生日、又は任意のその他の識別情報若しくは個人情報を挙げることができる。
【0117】
本開示は、本技術におけるそのような個人情報データの使用がユーザの利益になる使用であり得る点を認識するものである。例えば、個人情報データを使用して、異なるユーザのための異なる矯正レンズを、ヘッドマウントディスプレイユニットにによって適応することができる。更には、ユーザに利益をもたらす、個人情報データに関する他の使用もまた、本開示によって想到される。例えば、健康データ及びフィットネスデータは、ユーザの全般的なウェルネスについての洞察を提供するために使用することができ、又は、ウェルネスの眼標を追求する技術を使用している個人への、積極的なフィードバックとして使用することもできる。
【0118】
本開示は、そのような個人情報データの収集、分析、開示、伝送、記憶、又は他の使用に関与するエンティティが、確固たるプライバシーポリシー及び/又はプライバシー慣行を遵守するものとなることを想到する。具体的には、そのようなエンティティは、個人情報データを秘密として厳重に保守するための、業界又は政府の要件を満たしているか又は上回るものとして一般に認識されている、プライバシーのポリシー及び慣行を実施し、一貫して使用するべきである。そのようなポリシーは、ユーザによって容易にアクセス可能とするべきであり、データの収集及び/又は使用が変化するにつれて更新されるべきである。ユーザからの個人情報は、そのエンティティの合法的かつ合理的な使用のために収集されるべきであり、それらの合法的使用を除いては、共有又は販売されるべきではない。更には、そのような収集/共有は、ユーザに告知して同意を得た後に実施されるべきである。更には、そのようなエンティティは、そのような個人情報データへのアクセスを保護して安全化し、その個人情報データへのアクセスを有する他者が、それらのプライバシーポリシー及び手順を遵守することを保証するための、あらゆる必要な措置を講じることを考慮するべきである。更には、そのようなエンティティは、広く受け入れられているプライバシーのポリシー及び慣行に対する自身の遵守を証明するために、第三者による評価を自らが受けることができる。更には、ポリシー及び慣行は、収集及び/又はアクセスされる具体的な個人情報データのタイプに適合されるべきであり、また、管轄権固有の考慮事項を含めた、適用可能な法令及び規格に適合されるべきである。例えば、アメリカ合衆国では、特定の健康データの収集又はアクセスは、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(Health Insurance Portability and Accountability Act、HIPAA)などの、連邦法及び/又は州法によって管理することができ、その一方で、他国における健康データは、他の規制及びポリシーの対象となり得るものであり、それに従って対処されるべきである。それゆえ、各国において、異なる個人データのタイプに関して異なるプライバシー慣行が保たれるべきである。
【0119】
前述のことがらにも関わらず、本開示はまた、個人情報データの使用又は個人情報データへのアクセスを、ユーザが選択的に阻止する実施形態も想到する。すなわち、本開示は、そのような個人情報データへのアクセスを防止又は阻止するように、ハードウェア要素及び/又はソフトウェア要素を提供することができると想到する。例えば、ヘッドマウントディスプレイユニットによって矯正レンズを提供又は適応する場合、本技術は、ユーザが、サービスの登録中又はその後いつでも、個人情報データの収集への参加の「オプトイン」又は「オプトアウト」を選択できるように構成することができる。別の実施例では、ユーザは、初期化プロセス中に個人情報を提供しないことを選択することができる。「オプトイン」及び「オプトアウト」の選択肢を提供することに加えて、本開示は、個人情報のアクセス又は使用に関する通知を提供することを想到する。例えば、ユーザはアプリのダウンロード時にユーザの個人情報データがアクセスされるであろうこととについて通知され、その後、個人情報データがアプリによってアクセスされる直前に再び注意を受けてもよい。
【0120】
更には、個人情報データを、非意図的若しくは無許可アクセス又は使用の危険性を最小限に抑える方法で、管理及び処理するべきであるということが本開示の意図するところである。データの収集を制限し、データがもはや必要とされなくなった時点で削除することによって、危険性を最小限に抑えることができる。更には、適用可能な場合、特定の健康関連アプリケーションを含めて、ユーザのプライバシーを保護するために、データの非特定化を使用することができる。非特定化は、適切な場合には、特定の識別子(例えば、生年月日など)を除去すること、記憶されたデータの量又は特異性を制御すること(例えば、位置データを住所レベルよりも都市レベルで収集すること)、データがどのように記憶されるかを制御すること(例えば、データをユーザ全体にわたって集約すること)及び/又は他の方法によって、容易にすることができる。
【0121】
それゆえ、本開示は、1つ以上の様々な開示された実施形態を実施するための、個人情報データの使用を広範に網羅するものであるが、本開示はまた、そのような個人情報データにアクセスすることを必要とせずに、それらの様々な実施形態を実施することも可能であることを想到する。すなわち、本技術の様々な実施形態は、そのような個人情報データの全て又は一部分が欠如することにより、実施不可能となるものではない。例えば、構成の表示及び/又は適合性の表示は、ユーザに関連付けられたデバイスにより要求されているコンテンツ、レンズプロバイダが利用可能な他の非個人情報、若しくは公式に入手可能な情報などの、非個人情報データ又は最低最小限量の個人情報に基づいてもよい。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図13F
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図19A
図19B
図20A
図20B
図21
図22A
図22B
図22C
【国際調査報告】