(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-26
(54)【発明の名称】ポンプの吸引側に空気を供給する装置、このような装置を有する部品ユニット、およびワイパーシステム
(51)【国際特許分類】
B60S 1/48 20060101AFI20220519BHJP
【FI】
B60S1/48 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559909
(86)(22)【出願日】2020-03-16
(85)【翻訳文提出日】2021-10-26
(86)【国際出願番号】 EP2020057062
(87)【国際公開番号】W WO2020207705
(87)【国際公開日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】102019109457.7
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100202304
【氏名又は名称】塙 和也
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル、バス
(72)【発明者】
【氏名】フェリックス、フェーンレ
(72)【発明者】
【氏名】ボルフガング、ショール
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA01
3D225AB01
3D225AC01
3D225AC02
3D225AD02
3D225AD09
3D225AF02
(57)【要約】
本発明は、ワイパーシステム(100)のポンプ(10)の吸引側(12)に空気を供給する装置(50)であって、前記装置(50)は、空気を吸引するための吸引チャネル(60)を備え、前記吸引チャネル(60)は、ポンプ(10)の吸引側(12)に接続されることが可能である、装置(50)に関する。装置(50)は、ポンプ(10)とは別個の構成要素として実現され、装置(50)をウォッシャー流体(3)の供給容器(14)に接続するための接続領域(52)を備え、ポンプ(10)の吸引ノズル(24)のための追加の接続領域(54)を有し、吸引チャネル(60)内に逆止弁(62)が設けられ、前記逆止弁(62)は、ポンプ(10)の吸引ノズル(24)に対する負圧(P)に応じて開閉するように設計され、前記逆止弁(62)が開いているとき、ポンプ(10)の吸引ノズル(24)の領域に空気が入ることができ、逆止弁(62)が閉じているとき、空気は吸入されないことが提案される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイパーシステム(100)のポンプ(10)の吸引側(12)に空気を供給する装置(50)であって、前記装置(50)は、空気を吸引するための吸引チャネル(60)を備え、前記吸引チャネル(60)は、前記ポンプ(10)の前記吸引側(12)に接続されることが可能であり、
前記装置(50)は、前記ポンプ(10)とは別個の構成要素として実現され、前記装置(50)をウォッシャー流体(3)の供給容器(14)に接続するための接続領域(52)を備え、前記ポンプ(10)の吸引ノズル(24)のための追加の接続領域(54)を有し、
前記吸引チャネル(60)内に逆止弁(62)が設けられ、
前記逆止弁(62)は、前記ポンプ(10)の吸引ノズル(24)に対する負圧(P
1)に応じて開閉するように実現され、
前記逆止弁(62)が開いているとき、前記ポンプ(10)の前記吸引ノズル(24)の領域に空気が入ることができ、
前記逆止弁(62)が閉じているとき、空気は吸引されないことを特徴とする、装置(50)。
【請求項2】
前記吸引チャネル(60)は、前記逆止弁(62)が配置された第1のセクション(61)を備え、前記第1のセクション(61)は、前記ポンプ(10)の前記吸引ノズル(24)のための前記追加の接続領域(54)の一部を形成する第2のセクション(66)に接続されていること
を特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2のセクション(66)は、前記ポンプ(10)の前記吸引側(12)に接続された供給ギャップ(68)を形成することによって、前記ポンプ(10)の前記吸引ノズル(24)を放射状に包囲するために実現されること
を特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記追加の接続領域(54)に要素(56)が配置され、前記要素(56)は、前記ウォッシャー流体(3)のためのスロットルとして機能する断面狭窄部(58)を備えること
を特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記要素(56)はスリーブ形状であり、前記追加の接続領域(54)内に密封するように配置されること
を特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記逆止弁(62)はダックビル弁として設計されていること
を特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記装置(50)は、基体(51)を有し、基体(51)は、プラスチック製であり、射出成形部品として実現されていること
を特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記吸引チャネル(60)とは反対側に向いている前記逆止弁(62)の側にフィルタ要素(65)が設けられること
を特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
供給容器(14)からウォッシャー流体(3)を吸引するためのポンプ(10)であって、前記ポンプ(10)は吸引ノズル(24)を備える、ポンプ(10)と、
空気を供給するのに役立ち、請求項1から8のいずれか一項による装置(50)とを備える部品ユニット(30)であって、
前記ポンプ(10)の前記吸引ノズル(24)は前記装置(50)の前記追加の接続領域(54)内に突出する、部品ユニット(30)。
【請求項10】
ウォッシャー流体(3)の供給容器(14)と、
空気を供給するのに役立ち、請求項1から8のいずれか一項による装置(50)とを備える部品ユニット(20)であって、
前記供給容器(14)の開口部(22)が、前記装置(50)の前記接続領域(52)を密封するように包囲する、部品ユニット(20)。
【請求項11】
自動車窓(1)を洗浄するためのワイパーシステム(100)であって、
前記ワイパーシステム(100)は、ウォッシャー流体(3)の供給容器(14)を有し、前記供給容器(14)から前記ウォッシャー流体(3)を吸引するためのポンプ(10)を有し、前記ポンプ(10)の圧力側(8)から、少なくとも1つのワイパーブレード(105、106)の掃引領域の自動車窓(1)に洗浄媒体(2)を噴霧するために実現された噴霧装置(110)に前記洗浄媒体(2)を供給するための少なくとも1つのダクト(5)を有し、
前記ポンプ(10)の吸引側(12)は、前記圧力側(8)で前記ウォッシャー流体(3)および空気から泡状の洗浄媒体(2)を生成するために、前記ポンプ(10)から前記ポンプ(10)の前記吸引側(12)を介して空気が吸引されるように、前記ウォッシャー流体(3)に加えて空気を供給するために、装置(50)に少なくとも間接的に接続されており、
空気を供給する前記装置(50)は、前記ポンプ(10)の前記吸引側(12)の負圧(P
1)に応じて開閉するために実現される逆止弁(62)を備え、
前記前記逆止弁(62)が開いているとき、前記ポンプ(10)の前記吸引ノズル(24)の領域に空気が入ることができ、
前記逆止弁(62)が閉じているとき、空気は吸引されないこと
を特徴とする、ワイパーシステム(100)。
【請求項12】
前記ポンプ(10)は、好ましくは少なくとも1つの翼要素などを介して、吸引された空気とともに前記ウォッシャー流体(3)を発泡させるために実現されること
を特徴とする、請求項11に記載のワイパーシステム。
【請求項13】
前記ポンプ(10)はベーンポンプとして実現されること
を特徴とする、請求項11または12に記載のワイパーシステム。
【請求項14】
前記噴霧装置(110)は、前記少なくとも1つのワイパーブレード(105、106)に組み込まれた少なくとも1つの噴霧ノズル(108)を備えること
を特徴とする、請求項10から13のいずれか一項に記載のワイパーシステム。
【請求項15】
前記噴霧装置(110)は、前記少なくとも1つのワイパーブレード(105、106)とは別の少なくとも1つの噴霧ノズル(109)を備えること
を特徴とする、請求項10から13のいずれか一項に記載のワイパーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の特徴の前段の特徴条項の特徴を有するワイパーシステムのポンプの吸引側に空気を供給する装置に関する。さらに、本発明は、本発明による装置を有する部品ユニット、およびワイパーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
請求項1の特徴の前段の特徴条項の特徴を有するポンプの吸引側に空気を供給する装置は、本出願人から引き続き公開されるドイツ特許公開第102018113951号明細書より知られている。既知の装置は、ポンプが空気によって吸入された液体洗浄媒体を混合し、これを洗浄泡として自動車窓の領域に搬送できるようにするために、その吸引側でポンプに空気を供給するために使用される。液体洗浄媒体の代わりにこのような洗浄泡を使用することは、同等の洗浄性能で洗浄媒体の消費量が削減されるという利点を有し、これはたとえば、(液体)洗浄媒体の貯蔵容器の全体的なサイズおよび重量の削減につながる。この目的のために、既知の装置において、これをポンプの吸引側または吸引ノズルの一体型構成部品とすることが提案される。言い換えると、これは、ポンプに接続されたポンプの吸引ノズルが空気を供給するように同時に設計されることを意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】ドイツ特許公開第102018113951号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の特徴を有する、ワイパーシステムのポンプの吸引側に空気を供給するための本発明による装置は、ポンプまたはポンプの吸引ノズルから独立した構成要素として形成され、したがって、通常は吸引側に空気を供給しない、または従来の吸引ノズルを有するポンプに適合可能であるという利点を有する。その結果、全く同じ吸引ノズルを有する全く同じポンプが、第1のケースでは単に液体洗浄媒体を供給するために従来の方法で使用され、別のケースでは、洗浄泡を供給するために本発明による装置によって構成されることが可能な、モジュラーシステムのタイプが可能になる。
【0005】
したがって、この背景に対して、請求項1による本発明の教示は、空気を供給する装置が、ポンプとは別個であり、装置をウォッシャー流体の供給容器に接続するための接続領域およびポンプの吸引ノズルのための追加の接続領域を備える構成要素として設計されること、ならびに空気用の吸引チャネル内に逆止弁が配置され、前記逆止弁は、ポンプの吸引ノズルに対する負圧に応じて開閉するように設計されており、前記逆止弁が開いているとき、ポンプの吸引ノズルの領域に空気が入ることができ、逆止弁が閉じているとき、空気は吸入されないことを提案する。
【0006】
逆止弁は、ばね式逆止弁として、または周囲圧力によって閉鎖方向に付勢されるいわゆるダックビル弁の形態の逆止弁として、設計されることが可能である。最初に挙げられた弁では、逆止弁に対して作用する閉鎖力は、ばねの閉鎖力と、ポンプの吸引側に接続された逆止弁の側と周囲圧力との圧力差とで構成されている。
【0007】
したがって、本発明の教示によるこのような構成は、ポンプに適合されることが可能な別個の構成要素として本発明による装置を設計できるようにするだけでなく、逆止弁に対して変化する圧力によって、ポンプの吸引側への空気の侵入を制御できるようにし、逆止弁から周囲への空気または洗浄液の逆流が防止される。
【0008】
ワイパーシステムのポンプの吸引側に空気を供給する本発明による装置の有利な開発は、従属請求項に列挙されている。
【0009】
装置の好適な一設計構成において、吸引チャネルが、逆止弁が配置された第1のセクションを備え、第1のセクションが、ポンプの吸引ノズルのための追加の接続領域の一部を形成する第2のセクションに接続されることが提案される。
【0010】
最後の提案の開発では、吸引チャネルの第2のセクションがポンプの吸引ノズルを放射状に包囲して供給ギャップを形成するように設計され、供給ギャップはポンプの吸引側に接続されることが提案される。このような構成は、特に、逆止弁からの空気がポンプの吸引側の方向に通過するために、装置に穴などが設けられてはならないという利点を有する。代わりに、供給ギャップは具体的に、空気を供給する装置の追加の接続領域にある縦方向溝、およびポンプの吸引ノズルの外周によって形成されることが可能である。
【0011】
さらに好適な改良は、液体が吸入されたときに吸引ノズルの方向に加速されるような、吸入された液体の流体誘導に関する。加速の結果として、周囲圧または大気圧と比較して低い圧力が達成され、これは逆止弁まで作用し、空気がそこに吸引されることを可能にする。この目的のために、装置は、ウォッシャー流体を追加の接続領域内に配置させるためのスロットルとして機能する断面狭窄部を備える要素を提供する。さらに、スロットルの断面または孔径によって、逆止弁によって吸引された空気の量の体積、したがって泡組成にも影響を及ぼすことが可能であることが言及される。
【0012】
結果として別個の(射出成形)工具が装置に必要とされることなく、それぞれの使用例またはそれぞれのポンプにスロットルの動作を非常に簡単に適合させるために、(断面狭窄部を有する)要素がスリーブ形状であり、追加の接続領域内に密封するように配置されることが提案され得る。
【0013】
逆止弁の好適な改良では、逆止弁はダックビル弁として設計される。
【0014】
空気を供給する装置の好適な改良では、装置は、タンクに対するシールとして作用する別個の要素なしで済ますことができるように、ゴム材料または熱可塑性エラストマーで作られた基体を有する。
【0015】
異物などが装置を介して吸入されてポンプの吸引側に到達し、結果としてポンプの機能を損なうのを回避するために、たとえば、フィルタ要素が、吸引チャネルとは反対側に向いている逆止弁の側に配置されることが、さらに提案され得る。
【0016】
本発明はまた、供給容器からウォッシャー流体を吸入するためのポンプであって、吸引ノズルを有するポンプと、これまでに記載された本発明による装置とを備える部品ユニットであって、ポンプの吸引ノズルは装置の追加の接続領域内に突出する、部品ユニットも備える。言い換えると、これは、部品ユニットが2つの構成要素、第1にポンプおよび第2に本発明による装置によって形成され、2つの別個の構成要素は、ポンプの吸引ノズルを介して互いに接続されていることを意味する。
【0017】
あるいは、本発明はまた、ウォッシャー流体の供給容器と、これまでに記載された本発明による装置とを備える部品ユニットであって、供給容器の開口部は、装置の接続領域を密封するように包囲する、部品ユニットも備える。同様に互いに接続された2つの別個の構成要素からなるこのような部品ユニットは、その後、全体的なユニットを形成するために、ポンプの吸引ノズル上に組み立てられることが可能である。
【0018】
さらに、本発明はまた、ウォッシャー流体の供給容器を有し、供給容器からウォッシャー流体を吸入するためのポンプを有し、ポンプの圧力側から噴霧装置に洗浄媒体を供給するための少なくとも1つのダクトを有する、自動車窓を洗浄するためのワイパーシステムであって、噴霧装置は、少なくとも1つのワイパーブレードの掃引領域の自動車窓に洗浄媒体を噴霧するように設計されており、ポンプの吸引側は、圧力側でウォッシャー流体および空気から泡状の洗浄媒体を生成するために、ポンプの吸引側がウォッシャー流体に加えてポンプから空気も吸入するように、空気を供給する装置に少なくとも間接的に接続されている、ワイパーシステムも備える。本発明によるワイパーシステムは、空気を供給する装置が、ポンプの吸引側の負圧に応じて開閉するように設計された逆止弁を有するという事実によって区別され、逆止弁が開いているとき、ポンプの吸引ノズルの領域に空気が入ることができ、逆止弁が閉じているとき、空気は吸引されない。
【0019】
これまでに記載されたワイパーシステムの開発において、ポンプは、好ましくはポンプの少なくとも1つの翼要素などを介して、吸引された空気とともにウォッシャー流体を発泡させるように設計されることが提案される。この目的のために、具体的にはポンプがベーンセルポンプとして設計されることが提案される。
【0020】
ワイパーシステムの噴霧装置に関して異なる構成もある。第1の構成では、噴霧装置は、少なくとも1つのワイパーブレードに組み込まれた少なくとも1つの噴霧ノズル(「アクアブレード」)を有することが可能である。この目的の代替として、噴霧装置が、少なくとも1つのワイパーブレードとは別の少なくとも1つの噴霧ノズルを有することも提案され得る。
【0021】
本発明のさらなる利点、特徴、および詳細は、以下の好適な例示的実施形態の説明から、および図面を使用することによって、収集されることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】自動車前面窓を洗浄するためのワイパーシステムの簡略図である。
【
図2】洗浄媒体の供給容器および空気を供給する装置を備える、部品ユニットの概略図である。
【
図3】ポンプと、ポンプの吸引ノズルに接続された空気を供給する装置とを備える、
図2に対して修正された部品ユニットを示す図である。
【
図4】
図3による部品ユニットの部分領域の縦断面図である。
【
図5】空気を供給するための本発明による装置によって空気を吸入する動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図中、同じ機能を有する1つまたは複数の同じ要素には、同じ参照番号が付される。
【0024】
図1には、自動車窓1、例示的な実施形態では自動車前面窓を洗浄するためのワイパーシステム100の重要な構成部品が示されている。ワイパーシステム100は、例として、自動車窓1を洗浄するために、図示されないドライブ(フロントガラスワイパーモータ)によって下部反転位置UTと上部反転位置OTとの間で往復旋回できる、ワイパーブレード105、106が交換可能に固定された2つのワイパーアーム102、103を備える。
【0025】
洗浄泡の形態の洗浄媒体2を自動車窓1に塗布するために、2つのワイパーブレード105、106の各々は、一例として、縦方向に互いに離間した複数の噴霧ノズル108を有する。この代替として、2つのワイパーブレード105、106の各々が、固定位置に配置された噴霧ノズル109に割り当てられることも提案され得る。したがって、噴霧ノズル108および109は各々、噴霧装置110を形成する。
【0026】
洗浄媒体2は、ポンプ10の圧力側8に接続された、ホース5の形態の少なくとも1つの液圧ダクトによって、噴霧ノズル108および109に供給される。ポンプ10は、その吸引側12を介して、供給容器14に貯蔵された液体ウォッシャー流体3を吸引し、添加剤、具体的には発泡剤がウォッシャー流体3に添加されることが可能である。ポンプ10は、ベーンセルポンプとして形成され、この目的のために、ポンプ10内に回転可能に配置された少なくとも1つの翼(図示せず)を有する。圧力ノズルの形態で設計された、ポンプ10の圧力側8は、ポンプ10の側に、好ましくは吸引側12のすぐ上に位置している。加えて、ポンプ10は、単に象徴的に示されている、接続プラグ9を有する。供給容器14を有するポンプ10の様々な配置が、
図2および
図3を使用して以下で説明される。
図2は、供給容器14と、ポンプ10の吸引側12から空気を供給するための装置50とを備える、部品ユニット20を示す。この目的のために、供給容器14は、1つの壁に開口部22を有し、その中に装置50が突出し、装置50は開口部22に対して密封されている。部品ユニット20は、車両の機能実装ユニットを形成するために、ポンプ10を装置50に接続することによって完成されることが可能である。装置50は、ポンプ10とは別個の構成要素として形成されることが重要である。
【0027】
図3は、ポンプ10に加えて、ポンプ10の吸引側12に空気を供給する装置50を備える、
図2に対して修正された部品ユニット30を示す。装置50は、その外周に、結果として車両用の機能実装ユニットを完成させるために、供給容器14の開口部22内に挿入されて密封接続を形成するように設計された、接続領域52を有する。ここでも、装置50は、ポンプ10とは別個の構成要素として形成される。
【0028】
図4は、部品ユニット30内の、装置50の領域と、装置50に面するポンプ10の端部とを、拡大図で示す。具体的には、装置50は、通路開口部の形態で設計された追加の接続領域54を有するゴム材料またはSantoprenなどの熱可塑性エラストマーからなる基体51を有し、その中に、ポンプ10の吸引側12は、吸引ノズル24で突出している。吸引ノズル24の縦方向に、追加の接続領域54内で、スリーブ形状要素56が続き、これはプラスチック製の射出成形部品として形成され、装置50の追加の接続領域54の壁にその外周に沿って密封するように載置されている。スリーブ形状要素56は、断面狭窄部58の形態の通路開口部を有し、これを介してウォッシャー流体3はポンプ10の吸引側12に到達する。したがって、流体的観点から、断面狭窄部58は、ウォッシャー流体3のためのスロットルを形成する。
【0029】
装置50は、ポンプ10の吸引側12に空気を供給するための吸引チャネル60を有する。吸引チャネル60は、ポンプ10の吸引ノズル24に対して直角に伸び、ポンプ10のポンプハウジング26の近くに配置された、第1のセクション61を有する。第1のセクション61内には、実質的に少なくとも部分的に円錐形の逆止弁62が配置されており、これはいわゆるダックビル弁の形態で設計され、周囲からの空気を吸引チャネル60に吸入させる。逆止弁62を介して吸引チャネル60内に異物または汚れを吸入するのを回避するために、逆止弁62の吸引領域は、吸引側12とは反対側に向いている逆止弁62の側のフィルタ要素65によって、さらに覆われる。
【0030】
第1のセクション61は、吸引チャネル60の第2のセクション66に接続されており、これはポンプ10の吸引側12に接続されている。第2のセクション66は、例として、装置50の追加の接続領域54内の縦方向溝68の形態で設計され、この領域は、逆止弁62の反対の吸引ノズル24の側に配置されている。第2のセクション66は、追加の接続領域54の縦方向の吸引チャネル60の第1のセクション61と交差し、その結果、第1のセクション61に接続される。第2のセクション62は、吸引チャネル60を介して吸入された空気が直接吸引ノズル24に入ることができるように、吸引ノズル24の真下であるがスリーブ形状要素56の前で終端している。
【0031】
逆止弁62が開いているとき、(周囲の)空気は、吸引チャネル60を介してポンプ10の吸引側12または吸引ノズル24の領域内に通過し、ポンプ10は、空気とともにスリーブ形状要素56を介して供給容器14からウォッシャー流体3を同時に吸入する。ウォッシャー流体3は、空気とともに、ポンプ10の吸引側12からその圧力側8に通過し、ウォッシャー流体3と空気との完全な混合および旋回がポンプ10の前述の翼要素によって実行され、その結果、所望の方法で発泡が実行される。したがって、圧力下の泡状の洗浄媒体2は、噴霧ノズル108、109に搬送されるためにポンプ10の圧力側8に存在する。
【0032】
具体的にはその翼要素が連続的に回転させられるポンプ10の動作中、逆止弁62は、吸引側12および吸引チャネル16に広がる圧力P
1および逆止弁62および装置50の外側に広がる周囲圧力P
2に応じて、ならびに圧力P
1およびP
2によって生成される力に基づいて、周期的に開閉させられる。ポンプ10がオンになっている場合、吸引側12および吸引チャネル60の圧力P
1は、圧力P
2と比較して最初に急激に低下する。これは、周囲空気が吸引チャネル60を介して吸引側12または吸引ノズル24に通過するように、逆止弁62の開放に影響を及ぼす。そしてこれは、逆止弁62が閉じるまで、P
1とP
2との間に依然として存在する圧力差が過補償されるまで、スイッチをオンにすることと比較して圧力P
1の低下をもたらす。そしてこれは、吸引側12の急激な圧力低下、すなわち逆止弁62が再び開くような圧力P
1の低下をもたらす。逆止弁62の周期的な開閉のこの関係、したがってポンプ10の吸引側12の方向の周囲空気の周期的吸引は、
図5に示されている。時間tにわたる逆止弁62の周期的な開閉(値A)が示されている。図示される例では、例に関連するサイクル比は1:4であり、すなわち逆止弁62は、ポンプ10の動作の25%の間にわたって開いている。
【0033】
これまでに記載されたワイパー装置100および装置50は、本発明の考え方から逸脱することなく、多様な方法で修正されることが可能である。装置50がポンプ10および供給容器14とは別個の構成要素として形成され、装置50が供給容器14とポンプ10との間の中間要素として配置されることは、本発明にとって重要である。
【符号の説明】
【0034】
1 自動車窓
2 洗浄媒体
3 ウォッシャー流体
5 ダクト
8 圧力側
9 接続プラグ
10 ポンプ
12 吸引側
14 供給容器
16 翼
20 部品ユニット
22 開口部
24 吸引ノズル
26 ポンプハウジング
30 部品ユニット
50 空気を供給する装置
51 基体
52 接続領域
54 追加の接続領域
56 スリーブ形状要素
58 断面狭窄部
60 吸引チャネル
61 第1のセクション
62 逆止弁
65 フィルタ要素
66 第2のセクション
68 縦方向溝
100 ワイパーシステム
102 ワイパーアーム
103 ワイパーアーム
105 ワイパーブレード
106 ワイパーブレード
108 噴霧ノズル
109 噴霧ノズル
110 噴霧装置
UT 下部反転位置
OT 上部反転位置
P1 圧力
P2 周囲圧力
【国際調査報告】