(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-26
(54)【発明の名称】自動保存ガス補充システム
(51)【国際特許分類】
B65D 81/24 20060101AFI20220519BHJP
B65D 81/20 20060101ALI20220519BHJP
【FI】
B65D81/24 A
B65D81/20 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022504033
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(85)【翻訳文提出日】2021-11-08
(86)【国際出願番号】 US2020023307
(87)【国際公開番号】W WO2020191020
(87)【国際公開日】2020-09-24
(32)【優先日】2019-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521434975
【氏名又は名称】ボストン ワイン ディバイシーズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】バゾベリー,カルロス フェルナンド
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA03
3E067AB26
3E067AC01
3E067BA03A
3E067BB08A
3E067BB11A
3E067BB14A
3E067BC07A
3E067CA04
3E067EB27
3E067EE56
3E067EE59
3E067FA01
3E067FC01
3E067GA01
3E067GA19
3E067GD01
3E067GD02
(57)【要約】
容器(200)の内部容積に供給するよう、圧縮性空気袋(314)内に自動的に保存ガスを補充するための、自動補充システム(300)。圧縮性空気袋(314)は、外壁及び内部容積を有する。供給導管(306)は、源(304)から保存ガスを受け入れ、放出導管(332)は、保存ガスを容器(200)へ供給する。膨張検出システム(316)は、圧縮性空気袋(314)が膨張状態まで膨張した第1の状態と、圧縮性空気袋(314)が膨張状態未満まで膨張された第2の状態と、を検出する。弁システム(328)は、圧縮性空気袋(314)が第1の状態にあるときに、保存ガスが、保存ガス源(304)から圧縮性空気袋(314)の中に流入するのを防止し、圧縮性空気袋(314)が第2の状態にあるときに、保存ガスが、保存ガス源(304)から圧縮性空気袋(314)の中に流入するのを可能にするよう動作する。
【選択図】
図39
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(200)の内部容積に供給するよう、圧縮性空気袋(314)内に自動的に保存ガスを補充するための、自動補充システム(300)であって、
ある量の保存ガスを保持するための、外壁及び伸長収縮する内部容積、及び保存ガスの通過を可能にする少なくとも1つのオリフィスを有する、圧縮性空気袋(314)と、
保存ガスを保存ガス源(304)から受け入れるよう適応された供給導管(306)であって、保存ガスを前記圧縮性空気袋(314)に供給するための第1の端部、及び前記保存ガス源(304)に流体接続するための第2の端部を有する、供給導管(306)と、
保存ガスを容器(200)へ供給するよう適応された放出導管(332)であって、保存ガスを前記圧縮性空気袋(314)から受け入れるための第1の端部、及び前記容器(200)に流体接続するための第2の端部を有する、放出導管(332)と、
前記圧縮性空気袋(314)が保存ガスによって膨張状態まで膨張された、第1の状態、及び、前記圧縮性空気袋(314)が保存ガスによって前記膨張状態未満まで膨張された、第2の状態、を検出するよう動作可能である、膨張検出システム(316)と、
前記保存ガス源(304)と前記圧縮性空気袋(314)との間に配設された、弁システム(328)であって、前記圧縮性空気袋(314)が前記第1の状態にあるときに、保存ガスが前記保存ガス源(304)から前記圧縮性空気袋(314)の中に流入するのを防止する閉鎖位置に動作し、前記圧縮性空気袋(314)が前記第2の状態にあるときに、保存ガスが前記保存ガス源(304)から前記圧縮性空気袋(314)の中に流入するのを可能にする開放位置に動作する、弁システム(328)と、を備えることを特徴とする、自動補充システム(300)。
【請求項2】
圧縮保存ガス源(304)をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の自動補充システム(300)。
【請求項3】
前記圧縮性空気袋(314)は、サブハウジング(322)内に配設されることを特徴とする、請求項1に記載の自動補充システム(300)。
【請求項4】
前記弁システム(328)及び前記膨張検出システム(316)は、実質的に大気圧で、前記圧縮性空気袋(314)内における保存ガスの量を維持するよう動作することを特徴とする、請求項1に記載の自動補充システム(300)。
【請求項5】
前記圧縮性空気袋(314)は、完全な膨張状態を有し、前記膨張検出システム(316)は、前記圧縮性空気袋(314)が完全な膨張状態に対して所定の範囲内まで膨張したことを検出するよう動作することを特徴とする、請求項4に記載の自動補充システム(300)。
【請求項6】
前記膨張検出システム(316)は、電気機械システムを備えることを特徴とする、請求項1に記載の自動補充システム(300)。
【請求項7】
前記膨張検出システム(316)は、前記圧縮性空気袋(314)が保存ガスで前記膨張状態まで膨張されたときに、前記圧縮性空気袋(314)の前記外壁によって動かされるよう配設された、偏向スイッチ(318)を備えることを特徴とする、請求項6に記載の自動補充システム(300)。
【請求項8】
前記変更スイッチ(318)は、前記圧縮性空気袋(314)に向けて付勢されることを特徴とする、請求項7に記載の自動補充システム(300)。
【請求項9】
前記偏向スイッチ(318)は、前記偏向スイッチ(318)が前記圧縮性空気袋(314)の内部容積に対して内側位置に、または内側位置を越えて配設された、作動状態と、前記圧縮性空気袋(314)内における保存ガスの量が所定の膨張状態に達したときに、前記偏向スイッチ(318)が前記圧縮性空気袋(314)の前記外壁によって外側に動かされた、作動停止状態と、を有し、前記弁システム(328)は、前記偏向スイッチ(318)が作動停止状態にあるときに、保存ガスが、前記保存ガス源(304)から前記圧縮性空気袋(314)の中に流入するのを防止するよう動作し、前記弁システム(328)は、前記偏向スイッチ(318)が作動状態にあるときに、保存ガスが、前記保存ガス源(304)から前記圧縮性空気袋(314)の中に流入するのを可能にするよう動作することを特徴とする、請求項8に記載の自動補充システム(300)。
【請求項10】
前記偏向スイッチ(318)は、枢動スイッチで構成されることを特徴とする、請求項9に記載の自動補充システム(300)。
【請求項11】
前記弁システム(328)は、前記膨張検出システム(316)と電気通信するソレノイド弁を備えることを特徴とする、請求項1に記載の自動補充システム(300)。
【請求項12】
前記ソレノイド弁は、前記圧縮性空気袋(314)が前記第1の状態にあるときに、前記膨張検出システム(316)によって閉鎖状態に誘導され、保存ガスが前記保存ガス源(304)から前記圧縮性空気袋(314)に流入するのを防止し、前記ソレノイド弁は、前記圧縮性空気袋(314)が前記第2の状態にあるときに、前記膨張検出システム(316)によって開放状態に誘導され、保存ガスが、前記保存ガス源(304)から前記圧縮性空気袋(314)に流入するのを可能にすることを特徴とする、請求項11に記載の自動補充システム(300)。
【請求項13】
前記供給導管(306)の前記第2の端部と、前記圧縮性空気袋(314)との間に挟まれた、フロー制限コネクタ(325)をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の自動補充システム(300)。
【請求項14】
前記フロー制限コネクタ(325)は、前記供給導管の内径未満の内径を有する細径管を備えることを特徴とする、請求項13に記載の自動補充システム(300)。
【請求項15】
前記放出導管(332)の前記第2の端部に配設された、流体コネクタ(308)をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の自動補充システム(300)。
【請求項16】
前記容器(200)と封止係合を作り出すためのストッパ(16)を伴う、流体交換構造(12)と、前記ストッパ(16)が前記容器(200)と係合したときに、前記容器(200)の開放内部容積と流体連通する第1の端部、及び前記容器(200)の外部と流体連通する第2の端部を伴う、前記流体交換構造(12)における流体排出経路であって、流体が、前記流体排出経路を通過できる開放状態、及び流体が実質的に前記流体排出経路を通過できない閉鎖状態を有する、流体排出経路と、前記ストッパ(16)が前記容器(200)と係合しているときに、前記容器(200)の開放内部容積と流体連通する第1の端部、及び前記容器(200)の外部と流体連通する第2の端部を伴う、前記流体交換構造(12)における流体入口経路であって、流体が前記流体入口経路を通過できる開放状態、及び流体が実質的に前記流体入口経路を通過できない閉鎖状態を有する、流体入口経路と、をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の自動補充システム(300)。
【請求項17】
前記圧縮性空気袋(314)から分配された保存ガスの量を検出するよう動作する、フローメータ(312、313、317)をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の自動補充システム(300)。
【請求項18】
前記圧縮性空気袋(314)から分配された保存ガスの量を追跡するための、前記フローメータ(312、313、317)と通信する電子メモリをさらに備えることを特徴とする、請求項17に記載の自動補充システム(300)。
【請求項19】
前記弁システム(328)及び前記膨張検出システム(316)は、実質的に大気圧で、前記圧縮性空気袋(314)内における保存ガスの量を維持するよう動作し、前記圧縮性空気袋(314)は完全な膨張状態を有し、前記膨張検出システム(316)は、前記圧縮性空気袋(314)が前記完全な膨張状態に対して所定の範囲内で膨張したことを検出するよう動作し、前記膨張検出システム(316)は、前記圧縮性空気袋(314)が、前記完全な膨張状態に対して所定の範囲内まで膨張したときに前記第1の状態にあり、前記膨張検出システム(316)は、前記圧縮性空気袋(314)が、前記完全な膨張状態に対して所定の範囲未満で膨張したときに前記第2の状態にあること、を特徴とする、請求項1に記載の自動補充システム(300)。
【請求項20】
前記圧縮性空気袋(314)は、サブハウジング(322)内に配設され、前記膨張検出システム(316)は、前記圧縮性空気袋(314)が、保存ガスによって前記膨張状態まで膨張されたときに、前記圧縮性空気袋(314)の前記外壁によって動かされるよう配設された、偏向スイッチ(318)を備え、前記偏向スイッチ(318)は、前記サブハウジング(322)におけるアパーチャを介して前記圧縮性空気袋(314)に接触するよう配設された、接触部材(320)を有することを特徴とする、請求項1に記載の自動補充システム。
【請求項21】
前記圧縮性空気袋(314)は、柔軟な材料による柔軟シェルを備えることを特徴とする、請求項1に記載の自動補充システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その全てが参照として本明細書に組み込まれる、2019年3月19日に出願された米国特許出願第16/358,666号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、全体的にワインなどの消耗液体及び他の物質の保存に関する。より詳細には、本明細書で開示するのは、容器の内部容積の中における流動性物質と、保存ガスとの間の容積置換によって、ワイン及び他の傷みやすい物質を保存して、容器からワインなどの物質の所望の量を分配するのを可能にするため、ならびに、保存ガスを容器の内部容積の中に付随して導入し、容器の開放内部容積に残る、ある量の流動物質が劣化するのを防止するための、システム及び方法である。本明細書でさらに開示するのは、容積置換によって容器に供給するために、大気圧において膨張性空気袋内に保存ガスを自動的に補充する、システム及び方法である。
【背景技術】
【0003】
一旦空気に曝されたワイン及び他の飲料、ならびに傷みやすい物質を保存することは、物質の一部のみを利用して、残りを今後のために残しておきたい消費者が直面する、長い間の課題であった。実際、多くの発明者は、残った液体及び他の物質を、空気に曝すことによる劣化に対抗して保存するための、システム及び方法を提供するよう努めてきた。残念ながら、先行技術のほとんどの試みは、高価で複雑な加圧システムなしでは、失敗してきた。
【0004】
例えば、その化学組成のために、ワインは酸性度の増加によって劣化を受けやすく、望ましくない大量の酸素に曝されると腐敗する。実際、経験豊富な味覚に対して、酸素は、一般的に数時間以内の酸素暴露で、ワインの風味に悪影響を及ぼす。
【0005】
先行技術のいくつかの方法は、比較的簡単である。例えば、多くの者は、単に開けたワインボトルにコルクを戻し、コルクをした入れ物を冷所に配置するか、または冷蔵することによって、外気における酸素分に対してワインを曝すことを制限するよう努める。あまり困難ではないが、このような方法は、効果及び信頼性を著しく制限する。
【0006】
他の方法は、容器の内部容積に物質を加えて、分配されたワインの量を置換することに関する。固体、液体、及びガスは、開けたワインボトル及び他の容器における内部容積の中に挿入され、酸素の豊富な空気を容器から置換するよう努め、ワインと相互作用してワインを劣化させる、ボトル内の酸素量を制限する。いくつかのこのような方法は、石、ガラスビーズ、及び他の固体物を容器の中に挿入することに関する。他の者は、オイルまたは不活性ガスを容器の内部容積の中に注入することによって、外気を置換するか、または外気が容器の中に導入されるのを防止することを求める。さらに他の発明者は、開放内部容積の中に挿入された空気袋を充填して、液体が容器を出る際に内部容積を充填するために膨張させることによって、劣化に対抗するよう努めてきた。このような方法及びシステムの各々は、ごみ、オイル、バクテリア、菌類、及び他の汚染物質など、望ましくない汚染物質を、容器の内部容積に不利に導入する傾向がある。このような汚染物質の導入は、含まれたワインまたは他の物質の完全性を保存する目的とは直接的に相容れず、腐敗の一因と成る場合があり、一方では消費者の健康に対して危険である。
【0007】
伸長性空気袋を含む1つのシステムが、1967年9月26日付けでMahoneyに対する、米国特許3343701号明細書「Sealing and Exhausting Device for Containers」で開示されている。そこで、Mahoneyは、置換ストッパが容器の中に挿入されたシステムを教示している。伸長可能な球状部が、ストッパを通過する管によって保持され、球状部が拡張されると、排出管はストッパを通過して、空気が容器の内部容積から通るのを可能にする。例えば、異物が、非常に高価であり得るワインボトルの中における異物の好ましくない挿入以外に、Mahoneyによって教示されたシステム、及び先行技術の多くの類似システムは、いくらかの酸素が豊富な純粋な空気を、容器の中に残す。さらに、漏洩または別の機能不全などによる、意図しない球状部の減圧が、容器の内容物を外気に完全に曝して、その後劣化させることになる。
【0008】
別の伸長性空気袋システムが、例えばFippらに対する米国特許第4392578号明細書、及びHickertに対する米国特許第7051901号明細書において教示されている。Fippらは、Mahoneyによって開示されたものと類似のシステムを教示している。そこでは、ストッパプラグが伸長可能な空気袋を保持し、通気弁が、ボトル内の空気が排出されるのを可能にすする。ポンプが、空気袋を膨張させるために提供される。Fippらは、空気袋を膨張させる前に、不活性ガスを容器の中に分配するための、不活性ガスリザーバを提供し、それによって保持された液体の頂部に保護層を形成することによって、Mahoneyよりも進んでいる。Hickertは、ハンドポンプによって、伸長可能な空気袋の中に空気を強制的に入れ、ボトル内のワインのレベルを上昇させてストッパに接触させる。しかし、Fippら、及びHickertのシステム及び方法において、外部の空気袋を挿入することは、必然的に容器の内容物に直接接触することになり、システムの性能は、収縮に対する空気袋の抵抗に大きく依存する。
【0009】
ボトル内の伸張可能な空気袋を介して、ボトルの傷みやすい内容物を保存するよう求める、さらに別のシステムが、Ehretらに対する米国特許第7395949号明細書で開示されている。そこでは、容積置換によって実現される、空気袋の充填が試みられている。ここで、ワインまたは他の液体が、ストッパのボアホールを介して排出されたときに作り出される圧力差が、ストッパにおける第2のボアホールの中に大気を引出す傾向があり、ボトルの内部容積の中に配設された、伸張性の容積置換風船を膨張させる。それでも、挿入された風船に対して、容器の内容物を曝さなければならず、それが繰り返されるよう設計されている。さらに、Ehretらのシステムの動作は、風船を膨張させる機能、及び放置されたときでも膨張したままに保つ風船の継続機能に、大きく依存する。
【0010】
先行技術の他の方法は、ワインボトルまたは他の容器の内部容積から空気を抜くことで、真空を作り出して維持する試みに関する。このような方法において、最小限の酸素しか容器の中に残されず、それによって理想的には、容器の内容物の劣化が対応して最小限に抑えられる。しかし、十分な真空を誘発させて維持することは、一般的に困難であることが判っている。さらに、いつ適切な真空圧が実現されたか、または損失したかの表示は、一般に存在しない。その結果ユーザは、容器の内容物が、プロセスを始めたときでさえ保存されることを確信することができず、適切な真空が最初に作られたとしても、内容物が保護されているものとユーザが信じている時間の間に、内容物が腐敗する場合がある。
【0011】
圧力下で不活性ガスを、容器の内部容積の中に直接注入することによって、膨張性空気袋を差し控えた他のシステムが公知である。このようなシステムは、加圧ガスが排出ポートを介して液体と置換するので、容器の液体内容物の分配と、保存ガスの挿入とを同時に実現することができる。これらのタイプにおけるシステムのいくつかは、管針または他の孔開けデバイスを用いて元々のコルクに孔を開け、容器の内部容積と周囲環境との間に、1つまたは複数の流体通路を作り出す。このようなシステムの1つの例は、Ellisに対する米国特許第4984711号明細書に記載されている。そこでは、第1及び第2の通路を伴う中空ネジが、コルクを貫通して設けられる。圧力下のガスは、一方の通路を介して缶から注入され、液体は、第2の通路を介して放出される。これ、及び類似の取り組みは、実行及び維持が困難かつ高価である場合があり、そのためそれらは、多くの個人消費者の予算外である。実際ユーザは、十分な量の不活性ガスを注入されたかどうか、推量にまかされることが多い。注入するガスが少なすぎると、ワインまたは他の物質は不適切に保護される。その結果、多くは追加の噴射ガスを注入する気にさせられ、それは無駄かつ危険である。実際、注入するガスが多すぎると、過剰な圧力がボトル内に蓄積する場合があり、漏洩、またはさらに悪いことに、ボトルの危険な破裂をもたらす。さらに、ガスの缶は、一般的に使い捨てであり、そのため環境廃棄物の一因となる。
【0012】
先行技術は、ボトル全体または複数のボトルが、保存ガスで充填され得る入れ物の中に維持されたシステムも、開示している。このようなシステムの1つの例は、Sittonに対する米国特許第4856680号明細書に示され、かつ説明されている。米国特許第4856680号明細書の教示において、開放されたボトルを受け入れるためにチャンバが設けられ、加圧不活性ガスが、ボトルの内容物を保存するために導入され、十分に加圧されたとき、ボトルから流体分配導管を介して液体を分配する。適切に維持されると、このようなシステムは、ボトルの内容物を酸素の豊富な外気に対する過剰な露出から遮断する。しかし、実施コスト及び維持コスト、ならびに複雑性により、レストラン及び類似のビジネス、ならびに限定された個人設定のみしか、システムを使用できない。
【0013】
本発明者は、開放された容器内の、ワイン及び他の物質の品質を保存するための、デバイス、システム、及び方法を提供する先行技術の多くの試みに関わらず、残された顕著な欠点を克服する、ワイン及び他の傷みやすい物質を保存するための、システム及び方法の認識された要望が残っていることを理解した。本発明者は、当初の適用だけではなく、使用及び保管中も、効果的かつ信頼のおける、保存システム及び方法の必要性を認識した。適用及び使用にあたり、簡潔で複雑ではない保存システム及び方法、ならびに当初の製造、販売、及び継続した使用中において手頃な価格である、保存システム及び方法の、さらなる要望を認識した。さらに、本発明者は、異物を容器の内部容積の中に挿入する必要のないシステム及び方法を提供することは、有利であることを理解した。
【0014】
最後に、2016年3月1日に発行された米国特許第9272834号明細書、及び2019年3月19日に発行された米国特許第10233068号明細書によって現在保護されている、ワイン及び他の傷みやすい物質を保存するための、システム及び方法、ならびにそれらの改善及び向上を、本発明者は考案した。これらの特許は、容器の内部容積の中における流動性物質と、保存ガスとの間の容積置換によって、容器の中の傷みやすい物質を保存して、ワインなどの物質を所望の量で容器から分配するのを可能にし、保存ガスを容器の内部容積の中に付随して導入し、容器の開放内部容積に残る、ある量の流動物質が劣化するのを防止するための、システム及び方法を開示し、かつ保護する。
【0015】
米国特許第9272834号明細書、及び米国特許第10233068号明細書は、とりわけ、圧縮性空気袋を介した置換プロセスのための保存ガスを供給することを開示している。保存ガスは、重力によって容器から注がれた液体の容積置換で空気袋から引出される。開示されたように、空気袋は、必要に応じて保存ガスで再充填され得る。この発明者による上記で参照した特許の、システム及び方法は、先行技術に対する有用性及び利点を提供する。
【0016】
しかし、本発明者は、圧縮性空気袋内の保存ガスを、継続的に再充填または置換することは不便と成り得る状況があること、または大量の保存ガスが、所与のガス量を保持する空気袋を実際上保持し得るよりも必要とされ得る状況があること、を理解している。例えば、バー及びレストランにおいて、ワインのいくつかのボトルの中に、保存ガスを継続的に導入することが望ましい場合がある。圧縮性リザーバからのガスに対する、絶え間のない高い需要が存在する、これらの状況及び他の状況において、リザーバ内の圧縮ガスを補充たまは置換することは、現実的ではない。より大きい容器に保存するために必要な保存ガスを供給するために、リザーバが十分なサイズではない内部容積を有し得る、他の状況が存在する。
【0017】
したがって、圧縮性空気袋が、保存ガスで一定かつ自動的に充填され、一方で保存ガスが、容積置換プロセスにおいて圧縮性空気袋から引出され、容器内の物質を保存する場合、有利である。最後に、本発明者は、圧縮性空気袋内の保存ガスは、空気袋からのガスの引出しに干渉する過剰な圧力を空気袋の中に導入することなく、自然の重力によって、有効な供給を提供するよう、容器の中に一定に充填されなければならないことを理解した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】米国特許第3343701号明細書
【特許文献2】米国特許第4392578号明細書
【特許文献3】米国特許第7051901号明細書
【特許文献4】米国特許第7395949号明細書
【特許文献5】米国特許第4984711号明細書
【特許文献6】米国特許第4856680号明細書
【特許文献7】米国特許第9272834号明細書
【特許文献8】米国特許第10233068号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
当技術分野の知識を用いて、本発明者は初めに、ワイン及び他の傷みやすい物質を保存するためのシステム及び方法を提供する、基本的な目標を記載する。それは、当初の適用だけではなく、使用及び保管中も、非常に効果的かつ信頼がおける。
【0020】
開示する保存システム及び方法の実施形態は、適用及び使用が簡潔で複雑ではないものにするよう努め、それによって信頼できて効果的な適用を、初心者及び熟練者によって同様に実現することができる。
【0021】
本発明の関連の目標は、膨張性空気袋などの異物を容器の内部容積の中に挿入する必要なく、それによって派生する構造的及び衛生的に不利にならないような、容器の中の物質を保存するためのシステム及び方法を提供することである。
【0022】
本発明のさらに別の目標は、当初の製造中及び販売中のみだけではなく、継続的な使用中にも利用することができる、ワイン及び他の傷みやすい物質のための保存システム及び方法を提供することである。
【0023】
本発明の明示は、保存ガスを一定かつ自動的に補充することができる圧縮性空気袋を有効にし、その一方で保存ガスを、容量置換プロセスにおいて圧縮性空気袋から引出すのを可能にして容器内の物質を保存する、別の目標を有する。
【0024】
本発明の特定の実施形態において、別の目標は、ガスを空気袋から引出して自然の重力によって容器の中に入れるのを阻害することになる、空気袋のリザーバの加圧、または過剰な圧力を空気袋の中に導入することなく、有効な供給を提供するために、圧縮性空気袋内の保存ガスを一定に補充可能にすることである。
【0025】
本発明の明示における別の目標は、個々の容器及び複数の容器の容積置換において置換された液体量を、計測、追跡、記憶、及び通信して、限定ではないが、在庫調査管理、マーケティング、会計、腐敗防止、及び別の有利な使用を可能にすることができる、保存ガスシステム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明におけるこれら及び別の、目標、利点、及び詳細は、本明細書及び図面を精査する者だけではなく、本明細書で開示するワイン及び他の傷みやすい物質を保存するための、システム及び方法の実施形態を、操作において経験する機会を有する者にも、明確になるであろう。しかし、前述の目標の各々を、本発明の単一の実施形態において達成することが可能で、実際に好ましい場合であっても、全ての実施形態が、各々及び全ての考えられる利点及び機能を達成することを求めず、または必要としないことを理解されたい。それに関わらず、全てのこのような実施形態は、本発明の範囲内にあると考えるべきである。
【0027】
前述の目標の1つまたは複数を前に進めるとき、容積置換保存システムの、1つの考えられる実施形態は、ワインなど、ある量の流動物質を、ワインボトルなどの容器の開放内部容積を保存することを求める。容積置換保存システムは、容器との封止係合を作り出すために、ストッパを伴う流体交換構造を含むことができる。流体排出経路は、流体交換構造に配設される。この流体交換構造は、容器の開放内部容積と流体連通する第1の端部、及び容器の外部と流体連通する第2の端部を伴う。流体排出経路は、流体が流体排出経路を貫通できる開放状態と、流体が実質的に流体排出経路を貫通できない閉鎖状態と、を有する。流体入口経路は、流体交換構造に配設される。この流体交換構造は、容器の開放内部容積と流体連通する第1の端部、及び容器の外部と流体連通する第2の端部を伴う。流体入口経路は、流体が流体入口経路を貫通できる開放状態と、流体が実質的に流体入口経路を貫通できない閉鎖状態と、を有する。柔軟な圧縮性空気袋などのチャンバは、ある量の保存ガスを保持するための内部容積と、保存ガスをチャンバから分配するためのオリフィスと、を有する。流体接続部は、チャンバのオリフィスを流体入口経路の第2の端部に流体接続するために提供され、チャンバは容器の外部に保持される。
【0028】
この構造において、流体排出経路及び流体入口経路が閉鎖状態であるとき、流体は、流体排出経路を介して排出されず、流体は流体入口経路を介して受け入れられない。しかし、流体排出経路及び流体入口経路が開放状態にあるとき、流体排出経路を介して排出された流体の容積置換において、容器の開放内部容積から液体を流体排出経路を介して分配することができ、保存ガスを、流体入口経路を介して、容器の開放内部容積の中にチャンバから引出すことができる。その結果、容器の開放内部容積は、保存ガスによって継続的に充填されて、容器の残りの内容物における劣化を、防止または最小限に抑えることができる。
【0029】
システムの実施形態において、チャンバのオリフィスを流体入口経路の第2の端部へ流体接続をするための、流体接続部は、チャンバのオリフィスと封止係合された弁コネクタ、及び流体入口経路の第2の端部と封止係合された弁コネクタの、形態をとる場合がある。チャンバのオリフィスと封止係合された弁コネクタは、別の弁コネクタと係合されないとき、閉鎖状態を有することができる。
【0030】
流体交換構造が、流体排出経路及び流体入口経路が実質的に閉鎖されている第1の状態、及び流体排出経路及び流体入口経路が開放されている第2の状態を伴う、流体交換弁を有することができることも考慮される。これを1つの例で進めるために、第1及び第2の状態の間で枢動できる流体交換弁は、流体交換弁が第2の状態にあるときに、流体排出経路を完全なものにして開放する、導管継手部分と、流体交換弁が第2の状態にあるときに、流体入口経路を完全なものにして開放する、分離導管継手部分と、を有することができる。さらに、流体交換弁は、第1の状態にあるときに、流体排出経路を実質的に封止する部分と、第1の状態にあるときに、流体入口経路を実質的に封止する部分と、を含むことができる。本発明の明示は、ストッパを保持するヘッド部分を伴う流体交換構造を有することができ、流体交換弁は、第1及び第2の状態の間で、このヘッド部分に対して枢動可能なベース部分を有することができる。
【0031】
システムの実施形態は、第1及び第2の導管継手部分を伴う、流体交換弁を有することができる。第1及び第2の導管継手部分は、流体交換弁が第2の状態にあるときに、流体排出経路を完全なものにして開放するために協働する。それら第1及び第2の導管継手部分は、それらの遠位において流体交換弁内で交わることができ、それによって流体排出経路を介して排出される、ワインまたは別の物質は、第1及び第2の導管継手部分の遠位に配設された、流体交換弁のノズルなどを介して、第1及び第2の導管継手部分を通過し、流体交換弁から排出される前に混合することができる。
【0032】
システムの特定の実施形態は、流体交換弁が第2の状態にあるときに、流体入口経路を完全なものにして開放する導管継手部分を有することができ、それは、流体交換弁のベース部分におけるチャネルの形態をとり、このチャネルは、流体交換弁が第2の状態にあるときに、流体入口経路を完全なものにすることができる。このような実施形態において、ベース部分における第1及び第2の導管継手部分は、流体交換弁が第2の状態にあるときに、流体排出経路を完全なものにして開放するために、やはり協働することができる。流体入口経路を完全なものにして開放する導管継手部分を、流体排出経路を完全なものにして開放するために協働する第1及び第2の導管継手部分の間に、少なくとも部分的に配設させることができる。
【0033】
システムの明示は、流体交換弁のベース部分の形状及びサイズに対応した形状及びサイズの経路を伴う、流体交換構造のヘッド部分を有することができる。流体交換弁のベース部分は、この経路によって、枢動可能に受け入れられる。流体交換弁が、第1の状態と第2の状態との間で枢動可能で、第1及び第2の端部を有する場合、第1のレバーアームを固定して、流体交換弁の第1の端部と枢動でき、第2のレバーアームを固定して、流体交換弁の第2の端部と枢動できる。第1及び第2のレバーアームは、流体交換弁が第2の状態にあるときに、ストッパ、及びストッパが中に配設されたボトルまたは他の容器と、長手方向に全体的に整合させることができる。第1及び第2のレバーアームは、流体交換弁が第1の状態にあるときに、ストッパ、及びストッパが中に配設されたボトルまたは他の容器に対して、一般的に直交させることができる。このような構造において、第1及び第2のレバーアームが、実質的に同じサイズ及び形状である場合、これらレバーアームは、保持した容器を支持し、かつ安定化させることができる。
【0034】
開示するシステムにおける別の可能性は、実質的に硬質のシェル内に配設されたチャンバである。このシェルは、例えば不注意による損傷または圧縮に対して、チャンバを防護することができる。このシェルは、例えば容器と係合するためにシェルから突出した、対向する第1及び第2のウィング部などによって、容器及びシステムの残り部分に対して保持され得る。
【0035】
このチャンバは、置換液体を容器の開放内部容積の中に、流体排出経路を介して供給して、保存ガスをチャンバの中に容積置換して戻すことによって、逆容積置換プロセスにおいて補充することができるよう、考慮される。不活性ガス生成缶を介して、チャンバを補充することが、さらに可能である。不活性ガス生成缶は、ある量の空気と、酸素を空気から除去するための酸素吸収剤とを保持するため、開放内部容積を有し得る。不活性ガス生成缶は、弾性圧縮性シェル、このシェルと摺動可能に係合する蓋、または他のいくつかの構造、を有し得る。
【0036】
本明細書で教示されるような、容器の開放内部容積における、ある量の流動物質を保存するための容積置換保存の方法は、上記で初めに説明したような、基本的に容積置換保存システムを提供することでも、確立することができる。次に、ストッパを容器に適用することができ、チャンバのオリフィスを、流体入口経路の第2の端部に接続することができる。容器は、分配状態で配設することができ、流体排出経路及び流体入口経路は、開放状態で配設することができる。それによって、ある量の流動物質を、重力などによって、流体排出経路を介して容器の開放内部容積から分配することができる。同時に、ある量の保存ガスは、流体排出経路を介して排出された液体の容積置換において、流体入口経路を介して、容器の開放内部容積の中に引出されることになる。
【0037】
容器を分配状態に配設するステップは、流体排出経路及び流体入口経路を開放状態に配設するステップの前に行なうことができるが、必須ではない。分配ステップが完了したとき、流体排出経路及び流体入口経路は、閉鎖状態に調節することができ、その一方で容器は、空気が容器の内部容積の中に導入されるのを避けるために、分配状態にある。
【0038】
チャンバ内の保存ガスが、少なくとも部分的に排出されたとき、チャンバは破棄されるか、または補充され得る。本発明の1つの実施において、チャンバは、保存ガスを容器の内部容積からチャンバの内部容積の中に収集するために、逆容積置換プロセスにおいて補充することができる。そうするために、ある量の置換液体を、流体排出経路及び流体入口経路を開放状態にして、流体放出経路を介して容器の開放内部容積の中に供給し、容器の開放内部容積の中における保存ガスを、流体入口経路を介してチャンバの中に容積置換させることができる。本発明の別の実施において、チャンバを、不活性ガス生成缶からのガスで補充することができる。不活性ガス生成缶は、ある量の空気と、酸素を空気から除去するための酸素吸収剤とを保持するため、開放内部容積を有し得る。
【0039】
不活性ガス生成缶が、弾性圧縮性シェルを有する場合、チャンバを補充するステップは、圧縮性シェルを押し潰して、保存ガスを圧縮性シェルからチャンバへ移すステップを含むことができる。不活性ガス生成缶が、シェルの開放内部容積を変えるのを可能にするために、シェルと摺動可能に係合した蓋を有する場合、チャンバを補充するステップは、蓋をシェルに対して摺動させ、不活性ガス生成缶の開放内部容積を減少させて、保存ガスを圧縮性シェルからチャンバへ移すステップを含むことができる。いずれの場合も、プロセスは、空気を不活性ガス生成缶の開放内部容積の中に入れ、ある時間の間待機して、空気の酸素含有量を減少させるのを可能にする。
【0040】
本明細書で、さらに開示するのは、容器の内部容積に供給するために、圧縮性空気袋内の保存ガスを自動的に補充するための、自動補充システムである。この補充システムは、ある量の保存ガスを保持するための、外壁及び伸長収縮する内部容積と、保存ガスの通過を可能にする少なくとも1つのオリフィスとを伴う、圧縮性空気袋を有する。供給導管は、保存ガスを保存ガス源から受け入れるよう適応される。供給導管は、保存ガスを圧縮性空気袋に供給するための第1の端部と、保存ガス源に流体接続するための第2の端部と、を有する。放出導管は、保存ガスを容器に供給するよう適応される。放出導管は、保存ガスを圧縮性空気袋から受け入れるための第1の端部と、容器に流体接続するための第2の端部と、を有する。膨張検出システムは、圧縮性空気袋が保存ガスによって膨張状態まで膨張された、第1の状態と、圧縮性空気袋が保存ガスによって膨張状態未満まで膨張された、第2の状態と、を検出するよう動作可能である。弁システムは、保存ガス源と圧縮性空気袋との間に配設される。この弁システムは、圧縮性空気袋が第2の状態にあるとき、保存ガスが、保存ガス源から圧縮性空気袋の中に流入するのを可能にするよう動作し、圧縮性空気袋が第1の状態にあるとき、保存ガスが、保存ガス源から圧縮性空気袋の中に流入するのを防止するよう動作する。
【0041】
特定の実施形態において、弁システム及び膨張検出システムをハウジング内に配設し、圧縮性空気袋を、ハウジング内のサブハウジング内に配設することができる。
【0042】
自動補充システムの特定の実施形態において、弁システム及び膨張検出システムは、実質的に大気圧で、圧縮性空気袋内における保存ガスの量を維持するよう動作する。圧縮性空気袋が、完全に膨張した状態にある場合、膨張検出システムは、圧縮性空気袋が完全に膨張した状態に対して所定の範囲内まで膨張したことを検出するよう動作できる。
【0043】
自動補充システムの明示において、膨張検出システムは、電気機械的システムを備える。例として、膨張検出システムは、枢動スイッチ、圧縮性スイッチ、または他のタイプの偏向スイッチなどの、偏向スイッチを含むことができ、それは、圧縮性空気袋が保存ガスで膨張状態まで膨張されたときに、圧縮性空気袋の外壁によって動かされるよう配設される。偏向スイッチは、重力などによって圧縮性空気袋に向けて付勢され得るが、バネ機構またはそれらの組み合わせによるいくつかの他の方法で復元される。さらに偏向スイッチは、偏向スイッチが圧縮性空気袋の内部容積に対して内側位置に配設されるか、または内側位置を越えて配設された、作動状態と、偏向スイッチが、圧縮性空気袋内の保存ガスの量が、所定の膨張状態に達したときに、圧縮性空気袋の外壁によって動かされた、作動停止状態と、を有するよう考慮され得る。
【0044】
弁システムは、非限定の実施形態において、膨張検出システムと電気通信するソレノイド弁を備えることができる。このような明示において、圧縮性空気袋が第1の状態にあるときに、ソレノイド弁を、膨張検出システムによって閉鎖状態に誘導し、保存ガスが、保存ガス源から圧縮性空気袋へ流れるのを防止することができる。圧縮性空気袋が第2の状態にあるときに、ソレノイド弁を、膨張検出システムによって開放状態に誘導し、保存ガス源から圧縮性空気袋への保存ガスの流れを可能にすることができる。
【0045】
圧縮性空気袋に、保存ガスを急速に充填するのを防止するために、フロー制限コネクタを、供給導管の第2の端部と圧縮性空気袋との間に挟むことができる。例えば、フロー制限コネクタは、供給導管の内径未満の内径を有する、細径管の形態をとることができる。さらに、流体コネクタを、放出導管の第2の端部に配設することができる。例えば、弁コネクタを、本発明による流体交換構造に連結するために設けることができる。
【0046】
さらに、フローメータをシステム内に組み込み、圧縮性空気袋から分配された保存ガスの量を検出することができる。追加として、電子メモリをフローメータと通信させて、圧縮性空気袋から分配された保存ガスの量を追跡することができる。それによって、所与の容器、または複数の容器内から分配され、かつ保持された物質の量を、判断すること、追跡すること、及び分析することができる。
【0047】
前述の説明は、以下のより詳細な説明のより良好な解釈を可能にし、かつ当技術分野に対する本発明者の貢献の、より良好な理解を浸透させるために、本発明のさらに重要な目的及び特徴について広く概要を延べたものであることを、理解されたい。任意の特定の実施形態またはその態様を詳細に説明する前に、本発明のコンセプトの、以下の詳細な構造及び例示は、本発明の多くの考えられる明示の例に過ぎないことを、明確にしなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】ある量の液体を容器から分配する、使用中の容積置換保存システムの実施形態における、正面立面図である。
【
図2A】やはり容器に適用され、統合された流体交換弁が閉鎖位置にある、
図1の保存システムの正面立面図である。
【
図2B】統合された流体交換弁が閉鎖位置にある、
図2Aの保存システムの断面図である。
【
図3A】容器に適用され、統合された流体交換弁が開放位置にある、
図1の保存システムの正面立面図である。
【
図3B】統合された流体交換弁が開放位置にある、
図2Aの保存システムの断面図である。
【
図4】容器に適用され、統合された流体交換弁が閉鎖位置にある、
図1の保存システムの断面斜視図である。
【
図5】容器に適用され、統合された流体交換弁が開放位置にある、
図1の保存システムの断面斜視図である。
【
図6】統合された流体交換弁、及び開放位置にある流体交換ストッパによって形成された流体交換構造の、平面図である。
【
図8】
図7のF-Fラインに沿った、統合された流体交換弁の断面図である。
【
図9】
図7のD-Dラインに沿った、統合された流体交換弁の断面図である。
【
図10】統合された流体交換弁の背面立面図である。
【
図13】流体交換プロセスを概略で表示する、統合された流体交換弁が開放位置にある
図1の保存システムの、断面図である。
【
図14】容器に適用され、統合された流体交換弁が閉鎖位置にある、流体交換構造の斜視図である。
【
図15】本発明による、外部の保存供給空気袋の断面図である。
【
図16】本発明による、外部の保存供給空気袋の、分解正面立面図である。
【
図17A】本明細書の教示による、容器の内部容積に対して、ある量の液体を分配及び保存するプロセスにおける、一連のステップを表示する図である。
【
図17B】本明細書の教示による、容器の内部容積に対して、ある量の液体を分配及び保存するプロセスにおける、一連のステップを表示する図である。
【
図17C】本明細書の教示による、容器の内部容積に対して、ある量の液体を分配及び保存するプロセスにおける、一連のステップを表示する図である。
【
図17D】本明細書の教示による、容器の内部容積に対して、ある量の液体を分配及び保存するプロセスにおける、一連のステップを表示する図である。
【
図17E】本明細書の教示による、容器の内部容積に対して、ある量の液体を分配及び保存するプロセスにおける、一連のステップを表示する図である。
【
図18】本明細書の教示による、不活性ガス生成缶の分解斜視図である。
【
図19】不活性ガス生成缶の蓋部分の斜視図である。
【
図20A】不活性ガス生成缶を使用して、不活性ガスを生成及び収集するプロセスの、一連のステップを表示する図である。
【
図20B】不活性ガス生成缶を使用して、不活性ガスを生成及び収集するプロセスの、一連のステップを表示する図である。
【
図20C】不活性ガス生成缶を使用して、不活性ガスを生成及び収集するプロセスの、一連のステップを表示する図である。
【
図20D】不活性ガス生成缶を使用して、不活性ガスを生成及び収集するプロセスの、一連のステップを表示する図である。
【
図21A】本発明において有用な、圧縮不活性ガス供給システムの、分解斜視図である。
【
図21B】保存供給空気袋を補充している間の、圧縮不活性ガス供給システムの斜視図である。
【
図22A】シェルを容器に適用した、保存システムの実施形態における側立面図である。
【
図23】容積置換によってガスを回復させるプロセス中の、保存システムの実施形態における斜視図である。
【
図24A】シェルを容器に適用した、保存システムの代替の実施形態における側立面図である。
【
図24B】シェルを
図24Aの容器に適用した、保存システムの代替の実施形態における正面立面図である。
【
図25A】本明細書の教示による、容器の内部容積に対して、ある量の液体を分配及び保存するプロセスにおける、一連のステップを表示する図である。
【
図25B】本明細書の教示による、容器の内部容積に対して、ある量の液体を分配及び保存するプロセスにおける、一連のステップを表示する図である。
【
図25C】本明細書の教示による、容器の内部容積に対して、ある量の液体を分配及び保存するプロセスにおける、一連のステップを表示する図である。
【
図26A】容積置換によってガスを回復させるプロセスにおける、一連のステップ中の、
図24Aの保存システムを表示する図である。
【
図26B】容積置換によってガスを回復させるプロセスにおける、一連のステップ中の、
図24Aの保存システムを表示する図である。
【
図26C】容積置換によってガスを回復させるプロセスにおける、一連のステップ中の、
図24Aの保存システムを表示する図である。
【
図27】本発明による流体交換ストッパの、長手方向断面図である。
【
図28】本発明による代替の流体交換ストッパの、長手方向断面図である。
【
図29A】代替の不活性ガス生成缶を使用して、不活性ガスを生成及び収集するプロセスにおける、一連のステップを表示する図である。
【
図29B】代替の不活性ガス生成缶を使用して、不活性ガスを生成及び収集するプロセスにおける、一連のステップを表示する図である。
【
図29C】代替の不活性ガス生成缶を使用して、不活性ガスを生成及び収集するプロセスにおける、一連のステップを表示する図である。
【
図30】本明細書の教示による、不活性ガス収集部材を伴う、本発明による外部保存供給空気袋の、正面立面図である。
【
図31】
図30の不活性ガス収集部材を伴う、外部保存供給空気袋の遠位部分における、拡大正面立面図である。
【
図32】第1及び第2の管の間における係合を示す不活性ガス収集部材、ならびに供給空気袋のオリフィスのカラーを伴う、外部保存供給空気袋の遠位部分の、拡大斜視図である。
【
図33】封止されたパッケージ内の、不活性ガス収集部材の正面立面図である。
【
図34】空気を充填している間の不活性ガス収集部材を伴う、外部保存供給空気袋の斜視図である。
【
図35A】一連の収縮段階における、代替の外部保存供給空気袋を表示する図である。
【
図35B】一連の収縮段階における、代替の外部保存供給空気袋を表示する図である。
【
図35C】一連の収縮段階における、代替の外部保存供給空気袋を表示する図である。
【
図35D】一連の収縮段階における、代替の外部保存供給空気袋を表示する図である。
【
図36】代替の外部保存供給空気袋、及び代替の流体交換構造を伴う、本発明による別の容積置換保存システムの、正面立面図である。
【
図39】本発明による自動保存ガス補充システムの、斜視図である。
【
図40】自動保存ガス補充システムのハウジングの、平面図である。
【
図41】作動状態にある、自動保存ガス補充システムのための作動機構の、斜視図である。
【
図42】作動停止状態にある、自動保存ガス補充システムのための作動機構の、斜視図である。
【
図43】本発明による代替の自動保存ガス補充システムの、斜視図である。
【
図44】
図43の代替の自動保存ガス補充システムの、ハウジングの斜視図である。
【
図45】
図43の自動保存ガス補充システムの、別の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本明細書で開示される、ワイン及び他の傷みやすい物質を保存するためのシステム及び方法は、広範で様々な実施形態の対象となる。しかし、当業者が本発明を理解して、適切な場合に実施できることを保証するために、本明細書で明らかにされる、より広範な発明の特定の好ましい実施形態が、以下で説明され、添付の図面で示される。
【0050】
より詳細に図面を見ると、本発明による容積置換保存システムは、
図1で全体的に10で表示される。ここで容積置換保存システム10は、ある量の液体202を、液体202を含んだ開放内部容積を伴う保管用容器200から、消費または使用のための受入容器204の中に分配している使用中が表示される。この例において、保管容器200はワインボトル200で、保持される液体202はワイン202であり、受入容器204はワイングラス204である。しかし、本発明はそれに限定されないことを理解されたい。ワイン及び類似の飲料品は、開示する保存システム10の使用によって良好に供され得る。多くの他の適用が、本開示を考慮して明らかとなり、特許請求の範囲によって明示的に制限される以外、各々は本発明の範囲内にある。
【0051】
保管容器200は、腐敗から保護するために、例えばワインボトル200の場合はコルクによって当初から封止された、開放内部容積を有する。一旦保管容器200が開けられて酸素の豊富な空気に曝されると、腐敗が始まる。容器200から液体202が注がれるほど、より多くの空気が容器200の内部容積に入り、腐敗は加速される。保存システム10は、容積置換によって、排出された液体202を不活性ガスなどの保存ガスで置換することで、液体202が排出される際に、代わりに液体202を劣化に対して遮断して、空気が内部容積の中に入るのを防止することによって、腐敗を最小限に抑えるか、理想的には排除するよう動作する。特許請求の範囲で制限され得る以外の、任意のタイプの保存ガスが、本発明の範囲内で使用され得る。例えば保存ガスは、窒素、アルゴン、別の保存ガス、またはそれらの組み合わせとすることができ、恐らくは潜在的不純物の影響を受ける。ある量の保存ガスは、概ね大気圧で、容器200の外部に保持される。例えば保存ガスを、折り畳み式容器もしくは圧縮性容器、または開放内部容積を別様に縮小できる容器に保持することができる。
【0052】
液体202を分配する間、開放された流体入口経路が、容器200の外部における保存ガスの量と、容器200の内部容積との間で選択的に設けられ、一方では別個の開放された流体排出経路が、液体202を分配するために設けられる。流体経路を開放すると、排出経路を介して排出される液体202は、自然に引出され、入口経路を介して通過する保存ガスによって置換される。したがって容器200の内部容積は、容器200内の液体202の残りの量と、分配された液体202と交換して受け入れられた保存ガスと、によって占有されることになる。液体202の所与の量が分配されたとき、入口経路及び排出経路を閉鎖して、外気を排除し、理想的にはほとんどまたは完全に保存ガスから成る、容器200の内部容積の気体内容物を維持して、もしあれば、容積置換保存システム10における内部容積に存在する空気の量に、影響を受ける可能性がある。前述は、本発明の範囲内の多くの構造下で、進められ得る。
【0053】
初めに
図1、次により詳細な
図2A~
図3Bに例示される実施形態において、容積置換保存システム10は、流体交換構造12を有し、それは、実質的に同時事象において、選択的及び潜在的に、上述の入口経路及び排出経路を確立して閉鎖する。流体交換構造12はストッパ16を有し、ストッパ16に沿って複数の管状封止隆起部22を伴い、それらは協働して容器200との封止係合を作り出す。この場合、ワインボトル200のネック部206、及び容器200の外部から接近可能なヘッド部分18を伴う。入口経路及び排出経路を開閉するために、本発明の範囲内で、別個の弁を設けることができる一方で、表示した保存システム10は、入口経路及び排出経路が実質的に封止され、
図2A及び
図2Bに表示された第1の状態と、入口経路及び排出経路が開放され、
図3A及び
図3Bに表示された第2の状態と、を有する流体交換弁32を提供する。
【0054】
ストッパ16及びヘッド部分18は、一体の部材として示されるが、それらを別個に形成することが可能である。ストッパ16、ヘッド部分18、及び流体交換弁32は、任意の好適な材料から形成され得る。1つの考慮された実施形態において、流体交換弁32は、金属などの硬質材料から作られ得る。ストッパ16及びヘッド部分18は、ポリマーなど、より柔軟で弾性の材料から形成され得る。非限定の例として、流体交換弁32は、ステンレススチールから作られ、一方でストッパ16及びヘッド18は、シリコーンから形成され得る。
【0055】
保存ガスは、伸張圧縮性の空気袋14から液体202を分配する間に、入口経路を介して容器200の内部容積に供給される。それは、
図15及び
図16において、断面図及び分解図で示される。そこでは、空気袋14が、シェル56を有することが確認できる。シェル56は、柔軟で実質的にガスが浸透しない材料とすることができる。多くのこのような材料が可能であり、各々は本発明の範囲内である。1つの実施形態において、例えば空気袋14のシェル56は、ライニング層を持たないポリマー材料とすることができる。シェル56を画定する材料は、例えばアルミニウム製ライニングを有するか、または有さないポリマー材料の、1層または複数の層から形成された、ホイルから構成することができる。シェル56は、オリフィス55以外を封止することができる。シェル56内の細長い部分と、オリフィス55に受け入れられる側方部分と、を伴う管構造54は、弁連結部30と封止係合される。1つまたは複数のアパーチャ58を、ガスフローを促進するために、管構造54に沿って配設することができる。弁連結部30は、流体交換構造12の弁連結部28と係合されていないときの、自動封止状態と、弁連結部28と係合されているときの、自動双方向開放状態と、を有することができる。空気袋14の内部容積は、とりわけ意図された適用に依拠して、変化させることができる。本発明の特定の実施において、空気袋14は、容器200の内部容積、または容器200に保持された液体202の量に相当する内部容積を有することができる。
【0056】
例えば
図7~
図10に示されるように、流体交換弁32は、ベース部分34、及びベース部分34から突出する分配ノズル36を有する。この実施形態において、ベース部分34は、バレル、円形、またはロッド形状であり、分配ノズル36は、バレル形状のベース部分34の中央部分から直交して突出する。ベース部分34は、第1の及び第2の導管継手通路48A及び48Bを有し、各々は、分配ノズル36への開口部と、ノズル36の反対側のベース部分34における外面に沿った開口部と、を伴う。
図7~
図10で、最も明確に示されるように、ベース部分34の外面に沿った導管継手通路48A及び48Bの開口部は、ノズル36によって確立された中央線から反対の外側位置に配設される。
【0057】
導管継手チャネル46は、流体交換弁32のベース部分34における外側に配設される。この実施形態において、導管継手チャネル46は、ノズル36と実質的に整合され、かつ導管継手通路48A及び48Bの進路に対して全体的に平行な進路に沿って、ベース部分34の中間部分に対する接線に沿って配設される。したがって導管継手通路48A及び48Bは、導管継手チャネル46の外側に配設される部分を有する。したがって導管継手チャネル46は、バレル形状のベース部分34に対する接線を横切る中央溝を表わし、その一方で、第1及び第2の導管継手通路48A及び48Bは共に接合し、分配ノズル36との流体経路を連絡して確立し、導管継手チャネル46が形成される壁部分の下部におけるベース部分34の内部容積の中に含む。
【0058】
流体交換弁32は、対応する形状及びサイズの弁バレル経路52に受け入れられる、バレル形状のベース部分34を伴う流体交換構造12のヘッド部分18によって、枢動可能に保持される。弁バレル経路52は、ヘッド部分18内において側方で連通し、エルボウ形状の弁位置付け経路50内で枢動可能なノズル36を伴う。弁バレル経路52内で回転可能なベース部分34を伴い、流体交換弁32は、分配ノズル36がストッパ16の長手方向軸に対して直交する、第1の閉鎖位置から、かつ分配ノズル36がストッパ16の長手方向軸と同じ線上にある、第2の開放位置から、枢動することができる。
【0059】
流体交換弁32は、ハンドルを含む任意の効果的な方法で、第1及び第2の位置の間で操作することができる。このハンドルは、いくつかの自動化、もしくは遠隔機構によって、または任意の効果的な機構によって、弁32と手動係合するよう方向付けられる。
図14を追加で参照して最良に理解され得るように、表示される実施形態において、弁32は、第1及び第2のレバーアーム20A及び20Bのいずれか、または両方の動作によって枢動可能であり、第1及び第2のレバーアーム20A及び20Bは、ベース部分34の両端部と枢動するよう、確保され、かつ固定される。本発明の1つの実施において、第1及び第2のレバーアーム20A及び20Bを、例えば
図1、
図3A、及び
図3Bのように、流体交換弁32が開放位置にあるときに、ストッパ16及びボトル200全体と長手方向に整合するよう配設することができる。第1及び第2のレバーアーム20A及び20Bを、例えば
図2A、
図2B、及び
図14のように、流体交換弁32が閉鎖位置にあるときに、ストッパ16及びボトル200全体の長手方向に対して全体的に垂直に配設することができる。この実施形態におけるレバーアーム20A及び20Bは、実質的に同じサイズ及び形状である。これによって、アーム20A及び20Bは、
図14のような第1の閉鎖位置にあるときに、安定化させる脚として動作する。これによって、ボトル200または他の容器を、ボトル200の上端部を支持するよう協働するアーム20A及び20Bを用いて、支持面上に安定して静止させることができる。各アーム20A及び20Bは、その枢軸からその遠位端まで、分配弁28よりも長い延長を有することができ、アーム20A及び20B、ならびに分配弁は同一方向に突出し、その延長は、例えば通常のワインボトル200におけるベースの半径に相当するよう較正することができ、それによってボトル200を、水平方向、または上向きもしくは下向きの、所望の角度に保持することができる。
【0060】
図2B、
図3B、
図4、及び
図5を組み合わせて参照すると、ストッパ16は、液体排出導管24及びガス入口導管26を有することが確認できる。液体排出導管24は、ガス入口導管26よりも大きい断面積である。各導管は、ストッパ16が容器200に適用されたときに、容器200の内部容積に通じた第1の端部と、ストッパに沿って長手方向に連通する。各導管24及び26は、弁位置付け経路50に通じ、したがって流体交換弁32に通じた、第2の端部を有する。それらの第2の端部において、導管24及び26は、比較的狭い導管部分45及び38にそれぞれ終端する。導管部分38は、導管継手チャネル46の形状及び断面積に近似し、導管部分45は、導管継手経路48A及び48Bが導管45と整合されたときに、導管継手経路48A及び48Bに重なるように及ぶ断面積を有する。遠位の導管部分40は、ヘッド部分に配設され、第1の端部は、弁位置付け経路及び流体交換弁32に通じ、第2の端部は、弁連結部28に通じる。例えば
図4で最良に確認されるように、流体交換弁32のバレル形状のベース部分34は、流体交換弁32が閉鎖位置にあるときに、上に横たわって液体排出導管24の導管部分45を封止するよう動作する、第1の硬質壁部分42と、上に横たわってガス入口26の導管部分38を封止するよう動作する、硬質壁部分44と、を有する。
【0061】
この構造において、例えば
図2A、
図2B、及び
図4に例示されるように、閉鎖位置にある流体交換弁32の向きは、流体交換弁32の硬質壁部分42及び44に、ストッパ16の液体排出導管24及びガス入口導管26を封止させる。分配ノズル36は、径方向に連通する、弁位置付け経路50の下面に対して、保管位置に配設されることになる。それによって、容器200の内部容積は封止され、液体は排出されることができず、ガスは入ることができない。例えば
図3A、
図3B、及び
図5に例示された開放位置まで、流体交換弁32を調整することで、硬質壁部分42及び44を回転させて、導管24及び26との整合から外すことになる。導管継手チャネル46、ならびに導管継手経路48A及び48Bは、例示された位置に回転して入れられる。開放された流体入口経路は、導管26と、導管継手チャネル46と、遠位の導管部分40と、弁連結部28とを介して、容器200の内部容積から提供される。同時に、開放された流体排出経路は、導管24と、導管継手経路48A及び48Bと、分配ノズル36とを介して、容器200の内部容積から作り出される。流体経路を開放すると、開放された排出経路を介して排出された液体は、自然に引出され、例えば
図13に概略で示されるように、圧縮性空気袋14から、開放された入口経路を介して、容器の内部容積の中に引出される保存ガスによって置換される。
【0062】
この構造において、容器200の内容物を保存するためのプロセスを、容積置換保存システム10が、ワインボトル200のワイン202を保存するために再び利用される、
図17A~
図17Eを参照して組み合わせることによって提案されるように、実施することができる。この例において、
図17Aのように、元々のコルク208を初めにワインボトル200から取り外すことができ、容積置換保存システム10のストッパ16を、可能性として閉鎖状態の流体交換弁32を伴い、代わりに挿入することができる。それによってボトル200の内部容積は、外部環境に対して封止されることになる。
図17Cに示されるように、次に空気袋14は、流体交換構造12に係合され得る。次に任意の順番で、受入容器204の上に傾けることなどによって、容器200を分配状態に配設することができ、流体交換弁32を、レバーアーム20A及び20Bの一方または両方を操作することなどによって、開放状態に調整することができる。それによって、流体入口経路及び排出経路は開放されることになる。次に液体202を、
図17Dに示されるように重力などによって、排出することができる。しかし、圧縮圧力を空気袋14に加えることを、追加としてまたは代替として利用して、保存ガスを容器200の開放内部容積の中に強制的に入れることができることを、理解されたい。いずれの場合も、液体202が、流体排出経路を介して容器200の内部容積から通されると、保存ガスは、容積置換において空気袋14から容器200の内部容積の中に通じることになる。空気袋14は、分配された液体202の量に対応して収縮し、次に容器200の内部容積は、容器に残った内容物を劣化から保護するよう、受け入れられた保存ガスの量を保持することになる。容器200から液体202を分配する間、流体交換弁32を
図17Eに例示された閉鎖位置まで調整して、外気が容器200の内部容積の中に導入されるのを防止することができる。
【0063】
例えば
図1に例示されるような、空気袋14及び容積置換保存システム10の残りは、保護されない方法で使用され得る。しかし、空気袋14は部分的に、ほとんど、または完全に保護シェル88に囲まれ、それは
図22A及び
図22Bで確認されるように、実質的に硬質とすることができることが考慮される。そこで、保護シェル88は、容器200の外形に対応できる内壁を含み、形成される。保護シェル88を、任意の効果的な方法で、容積置換保存システム10に対して所定の位置に保持することができる。この例において、固定され得るか、または弾性とすることができる、第1及び第2の弓型ウィング90及び92が、保護シェル88に固定され、容器200を受け入れて係合する。例えば、ワインボトル200は、長手方向に摺動して保護シェル88、ならびにウィング90及び92に係合でき、またはウィング90及び92を外側に付勢され、それらの間にワインボトル200が挿入され得る。いずれの場合も、空気袋14が保護シェル88に配設されると、空気袋14に対する不注意による圧縮、ずれ、または損傷を防止することができる。
【0064】
いくつかのポイントにおいて、空気袋14内の使用できる保存ガスの量は排出されることになり、空気袋14を補充または置換しなければならない。空気袋14に保存ガスを補充するための、1つの有利な方法は、
図23をさらに参照して理解され得る。そこで、容器200の液体内容物が分配されて保存ガスによって内部容積が置換された、容器200の内部容積から、保存ガスを収集する、逆容積置換プロセスが示される。分配ノズル36は、水または任意の他の液体である置換液体源を、導管96によって接続される。置換液体は、理論上でも、分配された液体と同じタイプであり得る。任意の置換液体源が利用できる一方で、1つの例示された源は蛇口94であり、別の例示された源は、置換液体98を保持する置換容器97である。置換容器97は、例えば容器200の内部容積から収集されることになる保存ガスの量と、少なくとも同じである液体98の量を保持できる。
【0065】
いずれの場合の、導管96によって排出ノズル36に接続された置換液体源、及び開放状態まで調整された流体交換弁32を用いて、置換液体98を、容器200の内部容積の中へ、容器200に連通した排水ノズル36及び流体排出経路を介して、流入させることができる。置換液体98は、単純に重力によって流れるか、または所与の圧力下で供給され得る。容積置換によって、入ってくる置換液体98は、保存ガスを、容器200の内部容積の中から空気袋14の中へ戻すよう強制することになる。それによって、同じ保存ガス、または少なくともそのいくらかの部分を、再利用することができる。
【0066】
置換容器97は、ビーカ、グラス、または任意の他の容器を含む、任意のタイプの容器で構成され得る一方で、置換容器97は、容器200とサイズ及び形状が一致し得る。容器200がワインボトル200で構成される場合、置換容器97は、水または他の置換液体98で充填された使用済みボトルなど、別のワインボトルでも構成されるか、またはワインで充填された新しいワインボトルで構成され得る。このように、ワインボトルのような形状、または別の形状であってよい単一の容器200が可能で、本発明の範囲内であり、追加または代替として、単一量の保存ガスを、繰り返しまたは無制限に使用され得る。このような実施において、容器200内の液体202は、継続的に排出され、保存ガスによって容積的に置換され得る。次に、置換容器97として作用する新しいボトルからのワインなどの、置換液体98、水、または他の液体は、容器200の内部容積の中に通され、容器200を液体202で、かつ空気袋14を保存ガスで再充填することができる。
【0067】
当然ながら、空気袋14を、追加または代替の方法で補充することができる。例えば、
図21A及び
図21Bに示されるように、ある量の保存ガスを含んだ圧縮ガスシリンダ86を伴う、圧縮ガス供給器76を使用することも可能である。限定ではないが、窒素またはアルゴンなどの不活性ガスを含む、任意の保存ガスが、本明細書で使用され得る。圧縮ガスシリンダ86は、例えば円筒形分配ベース78の中に挿入され得る。次に分配ノズル84を介して選択的にガスを分配するために、トリガ82によって動作する分配ヘッド80と、封止係合され得る。これによって、空気袋14の弁コネクタ30を、分配ノズル84に係合することができ、空気袋14を再充填するためにトリガ82を動作させることができる。本明細書の教示のように、分配ノズル84は、狭い分配アパーチャを有することができ、それによって圧縮ガスを、小さい流量のみによって分配することができ、それによって不注意による空気袋14の過剰充填を防止する。
【0068】
空気袋14を補充するための別の方法は、本発明の代替の実施形態に対して
図18~
図20Dにおいて60で表示されるような、または
図29A~
図29Cにおいて124で表示されるような、不活性ガス生成缶の使用によることができる。このような不活性ガス生成缶60及び124において、大気中の酸素の豊富な空気を、CO2、及び缶60または124内に保持された酸素吸収剤量を使用し、それらの開放内部容積と連通して、主に窒素である酸素の少ない空気に変換することができる。それによって得られたガスは、開示する方法に従ったその後の使用のために、空気袋14に移すことができる保存ガスである。特許請求の範囲によって明示的に制限される以外は、空気袋14の内部容積と流体連通するCO2及び酸素吸収剤を、保持可能にすることによって、空気袋14と不活性ガス生成缶の機能を組み合わせることが可能であり、それは本発明の範囲内であることに留意されたい。不活性ガス生成缶60が、ある量の空気からある量の実質的な不活性ガスをもたらす、または生成できるという意味で、生成という用語の使用についてさらに留意されたい。
【0069】
図18~
図20Dの不活性ガス生成缶60は、弾性圧縮性シェル62を有し、それはこの実施形態において、端部を切った卵形状である。本発明の1つの実施において、シェル62は、概ね1リットルの量を有するが、この量は、とりわけ近い将来の適用に依拠して変化させることができる。シェル62は、ガスケット及びネジによる接続などによってキャップ66を封止係合する、リム64を有する。弁コネクタ74は、シェル62の内部容積と流体連通したキャップ66によって保持される。孔を開けられるか、または別の方法でシェル62の内部容積に通じたカプセル70は、シェル62の開放内部容積の中に、取り外し可能かつ置換可能に保持される。カプセル70は、CO2吸収機能を伴う水酸化カルシウムなど、ある量の材料72を保持した第1の区画と、鉄粉及び塩化ナトリウムの混合物など、酸素吸収機能を伴うある量の材料73を保持した第2の区画と、を有する。カプセル70、または複数の別個もしくは組み合わされたカプセル、もしくはパッケージを、固定または自由浮遊式で、シェル62の内部容積に配設することができる。カプセル70、及び追加または代替として、材料72及び73の量を、材料72及び74が使い果たされたときに、取り外して置換することができる。
【0070】
そのように構成されると、不活性ガス生成缶60は、例えば当初79%の窒素、20%の酸素、0.5%のアルゴン、及び0.5%の微量な他のガスから構成された、シェル62の内部容積に保持された空気を、小さいパーセンテージのアルゴン、及び0.1%以下の非常に少ない量の酸素を伴う、主に窒素で構成された環境に、変換することができる。概ね8時間など、所与の時間の後に、この変換は、含まれたガスの量を低減させることになり、それによってシェル62は、
図20Aに示される当初の状態から、
図20Bに示されるような部分的に圧縮された状態に、自然に縮む傾向にある。窒素及びアルゴンで、ほぼ全体的に構成された保存ガスを効果的に形成している、現在のシェル62の内部容積を伴い、空気袋14の弁コネクタ30を、不活性ガス生成缶60の弁コネクタ74に接続することができ、シェル62を押し潰すことによって、空気袋14を保存ガスで充填することができる。一旦空気袋14が十分に充填されたら、弁コネクタ30及び74を接続解除し、それによって弁コネクタ30を閉鎖して、本明細書で教示した容積置換方法を使用する間、空気袋14内の保存ガスを封止することができる。
【0071】
上記で言及したように、本明細書で教示した容積置換保存システム及び方法は、本発明の範囲内で、さらなる実施形態の対象となる。本発明による、このような別の容積置換保存システムは、
図24A~
図25Cにおいて全体的に100で示される。そこでは、容積置換保存システムは100は、やはり容器200に適用され、それはやはりワインボトル200で構成される。容積置換保存システム100は、ストッパ102を有する。ストッパ102は、ストッパ102を通る第1の流体排出導管104によって確立された流体排出経路と、ストッパ102を通る第2の流体入口導管106によって確立された流体入口経路と、を伴う。流体入口経路を確立する第2の導管106は、柔軟な導管118などによって、伸張圧縮性空気袋110に流体接続され、締付具108は、ストッパ102と空気袋110との間で、流体入口経路を選択的に閉鎖するよう動作する。キャップ105、締付具(図示せず)、
図28に示されるような弁120、及び追加または代替として他の機構を使用して、保管中など、流体出口経路を選択的に閉鎖する。逆止弁とすることができる弁122を、流体入口経路に沿って配設することができる。
【0072】
ストッパ102の実施形態は、
図27及び
図28に単独で示される。
図27の実施形態において、ストッパ102は、流体排出導管104を形成する長手方向のボアホールと、流体入口導管106を形成する湾曲したボアホールと、のみを有する。
図28の実施形態において、ストッパ102は、管がストッパを貫通して流体排出導管104及び流体入口導管106として作用する以外、同じ長手方向及び湾曲したボアホールを有する。キャップ106は、固定されるか、または取り外し可能とすることができ、キャップ106に保持された弁120を有することができる。弁122は、ストッパ102のベースなどにおいて、流体入口導管の流体経路に沿って保持される。弁120及び122は、様々なタイプとすることができる。例えば弁120及び122は、流体フローを流体排出導管104からの排出のみ、及び流体入口導管106に沿って入ってくるのみを可能にする、チェック弁とすることができる。弁120は、120A、120B、及び120Cで例示したような、その延長をカバーする側断面を有し得る。弁122は、122A、122B、及び122Cで例示したような、その延長をカバーする側方断面を有し得る。弁120及び122のいずれか、または両方は、保存ガスを容器200の内部容積から収集するための、例えば逆容積置換プロセスを促進させるために、取り外し可能とすることができる。
【0073】
空気袋110及び容積置換保存システム100の残りは、保護されない方法でも使用され得る。しかし、空気袋110を、例えば
図24A~
図24Cで確認されるように、保護シェル112に、部分的に、ほとんど、または完全に囲まれ得る。前述のように、保護シェル112を、限定ではないが、例示した第1及び第2の弓型ウィング114及び116を含む、任意の効果的な方法で、容積置換保存システム100に対して所定の位置に保持することができる。固定され得るか、または弾性とすることができる、ウィング114及び116は、容器200を受け入れて係合するために、保護シェル112に固定される。例えば、ワインボトル200は、長手方向に摺動して保護シェル112、ならびにウィング114もしくは116に係合でき、またはウィング114もしくは116を外側に付勢して、それらの間にワインボトル200が挿入され得る。空気袋110の全てもしくは一部を、包むかまたは囲むために配設された、保護シェル112を用いることで、空気袋110に対する不注意な圧縮、ずれ、または損傷を防止することができる。
【0074】
この構造において、容器200の内容物を保存するためのプロセスを実施することができる。この例において、元々のコルクがワインボトル200から取り外され、代わりに容積置換保存システム100のストッパ102が挿入される。空気袋110を保存ガスで十分に充填すると、容器200を、受入容器204の上で傾けることなどによって分配状態に配設でき、キャップ106を取り外して、締付具108を開放状態に調整できる。それによって、流体入口経路及び流体排出経路は開放されることになる。次に、ある量の液体202を、
図25A~
図25Cに示されるように継続的に、重力などによって排出させることができる。しかし、圧縮圧力を空気袋110に加えることを、追加または代替として利用して、保存ガスを容器200の開放内部容積の中に強制的に入れることができることを、理解されたい。液体202が、流体排出経路を介して容器200の内部容積から通されると、保存ガスは、容積置換において空気袋110から容器200の内部容積の中に通じることになる。空気袋110は、図面で例示されるように、液体202の量が分配される際に、継続的に収縮する。次に容器200の内部容積は、容器200に残った内容物を劣化から保護するよう、受け入れられた保存ガスの量を保持することになる。キャップ106を再適用することができ、可能性として容器200から液体202を分配する間、締付具108を閉鎖位置まで調整して、外気が容器200の内部容積の中に導入されるのを防止することができる。
【0075】
保存システム10の前の実施形態を用いると、空気袋110が空になると、補充または置換され得る。
図26A~
図26Cに例示されるように、逆容積置換プロセスを再び利用して、保存ガスをボトル200の開放内部容積から収集し、それを空気袋110の開放内部容積に戻すことができる。そうすることによって、排出導管104を、水または任意の他の液体である置換液体源に、導管96によって接続することができる。任意の置換液体源を利用し得る一方で、1つの例示された源は蛇口94であり、上記で例示されかつ説明されたように、別の源は置換容器とすることができ、ある量の置換液体を保持する。置換液体210は、容器200の容器の中に、容器200と連通した排出導管96及び流体排出経路を介して流入させることができる。置換液体210は、単純に重力によって流れるか、または所与の圧力下で供給され得る。容積置換によって、入ってくる置換液体210は、保存ガスを容器200の内部容積の中から、空気袋110の中へ戻すよう強制する。それによって、同じ保存ガス、または少なくともそのいくらかの部分を、再利用することができる。
【0076】
空気袋110はやはり、不活性ガス生成缶を使用することによって、部分的に、もしくは完全に充填または補充されてよく、それは
図29A~
図29Cにおいて全体的に124で示される。またはいくつかの他の形状で示されるような、上記で示されかつ説明されたものとすることができる。
図29A~
図29Cの実施形態において、大気中の酸素の豊富な空気は、缶124内に保持されたCO2及び酸素吸収剤を使用することによって、主に窒素である酸素が少ない空気に再び変換され、その開放内部容積と連通する。それによって得られたガスは、開示する方法に従ったその後の使用のために、空気袋110に移すことができる保存ガスである。
【0077】
不活性ガス生成缶124は、硬質とすることができるシェル126と、シェル126の壁の内面と摺動可能に封止係合された蓋128とを有し、それによって缶124の内部容積を、シリンジ内のプランジャのように、シェル126に対して蓋128を摺動させることによって調整することができる。シェル126及び蓋128は、円形、方形、またはいくつかの他の形状を含む、様々な断面形状を有することができる。流体コネクタ125は、シェル126の内部容積と流体連通して、蓋128によって保持される。CO2吸収機能を伴う水酸化カルシウムなど、ある量の材料130を、シェル126の内部容積の中に保持することができ、鉄粉及び塩化ナトリウムの混合物などの酸素吸収機能を伴う、ある量の材料132も、シェル126の内部容積の中に保持することができる。材料130及び132を、固定または自由浮遊式で、シェル126の内部容積の中に配設することができ、使い果たしたとき、材料130及び132を置換することができる。
【0078】
缶124に関する多くの他の実施形態が可能であることを、再び理解されたい。非限定の例として、他の缶は、蛇腹構造で伸長収縮してもよく、または他の好ましい伸長圧縮性構造であってもよい。さらに、缶124は、任意の好適な容量とすることができる。しかし、缶124は、元々存在する空気中の酸素量が損失するために、保存ガスの所望の得られた量よりも大きい内部容積を有するべきであることに、留意されたい。例えば、800ミリリットルの保存ガスを作るために、1000ミリリットルの缶124が必要とされる。なぜなら、概ね200ミリリットルの量は、酸素が空気から除去される際に失われるからである。
【0079】
そのように構成されると、不活性ガス生成缶124は、例えば当初79%の窒素、20%の酸素、0.5%のアルゴン、及び0.5%の微量な他のガスから構成された、シェル126の内部容積に保持された空気を、小さいパーセンテージのアルゴン、及び0.1%以下の非常に少ない量の酸素を伴う、主に窒素で構成された環境に、変換することができる。所与の時間の後、この変換は、含まれたガスの量を減少させることになり、そのためシェル126は、
図29Aに示される当初の状態から一部圧縮された状態まで、自然に縮まる傾向となる。シェル126の内部容積が、ほぼ全体的に窒素及びアルゴンで構成された保存ガスを効果的に形成すると、流体コネクタ125を流体導管118に接続し、それを介して空気袋110へ接続することができる。空気袋110は、缶124内の量を減少させるために蓋128を押圧することによって、保存ガスで充填することができる。一旦空気袋110が十分に充填されたら、締付具108を閉鎖して、本明細書で教示した容積置換方法を使用する間、空気袋110内の保存ガスを封止することができる。
【0080】
開示する容積置換保存システム10及び100の、各実施形態において、共生が、容器200とシステム10または100との間に作り出され、消費経験を促進する。例えば保存する物質がワインである場合、ワインが分配ノズル36または流体排出導管104を出る際に、これらの構成要素は、ワインを飲む人がワイン202を注いで移すのを補助するよう協働する。そのように確立された流体排出経路は、ワインの細い流れをボトル200から排出するために十分狭く、ワインを注ぐプロセスを直ちに開始する。さらに、別個の導管継手通路48A及び48Bを通過し、次に結合して流体排出弁32のノズル36を通過するワインは、最適な飲酒状態になるよう、さらに空気に触れることになる。さらに、分配ノズル36または排出導管104の先端は、液だれを防止するために、斜角の付いた縁部とすることができる。
【0081】
上述のように、一旦保存ガスが排出されると、伸張圧縮性空気袋14は、多くの方法によって、今後の使用のために保存ガスを再充填され得る。例えば、
図23の逆容積置換プロセスを利用して、保存ガスを、液体内容物が分配され、保存ガスによって容量置換された容器200の内部容積から収集することができる。
図21A及び
図21Bで提案されているような、ある量の保存ガスを含んだ圧縮性ガスシリンダ86を伴う、圧縮性ガス供給部76を使用することも可能である。追加として開示された上記は、空気袋14の外部の保存ガス生成缶を使用することによって、空気袋14を補充するためのシステム及び方法である。このような外部の保存ガス生成缶は、例えば
図18~
図20Dにおいて60で示されるか、または
図29A~
図29Cにおいて124で示される。
【0082】
前述のシステム及び方法は、確かに実行可能かつ効果的である。しかし、本発明者は、保存ガス生成または収集機能が、伸長圧縮性空気袋14自体の中に組み込まれた場合に有利と成り得ることを、さらに理解している。このような空気袋14は、
図30に、部分的に分解された形態で表示される。そこでは、空気袋14が、やはりシェル56上に確立され、シェル56は、柔軟で実質的にガスが浸透しない材料とすることができる。上述のように、多くのこのような材料が可能であり、各々は本発明の範囲内である。非限定の例として、空気袋14のシェル56は、ライニング層を伴う、または伴わない、ポリマー材料とすることができ、ポリマー材料及びアルミニウム製ライニングを伴うホイルの形態をとり得る。
【0083】
シェル56は、オリフィス55を別にして封止される。管構造が、第1及び第2の管54A及び54Bによって形成される。この実施形態における、第1の管54Aは、弓状部分を有し、近位端及び遠位端を有し、この例における第2の管54Bは、全体的に直線である。弁連結部30は、第1の管54Aの遠位端に配設され、第1の管54Aの近位端を、第2の管54Bの遠位端に選択的に係合することができる。例えば管54A及び54Bは、それらの間で実現される実質的な封止配置を可能にするよう選択された、内径及び外径を有する。第2の管54Bの遠位端は、例えば
図31に示されるように、第1の管54Aにおける近位端の中に歯合して受け入れられる。管54A及び54Bがそのように配設かつ構成された場合、管状肩部138は、管構造が第2の管54Bのより狭い外径から第1の管54Aのより大きい外径まで推移するよう、確立される。
【0084】
1つまたは複数のアパーチャ58を、ガスフローを促進させるために、第1及び第2の管54A及び54Bによって形成された管構造に沿って配設することができる。この例において、アパーチャ58は、第2の管54Bの近位端に隣接して配設される。これによって、(例えば
図2B及び
図3Bのような)弁連結部30及び弁連結部28を、第2の管54Bの遠位端が栓をされた場合でも、空気袋14の内部容積と流体連通させることができる。さらに、弁連結部30は、流体交換構造12の弁連結部28と係合されていないときの、自動封止状態と、弁連結部28と係合されているときの、自動双方向開放状態と、を有することができる。
【0085】
1つまたは複数の保存ガス生成部材134を、空気袋14の内部容積の中に、及び中から、選択的に挿入及び可能性として取り外すことができる。空気袋14の内部容積の中に直接挿入された、このような保存ガス生成部材134を用いて、空気袋14を、ある量の、大気における酸素の豊富な空気で、簡単に充填することができる。その空気は、不活性ガス生成部材134の全てまたは一部を形成する、CO2及び/または酸素吸収剤を使用することによって、主に窒素である、酸素の少ない空気に変換することができる。十分な時間、ならびにCO2及び/または酸素吸収剤を用いて、空気袋14内に得られたガスは、開示する方法に準拠して使用できる保存ガスである。空気袋14を、任意の効果的な方法で、空気で充填することができる。例えば
図34に示されるように、空気袋14は、この場合は押出球状ポンプ、または任意の他のタイプの充填機構である、単純な手動空気ポンプ140によって、外気を用いて膨張され得る。
【0086】
保存ガス生成部材134は、例として、水酸化カルシウムなどのCO2収集機能を伴うある量の材料136、ならびに、追加または代替として、酸素吸収鉄または鉄粉と塩化ナトリウムとの混合物などの酸素吸収機能を伴う、ある量の材料136を保持し得る。保存ガス生成部材134、または複数の別個もしくは組み合わせた部材を、固定または自由浮遊式の方法で、空気袋14の内部容積の中に配設することが可能である。必要に応じて、または所望によって、材料を使い果たしたときに、保存ガス生成部材134を取り外して置換することができる。
【0087】
そのように構成されると、保存ガス生成部材134は、例えば当初79%の窒素、20%の酸素、0.5%のアルゴン、及び0.5%の微量な他のガスから構成された、空気袋14の内部容積に保持された空気を、小さいパーセンテージのアルゴン、及び0.1%以下の非常に少ない量の酸素を伴う、主に窒素で構成された環境に、変換することができる。本発明の1つの実施において、概ね18時間など、所与の時間の後に、この変換は、含まれたガスの量を低減させることになり、それによって空気袋14は、当初の状態から、部分的に圧縮された状態に、自然に縮む傾向になる。概ね20%の体積損失を呈した。空気袋14の内部容積は、本明細書で教示した容積置換方法で使用中に、窒素及びアルゴンでほぼ全体を構成した保存ガスを保持することになる。
【0088】
本実施形態において、保存ガス生成部材134は、全体的にロッド状の細長い部材を備える。保存ガス生成部材134は、空気袋14のオリフィス55を介して受け入れられるようにサイズを決められ、かつ締り嵌めで第2の管55Bにおける近位端の中に受け入れられるようサイズを決められた、有効径を有する。これによって、保存ガス生成部材134は、例えば
図31に表示されるように、第2の管55Bの近位端と係合することができる。保存ガス生成部材134、及び第2の管55Bの近位端を、オリフィス55を介して、空気袋14の内部容積の中に挿入することができる。保存ガス生成部材134は、本発明の特定の例において、スリーブを用いて形成され得る。このスリーブは、スリーブの内側の化学物質と、空気袋14の内部容積との間での自由なガス交換を可能する、例えば薄い板、紙、またはプラスチックである。実際、このような保存ガス生成部材134は、例えば
図33に示されるように、真空封止されたスリーブ136における使用中に、保管することができる。
【0089】
例えば
図32で確認されるように、空気袋14のオリフィス55は、カラー57を有することができる。カラー57は、カラー57と第1の管54Aの外径との間で、締り嵌めを生成するようサイズが決められた、内径を有することができる。それによって、保存ガス生成部材134及び第2の管54Bの近位端は、オリフィス55を介して、空気袋14の内部容積の中に摺動して入ることができ、第1の管54Aの近位端を、実質的に封止関係で、カラー57の中に受け入れることができる。保存ガス生成部材134を、このように配設することで、単なる大気を、小さいパーセンテージのアルゴン及び非常に少ない酸素量を伴う、主に窒素で構成された、ある量のガスに変換でき、空気袋14を、本明細書で開示する保存プロセスで使用することができる。保存ガスのいくらか、または全てがボトル200の中に分配されたときなど、所望の場合は、使い果たされた保存ガス生成部材134を、第1及び第2の管54A及び54Bによって形成された管構造をカラー57から引張り、保存ガス生成部材134を第2の管54Bの近位端から取り外して、新しい保存ガス生成部材134を挿入し、簡単に取り外して置換することができ、このプロセスを繰り返すことを可能にする。収縮した第2の空気袋(図示せず)を保存ガスで補充するために、示して説明した空気袋14を使用することも可能である。
【0090】
本明細書で開示する、容積置換プロセスで使用する空気袋の、さらに別の構造は、
図35A~
図35Dにおいて全体的に14で示される。そこで、空気袋14はやはり、ある量のガスを保持するための開放内部容積を画定する。空気袋14はやはり、オリフィス55を別にして封止される。しかしここで、空気袋14は、伸長及び緊縮または崩壊する場合がある少なくとも1つの柔軟部分56Aと、緊縮または崩壊に抵抗する実質的に硬質部分56Bと、を伴う壁構造によって画定される。柔軟及び硬質部分56A及び56Bを、任意の気密性材料から形成され得る。例えば、柔軟部分56Aを、ポリマー及びホイル層材料とすることができ、硬質部分56Bを、金属、プラスチック、もしくは他の好適な材料、またはそれらの材料の組み合わせから形成することができる。
【0091】
表示される実施形態において、柔軟及び硬質部分56A及び56Bの各々は、全体の空気袋形状の大まかに半分を構成する。それは当然ながら、本発明の範囲内で広範囲で変化させることができる。この例において、硬質部分56Bは、オリフィス55を含んだ球状の硬質シェル部分を形成し、柔軟部分56Aは、伸長されたときに、球状の柔軟シェル部分を形成する。柔軟及び硬質部分56A及び56Bは、それらの縁部に沿って互いに封止され、封止された内部容積を画定する。
【0092】
このような柔軟及び硬質部分56A及び56Bで形成された空気袋14は、
図35Aの膨張状態と、
図35Bの実質的な収縮状態との間で推移することができる。空気袋14が収縮を受ける際に、柔軟及び硬質部分56A及び56Bが全体的に形状に対応するよう、例えば柔軟部分56Aは、
図35Aのような球状で始まる。空気袋14の漸進的な収縮を伴い、硬質部分56Bはその形状を保持するが、柔軟部分56Aは、
図35B及び
図35Cの漸進的な崩壊構成を介して、硬質部分56Bに向けて崩壊する傾向となり、
図35Dの実質的な崩壊構成に至る。ここで柔軟部分56Aは、硬質部分56Bの凹面まで歪められている。
【0093】
容積置換システム10の代替の実施形態が、
図36及び
図37に示され、その流体交換構造12は、
図38で別に示される。そこで、流体交換構造12はやはり、実質的に同時事象において選択的かつ潜在的に、上記で説明した入口経路及び排出経路を確立し、閉鎖する。流体交換構造12は、やはりストッパ16を有し、それに沿って複数の管状封止隆起部22を伴い、それらは協働して、容器200と、容器200の外部から接近可能なヘッド部分18との、封止係合を作り出す。流体交換構造12は、分配ノズル36を有し、それは長手方向に突出して、ボトル200のネック部と整合される。上記で示しかつ説明したような方法において、流体交換構造12は、第1及び第2のレバーアーム20A及び20Bのいずれかまたは両方を枢動させることによって、動作可能である。
【0094】
レバーアーム20A及び20Bは、実質的に等しいサイズ及び形状であり、各々は円滑で弓形状を有し、先端までテーパーが付いている。このため、アーム20A及び20Bが直交位置にあるときに、安定化させる脚として動作する。このため、ボトル200または他の容器を、ボトル200の上端部を支持するよう協働するアーム20A及び20Bによって、支持面上に安定して静止させることができる。各アーム20A及び20Bは、その枢軸からその遠位端までの延長を通常のワインボトル200におけるベースの半径に相当するよう較正することができ、それによってボトル200は、水平方向、または上向きもしくは下向きの所望の角度に保持することができる。
【0095】
保存ガスはやはり、液体202を伸長圧縮性空気袋14から分配する間に、容器200の内部容積に供給される。空気袋14は、上述のような、柔軟で実質的にガス不浸透性材料のシェル56上に確立される。しかしここで、空気袋14は、細長い管144によって流体交換構造12に流体連結され、それによって空気袋のシェル56は、流体交換構造から離隔される。空気袋14は、シェル56に固定されたカラー部分142を有する。カラー部分142を利用してボトル200を取り囲むことができ、それによって空気袋14を所定の位置に保持する補助をする。カラー部分142は、ディスクまたは他のリング材料を備えることができ、空気または生成された保存ガスを保持するための内部容積を含み得る。例えば、シェル56の全てまたは一部を、管形状に組み込んでカラー部分142を形成してもよく、シェル56は、例えばドーナツ形状、またはスリーブ、もしくは内部容積を伴うジャケットを有し得る。カラー部分142は、単純なリングを備えて
図36及び
図37に例示される。
【0096】
上記で言及したように、前述のシステム及び方法は非常に有利である一方で、本発明者は、圧縮性空気袋内の保存ガスを、継続的に再充填または置換することは不便となる場合があること、または所与のガス量を保持する空気袋の中に、実際上保持され得るよりも多くの保存ガスが必要とされ得ること、を理解している。非限定の例として、バー、レストラン、及び付随して複数のワインボトル内のワインを保存するために、圧縮性リザーバからの保存ガスに対する継続的な高い要求が存在する他の場所において、一定かつ自動的に圧縮性空気袋に保存ガスを補充できることが望ましい。しかし、圧縮性空気袋を一定に補充して保存ガスの利用可能な供給を提供しなければならないが、過剰な圧力を空気袋の中に導入することは、容器の内容物の圧力をかけない容積置換において、自然の重力下でガスを空気袋から容器の中に引出すことを妨げることになることが、さらに理解される。圧縮性空気袋内の保存ガスを加圧することは、容器の内容物が圧力下で押し出される傾向となり、先行技術における加圧した保存システム及び方法と同様、望ましくない。
【0097】
前述の必要性及び要求を認め、本発明者は、容器の内容物が自然の重力下で分配される際に、容積置換において容器の内部容積に供給するために、圧縮性空気袋内の保存ガスを自動的に補充するシステムを考案した。このシステムは、
図39~
図45を参照して理解することができる。ここでシステムの実施形態は、全体的に300で示される。システム300は、システムハウジング302において確立されるものと考慮でき、それはシステム300の動作中に、この場合圧縮ガスタンク304である、圧縮保存ガス源に連結され、供給導管306を介して、タンク304から保存ガスを受け入れる。システム300は、保存ガスを、放出導管332の遠位端に配設された流体コネクタ308を介して、流体交換構造12の流体コネクタ28に選択的に連結することができる放出導管332を通して、容器200の内部容積に提供することができる。代替として、分配導管332と称され得る放出導管332は、流体コネクタ346に接続される。流体コネクタ346は、保存ガスを圧縮性空気袋314から受け入れるために配設された出口ポートを備える。
【0098】
流体交換構造12は、全体的に上記で開示した実施形態に従うことができる。したがって、本開示を効率的にするために、システム300の特定の構成要素は、上記で説明した図面を組み合わせて参照して説明する。例えば
図1~
図16、及び
図45を参照すると、流体交換構造は12で示される。流体交換構造12は、同様にストッパ16を有することができ、それに沿って複数の管状封止隆起部22を伴い、それらは協働して、容器200、この場合はワインボトル200のネック部206と封止係合を作り出す。本発明の範囲内で、流体交換構造12の入口経路及び排出経路を開閉するために、別個の弁が設けられ得る一方で、表示された実施形態は、入口経路及び排出経路が実質的に封止された、
図2A及び
図2Bに表示された第1の状態と、入口経路及び排出経路が開放された、
図3A及び
図3Bに表示された第2の状態と、を有する流体交換弁32を提供する。
【0099】
保存ガスは、液体202を伸張圧縮性の空気袋から分配する間に、入口経路を介して容器200の内部容積に供給され、空気袋は、
図39~
図45において314で示される。そこで、この実施形態における空気袋314は、サブハウジング322内に配設された、伸長圧縮性シェルを備える。サブハウジング322は、全体的に、空気袋314が完全に伸長されたサイズ及び形状に相当する。空気袋314のシェルは、柔軟で、実質的にガス不浸透性材料である。やはり、多くのこのような材料が可能であり、各々は本発明の範囲内である。1つの実施形態において、例えば空気袋314のシェルは、ライニング層を伴う、または伴わない柔軟なポリマー材料とすることができる。シェル314を画定する材料は、例えばアルミニウム製ライニングを有するポリマー材料の、1層または複数の層から形成された、ホイルから構成することができる。空気袋314及びサブハウジング322は、メインハウジング302内に配設される。空気袋314は、アパーチャなどを介して、保存ガス供給導管330に流体接続される。保存ガス供給導管330は、保存ガスを、圧縮性保存ガスタンク304から、フロー制御サブシステム328を介して受け取る。フロー制御サブシステム328は、代替として弁システム328と称され得る。空気袋314は、同じかまたは異なるアパーチャを介して、放出導管332に流体接続され、容積置換プロセスにおいて、流体交換構造12に連結された流体コネクタ308を介して、ガスを容器200へ提供する。
【0100】
流体交換弁32は、分配ノズル36がストッパ16の長手方向軸に対して直交する、第1の閉鎖位置から、及び分配ノズル36がストッパ16の長手方向軸と同じ線上にある、第2の開放位置から、枢動することができる。流体交換弁32は、例えばベース部分34の両端部を伴い枢動するよう固定された、第1及び第2のレバーアーム20A及び20Bによって、第1と第2の位置との間で操作され得る。ストッパ16は、液体排出導管24及びガス入口導管26を有する。
図2A、
図2B、及び
図4のように、閉鎖位置にある流体交換弁32の向きは、流体交換弁32の硬質壁部分42及び44に、ストッパ16の液体排出導管24及びガス入口導管26を封止させる。分配ノズル36は、径方向に連通する、弁位置付け経路50の下面に対して、保管位置に配設されることになる。それによって、容器200の内部容積は封止され、液体を排出することができず、ガスは入ることができない。開放位置まで、流体交換弁32を調整することで、硬質壁部分42及び44を回転させて、導管24及び26との整合から外す。導管継手チャネル46、ならびに導管継手経路48A及び48Bは、例示された位置に回転して入れられる。開放された流体入口経路は、導管26と、導管継手チャネル46と、遠位の導管部分40と、弁連結部28とを介して、容器200の内部容積から提供される。同時に、開放された流体排出経路は、導管24と、導管継手経路48A及び48Bと、分配ノズル36とを介して、容器200の内部容積から作り出される。本明細書で開示するように、流体経路を開放し、かつ流体交換構造12を、動作中のシステム300の流体コネクタ308及び放出導管332を介して、圧縮性空気袋314に連結すると、開放された排出経路を介して排出された液体は自然に入り、開放された入口経路を介して、圧縮性空気袋314から容器200の内部容積の中に引出された保存ガスによって置換される。
【0101】
本発明の好ましい実施において、圧縮性空気袋314内における保存ガスの量は、実質的に大気圧で保持される。容器200内の液体は、空気袋314から受け入れられた保存ガスと置換され、圧縮性空気袋314内における保存ガスの量は、激減される傾向となる。本明細書の教示にように、圧縮性空気袋314は、膨張検出システム316の動作下において、実質的に大気圧の保存ガスで自動的に補充される。膨張検出システム316は、補充する保存ガスが圧縮性空気袋314に供給されない、第1の状態と、補充するガスが圧縮性空気袋314に供給される、第2の状態と、を有する。第1の状態は、圧縮性空気袋314が、保存ガスである所定の膨張状態まで膨張された状態であり、第2の状態は、圧縮性空気袋314が、保存ガスで所定の膨張状態未満に膨張された状態とすることができる。膨張検出システム316は、圧縮性空気袋314が所定の膨張状態に達したことを検出するよう動作する。本発明の実施形態において、圧縮性空気袋314は、完全に膨張した状態を有すると考慮することができ、膨張検出システム316は、圧縮性空気袋314が完全に膨張した状態まで膨張したことを検出するか、または完全に膨張した状態に対して所定の範囲内まで膨張したことを検出する。非限定の例として、膨張検出システム316は、空気袋314が保存ガスで膨張されるか、または膨張レベルの閾値を上回ったことを検出することができる。
【0102】
本開示を精査した後、当業者は、圧縮性空気袋314が所定の膨張状態まで膨張されたことを検出するために、膨張検出システム316として動作する複数の様々な機構を理解し得る。このような各機構は、特許請求の範囲によって明示的に制限され得ない限り、本発明の範囲内にある。膨張検出機構は、機械式システム、光学式システム、電気機械式システム、音声起動式システム、運動センサ、光センサ、及び圧縮性空気袋314が所定の膨張状態まで膨張されたことを検出するために効果的な、任意の他のタイプのシステムを備え得る。
【0103】
本発明のこの例において、膨張検出システム316は、空気袋314が所定の膨張状態まで充填されたことを検出するための、電気機械式システムを備える。膨張検出システム316は、サブハウジング322のアパーチャを介して圧縮性空気袋314に接触するよう配設された、接触部材320を有する。接触部材320は、保持部材324によって支持された偏向スイッチ318に固定される。ここで、偏向スイッチ318は、保持部材324に枢動的に接続されるが、偏向スイッチ318が、押し下げられるよう、回転されるよう、または動作されるように位置付けられることによって、別様に保持部材324に対して可動的に連結されることも、容易に可能となる。例えば接触部材320は、偏向スイッチ318に固定され得るか、または接触部材320は、偏向スイッチ318の一部とすることができる。偏向スイッチ318及び接触部材320は、重力下におけるバネ力によって、弾力性によって、もしくは他の付勢方法によって、またはそれらの組み合わせによって、圧縮性空気袋314に向けて付勢される。
【0104】
偏向スイッチ318は、偏向スイッチ318が内向き方向で圧縮性空気袋314の内部容積に向けて、枢動、伸長、または他の運動によって動かされたときに、作動された状態を有する。偏向スイッチ318は、圧縮性空気袋314における保存ガスの量が所定の膨張状態未満に減少したとき、内側に圧縮性空気袋314に向う方向に、作動状態まで動くのを可能にされ、それによって圧縮性空気袋314の外壁は、柔軟状態と考えられ得るような、偏向されるのに十分な状態となり、このような動きを可能にする。偏向スイッチ318は、偏向スイッチ318が枢動、伸長、または他の運動によって外側方向に圧縮性空気袋314から離れるよう動かされたときに、作動停止状態を有する。偏向スイッチ318は、圧縮性空気袋314内における保存ガスの量が所定の膨張状態に達したとき、外側に作動停止状態まで動かされ、それによって圧縮性空気袋314の外壁は、圧縮性空気袋314内における保存ガスの量によって、外側に進められる。例えば、偏向スイッチ318がこの実施形態のように枢動スイッチである場合、空気袋314の伸長は、空気袋314の外壁を外側に押圧し、スイッチ318を作動停止状態まで枢動させる。
【0105】
圧縮性空気袋314内における保存ガスの量が、所定の膨張状態未満など、所定の閾値未満に減少したとき、偏向スイッチ318は、その付勢によって作動状態まで動く。作動状態において、保存ガス源304と圧縮性空気袋314との間に流体的に配設された弁システム328は開放されて、保存ガスが、源304から供給導管306を介して圧縮性空気袋314の中に流入するのを可能にする。圧縮性空気袋314内における保存ガスの量が、所定の膨張状態以上など、所定の閾値に達した場合、偏向スイッチ318は、空気袋314の壁によって、作動停止状態まで動かされる。作動停止状態において、弁システム328は閉鎖され、保存ガスが、源304から圧縮性空気袋314まで流入するのを防止する。
【0106】
したがって、圧縮性空気袋314の最大量における所与の範囲以内など、圧縮性空気袋314の過膨張を防止することができる。それによって、圧縮性空気袋314内における保存ガスの加圧を、概ね大気圧を超過しないように制限することができる。しかし、本発明の実施形態は、潜在的に大気圧を超過した圧力または膨張状態を含む、いくつかの他の所定の膨張状態または圧力における、作動状態まで、または圧縮性空気袋314の最大量未満のいくつかの膨張状態まで、偏向スイッチ318を誘導するよう較正し得ることを、理解されたい。弁システム328を、電気式、機械式、電気機械式、または別様に構成及び構築されたものとすることができる。
【0107】
本実施形態において、弁システム328は、電気接続326などを介して偏向スイッチ318と電気通信する、ソレノイド弁を備える。弁システム328は、逆止弁を含むことができる。電気回路、電子メモリ、配線、及び他の電気制御及び接続要素を含むことができる、電気制御システム315は、膨張検出システム316と協働して、弁システムのソレノイド弁を開放状態に誘導して、偏向スイッチ318が作動状態にあるときに、保存ガスが、源304から流れるのを可能にする。電気制御システム315は、電力源307から電力を受け取ることができる。電力源307は、交流電流源、バッテリ電源などの直流電流源、または他の電力源とすることができる。電力源307からの電力のフローは、電力スイッチ309によって制御することができる。したがって、弁システム328のソレノイド弁は、膨張検出システム316及び電気制御システム315によって、閉鎖状態まで誘導され、偏向スイッチ318が作動停止状態にあるときに、保存ガスが、源304から流れるのを防止する。本明細書で参照した構成要素の各々を、本発明の範囲内で、さらに組み合わせるか、または分離させることができる。
【0108】
電気回路が確立される。1つの考慮された実施形態において、弁システム328のソレノイド弁は、電気回路が膨張検出システム316の偏向スイッチ328によって閉じられて作動状態まで動いたとき、電気的に開放される。弁システム328のソレノイド弁は、自動的に閉鎖され、電気回路が、偏向スイッチ328を作動停止状態まで動かすことによってオープンにされたとき、圧縮性空気袋314をさらに充填するのを防止し、それは圧縮性空気袋314が所定の膨張状態まで充填されたことを表わすことができる。偏向スイッチ328が枢動スイッチで構成された、本発明の非限定の例において、偏向スイッチ328が空気袋314から十分離れるよう枢動され、かつ弁システム328のソレノイド弁が閉位置にあるとき、電気が流れない開電気回路が確立される。偏向スイッチ328が、枢動などによって、空気袋314に向けて十分進み、空気袋314が所定の膨張状態未満に減少したことを表わすとき、電気回路は閉じられ、電気を流して、弁システム328のソレノイド弁を開放状態まで動作させて、それによって保存ガスが流れて圧縮性空気袋314を充填することができる。
【0109】
多くの考えられる流体接続部、ならびに接続組み合わせ及び接続構成が、供給導管306を介した保存ガス源304、弁システム328、弁システム328と圧縮空気袋314との間に流体的に挟まれた導管330、及び弁コネクタ308に流体接続された分配導管332、を含む、流体システムのいくつかの構成要素の間で含むことが可能であることを、理解されたい。例えば、
図43及び
図44が例示するような、本発明の考えられる明示において、T型コネクタ334は、圧縮性空気袋314のオリフィスに流体連結された、T型の細長い部分、間に挟まれた弁システム328を伴う導管330を介して保存ガス源304に接続された、T型の第1のアーム部分、及び分配導管332に流体接続された、T型の第2のアーム部分、を有することができる。したがって、弁システム328がスイッチ328によって開放位置へ始動されたとき、源304からの保存ガスを、空気袋314に自動的に供給することができ、実質的に大気圧の保存ガスを、弁コネクタ308が容器200のネック部の中に受け入れられた流体交換構造12に接続されたとき、分配導管332を介して、圧縮性空気袋314から供給することができる。
【0110】
弁システム328が開放状態にある場合でも、源304から圧縮性空気袋314までの流量、フロー圧、または保存ガスのフローの圧力及び流量の両方を、フロー制限コネクタ325などによって制限することができる。非限定の例として、フロー制限コネクタ325は、源304から圧縮性空気袋314までの保存ガスの流量を、所定の流量に制限し得る。例示的な例として、流量を、分当たり1リットル未満、または任意の他の流量に制限することができる。フロー制限コネクタ325は、例えば、0.02mmの内径、または流体システム内の他の導管接続と比較して低減された他の寸法を有するコネクタなど、細径管を含み得る。このような実施形態によって、圧縮性空気袋314内の急速な圧力変化は、弁システム328を開放するときに防止され、圧縮性空気袋314の過度に急速な膨張は防止される。
【0111】
開示した自動保存ガス補充システム300の動作において、圧縮性空気袋314は、保存ガスを源304から供給することによって、所定の膨張状態まで自動的に充填されることになる。容器200内の液体または他の物質を保存しようとするとき、流体交換構造12を、容器200のネック部の中に押圧することなどによって、容器200に添えることができる。ワインを、非限定の例として使用できる。流体交換構造12を、流体経路が開放された、開放導管の中に誘導することができる。容器200内のワインを、自然の重量によって容器200から注ぐことができる。ワインが、流体交換構造12の1つの流体経路を介して容器200から注がれる際に、排出されるワインの容積置換において、保存ガスが、圧縮性空気袋314から分配導管332を介して引出される。それによって事前にワインによって占有されていた容器200の内部容積は、保存ガスによって占有される。圧縮性空気袋314内のガスの量が、所定の膨張状態未満に減少すると、膨張検出システム316は、それを検出して、弁システム328を開放状態へ始動される。保存ガスの制限された量のフローは、次に保存ガス源304から流されることになり、それによって圧縮性空気袋314は、所定の膨張状態に達するまで、保存ガスによって新たに供給かつ充填されることになる。所定の膨張状態に達すると、膨張検出システム316は、それを検出し、弁システム328を閉鎖状態まで始動させて、別の要件が検出されるまで、源304から空気袋314までの、保存ガスのさらなる供給を防止する。圧縮性空気袋314は、自動的に保存ガスで供給され、その一方で、空気袋314内における保存ガスの過剰な加圧は、自動的に防止される。
【0112】
図45をさらに確認すると、自動補充システム300を使用して、接続弁338を伴う分離した圧縮空気袋336を補充することが、さらに可能となる。充填されると、空気袋336内の保存ガスは、次に、本明細書で教示した容積置換保存を実施するために使用できる。
【0113】
さらに本発明の実施形態によると、自動保存ガス補充システム300を利用して、容積置換において置換した、液体または他の物質の量を計測する方法を実施することができる。例えば、システム300は、保存ガスのフローを計測することができ、それは容積置換を介して置換した液体または他の物質の、対応した量の表示を提供する。非限定の例によると、体積計測フローメータ312は、保存ガス源304に接続され得る。追加または代替として、1つまたは複数のフローメータ313が、システム300を流れ抜けるガスの経路に沿って、ハウジング302内に保持され得る。例えば、フローメータ313を、弁システム328を通過する保存ガスを計測するために配設され得る。フローメータ317は、さらにまたは代替として、圧縮性空気袋314と分配導管332との間に配設され得る。さらに、フローメータを、流体交換構造12に組み込んでもよい。
【0114】
いずれの場合も、システム300によって容器200に供給された保存ガスの量を計測することで、容器200から分配されたワインまたは他の物質の量を判断することができる。実際、電子メモリ及び電気システム315で動作するソフトウエア、またはそれらとの通信を介して、システム300は、システム300を使用することからデータを収集、処理、及び分析することができる。複数の分離した個々の容器200から分配された、液体または他の物質を、計測及び追跡することができる。例えば、所与の容器200から分配された物質の量を判断し、容器200内における物質の当初の量を得ることによって、容器200内に残る物質の量をさらに判断することができる。分配及び使用の他の特質を、計測、追跡、及び活用することができる。例えば、1つまたは複数の容器から分配された液体の量、及び残りの量を、同時に判断することができる。分配作業の時間、及び所与の容器200を開放している時間を追跡することができる。分配された物質の計測に基づく、自動的な再注文を介して、在庫調査、及び製品注文が制御及び改善され得る。分配された部分の制御及び確認を含む、個々の分配作業を、追跡及び分析することができる。計画及び経理を容易にすることができ、かつコスト及び腐敗などによる廃棄を最小限に抑えることができる。
【0115】
特有の識別子319などを介して、容器200を個々に識別することができる。識別子は、数字、電子、暗号化、視覚、一次元及び二次元バーコード、RFIDチップ、または他の特有の識別子とすることができる。フローメータ312、313、317、または特定の容器200に対する一次的または恒久的な割り当てを有する他の追跡機構が、電子コンピュータ上で動作するソフトウエアなどを介して、電気システム315内及び/またはシステム300の外部のコンピュータメモリにおいて、追跡され得る。分配された物質に関するデータを、電子メモリ、有線通信、限定ではないがWifiもしくはBluetoothプロトコル、または他のデータ活用形態などのワイヤレス通信、などを介して、本発明の特定の実施において追跡及び伝達することができる。供給された保存ガスの量、または分配された物質の量のいずれかを計測することによって、他方の正確な量を判断できるので、フローメータ312、313、及び317を含む電子有線及びワイヤレスデバイスなどを介して、デジタル化された在庫調査を維持することができる。個々の容器200に関するデータを得て活用することができ、クラウドなどを介して、遠隔で維持、制御、及び分析され得る。個々の容器を離れる液体ついて、マーケティング、商取引、経理、及び在庫補充調査目的などのために判断することができる。例えばシステム300は、追跡される容器200の特有の識別を得ることができ、その内容物、分配された量、開放して分配した時間及び日付を追跡することができる。
【0116】
開示される自動保存ガス補充システムのための、本発明の特定の詳細及び実施形態により、当業者は、それらに対して多くの変更及び追加を、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく成し得ることを、理解されたい。現在の好ましい実施形態が、本明細書で明らかにされる広範な発明の単なる例であることを覚えておくとき、これは特に当てはまる。したがって、本発明の主な特徴を覚えておくことで、それら主な特徴を組み込んだ実施形態を作り上げることができ、一方では、好ましい実施形態に含まれた全ての特徴は組み込まないことが、明白となろう。
【0117】
したがって、以下の特許請求の範囲は、本発明者にもたらされる保護の範囲を定義するものとする。本発明の趣旨及び範囲から逸脱しない限り、それら特許請求の範囲は、同等の構造を含むものとする。複数の、以下の特許請求項は、ある要素を、特定の機能を実施するための手段として、時として構造または材料を詳説することなく表わし得ることを、さらに留意しなければならない。法の要件として、任意のこのような特許請求項は、本明細書で明示的に説明した、対応する構造及び材料だけではなく、法律的に認識できる、それらの同等物も網羅するよう解釈されるものとする。
【手続補正書】
【提出日】2021-01-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(200)の内部容積に供給するよう、圧縮性空気袋(314)内に自動的に
ガスを補充するための、自動補充システム(300)であって、
ある量の
ガスを保持するための、外壁及び伸長収縮する内部容積、及び
ガスの通過を可能にする少なくとも1つのオリフィスを有する、圧縮性空気袋(314)と、
ガスを
ガス源(304)から受け入れるよう適応された供給導管(306)であって、
ガスを前記圧縮性空気袋(314)に供給するための第1の端部、及び前記
ガス源(304)に流体接続するための第2の端部を有する、供給導管(306)と、
ガスを容器(200)へ供給するよう適応された放出導管(332)であって、
ガスを前記圧縮性空気袋(314)から受け入れるための第1の端部、及び前記容器(200)に流体接続するための第2の端部を有する、放出導管(332)と、
前記圧縮性空気袋(314)が
ガスによって膨張状態まで膨張された、第1の状態、及び、前記圧縮性空気袋(314)が
ガスによって前記膨張状態未満まで膨張された、第2の状態、を検出するよう動作可能である、膨張検出システム(316)と、
前記
ガス源(304)と前記圧縮性空気袋(314)との間に配設された、弁システム(328)であって、前記圧縮性空気袋(314)が前記第1の状態にあるときに、
ガスが前記
ガス源(304)から前記圧縮性空気袋(314)の中に流入するのを防止する閉鎖位置に動作し、前記圧縮性空気袋(314)が前記第2の状態にあるときに、
ガスが前記
ガス源(304)から前記圧縮性空気袋(314)の中に流入するのを可能にする開放位置に動作する、弁システム(328)と、を備え
、
前記弁システム(328)及び前記膨張検出システム(316)は、実質的に大気圧で、前記圧縮性空気袋(314)内におけるガスの量を維持するよう動作し、前記圧縮性空気袋(314)は完全な膨張状態を有し、前記膨張検出システム(316)は、前記圧縮性空気袋(314)が前記完全な膨張状態に対して所定の範囲内で膨張したことを検出するよう動作し、前記膨張検出システム(316)は、前記圧縮性空気袋(314)が、前記完全な膨張状態に対して所定の範囲内まで膨張したときに、ガスが、前記ガス源(304)から前記圧縮性空気袋(314)の中に流入するのを防止するために前記第1の状態に自動的に動作し、前記膨張検出システム(316)は、前記圧縮性空気袋(314)が、前記完全な膨張状態に対して所定の範囲未満まで膨張したときに、ガスが前記ガス源(304)から前記圧縮性空気袋(314)の中に流入できるよう、前記第2の状態に自動的に動作することを特徴とする、自動補充システム(300)。
【請求項2】
圧縮
ガス源(304)をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の自動補充システム(300)。
【請求項3】
前記圧縮性空気袋(314)は、サブハウジング(322)内に配設され、
偏向スイッチ(318)は、前記サブハウジング(322)におけるアパーチャを介して、前記圧縮性空気袋(314)に接触するよう配設された、接触部材を有することを特徴とする、
請求項6に記載の自動補充システム(300)。
【請求項4】
前記膨張検出システム(316)は、電気機械システムを備えることを特徴とする、請求項1に記載の自動補充システム(300)。
【請求項5】
容器(200)の内部容積に供給するよう、圧縮性空気袋(314)内に自動的に保存ガスを補充するための、自動補充システム(300)であって、
ある量の保存ガスを保持するための外壁、及び伸長収縮する内部容積、ならびに保存ガスの通過を可能にする少なくとも1つのオリフィスを有する、圧縮性空気袋(314)と、
保存ガスを保存ガス源(304)から受け入れるよう適応された供給導管(306)であって、保存ガスを圧縮性空気袋(314)に供給するための第1の端部、及び前記保存ガス源(304)に流体接続するための第2の端部を有する、供給導管(306)と、
保存ガスを容器(200)へ供給するよう適応された放出導管(332)であって、保存ガスを圧縮性空気袋(314)から受け入れるための第1の端部、及び容器(200)に流体接続するための第2の端部を有する、放出導管(332)と、
圧縮性空気袋(314)が保存ガスによって膨張状態まで膨張された、第1の状態、及び、圧縮性空気袋(314)が保存ガスによって前記膨張状態未満まで膨張された、第2の状態、を検出するよう動作可能である、膨張検出システム(316)と、
前記保存ガス源(304)と前記圧縮性空気袋(314)との間に配設された、弁システム(328)であって、前記圧縮性空気袋(314)が前記第1の状態にあるときに、保存ガスが前記保存ガス源(304)から前記圧縮性空気袋(314)の中に流入するのを防止する閉鎖位置に動作し、前記圧縮性空気袋(314)が前記第2の状態にあるときに、保存ガスが前記保存ガス源(304)から前記圧縮性空気袋(314)の中に流入するのを可能にする開放位置に動作する、弁システム(328)と、を備え、
前記膨張検出システム(316)は、前記圧縮性空気袋(314)が保存ガスで前記膨張状態まで膨張されたときに、前記圧縮性空気袋(314)の前記外壁によって動かされるよう配設された偏向スイッチ(318)を備えることを特徴とする、
自動補充システム(300)。
【請求項6】
前記変更スイッチ(318)は、前記圧縮性空気袋(314)に向けて付勢されることを特徴とする、請求項
5に記載の自動補充システム(300)。
【請求項7】
前記偏向スイッチ(318)は、前記偏向スイッチ(318)が前記圧縮性空気袋(314)の内部容積に対して内側位置に、または内側位置を越えて配設された、作動状態と、前記圧縮性空気袋(314)内における保存ガスの量が所定の膨張状態に達したときに、前記偏向スイッチ(318)が前記圧縮性空気袋(314)の前記外壁によって外側に動かされた、作動停止状態と、を有し、前記弁システム(328)は、前記偏向スイッチ(318)が作動停止状態にあるときに、保存ガスが、前記保存ガス源(304)から前記圧縮性空気袋(314)の中に流入するのを防止するよう動作し、前記弁システム(328)は、前記偏向スイッチ(318)が作動状態にあるときに、保存ガスが、前記保存ガス源(304)から前記圧縮性空気袋(314)の中に流入するのを可能にするよう動作することを特徴とする、請求項
6に記載の自動補充システム(300)。
【請求項8】
前記偏向スイッチ(318)は、枢動スイッチで構成されることを特徴とする、請求項
7に記載の自動補充システム(300)。
【請求項9】
前記弁システム(328)は、前記膨張検出システム(316)と電気通信するソレノイド弁を備えることを特徴とする、請求項1に記載の自動補充システム(300)。
【請求項10】
前記ソレノイド弁は、前記圧縮性空気袋(314)が前記第1の状態にあるときに、前記膨張検出システム(316)によって閉鎖状態に誘導され、
ガスが前記
ガス源(304)から前記圧縮性空気袋(314)に流入するのを防止し、前記ソレノイド弁は、前記圧縮性空気袋(314)が前記第2の状態にあるときに、前記膨張検出システム(316)によって開放状態に誘導され、
ガスが、前記
ガス源(304)から前記圧縮性空気袋(314)に流入するのを可能にすることを特徴とする、請求項
9に記載の自動補充システム(300)。
【請求項11】
前記供給導管(306)の前記第2の端部と、前記圧縮性空気袋(314)との間に挟まれた、フロー制限コネクタ(325)をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の自動補充システム(300)。
【請求項12】
前記フロー制限コネクタ(325)は、前記供給導管の内径未満の内径を有する細径管を備えることを特徴とする、請求項
11に記載の自動補充システム(300)。
【請求項13】
前記放出導管(332)の前記第2の端部に配設された、流体コネクタ(308)をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の自動補充システム(300)。
【請求項14】
前記容器(200)と封止係合を作り出すためのストッパ(16)を伴う、流体交換構造(12)と、前記ストッパ(16)が前記容器(200)と係合したときに、前記容器(200)の開放内部容積と流体連通する第1の端部、及び前記容器(200)の外部と流体連通する第2の端部を伴う、前記流体交換構造(12)における流体排出経路であって、流体が、前記流体排出経路を通過できる開放状態、及び流体が実質的に前記流体排出経路を通過できない閉鎖状態を有する、流体排出経路と、前記ストッパ(16)が前記容器(200)と係合しているときに、前記容器(200)の開放内部容積と流体連通する第1の端部、及び前記容器(200)の外部と流体連通する第2の端部を伴う、前記流体交換構造(12)における流体入口経路であって、流体が前記流体入口経路を通過できる開放状態、及び流体が実質的に前記流体入口経路を通過できない閉鎖状態を有する、流体入口経路と、をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の自動補充システム(300)。
【請求項15】
前記圧縮性空気袋(314)から分配された
ガスの量を検出するよう動作する、フローメータ(312、313、317)をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の自動補充システム(300)。
【請求項16】
前記圧縮性空気袋(314)から分配された
ガスの量を追跡するための、前記フローメータ(312、313、317)と通信する電子メモリをさらに備えることを特徴とする、請求項
15に記載の自動補充システム(300)。
【請求項17】
容器(200)の内部容積に供給するよう、圧縮性空気袋(314)内に自動的に保存ガスを補充するための、自動補充システム(300)であって、
ある量の保存ガスを保持するための外壁、及び伸長収縮する内部容積、ならびに保存ガスの通過を可能にする少なくとも1つのオリフィスを有する、圧縮性空気袋(314)と、
保存ガスを保存ガス源(304)から受け入れるよう適応された供給導管(306)であって、保存ガスを圧縮性空気袋(314)に供給するための第1の端部、及び前記保存ガス源(304)に流体接続するための第2の端部を有する、供給導管(306)と、
保存ガスを容器(200)へ供給するよう適応された放出導管(332)であって、保存ガスを圧縮性空気袋(314)から受け入れるための第1の端部、及び容器(200)に流体接続するための第2の端部を有する、放出導管(332)と、
圧縮性空気袋(314)が保存ガスによって膨張状態まで膨張された、第1の状態、及び、圧縮性空気袋(314)が保存ガスによって前記膨張状態未満まで膨張された、第2の状態、を検出するよう動作可能である、膨張検出システム(316)と、
前記保存ガス源(304)及び前記圧縮性空気袋(314)の間に配設された、弁システム(328)であって、前記圧縮性空気袋(314)が前記第1の状態にあるときに、保存ガスが前記保存ガス源(304)から前記圧縮性空気袋(314)の中に流入するのを防止する閉鎖位置に動作し、前記圧縮性空気袋(314)が前記第2の状態にあるときに、保存ガスが前記保存ガス源(304)から前記圧縮性空気袋(314)の中に流入するのを可能にする開放位置に動作する、弁システム(328)と、を備え、
前記圧縮性空気袋(314)は、サブハウジング(322)内に配設され、前記膨張検出システム(316)は、前記圧縮性空気袋(314)が、保存ガスによって前記膨張状態まで膨張されたときに、前記圧縮性空気袋(314)の前記外壁によって動かされるよう配設された、偏向スイッチ(318)を備え、前記偏向スイッチ(318)は、前記サブハウジング(322)におけるアパーチャを介して前記圧縮性空気袋(314)に接触するよう配設された、接触部材(320)を有すること
を特徴とする、
自動補充システム(300)。
【請求項18】
前記圧縮性空気袋(314)は、柔軟な材料による柔軟シェルを備えることを特徴とする、請求項1に記載の自動補充システム。
【国際調査報告】