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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-27
(54)【発明の名称】車両ユーザの安全性
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/04 20210101AFI20220520BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20220520BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20220520BHJP
   G07C 5/00 20060101ALI20220520BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20220520BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20220520BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20220520BHJP
   G03B 15/05 20210101ALI20220520BHJP
   G03B 15/03 20210101ALI20220520BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20220520BHJP
   G03B 7/00 20210101ALI20220520BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20220520BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20220520BHJP
   H04N 5/222 20060101ALI20220520BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20220520BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20220520BHJP
   H04N 5/247 20060101ALI20220520BHJP
【FI】
G03B17/04
G08B21/00 U
G08B21/02
G07C5/00 Z
G03B15/00 V
G03B17/56 A
G03B17/02
G03B15/05
G03B15/03
G03B15/00 S
G03B15/00 P
G03B17/18 Z
G03B7/00
G08G1/00 D
B60R11/02 Z
H04N5/222 100
H04N5/232 300
H04N5/225 600
H04N5/225 000
H04N5/232 030
H04N5/247
H04N5/232 960
H04N5/232 990
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021557315
(86)(22)【出願日】2020-03-19
(85)【翻訳文提出日】2021-11-24
(86)【国際出願番号】 US2020023685
(87)【国際公開番号】W WO2020197945
(87)【国際公開日】2020-10-01
(31)【優先権主張番号】62/823,811
(32)【優先日】2019-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/407,502
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/451,193
(32)【優先日】2019-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】517411036
【氏名又は名称】ケンブリッジ モバイル テレマティクス,インク.
【氏名又は名称原語表記】CAMBRIDGE MOBILE TELEMATICS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】バラクリシュナン、ハリ
(72)【発明者】
【氏名】ボウン、ベン
(72)【発明者】
【氏名】ジロード、ルイス デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ヒックス ジュニア、ジェームズ イー.
(72)【発明者】
【氏名】マッデン、サミュエル ロス
(72)【発明者】
【氏名】ウェルマン、キャサリン
【テーマコード(参考)】
2H002
2H053
2H100
2H101
2H102
2H105
3D020
3E138
5C086
5C122
5H181
【Fターム(参考)】
2H002GA05
2H002GA62
2H002GA77
2H053CA45
2H053DA00
2H100AA00
2H100AA33
2H100CC02
2H100CC04
2H100DD05
2H100DD12
2H101BB00
2H102BB05
2H105AA03
2H105AA11
2H105AA42
2H105EE05
3D020BA20
3D020BB01
3D020BC02
3D020BD05
3E138AA07
3E138MA01
3E138MB02
3E138MB03
3E138MB08
3E138MB10
3E138MB12
3E138MC06
3E138MD05
3E138MF01
3E138MF05
3E138MF07
3E138MF08
5C086AA22
5C086AA47
5C086AA48
5C086BA22
5C086CA01
5C086CA08
5C086CA16
5C086CA21
5C086CA22
5C086CA23
5C086CA25
5C086CA28
5C086CA30
5C086CB11
5C086CB19
5C086CB36
5C086DA40
5C086FA06
5C086FA17
5C086FA18
5C122DA14
5C122DA16
5C122EA01
5C122EA63
5C122FB06
5C122FE01
5C122FJ01
5C122FJ03
5C122FK34
5C122FK35
5C122FK37
5C122FK38
5C122FK40
5C122FK42
5C122GC07
5C122GC14
5C122GC52
5C122GD01
5C122GD04
5C122GD06
5C122GD15
5C122GE04
5C122GE06
5C122GE11
5C122GE19
5C122GG04
5C122HA75
5C122HA82
5C122HB01
5C122HB05
5C122HB09
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB09
5H181CC04
5H181CC11
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF27
5H181MA10
5H181MA44
5H181MB07
5H181MB08
5H181MC19
(57)【要約】
車両のユーザの個人安全性懸念が、指示され、識別され、通信され、解析され、またはそれに基づいて行動されて、ユーザおよびその他の本技術の参加者に安全性懸念に気づかせ、その安全性懸念に関連付けられたユーザにとってのリスクを減少させることができる。個人安全性懸念は、安全性懸念トリガに基づいて認識されることが可能である。認識されると、個人安全性懸念は、安全性警告によって、ユーザおよび本技術のその他の参加者に対して報告されることが可能である。安全性警告は、車両にある1つまたは複数のテレマティクス・デバイスに、例えばオーディオ・データ、画像データ、またはビデオ・データ、あるいはそれらの組合せなどのテレマティクス・データを取り込む、記憶する、または送信するように促すことができる。取り込まれたテレマティクス・データは、安全性警告および安全性懸念を検証し、取り込まれたデータを第三者の参加者に対して提示して、第三者の参加者が適当な応答またはアクションを決定することができるようにするために使用されることが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ回路系を備える筐体と、
前記筐体から延びる可動柄であって、第1の端部および第2の端部を備え、前記第1の端部が前記筐体に可動に結合され、前記第2の端部が画像センサを備える可動柄と、を備える、カメラ。
【請求項2】
前記カメラ回路系が、プロセッサと、前記カメラに1つまたは複数の画像を取り込ませるための前記プロセッサによって実行可能な命令のためのストレージとを備える、請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
前記カメラ回路系が、1つまたは複数の通信回路を備える、請求項1に記載のカメラ。
【請求項4】
前記1つまたは複数の通信回路が、Bluetooth通信回路、WiFi通信回路、およびセルラ通信回路のうちの1つ、または2つ以上の組合せを含む、請求項3に記載のカメラ。
【請求項5】
前記カメラ回路系が、1つまたは複数のセンサを備える、請求項1に記載のカメラ。
【請求項6】
前記1つまたは複数のセンサが、加速度計、磁力計、気圧計、スピードメータ、ジャイロスコープ、コンパス、位置センサ、およびマイクロフォンのうちの1つまたは複数を含む、請求項5に記載のカメラ。
【請求項7】
前記カメラ回路系からの信号に応答して前記可動柄を回転させるように構成されたアクチュエータを備える、請求項1に記載のカメラ。
【請求項8】
前記筐体が、前記カメラに給電するように構成された1つまたは複数のバッテリを備える、請求項1に記載のカメラ。
【請求項9】
前記筐体の第1の側面が、凹部を備える、請求項1に記載のカメラ。
【請求項10】
前記凹部が、太陽光パネルを保持するように構成される、請求項9に記載のカメラ。
【請求項11】
前記筐体の前記第1の側面が、1つまたは複数の粘着ストリップを備える、請求項9に記載のカメラ。
【請求項12】
前記筐体の第2の側面が、1つまたは複数の通気口を備え、前記筐体の前記第2の側面は、前記第1の側面の反対側である、請求項9に記載のカメラ。
【請求項13】
前記第1の画像センサを前記カメラ回路系に電気的に結合するためのフレキシブル・コネクタを備える、請求項1に記載のカメラ。
【請求項14】
前記可動柄が、第1の軸に沿って延び、第2の軸の周りで回転可能であり、前記第1の軸が、前記第2の軸に対して直交する、請求項1に記載のカメラ。
【請求項15】
前記可動柄の少なくとも一部分が、前記第1の軸の周りで回転可能である、請求項14に記載のカメラ。
【請求項16】
前記筐体が、スピーカを備える、請求項1に記載のカメラ。
【請求項17】
前記画像センサが、赤外線(IR)画像センサを含む、請求項1に記載のカメラ。
【請求項18】
前記画像センサの視野を照明するように構成されたIR照明器を備える、請求項17に記載のカメラ。
【請求項19】
前記可動柄内に含まれる第2の画像センサを備える、請求項1に記載のカメラ。
【請求項20】
前記第2の画像センサが、前記柄の前記第1の端部寄りに位置決めされる、請求項19に記載のカメラ。
【請求項21】
前記第2の画像センサが、前記可動柄の、前記第1の画像とは反対側に位置決めされる、請求項19に記載のカメラ。
【請求項22】
前記第2の画像センサが、広角レンズを備える、請求項19に記載のカメラ。
【請求項23】
前記可動柄内に含まれるLEDインジケータを備える、請求項1に記載のカメラ。
【請求項24】
前記可動柄が、枢動機構によって前記筐体に可動に結合される、請求項1に記載のカメラ。
【請求項25】
前記枢動機構が、1つまたは複数のOリングを備える、請求項24に記載のカメラ。
【請求項26】
前記Oリングのうちの1つまたは複数の材料が、約75と約90との間のショアA硬度を有する、請求項25に記載のカメラ。
【請求項27】
車両にあるテレマティクス・デバイスにおいて、モバイル・デバイスからの接続を受ける工程であって、前記テレマティクス・デバイスが、前記車両において1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされたカメラを備える、工程と、
前記接続を受けたのに応答して、1つまたは複数の信号を提供して、前記カメラに前記車両において1つまたは複数の画像を取り込ませる工程と、を備える、方法。
【請求項28】
前記カメラが、前記車両の内部の1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされた内向きカメラである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記内向きカメラが、前記車両の前部座席および後部座席の両方の1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記カメラが、前記車両の外部の領域の1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされた外向きカメラである、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記カメラが、前記1つまたは複数の信号に応答して前記カメラを動かすように構成されたアクチュエータに結合される、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記カメラが、前記1つまたは複数の信号に応答してズーム・インまたはズーム・アウトするように構成される、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
前記カメラが、赤外線(IR)カメラを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
前記カメラが、前記カメラの視界内の領域を照明するように構成されたIR照明器を備える、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記カメラが、広角レンズを備える、請求項27に記載の方法。
【請求項36】
前記テレマティクス・デバイスが、前記車両内に取り付けられるように構成される、請求項27に記載の方法。
【請求項37】
前記テレマティクス・デバイスが、前記車両内の取付けのための永久接着剤または半永久接着剤を備える、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記1つまたは複数の画像が、ビデオを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項39】
前記カメラが、前記1つまたは複数の信号によって指示されるレートで前記1つまたは複数の画像を取り込むように構成される、請求項27に記載の方法。
【請求項40】
前記カメラが、前記1つまたは複数の信号によって指示される解像度で前記1つまたは複数の画像を取り込むように構成される、請求項27に記載の方法。
【請求項41】
前記1つまたは複数の画像のうちの第1の画像が、第1の解像度で取り込まれ、前記1つまたは複数の画像のうちの第2の画像が、第2の解像度で取り込まれ、前記第1の解像度が、前記第2の解像度とは異なる、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記テレマティクス・デバイスが、前記1つまたは複数の信号に応答してオーディオを記録するように構成されたマイクロフォンを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項43】
前記テレマティクス・デバイスが、タグ・デバイスまたはビデオ・タグ・デバイスを備える、請求項27に記載の方法。
【請求項44】
前記テレマティクス・デバイスが、モバイル・デバイスを備える、請求項27に記載の方法。
【請求項45】
前記1つまたは複数の画像が、サーバに対して送信される、請求項27に記載の方法。
【請求項46】
前記サーバが、自動車安全機関、保険会社、ライドシェアリング企業、緊急サービス、コール・センタ、前記テレマティクス・デバイスのユーザ、または前記車両のユーザのうちの1つ、または2つ以上の組合せと関連付けられる、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記テレマティクス・デバイスが、前記車両におけるテレマティクス・データを作成するように構成された1つまたは複数のセンサを備える、請求項27に記載の方法。
【請求項48】
前記1つまたは複数のセンサが、加速度計、磁力計、気圧計、スピードメータ、ジャイロスコープ、コンパス、位置センサ、画像センサ、およびマイクロフォンのうちの1つ、または2つ以上の組合せを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記カメラによって取り込まれた前記1つまたは複数の画像を受け取る工程と、
前記テレマティクス・データ、または前記1つまたは複数の画像、またはその両方に基づいて、前記車両にいる人についての個人安全性懸念を検出する工程と、
前記個人安全性懸念に基づいて、1つまたは複数の追加の信号を提供して、前記カメラに、前記車両において1つまたは複数の追加の画像を記録させる工程と、を備える、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記個人安全性懸念が、車両の事故、個人安全性警告ボタンの起動、前記車両のドライバの注意力散漫、前記車両にいる前記人の不適格状態、前記車両の地理学的位置の所定の地理学的境界に対する関係、前記車両が交差点にいるという判定、前記車両が別の車両に近接しているという判定、前記車両の経路内の物体の検出、所定のノイズ閾値を超える前記車両内のノイズ、既定の音声コマンドと一致する前記車両内で発声されたコマンド、前記車両における喧嘩、所定の慣性の大きさを超える前記車両の慣性事象、または前記テレマティクス・デバイスが改造されたことの検出のうちの1つまたは複数と関連付けられる、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記1つまたは複数の追加の画像が、前記1つまたは複数の画像とは異なるレートまたは解像度で取り込まれる、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
個人安全性システムであって、
車両内に位置決めされたカメラと、
プロセッサと、
前記個人安全性システムと車両にあるモバイル・デバイスとの間の接続を検出する工程、および
前記接続を検出したのに応答して、1つまたは複数の信号を提供して、前記カメラに前記車両において1つまたは複数の画像を取り込ませる工程
を行うための前記プロセッサによって実行可能な命令のためのストレージと、を備える、個人安全性システム。
【請求項53】
装置であって、車両にあるテレマティクス・デバイスを備え、前記テレマティクス・デバイスは、
モバイル・デバイスからの接続を受ける工程であって、前記テレマティクス・デバイスが、前記車両において1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされたカメラを含む、工程と、
前記接続を受けたのに応答して、1つまたは複数の信号を提供して、前記カメラに前記車両において1つまたは複数の画像を取り込ませる工程と、
を行うように構成されている、装置。
【請求項54】
モバイル・デバイスと車両にあるテレマティクス・デバイスとの間の接続を検出する工程であって、前記テレマティクス・デバイスが、前記車両において1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされたカメラを備える、工程と、
前記接続を検出したのに応答して、1つまたは複数の信号を提供して、前記カメラに前記車両において1つまたは複数の画像を取り込ませる工程と
を行うためのプロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的なストレージ媒体。
【請求項55】
車両にあるテレマティクス・デバイスと関連付けられた1つまたは複数のセンサによって作成されるテレマティクス・データを受信する工程と、
前記テレマティクス・データに基づいて、前記車両が使用中であることを検出する工程と、
前記車両が使用中であることを検出したのに応答して、1つまたは複数の信号を提供して、前記車両内に位置決めされたカメラに、前記車両において1つまたは複数の画像を取り込ませる工程と、
を備える、方法。
【請求項56】
前記車両が使用中であることを検出する工程が、前記車両がオンであることを検出する工程、ユーザが前記車両に入った、または前記車両の近傍内にいることを検出する工程、または前記テレマティクス・デバイスが前記車両内にある、もしくは前記車両の近傍内にあることを検出する工程、のうちの1つまたは複数を備える、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
個人安全性システムであって、
車両内に位置決めされたカメラと、
プロセッサと、
前記車両にあるテレマティクス・デバイスと関連付けられた1つまたは複数のセンサによって作成されたテレマティクス・データを受信する工程、
前記テレマティクス・データに基づいて、前記個人安全性システムが使用中であることを検出する工程、および
前記個人安全性システムが使用中であることを検出したのに応答して、1つまたは複数の信号を提供して、前記カメラに前記車両において1つまたは複数の画像を取り込ませる工程
を行うための前記プロセッサによって実行可能な命令のためのストレージと、を備える、個人安全性システム。
【請求項58】
前記個人安全性システムが使用中であることを検出する工程が、前記個人安全性システムがオンであることを検出する工程、前記テレマティクス・デバイスが前記安全性システムに接続したことを検出する工程、前記車両がオンであることを検出する工程、ユーザが前記車両に入った、または前記車両の近傍内にいることを検出する工程、または前記テレマティクス・デバイスが前記車両内にある、もしくは前記車両の近傍内にあることを検出する工程、のうちの1つまたは複数を備える、請求項57に記載のシステム。
【請求項59】
車両にある1つまたは複数のテレマティクス・デバイスによって作成されるテレマティクス・データを受信する工程と、
前記テレマティクス・データに基づいて、前記車両または前記車両のユーザに関係する個人安全性トリガを識別する工程と、
前記個人安全性トリガに応答して、1つまたは複数の信号を提供して、前記テレマティクス・デバイスのうちの1つ、または2つ以上の組合せに、追加のテレマティクス・データを作成させる工程と、
を備える、方法。
【請求項60】
前記テレマティクス・データが、前記1つまたは複数のテレマティクス・デバイスと関連付けられた1つまたは複数のセンサによって作成される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記1つまたは複数のセンサが、加速度計、磁力計、気圧計、スピードメータ、ジャイロスコープ、コンパス、位置センサ、画像センサ、およびマイクロフォンのうちの1つ、または2つ以上の組合せを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記1つまたは複数のテレマティクス・デバイスが、タグ・デバイス、ビデオ・タグ・デバイス、およびモバイル・デバイスのうちの1つ、または2つ以上の組合せを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記テレマティクス・デバイスのうちの1つ、または2つ以上の組合せが、前記車両内に位置決めされたカメラを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項64】
前記追加のテレマティクス・データが、前記1つまたは複数の信号に応答して前記カメラによって取り込まれた1つまたは複数の画像を含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記カメラが、前記車両の内部の1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされた内向きカメラである、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
前記内向きカメラが、前記車両の前部座席および後部座席の両方の1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされる、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記カメラが、前記車両の外部の領域の1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされた外向きカメラである、請求項63に記載の方法。
【請求項68】
前記テレマティクス・デバイスが、モバイル・デバイスであり、前記カメラが、前記モバイル・デバイスのカメラである、請求項63に記載の方法。
【請求項69】
前記カメラが、前記1つまたは複数の信号に応答して前記カメラを動かすように構成されたアクチュエータに結合される、請求項63に記載の方法。
【請求項70】
前記カメラが、前記1つまたは複数の信号に応答してズーム・インまたはズーム・アウトするように構成される、請求項63に記載の方法。
【請求項71】
前記カメラが、赤外線(IR)カメラを含む、請求項63に記載の方法。
【請求項72】
前記カメラが、前記カメラの視界内の領域を照明するように構成されたIR照明器を備える、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記カメラが、広角レンズを含む、請求項63に記載の方法。
【請求項74】
前記カメラが、前記車両内に取り付けられるように構成される、請求項63に記載の方法。
【請求項75】
前記カメラが、前記車両内の取付けのための永久接着剤または半永久接着剤を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記1つまたは複数の画像が、ビデオを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項77】
前記カメラが、前記1つまたは複数の信号によって指示されるレートで前記1つまたは複数の画像を取り込むように構成される、請求項64に記載の方法。
【請求項78】
前記カメラが、前記1つまたは複数の信号によって指示される解像度で前記1つまたは複数の画像を取り込むように構成される、請求項64に記載の方法。
【請求項79】
前記1つまたは複数の画像のうちの第1の画像が、第1の解像度で取り込まれ、前記1つまたは複数の画像のうちの第2の画像が、第2の解像度で取り込まれ、前記第1の解像度が、前記第2の解像度とは異なる、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記テレマティクス・デバイスのうちの1つ、または2つ以上の組合せが、前記車両にあるマイクロフォンを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項81】
前記追加のテレマティクス・データが、前記1つまたは複数の信号に応答して前記マイクロフォンによって取り込まれたオーディオ・データを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記個人安全性トリガが、車両の事故、個人安全性警告ボタンの起動、前記車両のドライバの注意力散漫、前記車両にいる人の不適格状態、前記車両の地理学的位置の所定の地理学的境界に対する関係、前記車両が交差点にいるという判定、前記車両が別の車両に近接しているという判定、前記車両の経路内の物体の検出、所定のノイズ閾値を超える前記車両内のノイズ、既定の音声コマンドと一致する前記車両内で発声されたコマンド、前記車両における喧嘩、所定の慣性の大きさを超える前記車両の慣性事象、または前記テレマティクス・デバイスが改造されたことの検出のうちの1つまたは複数と関連付けられる、請求項59に記載の方法。
【請求項83】
前記テレマティクス・データ、トリガ事象、または前記追加のテレマティクス・データのうちの1つまたは複数をサーバに対して送信する工程を備える、請求項59に記載の方法。
【請求項84】
前記サーバが、自動車安全機関、保険会社、ライドシェアリング企業、緊急サービス、コール・センタ、前記テレマティクス・デバイスのユーザ、または前記車両のユーザのうちの1つ、または2つ以上の組合せと関連付けられる、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
請前記テレマティクス・データが、前記車両において作成された画像データまたはオーディオ・データを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項86】
前記追加のテレマティクス・データが、前記テレマティクス・データとは異なるレートまたは解像度で作成される、請求項59に記載の方法。
【請求項87】
前記追加のテレマティクス・データが、前記テレマティクス・データより高いレートで作成される、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記テレマティクス・デバイスのうちの1つ、または2つ以上の組合せによって作成された前記追加のテレマティクス・データを受信する工程と、前記追加のテレマティクス・データに基づいて、前記個人安全性トリガを検証して、検証済みの個人安全性トリガを作成する工程と、を備える、請求項59に記載の方法。
【請求項89】
前記検証済みの個人安全性トリガに基づいて、1つまたは複数の追加の信号を提供して、前記テレマティクス・デバイスのうちの1つ、または2つ以上の組合せに、将来のテレマティクス・データの収集を調節させる工程を備える、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
車両内のカメラと、
プロセッサと、
前記車両にあるテレマティクス・デバイスと関連付けられた1つまたは複数のセンサによって作成されたテレマティクス・データを受信する工程、
前記テレマティクス・データに基づいて、前記車両または前記車両のユーザに関係した個人安全性トリガを識別する工程、および
前記個人安全性トリガに応答して、1つまたは複数の信号を提供して、前記カメラに前記車両において1つまたは複数の画像を取り込ませる工程
を行うための前記プロセッサによって実行可能な命令のためのストレージと、を備える、個人安全性システム。
【請求項91】
前記カメラが、前記車両の内部の1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされた内向きカメラである、請求項90に記載のシステム。
【請求項92】
前記内向きカメラが、前記車両の前部座席および後部座席の両方の1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされる、請求項91に記載のシステム。
【請求項93】
前記カメラが、前記車両の外部の領域の1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされた外向きカメラである、請求項90に記載のシステム。
【請求項94】
前記カメラが、前記テレマティクス・デバイスに含まれる、請求項90に記載のシステム。
【請求項95】
前記カメラが、モバイル・デバイスのカメラである、請求項90に記載のシステム。
【請求項96】
前記カメラが、前記1つまたは複数の信号に応答して前記カメラを動かすように構成されたアクチュエータに結合される、請求項90に記載のシステム。
【請求項97】
前記カメラが、前記1つまたは複数の信号に応答してズーム・インまたはズーム・アウトするように構成される、請求項90に記載のシステム。
【請求項98】
前記カメラが、赤外線(IR)カメラを含む、請求項90に記載のシステム。
【請求項99】
前記カメラの視界内の領域を照明するように構成されたIR照明器を備える、請求項98に記載のシステム。
【請求項100】
前記カメラが、広角レンズを含む、請求項90に記載のシステム。
【請求項101】
前記カメラが、前記車両内に取り付けられるように構成される、請求項90に記載のシステム。
【請求項102】
前記カメラが、前記車両内の取付けのための永久接着剤または半永久接着剤を含む、請求項101に記載のシステム。
【請求項103】
前記1つまたは複数の画像が、ビデオを含む、請求項90に記載のシステム。
【請求項104】
前記カメラが、前記1つまたは複数の信号によって指示されるレートで前記1つまたは複数の画像を取り込むように構成される、請求項90に記載のシステム。
【請求項105】
前記カメラが、前記1つまたは複数の信号によって指示される解像度で前記1つまたは複数の画像を取り込むように構成される、請求項90に記載のシステム。
【請求項106】
前記1つまたは複数の画像のうちの第1の画像が、第1の解像度で取り込まれ、前記1つまたは複数の画像のうちの第2の画像が、第2の解像度で取り込まれ、前記第1の解像度が、前記第2の解像度とは異なる、請求項105に記載のシステム。
【請求項107】
前記カメラが、前記1つまたは複数の信号に応答してオーディオを記録するように構成されたマイクロフォンを含む、請求項90に記載のシステム。
【請求項108】
前記1つまたは複数のセンサが、加速度計、磁力計、気圧計、スピードメータ、ジャイロスコープ、コンパス、位置センサ、画像センサ、およびマイクロフォンのうちの1つ、または2つ以上の組合せを含む、請求項90に記載のシステム。
【請求項109】
前記個人安全性トリガが、車両の事故、個人安全性警告ボタンの起動、前記車両のドライバの注意力散漫、前記車両の前記ユーザの不適格状態、前記車両の地理学的位置の所定の地理学的境界に対する関係、前記車両が交差点にいるという判定、前記車両が別の車両に近接しているという判定、前記車両の経路内の物体の検出、所定のノイズ閾値を超える前記車両内のノイズ、既定の音声コマンドと一致する前記車両内で発声されたコマンド、前記車両における喧嘩、所定の慣性の大きさを超える前記車両の慣性事象、または前記テレマティクス・デバイスが改造されたことの検出のうちの1つまたは複数と関連付けられる、請求項90に記載の方法。
【請求項110】
前記テレマティクス・デバイスが、タグ・デバイスまたはビデオ・タグ・デバイスを含む、請求項90に記載のシステム。
【請求項111】
前記テレマティクス・デバイスが、モバイル・デバイスを含む、請求項90に記載のシステム。
【請求項112】
前記1つまたは複数の信号を前記プロセッサから前記カメラに対して通信する通信回路系を備える、請求項90に記載のシステム。
【請求項113】
前記通信回路系が、Bluetooth通信回路、WiFi通信回路、およびセルラ通信回路のうちの1つまたは複数を備える、請求項112に記載のシステム。
【請求項114】
前記テレマティクス・データ、トリガ事象、前記1つまたは複数の信号、前記1つまたは複数の画像、および前記トリガ事象を示す指示に応答して記録されるオーディオのうちの1つまたは複数を、サーバに対して通信する通信回路系を備える、請求項90に記載のシステム。
【請求項115】
前記サーバが、自動車安全機関、保険会社、ライドシェアリング企業、緊急サービス、コール・センタ、前記テレマティクス・デバイスのユーザ、または前記車両の乗員のうちの1つ、または2つ以上の組合せと関連付けられる、請求項114に記載のシステム。
【請求項116】
前記テレマティクス・データが、前記車両において作成される画像データまたはオーディオ・データを含む、請求項90に記載のシステム。
【請求項117】
前記1つまたは複数の画像が、前記画像データとは異なるレートまたは解像度で取り込まれる、請求項116に記載のシステム。
【請求項118】
前記カメラによって取り込まれた前記1つまたは複数の画像を受け取る工程、および
前記1つまたは複数の画像に基づいて前記個人安全性トリガを検証して、検証済みの個人安全性トリガを作成する工程
を行うための前記プロセッサによって実行可能な命令を備える、請求項90に記載のシステム。
【請求項119】
前記検証済みの個人安全性トリガに基づいて、1つまたは複数の追加の信号を提供して、前記カメラに前記車両において1つまたは複数の追加の画像を記録させる工程
を行うための前記プロセッサによって実行可能な命令を備える、請求項118に記載のシステム。
【請求項120】
装置であって、車両にあるテレマティクス・デバイスを備え、前記テレマティクス・デバイスは、
前記車両にある1つまたは複数のセンサによって作成されたテレマティクス・データを受信する工程、
前記テレマティクス・データに基づいて、前記車両または前記車両のユーザに関係する個人安全性トリガを識別する工程、および
前記個人安全性トリガに応答して、1つまたは複数の信号を提供して、前記テレマティクス・デバイスのうちの1つ、または2つ以上の組合せに追加のテレマティクス・データを作成させる工程
を行うように構成されている、装置。
【請求項121】
車両にある1つまたは複数のテレマティクス・デバイスによって作成されたテレマティクス・データを受信する工程、
前記テレマティクス・データに基づいて、前記車両または前記車両のユーザに関係する個人安全性トリガを識別する工程、および
前記個人安全性トリガに応答して、1つまたは複数の信号を提供して、前記テレマティクス・デバイスのうちの1つ、または2つ以上の組合せに追加のテレマティクス・データを作成させる工程
を行うためのプロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的なストレージ媒体。
【請求項122】
個人安全性技術に加わることを求める第1のユーザ・デバイスからの要求を受け取る工程であって、前記第1のユーザ・デバイスが、車両のドライバと関連付けられている、工程と、
前記個人安全性技術に加わることを求める第2のユーザ・デバイスからの要求を受け取る工程であって、前記第2のユーザ・デバイスが、前記車両の同乗者と関連付けられている、工程と、
前記第1のユーザ・デバイスおよび前記第2のユーザ・デバイスのそれぞれに対して、前記車両内のテレマティクス・デバイスに対するアクセスを提供する工程であって、前記テレマティクス・デバイスが、前記ドライバおよび前記同乗者の両方についてのテレマティクス・データを作成するように構成されている、工程と、を備える方法。
【請求項123】
前記第1のユーザ・デバイスが、モバイル・デバイスを含む、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
前記テレマティクス・デバイスが、タグ・デバイス、ビデオ・タグ・デバイス、またはモバイル・デバイスを含む、請求項122に記載の方法。
【請求項125】
前記テレマティクス・デバイスが、前記車両内に位置決めされたカメラを含む、請求項122に記載の方法。
【請求項126】
前記テレマティクス・データが、前記カメラによって取り込まれる前記ドライバおよび前記同乗者の両方の1つまたは複数の画像を含む、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
前記テレマティクス・デバイスが、マイクロフォンを含む、請求項122に記載の方法。
【請求項128】
前記テレマティクス・データが、前記マイクロフォンによって取り込まれる前記ドライバおよび前記同乗者の両方からのオーディオを含む、請求項127に記載の方法。
【請求項129】
前記テレマティクス・デバイスが、前記テレマティクス・データを前記第1のユーザ・デバイスおよび前記第2のユーザ・デバイスのそれぞれに対して提供するように構成される、請求項122に記載の方法。
【請求項130】
前記テレマティクス・デバイスが、前記ドライバおよび前記同乗者の両方についての前記テレマティクス・データを信頼できる第三者に対して提供するように構成される、請求項122に記載の方法。
【請求項131】
前記信頼できる第三者が、自動車安全機関、保険会社、ライドシェアリング企業、緊急サービス、またはコール・センタのうちの1つ、または2つ以上の組合せを含む、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
前記テレマティクス・デバイスが、第1のモバイル・デバイスおよび第2のモバイル・デバイスから個人安全性警告を受け取るように構成される、請求項122に記載の方法。
【請求項133】
前記テレマティクス・デバイスが、所定のノイズ閾値を超える前記ドライバまたは前記同乗者からのノイズを検出することによって、前記ドライバまたは前記同乗者についての個人安全性懸念を検出するように構成される、請求項122に記載の方法。
【請求項134】
前記テレマティクス・デバイスが、既定の音声コマンドと一致する前記ドライバまたは前記同乗者によって発声されるコマンドを検出することによって、前記ドライバまたは前記同乗者についての個人安全性懸念を検出するように構成される、請求項122に記載の方法。
【請求項135】
前記テレマティクス・デバイスが、改造防止性を有する、請求項122に記載の方法。
【請求項136】
前記テレマティクス・デバイスが、改造の試みに応答して、前記第1のユーザ・デバイス、前記第2のユーザ・デバイス、および信頼できる第三者のうちの1つまたは複数に対して警告を生成するように構成される、請求項122に記載の方法。
【請求項137】
前記テレマティクス・デバイスが、バッテリ給電式である、請求項122に記載の方法。
【請求項138】
装置であって、車両にあるテレマティクス・デバイスを備え、前記テレマティクス・デバイスは、
個人安全性技術に加わることを求める第1のユーザ・デバイスからの要求を受け取る工程であって、前記第1のユーザ・デバイスが、車両のドライバと関連付けられている、工程と、
前記個人安全性技術に加わることを求める第2のユーザ・デバイスからの要求を受け取る工程であって、前記第2のユーザ・デバイスが、前記車両の同乗者と関連付けられている、工程と、
前記第1のユーザ・デバイスおよび前記第2のユーザ・デバイスのそれぞれに対して、前記車両にあるテレマティクス・デバイスに対するアクセスを提供する工程であって、前記テレマティクス・デバイスが、前記ドライバおよび前記同乗者の両方についてのテレマティクス・データを作成するように構成されている、工程と、
を行うように構成されている、装置。
【請求項139】
個人安全性技術に加わることを求める第1のユーザ・デバイスからの要求を受け取る工程であって、前記第1のユーザ・デバイスが、車両のドライバと関連付けられている、工程と、
前記個人安全性技術に加わることを求める第2のユーザ・デバイスからの要求を受け取る工程であって、前記第2のユーザ・デバイスが、前記車両の同乗者と関連付けられている、工程と、
前記第1のユーザ・デバイスおよび前記第2のユーザ・デバイスのそれぞれに対して、前記車両内のテレマティクス・デバイスに対するアクセスを提供する工程であって、前記テレマティクス・デバイスが、前記ドライバおよび前記同乗者の両方についてのテレマティクス・データを作成するように構成されている、工程と、を行うためのプロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的なストレージ媒体。
【請求項140】
車両に位置するテレマティクス・デバイスと関連付けられたデータを受信する工程であって、前記テレマティクス・デバイスが、個人安全性技術の一部である、工程と、
前記データに基づいて、前記個人安全性技術の現況を判定する工程と、
前記現況に基づいて、前記個人安全性技術のユーザに対する警告を生成する工程であって、前記警告が、前記個人安全性技術の前記現況を示す指示を含む、工程と、を備える方法。
【請求項141】
前記個人安全性技術の現況を判定する工程が、前記データに基づいて、前記テレマティクス・デバイスの電源がオンにされているかどうかを判定する工程を備える、請求項140に記載の方法。
【請求項142】
前記個人安全性技術の現況を判定する工程が、前記データに基づいて、前記テレマティクス・デバイスが前記個人安全性技術に接続されているかどうかを判定する工程を備える、請求項140に記載の方法。
【請求項143】
前記テレマティクス・デバイスと関連付けられたデータを受信する工程が、前記テレマティクス・デバイスのバッテリ・レベルを受け取る工程を備える、請求項140に記載の方法。
【請求項144】
前記個人安全性技術の現況を判定する工程が、前記テレマティクス・デバイスの前記バッテリ・レベルを閾値バッテリ・レベルと比較する工程と、前記比較に基づいて、前記個人安全性技術の現況を判定する工程と、を備え、前記テレマティクス・デバイスの前記バッテリ・レベルが前記閾値バッテリ・レベル未満であると判定したのに応答して、前記現況が安全でないとみなされる、請求項143に記載の方法。
【請求項145】
前記テレマティクス・デバイスと関連付けられたデータを受信する工程が、前記テレマティクス・デバイスと関連付けられた一意識別子を受け取る工程を備える、請求項140に記載の方法。
【請求項146】
前記個人安全性技術の現況を判定する工程が、前記一意識別子を用いて前記テレマティクス・デバイスを前記個人安全性技術に対して接続する工程を備え、前記一意識別子を用いた接続の失敗に応答して、現況が安全でないとみなされる、請求項145に記載の方法。
【請求項147】
前記テレマティクス・デバイスと関連付けられたデータを受信する工程が、前記テレマティクス・デバイスによって取り込まれた前記車両の内部の1つまたは複数の画像を受け取る工程を備える、請求項140に記載の方法。
【請求項148】
前記1つまたは複数の画像が、前記ユーザに対する前記警告に含まれる、請求項147に記載の方法。
【請求項149】
前記警告を生成する工程が、前記ユーザが前記車両に入ったと判定する工程と、前記テレマティクス・デバイスに前記車両の前記内部の前記1つまたは複数の画像を取り込ませる工程であって、前記ユーザが前記1つまたは複数の画像に映っている工程と、前記1つまたは複数の画像を前記警告に含めて前記ユーザに対して提供する工程と、を備える、請求項147に記載の方法。
【請求項150】
前記テレマティクス・デバイスが、前記車両にあるタグ・デバイスを含む、請求項140に記載の方法。
【請求項151】
前記テレマティクス・デバイスが、モバイル・デバイスを含む、請求項140に記載の方法。
【請求項152】
前記警告が、前記ユーザのモバイル・デバイスに対して送信される、請求項140に記載の方法。
【請求項153】
前記警告が、前記モバイル・デバイスに、前記個人安全性技術の前記現況を示す前記指示を含むユーザ・インタフェースを表示させる、請求項152に記載の方法。
【請求項154】
前記警告が、前記ユーザに対する勧告を含む、請求項140に記載の方法。
【請求項155】
前記ユーザが、前記車両のドライバであり、前記勧告が、前記車両に同乗者を受け入れるべきではないという通知を含む、請求項154に記載の方法。
【請求項156】
前記ユーザが、前記車両の同乗者であり、前記勧告が、前記車両に入るべきではないという通知を含む、請求項155に記載の方法。
【請求項157】
前記警告が、前記個人安全性技術の前記現況を示す聴覚的な指示を含む、請求項140に記載の方法。
【請求項158】
前記聴覚的な指示が、前記ユーザによって構成可能である、請求項157に記載の方法。
【請求項159】
前記警告が、前記個人安全性技術の前記現況を示す視覚的な指示を含む、請求項140に記載の方法。
【請求項160】
前記視覚的な指示が、前記車両、前記車両のドライバ、または前記車両の同乗者の画像を含む、請求項159に記載の方法。
【請求項161】
装置であって、車両にあるテレマティクス・デバイスを備え、前記テレマティクス・デバイスは、
前記テレマティクス・デバイスと関連付けられたデータに基づいて、個人安全性技術の現況を判定する工程であって、前記テレマティクス・デバイスが、前記個人安全性技術の一部である、工程、および
前記現況に基づいて、前記個人安全性技術のユーザに対する警告を生成する工程であって、前記警告が、前記個人安全性技術の前記現況を示す指示を含む、工程
を行うように構成されている、装置。
【請求項162】
車両に位置するテレマティクス・デバイスと関連付けられたデータを受信する工程であって、前記テレマティクス・デバイスが、個人安全性技術の一部である、工程と、
前記データに基づいて、前記個人安全性技術の現況を判定する工程と、
前記現況に基づいて、前記個人安全性技術のユーザに対する警告を生成する工程であって、前記警告が、前記個人安全性技術の前記現況を示す指示を含む、工程と、を行うためのプロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的なストレージ媒体。
【請求項163】
テレマティクス・デバイスと関連付けられた1つまたは複数のセンサによって作成されたテレマティクス・データを受信する工程であって、前記テレマティクス・データが、車両において取り込まれたオーディオ・データまたはビデオ・データを含む、工程と、
前記テレマティクス・データを第1のネットワークを介して前記車両のユーザと関連付けられたモバイル・デバイスに対して提供し、前記テレマティクス・データを第2のネットワークを介してサーバに対して提供する工程と、を備える、方法。
【請求項164】
前記第1のネットワークおよび前記第2のネットワークは、異なるネットワーク・タイプを含む、請求項163に記載の方法。
【請求項165】
前記第1のネットワークが、BluetoothネットワークまたはWiFiネットワークを含む、請求項163に記載の方法。
【請求項166】
前記第2のネットワークが、セルラ・ネットワークまたはWiFiネットワークを含む、請求項163に記載の方法。
【請求項167】
前記サーバが、自動車安全機関、保険会社、ライドシェアリング企業、緊急サービス、コール・センタ、前記テレマティクス・デバイスのユーザ、または前記車両のユーザのうちの1つ、または2つ以上の組合せと関連付けられる、請求項163に記載の方法。
【請求項168】
前記車両の前記ユーザが、前記車両のドライバ、または前記車両の同乗者を含む、請求項163に記載の方法。
【請求項169】
前記ビデオ・データが、前記車両の内部のビデオ・データ、もしくは前記車両の外部の領域のビデオ・データ、またはその両方を含む、請求項163に記載の方法。
【請求項170】
前記テレマティクス・デバイスが、タグ・デバイスまたはビデオ・タグ・デバイスを含む、請求項163に記載の方法。
【請求項171】
前記テレマティクス・デバイスが、前記テレマティクス・データを前記モバイル・デバイスに対して実時間で提供するように構成される、請求項163に記載の方法。
【請求項172】
前記テレマティクス・デバイスが、前記テレマティクス・データを前記モバイル・デバイスに対して提供する前の所定の期間にわたって前記テレマティクス・データを取り込むように構成される、請求項163に記載の方法。
【請求項173】
前記テレマティクス・デバイスが、前記第1のネットワーク上の前記モバイル・デバイスの存在を検出したのに応答して、前記テレマティクス・データを前記モバイル・デバイスに対して自動的に提供するように構成される、請求項163に記載の方法。
【請求項174】
前記テレマティクス・データを永続的に記憶させる工程を含む、請求項163に記載の方法。
【請求項175】
前記モバイル・デバイスが、所定のネットワーク・タイプを検出したのに応答して前記テレマティクス・データを前記サーバに対して提供するように構成される、請求項163に記載の方法。
【請求項176】
前記サーバが、ユーザ・インタフェースを提供して、前記車両の前記ユーザに対して前記テレマティクス・データを提示するように構成される、請求項163に記載の方法。
【請求項177】
前記サーバが、前記ビデオ・データもしくは前記オーディオ・データ、またはその両方を解析して、前記車両のドライバの運転行動を判定するように構成される、請求項163に記載の方法。
【請求項178】
前記サーバが、前記運転行動を示す指示をユーザ・インタフェースを通して前記ドライバに対して提供するように構成される、請求項177に記載の方法。
【請求項179】
前記サーバが、前記ビデオ・データもしくは前記オーディオ・データ、またはその両方を解析して、前記車両のドライバまたは同乗者が不適格状態であるかどうかを判定するように構成される、請求項163に記載の方法。
【請求項180】
前記サーバが、前記ビデオ・データもしくは前記オーディオ・データ、またはその両方を解析して、車両の事故を識別するように構成される、請求項163に記載の方法。
【請求項181】
前記サーバが、前記テレマティクス・データをコール・センタに対して提供するように構成される、請求項163に記載の方法。
【請求項182】
装置であって、車両にあるテレマティクス・デバイスを備え、前記テレマティクス・デバイスは、
前記テレマティクス・デバイスと関連付けられた1つまたは複数のセンサによって作成されたテレマティクス・データを受信する工程であって、前記テレマティクス・データが、車両において取り込まれたオーディオ・データまたはビデオ・データを含む、工程と、
前記テレマティクス・データを第1のネットワークを介して前記車両のユーザと関連付けられたモバイル・デバイスに対して提供し、前記テレマティクス・データを第2のネットワークを介してサーバに対して提供する工程と、を行うように構成されている、装置。
【請求項183】
テレマティクス・デバイスと関連付けられた1つまたは複数のセンサによって作成されたテレマティクス・データを受信する工程であって、前記テレマティクス・データが、車両において取り込まれたオーディオ・データまたはビデオ・データを含む、工程と、
前記テレマティクス・データを第1のネットワークを介して前記車両のユーザと関連付けられたモバイル・デバイスに対して提供し、前記テレマティクス・データを第2のネットワークを介してサーバに対して提供する工程と、を行うためのプロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的なストレージ媒体。
【請求項184】
車両にいる人についての個人安全性懸念を示すモバイル・デバイスから受け取られる個人安全性警告に応答して、前記車両において、前記個人安全性懸念と関連付けられたテレマティクス・データを作成する工程であって、前記テレマティクス・データが、オーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データのうちの1つ、または2つ以上の組合せを含む、工程と、
生成された前記テレマティクス・データを、前記個人安全性懸念に関するアクションのために送信する工程と、を備える、方法。
【請求項185】
前記個人安全性警告が、前記車両にあるテレマティクス・デバイスによって受け取られる、請求項184に記載の方法。
【請求項186】
前記個人安全性警告が、無線通信チャネルを介して前記モバイル・デバイスから受け取られる、請求項184に記載の方法。
【請求項187】
前記テレマティクス・データを作成する工程が、前記車両にある1つまたは複数のセンサからテレマティクス・データを取得する工程を備える、請求項184に記載の方法。
【請求項188】
前記テレマティクス・データを作成する工程が、テレマティクス・デバイスもしくは前記モバイル・デバイス、またはその両方において前記テレマティクス・データを作成する工程を備える、請求項184に記載の方法。
【請求項189】
前記個人安全性警告が、前記車両と関連付けられた1つまたは複数の衝突と関連付けられる、請求項184に記載の方法。
【請求項190】
前記個人安全性警告が、所定のノイズ閾値を超える前記車両内のノイズと関連付けられる、請求項184に記載の方法。
【請求項191】
前記個人安全性警告が、既定の音声コマンドと一致する前記車両内で発声されたコマンドと関連付けられる、請求項184に記載の方法。
【請求項192】
個人安全性警告ボタンの起動を検出する工程を備え、前記個人安全性警告が、前記起動を検出したのに応答して生成される、請求項184に記載の方法。
【請求項193】
前記個人安全性警告ボタンが、前記車両内の物理的ボタンを含む、請求項192に記載の方法。
【請求項194】
前記個人安全性警告ボタンが、前記モバイル・デバイス上のユーザ・インタフェース内に提示されるソフトウェア・ボタンを含む、請求項192に記載の方法。
【請求項195】
前記個人安全性警告が、前記車両にいる前記人の不適格状態と関連付けられる、請求項184に記載の方法。
【請求項196】
前記個人安全性警告が、前記車両の地理学的位置の所定の地理学的境界に対する関係と関連付けられる、請求項184に記載の方法。
【請求項197】
前記個人安全性警告が、所定の慣性の大きさを超える前記車両の慣性事象と関連付けられる、請求項184に記載の方法。
【請求項198】
前記個人安全性警告が、テレマティクス・デバイスが改造されたことの検出と関連付けられる、請求項184に記載の方法。
【請求項199】
前記個人安全性警告が、前記車両の前記ドライバの注意力散漫と関連付けられる、請求項184に記載の方法。
【請求項200】
前記個人安全性警告が、無音または不可視、またはその両方である、請求項184に記載の方法。
【請求項201】
前記車両におけるテレマティクス・データの前記作成が、前記車両において1つまたは複数の画像を取り込む工程を備える、請求項184に記載の方法。
【請求項202】
前記1つまたは複数の画像が、前記車両の内部の画像を含む、請求項201に記載の方法。
【請求項203】
前記1つまたは複数の画像が、前記車両の外部の領域の画像を含む、請求項201に記載の方法。
【請求項204】
前記1つまたは複数の画像が、ビデオを含む、請求項201に記載の方法。
【請求項205】
作成された前記テレマティクス・データを送信する工程が、作成された前記テレマティクス・データを前記モバイル・デバイスに対して送信する工程を備える、請求項184に記載の方法。
【請求項206】
作成された前記テレマティクス・データの前記送信が、作成された前記テレマティクス・データをサーバに対して送信する工程を備える、請求項184に記載の方法。
【請求項207】
作成された前記テレマティクス・データの前記送信が、作成された前記テレマティクス・データを、前記個人安全性警告を検証する遠隔処理のために前記サーバに対して送信する工程を備える、請求項206に記載の方法。
【請求項208】
作成された前記テレマティクス・データの前記送信が、作成された前記テレマティクス・データを、前記モバイル・デバイスによって第2のネットワークを介して前記サーバに対して転送するために、第1のネットワークを介して前記モバイル・デバイスに対して送信する工程を備え、前記第1のネットワークおよび前記第2のネットワークが、異なるネットワーク・タイプである、請求項206に記載の方法。
【請求項209】
前記サーバが、自動車安全機関、保険会社、ライドシェアリング企業、緊急サービス、コール・センタ、前記テレマティクス・デバイスのユーザ、または前記車両のユーザのうちの1つ、または2つ以上の組合せと関連付けられる、請求項206に記載の方法。
【請求項210】
ユーザ・インタフェースに、前記テレマティクス・データもしくは前記個人安全性警告、またはその両方を表示させる工程を備える、請求項184に記載の方法。
【請求項211】
前記テレマティクス・データの前記作成が、作成された前記テレマティクス・データの前記送信の前の所定の期間にわたって前記テレマティクス・データを作成する工程を備える、請求項184に記載の方法。
【請求項212】
装置であって、車両にあるテレマティクス・デバイスを備え、前記テレマティクス・デバイスは、
車両にいる人についての個人安全性懸念を示すモバイル・デバイスからの個人安全性警告を受け取る工程と、
前記車両において、前記個人安全性懸念と関連付けられたテレマティクス・データを作成する工程であって、前記テレマティクス・データが、オーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データのうちの1つ、または2つ以上の組合せを含む、工程と、
作成された前記テレマティクス・データを、前記個人安全性懸念に関するアクションのために受信者デバイスに対して送信する工程と、を行うように構成されている、装置。
【請求項213】
車両にいる人についての個人安全性懸念を示すモバイル・デバイスからの個人安全性警告を受け取る工程と、
前記車両において、前記個人安全性懸念と関連付けられたテレマティクス・データを作成する工程であって、前記テレマティクス・データが、オーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データのうちの1つ、または2つ以上の組合せを含む、工程と、
作成された前記テレマティクス・データを、前記個人安全性懸念に関するアクションのために受信者デバイスに対して送信する工程と、を行うためのプロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的なストレージ媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、車両ユーザの安全性に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の、また車両の運転および乗車の通常の危険は、注意力散漫な運転、不適格状態での運転、およびその他の安全でない運転習慣などの危険な運転行動、ならびにドライバ(運転者)および搭乗者(ライダ)への身体的攻撃などのライドシェアリング・サービスを利用することのリスクによって複雑化している。政府機関、保険査定人、ライドシェアリング企業、および社会全体が、車両ユーザをより安全にすることに関心を持っている。安全でない運転習慣を監視し、車両ユーザの安全性が脅かされているときにユーザが警報を発することを可能にするために、既存のシステムが使用されることが可能である。
【発明の概要】
【0003】
一般に、一態様では、車両にいる人についての個人安全性懸念を示す個人安全性警告に応答して、その個人安全性懸念と関連付けられたテレマティクス・データが車両において作成される。テレマティクス・データは、オーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データのうちの1つ、または2つ以上の組合せを含む。作成されたテレマティクス・データは、個人安全性懸念に関するアクションのために送信される。
【0004】
実装態様は、以下の特徴のうちの1つ、または2つ以上の組合せを含むことがある。テレマティクス・データを作成する工程は、車両にある1つまたは複数のセンサからテレマティクス・データを取得する工程を含むことがある。テレマティクス・データを取得する工程は、加速度計、磁力計、気圧計、スピードメータ、ジャイロスコープ、コンパス(方位計)、位置センサ、画像センサ、およびマイクロフォンのうちの1つ、または2つ以上の組合せからテレマティクス・データを取得する工程を含むことがある。テレマティクス・データを作成する工程は、テレマティクス・デバイスまたはモバイル・デバイス、あるいはその両方において、テレマティクス・データを作成する工程を含むこともある。個人安全性警告は、車両と関連付けられた1つまたは複数の衝突と関連付けられることがある。個人安全性警告は、所定のノイズ閾値を超える車両内のノイズと関連付けられることもある。個人安全性警告は、既定の音声コマンドと一致する車両内で発声されたコマンドと関連付けられることもある。この既定の音声コマンドは、車両にいる人によって選択されてもよい。この方法は、個人安全性警告ボタンの起動を検出する工程を含むことがあり、個人安全性警告は、この起動を検出したのに応答して生成される。個人安全性警告ボタンは、車両内の物理的なボタンを含むことがある。個人安全性警告ボタンは、ユーザ・デバイスのユーザ・インタフェース上に提示されるソフトウェア・ボタンを含むこともある。個人安全性警告は、車両にいる人の不適格状態と関連付けられることがある。個人安全性警告は、車両の地理学的位置の所定の地理学的境界に対する関係と関連付けられることもある。個人安全性警告は、車両の経路内の物体を検出したことと関連付けられることもある。個人安全性警告は、車両が別の車両に近接していることと関連付けられることもある。個人安全性警告は、車両が交差点にいることを検出したことと関連付けられることもある。個人安全性警告は、所定の慣性の大きさを超える車両の慣性事象と関連付けられることもある。個人安全性警告は、テレマティクス・デバイスが改造されたことを検出したことと関連付けられることもある。個人安全性警告は、車両のドライバの注意力散漫と関連付けられることもある。個人安全性警告は、無音または不可視、あるいはその両方であってもよい。車両におけるテレマティクス・データの作成は、車両において1つまたは複数の画像を取り込む工程を含むこともある。この1つまたは複数の画像は、車両の内部の画像を含むこともある。この1つまたは複数の画像は、車両の外部の領域の画像を含むこともある。この1つまたは複数の画像は、ビデオを含むこともある。車両におけるテレマティクス・データの作成は、オーディオ・データを取り込む工程を含むこともある。テレマティクス・データは、永続的に記憶されることも可能である。アセンブルされたテレマティクス・データを送信する工程は、アセンブルされたテレマティクス・データを、人のモバイル・デバイスに対して送信する工程を含むこともある。その人は、車両のドライバであることも、同乗者であることもある。この方法は、人から個人安全性警告を受け取る工程を含むこともある。アセンブルされたテレマティクス・データの送信は、テレマティクス・データをBluetoothネットワーク、WiFiネットワーク、または別の無線ネットワークを介してモバイル・デバイスに対して送信する工程を含むこともある。アセンブルされたテレマティクス・データの送信は、アセンブルされたテレマティクス・データをサーバに対して送信する工程を含むこともある。アセンブルされたテレマティクス・データの送信は、アセンブルされたテレマティクス・データを、個人安全性警告を検証する遠隔処理のためにサーバに対して送信する工程を含むこともある。アセンブルされたテレマティクス・データの送信は、アセンブルされたテレマティクス・データを、モバイル・デバイスによって第2のネットワークを介してサーバに対して転送するために、第1のネットワークを介してモバイル・デバイスに対して送信する工程を含むこともあり、ここで、第1のネットワークと第2のネットワークは異なるネットワーク・タイプである。サーバは、自動車安全機関、保険会社、ライドシェアリング企業、緊急サービス、コール・センタ、テレマティクス・デバイスのユーザ、または車両のユーザのうちの1つ、または2つ以上の組合せと関連付けられることもある。この方法は、ユーザ・インタフェースにテレマティクス・データまたは個人安全性警告、あるいはその両方を表示させる工程を含むこともある。テレマティクス・データの作成は、アセンブルされたテレマティクス・データの送信の前の所定の期間にわたってテレマティクス・データを作成する工程を含むこともある。
【0005】
一般に、一態様では、装置は、車両にいる人についての個人安全性懸念を指示する個人安全性警告を受け取る工程と、個人安全性懸念と関連付けられたテレマティクス・データを車両において作成する工程であり、テレマティクス・データが、オーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データのうちの1つ、または2つ以上の組合せを含む、工程と、作成されたテレマティクス・データを、個人安全性懸念に関するアクションのために受信者デバイスに対して送信する工程とを行うように構成された、車両にあるテレマティクス・デバイスを含むことがある。
【0006】
一般に、一態様では、非一時的なストレージ媒体は、車両にいる人についての個人安全性懸念を指示する個人安全性警告を受け取る工程と、個人安全性懸念と関連付けられたテレマティクス・データを車両において作成する工程であり、テレマティクス・データが、オーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データのうちの1つ、または2つ以上の組合せを含む、工程と、作成されたテレマティクス・データを、個人安全性懸念に関するアクションのために受信者デバイスに対して送信する工程と、を行うためのプロセッサによって実行可能な命令を含むことがある。
【0007】
一般に、一態様では、方法は、車両において1つまたは複数のテレマティクス・デバイスによって作成されたテレマティクス・データを受信する工程であり、テレマティクス・データが、車両にいる人についての個人安全性懸念を指示する個人安全性警告を含む、工程と、個人安全性警告に基づいて1つまたは複数の信号を提供して、テレマティクス・デバイスのうちの1つに、車両において追加のテレマティクス・データを作成させ、またその追加のテレマティクス・データを1つまたは複数の受信者デバイスに対して提供させる工程と、を含むことがある。
【0008】
一般に、一態様では、カメラは、カメラ回路系を備える筐体と、筐体から延びる可動柄であり、第1の端部および第2の端部を備え、第1の端部が筐体に可動に結合され、第2の端部が画像センサを含む可動柄と、を備える。
【0009】
実装態様は、以下の特徴のうちの1つ、または2つ以上の組合せを含むことがある。カメラ回路系は、プロセッサと、カメラに1つまたは複数の画像を取り込ませるためのプロセッサによって実行可能な命令のためのストレージとを含むことがある。カメラ回路系は、1つまたは複数の通信回路を含むことがある。1つまたは複数の通信回路は、Bluetooth通信回路、WiFi通信回路、およびセルラ通信回路のうちの1つ、または2つ以上の組合せを含むことがある。カメラ回路系は、1つまたは複数のセンサを含むことがある。1つまたは複数のセンサは、加速度計、磁力計、気圧計、スピードメータ、ジャイロスコープ、コンパス、位置センサ、およびマイクロフォンのうちの1つまたは複数を含むことがある。カメラは、カメラ回路系からの信号に応答して可動柄を回転させるように構成されたアクチュエータを含むことがある。筐体は、カメラに給電するように構成された1つまたは複数のバッテリを含むことがある。筐体の第1の側面は、凹部を含むことがある。凹部は、太陽光パネルを保持するように構成されることがある。筐体の第1の側面は、1つまたは複数の粘着ストリップを含むことがある。筐体の第2の側面は、1つまたは複数の通気口を含むことがあり、筐体の第2の側面は、第1の側面の反対側である。カメラは、第1の画像センサをカメラ回路系に電気的に結合するフレキシブル・コネクタを含むことがある。可動柄は、第1の軸に沿って延びることがあり、第2の軸の周りで回転可能であり、第1の軸は、第2の軸に対して直交する。可動柄の少なくとも一部分は、第1の軸の周りで回転可能であることがある。筐体は、スピーカを含むことがある。画像センサは、赤外線(IR)画像センサを含むことがある。カメラは、画像センサの視野を照明するように構成されたIR照明器を含むことがある。カメラは、可動柄内に含まれる第2の画像センサを含むことがある。第2の画像センサは、柄の第1の端部寄りに位置決めされることがある。第2の画像センサは、可動柄の、第1の画像の反対側に位置決めされることがある。第2の画像センサは、広角レンズを含むことがある。カメラは、可動柄内に含まれるLEDインジケータを含むことがある。可動柄は、枢動機構によって筐体に可動に結合されることがある。枢動機構は、1つまたは複数のOリングを含むことがある。Oリングのうちの1つまたは複数の材料は、約75から約90の間のショアA硬度を有することがある。
【0010】
一般に、一態様では、方法は、車両にあるテレマティクス・デバイスにおいて、モバイル・デバイスからの接続を受ける工程であり、テレマティクス・デバイスが、車両において1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされたカメラを含む、工程と、接続を受けたのに応答して、1つまたは複数の信号を提供して、カメラに車両において1つまたは複数の画像を取り込ませる工程と、を含む。
【0011】
実装態様は、以下の特徴のうちの1つ、または2つ以上の組合せを含むことがある。カメラは、車両の内部の1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされた内向きカメラであることがある。内向きカメラは、車両の前部座席および後部座席の両方の1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされることがある。カメラは、車両の外部の領域の1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされた外向きカメラであることがある。カメラは、1つまたは複数の信号に応答してカメラを動かすように構成されたアクチュエータに結合されることがある。カメラは、1つまたは複数の信号に応答してズーム・インまたはズーム・アウトするように構成されることがある。カメラは、赤外線(IR)カメラを含むことがある。カメラは、カメラの視界内の領域を照明するように構成されたIR照明器を含むことがある。カメラは、広角レンズを含むことがある。テレマティクス・デバイスは、車両内に取り付けられるように構成されることがある。テレマティクス・デバイスは、車両内の取付けのための永久接着剤または半永久接着剤を含むことがある。1つまたは複数の画像は、ビデオであることがある。カメラは、1つまたは複数の信号によって指示されるレートで1つまたは複数の画像を取り込むように構成されることがある。カメラは、1つまたは複数の信号によって指示される解像度で1つまたは複数の画像を取り込むように構成されることがある。1つまたは複数の画像のうちの第1の画像が、第1の解像度で取り込まれ、1つまたは複数の画像のうちの第2の画像が、第2の解像度で取り込まれることがあり、ここで、第1の解像度は、第2の解像度とは異なる。テレマティクス・デバイスは、1つまたは複数の信号に応答してオーディオを記録するように構成されたマイクロフォンを含むことがある。テレマティクス・デバイスは、タグ・デバイスまたはビデオ・タグ・デバイスであることがある。テレマティクス・デバイスは、モバイル・デバイスであることがある。1つまたは複数の画像は、サーバに対して送信されることがある。サーバは、自動車安全機関、保険会社、ライドシェアリング企業、緊急サービス、コール・センタ、テレマティクス・デバイスのユーザ、または車両のユーザのうちの1つ、または2つ以上の組合せと関連付けられることがある。テレマティクス・デバイスは、車両におけるテレマティクス・データを作成するように構成された1つまたは複数のセンサを含むことがある。1つまたは複数のセンサは、加速度計、磁力計、気圧計、スピードメータ、ジャイロスコープ、コンパス、位置センサ、画像センサ、およびマイクロフォンのうちの1つ、または2つ以上の組合せを含むことがある。この方法は、カメラによって取り込まれた1つまたは複数の画像を受け取る工程と、テレマティクス・データ、または1つもしくは複数の画像、あるいはその両方に基づいて、車両にいる人についての個人安全性懸念を検出する工程と、個人安全性懸念に基づいて、1つまたは複数の追加の信号を提供して、カメラに、車両において1つまたは複数の追加の画像を記録させる工程と、を含むことがある。個人安全性懸念は、車両の事故、個人安全性警告ボタンの起動、車両のドライバの注意力散漫、車両にいる人の不適格状態、車両の地理学的位置の所定の地理学的境界に対する関係、車両が交差点にいるという判定、車両が別の車両に近接しているという判定、車両の経路内の物体の検出、所定のノイズ閾値を超える車両内のノイズ、既定の音声コマンドと一致する車両内で発声されたコマンド、車両における喧嘩、所定の慣性の大きさを超える車両の慣性事象、またはテレマティクス・デバイスが改造されたことの検出のうちの1つまたは複数と関連付けられることがある。1つまたは複数の追加の画像は、上記の1つまたは複数の画像とは異なるレートまたは解像度で取り込まれることがある。
【0012】
一般に、一態様では、方法は、車両にあるテレマティクス・デバイスと関連付けられた1つまたは複数のセンサによって作成されるテレマティクス・データを受信する工程と、テレマティクス・データに基づいて、車両が使用中であることを検出する工程と、車両が使用中であることを検出したのに応答して、1つまたは複数の信号を提供して、車両内に位置決めされたカメラに、車両において1つまたは複数の画像を取り込ませる工程と、を含む。実装態様は、以下の特徴のうちの1つ、または2つ以上の組合せを含むことがある。車両が使用中であることを検出する工程は、車両がオンであることを検出する工程、ユーザが車両に入った、または車両の近傍内にいることを検出する工程、あるいはテレマティクス・デバイスが車両内にある、または車両の近傍内にあることを検出する工程を含むことがある。
【0013】
一般に、一態様では、個人安全性システムは、車両内に位置決めされたカメラと、プロセッサと、個人安全性システムと車両にあるモバイル・デバイスとの間の接続を検出する工程、および接続を検出したのに応答して、1つまたは複数の信号を提供して、カメラに車両において1つまたは複数の画像を取り込ませる工程を行うためのプロセッサによって実行可能な命令のためのストレージと、を含む。
【0014】
実装態様は、以下の特徴のうちの1つ、または2つ以上の組合せを含むことがある。カメラは、車両の内部の1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされた内向きカメラであることがある。内向きカメラは、車両の前部座席および後部座席の両方の1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされることがある。カメラは、車両の外部の領域の1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされた外向きカメラであることがある。カメラは、モバイル・デバイスのカメラであることがある。カメラは、1つまたは複数の信号に応答してカメラを動かすように構成されたアクチュエータに結合されることがある。カメラは、1つまたは複数の信号に応答してズーム・インまたはズーム・アウトするように構成されることがある。カメラは、赤外線(IR)カメラを含むことがある。個人安全性システムは、カメラの視界内の領域を照明するように構成されたIR照明器を含むことがある。カメラは、広角レンズを含むことがある。カメラは、車両内に取り付けられるように構成されることがある。カメラは、車両内の取付けのための永久接着剤または半永久接着剤を含むことがある。1つまたは複数の画像は、ビデオであることがある。カメラは、1つまたは複数の信号によって指示されるレートで1つまたは複数の画像を取り込むように構成されることがある。カメラは、1つまたは複数の信号によって指示される解像度で1つまたは複数の画像を取り込むように構成されることがある。1つまたは複数の画像のうちの第1の画像が、第1の解像度で取り込まれ、1つまたは複数の画像のうちの第2の画像が、第2の解像度で取り込まれることがあり、ここで、第1の解像度は、第2の解像度とは異なる。カメラは、1つまたは複数の信号に応答してオーディオを記録するように構成されたマイクロフォンを含むことがある。個人安全性システムは、1つまたは複数の信号をプロセッサからカメラに対して通信する通信回路系を含むことがある。通信回路系は、Bluetooth通信回路、WiFi通信回路、およびセルラ通信回路のうちの1つまたは複数を含むことがある。個人安全性システムは、1つまたは複数の画像をサーバに対して通信する通信回路系を含むことがある。サーバは、自動車安全機関、保険会社、ライドシェアリング企業、緊急サービス、コール・センタ、テレマティクス・デバイスのユーザ、または車両のユーザのうちの1つ、または2つ以上の組合せと関連付けられることがある。カメラは、テレマティクス・デバイスに含まれることがある。テレマティクス・デバイスは、車両におけるテレマティクス・データを作成するように構成された1つまたは複数のセンサを含むことがある。テレマティクス・デバイスは、タグ・デバイスまたはビデオ・タグ・デバイスを含むことがある。テレマティクス・デバイスは、モバイル・デバイスを含むことがある。個人安全性システムのストレージは、カメラによって取り込まれた1つまたは複数の画像を受け取る工程、テレマティクス・データまたは1つもしくは複数の画像、あるいはその両方に基づいて、車両にいる人についての個人安全性懸念を検出する工程、および個人安全性懸念に基づいて1つまたは複数の追加の信号を提供して、カメラに車両において1つまたは複数の追加の画像を記録させる工程を行うためのプロセッサによって実行可能な命令を含むことがある。個人安全性懸念は、車両の事故、個人安全性警告ボタンの起動、車両のドライバの注意力散漫、車両にいる人の不適格状態、車両の地理学的位置の所定の地理学的境界に対する関係、車両が交差点にいるという判定、車両が別の車両に近接しているという判定、車両の経路内の物体の検出、所定のノイズ閾値を超える車両内のノイズ、既定の音声コマンドと一致する車両内で発声されたコマンド、車両における喧嘩、所定の慣性の大きさを超える車両の慣性事象、またはテレマティクス・デバイスが改造されたことの検出のうちの1つまたは複数と関連付けられることがある。1つまたは複数の追加の画像は、上記の1つまたは複数の画像とは異なるレートまたは解像度で取り込まれることがある。
【0015】
一般に、一態様では、個人安全性システムは、車両内に位置決めされたカメラと、プロセッサと、車両にあるテレマティクス・デバイスと関連付けられた1つまたは複数のセンサによって作成されたテレマティクス・データを受信する工程、テレマティクス・データに基づいて、個人安全性システムが使用中であることを検出する工程、および個人安全性システムが使用中であることを検出したのに応答して、1つまたは複数の信号を提供して、カメラに車両において1つまたは複数の画像を取り込ませる工程を行うためのプロセッサによって実行可能な命令のためのストレージと、を含む。個人安全性システムが使用中であることを検出する工程は、個人安全性システムがオンであることを検出する工程、テレマティクス・デバイスが個人安全性システムに接続したことを検出する工程、車両がオンであることを検出する工程、ユーザが車両に入った、または車両の近傍内にいることを検出する工程、あるいはテレマティクス・デバイスが車両内にある、または車両の近傍内にあることを検出する工程、のうちの1つまたは複数を含むことがある。
【0016】
一般に、一態様では、装置は、モバイル・デバイスからの接続を受ける工程であり、テレマティクス・デバイスが、車両において1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされたカメラを含む、工程と、接続を検出したのに応答して、1つまたは複数の信号を提供して、カメラに車両において1つまたは複数の画像を取り込ませる工程と、を行うように構成された、車両にあるテレマティクス・デバイスを含む。
【0017】
一般に、一態様では、非一時的なストレージ媒体は、モバイル・デバイスと車両にあるテレマティクス・デバイスとの間の接続を検出する工程であり、テレマティクス・デバイスが、車両において1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされたカメラを含む、工程と、接続を検出したのに応答して、1つまたは複数の信号を提供して、カメラに車両において1つまたは複数の画像を取り込ませる工程と、を行うためのプロセッサによって実行可能な命令を含む。
【0018】
一般に、一態様では、方法は、車両にある1つまたは複数のテレマティクス・デバイスによって作成されるテレマティクス・データを受信する工程と、テレマティクス・データに基づいて、車両または車両のユーザに関係する個人安全性トリガを識別する工程と、個人安全性トリガに応答して、1つまたは複数の信号を提供して、テレマティクス・デバイスのうちの1つ、または2つ以上の組合せに、追加のテレマティクス・データを作成させる工程と、を含む。
【0019】
実装態様は、以下の特徴のうちの1つ、または2つ以上の組合せを含むことがある。テレマティクス・データは、1つまたは複数のテレマティクス・デバイスと関連付けられた1つまたは複数のセンサによって作成されることがある。1つまたは複数のセンサは、加速度計、磁力計、気圧計、スピードメータ、ジャイロスコープ、コンパス、位置センサ、画像センサ、およびマイクロフォンのうちの1つ、または2つ以上の組合せを含むことがある。1つまたは複数のテレマティクス・デバイスは、タグ・デバイス、ビデオ・タグ・デバイス、およびモバイル・デバイスのうちの1つ、または2つ以上の組合せを含むことがある。テレマティクス・デバイスのうちの1つ、または2つ以上の組合せは、車両内に位置決めされたカメラを含むことがある。追加のテレマティクス・データは、1つまたは複数の信号に応答してカメラによって取り込まれた1つまたは複数の画像を含むことがある。カメラは、車両の内部の1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされた内向きカメラであることがある。内向きカメラは、車両の前部座席および後部座席の両方の1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされることがある。カメラは、車両の外部の領域の1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされた外向きカメラであることがある。テレマティクス・デバイスは、モバイル・デバイスであることがあり、カメラは、モバイル・デバイスのカメラであることがある。カメラは、1つまたは複数の信号に応答してカメラを動かすように構成されたアクチュエータに結合されることがある。カメラは、1つまたは複数の信号に応答してズーム・インまたはズーム・アウトするように構成されることがある。カメラは、赤外線(IR)カメラを含むことがある。カメラは、カメラの視界内の領域を照明するように構成されたIR照明器を含むことがある。カメラは、広角レンズを含むことがある。カメラは、車両内に取り付けられるように構成されることがある。カメラは、車両内の取付けのための永久接着剤または半永久接着剤を含むことがある。1つまたは複数の画像は、ビデオであることがある。カメラは、1つまたは複数の信号によって指示されるレートで1つまたは複数の画像を取り込むように構成されることがある。カメラは、1つまたは複数の信号によって指示される解像度で1つまたは複数の画像を取り込むように構成されることがある。1つまたは複数の画像のうちの第1の画像が、第1の解像度で取り込まれ、1つまたは複数の画像のうちの第2の画像が、第2の解像度で取り込まれることがあり、ここで、第1の解像度は、第2の解像度とは異なる。テレマティクス・デバイスのうちの1つ、または2つ以上の組合せは、車両にあるマイクロフォンを含むことがある。追加のテレマティクス・データは、1つまたは複数の信号に応答してマイクロフォンによって取り込まれたオーディオ・データを含むことがある。個人安全性トリガは、車両の事故、個人安全性警告ボタンの起動、車両のドライバの注意力散漫、車両にいる人の不適格状態、車両の地理学的位置の所定の地理学的境界に対する関係、車両が交差点にいるという判定、車両が別の車両に近接しているという判定、車両の経路内の物体の検出、所定のノイズ閾値を超える車両内のノイズ、既定の音声コマンドと一致する車両内で発声されたコマンド、車両における喧嘩、所定の慣性の大きさを超える車両の慣性事象、またはテレマティクス・デバイスが改造されたことの検出のうちの1つまたは複数と関連付けられることがある。この方法は、テレマティクス・データ、トリガ事象、または追加のテレマティクス・データのうちの1つまたは複数をサーバに対して送信する工程を含むことがある。サーバは、自動車安全機関、保険会社、ライドシェアリング企業、緊急サービス、コール・センタ、テレマティクス・デバイスのユーザ、または車両のユーザのうちの1つ、または2つ以上の組合せと関連付けられることがある。テレマティクス・データは、車両において作成された画像データまたはオーディオ・データを含むことがある。追加のテレマティクス・データは、上記のテレマティクス・データとは異なるレートまたは解像度で作成されることがある。追加のテレマティクス・データは、上記のテレマティクス・データより高いレートで作成されることがある。この方法は、テレマティクス・デバイスのうちの1つ、または2つ以上の組合せによって作成された追加のテレマティクス・データを受信する工程と、追加のテレマティクス・データに基づいて、個人安全性トリガを検証して、検証済みの個人安全性トリガを作成する工程とを含むことがある。この方法は、検証済みの個人安全性トリガに基づいて、1つまたは複数の追加の信号を提供して、テレマティクス・デバイスのうちの1つ、または2つ以上の組合せに、将来のテレマティクス・データの収集を調節させる工程を含むことがある。
【0020】
一般に、一態様では、個人安全性システムは、車両内のカメラと、プロセッサと、車両にあるテレマティクス・デバイスと関連付けられた1つまたは複数のセンサによって作成されたテレマティクス・データを受信する工程、テレマティクス・データに基づいて、車両または車両のユーザに関係した個人安全性トリガを識別する工程、および個人安全性トリガに応答して、1つまたは複数の信号を提供して、カメラに車両において1つまたは複数の画像を取り込ませる工程を行うためのプロセッサによって実行可能な命令のためのストレージと、を含むことがある。
【0021】
実装態様は、以下の特徴のうちの1つ、または2つ以上の組合せを含むことがある。カメラは、車両の内部の1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされた内向きカメラであることがある。内向きカメラは、車両の前部座席および後部座席の両方の1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされる。カメラは、車両の外部の領域の1つまたは複数の画像を取り込むように位置決めされた外向きカメラであることがある。カメラは、テレマティクス・デバイスに含まれることがある。カメラは、モバイル・デバイスのカメラであることがある。カメラは、1つまたは複数の信号に応答してカメラを動かすように構成されたアクチュエータに結合されることがある。カメラは、1つまたは複数の信号に応答してズーム・インまたはズーム・アウトするように構成されることがある。カメラは、赤外線(IR)カメラを含むことがある。個人安全性システムは、カメラの視界内の領域を照明するように構成されたIR照明器を含むことがある。カメラは、広角レンズを含むことがある。カメラは、車両内に取り付けられるように構成されることがある。カメラは、車両内の取付けのための永久接着剤または半永久接着剤を含むことがある。1つまたは複数の画像は、ビデオであることがある。カメラは、1つまたは複数の信号によって指示されるレートで1つまたは複数の画像を取り込むように構成されることがある。カメラは、1つまたは複数の信号によって指示される解像度で1つまたは複数の画像を取り込むように構成されることがある。1つまたは複数の画像のうちの第1の画像が、第1の解像度で取り込まれ、1つまたは複数の画像のうちの第2の画像が、第2の解像度で取り込まれることがあり、ここで第1の解像度は、第2の解像度とは異なる。カメラは、1つまたは複数の信号に応答してオーディオを記録するように構成されたマイクロフォンを含むことがある。1つまたは複数のセンサは、加速度計、磁力計、気圧計、スピードメータ、ジャイロスコープ、コンパス、位置センサ、画像センサ、およびマイクロフォンのうちの1つ、または2つ以上の組合せを含むことがある。個人安全性トリガは、車両の事故、個人安全性警告ボタンの起動、車両のドライバの注意力散漫、車両のユーザの不適格状態、車両の地理学的位置の所定の地理学的境界に対する関係、車両が交差点にいるという判定、車両が別の車両に近接しているという判定、車両の経路内の物体の検出、所定のノイズ閾値を超える車両内のノイズ、既定の音声コマンドと一致する車両内で発声されたコマンド、車両における喧嘩、所定の慣性の大きさを超える車両の慣性事象、またはテレマティクス・デバイスが改造されたことの検出のうちの1つまたは複数と関連付けられることがある。テレマティクス・デバイスは、タグ・デバイスまたはビデオ・タグ・デバイスを含むことがある。テレマティクス・デバイスは、モバイル・デバイスを含むことがある。個人安全性システムは、1つまたは複数の信号をプロセッサからカメラに対して通信する通信回路系を含むことがある。通信回路系は、Bluetooth通信回路、WiFi通信回路、およびセルラ通信回路のうちの1つまたは複数を含むことがある。個人安全性システムは、テレマティクス・データ、トリガ事象、1つまたは複数の信号、1つまたは複数の画像、およびトリガ事象の指示に応答して記録されるオーディオのうちの1つまたは複数を、サーバに対して通信する通信回路系を含むことがある。サーバは、自動車安全機関、保険会社、ライドシェアリング企業、緊急サービス、コール・センタ、テレマティクス・デバイスのユーザ、または車両の乗員のうちの1つ、または2つ以上の組合せと関連付けられることがある。テレマティクス・データは、車両において作成される画像データまたはオーディオ・データを含むことがある。1つまたは複数の画像は、画像データとは異なるレートまたは解像度で取り込まれることがある。個人安全性システムのストレージは、カメラによって取り込まれた1つまたは複数の画像を受け取る工程、および1つまたは複数の画像に基づいて個人安全性トリガを検証して、検証済みの個人安全性トリガを作成する工程を行うためのプロセッサによって実行可能な命令を含むことがある。個人安全性システムのストレージは、検証済みの個人安全性トリガに基づいて、1つまたは複数の追加の信号を提供して、カメラに車両において1つまたは複数の追加の画像を記録させる工程を行うためのプロセッサによって実行可能な命令を含むことがある。
【0022】
一般に、一態様では、装置は、車両にある1つまたは複数のセンサによって作成されたテレマティクス・データを受信する工程、テレマティクス・データに基づいて、車両または車両のユーザに関係する個人安全性トリガを識別する工程、および個人安全性トリガに応答して、1つまたは複数の信号を提供して、テレマティクス・デバイスのうちの1つ、または2つ以上の組合せに追加のテレマティクス・データを作成させる工程を行うように構成された、車両にあるテレマティクス・デバイスを含む。
【0023】
一般に、一態様では、非一時的なストレージ媒体は、車両にある1つまたは複数のテレマティクス・デバイスによって作成されたテレマティクス・データを受信する工程、テレマティクス・データに基づいて、車両または車両のユーザに関係する個人安全性トリガを識別する工程、および個人安全性トリガに応答して、1つまたは複数の信号を提供して、テレマティクス・デバイスのうちの1つ、または2つ以上の組合せに追加のテレマティクス・データを作成させる工程を行うためのプロセッサによって実行可能な命令を含むことがある。
【0024】
一般に、一態様では、方法は、個人安全性技術に加わることを求める第1のユーザ・デバイスからの要求を受け取る工程であり、第1のユーザ・デバイスが、車両のドライバと関連付けられている、工程と、個人安全性技術に加わることを求める第2のユーザ・デバイスからの要求を受け取る工程であり、第2のユーザ・デバイスが、車両の同乗者と関連付けられている、工程と、第1のユーザ・デバイスおよび第2のユーザ・デバイスのそれぞれに対して、車両内のテレマティクス・デバイスに対するアクセスを提供する工程であり、テレマティクス・デバイスが、ドライバおよび同乗者の両方についてのテレマティクス・データを作成するように構成されている、工程と、を含む。
【0025】
実装態様は、以下の特徴のうちの1つ、または2つ以上の組合せを含むことがある。第1のユーザ・デバイスは、モバイル・デバイスを含むことがある。テレマティクス・デバイスは、タグ・デバイス、ビデオ・タグ・デバイス、またはモバイル・デバイスを含むことがある。テレマティクス・デバイスは、車両内に位置決めされたカメラを含むことがある。テレマティクス・データは、カメラによって取り込まれるドライバおよび同乗者の両方の1つまたは複数の画像を含むことがある。テレマティクス・デバイスは、マイクロフォンを含むことがある。テレマティクス・データは、マイクロフォンによって取り込まれるドライバおよび同乗者の両方からのオーディオを含むことがある。テレマティクス・デバイスは、テレマティクス・データを第1のユーザ・デバイスおよび第2のユーザ・デバイスのそれぞれに対して提供するように構成されることがある。テレマティクス・デバイスは、ドライバおよび同乗者の両方についてのテレマティクス・データを信頼できる第三者に対して提供するように構成されることがある。信頼できる第三者は、自動車安全機関、保険会社、ライドシェアリング企業、緊急サービス、またはコール・センタのうちの1つ、または2つ以上の組合せを含むことがある。テレマティクス・デバイスは、第1のモバイル・デバイスおよび第2のモバイル・デバイスから個人安全性警告を受け取るように構成されることがある。テレマティクス・デバイスは、所定のノイズ閾値を超えるドライバまたは同乗者からのノイズを検出することによって、ドライバまたは同乗者についての個人安全性懸念を検出するように構成されることがある。テレマティクス・デバイスは、既定の音声コマンドと一致するドライバまたは同乗者によって発声されるコマンドを検出することによって、ドライバまたは同乗者についての個人安全性懸念を検出するように構成されることがある。テレマティクス・デバイスは、改造防止性を有することがある。テレマティクス・デバイスは、改造の試みに応答して、第1のユーザ・デバイス、第2のユーザ・デバイス、および信頼できる第三者のうちの1つまたは複数に対して警告を生成するように構成されることがある。テレマティクス・デバイスは、バッテリ給電式であることがある。
【0026】
一般に、一態様では、装置は、個人安全性技術に加わることを求める第1のユーザ・デバイスからの要求を受け取る工程であり、第1のユーザ・デバイスが、車両のドライバと関連付けられている、工程と、個人安全性技術に加わることを求める第2のユーザ・デバイスからの要求を受け取る工程であり、第2のユーザ・デバイスが、車両の同乗者と関連付けられている、工程と、第1のユーザ・デバイスおよび第2のユーザ・デバイスのそれぞれに対して、車両にあるテレマティクス・デバイスに対するアクセスを提供する工程であり、テレマティクス・デバイスが、ドライバおよび同乗者の両方についてのテレマティクス・データを作成するように構成されている、工程と、を行うように構成された、車両にあるテレマティクス・デバイスを含む。
【0027】
一般に、一態様では、非一時的なストレージ媒体は、個人安全性技術に加わることを求める第1のユーザ・デバイスからの要求を受け取る工程であり、第1のユーザ・デバイスが、車両のドライバと関連付けられている、工程と、個人安全性技術に加わることを求める第2のユーザ・デバイスからの要求を受け取る工程であり、第2のユーザ・デバイスが、車両の同乗者と関連付けられている、工程と、第1のユーザ・デバイスおよび第2のユーザ・デバイスのそれぞれに対して、車両内のテレマティクス・デバイスに対するアクセスを提供する工程であり、テレマティクス・デバイスが、ドライバおよび同乗者の両方についてのテレマティクス・データを作成するように構成されている、工程と、を行うためのプロセッサによって実行可能な命令を含む。
【0028】
一般に、一態様では、方法は、車両に位置するテレマティクス・デバイスと関連付けられたデータを受信する工程であり、テレマティクス・デバイスが、個人安全性技術の一部である、工程と、データに基づいて、個人安全性技術の現況を判定する工程と、現況に基づいて、個人安全性技術のユーザに対する警告を生成する工程であり、警告が、個人安全性技術の現況の指示を含む、工程と、を含む。
【0029】
実装態様は、以下の特徴のうちの1つ、または2つ以上の組合せを含むことがある。個人安全性技術の現況を判定する工程は、データに基づいて、テレマティクス・デバイスが電源オンされているかどうかを判定する工程を含むことがある。個人安全性技術の現況を判定する工程は、データに基づいて、テレマティクス・デバイスが個人安全性技術に接続されているかどうかを判定する工程を含むことがある。テレマティクス・デバイスと関連付けられたデータを受信する工程は、テレマティクス・デバイスのバッテリ・レベルを受け取る工程を含むことがある。個人安全性技術の現況を判定する工程は、テレマティクス・デバイスのバッテリ・レベルを閾値バッテリ・レベルと比較する工程と、比較に基づいて、個人安全性技術の現況を判定する工程とを含むことがあり、テレマティクス・デバイスのバッテリ・レベルが閾値バッテリ・レベル未満であると判定したのに応答して、現況は安全でないとみなされる。テレマティクス・デバイスと関連付けられたデータを受信する工程は、テレマティクス・デバイスと関連付けられた一意識別子を受け取る工程を含むことがある。個人安全性技術の現況を判定する工程は、一意識別子を用いてテレマティクス・デバイスを個人安全性技術に対して接続する工程を含むことがあり、一意識別子を用いた接続の失敗に応答して、現況は安全でないとみなされる。テレマティクス・デバイスと関連付けられたデータを受信する工程は、テレマティクス・デバイスによって取り込まれた車両の内部の1つまたは複数の画像を受け取る工程を含むことがある。1つまたは複数の画像は、ユーザに対する警告に含まれることがある。警告を生成する工程は、ユーザが車両に入ったと判定する工程と、テレマティクス・デバイスに車両の内部の1つまたは複数の画像を取り込ませる工程であり、ユーザが1つまたは複数の画像に映っている工程と、1つまたは複数の画像を警告に含めてユーザに対して提供する工程と、を含むことがある。テレマティクス・デバイスは、車両にあるタグ・デバイスを含むことがある。テレマティクス・デバイスは、モバイル・デバイスを含むことがある。警告は、ユーザのモバイル・デバイスに対して送信されることがある。警告は、モバイル・デバイスに、個人安全性技術の現況の指示を含むユーザ・インタフェースを表示させることがある。警告は、ユーザに対する勧告(レコメンド)を含むことがある。ユーザは、車両のドライバであることがあり、勧告は、車両に同乗者を受け入れるべきではないという通知を含む。ユーザは、車両の同乗者であることがあり、勧告は、車両に入るべきではないという通知を含む。警告は、個人安全性技術の現況の聴覚的な指示を含むことがある。聴覚的な指示は、ユーザによって構成可能であることがある。警告は、個人安全性技術の現況の視覚的な指示を含むことがある。視覚的な指示は、車両、車両のドライバ、または車両の同乗者の画像を含むことがある。
【0030】
一般に、一態様では、装置は、テレマティクス・デバイスと関連付けられたデータに基づいて、個人安全性技術の現況を判定する工程であり、テレマティクス・デバイスが、個人安全性技術の一部である、工程、および現況に基づいて、個人安全性技術のユーザに対する警告を生成する工程であり、警告が、個人安全性技術の現況の指示を含む、工程を行うように構成された車両にあるテレマティクス・デバイスを含む。
【0031】
一般に、一態様では、非一時的なストレージ媒体は、車両に位置するテレマティクス・デバイスと関連付けられたデータを受信する工程であり、テレマティクス・デバイスが、個人安全性技術の一部である、工程と、データに基づいて、個人安全性技術の現況を判定する工程と、現況に基づいて、個人安全性技術のユーザに対する警告を生成する工程であり、警告が、個人安全性技術の現況の指示を含む、工程とを行うためのプロセッサによって実行可能な命令を含む。
【0032】
一般に、一態様では、方法は、テレマティクス・デバイスと関連付けられた1つまたは複数のセンサによって作成されたテレマティクス・データを受信する工程であり、テレマティクス・データが、車両において取り込まれたオーディオ・データまたはビデオ・データを含む、工程と、テレマティクス・データを第1のネットワークを介して車両のユーザと関連付けられたモバイル・デバイスに対して提供し、テレマティクス・データを第2のネットワークを介してサーバに対して提供する工程とを含む。
【0033】
実装態様は、以下の特徴のうちの1つ、または2つ以上の組合せを含むことがある。第1のネットワークおよび第2のネットワークは、異なるネットワーク・タイプであることがある。第1のネットワークは、BluetoothネットワークまたはWiFiネットワークであることがある。第2のネットワークは、セルラ・ネットワークまたはWiFiネットワークであることがある。サーバは、自動車安全機関、保険会社、ライドシェアリング企業、緊急サービス、コール・センタ、テレマティクス・デバイスのユーザ、または車両のユーザのうちの1つ、または2つ以上の組合せと関連付けられることがある。車両のユーザは、車両のドライバ、または車両の同乗者を含むことがある。ビデオ・データは、車両の内部のビデオ・データ、または車両の外部の領域のビデオ・データ、あるいはその両方を含むことがある。テレマティクス・デバイスは、タグ・デバイスまたはビデオ・タグ・デバイスを含むことがある。テレマティクス・デバイスは、テレマティクス・データをモバイル・デバイスに対して実時間で提供するように構成されることがある。テレマティクス・デバイスは、テレマティクス・データをモバイル・デバイスに対して提供する前の所定の期間にわたってテレマティクス・データを取り込むように構成されることがある。テレマティクス・デバイスは、第1のネットワーク上のモバイル・デバイスの存在を検出したのに応答して、テレマティクス・データをモバイル・デバイスに対して自動的に提供するように構成されることがある。この方法は、テレマティクス・データを永続的に記憶させる工程を含むことがある。モバイル・デバイスは、所定のネットワーク・タイプを検出したのに応答してテレマティクス・データをサーバに対して提供するように構成されることがある。サーバは、ユーザ・インタフェースを提供して、車両のユーザに対してテレマティクス・データを提示するように構成されることがある。サーバは、ビデオ・データまたはオーディオ・データ、あるいはその両方を解析して、車両のドライバの運転行動を判定するように構成されることがある。サーバは、運転行動の指示をユーザ・インタフェースを通してドライバに対して提供するように構成されることがある。サーバは、ビデオ・データまたはオーディオ・データ、あるいはその両方を解析して、車両のドライバまたは同乗者が不適格状態であるかどうかを判定するように構成されることがある。サーバは、ビデオ・データまたはオーディオ・データ、あるいはその両方を解析して、車両の事故を識別するように構成されることがある。サーバは、テレマティクス・データをコール・センタに対して提供するように構成されることがある。
【0034】
一般に、一態様では、装置は、テレマティクス・デバイスと関連付けられた1つまたは複数のセンサによって作成されたテレマティクス・データを受信する工程であり、テレマティクス・データが、車両において取り込まれたオーディオ・データまたはビデオ・データを含む、工程と、テレマティクス・データを第1のネットワークを介して車両のユーザと関連付けられたモバイル・デバイスに対して提供し、テレマティクス・データを第2のネットワークを介してサーバに対して提供する工程とを行うように構成された車両にあるテレマティクス・デバイスを含む。
【0035】
一般に、一態様では、非一時的なストレージ媒体は、テレマティクス・デバイスと関連付けられた1つまたは複数のセンサによって作成されたテレマティクス・データを受信する工程であり、テレマティクス・データが、車両において取り込まれたオーディオ・データまたはビデオ・データを含む、工程と、テレマティクス・データを第1のネットワークを介して車両のユーザと関連付けられたモバイル・デバイスに対して提供し、テレマティクス・データを第2のネットワークを介してサーバに対して提供する工程とを行うためのプロセッサによって実行可能な命令を含む。
【0036】
以上その他の態様、特徴、および実装態様は、方法、装置、システム、構成要素、プログラム製品、営業方法、機能を実行する手段または工程、およびその他の形で表現されることが可能であり、特許請求の範囲を含む以下の明細書から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1a】概略図。
図1b】概略図。
図2】ブロック図。
図3】ブロック図。
図4】ユーザ・インタフェースを示す図。
図5】ブロック図。
図6a】ビデオ・タグ・デバイスの斜視図。
図6b】ビデオ・タグ・デバイスの斜視図。
図7a】概略図。
図7b】概略図。
図8】ブロック図。
図9a】ユーザ・インタフェースを示す図。
図9b】ユーザ・インタフェースを示す図。
図10】フローチャート。
図11】ユーザ・インタフェースを示す図。
図12】ユーザ・インタフェースを示す図。
図13】ユーザ・インタフェースを示す図。
図14】ユーザ・インタフェースを示す図。
図15】ユーザ・インタフェースを示す図。
図16】ユーザ・インタフェースを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0038】
車両内に配置されることが可能なセンサを装備したモバイル・デバイスおよびネットワーク対応テレマティクス・デバイスの登場により、車両における運転行動およびその他の情報を監視して車両ユーザの安全性を危険にさらす状況を認識する技術を使用することが可能である。認識されたら、これらの個人安全性懸念の通知が、コール・センタまたは緊急サービスなどの第三者に提供され、その第三者が安全性懸念を解析し、適当な応答を判定することができるようにすることができる。通知は、車両のドライバなどの車両ユーザに提供され、ドライバが危険な運転行動を低減し、道路をより安全にしようという気持ちにさせることもできる。
【0039】
ライドシェアリングの成長は、例えば車両内での身体的攻撃のリスクの増加などによる車両ユーザにとっての追加的な安全性の懸念をもたらしている。したがって、車両のドライバおよび同乗者の双方の安全性懸念を監視および認識する技術を使用することが可能である。いくつかの場合には、これらの、またその他の個人安全性懸念の認識は、車両で取り込まれるオーディオ・データ、画像データ、またはビデオ・データの解析によって改善され得る。車両で取り込まれるオーディオ・データ、画像データ、またはビデオ・データは、個人安全性懸念の証拠として役立つこともある。
【0040】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載される技術(「車両ユーザ安全性技術」または単に「安全性技術」もしくは「本技術」と呼ぶこともある)は、車両のユーザの個人安全性懸念が、指示され、識別され、通信され、解析され、またはそれに基づいて行動されて(あるいはそれらが組み合わせて行われて)、例えばユーザおよびその他の本技術の参加者に安全性懸念に気づかせ、特にその安全性懸念に関連するユーザにとってのリスクを減少させることによって、車両ユーザの安全性を高めることを可能にする。
【0041】
発明者等は、「個人安全性懸念」という用語を、例えば、車両のユーザの身体的安全性などの個人的な安全性が脅かされている、または脅かされる恐れがある任意の状況、事象、事態、背景、またはシナリオを含むものとして、広範な意味で用いている。いくつかの例では、安全性懸念は、パニックのレベルまで増大し得る。本明細書では、発明者等は、このような安全性の懸念が高まった状態を指してパニックという単語を用いることもある。一般に、発明者等は、「安全性懸念」という表現を指すものとして、またこの表現と入れ替え可能であるものとして、広範な意味で「パニック」という用語を用いている。
【0042】
個人安全性懸念を認識するために、本技術における各車両は、車両においてテレマティクス・データを取り込むように構成された1つまたは複数のテレマティクス・デバイスを含むことがある。取り込まれたテレマティクス・データは、安全性懸念トリガによって事前に警告される、安全性懸念トリガに基づく、または安全性懸念トリガと関連付けられた、個人安全性懸念を認識するために、解釈または解析されることが可能である。発明者等は、例えば、危険要素、危険、またはその他の安全性懸念を示唆、識別、指示、警告、またはシグナリングする任意の事態、原因、ソース、根源、または起源を含むものとして、「安全性懸念トリガ」という用語を用いる。いくつかの例では、発明者等は、高まった安全性懸念の特有のトリガを指すものとして、またより広範な意味で、「安全性懸念トリガ」と入れ替え可能に、「パニック・トリガ」という用語を用いる。安全性懸念トリガは、車両のユーザによって(パニック・ボタンを押すことなどによって)明示的に指示されることも可能であるし、あるいは安全性懸念に関連付けられたテレマティクス・データおよびその他の情報からの解析、解釈、および推測などを含む、その他の様々なやり方で、指示または暗示されることも可能である。いくつかの例では、安全性懸念トリガは、物理的パニック・ボタンの起動、ソフトウェア・パニック・ボタンの起動、発声された言葉またはコマンド、大きなノイズ、衝突、事故、車両による地理学的境界の侵害、注意力散漫な運転、慣性事象、道路の危険要因、別の車両または物体に対する車両の近接、車両のドライバまたは乗員の不適格状態、車両内の喧嘩の検出、1つまたは複数の安全性構成要素が改造されたことの検出、およびそれらの組合せを含み得る。
【0043】
認識されると、個人安全性懸念は、安全性警告によってユーザおよびその他の本技術の参加者に報告されることが可能である。発明者等は、例えば個人安全性懸念の任意の報告、警報、通知、またはその他の指示を含むものとして、広範な意味で「安全性警告」という用語を用いている。安全性警告は、ドライバ、乗員、またはその他の車両のユーザ、あるいはその他の参加者のうちの1人または複数人に対して行われてよい。例えば、いくつかの場合には、安全性警告は、サーバに安全性懸念を通知し、サーバが、この安全性懸念をユーザまたはその他の本技術の参加者、あるいはその両方に報告することもある。ユーザおよびその他の本技術の参加者に安全性懸念に気づかせることによって、本技術は、ユーザが個人安全性を侵害するのを思いとどまらせることができ、ユーザおよびその他の参加者が安全性懸念に応答できるようにすることができる。いくつかの場合には、安全性警告は、安全性懸念を拡大することを避けるために、安全性懸念が生じている間、無音または不可視である、あるいはその他の点で車両のユーザにとって分かりにくいものであることもある。
【0044】
いくつかの実装態様では、安全性警告は、例えばオーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データなどのテレマティクス・データを、車両の1つまたは複数のテレマティクス・デバイスに取り込み、記憶し、送信するように促すことができる。本技術(例えばサーバ)は、取り込まれたテレマティクス・データを使用して、安全性警告および安全性懸念を検証し、偽陽性を防止または低減することができる。いくつかの場合には、本技術(例えばサーバ)は、取り込まれたデータを、安全性懸念の証拠として第三者に対して提示することもできる。このようにして、本技術は、第三者が安全性懸念を解析し、適当なアクションまたは応答を判定することを可能にすることができる。安全性警告に基づいて、他の活動が実行されることが可能である。
【0045】
発明者等は、例えば、特に乗用車、トラック、バス、自転車、オートバイ、またはレクリエーション車両などの任意の種類の地上輸送機関を含むものとして、広範な意味で「車両」という用語を用いている。
【0046】
発明者等は、例えば車両のドライバ、同乗者、またはその他の乗員もしくはユーザ、あるいは政府機関、保険査定人、ライドシェアリング企業、緊急サービス、コール・センタ、アナリスト、研究者、および本技術のホスト、ならびにそれらの組合せなどの第三者など、本技術を所有する、使用する、ホストする、または本技術に参加する任意の当事者を含むものとして、広範な意味で「参加者」という用語を用いている。
【0047】
発明者等は、例えば車両のドライバ、同乗者、またはその他の乗員、あるいはこれから車両の乗員になる、または最近車両の乗員であった人も含むものとして、広範な意味で「ユーザ」という用語を用いている。
【0048】
発明者等は、例えば、車両の動き、車両の状態、乗員の状態もしくは行動についての任意の種類の数値またはその他の情報、あるいは個人安全性懸念を示す、個人安全性懸念と関連付けられる、個人安全性懸念によって作成される、または個人安全性懸念によって生じる任意の種類のその他の情報を含むものとして、広範な意味で「テレマティクス・データ」という用語を用いている。テレマティクス・データは、通常は、車両において、ソース・デバイスで、またはソース・デバイスによって取り込まれ、その車両にある別のデバイスに有線で、または無線で、あるいはその車両から遠隔にある別のデバイスに対して直接または間接的に通信されることが可能である。テレマティクス・データは、生テレマティクス・データ、および導出されたテレマティクス・データを含むことが可能である。いくつかの場合には、テレマティクス・データは、車両で取り込まれ、導出されたテレマティクス・データまたは要約テレマティクス・データなどの他のテレマティクス・データを導出するために車両で処理または解析される情報を含む。
【0049】
発明者等は、例えば、センサおよびその他のオリジナル情報源の信号、パラメータ値、およびその他の出力を含むものとして、広範な意味で「生テレマティクス・データ」という用語を用いている。
【0050】
図1aおよび図1bは、安全性技術100を示す図である。一般に、安全性技術100は、協働して本明細書に記載される活動および機能を実行する様々な構成要素およびデバイスを含むことが可能である。これらの構成要素およびデバイスのそれぞれは、1つまたは複数のハードウェア構成要素、ソフトウェア・アプリケーション、および本技術の一部をなすデバイスのハードウェア構成要素とソフトウェア・アプリケーションの間でデータを通信するためのデータ通信チャネルを含むことが可能である。これらの構成要素およびデバイスの一部は、本技術100内で1つまたは複数のプロセッサによって実行されるコンピュータ可読命令を含むコンピュータ可読記憶媒体として実装されることもある。図1に示す本技術100は、以上および以下に記載したものを含めて、追加の構成要素を含むこともあるし、これより少ない構成要素を含むこともあるし、あるいは代替の構成要素を含むこともある。
【0051】
図1aおよび図1bに示すように、安全性技術100は、特に、1つもしくは複数のタグ・デバイス102、またはビデオ・タグ・デバイス106、あるいはそれらの組合せなどの1つまたは複数のテレマティクス・デバイス101と、1台もしくは複数台の車両108内、または1台または複数台の車両108のそれぞれのところにある1つまたは複数のモバイル・デバイス104とを含むことがある。本技術100は、1つまたは複数のサーバ110、および1つまたは複数のコンピューティング・デバイス112も含むことがあり、これらはそれぞれ、車両108から遠隔の位置にあってもよい。
【0052】
テレマティクス・デバイス101およびモバイル・デバイス104はそれぞれ、特定の車両108と関連付けられたテレマティクス・データを検出、処理、および生成することができる(あるいは互いの間で、またはサーバ110に対して生テレマティクス・データまたはその他のテレマティクス・データを送信して、車両に関連付けられたテレマティクス・データを処理および生成することもできる)。テレマティクス・データは、例えばテレマティクス・デバイス101、モバイル・デバイス104、またはサーバ110、あるいはそれらの組合せによって処理および解析されて、車両内にいる、または車両のところにいるドライバ150または同乗者152などの車両108のユーザと関連付けられた安全性懸念を識別することができる。識別されたら、安全性懸念は、例えば車両内にいる、または車両のところにいるドライバ150または同乗者152などの車両108のユーザと、サーバ110の管理者、あるいは特に政府機関、保険査定人、ライドシェアリング企業、アナリスト、研究者、またはそれらの組合せなど信頼できる第三者など、コンピューティング・デバイス112を通して本技術100にアクセスするその他の本技術100の参加者とに対して通信される安全性警告を通じて報告されることが可能である。いくつかの実装態様では、安全性警告は、テレマティクス・デバイス101および車両108のところにあるモバイル・デバイス104のうちの1つまたは複数に、例えばオーディオ・データ、画像データ、またはビデオ・データ、あるいはそれらの組合せのうちの1つまたは複数など、追加のテレマティクス・データを取り込み、記憶し、送信するように促す。サーバ110など、本技術100は、この追加のテレマティクス・データを使用して、例えば安全性懸念を検証することができ、また、コンピューティング・デバイス112を通して本技術にアクセスする1つまたは複数の第三者に対してこのテレマティクス・データを提示して、その第三者が安全性懸念を検証し、適当な応答またはアクションを判定できるようにすることができる。
【0053】
以下のユース・ケースは、ライドシェアリングの背景で展開されたときの本技術100の非限定的な例を提供するものである。
搭乗者が相乗り中に攻撃される:
1.搭乗者が、搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーション内で相乗りを要求する。
2.ドライバが、ドライバのモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションを用いて相乗りを受け入れ、搭乗者の位置まで運転する。
3.搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションが、(デバイス識別子を検証することによって)車両が相乗りを受け入れたドライバのものであることを確認する。
4.ビデオ・タグ・デバイスが、例えば内向きカメラを用いて車両の後部座席のスナップショット画像を撮り、その画像を搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションに対してBluetoothまたはWiFiネットワークを介して送信して、本技術が動作中であることを搭乗者が確認することができるようにする。
5.ビデオ・タグ・デバイスが、低レートでオーディオおよびビデオの記録を開始し、それらのストリームのバッファを記憶する。ビデオ・タグ・デバイスが、車両の内部のスナップショット画像を撮り、搭乗者のモバイル・デバイスに対して送信する。
6.移動中に、搭乗者が、自身が危険な状態にあると判定し、車両内のタグ・デバイスの物理的ボタンを起動することによって、または搭乗者のモバイル・デバイスのライドシェア・アプリケーション内のソフトウェア・ボタンを起動することによって、パニック警告をトリガする。
7.パニック警告メッセージが、サーバに対して送信され、次いでコンピューティング・デバイスに対して送信される。コンピューティング・デバイスは、ライドシェア企業のコール・センタであることもある。
8.ビデオ・タグ・デバイスが、高レートのオーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データの記録を開始し、記録をローカルに保存する。
9.オーディオ・データおよびスナップショット画像が、搭乗者のモバイル・デバイス(パニック警告をトリガしたユーザ)、サーバ、およびライドシェア企業のコール・センタに対して送信され、パニック警告の確認が行われる。
10.高レートのオーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データが、5分間の記録後にWiFiを介して搭乗者のモバイル・デバイスに対して送信される。搭乗者のモバイル・デバイスは、このデータをサーバに対して転送する。
11.搭乗者のモバイル・デバイスは、攻撃中に取り上げられ、オフにされることもあるが、パニック・ボタンはトリガされた後である。
搭乗者が、ルート外に連れ出され、攻撃される:
1.搭乗者が、搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーション内で相乗りを要求する。
2.ドライバが、ドライバのモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションを用いて相乗りを受け入れ、搭乗者の位置まで運転する。
3.搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションが、(デバイス識別子を検証することによって)車両が相乗りを受け入れたドライバのものであることを確認する。
4.ビデオ・タグ・デバイスが、例えば内向きカメラを用いて車両の後部座席のスナップショット画像を撮り、その画像を搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションに対してBluetoothまたはWiFiネットワークを介して送信して、本技術が動作中であることを搭乗者が確認することができるようにする。
5.ビデオ・タグ・デバイスが、低レートでオーディオおよびビデオの記録を開始し、それらのストリームのバッファを記憶する。ビデオ・タグ・デバイスが、車両の内部のスナップショット画像を撮り、搭乗者のモバイル・デバイスに対して送信する。
6.搭乗者が、ルート外に連れ出されるが、自身の即応力が減退しており(眠っている/酔っている)、そのために自身はパニック警告ボタンを起動することができない。
7.ドライバのモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションが、ジオ・フェンシング・フィーチャを介してその車両がルート外に進んでいることを検出し、パニック警告をトリガする。
8.パニック警告メッセージが、サーバ、およびライドシェア企業のコール・センタに対して送信される。
9.ビデオ・タグ・デバイスが、高レートのオーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データの記録を開始し、そのデータをローカルに保存する。
10.オーディオ・データおよびスナップショット画像が、搭乗者のモバイル・デバイス(パニック警告をトリガしたユーザ)、サーバ、およびライドシェア企業のコール・センタに対して送信され、パニック警告の確認が行われる。
11.高レートのオーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データが、5分間の記録後にWiFiを介して搭乗者のモバイル・デバイスに対して送信される。搭乗者のモバイル・デバイスは、このデータをサーバに対して転送する。
12.搭乗者のモバイル・デバイスは、攻撃中に取り上げられ、オフにされることもあるが、パニック・ボタンはトリガされた後である。
【0054】
車両108において1つまたは複数の安全性懸念を識別するために使用されるテレマティクス・データを作成するために、各テレマティクス・デバイス101は、車両108において生テレマティクス・データを検出および測定するセンサ160と、例えば生テレマティクス・データを処理して車両108と関連付けられたテレマティクス・データを生成するセンサ・モジュール162とを含むことがある。発明者等は、例えばプロセッサによって実行されて1つまたは複数の活動、機能、または能力を実行することができる任意のコード、プログラム、ファームウェア、ソフトウェア・オブジェクト、またはその他のソフトウェア・デバイスもしくは構成を含むものとして、広範な意味で「モジュール」という用語を用いている。
【0055】
一般に、各テレマティクス・デバイス101は、特に、1つまたは複数の加速度計、磁力計、ジャイロスコープ、慣性測定装置(IMU)、スピード・センサ、全地球測位システム(GPS)などの位置センサ、気圧センサ、重量センサ、エンジン・センサ、交流電源センサ、振動センサ、電圧センサ、酸素センサ、生体測定センサ、電子制御装置(ECU)デバイス、画像センサ、またはオーディオ・センサ、あるいはそれらの組合せなど、車両の状態または車両のユーザの状態もしくは行動、あるいはそれらの組合せに関係するテレマティクス・データを検出、測定、および処理するための任意数のセンサ160およびセンサ・モジュール162を含み得る。各テレマティクス・デバイス101は、メモリ164、およびテレマティクス・データなどのデータを処理してメモリ164に記憶する1つまたは複数のプロセッサ166、ならびに1つまたは複数の他のテレマティクス・デバイス101、1つまたは複数のモバイル・デバイス104、あるいは1つまたは複数のサーバ110などの本技術100の他の構成要素またはデバイスとの(あるいはモバイル・デバイスを通して1つまたは複数のテレマティクス・デバイスまたはサーバとの)有線または無線の通信を可能にする通信インタフェース168を含むこともできる。
【0056】
いくつかの場合には、テレマティクス・デバイス101は、例えば車両108の車載式故障診断装置(OBD)ポート114を通して接続されたアフターマーケット・テレマティクス・デバイス、または車両108の製造中に設置されたOEMテレマティクス・デバイスである、またはこれらを含むこともある。いくつかの例では、テレマティクス・デバイス101は、その全ての内容を本願明細書に援用する、2014年10月31日に出願された米国特許出願第14/529,812号「車両のテレマティクス・データを取得するシステムおよび方法(System and Method for Obtaining Vehicle Telematics Data)」(いくつかの実装態様では、例えばケンブリッジ・モバイル・テレマティクス社[米国マサチューセッツ州ケンブリッジ所在]からDriveWell Tag(登録商標)として販売されている)に記載される種類のタグなど、車両108内に配置または固定された(ただし電気的には接続されていない)タグ・デバイスであることもある。いくつかの実装態様では、テレマティクス・デバイス101は、モバイル・デバイス、ウェアラブル・デバイス、もしくは別の携帯可能なデバイス、またはそれらの組合せを含む、あるいはそれらの形態をとることもあり、必ずしも特定車両専用のテレマティクス・デバイスではないこともある。テレマティクス・デバイス101は、バッテリ電源式であってもよいし、車両108の電気系統に接続されてもよいし、あるいはその両方であってもよい。いくつかの例では、テレマティクス・デバイス101は、例えば車両の1人または複数人の乗員の手が届く位置など、車両内に、または車両に接した状態で、取り付けられていてもよい。いくつかの場合には、テレマティクス・デバイス101は、車両の内部または外側で動かすことができるように、車両108に繋がれていなくてもよい。
【0057】
いくつかの実装態様では、テレマティクス・デバイス101は、1つまたは複数のタグ・デバイス102である、または1つまたは複数のタグ・デバイス102を含むこともある。図2を参照すると、各タグ・デバイス102は、車両108において生テレマティクス・データを検出および測定するセンサ200と、例えば生テレマティクス・データを処理して車両108と関連付けられたテレマティクス・データを生成するセンサ・モジュール202とを含むことができる。一般に、各タグ・デバイス102は、特に、1つまたは複数の加速度計、磁力計、ジャイロスコープ、IMU、スピード・センサ、GPSなどの位置センサ、気圧センサ、重量センサ、エンジン・センサ、交流電源センサ、振動センサ、電圧センサ、酸素センサ、生体測定センサ、ECUデバイス、画像センサ、またはオーディオ・センサ、あるいはそれらの組合せなど、車両の状態または車両のユーザの状態もしくは行動、あるいはそれらの組合せに関係するテレマティクス・データを検出、測定、および処理するための任意数のセンサ200およびセンサ・モジュール202を含み得る。各タグ・デバイス102は、メモリ204、およびテレマティクス・データ212などのデータを処理してメモリ204に記憶する1つまたは複数のプロセッサ206、ならびに1つまたは複数の他のテレマティクス・デバイス101、1つまたは複数のモバイル・デバイス104、あるいは1つまたは複数のサーバ110などの本技術100の他の構成要素またはデバイスとの(あるいはモバイル・デバイスを通して1つまたは複数のテレマティクス・デバイスまたはサーバとの)有線または無線の通信を可能にする通信インタフェース208を含むこともできる。
【0058】
各タグ・デバイス102は、1つまたは複数のパニック状況またはその他の安全性懸念を検出または認識するパニック判定モジュールまたはその他の安全性モジュール210と関連付けられた実行可能命令を記憶することができる。発明者等は、例えば本技術100に含まれる1つまたは複数のプロセッサ、集積回路、またはその他のハードウェア・デバイスによって実行されて、特にテレマティクス・データを処理してパニック状況またはその他の安全性懸念を検出し、それに応答してパニック警告またはその他の安全性警告を生成することができる任意のコード、プログラム、ファームウェア、ソフトウェア・オブジェクト、またはその他のソフトウェア・デバイスもしくは構成、あるいはそれらの組合せを含むものとして、広範な意味で「パニック判定モジュール」または「安全性懸念判定モジュール」という用語を用いている。一般に、パニック判定モジュールまたは安全性懸念判定モジュールは、例えば、特に、物理的パニック・ボタンの起動、ソフトウェア・パニック・ボタンの起動、発声された言葉またはコマンド、大きなノイズ、衝突、事故、車両による地理学的境界の侵害、注意力散漫な運転、慣性事象、道路の危険要因、別の車両または物体に対する車両の近接、車両のドライバまたは乗員の不適格状態、車両内の喧嘩の検出、1つまたは複数の安全性構成要素が改造されたことの検出、およびそれらの組合せなど、1つもしくは任意数のパニック状況、または1種類もしくは任意数の種類のパニック状況、あるいは1つもしくは複数のその他の安全性懸念を検出するように構成されることが可能である。パニック判定モジュールまたは安全性懸念判定モジュールの具体例について、本技術100の特定のデバイスまたは構成要素を参照して説明しているが、本明細書に記載される技法は、限定されるわけではないが、タグ・デバイス102またはビデオ・タグ・デバイス106などのテレマティクス・デバイス101、モバイル・デバイス104、サーバ110、およびコンピューティング・デバイス112など、本技術100の任意のデバイスまたは構成要素、あるいは構成要素またはデバイスの任意の組合せに対して適用される、それらによって適用される、またはそれらにおいて適用されることが可能である。
【0059】
例えば、パニック判定モジュール210は、タグ・デバイス102によって作成されるなどして取得されるテレマティクス・データを生成および処理して、車両108におけるパニック状況またはその他の安全性懸念を検出または認識することができる。パニック状況を検出または認識した後で(あるいは検出または認識している間に)、パニック判定モジュール210は、ビデオ・タグ・デバイス106、モバイル・デバイス104、またはサーバ110、あるいはそれらの組合せを含めて、別のテレマティクス・デバイス101など、安全性技術100内の1つまたは複数のデバイスに対して、パニック警告またはその他の安全性警告を生成することができる。例えば、いくつかの場合には、タグ・デバイス102は、パニック・ボタン116またはその他の安全性懸念ボタンを含むことができ、これらのボタンは、タグ・デバイスに含まれる物理的ボタンであっても、タグ・デバイスに結合された物理的ボタンであっても、タグ・デバイスに含まれるディスプレイ上に提示されるソフトウェア・ボタンであっても、または車両内の別のデバイスのディスプレイ上に提示されるソフトウェア・ボタンであっても、あるいはそれらの組合せであってもよい。パニック・ボタン116を起動すると、タグ・デバイス102上で実行されているパニック判定モジュール210に、本技術100内の1つまたは複数の他のデバイスまたは構成要素に対してパニック警告またはその他の安全性警告を生成させることができる。パニック警告またはその他の安全性警告は、パニック状況を拡大することを避けるために、無音または不可視である、あるいはその他の点で車両の乗員にとって分かりにくいものであることもある。例えば、いくつかの場合には、パニック警告またはその他の安全性警告は、本技術100内のいかなる構成要素にも、それに応答して聴覚的なノイズまたは視覚的なインジケータを生成させない。
【0060】
いくつかの実装態様では、安全性技術100は、複数のタグ・デバイス102を含んで、車両108内に複数のパニック・ボタン116を提供することができる。このようにして、本技術100は、もしもユーザがパニック状況またはその他の安全性懸念を指示したいと思った場合に、車両ユーザがパニック・ボタン116により手が届きやすいようにすることができる。いくつかの場合には、本技術100は、車両のドライバ150および1人または複数人の同乗者152など、車両108の乗員ごとにタグ・デバイス102およびパニック・ボタン116を含むことができる。いくつかの場合には、本技術100は、特に、乗員の役割(例えばドライバの役割または同乗者の役割)に基づくグループ、車両内の乗員の位置に基づくグループ(例えば車両の前部座席に座っている乗員のグループまたは車両の後部座席に座っている乗員のグループ)、またはそれらの組合せなど、車両108の乗員のグループごとに、タグ・デバイス102およびパニック・ボタン116を含むことができる。各タグ・デバイス102は、乗員(または乗員のグループ)が座ったままでパニック・ボタン116に手が届くように、車両内で配置または固定されることが可能である。同様に、パニック・ボタン116は、特にLEDインジケータ、明るい色、またはパニック記号、あるいはそれらの組合せなど、1つまたは複数の識別マーカを含んで、パニック状況でも、または別の安全性懸念の場合でも、乗員が容易にボタンを位置特定することができるようにすることができる。
【0061】
タグ・デバイス102は、テレマティクス・データ(パニック警告である、またはパニック警告を含むこともある)を、ビデオ・タグ・デバイス106などの1つもしくは複数の他のテレマティクス・デバイス101、1つもしくは複数のモバイル・デバイス104、または1つもしくは複数のサーバ110など、本技術100の他の構成要素またはデバイスに対して(あるいはモバイル・デバイスを通して1つまたは複数のテレマティクス・デバイスまたはサーバに対して)通信することがある。いくつかの場合には、タグ・デバイス102は、本技術100の他の構成要素またはデバイスとそれぞれ通信している状態で含まれる、メモリ204に記憶された一意デバイス識別子214を含むことができる。サーバ110は、各タグ・デバイス102のデバイス識別子214の、特にそのタグ・デバイスと関連付けられた特定の車両108、またはそのタグ・デバイスと関連付けられた本技術100の特定のユーザ、あるいはその両方など他のユーザおよび車両情報に対するマッピングを、(例えばデータベース130に)記憶することができる。このようにして、サーバ110、ならびに本技術100のその他のデバイスおよび構成要素は、タグ・デバイス102およびそのテレマティクス・データを、特に、特定の車両108または本技術100の特定のユーザ、あるいはその両方と関連付けることができる。
【0062】
図3を参照すると、モバイル・デバイス104は、特に、1つまたは複数のプロセッサ300、メモリ302、通信インタフェース304、1つまたは複数のセンサ306、1つまたは複数のセンサ・モジュール308、アプリケーション・モジュール310、ディスプレイ314、およびパニック判定モジュール316などのハードウェア構成要素およびソフトウェア構成要素を含むことがある。いくつかの実装態様では、モバイル・デバイス104は、スマートフォン、タブレット・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、ウェアラブル・コンピューティング・デバイス、または別のモバイル・デバイスもしくはパーソナル・コンピューティング・デバイス、あるいはそれらの組合せなど、例えば車両の乗員によって一時的に車両108内に持ち込まれた携帯可能なコンピューティング・デバイスであってもよい。いくつかの場合には、モバイル・デバイス104は、車両内部に設置されるなどして固定されたOEMまたはアフターマーケット・デバイスである、またはそれらを含むこともある。
【0063】
いくつかの実装態様では、モバイル・デバイス104は、テレマティクス・デバイス101およびサーバ110など、本技術100内の1つまたは複数の構成要素またはデバイスとの通信を確立することがある。例えば、いくつかの場合には、モバイル・デバイス104とタグ・デバイス102との間に通信チャネル118が確立されることがある。いくつかの場合には、モバイル・デバイス104とビデオ・タグ・デバイス106との間に通信チャネル120が確立されることもある。通信チャネル118および120はそれぞれ、特にBluetooth、WiFi、セルラ、無線周波数識別(RFID)、近距離場通信(NFC)、またはそれらの組合せなど、有線または無線の通信チャネルとすることができる。いくつかの場合には、モバイル・デバイス104は、ネットワーク128との通信チャネル126を確立し、このネットワークを介して1つまたは複数のサーバ110と通信することもある。ネットワーク128は、インターネット、セルラ・ネットワーク、WiFiネットワーク、ローカル・エリア・ネットワーク、広域ネットワーク、衛星ネットワーク、またはその他の任意の適当なデータ送信ネットワーク、あるいはそれらの組合せであることがある。このようにして、モバイル・デバイス104は、本技術100内の1つまたは複数の構成要素またはデバイスに対してテレマティクス・データ(パニック警告である、またはパニック警告を含むこともある)を送信し、またそれらの構成要素またはデバイスからテレマティクス・データを受信する、あるいはその他の形で、特にテレマティクス・デバイス101およびサーバ110などの構成要素またはデバイスの間の通信を容易にすることができる。
【0064】
いくつかの場合には、モバイル・デバイス104は、本技術100の他の構成要素またはデバイスとそれぞれ通信している状態で含まれる、メモリ302に記憶された一意デバイス識別子318を含むことができる。サーバ110は、各モバイル・デバイス104のデバイス識別子318の、特にそのモバイル・デバイスと関連付けられた特定の車両108、およびそのモバイル・デバイスと関連付けられた本技術100の特定のユーザなど他のユーザおよび車両情報に対するマッピングを、(例えばデータベース130に)記憶することができ、いくつかの場合には、モバイル・デバイスを、テレマティクス・デバイス101のうちの1つまたは複数と関連付けることができる。このようにして、サーバ110、ならびに本技術100のその他のデバイスおよび構成要素は、モバイル・デバイス104およびそのテレマティクス・データを、特に、特定の車両108、本技術100の特定のユーザ、または特定のテレマティクス・デバイス101、あるいはそれらの組合せと関連付けることができる。
【0065】
いくつかの場合には、モバイル・デバイス104は、モバイル・デバイスが車両108のところに存在しているときに、テレマティクス・デバイス101のいずれかとの通信を確立するように構成されることが可能である。いくつかの場合には、モバイル・デバイス104は、例えば特に、データベース130内のテレマティクス・デバイス101とモバイル・デバイス104のマッピングまたは関連付け、テレマティクス・デバイス101によってブロードキャストされ、モバイル・デバイス104によって受信される識別子、またはそれらの組合せなどに基づいて、特定のライドシェアリング企業に対応するテレマティクス・デバイス101など、関連付けられたテレマティクス・デバイス101または関連付けられたテレマティクス・デバイス101のセットとの通信を確立するように構成されることができる。いくつかの場合には、モバイル・デバイス104が関連付けられていないテレマティクス・デバイス101との通信を確立する、またはその他の形で関連付けられていないテレマティクス・デバイス101のテレマティクス・データにアクセスすることを防止するために、暗号化技法が使用されることも可能である。
【0066】
ただし、タグ・デバイス102およびビデオ・タグ・デバイス106を含めて、テレマティクス・デバイス101は、テレマティクス・データなどのデータを収集し、メモリまたはその他のストレージに記憶して、後にモバイル・デバイスが存在して通信可能に結合されたときにモバイル・デバイス104に転送する(またモバイル・デバイスを通して1つまたは複数の他のテレマティクス・デバイスまたはサーバに転送する)ことができるので、モバイル・デバイス104は、常に車両102のところに存在している必要があるわけではない。さらに、タグ・デバイス102およびビデオ・タグ・デバイス106などのテレマティクス・デバイス101は、モバイル・デバイス104から分離しているものとして説明しているが、いくつかの実装態様では、例えば、特にGPS、加速度計、磁力計、気圧計、ジャイロスコープ、IMU、カメラ、またはマイクロフォンなど、モバイル・デバイス104に組み込まれた1つまたは複数のセンサ306およびセンサ・モジュール308を用いることによって、テレマティクス・デバイス101とモバイル・デバイス104の機能が組み合わされる。このようにして、モバイル・デバイス104は、生テレマティクス・データを作成するなどして取得することができ、この生テレマティクス・データを処理して、テレマティクス・デバイス101によって取得および生成される生データおよび処理済みデータの代わりに、またはそれらのデータの補足として、車両108に関連付けられたテレマティクス・データを生成することができる。
【0067】
いくつかの実装態様では、モバイル・デバイス104上で実行されるアプリケーション・モジュール310とパニック判定モジュール316(安全性判定モジュールの例)とが協働して、車両108におけるパニック状況またはその他の安全性懸念を検出することができ、それに応答してパニック警告またはその他の安全性警告を生成することができる。例えば、アプリケーション・モジュール310は、モバイル・デバイス104のディスプレイ314を通してユーザに対してユーザ・インタフェース312を提示することができる。いくつかの場合には、ユーザ・インタフェース312は、図4に示すように、ソフトウェア・パニック・ボタン400またはその他の安全性懸念ボタンを含むことができる。ソフトウェア・パニック・ボタン400は、起動されると、アプリケーション・モジュール310と通信している、モバイル・デバイス104上で実行されるパニック判定モジュール316に、本技術100内の1つまたは複数のデバイスまたは構成要素に対してパニック警告またはその他の安全性警告を生成させることができる。
【0068】
いくつかの実装態様では、パニック判定モジュール316は、モバイル・デバイス104の1つまたは複数のセンサ306およびセンサ・モジュール308によって作成されるテレマティクス・データ(または別のテレマティクス・デバイス101から受信されるテレマティクス・データ)を生成および処理して、車両におけるパニック状況またはその他の安全性懸念を検出することができる。例えば、いくつかの場合には、パニック判定モジュール316は、モバイル・デバイス104のマイクロフォンなどのオーディオ・センサ320から信号を受信および処理して、「助けて!」または「ヘイ、グーグル、パニック警告」など、パニック状況と関連付けられた所定の音声コマンドを検出することができる。音声コマンドは、モバイル・デバイス104のユーザにより、例えば所望のコマンドを口頭またはタイプ入力でモバイル・デバイス104に対して入力して、そのコマンドをパニック判定モジュール316またはアプリケーション・モジュール310、あるいはその両方に登録することによって、予め設定されることが可能である。音声コマンドの検出により、パニック判定モジュール316に、テレマティクス・デバイス101およびサーバ110など本技術100内の1つまたは複数のデバイスまたは構成要素に対してパニック警告を生成させることができる。
【0069】
いくつかの場合には、パニック判定モジュール316は、オーディオ・センサ320からのオーディオ信号を処理して、約100デシベル(dB)より大きいノイズ、約105dBより大きいノイズ、約110dBより大きいノイズ、あるいは車両108内の人間の叫び声またはその他の興奮状態に関連付けられた別のノイズ・レベルなど、所定のノイズ閾値を超える車両108内のノイズを検出することができる。所定のノイズ閾値を超えるノイズを検出したのに応答して、パニック判定モジュール316は、テレマティクス・デバイス101およびサーバ110など本技術100内の1つまたは複数のデバイスまたは構成要素に対してパニック警告を生成することができる。
【0070】
いくつかの場合には、パニック判定モジュール316は、モバイル・デバイス104のGPSなどの位置センサ322からの信号を処理して、車両108の地理学的位置を判定することができる。車両108が、安全性技術100の予め選択されたルートを基準にして規定された境界など、所定の地理学的境界の外側にいる場合には、パニック判定モジュール316は、本技術100内の1つまたは複数のデバイスまたは構成要素に対してパニック警告を生成することができる。例えば、いくつかの場合には、特にドライバ150、同乗者152、またはコンピューティング・デバイス112を操作する第三者など、本技術100の参加者は、車両108の目的地を選択することができる。次いで、本技術100の1つまたは複数の構成要素またはデバイスは、車両108または車両のドライバを選択された目的地まで誘導するルートを生成することができる。この1つまたは複数の構成要素またはデバイスは、ルート沿いの各点の周囲に、400メートル(1/4マイル)など既定の半径で、地理学的境界または「ジオ・フェンス」を生成することができる。いくつかの場合には、例えばルートの変更を見込むために、地理学的境界が動的に生成されることが可能である。いくつかの場合には、例えば特に交通量、道路密度、土地利用ゾーニング、車両108のスピード、またはそれらの組合せを見込むために、ルート沿いの1つまたは複数の点で地理学的境界の半径が拡大または縮小されることも可能である。パニック判定モジュール316が、例えば位置センサ322からの信号に基づいて、車両108が地理学的境界の外側にいると判定した場合には、パニック警告が生成され、本技術100の1つまたは複数のデバイスまたは構成要素に対して送信されることが可能である。
【0071】
いくつかの場合には、パニック判定モジュール316は、モバイル・デバイス104の1つもしくは複数の動き(モーション)センサ324またはデバイス状態センサ326、あるいはその両方からの信号を処理して、車両108のドライバが運転しながらモバイル・デバイス104を使用しているかどうかを判定することができる。例えば、パニック判定モジュール316は、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ、IMU、気圧計、またはコンパス、あるいはそれらの組合せなど、1つまたは複数の動きセンサ324からの信号を処理して、例えば車両108のスピードを判定することができる。車両108のスピードが0より大きい場合には、パニック判定モジュール316は、車両が動いていると判定することができる。パニック判定モジュール316は、例えば1つまたは複数の動きセンサ324からの信号を処理してモバイル・デバイス104のスピード、速度、または加速度などの動きを検出することによって、モバイル・デバイス104がドライバによって使用中であるかどうかを判定することができる。モバイル・デバイス104の動きが車両108の動きと一致しない場合には、パニック判定モジュール316は、モバイル・デバイス104が使用中であると判定することができる。いくつかの場合には、パニック判定モジュール316は、1つまたは複数のデバイス状態センサ326からの信号を処理して、例えば、特にモバイル・デバイスのスクリーンがオン状態であることを検出する、モバイル・デバイスがロック状態でないことを検出する、モバイル・デバイスが呼状態(ハンドフリーの呼状態および非ハンドフリーの呼状態を含む)であることを検出する、またはモバイル・デバイス上のタップもしくはスワイプを検出することによって、あるいはそれらの組合せによって、モバイル・デバイス104が使用中であるかどうかを判定することができる。車両108が動いているときにドライバのモバイル・デバイス104が使用中であると判定された場合には、パニック判定モジュール316は、ドライバが注意力散漫であると推測することができ、パニック警告を生成することができる。
【0072】
車両108と関連付けられたテレマティクス・データを受信、生成、または処理した後で、いくつかの実装態様では、モバイル・デバイス104は、テレマティクス・データ328をメモリ302に記憶する、あるいはタグ・デバイス102またはビデオ・タグ・デバイス106などのテレマティクス・デバイス101、ならびにサーバ110、またはそれらの組合せなど本技術100内の1つまたは複数の他の構成要素またはデバイスに対して、テレマティクス・データを送信することができる。いくつかの例では、モバイル・デバイス104は、生テレマティクス・データを、処理のために他の構成要素またはデバイスに対して送信することができる。いくつかの場合には、モバイル・デバイス104は、パニック警告またはその他の安全性警告などのテレマティクス・データのサブセットのみを、テレマティクス・デバイス101のうちの1つまたは複数など、他の構成要素またはデバイスに対して送信するように構成されることも可能である。
【0073】
いくつかの実装態様では、本技術100は、車両108内部に単一のビデオ・タグ・デバイス106を含むことができ、ドライバ150および1人または複数人の同乗者152など、車両の各乗員のモバイル・デバイス104が、同じビデオ・タグ・デバイス106との通信チャネル120を確立することもある。このようにして、車両108の1人または複数人の乗員が、同じビデオ・タグ・デバイス106ならびに安全性技術100の他の構成要素およびデバイスを使用している参加者であることが可能であり、このビデオ・タグ・デバイス106が、車両108の各乗員に共通のテレマティクス・データを収集および処理することが可能である。いくつかの場合には、ビデオ・タグ・デバイス106によって作成される共通のテレマティクス・データは、例えばそのデータを各乗員のモバイル・デバイス104に対して送信することによって、またはサーバ110にそのデータを各乗員に対して提示させることによって、車両108の乗員の一部または全員によって共有されることが可能である。いくつかの実装態様では、共通のテレマティクス・データは、本技術100の1つまたは複数の構成要素またはデバイスによって使用されて、以下で述べるように、各乗員の安全性懸念の存在に関する判定、または各乗員の安全性懸念の真実性に関する判定、あるいはその両方など、各乗員の安全性に関する総体的な判定を行うことができる。
【0074】
図5を参照して、ビデオ・タグ・デバイス106は、特に、1つまたは複数のプロセッサ500、メモリ502、通信インタフェース504、1つまたは複数のセンサ506およびセンサ・モジュール508、ならびにスピーカ510などのハードウェア構成要素およびソフトウェア構成要素を含むことができる。ビデオ・タグ・デバイス106は、1つまたは複数のバッテリ518、太陽光パネル520、または外部電力ポートおよび回路系522、あるいはそれらの組合せなど、デバイス内の様々な構成要素に対して電力を提供するための電源516も含むことができる。いくつかの場合には、ビデオ・タグ・デバイス106は、多目的ボタン524を含み、例えば、特に、ビデオ・タグ・デバイス106を電源オン/オフし、以下で述べるようにビデオ・タグ・デバイス106を起動し、Bluetoothペアリングなどのこのデバイスとのペアリングを可能にすることができる。
【0075】
ビデオ・タグ・デバイス106のセンサ508は、カメラ122などの1つまたは複数の画像センサ532、およびマイクロフォン124などのオーディオ・センサ534を含み、車両108において画像信号およびオーディオ信号を検出および測定することができる。画像センサ532およびオーディオ・センサ534は、車両108において画像信号およびオーディオ信号を取り込み、それらの信号を処理して画像データおよびオーディオ・データを生成する、対応する画像取込みモジュール536およびオーディオ取込みモジュール538に結合されることが可能である。いくつかの場合には、画像取込みモジュール536は、画像センサ532のうちの1つまたは複数からの画像信号のシーケンスを結合して、車両108におけるビデオ信号およびデータを作成することができる。一般に、ビデオ・タグ・デバイス106は、特に、1つまたは複数の加速度計、磁力計、ジャイロスコープ、IMU、スピード・センサ、GPSなどの位置センサ、気圧センサ、重量センサ、エンジン・センサ、交流電源センサ、振動センサ、電圧センサ、酸素センサ、生体測定センサ、ECUデバイス、画像センサ、またはオーディオ・センサ、あるいはそれらの組合せなど、車両の状態または車両のユーザの状態もしくは行動、あるいはその両方に関係する信号およびデータを提供する、任意数のセンサ506およびセンサ・モジュール508を含み得る。
【0076】
いくつかの場合には、ビデオ・タグ・デバイス106は、本技術100の他の構成要素またはデバイスとそれぞれ通信している状態で含まれる、メモリ502に記憶された一意デバイス識別子540を含むことができる。いくつかの場合には、デバイス識別子540は、ビデオ・タグ・デバイス106のメディア・アクセス制御(MAC)アドレスとすることができる。サーバ110は、以下に述べるように、例えばビデオ・タグ・デバイスの起動中にデバイス識別子538を受信することができる。受信されると、サーバ110は、各ビデオ・タグ・デバイス106のデバイス識別子540の、特にそのビデオ・タグ・デバイスと関連付けられた特定の車両108、およびそのビデオ・タグ・デバイスと関連付けられた本技術100の特定のユーザなど他のユーザおよび車両情報に対するマッピングを、(例えばデータベース130に)記憶することができ、いくつかの場合には、ビデオ・タグ・デバイスを、テレマティクス・デバイス101のうちの1つまたは複数あるいはモバイル・デバイス104と関連付けることができる。このようにして、サーバ110、ならびに本技術100のその他のデバイスおよび構成要素は、ビデオ・タグ・デバイス106およびそのテレマティクス・データを、特に、特定の車両108、本技術100の特定のユーザ、特定のテレマティクス・デバイス101、または特定のモバイル・デバイス104、あるいはそれらの組合せと関連付けることができる。
【0077】
図5に示すように、ビデオ・タグ・デバイス106は、パニック判定モジュール542(安全性判定モジュールの例)と関連付けられた実行可能命令をメモリ502に記憶することができる。いくつかの実装態様では、パニック判定モジュール542は、ビデオ・タグ・デバイス106のセンサ506およびセンサ・モジュール508のうちの1つまたは複数によって作成されるテレマティクス・データ(あるいは別のテレマティクス・デバイス101またはモバイル・デバイス104から受信されるテレマティクス・データ)を処理して車両108におけるパニック状況を検出し、それに応答してパニック警告またはその他の安全性警告を生成することができる。一般に、パニック判定モジュール542は、例えば、特に、物理的パニック・ボタンの起動、ソフトウェア・パニック・ボタンの起動、発声された言葉またはコマンド、大きなノイズ、衝突、事故、車両による地理学的境界の侵害、注意力散漫な運転、慣性事象、道路の危険要因、別の車両または物体に対する車両の近接、車両のドライバまたは乗員の不適格状態、車両内の喧嘩の検出、1つまたは複数の安全性構成要素が改造されたことの検出、およびそれらの組合せなど、1つもしくは任意数のパニック状況、または1種類もしくは任意数の種類のパニック状況、あるいは1つもしくは複数のその他の安全性懸念を検出することができる。各場合に、パニック判定モジュール542は、以下に述べるようにパニック警告またはその他の安全性警告をビデオ・タグ・デバイス106内でローカルに処理することができる。例えば、警告に応答して、パニック判定モジュール542は、ビデオ・タグ・デバイス106に、オーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データなどのテレマティクス・データを取り込ませ、記憶させ、送信させる、あるいはデータ取込みのレートもしくは解像度、またはその両方など、1つまたは複数のテレマティクス・データ収集特性を調節させることができる。パニック判定モジュール542は、警告を記憶し、特にモバイル・デバイス104およびサーバ110など、本技術100内の1つまたは複数のデバイスまたは構成要素に対して送信することができる。
【0078】
いくつかの場合には、パニック判定モジュール542は、マイクロフォン124など1つまたは複数のオーディオ・センサ534から信号を受信および処理して、パニック状況と関連付けられた所定の音声コマンドを検出することができ、それに応答してパニック警告またはその他の安全性警告を生成することができる。例えば、パニック判定モジュール542は、「助けて!」または「ヘイ、グーグル、パニック警告」などの所定の音声コマンドと関連付けられた、オーディオ信号などの信号を記憶することができる。所定の音声コマンドおよびそれに対応する信号は、ビデオ・タグ・デバイス106に予めインストールされてもよいし、あるいはビデオ・タグ・デバイスのユーザにより、例えば音声コマンドを口頭でデバイスに対して入力することによって予め設定されてもよい。いくつかの場合には、ビデオ・タグ・デバイス106は、ビデオ・タグ・デバイス106とモバイル・デバイス104が通信可能に結合されたときに、モバイル・デバイス104から1つまたは複数の所定の音声コマンド(および信号)を受信することができる。音声コマンドを検出するために、パニック判定モジュール542は、所定の音声コマンドと関連付けられた信号をオーディオ・センサ534からの信号と比較して、所定の音声コマンド信号中のパターンまたはシグネチャ(署名)と一致するオーディオ・センサからの信号中のパターンまたはシグネチャを検出することができる。一致または実質的な一致が見られる場合には、パニック判定モジュール542は、その音声コマンドが車両108内で発声されたと判定することができ、パニック警告を生成することができる。
【0079】
いくつかの場合には、マイクロフォン124など1つまたは複数のオーディオ・センサ534からのオーディオ信号がパニック判定モジュール542によって処理されて、約100デシベル(dB)より大きいノイズ、約105dBより大きいノイズ、約110dBより大きいノイズ、あるいは車両108内の人間の叫び声またはその他の興奮状態に関連付けられた別のノイズ・レベルなど、所定のノイズ閾値を超える車両108内のノイズを検出することができる。所定のノイズ閾値を超えるノイズを検出したのに応答して、パニック判定モジュール542は、パニック警告を生成することができる。
【0080】
いくつかの場合には、パニック判定モジュール542は、ビデオ・タグ・デバイス106または別のデバイスのGPSなどの位置センサからの信号を処理して、車両108の地理学的位置を判定することができる。車両108が、車両108の予め選択されたルートを基準にして規定された境界など、所定の地理学的境界の外側にいる場合には、パニック判定モジュール542は、パニック警告またはその他の安全性警告を生成することができる。例えば、いくつかの場合には、特にドライバ150、同乗者152、またはコンピューティング・デバイス112を操作する第三者など、本技術100の参加者は、車両108の目的地を選択することができる。次いで、本技術100の1つまたは複数の構成要素またはデバイスは、車両108または車両のドライバを選択された目的地まで誘導するルートを生成することができる。この1つまたは複数の構成要素またはデバイスは、ルート沿いの各点の周囲に、400メートル(1/4マイル)など既定の半径で、地理学的境界または「ジオ・フェンス」を生成することができる。いくつかの場合には、例えばルートの変更を見込むために、地理学的境界が動的に生成されることが可能である。いくつかの場合には、例えば特に交通量、道路密度、土地利用ゾーニング、車両108のスピード、またはそれらの組合せを見込むために、ルート沿いの1つまたは複数の点で地理学的境界の半径が拡大または縮小されることも可能である。パニック判定モジュール542が、例えば位置センサからの信号に基づいて、車両108が地理学的境界の外側にいると判定した場合には、パニック警告が生成されることが可能である。
【0081】
いくつかの場合には、パニック判定モジュール542は、画像センサ532、オーディオ・センサ534、およびその他のセンサ506のうちの1つまたは複数からの信号を処理して、車両108の事故、または車両108と関連付けられた衝突を検出することができ、事故または衝突に応答してパニック警告を生成することができる。例えば、パニック判定モジュール542は、画像センサ532からの信号を処理して、特に、別の車両または物体に衝突された車両108の1つまたは複数の画像、横転するなどして側面もしくは屋根が下になっている車両の画像、または路上で間違った方向に向いている車両の画像、あるいはそれらの組合せを検出することができる。いくつかの場合には、パニック判定モジュール542は、1つまたは複数の連続的な画像を比較して、車両に対する新たな損傷を検出して、車両が事故または衝突に巻き込まれたと推測することができる。パニック判定モジュール542は、オーディオ・センサ534からのオーディオ信号を解析して、特にガラスの粉砕、タイヤのスキッド、またはプラスチックもしくは鋼の変形に関連付けられたパターンまたはシグネチャなど、車両の事故または衝突を示す信号中のパターンまたはシグネチャを検出することができる。同様に、いくつかの場合には、パニック判定モジュール542は、1つまたは複数のセンサ506からの信号を処理して、車両108の制動、加速、コーナリング、しり振り、またはドリフトなど、車両108における事故、衝突、またはその他の慣性事象を示す慣性シグネチャを検出することができ、慣性シグネチャが事故を示す場合、または慣性事象の大きさが所定の閾値を超える場合には、パニック警告を生成することができる。
【0082】
いくつかの場合には、パニック判定モジュール542は、1つまたは複数のセンサ506からの信号を処理して、車両108が別の車両に近接しているかどうか、または道路上の物体に向かって進行しているかどうかを検出することができる。例えば、いくつかの実装態様では、ビデオ・タグ・デバイス106は、道路など、車両外部の領域の画像を取り込むように位置決めされた外向きカメラを含むことができ、パニック判定モジュール542は、外向きカメラによって作成された画像データを解析して、車両108が別の車両に近接していること、または道路上の物体に向かって進行していることを検出し、それに応答してパニック警告を生成することができる。
【0083】
いくつかの場合には、パニック判定モジュール542は、画像センサ532、オーディオ・センサ534、ならびに位置センサおよび加速度計などの1つまたは複数の他のセンサ506のうちの1つまたは複数からの信号を処理して、車両108が危険な交差点など道路の高リスク領域にいるかどうか、あるいは路肩に乗り上げたり、または道路から外れたりすることなどによって道路の主要領域から離れたかどうかを検出することができる。例えば、パニック判定モジュール542は、危険な交差点と関連付けられた位置における特定の期間にわたる車両108の停止と、その後の車両の加速とを検出して、車両が危険な交差点にいると推測することができ、それに応答してパニック警告を生成することができる。いくつかの実装態様では、パニック判定モジュール542は、外向きカメラからの画像信号を処理して、車両108が道路の交差点または別の高リスク領域にいるかどうかを判定することができ、パニック警告を生成することができる。いくつかの場合には、パニック判定モジュール542は、画像信号、オーディオ信号、またはその他のセンサ信号を処理して、車両108が路肩にいるかどうか、または道路から外れたかどうかを判定することができ、パニック警告を生成することができる。
【0084】
いくつかの場合には、パニック判定モジュール542は、カメラ122によって取り込まれた車両の内部の画像信号など、1つまたは複数のセンサ506からの信号を処理して、例えば特に乗員の頭部の姿勢または乗員の体の姿勢を解析する、あるいは乗員の目が開いているかどうかを判定することによって、車両108の乗員が不適格状態であるかどうかを検出することができ、それに応答してパニック警告を生成することができる。同様に、パニック判定モジュール542は、カメラ122からの画像データを使用して、ドライバの頭部の姿勢、体の姿勢、および目を解析することなどによって、車両108のドライバが運転しながら注意力散漫であるかどうかを判定することができ、それに応答してパニック警告を生成することができる。
【0085】
いくつかの場合には、テレマティクス・デバイス101またはモバイル・デバイス104など、本技術100の構成要素またはデバイスのうちの1つまたは複数は、改造防止フィーチャを含むことができる。改造は本技術100によって提供される安全性フィーチャの根底を揺るがす恐れがあるので、本技術内の構成要素およびデバイスは、改造を検出するように構成されることが可能であり、それに応答してパニック警告を生成することができる。例えば、いくつかの場合には、パニック判定モジュール542は、画像センサ532からの画像信号を処理して、カメラが覆われるなどして見えにくくなっているかどうかを検出することができ、それに応答してパニック警告を生成することができる。いくつかの場合には、パニック判定モジュール542は、例えばデバイスの切断を検出することなどによって、モバイル・デバイス104または別のテレマティクス・デバイス101、あるいはその両方が、使用中にオフにされるなどして使用不能にされているかどうかを検出することができ、それに応答してパニック警告を生成することができる。同様に、いくつかの場合には、モバイル・デバイス104または別のテレマティクス・デバイス101、あるいはその両方が、ビデオ・タグ・デバイス106が使用中にオフにされるなどして使用不能にされているかどうかを(例えばパニック判定モジュール210または316を通して)検出することもでき、それに応答してパニック警告を生成することもできる。いくつかの実装態様では、テレマティクス・デバイス101およびモバイル・デバイス104のうちの1つまたは複数は、デバイスに対して物理的な改造が行われたときに起動されるセンサまたはスイッチを含むことができ、そのデバイスは、それに応答してパニック警告を生成することができる。いくつかの実装態様では、パニック判定モジュール210、316、および542は、デバイス上で実行されるソフトウェアが改変されたかどうかを検出することができる、コード、ファームウェア、または別のソフトウェア・オブジェクトなどのソフトウェア機構を含むことができ、それに応答してパニック警告を生成することができる。
【0086】
いくつかの実装態様では、パニック判定モジュール542は、ビデオ・タグ・デバイス106内でローカルに生成された、あるいは別のテレマティクス・デバイス101、モバイル・デバイス104、もしくはサーバ110、またはそれらの組合せから受信されたパニック警告またはその他の安全性警告を処理することができる。いくつかの場合には、パニック判定モジュール542は、ビデオ・タグ・デバイス106にパニック警告を記憶させ、パニック警告を別のテレマティクス・デバイス101、モバイル・デバイス104、またはサーバ110、あるいはそれらの組合せに対して送信させることができる。いくつかの場合には、パニック判定モジュール542は、ビデオ・タグ・デバイス106に、パニック警告またはその他の安全性警告に応答して、テレマティクス・パラメータ、ならびにオーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データなどのテレマティクス・データを取り込ませ、(例えばテレマティクス・データ544としてメモリ502に)記憶させ、送信させることができる。例えば、いくつかの実装態様では、ビデオ・タグ・デバイス106は、警告に応答して車両108の内部または外部あるいはその両方の1つまたは複数のスナップショット画像を取り込むことができ、そのスナップショット画像を、以前に記録されたオーディオ・データまたはその他のテレマティクス・データとともに、別のテレマティクス・デバイス101、モバイル・デバイス104、またはサーバ110、あるいはそれらの組合せに対して、実時間で、または要求時に、送信することができる。ビデオ・タグ・デバイス106は、警告を受信した後、5分間など所定の期間にわたって車両108においてオーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データを取り込み、記憶することを継続することができ、そのオーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データを、特に実時間で、所定の期間が満了した後で、あるいはモバイル・デバイス104またはサーバ110からの要求に応答して、別のテレマティクス・デバイス101、モバイル・デバイス104、またはサーバ110に対して送信することができる。
【0087】
パニック判定モジュール542は、ビデオ・タグ・デバイス106に、受信されたパニック警告またはその他の安全性警告に応答して、データ取込みのレートまたは解像度など、1つまたは複数のテレマティクス・データ取込み特性を調節させることができる。例えば、いくつかの場合には、パニック判定モジュール542は、オーディオ・センサ532またはオーディオ取込みモジュール536、あるいはその両方に対して(例えば1つまたは複数のプロセッサ500を用いて)1つまたは複数の信号を提供して、ビデオ・タグ・デバイス106に、パニック警告またはその他の安全性警告に応答して、約8kHz以上、約11kHz以上、約16kHz以上、約22kHz以上、約32kHz以上、または約44kHz以上でサンプリングされたオーディオなど、高レートのオーディオ信号およびデータを記録させることができる。いくつかの場合には、パニック判定モジュール542は、1つまたは複数の信号を画像センサ530または画像取込みモジュール534、あるいはその両方に対して提供して、ビデオ・タグ・デバイス106に、パニック警告またはその他の安全性警告を受信した後、所定の期間にわたって、約15Hz(15フレーム毎秒(fps))以上または約30Hz(30fps)以上でサンプリングされたビデオなど、高レートのビデオ信号およびデータを記録させることができる。パニック判定モジュール542は、1つまたは複数の信号をその他のセンサ506またはセンサ・モジュール508、あるいはその両方に対して提供して、パニック警告またはその他の安全性警告に応答して、他のテレマティクス・データ取込み特性を調節することができる。パニック警告およびその他の安全性警告を処理することを、ビデオ・タグ・デバイス106およびパニック判定モジュール542を参照して説明したが、本明細書に記載される技法は、限定されるわけではないが、タグ・デバイス102などのテレマティクス・デバイス101、モバイル・デバイス104、サーバ110、およびコンピューティング・デバイス112など、本技術100の任意のデバイスまたは構成要素、あるいは構成要素またはデバイスの任意の組合せに対して適用される、それらによって適用される、またはそれらにおいて適用されることが可能である。
【0088】
図6aおよび図6bは、ビデオ・タグ・デバイス106の正面斜視図および背面斜視図である。ビデオ・タグ・デバイス106は、特に1つまたは複数のプロセッサ、メモリ、通信インタフェース、1つまたは複数のセンサ、およびスピーカなど、このデバイスの様々な構成要素を収納することができる筐体650を含む。筐体650は、ビデオ・タグ・デバイス106の様々な構成要素との間の換気および音伝達を可能にする1つまたは複数の通気口600を含む。筐体650は、例えば特にビデオ・タグ・デバイス106を電源オンまたはオフし、以下に述べるようにビデオ・タグ・デバイス106を起動し、デバイスとのBluetoothペアリングなどのペアリングを可能にする、多目的ボタン524を含む。いくつかの実装態様では、ボタン524は、デバイスが電源オンされているかどうか、デバイスが適切に機能しているかどうか、またはデバイスが別のテレマティクス・デバイス101またはモバイル・デバイス104に接続されているかどうか、あるいはそれらの組合せなどのビデオ・タグ・デバイス106の現況を指示するための光拡散器525によって取り囲まれることも可能である。
【0089】
筐体650は、ビデオ・タグ・デバイス106を例えば車両のフロントガラスの内側表面に対して固定するための1つまたは複数の粘着ストリップ602を含む。各粘着ストリップ602は、永久または半永久接着剤またはエポキシを含み、ビデオ・タグ・デバイス106の改造または不正除去を防止することができる。筐体650は、リチウム・イオン(Li+)バッテリなど、ビデオ・タグ・デバイス106の様々な構成要素に電力を提供するための1つまたは複数のバッテリを収納することができる。バッテリを充電するために、ビデオ・タグ・デバイス106は、筐体650の凹部内に固定された、フロントガラスを通して車両の外側から日光またはその他の光を受けるように構成された1つまたは複数の太陽光パネル520を含む。いくつかの実装態様では、ビデオ・タグ・デバイス106は、USB-Cポートなどの外部電力ポート522と、例えば1つまたは複数のバッテリの電荷が低い、または存在しないときにバッテリを充電するため、またはシステム電力を提供するための有線の電力接続を可能にする対応する電力回路系とを含むことができる。いくつかの場合には、ポート522は、ビデオ・タグ・デバイスに対する、またはビデオ・タグ・デバイスからのデータ転送のために使用されることも可能である。
【0090】
いくつかの実装態様では、ビデオ・タグ・デバイス106は、筐体650の底部から第1の軸604に沿って延びる可動柄652を含む。発明者等は、別の物体から延びたり別の物体に端を発したりして別の物体から突出する、構成要素、デバイス、部分、またはその他の物体を含むものとして、広範な意味で「柄」という用語を用いている。いくつかの場合には、柄は、縦長または横長で、その短い方の寸法が上記の他の物体の幅より狭くなっていてもよい。可動柄652は、枢動機構606によって筐体650に回転可能に結合されることが可能である。このようにして、柄652は、第1の軸604に対してほぼ直交する第2の軸608の周りで回転させることができる。いくつかの実装態様では、枢動機構606は、可動柄652の位置がユーザによって設定された後で枢動機構606を適所に保持する摩擦を提供するための1つまたは複数のOリングを含むことができる。いくつかの場合には、1つまたは複数のOリングの材料は、ヒステリシスおよび車両内の振動による枢動機構606の移動を最小限にするように、約75から約90のショアA硬度など、特定の硬度を有するように選択されることが可能である。いくつかの実装態様では、枢動機構606は、例えばビデオ・タグ・デバイス106のプロセッサからの信号に応答して筐体に対して枢動機構606の第2の軸の周りで柄を動かすように構成された電気機械アクチュエータを含むことができる。プロセッサは、例えば特にビデオ・タグ・デバイス106のユーザからの遠隔制御信号、柄上の1つまたは複数のカメラの視界を最適化するためには柄が動かされるべきであるという判定、あるいは柄上の1つまたは複数のカメラの視界を特定の点にフォーカスするためには柄が動かされるべきであるという判定に応答して、アクチュエータに柄を第2の軸の周りで動かさせるための信号を提供することがある。
【0091】
可動柄652は、図7aに示すように、車両の内部616の画像、ビデオ、およびオーディオを取り込むために柄652の後側面614の下側端部612に位置決めされた1つまたは複数の内向きカメラ610(すなわちビデオ・タグ・デバイスがフロントガラスに取り付けられたときにほぼ車両の内側に向くカメラ)、ならびに道路626など車両の外部624の領域の画像およびビデオを取り込むために柄652の反対側面622の上側端部620に位置決めされた1つまたは複数の外向きカメラ618など、1つまたは複数のカメラを含むことができる。外向きカメラを内向きカメラより高い位置に位置決めすることにより、それらそれぞれの視界628の方向を、それが見ている対象に合うように改善する。第2の軸の周りで柄を回転させることにより、内向きカメラおよび外向きカメラの一方または両方の画角630および視野632を改善することができる。特に、内向きカメラの画角および視野を、車両の内部と一致させて、車両の前部座席および後部座席の両方の視界を改善することができる。
【0092】
いくつかの実装態様では、内向きカメラ610は、赤外線(IR)カメラとすることができ、ビデオ・タグ・デバイス106は、IR発光ダイオード(LED)などのIR照明器611を含んで、カメラ610の視野を照明することができる。いくつかの実装態様では、外向きカメラ618は、IRカメラまたはカラー・カメラとすることができる。いくつかの場合には、内向きカメラ610または外向きカメラ618、あるいはその両方が、広角レンズを含むことができる。フレキシブル・プリント回路基板(PCB)などのコネクタが、筐体650と柄652の間の電力およびデータ接続を提供することができる。
【0093】
いくつかの場合には、内向きカメラ610を収容する部分など、柄652の少なくとも一部分を第1の軸604の周りで回転可能として、図7bに示すように内向きカメラ610を車両の内部でパンさせることができる。このようにして、内向きカメラ610は、車両の窓を通して見るように、車両の内部および車両の外部の360度の視界を提供することができる。いくつかの場合には、柄652は、例えばビデオ・タグ・デバイス106のプロセッサからの信号に応答して、柄652の回転可能な部分を第1の軸604の周りで動かすように構成されたアクチュエータを含むことができる。いくつかの実装態様では、内向きカメラ610または外向きカメラ618、あるいはその両方は、ビデオ・タグ・デバイス106のプロセッサからの信号に応答してズーム・インまたはズーム・アウトするように構成されることが可能である。
【0094】
可動柄652は、多色LEDおよび光拡散器などのインジケータ619を含むことができる。インジケータ619は、ビデオ・タグ・デバイス106がフロントガラスに取り付けられたときにインジケータが車両の外側から見えるように、外向きカメラ618と同じ側にあることもある。ビデオ・タグ・デバイス106のプロセッサは、インジケータ619に対して1つまたは複数の信号を提供して、インジケータに光または選択された色の光を表示させて、例えばユーザが車両108を位置特定できるようにすることができる。
【0095】
ビデオ・タグ・デバイス106に対しては、様々な修正が可能である。例えば、いくつかの実装態様では、柄652は、筐体650の頂部または側面から延びることができる。いくつかの場合には、第1の軸604が第2の軸608に対して角度を有するように、柄652は、筐体650から角度を有して延びることもできる。いくつかの場合には、内向きカメラ610を収容する部分など、柄652の少なくとも一部分を、第1の軸604に沿って延長可能および収縮可能にして、例えば内向きカメラ610(または外向きカメラ618、あるいはその両方)の垂直方向位置を変更することもできる。柄652の延長および収縮は、手動であってもよいし、電気機械アクチュエータによるなど自動であってもよいし、あるいはその両方であってもよい。いくつかの実装態様では、ビデオ・タグ・デバイス106は、内向きカメラまたは外向きカメラの実時間視界を提示するディスプレイ、または別のユーザ・インタフェース、あるいはそれらの組合せなど、本明細書に記載される構成要素以外の構成要素を含むことができる。いくつかの場合には、筐体650内部にあるものとして記載されている構成要素が、柄652の内部に含まれていてもよい(あるいはその逆も可である)。
【0096】
図1aおよび図1bを再度参照すると、ビデオ・タグ・デバイス106は、パニック警告またはその他の安全性警告、警告に応答して生成されたオーディオ、画像、およびビデオの信号およびデータ、ならびにそれらの組合せなどのテレマティクス・データを、別のテレマティクス・デバイス101、モバイル・デバイス104、またはサーバ110に対して、あるいはモバイル・デバイス104を通して他のテレマティクス・デバイス101もしくはサーバ110またはそれらの組合せに対して送信することができる。いくつかの場合には、ビデオ・タグ・デバイス106は、パニック警告またはその他の安全性警告を生成または送信したモバイル・デバイス104に対してテレマティクス・データを送信することができる。テレマティクス・データを受信するなどして取得した後、モバイル・デバイス104は、テレマティクス・データをローカルに記憶することもできるし、ネットワーク128を介してサーバ110(または別のテレマティクス・デバイス101)に対してテレマティクス・データを送信する(126)こともできるし、あるいはその両方を行うこともできる。いくつかの場合には、モバイル・デバイス104は、セルラ・データの使用を回避するために、そのモバイル・デバイスがWiFiネットワークなど特定のタイプのネットワークに接続するまで、テレマティクス・データの送信をキューに入れることもある。
【0097】
サーバ110(あるいはテレマティクス・デバイス101もしくはモバイル・デバイス104、またはそれらの組合せ)は、テレマティクス・データを処理して、例えば、特に、パニック状況またはその他の安全性懸念を検出する、パニック警告またはその他の安全性警告を検証する、車両の事故を検出する、車両の事故を再構築する、ドライバの行動を判定する、安全性技術100の動作を確認する、または本技術100の参加者を検証する、あるいはそれらの組合せを行うことがある。サーバ110は、テレマティクス・データを、本技術100における参加者、構成要素、およびデバイス、ならびにそれらの間の関連についてのその他の情報とともに、サーバ110と通信することができるデータベース130に記憶することがある。データベース130は、限定されるわけではないが、ハード・ディスク・ドライブ、ソリッドステート・ドライブ、光学ストレージ・ドライブ、またはそれらの組合せなど、1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読ストレージ媒体を用いて実装されることがある。
【0098】
図8に示すように、サーバ110は、データ・バス806によって相互接続された、1つまたは複数のプロセッサ800、メモリ802、および通信インタフェース804などのハードウェア構成要素およびソフトウェア構成要素を含むことがある。メモリ802は、任意の非一時的なコンピュータ可読ストレージ媒体とすることができ、プロセッサ800によって実行可能なコンピュータ可読命令を記憶することがある。メモリ802は、パニック判定モジュール808、パニック警告検証モジュール810、事故再構築モジュール812、ドライバ行動モジュール814、およびその他のモジュールと関連付けられた実行可能命令を記憶して、サーバ110またはその他の構成要素およびデバイスが本明細書に記載される技法を実行することを可能にすることがある。
【0099】
サーバ110またはその他の構成要素およびデバイスは、通信インタフェース804を使用して、情報の中でも特にパニック警告データ、ならびにオーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データなどのテレマティクス・データなど、生または処理済みのデータ、あるいはその両方を、本技術100の他の構成要素またはデバイスに対して送信し、それらの構成要素またはデバイスから受信することができる。例えば、サーバ110あるいは他のデバイスまたは構成要素は、記憶するためにデータベース130に対してデータを送信する、またはデータベース130からデータを受信することもあるし、ネットワーク128を用いてタグ・デバイス102およびビデオ・タグ・デバイス106などのテレマティクス・デバイス101もしくはモバイル・デバイス104に対してデータを送信する、またはそれらのデバイスからデータを受信することもあるし、あるいはインターネットまたはその他の任意の適当なデータ送信ネットワークであることがあるネットワーク132を用いてコンピューティング・デバイス112に対してデータを送信する、またはコンピューティング・デバイス112からデータを受信することもある。サーバ110は、テレマティクス・デバイス101、モバイル・デバイス104、またはコンピューティング・デバイス112、あるいはそれらの組合せに対し、例えばデータの視覚化、相互作用、またはさらなる処理を可能にする、アプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)またはウェブ・サービスなどのソフトウェアまたはインタフェースを提供することができる。
【0100】
いくつかの実装態様では、サーバ110のパニック判定モジュール808(安全性判定モジュールの例)は、本明細書に記載される技法のいずれかを使用して、テレマティクス・データを処理して、パニック状況またはその他の安全性懸念を検出し、パニック警告またはその他の安全性警告を生成することができる。サーバ110は、次いで、パニック警告をビデオ・タグ・デバイス106または別の構成要素もしくはデバイスに対して送信して、そのデバイスに、オーディオ・データ、画像データ、またはビデオ・データ、あるいはそれらの組合せなどのテレマティクス・データを取り込ませる、記憶させる、もしくは送信させる(およびそれらを組み合わせて行わせる)、あるいはデータ取込みのレートもしくは解像度、またはその両方など、1つまたは複数のテレマティクス・データ収集特性を調節させることができる。いくつかの場合には、サーバ110(あるいは本技術100の別の構成要素もしくはデバイス、またはそれらの組合せ)は、記憶または送信の前に、オーディオ・データ、画像データ、またはビデオ・データ、あるいはそれらの組合せをトランスコードすることができる。
【0101】
パニック警告が本技術100において生成されている場合など、いくつかの場合には、パニック警告検証モジュール810は、例えば警告に応答して生成されたテレマティクス・データを処理してパニック状況またはその他の安全性懸念の存在を確認することによって、パニック警告またはその他の安全性警告を検証することができる。いくつかの実装態様では、パニック警告検証モジュール810は、機械学習または人工知能技法を適用して、パニック警告の正確な検証を提供し、偽陽性の可能性を低下させることができる。パニック警告検証モジュール810は、サーバ110に、パニック警告の検証またはその他のレビューのために本技術100の参加者に対してテレマティクス・データおよびその他の情報を表示するために、本技術100のその参加者と関連付けられた、1つまたは複数のコンピューティング・デバイスまたはサーバ、あるいはその両方を含むことがあるコンピューティング・デバイス112上にユーザ・インタフェースを提供させることがある。例えば、いくつかの場合には、パニック警告検証モジュール810は、自動車安全機関、保険会社、ライドシェアリング企業、緊急サービス、コール・センタ、アナリスト、研究者、本技術のホスト、またはこれらの参加者の組合せなど、信頼できる第三者と関連付けられたコンピューティング・デバイス112上にユーザ・インタフェースを提示することができる。いくつかの場合には、パニック警告検証モジュール810は、第三者によるレビューまたは解析のためにパニック警告の1つまたは複数のキューを創生することができ、パニック警告がキューに追加されたときにその第三者に通知することができる。このようにして、パニック警告およびそれに関連付けられたテレマティクス・データは、パニック状況を検証し、車両の1人または複数人の乗員とコンタクトをとる、あるいは1人または複数人の緊急対応要員を派遣するなど、適当な応答を判定することができる、信頼できる第三者に対して提示されることが可能である。いくつかの場合には、保険業者などの第三者は、提示されたパニック警告およびそれに関連付けられたテレマティクス・データを使用して、特に、車両108または別の車両の損傷を推定したり、車両108のユーザまたは別の車両のユーザの怪我を推定したり、車両の事故の過失を判定したり、車両108または車両108のドライバの保険コストを決定したり、詐欺的な保険請求を識別したり、高リスクの道路またはルートを識別したり、あるいはそれらを組み合わせて行ったりすることができる。
【0102】
例えば、図9aおよび図9bは、パニック警告またはその他の安全性警告と関連付けられたテレマティクス・データおよびその他の情報を提示するユーザ・インタフェース900を示す図である。ユーザ・インタフェース900は、サーバ110によって、例えば本技術100の参加者と関連付けられたコンピューティング・デバイス112またはモバイル・デバイス104に対して提供されることがある。図9aに示すように、ユーザ・インタフェース900は、ドライバ150、同乗者152、あるいは特に政府機関、保険査定人、ライドシェアリング企業、緊急サービス、コール・センタ、アナリスト、研究者、もしくは本技術100のホスト、またはそれらの組合せなど、パニック警告をレビューする、またはパニック警告に応答する第三者などのユーザ904と関連付けられたパニック警告またはその他の安全性警告902の検索可能リストを含む。ユーザ・インタフェース900は、パニック警告のID906、パニック警告をトリガしたユーザの役割908(例えば搭乗者またはドライバ)、パニック警告が生成された日時910、パニック警告をトリガしたユーザのユーザ名912、パニック警告をトリガしたユーザのユーザID914、パニック警告と関連付けられた車両のタイプ916、およびパニック警告と関連付けられたビデオ・タグ・デバイス106またはその他のテレマティクス・デバイス101の、MACアドレスなどの一意デバイス識別子540、ならびにそれらの組合せなど、各パニック警告902についての様々な情報をこのリストに含むことができる。
【0103】
パニック警告902を選択した後で、ユーザ904には、パニック警告またはその他の安全性警告と関連付けられた追加の詳細およびテレマティクス・データを含むユーザ・インタフェース920が示される。例えば、ユーザ・インタフェース920は、パニック警告の時点で例えばビデオ・タグ・デバイス106の内向きカメラによって取り込まれたスナップショット画像922を含む。いくつかの場合には、ユーザ・インタフェース920は、パニック警告が生成された後、所定の期間(例えば5分間)にわたってビデオ・タグ・デバイス106によって取り込まれたオーディオ924およびビデオ926を含むことができる。ユーザ・インタフェース920は、ユーザ904がユーザ・インタフェース920内で直接、オーディオ924を聞いたり、ビデオ926を見たり、またはその両方を行ったりすることを可能にする再生フィーチャを含むことができる。いくつかの場合には、ユーザ・インタフェース920は、パニック警告が生成されたときの車両108の地理学的座標928、およびその地理学的座標をマップ932上で識別するインジケータ930を含むことができる。いくつかの実装態様では、ユーザ・インタフェースは、情報の中でも特に、パニック警告をトリガしたパニック状況の説明(例えばタグ・デバイス102上の物理的パニック・ボタンの起動、モバイル・デバイス104上のソフトウェア・パニック・ボタンの起動、車両の事故など)、ビデオ・タグ・デバイス106の外向きカメラによって取り込まれたスナップショット画像、ビデオ・タグ・デバイス106の外向きカメラによって取り込まれたビデオ、事故の再構築、およびドライバの行動の概要、ならびにそれらの組合せなど、パニック警告902と関連付けられた追加のテレマティクス・データまたはその他の情報を含むことができる。
【0104】
車両の衝突または車両の事故に応答してパニック警告またはその他の安全性警告が生成される場合など、いくつかの場合には、サーバ110の事故再構築モジュール812は、ビデオ・タグ・デバイス106からのオーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データなどのテレマティクス・データを処理して、車両の衝突または車両の事故を再構築することができる。例えば、事故再構築モジュール812は、テレマティクス・データを処理して、その全ての内容を本願明細書に援用する、2018年7月17日に出願された米国特許出願第16/035,861号「車両事故の車両テレマティクス(Vehicle Telematics of Vehicle Crashes)」に記載されるような、事故の1つまたは複数の事故メトリクスおよびその他のフィーチャを決定することができる。事故再構築モジュール812は、本技術100内のコンピューティング・デバイス112または別の構成要素へのユーザ・インタフェースに対して、事故の視覚的な、またはテキストによる説明を、様々な事故インジケータ、メトリクス、および解析論とともに提供して、事故がどのように起きたか、事故がどの程度深刻か、車両の損傷および人の怪我がどの程度重いか、ならびにそれらの組合せに関する見通しを与えることができる。
【0105】
いくつかの実装態様では、サーバ110のドライバ行動モジュール814は、ビデオ・タグ・デバイス106からのオーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データなどのテレマティクス・データを処理して、ドライバの行動またはドライバの運転動作、あるいはその両方を解析することができる。例えば、ドライバ行動モジュール814は、テレマティクス・データを処理して、特に注意力散漫な運転、スピード違反、急制動、急加速、あおり運転、しり振り、およびドリフトなど、ドライバの1つまたは複数の危険な運転行動を識別することができる。いくつかの場合には、ドライバ行動モジュール814は、機械学習、人工知能、または行動科学、あるいはそれらの組合せを適用して、道路環境を背景にした1つまたは複数の危険な運転行動を評価することができる。ドライバ行動モジュール814は、例えばドライバと関連付けられたモバイル・デバイス104またはコンピューティング・デバイス112へのユーザ・インタフェースに対して、ドライバの行動のテキストによる、または視覚的な概要と、どのようにすればドライバが自身の運転動作を改善できるかについてのフィードバックとを提供することができる。いくつかの実装態様では、ドライバ行動モジュール814は、ドライバの運転動作と関連付けられたスコアまたはその他のメトリックを導出することができ、ゲーミフィケーション、報酬、およびその他のエンゲージメント・フィーチャを通じてドライバが自身の運転スコアを改善しようとするように督励することができる。
【0106】
サーバ110が車両108と関連付けられたテレマティクス・データを処理してパニック警告を検証したり、事故を再構築したり、あるいはドライバの行動を解析したりするものとして説明したが、サーバ110に加えて、サーバ110と組み合わせて、またはサーバ110の代わりに、タグ・デバイス102およびビデオ・タグ・デバイス106などのテレマティクス・デバイス101、モバイル・デバイス104、またはコンピューティング・デバイス112、あるいはそれらの組合せなど、本技術100の他の構成要素およびデバイスが、テレマティクス・データを処理して、本明細書に記載される技法を実行することもある。さらに、図1aにはサーバ110、データベース130、およびコンピューティング・デバイス112がそれぞれ1つしか示されていないが、本技術100は、任意数のネットワークを用いて通信可能に接続された(単一の場所に位置する、または分散している)任意数のコンピューティング・デバイスおよびデータストレージ・デバイスを含むことができる。
【0107】
図10に示すように、いくつかの例では、安全性技術100の動作プロセス1000の各工程は、特にタグ・デバイス102およびビデオ・タグ・デバイス106などのテレマティクス・デバイス101、モバイル・デバイス104、サーバ110、およびコンピューティング・デバイス112、ならびにそれらの組合せなど、本技術100の様々なハードウェア構成要素およびソフトウェア構成要素によって実行されることが可能である。車両のドライバ、同乗者、または別の乗員、あるいはこれから車両の乗員になる、または最近車両の乗員であった人など、車両108のユーザの背景から動作プロセス1000について述べるが、記載される技法は、本技術100の他の参加者にも同様に当てはまる。
【0108】
プロセス1000は、本技術100に対するユーザの登録から始まることができる(1002)。いくつかの実装態様では、ユーザは、例えばユーザのモバイル・デバイス104上で実行されるアプリケーション・モジュール310によって提示されるユーザ・インタフェースを用いて、本技術にアカウントを登録することができる。図11に示すように、ユーザ・インタフェース1100は、電子メール・アドレス1104、ユーザ名1106、および登録トークン1108など、様々なユーザ詳細1102を入力するようにユーザに促すことができる。電子メール・アドレス1102は、例えばユーザがパニック警告またはその他の安全性警告を経験した場合にユーザにコンタクトをとったり、本技術100でユーザのアカウントを回復したり、あるいはその両方を行ったりするために、本技術100によって使用されることが可能である。ユーザ名1106は、モバイル・デバイス104またはテレマティクス・デバイス101、あるいはその両方など、本技術内の1つまたは複数の構成要素またはデバイスとユーザを関連付けるために本技術100によって使用される一意的なユーザ名とすることができる。登録トークン1108は、ライドシェアリング企業または別の第三者参加者など、本技術の1つまたは複数の参加者とユーザを関連付けて、本技術が、例えば関連付けられた参加者に対してユーザに関する安全性警告またはその他のデータを報告し、また関連付けられた参加者に基づいて、特に1つまたは複数のユーザのプロセス、機能、またはインタフェース、あるいはそれらの組合せを調整することができるようにするために、本技術100によって使用されることが可能である。ユーザが要求されたユーザ詳細1102を入力し、続行ボタン1110を起動すると、アプリケーション・モジュール310は、モバイル・デバイス104に、ユーザの電子メール・アドレス1104、ユーザ名1106、および登録トークン1108をサーバ110に対して送信させることができる。サーバ110は、ユーザ詳細1102を、例えばデータベース130に記憶して、本技術100へのユーザの登録を完了することができる。いくつかの場合には、この送信は、ユーザ詳細1102とともにモバイル・デバイス104の一意デバイス識別子318を含むことができ、サーバは、このデバイス識別子318と、ユーザ詳細1102のうちの1つまたは複数とを使用して、例えばデータベース130中に、ユーザとモバイル・デバイス104との間(またはユーザとテレマティクス・デバイス101との間、あるいはその両方)の関連を創生することができる。
【0109】
いくつかの場合には、ユーザは、本技術100内のビデオ・タグ・デバイス106を起動することができる(1004)。いくつかの実装態様では、ユーザのモバイル・デバイス104上で実行されるアプリケーション・モジュール310によって提示されるユーザ・インタフェースは、図12に示すように、起動プロセスを通じて車両108のドライバであることがあるユーザを案内することができる。例えば、ユーザ・インタフェース1200は、BluetoothおよびWiFi通信インタフェースなどの1つまたは複数の通信インタフェースがユーザのモバイル・デバイス104上で使用可能にされていることをユーザが保証することを要求することができ、ユーザに対して、ビデオ・タグ・デバイス106上の多目的ボタン524を起動して、例えば起動を開始し、ビデオ・タグ・デバイス106とモバイル・デバイス104との間のBluetooth通信チャネルを確立するように促すことができる。ビデオ・タグ・デバイス106とユーザのモバイル・デバイス104との間でBluetooth接続が確立されると、アプリケーション・モジュール310は、ビデオ・タグ・デバイス106のMACアドレスなどの一意デバイス識別子540の指示1204を備えたユーザ・インタフェース1202を提示することができる。ユーザは、確認ボタン1206を押して、ユーザ・インタフェース1202に提示されるデバイス識別子540がビデオ・タグ・デバイス106上に印刷されているデバイス識別子と一致することを確認することができ、アプリケーション・モジュール310は、モバイル・デバイス104に、ビデオ・タグ・デバイス106の起動の通知をサーバ110に対して送信させることができる。いくつかの場合には、モバイル・デバイス104によって送信される通知は、ビデオ・タグ・デバイス106のデバイス識別子540を含むことができ、サーバ110は、デバイス識別子540をデータベース130に記憶して、起動を完了することができる。いくつかの場合には、この通知は、モバイル・デバイス104のユーザのユーザ名1106、またはモバイル・デバイス104のデバイス識別子318、あるいはその両方を含むことができる。このようにして、サーバ110は、例えばデータベース130中に、ユーザと、モバイル・デバイス104と、ビデオ・タグ・デバイス106との間の関連を創生して、本技術100内の構成要素およびデバイスが、ユーザ、モバイル・デバイス104、またはビデオ・タグ・デバイス106、あるいはそれらの組合せと関連付けられたパニック警告またはその他のテレマティクス・データを識別することができるようにすることができる。いくつかの場合には、新たな、または異なるユーザがビデオ・タグ・デバイス106に接続するなどの変更を見込むために、ユーザと、モバイル・デバイス104と、ビデオ・タグ・デバイス106との間の関連は、モバイル・デバイス104がビデオ・タグ・デバイス106に接続するたびに更新されることが可能である。
【0110】
いくつかの実装態様では、ユーザのモバイル・デバイス104上で実行されるアプリケーション・モジュール310は、図13に示すように、ユーザのモバイル・デバイス104とビデオ・タグ・デバイス106との間にWiFi接続をセットアップするようにユーザを案内することができる。例えば、アプリケーション・モジュール310は、ビデオ・タグ・デバイス106のWiFiネットワークを選択し、ネットワーク・パスワードを入力して、モバイル・デバイス104とビデオ・タグ・デバイス106との間にWiFi通信チャネルを確立するようにユーザに促すユーザ・インタフェースを、ユーザのモバイル・デバイス104上に提示することができる。
【0111】
ビデオ・タグ・デバイス106が起動されると、いくつかの実装態様では、本技術100は、車両108内でのビデオ・タグ・デバイス106の物理的設置を案内することができる(1006)。設置案内は、ビデオ・タグ・デバイス106のユーザのモバイル・デバイス104上で実行されるアプリケーション・モジュール310によって提供されることがある。図14に示すように、設置を案内するアプリケーションは、参照画像1402およびライブ・ビデオ配信1404を有する対話型ユーザ・インタフェース1400を含むことができる。参照画像1402は、ビデオ・タグ・デバイス106が例えば車両108のフロントガラス上に適切に位置決めされたときのビデオ・タグ・デバイス106の内向きカメラの視界をデモ表示することができる。ライブ・ビデオ配信1404は、ビデオ・タグ・デバイス106の内向きカメラの視界を実時間で示すことができる。いくつかの場合には、参照画像1402およびライブ配信1404は、内向きカメラの視界の代わりに、またはそれに加えて、ビデオ・タグ・デバイス106の外向きカメラの適切な実時間視界を示すことができる。このようにして、ユーザ・インタフェース1400は、ユーザがビデオ・タグ・デバイス106の適切な位置決めを実現することができるようにするフィードバックを提供する。いくつかの場合には、対話型ユーザ・インタフェース1400は、ライブ・ビデオ配信1404からの画像を参照画像1402と比較して、ビデオ・タグ・デバイス106の最適な位置決めからの1つまたは複数の逸脱を判定することができ、位置決めを改善するようにユーザをさらに案内する1つまたは複数の視覚的な、または聴覚的な指図を含むことができる。ビデオ・タグ・デバイス106の位置が最適化されたら、ユーザは、設置の完了1408に進む(1406)ことができる。
【0112】
ユーザが登録された後で(また、場合によっては、ビデオ・タグ・デバイス106が起動され、車両108内に設置された後で)、ユーザは、本技術100に参加することができる。ただし、いくつかの場合には、車両108における本技術100の1つまたは複数の構成要素またはデバイスが、適切に動作していないこともある。さらに、いくつかの場合には、本技術100は、例えばユーザが間違った車両に入っている、または車両に間違ったドライバがいることにより、車両108にいるユーザを検証することができないこともある。これらのそれぞれの場合には、本技術は、車両のユーザの安全性懸念を認識することを防止されることがある。このように、安全性を保障するために、特定のビデオ・タグ・デバイス106(または別のテレマティクス・デバイス101)についてアクティブな本技術100の動作が確認されることが可能であり、そのユーザが検証されることが可能である(1008)。この確認および検証プロセスは、定期的に実行されることも可能であるし、あるいは、特に、ユーザが本技術100に接続するたび、もしくは接続を試みるたび、ユーザもしくはユーザのモバイル・デバイスが本技術を有する車両108内に入るたび、もしくは車両108の近傍に来るたび、本技術の1つもしくは複数の構成要素もしくはデバイスが電源オンされるたび、車両がオンにされるたび、車両が使用されるたび、またはそれらの組合せなど、特定の事象に応答して、実行されることも可能である。
【0113】
いくつかの実装態様では、モバイル・デバイス104上で実行されるアプリケーション・モジュール310が、この確認および検証プロセスを実行することができる。例えば、いくつかの場合には、ユーザは、車両108の同乗者である、または同乗者になろうとしている。アプリケーション・モジュール310は、例えば、特に、サーバ110またはサーバ110のデータベース130に、車両108または車両108のドライバと関連付けられたデバイス識別子540について問い合わせることによって、車両108内のビデオ・タグ・デバイス106の一意デバイス識別子540を受信するなどして取得することができる。受信されると、アプリケーション・モジュール310は、図15のユーザ・インタフェース1500に示すように、デバイス識別子540を使用して、モバイル・デバイス104を車両108内のビデオ・タグ・デバイス106に接続することができる。このような接続は、モバイル・デバイス104およびビデオ・タグ・デバイス106の両方によってサポートされている、Bluetoothネットワーク、WiFiネットワーク、あるいは別の有線または無線のネットワークを介して確立されることがある。アプリケーション・モジュール310が、デバイス識別子540を用いてモバイル・デバイス104とビデオ・タグ・デバイス106の間に接続を確立することに成功した場合には、アプリケーション・モジュールは、本技術100のユーザが検証された(すなわち、ビデオ・タグ・デバイスなど本技術の構成要素またはデバイスのデバイス識別子が、対応するデバイスまたは構成要素についてデータベースに記憶されているデバイス識別子と一致する)と判定することができる。車両108内のビデオ・タグ・デバイス106への接続を通してユーザを検証することにより、本技術100は、例えば同乗者が意図しない、もしくは未知の車両、または意図しない、もしくは未知のドライバの車両に入る確率、あるいは意図しない、または未知の同乗者がドライバのいる車両に入る確率を低下させることによって、安全性を高めることができる。以下のユース・ケースは、本技術100がライドシェアリングの背景で展開されたときの検証プロセスの非限定的な例を提供するものである。
1.搭乗者が、搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーション内で相乗りを要求する。
2.ドライバが、ドライバのモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションを用いて相乗りを受け入れ、搭乗者の位置まで運転する。
3.搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションが、その車両が相乗りを受け入れたドライバのものではないと判定する(誤ったデバイス識別子)。
4.搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションが、車両に入らないように搭乗者に注意する。
5.搭乗者は、車両に入らず、ライドシェア企業に対して問題を報告する(またはライドシェア・アプリケーション内のソフトウェア・パニック・ボタンをタップする)。
【0114】
アプリケーション・モジュール310は、車両108における本技術100のアクティブかつ適切な動作を確認することができる。例えば、いくつかの場合には、アプリケーション・モジュール310は、ビデオ・タグ・デバイス106の内向き(または外向き)カメラに画像を要求するなどして取得することができ、図15のユーザ・インタフェース1502に示すように、この画像を、ユーザによる検証のためにユーザのモバイル・デバイス104上に提示することができる。モバイル・デバイス104上に提示された画像が実際の車両内部と一致することをユーザが確認した場合には、このモバイル・アプリケーションは、ビデオ・タグ・デバイス106および本技術100が動作状態であり、ビデオ・タグ・デバイス106の内向きカメラが内部または車両108の十分な視界を有していると判定することができる。いくつかの場合には、このモバイル・アプリケーションは、例えば、特に、視覚的な指示をモバイル・デバイス104上に提示する、車両の内部の画像をモバイル・デバイス104上に提示する、ユーザを含む車両の内部の画像をモバイル・デバイス104上に提示する、またはモバイル・デバイス104もしくはビデオ・タグ・デバイス106に、聴覚的なユーザによって選択されたチャイムを鳴らさせる、およびそれらを組み合わせて行うことによって、この確認および検証をモバイル・デバイス104のユーザに対して指示することができる。このようにして、ユーザは、本技術100およびその構成要素が適切に動作していることの確認を受け取ることができる(または本技術100が適切に動作していない場合には注意を受けることができる)。以下のユース・ケースは、本技術100がライドシェアリングの背景で展開されたときの確認プロセスの非限定的な例を提供するものである。
1.搭乗者が、搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーション内で相乗りを要求する。
2.ドライバが、ドライバのモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションを用いて相乗りを受け入れ、搭乗者の位置まで運転する。
3.搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションが、(デバイス識別子を検証することによって)その車両が相乗りを受け入れたドライバのものであることを確認する。
4.安全性技術の一部、例えばビデオ・タグ・デバイスが、適切に働いていない。
5.搭乗者が、車両に入るが、車両の内部の画像を受信しない。
6.搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションが、車両から出るように搭乗者に注意する。
7.搭乗者が車両から出て、ライドシェア企業に対して問題を報告する(またはライドシェア・アプリケーション内のソフトウェア・パニック・ボタンをタップする)。
【0115】
確認または検証プロセスが不成功である場合には、モバイル・アプリケーションは、本技術100が誤動作している、またはドライバまたは同乗者に対してリスクを与えるような形で機能していると判定することができる。確認または検証プロセスは、例えば、特に、モバイル・アプリケーションが、受信されたデバイス識別子540を用いて、または一般的に、モバイル・デバイス104をビデオ・タグ・デバイス106に対して接続することができない場合、ビデオ・タグ・デバイス106が電源オフにされる場合、ビデオ・タグ・デバイス106が低バッテリ残量になっている場合、ビデオ・タグ・デバイス106が温度超過状態になっている場合、あるいはモバイル・デバイス104のユーザが、車両の内部の画像が車両の実際の内部と一致しないことを指示する場合、およびそれらを組み合わせた場合に、不成功とみなされることができる。本技術が誤動作していると判定したのに応答して、モバイル・アプリケーションは、図16に示すように、モバイル・デバイス104のユーザに対して通知1600を発行して、本技術100でエラーが発生していることをそのユーザに報知することができる。モバイル・アプリケーションは、モバイル・デバイス104に、このエラーの通知をサーバ110に対して発行させることができる。いくつかの場合には、この通知は、本技術100内のエラーまたは障害の指示を含むことができる。いくつかの場合には、この通知は、エラー、およびユーザの役割に基づいて、カスタマイズされた勧告をモバイル・デバイスのユーザに対して提供することができる。例えば、ユーザがドライバであり、ビデオ・タグ・デバイス106で低バッテリ残量のエラーが生じている場合には、この通知は、そのエラーを識別し、ドライバが同乗者を受け入れる前にビデオ・タグ・デバイス106を充電するように勧告することができる。ユーザが同乗者であり、ビデオ・タグ・デバイス106で低バッテリ残量のエラーが生じている場合には、この通知は、そのエラーを識別し、同乗者が車両108に入らないように勧告することができる。このような両通知は、所与のエラーについて発行されることも可能である。
【0116】
本技術100内のモバイル・デバイス104あるいは別の構成要素またはデバイスからの接続を検出した、または受けた後で、ビデオ・タグ・デバイス106は、比較的低いレートでオーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データの取込みを開始することができる(1010)。例えば、いくつかの実装態様では、ビデオ・タグ・デバイス106は、約8kHzまたは約16kHzのサンプリング・レートでオーディオ・データを取り込むことができ、約1Hz(1fps)のレートでビデオ・データを取り込むことができる。いくつかの場合には、ビデオ・タグ・デバイス106は、4ビット・オーディオまたは8ビット・オーディオおよび標準精細度(SD)ビデオなど、より低い解像度でオーディオ・データおよびビデオ・データを取り込むこともできる。ビデオ・タグ・デバイス106は、オーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データを例えばローカルで処理して、パニック状況またはその他の安全性懸念を検出することもできるし、あるいはデータを処理するために別のテレマティクス・デバイス101、モバイル・デバイス104、もしくはサーバ110、またはそれらの組合せに対して実時間で送信することもできる。取り込まれるオーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データのレートまたは解像度、あるいはその両方を低下させることによって、ビデオ・タグ・デバイス106は、電力消費を低下させることができ、また、少ないスペースで記憶でき、かつ特にデータ使用が懸念となるセルラ・ネットワークを介して送信するのに負担が軽い、より小さなデータ・ファイルを作成することができる。
【0117】
ビデオ・タグ・デバイス106は、車両108内での移動が終了するまで、またはパニック状況またはその他の安全性懸念が検出され、それに応答してパニック警告またはその他の安全性警告が生成される(1012)まで、低レートの(または低解像度、あるいはその両方の)オーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データを生成し続けることができる。発明者等は、例えば元の場所から目的地の場所までの任意の進行の例を含むものとして、広範な意味で「移動」という用語を用いている。いくつかの場合には、移動は、単一の輸送モード(例えば乗用車)、または輸送される人の単一の役割(例えばドライバ)、あるいはその両方を伴う例である。上述のように、パニック状況またはその他の安全性懸念は、タグ・デバイス102またはビデオ・タグ・デバイス106などの1つまたは複数のテレマティクス・デバイス101、モバイル・デバイス104、サーバ110、またはコンピューティング・デバイス112、あるいはそれらの組合せにより、例えば特に物理的パニック・ボタンの起動、ソフトウェア・パニック・ボタンの起動、発声された言葉またはコマンド、大きなノイズ、衝突、事故、車両による地理学的境界の侵害、注意力散漫な運転、慣性事象、道路の危険要因、別の車両または物体に対する車両の近接、車両のドライバまたは乗員の不適格状態、車両内の喧嘩の検出、1つまたは複数の安全性構成要素が改造されたことの検出、およびそれらの組合せに基づいて検出されることが可能である。
【0118】
パニック状況が検出され、パニック警告が生成された場合、パニック警告は、特にサーバ110およびビデオ・タグ・デバイス106に対して送信されることが可能である。ビデオ・タグ・デバイス106のプロセッサ500ならびに画像取込みモジュール536およびオーディオ取込みモジュール538などの1つまたは複数のセンサ・モジュール508は、このデバイスに、パニック警告に応答して内向きカメラまたは外向きカメラ、あるいはその両方を用いて1つまたは複数のスナップショット画像を取り込ませることができ、その1つまたは複数の画像を以前に記録されたオーディオ・データとともにサーバ110に対して送信することができる(1014)。いくつかの場合には、ビデオ・タグ・デバイス106は、また、以前に記録された低レートのビデオ・データまたはその他のテレマティクス・データも送信することができる。サーバ110は、このオーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データ、ならびにその他のテレマティクス・データを使用して、パニック警告を検証することができる。いくつかの場合には、サーバ110は、このデータを検証および解析のためにコンピューティング・デバイス112に対して送信して、車両の1人または複数人の乗員にコンタクトをとる、あるいは1人または複数人の緊急対応要員を派遣するなど、パニック警告に対する適当な応答を判定することができる。いくつかの場合には、保険業者など、コンピューティング・デバイス112のユーザは、オーディオ・データ、画像データ、ビデオ・データ、およびその他のテレマティクス・データを使用して、特に、車両108または別の車両の損傷を推定したり、車両の事故の過失を判定したり、車両108または車両108のドライバの保険コストを決定したり、詐欺的な保険請求を識別したり、高リスクの道路またはルートを識別したり、あるいはそれらを組み合わせて行ったりすることができる。
【0119】
ビデオ・タグ・デバイス106は、パニック警告に応答して、高レートのオーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データの取込みを開始することができる(1016)。例えば、ビデオ・タグ・デバイス106のプロセッサ500ならびに画像取込みモジュール536およびオーディオ取込みモジュール538などの1つまたは複数のセンサ・モジュール508は、このデバイスに、約8kHz以上、約11kHz以上、約16kHz以上、約22kHz以上、約32kHz以上、または約44kHz以上でサンプリングされたオーディオ・データ、および約15Hz(15fps)以上または約30Hz(30fps)以上でサンプリングされたビデオ・データを取り込ませることができる。いくつかの場合には、ビデオ・タグ・デバイス106は、警告に応答して、16ビット・オーディオまたは24ビット・オーディオおよび高精細度(HD)ビデオなど、高解像度のオーディオ・データおよびビデオ・データを取り込むことができる。ビデオ・タグ・デバイス106は、約5分間など、パニック警告を受信した後、所定の期間にわたって高レート(または高解像度)のオーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データを取り込み続けることができる。
【0120】
ビデオ・タグ・デバイス106は、特に、所定の期間が満了した後で、またはモバイル・デバイス104もしくはサーバ110からの要求に応答して、あるいはそれらの組合せのタイミングで、高レート・データをサーバ110またはその他の構成要素に対して実時間で送信することができる(1018)。いくつかの場合には、ビデオ・タグ・デバイス106は、高レート・データをローカルに記憶することができる。受信されたら、サーバ110は、この高レート・データを使用して、パニック状況を検証し、そのデータを証拠として記憶することができる。サーバ110は、高レート・データを、検証および解析のために、図9aおよび図9bを参照して説明したユーザ・インタフェースなどを通してコンピューティング・デバイス112に対して提供することができる。
【0121】
本明細書に記載される安全性技術は、車両のユーザの安全性を向上させ、危険な運転行動を減少させるために、いくつかの異なる背景で適用されることも可能である。例えば、いくつかの実装態様では、安全性技術は、特に長距離トラック隊、装甲トラック隊、またはデリバリ隊などのドライバ隊にさらされる、またはそうしたドライバ隊によって創生される安全性リスクを監視するために展開されることが可能である。安全性技術は、隊内の危険なドライバを識別して、運転動作が改善されることができるようにするのを助けることができ、将来回避されるべき危険なルートを発見するのを補助することができる。いくつかの例では、安全性技術は、顧客の安全な運転を促進し、請求査定で使用されるビデオおよびオーディオの証拠を集めるために、保険会社によって使用されることが可能である。
【0122】
いくつかの応用例では、安全技術は、ライドシェアリングの背景で使用されることが可能である。例えば、ライドシェアリング・プラットフォームのドライバは、本技術100に登録することができ、タグ・デバイス102およびビデオ・タグ・デバイス106を含む1つまたは複数のテレマティクス・デバイス101など、本技術の1つまたは複数の構成要素またはデバイスを、ドライバ自身の車両108において起動およびインストールすることができる。ドライバは、次いで、自身のモバイル・デバイス104上で実行されるライドシェア・アプリケーションを使用して、タグ・デバイス102、ビデオ・タグ・デバイス106、または別のテレマティクス・デバイス101、あるいはそれらの組合せに接続することができる。例えば、ライドシェア・アプリケーションは、ドライバと関連付けられた、タグ・デバイス102、ビデオ・タグ・デバイス106、または別のテレマティクス・デバイス101のデバイス識別子またはその他の接続情報を、モバイル・デバイス104のストレージから取得する、ライドシェア・アプリケーションと関連付けられた遠隔データベースから取得する、またはサーバ110からデバイス識別子またはその他の接続情報を取得するための1回または複数回のAPI呼を実行することによって取得する、あるいはそれらの組合せによって取得することができる。ライドシェア・アプリケーションは、次いで、この情報を使用して、モバイル・デバイス104を、車両108にあるタグ・デバイス102、ビデオ・タグ・デバイス106、または別のテレマティクス・デバイス101、あるいはそれらの組合せに対して接続することができる。接続されると、ドライバは、ライドシェア・アプリケーションを使用して、自身が相乗り要求を受け取る準備ができていることを(例えばライドシェアリング・プラットフォームと関連付けられたコンピューティング・デバイス112に対して)指示することができる。
【0123】
本技術100の登録された参加者である搭乗者は、自身のモバイル・デバイス104上で実行されるライドシェア・アプリケーション内で相乗りを要求することができ、次いで、ドライバおよび対応する車両とペアリングされることができる。ライドシェア・アプリケーションは、次いで、例えばライドシェア・アプリケーションと関連付けられた遠隔データベースにアクセスして、またはサーバ110に対する1回または複数回のAPI呼を実行して、あるいはその両方を行って、ドライバ(または車両、あるいはその両方)と関連付けられたデバイス識別子およびその他の接続情報を取得することによって、ドライバの車両108内のタグ・デバイス102、ビデオ・タグ・デバイス106、または別のテレマティクス・デバイス101のドライバ識別子またはその他の接続情報を取得することができる。いくつかの場合には、ライドシェア・アプリケーションは、接続を許可される本技術100の構成要素またはデバイスのホワイトリストを含むことができ、このアプリケーションは、移動が完了するまで、このホワイトリスト内でドライバと関連付けられているデバイス識別子またはその他の接続情報を記憶するなどして含むことができる。いくつかの場合には、ドライバのモバイル・デバイス104上で実行されるライドシェア・アプリケーションは、ビデオ・タグ・デバイス106のインジケータ512に所定の色を示させることができ、搭乗者のモバイル・デバイス上で実行されるライドシェア・アプリケーションは、その色のインジケータを有する車両108を探すようにユーザに対して通知することができる。
【0124】
ドライバが搭乗者の位置に到着したら、搭乗者のモバイル・デバイスは、ドライバの車両108内のタグ・デバイス102、ビデオ・タグ・デバイス106、または別のテレマティクス・デバイス101、あるいはそれらの組合せに対して接続する、または接続を試みることができる。接続は、搭乗者が車両に入る前または後(あるはその両方)に試みられることが可能である。接続が成功した場合には、ライドシェア・アプリケーションは、搭乗者およびドライバの移動を開始することができる。いくつかの場合には、ライドシェア・アプリケーションは、ビデオ・タグ・デバイス106またはサーバ110、あるいはその両方に対する1回または複数回のAPI呼を実行して、ドライバの車両108の内部の画像を取得することができ、例えば搭乗者のモバイル・デバイス104上にその画像を提示して、ビデオ・タグ・デバイス106および本技術100が動作状態であること、およびビデオ・タグ・デバイス106の内向きカメラが車両108の内部の十分な視界を有していることを搭乗者が確認することができるようにすることができる。いくつかの場合には、ライドシェア・アプリケーションは、画像に搭乗者が入るように、搭乗者が車両108に入った後でこの画像を取得することができる。いくつかの場合には、ライドシェア・アプリケーションは、搭乗者のモバイル・デバイス104またはビデオ・タグ・デバイス106に、本技術100が動作状態であることを搭乗者に対して確認するための画像の代わりに、またはその画像に加えて、聴覚的なチャイムを作成させることができる。
【0125】
移動中に、タグ・デバイス102およびビデオ・タグ・デバイス106などのテレマティクス・デバイス101ならびに搭乗者およびドライバのモバイル・デバイス104のうちの1つまたは複数は、搭乗者およびドライバについてのテレマティクス・データを検出、測定、処理、および生成することができる。特に、ビデオ・タグ・デバイス106は、搭乗者およびドライバのために車両108におけるオーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データを取り込むことができる。通常の動作状態では、ビデオ・タグ・デバイス106は、低レートまたは低解像度、あるいはその両方で、オーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データを取り込むことができる。例えばライドシェア・アプリケーション内のソフトウェア・パニック・ボタンの起動によって、あるいは上述の安全性トリガのうちの1つまたは複数によって、移動中にパニック状況またはその他の安全性懸念が検出された場合には、パニック警告またはその他の安全性警告が生成されることが可能である。ビデオ・タグ・デバイス106は、車両108の内部のスナップショット画像を取り込むことができ、その画像をオーディオ・データなどの他のテレマティクス・データとともに記憶し、また、その画像をオーディオ・データなどの他のテレマティクス・データとともにライドシェア・アプリケーションまたはサーバ110、あるいはその両方に送信することができる。このデータは、例えばライドシェア・プラットフォームと関連付けられたコンピューティング・デバイス112上で、ライドシェア企業または別の参加者に対して提示されることが可能である。ビデオ・タグ・デバイス106は、パニック警告またはその他の安全性警告に応答して、所定の期間にわたって、オーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データを高レートまたは高解像度、あるいはその両方で記録することができる。ビデオ・タグ・デバイス106は、実時間で、または所定の期間が満了した後で、このデータを記憶し、また、特に(例えばライドシェア・アプリケーションを用いて搭乗者もしくはドライバにデータを提示するために)ライドシェア・アプリケーションに対して、またはサーバ110に対して、あるいはその両方に対して送信することができる。移動が終了し、同乗者が車両から出たら、ビデオ・タグ・デバイス106は、オーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データの記録を停止することができる。
【0126】
搭乗者またはドライバのモバイル・デバイス104上で実行されるライドシェア・アプリケーションが、(例えばタグ・デバイス102、ビデオ・タグ・デバイス106、または本技術100、あるいはそれらの組合せが誤動作している、または欠如しているなどの理由で)本技術100の適切な動作を確認することができない場合には、搭乗者のモバイル・デバイス104上またはドライバのモバイル・デバイス104上、あるいはその両方のライドシェア・アプリケーションが、確認の失敗をそれぞれのユーザに対して通知することができる。同様に、搭乗者またはドライバのモバイル・デバイス104上のライドシェア・アプリケーションが、(例えばライドシェア・アプリケーションによって取得されたデバイス識別子を使用してモバイル・デバイス104をタグ・デバイス102またはビデオ・タグ・デバイス106に接続することができないなどの理由で)車両108において本技術100のユーザを識別することができない場合には、搭乗者のモバイル・デバイス104上またはドライバのモバイル・デバイス104上、あるいはその両方のライドシェア・アプリケーションが、検証の失敗をそれぞれのユーザに対して通知することができる。いくつかの場合には、確認の失敗または検証の失敗の指示は、搭乗者の場合には車両に入らないようにという勧告、またはドライバの場合には同乗者を受け入れないようにという勧告など、ユーザに対する勧告を含むことができる。いくつかの場合には、ライドシェア・アプリケーションは、確認または検証の失敗に応答して移動をキャンセルするなどして終了することができる。
【0127】
本技術は、幅広い様々なユース・ケースに適用されることが可能である。そのうちのいくつかを、本明細書に記載する。
ユース・ケース#1:搭乗者およびドライバが、移動を通じて安全である
1.搭乗者が、搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーション内で相乗りを要求する。
2.ドライバが、ドライバのモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションを用いて相乗りを受け入れ、搭乗者の位置まで運転する。
3.搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションが、(デバイス識別子を検証することによって)その車両が相乗りを受け入れたドライバのものであることを確認する。
4.ビデオ・タグ・デバイスが、例えば内向きカメラを用いて車両の後部座席のスナップショット画像を撮り、その画像を搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションに対してBluetoothまたはWiFiネットワークを介して送信して、本技術が動作中であることを搭乗者が確認することができるようにする。
5.ビデオ・タグ・デバイスが、低レートでオーディオおよびビデオの記録を開始し、それらのストリームのバッファを記憶する。ビデオ・タグ・デバイスが、車両の内部のスナップショット画像を撮り、搭乗者のモバイル・デバイスに対して送信する。
6.搭乗者およびドライバは、相乗り中に安全である。
7.搭乗者が、正しい目的地に到着し、下車する。
8.ビデオ・タグ・デバイスが、低レートのオーディオ・データおよびビデオ・データの記録を停止する。
【0128】
ユース・ケース#2:搭乗者の安全性が、車両に入る前に危険にさらされる
1.搭乗者が、搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーション内で相乗りを要求する。
2.ドライバが、ドライバのモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションを用いて相乗りを受け入れ、搭乗者の位置まで運転する。
3.搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションが、その車両が相乗りを受け入れたドライバのものではないと判定する(誤ったデバイス識別子)。
4.搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションが、車両に入らないように搭乗者に注意する。
5.搭乗者は、車両に入らず、ライドシェア企業に対して問題を報告する(またはライドシェア・アプリケーション内のソフトウェア・パニック・ボタンをタップする)。
【0129】
ユース・ケース#3:搭乗者の安全性が、車両に入る前に危険にさらされる
1.搭乗者が、搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーション内で相乗りを要求する。
2.ドライバが、ドライバのモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションを用いて相乗りを受け入れ、搭乗者の位置まで運転する。
3.搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションが、(デバイス識別子を検証することによって)その車両が相乗りを受け入れたドライバのものであることを確認する。
4.安全性技術の一部、例えばビデオ・タグ・デバイスが、適切に働いていない。
5.搭乗者が、車両に入るが、車両の内部の画像を受信しない。
6.搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションが、車両から出るように搭乗者に注意する。
7.搭乗者が車両から出て、ライドシェア企業に対して問題を報告する(またはライドシェア・アプリケーション内のソフトウェア・パニック・ボタンをタップする)。
【0130】
ユース・ケース#4:搭乗者が、相乗り中に攻撃される
1.搭乗者が、搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーション内で相乗りを要求する。
2.ドライバが、ドライバのモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションを用いて相乗りを受け入れ、搭乗者の位置まで運転する。
3.搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションが、(デバイス識別子を検証することによって)その車両が相乗りを受け入れたドライバのものであることを確認する。
4.ビデオ・タグ・デバイスが、例えば内向きカメラを用いて車両の後部座席のスナップショット画像を撮り、その画像を搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションに対してBluetoothまたはWiFiネットワークを介して送信して、本技術が動作中であることを搭乗者が確認することができるようにする。
5.ビデオ・タグ・デバイスが、低レートでオーディオおよびビデオの記録を開始し、それらのストリームのバッファを記憶する。ビデオ・タグ・デバイスが、車両の内部のスナップショット画像を撮り、搭乗者のモバイル・デバイスに対して送信する。
6.移動中に、搭乗者が、自身が危険な状態にあると判定し、車両内のタグ・デバイスの物理的ボタンを起動することによって、または搭乗者のモバイル・デバイス上のライドシェア・アプリケーション内のソフトウェア・ボタンを起動することによって、パニック警告をトリガする。
7.パニック警告メッセージが、サーバに対して送信され、次いでコンピューティング・デバイスに対して送信される。コンピューティング・デバイスは、ライドシェア企業のコール・センタであることもある。
8.ビデオ・タグ・デバイスが、高レートのオーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データの記録を開始し、記録をローカルに保存する。
9.オーディオ・データおよびスナップショット画像が、搭乗者のモバイル・デバイス(パニック警告をトリガしたユーザ)、サーバ、およびライドシェア企業のコール・センタに対して送信され、パニック警告の確認が行われる。
10.高レートのオーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データが、5分間の記録後にWiFiを介して搭乗者のモバイル・デバイスに対して送信される。搭乗者のモバイル・デバイスは、このデータをサーバに対して転送する。
11.搭乗者のモバイル・デバイスは、攻撃中に取り上げられ、オフにされることもあるが、パニック・ボタンはトリガされた後である。
【0131】
ユース・ケース#5:搭乗者が、ルートを外れ、第3の位置に連れ去られ、攻撃される
1.搭乗者が、搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーション内で相乗りを要求する。
2.ドライバが、ドライバのモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションを用いて相乗りを受け入れ、搭乗者の位置まで運転する。
3.搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションが、(デバイス識別子を検証することによって)その車両が相乗りを受け入れたドライバのものであることを確認する。
4.ビデオ・タグ・デバイスが、例えば内向きカメラを用いて車両の後部座席のスナップショット画像を撮り、その画像を搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションに対してBluetoothまたはWiFiネットワークを介して送信して、本技術が動作中であることを搭乗者が確認することができるようにする。
5.ビデオ・タグ・デバイスが、低レートでオーディオおよびビデオの記録を開始し、それらのストリームのバッファを記憶する。ビデオ・タグ・デバイスが、車両の内部のスナップショット画像を撮り、搭乗者のモバイル・デバイスに対して送信する。
6.搭乗者が、ルート外に連れ出されるが、自身の即応力が減退しており(眠っている/酔っている)、そのために搭乗者はパニック警告ボタンを起動することができない。
7.ドライバのモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションが、ジオ・フェンシング・フィーチャを介してその車両がルート外に進んでいることを検出し、パニック警告をトリガする。
8.パニック警告メッセージが、サーバ、およびライドシェア企業のコール・センタに対して送信される。
9.ビデオ・タグ・デバイスが、高レートのオーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データの記録を開始し、そのデータをローカルに保存する。
10.オーディオ・データおよびスナップショット画像が、搭乗者のモバイル・デバイス(パニック警告をトリガしたユーザ)、サーバ、およびライドシェア企業のコール・センタに対して送信され、パニック警告の確認が行われる。
11.高レートのオーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データが、5分間の記録後にWiFiを介して搭乗者のモバイル・デバイスに対して送信される。搭乗者のモバイル・デバイスは、このデータをサーバに対して転送する。
12.搭乗者のモバイル・デバイスは、攻撃中に取り上げられ、オフにされることもあるが、パニック・ボタンはトリガされた後である。
【0132】
ユース・ケース#6:ドライバが、相乗り中に攻撃される
1.搭乗者が、搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーション内で相乗りを要求する。
2.ドライバが、ドライバのモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションを用いて相乗りを受け入れ、搭乗者の位置まで運転する。
3.搭乗者のモバイル・デバイス上で動作するライドシェア・アプリケーションが、(デバイス識別子を検証することによって)その車両が相乗りを受け入れたドライバのものであることを確認する。
4.ビデオ・タグ・デバイスが、低レートでオーディオおよびビデオの記録を開始し、それらのストリームのバッファを記憶する。
5.搭乗者が、車両に入り、安全性技術が適切に機能していることを指示する予め選択されたオーディオ・チャイムを受け取る。
6.移動中に、ドライバが、自身が危険な状態にあると判定し、ドライバのモバイル・デバイス上のライドシェア・アプリケーション内のソフトウェア・ボタンを起動することによって、パニック警告をトリガする。
7.パニック警告メッセージが、サーバ、およびライドシェア企業のコール・センタに対して送信される。
8.ビデオ・タグ・デバイスが、高レートのオーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データの記録を開始し、データをローカルに保存する。
9.オーディオ・データおよびスナップショット画像が、搭乗者のモバイル・デバイス(パニック警告をトリガしたユーザ)、サーバ、およびライドシェア企業のコール・センタに対して送信され、パニック警告の確認が行われる。
10.高レートのオーディオ・データ、画像データ、およびビデオ・データが、10分間の記録後にWiFiを介してドライバのモバイル・デバイスに対して送信される。ドライバのモバイル・デバイスは、このデータをサーバに対して転送する。
11.ドライバのモバイル・デバイスは、攻撃中に取り上げられ、オフにされることもあるが、パニック・ボタンはトリガされた後である。
【0133】
その他の実装態様も、以下の特許請求の範囲の範囲内である。
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9a
図9b
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】