(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-27
(54)【発明の名称】弁組立体
(51)【国際特許分類】
F16K 15/04 20060101AFI20220520BHJP
B60T 15/02 20060101ALI20220520BHJP
【FI】
F16K15/04 D
B60T15/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021558718
(86)(22)【出願日】2020-02-07
(85)【翻訳文提出日】2021-09-30
(86)【国際出願番号】 EP2020053108
(87)【国際公開番号】W WO2020200553
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】102019204754.8
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】レヒラー,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】シュタール,ヴォルフ
(72)【発明者】
【氏名】シュルネガー,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】クロイツァー,ヨルン
(72)【発明者】
【氏名】アイゼレ,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ガルト,アンドレイ
(72)【発明者】
【氏名】ビーアラー,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】クロース,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ショルン,フェリックス
【テーマコード(参考)】
3D049
3H058
【Fターム(参考)】
3D049BB21
3D049BB33
3D049HH30
3D049JJ07
3D049JJ08
3H058AA04
3H058BB29
3H058BB34
3H058CD05
3H058EE03
3H058EE18
(57)【要約】
流体入口(FE)を流体出口(FA)と接続する流体流路(7)が形成された弁体(3)を備える弁組立体(1)は、流体流路(7)内で可動に支承された閉鎖体(10)に対して、弁体(3)に形成された弁座(5)の方向に付勢力(FVS)が印加され、弁座(5)を開放するために、流体力(FF)が付勢力(FVS)に抗して閉鎖体(10)に作用する。そして、閉鎖体(10)が少なくとも1つのガイドボール(12)によって軸方向および/または径方向に案内され、ガイドボール(12)は、閉鎖体(10)と流体流路(7)の側方境界との間に配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体入口(FE)を流体出口(FA)と接続する流体流路(7)が形成された弁体(3)を備える弁組立体(1)であって、前記流体流路(7)内で可動に支承された閉鎖体(10)に対して、前記弁体(3)に形成された弁座(5)の方向に付勢力(FVS)が印加され、前記弁座(5)を開放するために、流体力(FF)が前記付勢力(FVS)に抗して前記閉鎖体(10)に作用する、弁組立体において、前記閉鎖体(10)が少なくとも1つのガイドボール(12)によって軸方向および/または径方向に案内され、前記少なくとも1つのガイドボール(12)は、前記閉鎖体(10)と前記流体流路(7)の側方境界との間に配置されていることを特徴とする、弁組立体。
【請求項2】
前記付勢力(FVS)は、前記少なくとも1つのガイドボール(12)を介して、角度をなして前記閉鎖体(10)に作用し、かつ前記少なくとも1つのガイドボール(12)を前記閉鎖体(10)に緊締し、それにより結果として生じる前記閉鎖体(10)への力が、軸方向に作用する閉鎖成分と前記閉鎖成分に対して垂直方向に作用する横方向成分とを有することを特徴とする、請求項1に記載の弁組立体(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのガイドボール(12)と前記流体流路(7)の前記側方境界との間に作用する摩擦力によって、閉鎖過程中のヒステリシス挙動が規定され得ることを特徴とする、請求項1または2に記載の弁組立体(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのガイドボール(12)は、前記流体流路(7)内に可動に案内されているボールホルダ(16)に配置され、前記有効な付勢力(FVS)は、前記ボールホルダ(16)を介して前記少なくとも1つのガイドボール(12)に作用することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の弁組立体(1)。
【請求項5】
前記ボールホルダ(16)は、少なくとも1つの通路(16.1)および/または少なくとも1つの切欠き(16.2)を有し、前記少なくとも1つの通路および/または前記少なくとも1つの切欠きがそれぞれ1つの流れ断面を形成することを特徴とする、請求項4に記載の弁組立体(1)。
【請求項6】
戻しばね(14)および/または磁石組立体(19)が前記付勢力(FVS)を提供することを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の弁組立体(1)。
【請求項7】
前記戻しばね(14)は一端で前記ボールホルダ(16)に支持され、他端でばねホルダ(9)に支持されることを特徴とする、請求項6に記載の弁組立体(1)。
【請求項8】
前記ばねホルダ(9)は、前記戻しばね(14)を少なくとも部分的に収容および案内する保持ディスク(9A)または保持カップ(9B)として形成されていることを特徴とする、請求項7に記載の弁組立体(1)。
【請求項9】
前記磁石(19)は、強磁性ボールホルダ(16)に作用することを特徴とする、請求項6に記載の弁組立体(1)。
【請求項10】
前記閉鎖体(10)は、シールボール(10A)またはシールブシュ(10B)として形成されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の弁組立体(1)。
【請求項11】
前記閉鎖体(10C)は、シール領域(10.1)とガイド延長部(11)とを有することを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載の弁組立体(1)。
【請求項12】
前記シール領域(10.1)は、前記ガイド延長部(11)が一体成形されている球冠として形成されていることを特徴とする、請求項11に記載の弁組立体(1)。
【請求項13】
前記ガイド延長部(11)が丸形の横断面を有し、かつ円錐(11A)、円錐台、または円柱として形成されていることを特徴とする、請求項11または12に記載の弁組立体(1)。
【請求項14】
前記ガイド延長部(11)が多角形の横断面を有し、前記ガイド延長部(11)の外面と前記流体流路(7)の前記側方境界との間に相応のチャンバが形成されていることを特徴とする、請求項11または12に記載の弁組立体(1)。
【請求項15】
前記流体流路(7)内に複数のガイドボール(12)が配置されていることを特徴とする、請求項1~14のいずれか1項に記載の弁組立体(1)。
【請求項16】
前記ガイドボール(12)は、前記ガイドボール(12)が周方向に相互に支持し合うように前記流体流路(7)内に配置されていることを特徴とする、請求項15に記載の弁組立体(1)。
【請求項17】
前記ガイドボール(12)は、位置決め手段に保持されていることを特徴とする、請求項15に記載の弁組立体(1)。
【請求項18】
前記ボールホルダ(16)は、それぞれ1つのガイドボール(12)を少なくとも部分的に収容および位置決めする位置決め手段としての相応の凹部(16.3)を有することを特徴とする、請求項17に記載の弁組立体(1)。
【請求項19】
前記ガイド延長部(11)の外面と前記流体流路(7)の前記側方境界との間に形成されたチャンバが、それぞれ1つのガイドボール(12)を少なくとも部分的に収容および位置決めすることを特徴とする、請求項17または18に記載の弁組立体(1)。
【請求項20】
前記位置決め手段は、それぞれ1つのガイドボール(12)を少なくとも部分的に収容および位置決めする前記弁体(3)に設けられた軸方向保持溝(16D)として形成されていることを特徴とする、請求項17~19のいずれか1項に記載の弁組立体(1)。
【請求項21】
前記ボールホルダ(16)は、保持ボール(16A)またはディスク(16B、16E、16F)または保持カプセル(16C)または保持スリーブ(16D)として形成されていることを特徴とする、請求項4~20のいずれか1項に記載の弁組立体(1)。
【請求項22】
前記保持カプセル(16C)は、前記戻しばね(14)の一端を少なくとも部分的に収容し、前記戻しばね(14)が前記保持カプセル(16C)の底に支持されることを特徴とする、請求項21に記載の弁組立体(1)。
【請求項23】
前記保持カプセル(16C)の開端が前記ばねホルダ(9)とともに、前記閉鎖体(10)の開運動を制限するためのストッパを形成することを特徴とする、請求項21または22に記載の弁組立体(1)。
【請求項24】
静的絞り(2)が前記流体入口(FE)と前記流体出口(FA)との間に常時流体結合を形成することを特徴とする、請求項1~23のいずれか1項に記載の弁組立体(1)。
【請求項25】
前記静的絞り(2)は、前記シールブシュ(10B)または前記弁体(3)に形成されていることを特徴とする、請求項24に記載の弁組立体(1)。
【請求項26】
前記弁座(5)と前記流体出口(FA)との間の前記流体流路(7)は、円筒状流体流路区分(7A)または段付き流体流路区分(7B)を有することを特徴とする、請求項1~25のいずれか1項に記載の弁組立体(1)。
【請求項27】
前記段付き流体流路区分(7B)の種々の横断面間の移行部(8、8A、8B)は、開断面の拡大または縮小を伴って開方向に直線状または曲線状に延びることを特徴とする、請求項26に記載の弁組立体(1)。
【請求項28】
前記段付き流体流路区分(7B)の種々の横断面間の移行部(8、8C、8D)は、転換点まで開断面の縮小を伴って開方向に直線状または曲線状に延び、前記転換点から開断面の拡大を伴って直線状または曲線状に延びることを特徴とする、請求項26に記載の弁組立体(1)。
【請求項29】
前記少なくとも1つのガイドボール(12)は、前記段付き流体流路区分(7B)の種々の横断面間の移行部(8)の領域に配置されていることを特徴とする、請求項26~28のいずれか1項に記載の弁組立体(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項1の属性に対応する弁組立体を出発点とする。
【背景技術】
【0002】
ABS機能および/またはESP機能を有する公知の車両ブレーキシステムは、例えば先行車両との車間距離を維持する際に運転者を支援する追加機能を提供する。この支援は、運転者自身がブレーキペダルを操作することなしにホイールブレーキキャリパの圧力が増すことで、追加機能が車両ブレーキシステムにアクティブに介入することによって行われる。邪魔な騒音が運転者に聞こえないようにするために、車両ブレーキシステムの送給ユニットの圧力脈動を低減する液圧的な減衰措置が用いられる。減衰措置は液圧抵抗と容量とから構成される。この種の液圧ダンパの有効性のために、液圧抵抗による大きい絞りが用いられる。その場合、大きい液圧抵抗、およびそれと結びついた高い圧力低下とともに、送給ユニットの駆動装置の負荷が増し、回転数が低下し、それに伴い送給能力または増圧動特性が低下することは不利とみなされ得る。対抗措置として、流量に依存して可変の流れ断面を示す液圧抵抗を使用することができる。したがって、体積流量が大きい場合、流通断面が大きくなり、それに伴い圧力低下のさらなる増大を抑制することができる。
【0003】
例えばばねまたは磁石によって閉鎖体に荷重をかける弁の形式の可変絞りが、流量に依存したストロークで形成されている場合、閉鎖体の並進振動および回転振動をもたらし得る流れの力が作用する。それによって圧力振動が生成される可能性があり、これが液圧装置を伝搬し、車体との配管の結合によって車室内騒音問題を引き起こし得る。
【0004】
特許文献1から、逆止弁として形成された属性的に対応する弁組立体が知られている。この弁組立体は、入口ポートと出口ポートとを備えたケーシングからなり、ケーシング内に内室が形成されており、内室が入口側に弁座を有し、内室内に閉鎖体が可動に支承され、閉鎖体の開方向の運動がストッパによって制限され、逆止弁の閉方向に作用する弁ばねが閉鎖体に作用する。この場合、逆止弁の開放時に流れによって結果として生じる閉鎖体への力が開方向に対して横方向の成分を有する。これに加えて、閉鎖体が非対称に形成されている。
【0005】
その場合、振動抑制の作用が流速と流体特性とに依存することが不利とみなされ得る。したがってこの作用は、特定の温度範囲と体積流量の場合にしか得ることができない。別の流体への切り替えは、別の挙動を示すという結果につながり得る。
【0006】
特許文献2から、弁入口を弁出口と接続する長手方向流路が設けられた弁ケーシングからなる弁組立体が知られている。長手方向流路に閉鎖体が設置され、閉鎖ばねが、閉鎖体に対して弁ケーシングに形成された弁座の方向に負荷を加える。閉鎖体を迂回するために、殊に液圧ダイアフラムが閉鎖体と並列に接続して設けられている。閉鎖体の振動を減衰するために、弁ケーシングにおいて、閉鎖体の上流または下流に弾性摩擦部材が配置され、この摩擦部材は、弁ケーシングと閉鎖体との間に摩擦結合的に収容されている。弾性摩擦部材は、殊にOリングとして形成されている。
【0007】
その場合、振動抑制の作用を車両の寿命にわたって保証できないことが不利であるとみなされ得る。したがって、摩耗が側方ガイドを低減し、流体取り込み(膨張)にもとづいた弾性摩擦部材のジオメトリ変化が開放挙動に不利な影響を及ぼす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許出願公開第10224430号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102013202588号明細書
【発明の概要】
【0009】
独立請求項1の特徴を有する弁組立体は、閉鎖部材の所定の軸方向および径方向の案内によって閉鎖体の振動が阻止されるか、または少なくとも低減され得るという利点を有する。これに加えて車両の寿命にわたって機能が維持され得る。さらに、本発明による弁組立体の実施形態は比較的安価であり、簡単に組み立てることができ、かつ動作温度に依存しない。
【0010】
本発明の実施形態は、流体入口を流体出口と接続する流体流路が形成された弁体を備える弁組立体を提供する。流体流路内で可動に支承された閉鎖体に対して、弁体に形成された弁座の方向に付勢力が印加され、弁座を開放するために、流体力が付勢力に抗して閉鎖体に作用する。この場合、閉鎖体が少なくとも1つのガイドボールによって軸方向および/または径方向に案内され、少なくとも1つのガイドボールは、閉鎖体と流体流路の側方境界との間に配置されている。
【発明の効果】
【0011】
従来技術から知られる弁組立体では、公差と、さらに材料損耗によっても減衰部材と流体流路の側方境界との間の距離が変化し得る。このことは弾性摩擦部材の案内もしくは緊締(Verspannung)の低下、または過加圧(Ueberpressung)につながり得る。これに対して、本発明による弁組立体の実施形態では、少なくとも1つのガイドボールが自動的に追調整される。これに加えて、流体流路の側方境界の同軸度誤差または公差も補償することができる。したがって構成部品に課せられる寸法的な要求が少なくなり、このことは全体として製造コストを下げる。径方向の遊びを補償する作用と閉鎖体の振動傾向の低減とは、閉鎖体およびガイドボールのジオメトリと付勢力とにより調整することができる。少なくとも1つのガイドボールは、殊に鋼ボールとして形成される。
【0012】
本発明による弁組立体の実施形態を、例えば逆止弁として、または動的絞り(dynamische Drossel)として液圧式車両ブレーキシステムに用いることができる。
【0013】
従属請求項に記載された措置および発展形態によって、独立請求項1に記載された弁組立体の有利な改良が可能である。
【0014】
付勢力が少なくとも1つのガイドボールを介して、角度をなして閉鎖体に作用し、かつ少なくとも1つのガイドボールを閉鎖体に緊締し、それにより結果として生じる閉鎖体への力が、軸方向に作用する閉鎖成分と閉鎖成分に対して垂直方向に作用する横方向成分とを有することが特に有利である。
【0015】
弁組立体の有利な実施形態では、少なくとも1つのガイドボールと流体流路の側方境界との間に作用する摩擦力によって、閉鎖過程中のヒステリシス挙動が規定され得る。この場合、例えばガイドボールの数と寸法により、および流体流路の側方境界の形により有効な摩擦力を設定し、かつそれぞれの用途に適合させることができる。
【0016】
弁組立体の別の有利な実施形態では、少なくとも1つのガイドボールは、流体流路内に可動に案内されているボールホルダに配置され得る。この場合、有効な付勢力がボールホルダを介して少なくとも1つのガイドボールに作用し得る。ボールホルダの形状は、少なくとも1つのガイドボールが下流に向かって「下へ移動する(Abwandern)」のを阻止するために任意に選択され得る。複数のガイドボールを使用する場合、ボールホルダによって弾撥力をガイドボールに均等に分配することができる。このためにボールホルダは、流体流路の側方境界に対して径方向の遊びを有し、それに加えて傾きを防ぐために外周縁が丸くされ得る。流体が下流に向かって流れることができるようにするために、ボールホルダには任意に選択することができる形の流れ断面が企図されている。したがってボールホルダは、例えば少なくとも1つの通路および/または少なくとも1つの切欠きを有し、少なくとも1つの通路および/または少なくとも1つの切欠きがそれぞれ1つの流れ断面を形成することができる。
【0017】
弁組立体の別の有利な実施形態では、戻しばねおよび/または磁石が付勢力を提供することができる。この場合、戻しばねは、一端でボールホルダに支持され、他端でばねホルダに支持され得る。ばねホルダは、例えば戻しばねを少なくとも部分的に収容および案内することができる保持ディスクまたは保持カップとして形成され得る。ばねホルダは、殊に流体流路に圧入され、ばねホルダの圧入深さおよび/または戻しばねの特性により戻しばねの付勢力を設定することができる。付勢力を生成するために磁石を使用する場合、磁石は、殊に強磁性ボールホルダに作用する。この場合、磁力は単独で、弾撥力により補助されて、または弾撥力に抗しても作用することができる。
【0018】
弁組立体の別の有利な実施形態では、閉鎖体は、シールボールまたはシールブシュとして形成され得る。この場合、閉鎖体は、下流に配置された少なくとも1つのガイドボールによる径方向の遊びの補償が可能であるように相応の丸みを付けて形成されている。これに加えて、閉鎖体におけるバイパスとして静的絞り(statische Drossel)などの追加機能が実現され得る。
【0019】
弁組立体の別の有利な実施形態では、閉鎖体は、シール領域とガイド延長部とを有することができる。ガイド延長部が一体成形され得る、例えば球冠(Kugelkalotte)としてシール領域を形成することができる。
【0020】
弁組立体の別の有利な実施形態では、ガイド延長部が丸形の横断面を有することができ、かつ円錐、円錐台、または円柱として形成され得る。これに代えて、ガイド延長部は、多角形の横断面を有することができる。この場合、ガイド延長部の外面と流体流路の側方境界との間に相応のチャンバを形成することができる。
【0021】
弁組立体の別の有利な実施形態では、流体流路内に、閉鎖体を軸方向および/または径方向に案内する複数のガイドボールを配置することができる。この場合、ガイドボールは、ガイドボールが周方向に相互に支持し合うように流体流路内に配置され得る。これは、ガイドボールが周方向に相互に支持し合うことができ、かつボールの不均一な変位を防ぐことができるようにボールの数が選択されることを意味する。それによって、例えばすべてのボールが閉鎖体の片側にしかないということを防ぐことができる。
【0022】
これに代えて、ガイドボールは適当な手段によって、玉軸受の保持器の場合と類似に位置決めおよび案内され得る。その場合、位置決め手段の形は任意である。したがってボールホルダは、例えば、それぞれ1つのガイドボールを少なくとも部分的に収容および位置決めする位置決め手段としての相応の凹部を有することができる。凹部により、ガイドボールが互いに所定の間隔を有することができる。これに加えて、ガイド延長部の外面と流体流路の側方境界との間に形成されるチャンバがそれぞれ1つのガイドボールを少なくとも部分的に収容および位置決めすることができる。したがって、ガイド延長部を的確に形作ることによって、ボールの可動の位置決めを実現することができる。これに加えて位置決め手段は、それぞれ1つのガイドボールを少なくとも部分的に収容および位置決めすることができる、弁体に設けられた軸方向保持溝として形成され得る。
【0023】
弁組立体の別の有利な実施形態では、ボールホルダは、例えば保持ボールまたはディスクまたは保持カプセルまたは保持スリーブとして形成され得る。保持ボールとしての実施形態はボールホルダの安価な実現を可能にする。保持カプセルは、戻しばねの一端を少なくとも部分的に収容することができ、戻しばねが保持カプセルの底に支持され得る。これに加えて、保持カプセルまたは保持スリーブとしての実施形態は、傾かないよう流体流路内により良好に案内することを可能にする。さらに、保持カプセルの開端がばねホルダとともに、閉鎖体の開運動を制限するためのストッパを形成することができる。閉鎖体とは反対側の保持スリーブの縁も、ばねホルダまたは付加的ストッパディスクとともに閉鎖体の開運動を制限するためのストッパを形成することができる。
【0024】
弁組立体の別の有利な実施形態では、静的絞りは、流体入口と流体出口との間に常時流体接続を形成することができる。静的絞りは、例えばシールブシュまたは弁体に形成され得る。
【0025】
弁組立体の別の有利な実施形態では、弁座と流体出口との間の流体流路が円筒状流体流路区分または段付き流体流路区分を有することができる。横方向力は、閉鎖体のジオメトリ、少なくとも1つのガイドボール、付勢力の他に、流体流路の側方境界の形にも依存するので、そのことによって所望の弁特性を可能にすることができる。したがって、段付き流体流路区分の種々の横断面間の移行部は、例えば開断面の拡大または縮小を伴って開方向に直線状または曲線状に延びることができる。これに代えて、段付き流体流路区分の種々の横断面間の移行部は、転換点まで開断面の縮小を伴って開方向に直線状または曲線状に延び、転換点から開断面の拡大を伴って直線状または曲線状に延びることができる。これに加えて、少なくとも1つのガイドボールは、段付き流体流路区分の種々の横断面間の移行部の領域に配置され得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】閉状態にあるときの本発明による弁組立体の第1実施例の模式的断面図である。
【
図2】開状態にあるときの
図1の本発明による弁組立体の模式的断面図である。
【
図3】閉状態にあるときの本発明による弁組立体の第2実施例の模式的断面図である。
【
図4】閉状態にあるときの本発明による弁組立体の第3実施例の模式的断面図である。
【
図5】閉状態にあるときの本発明による弁組立体の第4実施例の模式的断面図である。
【
図6】閉状態にあるときの本発明による弁組立体の第5実施例の模式的断面図である。
【
図7】閉状態にあるときの本発明による弁組立体の第6実施例の模式的断面図である。
【
図8】閉状態にあるときの本発明による弁組立体の第7実施例の模式的断面図である。
【
図9】開状態にあるときの本発明による弁組立体の第8実施例の模式的断面図である。
【
図10】本発明による弁組立体のためのボールホルダの一実施例の模式的上面図である。
【
図11】本発明による弁組立体のためのボールホルダの一実施例の模式的上面図である。
【
図12】本発明による弁組立体のためのボールホルダの一実施例の模式的上面図である。
【
図13】ボールホルダの別の実施例を有する本発明による弁組立体のための弁体の横断面図である。
【
図14】本発明による弁組立体のための閉鎖体の一実施例の模式的断面図である。
【
図15】
図14の閉鎖体のためのガイド延長部の一実施例の模式的横断面図である。
【
図16】
図14の閉鎖体のためのガイド延長部の一実施例の模式的横断面図である。
【
図17】
図14の閉鎖体のためのガイド延長部の一実施例の模式的横断面図である。
【
図18】
図14の閉鎖体のためのガイド延長部の一実施例の模式的横断面図である。
【
図19】本発明による弁組立体のための段付き流体流路の種々の横断面間の移行部の一実施例の模式的縦断面図である。
【
図20】本発明による弁組立体のための段付き流体流路の種々の横断面間の移行部の一実施例の模式的縦断面図である。
【
図21】本発明による弁組立体のための段付き流体流路の種々の横断面間の移行部の一実施例の模式的縦断面図である。
【
図22】本発明による弁組立体のための段付き流体流路の種々の横断面間の移行部の一実施例の模式的縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施例を図面に示し、以下の記載において詳しく説明する。図面において同じ参照符号は同じまたは同様の機能をするコンポーネントまたは要素を示す。
【0028】
図1~
図9から見て取れるように、本発明による弁組立体1の図示された実施例は、流体入口FEを流体出口FAと接続する流体流路7が形成されたそれぞれ1つの弁体3、3A、3B、3Cを備えている。流体流路7内で可動に支承された閉鎖体10に対して、弁体3、3A、3B、3Cに形成された弁座5の方向に付勢力FVSが印加され、弁座5を開放するために、流体力FFが付勢力FVSに抗して閉鎖体10に作用する。この場合、閉鎖体10は、少なくとも1つのガイドボール12によって軸方向および/または径方向に案内されている。これに加えて、少なくとも1つのガイドボール12が閉鎖体10と流体流路7の側方境界との間に配置されている。
【0029】
図1~
図9からさらに見て取れるように、付勢力FVSは、少なくとも1つのガイドボール12を介して、角度をなして閉鎖体10に作用し、かつ少なくとも1つのガイドボール12を閉鎖体10に緊締し、それにより結果として生じる閉鎖体10への力が、軸方向に作用する閉鎖成分と閉鎖成分に対して垂直方向に作用する横方向成分とを有する。
【0030】
図1~
図9からさらに見て取れるように、弁組立体1は、図示された実施例では、それぞれ動的絞り1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1Hとして形成されている。図示された動的絞り1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1Hでは、閉鎖体10のストロークが付勢力FVSおよび流体力FFに依存して調整される。これに加えて弁体3、3A、3B、3Cは、図示された実施例では、帽子形のスリーブとして形成され、流体出口FAは、帽子形のスリーブの底に開口部として設けられ、流体入口FEは、帽子形のスリーブの開端に配置されている。弁座5は、帽子形のスリーブの底における開口部の内周縁に円錐座として設けられている。当然のことながら、弁座5および/または弁体3、3A、3B、3Cは別の適当な形状を有することもできる。
【0031】
図1~
図9からさらに見て取れるように、図示された実施例では、
図1~
図8に示された弁組立体1の実施例でシールボール10Aとして形成され、
図9に示された弁組立体1の実施例でシールブシュ10Bとして形成されている閉鎖体10の他に、複数のガイドボール12が流体流路7に配置されている。ガイドボール12の数および寸法は自由に選択することができ、かつ閉鎖体10および流体流路7の構造空間条件または形態に適合させることができる。ガイドボール12は、閉鎖体10を径方向および/または軸方向に案内する。それによって閉鎖体10の振動が阻止されるか、または少なくとも低減され、それにより弁組立体1の騒音挙動が著しく改善される。ガイドボール12の位置は、閉鎖体10に沿って任意に割り振ることができる。図示された実施例では、ガイドボール12は、閉鎖体10の下流に配置されている。図示された実施例では戻しばね14または磁力によって実現される付勢力FVSによって、少なくとも1つのガイドボール12が閉鎖体10に緊締されることから、ガイドボール12の案内挙動が改善される。それによって、ガイドボール12には軸方向の力が伝達される他に、さらに径方向力が作用する。この径方向力は、閉鎖体10の軸方向および/または径方向振動を妨害する。径方向の遊び補償作用と弁組立体1の振動傾向の低減とは、閉鎖体10およびガイドボール12ならびに付勢力のジオメトリによって調整することができる。ガイドボール12は、殊に鋼ボールとして形成されている。
【0032】
ガイドボール12と流体流路7の側方境界との間の摩擦力によって、大きい流量が所望される状況において、弁組立体1の閉鎖の遅延をもたらすヒステリシス挙動を得ることができる。それによって、ポンプの連続する送給ストローク時に、弁組立体1が低減された液圧抵抗を示す。
【0033】
図1および
図2からさらに見て取れるように、弁組立体1または動的絞り1Aは、図示された実施例では、複数のガイドボール12と、付勢力FVSをガイドボール12に作用させる戻しばね14とを備える。
図1および
図2からさらに見て取れるように、戻しばね14は、図示された実施例ではコイルばねとして形成され、一端でばねホルダ9に支持され、他端でガイドボール12に支持されている。ばねホルダ9は、図示された実施例では、中心通路9.1を有する保持ディスク9Aとして形成され、弁体3Aの開端で流体流路7に圧入されている。
【0034】
図1に示された弁組立体1の閉状態では、戻しばね14の作用する付勢力FVSが、流体入口FEの外から作用する流体力FFより大きく、それにより戻しばね14の付勢力FVSは、閉鎖体10またはシールボール10Aを、ガイドボール12を介して弁座5に押し込む。
【0035】
図2に示された弁組立体1の開状態では、戻しばね14の作用する付勢力FVSが流体入口FEの外から作用する流体力FFより小さく、それにより流体力FFは、閉鎖体10またはシールボール10Aを、戻しばね14の付勢力FVSに抗して弁座5から押し出す。閉鎖体10またはシールボール10Aは、開運動中または閉運動中にガイドボール12によって径方向および軸方向に案内される。
【0036】
図3~
図9からさらに見て取れるように、弁組立体1の図示された実施例は、少なくとも1つのガイドボール12が配置されたボールホルダ16を付加的な構成部品として備えている。ボールホルダ16は、種々の適当な形状を有することができ、かつ径方向の遊びを設けて流体流路7において軸方向に可動に案内されている。これに加えて、有効な付勢力FVSがボールホルダ16を介して少なくとも1つのガイドボール12に作用する。ボールホルダ16は、少なくとも1つのガイドボール12が下流に向かって「下へ移動する」のを阻止し、かつ付勢力FVSをガイドボール12に均等に分配すべきである。
【0037】
図3からさらに見て取れるように、弁組立体1または動的絞り1Bは、図示された実施例では、複数のガイドボール12と、付勢力FVSをガイドボール12に作用させるコイルばねとして形成された戻しばね14とを備える。
図3からさらに見て取れるように、戻しばね14とガイドボール12との間にボールホルダ16が配置されている。図示された実施例では、ボールホルダ16が保持ボール16Aとして形成されている。この場合、戻しばね14は、一端で保持ディスク9Aとして形成されたばねホルダ9に支持され、他端で保持ボール16Aに支持される。ばねホルダ9は、図示された実施例では中心通路9.1を備えて形成され、弁体3Aの開端で流体流路7に圧入されている。
【0038】
図4および
図5からさらに見て取れるように、弁組立体1または動的絞り1C、1Dは、図示された実施例では、複数のガイドボール12と、付勢力FVSをガイドボール12に作用させるコイルばねとして形成された戻しばね14とを有する。
図4および
図5からさらに見て取れるように、戻しばね14とガイドボール12との間にボールホルダ16が配置されている。図示された実施例では、ボールホルダ16がディスク16Bとして形成されている。ディスク16Bとして形成されたボールホルダ16は、少なくとも1つの流れ断面を有し、それにより開状態にあるときに流体流路7における流体の流れが可能になる。
図10~
図12からさらに見て取れるように、ディスク16B、16E、16Fは、それぞれ少なくとも1つの流れ断面を形成する少なくとも1つの通路16.1および/または少なくとも1つの切欠き16.2を有することができる。
図4、
図5および
図10からさらに見て取れるように、図示されたディスク16Bは、それぞれ1つの中心通路16.1を有する。
図11からさらに見て取れるように、図示されたディスク16Eは、縁に形成された複数の切欠き16.2を有する。
図12からさらに見て取れるように、図示されたディスク16Fは、中心通路16.1と、縁に形成された複数の切欠き16.2とを有する。
【0039】
図4からさらに見て取れるように、戻しばね14は、図示された実施例では、一端で保持ディスク9Aとして形成されたばねホルダ9に支持され、他端でディスク16Bとして形成されたボールホルダ16に支持されている。ばねホルダ9は、図示された実施例では中心通路9.1を備えて形成され、弁体3Aの開端で流体流路7に圧入されている。
【0040】
図5からさらに見て取れるように、ばねホルダ9は、図示された実施例では、弁体3Bの開端で流体流路7に圧入され、かつ戻しばね14を少なくとも部分的に収容する保持カップ9Bとして形成されている。保持カップ9Bは、底に中心通路9.1を有する。
図5からさらに見て取れるように、戻しばね14は、図示された実施例では、一端で保持カップ9Bの底に支持され、他端でディスク16Bに支持される。これに加えて、保持カップ9Bの開端は、閉鎖体10の開運動を制限するストッパ9.2を形成する。
【0041】
図6からさらに見て取れるように、弁組立体1または動的絞り1Eは、図示された実施例では、複数のガイドボール12と、付勢力FVSをガイドボール12に作用させるコイルばねとして形成された戻しばね14とを有する。
図6からさらに見て取れるように、戻しばね14とガイドボール12との間にボールホルダ16が配置されている。図示された実施例では、ボールホルダ16は、戻しばね14を少なくとも部分的に収容し、かつ底に中心通路16.1を有する保持カプセル16Cとして形成されている。この場合、戻しばね14は、一端で保持ディスク9Aとして形成されたばねホルダ9に支持され、他端で保持カプセル16Cの底に支持される。ばねホルダ9は、図示された実施例では中心通路9.1を備えて形成され、かつ弁体3Bの開端で流体流路7に圧入されている。
【0042】
図5および
図6からさらに見て取れるように、弁組立体1または動的絞り1D、1Eは、図示された実施例では、流体入口FEと流体出口FAとの間に常時流体接続を形成するそれぞれ1つの静的絞り2を備えている。
図5および
図6からさらに見て取れるように、静的絞り2は、図示された実施例ではそれぞれ帽子形のスリーブとして形成された弁体3Bの底に形成されている。
【0043】
図7からさらに見て取れるように、弁組立体1または動的絞り1Fは、図示された実施例では、複数のガイドボール12と、付勢力FVSをガイドボール12に作用させる磁石組立体19とを備える。
図7からさらに見て取れるように、ボールホルダ16は、強磁性材料からなる保持スリーブ16Dとして形成されている。この場合、戻しばね14は、一端で保持ディスク9Aとして形成されたばねホルダ9に支持され、他端で保持ボール16Aに支持されている。これに加えて、図示された実施例では、弁体3Aの開端で中心通路を有するストッパディスク16.5が流体流路7に圧入されている。ストッパディスク16.5は、閉鎖体10の開運動を制限する。
【0044】
図1~
図7からさらに見て取れるように、弁組立体1または動的絞り1A、1B、1C、1D、1E、1Fの流体流路7は、図示された実施例では、弁座5と流体出口FAとの間にそれぞれ1つの円筒状流体流路区分7Aを有する。
【0045】
図8からさらに見て取れるように、弁組立体1または動的絞り1Gは、図示された実施例では、複数のガイドボール12と、付勢力FVSをガイドボール12に作用させるコイルばねとして形成された戻しばね14とを備える。
図8からさらに見て取れるように、戻しばね14とガイドボール12との間にディスク16Bとして形成され中心通路16.1を有するボールホルダ16が配置されている。
図8からさらに見て取れるように、ばねホルダ9は、図示された実施例では、弁体3Cの開端で流体流路7に圧入され、かつ戻しばね14を少なくとも部分的に収容する保持カップ9Bとして形成されている。保持カップ9Bは、底に中心通路9.1を有する。
図8からさらに見て取れるように、戻しばね14は、図示された実施例では、一端で保持カップ9Bの底に支持され、他端でディスク16Bに支持される。これに加えて、保持カップ9Bの開端は、閉鎖体10の開運動を制限するストッパ9.2を形成する。
図8からさらに見て取れるように、弁組立体1または動的絞り1Gの流体流路7は、図示された実施例では、
図1~
図7に示された動的絞り1A、1B、1C、1D、1E、1Fとは異なり弁座5と流体出口FAとの間に段付き流体流路区分7Bを有する。
【0046】
図8からさらに見て取れるように、ガイドボール12は、段付き流体流路区分7Bの種々の横断面間の移行部8の領域に配置されている。
図19~
図22から見て取れるように、所望の弁挙動を設定するために、段付き流体流路区分7Bの種々の横断面間の移行部8は異なった形状を有することができる。
【0047】
図8および
図19からさらに見て取れるように、移行部8Aは、図示された実施例では、開断面の拡大を伴って開方向に直線状に延びる。
【0048】
図20からさらに見て取れるように、移行部8Bは、図示された実施例では、開断面の縮小を伴って開方向に直線状に延びる。
【0049】
図21からさらに見て取れるように、移行部8Cは、図示された実施例では、転換点まで開断面の縮小を伴って開方向に曲線状に延び、転換点から開断面の拡大を伴って曲線状に延びる。
【0050】
図22からさらに見て取れるように、移行部8Dは、図示された実施例では、転換点まで開断面の縮小を伴って開方向に直線状に延び、転換点から開断面の拡大を伴って直線状に延びる。
【0051】
図9からさらに見て取れるように、弁組立体1または動的絞り1Hは、図示された実施例では、複数のガイドボール12と、付勢力FVSをガイドボール12に作用させるコイルばねとして形成された戻しばね14とを備えている。
図9からさらに見て取れるように、戻しばね14とガイドボール12との間に、中心通路16.1を有するディスク16Bとして形成されたボールホルダ16が配置されている。
図9からさらに見て取れるように、ばねホルダ9は、図示された実施例では、弁体3Cの開端で流体流路7に圧入されている保持カップ9Bとして形成されている。上記の実施例とは異なり、保持カップ9Bは、図示された実施例では、戻しばね14とボールホルダ16とガイドボール12とを完全に収容し、かつ閉鎖体10を少なくとも部分的に収容する。保持カップ9Bは、底に中心通路9.1を有する。
図9からさらに見て取れるように、戻しばね14は、図示された実施例では、一端で保持カップ9Bの底に支持され、他端でディスク16Bに支持されている。
図9からさらに見て取れるように、流体流路7は、流体入口FEに形成された弁座10.3と流体出口FAとの間に段付き流体流路区分7Bを有している。
【0052】
図9からさらに見て取れるように、段付き流体流路区分7Bの種々の横断面間の移行部には、シールブシュ10Bとして形成された閉鎖体10と協働する別の弁座5が形成されている。
図9からさらに見て取れるように、シールブシュ10Bとして形成された閉鎖体10は、凹部と静的絞り2とを有する。弁組立体1または動的絞り1Hの図示された開状態では、凹部にボールとして形成された別の閉鎖体18が配置され、この閉鎖体は、弁組立体1または動的絞り1Hが閉状態にあるときに静的絞り2を介して流体出口FAから流体入口FEへの意図しない逆流が発生した場合に、流体入口FEに配置された弁座10.3と協働してシールする。
図9からさらに見て取れるように、静的絞り2がシールブシュ10Bにおいて偏心的に配置され、流体入口FEと流体出口FAとの間に常時流体接続を形成し、偏心的配置により、この流体出口が別の閉鎖体18によって閉鎖されることはない。
【0053】
シールボール10Aまたはシールブシュ10Bとしての上述の実施形態の他に、
図14から見て取れるように、閉鎖体10のさらに別の実施形態も可能である。
【0054】
図14に示される実施例では、閉鎖体10Cは、シール領域10.1とガイド延長部11とを有する。この場合、シール領域10.1は、図示される実施例では、ガイド延長部11が一体成形された球冠として形成されている。図示された実施例では、ガイド延長部11は、丸形の横断面を有し、かつ円錐11Aとして形成されている。これに代えて、丸形の横断面を有するガイド延長部11を円錐台または円柱として形成することができる。
【0055】
図15~
図18からさらに見て取れるように、ガイド延長部11は、多角形の横断面を有することができる。したがって
図15は、等辺の三角形の横断面を有するガイド延長部11Bを示す。
図16は、正方形の横断面を有するガイド延長部11Cを示す。
図17は、規則的な五角形の横断面を有するガイド延長部11Dを示す。
図18は、規則的な六角形の横断面を有するガイド延長部11Eを示す。この場合、ガイド延長部11の外面と流体流路7の側方境界との間に相応のチャンバが形成される。
【0056】
上記の実施例では、流体流路7に配置されるガイドボール12の数は、ガイドボール12が周方向に相互に支持し合うように選択されている。これに代えて、それぞれ1つのガイドボール12を少なくとも部分的に収容および位置決めする位置決め手段を設けることができる。したがって、
図12に示されたディスク16Fは、それぞれ1つのガイドボール12を少なくとも部分的に収容および位置決めする位置決め手段として3つの凹部16.3を有する。
図13からさらに見て取れるように、位置決め手段は、図示された実施例では、弁体3に設けられた軸方向の保持溝16Dとして形成され、保持溝は、それぞれ1つのガイドボール12を少なくとも部分的に収容および位置決めする。図示された実施例では、弁体3に3つの保持溝16Gが設けられている。
【0057】
図15~
図18からさらに見て取れるように、ガイド延長部11の外面と流体流路7の側方境界との間に形成されたチャンバは、それぞれ1つのガイドボール12を少なくとも部分的に収容する。したがって、
図15に示されるガイド延長部11Bによって3つのガイドボール12が位置決めされる。
図16に示されるガイド延長部11Cによって4つのガイドボール12、
図17に示されるガイド延長部11Dによって5つの、そして
図18に示されるガイド延長部11Eによって6つのガイドボール12が位置決めされる。
【符号の説明】
【0058】
1 弁組立体
1A、1B、1C、1D、1E 1F、1G、1H 動的絞り
2 静的絞り
3、3A、3B、3C 弁体
5 弁座
7 流体流路
7A 円筒状流体流路区分
7B 段付き流体流路区分
8、8A、8B、8C、8D 移行部
9 ばねホルダ
9.1 中心通路
9.2 ストッパ
9A 保持ディスク
9B 保持カップ
10 閉鎖体
10.1 シール領域
10A シールボール
10B シールブシュ
10C 閉鎖体
11、11A、11B、11C、11D、11E ガイド延長部
12 ガイドボール
14 戻しばね
16 ボールホルダ
16.1 中心通路
16.2 切欠き
16.3 凹部
16.5 ストッパディスク
16A 保持ボール
16B、16E、16F ディスク
16C 保持カプセル
16D 保持溝、保持スリーブ
18 閉鎖体
19 磁石組立体
FE 流体入口
FA 流体出口
FF 流体力
FVS 付勢力
【国際調査報告】