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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-27
(54)【発明の名称】ビデオスコープ
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20220520BHJP
   A61B 1/008 20060101ALI20220520BHJP
【FI】
A61B1/00 714
A61B1/00 711
A61B1/008 511
A61B1/008 512
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559959
(86)(22)【出願日】2020-02-07
(85)【翻訳文提出日】2021-11-26
(86)【国際出願番号】 EP2020053149
(87)【国際公開番号】W WO2020207639
(87)【国際公開日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】19382263.2
(32)【優先日】2019-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521370765
【氏名又は名称】ヴィジュアル オキシー, エス.エル.
【氏名又は名称原語表記】VISUAL OXY, S.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】モンテロ ゴンザレス, エミリオ
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF11
4C161FF30
4C161FF33
4C161HH32
4C161HH33
4C161JJ06
4C161LL02
(57)【要約】
グリップと、ミニカメラを含むチューブとを有するビデオスコープであって、グリップは、ヒンジによって関節接合された2つの部品と、その中に収容された接続ピースとを備える。したがって、グリップは、開位置または閉位置に配置することができ、グリップの開位置でアクセス可能な内部キャビティを形成する。接続ピースは、ミニカメラチューブの近位端との機械的接続手段と、ミニカメラに電力を伝送するように構成された電力接続手段と、画像データ伝送用に構成された、ミニカメラチューブとの電子的接続手段とを備える。好ましくは、グリップは、作業チャネルの入口に挿入される針による突き刺し事故を回避するためのプロテクタシールドを備え、ミニカメラを含むチューブは、遠位部に単一ピースで製造された可撓性ピースを備える。
【選択図】図2


【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリップ(100)と、チューブ(200)の遠位端にミニカメラを装備した前記チューブ(200)とを備え、前記グリップ(100)が前記グリップ(100)の第1の端部(104)に位置するヒンジ(103)によって互いに関節接合された第1の部品(101)と第2の部品(102)とを備え、前記2つの部品(101、102)の閉鎖手段(106)を備えることにより、前記グリップ(100)を開位置または閉位置に配置することができ、前記グリップ(100)の前記開位置でアクセス可能な内部キャビティ(107)を備えるグリップ(100)であって、前記グリップ(100)の前記キャビティ(107)が前記グリップ(200)の前記キャビティ(107)内で前記チューブ(200)の近位端を安定させるように構成された、前記ミニカメラチューブ(200)の前記近位端との機械的接続手段と、前記ミニカメラに電力を伝送するように構成された電力接続手段と、画像データ伝送用に構成された前記ミニカメラチューブ(200)との電子的接続手段と、を備える接続ピース(111)を収容するように構成されることを特徴とする、ビデオスコープ。
【請求項2】
前記電子的接続手段が、データケーブルおよび/または取り外し可能なデータ記憶ユニットを前記ビデオスコープグリップ(100)に接続するために、データ用差込口に接続されることを特徴とする、請求項1に記載のビデオスコープ。
【請求項3】
グリップ(100)と、チューブ(200)の遠位端にミニカメラを装備した前記チューブ(200)とを備え、前記チューブが前記チューブの内側を針または生検手段が通過するように構成された作業チャネルを備え、前記グリップが前記作業チャネルの入口(109)を備え、前記入口(109)が前記針または前記生検手段の導入用に構成されており、前記グリップ(100)が前記入口(109)と前記グリップ(100)の把持領域との間にプロテクタシールド(110)を備えることを特徴とする、ビデオスコープ。
【請求項4】
単一ピースで作製され、少なくとも1つのカラム(302)によって一緒に接合された複数のリンク(301)を備えており、前記少なくとも1つのカラム(302)が、どの2つのリンク(301)間の中央部分にも狭窄部(303)を備え、したがって前記カラム(302)の狭窄部(303)の各領域で前記可撓性先端部(300)の屈曲を可能にし、各リンク(301)が複数の湾曲または窪みを含む幾何学的形状を備え、その結果、他のリンク(301)に隣接してリンク(301)を配置すると、前記湾曲または窪みが前記可撓性先端部(300)の動作のためのテンションケーブル(305)と、前記ミニカメラの電力供給および画像データ伝送のための電気および電子ケーブルとを別個に導入するように構成される前記可撓性先端部(300)の軸方向チャネル(304)を生成することを特徴とする、ビデオスコープ用の可撓性先端部(300)。
【請求項5】
少なくとも3つのチャネル(304)、すなわち前記電気および電子ケーブル用に構成される中央チャネルと、前記テンションケーブルの導入用に構成される2つの側方チャネルであって、前記中央チャネルよりも小さい部分である前記側方チャネルと、を備えることを特徴とする、請求項4に記載の可撓性先端部(300)。
【請求項6】
少なくとも2つのカラム(302)を備えることを特徴とする、請求項4または5のいずれか一項に記載の可撓性先端部(300)。
【請求項7】
プラスチック射出によって製造されることを特徴とする、請求項4から6のいずれか一項に記載の可撓性先端部(300)。
【請求項8】
3つの異なるタイプ(301a、301b、301c)のリンク(301)を備えることを特徴とする、請求項4から7のいずれか一項に記載の可撓性先端部(300)。
【請求項9】
前記リンク(301)を、決定されたタイプの各リンク(301)が異なるタイプのリンク(301)によって先行および/または後続されるようにグループ化することを特徴とする、請求項8に記載の可撓性先端部(300)。
【請求項10】
前記リンク(301)が3つずつでグループ化され、同一タイプのリンク(301)3つのグループを形成し、各グループが異なるタイプのリンク(301)のグループによって先行および/または後続されることを特徴とする、請求項8に記載の可撓性先端部(300)。
【請求項11】
前記リンク(301)が2つずつでグループ化され、同一タイプのリンク(301)2つのグループを形成し、各グループが異なるタイプのリンク(301)のグループによって先行および/または後続されることを特徴とする、請求項8に記載の可撓性先端部(300)。
【請求項12】
グリップ(100)と、チューブ(200)の遠位端にミニカメラを装備した前記チューブ(200)とを備え、前記チューブ(200)の前記遠位端が、請求項4から11のいずれか一項に記載の可撓性先端部(300)を備えることを特徴とする、ビデオスコープ。
【請求項13】
o支持体(404)上に位置するプーリ(403)であって、前記テンションケーブル(305)を巻き取るように構成され、かつ前記ハンドルによって加えられる牽引力に耐えるように構成されたプーリ(403)と、
o前記プーリ(403)の第1の端部領域に対応して位置する第1の締結部(401)であって、前記テンションケーブル(305)に予張力を付与するように構成される第1の締結部(401)と、
o前記プーリ(403)の第2の端部領域に対応して位置する第2の締結部(402)であって、前記テンションケーブル(305)を締結し、かつ前記テンションケーブル(305)が前記プーリ(403)から外れることを回避するように構成される第2の締結部(402)と、
を備えることを特徴とする、ビデオスコープ用の、ハンドルとテンションケーブル(305)との間の接合システム。
【請求項14】
o前記支持体(404)上に位置する2つのプーリ(403)と、
o各プーリ(403)の前記第1の端部領域に対応してそれぞれ位置する2つの第1の締結部(401)と、
o各プーリ(403)の前記第2の端部領域に対応してそれぞれ位置する2つの第2の締結部(402)と、
を備えることを特徴とする、請求項13に記載の接合システム。
【請求項15】
グリップ(100)と、チューブ(200)の遠位端にミニカメラを装備した前記チューブ(200)とを備え、前記ミニカメラの動作がハンドルと、前記チューブ(200)の内側を通る少なくとも1つのテンションケーブル(305)とによって可能になるように構成されており、請求項13または14のいずれか一項に記載の、前記ハンドルと前記少なくとも1つのテンションケーブルとの間の接合システムを備えることを特徴とする、ビデオスコープ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュール式構成を有し、他の従来のファイバスコープまたはビデオスコープに対してコストの大幅な節約を可能にするビデオスコープまたはファイバスコープに関する。接合されたリンクによって形成される可撓性先端部システムを導入することに加えて、可撓性先端部に上または下への垂直動作および右または左への水平動作における横方向および縦方向のより大きな安定性を与える。また、ビデオスコープまたはファイバスコープの作業チャネルの近位入口に、プレートによって形成された防御または保護システムを組み込む。さらに、動作を可撓性先端部に伝達するケーブルと、それを指示するアクチュエータまたはハンドルとの間に、プーリを備える二重締結と呼ぶ新規の締結システムを組み込む。
【0002】
本発明の対象であるビデオスコープは、外科用器具、特に臓器の内部観察ならびに臓器内部の手術および/または臓器内部からの試料採取のために設計される器具の設計、製造およびマーケティングに特化した産業分野で特別な用途を有する。
【背景技術】
【0003】
ビデオスコープまたはファイバスコープは、人体の観察/モニタリングに使用されるデバイスであり、いくつかのタイプのビデオスコープでは、観察と同時に人体内部の処置にも使用される。
【0004】
ビデオスコープは主に2つの部品から構成されており、第1には、遠位部が可撓性で、かつ遠位端にカメラを内蔵するチューブに堅固に接合され、医師の手によって保持されるグリップ/本体であり、第2のピースは、ケーブルで接続される外部モニタ、または近位端でグリップに結合することができる可搬型モニタのいずれかとすることができる。
【0005】
各ビデオスコープは、さまざまな診療科または専門分野に特化して設計されており、したがって、気管支鏡、胃鏡、大腸鏡、喉頭鏡などを区別する。
【0006】
この分類に加えて、再使用可能なファイバスコープか単回使用のファイバスコープかのように、再使用性によって区別することができる。
【0007】
市販されているすべての従来型のファイバスコープまたはビデオスコープのグリップ/本体には、いくつかの共通の特性、たとえば、上向きまたは下向きに回転し、接合されたケーブルを介して、ミニカメラを組み込んで人体に導入されるチューブの先端部である遠位部の動作を制御するハンドルまたはアクチュエータなどがある。可撓性先端部の動作は、上または下への垂直方向のみであってもよいし、あるいは右または左への水平方向の動作を含んでもよい。
【0008】
すべてのファイバスコープまたはビデオスコープを差別化するいくつかの特性が追加的な機能である場合、たとえばデバイスをさらに可搬型/独立型にするためにスクリーンまたはモニタを結合するなどの、グリップ/本体の一部に含まれる特性である可能性もある。ファイバスコープまたはビデオスコープの大部分は、結合されたモニタを有するのではなく、外部の固定モニタに直接ケーブル接続する。
【0009】
ファイバスコープまたはビデオスコープを差別化する別の特性は、いくつかが充電式バッテリまたは非充電式バッテリで動作する一方で、他のファイバスコープまたはビデオスコープは外部電源に接続する必要があることである。
【0010】
同様に、多くのビデオスコープ/ファイバスコープでは、本体またはグリップで、グリップの上記の入口から患者の体内に入るチューブの遠位端まで近位に導かれ、その出口が、やはりチューブの遠位部または端部にあるミニカメラの位置の横で終わる接続部/開口部を見つけることが可能であることも強調されなければならない。この接続部/開口部は、作業チャネルと呼ばれる。作業チャネルは、解剖学的な領域を表示しながら、さまざまな機能、たとえば必要な薬の適用、酸素の導入、分泌物の吸引、カテーテルのタイプの導入、測定、生検手段、針等の機能を実行するために使用される。さらに、ファイバスコープまたはビデオスコープは、この特性に従って、作業チャネルを有さないものと、作業チャネルを有するものとに差別化され、前者においては、作業チャネルの直径が小さい、酸素導入用または吸引用のものと、作業チャネルの直径が大きい、針を導入して生検を実施するためのものとに差別化される。作業チャネルを介して針または生検手段を導入する場合、現在のビデオスコープおよびファイバスコープでは医師の手が作業チャネルの入口から保護されていないため、作業チャネルを介して針を挿入する際に医師の手が針で刺され、医師が感染するリスクがあることに危険性がある。
【0011】
上述したすべての任意の差別化特性の他に、ファイバスコープまたはビデオスコープは、他の重要な差別化特性も有しており、たとえばミニカメラを内蔵するチューブの長さ、上記のチューブの外径、上記のチューブ遠位の可撓性部の回転能(上または下への垂直動作(2軸)となる単一の平面で、または垂直動作に加えて右または左への水平動作(4軸)となる2つの直交する平面で、90度のまたは180度の、等)があり、したがって、ファイバスコープ/ビデオスコープには、チャネルが最遠位部でより大きい回転能を有するものまたはより小さい回転能を有するものと、1平面での回転能を有するものまたは2平面での回転能を有するものと、が存在する。
【0012】
ビデオスコープ間の別の相違としては、ミニカメラの光学解像度の品質があり、320×240がある他に、High Definitionおよび最大解像度(Full HDと呼ばれる)のものがある。臨床要件に応じて、多くのタイプの光学解像度がある。
【0013】
上述したすべての特性から、患者のタイプおよび医療専門分野ごとに必要な特性に応じて、非常に多くの異なるタイプのファイバスコープまたはビデオスコープがあることが推測される。
【0014】
最新技術では、ビデオスコープ/ファイバスコープは、締結されたケーブルを介してチューブの可撓性遠位部の動作を制御するアクチュエータまたはハンドルと、外部モニタへの接続または可搬型モニタを結合するための接続と、ミニカメラおよび作業チャネルを内蔵するチューブと、をグリップが常に伴うコンパクトなデバイスである。患者に使用されるたびに、ファイバスコープ/ビデオスコープ全体が全体として再使用される(滅菌および再滅菌の必要性およびコスト、ならびに再滅菌に関連する感染の問題を伴う)か、または、処分され、デバイス全体が廃棄物入れに廃棄される(デバイス全体を処理するために多大なコストがかかり、次の患者のために別のデバイス一式を購入する必要がある)。
【0015】
滅菌、ならびに再滅菌によるデバイスの破損および感染の問題と、単回使用モデルでのデバイス全体の処分または廃棄の多大なコストとのいずれも、さまざまな国のあらゆる病院が同一の経済水準を有しているわけではなく、同一国内であっても同等ではないため、手術室作業、ICU、事故および緊急事態に極めて重要で不可欠なニーズの製品を確保する際には、利用者にとって大きな経済的負担となる。
【0016】
現在のファイバスコープで観察されるもう1つの欠点は、ミニカメラチューブ遠位端の連接によって可撓性であり、ファイバスコープ/ビデオスコープによる表示中に上記のミニカメラが1つまたは2つの平面で異なる方向に向けられることを可能にする、チューブ遠位部にある。
【0017】
チューブ遠位部のこの連接部は、ハンドルまたはアクチュエータと共にケーブルの動きが伝達されることにより上下方向に動作する能力を有し、アクチュエータで動かす通りに、またはアクチュエータもしくはハンドルで動かす通りに、医師が望む領域にミニカメラの視覚を向ける。
【0018】
この連接部は、いくつかの機械的方法で製造されているが、それらのすべてにいくつかの欠点があり、そのうちの1つは、横方向と縦方向との両方での不安定性およびミスアライメントの欠点であり、連接部の別の欠点は、連接部を覆うプラスチックカバーで挟み込みが生じること、連接部を形成する機械的構成要素の離脱で鋭利な縁部が生じること、連接部を取り囲むプラスチックに折り目が生じることであり、これらの問題はすべて、連接部の構成要素の縦方向のミスアライメントまたは縦方向の延伸と、横方向のミスアライメントとに起因する。すべてのビデオスコープ/ファイバスコープの連接された端部は、一方の側から他方の側に回転することができる機能、ならびにミニカメラからグリップおよびモニタに画像を伝送し、グリップの電力をミニカメラに伝送して動作を可能にする電気または電子ケーブルを内部に保持することができる機能などの機能を果たす必要があり、最後に、連接部は、ハンドルまたはアクチュエータから来る2つまたは4つのテンショナまたは動作ケーブルを内部に保持する機能を有し、2つまたは4つのテンショナまたは動作ケーブルがミニカメラを内蔵するチューブ最遠位部に接合して、これらを引くとチューブの連接された遠位部は一方の側または他方の側へと回転する。
【0019】
これらの2つまたは4つのテンショナまたは動作ケーブルと、2つまたは3つの電気または電子電力および画像伝送ケーブルとは、独立したチャネルを通らなければならず、可撓性チューブの連接部内でそれぞれが混合してはならない。そうでなければ、上下方向または横方向の動作を制御された方法で実行することができず、電気または電子ケーブルは、上記のテンショナ/動作ケーブルとの連続的な摩擦の影響を受け、破損して短絡するか、またはミニカメラの視覚を失う可能性がある。
【0020】
チューブが曲がるまたは折れる際の挟み込み、鋭利な縁部または折り目は、チューブ最遠位部が曲がるときに、ビデオスコープの動作制御の有効性と視覚の精度とを失うことに加えて、びらん、擦れ、出血、外傷を引き起こす可能性があるため、患者にとって危険である。
【0021】
連接された(チューブ最遠位端の)可撓性部のこの横方向および縦方向の不安定性およびミスアライメントは、連接部の内側ピースまたは構成要素が分離されていることに起因する。ビデオスコープ/ファイバスコープが屈曲動作を作り出すために現在使用している方法は、独立ピースが互いに結合され回転するものであるが、この独立ピース間の結合または接合は、安定した縦方向および横方向の接合を有さない。これらの内部の機械的ピースまたは構成要素は、横方向の牽引、縦方向の牽引または延伸によって、および継続的な使用によって容易に分離される。さらに、これらの結合された独立ピースは、滅菌液および再滅菌液に入れられると錆びる金属で製造される。
【0022】
このため、動作が制御不能であるためにファイバスコープを使用し続けることができないだけでなく、連接部を囲むプラスチックの挟み込み、およびユニットまたは独立構成要素の離脱によって横方向に突出する鋭利な縁部が原因で患者の安全性にとって危険な問題が現れる可能性があり、この問題とは、挟み込み、折り目、または鋭利な縁部によって生じる創傷による内部出血である。
【0023】
すべてのビデオスコープ/ファイバスコープが有する別の問題は、ハンドルまたはアクチュエータを、チューブの可撓性先端部へ動作を伝えるテンションケーブルに締結する方法である。これは、ビデオスコープ/ファイバスコープに存在する最大の問題、すなわち、テンションケーブルがハンドルまたはアクチュエータから外れ、デバイスを使用または制御することができなくなるという問題につながる。
【発明の概要】
【0024】
上述の欠点を解決することを目的として、本発明は、従来のビデオスコープまたはファイバスコープに対して特性が改善されたビデオスコープまたはファイバスコープに関する。
【0025】
本発明の対象であるビデオスコープ/ファイバスコープは、グリップと、チューブの遠位端にミニカメラを装備したチューブとを含む。
【0026】
新規な方法で、グリップは、グリップの第1の端部に位置するヒンジによって互いに関節接合された2つの部品を備える。
【0027】
グリップは、2つの部品の閉鎖手段を(好ましくはグリップの第2の端部に)備えており、グリップは開位置および閉位置に配置することができる。
【0028】
グリップは、グリップの開位置でアクセス可能な内部キャビティを備える。グリップキャビティは、接続ピースを収容するように構成される(好ましくは、グリップが閉位置にあるときはグリップの2つの部品によって覆われる)。
【0029】
接続ピースは、
-グリップキャビティ内でチューブの近位端を安定させるように構成された、ミニカメラチューブの近位端との機械的接続手段と、
-ミニカメラに電力を伝送するように構成された電力接続手段と、
-画像データ伝送用に構成された、ミニカメラチューブとの電子的接続手段と、を備える。
【0030】
好ましくは、電子的接続手段は、データケーブルおよび/または取り外し可能なデータ記憶ユニットをビデオスコープグリップに接続するために、データ用差込口に接続される。
【0031】
代替的または追加的に、電子的接続手段は、内部データ記憶ユニットに接続されてもよい。
【0032】
可能な一実施形態によれば、電力接続手段は、ビデオスコープグリップ内に位置する内部バッテリに接続される。
【0033】
代替的または追加的に、電力接続手段は、外部電源に接続されるように構成された電源ケーブルを接続するためのビデオスコープグリップの接続ポートに接続されてもよい。
【0034】
好ましくは、前述の特性と併せて、またはそれらとは独立して、ビデオスコープチューブは、このチューブの内側を針または生検手段が通過するように構成された作業チャネルを備え、グリップは、上記の作業チャネルの近位入口を備え、上記の入口は、針または生検手段を導入するように構成されている。有利には、グリップは、上記の近位入口と医師の手のグリップ把持領域との間にプロテクタシールドを備える。このプロテクタシールドにより、針または生検手段の使用に起因してグリップ保持者の手を突き刺すリスクを低減または回避する。
【0035】
ビデオスコープチューブの遠位部はまた、新規の可撓性先端部を備えることもでき、従来のビデオスコープの連接された先端部(金属製の複数のピースおよびシャフト)を代替する。
【0036】
ビデオスコープ用の可撓性先端部は、単一ピースで作製され、少なくとも1つのカラムによって一緒に接合された複数のリンクを備える。好ましくは、少なくとも2つのカラムがある。
【0037】
上記の少なくとも1つのカラム(好ましくは少なくとも2つのカラム)は、どの2つのリンク間の中央部分にも狭窄部を備えており、したがってカラムの各狭窄領域での先端部の屈曲を可能にする。
【0038】
各リンクは、複数の湾曲または窪みを含む幾何学的形状を備えており、その結果、他のリンクに隣接してリンクを配置すると、上記の湾曲または窪みは、可撓性先端部の全体構造の軸方向チャネルを生成する。これらの軸方向チャネルは、正面部分からピース全体を見ると独立している。これらのチャネルは、単一の垂直平面で回転する可撓性先端部については最少3つとすることができ、または2つの垂直平面および水平平面で回転する可撓性先端部については最少5つのチャネルとすることができる。3チャネルから5チャネルにするステップが必要であるのは、他の2つの追加の水平動作を実現するために、さらに2つのテンションケーブルを必要とすることによる。
【0039】
各チャネルは、可撓性先端部の動作のためのテンションケーブルまたは動作ケーブルと、ミニカメラの電力供給および画像データ伝送のための電気および電子ケーブルとを別個に導入するように構成される。
【0040】
既に紹介したように、好ましくは、可撓性先端部は、(先端部が単一の平面で垂直動作するための)少なくとも3つのチャネル、すなわち、電気および電子ケーブル用に構成された(より大きな部分の)中央チャネルと、テンションケーブルの導入用に構成された2つの側方チャネル(または上側チャネルおよび下側チャネル)とを備える。
【0041】
好ましくは、可撓性先端部は、リンクを一緒に接合し、可撓性ピース全体に横方向および縦方向の安定性を与える少なくとも2つのカラムを備え、これらの2つのリンク間接合カラムによって指示され、または方向づけられる単一の平面でのリンク間の回転を可能にする。
【0042】
また好ましくは、可撓性先端部は、プラスチック射出によって製造される。
【0043】
好ましくは、可撓性先端部は、3つの異なるタイプのリンクを備える。
【0044】
可能な一実施形態によれば、リンクは、各リンクが異なるタイプのリンクによって先行および/または後続されるようにグループ化される。
【0045】
別の可能な実施形態によれば、リンクは3つずつでグループ化され、同一タイプのリンク3つのグループを形成し、各グループは異なるタイプのリンクのグループによって先行および/または後続される。
【0046】
また、別の可能な実施形態によれば、リンクは2つずつでグループ化され、同一タイプのリンク2つのグループを形成し、各グループは異なるタイプのリンクのグループによって先行および/または後続される。
【0047】
好ましくは、前述の特性と併せて、またはそれらとは独立して、ビデオスコープは、少なくとも1つのテンションケーブルとハンドルまたはアクチュエータとの間に接合システムを有し、上記の接合システムは、支持体上に位置する2つの締結部と、プーリとを備える。
【0048】
プーリの第1の端部領域に位置する第1の締結部は、生産チェーンでのビデオスコープ組み立て中にテンションケーブルの予張力付与を実行するように構成され、この予張力付与は、ハンドルに加えられる力に耐えるようには機能せず、テンションケーブルの正しい初期張力のためにのみ機能するものであり、第1の締結部の次にはプーリがあって、ハンドルの力による作動に対処する/耐えるように構成されており、最後に、プーリの次に、プーリの第2の端部領域に位置する第2の締結部があり、プーリから出た後のテンションケーブルの遠位端を締結するように構成され、上記のテンションケーブルがプーリから外れないようにプーリケーブルを締結する。
【0049】
プーリを備えるこの二重締結システムは、第1の締結部によってテンションケーブルの最適な初期張力をデバイスの生産チェーンで可能にし、その後プーリを用いて使用中に医師によってハンドルに加えられる、より大きな力に耐えることを可能にし、第2の締結部は、プーリが分離されないようにケーブルを締結する。
【0050】
好ましくは、接合システムは、少なくとも2本のテンションケーブルとハンドルまたはアクチュエータとの接合を提供する。したがって、接合システムには、支持体上に位置する2つのプーリがあり、その結果、各プーリのそれぞれの第1の端部領域に位置する2つの第1の締結部、および各プーリのそれぞれの第2の端部領域に位置する2つの第2の締結部がある。
【0051】
この革新的な発明によれば、各ファイバスコープまたはビデオスコープを、一方では患者と接触しないすべての要素(グリップおよび接続部)、他方では患者と接触するすべての要素(チューブ、ミニカメラ)とする別個のモジュールで作成すると、リサイクルおよび新しいファイバスコープ/ビデオスコープ一式の取得に関連するコスト、ならびにファイバスコープ全体の滅菌または再滅菌にかかるコスト、それに伴う要素破損のリスクを削減することができる。
【0052】
各医療専門分野は、特定の特性を有する特定のビデオスコープモデルを使用する。
【0053】
本発明によれば、患者と接触しない(また、最も体積の大きい)要素は、グリップ、外部モニタとの電気的接続部、および可搬型モニタとの電気的接続部である。
【0054】
患者と接触する要素は、ミニカメラを内蔵し、遠位部では可撓性であるチューブ、および作業チャネルである。
【0055】
同様に、可撓性先端部については、プラスチック射出による製造時に、射出のプレス工程で金型の2つの面の開閉動作のたびに、可撓性先端部のすべてのリンクが完全なピースで出てくるように設計される。
【0056】
さらに、可撓性先端部は、その中にすべての必要なチャネルを形成しており、チャネルには、垂直平面での回転に特化した可撓性先端部の場合、2つのテンションケーブルまたは屈曲の動作ケーブル用の2つの独立したチャネル、ならびにミニカメラの電気および電子ケーブル用の独立したチューブがあり、2つの垂直平面および水平平面での回転に特化した可撓性先端部のためには5つの独立したチャネルがある。
【0057】
可撓性先端部を1つの完全なピースで得られるように製造することができるという事実は、手作業で組み立てる必要がある多くのバラバラのピースがないため、製造コストが大幅に低く抑えられ、多大な経済的価値を提供する。
【0058】
現在のビデオスコープで実施されている可撓性先端部の製造方法で、この手作業組み立てがないということは、ピースのハンドリングがなく、生産品質管理がはるかに容易になるため、組み立て時の不合格品の数が大幅に減少する。
【0059】
可撓性ピースが一つのピースであり、他の従来のビデオスコープのように金属製ではなくプラスチック製であるという事実は、磁気共鳴装置内で本ビデオスコープに内蔵されての使用の可能性を高める。
【0060】
同様に、リンク間のカラムによって接合された(好ましくは最少で2つのカラムによって接合された)リンクによって形成される単一ピースであるという事実は、堅牢性を与え、縦方向および横方向のミスアライメントまたは離脱を排除し、出血および創傷を引き起こす挟み込みと鋭利な縁部とを排除する。
【0061】
2つのカラム、リブまたはピラーは、その厚みが(狭窄部で)減少することでリンク間の一方向の屈曲を可能にするが、ピラーの残りの部分では、厚みをより厚く維持して堅牢性を与え、横方向および縦方向の変位を排除する。
【0062】
本発明では、可撓性先端部のリンク間の回転または方向転換は、現在の屈曲システムで起こるように、個々のピースを接合するボルトによって機械的に接合された、互いに回転する2つの独立した要素の形態で実現されるのではない。これに対して、本発明では、可撓性先端部の「回転軸」は、2つのディスク接合ピラーの特定領域での厚みの減少からもたらされる。
【0063】
可撓性先端部が設計される方法は、製品が単一ピースで構成されているため製品を形成している構造が解除される可能性がなく、同一患者で使用される間、製品の耐用年数延長を可能にする。
【0064】
同様に、2つの部品で作られたグリップを有するモジュール式モデルによって、患者と接触しない再使用可能モジュールである、モニタへの電気的接続部を有し、必要に応じて再滅菌することができるグリップを維持したまま、ミニカメラと作業チャネルとを含むチューブを備えた単回使用モジュールの交換のみで、ビデオスコープの異なるモデルのすべてを有することが可能である。
【0065】
患者と接触するモジュールは単回使用であり、患者と接触しないモジュールは再使用可能であり、両方のモジュールは容易に結合または分離される。
【0066】
患者と接触しないモジュールは、好ましくは、縦方向の半分がヒンジシステムによって開く本体からなり、開いているときに、患者と接触するモジュールをその中に結合することができる。その後、カバー(グリップの2つの部品)を閉じると、以前のグリップの形態を有するビデオスコープとなる。
【0067】
本発明は、革新的なモジュール式グリップを有するため、グリップとチューブとを別個のモジュールに分離することが可能であり、これらのビデオスコープにかかる病院にとって莫大なコストを低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
以下の図は、本発明の少なくとも一実施形態の説明の一部として含まれている。
【0069】
図1】ビデオスコープグリップと、グリップに結合されるように構成されたスクリーンと、グリップに導入されるように構成された単回使用チューブの部分とを観察することができる、ビデオスコープの一実施形態の分解斜視図である。
図2】グリップが開位置にあり、グリップの2つの部品がヒンジを中心に関節接合されているように見える斜視図である。
図3図1および図2のグリップの、閉位置での側面図である。
図4】可撓性先端部の一実施形態の斜視図である。
図5図4の可撓性先端部の正面図である。
図6図4および図5の可撓性先端部の詳細を、3つのタイプのリンクの断面図と共に示す図である。
図7】2つの直交する平面(4軸)、すなわち上/下および左/右の動作を可能にする可撓性先端部の図である。
図8】突き刺し防止プロテクタシールドを備えたビデオスコープ/ファイバスコープのグリップの図である。
図9】二重締結を用いてケーブルにテンションをかけるためのプーリシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
本発明は、上述のように、ビデオスコープまたはファイバスコープに関する。
【0071】
本発明の対象であるビデオスコープ/ファイバスコープの主な特性の1つは、モジュール特性を有することであり、ビデオスコープのグリップ(100)または本体を、ミニカメラを含むチューブ(200)から独立させることを可能にする。
【0072】
したがって、ビデオスコープは、第1の部品(101)と第2の部品(102)との2つの部品によって形成されたグリップ(100)を備え(図1図3を参照)、グリップ(100)の第1の端部(104)に存在するヒンジ(103)によって関節接合され、グリップ(100)の第2の端部(105)に閉鎖手段(106)を有するか、またはクリップ留めされる。
【0073】
上記のグリップ(100)が開くと、ヒンジ(103)を中心に関節接合された形態で2つの部品(101、102)の相対回転によって、グリップの内部キャビティ(107)にアクセスする。
【0074】
上記のキャビティ(107)の内側には、ミニカメラを含むチューブ(200)を上記のグリップ(100)に接続するための機械的接続手段と、電力接続手段と、電子的接続手段と、がある。これらの機械的手段と、電気的手段と、電子的手段とは、好ましくは、キャビティの内部に挿入されるように構成された接続ピース(111)上に作製される。
【0075】
可能な一実施形態によれば、電子的接続手段は、データケーブルおよび/または取り外し可能なデータ記憶ユニットをビデオスコープグリップ(100)に接続するために、データ用差込口に接続される。別の可能な実施形態によれば、電子的接続手段は、内部データ記憶ユニットに接続される。同様に、電子的接続手段は、グリップ(100)に結合されたスクリーン(108)に接続されてもよい。
【0076】
可能な一実施形態によれば、電力接続手段は、ビデオスコープグリップ(100)内に位置する内部バッテリに接続される。別の可能な実施形態によれば、電力接続手段は、外部電源に接続されるように構成された電源ケーブルを接続するためのビデオスコープグリップ(100)の接続ポートに接続される。
【0077】
機械的接続手段は、ビデオスコープグリップ(100)のキャビティ(107)内でチューブ(200)の近位端を安定させることを可能にする。
【0078】
好ましい実施形態によれば、ビデオスコープは、針を導入するための入口(109)を有する作業チャネルを備え、上記の入口(109)はビデオスコープグリップ(100)内に位置する。この場合、好ましくは、ビデオスコープ/ファイバスコープグリップ(100)は、針を導入するための入口(109)とグリップ(100)の把持領域との間にプロテクタシールド(110)(図8参照)を備える。把持領域は、ビデオスコープを使用する医療スタッフによる把持に適した表面寸法および/または特性で構成される。
【0079】
上記のプロテクタシールド(110)は、作業チャネルの入口(109)を介した針の挿入操作中に、看護助手が把持領域でグリップ(100)の保持者または把持者に針を突き刺す危険性を完全に低減または回避することができる。
【0080】
同様に、好ましい実施形態(図4図6を参照)によれば、ビデオスコープは、2方向(上下、または左右)による動作平面でのミニカメラの動作を可能にするように構成された、すなわち、2軸でのミニカメラのモビリティを可能にするように構成された可撓性先端部(300)を備える。
【0081】
別の可能な実施形態(図7参照)によれば、ビデオスコープの可撓性先端部(300)は、4方向(上/下および左/右)による2つの直交する動作平面でのミニカメラの動作を可能にするように構成され、すなわち、4軸でのミニカメラのモビリティを可能にするように構成される。
【0082】
可撓性先端部(300)は、好ましくはプラスチック射出(通常は医療用プラスチック)によって製造される。
【0083】
好ましい実施形態によれば、可撓性先端部(300)は、3つのタイプのユニットまたはリンク(301)またはディスクから構成される。説明の便宜上、上記のリンク(301)を、以下ではリンク(301)の第1のタイプ(301a)、第2のタイプ(301b)、および第3のタイプ(301c)とし、それぞれ「DO」、「RE」、および「MI」という分類で区別する。
【0084】
各リンク(301)は、2つのカラム(302)またはリブによって前および/または後ろのリンクに接合される。これらのカラム(302)は、2つの隣接するリンク(301)間の中間部分に狭窄部(303)を備える、薄い幾何学的形状を有する。プラスチックカラム(302)のこの狭窄部(303)は、従来のビデオスコープの連接された先端部で生じるような、機械的シャフトおよび異なるピース間の連接を有する必要なしに、可撓性先端部(300)のどの2つのリンク(301)の間でも屈曲/連接を可能にする。
【0085】
リンク(301)またはディスクは、湾曲または窪みを含む幾何学的形状を有する。
【0086】
3つのタイプのリンク(301)「DO」、「RE」、「MI」を適切に組み合わせて配置すると、可撓性先端部(300)の軸方向で観察可能な独立したチャネル(304)が形成される。これらの独立したチャネルは、テンションケーブル(305)または動作ケーブルと、電力および画像データの伝送のための電気/電子配線とを異なる経路によって導入することを可能にする。
【0087】
可撓性先端部(300)の好ましい実施形態によれば、少なくとも3つのチャネル(304)、すなわち、電気的/電子的接続部の導入用に構成された最も大きい部分の中央チャネルと、対応するテンションケーブル(305)または動作ケーブルのそれぞれの導入用に構成された2つの側方チャネル(左/右または上/下)とがある。
【0088】
2平面での回転のための可撓性先端部(300)の実施形態(図7参照)によれば、少なくとも5つのチャネル(304)、すなわち、電気的/電子的接続部の導入用に構成された最も大きい部分の中央チャネルと、4つの可能な回転のそれぞれに対応するテンションケーブル(305)または動作ケーブルをそれぞれ1つずつに導入するように構成された、1つは右側および1つは左側の2つの側方または周辺チャネルと、(1つは上部および1つは下部の)2つの側方または周辺チャネルとがある。
【0089】
リンク(301)またはディスクにはさまざまな可能なグループ化がある。
【0090】
1つの可能なグループ化によれば、リンクは、同一のリンク(301)3つのグループに区分することができ、異なるリンク(301)3つのグループによって先行および/または後続され、すなわち「DO-DO-DO-RE-RE-RE-MI-MI-MI-DO-DO-DO...」となる。
【0091】
別の可能な実施形態(図4参照)によれば、各リンク(301)は、別の異なるタイプのリンク(301)によって先行および/または後続され、すなわち「DO-RE-MI-DO-RE-MI-DO...」となる。
【0092】
別の可能な実施形態によれば、リンク(301)は、同一のリンク(301)2つのグループにグループ化され、異なるリンク(301)2つのグループによって先行および/または後続され、すなわち「DO-DO-RE-RE-MI-MI-DO-DO...」となる。
【0093】
通常は(図6参照)、異なるタイプのリンク(301)またはディスクのうちの2つは、反転して配置されているが、実際には同一タイプのディスクである。
【0094】
好ましくは、前述の特性と併せて、またはそれらとは独立して、ビデオスコープは、テンションケーブル(305)とハンドルまたはアクチュエータとの間に接合システム(図9参照)を有し、接合システムは、支持体(404)上に位置する2つの締結部(401、402)と、プーリ(403)とから構成される。第1の締結部(401)は、生産チェーンのビデオスコープの組み立てでテンションケーブル(305)に予張力を付与するためのものであり、この予張力付与は、ハンドルに加えられる力に耐えるようには機能せず、テンションケーブル(305)の正しい初期張力のためにのみ機能するものであり、第1の締結部(305)の次にはプーリ(403)が配置されて、ハンドルの力による作動に耐えるように使用され、最後に、プーリ(403)の次に、第2の締結部(402)が配置されて、プーリ(403)から出た後のテンションケーブル(305)の遠位端を締結するように機能し、プーリ(403)に巻き付けられたテンションケーブル(305)が外れないように締結する。プーリ(403)を備えるこの二重締結システム(401、402)は、第1の締結部(401)によってテンションケーブル(305)の最適な初期張力をデバイスの生産チェーンで実現することを可能にし、その後、プーリ(403)を用いて使用中に医師によってハンドルに加えられる最大の力に耐えることを可能にし、第2の締結部(402)は、テンションケーブルがプーリ(403)から外れないようにテンションケーブル(305)を締結する。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】