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特表2022-527022磁束を導くベアリングシールドを備える回転結合装置
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  • 特表-磁束を導くベアリングシールドを備える回転結合装置 図1
  • 特表-磁束を導くベアリングシールドを備える回転結合装置 図2A
  • 特表-磁束を導くベアリングシールドを備える回転結合装置 図2B
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  • 特表-磁束を導くベアリングシールドを備える回転結合装置 図4B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-27
(54)【発明の名称】磁束を導くベアリングシールドを備える回転結合装置
(51)【国際特許分類】
   F16D 27/112 20060101AFI20220520BHJP
   F16D 27/10 20060101ALI20220520BHJP
【FI】
F16D27/112 W
F16D27/10 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560309
(86)(22)【出願日】2020-04-08
(85)【翻訳文提出日】2021-12-06
(86)【国際出願番号】 US2020027128
(87)【国際公開番号】W WO2020210270
(87)【国際公開日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】16/379,883
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511114014
【氏名又は名称】ワーナー エレクトリック テクノロジー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホルムベック、ブライアン ケー.
(72)【発明者】
【氏名】フミー、マイケル
(57)【要約】
回転結合部は、回転軸の周りで回転するように構成されたローターを含む。ローターは、軸の周りに配設されシャフトを受けるように構成されたハブと、ハブから径方向外側へ延在するディスクとを含む。アーマチュア及び電磁石は、ディスクの対向する軸側に配設される。電磁石は、回転しないように固定される。ベアリングは、ハブと電磁石との間に配設される。ハブ及び電磁石は、ベアリングの対向する軸側にある、ベアリングのそれぞれの内輪及び外輪に係合する。スペーサーは、電磁石の径方向内側に配設され、電磁石とベアリングの同じ軸側にあるベアリングの内輪に係合する。空隙は、電磁石からスペーサーを分離する。シールドは、スペーサーによって支持され、そこから径方向外側へ延在して、シールドの一部分が空隙と軸方向に整列されるようにする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転結合装置であって、該回転結合装置は、
回転軸の周りで回転するように構成されたローターであって、前記回転軸の周りに配設されシャフトを受けるように構成されたローターハブと、該ローターハブから径方向外側へ延在するローターディスクとを含む、ローターと、
前記ローターディスクの第1の軸側に配設されたアーマチュアと、
該アーマチュアに対向する前記ローターディスクの第2の軸側に配設され回転しないように固定された電磁石と、
前記ローターハブと前記電磁石との間に配設されたベアリングであって、前記ローターハブは、前記ベアリングの第1の軸側にある前記ベアリングの内輪に係合し、前記電磁石は、前記ベアリングの第2の軸側にある前記ベアリングの外輪に係合する、ベアリングと、
前記電磁石の径方向内側に配設され前記ベアリングの前記第2の軸側にある前記ベアリングの前記内輪に係合するスペーサーであって、空隙が前記スペーサーを前記電磁石から分離する、スペーサーと、
前記スペーサーによって支持されそこから径方向外側へ延在するシールドであって、該シールドの一部分は前記空隙と軸方向に整列されるようにする、シールドとを備える、回転結合装置。
【請求項2】
前記シールドは、前記スペーサーの径方向内面に支持される、請求項1に記載の回転結合装置。
【請求項3】
前記シールドは、締り嵌めで前記スペーサーに係合する、請求項1に記載の回転結合装置。
【請求項4】
前記シールドは、前記スペーサーにある溝内に受けられるように構成されたタブを含む、請求項1に記載の回転結合装置。
【請求項5】
前記溝は、前記スペーサーの径方向内面に形成される、請求項4に記載の回転結合装置。
【請求項6】
前記溝は、前記スペーサーの一方の軸端に形成される、請求項5に記載の回転結合装置。
【請求項7】
前記シールドは、前記スペーサーの径方向内側に配設された、軸方向に延在する部分と、前記空隙と軸方向に整列された、径方向に延在する部分とを含む、請求項1に記載の回転結合装置。
【請求項8】
前記シールドは強磁性材料製である、請求項1に記載の回転結合装置。
【請求項9】
回転結合装置であって、該回転結合装置は、
回転軸の周りで回転するように構成されたローターであって、前記回転軸の周りに配設されシャフトを受けるように構成されたローターハブと、前記ローターハブから径方向外側へ延在するローターディスクとを含む、ローターと、
前記ローターディスクの第1の軸側に配設されたアーマチュアと、
前記アーマチュアに対向する前記ローターディスクの第2の軸側に配設され回転しないように固定された電磁石と、
前記ローターハブと前記電磁石との間に配設されたベアリングであって、前記ローターハブは、前記ベアリングの第1の軸側にある前記ベアリングの内輪に係合し、前記電磁石は、前記ベアリングの第2の軸側にある前記ベアリングの外輪に係合する、ベアリングと、
前記電磁石の径方向内側に配設され前記ベアリングの前記第2の軸側にある前記ベアリングの前記内輪に係合するスペーサーであって、空隙が前記スペーサーを前記電磁石から分離する、スペーサーと、
前記スペーサーによって支持されそこから径方向外側へ延在するシールドであって、前記シールドの一部分は前記空隙と軸方向に整列されるようにする、シールドとを備え、
前記電磁石が励磁されるときに、磁束は、前記ローターハブから前記シールドを通って前記電磁石へ進む、回転結合装置。
【請求項10】
前記シールドは、前記スペーサーの径方向内面に支持される、請求項9に記載の回転結合装置。
【請求項11】
前記シールドは、締り嵌めで前記スペーサーに係合する、請求項9に記載の回転結合装置。
【請求項12】
前記シールドは、前記スペーサーにある溝内に受けられるように構成されたタブを含む、請求項9に記載の回転結合装置。
【請求項13】
前記シールドは、前記スペーサーの径方向内側に配設された、軸方向に延在する部分と、前記空隙と軸方向に整列された、径方向に延在する部分とを含む、請求項9に記載の回転結合装置。
【請求項14】
前記シールドは強磁性材料製である、請求項1に記載の回転結合装置。
【請求項15】
回転結合装置であって、該回転結合装置は、
回転軸の周りで回転するように構成されたローターであって、前記回転軸の周りに配設されシャフトを受けるように構成されたローターハブと、前記ローターハブから径方向外側へ延在するローターディスクとを含む、ローターと、
前記ローターディスクの第1の軸側に配設されたアーマチュアと、
該アーマチュアに対向する前記ローターディスクの第2の軸側に配設され回転しないように固定された電磁石と、
前記ローターハブと前記電磁石との間に配設されたベアリングであって、前記ローターハブは、前記ベアリングの第1の軸側にある前記ベアリングの内輪に係合し、前記電磁石は、前記ベアリングの第2の軸側にある前記ベアリングの外輪に係合する、ベアリングと、
前記電磁石の径方向内側に配設され前記ベアリングの前記第2の軸側にある前記ベアリングの前記内輪に係合するスペーサーであって、空隙が前記スペーサーを前記電磁石から分離する、スペーサーと、
前記スペーサーによって支持されそこから径方向外側へ延在するシールドであって、前記シールドの一部分は前記空隙と軸方向に整列されるようにする、シールドとを含み、
前記シールドは、前記電磁石が励磁されないとき、前記電磁石から軸方向に離間され前記シールドが変形する第1の状態を取り、前記電磁石が励磁されるとき、前記電磁石に接触する第2の状態を取る、回転結合装置。
【請求項16】
前記シールドは、前記スペーサーの径方向内面に支持される、請求項15に記載の回転結合装置。
【請求項17】
前記シールドは、締り嵌めで前記スペーサーに係合する、請求項15に記載の回転結合装置。
【請求項18】
前記シールドは、前記スペーサーにある溝内に受けられるように構成されたタブを含む、請求項15に記載の回転結合装置。
【請求項19】
前記シールドは、前記スペーサーの径方向内側に配設された、軸方向に延在する部分と、前記空隙と軸方向に整列された、径方向に延在する部分とを含む、請求項15に記載の回転結合装置。
【請求項20】
前記シールドは強磁性材料製である、請求項15に記載の回転結合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
a.発明の分野
本開示は回転結合装置に関する。特に、本開示は、流体及び微粒子が装置内のベアリングに到達しないようにするだけでなく、装置の組み立てを容易にし、装置内での磁束の通りを向上させるシールドを有する、回転結合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
b.背景技術
クラッチ及びブレーキなどの回転結合装置は、2つのボディー間でのトルクの伝達を制御するために使用される。従来の電磁石結合装置では、結合ディスク又はローターは、入力又は出力部材に結合され、ディスクの一方の側に配設されたアーマチュアは、他方の入力及び出力部材に結合される。電磁石は、アーマチュアに対向するディスクの側に配設され、励磁され及び励磁を切られて、アーマチュアを、ディスクに対して係合させたり係合解除させたりするようにして、入力及び出力部材を回転自在に結合するか若しくは切り離す、及び/又はそれら部材のうちの一方にブレーキをかけるようにする。電磁石は、回転しないように固定されていることが多い。それゆえ、従来の結合装置は、電磁石と結合装置の回転部との間にベアリングが配設されている。装置が使用されている用途に応じて、ベアリングは、流体及び/又は粉塵などの汚染物質にさらされ、それにより、装置の寿命が短くなる可能性がある。
【0003】
汚染物質がベアリングに到達しないようにするために、ベアリングの輪の一方に取り付けられ、輪間の間隙にわたって延在し得るシールが開発されてきている。これらのシールの使用は、シールの在庫を維持することだけでなく、ベアリングにシールを組み立てる別個の作業を必要とする。さらに、ベアリングの輪に対するシールの組み立ては困難であり、損傷したり又はベアリングの機能を変化させたりすることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、上記で特定した欠陥のうちの1つ以上を最小限にする及び/又はなくす回転結合装置に対するニーズを認識した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は回転結合装置に関する。特に、本開示は、流体及び微粒子が装置内のベアリングに到達しないようにしながら、装置の組み立てを容易にし、いくつかの実施形態では、装置内での磁束の通りを向上させるシールドを有する、回転結合装置に関する。
【0006】
本教示の一実施形態による回転結合装置は、回転軸の周りで回転するように構成されたローターを含む。該ローターは、前記回転軸の周りに配設されシャフトを受けるように構成されたローターハブと、該ローターハブから径方向外側へ延在するローターディスクとを含む。前記装置は、さらに、前記ローターディスクの第1の軸側に配設されたアーマチュアと、該アーマチュアに対向する前記ローターディスクの第2の軸側に配設され回転しないように固定された電磁石とを含む。前記装置は、さらに、前記ローターハブと前記電磁石との間に配設されたベアリングを含む。前記ローターハブは、前記ベアリングの第1の軸側にある前記ベアリングの内輪に係合し、前記電磁石は、前記ベアリングの第2の軸側にある前記ベアリングの外輪に係合する。前記装置は、さらに、前記電磁石の径方向内側に配設され前記ベアリングの前記第2の軸側にある前記ベアリングの内輪に係合するスペーサーを含む。空隙が前記電磁石から前記スペーサーを分離する。前記装置は、さらに、前記スペーサーによって支持されそこから径方向外側へ延在するシールドを含んで、前記シールドの一部分が前記空隙と軸方向に整列されるようにする。
【0007】
本教示の別の実施形態による回転結合装置は、回転軸の周りで回転するように構成されたローターを含む。該ローターは、前記回転軸の周りに配設されシャフトを受けるように構成されたローターハブと、該ローターハブから径方向外側へ延在するローターディスクとを含む。前記装置は、さらに、前記ローターディスクの第1の軸側に配設されたアーマチュアと、該アーマチュアに対向する前記ローターディスクの第2の軸側に配設され回転しないように固定された電磁石とを含む。前記装置は、さらに、前記ローターハブと前記電磁石との間に配設されたベアリングを含む。前記ローターハブは、前記ベアリングの第1の軸側にある前記ベアリングの内輪に係合し、前記電磁石は、前記ベアリングの第2の軸側にある前記ベアリングの外輪に係合する。前記装置は、さらに、前記電磁石の径方向内側に配設され前記ベアリングの前記第2の軸側にある前記ベアリングの内輪に係合するスペーサーを含む。空隙が、前記電磁石から前記スペーサーを分離する。前記装置は、さらに、前記スペーサーによって支持されそこから径方向外側へ延在するシールドを含んで、該シールドの一部分が前記空隙と軸方向に整列されるようにする。前記電磁石が励磁されるとき、磁束は、前記ローターハブから前記シールドを通って前記電磁石に進む。
【0008】
本教示の別の実施形態による回転結合装置は、回転軸の周りで回転するように構成されたローターを含む。該ローターは、前記回転軸の周りに配設されシャフトを受けるように構成されたローターハブと、該ローターハブから径方向外側へ延在するローターディスクとを含む。前記装置は、さらに、前記ローターディスクの第1の軸側に配設されたアーマチュアと、該アーマチュアに対向する前記ローターディスクの第2の軸側に配設され回転しないように固定された電磁石とを含む。前記装置は、さらに、前記ローターハブと前記電磁石との間に配設されたベアリングを含む。前記ローターハブは、前記ベアリングの第1の軸側にある前記ベアリングの内輪に係合し、前記電磁石は、前記ベアリングの第2の軸側にある前記ベアリングの外輪に係合する。前記装置は、さらに、前記電磁石の径方向内側に配設され前記ベアリングの前記第2の軸側にある前記ベアリングの内輪に係合するスペーサーを含む。空隙が、前記電磁石から前記スペーサーを分離する。前記装置は、さらに、前記スペーサーによって支持されそこから径方向外側へ延在するシールドを含んで、該シールドの一部分が前記空隙と軸方向に整列されるようにする。前記シールドは、前記電磁石が励磁されないとき、前記電磁石から軸方向に離間され前記シールドが変形する第1の状態を取り、前記電磁石が励磁されるとき、前記電磁石に接触する第2の状態を取る。
【0009】
本教示による回転結合装置は、従来の結合装置と比較して好都合である。結合装置は、流体及び微粒子などの汚染物質が装置のベアリングに到達しないようにするシールドを含む。シールドは、装置のスペーサーによって支持されているため、いくつかの実施形態では、シールドは、予め組み立てられたユニットとして装置と一緒に含まれ、それにより、ベアリングシールドの別々の在庫を維持する必要をなくし、ベアリングへのシールドの組み立てをなくし得る。さらに、シールドはベアリングの輪に取り付けられていないため、組み立て中のベアリングの損傷及び/又は不整列の可能性が低下される。いくつかの実施形態では、シールドはまた、結合装置内の電磁回路のための追加的な磁路を提供するように構成されており、装置内での磁束の通りを向上させる。いくつかの実施形態では、シールドはまた、磁束の存在下で変形して、ベアリングに至る開口部のサイズを小さくし、ベアリングの封止性を向上させ得る。
【0010】
本発明の上記の及び他の態様、特徴、詳細、実用性、及び利点は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲を読むことから、並びに本発明の特徴を例として示す添付図面を検討することから、明らかになる。
【0011】
【0012】
【0013】
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本教示の一実施形態による回転結合装置の断面図である。
図2A図1の結合装置のシールドの斜視図である。
図2B図1の結合装置のスペーサーの斜視図である。
図3】本教示の別の実施形態による回転結合装置の断面図である。
図4A図3の結合装置のシールドの斜視図である。
図4B図3の結合装置のスペーサーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで図面を参照すると、様々な図面における同一の構成要素を特定するために同様の参照符号が使用され、図1は、本発明の一実施形態による回転結合装置10を示す。装置10は、シャフト12と別の装置(図示せず)との間でトルクを選択的に伝達するクラッチとして機能する。装置10はまた、トルクが伝達しないときには、ブレーキとして機能する。装置10は、乗用型芝刈り車両(riding lawnmower)又は同様の装置において使用されるために提供され得る。しかしながら、当業者には、装置10は、クラッチ及び/又はブレーキを必要とする多種多様な応用において使用され得ることが理解される。装置10は、ローター14、スペーサー16、18、ベアリング20、22、電磁石24、アーマチュア26、スプリング28、ブレーキ板30及びトルク伝達部材32を含み得る。本教示によれば、結合部10は、さらに、ベアリングシールド34を含む。
【0016】
シャフト12は、-ある装置(図示せず)からシャフト12が延在しているこのある装置からのトルクを、結合装置10を通して別の装置(図示せず)まで送り届ける-入力シャフトとして機能し得る。あるいは、シャフト12は、-結合装置10を通して別の装置(図示せず)からトルクを受け取り、そのトルクを、ある装置(図示せず)からシャフト12が延在しているこのある装置へ伝達する-出力シャフトとして機能し得る。シャフト12は、従来の金属及び合金から作製され得、中実でも又はチューブ状でもよい。シャフト12は、回転軸36を中心にして置かれ、入力シャフトとして機能するときには、エンジン、電気モーター又は他の従来の動力源によって駆動され得る。説明の実施形態では、シャフト12は装置10に挿入され、装置10の対向する側には、トルク伝達部材32がある(「標準実装」)。
【0017】
ローター14は、シャフト12と部材32との間でトルクを伝達するために、アーマチュア26と選択的に係合するために提供されている。ローター14は、軸36の周りに配設されており、シャフト12に結合されてそれと一緒に回転する。ローター14は、従来の金属及び合金から作製され得、ハブ38及びローター又は結合ディスク40を含む。
【0018】
ハブ38は、チューブ状であり、シャフト12が延在する中心ボアを画定する。ハブ38は、シャフト12内のキー(図示せず)に相補的な形状にされそれを受けるように構成された、軸方向に延在するキー溝(図示せず)を画定し得る。あるいは、ハブ38は、シャフト12内のキー溝内に受けられるように構成された、一体式の径方向に延在するキーを備えた形状にされ得る。いずれの軸端においても、ハブ38は、ベアリング20、22を支持するために、各ベアリング20、22の一方の軸側に、ベアリング20、22の内輪に当接する肩部を画定する。さらに、米国特許第7,527,134号明細書(その開示全体を本願明細書に援用する)により詳細に説明されているように、ハブ38は、スペーサー16、18内の対応するノッチ又はラグに係合するように構成された、ハブ38の軸端面のいずれにも配設された1つ以上のノッチ又はラグを画定し得る。その径方向外径では、ハブ38は、軸方向に延在する内側ローター磁極42を画定する。ハブ38は、さらに、下記で説明する目的のために、磁極42の径方向内側にある、軸方向に延在する凹部44を画定する。
【0019】
ディスク40は、ハブ38から径方向外側へ延在し、アーマチュア26に対面するクラッチ係合面を画定する。ディスク40は、例えば、複数の相補的なラグ及びノッチを含め、圧入関係によって、ハブ38に結合される。当業界で公知のように、ディスク40は、角度をつけて離間したバナナ状のスロット(図示せず)の複数の径方向に離間した列を含み得る。電磁石24を励磁すると、スロットは、磁束を、ディスク40とアーマチュア26との間で空隙を貫いて行ったり来たり進ませ、ローター14とアーマチュア26との間の高トルクの係合を可能にする。その外径では、ディスク40は、軸方向に延在する外側ローター磁極46を画定する。磁極46は、磁極42と径方向に整列され、磁極42から径方向外側に離間されている。
【0020】
スペーサー16は、ベアリング20及び電磁石24を、装置10の他の構成要素と組み立てられた関係に支持するために提供され、粉末金属を含む従来の材料から作製され得る。スペーサー16は、軸36の周りに配設され、全体的にシリンダー形状である。スペーサー16の内径は、シャフト12を受けるようなサイズにされている。本教示の一態様によれば、スペーサー16の内径は、さらに、シールド34の一部分を受けシールド34を締り嵌めで係合してシールド34がスペーサー16に付着されるようにするようなサイズにされている。スペーサー16の外径は、ローターハブ38に対してベアリング20の対向する側にあるベアリング20の内輪に当接するように構成された肩部を画定するように変えて、ベアリング20が、スペーサー16及びローターハブ38に画定された、対向する肩部間に配設されるようにする。スペーサー16は、電磁石24の径方向内側に配設され、及びスペーサー16の径方向に最も外側の面は、ベアリング20と軸方向に整列されている空隙48によって、電磁石24から径方向に分離されている。図2Bを参照して説明すると、スペーサー16は、さらに、スペーサー16の軸端面に、ローターハブ38の軸端面にある対応するノッチ又はラグにそれぞれ受けられる又はそれらを受けるように構成された1つ以上の軸方向に突出するラグ50又はノッチを画定して、スペーサー16とローターハブ38を回転自在に結合し得る。
【0021】
再度図1を参照して説明すると、スペーサー18は、ベアリング22及びトルク伝達部材32を、装置10の他の構成要素と組み立てられた関係で支持するために提供されており、粉末金属を含む従来の材料から作製され得る。スペーサー18の透磁率は、ローター14、電磁石24及びアーマチュア26よりも低く、例えば、非強磁性材料製とし得る。スペーサー18は、軸36の周りに配設され、全体的にシリンダー形状である。スペーサー18は、スペーサー18を通ってシャフト12内へと延在するファスナー(図示せず)を受けるように構成されている。スペーサー18のように、ファスナーの透磁率は、ローター14、電磁石24及びアーマチュア26よりも低く、例えば、ある種のステンレス鋼などの非強磁性材料から作製され得る。スペーサー18は、一方の軸端にヘッド52を画定し得、このヘッドは、ファスナーにトルクを加えている間、スペーサー18を動かないようにできるようにする複数の平坦部を有する。スペーサー18は、さらに、ヘッド52から軸方向に延在するボディー54を画定し得る。ボディー54は、全体的にシリンダー状外面を有し、その上に、ベアリング22が、ローターハブ38及びスペーサー18に画定された、対向する肩部間で支持され得る。スペーサー18は、さらに、ボディー54の軸端面に、ローターハブ38の軸端面にある対応するノッチ又はラグにそれぞれ受けられるか又はそれらを受けるように構成された1つ以上の軸方向に突出するラグ又はノッチを画定し、スペーサー18とローターハブ38を回転自在に結合し得る。
【0022】
ベアリング20は、ローターハブ38及びスペーサー16が電磁石24に対して回転できるようにするために提供される。ベアリング20は、当業界で従来のものである。ベアリング20の内輪は、スペーサー16及びローターハブ38に支持され、スペーサー16及びローターハブ38内に画定された、対向する肩部に当接する。ベアリング20の外輪は、電磁石24を支持する。
【0023】
ベアリング22は、トルク伝達部材32が入力シャフト12、ローター14及びスペーサー18に対して回転できるようにするために提供される。ベアリング22は、当業界で従来のものである。ベアリング22の内輪は、スペーサー18及びローターハブ38に支持され、スペーサー18及びローターハブ38内に画定された、対向する肩部に当接する。ベアリング22の外輪は、トルク伝達部材32を支持する。
【0024】
電磁石24は、ローター14と、電磁石24と、アーマチュア26との間で電磁回路を生じて、アーマチュア26をローター14と係合するように動かし、トルクをシャフト12とトルク伝達部材32との間で伝達させる。電磁石24は、ローターディスク40の一方の側に配設され、フィールドシェル又はハウジング56、及び導体アッセンブリー58を含む。
【0025】
ハウジング56は、導体アッセンブリー58を収納するために提供される。ハウジング56はまた、ローター14とアーマチュア26を選択的に係合させる電磁回路の一部を形成する。ハウジング56は、従来の金属、及び鋼を含む合金から作製され得る。ハウジング56は、シリンダー状で、軸36の周りに配設され、ベアリング20の外輪に支持される。ハウジング56は、回転しないように固定されている。ハウジング56は、断面が全体的にU字状であり、径方向に内側及び径方向に外側の環状部材60、62を含む。
【0026】
内側部材60は、ベアリング20の外輪に支持される。部材60は、断面が全体的にL字状であり、軸方向に延在する内側磁極64を画定する。磁極64は、ローター14のハブ38の凹部44内へ延在し、それゆえ内側ローター磁極42に対して径方向内側に配設される。同一出願人による米国特許第7,493,996号明細書(その開示全体を本願明細書に援用する)により十分に説明されているように、磁極42、64の相対的位置は、いくつかの理由から好都合である。第1に、ローター14、アーマチュア26及びハウジング56が関わる磁気回路の磁気効率は、回路内の少なくとも一部の磁束に対する空隙の数を減少させることによって、向上する。第2に、導体アッセンブリー58が配設される環状間隙は拡大されて、ハウジング56内にアッセンブリー58をより簡単に挿入及び締結できるようにする。
【0027】
外側部材62は、内側部材60に結合及び支持される。外側部材62は、端壁66、軸方向に延在する外側磁極68、及びフランジ70を画定する。端壁66は、部材60から径方向外側へ延在する。磁極68は、端壁66と一体であり、そこから軸方向に延在する。磁極68は、ローター14の磁極46に対して径方向外側に配設される。フランジ70は、端壁66に対向する磁極68の端部において、磁極68と一体であり、径方向外側へ延在する。フランジ70は、磁極68の周囲の少なくとも一部分に沿って延在する。
【0028】
導体アッセンブリー58は、ローター14と、アーマチュア26と、ハウジング56との間で磁気回路を生じさせるために提供されて、アーマチュア26をローター14と係合するように動かし、トルクをシャフト12とトルク伝達部材32との間で伝達させる。導体アッセンブリー58は、全体的に環状であり、ハウジング56内で軸36の周りに配設される。特に、アッセンブリー58は、ハウジング56の内側磁極64と外側磁極68との間に配設される。アッセンブリー58は、導体72及び導体シェル74を含む。
【0029】
導体72は、従来の銅コイルを含み得るが、その代わりに、他の公知の導体が使用されてもよい。導体72は、バッテリーなどの電力供給源(図示せず)に電気的に接続され得る。導体72を励磁すると、電磁回路が、ローター14と、アーマチュア26と、ハウジング56との間に形成される。磁束は、ハウジング56の外側磁極68から、空隙を貫いて、ローター14の外側磁極46へと通る。そのため、磁束は、ディスク40とアーマチュア26との間を、それらの間の空隙を貫いて、行ったり来たり進む。その後、磁束は、ローター14のディスク40からローター14のハブ38へと通る。最後に、磁束は、ハブ38からいくつかの磁路に沿ってハウジング56の部材60、62へと戻るように通る。特に、磁束の一部分は、内側ローター磁極42からハウジング56の外側部材62へ直接通る。磁束の別の部分は、ハブ38から、内側部材60によって画定されたハウジング56の内側磁極64を経て通り、その後、外側部材62へと通る。磁束のさらに別の部分は、ハブ38から、ベアリング20に対して径方向内側のスペーサー16へと通ってから、内側部材60及び外側部材62へと通り、磁束の一部分が、内側ローター磁極42及び内側ハウジング磁極64の高密度の領域を回避できるようにし、さらに回路の磁気効率を向上させる。本教示の一態様によれば、ハブ38からスペーサー16へと通るこの磁束の一部分は、スペーサー16からシールド34へ、その後、いくつかの実施形態ではハウジング56の部材60及び/又は62へと通って、磁束の通りのための追加的な磁路を提供し、下記で詳細に説明するように、ベアリング20の汚染物質保護を向上させ得る。
【0030】
導体シェル74は、導体72を収納するために提供され、またハウジング56内に導体72を実装するために使用される。シェル74は、従来のプラスチックから成形され得る。シェル74は、一体式端子コネクタ76を含み得、それによって導体72が動力源に電気的に接続され得る。シェル74はまたハウジング56の部材62の端壁66にある凹部内に受けられるようなサイズにされた1つ以上のラグを画定して、導体アッセンブリー58の回転を防止し得る。同一出願人による係属中の米国特許第7,975,818号明細書(その開示全体を本願明細書に援用する)に説明されているように、シェル74は、ハウジング56の外側磁極68に接近して配設され複数の点でハウジング56の部材62に付着された、径方向外側へ延在するフランジを含み得る。
【0031】
アーマチュア26は、ローター14とトルク伝達部材32との間でトルクを伝達させるために提供される。アーマチュア26は、様々な従来の金属、及び鋼を含む合金から作製され得る。アーマチュア26は、構造が環状であり、軸36の周りに配設されて、それを中心にして置かれ得る。アーマチュア26は、電磁石24に対向するローターディスク40の一方の側に配設され、ローターディスク40に対面するクラッチ係合面を画定する。アーマチュア26は、空隙によってローターディスク40から軸方向に離間されている。ローターディスク40のように、アーマチュア26は、角度をつけて離間したスロット(図示せず)の複数の径方向に離間した列を含み得、それにより、導体アッセンブリー58を励磁すると、磁束がローター14とアーマチュア26との間で行ったり来たり進むのを容易にする。アーマチュア26は、伝達部材32に結合される。特に、アーマチュア26は、複数のリーフスプリング28によって、トルク伝達部材32に結合され得る。
【0032】
スプリング28は、アーマチュア26からトルク伝達部材32へ駆動トルク及び制動トルクを伝達し、部材32に対する及びローターディスク40の方へ向かいそこから離れるアーマチュア26の軸方向の動きを可能にする。スプリング28は、ステンレス鋼から作製され得、リベット、スクリュー、ボルト、又はピンなどの従来のファスナーを使用して、一方の端において、アーマチュア26に、及び対向する端において、部材32に接続される。
【0033】
ブレーキ板30は、ブレーキトルク伝達部材32へのアーマチュア26による係合用の制動面を提供する。ブレーキ板30は、従来の金属及び鋼などの合金を含む透磁率が比較的高い従来の材料から作製され得る。ブレーキ板30は、装置10の周囲の少なくとも一部分に、好ましくは装置10の周囲の一部分のみに延在し、ハウジング56に結合される。特に、ブレーキ板30は、ハウジング56のフランジ70に結合され、1つ以上のファスナー78を使用してそこから吊り下げられる。ファスナー78は、ローター14、アーマチュア26及びハウジング56よりも透磁率が低い1種又は複数種の材料(非磁性材料を含む)から作製されて、ブレーキ板30とハウジング56との間の磁束の通りを減少させるか又はなくし、それにより、導体アッセンブリー58が励磁されているときのクラッチの係合を容易にし得る。ブレーキ板30は、1つ以上のスペーサー80又はシム、例えば同一出願人による米国特許第8,123,012号明細書(その開示全体を本願明細書に援用する)に説明されているスペーサー及びシムを使用して、ハウジング56のフランジ70から軸方向に離間され得る。スペーサー80は、ローター14及びアーマチュア26のそれぞれのクラッチ係合面の摩耗、並びにアーマチュア26及びブレーキ板30のブレーキ係合面の摩耗を補償するために、ブレーキ板30の位置を調整できるようにする。スペーサー80にはボアが設けられ得、そこを通ってファスナー78が延在する。スペーサー80は、同様に、ローター14、アーマチュア26及びハウジング56よりも透磁率が比較的低い1種又は複数種の材料(非磁性材料を含む)から作製され、ブレーキ板30とハウジング56との間の磁束の通りを減少させ得るか又はなくし得る。例えば、同一出願人による米国特許第7,732,959号明細書(その開示全体を本願明細書に援用する)を参照して説明すると、板30は、1つ以上の磁石(図示せず)を収納し、それにより、アーマチュア26及び磁石と一緒に磁気回路の一部を形成して、スプリング28がアーマチュア26をブレーキ板30との係合状態に引き入れるのを補助して、制動トルクをトルク伝達部材32へもたらし得る。
【0034】
トルク伝達部材32は、シャフト12と芝刈り車両の刃などの別の装置との間でトルクを伝達する。部材32は、リーフスプリング28によってアーマチュア26に結合され、ベアリング22の外輪に、回転のために支持される。部材32は、軸36の周りに配設され、それを中心にして置かれ得る。部材32は、部材32を駆動又は被駆動装置に結合するために使用されるファスナーを受けるように構成された複数のボアを画定する、径方向外側に終端するフランジ82を画定する。
【0035】
シールド34は、流体又は粉塵などの汚染物質がベアリング20を損傷させないようにするために提供される。特に、シールド34は、汚染物質が外部環境から空隙48を通ってベアリング20へと通過しないようにする。シールド34は、様々な材料から作製され得る。いくつかの実施形態では、シールド34は、強磁性材料などの透磁率が比較的高い材料から作製され、シールド34が、磁束をスペーサー16から電磁石24のハウジング56の部材60、62へ通すようにする。シールド34は、形状が環状であり、軸36の周りに配設されて、それを中心にして置かれ得る。図2Aを参照して説明すると、シールド34は、シールド34の径方向内面を画定する、軸方向に延在する部分84を含む。図1を参照して説明すると、部分84は、シャフト12を取り囲み、スペーサー16に受けられてその径方向内側に配設され、及びスペーサー16の径方向内面に支持されるように構成されている。部分84の外径は、スペーサー16の内径よりもわずかに大きくてもよく、シールド34の部分84の径方向外面が、スペーサー16の径方向内面に締り嵌めで係合するようにする。あるいは、いくつかの実施形態では、部分84の外径は、スペーサー16の内径よりもわずかに小さくてもよく、シールド34が、滑合でスペーサー16に係合するようにする。シールド34は、さらに、部分84から径方向外側へ延在し空隙48と軸方向に整列される、径方向に延在する部分86を含む。再度図2Aを参照して説明すると、部分86は、部分84から径方向外側へ延在する、径方向に延在するセクション86と、86から軸方向及び径方向の双方に延在する移行セクション86と、86から径方向外側へ延在する、径方向に延在するセクション86とを含む。図1を参照して説明すると、移行セクション86は、空隙48と軸方向に整列され得、下記で説明するような一定の条件下でシールド34が変形できるようにする。シールド34は、さらに、シールド34の径方向外面を画定する、軸方向に延在する部分88を含む。部分88は、部分86(特に、部分86のセクション86)から電磁石24のハウジング56の部材62の方へ向かって軸方向に延在する。上述の通り、いくつかの実施形態では、シールド34は、電磁石24が励磁されるときに、磁束がハブ38から電磁石24へ(スペーサー16及びシールド34を通って)進むことができる強磁性材料などの材料から作製され得る。磁束の通りは、さらに、シールド34の変形を生じ、ベアリング20の封止性を高め得る。特に、シールド34は、電磁石24が励磁されていないときには、通常の又はストレスを受けていない状態を有する。この状態では、シールド34の部分88は、電磁石24のハウジング56の部材62から軸方向に離間され得る。電磁石24が励磁されると、シールド34は、変形された又はストレスを受けた状態を取る。この状態では、シールド34を通って電磁石24のハウジング56へ進む磁束は、シールド34とハウジング56との間に引き合う磁力を生じ、シールド34の部分88を電磁石24のハウジング56の部材62に接触させる。シールド34と電磁石24のハウジング56との間の物理的な接触は、汚染物質が空隙48及びベアリング20に到達する可能性をさらに低下させる。
【0036】
ここで図3を参照すると、本発明別の実施形態による回転結合装置10’が示されている。装置10’は、装置10と実質的に同様である。装置10及び10’の同様の構成要素は同じ符号を有し、これらの構成要素の説明は、上記に見出され得る。装置10’は、装置10とは、装置10のスペーサー16及びシールド34が装置10’のスペーサー16’及びシールド34’で置き換えられている点が、異なる。
【0037】
スペーサー16’は、上記で説明したスペーサー16と同様である。しかしながら、図4Bを参照して説明すると、スペーサー16’は、スペーサー16の径方向内面に1つ以上の溝90を画定している。溝90は、スペーサー16’の一方の軸端に形成され得る。説明の実施形態では、スペーサー16’は、互いに直径方向に対向する2つの弓状の溝90を含む。しかしながら、溝90の数及び向きは変わってもよいことが理解されるべきである。
【0038】
シールド34’は、上記で説明したシールド34と同様である。しかしながら、シールド34’は、シールド34にはあるような、内側の軸方向に延在する部分84を含まない。図4Aを参照して説明すると、その代わりに、シールド34’は、1つ以上のタブ92を画定している。タブ92は、シールド34’の部分86から、全体的に軸方向に延在する。説明の実施形態では、シールド34’は、互いに直径方向に対向する2つのタブ92を含む。しかしながら、タブ92の数及び向きは変わってもよいことが理解されるべきである。各タブ92は、タブ92の端に、スペーサー16’にある対応する溝90に受けられるように構成されている全体的に径方向外側へ延在するフランジ94を含む。スペーサー16’へのシールド34’の組み立てを行っている間に、シールド34が軸方向にスペーサー16’内へと動かされフランジ94がスペーサー16’の径方向内面に係合するため、タブ92は、最初に、変形された又はストレスを受けた状態へと内向きに撓む。ひとたびフランジ94が溝90と整列されたら、タブ92は、それらの通常の又はストレスを受けていない状態へと戻り、及びフランジ94は溝90にはめ込まれて、シールド34’をスペーサー16’に付着する。
【0039】
本教示による回転結合装置10又は10’は、従来の結合装置と比較して好都合である。結合装置10又は10’は、流体及び微粒子などの汚染物質が装置10又は10’のベアリング20に到達しないようにするシールド34又は34’を含む。シールド34又は34’は、装置10又は10’のスペーサー16又は16’によって支持されるため、いくつかの実施形態では、シールド34又は34’は、予め組み立てられたユニットとして、装置10又は10’と一緒に含まれてもよく、それにより、ベアリングシールドの別々の在庫を維持する必要性をなくし、ベアリング20へのシールドの組み立てをなくす。さらに、シールド34又は34’はベアリングの輪に取り付けられないため、組み立て中のベアリング20の損傷及び/又は不整列の可能性が低下される。いくつかの実施形態では、シールド34又は34’はまた、結合装置10又は10’内に、電磁回路のための追加的な磁路を提供するように構成されており、装置10又は10内での磁束の通りを向上させ得る。いくつかの実施形態では、シールド34又は34’はまた、磁束が存在する際に変形して、ベアリング20に至る開口部のサイズを小さくし、ベアリング20の封止性を向上させ得る。
【0040】
本発明を、その1つ以上の特定の実施形態を参照して図示及び説明したが、当業者には、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正がなされ得ることが理解される。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
【手続補正書】
【提出日】2021-12-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転結合装置であって、該回転結合装置は、
回転軸の周りで回転するように構成されたローターであって、前記回転軸の周りに配設されシャフトを受けるように構成されたローターハブと、該ローターハブから径方向外側へ延在するローターディスクとを含む、ローターと、
前記ローターディスクの第1の軸側に配設されたアーマチュアと、
該アーマチュアに対向する前記ローターディスクの第2の軸側に配設され回転しないように固定された電磁石と、
前記ローターハブと前記電磁石との間に配設されたベアリングであって、前記ローターハブは、前記ベアリングの第1の軸側にある前記ベアリングの内輪に係合し、前記電磁石は、前記ベアリングの第2の軸側にある前記ベアリングの外輪に係合する、ベアリングと、
前記電磁石の径方向内側に配設され前記ベアリングの前記第2の軸側にある前記ベアリングの前記内輪に係合するスペーサーであって、空隙が前記スペーサーを前記電磁石から分離する、スペーサーと、
前記スペーサーによって支持されそこから径方向外側へ延在するシールドであって、該シールドの一部分は前記空隙と軸方向に整列されるようにする、シールドとを備える、回転結合装置。
【請求項2】
前記電磁石が励磁されるとき、磁束は、前記ローターハブから前記シールドを通って前記電磁石へ進む、請求項1に記載の回転結合装置。
【請求項3】
前記シールドは、前記電磁石が励磁されないとき、前記電磁石から軸方向に離間され前記シールドが変形する第1の状態を取り、前記電磁石が励磁されるとき、前記電磁石に接触する第2の状態を取る、請求項1又は2に記載の回転結合装置。
【請求項4】
前記シールドは、前記スペーサーの径方向内面に支持される、請求項1~3のいずれか一項に記載の回転結合装置。
【請求項5】
前記シールドは、締り嵌めで前記スペーサーに係合する、請求項1~4のいずれか一項に記載の回転結合装置。
【請求項6】
前記シールドは、前記スペーサーにある溝内に受けられるように構成されたタブを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の回転結合装置。
【請求項7】
前記溝は、前記スペーサーの径方向内面に形成される、請求項6に記載の回転結合装置。
【請求項8】
前記溝は、前記スペーサーの一方の軸端に形成される、請求項7に記載の回転結合装置。
【請求項9】
前記シールドは、前記スペーサーの径方向内側に配設された、軸方向に延在する部分と、前記空隙と軸方向に整列された、径方向に延在する部分とを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の回転結合装置。
【請求項10】
前記シールドは強磁性材料製である、請求項1~9のいずれか一項に記載の回転結合装置。
【国際調査報告】