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特表2022-527026RFIDタグを使用したゲームプレイ中のプレイングカードの追跡
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-27
(54)【発明の名称】RFIDタグを使用したゲームプレイ中のプレイングカードの追跡
(51)【国際特許分類】
   A63F 1/06 20060101AFI20220520BHJP
   A63F 1/10 20060101ALI20220520BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20220520BHJP
【FI】
A63F1/06 Z
A63F1/10
G06T7/00 300D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560423
(86)(22)【出願日】2020-04-03
(85)【翻訳文提出日】2021-12-03
(86)【国際出願番号】 US2020026654
(87)【国際公開番号】W WO2020206311
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】62/829,442
(32)【優先日】2019-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521441836
【氏名又は名称】ザ・ポケモン・カンパニー・インターナショナル・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130960
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 正之
(72)【発明者】
【氏名】グライムス,ポール,アール
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096DA02
5L096HA09
(57)【要約】
プレイングカードをRFIDタグ値にマッピングするためのRFIDタグリーダおよびカメラを有するシステム。各カードは、RFIDタグを有するスリーブに挿入される。カードをスリーブに挿入している間または挿入した後に、カメラがカードの画像をキャプチャし、RFIDリーダがスリーブのRFIDタグ値をキャプチャする。次に、カードのアイデンティティが、キャプチャされた画像から判定され、RFIDタグ値にマッピングされる。このマッピング情報は、カードデッキ内のカードスリーブペアごとに生成され、ゲームプレイ中のカードの動きを追跡するために利用される。カードデッキ内の各カードスリーブペアのRFIDタグ値は、プレイヤーがデッキからカードを引く前および引いた後にキャプチャされる。欠落しているRFIDタグの値は、マッピング情報と比較されて、プレイヤーがどのカードを引いたかが識別される。
【選択図】図2



















【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
無線周波数識別(RFID)タグリーダと、
RFIDタグが取り付けられた複数のプレイングカードスリーブと、
個別スリーブそれぞれの中に1つのカードを有する複数のプレイングカードと、
複数のプレイングカードの画像をキャプチャするカメラと、
コンピューティングデバイスと、を備え、該コンピューティングデバイスが、
カードと該カードのスリーブとのペアを複数含むプレイングカードのデッキのためのコンピューティング命令およびカードデッキマッピング情報を記憶するメモリと、
プロセッサと、を含み、該プロセッサが、前記コンピュータ命令を実行して、
前記カメラを介して、前記複数のプレイングカードのうちの第1のプレイングカードの第1の画像を前記複数のプレイングカードスリーブのうちの第1のスリーブに挿入されている前記第1のプレイングカードに関連させてキャプチャして、ゲームをプレイする前に前記プレイングカードデッキ内の前記複数のカードスリーブペアのうちの第1のカードスリーブペアを作ることと、
前記RFIDタグリーダを介して、前記第1のスリーブに取り付けられた第1のRFIDタグから第1の無線周波数識別タグ値をキャプチャすることと、
前記第1の画像に基づいて前記第1のプレイングカードの識別を判定することと、
前記第1のプレイングカードの前記識別と前記第1のスリーブの前記第1の無線周波数識別タグ値との間の前記第1のカードスリーブペアの第1のマッピングを生成することと、
前記第1のマッピングを前記メモリ内の前記カードデッキマッピング情報に記憶することと、を行う、システム。
【請求項2】
前記コンピューティングデバイスの前記プロセッサが、前記コンピュータ命令をさらに実行して、
前記カメラを介して、前記複数のプレイングカードのうちの第2のプレイングカードの第2の画像を前記複数のプレイングカードスリーブのうちの前記第2のスリーブに挿入されている前記第2のプレイングカードに関連させてキャプチャして、前記ゲームをプレイする前に前記プレイングカードデッキ内の前記複数のカードスリーブペアのうちの第2のカードスリーブペアを作ることと、
前記RFIDタグリーダを介して、前記第2のスリーブに取り付けられた第2の無線周波数識別タグから第2のRFIDタグ値をキャプチャすることと、
前記第2の画像に基づいて前記第2のプレイングカードの識別を判定することと、
前記第2のプレイングカードの前記識別と前記第2のスリーブの前記第2のRFIDタグ値との間の前記第2のカードスリーブペアの第2のマッピングを生成することと、
前記第2のマッピングを前記メモリ内の前記カードデッキマッピング情報に記憶することと、を行う、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コンピューティングデバイスの前記プロセッサが、前記コンピュータ命令をさらに実行して、
前記ゲーム中に前記RFIDタグリーダを介して、前記プレイングカードデッキ内の前記複数のカードスリーブペアからのカードスリーブペアの第1のセットに取り付けられた無線周波数識別タグの第1のセットからRFIDタグ値の第1のセットをキャプチャすることと、
前記ゲーム中における少なくとも1つのカードスリーブペアが前記プレイングカードデッキから取り除かれた後に、前記RFIDタグリーダを介して、前記プレイングカードデッキ内の前記複数のカードスリーブペアからのカードスリーブペアの第2のセットに取り付けられた無線周波数識別タグの第2のセットからRFIDタグ値の第2のセットをキャプチャすることと、
RFIDタグ値の前記第1のセットと前記第2のセットとの間の比較に基づいてRFIDタグ値の第3のセットを判定することと、
前記カードデッキマッピング情報およびRFIDタグ値の前記第3のセットに基づいて、前記少なくとも1つのカードスリーブペアの少なくとも1つのプレイングカードの識別を判定することと、を行う、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コンピューティングデバイスの前記プロセッサが、前記コンピュータ命令をさらに実行して、
前記少なくとも1つの識別されたプレイングカードに基づいて前記ゲームの戦略情報を生成する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記コンピューティングデバイスの前記プロセッサが、前記コンピュータ命令をさらに実行して、
前記ゲーム中にプレイされたかまたは捨てられたプレイングカードの第2の画像を前記カメラを介してキャプチャすることと、
前記第2の画像に基づいて、前記プレイされたかまたは捨てられたカードを識別することと、
前記プレイされたかまたは捨てられたカードに基づいて、前記ゲームの前記戦略情報を変更することと、を行う、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記コンピューティングデバイスの前記プロセッサが、前記コンピュータ命令をさらに実行して、
前記ゲーム中にプレイされたかまたは捨てられたプレイングカードとペアになっているプレイングカードスリーブの第2のRFIDタグ値を前記RFIDタグリーダを介してキャプチャすることと、
前記第2のRFIDタグ値および前記カードデッキマッピング情報に基づいて、前記プレイされたかまたは捨てられたカードを識別することと、
前記プレイされたかまたは捨てられたカードに基づいて、前記ゲームの前記戦略情報を変更することと、を行う、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記RFIDタグリーダが、
前記複数のカードスリーブペアがスタックされる方向に直交して前記プレイングカードデッキ内の前記複数のカードスリーブペアにわたって問い合わせ信号を送信するように位置決めされたRFIDタグ送信機と、
前記プレイングカードデッキ内のカードスリーブペアの前記第1のセットおよび前記第2のセットに取り付けられた無線周波数識別タグの第1のセットおよび第2のセットからRFIDタグ値の前記第1のセットおよび前記第2のセットを受信するために前記RFIDタグ送信機から物理的に分離されたRFIDタグ受信機と、を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
前記RFIDタグ受信機が、前記複数のカードスリーブペアがスタックされる前記方向において前記プレイングカードデッキの下に位置決めされる、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
方法であって、
カードゲームをプレイする前に、複数のプレイングカードのうちのプレイングカードを複数のスリーブのうちの個別スリーブに挿入して、デッキ内に複数のカードスリーブペアを作成することと、
前記複数のプレイングカードのうちの個別プレイングカードそれぞれの画像を前記複数のスリーブのうちの前記個別スリーブに挿入されている前記個別カードに関連させてキャプチャすることと、
前記複数のプレイングカードのうちの個別カードそれぞれの識別を前記個別カードの前記画像に基づいて判定することと、
個別スリーブそれぞれに取り付けられた個別RFIDタグそれぞれのRFIDタグ値を前記個別スリーブに挿入されている個別カードに関連させ前記個別カードの前記識別に基づいて変更することと、
少なくとも1つのカードスリーブペアが前記デッキから取り除かれる前に、前記デッキ内の前記カードの変更されたRFIDタグ値の第1のセットをキャプチャすることと、
前記デッキから少なくとも1つのカードスリーブペアを取り除くことと、
前記カードゲームの前記プレイ中における少なくとも1つのカードスリーブペアが前記デッキから取り除かれた後に、前記デッキ内の前記カードの変更されたRFIDタグ値の第2のセットをキャプチャすることと、
変更されたRFIDタグ値の前記第1のセット内にあるが変更されたRFIDタグ値の前記第2のセット内にはない少なくとも1つの変更されたRFIDタグ値に基づいて、前記デッキから取り除かれた少なくとも1つのカードの識別を判定することと、を含む、方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの識別されたプレイングカードに基づいて前記ゲームの戦略情報を生成すること、をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記カードゲームの前記プレイ中にプレイされるカードの第2の画像をキャプチャすることと、
前記第2の画像に基づいて、前記プレイされたカードを識別することと、
前記プレイされたカードに基づいて、前記カードゲームの前記戦略情報を変更することと、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記カードゲームの前記プレイ中に捨てられるカードとペアになっているプレイングカードスリーブの変更されたRFIDタグ値をキャプチャすることと、
前記変更されたRFIDタグ値に基づいて、前記捨てられたカードを識別することと、
前記捨てられたカードに基づいて、前記カードゲームの前記戦略情報を変更することと、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
変更されたRFIDタグ値の前記第1のセットおよび前記第2のセットをキャプチャすることが、
RFIDタグ送信機を介して、前記複数のカードスリーブペアにわたって問い合わせ信号を送信することと、
前記RFIDタグ送信機から物理的に分離されたRFIDタグ受信機を介して、カードスリーブペアの前記第1のセットおよび前記第2のセットに取り付けられたRFIDタグの第1のセットおよび第2のセットから、変更されたRFIDタグ値の前記第1のセットおよび前記第2のセットを受信することと、を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記問い合わせ信号を前記送信することは、前記カードゲームの前記プレイ中に前記複数のカードスリーブペアが位置決めされる方向に直交して前記複数のカードスリーブペアに前記問い合わせ信号を送信することを含み、変更されたRFIDタグ値の前記第1のセットおよび前記第2のセットを受信することは、前記複数のカードスリーブペアがスタックされる前記方向でRFIDタグ値の前記第1のセットおよび前記第2のセットを受信することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
個別RFIDタグそれぞれの前記RFIDタグ値を変更することが、
前記個別スリーブに挿入された個別カードの識別情報を含むように、個別RFIDタグそれぞれの出力値を設定すること、を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
コンピューティングデバイスであって、
コンピューティング命令、および複数の無線周波数識別タグの各々における個別無線周波数識別(RFID)タグ値を複数のプレイングカードのうちの関連するプレイングカードにマッピングするカードデッキマッピング情報を記憶するメモリと、
プロセッサと、を備え、前記プロセッサが、前記コンピュータ命令を実行して、
前記複数のカードのうちのカードの第1のセットに関連付けられた前記複数の無線周波数識別タグのうちの無線周波数識別タグの第1のセットから、RFIDタグ値の第1のセットを取得することと、
カードの前記第1のセットから少なくとも1つのカード取り除かれることに応じて、前記複数のカードのうちのカードの第2のセットに関連付けられた前記複数の無線周波数識別タグのうちの無線周波数識別タグの第2のセットから、RFIDタグ値の第2のセットを取得することと、
RFIDタグ値の前記第1のセットと前記第2のセットとの間の比較に基づいてRFIDタグ値の第3のセットを判定することと、
前記カードデッキマッピング情報に基づいて、RFIDタグ値の前記第3のセットに関連付けられた少なくとも1つのカードの識別を判定することと、を行う、コンピューティングデバイス。
【請求項17】
前記プロセッサが、前記コンピュータ命令をさらに実行して、
前記複数のカードのうちの第1のカードの第1の画像を第1のスリーブに挿入されている第1のカードに関連させて取得して、第1のカードスリーブペアを作ることと、
前記第1のスリーブに取り付けられた第1の無線周波数識別タグから第1のRFIDタグ値を取得することと、
前記第1の画像に基づいて前記第1のプレイングカードの識別を判定することと、
前記第1のカードの前記識別と前記第1のスリーブの前記第1のRFIDタグ値との間の前記第1のカードスリーブペアの第1のマッピングを生成することと、
前記第1のマッピングを前記メモリ内の前記カードデッキマッピング情報に記憶することと、を行う、請求項15に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項18】
前記プロセッサが、前記コンピュータ命令をさらに実行して、
複数のカードのうちの個別カードそれぞれの画像を複数のカードスリーブのうちの個別スリーブに挿入されている前記個別カードに関連させて取得することと、
個別スリーブそれぞれに取り付けられた個別無線周波数識別タグそれぞれから、個別スリーブに挿入されている前記個別カードに関連させてRFIDタグ値を取得することと、
前記複数のカードのうちの個別カードそれぞれの識別を前記個別カードの前記画像に基づいて判定することと、
個別カードそれぞれの前記識別と前記個別スリーブの前記RFIDタグ値との間のマッピングを含むように前記カードデッキマッピング情報を生成することと、を行う、請求項15に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項19】
前記プロセッサが、前記コンピュータ命令をさらに実行して、
カードゲームのプレイ中にプレイされたかまたは捨てられたカードの画像を取得することと、
前記画像に基づいて、前記プレイされたかまたは捨てられたカードを識別することと、
前記プレイされたかまたは捨てられたカードに基づいて、前記カードゲームの戦略情報を生成することと、を行う、請求項15に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項20】
前記プロセッサが、前記コンピュータ命令をさらに実行して、
カードゲームのプレイ中にプレイされたかまたは捨てられたカードに関連付けられた無線周波数識別タグからRFIDタグ値を取得することと、
前記RFIDタグ値および前記カードデッキマッピング情報に基づいて、前記プレイされたかまたは捨てられたカードを識別することと、
前記プレイされたかまたは捨てられたカードに基づいて、前記カードゲームの戦略情報を生成することと、を行う、請求項15に記載のコンピューティングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、無線周波数識別タグを利用するゲームプレイ中の物理的なプレイングカードのマッピングおよび追跡に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
ポーカートーナメント、トレーディングカードゲームトーナメント、または他のカードゲームのテレビ放送が、過去数年間で人気が高まっている。これらのテレビイベント中に、プレイヤーは、裏向きの1つ以上のプレイングカードを引くかまたは配られる。次に、イベントのコメンテーターが、特定の手札のカード、ならびに相手側のプレイヤーの手札のカードに基づいて、情報を提供するか、またはプレイヤーが利用できる様々な戦略およびオプションについて議論することができる。しかし、正確なまたはリアルタイムの情報を提供するために、コメンテーターは、各プレイヤーの手札のカードを知る必要がある。
【0003】
通常、プレイヤーが自分のカードを手に取るまたは見るとき、彼らはカードのプレイ面をカメラのほうに向ける。次に、コメンテーターは、カードのキャプチャされた画像を見て、テレビ放送の視聴者に関連情報を提供することができる。カメラを使用すると、テレビ放送の視聴者も、プレイヤーが見ているプレイングカードを見ることができる。このようなカメラは、どのカードがプレイヤーに配られたかを確認するためにプレイヤーがカードを持ち上げたときにカードの画像をキャプチャするために、各プレイヤーの近くのプレイ面の下にまたはアームレストに配置できる。ただし、カメラには多くの欠点がある。例えば、プレイヤーは自分の手を使用して、カメラがカードの画像をキャプチャするのを完全にブロックすることができる。別の例として、カメラはカードの一部のみの画像をキャプチャする場合があり、より複雑なカードゲームでは、コメンテーターが、プレイヤーが保持しているカードを知るのに十分な情報が含まれていない場合がある。本明細書に記載の実施形態がなされたのは、これらおよび他の考慮事項に関してである。
【発明の概要】
【0004】
実施形態は、プレイングカードを無線周波数識別(RFID)タグ値にマッピングするためのRFIDタグリーダおよびカメラを含むシステムに向けられている。各プレイングカードは、RFIDタグに物理的に関連付けられており、カメラは、プレイングカードの画像をキャプチャし、RFIDリーダは、RFIDタグからRFIDタグ値をキャプチャする。次に、プレイングカードのアイデンティティが、キャプチャされた画像から判定され、RFIDタグ値にマッピングされ、メモリに記憶される。このマッピング情報は、カードのデッキ(deck of cards)内のプレイングカードごとに生成される。カードデッキがゲームプレイ中に利用されているとき、カードデッキ内の各プレイングカードに関連付けられたRFIDタグ値は、プレイヤーがデッキからプレイングカードを引く前および引いた後にキャプチャされる。欠落しているRFIDタグ値は、マッピング情報と比較されて、プレイヤーがどのプレイングカードを引いたかを識別する。プレイングカードがカードのデッキから引き出される前および引き出された後に、デッキ内のすべてのカードのRFIDタグ値をキャプチャすることにより、プレイされたかまたは捨てられたプレイングカードのアイデンティティを知り、メモリに記憶することができる。さらに、プレイヤーの手札内のどの時点における各カードのアイデンティティも、カメラを使用してユーザの手札自体の画像をキャプチャせずに、判定することができる。このプロセスにより、ゲームプレイ中のプレイングカードの配布と、ゲームに関連するリアルタイム戦略情報の生成とを判定する際の精度が向上する。
【0005】
いくつかの実施形態では、RFIDタグは、プレイングカードがその中に挿入されるスリーブに取り付けられる。スリーブとカードを組み合わせたものは、カードスリーブペアと称され得る。プレイングカードがスリーブに挿入されているとき、またはカードがスリーブに挿入された後、カメラは、プレイングカードの画像をキャプチャし、RFIDリーダは、スリーブに取り付けられたRFIDタグからRFIDタグ値をキャプチャする。キャプチャされた画像からプレイングカードのアイデンティティを判定するために、キャプチャされた画像に対して1つ以上の画像処理技術が実行される。スリーブのRFIDタグ値とカードのアイデンティティとの間のマッピングが、カードスリーブペアごとに記憶され、これにより、カードとRFIDタグとの間のデジタル関連付けが作成される。プレイングカードはRFIDタグ付きスリーブに任意の順序で挿入できるため、RFIDタグ付きスリーブを利用すると、プレイングカードとRFIDタグ値との間のマッピングにランダム性が付加され、これにより、プレイヤーがRFIDタグからカードを不正に識別できる可能性が低くなる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
非限定的かつ非網羅的な実施形態が以下の図面を参照して説明される。図面において、特に明記しない限り、同様の参照符号は、様々な図を通して同様の部品を指す。
【0007】
本発明をよく理解するために、以下の発明を実施するための形態への参照を行うが、これは、添付の図面と併せて読まれるべきである。
【0008】
図1A】本明細書に記載の実施形態による、プレイングカードがスリーブとペアになって、プレイングカードをスリーブに関連付けられたRFIDタグ値とマッピングすることが可能になる環境のコンテキスト図を示す。
図1B】本明細書に記載の実施形態による、プレイングカードがスリーブとペアになって、プレイングカードをスリーブに関連付けられたRFIDタグ値とマッピングすることが可能になる環境のコンテキスト図を示す。
図2】本明細書に記載の実施形態による、RFIDタグを備えたプレイングカードを追跡する際に利用される構成要素のブロック図を示す。
図3】本明細書に記載の実施形態による、カードゲームのプレイ中にマッピングされたカードスリーブペアを追跡するためにRFIDタグ値が利用される環境のコンテキスト図を示す。
図4】本明細書に記載の実施形態による、プレイングカードを、RFIDタグを含むスリーブにマッピングするためのプロセスの一実施形態を全体的に示す論理フロー図を示す。
図5】本明細書に記載の実施形態による、プレイングカードを、RFIDタグを含むスリーブにマッピングするための代替プロセスの一実施形態を全体的に示す論理フロー図を示す。
図6】本明細書に記載の実施形態による、RFIDタグ付きカードを利用してカードゲーム全体のカードの動きを追跡するためのプロセスの一実施形態を全体的に示す論理フロー図を示す。
図7】本明細書に記載の実施形態による、RFIDタグ付きカードを利用してカードゲーム全体のカードの動きを追跡するためのプロセスの別の実施形態を全体的に示す論理フロー図を示す。
図8】デッキ内のプレイングカードのリストを生成するためのプロセスの一実施形態を全体的に示す論理フロー図を示す。
図9】本明細書に記載の実施形態を実装するためのコンピューティングシステムの一実装形態を説明するシステム図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明は、添付の図面とともに、開示された様々な実施形態の完全な理解を提供するために、特定の詳細を説明する。しかしながら、当業者は、開示された実施形態が、これらの特定の詳細のうちの1つ以上なしで、または他の方法、構成要素、デバイス、材料などを用いて、様々な組み合わせで実施できることを認識するであろう。他の例では、通信システムおよびネットワークを含むがこれらに限定されない、本開示の環境に関連する周知の構造または構成要素は、実施形態の説明が不必要に不明瞭になるのを避けるために、図示または説明されていない。さらに、様々な実施形態は、方法、システム、媒体、またはデバイスとすることができる。したがって、様々な実施形態は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態、またはソフトウェアとハードウェアとの態様を組み合わせた実施形態とすることができる。
【0010】
明細書、特許請求の範囲、および図面の全体を通じて、以下の用語は、文脈上明確に別段の定めがない限り、本明細書に明示的に関連付けられた意味をとる。「本明細書に」という用語は、本出願と関連する明細書、特許請求の範囲、および図面を指す。「一実施形態では」、「別の実施形態では」、「様々な実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、「他の実施形態では」という句、およびそれらの他の変形は、本開示の1つ以上の特徴、構造、機能、制限、または特性を指し、文脈上明らかに別段の定めがない限り、同一または異なる実施形態に限定されない。本明細書で使用されるとき、「または」という用語は、包括的な「または」演算子であり、「AもしくはB、または両方」または「AもしくはBもしくはC、またはそれらの任意の組み合わせ」という句と同等であり、追加の要素を有するリストは同様に扱われる。「に基づく」という用語は、排他的なものではなく、文脈上明らかに別段の定めがない限り、説明されていない追加の特徴、機能、態様、または制限に基づくことを可能にする。さらに、本明細書全体を通じて、「a」、「an」、および「the」の意味は、単数および複数の言及を含む。
【0011】
図1A図1Bは、本明細書に記載の実施形態による、プレイングカードを追跡するために無線周波数識別(RFID)タグを利用する環境のコンテキスト図を示す。図1Aは、ユーザ118がプレイングカード124を対応するスリーブ120に挿入している環境100Aを示している。環境100Aは、テーブル116、コンピューティングデバイス104、カメラ114、およびRFIDリーダ110を含む。いくつかの実施形態では、RFIDリーダ110は、テーブル116に埋め込まれるかまたは組み込まれてもよい。他の実施形態では、RFIDリーダ110は、ユーザ118の前のテーブル116の上部に位置決めすることができる。
【0012】
手短に言えば、ユーザ118は、プレイングカード124aのスタックからプレイングカード124bを取り除き、スリーブ120aのスタックからスリーブ120bを取り除く。各スリーブ120は、プレイングカード124の周りに適合するようなサイズおよび形状である。いくつかの実施形態では、スリーブ120は、プレイングカード124がスリーブ120内に滑り込み、スリーブ120内に入れられることを可能にするために、一端において開く。概して、スリーブ120は、透明な面と、不透明な面と、を含む。透明な面により、プレイヤーは、挿入されたプレイングカード124のプレイ面を見ることができる。また、不透明な面は、プレイヤーが、挿入されたプレイングカード124の裏側を見るのを防ぐ(例えば、プレイングカードの実際の識別(identity)を与えることができる、プレイングカードの裏側にあるマーキングまたは他の識別情報を見るプレイヤーの能力を妨げる)。
【0013】
ユーザ118は、プレイングカード124bをスリーブ120bに挿入して、カードスリーブペアを作る。さらに、各スリーブ120は、それに取り付けられたRFIDタグ(図示せず)を有し、これは、図1Bに示されている。各RFIDタグは、RFIDリーダ110からの問い合わせ信号の受信に応答して、一意のRFIDタグ値を送信または送達するように構成される。RFIDタグ値はまた、RFIDタグ番号、RFIDタグ識別子、またはRFIDタグIDと称され得る。RFIDタグは、各スリーブ120がRFIDタグ値から一意に識別可能であることを可能にする。いくつかの実施形態では、スリーブに取り付けられたRFIDタグのRFIDタグ値は、スリーブのRFIDタグ値と称され得る。
【0014】
プレイングカード124bがスリーブ120bに挿入されているとき、カメラ114は、プレイングカード124bの1つ以上の画像をキャプチャし、RFIDリーダ110は、スリーブ120bに関連付けられたRFIDタグ値をキャプチャする。画像およびRFIDタグ値をキャプチャした後、カメラ114およびRFIDリーダ110は、キャプチャされた画像およびRFIDタグ値をコンピューティングデバイス104に提供する。コンピューティングデバイス104は、画像に対して画像認識技術を使用して、プレイングカード124bを識別する。様々な実施形態では、コンピューティングデバイスは、複数の可能なプレイングカード124の各々について画像または識別可能な情報を記憶する。次に、コンピューティングデバイスは、キャプチャされた画像を記憶された画像と比較することができ、一致は、カメラ114によってキャプチャされた画像内の特定のカード124bを識別する。いくつかの実施形態では、具体的に識別されたカードは、名前、番号、または他のラベルによって参照され得る。
【0015】
プレイングカード124bが識別されると、その参照されたアイデンティティ(例えば、カード名または識別番号)は、スリーブ120bのキャプチャされたRFIDタグ値にマッピングされる。このカードスリーブペアマッピングは、テーブル、データベース、または他のデータ構造に記憶される。ユーザ118は、プレイングカード124をスリーブ120に挿入し続けることによって、複数のカードスリーブペアを含むカードデッキを作成することができる。対応する各カードスリーブペアが作られると、コンピューティングデバイス104は、カメラ114によってキャプチャされた画像、およびRFIDリーダ110によってキャプチャされたRFIDタグ値を使用して、対応するカードのアイデンティティを、対応するカードスリーブペアの対応するスリーブRFIDタグ値にマッピングする。カードのデッキ内の各カードスリーブペアのマッピング情報は、カードデッキマッピング情報と称され得る。プレイングカード124bとスリーブ120bとの間のマッピングまたは関連付けの非限定的な一例は、「タグ値0x00120423」が、プレイヤーボブジョーンズのデッキ内のカード「ウィンドウォーターセット2からのブラガトータスEXカード143」に関連付けられることであり得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、カードスリーブペアマッピングは、識別されたプレイングカードと、スリーブに関連付けられたRFIDタグ値との間でなくてもよく、むしろ、RFIDタグ値は、プレイングカードのアイデンティティになるように変更されてもよい。上記の例を参照すると、「タグ値0x00120423」は、「ボブジョーンズ-ウィンドウォーターセット2からのブラガトータスEXカード143」になるように変更または上書きされてもよい。このようにして、プレイングカードのアイデンティティは、別個のマッピングデータベースにアクセスするのではなく、RFIDリーダによってキャプチャされた出力されたRFIDタグ値から判定することができる。いくつかの実施形態では、プレイングカードがスリーブとペアにされ、プレイングカードのアイデンティティが判定された後に、スリーブのRFIDタグを変更することができる。様々な実施形態では、これらのRFIDタグは書き換え可能であり得、これにより、RFIDタグは、そこに挿入されたプレイングカードに基づいて異なるRFIDタグ値を出力するように設定され得る。このように、RFIDタグ値は、そこに挿入されたカードに固有であり、スリーブを再利用してそこに別個のまたは異なるプレイングカードを挿入すると、カードゲームごとに変わる可能性がある。
【0017】
図1Bは、カードスリーブ挿入プロセスのさらなる詳細を提供している。図1Aの環境100Aと同様に、環境100Bは、カメラ114およびRFIDリーダ110を含む。上記のように、スリーブ120は、取り付けられたRFIDタグ128を含むか、またはそれを有する。RFIDタグ128は、スリーブ120に組み込まれることによってスリーブ120に取り付けられるか、スリーブ120の一部に(例えば、ステッカーと同様に)貼り付けられるか、または他の方法でスリーブ120に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、RFIDタグ128は、スリーブ120の製造中にスリーブ120に取り付けられる。他の実施形態では、RFIDタグ128は、図1Aのユーザ118などによって、製造後にスリーブ120に取り付けられる。
【0018】
RFIDタグ128は、アンテナ132およびチップ130を含む。チップ130は、アンテナ132を介して、RFIDリーダ110によって送信された問い合わせ信号をキャプチャする。エネルギーが供給されると、チップ130は、対応するRFIDタグ値を、アンテナ132を介して送信し、これは、RFIDリーダ110によってキャプチャされる。このようにして、一意の識別子がスリーブ120(すなわち、RFIDタグ128のRFIDタグ値)に関連付けられる。
【0019】
カメラ114は、プレイングカード124のプレイ面の画像をキャプチャする。上記のように、画像に対して画像処理技術を使用して、プレイングカード124を識別することができる。図示の例では、プレイングカード124は、ヘッダ134およびグラフィック136を含む。画像認識プロセスは、プレイングカード124、ヘッダ134、グラフィック136、またはそれらの組み合わせの輪郭または形状についてキャプチャされた画像を分析して、プレイングカード124を識別するように構成され得る。異なるプレイングカードは異なる特性を有することを認識すべきである。したがって、画像認識プロセスは、プレイングカード124上のテキスト、記号、ロゴ、アイコン、グラフィックス、色、数字、または他の識別マークを探すように構成され得る。
【0020】
様々な実施形態では、カメラ114は、プレイングカード124がスリーブ120に挿入されているとき、またはプレイングカード124がスリーブ120に完全に挿入された後に、プレイングカード124の画像をキャプチャすることができる。同様に、RFIDリーダ110は、プレイングカード124がスリーブ120に挿入されているとき、またはプレイングカード124がスリーブ120に完全に挿入された後に、RFIDタグ128からスリーブ120のRFIDタグ値をキャプチャすることができる。カメラ114およびRFIDリーダ110は、個別画像およびRFIDタグ値を同時に、または互いの選択された閾値時間内にキャプチャするように同期され得る。
【0021】
図1A図1Bは、カードスリーブペアの生成を人によって実行されるものとして示しているが、実施形態はそのように限定されない。例えば、機械デバイスを利用して、プレイングカードをスリーブに挿入することができる。そのようなデバイスは、吹き付け空気、スリーブに入り、次に互いに反対方向に移動してスリーブを開くアーム、または他の開放機構など、スリーブを開くための機構と、カードをスリーブ内に押し込むスライドアーム、重力によってカードをスリーブ内に引き込むことができるようなスリーブおよびカードの位置決め、または他の機構など、カードを開いたスリーブ内にスライドさせるための機構と、を含み得る。プレイングカードの画像をキャプチャし、スリーブに関連付けられたRFIDタグ値をキャプチャするタイミングは、機械デバイスによるスリーブへのカードの挿入と相関し得る。したがって、機械デバイスを使用すると、カードをスリーブに挿入するプロセスを自動化できると同時に、カメラがカードの画像をキャプチャする精度およびタイミングを向上させることもできる。
【0022】
さらに、本明細書で述べたように、RFIDタグ128は、問い合わせ信号に応答してRFIDタグ128によって送信される情報が、プレイングカード124を識別する情報であるように、書き換え可能であり得る。少なくとも1つのそのような実施形態では、環境100Bはまた、(例えば、カメラ114によってキャプチャされたプレイングカード124の画像に使用される画像認識技術を介して)プレイングカード124が識別された後、RFIDタグ128に関連付けられたRFIDタグ値を変更するためのRFIDライター(図示せず)を含み得る。さらに他の実施形態では、ユーザは、グラフィカルユーザインターフェースを介してプレイングカード124のアイデンティティを手動で入力または選択することができ、これは、次に、RFIDタグ値にマッピングされるか、またはRFIDタグ120に書き込まれ得る。
【0023】
図2は、本明細書に記載の実施形態による、RFIDタグを備えたプレイングカードを追跡する際に利用される構成要素のブロック図を示す。例200は、コンピューティングデバイス104、カメラ114、およびRFIDリーダ110を含む。コンピューティングデバイス104は、画像要求をカメラ114に送信する。カメラ114は、要求に基づいてカード124の画像をキャプチャし、キャプチャされた画像をコンピューティングデバイス104に戻す。コンピューティングデバイス104はまた、RFIDタグID要求をRFIDリーダ110に送信する。RFIDリーダ110は、問い合わせ信号を送信するRFID送信機146を含む。スリーブ120上のRFIDタグ128は、問い合わせ信号を受信し、タグの値またはIDで応答する。RFIDリーダ110上のRFID受信機148は、RFIDタグ128からRFIDタグ値を受信する。次に、RFIDリーダ110は、RFIDタグ値をコンピューティングデバイス104に送信する。いくつかの実施形態では、画像要求およびRFIDタグID要求は、画像のキャプチャを、スリーブ120に関連付けられたRFIDタグ値のキャプチャと同期または調整するためのタイミング情報を含む。
【0024】
図3は、本明細書に記載の実施形態による、カードゲームのプレイ中にマッピングされたカードスリーブペアを追跡するためにRFIDタグ値が利用される環境300のコンテキスト図を示す。環境300は、テーブル138、カメラ114、およびコンピューティングデバイス104を含む。いくつかの実施形態では、カメラ114は、任意選択的であり得、含まれなくてもよい。
【0025】
概して、1人以上のユーザまたはプレイヤーが、1つ以上のカードデッキを作成し、それぞれが複数のカードスリーブペアを有する。各カードスリーブペアは、本明細書に記載の実施形態を使用して生成され、図1A図1Bおよび図2において上で考察されるように、カードを、対応するカードスリーブペアのスリーブのRFIDタグ値にマッピングすることができる。このようにして、カードの各デッキは、本明細書で説明されるように、対応するカードスリーブペアマッピング情報を含む。
【0026】
カードデッキが作成された後、プレイヤーは、カードゲームのプレイに参加することができる。図示の例では、カードゲームはテーブル138上でプレイされる。テーブル138は、プレイヤー_A側160およびプレイヤー_B側162を有するものとして示されている。
【0027】
プレイヤー_A側160は、配布エリア152aおよびプレイエリア144aを含む。取引エリア152aは、プレイヤー_Aが、複数のカードスリーブペアを含む自分のめくり札またはカードのデッキ140を維持するテーブル138上の位置である(コンピューティングデバイス104は、カードのデッキ140内の各カードスリーブペアのカードスリーブマッピング情報をすでにその上に記憶している)。
【0028】
取引エリア152aは、RFID送信機146aおよびRFID受信機148aを含む。カードのデッキ140は、RFID送信機146aおよびRFID受信機148aに隣接して位置決めされる。この図では、カードのデッキ140は、RFID受信機148aの上部に、かつRFID送信機146aの隣に位置決めされている。RFID送信機146aの位置決めは、カードのデッキ140がスタックされる方向に水平にまたは直交して問い合わせ信号を送信するように、垂直に配置されている。この垂直配置は、カードのデッキ140にわたる問い合わせ信号の伝播を改善する。図示されていない他の実施形態では、RFID送信機146aおよびRFID受信機148aは、図示されているものとは異なる位置もしくは構成にあり得るか、またはそれらは、単一のハウジング(図示せず)に統合され得る。
【0029】
プレイエリア144aは、プレイヤー_Aがゲームプレイ中にカードスリーブペア142a~142cを配置するテーブル138上の位置である。これらのカードスリーブペア142a~142cは、概して、プレイされているカードゲームに応じて、プレイ中のカード、プレイされるカード、アクティブカード、または他の同様の用語で称される。
【0030】
テーブル138のプレイヤー_B側162は、プレイヤー_A側160と同様である。プレイヤー_B側161は、取引エリア152bおよびプレイエリア144bを含む。取引エリア152bは、プレイヤー_Bが、プレイヤー_A用のカードのデッキ140内のカードスリーブペアとは異なる複数のカードスリーブペアを含む自分のめくり札またはカードのデッキ150を維持するテーブル138上の位置である(コンピューティングデバイス104は、カードのデッキ150内の各カードスリーブペアのカードスリーブマッピング情報をすでにその上に記憶している)取引エリア152bは、プレイヤー_A側160と同様に、RFID送信機146bおよびRFID受信機148bを含む。カードのデッキ150は、RFID送信機146bおよびRFID受信機148bに隣接して位置決めされる。プレイヤー_B側162用のRFID送信機146b、RFID受信機148b、およびカードのデッキ150の配置および構成は、プレイヤー_A側160用のRFID送信機146a、RFID受信機148a、およびカードのデッキ140の配置および構成と同様であっても、異なっていてもよい。同様に、プレイエリア144bは、プレイヤー_Bがゲームプレイ中にカードスリーブペア154a~154cを配置するテーブル138上の位置である。
【0031】
カードゲームがプレイされているとき、プレイヤーは、自分のカードのデッキからプレイングカードを引き、自分のプレイエリア内でカードをプレイし、また、カードを捨て札(図示せず)内に捨てることができる。本明細書に記載の実施形態を実装することにより、コンピューティングデバイス104は、プレイングカードがプレイヤーの手札の中にあるかどうか、それがプレイされたかどうか、またはカードが捨てられたかどうかを追跡することができる。
【0032】
例えば、プレイヤー_Aのターン中に、プレイヤー_Aは、カードデッキ140を拾い上げ、デッキ140からカードスリーブペアを取り除いて自分の手札に含め、カードデッキ140を取引エリア152aに戻す。RFID送信機146aは、問い合わせ信号を継続的に送信するか、またはそれは、カードデッキ140が(例えば、RFID送信機146aおよびRFID受信機148aに隣接する)取引エリア152a内に位置決めされているときのみ問い合わせ信号を送信することができる。カードデッキ140が取引エリア152a内に位置決めされているときに問い合わせ信号を受信することに応答して、カードのデッキ140内の各カードスリーブペアに関連付けられたRFIDタグは、その対応するRFIDタグ値を送信する。カードのデッキ140内の各カードスリーブペアに関連付けられたRFIDタグ値の第1のセットは、プレイヤー_Aがカードデッキ140を拾い上げる前に、RFID受信機148aによって取得される。また、次に、プレイヤー_Aがカードデッキ140を取引エリア152aに戻した後、RFIDタグ値の第2のセットが取得される。コンピューティングデバイス104は、RFIDタグ値の第1のセットと第2のセットを比較する。第1のセット内にはあるが、第2のセット内にはないRFIDタグ値は、カードのデッキ140から取り除かれてプレイヤー_Aの手札の中に配置されたカードスリーブペアとして識別される。いくつかの実施形態では、複数のカードスリーブペアがカードのデッキ140から取り除かれる場合があり、その結果、複数のRFIDタグ値が欠落する。次に、欠落しているRFIDタグ値をカードのデッキ140のマッピング情報と比較して、プレイヤー_Aがどの1つ以上のカードを引いたかを識別する。次に、カードのアイデンティティを、視聴者やコメンテーターに提供するか、またはゲームのプレイ中にゲームに関連する戦略情報を生成するために利用することができる。
【0033】
プレイヤー_Bは同様に、カードのデッキ150から1つ以上のカードスリーブペアを引くことができる。コンピューティングデバイス104は、プレイヤー_Bがカードのデッキ150からカードスリーブペアを取り除く前および取り除いた後にRFID受信機148bによって取得されたRFIDタグ値と、カードのデッキ150のマッピング情報とに基づいて、プレイヤー_Bがどの1つ以上のカードを引いたかを識別する。
【0034】
カードゲームがプレイされているとき、プレイヤー_Aは、プレイエリア144a内でカードスリーブペア142aをプレイすることができる。カメラ114は、カードスリーブペアがプレイエリア144a内でプレイされるときにテーブル138の画像をキャプチャし、画像をコンピューティングデバイス104に提供する。コンピューティングデバイス104は、キャプチャされた画像を分析して、カードがスリーブとペアになっているときにカードを識別するための本明細書で説明されたものと同様に、どの特定のカードがプレイされたかを識別する。いくつかの実施形態では、プレイエリア144aは、問い合わせ信号を送信することと、プレイエリア144a内に配置されたときにカードスリーブペア142a~142cに取り付けられたRFIDタグからRFIDタグ値を受信することと、を行うように構成されたRFIDリーダを含み得る。次に、コンピューティングデバイス104は、受信されたRFIDタグ値を利用して、RFIDタグ値と、カードのデッキ140のカードスリーブペアマッピング情報とに基づいて、どのカードがプレイされたかを判定することができる。少なくとも1つのそのような実施形態では、カメラ114は、任意選択的であり得、利用されなくてもよい。次に、プレイされているカードのアイデンティティを利用して、ゲームがプレイされているときにゲームに関連付けられた戦略情報を変更することができる。
【0035】
カードをプレイするのがプレイヤー_Bのターンであるとき、プレイヤー_Bは、カードスリーブペア154aをプレイエリア144b内に配置することによってそうすることができる。プレイエリア144b内に配置されたカードスリーブペア154は、プレイヤー_A用のプレイエリア144a内でプレイされるカードスリーブペアに関して説明されたものと同様に、カメラ114で画像をキャプチャすることまたはRFIDタグ値によって識別され得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、テーブル138は、プレイヤー_Aおよびプレイヤー_B用の捨て札エリア(図示せず)を含み得る。捨て札エリア内に配置されたカードスリーブペアは、プレイエリア144aおよび144b内でプレイされるカードスリーブペアに関して説明されたものと同様に、カメラ114で画像をキャプチャすることまたはRFIDタグ値によって識別され得る。少なくとも1つのそのような実施形態では、捨て札エリアは、特に個別の捨て札内に配置されたカードスリーブペアを識別するために追加の個別RFIDリーダ(図示せず)を含み得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、プレイエリア144aおよび144bは、RFID送信機および受信機を有さず、これらは、個別取引エリア152aおよび152b内にのみ提供される。同様に、いくつかの実施形態では、取引エリア152aおよび152bは、RFID送信機および受信機を有さず、これらは、個別プレイエリア144aおよび144b内にのみ提供される。
【0038】
ゲームプレイ中にカメラ114を提供することは、任意選択的である。カードのアイデンティティは、ゲームプレイ中にカードスリーブペアのRFIDに基づいて判定されているため、いくつかの実施形態ではカメラは使用されない。
【0039】
図3は、2人のプレイヤー(プレイヤー_Aおよびプレイヤー_B)ならびに2つのカードデッキ(140および150)を含むものとしてカードゲームを示しているが、実施形態はそのように限定されない。むしろ、プレイヤーの数、カードデッキの数、および各デッキ内のカードスリーブペアの数は、プレイされているカードゲームの特定のタイプに基づいて、図示されているものとは異なっていてもよい。同様に、カメラの数および配置、ならびにRFIDリーダの数および配置は、プレイされているカードゲームの特定のタイプ、プレイヤーの数、カードスリーブペアの配置もしくは取り除きを追跡するカード札またはプレイエリアの数などに応じて、図示されているものとは異なっていてもよい。
【0040】
さらに、図3は、カードスリーブペアのデッキおよびそれらの対応するマッピング情報を利用するものとして説明されているが、実施形態はそのように限定されない。むしろ、いくつかの実施形態では、RFIDタグは、スリーブを使用せずに、プレイングカード自体に取り付けられてもよく、各プレイングカード自体が、その対応して取り付けられたRFIDタグへのマッピング情報を有する。
【0041】
ここで、本開示の特定の態様の動作が図4図8に関して説明される。様々な実施形態のうちの少なくとも1つでは、図4図8に関連してそれぞれ説明されるプロセス400、500、600、700、および800は、コンピューティングデバイス104など、1つ以上のコンピューティングデバイスによって実装されるか、または1つ以上のコンピューティングデバイス上で実行され得る。
【0042】
図4は、本明細書に記載の実施形態による、プレイングカードを、RFIDタグを含むスリーブにマッピングするためのプロセス400の一実施形態を全体的に示す論理フロー図を示す。
【0043】
プロセス400は、開始ブロックの後、ブロック402で開始し、そこで、タグ付きスリーブに挿入されているプレイングカードの1つ以上の画像をキャプチャする。画像は、プレイングカードのプレイ面、すなわち、プレイングカードの情報側であり、プレイングカードの一般的な裏側ではない。
【0044】
いくつかの実施形態では、画像は、ユーザがプレイングカードをタグ付きスリーブに物理的に挿入しているとき、もしくは挿入しようとしているとき、またはプレイングカードがスリーブに挿入された後にキャプチャされ得る。少なくとも1つの実施形態では、カメラは、選択された時間に、選択された時間間隔で(例えば、3秒ごとに)、連続的に(例えば、複数の連続するビデオフレーム)、またはユーザアクションもしくはトリガに応答して、画像をキャプチャすることができる。そのようなユーザアクションまたはトリガの例は、プレイングカードがカメラの視野内にあるときにユーザがボタンを押すこと、ユーザがプレイングカードを(推定センサまたは他の検出センサによって識別可能な)テーブル上の特定の位置に配置すること、カメラが追加の画像をキャプチャして、ユーザがプレイングカードをスリーブに挿入しているときを検出することなどを含む場合がある。
【0045】
プロセス400はブロック404に進み、そこで、スリーブのRFIDタグ値をキャプチャする。様々な実施形態では、RFIDタグリーダは、ブロック402においてキャプチャされた画像と同様に、選択された時間に、選択された時間間隔で(例えば、3秒ごとに)、連続的に、またはユーザアクションもしくはトリガに応答して、RFIDタグ値をキャプチャする。いくつかの実施形態では、ブロック402における画像のキャプチャ、およびブロック404におけるRFIDタグ値のキャプチャは、同時に発生するように同期されるか、または互いにある時間期間内に発生するように相関される。このようにして、スリーブに挿入されているプレイングカードの画像がキャプチャされたときに対して、スリーブに取り付けられたRFIDからのRFIDタグ値がキャプチャされる。様々な実施形態では、スリーブに挿入されたカードの組み合わせは、カードスリーブペアと称され得る。
【0046】
プロセス400は、RFIDタグ値をキャプチャする前のプレイングカードの画像のキャプチャを示しているが、実施形態はそのように限定されない。また、いくつかの実施形態では、RFIDタグ値のキャプチャは、プレイングカードの画像をキャプチャする前であってもよい。
【0047】
プロセス400は、ブロック406に続き、そこで、ブロック402からのキャプチャされた画像に基づいてプレイングカードを識別する。いくつかの実施形態では、キャプチャされた画像をデータベース内の画像と比較してプレイングカードを識別することができるように、すべての可能なプレイングカードの画像のデータベースを維持することができる。他の実施形態では、データベースは、プレイングカードの表面の特徴または特性からどのようにプレイングカードを識別すべきかに関する部分的な画像または指示を含み得る。様々な実施形態では、1つ以上の画像認識技術を使用してプレイングカードを識別することができる。例えば、画像は、プレイングカード上の特定のテキスト、記号、ロゴ、アイコン、グラフィック、色、数字、または他の識別マークについて分析することができる。様々な実施形態では、プレイングカードは、訓練された人工知能モデルを使用して識別することができる。いくつかの実施形態では、人工知能モデルは、既知のプレイングカードのデータベースを使用して訓練することができる。
【0048】
プロセス400は、次にブロック408に進み、そこで、識別されたプレイングカードとスリーブRFIDタグ値との間のカードマッピングを生成する。いくつかの実施形態では、このマッピングは、テーブルまたは他のデータ構造などに、プレイングカードとRFIDタグ値との間の関係または関連付けを記憶することによって生成することができる。上記のように、スリーブ内のプレイングカードの組み合わせは、カードスリーブペアと称され得る。したがって、カードスリーブペアのマッピングには、スリーブのRFIDタグ値、およびプレイングカードのアイデンティティ(例えば、プレイングカードの名前、番号、またはタイプ)が含まれる。
【0049】
プロセス400は、次にブロック410に続き、そこで、マッピングされたカードおよびスリーブを、マッピングされたカードデッキに追加する。様々な実施形態では、マッピングされたカードデッキは、カードとそれらの個別スリーブとの間の複数のマッピングを含む。したがって、カードデッキは、複数のカードスリーブペアを含み得るし、マッピングされたカードデッキは、複数のカードスリーブペアの各々のマッピング情報を含み得る。
【0050】
プロセス400は決定ブロック412に進み、そこで、別のプレイングカードを別のスリーブにマッピングするかどうかの判定を行う。いくつかの実施形態では、この判定は、カードデッキ内のプレイングカード、またはカードスリーブペアの数に基づくことができる。例えば、一部のカードデッキは52枚のカードを含む場合があるが、他のカードデッキは60枚のカードを含む場合があり、これは、プレイングカードのタイプ、またはプレイしているカードゲームによって異なり得る。他の実施形態では、この判定は、追加の画像またはセンサの読み取り値が、ユーザが別のプレイングカードを別のスリーブに挿入していることを示すかどうかに基づくことができ、これは、ユーザが停止するかまたは停止コマンドを入力するまで続き得る。別のプレイングカードとスリーブを一緒にマッピングする場合、プロセス400はブロック402に戻って、次のプレイングカードの追加の画像、および(ブロック404において)次のスリーブのRFIDタグ値をキャプチャする。それ以外の場合、プロセス400はブロック414に続く。
【0051】
ブロック414において、マッピングされたカードデッキを記憶する。いくつかの実施形態では、マッピングされたカードデッキは、特定のプレイヤーに関連付けられ、他のプレイヤーのための他のマッピングされたカードデッキとともにデータベースに記憶される。他の実施形態では、単一のマッピングされたカードデッキが複数のプレイヤーのために利用される。
【0052】
ブロック414の後、プロセス400は、終了するか、さもなければ呼び出しプロセスに戻って他のアクションを実行する。
【0053】
プロセス400は、プレイングカードがスリーブに挿入されているときの単一段階プロセス中にプレイングカードをスリーブにマッピングするものとして説明されているが、実施形態はそのように限定されない。むしろ、他のいくつかの実施形態では、2段階プロセスを使用することができる。このプロセスでは、複数のプレイングカードを複数の対応するスリーブに挿入して、第1の段階中に複数のカードスリーブペアを作ることができる。次に、各カードスリーブペアは、第2の段階中に、カメラがスリーブ内のプレイングカードの画像をキャプチャでき、RFIDリーダがそのスリーブに取り付けられたRFIDタグのRFIDタグ値をキャプチャできるように、位置決めされ得る。この2段階プロセスは、プレイングカードがスリーブに挿入されるときにユーザがプレイングカードおよびスリーブを特定の場所に保持する必要がないため、効率および同期を向上させ得る。同様に、ユーザは、プレイングカードをスリーブに手動で挿入することができ、自動化されたマシンを使用して、各カードスリーブペアの画像およびRFIDタグ値を体系的にキャプチャすることができる。
【0054】
さらに、プロセス400は、プレイングカードをスリーブにマッピングするものとして説明されており、実施形態はそのように限定されない。むしろ、いくつかの実施形態では、プレイングカードは、製造プロセス中にまたは後でなど、プレイングカード自体に組み込まれるか、貼り付けられるか、または他の方法で取り付けられたRFIDタグのRFIDタグ値にマッピングされてもよい。この例では、ブロック402においてキャプチャされる画像は、RFIDタグがプレイングカードに取り付けられる直前、その時、またはその直後のプレイングカードの画像であり得る。上記と同様に、RFIDタグ値のキャプチャは、画像キャプチャと同期させることができる。いくつかの実施形態では、RFIDタグ値のキャプチャおよび画像のキャプチャは、製造中の自動組立ラインプロセスにおいて取り付けが行われるときなど、互いに若干の時間だけ離れている場合がある。
【0055】
図5は、本明細書に記載の実施形態による、プレイングカードを、RFIDタグを含むスリーブにマッピングするためのプロセス500の一実施形態を全体的に示す論理フロー図を示す。
【0056】
プロセス500は、開始ブロックの後、ブロック502で開始し、そこで、図4のブロック402に関連して上で説明したものと同様に、タグ付きスリーブに挿入されているプレイングカードの1つ以上の画像をキャプチャする。
【0057】
プロセス500はブロック504に進み、そこで、図4のブロック406に関連して上で説明したものと同様に、ブロック502からのキャプチャされた画像に基づいてプレイングカードを識別する。
【0058】
プロセス500はブロック506に続き、そこで、識別されたプレイングカードに関する情報にRFIDタグ値を割り当てる。いくつかの実施形態では、実際のRFIDタグ識別子は、カード識別情報になるように変更される。他の実施形態では、RFIDタグ識別子は、RFIDタグの識別子とともにカード識別情報を含むように変更される。さらに他の実施形態では、RFIDタグに関連付けられた書き換え可能なフィールドは、カード識別情報を含むように変更される。
【0059】
RFIDタグに書き込まれるカード識別情報は、問い合わせ信号に応答するときにRFIDタグが送信する情報であるか、またはそれを含む。このようにして、スリーブのRFIDタグは、そのスリーブに挿入されているプレイングカードの識別で応答する。
【0060】
次に、プロセス500は決定ブロック508に進み、そこで、別のカードおよびスリーブをマッピングするかどうかの判定を行う。様々な実施形態では、この判定は、図4の決定ブロック412に関連して上で説明したものと同様であり得る。別のカードおよびスリーブをマッピングする場合、プロセス500はブロック502に流れる。それ以外の場合、プロセス500は終了するか、またはさもなければ呼び出しプロセスに戻って他のアクションを実行する。
【0061】
図6は、本明細書に記載の実施形態による、RFIDタグ付きプレイングカードを利用してカードゲーム全体のカードの動きを追跡するためのプロセス600の一実施形態を全体的に示す論理フロー図を示す。
【0062】
プロセス600は、開始ブロックの後、ブロック602で開始し、そこで、カードスリーブペアのデッキ内のカードスリーブに取り付けられた各RFIDタグから、RFIDタグ値の第1のセットをキャプチャする。様々な実施形態では、RFID送信機が、カードスリーブペアのデッキにわたって問い合わせ信号を送信する。各カードスリーブペアのスリーブに取り付けられたRFIDタグは、対応するRFIDタグ値を送信することによって問い合わせ信号に応答する。RFID受信機は、これらの戻されたRFIDタグ値をキャプチャする。RFID送信機とRFID受信機は、まとめてRFIDリーダと称され得る。
【0063】
上記のように、いくつかの実施形態では、RFID送信機およびRFID受信機は、単一のRFIDリーダがカードのデッキに隣接して(例えば、カードのデッキの下に)位置決めされるように、同じハウジング内にあるように構成され、また、問い合わせ信号を送信し、RFIDタグ値を受信するように構成され得る。他の実施形態では、RFID送信機およびRFID受信機は、2つの別個および別々のハウジング内に配置および構成され得る。このようにして、RFID送信機は、プレイングカードがスタックされる方向に直交してカードのデッキにわたって問い合わせ信号を送信するために、カードのデッキに隣接する1つの位置(例えば、カードのスタックされたデッキの隣)にあることができ、RFID受信機は、RFIDタグ値を受信するために、カードのデッキに隣接する異なる位置(例えば、カードのデッキの下)にあることができる。カードのデッキがRFID送信機から閾値距離内にあるとき、RFID送信機はカードのデッキに隣接しており、その対応するRFIDタグに問い合わせ信号を受信させ、RFIDタグ値で応答させる。RFID受信機がカードのデッキから閾値距離内にあるとき、RFID受信機はカードのデッキに隣接しており、デッキ内の対応するRFIDタグから送信されたRFIDタグ値を受信する。
【0064】
プロセス600はブロック604に進み、そこで、カードスリーブペアのデッキ内のカードスリーブに取り付けられた各RFIDタグから、RFIDタグ値の第2のセットをキャプチャする。様々な実施形態では、ブロック604は、RFIDタグ値をキャプチャするためにブロック602の実施形態を実行するが、タグ値の第2のセットは、プレイヤーが1つ以上のカードスリーブペアをデッキから取り除いた後にキャプチャされる。
【0065】
いくつかの実施形態では、RFIDタグ値の第2のセットは、RFIDタグ値をキャプチャしない選択された時間期間の後にRFID受信機がRFIDタグ値をキャプチャすることに応答してキャプチャされ得る。例えば、タグ値の第1のセットがブロック602においてキャプチャされた後、プレイヤーは、デッキを拾い上げてプレイングカードを取り除くことができる。この間、RFIDリーダは、プレイヤーの手の中のデッキから離れすぎているため、RFIDタグに電力を供給したり、デッキ内のタグからRFIDタグ値をキャプチャしたりできない場合がある。プレイヤーが、RFIDリーダに隣接するデッキを交換すると、タグは、再び問い合わせ信号を受信し、RFIDタグ値で応答することができ、このRFIDタグ値は、RFIDタグ値の第2のセットとしてRFIDリーダによって再びキャプチャされる。
【0066】
プロセス600はブロック606に続き、そこで、タグ値の第1のセットと第2のセットを比較して、どのタグ値がタグ値の第1のセット内にはあるが、タグ値の第2のセット内には欠落しているかを判定する。欠落しているタグ値は、対応するタグがもはやカードのデッキ内に存在しないため、そのタグの対応するカードスリーブペアがプレイヤーによってデッキから取り除かれたことを示す。
【0067】
プロセス600は、次にブロック608に進み、そこで、欠落しているタグ値とカードスリーブペアマッピングとの比較に基づいて、デッキから引き出されたカードを識別する。上で考察されるように、カードスリーブペアマッピングは、どのプレイングカードがどのスリーブに挿入されているかを相関させる。したがって、欠落しているタグ値をカードスリーブペアマッピングと比較して、デッキから取り除かれ、プレイヤーの手札の中に現在ある特定のプレイングカードを識別することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、カードスリーブペアマッピングのデータベースにアクセスして、本明細書に記載され、図4のプロセス400によって生成されるように、カードスリーブペアマッピングがプレイングカードの識別とRFIDタグ値との間の関連付けを含む場合など、対応する欠落しているタグ値に基づいてプレイングカードのアイデンティティを取得する。他の実施形態では、欠落しているタグ値は、欠落しているカードのアイデンティティを含む。図5のプロセス500などでは、本明細書に記載されているように、タグ値は、プレイングカードの識別を含むかまたはそれとなるように変更されるかまたは書き込まれ得る。少なくとも1つのそのような実施形態では、スリーブ上のRFIDタグから受信されたタグ値は、そのスリーブに挿入された特定のカードを識別する情報を含むので、マッピングデータベースにアクセスする必要はない。
【0069】
プロセス600は、次にブロック610に続き、そこで、プレイヤーの手札の中にある識別されたプレイングカードに基づいて戦略情報を生成する。様々な実施形態では、戦略情報は、プレイヤーの手札の中の以前に識別されたプレイングカード、別のプレイヤーの手札の中の以前に識別されたプレイングカード、(例えば、図7のブロック704において)プレイもしくは捨てられたと識別されたプレイングカード、まだデッキ内にあるプレイングカード、またはそれらの何らかの組み合わせに基づいて生成される。
【0070】
戦略情報は、手札またはゲームに勝ったプレイヤーの統計情報、プレイヤーが次にプレイする可能性のあるプレイングカードの統計情報、プレイヤーの手札の中にあるプレイングカードの組み合わせに基づく一般的なゲーム戦略に関連する情報などを含み得る。他の実施形態では、戦略情報は、単に、各プレイヤーの手札の中にあるプレイングカードのリストを含み得る。
【0071】
プロセス600はブロック612に進み、そこで、ユーザに戦略情報を出力する。例えば、戦略情報は、コメンテーターがゲームの現在の状況ならびにプレイヤーが利用できる様々な戦略およびオプションについて議論するために、コメンテーターに表示され得る。他の実施形態では、戦略情報は、ゲームをプレイしているプレイヤーのビデオストリームにオーバーレイされ得る。このようにして、視聴者メンバーは、どんなプレイングカードがプレイヤーの手札にあるか、ならびに他のタイプの戦略または統計情報を確認することができる。
【0072】
ブロック612の後、プロセス600はブロック602にループして、RFIDタグ値の別のセットをキャプチャし、プレイヤーがデッキから別のプレイングカードを引くのを待つ。
【0073】
図7は、本明細書に記載の実施形態による、RFIDタグ付きプレイングカードを利用してカードゲーム全体のカードの動きを追跡するためのプロセス700の別の実施形態を全体的に示す論理フロー図を示す。
【0074】
プロセス700は、開始ブロックの後、ブロック702で開始し、そこで、ゲームのプレイ中にプレイされるかまたは捨てられている1つ以上のプレイングカードの画像またはRFIDタグ値をキャプチャする。いくつかの実施形態では、画像またはRFIDタグ値は、選択された時間に、選択された間隔で、またはゲームトリガに応答してキャプチャされ得る。例えば、RFIDタグリーダは、プレイングカードがプレイされるかまたは捨てられるテーブル上に位置決めされ得る。ゲームトリガは、捨て札またはプレイングカードエリアのRFIDタグリーダが新しいRFIDタグ値をキャプチャしたときに発生する場合がある。同様に、カメラは、プレイされたかまたは捨てられたカードの画像をキャプチャするように位置決めおよび構成され得る。画像認識技術を使用して画像を分析して、プレイングカードがプレイされたかまたは捨てられたことを識別することができる。
【0075】
プロセス700はブロック704に進み、そこで、キャプチャされた画像またはRFIDタグ値に基づいて、プレイされたかまたは捨てられたカードを識別する。プレイされたかまたは捨てられたカードが画像によって識別される実施形態では、図4のブロック406と同様に、画像を分析して、プレイされたかまたは捨てられたカードを識別することができる。プレイされたかまたは捨てられたカードがRFIDタグ値によって識別される実施形態では、カードは、図6のブロック606と同様に、RFIDタグ値をカードスリーブペアマッピングと比較することによって識別され得る。
【0076】
プロセス700はブロック706に続き、そこで、プレイされているかまたは捨てられている識別されたカードに基づいて戦略情報を修正する。様々な実施形態では、修正された戦略情報は、図6のブロック610と同様に、各プレイヤーの手札の中にあるプレイングカード、現在プレイされているかまたは捨てられているプレイングカード、まだデッキ内にあるプレイングカード、またはそれらの何らかの組み合わせを考慮して生成される。
【0077】
プロセス700は、次にブロック708に進み、そこで、図6のブロック610と同様に、修正された戦略情報をユーザに出力する。
【0078】
ブロック708の後、プロセス700はブロック702へループし、ゲームのプレイ中にプレイされたかまたは捨てられたカードの画像またはRFIDタグ値をキャプチャし続ける。
【0079】
図8は、デッキ内のプレイングカードのリストを生成するためのプロセス800の一実施形態を全体的に示す論理フロー図を示す。様々な実施形態では、プロセス800は、プレイングカードの画像をキャプチャするためのカメラと、画像キャプチャのためにプレイングカードを照らすための光源と、プレイングカードをカードのスタックからカメラの前の位置に物理的に移動させる第1の機構と、プレイングカードをカメラの前から新しいスタックに物理的に移動させる第2の機構と、任意選択的にRFIDリーダと、を含むコンピューティングシステムによって実行され得る。
【0080】
プロセス800は、開始ブロックの後、ブロック802で開始し、そこで、複数のプレイングカードのスタックからプレイングカードを取り除く。いくつかの実施形態では、第1の機構は、吸引機構または機械的フィンガを使用することなどによって、スタックからプレイングカードを拾い上げることができる。他の実施形態では、第1の機構は、スタックの上部または下部のプレイングカードを取り除くことなどのために、プレイングカードをスワイプしてスタックから離すことができる。
【0081】
プロセス800はブロック804に進み、そこで、プレイングカードをカメラの前に位置決めする。様々な実施形態では、第1の機構は、プレイングカードをスタックの場所からカメラの前の位置に移動させ、プレイングカードの面をカメラに向けるためのアーム、延長部材、パドル、ホイール、または他の機械的手段を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の機構は、カメラの前に位置決めされている間、プレイングカードを保持し続けることができる。他の実施形態では、第1の機構は、カメラの前でプレイングカードを解放し、プレイングカードのスタックに戻って、スタックから別のプレイングカードを取り除くことができる。
【0082】
プロセス800はブロック806に続き、そこで、カメラを使用してプレイングカードの画像をキャプチャする。画像は、プレイングカードのプレイ面、すなわち、プレイングカードの情報側であり、プレイングカードの一般的な裏側ではない。様々な実施形態では、1つ以上の光源が、プレイングカードの面を照らして画質を改善するように位置決めされ得る。
【0083】
様々な実施形態では、カメラは、第1の機構がプレイングカードをカメラの前に位置決めしたとき、プレイングカードの画像をキャプチャする。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサを使用して、プレイングカードがいつカメラの前に位置決めされたかを検出することができる。他の実施形態では、カメラは、第1の機構がプレイングカードをカードのスタックから取り除くときからプレイングカードがカメラの前に位置決めされるときまでの時間に基づいて較正されるタイミング機構に応答して、プレイングカードの画像をキャプチャすることができる。
【0084】
プロセス800はブロック808に進み、そこで、キャプチャされた画像に基づいてプレイングカードを識別する。様々な実施形態では、ブロック808は、プレイングカードを識別するために、図4のブロック406の実施形態を使用することができる。
【0085】
プロセス800は、次にブロック810に続き、そこで、コンピューティングシステムは、RFIDスキャナを利用して、プレイングカードに関連付けられたRFIDタグをスキャンする。いくつかの実施形態では、プレイングカードは、本明細書に記載のように、RFIDタグを含むスリーブにすでに挿入されていてもよい。他の実施形態では、システムは、RFIDタグを含むスリーブにプレイングカードを自動的に挿入する機構を含み得る。さらに他の実施形態では、プレイングカード自体が、それに埋め込まれたまたは取り付けられたRFIDタグを有し得る。
【0086】
プロセス800は、次に決定ブロック812に進み、そこで、RFIDタグが検出されたかどうかの判定を行う。様々な実施形態では、既知のまたは予想されるタグ値がスキャン中に取得された場合、RFIDタグが検出される。RFIDタグが検出された場合、プロセス800はブロック814に流れる。それ以外の場合、プロセス800はブロック816に流れる。
【0087】
ブロック814において、スキャン中に取得されたRFIDタグ値をプレイングカードに関連付ける。様々な実施形態では、ブロック814は、図4のブロック408の実施形態を使用して、識別されたカードとRFIDタグ値との間のカードマッピングを生成することができる。ブロック814の後、プロセス800はブロック816に続く。
【0088】
様々な実施形態では、プロセス800のRFIDスキャン機能は、任意選択的であり得、実行されなくてもよい。したがって、ブロック810、決定ブロック812、およびブロック814は、任意選択的であり得、実行されなくてもよく、プロセス800は、ブロック808からブロック816に流れることができる。少なくとも1つのそのような実施形態では、プロセス800を実行するコンピューティングシステムは、RFIDリーダを含まなくてもよい。
【0089】
ブロック816において、プレイングカードのアイデンティティをカードリストに記憶する。このカードリストは、識別されたカードのスタック内のすべてのプレイングカードの集約リストである。いくつかの実施形態では、RFIDタグ値がカードに関連付けられている場合、この関連付けまたはマッピングも、図4のブロック410と同様に、カードリスト内にプレイングカードのアイデンティティとともに記憶される。
【0090】
プロセス800は、次にブロック818に続き、そこで、プレイングカードを新しいスタック内に位置決めする。様々な実施形態では、アーム、延長部材、パドル、ホイール、または他の機械的手段などの第2の機構が、プレイングカードをカメラの前から新しいスタックの場所に移動させる。少なくとも1つの実施形態では、第2の機構は、吸引または機械的ファインダを使用することなどによって、カメラの前からプレイングカードを拾い上げることができる。次に、第2の機構は、プレイングカードを新しいスタックに移動させ、新しいスタック上でプレイングカードを解放する場合がある。いくつかの実施形態では、第1の機構がプレイングカードをカメラの前に保持し、プレイングカードを解放しない場合、第2の機構は第1の機構であってもよく、その場合、第1の機構は、プレイングカードを解放する前にプレイングカードを新しいスタックに移動させる。
【0091】
プロセス800は決定ブロック820に進み、そこで、プレイングカードのスタック内に別のプレイングカードがあるかどうかを判定する。いくつかの実施形態では、プレイングカードのスタックは、60または100など、既知の数のカードを含み得る。コンピューティングシステムは、識別された各プレイングカードのカウンタを維持し、カウンタが既知の数のプレイングカードに達すると停止することができる。他の実施形態では、センサを利用して、プレイングカードのスタックが空であるときを判定することができる。
【0092】
スタック内に別のプレイングカードがある場合、プロセス800はブロック802にループして、スタックから次のプレイングカードを取り除く。それ以外の場合、プロセス800は終了するか、またはさもなければ呼び出しプロセスに戻る。いくつかの実施形態では、プロセス800は、例えば、ディスプレイデバイス、プリンタデバイスを介して、または別のデータベースもしくはコンピューティングシステムに、識別されたプレイングカードの集約リストを出力することができる(図示せず)。プロセス800は、カードトーナメントにおいて利用して、各プレイヤーのデッキ内にあるプレイングカードのリストを作成でき、カードショップがプレイヤーのコレクション内にあるすべてのプレイングカードを識別するために使用できる、など。
【0093】
いくつかの実施形態では、上で考察されるプロセスによって提供される機能は、より多くのプロセスに分割されるか、またはより少ないプロセスに統合されるなど、代替の方法で提供され得ることが理解されるであろう。同様に、いくつかの実施形態では、図示されたプロセスは、説明されているものよりも多いまたは少ない機能を提供し得る。さらに、様々な動作が、特定の方法または順序で(例えば、直列もしくは並列に、または同期もしくは非同期で)実行されるように示されていることがあるが、動作は、他の実施形態では他の順序または方法で実行されてもよい。例えば、図8のプロセス800に関して、第1のプレイングカードの画像は、ブロック806において、ブロック802において第2のプレイングカードがスタックから取り出されることと並行してキャプチャされてもよい。したがって、前述のプロセスおよび方法の実施形態は、図4図8に示されていない追加の行為を含み得、図408に示される行為のすべてを含まない場合があり、図408に示される行為を様々な順序で実行し得、行為を組み合わせ得、および様々な点で変更され得る。
【0094】
図9は、本明細書に記載の実施形態を実装するためのコンピューティングシステムの一実装形態を説明するシステム図を示す。システム900は、コンピューティングデバイス104、RFIDリーダ110、およびカメラ114を含む。
【0095】
本明細書で説明するように、コンピューティングデバイス104は、画像データおよびRFIDタグ値を受信して、複数のカードスリーブペアの各々についてプレイングカードおよびスリーブをマッピングし(または、プレイングカードを、取り付けられたRFITタグ値にマッピングし)、ならびにカードゲームのプレイを監視して、RFIDタグ値および対応するマッピング情報に基づいて、どのプレイングカードがプレイヤーの手札に引かれたか、プレイされたか、またはさもなければ捨てられたかを判定するための、本明細書で説明する機能を実行することができるコンピューティングデバイスである。したがって、本明細書に記載の様々な実施形態は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらのいくつかの組み合わせで実装されることができる。コンピューティングデバイス104は、メモリ904、1つ以上のプロセッサ922、ディスプレイ924、入力/出力(I/O)インターフェース926、他のコンピュータ可読媒体928、ネットワークインターフェース930、および他の構成要素932を含む。
【0096】
プロセッサ922は、本明細書に記載の少なくともいくつかの実施形態を含むアクションを実行するためのコンピュータ命令を実行する1つ以上の処理デバイスを含む。様々な実施形態では、プロセッサ922は、1つ以上の中央処理ユニット(「CPU」)、プログラマブル論理、または他の処理回路を含むことができる。
【0097】
メモリ904は、1つ以上の様々なタイプの不揮発性および/または揮発性記憶技術を含むことができる。メモリ904の例は、これらに限定されるものではないが、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、光学ドライブ、ソリッドステートドライブ、様々なタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、様々なタイプの読み取り専用メモリ(ROM)、他のコンピュータ可読記憶媒体(プロセッサ可読記憶媒体とも称される)、または他のメモリ技術、またはそれらの任意の組み合わせを含む。メモリ904は、本明細書に記載の少なくともいくつかの実施形態を含むアクションを実行するためにプロセッサ922によって利用されるコンピュータ可読命令を含む、情報を記憶するために利用できる。
【0098】
メモリ904は、カードマッピングモジュール908およびカード追跡モジュール910など、様々なモジュールをこのメモリ上に記憶することができる。カードマッピングモジュール908は、本明細書で説明するように、カメラ114からプレイングカードの画像を受信し、RFIDリーダ110からRFIDタグ値を受信し、カードのアイデンティティとRFIDタグ値との間のマッピングを生成する機能を提供する。様々な実施形態では、カードマッピングモジュールはまた、本明細書に記載されるように、画像認識技術を実行して、キャプチャされた画像からプレイングカードを識別するための画像処理および分析機能を含む。カード追跡モジュール910は、本明細書に記載されるように、カメラ114からのプレイングカードの画像、およびRFIDリーダ110からのRFIDタグ値に基づいて、カードゲームのプレイ中にプレイングカードを追跡する機能を提供する。いくつかの実施形態では、カード追跡モジュール910は、どのカードがプレイヤーの手札の中にあるか、どのカードがプレイされたかなどに基づいて、カードゲームのプレイに関する統計情報を生成する。
【0099】
メモリ904はまた、他のプログラム918および他のコンテンツ920を記憶することができる。他のプログラム918は、オペレーティングシステム、ユーザアプリケーション、または他のコンピュータプログラムを含むことができる。コンテンツ920は、本明細書で説明されるように、1つ以上のカードスリーブペアまたは1つ以上のカードタグペアまたは1つ以上のカードデッキについてのマッピング情報を含むことができる。
【0100】
ディスプレイ924は、カード追跡モジュール910によって生成されたような統計情報をユーザに対してレンダリングすることができるディスプレイデバイスである。ディスプレイ924は、液晶ディスプレイ、発光ダイオード、または他のタイプのディスプレイデバイスであってもよく、ユーザの手、スタイラス、または他の物体からの入力を受信することができるタッチセンシティブスクリーンを含むことができる。
【0101】
I/Oインターフェース926は、RFIDリーダ110、カメラ114、または様々な他の入力もしくは出力デバイスのためのインターフェース、例えば、オーディオインターフェース、他のビデオインターフェース、USBインターフェース、物理的ボタン、キーボードなどを含むことができる。
【0102】
他のコンピュータ可読媒体928は、リムーバブルフラッシュドライブ、外部ハードドライブなど、他のタイプの固定またはリムーバブルコンピュータ可読媒体を含むことができる。
【0103】
ネットワークインターフェース930は、通信ネットワーク(図示せず)を介して他のコンピューティングデバイスと通信するように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス104は、リモートサーバと通信して、サーバに、画像からプレイングカードを識別するために本明細書に記載の画像認識機能を実行させることができる。ネットワークインターフェース930は、1つ以上の有線または無線通信ネットワークを介してデータを送受信するための送信機および受信機(図示せず)を含む。
【0104】
コンピューティングデバイス104はまた、RFIDリーダ110およびカメラ114と通信している。RFIDリーダ110は、RFID送信機146およびRFID受信機148を含む。本明細書に記載され、カードマッピングモジュール908およびカード追跡モジュール910によって利用されるように、RFID送信機は、問い合わせ信号を送信し、RFID受信機148は、問い合わせ信号に応答して送信されたRFIDタグ値を受信する。カメラ114は、カードマッピングモジュール908、およびいくつかの実施形態ではカード追跡モジュール910によって利用されるプレイングカードの1つ以上の画像をキャプチャするように構成される。図9は、単一のRFIDリーダ110および単一のカメラ114を示しているが、実施形態はそのように限定されない。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス104は、複数のRFIDリーダ110、複数のカメラ114、またはそれらの何らかの組み合わせと通信している場合がある。
【0105】
上記の様々な実施形態を組み合わせて、さらなる実施形態を提供することができる。上記の詳細な説明に照らして、これらおよび他の変更を実施形態に加えることができる。概して、以下の特許請求の範囲で使用される用語は、特許請求の範囲を明細書および特許請求の範囲に開示された特定の実施形態に限定するものと解釈されるべきではなく、権利が付与されるこれらの特許請求の範囲と均等なすべての範囲とともに、すべての可能な実施形態を含むものと解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示によって限定されない。
【0106】
本出願は、2019年4月4日に出願された米国仮出願第62/829,442号の優先権の利益を主張し、その全体をここに引用することにより本明細書の一部をなすものとする。

図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2021-12-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
無線周波数識別(RFID)タグリーダと、
RFIDタグが取り付けられた複数のプレイングカードスリーブと、
個別スリーブそれぞれの中に1つのカードを有する複数のプレイングカードと、
複数のプレイングカードの画像をキャプチャするカメラと、
コンピューティングデバイスと、を備え、該コンピューティングデバイスが、
カードと該カードのスリーブとのペアを複数含むプレイングカードのデッキのためのコンピューティング命令およびカードデッキマッピング情報を記憶するメモリと、
プロセッサと、を含み、該プロセッサが、前記コンピュータ命令を実行して、
前記カメラを介して、前記複数のプレイングカードのうちの第1のプレイングカードの第1の画像を前記複数のプレイングカードスリーブのうちの第1のスリーブに挿入されている前記第1のプレイングカードに関連させてキャプチャして、ゲームをプレイする前に前記プレイングカードデッキ内の前記複数のカードスリーブペアのうちの第1のカードスリーブペアを作ることと、
前記RFIDタグリーダを介して、前記第1のスリーブに取り付けられた第1のRFIDタグから第1の無線周波数識別タグ値をキャプチャすることと、
前記第1の画像に基づいて前記第1のプレイングカードの識別を判定することと、
前記第1のプレイングカードの前記識別と前記第1のスリーブの前記第1の無線周波数識別タグ値との間の前記第1のカードスリーブペアの第1のマッピングを生成することと、
前記第1のマッピングを前記メモリ内の前記カードデッキマッピング情報に記憶することと、を行う、システム。
【請求項2】
前記コンピューティングデバイスの前記プロセッサが、前記コンピュータ命令をさらに実行して、
前記カメラを介して、前記複数のプレイングカードのうちの第2のプレイングカードの第2の画像を前記複数のプレイングカードスリーブのうちの前記第2のスリーブに挿入されている前記第2のプレイングカードに関連させてキャプチャして、前記ゲームをプレイする前に前記プレイングカードデッキ内の前記複数のカードスリーブペアのうちの第2のカードスリーブペアを作ることと、
前記RFIDタグリーダを介して、前記第2のスリーブに取り付けられた第2の無線周波数識別タグから第2のRFIDタグ値をキャプチャすることと、
前記第2の画像に基づいて前記第2のプレイングカードの識別を判定することと、
前記第2のプレイングカードの前記識別と前記第2のスリーブの前記第2のRFIDタグ値との間の前記第2のカードスリーブペアの第2のマッピングを生成することと、
前記第2のマッピングを前記メモリ内の前記カードデッキマッピング情報に記憶することと、を行う、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コンピューティングデバイスの前記プロセッサが、前記コンピュータ命令をさらに実行して、
前記ゲーム中に前記RFIDタグリーダを介して、前記プレイングカードデッキ内の前記複数のカードスリーブペアからのカードスリーブペアの第1のセットに取り付けられた無線周波数識別タグの第1のセットからRFIDタグ値の第1のセットをキャプチャすることと、
前記ゲーム中における少なくとも1つのカードスリーブペアが前記プレイングカードデッキから取り除かれた後に、前記RFIDタグリーダを介して、前記プレイングカードデッキ内の前記複数のカードスリーブペアからのカードスリーブペアの第2のセットに取り付けられた無線周波数識別タグの第2のセットからRFIDタグ値の第2のセットをキャプチャすることと、
RFIDタグ値の前記第1のセットと前記第2のセットとの間の比較に基づいてRFIDタグ値の第3のセットを判定することと、
前記カードデッキマッピング情報およびRFIDタグ値の前記第3のセットに基づいて、前記少なくとも1つのカードスリーブペアの少なくとも1つのプレイングカードの識別を判定することと、を行う、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コンピューティングデバイスの前記プロセッサが、前記コンピュータ命令をさらに実行して、
前記少なくとも1つの識別されたプレイングカードに基づいて前記ゲームの戦略情報を生成する、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記コンピューティングデバイスの前記プロセッサが、前記コンピュータ命令をさらに実行して、
前記ゲーム中にプレイされたかまたは捨てられたプレイングカードの第2の画像を前記カメラを介してキャプチャすることと、
前記第2の画像に基づいて、前記プレイされたかまたは捨てられたカードを識別することと、
前記プレイされたかまたは捨てられたカードに基づいて、前記ゲームの前記戦略情報を変更することと、を行う、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記コンピューティングデバイスの前記プロセッサが、前記コンピュータ命令をさらに実行して、
前記ゲーム中にプレイされたかまたは捨てられたプレイングカードとペアになっているプレイングカードスリーブの第2のRFIDタグ値を前記RFIDタグリーダを介してキャプチャすることと、
前記第2のRFIDタグ値および前記カードデッキマッピング情報に基づいて、前記プレイされたかまたは捨てられたカードを識別することと、
前記プレイされたかまたは捨てられたカードに基づいて、前記ゲームの前記戦略情報を変更することと、を行う、請求項4または5に記載のシステム。
【請求項7】
前記RFIDタグリーダが、
前記複数のカードスリーブペアがスタックされる方向に直交して前記プレイングカードデッキ内の前記複数のカードスリーブペアにわたって問い合わせ信号を送信するように位置決めされたRFIDタグ送信機と、
前記プレイングカードデッキ内のカードスリーブペアの前記第1のセットおよび前記第2のセットに取り付けられた無線周波数識別タグの第1のセットおよび第2のセットからRFIDタグ値の前記第1のセットおよび前記第2のセットを受信するために、前記RFIDタグ送信機から物理的に分離されたRFIDタグ受信機と、を含む、請求項3~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
方法であって、
カードゲームをプレイする前に、複数のプレイングカードのうちのプレイングカードを複数のスリーブのうちの個別スリーブに挿入して、デッキ内に複数のカードスリーブペアを作成することと、
前記複数のプレイングカードのうちの個別プレイングカードそれぞれの画像を前記複数のスリーブのうちの前記個別スリーブに挿入されている前記個別カードに関連させてキャプチャすることと、
前記複数のプレイングカードのうちの個別カードそれぞれの識別を前記個別カードの前記画像に基づいて判定することと、
個別スリーブそれぞれに取り付けられた個別RFIDタグそれぞれのRFIDタグ値を前記個別スリーブに挿入されている個別カードに関連させ前記個別カードの前記識別に基づいて変更することと、
少なくとも1つのカードスリーブペアが前記デッキから取り除かれる前に、前記デッキ内の前記カードの変更されたRFIDタグ値の第1のセットをキャプチャすることと、
前記デッキから少なくとも1つのカードスリーブペアを取り除くことと、
前記カードゲームの前記プレイ中における少なくとも1つのカードスリーブペアが前記デッキから取り除かれた後に、前記デッキ内の前記カードの変更されたRFIDタグ値の第2のセットをキャプチャすることと、
変更されたRFIDタグ値の前記第1のセット内にあるが変更されたRFIDタグ値の前記第2のセット内にはない少なくとも1つの変更されたRFIDタグ値に基づいて、前記デッキから取り除かれた少なくとも1つのカードの識別を判定することと、
前記少なくとも1つの識別されたカードに基づいて前記ゲームの戦略情報を生成することと、
前記カードゲームの前記プレイ中にプレイされるカードの第2の画像をキャプチャすることと、
前記第2の画像に基づいて、前記プレイされたカードを識別することと、
前記プレイされたカードに基づいて、前記カードゲームの前記戦略情報を変更することと、を含む、方法。
【請求項9】
前記カードゲームの前記プレイ中に捨てられるカードとペアになっているプレイングカードスリーブの変更されたRFIDタグ値をキャプチャすることと、
前記変更されたRFIDタグ値に基づいて、前記捨てられたカードを識別することと、
前記捨てられたカードに基づいて、前記カードゲームの前記戦略情報を変更することと、をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
変更されたRFIDタグ値の前記第1のセットおよび前記第2のセットをキャプチャすることが、
RFIDタグ送信機を介して、前記複数のカードスリーブペアにわたって問い合わせ信号を送信することと、
前記RFIDタグ送信機から物理的に分離されたRFIDタグ受信機を介して、カードスリーブペアの前記第1のセットおよび前記第2のセットに取り付けられたRFIDタグの第1のセットおよび第2のセットから、変更されたRFIDタグ値の前記第1のセットおよび前記第2のセットを受信することと、を含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
コンピューティングデバイスであって、
コンピューティング命令、および複数の無線周波数識別タグの各々における個別無線周波数識別(RFID)タグ値を複数のプレイングカードのうちの関連するプレイングカードにマッピングするカードデッキマッピング情報を記憶するメモリと、
プロセッサと、を備え、前記プロセッサが、前記コンピュータ命令を実行して、
前記複数のカードのうちのカードの第1のセットに関連付けられた前記複数の無線周波数識別タグのうちの無線周波数識別タグの第1のセットから、RFIDタグ値の第1のセットを取得することと、
カードの前記第1のセットから少なくとも1つのカード取り除かれることに応じて、前記複数のカードのうちのカードの第2のセットに関連付けられた前記複数の無線周波数識別タグのうちの無線周波数識別タグの第2のセットから、RFIDタグ値の第2のセットを取得することと、
RFIDタグ値の前記第1のセットと前記第2のセットとの間の比較に基づいてRFIDタグ値の第3のセットを判定することと、
前記カードデッキマッピング情報に基づいて、RFIDタグ値の前記第3のセットに関連付けられた少なくとも1つのカードの識別を判定することと、を行う、コンピューティングデバイス。
【請求項12】
前記プロセッサが、前記コンピュータ命令をさらに実行して、
前記複数のカードのうちの第1のカードの第1の画像を第1のスリーブに挿入されている第1のカードに関連させて取得して、第1のカードスリーブペアを作ることと、
前記第1のスリーブに取り付けられた第1の無線周波数識別タグから第1のRFIDタグ値を取得することと、
前記第1の画像に基づいて前記第1のプレイングカードの識別を判定することと、
前記第1のカードの前記識別と前記第1のスリーブの前記第1のRFIDタグ値との間の前記第1のカードスリーブペアの第1のマッピングを生成することと、
前記第1のマッピングを前記メモリ内の前記カードデッキマッピング情報に記憶することと、を行う、請求項11に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項13】
前記プロセッサが、前記コンピュータ命令をさらに実行して、
複数のカードのうちの個別カードそれぞれの画像を複数のカードスリーブのうちの個別スリーブに挿入されている前記個別カードに関連させて取得することと、
個別スリーブそれぞれに取り付けられた個別無線周波数識別タグそれぞれから、個別スリーブに挿入されている前記個別カードに関連させてRFIDタグ値を取得することと、
前記複数のカードのうちの個別カードそれぞれの識別を前記個別カードの前記画像に基づいて判定することと、
個別カードそれぞれの前記識別と前記個別スリーブの前記RFIDタグ値との間のマッピングを含むように前記カードデッキマッピング情報を生成することと、を行う、請求項11または12に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項14】
前記プロセッサが、前記コンピュータ命令をさらに実行して、
カードゲームのプレイ中にプレイされたかまたは捨てられたカードの画像を取得することと、
前記画像に基づいて、前記プレイされたかまたは捨てられたカードを識別することと、
前記プレイされたかまたは捨てられたカードに基づいて、前記カードゲームの戦略情報を生成することと、を行う、請求項11~13のいずれか一項に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項15】
前記プロセッサが、前記コンピュータ命令をさらに実行して、
カードゲームのプレイ中にプレイされたかまたは捨てられたカードに関連付けられた無線周波数識別タグからRFIDタグ値を取得することと、
前記RFIDタグ値および前記カードデッキマッピング情報に基づいて、前記プレイされたかまたは捨てられたカードを識別することと、
前記プレイされたかまたは捨てられたカードに基づいて、前記カードゲームの戦略情報を生成することと、を行う、請求項11~14のいずれか一項に記載のコンピューティングデバイス。
【国際調査報告】