(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-27
(54)【発明の名称】ハニカム状蓄電セルレセプタクル、二次電池パックおよび二次電池パックの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/213 20210101AFI20220520BHJP
H01M 50/503 20210101ALI20220520BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20220520BHJP
H01M 50/512 20210101ALI20220520BHJP
H01M 50/516 20210101ALI20220520BHJP
H01M 50/227 20210101ALI20220520BHJP
H01M 50/505 20210101ALI20220520BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20220520BHJP
【FI】
H01M50/213
H01M50/503
H01M50/249
H01M50/512
H01M50/516
H01M50/227
H01M50/505
H01M50/548 201
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560497
(86)(22)【出願日】2020-03-30
(85)【翻訳文提出日】2021-12-01
(86)【国際出願番号】 EP2020058999
(87)【国際公開番号】W WO2020201229
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】102019108453.9
(32)【優先日】2019-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521441526
【氏名又は名称】シュトーバ エー-ズュステーム ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】STOBA E-SYSTEMS GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】ブレンナー,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】グラウアー,マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】セリック,ニキツァ
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA07
5H040AA19
5H040AS07
5H040AT01
5H040AY10
5H040CC13
5H040CC34
5H040DD03
5H040DD13
5H040DD24
5H040JJ03
5H040JJ05
5H040LL06
5H043AA03
5H043AA13
5H043AA16
5H043BA11
5H043CA03
5H043FA05
5H043FA23
5H043HA02F
5H043HA04F
5H043HA11F
5H043JA02F
(57)【要約】
本発明は、複数の蓄電セル(2)を固定および/または接触させるための自動車用蓄電セルレセプタクル(1)であって、蓄電セル(2)が間に保持される2つの受容器(3)を有するものに関するものであり、蓄電セル(2)はそれぞれプラス極とマイナス極の接触要素を持ち、受容器(3)はそれぞれ、少なくとも1つのキャリアプレート(4)と少なくとも1つのコンタクトプレート(5)を有しており、また、キャリアプレート(4)とコンタクトプレート(5)との両方が、複数の蓄電セル(2)を受け入れるためのハニカム状の構造を有している。さらに本発明は、自動車用蓄電セルレセプタクル(1)を有する二次電池パック(15)、および二次電池パック(15)の製造方法に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蓄電セル(2)を固定および/または接触させるためのものであり、
前記蓄電セル(2)がその間に保持される2つの受容器(3)を備え、
前記蓄電セル(2)がそれぞれプラス極およびマイナス極の接触要素を有し、
前記受容器(3)がそれぞれ少なくとも1つのキャリアプレート(4)および、少なくとも1つのキャリアプレート(4)にフォームフィットまたはフォースフィットの方法でクランプされる、電気的接触のための少なくとも1つのコンタクトプレート(5)を有し、
前記キャリアプレート(4)および前記コンタクトプレート(5)の両方が、複数の前記蓄電セル(2)を受容するためのハニカム状の構造を有している自動車用蓄電セルレセプタクル(1)であって、
前記キャリアプレート(4)には、外側に六角形に形成された部分レセプタクル(6)が相互に連結されており、
前記コンタクトプレート(5)は、相互に連結されたフレーム(9)を有しており、各フレームは内側と外側とにおいて六角形に形成されていることを特徴とする自動車用蓄電セルレセプタクル(1)。
【請求項2】
前記キャリアプレート(4)は、複数の前記蓄電セル(2)を受容するための支持体として設けられており、プレート状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の自動車用蓄電セルレセプタクル(1)。
【請求項3】
前記コンタクトプレート(5)は、複数の前記蓄電セル(2)に接触するために設けられ、プレート状に形成されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の自動車用蓄電セルレセプタクル。
【請求項4】
少なくとも1つの前記コンタクトプレート(5)が、蓄電セルとの電気的に接触するコンタクトクロスピース(8)を有することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の自動車用蓄電セルレセプタクル(1)。
【請求項5】
複数の前記蓄電セル(2)の前記プラス極の接触要素は、第1のコンタクトプレート(5)に接合または縫製に類似した工程によって接続され、
複数の前記蓄電セル(2)の前記マイナス極の接触要素は、第2のコンタクトプレート(5)に接合または縫製に類似した工程によって接続されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の自動車用蓄電セルレセプタクル(1)。
【請求項6】
前記第1のコンタクトプレート(5)は、前記第2のコンタクトプレート(5)に対向して配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の自動車用蓄電セルレセプタクル(1)。
【請求項7】
請求項5または6に記載の自動車用蓄電セルレセプタクル(1)を含む二次電池パック(15)であって、
前記第1および第2のコンタクトプレート(5)がそれぞれ、2つの前記受容器(3)およびその間に配置された複数の前記蓄電セル(2)からなる前記二次電池パック(15)の上側および下側の外側を形成することを特徴とする二次電池パック(15)。
【請求項8】
前記コンタクトプレート(5)のコンタクトクロスピース(8)の中心に中心孔(13)が配置されており、前記コンタクトクロスピース(8)は、前記二次電池パック(15)が完成したときに、複数の前記蓄電セル(2)の1つの前記接触要素が係合して電気的な接触を確立するような寸法になっていることを特徴とする、請求項7に記載の二次電池パック(15)。
【請求項9】
少なくとも1つの前記キャリアプレート(4)が射出成形または圧縮成形により形成され、
少なくとも1つの前記コンタクトプレート(5)がスタンピングまたはフォーミングにより形成され、
前記キャリアプレート(4)および前記コンタクトプレート(5)の両方が、複数の前記蓄電セル(2)を受容するためのハニカム状の構造によって形成されていることを特徴とする、請求項7または8に記載の二次電池パック(15)の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の蓄電セルを固定および/または接触させるための蓄電セルレセプタクル、蓄電セルレセプタクルを備える二次電池パック、および二次電池パックの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
二次電池パックは、すでに先行技術で知られている。例えば、独国実用新案第202014008335号明細書は、電気自動車用の二次電池パックを開示しており、二次電池モジュールがベースプレート上に配置され、より大きなサブユニット、特に二次電池サブモジュールを形成するために接続することができる同一の基本的な二次電池モジュールから構成されており、ベースプレートと二次電池モジュールとの間および二次電池モジュールの反対側に難燃性材料の層が設けられている。
【0003】
これまでのホルダは、硬いグリッド構造で、通常はフォーミング工程で製造されており、最小単位では柔軟性がなかった。これらのバリエーションは、通常、フォームフィットまたはフォースフィット方法でコンタクトプレートに接続され、「+」側と「-」側とはその後、ハウジングに固定される。これらのソリューションは、公差の制御性には優れているが、その柔軟性には大きな制限がある。
【0004】
さらに、ホルダはプラグイン方式で多様なデザインが提供されており、自由度の高いものとなっている。しかし、ここでは発生した公差の累積を制御することが非常に難しく、また、「+」側と「-」側とにおける適度な固定性に関連した接触は、やや劣ると評価されている。
【0005】
要約すると、先行技術における設計は、一方では柔軟性、特に外部輪郭において柔軟性が与えられておらず、他方では二次電池セルの接触と保持とが、程度の強くない固定性でしか実現されていないという点で不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、先行技術の欠点を解消するか、少なくとも軽減することができる蓄電セルレセプタクルを提供することである。そこで、二次電池セルを確実に保持および接触させることができる柔軟なデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、本発明によるデバイスにおいて、複数の蓄電セルを固定および/または接触させるための蓄電セルレセプタクルが、蓄電セルが挟持される2つの受容器で構成され、蓄電セルがそれぞれプラス極およびマイナス極の接触要素を有し、受容器がそれぞれ、少なくとも1つのキャリアプレート/セルホルダ/キャリア構造および少なくとも1つのコンタクトプレートを有し、キャリアプレート/セルホルダおよびコンタクトプレートの両方が、複数の蓄電セルを受容するためのハニカム状構造を有する/構成している点で解決される。
【発明の効果】
【0008】
このように、本発明は、保持要素と接触要素とを「+」側と「-」側とから接続するための全く異なるソリューションを用いて、二次電池セルの保持と接触とのための非常に柔軟で持続可能な方法を提供する。当該配置は、蓄電セルをハニカム状に配置したことに相当するのだが、設置スペースを有効活用できる利点がある。しかし、このような配置でも、個々の蓄電セルの間に十分なスペースがあり、例えば、流体を使ってセルを冷却することができる。
【0009】
さらに、この汎用デバイスは、セルの配列の定義を低コストで製造できるという利点がある。
【0010】
有利な実施形態は、従属請求項に記載されており、以下でより詳細に説明する。
【0011】
例えば、キャリアプレートが、外側に六角形に形成された相互に連結された部分レセプタクルを有し、各部分レセプタクルが、蓄電セルをフォースフィットおよび/またはフォームフィット方法で保持するように寸法決めされた内側の輪郭を有する場合、実用的である。言い換えれば、個別に形成された六角形の部分レセプタクルが互いに隣接して配置され、それにより、ハニカム構造を持つ、好ましくは閉じた平らなキャリアプレートが形成されることを意味する。
【0012】
さらに、少なくとも1つ以上の部分レセプタクルが、少なくとも1つ以上の同様の部分レセプタクルと外側で接続されていると有利である。この場合、部分レセプタクルの周壁は、隣接する部分レセプタクルの周壁と接触する。これにより、省スペース設計を実現している。
【0013】
部分レセプタクルが、蓄電セルのための少なくとも1つの軸方向位置制限デバイスを有し、このデバイスは、蓄電セルがキャリアプレートに挿入された状態で、蓄電セルの表面に接触するように配向されているか、または蓄電セルの表面に隣接して配置されていると好ましい。
【0014】
さらに、蓄電セルが部分レセプタクルの周壁内に配置されている場合、2つの対向する軸方向位置制限デバイスが蓄電セル上に到達すると実用的である。言い換えれば、軸方向位置制限デバイスは、軸方向に受容されるべき電池の位置を規定する。
【0015】
そのため、各軸方向位置制限デバイスがフック状、ラグ状、ブーメラン状の形状であれば実用的である。言い換えれば、各軸方向位置制限デバイスは、部分レセプタクルの内側に突出した、好ましくは等しい長さの2つの脚部を有し、これらの脚部は、六角形の側縁に平行なさらなる脚部に接続されている。
【0016】
さらに、コンタクトプレートが、内側と外側とが六角形に形成され、互いに一体的に接続されているか、あるいは別個の構造体として互いに取り付けられている多数のフレームを有している場合には、さらなる利点が得られる。コンタクトプレートの形成されたフレームが、キャリアプレートの部分レセプタクルに形状とサイズとで対応していると好ましい。
【0017】
特に、六角形に形成されたフレームの対向する2つの角の間に、ウェブ状の接続部としてコンタクトクロスピースが形成されていれば実用的である。特に、コンタクトクロスピースは、一方では、蓄電セルとの電気的接触として機能し、他方では、このようにして形成されたコンタクトクロスピースがその六角形の形状を持つフレームに安定性を与えるという利点がある。
【0018】
部分レセプタクルの軸方向位置制限デバイスが集まって、軸方向コンタクトプレートの六角形に形成されたフレームのコンタクトクロスピースによって正確に覆われるかまたは満たされるようにそれらの間の距離領域を定義するのが好ましい。言い換えれば、コンタクトクロスピースの幅は、巻き戻された軸方向位置制限デバイスの長さの5分の1より小さい。
【0019】
さらに、軸方向に測定されたコンタクトクロスピースの厚さが、軸方向に測定された軸方向位置制限デバイスの厚さに、好ましくは正確に対応していると有利である。また、すべてのコンタクトクロスピースが互いに平行に形成されていると実用的である。
【0020】
また、キャリアプレートは、複数の蓄電セルを受容するための支持体として設けられ、好ましくはプラスチック射出成形や圧縮成形によって板状に形成されていれば実用的である。言い換えれば、このハニカム状構造体をベースにして支持体の形状を開発し、それをプラスチック射出成形や圧縮成形などの方法で板状に製造する。キャリアプレートは、導電性を持たないようにするため、また、ハニカム状の構造および関連する支持形状と組み合わせて十分な支持機能を提供するために、好ましくはプラスチック製であることがここでは有利である。
【0021】
コンタクトプレートは、複数の蓄電セルを電気的に接触させるために設けられており、好ましくはスタンピングまたはフォーミングによって板状に形成されていると好ましい。言い換えれば、板状であるキャリアプレートに合わせて、例えばスタンピングやフォーミングの工程で製造される。
【0022】
少なくとも1つのコンタクトプレートが、少なくとも1つのキャリアプレートとフォームフィットまたはフォースフィット方法でクランプされていれば実用的である。言い換えれば、一方のコンタクトプレートとキャリアプレートとは、後続のアプリケーション/用途の要件に応じて、ステータまたはロータの巻線ヘッドの縫製/バンデージ処理と同様の工程で、フォームフィット方法でクランプされるか、または代替的に互いにフォースフィットされることを意味する。
【0023】
本出願における縫製/バンデージ処理とは、繊維分野で一般的に知られている縫製/バンデージ処理に似た方法で、少なくとも1つのコンタクトプレートを少なくとも1つのキャリアプレートに接合する工程と理解される。この工程は、同じ種類または異なる種類の材料を縫い目を介して接合することを表しており、縫い目の接合は非常に安定し且つ弾力性があると考えられているという利点がある。
【0024】
さらに、少なくとも1つのコンタクトプレートと少なくとも1つのキャリアプレートとの複合体が、ハニカム状構造に沿った形状とサイズとを、好ましくは柔軟に、意図された使用に対応する形状とサイズとに適合させるように構成されていると有利である。言い換えれば、キャリアプレート/支持体プレートとコンタクトプレートとの複合体は、接合後、ハニカム構造に沿って剪断や鋸引き工程で、順番に非常に柔軟に成形され、その後の使用目的に合った形状になるということである。言い換えれば、本体の幾何学的なデザインは、後に剪断および/または鋸引きで蓄電セルの束を柔軟に成形するために最適化することができる。したがって、接触要素/蓄電セルの極とコンタクトプレートとを互いに接触させることができる。
【0025】
さらに、複数の蓄電セルのプラス極の接触要素が、接合、特に溶接、またはステータまたはロータの巻線ヘッドの縫製/バンデージ処理に類似した工程によって第1のコンタクトプレートに接続され、複数の蓄電セルのマイナス極の接触要素が、接合、特に溶接、またはステータまたはロータの巻線ヘッドの縫製/バンデージ処理に類似した工程によって第2のコンタクトプレートに接続されると好ましい。言い換えれば、受容される個々の蓄電セルの「+」側と「-」側とは、極/接触要素とコンタクトプレートとの溶接などの接合、または縫製に類似した工程のいずれかによって接続することができる。
【0026】
そのためには、第1のコンタクトプレートが第2のコンタクトプレートに対向して配置されていると実用的である。
【0027】
さらに、本発明は、第1および第2のコンタクトプレートがそれぞれ、2つの受容器とその間に配置された複数の蓄電セルとを含む二次電池パックの上側および下側の外面を形成している、先行する局面の1つによる蓄電セルレセプタクルを含む二次電池パックまたはそれぞれ「InED二次電池パック」にも関する。このように、二次電池パックは、第1のボトムコンタクトプレート、第1のキャリアプレート、複数の蓄電セル、そして第2のキャリアプレート、そして第2のトップコンタクトプレートの順に構成される。
【0028】
二次電池パックが完成したときに、複数の蓄電セルの1つの接触要素が係合して電気的な接触を確立するような寸法のコンタクトクロスピースの中心に、中心孔が、好ましくは、フォームフィットおよび/またはフォースフィット方法で配置されていると有利である。これは、蓄電セルが、各蓄電セルの接触要素/極の係合を介して、それぞれの中心孔によって決められた位置に対応し、それに応じて固定されるように適合されるという利点がある。
【0029】
軸方向に測定された蓄電セルレセプタクルの厚さの半分が、軸方向に測定された蓄電セルの厚さまたはそれぞれの高さの3分の1より小さいことが好ましい。
【0030】
要約すると、好ましくは強化プラスチック製の六角形のグリッド構造は、複数の円筒形蓄電セル、特に18650または21700と、蓄電セルとそれぞれのプラス極またはマイナス極との共通接続部としての、関連する幾何学的に類似した/同一の、導電性のコンタクトプレートとを、フォースフィットおよびフォームフィットさせて受容したり、それぞれ固定したりするために使用される。
【0031】
このように、モジュール化された相互接続可能なコンセプトにより、蓄電セルレセプタクル、またはセルホルダやセルユニットの外側の幾何学的な輪郭、またはそれぞれの外形に高い柔軟性を持たせることができる。キャリアプレートとコンタクトプレートとの基本的な形状がほぼ統一されているため、製造が簡単でコスト効率が高いことに加え、蓄電セルを同じ向きにまとめることで、極性が反転しない配置になっている。
【0032】
本発明はまた、二次電池パックに関して先行する側面に従った二次電池パックを製造する方法であって、少なくとも1つのキャリアプレートが射出成形、好ましくはプラスチック射出成形、または圧縮成形され、少なくとも1つのコンタクトプレートがスタンピングまたはフォーミングされ、キャリアプレートおよびコンタクトプレートの両方が、複数の蓄電セルを受容するためのハニカム状構造によって形成される方法に関するものである。
【0033】
これは、このような形状の最適化と工程の適応とにより、部品の持続性を高め、適切な極/接触要素の接触による蓄電セルレセプタクルの組み立てを可能にするという利点がある。
【0034】
このように、本発明は、後続の蓄電セルの束の形成において高い柔軟性を提供すると同時に、すべての空間方向の公差を非常によく制御する。さらに、形状が最適化されているため、基本構成要素の標準化が可能である。これにより、バリューチェーン内でのコストを削減できるという利点がある。
【0035】
以下、本発明を図面を用いて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】蓄電セルレセプタクルの受容器の模式図である。
【
図2】キャリアプレートの部分レセプタクルを示す模式図である。
【
図3】蓄電セルの接触要素に接触するためのコンタクトプレートのフレームの模式図である。
【
図4】受容器の1つのキャリアプレートの模式図である。
【
図5】受容器の1つのコンタクトプレートの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図は本質的には単なる模式図であり、本発明を理解する目的でのみ使用される。同一の要素には同一の参照符号が付与される。
【0038】
複数の蓄電セル2を固定および/または接触させるための自動車用蓄電セルレセプタクル1は、2つの受容器3を有する。
図1は、本開示による蓄電セルレセプタクル1の、そのような受容器3の模式図である。このような受容器3は、それぞれキャリアプレート4とコンタクトプレート5とを有している。
図1に見られるように、キャリアプレート4とコンタクトプレート5との両方は、複数の蓄電セル2を受容するためのハニカム状の構造を有している。
【0039】
図1では、キャリアプレート4にコンタクトプレート5が取り付けられていることがわかる。さらに、コンタクトプレート5の構造/形状およびサイズは、キャリアプレート4の構造/形状およびサイズに適合している。
図2を参照して以下に詳述するように、キャリアプレート4の部分レセプタクル6には、2つの軸方向位置制限デバイス7が形成されている。部分レセプタクル6のこれらの軸方向位置制限デバイス7の間には、
図3を参照してより詳述するように、コンタクトプレート5の六角形に形成されたフレーム9のコンタクトクロスピース8が横たわっている。
【0040】
図1に示すように、コンタクトプレート5の軸方向の厚さは、キャリアプレート4の厚さの約10分の1である。
【0041】
図2は、本開示によるキャリアプレート4の部分レセプタクル6を示す模式図である。六角形の部分レセプタクル6のそれぞれは、6つの側縁を有しており、これを以下、周壁10と呼ぶ。また、周壁10の外周側は、プレート状のキャリアプレート4を形成するように並ぶよう構成されている。
【0042】
部分レセプタクル6の数に応じて定義された部分レセプタクル6上に横たわる多くのフレーム9と組み合わされる、定義された多くの部分レセプタクル6は、互いに接触され、これにより2つの受容器3のうちの1つが形成される。
【0043】
2つの対向する周壁10のそれぞれに、軸方向位置制限デバイス7が取り付けられている。軸方向位置制限デバイス7は、ラグのようなデザインをしている。幾何学的には、軸方向位置制限デバイス7のそれぞれは、第1および第2の脚部11を有し、これらの脚部は、好ましくは等しい長さ/サイズであり、好ましくは六角形の部分レセプタクル6の角点から始まり、所定の、好ましくは同一の角度でそれぞれの部分レセプタクル6の内部に突出している。第1および第2の脚部11は、部分レセプタクル6の周壁10を介して片側で接続されており、対応する周壁10と平行に並んだ第3の脚部12が設けられている。
【0044】
さらに、
図2によれば、部分レセプタクル6の外部輪郭のみが六角形の形状を有し、部分レセプタクル6の内部輪郭が、受容する蓄電セル2の形状/幾何学的形状に対応する形状/幾何学的形状を有することを特徴とする。好ましくは、円筒形の蓄電セル2、好ましくは電池または二次電池が受容され、したがって、部分レセプタクル6の内部輪郭は好ましくは円形である。
【0045】
図3は、本開示による蓄電セル2の接触要素に接触するためのコンタクトプレート5のフレーム9の模式図である。コンタクトクロスピース8は、六角形のフレーム9の角部からその反対側の角部まで延びている。好ましくは、フレーム9のコンタクトクロスピース8は、フレーム9の全幅の3分の1を占めるような最大幅を有している。
【0046】
各フレーム9の中心には、中心孔13が設けられている。中心孔13は、コンタクトクロスピース8に設けられ、対応する蓄電セル2の接触要素を受け入れる役割を果たす。このような接触要素(図示せず)は、蓄電セル2の表側に、1つはプラス極として、もう一つはマイナス極として形成される。さらに、中心孔13は、対応する蓄電セル2を特定の位置に配置するために使用される。コンタクトクロスピース8は、それと接触していない2つのサイドフレームエッジ14と平行に配されている。
【0047】
図4は、本開示による受容器3の1つのキャリアプレート4の模式図である。キャリアプレート4には、外側に六角形に形成された部分レセプタクル6が相互に連結されている(
図2に示す)。少なくとも1つ以上の部分レセプタクル6が、少なくとも1つ以上の同様の部分レセプタクル6と外側で接続されている。軸方向位置制限デバイス7は、
図4に従って、各部分レセプタクル6において同じ方向に向けられている。このように、連結された部分レセプタクル6の全ての第3の脚部12は、互いに平行に配置/方向付けられている。
【0048】
図5は、本開示による受容器3の1つのコンタクトプレート5の模式図である。コンタクトプレート5は、六角形に形成された内および外フレーム9(
図3に示す)を相互に連結している。フレーム9の配置は、部分レセプタクル6の配置に対応している。すべての相互に連結されたフレーム9のコンタクトクロスピース8は、互いに平行に向けられている。
【0049】
図6は、本開示による二次電池パック15の模式図である。二次電池パック15は、コンタクトプレート5によって形成される上面を有している。第1のコンタクトプレート5は、第1のキャリアプレート4の上に載っているか、または第1のキャリアプレート4に固定されている。第1のキャリアプレート4の部分レセプタクル6は、蓄電セル2を受容する。蓄電セル2の位置は、部分レセプタクル6によって決定され、軸方向位置制限デバイス7によって軸方向に制限される。蓄電セル2の接触要素/極(図示せず)は、トップコンタクトプレート5のそれぞれのコンタクトクロスピース8に設けられたそれぞれの中心孔13に係合し、電気的に接続されている。
【0050】
二次電池パック15の下面にも同様の配置がなされている。したがって、二次電池パック15の下面には、キャリアプレート4に接触させるコンタクトプレート5が設けられており、キャリアプレート4は、蓄電セル2の他方の面を順に受容している。したがって、すべての蓄電セル2は、その「-」側が二次電池パック15の下側にあり、その「+」側が二次電池パック15の上側にあるか、あるいはその逆である。
【0051】
図6に示すように、個々の蓄電セル2は、専らコンタクトプレート5とキャリアプレート4とを介して互いに接続されている。空気スロットは、2つの受容器3の間に位置する蓄電セル2の領域において、蓄電セル2の間に設けられている。このようにして、蓄電セル2の空気の流れの形での冷却を提供したり、過熱を防止したりすることができる。
【符号の説明】
【0052】
1 蓄電セルレセプタクル
2 蓄電セル
3 受容器
4 キャリアプレート
5 コンタクトプレート
6 部分レセプタクル
7 軸方向位置制御装置
8 コンタクトクロスピース
9 フレーム
10 周縁
11 第1および第2の脚部
12 第3の脚部
13 中心孔
14 サイドフレームエッジ
15 二次電池パック
【手続補正書】
【提出日】2021-12-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蓄電セ
ルを固定および/または接触させるためのものであり、
前記蓄電セ
ルがその間に保持される2つの受容
器を備え、
前記蓄電セ
ルがそれぞれプラス極およびマイナス極の接触要素を有し、
前記受容
器がそれぞれ少なくとも1つのキャリアプレー
トおよび、少なくとも1つのキャリアプレー
トにフォームフィットまたはフォースフィットの方法でクランプされる、電気的接触のための少なくとも1つのコンタクトプレー
トを有し、
前記キャリアプレー
トおよび前記コンタクトプレー
トの両方が、複数の前記蓄電セ
ルを受容するためのハニカム状の構造を有している自動車用蓄電セルレセプタク
ルであって、
前記キャリアプレー
トには、外側に六角形に形成された部分レセプタク
ルが相互に連結されており、
前記コンタクトプレー
トは、相互に連結されたフレー
ムを有しており、各フレームは内側と外側とにおいて六角形に形成されていることを特徴とする自動車用蓄電セルレセプタク
ル。
【請求項2】
前記キャリアプレー
トは、複数の前記蓄電セ
ルを受容するための支持体として設けられており、プレート状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の自動車用蓄電セルレセプタク
ル。
【請求項3】
前記コンタクトプレー
トは、複数の前記蓄電セ
ルに接触するために設けられ、プレート状に形成されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の自動車用蓄電セルレセプタクル。
【請求項4】
少なくとも1つの前記コンタクトプレー
トが、蓄電セルとの電気的に接触するコンタクトクロスピー
スを有することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の自動車用蓄電セルレセプタク
ル。
【請求項5】
複数の前記蓄電セ
ルの前記プラス極の接触要素は、第1のコンタクトプレート
に接合または縫製に類似した工程によって接続され、
複数の前記蓄電セ
ルの前記マイナス極の接触要素は、第2のコンタクトプレー
トに接合または縫製に類似した工程によって接続されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の自動車用蓄電セルレセプタク
ル。
【請求項6】
前記第1のコンタクトプレー
トは、前記第2のコンタクトプレー
トに対向して配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の自動車用蓄電セルレセプタク
ル。
【請求項7】
請求項5または6に記載の自動車用蓄電セルレセプタク
ルを含む二次電池パッ
クであって、
前記第1および第2のコンタクトプレー
トがそれぞれ、2つの前記受容
器およびその間に配置された複数の前記蓄電セ
ルからなる前記二次電池パッ
クの上側および下側の外側を形成することを特徴とする二次電池パッ
ク。
【請求項8】
前記コンタクトプレー
トのコンタクトクロスピー
スの中心に中心
孔が配置されており、前記コンタクトクロスピー
スは、前記二次電池パッ
クが完成したときに、複数の前記蓄電セ
ルの1つの前記接触要素が係合して電気的な接触を確立するような寸法になっていることを特徴とする、請求項7に記載の二次電池パッ
ク。
【請求項9】
少なくとも1つの前記キャリアプレー
トが射出成形または圧縮成形により形成され、
少なくとも1つの前記コンタクトプレー
トがスタンピングまたはフォーミングにより形成され、
前記キャリアプレー
トおよび前記コンタクトプレー
トの両方が、複数の前記蓄電セ
ルを受容するためのハニカム状の構造によって形成されていることを特徴とする、請求項7または8に記載の二次電池パッ
クの製造方法。
【国際調査報告】