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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-30
(54)【発明の名称】健康モニタリングシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20220523BHJP
   A61B 5/1455 20060101ALI20220523BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20220523BHJP
   A61B 5/282 20210101ALI20220523BHJP
   A61B 5/332 20210101ALI20220523BHJP
   A61B 5/257 20210101ALI20220523BHJP
   A61B 5/304 20210101ALI20220523BHJP
【FI】
A61B5/00 102A
A61B5/1455
A61B5/02 310A
A61B5/282
A61B5/332
A61B5/257
A61B5/304
A61B5/02 350
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021543312
(86)(22)【出願日】2020-01-24
(85)【翻訳文提出日】2021-09-21
(86)【国際出願番号】 US2020015099
(87)【国際公開番号】W WO2020154697
(87)【国際公開日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】62/797,197
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.WINDOWS
(71)【出願人】
【識別番号】521325581
【氏名又は名称】アールディーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ゴルダ,ジョージ ステファン
(72)【発明者】
【氏名】モイヤー,ダニエル ヴァン ザント
(72)【発明者】
【氏名】マリオット,マーク ピー.
(72)【発明者】
【氏名】エルター,サム
(72)【発明者】
【氏名】オーネイル,ブルース
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ジョージ イー.
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
4C117
4C127
【Fターム(参考)】
4C017AA02
4C017AA09
4C017AA12
4C017AA19
4C017AB04
4C017AC15
4C017AC26
4C017AC30
4C017AC35
4C017BB12
4C017BC11
4C038KK01
4C038KL05
4C038KL07
4C038KX01
4C117XA05
4C117XB02
4C117XC11
4C117XD21
4C117XE13
4C117XE14
4C117XE17
4C117XE24
4C117XE30
4C117XE37
4C117XE54
4C117XH02
4C127AA02
4C127BB03
4C127EE01
4C127FF02
4C127LL04
(57)【要約】
健康信号を受信する及び/又は健康モニタリングのための少なくとも1つの電極及び/又はセンサを有するモニタリングシステム、方法、及び/又はデバイスを含む、健康モニタリングにおけるノイズを低減するためのシステム、方法、及びデバイス。
【選択図】図1D

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の方法、デバイス、及び/又はシステム。
【請求項2】
健康モニタリングのためにその上に接着剤が配置されるように構成された音声センサ又はマイクロフォンのうちの1つ又は複数を使用する、システム又はデバイス又は方法。
【請求項3】
健康モニタリングのために患者に接着剤を配置することを含む、その上に接着剤が配置されるように構成された音声センサ又はマイクロフォンのうちの1つ又は複数を使用する、システム又はデバイス又は方法。
【請求項4】
その上に配置されるように構成された接着剤、及び
健康モニタリングのためにその上に交換可能に配置されるように構成された接着剤、
のうちの一方又は両方を有する、請求項1~請求項3のいずれかに記載の健康モニタリングのための音声センサ又はマイクロフォンのうちの1つ又は複数。
【請求項5】
取り外し可能な剥離ライナを含む、健康モニタリングのためにその上に交換可能に配置されるように構成された接着剤を有するように構成された音声センサ又はマイクロフォンのうちの1つ又は複数、及び
2つの取り外し可能な剥離ライナを含む、健康モニタリングのためにその上に交換可能に配置されるように構成された接着剤を有するように構成された音声センサ又はマイクロフォンのうちの1つ又は複数、
のうちの一方又は両方をさらに含む、請求項1~請求項4のいずれかに記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項6】
前記接着剤が、ウェアラブル健康モニタリングデバイス上に配置されるように構成される、請求項1~請求項5のいずれかに記載の健康モニタリングのための方法、デバイス、又はシステム。
【請求項7】
前記音声センサ又はマイクロフォンのうちの1つ又は複数に前記接着剤を適用するために剥離ライナを除去すること、及び
ユーザの皮膚に前記接着剤を適用するために第2の剥離ライナを除去すること、
のうちの一方又は両方をさらに含む、請求項6に記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項8】
音を収集するための方法、デバイス、又はシステムの使用をさらに含む、請求項1~請求項7のいずれかに記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項9】
前記音を収集することが、心拍音を収集することを含む、請求項8に記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項10】
酸素濃度を求めるために音の使用を含む、請求項1~請求項9のいずれかに記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項11】
第1のライナを除去すること、
前記接着剤を音声センサ又はマイクロフォンのうちの1つ又は複数に適用すること、及び
前記接着剤を患者に適用すること、
をさらに含む、請求項10に記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項12】
ノイズを低減すること、
ノイズを排除すること、
音声センサ又はマイクロフォンのうちの1つ又は複数と被検者の皮膚の移動又は他の相互作用の影響を低減すること、及び
ノイズ障害の少ない関心ある音信号を受信すること、
のうちの1つ又は複数をさらに含む、請求項11に記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項13】
健康モニタリングのための回路基板のスタック、回路基板のフレキシブルなスタック、少なくとも1つのフレキシブル回路基板と少なくとも1つの比較的剛性の回路基板とを含む回路基板のフレキシブルなスタックのうちの1つ又は複数を使用する、システム又はデバイス又は方法。
【請求項14】
健康モニタリングのためにその上に接着剤が配置されるように構成された健康モニタリングのための回路基板のスタック、回路基板のフレキシブルなスタック、少なくとも1つのフレキシブル回路基板と少なくとも1つの比較的剛性の回路基板とを含む回路基板のフレキシブルなスタックのうちの1つ又は複数を使用する、システム又はデバイス又は方法。
【請求項15】
健康モニタリングのために患者に接着剤を配置することを含む、その上に接着剤が配置されるように構成された、回路基板のスタック、回路基板のフレキシブルなスタック、少なくとも1つのフレキシブル回路基板と少なくとも1つの比較的剛性の回路基板とを含む回路基板のフレキシブルなスタックのうちの1つ又は複数を使用する、システム又はデバイス又は方法。
【請求項16】
その上に配置されるように構成された接着剤、及び
健康モニタリングのためにその上に交換可能に配置されるように構成された接着剤、
のうちの一方又は両方を有する、請求項1~請求項15のいずれかに記載の健康モニタリングのための回路基板のスタック、回路基板のフレキシブルなスタック、少なくとも1つのフレキシブル回路基板と少なくとも1つの比較的剛性の回路基板とを含む回路基板のフレキシブルなスタックのうちの1つ又は複数。
【請求項17】
取り外し可能な剥離ライナを含む、健康モニタリングのためにその上に交換可能に配置されるように構成された接着剤を有するように構成された、回路基板のスタック、回路基板のフレキシブルなスタック、少なくとも1つのフレキシブル回路基板と少なくとも1つの比較的剛性の回路基板とを含む回路基板のフレキシブルなスタックのうちの1つ又は複数、及び
2つの取り外し可能な剥離ライナを含む、健康モニタリングのためにその上に交換可能に配置されるように構成された接着剤を有するように構成された、回路基板のスタック、回路基板のフレキシブルなスタック、少なくとも1つのフレキシブル回路基板と少なくとも1つの比較的剛性の回路基板とを含む回路基板のフレキシブルなスタックのうちの1つ又は複数、
のうちの一方又は両方をさらに含む、請求項1~請求項16のいずれかに記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項18】
前記接着剤が、ウェアラブル健康モニタリングデバイス上に配置されるように構成される、請求項1~請求項17のいずれかに記載の健康モニタリングのための方法、デバイス、又はシステム。
【請求項19】
音を収集するための方法、デバイス、又はシステムの使用をさらに含む、請求項1~請求項18のいずれかに記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項20】
前記音を収集することが、心拍音を収集することを含む、請求項19に記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項21】
酸素濃度を求めるために音の使用を含む、請求項1~請求項20のいずれかに記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項22】
ノイズを低減すること、
ノイズを排除すること、
音声センサ又はマイクロフォンのうちの1つ又は複数と被検者の皮膚の移動又は他の相互作用の影響を低減すること、及び
ノイズ障害の少ない関心ある音信号を受信すること、
のうちの1つ又は複数をさらに含む、請求項21に記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項23】
健康モニタリングのための回路基板のスタック、回路基板のフレキシブルなスタック、少なくとも1つのフレキシブル回路基板と少なくとも1つの比較的剛性の回路基板とを含む回路基板のフレキシブルなスタックのうちの1つ又は複数に関する方法、デバイス、又はシステムであって、
前記回路基板のスタックが、ユーザに取り付けられる少なくとも第1の基板と、コネクタを介して前記第1の基板に接続される第2の基板を含む、
方法、デバイス、又はシステム。
【請求項24】
前記第1の基板の上に少なくとも1つの回路コンポーネントが配置される、請求項23に記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項25】
前記第2の基板の上に少なくとも1つの回路コンポーネントが配置される、請求項23又は請求項24に記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項26】
前記コネクタが、前記第1及び第2の基板の一方又は他方の移動に適応するべく移動可能である、請求項23、請求項24、又は請求項25に記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項27】
前記コネクタが、前記第1及び第2の基板の一方又は他方の移動に適応するべく回転移動可能である、請求項23~請求項26のいずれかに記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項28】
前記コネクタが、前記第1及び第2の基板の一方又は他方の移動に適応するべく回転移動可能であり、前記コネクタが、電気通信を維持する限界を超えた許容できない移動を制限するために耳部を有する、請求項23~請求項27のいずれかに記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項29】
前記第1の基板の上に少なくとも1つの回路コンポーネントが配置され、この第1の基板コンポーネントは非センサコンポーネントである、及び
前記第2の基板の上に少なくとも1つの回路コンポーネントが配置され、この第2の基板コンポーネントはセンサコンポーネントである、
のうちの少なくとも1つである、請求項23~請求項28のいずれかに記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項30】
前記第1の回路基板は、フレキシブル回路基板である、及び
前記第2の回路基板は、比較的剛性の回路基板である、
のうちの少なくとも1つである、請求項23~請求項29のいずれかに記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項31】
前記第2の回路基板は、その上面に少なくとも1つの回路コンポーネントを有する、
前記第2の回路基板は、その底面に少なくとも1つの回路コンポーネントを有する、及び
前記第2の回路基板は、その上面に少なくとも1つの回路コンポーネントを有し、且つその底面に少なくとも1つの回路コンポーネントを有する、
のうちの少なくとも1つである、請求項30に記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項32】
前記第1の回路基板は、フレキシブルな屈曲のためにその上面に少なくとも1つのギャップ又はヒンジを有する、請求項31に記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項33】
前記第1の回路基板は、健康モニタリングのためにその底面に少なくとも1つの温度センサ及び音声センサ、光学センサ、及び電極を有する、請求項23~請求項32のいずれかに記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項34】
前記第1の回路基板には、ユーザへの取り付けのためにその底面に少なくとも1つの接着層が取り付けられている、請求項33に記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項35】
前記接着層が、フレキシブルな屈曲のために内部にギャップ又はヒンジを有する、請求項34に記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項36】
前記第1の層は、前記コネクタに隣接して比較的剛性であり、前記コネクタは電気又はデータ接続性を維持する、請求項23~請求項35のいずれかに記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項37】
前記第2の層の上に配置され、第2のコネクタによって前記第2の層に接続される、第3の層をさらに有する、請求項36に記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項38】
前記第3の層が、
通信デバイス、及び
アンテナ、
のうちの1つ又は複数を含む、請求項37に記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項39】
前記第3の層は、フレキシブル回路基板である、及び
前記第2のコネクタは、可動コネクタである、
のうちの一方又は両方である、請求項38に記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項40】
フレキシブルカバーをさらに備える、前記請求項のいずれかに記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項41】
前記フレキシブルカバーは、医療用のシリコーンでできている、
前記フレキシブルカバーは、屈曲のためにプリーツ又は屈曲部を有する、
前記フレキシブルカバーは、前記第1の層のギャップ又はヒンジ及び/又は前記接着層のギャップ又はヒンジに隣接してプリーツ又は屈曲部を有する、
のうちの1つ又は複数である、請求項40に記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項42】
バッテリを受け入れるように適合されたバッテリケージをさらに備える、請求項41に記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項43】
直接放出又は反射の一方又は両方によりユーザの皮膚に光を放出すること、及び
直接収集又は反射の一方又は両方により光を収集すること、
のうちの1つ又は複数をさらに含み、
前記反射は障壁又は外部障壁で反射する、
前記請求項のいずれかに記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項44】
前記請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、又はシステムと、1つ以上の光源又はLED及びその内部に配置された障壁を有するライトパイプを使用する、酸素濃度を求める方法。
【請求項45】
赤色、赤外(IR)、緑色、又は波長の重み付された組み合わせのうちの1つ又は複数を使用する、前記請求項のいずれかに記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項46】
前記透過性材料は、エポキシである、
前記障壁は、金属又はプラスチックの一方又は他方である、
前記障壁は、使用される1つ又は複数の光の波長に対して不透明又は拡散反射のいずれか又は両方である、
前記透過性材料は、実質的に平坦な表面を有する、
薄い接着剤が、皮膚に接着するために前記透過性材料の表面に適用される、
前記薄い接着剤は、前記透過性材料と同様の屈折率を有する、及び/又は
前記透過性材料と皮膚、光源、及びセンサのうちの1つ又は複数との間に空隙がほとんど又はまったくない、
のうちの1つ又は複数である、前記請求項のいずれかに記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項47】
前記請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、又はシステムと、1つ以上の中央に配置された光源又はLED及びその内部に配置された障壁を有するライトパイプを使用する、酸素濃度を求める方法。
【請求項48】
前記1つ以上の光源又はLEDが、前記光源から放出された反射光を感知するために1つ以上のセンサ又はフォトダイオードに対して中央に配置される、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
前記1つ以上のセンサ又はフォトダイオードが、前記光源又はLEDに対して周辺に配置される、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
2つの光源又はLEDが、2つ以上のセンサに対して中央に配置される、
4つの光源又はLEDが、2つ以上のセンサに対して中央に配置される、及び
4つの光源又はLEDが、4つ以上のセンサに対して中央に配置される、
のうちの1つ又は複数であり、
前記障壁が、前記センサと前記光源又はLEDとの間に配置される、
前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
生理学的パラメータをモニタリングするために被検者の皮膚に接着するように適合され、
基板と、
前記基板に接続される導電性センサ、及び
前記基板に接続される1つ以上のパルスオキシメトリセンサ、1つ以上の波長の1つ以上の光源又はLED、及びそれらの間に配置される障壁の組み合わせ、
のうちの一方又は両方と、
を備える、前記請求項のいずれかに記載の生理学的パラメータをモニタリングするためのデバイス。
【請求項52】
前記1つ以上の光源又はLEDが、前記センサに対して中央に配置される、請求項51に記載のデバイス。
【請求項53】
前記1つ以上のパルスオキシメトリセンサ及び/又は光源又はLEDが、局所的なモーションアーチファクトの影響を減らすために毛細血管床への集中した又は制御されたインテロゲーションを提供する、請求項51又は請求項52に記載の又は請求項1~請求項50に記載の方法、デバイス、又はシステムのいずれかを含むデバイス。
【請求項54】
前記請求項のいずれかに記載のデバイス、システム、又は方法を使用して、1つ以上の中央に配置される光源又はLEDを使用して酸素濃度を求める方法。
【請求項55】
前記1つ以上の中央に配置される光源又はLEDが、前記光源から放出された反射光を感知するために1つ以上のセンサ又はフォトダイオードに対して中央に配置される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記1つ以上のセンサ又はフォトダイオードが、前記光源又はLEDに対して周辺に配置される、請求項54又は請求項55に記載の方法。
【請求項57】
赤色、赤外(IR)、緑色、又は波長の重み付された組み合わせを使用する、請求項54~請求項56に記載の方法。
【請求項58】
2つの光源又はLEDが、2つ以上のセンサに対して中央に配置される、
4つの光源又はLEDが、2つ以上のセンサに対して中央に配置される、及び
4つの光源又はLEDが、4つ以上のセンサに対して中央に配置される、
のうちの1つ又は複数である、請求項54~請求項57に記載の方法。
【請求項59】
生理学的パラメータをモニタリングするために被検者の皮膚に接着するように適合され、
基板と、
前記基板に接続される導電性センサ、及び
前記基板に接続される1つ以上のパルスオキシメトリセンサ及び前記センサに対して中央に配置される1つ以上の波長の1つ以上の光源又はLEDの組み合わせ、
のうちの一方又は両方と、
を備える、前記請求項のいずれかに記載の生理学的パラメータをモニタリングするためのデバイス。
【請求項60】
前記1つ以上のパルスオキシメトリセンサ及び/又は光源又はLEDが、局所的なモーションアーチファクトの影響を減らすために毛細血管床のより広い領域のインテロゲーションを提供する、請求項59に記載の又は請求項54~請求項58に記載の方法のいずれかを含むデバイス。
【請求項61】
生理学的パラメータをモニタリングするために被検者の皮膚に接着するように適合され、
基板と、
前記基板に接続される導電性センサ、及び
相関二重サンプリング技術を使用して、周辺光によって引き起こされる異常を低減するための回路、
のうちの一方又は両方と、
を備え、前記回路が、
1つ以上の光センサと、
前記センサに対して中央に配置される、1つ以上の波長の1つ以上の光源又はLEDと、
第1及び第2のスイッチと、
第1及び第2のコンデンサと、
を備え、前記第1のコンデンサは前記光センサと直列であり、前記第2のコンデンサは前記出力と並列であり、前記第1及び第2のスイッチは、グランドへの出力又はシャントを交互に提供するべく前記出力とグランドとの間に配置される、
請求項54~請求項60のいずれかに記載の生理学的パラメータをモニタリングするためのデバイス。
【請求項62】
前記デバイス、システム、又は方法が、生理学的パラメータをモニタリングするために被検者の皮膚に接着するように適合され、前記デバイスが、
基板と、
前記基板に接続される導電性センサ、及び
相関二重サンプリング技術を使用して、周辺光によって引き起こされる異常を低減するための回路、
のうちの一方又は両方と、
を備え、前記回路が、
1つ以上の光センサと、
1つ以上の波長の1つ以上の光源又はLEDと、
前記1つ以上の光センサと前記1つ以上の光源又はLEDとの間に配置された障壁と、
第1及び第2のスイッチと、
第1及び第2のコンデンサと、
を備え、前記第1のコンデンサは前記光センサと直列であり、前記第2のコンデンサは前記出力と並列であり、前記第1及び第2のスイッチは、グランドへの出力又はシャントを交互に提供するべく前記出力とグランドとの間に配置される、
請求項1~請求項61のいずれかに記載の生理学的パラメータをモニタリングするためのデバイス、システム、又は方法。
【請求項63】
前記1つ以上の光源が、前記センサに対して中央に配置されている、請求項61又は請求項62に記載のデバイス、システム、又は方法。
【請求項64】
他の回路素子と並列に抵抗をさらに含む、請求項61、請求項62、又は請求項63のいずれかに記載のデバイス、システム、又は方法。
【請求項65】
前記第1のコンデンサがC1であり、前記第2のコンデンサがC2であり、前記第1のスイッチがS1であり、前記第2のスイッチがS2であり、
光源がオフにされ、スイッチS1が閉じられ、スイッチS2が開かれ、ノイズ信号に比例した電荷がC1に蓄積され、次いで、スイッチS1が開かれるとき、C1の電圧はノイズ信号電圧に等しく、
次に、前記光信号を測定することができ、スイッチS2が閉じられ、電荷がC1からC2に直列に流れ、次いで、S2が開かれ、プロセス全体が繰り返されるときの次の測定サイクルまで電圧がC2に保持され、
C1がC2よりもかなり大きい場合、ほぼすべての電圧がC2に現れ、C2の電圧はノイズのない信号に等しくなり、又はそれ以外の場合、C2の電圧は、前のC2電圧(p)とノイズのない信号の線形結合:(C2s+C1p)/(C1+C2)になる、
請求項61、請求項62、請求項63、又は請求項64に記載のデバイス、システム、又は方法。
【請求項66】
前記効果が、前記信号に一次ローパスIIR離散時間フィルタを適用するものであり、又は
このフィルタリング効果が望まれない場合、各サイクルで信号が測定される前にC2の電圧がゼロに放電され、C2に保持される信号は(C2s)/(C1+C2)である、
のうちのいずれか1つである、請求項65に記載のデバイス、システム、又は方法。
【請求項67】
前記抵抗Rの代わりにトランスインピーダンス増幅器、前記光センサの代わりにフォトトランジスタ、及び前記第1及び第2のスイッチの代わりにFET、のうちの1つ又は複数が用いられ、又は前記出力の後に、追加のバッファリング段、増幅段、フィルタリング段、及び処理段のうちの1つ又は複数が後続する、請求項61~請求項66に記載のデバイス。
【請求項68】
前記方法が、
複数の心拍にわたる心電図信号を測定するステップと、
心電図信号と1つ以上のパルスオキシメトリ信号が1つ以上の心拍にわたって時間的に一致するように、複数の心拍にわたって1つ以上のパルスオキシメトリ信号を測定するステップと、
心電図信号の一部と1つ以上のパルスオキシメトリ信号を1つ以上の心拍にわたって時間的に一致する様態で比較して、1つ以上のパルスオキシメトリ信号のそれぞれの定数成分及び主要な周期的成分を決定するステップと、
1つ以上のパルスオキシメトリ信号の定数成分及び主要な周期的成分から酸素飽和度を求めるステップと、
を含む、個人の酸素飽和度を測定する請求項1~請求項67のいずれかに記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項69】
前記パルスオキシメトリ信号が、反射赤外信号及び反射赤色光信号を含む、請求項68に記載の方法、デバイス、又はシステム。
【請求項70】
前記比較するステップが、前記心電図信号の特徴に基づいて前記パルスオキシメトリ信号の間隔を定義し、複数のこのような間隔にわたる前記パルスオキシメトリ信号の値を平均することを含む、請求項68又は請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記パルスオキシメトリ信号の前記定数成分及び前記主要な周期的成分が前記平均値から決定される、請求項68~請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記心電図信号が、それぞれ前記各心拍にピーク値を有するR波信号を含み、前記間隔が、前記R波信号のピーク値に対して決定される、請求項68~請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記心電図信号及び前記パルスオキシメトリ信号が、個人の胸部位置から測定される、請求項68~請求項72に記載の方法。
【請求項74】
健康モニタリングのための少なくとも1つのセンサと、前記センサに隣接して適用された少なくとも1つの導電性部分を有する複合接着剤と、を有するウェアラブル健康モニタリングデバイスを含み、ノイズが低減された信号を受信する際の有効性が高まるような少なくとも1つのセンサの適応を含み、前記適応が凸レンズを含む、健康モニタリングにおけるノイズを低減するための請求項1~請求項73のいずれかに記載のデバイス、システム、又は方法。
【請求項75】
前記凸レンズが、装着者/ユーザの皮膚と作動的に接触して配置されるように適合される、請求項74に記載のデバイス。
【請求項76】
前記凸レンズが、装着者/ユーザの額又は胸部で又は隣接して装着者/ユーザの皮膚と作動的に接触して配置されるように適合される、請求項74~請求項75に記載のデバイス。
【請求項77】
前記凸レンズが封止材料である、請求項74~請求項76に記載のデバイス。
【請求項78】
前記凸レンズ封止材料が前記センサをカプセル化する、請求項74~請求項77に記載のデバイス。
【請求項79】
前記凸レンズ封止材料が前記センサをカプセル化し、前記センサと作動的に接触し、前記センサと前記封止材料との間に干渉空隙を許容しない、請求項74~請求項78に記載のデバイス。
【請求項80】
1つ以上のLEDをさらに備え、前記凸レンズ封止材料が前記1つ以上のLEDをカプセル化する、請求項74~請求項79に記載のデバイス。
【請求項81】
前記凸レンズ封止材料が前記1つ以上のLEDをカプセル化し、前記1つ以上のLEDのうちの少なくとも1つと作動的に接触し、前記1つ以上のLEDのうちの少なくとも1つと前記封止材料との間に干渉空隙を許容しない、請求項74~請求項80に記載のデバイス。
【請求項82】
前記凸レンズが、透明な、無色の、シリコーン、及び医療グレードのシリコーンのうちの1つ又は複数である、請求項74~請求項81に記載のデバイス。
【請求項83】
前記適応が、パルスオキシメトリのために用いられる、請求項74~請求項82に記載のデバイス。
【請求項84】
EKG、PPG、及び装着者の加速度のうちの1つ又は複数を含む1つ又は複数の機能をさらに備える、請求項74~請求項83に記載のデバイス。
【請求項85】
DRL及び/又は代理DRLの一方又は両方を含む1つ又は複数の機能をさらに備える、請求項74~請求項84に記載のデバイス。
【請求項86】
装着者の胸部又は装着者の額の上に駆動電極又は代理駆動電極をさらに備える、請求項74~請求項85に記載のデバイス。
【請求項87】
前記適応が、装着者/ユーザの皮膚との意図された作動的接触を維持するように配置及び構成される、請求項86に記載のデバイス。
【請求項88】
LED波の透過に干渉することなく装着者/ユーザの皮膚へのLED波の透過を提供する、請求項74~請求項87に記載のデバイス。
【請求項89】
LED波の透過に干渉することなく装着者/ユーザの皮膚から反射した透過光の前記センサへの受光を提供する、請求項88に記載のデバイス。
【請求項90】
実質的に透明な、実質的に無色の、実質的に軟質の、実質的に低デュロメータの、粘着性のゲルのうちの1つ又は複数である、又は両面に組み込まれた非常に粘着性の高い接着剤を有する、医療グレードのシリコーンから作製される、請求項74~請求項89に記載のデバイス。
【請求項91】
前記両面接着剤を有するシリコーンが、
電子センサ及び皮膚の一方又は両方へのレンズの適合性、又は
皮膚とレンズとセンサの境界面での移動を制限することによるモーションアーチファクト低減効果、
のうちの一方又は両方を提供する、請求項90に記載のデバイス。
【請求項92】
前記レンズが、ウェアラブル健康モニタリングデバイスの複合接着剤ストリップ層間に閉じ込められるように特別に構成され、前記レンズが前記接着剤ストリップの患者側に僅かに突き出ることを可能にする前記接着剤ストリップの長方形の開口部のサイズの隆起部分を有する、請求項90又は請求項91に記載のデバイス。
【請求項93】
装着者/ユーザの皮膚と作動的に接触するように構成され、エネルギー波の干渉のないライトパイプ透過を提供するように構成されたレンズを備える、健康センサのための、請求項1~請求項92のいずれかに記載のデバイス、システム、又は方法。
【請求項94】
請求項1~請求項93のいずれかに記載の方法、システム、又はデバイスを使用して、脈波形状を表す脈波形状テンプレート又はデータセットのうちの1つ又は複数を生成する方法であって、
緑色波長、赤色又はIRのいずれかの場合とほぼ同じ時間にわたる緑色のアンサンブル平均、赤色又はIRのいずれかの場合とほぼ同じ時間にわたる複数の波長のアンサンブル平均、又は赤色又はIRのいずれかの場合よりも大幅に長い時間にわたる複数の波長のアンサンブル平均の使用、
を含む方法。
【請求項95】
請求項1~請求項94のいずれかに記載の方法、システム、又はデバイスを使用してパルス酸素濃度を求めるための方法であって、
緑色波長、赤色又はIRのいずれかの場合とほぼ同じ時間にわたる緑色のアンサンブル平均、赤色又はIRのいずれかの場合とほぼ同じ時間にわたる複数の波長のアンサンブル平均、又は赤色又はIRのいずれかの場合よりも大幅に長い時間にわたる複数の波長のアンサンブル平均、又は任意の色の単一波長の長時間平均の使用を含む、第1の脈波形状を表す第1の脈波形状テンプレート又はデータセットのうちの1つ又は複数を生成すること、
を含む、方法。
【請求項96】
請求項1~請求項95のいずれかに記載の方法、システム、又はデバイスを使用してパルス酸素濃度を求めるための方法であって、
a)ECGを使用して、緑色又は別の波長を使用して、又は波長の重み付された組み合わせを使用して、心拍を検出することと、
b)緑色波長、赤色又はIRのいずれかの場合とほぼ同じ時間にわたる緑色のアンサンブル平均、赤色又はIRのいずれかの場合とほぼ同じ時間にわたる複数の波長のアンサンブル平均、又は赤色又はIRのいずれかの場合よりも大幅に長い時間にわたる複数の波長のアンサンブル平均、又は任意の色の単一波長の長時間平均の使用を含む、第1の脈波形状を表す第1の脈波形状テンプレート又はデータセットのうちの1つ又は複数を生成することと、
c)同じものを表す赤色脈波形状テンプレート又はデータセット及び同じものを表すIR脈波形状テンプレート又はデータセットを取得し、これらのそれぞれを上記の第1の脈波形状と比較することと、
d)線形回帰により、第1の脈波形状テンプレート又はデータセットを使用した赤色のアンサンブル平均を、第1の脈波形状又はデータセットを使用したIRのアンサンブル平均と相関することと、
を含み、これらの相関の比は酸素飽和度のAC比として用いられる、方法。
【請求項97】
緑色又は赤色又はIR以外の色が用いられる、請求項1~請求項96のいずれかに記載の方法。
【請求項98】
前記色の選択が、信号対ノイズ比及び/又は酸素化に関連する反射性のいずれかにおける最小限の効果によってのみ制限される、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
請求項1~請求項98のいずれかに記載の方法又はデバイスを用いる健康モニタリングのための方法であって、
ユーザのECG及び/又は第1のフォトプレチスモグラムPPG信号及び/又は波長の重み付けされた組み合わせのいずれか又は両方から心拍がいつ発生したかを判定することと、
第1の脈波形状テンプレート又はデータセットを生成するべく、前記第1のフォトプレチスモグラムPPG信号を時間平均することと、
拍動の位置と相関する、一方は赤色であり、他方はIRである、2つのさらなるフォトプレチスモグラム信号のそれぞれを時間平均することと、
赤色信号及びIR信号のそれぞれのアンサンブル平均を生成することと、
赤色及びIRのアンサンブル平均のそれぞれを第1の脈波形状テンプレート又はデータセットと比較することと、
第1の脈波テンプレート又はデータセットとの赤色及びIRのアンサンブル平均比較のそれぞれの線形回帰を使用して、2つの信号間の線形利得係数を求めることと、
利得係数から患者の酸素飽和度を求めることと、
を含む、方法。
【請求項100】
前記第1のPPG信号が、緑色、非赤色、非赤外、及び/又は波長の重み付けされた組み合わせのうちの1つ又は複数である、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記2つのフォトプレチスモグラム信号が、緑色信号、赤色信号、及び赤外信号のうちの1つ又は複数又はすべてを含む、請求項99~請求項100に記載の方法。
【請求項102】
第1のPPG又はECGデータを異なる光波長の1つ又は2つ以上のさらなるフォトプレチスモグラフと時間的に一致する状態で記録することと、
前記第1のPPG又はECG信号で心拍を検出することと、
これらの心拍により、2つの隣接する心拍間の時間にわたるフォトプレチスモグラムデータのフレームを定義することができ、
これらのフレームのうちの2つ以上を各時点で平均して前記時間間隔の平均フレームを作成することと、
前記フォトプレチスモグラムは心拍と相関しているため、フォトプレチスモグラフ信号はこの平均化により強化され、心拍と時間的に相関していないモーションアーチファクト又は他のノイズ源は減少し、
前記平均フレームの信号対ノイズ比を、通常、個々のフレームの信号対ノイズ比よりも高いものとして解釈することと、
線形回帰を使用して2つの平均フレーム信号間の利得を推定することと、
この利得値から、血中酸素飽和度又はヘモグロビン、二酸化炭素などの血液中に存在する他の成分のうちの1つ又は複数を推定することと、
をさらに含む、請求項1~請求項101のいずれかに記載の方法。
【請求項103】
前記動作が、血中酸素飽和度又はヘモグロビン、二酸化炭素などの血液中に存在する他の成分のうちの1つ又は複数を利得値から推定するためにさらなる光波長について繰り返される、請求項1~請求項102のいずれかに記載の方法。
【請求項104】
可能な利得値を選択することと、
前記利得値を平均フレーム信号に乗算することと、
異なる波長の平均フレームに関する残差を求めることと、
を含み、前記赤色及び赤外(IR)フレーム信号間の利得は、
緑色又は他の色のPPG信号又は赤色/IRの長時間平均のうちの1つ又は複数を生成し、
前記緑色又は他の色のPPG信号又は赤色/IRの長時間平均のうちの1つ又は複数と赤色及びIRフレーム信号を含めて2つのフレームを作成し、
最初に前記2つのフレームを平均してノイズが低減された信号を提供し、
赤色対緑色との組み合わせ又は赤色/IRの長時間平均及びIR対緑色との組み合わせ又は赤色/IRの長時間平均の線形回帰、或いは赤色対緑色又は赤色/IRの長時間平均及びIR対緑色又は赤色/IRの長時間平均の線形回帰、或いは緑色又は赤色/IRの長時間平均を赤色及びIRのそれぞれと組み合わせ、これらの結果の比を用いることによる線形回帰を行い、
次いで、前記2つの対応する結果の比を見つけること、
によって見つけられる、請求項1~請求項103のいずれかに記載の方法又はデバイスを使用する方法。
【請求項105】
呼吸深度及び/又は呼吸数を求めるための請求項104に記載の方法。
【請求項106】
呼吸数及び/又は呼吸深度を求めるために、ECGデータ、PPGデータ、パルスオキシメータデータ、及び/又は加速度計データのうちの1つ又は複数が用いられる、請求項104~請求項105のうちの一項に記載の方法。
【請求項107】
前記ECGデータ、PPGデータ、パルスオキシメータデータ、及び/又は加速度計データのうちの1つ又は複数を使用して、呼吸波形を生成すること、
を含む、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
経時的な赤色又はIR又は緑色値が用いられる、請求項104~請求項107に記載の方法。
【請求項109】
呼吸深度及び/又は呼吸数を推定するために前記フォトダイオードでIR又は赤色又は緑色反射を測定することを含む、請求項104~請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記IR又は赤色又は緑色データの曲線又は波形の最大値及び最小値の一方又は両方が、モニタリングされる個人の呼吸深度に関連した及び/又は経時的な最大値と最小値の差を表し、前記経時的な最大値と最小値の曲線から呼吸数を評価することができる、請求項104~請求項109に記載の方法。
【請求項111】
PPG信号を用いる、請求項104~請求項110に記載の方法。
【請求項112】
呼吸中に胸部が膨張及び収縮するときにその動きはPPG信号の曲がりくねったベースラインアーチファクトとして現れるPPG信号を生成することを含む、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
呼吸/呼吸信号に焦点を当てるためにPPGデータをフィルタリングすることにより呼吸信号を分離することを含む、請求項111~請求項112に記載の方法。
【請求項114】
前記PPGが胸部に取り付けられる、請求項111~請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記信号のうちの1つ又は複数が、
基板と、
前記基板に接続される導電性センサと、
両面複合接着剤と、
を有するウェアラブル健康モニタリングデバイス、
のうちの1つ又は複数から得られ、前記両面複合接着剤は、
少なくとも1つの導電性接着剤部分と、
少なくとも1つの非導電性接着剤部分と、
を有し、
前記両面複合接着剤は、前記基板及び前記導電性センサに取り付けられ、
前記少なくとも1つの導電性接着剤部分は、前記導電性センサと導電通信接触する状態で配置され、被検者から前記導電性センサへの導電信号通信のために被検者の皮膚に導電的に接着するように構成される、
請求項1~請求項114のいずれかに記載の方法を用いるデバイス。
【請求項116】
PPG及び/又は加速度計、方法のうちのいずれか1つ又は複数が、個別に又は互いに組み合わせて及び/又は上記のECGベースの呼吸推定技術と組み合わせて用いられる、請求項104~請求項115に記載の方法。
【請求項117】
複数の方法を使用すると、単一の方法に基づく推定と比較して精度が向上する、請求項104~請求項116に記載の方法。
【請求項118】
コンピュータをさらに含む、請求項117に記載のデバイスを用いるシステム。
【請求項119】
請求項117~請求項118に記載の方法を用いるデバイス。
【請求項120】
ウェアラブル健康モニタリングデバイスを用いる、請求項119に記載のデバイス。
【請求項121】
酸素飽和度を求めるためにソフトウェア及びコンピュータハードウェアを用いる、請求項104~請求項120に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0001】
ソフトウェア、電子機器、センサ技術、及び材料科学の進歩は、患者モニタリング技術に革命をもたらした。特に、多くのデバイス及びシステムが様々な健康モニタリング用途で利用できるようになっている。しかしながら、パラメータ決定のための効果的なデータ収集及び/又は操作のうちの1つ又は複数を提供する健康モニタリングデバイス及びシステムにはまだ改善が望まれる場合がある。
【0002】
そこで、場合によっては短期又は長期のデータを収集及び転送する及び/又はイベントをリアルタイムでモニタリングすることができる、場合によっては多変数パラメータの決定を含み得る、堅牢で便利なモニタリングを含むように、患者及びその医師のためのさらなる代替が開発され得る。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書で説明されるのは、場合によっては新生児、乳児、母親/親、アスリート、又は患者などの1人以上の個人の心臓及び/又は呼吸及び/又は温度及び/又は音声データの長期の感知及び/又は記録のためのパラメータ決定のためのいくつかの代替的な医療モニタリングデバイス、システム、及び/又は方法である。いくつかの代替的な実装及び用途が、本明細書の下で及び本明細書の全体を通して要約及び/又は例示される。
【0004】
1つの代替的な態様では、本発明は、健康デバイスが、限定はされないが、心電図(ECG)のイオンポテンシャルの変化を測定するための電極、及び/又は光学ベースの酸素飽和度測定のための場合によってはLEDとフォトダイオードのペアを含む1つ以上の光源と1つ以上の光検出器、及び/又は1つ以上の温度センサ、及び/又は移動及び労作測定のための1つ以上のxyz加速度計、及び/又は1つ以上の音声又は音響ピックアップ又はセンサ又はマイクロフォンなどのうちの様々な1つ又は複数を含む1つ以上のセンサによって収集された時間的に一致する(time-concordant)測定値からの1人以上の個人の1つ以上の生理学的パラメータをモニタリングするように構成される実装を含み得る。一部の実装では、本発明の方法及びデバイスは、呼吸波形を生成するのに用いられ得る。他の実装は、個人に便利に接着する又は接着機能をもつ小さなフットプリントのデバイスにおけるコモンモードノイズの低減を可能にし得るDRL(driven right-leg)回路(本明細書では「代理DRL回路」と呼ばれることもある)を模擬する回路を含み得る。
【0005】
本発明の別の代替的な態様では、血圧の決定は、場合によっては脈波伝達時間の決定からなされ得る。脈波伝達時間は、心臓の圧力波が心臓から体内の他の場所に伝わるまでの時間である。次いで、脈波伝達時間の測定値を使用して血圧を推定することができる。脈波伝達時間を生成するために、ECGなどからの心拍タイミングとフォトプレチスモグラム(別名、PPG)信号を用いることができる。このような信号は、従来の又は他の開発予定のプロセス及び/又はデバイス又はシステムから生成され得る、又は、このような信号は、以下にも説明するような1つ以上のウェアラブル健康モニタリングデバイスから取得され得ることに留意されたい。
【0006】
別の代替的な態様では、本発明は、場合によっては、時間的に一致するパルスオキシメトリ信号及びECG信号から酸素飽和度パラメータを測定及び/又は決定するための1つ以上の方法及び/又はデバイスを含み得る。一部の実装では、ECG信号を使用して、そこから酸素飽和度の値が決定され得るパルスオキシメトリ信号の定数成分及び主要な周期的成分(例えば、DC及びAC成分)を決定するために収集及び平均される、パルスオキシメトリデータの間隔又は「フレーム」を定義することができる。パルスオキシメトリセンサ及びECGセンサを備えたこのような実装の患者ウェアラブルデバイスは、このような信号取得のために患者の胸に配置されたときに特に有用であり得る。
【0007】
これらの並びに他の代替的な及び/又はさらなる態様は、いくつかの図示された代替的な及び/又はさらなる実装及び用途で例示され、それらのいくつかは、図面に示され、以下の特許請求の範囲で特徴付けられる。しかしながら、当業者によって理解されるように、上記の概要及び以下の詳細な説明は、本発明の全範囲を説明するものではなく、実際、本発明の各例示された実施形態又はすべての可能な実装を説明することを意図するものではなく、本明細書の以下に記載の特許請求の範囲又は保護の範囲を限定するものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】サブパートの図1A図1Wを含み、それらによって定義される図1は、様々な等角図、上面図、及び底面図、並びにデバイス及び代替的な導電性接着剤構造の立面図を含む、本開発のいくつかの代替を示す。
図2】サブパートの図2A図2Dを含み、それらによって定義される図2は、図2A図2CでDRL回路、図2Dでパルスオキシメトリの代替的な回路図を提供する。
図3】代替的な使用方法を含むフローチャートである。
図4】本発明の実装を利用することができる例示的なコンピュータシステム又はコンピューティングリソースを示す図である。
図5】サブパートの図5A図5Dを含み、それらによって定義される図5は、本発明に係る代替的なソフトウェア実装の代替的なスクリーンショットを提供する。
図6A】パルスオキシメトリ信号及び心電図信号を使用して酸素飽和度を測定するための一実施形態の特徴を示す図である。
図6B】パルスオキシメトリ信号及び心電図信号を使用して酸素飽和度を測定するための一実施形態の特徴を示す図である。
図6C】酸素飽和度値を求めるための一実施形態のステップを示すフローチャートである。
図6D】呼吸深度値を求めるための実施形態を示す図である。
図6E】呼吸深度値を求めるための実施形態を示す図である。
図7A】本発明の代替的な方法論の流れ図である。
図7B】本発明の代替的な方法論の流れ図である。
図7C】本発明の代替的な方法論の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は様々な修正及び代替的な形態が可能であるが、本発明の詳細は、図面及び以下の説明において限定ではない例として本明細書に示されている。しかしながら、その意図は、本発明を説明された特定の実施形態に限定することではないことを理解されたい。その意図は、本明細書に記載されているか又は本明細書の文字通りの言葉又は図面を超えている場合であっても本明細書に含まれているかのように十分に理解できる本発明の精神及び範囲内にあるすべての修正、均等物、及び代替を包含することである。
【0010】
一般に、本発明に含まれるのは、オンボディの多機能のバイオメトリックセンサである。これらのデバイスは、他の可能なオプションの中でも、ECG、PPG、体温、呼吸、及び活動のうちの1つ又は複数又はすべてなどの身体機能をモニタリングする。このようなデバイスは、多くの場合、接着剤、しばしば使い捨ての接着剤で、被検者の胸骨に又はその上に又はそれに隣接して又はその近くに或いは被検者の胸に動作可能に取り付けるように構成され得る。このようなデバイスは、通常、多くの場合、これに限定されないが、ユーザに対して小型で薄く(例えば、およそ±1.5インチ×3インチ×1/4インチ又はおよそ30mm×100mm×6.3mmのオーダーであり、実際のサイズはこれに限定されないが、とりわけ、他の特徴の中でも、体のサイズ及び実際のコンポーネントの利用可能性に依存し得る)、通常、乳児から病的肥満までの幅広い被検者によって装着可能であるように構成され得る。
【0011】
一態様では、本発明のシステムは、心電図(別名、ECG又はEKG)、フォトプレチスモグラム(別名、PPG)、パルスオキシメトリ、体温、及び/又は患者の加速又は移動信号、及び/又は例えば心拍音などの音声又は音信号のうちの1つ又は複数又はすべてなどの生理学的パラメータをモニタリングするためのデバイスを含み得る。
【0012】
さらに、本発明のシステムは、以下の要素のうちのいずれか1つ又は複数を用いる又は含む患者のこのような信号を測定及び/又は処理するために確立され得る:(a)上面及び底面を有する平坦な弾性基板又は基板内に又は上に組み込まれたフレキシブル又はフレックス回路基板内又は上にある又はそれを形成するフレキシブルであり得る回路、この回路は、(i)平坦な弾性基板の底面内又は上に又はこれに隣接してマウントされた少なくとも1つのセンサのうちの1つ又は複数を有し、この少なくとも1つのセンサは、患者との電気又は光通信が可能である。一部の実装では、回路は、(ii)少なくとも1つのセンサからの信号を受信する及び/又は受け取るための、一部の実装ではこのような信号を患者データとして記憶するべく変換するための少なくとも1つの信号処理モジュール、及び/又は(iii)患者データを受信及び/又は受け取り、記憶するための少なくとも1つのメモリモジュール、及び/又は(iv)外部デバイスに記憶された又は他の方法での患者データを転送するための少なくとも1つのデータ通信モジュール、及び/又は(v)少なくとも1つのデータ通信モジュールによる患者データの転送を実施する及び少なくとも1つのメモリモジュールから患者データを消去する及び/又はワイプするコマンドを受信することができる、少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つの信号処理モジュール、少なくとも1つのメモリモジュール、少なくとも1つのデータ通信モジュール、及び/又は制御モジュールのうちの1つ又は複数のタイミング及び動作を制御するための制御モジュールを含み得る。一部の実装では、本発明のシステムは、(b)平坦な弾性基板の底面に取り外し可能に取り付けられる導電性接着剤を含むことができ、導電性接着剤は、患者又は他のユーザの皮膚に接着することができ、一部の限定ではない例では、本発明のシステムは、実質的に平坦な弾性基板の底面に垂直な方向にのみ電気信号を伝導することができ、及び/又は一部の実装では、1つ以上のセンサに隣接する導電性部分と非導電性部分を含み得る。一部の実装では、導電性接着剤は、実質的に皮膚に垂直な方向にのみ電流を伝導する(すなわち「z軸」伝導)材料の領域を備えるという点で、異方性の導電性接着剤である。
【0013】
一部の実装では、本発明のデバイスは、とりわけ、包括的な長期の心臓モニタリング用である。そのような特徴は、必ずしもそうとは限らないが、リード1 ECG、PPG、パルスオキシメータ、加速度計、温度センサ、及び/又は手動の患者イベントマーキングのためのボタン又は他のインジケータのうちのいずれか1つ又は複数を含み得る。このようなデバイスは、例えば、最大約2週間の連続データを記憶するように適合させることができ(しかし、代替的な実装ではより多く又は少なく実行可能である)、このデータは、一部の実装において、無線又は一例ではUSB又は他の許容できるデータ接続による有線であるかどうかにかかわらずコンピュータ接続を介して短時間で、一例としてわずか約90秒で(しかし、代替的な実装ではより多くの又は少ない時間で実行可能である)クリニック又は他のコンピュータにダウンロードされ得る。コンパニオンソフトウェアデータ分析パッケージは、自動化されたイベントの取り込みを提供する及び/又は即時の又は遅延したローカルデータ解釈を可能にするように適合され得る。
【0014】
断続的な心臓の異常は、通常、患者の身体検査中に発生しなければ、医師が検出及び/又は診断するのは難しい場合が多い。本発明のデバイスは、一部の実装では1つ又はいくつかのバイタルサインの連続的又は実質的に連続的なモニタリングであり得るものでこの問題に対処することができる。
【0015】
いくつかの代替的な特徴は、(i)電極が胸部にのみ配置された「DRL」回路、及び/又は(ii)電極と電極の真下の患者の皮膚との間の電気通信のみを可能にし得る「z軸」又は異方性の導電性接着剤電極インターフェース、及び/又は(iii)CCU/ICU人員がアクセスできるローカルコンピュータへのデータ送信及びローカルコンピュータによるデータ解釈、及び/又は(iv)診断を支援するために時間的に一致する複数のデータソースの相関を可能にし得るハードウェアの独自の組み合わせ、のうちの1つ又は複数を含むがこれらに限定されない。
【0016】
いくつかの代替的な限定ではない実装では、本発明のデバイス及びシステムは、1)約10~15人の患者のテストでデバイスのコストを回収することを可能にし得る再利用性(場合によっては約1000人の患者に近いか又はそれ以上)、及び/又は2)ECG波形データ、慣性運動感知、手動のイベントマーキング、体温感知、及び/又はパルスオキシメトリのうちの1つ又は複数、これらのいずれか1つ又はすべては不整脈イベントをより良好に検出及び分析するために時間的に一致する、及び/又は3)効率的な水密性又は防水性(患者/装着者がデバイスを装着しながら泳ぐことができるようにするための)、及び/又は4)通常は即時のローカルデータ解釈のための包括的な分析パッケージを提供し得る。代替的なデバイスは、フレックス回路技術を利用して、患者/装着者の移動中に患者の皮膚に適合し、それと共に移動するために、軽量の、薄い、耐久性のある、フレキシブルなデバイスを提供するように適合され得る。
【0017】
図1及び図2(それぞれのサブパートの図面によって定義される)は、そのように適合され得るデバイスの代替的な実装の例を示している。
【0018】
サブパートの図1A図1Wによって定義され、それらのすべてを含む図1は、コンポーネント側又は上側101と、患者側又は回路側102と、参照符号103で概して識別される1つ以上の内側電気層と、細長いストリップ層105とを有するデバイス100を示す。ストリップ層105は、その上及び/又はその中に電子機器を有し得る。図1Aは、いくつかの限定ではない実装において、本発明で用いられ得るいくつかの他の要素と共に実質的に透明なデバイスと考えられ得るものでこれらを等尺で示す。より具体的には、図1Bは上側101の平面図、図1Cは下側の患者側102の平面図、及び図1Dは第1の立面側面図である。
【0019】
本発明の随意的な電子機器の多くは、1つ以上の電子機器層103に配置することができ、ここで概して示すように、電子機器は、それらを細長いストリップ層105上の又は内の動作位置に固定する又は細長いストリップ層105に対して他の方法で機能的に配置するために、材料104、医療グレードのシリコーン、プラスチックなど、又はポッティング材料内にカプセル化され得る(いくつかの例については図1A図1B図1D、及び図1S参照、及び、例えばさらに後述する図1T2図1U図1U1、及び図1U2参照)。ポッティング材料又は他の材料はまた又は代替的に、多くの実装において、水又は汗の中の使用環境でも電子機器を動作させ続けるためにそれらの防水性又は水密性又は耐水性の被覆を提供し得る。1つ以上のアクセスポイント、接合部、又は他の機能ユニット106が、その中又は下に配置された電子機器への外部アクセス及び/又は通信のために、カプセル化材料104のいずれかの側部上に及び/又はそれを通して設けられ得る。図1A図1B、及び図1Dは、上側に4つのこのようなアクセス部106を示している。これらは、とりわけ、高Zデータ通信ポート及び/又は充電接点を含み得る。このデバイス100の上側又はコンポーネント側101は、いくつかの例では、例えば1つ以上のポート106を介したデータ通信又は転送のために及び/又は充電のために、HS USBコネクタのみが露出された状態で、保護及び/又は防水のためにシリコーン化合物でコーティングされ得る。
【0020】
細長いストリップ層105は、電子機器103とさらに後述する導電性パッド又は接点108、109、及び110(108及び109は、いくつかの例では、心電計、ECG、及び110のための高インピーダンス/高Z銀又は銅/銀電極は、時には参照電極である)との通信のための電気リード線又は他の内側層導体、例えば、図1Dに示されたリード107などの回路又は回路部分であり得る又はこれを含み得る。多くの実装において、ストリップ層105は、許容できる変形、ねじれ、屈曲などを提供し、それでもその中の堅牢な電気回路接続を保持すると理解される、フレックス回路であり得る又はこれを含み得る。電子機器103及び電極108、109、110は、層105に、電子機器103の場合は上部に、電極108、109、110の場合は下部又は患者側に取り付けられて示されているが、このような要素は、実際には、層105内に形成され得る又は他の方法で配置され得る、又は少なくとも、層105と共に、層105上に、又は層105に隣接する1つ以上の層の相対的な動作位置に比較的区別なく配置され得ることに留意されたい。同様に、リード又はトレース107は(図1Dの破線表現によって)埋め込まれて示されているが、これらは上側又は下側にあってもよく、しかしより好ましくは、上側は他の皮膚側の電気通信から絶縁される。最初に上側(又は下側)の場合、トレースはその後、絶縁性封止材料又は同様の保護カバー(個別に示されていない)、及び/又は多くの実装では、層105の全体又は大部分のフレキシブルな代替を維持するためにフレキシブルな材料で覆われ得る。
【0021】
本明細書で説明される機能の多くには、高度な電子機器が好ましい場合があり、実際、多くの実装は、それぞれのデバイス上の多数の機能及び/又はその組み合わせを含む場合があり、多くの場合、同じことを達成するために高度な電子機器が必要とされる場合もある。フレキシブル回路基板(別名、FCB)及び/又はフレキシブルプリント回路(別名、FPC)は、電子部品を装着すると非常に剛性が高くなることがあり、複数のコンポーネントを追加するだけでフレキシブル回路基板でさえも比較的剛性が高くなる。より大きな集積回路(IC)のはんだ付けされた接続は、多くの場合、信頼性が低いか、又はフレキシブル基板の一定の或いは顕著な撓みの下で信頼性が低いはんだ付けとなることがある。多機能のウェアラブルなバイオメトリックモニタを製造する際のこれらの可撓性及び信頼性の問題に対処するために図1E図1Nの代替的な実装、設計、及び方法が用いられ得る。
【0022】
図1A図1Dの実装(とりわけ、以下にも示され説明される)では、すべての回路がフレキシブル回路基板105に比較的直接に取り付けられて示されており、現在のフレキシブル基板ではおそらくあまり好ましくないが依然として実行可能な選択肢である。しかしながら、いくつかの代替では、被検者に面するFPCを図1A図1Dの基板105よりも比較的可撓性にするために、大きなIC及び他のコンポーネントのすべてではないにしても多くを、それにもかかわらずフレキシブル回路基板に動作可能に接続することができる別の比較的剛性の高いプリント回路基板(別名、PCB)に再配置することができる。これらは、図1E図1Nのデバイス500及び500aで示されている。
【0023】
より具体的には、サブパートの図1E図1Nは、コンポーネント側又は上側501と、患者側又は回路側502と、参照符号503で概して識別される1つ以上の電気層とをそれぞれ有するデバイス500又は代替的なデバイス500aを示す。また、その中に細長いストリップ層又は回路層505も配置される。回路層505は、その上及び/又はその中に電子機器を有することができ、例えばさらに後述するコンポーネント519を参照されたい。図1E及び図1Fは、いくつかの限定ではない実装において、本発明で用いられ得るいくつかの他の要素と共に実質的に透明又は半透明のデバイスとして示され得るものでこれらを等尺で示す。図1E及び図1Fは、著しく撓んで示されている、ここでは被検者ユーザ(ユーザ又は装着者1000は図1Fで概して識別される)で使用されているのでアーチ状に示されているフレキシブル又はフレックス回路層である第1の層503aの上に概して存在する2つ以上の層を示す。第2の又は中間回路層505は、ここでは、その上に、それに、及び/又はその中に接続された電気接続及び/又は回路コンポーネントをより容易に維持するためにアーク状又はアーチ状又は他の様態に撓むことを意図されていない比較的剛性の材料基板である。ここでは同じくフレキシブル層である随意的な第3の層503bも、ここでは回路層505の上に示されており、第3の層503bは、ここでは1つ以上のデータ通信デバイス506を介して、ここではアンテナ506を介して、データ通信機能を有する。
【0024】
デバイス500及び500aのそれぞれのバージョンの断面図がそれぞれの図1G及び図1H及び図1Iに示されている。これらはまた、上側又は外側501と、患者側502と、その中に細長いストリップ層又は回路層505を概して含む参照符号503で概して識別される1つ以上の電気層をそれぞれ有する。これらの実装では、これらの2つ以上のスタックが示されており、ここでは図のように、3つの層が積み重ねられている。接着層513が図1H及び図1Iに同様に示されているが、後述する他の動作部品を単に簡単に示す/表示するために図1Gの実装では省略されている。これらのスタックされた回路層に対して側方にあるのは、バッテリ520及びバッテリコンパートメント又はケージ520aである。他の随意的な及び/又は好ましいコンポーネントは以下でさらに探求/説明する。
【0025】
下側の被検者に面する層、ここでは層503aから多くの電気コンポーネントが除去された状態では、この層503aは極めてフレキシブルなままであり、多様な体型、サイズ及び形状、及び体の動きに適合する能力を有する。この下側層503aにはわずかなコンポーネント、通常、この実装では、実際のセンサ自体が残る。これらは、ECG電極508及び509、PPG(フォトプレチスモグラフ)デバイス/センサ511、温度センサ515、及びマイクロフォン516、例えば、ピエゾマイクロフォンである。次いで、これらのセンサによって及び/又はこれらのセンサを通じて受信された信号は、それらの間の電気通信を伴う機械的ヒンジポイントとなるように配置されたマイクロコネクタ517を通じて、「浮いている」比較的剛性のPCBである、そのすぐ上の層505に渡すことができる。一部の実装では、処理電子機器519をこの剛性のPCB505上に存在するように配置することができ、これにより、はんだの信頼性が高まり、これにより、電気通信の信頼性及び頑健性が高まり、電子及び/又は処理コンポーネント519の、PCB505に対する移動の原因がほとんどなくなる。また、ICなどの電子機器519をフレキシブル層503aから取り出すことにより、より剛性の高い層505の下に配置された被検者に面する層503a内又はそこから剛性を除去又は低減することができる。
【0026】
一部の実装では、ここに示すように、剛性の層505の上に別のフレキシブル層503bが配置され得る。いくつかの状況では、これは、前述のヒンジポイント517に隣接して配置されたマイクロ同軸コネクタ518によって層505に接続されるアンテナ506、例えば、Bluetoothアンテナであり得る。この第3の層503bは、3つの回路基板のスタック全体をフレキシブルに保つためにフレキシブルであるように構成され得る。
【0027】
他の部品の上に配置され得る及び他の部品を収容し得る外部ハウジング530が図1H及び図1Iに示されている。これは、通常、医療グレードのしなやかな又はフレキシブルなシリコーンでできていてもよく、実質的に図のような形状を提供する成形品であり得る。このようなハウジング530のプリーツ531又は折り目又はタック又はしわも示されており、このようなプリーツは、ここではデバイスの中央の近く及び/又はフレキシブル基板503aへの剛性の基板505の接続部の近くで、屈曲運動をさらに許容する。この接続領域は、以下参照の図1Iにより詳細に示され説明されており、図1Iは、図1Hの円C1Iの周りで取られた概して図1Hの拡大近似部分である。
【0028】
図1Iには、主要な基板503aが接着剤513と共に示されている。基板503aに接続されているのは、電気/データコネクタ517を介して接続された剛性の基板505である。一般的な電気コンポーネント519が基板505の両側に示されており、両側は、基板505の全体サイズ、幅、及び長さを比較的最小に保ちながら基板505の専有面積を最大限に活用するために随意的に使用可能である。これは随意的であり、一部の実装では片側のみが用いられ得る。一般的な参考のために同じく図1Iに示されているのは、とりわけ、基板503a上のセンサコンポーネント511及び515、バッテリ520、及びバッテリケージ520aである(これは図示されていない他の形態をとり得る)。第3の高さにある層503bは、アンテナ506を収容し、コネクタ518を介してPCB505に接続されるように示されている。しかしながら、図1Hで紹介したように、カバー530のプリーツ531のより詳しい図が図1Iに示されており、プリーツ531は、基板503aのより大きな撓みを可能にする。ここではまた、それぞれ基板503a及び接着剤513に形成された2つのギャップ又はヒンジ503h及び513hをよりよく見ることができ、ヒンジの各ギャップは、フレキシブルにするために配置される。単純なモデル又はビューでは、これらは、これらのポイントでの材料の欠如によって形成され得る。(本明細書で説明される実装では、接着剤は、戦略的に配置された6つの層によって形成されてもよく、相対的なギャップ/ヒンジ513hについては、6つの層のうちの1つだけ又は別の少数の層だけこのポイント513hに存在する/残ることができ、材料の削減は概念を表すことに留意されたい。)ギャップ及び接着剤は、図1Gに示された代替的な実装には図示していないことに留意されたい。
【0029】
いくつかのオプションを示す、より概略的な図である図1Jは、基板503aのギャップ/ヒンジ503hと、接着剤513のギャップ/ヒンジ513hの随意的な表現(破線)を示している。代表的なセンサ要素、ここでは温度センサ515が、基板503aに概略的に取り付けられ得るように示されている。比較的剛性の基板505が、コネクタ517を介してフレキシブル基板503aに取り付けられ得るように示されている。電気コンポーネント519が、基板505の上側/外側に示され、第2のコンポーネント519が基板505の下側に破線/随意的な表現で示されており、これは、ここではそのように示されていないが上側にあるのは下側にあるのと同様に随意的であるので、これらの接続/配置の随意性を概略的に示すためである。
【0030】
図1Kは、図1Jと異ならないが、接着剤を削除し、随意性/破線表現を削除することで、さらに概略的な表現となっている。主な観点では、図1Kの実装は、比較的撓んでいないフレキシブル回路基板503aを示している。比較すると、図1K1の実装は、基板503aが撓んだ構成で同じコンポーネントを示している。撓みの矢印は、概して動きを示している。図1K1は、コネクタ517のタイプによっては理想的ではない可能性があるものを示している。好ましくは、或る程度の回転運動を可能にし得るコネクタ517が選択されるが、好ましい実装は、517での堅牢なしっかりとした電気接続を提供する。図1K1では、一部のスペースはおそらく接続解除を実証しているように見えるかもしれないが、その意図は、可能な場合は或る程度の相対回転運動を可能にし得るがそれでもなお堅牢な電気及び/又はデータ通信接続を提供し続ける接続デバイスを示すことである。
【0031】
図1L及び図1L1に示すさらなる代替では、フレキシブル回路基板503aは、コネクタ517の下の/隣接する領域において相対的に剛性となるように配置され、この相対的剛性は、基板503aの特徴であり得るか、又はコネクタ517によってそれにもたらされ得る。いずれの場合も、この「フレキシブルなスタック-剛性のコネクタ」の実装は、図1K1の実装に対する相対的補正を提供し、これは、代わりに、コネクタの合わせ面が、撓み中に歪まないことを示す。図1L1に示すデバイスは、概して503a1及び503a3として識別される領域ではより相対的にフレキシブルであり、領域503a2ではより相対的に剛性であり得る。コネクタ自体は、この実装では、ほとんど又はまったく動きをもたない。図1K1では、コネクタ部品は僅かに歪んでいるように見えており、これは図1L1でも起こり得るがより僅かであり、多くの実装において、コネクタ517は、コネクタ内のいかなる動きも防ぐためにロックイヤーを有し、60個のピンすべてを互いに接触した状態に保つ。特定の好みを満たすことがわかっている特定のコネクタとしては、Samtech製のオスとメスの60ピンコネクタ517が挙げられる。Hiroseは、アンテナ506上/アンテナ506からコネクタ518(図1H及び図1Iの場合)への同軸コネクタの製造業者であり、基板505の両面の嵌合する同軸コネクタ518は、Amphenolから入手可能である(同じく図1H及び図1Iに示される)。
【0032】
図1I図1Lの実装に関する注記として、温度センサ515は、多くの実装において「断熱皮膚温度センサ」である場合があり、センサの位置は、スタックの剛性の部分の近くに及び/又は同様にデバイスの中央領域に、より望ましい配置を有することが見出され得る。剛性の部分の近くの位置は、最適ではないにしてもより良好な皮膚接触を提供することができ、一方、中央領域の位置は、縁からx及びy方向の最大距離を可能にし得る。接着剤スタック(本出願では断熱材として作用し得る)と組み合わせると、温度センサが迅速に皮膚と熱平衡になり、したがって、精度が向上する。
【0033】
図1M及び図1M1は、本明細書で実装され得る「フレキシブルマイクロフォン」を示す。本明細書で用いられるマイクロフォン技術は、それが受ける撓みの量に比例する振幅を有する電圧を放出する、フレキシブルピエゾストリップ516であり得る。電気接続516aによって基板503aに接続された薄膜ピエゾ516を使用することで、デバイスは2つのバンドパス(0~10Hz及び1100Hzのバンドパスを中心とする)で敏感になり得る。図1Mに示すようなピエゾ516の位置は興味深いものである。ピエゾ516は、ヒンジポイントと交差するように、基板503aの患者側に配置され得る。ピエゾの一部をフレキシブルヒンジ503hの上の領域516bに配置し、一部をあまりフレキシブルではない領域516cの上に配置することにより、マイクロフォン516は、呼吸中に発生する比較的大きな胸部運動(10Hzの範囲内)に敏感であり、超低周波数音から呼吸数を得ることができる。あまりフレキシブルでない部分の上の部分は、1100Hzの中音域の音に敏感であり、喘鳴、空気の閉塞量などの呼吸音データを生成する。ヒンジポイントは最大撓みが発生する場所であるため、患者の呼吸中に可能な最大電圧を生成する。次いで、この変調された電圧は、DSP技術を用いて処理され、患者の呼吸数及び呼吸深度の正確な測定値を提供する。
【0034】
アンテナ506の説明は、好ましくは、それがデバイス500/500aのエンベロープ内に嵌る、例えば、カスタムフィットし得るように設計され得るということである。これは最小定在波比と最大順方向電力で2.4GHzで共振し得る。これを達成するために、回路基板、シリコーンカバー530、及び接着剤513が定位置にある状態で、人体上で、その場で、活性要素の長さ、幅、及び誘電体の厚さが最適化され得る。新規な特徴は、普通は、共振周波数で等しい長さの2つの要素(1つは受動、もう1つは能動)で構築されるダイポールアンテナであり得る。このダイポールの実装は、共振周波数で活性要素を用いるが、受動要素として人体を用いる。
【0035】
図1N及び図1N1図1N6は、デバイス500又は500aなどの様々な外観を示す。図1Nは三次元の上面図であり、より具体的には、図1N1は、上側501の平面図、図1N2は下側の患者側502の平面図、図1N3は第1の立面側面図、及び図1N4は第2の立面側面図である。図1N5は正面立面図であり、図1N6は、背面立面図である。
【0036】
図1Nは、随意的な第3の電極510、電極エクステンダ504、シリコーンカバー530、プリーツ531、バッテリケージ520、及び取り外し可能なバッテリケージカバー533を含む、デバイス500又は500aなどの三次元の上面図を提供する。取り外し可能なバッテリケージカバー533は、バッテリケージ520に対して定位置に固定することができる回転可能な摩擦嵌合型の(又は代替的にバヨネット式の)キャップであり得る。一部の実装では、取り外し可能なバッテリケージカバー533は、取り外し可能なバッテリケージカバー533がバッテリケージ及びより一般的にはデバイスに対して定位置に固定されているかどうかをユーザが判断するのを助けるために基準点マーキング536と位置合わせされるロック解除インジケータ534及びロックインジケータ535を有し得る。さらに、一部の実装において、バッテリケージカバー533は、バッテリケージカバーの表面から突出するハンドル537をさらに有することができ、これは、ユーザがバッテリケージカバーを回す(ねじ込む又は緩める)及び固定するのを支援することができる。代替的に、バッテリケージカバー533はまた、ユーザがバッテリケージカバーを回す(ねじ込む又は緩める)のを支援するために、1つ以上のくぼみ538を有し得る。場合によっては、バッテリケージカバーは、外部条件からのバッテリコンパートメントの防水性を提供するために、キャップの下側の円周の周りにシリコーン、ゴム、又は他の適切な材料(図には示されていない)のシール材料を有し得る。
【0037】
図1N1は、随意的な第3の電極510、フレキシブル電極エクステンダ504、シリコーンカバー530、プリーツ531、バッテリケージ520、取り外し可能なバッテリケージカバー533、ロック解除インジケータ534、ロックインジケータ535、基準マーキング536、ハンドル537、及びくぼみ538を含む、デバイス500又は500aなどの上側501の平面図である。
【0038】
図1N2は、随意的な第3の電極510、フレキシブル電極エクステンダ504、及びシリコーンカバー530を含む、デバイス500又は500aなどの下側の、患者側502の平面図を提供する。
【0039】
図1N3は、随意的な第3の電極510、フレキシブル電極エクステンダ504、シリコーンカバー530、プリーツ531、バッテリケージ520、取り外し可能なバッテリケージカバー533、及びハンドル537を含む、デバイス500又は500aなどの第1の立面側面図を提供する。
【0040】
図1N4は、随意的な第3の電極510、フレキシブル電極エクステンダ504、シリコーンカバー530、プリーツ531、バッテリケージ520、取り外し可能なバッテリケージカバー533、及びハンドル537を含む、デバイス500又は500aなどの第2の立面側面図を提供する。
【0041】
図1N5は、随意的な第3の電極510、フレキシブル電極エクステンダ504、シリコーンカバー530、プリーツ531、バッテリケージ520、取り外し可能なバッテリケージカバー533、及びハンドル537を含む、デバイス500又は500aなどの正面立面図である。
【0042】
図1N6は、随意的な第3の電極510、フレキシブル電極エクステンダ504、シリコーンカバー530、プリーツ531、バッテリケージ520、取り外し可能なバッテリケージカバー533及びバッテリケージカバーハンドル537を含む、デバイス500又は500aなどの背面立面図である。
【0043】
図1N7は、随意的な第3の電極510、フレキシブル電極エクステンダ504、シリコーンカバー530、プリーツ531、バッテリケージ520、取り外し可能なバッテリケージカバー533、ロック解除インジケータ534、ロックインジケータ535、基準マーキング536、バッテリケージカバーハンドル537、及びくぼみ538を含む、デバイス500又は500aなどの上側501の平面図を提供する。
【0044】
別の代替的な実装が図1Wに示されている。そこに示されているのは、特に、通常、これに限定されないが、装着されたデバイス(図1W)のいずれかにおける可聴ノイズを低減するための、音声、可聴、又は音響ノイズを低減するための音声ピックアップ及び接着剤構造及び/又は方法である。患者への音声ピックアップデバイス又はセンサ又はマイクロフォンなどの適用、ピックアップセンサ又は同様のデバイスと皮膚との相互作用の変化、特に皮膚に対するセンサの移動は、存在する場合には重要な又は望ましい生理的音をマスキングする可能性がある望ましくないノイズを、センサ又はセンサの敏感な機械的膜に与える。これは、ノイズを導入するように配置され得る、電子的に増幅される或いは非常に感度の高い音声センサ上/内/でさらにより顕著になる。
【0045】
本発明の実装は、一部の実装では片面又は両面が最初に剥離ライナによって保護される、取り外し可能な両面シリコーン接着剤を含み得る。このような実装では、一方の接着面を音声センサに適用し、次いで、もう一方の面を患者(モニタリングされる人)に適用し、次いで、皮膚に対するセンサの移動によって与えられるであろうモーションノイズの少なくとも幾らか、おそらく他の実装ではほぼすべてをなくす又は大幅に低減することができる。
【0046】
1つ又は複数の主要な実装において、他の接着剤は通常含まれない(例えば、通常は導電性領域又は層なしであっても、複合接着剤なし又はスタックされた複合接着剤なし)、しかしながら、他の場合は、音声センサと共に用いられとき、又は例えば他のセンサ及び/又は電極が含まれるウェアラブル健康モニタリングデバイスと一緒に/上で用いられるときに、他の可能な実装ではこのような他の接着剤又は接着剤部分を有する又は含む。図1Wの主要な実装では、とりわけ、接着剤は、通常、単一の薄い両面シリコーン接着剤又はテープであり得る。通常、これは、皮膚との接触が認可されている或いは許容できるシリコーン接着剤であり、したがって、機械的ノイズをなくすことができる。これは、マイクロフォンと皮膚の間に比較的動かない又はかなり制限された状態で移動可能な結合部を提供することによってウェアラブルデバイスにも及び/又は代替的に適用することができ、したがって、機械的ノイズを低減する。一部の実装では、シリコーン接着剤は、特定の患者に1回又は数回適用されるように構成され得る。さらに、一部の実装では、接着剤を適切に選択すれば、除毛の必要はない場合がある。
【0047】
図1Wでは、特定の第1の限定ではない例について、ウェアラブル健康モニタリングデバイス100bにおいて、例えば、マイクロフォン又は他の可聴、音響、又は音声センサ150が、患者又は他の装着者(図1Wには図示せず)への又はこれに関連する最終的な動作上の適用のために、デバイス100bの基板105上に又はその中に又は他の方法で動作可能に関連付けられて配置され得る。適切な取り扱いのためにセンサ又はマイクロフォン150を介して患者からの音データを健康モニタリングデバイス100bの中央データ収集及び/又は通信デバイス(基板105上に配置し、そのために用いることができる随意的な代替的な動作データ収集及び/又は操作デバイスの他の説明を参照されたい)に通信するための電気/音声信号接続151の破線表現も示されている。接着剤113は、音響センサ又はマイクロフォン150の上に及びこれに対して所定の位置に動作可能に配置されるように示されている(上記の説明と異ならない)(この例では、接着剤は、他のデバイス108、109、110、及び基板105の上に同様に配置されるように構成される)。接着剤113は、剥離ライナ114の除去によって露出され(本明細書の他の場所での説明と異ならない)、最終的な動作及び例えば心拍などの生理学的信号又は音の収集のために患者にも接続される。接着剤は、皮膚及び/又は患者に対するデバイス150の動作配置を隔離及び/又は維持するように動作し、デバイス150の移動及びその結果として生じるノイズ(そうでなければ、関心ある音又は信号データに割り込む又は潜在的に検出不能にするであろうノイズ)をなくす及び/又は低減する。
【0048】
特定の使用は、1つ以上の他のセンサ、電極、及び/又は光学機器(エミッタ及び/又はレシーバ)と共に示されるようにデバイス100b上であり得る、又は代替的に、特定の使用は、音声センサ又はマイクロフォンのみを含み得る。成人又は子供での使用は両方とも、子供の心拍の感知及び/又は取り込みのための可能な強化された利点があることで想定される。
【0049】
他のコンポーネントの説明に戻ると、患者側102では、ECG電極108、109、及び110は、実質的に直接の患者の皮膚接触のために露出されたままにされ得る(しかし、少なくともその間に導電性ゲルが適用される可能性が高い)、及び/又は、多くの実装において、患者側電極108、109、及び/又は110は、後述するように導電性接着剤材料によって覆われ得る。電極は、例えば、生体適合性及び高い信号品質のために銀/塩化銀などの堅牢な高導電性材料でめっきされるか又はそのような材料で作製され、一部の実装において、非常に堅牢であり、1つの限定ではない例では、患者間の約1000回以上のアルコール洗浄サイクルに耐えるように適合され得る。場合によっては、これらの銀/塩化銀電極は、フレキシブル回路基板又はフレキシブルプリント回路に直接プリントすることができ、さらに他の例では、銀/塩化銀電極は、製作プロセスにおける個別の別個のステップでフレキシブル回路基板又はフレキシブルプリント回路に取り付ける又は固定することができる。窓又は他の通信チャネル又は開口部111、112(図1C)が、パルスオキシメータのために、例えば、LED及びセンサのために設けられ得る。このような開口部111、112(例えば、図1C)は、通常、患者の皮膚との間の最適な光通信のために配置されるであろう。電子機器103により近く配置及び/又は接続される1つ以上の光導管111a/112a(及び111b/112b)の代替的な配置が、図1Dの限定ではない例に示されている。様々な代替的な配置が本発明で使用可能であり、それらのいくつかをさらに後述する。
【0050】
一部の実装では、太陽光又は他の周辺光源によって引き起こされるノイズを打ち消すために、周辺光のサンプリング(LEDをオフにした状態)を行い、次いで、これを各パルスオキシメトリ信号から差し引くことができる。
【0051】
LED及び1つ以上のフォトダイオードセンサはまた、及び/又は代替的に、センサ/LEDと患者の皮膚との間の空隙をなくすためにシリコーンの層で覆われ得る。そのいくつかの例が、それぞれの図1Q及び/又は図1S及び/又は図1T及び/又は図1T1及び/又は図1T2図1U図1U1、及び図1U2に記載されており、ここで、シリコーン層又はカバー121及び/又は121a及び/又は121b及び/又は121c及び/又は121dは、光導管及び/又はセンサ/LED111c/111d/112cを覆う/取り囲むように示されている。LED111c(図1Q及び/又は図1S、及び/又は図1T図1T1図1T2図1U図1U1、及び/又は図1U2のうちの1つ又は複数)は、赤色LEDであり、LED111d(図1Q及び/又は図1S、及び/又は図1T図1U2のうちの1つ又は複数)は、IR(赤外)LEDであり、デバイス112c(図1Q及び図1S、及び/又は図1T図1U2のうちの1つ又は複数))はセンサであり得る。代替的な及び/又はさらなるLEDが設けられる場合があり、第1の例について、例えばさらに後述するさらなる及び/又は代替的な機能のための緑色LED(図示せず)として、図1Q及び/又は図1S、及び/又は図1T図1U2のうちの1つ又は複数に示されたものと異ならない1つ以上のさらなる又は代替的な色のLED(図示せず)が設けられる場合がある。
【0052】
他の代替的なLED及びセンサアレイ又は構成が図1T及び図1T1に示されており、そこでは、1つ以上のLEDが、基板105a上のエポキシ/ライトパイプ121c内のより中央に配置され、1つ以上のセンサ又はフォトダイオードが、より周辺に配置されている。図1Tには2つのLED111c及び111d(図1Q及び/又は図1SのLED111c及び111dと異ならないが、位置決め/幾何学的形状のための)が、1つ以上のセンサ、ここでは2つのセンサ又はフォトダイオード112c及び112dに対して比較的中央に配置されて示されている。図1Q及び/又は図1Sに関して前述したように、LED111cは赤色LEDであり、LED111dはIR(赤外)LEDであり、デバイス112c及び/又は112dは、1つ以上のセンサ、ここでは2つのセンサ又はフォトダイオード112c及び112dであり得る。図1T1では、4つのLED111c、111d、111e、及び111f(図1Q及び/又は図1S及び/又は図1TのLED111c及び111dと異ならないが、数、位置決め、及び/又は幾何学的形状のための)が、1つ以上のセンサ、ここでは4つのセンサ又はフォトダイオード112c、112d、112e、及び112fに対して比較的中央に配置されて示されている。図1Q及び/又は図1S及び/又は図1Tに関して前述したように、LED111cは赤色LEDであり、LED111dはIR(赤外)LEDであり、及び/又は111eも赤色LEDであり、LED111fはIR(赤外)LEDであり、デバイス112c、112d、112e、及び/又は112fは、1つ以上のセンサ、ここでは4つのセンサ又はフォトダイオード112c、112d、112e、及び112fであり得る。
【0053】
中央センサ又はフォトダイオードがLEDに取り囲まれるより又は比較的従来の方法とは対照的に、図1T及び図1T1のLEDをより中央の位置に配置し、これらのより中央に配置されたLEDをセンサ又はフォトダイオードで取り囲むことは、場合によってはLEDから放出された放出光のより多くの割合を取り込むように配置され得る幾何学的形状を提供する。より又は比較的従来の幾何学的形状では、フォトダイオードの反対側を向いている放出光の実質的にすべてが無駄になる。図1T及び図1T1の及び/又はそれについて説明された幾何学的形状では、より多くの光、おそらく事実上すべての放出光がセンサ又はフォトダイオードによって取り込まれ得るか、又は場合によっては、以前に想定されていたよりも顕著により高効率の取り込みが行われる。より高効率の光の取り込みに起因して、従来のマルチLED一体化センサよりも必要なLEDがより少なくてよい可能性がある。これは、電力消費を顕著に低減しながら、同様の又はより良好な測定結果を達成することに寄与し得る。要約すると、被検者(例えば、患者/乳児/新生児/母親/アスリート)の皮下領域へのより高濃度の光を可能にし得る、フォトダイオード(又はセンサ)のアレイと組み合わせた、上記の赤色とIRの組み合わせなどのLEDの幾何学的形状が示され説明されている。LEDとフォトダイオード/センサの組み合わせはまた、一部の実装では、高効率一体化センサと呼ばれる場合もある。この構成は、SpO2(末梢毛細血管酸素飽和度)の判定に実装され得る。一部の実際の実装では、図1T及び図1T1に示されたセンサは、例えば、約5mmであり、センサ及びLEDを取り囲む外円の直径は、対応する約8mmであり得ることに留意されたい。一部の実装では、赤色LED光源の中央から対応する1つ以上のセンサの中央までの好ましい距離に対して約3.2mmの赤色を設定することができ、IR LED光源の中央から対応する1つ以上のセンサまでの約3.7mmの好ましい距離を設定することができる。
【0054】
このシリコーン層又はカバー121/121a/121b/121c/121d/121eは、皮膚での反射によって失われる光を減らし、これにより、信号を大幅に増加させ、センサに対する皮膚の移動によって引き起こされるノイズを低減することができる。一部の実装では、このシリコーンは、ライトパイプと呼ばれる場合があり、いくつかの状況では、透明な、無色の、及び/又は医療グレードのシリコーンであり得る。以下でさらに説明するように、シリコーン層又はカバー121及び/又は121a及び/又は121b及び/又は121c及び/又は121d及び/又はレンズ表面121e(本明細書では121/121a/121b/121c/121d/121eと略して呼ばれることもあるが、本発明の同じ意味を有する)はまた/代替的に、発光時又は反射による受光時又はその両方のいずれであろうとも、光の透過にどのように関係するか又はそれを通じて透過されるかという点で、本明細書ではライトパイプ又はレンズ121/121a/121b/121c/121d/121eと呼ばれる場合もある。
【0055】
1つ以上の実装において、本発明の封止材料及び/又はレンズ121/121a/121b/121c/121d/121eは、透明な、無色の、軟質の、低デュロメータのうちの1つ又は複数である医療グレードのシリコーンから作製され得る。本発明に用いられ得るこのような特別なシリコーンの例は、「粘着性のゲル」(いくつかの供給業者)として知られており、通常、好ましくは両面に組み込まれた、非常に粘着性の高い接着剤を有する。粘着性のゲルに両面接着剤が組み合わされた低デュロメータのシリコーンは、電子センサと皮膚の両方に適合し、一部の実装では皮膚とレンズとセンサの境界面での移動を制限することによりモーションアーチファクト低減特性を呈する、レンズ121/121a/121b/121c/121d/121eの構築を可能にする。本発明に係るレンズはまた/代替的に、複合接着剤ストリップ層間に閉じ込められるように特別に形状設定され(例えば、図1D図1P及び図1R及び図1R1の代替を参照)、一部の実装では、レンズが接着剤ストリップの患者側に僅かに突き出ることを可能にする接着剤ストリップの開口部、多くの場合、長方形の開口部のサイズの隆起部分を有する(以下に説明する図1Sに関するさらなる詳細を参照)。
【0056】
図1Sでは、LED及びセンサ111c/111d/112cのためのさらに代替的なシリコーンカバー又は封止材料121aの実装は、カバー外面121bに又はこれに隣接して凸レンズを含み得る。多くの実装において、外面とレンズは同一であり、及び/又はレンズは、封止材料121aの表面121bによって画定され得る。これにより、胸部又は額(例えば、乳児又は新生児)或いは患者又はユーザの体に取り付けられているかどうかにかかわらず、パルスオキシメトリLEDエミッタ111c/111d及び1つ以上のフォトダイオードセンサ112cを皮膚表面に接続するための構造及び方法が提供される。
【0057】
より具体的には、本明細書で別途説明されるように、本発明のシステム及び/又はデバイス100は、選択された波長の1つ以上のLEDエミッタ111c/111d(及び/又は111e及び/又は111f)及び1つ以上のフォトダイオードセンサを使用することができる。しかしながら、装着者1000の皮膚1001へのLED/センサの組み合わせの結合を最大にするために、光学的に透明な医療グレードのシリコーンからなる封止材料及び/又はレンズ121/121a/121b/121c/121d/121eを、LED/センサの組み合わせ111c/111d/112cをカバーする状態でその上に成形する、又は後で取り付けることができるように成形することができる。多くの実装において、例えば図1Sのように、レンズ121bは、本質的に部分的に球形又はほぼ半球形であり得るが、必ずしもそうである必要はなく、例えば、以下で説明する図1T2図1U2を参照されたい。他の形状の湾曲も同様に有用であり得る。湾曲は、装着者の移動などによるかどうかにかかわらず、デバイス100が移動し得るときの皮膚接触の喪失を低減することができる。すなわち、図1Sの装着者1000の又は装着者1000に対するデバイス100の移動は、結果的に皮膚1001上の及び皮膚1001に対するレンズの準転がり接触を生じることがある。皮膚接触が良好に維持されることは、中断なしの及び/又はノイズが低減された良好なデータ収集を意味する。上記及び以下を含む(しかし、本明細書に直接に示されていない、すなわち、本明細書に代替的に含まれる又は含まれない)、又は以下の図1U2を特に参照して説明される一部の実装では、薄いシリコーン接着剤113eを、シリコーン層121/121a/121b/121c/121d/121e上に及びその間に使用して、シリコーン封止材料121/121a/121b/121c/121d/121eに対する皮膚接触の維持を支援することができる。例えば以下の図1U2の説明を参照されたい。
【0058】
さらに、接触を維持する機能に関連するのは、LED及びセンサが、異なる高さであっても封止材料121a/121c/121d/121eのライトパイプを通して空隙の間断が実質的にほとんどなしに又は実質的になしに皮膚へ放出して皮膚からセンサへ戻る光を通信しているときに達成され得るライトパイピング効果である。エミッタからライトパイプ121a/121c/121d/121eへの及びこれを通る空隙がない、及び/又は皮膚との実質的に一定の接触を有する湾曲面121bを含む場合があるため、同じライトパイプ材料121a/121c/121d/121eを介する、皮膚への透過及びセンサに戻る反射において空隙はないか又はほとんどないか又は空隙の間断がほとんどないか又は実質的にない(透過と反射は両方とも光の移動を指す)。これにより、空隙インターフェースでの光波散乱によって引き起こされる能率の悪さ(皮膚又は他の表面で空隙が光を跳ね返す)が低減する。すなわち、LED及びセンサのカプセル化は、空隙をもたらさず、ライトパイプ効果及び湾曲面は、皮膚への高品質の低散乱透過と皮膚及び骨からの反射の受光を提供する。ライトパイプ及び湾曲したレンズ表面は、間断のない皮膚接触を維持し、レンズは皮膚での反射による信号の損失を低減する。信号対ノイズ比が低下し、データ収集品質が向上する。
【0059】
したがって、このような封止材料121/121a/121c/121d及び/又はレンズ121b/121eは、場合によっては、とりわけ、(1)異なる高さのLED及びセンサの同等又はその他の高品質の結合、並びにモーションアーチファクトを低減するための皮膚への実質的に一定の結合を保証するために、「ライトパイプ」効果をもたらすこと、(2)皮膚を通って骨への放出光の合焦、及び(3)皮膚を通ってフォトダイオードセンサへの反射光の合焦、を含む1つ又は複数の目的に役立つ可能性がある。
【0060】
さらなる注記として、図1Sのような湾曲したレンズ121bオプションについて、レンズの半径は、(1)~(3)を最大にするように設計され得る。レンズの高さは、デバイス100の複合接着剤113の上及び皮膚の中に突き出ることを可能にするように設計され得るが、結果的に悪いデータを生じる可能性があるので毛細血管床を乱すほど深くはない。さらに、皮膚へ放射するのに用いられるLED、例えば、赤色及び赤外及び/又は緑色LEDは、非常に広い放射角度のアレイをもたらし、したがって、反射された多数の光波のアレイが多様な湾曲面によってセンサに合焦されるので、LED光波放射の曲率半径及び角度は必ずしも高度に制御される必要はない。すなわち、湾曲面は、移動(偶発的な又は意図的な)のなかで接触を維持するのに役立ち、皮膚を過る透過及びセンサに戻る反射の角度はそれほど重要ではない。言い換えれば、多くの異なる曲率半径が有効であり、データ/波の透過及び反射にほとんど差はなく、LEDの広角放射は、様々な半径に対応する。むしろ、湾曲は、デバイス100の移動に起因する接触の維持においてより多くの制限を有し得る。例えば、より平坦な湾曲は容易に曲がらない場合があり、曲率半径が非常に小さいと、それほど多くのデータが送受信されない。
【0061】
一部の実装では、約12.6mm×6.6mmの区画内にLED及びセンサを有するデバイスについて、有用であることがわかった曲率半径は、約20~40であった(20.34mmと39.94mmの両方の曲率半径が有用であることがわかった)。LEDは、一方の側又は他方の側に又は2つの対向する側に、又はおそらくセンサの周りの4つ以上の実質的に等距離の点にあり、望ましい結果をもたらし得ることに留意されたい。
【0062】
さらに、本発明のパルスオキシメトリは、図1Q及び図1S、及び/又は図1T図1U2のうちのいずれか1つ又は複数の配置の1つの解釈であるように、複数の光源及び/又はセンサを有し得ることに留意されたく、例えば、典型的なパルスオキシメトリ回路は、波長ごとに1つの光源(LED)(通常、赤色、赤外、及び場合によっては後述するさらなる例に関する緑色又は赤色/IRの長時間平均を含むその他の光源)を用いる。しかしながら、本発明のデバイス及び/又は方法は、各波長の複数の光源を利用することができる。これは、局所的なモーションアーチファクトの影響を減らすために、患者/装着者内/上の毛細血管床のより広い領域のインテロゲーションを可能にし得る。同様に、同じ又は類似の目的又は利点のために複数のセンサを用いることができる。
【0063】
さらに、DRL及び/又は代理DRLとパルスオキシメトリとの組み合わせは、さらなる利点をもたらすことができる。右脚回路、代理右脚、及び/又はDRLは、胸部又は額又は他の電極配置のいずれの場合でも、パルスオキシメトリセンサに容量結合される可能性のあるコモンモード及び電力線ノイズを除去し、その効果を低下させることができる。DRL及び/又は代理DRLと、図1Sで説明されるレンズ及び/又は図1Q及び/又は図1T図1U2のうちのいずれか1つ又は複数のライトパイプを有する改善されたパルスオキシメトリとの組み合わせは、このようなノイズを顕著に低減し、これにより、データ収集を強化することができる。駆動電極については、以下のさらなる詳細を参照されたい。
【0064】
したがって、動脈血酸素含有量の測定は、オキシヘモグロビンの有無に応じて異なる光吸収を呈する、通常は赤色及び赤外パルス光源からの光信号(心拍光信号と呼ばれることもある)を用いて行うことができる。要約すると、透過システムは光源と光検出器で用いられる。以下に説明する多くの実装において、1つ以上の光源と1つ以上のセンサのいずれか又は両方をカプセル化するライトパイプを使用することができ、特に、皮膚への光放射効率の向上及び/又はそうでなければ収集時に失われる光子の取り込みのいずれか又は両方をもたらすために、実質的に空隙がないことを意味するライトパイプのカプセル化を用いることができる。
【0065】
ここでは、反射システムが典型的であり、これらは多くの場合、邪魔にならず、おそらくよりポータブルであるといういくつかの利点を有する。本明細書で説明したように、このような反射システムは、通常、赤色及び赤外光源と、フォトダイオードセンサ又は検出器、又はこれらのコンポーネントの複数の構成を使用する。また、説明したように、1つの実装/方法は、1つ以上の中央大面積フォトダイオード/センサ/検出器と、フォトダイオードに隣接する又はその周りのアレイ状の1つ以上のLED光源、多くの場合、赤色及び赤外LED光源のそれぞれのうちの1つ又は複数を使用する。また、説明したように、代替的な構成は、各波長タイプ(赤色、赤外、緑色など)のうちの1つ又は複数の、1つ以上の中央LED光源セットと、中央LEDを取り囲む複数の大面積フォトダイオード又は光センサを使用する。このような構成は、LEDの周りに2又は3又は4つのこのような検出器を使用して、LEDから皮膚及び他の組織を通ったより多くの光散乱を収集し得る。例えば、図1T及び/又は図1T1参照。
【0066】
さらに代替的な実装は、光源及び/又は1つ以上のフォトダイオードに対する及び/又はその周囲の構造的強化を採用することができる。最初に説明されるのは、前述の中央LED構成に関連して配置された1つ又は複数のこのような強化であるが、以下を、前述の中央センサ構成と共に又はそれに関連して同様に用いることができる。光強化構造は、収集領域への侵入を最小にし、フォトダイオード領域を縮小し、又はフォトダイオードの数を減らすことができる。したがって、費用対効果及び/又は効率の向上がもたらされる可能性がある。
【0067】
図1T2図1U図1U1、及び図1U2では、ライトパイプ121dにおいて、中央LED光源111c及び111dは、周囲の障壁122(ここでは代替的な参照符号B1でも識別される)によって基板105a上の周辺光検出器112c、112d、112e、及び112fから分離される。センサ領域を取り囲むさらに随意的な外部障壁123も示されている。障壁122(又はB1)及び/又は壁123(又はB2)は/又は好ましくは、LEDとセンサとの間のクロストークを防ぐために、赤色とIRの両方(又は使用されている光の他の色又は波長に関係なく、例えば緑色など)に対して不透明である及び/又はこれを反射する。すなわち、光線の一部がセンサに直接入る経路を見つけるのではなく、すべての光がLED領域を出て皮膚に入るようにすることが好ましい及び/又は望ましいであろう。障壁の好ましい表面は、拡散反射性である(一般に相対吸収及び/又は鏡面光沢とは対照的である)。例としては、透明な陽極酸化アルミニウムが挙げられる。もう1つは、別のテクスチャ加工された白色ペンキである。動作が、以下参照の図1U1及び/又は図1U2に関連して示され説明される。
【0068】
壁122の形状及びサイズは、LED光源、ここでは光源111c及び111dの形状及びサイズに合わせて選択することができる。例えば、壁122は、図のように、円形であるか、或いは四角形又は長方形の形状であるか、又はLED111c、111dの周りのその他の形状(図示せず)であり得る(ここでは、より多くの又は少ない光源が壁122内に含まれる又は囲まれ得ることにも留意されたい)。障壁122の幅又は厚さ、及び障壁122に用いられる材料は、必要又は要望に応じて同様に変更可能又は変更され、実際、特定の材料の相対的な不透明度は、特定のレベルの不透明度又は相対的な拡散反射率を提供するのに必要な幅の増減を意味し得るという点で、幅は材料に依存する及び/又はその逆であり得る。光の特定の波長、すなわち、用いられる光のタイプ、及び/又はセンサのタイプ、及び/又は相対的及び/又は全体的な幾何学的関係性(センサと光源、センサとセンサ、及び/又は光源と光源)も、及び/又は特定の波長に関連する相対的な不透明度に起因して、用いられる相対的な寸法及び/又は材料に関与し得る。相対的な厚さが、壁の材料のタイプ、又はその不透明度又は相対的な拡散反射率により関与し得る状況があり得る。一部の実装では、障壁/壁は、機械加工された、陽極酸化アルミニウム、又は他の同様の材料であり得るが、他の実装は、プラスチック、例えば、成形プラスチックであり得る。赤色及び赤外の使用の場合、駆動上の考慮事項は、材料が660ナノメートルと940ナノメートルの両方に対しておそらく好ましくは不透明であるか又は反射性又は拡散反射性であるということであり得る。したがって、多くの状況において、非常に薄いアルミニウムはこの基準を満たし、より厚いプラスチックも同様に満たす。
【0069】
壁122のオプションは、主として、LEDからの放射(例えば、これまでのところ、LED111c/111dからの、例えば、赤色又は赤外光)のいずれかの横方向の伝搬に対する光学的障壁を提供することであり、壁122は、好ましくは、LEDの光出口ウィンドウと同じ高さであるか又は僅かにより高い。障壁122はまた、皮膚又は散乱材料に入らない光線の光学的クロストークを防ぐのに十分な幅を有するが、皮膚又は他の筋肉組織から散乱されたLEDからの光が障壁の外部のフォトダイオード検出器に到達するのを防ぐほど広くはないことが好ましい。
【0070】
随意的な外部障壁123も採用することができる。これは、患者又はユーザから反射された光の収集を支援する。サイズ、厚さ、及び材料に関する同様の考慮事項が壁123に使用され、違いは、主として、光の生成ではなく収集にある。
【0071】
これらの開発により、ここで、図1T2図1U、及び/又は図1U1図1U2で説明するように、検出器ダイオードが存在しない他の領域からの光を収集し、検出器のうちの1つ又は複数に到達するようにその放射の一部を伝導又は反射することができる光収集構造が追加されるという、外部検出器の改善が提供される。そうでなければ別々に分離された光源(図示せず)を伴う中央検出器も、同様の改善を有し得ることに留意されたい。
【0072】
このタイプの好ましい構造は、透明な光学媒体、ここではライトパイプ材料121dを含み得る。このライトパイプ材料は、比較的不透明な障壁122内の及び/又は周囲の形状に成形することができ(例えば、さらに後述する図1U2参照)、壁122の内側に光源111c及び111d(及び/又は存在する場合は他のもの)を収容し、及び/又は壁122の外側に(壁122と壁123の間)に、ライトパイプ材料との間に空隙がほとんどない又は実質的にない状態でその構造121dに組み込まれたダイオード検出器112c、112d、112e、及び/又は112f(及び/又は存在する場合は他のもの)を収容する。検出器デバイス112c、112d、112e、及び/又は112fは、光学媒体に、すなわち、ライトパイプ材料自体に成形されてもよく、又は該光学媒体内の予め成形されたキャビティ内にあってもよい。このタイプの光学構造を、概して「ライトパイプ」と呼ぶ場合がある。
【0073】
ライトパイプ構造体121d及び/又は表面121eの形状は、検出器ダイオードの数及びサイズ又は形状に応じて様々に選択することができ、検出器ダイオードと直接接触せずに又はその上で皮膚又は筋肉組織から受けた散乱光を取り込み、内部全反射によってそれを取り入れ、散乱反射面を用いて光線をフォトダイオードのうちの1つ又は複数に向かう方向に向け直すように設計することができる。このようにして、以前の設計では失われていたであろう光を、これらの本発明の実装のデバイスによって取り込むことができる。図1T2及び図1Uでは、エポキシ(ライトパイプ)121dは、凹面又は凸面ではなく比較的平坦である、すなわち、比較的平坦な表面121eを呈するが、その湾曲は、その障壁又は壁と共に作用し得る。図1U2にも、比較的又は実質的に平坦な表面121eも示されている。
【0074】
同じく図1U2に示されているのは、皮膚に対するデバイスの移動を低減し、光の透過及び受け入れを強化するために、デバイスを皮膚(ここには図示せず)に接着するために使用され得る、表面121e上の随意的な薄いシリコーン接着剤113eである。使用される場合、このような接着剤は、好ましくは、それを通過する光波に干渉しない又は屈折をもたらさないように、動作上可能な限り薄いものであり得る。0.2mmの厚さがそのように動作可能であり得る。また、エポキシ/封止材料/ライトパイプ121/121a/121b/121c/121d/121eと同様の接着剤の屈折率が好ましい場合がある。この同様の屈折率の選択は、助けになり得る、又は使用される接着剤の厚さ及び材料に関係し得る。例えば、適切な屈折率の類似性は、動作可能な0.2mmの厚さからの結果である又はその厚さにつながり得る。
【0075】
図1U1及び1U2は、いくつかの動作例及び/又は代替を示す。図1U1には、簡単にするためにライトパイプが示されていないが、動作可能な代替的な例であり、例示的なLED111cから放射された光波放射A、B、及びCが示されている。波Aは、デバイスから皮膚(図示せず)への途中で障害物に遭遇しない比較的直接の放出であり、一方、波Bは、壁122で反射されたものとして示されている(波が説明されることがあるが、光エネルギーは、形態に関係なく、本明細書では、例えば、より具体的には放出及び/又は収集された光子としてよりよく理解され得ることに留意されたい)。あまり好ましくないのは、壁122で反射されていないことが示されている波Cであり、ここに示されているのは、LEDから出るすべてではないにしてもほとんどの波が、反射されてLED領域を出てユーザの皮膚(ここには図示せず)に入る道を見つけることへの優先性を単に強調するためである。光の収集が、例示的なセンサ112c及び112dに関連して図1U1及び図1U2に示されており、比較的直接的な波Dが、センサ領域に入り、センサ112c及び/又は112dによって取り込まれ得るものとして示されている。反射される波Eが、壁122及び/又は123で反射され得るものとして示されている。基板105aの床面又は上面も、波を拡散反射し、最終的にセンサでの収集のためにこれらの反射を支援し得ることに留意されたい。
【0076】
図1U2には、ライトパイプ121dが随意的な薄い接着剤113eと共に示されている。これらの材料の相対的な屈折率は、これらを通過する光に影響する、影響しない、又は大いに影響する場合がある。屈折を最小にするために屈折率の類似性が優先される。そうであっても、例えば図1U2の光波Bの放出によって示されるようにいくらかの屈折が起こる場合があり、収集される波E及びFにおいて、Fは、光波Eのように壁122及び/又は123に反射されないという点でEとは異なる。光波Bは、反射と屈折の両方で示されている。相対的な構造の材料及びサイズ及び形状の選択は、光の放出及び/又は取り込み効率の向上のために相対的な反射及び/又は屈折の管理を支援することができる。
【0077】
代替的な接着剤に戻ると、図1Dは、本発明で用いられ得る接着剤113の第1の例を提供する。接着層113は、ここでは、デバイス100の底面102に適用するための両面接着剤であり、第2の面は、おそらく人間の患者の皮膚(図示せず)に接着するための異なるタイプの接着剤を備える。接着層を取り付けるために選択される材料が異なるという点で、通常、デバイス100に接続するための回路又は回路基板材料、及び患者側で患者の皮膚(別個に図示せず)に接着するために、異なるタイプの材料を用いることができる。患者への適用が望まれるまで患者側で保護バッキング114が使用され得る。多くの用途において、接着剤113は、好ましくは一方向又は実質的に一方向に、例えば、接着剤の接触面に垂直な軸方向にのみ導電性であり得るという点で異方性であることに留意されたい。したがって、信号通信のための良好な導電接触は、このような接着剤を通じて/接着剤を通じて電気接点又は電極108、109、及び110に通じることができる。パルスオキシメトリに通常関係する光データの通信のために層105内の/層105を通る光導管111a/112aと協働してそれを通じて光を通信するための対応する1つ以上の光開口111b/112bが図1Dの例の接着剤113に示されていることに留意されたい。
【0078】
したがって、接着剤は、一部の実装では実質的に恒久的に、又はある程度の交換可能性を伴って、デバイス100上に置かれる又は配置され得る。一部の実装では、図1A図1D及び/又は図1Pに示すような接着剤なし(又は一部の実装ではあり)のデバイスは、再使用可能であり得る。多くのそのような場合、接着層113は、その後の各使用の前に除去及び交換され得るが、層113の及び層113と共にその後の再使用は排除されない。交換可能な接着層113を伴う最初の又はその後の使用において、デバイスを患者に適用するユーザ、例えば、医師又は技術者或いは患者自身が、導電性転写接着剤113をデバイス100の患者側102に適用することができる。次いで、保護バッキング114を除去し、デバイスを患者に接着して作動させることができる。
【0079】
患者/装着者への適用後のデバイスの作動は、いくつかの方法で行われ得る。場合によっては、例えば、十分な最小限の入力(慣性系の場合には移動、又はパルスオキシメトリでは血流の光反射)を受信すると実質的に自動的に作動し得る慣性及び/又はパルスオキシメータ作動のいずれかに起因して、医師又は患者などからの肯定的作動行為は必要ないことが予め設定され得るが、患者がデバイスを開始又は停止すること、或いは必要に応じてイベントをマークすることを可能にするために、アクセス部106に又は電子機器に隣接する他の場所にボタンを設けてもよい。1つの例示的な実装では、デバイスは、実質的に継続的にデータを収集するために2週間などの期間にわたって、又は本発明のシステムで好ましい及び確立され得る間隔で装着され得る。
【0080】
モニタリング期間が終了した後に、医師、技術者、患者、又は他の人が、デバイスを患者の体から取り外し、場合によってはアルコールで接着剤を除去することができ、例えば、無線通信によって、又はUSB又はデータをダウンロードするための同様のデータコネクタの挿入/接続によって、データ転送のためのデータ通信接続を確立することができる。次いで、データが処理及び/又は解釈され、多くの場合、必要に応じて即座に解釈され得る。搭載される電源はバッテリを含むことができ、これは使用の合間に充電することもでき、一部の実装では、約24時間以内に迅速に完全に充電され、その後、デバイスは次の患者又は次の使用の準備ができているとみなされる。
【0081】
いくつかの代替的な導電性接着剤が本発明に用いられ得る。図1O図1O1、及び図1Pは、1つのこのような代替的な導電性接着剤113aを示しており、図1Oはその底面図であり、図1O1及び図1Pはその立面側面図である(図1Pではデバイス100に接続されるものとして示されている)。一部の実装では、導電率は、前述のように異方性であり、一部の導電性は、完全ではないにしても主にZ軸の方向にあり、図1Oではページに(ページの内側に及び/又は外側に)垂直、及び/又は図1O1の実装図ではデバイス100の長い水平に示された軸線に対して垂直又は横方向にある。
【0082】
この例の実装は複合接着剤113aを含み、複合接着剤自体は、幾らかの非導電性部分113bと幾らかの1つ以上の導電性部分113cを含み得る。複合接着剤113aは、上記の接着剤113について説明したように、一方の面が患者に接着し、他方の面がデバイス100の下側102(図1P参照)に接着して、1つ以上の導電性部分113cが電子モニタリングデバイス100上の一体化された電極と電気的に通信及び/又は導電接触する状態に配置され得る又は置かれ得るように両面型であり得る。電極は、互いに電気的に分離又は絶縁されていても患者の皮膚と電気的に接触又は通信する場合により良好に動作するため、接着剤が、以下のような一部の実装においてさらにより特異的に配置され得る。
【0083】
図1O及び図1O1に示すように、3つの分離された導電性部分113cが、非導電性であり得る本体部分113bによって互いに分離して配置され得る。その場合、これらは、上記の例からの、より具体的には図1Pに概略的に示される電極108、109、110に対応することができる(接着剤113aに関する尺度は誇張されており、したがって、デバイス100の電極との正確な一致は必ずしも示されていないことに留意されたい)。いくつかの例では、電極領域113cは、接着性である又は接着性ではない場合がある導電性ハイドロゲルであってよく、いくつかの例では、3M Corporationの9880ハイドロゲル接着剤(3M Company、ミネソタ州セントポール)などの導電性接着剤である導電性材料でできていてもよい。その場合、これらの領域113cは、3M Corporationの9836テープ又は3M両面転写接着剤9917(3M、ミネソタ州セントポール)又は同等物などの非導電性材料113bによって互いに分離され得る。さらなる層113dは、使用される場合、9836材料の113bと併せて用いられる3M 9917接着剤であり得る。これらの構造は、電極領域113cに関してZ軸方向(図1Oではページに垂直、図1O1及び図1Pでは垂直/横方向)に低電気インピーダンス経路、及び、X/Y方向(図1O図1O1、及び図1P参照;図1Oではページと同一平面上、図1O1及び1Pではページに水平及び垂直)に電極間の高電気インピーダンス経路を生み出す効果をもたらし得る。したがって、複合接着剤ストリップは、デバイスが患者に接着することを保証するだけでなく、2つであるか又は図のように3つである電極が接着剤ストリップの導電性部分によって導電接続されることと、導電性部分と非導電性部分の組み合わせにより、信号ノイズを低減し及び/又はノイズのない特性を向上させることができる。皮膚に対して移動する電極はノイズを導入することがあり、すなわち、ゲルを介して皮膚に電気的に通信/接続される電極が皮膚に対して移動してノイズを導入する場合がある。しかしながら、それぞれの電極に接続され、次に皮膚に実質的にしっかりと接続された複合接着剤の1つ以上の導電性接着剤部分により、それぞれの電極が皮膚に対して実質的に固定された状態に保たれ、これにより、皮膚に対する電極の移動が低減又はさらには排除される。このような移動の除去によりノイズが除去され、これにより、心臓のP波のモニタリングを可能にし得るクリーンな信号が提供され、他の方法では検出できなかった不整脈を検出できる可能性が高まる。詳細については以下で説明する。
【0084】
一部の実装では、その下側102(図1P参照)でデバイス100に接続される電極間のさらなる構造的及び絶縁性の分離をもたらすために、さらに随意的な結合及び/又は絶縁構造113dが図1O1及び/又は図1Pに示すように実装され得る。図1O1及び図1Pでは別々に示されているが、これらの図の絶縁性接着剤113bと隣接している場合がある。
【0085】
接着剤に関連するさらなる代替が用いられ得る。一部の実装では、1つ又は複数のモーションアーチファクトを低減する特性を有する複合接着剤ストリップが用いられ得る。典型的なECG取付システムは、電極上に配置される導電性ゲルを用いる。しかしながら、ここでは、デバイスの選択された領域又はフットプリント全体をカバーする積層された接着剤の連続シートに組み込まれるハイドロゲル接着剤が用いられ得る。接着剤でデバイスを完全に覆うことと結びついた、ハイドロゲル自体が強い接着特性を有するという事実は、デバイスと患者の皮膚との強い結合を保証し得る。モーションアーチファクトの低減に寄与するのは、胸骨上のデバイスの代替的な垂直配置であり、これは、ECG信号、フォトプレチスモグラフィ波形、及び酸素飽和信号のうちの1つ又は複数に関するモーションアーチファクトの低減をもたらす。
【0086】
一部の実装では、複合接着剤の改善は、信号振幅の減少をもたらすオームインピーダンスの減少を防ぐためのハイドロゲル接着剤の防水カプセル化を含み得る。これは、親水コロイド接着剤の劣化を防ぐのにも役立ち得る。特に、図1R及び図1R1に非限定的な例示的な代替を示すように、いくつかの層が用いられ得る。本明細書において、層1(113h)は、汗及び細胞を吸収することにより長期の皮膚接触のために設計された接着剤である親水コロイドであり得る。層2(113i)は、同じく長期の皮膚接触のために設計された層であり得るが、この層2(113i)は、層3(113j)を皮膚との接触から分離する。層2(113i)の寸法がより小さいことで層1(113h)と層3(113j)の間に隙間が生じる。層1(113h)と層3(113j)が結合されると、層2(113i)の周りに水密シールが形成される。この層、すなわち層2(113i)は、親水コロイドをハイドロゲル接着剤から分離し、親水コロイドの接着特性を保護する。層3(113j)及び層5(113l)は、概して、両面接着剤を電気的に分離する防水層になる。これらの2つの層は、ハイドロゲル接着剤をカプセル化し、層4(113k)に関連して後述する「短絡」を防ぐ。層4(113k)は、本発明の導電性要素であるハイドロゲル接着剤である。層4(113k)のハイドロゲル接着剤の3つの島は、互いに電気的に分離されている必要がある。しかしながら、層1(113h)の親水コロイドが汗を吸収すると、これも導電性となり、層4(113k)のハイドロゲル接着剤の3つの島の間に潜在的な「短絡」が生じ、信号振幅が減少する。それにもかかわらず、この「短絡」は、上記の層3(113j)及び層5(113l)によって防止され得る。
【0087】
一部の1つ又は複数のさらなる代替的な実装では、温度は、これによって決定されるパラメータであり得る。これは、本明細書で説明するように、単一のセンサ又は複数のセンサによるものであり得る。一部の温度の実装では、乳児又は新生児の体温が、ここで取り込まれるデータであると考えられ、又は他のユーザ、成人、又はその他のユーザの体温が用いられ得る。
【0088】
乳児及び/又は新生児の体温の感知は、健康モニタリングモニタリングに非常に役立ち得る。額又は他での使用が、このような用途の1つであり得る。可能な用途の別の組は、いわゆる「カンガルーケア」に関係する乳児と母親との両方の体温を感知するための方法及びデバイスを含み得る。未熟児は、保育器に入れられるよりも親又は母親の皮膚と常に接触することでより多くの恩恵を受け得るという証拠がある。死亡率が低くなるという証拠もある。
【0089】
デュアル体温感知のためのデバイス100a、乳児装着者1000、及び母親1010又は周囲空気1011が添付の図1Vに示されている。基板1105は、好ましくは、小さいフレキシブル回路基板であり、いくつかの例では、およそ20mm×30mmである。基板1105は、例えば、相対的なXYZ位置及び/又は加速度、及び/又はBluetooth又は他の無線データ/信号接続を感知するための回路1103、並びに多くの例では、例えば7日間の連続モニタリングのように長期間使用するための交換可能及び/又は充電式バッテリを含むように配置され得る(代替的な回路素子がすべて個別に図1Vに示されているわけではない)。デバイス100aは、図1Vに示された複合接着剤1113などの接着剤で乳児に取り付けることができ、これはさらに、例えば、使い捨ての医療グレードの両面接着剤であり得る。
【0090】
2つの温度センサ1111a及び1111bのそれぞれを、デバイス100aの代替的な対向する側部1101、1102に配置することができ、互いに熱的に分離することができ、多くの場合、防水性、水密性、又は耐水性である。断熱層又は分離層1103aは、電子機器1103及び/又はセンサ1111a及び1111bの熱的分離をもたらすことができる。断熱/分離層1103aを通してさらなるスペーサ1103bを配置することで、電子機器層1103へのセンサ1111bの電子通信のための通路を提供することができる。「乳児側」1102を分離し、防水又は耐水シールを与えるのを支援するために、シリコーンビード1104を設けることができ、シリコーンカバー1121は、「母親側」1101に防水性又は防水障壁を提供することができる。「母親側」又は上面又は外側1101のセンサ1111bは、カバー1121に対して僅かに突出している場合があり、多くの実装では、その上にカバー材料及び/又はシリコーンの薄い/より薄い層を有する。子供側又は患者側又は回路側1102のセンサ1111aは、接着剤を通って又は通して突出し、及び/又は露出して配置され、又は/代替的に、耐水性、水密性、又は抵抗性のために薄い保護層で覆われる。
【0091】
断熱層は、1つ又は2つ以上の機能を提供し得る。これは、「乳児側」センサ1111aが平衡に達することを可能にし、したがって、乳児の正確な「中核温」を提供することであり得る。これはまた又は代替的に、乳児の体温測定値を母親又は周囲から分離することであり得る。「母親側」センサ1111bは、母親の正確な中核温を提供する必要はない。通常、センサ1111bの機能は、乳児が母親の皮膚に適正に直接接触しているかどうかを判別すること、すなわち、乳児が母親と相対的に接触しているかどうかを判定するための相対的な測定値を提供することである。乳児が間違った方向を向いていても依然として「ポーチ」に入っている場合、センサはその環境の周囲温度を読み取ることになる。乳児がポーチから出ている場合、周囲の室温を読み取ることになる。相対的な違いは、乳児がどの位置にいるか、例えば、接触しているか、又は制御された「ポーチ」環境内で密接に関連している(しかし接触していない)か、又はさらに離れた環境でポーチの外側にいるかどうかの指標を提供するために解釈することができる。
【0092】
Bluetooth又は他の方法で無線で接続されたデバイスからの警報を使用して、乳児がもはや適正な所望の位置にいない又はもはや「ポーチ」にいないことを母親(又は医療専門家)に警告することができる。
【0093】
本発明のいくつかの代替的な実装は、1つ以上の胸部のみの電極(「駆動型胸部電極」)を備えたDRL ECG回路を含み得る。単一の又は複数のリード心電図信号を測定するのに用いられる電極に加えて、デバイス100は、コモンモードノイズを低減するために、さらなる電極を例えば参照電極110(例えば、図1A図1C図1D、及び図1P参照)として使用することができる。このような電極は、よく用いられるDRL電極と同様に機能し得るが、ここでは患者の右脚ではなく患者の胸部に配置することができ、それにもかかわらず、この第3の/参照電極は、脚電極の役割を果たすことができる。したがって、この胸部電極は、右脚電極を模擬する及び/又は代理DRL電極とみなすことができる。このように動作するように適合された回路又は回路全体の一部は、利得をもたらすためのいくつかの増幅器段のうちの1つ、2つ、3つ、又はそれ以上、並びに回路の安定性を確保し、全体の周波数応答を整形するためのフィルタリングを含み得る。このような回路は、心電図信号のコモンモードバイアスを制御するためにバイアスをかけることができる。この駆動型胸部電極の実装は、コモンモードノイズを低減するために差動又は計装増幅器と組み合わせて用いることができる。この場合、心電図電極のうちの1つとして感知電極を用いることができる。代替的に、差動心電図信号がグランド又はいくつかの他の既知の電圧を基準としている場合に、シングルエンド心電図増幅器が用いられ得る。
【0094】
図2A図2Dに示されるようなトランジスタ201を使用する回路又はサブ回路200は、そのような回路(別名、モジュール)であり、したがって、さらに図2Aに示されるように、感知電極202、駆動電極203、及び増幅器204を含み得る。感知電極202と駆動電極203の両方は、患者への電気接続をもたらすように患者の胸部に配置される。増幅器204は、利得及びフィルタリングを含み得る。増幅器出力は、駆動電極に接続され、反転入力は感知電極に接続され、非反転入力はバイアス電圧205に接続される。増幅器は、感知電極の電圧をバイアス電圧に近いレベルに維持する。次いで、さらなる電極を使用して心電図信号を測定することができる。実際、上記の異方性の接着剤部分の使用を通じた導電率の向上の場合のように、ここでも又は代替的に、この第3の電極を右脚電極の代理(すなわち、代理DRL電極)として使用することにより、そうでなければ利用できない信号受信をもたらすことができる。したがって、クリーンな信号により、心臓のP波を受信できるようになり、他の方法では検出できなかった不整脈を検出できる可能性が高まる。
【0095】
回路のさらに代替的な説明は、図2B及び図2Cに示されているものを含み、そこには、ECG信号をピックアップするために3つの隣接する電極E1、E2、及びE3が用いられ得る限定ではない代替が示されており、その電極のうちの1つは、従来のECGモニタの遠位肢電極の役割を果たす。電極と患者のインターフェースには関連するインピーダンス(Re1及びRe2)があるため、このインターフェースを流れる電流により、患者と電極との間に電圧差が生じる。回路は、患者電圧を検出するために感知電極(E1)を使用することができる。この例示的な回路ノードには回路グランド(GND)に対して高いインピーダンスがあるため、電極インターフェースを流れる電流はごくわずかであり、ゆえに、患者とこのノードの間の電圧降下は最小限である。これらの代替的な限定ではない回路のうちの第1の回路(図2B)はまた、その低いインピーダンス出力が別個の駆動電極(E2)に接続される、増幅器(U1)を含む。増幅器は、負帰還を使用して、患者電圧(感知電極E1によって測定される)がバイアス電圧(V1)と等しくなるように駆動電極を制御する。これは、駆動電極(E2)と患者との間に電圧差があるにもかかわらず、患者電圧をバイアス電圧に等しく効果的に維持することができる。これは、駆動電極と患者との間を(Re2を通じて)流れる電力線誘導電流によって生じる電圧差を含むことができる。この配置は、以下の少なくとも2つの点で従来の「DRL」回路とは異なる。駆動電極は、(右脚ではなく)患者の胸部に配置され、ECG信号は、第3の電極(E3)から取得されたシングルエンド(差動ではない)測定値である。胸部に取り付けられる例ではすべての電極が患者の胸部に存在するので、そこに配置される小さなデバイスは、ECG測定に必要なすべての電極を含む。シングルエンド測定の考えられる利点の1つは、記録(ECG出力)前にECG信号を調整するのに必要な利得及びフィルタリング回路(U2及び関連するコンポーネント(図2C))に必要なコンポーネントが少なく、コンポーネントの許容誤差のマッチングにあまり敏感ではないことである。図2A図2B、及び図2Cの例は、限定ではない例であり、当業者は本明細書を考慮して他の回路素子を備えた他の回路を形成することができ、それでも本明細書の特許請求の精神及び範囲内であるので、本明細書の特許請求の範囲を限定すること意図していない。
【0096】
多くの実装において、本発明のシステムは、ECG電極と共に動作する他の回路を含むことができ、したがって、他のセンサを伴って、以下の時間的に一致するトレースを提供することができる:i)ECGのp波、qrs波、及びT波、ii)パルスオキシメトリで測定したO2飽和度、及び/又はiii)身体活動の指標を提供するためのxyz加速度。このような回路は、以下の電気的仕様のうちの1つ又は複数に実装することができる。一部の実装では、システム全体では2週間(以上)ほどの連続実行時間が含まれる場合があり、このような時間の間にデータを収集する。一部の実装は、1000回以上の使用を提供するように適合され得る。代替案は、流体又は湿気への暴露後又は暴露中であっても動作可能性を有することができ、一部のそのような例では、耐水性又は防水性又は水密性であり、場合によっては、(低塩水に)十分に浸漬されたときに十分に動作可能であり続ける。他の実装は、約90秒未満でのフルデータ転送のためにHS USBを使用する例などの高速データ転送を含み得る。通常、充電式バッテリを用いることができる。
【0097】
さらに代替的な実装は、電子「グランド」を含み得る。これは、もっぱらフレキシブル回路基板上に取り付けられる本発明のデバイスでは、グランドプレーン機能は、信号リード線に隣接する同軸グランドリード線によって提供され得る。このタイプのグランドシステムの主な寄与は、デバイスが皮膚に順応して接着するのに必要な可撓性をもたらし得ることである。この代替的な実装は、本発明の図面には示されていないことに留意されたい。
【0098】
心電計、EKG又はECGについて、一部の実装は、約10メガオームを超える入力インピーダンスを含み、一部の実装は、0.1~48Hzの帯域幅で動作することができ、一部はおよそ256Hzのサンプリングレートで動作し、12ビット分解能を実装することができる。PPG及びパルスオキシメータについて、660及び940nmの波長、約80~100のSpO2範囲、0.05~4.8Hzの帯域幅、16Hzのサンプリングレート、及び12ビット分解能で動作することができる。加速度計について、3軸測定を採用することができ、一部の実装では、±2Gの範囲、16Hzのサンプリングレート、及び12ビット分解能を使用する。
【0099】
パルスオキシメトリについて、PPG周辺光減算のオプションが含まれ得る。周辺光によって生じるパルスオキシメトリの誤差を低減するための方法及び回路が図2Dで説明され、回路のオプションが示される。ここでは、周辺光、光検出器の暗電流、及びフリッカーノイズの影響を除去するために用いられる相関二重サンプリング技術が示されている。
【0100】
図2Dに示された概略は、最初にノイズ信号が測定される場合に用いられ得る。光源がオフにされ、スイッチS1が閉じられ、スイッチS2が開かれる。これにより、ノイズ信号に比例した電荷がC1に蓄積される。次いで、スイッチS1が開かれる。この時点で、C1の電圧はノイズ信号電圧に等しい。次に、光信号が測定される。光源がオンにされ、スイッチS2が閉じられ、電荷がC1からC2に直列に流れる。次いで、S2が開かれ、プロセス全体が繰り返されるときの次の測定サイクルまで電圧がC2に保持される。
【0101】
C1がC2よりもかなり大きい場合、ほぼすべての電圧がC2に現れ、C2の電圧はノイズのない信号に等しくなる。それ以外の場合、C2の電圧は、前のC2電圧(p)とノイズのない信号の線形結合:(C2s+C1p)/(C1+C2)になる。これは、信号に一次ローパスIIR離散時間フィルタを適用する効果を有する。このフィルタリング効果が望まれない場合、各サイクルで信号が測定される前にC2の電圧がゼロに放電され、ゆえに、C2に保持される信号は単純に:(C2s)/(C1+C2)である。
【0102】
この回路は、抵抗Rの代わりにトランスインピーダンス増幅器、フォトダイオードの代わりにフォトトランジスタ、及びスイッチの代わりにFETと共に用いられ得る。出力の後に、追加のバッファリング段、増幅段、フィルタリング段、及び処理段が後続し得る。
【0103】
ここで、いくつかの要約の方法論が、図3に関連して理解され得るが、他のものは、本発明の開示の残りの部分を通じて及びその一部として理解され得る。図3のフローチャート300は、代替のうちのいくつかを実証し、最初の操作301は、患者へのデバイス100の適用であり得る。実際、これは、図1Dの113、又は図1O図1O1、及び/又は図1Pのような接着剤の使用により/使用を通じて、本明細書で前述した接着剤の適用に関する代替のうちの特定の1つ又は複数を含み得る。次いで、図のように、流れ線311による移行において、データ収集動作302が実施され得る。これは、連続的又は実質的に連続的な収集、或いは特定の間隔での又は定期的な収集、或いはおそらくワンタイムイベント収集も含み得ることに留意されたい。これは、収集するデータのタイプに依存するか、及び/又は他の特徴又は代替、例えばECGの場合に、例えば長期的なデータ量が望まれるかどうか、又は例えばパルスオキシメトリの場合のように相対的な単一のデータポイントが有用であり得るかどうかに依存する場合がある(例えば明らかに低すぎる場合に、単一の飽和点が重要になる場合があるが、しかし、時間の経過に伴う傾向を示す比較データが実際により一般的であり得る)。
【0104】
図3のフローチャート300にいくつかの代替が存在し、第1の代替は、データ送信動作303への流れ線312に従い、デバイス100からデータ分析及び/又は記憶装置及び/又はシステム(図3には別個に示されていないが、例えば、以下に説明する図4参照のコンピューティングデバイスなどを含むこともできる)への無線又は有線(例えば、USB又は他の)データ通信のいずれかを含む。このポイントからのオプションも示されている。しかしながら、第1の代替は、患者の相対的な健康状態の判定及び/又は状態診断のためにデータを分析するデータ分析動作304への流れ線313に従うことを含み得る。コンピューティングシステム、例えば、コンピュータ(ハンドヘルド、パーソナル、又はメインフレームなどの多くのタイプのものであり得る;図4及び以下の説明参照)をこの分析のために用いることもできる。しかしながら、いくつかの分析を行うことができるように十分なインテリジェンスをデバイス100の電子機器103に又はデバイス100自体に組み込むこともできる。限定ではない例は、例えば、低い(又はいくつかの例では、おそらく高い)閾値レベルに達したときにインジケータ又は警報がすべてデバイス100の電子機器103上で/によってアクティブ化される、パルスオキシメトリに関連した閾値比較であり得る。
【0105】
同様のこのような例は、それ自体が部分312b及び312cに分岐する随意的な代替的な流れ線312aによって考慮され得る。次いで、流れ線312に従う第1の例示的なパス312bで、データ送信動作303のスキップが理解され、それにより、分析304は、実質的なデータ転送なしに達成され得る。これは、例えば上記の閾値の例によるかどうかにかかわらず、オンボード分析を説明することができ、又は場合によっては、電子機器103上に/内にどれだけのインテリジェンスが組み込まれるかに応じて、より詳細な分析を含むことができる。別の見方は、送信動作303が用いられたとしても、どれだけの送信が関係し得るかに関するものであり、これは、患者の皮膚から、導体108、109、及び/又は110を通してトレース107を通して、そこで分析するための電子機器103へのあるレベルでのデータの送信を含み得る。他の例では、もちろん、送信は、他のコンピューティングリソース(例えば、図4)へのオフボードダウンロードを含み得る。場合によっては、このようなデータのオフロードにより、より高度なコンピューティングパワーリソースを使用したより高度な分析が可能となり得る又は提供され得る。
【0106】
さらなる代替は、主として、使用される場合、いつでも、どこにでも、データストレージを含み得る。インテリジェンスと同様に、デバイス100に搭載された電子機器103内で/によってストレージ又はメモリの一部が利用可能となる又はまったく利用可能ではない場合がある。多かれ少なかれいくらかのストレージがデバイス100で利用可能となる場合、データ305のいくらかの記憶を達成するためにパス312cへの流れ線312aが用いられ得る。これは多くの場合、必ずしも送信又は分析の前である必要はない(一部のタイプのデータについては、別の動作を開始する又は他の方法で実施する前に特定の動作を完了する必要なしに、記憶と送信又は記憶と分析が行われるように、複数のパスが同時に、並行して、しかしおそらく同時にではなく、又はシリアルに採用され得ることに留意されたい(例えば、パス312b及び312cは完全に他のパスを排除して採用される必要はない))。したがって、記憶305後(又は中に)、記憶されたデータについて、流れ線315aをたどってパス315bを経由して動作303で送信することができ、及び/又はパス315cを経由して動作304で分析することができる。多くの場合、オンボードストレージの例でもあるこのようなストレージの例では、データを収集してローカルメモリに記憶し、後で分析のために1つ以上の堅牢なコンピューティングリソース(例えば図4)にオフロード/送信することができる。往々にして、これは、例えば、数日又は数週間或いはそれ以上の長期のデータ収集を含むことがあり、したがって、患者が診療所又は他の医療施設から離れているときの遠隔収集を含み得る。したがって、患者の実際の状況で患者からデータを収集することができる。次いで、収集後に、データをデバイス100上のそのストレージから所望のコンピューティングリソース(例えば図4)に送り返すことができ、このような送信は、無線又は有線、或いは、例えば最終的な分析のためにインターネットを介して指定されたコンピュータにデータを通信し得るパーソナルコンピュータ(一例として図4)へのbluetooth又はWi-Fi接続との両方の組み合わせであり得る。別の例は、コンピュータへの、PC又はメインフレーム(図4)のいずれかへのUSB接続を含み、分析のための患者コンピュータ又は医師コンピュータへの接続であり得る。
【0107】
ストレージ又はメモリがデバイス100にほとんど又はまったくない場合(又はいくつかの例では、使用可能な大量の常駐メモリが存在する場合でも)、収集後比較的すぐに、データが必要となるか、或いは、望ましくは送信及び記憶(動作303後のパス313a参照)及び/又は送信及び分析(パス312及び313)のいずれか又は両方が行われ得る。パス313aが用いられる場合、より一般的には、データストレージは、オフボードのコンピューティングリソース(図3には示されていないが以下に説明する図4参照)内/上にあり(しかし、オンボードメモリも同様に用いることができる)、次いで、パス315a、315b、及び315cのいずれかが用いられ得る。
【0108】
本発明の特徴は、オンボードデバイス100であるか、又は別個の、例えばパーソナル又はモバイル又はハンドヘルドコンピューティングデバイス(一般に図4による)であるかにかかわらず、1つ以上のデバイス100及びコンピューティングリソース(例えば図4参照)を含むシステム全体を含み、システム全体は、医師又は医者が収集された試験データの即時の院内分析及び提示を行う能力を提供する。これにより、一部の実装では、データの抽出と分析に第三者を利用せずに、デバイスからのオンサイトデータ分析が可能となる。
【0109】
したがって、本発明の代替的な実装は、複数の代替的なデータソース解釈のための1つ以上のハードウェアとソフトウェアの組み合わせを含み得る。上で述べたように、本発明のデバイス100は、様々な生理学的パラメータのうちの1つ又は複数をモニタリングし、次いで、モニタリングされたパラメータを表す関連データを生成及び記憶するハードウェアを含む。その場合、システムは、デバイス100及び/又はその部品などのハードウェアと、その処理のためのソフトウェア及びコンピューティングリソース(一般に図4)を含む。その場合、システムは、データの収集だけでなく、データの解釈及び相関も含む。
【0110】
例えば、激しい運動中の心室性不整脈を明らかにする心電図トレースが、休息期間中の同じ不整脈とは異なるように解釈され得る。動きに応じて大きく変化する血中酸素飽和度レベルは、とりわけ、安静時よりも深刻な状態を示していることがある。4つの生理学的パラメータのさらに多くの組み合わせが可能であり、考えられる問題を表示及び強調表示する本発明のソフトウェアの能力は、医師の診断に大いに役立つであろう。したがって、本明細書に記載のシステムは、有益なデータ解釈を提供することができる。
【0111】
この目的に向けて支援することができる特徴のうちのいくつかは、図3の動作303及び304のうちの1つ又は複数に包含され、デバイス100上で収集されたデータは、むしろ単純にコンピューティングリソース(ここでも、オンボードデバイス100、又は例えば図4のようにそれとは別個のもののいずれであろうとも)に通信/送信され得る。一例として、デバイスが適用された患者(動作301)が、データを収集(動作302)した試験期間後に診療所に戻ることができるとき、デバイスが、例えばUSBなどの1つ又は複数の代替的なデータ伝送を介して、診療所のコンピュータ(Windows又はMac)(一般に図4及びその説明を参照)に接続され、患者が待っている間、医師による即時の分析が可能となる(デバイス100は、最初に患者から取り外すことができ、又はさらなるデータが必要かどうかを判断するための送信及び分析が行われるまで取り付けたままにすることができることに留意されたい)。一部の実装では、データ分析時間は比較的速く、およそ15分未満、10分未満、及び5分未満である場合があり、分析ソフトウェアを通じて医師をガイドするべくユーザフレンドリーなGUI(グラフィックユーザインターフェース)を使用して実現され得る。
【0112】
分析/ソフトウェアパッケージが、結果を医師に様々なフォーマットで提示するために配置され得る。一部の実装では、試験結果の概要が、より詳細な結果と共に又はその代わりに提示され得る。いずれの場合も、検出された異常及び/又は患者によってトリガされたイベントの要約が、概要の一部として及び/又はより詳細な提示の一部として提供され得る。個々の異常又は患者によりトリガされたイベントを選択することで、医師がECG及び/又は他のセンサからの生データを含むさらなる詳細を見ることができるようにするための望ましい融通性がもたらされる。パッケージは、データを印刷し、業界標準のEHR(電子健康記録)フォーマットで注釈を付けて保存することもできる。
【0113】
一実装では、患者データは、以下の仕様のうちの1つ又は複数を有するソフトウェアで分析され得る。いくつかの代替的な機能は、1.データ収集、すなわち、デバイスからデータファイルをロードすること、2.データフォーマット、すなわち、生データを業界標準のファイルフォーマットにフォーマットすること(例えば、aECG(xml)、DICOM、又はSCP-ECG)(このようなデータフォーマットは、取得、記憶、又は分析の一部であり得る、又は、別のフォーマットへの変換であり得ることに留意されたい(例えば、データは、分析するために変換又は他の解凍を必要とし得るコンパクトなフォーマットでより良好に記憶され得る))、3.データストレージ(ローカル、クリニック/医療施設レベル、又は例えば、クラウド(随意的であり、オフラインのポータブルブラウザベースの提示/分析が可能)、4.とりわけ、例えば、ノイズフィルタリング(ハイパス/ローパスデジタルフィルタリング)及び/又はQRS(心拍)検出(場合によっては、速度及び精度のために持続波変換(CWT)を含み得る)を含み得る、分析、及び/又は5.1つ又は複数のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を含むかどうかにかかわらず、おそらくより具体的には、患者によりトリガされたイベントの全体の概要及び/又は一般的な統計及び/又は異常の概要を含むデータ/結果の提示;インシデント(前、次)の血中酸素飽和度、ストレス相関などによる異常データのストリップビューを含むさらなる詳細レベルの提示、及び/又はインシデント及び/又はプリント機能によるケア提供者のブックマーク/注釈付け/メモを可能にすること、を含み得る。
【0114】
さらに、ハードウェアと独自仕様のソフトウェアパッケージの代替的な組み合わせは、:(i)EKG/ECG(右脚、及び/又はp波、qrs波、及び/又はT波)、又はO2飽和度、又はxyz加速度のうちの1つ又は複数から取得したデータ信号からの測定値を時間的に一致した様態で記憶するように1つのオンデバイスソフトウェアパッケージを適合させることができ、これにより、医師は測定値の時間的履歴にアクセスすることができ(例えば、一部の例では1~2週間の間隔で)、心臓イベントの発生前、発生中、及び発生後の患者の活動レベルに関する有用な情報が提供される、(ii)近くのステーション又はリレーへのリアルタイム測定パラメータのリアルタイム送信を交互に管理するための代替、及び/又は(iii)不整脈の認識を目的としたオフデバイスECG分析ソフトウェア、である。
【0115】
上記のソフトウェアは、サードパーティによって提供される、業界で理解されているソフトウェア、又は本発明によって開発され、本発明のウェアラブルデバイス100によって送信及び/又は受信されるデータに特別に適合されたソフトウェアであり得る。標準(MIT-BIH/AHA/NST)(Massachusetts Institute of Technology - Beth Israel Hospital / American Heart Association - Noise Stress Test)不整脈データベース、FDA510(k)承認を使用した徹底的なテストが好ましい。このようなソフトウェアは、ECG信号処理、QRS検出及び測定、QRS特徴抽出、正常拍動と心室異所性拍動の分類、心拍数測定、PR及びQT間隔の測定、及び調律の解釈のための呼び出し可能な関数を提供することによって、自動ECG分析及び解釈のうちの1つ又は複数を可能にするように適合され得る。
【0116】
多くの実装において、ソフトウェアは、以下の測定値のうちの1つ又は複数を提供するように適合され得る及び/又は供給できるようにされ得る:
表1:
1.心拍数の最小、最大、及び平均
2.QRS持続時間平均
3.PR間隔平均
4.QT間隔平均
5.ST偏差平均
また、ここに記載されているような広範囲の不整脈を認識するように適合され得る:
表2A:
1.洞調律
2.洞調律+IVCD
3.洞徐脈
4.洞徐脈+IVCD
5.洞頻脈
6.ポーズ
7.未分類の調律
8.アーチファクト
【0117】
この上記の8つの第1のグループは、識別可能なP波がなくても認識可能であり得る不整脈タイプである。それらは、本発明のデバイス、システム、及び方法が対処することを提案している、外来患者モニタリング市場での既存の製品によって通常認識されているものである。
【0118】
下記の不整脈の第2の組又はグループは、識別可能且つ測定可能なP波を必要とし得る。デバイス100は、もちろん、例えば、デバイス100の位置又は患者の生理機能の影響を受ける可能性があるP波の強度に応じて、前述のようにP波を検出することが可能であり得るので、本発明のいくつかの実装は、それらを検出及び認識できるように適合され得る。
表2B:
9.心房細動/粗動SVR(遅い)
10.心房細動/粗動CVR(正常速度)
11.心房細動/粗動RVR(速い)
12.1度房室ブロック+洞調律
13.1度房室ブロック+洞頻脈
14.1度房室ブロック+洞徐脈
15.2度房室ブロック
16.3度房室ブロック
17.心房性期外収縮
18.上室性頻脈
19.心室性期外収縮
20.心室性二連発
21.心室性二段脈
22.心室性三段脈
23.心室固有調律
24.心室頻拍
25.遅い心室頻拍
【0119】
さらに、代替的なソフトウェアの実装において、いくつかのサンプルスクリーンショットが図5に示されている。第1のこのような代替が図5Aに示されており、図5Aは、本発明のデバイス100などのパッチデバイスを使用して取得されたECG及び酸素飽和度データを示す例示的なスクリーンショットである。非常にクリーンな信号が示されている(このデータにフィルタリング又は平滑化は実行されていない)。明確なP波も示されている(そのうち3つが矢印で例として示されている)。P波検出は、ECG異常の検出に極めて重要であり得る。パルスオキシメトリで測定された酸素飽和度が、下のプロットに示されている。これは胸部のデバイスによって取得されたデータであり、ECGデータと時間的に一致して取得される。
【0120】
別の代替が、分析ソフトウェアの例示的なスクリーンショットである図5Bに示されている。これは、MIT-BIH不整脈データベースのRecord 205から取得したECGデータのサンプルである。本発明の分析システムで分析すると、「イベント発生の概要」リスト(左上)に5つの異常タイプ(及び正常洞調律)が表示される。このリストは、各異常の発生数、全ECGでの異常の総持続時間、及びこの異常が全ECGで発生する時間のパーセントも示す。各異常の特定のインスタンスを表示するには、ユーザは、図5Cに示す「イベント発生の概要」リストの特定の行をダブルクリックする。
【0121】
紹介したように、図5Cは、心室頻拍の特定のインスタンスを示す例示的なスクリーンショットである。ECGプロットは、ECG波形の特定の時間に自動的にナビゲートし、イベントの開始と終了をマークする。この特定のイベントに関するより詳細なデータは、ここでは「発生の詳細」:このイベントの持続時間中のHR平均、HR最大などに示される。このECTの別の異常のインスタンスを表示するために、ユーザは、図5Dに示すように「イベント発生の概要」の「心室性期外収縮(PVC)」の行をクリックすることができる。
【0122】
紹介したように、図5Dは、心室性期外収縮の特定のインスタンスを示す例示的なスクリーンショットである。これは、PVCの発生を示す。「開始時間」リスト(中央上部)に、このECGでのPVC発生のすべてのインスタンスが表示され、各発生の開始時間が一覧表示される。この場合、ユーザは00:15:27に開始するPVC(11回目の発生)をクリックすることができる。ECGプロットは、波形におけるPVCインスタンスを表示する及び示すためにこの時点まで自動的に取得される。このタイムスロットにはPVCの3つのインスタンスがあるため、3つの発生すべてにマークが付けられる。
【0123】
前述のように、本発明の一態様では、特に、パルスオキシメトリセンサが患者の胸などのノイズが発生しやすい場所に配置されている状況で、パルスオキシメトリ信号のノイズを低減し、酸素飽和度の値の計算を可能にするために、パルスオキシメトリ信号と時間的に一致して収集されたECG信号が用いられ得る。いくつかの実施形態では、この態様は、(a)複数の心拍にわたる心電図信号を測定するステップと、(b)心電図信号と1つ以上のパルスオキシメトリ信号が1つ以上の心拍にわたって時間的に一致するように、複数の心拍にわたって1つ以上のパルスオキシメトリ信号を測定するステップと、(c)心電図信号の一部と1つ以上のパルスオキシメトリ信号を1つ以上の心拍にわたって時間的に一致する様態で比較して、1つ以上のパルスオキシメトリ信号のそれぞれの定数成分及び主要な周期的成分を決定するステップと、(d)1つ以上のパルスオキシメトリ信号の定数成分及び主要な周期的成分から酸素飽和度を求めるステップによって実施され得る。ECG信号及びパルスオキシメトリ信号の測定は、本発明のデバイスの実施形態によって実施され得る。特に、パルスオキシメトリ信号は、本発明のデバイスの光検出器によって収集された反射赤外信号及び反射赤色光信号であり得る。代替としては、赤色及び赤外の一方又は両に加えて又はその代わりに、例えば緑色などの他の色が挙げられる。このような代替を以下でさらに説明する。
【0124】
心拍に対応するパルスオキシメトリ信号の間隔は、このような信号を時間的に一致するECG信号と比較することによって決定され得る。例えば(限定することを意図しない)、このような間隔を識別するために、時間的に一致するECG信号の連続するR波ピークが用いられ得るが、ECG信号の他の特徴も同様に用いられ得る。このような間隔が識別されると、パルスオキシメトリ信号の信号ノイズを低減し、定数成分(「DC成分」と呼ばれることもある)と主要な周期的成分(「AC成分」と呼ばれることもある)のより信頼できる値を得るために、間隔内の対応する時間での値を平均され得る(例えば、Warner et al, Anesthesiology, 108: 950-958(2008))。或る間隔内に記録される信号値の数は、使用する検出器及び処理電子機器の信号サンプリングレートに依存する。また、間隔は持続時間が異なる場合があるため、間隔内の値のサブセットに平均化が適用される場合がある。後述するように、酸素飽和度値は、従来のアルゴリズムを使用してこのようなDC及びAC成分から計算され得る。このような平均が計算され得る心拍又は間隔の数は、以下に示すように大きく異なり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の心拍又は間隔からの信号を分析することができ、他の実施形態では、複数の心拍又は間隔からの信号を分析することができ、いくつかの実施形態では、このような数は、2~25の範囲内、又は5~20の範囲内、又は10~20の範囲内であり得る。
【0125】
説明したように、パルスオキシメトリ法では、赤色及び赤外波長でフォトプレチスモグラム(PPG)信号が測定される。DC又は平均値が推定され、差し引かれ、AC又は拍動性信号の比が推定及び/又は平均される。後述するように、2つの信号間の線形回帰を用いることができる。しかしながら、赤色信号と赤外信号との両方に同様のノイズが存在するため、パフォーマンスは制限される。光は、水又は他の組織よりも血液にはるかに多く吸収されるため、緑色光(約550nm)を使用して取得されたフォトプレチスモグラフィは、モーションノイズに対してより耐性がある。しかしながら、スペクトルの緑色領域での酸素化された血液と脱酸素化された血液との違いは、赤色の場合よりもはるかに小さい。代替的に、拍動性信号の形状を決定するために、緑色PPG信号(又は赤色/IRの長時間平均(以下を参照))が用いられ得る。拍動性波形の形状を推定するために、任意の数の異なる波長(緑色、赤色、及び赤外など)の加重平均が用いられ得る。
【0126】
さらに代替的な実装では、酸素飽和度の線形回帰アルゴリズムが用いられ得る。したがって、患者のECG信号及び/又は緑色(又は他の色)のLED PPG信号のいずれか又は両方が用いられ得る。第1の例として、心拍がいつ発生したかを判定するためにECG信号が用いられ得る。拍動の位置により、2つのフォトプレチスモグラム信号のそれぞれの相関時間平均が可能となる。次いで、2つの信号間の線形利得係数を求めるためにアンサンブル平均の線形回帰を用いることができる。この利得係数は、患者の酸素飽和度を求めるために用いることができる。
【0127】
代替的に及び/又は加えて、緑色光(約550nm)を用いるフォトプレチスモグラフィ(PPG)が実施される場合/とき、拍動性信号の形状を判定するためにPPG信号が用いられ得る。次いで、このより低ノイズ信号は、赤色信号と赤外信号との両方での線形回帰の独立変数として用いられ得る。これらの2つの回帰結果の比は、赤色信号と赤外信号との相関の推定値である。本明細書で開示されるように(例えば、以下のフレームの説明を参照)、複数の心拍のアンサンブル平均によってノイズを低減することができる。心拍タイミングを判定するためにECG信号を用いることに加えて又はその代わりに、緑色波長のPPG信号を用いることができる。代替的に、任意の数の異なる波長(緑色、赤色、及び赤外、又は赤色/IRの長時間平均(以下を参照)など)の加重平均を用いることができる。外れ値の心拍を検出し削除することによって、おそらく他の心拍よりも推定アンサンブル平均の相関が低い心拍を切り捨てることによって、又はノイズを推定し、ノイズの少ない領域からの心拍に重み付けすることによって、アンサンブル平均を改善することができる。平均する期間を長くすることによって、ノイズも改善することができる。
【0128】
したがって、本発明に含まれるのは、健康モニタリングのための方法であって、(a)ユーザのECG及び/又は第1のフォトプレチスモグラムPPG信号及び/又は波長の重み付けされた組み合わせのいずれか又は両方から心拍がいつ発生したかを判定することと、(b)第1の脈波形状テンプレート又はデータセットを生成するべく、第1のフォトプレチスモグラムPPG信号を時間平均することと、(c)拍動の位置と相関する、一方は赤色であり、他方はIRである、2つのさらなるフォトプレチスモグラム信号のそれぞれを時間平均することと、(d)赤色信号及びIR信号のそれぞれのアンサンブル平均を生成することと、(e)赤色及びIRのアンサンブル平均のそれぞれを第1の脈波形状テンプレート又はデータセットと比較することと、(f)第1の脈波テンプレート又はデータセットとの赤色及びIRのアンサンブル平均比較のそれぞれの線形回帰を使用して、2つの信号間の線形利得係数を求めることと、(g)利得係数から患者の酸素飽和度を求めることと、を含む方法であり得る。
【0129】
同様の観点で、本発明に含まれるのは、パルス酸素濃度を求めるための方法であって、(a)ECGを使用して、緑色を使用して、又は波長の重み付された組み合わせを使用して、心拍を検出することと、(b)拍動の形状を得ることができる、緑色波長、赤色又はIRのいずれかの場合とほぼ同じ時間にわたる緑色のアンサンブル平均、赤色又はIRのいずれかの場合とほぼ同じ時間にわたる複数の波長のアンサンブル平均、又は赤色又はIRのいずれかの場合よりも大幅に長い時間にわたる複数の波長のアンサンブル平均、又は任意の色の単一波長の長時間平均の使用を含む、第1の脈波形状を表す第1の脈波形状テンプレート又はデータセットのうちの1つ又は複数を生成することと、(c)同じものを表す赤色脈波形状テンプレート又はデータセット及び同じものを表すIR脈波形状テンプレート又はデータセットを取得し、これらのそれぞれを上記の第1の脈波形状と比較することと、(d)線形回帰により、第1の脈波形状テンプレート又はデータセットを使用した赤色のアンサンブル平均を、第1の脈波形状又はデータセットを使用したIRのアンサンブル平均と相関することと、を含み、これらの相関の比は酸素飽和度のAC比として用いられる、方法であり得る。
【0130】
脈波形状テンプレート又はデータセットは、一部の実装において、脈波形状テンプレートがPPG信号の長期のアンサンブル平均を表すという点で、本明細書で説明される参照フレームテンプレートと同様であり得る。しかしながら、違いは、本明細書の他の場所で説明されている参照フレームテンプレートが脈波伝達時間に関するものであるのに対し、第1の脈波形状又はデータセットなどに関連する本明細書での説明は酸素飽和度に関するものであることである。
【0131】
第1の方法は、心拍の検出のために緑色光を用いる方法であり得るが、心拍の検出のためにECGを用いる他の方法も同様に実行可能である。さらに、代替としては、第1の脈波形状のために用いられる緑色又は赤色及びIRの長時間平均が挙げられ、第1の脈波形状との酸素飽和度の比較のためにより短時間の赤色及びIRが用いられる。第1の脈波形状(又はデータセット)のために用いられる赤色及びIRの長時間平均は、酸素飽和度の測定のために用いられる比較的より短時間の赤色/IR信号に関連していることを理解することが有用であり得る。形状は酸素飽和度よりもゆっくりと変化すると予想されるため、酸素飽和度の部分についてより短時間の平均を使用しながら(したがって応答時間がより速くなる)、形状について長時間の平均を用いることができる。
【0132】
緑色は、高い信号対ノイズ比を有するため望ましいことがわかっており、パルス信号は、他の考えられるモーションノイズに比べて強いことに留意されたい。しかしながら、緑色の代わりに他の波長を用いることもでき、すなわち、一部の色で動作が良くなる又は他の色で信号対ノイズの関係性が悪くなることを念頭に置いて、緑色を光のスペクトルにおける他の色に置き換えることもできる。望ましい信号対ノイズ比ではなくても他の色を本発明で用いることができることに留意されたい。同様に、赤色及び/又はIR波長の優位性として、赤色及び/又はIRは、被検者の血液中の特定の酸素化ヘモグロビンに対して良好な相対反射率をもたらすことがわかっている。酸素化された血液は、比較的有効量の赤色光を反射し、脱酸素化された血液は、比較的有効量の赤外IR光を反射する。全体を通して、赤色及びIRの代わりに他の色を用いることができるが、他の色は、特定の用途においてより低い(又はより高い)効果を有し得る。当該技術分野で理解されるように、光の特定の色が説明されるときにはいつでも、いくつかの個別の波長がこのような定義内にあると理解され、その有用性は定義内又は定義外にあり得るが、優位性は一般的な色で識別され得ることにも留意されたい。したがって、緑色又は赤色又はIR以外の色が用いられることが理解され、及び/又はこのような色の選択は、信号対ノイズ比及び/又は酸素化に関連する反射性又は他の有用性のいずれかにおける最小限の効果によってのみ制限され得る。
【0133】
ECG又は緑色PPG(など)又は赤色/IRの長時間平均(以下を参照)データは、異なる光波長の2つ以上のフォトプレチスモグラフと時間的に一致する状態で記録され得る。心拍は、ECG又は緑色PPG信号で検出される。これらの心拍により、2つの隣接する心拍間の時間にわたるフォトプレチスモグラムデータの「フレーム」を定義することができる。次いで、これらのフレームのうちの2つ以上を各時点で平均して、時間間隔の平均フレームを作成することができる。フォトプレチスモグラムは心拍と相関しているため、フォトプレチスモグラフ信号はこの平均化により強化される。しかしながら、心拍と時間的に相関していないモーションアーチファクト又は他のノイズ源は減少する。したがって、平均フレームの信号対ノイズ比は、通常、個々のフレームの信号対ノイズ比よりも高い。
【0134】
異なる光波長の少なくとも2つのフォトプレチスモグラフの平均フレームが作成されると、線形回帰を使用して2つの平均フレーム信号間の利得を推定することができる。この利得値を使用して、血中酸素飽和度情報又はヘモグロビン、二酸化炭素などの血液中に存在する他の成分を推定することができる。このプロセスは、そうするためにさらなる及び/又は代替的な光波長について繰り返され得る。
【0135】
本発明の例示的/代替的な方法は、特定の及び/又は個別の信号間の、それが用いられ得る場合/ときには赤色及びIR及び/又は緑色フレーム信号間の、利得を求めることを含み得る。これらは、最初に2つのフレームを平均することによって見つけることができる。これにより、ノイズが低減された信号を得ることができる。利得は、赤色対組み合わせ及びIR対組み合わせの線形回帰を行い、これらの2つの結果の比を求めること、又は赤色対緑色との組み合わせ及びIR対緑色との組み合わせの線形回帰を行い、これらの2つの結果の比を求めること、又は赤色対緑色及びIR対緑色の線形回帰を行い、これらの2つの結果の比を求めること、又は緑色を赤色及びIRのそれぞれと組み合わせてこれらの結果の比を使用する線形回帰によって求められる。
【0136】
別の方法は、可能な利得値を選択することと、前記利得値を平均フレーム信号に乗算することと、異なる波長の平均フレームに関する残差を求めることとを含む。このプロセスは、いくつかの考えられる利得値に対して繰り返され得る。線形単回帰は大域的最小値の利得値を見つけるが、この方法では局所的最小値を見つけることができる。したがって、大域的最小値が、モーションアーチファクト、静脈血の動き、又は別のノイズ源によって生じる相関を表す可能性が高い場合、それは無視され、代わりに局所的最小値が選択され得る。
【0137】
また別の方法では、はるかに長時間にわたる赤色信号及び/又はIR信号のアンサンブル平均を使用して脈波形状を判定し、次いで、より短時間平均の信号をその波形形状に適合させる。基本的に、上記の緑色光信号又はECG信号は、赤色/IRの長時間平均に置き換えることができる。
【0138】
前述のように、上記態様を実装するための本発明の患者ウェアラブルデバイスは、このような測定のノイズの多い領域、例えば、胸部位置などの顕著な局所的な皮膚の動きがある場所で酸素飽和度をモニタリングするのに特に有用であり得る。
【0139】
本発明の上記態様の一実施形態が図6A図6Cに示されている。図6Aでは、曲線A(600)は、赤外(IR)反射についての本発明のデバイスのフォトダイオードの時間で変化する出力を示し、曲線B(602)は、赤色光反射についてのデバイスのフォトダイオードの時間で変化する出力を示す。いくつかの実施形態では、皮膚は、赤色及びIR LEDで交互に照射され、生成された信号は同じフォトダイオードで収集される。図6Bでは、曲線C(604)で示される、時間的に同期した(すなわち時間的に一致する)ECGデータ(又は代替的に/さらに前述の緑色PPGデータ又は赤色/IRの長時間平均)が、図6Bのプロットに追加されている。ECGデータのピーク値(例えば、ピーク606及び608)(又は緑色PPG又は赤色/IRの長時間平均データ、上記を参照)を使用して、パルスオキシメトリデータのフレーム又は間隔を定義することができる。さらなる連続するフレーム又は間隔が612及び614で示されており、さらなるフレームは同様に決定され得る。この態様によれば、複数のフレームからパルスオキシメトリデータが収集される。フレームの数は、特定の用途に応じて大きく異なり得る。いくつかの実施形態では、収集されるフレームの数は5~25であり、一実施形態では、フレームの数は8から10の間である。通常、パルスオキシメトリデータのフレーム又は間隔には、異なる数の信号サンプルが含まれている。すなわち、センサからの出力は、32サンプル/秒などの所定の速度でサンプリングされ得る。ECG(又は緑色PPG又は赤色/IRの長時間平均)のピーク間の時間が変化する場合、フレームあたりのサンプルの数も変化する。一実施形態では、フレームの開始点として作用するECG(又は緑色PPG又は赤色/IRの長時間平均)データの特徴は、パルスオキシメトリデータの関連するピークがフレームのほぼ中間点又は中央になるように選択され、その後、フレームごとに所定の数の信号サンプルが記録される。好ましくは、この実施形態では、所定の数は、パルスオキシメトリ信号のピークがほぼフレームの中央にあることを保証するのに十分な大きさとなるように選択される。所定の値を超える時間点に対応するサンプル値は使用されない。データの複数のフレームが収集された後で、フレームの対応する時間点での値の平均が計算される。パルスオキシメトリデータのこのようなAC及びDC成分からの平均値が求められ、次いで、ratio-of-ratiosアルゴリズム、例えばCypress SemiconductorのドキュメントNo.001-26779 Rev A(2010年1月18日)などの従来の方法によって相対酸素飽和度を計算するのに用いられる。この基本的な手順は、図6Cのフローチャートに要約されている。最初に、フレームサイズ(サンプルの数の観点での)が決定される(620)。次に、各フレーム内の対応する時間点でのサンプルの値が合計され(622)、その後、各フレームの各時間点での平均値が計算される(624)、次に、ノイズが低減されたIR及び赤色及び/又は緑色光反射のAC及びDC成分が得られる。いくつかの実施形態では、これらの成分の値は、従来のアルゴリズムを使用して酸素飽和度を計算するために用いることができる(626)。酸素飽和度の相対値は、特定の実施形態の測定値を較正することによって絶対値に変換することができる。較正は、個人が様々な大気中の酸素濃度にさらされ、測定される酸素飽和度値が対応する酸素レベルに関連している制御された環境で実行することができる。
【0140】
ECG及び/又は緑色PPG又は赤色/IRの長時間平均信号をパルスオキシメトリ信号と比較する上記の実施形態に加えて、このような比較の他の実施形態の範囲は当業者の理解の範囲内にある。例えば、ノイズの存在下でパルスオキシメトリ信号のAC成分のピークを見つけるために、パルスオキシメトリの最大値及び/又は最小値の前後の特徴的な時間に位置する時間的に一致するECG信号の特徴を使用して、複数の心拍にわたって平均されたときの(心拍にわたるパルスオキシメトリ信号のすべての値を平均する必要はない)パルスオキシメトリのピーク値及び最小値を確実に決定することができる。例えば、或る間隔内で、ECG信号のR波ピークが、特徴的に、パルスオキシメトリ信号の最大値のxミリ秒前にあり、且つ、パルスオキシメトリ信号の最小値よりもyミリ秒ひきずっている場合、パルスオキシメトリ信号のAC成分に関する重要な情報は、パルスオキシメトリ信号の2つの値だけを繰り返し測定することによって得られる。
【0141】
いくつかの実施形態では、フォトダイオードで測定されたIR又は赤色反射の値を使用して、呼吸深度及び/又は呼吸数を推定することができる。図6Dには、経時的な赤色又はIR又は緑色値の曲線(630)が示されている。図6Eには、曲線(630)の最大値及び最小値が、それぞれ破線の曲線(632)及び(634)で示されている。或る時間点での最大値と最小値の差は、モニタリングされる個人の呼吸深度に単調に関連する。したがって、図示されているように、時間(636)での呼吸は、時間(638)での呼吸よりも浅い。いくつかの実施形態では、個人の呼吸深度対時間が計算され、モニタリングされ得る。経時的に、最大値と最小値の経時的な曲線から呼吸数を評価することができる。
【0142】
さらに、ECGのR-S振幅及び/又はR-R間隔からの呼吸波形の導出の評価から移行して、本明細書で説明されるPPG及び/又はパルスオキシメータを使用して、呼吸波形を比較的直接推定できることが見出されている。呼吸中に胸部が膨張及び収縮する際に、その動きは、PPG信号の曲がりくねったベースラインアーチファクトとして現れる。呼吸信号は、呼吸/呼吸信号に焦点をあてるためにPPGデータをフィルタリングすることにより分離することができる。これは胸部に取り付けられたPPGに特にあてはまる。
【0143】
加えて、胸部に取り付けられた加速度計も又は代替的に、特にユーザが仰向けになっているときに、呼吸波形を測定するために用いることができる。胸部が膨張及び収縮する際に、胸部は上下に(又は横方向に、或いは向きに応じて)加速し、これは加速度計で測定することができる。
【0144】
これらのPPG及び/又は加速度計、デバイス及び/又は方法のいずれかは、個別に又は互いに組み合わせて及び/又は上記のECGベースの呼吸推定技術と組み合わせて用いることができる。複数の方法を使用すると、単一の方法に基づく推定と比較して精度が向上する場合がある。次いで、時間ドメイン及び/又は周波数ドメイン法を使用して、呼吸信号から呼吸数及び呼吸深度を推定することができる。
【0145】
一部の実装では、心拍タイミング(例えば、ECGからの)及びPPG信号は、脈波伝達時間、すなわち、圧力波が心臓から体内の他の場所に伝わるまでの時間を決定するのに用いることができる。次いで、脈波伝達時間の測定値を使用して血圧を決定又は推定することができる。心拍タイミング、ECG、及び/又はPPG信号は、従来の又は他の開発予定の方法、システム、又はデバイスによって生成され得る、又は、本明細書に別段の記載があるようなウェアラブルデバイスによって開発され得ることに留意されたい。すなわち、本発明のアルゴリズムは、ウェアラブル心臓デバイスで使用できるだけでなく、別個に使用することもできる。
【0146】
本明細書の他の場所に開示されているように、いくつかの心拍のPPG信号は、それぞれ心拍と相関させることで平均することができる。その結果、心拍数に相関するPPG信号が強化され、相関していないノイズが減少したPPGフレームが得られる。さらに、PPGフレームは心拍のタイミングと既に相関しているので、フレーム自体の開始又は終了のいずれかに関してピーク又は最小のいずれかの位置を判定することにより、脈波伝達時間を推定することができる。これは、最小及び/又は最大のサンプルを見つけること、又は信号を補間して、測定されたサンプル間のポイントを見つけることのいずれかによって行われ得る。例えば、補間は、2次フィット、3次スプライン、デジタルフィルタリング、又は多くの他の方法で行われ得る。
【0147】
脈波伝達時間も、PPGフレームをサンプル信号と相関させることによって推定することができる。2つの信号を互いに対してシフトさせることにより、最大の相関をもたらす時間シフトが決定され得る。サンプル信号が予想されるPPGフレームの近似値である場合、最大の相関をもつ時間シフトを使用して脈波伝達時間を求めることができる。
【0148】
本発明の例示的な方法論又はアルゴリズムがここで説明され、図7A図7B、及び図7Cに示される。最初に、このような方法710(パート710a、710b、及び/又は710cを含む及び/又はそれらにより定義される)は、例えば図7Aに示すように、入力として少なくとも1つの心拍(典型的なECG)信号712及び少なくとも1つのPPG信号711を取得する。各心拍からR波又は他のECG特徴を検出することによって心拍タイミング情報を生成するために心拍タイミング情報/信号712が使用され、心拍タイミング情報のより良好な推定値を得るために複数のECG信号(すなわち、体上の位置からの異なるリード)が使用され得る。PPG信号711は、単一の光波長又は複数の光波長からの信号を使用することができる。各PPG信号711に関連する対応する心拍タイミング情報を使用して、各PPG信号711が「フレーム」(図7AのPPGフレーム1、PPGフレーム2、及びPPGフレームN参照)にセグメント化され、各フレームには、対応する1つの心拍の持続時間にわたる単一波長のPPG信号が含まれる。
【0149】
随意的に、しかし典型的には、PPG信号品質の推定も行われ得る。この例は、図7Bの方法パート710bとして示される。この推定は、PPG信号の分散、PPG信号の推定信号対ノイズ比、PPG信号飽和、加速度計又はジャイロスコープからの患者の動き情報、ECG又はインピーダンス測定のノイズ推定、又はPPG信号品質に関する他の情報を考慮し得る。図7Bに示されているのは、加速度計信号713をPPG信号711と併せて使用してPPG信号品質値/推定714を生成する例である。この信号品質の推定714を心拍タイミング情報712と併せて使用して、各フレームの利得(図7BのPPGフレーム1利得、PPGフレーム2利得、及びPPGフレームN利得参照)を生成することができ、信号品質が低いと利得が低くなる。計算時間を減らすために、信号品質の推定714を省略することができ、利得情報に定数を使用することができる。
【0150】
図7Cに示すように、利得情報(図7BからのPPGフレーム1利得、PPGフレーム2利得、及びPPGフレームN利得)をフレーム情報(図7AからのPPGフレーム1、PPGフレーム2、及びPPGフレームN)と共に使用して(ここでは組み合わされた/操作されたものとして示される)、重み付されたnサンプル移動平均フレーム715を作成することができ、心拍タイミングと相関しているPPG信号が強化され、相関していないノイズが低減される。フレーム(n)715に含まれるサンプルの数は、ノイズを低減する又は応答時間を減少させるように適合され得る。フレームは、さらに遠くにあって潜在的に関連性が低いフレームに関して、最近の又は近い将来のフレームの寄与を増大させるべく時間によってさらに重み付けされ得る。この時間によるさらなる重み付けは、IIR(無限インパルス応答)又はFIR(有限インパルス応答)フィルタを使用して実施することができる。
【0151】
平均フレーム715が所与の瞬間に生成されると、心拍に対するフレーム信号のシフトを見つけることによって脈波伝達時間716を求めることができる。これは、信号が最小又は最大であるサンプルインデックス717を見つけて、これをフレーム境界(心拍タイミング)と比較して脈波伝達時間を求めることで簡単に行われ得る。より正確な結果を得るために、最小又は最大値の周りにスプライン又は多項式のあてはめを使用して信号を補間することができ718、サンプルレートよりも高精度で最小又は最大を判定することができる。最後に、平均フレームがテンプレートに対してシフトされている参照フレームテンプレートとフレームを比較することができる719。平均フレームとテンプレートとの相関が最も高いシフトは、伝達時間716を示す。この参照テンプレートは、所定の信号であり得る、又は、既知の伝達時間での長期のフレーム平均を使用することによって適応され得る。
【0152】
このような方法論は、従来の及び/又は開発予定の技術を含むがこれらに限定されない様々なソースから得られた、又は、どちらか一方又は他方を単独で又は一緒に、及び/又は以下でさらに説明するようにウェアラブルデバイス及び/又はシステムから得られた高品質信号(PPG分散、推定PPG信号対ノイズ比、PPG信号飽和、患者の動きの加速度計又はジャイロスコープデータ、ECG又はインピーダンス測定のノイズ推定、又はPPG信号品質に関する他の情報)と一緒に得ることができる、PPG及び心拍タイミング情報と共に用いることができることに留意されたい。
【0153】
一部のさらなる代替は、医師又は診療所又は例えばICU/CCU(集中治療室/冠状動脈疾患集中治療室)のいずれであるかにかかわらず、地域の医療施設によるデータ伝送及び/又は解釈を含み得る。したがって、心電図信号、フォトプレチスモグラム信号、パルスオキシメトリ信号、及び/又は患者加速度信号を含み得る様々な生理学的信号のうちの1つ又は複数を測定する本発明のデバイス100が、患者の胸部に配置され、本明細書で説明するように接着剤で保持される。デバイスは、生理学的信号を解釈と必要に応じてさらなる送信のために無線又は有線(例えばUSB)で近くの基地局に送信する。無線伝送は、Bluetooth、Wi-Fi、赤外線、RFID(Radio Frequency IDentification)、又は別の無線プロトコルを使用することができる。デバイスには、ワイヤレスインダクション、バッテリ、又はその2つの組み合わせによって電力を供給することができる。デバイス100は、生理学的信号をモニタリングする及び/又はそれを表すデータを収集する。次いで、収集したデータを、無線又は有線接続によってリアルタイムで近くの基地局に送信することができる。デバイスには、基地局又はバッテリによってワイヤレスで電力を供給することができ、患者とステーションとの間の配線の必要性が排除される。
【0154】
関連して及び/又は代替的に、患者又は装着者は、ICU(集中治療室)又は他の設備を含む病院で、無線でモニタリングすることができる。したがって、本発明の小型の無線パッチデバイスを使用して患者上でECG信号を測定することができる。次いで、信号がデジタル化され、無線でレシーバに送信される。レシーバは、元のECG信号の振幅を近似するように信号をアナログに変換する。次いで、この出力が、標準的な電極リードを通じて既存の病院ECGモニタに表示される。これにより、患者をモニタに接続するリード線の必要なしに、既存の病院インフラストラクチャを使用して患者をモニタリングすることができる。患者の胸部インピーダンスも測定することができ、再構成信号を、振幅だけでなく出力インピーダンスでもECG信号に近似することができる。これは、接続解除されたパッチを検出するために用いることができる。出力インピーダンスは、連続可変であり得る、又は、選択可能な離散値(例えば、接続されたデバイスに関する1つの低値と、パッチが緩んだことを示す1つの高値)を有し得る。インピーダンスはまた、無線伝送の問題を示すために用いることができる。
【0155】
他の代替的な実装は、乳児の額に取り付けられた1つ以上のセンサを結合することを含み得る。最初に、乳児の額にデバイスを取り付けることによって酸素飽和度データを取得する方法が、紹介として用いられ得る。しかしながら、拡張又は代替は、同じ額に取り付けられたデバイス上で酸素飽和度センサと相対位置及び温度センサを結合することを含み得る。組み合わされたデータを使用して、乳児がうつ伏せの姿勢で窒息する危険があるかどうかを確認することができる。
【0156】
したがって、本発明の代替的な組み合わせのいくつかは、(1)数日間(例えば、一部の例では10日又は2週間まで)皮膚を損傷することなく皮膚との密接な接触を維持する能力及び異なるタイプのセンサでの操作性のために選択された医療グレードの接着剤(多くの可能な供給元からの)、(2)光励起に対する皮膚からの又は皮膚組織又は皮下組織の光応答からの電気信号を供給することができる導電性電極又は感光性検出器、(3)これらの信号を処理する及び記憶することができる増幅器、マイクロプロセッサ、及びメモリ、(4)格納された又はワイヤレスでアクセス可能な再充電機能を備えた、本発明の電子機器のための電源、(5)関心ある皮膚領域に適合できるフレキシブルストリップ内で上記の要素を一緒に結びつけることができるフレックス回路、のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0157】
モニタリング、記録/収集、及び/又は分析の対象となり得る生理学的パラメータの例は、心電図、例えば血液の酸素飽和度に関する光により励起された組織の光応答、脈拍数及び関連する変動、身体活動/加速度の指標、のうちの1つ又は複数を含み得る。これらのうちの1つ又は複数は、日中及び夜間の数日にわたり心臓疾患のある外来患者をモニタリングする際に使用することができ、これにより、O2飽和度及び身体活動の指標の同時の記録とともに、テスト後の分析のために数日分の連続ECG信号の記録が提供される。同様に、これらのうちの1つ又は複数は、O2飽和度及び身体活動の指標の同時の記録と共にテスト後の分析のために記録するために、日中及び夜間の数日にわたり肺疾患のある外来患者をモニタリングする際に使用することができる。代替的に及び/又は加えて、これらのうちの1つ又は複数は、クリニック、緊急処置室、又はICUのいずれかで、入院患者又は関心ある他の患者、例えば新生児を無線で(又は場合によっては有線で)モニタリングするために、場合によってはEKG、O2、及び/又は身体運動のパラメータを検出するために用いることもできるが、それらのパラメータは、保存する代わりにベッドサイドモニタ又は中央ステーションモニタのいずれかにワイヤレスで送信することができ、したがって、患者を物理的ワイヤに接続しなくてもよい。より具体的には、本発明のデバイスは、呼吸及び酸素飽和度をモニタリングするために新生児の額に接着することができる。さらなる代替では、本発明のデバイスは、睡眠時無呼吸に苦しむ患者の呼吸及びECGをモニタリングするために用いることができる。またさらなる代替では、本発明のデバイスは、生理学的パラメータの観察及びモニタリングを正当化し得る物理的条件にさらされ得るアスリート、ファーストレスポンダー(例えば消防士)、兵士、又は他の個人の生理学的パラメータを遠隔的にモニタリングするために用いることができる。
【0158】
ここで、本発明で用いられ得る例示的なコンピュータシステム又はコンピューティングリソースを説明するが、本発明の合理的に予見可能な範囲内でコンピューティングシステム及びリソースの多くの代替が利用可能及び動作可能であり、以下は、本発明の精神及び範囲内で適切に意図される無数の可能な計算上の代替を制限することを決して意図していないことに留意されたい。
【0159】
本発明の実装のいくつかは様々なステップを含む。これらの様々なステップは、ハードウェアコンポーネントによって実行される場合があり、又は、マシンで実行可能な命令で具体化される場合があり、これらの命令を使用して、その命令でプログラムされた汎用又は専用プロセッサにステップを実行させることができる。代替的に、ステップは、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの組み合わせによって実行される場合がある。したがって、図4は、本発明の実装を利用することができるコンピューティングリソース又はコンピュータシステム400の例である。本実施例によれば、このようなコンピュータシステム400のサンプルは、バス401、少なくとも1つのプロセッサ402、少なくとも1つの通信ポート403、メインメモリ404、取り外し可能な記憶媒体405、読出し専用メモリ406、及び大容量記憶装置407を含み得る。より多くの又はより少ないこれらの要素が本発明の特定の実装において用いられる場合がある。
【0160】
プロセッサ402は、限定はされないが、Intel(登録商標)Itanium(登録商標)又はItanium 2(登録商標)プロセッサ、又はAMD(登録商標)Opteron(登録商標)又はAthlon MP(登録商標)プロセッサ、又はMotorola(登録商標)プロセッサラインなどの任意の公知のプロセッサとすることができる。通信ポート403は、モデムベースのダイヤルアップ接続で使用するためのRS-232ポート、10/100イーサネットポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、或いは銅線又はファイバーを使用するギガビットポートのいずれかとすることができる。通信ポート403は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)などのネットワーク、又はコンピュータシステム400が接続する又は接続するように適合され得る任意のネットワークに応じて選択され得る。
【0161】
メインメモリ404は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、又は当該技術分野では一般に公知の任意の他の動的記憶装置とすることができる。読出し専用メモリ406は、プロセッサ402の命令などの静的情報を記憶するためのプログラム可能な読出し専用メモリ(PROM)チップなどの任意の静的記憶装置とすることができる。
【0162】
大容量記憶装置407は、情報及び命令を記憶するのに用いることができる。例えば、SCSIドライブのAdaptec(登録商標)ファミリーなどのハードディスク、光ディスク、RAIDドライブのAdaptecファミリーなどのRAIDなどのディスクアレイ、又は任意の他の大容量記憶装置が用いられ得る。
【0163】
バス401は、プロセッサ402を、他のメモリ、ストレージ、及び通信ブロックに通信可能に結合する。バス401は、使用する記憶装置に応じて、PCI/PCI-X又はSCSIベースのシステムバスとすることができる。
【0164】
取り外し可能な記憶媒体405は、任意の種類の外付けハードドライブ、フロッピードライブ、IOMEGA(登録商標)Zipドライブ、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、CD-RW(Compact Disc-Re-Writable)、DVD-ROM(Digital Video Dis-Read Only Memory)、及び/又はmicroSDカードとすることができる。
【0165】
前述のコンポーネントは、いくつかのタイプの可能性を例示することを意図している。上述の例は、単なる例示的な実施形態であるため、本発明の範囲を制限するものであってはならない。
【0166】
本発明の実施形態は、とりわけ、心臓パラメータ及びデータをモニタリング及び処理するためのデバイス、システム、方法、媒体、及び構成に関する。本発明の1つ又は複数の実施形態の詳細な説明が上記で与えられているが、本発明の精神から変化することなく様々な代替、修正、及び均等物が当業者には明らかであろう。したがって、上記の説明は、付属の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図1J
図1K
図1K1
図1L
図1L1
図1M
図1M1
図1N
図1N1
図1N2
図1N3
図1N4
図1N5
図1N6
図1O
図1O1
図1P
図1Q
図1R
図1R1
図1S
図1T
図1T1
図1T2
図1U
図1U1
図1U2
図1V
図1W
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C
【国際調査報告】