(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-30
(54)【発明の名称】金属の3D印刷におけるZ軸の測定および制御
(51)【国際特許分類】
B29C 64/386 20170101AFI20220523BHJP
B29C 64/112 20170101ALI20220523BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20220523BHJP
B33Y 50/00 20150101ALI20220523BHJP
【FI】
B29C64/386
B29C64/112
B33Y10/00
B33Y50/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021556881
(86)(22)【出願日】2020-03-20
(85)【翻訳文提出日】2021-11-15
(86)【国際出願番号】 US2020023945
(87)【国際公開番号】W WO2020198038
(87)【国際公開日】2020-10-01
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518215530
【氏名又は名称】デスクトップ メタル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】DESKTOP METAL, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100179903
【氏名又は名称】福井 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】マーク ガードナー ギブソン
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AP11
4F213AQ01
4F213AR12
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL16
4F213WL32
4F213WL85
4F213WL92
(57)【要約】
付加製造プロセスで製造された層のZ軸の高さの測定および制御が開示される。堆積された層の高さが監視され得、これは、基準塔を使用して全体的な誤差を測定することまたは光学的もしくは他の手段を使用して層ごとに層を測定することを含み得る。小滴サイズ、ピッチ、およびその他の条件は、検出された誤差を改善または修正するために変更され得る。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造中にツールパスの長さを調整する方法であって、
堆積された構築材料の層のツールパスの長さを決定するステップと、
前記ツールパスの長さをドロップピッチで割って、小滴カウントを決定するステップと、
前記小滴カウントを整数に丸めるステップと、
前記整数に従って更新されたドロップピッチを決定するステップと、
前記更新されたドロップピッチを使用して前記構築材料の層を堆積させるステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記小滴カウントは、最も近い整数に丸められる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記小滴カウントの反対方向に第2の小滴カウントを丸めて、第2の整数を決定することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
付加製造中に層のZ軸の高さを調整する方法であって、
構築材料の第1の層を第1の小滴ピッチで堆積させるステップと、
前記第1の層をプロファイリングして、前記第1の層における少なくとも1つのZ軸の高さの欠陥を識別するステップと、
前記構築材料の第2の層の少なくとも一部を第2の小滴ピッチで堆積させて、前記Z軸の高さの欠陥を修正するステップと、
を含む、方法。
【請求項5】
前記第1の層をプロファイリングするステップは、レーザーポイントスキャナを使用して前記第1の層の上面をスキャンすることを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の層をプロファイリングするステップは、レーザーラインスキャナを使用して前記第1の層の上面をスキャンすることを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の層をプロファイリングするステップは、カメラを使用して前記第1の層の上面をスキャンすることを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記カメラは、オートフォーカスされ、前記第1の層全体にわたって機械的にスキャンされる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記カメラは、固定焦点を有し、コンピュータビジョンソフトウェアは、ブレの程度に従って前記カメラと前記第1の層の前記上面との間の距離を決定するために使用される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記カメラは、浅い被写界深度を有し、前記カメラが前記第1の層に対して静止状態に維持されている間に、その焦点範囲を通してプログラムに従ってスイープされる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
小滴サイズを調整して前記Z軸の高さの欠陥を修正することを助けるステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項12】
付加製造中に層のZ軸の高さを調整するように構成されたシステムであって、
構築材料の第1の層を第1の小滴ピッチで堆積するように構成されたノズルと、
前記第1の層の少なくとも1つのZ軸高さ欠陥を識別するように構成される監視システムと、
を備え、
ここで、前記ノズルは、前記Z軸の高さの欠陥を修正するために、第2の小滴ピッチで前記構築材料の少なくとも第2の層を堆積するように構成される、
システム。
【請求項13】
前記監視システムは、レーザーポイントスキャナを使用して前記第1の層の上面をスキャンするように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記監視システムは、レーザーラインスキャナを使用して前記第1の層の上面をスキャンするように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記監視システムは、カメラを使用して前記第1の層の上面をスキャンするように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記監視システムは、オートフォーカスされ前記第1の層全体にわたって機械的にスキャンするように構成されたカメラを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記監視システムは、固定焦点を含むカメラを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記監視システムは、浅い被写界深度を有し、前記カメラが前記第1の層に対して静止状態に維持されている間、その焦点範囲をプログラムに従ってスイープされるように構成されたカメラを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記ノズルは、前記Z軸高さの欠陥を修正することを助けるために小滴サイズを調整するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の主題は、一般に、付加製造中の層の高さの制御に関し、より具体的には、構築材料の連続層の堆積中のZ軸方向の層の高さの監視、制御、および修正に関する。
【背景技術】
【0002】
噴射ベースの金属3D印刷においては、3D形状は、液体金属を基板に噴射することによって作成される。多くの場合、金属は下向きに噴射されるため、部品は層状に上向きに構築される。各層の高さは、堆積される金属の性質(例えば、材料の表面張力)ならびに基板の直線運動に対する金属堆積の速度によって大まかに決定される。ドロップオンデマンド印刷の場合、ドロップサイズおよび堆積された滴間の距離は、結果として得られる層の高さに影響を与える。事前に印刷された材料との相互作用(例えば、同じ層上の事前に印刷された材料のすぐ隣に印刷すること)もまた、結果として得られる印刷ラインの高さに影響を与え得る。実際、複数のラインを互いに近づけて印刷すると、ドロップサイズとピッチとが一定に保たれているときであっても、ラインが離れている場合よりも高い層が作成される。
【0003】
印刷された部品の高さは、印刷プロセスにおける制御されていない変動のために意図されたものから逸脱し得る。噴射された金属の塗布速度は、例えば、ドロップサイズの変動、余分な「サテライト」小滴、または個々の滴に対して金属の連続流を放出する場合における噴射された金属流の流量の変動など、顕著な効果があり得る。部分密度の充填、鋭いコーナー、オーバーハングの使用などの形状条件もまた、望ましくない高さの変動をもたらし得る。プリントヘッドに対して部品を動かす機械システムの変動も、そのようなずれをもたらし得る。そのような高さの変動は、異なる高さを有する部品または層の異なる領域を伴う局所的なものであり得、および/または層全体もしくは部品全体の高さを効果的に拡大または縮小する全体的なものであり得る。これらの条件はすべて不正確であると見なされ、3D印刷部品においては望ましくない。これらの状態を可能な限り防止し、不可能な場合はこれらの状態を特定して測定し、誤差を改善するための修正措置を講じることが望ましい。修正措置には、後続の層または層の一部を公称よりも高いまたは短いように意図的に印刷すること(例えば、ドロップサイズおよび/または間隔を変更することによって)、追加の材料を「低い」領域に噴射すること、および/または部品の上面の「高いスポット」から過剰な材料を除去することが含まれ得る。
【0004】
ほとんどのインクジェットまたは小滴噴射印刷システムにおいては、ヘッドまたは基板が単一軸で移動し、画像(2Dの場合)または固体部品の層(3Dの場合)は、いわゆる「ラスタリング」によって作成される。すなわち、画像または層は、グリッドに分割され、画像/層が発生するグリッド上のポイントに噴射される。小滴サイズが十分に小さい場合は、この方法を使用して高品質高解像度の画像または部品が作成され得る。
【0005】
金属ドロップオンデマンド3D印刷の場合、材料の堆積速度は、小滴半径の3乗および噴射の頻度に比例する。商業的に実行可能な堆積速度(妥当な部品印刷時間を可能にする)を達成するには、大きな小滴または高い噴射周波数のいずれかが必要であり、後者はノズルの共振または過度の電力消費などの他の問題を引き起こし得る。ドロップサイズに対する3乗関係のため、ドロップサイズの比較的小さな増加によって、堆積速度の大幅な増加が達成され得る。ただし、ドロップサイズがより大きい場合(通常の水性インクジェット滴よりもしばしば桁単位で大きい)、前述のラスタリング技術を介して部品を印刷するには、比較的粗目のグリッドが必要であり、これにより、印刷部品に目に見えるアーティファクトが生成され、作成され得る最小特徴サイズが制限される。
【0006】
この問題を回避するためには、グリッドを使用しない、いわゆる「ベクターパス」を使用して印刷することが望ましい。代わりに、層の境界(当業者には「内壁および外壁」として知られている)は、モーションシステムによって直接トレースされ、(パスが自己交差しない限り)元のテッセレーションされたモデルおよび採用されたモーションシステムによってのみ制限される精度および解像度を有する。一部の実装では、壁の間の印刷領域(「インフィル」と呼ばれる)は、セミラスター方式で印刷され、壁の間の領域を埋める材料の等間隔で印刷されたラインを有するが、滴は任意の特定のグリッド上に落下しない。
【0007】
現在、ベクターパスは、FFFとして知られる3D印刷技術で一般的に使用されている。一般に「スライサーソフトウェア」として知られるソフトウェアは、3Dモデル(多くの場合、.STLなどのテッセレーション形式)を層に分割し、複数の「ツールパス」または「パス」を計画して、材料ビーズを、その複数が所望の部品を作成するために積み重ねられる、薄い層に堆積する。ツールパスは、FFFプリンタが直接処理するように設計されている、「Gコード」(元々はCNC工作機械で使用されていた)の形式で出力される。「Cura」および「Slic3r」など、オープンソースソフトウェアとして利用可能な定評のあるスライサーソフトウェアプログラムがいくつか存在する。これらの製品は無料で入手可能であり完成されているため、もともと意図されていた印刷プロセス以外の印刷プロセスでの使用においても魅力的である。
【0008】
FFFプリンタは、印刷された部品の輪郭をトレースするため、ユーザーは、プリンタのビルドエンベロープ内に収まる任意の形状およびサイズの部品を印刷することが合理的に期待され得、プリンタが配置するパスは任意の長さであり得る。例えば、円形部品の外側をトレースするパスの長さは、部品の円周(または部品からの固定オフセット)でなければならない。一定の堆積幅(すべてではなくともほとんどのスライサーソフトウェアに当てはまる)を想定し、一定のパス高さを所望すると、ツールパスに堆積される材料の体積は、実質的に任意の量になり得る。これは、FFF押し出し機で一般的に使用されるステッピングモーターの高解像度によって簡単に調整される。
【0009】
対照的に、ドロップオンデマンド印刷では、インクまたは金属は、個別の分量、つまり1滴の体積で供給される。その結果、ドロップオンデマンドインクジェット印刷を使用してFFFツールパスを印刷するとき、一定の層の高さを生成するために滴が等間隔で(つまり、固定されたドロップピッチで)堆積されると仮定すると、正確に噴射され得るパスは、長さがドロップピッチの整数倍であるパスであり得る。十分に小さいサイズの滴の場合、ドロップピッチは、量子化効果を無視できるのに十分に小さい。しかしながら、上記のように、金属ドロップオンデマンド印刷においては、商業的に実行可能な構築速度を達成するために、より大きな小滴を使用することが望ましい。結果として生じるドロップピッチでは、パスの長さはかなり離散化している。これにより、FFFパスが任意の長さであるという要件と矛盾が生じる。高さ誤差を生じさせずにドロップオンデマンド印刷でFFFツールパスを使用するには、この矛盾を解決しなければならない。
【0010】
ドロップオンデマンドプリンタでFFFツールパスを実行することに関して、別の種の問題が存在する。それは、FFFツールパスに沿った正しい場所に小滴を堆積するようにモーションコントローラまたは他のモーション生成システムをプログラミングすることである。明白なアプローチは、噴射ヘッドを動かしながら一定の頻度で小滴を噴射することである。ただし、ヘッド速度の任意の変動(例えば、停止から加速もしくは減速する、または鋭いコーナーで減速する)は、速度の変化に応じて小滴間の間隔に変化をもたらし、高さの変動を引き起こす。
【0011】
別のアプローチは、ラスター印刷で使用されるアプローチと同様であるが、しかし2次元のヘッドの移動において、印刷されている部品に対してプリントヘッドによって移動される距離の関数として一定の速度で小滴を噴射することである。ただし、ベクター印刷では、材料の堆積速度を変更しなければならない条件(例えば、パスがオーバーラップする鋭角コーナー)があり、そうしないと、過剰材料の蓄積または十分な材料が堆積されていない「ロースポット」が発生する。スライサーソフトウェアはこれらの形状条件を認識し、それに応じて材料出力を調整し得るが、これを利用するには、ドロップベースのプリンタがスライサーからのこれらのコマンドに応答可能でなければならない。
【0012】
別のアプローチは、各滴の位置を個別に命令することである。この場合、Gコードファイルまたはその他のモーションコマンドのリストには、小滴ごとにポジショニングコマンドが必要である。すなわち、噴射周波数が1kHzの場合、モーションコントローラはこの速度でポジショニングコマンドを読む必要があるが、これはほとんどの商用コントローラにおいては実行可能ではない。さらに、大部分における数十万または数百万の小滴のそれぞれの位置を記述するために必要なファイルサイズは法外なものになり得る。
【0013】
したがって、一定の層の高さを生成するために、個々の滴が正しく配置されることを保証しながら、モーションコマンドをプリンタ制御システムに効率的に伝達できる方法が必要である。
【0014】
対処しなければならない別の問題は、ドロップコマンドが送出されてから滴が基板に着地するまでの時間の遅延である。この遅延は、滴を放出するためのノズルの準備時間、実際に滴を放出する時間およびノズルから基板までの飛行時間など、いくつかの部分で構成される。実際のシステムでは、この時間は10msに近づき得、その間にヘッドおよびテーブルが意図した滴着地位置から離れ、滴配置誤差が発生する。この遅延は時間的に一定であるが、結果として生じる誤差のサイズ(望ましい滴位置から実際の滴位置までの距離)は、ヘッドと基板との相対速度、およびそれらの間の距離によって異なる。
【0015】
ヘッドが静止していて部品が動いているシステムでは、この誤差は印刷されているパスに沿って生じる。ただし、ヘッド(印刷されている部品ではない)が移動しているシステムでは、追加の問題が発生する。そのようなシステムにおいては、放出された小滴は、放出の瞬間にヘッドの方向に水平成分を有するであろう。小滴の意図された着地位置がこのベクターに沿っていない場合、滴は意図されたパスから外れて着地する。
【発明の概要】
【0016】
付加製造中に発生する可能性のある誤差を防止、測定、および改善するための方法およびシステムを開示する。
【0017】
付加製造部品のZ軸誤差を決定するために使用され得るいくつかの測定方法が開示される。
【0018】
第1の実施形態では、基準塔は、部品と同時に製造され、高さを測定して、得られた実際の高さを意図された高さと比較することによって全体的な平均誤差を決定する。
【0019】
第2の実施形態では、製造される部品の最上面は、層の堆積中または層の堆積後のいずれか、および次の層の堆積前に、センサによって高さが測定される。決定に使用され得るセンサおよび技術は、部品表面全体をスキャンする、レーザーポイントスキャナと;レーザーラインスキャナと;オートフォーカスを備えたカメラであって、カメラがあるポイントでの距離を報告し、部品がカメラでスキャンされる、オートフォーカスを備えたカメラと;固定フォーカスを備えたカメラであって、コンピュータビジョンソフトウェアがぼけの程度を使用して距離を推定する、固定フォーカスを備えたカメラと;範囲にわたってスイープする電動フォーカスを備えたカメラであって、コンピュータビジョンソフトウェアが視野全体のマップを作成する、範囲にわたってスイープする電動フォーカスを備えたカメラと;固定フォーカスを備えたカメラであって、最上面が焦点範囲にわたってスイープされる、固定フォーカスを備えたカメラと;印刷中に特定の距離に焦点を合わせた上面全体を見渡すカメラと、を含む。これらのセンサのセットアップについては、以下で詳しく説明する。
【0020】
他の実施形態では、小滴間の距離(ピッチ)は、最初と最後の小滴がそれらの意図された場所に適切に配置されるように調整される。
【0021】
他の実施形態では、小滴サイズおよび/またはピッチは、製造中の部品の局所的または全体的な誤差を改善または修正するように調整される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本開示の前述の要約、好ましい実施形態、および他の態様は、以下の特定の実施形態の詳細な説明を参照して、添付の図面と併せて読むとき、最もよく理解されるであろう。
【
図1】磁気流体力学的溶融金属印刷用の付加製造システムのブロック図である。
【
図4】付加製造プロセス中に発生し得る誤差の例を示す。
【
図5】製造されている部品と一緒に基準塔が製造されている実施形態を示す。
【
図6】製造されている部品の表面が光学的に分析される実施形態を示す。
【
図7】製造されている部品の表面がレーザーを介して分析される実施形態を示す。
【
図8】ドロップピッチおよび速度に応じた堆積媒体の変化プロファイルを示す。
【
図9】AおよびBは、選択したツールのパスに応じて印刷中に発生し得る問題のある状態を示す。
【
図10】さまざまなセグメントの構築中のツールパスに対する小滴の場所を示す。
【
図12】位置補正なしでFFFツールパスに沿って噴射された滴の影響を示す。
【
図13】滴がコーナーに正確に配置されておらず結果として滴がオーバーラップするときの、コーナーバンチングの影響を示す。
【
図14】コーナーに正確に配置された滴で印刷され、オーバーラップを防ぐ、同じパスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
付加製造中に堆積された層のz軸高さを測定、制御、および修正するための方法およびシステムを開示する。
【0024】
本開示が使用され得る付加製造技術の非限定的な例を開示する。他の付加製造技術が使用され得ることを理解されたい。ここで説明する付加製造の方法は、残りの開示を理解するための文脈として詳細に説明される。
図1は、開示された改良が使用され得る液体金属100のMHD印刷を使用する付加製造システム100の概略図である。付加製造システム100は、ノズル102、供給システム104およびロボットシステム106を含み得る。一般に、ロボットシステム106は、供給システム104が固体金属112を金属供給部113からノズル102に移動させるときに、ビルドチャンバ110の作業体積108内の制御されたパターンに沿ってノズル102を移動させ得る。以下により詳細に説明するように、固体金属112は、ノズル102内またはノズル102に隣接する加熱器122を介して溶融され得、液体金属112’を形成する。MHD力は、ノズル102内の液体金属112’に作用する磁場および電流の組み合わせを通して、ビルドチャンバ110内に配置されたビルドプレート114に向かう方向に液体金属112’をノズル102から放出し得る。ノズル102が制御されたパターンに沿って移動するときに液体金属112’を繰り返し放出することを通して、物体116(例えば、二次元物体または三次元物体)が形成され得る。物体は、コントローラ124を介して実施されるモデル126に基づいて形成され得る。特定の実施形態においては、物体116は、ノズル102の下で移動し得る(例えば、ノズル102が静止したままであるとき)。例えば、制御されたパターンが3次元パターンである場合、液体金属112’は、連続層においてノズル102から放出され得、付加製造を通して物体116を形成する。したがって、一般に、供給システム104は、ノズル102が液体金属112’を放出するときに、連続的にまたは実質的に連続的に、ノズル102に構築材料を提供し得、これは、金属部品の大量生産を含む様々な製造用途での三次元プリンタ100の使用を容易にし得る。また、以下でより詳細に説明するように、MHD力は、ノズル102で制御され得、毎時約1滴の液体金属から毎秒数千滴の液体金属の範囲の速度で液体金属112’のドロップオンデマンド送達を提供し、特定の例では、液体金属112’の実質的に連続的な流を送達する。1つ以上のセンサ120は、以下でさらに説明するように、印刷プロセスを監視し得る。
【0025】
次に、
図1のプリンタのノズルを示す
図2A~2Dを参照する。ノズルは、ハウジング202、1つ以上の磁石204および電極206を含み得る。ハウジング202は、入口領域210および排出領域212を有する流体チャンバ208の少なくとも一部を画定し得る。1つ以上の磁石204は、ハウジング202を介して向けられた1つ以上の磁石204によって生成される磁場「M」を用いて、ハウジング202上にまたはさもなければハウジング202に対して固定位置内に支持され得る。特に、磁場は、液体金属112’が入口領域210から排出領域212に移動するときに、液体金属112’と交差する方向にハウジング202を通って向けられ得る。また、あるいはその代わりに、電極206は、ハウジング202上に支持され得、入口領域210と排出領域212との間の流体チャンバ208内の燃焼チャンバ216の少なくとも一部を画定する。使用中、供給システム104は、固体金属112と係合し得、加えてまたはあるいは、液体金属112’が1つ以上の磁石204および電極206を使用して生成されるMHD力を介して排出オリフィス218を通って放出されるときに、固体金属112を流体チャンバ208の入口領域210に向け得る。加熱器226は、ハウジング202および流体チャンバ208を加熱するために使用され得、固体金属112を溶融する。廃棄トレイ127は、ビルドプレートの近くに配置され、ノズルは、試験または較正ステップ中にその中に小滴を堆積させ得る。
【0026】
特定の実施形態では、電源118は、電極206と電気的に連通し得、電極206の間に流れる電流「I」を生成するように制御され得る。特に、電流「I」は、燃焼チャンバ216内の液体金属112’内の磁場「M」と交差し得る。この交差の結果は、磁場「M」と電流「I」との交差点での液体金属112’に対するMHD力(ローレンツ力としても知られる)であることを理解されたい。MHD力の方向は右手の法則に従うため、1つ以上の磁石204および電極206は、互いに対して配向され得、液体金属112’を排出領域212に向かって移動させ得る方向など予測可能な方向に、液体金属112’にMHD力を及ぼす。液体金属112’に対するMHD力は、体積力として知られるタイプのものである。これは、電流「I」が流れるところおよび磁場「M」が存在するところの両方はどこでも、液体金属112’上に分散する方法で作用するためである。この体積力の集合により、液体金属112’の放出につながり得る圧力が発生する。磁場「M」および電流を互いに実質的に垂直に配向し、液体金属112’の入口領域210から排出領域212への移動方向に実質的に垂直に配向することにより、電流「I」を最も効率的に使用し得、MHD力を使用して液体金属112’を放出することとなることを理解されたい。
【0027】
使用中、電源118は、電極206間を流れる電流「I」をパルス化するように制御され得る。パルセーションは、燃焼チャンバ216内の液体金属112’に加えられるMHD力に対応するパルセーションを生成し得る。パルセーションのインパルスが十分である場合、燃焼チャンバ208内の液体金属112’に対するMHD力のパルセーションは、対応する小滴を排出領域212から放出し得る。
【0028】
特定の実装形態では、パルス電流「I」は、ノズル102を出る液体金属112’の小滴の形状を制御する方法で駆動され得る。特に、電流「I」は、右手の法則に従って磁場「M」と相互作用するため、燃焼チャンバ216にわたる電流「I」の方向(極性)の変化は、入口領域210と排出領域212との間に延在する軸に沿った液体金属112’に対するMHD力の方向を変化させ得る。したがって、例えば、液体金属112’の放出に関連する極性に対して電流「I」の極性を逆にすることによって、電流「I」は、流体チャンバ208中の液体金属112’に引き戻し力を及ぼし得る。
【0029】
各パルスは、ノズル102からの液体金属112’の1つ以上の小滴を推進するための放出駆動信号を生成する前に、(排出領域212からの液体金属112’の放出の方向と反対の)小さな引き戻し力を適用するプレチャージで成形され得る。このプレチャージに応答して、液体金属112’は、排出領域212に対してわずかに引き上げられ得る。このように液体金属112’を排出オリフィスに向かってわずかに上に引きあげることは、液体金属112’のボーラスが、排出オリフィスから排出されるときに、液体金属のボーラスとして排出オリフィスからよりはっきりと分離するために加速され得るパスを提供し、移動中により剛健に(例えば安定して)動作する形状の小滴が得られることを含む、多くの利点を提供し得る。同様に、引き込み運動は、排出領域212に沿った液体金属112’の表面張力に対して引くことによって、液体金属112’の前面に効果的にばね荷重をかけ得る。次に、液体金属112’は、液体金属112’を放出するためにMHD力を受けるので、表面張力は、液体金属112’を排出領域212からの放出に向けて加速するのを助け得る。
【0030】
さらに、またはその代わりに、各パルスは、パルスの終了後に小さな引き戻し力を有するように成形され得る。そのような場合、引き戻し力は、排出領域212から放出される液体金属112’の進行方向と反対であるため、パルスの終了に続く小さな引き戻し力は、液体金属112’の放出小滴からの排出領域212に沿った液体金属112’のはっきりとした分離を容易にし得る。したがって、いくつかの実装形態では、電源118によって生成される駆動信号は、液体金属112’をプレチャージするための引き戻し信号を有するウェーブレットと、液体金属の小滴を放出するための排出信号と、排出領域212に沿って液体金属112’の放出小滴を液体金属112’から分離する引き戻し信号と、を含み得る。加えて、または代わりに、電源118によって生成される駆動信号は、各パルスの部分の間に1つ以上の滞留を含み得る。
【0031】
本明細書で使用される場合、「液体金属」という用語は、別段の指定がない限りまたは文脈によって明確にされない限り、液体形態の金属および金属合金を含むと理解され、加えてまたはあるいは、液体形態の金属および金属合金を含有する任意の流体を含む。本開示での使用に適した金属には、アルミニウムおよびアルミニウム合金、銅および銅合金、銀および銀合金、金および金合金、白金および白金合金、鉄および鉄合金、ならびにニッケルおよびニッケル合金が含まれる。
【0032】
図3は、付加製造プロセスの側面図を示しており、構築材料の連続層303を堆積しながら、ノズル301は、ビルドプレート302に対して移動される。この用途の目的のために、Z軸304は、ビルドプレートと一致する平面に垂直であり、理想的には重力の方向に平行である(ビルドプレートは理想的には水平である)と理解されたい。
【0033】
図4は、付加製造プロセス中に発生し得るのある誤差の例を示す。層の高さの間、例えば、層401と402との間で均一な変動があり得、それは、連続層の堆積の過程にわたってそれらの振幅に蓄積し得る。加えて、層のZ軸の高さにおいて局所的な変動403が存在し得、これは、それらの後続の層が正しい高さであっても、その後に続く後続の層のZ軸プロファイルを乱す。最後に、層毎の高さが一定で、すべての層の高さが同じであっても、層の高さが正しくない場合、部品全体がZ方向に「引き伸ばされる」または「圧縮される」ことになる。このような誤差を監視し、先制的手段または修正手段を提供することが望ましい。
【0034】
図5は、製造されている部品と一緒に基準塔が製造されている実施形態を示している。部品501は、基準塔502と同時に連続層を堆積することによって付加的に製造される。センサ503は、基準塔の高さを決定するために使用される。基準塔は比較的小さく、標準的な形状であり、例えば、フットプリント(つまり、上から見た場合)が5x10mmの四角柱である。基準は、既知の場所にある単純な形状であるため、ビーム遮断近接センサなどの低コストの手段で簡単に測定される。形状は単純で既知であるため、現在印刷されている部品の形状に固有の高さの誤差は、基準に表れない。したがって、基準の高さの誤差は、理想的な形状の「平均」誤差、および必要になり得る修正のベースラインとして機能する。
【0035】
図6は、製造される部品の表面が光学的に分析される実施形態を示す。カメラ601は、光学窓603を通して部品602の少なくとも一部を見る。
【0036】
特定の実施形態では、カメラはオートフォーカス機能を備えており、部品全体にわたってスキャンされる。ビルドプレートに対するカメラの場所は、ロボットシステムによって機械的に認識される。それゆえ、カメラによって報告された焦点距離は、カメラの焦点での部品の高さを決定するために使用され得る。
【0037】
別の実施形態では、意図的に浅い被写界深度を有する光学系を備えた低コストのカメラは、部品の上面で下向きに向けられる。一実施形態では、コンピュータビジョンソフトウェアを利用して、画像のぼけの量およびしたがってカメラの理想的な焦点距離からの表面の距離を決定する。
【0038】
別の実施形態では、上記のように低コストのカメラ上で、やはり浅い被写界深度を備えた電動調整可能焦点レンズが、再び部品の上面に下向きに向けられる。部品とカメラとを静止させて、レンズは、プログラムに従って焦点範囲全体にスイープされ、コンピュータビジョンソフトウェアは、スイープの各焦点で画像の焦点が合う部分を識別するために使用される。適切に較正されたカメラを使用すると、各フォーカス設定は、カメラからの特定の距離に対応するため、部品の各領域の高さを識別するマップが再度作成され得る。この方法には、カメラを動かさずに部品の上面の大部分を評価し得るという利点があり、これによってプロセスの速度が大幅に向上する。
【0039】
この実施形態に関連する代替の方法は、フレーム内の焦点を識別すること、およびレンジファインダーまたはプログラム可能な焦点を備えたカメラと同様にスキャンすることを含む。
【0040】
別の実施形態では、やはり浅い被写界深度を有するカメラおよび光学系は、わずかに下向きの角度(例えば、水平から1~5度)で部品の上面を全体にわたって向けられ、および印刷中にストロボライトで照らされる部品に向けられる。このようなカメラは、レンズから特定の距離にある部品の側面図を生成し、部品の焦点が合っている領域の高さは、カメラの画像の最上層の垂直位置に比例する。一実施形態では、このカメラは、ドロップ速度および角度を追跡することによってノズル性能を評価するためにも使用され、したがって、それが設置されているプリンタの総コストを下げる。
【0041】
図7は、製造される部品の表面がレーザー704を介して分析される実施形態を示す。距離計701(例えば、イリノイ州アイタスカのキーエンス社から入手可能なものなどのレーザー距離計)は、追加窓703を通して部品702の表面を見ることができるように取り付けらる。スキャナーが部品の上面の全部または一部を通過するとき、スキャナーの下の領域の部品の高さが記録される。一実施形態では、このスキャンは、印刷とは別の操作として行われ、部品全体がラインごとの(ラスター)スキャンなどの規則的な方法でスキャンされる。好ましい実施形態では、スキャンは印刷中に行われ、これは時間効率が向上するという利点がある。スキャンされた領域の高さのデータは、修正措置のために参照され得る位置および対応する高さの配列(3Dマップなど)として保存される。一実施形態では、特定の許容範囲を超える誤差のみが対処される。
【0042】
別の実施形態では、部品の特定の「高リスク」領域のみがスキャンされる。「高リスク」領域とは、鋭いコーナーまたは少数の滴しか収まらない小さな領域など、過去のテストで局所的な高さ誤差が発生する可能性が高いことが示された領域である。別の実施形態では、すべての領域がスキャンされるが、上記の「高リスク」領域は、低リスク領域よりも細かい解像度でスキャンされる。別の実施形態では、時間を節約するために、最も新しい層によって印刷された部品の領域のみがスキャンされる。
【0043】
一実施形態では、プリントヘッドは、導電性材料から作製され、これもまた導電性であるプリントベッドから電気的に絶縁される。プリントヘッドとプリントベッドとの間に電位が印加され、2つの間に流れる任意の電流の流が適切な電流検出器で測定される。印刷中の電流の流は、部品の高いスポットとプリントヘッドとが接触していることを示し、その場所のおおよその場所を示す。正確な位置は、他の方法のうちの1つによって決定され得る。
【0044】
図8は、ドロップピッチによる堆積媒体の変化プロファイルを示す。ドロップピッチは、連続する小滴の中心間のスペースである。所定の小滴サイズに対して、ピッチが狭い(小さい)ほど、層の高さが高くなる。領域801において、広いピッチは、Z軸における高さを比較的低くする。領域802において、中程度のピッチは、Z軸における高さを中程度にする。領域803においては、小さいピッチは、Z軸における高さを比較的大きくする。ピッチおよび小滴のサイズは、Z軸の層の高さを調整するために、共に調整することも、一度に1つずつ調整することもできる。例えば、ピッチが増加する場合、一定の層の高さを維持するために小滴サイズが増加され得る。
【0045】
図9A~Bは、固定されたドロップピッチでのツールパス中に発生し得る問題のある状態を示す。
図9Aを参照すると、層の第1の小滴901が堆積され、続いて902のピッチで連続する小滴が堆積され、最後の小滴903で終わる。第1の小滴901および最後の小滴903は、Z軸において均一な高さを形成するために、層内の任意の他の小滴と同様に一緒になるべきである。しかしながら、層の特定の形状のために、ギャップ904がこれらの小滴の間に残される。これにより、不均一な表面が生成され、これはギャップ904に堆積し得る最終的な表面仕上または後続の層に影響を与え得る。
図9Bを参照すると、層の特定の形状は、ポイント905でオーバーラップする2つの小滴をもたらし、高さが高すぎるという誤差をもたらす。これらの条件は両方とも望ましくない。
【0046】
上記のタイプの誤差を解決するために、パスのドロップピッチをわずかに調整することによって、任意の長さのパスを印刷し得、その結果、最初および最後の滴が正確に正しい場所に着地し、結果として得られるパスが正確に所望の長さになる。これにより、そのパスに小さな高さ誤差が発生し、これは、ここで説明するさまざまな方法で補償され得る。
【0047】
一実施形態では、パス長をドロップピッチで割って、パス内の滴の数を得る。次に、この数は、滴の最も近い整数の数に切り上げまたは切り捨てられ、新しいドロップピッチは、パスの長さおよび滴の整数の数から計算される。
【0048】
所定のドロップサイズでは、ドロップピッチを変更すると、結果の印刷パスの高さおよび幅に影響を与える傾向があり、高さの変化がより顕著になる。複数の層で同じ方向(増加または減少)に調整を行うと、各層における小さな高さ誤差が「積み重なり」得、多くの層で許容できないほど大きな高さ誤差となる。これは、印刷された形状の一部でのみ発生し得、全体の高さの誤差に加えて、不均一な部品高さをもたらす。好ましい実施形態では、特定のパスのドロップピッチが一方向(上または下)に調整されるとき、結果として生じる高さの変化が計算され、反対方向の調整が後で印刷された層のパスまたはパスの一部に対して行われ、こうして、ドロップピッチの変化による高さ誤差を低減または排除する傾向がある。1つの好ましい実施形態においては、調整は、導入された誤差の量に比例して複数の層にわたって分散される。例えば、ドロップピッチの切り捨てによって一方の方向に0.5%の誤差が発生し、切り上げによってもう一方の方向に1%の誤差が発生した場合、2つの層は切り捨てられて印刷され、1つの層は切り上げられて、誤差のキャンセルが生じる。
【0049】
好ましい実施形態では、既知の高さ偏差を作成する、本明細書に記載のドロップピッチへの調整は、明細書に記載される同じマップに記録され、部品の上面をスキャンした結果を保存する。別の好ましい実施形態においては、これらのデータは、スキャンデータと組み合わされて、どの修正が必要であるかを決定し、スキャンデータを検証し、スキャンしなければならない上面の領域を減らし、したがってスキャンを行うのにかかる時間を減らす。
【0050】
別の好ましい実施形態では、調整は、周囲の滴、鋭角コーナーまたは他の形状条件の有無など、他の理由で高さ誤差を有する可能性が高いパスの部分に対して優先的に行われる。これにより、複数のソースからの誤差がキャンセルされる傾向があり、部品の全体的な高さ誤差が少なくなる。例えば、鋭角コーナーは「バンチアップ」ピークを作成する傾向があるが、一方、オーバーハングは、少したわみ、トラフを作成する傾向がある。オーバーハングの鋭角コーナーは、両方を有し得る。したがって前処理では、ドロップ場所毎に、その場所において各要素の予想される効果を合計して予想される誤差の合計を得る。次に、ドロップピッチを調整して反対の効果を作成することによって、その誤差が補償される。パスのピッチを微調整する必要がある場合は、いずれにせよ修正が必要になる可能性が高い領域で優先的に微調整を行い、「通常の」領域を元のピッチのままにする。
【0051】
別の実施形態では、上面のプロファイルが印刷中にスキャンされ、ドロップピッチ調整は、印刷された部品が所望よりも短いまたは高いパスまたはパスの部分に対して優先的に行われ、複数の層にわたる高さ誤差を打ち消す傾向がある。
【0052】
別の実施形態では、修正されたドロップピッチを上記のように使用して、最初と最後の滴を正しい位置に配置するが、ドロップサイズもまたそれに応じて調整され、こうして、印刷層の高さの変化を最小化または排除する。例えば、磁気流体力学的噴射ヘッドにおいて、ドロップサイズは、噴射パルス長に対する負のパルス長の比を増加または減少させることによって、または正のパルス幅を増加させることによって調整され得る。
【0053】
別の実施形態では、列のピッチ(FFF用語では「ライン間隔」)は、ピッチの反対方向に変更されるため、列の正味の高さは、所望の高さのままである。
【0054】
別の実施形態では、直線インフィルが使用されるとき、インフィルの角度は、層毎の後で変化するため、高さ誤差の場所がランダム化され、それらの累積効果が減少し、全体として高さ誤差が少なくなる。
【0055】
パスに滴を追加または削除することによってより大きな調整が達成され得るため、所定のパスへの長さ調整は、1つのドロップピッチの50%を超える必要はない。したがって、より大きな滴での印刷は、小さな滴での印刷よりも絶対的により大きな長さの調整を必要とする傾向がある。
【0056】
噴射滴の直径が固定されている場合、印刷品質に影響を与えることなくドロップピッチを変更し得る量には事実上の制限がある。ピッチを減少させすぎる場合、滴が互いに隣り合って配置されなくなり、垂直方向に積み重なり始める。大きすぎると、滴は互いに融合しない。
【0057】
ここで、検出された欠陥を改善または修正するために実行され得る追加の修正措置について説明する。特定の実施形態では、全体的な高さ誤差が検出されるとき、望ましくないドロップサイズの変化が推測される。一実施形態では、噴射ノズルは、自動的に洗浄されるか、さもなければこの検出の結果として提供される。誤差がドロップサイズの変更によるものである場合、洗浄ルーチンは、ドロップサイズを表面上そのノズルの公称値に戻し、こうして層の高さは公称値に戻る。これは、後続の印刷層で確認され得る。
【0058】
別の実施形態では、全体的な高さ誤差は、部品上で測定された新しい層の高さに一致するように部品の後続の層の計画された高さを調整することによって補償される。これは、例えば、印刷される部品の残りの部分において当技術分野で知られている「スライス」ソフトウェアを再実行することによって行われ得、測定された事実上の層の高さは、以前の公称の層の高さの代わりにソフトウェアへの入力として与えられる。
【0059】
別の実施形態では、印刷されたラインの間の水平方向の間隔は、再びスライスソフトウェアを使用して変更される。所定のドロップサイズおよびドロップピッチでは、水平ライン間隔の変動もまた、層の高さに影響する。
【0060】
特定の実施形態では、全体的な高さ誤差は、噴射滴間の間隔(すなわち、ドロップピッチ)を調整することによって補償される。例えば、ドロップサイズおよびライン間の距離が一定に保たれている場合、ドロップピッチを減少させると、より高いラインが生じる。別の実施形態では、部品の特定の領域における高さ誤差(局所的な高さ誤差)は、影響を受ける領域に滴が堆積しているときにのみドロップピッチを変更することによって修正され、結果、その特定の領域における金属のより高いまたはより短い垂直堆積が生じる。この修正は、スライスソフトウェアにおいて、後処理操作としてまたは印刷が進行するにつれて「リアルタイム」で実行され得ることに留意されたい。
【0061】
いくつかの実施形態では、十分な深さの低い領域が見出された場合、個々の滴をこれらの領域に選択的に噴射して、それらの高さを公称高さまで上げることができる。これは、滴が噴射に失敗し、別の滴で埋められ得る「穴」が残っている場合に特に役立つ。
【0062】
別の実施形態では、全体的または局所的な高さ誤差は、上記のように修正されるが、小滴ピッチの代わりに小滴サイズを調整することによって修正される。前の実施形態のように、調整は、必要に応じて、その一部全体または一部のみに対して行われ得る。
【0063】
特定の実施形態では、任意の修正が行われた後、部品は、任意の適切な手段および検出された測定値の結果として増加、逆転または排除のいずれかの修正を使用して再測定され得る。
【0064】
特定の実施形態では、部品は、各層ごとの代わりに、いくつかの複数の層で測定される。
【0065】
出願人は、正しい小滴配置を生成し、誤った配置に起因する高さ誤差を防ぐために、スライサーソフトウェアからのFFF移動および押し出しコマンドの解釈、ドロップオンデマンド印刷システムの個別の堆積特性に適合するこれらのコマンドの変換、および所望の場所で滴を堆積するための市販のモーションコントローラのプログラミングのためのいくつかの技術を開発した。技術を以下に説明する。
【0066】
(スライサー押し出しコマンドの使用)
【0067】
上記のように、FFFスライサーソフトウェアは、パスのオーバーラップなど、さまざまな形状条件を考慮して、押し出される材料の体積を自動的に補償する。ドロップオンデマンド印刷では、これらの体積変動を利用することが望ましい。ただし、スライサーソフトウェアは、FFFプリントヘッドによって押し出されるフィラメントのミリメートル単位での押し出しを命令し、これは、滴が堆積すべき場所とは直接の関係はない。
【0068】
本発明は、押し出される滴の数を以下のように計算する。まず、スライサーからの押し出しコマンドに、スライサーソフトウェアに入力されたフィラメントの断面積を掛ける。これにより、所定のパスに堆積される材料の体積が生成される。一実施形態では、1mm2の断面積を有するフィラメント直径がスライサーソフトウェアに入力され、その結果、スライサーソフトウェアによって命令されたフィラメントの各ミリメートルは、堆積される材料体積の1mm3として解釈され得る。これにより、任意の所定のパスに対して材料の体積が生成される。次に、この総体積を単一の噴射小滴の体積で割って、そのパスに対して噴射される滴の総数を算出する(スライサーによって命令されたパスに沿った変動を考慮に入れる)。
【0069】
(「部分的ドロップ」の計算)
【0070】
上記の技術では、ドロップピッチが変更され、そうして任意の長さのパスが整数の数の滴で満たされる。ただし、パスが複数のセグメントからなる場合(すなわち、単一の直線で構成されていない任意のパスの場合のような)、各々の個々のセグメントが滴を放出するのに十分な材料を必要とするという保証はない。細かくテッセレーションされたモデルでは、数十または数百もの短いセグメントが使用され得、モデルのきつく湾曲した領域を作成する。これらのセグメントの一部またはすべては、所定のノズルから溶融金属の1滴で堆積されたものの一部である材料の量のみを必要とし得る。単純なアプローチ(少なくとも1滴分の材料を必要としない任意のセグメントの無視)は、最終的にはパスの大部分を省略することとなり得る。同様に、体積を丸めるまたは切り捨てようと試みると、滴がパスに沿って不均一に堆積し、上記のようにドロップピッチが変化し、結果として高さの差が生じ得る。
【0071】
提案された解決策は、印刷された各セグメントについてスライサーによって必要な体積を追跡し、セグメントの数もしくは長さ、またはセグメントの開始点および終了点の場所に関わりなく、パスに沿った適切な位置に滴を堆積することである。
【0072】
多くのモーションコントローラは、各軸の動きを定義するために、マルチセグメントモーションの各セグメントに整数の数の「カウント」を命令する必要があり、カウントは、サーボモーターベースのモーションシステムの場合は直交エンコーダカウント、またはステップモーターベースのモーションシステムの場合はステップ(もしくはマイクロステップ)を指すことが当業者に知られている。一実施形態では、滴堆積は、そのようなモーションコントローラの1つの運動軸の出力によって制御され(本明細書に記載されるように)、一方、X、Y、およびZ運動は、他の運動軸によって制御される。各カウントが1滴を表すようにする(セグメント毎に整数の数の滴が必要になり、上記の誤差を引き起こす)ことを試みる代わりに、各カウントは、例えば滴の体積の1/1000など、より少ない体積の材料を表すように定義される。噴射メカニズムも同様に、対応するカウント数(この例では1000)毎に1滴を堆積するように設計される。このようにして、各セグメントは、そのセグメントに必要な材料の体積を1滴の体積で割って、(この例では)1000を掛けた数に等しい噴射カウント数でモーションコントローラに送信され得る。この数値を整数に丸めると、各セグメントの滴体積の最大体積誤差が1/2000となる。セグメントがコントローラによって実行されると、カウントは、実行されたセグメントがいくつあるかまたはセグメント内のプリントヘッドがどこにあり得るかに関係なく、受信した1000カウント毎に滴を堆積する噴射メカニズムに送信される。したがって、滴は、すべての状況で、任意のセグメント長に対して適正に離間する。
図10およびこの文書の他の箇所の説明を参照されたい。
【0073】
(飛行時間の補償)
【0074】
滴放出コマンドと滴の着地(上述)との間に経過する時間を補償するために、いくつかの技術が開示される。
【0075】
誤差は、ヘッド/テーブルの動きの速度に関わらず、一定時間であるため、好ましい実施形態では、時間遅延がパスの運動要素に追加され、一方、小滴コマンドは遅延しない。一実施形態では、モーションコントローラのファームウェアは、この遅延を導入するようにプログラムされる。別の実施形態では、モーションコントローラは、ステップおよび方向信号をモータードライバに出力するようにプログラムされ、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)などの電子回路は、コントローラとドライバとの間に挿入される。FPGAは、ステップおよび方向信号に必要な遅延を導入するようにプログラムされており、事実上、運動を一定時間遅延させる。
【0076】
別の実施形態では、速度を含むモーションパスは、モーションコントローラの外部で計算され、各ポイントでの遅延は、距離および方向に変換される。次に、移動のためのコマンドは、各ポイントでの遅延の量の分、滴のコマンドに対して「シフト」される。
【0077】
(スライサーソフトウェア内または外部プログラムとして)
【0078】
多くのスライサーソフトウェアプログラムは「オープンソース」ライセンスで配布されているため、エンドユーザーによって自由に変更され得る。したがって、上記の計算は、それを修正することによってスライサーソフトウェアに統合され得ることを理解されたい。
【0079】
ただし、これが行われると、変更を新しい更新と結合して再テストしなければならないため、他のユーザーからのソフトウェア更新を適用することがより困難になる。したがって、計算は、本発明を根本的に変更することなく、別個のプログラムとしても実施され得る。
【0080】
(追加の運動軸によるドロップトリガーの生成)
【0081】
一般的なドロップオンデマンド印刷、特にMHD印刷においては、滴は、短時間の高電流パルスによって放出される。これらのパルスは、TTL(生存時間)パルスなどの外部で生成された低電流パルスによってトリガーされる回路によって生成される。ほとんどの商用モーションコントローラは、いわゆるデジタル出力を介してTTLパルスを生成し得る一方、これらの出力は通常、正確な小滴配置に必要な範囲で複雑な多軸運動と十分に同期されていない。
【0082】
開示された技術は、ステップ/方向出力用に構成された追加の運動軸を使用することによってこれらのパルスを正確に生成する。モーションコントローラは、機械式モーションシステムのX、Yおよび(必要に応じて)Z軸のモーターを制御し、さらに、他の軸と同期した第4の「軸」としてステップパルスを送出する。モーションコントローラは、4つのモーターを制御しているかのように構成されるが、実際には3つのモーターを制御し、小滴噴射用のパルスを生成する。例えば、第4の軸のコマンドを含む直線補間移動を命令することによって、滴は、ヘッドまたはテーブルの動きと同期して放出される。
【0083】
スライサーソフトウェアは、通常、事前にテッセレーションされた3Dモデル(STLファイルなど)で動作するため、一連の直線ラインであるパスを出力する。曲線領域は多くの短いラインで近似される。単一の直線セグメントからなるパスは2つの座標によって定義され、追加のセグメントは各々1つの追加の座標によって表される。プリンタは単に「ドットを接続」し、目的のパスを生成する。本発明では、所望のドロップピッチが計算されると、各点について追加のパラメータは、そのセグメントに対して放出される滴の数を表すために追加される。したがって、パスに沿った各小滴の位置についてのコマンドを与える必要はない。すなわち、必要な数の滴は、モーションコントローラによってセグメントに沿って均等に自動的に配置される。
【0084】
セグメント内のピッチの変動が必要な場合は、「サブセグメント」を定義するために必要に応じて追加のポイントが挿入され、その各々は、それを特定の数の滴、つまり任意のドロップピッチと関連付け得る。所定のパス内のこのようなドロップピッチの数の変化は、一般にパス内の滴の数よりもはるかに少ないため、この方法は、パスに沿った任意の場所のドロップピッチの必要な制御を可能にしながら、各小滴の位置を定義するよりもはるかに効率的である。
【0085】
小滴堆積の離散的な性質以上に、存在する小滴堆積の間の他の違いについて説明しなければならない。FFFスライサーは、材料のラインが堆積されるとき、堆積された材料の物理的境界がパスの始点で始まり、終点で終わると仮定する。
図11は、この効果を示す理論的なFFF堆積の上面図を示す。材料1101は、パス1103の左右に堆積されるが、進行方向において開始点1102および終了点1104とオーバーラップしない。
【0086】
対照的に、小滴印刷においては、堆積した小滴は、ノズルの中心位置を超えて、方向毎に小滴の半径分延在する。つまり、印刷された材料は、その量の分、開始点と終了点に「オーバーハング」する。例えば、存在する2つの壁の間のスペースを埋める材料のラインを追加するために、FFFスライサーは、一方の壁のエッジで始まり、他方の壁で終わる移動を命令する。
【0087】
図12は、以前に印刷された2つの壁1201の間のパス1202に沿って操作なしで滴が堆積される直線パスを示している。スライサーは、上記のように、端点1203および1204を壁のエッジに直接配置する。プリンタは、ヘッドが1滴のピッチに等しい量の分移動するたびに、小滴を堆積する。結果として、最初に堆積された滴1と開始点1201の壁との間にギャップが存在し、ギャップサイズは、ドロップピッチの1/2である。その間、最後の滴nは、端点1204で壁に部分的にオーバーラップして堆積される。本発明は、パスに沿った滴位置をドロップピッチの半分の分オフセットし、その結果、パスの最初の滴のエッジが開始点1203に着地し、最後の滴堆積のエッジがパス1204の終点に着地する。これにより、上記のギャップおよびオーバーラップが防止される。
【0088】
一実施形態では、運動軸を使用して滴堆積を制御する場合、必要なオフセットは、ツールパスが実行される前に、小滴堆積をトリガーするのに必要なカウント数の半分の分当該運動軸を進めることによって実施される。ツールパスが実行されるとき、噴射軸は、滴が堆積する前に、カウント数の半分のみ移動する必要がある。これは、パスの早期における最初の滴および後続のすべての滴を1/2ドロップピッチ分移動し、パスの開始とオーバーラップおよびパスの終了との両方のギャップを排除する効果を有する。
【0089】
押し出し堆積と滴ベース堆積との別の違いは、噴射の非接触性質および結果として生じる自己交差パスの効果である。押し出しベースの印刷においては、ノズルは印刷された部品と接触する。これは、小さな隙間または欠陥を埋めるために、過剰な材料がわずかに流れることを可能にする効果を有する。金属ドロップオンデマンド印刷においては、小滴の形成を可能にし、より低温の部品がノズル内の溶融金属を凍結することを防ぐために、部品とプリントヘッドとの間に小さなギャップを設けなければならない。落下滴ごとの局所的溶融のため、一定量の流が発生する一方、これは、FFF印刷の場合のように物理的に強制されない。
【0090】
この結果の1つは、パスおよびコーナーの湾曲した部分において明らかである。有限幅の曲線パスの場合、中心に近い曲線の部分はより小さい半径を有し、したがって中心から遠い部分よりも小さい体積を有する。鋭いコーナーでは、パスはコーナーの内側においてそれ自体でオーバーラップし、外側のコーナーには(理論上の)ギャップが存在する。
【0091】
公称量の材料を押し出し、印刷されている部品に接触する押し出しタイプのプリントヘッドは、コーナーの内側における過剰な材料を強制的に外側に流し得るため、この影響を部分的に補償し得る。小滴ベースの印刷において、この効果は上記の溶融効果によって部分的に再現されるが、接触なしでは材料の移動が強制され得ず、蓄積が可能である。他の場合と同様に、この蓄積は高さ誤差を引き起こす。
【0092】
上記のように任意のパスを印刷するとき、パスに沿って滴が配置される特定の位置は存在しない。鋭いコーナーの場合、滴は、コーナーに直接配置されるかわりに、コーナーの直前および直後に配置される可能性が最も高い。コーナーの角度に応じて(そしてその角度に反比例する激しさで)、印刷された滴は「コーナーカット」して部分的にオーバーラップする傾向があり、コーナーに材料の蓄積が生じる。対照的に、小滴がコーナーに直接配置される場合、60°を超えるすべての角度(理論的、実際にはより小さい)では、滴のオーバーラップや結果として生じる高さの誤差は存在しない。したがって、本発明は、整数の数の滴を任意の長さのパスに適合させるために上記と同様のメカニズムを使用して、パスの様々なセグメントにおけるドロップピッチをわずかに調整することによって、鋭いコーナーに滴を意図的に配置する。
【0093】
図13は、パス1304に沿って噴射されて外側エッジ1305を作成する滴1、2、3を示す。この場合、滴はコーナーに配置されず、オーバーラップ1305が発生する。
図14は、パス1404に沿って同じ間隔で配置されるが、滴2がその中心で直接コーナーに配置されるように滴配置が操作されている場合の、滴の効果を示す。この場合、オーバーラップがないことに留意されたい。
【0094】
グリッドベースのラスターまたはFFFベースのベクターツールパスを使用するための代替アプローチは、「セミラスタリング」のものである。このアプローチでは、部品のアウトラインは印刷されない。代わりに、所定の層にとって望ましい印刷領域は、「ストライプ」または一定もしくは可変の幅のいずれかのラインに分割される。ラスターとは異なり、固定グリッドは存在しない。すなわち、スライサーは、所定の層の印刷領域の充填を最適化するために必要ないかなる場所においても、印刷領域をラインで埋めるようにプログラムされている。一実施形態では、スライサーは、領域を最適に満たすライン幅を選択するようにプログラムされる。代替の実施形態では、スライサーは、様々なライン幅を使用して、領域を最適に埋める。同様に、スライサーは、長さが公称ドロップピッチの整数倍であるラインのみを生成するようにプログラムされ得る。この場合も、グリッドベースのラスターとは異なり、開始点と終了点を任意に配置し得、長さの要件を維持しながら、目的の領域を最適に埋める。これにより、最高高さの一貫性が得られるが、部品のエッジの不正確さが増す。代替の実施形態では、スライサーは、任意の幅のラインを生成することを可能にし得、これは、この不正確さを低減する。その場合、説明されているピッチ調整技術を使用してこのラインを印刷し得、結果として生じる高さ誤差は他の手段で補償しなければならない。好ましい実施形態では、スライサーは、ライン幅とドロップピッチとの両方を変化させて、正確で一貫した層の高さを維持しながら、最大のエッジ信頼性を保持する最適な充填パターンを作成する。
【国際調査報告】