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特表2022-527079可撓性で耐摩耗性のある織られたスリーブおよびその構築方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-30
(54)【発明の名称】可撓性で耐摩耗性のある織られたスリーブおよびその構築方法
(51)【国際特許分類】
   D03D 1/00 20060101AFI20220523BHJP
   D03D 3/02 20060101ALI20220523BHJP
   D03D 13/00 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
D03D1/00 Z
D03D3/02
D03D13/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021557364
(86)(22)【出願日】2020-03-26
(85)【翻訳文提出日】2021-11-22
(86)【国際出願番号】 US2020024908
(87)【国際公開番号】W WO2020198445
(87)【国際公開日】2020-10-01
(31)【優先権主張番号】62/824,217
(32)【優先日】2019-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503170721
【氏名又は名称】フェデラル-モーグル・パワートレイン・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】FEDERAL-MOGUL POWERTRAIN LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チウ,シャオダン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,ティアンキ
(72)【発明者】
【氏名】メブバニ,リテーシュ
(72)【発明者】
【氏名】ウィンターズ,ダニー
(72)【発明者】
【氏名】アダムスキー,エマ
【テーマコード(参考)】
4L048
【Fターム(参考)】
4L048AA21
4L048AB07
4L048AB10
4L048BA01
4L048BA02
4L048BB03
4L048BB04
4L048CA00
4L048CA01
4L048CA15
4L048DA24
4L048EA00
4L048EB05
(57)【要約】
織られたスリーブおよび構築方法が提供される。スリーブ(10,10’)は、織られたモノフィラメント糸および/またはマルチフィラメント糸から構成された、可撓性で耐摩耗性のある細長い壁(12,12’)を有する。壁は、スリーブの中心軸(18)に沿って延在するキャビティを画定するように構成される。壁は、スリーブの中心軸に概ね平行に延在する縦糸(23)と、スリーブの周りに周方向に、中心軸に対して概ね横方向に延在する横糸(24)とで織られる。縦糸は、個々の別個の群(22)に束ねられ、各群(22)は、複数の糸(23)を互いに隣り合った関係で含み、同じ別個の群(22)内における糸(23)の各々は、共通する横糸(24)の同じ側の上に織り合わされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い部材を経路決めおよび保護するための織られたテキスタイルスリーブであって、
前記スリーブの長手方向中心軸に延在するキャビティを画定するように構成された細長い壁を備え、前記壁は、前記中心長手方向軸に平行に延在する縦糸と、前記縦糸に対して横方向に延在する横糸とで織られ、前記縦糸は糸フィラメントの別個の束として織られ、各前記糸フィラメントの別個の束は、互いに隣り合って当接する関係で設けられる複数の糸フィラメントを含み、各別個の束における前記糸フィラメントは、互いに同じ前記横糸の上下に延在する、テキスタイルスリーブ。
【請求項2】
糸フィラメントの各前記束は、単一の横糸の上および単一の横糸の下に繰り返して延在する、請求項1に記載のテキスタイルスリーブ。
【請求項3】
前記横糸は、前記長手方向中心軸に沿って互いに交互になるモノフィラメントおよびマルチフィラメントを含む、請求項1に記載のテキスタイルスリーブ。
【請求項4】
前記壁は、ヒートセットされた前記横糸の少なくともいくつかによって互いに重なる関係に付勢される対向縁を有する、請求項1に記載のテキスタイルスリーブ。
【請求項5】
前記束の少なくともいくつかはモノフィラメントを含む、請求項1に記載のテキスタイルスリーブ。
【請求項6】
前記束の少なくともいくつかはマルチフィラメントを含む、請求項5に記載のテキスタイルスリーブ。
【請求項7】
前記束の少なくともいくつかはモノフィラメントのみを含み、前記束の少なくともいくつかはマルチフィラメントのみを含む、請求項6に記載のテキスタイルスリーブ。
【請求項8】
前記束の少なくともいくつかはモノフィラメントおよびマルチフィラメントを含む、請求項6に記載のテキスタイルスリーブ。
【請求項9】
前記束の各々はモノフィラメントおよびマルチフィラメントを含む、請求項8に記載のテキスタイルスリーブ。
【請求項10】
前記束の各々はモノフィラメントのみを含む、請求項5に記載のテキスタイルスリーブ。
【請求項11】
前記モノフィラメントは前記横糸に対してより大きな直径を有する、請求項5に記載のテキスタイルスリーブ。
【請求項12】
前記別個の束の少なくとも1つにおける前記モノフィラメントの少なくとも1つは、前記別個の束の前記少なくとも1つにおける前記糸フィラメントの他のものよりも大きい直径を有する、請求項5に記載のテキスタイルスリーブ。
【請求項13】
縦糸の前記別個の束の少なくとも1つにおける少なくとも1つの糸フィラメントは、前記別個の束の前記少なくとも1つにおける前記糸フィラメントの他のものと異なるタイプの材料である、請求項1に記載のテキスタイルスリーブ。
【請求項14】
縦糸の前記別個の束の少なくとも1つにおける少なくとも1つの糸フィラメントは、前記別個の束の前記少なくとも1つにおける前記糸フィラメントの他のものと異なる直径を有するとともに、異なるタイプの材料で形成される、請求項1に記載のテキスタイルスリーブ。
【請求項15】
前記束の少なくともいくつかはマルチフィラメントを含む、請求項1に記載のテキスタイルスリーブ。
【請求項16】
前記束の少なくともいくつかはマルチフィラメントのみを含む、請求項15に記載のテキスタイルスリーブ。
【請求項17】
前記束の各々はマルチフィラメントのみを含む、請求項16に記載のテキスタイルスリーブ。
【請求項18】
細長い部材を経路決めおよび保護するための織られたテキスタイルスリーブであって、
前記スリーブの長手方向中心軸に延在するキャビティを画定するように構成された細長い壁を備え、前記壁は、前記中心長手方向軸に平行に延在する縦糸と、前記縦糸に対して横方向に延在する横糸とで織られ、前記縦糸はモノフィラメントの別個の束として織られ、各前記モノフィラメントの別個の束は、互いに隣り合って当接する関係で設けられる複数のモノフィラメントを含み、各別個の束における前記モノフィラメントは、互いに同じ前記横糸の上下に延在し、前記横糸はモノフィラメントおよびマルチフィラメントとして織られ、
各前記モノフィラメントの束は、単一の横糸の上および単一の横糸の下に繰り返して延在し、
前記横糸モノフィラメントおよび前記横糸マルチフィラメントは、前記長手方向中心軸に沿って互いに交互になり、
前記壁は、ヒートセットされた前記横モノフィラメントの少なくともいくつかによって互いに重なる関係に付勢される、テキスタイルスリーブ。
【請求項19】
テキスタイルスリーブを構築する方法であって、
前記スリーブの中心長手方向軸に平行に延在する中央キャビティを画定するように構成された細長い壁を織ることを含み、前記壁は、前記中心長手方向軸に平行に延在する縦糸と、前記縦糸に対して横方向に延在する横糸とを有し、前記方法はさらに、
前記縦糸を糸の別個の束において織ることを含み、前記束の各々は、互いに隣り合って当接する関係で設けられる複数の糸フィラメントを有し、各別個の束における前記糸フィラメントは、互いに同じ前記横糸の上下に延在し、前記方法はさらに、
モノフィラメントおよびマルチフィラメントを含む前記横糸を織ることを含む、方法。
【請求項20】
モノフィラメントを含む各前記束を織ることをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記別個の束の各々における少なくとも1つのモノフィラメントを、前記別個の束内における前記糸フィラメントの他のものよりも大きい直径を有するように提供することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
マルチフィラメントを含む各前記束を織ることをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記束における前記モノフィラメントの各々を、前記束における前記マルチフィラメントの1つと隣り合った関係になるように織ることをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2019年3月26日に提出された米国仮出願番号第62/824,217号の利益を主張し、上記内容の全体が参照によって本願に組み込まれる。
【0002】
本発明の背景
1.技術分野
この発明は、概して、細長い部材を保護するためのテキスタイルスリーブに関し、より具体的には、織られたスリーブに関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術
自動車、航空機または航空宇宙機などにおいて、たとえば織られた保護スリーブ中に、ワイヤおよびワイヤハーネスなどの細長い部材を収容し保護して、ワイヤに摩耗、流体および熱的影響に対する保護を提供することが知られている。多数のタイプの所望の保護を達成するために、および摩耗の影響に対する細長い部材への最適な保護を提供するために、保護スリーブは多層を有してもよく、層のいくつかは異なるタイプの保護のために特定的に提供される。たとえば、ある層が光学被覆率のために提供されてスリーブ、たとえばプラスチック材料のシートを通して見ることを抑制する一方、別の層が耐摩耗性のために提供され、さらに別の層が熱的条件に対する保護のために提供されてもよい。上述の多層スリーブは様々な環境条件に対する好適な保護を提供し得るが、残念ながら、それらは典型的にはかさばるため、増大した空間の体積を要求し、さらには、それは比較的重く、低い可撓性を示す傾向にある。さらに、摩耗に対する好適な保護を提供することには依然として課題が残る場合がある。多層を含まなければならないことは、いくつかの用途、特にケーブルまたはホースを窮屈な曲がりくねった領域を通して経路決めすることを要求する用途、ならびに、たとえば航空機および航空宇宙用途などの重量制限がある用途において問題となることがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の要約
本発明の1つの局面は、細長い部材を経路決めおよび保護するための織られたテキスタイルスリーブを提供し、テキスタイルスリーブは、スリーブの長手方向中心軸に延在するキャビティを画定するように構成された細長い壁を含む。壁は、中心長手方向軸に平行に延在する縦糸と、縦糸に対して横方向に延在する横糸とで織られる。縦糸は、糸フィラメントの別個の束として織られる。糸フィラメントの別個の束の各々は、互いに隣り合って(side-by-side)当接する関係で設けられる複数の糸フィラメントを含む。各別個の束における糸フィラメントは、互いに同じ横糸の上下に延在する。
【0005】
別の局面によれば、本発明は、テキスタイルスリーブを構築する方法を提供し、方法は、スリーブの中心長手方向軸に平行に延在する中央キャビティを画定するように構成された細長い壁を織ることを含み、壁は、中心長手方向軸に平行に延在する縦糸と、縦糸に対して横方向に延在する横糸とを有する。さらに、縦糸を糸の別個の束において織ることを含み、束の各々は、互いに隣り合って当接する関係で設けられる複数の糸フィラメントを有し、各別個の束における糸フィラメントは、互いに同じ横糸の上下に延在する。さらに、モノフィラメントおよびマルチフィラメントを含む横糸を織ることを含む。
【0006】
本発明の別の局面は、細長い部材を経路決めし、摩耗および汚染などの他の環境条件に対する暴露から細長い部材を保護するための織られたスリーブを提供する。スリーブは、織られたモノフィラメント糸およびマルチフィラメント糸から構築された可撓性で耐摩耗性のある壁を有する。壁は、両開放端の間でスリーブの中心軸に沿って延在するキャビティを画定するように構成される。壁は、スリーブの中心軸に概ね平行に延在する縦糸と、スリーブの中心軸の周りに周方向に、中心軸に対して概ね横方向に延在する横(fill)(緯(weft)とも呼ばれる)糸とで織られる。縦糸は、個々の別個の群に束ねられ、各群は、複数のモノフィラメントを互いに接近して隣り合って当接する関係で含み、同じ別個の群内におけるモノフィラメントの各々は、同じ(共通する)横糸の同じ側の上下に延在するように織り合わされる(interlaced)。束ねられた縦糸の群は、スリーブの長さに沿って摩耗力に対する高められた耐摩耗性を提供すると同時に、同じサイズの類似の平織り(plain weave)スリーブ(平織りは、隣り合った糸の別個の群を含まない)と比べて比較的低減された重量を有するスリーブを提供するとともに、縦糸および横糸によって提供される相乗効果は、高められた光学被覆率、くねくねした経路および角部の周りでよじれることなく滑らかに屈曲する能力を有するスリーブをさらに提供すると同時に、製造および使用において経済的でもある。
【0007】
本発明の別の局面によれば、スリーブの壁は、周方向に連続的な縫い目のない管状の壁として構築されてもよい。
【0008】
本発明の別の局面によれば、スリーブの壁は、中心軸と概ね平行に延在する対向縁を有する巻付可能な壁として形成されてもよい。対向縁は、互いに重なるように構成されて、保護対象となる細長い部材を受容するように構成されたキャビティを画定する。
【0009】
本発明の別の局面によれば、縦モノフィラメントの別個の束は、単一の横糸の上および単一の横糸の下に繰り返しの態様で延在してもよい。
【0010】
本発明の別の局面によれば、縦モノフィラメントの別個の束は、複数の横糸の上および複数の横糸の下に繰り返しの態様で延在してもよい。
【0011】
本発明の別の局面によれば、縦モノフィラメントの別個の束の各々は、高められた耐摩耗性を提供するために、三つ(3)以上のモノフィラメントを有して提供されてもよい。
【0012】
本発明の別の局面によれば、横糸は、マルチフィラメントおよびモノフィラメントとして提供されてもよく、マルチフィラメントは高められた光学被覆率を提供し、モノフィラメントはヒートセットされて壁の対向縁を互いに重なる関係に付勢する。
【0013】
本発明の別の局面によれば、横糸は、マルチフィラメントおよびモノフィラメントをスリーブの長さに沿って互いに交互になる関係で含むように提供されてもよく、接近して隣接する横糸は、それぞれ、同じ縦糸の上下に延在して、最適な自己巻付構成および最適な光学被覆率をスリーブに提供する。
【0014】
本発明の別の局面によれば、横糸は、マルチフィラメントおよびモノフィラメントを互いに束ねられた隣り合った関係で含むように提供されてもよく、横糸の各通路(ピック)は、互いに平行な関係で引っ張られる(pulled)か、互いに撚り合わせられる(twisted)か、互いに積巻きされる(serve)かのいずれかである、マルチフィラメントおよびモノフィラメントを含み、束ねられたマルチフィラメントおよびモノフィラメントの横糸は、互いに隣り合った関係で同じ縦糸の上下に延在して、最適な自己巻付構成および最適な光学被覆率をスリーブに提供する。
【0015】
本発明の別の局面によれば、縦モノフィラメントは、横糸に対する摩耗保護を高めるために、横糸に対して大きな直径を有して提供されてもよい。
【0016】
本発明の別の局面によれば、縦モノフィラメントの別個の束の1つ以上における少なくとも1つの縦モノフィラメントは、別個の束内における縦モノフィラメントの他のものと異なる直径を有してもよく、より大きな直径を有する縦モノフィラメントは、より小さい直径を有する縦モノフィラメントに対して保護を提供する。
【0017】
本発明の別の局面によれば、縦モノフィラメントの別個の束の1つ以上における少なくとも1つの縦モノフィラメントは、別個の束内における縦モノフィラメントの他のものと異なるタイプの材料であってもよい。
【0018】
本発明の別の局面によれば、縦モノフィラメントの別個の束の1つ以上における少なくとも1つの縦モノフィラメントは、別個の束内における縦モノフィラメントの他のものと異なる直径を有するとともに異なるタイプの材料で形成されてもよい。
【0019】
本発明の別の局面によれば、縦モノフィラメントの別個の束の1つ以上における少なくとも1つの縦モノフィラメントは、別個の束内における、たとえば約0.22mmの直径を有するとともに、たとえばPETで形成された縦モノフィラメントの他のものよりも大きな、たとえば約0.25mmなどの直径を有するとともに、縦モノフィラメントの他のものとは異なるタイプの、たとえばナイロンなどの材料で形成されてもよい。より大きい直径のモノフィラメントは、最適に耐摩耗性を有する材料から耐摩耗性を高めるために提供され、これにより、より小さくより費用のかからないモノフィラメントに保護を提供し、これはまた、より大きい直径のモノフィラメントとともに相乗効果的に高められた耐摩耗性を提供する。
【0020】
本発明の別の局面によれば、テキスタイルスリーブを構築する方法が提供される。方法は、スリーブの中心長手方向軸に沿って延在するキャビティを画定するように構築された細長い壁を織ることを含み、壁は、中心長手方向軸に平行に延在する縦糸と、縦糸に対して横方向に延在する横糸とを有している。さらに、方法は、縦糸を糸の別個の束において織ることを含み、束の各々は、互いに隣り合って当接する関係で設けられる複数のモノフィラメント糸を有し、各別個の束における縦糸は、互いに同じ横糸の上下に延在する。
【0021】
本発明の別の局面によれば、方法は、中心長手方向軸に概ね平行に延在する対向縁を有する壁を織り、対向縁を互いに重なる関係で巻付けてキャビティを周方向に画定することをさらに含んでもよい。
【0022】
本発明の別の局面によれば、方法は、壁を周方向に連続的な縫い目のない管状の壁として織ることをさらに含んでもよい。
【0023】
本発明の別の局面によれば、方法は、束を単一の横糸の上下に繰り返しの態様で織ることをさらに含んでもよい。
【0024】
本発明の別の局面によれば、方法は、横糸の少なくともいくつかをヒートセットして対向縁を互いに重なる関係に付勢することをさらに含んでもよい。
【0025】
本発明の別の局面によれば、方法は、横糸をモノフィラメント糸およびマルチフィラメント糸として提供することをさらに含んでもよい。
【0026】
本発明の別の局面によれば、方法は、横糸をモノフィラメント糸およびマルチフィラメント糸としてスリーブの長さに沿って互いに交互になる関係で織ることをさらに含んでもよい。
【0027】
本発明の別の局面によれば、方法は、縦畝織(rib weave)パターンで縦糸と横糸とを織ることをさらに含んでもよい。
【0028】
本発明の別の局面によれば、方法は、壁の耐摩耗性をさらに高めるとともに壁の製造に関連するコストを低減するために、縦モノフィラメントの別個の束の1つ以上における少なくとも1つの縦モノフィラメントを、別個の束内における縦モノフィラメントの他のものと異なる直径を有するように織ることをさらに含んでもよい。
【0029】
本発明の別の局面によれば、方法は、壁の耐摩耗性をさらに高めるとともに壁の製造に関連するコストを低減するために、縦モノフィラメントの別個の束の1つ以上における少なくとも1つの縦モノフィラメントを、別個の束内における縦モノフィラメントの他のものと異なるタイプの材料からなるように織ることをさらに含んでもよい。
【0030】
本発明の別の局面によれば、方法は、壁の耐摩耗性をさらに高めるとともに壁の製造に関連するコストを低減するために、縦モノフィラメントの別個の束の1つ以上における少なくとも1つの縦モノフィラメントを、別個の束内における縦モノフィラメントの他のものと異なる直径を有するとともに異なるタイプの材料で形成されるように織ることをさらに含んでもよい。
【0031】
本発明の別の局面によれば、方法は、縦モノフィラメントの別個の束の1つ以上における少なくとも1つの縦モノフィラメントを、別個の束内における、たとえば約0.22mmの直径を有するとともに、たとえばPETで形成された縦モノフィラメントの他のものよりも大きな、たとえば約0.25mmなどの直径を有するとともに、縦モノフィラメントの他のものとは異なるタイプの、たとえばナイロンなどの材料で形成されるように織ることをさらに含んでもよい。より大きい直径のモノフィラメントは、最適に耐摩耗性を有する材料によって高められた耐摩耗性を提供し、これにより、より小さくより費用のかからないモノフィラメントに耐摩耗性保護を提供し、これはまた、より大きい直径のモノフィラメントとともに相乗効果的に高められた耐摩耗性を提供する。
【0032】
図面の簡単な説明
これらのおよび他の局面、構成ならびに利点は、現在好ましい実施形態およびベストモードの以下の詳細な説明、添付の請求項、ならびに添付の図面を考慮して当業者に容易に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の1つの局面に従って構築された織られた巻付可能なスリーブの概略斜視図であり、示されるスリーブはその中に細長い部材を運搬および保護している図である。
図1A】本発明の別の局面に従って構築された織られた周方向に連続的なスリーブの図1に類似する図であって、示されるスリーブはその中に細長い部材を運搬および保護している図である。
図2】本発明の1つの実施形態に従って構築された図1および図1Aのスリーブの壁の一部の拡大された概略平面図である。
図2A】本発明の別の実施形態に従って構築された図1および図1Aのスリーブの壁の一部を図示する、図2に類似する図である。
図2B】本発明のさらに別の実施形態に従って構築された図1および図1Aのスリーブの壁の一部を図示する、図2に類似する図である。
図2C】本発明のさらに別の実施形態に従って構築された図1および図1Aのスリーブの壁の一部を図示する、図2に類似する図である。
図2D】本発明の別の実施形態に従って構築された図1および図1Aのスリーブの壁の一部を図示する、図2に類似する図である。
図2E】本発明の別の実施形態に従って構築された図1および図1Aのスリーブの壁の一部を図示する、図2に類似する図である。
図2F】本発明の別の実施形態に従って構築された図1および図1Aのスリーブの壁の一部を図示する、図2に類似する図である。
図2G】本発明の別の実施形態に従って構築された図1および図1Aのスリーブの壁の一部を図示する、図2に類似する図である。
図3】本開示の別の非限定的な実施形態に従って構築された図1のスリーブの壁の平面図であり、管状構成に巻き付けられる前の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
好ましい実施形態の詳細な説明
図面をより詳細に参照すると、図1は、本発明の1つの局面に従って構築された、以下スリーブ10と呼ばれる、織られた巻付可能なテキスタイルスリーブの概略描写を示し、一方、図1Aは、本発明の別の局面に従って構築された周方向に連続的なスリーブ10’の類似の図を示す。スリーブ10は巻付可能な細長い壁12を有する一方、スリーブ10’は周方向に連続的な縫い目のない壁12’を有し、各々、ワイヤまたはワイヤハーネス14などの単数または複数の細長い部材を経路決めするとともに、たとえば摩耗に対する暴露および汚染や瓦礫などの侵入から細長い部材を保護するためのものである。壁12が巻付可能であり、壁12’が周方向に連続的で縫い目のないものである以外の点においては、スリーブ10,10’、およびそれらの構成のために用いられる以下で議論される関連する糸は類似であるため、単に簡単のために以下の議論はスリーブ10に関してされるが、特にことわりがない限り、同じ議論がスリーブ10’にも等しく当てはまることを認識されたい。細長い壁12は、壁12’とは異なり、中心の長手方向軸18に概ね平行に延在する対向縁16,17を有し、縁16,17は、好ましくは、「たばこ巻き(cigarette wrapped)」の態様で互いに重なる関係で付勢されて、スリーブ10の中央キャビティ20内において細長い部材14を完全に囲む。キャビティ20は、キャビティ20’(図1A)とは異なり、対向縁16,17の分離によって壁12の全長に沿って容易にアクセス可能であるため、単数または複数の細長い部材14は、キャビティ20内へ軸18に対して径方向に容易に配置されることができるとともに、逆に補修の間などにはキャビティ20から容易に取り出されることができる。摩耗に対する所望の保護を細長い部材14に提供するために、および摩耗からの摩滅に対して壁12,12’の構造完全性を最適化するために、壁12,12’は、中心長手方向軸18に概ね平行に延在する分かれた別個の縦糸束22で織られる。各束22は、互いに隣り合って当接する関係で設けられる複数の縦糸23から構成される。多数の縦糸23を当接する隣り合った関係で有する束22が、各束22内における個々の縦糸23が互いに対して大きく移動しないように壁12,12’内における糸の移動を最小化することにより、壁12,12’内における内部摩擦を低減し、同様に、壁12,12’が、例示であって限定ではないがエンジンコンポーネントまたはフレーム部材などのある外部車両部材に対して当接して動く間であっても、縦糸23間における摩耗を低減する。さらに、束22は、壁12,12’の外面に縦糸23材料の増加した表面積を提供する。糸材料の増加した表面積は、外面上に印加される荷重を壁12,12’の過密領域上におよび過密領域を超えて均一かつ広範囲に分散させるように作用する。これにより高い点荷重を低減するように作用し、ひいては摩耗を低減する。壁12,12’は、さらに、緯糸と織られる。緯糸は、一般的に横糸24と呼ばれ、縦糸23に対して概ね横方向になる関係で巻付けられた壁12の周りに概ね周方向に延在する。横糸24は、少なくとも部分的にヒートセット可能な糸として提供されることができ、必要に応じて、横糸24がヒートセットされる際、カールしたまたは巻付けられた構成になるように、壁12は対向縁16,17を互いに重なる関係に自己カールするように付勢される。付勢は、中心長手方向軸18の周りにカールした構成になるように、ヒートセット可能なモノフィラメント糸などの横糸24をヒートセットすることによって与えられ、これにより、壁12を自己巻付とも呼ばれる自己カールの状態にする。縦糸23間における相対移動を低減することによって、縦糸23と横糸24との間における相対移動および摩擦が対応して低減し、これにより壁12,12’内における内部摩擦および摩耗をさらに低減することを認識されたい。
【0035】
用途の必要性に応じて、壁12,12’は、長さおよび直径を含む任意の好適なサイズを有して構成されてもよい。壁12がその自己巻付管状構成にあり、外部からの力がほとんど印加されないとき、縁16,17は、好ましくは、少なくともわずかに自己付勢の態様で互いに重なってキャビティ20を完全に囲むため、キャビティ20中に収容されるワイヤ14に対して高められた保護を提供する。縁16,17は、キャビティ20を少なくとも部分的に開いて露出させるために、横糸24によって与えられる形状記憶付勢に打ち勝つのに十分な力を外部から印加して互いから容易に離れるように延在可能である。したがって、ワイヤ14は、組立の間にキャビティ20内へ容易に配置されるまたは補修の間にキャビティ20から容易に取り除かれることができる。外部から印加される力を解放する際、縁16,17は、それらの形状記憶に自動的に戻り、ヒートセット横モノフィラメント糸24によって与えられる付勢の下、自己巻付の位置に重なる。
【0036】
別個の縦糸の束22は、本開示の1つの局面によれば、任意の好適なモノフィラメント糸23で形成され得る。モノフィラメント縦糸23は、互いに隣り合って当接するまたは実質的に当接する関係で束ねられる結果として高められた耐摩耗性を提供することに加えて、高められた最適な表面積被覆率を壁12に提供する。これにより、キャビティ20内への汚染や瓦礫などの侵入を抑制することにより、キャビティ20内に収容される細長い部材14に高められた保護を提供する。1つの例示のスリーブの実施形態(図2)においては、束22は四つ(4)のモノフィラメント縦糸23で形成された。別の例示の実施形態(図2A)においては、スリーブ110,110’の壁112,112’は、別個の束22内における縦モノフィラメント23の他のものと異なる直径(より大きい)を有する、縦モノフィラメント23の別個の束22内における少なくとも1つの縦モノフィラメント23’を含んでもよい。これにより、より小さい直径の縦モノフィラメント23に対して高められた摩耗保護を提供する。図2Aの非限定的な実施形態(図2において特定される領域のみを示し、壁112,112’の残りの部分は図2に示されるものを繰り返す)においては、束22は三つ(3)のモノフィラメント縦糸23で形成されたが、二つ(2)またはそれ以上の縦糸23が用いられてもよい。しかしながら、少なくとも三つ(3)の縦糸23を有することが大いに向上された耐摩耗性保護を提供することがわかっている。別個の束22は、例示であって限定ではないが、縦畝タイプ織パターンで織られるものとして図2および図2Aに示されており、各別個の束22は共通する単一の横糸24の上および共通する単一の横糸24の下に繰り返しの態様で延在するが、他の縦畝タイプ織りでもよい。
【0037】
横糸24は、ヒートセット可能なモノフィラメントおよび/またはマルチフィラメントポリマー材料を含む、任意の好適なモノフィラメントおよび/またはマルチフィラメント材料として提供されてもよい。図2および図2Aにおいて示される例示のスリーブの実施形態において、横糸24は、ヒートセット可能なモノフィラメント24’(ただし、特に壁12’においては、非ヒートセット可能なモノフィラメントが用いられてもよい)および高被覆率マルチフィラメント24の両方として提供され、接近して隣接する糸24,24’がそれぞれ同じ縦糸23の上下に延在するように互いから離間される(横糸24は第1の縦糸23の上に延在する一方、接近して隣接する横糸24’は第1の縦糸23の下に延在する)。壁12に増大した自己巻付能力および増大した光学被覆率を提供して、壁12を通してキャビティ20内を見ることを抑制することにより汚染の侵入に対する保護を高めるために、横糸24のモノフィラメントおよびマルチフィラメントは、スリーブ10の長さに沿って互いに交互になる態様で織られる。図2Aに示されるように、横糸24,24’は、縦糸23の少なくともいくつかに対して低減された断面積(低減された直径)を有するように提供されてもよく、これは増大した可撓性の度合いを有するスリーブ10を提供することを容易にするとともに、横糸24,24’の摩耗を抑制する。これは、より多数の隙間なく詰められた縦モノフィラメント23が摩耗を吸収しやすいとした場合である。したがって、縦モノフィラメント23’の少なくともいくつかまたはすべては、示されるように、横糸24,24’に対する摩耗保護を高めるために、横糸24,24’に対してより大きい直径を有するように提供され得る。しかしながら、横糸24,24’が摩耗されてしまうときは、束22の隙間なく詰められた当接する縦糸23,23’が壁12,12’の構造の完全性を維持することが可能であることにより、細長い部材14の保護を維持することがわかっている。さらに、横糸24は比較的低いピック密度(インチあたりのピック(pick-per-inch))を有するように提供されてもよく、これは最終的に製造ランレート(壁12,12’が織られるスピード)を増大させることにより製造のコストを減らすとともに、全体材料含有率を減少させ、したがってスリーブ10の製造に関連するコストをさらに低減する。
【0038】
糸23,24,24’は、例示であって限定ではないが、ポリエステル、PPS、ノマックスの1つ以上など、任意の所望の熱可塑性材料で提供されてもよく、さらに、例示であって限定ではないが、繊維ガラスおよび玄武岩の1つ以上など、無機材料を含んでもよい。
【0039】
本発明の別の局面によれば、縦モノフィラメント23の別個の束22の1つ以上における少なくとも1つの縦モノフィラメント23’は、別個の束22内における縦モノフィラメント23の他のものと異なるタイプの材料であってもよい。
【0040】
本発明の別の局面によれば、図2Aに示されるように、別個の束22の1つ以上における少なくとも1つの縦モノフィラメント23’は、別個の束22内における縦モノフィラメント23の他のものと異なる直径を有するとともに異なるタイプの材料で形成されてもよい。したがって、耐摩耗性を高めると同時に、製造の経済性を向上させてコストを低減することの両方のために、異なる直径を有するおよび/または異なる材料からなる、共通する束22内における縦モノフィラメント23,23’を提供することによって、相乗効果が最適化され得る。たとえば、1つの例示の実施形態において、縦モノフィラメント23の別個の束22の1つ以上における少なくとも1つの縦モノフィラメント23’は、別個の束22内における、たとえば約0.22mmの直径を有するとともに、たとえばPETで形成された縦モノフィラメント23の他のものよりも大きい、たとえば約0.25mmなどの直径を有するとともに、縦モノフィラメント23の他のものとは異なるタイプの、たとえばナイロンなどの材料で形成されてもよい。より大きい直径のモノフィラメント23’は、最適に耐摩耗性を有する材料、たとえばナイロンからの耐摩耗性を高めるために提供され、これにより、よい小さくより費用のかからないモノフィラメント23に対して保護を提供し、これはまた、より大きい直径のモノフィラメント23’とともに相乗効果的に高められた耐摩耗性を提供する。縦モノフィラメント23,23’のために選択された直径および材料は、意図した用途のために所望されるように選択されてよいことを認識されたい。
【0041】
本発明の別の局面によれば、図2Bに示されるように(図2において特定される領域のみを示し、壁212,212’の残りの部分は図2に示されるものを繰り返す)、スリーブ210,210’の壁212,212’は、マルチフィラメント24およびモノフィラメント24’を束ねられた、互いに隣り合った関係で含むように提供される横糸を含み得る。横糸の各通路(単一のピックとして織られる)は、マルチフィラメント24およびモノフィラメント24’の両方を含み、マルチフィラメント24およびモノフィラメント24’は、互いに平行な関係で引っ張られるか、互いに撚り合わせられる(両者は、ともにらせんのように渦巻き状にされる)か、互いに積巻きされる(一方が他方の周りにらせんのように渦巻き状にされる)かのいずれかである。束ねられたマルチフィラメントおよびモノフィラメントの横糸24,24’は、互いに隣り合った関係で同じ縦糸23,23’の上下に延在して、向上された自己巻付構成および最適な光学被覆率をスリーブに提供する。
【0042】
本発明の別の局面によれば、図2Cに示されるように(図2において特定される領域のみを示し、壁312,312’の残りの部分は図2に示されるものを繰り返す)、スリーブ310,310’の壁312,312’は、壁212,212’について上述されたものと類似の態様で構成され得るが、横糸は、縦糸23および任意選択的に縦糸23’の束22とともに織られるマルチフィラメント24のみを含んで提供され得る。
【0043】
本発明の別の局面によれば、図2Dに示されるように(図2と類似の図を示す)、スリーブ410,410’の壁412,412’は、壁12,12’,112,112’,212,212’,312,312’のうちのいずれかについて上記で議論されたものと類似の態様で構成され得るが、束22の各々における縦糸の少なくとも1つ(すべてとして示されている)はマルチフィラメント23”として提供され得る。したがって、壁412,412’の汚染の侵入に対する被覆率および可撓性は大いに向上される。
【0044】
本発明の別の局面によれば、図2Eに示されるように(図2に類似の図を示す)、スリーブ510,510’の壁512,512’は、壁12,12’,112,112’,212,212’,312,312’のうちのいずれかについて上記で議論されたものと類似の態様で構成され得るが、束22の少なくとも1つ(交互になる束22として示されている)はマルチフィラメント23”として提供され得る。したがって、交互になる束22はマルチフィラメント23”のみを含み、交互になる束22はモノフィラメント23のみを含む。したがって、モノフィラメント23による摩耗に対する耐性と同様に、壁512,512’の汚染の侵入に対する被覆率および可撓性はマルチフィラメント23”によって大いに増大する。
【0045】
本発明の別の局面によれば、図2Fに示されるように(図2に類似の図を示す)、スリーブ610.610’の壁612,612’は、壁12,12’,112,112’,212,212’,312,312’のうちのいずれかについて上記で議論されたものと類似の態様で構築され得るが、束22の各々はマルチフィラメント23”およびモノフィラメント23を含んで提供され得る。示される実施形態において、束22は、マルチフィラメント23”の増大した表面摩擦が交互になるモノフィラメント23を所定位置に固定およびロックするように作用するように、互いに当接するモノフィラメント23およびマルチフィラメント23”を含む。したがって、モノフィラメント23による摩耗に対する耐性と同様に、壁612,612’の汚染の侵入に対する被覆率および可撓性はマルチフィラメント23”によって大いに増大する。
【0046】
本発明の別の局面によれば、図2Gに示されるように(図2に類似の図を示す)、スリーブ710,710’の壁712,712’は、壁12,12’,112,112’,212,212’,312,312’のうちのいずれかについて上記で議論されたものと類似の態様で構築され得るが、束22の各々は、壁612,612’について議論されたように、マルチフィラメント23”およびモノフィラメント23を含んで提供され得る。しかしながら、マルチフィラメント23”およびモノフィラメント23は異なるように設けられる。示される実施形態において、束22のマルチフィラメント23”の各々は、互いに隣り合って当接する関係になる。例示の実施形態において、一対のマルチフィラメント23は互いに隣り合った当接する関係で設けられ、単一のモノフィラメント23はそれと当接する一対のマルチフィラメント23”の各側に沿って設けられる。したがって、マルチフィラメント23”の増大した表面摩擦は、当接するモノフィラメント23を所定位置に固定およびロックするように作用する。したがって、モノフィラメント23による摩耗に対する耐性と同様に、壁712,712’の汚染の侵入に対する被覆率および可撓性はマルチフィラメント23”によって大いに増大する。
【0047】
本発明の別の局面によれば、図3に示されるように、スリーブ810の壁812は、壁12,112,212,312のうちのいずれかについて上記で議論されたものと類似の態様で構築され得る。壁812は、中心の長手方向軸818に概ね平行に延在する対向縁816,817を有する。縁816,817は、好ましくは、互いに重なる関係に付勢される。縁816,817の少なくとも1つまたは両方は、例示であって限定ではないが、約4~10の縦糸23間など、スリーブ810の長さの全体に沿って複数の縦糸23に及ぶ縁領域816’,817’を含んでもよい。縁領域816’,817’は、平織パターンで織られる。したがって、縁領域816’,817’内における横糸24,24’は、平織パターンで縦糸23とともに織られる。一方の縁領域816’と対向する817’との間および一方の縁領域816’から対向する縁領域817’まで延在する、内側本体領域30は、上記で議論されたように、縦糸23とともに横糸24,24’の縦畝織パターンで織られる。平織パターンを有する対向する縁領域816’,817’によって、鋭い角部の周りにスリーブ810を曲げる際、対向する縁816,817は互いにそれらの重なった関係にとどまり、分離されることを回避し、そうでない場合には互いに開かれる。したがって、対向縁816,817間の開きが抑制されることにより、スリーブ810内に収容される細長い部材14に最適な被覆率を提供する。
【0048】
言うまでもなく、本発明の多くの修正および変形が上記の教示に照らして可能である。すべての請求項およびすべての実施形態のすべての構成は、そのような組み合わせが互いに矛盾しない限り、互いに組み合わせられ得ることが考えられる。したがって、添付の請求項の範囲内で、本発明は特定的に記載された以外の方法で実施され得ることが理解されるべきである。
図1
図1A
図2
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3
【国際調査報告】