(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-30
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20220523BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20220523BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021557527
(86)(22)【出願日】2020-04-03
(85)【翻訳文提出日】2021-11-22
(86)【国際出願番号】 EP2020059622
(87)【国際公開番号】W WO2020201531
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/081557
(32)【優先日】2019-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(32)【優先日】2019-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ウー, ゼ シン
(72)【発明者】
【氏名】フン, チ ワイ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ, グァン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】シェリダン, ジェームズ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC12
4B162AC50
4B162AD06
4B162AD23
(57)【要約】
エアロゾル化可能な材料を加熱してエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させて、吸入可能なエアロゾルを生成するための装置における使用のためのアセンブリが提供され、本アセンブリは、エアロゾル化可能な材料が装置へ取り外し可能に挿入され得る開口部を定める構造体と、上記構造体に結合され、開口部へのアクセスが無制限である開位置と、開口部へのアクセスが制限される閉位置との間で移動可能である蓋と、ラッチ構成体であって、蓋が開位置及び閉位置のうちの一方に位置するとき、外力が、使用中、印加されて、ラッチ構成体を解放するまで、開位置及び閉位置のうちの少なくとも一方に蓋を保持するように構成される、ラッチ構成体と、を有する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル化可能な材料を加熱して前記エアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させて、吸入可能なエアロゾルを生成するための装置において使用するためのアセンブリであって、
エアロゾル化可能な材料が前記装置へ取り外し可能に挿入され得る開口部を画定する構造体と、
前記構造体に結合される蓋であって、前記開口部へのアクセスが制限されない開位置と、前記開口部へのアクセスが制限される閉位置との間で移動可能である蓋と、
ラッチ構成体であって、前記蓋が前記開位置及び前記閉位置のうちの一方にあるとき、外力が使用時に加えられて前記ラッチ構成体を解放するまで、前記開位置及び前記閉位置のうちの少なくとも一方に前記蓋を保持するように構成されている、ラッチ構成体と
を備える、アセンブリ。
【請求項2】
前記ラッチ構成体が、前記構造体内に第1の部分、及び前記蓋内に別個の第2の部分を備え、前記第1の部分は、前記蓋が前記開位置及び前記閉位置のうちの一方にあるとき、前記第2の部分と互いに影響し合って、前記蓋を前記開位置及び前記閉位置のうちの前記一方に保持するように構成されている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記ラッチ構成体は、前記蓋が、前記開位置及び前記閉位置のうちの一方と、前記開位置と前記閉位置との間にある中間位置との間にあるときに、前記蓋を前記開位置及び前記閉位置のうちの前記一方の方へ付勢するようにさらに構成されている、請求項1又は2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記構造体に対する前記蓋の移動をガイドするための少なくとも1つのガイドをさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記ガイドが、オス部材又はメス部材のうちの少なくとも一方を備え、前記オス部材又は前記メス部材のうちの少なくとも一方は、前記構造体のオス部材又はメス部材の対応する他方と係合するためのものである、請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記ラッチ構成体が、機械式ラッチ構成体である、請求項1~5のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記機械式ラッチ構成体が、カムを備え、前記カムが、前記蓋及び前記構造体のうちの一方に配置されるカム要素、並びに前記蓋及び前記構造体のうちの他方に配置される少なくとも1つの従動子を備える、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記蓋が、前記カム要素を画定し、前記カム要素が、1つ又は複数の戻り止めを備え、前記少なくとも1つの従動子は、前記蓋が前記開位置及び前記閉位置のうちの一方にあるとき、前記1つ又は複数の戻り止めと係合して、前記蓋を前記開位置又は前記閉位置の対応の位置に保持するように構成されている、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
当該アセンブリは、前記少なくとも1つの従動子が前記カム要素の方へ付勢されるように構成されている、請求項7又は8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの従動子が、ばねによって前記カム要素の方へ付勢される、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記カム要素の表面は、前記蓋が前記開位置と前記閉位置との間にあるとき、前記少なくとも1つの従動子と係合して、前記少なくとも1つの従動子を押下するように構成されている、請求項7~10のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項12】
当該アセンブリはばねプランジャを備え、前記ばねプランジャが、ハウジング内に移動可能に保持されると共に前記カム要素の方へ付勢される押下可能な部材を備え、前記少なくとも1つの従動子が前記押下可能な部材である、請求項7~11のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記押下可能な部材は、前記蓋が前記構造体に対して移動されるとき、前記カム要素に対して転動するように構成されている、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記押下可能な部材が、球形又は円筒形である、請求項12又は13に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記1つ又は複数の戻り止めが、前記蓋の運動方向において前記蓋の反対端部分に位置する少なくとも2つの戻り止めを備える、請求項7~14のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記ラッチ構成体が磁気式ラッチ構成体である、請求項1~5のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記磁気式ラッチ構成体は、前記構造体内に配置される少なくとも1つの固定磁石と、前記蓋内に配置される少なくとも1つの蓋磁石とを備え、前記ラッチ構成体は、前記蓋が前記開位置及び前記閉位置のうちの一方にあるとき、前記開位置及び前記閉位置のうちの一方に前記蓋を磁力で保持するように構成されている、請求項16に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記磁気式ラッチ構成体は、
前記蓋が前記開位置にあるとき、前記蓋を前記開位置に磁力で保持し、
前記蓋が前記閉位置にあるとき、前記蓋を前記閉位置に磁力で保持するように
構成されている、請求項16又は17に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記少なくとも1つの蓋磁石が第1の磁極及び第2の磁極を有し、前記少なくとも1つの固定磁石が第1の磁極及び第2の磁極を有し、
前記磁石のそれぞれの前記第1の磁極及び前記第2の磁極が相対する極性を有し、
前記磁石のそれぞれの前記第1の磁極及び前記第2の磁極が、前記蓋の運動方向に実質的に直交する方向に配向されており、
前記蓋磁石の前記第1の磁極及び前記固定磁石の前記第1の磁極が、実質的に反対方向に対面しており、同じ極性のものである、請求項17又は18に記載のアセンブリ。
【請求項20】
前記少なくとも1つの蓋磁石が第1の磁極及び第2の磁極を有し、前記少なくとも1つの固定磁石が第1の磁極及び第2の磁極を有し、
前記磁石のそれぞれの前記第1の磁極及び前記第2の磁極が相対する極性を有し、
前記磁石のそれぞれの前記第1の磁極及び前記第2の磁極が、前記蓋の運動方向に実質的に平行の方向に配向されており、
前記蓋磁石の前記第1の磁極及び前記固定磁石の前記第1の磁極が、実質的に反対方向に対面しており、同じ極性のものである、請求項17~19のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項21】
前記少なくとも1つの蓋磁石及び前記少なくとも1つの固定磁石が実質的に立方体状であり、それぞれが前記蓋の運動方向に長辺を有し、
前記少なくとも1つの蓋磁石の重心が、前記蓋の端部から、前記蓋の運動方向において等距離であり、
前記少なくとも1つの固定磁石の重心が、前記開位置及び前記閉位置から、前記蓋の運動方向において等距離である、請求項17~20のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項22】
前記蓋が、前記構造体の上面に隣接する下面を有し、
前記少なくとも1つの蓋磁石が、使用時に見えないように、前記蓋の前記下面の対応する凹部内に配置されており、
前記少なくとも1つの固定磁石が、使用時に見えないように、前記構造体の前記上面の真下に配置されている、請求項17~21のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項23】
前記蓋が、実質的に平坦であり、前記蓋の運動方向に細長くなっている、請求項1~22のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項24】
前記蓋は、好ましくは滑動方向に平行の方向の長さが14mm~15mmであり、好ましくは前記蓋の運動方向に垂直の長さが11mm~12mmであり、好ましくは厚さが1mm~2mmである、請求項1~23のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項25】
前記構造体が、前記蓋への補完形状及びサイズを有する窪んだ部分を備え、前記窪んだ部分が、使用時に前記蓋を受容し、前記開位置と前記閉位置との間の前記蓋の移動を可能にするように構成されている、請求項1~24のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項26】
前記窪んだ部分の表面が前記開口部をさらに備え、前記開口部が、前記閉位置に対応する前記窪んだ部分の端部に向かって配置されている、請求項25に記載のアセンブリ。
【請求項27】
前記構造体及び前記蓋の材料が、ポリカーボネート/アクリロニトリルブタジエンスチレン(PC/ABS)である、請求項1~26のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項28】
エアロゾル化可能な材料を加熱して前記エアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させるように配置される加熱装置と、前記加熱装置との使用のための請求項1~27のいずれか一項に記載のアセンブリとを具備するシステムであって、
前記加熱装置が、ヒータハウジング内に配置される少なくとも1つのヒータ要素であって、使用時、前記エアロゾル化可能な材料を加熱するように構成される少なくとも1つのヒータ要素を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル化可能な材料を加熱してエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置と共に使用するためのアセンブリ、及びエアロゾル化可能な材料を加熱してエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置を備えるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻タバコ、葉巻タバコなどの喫煙品は、使用中にタバコを燃焼させてタバコの煙を生じさせる。燃焼させずに化合物を放出する製品を作り出すことによって、タバコを燃焼させるこれらの物品の代替物を提供しようとする試みがなされてきた。そのような製品の例は、材料を燃焼させるのではなく、加熱することによって化合物を放出する加熱デバイスである。材料は、例えば、タバコ、又は他の非タバコ製品としてもよく、これはニコチンを含むことも含まないこともある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様は、エアロゾル化可能な材料を加熱してエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させて、吸入可能なエアロゾルを生成するための装置における使用のためのアセンブリを提供し、本アセンブリは、エアロゾル化可能な材料が装置へ取り外し可能に挿入され得る開口部を定める構造体と、上記構造体に結合され、開口部へのアクセスが無制限である開位置と、開口部へのアクセスが制限される閉位置との間で移動可能である蓋と、ラッチ構成体であって、蓋が開位置及び閉位置のうちの一方にあるとき、外力が、使用中、印加されて、ラッチ構成体を解放するまで、開位置及び閉位置のうちの少なくとも一方に蓋を保持するように構成される、ラッチ構成体と、を備える。
【0004】
例示的な実施形態において、ラッチ構成体は、構造体内に第1の部分、及び蓋内に第2の別個の部分を備え、第1の部分は、蓋が開位置及び閉位置のうちの一方にあるとき、第2の部分と互いに影響し合って、蓋を開位置及び閉位置のうちの一方に保持するように構成される。
【0005】
例示的な実施形態において、ラッチ構成体は、蓋が、開位置及び閉位置のうちの一方と、開位置と閉位置との間にある中間位置との間にあるとき、蓋を開位置及び閉位置のうちの一方の方へ付勢するように構成される。
【0006】
例示的な実施形態において、本アセンブリは、構造体に対する蓋の移動をガイドするための少なくとも1つのガイドをさらに備える。
【0007】
例示的な実施形態において、ガイドは、オス又はメス部材のうちの少なくとも一方を備え、オス又はメス部材のうちの少なくとも一方は、構造体のオス又はメス部材の対応する他方と係合するためのものである。
【0008】
例示的な実施形態において、ラッチ構成体は、機械式ラッチ構成体である。
【0009】
例示的な実施形態において、機械式ラッチ構成体は、カムを備え、カムは、蓋及び構造体のうちの一方に配設されるカム要素、並びに蓋及び構造体のうちの他方に配設される少なくとも1つの従動子を備える。
【0010】
例示的な実施形態において、蓋は、カム要素を画定し、カム要素は、1つ又は複数の戻り止めを備え、少なくとも1つの従動子は、蓋が開位置及び閉位置のうちの一方にあるとき、1つ又は複数の戻り止めと係合して、蓋をそれぞれ開位置又は閉位置に保持するように構成される。
【0011】
例示的な実施形態において、本アセンブリは、少なくとも1つの従動子がカム要素の方へ付勢されるように構成される。
【0012】
例示的な実施形態において、少なくとも1つの従動子は、ばねによってカム要素の方へ付勢される。
【0013】
例示的な実施形態において、カム要素の表面は、蓋が開位置と閉位置との間にあるとき、少なくとも1つの従動子と係合して、少なくとも1つの従動子を押下するように構成される。
【0014】
例示的な実施形態において、本アセンブリは、ばねプランジャを備え、ばねプランジャは、ハウジング内に移動可能に維持され、カム要素の方へ付勢される、押下可能な部材を備え、少なくとも1つの従動子が、押下可能な部材である。
【0015】
例示的な実施形態において、押下可能な部材は、蓋が構造体に対して移動されるとき、カム要素に対して転動するように構成される。
【0016】
例示的な実施形態において、押下可能な部材は、球形又は円筒形である。
【0017】
例示的な実施形態において、1つ又は複数の戻り止めは、蓋の運動方向において蓋の反対端部分に位置する少なくとも2つの戻り止めを備える。
【0018】
例示的な実施形態において、ラッチ構成体は、磁気式ラッチ構成体である。
【0019】
例示的な実施形態において、磁気式ラッチ構成体は、構造体内に配設される少なくとも1つの固定磁石、及び蓋内に配設される少なくとも1つの蓋磁石を備え、ラッチ構成体は、蓋が開位置又は閉位置にあるとき、開位置又は閉位置のうちの一方に蓋を磁力で保持するように構成される。
【0020】
例示的な実施形態において、磁気式ラッチ構成体は、蓋が開位置にあるとき、蓋を開位置に磁力で保持し、蓋が閉位置にあるとき、蓋を閉位置に磁力で保持するように構成される。
【0021】
例示的な実施形態において、少なくとも1つの蓋磁石は、第1及び第2の磁極を有し、少なくとも1つの固定磁石は、第1及び第2の磁極を有し、各磁石の第1及び第2の磁極は、相対する極性を有し、各磁石の第1及び第2の磁極は、蓋の運動方向に実質的に直交する方向に配向され、蓋磁石の第1の極及び固定磁石の第1の極は、実質的に反対方向を向いており、同じ極性のものである。
【0022】
例示的な実施形態において、少なくとも1つの蓋磁石は、第1及び第2の磁極を有し、少なくとも1つの固定磁石は、第1及び第2の磁極を有し、各磁石の第1及び第2の磁極は、相対する極性を有し、各磁石の第1及び第2の磁極は、蓋の運動方向に実質的に平行の方向に配向され、蓋磁石の第1の極及び固定磁石の第1の極は、実質的に反対方向を向いており、同じ極性のものである。
【0023】
例示的な実施形態において、少なくとも1つの蓋磁石及び少なくとも1つの固定磁石は、実質的に立方体状であり、各々が、運動方向に長辺を有し、少なくとも1つの蓋磁石の重心は、蓋の端部から、運動方向において等距離であり、少なくとも1つの固定磁石の重心は、開位置及び閉位置から、運動方向において等距離である。
【0024】
例示的な実施形態において、蓋は、構造体の上面に隣接する下面を有し、少なくとも1つの蓋磁石は、使用中見えないように、蓋の下面の対応する凹部内に配設され、少なくとも1つの固定磁石は、使用中見えないように、構造体の上面の真下に位置する。
【0025】
例示的な実施形態において、蓋は、実質的に平坦であり、運動方向に細長である。
【0026】
例示的な実施形態において、蓋は、好ましくは、滑動方向に平行の方向に長さ14mm~15mm、好ましくは、運動方向に垂直の長さ11mm~12mm、及び好ましくは、1mm~2mm厚である。
【0027】
例示的な実施形態において、構造体は、蓋への補完形状及びサイズを有する窪んだ部分を備え、窪んだ部分は、使用中蓋を受容し、開位置と閉位置との間の蓋の移動を可能にするように構成される。
【0028】
例示的な実施形態において、窪んだ部分の、上面などの表面は、開口部をさらに備え、開口部は、閉位置に対応する窪んだ部分の端部に向かって位置する。
【0029】
例示的な実施形態において、構造体及び蓋の材料は、ポリカーボネート/アクリロニトリルブタジエンスチレン(PC/ABS)である。
【0030】
例示的な実施形態において、エアロゾル化可能な材料は、タバコを含み、及び/又は再生され、及び/又はゲルの形態にあり、及び/又は非晶体を含む。
【0031】
本発明の第2の態様は、エアロゾル化可能な材料を加熱してエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させるように配置される加熱装置と、加熱装置との使用のための本発明の第1の態様に従うアセンブリとを具備するシステムであって、加熱装置が、ヒータハウジング内に配置される少なくとも1つのヒータ要素であって、使用中、エアロゾル化可能な材料を加熱するように構成される、少なくとも1つのヒータ要素を備える、システムを提供する。
【0032】
例示的な実施形態において、エアロゾル化可能な材料は、タバコを含み、及び/又は再生されるものであり、及び/又はゲルの形態にあり、及び/又は非晶体を含む。
【0033】
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付の図面を参照してなされる例として単に提供される、本発明の好ましい実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【0034】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して、単に例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】エアロゾル化可能な材料を加熱してエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置の例の概略斜視図であって、本装置が、エアロゾル化可能な材料を含む消耗品が挿入された状態で示される、図である。
【
図2】消耗品が挿入された状態の
図1の例示的な装置の概略前面図である。
【
図3】消耗品が挿入された状態の
図1の例示的な装置の概略右側面図である。
【
図4】消耗品が挿入された状態の
図1の例示的な装置の概略左側面図である。
【
図5】
図4に示される線A-Aに沿っての、消耗品が挿入された状態の
図1の例示的な装置の前からの概略断面図である。
【
図6】消耗品が挿入されていない
図1の例示的な装置の概略前部断面図である。
【
図7】エアロゾル化可能な材料を加熱するための装置と共に使用するための蓋アセンブリの例の概略斜視図であって、蓋アセンブリがラッチ構成体を備え、蓋が開位置で示されている、図である。
【
図8】蓋が閉位置で示されている、
図7の例示的な蓋アセンブリの概略斜視図である。
【
図9】蓋アセンブリが機械式ラッチ構成体を備える、
図7の例示的な蓋アセンブリの概略分解組立図である。
【
図10】蓋が閉位置で示されている、エアロゾル化可能な材料を加熱するための装置との使用のための例示的な蓋アセンブリの平面図である。
【
図11】蓋アセンブリが機械式ラッチ構成体を備え、蓋が開位置で示されている、線T-Tに沿っての
図10の例示的な蓋アセンブリの垂直断面図である。
【
図12】蓋が閉位置で示されている、
図11の例示的な蓋アセンブリの垂直断面図である。
【
図13】蓋アセンブリが磁気式ラッチ構成体を備え、蓋が開位置で示されている、エアロゾル化可能な材料を加熱するための装置との使用のための蓋アセンブリの例の概略斜視図である。
【
図14】蓋が閉位置で示されている、
図13の例示的な蓋アセンブリの概略斜視図である。
【
図15】
図13の例示的な蓋アセンブリの下側の概略斜視図である。
【
図16】
図13の例示的な蓋アセンブリの上パネル構造体の概略斜視図である。
【
図17】
図13の例示的な蓋アセンブリの蓋の下側の概略斜視図である。
【
図18】蓋が蓋磁石及びトラック(軌道)アセンブリを備える、
図13の蓋の下側の概略斜視図である。
【
図19】蓋アセンブリが磁気式ラッチ構成体を備える、線T-Tに沿っての閉位置における
図10の例示的な蓋アセンブリの概略垂直断面図である。
【
図20】蓋アセンブリが磁気式ラッチ構成体を備える場合の、線T-Tに沿っての閉位置における
図10の例示的な蓋アセンブリの概略垂直断面図である。
【
図21】閉位置における
図19の例示的な蓋アセンブリの単純化した概略垂直断面図である。
【
図22】蓋が閉位置、中間位置、及び開位置で示されている、
図13の例示的な蓋アセンブリの単純化した概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本明細書で使用される場合、用語「エアロゾル化可能な材料」は、加熱時に、揮発した成分を、典型的には蒸気又はエアロゾルの形態で提供する材料を含む。「エアロゾル化可能な材料」は、非タバコ含有材料、又はタバコ含有材料とすることができる。「エアロゾル化可能な材料」は、例えば、タバコそのもの、タバコ派生物、拡張タバコ、再生タバコ、タバコ抽出物、均質化タバコ、又はタバコ代替品のうちの1つ又は複数を含むものとすることができる。「エアロゾル化可能な材料」は、挽きタバコ、刻みラグタバコ、押出タバコ、再生タバコ、再生エアロゾル可能材料、液体、ゲル、非晶体、ゲル化シート、粉末、又は塊等の形態であってもよい。「エアロゾル化可能な材料」はまた、他の非タバコ製品を含むものであってもよく、製品に応じて、ニコチンを含んでも含まなくてもよい。「エアロゾル化可能な材料」は、グリセロール又はプロピレングリコールなど、1つ又は複数の保湿剤を含んでもよい。用語「エアロゾル生成材料」もまた、用語「エアロゾル化可能な材料」と同じ意味で、本明細書内で使用され得る。
【0037】
上に記されるように、エアロゾル化可能な材料は、代替的に「モノリシック固体」(すなわち、非繊維質)、又は「乾燥ゲル」と称される場合がある「非晶体」を含むものとすることができる。非晶体は、その中に、液体などの何らかの流体を保持し得る固体材料である。いくつかの場合において、エアロゾル化可能な材料は、約50wt%、60wt%、又は70wt%の非晶体~約90wt%、95wt%、又は100wt%の非晶体を含む。いくつかの場合において、エアロゾル化可能な材料は、非晶体からなる。
【0038】
本明細書で使用される場合、用語「シート」は、その厚さよりも実質的に大きい幅及び長さを有する要素を意味する。シートは、例えば、ストリップであり得る。
【0039】
本明細書で使用される場合、用語「加熱材料」又は「ヒータ材料」は、いくつかの例において、例えばエアロゾル化可能な材料が誘導加熱構成体によって加熱されるとき、変動磁場による侵入により加熱可能である材料を指す。
【0040】
加熱材料を加熱する他の形態は、電気的抵抗加熱要素に関与する抵抗加熱を含み、電気的抵抗加熱要素は、電流が電気的抵抗加熱要素に印加されるとき熱が上がり、以て加熱材料への伝導により熱を伝達する。
【0041】
本明細書で使用される場合、用語「重心」は、3次元形状の幾何学的中心を指す。
【0042】
図1を参照すると、本発明の実施形態に従う装置1の概略斜視図が示される。装置1は、エアロゾル化可能な材料を加熱してエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させて、ユーザによる吸引のためのエアロゾルを形成するためのものである。この実施形態において、エアロゾル化可能な材料は、タバコを含み、装置1は、タバコ加熱製品(当該技術分野においては、タバコ加熱デバイス又は非燃焼加熱式デバイスとしても知られる)である。装置1は、ハンドヘルドデバイスであり、これは、ハンドヘルドデバイスのユーザによるエアロゾル化可能な材料の吸引のためのものである。
【0043】
装置1は、第1の端部3、及び第1の端部3の反対の第2の端部5を備える。第1の端部3は、本明細書では、装置1の口側端部又は近位端部と称されることがある。第2の端部5は、本明細書では、装置1の遠位端部と称されることがある。装置1は、装置1が、装置1のユーザによって望まれるときに、全体として、オン及びオフを切り替えられることを可能にするために、オン/オフボタン7を有する。
【0044】
概して述べるならば、装置1は、エアロゾル生成材料を加熱することによってユーザにより吸引されることになるエアロゾルを生成するように構成される。使用時、ユーザは、装置1に物品21を挿入し、例えばボタン7を使用して装置1を活性化して(動作させて)、装置1がエアロゾル生成材料を加熱し始めるようにする。ユーザは、続いて、装置1の第1の端部3の近くの物品21のマウスピース21bを吸って、装置1によって生成されるエアロゾルを吸引する。ユーザが物品21を吸うと、生成されたエアロゾルが、装置1の近位端部3へ向かって流路に沿って装置1を流れる。
【0045】
例においては、蒸気が生成され、次いでこの蒸気は、少なくとも部分的に凝縮して、ユーザによって吸引されるように、装置1を出る前にエアロゾルを形成する。
【0046】
この点において、まず、一般に、蒸気は、その臨界温度よりも低い温度にある気相の物質であり、これは、例えば、蒸気が、温度を下げることなくその圧力を上昇させることによって液体へと凝縮され得ることを意味する、ということに留意されたい。その一方、一般に、エアロゾルは、空気又は別のガス中の、微細固体粒子又は液滴のコロイドである。「コロイド」は、微視的に分散した不溶性粒子が別の物質の至る所に浮遊している物質である。
【0047】
簡便性の理由から、本明細書で使用される場合、エアロゾルという用語は、エアロゾル、蒸気、又はエアロゾル及び蒸気の組み合わせを意味すると取られるべきである。
【0048】
装置1は、装置1の様々な内部構成要素を配置及び保護するためのケーシング9を備える。したがって、ケーシング9は、内部構成要素を収容するための外側ハウジングである。図示実施形態において、ケーシング9は、装置1の周囲を取り囲むスリーブ11であって、装置1の「上部」を全体的に画定する、第1の端部3におけるある構造体、好ましくは上パネル構造体17と、装置1の「底部」を全体的に画定する、第2の端部5(
図2~
図5を参照)における底パネル19とで塞がれたスリーブ11を備える。
【0049】
スリーブ11は、第1のスリーブ11a及び第2のスリーブ11bを備える。第1のスリーブ11aは、装置1の上方部分として示される装置1の上部分に設けられ、第1の端部3から離れる方へ延びている。第2のスリーブ11bは、装置1の下方部分として示される装置1の下部分に設けられ、第2の端部5から離れる方へ延びている。第1のスリーブ11a及び第2のスリーブ11bは各々、装置1の周囲を取り囲む。すなわち、装置1は、Y軸線方向に長手方向軸線を含み、第1のスリーブ11a及び第2のスリーブ11bは各々、長手方向軸線に対して放射状の方向に内部構成要素を包囲する。
【0050】
この実施形態において、第1のスリーブ11a及び第2のスリーブ11bは、取り外し可能に互いに係合される。この実施形態において、第1のスリーブ11aは、溝及び凹部を備えるスナップフィット構成で第2のスリーブ11bと係合される。
【0051】
いくつかの実施形態において、上パネル構造体17及び/又は底パネル19は、装置1の内部への容易なアクセスを許すために、対応する第1及び第2のスリーブ11a、11bにそれぞれ、取り外し可能に固定され得る。いくつかの実施形態において、スリーブ11は、例えばユーザが装置1の内部にアクセスすることを阻止するために、上パネル構造体17及び/又は底パネル19に「永続的に」固定され得る。一実施形態において、パネル17及び19は、例えば、射出成形によって形成されるガラス入りナイロンを含む、可撓性材料で作製され、スリーブ11は、アルミニウムで作製されるが、他の材料及び他の製造プロセスが使用されてもよい。
【0052】
装置1の上パネル構造体17は、装置1の口側端部3に開口部20を有し、これを通じて、使用中、エアロゾル化可能な材料を含有する消耗品21が、ユーザによって、装置1へ挿入され、また装置1から取り除かれる。この実施形態において、消耗品21は、ユーザがユーザの唇の間に置くためのマウスピースとして機能する。他の実施形態において、外部マウスピースを設けることができ、エアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの揮発成分は、このマウスピースを通じて吸われる。外部マウスピースが使用されるとき、エアロゾル化可能な材料は、外部マウスピース内に設置されない。
【0053】
この実施形態において、開口部20は、蓋4によって開閉される。示される実施形態において、蓋4は、閉位置と開位置との間で移動可能であり、開位置にあるときに装置1内への消耗品21の挿入を可能にする。蓋4は、X軸線方向に沿って双方向に移動するように構成される。
【0054】
接続ポート6は、装置1の第2の端部5に示される。接続ポート6は、装置1の電源27を充電するための、ケーブル及び電源27(
図6に示される)への接続のためのものである。接続ポート6は、装置1の前側から装置1の後側へZ軸線方向に延びている。
図3に示されるように、接続ポート6は、装置1の第2の端部5において装置1の右側でアクセス可能である。装置1は、充電しながら、又は接続ポート6を通じてデータ接続を可能とするために、第2の端部5で立つことができることが有利である。図示実施形態において、接続ポート6は、USBソケットである。
【0055】
図2を参照すると、第1のスリーブ11aは、テーパの付いている、装置1の第1の端部3における表面を備える。テーパが付けられた表面は、第2の端部5における第2のスリーブ11bの表面に対して第1の角度αを持つ。この実施形態において、第2の端部5における第2のスリーブ11bの表面は、X軸線方向と実質的に平行である。したがって、図示されるように、消耗品21は、第1の端部3の近位部分にて開口部20(
図1に示される)を通じて挿入可能である。第1のスリーブ11a及び第2のスリーブ11bが接合部11cで合わさっている部分では、X軸線方向に対して第2の角度βが形成されている。第2の角度βは、第1の角度αよりも大きく示されている。
【0056】
図3及び
図4はそれぞれ、装置1の右側及び左側を示す。ここでは、消耗品21は、横方向において中央の位置にあるように示されている。これは、消耗品21が挿入される開口部20が、Z軸線方向に沿って装置1の中間地点に配置されると共に、X軸線方向において中心を外れて配置されるためである。
【0057】
図5及び
図6は、
図4に示されるような装置1の線A-Aをそれぞれ通る、消耗品が挿入された状態及び引き抜かれた状態にある装置1の前からの概略断面図を示す。
【0058】
図6に示されるように、ケーシング9の中には、ヒータ構成体(heater arrangement)23、制御回路25、及び電源27が配置され又は固定されている。この実施形態において、制御回路25は、電子機器コンパートメントの一部分であり、2つの印刷回路基板(PCB)25a、25bを備える。この実施形態において、制御回路25及び電源27は、ヒータ構成体23に横方向に隣接(すなわち、端部から見て隣接)しており、制御回路25は電源27の下に位置する。これは、装置1が、X軸線方向に対応する横方向においてコンパクトであることを可能にし、有効である。
【0059】
この実施形態において、制御回路25は、以下にさらに論じられるように、消耗品21内のエアロゾル化可能な材料の加熱を制御するように構成及び配置されるマイクロプロセッサ構成体などのコントローラを含む。
【0060】
この実施形態において、電源27は、充電式バッテリーである。他の実施形態において、非充電式バッテリー、コンデンサ又はバッテリー・コンデンサのハイブリッドが用いられてもよく、電気幹線供給源への接続が使用されてもよい。好適なバッテリーの例には、例えば、リチウムイオンバッテリー、ニッケルバッテリー(ニッケルカドミウムバッテリーなど)、アルカリバッテリー、及び/又は同様のものがある。バッテリー27は、必要なときに電力を供給し、制御回路25の制御下で消耗品内のエアロゾル化可能な材料を加熱するために(論じられるように、エアロゾル化可能な材料を燃焼させることなくエアロゾル化可能な材料を揮発させるために)、ヒータ構成体23に電気的に接続される。
【0061】
電源27をヒータ構成体23に対して横に隣接して配置する利点は、物理的に大きい電源27が、装置1が全体として過度に長くなりすぎることなく、使用され得ることである。理解されるように、物理的に大きい電源27は、より高い容量(すなわち、多くの場合はアンペアアワー又は同様のもので測定される、供給され得る合計電気エネルギー)を有し、したがって、装置1のバッテリー寿命はより長くなり得る。
【0062】
一実施形態において、ヒータ構成体23は、一般に、使用時にエアロゾル化可能な材料を含む消耗品21が加熱のために挿入される中空内側加熱チャンバ29を有する中空円筒管の形態にある。概して述べるならば、加熱チャンバ29は、消耗品21を受容するための加熱ゾーンである。ヒータ構成体23のための異なる構成も可能である。いくつかの実施形態において、ヒータ構成体23は、単一の加熱要素を備えてもよいし、ヒータ構成体23の長手方向軸線に沿って整列される複数の加熱要素で形成されてもよい。加熱要素又は各加熱要素は、その外周において環状若しくは管状、又は少なくとも部分環状若しくは部分管状であってもよい。一実施形態において、加熱要素又は各加熱要素は、薄膜ヒータであってもよい。別の実施形態において、加熱要素又は各加熱要素は、セラミックス材料で作製されてもよい。好適なセラミックス材料の例は、積層及び焼結され得るアルミナ及び窒化アルミニウム及び窒化ケイ素セラミックスを含む。誘導加熱、赤外線を放射することによって加熱する赤外ヒータ要素、又は、例えば抵抗性電気巻線によって形成される抵抗加熱要素を含む、他のヒータ構成要素も可能である。
【0063】
この実施形態において、ヒータ構成体23は、ステンレス鋼支持管75によって支持され、ヒータ71を備える。1つの実施形態において、ヒータ71は、少なくとも1つの導電要素が形成される基板を備える。基板は、シートの形態にあり得、例えば、可撓性層を備え得る。好ましい実施形態において、この層は、ポリイミド層である。1つ又は複数の導電要素は、基板層に印刷されてもよいし、別途付着されてもよい。1つ又は複数の導電要素は、基板内に封じられてもよいし、基板で被覆されてもよい。
【0064】
支持管75は、消耗品21に熱を伝達する加熱要素である。したがって、支持管75は加熱材料からなる。この実施形態において、ヒータ材料はステンレス鋼である。他の実施形態において、他の金属材料が加熱材料として使用されてもよい。例えば、加熱材料は、金属又は金属合金を含んでもよい。加熱材料は、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性カーボン、黒鉛、鋼、普通炭素鋼、軟鋼、フェライト系ステンレス鋼、モリブデン、炭化ケイ素、銅、及び青銅からなる群から選択される1つ又は複数の材料を含んでもよい。
【0065】
ヒータ構成体23は、消耗品21が装置1に挿入されるときエアロゾル化可能な材料の全体が使用時実質的に加熱されるように、寸法決めされている。
【0066】
いくつかの実施形態において、加熱要素又は各加熱要素は、エアロゾル化可能な材料の選択されたゾーンが、所望の通りに、独立して、例えば順番に(経時的に)加熱されるように又は一緒に(同時に)加熱されるように配置されてもよい。
【0067】
この実施形態において、ヒータ構成体23は、その長さの少なくとも一部分に沿って、真空領域31によって包囲される。真空領域31は、ヒータ構成体23から装置1の外側へ伝わる熱を低減するのを助ける。それが熱損失を全体的に低減するため、これによりヒータ構成体23の電力要件を低く抑えるのを助ける。真空領域31はまた、ヒータ構成体23の動作中、装置1の外側を冷えたままにするのを助ける。いくつかの実施形態において、真空領域31は、二重壁のスリーブによって包囲されてもよく、スリーブの2つの壁の間の領域は、伝導及び/又は対流による熱伝達を最小限にするように、低圧領域を提供するために真空にされている。他の実施形態において、真空領域に加えて、又はその代わりに、例えば好適な泡タイプの材料を含め、例えば断熱材料を使用した、別の絶縁構成体が使用されてもよい。
【0068】
ハウジングと称されることがあるケーシング9は、すべての内部構成要素及びヒータ構成体23を支持するための内部支持構造体37(
図6に明示される)をさらに備えてもよい。
【0069】
装置1は、開口部20の周りに延在し開口部20からハウジング9の内側へ突出するカラー33と、カラー33と真空領域31の1つの端部との間に位置する拡張要素35とをさらに備える。拡張要素35は、装置1の口側端部3において拡張チャンバ40を形成するじょうご状のものである。カラー33は、消耗品21を保持するための保持具である(
図5に明示される)。この実施形態において、保持具は、装置1から復元可能に取り外すことができる。
【0070】
拡張要素35の一方の端部は、第1のスリーブ11aに接続し、またこれによって支持され、拡張要素35の他方の端部は、カセット51の一方の端部に接続し、またこれによって支持される。Oリングとして示される第1の封止要素55は、拡張要素35と第1のスリーブ11aとの間に配置され、Oリングとして示される第2の封止要素57は、拡張要素35とカセット51との間に配置される。各Oリングは、シリコーン製であるが、他のエラストマー材料が、封止を可能とするために使用されてもよい。第1及び第2の封止要素55、57は、装置1の周囲構成要素内へのガスの移動を防ぐ。封止要素は、遠位端部における流体出入を防ぐために遠位端部にも提供される。
【0071】
図6に明示されるように、カラー33、拡張要素35及び真空領域31/ヒータ構成体23は、
図5に明示されるように、消耗品21が装置1に挿入されるとき、消耗品21がカラー33及び拡張要素35を通って加熱チャンバ29内へ延びるように、同軸に配置される。
【0072】
上で述べたように、この実施形態において、ヒータ構成体23は概ね中空円筒管の形態にある。この管によって形成される加熱チャンバ29は、拡張チャンバ40を介して装置1の口側端部3において開口部20と流体連通状態にある。
【0073】
この実施形態において、拡張要素35は、開口部20に隣接する第1の開口端部と、加熱チャンバ29に隣接する第2の開口端部とを有する管状本体を備える。管状本体は、管状本体に沿って第1の開口端部からおよそ半分のところまで延びる第1のセクションと、およそ半分のところから管状本体に沿って第2の開口端部まで延びる第2のセクションとを備える。第1のセクションは、第2のセクションから離れる方に従って広がるフレア状部分を備える。したがって、第1のセクションは、開口している第1の開口端部へ向かって外向きに細くなる内径を有する。第2のセクションは、実質的に一定の内径を有する。
【0074】
図6に明示されるように、この実施形態において、拡張要素35は、ハウジング9内に、カラー33と真空領域31/ヒータ構成体23との間に配置されている。より詳細には、拡張要素35の第2の開口端部において、拡張要素35は、第2の開口端部が支持管75及び真空領域31の内側と係合するように、ヒータ構成体23の支持管75の端部分と真空領域31の内側との間に配置される。第1の開口端部において、拡張要素35は、カラー33の脚部59が拡張チャンバ40内へ突出するように、カラー33を受容する。したがって、拡張要素35の第1のセクションの内径は、消耗品21が装置1内に受容されるとき(
図5を参照)、及び消耗品21が存在しないとき、脚部の外径よりも大きい。
【0075】
図5から最もよく理解されるように、拡張要素35の第1のセクションの内径は、消耗品21の外径よりも大きい。したがって、消耗品21が拡張要素35の長さの少なくとも一部分にわたって装置1に挿入されるとき、拡張要素35と消耗品21との間に空隙36が存在する。空隙36は、その領域における消耗品21の全周囲の周りにある。
【0076】
図6に明示されるように、カラー33は、複数の脚部59を備える。この実施形態では、4つの脚部59が存在し、3つのみが
図6の視点では見ることができる。しかしながら、他の実施形態では、脚部59は、4つよりも多くても少なくてもよい。脚部59は、カラー33の内表面に円周方向に等しく離間して配置され、装置1が組み立てられるとき拡張チャンバ40内に配置される。この実施形態において、装置1に設置されるとき、脚部59は、開口部20の周縁に円周方向に等しく離間して配置される。一実施形態では、脚部59は4つあり、他の実施形態では、脚部59は4つよりも多くても少なくてもよい。脚部59の各々は、Y軸線方向に延び、拡張チャンバ40の長手方向軸線に平行に延びており、開口部20内へ突出する。脚部59はまた、脚部59の先端59aにおいて拡張要素35へ向かう方向に放射状に延び、その結果として、先端59aは互いから離れる方へ角度が付けされる。各脚部59の先端59aは、消耗品21を挿入するとき及び/又はこれを装置1から取り外すときに、消耗品21への損傷を回避するよう消耗品21の通過をより良いものとする。脚部59は、まとめて、消耗品21が装置1内にあるとき、拡張チャンバ40内にある消耗品21を正しく位置付け、また保持するために、消耗品21を把持する把持セクションを提供する。それらの間で、脚部59は、脚部59によって接触される消耗品の領域にある消耗品21を軽く圧迫する、又は締め付ける。
【0077】
脚部59は、弾性材料から構成されてもよい(又は何らかの他の態様で弾性的であってもよい)ため、結果として、それらは、消耗品21が装置1に挿入されるとき、消耗品21をより良好に把持するためにわずかに変形する(例えば、圧縮する)が、その後、消耗品21が装置1から取り外されるときには、脚部59は
図6に示される静止位置へ付勢されるため、それらの元の形状を取り戻す。したがって、脚部59は、静止位置である第1の位置から、
図5に示される変形位置である第2の位置へ可逆的に移動可能であり、これにより消耗品21は把持される。この実施形態において、脚部59は、カラー33の主要本体と一体に形成されている。しかしながら、いくつかの実施形態において、脚部59は、カラー33の本体に装着される別個の構成要素であってもよい。第1の位置である静止位置にある脚部59の間に形成される空間の内径は、例えば4.8mm~5mm、好ましくは4.9mmである。脚部59は、脚部59の位置での開口部20の開口範囲が、脚部59なしの位置での開口部20の開口範囲よりも小さくなるように、開口部20内の空間を占めている。
【0078】
例えば、拡張要素35は、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む可撓性材料で形成され得る。PEEKは、大半の他の熱可塑物と比較して比較的高い融解点を有し、熱劣化に対して非常に抵抗力がある。
【0079】
図6を参照すると、この実施形態において、加熱チャンバ29は、遠位端部5に向かう減じられた内径の領域38と連通している。この領域38は、清掃管41によって形成される清掃チャンバ39を画定する。清掃管41は、口側端部3において開口部を通過した消耗品21(
図5を参照)のための端止めを提供する中空管である。清掃管41は、ヒータ構成体23を支持及び配置するように構成される。
【0080】
装置1は、装置1の遠位端部5における蓋61をさらに備え、この蓋61は、加熱チャンバ29が清掃され得るように加熱チャンバ29へのアクセスを可能とするために底パネル19内の開口部を開閉する。蓋61は、ヒンジ63を中心にして枢動する。蓋61を通じたこのようなアクセスは、特に、ユーザが遠位端部5においてヒータ構成体23及び加熱チャンバ29内を清掃することを可能にする。蓋61が開いているとき、真っすぐの貫通孔が、口側端部3における開口部20と、装置1の遠位端部5における清掃チャンバの一方の端部における開口部との間に、装置1全体を通るよう設けられる。したがって、ユーザは、中空加熱チャンバ29の内部の実質的に全体を容易に清掃することができる。このため、ユーザは、好みで装置1のいずれかの端部を通して、加熱チャンバ29にアクセスすることができる。ユーザは、例えば、昔ながらのパイプクリーナ又はブラシ又は同様のものを含む、この目的のための1つ又は複数の様々な清掃デバイスを使用し得る。
【0081】
図6に示されるように、上パネル構造体17は、装置1のハウジング9の第1の端部3を全体的に形成する。上パネル構造体17は、開口部20の形態にある挿入点を画定するカラー33を支持し、開口部20を通して使用時に消耗品21は装置1へ取り外し可能に挿入される。
【0082】
カラー33は、開口部20の周りに延び、そこからハウジング9の内部へ突出する。この実施形態において、カラー33は、上パネル構造体17とは別個の要素であり、バヨネット係止機構などの取り付け具を通じて上パネル構造体17に装着される。他の実施形態において、接着剤又はねじが、カラー33を上パネル構造体17に結合するために使用され得る。他の実施形態において、カラー33は、ハウジング9の上パネル構造体17と一体であってもよいため、カラー33及び上パネル構造体17は単一部片を形成する。
【0083】
図5及び
図6から最もよく理解されるように、消耗品21及びカラー33の脚部59の隣合う対によって画定される開空間は、消耗品21の外側の周りに通気路20aを形成する。かかる通気路20aは、消耗品21から漏れ出た熱い蒸気が装置1から流出することを可能にし、また消耗品21の周りに装置1内へ冷却空気が流れることを可能にする。この実施形態では、4つの通気路が、消耗品21の周縁の周りに位置し、これが装置1の通気をもたらす。他の実施形態においては、より多く又はより少ないそのような通気路20aを設けてもよい。
【0084】
特に
図5を再び参照すると、この実施形態において、消耗品21は円筒ロッドの形態にあり、これは、消耗品21が装置1に挿入されるときヒータ構成体23内にある消耗品21のセクション内の後端部にエアロゾル化可能な材料21aを有する又は包含する。消耗品21の前端部は、装置1から延び、エアロゾルを濾過するためのフィルター及び/又はエアロゾルを冷却するための冷却要素21cのうちの1つ又は複数を含む組立体であるマウスピース21bとして機能する。フィルター/冷却要素21cは、空間21dによってエアロゾル化可能な材料21aから離間され、さらなる空間21eによってマウスピース組立体21bの先端からも離間される。消耗品21は、円周方向に外層(図示せず)で被覆されている。この実施形態において、消耗品21の外層は、エアロゾル化可能な材料21aからの一部の加熱された揮発成分が消耗品21から漏れ出ることを可能にするために透過性を有する。
【0085】
動作中、ヒータ構成体23は、消耗品21を加熱してエアロゾル化可能な材料21aの少なくとも1つの成分を揮発させる。
【0086】
エアロゾル化可能な材料21aからの加熱された揮発成分の主たる流路は、軸線方向に消耗品21を通り、空間21d、フィルター/冷却要素21c、及びさらなる空間21eを通った後に、マウスピース組立体21bの開口端部を通ってユーザの口に入る。しかしながら、揮発成分の一部は、消耗品21から、その透過性の外側被覆材を通って、拡張チャンバ40内の消耗品21を包囲する空間36内へ漏出することもある。
【0087】
消耗品21から拡張チャンバ40内へ流れる揮発成分がユーザによって吸引されることは、これらの成分がフィルター/冷却要素21cを通過しておらず、したがって濾過も冷却もされていないことから望ましくない。
【0088】
拡張チャンバ40内の消耗品21を包囲する空気の容積部は、消耗品21からその外層を通って漏れ出す揮発成分の少なくとも一部を冷却し、拡張チャンバ40の内壁に凝縮させて、それらの揮発成分がユーザによっておそらくは吸引されることを防ぐことが有利である。
【0089】
この冷却効果は、流体が装置内へ及び装置から外へ流れることを可能にする通気路20aを経て装置1の外側から拡張チャンバ40内の消耗品21を包囲する空間36内へ入ることができる冷却空気によって、促され得る。第1の通気路は、挿入点において消耗品21の外側の周りに通気をもたらすように、カラー33の複数の隣り合う脚部59の対の間に画定される。第2の通気路は、少なくとも1つの加熱された揮発成分が第2の位置にて消耗品21から流れるように、隣り合う脚部59の第2の対の間に提供される。したがって、通気は、第1及び第2の通気路によって挿入点において消耗品21の外側の周りにもたらされる。さらには、消耗品21からその外側被覆材を通じて漏れ出す加熱された揮発成分は、拡張チャンバ40の内壁で凝縮せず、ユーザによって吸引されることなく、通気路20aを介して装置1の外へ安全に流れることができる。拡張チャンバ40及び通気の両方が、エアロゾル化可能な材料からの加熱された揮発成分に放出される水蒸気組成物の温度及び含有量を低減することを助ける。
【0090】
装置1には、装置1の第1の端部3へ向かうサーマルライナ(thermal liner)13が取り付けられる。
図6に示されるように、サーマルライナ13は、第1のスリーブ11aに結合される。サーマルライナ13は、熱分配を管理するのを助ける熱分散体(heat diffuser)であり、また、装置1の使用により生成される内部熱をより大きな面積にわたり分配することによって第1のスリーブ11aを熱応力から保護するのを助ける。サーマルライナ13は、軽量とするために、及び近位端部3の周りに十分に熱を放散させるために、アルミニウムなどの金属材料から作製される。これは、局部的なホットスポットを回避するのを助け、第1のスリーブ11aの寿命を増大させる。ライナ13は、伝導によって熱を分配する。ライナ13は、断熱するように又は放射によって熱を反射するようには構成されていない。
【0091】
図6に示されるように、支持管75は、ヒータ71によって外側が被覆される。この例では、ヒータ71は、ポリイミド及び導電性要素を備える薄膜ヒータである。ヒータ71は、独立して制御される複数の加熱領域、及び/又は同時に制御される複数の加熱領域を備えることができる。この例では、ヒータ71は、単一のヒータとして形成される。しかしながら、他の実施形態において、ヒータ71は、加熱チャンバ29の長手方向軸線に沿って整列される複数のヒータで形成されてもよい。いくつかの実施形態において、複数の温度センサが、ヒータ71及び/又は支持管の温度を検出するために使用されてもよい。この実施形態において、支持管75は、消耗品21が加熱ゾーンに挿入されるとき(加熱ゾーンは支持管75の熱伝導領域によって画定される)ヒータ71から消耗品21の方へ熱を伝導するためにステンレス鋼から作製される。他の実施形態において、支持管75は、支持管75が熱伝導性である限り、異なる材料から作製されてもよい。他の加熱要素75が、他の実施形態において使用されてもよい。例えば、加熱要素は、誘導によって加熱可能であるサセプタとしてもよい。この実施形態において、支持管75は、使用時、エアロゾル化可能な材料を含む物品21を支持するための細長の支持体として機能する。
【0092】
この実施形態において、ヒータ71は、支持管75の外側に配置される。しかしながら、他の実施形態において、ヒータ71は、支持管75の内側に配置してもよい。この実施形態において、ヒータ71は、支持管75の外を通り、本明細書ではヒータテイル73と称される部分を備える。ヒータテイル73は、加熱チャンバ29を越えて延び、制御回路25の電気接続のために構成される。図示実施形態において、ヒータテイル73は、1つのPCB25aに物理的に接続する。電流は、電源27によって、制御回路25及びヒータテイル73を介してヒータ71に提供され得る。
【0093】
加熱チャンバ29と制御回路25との間の接続が必要とされるため、加熱チャンバ29と電子機器コンパートメントとの間の空気流(又は任意の他の流体の流れ)を防ぐことは困難である場合がある。この実施形態において、ガスケット15は、
図6に示されるように、そのような流体流を防ぐために使用される。ガスケット15は、第1のシール15a及び第2のシール15bを備える。ガスケット15は、ヒータテイル73を包囲し、基部53及びカセット51によって一緒にクランプされる。。図示実施形態では、4つの締結部材43が、基部53及びカセット51を一緒にクランプするために十分な力を提供し、この地点においてチャンバ29への、及びチャンバ29からのアクセスを封ずるために使用される。締結部材43は、既定のトルクまで締められるねじである。他の実施形態において、ボルトなどの異なる締結部材43が使用されてもよい。
【0094】
図7~
図9を参照すると、装置1と共に使用するための例示的な蓋アセンブリ80が示される。アセンブリ80は、装置1の上パネル構造体17と、蓋4とを備える。上パネル構造体17は、消耗品21が装置1へ取り外し可能に挿入され得る開口部20の少なくとも一部分を一緒に形成するカラー33を受容するための孔22を画定する。蓋4は、
図7に示されるように開口部20へのアクセスを制限しない第1の開位置と、
図8に示されるように開口部20へのアクセスを完全に制限する第2の閉位置との間で移動可能である。開位置では、蓋4は、上パネル構造体17の第1の端部83にある。閉位置では、蓋4は、上パネル構造体17の第2の端部84にある。孔22は、上パネル構造体17の第2の端部84に配置されている。この実施形態において、開口部20は、蓋4が閉位置にあるとき、完全にカバーされる。他の実施形態において、開口部20は、閉位置にある蓋4によって部分的にのみカバーされてもよい。
【0095】
上パネル構造体17は、蓋4を収容するように、且つ開位置と閉位置との間の蓋4の移動を可能にするように構成された窪んだ部分81を備える。窪んだ部分81は、蓋4が損傷することを防ぐことができる。この実施形態において、上パネル構造体17は、上パネル構造体17の上表面を画定するパネル82を収容するようにさらに構成される。パネル82は、
図9に明示されるように、開口部20の少なくとも一部分を形成する孔22aを画定する。いくつかの実施形態において、パネル82は、低抵抗表面を有してもよく、これに沿って蓋4が滑動することができる。この態様では、蓋4は、使用時、パネル82に擦り傷を付ける可能性が低くなり得る。パネル82の形状は、窪んだ部分81の形状に対応し、パネル82は、接着剤50の層によって上パネル構造体17に固定される。他の例において、パネル82の形状は、窪んだ部分81の形状に対応しなくてもよく、及び/又は接着剤層50は存在しなくてもよく、パネル82は、任意の他の適切な手段によって上パネル構造体に固定されてもよい。他の実施形態において、上パネル構造体17は、パネル82を収容するように構成されなくてもよく、パネル82は存在しなくてもよい。そのような実施形態において、窪んだ部分81は、上パネル構造体17の上表面を画定し、それに沿って、又はその上で、蓋4が滑動することができる。蓋4は、その運動方向において実質的に細長い。上パネル82又は窪んだ部分81に面している蓋の表面は、実質的に平坦である。他の例において、蓋4は、細長でなくてもよく、パネル82又は窪んだ部分81に面している表面は、平坦でなくてもよい。
【0096】
複数の隆起部が、上パネル構造体17の下側から装置1内へ孔22の周囲から突出する。この実施形態において、隆起部は、カラー33を孔22内に取り外し可能に維持するためのバヨネット機構の一部分をなす。いくつかの実施形態において、隆起部は、上パネル構造体17を第1のスリーブ11aへ維持するのを助ける役割をさらに果たすようにしてよい。いくつかの例において、上パネル構造体17は、クリップを使用するなど、適切な維持手段を使用して、第1のスリーブ11a及び/又は装置1の別の部分に取り外し可能に固定されてもよい。他の例において、上パネル構造体17は、接着剤又はねじを使用するなど、任意の他の適切な手段によって装置1に固定されてよい。いくつかの例において、上パネル構造体17は、取り外し可能でなくてもよい。装置1は、上パネル構造体17と装置1の内側との間にシールをもたらすためにガスケット(図示せず)を備えてもよい。
【0097】
本実施形態において、蓋4は、蓋4に接続されているオス部分24及び構造体におけるメス部分18によって少なくとも部分的に形成されるガイドにより、窪んだ部分81内でパネル82の上に支持される。ガイドは、構造体に対する蓋の移動をガイドするためのものである。これによって、オス部分24は、メス部分18に沿って、メス部分18内を、蓋4と共に移動する。メス部分18は、蓋の移動が制限される境界を画定してもよい。本実施形態において、オス部分24は、最初、別個の部分として蓋4に提供され、蓋4へ接続するためにメス部分18を通じて挿入される。この態様では、オス部分24は取り外されて、蓋4に損傷を及ぼすリスクなしに簡単に蓋4を取り外すことができる。オス部分24は、蓋4から突出するタブ28の開口部26と整合され、その開口部に保持される。他の例において、オス部分24は、蓋4から突出するオスコネクタをオス部分24内のメスコネクタと接合することによってなど、他の態様で蓋4に接続されてもよい。代替的に、オス部分24は、別個独立の部分でなくてもよく、代わりに、蓋4上のタブ、取っ手、又は他の突出部によって形成されてもよい。オス部分24及び/又はメス部分18は、蓋4が上パネル構造体17内を滑らかに滑動すること、及び蓋が動作中に、引っかかるか、又は別途損傷を引き起こすリスクを低減することを可能にするために、低抵抗表面を備えてもよい。他の例において、上パネル構造体17に対する蓋4の移動は、蓋4内のメス部材及び上パネル構造体17内の対応するオストラック(オス軌道)を提供することによってなど、他の態様でガイドされてもよい。他の例において、蓋4は、パネル82の上に支持されなくてもよく、代わりに、パネル82又は窪んだ部分81に沿って、滑動するか、又は転動するようにしてもよい。
【0098】
図9は、
図10~
図12に関連して本明細書内で以後詳細に説明される機械式ラッチ構成体のばねプランジャ45をさらに示す。ばねプランジャ45は、上パネル構造体17に配設され、パネル82内の孔46を通って突出する。ばねプランジャ45は、上パネル構造体17内の開口部又は凹部47を通って上パネル構造体17に配設されるが、他の例においては、ばねプランジャ45は、任意の他の態様で構造体に配設又は固定されてもよい。機械式ラッチ構成体を備える本実施形態において、パネル82に隣接する蓋4の表面は、蓋4が開位置にあるとき蓋4を開位置にラッチする、維持する、又は保持するために、及び蓋4が閉位置にあるとき蓋4を閉位置にラッチする、維持する、又は保持するために、リニアカム構成体内のばねプランジャ45と連動するためのリニアカム要素42を画定する。リニアカム要素42は、蓋4の本体から形成されてもよく、又は蓋4内、若しくは蓋4上に配設される別個の要素であってもよい。ばねプランジャは、リニアカム構成体の従動子を画定する押下可能な部材48を備える。これによって、機械式ラッチ構成体は、ばねプランジャ45又は押下可能な部材48の形態で上パネル構造体17に配設される第1の部分、及びリニアカム要素の形態で、蓋4によって画定されるか、又は蓋4内若しくは蓋4上に配設される第2の部分を備える。第1の部分は、蓋4が外力の付加により開位置と閉位置との間で移動されると、相互作用により第2の部分と互いに影響し合うように構成される。言い換えると、上パネル構造体17内のラッチ構成体の第1の部分と、蓋4内のラッチ構成体の第2の部分との間には何らかの相互影響が存在し、第1及び第2の部分は、協働して、開及び/又は閉位置に蓋4をラッチする、維持する、又は保持する。
【0099】
本例では、ばねプランジャ45内の押下可能な部材48は、リニアカム構成体の従動子を画定する。他の例において、ばねプランジャ45は存在しなくてもよく、従動子は、代わりに、可撓性要素、ボール、又はばね付きローラなど、異なる構成要素によって画定されてもよい。他の例において、蓋は、蓋を開位置と閉位置との間で移動させるために、回転され得るか、平行移動され得るか、又は両方の組み合わせの動きとされ得る。この場合、カム構成体は、正面カムなど、カム構成体の何らかの他の形態であってもよい。他の例において、蓋は、他の維持手段によって開又は閉位置に保持されてもよい。2つ以上のカム構成体が存在してもよい。例えば、2つ以上の従動子及び/又は2つ以上のカム要素が存在してもよい。
【0100】
蓋4が閉位置にあるアセンブリ80の平面図が
図10に示される。代替的な実施形態において、
図10のアセンブリ80は、代わりに、
図13~
図22に関して本明細書内で以後に述べられるように、磁気式ラッチ構成体を備えてもよい。
図10のガイドは、メス部材18を備えるが、他の例において、これは当てはまらない場合があり、アセンブリ80は、任意の他のガイドを備えてもよい。アセンブリ80が機械式ラッチ構成体を備える、アセンブリ80の断面T-Tが、
図11及び
図12に示される。ばねプランジャの押下可能な部材48は、ハウジング49内に移動可能に維持され、リニアカム要素42の方へ付勢される。これによって、押下可能な部材48は、使用時、リニアカム要素42に対抗して推進される。ばねプランジャ45は、押下可能な部材48をリニアカム要素42の方へ付勢するためにハウジング49内に配設されるばね、例えば、コイルばね、又は任意の他の適切な可撓性部材若しくはばね付き材料など、付勢要素(図示せず)を備えてもよい。いくつかの例において、別個の付勢要素がなくてもよく、押下可能な部材48は、例えば、弾性材料を含む可撓性部材であってもよい。この態様では、押下可能な部材48は、使用時、変形し得る。押下可能な部材48は、金属、プラスチック、ゴム又は任意の他の好適な材料から作製され得る。他の例において、ハウジング49はなくてもよく、押下可能な部材48は、上パネル構造体17内、又は上パネル構造体17上に、別途配設されてもよい。例えば、押下可能な部材48は、トップパネル構造体17の凹部又は空洞部に配設されてもよい。
【0101】
蓋4のリニアカム要素42は、2つの平坦な表面を備え、各々が蓋4の運動面に対して異なる方向に傾斜している。平坦な表面は各々、外力が使用時に加えられてラッチ構成体を解放するまで、蓋4をそれぞれ開又は閉位置に保持するために、蓋4が開又は閉位置にあるときに押下可能な部材48と係合するように構成される戻り止め44a、44bを備える。
図11は、開位置にある蓋4を示し、押下可能な部材48は、押下可能な部材48が戻り止め44aと係合するように、リニアカム要素42の方に付勢される。
図12は、閉位置にある蓋4を示し、押下可能な部材48は、押下可能な部材48が戻り止め44bと係合するように、リニアカム要素42の方に付勢される。これによって、
図11及び
図12の各々において、蓋4はリニアカム構成体によって適所に保持される。
【0102】
蓋4が外力の付加により開又は閉位置から移動され、そのようにして開位置と閉位置との間に位置するとき、押下可能な部材48は、リニアカム要素の傾斜している平坦な表面のそれぞれによって押下される。例えば、蓋4が、蓋が開位置から閉位置の方へ移動されるように、
図11内の右から左へ移動される場合、押下可能な部材48は、蓋の最も左側に示される傾斜している平坦な表面によって押下されることになる。表面が傾斜しているため、表面の向きは、ばねプランジャ45の付勢要素によって加えられる力の方向とはならない。したがって、付勢された押下可能な部材48によってリニアカム要素42に印加される、結果として生じる力は、蓋4の運動方向に力の成分を有することになる。この態様では、蓋4は、蓋4が開位置と、開位置と閉位置との間にある中間位置との間にあるとき、開位置の方へ付勢されることになる。同様の態様で、蓋4は、蓋4が閉位置と中間位置との間にあるとき、閉位置の方へ付勢されることになる。
【0103】
蓋4が中間位置にあるとき(図示せず)、リニアカム要素42の2つの傾斜している表面が出会う点は押下可能な部材48と接し、蓋4は不安定な釣り合い状態となる。この位置では、蓋4は、付勢されておらず、蓋4に対する結果として生じる力は、蓋4の運動方向に垂直である。蓋4が中間位置から開位置の方へわずかに動かされる場合、蓋4は、開位置の方へ付勢されることになる。蓋4が中間位置から閉位置の方へわずかに動かされる場合、蓋4は、閉位置の方へ付勢されることになる。他の例において、リニアカム要素42は、同じ向きにある1つ又は複数の平坦な表面を備え得る。1つ又は複数の平坦な表面は、いくつかの例において、運動面に平行であってもよく、その結果として、付勢力は蓋4に及ぼされない。他の例において、1つ又は複数の平坦な表面は、蓋4が、閉位置の方へ、又は開位置の方へなど、単一方向にのみ付勢されるように、運動面に対して同じ方向に角度が付けられてもよい。
【0104】
本例では、押下可能な部材48は球形である。押下可能な部材は、使用時、リニアカム要素42に対して転動し、蓋4の滑らかな移動を促進する。他の例において、押下可能な部材48は、円筒形など、任意の他の好適な形状であってもよい。他の例において、押下可能な部材48は、転動しなくてもよく、リニアカム要素42が、代わりに、押下可能な部材48に沿って滑動してもよい。本例では、戻り止め44a、44bは、蓋4の確実な維持を助けるために、押下可能な部材48の形状に対応する形状を有する。しかしながら、他の例において、これが当てはまらない場合があり、戻り止めは、任意の他の好適な形状であってもよい。本例のばねプランジャ45は、中間位置に対応する上パネル構造体17の中央に配置され、戻り止め44a、44bは、運動方向に蓋4の対向する端部に配置される。他の例において、ばねプランジャ45は、構造体の中央からオフセットされてもよく、及び/又は、2つ以上のばねプランジャ45若しくは従動子が設けられてもよい。戻り止め44a、44bは、運動方向に垂直の次元の方向に蓋4の対向する端部に配置されてもよい。3つ以上の戻り止め44a、44b、又は1つのみの戻り止め44a、44bがリニアカム要素42に存在してもよい。例えば、上パネル構造体17に2つのばねプランジャ45、リニアカム要素42に1つの戻り止め44a、44bが存在してもよい。代替的に、1つ又は複数のばねプランジャ45は、蓋4内に配置されてもよく、リニアカム要素は、上パネル構造体17内又は上パネル構造体17上に配設されてもよい。
【0105】
次に、磁気式ラッチ構成体を備える本発明のさらなる実施形態を、
図13~
図22を参照して本明細書にて説明する。
図13~
図15に示されるように、アセンブリ80の上パネル構造体17は、一対の磁石85をさらに備える。磁石85は、
図15において明示されるように、使用時、装置1内に隠されるように、上パネル構造体17の上表面の真下に配置される。この実施形態において、磁石85は、隆起部95によって上パネル構造体17の下側に保持される。他の実施形態において、磁石85は、容器若しくは凹部に収容されてもよく、及び/又は上パネル構造体17の下側に接着されてもよい。他の実施形態において、1つ又は複数の磁石85が設けられてもよい。磁石85は、使用時、上パネル構造体17に対して固定されており、磁気式ラッチ構成体を形成するために、蓋4内に配設される対応する一対の磁石87(
図20に示される)と互いに影響し合う。蓋磁石87は、
図13~
図15の視点では見えない。「固定」磁石85は、実質的に立方体状であり、各固定磁石85の重心は、凹部81によって画定される構造体17の端部から運動方向に等距離である。いくつかの実施形態において、固定磁石85は、円筒形など、立方体状以外の任意の形状であってもよい。いくつかの実施形態において、磁石85の重心は、凹部81によって画定される構造体17の端部から方向運動に等距離でなくてもよい。
【0106】
本実施形態の磁気式ラッチ構成体は、第1の端部83又は第2の端部84それぞれへの蓋4の移動の際に開位置又は閉位置のうちの少なくとも一方に蓋4を磁力で保持するように構成される。いくつかの実施形態において、磁気式ラッチ構成体は、蓋4が第1の端部83へ移動されるとき開位置に、蓋4が第2の端部84へ移動されるとき閉位置に、蓋4を磁力で保持するように構成され得る。保持は、例えば輸送中に、蓋4が意図せずに開閉されることを防ぐ。ユーザは、蓋4が開又は閉位置にある場合、それがユーザによって手動で動かされるまでは開又は閉位置に留まるはずであるということを確信することができる。磁気式ラッチ構成体については、
図20~
図22に関連して本明細書内で以後さらに詳細に説明する。
【0107】
図16は、蓋4、保護層としてのパネル82、及び、固定磁石85が取り外された状態の上パネル構造体17を示す。一実施形態において、蓋4は、オス部材86によって少なくとも部分的に形成されるトラック(軌道)により、上パネル構造体17と結合され、また上パネル構造体17に対して滑動可能である。オス部材86は、ねじ89を使用して上パネル構造体17に固定される。好ましい実施形態において、オス部材は、上パネル構造体17の開口部94(及びパネル82内の対応する開口部94a)を通り、オス部材86のめねじと係合し、上パネル構造体17の下面に当接するねじ89によって維持される。ねじ89は、
図15では、上パネル構造体17の下側に見ることができる。この実施形態において、オス部材86は、上パネル構造体17の上表面の中央に実質的に配置される。他の実施形態において、オス部材86は、上表面の中央からオフセットされてもよい。オス部材86の上部は、蓋4の移動をガイドするためのガイドとして作用するトラックを形成するために、蓋4の下側で対応するメス部材88aと係合するように形作られている隆起部を備える。
【0108】
図17及び
図18は、蓋4の下側を示す。蓋4の下側は、複数の凹部88、90を備える。細長の中央凹部88は、トラックを形成するためにオス部材86と係合するように構成され、またそのように形作られるメス部材88aを備える。この実施形態において、オス部材86は、蓋4のY方向における移動を制限するためにメス部材88aと接合する隆起部を備える。他の実施形態において、同じ効果が、オス部材86内に凹部を、及びメス部材88a又は蓋4内に対応して形作られている突出部又は隆起部を提供することによって達成され得る。いくつかの実施形態において、メス部材88aは、メス部材88aが接着剤又は他の維持手段を必要とすることなく蓋4の細長の凹部88内に維持されるように、オーバーモールド部分であってもよい。他の実施形態において、メス部材88aが存在しなくてもよく、オス部材86は、凹部88と直接係合してもよく、凹部はそのような係合を促進するように形作られている。
【0109】
図18は、メス部材88aにより蓋4と係合したオス部材86を示す。オス部材86は、メス部材88aに沿ってX方向に移動可能であり、それによってX方向における蓋4及び上パネル構造体17の相対的移動を可能にする。いくつかの実施形態において、メス部材88aは、上パネル構造体17にあってもよく、オス部材86は、蓋4にあってもよい。いくつかの実施形態において、2つ以上のオス部材86及び2つ以上のメス部材88aが設けられてもよい。いくつかの実施形態において、トラックは、蓋4上の1つ又は複数の突出部を上パネル構造体17における1つ又は複数の対応する凹部と係合することによって、又はその逆によって、形成されてもよい。この実施形態において、蓋4は、使用時にトラックを隠し、オス部材86が損傷から保護され、外部の物体に引っかかる、又はぶつかることがないことを確実にする。
【0110】
カバーは、2つの蓋磁石87を収容するための2つの凹部90をさらに備える。蓋磁石87は、本明細書で上述したような磁気式ラッチ構成体内の固定磁石85と互いに影響し合うように構成される。蓋磁石87は、実質的に立方体状であり、各蓋磁石87の重心は、蓋4の端部から運動方向に等距離にある。いくつかの実施形態において、蓋磁石87は、円筒形など、立方体状以外の任意の形状であってもよい。いくつかの実施形態において、蓋磁石87の重心は、カバー4の端部から方向運動に等距離でなくてもよい。
【0111】
図17及び
図18の蓋4は、上パネル構造体17の上表面に蓋4を支持するための4つの突出部91をさらに備える。いくつかの実施形態において、突出部91の先端は、蓋4が、使用時、上パネル構造体17の上面に擦り傷を付けることがないように、低摩擦抵抗を奏するようにしてもよい。
【0112】
図19は、アセンブリ80が磁気式ラッチ構成体を備えるときの
図10の断面T-Tを示し、
図20は、アセンブリ80が磁気式ラッチ構成体を備える、
図10の断面U-Uを示す。
図19及び
図20のアセンブリ80は、
図10に示されるガイドのメス部18を備えていない。代わりに、
図19及び
図20のアセンブリ80は、上述したように蓋4をガイドするためのメス部材88aと係合したオス部材86を備える。この実施形態において、オス部材86は、上パネル構造体17の開口部94(及びパネル82内の開口部94a)を通過する。次いでオス部材86はねじ89を用いて上パネル構造体17に固定されてもよい。オス部材86は、蓋4内の細長の凹部に延びる。この実施形態において、オス部材86は、蓋4の第1の端部に当接して、磁気式ラッチ構成体によって生成される磁力に対抗して蓋4を閉位置に保持する。オス部材は、第1の端部と反対の、蓋4の第2の端部に当接して、磁気式ラッチ構成体によって生成される磁力に対抗してカバーを開位置に保持する。
【0113】
次に、磁気式ラッチ構成体について、
図20~
図22に関連して説明する。
図20は、上パネル構造体17内に配設された固定磁石85、及び蓋4内に配設された蓋磁石87を示す。
図21は、
図20の概略側面図を示し、蓋4、蓋磁石87、上パネル構造体17、固定磁石85、上表面82、及び開口部20を示している。好ましい実施形態において、固定磁石85及び蓋磁石87は、各々、実質的に垂直方向に極性が持たされる。すなわち、各磁石は、第1の磁極Pl及び第2の磁極P2を有し、各磁極は、
図21に示されるように、実質的に垂直に対面している。第1の磁極Plは、第2の磁極P2に対して反対の極性を有する。蓋磁石87の第1の磁極Plは、固定磁石85の第1の磁極Plに対面している。この態様では、
図21に示されるように、蓋4が閉位置にあるとき、対向する同極Pl同士の反発から生じる力92が、蓋4を閉位置に保持する。同様に、蓋4が開位置にあるとき、対向する同極Pl同士の反発から生じる力93が、蓋4を開位置に保持する。
【0114】
他の実施形態において、固定磁石85及び蓋磁石87は、運動方向に実質的に平行の方向に極性がもたされてもよい。すなわち、第1の磁極P1及び第2の磁極P2は、実質的に水平に対面する。磁石は、蓋4が閉位置にあるとき、蓋磁石87の第1の磁極P1が固定磁石85の第1の磁極P1に対面しているように、及び蓋4が開位置にあるとき、蓋磁石87の第2の磁極P2が固定磁石85の第2の磁極に対面しているように配設される。この態様では、蓋4は、開位置又は閉位置に、それぞれ、各位置における対向する同極同士の反発から生じる磁力92又は93によって、保持され得る。
【0115】
図22は、好ましい磁気式ラッチ構成体の上から見た概略図である。
図22で見えるのは、蓋4、一対の蓋磁石87、上パネル構造体17、及び一対の固定磁石85である。蓋4は、閉位置から始まり、本明細書で上述したように、対向する同極同士の反発から生じる力92が、蓋4を閉位置に保持する。この実施形態において、磁気式ラッチ構成体は、蓋4が閉位置と中間位置IPとの間にあるとき(
図21に例証される)蓋4を閉位置の方へ付勢し、蓋4が開位置と中間位置IPとの間にあるとき、蓋4と開位置の方へ付勢する。蓋4が中間位置IPにあるとき、滑動方向に結果として生じる力は存在せず、蓋4は付勢されない。いくつかの実施形態において、中間位置IPは、上パネル構造体17の中央にあり、その結果として、磁石85は、蓋4が中間位置IPにあるとき、磁石87と整列される。好ましい実施形態において、中間位置IPは、中央から外れており、その結果として、磁石85は、
図21に示されるように、磁石87と整列されない。
【0116】
図22に戻ると、ユーザは、蓋4が開位置から中間位置IPへ移動するとき、磁力92に起因する抵抗を感じる。蓋4が中間位置IPを過ぎて開位置の方へ移動されると、蓋4が磁力93によって開位置の方へ付勢されることになるため、ユーザは抵抗を感じない。代わりに、ユーザが、蓋4を閉位置から中間IP位置へ移動させるが、中間IP位置に到達する前に蓋4を解放した場合、磁力92は、蓋4を閉位置の方へ戻るように付勢する。同じ効果が、蓋4を開位置から中間IP及び/又は閉位置へ移動させるときにも発生する。これによって、磁気式ラッチ構成体は、例えば輸送中に、蓋4が意図せずに開閉されることを防ぐのを助ける。
【0117】
磁気式構成体に関して本明細書で上述した実施形態の各々において、付勢力は、固定磁石85及び対応する蓋磁石87の同極同士の反発から生じる。ここでは示されない代替の実施形態において、付勢力は、固定磁石85及び対応する蓋磁石87の対向する極同士の引力から生じる。そのような実施形態において、上パネル構造体17の第1の端部83に配設される1つ又は複数の固定磁石85、及び上パネル構造体17の第2の端部84に配設される1つ又は複数の固定磁石85が設けられてもよい。固定磁石86の第1の端部83及び第2の端部84の極は、蓋4の中央の場所に配設される1つ又は複数の蓋磁石87の対応する反対極との相互作用を通じて引力を生成するように構成されてもよい。引力は、本明細書で上述したように、蓋4を開位置又は閉位置に付勢する。
【0118】
別の代替の実施形態において、固定磁石86の第1の端部83は、蓋4の第1の端部83に配設される1つ又は複数の蓋磁石87と互いに影響し合い、固定磁石86の第2の端部84は、蓋4の第2の端部84に配設される1つ又は複数の蓋磁石87と互いに影響し合う。そのような実施形態において、本明細書で上述したように、蓋4をそれぞれ開位置及び閉位置に付勢するために、固定磁石86の第1の端部83は、蓋磁石87の第1の端部83を引き付けるように構成され、固定磁石86の第2の端部84は、蓋磁石87の第2の端部84を引き付けるように構成される。
【0119】
この実施形態において、蓋4及び上パネル構造体17の材料は、ポリカーボネート/アクリロニトリルブタジエンスチレン(PC/ABS)である。他の実施形態において、蓋4及び/又は上パネル構造体17の材料は、ガラス充填ナイロンなど、PC/ABS以外であってもよい。いくつかの実施形態において、蓋は、好ましくは滑動方向に平行の方向に長さが14mm~15mmであり、好ましくは滑動方向に垂直に長さが11mm~12mmであり、好ましくは厚さが1mm~2mmである。
【0120】
いくつかの実施形態において、エアロゾル化可能な材料は、タバコを含む。しかしながら、他の実施形態において、エアロゾル化可能な材料は、タバコからなり得るか、実質的に全体的にタバコからなり得るか、タバコ及びタバコ以外のエアロゾル化可能な材料を含み得るか、タバコ以外のエアロゾル化可能な材料を含み得るか、又はタバコを含まない場合がある。いくつかの実施形態において、エアロゾル化可能な材料は、蒸気、又はエアロゾル形成剤、又はグリセロール、プロピレングリコール、トリアセチン、若しくはジエチレングリコールなどの保湿剤を含んでもよい。
【0121】
いくつかの実施形態において、エアロゾル化可能な材料は、非流動性のエアロゾル化可能な材料であり、装置は、非流動性のエアロゾル化可能な材料を加熱してエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させるためのものである。
【0122】
消耗品21内のエアロゾル化可能な材料の1つ又は複数の揮発性成分のすべて、又は実質的にすべてが消費されると、ユーザは、物品21を装置1から取り外し、物品21を廃棄してもよい。ユーザは、続いて、別の物品21と共に装置1を再使用することができる。しかしながら、他の実施形態において、物品は、非消耗としてもよく、エアロゾル化可能な材料の1つ又は複数の揮発性成分が消費されると、装置及び物品は一緒に廃棄されてもよい。
【0123】
本明細書に説明される実施形態において、消耗品21は、マウスピース組立体21bを備える。しかしながら、他の実施形態においては、本明細書に説明されるような例示的な装置が、マウスピースを備え得るということを理解されたい。例えば、装置1は、装置と一体であるマウスピースを備えてもよく、又は他の実施形態において、本装置は、装置1に着脱可能に装着されるマウスピースを備えてもよい。例において、装置1は、加熱されるべきエアロゾル化可能な材料を受容するように構成されてもよい。エアロゾル化可能な材料は、マウスピース部分を含まない消耗品に含まれてもよい。ユーザは、エアロゾル化可能な材料を加熱することによって装置により生成されるエアロゾルを吸引するために、装置1のマウスピースを吸うことができる。
【0124】
いくつかの実施形態において、物品21は、物品21を使用することができる装置1とは別個に販売、供給、又は別途提供される。しかしながら、いくつかの実施形態において、装置1及び物品21のうちの1つ又は複数は、清掃器具などの追加の構成要素とおそらくは共に、キット又は組立体などのシステムとして一緒に提供されてもよい。
【0125】
様々な問題に対処し、当該技術を発展させるため、本開示の全体は、特許請求された発明が実践され得る、また、エアロゾル化可能な材料を加熱するための装置との使用のための優れた加熱要素、エアロゾル化可能な材料を加熱してエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置との使用のための加熱要素を形成する方法、並びにエアロゾル化可能な材料を加熱してエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させるための装置、及びそのような装置によって加熱可能である加熱要素を備えるシステムを提供する様々な実施形態を、例証及び例を用いて示す。本開示の利点及び特徴は、実施形態の代表的なサンプルのものにすぎず、徹底的及び/又は排他的ではない。それらは、理解を支援するのを支援し、特許請求された、及び別途開示された特徴を教示するためだけに提示され。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって規定されるような開示に対する制限、又は特許請求の範囲の等価物に対する制限と見なされるべきではないということ、並びに、他の実施形態が利用され得、本開示の範囲及び/又は趣旨から逸脱することなく修正がなされ得るということを理解されたい。様々な実施形態は、開示された要素、構成要素、特徴、部分、ステップ、手段などの様々な組み合わせを、好適に含む、これらからなる、又はこれらから本質的になる場合がある。本開示は、今後特許請求され得る、現在特許請求されていない他の発明を含み得る。
【国際調査報告】