IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

<>
  • 特表-抗ガン併用療法 図1
  • 特表-抗ガン併用療法 図2
  • 特表-抗ガン併用療法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-30
(54)【発明の名称】抗ガン併用療法
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/28 20060101AFI20220523BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220523BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20220523BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220523BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20220523BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20220523BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20220523BHJP
   A61P 13/10 20060101ALI20220523BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20220523BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
C07K16/28 ZNA
A61P35/00
A61K39/395 N
A61K39/395 T
A61P43/00 121
A61K38/16
A61P1/00
A61P1/16
A61P13/10
A61P11/00
A61P1/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021557772
(86)(22)【出願日】2020-03-26
(85)【翻訳文提出日】2021-11-19
(86)【国際出願番号】 EP2020058513
(87)【国際公開番号】W WO2020200997
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】19166375.6
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503385923
【氏名又は名称】ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ツィンツァラ,ヴィットリア
(72)【発明者】
【氏名】ドロビッツ-ハントル,バルバラ
(72)【発明者】
【氏名】バウアー,マルクス・ヨハン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA01
4C084AA02
4C084AA07
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA44
4C084MA17
4C084MA65
4C084MA66
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB26
4C084ZC75
4C085AA14
4C085CC23
4C085DD62
4C085EE03
4C085GG02
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045DA75
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、それぞれ本明細書に記載された、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドを抗PD-1抗体と組み合わせて使用することを含む、抗ガン療法を記載する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
過剰増殖性疾患、好ましくは、ガンを治療し並びに/又は予防する方法に使用するための、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドであって、
前記方法は、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドを、それを必要とする患者にPD-1抗体と組み合わせて投与することを含み、
ここで、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドは、
(i)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1の免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(ii)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iii)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iv)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(v)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド並びに
(vi)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド
からなる群より選択され、
ここで、PD-1抗体は、
(i)配列番号:1(HCDR1)、配列番号:2(HCDR2)及び配列番号:3(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:4(LCDR1)、配列番号:5(LCDR2)及び配列番号:6(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体、
(ii)配列番号:7(HCDR1)、配列番号:8(HCDR2)及び配列番号:9(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:10(LCDR1)、配列番号:11(LCDR2)及び配列番号:12(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体並びに
(iii)配列番号:13(HCDR1)、配列番号:14(HCDR2)及び配列番号:15(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:16(LCDR1)、配列番号:17(LCDR2)及び配列番号:18(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体
からなる群から選択される、
ポリペプチド。
【請求項2】
過剰増殖性疾患、好ましくは、ガンを治療し並びに/又は予防する方法であって、
治療上有効量のLRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドと治療上有効量のPD-1抗体を、それを必要とする患者に投与することを含み、
ここで、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドは、
(i)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1の免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(ii)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iii)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iv)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(v)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド並びに
(vi)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド
からなる群より選択され、
ここで、PD-1抗体は、
(i)配列番号:1(HCDR1)、配列番号:2(HCDR2)及び配列番号:3(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:4(LCDR1)、配列番号:5(LCDR2)及び配列番号:6(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体、
(ii)配列番号:7(HCDR1)、配列番号:8(HCDR2)及び配列番号:9(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:10(LCDR1)、配列番号:11(LCDR2)及び配列番号:12(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体並びに
(iii)配列番号:13(HCDR1)、配列番号:14(HCDR2)及び配列番号:15(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:16(LCDR1)、配列番号:17(LCDR2)及び配列番号:18(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体
からなる群から選択される、
方法。
【請求項3】
過剰増殖性疾患、好ましくは、ガンを治療し並びに/又は予防する方法に使用するためのPD-1抗体であって、
該方法が、PD-1抗体をLRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドと組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含み、
ここで、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドは、
(i)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1の免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(ii)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iii)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iv)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(v)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド並びに
(vi)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド
からなる群より選択され、
ここで、PD-1抗体は、
(i)配列番号:1(HCDR1)、配列番号:2(HCDR2)及び配列番号:3(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:4(LCDR1)、配列番号:5(LCDR2)及び配列番号:6(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体、
(ii)配列番号:7(HCDR1)、配列番号:8(HCDR2)及び配列番号:9(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:10(LCDR1)、配列番号:11(LCDR2)及び配列番号:12(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体並びに
(iii)配列番号:13(HCDR1)、配列番号:14(HCDR2)及び配列番号:15(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:16(LCDR1)、配列番号:17(LCDR2)及び配列番号:18(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体
からなる群から選択される、
PD-1抗体。
【請求項4】
過剰増殖性疾患、好ましくは、ガンを治療し並びに/又は予防する方法に使用するための医薬組成物を製造するための、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドの使用であって、
LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドをPD-1抗体と組み合わせて使用し、
ここで、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドは、
(i)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1の免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(ii)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iii)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iv)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(v)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド並びに
(vi)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド
からなる群より選択され、
ここで、PD-1抗体は、
(i)配列番号:1(HCDR1)、配列番号:2(HCDR2)及び配列番号:3(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:4(LCDR1)、配列番号:5(LCDR2)及び配列番号:6(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体、
(ii)配列番号:7(HCDR1)、配列番号:8(HCDR2)及び配列番号:9(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:10(LCDR1)、配列番号:11(LCDR2)及び配列番号:12(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体並びに
(iii)配列番号:13(HCDR1)、配列番号:14(HCDR2)及び配列番号:15(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:16(LCDR1)、配列番号:17(LCDR2)及び配列番号:18(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体
からなる群から選択される、
使用。
【請求項5】
過剰増殖性疾患、好ましくは、ガンを治療し並びに/又は予防する方法に使用するための医薬組成物を製造するための、PD-1抗体の使用であって、
PD-1抗体をLRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドと組み合わせて使用し、
ここで、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドは、
(i)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1の免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(ii)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iii)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iv)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(v)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド並びに
(vi)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド
からなる群より選択され、
ここで、PD-1抗体は、
(i)配列番号:1(HCDR1)、配列番号:2(HCDR2)及び配列番号:3(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:4(LCDR1)、配列番号:5(LCDR2)及び配列番号:6(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体、
(ii)配列番号:7(HCDR1)、配列番号:8(HCDR2)及び配列番号:9(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:10(LCDR1)、配列番号:11(LCDR2)及び配列番号:12(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体並びに
(iii)配列番号:13(HCDR1)、配列番号:14(HCDR2)及び配列番号:15(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:16(LCDR1)、配列番号:17(LCDR2)及び配列番号:18(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体
からなる群から選択される、
使用。
【請求項6】
LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドと、PD-1抗体と、場合により、1種以上の薬学的に許容し得る担体、賦形剤及び/又は媒体とを含み、
ここで、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドは、
(i)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1の免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(ii)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iii)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iv)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(v)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド並びに
(vi)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド
からなる群より選択され、
ここで、PD-1抗体は、
(i)配列番号:1(HCDR1)、配列番号:2(HCDR2)及び配列番号:3(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:4(LCDR1)、配列番号:5(LCDR2)及び配列番号:6(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体、
(ii)配列番号:7(HCDR1)、配列番号:8(HCDR2)及び配列番号:9(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:10(LCDR1)、配列番号:11(LCDR2)及び配列番号:12(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体並びに
(iii)配列番号:13(HCDR1)、配列番号:14(HCDR2)及び配列番号:15(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:16(LCDR1)、配列番号:17(LCDR2)及び配列番号:18(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体
からなる群から選択される、
医薬組成物。
【請求項7】
過剰増殖性疾患、好ましくは、ガンを治療し及び/又は予防する方法に使用するための、請求項6記載の医薬組成物。
【請求項8】
1つ以上の容器に、
・LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドと、場合により、1種以上の薬学的に許容し得る担体、賦形剤及び/又は媒体とを含む第1の医薬組成物又は剤形、
・PD-1抗体と、場合により、1種以上の薬学的に許容し得る担体、賦形剤及び/又は媒体とを含む第2の医薬組成物又は剤形並びに
・場合により、印刷された説明書を含む添付文書を含み、
ここで、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドは、
(i)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1の免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(ii)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iii)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iv)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(v)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド並びに
(vi)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド
からなる群より選択され、
ここで、PD-1抗体は、
(i)配列番号:1(HCDR1)、配列番号:2(HCDR2)及び配列番号:3(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:4(LCDR1)、配列番号:5(LCDR2)及び配列番号:6(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体、
(ii)配列番号:7(HCDR1)、配列番号:8(HCDR2)及び配列番号:9(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:10(LCDR1)、配列番号:11(LCDR2)及び配列番号:12(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体並びに
(iii)配列番号:13(HCDR1)、配列番号:14(HCDR2)及び配列番号:15(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:16(LCDR1)、配列番号:17(LCDR2)及び配列番号:18(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体
からなる群から選択される、
キット。
【請求項9】
過剰増殖性疾患、好ましくは、ガンを治療し及び/又は予防する方法に使用するための、請求項8記載のキット。
【請求項10】
LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドが、
(i)配列番号:58のアミノ酸配列を含む第1のISVDと配列番号:61の配列を含む第2のISVDとを含むポリペプチド、
(ii)配列番号:59のアミノ酸配列を含む第1のISVDと配列番号:61の配列を含む第2のISVDとを含むポリペプチド、
(iii)配列番号:60の配列を含む第1のISVDと配列番号:61の配列を含む第2のISVDとを含むポリペプチド、
(iv)配列番号:58のアミノ酸配列を含む第1のISVDと配列番号:62の配列を含む第2のISVDとを含むポリペプチド、
(v)配列番号:59のアミノ酸配列を含む第1のISVDと配列番号:62の配列を含む第2のISVDとを含むポリペプチド及び
(vi)配列番号:60のアミノ酸配列を含む第1のISVDと配列番号:62の配列を含む第2のISVDとを含むポリペプチド
からなる群より選択され、
好ましくは、ここで、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドが、配列番号:63のアミノ酸配列を含むAlb11ドメインをさらに含む、請求項1記載の使用のためのLRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチド、請求項2記載の処置方法、請求項3記載の使用のためのPD-1抗体、請求項4もしくは5記載の使用、請求項6もしくは7記載の医薬組成物又は請求項8もしくは9記載のキット。
【請求項11】
LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドが、配列番号:64、配列番号:65及び配列番号:66からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む、請求項1記載の使用のためのLRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチド、請求項2記載の処置方法、請求項3記載の使用のためのPD-1抗体、請求項4もしくは5記載の使用、請求項6もしくは7記載の医薬組成物又は請求項8もしくは9記載のキット。
【請求項12】
PD-1抗体が、
(i)配列番号:19のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと配列番号:20のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを有する抗体、
(ii)配列番号:21のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと配列番号:22のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを有する抗体、
(iii)配列番号:23のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと配列番号:24のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを有する抗体、
(iv)配列番号:25のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと配列番号:26のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを有する抗体及び
(v)配列番号:27のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと配列番号:28のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを有する抗体
からなる群より選択される、請求項1、10もしくは11記載の使用のためのLRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチド、請求項2、10もしくは11記載の処置方法、請求項3、10もしくは11記載の使用のためのPD-1抗体、請求項4、5、10もしくは11記載の使用、請求項6、7、10もしくは11記載の医薬組成物又は請求項8、9、10もしくは11記載のキット。
【請求項13】
PD-1抗体が、
(i)配列番号:29のアミノ酸配列を含む重鎖と配列番号:30のアミノ酸配列を含む軽鎖とを有する抗体、
(ii)配列番号:31のアミノ酸配列を含む重鎖と配列番号:32のアミノ酸配列を含む軽鎖とを有する抗体、
(iii)配列番号:33のアミノ酸配列を含む重鎖と配列番号:34のアミノ酸配列を含む軽鎖とを有する抗体、
(iv)配列番号:35のアミノ酸配列を含む重鎖と配列番号:36のアミノ酸配列を含む軽鎖とを有する抗体及び
(v)配列番号:37のアミノ酸配列を含む重鎖と配列番号:38のアミノ酸配列を含む軽鎖とを有する抗体
からなる群より選択される、請求項1、10もしくは11記載の使用のためのLRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチド、請求項2、10もしくは11記載の処置方法、請求項3、10もしくは11記載の使用のためのPD-1抗体、請求項4、5、10もしくは11記載の使用、請求項6、7、10もしくは11記載の医薬組成物又は請求項8、9、10もしくは11記載のキット。
【請求項14】
PD-1抗体をLRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドと同時に、同時期に、逐次的に、連続的に、交互に又は別々に投与する、請求項1、10、11、12もしくは13記載の使用のためのLRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチド、請求項2、10、11、12もしくは13記載の処置方法、請求項3、10、11、12もしくは13記載の使用のためのPD-1抗体、請求項4、5、10、11、12もしくは13記載の使用又は請求項9、10、11、12もしくは13記載の使用のためのキット。
【請求項15】
LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドとPD-1抗体とを下記処置計画:
(i)LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドとPD-1抗体とを同時に又は同時期に、好ましくは、3週間又は4週間毎に投与する第1の処置期間並びに
(ii)PD-1抗体のみを投与し、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドを投与せず、好ましくは、ここで、PD-1抗体を3週間又は4週間毎に投与する第2の処置期間
に従って投与する、請求項1、10、11、12もしくは13記載の使用のためのLRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチド、請求項2、10、11、12もしくは13記載の処置方法、請求項3、10、11、12もしくは13記載の使用のためのPD-1抗体、請求項4、5、10、11、12もしくは13記載の使用又は請求項9、10、11、12もしくは13記載の使用のためのキット。
【請求項16】
LRP5及びLRP6及に特異的に結合可能なポリペプチド並びにPD-1抗体を3週間毎に投与する場合、第1の処置期間が3週間もしくは6週間であるか又は
LRP5及びLRP6及に特異的に結合可能なポリペプチド並びにPD-1抗体を4週間毎に投与する場合、第1の処置期間が4週間又は8週間である、請求項15記載のLRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチド、処置方法、使用のためのPD-1抗体、使用又は使用のためのキット。
【請求項17】
投与が、静脈内投与である、請求項14、15又は16記載の使用のためのLRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチド、処置方法、使用のためのPD-1抗体、使用、使用ための医薬組成物又は使用のためのキット。
【請求項18】
処置される過剰増殖性疾患が、消化管ガン、メラノーマ腫瘍、膀胱ガン及び肺ガン(例えば、NSCLC)からなる群より選択されるガンである、請求項1、10~17のいずれか一項記載の使用のためのLRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチド、請求項2、10~17のいずれか一項記載の処置方法、請求項3、10~17のいずれか一項記載の使用のためのPD-1抗体、請求項4、5、10~17のいずれか一項記載の使用、請求項7、10~17のいずれか一項記載の使用のための医薬組成物又は請求項9~17のいずれか一項記載の使用のためのキット。
【請求項19】
消化管ガンが、食道ガン(例えば、胃食道接合部ガン)、胃(胃部)ガン、肝細胞ガン、胆道ガン(例えば、胆管ガン)、胆嚢ガン、膵臓ガン又は結腸直腸ガン(CRC)である、請求項18記載の使用のためのLRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチド、処置方法、使用のためのPD-1抗体、使用、使用ための医薬組成物又は使用のためのキット。
【請求項20】
ガンが、免疫療法抵抗性腫瘍である、請求項18又は19記載の使用のためのLRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチド、処置方法、使用のためのPD-1抗体、使用、使用ための医薬組成物又は使用のためのキット。
【請求項21】
処置される過剰増殖性疾患が、免疫療法抵抗性の固形腫瘍である、請求項1、10~17のいずれか一項記載の使用のためのLRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチド、請求項2、10~17のいずれか一項記載の処置方法、請求項3、10~17のいずれか一項記載の使用のためのPD-1抗体、請求項4、5、10~17のいずれか一項記載の使用、請求項7、10~17のいずれか一項記載の使用のための医薬組成物又は請求項9~17のいずれか一項記載の使用のためのキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ガンの処置における併用療法及びこのような併用療法に使用するための化合物に関する。併用のための化合物は、LRP5/6アンタゴニスト及びPD-1アンタゴニストである。
【0002】
発明の背景
Wntシグナル伝達経路の活性化には、細胞外WntリガンドのFrizzledレセプター及びコレセプターであるLRP5(アクセッション番号:UniProtKB-O75197/LRP5_HUMAN)又はその密接に関連するホモログであるLRP6(アクセッション番号:UniProtKB-O75581/ LRP6_HUMAN)への結合が必要である。ほ乳類細胞には、19種類のWntタンパク質と10種類のFrizzledレセプターが存在する。Wntリガンドが存在しないと、細胞質ベータ-カテニンが、足場タンパク質であるAxin及びAPC並びにキナーゼであるGSK3ベータとCK1aからなるタンパク質複合体によりリン酸化される。その後、ユビキチンリガーゼベータ-TrcPにより認識されると、ベータ-カテニンのユビキチン媒介性分解が起こる。Wntリガンドが存在すると、WntがFrizzled及びLRP5又はLRP6に結合すると、細胞質エフェクタータンパク質であるDvlがリクルートされ、LRP5又はLRP6の細胞質テイルがリン酸化され、これらは、Axinのためのドッキング部位を提供する。LRP5又はLRP6によるAxin隔離により、Axin-APC-GSK3ベータ複合体が不活性化され、したがって、細胞内ベータ-カテニンが安定化され、蓄積される。したがって、ベータ-カテニンの細胞質レベルが上昇し、ベータ-カテニンが、核に移動し、T細胞因子(TCF)/リンパ系エンハンサー結合因子(LEF)ファミリーの転写因子のメンバーと複合体を形成する。ついで、cAMP応答エレメント結合タンパク質(CREB)結合タンパク質(CBP)又はそのホモログであるp300を含む基礎転写装置及び転写コアクチベーターがリクルートされ、Axin2、サイクリンD1、Naked1、Notum及びc-Mycを含む種々のターゲット遺伝子が発現される。
【0003】
更なるレベルのリガンド依存性Wnt経路のレギュレーションは、E3リガーゼRNF43及びその密接に関連するホモログであるZNRF3並びに分泌されたR-スポンジンタンパク質により媒介される(de Lau et al. 「The R-spondin/Lgr5/Rnf43 module: regulator of Wnt signal strength」. Genes Dev. 2014; 28(4):305-16)。RNF43は、細胞表面でFrizzled/LRP5又はLRP6レセプター複合体のユビキチン化を媒介し、その分解をもたらし、それにより、リガンド依存性Wnt経路活性を阻害する。RNF43の活性は、R-スポンジンファミリーメンバー(R-スポンジン1~4リガンド)により打ち消される。R-スポンジンリガンドが存在する場合、R-スポンジンリガンドにより、細胞表面からRNF43が除去され、Frizzled/LRP5又はLRP6複合体の蓄積及びWntリガンドの存在下でのWntシグナル伝達の増強が可能となる。
【0004】
Wntシグナル伝達の過剰活性化は、全てではないが、少なくとも2種類の異なる方法で、種々のタイプのガンの病因に関与している。一部のタイプのガンでは、下流シグナル伝達分子における頻繁な突然変異は、構成的に活性化されたWnt経路に寄与する(例えば、結腸直腸ガンにおけるAPCの突然変異、肝細胞ガンにおけるベータ-カテニン活性化突然変異)。一方、他のタイプのガン、例えば、トリプルネガティブ乳ガン(TNBC)、非小細胞肺ガン(NSCLC)、膵臓腺ガン等並びに直腸結腸ガン(CRC)及び子宮内膜ガンの部分集合において、Wntシグナル伝達の活性化は、ベータ-カテニンの細胞内蓄積により検出されるように、リガンド依存性メカニズムにより(すなわち、オートクリン/パラクリンWnt活性化により)駆動される。NSCLC、TNBC及び膵臓腺ガンにおいて、リガンド依存性Wnt活性化は、Wntリガンド並びに/もしくはLRP5及びLRP6レセプターの発現増加又はLRP5及びLRP6のネガティブレギュレーターであるDKK1のサイレンシングを含む複数のメカニズムにより媒介される(TNBC:Liu et al.「LRP6 overexpression defines a class of breast cancer subtype and is a target for therapy」. Proc Natl Acad Sci U S A 2010; 107 (11):5136-41;Khramtsov et al. 「Wnt/beta-catenin pathway activation is enriched in basal-like breast cancers and predicts poor outcome」. Am J Pathol. 2010; 176(6): 2911-20;NSCLC:Nakashima et al. 「Wnt1 overexpression associated with tumor proliferation and a poor prognosis in non-small cell lung cancer patients」. Oncol Rep. 2008; 19(1):203-9;膵臓ガン:Zhang et al. 「Canonical wnt signaling is required for pancreatic carcinogenesis」. Cancer Res. 2013; 73(15):4909-22)。特に、公表されているデータでは、健康な組織(例えば、乳腺及び肺の上皮)において、ベータ-カテニンは、細胞膜のみに局在していることが示されている。対照的に、TNBC、NSCLC及び膵臓腺ガン原発臨床サンプルの大部分では、異常なWntシグナル伝達によるベータ-カテニン細胞内蓄積(すなわち、細胞質/核内、Wntシグナル伝達活性化のバイオマーカー)が示された。近年の発表では、CRC及び子宮内膜ガンの部分集合において、リガンド依存性のWntシグナル伝達活性化が、突然変異/不活化RNF43(Giannakis et al. 「RNF43 is frequently mutated in colorectal and endometrial cancers」. Nat Genet. 2014; 46(12):1264-6)又はR-スポンジン融合転写産物(恒常的に活性で強力なプロモーターにより駆動されるR-スポンジン2又はR-スポンジン3タンパク質をコードする;Seshagiri et al. 「Recurrent R-spondin fusions in colon cancer」. Nature 2012; 488(7413):660-4)の活性化により媒介されることが示されている。不活性化RNF43突然変異及びR-スポンジン融合転写産物は両方とも、細胞表面上のFrizzledの存在量を増加することにより、in vitroでのリガンド依存性Wntシグナル伝達を向上させることが示されている。腫瘍におけるリガンド依存性Wnt活性化は、腫瘍成長及び化学療法又は免疫療法に対する抵抗性を駆動させることが示され、前臨床モデルにおける再発に関連している。
【0005】
LRP5及びLRP6は、リガンド依存性Wntシグナル伝達活性化のゲートキーパーとして機能するため、19種類全てのWntリガンド及び10種類のFrizzledレセプターにより媒介される経路の完全な遮断を達成するためのターゲットと考えることができる。
【0006】
ガン/ガン細胞を直接ターゲットする上記されたアプローチの代替方法は、ガン免疫療法である。ガン免疫療法は、免疫系がガンを処置するのに使用される腫瘍学の一分野であり、腫瘍を直接切除し又は処置する既存の一般的な処置方法とは全く対照的である。この治療概念は、これらの細胞の免疫機能を阻害するように作用するT細胞の表面上の多数のタンパク質の特定に基づいている。これらのタンパク質の中には、PD-1(プログラム細胞死1)がリストアップされている。
【0007】
PD-1は、T細胞に発現する細胞表面レセプタータンパク質である。PD-1は、2つのリガンド:PD-L1及びPD-L2を有する。これらのリガンドは、細胞表面レセプターと相互作用する。リガンド結合により、PD-1は、T細胞応答を負にレギュレーションする細胞内シグナルを誘引する。このため、典型的には、このタンパク質は、「免疫チェックポイント」阻害剤として機能する、すなわち、自己免疫疾患をレギュレーションし、制限するように、免疫系の細胞の活性をモデュレーションするように作用する。多くのガンは、「免疫チェックポイント」阻害剤を改変することにより、免疫系から自身を守ることができ、したがって、検出を回避できることが近年理解されてきた。
【0008】
したがって、アンタゴニスト性PD-1抗体分子、例えば、ニボルマブ及びペムブロリズマブ等が免疫系を刺激し、それにより、ガンを処置するのに使用することができることも、一定範囲の種々のガン設定において示されている。
【0009】
ガンの処置における上記された進歩にもかかわらず、標準的な治療法を上回る利点を示すガンの処置のための新たな治療概念が依然として必要とされている。これらの利点は、in vivoでの有効性(例えば、臨床応答の改善、応答の延長、応答率の上昇、応答の持続期間、疾患の安定率、安定化の持続期間、病勢進行までの期間、無増悪生存期間(PFS)及び/又は全生存期間(OS)、抵抗性のより遅い発生等)、安全かつ忍容性が良好な投与並びに有害事象の頻度及び重症度の低下を含むことができる。具体的には、ガン、例えば、肺ガン(例えば、NSCLC)、メラノーマ、膀胱ガン及び消化管ガン等を有する患者のための更なる処置選択肢が必要とされている。
【0010】
このため、本発明の目的は、現在使用されており及び/又は先行技術において公知の処置/処置方法よりも有利で新規なガンのための処置を提供することである。
【0011】
発明の概要
本発明は、プログラム細胞死1(PD-1)に特異的な抗体(この用語は、本明細書において、「抗PD-1抗体」、「PD-1抗体」又は「PD-1アンタゴニスト」という用語と互換的に使用される)と共に、LRP5/LRP6アンタゴニスト(この用語は、本明細書において、「LRP5及びLRP6に特異的に結合するポリペプチド」又は「LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチド」という用語と互換的に使用される)を使用し、それにより、PD-1シグナル伝達経路をアンタゴナイズして、過剰増殖性疾患を有する患者を処置するための方法を提供する。したがって、本発明は、LRP5/LRP6アンタゴニスト及び抗PD-1抗体を含む併用療法を提供する。
【0012】
一態様では、本発明は、過剰増殖性疾患、好ましくは、ガンを治療し並びに/又は予防する方法に使用するための、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドであって、
前記方法が、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドを、それを必要とする患者にPD-1抗体と組み合わせて投与することを含み、
ここで、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドが、
(i)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1の免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(ii)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iii)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iv)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(v)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド並びに
(vi)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド
からなる群より選択され、
ここで、PD-1抗体が、
(i)配列番号:1(HCDR1)、配列番号:2(HCDR2)及び配列番号:3(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:4(LCDR1)、配列番号:5(LCDR2)及び配列番号:6(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体、
(ii)配列番号:7(HCDR1)、配列番号:8(HCDR2)及び配列番号:9(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:10(LCDR1)、配列番号:11(LCDR2)及び配列番号:12(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体並びに
(iii)配列番号:13(HCDR1)、配列番号:14(HCDR2)及び配列番号:15(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:16(LCDR1)、配列番号:17(LCDR2)及び配列番号:18(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体
からなる群から選択される、ポリペプチドを提供する。
【0013】
別の態様では、本発明は、過剰増殖性疾患、好ましくは、ガンを治療し並びに/又は予防する方法であって、
治療上有効量のLRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドと治療上有効量のPD-1抗体を、それを必要とする患者に投与することを含み、
ここで、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドが、
(i)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1の免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(ii)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iii)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iv)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(v)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド並びに
(vi)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド
からなる群より選択され、
ここで、PD-1抗体が、
(i)配列番号:1(HCDR1)、配列番号:2(HCDR2)及び配列番号:3(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:4(LCDR1)、配列番号:5(LCDR2)及び配列番号:6(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体、
(ii)配列番号:7(HCDR1)、配列番号:8(HCDR2)及び配列番号:9(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:10(LCDR1)、配列番号:11(LCDR2)及び配列番号:12(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体並びに
(iii)配列番号:13(HCDR1)、配列番号:14(HCDR2)及び配列番号:15(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:16(LCDR1)、配列番号:17(LCDR2)及び配列番号:18(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体
からなる群から選択される、方法を提供する。
【0014】
別の態様では、本発明は、過剰増殖性疾患、好ましくは、ガンを治療し並びに/又は予防する方法に使用するためのPD-1抗体であって、
該方法が、PD-1抗体をLRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドと組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含み、
ここで、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドが、
(i)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1の免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(ii)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iii)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iv)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(v)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド並びに
(vi)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド
からなる群より選択され、
ここで、PD-1抗体が、
(i)配列番号:1(HCDR1)、配列番号:2(HCDR2)及び配列番号:3(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:4(LCDR1)、配列番号:5(LCDR2)及び配列番号:6(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体、
(ii)配列番号:7(HCDR1)、配列番号:8(HCDR2)及び配列番号:9(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:10(LCDR1)、配列番号:11(LCDR2)及び配列番号:12(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体並びに
(iii)配列番号:13(HCDR1)、配列番号:14(HCDR2)及び配列番号:15(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:16(LCDR1)、配列番号:17(LCDR2)及び配列番号:18(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体
からなる群から選択される、PD-1抗体を提供する。
【0015】
別の態様では、本発明は、過剰増殖性疾患、好ましくは、ガンを治療し並びに/又は予防する方法に使用するための医薬組成物を製造するための、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドの使用であって、
LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドをPD-1抗体と組み合わせて使用し、
ここで、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドが、
(i)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1の免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(ii)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iii)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iv)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(v)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド並びに
(vi)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド
からなる群より選択され、
ここで、PD-1抗体が、
(i)配列番号:1(HCDR1)、配列番号:2(HCDR2)及び配列番号:3(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:4(LCDR1)、配列番号:5(LCDR2)及び配列番号:6(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体、
(ii)配列番号:7(HCDR1)、配列番号:8(HCDR2)及び配列番号:9(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:10(LCDR1)、配列番号:11(LCDR2)及び配列番号:12(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体並びに
(iii)配列番号:13(HCDR1)、配列番号:14(HCDR2)及び配列番号:15(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:16(LCDR1)、配列番号:17(LCDR2)及び配列番号:18(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体
からなる群から選択される、使用を提供する。
【0016】
別の態様では、本発明は、過剰増殖性疾患、好ましくは、ガンを治療し並びに/又は予防する方法に使用するための医薬組成物を製造するための、PD-1抗体の使用であって、
PD-1抗体をLRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドと組み合わせて使用し、
LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドが、
(i)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1の免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(ii)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iii)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iv)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(v)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド並びに
(vi)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド
からなる群より選択され、
ここで、PD-1抗体が、
(i)配列番号:1(HCDR1)、配列番号:2(HCDR2)及び配列番号:3(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:4(LCDR1)、配列番号:5(LCDR2)及び配列番号:6(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体、
(ii)配列番号:7(HCDR1)、配列番号:8(HCDR2)及び配列番号:9(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:10(LCDR1)、配列番号:11(LCDR2)及び配列番号:12(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体並びに
(iii)配列番号:13(HCDR1)、配列番号:14(HCDR2)及び配列番号:15(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:16(LCDR1)、配列番号:17(LCDR2)及び配列番号:18(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体
からなる群から選択される、使用を提供する。
【0017】
別の態様では、本発明は、
・LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドと、
・PD-1抗体と、
・場合により、1種以上の薬学的に許容し得る担体、賦形剤及び/又は媒体とを含み、
ここで、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドが、
(i)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1の免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(ii)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iii)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iv)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(v)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド並びに
(vi)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド
からなる群より選択され、
ここで、PD-1抗体が、
(i)配列番号:1(HCDR1)、配列番号:2(HCDR2)及び配列番号:3(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:4(LCDR1)、配列番号:5(LCDR2)及び配列番号:6(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体、
(ii)配列番号:7(HCDR1)、配列番号:8(HCDR2)及び配列番号:9(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:10(LCDR1)、配列番号:11(LCDR2)及び配列番号:12(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体並びに
(iii)配列番号:13(HCDR1)、配列番号:14(HCDR2)及び配列番号:15(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:16(LCDR1)、配列番号:17(LCDR2)及び配列番号:18(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体
からなる群から選択される、医薬組成物を提供する。
【0018】
一部の実施態様では、該医薬組成物は、過剰増殖性疾患、好ましくは、ガンを治療し及び/又は予防する方法に使用するためのものである。
【0019】
別の態様では、本発明は、1つ以上の容器に、
・LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドと、場合により、1種以上の薬学的に許容し得る担体、賦形剤及び/又は媒体とを含む第1の医薬組成物又は剤形、
・PD-1抗体と、場合により、1種以上の薬学的に許容し得る担体、賦形剤及び/又は媒体とを含む第2の医薬組成物又は剤形並びに
・場合により、印刷された説明書を含む添付文書を含み、
ここで、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドが、
(i)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1の免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(ii)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iii)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(iv)下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド;
(v)下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド並びに
(vi)下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)を含むポリペプチド
からなる群より選択され、
ここで、PD-1抗体が、
(i)配列番号:1(HCDR1)、配列番号:2(HCDR2)及び配列番号:3(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:4(LCDR1)、配列番号:5(LCDR2)及び配列番号:6(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体、
(ii)配列番号:7(HCDR1)、配列番号:8(HCDR2)及び配列番号:9(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:10(LCDR1)、配列番号:11(LCDR2)及び配列番号:12(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体並びに
(iii)配列番号:13(HCDR1)、配列番号:14(HCDR2)及び配列番号:15(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDRと配列番号:16(LCDR1)、配列番号:17(LCDR2)及び配列番号:18(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRとを含む抗PD1抗体
からなる群から選択される、キットを提供する。
【0020】
一部の実施態様では、本発明のキットは、過剰増殖性疾患、好ましくは、ガンを治療し及び/又は予防する方法に使用するためのものである。
【0021】
本発明の好ましい実施態様では、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドは、
(i)配列番号:58のアミノ酸配列を含む第1のISVDと配列番号:61の配列を含む第2のISVDとを含むポリペプチド、
(ii)配列番号:59のアミノ酸配列を含む第1のISVDと配列番号:61の配列を含む第2のISVDとを含むポリペプチド、
(iii)配列番号:60の配列を含む第1のISVDと配列番号:61の配列を含む第2のISVDとを含むポリペプチド、
(iv)配列番号:58のアミノ酸配列を含む第1のISVDと配列番号:62の配列を含む第2のISVDとを含むポリペプチド、
(v)配列番号:59のアミノ酸配列を含む第1のISVDと配列番号:62の配列を含む第2のISVDとを含むポリペプチド及び
(vi)配列番号:60のアミノ酸配列を含む第1のISVDと配列番号:62の配列を含む第2のISVDとを含むポリペプチド
からなる群より選択され、好ましくは、ここで、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドは、配列番号:63のアミノ酸配列を含むAlb11ドメインをさらに含む。
【0022】
特に好ましい実施態様では、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドは、配列番号:64、配列番号:65及び配列番号:66からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。
【0023】
本発明の好ましい実施態様では、PD-1抗体は、
(i)配列番号:19のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと配列番号:20のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを有する抗体、
(ii)配列番号:21のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと配列番号:22のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを有する抗体、
(iii)配列番号:23のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと配列番号:24のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを有する抗体、
(iv)配列番号:25のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと配列番号:26のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを有する抗体及び
(v)配列番号:27のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと配列番号:28のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを有する抗体
からなる群より選択される。
【0024】
本発明の特に好ましい実施態様では、PD-1抗体は、
(i)配列番号:29のアミノ酸配列を含む重鎖と配列番号:30のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む抗体、
(ii)配列番号:31のアミノ酸配列を含む重鎖と配列番号:32のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む抗体、
(iii)配列番号:33のアミノ酸配列を含む重鎖と配列番号:34のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む抗体、
(iv)配列番号:35のアミノ酸配列を含む重鎖と配列番号:36のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む抗体及び
(v)配列番号:37のアミノ酸配列を含む重鎖と配列番号:38のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む抗体
からなる群より選択される。
【0025】
本発明の一部の実施態様では、PD-1抗体をLRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドと同時に、同時期に、逐次的に、連続的に、交互に又は別々に投与する。
【0026】
好ましい実施態様では、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドとPD-1抗体とを下記処置計画:
(i)LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドとPD-1抗体とを同時に又は同時期に、好ましくは、3週間又は4週間毎に投与する第1の処置期間並びに
(ii)PD-1抗体のみを投与し、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドを投与せず、好ましくは、ここで、PD-1抗体を3週間又は4週間毎に投与する第2の処置期間
に従って投与する。
【0027】
本発明の好ましい実施態様では、処置される過剰増殖性疾患は、消化管ガン、メラノーマ腫瘍、膀胱ガン及び肺ガン(例えば、NSCLC)からなる群より選択されるガンであり、さらにより好ましくは、ガンは、免疫療法抵抗性消化管ガン(食道ガン(例えば、胃食道接合部ガン)、胃(胃部)ガン、肝細胞ガン、胆管ガン(例えば、胆管ガン)、胆嚢ガン、膵臓ガン又は結腸直腸ガン(CRC)を含むが、これらに限定されない)、免疫療法抵抗性メラノーマ、免疫療法抵抗性膀胱ガン又は免疫療法抵抗性肺ガンである。
【0028】
本発明の代替的な好ましい実施態様では、処置される過剰増殖性疾患は、免疫療法抵抗性の固形腫瘍である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1A図1Hは、Balb/cマウスにおける乳ガン細胞系統EMT6に由来する皮下同系マウスモデルにおける、単剤として及びPD-1に対する例示的な抗体との組み合わせでの、例示的なLRP5/LRP6アンタゴニストの抗腫瘍活性を示す。図1A:アイソタイプ一致抗体による処理後の指示日における腫瘍体積の測定;図1B:LRP5/6アンタゴニストによる;図1C:PD-1抗体による;及び図1D:LRP5/6アンタゴニスト+PD-1抗体による。図1E:アイソタイプ一致抗体による処理後の指示日における腫瘍縮小反応の測定;図1F:LRP5/6アンタゴニストによる;図1G:PD-1抗体による;及び図1H:LRP5/6アンタゴニスト+PD-1抗体による。で示されるナンバリングは、応答が観察された、すなわち、処理の終了時と開始時との腫瘍体積の間の比が1未満である(すなわち、腫瘍の縮小を示す)全調査マウスのうちのマウスの数を示す。
図2図2は、Balb/cマウスにおける乳ガン細胞系統EMT6に由来する皮下同系マウスモデルにおける、単剤として及びPD-1に対する例示的な抗体との組み合わせでの、例示的なLRP5/LRP6アンタゴニストの16日目における腫瘍サンプルの免疫組織化学染色により評価された腫瘍浸潤性CD8+リンパ球(腫瘍の全領域における陽性細胞の%)を示す。
図3図3A及び図3B図3Aは、Wntシグナル伝達活性化により、ガン細胞生存率のPBMC媒介性阻害が遮断されることを示す。この阻害は、LRP5/LRP6アンタゴニストによる処理により回復される。図3Bは、腫瘍細胞(NCI-H1437非小細胞肺ガン細胞系統)及びヒトPBMCを使用したin vitro共培養アッセイにおいて、LRP5/LRP6アンタゴニストによる単剤療法と比較した場合、LRP5/LRP6アンタゴニストと抗ヒトPD-1抗体との併用により、PBMC媒介性腫瘍細胞殺傷の増強がもたらされることを実証する。NCI-H1437細胞を、赤色蛍光タンパク質(mKate2)を発現するように安定的にトランスフェクトし、スフェロイドとして3Dで培養した。Wnt3a(1μg/ml)、LRP5/LRP6アンタゴニスト(LRP5/6;1000nM)、抗ヒトPD-1抗体(PD1;200nM)及び抗PD-1抗体のアイソタイプ対照(iso;200nM)を0時間で加えた。活性化ヒトPBMC(抗CD3/CD28アゴニストで72時間前処理)を0時間で腫瘍細胞に加えた。腫瘍細胞生存率を示された時点(日)で蛍光シグナル(mKate2 RFU)として測定した。
【0030】
発明の詳細な説明
定義
本発明の上記及び他の態様及び実施態様は、本明細書における更なる説明から明らかになるであろう。
【0031】
特に断りない限り、使用される全ての用語は、当技術分野におけるその通常の意味を有し、これは、本発明が属する技術分野における当業者には明らかであろう。抵触する場合は、定義を含む特許明細書が優先するものとする。例えば、標準的なハンドブック、例えば、Sambrook et al, 「Molecular Cloning: A Laboratory Manual」 (2nd Ed.), VoIs. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989);Lewin, 「Genes IV」, Oxford University Press, New York, (1990)及びRoitt et al., 「Immunology」 (2nd Ed.), Gower Medical Publishing, London, New York (1989)並びに本明細書で引用される一般的な背景技術が参照される。さらに、特に断りない限り、具体的に詳細には記載されていない全ての方法、工程、技術及び操作は、当業者に明らかであろうように、それ自体公知の方法で行うことができ、行われている。再度、例えば、標準的なハンドブック、上記言及された一般的な背景技術及びそこで引用された更なる参考文献が参照される。
【0032】
「抗体」という用語は、抗体、抗体フラグメント、抗体様分子及び上記のいずれかとのコンジュゲートを包含する。抗体は、ポリクローナル抗体、、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、単特異性抗体、二重特異性抗体又は多重特異性抗体を含むが、これらに限定されない。「抗体」という用語は、リンパ球により産生され、例えば、血清に存在する完全な免疫グロブリン、ハイブリドーマ細胞系統により分泌されるモノクローナル抗体、リコンビナント発現により産生され、免疫グロブリン又はモノクローナル抗体の結合特異性を有するポリペプチド及び結合特異性を維持しつつさらに処理することによりこのような免疫グロブリン、モノクローナル抗体又はポリペプチドから得られる分子を包含するであろう。特に、「抗体」という用語は、2つの重鎖及び2つの軽鎖を含む完全免疫グロブリンを含む。別の実施態様では、この用語は、免疫グロブリンのフラグメント、例えば、Fabフラグメントを包含する。別の実施態様では、「抗体」という用語は、免疫グロブリンから得られる1つ以上の可変ドメインを有するポリペプチド、例えば、一本鎖抗体(scFv)、シングルドメイン抗体等を包含する。
【0033】
「ヒト抗体」は、ヒト細胞により産生されるか又はヒト抗体レパートリーもしくは他のヒト抗体コード配列を利用する非ヒトソースから得られる抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する抗体である。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を特に除外する。
【0034】
本明細書で使用する場合、「リコンビナントヒト抗体」という用語は、リコンビナント手段により調製され、発現され、生成され又は単離された全てのヒト抗体、例えば、ホスト細胞、例えば、NS0もしくはCHO細胞又はヒト免疫グロブリン遺伝子にトランスジェニックである動物(例えば、マウス)から単離された抗体又はホスト細胞にトランスフェクトされたリコンビナント発現ベクターを使用して発現された抗体を含むことが意図される。このようなリコンビナントヒト抗体は、再配置された形態にある可変領域及び定常領域を有する。本発明のリコンビナントヒト抗体は、in vivo体細胞超突然変異に供されている。このため、リコンビナント抗体のVH及びVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系列VH及びVL配列から得られ、これらに関連するが、in vivoでヒト抗体生殖系列レパートリー内に天然に存在し得ない配列である。
【0035】
「ヒト化」抗体は、非ヒト超可変領域(HVR)由来のアミノ酸残基及びヒトフレームワーク領域(FR)由来のアミノ酸残基を含むキメラ抗体を指す。特定の実施態様では、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には、2つの可変ドメインのうちの実質的に全てを含むであろう。同可変ドメインにおいて、全て又は実質的に全てのHVR(例えば、相補性決定領域(CDR))が、非ヒト抗体のものに対応し、全て又は実質的に全てのフレームワーク領域(FR)全体が、ヒト抗体のものに対応する。ヒト化抗体は、場合により、ヒト抗体から得られる抗体定常領域の少なくとも一部を含む場合がある。抗体、例えば、非ヒト抗体の「ヒト化型」は、ヒト化を受けた抗体を指す。
【0036】
本明細書で使用する場合、「可変ドメイン」又は「可変領域」又は「Fv」という表現は、抗体の抗原への結合に直接関与する軽鎖と重鎖とのペアのそれぞれを指す。軽鎖の可変ドメインは、「VL」と略され、重鎖の可変ドメインは、「VH」と略される。可変軽鎖ドメイン及び可変重鎖ドメインは、同じ全体構造を有し、各ドメインは、4つのフレームワーク(FR)領域を含み、同領域の配列は、広く保存され、3つのHVR(又はCDR)により連結されている。フレームワーク領域は、ベータシートコンホ―メーションを採用し、CDRは、ベータシート構造を接続するループを形成することができる。各鎖中のCDRは、フレームワーク領域によりそれらの三次元構造に保持され、他の鎖からのCDRと共に、抗原結合部位を形成する。抗体の重鎖及び軽鎖CDR領域は、本発明の抗体の結合特異性/親和性において特に重要な役割を果たし、したがって、本発明の更なる目的を提供する。
【0037】
本発明の文脈において、抗体(例えば、PD1抗体)に関連するCDRへの言及は、Kabat(E.A. Kabat, T.T. Wu, H. Bilofsky, M. Reid-Miller and H. Perry, Sequence of Proteins of Immunological Interest, National Institutes of Health, Bethesda (1983))と共に、Chothia(Chothia and Lesk, J. Mol. Biol. 1987, 196: 901-917)の定義に基づく。
【0038】
特に断りない限り、「免疫グロブリン」及び「免疫グロブリン配列」という用語は、本明細書において、重鎖抗体又は従来の4鎖抗体を指すのに使用されるかどうかにかかわらず、全長抗体、その個々の鎖とその全ての部分、ドメイン又はフラグメント(抗原結合ドメイン又はフラグメント、例えば、それぞれ、VHHドメイン又はVH/VLドメインそれぞれを含むが、これらに限定されない)との両方を含むような一般的な用語として使用される。加えて、本明細書で使用する場合、「配列」という用語(例えば、「免疫グロブリン配列」、「抗体配列」、「(単一)可変ドメイン配列」、「VHH配列」又は「タンパク質配列」のような用語で使用される)は、文脈がより限定された解釈を必要としない限り、関連するアミノ酸配列とそれをコードする核酸配列又はヌクレオチド配列との両方を含むと一般的に理解されたい。
【0039】
本明細書で使用する場合、(ポリペプチド又はタンパク質の)「ドメイン」という用語は、タンパク質の残り部分とは独立してその三次構造を保持する能力を有する折り畳まれたタンパク質構造を指す。一般的には、ドメインは、タンパク質の別個の機能特性を担い、多くの場合、タンパク質及び/又はドメインの残り部分の機能を損なうことなく、他のタンパク質に付加し、他のタンパク質から除去し又は他のタンパク質に移すことができる。
【0040】
本明細書で使用する場合、「免疫グロブリンドメイン」という用語は、抗体鎖の球状領域(例えば、従来の4本鎖抗体又は重鎖抗体の鎖等)又はこのような球状領域から本質的になるポリペプチドを指す。免疫グロブリンドメインは、それらが抗体分子の免疫グロブリンフォールド特性を保持することを特徴とし、それは、保存されたジスルフィド結合により場合により安定化された、2つのベータシートに配置された約7つの逆平行ベータ鎖の2層サンドイッチからなる。
【0041】
本明細書で使用する場合、「免疫グロブリン可変ドメイン」という用語は、当技術分野及び本明細書において「フレームワーク領域1」又は「FR1」、「フレームワーク領域2」又は「FR2」、「フレームワーク領域3」又は「FR3」及び「フレームワーク領域4」又は「FR4」とそれぞれ呼ばれる4つの「フレームワーク領域」から本質的になる免疫グロブリンドメインを意味する。これらのフレームワーク領域は、当技術分野及び本明細書において、「相補性決定領域1」又は「CDR1」、「相補性決定領域2」又は「CDR2」及び「相補性決定領域3」又は「CDR3」とそれぞれ呼ばれる3つの「相補性決定領域」又は「CDR」により中断される。このため、免疫グロブリン可変ドメインの一般的な構造又は配列は、下記のように示すことができる:FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4。免疫グロブリン可変ドメインは、抗原結合部位を有することにより、抗原に対する抗体に特異性を付与する。
【0042】
本明細書で使用する場合、「免疫グロブリン単一可変ドメイン」(又はISVD)という用語は、追加の可変免疫グロブリンドメインと対合することなく、抗原のエピトープに特異的に結合可能な免疫グロブリン可変ドメインを意味する。本発明の意味におけるISVDの一例は、「ドメイン抗体」、例えば、ISVD VH及びVL(VHドメイン及びVLドメイン)である。ISVDの別の重要な例は、以下に定義されるように、ラクダ由来の「VHHドメイン」(又は単に「VHH」)である。
【0043】
上記定義を考慮して、従来の4本鎖抗体(例えば、IgG、IgM、IgA、IgD又はIgE分子;当技術分野において公知)又はFabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、Fvフラグメント、例えば、ジスルフィド結合Fv又はscFvフラグメント又はこのような従来の4本鎖抗体から得られるダイアボディ(全て、当技術分野において公知)の抗原結合ドメインは、通常、ISVDとはみなされないであろう。これらの場合には、抗原の各エピトープへの結合は、通常、1つの(単一の)免疫グロブリンドメインによって生じず、1対の(会合する)免疫グロブリンドメイン、例えば、軽鎖及び重鎖可変ドメインにより、すなわち、各抗原のエピトープに協同して結合する免疫グロブリンドメインのVH-VLペアにより生じるためである。
【0044】
「VHHドメイン」(VHH、VHドメイン、VHH抗体フラグメント及びVHH抗体としても公知)は、本来、「重鎖抗体」(すなわち、「軽鎖を欠いた抗体」;Hamers-Casterman C, Atarhouch T, Muyldermans S, Robinson G, Hamers C, Songa EB, Bendahman N, Hamers R.: 「Naturally occurring antibodies devoid of light chains」; Nature 363, 446-448 (1993))の抗原結合免疫グロブリン(可変)ドメインとして説明されてきた。「VHHドメイン」という用語は、これらの可変ドメインを、従来の4本鎖抗体に存在する重鎖可変ドメイン(本明細書において、「Vドメイン」又は「VHドメイン」と呼ばれる)及び従来の4本鎖抗体に存在する軽鎖可変ドメイン(本明細書において、「Vドメイン」又は「VLドメイン」と呼ばれる)と区別するために選択されてきた。VHHドメインは、追加の抗原結合ドメインなしで(従来の4本鎖抗体におけるVHドメイン又はVLドメインとは対照的に、この場合、エピトープは、VHドメインと共にVLドメインにより認識される)、エピトープに特異的に結合することができる。VHHドメインは、単一の免疫グロブリンドメインにより形成される、小さく、堅牢で、効率的な抗原認識ユニットである。
【0045】
本発明の文脈において、VHHドメイン、VHH、VHドメイン、VHH抗体フラグメント、VHH抗体並びに「Nanobody(登録商標)」及び「Nanobody(登録商標)ドメイン」(「Nanobody」は、Ablynx N.V.社;Ghent;Belgiumの商標である)という用語は、互換的に使用され、ISVDの代表例(構造:FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4の構成を有し、第2の免疫グロブリン可変ドメインの存在を必要とせずに、エピトープに特異的に結合する)であり、例えばWO第2009/109635号の図1に定義されるように、いわゆる「ホールマーク残基」により、VHドメインと区別することもできる。
【0046】
VHHドメインのアミノ酸残基は、例えば、Riechmann and Muyldermans, J. Immunol. Methods 231, 25-38 (1999)の図2に示されるように、ラクダ由来のVHHドメインに適用されるように、Kabat et al.(「Sequence of proteins of immunological interest」, US Public Health Services, NIH Bethesda, MD, Publication No. 91)により与えられたVドメインについての一般的なナンバリングに従ってナンバリングされる。このナンバリングによれば、
-FR1は、1~30位のアミノ酸残基を含む、
-CDR1は、31~35位のアミノ酸残基を含む、
-FR2は、36~49位のアミノ酸を含む、
-CDR2は、50~65位のアミノ酸残基を含む、
-FR3は、66~94位のアミノ酸残基を含む、
-CDR3は、95~102位のアミノ酸残基を含む
-FR4は、103~113位のアミノ酸残基を含む。
【0047】
ただし、Vドメイン及びVHHドメインについて当技術分野において周知であるように、各CDRにおけるアミノ酸残基の総数は変動する場合があり、その結果、Kabatナンバリングにより示されるアミノ酸残基の総数に対応しない場合があることに留意されたい(すなわち、Kabatナンバリングに従った1つ以上の位置が、実際の配列において占有されない場合があり又は実際の配列が、Kabatナンバリングにより許容される数より多くのアミノ酸残基を含有する場合がある)。これは、VHHドメインのアミノ酸残基のナンバリングがKabatによるナンバリングに基づくが、実際の配列におけるアミノ酸残基の実際のナンバリングが異なる場合があることを意味する。この種の変化は、当技術分野において周知であるため、このような配列内のフレームワーク領域及びCDRそれぞれのナンバリング及び割り当ては、さらなる努力なしに、当業者により決定することができる。
【0048】
ドメインのアミノ酸残基をナンバリングするための代替的な方法(この方法は、VHHドメインにも同様の様式で適用することができる)は、当技術分野において公知である。ただし、本明細書に記載されたISVDに関連する本明細書、特許請求の範囲及び図面では、特に断りない限り、上記されたVHHドメインに適用されたKabatに従ったナンバリングに従うものとする。
【0049】
VHHドメイン中のアミノ酸残基の総数は、通常、110~120、多くの場合、112~115の範囲にあるであろう。ただし、本明細書に記載された目的には、より短い配列及びより長い配列も適切である場合があることに留意されたい。
【0050】
特定の抗原又はエピトープに結合するVHHドメインを得る方法は、以前に、例えば、WO第2006/040153号及び同第2006/122786号に記載されている。ラクダから得られるVHHドメインを、元のVHH配列のアミノ酸配列中の1つ以上のアミノ酸残基をヒト由来の従来の4本鎖抗体由来のVHドメイン中の対応する位置に存在する1つ以上のアミノ酸残基で置き換えることにより「ヒト化」することができる。ヒト化VHHドメインは、1つ以上の完全ヒトフレームワーク領域配列を含有することができ、さらにより具体的な実施態様では、DP-29、DP-47、DP-51又はそれらの一部から得られるヒトフレームワーク領域配列を、場合により、JH配列、例えば、JH5と組み合わせて含有することができる。
【0051】
「エピトープ」及び「抗原決定基」という用語は、互換的に使用することができ、抗原結合分子、例えば、従来の抗体又は本発明のポリペプチドにより、とりわけ、前記分子の抗原結合部位により認識される高分子、例えば、ポリペプチドの一部を指す。エピトープは、免疫グロブリンについての最小結合部位を定義し、このため、免疫グロブリンの特異性のターゲットを表わす。
【0052】
エピトープを認識する抗原結合分子(例えば、従来の抗体又は本明細書に記載されたポリペプチド)の部分は、パラトープと呼ばれる。
【0053】
本明細書で使用する場合、「ビパラトピック」(抗原)結合分子又は「ビパラトピック」ポリペプチドという用語は、本明細書で定義された第1のISVD及び第2のISVDを含むポリペプチドを意味するものとし、ここで、これらの2つの可変ドメインは、1つの抗原の2つの異なるエピトープに結合可能であり、これらのエピトープは、通常、1つの単特異性免疫グロブリン、例えば、従来の抗体又は1つのISVD等により同時に結合されない。本発明のビパラトピックポリペプチドは、異なるエピトープ特異性を有する可変ドメインから構成され、同じエピトープに結合する相互に相補的な可変ドメインペアを含有しない。したがって、それらは、LRP5又はLRP6への結合について互いに競合しない。
【0054】
特定のエピトープ、抗原又はタンパク質(又はその少なくとも一部、フラグメント又はエピトープ)に「結合する」、「結合する」、「特異的に結合する」、「特異的に結合可能な」又は「特異的に結合する」ことができ、これらについて「親和性を有する」及び/又は「特異性を有する」ポリペプチド(例えば、免疫グロブリン、抗体、ISVD又は一般的には、抗原結合分子又はそのフラグメント)は、前記エピトープ、抗原又はタンパク質に「対する」もしくは「向けられる」か又はこのようなエピトープ、抗原又はタンパク質に対する「結合」分子である。
【0055】
一般的には、「特異性」という用語は、特定の抗原結合分子又は抗原結合タンパク質(例えば、免疫グロブリン、抗体、ISVD)が結合することができる、異なるタイプの抗原又はエピトープの数を指す。抗原結合タンパク質の特異性は、その親和性及び/又は結合力に基づいて決定することができる。抗原結合タンパク質との抗原の解離についての平衡定数(K)により表わされる親和性は、エピトープと抗原結合タンパク質上の抗原結合部位との間の結合強度についての尺度であり、Kの値が小さいほど、エピトープと抗原結合分子との間の結合強度が高くなる(代替的には、親和性は、1/Kである親和性定数(K)として表わすこともできる)。当業者には明らかであろうように(例えば、本明細書における更なる開示に基づいて)、親和性は、目的の特異的抗原に応じて、それ自体公知の様式で決定することができる。結合力は、抗原結合分子(例えば、免疫グロブリン、抗体、ISVD)と関連抗原との間の結合強度の尺度である。親和性は、エピトープと抗原結合分子上のその抗原結合部位との間の親和性と、抗原結合分子上に存在する関連結合部位の数との両方に関連する。
【0056】
典型的には、抗原結合タンパク質(例えば、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチド)は、10E-5~10E-14モル/リットル(M)以下、好ましくは、10E-7~10E-14モル/リットル(M)以下、より好ましくは、10E-8~10E-14モル/リットル、さらにより好ましくは、10E-11~10E-13(例えば、Kinexaアッセイで測定;当技術分野において公知)の解離定数(K)及び/又は少なくとも10E7 ME-1、好ましくは、少なくとも10E8 ME-1、より好ましくは、少なくとも10E9 ME-1、例えば、少なくとも10E11 ME-1の会合定数(K)で結合するであろう。10E-4Mより大きい任意のK値は、一般的には、非特異的結合を示すと考えられる。好ましくは、抗原結合タンパク質(例えば、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチド)は、500nM未満、好ましくは、200nM未満、より好ましくは、10nM未満、例えば、500pM未満のKで、所望の抗原に結合するであろう。抗原又はエピトープに対する抗原結合タンパク質の特異的結合は、例えば、本明細書に記載されたアッセイ、当技術分野においてそれ自体公知のスキャッチャード分析及び/又は競合結合アッセイ、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素イムノアッセイ(EIA)及びサンドイッチ競合アッセイ並びにその種々の変形例を含む、それ自体公知の任意の適切な様式で決定することができる。
【0057】
LRP5及びLRP6に結合可能な結合分子に関連する「交差反応性」(「LRP5/LRP6交差反応性」)という用語は、このような結合分子がLRP5分子に含まれるエピトープに特異的に結合することができ、代替的に、LRP6分子に含まれるエピトープにも特異的に結合することができることを意味することが意図される。通常、このような交差反応性は、このような結合分子により結合される異なるタンパク質のエピトープが類似の構造及び/又は配列を有する、例えば、保存されたエピトープを表わす、例えば、同じタンパク質ファミリーに属するタンパク質(例えば、LRPタンパク質ファミリーに属するLRP5及びLRP6)により共有される場合に生じる場合がある。
【0058】
本明細書に記載されたLRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチド(本明細書において、LRP5/LRP6アンタゴニストとも呼ばれる)は、これらの分子の両方に含まれるエピトープに特異的に結合する免疫グロブリン単一可変ドメイン(LRP5/LRP6交差反応性結合分子)を含むという点で、LRP5及びLRP6についての特異性を有する。それらは、LRP5及びLRP6のエピトープに類似する構造を有するエピトープ又は無関係な構造を有するエピトープとは交差反応しないか又は本質的に交差反応しない。
【0059】
本明細書で使用する場合、「含む(comprising)」という用語及びその変形、例えば、「含む(comprises)」及び「含む(compris)」は、「含有する」又は「含む」又は「有する」という用語により置換することができる。さらに、「含む」という用語は、列挙された要素の「からなる」実施態様も明示的に包含する。
【0060】
併用療法
本発明の目的は、種々の過剰増殖性疾患、特に、種々の悪性腫瘍を治療し又は制御するための新規な治療法を提供することである。
【0061】
本出願の発明者らは、驚くべきことに、抗PD-1(プログラム細胞死1)抗体と組み合わせたLRP5/LRP6アンタゴニストの使用が、LRP5/LRP6アンタゴニスト又は抗PD-1抗体の単独での使用と比較して、臨床アウトカムを改善する可能性を有することを発見した。
【0062】
具体的には、前臨床研究において、本発明者らは、LRP5/LRP6アンタゴニストの免疫モデュラトリー機能及び抗腫瘍活性を、単独で又は抗PD-1抗体との組み合わせで試験した(以下の実施例1を参照のこと)。組織病理学的分析により決定された完全応答及び豊富なT細胞腫瘍浸潤が、LRP5/LRP6アンタゴニストと抗PD-1抗体との組み合わせについてのみ観察された。腫瘍流入領域リンパ節のFACS分析から、さらに、この併用処置により、流入領域リンパ節における活性化樹状細胞(DC)数の増加がもたらされることが示された。以下の実施例3にさらに示されるように、腫瘍スフェロイドと活性化ヒトPBMCとの共培養のWnt3aリガンドによる処理により、腫瘍細胞生存性のPBMC媒介性阻害の顕著な遮断がもたらされた。Wnt3aの存在下での腫瘍スフェロイドと活性化ヒトPBMCとの共培養のLRP5/LRP6アンタゴニストによる処理により、腫瘍細胞生存性のPBMC媒介性阻害が回復した。本発明のLRP5/LRP6アンタゴニストと抗ヒトPD1抗体との併用処置により、LRP5/LRP6アンタゴニスト単剤療法と比較した場合、PBMC媒介性腫瘍細胞殺傷の増強がもたらされる。
【0063】
理論に拘束されることを望まないが、これらの知見から、LRP5/LRP6アンタゴニストと抗PD-1抗体との併用処置により、DCにおけるWntシグナル伝達経路の阻害がもたらされ、続けて、炎症誘発性サイトカインのアップレギュレーション、クロスプライミングの回復及び腫瘍T細胞浸潤及び抗腫瘍活性の促進がもたらされることが示される。
【0064】
種々の併用療法が、当技術分野において公知であり、現在研究中(例えば、前臨床又は臨床試験中)であるが、ガン疾患、特に、固形腫瘍、例えば、肺ガン(例えば、NSCLC)、メラノーマ、膀胱ガン及び消化管ガンの処置のための治療概念を満足させることは未だに不足している。したがって、標準的な治療を上回る利点、例えば、より良好な処置アウトカム、有益な効果、より優れた効力及び/又は忍容性の改善、例えば、副作用の減少等を示す任意の治療は、重要な発展を表わすであろう。
【0065】
以下の実施例に示される驚くべき結果から、腫瘍モデルにおいてそれ自体で治療効果を有さないLRP5/LRP6アンタゴニストと、限られた治療効果しか有さない抗PD-1抗体との組み合わせにより、これらの2つの化合物の相乗的(すなわち、相加的より多い)相互作用がもたらされ、完全な応答が得られたという点で優れた結果が提供されることが示される。
【0066】
このため、本発明は、過剰増殖性疾患、特に、ガンの治療及び/又は予防のための方法であって、それぞれ本明細書に記載されたLRP5/LRP6アンタゴニストと抗PD-1抗体との併用投与を含む、方法並びに医学的使用、使用、医薬組成物又はこのような治療剤を含む組み合わせ及びキットに関する。
【0067】
さらに、本発明は、それぞれ本明細書に記載されたLRP5/LRP6アンタゴニスト及び抗PD-1抗体を組み合わせで使用することを含む、抗ガン療法に関する。
【0068】
このような併用処置を、物質の非固定(例えば、自由)併用として又はキットオブパーツを含む固定併用の形態で提供することができる。
【0069】
腫瘍学的性質の疾患の処置のために、多数の抗ガン剤(ターゲット特異的及び非ターゲット特異的抗ガン剤を含む)がすでに提案されており、これらは単剤療法として又は2種以上の薬剤を含む併用療法(例えば、2剤もしくは3剤併用療法)として使用することができ及び/又は放射線療法(例えば、照射処置)、放射線免疫療法及び/又は手術と組み合わせることができる。したがって、本明細書に記載された併用処置を更なる治療剤並びに/又は処置、例えば、放射線療法、放射線免疫療法及び手術に加えて提供することができる。
【0070】
LRP5/LRP6アンタゴニスト
本発明及びその全ての実施態様の意味において、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチド(本明細書において、LRP5/LRP6アンタゴニストとも呼ばれる)は、異なるエピトープでLRP5及び/又はLRP6に結合する2つ以上の免疫グロブリン単一可変ドメインを含む、LRP5/LRP6交差反応性ビパラトピックポリペプチドである。「交差反応性」及び「ビパラトピック」は、LRP5/LRP6交差反応性ビパラトピック分子がLRP5タンパク質に含まれる2つの異なるエピトープでLRP5に結合することができ、またLRP6タンパク質に含まれる対応する2つのエピトープでLRP6に結合することもできる分子として定義することができるように、上記説明される。
【0071】
より具体的には、前記LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドは、
-Wnt1シグナル伝達経路の阻害をもたらし、その結果、Wnt1駆動ターゲット遺伝子の転写が阻害されるような方法で、エピトープを介してLRP5及びLRP6に特異的に結合することができる(LRP5/LRP6交差反応性の)第1の免疫グロブリン単一可変ドメインと、
-Wnt3aシグナル伝達経路の阻害をもたらし、その結果、Wnt3a駆動ターゲット遺伝子の転写が阻害されるような方法で、エピトープを介してLRP5及びLRP6に特異的に結合することができる(LRP5/LRP6交差反応性の)第2の免疫グロブリン単一可変ドメインとを、
含む。
【0072】
2つのドメインが(Wnt1/Wnt3aシグナル伝達に関連する)異なるエピトープに結合する、このようなポリペプチドに存在する2つの免疫グロブリン単一可変ドメインのために、これらの分子は、ビパラトープ結合分子である。この文脈において、本明細書に記載されたLRP5/LRP6アンタゴニストは、そのLRP5/LRP6結合ドメインの両方を介して、1つの単一のLRP5又はLRP6分子に結合する場合があることが想定されることに留意されたい。ただし、他の結合様式も同様に生じる場合がある。
【0073】
本発明の一部の実施態様では、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドは、
-下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1のISVD(a)及び
-下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)
を含む。
【0074】
CDR配列のこの特定の組み合わせは、例えば、本明細書において以下で、LRP5/LRP6#1と呼ばれるLRP5/LRP6アンタゴニストに含有される。
【0075】
本発明の一部の実施態様では、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドは、
-下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
-下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)
を含む。
【0076】
CDR配列のこの特定の組み合わせは、例えば、本明細書において以下で、LRP5/LRP6#2と呼ばれるLRP5/LRP6アンタゴニストに含有される。
【0077】
本発明の一部の実施態様では、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドは、
-下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
-下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD(b)
を含む。
【0078】
CDR配列のこの特定の組み合わせは、例えば、本明細書において以下で、LRP5/LRP6#3と呼ばれるLRP5/LRP6アンタゴニストに含有される。
【0079】
本発明の一部の実施態様では、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドは、
-下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1のISVD(a)及び
-下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)
を含む。
【0080】
CDR配列のこの特定の組み合わせは、例えば、本明細書において以下で、LRP5/LRP6#4と呼ばれるLRP5/LRP6アンタゴニストに含有される。
【0081】
本発明の一部の実施態様では、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドは、
-下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD(a)及び
-下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)
を含む。
【0082】
CDR配列のこの特定の組み合わせは、例えば、本明細書において以下で、LRP5/LRP6#5と呼ばれるLRP5/LRP6アンタゴニストに含有される。
【0083】
本発明の一部の実施態様では、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドは、
-下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD(a)及び
-下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD(b)
を含む。
【0084】
CDR配列のこの特定の組み合わせは、例えば、本明細書において以下で、LRP5/LRP6#6と呼ばれるLRP5/LRP6アンタゴニストに含有される。
【0085】
一般的には、本明細書で使用する場合、このようなISVD又はドメイン関する「第1の」及び「第2の」という用語は、これらのドメインが2つの異なるドメインであることを単に示すことが意図される(これらは、少なくとも異なるCDR配列を含むため)。このため、これらの用語は、このようなポリペプチド鎖内のドメインの正確な順序又は配列を指すと理解されるべきではない。すなわち、上記ISVD(a)及び(b)を本明細書に記載されたポリペプチド内で、順序(a)-(b)又は順序(b)-(a)のいずれかで配置することができる。
【0086】
「LRP5及びLRP6に特異的に結合可能な」及び「LRP5又はLRP6に特異的に結合する」という用語は、免疫グロブリン単一可変ドメイン(a)及び(b)がLRP5及びLRP6に対して交差反応性であることを意味することが意図される。当然、このような分子の結合特性は、それらの(CDR)配列により決定され、その結果、上記及び特許請求の範囲で説明された「LRP5及びLRP6に特異的に結合可能な」及び「LRP5又はLRP6に特異的に結合する」という特徴は、本発明の有用性を例示することのみを意図しており、本発明の範囲を限定することを意図していない。
【0087】
具体的には、本明細書に記載されたポリペプチドのISVD(例えば、上記定義されたCDR配列を含むISVD)は、VHHドメイン、好ましくは、ヒト化VHHドメインである。
【0088】
本発明の一部の実施態様では、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドは、第1のISVD(a)及び第2のISVD(b)を有するポリペプチドを含み、前記第1のISVDは、配列番号:58、配列番号:59及び配列番号:60からなる群より選択される配列を有するVHHドメインを含み、前記第2のISVDは、配列番号:61及び配列番号:62からなる群より選択される配列を有するVHHドメインを含み、ここで、これらの配列は、下記のとおりである。
【0089】
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

【化5】
【0090】
一部の実施態様では、第1のISVDは、配列番号:58の配列を含み、第2のISVDは、配列番号:61の配列を含む(LRP5/LRP6#1)。
【0091】
本発明の一部の実施態様では、第1のISVDは、配列番号:59の配列を含み、第2のISVDは、配列番号:61の配列を含む(LRP5/LRP6#2)。
【0092】
一部の実施態様では、第1のISVDは、配列番号:60の配列を含み、第2のISVDは、配列番号:61の配列を含む(LRP5/LRP6#3)。
【0093】
一部の実施態様では、第1のISVDは、配列番号:58の配列を含み、第2のISVDは、配列番号:62の配列を含む(LRP5/LRP6#4)。
【0094】
一部の実施態様では、第1のISVDは、配列番号:59の配列を含み、第2のISVDは、配列番号:62の配列を含む(LRP5/LRP6#5)。
【0095】
一部の実施態様では、第1のISVDは、配列番号:60の配列を含み、第2のISVDは、配列番号:62の配列を含む(LRP5/LRP6#6)。
【0096】
本発明の好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、上記CDR及び/又はVHH配列により定義されたLRP5/LRP6#1、LRP5/LRP6#5又はLRP5/LRP6#6のいずれか1つである。
【0097】
本発明の好ましい態様によれば、LRP5/LRP6アンタゴニストは、第1の(a)LRP5/LRP6結合ISVD及び第2の(b)LRP5/LRP6結合ISVD及び第3のISVD(c)を有するポリペプチドを含む。好ましくは、LRP5/LRP6アンタゴニストは、上記CDR配列により定義された第1及び第2のISVDと、第1及び第2のISVDを直接的又は間接的に結合する第3のISVDとを含む。一部の実施態様では、第1のISVDは、ペプチドリンカーを介して第2のISVDに共有結合している第3のISVDにペプチドリンカーを介して共有結合している。2つのリンカーは、同一又は異なるリンカーであることができる。また、1つのリンカーのみが存在することも包含される。「第1の」及び「第2の」という用語は、上記されたように、ポリペプチド内でのそれらの位置を示すものではなく、このため、N末端からC末端に向かって、ポリペプチド内でのISVD配列は、ISVD(a)-(c)-(b)、(a)-[リンカー]-(c)-[リンカー]-(b)、(b)-(c)-(a)、(b)-[リンカー]-(c)-[リンカー]-(a)、(a)-[リンカー]-(c)-(b)、(a)-(c)-[リンカー]-(b)、(b)-[リンカー]-(c)-(a)、(b)-(c)-[リンカー]-(a)の順序のいずれかで配置される場合がある。
【0098】
好ましくは、第3のISVD(c)は、アルブミン結合ISVDである。このようなアルブミン結合ISVDの非限定的な例は、下記CDR:
CDR(Alb11)1:SFGMS(=配列番号:55)
CDR(Alb11)2:SISGSGSDTLYADSVKG(=配列番号:56)
CDR(Alb11)3:GGSLSR(=配列番号:57)
を含むAlb11ドメインである。
【0099】
これにより、下記構造を有する好ましいLRP5/LRP6アンタゴニスト群が得られる。
【0100】
FR(a)1-CDR(a)1-FR(a)2-CDR(a)2-FR(a)3-CDR(a)3-FR(a)4-[任意のリンカーペプチド]-FR(Alb11)1-CDR(Alb11)1-FR(Alb11)2-CDR(Alb11)2-FR(Alb11)3-CDR(Alb11)3-FR(Alb11)4-[任意のリンカーペプチド]-FR(b)1-CDR(b)1-FR(b)2-CDR(b)2-FR(b)3-CDR(b)3-FR(b)4、好ましくは、ここで、CDRは、上記説明された配列を含む。
【0101】
再度、3つのISVD(a)、(b)及びAlb11の順序は固定されておらず、上記ドメインが下記:
(b)-Alb11-(a)
の順序で配置されたポリペプチドも包含されるものとする。さらに、ポリペプチドのN末端又はC末端にAlb11ドメインを有するポリペプチド(例えば、Alb11-(a)-(b)、Alb11-(b)-(a)、(a)-(b)-Alb11又は(b)-(a)-Alb11)も、本発明に包含されるものとする。
【0102】
本発明の一部の実施態様では、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドは、
-下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1のISVD、
-下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD及び
-下記CDR配列:
CDR1:SFGMS(=配列番号:55)
CDR2:SISGSGSDTLYADSVKG(=配列番号:56)
CDR3:GGSLSR(=配列番号:57)
を含むアルブミン結合ISVD(第3のISVD)
を含む。
【0103】
CDR配列のこの特定の組み合わせは、例えば、本明細書において以下で、LRP5/LRP6#1と呼ばれるLRP5/LRP6アンタゴニストに含有される。
【0104】
本発明の一部の実施態様では、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドは、
-下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD、
-下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を含む第2のISVD及び
-下記CDR配列:
CDR1:SFGMS(=配列番号:55)
CDR2:SISGSGSDTLYADSVKG(=配列番号:56)
CDR3:GGSLSR(=配列番号:57)
を含むアルブミン結合ISVD
を含む。
【0105】
CDR配列のこの特定の組み合わせは、例えば、本明細書において以下で、LRP5/LRP6#2と呼ばれるLRP5/LRP6アンタゴニストに含有される。
【0106】
本発明の一部の実施態様では、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドは、
-下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD、
-下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:49)
CDR2:AISWSGGSTYYADSVKG(=配列番号:50)
CDR3:SPIPYGSLLRRRNNYDY(=配列番号:51)
を有する第2のISVD及び
-下記CDR配列:
CDR1:SFGMS(=配列番号:55)
CDR2:SISGSGSDTLYADSVKG(=配列番号:56)
CDR3:GGSLSR(=配列番号:57)
を含むアルブミン結合ISVD
を含む。
【0107】
CDR配列のこの特定の組み合わせは、例えば、本明細書において以下で、LRP5/LRP6#3と呼ばれるLRP5/LRP6アンタゴニストに含有される。
【0108】
本発明の一部の実施態様では、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドは、
-下記CDR配列:
CDR1:TYTVG(=配列番号:40)
CDR2:AIRRRGSSTYYADSVKG(=配列番号:41)
CDR3:DTRTVALLQYRYDY(=配列番号:42)
を含む第1のISVD、
-下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD及び
-下記CDR配列:
CDR1:SFGMS(=配列番号:55)
CDR2:SISGSGSDTLYADSVKG(=配列番号:56)
CDR3:GGSLSR(=配列番号:57)
を含むアルブミン結合ISVD
を含む。
【0109】
CDR配列のこの特定の組み合わせは、例えば、本明細書において以下で、LRP5/LRP6#4と呼ばれるLRP5/LRP6アンタゴニストに含有される。
【0110】
本発明の一部の実施態様では、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドは、
-下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:43)
CDR2:AIRRSGRRTYYADSVKG(=配列番号:44)
CDR3:ARRVRSSTRYNTGTWWWEY(=配列番号:45)
を含む第1のISVD、
-下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD及び
-下記CDR配列:
CDR1:SFGMS(=配列番号:55)
CDR2:SISGSGSDTLYADSVKG(=配列番号:56)
CDR3:GGSLSR(=配列番号:57)
を含むアルブミン結合ISVD
を含む。
【0111】
CDR配列のこの特定の組み合わせは、例えば、本明細書において以下で、LRP5/LRP6#5と呼ばれるLRP5/LRP6アンタゴニストに含有される。
【0112】
本発明の一部の実施態様では、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドは、
-下記CDR配列:
CDR1:RYTMG(=配列番号:46)
CDR2:AIVRSGGSTYYADSVKG(=配列番号:47)
CDR3:DRRGRGENYILLYSSGRYEY(=配列番号:48)
を含む第1のISVD、
-下記CDR配列:
CDR1:SYAMG(=配列番号:52)
CDR2:AISWRSGSTYYADSVKG(=配列番号:53)
CDR3:DPRGYGVAYVSAYYEY(=配列番号:54)
を含む第2のISVD及び
-下記CDR配列:
CDR1:SFGMS(=配列番号:55)
CDR2:SISGSGSDTLYADSVKG(=配列番号:56)
CDR3:GGSLSR(=配列番号:57)
を含むアルブミン結合ISVD
を含む。
【0113】
CDR配列のこの特定の組み合わせは、例えば、本明細書において以下で、LRP5/LRP6#6と呼ばれるLRP5/LRP6アンタゴニストに含有される。
【0114】
一部の実施態様では、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能な上記ポリペプチド中のそれらのCDR配列により定義されたISVDは、アルブミン結合ISVDが第1及び第2のISVDを直接的又は間接的に(例えば(a)リンカーペプチドを介して)結合するように配置される。
【0115】
上記言及されたAlb11免疫グロブリン単一可変ドメインの配列は、下記のとおりである。
【0116】
【化6】
【0117】
上記言及されたCDR配列を表1A、表1B及び表1Cにまとめる。
【0118】
【表1】
【0119】
【表2】
【0120】
【表3】
【0121】
本明細書に記載された3つの好ましいLRP5/LRP6アンタゴニストは、下記のとおりである。
【0122】
第1の好ましいLRP5/LRP6アンタゴニスト:下記
-配列番号:58に示されたアミノ酸配列を含む第1の(LRP5/LRP6結合)ISVD
-配列番号:63に示されたアミノ酸配列を含むアルブミン結合ISVD
-配列番号:61に示されたアミノ酸配列を含む第2の(LRP5/LRP6結合)ISVD
を、この順序又は上記3つのドメインが変更された順序で含むポリペプチド。
【0123】
第2の好ましいLRP5/LRP6アンタゴニスト:下記
-配列番号:59に示されたアミノ酸配列を含む第1の(LRP5/LRP6結合)ISVD
-配列番号:63に示されたアミノ酸配列を含むアルブミン結合ISVD
-配列番号:62に示されたアミノ酸配列を含む第2の(LRP5/LRP6結合)ISVD
を、この順序又は上記3つのドメインが変更された順序で含むポリペプチド。
【0124】
第3の好ましいLRP5/LRP6アンタゴニスト:下記
-配列番号:60に示されたアミノ酸配列を含む第1の(LRP5/LRP6結合)ISVD
-配列番号:63に示されたアミノ酸配列を含むアルブミン結合ISVD
-配列番号:62に示されたアミノ酸配列を含む第2の(LRP5/LRP6結合)ISVD
を、この順序又は上記3つのドメインが変更された順序で含むポリペプチド。
【0125】
さらにより具体的に好ましい実施態様では、アルブミン結合ISVDは、2つのLRP5/LRP6結合ISVD間に位置する。
【0126】
上記言及されたVHHの配列を表2A、表2B及び表2Cにまとめる。
【0127】
【表4】
【0128】
【表5】
【0129】
【表6】
【0130】
本発明の好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、65及び66から選択される配列を含み(LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なこれらの好ましいポリペプチドはそれぞれ、本明細書において、LRP5/LRP6#1、LRP5/LRP6#5及びLRP5/LRP6#6とも呼ばれる)、ここで、正確なアミノ酸配列は、以下の表2Dから得ることができる。
【0131】
【表7】
【0132】
LRP5及びLRP6に特異的に結合可能な前述のポリペプチドの製造及び治療的使用は、WO第2017/093478号に開示されている。特に、この文献には、本発明に使用されるLRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチドを調製する方法の十分な開示が提供されている。
【0133】
抗PD-1抗体
抗PD-1抗体(本明細書において、「PD-1抗体」とも呼ばれる)は、本発明及びその全ての実施態様において、PD-1とそのリガンドとの相互作用を阻害する化合物である。好ましくは、抗PD-1抗体は、ヒト化又は完全ヒト抗PD-1抗体である。これらの抗体のいずれか1つは、リコンビナントヒト抗体である場合がある。
【0134】
PD-1遺伝子は、Ig遺伝子スーパーファミリーの一部である55kDaのI型膜貫通タンパク質をコードする(Agata et al. (1996) Int Immunol. 8:765-72)。完全なPD-1配列は、GenBankアクセッション番号U64863に見出すことができる。CTLA-4と構造的に類似しているが、PD-1は、B7-1及びB7-2結合に重要なMYPPYモチーフ(配列番号:39)を欠いている。
【0135】
PD-1は、T細胞レギュレーターの拡張されたCD28/CTLA-4ファミリーの阻害性メンバーである。CD28ファミリーの他のメンバーは、CD28、CTLA-4、ICOS及びBTLAを含む。PD-1は、他のCD28ファミリーメンバーに特徴的な不対システイン残基を欠くモノマーとして存在することが示唆される。PD-1は、活性化されたB細胞、T細胞及び単球に発現している(Okazaki et al. (2002) Curr Opin Immunol 14:391779-82;Bennett et al. (2003) J. Immunol. 170:711-8)。PD-1についての2つのリガンドであるPD-L1(B7-H1)及びPD-L2(B7-DC)が特定されており、PD-1に結合すると、T細胞活性化をダウンレギュレーションすることが示されている(Freeman et al. (2000) J. Exp. Med. 192:1027-3;Carter et al. (2002) Eur. J. Immunol. 32:634-43)。PD-L1とPD-L2とは両方とも、PD-1に結合するB7ホモログである。PD-L1は、各種のヒトのガンに豊富に存在する(Dong et al. (2002) Nat. Med. 8:787-9)。
【0136】
PD-1は、TCRシグナルを負にレギュレーションする免疫阻害性タンパク質として公知である(Ishida, Y. et al. (1992) EMBO J. 11:3887-3895;Blank, C. et al. (2006) Immunol. Immunother. 56(6):739-745)。PD-1とPD-L1との相互作用は、例えば、腫瘍浸潤リンパ球の減少、T細胞レセプター媒介性増殖の減少及び/又はガン性細胞による免疫回避をもたらす場合がある免疫チェックポイントとして作用する場合がある(Dong et al. (2003) J. Mol. Med. 81:281-7;Blank et al. (2005) Cancer Immunol. Immunother. 54:307-314;Konishi et al. (2004) Clin. Cancer Res. 10:5094-100)。免疫サプレッションを、PD-1とPD-L1又はPD-L2との局所的な相互作用を阻害することにより逆転させることができる。PD-1とPD-L1及びPD-L2の両方との相互作用が遮断された場合、その効果は相加的である(Iwai et al. (2002) Proc. Nat’l. Acad. Sci USA 99:12293-7;Brown et al. (2003) J. Immunol. 170:1257-66)。
【0137】
本発明の一態様では、抗PD-1抗体は、配列番号により表3に示される配列により定義される抗体PD1-1、PD1-2、PD1-3、PD1-4及びPD1-5のいずれか1つであり、ここで、VHは、重鎖可変ドメインを指し、VLは、軽鎖可変ドメインを指し、HCは、(全長)重鎖を指し、LCは、(全長)軽鎖を指す。
【0138】
【表8】
【0139】
また、ここで、配列番号のアミノ酸配列(及び配列名)は、表4に示されるとおりである。
【0140】
【表9】





【0141】
具体的には、本明細書に記載された抗PD-1抗体分子は、(a)配列番号:1(HCDR1)、配列番号:2(HCDR2)及び配列番号:3(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDR並びに配列番号:4(LCDR1)、配列番号:5(LCDR2)及び配列番号:6(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR又は(b)配列番号:7(HCDR1)、配列番号:8(HCDR2)及び配列番号:9(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDR並びに配列番号:10(LCDR1)、配列番号:11(LCDR2)及び配列番号:12(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR又は(c)配列番号:13(HCDR1)、配列番号:14(HCDDR2)及び配列番号:15(HCDR3)のアミノ酸配列を含む重鎖CDR並びに配列番号:16(LCDR1)、配列番号:17(LCDR2)及び配列番号:18(LCDR3)のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRを含む。
【0142】
一部の実施態様では、抗PD-1抗体分子は、配列番号:19、21、23、25及び27から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
【0143】
一部の実施態様では、抗PD-1抗体分子は、配列番号:20、22、24、26及び28から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
【0144】
一部の実施態様では、抗PD-1抗体分子は、(a)配列番号:19のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン及び配列番号:20のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン、(b)配列番号:21のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン及び配列番号:22のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン、(c)配列番号:23のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン及び配列番号:24のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン、(d)配列番号:25のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン及び配列番号:26のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン又は(e)配列番号:27のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン及び配列番号:28のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
【0145】
一部の実施態様では、抗PD-1抗体は、(a)配列番号:29のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:30のアミノ酸配列を含む軽鎖、(b)配列番号:31のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:32のアミノ酸配列を含む軽鎖、(c)配列番号:33のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:34のアミノ酸配列を含む軽鎖、(d)配列番号:35のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:36のアミノ酸配列を含む軽鎖又は(e)配列番号:37のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:38のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0146】
好ましい実施態様では、抗PD-1抗体は、PD1-1である。
【0147】
好ましい実施態様では、抗PD-1抗体は、PD1-2である。
【0148】
好ましい実施態様では、抗PD-1抗体は、PD1-3である。
【0149】
好ましい実施態様では、抗PD-1抗体は、PD1-4である。
【0150】
好ましい実施態様では、抗PD-1抗体は、PD1-5である。
【0151】
一態様では、本発明は、過剰増殖性疾患、好ましくは、ガンを治療し並びに/又は予防する方法であって、それを必要とする患者に、治療上有効量のLRP5/LRP6アンタゴニスト(例えば、表1a、表1b、表1c、表2a、表2b、表2cのCDR及び/又はVHH配列により定義されたLRP5/LRP6#1、LRP5/LRP6#2、LRP5/LRP6#3、LRP5/LRP6#4、LRP5/LRP6#5、LRP5/LRP6#6のいずれか1つ)及び治療上有効量の抗PD-1抗体(例えば、表3及び表4のCDR及び/又はVH/VL配列により定義されたPD1-1、PD1-2、PD1-3、PD1-4、PD1-5のいずれか1つ)を投与することを含む、方法を提供する。好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:29のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:30のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:31のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:32のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:33のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:34のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0152】
別の態様では、本発明は、特に、過剰増殖性疾患、好ましくは、ガンを治療し並びに/又は予防する方法に使用するための、LRP5/LRP6アンタゴニスト(例えば、表1a、表1b、表1c、表2a、表2b、表2cのCDR及び/又はVHH配列により定義されたLRP5/LRP6#1、LRP5/LRP6#2、LRP5/LRP6#3、LRP5/LRP6#4、LRP5/LRP6#5、LRP5/LRP6#6のいずれか1つ)と本明細書に記載された抗PD-1抗体(例えば、表3及び表4のCDR及び/又はVH/VL配列により定義されたPD1-1、PD1-2、PD1-3、PD1-4、PD1-5のいずれか1つ)との組み合わせを提供する。ここで、前記方法は、治療上有効量の組み合わせを、それを必要とする患者に投与することを含む。好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:29のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:30のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:31のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:32のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:33のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:34のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0153】
別の態様では、本発明は、過剰増殖性疾患、好ましくは、ガンを治療し並びに/又は予防する方法に使用するための、LRP5/LRP6アンタゴニスト(例えば、表1a、表1b、表1c、表2a、表2b、表2cのCDR及び/又はVHH配列により定義されたLRP5/LRP6#1、LRP5/LRP6#2、LRP5/LRP6#3、LRP5/LRP6#4、LRP5/LRP6#5、LRP5/LRP6#6のいずれか1つ)を指す。ここで、前記方法は、治療上有効量のLRP5/LRP6アンタゴニストを本明細書に記載された抗PD-1抗体(例えば、表3及び表4のCDR及び/又はVH/VL配列により定義されたPD1-1、PD1-2、PD1-3、PD1-4、PD1-5のいずれか1つ)と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む。好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:29のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:30のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:31のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:32のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:33のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:34のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0154】
別の態様では、本発明は、過剰増殖性疾患、好ましくは、ガンを治療し並びに/又は予防する方法に使用するための、本明細書に記載された抗PD-1抗体(例えば、表3及び表4のCDR及び/又はVH/VL配列により定義されたPD1-1、PD1-2、PD1-3、PD1-4、PD1-5のいずれか1つ)を指す。前記方法は、治療上有効量の抗PD-1抗体をLRP5/LRP6アンタゴニスト(例えば、表1a、表1b、表1c、表2a、表2b、表2cのCDR及び/又はVHH配列により定義されたLRP5/LRP6#1、LRP5/LRP6#2、LRP5/LRP6#3、LRP5/LRP6#4、LRP5/LRP6#5、LRP5/LRP6#6のいずれか1つ)と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む。好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:29のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:30のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:31のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:32のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:33のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:34のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0155】
別の態様では、本発明は、1つ以上の容器に、
・LRP5/LRP6アンタゴニスト(例えば、表1a、表1b、表1c、表2a、表2b、表2cのCDR及び/又はVHH配列により定義されたLRP5/LRP6#1、LRP5/LRP6#2、LRP5/LRP6#3、LRP5/LRP6#4、LRP5/LRP6#5、LRP5/LRP6#6のいずれか1つ)と、場合により、1種以上の薬学的に許容し得る担体、賦形剤及び/又は媒体とを含む第1の医薬組成物又は剤形、
・本明細書に記載された抗PD-1抗体(例えば、表3及び表4のCDR及び/又はVH/VL配列により定義されたPD1-1、PD1-2、PD1-3、PD1-4、PD1-5のいずれか1つ)と、場合により、1種以上の薬学的に許容し得る担体、賦形剤及び/又は媒体とを含む第2の医薬組成物又は剤形並びに
・場合により、印刷された説明書を含む添付文書を含む、キットを指す。
【0156】
本発明のキットの好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:29のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:30のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。本発明のキットの好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:31のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:32のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。本発明のキットの好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:33のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:34のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0157】
好ましくは、添付文書は、それを必要とする患者における過剰増殖性疾患、特に、本明細書に記載されたガンの治療及び/又は予防における同時、同時、逐次、連続、交互又は別々の使用のための印刷された説明書を含む。
【0158】
別の態様では、本発明は、過剰増殖性疾患、好ましくは、本明細書に記載されたガンを治療し及び/又は予防する方法に使用するための、前述のキットに関する。
【0159】
別の態様では、本発明は、
・LRP5/LRP6アンタゴニスト(例えば、表1a、表1b、表1c、表2a、表2b、表2cのCDR及び/又はVHH配列により定義されたLRP5/LRP6#1、LRP5/LRP6#2、LRP5/LRP6#3、LRP5/LRP6#4、LRP5/LRP6#5、LRP5/LRP6#6のいずれか1つ)と、
・本明細書に記載された抗PD-1抗体(例えば、表3及び表4のCDR及び/又はVH/VL配列により定義されたPD1-1、PD1-2、PD1-3、PD1-4、PD1-5のいずれか1つ)と、
・場合により、1種以上の薬学的に許容し得る担体、賦形剤及び/又は媒体と
を含む、医薬組成物に関する。
【0160】
本発明の医薬組成物の好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:29のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:30のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。本発明の医薬組成物の好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:31のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:32のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。本発明の医薬組成物の好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:33のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:34のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0161】
別の態様では、本発明は、過剰増殖性疾患、好ましくは、本明細書に記載されたガンを治療し並びに/又は予防する方法に使用するための医薬組成物を製造するための、LRP5/LRP6アンタゴニスト(例えば、表1a、表1b、表1c、表2a、表2b、表2cのCDR及び/又はVHH配列により定義されたLRP5/LRP6#1、LRP5/LRP6#2、LRP5/LRP6#3、LRP5/LRP6#4、LRP5/LRP6#5、LRP5/LRP6#6のいずれか1つ)の使用を指す。ここで、LRP5/LRP6アンタゴニストは、本明細書に記載されたPD-1抗体(例えば、表3及び表4のCDR及び/又はVH/VL配列により定義されたPD1-1、PD1-2、PD1-3、PD1-4、PD1-5のいずれか1つ)と組み合わせ使用される。好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:29のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:30のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:31のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:32のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:33のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:34のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0162】
別の態様では、本発明は、過剰増殖性疾患、好ましくは、本明細書に記載されたガンを治療し並びに/又は予防する方法に使用するための医薬組成物を製造するための、本明細書に記載されたPD-1抗体(例えば、表3及び表4のCDR及び/又はVH/VL配列により定義されたPD1-1、PD1-2、PD1-3、PD1-4、PD1-5のいずれか1つ)の使用を指す。ここで、PD-1抗体は、LRP5/LRP6アンタゴニスト(例えば、表1a、表1b、表1c、表2a、表2b、表2cのCDR及び/又はVHH配列により定義されたLRP5/LRP6#1、LRP5/LRP6#2、LRP5/LRP6#3、LRP5/LRP6#4、LRP5/LRP6#5、LRP5/LRP6#6のいずれか1つ)と組み合わせ使用される。好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:29のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:30のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:31のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:32のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:33のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:34のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0163】
別の態様では、本発明は、過剰増殖性疾患、好ましくは、本明細書に記載されたガンを治療し並びに/又は予防する方法に使用するための医薬組成物を製造するための、LRP5/LRP6アンタゴニスト(例えば、表1a、表1b、表1c、表2a、表2b、表2cのCDR及び/又はVHH配列により定義されたLRP5/LRP6#1、LRP5/LRP6#2、LRP5/LRP6#3、LRP5/LRP6#4、LRP5/LRP6#5、LRP5/LRP6#6のいずれか1つ)及びPD-1抗体(例えば、表3及び表4のCDR及び/又はVH/VL配列により定義されたPD1-1、PD1-2、PD1-3、PD1-4、PD1-5のいずれか1つ)の使用を指す。好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:29のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:30のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:31のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:32のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:33のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:34のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0164】
別の態様では、本発明は、過剰増殖性疾患、好ましくは、本明細書に記載されたガンを治療し並びに/又は予防する方法に使用するための、LRP5/LRP6アンタゴニスト(例えば、表1a、表1b、表1c、表2a、表2b、表2cのCDR及び/又はVHH配列により定義されたLRP5/LRP6#1、LRP5/LRP6#2、LRP5/LRP6#3、LRP5/LRP6#4、LRP5/LRP6#5、LRP5/LRP6#6のいずれか1つ)及び抗PD-1抗体(例えば、表3及び表4のCDR及び/又はVH/VL配列により定義されたPD1-1、PD1-2、PD1-3、PD1-4、PD1-5のいずれか1つ)を含み、それらからなり又はそれらから本質的になる、それぞれ本明細書に記載された本発明の組み合わせ、医薬組成物又はキットを指す。好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:29のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:30のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:31のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:32のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。好ましい実施態様では、LRP5/LRP6アンタゴニストは、配列番号:64、配列番号:65又は配列番号:66のアミノ酸配列を含み、PD-1抗体は、配列番号:33のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:34のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0165】
LRP5/LRP6アンタゴニスト(例えば、LRP5/LRP6#1、LRP5/LRP6#2、LRP5/LRP6#3、LRP5/LRP6#4、LRP5/LRP6#5、LRP5/LRP6#6のいずれか1つ)に関する実施態様の順列は、PD-1アンタゴニストであるPD1-1、PD1-2、PD1-3、PD1-4、PD1-5に関する順列と共に、全てが具体的に開示されているとみなされかつ本発明の実施態様であるとみなされる特定の組み合わせ並びに以下に詳述される特定の投与/用量計画を適用する方法を含む使用及び/又は以下に詳述される特定のガンの処置のためのその組み合わせ、組成物、キット、方法、使用及び化合物の全てをもたらす。
【0166】
本明細書に記載されたLRP5/LRP6アンタゴニスト及び/又は抗PD1抗体のための投与経路は、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、経皮又は皮下注射又はインプラント)、経口、腸内、鼻腔、膣、直腸又は局所投与を含むが、これらに限定されない。好ましい実施態様では、投与経路は、静脈内投与、特に、静脈内注入又は注射である。本発明の化合物は、単独で又は共に、各投与経路に適した従来の非毒性の薬学的に許容し得る担体、賦形剤及び/又は媒体を含有する適切な剤形製剤に製剤化することができる。より好ましくは、製剤は、固体、半固体又は液体の剤形、例えば、凍結乾燥、液剤(例えば、注射可能及び注入可能な液剤)、分散剤又は懸濁剤、リポソーム及び坐剤を含む。好ましいモードは、意図される投与モード及び治療適用により決まる。特に好ましい実施態様は、液体製剤及び凍結乾燥を含む。凍結乾燥の場合、凍結乾燥物を液体、好ましくは、水中で再構成することができる。
【0167】
本明細書に記載された抗PD-1抗体の投与は、例えば、約0.1~30mg/kg 患者体重、例えば、約0.5~25mg/kg 患者体重、約1~20mg/kg 患者体重、約2~5mg/kg 患者体重又は約3mg/kg 患者体重の用量で、注射(例えば、皮下又は静脈内)によることができる。
【0168】
一部の実施態様では、抗PD-1抗体は、2週間毎に約10~20mg/kg 患者体重の用量で投与される。抗体分子は、20mg/分超、例えば、20~40mg/分、典型的には、40mg/分以上の速度での静脈内注入により投与して、約35~440mg/m2、典型的には、約70~310mg/m2、より典型的には、約110~130mg/m2の用量に到達させることができる。一部の実施態様では、約110~130mg/m2の注入速度により、約3mg/kg 患者体重のレベルが達成される。他の実施態様では、抗体分子を10mg/分未満、例えば、5mg/分以下の速度での静脈内注入により投与して、約1~100mg/m2、例えば、約5~50mg/m2、約7~25mg/m2又は約10mg/m2の用量に到達させることができる。一部の実施態様では、該抗体を約30分の期間にわたって注入する。
【0169】
本明細書に記載された抗PD-1抗体についての好ましい用量計画は、静脈内投与による1mg/kg 患者体重又は代替的には、3mg/kg 患者体重を含み、ここで、該抗体は、3週間毎又は4週間毎に与えられる。
【0170】
本明細書に記載されたLRP5/LRP6アンタゴニスト又はそれを含む組成物を、例えば、静脈内(i.v.)、皮下(s.c.)、筋肉内(i.m.)、腹腔内(i.p.)、経皮、経口、舌下(例えば、舌下錠剤の形態で、舌下に配置され、舌下の毛細血管網に粘膜を通して吸着されるスプレー又は液滴)、鼻(腔内)、(例えば、点鼻スプレーの形態及び/又はエアロゾルとして)、局所に、剤、吸入又は任意の他の適切な様式において、有効量又は用量で投与することができる。
【0171】
本明細書に記載されたLRP5/LRP6アンタゴニストは、一般的には、患者の体重1キログラム及び投与あたりに、0.005~20.0mg、好ましくは、0.05~10.0mg/kg/投与、より好ましくは、0.5~10mg/kg/投与の量で投与されるであろうが、特に、処置される具体的な疾患、障害又は状態、使用される具体的なLRP5/LRP6アンタゴニストの効力、具体的な投与経路及び使用される特定の医薬製剤又は組成物に応じて変化させることができる。このため、場合によっては、上記与えられた最少用量未満を使用することで十分である場合があり、一方、他の場合には、上限を超えなければならない場合もある。大量に投与する場合には、1日にわたって分散して少量ずつに分割するのが望ましい場合がある。
【0172】
緩和される状態の種類及び重症度により、用量値が変化する場合があることに留意されたい。さらに、任意の特定の対象について、特定の用量計画を、個々の必要性及び組成物の投与を管理し又は監督する人物の専門家の判断に従って、経時的に調節すべきであると理解されたい。
【0173】
本明細書に記載されたLRP5/LRP6アンタゴニスト及び抗PD1抗体を単回用量又は適切な時間隔で投与される分割用量で、治療上有効量で投与することができる。治療上有効量は、所望の治療結果を達成するのに必要な用量及び期間で有効な量を指し、疾患又は障害を予防し、改善し又は治療するのに必要な最少量である。本明細書に記載された化合物の治療上有効量は、個体の疾患状態、年齢、性別及び体重並びに個体において所望の応答を誘発する化合物の能力等の要因に従って変化する場合がある。また、治療上有効量は、化合物の任意の毒性又は有害な作用が、治療上有益な作用を下回る量でもある。治療上有効用量は、好ましくは、測定可能なパラメーター、例えば、腫瘍成長速度を、未処置の対象に対して又は処置されるべき同じ対象の以前の未処置期間に対して、少なくとも約20%、より好ましくは、少なくとも約40%、さらにより好ましくは、少なくとも約60%、さらにより好ましくは、少なくとも約80%阻害する。
【0174】
活性化合物を単剤療法において治療上有効な用量で又は単剤療法において使用される用量より低いかもしくは高い用量で投与することができるが、併用された場合、所望の(協同的に)治療上有効量がもたらされる。これは、例えば、所望の薬理学的又は治療的効果を依然として得ながら、それらが通常の量で使用される場合に、1種以上の物質又は原理の使用に関連する任意の望ましくない副作用を回避し、制限し又は低減するために有用である場合がある。
【0175】
処置に使用するのに必要とされる本明細書に記載された化合物の量を選択された特定の化合物、投与経路、処置される状態の性質及び患者の年齢及び状態に適合させることができ、最終的には、担当医又は臨床医の裁量によるであろう。また、本明細書に記載された化合物の用量をターゲット細胞、腫瘍、組織、移植片又は臓器に応じて適合させることができる。
【0176】
本明細書に記載されたLRP5/LRP6アンタゴニスト又は抗PD-1抗体の所望の用量を両方とも、患者における設定された血中濃度に到達するように、投与あたりに固定量として又はボーラスとして投与することができる。
【0177】
本発明において、LRP5/LRP6アンタゴニスト及び抗PD1抗体を従属的に(すなわち、1つの組成物中に共に混合されて)又は独立して(すなわち、別個の組成物として)のいずれかで処方されて投与することができると理解されたい。ここで、このような投与により、患者の体内の2つの化合物の治療上有効レベルが提供される。また、後者は、カクテル療法、例えば、3種以上の活性剤の投与にも適用される。すなわち、LRP5/LRP6アンタゴニスト及び抗PD1抗体を同じ医薬組成物/剤形の一部として又は好ましくは、別個の医薬組成物/剤形で投与することができる。投与が、別個の医薬組成物/投薬形態にある限り、本発明によれば、前記投与は、活性剤又は成分の同時、同時、逐次又は交互の投与を想定すると理解されたい。
【0178】
「同時(simultaneous)」(本明細書において、「同時(concomitant)」とも呼ばれる)という用語は、実質的に同時に両方の化合物/組成物を投与することを指す。
【0179】
同時投与は、同じ一般的な期間内に、例えば、同じ日に活性剤を投与することを含むが、必ずしも同時にでなくてもよい。
【0180】
連続投与は、1つ以上の用量を使用して、第1の期間(例えば、数時間、数日又は1週間にわたる)の間に一方の薬剤を投与し、続けて、1つ以上の用量を使用して、第2の期間(例えば、数時間、数日又は1週間にわたる)の間に他方の薬剤を投与することを含む。重複スケジュールも使用することができ、これは、処置期間にわたって異なる日に活性剤を投与することを含み、必ずしも規則的な順序に従う必要はない。代替的には、連続投与も想定され、第2の投与工程が、第1の化合物の投与が終了したら直ちに行われる。当業者であれば、第1の投与工程の終了を決定する方法を知っており、それにより、第2の投与工程を開始するのに適した時点を同定することが可能である。
【0181】
交互投与は、ある期間、例えば、数時間、数日又は1週間にわたって一方の薬剤を投与し、続けて、後続の期間、例えば、数時間、数日又は1週間にわたって他方の薬剤を投与し、ついで、このパターンを1つ以上のサイクルにわたって繰り返すことを含み、ここで、繰り返しの総回数は、選択された用量計画により決まる。
【0182】
これらの一般的なガイドラインの変形例も、例えば、使用される薬剤及び対象の状態に従って利用することができる。
【0183】
本発明の好ましい実施態様では、本発明の方法において、本明細書にそれぞれ記載されたLRP5/LRP6アンタゴニスト及び抗PD1抗体を第1の期間中に同時に又は同時期に(例えば、静脈内注入により又は皮下に)投与し、続けて、第2の期間中に、抗PD1抗体を(例えば、静脈内注入により又は皮下に)投与し、LRP5/LRP6アンタゴニストを投与しない。一部の実施態様では、第1の期間は、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチド及びPD1抗体を3週間毎に投与する場合、3週間又は6週間である。一部の実施態様では、第1の期間は、LRP5及びLRP6に特異的に結合可能なポリペプチド及びPD1抗体を4週間毎に投与する場合、4週間又は8週間である。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#1であり、抗PD-1抗体がPD1-1である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#5であり、抗PD-1抗体がPD1-1である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#6であり、抗PD-1抗体がPD1-1である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#1であり、抗PD-1抗体がPD1-2である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#5であり、抗PD-1抗体がPD1-2である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#6であり、抗PD-1抗体がPD1-2である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#1であり、抗PD-1抗体がPD1-3である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#5であり、抗PD-1抗体がPD1-3である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#6であり、抗PD-1抗体がPD1-3である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。
【0184】
本発明の別の好ましい実施態様では、本明細書に記載されたLRP5/LRP6アンタゴニスト及び抗PD1抗体を両方とも、第1の期間(例えば、3週間又は6週間)の間、3週間毎に(静脈内注入により又は皮下に同時に又は同時期に)投与し、ついで、抗PD1抗体を、例えば、第2の期間の間、3週間毎に(例えば、静脈内注入により又は皮下に)投与する。例えば、LRP5/LRP6アンタゴニスト及び抗PD1抗体を(i)1週目又は(ii)1週目及び4週目に同時に又は同時期に(例えば、静脈内注入により又は皮下に)投与し、ついで、PD1抗体を、例えば、7週目、10週目及びPD1抗体を処置が終了するまで任意のその後の3週目(13週目、16週目等)に投与する。選択肢(i)の場合、PD1抗体を4週目に予め単独で投与する(すなわち、選択肢(ii)におけるようなLRP5アンタゴニストとの併用投与の代わりに)。
【0185】
この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#1であり、抗PD-1抗体がPD1-1である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#5であり、抗PD-1抗体がPD1-1である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#6であり、抗PD-1抗体がPD1-1である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#1であり、抗PD-1抗体がPD1-2である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#5であり、抗PD-1抗体がPD1-2である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#6であり、抗PD-1抗体がPD1-2である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#1であり、抗PD-1抗体がPD1-3である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#5であり、抗PD-1抗体がPD1-3である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#6であり、抗PD-1抗体がPD1-3である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。
【0186】
本発明の別の好ましい実施態様では、本明細書に記載されたLRP5/LRP6アンタゴニスト及び抗PD-1抗体の両方を第1の期間(例えば、4週間又は8週間)の間、4週間毎に(静脈内注入により又は皮下に同時に又は同時期に)投与し、ついで、抗PD1抗体を、例えば、第2の期間の間、4週間毎に(例えば、静脈内注入により又は皮下に)投与する。例えば、LRP5/LRP6アンタゴニスト及び抗PD1抗体を(i)1週目又は(ii)1週目及び5週目に同時に又は同時期に(例えば、静脈内注入により又は皮下に)投与し、ついで、PD1抗体を、例えば、9週目、13週目及び処置が終了するまで任意のその後の4週間(17週目、21週目等)に投与する。選択肢(i)の場合、PD1抗体を5週目に予め単独で投与する(すなわち、選択肢(ii)におけるようなLRP5アンタゴニストとの併用投与の代わりに)。
【0187】
この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#1であり、抗PD-1抗体がPD1-1である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#5であり、抗PD-1抗体がPD1-1である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#6であり、抗PD-1抗体がPD1-1である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#1であり、抗PD-1抗体がPD1-2である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#5であり、抗PD-1抗体がPD1-2である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#6であり、抗PD-1抗体がPD1-2である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#1であり、抗PD-1抗体がPD1-3である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#5であり、抗PD-1抗体がPD1-3である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#6であり、抗PD-1抗体がPD1-3である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。
【0188】
好ましくは、本明細書に記載されたLRP5/LRP6アンタゴニスト(例えば、約0.5~10mg/kg 患者体重)及び本明細書に記載された抗PD1抗体(例えば、2、3、4又は5mg/kg 患者体重のいずれか1つの用量)を両方とも、第1の期間(例えば、1回目又は2回目の投与に対応する)の間、3週間又は4週間毎に(静脈内注入により又は皮下に同時に又は同時期に)投与し、ついで、抗PD1抗体を、例えば、第2の期間の間、3週間又は4週間毎に(例えば、静脈内注入により又は皮下に)投与する。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#1であり、抗PD-1抗体がPD1-1である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#5であり、抗PD-1抗体がPD1-1である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#6であり、抗PD-1抗体がPD1-1である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#1であり、抗PD-1抗体がPD1-2である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#5であり、抗PD-1抗体がPD1-2である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#6であり、抗PD-1抗体がPD1-2である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#1であり、抗PD-1抗体がPD1-3である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#5であり、抗PD-1抗体がPD1-3である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。この投与スケジュールは、LRP5/LRP6アンタゴニストがLRP5/LRP6#6であり、抗PD-1抗体がPD1-3である場合に利用されるのが特に好ましい。さらにより好ましくは、この投与スケジュールは、消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガンもしくは肺ガン(チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の消化管ガン、メラノーマ、膀胱ガン及び肺ガンを含む)又はチェックポイント阻害剤療法に不応性もしくは抵抗性の任意の固形腫瘍の処置に利用される。
【0189】
本発明の一部の実施態様では、本明細書に記載されたLRP5/LRP6アンタゴニスト及び抗PD1抗体を両方とも、第1の期間(例えば、1回目又は2回目の投与に対応する)の間、3週間又は4週間毎に(静脈内注入により又は皮下に同時に又は同時期に)投与し、ついで、抗PD1抗体を第2の期間の間、1週間毎、2週間毎、3週間毎に又は1か月毎に(例えば、静脈内注入により又は皮下に)投与する。
【0190】
処置される疾患に応じて、本明細書で定義された併用療法をそれ自体で又は、特に、血管新生、ガン細胞におけるシグナル伝達経路又は有糸分裂チェックポイントを阻害する化学療法剤又は治療活性化合物から選択される1種以上の追加の治療剤との更なる組み合わせで使用することができる。
【0191】
追加の治療剤をLRP5/LRP6アンタゴニスト及び/又はPD1抗体の投与と同時に、場合により、同じ医薬調製物の成分として又は同投与の前もしくは後に投与することができる。
【0192】
この/これらの追加の治療剤を(それぞれ)下記から選択することができる(ただし、これらに限定されない)。
【0193】
・免疫療法剤、例えば、下記チェックポイント阻害剤::TIM3、PD-L1、PD-L2、CTLA-4、VISTA、BTLA、TIGIT、CD160、LAIR1、2B4、CEACAM
のモデュレーター、
・ガンワクチン、
・DNA損傷剤、
・血管新生の阻害剤、
・シグナル伝達経路の阻害剤、
・有糸分裂チェックポイントの阻害剤並びに
・ホルモン、ホルモンアナログ及び抗ホルモン剤(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、フルベストラント、酢酸メゲストロール、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、アミノグルテチミド、酢酸シプロテロン、フィナステリド、酢酸ブセレリン、フルドロコルチゾン、フルオキシメステロン、メドロキシプロゲステロン、オクトレオチド)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、リアロゾール、ボロゾール、エキセメスタン、アタメスタン)、LHRHアゴニスト及びアンタゴニスト(例えば、酢酸ゴセレリン、リュープロリド)、成長因子(成長因子、例えば、「血小板由来成長因子(PDGF)」、「線維芽細胞成長因子(FGF)」、「血管内皮成長因子(VEGF)」、「上皮成長因子(EGF)」、「インスリン様成長因子(IGF)」、「ヒト上皮成長因子(HER、例えば、HER2、HER3、HER4)」及び「肝細胞成長因子(HGF)」等)の阻害剤、例えば、「成長因子」抗体、「成長因子レセプター」抗体並びにチロシンキナーゼ阻害剤、例えば、セツキシマブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ボスチニブ及びトラスツズマブ等、代謝拮抗剤(例えば、葉酸拮抗剤、例えば、メトトレキサート、ラルチトレキセド、ピリミジンアナログ、例えば、5-フルオロウラシル(5-FU)、カペシタビン及びゲムシタビン、プリン及びアデノシンアナログ、例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、クラドリビン及びペントスタチン、シタラビン(ara C)、フルダラビン);抗腫瘍抗生物質(例えば、アントラサイクリン、例えば、ドキソルビシン、ドキシル(ペグ化リポソームドキソルビシン塩酸塩)、ミオセット(非ペグ化リポソームドキソルビシン)、ダウノルビシン、エピルビシン及びイダルビシン、マイトマイシン-C、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ストレプトゾシン)、白金誘導体(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン)、アルキル化剤(例えば、エストラムスチン、メクロレタミン、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、ダカルバジン、シクロホスファミド、イホスファミド、テモゾロミド、ニトロソウレア、例えば、カルムスチン及びロムスチン等、チオテパ)、抗有糸分裂剤(例えば、ビンカアルカロイド、例えば、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン及びビンクリスチン等並びにタキサン、例えば、パクリタキセル、ドセタキセル)、血管新生阻害剤(例えば、タスキニモッド)、チューブリン阻害剤、DNA合成阻害剤(例えば、サパシタビン)、PARP阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エピポドフィロトキシン、例えば、エトポシド及びエトポフォス、テニポシド、アムサクリン、トポテカン、イリノテカン、ミトキサントロン等)、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤(例えば、PDK1阻害剤、Raf阻害剤、A-Raf阻害剤、B-Raf阻害剤、C-Raf阻害剤、mTOR阻害剤、mTORC1/2阻害剤、PI3K阻害剤、PI3Kα阻害剤、二重mTOR/PI3K阻害剤、STK33阻害剤、AKT阻害剤、PLK1阻害剤、CDKの阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、PTK2/FAK阻害剤)、タンパク質-タンパク質相互作用阻害剤(例えば、IAPアクチベーター、Mcl-1、MDM2/MDMX)、MEK阻害剤(例えば、ピマセルチブ)、ERK阻害剤、FLT3阻害剤(例:キザルチニブ)、BRD4阻害剤、IGF-1R阻害剤、TRAILR2アゴニスト、Bcl-xL阻害剤、Bcl-2阻害剤(例えば、ベネトクラクス)、Bcl-2/Bcl-xL阻害剤、ErbBレセプター阻害剤、BCR-ABL阻害剤、ABL阻害剤、Src阻害剤、ラパマイシンアナログ(例えば、エベロリムス、テムシロリムス、リダフォロリムス、シロリムス)、アンドロゲン合成阻害剤(例えば、アビラテロン、TAK-700)、アンドロゲンレセプター阻害剤(例えば、エンザルタミド、ARN-509)、免疫療法(例えば、シプロイセル-T)DNMT阻害剤(例えば、SGI110、テモゾロミド、ボサロキシン)、HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット、エンチノスタット、パラシノスタット、パノビノスタット)、ANG1/2阻害剤(例えば、トレバナニブ)、CYP17阻害剤(例えば、ガレテロン)、放射性医薬品(例えば、ラジウム-223、アルファラジン)、免疫療法剤(例えば、ポックスウイルス系ワクチン、イピリムマブ、免疫チェックポイント阻害剤)並びに種々の化学療法剤、例えば、アミホスチン、アナグレリド、クロドロナット、フィルグラスチン、インターフェロン、インターフェロンアルファ、ロイコボリン、リツキシマブ、プロカルバジン、レバミソール、メスナ、ミトタン、パミドロナート及びポルフィマー、2-クロロデスオキシアデノシン、2-フルオロデスオキシシチジン、2-メトキシエストラジオール、2C4、3-アレチン、131-I-TM-601、3CPA、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン、16-アザ-エポチロンB、ABT-199、ABT-263/ナビトクラクス、ABT-737、A105972、A204197、アルデスロイキン、アリセルチブ/MLN8237、アリトレチノイン、アロベクチン-7、アルトレタミン、アルボシジブ、アモナフィド、アントラピラゾール、AG-2037、AP-5280、アパジコン、アポミン、アラノース、アルグラビン、アルゾキシフェン、アタメスタン、アトラセンタン、アウリスタチンPE、AVLB、AZ10992、ABX-EGF、AMG-479(ガニツマブ)、AMG-232、AMG-511、AMG2520765、AMG2112819、ARRY162、ARRY438162、ARRY-300、ARRY-142886/AZD-6244(セルメチニブ)、ARRY-704/AZD-8330、ATSP-7041、AR-12、AR-42、AS-703988、AXL-1717、AZD-1480、AZD-4547、AZD-8055、AZD-5363、AZD-6244、AZD-7762、ARQ-736、ARQ680、AS-703026(プリマセルチブ)、アバスチン、AZD-2014、アザシチジン(5-aza)、アザエポチロンB、アゾナフィド、バラセルチブ/AZD1152、BAY-43-9006、BAY80-6946、BBR-3464、BBR-3576、ベバシズマブ、BEZ-235/ダクトリシブ、ビリコダールジシトラート、ビリナパント、BCX-1777、BKM-120/ブパルリシブ、ブレオシン、BLP-25、BMS-184476、BMS-247550、BMS-188797、BMS-275291、BMS-663513、BMS-754807、BNP-1350、BNP-7787、BIBW2992/アファチニブ、BIBF1120/ニンテダニブ、BI836845、BI2536、BI6727/ボラセルチブ、BI836845、BI847325、BI853520、BIIB-022、ブレオマイシン酸、ブレオマイシンA、ブレオマイシンB、ブリバニブ、ブリオスタチン-1、ボルテゾミブ、ブロスタリシン、ブスルファン、BYL-719/アルペリシブ、CA-4プロドラッグ、CA-4、カバジタキセル、カボザンチニブ、CapCell、カルシトリオール、カネルチニブ、カンフォスファミド、カペシタビン、カルボキシフタラトプラチン、CCI-779、CC-115、CC-223、CEP-701、CEP-751、CBT-1、セフィキシム、セフラトニン、セフトリアキソン、セレコキシブ、セルモロイキン、セマドチン、CGM-097、CH4987655/RO-4987655、クロロトリアニセン、シレンギチド、シクロスポリン、CD20抗体、CDA-II、CDC-394、CKD-602、CKI-27、クロファラビン、コルヒチン、コンブレタスタチンA4、COT阻害剤、CHS-828、CH-5132799、CLL-ゼータ、CMT-3、クリプトフィシン52、CPI-613、CTP-37、CTLA-4モノクローナル抗体(例えば、イピリムマブ)、CP-461、クリゾチニブ、CV-247、シアノモルホリノドキソビシン、シタラビン、D24851、ダサチニブ、デシタビン、デオキソルビシン、デオキシルビシン、デオキシコホルマイシン、デプシペプチド、デオキシエポチロンB、デキサメタゾン、デクスラゾキサネット、ジエチルスチルベストロール、ジフロモテカン、ジドックス、DMDC、ドラスタチン10、ドラニダゾール、DS-7423、DS-3032、E7010、E-6201、エダトレキサット、エドトレオチド、エファプロキシラル、エフロルニチン、EGFR阻害剤、EKB-569、EKB-509、エンザスタウリン、エレスクロモール、エルサミトルシン、エポチロンB、エプラツズマブ、EPZ-004777、ER-86526、エルロチニブ、ET-18-OCH3、エチニルシチジン、エチニルエストラジオール、エキサテカン、エキサテカンメシラート、エキセメスタン、エキシスリンド、フェンレチニド、フィギツムマブ、フロクスウリジン、葉酸、FOLFOX、FOLFOX4、FOLFIRI、ホルメスタン、ホスタマチニブ、ホテムスチン、ガラルビシン、ガリウムマルトラート、ガネテスピブ、ゲフィニチブ、ゲムツズマブ、ゲムツズマブオゾガミシン、ギマテカン、グルホスファミド、GCS-IOO、GDC-0623、GDC-0941(ピクトレリシブ)、GDC-0980、GDC-0032、GDC-0068、GDC-0349、GDC-0879、G17DT免疫原、GMK、GMX-1778、GPX-100、gp100-ペプチドワクチン、GSK-5126766、GSK-690693、GSK-1120212(トラメチニブ)、GSK-1995010、GSK-2118436(ダブラフェニブ)、GSK-2126458、GSK-2132231A、GSK-2334470、GSK-2110183、GSK-2141795、GSK-2636771、GSK-525762A/I-BET-762、GW2016、グラニセトロン、ヘルセプチン、ヘキサメチルメラミン、ヒスタミン、ホモハリングトニン、ヒアルロン酸、ヒドロキシウレア、ヒドロキシプロゲステロンカプロアート、HDM-201、イバンドロナート、イブリツモマブ、イブルチニブ/PCI-32765、イダサヌトリン、イダトレキサート、イデラリシブ/CAL-101、イデネストロール、IDN-5109、IGF-1R阻害剤、IMC-1C11、IMC-A12(シクスツムマブ)、イムノール、インジスラム、インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、ペグ化インターフェロンアルファ-2b、インターロイキン-2、INK-1117、INK-128、INSM-18、イオナファルニブ、イプロプラチン、イロフルベン、イソホモハリコンドリン-B、イソフラボン、イソトレチノイン、イキサベピロン、JRX-2、JSF-154、JQ-1、J-107088、コンジュゲートエストロゲン、カハリドF、ケトコナゾール、KW-2170、KW-2450、KU-55933、LCL-161、ロバプラチン、レフルノミド、レナリドミド、レノグラスチム、リュープロリド、リューポレリン、レキシドロナム、LGD-1550、リネゾリド、ロバスタチン、ルテチウムテキサフィリン、ロメトレキソール、ロニダミン、ロソキサントロン、LU223651、ルルビネクテジン、ルルトテカン、LY-S6AKT1、LY-2780301、LY-2109761/ガルニセルチブ、マホスファミド、マリマスタット、マソプロコール、メクロロエタミン、MEK阻害剤、MEK-162、メチルテストステロン、メチルプレドニゾロン、MEDI-573、MEN-10755、MDX-H210、MDX-447、MDX-1379、MGV、ミドスタウリン、ミノドロン酸、マイトマイシン、ミボブリン、MK-2206、MK-0646(ダロツズマブ)、MLN518、MLN-0
128、MLN-2480、モテキサフィンガドリニウム、MS-209、MS-275、MX6、ネリドロナート、ネラチニブ、ネキサバー、ネオバスタット、ニロチニブ、ニメスリド、ニトログリセリン、ノラトレキセド、ノレリン、N-アセチルシステイン、NU-744106-ベンジルグアニン、オブリメルセン、オメプラゾール、オラパリブ、オンコファージ、oncoVEXGM-CSF、オルミプラチン、オルタタキセル、OX44抗体、OSI-027、OSI-906(リンシチニブ)、4-1BB抗体、オキサントラゾール、エストロゲン、オナプリストン、パルボシクリブ/PD-0332991、パニツムマブ、パノビノスタット、パツピロン、パゾパニブ、ペグフィルグラスチム、PCK-3145、ペグフィルグラスチム、PBI-1402、PBI-05204、PD0325901、PD-1及びPD-L1抗体(例えば、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、ピジリズマブ、MEDI-4736/デュルバルマブ、RG-7446/アテゾリズマブ)、PD-616、PEG-パクリタキセル、アルブミン安定化パクリタキセル、PEP-005、PF-05197281、PF-05212384、PF-04691502、PF-3758309、PHA-665752、PHT-427、P-04、PKC412、P54、PI-88、ペリチニブ、ペメトレキセド、ペントリクス、ペリフォシン、ペリリルアルコール、ペルツズマブ、ペボネジスタット、PI3K阻害剤、PI3K/mTOR阻害剤、PG-TXL、PG2、PLX-4032/RO-5185426(ベムラフェニブ)、PLX-3603/RO-5212054、PT-100、PWT-33597、PX-866、ピコプラチン、ピバロイルオキシメチルブチラート、ピキサントロン、フェノキソジオールO、PKI166、プレビトレキセド、プリカマイシン、ポリプレン酸、ポナチニブ、ポルフィロマイシン、ポサコナゾール、プレドニゾン、プレドニゾロン、PRT-062607、キナメッド、キヌプリスチン、キザルチニブ/AC220、R115777、RAF-265、ラモセトロン、ランプリナーゼ、RDEA-119/BAY869766、RDEA-436、レベカマイシンアナログ、レセプターチロシンキナーゼ(RTK)阻害剤、レビミド、RG-7167、RG-7112、RG-7304、RG-7421、RG-7321、RG-7356、RG7440、RG-7775、リゾキシン、rhu-MAb、リゴセルチブ、リンファバート、リセドロナート、リツキシマブ、ロバツムマブ、ロフェコキシブ、ロミデプシン、RO-4929097、RO-31-7453、RO-5126766、RO-5068760、RPR109881A、ルビダゾン、ルビテカン、R-フルルビプロフェン、RX-0201、ルキソリチニブ、S-9788、サバルビシン、SAHA、サパシタビン、SAR-405838、サルグラモスチム、サトラプラチン、SB-408075、SB-431542、Se-015/Ve-015、SU5416、SU6668、SDX-101、セリネクソル、セムスチン、セオカルチトール、SM-11355、SN-38、SN-4071、SR-27897、SR-31747、SR-13668、SRL-172、ソラフェニブ、スピロプラチン、スクアラミン、STF-31、スベラニロヒドロキサム酸、ステント、T900607、T138067、TAE-684、TAK-733、TAS-103、タセジナリン、タラポルフィン、タネスピマイシン、タルセバ、タリキタール、タシスラム、タクソテレ、タキソプレキシン、タザロテン、テガフール、テモゾラミド、テスミリフェン、テストステロン、プロピオン酸テストステロン、テスミリフェン、テトラプラチン、テトロドトキシン、テザシタビン、サリドマイド、テラルクス、テラルビシン、チマルファシン、チメクタシン、チアゾフリン、チピファルニブ、チラパザミン、トクラデシン、トムデックス、トレモフィン、トセドスタット、トラベクテジン、TransMID-107、トランスレチン酸、トラスツズマブ、トレメリムマブ、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリアピン、トリシリビン、トリメトレキサート、TLK-286TXD258、チケルブ/チベルブ、ウロシジン、バルプロ酸、バルルビシン、バンデタニブ、バタラニブ、ビンクリスチン、ビンフルニン、ビルリジン、ビスモデギブ、ボサロキシン、WX-UK1、WX-554、ベクチビックス、XAV-939、キセロダ、XELOX、XL-147、XL-228、XL-281、XL-518/R-7420/GDC-0973、XL-765、YM-511、YM-598、ZD-4190、ZD-6474、ZD-4054、ZD-0473、ZD-6126、ZD-9331、ZDI839、ZSTK-474、ゾレドロナット及びゾスキダール。
【0194】
一部の実施態様では、記載された併用療法は、何等追加の化学療法剤も伴わずに、本明細書に記載されたLRP5/LRP6アンタゴニスト及び抗PD-1抗体を含む。
【0195】
過剰増殖性疾患/ガン
本発明(全ての実施態様を含む)の組み合わせ、組成物、キット、使用、方法及び使用のための化合物は、過剰増殖性疾患、特に、ガンの治療及び/又は予防に有用である。
【0196】
特定の実施態様では、本発明(全ての実施態様を含む)の組み合わせ、組成物、キット、使用、方法及び使用のための化合物は、過剰増殖性疾患、特に、ガンの処置に有用である。
【0197】
本明細書で使用する場合、「過剰増殖性疾患」は、細胞増殖が正常レベルを超えて増加する状態を指す。例えば、過剰増殖性疾患又は障害は、悪性疾患(例えば、食道ガン、結腸ガン、胆道ガン)及び非悪性疾患(例えば、アテローム性動脈硬化症、良性過形成、良性前立腺肥大)を含む。
【0198】
好ましい実施態様では、過剰増殖性障害は、ガンである。好ましい実施態様では、前記ガンは、突然変異/不活性化RNF43又は活性化R-スポンジン融合転写物を有することを特徴とする。
【0199】
ガンは、2つの方法:ガンが発生する組織の種類(組織型)と、原発部位又はガンが最初に発生した体内の位置により分類される。ガンが発生する最も一般的な部位は、皮膚、肺、乳房、前立腺、結腸及び直腸、子宮頸部及び子宮並びに血液学的区分を含む。
【0200】
本発明(全ての実施態様を含む)の組み合わせ、組成物、キット、使用、方法、及び使用のための化合物は、各種の過剰増殖性障害、特に、例えば、下記:
・消化管ガン、例えば、食道ガン(例えば、胃食道接合部ガン)、胃(胃部)ガン、肝細胞ガン、胆道ガン(例えば、胆管ガン)、胆嚢ガン、膵臓ガン又は結腸直腸ガン(CRC)、
・メラノーマ、
・膀胱ガン及び
・肺ガン(例えば、NSCLC)
を含むが、これらに限定されないガンの処置に有用であることができる。
【0201】
本発明の一部の実施態様では、本発明(全ての実施態様を含む)の組み合わせ、組成物、キット、使用、方法及び使用のための化合物は、消化管ガン、好ましくは、食道ガン(例えば、胃食道接合部ガン)、胃(胃部)ガン、肝細胞ガン、胆道ガン(例えば、胆管ガン)、胆嚢ガン、膵臓ガン又は結腸直腸ガン(CRC)を処置するのに使用される。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。
【0202】
本発明の一部の実施態様では、本発明(全ての実施態様を含む)の組み合わせ、組成物、キット、使用、方法及び使用のための化合物は、メラノーマの処置に使用される。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。
【0203】
本発明の一部の実施態様では、本発明(全ての実施態様を含む)の組み合わせ、組成物、キット、使用、方法及び使用のための化合物は、膀胱ガンの処置に使用される。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。
【0204】
本発明の一部の実施態様では、本発明(全ての実施態様を含む)の組み合わせ、組成物、キット、使用、方法及び使用のための化合物は、肺ガン(例えば、非小細胞肺ガンNSCLC)の処置に使用される。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。
【0205】
本発明の更なる実施態様では、本発明(全ての実施態様を含む)の組み合わせ、組成物、キット、使用、方法及び使用のための化合物は、チェックポイント阻害剤又は免疫モデュレーターによる処置に関して治療ナイーブであるガン患者、すなわち、例えば、抗PD-1抗体による処置に関して治療ナイーブである患者(例えば、(i)消化管ガン、例えば、食道ガン、胃ガン、肝細胞ガン、胆道ガン、胆嚢ガン、膵臓ガンもしくは結腸直腸ガン、(ii)メラノーマ、(iii)膀胱ガン又は(iv)肺ガンを患う患者)の処置に使用される。一実施態様では、前記ガンは、突然変異/不活性化RNF43又は活性化R-スポンジン融合転写物を有することを特徴とする。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。
【0206】
本発明の更なる実施態様では、本発明(全ての実施態様を含む)の組み合わせ、組成物、キット、使用、方法及び使用のための化合物は、チェックポイント阻害剤又は免疫モデュレーターによる処置中、同処置に引き続き又は同処置後に再発したガン患者、すなわち、例えば、PD-1アンタゴニスト、例えば、抗PD-1抗体による処置中、同処置のその後又は同処置後に再発した患者(例えば、(i)消化管ガン、例えば、食道ガン、胃ガン、肝細胞ガン、胆道ガン、胆嚢ガン、膵臓ガンもしくは結腸直腸ガン、(ii)メラノーマ、(iii)膀胱ガン又は(iv)肺ガンを患う患者)の処置に使用される。一実施態様では、前記ガンは、突然変異/不活性化RNF43又は活性化R-スポンジン融合転写物を有することを特徴とする。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。
【0207】
本発明の併用療法の治療的適用性は、患者(例えば、(i)消化管ガン、例えば、食道ガン、胃ガン、肝細胞ガン、胆道ガン、胆嚢ガン、膵臓ガン又は結腸直腸ガン、(ii)メラノーマ、(iii)膀胱ガン又は(iv)肺ガンを患う患者)の処置の第1段階、第2段階、第3段階又は更なる段階を含むことができる。ガンは、転移性、再発性、再発性、1種以上の抗ガン処置に抵抗性又は不応性である場合がある。このため、患者は、処置ナイーブである場合があり又は疾患が完全に治癒しなかった1種以上の以前の抗ガン療法を受けている場合がある。
【0208】
また、再発及び/又は1種以上の抗ガン剤(例えば、組み合わせの単一成分又は標準的な化学療法剤)に対する抵抗性を有する患者は、本発明の併用処置、例えば、追加の組み合わせとして又は置換処置として、例えば、第2又は第3段階の処置サイクルを(場合により、1種以上の他の抗ガン剤とさらに組み合わせて)受けることもできる。
【0209】
したがって、本発明の開示された併用療法の一部は、ガンが再発したか又はガンが薬剤抵抗性もしくは多剤抵抗性になったか又はガンが1種以上の抗ガン剤(例えば、組み合わせの単一成分又は標準的な化学療法剤)による1つ、2つ以上の段階の単剤療法もしくは併用療法に失敗した対象(例えば、(i)消化管ガン、例えば、食道ガン、胃ガン、肝細胞ガン、胆道ガン、胆嚢ガン、膵臓ガン又は結腸直腸ガン、(ii)メラノーマ、(iii)膀胱ガン又は(iv)肺ガンを患う患者)を処置するのに有効である。
【0210】
最初は抗ガン剤に応答したガンは再発する場合があり、例えば、抗ガン剤の増量投与にもかかわらず、抗ガン剤がガンを有する対象を処置するのにもはや有効でなくなった場合に、抗ガン剤に抵抗性になる場合がある。2種類以上の抗ガン剤に抵抗性に発展したガンは、多剤抵抗性であると言われる。
【0211】
好ましい実施態様では、本発明(全ての実施態様を含む)の組み合わせ、組成物、キット、使用、方法及び使用のための化合物は、1種以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は免疫モデュレーター、例えば、1種以上のPD-1アンタゴニスト、例えば、抗PD1抗体により以前に処置されたガン患者(例えば、(i)消化管ガン、例えば、食道ガン、胃ガン、肝細胞ガン、胆道ガン、胆嚢ガン、膵臓ガン又は結腸直腸ガン、(ii)メラノーマ、(iii)膀胱ガン又は(iv)肺ガンを患う患者)の処置に使用される。一実施態様では、前記ガンは、突然変異/不活性化RNF43又は活性化R-スポンジン融合転写物を有することを特徴とする。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。
【0212】
さらに好ましい実施態様では、本発明(全ての実施態様を含む)の組み合わせ、組成物、キット、使用、方法及び使用のための化合物は、チェックポイント阻害剤療法(例えば、1種以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は免疫モデュレーター、例えば、1種以上のPD-1アンタゴニスト、例えば、抗PD1抗体による処置)に不応性又は抵抗性のガン患者(例えば、(i)消化管ガン、例えば、食道ガン、胃ガン、肝細胞ガン、胆道ガン、胆嚢ガン、膵臓ガン又は結腸直腸ガン、(ii)メラノーマ、(iii)膀胱ガン又は(iv)肺ガンを患う患者)の処置に使用される。一実施態様では、前記ガンは、突然変異/不活性化RNF43又は活性化R-スポンジン融合転写物を有することを特徴とする。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。
【0213】
代替的な好ましい実施態様では、本発明(全ての実施態様を含む)の使用のための組み合わせ、組成物、キット、使用、方法及び化合物は、チェックポイント阻害剤療法(例えば、1種以上の免疫チェックポイント阻害剤及び/又は免疫モデュレーター、例えば、1種以上のPD-1アンタゴニスト、例えば、抗PD1抗体による処置)に不応性又は抵抗性の任意の固形腫瘍を患うガン患者の処置に使用される。一実施態様では、前記ガンは、突然変異/不活性化RNF43又は活性化R-スポンジン融合転写物を有することを特徴とする。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。固形腫瘍の例は、当技術分野において十分公知である。同様に、不応性又は抵抗性という用語も、当業者に公知であり、本明細書において、当技術分野において利用される定義に従って使用される。
【0214】
免疫チェックポイント阻害剤療法に不応性又は抵抗性の腫瘍は、本明細書において、「免疫療法抵抗性腫瘍」又は「免疫療法抵抗性非T細胞炎症性腫瘍」とも呼ばれる。近年、多くの腫瘍の微小環境において、特異的免疫細胞の高発現を見出すことができることが見出された。これは、当技術分野において、「T細胞炎症表現型」と呼ばれ、この表現型が治療ワクチン及びチェックポイント遮断抗体、例えば、抗PD-1抗体を含む複数の免疫療法による処置に感受性である腫瘍と相関することが観察されている。一方、特定の腫瘍は、その微小環境において、免疫細胞のこの発現を欠いている。これらの腫瘍は、当技術分野において、「非T細胞炎症性腫瘍」と呼ばれ、これらの腫瘍は、特に、抗PD-1抗体による免疫療法に対する臨床的利益を欠くことが見出された。本発明によれば、活性Wntシグナル伝達を有する後者のタイプの腫瘍は、特許請求される併用療法に好ましいターゲットである。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-1により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-2により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#1及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#5及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。これらのガンは、LRP5/LRP6アンタゴニストとしてのLRP5/LRP6#6及び抗PD-1抗体としてのPD1-3により処置されるのが特に好ましい。
【0215】
本発明は、本明細書に記載された特定の実施態様による範囲に限定されるものではない。本明細書に記載されたものに加えて、本発明の種々の変更が、本開示から当業者に明らかとなるであろう。このような変更は、添付の特許請求の範囲の範囲内にあることが意図される。
【0216】
本明細書で引用された全ての特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0217】
実施例1
Balb/cマウスの乳ガン細胞系統EMT6から得られた皮下同系マウスモデルにおける例示的LRP5/LRP6のPD-1に対するマウス抗体との組み合わせでの抗腫瘍活性
例示的なLRP5/6アンタゴニストの効力をマウス乳ガン(EMT6)のs.c.細胞系統由来同系モデルにおいて、単剤として及びPD-1に対するマウス抗体と組み合わせて試験した。
【0218】
BALB/cJBomTacマウスをこの研究に使用した。マウス1匹あたりに1×10個 EMT6乳ガン細胞を注射して、腫瘍を確立した。腫瘍体積を、キャリパーを使用して1週間あたりに少なくとも3回測定した。腫瘍体積の中央値が約200mm3に達した時点で、処置を開始し、30日後に終了した。
【0219】
10匹の腫瘍を有する動物を、例示的なLRP5/LRP6により、週2回静脈内(i.v.)で、例示的なマウスPD-1抗体により、週2回i.p.で又は両化合物の組み合わせで処置した。10匹の動物を媒体/アイソタイプ対照処置群に使用した。動物を、腫瘍塊(腫瘍≧1.5cm3)に基づいて、倫理的理由で研究の終了時に安楽死させた。
【0220】
細胞
EMT6細胞をATCCから入手した(カタログ番号ATCC(登録商標)CRL2755(商標))。マスター細胞バンク(MCB)及び作業細胞バンク(WCB)を確立した。細胞を、37℃及び5% COにおいて、T175組織培養フラスコ中で培養した。使用された培地は、15% ウシ胎仔血清(HyClone(登録商標)ウシ胎仔血清、特性決定;カタログ番号SH30071.03;Thermo Scientific)及び2mM L-グルタミン(200mM L-グルタミン(100×);Ref25030-024;Gibco by Life Technologies)を補充したWaymouthのMB752/1とした。培養物を1:10/1:15の比で2~3日毎に分割した。
【0221】
マウス
マウスは、Taconic, Denmarkから購入した7~8週齢のBALB/cJBomTacとした。動物施設に到着した後、マウスを実験に使用する前に、少なくとも5日間、周囲条件に調整させた。これらを、21.5±1.5℃及び湿度55±10%の標準化された条件下において、10群のMacrolon(登録商標)type IIIケージに収容した。標準照射食(PROVIMI KLIBA)及びオートクレーブ処理した水道水を自由に与えた。イソフルラン麻酔下で皮下移植されたマイクロチップを使用して、各マウスを識別した。研究番号、動物番号、化合物及び用量レベル、投与経路並びにスケジュールを示したケージカードは、研究を通じて動物と共に残した。
【0222】
試験化合物の投与
LRP5/LRP6アンタゴニストをヒスチジンバッファーpH6.5に懸濁させ、最初の2週間、10mg/kg用量を週2回、マウス1匹あたりに10mL/kg 適用容量をi.v.投与した。PD-1抗体をPBS中に希釈し、10mg/kg用量を週2回、マウス1匹あたりに10mL/kg 容量を、研究の終了まで腹腔内に注射した。
【0223】
腫瘍成長及び疾患進行のモニタリング
腫瘍直径を、キャリパーを使用して週3回(月曜日、水曜日及び金曜日)測定した。各腫瘍の体積[mm3]を、式「腫瘍体積=長さ×直径2×π/6」に従って計算した。処置の副作用をモニターするために、マウスを毎日異常について検査し、体重を毎日測定した。動物を試験終了時に殺処分した。壊死性腫瘍又は1500mm3超の腫瘍サイズを有する動物を倫理的理由で研究の初期に殺処分した。
【0224】
結果
ETM6腫瘍をPD-1に対するマウス抗体により処置すると、中程度の腫瘍性腸阻害が生じた。LRP5/LRP6アンタゴニストとPD-1抗体との併用により、単剤投与と比較した場合、有効性を顕著に向上し、10匹のマウス中1匹のみで腫瘍縮小が観察された単剤処置と比較して、9匹のマウス中4匹で腫瘍縮小がもたらされた。単剤処置と比較した併用投与の相乗作用を実証する結果を図1に示す。LRP5/LRP6アンタゴニストとPD-1抗体との併用により、処置開始から腫瘍体積が少なくとも500mm3に達するまでの期間(日数)として表5に報告された生存率の上昇が、単剤処置と比較して増加した。
【0225】
表5に、例示的なLRP5/LRP6アンタゴニストの抗腫瘍活性を、単剤として及びPD-1に対するマウス抗体との組み合わせで示す。中央値は、処置開始から腫瘍体積が少なくとも500mm3に達するまでの期間(日数)を指す。
【0226】
【表10】
【0227】
さらに、腫瘍縮小(すなわち、試験終了時の腫瘍体積が処置開始時と比較してより小さい)を示すマウスからのサンプルの組織学的分析を行った。特に、腫瘍を全ての群から収集し、FFPE(ホルマリン固定パラフィン包埋)のために10% NBF(ホルマリン溶液、中性緩衝、10%)中で固定した。形態学的評価のために、組織形態学的分析をヘマトキシリン-エオシン(HE)染色により、FFPE腫瘍組織について行った。先に腫瘍が認められた部位からの組織についての試験終了時の腫瘍の証拠は、併用群(9匹のマウス中3匹)においてのみ報告されなかった。このことから、単剤処置と比較して、LRP5/6アンタゴニストとPD-1抗体との併用処置によってのみ病理学的完全応答を達成することができることが示された(表6)。
【0228】
表6に、例示的なLRP5/6アンタゴニストの抗腫瘍活性を単剤として及びPD-1に対するマウス抗体との組み合わせで示す。研究終了時の完全応答は、腫瘍細胞が検出される部分応答と比較して、先に腫瘍が認められた部位からの組織について組織学的に検査してもガンが残存しているという証拠が無いことを指す。
【0229】
【表11】
【0230】
実施例2
Balb/cマウスの乳ガン細胞系統EMT6から得られた皮下同系マウスモデルにおける例示的LRP5/LRP6アンタゴニストのPD-1に対するマウス抗体との組み合わせでの腫瘍T細胞浸潤の増大
例示的なLRP5/LRP6アンタゴニストの腫瘍におけるT細胞浸潤を誘引する能力をマウス乳ガン(EMT6)のs.c.細胞系統由来同系モデル(EMT6)において、単剤として及びPD-1に対するマウス抗体との組み合わせで試験した。
【0231】
CD8陽性T細胞を実施例1で報告されたように、単剤で及びPD-1に対するマウス抗体との組み合わせで処置されたマウスからの16日目の腫瘍において分析した。腫瘍を全ての群から収集し、FFPE組織について10% NBF中で固定し、免疫組織化学(IHC)を、CD8aに対するラットモノクローナル抗体(53-6.7、eBioscience(商標)、作業希釈1:200)を使用して、標準的なプロトコルで行って、CD8陽性T細胞を検出した。定量評価を、HALO(商標)画像分析ソフトウェアを使用して行い、有意水準を、Graph Pad Prismソフトウェアを使用して決定した。調整p値が0.05未満の場合、群間に統計的有意差が認められるとみなした。結果を図2に示す。
【0232】
実施例3
3DスフェロイドにおけるLRP5/LRP6アンタゴニストと抗ヒトPD-1抗体との併用効果
Wnt駆動免疫サプレッションにおける抗LRP5/LRP6アンタゴニスト(上記定義されたLRP5/LRP6#5、配列番号:65としても示される)と本発明の抗ヒトPD-1抗体(上記表3で定義されたPD1-3)との併用効果をさらに評価するために、腫瘍細胞、活性化ヒトPBMC及びWntリガンド(Wnt3a)のin vitro共培養を使用し、腫瘍細胞生存率をリードアウトとして測定した。
【0233】
この目的で、赤色蛍光タンパク質(mKate2)を発現するように安定にトランスフェクションされ、活性化ヒトPBMC及びWnt3aリガンド(0.5μg/ml)リガンドと共にスフェロイドとして3Dで培養された腫瘍細胞(NCI-H1437)を1000nM LRP5/LRP6アンタゴニスト及び200nM 抗PD-1抗体で処理し、細胞生存率を化合物添加後の指示された時点で測定した。
【0234】
3.1 研究設計
腫瘍細胞(NCI-H1437非小細胞肺ガン細胞系統)とヒトPBMCとのin vitro共培養アッセイを確立するために、NCI-H1437細胞を、赤色蛍光タンパク質(mKate2)を発現するように安定的にトランスフェクションさせ、スフェロイドとして3Dで培養した。共培養アッセイを行うために、NCI-H1437mKate2細胞を96ウェルSpheroid Microplateに播種した(5000個/ウェル)。NCI-H1437mKate2細胞を、ウェルあたりにRPMI-1640+Glutamax培地(10% FCShiを含む) 200μl容量に播種した。4日後、スフェロイドが形成され、培地 100μlを各ウェルから除去し、(抗CD3抗体及び抗CD28抗体(1μg/ml)で72時間活性化された)3×10個 PBMCを含むか又は含まないRPMI1640培地+Glutamax(+10% FCShi) 100μlを適切なウェルに加えた。
【0235】
PBMCの有無のスフェロイドに、抗LRP5/LRP6アンタゴニスト、Wnt3a、抗ヒトPD-1抗体又は抗ヒトPD-1抗体のアイソタイプ(対照として)のいずれかを単剤療法として又は組み合わせで曝した。これらの化合物を、0日目(腫瘍細胞をマイクロプレートに播種した4日後)に1回だけ加えた。
【0236】
化合物を加えた12時間後、mKate2蛍光の1回目の測定を行い、腫瘍スフェロイドの細胞生存率を決定するのに使用した。この時点をベースライン(100%)として使用し、下記測定値(12~48時間の間の時間隔で取った)と比較した。mKate2の蛍光(励起:590nm;発光635nm)を、EnVision 2100 MULTILABEL READER(PerkinElmer)を使用して測定した。実験では、PBMCとのスフェロイド及び処理の有無において、2日目まで6回の生物学的反復試験、3日目及び4日目に5回の生物学的反復試験並びに7日目及び8日目に4回の生物学的反復試験を行った。
【0237】
試薬及び組織培養材料
・PBS(Gibco;14190-094)
・トリプシンEDTA(Gibco;043-90317FU)
・Ultra-LEAF(商標)精製抗ヒトCD3抗体(Biolegend;300332)
・Ultra-LEAF(商標)精製抗ヒトCD28抗体(Biolegend;302934)
・RPMI1640+Glutamax(Gibco;61870-010)
・RPMI1640(Gibco;A10491-01)
・FCS(HyClone;SH30084.03)
・WNT3a(R&D 5036-WN/CF;ロットSVH181610A)
・幹細胞ドナー:B001000527;ロット:1812180182
【0238】
3.2 NCI-H1437MKATE2培養
NCI-H1437mKate2細胞を、RPMI1640(Gibco;A10491-01)+10% FCShiを使用して培養した。細胞を1週間に1回分割し(1:10)、培地を経時的に交換した。継代のために、細胞を、PBS中のトリプシンEDTA(Gibco;043-90317FU)を使用して、細胞培養フラスコから剥がした。培地を除去し、トリプシン 5mlを37℃で約5分間加えた。毎分、目視チェックを行って、細胞がすでに剥がれているかを確認した。剥離後、細胞/トリプシン溶液を、10% FCShiを含有する培養培地 45mlと混合し、室温において、400×gで5分間遠心分離した。細胞ペレットを適切な量の培地に再懸濁させ、共培養アッセイのためにカウントするか又は培養のために1:10に分割するかのいずれかをした。細胞を37℃及び5% COで培養した。
【0239】
3.3 PBMCの解凍及びPBMC活性化
PBMC(幹細胞ドナー:B001000527;ロット:1812180182)を含む1つのバイアルを、ごく少量の氷片が残るまでRTで解凍し、ついで、冷(2~8℃)RPMI-1640+Glutamax 20mlを含む50mlのFalconに注いだ。ボルテックス後、Falconチューブを400×gで5分間遠心分離した。ついで、上清を廃棄し、PBMCペレットをアッセイ培地(RPMI1640+グルタマックス+10% FCShi) 1~2mlに再懸濁させた。
【0240】
細胞をカウントし、抗CD3抗体及び抗CD28抗体(1μg/ml)で72時間活性化した(5×10^6個/ml)。72時間後、活性化PBMCを400×gで5分間遠心分離した。細胞ペレットをRPMI-1640+Glutamax培地(10% FCShiを含む) 1~2mlに再懸濁させた。最後に、細胞をカウントし、共培養アッセイのために、3×10^6個/mlに希釈した。
【0241】
3.4 スフェロイド生存率変化:測定及び分析
EnVision 2100 MULTILABEL READER(PerkinElmer)を使用して、NCI-H1437mKate2スフェロイドの細胞生存率変化を決定した。mKate2の蛍光を励起590nm及び発光635nm並びに測定高さ4.1mmで測定した。分析のために、バックグラウンド(培地のみ)の平均を測定値から差し引き、各ウェルの% 変化を計算し、ウェルの新たな測定値(バックグラウンドを差し引いたもの)をベースライン測定値(化合物及びPBMCを加えた12時間後)と比較した。示された標準偏差は、対応する処理及び時点における% 変化の% 標準偏差である。生存率値の得られた% 変化をGraph Padソフトウェアに移し、Bonferroniの多重比較検定と組み合わせて二元配置ANOVAを適用することにより分析して、統計的有意性を決定した。
【0242】
3.5 統計的分析
有意差レベルを、Graph Pad Prismソフトウェアを使用して決定した。(調整)p値がについて0.05未満、**について0.01未満、***について0.001未満及び****について0.0001未満の場合、群間で統計的有意差が認められるみなした。
【0243】
3.6 結果
活性化PMBCと共培養された腫瘍スフェロイドの生存率におけるWnt3aリガンド、LRP5/LRP6アンタゴニスト又は抗ヒトPD-1抗体により処理の効果を図3Aに示す。Wnt3a処理により、4~8日の間の任意の時点で検出された腫瘍スフェロイドの生存率の有意な向上(PBMC媒介性腫瘍細胞殺傷の阻害)がもたらされた。LRP5/LRP6アンタゴニスト又は抗ヒトPD-1抗体による処理は、アイソタイプ処理(対照)と比較して、腫瘍スフェロイドの生存率に有意な効果を有さない。
【0244】
Wnt3aリガンドの存在下での単剤療法として又は抗ヒトPD-1抗体との組み合わせでのLRP5/LRP6アンタゴニストによる処理の効果を図3Bに示す。単剤療法としてのLRP5/LRP6アンタゴニストによる処理により、腫瘍スフェロイド生存率のWnt3a媒介性上昇がサプレッションされる(有意な効果が、処理開始後4~8日で報告される、Tum/PBMC 1:3+LRP5/6+WNT3a+iso対Tum/PBMC 1:3+iso)。したがって、Wnt3aリガンドの存在下でのLRP5/LRP6アンタゴニストによる処理により、腫瘍スフェロイド生存率のPBMC媒介性阻害が回復する。
【0245】
LRP5/LRP6アンタゴニストと抗ヒトPD-1抗体の併用処理により、LRP5/LRP6アンタゴニスト単剤療法と比較して腫瘍スフェロイド生存率の有意な低下がもたらされる(有意な効果が、処理開始後7~8日で報告される、Tum/PBMC 1:3+LRP5/6+WNT3a+PD1対Tum/PBMC 1:3+LRP5/6+WNT3a+iso)。したがって、LRP5/LRP6アンタゴニストと抗ヒトPD-1抗体の併用処理により、LRP5/LRP6アンタゴニスト単剤療法と比較して、PBMC媒介性腫瘍細胞殺傷の向上がもたらされる。
【0246】
3.7 考察
これらの結果から、PD-1アンタゴニストと組み合わせたLRP5及びLRP6の遮断により、腫瘍スフェロイドのPBMC媒介性殺傷をもたらされることが示される。これらのデータは実施例1及び2に示すデータと共に、本発明の併用療法が強力な抗腫瘍活性を有することを示す。
図1
図2
図3
【配列表】
2022527097000001.app
【国際調査報告】