(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-30
(54)【発明の名称】可変流量抵抗器用システム及び方法
(51)【国際特許分類】
F15D 1/02 20060101AFI20220523BHJP
A61M 5/168 20060101ALI20220523BHJP
A61M 5/14 20060101ALI20220523BHJP
G05D 7/01 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
F15D1/02 A
A61M5/168 500
A61M5/14 530
G05D7/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559899
(86)(22)【出願日】2020-04-10
(85)【翻訳文提出日】2021-10-08
(86)【国際出願番号】 US2020027702
(87)【国際公開番号】W WO2020210651
(87)【国際公開日】2020-10-15
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517166712
【氏名又は名称】パヴメド・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PAVMed Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】アクログ,リーシャン
(72)【発明者】
【氏名】ヤズベック,リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ブーティレット,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】アリスキ,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】オキーフ,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】クルス,アモス
【テーマコード(参考)】
4C066
5H307
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD01
4C066FF01
4C066GG10
4C066QQ21
4C066QQ32
5H307AA14
5H307BB05
5H307DD17
5H307EE01
(57)【要約】
本開示のシステム及び方法は、入口圧力の流体リザーバと出口圧力のレセプタクルとの間に介在させることができる独立型受動的可変抵抗器を提供する。抵抗器は、入力部から出力部までの圧力差に対する抵抗を調整し、抵抗器を通過する流量を一定とすることができる。抵抗器は、流路を形成するためにチャンバ内に配置された可動要素と付勢機構を含むことができる。可動要素の各面は、入口部と出口部の圧力にさらされ、流路内を移動して、圧力に応じてチャンバ内の流動抵抗を変化させる。これらの力のバランスによって可動要素の位置が決まり、流体流路と相互作用して可変抵抗器を通過する流れの抵抗を決定する。付勢機構は、平衡流量を確立するために必要な圧力を提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力部と出力部を有するフローチャンバと、
入力部と出力部の間のチャンバ内の縮小断面領域と、
前記縮小断面領域に沿って移動し、前記縮小断面領域との間に流体流路を画定するように設計された可動要素と、
を備え、
前記流体流路は、流体源と出力部の送出点の間の圧力差に依存せず、ほぼ一定流量を供給する、可変流量抵抗装置。
【請求項2】
前記縮小断面領域は、前記チャンバ内に配置した抵抗器によって画定される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記抵抗器は、前記チャンバの壁から延びる対称形、非対称形、又は偏心形の構造、又はそれらの組み合わせを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記抵抗器は、少なくとも1つの偏心した切欠きを有する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記可動要素は、少なくとも1つの偏心した切欠きを介して流体流路を形成する抵抗器によって画定された縮小断面領域をほぼ満たすように形成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記流体流路の最小長さと最大長さが、可動要素と抵抗器の間の最小重複部分と最大重複部分によって画定される、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記チャンバは、前記可動要素と前記抵抗器との間の最小重複部分又は最大重複部分の少なくとも一方を画定するための1又は複数の停止部を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記1又は複数の停止部は、前記可動要素と前記抵抗器の間の最小重複部分又は最大重複部分のうちの少なくとも一方を修正するために調整可能である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記可動要素はピストンである、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記可動要素の少なくとも一方の端部及び前記チャンバの少なくとも一方の端部に連結された少なくとも1つの付勢部材をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記付勢部材は、スプリング、エラストマライナ、アコーディオン、伸長要素、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
通過する能動的な流れがあるかどうかを示す流体インジケータをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記可動要素は、抵抗器の少なくとも一部を取り囲んで移動するように設計されている、請求項2に記載の装置。
【請求項14】
流体源と、
前記流体源と流体連通している可変流量抵抗器と、
を備えた制御流量実施システムであって、
前記流体源から流体を受け入れるための入力部、及び出力部を有するフローチャンバと、
前記入力部と前記出力部の間のフローチャンバ内の縮小断面領域と、
前記縮小断面領域に沿って移動し、前記縮小断面領域との間に流体流路を形成するように設計され、前記流体流路が流体源と出力部の送出点との間の圧力差に依存することなく、略一定流量を提供する可動要素と、
前記流体源から前記フローチャンバを経て前記送出点へと流体を導く経路と、
を備える、制御流量実施システム。
【請求項15】
前記フローチャンバ内に配置された抵抗器によって縮小断面領域が画定される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
可変流量抵抗装置は、出力部を通過する流量が一定値(Q
0)となるように、流体源からの入力圧力差(ΔP)に対する抵抗(R)を自動調整する、請求項14記載のシステム。
【請求項17】
前記可動要素の少なくとも一方の端部及び前記フローチャンバの少なくとも一方の端部に連結された少なくとも1つの付勢部材をさらに備え、前記付勢部材は、ばね、エラストマライナ、アコーディオン、伸長要素、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
さらに、通過する能動的な流れがあるかどうかを示す流体インジケータを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
可変流量抵抗器を提供するステップと、
入力部及び出力部を有するフローチャンバと、
前記入力部と前記出力部の間のチャンバ内の縮小断面領域と、
前記縮小断面領域に沿って移動し、前記縮小断面領域との間に流体流路を画定するように設計され、前記流体流路は、流体源と供給点との間の圧力差に依存せずに略一定流量を提供する可動要素と、
を備え、
可変抵抗器を、フローチャンバの入力部を介して流体源に連結するステップと、
前記可変抵抗器がフローチャンバの出口部の圧力を制御して、流体源から送出点まで一定流量で流体を送出するステップと、
を実行する、一定の流体の流れを提供する方法。
【請求項20】
前記可変流量抵抗器は、可変入口圧力を一定の出口流体流量に修正する、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、両出願に共通するすべての主題について、2019年4月10日に出願された共同係属中の米国仮出願第62/832,005号の優先権及びその利益を主張する。前記仮出願の開示内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、受動的可変流量抵抗器のためのシステム及び方法に関するものである。より詳細には、本開示は、可変流量抵抗器の入力で潜在的に変化する圧力にも拘わらず、指定された流量で流体を送出するための可変流量抵抗器に関するものである。
【背景技術】
【0003】
流体移送用途の多くでは、指定された速度である物質をある場所に届けるために流体の流れを制御することが必要である。流量は、圧力差、抵抗、又はその両方を設定することによって制御することができる。これらは能動的に制御できるが、そのようなシステムは、しばしば流量センサに基づくフィードバックループを伴う能動的な圧力源(例えばポンプ)又は抵抗器(例えばバルブ)を必要とする。
【0004】
しかしながら、完全に受動的に流れを制御するのはさらに難しい。流れを制御するため、一般に受動的流動抵抗器(例えば、手動又は固定のバルブ、オリフィスプレートなど)が使用されるが、その精度は主に一定の圧力を維持することにある。これは通常、(送出される流体の体積に比べて)一定の位置エネルギーが蓄えられる大型の流体レセプタクル(例えば、高架タンク)によって達成される。この受動的可変抵抗器の設計の重大な限界は、構造的に輸液装置と連動しており、その設計が装置に依存していることである。さらに重要なことは、その仕様が、初期条件、具体的には初期圧力、及びその特定の装置の圧力の特定の軌跡に依存していることである。受動的可変抵抗器の機能は、その設計と構造が圧力源と流体レセプタクルに依存せず、その抵抗が単に瞬間的な圧力差の関数であれば、大幅に強化され、少なくとも指定された範囲内ではより広範な用途に利用できることである。
【0005】
流体移送用途の一例として患者の輸液がある。輸液は、様々な状態、物質、アクセス部位、及び場所に及ぶ医療において遍在し続けている。経口及び他の薬物送達モード(例えば、経皮、吸入)の進歩にも拘わらず、多くの重要な療法は依然として静脈内(IV)輸液を必要とする。米国では1日に100万回の輸液が行われていると言われている。入院患者の90%以上が点滴を受けている。輸液される物質には、薬剤(抗生物質、化学療法薬、鎮痛剤、局所麻酔薬、血管作動剤、生物製剤など)、液体(晶質液、膠質液、非経口栄養剤など)、血液製剤(赤血球、血漿、血小板など)がある。これらの物質は、通常、(1)限られた時間(例えば、数分から数時間)に1回量(数mlから数l)が注入されるか、(2)固定又は滴定された速度(典型的な範囲は0.1ml/分から5ml/分)で連続的に注入される。
【0006】
輸液は、様々な経路で投与でき、最も一般的なものは静脈内であるが、動脈内、皮下、硬膜内、関節内、硬膜外、髄腔内、腹腔内、筋肉内もある。このような様々な経路で輸液を行うために、様々な種類のカテーテルがある。従来、輸液は病院で行われてきたが、最近では外来の輸液センターや自宅で輸液を受ける患者が増えている。外来輸液センターや自宅で輸液を受ける患者が増えてきてはいるが、これらの施設では臨床スタッフの数が少なく、熟練度も低いため、抗生物質、化学療法薬、術後疼痛緩和のための局所麻酔薬、麻薬性鎮痛剤など、安全性が高いと考えられる輸液のみが使用されている。
【0007】
医療用の輸液は、一般に、重力、容積型電動ポンプ、又は非電動の使い捨てエラストマーポンプなどの比較的古くからある技術で行われている。これら3つの技術には、よく知られた欠点がある。重力駆動の輸液は、資本コスト及び使い捨てコストは低いが、看護師による注意深い監視が必要であり、精度が低く、患者の移動を制限し、患者の安全性を確保する機能がない。電動ポンプは精度が高く(±3%)、安全機能が組み込まれているが、高価でかさばり、人的要因の影響を受けやすく、移動に制限があり、有効性については議論の余地がある。さらに、輸液ポンプのエラーは現在進行中の深刻な問題であり、医療過誤の人的・経済的負担全体の中でも大きな割合を占めている。電子制御式輸液ポンプは、高価で保守性の高い機器となっており、近年ではソフトウェアやハードウェアの重大な問題によるリコールに悩まされている。これらのポンプは、重症患者のような複雑な患者の輸液を微調整するために設計されており、日常的な輸液に使用するには技術的に無理がある。外来患者の輸液という点では、使い捨てポンプは便利でかなり安価であるが、患者の安全性を高める機能がなく、かなり不正確であるため(±15~40%)、化学療法薬のように流量の精度が重要な薬剤の使用には不向きである。FDAのMAUDEデータベースには、使い捨て輸液ポンプの流量の不正確さに起因する合併症や死亡例までもが多数報告されている。
【0008】
1999年に発表された米国医学研究所の画期的な報告書「To Err is Human」(REF)では、米国では年間4~10万人が医療ミスで死亡しているとされている。投薬ミスは、そのうちの40%が生命を脅かす重篤あるいは致命的で、最も一般的な医療ミスであり、医療システムには年間数十億ドルのコストがかかっている。静脈内投薬ミスは最も一般的な投薬ミスで、そのうち35%以上が輸液ポンプに関係している。研究によると、機能が充実してきた「スマートポンプ」にも拘わらず、人的要因やソフトウェア、ハードウェアの問題が深刻なエラー(REF)の原因となっていることがわかっている。FDAのMAUDE有害事象報告システムには、電気式か使い捨て式かを問わず、輸液ポンプのエラーに関係する重篤な死傷者の事例が多数報告されている。過去4年間で、主要メーカー2社の60万台以上の電動輸液ポンプが、ソフトウェアやハードウェアの重大な問題によりリコールされ、患者の死傷につながっている。
【発明の概要】
【0009】
例えば医療用の輸液などの流体移送装置の安全と効率を改善する必要がある。本開示は、他の望ましい特性を有することに加えて、この必要性に対処するためのさらなる解決策に向けられている。具体的に、本開示は、輸液プロセスを「プラグアンドプレイ」とするところまで単純化して実行し、患者自身又は未熟な医療提供者によって開始することができる受動的可変流量抵抗器を提供する。
【0010】
本発明の例示的な実施形態では、可変流量抵抗器装置を提供する。この装置は、入力部及び出力部を有するフローチャンバと、入力部と出力部の間のチャンバ内の縮小断面領域と、縮小断面領域に沿って移動し、縮小断面領域との間に流体流路を画定するように設計された可動要素とを含む。流体流路は、流体源と出力部の送出点との間の圧力差に依存しないほぼ一定の流量を供給する。
【0011】
本発明の態様によれば、縮小断面領域は、チャンバ内に配置された抵抗器によって画定される。抵抗器は、チャンバの壁から延びる対称形状、非対称形状、又は偏心形状の構造、又はそれらの組み合わせを含むことができる。抵抗器は、少なくとも1つの偏心した切欠きを有することができる。可動要素は、少なくとも1つの偏心した切欠きを介して流体流路を形成する抵抗器によって画定される縮小断面領域をほぼ満たすように形成することができる。流体流路の最小長さと最大長さは、可動要素と抵抗器の間の最小重複部分と最大重複部分によって画定することができる。チャンバは、可動要素と抵抗器の間の最小重複部分又は最大重複部分の少なくとも1つを画定するために、1又は複数の停止部を含むことができる。1以上の停止部は、可動要素と抵抗器の間の最小重複部分又は最大重複部分の少なくとも1つを修正するために調整可能である。
【0012】
本発明の態様によれば、可動要素はピストンである。装置は、可動要素及びチャンバの少なくとも一端に連結された少なくとも1つの付勢部材をさらに含むことができる。付勢部材は、ばね、エラストマライナ、アコーディオン、伸長要素、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことができる。本装置は、通過する能動的な流れがあるかどうかを示す流量インジケータをさらに含むことができる。可動要素は、抵抗器の少なくとも一部を取り囲んで移動するように設計することができる。
【0013】
本発明の例示的な実施形態によれば、流量を制御するためのシステムが提供される。このシステムは、流体源と、流体源と流体連通している可変流量抵抗装置とを含む。可変流量抵抗装置は、流体源から流体を受け入れるための入力部、及び出力部を有するフローチャンバと、入力部と出力部の間のフローチャンバ内の縮小断面領域と、縮小断面領域との間に流体流路を画定するために縮小断面領域に沿って移動するように設計された可動要素とを含み、流体流路は、流体源と出力部の送出点の間の圧力差に依存しないほぼ一定の流量を供給し、流体源からフローチャンバを通過して送出点に流体を導くための経路を有する。
【0014】
本発明の態様によれば、縮小断面積は、チャンバ内に配置した抵抗器によって画定される。可変流量抵抗装置は、出力部を通過する流量が一定(Q0)になるように、流体源からの入力圧力差(ΔP)に対する抵抗(R)を自動調整できる。システムは、可動要素及びチャンバの少なくとも一端に連結された少なくとも1つの付勢部材をさらに含むことができる。付勢部材は、ばね、エラストマライナ、アコーディオン、伸長要素、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。本システムは、装置を通過する能動的な流れがあるかどうかを指定する流体インジケータをさらに含むことができる。
【0015】
本発明の例示的な実施形態によれば、一定流量の流体を提供するための方法が提供される。本方法は、可変流量抵抗器を提供することを含む。可変流量抵抗器は、入力部及び出力部を有するフローチャンバと、入力部と出力部の間のチャンバ内の縮小断面領域と、縮小断面領域との間に流体流路を画定するために縮小断面積に沿って移動するように設計された可動要素とを有し、流体流路は、流体源と送出点との間の圧力差に依存しないほぼ一定の流量を供給することを特徴とする。また、本方法は、可変流量抵抗器をフローチャンバの入力部を介して流体源に連結し、可変流量抵抗器がフローチャンバの出口部の圧力を制御して、流体源から送出点まで一定流量で流体を送出することを含む。本発明の態様によれば、可変流量抵抗器は、可変の入口圧力を一定の出口圧力に修正する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示のこれら及びその他の特徴は、添付図面と併せて以下の詳細な説明を参照することにより、より完全に理解されるであろう。
【0017】
【
図1A】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図1B】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図2A】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な端面断面図である。
【
図2B】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な端面断面図である。
【
図2C】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な端面断面図である。
【
図3A】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図3B】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図4A】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図4B】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図5A】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な端面断面図である。
【
図5B】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な端面断面図である。
【
図5C】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な端面断面図である。
【
図5D】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な端面断面図である。
【
図6A】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図6B】本開示のいくつかの実施形態に係る、
図6Aの可変流量抵抗器の効果を示す例示的なチャートである。
【
図7A】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図7B】本開示のいくつかの実施形態に係る、
図7Aの可変流量抵抗器の効果を示す例示的なチャートである。
【
図8A】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図8B】本開示のいくつかの実施形態に係る、
図8Aの可変流量抵抗器の例示的な端面断面図である。
【
図8C】本開示のいくつかの実施形態に係る、
図8Aの可変流量抵抗器の例示的な上面断面図である。
【
図8D】本開示のいくつかの実施形態に係る、
図8Aから
図8Cの可変流量抵抗器の効果を示す例示的なチャートである。
【
図9】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の効果を示す例示的なチャートである。
【
図10A】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図10B】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図11】本開示のいくつかの実施形態に係る、
図10A及び
図10Bの可変流量抵抗器の効果を示す例示的なチャートである。
【
図12A】本開示のいくつかの実施形態に係る、可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図12B】本開示のいくつかの実施形態に係る、可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図12D】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図12E】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図13A】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図13B】本開示のいくつかの実施形態に係る、
図13Aの可変流量抵抗器の例示的な端面断面図である。
【
図13C】本開示のいくつかの実施形態に係る、
図13Aの可変流量抵抗器の例示的な端面断面図である。
【
図13D】本開示のいくつかの実施形態に係る、
図13Aの可変流量抵抗器の例示的な端面断面図である。
【
図14A】本開示のいくつかの実施形態に係る、可変流量抵抗器での実装のために抵抗器の周りに配置された可動要素の例示的な斜視図である。
【
図14B】本開示のいくつかの実施形態に係る、可変流量抵抗器での実装のために抵抗器の周りに配置された可動要素の例示的な斜視図である。
【
図15A】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図15B】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図15C】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図15D】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図15E】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図16A】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図16B】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図16C】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図16D】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図16E】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な側面断面図である。
【
図17】本開示のいくつかの実施形態に係る、可変流量抵抗器を実装する例示的なシステムである。
【
図18】本開示のいくつかの実施形態に係る、可変流量抵抗器を実装する例示的なシステムである。
【
図19】本開示のいくつかの実施形態に係る、可変流量抵抗器を実装する例示的なシステムである。
【
図20A】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な図である。
【
図20B】本開示のいくつかの実施形態に係る可変流量抵抗器の例示的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の例示的な実施形態は、受動的可変流量抵抗器に関するものである。可変流量抵抗器は、圧力差動作範囲内で、その構成要素の幾何学的特性及び可動要素位置決め機構の機械的特性によって画定される流量の関係を用いて、入力部と所望の出力部との間に圧力差を形成するように構成することができる。可動要素は、フローチャンバの特定である幾何学的特性と組み合わせて使用することで、一定の断面領域を有するカスタマイズされた流路を形成することができる。可動要素が断面領域内に配置されると、入力流体圧力や入力流体速度の変化に拘わらず、その領域を流動する流量を一定に調整できる。例えば、本発明の要素は、入力流量や圧力などに拘わらず、装置から流体出力を所望の均一な流量出力に調整、修正することなどに使用できる。言い換えれば、本発明は、可変の入力流体を受け、その流体を、自動的で信頼性がある一定の所望定出力流体へと調整、修正することなどに使用できる。
【0019】
いくつかの実施形態では、可変流量抵抗器は、縮小流路を形成するために、ばねなどの付勢機構に連結された可動要素としてのピストンを含むことができる。付勢機構は、(従来のばね、エラストマーバンドなどのフックの法則に従う)線形弾性特性を有する位置決め機構として機能させることができ、圧力差と流量の間のカスタム関係は、圧力差に依存しない一定流量を提供する。つまり、この組み合わせを使用すれば、前記組み合わせ要素は、流量が一定の可変抵抗器として機能する。
【0020】
動作の一例では、ピストンの各側面が入力圧力及び出力圧力にそれぞれさらされ、ピストンにかかる圧力差は付勢機構によって相殺される。これらの力のバランスがピストンの位置を決定し、この位置が流体流路と相互作用して、流体流路を通過する流動抵抗を制御可能な縮小断面流路を形成する。このように、可変流量抵抗器を実装することで、入力圧力及び/又は所望の出力流量よりも高い/低い入力流量の変化に拘わらず、流体レセプタクルから流路を通過する流体の流れを、制御された一定の速度でレセプタクルに排出できる。本開示は、ピストンと付勢機構の使用に限定されるものではなく、入力流量を一定に維持するように流路を操作するためのあらゆる要素の組み合わせを使用できる。
【0021】
本開示の可変流量抵抗器の設計は、抵抗器への入力流量に拘わらず、流体の流れが指定された流量でしか流れないことを保証し、輸液が遅すぎたり速すぎたりすることに起因する合併症を防止する。可変流量抵抗器は、流体源から流体レセプタクルへの流体の一定流量を必要とするシステムの任意の組み合わせに組み込むことができる。一例として、可変流量抵抗器は、日常的な入院患者及び外来患者の輸液用の静脈内輸液セット及び使い捨て輸液ポンプに組み込むことができる。輸液セットに実装することで、病院は重力を利用した輸液に戻すことができ、殆どの入院患者の輸液において高価な電気式輸液ポンプを不要とすることができる。使い捨て輸液ポンプに組み込まれた可変流量抵抗器の精度により、外来患者により多くの種類の薬剤を投与することが可能となり、市場規模は大幅に拡大される。
【0022】
図1Aから
図20Bでは、同様な部品に全体として同様な参照符号が付され、本開示に係る可変流量抵抗器のための改善された動作の実施例又は実施形態及び使用方法が示されている。本開示は、図示された実施例又は実施形態を参照して説明するが、多くの代替的な形態により本開示を具現化できることを理解すべきである。当業者であれば、さらに、本開示の精神及び範囲に沿った方法で、要素又は材料のサイズ、形状、種類など、開示された実施形態のパラメータを変更する様々な方法を理解するであろう。
【0023】
本開示のシステム及び方法は、流体の流れを制御するための可変流量抵抗器(VFR)100を利用して実施することができる。
図1A及び
図1Bを参照すると、いくつかの実施形態では、VFR100は、流体の流れを受け入れ、収容し、出力するように設計されたフローチャンバ102を含むことができる。ある実施形態では、フローチャンバ102は、入力部106及び出力部108を介して流体連通して入出力可能なキャビティすなわち流路104を含むことができ、それはVFR100の側壁によって画定される。フローチャンバ102は、所望の機能に応じて、内部及び外部の形状を任意に組み合わせることができる。例えば、フローチャンバ102は、概して円筒形、長方形、多角形などの形状とし、細長くすることができる。フローチャンバ102の外部は、例えば、
図2Bに示すように、フローチャンバ102の内部と同じ形状である必要はない。
【0024】
いくつかの実施形態では、入力部106及び出力部108は、チャンバ102の反対側の端部に配置できる。例えば、入力部106は、VFR100の近位端に配置でき、出力部108は、VFR100の遠位端に配置できる。入力部106及び出力部108は、本開示の範囲から逸脱することなく、チャンバ102の任意の組み合わせの場所に配置できる。例えば、入力部106及び/又は出力部108は、チャンバ102の上部、下部、側面などに配置できる。同様に、入力部106及び出力部108は、流量制御を必要とする入力ライン及び出力ラインを受け入れるように設計したサイズ、寸法、及び連結タイプの任意の組み合わせとすることができる。例えば、入力部106及び出力部108は、所望の制御された速度でVFR100を介して流体を入出力するために、従来の静脈内(IV)ラインを受け入れるようなサイズ及び寸法とすることができる。入力部106及び出力部108は、同一平面に図示され、同様のサイズであるが、場所、サイズ、連結タイプなどは相違している。
【0025】
引き続き
図1A及び
図1Bについて、いくつかの実施形態では、VFR100のフローチャンバ102の内面は、流路104に向かって延びる少なくとも1つの幾何学的形状を含むことができる。この少なくとも1つの幾何学的形状は、チャンバを通過する流体の流れを減少させ、混乱させ、あるいは影響を与えるように、例えば、幾何学的形状によって部分的に生成された縮小断面領域(CSA)104aを通過する流体の流動体積を一定期間に亘って制限するために提供することができる部材、デザイン、又はこれらの組み合わせとすることができる。この幾何学的形状は、チャンバ102を通過する通常の流れが、絞り部110の存在によって変更されるような、抵抗器、閉鎖具、又は任意の流体絞り部110とすることができる。絞り部110は、チャンバ102自体の一部、又はチャンバ102内に挿入されて連結された別個の構成要素とすることができる。絞り部110は、流路104に特定の形状を付与するために、対称、非対称とし、チャンバ102内の任意の位置に配置することができる。例えば、絞り部110は、流路104の近位端、遠位端、又は中間部の近傍に配置することができる。絞り部110は、幾何学的形状の任意の組み合わせとすることができる。例えば、絞り部110は、VFR100の内面に適合する(すなわち、VFR100の内面に対して円周方向に配置される)突出部(例えば、中空円筒形状)とすることができる。絞り部110は、いくつかの実施形態では、形状を均一にすることができる。絞り部110は、例えば
図1Aに示すように、対称断面を生成するために、流路104のほぼ全内周で同じ幾何学的形状とすることができる。また絞り部110は、
図1Bに示すように、非対称の又は偏心した断面を形成するために、流路104内の異なる部分で変化する形状、又はそれらの組み合わせとすることができる。
【0026】
チャンバ102内の絞り部110は、流路104内に縮小断面領域(CSA)104aを形成するように構成できる。CSA104aは、流路104を通過する流量に影響を与えるように、所定の長さに亘って有意義に低減されるようなサイズ及び形状とすることができる。縮小量及び縮小断面領域104aの長さは、所望の用途及び流量の出力に基づいて変化させることができる。いくつかの実施形態では、絞り部110は、縮小断面領域を通過する流体の流れにさらに影響を与えるように構成されたチャンバ102とは別個の材料とすることができる。また、絞り部110は、同じ材料から構成し、チャンバ102自体のより厚い部分とすることができる。いくつかの実施形態では、絞り部110によって作成された縮小断面領域104aは、絞り部110の近位端から遠位端まで、減少又は増加させることができる。
【0027】
当業者であれば理解できるように、VFR100及びその構成要素は、所望の用途に応じて、当技術分野で知られている任意の方法の組み合わせを用いて、任意の材料の組み合わせから構成することができる。例えば、それらは、金属、プラスチック、合成材料などの任意の組み合わせから構成することができる。
【0028】
さらに
図1A及び
図1Bを参照すると、可変流量抵抗器100の例示的な側面断面図が図示されている。
図1Aは、例えば
図2Aに示すように、縮小断面領域104aを形成するために流路104の遠位端でVFR100の内面に位置する円周方向に対称な絞り部110を含むVFR100の例示的な側面断面図を示す。
図1Bは、縮小断面領域104aを形成するために、流路104の遠位端に非対称の/偏心した絞り部110を含むVFR100の例示的な側面断面図である。
図1Aの対称形状とは対照的に、
図1Bのそのような非対称の/偏心した絞り部110は、
図2Aに示されたもののように、チャンバ102のほぼ全周に亘っては延在していない。
【0029】
図2Aから
図2Cを参照すると、例示的な可変流量抵抗器100の例示的な端面断面図が図示されている。
図2Aは、流路104に管状の縮小断面領域104aを生成する対称な円形の絞り部110を有する円筒形のチャンバ102を含むVFR100の例示的な端面断面図を示す。
図2Bは、円筒形チャンバ102内に挿入するための絞り部110の例示的な断面端面図を示す。
図2Bの例示的な絞り部110は、チャンバ102の内部から延びる対称な絞り部110であり、矩形状の縮小断面領域104aを形成する。
図2Cは、円筒形のチャンバ102内に挿入するための絞り部110の例示的な端面断面図である。
図2Cの例示的な絞り部110は、チャンバ102の内部から延び、偏心した切欠き112を有する筒状の縮小断面領域104aを形成する非対称の/偏心した絞り部110である。当業者であれば理解できるように、サイズ及び形状の任意の組み合わせの縮小断面領域104aを形成するために、チャンバ102及び絞り部110の形状は、切欠き112の有無に拘わらず、形状及びサイズの任意の組み合わせを含むことができる。同様に、チャンバ102及び絞り部110の内面、又はその一部は、平坦、凹凸、及びパターン化された材料の任意の組み合わせを含み、当技術分野で知られている任意の材料から構成することができる。いくつかの実施形態では、チャンバ102及び絞り部110のそれぞれの材料及び内面は、絞り部110を横切り、チャンバ102を通過する流れすなわち流体に所望の修正効果を与えるように選択することができる。
【0030】
図3Aを参照すると、いくつかの実施形態では、VFR100は、チャンバ102内に配置された少なくとも1つの可動要素120を含むことができる。可動要素120は、チャンバ102の少なくとも一端に連結することができ、少なくともチャンバ102内を移動するように構成することが可能である。例えば、可動要素120は、ピストンとすることができる。いくつかの実施形態では、可動要素120は、チャンバ102内での移動を可能にする、チャンバ102に連結されたシャフト(図示せず)を含むことができる。可動要素120は、2つの構成要素の重なりによって流路104bが形成されるように、絞り部110によって形成されたCSA104a内に収まるが完全には占有しないようなサイズ及び形状とすることができる。流路104bは、(入力部106を介して)チャンバ102に流入する流体が(出力部108を介して)チャンバ102から流出できる修正された流量とするために、流体がチャンバ102を通過して流動できる領域を制限可能である。言い換えれば、流路104bのサイズ及び長さに応じて、流体は、流路104bが収容可能な特定速度でのみ流動できる。これにより、流路104bの特性(サイズ、長さなど)を修正することにより、可変流量抵抗器100を通過する流量を修正する手段を提供できる。可動要素120は、絞り部110によって形成されたCSA104aの一部分のみを占めるように配置できるので、流体が流動できるCSA104aの残りの領域に、縮小流路104bを形成することが可能である。いくつかの実施形態では、可動要素120は、固体材料又は半固体材料の任意の組み合わせで形成された物体とすることができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、可動要素120は、CSA104a内で自由に移動できるように、内部チャンバ102の全長よりも短く、絞り部110によって生成された縮小CSA104aよりも断面積を小さくできる。可動要素120は、チャンバ102内で、縮小CSA104aの少なくとも一部内を移動するように構成することができる。可動要素120は、例えば、中心軸を共有して、又は縮小CSA104a内のオフセットされた垂直方向の位置決めから、縮小CSA104a内を移動するように構成することができる。可動要素120の形状は、縮小CSA104a内に適合して移動する形状の任意の組み合わせを含むことができ、チャンバ102又は縮小CSA104aの断面形状と同じ形状である必要はない。可動要素120の外面、又はその一部は、平坦、凹凸、及びパターン化された材料の任意の組み合わせを含むことができ、当技術分野で公知の任意の材料から構成することができる。いくつかの実施形態では、可動要素120の材料及び外面を選択して、可動要素120及びチャンバ102を通過する流れ又は流体に所望の修正効果を与えることができる。
【0032】
図3A及び
図3Bを参照すると、内部に可動要素120を含む可変流量抵抗器100の例示的な側面断面図が図示されている。
図3Aは、チャンバ102の中間部からチャンバ102の遠位端まで延びて縮小CSA104aを形成する対称な絞り部110を含むVFR100の例示的な側面断面図を示す。
図3Aはまた、縮小CSA104a内に一部が位置する第1位置の可動要素120を図示する。縮小CSA104aの少なくとも一部に位置する可動要素120の組み合わせは、流路104bを形成する。例えば、流路104bは、チャンバ102の絞り部110の内面と、可動要素120の外面とが重なる部分によって画定することができる。
図3Aはさらに、流体の流れが入力部106から流入し、CSA104aを通過して流れ、出力部108から流出する様子を示す。
【0033】
図3Bを参照すると、いくつかの実施形態では、可動要素120は、長さが絞り部110の内面とほぼ又は完全に重なり(例えば、Lmax)、最大長さの流路104bを形成するようなサイズ及び位置とすることができる。これは、可動要素120の外面が絞り部110の内面と部分的に重なって(例えば、L)、部分長さの流路104bを形成する例を示す
図3Aとは対照的である。
図3Bの最大長さ(Lmax)の流路104aは、
図3Aの部分長さ(L)の流路104aよりも、チャンバ102を通過する流体の流れに対してさらに抵抗力を付与する。
【0034】
このように、可動要素120と絞り部110の間の重複領域の長さにより、流路104bの長さを画定することができる。この長さは、可動要素120を絞り部110内に再配置することにより調整され、そこを流動する流体に対する抵抗力を調整することができる。例えば、可動要素120をさらに絞り部110内に配置し、重なり長さを大きくし、流路104bを長くし、より大きな抵抗を生じさせ、あるいは、可動要素120を絞り部110から引き出し、重なりの長さを小さくし、流路104bを短くし、より小さな抵抗を生じさせることができる。可動要素120を絞り部110からほぼ又は完全に除去し、流路104を通過する変更されていない流れのために流路104bを除去できる。絞り部110の長さ及び可動要素120の長さの任意の組み合わせは、本開示の範囲から逸脱することなく、異なるLmin及びLmaxの重複部分を作成するために使用することができる。
【0035】
図4Aを参照すると、いくつかの実施形態では、チャンバ102は、チャンバ102内の可動要素120の最小又は最大の移動/位置の少なくとも一方を確定するために、1又は複数の停止部122を含むことができる。
図4Aは、チャンバ102の内部近位端から延びる2つの停止部122を図示する。
図4Aの停止部122は、いくつかの実施形態では、可動要素120がチャンバ102の近位端に向かって移動することができる最小距離を確定する。
図4Aにおいて、可動要素120は、チャンバ102の近位端で停止部122と接触するとき、絞り部110とは重なるサイズであるため、最小重なり(Lmin)が確定される。
【0036】
図4Bを参照すると、いくつかの実施形態では、可動要素120は、可動要素120の長さのほぼ全体に亘って絞り部110と重複するようなサイズ及び位置とすることができる。
図4Bにおいて、可動要素120は、絞り部110とほぼ又は完全に重複可能なサイズ及び位置であるため、最大重複長さ(Lmax)が確定される。可動要素120の長さの最大重複部分を確定するためには(
図3B及び
図4Bに図示されるように)、絞り部110の長さは、可動要素120の長さよりも大きいか又は同等でなければならない。可動要素120は、完全な重複部分を確定するために、CSA104a内に伸長可能でなければならない。最大重複が達成されると、可動要素120がCSA104aを超えて延びない限り、遠位方向への可動要素120のさらなる移動により、流路104bの抵抗が大幅に変更されることはない。いくつかの実施形態では、最大重複は、可動要素120の長さよりも小さくてもよい。最小及び最大重複長さは、絞り部110の長さ、可動要素120の長さ、チャンバ102内の停止部122、チャンバ120の長さ、ピストンの長さ、付勢機構の長さなど、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されず、可変流量抵抗器100の設計に基づいて変更することができる。
【0037】
図4A及び
図4Bに図示するように、可動要素120と絞り部110の間の重複寸法により、最小長さ(Lmin)と最大長さ(Lmax)を含むこれらの間の任意の長さを有する流路104bを形成できる。Lminは、可動要素120の可能な最も近位の位置によって決定することができ、いくつかの実施形態では、停止部122、フローチャンバ102の近位端壁、又は任意の他の構造要素によって制限される。Lmaxは、
図4Bに図示するように、絞り部110及び可動要素120の長さが少なくとも等しく、可動要素120がほぼ重複部分全体のために位置を自由に移動させないのであれば、可動要素120の長さと、可動要素120と絞り部110の間の最大の重複部分を表す絞り部110の長さのうちの小さい方とすることができる。またLmaxは、例えば、チャンバ102の遠位端に停止部122を実装するか、又は可動要素120とチャンバ102の両方に取り付けたピストンアーム、ばねなどを介して可動要素120の移動を制限することにより、可動要素120と絞り部110の重複寸法を制限して、別の値に制限することができる。この構成に拘わらず、重複長さ(L)は、流路104bを通過する流量に影響を与える。例えば、Lminの重複部分を通過する流れは、Lmaxの重複部分を通過する流れに比べて、入力流れを抑えることができる。同様に、可動要素120とCSA104aとの間の幾何学的関係は、流体流路104bに異なる効果を付与することができる。絞り部110の長さ、可動要素120の長さ、及び停止部122の長さの任意の組み合わせを使用して、本開示の範囲から逸脱することなく、異なるLmin及びLmaxの重複部分を形成することができる。
【0038】
図5Aから
図5Dを参照すると、いくつかの実施形態では、流路104bは、チャンバ102、絞り部110、及び可動要素120の幾何学的形状の異なる組み合わせを使用して形成することができる。異なる流路104bの構成、形状、設計などを使用して、流路104bを通過する固有の流れ特性、及び可変流量抵抗器100の全体的な動作を得ることができる。
図5Aから
図5Dは、内部に配置される可動要素120を有する絞り部110を含む可変流量抵抗器100の例示的な端面断面図を示す。
図5Aは、チャンバ102の内部から延びる対称な円形の絞り部110と、チューブ状の流路104bを形成するために流路104内に集中的に配置された可動要素120とを有する円形のチャンバ102を含むVFR100の例示的な端面断面図を示す。
【0039】
図5Bは、矩形の縮小CSA104aを形成するためにチャンバ102の内部から延びる対称的な絞り部110を有する円形のチャンバ102を含むVFR100の例示的な端面断面図を示す。また、
図5Bに示すVFR100は、絞り部110の4つの壁のうち3つに隣接するようにCSA104aの中心からずらして位置決めされ、流路104内に配置された矩形状の可動要素120を含む。
図5Bに示すように、絞り部110の内表面の一部及び可動要素120の外表面の一部は、表面が接触していない場所(例えば、可動要素120の上部)に形成された流路104bを接触させてもよい。この結果、
図5Aに提供される完全な環状流路104bとは対照的に、周囲の限られた部分に亘って溝状となる流路104bが形成される。いくつかの実施形態では、絞り部110に隣接するとき、可動要素120は、流体が流路104bを介して流路104の近位端から遠位端にのみ流れることができるような流体封止を維持するために、絞り部110及び/又はチャンバ102の内壁の少なくとも一部と接触する1又は複数のシール、ガスケットなどを含むか、又はそれに包囲される。言い換えれば、シールは、流路104bを除き、チャンバ102の流路104の近位部と遠位部の間の流体連通を阻止できる。
【0040】
図5Cは、偏心した切欠き112を有する管状の縮小CSA104aを形成するために、チャンバ102の内部から延びる非対称/偏心した絞り部110を有する円形チャンバ102を含むVFR100の例示的な端面断面図を示す。また
図5Cに示すVFR100は、流路104内でCSA104aに隣接して中央に位置する円形又は円筒形の可動要素120を含む。
図5Cに示すように、絞り部110の内面と可動要素120の外面は、絞り部110の偏心した切欠き112が配置されている場所を除いて、接触していてもよい。この結果、溝状の流路104bが形成される。いくつかの実施形態では、絞り部110に隣接するとき、可動要素120は、流体封止を維持するために、絞り部110及び/又はチャンバ102の内壁の少なくとも一部と接触する1又は複数のシール、ガスケットなどを含むか、又はそれに包囲される。シールは、流路104bを除き、チャンバ102の流路104の近位部と遠位部の間の流体連通を阻止できる。
【0041】
いくつかの実施形態では、可動要素120は、例えば、
図5Dに示すように、可動要素120が絞り部110と重なるときに流路104bを形成するための切欠き112を含むことができる。
図5Dは、略矩形の縮小CSA104aを形成するためにチャンバ102の内部から延びる非対称の/偏心した絞り部110を有する略矩形のチャンバ102を含むVFR100の例示的な端面断面図を示す。また、
図5Dに示すVFR100は、縮小CSA104aと断面で整列する偏心した矩形状の可動要素120を含む。
図5Dに示すように、絞り部110の内面と可動要素120の外面は、可動要素120の偏心切欠き112が配置されている場所を除いて接触してもよい。この結果、溝状の流路104bが形成される。いくつかの実施形態では、絞り部110に隣接するとき、可動要素120は、流体封止を維持するために、絞り部110及び/又はチャンバ102の内壁の少なくとも一部と接触する1又は複数のシール、ガスケットなどを含むか、又はそれに包囲される。シールは、流路104bを介した場合を除き、チャンバ102の流路104の近位部と遠位部の間の流体連通を阻止できる。
【0042】
当業者には理解されるように、
図5Aから
図5Dは例示目的のみであり、チャンバ102、絞り部110、可動要素120、及び任意の切欠き112は、形状及びサイズの任意の組み合わせを含み、サイズ及び形状が縮小したCSA104a及び流路104bの任意の組み合わせを形成することができる。例えば、チャンバ102、絞り部110、及び可動要素120のいずれかは、スパイラルカット、マルチピッチスパイラルカット、トランペットカットなどとすることができる。同様に、チャンバ102、絞り部110、及び可動要素120内の任意の偏心したカットは、流路104bを画定する際に、任意の形状の組み合わせを含むことができる。例えば、チャンバ102、絞り部110、及び可動要素120のいずれかは、矩形、円筒形、多角形、蛇腹、トランペットなどの偏心した断面の切欠きを含むことができる。
【0043】
同様に、チャンバ102、絞り部110、可動要素120、及び切欠き112の間の任意の組み合わせにより、VFR100を通過する流体の流量を変更するための流路104bを形成することができる。絞り部110及び可動要素120の重複部分の間に形成された任意のサイズ及び形状のギャップ(例えば、流路104b)は、チャンバ102を通過して流動する流体に対する抵抗を調整することにより、流量調整器として作用させることができる。流路104bの抵抗は、流路104bの総断面積及び長さに比例するので、流路104bの寸法により抵抗のレベルを決定することができる。
【0044】
流路104bの特定の断面積は、可動要素120と絞り部110の間の空間的な関係によって決定することができる。本明細書で議論したように、流路104bの長さは、絞り部110と可動要素120の間の重複により画定でき、重複長さに総断面積を乗じることによって、流路104bを通過する流れに対する抵抗を決定することができる。重複長さ(L)は、チャンバ102内の可動要素120の位置に依存するので、流路104bを通過する流れに対する抵抗も、チャンバ102内の可動要素120の位置及び絞り部110との重複寸法に依存する。この結果、VFR100は、チャンバ102、絞り部110、可動要素120、及び最終的に流路104bの幾何学的形状を決定する任意の切欠き112の間の幾何学的及び空間的な関係、さらにはVFR100を通過する流れの抵抗に基づいて、流動抵抗を調整及びカスタマイズすることが可能となる。
【0045】
いくつかの実施形態では、本開示に係るVFR100を用いて、入力部106から出力部108への流量を所望の一定速度に制御できる。特に、流動抵抗は、VFR100を通過する流体の流量に比例するため(例えば、流動抵抗=入力部106から出力部108までのΔ圧力÷流量)、入力部106から出力部108までの圧力変化を考慮し、可動要素120の位置を調整することができる。
【0046】
本明細書で述べたように、抵抗値は、VFR100の様々な構成要素の幾何学的特性及び関係に直接関係する。VFR100の構成により、CSA104aと可動要素120の組み合わせによって提供される最小抵抗値(Rmin)及び最大抵抗値(Rmax)は、可動要素120と絞り部110の最小及び最大重複長さ(Lmin及びLmax)によって直接決定される。基本的に、可動要素120の位置と流動抵抗の関係は、単調な関係とすることができる。簡単に言えば、可動要素120とCSA104aの重複長さがLminからLmaxに増加する(流路104bを延長する)と、流動抵抗はRminからRmaxに増加する。
図6Aを参照すると、例えば、流路104bの断面積が一定である場合(
図3Aから
図5Dにも示すように)、単調な関係は、
図6Bに図示されたグラフ600に示すように、可動要素120と絞り部110の重複長さがLminからLmaxに増加するに従って、抵抗がRminからRmaxに一定の割合で増加する線形となる。
【0047】
図6Bを参照すると、図中のグラフ600は、流路104bの断面積が一定である場合の絞り部110に対する可動要素120の長さと流路104bの流路抵抗との関係を示す。
図6Aは、対称な絞り部110が、可動要素120を用いて一定の形状の流路104bを作成するために実施される例を示すが、一定形状の流路104bを作成するために、形状及び設計の任意の組み合わせを利用することができる。例えば、
図1Bの非対称な絞り部110の設計は、絞り部110と平行に配置された一様な形状の可動要素120と共に利用され、一定である流路104bを提供することができる。
【0048】
図7Aを参照すると、実施形態では、可変流量抵抗器100は、チャンバ102の遠位端に向かって徐々に縮小するCSA104aを含むことができる。この縮小は、絞り部110の幾何学的形状によって形成される。流路断面領域が縮小する場合、単調な関係は、
図7Bに図示されるグラフ700に示すように、重複部分がLminからLmaxまで増加するに従って、抵抗がRminからRmaxまで増加する凹状の非線形の軌道に従う。
図7Bを参照すると、グラフ700は、絞り部110に位置する可動要素120の長さと、流路104bでの流動抵抗との関係を示す。
【0049】
図7Aは、非対称の絞り部110が可動要素120を用いて縮小する形状の流路104bを形成するために実装される例を図示するが、縮小流路104bを作成するために形状及び設計の任意の組み合わせを利用することができる。例えば、
図1Aからの対称的な絞り部110の設計は、高さ/幅が増加する可動要素120と共に利用され、縮小する流路104bを提供することができる。この効果は、近位端から遠位端の方向に延びるに従ってサイズが縮小する切欠き112(
図5C及び
図5Dの切欠き112に類似)によっても得ることができる。同様に、絞り部110及び可動要素120の形状の任意の組み合わせを使用して、チャンバ102内でサイズが大きくなる流路104bを形成することができる。当業者に理解されるように、増大するCSA104bは、逆の効果をもたらす。
【0050】
図8Aから
図8Cを参照すると、実施形態では、可変流量抵抗器100は、可動要素120内の切欠き112の幾何学的形状によって形成された増大するCSA104aを含むことができる。
図8Aは、側面がチャンバ102の内壁及び非対称な絞り部110に隣接しているCSA104aのほぼ全体を占める可動要素120を有する例示的なVFR100の側面断面図を図示する。
図8Bは、
図8AのVFR100の端面断面図を図示する。この図で、切欠き112は、流体がチャンバ102を通過して流動できる流路104bを形成する。
図8Cを参照すると、いくつかの実施形態では、
図8A及び
図8BのVFR100の上記断面図に示すように、切欠き112の幾何学的形状の面積を増大させることができる。
【0051】
流路104bが増大しているところでは、この単調な関係は、
図8Dのグラフ800に示すように、重複部分がLminからLmaxに増加するに従って、抵抗がRminからRmaxに凹状に上昇する非線形の軌跡をたどる。
図8Dのグラフ800は、絞り部110に対する可動要素120の位置の長さと、流路104bの流路抵抗との関係を示す。
図8Aから
図8Cは、可動要素120がトロンボーン形状の偏心した切欠き112を含み、非対称の絞り部110と非線形の関係を形成して、増大形状の流路104bを作成する例を図示するが、絞り部110、可動要素120、及び切欠き112の形状及び設計の任意の組み合わせを利用して、面積が増大する流路104bを作成することができる。例えば、
図1Aの対称的な絞り部110の設計は、トロンボーン形状の切欠き(
図8Cに示す切欠きなど)を含むことができ、増大する流路104bを提供するために対称な可動要素120と共に利用することができる。同様に、絞り部110及び可動要素120のための形状の任意の組み合わせは、チャンバ102内でサイズが増大する流路104bを作成するために使用される。
【0052】
さらに、フローチャンバ102内の可動要素120の特定の軸方向及び位置は、チャンバ102内の流動パターン、圧力差、及び弾性要素、レール、停止部、磁気特性、プッシュロッド、及びねじなどのチャンバ102内の他の追加の構造要素を含むがこれらに限定されない多くのメカニズムの1つによって決定される。より具体的には、これらの機構を用いて、入力変数としての圧力差に依存する可動要素120の位置を画定することができる。その結果、本開示の可変流量抵抗器100により、圧力差と可動要素120の位置との間のカスタム関係が可能となり、流動抵抗及び流量が決定される。
【0053】
前述のように、重複部分(Lmin及びLmax)及び抵抗(Rmin及びRmax)には最小値及び最大値があり、同様に、圧力差にも最大値及び最小値がある。上記の結果、可変流量抵抗器100は、VFR100の基本的な特性と一致し、抵抗が変化する圧力差について固有の動作範囲を持つように設計することができる。圧力差がその範囲外にあるとき、装置は固定抵抗器として動作させることができる。この動作範囲における最大圧力差(ΔPmax)は、最大重複部分(Lmax)に関係する最大抵抗値(Rmax)に関係する。いくつかの実施形態では、最大圧力差(ΔPmax)を超える圧力差がある場合、可動要素120の位置は、重複長さが最大重複長さ(Lmax)に等しくなるように固定されたままであり、抵抗は、圧力差とは無関係に、最大抵抗(Rmax)に固定されたままである。
【0054】
最大圧力差と同様に、この動作範囲における最小圧力差(ΔPmin)は、最小重複部分(Lmin)に関係する最小抵抗(Rmin)に関係する。圧力差が最小圧力差(ΔPmin)以下の場合、可動要素120の位置は、圧力差とは無関係に、重複部分が最小重複長さ(Lmin)に等しく、抵抗が最小抵抗(Rmin)に固定されたままとなる。要するに、圧力差、又は圧力の変化が最大圧力差よりも大きい場合、流量(Q)はもはや一定ではない可能性がある。
【0055】
図9を参照すると、(例えば、流路104bを通過する)体積流体流量(Q)、(例えば、チャンバ102、断面積4a、流路104bなどによって形成される)流れに対する抵抗(R)、及び可動要素120と絞り部110の間の重複部分の長さ(L)が、圧力差に関係することを示すグラフ900が提供されている。要するに、i)圧力差がVFR100の最小圧力差に近づくと、L及びRは初期の最小値を維持し、ii)圧力差がVFR100の最小圧力差値と最大圧力差値の間にある場合、L及びRの各値は直線的に増加する一方、Qは一定のままであり、iii)圧力差がVFR100の最大圧力差を超えると、L及びRは最終的な最大値(最小圧力差未満のときの値とは異なる)を維持する一方、Qの値は増加する。いくつかの実施形態では、VFR100は、入力圧力が変化しても一定流量(Q)を適切に維持できるように、特定の圧力入力パラメータ内で動作するように設計することができる。
【0056】
図10A及び
図10Bを参照すると、いくつかの実施形態では、可変流量抵抗器は、チャンバ102内に配置された1又は複数の停止部122を含むことができる。停止部122は、可動要素120と絞り部110の間の最小及び/又は最大の重複を制限するように配置できる。停止部122は、可動要素120がチャンバ102内の特定点を超えて移動するのを停止させるように構成されたサイズ及び形状の材料の任意の組み合わせを含むことができる。例えば、停止部122は、(
図4A及び
図10Aに示すような)チャンバの壁から延びる静的な突出部、調整機構(例えば、
図10Bに示すねじ)、又は当技術分野で公知の任意の他の機械的構造とすることができる。
図10Bに図示するように、調整可能な停止部122を使用すると、絞り部110に対する可動要素120の最小及び最大動作が、調整可能な停止部122の位置による影響を受けるため、Lmin及びLmaxを調整することができる。
【0057】
絞り部110と同様に、停止部122は、非対称で偏心した形状の任意の組み合わせを含むことができる。例えば、停止部122は、
図4Aに図示するように、チャンバ102の周りに延びる連続した対称形状とすることができる。また、
図10Aに図示するように、チャンバ102から延びる1又は複数の別個の突出部とすることができる。また、(複数の)停止部122は、
図10Aに図示するように、チャンバ102の近位端及び/又は遠位端のいずれか、又はそれらの組み合わせに配置することができる。さらに、複数の異なるタイプの停止部122を、同じ可変流量抵抗器100内に実装することができる。例えば、抵抗器100の近位端は、(
図10Bに示すように)調整可能な停止部122を含むことができ、抵抗器100の遠位端は、(
図10Aに示すように)固定された停止部122を含むことができる。
【0058】
図11を参照すると、
図10A及び
図10Bの構造に関する可動要素120の位置(L)と流動抵抗(R)の関係を示すグラフ1100が図示されている。言い換えれば、グラフ1100は、可動要素120と絞り部110の間に固定された重複部分がある場合に起こることを示している。このような例では、グラフ1100に反映されるように、可動要素120が静止しているので、流動抵抗(R)及び重複長さ(L)は一定である。したがって、流量(Q)は、圧力が上昇するに従って増大する。
図10Aは、縮小する断面104a内を遠位停止部122に当接するまで移動可能な可動要素120を提供する。その結果、グラフ1100に図示する関係が得られる。より具体的には、グラフ1100に示すように、圧力差の導入により、流量(Q)、流動抵抗(R)及び重複部分長さ(L)の瞬間的なステップ増加が提供されるように、チャンバ102内で可動要素120が(停止部122に到達するまで)移動する。圧力が増加し続けると、流量(Q)が増大する一方、圧力差が増大すると、流動抵抗(R)及び重複部分長さ(L)は一定に維持される。
【0059】
図12A及び
図12Bを参照すると、いくつかの実施形態では、可変流量抵抗器100は、可動要素120及びチャンバ102の少なくとも一端に連結された1又は複数のばね又は他の付勢機構130を含むことができる。付勢機構130は、当技術分野で公知の機構の任意の組み合わせを使用して、可動要素120及びチャンバ102に連結することができる。付勢機構130は、チャンバ102内での可動要素120の移動量を制限するとともに、可動要素120の移動に必要な力を制限するように構成することができる。いくつかの実施形態では、付勢機構130は、フローチャンバ102内の可動要素120と機械的に連結することができ、入力部106と出力部108の間の圧力差によって生成される遠位に向かう力と釣り合う近位に向かう力を発揮させるために使用することができる。当業者であれば理解できるように、付勢機構130は、圧縮可能な気体又は流体などの非機械的要素とすることもできる。いくつかの実施形態では、追加の機械的な力を可動要素120に適用して、デバイスVFR100を流動する流れに対する抵抗及び流量をさらにカスタマイズすることができる。
【0060】
図12Aを参照すると、いくつかの実施形態では、付勢機構130は、チャンバ102内に存在し、可動要素120の少なくとも一端に連結される圧縮ばねとすることができる。ばね力(F
s)を近位に向けるために付勢機構130が圧縮型である場合、
図12Aに図示するように、付勢機構130はチャンバ102の遠位端に配置できる。より具体的には、付勢機構130を、可動要素120の遠位にあるフローチャンバ102内に配置し、可動要素120の遠位端と近位側で連結し、フローチャンバ102の遠位壁又は他の遠位構造構成要素と遠位側で連結することができる。この構成では、付勢機構130のばね力(F
S)に対抗するのに十分な力/圧力(F
ΔP)が可動要素120の近位端に付与されると、ばね130は(例えば、フックの法則に従って)圧縮され、可動要素120がチャンバ102内で移動可能となる。
【0061】
図12Bを参照すると、いくつかの実施形態では、付勢機構130は、伸長タイプとし、チャンバ102の近位端内に配置することができる。より具体的には、付勢機構130は、可動要素120の近位でフローチャンバ102内に位置し、可動要素120の近位端と近位で連結し、フローチャンバの近位壁又は他の近位構造要素と近位で連結することができる。この構成では、付勢機構130のばね力(F
S)に対抗するのに十分な力/圧力(F
ΔP)が可動要素120の近位端に付与されると、ばね130は(例えば、フックの法則に従って)伸長し、可動要素120がチャンバ102内を移動可能とする。当業者であれば理解できるように、VFR100は、ばねなどの弾性部材の任意の組み合わせを使用するように変更できる。例えば、圧縮ばね、伸長ばね、定力ばねなどを使用できる。
【0062】
図12A及び
図12Bに図示するばね力の付勢機構130の使用により、入力部106を介してチャンバ102に流入する流体によって生成される圧力の反対方向にばね力が作用する。可動要素120に付与される圧力と、付勢機構130によって付与されるばね力とに応じて、可動要素の動き、さらにはチャンバ102を通過する流体の流れを制御することができる。したがって、チャンバ102内の付勢機構130の位置に拘わらず、付勢機構130の特性により、可動要素120が移動可能な範囲を決定することができる。この結果、最大及び最小の重複長さ(Lmin及びLmax)を決定することができる。例えば、可動要素120の遠位に配置された圧縮ばねでは、最小重複長さ(Lmin)は、ばねの中立長さによって決定され、最大重複長さ(Lmax)は、ほぼ又は完全に圧縮された状態のばねの長さによって決定される。いくつかの実施形態では、可動要素120の動きを管理する他の要素を、弾性要素と組み合わせて使用することもできる。例えば、
図12A及び
図12Bに図示するように、VFR100は、チャンバ102の少なくとも一端に配置された停止部122を含むことができる。停止部122を含むことで、付勢機構130によって提供されるばね力に拘わらず、Lmin及びLmaxの一方又は両方を制限することができる。停止部122は、チャンバ102のいずれかの端部に配置することができ、
図12A及び
図12Bに提供される遠位の配置には限定されない。
【0063】
流路104bの断面積が一定であり、付勢機構130がフックの法則に従う古典的なばねであるいくつかの実施形態では、付勢機構130の変位とばね力の間の線形関係は、可動要素120の位置と流動抵抗の間の線形関係に一致する。この関係により、チャンバ102の入力部106と出力部108の間の圧力差に依存しない一定の流れが得られる。いくつかの実施形態における圧力差の動作範囲は、幾何学に基づく最小及び最大の重複長さ及び抵抗だけよりも狭くすることができる。この動作範囲は、付勢機構130の線形範囲に依存する。
図12Cを参照すると、グラフ1200は、付勢機構130を使用した場合、重複長さ(L)、流路104bでの流動抵抗(R)、及び流路104bから流出する流量(Q)の関係を示す。この関係は、
図11のグラフ110に図示される関係とは対照的である。
図12Cでは、付勢機構130は、圧力によって可動要素120に付与される力に対抗する。したがって、圧力が変化すると、可動要素120に付与される力が変化し、付勢機構130が一体となって変化するため、重なりが変化する。この結果、流れに対する抵抗が変化し、流量が一定となる。
【0064】
図12Dを参照すると、いくつかの実施形態では、付勢機構130は、そこに連結された可動要素120に付与される力に応じて伸長及び収縮できるエラストマー材料である。
図12A及び
図12Bについて説明したばねベースの付勢機構130と同様に、エラストマー材料は、当技術分野で公知の機構の任意の組み合わせを使用して、可動要素120及びチャンバ102の壁に連結することができる。
【0065】
図12Eを参照すると、いくつかの実施形態では、可動要素120は、チャンバ102の中心ではなく、チャンバ102の壁の近くに配置することができる。例えば、可動要素120は、チャンバ102の壁にほぼ隣接して円周方向に配置することができる。
図12Eに示すように、1又は複数の付勢機構130を可動要素120に連結し、VFR100によって提供される全流量出力を調整することができる。いくつかの実施形態では、可動要素120は、例えば、1又は複数のばね(付勢要素13)を用いて、調整可能な絞り部110に向かう方向に移動可能とすることができる。例えば、
図12Eに図示するように、付勢機構130は、可動要素120の遠位端と、内側チャンバ102の遠位端の近位側とに連結することができる。この配置では、可動要素120に力が付与されると、付勢機構130が圧縮され、可動要素120を移動させることができる。
【0066】
続けて
図12Eを説明すると、いくつかの実施形態では、絞り部110の位置は静止しているが、それに連結された調整機構(複数可)132を含むことにより調整することができる。例えば、
図12Eに図示するように、調整機構132(複数可)、例えばねじが絞り部110の遠位端に連結される。調整機構132(複数可)が回転すると、絞り部110は、特定方向に移動する。例えば、調整機構132(単数又は複数)の時計回りの回転により、絞り部110を近位方向に移動させることができ、又はその逆も可能である。回転及び移動の任意の組み合わせを使用することができる。同様に、絞り部110の位置を調整するために、例えば、ピストン、調整可能なばねなど、任意の機構の組み合わせを使用することができる。調整機構132(複数可)は、絞り部110の位置を調整することができるが、回転していないときには、動作中、絞り部110を静止したままとすることができる。調整機構132(複数可)は、可動要素120が移動する間、絞り部110を位置決めして静止させるように動作させることが可能である。
【0067】
付勢機構130によって付与するばね力は、流量に影響を与えることができるが、流路104bは、例えば、一定の流体の流れを維持するなどの所望の結果を提供するために、ばね力と組み合わせて動作するように構成することもできる。
図13Aから
図15Eを参照すると、いくつかの実施形態では、可動要素120は外側に配置され、絞り部110は可動要素120の内側に配置される固定プレートとすることができる。例えば、
図14A及び
図14Bに図示されるように、可動要素120は、固定された絞り部110(例えば、レール)上の円筒形のピストンとすることができる。本明細書で説明するように、可動要素120と絞り部110の重複長さ(L)は、可動要素120と絞り部110の間に位置する流路104bを流動する流れにむしろ影響を与えることができる。可動要素120は、流路104bを流動する流体の流量に影響を与えるため、絞り部110の長さに沿って移動させることができる。
【0068】
図13Aを参照すると、いくつかの実施形態では、絞り部110と組み合わせた可動要素120は、可動要素120及び絞り部110によって形成された流路104bを介してのみ流体が流動できるように、チャンバ102との密封配置を形成することが可能である。
図13Aの可動要素120の配置は、
図1Aから
図12Cに関して議論された特徴の任意の組み合わせとすることができる。例えば、絞り部110に沿う可動要素120の位置決めは、付勢機構130及び1又は複数の停止部122の組み合わせによって決まる。本明細書で議論したように、絞り部110に沿った可動要素120の間の重複長さは、流路104bを通過する流量に影響する。
【0069】
図13B及び
図13Cを参照すると、
図13Aの可動要素120など、絞り部110を囲む可動要素120の断面図が図示されている。可動要素120は、入力部106からの流体の流れから力を受ける大きな表面積を提供する略垂直な表面120aを含むことができる。いくつかの実施形態では、絞り部110は、可動要素120が絞り部110の周りに配置されたときに流路104bを形成するサイズ及び位置の切欠き112を有する。
図13B及び
図13Dに示すように、絞り部110は、可動要素120が重複するときに流路104bを確定するように、底面部に切欠き112を含む。絞り部110の可動要素120の重複長さ(L)は、流路104bの長さを決定し、断面104aを通過する流体の流量に影響を与える。
図13Bから
図13Dは、単一の切欠き112を図示するが、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の数の切り抜きを使用することができる。同様に、切欠き112は、流路104bを形成するために、絞り部110、可動要素120、チャンバ102などの任意の組み合わせで設けることができる。同様に、サイズ/スケールの任意の組み合わせを、異なる構成要素に使用することができる。いくつかの実施形態では、絞り部110は、ミリメートルの測定可能なレベルの大きさにすることができる。一方、切欠き112は、ミクロンの測定可能なレベルの大きさにすることができる。当業者であれば理解できるように、本開示の範囲から逸脱することなく、任意のサイズの要素をVFR100に使用できる。
図13Dを参照すると、いくつかの実施形態では、絞り部110は、可動要素120が絞り部110を移動することによって生じるあらゆる摩擦を低減するように設計された1又は複数のシール124と隣接させることができる。
【0070】
図14A及び
図14Bを参照すると、絞り部110の周りに配置された可動要素120の斜視図が図示されている。
図14A及び
図14Bに示すように、絞り部110は、可動要素120が重複するとき、流路104bを確立するように上部に切欠き112を含む。いくつかの実施形態では、可動要素120は、
図14Aに示すように、上面/底面とは異なる平面で、そこから垂直に延びる水平面を有する略垂直面120aを含むことができる。いくつかの実施形態では、可動要素120は、
図14Bに示すように、均一形状の略垂直面120aを含むことができる。可動要素120、絞り部110、チャンバ102、切欠き112(複数可)のサイズ及び形状はすべて、所望の結果に基づいて変更できる。同様に、各構成要素の材料、質感、重さなどは、所望の結果に基づいて変更できる。例えば、
図14Aの可動要素120は、略垂直面120aに付与される力に対してより少ない抵抗を提供するために、その全体の質量が小さいことに起因して
図14Bの可動要素120よりも軽くてもよい。本明細書で議論したように、この構成を使用する場合、可動要素120、絞り部110、切欠き112などに、任意の形状の組み合わせを使用することができる。
【0071】
図15Aを参照すると、いくつかの実施形態では、絞り部110に配置した可動要素120は、1又は複数の付勢機構130に連結できる。例えば、1又は複数の付勢機構130は、可動要素120の略垂直面120aに連結される。1又は複数の付勢機構130は、入力部106からの流体の流れによって可動要素120の略垂直面120aに付与される力に対して、反対方向のばね力を付与できる。本明細書で説明するように、付勢機構130は、可動要素120のいずれかの側に連結できる。いくつかの実施形態では、
図15Aに図示するように、略垂直面120aは、入力部106と出力部108との間に密封された仕切りを形成するために、チャンバ102の内部まで延ばすことができ、VFR100を通過する流体流路が、可動要素120と絞り部110との重複によって形成される流路104bに制限される。
【0072】
図15B及び
図15Cを参照すると、いくつかの実施形態では、VFR100は、可動要素120とチャンバ102の内部との間にシールを形成するために、付勢機構130をエラストマライナとすることができる。エラストマライナは、圧縮、膨張、及び中立状態のときに形状復帰を可能にする弾性を有する材料の任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、
図15B及び
図15Cに図示するように、エラストマライナは、チャンバ102の内周部を並べ、可動要素120の略垂直面120aに連結し、入力部106と出力部108の間に密封された仕切りを形成することができる。例えば、略垂直面120aは、製造方法の任意の組み合わせを使用して、エラストマライナに連結するか、又はエラストマライナ内に埋め込むことができる。エラストマライナ及び可動要素120によって形成される密封された仕切りは、VFR100を通過する流体流路を、可動要素120と絞り部110の重複によって形成された流路104bに制限する。エラストマライナは、弾性部材130と組み合わせて、又は弾性部材130の代わりに利用することができる。
【0073】
図15Cを参照すると、例えば、入力部106から流入する流体の流れによって、可動要素120の略垂直面120aに圧力が作用すると、可動要素120は、VFR100の遠位端に向かう方向へと移動できる。可動要素120は、略垂直面120aに付与される力が、エラストマライナの抵抗力よりも大きい場合に移動する。例えば、略垂直面120aに付与される力は、
図15Cに図示するように、エラストマライナの近位部分を膨張させ、エラストマライナの遠位部分を圧縮するのに十分でなければならない。
【0074】
図15D及び
図15Eを参照すると、いくつかの実施形態では、付勢機構130は、可動要素120と内側チャンバ102との間にシールを形成するために、圧縮可能なアコーディオンチューブを含むことができる。アコーディオンチューブは、圧縮、膨張、及び中立状態のときに形状復帰を可能にする性質を有する材料の任意の組み合わせを含むことができる。アコーディオンチューブは、可動要素120の略垂直面120aに付与される流体の流動力とは反対方向に何らかの抵抗を付与する材料及び/又は設計で構成されるのが望ましい。例えばエラストマー材料から構成されたアコーディオンチューブは、フックの法則に従ったばね力を付与するように設計できる。いくつかの実施形態では、
図15D及び
図15Eに図示するように、アコーディオンチューブは、チャンバ102の内周部に並べて、可動要素120の略垂直面120aに連結することができ、入力部106と出力部108の間に密封された仕切りを形成するために、アコーディオンチューブへと延ばすことができる。アコーディオンチューブと可動要素120によって形成される密封された仕切りは、VFR100を通過する流体流路を、可動要素120と絞り部110の重複によって形成された流路104bに制限する。アコーディオンチューブは、弾性部材130と組み合わせて、又は弾性部材130の代わりに利用することができる。
【0075】
図15Eを参照すると、アコーディオンチューブの抵抗力に対抗するのに十分な圧力が、例えば、入力部106から流入する流体の流れによって、可動要素120の略垂直面120aに付与されると、可動要素120は、VFR100の遠位端に向かう方向に移動できる。可動要素120は、略垂直面120aに付与される力が、アコーディオンチューブの抵抗力よりも大きい場合に移動する。例えば、略垂直面120aに付与される力は、
図15Eに図示するように、アコーディオンチューブの近位部分を膨張させ、遠位部分を圧縮するのに十分でなければならない。
【0076】
図16Aを参照すると、いくつかの実施形態では、VFR100は、
図1Aから
図15Eについて説明したように、重複長さではなく、流路104bの長さを調整することによって、細長要素140内の流路104bの長さを修正するように設計できる。細長要素140は、
図16Aに図示するように、チャンバ102の近位端及び可動要素120の近位端に連結できる。細長要素140は、可動要素120に力が付与されると、細長要素140が伸長又は伸張可能となるように構築及び/又は形成できる。例えば、入力部106から流入する流体は、細長要素140の流路104bを通過し、可動要素120に向かって流動し、力を付与することができる(輪郭のある矢印で示す)。流体が可動要素120に力を付与すると、細長要素140の反力に対抗するのに十分な力が、可動要素120の略垂直面120aに付与され、細長要素140が伸長し、可動要素120をチャンバ120の遠位端に向かって移動させることができる。いくつかの実施形態では、細長要素140は、そこを通過する流路104bの直径を修正することなく伸長させることができる。細長要素140が伸長すると、流路104bが長くなり、前記流路104aを通過する流量(実線の矢印で示す)に影響を与える。
図16Bを参照すると、いくつかの実施形態では、細長要素140が引き伸ばされたときに倒れるのを防ぐために、その中に(又は細長要素140の周りに)配置された支持コイルを有する細長要素140を含むことができる。他の点では、
図16Bの装置100は、
図16Aの装置100と同様の方法で動作可能である。
【0077】
図16Cを参照すると、いくつかの実施形態では、VFR100は、内部を延びるCSA104aを有する2以上の異なるタイプの付勢機構130a、130bを含むことができる。例えば、VFR100は、
図16Cに図示するように、チャンバ102の近位側と可動要素120の近位側とに連結された第1の付勢機構130aと、チャンバ102の遠位側と可動要素120の遠位側とに連結された第2の付勢機構130bとして、アコーディオンチューブを含むことができる。第1の付勢機構130aは、可動要素120に力が付与されると、伸長又は伸張するアコーディオンチューブのような構造及び/又は形状にすることができる。例えば、入力部106から流入する流体は、アコーディオンチューブのCSA104aを通過して流動し、可動要素120に向かって流れ、力を付与することができる(輪郭のある矢印で表される)。同時に、第2の付勢機構103b(例えば、ばね)は、チャンバ102の近位端に向かって押し戻す反力を提供できる。チャンバ102内の流体が可動要素120に力を加えると、その力は、第1の付勢機構130aを伸長させ、第2の付勢機構130bを圧縮させながら、可動要素120をチャンバ120の遠位端に向かって移動させることができる。可動要素120に付与される力は、第1の付勢機構130a及び第2の付勢機構130bの両方によって加えられる反対の力に打ち勝つのに十分でなければならない。第1の付勢機構130aが長くなると、流路104bが増大し、流路104aを通過する流量に影響を与えることになる。
【0078】
いくつかの実施形態では、VFR100は、拡張可能な流路を介して流路104bの長さを変更するために、ばね、アコーディオンチューブ、及び拡張可能な流路などの付勢機構130の任意の組み合わせを含むことができる。
図16Dを参照すると、VFR100の例示的な実施形態が、チャンバ102及び可動要素120の近位側に連結されたアコーディオンチューブと、アコーディオンチューブ106内に配置された(チャンバ102及び可動要素120の近位側にも連結されている)細長要素140と、チャンバ102及び可動要素120の遠位側に連結されたばねとを備えて図示されている。
【0079】
図17を参照すると、使用する場合、本開示のVFR100は、流体源1702から流体レセプタクル1704への流体の流れを調整するためのシステム1700に実装できる。例えば、VFR100は、(入力部106を介して)所定の入口圧力で流体の流れを提供する流体リザーバと、(出力部108を介して)所定の出口圧力で流体の流れを提供する流体レセプタクルとの間に介在させることができる。VFR100の位置決めは、入力部106で流体源1702との流体連通を提供し、出力部108でレセプタクル1704との流体連通を提供して、流体源1702からレセプタクル1704への流体連通ラインを形成する。流体の流れは、例えば、ポンプ式、重力アシスト式などの任意の組み合わせの送出機構を用いて入力部106に送出できる。また、VFR100は、流体リザーバ及び圧力源と統合して、流体移送システム(例えば、輸液装置)を形成することができる。流体源1702と流体レセプタクル1704の間に配置されると、受動的VFR100は、
図12Cのグラフ1200に表されるように、それを通過する流れが一定(Q
0)になるように、圧力差(ΔP)に対する抵抗(R)を自動調整できる。
【0080】
言い換えれば、VFR100を流体の流れに沿って配置し、流体の流量を所望の一定値に自動調整し、例えば、流路104bの長さ(L)を変更して流量(Q)を調整することにより、受動的可変抵抗器を提供することができる。これらの調整は、
図1Aから
図16Dについて説明した特徴の任意の組み合わせを用いて行うことができる。可変流量抵抗器100及び使用方法は、任意の規模のアプリケーションの任意の組み合わせに適用することができ、本明細書で提供される例示的な使用に限定されることを意図していない。
【0081】
使用中、VFR100の物理的特性により、流路104を通過する(例えば、絞り部110によって形成される)流体の流れに対する抵抗は、縮小断面領域104aにおける可動要素120の位置に直接関係させることができる。この位置は、可動要素120に作用する力のバランス(例えば、ばねの力)によって決定される。VFR100を実装する際、入口圧力が出口圧力よりも大きい場合、圧力差(ΔP)により、可動要素120は出口部108に向かって駆動する。可動要素120をチャンバ102の遠位端に向かって移動させることにより、(可動要素120と絞り部110の重複により形成される)流路104bが長くなり、流路を横切る抵抗が増加する。同様に、入力圧力が低下すると、可動要素120に作用する圧力が低下し、(例えば、付勢機構130の反動によって)出口部108から離れる。チャンバ102の遠位端から離れることで、流路104bの長さ(L)が短くなり、流路を横切る抵抗が縮小する。したがって、任意の所定圧力差(ΔP)により、VFR100によって提供される抵抗(R)が調整され、VFR100を通過する流体の流量(Q)は、圧力が最大圧力を超えないか、又は最小圧力を下回らないと仮定して、(VFR100の特性によって定義されるように)一定の値を維持することになる(例えば、
図9に反映されるように)。
【0082】
VFR100によって提供される一貫した流量は、圧力差の変化に依存せずに一貫した流量を維持することが望ましい、広範囲かつ多様なアプリケーションにおいて有用である。例えば、そのような特徴は、流体、薬、及び他の物質の流量の正確な制御が重要な臨床的意味を持つことができるヘルスケアアプリケーションにおいて特に望ましい。
図18を参照すると、固定流量の静脈内注入システム1800として、そのようなVFR100を組み込んだ医療機器の一実施形態が描かれている。静脈内注入システム1800は、上方に配置され、VFR100の入力部106に連結されたチューブ1806の長さと流体連通する流体リザーバ1802を含む近位端を有する。
【0083】
静脈内注入システム1800は、VFR100の出力部108に連結された長さの短いチューブ1806に近接して配置され、流体連通するように連結されたカテーテル1804を含む遠位端を有する。例えば、VFR100の遠位端は、特定の静脈圧で患者の静脈内に配置される末梢静脈内カテーテルなどのカテーテル1804に接続される。静脈内注入システム1800内のVRF100は、カテーテル1804における特定の静脈圧に対応するように、流体リザーバ1802(例えば、高さHFRによって部分的に作成されたもの)から受け取る流量を調整するように設計されている。
【0084】
図18に提供されるこのシステム1800では、VFR100の入力圧力は、流体の密度と、VFRの位置に対する流体リザーバ内の液柱高さとによって決定される(Pi=HFR*Rh
0)ここで、Piは入力圧力であり、Hは(例えば、流動抵抗器の)液柱高さであり、Rh
0は流体の密度である。VFR100の出口圧力は、患者の静脈内の圧力(P
0=P
y)に基づいて選択される。したがって、圧力差は、流体リザーバの高さと患者の静脈圧の線形関数における入力圧力と出口圧力の差である。ΔP=P
i-P
0=(HFR*Rh
0)-Pv IV注入の典型的な臨床設定において、VFR100の組み込みは、特定の動作範囲(例えば、Lmin-Lmax)に亘って(カテーテル1804を介した)患者への流体の流れが、流体リザーバの高さに依存しないという望ましい機能を提供する。静脈内注入システム1800に組み込まれたVFR100の特定の実施形態は、圧力差動作範囲を有するので、流体リザーバの最大及び最小の高さは、静脈によって決定される。流体リザーバの高さの動作範囲は、患者の静脈圧に依存するが、流体リザーバの高さがその動作範囲内にとどまっている限り、流量の恒常性は患者の静脈圧に依存しない。
【0085】
いくつかの実施形態では、VFR100システムは、異なる所望の流量を提供するために、複数の異なる固定流量で提供することができる。そして、ユーザは、自分の用途に適した固定流量のVFR100から選択し、そのデバイスを使用して固定流量で流量を調整することができる。例えば、各VFR100は、離散的な流量を有する識別子(例えば、SKU番号、色、流量番号など)を含むことができる。利便性を高めるために、指定された流量を印刷された番号やカラーコードなどで視覚的に区別することもできる。異なる流量のための異なるデバイスを用いて、オペレータは、所望の流量の所定の範囲に及ぶ固定流量デバイスをカバーする所定の数のオプションを提供することができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、VFR100システムは調整可能である。VFR100は、例えば、チャンバ102の1以上の寸法を調整すること、(例えば、回転機構を介して)停止部122の長さを調整すること、(例えば、回転機構を介して)可動要素120の移動量を調整すること、絞り部110のサイズ及び/又は位置を調整することなど、任意の方法の組み合わせを用いて調整可能である。VFR100が調整可能に設計されている場合、VFR100によって調整される現在の流量をユーザが明確に識別できるように、適切なインジケータを設けることができる。例えば、回転機構は、その上に異なる抵抗値を指定する線/数字を有することができる。調整可能なバージョンでは、ユーザは機構を調整又は回転させることによって、必要な流量を選択できる。
【0087】
本開示の実施形態は、電子注入ポンプを必要とせずに、IVバッグの高さに依存しない一定流量の重力駆動注入を提供する。これは、バッグの高さの不注意な変化や、患者の仰臥位から座位、歩行への移動にも拘わらず、一定の流量が維持されることを意味する。VFR100の抵抗は、入力圧力だけではなく圧力差に依存するので、この装置は、体液喪失、脱水、体液過多、及びカテーテルの垂直位置に影響を与えるような患者の動きによって患者の静脈圧が変化しても、一定流量を維持する。したがって、VFR100は、既存の重力ベースのシステムが直面している変数(例えば、IVバッグの高さ、患者の水分量の変化など)に左右されずに、高精度の重力駆動輸液を提供するように設計された完全に使い捨ての静脈内輸液セットを提供できる。また、受動的可変流量抵抗器を搭載することで、安定した流量を維持できる。
【0088】
図19を参照すると、VFR100は、異なる流体リザーバ1802から分離して提供することも、異なる流体リザーバ1802と組み合わせて提供することも可能であり、異なるサイズや内容のIVバッグなどの流体源の全範囲でカスタマイズすることができる。いくつかの実施形態では、VFR100をキットの一部として提供し、長さに沿った任意の位置に、ストップコック弁、Yコネクタ、ドリップチャンバ、キンク抵抗性チューブ1806、及びフィルタなどの様々な他の臨床的に有用な機能を組み込むことができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、VFR100及びその関連システム/キットの構成要素のすべては、安価で製造が容易な使い捨ての機械部品を利用でき、入力圧力に基づいて流れに対する抵抗を調整する。また、VFR100は、異なる薬剤、液体及び他の物質を、通常処方される流量の範囲で供給することができる。VFR100は、危険な空気塞栓症や静脈の浸潤に対する保護だけでなく、人為的なミスにも拘わらず物理的に超えることができない追加の安全機能を提供する。例えば、VFR100の動作により、臨床的に適切な条件下で、誤ってシステムに導入された危険な空気の泡が患者の体内を通過することを防ぐことができる。同様に、VFR100からの流れは、意味のある抵抗に遭遇したときに停止させることもできる。これは、静脈内カテーテルが静脈から外れたときに特定の薬剤の危険な浸潤を防止する上で重要である。いくつかの実施形態では、VFR100は、センサ/アラームを組み込むことができ、チューブ1806が捩れて流れが停止した場合、アラームが作動してユーザに警告することができる。最後に、VFR100は、電子注入ポンプに関係する重大な投薬エラーである、指定された速度よりも速い流体が不用意に供給されることを物理的にできないようにすることが可能である。いくつかの実施形態では、VFR100を、ユーザがスキャンできるコード(例えば、QR、SKUなど)を備えた設計とし、管理システムにより流体移送(例えば、輸液)の進行状況をユーザに通知することができる。
【0090】
図20A及び
図20Bを参照すると、いくつかの実施形態では、VFR100は、通過する能動的な流れがあるかどうかを示す流体インジケータ1820を含むことができる。いくつかの実施形態では、VFR100は、圧力インジケータ1820を露出させる窓を有することができる。窓の前を移動する可動要素120は、例えば、
図20Aに示すように、流量抵抗器によって付与されるある抵抗値を示すことができる。言い換えれば、可動要素120自体を流量表示器として機能させることができる。同様に、可動要素120が全く見えない場合、例えば、
図20Bに示すように、現在VFR100を通過する流体の流れがないことを示すことができる。いくつかの実施形態では、可動要素120は、流れがあることを示すために、基礎となる構成要素を露出させることができる。例えば、可動要素120が基礎となる流体インジケータ1820を最早ブロックしていないとき、可動要素120が移動すると、流体インジケータ1820の窓に現れる基礎となる要素を露出させることができる。
【0091】
本発明の別の有用な実施形態は、高精度の使い捨て輸液ポンプ(DIP)を用いた実施である。輸液圧力を生成する一般的な方法(エラストマーバルーン、ばね、ガスを加圧する)はすべて、輸液の経過中に入力圧力の低下を示すため、DIPはそれ自体では不正確である。これらのいずれかを使用するDIPは、これらのいずれかと、本明細書で説明する一定流量の可変抵抗器100とを組み合わせ、一定流量を達成するために輸液の過程で抵抗を下げることにより、不正確さの問題を直接解決することができる。
【実施例】
【0092】
本開示のVFR100をテストすることにより、流体移送(例えば、注入)の過程で圧力が繰り返し変更された場合でも、一定流れを維持することができるという証拠が得られた。臨床的観点からの最も決定的なテスト(図)は、典型的な静脈背圧に対して患者の前腕部の静脈に生理食塩水を注入することを模倣した生理学的ベンチトップモデルで行われた。2台の同一のVFR100に、それぞれ規定量の生理食塩水が入ったIVバッグを接続し、モデルの1台に取り付けた。一方の輸液(A)では,バッグは腕から約50cm(2フィート未満)の高さに吊るされたが,これは臨床現場では異例の低さである。もう一方の輸液(B)では、バッグは腕から約150cm(5フィート)の高さに吊るされ、天井に近い位置にあったが、これは異常に高い位置である。2つの輸液は同時に開始された。一方の輸液(B)の圧力が他方の輸液(A)の約3倍であったにも拘わらず、両セットとも同じ平均流量を示して同時に輸液を完了した。
【0093】
本発明の受動可変流量抵抗器100は、VFR100の入力部106で受けた圧力及び流量に拘わらず、(例えば、出力部108で)一定流量を出力させるために使用できる。以下の計算では、圧縮タイプの付勢機構130、例えば、圧縮ばねが、可動要素120の入力流量に対して抵抗するために使用されると仮定する。さらに、流路104の2つの形状(断面積が円形の管に近似したものと、断面積が幅W>高さhの長方形の管に近似したもの)について計算を行った結果を以下に示す。
【0094】
VFR100を通過する流れに対する抵抗は、この長さ(L)に直接関係させることができる。この長さは、断面領域104a内の可動要素120の位置によって決定される。この位置は、それに作用する力のバランス(例えば、入力流れからの圧力Pと、付勢機構130によって提供される相殺力)によって決定される。入口部の圧力は出口部の圧力よりも大きくなることがあるので、その圧力差Pにより、可動要素120が出口部108に向かって駆動し、流路104bを長くし、その間の抵抗を増大させる。また、付勢機構FSの反動により、可動要素120が出口部108から離れる方向に駆動され、流路104bが短くなり、その間の抵抗が縮小する。このように、任意の圧力差Pは、FS=APである。
【0095】
フックの法則に従う理想的なばねを仮定すると、付勢機構130の反発力は、付勢機構130の圧縮量に比例する。
【0096】
【0097】
円形管
流路104を断面領域104aの円管と仮定すると、流路104bを通過する流れQは、以下のHagen-Poiseuille方程式となる。
【0098】
【0099】
VFR100の構造、具体的には、付勢機構130と可動要素120との間の幾何学的な関係と相互作用により、以下のように定められている。
【0100】
【0101】
パラメータの最小セットを指定し、そこから他のパラメータを導き出すことができる。そのようなセットの1つには、以下が含まれる。
【0102】
【0103】
これらから、残りのパラメータを算出することができる。
【0104】
【0105】
矩形管
幅W>高さhの矩形管を通過する密度ρの流体の層流特性は、次のように推定できる。
【0106】
【0107】
レイノルズ数が小さければ流れは層流となり、水力抵抗と流れは次のように推定できる。
【0108】
【0109】
円管と同様に次式が成立する。
【0110】
【0111】
ここでも、パラメータの最小セットを指定し、そこから他のパラメータを導き出すことができる。そのようなセットの1つには以下が含まれる。
【0112】
【0113】
これらから、残りのパラメータを算出することができる。
【0114】
【0115】
これらの計算は、付勢要素130(例えば、ばね)を含むことによって、圧力と流れに対する抵抗との間の関係を線形化することを効果的に示すものである。
【0116】
本明細書で利用されるように、「備える」という用語は、排他的ではなく、包括的であると解釈されることを意図している。本明細書で利用されるように、「例」、「例示」、及び「例示的」という用語は、「例、事例、又は説明として役立つ」ことを意味することを意図し、他の構成と比較して好ましい又は有利な構成を示す又は示さないとは解釈されるべきではない。本明細書では、「約」、「一般に」、「およそ」という用語は、主観的又は客観的な値の範囲の上限及び下限に存在する可能性のある変動、例えば、特性、パラメータ、サイズ、及び寸法の変動をカバーすることを意図する。非限定的な一例では、「約」、「一般に」、及び「ほぼ」という用語は、その値そのもの、又はプラス10%以下、又はマイナス10%以下を意味する。非限定的な一例では、「約」、「一般に」、及び「ほぼ」という用語は、関連分野の当業者によって含まれるとみなされるほど十分に近いことを意味する。本明細書では、「略」という用語は、作用、特性、性質、状態、構造、項目、又は結果の完全又はほぼ完全な拡張又は程度を、当業者が理解できることを意味する。例えば、「略」円形の物体は、数学的に決定可能な限界まで完全に円形であるか、又は当業者が認識又は理解するようなほぼ円形であることを意味する。絶対的な完全性からの乖離の正確な許容度は、場合によっては特定の状況に依存することがある。しかし、一般には、絶対かつ完璧に完成した場合と同じ全体的な結果が得られるように、完成の近さを考慮する必要がある。「略」の使用は、当業者であれば理解できるように、作用、特性、性質、状態、構造、項目、又は結果が完全又はほぼ完全に欠如していることを指すために、否定的な意味合いで利用される場合にも同様に適用される。
【0117】
本開示の数多くの修正及び代替の実施形態は、前述の説明を考慮して当業者に明らかになるであろう。したがって、この説明は、例示的なものとしてのみ解釈され、本開示を実施するための最良の態様を当業者に教示することを目的としている。構造の詳細は、本開示の精神から逸脱することなく大幅に変更することができ、添付の特許請求の範囲内に入るすべての変更の独占的使用が留保される。本明細書では、明確かつ簡潔な明細書を書くことができるように、実施形態を説明してきたが、本発明から離れることなく、実施形態を様々に組み合わせたり、分離したりすることが意図され、また理解されるであろう。本開示は、添付の特許請求の範囲及び適用される法律の規則によって必要とされる範囲にのみ限定されることが意図されている。
【0118】
また、以下の特許請求の範囲は、本明細書に記載された本発明のすべての一般的な特徴及び特定の特徴、ならびに言語の問題としてその間に入ると言われる可能性のある本発明の範囲のすべての記述をカバーするものであることを理解されたい。
【図】
【国際調査報告】