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特表2022-527141マスク層にパターンを付与するための方法およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-30
(54)【発明の名称】マスク層にパターンを付与するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   B41C 1/00 20060101AFI20220523BHJP
   H04N 1/405 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
B41C1/00
H04N1/405 512
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022504336
(86)(22)【出願日】2020-03-19
(85)【翻訳文提出日】2021-11-08
(86)【国際出願番号】 EP2020057645
(87)【国際公開番号】W WO2020188041
(87)【国際公開日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】2022776
(32)【優先日】2019-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521435226
【氏名又は名称】ザイコン・プリプレス・エヌ・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ディルク・ルド・ジュリアン・デ・ラウ
【テーマコード(参考)】
2H084
5C077
【Fターム(参考)】
2H084AA30
2H084CC01
5C077LL19
5C077MP01
5C077NN04
5C077TT08
(57)【要約】
マスク層にパターンを付与するための方法であって、画素の縁部に平行な第1の方向における第1の画素サイズ(p;p1)および第1の方向に垂直な第2の方向における第2の画素サイズ(p;p2)を有する画素を表す画像ファイルを得るステップであって、第1の画素サイズおよび第2の画素サイズが同じ(p)である、または異なる(p1,p2)、ステップと、改変した物理的特性を有する複数の区域がマスク層に作り出されるようにマスク層を処理するステップであって、複数の区域(A)が画像ファイルの複数の画素に対応し、第1および/または第2の方向で見た、複数の区域のうちの1つの区域の第1および/または第2の区域サイズ(h;h1,h2)が、それぞれ、第1および/または第2の画素サイズ(p;p1,p2)より小さくなるように処理が行われる、ステップと、を含む、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク層にパターンを付与するための方法であって、
画素の縁部に平行な第1の方向における第1の画素サイズ(p;p1)および前記第1の方向に垂直な第2の方向における第2の画素サイズ(p;p2)を有する画素を表す画像ファイルを得るステップであって、前記第1の画素サイズおよび第2の画素サイズが同じ(p)である、または異なる(p1,p2)、ステップと、
改変した物理的特性を有する複数の区域が前記マスク層に作り出されるように前記マスク層を処理するステップであって、前記複数の区域(A)が前記画像ファイルの複数の画素に対応し、前記第1および/または前記第2の方向で見た、前記複数の区域のうちの1つの区域の第1および/または第2の区域サイズ(h;h1,h2)が、それぞれ、前記第1および/または第2の画素サイズ(p;p1,p2)より小さくなるように前記処理が行われる、ステップと、
を含み、
前記マスク上に表面網目パターンを得るために前記画像ファイルを操作することなく実施される、方法。
【請求項2】
前記第1および前記第2の方向で見た、前記複数の区域のうちの1つの区域の区域サイズ(h;h1,h2)が、それぞれ、前記第1および第2の画素サイズより小さくなるように前記処理が行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
マスク層にパターンを付与するための方法であって、
画素の縁部に平行な第1の方向に第1の画素サイズ(p;p1)を、前記第1の方向に垂直な第2の方向に第2の画素サイズ(p;p2)を有する画素を表す画像ファイルを得るステップであって、前記第1の画素サイズおよび第2の画素サイズが同じである、または異なる、ステップと、
改変した物理的特性を有する複数の区域が前記マスク層に作り出されるように前記マスク層を処理するステップであって、前記複数の区域が前記画像ファイルの直接隣接する第1の画素および第2の画素に対応する少なくとも第1の区域および第2の区域(A1,A2)を含み、前記第1の区域および第2の区域が前記第1の方向および/または前記第2の方向で重なり合わないように前記処理が行われる、ステップと
を含む、方法。
【請求項4】
前記複数の区域が、複数の孔に、または、未処理のマスク材料の透過率と異なる電磁放射に対する透過率を有する複数の区域に対応する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1および/または第2の区域サイズが、それぞれ、前記第1および/または第2の画素サイズの20%~99%の範囲にあり、好ましくは、30%~90%の範囲にあり、より好ましくは、40%~80%の範囲にある、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記マスク層を処理する前記ステップが、第1の電磁放射のビームを使用して行われる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ビームが前記第1の方向および第2の方向に第1のビームサイズおよび第2のビームサイズを有し、前記第1および/または第2のビームサイズが、それぞれ、前記第1および/または第2の画素サイズより小さく、前記第1および第2のビームサイズが、それぞれ、前記第1および第2の方向の前記ビームの断面の、強度がこの断面の最高強度の50%に等しい強度プロファイル中の2点間の、前記強度プロファイル中の最長距離である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1および/または第2のビームサイズが、それぞれ、前記第1および/または第2の画素サイズの20%~95%の範囲、好ましくは、40%~80%の範囲にある、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ビームが、波長、第1および第2のビームサイズ、ビームパワー、ならびにオン時間を有するように選択され、前記ビームパワーならびに/または前記第1および/もしくは第2のビームサイズならびに/または前記オン時間は、前記得られた画像ファイルの分析に基づいて設定される、請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記画像ファイルの第1の領域の画素に対応する区域を生成するために使用されるビームが、前記画像ファイルの第2の領域の画素に対応する区域を生成するために使用されるビームと異なる、請求項6から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ビーム、特にビームの前記第1および/もしくは第2のビームサイズならびに/または前記ビームパワーが、前記画像ファイルの中間調領域の画素の階調値の関数で選択される、請求項6から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ビームの断面が、円形、楕円形、正方形、長方形、もしくは多角形を有し、および/または、前記ビームの強度プロファイルが、ガウス分布、台形もしくは長方形である、請求項6から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記マスク層が、最初は本質的に、前記ビームの第1の電磁放射について不透過性であり、ならびに/または、前記マスク層が、前記第1の電磁放射に露光されると、溶除、および/もしくは漂白、および/もしくは色変化および/もしくは偏波の変化に起因して透過率の変化を受ける、請求項6から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記マスク層を処理する前記ステップが、前記画像ファイルに含まれる画像の画像領域について、少なくとも1つの前記画像領域に対応する前記複数の区域がパターンを形成するように制御され、好ましくは、前記パターンが、以下のもの、すなわち、規則的パターンまたは周期的パターン、確率的パターン、およびそれらの組合せのうちのいずれか1つである、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記マスク層を処理する前記ステップが、前記画像ファイル中に含まれる前記画像の画像領域について、前記第1および/もしくは第2の区域サイズならびに/または区域分布が前記画像領域の中心に近い区域と縁部に近い区域で同じである、または異なるように制御される、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記マスク層を処理する前記ステップが、前記画像ファイル中に含まれる画像の画像領域について、前記区域の密度が前記画像領域のサイズの関数で設定されるように制御される、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記マスク層を処理する前記ステップが、前記画像ファイル中に含まれる画像の画像領域について、前記区域の密度が前記画像領域の中心から前記画像領域の縁部に増加または減少するように制御される、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記画像領域が中間調領域または中実領域に対応する、請求項14から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記得られた画像ファイルが前記画像ファイルの解像度を変えることによって操作されておらず、および/または、前記画像ファイル内に前記複数の区域を発生させるために画素を除去することによって操作されていない、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記画像ファイルの解像度が、300dpi~20000dpi、好ましくは1000dpi~10000dpi、より好ましくは1000dpi~5500dpiの範囲である、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記マスク層が印刷版前駆体中に含まれ、前記印刷版前駆体が、1以上の層、好ましくは以下の層、すなわち、支持層、光活性層、保護層、バリア層、回折層、拡散層、および接着層、ならびにそれらの組合せのうちの1以上を備える、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
画像化した層組成物を形成する方法であって、
層組成物を形成するためにマスク層および基板層を組み合わせるステップと、
請求項1から21のいずれか一項に記載の方法に従って、前記マスク層にパターンを付与するステップと、
前記基板層が、前記パターン形成したマスク層中に作成される前記複数の区域に対応する複数の基板区域中で特性変化を受け、その結果、画像化した層組成物が形成されるように前記層組成物を処理するステップと
を含む、方法。
【請求項23】
前記層組成物を処理する前記ステップが、第2の電磁放射で行われる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
さらに処理した層組成物を得るために、前記特性変化を使用するため前記層組成物を処理する少なくとも1つのステップをさらに含む、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記マスク層にパターンを付与する前記ステップが、前記マスク層および前記基板層を組み合わせる前記ステップの後または前に行われる、請求項22から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記基板層が、支持層、光活性層、保護層、接着層、バリア層、スリップ層、粗面層、電磁波の偏波を変える層、またはそれらの組合せを備える、請求項22から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記マスク層および前記基板層を組み合わせる前記ステップが、マスク層を前記基板層に取り付けるステップ、または、前記マスク層および基板層を基板の一体化した層として作るステップを含む、請求項22から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記第2の電磁放射の波長が、200nm~2000nm、好ましくは200nm~400nmの範囲である、請求項22から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記基板層の前記特性変化が、凝固、溶解度の変化、色の変化、屈折率の変化、透過率の変化、偏波の変化、またはそれらの組合せである、請求項22から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記溶解度の変化が、重合、架橋化、解重合、重合鎖の開裂、保護基の開裂、またはそれらの組合せ、好ましくは、重合および/または架橋化、より好ましくは、ラジカル重合および/または架橋化によって実現される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記画像化した層組成物が凸版印刷用前駆体である、請求項22から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記さらに処理した層組成物が、オフセット版、フレキソ印刷版、活版、タンポン印刷版、凹版などといった印刷版である、請求項24に従属し、任意選択で請求項25から31のいずれか一項と組み合わされる方法。
【請求項33】
請求項1から21のいずれか一項に記載の方法に従って付与されたパターンを備えるマスク層を有するマスク。
【請求項34】
マスクと画素の縁部に平行な第1の方向における第1の画素サイズ(p,p1)および前記第1の方向に垂直な第2の方向における第2の画素サイズ(p;p2)を有する画素を表す画像ファイルを記憶するコンピュータ可読記憶媒体との組立体であって、前記第1の画素サイズおよび第2の画素サイズが同じであり、または異なり、前記マスクが改変した物理的特性を有する複数の区域を有するマスク層を備え、複数の前記区域が前記画像ファイルの複数の画素に対応し、複数の前記区域のうちの1つの区域の第1および/または第2の区域サイズ(h;h1,h2)が、前記第1および/または第2の方向で測定したとき、それぞれ、前記第1および/または第2の画素サイズより小さく、前記マスク上に表面網目パターンを得るために前記画像ファイルが操作されない、組立体。
【請求項35】
マスクと画素の縁部に平行な第1の方向における第1の画素サイズ(p,p1)および前記第1の方向に垂直な第2の方向における第2の画素サイズ(p;p2)を有する画素を表す画像ファイルを記憶するコンピュータ可読記憶媒体との組立体であって、前記第1の画素サイズおよび第2の画素サイズが同じであり、または異なり、前記マスクが改変した物理的特性を有する複数の区域を有するマスク層を備え、複数の前記区域が、前記画像ファイルの、隣接する第1の画素および第2の画素に対応する、少なくとも第1の区域および第2の区域を含み、前記第1の区域および第2の区域が前記第1の方向および/または前記第2の方向で重なり合わない、組立体。
【請求項36】
前記第1および/または第2の区域サイズが、それぞれ、前記第1および/または第2の画素サイズの20%~99%の範囲にあり、好ましくは、30%~90%の範囲にあり、より好ましくは、40%~80%の範囲にある、請求項33から35のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項37】
複数の前記区域が複数の孔、好ましくは複数の丸孔である、請求項33から36のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項38】
前記マスク層が、各々が第1の表面積を有する少なくとも2つの第1の隣接する区域を含む第1の画像領域および第2の表面積を有する少なくとも2つの第2の隣接する区域を含む第2の画像領域を備え、前記第1の表面積が前記第2の表面積と異なり、前記第1の表面積が前記第2の表面積より好ましくは少なくとも5%大きい、請求項33から37のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項39】
前記マスク層の少なくとも1つの画像区域中の前記第1および第2の区域サイズが、10μmより小さい、好ましくは8μmより小さい、請求項27から29のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項40】
請求項22から32のいずれか一項に記載の方法に従って得られた画像化した層組成物を備える凸版印刷用前駆体。
【請求項41】
凸版印刷用前駆体と画素の縁部に平行な第1の方向における第1の画素サイズ(p,p1)および前記第1の方向に垂直な第2の方向における第2の画素サイズ(p;p2)を有する画素を表す画像ファイルを記憶するコンピュータ可読記憶媒体との組立体であって、前記第1の画素サイズおよび第2の画素サイズが同じであり、または異なり、前記凸版印刷用前駆体が複数の凸版区域を有する基板層を備え、複数の前記凸版区域が前記画像ファイルの複数の画素に対応し、複数の前記凸版区域のうちの1つの凸版区域の第1および/または第2の凸版区域サイズが、前記第1および/または第2の方向で測定したとき、前記第1および/または第2の画素サイズより小さく、前記第1および/または第2の凸版区域サイズが、前記凸版区域の上面で測定され、前記マスク上に表面網目パターンを得るために前記画像ファイルが操作されない、組立体。
【請求項42】
凸版印刷用前駆体と画素の縁部に平行な第1の方向における第1の画素サイズ(p,p1)および前記第1の方向に垂直な第2の方向における第2の画素サイズ(p;p2)を有する画素を表す画像ファイルを記憶するコンピュータ可読記憶媒体との組立体であって、前記第1の画素サイズおよび第2の画素サイズが同じであり、または異なり、前記凸版印刷用前駆体が複数の凸版区域を有する基板層を備え、複数の前記凸版区域が、前記画像ファイルの、直接隣接する第1の画素および第2の画素に対応する、少なくとも第1の凸版区域および第2の凸版区域を含み、前記第1の凸版区域および第2の凸版区域が、前記第1の方向および/または前記第2の方向で重なり合わない、組立体。
【請求項43】
第1の方向における第1の画素サイズ(p,p1)および第2の方向における第2の画素サイズ(p,p2)を有する画素を表す画像ファイルに含まれる画像を印刷するために、請求項40から42のいずれか一項に記載の凸版印刷用前駆体の使用法であって、前記第1の画素サイズおよび前記第2の画素サイズが同じである、または異なる、使用法。
【請求項44】
マスク層にパターンを付与するためのシステムであって、
画素の縁部に平行な第1の方向における第1の画素サイズ(p,p1)および前記第1の方向に垂直な第2の方向における第2の画素サイズ(p;p2)を有する画素を表す画像ファイルを得るために構成され、前記第1の画素サイズおよび第2の画素サイズが同じである、または異なる、制御モジュールと、
改変した物理的特性を有する複数の区域が前記マスク層に作り出されるように前記マスク層を処理するために構成され、複数の前記区域が前記画像ファイルの複数の画素に対応する、処理手段と、
を備え、
前記制御モジュールが、複数の前記区域のうちの1つの区域の第1および/または第2の区域サイズが、前記第1および第2の方向で測定したとき、それぞれ前記第1および第2の画素サイズより小さいように前記処理を制御するようにさらに構成され、
前記マスク上に表面網目パターンを得るために前記画像ファイルを操作することなく前記制御が実施される、システム。
【請求項45】
マスク層にパターンを付与するためのシステムであって、
画素の縁部に平行な第1の方向に第1の画素サイズ(p,p1)を、前記第1の方向に垂直な第2の方向に第2の画素サイズ(p;p2)を有する画素を表す画像ファイルを得るよう構成され、前記第1の画素サイズおよび第2の画素サイズが同じである、または異なる、制御モジュールと、
改変した物理的特性を有する複数の区域が前記マスク層に作り出されるように前記マスク層を処理するために構成され、複数の前記区域が、前記画像ファイルの直接隣接する第1の画素および第2の画素に対応する少なくとも第1の区域および第2の区域を含む、処理手段と
を備え、
前記第1の区域および第2の区域が前記第1の方向および/または第2の方向で重なり合わないように前記処理手段を制御するように、前記制御モジュールがさらに構成される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、マスク層、詳細には、凸版印刷用前駆体を作るために使用されるマスク層、より詳細には、フレキソ印刷版前駆体にパターンを付与するための方法およびシステムに関する。本発明はまた、得られたマスクおよび得られた凸版印刷用前駆体に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキソ印刷または活版印刷は、大量印刷のために一般的に使用される技法である。フレキソ印刷版または活版印刷版は、紙、ボール紙、フィルム、箔、薄板などといった記録媒体上に画像を生成するために、非画像要素より上に突き出る画像要素を有する凸版印刷版である。また、円筒形印刷版またはスリーブを使用することができる。
【0003】
フレキソ印刷版前駆体を作るために様々な方法が存在する。従来の方法によれば、フレキソ印刷版前駆体は、基材層および1以上の光硬化層を備える多層基板から作成される。それらの光硬化層は、凸版を得るために、画像情報を含むマスク層を通して電磁放射に露光すること、または、たとえば画像情報を転写するため版をスキャンすることによって、直接および選択的に光に露光することによって画像化される。
【0004】
フレキソ印刷では、インクは、フレキソ印刷版から印刷媒体に転写される。より詳細には、インクは、版の凸版部分に転写され、非凸部分上には転写されない。印刷期間に、凸版部分のインクが印刷媒体に転写される。グレースケール画像は、典型的には、たとえば網目化パターンを使用した、中間調化を使用して作成される。グレースケールという用語は、特定の色での刷版印刷で、再現されるその色の量を意味する。たとえば、印刷版は、異なる中間調ドット領域を含み、それらの領域で異なる密度で印刷することができる。転写されるインクの量を増やし、基板上のいわゆるインク密度を増やすため、印刷区域すなわち凸版区域の面に、追加の非常に微細な構造が付与される。この表面の網目化は、典型的には、画像ファイルに微細な構造を追加し、次いで、露光に使用する対応するマスクに転写することによって得られる。
【0005】
凸版を作るための既存の方法の例が、図1Aから図1Eに図示される。図1Aは、たとえば6.35マイクロメートルの画素サイズpに対応する画像ファイル解像度を有する画像ファイルの内容を示す。図示される画像ファイルは、正方形画素4を有し、印刷されるほぼ丸い画像領域1を含む。画像ファイル解像度は、たとえば4000dpi(=25400*1/p(マイクロメートル単位))であってよい。次に、画像ファイルは、図1Bに図示される表面網目パターンを使用して操作される。表面網目パターンが画像領域1に付与され、図1Cに示される変更後画像ファイルが得られる。図1Cに示されるように、結果として得られた画像領域1’は、印刷するべきより少ない画素4’を含み、印刷するべきより少ない画素4’は、互いに距離dに配置される。
【0006】
図1Cの変更後画像ファイルに基づいてマスクが準備される。さらに詳細には、印刷するべき画素4’毎に、マスク中に孔または透明な領域5が配置される。これは、電磁放射のビームを使用して行うことができる。図1Dに示されるように、そのようなビームは、画素4’のサイズよりわずかに大きい孔2、ここでは丸孔2を生成することになる。マスク上に結果として得られた画像が図1Eに示される。最も近い網目要素間の距離が最小となる線に沿って計数される、インチ毎の網目要素(マスク中の孔5に対応する画素4’)の数として規定される網目パターン解像度は、図1Eの例では、たとえば、1414lpi(=1/(2*√2)*4000)であってよい。これは、最も近い距離が値d(ミクロン単位)を有することを示す図1Cに図示されており、lpi単位の網目パターン解像度は、d(ミクロン単位)の逆数掛ける25400に等しい。
【0007】
こうして、図1Aから図1Eに図示される方法に従って、たとえばtiffファイルといった元の画像ファイルを、ソフトウェア、典型的にはラスタ画像処理技法を使用して変化させることによって表面の網目化が計算され、典型的には、操作に起因してより大きいサイズを有するファイルが生成される。
【0008】
そのような方法の例が、特許文献1に開示される。特許文献1は、フレキソ印刷版またはフレキソ印刷版を製造するためのマスクを作成するためのプロセスを開示する。プロセスは、等しいサイズの網目スポットの基本パターン(典型的には、図1Aから図1Eの高解像度基本パターン)によって規定される解像度を有するスクリーンを設けるステップを含み、各網目スポットは、スクリーン上に表される、最小の露光される個別要素を備える。好ましくは、基本パターン中の各網目スポットは、8つの露光されない画素によって囲まれる露光される画素を含む孤立した画素を含む。版またはマスクは、版の中実でない色調区域に対応する版またはマスクの少なくとも一部で、網目化スポットに対応する版またはマスク上の物理的なスポットのサイズを選択的に変調することによって作成され、その結果、基本パターン中の4つの隣接する物理的なスポットの各組は、それらの間に中心を有する露光されない区域を有することになる。これは、好ましくは、マスクをレーザビームで画像化することによって行われ、レーザビームのパワーは、孤立していない画素のために使用されるレーザビームに対して各孤立した画素を画像化するためにブーストされる。所望のインク転写特性を、網目化スポットに対応する版またはマスク上の物理的なスポットのサイズを選択的に変調するように調整可能な任意のシステムを使用して作り出すことができ、その結果、基本パターン中の4つの隣接する物理的なスポットの各組は、それらの間に中心を有する露光されない区域を有することがさらに言及される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2017/203034号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の実施形態の目的は、より速く、画像ファイルを操作する必要を減らしまたはなくし、画像ファイルの中実領域および中間調領域の印刷を改善することが可能な、マスク層にパターンを付与するための方法およびシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、マスク層にパターンを付与するための方法が提供される。方法は、第1の方向における第1の画素サイズおよび第2の方向における第2の画素サイズを有する画素を表す画像ファイルを得るステップであって、第1の画素サイズおよび第2の画素サイズが同じである、または異なる、ステップと、改変した物理的特性を有する複数の区域がマスク層に作り出されるようにマスク層を処理するステップであって、複数の前記区域が画像ファイルの複数の画素に対応する、ステップと、を含む。処理は、複数の前記区域のうちの1つの区域の第1および/または第2の区域サイズが、前記第1および/または第2の方向で測定したとき、それぞれ、第1および/または第2の画素サイズより小さいように行われる。好ましくは、区域サイズは、透過強度が最高透過強度の50%に等しい透過強度プロファイルの2点間の最長距離として測定される。
【0012】
以前の解決策と比較して、画素に対応する処理区域が画素サイズより大きいようにマスク層を処理する代わりに(上の背景セクションで議論した図1D参照)、本発明の実施形態によれば、処理区域は、第1および/または第2の画素サイズよりそれぞれ小さい第1および/または第2の区域サイズを有する。その方式では、画像ファイルを操作する必要なしにマスク上に表面網目パターンを作成することができる。画像ファイルは、他の理由で依然として操作される場合があるが、マスク上に表面網目パターンを得ることは必要でないことに留意されたい。画像ファイルを操作する必要がないため、または限られた範囲で操作されるだけであるために、使用する画像ファイルは、変更した従来技術の画像ファイルと比較して小さくなり、より速いデータ送信がもたらされる。第1および/または第2の画素サイズよりそれぞれ小さい第1および/または第2の区域サイズの処理区域を作ることによって、表面網目化パターンのより細かい階調が可能になる。
【0013】
特許文献1では、第1の態様とは反対に、基本パターンによって規定される高解像度を有するスクリーンが使用されて画像ファイルを操作する。
【0014】
本発明の実施形態は、表面の網目化が必要でないときにも有用な場合があることに留意されたい。実際に、従来技術の処理区域より小さい処理区域を有することによって処理する必要がある材料が少なくなるために、処理をより速くすることができる。また、処理のために必要なパワーがより少ない。
【0015】
好ましくは、処理は、複数の前記区域のうちの1つの区域の区域サイズが、前記第1および第2の方向で見て、それぞれ、第1および第2の画素サイズより小さくなるように行われる。第1の方向は、好ましくは、第2の方向に垂直である。好ましくは、第1の方向は、画素の第1の側に平行に延び、第2の方向は、第1の側に垂直な画素の第2の側に平行に延びる。より好ましくは、複数の前記区域のうちの1つの区域の表面積は、マスク層の上面で測定したとき、画素の表面積より小さい。
【0016】
本発明の第2の態様によれば、マスク層にパターンを付与するための方法が提供される。方法は、第1の方向における第1の画素サイズおよび第2の方向における第2の画素サイズを有する画素を表す画像ファイルを得るステップであって、第1の画素サイズおよび第2の画素サイズが同じである、または異なる、ステップと、改変した物理的特性を有する複数の区域がマスク層に作り出されるようにマスク層を処理するステップと、を含む。複数の区域は、画像ファイルの、直接隣接する第1の画素および第2の画素に対応する少なくとも第1の区域および第2の区域を含む。処理は、第1の区域および第2の区域が第1の方向および/または第2の方向で重なり合わないように行われる。
【0017】
特許文献1では、第2の態様とは反対に、スクリーンは孤立した画素を使用し、上で規定したようなサイズを有する対応する処理区域(すなわち、露光される区域/物理的なドット)を有する直接隣接する画素が存在しない。
【0018】
「直接隣接する第1の画素および第2の画素」という表現は、第1の画素と第2の画素との間の距離が、第1の方向の第1の画素サイズまたは第2の方向の第2の画素サイズに等しいことを暗示する。第1の態様について上で言及した技術的利点は、第2の態様についても当てはまる。隣接する画素に対応する隣接する区域が第1および/または第2の区域で重なり合わないために、画像ファイルを操作する必要なしにマスク上に表面網目パターンを実現することが可能になる。第1の区域および第2の区域が、第1の方向および第2の方向のうちの少なくとも1つで重なり合わないために、第1の区域と第2の区域との間に未処理のマスク材料が存在することに留意されたい。こうして、表面網目パターンを得ることができる。
【0019】
好ましくは、処理は、第1の区域および第2の区域が第1の方向および第2の方向で重なり合わないように、より好ましくは、任意の方向で重なり合わないように行われる。第1の方向は、好ましくは、第2の方向に垂直である。好ましくは、第1の方向は、画素の第1の側に平行に延び、第2の方向は、第1の側に垂直な画素の第2の側に平行に延びる。
【0020】
好ましい実施形態によれば、複数の処理区域が複数の孔に、または、未処理のマスク材料の透過率と異なる透過率を有する複数の区域に対応する。言い換えると、マスク層の処理は、孔を生成するためのマスク層材料の除去からなってよく、または、複数の区域においてマスク層の透過率を増加させるマスク層の処理からなってよい。そのような処理は、たとえば、染料の変色もしくは漂白、色変化、屈折率の変化、偏波の変化、またはそれらの組合せであってよい。
【0021】
好ましい実施形態によれば、第1および/または第2の区域サイズは、それぞれ、第1および/または第2の画素サイズの20%~99%の範囲にあり、より好ましくは、30%~90%の範囲にあり、さらにより好ましくは、40%~80%の範囲にある。そのような第1および/または第2の区域サイズによって、画像ファイルを操作する必要なしに、好適な表面パターンのスクリーンを生成することが可能となる。
【0022】
好ましい実施形態によれば、マスク層を処理するステップは、第1の電磁放射のビームを使用して行われる。第1の電磁放射の波長は、200nm~2000nmの範囲、好ましくは、200nm~400nmまたは800nm~1500nmの範囲であってよい。
【0023】
好ましくは、ビームは、第1および第2の方向で測定したとき、それぞれ、第1および/または第2の画素サイズより小さい第1および/または第2のビームサイズを有する。好ましくは、第1および第2のビームサイズは、それぞれ、前記第1および第2の方向のビームの断面の、強度がこの断面の最高強度の50%に等しい強度プロファイル中の2点間の、強度プロファイル中の最長距離として測定される。そのような第1および/または第2のビームサイズによって、第1および/または第2の画素サイズより小さい第1および/または第2の区域サイズを得ることが可能になる。たとえば、第1および/または第2のビームサイズは、第1および/または第2の画素サイズの20%~95%の範囲、好ましくは、40%~80%の範囲にあってよい。第1および第2のビームサイズは、第1および第2の区域サイズに影響を及ぼす唯一のビームのパラメータではないことに留意されたい。また、ビームの波長、ビームパワー、およびビームのオン時間が、第1および第2の区域サイズに影響を及ぼす場合がある。しかし、典型的には、第1および第2のビームサイズは、第1および第2の区域サイズに影響を及ぼす主なパラメータとなる。
【0024】
例示的な実施形態によれば、ビームは、波長、第1および第2のビームサイズ、ビームパワー、ならびにオン時間を有するように選択され、波長ならびに/またはビームパワーならびに/または第1および/もしくは第2のビームサイズならびに/またはオン時間は、得られた画像ファイルの分析に基づいて設定される。たとえば、第1および/または第2のビームサイズは、画像ファイル中の情報に基づいて調整することができる。たとえば、グレースケール画像領域、すなわち中間調領域を印刷する必要があるとき、第1および/または第2のビームサイズは、画像領域のグレー値(階調値とも呼ばれる)の関数として調整することができる。
【0025】
例示的な実施形態では、画像ファイルの第1の領域の画素に対応する区域を生成するために使用されるビームは、画像ファイルの第2の領域の画素に対応する区域を生成するために使用されるビームと異なってよい。たとえば、第1の領域が第1のグレー値を有するグレースケール領域であってよく、第2の領域が中実領域であってよい。そのような例では、第1の領域について設定されたビームは、第2の領域について設定されたビームより小さい第1および/または第2のビームサイズを有する場合がある。中実領域および/またはあるグレースケール領域についての第1および/または第2のビームサイズは、それぞれ、第1および/または第2の画素サイズと等しくてよく、またはより大きくてよいことに留意されたい。
【0026】
さらなる発展した実施形態では、ビーム、特にビームの第1および/もしくは第2のビームサイズならびに/またはビームパワーは、画像ファイルの中間調領域の画素の階調値の関数で選択することができる。好ましくは、より小さい第1および/または第2の区域サイズが、より高い階調値についてより低い階調値について生成されるように、ビームが選択される。本応用例の内容では、「グレースケール領域」という用語は、「中間調領域」という用語の同意語として使用される。同様に、「階調値」という用語は、「グレー値」という用語の同意語として使用される。
【0027】
ビームの断面は、円形、楕円形、正方形、長方形、または多角形を有してよい。ビームサイズが円形または正方形であるとき、第1および第2のビームサイズは同じである。ビーム形状が楕円形または長方形であるとき、第1および第2のビームサイズは異なる。また、ビームの強度プロファイルは、ガウス分布、台形または長方形であってよい。好ましくは、ビームは、ビームの中心が対応する画素の中心の近くに、または中心に配置されるように設定される。
【0028】
もう1つの発展した実施形態では、ビームの形状および/またはビームの強度プロファイルも画像ファイルの内容の関数で変化する場合がある。
【0029】
例示的な実施形態によれば、マスク層は、最初は本質的に、ビームの第1の電磁放射について不透過性である。好ましくは、マスク層は、ビームの第1の電磁放射の80%超を吸収する。好ましくは、マスク層は、第1の電磁放射に露光されると、溶除、漂白、色変化および/または偏波の変化に起因して透過率の変化を受ける。最も好ましい実施形態では、マスク層が第1の電磁放射によって切除可能であって、その結果、マスク層中に孔が作成される。後者の実施形態では、処理区域は、孔に対応する。
【0030】
さらなる発展した実施形態では、マスク層を処理するステップは、画像ファイルに含まれる画像の画像領域について、少なくとも1つの画像領域に対応する複数の区域がパターンを形成するように制御することができる。好ましくは、パターンは、以下のもの、すなわち、規則的パターンまたは周期的パターン、および確率的パターンのうちのいずれか1つである。たとえば、画像領域は、中間調領域であってよく、パターンは、チェッカーパターン、線パターン(ここで、線は、重なり合わず隣接する処理区域から形成される)などであってよい。また、パターンは、画像領域のタイプと関係して選択することができる。たとえば、パターンは、中実領域のパターンと比較して、中間調領域で異なってよい。マスク層の処理を制御する代わりに、画像ファイルを操作することも可能であることに留意されたい。言い換えると、パターンは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアのいずれかで導入することができる。
【0031】
それぞれ、第1および/または第2の画素サイズより小さい第1および/または第2の区域サイズを有する処理区域を有する(たとえば、中間調領域に対応する)マスク領域を有するとき、画素を除去することなく表面網目化効果を得ることが可能であることに留意されたい。しかし、より小さい第1および/または第2の画素サイズを使用することに加えて、マスク領域中の処理区域の密度を下げるために画素を「除去する」ことも可能である。これは、実現するのが望まれる所望のパターンに従って、ソフトウェア、または、処理を好適に制御すること、たとえば、レーザビームをオンおよびオフに切り換えることのいずれかで行うことができる。
【0032】
加えてまたは代わりに、マスク層を処理するステップが制御され、および/または、画像ファイルが操作され、その結果、画像ファイル中に含まれる画像の画像領域について、第1および/もしくは第2の区域サイズならびに/または区域分布が、画像領域の、中心に近い区域と縁部に近い区域で同じである、または異なる。たとえば、中心における第1および/または第2の区域サイズは、それぞれ、第1および/または第2の画素サイズより小さくてよい一方で、画像領域の縁部に近い区域サイズは、第1および/または第2の画素サイズと等しいまたはより大きくてよい。その方式では、画像領域の閉じた縁部を作ることが可能になる。サイズは、階段状または連続的に変えることができる。これは、画像領域に対応する凸版区域上にインクを保持するのに有利な場合がある。
【0033】
加えてまたは代わりに、マスク層を処理するステップを制御することができ、および/または、画像ファイルを操作することができ、その結果、
-画像ファイル中に含まれる画像の画像領域について、区域の密度が画像領域の表面積の関数で設定され、および/または、
-画像ファイル中に含まれる画像の画像領域について、区域の密度が画像領域の中心から画像領域の縁部に増加または減少する。
【0034】
言い換えると、表面パターン解像度は、画像領域の表面積の関数で変わる場合がある。たとえば、比較的高い階調値を有する画像領域について、区域の密度が、比較的低い階調値を有する画像領域についてより高くてよい。
【0035】
上で言及した例では、画像領域は、中間調領域または中実領域に対応してよい。
【0036】
好ましくは、画像ファイルの画素は、正方形または長方形である。画素が正方形である場合、第1の画素サイズは、第2の画素サイズに等しい。画素が長方形である場合、第1の画素サイズは、長方形画素の幅および長さのうちの最も小さいものに対応してよく、第2の画素サイズは、幅および長さのうちの最も大きいものに対応してよく、逆も同様である。好ましくは、第1および第2の画素サイズは、80μm~1μm、好ましくは25μm~2μm、より好ましくは25μm~5μmの範囲である。画像ファイルの解像度は、最も近い画素間の距離が最小である線に沿って計数される、インチ毎画素数である。こうして、画素が、第1の画素サイズおよび第1の画素サイズより大きい第2の画素サイズを有する長方形であるとき、画像ファイルの解像度は、第1の画素サイズを使用して計算される。別の言い方をすれば、好ましくは、画像ファイルの解像度は、300dpi~20000dpi、好ましくは1000dpi~10000dpi、より好ましくは1000dpi~5500dpiの範囲である。
【0037】
マスク層は、印刷版前駆体中に含むことができる。さらに詳細には、マスク層を印刷版前駆体の外側層として設けることができるが、マスク層は、印刷版前駆体内の中間層として設けることもできる。印刷版前駆体は、1以上の層、好ましくは以下の層、すなわち、支持層、光活性層、保護層、バリア層、回折層、拡散層、および接着層、ならびにそれらの組合せのうちの1以上を備えることができる。
【0038】
本発明のさらなる態様によれば、画像化した層組成物を形成する方法が提供される。方法は、層組成物を形成するためにマスク層および基板層を組み合わせるステップと、上で開示された方法の実施形態のうちのいずれか1つに従って、マスク層にパターンを付与するステップと、を含む。方法は、基板層が、パターンマスク層中に作成される複数の区域に対応する複数の基板区域中で特性変化を受け、その結果、画像化した層組成物が形成されるように層組成物を処理するさらなるステップを含む。
【0039】
層組成物を処理するステップは、第2の電磁放射で行うことができる。第2の電磁放射の波長は、200nm~2000nm、好ましくは200nm~400nmの範囲であってよい。
【0040】
方法は、さらに処理した層組成物を得るために、特性変化を使用するための層組成物を処理する少なくとも1つのステップをさらに含むことができる。たとえば、基板層の未処理部分は、凸部を生成するために除去することができる。
【0041】
マスク層にパターンを付与するステップは、マスク層および基板層を組み合わせるステップの前後に行うことができる。言い換えると、マスク層は、基板層に取り付ける前に最初にパターン形成することができ、または、基板層に取り付けられている間にパターン形成することができる。マスク層および基板層を組み合わせるステップは、マスク層を基板層に取り付けるステップ、または、マスク層および基板層を基板の一体化した層として作るステップを含むことができる。
【0042】
基板層は、支持層、光活性層、保護層、接着層、バリア層、スリップ層、粗面層、電磁波の偏波を変える層、またはそれらの組合せを備えることができる。
【0043】
層組成物の処理によって引き起こされる特性変化は、凝固、溶解度の変化、色の変化、屈折率の変化、透過率の変化、偏波の変化、またはそれらの組合せによって実現することができる。溶解度の変化は、重合、架橋化、解重合、重合鎖の開裂、保護基の開裂、またはそれらの組合せによって実現することができる。好ましくは、溶解度の変化は、重合および/または架橋化、最も好ましくは、ラジカル重合および/または架橋化によって実現される。
【0044】
そのような方法を使用し、結果として得られた画像化した層組成物が、凸版印刷用前駆体を形成することができる。たとえば、基板層の処理区域は、凸版印刷用前駆体の凸版区域に対応することができる。さらに詳細には、さらに処理した層組成物は、オフセット版、フレキソ印刷版、活版、タンポン印刷版、または凹版などといった印刷版であってよい。
【0045】
本発明の別の態様によれば、上で開示された実施形態のうちのいずれか1つの方法に従って付与されたパターンを備えたマスク層を有するマスクが提供される。
【0046】
本発明は、マスクおよびコンピュータ記憶媒体の組合せまたは組立体にさらに関する。コンピュータ可読記憶媒体が、第1の方向における第1の画素サイズおよび第2の方向における第2の画素サイズを有する画素を表す画像ファイルを記憶し、第1の画素サイズおよび第2の画素サイズが同じである、または異なる。マスクは改変した物理的特性を有する複数の区域を有するマスク層を備える。複数の区域が、画像ファイルの複数の画素に対応する。複数の前記区域のうちの1つの区域の第1および/または第2の区域サイズが、第1および/または第2の方向で測定したとき、それぞれ、第1および/または第2の画素サイズより小さい。第1および第2の区域サイズは、上で記載したように測定することができる。加えてまたは代わりに、複数の区域は、画像ファイルの、隣接する第1の画素および第2の画素に対応する、少なくとも第1の区域および第2の区域を含み、第1の区域および第2の区域が、第1の方向および/または第2の方向で重なり合わない。
【0047】
方法について上で記載した技術的利点は、変更すべき点を変更して、マスクおよびコンピュータ可読記憶媒体の組合せまたは組立体について適用される。
【0048】
本発明は、上で開示された画像化した層組成物を形成するための方法の実施形態のうちのいずれか1つに従って得られた、画像化した層組成物を備える凸版印刷用前駆体にさらに関する。
【0049】
本発明の別の態様によれば、凸版印刷用前駆体と第1の方向における第1の画素サイズ及び第2の方向における第2の画素サイズを有する画素を表す画像ファイルを記憶するコンピュータ可読記憶媒体との組立体または組合せが提供され、ここで、第1の画素サイズおよび第2の画素サイズが同じである、または異なる。凸版印刷用前駆体は、複数の凸版区域を有する基板層を備え、複数の前記凸版区域が、画像ファイルの複数の画素に対応する。複数の前記凸版区域のうちの1つの凸版区域の第1および/または第2の凸版区域サイズが、第1および/または第2の方向で測定したとき、それぞれ、第1および/または第2の画素サイズより小さい。第1および第2の凸版区域サイズは、凸版区域の上面で測定することができる。加えてまたは代わりに、複数の凸版区域は、画像ファイルの、直接隣接する第1の画素および第2の画素に対応する、少なくとも第1の凸版区域および第2の凸版区域を含む。第1の凸版区域および第2の凸版区域は第1の方向および/または第2の方向で重なり合わない。
【0050】
また、本発明は、第1の方向における第1の画素サイズおよび第2の方向における第2の画素サイズを有する画素を表す画像ファイルに含まれる画像を印刷するためのそのような凸版印刷用前駆体の使用法に関し、ここで、第1の画素サイズおよび第2の画素サイズが同じである、または異なる。
【0051】
本発明のさらに別の態様によれば、マスク層にパターンを付与するためのシステムが提供される。システムは、制御モジュールおよび処理手段を備える。制御モジュールは、第1の方向における第1の画素サイズおよび第2の方向における第2の画素サイズを有する画素を表す画像ファイルを得るために構成され、第1の画素サイズおよび第2の画素サイズが同じである、または異なる。処理手段は、改変した物理的特性を有する複数の区域がマスク層に作り出されるようにマスク層を処理するために構成され、複数の前記区域は、画像ファイルの複数の画素に対応する。制御モジュールは、複数の区域のうちの1つの区域の第1および/または第2の区域サイズが、第1および/または第2の方向で測定したとき、第1および/または第2の画素サイズより小さいように処理を制御するようにさらに構成される。加えてまたは代わりに、処理手段は、改変した物理的特性を有する複数の区域がマスク層に作り出されるようにマスク層を処理するために構成することができ、複数の前記区域は、画像ファイルの、直接隣接する第1の画素および第2の画素に対応する、少なくとも第1の区域および第2の区域を含む。制御モジュールは、次いで、第1の区域および第2の区域が、第1の方向および/または第2の方向で重なり合わないように処理手段を制御するように構成することができる。
【0052】
処理手段は、第1の電磁放射のビームを発生するためのビーム発生手段を備えることができる。好ましくは、ビームは、第1のビームサイズおよび第2のビームサイズを有する。第1および/または第2のビームサイズは、第1の方向および/または第2の方向で見たとき、それぞれ、第1および/または第2の画素サイズより小さくてよく、より好ましくは、画素サイズの20%~95%の範囲にあり、好ましくは、40%~80%の範囲にある。
【0053】
制御モジュールは、ビーム発生手段を制御するように、より詳細には、ビームの波長、第1および/または第2のビームサイズ、ビームパワー、ならびにオン時間を制御するように構成することができ、前記ビームパワーならびに/または前記第1および/もしくは第2のビームサイズならびに/または前記オン時間は、得られた画像ファイルの分析に基づいて制御することができる。
【0054】
制御モジュールは、方法に関して上で記載した方法ステップのいずれか1つに従って、ビーム発生手段を制御するように構成することができる。上で記載した方法の特徴に対応する装置の特徴をシステムに含むことができることにさらに留意されたい。
【0055】
添付図面は、本発明の方法およびシステムの、現在好ましい非限定の例示的な実施形態を図示するために使用される。添付図面と一緒に読めば以下の詳細な記載から、本発明の特徴および目的の上記および他の利点がより明らかとなり、本発明は、より良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1A】従来技術の実施形態を示す概略図である。
図1B】従来技術の実施形態を示す概略図である。
図1C】従来技術の実施形態を示す概略図である。
図1D】従来技術の実施形態を示す概略図である。
図1E】従来技術の実施形態を示す概略図である。
図2A】本発明にかかる方法の例示的な実施形態を示す図である。
図2B】本発明にかかる方法の例示的な実施形態を示す図である。
図2C】本発明にかかる方法の例示的な実施形態を示す図である。
図3A】一実施形態について、複数の画素がその対応する処理区域を有することを示す図である。
図3B】一実施形態について、複数の画素がその対応する処理区域を有することを示す図である。
図3C】一実施形態について、複数の画素がその対応する処理区域を有することを示す図である。
図3D】一実施形態について、複数の画素がその対応する処理区域を有することを示す図である。
図4A】従来技術の一例にかかる画像ファイル、使用されるレーザビーム、および露光画像を示す図である。
図4B】従来技術の一例にかかる画像ファイル、使用されるレーザビーム、および露光画像を示す図である。
図4C】画像ファイル中に表面網目化を適用する従来技術の一例を示す図であって、各図が画像ファイル、付与される表面パターン、変更後画像ファイル、使用されるレーザビーム、およびマスク層上の露光画像を各別に示す、図である。
図5A】本発明の例示的な実施形態を示す図であってり、各図が、使用される画像ファイル、使用されるレーザビーム、およびマスク上の露光画像を各別に示す、図である。
図5B】本発明の例示的な実施形態を示す図であってり、各図が、使用される画像ファイル、使用されるレーザビーム、およびマスク上の露光画像を各別に示す、図である。
図6A】マスクの例示的な実施形態の上面図である。
図6B】インク付けした状態での印刷版の例示的な実施形態の上面図である。
図6C図6Bの印刷版を使用した、印刷される媒体の上面図である。
図7A図4Aの従来技術の例に従って作られた凸版を使用して印刷された印刷サンプルの比較用の図である。
図7B図5Bの本発明の例示的な実施形態に従って作られた凸版を使用して印刷された印刷サンプルの比較用の図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図2Aから図2Cおよび図3Aは、本発明に従った方法の例示的な実施形態を図示する。図2Aに図示される第1のステップでは、画像ファイルは、画素サイズpに対応する画像ファイルの解像度を有して得られる(図3Aに示される詳細を参照せよ)。図示される画像ファイルは、正方形画素4を有し、その結果、第1の方向と第1の方向に垂直な第2の方向で見た第1の画素サイズおよび第2の画素サイズは同じであって、pに等しい。図示される画像ファイルは、印刷されるほぼ丸い画像領域1を含む。画素サイズpに対応する画像ファイルの解像度は、たとえば4000dpiであってよい。次に、マスク層は、第1の電磁放射のビームで処理される。ビームは、処理区域A、ここでは孔2を生成するように適合される。生成される孔2は図2Bに図示され、画素サイズpより小さい区域サイズhを有する。同様に図3Aを参照する。そのようなビームを使用して、複数の孔5がマスク層に作成され、複数の前記区域は、画像ファイルの複数の画素4に対応する。マスク層の上面図を図2Cに図示する。図3Aは、図2Cの4つの画素を有する詳細を示す。
【0058】
ビーム、特にビームサイズは、複数の孔5のうちの1つの孔5の区域サイズhが、画素サイズpより小さいように選択される。複数の孔5は、少なくとも第1の区域A1および第2の区域A2、ここでは、画像ファイルの直接隣接する第1の画素4aおよび第2の画素4bに対応する第1の孔5aおよび第2の孔5bを含み、第1の孔5aおよび第2の孔5bが重なり合わないようにビームによる処理が行われる。直接隣接する画素を参照すると、画素が共通の縁部、すなわち、第1の方向の縁部または第2の方向の縁部のいずれかを有することが意味される。言い換えると、図2Aから図2Cおよび図3Aの例では、直接隣接する画素は、画素サイズpに対応する長さを有する共通の縁部を有する。
【0059】
図3Bから図3Dは、他の可能な画素サイズおよび区域サイズを図示する。図3Bの実施形態では、画素は正方形であり、画素サイズpを有する。第1の区域サイズh1および第2の区域サイズh2は異なる。図示される例では、区域は、画素サイズpより小さい、第1の方向に延びる最小の第1の区域サイズh1、および画素サイズpより大きい、第1の方向に垂直な第2の方向に延びるより大きな第2の区域サイズh2を有し、ほぼ楕円である(h1<p,h2>p)。その方式では、第1の複数の区域A1を形成することができ、前記区域A1は第2の方向で重なり合うが第1の方向では重なり合わず、第2の方向で重なり合うが第1の方向では重なり合わない第2の複数の区域A2を形成することができ、ここで、第2の複数の区域は、第1の複数の区域と重なり合わない。その方式では、表面網目パターンは、多かれ少なかれ、線パターンとして見える。
【0060】
別の図示されない例では、区域は、画素サイズpより小さい、第1の方向に延びる最小の第1の区域サイズh1、および画素サイズpよりやはり小さい、第1の方向に垂直な第2の方向に延びるより大きな第2の区域サイズh2を有し、ほぼ楕円である(h1<p,h2<p)。その方式では、第1および第2の方向で重なり合わない複数の区域A1、A2を形成することができる。
【0061】
図3Cの実施形態では、画素は長方形であり、第1の方向に第1の画素サイズp1を有し、第1の方向に垂直な第2の方向に第2の画素サイズp2を有する。また、第1の区域サイズh1および第2の区域サイズh2は異なる。図示される例では、区域は、第1の画素サイズp1より小さい、第1の方向に延びる最小の第1の区域サイズh1、および第2の画素サイズp2より小さい、第2の方向に延びるより大きな第2の区域サイズh2を有し、ほぼ楕円である(h1<p1,h2<p2)。その方式では、第1および第2の方向で重なり合わない複数の区域A1、A2を形成することができる。
【0062】
図3Dの実施形態では、画素はやはり長方形であり、第1の方向に第1の画素サイズp1を有し、第1の方向に垂直な第2の方向に第2の画素サイズp2を有する。第1の区域サイズh1および第2の区域サイズh2は、同じであってよく、または異なってよい。図示される例では、区域は、第1の画素サイズp1より大きい、第1の方向に延びる第1の区域サイズh1、および第2の画素サイズp2より小さい、第2の方向に延びる第2の区域サイズh2を有し、ほぼ円形である(h1>p1,h2<p2)。その方式では、第1の方向で重なり合うが第2の方向では重なり合わない第1の複数の区域A1を形成することができ、第1の方向で重なり合うが第2の方向では重なり合わない第2の複数の区域A2を形成することができ、ここで、第2の複数の区域は、第1の複数の区域と重なり合わない。その方式では、表面網目パターンは、多かれ少なかれ、線パターンとして見える。
【0063】
図4Aおよび図4Bは、従来技術の2つの例の、画像ファイル(左側)、使用されるレーザビーム(下の画像)、および露光画像(右側)を図示する。表面網目化は適用されない。露光画像では、使用されるビームサイズが画素サイズより大きいと、隣接する区域が重なり合う。図4Cは、画像ファイル中に表面網目化を適用する従来技術の別の例を図示しており、図は、それぞれ画像ファイル(左上)、付与される表面パターン(左下)、変更後画像ファイル(中央上)、使用されるレーザビーム(右下)、およびマスク層上の露光画像(右上)を示す。図4Cの露光画像では、使用されるビームサイズが画素サイズより大きいと、直接隣接する画素に対応する隣接する区域が重なり合うが、画像ファイル中で表面網目化が実施されるために、直接隣接する画素に対応する隣接する区域がない。
【0064】
図5Aおよび図5Bは、本発明の2つの例示的な実施形態を図示しており、各図がそれぞれ、使用される画像ファイル(左上)、使用されるレーザビーム(下)、およびマスク上の露光画像(右上)を示す。図2Aから図2Cおよび図3Aに関して上で記載したように、画素は、第1および第2の方向で同じ画素サイズを有する正方形を有する。使用されるビームは円形であり、画素サイズより小さいビームサイズを有し、画像ファイルに表面網目化は行われない。
【0065】
図6Aは、複数の中間調画像領域に対応する複数のマスク領域6を有するマスクの例示的な実施形態の上面図である。各マスク領域6は、複数の孔5を備える。例では、マスク領域は、直接隣接する画素に対応する隣接する孔5a、5bを備える。図6Bは、インク付けした状態での図6Aのマスクを使用して作られた印刷版の例示的な実施形態の上面図である。図6Cは、図6Bの印刷版を使用した、印刷される媒体の上面図である。
【0066】
図7Aおよび図7Bは、それぞれ、図4Aの従来技術の例に従って作られた凸版を使用して印刷された印刷サンプルと図5Bの本発明の例示的な実施形態に従って作られた凸版を使用して印刷された印刷サンプルとを比較する。本発明の実施形態で得られた結果は、従来技術の例に従って得られた結果と比較して著しく良好であることが理解できる。
【0067】
(実施例)
表1では、従来技術の3つの例(比較例1から比較例3)が、本発明の2つの例(実施例1から実施例32)と比較される。
【0068】
異なる方法およびビームサイズが、一体化したマスク層を備えるデジタル印刷版前駆体に適用され、これを、IRレーザビームによって除去することができる。表1は、具体的な寸法、ビーム形状、および強度プロファイル、ならびに印刷で得られた結果(中実インク密度)を含む。
【0069】
【表1】
【0070】
画像ファイルの解像度(dpi)は、画像ファイル中で、1つの次元で計数され、dpi(インチ毎ドット)またはppi(インチ毎画素)で表される、インチ毎の画素数である。表の例では、画素は正方形である。ミクロン単位でのその次元での画素サイズは、dpi単位の解像度の逆数掛ける25400である。
【0071】
ビーム直径(ミクロン)は、強度がこのセクション中の最大強度の50%に等しい、強度プロファイル中の2点間のビームの任意の断面の、強度プロファイル中の最長の測定距離である。強度プロファイルは、単一の画像化している画素によって生成されるような光の強度プロファイルである。
【0072】
強度プロファイルは、レーザビームの光強度の空間分布(W/mm)である。典型的なプロファイルは、単なるガウス分布、単なる長方形(シルクハット形)または単なる台形であってよい。強度プロファイルは、単一の画像化している画素によって生成されるような光の強度プロファイルである。
【0073】
ビーム形状は、具体的な強度値における強度プロファイルの断面の2D形状である。典型的なビーム形状は、楕円または丸または多角形(正方形、長方形、三角形、六角形、…)である。強度プロファイルは、単一の画像化している画素によって生成されるような光の強度プロファイルである。
【0074】
追加の表面網目化を有する古典的なスクリーンにおける階調値の数は、全階調の古典的なスクリーン要素中の表面パターン要素の数である。階調値の数は、表面スクリーンlpiと古典的なスクリーンlpiとの間の比の2乗に等しい。
【0075】
ミクロン単位でのマスク中の孔のサイズは、単一の画像化している画素によって生成される、露光光の強度プロファイルによって作り出された、マスク中の孔のサイズである。孔のサイズは、透過光型顕微鏡で分析されて、透過光強度プロファイルを使用する。孔のサイズは、透過強度が最高透過強度の50%に等しい透過強度プロファイルの2点間の透過強度プロファイル中の最長距離として測定される。
【0076】
中実インク密度は、デジタル濃度計を使用して反射密度として、中実区域の印刷サンプル上で測定される。
【0077】
表1中の例1および例2についての結果によって、より短い時間で、画像ファイルを操作することなく高いインク密度が得られたことが明瞭に示される。
【0078】
上の表は、図5Aおよび図5Bの実施形態で得ることができる表面パターン網目化解像度が、従来技術(図4Aから図4C)の実施形態で得ることができる表面パターン網目化解像度より高いが、一方で、ファイルサイズを小さいままにすることができることを示す。
【0079】
本発明の原理を具体的な実施形態に関して上で記載してきた一方で、本記載は単に例として行われ、添付される特許請求の範囲によって決定される保護の範囲を限定するものとしてではないことを理解されたい。
【符号の説明】
【0080】
1 画像領域
1’ 結果として得られた画像領域
2 丸孔、孔
4 正方形画素
4’ 印刷するべき画素
4a 第1の画素
4b 第2の画素
5 孔
5a 第1の孔
5b 第2の孔
6 マスク領域
A 処理区域
A1 第1の区域
A2 第2の区域
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
【国際調査報告】