(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-31
(54)【発明の名称】プレスされた2次元の又は3次元の形状を有するサンドイッチ複合コンポーネントを生産するための方法、及び、そのようなサンドイッチ複合コンポーネント
(51)【国際特許分類】
B29C 43/34 20060101AFI20220524BHJP
B29C 43/58 20060101ALI20220524BHJP
B29C 70/68 20060101ALI20220524BHJP
B29C 43/14 20060101ALI20220524BHJP
B29C 70/16 20060101ALI20220524BHJP
B29K 101/12 20060101ALN20220524BHJP
B29L 9/00 20060101ALN20220524BHJP
【FI】
B29C43/34
B29C43/58
B29C70/68
B29C43/14
B29C70/16
B29K101:12
B29L9:00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021557752
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(85)【翻訳文提出日】2021-11-19
(86)【国際出願番号】 EP2020057508
(87)【国際公開番号】W WO2020200796
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】102019204460.3
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500242786
【氏名又は名称】フラウンホファー ゲセルシャフト ツール フェールデルンク ダー アンゲヴァンテン フォルシュンク エー.ファオ.
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グレッサー,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ツシェイゲ,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】スタッヘ,ペーター
(72)【発明者】
【氏名】コールツィーク,カイ
【テーマコード(参考)】
4F204
4F205
【Fターム(参考)】
4F204AC03
4F204AD08
4F204AD16
4F204AD18
4F204AG03
4F204AG18
4F204AH17
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4F204AR06
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4F204FG09
4F204FN11
4F204FN15
4F204FQ15
4F205AC03
4F205AD08
4F205AD16
4F205AD18
4F205AG03
4F205AG18
4F205AH17
4F205AH31
4F205AR06
4F205HA08
4F205HA14
4F205HA25
4F205HA34
4F205HA35
4F205HA45
4F205HB01
4F205HB11
4F205HF05
4F205HK03
4F205HK04
4F205HM13
4F205HT12
4F205HT26
(57)【要約】
本発明は、サンドイッチ複合コンポーネントを生産するための方法に関し、また、プレスされた2次元の又は3次元の形状を有するそのようなサンドイッチ複合コンポーネントに関し、サンドイッチ複合コンポーネントは、少なくとも一つの構造化されたコア層を有しており、少なくとも一つの構造化されたコア層は、熱可塑性材料から作製され、二つの反対側のコア層表面を有しており、そのそれぞれは、熱可塑性のカバー層に直接的に又は間接的に結合されている。また、サンドイッチ複合コンポーネントも説明されている。本発明は、以下の方法ステップの組み合わせによって特徴付けられる:- 赤外線放射加熱プロセスによって、平坦に成形されたサンドイッチ半製品を加熱するステップと、- 加熱された平坦なサンドイッチ半製品をプレスツールの中へ移送するステップであって、プレスツールは、少なくとも二つのプレス金型半分体を含み、少なくとも二つのプレス金型半分体は、空間的方向に沿って互いに対して直線的に移動可能な様式で装着されており、そのうちの少なくとも一つの第1のプレス金型半分体は、少なくとも二つのプレス金型セグメントを含み、少なくとも二つのプレス金型セグメントは、空間的方向に沿って互いに対して直線的に移動可能な様式で装着されており、サンドイッチ半製品が、二つのプレス金型半分体のうちの少なくとも一つの少なくともいくつかの領域と表面接触している、ステップと、- 両方のプレス金型半分体を空間的方向に沿って互いに向けて移動させるステップであって、サンドイッチ半製品の少なくともいくつかの領域が、両方のプレス金型半分体によって表面接触されるようになっており、第1のプレス金型セグメントが、移動方向に第1のプレス金型半分体のそれぞれの他のプレス金型セグメントよりも前に走るようになっており、二つのカバー表面のうちの一つの少なくともいくつかの領域に接触し、それとともに、第1のプレス金型セグメントと他方のプレス金型半分体の間の第1の最小間隔が到達されるまで、他方のプレス金型半分体が、2次元又は3次元の様式でサンドイッチ半製品を事前プレスし、前記最小間隔は、事前成形されたサンドイッチ半製品に割り当てられ得る最大厚さに対応している、ステップと、- 接触冷却プロセスによって、第1のプレス金型セグメント及び/又は他方のプレス金型半分体によって接触された領域の中で、事前成形されたサンドイッチ半製品を安定化させるステップと、- 第1のプレス金型セグメントが他方のプレス金型半分体に対して静止している状態で、第1のプレス金型半分体のそれぞれの他のプレス金型セグメントを他方のプレス金型半分体の上に空間的方向に偏向させ、それぞれの他のプレス金型セグメントと他方のプレス金型半分体との間の第2の最小間隔が到達されるまで、事前成形されたサンドイッチ半製品のいくつかの領域に接触し、それを完全にモールドし、前記最小間隔は、第1の最小間隔よりも小さくなるように選択されており、プレスされた2次元の又は3次元の形状を有するサンドイッチ複合コンポーネントを取得するようになっている、ステップ。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレスされた2次元の又は3次元の形状を有するサンドイッチ複合コンポーネント(4)を生産するための方法であって、前記サンドイッチ複合コンポーネント(4)は、二つの反対側のコア層表面を有する熱可塑性材料から作製された少なくとも一つの構造化されたコア層(8)を有しており、また、サンドイッチ複合コンポーネント(4)は、二つの前記コア層表面のそれぞれと直接的に又は間接的に密着して結合されている熱可塑性のカバー層(9、10)を備えている、方法において、
前記方法は、
- 赤外線放射加熱によって、平坦に成形されたサンドイッチ半製品(4')を加熱するステップであって、前記平坦に成形されたサンドイッチ半製品(4')は、前記少なくとも一つの構造化されたコア層(8)を含み、前記カバー層(9、10)がその前記コア層表面のそれぞれに結合された状態になっており、前記構造化されたコア層(8)は、前記コア層(8)の前記熱可塑性材料に関連付けられる溶融温度を下回る温度を有するようになっており、前記二つのカバー層(9、10)の少なくとも一部は、前記カバー層(9、10)の前記熱可塑性材料に関連付けられる溶融温度に等しいか又はそれを上回る温度を有するようになっている、ステップと、
- 前記加熱された平坦なサンドイッチ半製品(4')をプレスツール(1)の中へ移送するステップであって、前記プレスツール(1)は、少なくとも二つのプレス金型半分体(2、3)を含み、前記少なくとも二つのプレス金型半分体(2、3)は、空間的方向(R)に沿って互いに対して直線的に移動可能な様式で装着されており、そのうちの少なくとも一つの第1のプレス金型半分体(2)は、少なくとも二つのプレス金型セグメント(5、6)を含み、前記少なくとも二つのプレス金型セグメント(5、6)は、前記空間的方向(R)に沿って互いに対して直線的に移動可能な様式で装着されており、前記サンドイッチ半製品(4')の少なくともいくつかの領域が、前記二つのプレス金型半分体(2、3)のうちの少なくとも一つと表面接触するようになっている、ステップと、
- 両方のプレス金型半分体(2、3)を前記空間的方向(R)に沿って互いに向けて移動させるステップであって、前記サンドイッチ半製品(4')の少なくともいくつかの領域が、前記二つのプレス金型半分体(2、3)と表面接触されるようになっており、第1のプレス金型セグメント(6)が、移動の方向に前記第1のプレス金型半分体(2)のそれぞれの他の前記プレス金型セグメント(5)よりも前に動作するようになっており、その領域は、前記二つのカバー表面(9、10)のうちの一つと接触し、他方のプレス金型半分体(3)とともに、事前プレスされたサンドイッチ半製品(4'')に割り当て可能な最大厚さに対応する第1の最小間隔(11)が、前記第1のプレス金型セグメント(6)と他方のプレス金型半分体(3)との間で達成されるまで、2次元又は3次元で前記サンドイッチ半製品(4')を事前プレスする、ステップと、
- 接触冷却プロセスによって、前記第1のプレス金型セグメント(6)及び/又は他方のプレス金型半分体(3)によって接触されている領域の中で、事前成形されたサンドイッチ半製品(4'')を安定化させるステップと、
- 前記第1のプレス金型セグメント(6)が他方のプレス金型半分体(3)に対して静止している状態で、前記第1のプレス金型半分体(2)の前記それぞれの他のプレス金型セグメント(5)を他方のプレス金型半分体(3)の上に空間的方向(R)に偏向させ、第2の最小間隔(14)が前記それぞれの他のプレス金型セグメント(5)と他方のプレス金型半分体(3)の間で到達されるまで、前記事前プレスされたサンドイッチ半製品(4'')のいくつかの領域を接触させ、それを完全にモールドするステップであって、前記間隔は、プレスされた2次元の又は3次元の形状を有する前記サンドイッチ複合コンポーネント(4)を取得するために、前記第1の最小間隔よりも小さくなるように選択される、ステップと
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記平坦なサンドイッチ半製品(4')は、ハニカム状の又は円筒形状に構造化されたコア層(8)を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カバー層(9、10)は、熱可塑性材料からそれぞれ作製されており、前記コア層(8)も、前記熱可塑性材料から生産されており、構造補強用繊維コンポーネントがさらに、前記熱可塑性材料に追加されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記構造補強用繊維コンポーネントは、連続繊維として具現化されており、個々の繊維は、前記サンドイッチ半製品を一度完全に通過し、少なくとも一つの層の中におおよそ一方向に配置されており、又は、織られた構造の形態を有していることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記平坦なサンドイッチ半製品(4')の加熱は、赤外線放射加熱プロセスによって非接触式に実施されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記サンドイッチ半製品(4')と前記少なくとも一つのプレス金型半分体(2、3)及び/又は前記第1のプレス金型セグメント(6)との接触は、前記サンドイッチ半製品(4')と前記プレス金型半分体(2、3)との間の前記接触領域への負圧の印加によって支持され、前記サンドイッチ半製品は、接触冷却プロセスによって、前記プレス金型ツールとの前記接触領域において冷却されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記二つのプレス金型半分体(2、3)の互いに向けての移動、並びに、前記事前プレスされたサンドイッチ半製品(4'')を取得するためにそれに関連付けられる2次元の又は3次元のプレスは、前記構造化されたコア層(8)が前記事前成形されたサンドイッチ半製品(4'')の中に構造を保存した状態で保たれるように実施されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記二つのプレス金型半分体(2、3)の互いに向けての移動、並びに、前記事前プレスされたサンドイッチ半製品(4'')を取得するための2次元の又は3次元の事前プレスは、第1のプレスプロセスステップを構成し、第2のプレスプロセスステップがそれに続き、前記第2のプレスプロセスステップでは、前記第1のプレス金型半分体(2)の前記それぞれの他のプレス金型セグメント(5)が、他方のプレス金型半分体(3)の上に空間的方向(R)に偏向させられ、前記事前プレスされたサンドイッチ半製品(4'')は、前記事前プレスから除外された領域において隣接して直接的に又は間接的に接触させられ、前記事前プレスされたサンドイッチ半製品(4'')は、この領域において、プレス力の印加によって、前記第2の最小間隔(14)に対応する厚さまでコンパクト化されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の最小間隔(14)は、前記カバー層(9、10)及び前記コア層(8)の前記熱可塑性材料が、前記それぞれの他のプレス金型セグメント(5)によって最後にモールドされた前記サンドイッチ複合コンポーネント(4)の領域において、コンパクト化された材料複合材(12)の形態を有するように選択されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のプレス金型セグメント(6)の助けを借りて生成される前記事前プレスされたサンドイッチ半製品(4'')の領域と、前記それぞれの他のプレス金型セグメント(5)によって最後にモールドされた前記サンドイッチ複合コンポーネント(4)の領域との間の一定の又は急斜面の移行部の様式で、幾何学的に定義可能な3次元の移行輪郭部(13)が形成されるように、前記第1のプレス金型半分体(2)の前記それぞれの他のプレス金型セグメント(5)の偏向が実施されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のプレスプロセスステップの後に、前記事前成形されたサンドイッチ半製品(4'')は、前記第1のプレス金型セグメント(6)及び/又は他方のプレス金型半分体(3)と接触させられた領域の内側で冷却されることを特徴とする、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
それから結果として生じる前記熱可塑性材料の冷却及び凝固の間に、前記事前成形されたサンドイッチ半製品(4'')は、負圧によって、前記接触領域の上で、前記第1のプレス金型セグメント(6)及び他方のプレス金型半分体(3)に固定されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
安定化は、少なくとも1秒の期間にわたって、前記事前成形されたサンドイッチ半製品(4'')に作用するモールド力がない状態で実施されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
プレスされた2次元の又は3次元の形状を有するサンドイッチ複合コンポーネントであって、前記サンドイッチ複合コンポーネントは、二つの反対側のコア層表面を備えた熱可塑性材料から作製された少なくとも一つの構造化されたコア層(8)を有しており、また、前記二つのコア層表面に直接的に又は間接的に密着してそれぞれ結合されている熱可塑性のカバー層(9、10)を備えている、サンドイッチ複合コンポーネントにおいて、
少なくとも一つの3次元の移行輪郭部(13)が提供されており、前記3次元の移行輪郭部(13)は、単一のパーツとして、前記サンドイッチ複合コンポーネントの第1の領域を、前記サンドイッチ複合コンポーネントの隣接する第2の領域と接続しており、前記第1の領域では、前記構造化されたコア層が、前記二つのカバー層を互いに分離しており、前記隣接する第2の領域では、前記構造化されたコア層及び両方のカバー層がコンパクト化され、材料結合によって溶接され、多層ラミネートを形成していることを特徴とする、サンドイッチ複合コンポーネント。
【請求項15】
前記3次元の移行輪郭部(13)は、前記第1の領域が前記第2の領域を少なくとも部分的に囲むように、前記サンドイッチ複合コンポーネントの周辺の円周方向の境界に沿って、及び/又は、前記サンドイッチ複合コンポーネントの内側において、縁部に配置されていることを特徴とする、請求項14に記載のサンドイッチ複合コンポーネント。
【請求項16】
前記カバー層(9、10)は、熱可塑性材料からそれぞれ構成されており、前記コア層(8)も、前記熱可塑性材料から作製されており、追加的な構造補強用繊維コンポーネントが、前記熱可塑性材料に追加されていることを特徴とする、請求項14又は15に記載のサンドイッチ複合コンポーネント。
【請求項17】
前記構造補強用繊維コンポーネントは、連続繊維の形態になっており、個々の繊維は、前記サンドイッチ半製品を一度完全に通過し、少なくとも一つの層の中におおよそ一方向に配置されており、又は、織られた構造の形態で存在していることを特徴とする、請求項16に記載のサンドイッチ複合コンポーネント。
【請求項18】
前記平坦なサンドイッチ半製品(4')の前記構造化されたコア層は、構造壁を含み、前記構造壁の両側の構造壁縁部は、前記二つのカバー層のうちの一つに密着してそれぞれ結合されており、熱可塑性材料の溶接ビード状の材料蓄積部が、カバー層に結合されている前記構造壁縁部のそれぞれのそれぞれの側に提供されており、前記蓄積部は、前記カバー層及び前記構造壁の両方と一体的に結合されていることを特徴とする、請求項14から17のいずれか一項に記載のサンドイッチ複合コンポーネント。
【請求項19】
プレスされた2次元の又は3次元の形状を有する前記サンドイッチ複合コンポーネント(4)の領域において、前記形状は変化させられており、熱可塑性材料の前記溶接ビード状の材料蓄積部は、隣接する前記カバー層とともに一方向に延在する剪断力により誘発される変形を有していることを特徴とする、請求項18に記載のサンドイッチ複合コンポーネント。
【請求項20】
プレスされた2次元の又は3次元の形状を有する前記サンドイッチ複合コンポーネント(4)の減少する構造壁高さを有する領域において、前記形状は変化させられており、前記構造壁は、それらの構造壁縁部の近くに湾曲したセクションを有していることを特徴とする、請求項18又は19に記載のサンドイッチ複合コンポーネント。
【請求項21】
自動車、キャラバン、造船、及び航空機構築の分野における平坦な耐荷重性コンポーネントとしての、又は、太陽電池モジュール若しくは太陽熱エネルギーモジュールのための又はスポーツ産業における耐荷重性構造体としての、請求項14から20のいずれか一項に記載のサンドイッチ複合コンポーネントの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレスされた2次元の又は3次元の形状を有するサンドイッチ複合コンポーネントを生産するための方法であって、サンドイッチ複合コンポーネントは、熱可塑性材料から作製された少なくとも一つの構造化されたコア層を有しており、それは、二つの反対側のコア層表面を有しており、そのそれぞれは、熱可塑性のカバー層に直接的に又は間接的に結合されている、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サンドイッチ複合コンポーネントは、軽量の構築体において広く使用されている。その理由は、それらが、単位面積当たりの非常に高い荷重特性を有すると同時に、低い比重を有するからである。重い荷重を受ける構造的コンポーネントに関して、これらのサンドイッチ複合材は、典型的に、ハニカム構造体の形態の構造化されたコア層を含み、たとえば、それは、それぞれの側において、繊維強化プラスチックカバー層と結合されている。大規模生産においても大面積の平坦なサンドイッチ複合コンポーネントを製造することが可能であるが、数分のオーダーのサイクル時間で、特定された表面湾曲を伴って、連続繊維(endless-fibre)強化サンドイッチ複合コンポーネントを生成することを可能にする十分な生産方法は、依然として存在していない。
【0003】
とりわけ、均質に発泡されたコア構造体を備えた連続繊維強化サンドイッチコンポーネントの大規模生産のための方法は、非常によく知られているが、発泡コアを備えたサンドイッチ複合コンポーネントは、構造化されたコアを備えたサンドイッチ複合コンポーネントよりも低い機械的比剛性を有している。そのうえ、いずれかの側においてコアの境界を定めるカバー層を同時にモールドしながらコアを発泡させるプロセスは、制御することが困難である。
【0004】
文献DE102011006819A1は、3次元に輪郭決めされたサンドイッチ構造体を生産するための方法を開示しており、サンドイッチ構造体は、二つの熱可塑性のカバー層と、それらの間に位置決めされているハニカム構造体を備えたコア層とから構成されている。サンドイッチ構造体の3次元の輪郭決めを実現するために、ハニカム状のコア層は、意図される3次元の輪郭を取得するために、切断又は分離加工方法において事前加工される。その後に、熱可塑性のカバー層は、加工されたコア材料の上にそれらをホットプレスするプロセスによって、コア層と密着して結合される。このアプローチが少量生産又はプロトタイプ構築にのみ適切であるということは非常に明白である。
【0005】
文献DE4323590A1は、3次元に成形された層複合コンポーネントを生産するための方法を開示しており、そのコア層は、発泡された熱可塑性材料から構成されており、それは、両方の側において、熱可塑性のカバー層と密着して結合されている。このプロセスにおいて、コア層及びカバー層は、最初に緩いスタック構成で配置され、次いで、単一のホットプレスプロセスで接合される。ホットプレスプロセスの間に、二つのカバー層及びコア層は、密着した複合材結合をそれぞれ形成する。
【0006】
先行する製造方法と同様の、補強された発泡コアを備えたサンドイッチパネルを生産するための方法が、EP3263321A1に開示されている。しかし、上記に引用されているケースのいずれにおいても、発泡コアは、構造化されたコア層に関連付けられる表面剛性及び表面耐荷重能力を提供しない。
【0007】
文献WO2013/143569A1は、ハニカムコア層及び二つの繊維強化熱可塑性カバー層から構成されるサンドイッチ複合コンポーネントのための製造方法を開示している。この文献に開示されているサンドイッチコンポーネントの特別な特徴は、ハニカムコア層がセルロースベースの材料から作製されているということにあり、セルロースベースの材料は、変形プロセスの一部として圧力及び熱の影響の下で、対応して3次元に構成されたコンポーネント形状をとる。
【0008】
上記の他に、たとえば、真空注入方法、ギャップ含浸方法、又は樹脂注入方法など、サンドイッチコンポーネントを生産するために熱硬化性樹脂を加工することを伴う複数の生産方法が知られている。しかし、加工の間の熱硬化性プラスチックの硬化反応、及び、いくつかのプロセスステップが手動で実施されるという事実は、大規模製造にとって完全に不適切ではないとしても、それらが限られた利益を有するということを意味している。
【0009】
文献EP1993808B1は、3次元に成形されたサンドイッチ構造体の生産のための方法を開示しており、それは、圧縮金型スタンプによって圧縮金型に移送され、圧縮金型スタンプは、それをモールドするために、次々に可変的に偏向(deflect)させられ得る。サンドイッチ構造体の中の内部コア層は、しわが形成する程度にまで、異なる領域においてさまざまな程度の圧縮に露出される。
【0010】
文献EP1626852B1は、複合コンポーネント及びその生産のための方法を開示しており、コンポーネントは、深絞り方法の様式で2次元に成形され、その周辺を囲む熱可塑性材料が、圧縮によってそれに接合される。
【0011】
文献DE102012002559A1は、熱可塑性材料を含有しないサンドイッチ複合コンポーネントを製造するためのツールを開示している。
【0012】
文献EP0894611B1は、パネルをプレスすることによって、自動車用のコンポーネントを生産するための方法を説明しており、パネルは、少なくとも第1及び第2のカバー層と、それらの間に位置決めされている熱可塑性材料のセルラーコアとを含み、両方のカバー層は、補強された熱可塑性材料から作製されている。追加的な材料貯蔵部が、成形により誘発される湾曲の領域の中に形成され、どこでそれが起こっても局所的な厚さの低減を弱める。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明によって対処される課題は、プレスされた2次元の又は3次元の形状を有するサンドイッチ複合コンポーネントを生産するための方法であって、サンドイッチ複合コンポーネントは、少なくとも一つの構造化されたコア層を有しており、少なくとも一つの構造化されたコア層は、熱可塑性材料から作製されており、また、二つの反対側のコア層表面を有しており、そのそれぞれは、産業規模での大規模製造が可能にされるような様式で、熱可塑性のカバー層に直接的に又は間接的に密着して結合されており、また、それは、コンポーネントの特別に事前定義された領域の中の平坦な及び/又はわずかから適度に湾曲したサンドイッチ複合コンポーネントの生産をさらに可能にし、定義されたコア層高さをそれぞれ備える、方法をさらに開発することである。流体密封のコンポーネント周辺部を備えたそのような種類のサンドイッチ複合コンポーネントを生成することがさらに可能であるべきであり、それによって、内部の構造化されたコア層が、外部雰囲気から保護される。このように、直ぐに使用できるサンドイッチ複合コンポーネントを数分以下で生産することが可能であるべきであり、それらは、結果的に、大量に入手可能であり、長い耐用年数を有している。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によって対処される課題の解決策は、請求項1に述べられている。請求項14の対象は、本解決策にしたがって設計されたサンドイッチ複合コンポーネントである。本発明思想を有利に洗練する特徴は、それぞれの従属請求項の対象であり、又は、とりわけ、例示的な実施形態を参照して、以下の説明から識別され得る。
【0015】
本解決策によれば、請求項1のプリアンブルの特徴による、プレスされた2次元の又は3次元の形状を有するサンドイッチ複合コンポーネントを生産するための方法は、以下の方法ステップによって特徴付けられる。
【0016】
第1のステップは、赤外線放射によって(好ましくは、非接触式に)、平坦なサンドイッチ半製品を加熱することであり、サンドイッチ半製品は、少なくとも一つの構造化されたコア層を含有しており、カバー層がそのコア層表面に接合された状態になっており、形成されることとなる領域において、構造化されたコア層は、コア層の熱可塑性材料に関連付けられる融点よりも低い温度を有するようになっており、二つのカバー層のそれぞれの少なくとも一部は、カバー層の熱可塑性材料に関連付けられる融点に等しいか又はそれを上回る温度を有するようになっている。このように、コア層の構造体はモールドされ得、モールディング圧縮の間にその構造を保ち、両方のカバー層が、モールディングの終了時においてコア層表面との密着した結合に参加するということが保証される。カバー層は、熱可塑性材料からそれぞれ作製されており、それは、好ましくは、構造化されたコア層のものと同じ熱可塑性材料又は同じタイプの熱可塑性材料から構成されている。この熱可塑性材料は、有利には、部分的に結晶性の熱可塑性物質から構成されており、その溶融温度は、結晶溶融温度を構成する。追加的に、カバー層は、好ましくは、構造補強用の連続繊維コンポーネントを含有しており、その繊維長さは、2cm超を測定するべきであり、個々の繊維は、ランダムに配置されており、又は、理想的には、半製品を一度完全に通過し、おおよそ一方向に配置されており、又は、少なくとも一つの層の中に織られた構造として現実化されている。また、熱可塑性のマトリックスの上記の軟化温度又は溶融温度へのカバー層の加熱は、軟化されたカバー層の内側で及びコア層表面の上で繊維コンポーネントがスライドすることを可能にする。成形が行われることを意図していない平坦な半製品領域では、カバー層を溶融させないことがさらに有利である可能性がある。
【0017】
好適な変形例において、熱可塑性物質の他に、コア層は、タルク粒子、チョーク粒子、ガラス粉又は粉末、及び、上記に列挙された繊維材料から作製された短繊維(それらのそれぞれは、カバー層の中に含有されている)の材料からの少なくとも一つの充填材料も含有する。
【0018】
次いで、加熱されたこれまでは平坦なサンドイッチ半製品は、プレスツールの中へ移送され、プレスツールは、少なくとも二つのプレス金型半分体を含み、少なくとも二つのプレス金型半分体は、空間的軸線に沿って互いに対して直線的に移動可能な様式で装着されており、そのうちの少なくとも第1のプレス金型半分体は、少なくとも二つのプレス金型セグメントを有しており、少なくとも二つのプレス金型セグメントは、空間的方向に沿って互いに対して直線的に移動可能な様式で装着されている。加温されたサンドイッチ半製品は、サンドイッチ半製品が二つのプレス金型半分体のうちの少なくとも一つの少なくともある領域と表面接触するような様式で、プレスツールの中に移送及び挿入される。サンドイッチ半製品は、好ましくは、少なくとも二つのプレス金型セグメントを備えたプレス金型半分体の反対側にあるプレス金型半分体の上に支持されるか又は置かれており、少なくとも二つのプレス金型セグメントは、空間的方向に沿って互いに対して直線的に移動可能となるように装着されている。以下のテキストでは、このプレス金型半分体は、区別の目的のために、第2のプレス金型半分体と指定されることとなる。
【0019】
加温されたサンドイッチ半製品は、必ずしもそうではないが、有利には、負圧によって、第2のプレス金型半分体の表面の上に位置決め及び固定される。この目的のために、第2のプレス金型半分体の少なくともサブ領域は、真空吸引エレメントを装備しており、それは、サンドイッチ半製品がプレス金型半分体の少なくとも一つの表面に強く付着し、横方向の滑りに対して信頼性高く固着されることを保証する。
【0020】
「第1のプロセスステップ」の過程において、プレスツールの両方のプレス金型半分体が、空間的方向に沿って互いに向けて移動させられ、サンドイッチ半製品の少なくともいくつかの領域が、反対側に配設されている両方のプレス金型半分体と表面接触するようになっており、第1のプレス金型セグメントが、移動の方向に第1のプレス金型半分体のそれぞれの他のプレス金型セグメントよりも前に走るようになっており、すなわち、第1のプレス金型セグメントは、移動の方向に距離Δxだけそれぞれの他のプレス金型セグメントを越えて突出している。このプロセスにおいて、先導的な第1のプレス金型セグメントは、二つのカバー層のうちの一方と表面接触し、一方では、それぞれの他方のカバー表面は、反対側のそれぞれの他方のプレス金型半分体の上にすでに支持されている(有利には、真空によってサポートされている)。互いに向けての二つのプレス金型半分体のさらなる移動は、第1の最小間隔が第1のプレス金型セグメントと第2のプレス金型セグメントとの間で達成されるまで、加温されたサンドイッチ半製品が第1のプレス金型セグメントと第2のプレス金型半分体との間に2次元又は3次元で事前プレスされることを引き起こす。このケースでは、第1の最小間隔は、事前プレスされたサンドイッチ半製品に割り当て可能な最大厚さに対応している。ハニカム状のコア層のケースでは(そのハニカムリッジは、好ましくは、二つのプレス金型半分体が互いに向けてそれに沿って移動する空間的方向に対して平行に配向されている)、ハニカムセル高さ(すなわち、ハニカムリッジの長さ)は、カバー層の中のわずかな増加を伴って低減されるのみであり、プレスプロセスの間にツールギャップがあったとしてもそれに応じた量だけ低減される。また、この第1のプレスプロセスステップ(ここでは、コア高さの鋭い低減なしに、サンドイッチが成形される)は、マルチパートの圧縮金型セグメントによって内側から外向きに、いくつかの段階で実施され得る。
【0021】
少なくとも一つの先導的なプレス金型セグメントは、好ましくは、真空吸引エレメントを装備しており、プレスギャップの方を向くように整合されたその表面は、モールディングニップの一部を構成する。その後に、第1の先導的なプレス金型セグメントと接触しているカバー層表面領域は、好ましくは、負圧によって、第1のプレス金型セグメントに吸引され、部分的に又は完全に固定して取り付けられる。反対側の接触領域における事前プレスされたサンドイッチ半製品との両側での接触に起因して、サンドイッチ半製品は、接触冷却によって冷却される。そして、これは、以前に溶融されたカバー層表面領域における接触させられたカバー層領域の熱可塑性材料の部分的な又は完全な凝固につながる。このターゲットにされた凝固、及び、好ましくは、先導的なプレス金型セグメントへのサンドイッチ半製品の真空ベースの付着は、これらのサンドイッチ領域に対して安定化させる効果を有する。この安定化は、後続の第2のプレスプロセスステップの間に、事前プレスされたサンドイッチ半製品の中の望ましくない変形を低減させるか又は完全に防止する。
【0022】
後続の第2のプレスプロセスステップの過程において、第1のプレス金型半分体のそれぞれの他のプレス金型セグメントは、反対側の第2のプレス金型半分体の上に空間的方向に偏向させられ、一方では、第1のプレス金型セグメントは、反対側の第2のプレス金型半分体に対して静止しており、すなわち、サンドイッチ半製品は、第1のプレス金型セグメントとの接触領域において、さらなるプレス力に露出されない。その偏向を通して、それぞれの他のプレス金型セグメントは、第2の最小間隔がそれぞれの他のプレス金型ツールと第2のプレス金型半分体との間で達成されるまで、以前の事前プレスによって影響を受けなかった領域に直接的に又は間接的に隣接する事前モールドされたサンドイッチ半製品と接触する。第2の最小間隔は、好ましくは、カバー層の及びコア層の熱可塑性材料がこの領域の中でコンパクト化されて多層ラミネートを形成するように選択される。このプレスステップにおいて支配的な圧力、とりわけ、コンパクト化されることとなる周辺の領域、及び、それに直接的に隣接した事前モールドされたサンドイッチ半製品の領域において支配的な圧力、並びに、高い温度は、コア層から結果として生じるプラスチックフィルムにカバー層が密着して溶接されることを引き起こす。
【0023】
正確には、内部の隣接する構造化されたコア層のための流体密封のシールを効果的に形成するのは、このコンパクト化された多層ラミネート、並びに、第1及び第2の最小間隔の間の移行領域である。
【0024】
それぞれの他のプレス金型セグメントの形状、及び、反対側に配置されている第2のプレス金型半分体に対するその偏向の性質に応じて、一定の又は急斜面の移行部の性質で、幾何学的に定義可能な3次元の移行輪郭部(transition contour)が、第1のプレス金型セグメントの助けを借りて事前モールドされたサンドイッチ半製品の領域と、それぞれの他のプレス金型セグメントによって最後にモールドされたサンドイッチ複合コンポーネントの領域との間に形成される。
【0025】
プレスの後に、しかし、コンポーネントの最終的なモールディングの前に、成形されたサンドイッチコンポーネントは、プレスツールの中に数秒長く留まり、それが冷却することを可能にする。この時間の間に、すべてのカバー層領域の熱可塑性のマトリックスは、完全に硬化し、コンポーネント温度は、一般的に下がる。この時点において、残留負圧が、有利に使用され、空気の混入を低減させ、表面品質を改善することが可能である。
【0026】
好適な変形例において、平坦なサンドイッチ半製品の加温は、赤外線放射によって行われ、第2のプレスプロセスにおいて、流体密封のコンポーネント周辺部を形成するために接合され、及び/又は、成形移行幾何学形状の中で、コア層厚さのより大きい低減を受ける、サンドイッチ半製品のそれらのエリアが加温されるようになっており、たとえば、いくつかのケースでは、IR放射加熱の後、及び/又は、成形の前に、それらの領域が過熱し、自発的な溶融を通して、いくらかの厚さ又は高さを失うようになっている。その後に、これは、3層ラミネートの中のカバー層マトリックスとプラスチックフィルムへと溶融して再成形された成形されたコア層との間のより良好な密着した結合を可能にし、同様に、コア層の中の隣接する移行幾何学形状の中のコアリッジのより目立たない座屈を可能にする。
【0027】
また、本解決策による方法は、熱可塑性の射出成形と直接的に組み合わせられ得り、したがって、形態のさらなる自由度を可能にする。
【0028】
プレスされた2次元の又は3次元の形状を有する、本解決策にしたがって構築されたサンドイッチ複合コンポーネントは、少なくとも一つの構造化されたコア層を有しており、少なくとも一つの構造化されたコア層は、熱可塑性材料から作製され、二つの反対側のコア層表面を有しており、サンドイッチ複合コンポーネントは、熱可塑性のカバー層を含み、そのそれぞれは、二つのコア層表面に直接的に又は間接的に密着して結合されており、少なくとも一つの3次元の移行輪郭部によって特徴付けられており、3次元の移行輪郭部は、サンドイッチ複合コンポーネントの第1の領域を、サンドイッチ複合コンポーネントの隣接する第2の領域にモノリシックに接続しており、第1の領域では、構造化されたコア層が、二つのカバー層を互いに分離しており、第2の領域では、プラスチックフィルムとしての構造化されたコア層及び両方のカバー層が含有され、コンパクト化された及び溶接されている多層ラミネートを形成している。
【0029】
3次元の移行輪郭部は、好ましくは、急斜面の面取り又は平坦な面取りとして具現化されており、3次元の移行輪郭部は、サンドイッチ複合コンポーネントの周辺の円周方向の境界に沿って、縁部の周りに延在している。それと組み合わせて、又は、その代替的に、第1の領域(構造化されたコア層が、第1の領域の中に含有されており、二つのカバー層を互いに分離する)が第2の領域の少なくとも一部を取り囲むように、サンドイッチ複合コンポーネントの内側に移行輪郭部を提供することが可能である。
【0030】
本発明によるサンドイッチ複合コンポーネントは、第1の領域において3次元の変形を有することが可能であり、それは、少なくともそのエリアにおける平坦な表面から逸脱しており、それは、たとえば、構造化されたコア層及び二つのカバー層から構成される平坦な複合材の波状の湾曲の形態になっている。
【0031】
サンドイッチ複合コンポーネントの両方のカバー層は、好ましくは、熱可塑性材料から作製されており、好ましくは、アラミド繊維、炭素繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、石英繊維、又は玄武岩繊維の形態の連続繊維コンポーネントが、熱可塑性材料に追加されている。個々の繊維は、理想的には、それらがサンドイッチ半製品を一度完全に通過し、少なくとも一つの層の中におおよそ一方向に配置されており、又は、それらが織られた構造の形態を有するように、寸法決め及び配置されている。
【0032】
本解決策によるサンドイッチ複合コンポーネントは、好ましくは、自動車、キャラバン、造船、及び航空機構造の分野における耐荷重性コンポーネントとして、又は、太陽電池モジュール若しくは太陽熱エネルギーモジュールのための又はスポーツ産業における耐荷重性構造体として使用され得る。
【0033】
以下のテキストにおいて、本発明は、図面を参照して、例示的な実施形態に基づいて、一般的な発明思想の限定なしに、例示的な目的のために説明されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1a】本解決策による、構造体受け入れコア層と、流体密封のコンポーネント周辺部とを備えたサンドイッチ複合コンポーネントの成形を図示するためのシーケンスイメージを示す図。
【
図1b】本解決策による、構造体受け入れコア層と、流体密封のコンポーネント周辺部とを備えたサンドイッチ複合コンポーネントの成形を図示するためのシーケンスイメージを示す図。
【
図1c】本解決策による、構造体受け入れコア層と、流体密封のコンポーネント周辺部とを備えたサンドイッチ複合コンポーネントの成形を図示するためのシーケンスイメージを示す図。
【
図2】平坦な構築を有するサンドイッチ半製品を表す図。
【
図3】完成したサンドイッチ複合コンポーネントを通る縦断面を示す図、及び、縦断面図の詳細図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本解決策による方法は、構造化されたコア層8と、両方の側でそれをカバーする二つのカバー層9とを備えた平坦なサンドイッチ半製品4'から、1分から数分のサイクル時間内に、プレスツール1を使用して、二つの連続するプロセスステップで、2次元に又は3次元に成形されたサンドイッチ複合コンポーネント4の生産を可能にする。成形のための二つの連続するプロセスステップは、直線的なツール閉鎖移動の間に開始される。直線的な閉鎖移動は、垂直方向に又は水平方向に閉鎖するプレスツールの助けを借りて実施され、それは、
図1aから
図1cを参照して下記に説明されることとなる。
【0036】
図1aから
図1cは、時系列的に連続する方法の状況におけるプレスツール1を通る断面図をそれぞれ図示している。プレスツール1は、二つの好ましくは金属のプレス金型半分体2、3を有しており、それは、閉じた状態において、キャビティーを囲み、生産されることとなるサンドイッチ複合コンポーネント4が、最終的にキャビティーの内側に形成される(
図1cを参照)。
【0037】
プレスツール1は、二つの偏向可能なプレス金型半分体2、3を装備しており、それらは、空間的方向Rに沿って(好ましくは、示されているように垂直方向に、又は、水平方向に)直線的に移動可能であり、示されているようなそのうちの上側の第1のプレス金型半分体2は、二つのプレス金型セグメント5、6を含み、それらは、空間的方向Rに沿って互いに対して直線的に移動可能な様式で装着されている。第1のプレス金型半分体2の反対側に位置決めされている第2のプレス金型半分体3は、このケースでは、単一のパーツとして構築されている。
【0038】
図1aに表されている開始状況では、第1のプレス金型セグメント6は、それぞれの他のプレス金型セグメント5に対して距離Δxだけ偏向されており、それぞれの他のプレス金型セグメント5に対して下向きに突出している。そのような構成は、最初に再成形された幾何学形状の暫定的な安定化を伴って、2段階のプレスプロセスを可能にする。
【0039】
真空カップは、好ましくは、多孔性のアルミニウム、発泡金属、又は焼結金属などのような、通気性の材料から作製されており、真空カップは、プレス金型セグメント5、6の中に、及び、下側プレス金型半分体3の表面の上に一体化されており、ツール側に提供される対応する負圧源に接続されている。
【0040】
図1aに示されている状況では、平坦なサンドイッチ半製品4'が、下側プレス金型半分体3の表面の上に横たわっている。
【0041】
図2は、そのような種類の平坦なサンドイッチ半製品4'を表しており、それは、構造化されたコア層8及び二つのカバー層9、10を有しており、それぞれは、同じ熱可塑性材料から作製されている。コア層8は、並んで配置されたハニカム又はシリンダーの形態の構造化された構築体を有している。カバー層9、10は、補強の目的のために連続繊維を含有しており、個々の繊維は、理想的には、半製品を一度完全に通過し、少なくとも一つの層の中に一方向に配置されているか、又は、織られた構造の形態で提供される。
【0042】
図2に表されているサンドイッチ半製品4'は、それがプレスツール1の中に設置される前又はその間に、特定の熱的状態に持って行かれる。この熱的状態の決定的な特徴は、カバー層9及び10の熱可塑性材料が、その溶融温度を上回る温度に到達し、コア層8の熱可塑性材料が、その溶融温度に等しいか又はそれを下回る温度に到達するということである。サンドイッチ半製品4'の加熱は、好ましくは、両側に適用される赤外線放射加温の助けを借りて、成形の直前に行われる。
【0043】
2段階のプレスプロセスは、プレスツール1の閉鎖移動から始まり、そこでは、第1のプレス金型半分体2が、本ケースでは垂直方向下向きに、第2のプレス金型半分体3に対して偏向される。サンドイッチ半製品4'は、真空カップによる成形の前及び間に、少なくともその下側に取り付けられている。
【0044】
図1bは、上側プレス金型半分体2が垂直方向に低下させられた状況を表しており、元々は平坦なサンドイッチ半製品4'が、プレス力の印加によって、先導的な第1のプレス金型セグメント6との接触によって事前成形されている。サンドイッチ半製品4'の事前プレスは、コア層8の構造を保存しながら実施された。
図1bに図示されている事前成形されたサンドイッチ半製品4''を取得するためのこの成形プロセスは、事前成形されたサンドイッチ半製品4''の間の最小間隔11が達成されたときに終了する。第1の最小間隔11は、事前プレスされたサンドイッチ半製品4'の最大層厚さに対応している。好ましくは、サンドイッチ半製品4'のカバー層9、10と、第1のプレス金型セグメント6及び第2のプレス金型半分体3の表面との間の後続の移行輪郭部に近いすべての接触領域は、事前プレスの間に負圧を供給され、サンドイッチ半製品4''とプレス金型ツール1との間の接触領域に対する負圧の効果が、コア故障及び/又はコア層8の望ましくないコア高さ低減を防止する役割を果たすという結果になる。
【0045】
第2の後続のプレスプロセスステップが実施される前の時間に、事前成形されたサンドイッチ半製品4''は、事前成形されたサンドイッチ半製品4''の形状を修正することとなるいかなるさらなるモールド力もなしに、サンドイッチ半製品4''と接触しているプレス金型セグメント6及びプレス金型半分体3の内側で保管及び冷却される。サンドイッチ半製品は、反対側の接触領域にある事前プレスされたサンドイッチ半製品4''の両側での接触を通した接触冷却によって冷却される。これは、以前に溶融されたカバー層表面領域において、接触されたカバー層の熱可塑性材料の部分的から全体的な凝固を引き起こす。このターゲットにされた凝固、及び、好ましくは負圧に起因する先導的なプレス金型セグメント6へのサンドイッチ半製品4''の接着は、これらのサンドイッチ領域を安定化させる効果を有する。安定化は、後続の第2のプレスプロセスステップにおいて、事前プレスされたサンドイッチ半製品の上の望ましくない変形を低減させるか又は完全に防止する。この安定化状態の持続時間は、少なくとも1秒である。
【0046】
第2のプレスプロセスステップにおいて、サンドイッチ半製品4''の以前に接触されていないサブ領域は、第1のプレス金型セグメント6が第2のプレス金型半分体3に対して静止している状態で、反対側の第2のプレス金型半分体3に対するそれぞれの他のプレス金型セグメント5の偏向によって、再成形されてプレスされる。閉鎖移動が進行するにつれて、第2の最小間隔14がそれぞれの他のプレス金型セグメント5と第2のプレス金型半分体2との間で到達されるまで、サンドイッチコアは、第1のプレス金型セグメント6の横方向外側の領域において圧縮され、したがって、コンパクト化されたラミネート12を形成する。これらのコンパクト化されたコンポーネント領域12は、プレス金型セグメント(5、6)のコンポーネント形状及び設計に応じて、コンポーネントの周辺の周りに、及び/又は、サンドイッチコンポーネントの内部に延在するようにモールドされ得る。
【0047】
構造的に保存されたコア層領域と周辺のコンパクト化されたラミネート領域12との間の移行部13は、プレス金型セグメントの構築及び形状に応じて、急斜面に又は一定になっていることが可能である。
【0048】
ここで説明されているプレス方法は、使用されるプレスツール又はさらには使用される射出成形マシンによる他の従来の加工ステップ(たとえば、パンチを伴う後続のエッジトリミング、又は、射出成形によるさらなる機能化など)と組み合わせられ得る。
【0049】
本解決策による方法によって生産されるサンドイッチ複合コンポーネントは、定義されたコア高さを有する平坦なサンドイッチ領域及び湾曲したサンドイッチ領域の両方を含むことが可能である。コア高さは、それぞれのケースにおいて、キャビティーの内側のギャップ幅に依存する(
図1cを参照)。
【0050】
サンドイッチ複合コンポーネント4がコア層(その構造は保存されている)によって成形されている領域と隣接するコンパクト化されたラミネート領域12との間の移行部13は、たとえば、面取りとして成形され得る。
【0051】
プレスの後、及び、コンポーネントの最終的なモールディングの前に、成形されたサンドイッチコンポーネントは、冷却するために、プレスツールの中に数秒長く留まる。このときに、すべてのカバー層領域の熱可塑性のマトリックスが固化し、コンポーネント温度が一般的に冷却される。この状況において、残りの負圧が、有利に使用され、空気の混入を低減させ、表面品質を改善することが可能である。
【0052】
コンポーネントの周辺の周りに円周方向に延在するコンパクト化されたラミネートは、空気及び流体の侵入に対してサンドイッチの内部をシールすることが可能であり、同時に、ジョイントとしての役割を果たすことが可能である。また、完成したサンドイッチ複合コンポーネント4の内側の対応する移行部を伴ったときと同様に、コンパクトなラミネート領域を生成することも可能である。
【0053】
図3のa)は、完成したサンドイッチ複合コンポーネント4を通る縦断面を示しており、それは、周辺のコンパクト部12(そこでは、両方のカバー層9、10が、コア層8と共同でプレスされ、一体的な又は実用的に一体的な材料複合材を形成している)の他に、移行領域B1と、それに隣接する成形されていない領域B2と、それに続いて、2D成形及び3D成形された領域B3とを含有している。
【0054】
移行領域B1は、
図3のb)及び
図3のc)に詳細に図示されており、そのうち、
図3のb)は、カバー層9、10、及び、それらの間に配置されているコア層8の構造壁の両方を示す写真の詳細図であり、
図3のc)は、概略的な部分縦断面を示しており、そこでは、縦断面のそれぞれの下側半分が、移行領域B1において示されている。
図3のd)及び
図3のe)は、成形されていない領域B2に関して対応する説明図を示しており、
図3のf)及び
図3のg)は、成形された領域B3に関して対応する説明図を示している。
【0055】
好ましくはハニカム状のコア層8は、構造壁15を含み、その両側の構造壁縁部は、二つのカバー層9、10のうちの一つに密着してそれぞれ接合され、溶接ビードと同様の熱可塑性材料の材料蓄積部16が、構造壁境界のそれぞれの側に提供されており、そのそれぞれが、カバー層9、10に接合されており、蓄積部は、カバー層9、10及び構造壁15の両方と一体的に結合されている。
【0056】
移行領域B1では、構造壁高さは、より低くなり、領域B2の中の成形されていない構造壁高さhから開始し、下向きに進行し、コンパクト部12の縁部領域の中にカバー層9、10を備えた完全なフィルム構造体を形成する。プレス力によって引き起こされる高さ低減、並びに、カバー層9、10に近い構造壁15及びカバー層9、10自体の中の最大温度(それらは、熱可塑性のマトリックスの溶融温度よりも高温である)に起因して、構造壁15は、少なくともカバー層9、10に近い領域において変形し始め、それ自体が、溶接ビード状の材料蓄積部の中に溶け込む。これは、構造壁高さhのさらなる低減を伴って、より強力な溶接ビード状の材料蓄積部を結果として生じさせる。そのうえ、剪断力は、それぞれのケースにおいて、構造壁15に対して、カバー層9、10に対して接線方向に材料蓄積部16の変形をもたらす。足のような変形16'が形成され、構造壁15がそれから延在している。
【0057】
構造壁15は、成形されていないサンドイッチ複合コンポーネント領域B2の中の二つのカバー層9、10の間で実質的に直線的に延在している。熱可塑性材料の溶接ビード状の材料蓄積部16は、それらの構造壁境界のそれぞれの両方の側に位置付けされており、これらの領域において、カバー層9、10及び構造壁15の両方とモノリシックにそれぞれ結合されている。
【0058】
プレスされた2次元の又は3次元の形状を有するサンドイッチ複合コンポーネント4の領域B3の内側において、熱可塑性材料の溶接ビード状の材料蓄積部16は、隣接するカバー層とともに一方向に延在する剪断力により誘発される変形を示し、とりわけ、
図3のf)及び
図3のg)の詳細説明図に明確に見られ得るように、湾曲に応じて、構造壁境界の一方の側に、増加する材料蓄積部16'が形成するようになっている。理想的には、構造壁15は、この領域B3においても同様に、大部分が成形されておらず、すなわち、真っ直ぐになっている。しかし、サンドイッチ複合コンポーネント4の過度に急な湾曲、領域B2及びB3における構造壁高さhのあまりに急激な低減、並びに/又は、温度がカバー層9、10の中で低過ぎることによって引き起こされる、構造壁変形の逸脱が起こる可能性があり、それは、次いで、構造壁15の上のカバー層9、10からのスライド運動の遮断を結果として生じさせ、したがって、溶接ビード状の材料蓄積部16の剪断により誘発される変形を結果として生じさせることはあまりなく、その代わりに、構造壁15自体の剪断により誘発される変形を結果として生じさせる。不十分に高いカバー層温度は、IR放射による熱処理の間の不十分な熱エネルギー入力、及び/又は、IR放射熱処理の完了の時間から第1のプレスプロセスステップの開始までの過度に長い転送時間に起因する。
【符号の説明】
【0059】
1 プレスツール
2 第1のプレス金型半分体
3 他のプレス金型半分体
4 サンドイッチ複合コンポーネント
4' 平坦なサンドイッチ半製品
4'' 事前プレスされたサンドイッチ半製品
5 それぞれの他のプレス金型セグメント
6 第1のプレス金型セグメント
7 平坦なサンドイッチ半製品
8 コア層
9、10 カバー層
11 第1の最小間隔
12 コンパクト化された層複合材
13 移行部
14 第2の最小間隔
15 構造壁
16 材料蓄積部
16' 片側の材料蓄積部
B1 移行領域
B2 成形されていない領域
B3 成形された領域
【国際調査報告】