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  • 特表-氷注出システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-31
(54)【発明の名称】氷注出システム
(51)【国際特許分類】
   F25C 5/20 20180101AFI20220524BHJP
   B67D 1/08 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
F25C5/20 A
B67D1/08 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559158
(86)(22)【出願日】2020-04-03
(85)【翻訳文提出日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 EP2020059605
(87)【国際公開番号】W WO2020201526
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】1904722.4
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519162569
【氏名又は名称】コスタ エクスプレス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ブランドン-ジョーンズ、ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】シュラー、ティム
(72)【発明者】
【氏名】マクビーン、アレスデア
(72)【発明者】
【氏名】ミラグリア デル ジュディチェ、エンリコ
(72)【発明者】
【氏名】バーナム、ティム
(72)【発明者】
【氏名】テイラー、ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】デドマン、サム
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA01
3E082AA02
3E082BB01
3E082CC03
3E082DD01
3E082DD09
3E082EE02
3E082FF09
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、氷注出システムに関する。このシステムは、氷ホッパと、氷を前記氷ホッパから氷注出口または廃棄口に運ぶ氷シュートと、氷を前記氷ホッパから前記氷シュートに注出する氷注出要素と、氷を前記廃棄口に誘導するための第1位置と、氷を前記氷注出口に誘導するための第2位置と、を持つ氷誘導要素と、前記氷注出要素および前記氷誘導要素の位置を制御するための制御器と、を備える。さらに、本発明の氷注出システムを備える飲料注出マシンと、本発明の氷注出システムまたは飲料注出マシンから氷を注出する方法と、が与えられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
氷ホッパと、
氷を前記氷ホッパから氷注出口または廃棄口に運ぶ氷シュートと、
氷を前記氷ホッパから前記氷シュートに注出する氷注出要素と、
氷を前記廃棄口に誘導するための第1位置と、氷を前記氷注出口に誘導するための第2位置と、を持つ氷誘導要素と、
前記氷注出要素および前記氷誘導要素の位置を制御するための制御器と、
を備える氷注出システム。
【請求項2】
前記制御器は、1つ以上の所定の氷の量にアクセスするようにプログラムされている、または1つ以上の所定の氷の量にアクセスできることを特徴とする請求項1に記載の氷注出システム。
【請求項3】
氷センサをさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の氷注出システム。
【請求項4】
前記氷センサは、前記氷シュートを通過する氷を検知することを特徴とする請求項3に記載の氷注出システム。
【請求項5】
前記氷センサは光センサであり、
好ましくは、前記氷センサは、当該光センサのビームが前記氷シュートの幅に広がるように構成されることを特徴とする請求項3または4に記載の氷注出システム。
【請求項6】
前記ビームは、前記氷ホッパと前記氷誘導要素との間で、前記氷シュートの幅に広がることを特徴とする請求項1に記載の氷注出システム。
【請求項7】
前記制御器は、前記氷センサからから受信した入力に反応して、前記氷注出要素および/または前記氷誘導要素の位置を制御することを特徴とする請求項3から6のいずれかに記載の氷注出システム。
【請求項8】
前記制御器は、前記氷センサから受信した氷のカウント数を、選択された所定の氷の量と比較するように構成されることを特徴とする請求項7に記載の氷注出システム。
【請求項9】
前記制御器は、前記選択された所定の氷の量が注出されたと判断すると、前記氷注出要素を停止させ、前記氷誘導要素を前記第2の位置から前記第1の位置に動かすように構成されることを特徴とする請求項8に記載の氷注出システム。
【請求項10】
前記氷誘導要素のデフォルト位置は前記第1の位置であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の氷注出システム。
【請求項11】
前記氷誘導要素は、前記氷シュート内に配置されたフラップまたはプレートであることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の氷注出システム。
【請求項12】
前記制御器は、氷が前記氷ホッパから前記氷シュートに注出されるように前記氷注出要素を起動し、氷要求信号に反応して、氷が前記氷注出口から注出されるように前記氷誘導要素を前記第1の位置から前記第2の位置に動かすように構成され、
好ましくは、前記制御器は、前記氷誘導要素を前記第1の位置から前記第2の位置に動かし、これと同時にまたは実質的に同時に前記氷注出要素を起動するように構成されることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の氷注出システム。
【請求項13】
前記氷注出要素は、前記氷ホッパ内に設置されたオーガであることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の氷注出システム。
【請求項14】
前記氷ホッパは、可動障壁によって塞がれる氷出口を備えることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の氷注出システム。
【請求項15】
前記氷シュートは、前記氷ホッパと連動し、前記氷ホッパと前記氷シュートとが連結できるように前記可動障壁を開くように構成されることを特徴とする請求項14に記載の氷注出システム。
【請求項16】
製氷器と、氷を前記製氷器から前記氷ホッパに輸送するための輸送導管を含むことを特徴とする請求項1から15のいずれかに記載の氷注出システム。
【請求項17】
水を前記製氷器に供給するための水供給ラインと、前記水供給ライン内にUVフィルタなどの消毒器をさらに備えることを特徴とする請求項16に記載の氷注出システム。
【請求項18】
前記氷シュートは、落下する氷を減速するための制御構造を備え、
選択的には、前記制御構造は、曲げ、ねじれ、カーブ、よじれ、突出の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1から17のいずれかに記載の氷注出システム。
【請求項19】
前記制御構造は、前記氷注出口と前記氷誘導要素との間に設置されることを特徴とする請求項18に記載の氷注出システム。
【請求項20】
前記氷ホッパは、防水筐体で取り囲まれることを特徴とする請求項1から19のいずれかに記載の氷注出システム。
【請求項21】
前記防水筐体は、廃棄ポンプまたは重力ドレインによって、廃棄モジュールに接続されることを特徴とする請求項20に記載の氷注出システム。
【請求項22】
カップの位置を前記氷注出口の下に保つためのカップガイドをさらに備えることを特徴とする請求項1から21のいずれかに記載の氷注出システム。
【請求項23】
飲料注出口と、請求項1から22のいずれかに記載の氷注出システムと、を備える飲料注出マシン。
【請求項24】
氷が前記飲料注出口の近くに注出されるように、前記氷注出口は、当該飲料注出マシンの内部または当該飲料注出マシンの上に設置されることを特徴とする請求項23に記載の飲料注出マシン。
【請求項25】
ボディと、前記ボディに取り付けられたドアと、を備え、
前記ボディは、複数の操作モジュールと、前記操作モジュールを制御するための制御システムと、を収容し、
前記ドアは、ユーザが前記操作モジュールと相互作用するのを促進するためのユーザインタフェースを備えることを特徴とする請求項23または24に記載の飲料注出マシン。
【請求項26】
前記操作モジュールは、ブリューワ、グラインダ、ボイラ、チョコレート飲料、チョコレートパウダ、香料、油圧、ポンプ、ミルク、内部水および冷却/冷凍モジュールの少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項25に記載の飲料注出マシン。
【請求項27】
前記ユーザインタフェースは、飲料のメニューを与え、
前記制御器は、ユーザが選択した飲料に応じて所定の量の氷を注出するために、前記氷注出システムを起動するように構成されることを特徴とする請求項25または26に記載の飲料注出マシン。
【請求項28】
前記氷シュートは、前記ドアの内部に設置されることを特徴とする請求項25から27のいずれかに記載の飲料注出マシン。
【請求項29】
前記飲料注出口および/または前記氷注出口は、サービスポートを形成する前記ドア内の開口と連動することを特徴とする請求項25から28のいずれかに記載の飲料注出マシン。
【請求項30】
請求項1から29のいずれかに記載の氷注出システムまたは飲料注出マシンから氷を注出する方法であって、
(a)氷を前記氷ホッパから前記氷シュートに注出するように前記氷注出要素を起動し、前記氷誘導要素を前記第1位置から前記第2位置に動かすステップと、
(b)前記氷注出要素を停止させ、前記氷誘導要素を前記第2位置から前記第1位置に動かすステップと、
を含む方法。
【請求項31】
前記氷注出要素を起動する前に、氷要求信号を受信するステップを含み、
選択的には、前記氷要求信号は、ユーザが飲料抽出器のユーザインタフェース上の氷入り飲料を選ぶことによって起動されることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記氷要求信号は、所定の氷の量と関連付けられ、
前記ステップ(b)は、前記制御器が、所定の量の氷が注出されたと判断すると実行されることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記制御器は、氷センサから受信した情報と所定の氷の量とを比較することにより、所定の量の氷が注出されたと判断することを特徴とする請求項32に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
既知の氷ディスペンサには様々な問題がある。現行の氷注出システム(氷ディスペンシングシステム)は、必要な氷の量の決定をユーザに任せ、必要な量が手動で注出される。典型的には、氷の注出は、ユーザがカップなどの容器を持ったままレバーを操作するか、カップをディスペンサの下に置きボタンを押すことによって行われる。注出される氷の量はユーザが決めるので、その都度変化する。また、ユーザのレバーまたはボタンの解除のタイミングと、氷の容器への注出の停止のタイミングとの間には、通常ずれがある。これは、ユーザが意図した量より多くの量の氷が注出され、しばしば容器から溢れてしまうことを意味する。逆に容器からの溢れを予想したユーザがレバーまたはボタンを早く解除するので、容器への注出が不足してしまうこともある。このような場合、ユーザが意図した量の氷を注出するのは難しい。
【背景技術】
【0002】
氷ディスペンサが飲料マシン(例えばファーストフード店のセルフ飲料マシン)の近くで使われる場合、ユーザは、氷入り飲料を得るのに複数の手順を踏まなければならない。ユーザは先ず飲料注出エリアの所定の箇所からカップを取り、次にこのカップを氷ディスペンサに移す。ここでユーザは、レバーを操作するかボタンを押し続けるなどして、必要な量の氷でカップを満たす必要がある。次にユーザはカップを飲料注出部に移し、希望する量の飲料で満たす。このような場合、システムの操作中にカップを動かす必要のない、飲料と氷とが統合された注出システムがあることが望ましい。
【0003】
飲料と氷とが統合された注出器は、例えば国際公開第9932392号に開示されている。しかしこのような装置は、複雑で大型である。氷と飲料とは、同じ場所で注出されない。従って装置の床面積は大きい。この装置はまた、氷注出口と飲料注出口との間でカップを移動させるため、カップ回転台やコンベアベルトといった多くの動作部品を必要とする。この場合、氷の注出は、予め設定された時間氷ドアを開くことによって制御される。これは、例えば氷貯蔵用コンテナへの氷の収容が一定しないことから、注出される氷の量が正確でなく不安定となることにつながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
飲料と氷の量が所定の一定量であるように望まれる場合(例えば所定の量のアイスコーヒーの場合など)、カップからの溢れや不足を避け、飲料と氷とのバランスを適切に保つためには、注出される氷の量が正確である必要がある。さらに、飲料と氷とが自動的に注出される場合、ユーザはカップを所定の場所で保持しない。この場合、カップが倒れないように、注出は静かに行われる必要がある。こうした課題を解決するため、改良された氷注出システムが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、本発明は、氷注出システムを与える。このシステムは、
氷ホッパと、
氷を前記氷ホッパから氷注出口または廃棄口に運ぶ氷シュートと、
氷を前記氷ホッパから前記氷シュートに注出する氷注出要素と、
氷を前記廃棄口に誘導するための第1位置と、氷を前記氷注出口に誘導するための第2位置と、を持つ氷誘導要素と、
前記氷注出要素および前記氷誘導要素の位置を制御するための制御器と、
を備える。
【0006】
第2の態様では、本発明は、飲料注出口と、本発明の第1の態様に係る氷注出システムと、を備える飲料注出マシンを与える。
【0007】
第3の態様では、本発明は、本発明の氷注出システムまたは飲料注出マシンから氷を注出する方法を与える。この方法は、
a.氷を氷ホッパから氷シュートに注出するために氷注出要素を起動するステップと、氷誘導要素を第1位置から第2位置に動かすステップと、
b.氷注出要素を停止状態にするステップと、氷誘導要素を第2位置から第1位置に動かすステップと、
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下、図1を参照しながら、本発明の実施の形態を例示を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る氷注出システムを模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1を参照することにより、氷注出システムをより詳細に理解することができる。図1は、氷ホッパ101(これは、氷出口107を介して氷シュート102と連結する)を備えた氷注出システムを示す。この実施の形態では、氷シュート102は、制御構造108と、氷誘導要素104と、氷注出口105と、廃棄口106と、を含む。制御構造108は、落下する氷を減速させる。氷誘導要素104は、氷を廃棄口106に誘導するための第1位置と、氷を氷注出口105に誘導するための第2位置と、を持つ。図1では、氷誘導要素104は、第1位置にある。従って氷シュート102を通過する氷は、廃棄口106に誘導される。氷注出システムは、氷を氷ホッパ101から氷シュート102に注出する氷注出要素(図示しない)をさらに備える。氷注出システムはまた、氷注出要素および氷誘導要素104の位置を制御するための制御器(図示しない)を備える。
【0010】
氷ホッパ101は、氷が氷シュート102に注出される前に、氷を貯蔵する。「氷」という用語は、氷のキューブおよび塊を含むものと理解されたい。典型的には、氷は、キューブまたは塊の形で貯蔵され、注出される。氷ホッパは、例えば国際公開第2011/022140号に開示されるような既知のタイプのものであってもよい。氷ホッパ101は、可動障壁によって塞ぐことのできる氷出口107を備えてもよい。可動障壁は、氷シュート102と連動してもよい。好ましくは、氷出口は、氷ホッパ101の基部の上にある。好ましくは、氷出口が氷ホッパの上端に来るように、氷ホッパには角度が付けられる。これにより、氷ホッパ内で溶けた水は、すべて氷ホッパ101の反対端に集まるので、氷シュート102に流入しない。氷の溶解を遅らせるため、氷ホッパは断熱されてもよい。断熱は、泡その他の好適な材料を含んでもよい。氷ホッパは、防水筐体で取り囲まれてもよい。防水筐体は、排水モジュールおよび/または溶けた水/水滴のタンクおよび/または排水ラインに流体的に連結されてもよい。排水ラインは、流体を外部ドレインに誘導するように構成されてもよい。防水筐体は、金属、食品的に安全なプラスティックその他の好適な食品的に安全な材料で作られてもよい。好ましくは、防水筐体は透明である。防水筐体が透明であることにより、衛生検査が可能となる。防水筐体の目的は、氷ホッパの外面に形成される水滴を集め、氷注出システムその他のシステムまたは氷注出システムの近辺にあるモジュールへの水滴の落下を防ぐことにある。これは、氷注出システムが下記の飲料注出マシンの中に組み込まれている場合、特に有用である。
【0011】
氷注出要素は、氷を氷ホッパ101から氷シュート102に注出する。氷注出要素は、氷ホッパ内に設置されてもよいが、別のタイプの氷注出要素も考えられる。氷注出要素は、オーガを備えるか、オーガで構成されてもよい。オーガはワイヤオーガであってもよい。氷注出要素は、氷ホッパ101に設置される場合、氷ホッパ101の外側に設置されてもよい。例えば氷注出要素は、氷が制御された仕方で氷シュート102内に注出されるように、氷ホッパ101を傾けるように構成されてもよい。好ましくは、氷注出要素は、氷を氷ホッパ101の氷出口107に導くように構成される。
【0012】
制御器は、氷注出要素を周期的に(例えば一定間隔で)起動するようにプログラムされてもよい。これは、溶解および再凍結による氷の塊ができないように、氷ホッパ内で氷を撹拌するために行われてもよい。代替的または追加的に、氷注出要素の周期的な(例えば一定間隔の)起動は、氷ホッパから氷(例えば一部が溶けた氷)を除去するために使われてもよい。このような場合、氷は氷シュートに入ってもよい。氷注出要素がこのように起動される場合、氷ホッパから除去された氷が直接廃棄されるように、氷誘導要素は第1位置にあることが望ましい。代替的または追加的に、氷注出要素が起動中は、氷の氷シュートへの流入が防止されてもよい。これは、例えば、可動障壁により氷ホッパの氷出口を塞ぐことによって行われてもよい。このような氷注出要素の動作については、氷が氷出口で堆積しないように、および/または、氷ホッパを通して氷が均等に供給されるように設計されることが望ましい。氷の氷シュートへの流入を防ぐこと、または氷注出要素の起動中に氷誘導要素が確実に第1位置に来るようにすることにより、氷がカップからこぼれたり、周囲が汚れたりする可能性がなくなる。このように氷注出要素を周期的に起動することは、氷ホッパ内の氷を交換および補充する点で望ましい。これにより、氷ホッパ内の氷のサイズは均一となり、ユーザに与えられる氷のサイズもまた均一となる。氷のサイズを均一に保つことにより、注出も正確となる。これは、氷のサイズが均一であれば、注出動作で注出される氷の量がより安定するからである。例えば氷注出システムが光センサを含む場合、氷のサイズが均一であれば、より正確な計量が可能となる。
【0013】
氷シュートは、氷を、氷ホッパから氷注出口または廃棄口に輸送する。氷シュート102は、氷ホッパ101と連動し、氷ホッパ101の氷出口107を覆う可動障壁を開くことにより氷ホッパ101と氷シュート102とを連結させるように構成されてもよい。代替的に、氷ホッパ内の氷出口107が可動障壁を備えない場合、氷シュートは氷ホッパと常時連結していてもよい。氷シュートは、任意の好適な食品的に安全な材料(例えば、金属、プラスティックまたはそれらの組み合わせなど)で作られてもよい。廃棄口106は、氷シュートの一部として与えられてもよいし、氷シュートと連結できる別個の部品として与えられてもよい。廃棄口は、氷を、廃棄容器(例えば、飲料マシンのドリップトレイ)、廃棄モジュールまたは廃棄ライン(これはドレインと接続できてもよい)に導いてもよい。廃棄容器は、別個の廃棄モジュールおよび/または廃棄ラインにつながれてもよい。氷注出口105は、氷シュートの一部として与えられてもよいし、氷シュートと連結できる別個の部品として与えられてもよい。氷は、氷注出口105からユーザのカップなどの容器に直接注出されてもよい。代替的に、氷注出口105は、氷をさらなる導管(これは、氷を容器に注出することができる)に導いてもよい。氷シュート102は、直線的または実質的に直線的である。氷シュート102は、1つ以上の制御構造108(落下する氷を減速するために、例えば、曲がった、ねじれた、カーブした、よじれた、または突出したもの)を備えることが望ましい。制御構造108は、氷注出口と氷誘導要素との間に配置されてもよい。氷シュートは、氷が重力により氷ホッパから氷注出口または廃棄口に移動できるように、実質的に垂直であってもよい。
【0014】
氷誘導要素は、氷を廃棄口に誘導するための第1位置と、氷を氷注出口に誘導するための第2位置と、を持つ。制御器は、氷誘導要素の位置を制御する。システムが氷注出口を通して氷を注出していないときは、氷誘導要素は第1位置にあってもよい。氷誘導要素のデフォルト位置は、第1位置であってもよい。使用中、氷誘導要素は、誘導効果を発揮するために、氷に接触していても接触していなくてもよい。氷誘導要素は、氷を直接的または間接的に誘導してもよい。氷誘導要素は、氷シュートの内部に設置されることが望ましい。ある実施の形態では、氷注出要素は、フラップまたはプレートである。フラップ/プレートは、例えばヒンジの周りに回転することにより、第1位置では廃棄口へのアクセスを許し、氷注出口へのアクセスを遮断する一方、第2位置では氷注出口へのアクセスを許し、廃棄口へのアクセスを遮断してもよい。回転は、制御器で制御されるアクチュエータにより促進されてもよい。ある実施の形態では、氷誘導要素は氷シュートの内部に設置されなくてもよい。例えば、氷誘導要素は、氷シュートまたは氷シュートの一部を回転させてもよい。このとき、氷シュートは、氷誘導要素が第1位置にあるときは廃棄口に位置合わせされる一方、氷誘導要素が第2位置にあるときは氷注出口に位置合わせされてもよい。このような構成の変形例も考えられる。例えば、氷誘導要素は、氷シュートを定位置に保ったまま、廃棄口および氷注出口を動かしてもよい。
【0015】
氷を注出するために制御器が氷注出要素を起動し、氷ホッパから氷シュートへの氷の注出が開始される。制御器は、氷を氷シュートを介して氷注出口に誘導するために、(例えば、氷誘導要素と関連するアクチュエータを起動することにより)氷誘導要素を第2位置に動かしてもよい。「制御器」という用語は、制御システムに関し、副制御器(例えば、氷誘導要素のための副制御器、あるいは氷注出要素のための副制御器)を含んでもよい。1つの制御器が、氷誘導要素および氷注出要素の両方を制御してもよい。制御器は、こうした動作を、同時にまたは実質的に同時に実行してもよい。制御器は、こうした動作を、氷要求信号に反応して実行してもよい。こうした信号はユーザによって起動されてもよい。システムは、氷要求信号が与えられている間(例えば、ユーザがスイッチまたはボタンを押している間)だけ氷を注出するように構成されてもよい。氷要求信号は「オンデマンド」信号であってもよい。ユーザは、氷の量を直接的に選んでもよいし、間接的に(例えば、所定の氷の量に関連した飲料オプションを選ぶことにより)選んでもよい。好ましい実施の形態では、氷注出システム(例えば、制御器)は、所定の氷の量に関連した数字にアクセスできるか、こうした数字がプログラムされている。例えばユーザは、ユーザインタフェース上のスライダアイコンを用いて、オプションの数字から所望の量の氷を選ぶことにより、あるいは所定の量の氷に関連した飲料を選ぶことにより、所定の量の氷に関連した氷要求信号を起動してもよい。このように、氷要求信号は、所定の量の氷に関連していてもよい。この情報は、所望の量の氷が確実に注出されるように、氷注出要素および氷誘導要素を制御することに使われてもよい。
【0016】
所定の量の氷は、最小所定量から最大所定量までの複数のステップ数により、段階的に示されてもよい。制御器が所望の所定の量の氷を注出されたと判断すると、氷誘導要素は(例えば、氷誘導要素に関連するアクチュエータを起動することにより)第1位置に動き、(好ましくは、これと同時にまたは実質的に同時に)氷注出要素が停止する。代替的に、所望の所定の氷の量が注出されたと制御器が判断すると、当該制御器が氷注出要素を停止させる。氷誘導要素は、この段階では第2位置にとどまったままで、後の段階で第1位置に戻ってもよい。氷注出要素が停止することにより、さらなる氷が氷ホッパ101から氷シュート102に注出されるのを防ぐことができる。氷誘導要素を第1位置に動かすことの利点は、十分の量の氷が注出されたと判断された後に氷シュートに入った氷はすべて廃棄口に入り、それ以上氷が氷注出口から注出されないことにある。これにより、氷注出口から氷を受けるカップ(またはその他の容器)から氷が溢れるのを防ぐことができる。氷誘導要素を第1位置に動かすこと(または第1位置をデフォルト位置にすること)の別の利点は、氷ホッパの出口に堆積した氷または溶けた水の水滴が氷シュートに落ちても、それらはすべて廃棄口に入ることにある。これにより、注出エリアが余分な氷/水にさらされるのを防ぐことができる、および/または氷注出口から氷を受けるカップ(またはその他の容器)からの溢れを防ぐことができる。氷誘導要素を第1位置に動かすこと(または第1位置をデフォルト位置にすること)のさらなる利点は、氷シュートおよび氷ホッパへの氷注出口を介したアクセスを防ぐことにある。これにより、システムの食品的に安全なエリアの汚染が最小化されるので、衛生的に有利である。本発明に係る氷注出により、制御可能で、再生可能かつ正確な量の氷注出が可能となる。本発明のシステムは、「オンデマンド」な氷注出および所定の量の氷注出の両方が可能であるように構成されてもよい。
【0017】
いくつかの実施の形態では、氷注出システムは、氷センサ103を備える。例えば、図1に示されるように、氷センサは、氷シュート102を通過する氷を検知するように構成されてもよい。好ましくは、氷センサは光センサである。しかしながら、氷センサは、落下する氷によって接続し起動するスイッチなどの機械的センサや容量性センサであってもよい。例えば、パドルスイッチが氷シュート内に延びていてもよい。氷センサは、氷ホッパと氷誘導要素との間に設置されてもよい。氷センサは、氷ホッパ内(例えば氷出口)に設置されてもよい。例えば、パドルスイッチが、氷出口に(またはその近辺に)設置されてもよい。氷センサは、氷ホッパより氷誘導要素に近いところに設置されることが望ましい。氷センサが光センサである場合、氷センサは、光ビームが氷シュートの幅に広がるように、氷シュートを通して光ビームを導くことが望ましい。氷センサを通過する氷は、氷センサのビームを遮断するだろう。氷センサは、ビームが氷ホッパと氷誘導要素との間に位置づけられるように構成されてもよい。この情報は、制御器によって、氷センサの前を通過した氷の量を算出するのに使われてもよい。これは、氷注出口105から注出された氷の量を与えてもよい。好ましくは、氷センサ103は、通過する氷を検知し、制御器にそのカウント数を通知する。好ましくは、氷センサ13が氷(例えば氷のキューブまたは塊)の通過を検知するごとに、制御器はそのカウントを氷センサ103から受信する。制御器は、このカウント数を氷センサを通過した氷の数を算出するのに使ってもよい。
【0018】
制御器は、氷の必要量に応じて選択可能な1つ以上の所定の氷の量にアクセスするようにプログラムされてもよい。所定の量の氷は、最小所定量から最大所定量までの複数のステップ数により、段階的に示されてもよい。制御器は、氷センサを通過した氷の量(例えばカウント数)を、選択された所定の氷の量と比較してもよい。制御器は、所定の量の氷が通過したことを氷センサがカウントすると、氷誘導要素を第2位置から第1位置に動かしてもよい。制御器は、所定の量の氷が通過したことを氷センサがカウントすると、氷注出要素を停止させてもよい。ある実施の形態では、所定の量の氷が通過したことを氷センサがカウントすると、氷注出要素を停止させるが氷誘導要素を第2位置から第1位置に動かさない、あるいは氷注出要素を停止させると同時に氷誘導要素を第2位置から第1位置に動かさない。いくつかの実施の形態では、氷注出システムは、氷シュート102と別の位置で氷を検知する氷センサを含む。例えば、氷センサは、容器に集められた氷を検知するように構成されてもよい。例えば、容器支持面に重量センサが与えられてもよい。こうしたセンサは、所定の所望の氷の量と関連した重量が検出されたとき、制御器に信号を送信してもよい。制御器は、所定の量の氷が氷センサによって検知されると、氷の注出を止めるために氷注出要素を停止させてもよい。制御器は、氷の注出を止めるために氷注出要素を停止させ、これと同時にまたは実質的に同時に、氷誘導要素を第2位置から第1位置に動かしてもよい。代替的に、制御器が所定の量の氷が注出されたと判断すると、当該制御器が氷注出要素を停止させてもよい。氷誘導要素は、この段階では第2位置にとどまったままで、後の段階で第1位置に戻ってもよい。
【0019】
氷注出システムが氷センサを含まない場合は、注出された所定の量の氷は、他の手段によって制御されてもよい。例えば制御器は、所望の量の氷が氷シュートに注出される所定の時間、氷注出要素を起動してもよい。このような実施の形態では、所定の時間が経過すると、制御器が氷注出要素を停止させ、(これと同時または実質的に同時に)氷誘導要素を第1の位置に動かすことが望ましい。これにより、所定の時間経過後に氷シュートに入った氷は、氷注出口を通じて注出されずに、確実に廃棄口に導かれる。代替的に、一旦所定の時間が経過すると、制御器は氷注出要素を停止させてもよい。氷誘導要素は、後の段階で第1位置に動いてもよい。
【0020】
氷注出システムは、廃棄モジュールおよび/または溶水/水滴用タンクを含んでもよい。氷ホッパは、廃棄モジュールおよび/または溶水/水滴用タンクと流体的に連結してもよい。こうした連結は、柔軟なチューブまたはパイプであってもよい。好ましくは、連結は、柔軟なプラスティックチューブで補強される。好ましくは、廃棄モジュールおよび/または溶水/水滴用タンクは、氷ホッパより低い位置にある。これにより、氷ホッパ内の溶水はすべて、重力ドレインまたは廃棄ポンプを用いて容易に除去される。溶水をこのように除去することにより、粉砕しにくい再凍結および塊の形成の可能性を低減することができる。このような塊の形成は氷注出システムの故障の原因となり、メンテナンスが必要となり、関連するコストがかかる。廃棄モジュールおよび/または溶水/水滴用タンクの容量は、氷ホッパの容量以上であることが望ましい。これは、例えば電源故障により氷ホッパ内の氷が溶けたような場合、有用である。このような場合、溶けた氷はシステム内に氾濫することなく、廃棄モジュールおよび/または溶水/水滴用タンクに排出される。
【0021】
本発明の利点の1つは、氷を注出するために、ユーザがカップ(その他の容器)を持ったまま、例えばレバーやボタンを操作しなくてもよい点にある。落下する氷がカップに当たったりカップの位置を動かしたりする可能性を減らすために、氷注出システムは、カップを氷注出口の下に保つためのカップガイドを備えてもよい。カップガイドは、金属またはプラスティックで作られてもよい。カップガイドは、カップを掴む形状をしていることが望ましい。しかしながら、カップガイドは、ユーザがカップを簡単に取り外しできないほど強くカップを掴んではならない。いくつかの実施の形態では、カップガイドは、カップを掴まずに、カップが氷注出口の下に正しくセットされるための位置決めガイドとして機能する。例えば、カップガイドは、カップ支持面内にくぼみまたは穴を備えてもよい。前述のように、氷シュート内に制御構造が設置されると、氷がカップ内に落下することでカップが倒れたり位置がずれたりする可能性が減る。
【0022】
氷注出システムは、カップ(その他の容器)の存在および/またはカップのサイズを検知するためのセンサを含んでもよい。このセンサは光学センサまたは機械的センサであってもよい。こうしたセンサの目的は、カップが存在しないときおよび/または不適切なサイズのカップがセットされたとき、氷の注出を確実に防ぐことにある。カップが存在しないときに氷が注出されると、氷および溶けた水で周囲が汚れる。これは、氷注出システムの故障や破損の原因となる。
【0023】
氷注出システムは、製氷器と、氷を製氷器から氷ホッパに輸送するための輸送導管と、を備えてもよい。製氷器は、国際公開第2005/086666に開示されたタイプのものであってもよい。この開示では、氷をエバポレータの内部壁からこすり落とすときオーガが使われ、氷をオーガの一端に押し付け、氷を圧縮して氷塊にする。氷塊は、氷ホッパに輸送される。氷輸送導管内に曲げを設けることにより、氷塊は砕かれて、氷のナゲット/キューブとなる。
【0024】
氷注出システムは、製氷器に水を供給するための水供給ラインを含んでもよく、水供給ラインの内部にUVフィルタなどの消毒器を含んでもよい。水供給ラインの内部に消毒器を統合することにより、製氷に使われるすべての水を確実に消毒することができる。水供給ラインは、ユーザの飲料用の冷水を供給してもよい。
【0025】
上記の氷注出システムは、ユーザインタフェースを備えてもよい。ユーザインタフェースにより、ユーザは注出されるべき所望の氷の量を選ぶことができる。所望の氷の量は、間接的に選択されてもよい。例えば、ユーザは、カップもしくは容器のサイズ、または所定の量の氷に関連した飲料オプションを選択してもよい。ユーザインタフェースは、ボタンの形をとってもよく、オプションを表示するためのスクリーンを備えてもよい。ユーザインタフェースは、タッチスクリーンを備えてもよい。
【0026】
[飲料注出マシンへの統合]
本明細書に開示された氷注出システムは、氷入り飲料の注出が可能な飲料注出マシンに含まれてもよい。ある態様では、本発明は、本発明の氷注出システムを備える飲料注出マシンを与える。飲料注出マシンが本明細書に開示されたタイプの氷注出システムを内蔵すると、特に有用である。なぜなら、注出される氷の量を正確に計測することにより、氷入り飲料を注出するときに、飲料の溢れまたは不足を確実に防ぐことができるからである。
【0027】
本発明の氷注出システムは、任意のタイプの飲料を注出するための飲料注出マシンに内蔵されてもよい。以下に説明する有利な実施の形態では、本発明の氷注出システムは、温かい、冷えたまたは冷たい飲料を注出するための飲料注出マシン(例えば、国際公開第2014/075833号に開示されたタイプのコーヒーベースの飲料マシンを含む)に内蔵される。飲料注出マシンは、飲料注出口を備える。飲料注出口は、カップ/容器支持面の上に設置される。氷を飲料注出口の近くに注出できるように、氷注出口は、飲料注出マシンの内部/上に設置されることが望ましい。これは、カップ(その他の容器)を動かさなくても、氷および飲料の両方を受けられることを意味する。
【0028】
飲料注出マシンは、ボディと、ドアと、を備えてもよい。飲料注出口および/または氷注出口は、サービスポートを形成するドア内の開口と連動してもよい。ボディは、複数の操作モジュール(これは取り外し可能かつ交換可能であってもよい)と、当該操作モジュールを制御するための制御システムと、を備えてもよい。ドアは、ユーザインタフェースを備えてもよい。好ましくは、ユーザインタフェースは、ユーザが操作モジュールと相互作用するのを促進する。飲料注出マシンのドアは、清掃および/またはメンテナンスのための内部モジュールにアクセスできるように、開けられてもよい。操作モジュールは、ブリューワ、グラインダ、ボイラ、チョコレート飲料、チョコレートパウダ、香料、油圧、ポンプ、ミルク、内部水および冷却/冷凍モジュールの少なくとも1つを備えてもよい。ユーザインタフェースは、飲料のメニューを与えてもよい。制御器は、選択された飲料に応じて所定の量の氷を注出するために、氷注出システムを起動するように構成されてもよい。
【0029】
氷シュートは、飲料注出マシンのドアの内部に取り付けられてもよい。氷シュートをドアの内部に取り付けると、ドアを開けたときに、氷シュートが内部モジュールへのアクセスの邪魔にならないので有利である。氷シュートがドアの内部に取り付けられた場合、好ましくは、氷ホッパは、可動障壁によって塞がれる氷出口を備え、氷シュートは、氷ホッパと連動して可動障壁を開く(これにより、氷ホッパと氷シュートとが連結する)ように構成される。この構成により、飲料注出マシンへのドアが開けられると、氷出口が閉じられ、氷が氷ホッパに流入するのを防ぐことができる。ドアが閉じているときは、飲料注出マシンは動作状態に置かれ、氷シュートは氷ホッパと連動し可動障壁を開く。この状態では、可動障壁は開かれ、氷ホッパと氷シュートとは接続される。すなわち、氷が氷ホッパから氷シュートに注出される。
【0030】
代替的な実施の形態では、氷シュートは、飲料注出マシンのボディに取り付けられてもよい。この実施の形態では、氷ホッパは、可動障壁によって塞がれる氷出口を含まなくてもよい。この場合、氷シュートは氷ホッパと常時接続されていてもよい。
【0031】
氷注出システムがモジュールの操作を制御するための制御器を備えた飲料注出マシンに内蔵される場合、このシステムは、選択的に氷センサ(存在する場合は)から受信した入力に反応して氷注出要素および氷誘導要素の位置を制御するための制御器を備えてもよい。代替的に、モジュールの操作を制御するための制御器が、選択的に氷センサ(存在する場合は)から受信した入力に反応して氷注出要素および氷誘導要素の位置を制御してもよい。氷注出システムの制御器は、飲料注出マシンの他のモジュールのための制御システムに統合されてもよいし、別個であってもよい。いずれの制御器も、例えば1つ以上のPCBに実装することのできる適切なプロセッサを備えてもよい。
【0032】
飲料注出システムは、前述のカップの存在またはカップのサイズを検知するためのセンサを備えてもよい。正しいサイズのカップを検知することにより、溢れや不足を防ぐことができる。ユーザインタフェースは、選択されたカップのサイズに適した飲料のみをユーザに示すようにプログラムされてもよい。
【0033】
氷注出システムが飲料注出マシンに統合されている場合、ユーザの手を煩わすことなく、計測された氷を簡単に注出することができる。例えば、ユーザは、カップを注出口の下に置き、所望の飲料を選択するだけでよい。選択された氷入り飲料は、所定の氷の量と関連付けられるだろう。従って、制御システムは、適切な量の選択された飲料が注出されるように、氷注出システムを起動することができる。制御システムは、飲料がカップに注されるように、飲料注出口を起動することができる。このようにして、非常に正確に、かつユーザの操作を最小限にしたまま、氷入り飲料をユーザに提供することができる。注出される氷の量および飲料の量の両方が計測され制御されることにより、カップからの溢れや不足がなくなり、氷と飲料との正しい比率が実現される。
【0034】
[氷の注出方法]
本発明はまた、本発明の氷注出システムまたは飲料注出マシンから氷を注出する方法を与える。この方法は、
a.氷を氷ホッパから氷シュートに注出するように氷注出要素を起動し、氷誘導要素を第1位置から第2位置に動かすステップと、
b.氷注出要素を停止させ、氷誘導要素を第2位置から第1位置に動かすステップと、
を含む。
【0035】
氷誘導要素が第2位置から第1位置に動かされるのと同時にまたは実質的に同時に、氷注出要素が停止されることが望ましい。別の好ましい実施の形態では、氷注出要素が停止した後で、氷誘導要素が第2位置から第1位置に動かされる。氷誘導要素が第1位置から第2位置に動かされるのと同時にまたは実質的に同時に、氷注出要素が起動されてもよい。
【0036】
本方法は、氷注出要素を起動する前に、氷要求信号を受信するステップを含んでもよい。氷要求信号は、所定の氷の量と関連付けられてもよい。1つ以上の所定の氷の量が、氷注出システムまたは飲料注出マシン内に(例えば制御器内に)記憶されてもよい。一旦所定の量の氷が注出されたと制御器が判断すると、本方法のステップ(b)が実行されてもよい。この判断は、前述の氷センサから受信した情報と所定の氷の量とを比較することにより実行されてもよい。代替的に、ステップ(b)は、所定の時間が経過した後に実行されてもよい。好ましくは、この所定の時間は、所定の氷の量と関連付けられる。氷注出システムは、各所定の量の氷を注出するのに必要な時間を決定し設定するように調整することができる。別の実施の形態では、ステップ(b)は、ユーザが起動した氷要求信号が停止した後に実行されてもよい。例えば、氷要求信号は、ユーザがスイッチまたはボタンを押すことによって生成されてもよく、ユーザがスイッチまたはボタンを離すことによって停止されてもよい。このように、氷要求信号は「オンデマンド」信号であってもよい。従って、本方法により、正確な量の氷、すなわち所定の量またはユーザが選択した量の氷の注出が可能となる。氷要求信号は、ユーザが所定の量の氷またはユーザインタフェース上の氷入り飲料を選ぶことによって起動されてもよい。前述のように、氷注出システムが飲料注出マシン内に内蔵されている場合、氷要求信号は、氷が必要な飲料をユーザが選択することにより起動されてもよい。
【0037】
本発明の各態様の好ましい特徴は、必要な変更を加えることにより、他の態様にも当てはまる。引用された文献は、法的に許される最大の範囲内で、参照として本明細書に含まれる。
図1
【国際調査報告】