(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-31
(54)【発明の名称】円偏波アンテナを使用した干渉除去
(51)【国際特許分類】
H04B 1/10 20060101AFI20220524BHJP
H01Q 3/26 20060101ALI20220524BHJP
H01Q 1/24 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
H04B1/10 L
H04B1/10 W
H01Q3/26 C
H01Q1/24 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560717
(86)(22)【出願日】2020-04-06
(85)【翻訳文提出日】2021-10-11
(86)【国際出願番号】 US2020026861
(87)【国際公開番号】W WO2020210154
(87)【国際公開日】2020-10-15
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521447850
【氏名又は名称】テルコム・ベンチャーズ・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】TELCOM VENTURES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【氏名又は名称】池本 理絵
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】シン,ラージェンドラ
(72)【発明者】
【氏名】オレクサ,ジョージ・ロナルド
【テーマコード(参考)】
5J021
5J047
5K052
【Fターム(参考)】
5J021AA02
5J021AA03
5J021FA06
5J021FA13
5J021FA17
5J021FA23
5J021HA05
5J021HA07
5J047AB01
5J047FD01
5K052DD04
5K052DD27
5K052EE31
5K052FF29
5K052FF32
5K052GG19
5K052GG41
(57)【要約】
受信機において干渉を軽減する方法は、第1の円偏波(CP)アンテナにおいて通信信号を第1の受信信号として受信するステップと、第2のCPアンテナにおいて通信信号を第2の受信信号として受信するステップと、第2のCPアンテナによって受信された第2の受信信号を位相シフトして、位相シフトされた信号を生成するステップと、第1のCPアンテナによって受信された第1の受信信号と、位相シフトされた信号とをミキシングし、結果としての受信CP信号を生成するステップとを含みうる。関連したシステム、デバイス及びコンピュータプログラム製品も記載されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の円偏波(CP)アンテナにおいて通信信号を第1の受信信号として受信するステップと、
第2のCPアンテナにおいて前記通信信号を第2の受信信号として受信するステップと、
前記第2のCPアンテナによって受信された前記第2の受信信号を位相シフトして、位相シフトされた信号を生成するステップと、
前記第1のCPアンテナによって受信された前記第1の受信信号と、前記位相シフトされた信号とをミキシングし、結果としての受信CP信号を生成するステップと
を含んでなる、受信機において干渉を軽減する方法。
【請求項2】
前記第2の受信信号を前記位相シフトするステップは、
前記第2の受信信号を反転して、反転信号を生成すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記反転信号は、前記第1の受信信号及び/又は前記第2の受信信号と180度位相がずれている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の受信信号を前記位相シフトするステップは、
位相シフト及び/又は時間シフトを補償するフィードバックループに基づいて前記第2の受信信号に対して適応フィルタリングを実行すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のCPアンテナ及び前記第2のCPアンテナにおいて受信された前記通信信号は衛星通信信号を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のCPアンテナ及び前記第2のCPアンテナにおいて受信された前記通信信号は、衛星通信信号及び干渉を含み、
前記干渉は、地上広帯域無線アクセス(BWA)基地局からの干渉を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ミキシングすることは、前記通信信号から前記干渉を取り除き、
前記干渉は、地上広帯域無線アクセス(BWA)基地局からの干渉を含み、
前記結果としての受信CP信号は、前記地上広帯域無線アクセス(BWA)基地局からの前記干渉が取り除かれた前記通信信号を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のCPアンテナによって受信された前記第1の受信信号は、右旋円偏波(RHCP)又は左旋円偏波(LHCP)を含む第1の偏波を有し、
前記第2のCPアンテナによって受信された前記第2の受信信号は、前記RHCP又は前記LHCPを含む第2の偏波を有し、
前記第2の偏波は前記第1の偏波と異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ミキシングすることは、等しいが逆のコモンモード信号を除去することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
第3のCPアンテナにおいて前記通信信号を第3の受信信号として受信するステップと、
前記第3のCPアンテナによって受信された前記第3の受信信号の第1の誤り率を、前記結果としての受信CP信号の第2の誤り率と比較するステップと、
前記第1の誤り率を前記第2の誤り率と前記比較することに基づいて、前記結果としての受信CP信号又は前記第3の受信信号のうちの一方を前記受信機の出力として選択するステップと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の誤り率は、前記通信信号におけるプリアンブルの第1のプリアンブル誤り率、又は、前記受信機によって受信された前記通信信号におけるトレーニング系列の第1のトレーニング誤り率を含み、
前記第2の誤り率は、前記結果としての受信CP信号に関連したプリアンブルの第2のプリアンブル誤り率、又は、前記結果としての受信CP信号に関連したトレーニング系列の第2のトレーニング誤り率を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記結果としての受信CP信号は、前記干渉が除去された偏波信号を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
通信信号を受信して、第1の受信信号を生成するように構成される第1の円偏波(CP)アンテナと、
前記通信信号を受信して、第2の受信信号を生成するように構成される第2のCPアンテナと、
前記第2の受信信号を位相シフトして、位相シフトされた信号を生成するように構成される位相シフト回路と、
前記第1の受信信号と前記位相シフトされた信号とをミキシングして、結果としての受信CP信号を生成するように構成されるミキサと
を備えてなる、受信機において干渉を軽減する無線電子デバイス。
【請求項14】
前記位相シフト回路は、前記第2の受信信号を反転することによって、前記位相シフトされた信号を反転信号として生成するように構成される、請求項13に記載の無線電子デバイス。
【請求項15】
前記反転信号は、前記第1の受信信号及び/又は前記第2の受信信号と180度位相がずれている、請求項14に記載の無線電子デバイス。
【請求項16】
前記位相シフト回路は、位相シフト及び/又は時間シフトを補償するフィードバックループに基づいて前記第2の受信信号に対して適応フィルタリングを実行するように構成される、請求項13に記載の無線電子デバイス。
【請求項17】
前記第1のCPアンテナ及び前記第2のCPアンテナにおいて受信された前記通信信号は、衛星通信信号を含む、請求項13に記載の無線電子デバイス。
【請求項18】
前記第1のCPアンテナ及び前記第2のCPアンテナにおいて受信された前記通信信号は、衛星通信信号と、地上広帯域無線アクセス(BWA)基地局からの干渉とを含む、請求項13に記載の無線電子デバイス。
【請求項19】
前記第1のCPアンテナによって受信された前記第1の受信信号は、右旋円偏波(RHCP)又は左旋円偏波(LHCP)を含む第1の偏波を有し、
前記第2のCPアンテナによって受信された前記第2の受信信号は、前記RHCP又は前記LHCPを含む第2の偏波を有し、
前記第2の偏波は前記第1の偏波と異なる、請求項13に記載の無線電子デバイス。
【請求項20】
前記ミキサは、前記通信信号から前記干渉を取り除くように構成され、
前記干渉は、地上広帯域無線アクセス(BWA)基地局からの干渉を含み、
前記結果としての受信CP信号は、前記地上広帯域無線アクセス(BWA)基地局からの前記干渉が取り除かれた前記通信信号を含む、請求項13に記載の無線電子デバイス。
【請求項21】
前記ミキサは、等しいが逆のコモンモード信号を除去するように構成される、請求項13に記載の無線電子デバイス。
【請求項22】
前記通信信号を受信して、第3の受信信号を生成するように構成される第3のCPアンテナと、
前記第3のCPアンテナによって受信された前記第3の受信信号の第1の誤り率を、前記結果としての受信CP信号の第2の誤り率と比較するように構成される比較器回路と、
前記比較器回路に基づいて、前記結果としての受信CP信号又は前記第3の受信信号のうちの一方を前記受信機の出力として選択するように構成される選択回路と
を更に備える、請求項13に記載の無線電子デバイス。
【請求項23】
前記第1の誤り率は、前記通信信号におけるプリアンブルの第1のプリアンブル誤り率、又は、前記受信機によって受信された前記通信信号におけるトレーニング系列の第1のトレーニング誤り率を含み、
前記第2の誤り率は、前記結果としての受信CP信号に関連したプリアンブルの第2のプリアンブル誤り率、又は、前記結果としての受信CP信号に関連したトレーニング系列の第2のトレーニング誤り率を含む、請求項22に記載の無線電子デバイス。
【請求項24】
前記結果としての受信CP信号は、前記干渉が除去された偏波信号を含む、請求項13に記載の無線電子デバイス。
【請求項25】
モバイル衛星サービス(MSS)衛星システムの受信機において地上広帯域無線アクセス(BWA)基地局からの干渉を軽減する方法であって、
第1の円偏波(CP)アンテナにおいて、前記MSS衛星システムからの衛星通信信号と、前記地上BWA基地局からの前記干渉とを第1の受信信号として受信するステップと、
第2のCPアンテナにおいて、前記衛星通信信号と、前記地上BWA基地局からの前記干渉とを第2の受信信号として受信するステップと、
前記第2のCPアンテナによって受信された前記第2の受信信号を反転して、反転信号を生成するステップと、
前記第1のCPアンテナによって受信された前記第1の受信信号と、前記反転信号とをミキシングして、前記地上BWA基地局からの干渉が軽減された、結果としての受信CP信号を生成するステップと
を含んでなる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の様々な実施の形態は、アンテナシステムに関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年4月10日付で出願された米国仮特許出願第62/831,908号の利益を主張し、その内容全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【背景技術】
【0003】
広帯域無線アクセス(BWA:Broadband Wireless Access)ネットワークの要求が高まるとともに、BWA及びモバイル衛星サービス(MSS:Mobile Satellite Service)に同じ電波スペクトルを共有することに大きな関心が寄せられている。MSS事業者は、Cバンド周波数を使用して、モバイル電気通信及び/又は海事サービス及び他の輸送関連サービスのために無指向性地球局アンテナに接続することができる。静止地球軌道(GEO:Geosynchronous Earth Orbit)、中高度地球軌道(MEO:Medium Earth Orbit)、及び/又は低高度地球軌道(LEO:Low Earth Orbit)のMSS衛星は、特定の地理的エリアをサービングすることができ、したがって、他の地理的エリア内のBWA基地局から遠距離に存在し得る。しかしながら、他の地理的エリア内のBWA基地局は、MSS衛星から送信される信号及び/又はMSS衛星によって受信される信号と干渉する十分な電力及び/又は方向を有する送信波を送信することができる。したがって、地上基地局のBWA送信機からMSS地上受信機及び/又はMSS衛星受信機に対する干渉が関心事となっている。
【発明の概要】
【0004】
本発明の概念の様々な実施の形態は、受信機において干渉を軽減する方法を対象としている。前記方法は、第1の円偏波(CP)アンテナにおいて通信信号を第1の受信信号として受信することと、第2のCPアンテナにおいて前記通信信号を第2の受信信号として受信することと、前記第2のCPアンテナによって受信された前記第2の受信信号を位相シフトして、位相シフトされた信号を生成することと、前記第1のCPアンテナによって受信された前記第1の受信信号と、前記位相シフトされた信号とをミキシングし、結果としての受信CP信号を生成することとを含む。
【0005】
いくつかの実施の形態によれば、前記第2の受信信号を前記位相シフトすることは、前記第2の受信信号を反転して、反転信号を生成することを含みうる。前記反転信号は、前記第1の受信信号及び/又は前記第2の受信信号と180度位相がずれることができる。いくつかの実施の形態において、前記第2の受信信号を前記位相シフトすることは、位相シフト及び/又は時間シフトを補償するフィードバックループに基づいて前記第2の受信信号に対して適応フィルタリングを実行することを含みうる。前記第1のCPアンテナ及び前記第2のCPアンテナにおいて受信された前記通信信号は、衛星通信信号を含みうる。前記第1のCPアンテナ及び前記第2のCPアンテナにおいて受信された前記通信信号は、衛星通信信号と、地上広帯域無線アクセス(BWA)基地局からの干渉とを含みうる。前記第1のCPアンテナによって受信された前記第1の受信信号は、右旋円偏波(RHCP)又は左旋円偏波(LHCP)である第1の偏波を有することができる。前記第2のCPアンテナによって受信された前記第2の受信信号は、前記RHCP又は前記LHCPである第2の偏波を有することができる。前記第2の偏波は前記第1の偏波と異なることができる。
【0006】
いくつかの実施の形態によれば、前記結果としての受信CP信号は、前記地上広帯域無線アクセス(BWA)基地局からの前記干渉が取り除かれた前記通信信号を含む。前記ミキサは、等しいが逆のコモンモード信号を除去するように構成することができる。前記方法は、第3のCPアンテナにおいて前記通信信号を第3の受信信号として受信することと、前記第3のCPアンテナによって受信された前記第3の受信信号の第1の誤り率を、前記結果としての受信CP信号の第2の誤り率と比較することと、前記第1の誤り率を前記第2の誤り率と前記比較することに基づいて、前記結果としての受信CP信号又は前記第3の受信信号のうちの一方を前記受信機の出力として選択することとを含みうる。前記第1の誤り率は、プリアンブルの第1のプリアンブル誤り率、又は、前記受信機によって受信されたトレーニング系列の第1のトレーニング誤り率を含むことがあり、前記第2の誤り率は、前記結果としての受信CP信号に関連した前記プリアンブルの第2のプリアンブル誤り率、又は、前記結果としての受信CP信号に関連した前記トレーニング系列の第2のトレーニング誤り率を含みうる。前記結果としての受信CP信号は、前記干渉が除去された偏波信号を含みうる。
【0007】
本発明の概念の様々な実施の形態は、受信機において干渉を軽減する無線電子デバイスを対象としている。前記無線電子デバイスは、通信信号を受信して、第1の受信信号を生成するように構成される第1の円偏波(CP)アンテナと、前記通信信号を受信して、第2の受信信号を生成するように構成される第2のCPアンテナと、前記第2の受信信号を位相シフトして、位相シフトされた信号を生成するように構成される位相シフト回路と、前記第1の受信信号と前記位相シフトされた信号とをミキシングして、結果としての受信CP信号を生成するように構成されるミキサとを備える。
【0008】
いくつかの実施の形態によれば、前記位相シフト回路は、前記第2の受信信号を反転して、反転信号を生成するように構成することができる。前記反転信号は、前記第1の受信信号及び/又は前記第2の受信信号と180度位相がずれることができる。前記位相シフト回路は、位相シフト及び/又は時間シフトを補償するフィードバックループに基づいて前記第2の受信信号に対して適応フィルタリングを実行するように構成することができる。前記第1のCPアンテナ及び前記第2のCPアンテナにおいて受信された前記通信信号は、衛星通信信号を含みうる。前記第1のCPアンテナ及び前記第2のCPアンテナにおいて受信された前記通信信号は、衛星通信信号と、地上広帯域無線アクセス(BWA)基地局からの干渉とを含みうる。前記第1のCPアンテナによって受信された前記第1の受信信号は、右旋円偏波(RHCP)又は左旋円偏波(LHCP)である第1の偏波を有することができ、前記第2のCPアンテナによって受信された前記第2の受信信号は、前記RHCP又は前記LHCPである第2の偏波を有することができる。前記第2の偏波は前記第1の偏波と異なることができる。
【0009】
いくつかの実施の形態によれば、前記結果としての受信CP信号は、前記受信機において前記地上広帯域無線アクセス(BWA)基地局からの前記干渉が取り除かれた前記通信信号を含む。前記ミキサは、等しいが逆のコモンモード信号を除去するように構成することができる。第3のCPアンテナは、前記通信信号を受信して、第3の受信信号を生成するように構成することができる。比較器回路は、前記第3のCPアンテナによって受信された前記第3の受信信号の第1の誤り率を、前記結果としての受信CP信号の第2の誤り率と比較するように構成することができる。選択回路は、前記比較器回路に基づいて、前記結果としての受信CP信号又は前記第3の受信信号のうちの一方を前記受信機の出力として選択するように構成することができる。
【0010】
いくつかの実施の形態によれば、前記第1の誤り率は、プリアンブルの第1のプリアンブル誤り率、又は、前記受信機によって受信されたトレーニング系列の第1のトレーニング誤り率を含みうる。前記第2の誤り率は、前記結果としての受信CP信号に関連した前記プリアンブルの第2のプリアンブル誤り率、又は、前記結果としての受信CP信号に関連した前記トレーニング系列の第2のトレーニング誤り率を含みうる。前記結果としての受信CP信号は、前記干渉が除去された偏波信号を含みうる。
【0011】
本発明の概念の様々な実施の形態は、モバイル衛星サービス(MSS)衛星システムの受信機において地上広帯域無線アクセス(BWA)基地局からの干渉を軽減する方法を対象としている。前記方法は、第1の円偏波(CP)アンテナにおいて、前記MSS衛星からの衛星通信信号と、前記地上BWA基地局からの前記干渉とを第1の受信信号として受信するステップと、第2のCPアンテナにおいて、前記衛星通信信号と、前記地上BWA基地局からの前記干渉とを第2の受信信号として受信するステップと、前記第2のCPアンテナによって受信された前記第2の受信信号を反転して、反転信号を生成するステップと、前記第1のCPアンテナによって受信された前記第1の受信信号と、前記反転信号とをミキシングして、前記地上BWA基地局からの干渉が軽減された、結果としての受信CP信号を生成するステップとを含みうる。
【0012】
1つの実施の形態に関して説明される本発明の概念の態様は、そのことに関して具体的には説明されていないが、異なる実施の形態に組み込むことができることに留意されたい。すなわち、全ての実施の形態及び/又は任意の実施の形態の特徴は、任意の方法及び/又は組み合わせで組み合わせることができる。本明細書に記載の実施の形態のいずれかによる他の動作も実行することができる。本発明の概念のこれらの態様及び他の態様は、以下に述べる明細書において詳細に説明される。
【0013】
添付図面が、本開示の更なる理解を提供するために含まれ、本出願に組み込まれて本出願の一部を構成している。これらの添付図面は例示の実施形態を示している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本明細書に記載の様々な実施形態による、地上BWA基地局からの干渉を有する衛星通信システムを示す図である。
【
図2】本明細書に記載の様々な実施形態による、円偏波アンテナを使用した干渉軽減技法を示す図である。
【
図3】本明細書に記載の様々な実施形態による、円偏波アンテナを使用した干渉軽減技法を示す図である。
【
図4】本明細書に記載の様々な実施形態による、円偏波アンテナを使用した干渉軽減技法を示す図である。
【
図5】本明細書に記載の様々な実施形態による、円偏波アンテナを使用した干渉軽減技法を示す図である。
【
図6】本明細書に記載の様々な実施形態による、円偏波アンテナを使用した干渉軽減技法を示す図である。
【
図7】本発明の概念の様々な実施形態による、受信機に対する干渉を低減する動作を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の概念の様々な実施形態による、受信機に対する干渉を低減する動作を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の概念の様々な実施形態による、受信機に対する干渉を低減する動作を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の概念の様々な実施形態による、受信機に対する干渉を低減する動作を示すフローチャートである。
【
図11】本明細書に記載の様々な実施形態による、無線電子デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の概念の例示的な実施形態を、添付の図面を参照して説明する。しかしながら、本発明の概念は様々な異なる形式で具現化することができ、本明細書において示される実施形態に限定されるものと解釈されるべきでない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底した完全なものとなり、本発明の概念の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。
【0016】
放送テレビ等の様々な用途の衛星ダウンリンク送信は、MSS衛星及び/又は固定衛星サービス(FSS:Fixed Satellite Service)衛星からのCバンド(3.7GHz~4.2GHz)において行うことができる一方、アップリンク送信は、5.925GHz~6.425GHzとすることができる。地上MSS受信機又はFSS受信機は、Cバンドトランスポンダによって送信された様々なチャネルから信号を受信することができる。本明細書に提供される例示の実施形態は、CバンドのMSS受信機及び/又はFSS受信機に関して論述されるが、本明細書に記載の技法は、Kuバンドの衛星及び/又は受信機等のMSS/FSS衛星及び/又はMSS/FSS地上局によって使用される任意の周波数バンドに適用することができる。衛星は、MSS受信機から22000マイル(35420km)よりも遠くの距離に位置することがある。Cバンド衛星トランスポンダからの信号が進む距離に起因して、信号強度は、比較的弱くなることがあり、したがって、広帯域無線アクセス(BWA)ネットワーク等の地上通信ネットワークからの干渉の影響を受けやすくなることがある。BWAネットワークの基地局(BS:Base Station)及びユーザ機器(UE:User Equipment)は、地上MSS受信機の極めて近くに(すなわち、数マイル内に)位置することがある。本明細書に記載の様々な実施形態は、BWAネットワークによる衛星周波数の地上同一チャネルの使用が、衛星通信システムの地上受信局において受信される衛星信号と干渉し得るとの認識に基づいている。MSS受信機に対する干渉を低減する干渉低減技法が本明細書において説明される。これらの干渉軽減技法は、地上MSS受信機に関して説明されるが、同様の概念は、衛星MSS受信機、地上FSS受信機、及び/又は衛星FSS受信機にも適用することができる。
【0017】
具体的には、反対方向(opposite sense)のアンテナの間で30dBの分離を利用するのに、円偏波アンテナを使用することができる。円偏波アンテナは、直線偏波信号(水平/垂直)に応答し、捕捉エネルギーが適切な直線偏波受信アンテナに対して3dBの低減を受ける。同一チャネル(又は隣接チャネル)バンド使用が、直線偏波信号を(すなわち、例えば衛星との間で)使用することによって行われる状況では、円偏波アンテナによって受信される直線偏波信号は、反対方向の円偏波アンテナ及び180度位相反転器の使用によって軽減又は最小化することができる。位相反転されている反対方向のアンテナ信号は、右旋円偏波(RHCP:Right Hand Circular Polarized)アンテナ及び左旋円偏波(LHCP:Left Hand Circular Polarized)アンテナの双方によって捕捉されるコモンモード線形信号を除去することができる。RHCPアンテナ及びLHCPアンテナは、可能な限りコモン(すなわち、同相)信号関係に近いことを確実にするために、フィードアセンブリ内の同じ場所に配置することができる。例えば、RHCP信号が所望されていると仮定すると、RHCPアンテナは、所望のRHCP信号に、このアンテナにおいて捕捉される直線偏波信号を加えた組み合わせの信号を受信していることになる。LHCPアンテナは、30dB低いRHCP信号を受信し、RHCPアンテナと強度が等しい直線偏波信号を捕捉する。LHCPアンテナからの信号が、180度位相がずれるようにシフトされ、RHCP信号とミキシングされる場合に、30dB強い所望のRHCP搬送波を残して、コモン信号(直線偏波寄与(linear polarized contribution))を除去することができる。
【0018】
図1は、地上BWA基地局からの干渉を有する衛星通信システムを示している。通信信号190は、衛星100におけるRHCPアンテナ105から送信することができる。RHCP受信機アンテナ160は、完全な信号を受信することができるのに対して、LHCPアンテナ170は、この通信信号190をほぼ30dB低い信号強度で受信することができる。地上衛星受信機は、衛星周波数を地上用に再利用しているBWA基地局130から通信信号190と雑音又は干渉180とを受信することができる。本明細書に記載の様々な実施形態によれば、受信機は、通信信号190及び干渉180を受信するRHCPアンテナ120及びLHCPアンテナ110を含みうる。LHCPアンテナ110において受信された信号115は、位相シフト回路140にかけられ、位相シフトされた信号145が生成される。この位相シフトされた信号145は、RHCPアンテナ120において受信された受信信号125とミキサ150によってミキシングされる。結果としての受信円偏波信号155は、大幅に軽減された干渉を有する。
【0019】
図2~
図6は、受信機における
図1の円偏波アンテナを使用した干渉軽減技法を示している。まず
図2を参照すると、衛星送信機からの直線偏波信号と、BWA基地局からの干渉とが、210において受信機回路に入力される。受信機は、第1の円偏波アンテナ220及び第2の円偏波アンテナ230を含む。第2の円偏波アンテナ230において受信された信号235は、位相シフト回路240によって位相シフトされ、位相シフトされた信号245が生成される。位相シフト回路240は、第1の円偏波アンテナ220によって受信された信号225との時間、位相、及び/又は振幅の位置合わせの操作を、第2の円偏波アンテナ230において受信された信号235に対して実行する増幅器回路を含みうる。位相シフトされた信号245と、第1の円偏波アンテナ220によって受信された信号225とはミキサ250に入力され、結果としての受信円偏波信号255が生成される。ミキサ250は、BWA基地局からの干渉等の、等しいが逆のコモンモード信号を除去するように構成される。
【0020】
次に
図3を参照すると、衛星送信機からの直線偏波信号と、BWA基地局からの干渉とが、310において受信機回路に入力される。受信機は、第1の円偏波アンテナ320及び第2の円偏波アンテナ330を含む。第2の円偏波アンテナ330において受信された信号335は、反転器回路340によって反転され、180度位相シフトされた反転信号345が生成される。反転信号345と、第1の円偏波アンテナによって受信された信号325とはミキサ350に入力され、結果としての受信円偏波信号355が生成される。ミキサ350は、BWA基地局からの干渉をこのようにして除去するように構成される。
【0021】
次に
図4を参照すると、衛星送信機からの直線偏波信号と、BWA基地局からの干渉とが、410において受信機回路に入力される。受信機は、第1の円偏波アンテナ420及び第2の円偏波アンテナ430を含む。第2の円偏波アンテナ430において受信された信号435は、適応フィルタ440によって処理され、180度位相シフトされている位相シフトされた信号445が生成される。適応フィルタ440は、フィードバックループ465を使用して、位相シフト及び/又は時間シフトを補償することができる。適応フィルタ440は、ウィナーフィルタ等の最小二乗手法を使用して、フィードバックループ465に基づいて最小二乗係数を変化させることができる。処理された信号445と、第1の円偏波アンテナ420によって受信された信号425とは、ミキサ450に入力され、結果としての受信円偏波信号455が生成される。ミキサ450は、BWA基地局からの干渉をこのようにして除去するように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、受信機は、干渉を位相シフトしたものを使用してBWA基地局からの干渉を除去することを伴う受信アンテナシステムと、干渉を位相シフトしたものを使用してBWA基地局からの干渉を除去することを伴わない受信アンテナシステムとの間で性能を比較することができる。次に
図5を参照すると、衛星送信機からの直線偏波信号と、BWA基地局からの干渉とが、510において受信機回路に入力される。受信機は、第1の円偏波アンテナ520及び第2の円偏波アンテナ530を含む。第2の円偏波アンテナ530において受信された信号535は、位相シフト回路540によって位相シフトされ、位相シフトされた信号545が生成される。位相シフトされた信号545と、第1の円偏波アンテナ520によって受信された信号525とは、ミキサ550に入力され、結果としての受信円偏波信号555が生成される。いくつかの実施形態において、ミキサ550の動作が実行される前に、第1の円偏波アンテナ520によって受信された信号525を増幅することができる。ミキサ550は、BWA基地局からの干渉等の、等しいが逆のコモンモード信号を除去するように構成される。第3の円偏波アンテナ560は第3の受信信号565を有する。第3の受信信号565と、結果としての受信円偏波信号555とは、比較器回路570に入力される。比較器回路570は、誤り率、雑音フロア電力等のパラメータを比較することによって、第3の受信信号565と、結果としての受信円偏波信号555とのそれぞれの性能を比較することができる。誤り率は、プリアンブル、衛星送信機から送信することができるトレーニング系列、又は他の周期的系列において調べることができる。いくつかの実施形態において、性能測定は、トレーニング系列、又は第3の円偏波アンテナ560の性能をミキサ550の結果としての受信円偏波信号555と比較することを容易にする他の既知の系列を送信することによって、送信におけるギャップ、ブランキング間隔、又は衛星ダウンリンク送信において搬送波間に位置する未使用スペクトルを利用することができる。比較器570は、比較に基づく選択信号575を選択回路580に提供することができ、選択回路580は、ミキサ550から出力される結果としての受信円偏波信号555と、第3の円偏波アンテナ560からの第3の受信信号565とのいずれかを選択する。選択された信号585は、本明細書に記載の様々な実施形態による受信機の出力である。
【0023】
図6は、
図1~
図5に関して説明された実施形態等の本明細書に記載の様々な実施形態に従って行われる干渉除去を示している。
図6を参照すると、衛星100からの信号と、
図1のBWA基地局130からの干渉とが、例えばRHCP等の第1の偏波を有する第1の円偏波アンテナにおける受信機の入力に到達する。衛星100からの信号は、例えばLHCP等の、第1の偏波と逆の第2の偏波を有する第2の円偏波アンテナ620に到達し、第1の円偏波アンテナ610における信号よりも信号強度がほぼ30dB低い。第2の円偏波アンテナ620は、第1の円偏波アンテナ610によって受信される干渉と同様の干渉Nを受信する。したがって、第1の円偏波アンテナ610の出力における信号は、(S+N)と表記することができ、第2の円偏波アンテナ620の出力における信号は、((S-30)+N)と表記することができる。位相シフト回路630は、位相をシフトすることができる。いくつかの実施形態において、位相シフト回路630は、信号が位相シフト回路630の入力と180度位相がずれるように信号を反転する反転器630aを含みうる。位相シフト回路630は、信号をミキサ640に送信する前に信号を増幅することができる。位相シフトされた信号635は、
【数1】
と表記することができ、第1の円偏波アンテナ610の出力とともにミキサ640に入力することができる。ミキサ640の信号出力650は、
【数2】
と表記することができる。BWA基地局からの干渉は、項
【数3】
によって示されるように、このようにして実質的に除去又は軽減される。
【0024】
図7~
図10は、本明細書に記載の様々な実施形態による、受信機に対する干渉を低減する動作のフローチャートである。
図7は、受信機における干渉を軽減する方法の動作を対象としている。
図7を参照すると、ブロック710において、通信信号を第1の円偏波(CP)アンテナにおいて受信し、第1の受信信号を求めることができる。ブロック720において、この通信信号を第2のCPアンテナにおいて受信し、第2の受信信号を求めることができる。第1の円偏波アンテナ及び第2の円偏波アンテナにおいて受信される通信信号は、衛星通信信号を含みうる。いくつかの実施形態において、第1の円偏波アンテナ及び第2の円偏波アンテナにおいて受信される通信信号は、衛星通信信号と、地上広帯域無線アクセス(BWA)基地局からの干渉とを含みうる。第1の円偏波アンテナによって受信された第1の受信信号は、RHCP又はLHCPである第1の偏波を有する。第2の円偏波アンテナによって受信された第2の受信信号は、RHCP又はLHCPである第2の偏波を有する。第2の偏波は、第1の偏波と異なる偏波を有する。
【0025】
図7を引き続き参照すると、ブロック730において、第2の円偏波アンテナによって受信された第2の受信信号を位相シフトして、位相シフトされた信号を生成することができる。ブロック740において、第1の円偏波アンテナによって受信された第1の受信信号と、位相シフトされた信号とをミキサに入力して、結果としての受信円偏波信号を生成することができる。ミキサは、入力信号をともに加えるか又は組み合わせて、BWA基地局からの雑音又は干渉を緩和、低減、又は除去することができる。ミキサは、等しいが逆のコモンモード信号を除去するように構成することができる。ミキサから出力される結果としての受信円偏波信号は、地上BWA基地局からの干渉が取り除かれた通信信号を含む。
【0026】
図8を参照すると、
図7のブロック730の第2の信号を位相シフトすることは、ブロック810において、第2の信号を反転して反転信号を生成することを含みうる。第2の円偏波アンテナによって受信された信号を反転することは、第2の円偏波アンテナによって受信された信号と180度位相がずれた反転信号を生成することができる。
【0027】
図9を参照すると、
図7のブロック730の第2の信号を位相シフトすることは、ブロック910において、位相シフト及び/又は時間シフトを補償するフィードバックループに基づいて第2の受信信号に対して適応フィルタリングを実行することを含みうる。適応フィルタリングは、フィードバックループを使用して、位相シフト及び/又は時間シフトを補償することができる。適応フィルタは、ウィナーフィルタ等の最小二乗手法を使用して、フィードバックループに基づいて最小二乗係数を変化させることができる。第2の円偏波アンテナによって受信された信号を適応フィルタリングすることは、第2の円偏波アンテナによって受信された信号と180度位相がずれた反転信号を生成することができる。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、受信機は、干渉を位相シフトしたものを使用してBWA基地局からの干渉を除去することを伴う受信アンテナシステムと、干渉を位相シフトしたものを使用してBWA基地局からの干渉を除去することを伴わない受信アンテナシステムとの間で性能を比較することができる。
図10を参照すると、ブロック1010において、通信信号を第3の円偏波アンテナにおいて受信し、第3の受信信号を求めることができる。ブロック1020において、第3のCPアンテナによって受信された第3の受信信号の第1の誤り率を、結果としての受信円偏波信号の第2の誤り率と比較することができる。ブロック1030において、第1の誤り率を第2の誤り率と比較することに基づいて、結果としての受信円偏波信号又は第3の受信信号のうちの一方を受信機の出力として選択することができる。第1の誤り率は、プリアンブルの第1のプリアンブル誤り率、又は、受信機によって受信されたトレーニング系列の第1のトレーニング誤り率を含みうる。第2の誤り率は、結果としての受信円偏波信号に関連したプリアンブルの第2のプリアンブル誤り率、又は、結果としての受信円偏波信号に関連したトレーニング系列の第2のトレーニング誤り率を含みうる。
【0029】
図11は、
図1~
図6に関連した実施形態に関して論述したような受信機における干渉を軽減する無線電子デバイス1100のブロック図である。無線電子デバイス1100は、衛星通信システムの地上受信機及び/又は衛星受信機と統合することができ、本明細書に記載の1つ以上の実施形態による動作を実行するように構成される。
図11を参照すると、無線電子デバイス1100は、プロセッサ回路1102と、コンピュータ可読プログラムコード1112を収容するメモリ回路1110とを備える。プロセッサ回路1102は、同じ場所に配置することもできるし、1つ以上のネットワークにわたって分散させることもできる、汎用プロセッサ及び/又は専用プロセッサ、例えば、マイクロプロセッサ及び/又はデジタル信号プロセッサ等の1つ以上のデータ処理回路を含みうる。プロセッサ回路1102は、メモリ1110内のコンピュータ可読プログラムコード1112を実行して、無線電子デバイス1100によって実行されるように本明細書に記載の動作及び方法のうちの少なくともいくつかを実行するように構成される。ネットワークインタフェース1120は、プロセッサ回路1102に結合され、サーバ又は他の外部ネットワークエンティティと直接又は間接的に通信することができる。
【0030】
図11を引き続き参照すると、送受信機1130は、第1の円偏波アンテナ1140、第2の円偏波アンテナ1150、及び/又は第3の円偏波アンテナ1160との間で信号を送信及び/又は受信することができる。第2の円偏波アンテナ1150によって受信された信号は、例えば、
図3の反転器回路340又は
図4の適応フィルタ440等の位相シフタ1170内に入力することができる。位相シフタ1170からの位相シフトされた信号は、ミキサ1180に提供され、第1の円偏波アンテナ1140からの信号と組み合わせることができる。
【0031】
更なる実施形態
本開示の様々な実施形態の上記記載において、本明細書に使用される術語は、特定の実施形態の説明を目的としたものにすぎず、本発明を限定することを意図したものでないことが理解されるべきである。別段の定義のない限り、本明細書で用いる全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本開示が属する技術分野の当業者に一般に理解されるものと同じ意味を有する。一般に使用される辞書において定義されるもの等の用語は、本明細書及び関連技術に関連するそれらの意味と一貫する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書において明示的な定義のない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されないことが更に理解されるであろう。
【0032】
或る要素が別の要素に「接続される」、「結合される」、「応答する」、又はそれらの異形であるとされるとき、その要素は、当該別の要素に直接接続、直接結合、又は直接応答する可能性もあるし、介在する要素が存在する場合もある。対照的に、或る要素が別の要素に「直接接続される」、「直接結合される」、「直接応答する」、又はそれらの異形であるとされるとき、介在する要素は存在しない。同様の参照符号は、全体を通して同様の要素を参照する。さらに、本明細書において使用される場合、「結合される」、「接続される」、「応答する」、又はそれらの異形は、無線結合、無線接続、又は無線応答を含みうる。本明細書において使用される場合、単数形「一("a," "an")」及び「その(the)」は、文脈上明らかに別異のことが示されていない限り、単数だけでなく複数も同様に含むことを意図している。既知の機能又は構成は、簡潔及び/又は明瞭にするために、詳細に説明されない場合がある。用語「及び/又は」は、列挙された関連項目のうちの1つ以上のものの全ての組み合わせを含む。
【0033】
様々な要素を説明するのに、用語「第1」、「第2」、「第3」等が本明細書において使用される場合があるが、要素はこれらの用語によって限定されるべきではなく、逆に、これらの用語は、或る要素を別の要素と区別するためにのみ使用されることが理解されるであろう。したがって、論述される第1の要素は、本発明の概念の範囲から逸脱することなく、第2の要素と呼ぶこともできる。
【0034】
本明細書において使用される場合、用語「備える」、「含む」、「有する」、又はそれらの異形は、オープンエンドであり、1つ以上の明記された特徴、完全体、要素、ステップ、構成要素又は機能を含むが、1つ以上の他の特徴、完全体、要素、ステップ、構成要素、機能又はそれらの群の存在も追加も排除するものではない。
【0035】
例示の実施形態は、コンピュータ実施される方法、装置(システム及び/又はデバイス)及び/又はコンピュータプログラム製品のブロック図及び/又はフローチャート説明図を参照して本明細書に説明されている。ブロック図及び/又はフローチャート説明図のブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャート説明図内のブロックの組み合わせは、1つ以上のコンピュータ回路によって実行されるコンピュータプログラム命令によって実施することができることが理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ回路、専用コンピュータ回路、及び/又は他のプログラマブルデータ処理回路のプロセッサ回路に提供され、コンピュータ及び/又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、トランジスタ、メモリロケーションに記憶された値、及びそのような回路機構内の他のハードウェア構成要素を変換及び制御して、ブロック図及び/又はフローチャートの単数又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実施するような機械を生み出すことができ、それによって、ブロック図及び/又はフローチャートのブロック(複数の場合もある)において指定された機能/動作を実施する手段(機能)及び/又は構造を生成することができる。
【0036】
特定の方法で機能するようにコンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置に指示することができるこれらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読媒体に記憶された命令が、ブロック図及び/又はフローチャートの単数又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実施する命令を含む製造品を生成するように、有形のコンピュータ可読媒体に記憶することもできる。
【0037】
有形の非一時的コンピュータ可読媒体は、電子式、磁気式、光学式、電磁式、又は半導体のデータ記憶システム、装置、又はデバイスを含みうる。コンピュータ可読媒体のより具体的な例として、次のもの、すなわち、ポータブルコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)回路、リードオンリメモリ(ROM:read-only memory)回路、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)回路、ポータブルコンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM:compact disc read-only memory)、及びポータブルデジタルビデオディスクリードオンリメモリ(DVD/Blu-ray(登録商標))がある。
【0038】
コンピュータ又は他のプログラマブル装置上で実行される命令が、ブロック図及び/又はフローチャートの単数又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実施するステップを提供するように、コンピュータプログラム命令をコンピュータ及び/又は他のプログラマブルデータ処理装置上にロードして、一連の動作ステップをコンピュータ及び/又は他のプログラマブル装置上で実行し、コンピュータ実施されるプロセスを生成することもできる。したがって、本開示の実施形態は、「回路機構」、「モジュール」又はそれらの変形形態と総称することができるハードウェア及び/又はデジタル信号プロセッサ等のプロセッサ上で動作するソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)で具現化することができる。
【0039】
本開示の態様は、本開示の実施形態による方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート説明図及び/又はブロック図に関して、本明細書において説明されている。フローチャート説明図及び/又はブロック図の各ブロック、並びにフローチャート説明図及び/又はブロック図におけるブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実施することができることが理解されるであろう。コンピュータ又は他のプログラマブル命令実行装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の単数又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実施するメカニズムを生成するように、これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されて、機械を生成することができる。
【0040】
実行されたときに、特定の方法で機能するようにコンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスに指示することができるこれらのコンピュータプログラム命令は、実行されたときに、フローチャート及び/又はブロック図の単数又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作をコンピュータに実施させる命令を含む製造品を、コンピュータ可読媒体に記憶されたときに生成するように、これらの命令は、コンピュータ可読媒体に記憶することもできる。コンピュータ又は他のプログラマブル装置上で実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の単数又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実施するプロセスを提供するように、コンピュータプログラム命令を、コンピュータ、他のプログラマブル命令実行装置、又は他のデバイス上にロードして、一連の動作ステップをコンピュータ、他のプログラマブル装置又は他のデバイス上で実行し、コンピュータ実施されるプロセスを生成することもできる。
【0041】
図におけるフローチャート及びブロック図は、本開示の様々な態様によるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実施態様のアーキテクチャ、機能、及び動作を示している。この点に関して、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、指定された論理機能(複数の場合もある)を実施する1つ以上の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、又はコード部分を表すことができる。いくつかの代替の実施態様では、ブロックに示された機能を、図に示される順序以外の順序で実行することができることにも留意されたい。例えば、連続して示された2つのブロックは、含まれる機能に応じて、実際には、実質的に同時に実行することもできるし、これらのブロックは、時に逆の順序で実行することもできる。ブロック図及び/又はフローチャート説明図の各ブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャート説明図におけるブロックの組み合わせは、指定された機能又は動作を実行する専用のハードウェアベースのシステムによって実施することもできるし、専用のハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせによって実施することもできることにも留意されたい。
【0042】
いくつかの代替の実施態様では、ブロックに示された機能/動作を、フローチャートに示された順序以外の順序で実行することができることにも留意されたい。例えば、連続して示された2つのブロックは、含まれる機能/動作に応じて、実際には、実質的に同時に実行することもできるし、これらのブロックは、時に逆の順序で実行することもできる。その上、フローチャート及び/又はブロック図の所与のブロックの機能を複数のブロックに分離することができ、及び/又は、フローチャート及び/又はブロック図の2つ以上のブロックの機能を少なくとも部分的に統合することができる。最後に、図示されたブロックの間に他のブロックを追加/挿入することができる。その上、図のうちのいくつかは、通信の主要な方向を示す矢印を通信パスに含むが、通信は、図示した矢印と逆方向に行うことができることが理解されるべきである。
【0043】
多くの異なる実施形態が、上記説明及び図面に関して本明細書において開示されてきた。これらの実施形態のあらゆる組み合わせ及び部分的組み合わせを逐一説明及び図示することは過度な反復となり、不明瞭であることが理解されるであろう。したがって、本明細書は、図面を含めて、実施形態の様々な例示の組み合わせ及び部分的組み合わせと、それらを作成及び使用する方法及びプロセスとの完全な書面による説明を構成すると解釈されるものとし、いずれのそのような組み合わせ又は部分的組み合わせに対しても特許請求の範囲をサポートするものとする。本明細書に記載の原理から実質的に逸脱することなく、多くの変形及び変更を実施形態に対して行うことができる。全てのそのような変形及び変更は、本明細書において上記範囲内に含まれるように意図されている。
【国際調査報告】