IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイジ・エレクトロクロミクス,インコーポレイテッドの特許一覧

特表2022-527241電気活性デバイスを動作させるための装置およびそれを使用する方法
<>
  • 特表-電気活性デバイスを動作させるための装置およびそれを使用する方法 図1
  • 特表-電気活性デバイスを動作させるための装置およびそれを使用する方法 図2
  • 特表-電気活性デバイスを動作させるための装置およびそれを使用する方法 図3
  • 特表-電気活性デバイスを動作させるための装置およびそれを使用する方法 図4
  • 特表-電気活性デバイスを動作させるための装置およびそれを使用する方法 図5
  • 特表-電気活性デバイスを動作させるための装置およびそれを使用する方法 図6
  • 特表-電気活性デバイスを動作させるための装置およびそれを使用する方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-01
(54)【発明の名称】電気活性デバイスを動作させるための装置およびそれを使用する方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/163 20060101AFI20220525BHJP
【FI】
G02F1/163
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021556229
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(85)【翻訳文提出日】2021-10-11
(86)【国際出願番号】 US2020024760
(87)【国際公開番号】W WO2020210035
(87)【国際公開日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】62/831,471
(32)【優先日】2019-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504416080
【氏名又は名称】セイジ・エレクトロクロミクス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、イーガン
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン、アンナ
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ、ルース アン サラ
(72)【発明者】
【氏名】グリーア、ブライアン ディー.
【テーマコード(参考)】
2K101
【Fターム(参考)】
2K101AA22
2K101DA01
2K101DC53
2K101EB07
2K101EC02
2K101ED01
2K101ED26
2K101ED27
2K101ED28
2K101ED41
2K101ED64
2K101EE02
2K101EG52
2K101EH02
2K101EK05
(57)【要約】
電気活性デバイスを制御する方法は、電気活性デバイスを動作パラメータで第1の期間、動作させることと、第1の大きさおよび第1の極性を有するスイッチング電圧を電気活性デバイスに第2の期間、印加することと、第2の大きさおよび第2の極性を有する段階的オーバーシュート電圧を電気活性デバイスに遷移期間、印加することと、を含むことができる。第1の大きさは第2の大きさより大きくてもよく、第1の極性は第2の極性と同じであってもよい。方法はまた、第3の大きさおよび第3の極性を有する逆オーバーシュート電圧を電気活性デバイスに印加することを含むことができる。第3の極性は、第2の極性の反対であることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気活性デバイスを制御する方法であって、
前記電気活性デバイスを動作パラメータで第1の期間、動作させることと、第1の大きさおよび第1の極性を有するスイッチング電圧を前記電気活性デバイスに第2の期間、印加することと、
第2の大きさおよび第2の極性を有する段階的オーバーシュート電圧を、前記電気活性デバイスに遷移期間、印加することであって、前記第1の大きさが前記第2の大きさよりも大きく、前記第1の極性が前記第2の極性と同じである、印加することと、
第3の大きさおよび第3の極性を有する逆オーバーシュート電圧を前記電気活性デバイスに印加することであって、前記第3の極性が前記第2の極性と反対である、印加することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記電気活性デバイスが遷移電圧を含み、前記遷移電圧が、前記電気活性デバイスに対する活性着色電圧と活性クリア電圧との間の電圧差である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の大きさが、前記遷移電圧よりも小さい、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第3の大きさが、前記第2の大きさよりも小さい、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第3の大きさが、前記第2の大きさよりも大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
電気活性デバイスを制御する方法であって、
第1の大きさおよび第1の極性を有するスイッチング電圧を第1の期間、印加することと、
段階的オーバーシュート電圧を第2の期間、印加することであって、前記段階的オーバーシュート電圧を印加することが、
第2の大きさおよび第2の極性を有する第1の段階オーバーシュート電圧を印加することであって、前記第1の大きさが前記第2の大きさよりも大きく、前記第1の極性が前記第2の極性と同じである、印加することと、
第3の大きさおよび第3の極性を有する第2の段階オーバーシュート電圧を印加することと、を含む、印加することと、
第4の大きさおよび第4の極性を有する逆オーバーシュート電圧を前記電気活性デバイスに印加することと、を含む、方法。
【請求項7】
前記第1の段階オーバーシュート電圧を第1のオーバーシュート期間、保持することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の段階オーバーシュート電圧を第2のオーバーシュート期間、保持することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の大きさが、前記第3の大きさよりも大きい、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記逆オーバーシュート電圧を第3の期間、保持することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の大きさが、前記遷移電圧の少なくとも55%かつ前記遷移電圧の最大でも60%である、請求項1または6に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の大きさが、少なくとも前記遷移電圧の少なくとも10%かつ前記遷移電圧の最大でも50%である、請求項1または6に記載の方法。
【請求項13】
前記第3の大きさが、少なくとも前記遷移電圧の少なくとも5%かつ前記遷移電圧の最大でも40%である、請求項1または6に記載の方法。
【請求項14】
システムであって、
電気活性デバイスと、
制御システムであって、
前記電気活性デバイスを動作パラメータで第1の期間、動作させることと、
第1の大きさおよび第1の極性を有するスイッチング電圧を、前記電気活性デバイスに第2の期間、印加することと、
第2の大きさおよび第2の極性を有する段階的オーバーシュート電圧を、前記電気活性デバイスに遷移期間、印加することであって、前記第1の大きさが前記第2の大きさよりも大きく、前記第1の極性が前記第2の極性と同じである、印加すること、
第3の大きさおよび第3の極性を有する逆オーバーシュート電圧を、前記電気活性デバイスに印加することであって、前記第3の極性が前記第2の極性と反対である、印加することと、を行うように構成された、制御システムと、を備える、システム。
【請求項15】
前記スイッチング電圧の大きさと前記段階的オーバーシュート電圧の大きさとの合計が、前記遷移電圧の大きさ以下である、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気活性デバイスを動作させる装置、およびそれを使用する方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
電気活性デバイスは、まぶしさや部屋に入る日光の量を減らすことができる。電気活性デバイスが低透過率状態から高透過率状態に、またはその逆に切り替わると、その変化は電気活性デバイスの様々なエリアで顕著になる可能性がある。例えば、デバイスが遷移しているとき、デバイスの中心は、デバイスのエッジよりも高い透過率を有する場合がある。実際の可視透過率は十分に均一ではない場合があり、肉眼によって検出することができる。同じ電圧が電気活性デバイスのすべてのエリアに印加されたときに、中心とエッジの間の差が低減されているか、またはより均一な遷移の外観を有することが望ましい場合がある。電気活性デバイスの制御のさらなる改善が望まれている。
【発明の概要】
【0003】
実施形態は、例として示されており、添付の図に限定されない。
【0004】
当業者は、図中の要素が単純化および明瞭化のために示されており、必ずしも縮尺どおりに描かれていないことを理解している。例えば、図中の要素のいくつかの寸法は、本発明の実施形態の理解を改善するのを助けるために、他の要素に対して誇張されている場合がある。
【0005】
図面と組み合わせた以下の説明は、本明細書に開示される教示を理解するのを助けるために提供される。以下の説明は、本教示の具体的な実装および実施形態に焦点を合わせるであろう。この焦点は、本教示を説明するのを助けるために提供されており、本教示の範囲または適用性に対する限定として解釈されるべきではない。
【0006】
「通常動作」および「通常動作状態」という用語は、電気部品またはデバイスが動作するように設計されている条件を指す。条件は、電圧、電流、静電容量、抵抗、またはその他の電気的パラメータに関するデータシートまたはその他の情報から得ることができる。したがって、通常動作は、設計限界をはるかに超えて電気部品またはデバイスを動作させることを含まない。
【0007】
本明細書で使用される場合、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」という用語、またはこれらの任意の他の変形語は、非排他的な包含を含むことを意図している。例えば、特徴のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの特徴だけに限定されず、明示的に列記されていない、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有でない他の特徴を含み得る。さらに、そうではないと明示的に述べられていない限り、「または(or)」は、包含的な「または」を指し、排他的な「または」を指さない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aは真(または存在する)かつBは偽(または存在しない)、Aは偽(または存在しない)かつBは真(または存在する)、およびAとBの両方が真(または存在する)である。
【0008】
「1つ(a)」または「1つ(an)」の使用は、本明細書に記載の要素および構成要素を説明するために使用される。これは、単に便宜上および本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われている。この説明は、他を意味することが明確でない限り、1つまたは少なくとも1つおよび複数も含む単数形、またはその逆を含むように読む必要がある。
【0009】
「約」、「およそ」、または「実質的に」という言葉の使用は、パラメータの値が規定の値または位置に近いことを意味することを意図している。ただし、わずかな違いにより、値または位置が記載どおりにならない場合がある。したがって、値に対する最大10パーセント(10%)の差は、説明する通りの理想的な目標との妥当な差である。
【0010】
他に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する当技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。材料、方法、および例は、例示的なものにすぎず、限定的であることを意図しない。本明細書で説明しない範囲で、特定の材料および処理行為に関する多くの詳細は従来通りであり、ガラス、蒸着、およびエレクトロクロミック技術の範囲の教科書および他の情報源に見出され得る。
【0011】
方法は、1つ以上の電気活性デバイスの動作を制御するために使用することができる。電気活性デバイスは、装置内で使用することができる。装置は、電気活性デバイスを制御する制御デバイスをさらに含むことができる。装置内の構成要素は、電気活性デバイスの近くまたは離れて位置付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】電気活性デバイスを含む窓ガラスの一部分の断面図の例示を含む。
図2図1の窓ガラスの上面図の例示を含む。
図3】電気活性デバイスの挙動をモデル化するために使用することができる例示的な回路の回路図を含む。
図4】電気活性デバイスを動作させる方法のフローチャートを含む。
図5】一実施形態による、穏やかなオーバーシュート方策および透過率の図を含む。
図6】別の実施形態による、穏やかなオーバーシュート方策および透過率の図を含む。
図7】別の実施形態による、穏やかなオーバーシュート方策の図を含む。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、基板100の一部分、層122、124、126、128、および130のスタック、ならびに基板100の上にあるバスバー144および148の断面図を含む。一実施形態において、基板100としては、ガラス基板、サファイア基板、酸窒化アルミニウム基板、またはスピネル基板を挙げることができる。別の実施形態において、基板100は、ポリアクリル酸化合物、ポリアルケン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリスルフィド、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、別の好適な透明ポリマー、または上述のコポリマーなどの、透明ポリマーを含むことができる。基板100は、可撓性であるか、またはそうでない場合がある。特定の実施形態において、基板100は、フロートガラスまたはホウケイ酸ガラスとすることができ、厚さ0.5mm~4mmの範囲の厚さを有することができる。別の特定の実施形態において、基板100は、50ミクロン~300ミクロンの範囲の厚さを有する無機ガラスである、極薄ガラスを含むことができる。特定の実施形態において、基板100は、形成されている多くの異なる電気活性デバイスのために使用することができ、マザーボードと称することができる。
【0014】
層の組成と厚さは、それらの形成を説明する前に説明されている。透明導電層122および130は、導電性金属酸化物または導電性ポリマーを含むことができる。その例としては、いずれかをAl、Ga、Inなどの三価元素でドープすることができる酸化スズもしくは酸化亜鉛、フッ素化酸化スズ、またはポリアニリン、ポリピロール、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)などのスルホン化ポリマーなどを挙げることができる。別の実施形態において、透明導電層122および130は、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。透明導電層122および130は、同じまたは異なる組成を有することができる。
【0015】
層のセットは、透明導電層122と130の間に配設された層124、126、および128を含むエレクトロクロミックスタックをさらに含む。層124および128は、電極層であり、一方の層は、エレクトロクロミック層であり、他方の層は、イオン貯蔵層(対向電極層とも称される)である。エレクトロクロミック層は、WO、V、MoO、Nb、TiO、CuO、Ir、Cr、Co、Mn、またはそれらの任意の組み合わせなどの、無機金属酸化物の電気化学的活性材料を含むことができ、50nm~2000nmの範囲の厚さを有することができる。イオン貯蔵層は、エレクトロクロミック層に関して記載された任意の材料、またはTa、ZrO、HfO、Sb、もしくはそれらの任意の組み合わせを含むことができ、酸化ニッケル(NiO、Ni、または2つの組み合わせ)、およびLi、Na、H、または別のイオンをさらに含んでもよく、80nm~500nmの範囲の厚さを有し得る。イオン導電層126(電解質層とも呼ばれる)は、電極層124と128との間に配設され、20ミクロン~60ミクロンの範囲の厚さを有する。イオン導電層126は、イオンがそこを通って移行することを許し、かなりの数の電子がそこを通って通過することを許さない。イオン導電層126は、リチウム、アルミニウム、ジルコニウム、リン、ホウ素を含むまたは含まないケイ酸塩、リチウムを含むまたは含まないホウ酸塩、リチウムを含むまたは含まない酸化タンタル、リチウムを含むまたは含まないランタニドベースの材料、別のリチウムベースのセラミック材料、などを含むことができる。イオン導電層126は任意選択であり、存在する場合、堆積によって、または他の層を堆積した後、電極層124および128などの2つの異なる層の部分を反応させてイオン導電層126を形成することによって形成することができる。本明細書を読んだ後、当業者は、本明細書に記載の概念の範囲から逸脱することなく、層122、124、126、128、および130について他の組成物および厚さを使用することができることを理解するであろう。
【0016】
層122、124、126、128、および130は、すべての層が形成される前に、任意の介在するパターニングステップ、真空の破壊、または中間層を空気にさらすことの有無にかかわらず、基板100の上に形成することができる。一実施形態では、層122、124、126、128、および130は、連続的に堆積させることができる。層122、124、126、128、および130は、物理的蒸着または化学的蒸着を使用して形成されてもよい。特定の実施形態では、層122、124、126、128、および130は、スパッタ堆積される。
【0017】
図1に例示される実施形態では、透明導電層122および130の各々は、バスバー144および148が互いに電気的に接続されないように、除去された部分を含む。そのような除去部分は、通常、20nm~2000nmの幅である。特定の実施形態では、バスバー144は、透明導電層122を介して電極層124に電気的に接続され、バスバー148は、透明導電層130を介して電極層148に電気的に接続される。バスバー144および148は、導電性材料を含む。一実施形態では、バスバー144および148の各々は、銀フリットなどの、透明導電層122の上に印刷される導電性インクを使用して形成することができる。別の実施形態では、バスバー144および148の一方または両方は、金属充填ポリマーを含むことができる。特定の実施形態(図示せず)では、バスバー148は、透明導電層130の上にあり、層122、124、126、および128から離間された金属充填ポリマーを含むことができる非浸透性バスバーである。金属充填ポリマーの前駆体の粘度は、導電性インクにとって問題となる可能性がある下層の亀裂または他の微視的欠陥を通って前駆体が流れるのを防ぐのに十分に高くあり得る。この特定の実施形態では、下部透明導電層122をパターン化する必要はない。
【0018】
例示の実施形態では、電気活性デバイスWECの幅は、透明導電層122および130の除去された部分の間の横方向距離に対応する寸法である。WECは、電気活性デバイスの濃淡可能エリアの平面寸法の1つに対応する。WSは、バスバー144と148との間のスタックの幅である。WSおよびWECの違いは、最大5cm、最大2cm、または最大0.9cmである。こうして、スタックの幅の大部分は、様々な透過率状態を可能にする電気活性デバイスの動作部分に対応する。一実施形態では、そのような動作部分は、電気活性デバイスの本体であり、バスバー144と148との間のエリアの少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%またはそれを超えて占めることができる。
【0019】
図2は、基板100、および図1に関して説明したような層を含む電気活性デバイス210の上面図を含む。バスバー144は、基板100の側面202に沿って横たわり、バスバー148は、側面202の反対側である側面204に沿って横たわっている。バスバー144および148の各々は、側面206と側面206の反対側である側面208との間の距離の大部分に延びる長さを有する。特定の実施形態では、バスバー144および148の各々は、側面206と208との間の距離の少なくとも75%、少なくとも90%、または少なくとも95%である長さを有する。バスバー144および148の長さは、互いに実質的に平行である。本明細書で使用されるとき、実質的に平行とは、バスバー144および148の長さが互いに平行であることの10度以内であることを意味することを意図している。長さに沿って、バスバーの各々は、実質的に均一な断面積および組成を有する。したがって、そのような実施形態では、バスバー144および148は、それぞれの長さに沿って単位長さあたり実質的に一定の抵抗を有する。
【0020】
上記の実施形態は、単なる例示である。電気活性デバイス、他のIGU、またはそれらの組み合わせのための他の設計を使用してもよい。ここで、電気活性デバイスの挙動および動作方法のモデリングに注意が向けられる。
【0021】
図3は、電気活性デバイスの挙動をモデル化するために使用することができる回路300の概略図である。外部電圧(VAPP)が回路300に印加され、電流Iが回路300を通って流れる。抵抗器302によって表されるように、ワイヤ、接点、およびバスバーのためにいくらかの電圧が失われる。間隔電圧(VINT)は、ノード310と350との間の電圧であり、層122、124、126、128、および130のスタックを横切る電圧を表す。VINTは、電気活性デバイスの場所とスイッチング履歴に依存し得る。
【0022】
回路300は、回路内を流れる電子を表す電子部分340と、回路内を流れるイオンを表すイオン部分360とを含む。電流Iは、電子部分340を通って流れる電流およびイオン部分360を通って流れる電流に等しい。イオン部分360を流れる電流は、スイッチング動作中に有意であり、非透過デバイスが長期間一定の可視透過率に保持されているときに、著しく少なく、場合によっては0でさえある。漏れ電子電流は、非透過デバイスが長期間およびその後に一定の可視透過率で保持されているときに電子部分340を流れる電流である。
【0023】
回路300の他の部分は、回路およびそれが電気活性デバイスにどのように対応するかについてのよりよい理解を提供するために説明されている。コンデンサ322は、透明導電層122と130との間の等価静電容量を表す。ダイオード342は、電子漏れ電流が逆方向でゼロに非常に近いことを表すために使用されている。しかしながら、電気活性デバイスが完全に脱色された状態にあるとき、逆方向の電子漏れ電流は、順方向の電子漏れ電流と同じくらい大きくなる可能性がある。抵抗器344および348、ならびにダイオード346は、それが固体イオン導電層を有するので、電気活性デバイスの電子漏れ電流の挙動を厳密に近似する。電子電流は、閾値電圧まで電圧とともに直線的に増加し、それを超えると電流ははるかに急速に増加する。ダイオード346の両端の電圧は、典型的には、1.5Vと2.0Vとの間である。抵抗器344および348の抵抗は、デバイスの寸法に依存する。一実施形態では、抵抗器344の抵抗は、抵抗器348の抵抗よりも少なくとも1桁大きい。抵抗器344および348の抵抗、ならびにダイオード346に対応する電圧は、温度に依存し得る。
【0024】
抵抗器362は、電気活性デバイスのイオンインピーダンスに対応する。イオンインピーダンスは、デバイスの可視透過率とデバイスの温度との両方の関数であることができる。イオンインピーダンスは、電気活性デバイスの動作温度範囲(-40C~100C)にわたって1桁を超えて変動し得る。電気活性デバイスは、電池と同様に作用することができ、したがって、コンデンサ364は、電池の効果を表す。コンデンサ364の電極間の電圧は、-1.0V~+2.0Vの範囲であることができる。特定の実施形態では、コンデンサ346の電極間の電圧差は、0.0V(完全に脱色された場合)および+1.5V(完全に着色された場合)の範囲にあることができる。
【0025】
本発明者らは、電気活性デバイスで穏やかなオーバーシュート方策を採用するときに、導出されたパラメータを含む、より正確な特性評価を達成することができることを発見した。電気活性デバイスは、電気活性デバイスに段階的オーバーシュート電圧が印加され、続いて逆オーバーシュート電圧が印加される穏やかなオーバーシュートモードに置かれる。オーバーシュート電圧は、エレクトロクロミックデバイスを第1の透過率状態から第2の透過率状態に、すなわち、低透過率状態から高透過率状態になる、または高透過率状態から低透過率状態に、例えば、60%透過率状態から6%透過率状態になるように変化させる電圧である。この例では、+4Vから-3Vになると着色方向になり、一方、-3Vから+4Vになるとクリア方向になる。逆オーバーシュート電圧は、オーバーシュート電圧とは反対方向になる電圧である。例えば、オーバーシュート電圧が着色方向にある場合、逆オーバーシュートはクリア方向にある。
【0026】
穏やかなオーバーシュートモードは、電気活性デバイス全体の透過率のよりよい均一性を可能にする。電気活性デバイスがより高い可視透過率からより低い可視透過率に移行する場合、穏やかなオーバーシュート電圧は着色電圧である。電気活性デバイスがより低い可視透過率からより高い可視透過率に移行する場合、穏やかなオーバーシュート電流は脱色電圧である。オーバーシュート電圧および逆オーバーシュート電圧の後、電圧は可視透過率6%に対応する値に設定される。新しい技法は、電気活性デバイスをオーバーシュート電圧に対応する印加電圧でより長い期間保持し得る一方で、エッジおよび中心での電気活性デバイスの透過率は、より均一である、すなわち、より均一な中心からエッジの遷移となる。
【0027】
方法は、単一の電気活性デバイスならびに複数の電気活性デバイスを動作させるために使用することができる。一実施形態では、複数の電気活性デバイスのための方法は、図4に対応する方法を活用することができ、しかしながら、電気活性デバイスを対象とする図4に対応する方法は、複数の電気活性デバイスを動作させるとき必要とされない。複数の電気活性デバイスのための方法は、電気活性デバイスを含む一組の窓、および、各々が独立して制御される電気活性デバイスを含む複数のゾーンを含む単一の窓に対して特に有用であり得る。電気活性デバイスは、同じ組成および厚さの層を有し、同じカットおよびバスバーを有するように設計され得るが、最適に制御されたプロセスを使用しても、製造上のばらつきのために依然として違いが発生する。互いに近くに位置付けられた一組の電気活性デバイスとして動作する場合、違いは明らかに変化する可能性がある。
【0028】
図4は、電気活性デバイスを動作させる方法400のフローチャートを含む。図1および図5は、方法を理解するのを助けるためにフローチャートの部分の間参照される。図5は、一実施形態による、時間の関数としての電気活性デバイスに印加される電圧および電気活性デバイスの透過状態を示す。方法400は、図4における動作402において、電気活性デバイスを動作パラメータで第1の期間、動作させることを含む。動作パラメータは、VAPP、電流、または電気活性デバイスの動作において使用される他の好適なパラメータであり得る。
【0029】
一実施形態では、動作パラメータは、電気活性デバイスに対して活性正電圧に設定することができる。別の実施形態では、動作パラメータは、電気活性デバイスに対して活性負電圧に設定することができる。一実施形態では、動作パラメータは、電気活性デバイスに対して完全脱色、またはクリアであることができる。別の実施形態では、動作パラメータは、図6に見られるように、電気活性デバイスに対して完全着色であることができる。電気活性デバイスは、遷移電圧を有することができる。遷移電圧は、電気活性デバイスを着色状態などの第1の状態から脱色状態などの第2の状態に切り替えるために必要な電圧要件の変化である。例えば、図5において、遷移電圧は7Vであり、活性着色電圧4Vと活性クリア電圧-3Vの間の電圧の差に等しくなる。電気活性デバイスが、60%透過率などのより高い可視透過率から6%透過率などのより低い可視透過率に移行する場合、エレクトロクロミックデバイスの方向は着色方向であり得る。電気活性デバイスが、6%透過率などのより低い可視透過率から、20%透過率などのより高い可視透過率に移行する場合、エレクトロクロミックデバイスは、クリア方向であり得る。本発明者らは、エレクトロクロミックデバイスを第1の状態から第2の状態に遷移させるために逆オーバーシュート方策を用いて穏やかなオーバーシュートを適用することにより、デバイスのエッジとデバイスの中心との間により均一な遷移の外観が生じることを発見した。
【0030】
動作404において、スイッチング電圧510が、電気活性デバイスに第2の期間、印加される。一実施形態では、スイッチング電圧510は、図5に見られるように、活性着色電圧であることができる。一実施形態では、スイッチング電圧510は、第1の大きさおよび第1の極性を有することができる。一実施形態では、スイッチング電圧は、電気活性デバイスにおいて6%透過率を達成するために必要な電圧である。電気活性デバイスの透過率が低下すると、電気活性デバイスは、電気活性デバイスの透過率が6%未満であるオーバーシュート期間に移行することができる。電気活性デバイスの透過率が6%未満になると、段階的オーバーシュート電圧530を印加することができる。
【0031】
動作404において、段階的オーバーシュート電圧530が、第3の期間515の間印加される。一実施形態では、オーバーシュート電圧は、0Vとスイッチング電圧510との間であることができる。一実施形態では、図5に見られるように、段階的オーバーシュート電圧は一定であることができる。別の実施形態では、段階的オーバーシュート電圧を変えることができる。さらに別の実施形態では、段階的オーバーシュート電圧は、非線形曲線、区分的曲線、または線形曲線に見られるように、時間とともに絶えず変化することができる。一実施形態では、オーバーシュート電圧は、0V以上であって4V未満であることができる。一実施形態では、段階的オーバーシュート電圧は、第2の大きさおよび第2の極性を有する第1の段階オーバーシュート電圧530を含むことができる。一実施形態では、第1の極性は第2の極性と同じである。一実施形態では、第1の大きさは、第2の大きさよりも大きい。一実施形態では、段階的オーバーシュート電圧は、少なくとも2つのオーバーシュート電圧を含むことができる。別の実施形態では、段階的オーバーシュート電圧は、少なくとも3つのオーバーシュート電圧を含むことができる。別の実施形態では、段階的オーバーシュート電圧は、少なくとも4つのオーバーシュート電圧を含むことができる。さらに別の実施形態では、段階的オーバーシュート電圧は、少なくとも5つのオーバーシュート電圧を含むことができる。一実施形態では、第3の期間515は、第4の期間525よりも短い。別の実施形態では、第3の期間515は、第2の期間よりも短い。別の実施形態では、第3の期間515は、第1の段階遷移期間および第2の段階遷移期間を含むことができる。第3の期間515の期間は、第1の段階オーバーシュート電圧530を印加することと逆オーバーシュート電圧540を印加することとの間の時間であることができる。
【0032】
段階的オーバーシュート電圧を印加した後、動作408で、第3の大きさおよび第3の極性を有する逆オーバーシュート電圧540を電気活性デバイスに印加することができる。一実施形態では、逆オーバーシュート電圧は一定であることができる。別の実施形態では、逆オーバーシュート電圧を変えることができる。さらに別の実施形態では、逆オーバーシュート電圧は、非線形曲線、区分的曲線、または線形曲線に見られるように、時間とともに絶えず変化することができる。一実施形態では、第3の大きさは、第2の大きさよりも小さくあり得る。一実施形態では、第3の大きさは、第1の大きさよりも小さくあり得る。一実施形態では、第3の大きさは、第2の大きさよりも大きくあり得る。一実施形態では、第3の極性は、第2の極性と同じである。一実施形態では、第3の極性は、第2の極性と反対である。第4の期間525において、エレクトロクロミックデバイスは、第3の期間515とは反対の方向に移行している。一実施形態では、第4の期間において、エレクトロクロミックデバイスはクリア方向に移行することができ、一方第3の期間515において、エレクトロクロミックデバイスは着色方向に移行することができる。言い換えれば、第4の期間525において、エレクトロクロミックデバイスは、4%未満の透過率などのより低い透過率の状態から、4%を超える透過率であるが6%未満の透過率のようなより高い透過率の状態に移行することができる。図5の実施形態では、第2の大きさ530は、第1の大きさ510未満にすることができ、第3の大きさ540は、第2の大きさ530よりも小さくすることができる。別の実施形態では、第2の大きさ530は、第1の大きさ510よりも小さくすることができ、第3の大きさ540は、第2の大きさ530よりも大きくすることができる。
【0033】
電気活性デバイスに逆オーバーシュート電圧を印加した後、第4の大きさおよび第4の極性を有する保持電圧をエレクトロクロミックデバイスに印加し、第5の期間、保持することができる。一実施形態では、第5の期間は、第4の期間525よりも大きい。別の実施形態では、第5の期間は、第3の期間515よりも大きい。一実施形態では、第1の大きさは第2の大きさよりも大きく、第2の大きさは第3の大きさよりも小さく、第4の大きさは第3の大きさよりも小さい。別の実施形態では、第1の大きさは第2の大きさよりも大きく、第2の大きさは第3の大きさよりも小さく、第4の大きさは第3の大きさよりも小さい。さらに別の実施形態では、第1の大きさは第2の大きさよりも大きく、第2の大きさは第3の大きさに等しく、第4の大きさは第3の大きさよりも大きい。さらに別の実施形態では、第1の大きさは第2の大きさよりも大きく、第2の大きさは第3の大きさよりも小さく、第4の大きさは第3の大きさよりも大きい。一実施形態では、第1の極性は第2の極性と同じであり得、第3の極性は第2の極性の反対であり得、第4の極性は第3の極性の反対であり得る。別の実施形態では、第1の極性は第2の極性と同じであり得、第3の極性は第2の極性と同じであり得、第4の極性は第3の極性と同じであり得る。
【0034】
図6は、別の実施形態による、穏やかなオーバーシュート方策の図を含む。デバイスは、図5に見られるものとは異なる動作パラメータにあり得る。図6は、動作パラメータが、電気活性デバイスに対して完全着色であり得、クリア方向に移行する方法、または低透過率(%T)の状態から高透過率(%T)の状態に移行する方法を示す。スイッチング電圧610が、第2の期間、電気活性デバイスに印加される。一実施形態では、スイッチング電圧は、図6に見られるような、活性クリア電圧であり得る。一実施形態では、スイッチング電圧は、第1の大きさおよび第1の極性を有することができる。一実施形態では、スイッチング電圧は、デバイスが第1の状態から第2の状態に移行し、第1の状態が第2の状態よりも低い透過率を有するときに、電気活性デバイスにおいて20%透過率を達成するために必要な電圧である。電気活性デバイスの透過率が増加すると、電気活性デバイスは、電気活性デバイスの透過率が20%を超えるオーバーシュート期間に移行することができる。電気活性デバイスの透過率が20%を超えると、段階的オーバーシュート電圧630が印加される。
【0035】
動作404において、段階的オーバーシュート電圧630が、第3の期間615の間印加される。一実施形態では、オーバーシュート電圧は、0Vと活性クリア電圧との間であることができる。一実施形態では、図5に見られるように、段階的オーバーシュート電圧は一定であることができる。別の実施形態では、段階的オーバーシュート電圧を変えることができる。一実施形態では、オーバーシュート電圧は、0V以上であって-3V未満であることができる。一実施形態では、段階的オーバーシュート電圧は、第2の大きさおよび第2の極性を有する第1の段階オーバーシュート電圧630を含むことができる。一実施形態では、第1の極性は第2の極性と同じである。一実施形態では、第1の大きさは、第2の大きさよりも大きい。一実施形態では、段階的オーバーシュート電圧は、少なくとも2つのオーバーシュート電圧を含むことができる。別の実施形態では、段階的オーバーシュート電圧は、少なくとも3つのオーバーシュート電圧を含むことができる。別の実施形態では、段階的オーバーシュート電圧は、少なくとも4つのオーバーシュート電圧を含むことができる。さらに別の実施形態では、段階的オーバーシュート電圧は、少なくとも5つのオーバーシュート電圧を含むことができる。一実施形態では、第3の期間615は、第4の期間625よりも短い。別の実施形態では、第3の期間615は、第2の期間よりも短い。別の実施形態では、第3の期間615は、第1の段階遷移期間および第2の段階遷移期間を含むことができる。第3の期間615は、第1の段階オーバーシュート電圧630を印加することと逆オーバーシュート電圧640を印加することとの間の時間であることができる。
【0036】
段階的オーバーシュート電圧を印加した後、動作408で、第3の大きさおよび第3の極性を有する逆オーバーシュート電圧640を電気活性デバイスに印加することができる。一実施形態では、第3の大きさは、第2の大きさよりも小さくあり得る。一実施形態では、第3の大きさは、第1の大きさよりも小さくあり得る。一実施形態では、第3の大きさは、第2の大きさよりも大きくあり得る。一実施形態では、第3の極性は、第2の極性と同じである。一実施形態では、第3の極性は、第2の極性と反対である。第4の期間625において、エレクトロクロミックデバイスは、第3の期間615とは反対の方向に移行している。一実施形態では、第4の期間625において、エレクトロクロミックデバイスは着色方向に移行することができ、一方第3の期間615において、エレクトロクロミックデバイスはクリア方向に移行することができる。言い換えれば、第4の期間625において、エレクトロクロミックデバイスは、20%透過率を超えるなどのより高い透過率の状態から、約20%透過率などのより低い透過率の状態に移行することができる。図6の実施形態では、第2の大きさ630は、第1の大きさ610よりも小さくすることができ、第3の大きさ640は、第2の大きさ630よりも大きくすることができる。別の実施形態では、第2の大きさ630は、第1の大きさ610よりも小さくすることができ、第3の大きさ640は、第2の大きさ630よりも小さくすることができる。
【0037】
電気活性デバイスに逆オーバーシュート電圧を印加した後、第4の大きさおよび第4の極性を有する保持電圧をエレクトロクロミックデバイスに印加し、第5の期間、保持することができる。一実施形態では、第5の期間は、第4の期間625よりも大きい。別の実施形態では、第5の期間は、第3の期間615よりも大きい。一実施形態では、第1の大きさは第2の大きさよりも大きく、第2の大きさは第3の大きさよりも小さく、第4の大きさは第3の大きさよりも小さい。別の実施形態では、第1の大きさは第2の大きさよりも大きく、第2の大きさは第3の大きさよりも小さく、第4の大きさは第3の大きさよりも小さい。さらに別の実施形態では、第1の大きさは第2の大きさよりも大きく、第2の大きさは第3の大きさに等しく、第4の大きさは第3の大きさよりも大きい。さらに別の実施形態では、第1の大きさは第2の大きさよりも大きく、第2の大きさは第3の大きさよりも小さく、第4の大きさは第3の大きさよりも大きい。一実施形態では、第1の極性は第2の極性と同じであり得、第3の極性は第2の極性の反対であり得、第4の極性は第3の極性の反対であり得る。別の実施形態では、第1の極性は第2の極性と同じであり得、第3の極性は第2の極性と同じであり得、第4の極性は第3の極性と同じであり得る。
【0038】
図7は、別の実施形態による、穏やかなオーバーシュート方策の図を含む。一実施形態では、段階的オーバーシュート電圧は、第1の大きさおよび第1の極性を有する第1の段階オーバーシュート電圧730、第2の大きさおよび第2の極性を有する第2の段階オーバーシュート電圧735を含むことができる。一実施形態では、第1の段階オーバーシュート電圧の第1の極性は、第2の段階オーバーシュート電圧の第2の極性と同じであり得る。別の実施形態では、段階的オーバーシュート電圧は、第1の大きさおよび第1の極性を有する第1の段階オーバーシュート電圧、第2の大きさおよび第2の極性を有する第2の段階オーバーシュート電圧、第3の大きさおよび第3の極性を有する第3の段階オーバーシュート電圧、第4の大きさおよび第4の極性を有する第4のオーバーシュート電圧、および第5の大きさおよび第5の極性を有する第5のオーバーシュート電圧を含むことができる。一実施形態では、第1の電圧、第2の電圧、第3の電圧、第4の電圧、および第5の電圧の大きさは、互いに異なることができる。別の実施形態では、第1の電圧、第2の電圧、第3の電圧、第4の電圧、および第5の電圧の大きさは、少なくとも1つの他の電圧と同じであることができる。一実施形態では、第2の大きさは、第1の大きさよりも小さくすることができる。一実施形態では、第3の大きさは、第2の大きさと同じであることができる。別の実施形態では、第4の大きさは、第2の大きさと同じであることができる。別の実施形態では、第5の大きさは、第2の大きさよりも小さくすることができる。代替の実施形態では、第2の大きさは、第1の大きさよりも大きくすることができる。別の実施形態では、第2の大きさは第1の大きさより小さくすることができ、第3の大きさは第2の大きさより小さくすることができ、第4の大きさは第3の大きさより小さくすることができ、第5の大きさは第4の大きさとほぼ同じであることができる。
【0039】
一実施形態では、第1の極性は第2の極性と同じであることができ、第3の極性は第5の極性と同じであることができ、第4の極性は第2の極性と同じであることができ、第3の極性は第1の極性と同じであることができる。一実施形態では、第1の極性は、スイッチング電圧の極性と反対であることができる。
【0040】
電気活性デバイスは、そのようなデバイスに印加される電圧に関して説明されてきた。別の実施形態では、デバイスは、電圧を印加するのではなく、電流を印加することによって制御することができる。上記の概念は、印加電流によって制御されるデバイスに拡張することができる。
【0041】
本明細書に記載の実施形態は、電気活性デバイスのよりよい制御を可能にする。電気活性デバイスの特性データは、そのような電気活性デバイスの通常の動作中に得ることができる。特性データは、電気活性デバイスが通常使用されるときに更新される特性パラメータを含むことができる。したがって、電気活性デバイスの制御は、それが使用され、経年変化することに伴う電気活性デバイス内の変化を反映することができるため、向上する。
【0042】
他の実施形態では、電気活性デバイスは、電気活性デバイスによりよく適合された様態で動作され得る。そのような電気活性デバイスが同じ公称面積サイズ、組成、および層の厚さを有し、同じ生産ロット中で生産されたとしても、異なる電気活性デバイスが異なる動作をすることができる。2つの電気活性デバイスが完全に同一であるということはなく、したがって、同じ動作パラメータで動作した場合、まったく同じ可視透過率を有することはない。本明細書に記載の実施形態は、動作パラメータをサブセットまたは電気活性デバイスに個別に適合させることを可能にして、電気活性デバイス間の差異を考慮に入れることができる。したがって、壁または天窓に沿った異なる電気活性デバイス間の可視透過率のさらなる均一性を今や実現することができる。異なる透過率が望まれる場合、本明細書に記載の方法は、異なる所望の可視透過率が存在するときに、所望の可視透過率に近い異なる電気活性デバイスに対する実際の可視透過率を提供することができる。
【0043】
多くの異なる態様および実施形態が可能である。それらの態様および実施形態のいくつかが以下に説明される。本明細書を読んだ後、当業者は、それらの態様および実施形態が例示にすぎず、本発明の範囲を限定しないことを理解するであろう。例示的な実施形態は、以下に列記したもののうちのいずれか1つ以上に従うことができる。
【0044】
実施形態1。電気活性デバイスを制御する方法は、電気活性デバイスを動作パラメータで第1の期間、動作させることと、第1の大きさおよび第1の極性を有するスイッチング電圧を電気活性デバイスに第2の期間、印加することと、第2の大きさおよび第2の極性を有する段階的オーバーシュート電圧を電気活性デバイスに遷移期間、印加することと、を含むことができる。第1の大きさは第2の大きさより大きくすることができ、第1の極性は第2の極性と同じであることができる。方法はまた、第3の大きさおよび第3の極性を有する逆オーバーシュート電圧を電気活性デバイスに印加することを含むことができる。第3の極性は、第2の極性の反対であることができる。
【0045】
実施形態2。電気活性デバイスが遷移電圧を含むことができ、遷移電圧が、電気活性デバイスに対する活性着色電圧と活性クリア電圧との間の電圧差であることができる、実施形態1の方法。
【0046】
実施形態3。第1の大きさは、遷移電圧よりも小さくすることができる、実施形態2の方法。
【0047】
実施形態4。第3の大きさは、第2の大きさよりも小さくすることができる、実施形態1の方法。
【0048】
実施形態5。第3の大きさは、第2の大きさよりも大きくすることができる、実施形態1の方法。
【0049】
実施形態6。電気活性デバイスを制御する方法は、第1の大きさおよび第1の極性を有するスイッチング電圧を第1の期間、印加することと、段階的オーバーシュート電圧を第2の期間、印加することと、を含むことができる。段階的オーバーシュート電圧を印加することは、第2の大きさおよび第2の極性を有する第1の段階オーバーシュート電圧を印加することを含むことができ、第1の大きさは第2の大きさより大きくすることができ、第1の極性は第2の極性と同じであることができ、かつ第3の大きさおよび第3の極性を有する第2の段階オーバーシュート電圧を印加することを含むことができる。本方法はまた、第4の大きさおよび第4の極性を有する逆オーバーシュート電圧を電気活性デバイスに印加することを含むことができ、第4の極性は第1の極性の反対であることができる。
【0050】
実施形態7。第1の段階オーバーシュート電圧を第1のオーバーシュート期間、保持することをさらに含むことができる、実施形態6の方法。
【0051】
実施形態8。第2の段階オーバーシュート電圧を第2のオーバーシュート期間、保持することをさらに含むことができる、実施形態6の方法。
【0052】
実施形態9。第2の大きさを、第3の大きさよりも大きくすることができる、実施形態6の方法。
【0053】
実施形態10。第2の大きさを、第3の大きさよりも小さくすることができる、実施形態6の方法。
【0054】
実施形態11。第4の大きさを、第3の大きさよりも小さくすることができる、実施形態6の方法。
【0055】
実施形態12。第4の大きさを、第3の大きさよりも大きくすることができる、実施形態6の方法。
【0056】
実施形態13。逆オーバーシュート電圧を第3の期間、保持することをさらに含むことができる、実施形態6の方法。
【0057】
実施形態14。第1の大きさが、遷移電圧の少なくとも55%かつ遷移電圧の最大でも60%であることができる、実施形態1または6のいずれかの方法。
【0058】
実施形態15。第2の大きさが、少なくとも遷移電圧の少なくとも10%かつ遷移電圧の最大でも50%であることができる、実施形態1または6のいずれかの方法。
【0059】
実施形態16。第3の大きさが、少なくとも遷移電圧の少なくとも5%かつ遷移電圧の最大でも40%であることができる、実施形態1または6のいずれかの方法。
【0060】
実施形態17。システムは、電気活性デバイスと、制御システムであって、電気活性デバイスを動作パラメータで第1の期間、動作させることと、第1の大きさおよび第1の極性を有するスイッチング電圧を電気活性デバイスに第2の期間、印加することと、第2の大きさおよび第2の極性を有する段階的オーバーシュート電圧を電気活性デバイスに遷移期間、印加することであって、第1の大きさは第2の大きさよりも大きくすることができ、第1の極性は第2の極性と同じにすることができる、印加することと、第3の大きさおよび第3の極性を有する逆オーバーシュート電圧を電気活性デバイスに印加することであって、第3の極性は第2の極性と反対にすることができる、印加することと、を行うように構成された、制御システムと、を含むことができる。
【0061】
実施形態18。電気活性デバイスが、エレクトロクロミックデバイスであることができる、実施形態1、6、または17のいずれかの方法またはデバイス。
【0062】
実施形態19。エレクトロクロミックデバイスが、第1の透明導電層と、第2の透明導電層と、第1の透明導電層と第2の透明導電層との間の陽極電気化学層と、第1の透明導電層と第2の透明導電層との間の陰極電気化学層と、を含むことができる、実施形態18の方法またはデバイス。
【0063】
実施形態20。段階的オーバーシュート電圧を電気活性デバイスのバスバーに印加することができる、実施形態1、6、または17のいずれかの方法またはデバイス。
【0064】
実施形態21。段階的オーバーシュート電圧を印加して、電気活性デバイスを開始光学状態から終了光学状態に遷移させることができる、実施形態1、6、または17のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0065】
実施形態22。スイッチング電圧の大きさと段階的オーバーシュート電圧の大きさとの合計が、遷移電圧の大きさ以下であることができる、実施形態1、6、または17のいずれかの方法またはデバイス。
【0066】
実施形態23。段階的オーバーシュート電圧の各段階が、5、または4以下などの、6以下の大きさを有することができる、実施形態1、6、または17のいずれかの方法またはデバイス。
【0067】
実施形態24。第6の大きさおよび第6の極性を有する第3の段階オーバーシュート電圧を印加することをさらに含むことができる、実施形態6の方法。
【0068】
実施形態25。第5の極性が、第1の極性と同じであることができる、実施形態24の方法。
【0069】
実施形態26。最終光学状態を保持するために、第5の大きさおよび第5の極性を有する保持電圧を印加することをさらに含むことができる、実施形態6の方法。
【0070】
実施形態27。逆オーバーシュート電圧が、段階的オーバーシュート電圧よりも保持電圧に近くなることができる、実施形態26の方法。
【0071】
実施形態28。第5の極性が、第4の極性の反対であることができる、実施形態26の方法。
【0072】
実施形態29。第5の極性が、第4の極性と同じであることができる、実施形態26の方法。
【0073】
上記の一般的な説明または例で説明した機能のすべてが必要なわけではなく、特定の機能の一部は必要でない場合があり、説明した機能に加えて1つ以上の機能を実施することができることに留意されたい。さらにまた、機能が記載される順序は、必ずしも実施される順序ではない。
【0074】
明確にするために、本明細書で別々の実施形態の文脈で説明されている特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供することもできる。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴は、別々にまたは任意の副組み合わせで提供することもできる。さらに、範囲に記載されている値への言及は、言及された終了範囲の値を含む、その範囲内のすべての値を含む。
【0075】
利益、他の利点、および問題に対する解決策は、特定の実施形態に関して上記で説明されている。しかしながら、利益、利点、問題の解決策、および任意の利益、利点、もしくは解決策が発生またはより顕著になる可能性のある任意の特徴は、いずれかまたはすべての特許請求の範囲の重要な、必須の、または本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0076】
本明細書に記載された実施形態の明細書および例示は、様々な実施形態の構造の一般的な理解を提供することを意図している。明細書および例示は、本明細書に記載の構造または方法を使用する装置およびシステムのすべての要素および特徴の網羅的かつ包括的な説明として役立つことを意図するものではない。別個の実施形態はまた、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよく、逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴もまた、別個にまたは任意のサブコンビネーションで提供されてもよい。さらに、範囲に記載されている値への言及は、言及された終了範囲の値を含む、その範囲内のすべての値を含む。本明細書を読んだ後であれば、他の多くの実施形態が当業者にとって明らかであろう。本開示の範囲から逸脱することなく、構造的置換、論理的置換、または別の変更を行うことができるように、本開示から他の実施形態が使用され、かつ導出され得る。したがって、本開示は、限定的ではなく例示的とみなされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】