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特表2022-527244熱管理装置、熱管理システム、及び新エネルギー車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-01
(54)【発明の名称】熱管理装置、熱管理システム、及び新エネルギー車
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6568 20140101AFI20220525BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20220525BHJP
   H01M 10/633 20140101ALI20220525BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20220525BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20220525BHJP
   H01M 10/658 20140101ALI20220525BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20220525BHJP
   B60L 58/24 20190101ALI20220525BHJP
【FI】
H01M10/6568
H01M10/613
H01M10/633
H01M10/6556
H01M10/625
H01M10/658
B60L50/60
B60L58/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021556568
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(85)【翻訳文提出日】2021-09-17
(86)【国際出願番号】 CN2019127218
(87)【国際公開番号】W WO2020199669
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】201910251078.3
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521467113
【氏名又は名称】華為数字能源技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI DIGITAL POWER TECHNOLOGIES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Office 01, 39th Floor, Block A, Antuoshan Headquarters Towers, 33 Antuoshan 6th Road, Futian District, Shenzhen, 518043, P.R.C.
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】何 ▲歡▼
【テーマコード(参考)】
5H031
5H125
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031HH06
5H031KK02
5H031KK08
5H125AA01
5H125AC12
5H125BA00
5H125BC19
5H125CD06
5H125CD09
5H125EE25
5H125FF24
5H125FF27
(57)【要約】
本出願の実施形態は、電子デバイスに対して熱管理を行い、電子デバイスの放熱要求と断熱要求の両方を満たすための、熱管理装置、熱管理システム、及び新エネルギー車を開示する。熱管理装置は、第1の電磁弁、第1の液体冷却板、第2の電磁弁、及び第2の液体冷却板が直列に順次接続されている第1のループと、断熱構造とを含む。第2の液体冷却板、断熱構造、及び第1の液体冷却板は、順次積み重ねられている。第1の液体冷却板は、電子デバイスとの熱伝達を行うことができる。第1の電磁弁及び第2の電磁弁が閉じられているとき、第1の液体冷却板は、第2の液体冷却板と連絡する。第1の電磁弁及び第2の電磁弁が開いているとき、第1の液体冷却板と第2の液体冷却板とは、切り離されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱管理装置であって、前記熱管理装置は、電子デバイスに対して熱管理を行うように構成され、前記熱管理装置は、第1の電磁弁、第1の液体冷却板、第2の電磁弁、及び第2の液体冷却板が直列に順次接続されている第1のループと、断熱構造とを備え、
前記第2の液体冷却板、前記断熱構造、及び前記第1の液体冷却板は、順次積み重ねられており、前記第1の液体冷却板は、前記電子デバイスとの熱伝達を行うことが可能であり、前記第1の電磁弁及び前記第2の電磁弁が閉じられているとき、前記第1の液体冷却板は、前記第2の液体冷却板と連絡し、前記第1の電磁弁及び前記第2の電磁弁が開いているとき、前記第1の液体冷却板と前記第2の液体冷却板とは、切り離されている、熱管理装置。
【請求項2】
前記第1のループ内に直列に接続された第1の循環ポンプであって、前記第1の循環ポンプは、冷却剤を前記第1のループ内で循環するよう駆動するように構成される、第1の循環ポンプ
をさらに備える、請求項1に記載の熱管理装置。
【請求項3】
前記第1の液体冷却板及び前記第2の液体冷却板は、平行に配置される、請求項1又は2に記載の熱管理装置。
【請求項4】
第2のループであって、前記第2のループは、直列に接続されている、前記第1の液体冷却板、第2の循環ポンプ、及び第3の電磁弁を備え、前記第2の循環ポンプは、冷却剤を前記第2のループ内で循環するよう駆動するように構成され、前記第3の電磁弁は、前記第2のループの連絡又は切断を実行するように構成される、第2のループ
をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の熱管理装置。
【請求項5】
前記第2のループ内に直列に接続された熱交換器であって、前記熱交換器は、冷却システムと熱を交換するように構成される、熱交換器
をさらに備える、請求項4に記載の熱管理装置。
【請求項6】
前記電子デバイスはバッテリモジュールである、請求項1から5のいずれか一項に記載の熱管理装置。
【請求項7】
熱管理システムであって、コントローラと、請求項1から6のいずれか一項に記載の熱管理装置とを備え、前記コントローラは、
前記バッテリモジュールの温度を検出し、
前記バッテリモジュールの前記温度が第1の事前設定温度よりも低いことを検出したとき、第1の電磁弁及び第2の電磁弁を閉じるように制御するとともに第1の循環ポンプをオフになるように制御し、第3の電磁弁を開くように制御するとともに第2の循環ポンプをオフになるように制御する
ように構成される、熱管理システム。
【請求項8】
前記コントローラは、
前記バッテリモジュールの前記温度が前記第1の事前設定温度よりも高く、第2の事前設定温度よりも低いことを検出したとき、前記第1の電磁弁及び前記第2の電磁弁を閉じるように制御するとともに前記第1の循環ポンプをオンになるように制御し、前記第3の電磁弁を開くように制御するとともに前記第2の循環ポンプをオフになるように制御する
ようにさらに構成される、請求項7に記載の熱管理システム。
【請求項9】
前記コントローラは、
前記バッテリモジュールの前記温度が第2の事前設定温度よりも高く、第3の事前設定温度よりも低いことを検出したとき、前記第1の電磁弁及び前記第2の電磁弁を閉じるように制御するとともに前記第1の循環ポンプをオフになるように制御し、前記第3の電磁弁を閉じるように制御するとともに前記第2の循環ポンプをオンになるように制御する
ようにさらに構成される、請求項7又は8に記載の熱管理システム。
【請求項10】
前記コントローラは、
前記バッテリモジュールの前記温度が第3の事前設定温度よりも高いことを検出したとき、前記第1の電磁弁及び前記第2の電磁弁を閉じるように制御するとともに前記第1の循環ポンプをオンになるように制御し、前記第3の電磁弁を閉じるように制御するとともに前記第2の循環ポンプをオンになるように制御する
ようにさらに構成される、請求項7又は8に記載の熱管理システム。
【請求項11】
前記コントローラは、
前記第1の電磁弁、前記第2の電磁弁、及び前記第3の電磁弁を閉じるように制御し、前記第1の循環ポンプ及び前記第2の循環ポンプをオンになるように制御する
ようにさらに構成される、請求項7から10のいずれか一項に記載の熱管理システム。
【請求項12】
前記コントローラは、
前記第1の電磁弁及び前記第2の電磁弁を開くように制御するとともに前記第1の循環ポンプをオフになるように制御し、前記第3の電磁弁を開くように制御するとともに前記第2の循環ポンプをオフになるように制御する
ようにさらに構成される、請求項7から11のいずれか一項に記載の熱管理システム。
【請求項13】
新エネルギー車であって、モータと、バッテリモジュールと、請求項1から6のいずれか一項に記載の熱管理装置とを備え、前記バッテリモジュールは、前記モータに電力を提供するように構成され、前記熱管理装置は、前記バッテリモジュールに対して熱管理を行うように構成される、新エネルギー車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年3月29日に中国特許庁に提出された、「熱管理装置、熱管理システム、及び新エネルギー車」と題された、中国特許出願第201910251078.3号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、新エネルギー技術の分野に関し、特に、熱管理装置、熱管理システム、及び新エネルギー車に関する。
【背景技術】
【0002】
新エネルギー分野の発展とともに、電力バッテリがより頻繁に使用されており、電力バッテリの安全性能への要求が同様に増加している。温度は、電力バッテリの安全に影響を与える重要な要因の1つである。
【0003】
電力バッテリが使用中であるとき、温度は電力バッテリに二重の影響を与える。一方では、温度の上昇で、電解質活性が増加して、バッテリの内部抵抗が減少し、その結果、電力バッテリの性能が改善され得る。しかしながら、比較的高い温度が、電極劣化及び分解などの有害な反応につながり、バッテリの寿命に影響を与える場合がある。それゆえ、比較的高い温度の場合、電力バッテリから熱を放散することが必要である。他方、低温での電力バッテリの使用は、充放電容量及びバッテリの寿命を減らすだけではなく、極端な場合危険をもたらす。それゆえ、電力バッテリが長時間極端に低い周囲温度にあるとき、断熱処置が必要とされる。熱管理が電力バッテリに対して行われるとき、放熱と断熱の両方が考慮される必要があることが分かる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
結論として、電子デバイス(例えば、バッテリモジュール)の放熱要求と断熱要求の両方を満たすための、熱管理ソリューションが緊急に必要とされる。
【0005】
本出願の実施形態は、電子デバイスに対して熱管理を行い、電子デバイスの放熱要求と断熱要求の両方を満たすための、熱管理装置、熱管理システム、及び新エネルギー車を提供する。
【0006】
第1の実施態様によれば、本出願の一実施形態は、電子デバイスに対して熱管理を行うように構成された熱管理装置を提供する。熱管理装置は、第1の電磁弁、第1の液体冷却板、第2の電磁弁、及び第2の液体冷却板が直列に順次接続されている第1のループと、断熱構造とを含む。第2の液体冷却板、断熱構造、及び第1の液体冷却板は、順次積み重ねられている。第1の液体冷却板は、電子デバイスとの熱伝達を行うことができる。第1の電磁弁及び第2の電磁弁が閉じられているとき、第1の液体冷却板は、第2の液体冷却板と連絡する。第1の電磁弁及び第2の電磁弁が開いているとき、第1の液体冷却板と第2の液体冷却板とは、切り離されている。
【0007】
断熱構造は、断熱フォームであり得、断熱フォームの材料は、シリカエーロゲルであり得る。
【0008】
第1の実施態様で提供される熱管理装置で、第1の電磁弁及び第2の電磁弁は、両方とも閉じられているか、又はそれらは両方とも開いている。第1の電磁弁及び第2の電磁弁が閉じられているとき、第1の液体冷却板は、第2の液体冷却板と連絡し、電子デバイスからの熱は、第1の液体冷却板に伝導され得、第1のループを通して第2の液体冷却板にさらに伝導され得、熱は、外部気流によって第2の液体冷却板上で運び去られ、それによって電子デバイスの放熱を実行する。第1の電磁弁及び第2の電磁弁が開いているとき、第1の液体冷却板と第2の液体冷却板とは切り離されており、断熱構造は、外部気流を隔離する機能を行うことができ、それによって電子デバイスの断熱を実行する。それゆえ、第1の実施態様で提供される熱管理装置を使用することによって、電子デバイスの放熱要求と断熱要求の両方が満たされ得る。
【0009】
具体的な実装形態で、第1の液体冷却板及び第2の液体冷却板は、平行に配置され得る。
【0010】
前述のソリューションで、断熱構造は、平行である2つの液体冷却板の間に配置される。第1の電磁弁及び第2の電磁弁が開いているとき、断熱構造は、第1の液体冷却板を第2の液体冷却板からより効果的に切り離すことができ、それによってより良好な断熱効果を達成する。
【0011】
加えて、第1の実施態様で提供される熱管理装置は、第1のループ内に直列に接続された第1の循環ポンプをさらに含み得、第1の循環ポンプは、冷却剤を第1のループ内で循環するよう駆動するように構成される。
【0012】
前述のソリューションで、第1の循環ポンプは、第1のループ内の静止した冷却剤を循環させることができ、それによって第1のループの放熱能力を強化する。
【0013】
可能な設計で、熱管理装置は第2のループをさらに含み、第2のループは、直列に接続されている、第1の液体冷却板、第2の循環ポンプ、及び第3の電磁弁を含む。第2の循環ポンプは、冷却剤を第2のループ内で循環するよう駆動するように構成される。第3の電磁弁は、第2のループの連絡又は切断を実行するように構成される。
【0014】
前述のソリューションで、第2のループの連絡又は切断は、第3の電磁弁を使用することによって実行され得る。第2のループが連絡するとき、電子デバイスからの熱は、第1の液体冷却板に伝導され、外部にさらに伝導されるか、又は第2のループを通して別のデバイス(例えば、冷却システムに接続された熱交換器)に伝導され、それによって電子デバイスの放熱を実行する。さらに、第1のループは、この場合同様に連絡状態であり得、放熱が第1のループ及び第2のループを通して電子デバイスに対してさらに行われ、それによって熱管理装置の放熱能力を強化する。第1のループと第2のループの両方が切り離されているとき、第1の液体冷却板と第2の液体冷却板とは切り離されており、断熱構造は、電子デバイスを外部気流から隔離することができ、それによって電子デバイスの断熱機能を行う。
【0015】
可能な設計で、熱管理装置は、第2のループ内に直列に接続された熱交換器をさらに含み、熱交換器は、冷却システムと熱を交換するように構成される。
【0016】
前述のソリューションで、電子デバイスからの熱が第1の液体冷却板に最初に伝達され、第1の液体冷却板は、第2のループ内の冷却剤を使用することによって熱交換器に熱を伝達する。熱管理装置の放熱効果が、熱交換器に接続された冷却システムを使用することによって強化され得る。
【0017】
実際の適用では、複数のタイプの電子デバイスがあり得る。一具体例で、電子デバイスは、バッテリモジュールであり得、熱伝導性接着剤がバッテリモジュールと第1の液体冷却板との間に充填され得る。
【0018】
第2の実施態様によれば、本出願の一実施形態は、熱管理システムを提供する。熱管理システムは、コントローラと、第1の実施態様及び第1の実施態様の可能な設計のいずれか1つで提供される熱管理装置とを含み、ここで電子デバイスは、バッテリモジュールであり得る。
【0019】
具体的には、コントローラは、バッテリモジュールの温度を検出し、バッテリモジュールの温度が第1の事前設定温度よりも低いことを検出したとき、第1の電磁弁及び第2の電磁弁を閉じるように制御するとともに第1の循環ポンプをオフになるように制御し、第3の電磁弁を開くように制御するとともに第2の循環ポンプをオフになるように制御するように構成される。
【0020】
前述のソリューションで、バッテリモジュールが高い放熱要求を有さないとき、放熱がバッテリモジュールに対して行われ得る。第1のループ内の静止した冷却剤がバッテリモジュールからの熱をバッテリパック底板に伝達することができ、外部気流を使用することによって、放熱がバッテリモジュールに対して行われる。
【0021】
可能な設計で、コントローラは、バッテリモジュールの温度が第1の事前設定温度よりも高く、第2の事前設定温度よりも低いことを検出したとき、第1の電磁弁及び第2の電磁弁を閉じるように制御するとともに第1の循環ポンプをオンになるように制御し、第3の電磁弁を開くように制御するとともに第2の循環ポンプをオフになるように制御するようにさらに構成される。
【0022】
前述のソリューションで、第1のループ内の循環冷却剤は、バッテリモジュールからの熱をバッテリパック底板に伝達することができ、外部気流を使用することによって、放熱がバッテリモジュールに対して行われる。
【0023】
可能な設計で、コントローラは、バッテリモジュールの温度が第2の事前設定温度よりも高く、第3の事前設定温度よりも低いことを検出したとき、第1の電磁弁及び第2の電磁弁を閉じるように制御するとともに第1の循環ポンプをオフになるように制御し、第3の電磁弁を閉じるように制御するとともに第2の循環ポンプをオンになるように制御するようにさらに構成される。
【0024】
前述のソリューションで、第2の循環ポンプによって駆動されて、第1のループ及び第2のループ内の冷却剤は循環する。バッテリモジュールからの熱の一部分が、第2のループ内の循環冷却剤を使用することによって冷却システムに伝達され、バッテリモジュールからの熱のその他の部分は、第1のループ内の循環冷却剤を使用することによってバッテリパック底板に伝達され、次いで外部気流によって運び去られる。第1のループと第2のループの両方が放熱機能を行う。
【0025】
可能な設計で、コントローラは、バッテリモジュールの温度が第3の事前設定温度よりも高いことを検出したとき、第1の電磁弁及び第2の電磁弁を閉じるように制御するとともに第1の循環ポンプをオンになるように制御し、第3の電磁弁を閉じるように制御するとともに第2の循環ポンプをオンになるように制御するようにさらに構成される。
【0026】
前述のソリューションで、第1の循環ポンプ及び第2の循環ポンプによって駆動されて、第1のループ及び第2のループ内の冷却剤は循環する。バッテリモジュールからの熱の一部分が、第2のループ内の循環冷却剤を使用することによって冷却システムに伝達され、バッテリモジュールからの熱のその他の部分は、第1のループ内の循環冷却剤を使用することによってバッテリパック底板に伝達され、次いで外部気流によって運び去られる。第1のループと第2のループの両方が放熱機能を行う。
【0027】
可能な設計で、コントローラは、第1の電磁弁、第2の電磁弁、及び第3の電磁弁を閉じるように制御し、第1の循環ポンプ及び第2の循環ポンプをオンになるように制御するようにさらに構成される。
【0028】
前述のソリューションで、バッテリモジュールが比較的強い放熱要求を有するとき、第1の電磁弁、第2の電磁弁、及び第3の電磁弁は、閉じるように制御され、第1の循環ポンプ及び第2の循環ポンプは、オンになるように制御され、冷却システムと外部気流の両方を使用することによって、放熱がバッテリモジュールに対して行われる。
【0029】
可能な設計で、コントローラは、第1の電磁弁及び第2の電磁弁を開くように制御するとともに第1の循環ポンプをオフになるように制御し、第3の電磁弁を開くように制御するとともに第2の循環ポンプをオフになるように制御するようにさらに構成される。
【0030】
前述のソリューションで、バッテリモジュールが断熱要求を有するとき、第1の液体冷却板と第2の液体冷却板とは切り離され得る。第1の液体冷却板と第2の液体冷却板との間に充填された断熱構造が、バッテリモジュールを外部から隔離することができ、それによって断熱機能を行う。断熱構造を使用することによって、断熱がバッテリモジュールに対して行われる。
【0031】
第3の実施態様によれば、本出願の一実施形態は、モータと、バッテリモジュールと、第1の実施態様及び第1の実施態様の可能な設計のいずれか1つで提供される熱管理装置とを含む、新エネルギー車を提供する。バッテリモジュールは、モータに電力を提供するように構成され、熱管理装置は、バッテリモジュールに対して熱管理を行うように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】従来技術による熱管理装置の概略構造図である。
図2】本出願の一実施形態による第1の熱管理装置の概略構造図である。
図3】本出願の一実施形態による第2の熱管理装置の概略構造図である。
図4】本出願の一実施形態による第3の熱管理装置の概略構造図である。
図5】本出願の一実施形態による熱管理システムの概略構造図である。
図6】本出願の一実施形態による新エネルギー車の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
背景技術で説明されたように、実際の適用シナリオで、熱管理が電力バッテリなどの電子デバイスに対して行われるとき、放熱と断熱の両方の機能が考慮される必要がある。
【0034】
電力バッテリが一例として使用される。従来技術で、図1に示されたバッテリパック熱管理装置が、電力バッテリに対して熱管理を行うために使用される。
【0035】
図1に示されるように、熱管理装置は、空調冷却ループ並びに放熱及び加熱ループを含む。空調冷却ループは、圧縮器101、凝縮器102、蒸発器103、並びに圧縮器101、凝縮器102、及び蒸発器103を接続する循環パイプラインを含む。パイプラインには冷媒が充填され、冷媒は対応する循環ポンプによって駆動される。放熱及び加熱ループは、バッテリパック液体冷却板104、液体貯蔵タンク105、冷却循環ポンプ106、電磁弁107、正の温度係数(positive temperature coefficient、PTC)加熱器108、並びにバッテリパック液体冷却板104、液体貯蔵タンク105、冷却循環ポンプ106、電磁弁107、及び正の温度係数加熱器108を接続するパイプラインを含む。このループで、バッテリパック液体冷却板104及びパイプラインには、冷却剤が充填され(冷却剤が低温で凍結するのを防止するため、通常、冷却剤の体積の50%がグリコールであり、冷却剤の体積の50%が水である)、冷却循環ポンプ106は、冷却剤を駆動するように構成され、電磁弁107は、ループの連絡又は切断を制御するように構成される。平板熱交換器109を使用することによって空調冷却ループと放熱及び加熱ループとの間で熱が交換される。例えば、放熱がバッテリモジュールに対して行われる必要があるとき、放熱及び加熱ループ内の熱が、平板熱交換器109を使用することによって空調冷却ループに伝達され得、それによって放熱要求を満たす。
【0036】
熱伝導性接着剤がバッテリパック液体冷却板104の上面に塗布され、熱伝導性接着剤の厚さが、通常1.0mm~1.2mmである。バッテリモジュールが熱伝導性接着剤の上面に配置される。バッテリモジュールは、熱伝導抵抗を減らすために、バッテリモジュールとバッテリパックフレームとの間の固定力を使用することによってしっかりと熱伝導性接着剤を押圧する。断熱フォームが、バッテリパック液体冷却板104の下面とバッテリパック底板の上面との間に配置される。断熱効果を改善するために、シリカエーロゲルが断熱フォームの材料として選択され得、断熱フォームの厚さが通常約10mmであり、その結果、バッテリモジュールに対する断熱が低温で実行される。
【0037】
放熱がバッテリモジュールに対して行われる必要があるとき、バッテリモジュールからの熱が、バッテリパック液体冷却板104に最初に伝達され、バッテリパック液体冷却板104は、循環冷却剤に熱を伝達し、循環冷却剤は、平板熱交換器109に熱を伝達し、平板熱交換器109は、空調冷却システムに熱を伝達し、それによってバッテリモジュールの放熱を実行する。
【0038】
バッテリモジュールが加熱される必要があるとき、車両コントローラは、PTC加熱を開始するリクエストを送る。PTC加熱器108は、循環冷却剤を加熱し、循環冷却剤は、バッテリパック液体冷却板104に熱を伝達し、バッテリパック液体冷却板104は、バッテリモジュールに熱を最終的に伝達し、それによってバッテリモジュールの加熱を実行する。
【0039】
断熱がバッテリモジュールに対して行われる必要があるとき、バッテリパック液体冷却板の底部の断熱フォームは、バッテリモジュールからバッテリパックフレームへの伝熱経路を遮断する。それゆえ、バッテリモジュールからの熱が外に伝達されにくく、熱は、バッテリパックフレーム又は自動車シャシによって吸収されたり空気対流によって運び去られたりしにくく、それによって断熱要求を満たす。
【0040】
しかしながら、図1に示された熱管理装置は、以下の問題を有する。すなわち、断熱フォームは、バッテリパック液体冷却板104の下面とバッテリパック底板の上面との間に常に配置されるので、バッテリモジュールの断熱機能がいつでも無効にされ得るわけではなく、断熱フォームは、任意の動作条件でバッテリモジュールの放熱効率に影響を与える。特に、大電力充放電シナリオで、バッテリモジュールとバッテリパックフレームとの間の熱伝導経路が断熱フォームによって遮断されるので、バッテリモジュールの放熱性能が深刻に影響を受け、さらには放熱目的が達成され得ない。加えて、バッテリモジュールの温度にかかわらず、放熱が必要とされるときはいつでも、ただ1つの放熱ループだけが放熱のために使用され得、比較的高いエネルギー消費をもたらす。
【0041】
本出願の実施形態は、電子デバイスに対して熱管理を行い、電子デバイスの放熱要求と断熱要求の両方を満たすための、熱管理装置、熱管理システム、及び新エネルギー車を提供する。
【0042】
本出願における「複数の」は、2つ以上を指すことに留意されたい。加えて、本出願の説明における「第1の」及び「第2の」などの単語は、説明を区別する目的でのみ使用され、相対的な重要性の指示若しくは示唆、又は順序の指示若しくは示唆として理解されるべきではないことを理解されたい。
【0043】
本出願の目的、技術的ソリューション及び利点をより明確にするために、以下は、添付の図面を参照して本出願を詳細にさらに説明する。
【0044】
図2は、本出願の一実施形態による熱管理装置の概略構造図である。
【0045】
熱管理装置200は、電子デバイスに対して熱管理を行うように構成される。熱管理装置200は、第1の電磁弁201、第1の液体冷却板202、第2の電磁弁203、及び第2の液体冷却板204が直列に順次接続されている第1のループ、並びに断熱構造205を含む。第2の液体冷却板204、断熱構造205、及び第1の液体冷却板202は、順次積み重ねられている。第1の液体冷却板202は、電子デバイスとの熱伝達を行うことができる。第1の電磁弁201及び第2の電磁弁203が閉じられているとき、第1の液体冷却板202は、第2の液体冷却板204と連絡する。第1の電磁弁201及び第2の電磁弁203が開いているとき、第1の液体冷却板202と第2の液体冷却板204とは、切り離されている。
【0046】
第1の液体冷却板202及び第2の液体冷却板204は、平行に配置され得る。
【0047】
前述のソリューションで、断熱構造205は、平行である2つの液体冷却板の間に配置される。第1の電磁弁201及び第2の電磁弁203が開いているとき、断熱構造205は、第1の液体冷却板202を第2の液体冷却板204からより効果的に切り離すことができ、それによってより良好な断熱効果を達成する。
【0048】
熱管理装置200で、電子デバイスは、バッテリモジュールであり得、バッテリモジュールは、複数のバッテリが特定の直列及び並列方式で接続され、次いでいくつかの機械部品によって締結されている、充電可能かつ放電可能な電力供給ユニットである。熱伝導性接着剤がバッテリモジュールと第1の液体冷却板202との間に充填され得る。熱伝導性接着剤は、熱がバッテリモジュールと第1の液体冷却板202との間で伝達されることを可能にすることができる。例えば、熱伝導性接着剤の厚さが1.0mm~1.2mmであり得る。
【0049】
熱管理装置200で、断熱構造205は、断熱フォームであり得、断熱フォームの材料は、シリカエーロゲルであり得る。例えば、約10mmの厚さを持つシリカエーロゲルが断熱材として選択され得る。加えて、グリコールと水の混合物が、液体冷却板上及び第1のループのパイプライン内の冷却剤に選択され得、ここでグリコールが冷却剤の体積の50%を占め、水が冷却剤の体積の50%を占める。もちろん、断熱構造205が断熱効果を達成することができ、冷却剤が冷却効果を達成することができるならば、断熱構造205及び冷却剤の選択は、前述の例に限定されない。
【0050】
さらに、熱管理装置200は、第1のループ内に直列に接続された第1の循環ポンプをさらに含み得、第1の循環ポンプは、冷却剤を第1のループ内で循環するよう駆動するように構成される。
【0051】
本実装形態で、異なる程度での放熱が第1のループを通して実行され得る。すなわち、第1の電磁弁201及び第2の電磁弁203が閉じられ、第1の循環ポンプがオフになるとき、第1のループ内の静止した冷却剤は、電子デバイスからの熱を運び去ることができ、それによって放熱機能を行う。第1の電磁弁201及び第2の電磁弁203が閉じられ、第1の循環ポンプがオンになるとき、第1のループ内の循環冷却剤は、電子デバイスからの熱を運び去ることができ、それによって放熱機能を行う。循環冷却剤は、静止した冷却剤の熱伝導能力よりも強い熱伝導能力を有し、それゆえ、より良好な放熱効果を有する。
【0052】
熱管理装置200で、第1の電磁弁201及び第2の電磁弁203は、常に両方とも閉じられているか、又はそれらは常に両方とも開いている。第1の電磁弁201及び第2の電磁弁203が閉じられているとき、第1の液体冷却板202は、第2の液体冷却板204と連絡し、電子デバイスからの熱は、第1の液体冷却板202に伝導され得、第1のループを通して第2の液体冷却板204にさらに伝導され得、熱は、外部気流によって第2の液体冷却板204上で運び去られ、それによって電子デバイスの放熱機能を行う。さらに、第1のループが第1の循環ポンプをさらに含む場合、冷却剤は、第1の循環ポンプを使用することによって第1のループ内で循環するよう駆動され得、より良好な放熱効果を達成する。第1の電磁弁201及び第2の電磁弁203が開いているとき、第1の液体冷却板202と第2の液体冷却板204とは切り離されており、断熱構造205は、外部気流を隔離する機能を行うことができ、それによって電子デバイスの断熱を実行する。
【0053】
図2に示された熱管理装置200は、第2のループをさらに含み得、第2のループは、直列に接続されている、第1の液体冷却板202、第2の循環ポンプ、及び第3の電磁弁を含む。第2の循環ポンプは、冷却剤を第2のループ内で循環するよう駆動するように構成される。第3の電磁弁は、第2のループの連絡又は切断を実行するように構成される。この場合、熱管理装置200の概略構造図が図3に示され得る。
【0054】
前述の実装形態で、第2のループの連絡又は切断は、第3の電磁弁を使用することによって実行され得る。第2のループが連絡するとき、電子デバイスからの熱は、第1の液体冷却板202に伝導され、外部にさらに伝導されるか、又は第2のループを通して別のデバイス(例えば、冷却システムに接続された熱交換器)に伝導され、それによって電子デバイスの放熱を実行する。さらに、第1のループは、この場合同様に連絡状態であり得、放熱が第1のループ及び第2のループを通して電子デバイスに対してさらに行われ、それによって熱管理装置200の放熱能力を強化する。第1のループと第2のループの両方が切り離されているとき、第1の液体冷却板202と第2の液体冷却板204とは切り離されており、断熱構造205は、電子デバイスを外部気流から隔離することができ、それによって電子デバイスの断熱機能を行う。
【0055】
第3の電磁弁が閉じられ、第2の循環ポンプがオフになるとき、第2のループ内の静止した冷却剤が、電子デバイスからの熱を運び去ることができ、それによって放熱機能を行うことを理解することは難しくない。第3の電磁弁が閉じられ、第2の循環ポンプがオンになるとき、第2のループ内の循環冷却剤は、電子デバイスからの熱を運び去ることができ、それによって放熱機能を行う。循環冷却剤は、静止した冷却剤の熱伝導能力よりも強い熱伝導能力を有し、それゆえ、より良好な放熱効果を有する。
【0056】
加えて、第2のループは、熱交換器をさらに含み得、熱交換器は、冷却システムと熱を交換するように構成され、それによって電子デバイスに対して放熱を行う。この場合、電子デバイスからの熱が第1の液体冷却板202に最初に伝達され、第1の液体冷却板202は、第2のループ内の冷却剤を使用することによって熱交換器に熱を伝達する。熱管理装置200の放熱効果が、熱交換器に接続された冷却システムの機能を使用することによって強化される。
【0057】
加えて、熱管理装置200は、第2のループ内に直列に接続された加熱器をさらに含み得、加熱器は、電子デバイスを加熱するように構成され得る。
【0058】
本出願の本実施形態で、電子デバイスの有効寿命及び性能に対する低温の悪影響を回避するために、断熱構造205を使用することによって、断熱が電子デバイスに対して行われ得る。しかしながら、電子デバイスが特に低い周囲温度にあるとき、断熱構造205の機能は限定される。この場合、電子デバイスは、第2のループ内に直列に接続された加熱器を使用することによって加熱され得、それによって電子デバイスに対する低温の影響を軽減する。例えば、バッテリモジュールが極めて寒い環境にあるとき、低温がバッテリモジュールの充放電容量を減らし、バッテリモジュールの寿命に影響を与え、さらには危険をもたらす場合がある。この場合、前述の状況を回避するために、加熱器はバッテリモジュールを加熱するために使用され得る。
【0059】
電子デバイスが、加熱器を使用することによって加熱されるとき、加熱持続時間は、電子デバイスの温度及び周囲温度に基づいて決定され得る。例えば、同じ周囲温度の場合、電子デバイスのより低い温度が、より長い加熱持続時間を必要とする。
【0060】
第2のループ内に直列に接続されている、第1の液体冷却板202、第2の循環ポンプ、第3の電磁弁、熱交換器、及び加熱器などのデバイスの直列接続順序は、本出願の本実施形態で具体的に限定されないことに留意されたい。
【0061】
結論として、本出願の本実施形態で提供される熱管理装置200で、第1の電磁弁201及び第2の電磁弁203は、両方とも閉じられているか、又はそれらは両方とも開いている。第1の電磁弁201及び第2の電磁弁203が閉じられているとき、第1の液体冷却板202は、第2の液体冷却板204と連絡し、電子デバイスからの熱は、第1の液体冷却板202に伝導され得、第1のループを通して第2の液体冷却板204にさらに伝導され得、熱は、外部気流によって第2の液体冷却板204上で運び去られ、それによって電子デバイスの放熱を実行する。第1の電磁弁201及び第2の電磁弁203が開いているとき、第1の液体冷却板202と第2の液体冷却板204とは切り離されており、断熱構造205は、外部気流を隔離する機能を行うことができ、それによって電子デバイスの断熱を実行する。それゆえ、本出願の本実施形態で提供される熱管理装置200を使用することによって、電子デバイスの放熱要求と断熱要求の両方が満たされ得る。
【0062】
さらに、熱管理装置200が第2のループを含むとき、電子デバイスの放熱又は断熱を実行するために、第2のループの連絡又は切断が、第3の電磁弁を使用することによって実行され得る。第1のループと第2のループとの間の協調を通して、放熱が電子デバイスに対して行われる必要があるとき、第1のループ及び第2のループのうちの1つ又は2つが、異なる程度で電子デバイスからの熱を放散するために選択され得、第1のループは、放熱性能を強化し得る。断熱が電子デバイスに対して行われる必要があるとき、第1の液体冷却板202と第2の液体冷却板204とは切り離され、断熱構造205は、外部気流を隔離する機能を行うことができ、それによって電子デバイスの断熱を実行する。
【0063】
同じ発明概念に基づき、本出願の一実施形態が熱管理装置を提供する。熱管理装置は、熱管理装置200の一具体例とみなされ得る。図4を参照すると、熱管理装置は、空調冷却ループ、放熱及び加熱ループ(第2のループの一具体例とみなされ得る)、並びに新しく追加されたサブループ(第1のループの一具体例とみなされ得る)を含む。
【0064】
空調冷却ループは、圧縮器101、凝縮器102、蒸発器103、並びに圧縮器101、凝縮器102、及び蒸発器103を接続する循環パイプラインを含む。パイプラインには冷媒が充填され、冷媒は対応する循環ポンプによって駆動される。放熱及び加熱ループは、バッテリパック液体冷却板104(第1の液体冷却板202の一具体例とみなされ得る)、液体貯蔵タンク105、冷却循環ポンプ106(第2の循環ポンプの一具体例とみなされ得る)、電磁弁107(第3の電磁弁の一具体例とみなされ得る)、PTC加熱器108、並びにバッテリパック液体冷却板104、液体貯蔵タンク105、冷却循環ポンプ106、電磁弁107、及びPTC加熱器108を接続するパイプラインを含む。バッテリパック液体冷却板104及びパイプラインには、冷却剤が充填され、冷却循環ポンプ106は、冷却剤を駆動するように構成され、電磁弁107は、ループの連絡又は切断を制御するように構成される。平板熱交換器109を使用することによって空調冷却ループと放熱及び加熱ループとの間で熱が交換される。
【0065】
放熱及び加熱ループについては、図1の放熱及び加熱ループの関連説明を参照されたい。ここでは詳細は繰り返し説明されない。
【0066】
加えて、新しく追加されたサブループは、断熱通路の開閉を実行することができる。放熱要求があるとき、断熱通路は閉じられ、液体冷却放熱以外の別の放熱方法(バッテリパックフレーム及び自動車シャシによって行われる熱吸収、並びに放熱のための、バッテリパック外の高速流動空気の強制対流)が使用可能である。断熱要求があるとき、断熱通路は開かれる。具体的には、新しく追加されたサブループは、バッテリパック液体冷却板104、追加の液体冷却板110(第2の液体冷却板204の一具体例とみなされ得る)、循環ポンプ111(第1の循環ポンプの一具体例とみなされ得る)、電磁弁112(第1の電磁弁201の一具体例とみなされ得る)、電磁弁113(第2の電磁弁203の一具体例とみなされ得る)、及び冷却剤循環パイプラインを主に含む。
【0067】
バッテリパック液体冷却板104及び追加の液体冷却板110は、平行に配置され、断熱フォームが2つの液体冷却板の間に充填される。断熱効果を改善するために、断熱フォームの材料がシリカエーロゲルであり得、断熱フォームの厚さが通常約10mmである。熱伝導性接着剤が追加の液体冷却板110の底部とバッテリパック底板との間に充填される。熱伝導性接着剤の厚さが通常1.0mm~1.2mmである。追加の液体冷却板110は、熱伝導抵抗を減らすために、追加の液体冷却板110とバッテリパックフレームとの間の固定力を使用することによってしっかりと熱伝導性接着剤を押圧する。バッテリパックの重量を減らし、バッテリパックのエネルギー密度を改善するために、追加の液体冷却板110は、バッテリパック底板と一体化されてもよい。一体化の後、構成要素は、液体冷却板とバッテリパック底板の両方として機能し、熱伝導性接着剤は、この場合必要とされない。バッテリパック液体冷却板104、追加の液体冷却板110、循環ポンプ111、電磁弁112、及び電磁弁113は、冷却剤パイプラインを通して直列に接続されている。冷却剤パイプライン、バッテリパック液体冷却板104、及び追加の液体冷却板110には、冷却剤が充填され、グリコールと水の混合物が、冷却剤に選択され得、ここでグリコールが冷却剤の体積の50%を占め、水が冷却剤の体積の50%を占める。循環ポンプ111は、冷却剤を新しく追加されたサブループ内で循環するよう駆動するように構成される。電磁弁112及び電磁弁113は、2つの液体冷却板が必要に応じて連絡するか又は切り離すことを可能にするように構成される。すなわち、放熱要求があるとき、バッテリパック液体冷却板104は追加の液体冷却板110と連絡し、断熱要求があるとき、バッテリパック液体冷却板104と追加の液体冷却板110とは切り離される。
【0068】
放熱がバッテリモジュールに対して行われる必要があるとき、2つの任意選択の放熱ループがあり得る。すなわち、1.バッテリモジュールからの熱が、バッテリパック液体冷却板104に伝達され、バッテリパック液体冷却板104は、放熱及び加熱ループ内の循環冷却剤に熱を伝達し、循環冷却剤は、平板熱交換器109に熱を伝達し、平板熱交換器109は、空調冷却システムに熱を伝達し、それによってバッテリモジュールの放熱を実行する。2.放熱がバッテリモジュールに対して行われる必要があるとき、電磁弁112及び電磁弁113は閉じられ、バッテリモジュールからの熱が、バッテリパック液体冷却板104に伝達され、その後、電子デバイスからの熱が、新しく追加されたサブループ内の冷却剤を使用することによってバッテリパック底板に伝達され得、それによって放熱を実行する。具体的な実装形態で、2つの放熱ループの一方又は両方が必要に応じて選択され得る。
【0069】
バッテリモジュールが加熱される必要があるとき、車両コントローラは、PTC加熱を開始するリクエストを送る。PTC加熱器108は、循環冷却剤を加熱し、循環冷却剤は、バッテリパック液体冷却板104に熱を伝達し、バッテリパック液体冷却板104は、バッテリモジュールに熱を最終的に伝達し、それによってバッテリモジュールの加熱を実行する。
【0070】
断熱がバッテリモジュールに対して行われる必要があるとき、電磁弁112及び電磁弁113は開かれ、その結果、新しく追加されたサブループは遮断され、新しく追加されたサブループは放熱機能を行うことができない。バッテリパック液体冷却板104と追加の液体冷却板110との間に充填された断熱フォームは、バッテリモジュールの底部からバッテリパックフレームへの伝熱経路を遮断する。それゆえ、バッテリモジュールからの熱が外に伝達されにくく、熱は、バッテリパック底板又は自動車シャシによって吸収されたり空気対流によって運び去られたりしにくく、それによって断熱要求を満たす。
【0071】
図4に示された熱管理装置は、熱管理装置200の一具体例とみなされ得ることに留意されたい。詳細に説明されていない図4に示された熱管理装置の実装形態及び技術的効果については、熱管理装置200の関連説明を参照されたい。ここでは詳細は繰り返し説明されない。
【0072】
同じ技術的概念に基づき、本出願の一実施形態が熱管理システムをさらに提供する。図5に示されるように、熱管理システム500は、コントローラ501及び熱管理装置502を含む。熱管理装置502の具体的な実装形態については、熱管理装置200の関連説明を参照されたい。熱管理装置502は、バッテリモジュールに対して熱管理を行うように構成され得る。
【0073】
具体的には、コントローラ501は、バッテリモジュールの温度を検出し、バッテリモジュールの温度が第1の事前設定温度よりも低いことを検出したとき、第1の電磁弁及び第2の電磁弁を閉じるように制御するとともに第1の循環ポンプをオフになるように制御し、第3の電磁弁を開くように制御するとともに第2の循環ポンプをオフになるように制御するように構成される。
【0074】
第1の事前設定温度は必要に応じて設定され得る。例えば、それは35℃に設定され得る。
【0075】
バッテリモジュールの温度が過度に高くないとき、バッテリモジュールは高い放熱要求を有さない。この場合、第2のループを遮断するために、第3の電磁弁は開くように制御され得、かつ第2の循環ポンプはオフになるように制御され得、第1の電磁弁及び第2の電磁弁は閉じるように制御され、かつ第1の循環ポンプはオフになるように制御される。この場合、第1のループ内の静止した冷却剤が、バッテリモジュールからの熱をバッテリパック底板に伝達することができ、外部気流を使用することによって、放熱がバッテリモジュールに対して行われる。
【0076】
前述の放熱シナリオに加えて、コントローラは、多くのシナリオで電磁弁及び循環ポンプなどの異なる設定を使用することによって異なる程度で放熱を行うことができる。これらの方式の3つが以下に列挙される。
【0077】
方式1
コントローラ501は、バッテリモジュールの温度が第1の事前設定温度よりも高く、第2の事前設定温度よりも低い(例えば、バッテリモジュールの温度が35℃よりも高く45℃よりも低い)ことを検出したとき、第1の電磁弁及び第2の電磁弁を閉じるように制御するとともに第1の循環ポンプをオンになるように制御し、第3の電磁弁を開くように制御するとともに第2の循環ポンプをオフになるように制御するようにさらに構成される。
【0078】
方式1で、バッテリモジュールは、前述のシナリオにおける放熱要求よりも高い放熱要求を有する(バッテリモジュールの温度は、より高い)。この場合、第2のループを遮断するために、第3の電磁弁は開くように制御され得、かつ第2の循環ポンプはオフになるように制御され得、第1の電磁弁及び第2の電磁弁は閉じるように制御され、かつ第1の循環ポンプはオンになるように制御される。この場合、第1のループ内の循環冷却剤は、バッテリモジュールからの熱をバッテリパック底板に伝達することができ、外部気流を使用することによって、放熱がバッテリモジュールに対して行われる。第1の循環ポンプによって駆動されて、第1のループ内の冷却剤は循環することができる。それゆえ、前述のシナリオにおける放熱効果と比較して、方式1における放熱効果が、より良好である。
【0079】
方式2
コントローラ501は、バッテリモジュールの温度が第2の事前設定温度よりも高く、第3の事前設定温度よりも低い(例えば、バッテリモジュールの温度が45℃よりも高く50℃よりも低い)ことを検出したとき、第1の電磁弁及び第2の電磁弁を閉じるように制御するとともに第1の循環ポンプをオフになるように制御し、第3の電磁弁を閉じるように制御するとともに第2の循環ポンプをオンになるように制御するようにさらに構成される。
【0080】
バッテリモジュールの温度が比較的高いとき、バッテリモジュールは、より高い放熱要求を有する。この場合、第1の電磁弁、第2の電磁弁、及び第3の電磁弁は、閉じるように制御され得、第2の循環ポンプはオンになるように制御され得、第1の循環ポンプはオフになるように制御され得る。そのとき、第2の循環ポンプによって駆動されて、第1のループ及び第2のループ内の冷却剤は循環する。バッテリモジュールからの熱の一部分が、第2のループ内の循環冷却剤を使用することによって冷却システムに伝達され、バッテリモジュールからの熱のその他の部分は、第1のループ内の循環冷却剤を使用することによってバッテリパック底板に伝達され、次いで外部気流によって運び去られる。第1のループと第2のループの両方が放熱機能を行う。
【0081】
方式2で、第1の循環ポンプの軸動力が十分に大きいので、期待される放熱効果を達成するために、第1のループ及び第2のループは、第1の循環ポンプのみをオンにすることによって駆動され得る。
【0082】
方式3
コントローラ501は、バッテリモジュールの温度が第3の事前設定温度よりも高い(例えば、バッテリモジュールの温度が50℃よりも高い)ことを検出したとき、第1の電磁弁及び第2の電磁弁を閉じるように制御するとともに第1の循環ポンプをオンになるように制御し、第3の電磁弁を閉じるように制御するとともに第2の循環ポンプをオンになるように制御するようにさらに構成される。
【0083】
バッテリモジュールの温度が比較的高いとき、バッテリモジュールは、より高い放熱要求を有する。この場合、第1の電磁弁、第2の電磁弁、及び第3の電磁弁は、閉じるように制御され得、第1の循環ポンプ及び第2の循環ポンプは、オンになるように制御され得る。そのとき、第1の循環ポンプ及び第2の循環ポンプによって駆動されて、第1のループ内の冷却剤及び第2のループ内の冷却剤は循環する。バッテリモジュールからの熱の一部分が、第2のループ内の循環冷却剤を使用することによって冷却システムに伝達され、バッテリモジュールからの熱のその他の部分は、第1のループ内の循環冷却剤を使用することによってバッテリパック底板に伝達され、次いで外部気流によって運び去られる。第1のループと第2のループの両方が放熱機能を行う。
【0084】
方式3で、第1の循環ポンプ及び第2の循環ポンプの軸動力が比較的小さく、バッテリモジュールの温度は比較的高いので、期待される放熱効果を達成するために、2つの循環ポンプは、第1のループ及び第2のループを駆動するためにオンにされ得る。
【0085】
任意選択で、コントローラ501は、第1の電磁弁、第2の電磁弁、及び第3の電磁弁を閉じるように制御し、第1の循環ポンプ及び第2の循環ポンプをオンになるように制御するように、さらに構成される。
【0086】
例えば、バッテリモジュールが急速充電状態にあるとき、第1の電磁弁、第2の電磁弁、及び第3の電磁弁は、閉じるように制御され得、第1の循環ポンプ及び第2の循環ポンプは、オンになるように制御され、その結果、冷却システムと外部気流の両方を使用することによって、放熱がバッテリモジュールに対して行われる。
【0087】
バッテリモジュールが急速充電状態にあるとき、バッテリモジュールの温度は比較的高く、放熱がバッテリモジュールに対して行われる必要がある。この場合、第1の電磁弁、第2の電磁弁、及び第3の電磁弁は、閉じるように制御され、第1の循環ポンプ及び第2の循環ポンプは、オンになるように制御される。第1のループと第2のループの両方には、循環冷却剤が充填されている。バッテリモジュールから第2のループに伝達された熱が、冷却システムによって運び去られ、バッテリモジュールから第1のループに伝達された熱が、外部気流によってバッテリパック底板上で運び去られ、両方のループが、バッテリモジュールの放熱機能を行うことができる。それゆえ、バッテリモジュールの温度は、急速充電状態で大幅に下げられる。
【0088】
加えて、急速充電ステーションに空冷設備が設けられている場合、空冷設備は、バッテリパック底板の下にさらに配置され得、空冷設備は、強制対流を使用することによって、第1のループを通してバッテリパック底板に伝達された熱を運び去ることができる。換言すれば、空冷設備がバッテリパック底板の下に配置される場合、バッテリパック底板上の空気対流がより強く、バッテリモジュールから第1のループに伝達された熱がバッテリパック底板に到達した後、熱は、より速く強制対流によって運び去られ得、それによってより良好な放熱効果を達成する。
【0089】
任意選択で、コントローラ501は、第1の電磁弁及び第2の電磁弁を開くように制御するとともに第1の循環ポンプをオフになるように制御し、第3の電磁弁を開くように制御するとともに第2の循環ポンプをオフになるように制御するようにさらに構成される。
【0090】
例えば、断熱がバッテリモジュールに対して行われる必要があるとき、第1の電磁弁、第2の電磁弁、及び第3の電磁弁は、開くように制御され、第1の循環ポンプ及び第2の循環ポンプは、オフになるように制御され、その結果、第1の液体冷却板と第2の液体冷却板とは切り離される。第1の液体冷却板と第2の液体冷却板との間に充填された断熱構造が、断熱機能を行うためにバッテリモジュールを外部から隔離することができる。断熱構造を使用することによって、断熱がバッテリモジュールに対して行われる。
【0091】
同じ技術的概念に基づき、図4に示された熱管理装置を制御するとき、コントローラは、3つのシナリオ、すなわち、急速充電シナリオ、駆動中の動作条件、及び断熱中の動作条件で、異なる制御ポリシを使用することができる。
【0092】
1.急速充電シナリオ
(1)充電ステーションに空冷設備が設けられているとき、コントローラは、冷却循環ポンプ106及び循環ポンプ111をオンになるように、電磁弁107、電磁弁112、及び電磁弁113を閉じるように制御し、空冷設備は、バッテリパックの底部に配置される。バッテリによって生成された熱の一部が冷却剤によって運び去られる。熱のその他の部分は、追加の液体冷却板にバッテリパック液体冷却板によって伝導され、次いで追加の液体冷却板からバッテリパック底板及び自動車シャシに伝導され、ここで熱の一部がバッテリパック底板及び自動車シャシによって吸収及び貯蔵され、熱の一部が充電ステーションの空冷設備からの強制対流によって運び去られる。
【0093】
(2)充電ステーションに空冷設備がなく、外部の周囲温度が比較的低いとき、コントローラは、冷却循環ポンプ106及び循環ポンプ111をオンになるように、電磁弁107、電磁弁112、及び電磁弁113を閉じるように制御する。バッテリによって生成された熱の一部が冷却剤によって運び去られ、熱のその他の部分は、バッテリパック底板及び自動車シャシによって吸収及び貯蔵され、自然の空気対流によって運び去られる。周囲温度が比較的低いので、エネルギー消費を減らすために、液体冷却板の液体入口温度が上昇させられてもよい。
【0094】
2.車両駆動中の動作条件
(1)セル温度が35℃未満のとき、コントローラは、冷却循環ポンプ106及び循環ポンプ111をオフになるように、電磁弁107を開くように、電磁弁112及び電磁弁113を閉じるように制御する。バッテリモジュールによって生成された熱が、バッテリパック液体冷却板104に最初に伝達される。バッテリパック液体冷却板104は、新しく追加されたサブループ内の冷却剤を加熱し、次いで追加の液体冷却板110を加熱する。追加の液体冷却板110は、次に、バッテリパック底板及び自動車シャシに熱を伝達する。バッテリパック底板及び自動車シャシに伝達された熱の一部がバッテリパック底板及び自動車シャシによって吸収及び貯蔵され、熱のその他の部分は、バッテリパック内のすべてのセルが均一な温度状態にあることを保証するために、バッテリパック外の高速流動空気の強制対流によって運び去られる。
【0095】
(2)セル温度が38℃以上かつ45℃未満のとき、コントローラは、冷却循環ポンプ106をオフになるように、電磁弁107を開くように制御し、循環ポンプ111をオンになるように、電磁弁112及び電磁弁113を閉じるように制御する。新しく追加されたサブループ内の冷却剤は循環し、循環冷却剤は、バッテリモジュールから追加の液体冷却板110に熱を伝達することができ、次いで追加の液体冷却板110は、バッテリパック底板及び自動車シャシに熱を伝達する。バッテリパック底板及び自動車シャシに伝達された熱の一部が、バッテリパック底板及び自動車シャシによって吸収及び貯蔵され、熱のその他の部分は、バッテリパック外の高速流動空気の強制対流によって運び去られる。
【0096】
(3)セル温度が45℃以上のとき、コントローラは、循環ポンプ111をオフになるように、冷却循環ポンプ106をオンになるように、電磁弁107、電磁弁112及び電磁弁113を閉じるように制御する。この動作条件で、放熱及び加熱ループ並びに新しく追加されたサブループは、新しい液体冷却ループにまとめられ、それによって熱管理装置の放熱能力を強化する。バッテリモジュールからの熱の一部がバッテリパック液体冷却板104に伝達され、次いでバッテリパック液体冷却板104上の循環冷却剤によって平板熱交換器109に運ばれ、平板熱交換器109上の熱は、次に、車両の空調システムによって運び去られる。バッテリからの熱のその他の部分は、バッテリパック液体冷却板104に最初に伝達され、次いで循環冷却剤によって追加の液体冷却板110に伝達され、次いで追加の液体冷却板110は、バッテリパック底板及び自動車シャシに熱を伝達する。バッテリパック底板及び自動車シャシに伝達された熱の一部が、バッテリパック底板及び自動車シャシによって吸収及び貯蔵され、熱のその他の部分は、バッテリパック外の高速流動空気の強制対流によって運び去られる。
【0097】
3.断熱中の動作条件
断熱が必要とされるとき、コントローラは、冷却循環ポンプ106及び循環ポンプ111をオフになるように、電磁弁107、電磁弁112及び電磁弁113を開くように制御する。この場合、バッテリパック液体冷却板104は、追加の液体冷却板110から完全に切り離される。それゆえ、熱がバッテリパック液体冷却板104から追加の液体冷却板110に伝達されにくく、熱がバッテリパック底板及び自動車シャシによって吸収されてバッテリパック外の空気の自然対流によって運び去られることはおろか、熱が追加の液体冷却板110からバッテリパック底板及び自動車シャシに伝達されることはなく、それによってバッテリモジュールの放熱経路を遮断する。加えて、断熱フォームは、バッテリパック液体冷却板104と追加の液体冷却板110との間に充填され、断熱フォームは、バッテリモジュールとバッテリパック内部の空気との間の放熱経路を遮断し、それによって断熱機能を実行する。
【0098】
同じ技術的概念に基づき、本出願の一実施形態が新エネルギー車を提供する。図6を参照すると、新エネルギー車600は、モータ601、バッテリモジュール602、及び前述の熱管理装置200を含む。バッテリモジュール602は、モータ601に電力を提供するように構成され、熱管理装置200は、バッテリモジュール602に対して熱管理を行うように構成される。
【0099】
明らかに、当業者は、本出願の範囲から逸脱することなく、本出願に対して様々な修正及び変形を行うことができる。本出願は、本出願のこれらの修正及び変形を、それらが以下の特許請求の範囲及びその均等な技術によって規定される保護範囲内に入る限りにおいて包含するように意図されている。
【符号の説明】
【0100】
101 圧縮器
102 凝縮器
103 蒸発器
104 バッテリパック液体冷却板
105 液体貯蔵タンク
106 冷却循環ポンプ
107 電磁弁
108 PTC加熱器
109 平板熱交換器
110 追加の液体冷却板
111 循環ポンプ
112 電磁弁
113 電磁弁
200 熱管理装置
201 第1の電磁弁
202 第1の液体冷却板
203 第2の電磁弁
204 第2の液体冷却板
205 断熱構造
500 熱管理システム
501 コントローラ
502 熱管理装置
600 新エネルギー車
601 モータ
602 バッテリモジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-09-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本出願は、新エネルギー技術の分野に関し、特に、熱管理装置、熱管理システム、及び新エネルギー車に関する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱管理装置であって、前記熱管理装置は、電子デバイスに対して熱管理を行うように構成され、前記熱管理装置は、第1の電磁弁、第1の液体冷却板、第2の電磁弁、及び第2の液体冷却板が直列に順次接続されている第1のループと、断熱構造とを備え、
前記第2の液体冷却板、前記断熱構造、及び前記第1の液体冷却板は、順次積み重ねられており、前記第1の液体冷却板は、前記電子デバイスとの熱伝達を行うことが可能であり、前記第1の電磁弁及び前記第2の電磁弁が閉じられているとき、前記第1の液体冷却板は、前記第2の液体冷却板と連絡し、前記第1の電磁弁及び前記第2の電磁弁が開いているとき、前記第1の液体冷却板と前記第2の液体冷却板とは、切り離されている、熱管理装置。
【請求項2】
前記第1のループ内に直列に接続された第1の循環ポンプであって、前記第1の循環ポンプは、冷却剤を前記第1のループ内で循環するよう駆動するように構成される、第1の循環ポンプ
をさらに備える、請求項1に記載の熱管理装置。
【請求項3】
前記第1の液体冷却板及び前記第2の液体冷却板は、平行に配置される、請求項1又は2に記載の熱管理装置。
【請求項4】
第2のループであって、前記第2のループは、直列に接続されている、前記第1の液体冷却板、第2の循環ポンプ、及び第3の電磁弁を備え、前記第2の循環ポンプは、冷却剤を前記第2のループ内で循環するよう駆動するように構成され、前記第3の電磁弁は、前記第2のループの連絡又は切断を実行するように構成される、第2のループ
をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の熱管理装置。
【請求項5】
前記第2のループ内に直列に接続された熱交換器であって、前記熱交換器は、冷却システムと熱を交換するように構成される、熱交換器
をさらに備える、請求項4に記載の熱管理装置。
【請求項6】
前記電子デバイスはバッテリモジュールである、請求項1から5のいずれか一項に記載の熱管理装置。
【請求項7】
熱管理システムであって、コントローラと、請求項1から6のいずれか一項に記載の熱管理装置とを備え、前記コントローラは、
ッテリモジュールの温度を検出し、
前記バッテリモジュールの前記温度が第1の事前設定温度よりも低いことを検出したとき、第1の電磁弁及び第2の電磁弁を閉じるように制御するとともに第1の循環ポンプをオフになるように制御し、第3の電磁弁を開くように制御するとともに第2の循環ポンプをオフになるように制御する
ように構成される、熱管理システム。
【請求項8】
前記コントローラは、
前記バッテリモジュールの前記温度が前記第1の事前設定温度よりも高く、第2の事前設定温度よりも低いことを検出したとき、前記第1の電磁弁及び前記第2の電磁弁を閉じるように制御するとともに前記第1の循環ポンプをオンになるように制御し、前記第3の電磁弁を開くように制御するとともに前記第2の循環ポンプをオフになるように制御する
ようにさらに構成される、請求項7に記載の熱管理システム。
【請求項9】
前記コントローラは、
前記バッテリモジュールの前記温度が第2の事前設定温度よりも高く、第3の事前設定温度よりも低いことを検出したとき、前記第1の電磁弁及び前記第2の電磁弁を閉じるように制御するとともに前記第1の循環ポンプをオフになるように制御し、前記第3の電磁弁を閉じるように制御するとともに前記第2の循環ポンプをオンになるように制御する
ようにさらに構成される、請求項7又は8に記載の熱管理システム。
【請求項10】
前記コントローラは、
前記バッテリモジュールの前記温度が第3の事前設定温度よりも高いことを検出したとき、前記第1の電磁弁及び前記第2の電磁弁を閉じるように制御するとともに前記第1の循環ポンプをオンになるように制御し、前記第3の電磁弁を閉じるように制御するとともに前記第2の循環ポンプをオンになるように制御する
ようにさらに構成される、請求項7又は8に記載の熱管理システム。
【請求項11】
前記コントローラは、
前記第1の電磁弁、前記第2の電磁弁、及び前記第3の電磁弁を閉じるように制御し、前記第1の循環ポンプ及び前記第2の循環ポンプをオンになるように制御する
ようにさらに構成される、請求項7から10のいずれか一項に記載の熱管理システム。
【請求項12】
前記コントローラは、
前記第1の電磁弁及び前記第2の電磁弁を開くように制御するとともに前記第1の循環ポンプをオフになるように制御し、前記第3の電磁弁を開くように制御するとともに前記第2の循環ポンプをオフになるように制御する
ようにさらに構成される、請求項7から11のいずれか一項に記載の熱管理システム。
【請求項13】
新エネルギー車であって、モータと、バッテリモジュールと、請求項1から6のいずれか一項に記載の熱管理装置とを備え、前記バッテリモジュールは、前記モータに電力を提供するように構成され、前記熱管理装置は、前記バッテリモジュールに対して熱管理を行うように構成される、新エネルギー車。
【国際調査報告】