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特表2022-527248肺処置に使用する密封材送出装置、ならびにそれを準備するためのシステムおよび方法
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  • 特表-肺処置に使用する密封材送出装置、ならびにそれを準備するためのシステムおよび方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-01
(54)【発明の名称】肺処置に使用する密封材送出装置、ならびにそれを準備するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20220525BHJP
   A61B 17/34 20060101ALI20220525BHJP
【FI】
A61B17/00 400
A61B17/00 500
A61B17/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021556716
(86)(22)【出願日】2020-03-20
(85)【翻訳文提出日】2021-10-20
(86)【国際出願番号】 US2020023772
(87)【国際公開番号】W WO2020197969
(87)【国際公開日】2020-10-01
(31)【優先権主張番号】62/822,490
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591018693
【氏名又は名称】シー・アール・バード・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】1 Becton Drive Franklin Lakes NEW JERSEY 07417 UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 修
(74)【代理人】
【識別番号】100220065
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 幸輝
(72)【発明者】
【氏名】アディソン,ジョーダン・ピー
(72)【発明者】
【氏名】グラスピー,コルティン・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ストーム,ヘザー・エイ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD01
4C160DD55
4C160FF48
4C160MM18
4C160MM32
(57)【要約】
肺アクセス処置において気胸の予防を支援するために使用する密封材送出装置は、密封材アプリケータデバイスおよび注射針組立体を含む。注射針組立体は、ハブおよび細長い中空のスタイレットを有する。ハブは、密封材アプリケータデバイスに取り外し可能に接続するように構成されている。細長い中空のスタイレットは、多成分密封材を受け入れるために、密封材アプリケータデバイスの少なくとも1つの出力ポートとの流体連通を促進するように構成されている。細長い中空のスタイレットは、近位部分、閉じた遠位端を有する遠位部分、および閉じた遠位端に近位の複数の側ポートを有する。複数の側ポートが、遠位部分において、内腔から、細長い中空のスタイレットの側壁を通って半径方向に延在する。複数の側ポートは、密封材アプリケータデバイスの少なくとも1つの出力ポートと流体連通している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
肺アクセス処置において気胸の予防を支援するために使用する密封材送出装置であって、
多成分密封材の第1の密封材成分および前記多成分密封材の第2の密封材成分の各々を個別に搬送するように構成された密封材アプリケータデバイスであって、少なくとも1つの出力ポートを有する密封材アプリケータデバイスと、
ハブと、前記ハブから遠位へ延在する細長い中空のスタイレットとを有する注射針組立体であって、前記ハブが、前記密封材アプリケータデバイスに取り外し可能に接続するように構成されており、前記細長い中空のスタイレットが、前記多成分密封材を受け入れるために、前記密封材アプリケータデバイスの前記少なくとも1つの出力ポートとの流体連通を促進するように構成されている、注射針組立体とを備え、
前記細長い中空のスタイレットが近位部分および遠位部分を有し、前記遠位部分が、閉じた遠位端と、前記閉じた遠位端の近位の複数の側ポートとを有し、前記細長い中空のスタイレットが、内腔を囲む側壁を有し、前記複数の側ポートが、前記遠位部分において、前記内腔から前記細長い中空のスタイレットの前記側壁を通って半径方向に延在し、前記複数の側ポートが、前記密封材アプリケータデバイスの前記少なくとも1つの出力ポートと流体連通している、密封材送出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記細長い中空のスタイレットの前記遠位部分における前記複数の側ポートが、前記細長い中空のスタイレットの周囲に配置された、前記遠位部分における少なくとも3つの側ポートを備える、装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の装置であって、
前記細長い中空のスタイレットの前記遠位部分における前記複数の側ポートが、長手方向に間隔を置いて配置された少なくとも2つの側ポートを含む、装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の装置であって、
前記細長い中空のスタイレットの前記閉じた遠位端が、前記内腔の遠位の広がりを終結させる閉じた針先である、装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の装置であって、
前記細長い中空のスタイレットが、
前記側壁および前記内腔を画定する細長いカニューレと、
前記閉じた遠位端によって画定されたスタイレット針先であって、前記細長いカニューレの前記内腔を遠位部で閉じるために前記細長いカニューレに取り付けられているスタイレット針先と
を備える、装置。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の装置であって、
前記密封材アプリケータデバイスが、
アクチュエータと、前記多成分密封材の前記第1の密封材成分を搬送するように構成された第1の成分のチャンバと、前記多成分密封材の前記第2の密封材成分を搬送するように構成された第2の成分のチャンバとを有する対の注射器であって、前記アクチュエータが第1のピストンおよび第2のピストンを含み、前記第1のピストンが、前記第1の密封材成分の近位にある前記第1の成分のチャンバの中に配置されており、前記第2のピストンが、前記第2の密封材成分の近位にある前記第2の成分のチャンバの中に配置されている、対の注射器と、
第1の入力ポート、第2の入力ポート、および前記少なくとも1つの出力ポートを含むマニフォールドであって、前記少なくとも1つの出力ポートが前記第1の入力ポートおよび前記第2の入力ポートの各々と流体連通しており、前記第1の入力ポートが前記第1の成分のチャンバと流体連通しており、前記第2の入力ポートが前記第2の成分のチャンバと流体連通している、マニフォールドと
を含む、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であって、
前記マニフォールドが、前記第1の入力ポートと、前記第2の入力ポートと、単一の出力ポートとして構成された前記少なくとも1つの出力ポートとを含む内部のY通路を有するYコネクタであり、前記単一の出力ポートが、前記閉じた遠位端を有する前記細長い中空のスタイレットの前記遠位端における前記複数の側ポートと流体連通している、装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の装置であって、
カニューレ内腔および遠位の環状リムを有する導入器カニューレであって、前記カニューレ内腔が前記注射針組立体の前記細長い中空のスタイレットを受け入れるように構成されており、前記注射針組立体の前記細長い中空のスタイレットが前記導入器カニューレの前記カニューレ内腔に完全に挿入されたとき、前記複数の側ポートが前記導入器カニューレの前記遠位の環状リムから遠位に配置される、導入器カニューレをさらに備える、装置。
【請求項9】
肺アクセス処置で使用する密封材送出装置を準備するためのシステムであって、
前記密封材送出装置であって、前記密封材送出装置が第1の対の注射器を含み、前記第1の対の注射器が、第1のアクチュエータと、第1の成分のポートを有する第1の成分のチャンバと、第2の成分のポートを有する第2の成分のチャンバとを含み、前記第1のアクチュエータが第1のピストンおよび第2のピストンを含み、前記第1のピストンが前記第1の成分のチャンバの中に配置されており、前記第2のピストンが前記第2の成分のチャンバの中に配置されており、前記第1の成分のチャンバが、当初は多成分密封材の第1の密封材成分の第1の粉末または溶液の成分を含有しており、前記第2の成分のチャンバが、当初は前記多成分密封材の第2の密封材成分の第2の粉末または溶液の成分を含有している、前記密封材送出装置と、
第2のアクチュエータと、第1の移送ポートを有する第1の成分の貯槽と、第2の移送ポートを有する第2の成分の貯槽とを含む第2の対の注射器であって、前記第2のアクチュエータが第3のピストンおよび第4のピストンを含み、前記第3のピストンが前記第1の成分の貯槽の中に配置されており、前記第4のピストンが前記第2の成分の貯槽の中に配置されており、前記第1の成分の貯槽が、当初は前記多成分密封材の前記第1の密封材成分の第1の液体成分を含有しており、前記第2の成分の貯槽が、当初は前記多成分密封材の前記第2の密封材成分の第2の液体成分を含有している、第2の対の注射器と、
第1の結合端および第2の結合端を有する結合機構であって、前記第1の結合端が前記第1の対の注射器に解放可能に接続するように構成されており、前記第2の結合端が前記第2の対の注射器に解放可能に接続するように構成されており、前記結合機構が第1の通路および第2の通路を有し、前記第1の通路が、前記第2の対の注射器の前記第1の移送ポートと、前記第1の対の注射器の前記第1の成分のポートとの間の流体連通を促進するように構成されており、前記第2の通路が、前記第2の対の注射器の前記第2の移送ポートと、前記第1の対の注射器の前記第2の成分のポートとの間の流体連通を促進するように構成されている、結合機構と
を備えるシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、
前記第1の対の注射器の前記第1のアクチュエータが前記第1のピストンと前記第2のピストンとを同時に動かすように構成されており、前記第2の対の注射器の前記第2のアクチュエータが前記第3のピストンと前記第4のピストンとを同時に動かすように構成されている、システム。
【請求項11】
請求項9または10に記載のシステムであって、
前記第2の対の注射器が、前記第2のアクチュエータの第1の押込みによって、前記第1の密封材成分の前記第1の粉末または溶液の成分を搬送する前記第1の成分のチャンバの中へ前記第1の密封材成分の前記第1の液体成分を移動させ、同時に、前記第2の密封材成分の前記第2の粉末または溶液の成分を搬送する前記第2の成分のチャンバの中へ前記第2の密封材成分の第2の液体成分を移動させるように構成されている、システム。
【請求項12】
請求項9から11のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記第1の対の注射器と前記第2の対の注射器とが、前記第2のアクチュエータと前記第1のアクチュエータとを交互に押し込むことによって、前記第1の成分の貯槽および前記第2の成分の貯槽の任意の内容物を、それぞれ前記第1の成分のチャンバおよび前記第2の成分のチャンバへ移動させることと、前記第1の成分のチャンバおよび前記第2の成分のチャンバの任意の内容物を、それぞれ前記第1の成分の貯槽および前記第2の成分の貯槽へ移動させることとを交互に行うように構成されている、システム。
【請求項13】
請求項9から12のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記第1の対の注射器と前記第2の対の注射器とが、前記第1の粉末または溶液の成分を前記第1の液体成分に水和させて前記多成分密封材の前記第1の密封材成分を形成するように構成されており、前記多成分密封材の前記第1の密封材成分は、完全に水和されたときには前記第1の対の注射器の前記第1の成分のチャンバの中に存在し、
前記第1の対の注射器と前記第2の対の注射器とが、前記第2の粉末または溶液の成分を前記第2の液体成分に水和させて前記多成分密封材の前記第2の密封材成分を形成するように構成されており、前記多成分密封材の前記第2の密封材成分は、完全に水和されたときには前記第1の対の注射器の前記第2の成分のチャンバの中に存在する、システム。
【請求項14】
請求項9から13のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記結合機構の前記第1の結合端が第1のスナップラッチおよび第2のスナップラッチを含み、前記結合機構の前記第2の結合端が第3のスナップラッチおよび第4のスナップラッチを含み、前記システムが、
前記結合機構の前記第1のスナップラッチと解放可能に係合するように構成されている、前記第1の対の注射器の前記第1の成分のチャンバに関連付けられた第1のスナップキャッチと、
前記結合機構の前記第2のスナップラッチと解放可能に係合するように構成されている、前記第1の対の注射器の前記第2の成分のチャンバに関連付けられた第2のスナップキャッチと、
前記結合機構の前記第3のスナップラッチと解放可能に係合するように構成されている、前記第2の対の注射器の前記第1の成分の貯槽に関連付けられた第3のスナップキャッチと、
前記結合機構の前記第4のスナップラッチと解放可能に係合するように構成されている、前記第2の対の注射器の前記第2の成分の貯槽に関連付けられた第4のスナップキャッチと
をさらに備えるシステム。
【請求項15】
請求項9から14のいずれか一項に記載のシステムであって、
ハブと、前記ハブから遠位へ延在する細長い中空のスタイレットとを有する注射針組立体をさらに備え、前記ハブが、前記密封材アプリケータデバイスに取り外し可能に接続するように構成されており、前記細長い中空のスタイレットが、前記多成分密封材を受け入れるために、前記密封材アプリケータデバイスの前記第1の成分のポートおよび前記第2の成分のポートとの流体連通を促進するように構成されており、前記細長い中空のスタイレットが近位部分および遠位部分を有し、前記遠位部分が、閉じた遠位端と、前記閉じた遠位端の近位の複数の側ポートとを有し、前記細長い中空のスタイレットが、内腔を囲む側壁を有し、前記複数の側ポートが、前記遠位部分において、前記内腔から、前記細長い中空のスタイレットの前記側壁を通って半径方向に延在し、前記複数の側ポートが、前記密封材アプリケータデバイスの前記第1の成分のポートおよび前記第2の成分のポートと流体連通するように構成されている、システム。
【請求項16】
肺アクセス処置で使用する密封材送出装置を準備するための方法であって、
第1のアクチュエータと、第1の成分のポートを有する第1の成分のチャンバと、第2の成分のポートを有する第2の成分のチャンバとを含む第1の対の注射器を用意するステップであって、前記第1のアクチュエータが第1のピストンおよび第2のピストンを含み、前記第1のピストンが前記第1の成分のチャンバの中に配置されており、前記第2のピストンが前記第2の成分のチャンバの中に配置されており、前記第1の成分のチャンバが、多成分密封材の第1の密封材成分の第1の粉末または溶液の成分を含有しており、前記第2の成分のチャンバが、前記多成分密封材の第2の密封材成分の第2の粉末または溶液の成分を含有している、第1の対の注射器を用意するステップと、
第2のアクチュエータと、第1の移送ポートを有する第1の成分の貯槽と、第2の移送ポートを有する第2の成分の貯槽とを含む第2の対の注射器を用意するステップであって、前記第2のアクチュエータが第3のピストンおよび第4のピストンを含み、前記第3のピストンが前記第1の成分の貯槽の中に配置されており、前記第4のピストンが前記第2の成分の貯槽の中に配置されており、前記第1の成分の貯槽が、前記多成分密封材の前記第1の密封材成分の第1の液体成分を含有しており、前記第2の成分の貯槽が、前記多成分密封材の前記第2の密封材成分の第2の液体成分を含有している、第2の対の注射器を用意するステップと、
第1の結合端および第2の結合端を有する結合機構を用意するステップであって、前記第1の結合端が前記第1の対の注射器に解放可能に接続可能であり、前記第2の結合端が前記第2の対の注射器に解放可能に接続可能であり、前記結合機構が第1の通路および第2の通路を有し、前記第1の通路が、前記第2の対の注射器の前記第1の移送ポートと、前記第1の対の注射器の前記第1の成分のポートとの間の流体連通を促進し、前記第2の通路が、前記第2の対の注射器の前記第2の移送ポートと、前記第1の対の注射器の前記第2の成分のポートとの間の流体連通を促進する、結合機構を用意するステップと
を含む方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
前記結合機構によって、前記第1の対の注射器を前記第2の対の注射器に接続するステップと、
前記第1の対の注射器の前記第1のアクチュエータを動かして前記第1のピストンと前記第2のピストンとを同時に動かすステップと、
前記第2の対の注射器の前記第2のアクチュエータを動かして前記第3のピストンと前記第4のピストンとを同時に動かすステップと
を順次に含む方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、
前記結合機構によって、前記第1の対の注射器を前記第2の対の注射器に接続するステップと、
前記第2の対の注射器の前記第2のアクチュエータを押し込むことにより、前記第1の成分の貯槽から、前記第1の密封材成分の前記第1の液体成分を、前記第1の密封材成分の前記第1の粉末または溶液の成分を搬送する前記第1の成分のチャンバの中へ移動させ、同時に、前記第2の成分の貯槽から、前記第2の密封材成分の前記第2の液体成分を、前記第2の密封材成分の前記第2の粉末または溶液の成分を搬送する前記第2の成分のチャンバの中へ移動させるステップと
を含む方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法であって、
前記結合機構によって、前記第1の対の注射器を前記第2の対の注射器に接続するステップと、
前記第1の対の注射器と前記第2の対の注射器とを順次に作動させ、前記第1の粉末または溶液の成分を前記第1の液体成分に水和させて前記多成分密封材の前記第1の密封材成分を形成するステップであって、前記多成分密封材の前記第1の密封材成分は、完全に水和されたときには前記第1の対の注射器の前記第1の成分のチャンバの中に存在する、ステップとを含み、
前記第1の対の注射器と前記第2の対の注射器とを前記順次に作動させる行為と同時に、前記第1の対の注射器と前記第2の対の注射器が、前記第2の粉末または溶液の成分を前記第2の液体成分に水和させて前記多成分密封材の前記第2の密封材成分を形成するように動作し、前記多成分密封材の前記第2の密封材成分は、完全に水和されたときには前記第1の対の注射器の前記第2の成分のチャンバの中に存在する、方法。
【請求項20】
請求項17から19のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第2の対の注射器の前記第2のアクチュエータと前記第1の対の注射器の前記第1のアクチュエータとを交互に押し込むことにより、前記第1の成分の貯槽および前記第2の成分の貯槽の任意の内容物を、それぞれ前記第1の成分のチャンバおよび前記第2の成分のチャンバへ移動させることと、前記第1の成分のチャンバおよび前記第2の成分のチャンバの任意の内容物を、前記第1の成分の貯槽および前記第2の成分の貯槽へ移動させることとを交互に行うステップを含む方法。
【請求項21】
請求項16から20のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第1の対の注射器から前記結合機構を分離するステップと、
前記第1の対の注射器に対して請求項1に記載の注射針組立体を結合するステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、参照によって本明細書に組み込まれている、2019年3月22日出願の「LUNG BIOPSY FLOWABLE SEALANT DELIVERY SYSTEM」という名称の米国仮特許出願第62/822,490号の優先権を主張するものである。
【0002】
[0002]本発明は、肺生検などの肺アクセス処置に関し、より詳細には、気胸の予防を支援するための肺処置に関連して使用する密封材送出装置、ならびにそれを準備するためのシステムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
[0003]気胸は、壁側胸膜および臓側胸膜に穿刺した結果として胸膜腔に空気または液体が入ることが可能になる肺生検処置の、問題となる合併症である。気胸、ましてや胸腔チューブ配置を必要とする気胸は、経皮の肺生検を実行している臨床医やこれを受けている患者にとって重大な問題である。経皮の肺生検を受けた患者における気胸の発生率は9~54%、平均は約15%であると報告されている。平均すると、すべての経皮の肺生検のうちの6.6%に、胸腔チューブの設置を必要する気胸が生じて、平均で2.7日入院することになる。
【0004】
[0004]気胸のリスクを高める要因は、患者の高齢化、閉塞性肺疾患、損傷の深さの増加、胸膜の複数の通路、アクセス針が胸膜を横切っている時間の増加、および裂け目の横断を含む。気胸は、処置中または処置の直後に生じ得るので、一般的には、針の取り出しに続いて対象領域のCTスキャンが実行される。他の、経皮の肺生検の、それほど一般的でない合併症は、喀血(血液を吐き出すこと)、血胸(胸膜腔に血液が蓄積する胸水のタイプ)、感染、および空気塞栓症を含む。
【0005】
[0005]肺生検の約30%が、生検後に、プラグを配置するのが困難かまたは不可能な、ある種の気胸をもたらすことが示されている。市販されている現在の密封材(シーラントとも言う)は、生検の後、気胸が形成する前または後に同軸のカニューレによって配置される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0006]当技術で必要とされるのは、気胸の予防を支援するために、生検などの肺処置に先立って胸膜腔に密封材成分を堆積させる能力を有する密封材送出装置、ならびにそれを準備するためのシステムおよび方法である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]本発明は、気胸の予防を支援するために、生検などの肺処置に先立って胸膜腔に密封材成分を堆積させる能力を有する密封材送出装置、ならびにそれを準備するためのシステムおよび方法を提供するものである。
【0008】
[0008]上記発明は、一形態において、肺アクセス処置において気胸の予防を支援するために使用する密封材送出装置を対象とするものである。密封材送出装置は、密封材アプリケータデバイス(密封材塗布装置とも言う)および注射針組立体を含む。密封材アプリケータデバイスは、多成分密封材の第1の密封材成分および多成分密封材の第2の密封材成分の各々を個別に搬送するように構成されている。密封材アプリケータデバイスは少なくとも1つの出力ポートを有する。注射針組立体は、ハブと、ハブから遠位へ延在する細長い中空のスタイレットとを有する。ハブは、密封材アプリケータデバイスに取り外し可能に接続するように構成されている。細長い中空のスタイレットは、多成分密封材を受け入れるために、密封材アプリケータデバイスの少なくとも1つの出力ポートとの流体連通を促進するように構成されている。細長い中空のスタイレットは近位部分および遠位部分を有する。遠位部分は、閉じた遠位端と、閉じた遠位端の近位の複数の側ポート(側面開口とも言う)とを有する。細長い中空のスタイレットは内腔を囲む側壁を有し、細長い中空のスタイレットの遠位部分において、複数の側ポートが内腔から側壁を通って半径方向に延在する。複数の側ポートは、密封材アプリケータデバイスの少なくとも1つの出力ポートと流体連通している。
【0009】
[0009]上記発明は、別の形態において、肺アクセス処置で使用する密封材送出装置を準備するためのシステムを対象とするものである。上記システムは、密封材送出装置に関連した第1の対の注射器と、第2の対の注射器と、結合機構とを含む。第1の対の注射器は、第1のアクチュエータ、第1の成分のポートを有する第1の成分のチャンバ、および第2の成分のポートを有する第2の成分のチャンバを含む。第1のアクチュエータは第1のピストンおよび第2のピストンを含む。第1のピストンは第1の成分のチャンバの中に配置されており、第2のピストンは第2の成分のチャンバの中に配置されている。第1の成分のチャンバは、当初は多成分密封材の第1の密封材成分の第1の粉末または溶液の成分を含有しており、第2の成分のチャンバは、当初は多成分密封材の第2の密封材成分の第2の粉末または溶液の成分を含有している。第2の対の注射器は、第2のアクチュエータ、第1の移送ポートを有する第1の成分の貯槽、および第2の移送ポートを有する第2の成分の貯槽を含む。第2のアクチュエータは第3のピストンおよび第4のピストンを含む。第3のピストンは第1の成分の貯槽の中に配置されており、第4のピストンは第2の成分の貯槽の中に配置されている。第1の成分の貯槽は、当初は多成分密封材の第1の密封材成分の第1の液体成分を含有しており、第2の成分の貯槽は、当初は多成分密封材の第2の密封材成分の第2の液体成分を含有している。結合機構は第1の結合端および第2の結合端を有する。第1の結合端は第1の対の注射器に解放可能に接続するように構成されており、第2の結合端は第2の対の注射器に解放可能に接続するように構成されている。結合機構は第1の通路および第2の通路を有する。第1の通路は、第2の対の注射器の第1の移送ポートと、第1の対の注射器の第1の成分のポートとの間の流体連通を促進するように構成されており、第2の通路は、第2の対の注射器の第2の移送ポートと、第1の対の注射器の第2の成分のポートとの間の流体連通を促進するように構成されている。
【0010】
[0010]上記発明は、別の形態において、肺アクセス処置で使用する密封材送出装置を準備するための方法を対象とするものである。上記方法は、第1のアクチュエータ、第1の成分のポートを有する第1の成分のチャンバ、および第2の成分のポートを有する第2の成分のチャンバを含む第1の対の注射器を用意するステップであって、第1のアクチュエータが第1のピストンおよび第2のピストンを含み、第1のピストンが第1の成分のチャンバの中に配置されており、第2のピストンが第2の成分のチャンバの中に配置されており、第1の成分のチャンバが、多成分密封材の第1の密封材成分の第1の粉末または溶液の成分を含有しており、第2の成分のチャンバが、多成分密封材の第2の密封材成分の第2の粉末または溶液の成分を含有している、第1の対の注射器を用意するステップと、第2のアクチュエータ、第1の移送ポートを有する第1の成分の貯槽、および第2の移送ポートを有する第2の成分の貯槽を含む、第2の対の注射器を用意するステップであって、第2のアクチュエータが第3のピストンおよび第4のピストンを含み、第3のピストンが第1の成分の貯槽の中に配置されており、第4のピストンが第2の成分の貯槽の中に配置されており、第1の成分の貯槽が、多成分密封材の第1の密封材成分の第1の液体成分を含有しており、第2の成分の貯槽が、多成分密封材の第2の密封材成分の第2の液体成分を含有している、第2の対の注射器を用意するステップと、第1の結合端および第2の結合端を有する結合機構を用意するステップであって、第1の結合端は第1の対の注射器に対して解放可能に結合可能であり、第2の結合端は第2の対の注射器に対して解放可能に結合可能であり、結合機構が第1の通路および第2の通路を有し、第1の通路が、第2の対の注射器の第1の移送ポートと、第1の対の注射器の第1の成分のポートとの間の流体連通を促進し、第2の通路が、第2の対の注射器の第2の移送ポートと、第1の対の注射器の第2の成分のポートとの間の流体連通を促進する、結合機構を用意するステップとを含む。
【0011】
[0011]上記発明には、多成分密封材が気胸領域を密封するのは生検の後ではなく前であるという点において一般的な解決策を改善するという利点がある。
[0012]たとえばポリマープラグは、配置された空間を占めるのみであるため密封の効果が弱いのに対し、上記発明には、注射針組立体が、処置のまさしく最後にではなく処置の最初に配置され、たとえばポリマーといった流動性のある多成分密封材が送出されて組織の間の空間に組み込まれ得るので、一般的な気胸予防デバイスについて改善するという別の利点がある。
【0012】
[0013]上記発明には、医師が現在処置している箇所から手が届かない所にある胸膜に関連した針の所在の測定も不要になるという本発明の別の利点がある。本発明の解決策は、流動性のある多成分密封材を準備して、細長い中空のスタイレットが胸膜を横切って進むとき、注射針組立体の細長い中空のスタイレットから流動性のある多成分密封材を施すことにより、肺アクセス処置とスムーズに一体化されるべきである。
【0013】
[0014]上記発明の実施形態の以下の説明を添付図面とともに参照することにより、上記発明の前述の他の特徴および利点ならびにそれらを達成するやり方がより明らかになるはずであり、一層よく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】[0015]本発明の一態様による密封材送出装置の正面図である。
図2】[0016]図1の密封材送出装置の分解図である。
図3】[0017]図1の密封材送出装置の密封材送出デバイスの、アクチュエータが引っ込んだ状態の側面図である。
図4】[0018]図3に表された密封材送出デバイスが、アクチュエータが引っ込んだ状態で図3のライン4-4に沿って取得された断面図である。多成分密封材の第1の密封材成分の近位の、第1の成分のチャンバの中の第1のピストンと、多成分密封材の第2の密封材成分の近位の、第2の成分のチャンバの中の第2のピストンとを示す。
図5】[0019]図1および図2における密封材送出装置の注射針組立体の細長いスタイレットの遠位部分の斜視図である。
図6】[0020]図1図2、および図5における密封材送出装置の注射針組立体の細長いスタイレットの遠位部分の側面図である。
図7】[0021]図1図2図5、および図6における密封材送出装置の注射針組立体の細長いスタイレットの遠位部分の、図6のライン7-7に沿って取得された断面図である。
図8】[0022]肺アクセス処置で使用する図1および図2の密封材送出装置を準備するためのシステムの正面図である。第1の対の注射器および密封材送出装置の結合機構を含み、結合機構によって第1の対の注射器に結合された第2の対の注射器をさらに含む。
図9】[0023]図8のシステムの分解図である。
図10】[0024]第1の対の注射器の第1のアクチュエータおよび第2の対の注射器の第2のアクチュエータが引っ込んだ状態の、図8のシステムの側面図である。
図11】[0025]図10に表されシステムの、第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータが引っ込んだ状態で図10のライン11-11に沿って取得された断面図である。第1の対の注射器の第1の成分のチャンバは、当初は多成分密封材の第1の密封材成分の粉末または溶液の成分を含有しており、第1の対の注射器の第2の成分のチャンバは、当初は多成分密封材の第2の密封材成分の粉末または溶液の成分を含有しており、第2の対の注射器の第1の成分の貯槽は、当初は多成分密封材の第2の密封材成分の液体成分を含有しており、第2の対の注射器の第2の成分の貯槽は、当初は多成分密封材の第2の密封材成分の液体成分を含有している。
図12】[0026]図1および図2の密封材送出装置、より詳細には肺アクセス処置で使用する密封材送出装置の対の注射器を準備するための方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0027]対応する参照文字は、いくつかの図の全体にわたって対応する部品を示す。本明細書で提示される実例は上記発明の少なくとも1つの実施形態を示すものであり、そのような実例は上記発明の範囲を制限するように解釈されるべきではない。
【0016】
[0028]ここで図面、より詳細には図1および図2を参照すると、肺アクセス処置において気胸の予防を支援するために使用する、本発明の一態様による密封材送出装置10が示されている。
【0017】
[0029]密封材送出装置10は、密封材アプリケータデバイス12および注射針組立体14を含む。注射針組立体14は縦軸16を画定する。密封材送出装置10は、組み立てられたとき、流動性のある多成分密封材の注射部位への送出を促進するための構成を有し、注射針組立体14の針部分が胸膜の2つの層すなわち壁側胸膜および臓側胸膜と交差している間に、多成分密封材が注入され得る。注射針組立体14は、患者の組織に穴をあけて、少なくとも患者の胸膜を通して患者の組織の中に、たとえば提案された生検路といったアクセス経路を作るように構成されており、したがって、2つの層の間で空気が漏れて気胸をもたらすことのないように、たとえば肺生検に先立って、送出部位において多成分密封材を硬化させることにより、胸膜の2つの層が密封され得る。なお、多成分密封材は、皮下組織および/または肺実質など、アクセス経路の他の領域に置かれてもよいことに留意されたい。
【0018】
[0030]任意選択で、密封材送出装置10は導入器カニューレ18とともに使用することができ、導入器カニューレ18は、患者から密封材送出装置10の注射針組立体14を引き出すのを容易にし得る一方で、たとえば生検デバイスなどの第2の医療機器を受け入れて、生検が実行される部位に導くためなど、患者の組織における部位へのアクセス経路を維持するために、その位置に残されてよい。
【0019】
[0031]図3および4も参照して、密封材アプリケータデバイス12は、対の注射器20およびマニフォールド22を含む。密封材アプリケータデバイス12は、多成分密封材の第1の密封材成分24および多成分密封材の第2の密封材成分26の各々を個別に搬送するように構成されている。第1の密封材成分24は、たとえば少なくとも2つのNヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル基を含むことができ、第2の密封材成分26は、たとえば少なくとも2つのアミン基を含むことができる。たとえば第1の密封材成分24はポリエチレングリコール(PEG)サクシニミジル琥珀酸エステルを含有している溶液でよく、第2の密封材成分26はアルブミンおよび/またはポリエチレンイミン(PEI)を含有している溶液でよい。本実施形態では、第1の密封材成分24と第2の密封材成分26とは、マニフォールド22において一緒にして混合される。
【0020】
[0032]対の注射器20は、アクチュエータ28、第1の成分のチャンバ30、および第2の成分のチャンバ32を含む。第1の成分のチャンバ30は、たとえば多成分密封材の第1の密封材成分24を搬送するように構成された円筒状管でよい。第1の成分のチャンバ30は第1の成分のポート30-1を有する。第2の成分のチャンバ32は、たとえば多成分密封材の第2の密封材成分26を搬送するように構成された円筒状管でよい。第2の成分のチャンバ32は第2の成分のポート32-1を有する。第1の成分のチャンバ30と第2の成分のチャンバ32とは、長手方向に平行に配置されている。
【0021】
[0033]アクチュエータ28は第1のピストン34、第2のピストン36、および取っ手38を含む。取っ手38は、第1のピストン34と第2のピストン36との間に垂直に延在してこれらの各々に接続されるリンク部材の形態であり、取っ手38の押込みまたは後退に伴って、第1のピストン34と第2のピストン36との同時の動きを容易にする。第1のピストン34は、第1の成分のチャンバ30の中で第1の密封材成分24の近位に配置されたプランジャの形態であり、第2のピストン36は、第2の成分のチャンバ32の中で第2の密封材成分26の近位に配置されたプランジャの形態である。
【0022】
[0034]図1図4を参照して、本実施形態では、マニフォールド22は、第1の結合端40-1において、対のコネクタ42-1、42-2によって、密封材アプリケータデバイス12の対の注射器20に対して取り外し可能に接続可能であり、第2の端40-2において、コネクタ44によって、注射針組立体14に対して取り外し可能に接続可能である。より詳細には、図4に最もよく示されるように、マニフォールド22は結合機構122に解放可能に接続されたYコネクタ39を含み、結合機構122は、Yコネクタ39の2つのポート部分の取り外し可能な延長部として働く。したがって、Yコネクタ39(より詳細には結合機構122)は、第1の結合端40-1において、対のコネクタ42-1、42-2によって、密封材アプリケータデバイス12の対の注射器20に対して取り外し可能に接続可能であり、第2の端40-2において、コネクタ44によって、注射針組立体14に対して取り外し可能に接続可能である。
【0023】
[0035]対のコネクタ42-1、42-2は、密封材アプリケータデバイス12の対の注射器20に対するねじ式あるいはスナップ式の接続を形成し得る。同様に、コネクタ44は、注射針組立体14に対するねじ式あるいはスナップ式の接続を形成し得る。
【0024】
[0036]当業者なら、対のコネクタ42-1、42-2は対の注射器20の一部として含まれてよく、マニフォールド22に解放可能に接続可能であることを認識するであろう。あるいは、対のコネクタ42-1、2-2はマニフォールド22の一部として含まれてよく、対の注射器20に解放可能に接続可能である。さらに、代替として、対のコネクタ42-1、42-2は別部品として含まれてよく、各々が、対の注射器20の各々およびマニフォールド22に対して個別に接続可能である。
【0025】
[0037]マニフォールド22は、第1の入力ポート22-1と、第2の入力ポート22-2と、以下で出力ポート22-3として参照される、本実施形態では単一の出力ポートである少なくとも1つの出力ポートとを有する。図4に最もよく示されるように、本実施形態では、マニフォールド22の結合機構122は、Yコネクタ39の内部のY通路22-4と流体連通する個々の通路を有する。本実施形態では、マニフォールド22の結合機構122は第1の入力ポート22-1および第2の入力ポート22-2を直接含み、マニフォールド22のYコネクタ39は出力ポート22-3を直接含む。したがって、Yコネクタ39によって、たとえば出力ポート22-3といった少なくとも1つの出力ポートが、第1の入力ポート22-1および第2の入力ポート22-2の各々と流体連通している。また、マニフォールド22が密封材アプリケータデバイス12の対の注射器20に接続されたとき、第1の入力ポート22-1が第1の成分のチャンバ30と流体連通し、第2の入力ポート22-2が第2の成分のチャンバ32と流体連通する。
【0026】
[0038]図1および図2を参照して、注射針組立体14は、ハブ46と、ハブ46から遠位へ延在する細長い中空のスタイレット48とを含む。細長い中空のスタイレット48は近位部分48-1および遠位部分48-2を有する。細長い中空のスタイレット48の近位部分48-1に対して、ハブ46が、たとえばオーバーモールド、接着剤および/または圧入によって固定式に取り付けられる。ハブ46は、密封材アプリケータデバイス12に取り外し可能に接続するように構成されている。より詳細には、注射針組立体14のハブ46は、密封材アプリケータデバイス12のマニフォールド40の第2の端40-2において、コネクタ44に対してねじ式あるいはスナップ式の接続を形成し得るコネクタ51(図2を参照されたい)を含むことができる。
【0027】
[0039]注射針組立体14の細長い中空のスタイレット48は、密封材アプリケータデバイス12からの多成分密封材を受け入れるために、たとえば密封材アプリケータデバイス12のマニフォールド22の出力ポート22-3といった少なくとも1つの出力ポートとの流体連通を促進するように構成されている。図5図7も参照して、遠位部分48-2は、閉じた遠位端50と、閉じた遠位端50の近位の複数の(たとえば少なくとも3つの)側ポート52を有する。細長い中空のスタイレット48の閉じた遠位端50は、たとえば閉じたスタイレット針先54でよい。
【0028】
[0040]細長い中空のスタイレット48は、たとえば閉じたスタイレット針先54に対して固定式に接続されている細長いカニューレ56によって構築されてよく、細長いカニューレ56において、複数の側ポート52が、閉じたスタイレット針先54の直近に配置されている。より詳細には、細長い中空のスタイレット48の細長いカニューレ56が、細長い中空のスタイレット48の内腔48-4囲む側壁48-3を画定し、複数の側ポート52が、細長い中空のスタイレット48の遠位部分48-2において、内腔48-4から側壁48-3を通って半径方向に延在する。閉じたスタイレット針先54は、細長い中空のスタイレット48の閉じた遠位端50によって少なくとも部分的に画定され、細長いカニューレ56に対して、細長い中空のスタイレット48の細長いカニューレ56の遠位の近い内腔48-4に、たとえば溶接、圧入、または接着剤で取り付けられる。別の言い方をすれば、閉じたスタイレット針先54が、細長い中空のスタイレット48の内腔48-4の遠位の広がりを終結させる。密封材送出装置10が組み立てられたとき、複数の側ポート52が、細長い中空のスタイレット48の内腔48-4によって、密封材アプリケータデバイス12のマニフォールド22の、たとえば出力ポート22-3といった少なくとも1つの出力ポートと流体連通する。
【0029】
[0041]本実施形態では、細長い中空のスタイレット48の遠位部分48-2における複数の側ポート52は、側ポート52-1、側ポート52-2、および側ポート52-3を含み、これらは、遠位部分48-2にあって、たとえば細長い中空のスタイレット48の周囲に120度刻みなどの環状パターンで配置されている。用途の1つでは、閉じたスタイレット針先54によって生成された穿孔のまわり/近くを密封するために、細長い中空のスタイレット48のまわりに流動性のある多成分密封材が360度送達され得るように、たとえば複数の側ポート52が、少なくとも3つの側ポート(たとえば3つから7つの側ポート)を含み、閉じたスタイレット針先54の近くに、しかし近位に、上記少なくとも3つの側ポートを有するのが好ましい。別の例として、いくつかの用途では、複数の側ポート52が、2つまたは2対の、直径方向に対向した側ポートとして構成されるのが望ましいと企図される。
【0030】
[0042]任意選択で、図5において極めて細い線で示されるように、複数の側ポート52は、たとえば側ポート52-1の近位で長手方向に(たとえば1~3ミリメートルの)間隔を置いた側ポート52-4など、長手方向に間隔を置いた少なくとも2つの側ポートを含み得ることがさらに企図される。たとえば、複数の側ポート52は、細長い中空のスタイレット48の周囲に配置された3つの側ポートの2つのリングを含むことができ、3つの側ポートの2つのリングは、細長い中空のスタイレット48の遠位部分48-2において長手方向に間隔を置いて配置されている。
【0031】
[0043]再び図1を参照して、注射針組立体14は、導入器カニューレ18(当技術分野では同軸の導入器針と称されることもある)とともに使用することができ、同軸の導入器針での、処置部位に対するアクセスを維持したまま、細長い中空のスタイレット48が導入器カニューレ18から取り外されることを可能にする。言い換えれば、密封材送出装置10が導入器カニューレ18から取り外されて、生検デバイスまたは別のスタイレットなどの種々の他の測定器に置換され得る。本実施形態では、導入器カニューレ18は、同軸のハブ18-1、同軸のカニューレ18-2、カニューレ内腔18-3、および遠位の環状リム18-4を有する。たとえばカニューレ内腔18-3は、注射針組立体14の細長い中空のスタイレット48を受け入れるために、たとえば筒状形状に構成されている。注射針組立体14の細長い中空のスタイレット48が導入器カニューレ18のカニューレ内腔18-3の中に完全に挿入された(たとえば、細長い中空のスタイレット48の遠位への動きが、導入器カニューレ18の同軸のハブ18-1と注射針組立体14のハブ46とが接触することによって遮られた)とき、細長い中空のスタイレット48の複数の側ポート52は、導入器カニューレ18の遠位の環状リム18-4から遠位に配置される。
【0032】
[0044]図8図11を参照すると、肺アクセス処置で使用する密封材送出装置10を準備するためのシステム100が示されている。より詳細には、システム100は様々な化学物質を混合するために使用され、これらは、混ぜ合わされたとき、図4に表された多成分密封材の第1の密封材成分24および第2の密封材成分26をもたらす。システム100は、一般に、第1の対の注射器20、第2の対の注射器120、および結合機構122を含む。
【0033】
[0045]上記で説明されたように、第1の対の注射器20は、第1の成分のチャンバ30と、第2の成分のチャンバ32と、第1のピストン34および第2のピストン36を有する第1のアクチュエータ28とを有して構成されている。しかしながら、図4に表されるように、当初(たとえば製造業者から引き渡されたとき)は、第1の成分のチャンバ30は、準備された第1の密封材成分24をまだ含有しておらず、第2の成分のチャンバ32は準備された第2の密封材成分26をまだ含有していない。むしろ、図11を参照して、第1の成分のチャンバ30は、当初は多成分密封材の第1の密封材成分24の粉末または溶液の成分24-1を含有しており、第2の成分のチャンバ32は、当初は多成分密封材の第2の密封材成分26の粉末または溶液の成分26-1を含有している。本明細書で使用される、成分24-1および/または成分26-1を形成する各溶液は、溶質と溶剤の組合せであり、たとえば懸濁液またはヒドロゲルを含み得る。
【0034】
[0046]図8図11を参照して、第2の対の注射器120は、第2のアクチュエータ128と、第1の移送ポート130-1を有する第1の成分の貯槽130と、第2の移送ポート132-1を有する第2の成分の貯槽132とを含む。
【0035】
[0047]第2のアクチュエータ128は、第3のピストン134、第4のピストン136、および取っ手138を含む。取っ手138は、第3のピストン134と第4のピストン136との間に垂直に延在してこれらの各々に接続されるリンク部材の形態であり、取っ手138の押込みまたは後退に伴って、第3のピストン134と第4のピストン136との同時の動きを容易にする。第3のピストン134は、第1の成分の貯槽130の中に配置されたプランジャの形態であり、第4のピストン136は、第2の成分の貯槽132の中に配置されたプランジャの形態である。第1の成分の貯槽130は、当初は多成分密封材の第1の密封材成分24の液体成分24-2を含有しており、第2の成分の貯槽132は、当初は多成分密封材の第2の密封材成分26の液体成分26-2を含有している。本明細書で使用される液体成分24-2および/または液体成分26-2は水または何らかの他の液体でよく、またはこれを含み得る。
【0036】
[0048]結合機構122は第1の結合端40-1および第2の結合端140-2を有する。第1の結合端40-1は第1の対の注射器20に解放可能に接続するように構成されており、第2の結合端140-2は第2の対の注射器120に解放可能に接続するように構成されている。特に図9および図11を参照して、結合機構122は、第1の結合端40-1において第1の入力ポート22-1および第2の入力ポート22-2を含み、第2の結合端140-2においてポート122-1およびポート122-2を含む。結合機構122がさらに含む第1の通路150-1は、ポート22-1およびポート122-1と流体連通し、これらの間に延在する。同様に、結合機構122が含む第2の通路150-2は、ポート22-2およびポート122-2と流体連通し、これらの間に延在する。
【0037】
[0049]対のコネクタ42-1、42-2は、第1の対の注射器20と結合機構122の第1の結合端40-1との間に、ねじ式あるいはスナップ式の接続を形成し得る。同様に、対のコネクタ144-1、144-2は、第2の対の注射器120と結合機構122の第2の結合端140-2との間に、ねじ式あるいはスナップ式の接続を形成し得る。
【0038】
[0050]対のコネクタ42-1、42-2は、第1の対の注射器20の一部として含まれてよく、結合機構122に解放可能に接続可能である。あるいは、対のコネクタ42-1、2-2は結合機構122の一部として含まれてよく、第1の対の注射器20に解放可能に接続可能である。さらなる選択肢として、対のコネクタ42-1、42-2は別部品として含まれてよく、各々が、対の注射器20の各々および結合機構122に対して個別に接続可能である。
【0039】
[0051]同様に、対のコネクタ144-1、144-2は、第2の対の注射器120の一部として含まれてよく、結合機構122に解放可能に接続可能である。あるいは、対のコネクタ144-1、144-2は結合機構122の一部として含まれてよく、第2の対の注射器120に解放可能に接続可能である。さらなる選択肢として、対のコネクタ144-1、144-2は別部品として含まれてよく、各々が、第2の対の注射器120の各々および結合機構122に対して個別に接続可能である。
【0040】
[0052]図8図11を参照して、結合機構122の第1の結合端40-1は第1のスナップラッチ146-1および第2のスナップラッチ146-2を含む。第1の対の注射器20の第1の成分のチャンバ30(より詳細にはコネクタ42-1)は、結合機構122の第1のスナップラッチ146-1と解放可能に係合するように構成された第1のスナップキャッチ148-1を含む。同様に、第1の対の注射器20の第2の成分のチャンバ32(より詳細にはコネクタ42-2)は、結合機構122の第2のスナップラッチ146-2と解放可能に係合するように構成された第2のスナップキャッチ148-2を含む。
【0041】
[0053]結合機構122の第2の結合端140-2は第3のスナップラッチ146-3および第4のスナップラッチ146-4を含む。第2の対の注射器120の第1の成分の貯槽130(より詳細にはコネクタ144-1)は、結合機構122の第3のスナップラッチ146-3と解放可能に係合するように構成された第3のスナップキャッチ148-3を含む。同様に、第2の対の注射器120の第2の成分の貯槽132(より詳細にはコネクタ144-2)は、結合機構122の第4のスナップラッチ146-4と解放可能に係合するように構成された第4のスナップキャッチ148-4を有する。
【0042】
[0054]図9および図11を参照して、結合機構122の第1の通路150-1は、第2の対の注射器120の第1の移送ポート130-1と第1の対の注射器20の第1の成分のポート30-1との間の流体連通を促進するように構成されており、結合機構122の第2の通路150-2は、第2の注射器120の第2の移送ポート132-1と第1の対の注射器20の第2の成分のポート32-1との間の流体連通を促進するように構成されている。
【0043】
[0055]図10および図11を参照して、第1の対の注射器20の第1のアクチュエータ28は、第1のピストン34と第2のピストン36とを同時に動かすように構成されており、第2の対の注射器120の第2のアクチュエータ128は、第3のピストン134と第4のピストン136とを同時に動かすように構成されている。
【0044】
[0056]したがって、第2のアクチュエータ128と第1のアクチュエータ28とを交互に作動させる、たとえば交互に押し込む、ことにより、第2の対の注射器120および第1の対の注射器20は、第1の成分の貯槽130および第2の成分の貯槽132の任意の内容物を、それぞれ第1の成分のチャンバ30および第2の成分のチャンバ32へ交互に移動させ、第1の成分のチャンバ30および第2の成分のチャンバ32の任意の内容物を、それぞれ第1の成分の貯槽130および第2の成分の貯槽132へ移動させるように構成される。たとえば、第1の対の注射器20および第2の対の注射器120は同時に、(A)完全に水和されたときには第1の対の注射器20の第1の成分のチャンバ30の中に存在する(図4も参照されたい)多成分密封材の第1の密封材成分24を形成するように粉末または溶液の成分24-1を液体成分24-2に水和させ、(B)図4に表されるように、完全に水和されたときには第2の対の注射器20の第2の成分のチャンバ32の中に存在する多成分密封材の第2の密封材成分26を形成するように粉末または溶液の成分26-1を液体成分26-2に水和させるように構成され得る。
【0045】
[0057]たとえば、第2のアクチュエータ128の第1の押込みでは、第3のピストン134および第4のピストン136が、第1の密封材成分24の液体成分24-2を、第1の通路150-1を通して、第1の密封材成分24の粉末または溶液の成分24-1を搬送する第1の成分のチャンバ30の中へ移動させ、同時に、第2の密封材成分26の液体成分26-2を、第2の通路150-2を通して、第2の密封材成分26の粉末または溶液の成分26-1を搬送する第2の成分のチャンバ32の中へ移動させる。その後、第1のアクチュエータ28の第1の押込みで、第1のピストン34および第2のピストン36が、第1の対の注射器20の第1の成分のチャンバ30の内容物および第2の成分のチャンバ32の内容物を、それぞれ第2の対の注射器120の第1の成分の貯槽130および第2の成分の貯槽132へと同時に移動させる。次いで、第2のアクチュエータ128の第2の押込みで、第3のピストン134および第4のピストン136が、第2の対の注射器120の第1の成分の貯槽130の内容物および第2の成分の貯槽132の内容物を、それぞれ第1の対の注射器20の第1の成分のチャンバ30の中および第2の成分のチャンバ32の中へ同時に移動させる。この処理は、多成分密封材の第1の密封材成分24を形成するために、粉末または溶液の成分24-1の液体成分24-2に対する適切な水和を確実にするとともに、多成分密封材の第2の密封材成分26を形成するために、粉末または溶液の成分26-1の液体成分26-2に対する適切な水和を確実にするように、必要に応じて繰り返されてよい。
【0046】
[0058]水和/混合が終わったとき、第1の対の注射器20の第1の成分のチャンバ30の中に第1の密封材成分24が存在し、第2の成分のチャンバ32の中に第2の密封材成分26が存在する。図1図7を参照して上記で説明されたように、第1の対の注射器20から結合機構122が分離されてよく、次いで第1の対の注射器20に対してマニフォールド22が結合されてよく、次いで、注射針組立体14が、マニフォールド22を介して第1の対の注射器20に結合され得て、密封材送出装置10を形成する。
【0047】
[0059]あるいは、水和/混合が終わったとき、図1図7を参照しながら上記で説明されたように、第2の対の注射器120から結合機構122が分離されてよく、次いで結合機構122にYコネクタ39を結合することによってマニフォールド22が形成されてよく、次いで、注射針組立体14がマニフォールド22を介して第1の対の注射器20に結合され得て、密封材送出装置10を形成する。
【0048】
[0060]なお、図1および/または図2の(組み立てられた、または分解された)密封材送出装置10を、図9の対のコネクタ144-1、144-2および第2の対の注射器120と組み合わせることによってキットが形成され得ることを留意されたい。
【0049】
[0061]図12は、肺アクセス処置で使用する密封材送出装置10を準備するために、より詳細には密封材送出装置10の対の注射器20を準備するために、以下のステップが順次に実行され得る方法の流れ図である。
【0050】
[0062]ステップS200において、第1の対の注射器20が、結合機構122によって第2の対の注射器120に結合される。
[0063]ステップS202において、第1の対の注射器20および第2の対の注射器120は、粉末または溶液の成分24-1を液体成分24-2に水和させて多成分密封材の第1の密封材成分24を形成し、同時に、粉末または溶液の成分26-1を液体成分26-2に水和させて多成分密封材の第2の密封材成分26を形成するように、順次に(すなわち交互に)作動させられる。
【0051】
[0064]第1の対の注射器20と第2の対の注射器120とを順次に作動させるステップは、第2の対の注射器120の第2のアクチュエータ128と第1の対の注射器20の第1のアクチュエータ28とを交互に押し込んで、第1の成分の貯槽130および第2の成分の貯槽132の任意の内容物を、それぞれ第1の成分のチャンバ30および第2の成分のチャンバ32へ移動させることと、第1の成分のチャンバ30および第2の成分のチャンバ32の任意の内容物を、第1の成分の貯槽130および第2の成分の貯槽132の中へ移動させることとを、交互に行うことによって実行され得る。
【0052】
[0065]完全に水和されたときには、多成分密封材の第1の密封材成分24は第1の対の注射器20の第1の成分のチャンバ30の中に存在し、多成分密封材の第2の密封材成分26は第1の対の注射器20の第2の成分のチャンバ32の中に存在する。これを達成するために、第1の密封材成分24および第2の密封材成分26の所望量は、第2の対の注射器120の第2のアクチュエータ128を、この所望量が第1の対の注射器20の中に移動するまで押し込むことによって、第1の対の注射器20の中へ移動される。
【0053】
[0066]ステップS204において、第1の対の注射器20から結合機構122が分離されてよく、第1の対の注射器20に対してマニフォールド22が結合されてよい。あるいは、第2の対の注射器120から結合機構122が分離されてよく、結合機構122にYコネクタ39を結合することによってマニフォールド22が形成され得る。
【0054】
[0067]ステップS206において、注射針組立体14は、図1図7を参照しながら上記で説明されたように、たとえばマニフォールド22を介して第1の対の注射器20に結合されて(図1を参照されたい)密封材送出装置10を形成し、このとき気胸の予防を支援するための肺処置を実行する準備ができることになる。
【0055】
[0068]上記で説明された、準備された密封材送出装置10を使用する方法のステップS200~S206では、細長い中空のスタイレット48が患者に挿入されてアクセス経路を生成し、アクセス経路が生成されているとき、複数の側ポート52から、多成分密封材を、皮下組織、胸膜層、胸膜空間、および/または肺実質に生成されているアクセス経路へと送出するように、アクセス経路が生成されているときに対の注射器20のアクチュエータ28が押し込まれ得る。
【0056】
[0069]以下の項目も上記発明に関するものである。
[0070]上記発明は、一形態において、特に気胸を予防するために、肺アクセス処置用の密封材送出装置に関連付けられる。密封材送出装置は、密封材アプリケータデバイスおよび注射針組立体を含む。密封材アプリケータデバイスは、多成分密封材の第1の密封材成分および多成分密封材の第2の密封材成分の各々を個別に搬送するように構成され得る。密封材アプリケータデバイスは少なくとも1つの出力ポートを有する。注射針組立体は、ハブと、ハブから遠位へ延在する細長い中空のスタイレットとを有する。ハブは、密封材アプリケータデバイスに取り外し可能に接続するように構成され得る。細長い中空のスタイレットは、多成分密封材を受け入れるために、密封材アプリケータデバイスの少なくとも1つの出力ポートとの流体連通を促進する(用意する)ように構成され得る。細長い中空のスタイレットは近位部分および遠位部分を有する。遠位部分は、閉じた遠位端と、閉じた遠位端の近位の(近くの)複数の側ポートとを有する。細長い中空のスタイレットは、内腔を囲む側壁を有し、細長い中空のスタイレットの遠位部分において、複数の側ポートが内腔から側壁を通って半径方向に延在する。複数の側ポートは、密封材アプリケータデバイスの少なくとも1つの出力ポートと流体連通している。
【0057】
[0071]いくつかの実施形態では、細長い中空のスタイレットの遠位部分における複数の側ポートは、細長い中空のスタイレットの周囲に配置された、遠位部分における少なくとも3つの側ポートを備える。
【0058】
[0072]いくつかの実施形態では、細長い中空のスタイレットの遠位部分における複数の側ポートは、長手方向に間隔を置いて配置された少なくとも2つの側ポートを含む。
[0073]いくつかの実施形態では、細長い中空のスタイレットの閉じた遠位端は、内腔の遠位の広がりを終結させる閉じた針先でよい。
【0059】
[0074]いくつかの実施形態では、細長い中空のスタイレットは、側壁および内腔を画定する細長いカニューレを備えてよく、スタイレット針先は、閉じた遠位端によって画定することができ、細長いカニューレに取り付けられて細長いカニューレの内腔を遠位へ閉じることができる。
【0060】
[0075]実施形態のうちの任意のものにおいて、密封材アプリケータデバイスは、アクチュエータを有する対の注射器と、多成分密封材の第1の密封材成分を搬送するように構成され得る第1の成分のチャンバと、多成分密封材の第2の密封材成分を搬送するように構成され得る第2の成分のチャンバとを含み得る。アクチュエータは第1のピストンおよび第2のピストンを含み得る。第1のピストンは、第1の密封材成分の近位にある第1の成分のチャンバの中に配置されてよく、第2のピストンは、第2の密封材成分の近位にある第2の成分のチャンバの中に配置されてよい。マニフォールドは、第1の入力ポートと、第2の入力ポートと、第1の入力ポートおよび第2の入力ポートの各々と流体連通している少なくとも1つの出力ポートとを含み得る。第1の入力ポートは第1の成分のチャンバと流体連通しており、第2の入力ポートは第2の成分のチャンバと流体連通している。
【0061】
[0076]いくつかの実施形態では、マニフォールドは、第1の入力ポートと、第2の入力ポートと、単一の出力ポートとして構成された少なくとも1つの出力ポートとを含む内部のY通路を有するYコネクタでよい。単一の出力ポートは、閉じた遠位端を有する細長い中空のスタイレットの遠位端における複数の側ポートと流体連通していてよい。
【0062】
[0077]任意選択で、上記装置は、カニューレ内腔および遠位の環状リムを有する導入器カニューレを備え得る。カニューレ内腔は、注射針組立体の細長い中空のスタイレットを受け入れるように構成することができ、注射針組立体の細長い中空のスタイレットが導入器カニューレのカニューレ内腔に完全に挿入されたとき、複数の側ポートは導入器カニューレの遠位の環状リムから遠位に配置される。
【0063】
[0078]上記発明は、上記で説明されたように、密封材送出装置を備える肺生検装置にも関し得る。
[0079]上記発明は、別の形態において、肺アクセス処置用の密封材送出装置を準備するためのシステムに関連付けられる。上記システムは、密封材送出装置に関連した第1の対の注射器と、第2の対の注射器と、結合機構とを含む。第1の対の注射器は、第1のアクチュエータ、第1の成分のポートを有する第1の成分のチャンバ、および第2の成分のポートを有する第2の成分のチャンバを含み得る。第1のアクチュエータは第1のピストンおよび第2のピストンを含み得る。第1のピストンは第1の成分のチャンバの中に配置されており、第2のピストンは第2の成分のチャンバの中に配置されている。第1の成分のチャンバは、当初は多成分密封材の第1の密封材成分の第1の粉末または溶液の成分を含有しており、第2の成分のチャンバは、当初は多成分密封材の第2の密封材成分の第2の粉末または溶液の成分を含有している。第2の対の注射器は、第2のアクチュエータ、第1の移送ポートを有する第1の成分の貯槽、および第2の移送ポートを有する第2の成分の貯槽を含み得る。第2のアクチュエータは第3のピストンおよび第4のピストンを含み得る。第3のピストンは第1の成分の貯槽の中に配置されており、第4のピストンは第2の成分の貯槽の中に配置されている。第1の成分の貯槽は、当初は多成分密封材の第1の密封材成分の第1の液体成分を含有しており、第2の成分の貯槽は、当初は多成分密封材の第2の密封材成分の第2の液体成分を含有している。結合機構は第1の結合端および第2の結合端を有する。第1の結合端は第1の対の注射器に解放可能に接続するように構成されてよく、第2の結合端は第2の対の注射器に解放可能に接続するように構成されてよい。結合機構は第1の通路および第2の通路を有し得る。第1の通路は、第2の対の注射器の第1の移送ポートと、第1の対の注射器の第1の成分のポートとの間の流体連通を促進するように構成されてよく、第2の通路は、第2の対の注射器の第2の移送ポートと、第1の対の注射器の第2の成分のポートとの間の流体連通を促進するように構成されてよい。
【0064】
[0080]いくつかのシステムの実施形態では、第1の対の注射器の第1のアクチュエータは第1のピストンと第2のピストンとを同時に動かすように構成されてよく、第2の対の注射器の第2のアクチュエータは第3のピストンと第4のピストンとを同時に動かすように構成されてよい。
【0065】
[0081]システムの実施形態のうちの任意のものにおいて、第2の対の注射器は、第2のアクチュエータの第1の押込みが、第1の密封材成分の第1の粉末または溶液の成分を搬送する第1の成分のチャンバの中へ第1の密封材成分の第1の液体成分を移動させ、同時に、第2の密封材成分の第2の粉末または溶液の成分を搬送する第2の成分のチャンバの中へ第2の密封材成分の第2の液体成分を移動させるように構成され得る。
【0066】
[0082]システムの実施形態のうちの任意のものにおいて、第1の対の注射器と第2の対の注射器とは、第2のアクチュエータと第1のアクチュエータとを交互に押し込むことによって、第1の成分の貯槽および第2の成分の貯槽の任意の内容物を、それぞれ第1の成分のチャンバの中および第2の成分のチャンバの中へ移動させることと、第1の成分のチャンバおよび第2の成分のチャンバの任意の内容物を、それぞれ第1の成分の貯槽の中および第2の成分の貯槽の中へ移動させることとを交互に行うように構成され得る。
【0067】
[0083]システムの実施形態のうちの任意のものにおいて、第1の対の注射器および第2の対の注射器は、第1の粉末または溶液の成分を第1の液体成分に水和させて多成分密封材の第1の密封材成分を形成するように構成することができ、多成分密封材の第1の密封材成分は、完全に水和されたときには第1の対の注射器の第1の成分のチャンバの中に存在する。また、第1の対の注射器および第2の対の注射器は、第2の粉末または溶液の成分を第2の液体成分に水和させて多成分密封材の第2の密封材成分を形成するように構成することができ、多成分密封材の第2の密封材成分は、完全に水和されたときには第1の対の注射器の第2の成分のチャンバの中に存在する。
【0068】
[0084]任意選択で、結合機構の第1の結合端は第1のスナップラッチおよび第2のスナップラッチを含むことができ、結合機構の第2の結合端は第3のスナップラッチおよび第4のスナップラッチを含み得る。また、第1の対の注射器の第1の成分のチャンバには、結合機構の第1のスナップラッチと解放可能に係合するように構成された第1のスナップキャッチが関連付けられ得る。第1の対の注射器の第2の成分のチャンバには、結合機構の第2のスナップラッチと解放可能に係合するように構成された第2のスナップキャッチが関連付けられ得る。第2の対の注射器の第1の成分の貯槽には、結合機構の第3のスナップラッチと解放可能に係合するように構成された第3のスナップキャッチが関連付けられ得る。第2の対の注射器の第2の成分の貯槽には、結合機構の第4のスナップラッチと解放可能に係合するように構成された第4のスナップキャッチが関連付けられ得る。
【0069】
[0085]システムの実施形態のうちの任意のものにおいて、上記システムは、任意選択で、ハブと、ハブから遠位へ延在する細長い中空のスタイレットとを有する注射針組立体を含み得る。ハブは、密封材アプリケータデバイスに取り外し可能に接続するように構成され得る。細長い中空のスタイレットは、多成分密封材を受け取るために、密封材アプリケータデバイスの第1の成分のポートおよび第2の成分のポートとの流体連通を促進するように構成され得る。細長い中空のスタイレットは近位部分および遠位部分を有する。遠位部分は、閉じた遠位端と、閉じた遠位端の近位の複数の側ポートとを有し得る。細長い中空のスタイレットは、内腔を囲む側壁を有することができ、細長い中空のスタイレットの遠位部分において、複数の側ポートが内腔から側壁を通って半径方向に延在する。複数の側ポートは、密封材アプリケータデバイスの第1の成分のポートおよび第2の成分のポートと流体連通するように構成されている。
【0070】
[0086]上記発明は、上記で説明されたようなシステムを備える肺生検システムにも関し得る。
[0087]上記発明は、上記で説明されたような密封材送出装置と、上記で説明されたような密封材送出装置を準備するためのシステムとを備える組合せにも関連し得る。
【0071】
[0088]上記発明は、別の形態において、肺アクセス処置で使用する密封材送出装置を準備するための方法に関するものである。上記方法は、第1のアクチュエータと、第1の成分のポートを有する第1の成分のチャンバと、第2の成分のポートを有する第2の成分のチャンバとを含む第1の対の注射器を用意するステップであって、第1のアクチュエータが第1のピストンおよび第2のピストンを含み、第1のピストンが第1の成分のチャンバの中に配置され得、第2のピストンが第2の成分のチャンバの中に配置され得、第1の成分のチャンバが、多成分密封材の第1の密封材成分の第1の粉末または溶液の成分を含有しており、第2の成分のチャンバが、多成分密封材の第2の密封材成分の第2の粉末または溶液の成分を含有している、第1の対の注射器を用意するステップと、第2のアクチュエータと、第1の移送ポートを有する第1の成分の貯槽と、第2の移送ポートを有する第2の成分の貯槽とを含む第2の対の注射器を用意するステップであって、第2のアクチュエータが第3のピストンおよび第4のピストンを含み、第3のピストンを第1の成分の貯槽の中に配置することができ、第4のピストンを第2の成分の貯槽の中に配置することができ、第1の成分の貯槽が、多成分密封材の第1の密封材成分の第1の液体成分を含有しており、第2の成分の貯槽が、多成分密封材の第2の密封材成分の第2の液体成分を含有している、第2の対の注射器を用意するステップと、第1の結合端および第2の結合端を有する結合機構を用意するステップであって、第1の結合端は第1の対の注射器に解放可能に接続可能でよく、第2の結合端は第2の対の注射器に解放可能に接続可能でよく、結合機構が第1の通路および第2の通路を有し、第1の通路が、第2の対の注射器の第1の移送ポートと、第1の対の注射器の第1の成分のポートとの間の流体連通を促進し、第2の通路が、第2の対の注射器の第2の移送ポートと、第1の対の注射器の第2の成分のポートとの間の流体連通を促進する、結合機構を用意するステップとを含む。
【0072】
[0089]いくつかの実施形態では、上記方法は、結合機構によって、第1の対の注射器を第2の対の注射器に接続するステップと、第1の対の注射器の第1のアクチュエータを動かして第1のピストンと第2のピストンとを同時に動かすステップと、第2の対の注射器の第2のアクチュエータを動かして第3のピストンと第4のピストンとを同時に動かすステップとを順次に含み得る。
【0073】
[0090]方法の実施形態のうちの任意のものにおいて、上記方法は、結合機構によって、第1の対の注射器を第2の対の注射器に接続するステップと、第2の対の注射器の第2のアクチュエータを押し込むことにより、第1の成分の貯槽から、第1の密封材成分の第1の液体成分を、第1の密封材成分の第1の粉末または溶液の成分を搬送する第1の成分のチャンバの中へ移動させ、同時に、第2の成分の貯槽から、第2の密封材成分の第2の液体成分を、第2の密封材成分の第2の粉末または溶液の成分を搬送する第2の成分のチャンバの中へ移動させるステップとを含み得る。
【0074】
[0091]方法の実施形態のうちの任意のものにおいて、上記方法は、結合機構によって、第1の対の注射器を第2の対の注射器に接続するステップと、第1の対の注射器と第2の対の注射器とを順次に作動させ、第1の粉末または溶液の成分を第1の液体成分に水和させて多成分密封材の第1の密封材成分を形成するステップとを含み、多成分密封材の第1の密封材成分は、完全に水和されたときには第1の対の注射器の第1の成分のチャンバの中に存在し、第1の対の注射器と第2の対の注射器を順次に作動させる行為と同時に、第1の対の注射器と第2の対の注射器が、第2の粉末または溶液の成分を第2の液体成分に水和させて多成分密封材の第2の密封材成分を形成するように動作し、多成分密封材の第2の密封材成分は、完全に水和されたときには第1の対の注射器の第2の成分のチャンバの中に存在する。
【0075】
[0092]方法の実施形態のうちのいくつかにおいて、上記方法は、第2の対の注射器の第2のアクチュエータと第1の対の注射器の第1のアクチュエータとを交互に押し込むことにより、第1の成分の貯槽および第2の成分の貯槽の任意の内容物を、それぞれ第1の成分のチャンバおよび第2の成分のチャンバへ移動させることと、第1の成分のチャンバおよび第2の成分のチャンバの任意の内容物を、それぞれ第1の成分の貯槽の中および第2の成分の貯槽の中へ移動させることとを交互に行うステップを含む。
【0076】
[0093]方法の実施形態のうちのいくつかにおいて、上記方法は、第1の対の注射器から結合機構を分離するステップと、第1の対の注射器に注射針組立体を結合するステップとを含み得る。
【0077】
[0094]この発明は、少なくとも1つの実施形態を参照しながら説明されてきたが、この開示の趣旨および範囲の中でさらに変更され得る。したがって、本出願は、上記発明の、その一般的原理を使用するいかなる変形形態、用途、または改造をも対象として含むように意図されている。さらに、本出願は、本開示からのそのような逸脱を、この発明に関する当技術分野における既知または通常の慣行の範囲内の、添付の特許請求の範囲に入るものとして、対象に含むように意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2020-09-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
肺アクセス処置において気胸の予防を支援するために使用する密封材送出装置であって、
多成分密封材の第1の密封材成分および前記多成分密封材の第2の密封材成分の各々を個別に搬送するように構成された密封材アプリケータデバイスであって、少なくとも1つの出力ポートを有する密封材アプリケータデバイスと、
ハブと、前記ハブから遠位へ延在する細長い中空のスタイレットとを有する注射針組立体であって、前記ハブが、前記密封材アプリケータデバイスに取り外し可能に接続するように構成されており、前記細長い中空のスタイレットが、前記多成分密封材を受け入れるために、前記密封材アプリケータデバイスの前記少なくとも1つの出力ポートとの流体連通を促進するように構成されている、注射針組立体とを備え、
前記細長い中空のスタイレットが近位部分および遠位部分を有し、前記遠位部分が、閉じた遠位端と、前記閉じた遠位端の近位の複数の側ポートとを有し、前記細長い中空のスタイレットが、内腔を囲む側壁を有し、前記複数の側ポートが、前記遠位部分において、前記内腔から前記細長い中空のスタイレットの前記側壁を通って半径方向に延在し、前記複数の側ポートが、前記密封材アプリケータデバイスの前記少なくとも1つの出力ポートと流体連通しており、前記細長い中空のスタイレットの前記遠位部分における前記複数の側ポートが、長手方向に間隔を置いて配置された少なくとも2つの側ポートを含む、密封材送出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記細長い中空のスタイレットの前記遠位部分における前記複数の側ポートが、前記細長い中空のスタイレットの周囲に配置された、前記遠位部分における少なくとも3つの側ポートを備える、装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の装置であって、
前記細長い中空のスタイレットの前記遠位部分における前記複数の側ポートが、第2の側ポートの近位に、長手方向に1~3ミリメートルの間隔を置いて配置された第1の側ポートを含む、装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の装置であって、
前記細長い中空のスタイレットの前記閉じた遠位端が、前記内腔の遠位の広がりを終結させる閉じた針先である、装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の装置であって、
前記細長い中空のスタイレットが、
前記側壁および前記内腔を画定する細長いカニューレと、
前記閉じた遠位端によって画定されたスタイレット針先であって、前記細長いカニューレの前記内腔の遠位で閉じるために前記細長いカニューレに取り付けられているスタイレット針先と
を備える、装置。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の装置であって、
前記密封材アプリケータデバイスが、
アクチュエータと、前記多成分密封材の前記第1の密封材成分を搬送するように構成された第1の成分のチャンバと、前記多成分密封材の前記第2の密封材成分を搬送するように構成された第2の成分のチャンバとを有する対の注射器であって、前記アクチュエータが第1のピストンおよび第2のピストンを含み、前記第1のピストンが、前記第1の密封材成分の近位にある前記第1の成分のチャンバの中に配置されており、前記第2のピストンが、前記第2の密封材成分の近位にある前記第2の成分のチャンバの中に配置されている、対の注射器と、
第1の入力ポート、第2の入力ポート、および前記少なくとも1つの出力ポートを含むマニフォールドであって、前記少なくとも1つの出力ポートが前記第1の入力ポートおよび前記第2の入力ポートの各々と流体連通しており、前記第1の入力ポートが前記第1の成分のチャンバと流体連通しており、前記第2の入力ポートが前記第2の成分のチャンバと流体連通している、マニフォールドと
を含む、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であって、
前記マニフォールドが、前記第1の入力ポートと、前記第2の入力ポートと、単一の出力ポートとして構成された前記少なくとも1つの出力ポートとを含む内部のY通路を有するYコネクタであり、前記単一の出力ポートが、前記閉じた遠位端を有する前記細長い中空のスタイレットの前記遠位端における前記複数の側ポートと流体連通している、装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の装置であって、
カニューレ内腔および遠位の環状リムを有する導入器カニューレであって、前記カニューレ内腔が前記注射針組立体の前記細長い中空のスタイレットを受け入れるように構成されており、前記注射針組立体の前記細長い中空のスタイレットが前記導入器カニューレの前記カニューレ内腔に完全に挿入されたとき、前記複数の側ポートが前記導入器カニューレの前記遠位の環状リムから遠位に配置される、導入器カニューレをさらに備える、装置。
【請求項9】
肺アクセス処置で使用する密封材送出装置を準備するためのシステムであって、
前記密封材送出装置であって、前記密封材送出装置が、第1のアクチュエータと、第1の成分のポートを有する第1の成分のチャンバと、第2の成分のポートを有する第2の成分のチャンバとを含む第1の対の注射器であって、前記第1のアクチュエータが第1のピストンおよび第2のピストンを含み、前記第1のピストンが前記第1の成分のチャンバの中に配置されており、前記第2のピストンが前記第2の成分のチャンバの中に配置されており、前記第1の成分のチャンバが、当初は多成分密封材の第1の密封材成分の第1の粉末または溶液の成分を含有しており、前記第2の成分のチャンバが、当初は前記多成分密封材の第2の密封材成分の第2の粉末または溶液の成分を含有している、前記密封材送出装置と、
第2のアクチュエータと、第1の移送ポートを有する第1の成分の貯槽と、第2の移送ポートを有する第2の成分の貯槽とを含む第2の対の注射器であって、前記第2のアクチュエータが第3のピストンおよび第4のピストンを含み、前記第3のピストンが前記第1の成分の貯槽の中に配置されており、前記第4のピストンが前記第2の成分の貯槽の中に配置されており、前記第1の成分の貯槽が、当初は前記多成分密封材の前記第1の密封材成分の第1の液体成分を含有しており、前記第2の成分の貯槽が、当初は前記多成分密封材の前記第2の密封材成分の第2の液体成分を含有している、第2の対の注射器と、
第1の結合端および第2の結合端を有する結合機構であって、前記第1の結合端が前記第1の対の注射器に解放可能に接続するように構成されており、前記第2の結合端が前記第2の対の注射器に解放可能に接続するように構成されており、前記結合機構が第1の通路および第2の通路を有し、前記第1の通路が、前記第2の対の注射器の前記第1の移送ポートと、前記第1の対の注射器の前記第1の成分のポートとの間の流体連通を促進するように構成されており、前記第2の通路が、前記第2の対の注射器の前記第2の移送ポートと、前記第1の対の注射器の前記第2の成分のポートとの間の流体連通を促進するように構成されており、
前記第1の対の注射器と前記第2の対の注射器とが、前記第2のアクチュエータと前記第1のアクチュエータとを交互に押し込むことによって、前記第1の成分の貯槽および前記第2の成分の貯槽の任意の内容物を、それぞれ前記第1の成分のチャンバおよび前記第2の成分のチャンバへ移動させることと、前記第1の成分のチャンバおよび前記第2の成分のチャンバの任意の内容物を、それぞれ前記第1の成分の貯槽および前記第2の成分の貯槽へ移動させることとを交互に行うように構成されている、結合機構と
を備える、システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、
前記第1の対の注射器の前記第1のアクチュエータが前記第1のピストンと前記第2のピストンとを同時に動かすように構成されており、前記第2の対の注射器の前記第2のアクチュエータが前記第3のピストンと前記第4のピストンとを同時に動かすように構成されている、システム。
【請求項11】
請求項9または10に記載のシステムであって、
前記第2の対の注射器が、前記第2のアクチュエータの第1の押込みによって、前記第1の密封材成分の前記第1の粉末または溶液の成分を搬送する前記第1の成分のチャンバの中へ前記第1の密封材成分の前記第1の液体成分を移動させ、同時に、前記第2の密封材成分の前記第2の粉末または溶液の成分を搬送する前記第2の成分のチャンバの中へ前記第2の密封材成分の第2の液体成分を移動させるように構成されている、システム。
【請求項12】
請求項9から11のいずれか一項に記載のシステムであって、
第2のアクチュエータおよび前記第1のアクチュエータは、前記それぞれの乾燥した成分が前記それぞれの液体成分によって完全に水和されるまで前記交互に押し込まれる、システム。
【請求項13】
請求項9から12のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記第1の対の注射器と前記第2の対の注射器とが、前記第1の粉末または溶液の成分を前記第1の液体成分に水和させて前記多成分密封材の前記第1の密封材成分を形成するように構成されており、前記多成分密封材の前記第1の密封材成分は、完全に水和されたときには前記第1の対の注射器の前記第1の成分のチャンバの中に存在し、
前記第1の対の注射器と前記第2の対の注射器とが、前記第2の粉末または溶液の成分を前記第2の液体成分に水和させて前記多成分密封材の前記第2の密封材成分を形成するように構成されており、前記多成分密封材の前記第2の密封材成分は、完全に水和されたときには前記第1の対の注射器の前記第2の成分のチャンバの中に存在する、システム。
【請求項14】
請求項9から13のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記結合機構の前記第1の結合端が第1のスナップラッチおよび第2のスナップラッチを含み、前記結合機構の前記第2の結合端が第3のスナップラッチおよび第4のスナップラッチを含み、前記システムが、
前記結合機構の前記第1のスナップラッチと解放可能に係合するように構成されている、前記第1の対の注射器の前記第1の成分のチャンバに関連付けられた第1のスナップキャッチと、
前記結合機構の前記第2のスナップラッチと解放可能に係合するように構成されている、前記第1の対の注射器の前記第2の成分のチャンバに関連付けられた第2のスナップキャッチと、
前記結合機構の前記第3のスナップラッチと解放可能に係合するように構成されている、前記第2の対の注射器の前記第1の成分の貯槽に関連付けられた第3のスナップキャッチと、
前記結合機構の前記第4のスナップラッチと解放可能に係合するように構成されている、前記第2の対の注射器の前記第2の成分の貯槽に関連付けられた第4のスナップキャッチと
をさらに備えるシステム。
【請求項15】
請求項9から14のいずれか一項に記載のシステムであって、
ハブと、前記ハブから遠位へ延在する細長い中空のスタイレットとを有する注射針組立体をさらに備え、前記ハブが、前記密封材アプリケータデバイスに取り外し可能に接続するように構成されており、前記細長い中空のスタイレットが、前記多成分密封材を受け入れるために、前記密封材アプリケータデバイスの前記第1の成分のポートおよび前記第2の成分のポートとの流体連通を促進するように構成されており、前記細長い中空のスタイレットが近位部分および遠位部分を有し、前記遠位部分が、閉じた遠位端と、前記閉じた遠位端の近位の複数の側ポートとを有し、前記細長い中空のスタイレットが、内腔を囲む側壁を有し、前記複数の側ポートが、前記遠位部分において、前記内腔から、前記細長い中空のスタイレットの前記側壁を通って半径方向に延在し、前記複数の側ポートが、前記密封材アプリケータデバイスの前記第1の成分のポートおよび前記第2の成分のポートと流体連通するように構成されている、システム。
【請求項16】
肺アクセス処置で使用する密封材送出装置を準備するための方法であって、
第1のアクチュエータと、第1の成分のポートを有する第1の成分のチャンバと、第2の成分のポートを有する第2の成分のチャンバとを含む第1の対の注射器を用意するステップであって、前記第1のアクチュエータが第1のピストンおよび第2のピストンを含み、前記第1のピストンが前記第1の成分のチャンバの中に配置されており、前記第2のピストンが前記第2の成分のチャンバの中に配置されており、前記第1の成分のチャンバが、多成分密封材の第1の密封材成分の第1の粉末または溶液の成分を含有しており、前記第2の成分のチャンバが、前記多成分密封材の第2の密封材成分の第2の粉末または溶液の成分を含有している、第1の対の注射器を用意するステップと、
第2のアクチュエータと、第1の移送ポートを有する第1の成分の貯槽と、第2の移送ポートを有する第2の成分の貯槽とを含む第2の対の注射器を用意するステップであって、前記第2のアクチュエータが第3のピストンおよび第4のピストンを含み、前記第3のピストンが前記第1の成分の貯槽の中に配置されており、前記第4のピストンが前記第2の成分の貯槽の中に配置されており、前記第1の成分の貯槽が、前記多成分密封材の前記第1の密封材成分の第1の液体成分を含有しており、前記第2の成分の貯槽が、前記多成分密封材の前記第2の密封材成分の第2の液体成分を含有している、第2の対の注射器を用意するステップと、
第1の結合端および第2の結合端を有する結合機構を用意するステップであって、前記第1の結合端が前記第1の対の注射器に解放可能に接続可能であり、前記第2の結合端が前記第2の対の注射器に解放可能に接続可能であり、前記結合機構が第1の通路および第2の通路を有し、前記第1の通路が、前記第2の対の注射器の前記第1の移送ポートと、前記第1の対の注射器の前記第1の成分のポートとの間の流体連通を促進し、前記第2の通路が、前記第2の対の注射器の前記第2の移送ポートと、前記第1の対の注射器の前記第2の成分のポートとの間の流体連通を促進する、結合機構を用意するステップと、
前記第2の対の注射器の前記第2のアクチュエータと前記第1の対の注射器の前記第1のアクチュエータとを交互に押し込むことにより、前記第1の成分の貯槽および前記第2の成分の貯槽の任意の内容物を、それぞれ前記第1の成分のチャンバおよび前記第2の成分のチャンバへ移動させることと、前記第1の成分のチャンバおよび前記第2の成分のチャンバの任意の内容物を、前記第1の成分の貯槽および前記第2の成分の貯槽へ移動させることとを交互に行うステップと
を含む方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
前記結合機構によって、前記第1の対の注射器を前記第2の対の注射器に接続するステップと、
前記第1の対の注射器の前記第1のアクチュエータを動かして前記第1のピストンと前記第2のピストンとを同時に動かすステップと、
前記第2の対の注射器の前記第2のアクチュエータを動かして前記第3のピストンと前記第4のピストンとを同時に動かすステップと
を順次に含む方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、
前記結合機構によって、前記第1の対の注射器を前記第2の対の注射器に接続するステップと、
前記第2の対の注射器の前記第2のアクチュエータを押し込むことにより、前記第1の成分の貯槽から、前記第1の密封材成分の前記第1の液体成分を、前記第1の密封材成分の前記第1の粉末または溶液の成分を搬送する前記第1の成分のチャンバの中へ移動させ、同時に、前記第2の成分の貯槽から、前記第2の密封材成分の前記第2の液体成分を、前記第2の密封材成分の前記第2の粉末または溶液の成分を搬送する前記第2の成分のチャンバの中へ移動させるステップと
を含む方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法であって、
前記結合機構によって、前記第1の対の注射器を前記第2の対の注射器に接続するステップと、
前記第1の対の注射器と前記第2の対の注射器とを順次に作動させ、前記第1の粉末または溶液の成分を前記第1の液体成分に水和させて前記多成分密封材の前記第1の密封材成分を形成するステップであって、前記多成分密封材の前記第1の密封材成分は、完全に水和されたときには前記第1の対の注射器の前記第1の成分のチャンバの中に存在する、ステップとを含み、
前記第1の対の注射器と前記第2の対の注射器とを前記順次に作動させる行為と同時に、前記第1の対の注射器と前記第2の対の注射器が、前記第2の粉末または溶液の成分を前記第2の液体成分に水和させて前記多成分密封材の前記第2の密封材成分を形成するように動作し、前記多成分密封材の前記第2の密封材成分は、完全に水和されたときには前記第1の対の注射器の前記第2の成分のチャンバの中に存在する、方法。
【請求項20】
請求項17から19のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第2の対の注射器の前記第2のアクチュエータおよび前記第1の対の注射器の前記第1のアクチュエータを、前記それぞれの粉末または溶液の成分が前記それぞれの液体成分によって完全に水和されるまで交互に押し込む行為を続ける方法。
【請求項21】
請求項16から20のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第1の対の注射器から前記結合機構を分離するステップと、
前記第1の対の注射器に対して請求項1に記載の注射針組立体を結合するステップと
を含む方法。
【国際調査報告】