(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-01
(54)【発明の名称】ロボット支援外科的処置用のガス密封アクセスキャップおよび弁密封アクセスキャップを備えたガス循環システム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/34 20060101AFI20220525BHJP
A61B 34/10 20160101ALI20220525BHJP
【FI】
A61B17/34
A61B34/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021557351
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(85)【翻訳文提出日】2021-09-24
(86)【国際出願番号】 US2020024711
(87)【国際公開番号】W WO2020198355
(87)【国際公開日】2020-10-01
(32)【優先日】2019-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トンプソン エミリー
(72)【発明者】
【氏名】ブレンナー コーリー ロンドン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160FF60
4C160MM23
(57)【要約】
患者の外科手術腔内でロボット支援外科手術処置を実施するためのガス循環システムが開示されており、これは、加圧ガスラインおよび戻りガスラインを有するデュアルルーメン部分と、ガス供給および感知ラインを有するシングルルーメン部分とを含むマルチルーメン管セットと、第一のロボットカニューレでの協働的な受容のための、かつ管セットのガス供給および感知ラインと連通するための入口経路を有する、弁密封アクセスキャップと、第二のロボットカニューレでの協働的な受容のための、かつ管セットの加圧ガスラインと連通するための入口経路、および管セットの戻りガスラインと連通するための出口経路を有する、ガス密封アクセスキャップと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の外科手術腔内でロボット支援外科処置を実施するためのガス循環システムであって、
a)前記患者の前記外科手術腔に対してガス再循環を促進するための加圧ガスラインおよび戻りガスラインを有するデュアルルーメン部分と、前記患者の腹腔に送気ガスを送達するため、かつ前記患者の前記外科手術腔内の圧力を定期的に感知するためのガス供給および感知ラインを有するシングルルーメン部分とを含むマルチルーメン管セットと、
b)第一のロボットカニューレの近位ボウル部分内の協働的な受容のために適合および構成されており、かつ前記管セットの前記ガス供給および感知ラインと連通するための入口経路を有する、弁密封アクセスキャップと、
c)第二のロボットカニューレの近位ボウル部分内の協働的な受容のために適合および構成されており、かつ前記管セットの前記加圧ガスラインと連通するための入口経路、および前記管セットの前記戻りガスラインと連通するための出口経路を有する、ガス密封アクセスキャップと、
を備える、ガス循環システム。
【請求項2】
前記弁密封アクセスキャップが、外側ハウジング部分および内側本体部分を含み、環状チャネルが、前記外側ハウジング部分と前記内側本体部分との間に前記入口経路と連通して形成される、請求項1に記載のガス循環システム。
【請求項3】
前記外側ハウジング部分が、前記第一のロボットカニューレの前記近位ボウル部分に取り外し可能にラッチされるように適合および構成されている、一対の正反対に対向する可撓性のクリップを含む、請求項2に記載のガス循環システム。
【請求項4】
内側Oリングが、前記外側ハウジング部分と前記内側本体部分との間の前記環状チャネルを密封する、請求項2に記載のガス循環システム。
【請求項5】
外側Oリングが、前記外側ハウジング部分と前記第一のロボットカニューレの前記近位ボウル部分との間に位置付けられ、摩擦係合を提供してその間のガス漏れを防止する、請求項2に記載のガス循環システム。
【請求項6】
前記弁密封アクセスキャップの前記内側本体部分が、一次弁および二次弁を支持する、請求項2に記載のガス循環システム。
【請求項7】
前記一次弁が円形セプタム弁であり、前記二次弁がダックビル弁である、請求項6に記載のガス循環システム。
【請求項8】
前記一次弁が前記二次弁の近位に位置する、請求項7に記載のガス循環システム。
【請求項9】
音減衰発泡材料が、音レベルを低減するため、かつ器具の挿入、取り外しおよび操作中に前記一次弁および前記二次弁を所定位置に保持するのを促進するために、前記弁密封アクセスキャップ内に前記一次弁の近位に位置付けられる、請求項6に記載のガス循環システム。
【請求項10】
リッドが、前記外側ハウジング部分の近位端と係合して、前記内側本体部分を前記外側ハウジング部分内に固定し、器具の挿入、取り外し、および操作中に前記一次弁および前記二次弁が所定位置にある確実性を提供する、請求項9に記載のガス循環システム。
【請求項11】
前記リッドがさらに、前記内側本体部分、前記音減衰発泡材料、前記一次弁および前記二次弁を、前記内側本体部分に対して前記外側ハウジング部分内に固定する、請求項10に記載のガス循環システム。
【請求項12】
前記入口経路が、前記外側ハウジング部分で形成され、ルアータイプのコネクタが、前記管セットの前記ガス供給および感知ラインと連通するために動作可能に関連付けられ、前記ルアータイプのコネクタが、前記入口経路への所望の量のガス流を達成するように選択的にサイズ設定される、請求項2に記載のガス循環システム。
【請求項13】
前記環状チャネルが、前記内側本体部分の内向きにテーパ状である遠位壁と前記外側ハウジング部分の内向きにテーパ状である遠位壁との間に画定される環状孔を通して、前記第一のロボットカニューレの前記近位ボウル部分と連通する、請求項2に記載のガス循環システム。
【請求項14】
前記内側本体部分の遠位端表面が、前記外側ハウジング部分の内向きにテーパ状である遠位壁の内部遠位表面に対して圧縮的に係合して、前記環状チャネルを封入する、請求項2に記載のガス循環システム。
【請求項15】
前記環状チャネルが、前記外側ハウジング部分の前記内向きにテーパ状である遠位壁に形成される複数の円周方向に離間した孔を通して、前記第一のロボットカニューレの前記近位ボウル部分と連通し、前記孔の数および/またはサイズが、所望のガス流を達成するように選択される、請求項14に記載のガス循環システム。
【請求項16】
前記複数の孔が楕円形状であり、前記外側ハウジング部分の中心軸から半径方向外向きに延在する、請求項15に記載のガス循環システム。
【請求項17】
前記複数の孔が楕円形状であり、前記外側ハウジング部分の中心軸に対して概して接線方向に延在する、請求項15に記載のガス循環システム。
【請求項18】
前記複数の孔が三角形状であり、前記外側ハウジング部分の中心軸から半径方向外向きに延在する、請求項15に記載のガス循環システム。
【請求項19】
前記アクセスキャップのいずれか一つで使用するための、遠位切断先端を有する細長い管状シャフトを含む閉塞具をさらに備える、請求項1に記載のガス循環システム。
【請求項20】
前記ガス密封アクセスキャップが、前記入口経路から加圧ガスを受容するための、かつ前記患者の前記外科手術腔内に安定した圧力を維持するために前記第二のロボットカニューレ内のガス密封ゾーンを生成するための環状ジェット組立品を支持する内部空洞を画定する主ハウジング部分を含む、請求項1に記載のガス循環システム。
【請求項21】
音減衰発泡材料が、音レベルを低減するために、前記ガス密封アクセスキャップ内に前記環状ジェット組立品の近位に位置付けられる、請求項20に記載のガス循環システム。
【請求項22】
リッドが、前記外側ハウジング部分の近位端と係合して、前記環状ジェット組立品および音減衰発泡材料を主前記主ハウジング部分内に固定する、請求項21に記載のガス循環システム。
【請求項23】
前記主ハウジング部分が、前記ガス密封ゾーンから前記ガス密封アクセスキャップの前記出口経路にガスを方向付けるための、一体的に形成された円周方向に離間した静翼のセットを含む、請求項20に記載のガス循環システム。
【請求項24】
前記円周方向に離間した静翼のセットが、遠位に延在して、前記第二のロボットカニューレの前記近位ボウル部分内に延在する管状延長部を形成する、請求項23に記載のガス循環システム。
【請求項25】
外側Oリングが、前記ガス密封アクセスキャップの前記主ハウジング部分と前記第二のロボットカニューレの前記近位ボウル部分との間に位置付けられる、請求項20に記載のガス循環システム。
【請求項26】
前記ガス密封アクセスキャップの前記入口経路および前記出口経路が、前記管セットの前記加圧ガスラインおよび前記戻りガスラインと連通するためのブルズアイコネクタ嵌合部と関連付けられたマニホールドと連通し、前記ブルズアイコネクタ嵌合部が、その上に形成された複数の円周方向に離間した半径方向外向きに延在する係合突起部を有する、請求項20に記載のガス循環システム。
【請求項27】
前記ブルズアイコネクタ嵌合部が、前記管セットの前記加圧ガスラインおよび前記戻りガスラインと連通するためのバイルーメンブルズアイコネクタ嵌合部である、請求項26に記載のガス循環システム。
【請求項28】
前記ブルズアイコネクタ嵌合部が、前記管セットの前記加圧ガスラインおよび前記戻りガスラインと連通するが、前記管セットの前記ガス供給および感知ラインとは連通しない、トリルーメンブルズアイコネクタ嵌合部である、請求項26に記載のガス循環システム。
【請求項29】
前記管セットの前記デュアルルーメン部分が、前記ブルズアイコネクタ嵌合部の前記係合突起部と機械的に係合するための、その中に形成された円周方向に配設されるバヨネットタイプの締結チャネルを有するカップリングを含む、請求項26に記載のガス循環システム。
【請求項30】
前記管セットの前記デュアルルーメン部分が、前記ブルズアイコネクタ嵌合部の係合突起部と機械的に係合するための、その中に形成された螺旋状に配設されるバヨネットタイプの締結チャネルを有するカップリングを含む、請求項26に記載のガス循環システム。
【請求項31】
前記ガス密封アクセスキャップの前記外側主ハウジング部分が、前記第二のロボットカニューレの前記近位ボウル部分に取り外し可能にラッチされるように適合および構成されている、一対の正反対に対向する可撓性のクリップを含む、請求項20に記載のガス循環システム。
【請求項32】
前記ガス密封アクセスキャップの前記外側主ハウジング部分が、前記第二のロボットカニューレの前記近位ボウル部分に取り外し可能にラッチするように適合および構成されている、圧縮可能な環状スカートを含む、請求項20に記載のガス循環システム。
【請求項33】
前記第二のロボットカニューレの前記近位ボウル部分が、前記ガス密封アクセスキャップの前記外側主ハウジング部分に取り外し可能にラッチされるように適合および構成されている、移動可能で圧縮可能な環状スカートを含む、請求項20に記載のガス循環システム。
【請求項34】
前記ガス密封アクセスキャップの前記外側主ハウジング部分が、前記第二のロボットカニューレの前記近位ボウル部分に取り外し可能にラッチされるように適合および構成されている、ばね付勢されたヒンジ付きバックルを含む、請求項20に記載のガス循環システム。
【請求項35】
前記ガス密封アクセスキャップの前記外側主ハウジング部分が、前記第二のロボットカニューレの前記近位ボウル部分に取り外し可能に固定されるように適合されている磁気スカートを含む、請求項20に記載のガス循環システム。
【請求項36】
前記トリルーメンブルズアイコネクタ嵌合部が、前記管セットの前記デュアルルーメン部分の前記遠位端に関連付けられたトリルーメンブルズアイカップリングと連通するように適合および構成されている、請求項28に記載のガス循環システム。
【請求項37】
リルーメンブルズアイプラグが、前記トリルーメンブルズアイカップリングと係合するためのものである、請求項36に記載のガス循環システム。
【請求項38】
前記第二のロボットカニューレが、その前記近位ボウル部分から遠位に延在する細長い管状体部分を有し、これが、前記管状体部分を通って延在する外科手術器具の周りにガス流を収容するための、複数の円周方向に離間した長軸方向ビーズをその内面上に含む、請求項1に記載のガス循環システム。
【請求項39】
前記第二のロボットカニューレが、その前記近位ボウル部分から遠位に延在する細長い管状体部分を有し、これが、前記管状体部分を通って延在する外科手術器具の周りにガス流を収容するための、複数の円周方向に離間した長軸方向チャネルをその内面に含む、請求項1に記載のガス循環システム。
【請求項40】
前記第二のロボットカニューレが、その前記近位ボウル部分から遠位に延在する細長い管状体部分を有し、これが、前記管状体部分を通って延在する外科手術器具の周りにガス流を収容するための、螺旋状ビーズをその内面上に含む、請求項1に記載のガス循環システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年3月26日出願の米国仮特許出願第62/823,848号、2019年7月19日出願の米国仮特許出願第62/876,141号、2019年10月24日出願の米国仮特許出願第62/925,424号、および2020年3月25日出願の米国特許出願第16/829,694号に対する優先権を主張するものであり、その開示はすべて参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、内視鏡外科手術、より具体的には、ロボット支援腹腔鏡外科処置中に使用するための、ガス密封アクセスキャップおよび弁密封アクセスキャップを備えた外科手術ガス循環システムを対象とする。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
腹腔鏡下または「最小侵襲性」外科的手術技術は、胆嚢摘出、虫垂切除術、ヘルニア修復および腎摘出などの手術の実施において普及している。そのような処置の利点には、患者への外傷の減少、感染の機会の低減、および回復時間の短縮が含まれる。腹部(腹膜)空洞内のこのような手術は、典型的には、トロカールまたはカニューレとして知られる装置を通して実施され、これは腹腔鏡器具の患者の腹腔内への導入を促進する。
【0004】
さらに、このような処置は、一般に、二酸化炭素などの加圧流体で腹腔の充填または腹腔に「送気」して、気腹と呼ばれる手術空間を作り出すことを含む。送気は、送気用流体を送達するように装備されたトロカールなどの手術用アクセス装置、または送気用(ベレス)ニードルなどの別個の送気用装置によって、実施され得る。気腹を維持するために、送気ガスの実質的な損失なしに、外科手術器具の気腹への導入が望ましい。
【0005】
典型的な腹腔鏡下処置中に、外科医は、通常各々約12ミリメートル以下の三、四個所の小さな切開を行い、これは通常、外科用アクセス装置自体を用いて、しばしばその中に配置された別個の挿入器または閉塞具を使用して行われる。挿入後、閉塞具が取り外され、トロカールは腹腔内に挿入される器具に対するアクセスを可能にする。典型的なトロカールは、外科医が作業する開放内部空間を持つように、腹腔に送気する経路を提供する。
【0006】
トロカールは、トロカールと使用されている外科手術器具の間の密封によって空洞内の圧力を維持する方法を提供しつつも、なお外科手術器具の少なくとも最小量の移動の自由を可能にしなければならない。このような器具には、例えば、はさみ、把持器具および閉塞具、焼灼ユニット、カメラ、光源およびその他の外科手術器具が含まれ得る。密封要素または機構は通常、腹腔からの送気用ガスの漏れを防ぐためにトロカールに提供される。これらの密封機構は多くの場合、トロカールを通過する外科手術器具の外側表面の周りに密封するために、比較的柔軟な材料で作られたダックビル型弁を含む。
【0007】
ConMed Corporationの完全子会社であるSurgiQuest,Inc.は、例えば米国特許第7,854,724号に記載されるように、従来の機械的弁シールを必要とせずに、送気された外科手術腔にすぐにアクセスできる、独自のガス密封外科手術アクセス装置を開発した。これらの装置は、内側管状体部分および同軸外側管状体部分を含むいくつかのネストされた構成要素から構築される。内側管状体部分は、従来の腹腔鏡外科手術器具を患者の腹腔に導入するための中央ルーメンを画定し、外側管状体部分は、患者の腹腔に送気用ガスを送達し、腹圧の定期的な感知を促進するための内側管状体部分を囲む環状ルーメンを画定する。
【0008】
ロボット支援最小侵襲性外科手術処置も、ますます一般的になってきている。これらの処置を実施するための一つの周知のシステムは、カリフォルニア州サニーベールのIntuitive Surgical, Inc.によって製造および販売されている、Da Vinciロボット外科手術システムと呼ばれる。Da Vinciシステムは、ロボット器具を受容し、かつロボットアームによって係合されるように適合および構成されている、独自仕様のトロカールまたはカニューレを利用する。独自仕様のDa Vinciカニューレは、例えば、米国特許第10,463,395号に開示されているように、ガス密シール組立品などの構成要素を受容するためのボウルを形成する近位ハウジングを有する。Da Vinciガス密シール組立品は、カニューレを通過する外科手術器具の外側表面の周りを密封し、腹腔からの送気ガスの漏れを防止するために、機械的シールを利用する。
【0009】
機械的シール組立品を必要とせずに、送気された外科手術腔にすぐにアクセスできる、Da Vinciカニューレで使用するためのシール組立品を提供することが有益であると考えられる。実際に、このような空気シール組立品の最近の実施例は、同一出願人による米国特許出願公開第2018/0256207号に開示されている。本発明は、他の新規な装置およびシステムと共に、本明細書に以下で詳細に説明される、この従来のガス密封アクセス装置に対する改善を提供する。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、患者の外科手術腔内でロボット支援外科手術処置を実施するための、新規かつ有用なガス循環システムを対象とする。システムは、患者の外科手術腔に対してガス再循環を促進するための加圧ガスラインおよび戻りガスラインを有するデュアルルーメン部分と、患者の腹腔に送気ガスを送達するため、かつ患者の外科手術腔内の圧力を定期的に感知するためのガス供給および感知ラインを有するシングルルーメン部分とを有するマルチルーメン管セットを含む。
【0011】
システムはさらに、第一のロボットカニューレの近位ボウル部分内の協働的な受容のために適合および構成されており、かつ管セットのガス供給および感知ラインと連通するための入口経路を有する弁密封アクセスキャップと、第二のロボットカニューレの近位ボウル部分内の協働的な受容のために適合および構成されており、かつ管セットの加圧ガスラインと連通するための入口経路、および管セットの戻りガスラインと連通するための出口経路を有する、ガス密封アクセスキャップとを含む。
【0012】
弁密封アクセスキャップは、外側ハウジング部分および内側本体部分を含み、環状チャネルが、外側ハウジング部分と内側本体部分との間に入口経路と連通して形成される。内側Oリングは、外側ハウジング部分と内側ハウジング部分との間の環状チャネルを密封して、ガス漏れを防止する。
【0013】
外側ハウジング部分は、第一のロボットカニューレの近位ボウル部分に取り外し可能にラッチされるように適合および構成されている、一対の正反対に対向する可撓性のクリップを含む。外側Oリングは、外側ハウジング部分と第一のロボットカニューレの近位ボウル部分との間に位置付けられ、摩擦係合を提供してその間のガス漏れを防止する。
【0014】
弁密封アクセスキャップの内側本体部分は、一次弁および二次弁を支持する。一次弁は円形セプタム弁であり、二次弁はダックビル弁である。一次弁は二次弁の近位に位置する。音減衰発泡材料は、音レベルを低減するため、かつ器具の挿入、取り外し、および操作中に一次弁および二次弁を所定位置に保持するのを促進するために、弁密封アクセスキャップ内に一次弁の近位に位置付けられる。
【0015】
リッドは、外側ハウジング部分の近位端と係合して、内側本体部分を外側ハウジング部分内に固定し、器具の挿入、取り外し、および操作中に確実性を提供する。リッドはさらに、内側本体部分、音減衰発泡材料、一次弁、および二次弁を、内側本体部分に対して外側ハウジング部分内に固定する。
【0016】
入口経路は、外側ハウジング部分で形成され、ルアータイプのコネクタが、管セットのガス供給および感知ラインと連通するために動作可能に関連付けられることが好ましい。ルアータイプのコネクタは、入口経路への所望の量のガス流を達成するように選択的にサイズ設定される。
【0017】
内側本体部分の遠位端表面は、外側ハウジング部分の内向きにテーパ状である遠位壁の内部遠位表面に対して圧縮的に係合して、環状チャネルを封入する。本発明の一実施形態では、環状チャネルは、外側ハウジング部分の内向きにテーパ状である遠位壁に形成される複数の円周方向に離間した孔を通して、第一のロボットカニューレの近位ボウル部分と連通する。複数の孔は、楕円形状であって、外側ハウジング部分の中心軸から半径方向外向きに延在してもよく、または複数の孔は、外側ハウジング部分の中心軸に対して概して接線方向に延在してもよい。また、孔は三角形状であって、外側ハウジング部分の中心軸から半径方向外向きに延在してもよい。当業者は、孔の数および/またはサイズは、所望のガス流を提供するように選択され得ることを容易に理解するであろう。
【0018】
本発明の別の実施形態では、環状チャネルは、内側本体部分の内向きにテーパ状である遠位壁と外側ハウジング部分の内向きにテーパ状である遠位壁との間に画定される環状孔を通して、第一のロボットカニューレの近位ボウル部分と連通する。
【0019】
ガス密封アクセスキャップは、入口経路から加圧ガスを受容するための、かつ患者の外科手術腔内に安定した圧力を維持するために第二のロボットカニューレ内のガス密封ゾーンを生成するための環状ジェット組立品を支持する内部空洞を画定する主ハウジング部分を含む。音減衰発泡材料は、ガス密封アクセスキャップ内に環状ジェット組立品の近位に位置付けられる。リッドは、外側ハウジング部分の近位端と係合して、環状ジェット組立品および音減衰発泡材料を主ハウジング部分内に固定する。
【0020】
加えて、主ハウジング部分は、ガス密封ゾーンからガス密封アクセスキャップの出口経路にガスを方向付けるための、一体的に形成された円周方向に離間した静翼のセットを含む。円周方向に離間した静翼のセットは、遠位に延在して、第二のロボットカニューレの近位ボウル部分内に延在する管状延長部を形成する。
【0021】
外側Oリングは、ガス密封アクセスキャップの主ハウジング部分と第二のロボットカニューレの近位ボウル部分との間に位置付けられる。ガス密封アクセスキャップの入口経路および出口経路は、管セットの加圧ガスラインおよび戻りガスラインと連通するためのブルズアイコネクタ嵌合部と関連付けられたマニホールドと連通する。ブルズアイコネクタ嵌合部は、その上に形成された複数の円周方向に離間した半径方向外向きに延在する係合突起部を有する。
【0022】
本発明の一実施形態では、ブルズアイコネクタ嵌合部は、管セットの加圧ガスラインおよび戻りガスラインと連通するためのバイルーメンブルズアイコネクタ嵌合部である。別の実施形態では、ブルズアイコネクタ嵌合部は、管セットの加圧ガスラインおよび戻りガスラインと連通するが、管セットのガス供給および感知ラインとは連通しない、トリルーメンブルズアイコネクタ嵌合部である。
【0023】
本発明の一実施形態では、管セットのデュアルルーメン部分は、ブルズアイコネクタ嵌合部の係合突起部と機械的に係合するための、その中に形成された円周方向に配設されるバヨネットタイプの締結チャネルを有するカップリングを含む。本発明の別の実施形態では、管セットのデュアルルーメン部分は、ブルズアイコネクタ嵌合部の係合突起部と機械的に係合するための、その中に形成された螺旋状に配設されるバヨネットタイプの締結チャネルを有するカップリングを含む。
【0024】
本発明の一実施形態では、ガス密封アクセスキャップの外側主ハウジング部分は、第二のロボットカニューレの近位ボウル部分に取り外し可能にラッチされるように適合および構成されている、一対の正反対に対向する可撓性のクリップを含む。本発明の別の実施形態では、ガス密封アクセスキャップの外側主ハウジング部分は、第二のロボットカニューレの近位ボウル部分に取り外し可能にラッチされるように適合および構成されている、圧縮可能な環状スカートを含む。代替的に、第二のロボットカニューレの近位ボウル部分は、ガス密封アクセスキャップの外側主ハウジング部分に取り外し可能にラッチされるように適合および構成されている、移動可能で圧縮可能な環状スカートを含む。
【0025】
本発明の別の実施形態では、ガス密封アクセスキャップの外側主ハウジング部分は、第二のロボットカニューレの近位ボウル部分に取り外し可能にラッチされるように適合および構成されている、ばね付勢されたヒンジ付きバックルを含む。本発明の別の実施形態では、ガス密封アクセスキャップの外側主ハウジング部分は、第二のロボットカニューレの近位ボウル部分に取り外し可能に固定されるように適合されている磁気スカートを含む。
【0026】
本発明の一実施形態では、トリルーメンブルズアイコネクタ嵌合部は、管セットのデュアルルーメン部分の遠位端に関連付けられたトリルーメンブルズアイカップリングと連通するように適合および構成されている。加えて、トリルーメンブルズアイカップリングとの係合のために、トリルーメンブルズアイプラグが提供される。
【0027】
本発明の一実施形態では、第二のロボットカニューレは、その近位ボウル部分から遠位に延在する細長い管状体部分を有し、これは、管状体部分を通って延在する外科手術器具の周りにガス流を収容するための、複数の円周方向に離間した長軸方向ビーズをその内面上に含む。本発明の別の実施形態では、第二のロボットカニューレは、その近位ボウル部分から遠位に延在する細長い管状体部分を有し、これは、管状体部分を通って延在する外科手術器具の周りにガス流を収容するための、複数の円周方向に離間した長軸方向チャネルをその内面に含む。本発明のさらに別の実施形態では、第二のロボットカニューレは、その近位ボウル部分から遠位に延在する細長い管状体部分を有し、これは、管状体部分を通って延在する外科手術器具の周りにガス流を収容するための、螺旋状ビーズをその内面上に含む。
【0028】
本発明のガス循環システムのこれらおよびその他の特徴は、以下の図面の簡単な説明と併せてなされた好ましい実施形態の詳細な説明から、本発明に関連する当業者にはより容易に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
当業者は、必要以上の実験無しに、本発明のガス循環システムを製造および使用する方法を容易に理解するであろうゆえに、その好適な実施形態を、図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
【0030】
【
図1】
図1は、ロボット支援腹腔鏡外科的処置の実施中に使用されている本発明のガス循環システムの斜視図であり、システムは、第一のロボットカニューレに着脱可能に係合されたガス密封アクセスキャップ、および第二のロボットカニューレに着脱可能に係合された弁密封アクセスキャップに接続されたデュアルルーメン部分を有するマルチルーメンフィルタ付き管セットを含む。
【
図2】
図2は、
図1に示されるマルチルーメンフィルタ付き管セット、ならびに第一のロボットカニューレに着脱可能に係合されたガス密封アクセスキャップ、および第二のロボットカニューレに着脱可能に係合された弁密封アクセスキャップの斜視図である。
【
図3】
図3は、ロボットカニューレの近位ハウジング内に着脱可能に係合された本発明の弁密封アクセスキャップの斜視図である。
【
図4】
図4は、ロボットカニューレの近位ハウジングから分離された本発明の弁密封アクセスキャップの斜視図である。
【
図5】
図5は、ロボットカニューレの近位ハウジングのフランジに取り外し可能にラッチするための、弁密封アクセスキャップに関連付けられた正反対に対向する可撓性のクリップのうちの一つの
図4から切り取った局所的拡大斜視図である。
【
図6】
図6は、図示しやすいように部品が分離された、本発明の弁密封アクセスキャップの分解斜視図である。
【
図7】
図7は、弁密封アクセスキャップを、フィルタ付き管セットのシングルルーメンに接続するためのルアーコネクタの
図6から切り取った局所的拡大斜視図である。
【
図8】
図8は、
図3の線8-8に沿って切り取った断面図であり、ルアーコネクタが、弁密封アクセスキャップのルアー嵌合部に取り付けられている。
【
図9】
図9は、弁密封アクセスキャップの遠位端部分が図示された、
図6の線9-9に沿って切り取られた断面図である。
【
図10】
図10は、弁密封アクセスキャップの遠位端部分内に形成された楕円形の送気孔のセットが図示された、
図6の線10-10に沿って切り取った断面図である。
【
図11】
図11は、弁密封アクセスキャップの遠位端部分内に形成された三角形の送気孔のセットを示す。
【
図12】
図12は、弁密封アクセスキャップの遠位端部分内に形成された別の楕円形の送気孔のセットを示す。
【
図13】
図13は、弁密封アクセスキャップの遠位端部分内に形成されたさらに別の楕円形の送気孔のセットを示す。
【
図14】
図14は、弁密封アクセスキャップの遠位端部分内に形成された環状の送気ギャップを示す。
【
図15】
図15は、ロボットカニューレ内に係合される本発明のガス密封アクセスキャップ、ならびに患者の腹腔への初期アクセスを得るための閉塞具の斜視図である。
【
図16】
図16は、ロボットカニューレの近位ハウジング内に着脱可能に係合された本発明のガス密封アクセスキャップの斜視図である。
【
図17】
図17は、ロボットカニューレの近位ハウジングから分離された本発明のガス密封アクセスキャップの斜視図である。
【
図18】
図18は、図示しやすいように部品が分離された、本発明のガス密封アクセスキャップの分解斜視図である。
【
図19】
図19は、ガス密封アクセスキャップのハウジングの一体的に形成された内部構造が図示された、
図18の線19-19に沿って切り取られた断面図である。
【
図20】
図20は、図示しやすいように部品が分離された、本発明のガス密封アクセスキャップの別の実施形態の分解斜視図である。
【
図21】
図21は、
図20のガス密封アクセスキャップのブルズアイコネクタの拡大平面図である。
【
図22】
図22は、本発明のマルチルーメンフィルタ付き管セットの斜視図であり、管セットのデュアルルーメン部分は、本発明のガス密封アクセスキャップに連結するためのトリルーメンコネクタを有する。
【
図23】
図23は、バヨネットタイプの連結機構を含む、本発明のガス密封アクセスキャップに連結するためのバイルーメンコネクタの斜視図である。
【
図24】
図24は、本発明のフィルタ付き管セットのデュアルルーメン部分と関連付けられ、かつ本発明のガス密封アクセスキャップのデュアルルーメン嵌合部に連結された、
図23のバイルーメンコネクタの斜視図である。
【
図25】
図25および
図26は、バイルーメンコネクタのバヨネットチャネルとガス密封アクセスキャップの嵌合部上の突起部との係合を示す、
図24から切り取った局所的拡大図である。
【
図26】
図25および
図26は、バイルーメンコネクタのバヨネットチャネルとガス密封アクセスキャップの嵌合部上の突起部との係合を示す、
図24から切り取った局所的拡大図である。
【
図27】
図27は、別のバヨネットタイプの連結機構を含む、本発明のガス密封アクセスキャップに連結するための別のバイルーメンコネクタの斜視図である。
【
図28】
図28は、本発明のフィルタ付き管セットのデュアルルーメン部分と関連付けられ、かつ本発明のガス密封アクセスキャップのデュアルルーメン嵌合部に連結された、
図27のバイルーメンコネクタの斜視図である。
【
図29】
図29および
図30は、
図27のバイルーメンコネクタのバヨネットチャネルと
図28に示すガス密封アクセスキャップの嵌合部上の突起部との係合を示す局所的拡大図である。
【
図30】
図29および
図30は、
図27のバイルーメンコネクタのバヨネットチャネルと
図28に示すガス密封アクセスキャップの嵌合部上の突起部との係合を示す局所的拡大図である。
【
図31】
図31は、ロボットカニューレの近位ハウジングにアクセスキャップを着脱可能に係合するための圧縮可能なスカートを有する本発明のガス密封アクセスキャップの斜視図である。
【
図32】
図32は、
図31のガス密封アクセスキャプの分解斜視図であり、図示しやすいように部品が分離されている。
【
図35】
図35は、圧縮可能なスカートがロボットカニューレの近位ハウジングから係合解除される方法が図示された、
図32のガス密封アクセスポートの上面図である。
【
図36】
図36は、ロボットカニューレの近位ハウジングから分離された、
図31に示すガス密封アクセスキャップの斜視図である。
【
図37】
図37は、アクセスキャップをロボットカニューレの近位ハウジングに着脱可能に係合するためのばね付勢されたバックルを有する、本発明のガス密封アクセスキャップの斜視図である。
【
図38】
図38は、ロボットカニューレの近位ハウジングから分離された、
図37に示すガス密封アクセスキャップの斜視図である。
【
図39】
図39は、
図37に示すガス密封アクセスキャップのばね付勢されたバックルのヒンジの局所的拡大図である。
【
図41】
図41は、アクセスキャップをロボットカニューレの近位ハウジングに着脱可能に係合するための磁気スカートを有する、本発明のガス密封アクセスキャップの斜視図である。
【
図43】
図43は、
図41のガス密封アクセスキャプの分解斜視図であり、図示しやすいように部品が分離されている。
【
図44】
図44は、アクセスキャップをロボットカニューレの近位ハウジングに着脱可能に係合するための軸方向に移動可能な反転された圧縮可能スカートを有する、本発明のガス密封アクセスキャップの斜視図である。
【
図45】
図45は、
図44のガス密封アクセスキャプの分解斜視図であり、図示しやすいように部品が分離されている。
【
図47】
図47は、本発明のフィルタ付き管セットのデュアルルーメン部分の遠位端と関連付けられたトリルーメンコネクタと係合するためのブルズアイコネクタプラグの斜視図である。
【
図48】
図48は、ロボット外科手術器具のシャフトを収容するように寸法設定された内径を有する管状体部分を有する、従来のDa Vinci Xiロボットカニューレの側面図である。
【
図49】
図49は、ガス用の内部流れチャネルを生成するための複数の円周方向に離間した細長いビーズを有する拡張された内径を有する、修正されたロボットカニューレの管状体の遠位端部分の斜視図である。
【
図50】
図50は、ガス流のための管状体の内面内に形成された複数の円周方向に離間した細長いチャネルを有する拡張された内径を有する、修正されたロボットカニューレの管状体の遠位端部分の斜視図である。
【
図51】
図51および
図52は、ガス用の螺旋状の流れ通路を形成する、その内面上に形成された螺旋状ビーズを有する、修正されたロボットカニューレの管状体の断面図である。
【
図52】
図51および
図52は、ガス用の螺旋状の流れ通路を形成する、その内面上に形成された螺旋状ビーズを有する、修正されたロボットカニューレの管状体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
ここで、同様の参照番号が、本発明の類似の構造要素および特徴を特定する図面を参照し、患者の外科手術腔内で内視鏡外科手術処置を実施するための、より具体的には、患者の腹腔内でロボット支援腹腔鏡外科手術処置を実施するためのガス循環システムが
図1に図示されており、これは、本開示の好ましい実施形態に従って構築され、概して参照番号10によって指定される。
【0032】
本発明のガス循環システム10は、プログラム可能なマルチモードガス送達システム12と協働するように特に設計される。このタイプのガス送達システム12は、同一出願人による米国特許第9,375,539号に記載されており、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。ガス送達システム12は、動作パラメータを設定するためのグラフィカルユーザーインターフェース14、および患者の外科手術腔に対する加圧ガスの再循環を促進するためのポンプ16を含む。ガス送達システム12は、患者の外科手術腔に送気ガスを送達するための外科手術ガスの供給源18に接続される。
【0033】
簡潔に述べると、ガス循環システム10は、デュアルルーメン部分22およびシングルルーメン部分24を有する、マルチルーメンフィルタ付き管セット20を含む。管セット20のデュアルルーメン部分22は、第一のロボットカニューレ28と関連付けられたガス密封アクセスキャップ26に動作可能に接続される。管セット20のシングルルーメン部分24は、第二のロボットカニューレ32と関連付けられた弁密封アクセスキャップ30に動作可能に接続される。ガス循環システム10のこれらの構成要素の各々、およびそれらの変形は、本明細書で以下でより詳細に説明する。
【0034】
図2を参照すると、管セット20のデュアルルーメン部分22は、患者の外科手術腔に対するガス再循環を促進し、かつ電気焼灼作業等から生じる煙を含むガスの外科手術腔からの排出を促進するための加圧ガスライン34および戻りガスライン36を有する。管セット20のシングルルーメン部分24は、二つの別個の機能を有する、ガス供給および感知ライン38を画定する。ガス供給および感知ラインは、患者の外科手術腔への送気ガスの送達を促進し、また患者の外科手術腔内の圧力の定期的な感知も促進する。
【0035】
管セット20は、マルチパスフィルタカートリッジ組立品40と動作可能に関連付けられる。より具体的には、管セット20のガスラインは、フィルタカートリッジ組立品40のエンドキャップ44上の嵌合部42から延在する。このタイプのフィルタカートリッジ組立品は、同一出願人による、米国特許特許第9,067,030号に開示されており、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。フィルタカートリッジ組立品40は、単回使用のために設計され、使用後は使い捨てであることが好ましい。フィルタカートリッジ組立品は、
図1に図示したマルチモードガス送達システム12と協働するように特に設計されている。
【0036】
図示しないが、フィルタカートリッジ組立品40は、管セット20のデュアルルーメン部分22の加圧ガスライン34と連通する第一のフィルタ付き流路、管セット20のデュアルルーメン部分22の戻りガスライン36と連通する第二のフィルタ付き流路、および管セット20のシングルルーメン部分24のガス供給および感知ライン38と連通する第三のフィルタ付き流路を含む。
【0037】
図2に示すように、管セット20のシングルルーメン部分24は、弁密封アクセスキャップ30と連結するための拡張ルアータイプコネクタ嵌合部46を含む。拡張ルアータイプコネクタ嵌合部46は、
図7および
図8を参照して以下でより詳細に論じられる。管セット20のデュアルルーメン部分22は、ガス密封アクセスキャップ部分26と連結するためのマルチルーメンコネクタ嵌合部48を含む。以下でより詳細に説明するように、本発明は、管セット20のデュアルルーメン部分22のためのマルチルーメンコネクタ嵌合部48のいくつかの異なる実施形態を記述する。
【0038】
ここで
図3~
図8を参照すると、ガス循環システム10の弁密封アクセスキャップ30は、細長い管状体部分52をさらに含む、ロボットカニューレ32の近位ボウル部分50内の協働的な受容のために適合および構成されている。弁密封アクセスキャップ30は、管セット20のガス供給および感知ライン38と連通するための入口経路54を有する。より具体的には、以下でより詳細に説明するように、入口経路54は、ガス供給および感知ライン38の遠位端上のルアータイプのコネクタ嵌合部46と協働するルアータイプのコネクタである。
【0039】
図6および8で最もよく見られるように、弁密封アクセスキャップ30は、細長い略円筒状の外側ハウジング部分56、および外側ハウジング部分56内にネストするように寸法設定および構成されている、細長い略円筒状の内側本体部分58を含む。環状流れチャネル60は、外側ハウジング部分56と内側本体部分58との間に入口経路54と連通して有利に形成される。内側Oリング62は、外側ハウジング部分56と内側本体部分58との間の環状チャネル60を密封して、摩擦係合を提供し、その間のガス漏れを防止する。
【0040】
弁密封アクセスキャップ30の外側ハウジング部分56は、ロボットカニューレ32の近位ボウル部分50の上部環状フランジ66に取り外し可能にラッチされるように適合および構成されている、一対の正反対に対向する可撓性のクリップ64a、64bを含む。
図5で最もよく見られるように、例示として、可撓性のクリップ64aは、下部クリップ部分67を解放するよう内向きに容易に屈曲させることができる上部部分65を含む。対向する可撓性のクリップ64bは、同様に構築されている。外側Oリング68は、外側ハウジング部分56とロボットカニューレ32の近位ボウル部分50の内壁との間に位置付けられて、摩擦係合を提供し、その間のガス漏れを防止するように、外側ハウジング部分56の周囲を囲む。
【0041】
弁密封アクセスキャップ30の内側本体部分58は、一次弁70および二次弁72を支持する。一次弁70は円形セプタム弁であり、二次弁72はダックビル弁であることが好ましい。当技術分野で公知の他のタイプの機械的弁シールも使用され得る。一次弁70は、二次弁72内にネストされ、かつ二次弁72の近位に位置する。発泡材料で作られた音減衰ディスク74は、音レベルを低減するため、かつ器具の挿入、取り外しおよび操作中に一次弁70および二次弁72を所定位置に保持するのを促進するために、弁密封アクセスキャップ30内に一次弁70の近位に位置付けられる。
【0042】
リッド76は、外側ハウジング部分56の近位端と係合して、内側本体部分58を外側ハウジング部分56内に固定し、器具の挿入、取り外し、および操作中に確実性を提供する。リッド76は、それを通して外科手術器具等がカニューレ32に導入される、アクセスキャップ30の出入口または入口ポート78を画定する。リッド76は、クリップまたはタブによって外側ハウジング部分56に機械的に取り付けられてもよく、または所定位置に熱溶接、スピン溶接、もしくは接着されてもよい。リッド76はさらに、内側本体部分58、音減衰ディスク74、一次弁70および二次弁72を、内側本体部分58に対して外側ハウジング部分56内に固定する。
【0043】
ここで
図7および
図8を参照すると、アクセスキャップ30の外側ハウジング部分56と一体的に形成される入口経路54はルアータイプのコネクタであることが好ましい。したがって、入口経路は、ルアータイプのコネクタ嵌合部46と嵌合するよう構成されているねじ山形態55を有する(
図6参照)。ルアータイプの嵌合部46は、近位スカート82および有刺遠位先端84を有する細長いステム80を有する。近位スカート82は、入口経路54のねじ山形態55と嵌合し、遠位先端84は、管セット20の送気および感知ライン38と嵌合する。ルアータイプの嵌合部46および入口経路コネクタ54は、入口経路54への所望の量のガス流を達成するように選択的にサイズ設定される。したがって、当業者は、ガス循環システム10のこれらの特徴の寸法またはサイズが、当技術分野で公知かつ使用される標準的なルアータイプの連結嵌合部よりも大きいことを容易に理解するであろう。これは、アクセスキャップ30の流路内のチョークポイントを有利に除去し、所与の駆動圧力に対してそれを通る質量流量を最大化する。
【0044】
図8および
図9で最もよく見られるように、アクセスキャップ30の内側本体部分58の内向きにテーパ状である遠位端表面86は、アクセスキャップ30の外側ハウジング部分56の内向きにテーパ状である遠位壁90の内側遠位表面88に対して圧縮的かつ緊密に係合して、環状ガス流れチャネル60をガス密様式で封入する。
【0045】
本発明の一実施形態では、環状チャネル60は、外側ハウジング部分56の内向きにテーパ状である遠位壁90内に形成されている複数の円周方向に離間した孔または開口部92を通して、ロボットカニューレ32の近位ボウル部分50と連通する。ここで、
図10および
図12に示すように、複数の孔92は楕円形状であり、外側ハウジング部分56の中心軸から半径方向外向きに延在する。当業者は、孔の数、形状および/またはサイズは、所望のガス流を提供するように選択され得ることを容易に理解するであろう。
【0046】
代替的に、
図13に示すように、複数の楕円形の孔92は、外側ハウジング部分の中心軸に対して概して接線方向に延在してもよい。
図11に示すように、外側ハウジング部分56の中心軸から半径方向外向きに延在する複数の三角形状の孔94が提供されてもよい。
図14に示す本発明の別の実施形態では、環状チャネル60は、内側本体部分58の内向きにテーパ状である遠位壁86と外側ハウジング部分56の内向きにテーパ状である遠位壁88との間に画定される環状孔96を通して、ロボットカニューレ32の近位ボウル部分50と連通する。
【0047】
ここで
図15~
図19を参照すると、ガス循環システム10のガス密封アクセスキャップ26は、細長い管状体部分112をさらに含む、ロボットカニューレ28の近位ボウル部分110内の協働的な受容のために適合および構成されている。
図15に示すように、ガス密封アクセスキャップ26は、患者の腹腔内への初期アクセスを得るために閉塞具100と協働するように適合および構成されている。閉塞具100は、アクセスキャップ26と協働的に係合するための近位ハンドル部分102、ロボットカニューレ28を通って延在するように寸法設定された細長い管状シャフト104、および腹壁を通して穿刺するための鋭利な切断先端106を含む。当業者は、閉塞具100が、上述の弁密封アクセスキャップ30およびロボットカニューレ32でも使用され得ることを容易に理解するであろう。
【0048】
ガス密封アクセスキャップ26は、管セット20のデュアルルーメン部分22と関連付けられたマルチルーメンコネクタ48と連通するためのマルチルーメンコネクタ114を有する。本発明のこの実施形態では、マルチルーメンコネクタ114は、半径方向外側のガス入口ルーメン116および中央ガス出口ルーメン118を含む、バイルーメンブルズアイコネクタである。コネクタ114のガス入口ルーメン116は、管セット20のデュアルルーメン部分22の加圧ガスライン34と連通し、コネクタ114のガス出口ルーメン118は、管セット20のデュアルルーメン部分22の戻りガスライン36と連通する。バイルーメンコネクタ114は、取り付けマニホールド120に延在し、以下により詳細に説明するように、マルチルーメンコネクタ嵌合部48と相互作用するための、複数の円周方向に離間した半径方向外向きに延在する突起部またはポスト145を含む。
【0049】
図18を参照すると、ガス密封アクセスキャップ28は、コネクタ114のガス入口ルーメン116と連通する入口ポート128から加圧ガスを受容するための二部品環状ジェット組立品126を支持する内部空洞124を画定する主ハウジング部分122を含む。環状ジェット組立品126は、ロボットカニューレ28内にガス密封ゾーンを生成して、患者の外科手術腔内に安定した圧力を維持するように適合および構成されている。ジェット組立品126の構造および機能は、同一出願人による米国特許第8,795,223号により詳細に記載されており、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0050】
アクセスキャップ28の主ハウジング部分122は、マルチルーメンコネクタ114のマニホールド120を協働的に受容するための取り付けフランジ125を含む。発泡材料で作られた音減衰ディスク128は、ジェット組立品126を通って流れる加圧ガスによって生成される音レベルを低減するために、ガス密封アクセスキャップ26の主ハウジング部分122内に環状ジェット組立品126の近位に位置付けられる。リッド130は、外側ハウジング部分122の近位端と係合して、環状ジェット組立品126および音減衰ディスク128を主ハウジング部分122内に固定する。リッド130は、それを通して外科手術器具等がロボットカニューレ28に導入される、ガス密封アクセスキャップ26用の主入口ポート135を画定する。
【0051】
さらに、
図19で最もよく見られるように、ガス密封アクセスキャップ26の主ハウジング部分122は、ガス密封アクセスキャップ26の主ハウジング部分122の出口ポート134によって、使用済みのガスをガス密封ゾーンからコネクタ114の出口ルーメン118に方向付けるための、一体的に形成された円周方向に離間した静翼132の本体を含む。この使用済みのガスは、
図1に示すマルチモードガス送達システム12のポンプ16によって生成される再循環流れによって領域から引き出される。特定の状況下で、使用済みのガスは、外科手術腔内で生成された煙を含むガスを含む場合がある。
【0052】
一体的に形成された円周方向に離間した静翼132の本体は、主ハウジング部分122の内部空洞124の内周を囲んでおり、ロボットカニューレ28の近位ボウル部分110内に遠位に延在する内向きにテーパ状である一体型管状延長部136まで遠位に延在する。類似のガイド静翼は、同一出願人による米国特許第8,795,223号に記載されるが、このガイド静翼はハウジングと一体的に形成されていない。
【0053】
外側Oリング138は、ガス密封アクセスキャップ26の主ハウジング部分122とロボットカニューレ28の近位ボウル部分110との間に位置付けられて、その間に気密シールを形成するように、主ハウジング部分122の下部セクションを囲む。ガス密封アクセスキャップ26の主ハウジング部分122はまた、例えば
図15および16に例示されるように、ロボットカニューレ28の近位ボウル部分110の上部環状フランジ142に取り外し可能にラッチされるように適合および構成されている、一対の正反対に対向する可撓性のクリップ140a、140bを含む。
【0054】
ここで
図20~22を参照すると、本発明の別の実施形態では、ガス密封アクセスポート26のマルチルーメンコネクタは、トリルーメンブルズアイコネクタであり、これは概して参照番号214で示される。このタイプのトリルーメンコネクタは、同一出願人による、米国特許第9,526,886号に開示されており、その開示の全体が参照によって本明細書に組み込まれる。この機構は現在、ConMed Corporationの完全子会社であるSurgiQuest,Inc.によって製造および販売されており入手しやすい構成要素である、市販のAirSealアクセスポート製品で使用されている。この理由から、この機構は、ガス密封アクセスキャップ26での使用に容易に適合することができ、それによって、本発明の新規なアクセス装置の製造コストと市場投入までの時間が低減される。
【0055】
より具体的には、
図20および21に示すように、アクセスキャップ26用のトリルーメンブルズアイコネクタ214は、加圧ガスライン34からガスを受容するための外側ルーメン216、使用済みのガスをガス戻りライン36に排出するための中央ルーメン218、およびその間の中間ルーメン217を含む。この場合、中間ルーメン217は、管セット20のいずれのガスラインにも接続されず、取り付けフランジ125の境界内に位置する入口エリア137は、遮断されるか、さもなくば空いており、そのため中間ルーメン217を意味のないものにしている。中間ルーメンは、実質的にコネクタ214の退化した、または使用されない機構である。結果として、
図22に示すトリルーメンブルズアイ嵌合部248は、嵌合部248がトリルーメンコネクタ214と嵌合するように適合および構成されているが、管セット20のデュアルルーメン部分22(すなわち、ルーメン34および36)にのみ関連付けられている。
【0056】
ここで
図23~26を参照すると、本発明のガス密封アクセスキャップ26のコネクタ114と回転可能に連結するためのブルズアイコネクタ嵌合部の別の実施形態が図示されており、これは概して参照番号150で示される。ブルズアイコネクタ嵌合部150は、管セット20のデュアルルーメン部分22を受容するための近位部分152と、コネクタ114上の離間した突起部またはポスト145と係合するための遠位部分154とを含む。コネクタ嵌合部150の遠位部分154は、突起部145を受容するための略J字型スロット156のセットを含む。
【0057】
図25および26で最もよく見えるように、各J字型スロット156は、前脚部158および後脚部160を有する。拡張バルブ162は、突起部145を所定位置にロックできるように、連結中に回転力によって克服されることが必要である、スロット156の後脚セクション158への出入口に形成される。当業者は、
図23~26に示す連結機構が、本発明によるバイルーメンコネクタ嵌合部またはトリルーメンコネクタ嵌合部で使用され得ることを容易に理解するであろう。
【0058】
図27~30を参照すると、本発明のガス密封アクセスキャップ26のコネクタ114と回転可能に連結するためのブルズアイコネクタ嵌合部の別の実施形態が図示されており、これは概して参照番号170で示される。コネクタ嵌合部170は、管セット20のデュアルルーメン部分22を受容するための近位部分172と、コネクタ114上の離間した突起部またはポスト145と係合するための遠位部分174とを含む。
【0059】
コネクタ嵌合部170の遠位部分174は、
図29および
図30で最もよく見えるように、嵌合部170がコネクタ114に対して時計回りに回転したときに、突起部145を受容するための、かつスロット176内のロック位置に突起部145を摩擦保持するためのコルクスクリュータイプの連結機構を画定する、円周方向に離間した概してホッケースティック形状のスロット176のセットを含む。当業者は、
図27~30に示す連結機構が、本発明によるバイルーメンコネクタ嵌合部またはトリルーメンコネクタ嵌合部で使用され得ることを容易に理解するであろう。
【0060】
図31~36を参照すると、上述され、かつ
図16および
図17に示される、正反対に対向する可撓性のクリップ140a、140bの代わりに、ガス密封アクセスキャップ26の実施形態を、ロボットカニューレ28の近位ボウル部分110に取り外し可能に取り付けるための取り付け機構が例示されている。より具体的には、
図31~36は、ガス密封アクセスキャップ26の主ハウジング部分122の下部セクションと一体であり、かつそれを囲む楕円形状の圧縮可能なピンチスカート220を示す。
【0061】
圧縮可能なピンチスカート220は、成形性のために、二つの正反対に対向する圧縮タブ222a、222bと、窓227a、227bを有する二つの正反対に対向するクリップレッジ223a、223bとを有する。圧縮タブ222a、222bは、
図35に示すように、スカート220に半径方向内向きの手動の力を適用することを可能にするように適合および構成されている。これにより、スカート220は、クリップレッジ223a、223bがアクセスキャップ26のボウル部分110の近位フランジ142の下方から物理的に解放され得るように、力ベクトルに対して概して横断方向の軸に沿って半径方向外向きに拡張する。正反対に対向するC字型の切欠部229a、229bは、それぞれ、クリップレッジ223a、223bのより多くの変位を可能にし、ピンチスカート220の全体的な剛性を減少させるために、ピンチスカート220内に圧縮タブ222a、222bに隣接して形成される。
【0062】
図33で最もよく見られるように、圧縮可能なリング226は、ピンチスカート220とボウル部分110の近位フランジ142との間に位置し、それらの間に密封および弾性付勢力を提供して、ピンチスカート220の確実性を強化するように、ピンチスカート220の下に位置付けられる。ガスケット226は、オーバーモールドされたエラストマー、平坦なOリング、または発泡材料であり得ることが想定される。当業者は、
図31~36に示す取り付け機構が、本発明による弁密封アクセスキャップ30で使用され得ることを、容易に理解するであろう。
【0063】
次に
図37~
図40を参照すると、ガス密封アクセスキャップ26の実施形態をロボットカニューレ28の近位ボウル部分110に取り外し可能に取り付けるための取り付け機構が図示されており、これはばね付勢されたヒンジ付きバックル組立品230によって画定されている。バックル組立品230は、
図39で最もよく見られるように、ピボットピン234の周りに互いにヒンジ連結で取り付けられた一対のC字型のバックル部分232a、232bを含む。バックル組立品230は、アクセスキャップ26の主ハウジング部分122の下部環状フランジ224上に支持されてもよく、または別個の構成要素であってもよい。
【0064】
二つのバックル部分232a、232bは通常、ピボットピン234に関連付けられたねじりばね236によって、
図37に示す閉鎖およびロック位置に互いに付勢される。バックル組立品230は、ロボットカニューレ28のボウル部分110からガス密封アクセスキャップ26を容易に手動で分離することを可能にする、
図38に示す開位置と、
図37に示す閉位置との間で手動で移動するように適合および構成されており、
図40で最もよく見えるように、バックル部分232a、232bは、アクセスキャップ26の主ハウジング部分122上の環状フランジ224およびロボットカニューレ28のボウル部分110の近位フランジ142の周りで閉じて、摩擦嵌合によってそれらを確実に保持する。当業者は、
図37~40に示すバックリング取り付け機構が、本発明による弁密封アクセスキャップ30で使用され得ることを、容易に理解するであろう。
【0065】
次に
図41~43を参照すると、ガス密封アクセスキャップ26の実施形態をロボットカニューレ28の近位ボウル部分110に取り外し可能に取り付けるための別の取り付け機構が図示されており、これは磁気スカート組立品240によって画定されている。磁気スカート組立品240は、
図42で最もよく見えるように、カニューレ28のボウル部分110の金属近位フランジ142と直接相互作用できるように、ハウジングフランジ224の下側上にオーバーモールドされ得る磁気リング242を含む。代替的に、磁気リング242は、二つのクリップレスプラスチックスカート244と246との間で超音波溶接されてもよく、その後、
図43に示すように、組立品を一緒に、ハウジング122の環状フランジ224の下面に固定することができる。当業者は、
図41~43に示す磁気取り付け機構が、本発明による弁密封アクセスキャップ30で使用され得ることを、容易に理解するであろう。
【0066】
図44~46を参照すると、ガス密封アクセスキャップ26の実施形態を、ロボットカニューレ28の近位ボウル部分110に取り外し可能に取り付けるための取り付け機構が示されており、これは、
図36に例示する構造および機能と類似した圧縮可能なスカート250によって画定されているが、本発明の本実施形態では、これは概略的に示されており、圧縮可能なピンチスカート250は、
図45に最もよく示されるように、カニューレ28のボウル部分110に対して軸方向に反転されて取り付けられている。
【0067】
より具体的には、軸方向に移動可能な反転されたピンチスカート250は、ロボットカニューレ28のボウル部分110に対して上下動して、ガス密封アクセスキャップ26のロボットカニューレ28への取り外し可能な取り付けを促進し得る。当業者は、
図44~46に示す移動可能なピンチスカート機構が、本発明による弁密封アクセスキャップ30で使用され得ることを、容易に理解するであろう。
【0068】
次に
図47を参照すると、
図22に示す管セット20のデュアルルーメン部分22と関連付けられたトリルーメンブルズアイコネクタ嵌合部248と緊密に嵌合するように適合および構成されている、トリルーメンブルズアイプラグ260が図示されている。ブルズアイプラグ260は、管セット20のデュアルルーメン部分22は使用されていないが、管セット20のシングルルーメン部分24が、例えば、ロボット支援外科処置の初期送気段階中に使用されている場合に利用される。取り付けられると、ブルズアイプラグ260は、管セット20のデュアルルーメン部分22に陰圧を生成し、これは、ガス送達システム12の圧力センサに標準的な送気モードが進行中であることを示す。こうした時点で、ガス送達システム12内のポンプ16は非アクティブとなり得る。
【0069】
ここで
図48を参照すると、例えば
図1で前述するような、本発明のガス密封アクセスキャップ26で使用されるDa Vinciロボットカニューレ28が詳細に図示されている。容易に分かるように、ロボットカニューレ28の細長い本体部分112は、約8.89mmの内径Dを有する内側穴115を有し、内側穴115は、約8.55mmの外径を有する図示しないロボット器具のシャフトを収容するような寸法である。これにより、その間にガス流に対する0.39mmのギャップが許容される。しかしながら、ガス密封アクセスキャップ26が効果的に機能するためには、より大きなギャップが必要である。本発明のガス密封アクセスキャップ26の機能性を高めるために、内側穴115の内周とそれを通って延在するロボット器具の外周との間に加圧ガスがより容易に流れることができるように、より大きな内径を有するカニューレが必要となる。
【0070】
これに関して、
図49は、ガス密封アクセスキャップ26のための強化されたガス流を提供するための、その内面上に形成されるか、さもなくば提供される円周方向に離間した直線状ビーズ272のセットを有するロボットカニューレ本体270を示す。同様に、
図50は、ガス密封アクセスキャップ26のための強化されたガス流を提供するための、その内面上に形成された円周方向に離間した直線状チャネル284を有するロボットカニューレ本体280を示す。最後に、
図51は、
図52で最もよく見られるように、カニューレ本体290の内壁とそれを通って延在するロボット器具300との間の強化されたガス流を提供するための、その内面上に形成されるか、さもなくば提供される連続的な螺旋状ビーズ292を有するロボットカニューレ本体290を示す。当業者は、カニューレ本体のこれらの機構はまた、弁密封アクセスキャップ30と共に使用された場合にも、強化されたガス流を提供し得ることを容易に理解するであろう。
【0071】
本開示のガス循環システムが好ましい実施形態を参照して示され、記述されてきたが、当業者は、変更および/または修正が、本開示の範囲から逸脱することなくなされ得ることを容易に理解するであろう。
【国際調査報告】