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特表2022-527288インビボデバイス技術分野用の通信モジュール
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  • 特表-インビボデバイス技術分野用の通信モジュール 図1A
  • 特表-インビボデバイス技術分野用の通信モジュール 図1B
  • 特表-インビボデバイス技術分野用の通信モジュール 図2
  • 特表-インビボデバイス技術分野用の通信モジュール 図3
  • 特表-インビボデバイス技術分野用の通信モジュール 図4A
  • 特表-インビボデバイス技術分野用の通信モジュール 図4B
  • 特表-インビボデバイス技術分野用の通信モジュール 図4C
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-01
(54)【発明の名称】インビボデバイス技術分野用の通信モジュール
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/07 20060101AFI20220525BHJP
   H04B 1/3827 20150101ALI20220525BHJP
【FI】
A61B5/07 100
H04B1/3827 130
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021557555
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(85)【翻訳文提出日】2021-09-27
(86)【国際出願番号】 IL2020050358
(87)【国際公開番号】W WO2020194305
(87)【国際公開日】2020-10-01
(31)【優先権主張番号】62/824,680
(32)【優先日】2019-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506203914
【氏名又は名称】ギブン イメージング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GIVEN IMAGING LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】デュークマン, イッド
(72)【発明者】
【氏名】グラマン, バルーシュ
【テーマコード(参考)】
4C038
5K011
【Fターム(参考)】
4C038CC09
5K011AA06
5K011DA02
5K011DA15
5K011EA01
(57)【要約】
嚥下可能なインビボデバイスと通信するために構成されたエクスビボ通信モジュール。この通信モジュールは、第1の周波数範囲で動作し、インビボデバイスからの信号を受信するために構成された受信ユニットと、第1の周波数範囲とは異なる第2の周波数範囲で動作し、インビボデバイスに信号を送信するために構成された送信ユニットと、を備える。送信ユニットはまた、第2の受信ユニットとして機能するために構成されており、インビボデバイスからの信号を受信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
嚥下可能なインビボデバイスと通信するために構成されたエクスビボ通信モジュールであって、前記通信モジュールは、前記インビボデバイスからの信号を受信するために第1の周波数範囲で動作するために構成された受信ユニットと、前記インビボデバイスに信号を送信するために、前記第1の周波数範囲とは異なる第2の周波数範囲で動作するために構成された送信ユニットであって、前記送信ユニットはまた、前記インビボデバイスからの信号を受信するために構成された第2の受信ユニットを構成する、送信ユニットと、を備える、通信モジュール。
【請求項2】
前記通信モジュールは、患者の身体上に配置されて、前記モジュールと前記インビボデバイスとの適切な通信を可能にするために構成されている、請求項1に記載の通信モジュール。
【請求項3】
前記受信ユニット及び前記送信ユニットはアンテナによって構成され、各アンテナは、自身の周波数範囲で動作するために設計されている、請求項1又は2に記載の通信モジュール。
【請求項4】
前記第1の周波数範囲は、前記第2の周波数範囲よりも少なくとも1桁大きい/小さい、請求項3に記載の通信モジュール。
【請求項5】
前記送信ユニットは、5~30MHz、より具体的には10~20MHz、更により具体的には12~15MHzで動作するために構成されている、請求項4に記載の通信モジュール。
【請求項6】
前記受信ユニットは、350~550MHz、より具体的には400~500MHz、更により具体的には420~450MHzでデータ転送動作をするために構成されている、請求項4又は5に記載の通信モジュール。
【請求項7】
前記通信モジュールはプロセッサを備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の通信モジュール。
【請求項8】
前記プロセッサは、少なくとも
(a)前記送信ユニットへの入力を提供するために、及び
(b)前記受信ユニットからのデータを受信するために構成されている、請求項7に記載の通信モジュール。
【請求項9】
前記モジュールは、前記プロセッサと前記受信ユニット/前記送信ユニットとの間に介在し、これらの間に通信を提供するために構成されたモデムユニットを更に備える、請求項7又は8に記載の通信モジュール。
【請求項10】
前記モデムユニットは、前記受信ユニット/前記送信ユニットのどちらがより良好なアップリンク送信を提供するかを検出し、かかる検出の際に、前記プロセッサに提供される、前記2つの送信のうちのより良好な送信を選択するために構成されている、請求項9に記載の通信モジュール。
【請求項11】
前記アップリンクユニットは、前記モデムとの二重接続を有してよく、1つはアップリンク用であり、1つはダウンリンク用である、請求項9又は10に記載の通信モジュール。
【請求項12】
前記モデムは、前記ダウンリンクユニットにデータを提供するダウンリンクモードと、前記アップリンクユニットからのデータを受信するアップリンクモードとの間を連続的に行き来するために構成されている、請求項11に記載の通信モジュール。
【請求項13】
前記アップリンクユニットの前記アップリンク接続及び前記ダウンリンク接続の両方は、マルチプレクサを介して前記モデムに接続されており、前記モデムと前記アップリンクユニット/前記ダウンリンクユニットとの間での連続アップリンク/ダウンリンク通信を可能にする、請求項11に記載の通信モジュール。
【請求項14】
前記通信モジュールは、前記患者に装着されるために構成されたエクスビボデバイス内に組み込まれる、請求項1~13のいずれか一項に記載の通信モジュール。
【請求項15】
前記エクスビボデバイスは、前記患者の皮膚に付けられるために構成されたパッチである、請求項14に記載の通信モジュール。
【請求項16】
前記エクスビボデバイスは、前記患者によって携帯されるために構成されたポータブルデバイスである、請求項14に記載の通信モジュール。
【請求項17】
前記エクスビボデバイスは、前記患者に装着され、前記患者の身体の周りに延在するために構成されたベルトである、請求項14に記載の通信モジュール。
【請求項18】
前記アップリンクアンテナ及び前記ダウンリンクアンテナは平坦であり、前記通信モジュールの可撓性シートに組み込まれる、請求項1~17のいずれか一項に記載の通信モジュール。
【請求項19】
前記可撓性シートは、前記通信モジュールの屈曲及びねじれを可能にし、それによって、前記患者の身体の自然な形状になることを可能にする、請求項18に記載の通信モジュール。
【請求項20】
前記通信モジュールは、長さ寸法L及び幅寸法Wを有する矩形のフラットシート設計の形状を有する、請求項1~19のいずれか一項に記載の通信モジュール。
【請求項21】
前記受信ユニットは、前記フラットシート上に形成されたモノポールアンテナである、請求項20に記載の通信モジュール。
【請求項22】
前記送信アンテナは、前記フラットシートの縁部に沿って円周方向に延在する、請求項20又は21に記載の通信モジュール。
【請求項23】
前記送信アンテナは前記モノポール受信アンテナの周囲に延在する、請求項20、21、又は22に記載の通信モジュール。
【請求項24】
前記送信アンテナはコイルアンテナであり、前記受信アンテナの周囲に複数のループを形成する、請求項23に記載の通信モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信及び送信の分野であり、特に、嚥下可能なインビボデバイスと通信するために構成されたシステムに言及する。
【背景技術】
【0002】
嚥下可能なインビボデバイスを使用して、GI管の病状を監視し、検出することは、当該技術分野において周知である。最も一般的な形態では、インビボデバイスは、信号を送受信するために、例えば、インビボデバイスによってキャプチャされたGI管の画像を送信し、その動作に関する命令を受信するために構成されたインビボ通信モジュールを備える。
【0003】
インビボデバイスは、通常、エクスビボ通信モジュールを備えるエクスビボデバイスと連携して動作し、インビボ通信モジュール及びエクスビボ通信モジュールは、共に通信システムを形成する。
【0004】
エクスビボデバイスは、GI管、及びインビボデバイスの存在が期待される一般領域に可能な限り近接して患者に装着されたポータブルデバイスであり得る。
【0005】
本明細書における上記参照文献の認容は、これらが、いかなる方法によっても本開示の主題の特許性に関連することを意味するように推測されるべきではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願の主題の一実施形態によると、嚥下可能なインビボデバイスと通信するために構成されたエクスビボ通信モジュールが提供され、当該通信モジュールは、当該インビボデバイスからの信号を受信するために第1の周波数範囲で動作するために構成された受信ユニットと、当該インビボデバイスに信号を送信するために、当該第1の周波数範囲とは異なる(例えば、重複する周波数を含まない)第2の周波数範囲で動作するために構成された送信ユニットと、を備え、当該送信ユニットはまた、インビボデバイスからの信号を受信するために構成された第2の受信ユニットを構成する。
【0007】
以下、用語「アップリンクユニット」及び「ダウンリンクユニット」は、用語「受信ユニット」及び「送信ユニット」と互換的に使用されてよい。具体的には、用語「ダウンリンク」は、インビボデバイスに信号を送信することを指し、用語「アップリンク」は、インビボデバイスからの信号を受信することを指す。
【0008】
通信モジュールは、例えば、患者の身体上に配置されるなど身体外に位置付けられて、モジュールとインビボデバイスとの適切な通信を可能にするために構成されている。
【0009】
受信ユニット及び送信ユニットは、アンテナで構成されてよく、各アンテナは、自身の動作周波数範囲に向けて設計されている。一実施例によると、第1の周波数範囲は、第2の周波数範囲よりも少なくとも1桁大きくてよい/小さくてよい。送信ユニットは、5~30MHz、より具体的には10~20MHz、更により具体的には12~15MHzで動作するために構成されてよく、受信ユニットは、350~550MHz、より具体的には400~500MHz、更により具体的には420~450MHzで動作するように構成されてよい。
【0010】
エクスビボモジュール及びインビボデバイスは互いに通信する必要があるため、当然のことながら、アップリンク及びダウンリンクの両方に低周波数範囲を使用することによって送信品質を増加させることが望ましいであろう。これは、低周波数範囲での送信が人体内でより低い減衰を有するためである。しかしながら、インビボデバイスは、ダウンリンクアンテナと同様に低周波数を使用して大量のデータ(例えば、GIから得られる画像)を送信する必要があるため、そのような量のデータに対して十分な帯域幅を提供しないことがある。したがって、ダウンリンクアンテナは、それでもなお上述の数MHzの低周波数範囲にあるように選択されてよいが、アップリンクアンテナは数百MHzの高周波範囲にあるように選択される。
【0011】
上記に従って、当然のことながら、ダウンリンクアンテナの設計は、その特定周波数範囲に対して最適化され、したがって、例えば前述したように、1桁以上大きい/小さいなど大幅に異なる周波数範囲で送信を受信するために適切に実行することは期待されないであろう。それにもかかわらず、本出願の主題の概念の下では、その本来意図された設計と矛盾して、ダウンリンクアンテナを第2のアップリンク(受信)アンテナとして使用することが示唆されている。
【0012】
上記システムの固有構造により、第2の受信機としてダウンリンクアンテナを使用して、エクスビボデバイスとインビボデバイスとをごく近接させることを要求することは、驚くべきことに、高周波数範囲でインビボデバイスとの必要なアップリンク通信の少なくとも一部を提供するのに有用であることが見出された。
【0013】
換言すれば、ダウンリンクアンテナの周波数範囲は約13MHzであり、当然のことながら、受信ユニットとして使用される場合には、高周波数範囲(約400MHz)のアンテナとしては有用ではなく、より貧弱な結果をもたらすとしても、それでも近距離の受信アンテナとして機能する。したがって、上記通信モジュールは、2つの異なる周波数範囲(高周波及び低周波数)及び2つの異なる目的のために動作するために設計された2つのアンテナが、どちらもインビボデバイス(単一の所定の高周波数範囲で送信する)とのアップリンク通信の受信端をカバーし、それによって互いに補い合い、アップリンク通信において著しい改善をもたらす構成を提供する。
【0014】
動作中、患者のGI管に沿って移動するインビボデバイスは、エクスビボ通信モジュールに対する距離及び向きを常に変化させる。インビボデバイスの送信は、アップリンクユニットによって受信されるが、インビボデバイスは、時には、アップリンクユニットが送信された信号を適切に受信しない位置及び向きになり得る。ダウンリンクユニットが第2のアップリンク受信ユニットとして効果を発揮し、バックアップ/補完的受信ユニットとして動作するのはこの時点である。このため、ダウンリンクユニットが受信したアップリンク信号の品質が貧弱であっても、アップリンクユニット単独で信号を全く受信しないよりは良いだろう。
【0015】
当然のことながら、場合によっては、ダウンリンクユニット及びアップリンクユニットのいずれも、生体内デバイスからの信号を全く受信しないこともある。しかしながら、上記アップリンク/ダウンリンク構成の試験中には、アップリンクのバックアップとしてダウンリンクユニットを使用することにより、アップリンクユニットのみがアップリンク受信に使用される標準構成と比較して、より高い割合のインビボ送信を受信することが実証された。
【0016】
通信モジュールは、送信ユニットに入力を提供する(この入力は、次いでインビボデバイスに送信される)ために、及び受信ユニットからのデータを受信するために構成されたプロセッサを備えてよい。通信モジュールは、プロセッサと受信/送信ユニットとの間に介在し、これらの間に通信を提供するために構成されたモデムユニットを更に備えてよい。
【0017】
モデムユニットは、ダイバーシティ方式を適用するために構成されてよく、ダイバーシティ方式によって、より良好なアップリンク送信を提供するユニットを検出し、かかる検出の際に、プロセッサに提供される、2つの送信のうちのより良好な送信を選択する。このようにして、インビボデバイスからの受信データの品質が最適化され得る。
【0018】
一実施例によると、アップリンクユニットは、モデムとの二重接続(1つはアップリンク用、1つはダウンリンク用)を有してよく、モデムは、ダウンリンクユニットにデータを提供するダウンリンクモードと、当該アップリンクユニットからのデータを受信するアップリンクモードとの間を連続的に行き来するために構成されてよい。あるいは、別の例によると、アップリンクユニットのアップリンク接続及びダウンリンク接続の両方は、マルチプレクサを介してモデムに接続されてよく、モデムとアップリンク/ダウンリンクユニットとの間での連続アップリンク/ダウンリンク通信を可能にする。
【0019】
通信モジュールは、患者に装着されるために構成されたエクスビボデバイス内に組み込まれてよい。一例によると、エクスビボデバイスは、患者の皮膚に付けられるために構成されたパッチであってよい。別の例によると、エクスビボデバイスは、モニターと同様に、患者に携帯されるために構成されたポータブルデバイスであってよい。更に別の例によると、エクスビボデバイスは、ピンポイントの位置を有するのではなく、患者に装着され、患者の身体の周囲に延在するために構成されたベルトであってよい。
【0020】
アップリンクアンテナ及びダウンリンクアンテナは、平坦であってよく、通信モジュールの少なくとも一部がフラットシート設計を有することを可能にし、上記のようにパッチ又はベルトへの組み込みに特に適している。具体的には、通信モジュールのフラットシート設計は、通信モジュールの屈曲及びねじれを可能にし、それによって患者の身体の自然な形状になることを可能にする。
【0021】
1つの具体的な例によると、通信モジュールは、長さ寸法L及び幅寸法Wを有する矩形のフラットシート設計の形状を有してよい。この設計では、受信アンテナはフラットシート上に形成されよく、送信アンテナはフラットシートの縁部に沿って円周方向に延在してよい。具体的には、受信アンテナはモノポールアンテナであってよい。
【0022】
特定の設計によると、送信アンテナはモノポールアップリンクアンテナの周囲に延在し、コイルアンテナであってよく、受信アンテナの周囲に複数のループを形成する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本明細書に開示される主題を一層理解するために、また、実際にどのように実施され得るかを例示するために、添付の図面を参照して、いくつかの実施形態を非限定的な例としてのみ説明する。
図1A】本出願の通信モジュールを備えるパッチを装着した患者の身体の概略図である。
図1B図1Aの通信モジュールと通信するために構成されたインビボデバイスを含む、図1Aの患者のGI管の概略図である。
図2図1Aに示す通信モジュールの概略図である。
図3】本出願の通信モジュールを備える、図1Aに示すパッチの概略図である。
図4A】本出願による通信モジュールを備えるパッチの別の例の概略等角図である。
図4B図4Aに示すパッチを備える層の概略分解図である。
図4C図4A及び図4Bに示すパッチに組み込まれた通信モジュールの概略正面図である。
【0024】
例示の簡略化及び明確化のために、図に示す要素は、必ずしも正確に図示されていないか、又は縮尺どおりに図示されていないことが理解されるであろう。例えば、いくつかの要素の寸法は、明確にするために他の要素に対して誇張されていることがあり、又はいくつかの物理的構成要素が1つの機能ブロックあるいは要素に含まれていることがある。更に、適切であると考えられる場合、対応する要素又は類似の要素を指示するために、図の中で参照番号が繰り返されてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次の詳細な説明では、本発明を十分に理解するために、多数の特定の詳細が記載される。しかしながら、当業者であれば、本発明が、これらの特定の詳細を伴わなくても実施され得ることを理解するであろう。他の例では、周知の方法、処置、及び構成要素、モジュール、ユニット、及び/又は回路は、本発明を不明瞭にしないように詳細には説明されていない。
【0026】
まず図1A及び図1Bに着目すると、これらの図では、自身のGI管内に含まれた、嚥下可能カプセルCの形態のインビボデバイスを有し、本出願の通信モジュールを備え、一般に1と指定されたパッチPが身体外に装着されている患者が示される。
【0027】
通信モジュール1は、GI管に沿った移動中に嚥下可能カプセルCと通信するために構成され、カプセルCからのデータの受信(本明細書では「アップリンク」と称される)及びカプセルCへのデータの送信(本明細書では「ダウンリンク」と称される)の両方を行う。具体的には、アップリンクデータは、カプセルCによってキャプチャされた画像、それによって記録されたパラメータなどを含んでよく、ダウンリンクデータは、例えば、カプセルCの動作モードを変更し、そのフレームレートを変更するなどのためにカプセルに送信される命令を含んでよい。
【0028】
ここで図2を参照すると、通信モジュール1が示されており、通信モジュール1は、回路基板Mが取り付けられた可撓性材料シート12で作製された基部10を備え、その上には基部10の周りを円周方向に延在するダウンリンクアンテナ20及びアップリンクアンテナ30がインプリントされている。回路基板Mは、アップリンクアンテナ30及びダウンリンクアンテナ20の両方と、それぞれの接続N及びNを介して関連付けられたモデムユニット40を更に備える。
【0029】
ダウンリンクアンテナ20は、アンテナコイル22の形態であり、約13.5MHzでカプセルCにデータを送信するために構成されている。アップリンクアンテナ30はモノポールアンテナ32の形態であり、約435MHzでカプセルCからの送信を受信するために構成されている。加えて、ダウンリンクアンテナ20はまた、カプセルCからの送信を受信し、それによって第2のアップリンクアンテナとして動作するために構成されている。
【0030】
カプセルCは、大量のデータ(例えば、インビボ画像)を送信する必要性によって生じる帯域幅に関する検討事項のために、高周波数範囲(数百MHz)でデータを送信するように設計されていることに留意されたい。したがって、アップリンクアンテナ30は、カプセルCからの受信を最適化するために、対応する高周波範囲で動作するように選択される。しかしながら、ダウンリンクアンテナ20は、送信周波数の点で同様の制限を受けることはなく、したがって、低周波数範囲(数十MHz)で動作するように設計されることができ、人体の組織を通過する間の信号の減衰を低減する。
【0031】
GI管内でのカプセルCの移動中、時にはある位置に到達し、アップリンクアンテナ30がカプセルCによって送信される信号を適切に受信することができない位置又は向きになることがある。これを補うために、カプセルの送信機の周波数範囲とは大幅に異なる周波数範囲で動作するように最適化されているにもかかわらず、ダウンリンクアンテナ20が使用され、アップリンクアンテナ30よりもカプセルCからの信号をより良好に拾い上げることが可能であり得る。
【0032】
モデムユニット40は、接続34を介して受信機としてのみアップリンクアンテナ30に接続されているが、リンク26を介した送信機及びリンク24を介した受信機の両方としてダウンリンクアンテナ20に接続されている。アップリンク30/ダウンリンクアンテナ20のそれぞれは、強信号、弱信号を拾い上げてよい、又は信号を全く拾い上げなくてよい。モデムユニット40は、ダイバーシティ方式下で動作するために構成されており、接続24、34のどちらがより強い信号を提供するかを検出してより強い信号を提供し、この信号を弱い信号よりも優先する。これにより、少なくとも以下の事例が生じる(本明細書で使用する用語「弱」及び「強」は、互いに対して相対的に使用される)。
【0033】
表1.
【表1】
【0034】
上記のアップリンク/ダウンリンク構成の試験中に、アップリンクのバックアップとしてダウンリンクユニットを使用することにより、ダウンリンクアンテナをダウンリンクのみに使用する構成と比較して、インビボのカプセルCからの送信を統計的により高い割合で受信することが明らかに実証された。
【0035】
ここで図3を参照すると、通信モジュール1はパッチP内に組み込まれてよく、パッチPは、次に、例えば接着によって患者の身体に装着されるために構成されている。パッチが身体に接着され、したがって患者側の動作の制限がより小さくなるために、シート12(及びその上にプリントされたアンテナ20、30)の可撓性は、ユーザーの快適性に関して有意な利点をもたらし得ることに留意されたい。
【0036】
ここで図4A図4Cを参照すると、いくつかの実施形態によるパッチの別の例が示されており、このパッチは、一般にP’と指定され、複数の機能層(ただし、限定するものではない)、すなわち、
患者の身体と直接接触するために、また患者の身体に対するパッチの位置を固定するために構成された接着剤層152、
通信モジュールを構成する通信層101、及び
外側カバー層156を含む。
【0037】
パッチ10は、電源ユニット158と、外側カバー層156内に入れ子にされた処理ユニット159と、を更に備える。
【0038】
特に図4Cを参照すると、通信モジュール101の構成が示されており、通信モジュール101は、回路基板Mが取り付けられた可撓性材料シート112で作製された楕円形の基部110を備え、その上には、楕円形の基部110の周りを円周方向に延在するダウンリンクアンテナ120及びアップリンクアンテナ130がインプリントされている。回路基板M及びアンテナ120、130は、接続端Nを介して互いに接続されるために構成されている。
【0039】
通信モジュール101は、前述の通信モジュール1と本質的に類似であり、その違いは、主にプリントしたアンテナの楕円設計(通信モジュール1の矩形設計と比較して)及びパッチP’の設計である。
【0040】
本発明に関連する当業者であれば、必要な変更を加えて、本発明の範囲から逸脱することなく、変更、変形例、及び修正を行うことができることを容易に理解するであろう。
【0041】
したがって、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書の他の箇所に記載されている方法の実行及び記載された構成において特定の変更が行われ得るために、前述の説明から明らかになるものの中でも本明細書の他の箇所に記載された目的は効率的に達成されることが分かるであろう。また、上記の説明に含まれ、添付の図面に示される全ての事項は、例示として解釈され、限定的な意味では解釈されないことが意図される。
【0042】
前述の詳細な説明では、本発明を理解するために、多数の特定の詳細が記載される。しかしながら、当業者であれば、本発明が、これらの特定の詳細を伴わなくても実施され得ることを理解するであろう。他の例では、周知の方法、処置、及び構成要素、モジュール、ユニット、及び/又は回路は、本発明を不明瞭にしないように詳細には説明されていない。一実施形態に関して記載されるいくつかの特徴又は要素は、他の実施形態に関して記載される特徴又は要素と組み合わされ得る。
【0043】
本発明の実施形態は、この点に関して限定されるものではないが、本明細書で使用するとき、用語「複数(plurality)」及び「複数(a plurality)」は、例えば、「複数(multiple)」又は「2つ以上」を含み得る。
用語「複数(plurality)」又は「複数(a plurality)」は、2つ以上の構成要素、デバイス、要素、ユニット、パラメータなどを説明するために、本明細書全体を通して使用され得る。本明細書で使用するとき、用語セットは、1つ以上の品目を含み得る。別段の記載がない限り、本明細書に記載される方法の実施形態は、特定の順番又は順序に限定されるものではない。加えて、記載される方法の実施形態又はその要素のいくつかは、同時に、同じ時点で、又は共に起こるか、行うことができる。
【0044】
また、以下の「特許請求の範囲」は、本明細書に記載される本発明の一般的な特徴及び特定の特徴、並びに言語の問題として、それらに含まれる本発明の範囲の全ての記述の全てを網羅することを意図することを理解されたい。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図4C
【国際調査報告】