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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-01
(54)【発明の名称】内燃機関用の空気供給システム
(51)【国際特許分類】
   F02N 9/04 20060101AFI20220525BHJP
   F02D 15/04 20060101ALI20220525BHJP
【FI】
F02N9/04 B
F02N9/04 A
F02D15/04 C
F02D15/04 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021557776
(86)(22)【出願日】2020-03-26
(85)【翻訳文提出日】2021-09-28
(86)【国際出願番号】 EP2020058580
(87)【国際公開番号】W WO2020201021
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】19166331.9
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520512373
【氏名又は名称】エービービー スウィッツァーランド リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ABB Switzerland Ltd
【住所又は居所原語表記】Bruggerstrasse 71a, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ マテイ
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル ライザー
【テーマコード(参考)】
3G092
【Fターム(参考)】
3G092AA02
3G092AB06
3G092DA03
3G092FA03
3G092GA01
3G092GA11
3G092HE01Z
(57)【要約】
本願において、内燃機関用の空気供給システムが記載される。空気供給システムは、チャージ空気を受け取るためのチャージ空気レシーバ(1)と、始動空気システム(10)とを有している。始動空気システム(10)は、内燃機関の始動過程時に、内燃機関のシリンダに、特に始動空気供給部から始動空気を断続的に供給するように構成されている。チャージ空気レシーバ(1)は、内燃機関の部分負荷運転中に始動空気システム(10)にチャージ空気レシーバ(1)からチャージ空気を供給するために、始動空気システム(10)にチャージ空気遮断弁(6)を介して接続されており、これにより、始動空気システム(10)が、内燃機関の部分負荷運転時にシリンダにチャージ空気を断続的に供給する。さらに、内燃機関および内燃機関を運転する方法が記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関、特にミラー・バルブタイミングを有する内燃機関用の空気供給システムであって、該空気供給システムは、
チャージ空気を受け取るためのチャージ空気レシーバ(1)と、
始動空気システム(10)と、
を有しており、
前記始動空気システム(10)は、前記内燃機関のシリンダに接続された始動空気供給管路(7)を有しており、前記始動空気システム(10)は、前記内燃機関の始動過程時に、前記内燃機関の前記シリンダに、特に始動空気供給部から始動空気を断続的に供給するように構成されており、
前記チャージ空気レシーバ(1)は、前記内燃機関の部分負荷運転中に前記始動空気システム(10)に前記チャージ空気レシーバ(1)からチャージ空気を供給するために、前記始動空気システム(10)にチャージ空気遮断弁(6)を介して接続されており、これにより、前記始動空気システム(10)が、前記内燃機関の部分負荷運転時に前記始動空気供給管路(7)を介して前記シリンダにチャージ空気を断続的に供給する、空気供給システム。
【請求項2】
前記始動空気システム(10)は、前記始動空気供給管路(7)内に、特に前記内燃機関の前記シリンダの上流側に配置された始動空気弁(3)を有しており、任意には前記始動空気弁(3)が逆止弁である、請求項1記載の空気供給システム。
【請求項3】
前記チャージ空気遮断弁(6)は、前記内燃機関の始動過程時に前記始動空気システム(10)への前記チャージ空気の供給部を遮断し、前記内燃機関の部分負荷運転中に前記チャージ空気レシーバ(1)からのチャージ空気の供給部を開放するように、制御されており、かつ/または
前記始動空気システム(10)は始動空気遮断弁(12)を有しており、該始動空気遮断弁(12)は、前記内燃機関の部分負荷運転時に前記始動空気システム(10)への始動空気の供給部を遮断し、始動過程時に始動空気の前記供給部を開放するように、制御されている、請求項1または2記載の空気供給システム。
【請求項4】
前記始動空気システム(10)は、前記内燃機関のクランクシャフトの回転角に依存して前記シリンダに始動空気およびチャージ空気を断続的に供給するように構成されており、特に、前記内燃機関の吸気弁の開放以後、かつ/または下死点の後に前記クランクシャフトの回転角が30°、好適には20°に到達する前に、または到達するまで、チャージ空気を供給するように、構成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の空気供給システム。
【請求項5】
前記始動空気システム(10)は、前記始動空気の断続的な供給時とは異なる前記クランクシャフトの回転角で、前記チャージ空気を断続的に供給する、請求項4記載の空気供給システム。
【請求項6】
前記始動空気システム(10)は、前記始動空気供給部から前記シリンダに前記始動空気供給管路(7)を介して始動空気および任意にはチャージ空気を断続的に供給するために、前記始動空気供給管路(7)に接続された始動空気分配器(4)を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載の空気供給システム。
【請求項7】
前記チャージ空気レシーバ(1)と前記始動空気分配器(4)とが、チャージ空気供給管路を介して互いに接続されており、好適には、前記チャージ空気遮断弁(6)が前記チャージ空気供給管路内に設けられている、請求項6記載の空気供給システム。
【請求項8】
前記始動空気分配器(4)は、前記シリンダに始動空気およびチャージ空気を断続的に供給するように構成されており、特に、前記始動空気分配器(4)は、前記内燃機関のクランクシャフトの、始動空気の断続的な供給とは異なる回転角でのチャージ空気の断続的な供給を可能にするために、位相調整器をさらに有している、請求項6または7記載の空気供給システム。
【請求項9】
前記始動空気システム(10)は、特に前記始動空気分配器(4)に対して付加的に、チャージ空気分配器(8)をさらに有しており、前記チャージ空気レシーバ(1)と前記チャージ空気分配器(8)とが、チャージ空気供給管路を介して互いに接続されており、前記始動空気供給管路(7)は、前記チャージ空気分配器(8)を前記シリンダに接続し、特に前記始動空気分配器(4)も前記シリンダに接続している、請求項1から8までのいずれか1項記載の空気供給システム。
【請求項10】
前記チャージ空気分配器(8)は、前記シリンダにチャージ空気を断続的に供給するように構成されている、請求項9記載の空気供給システム。
【請求項11】
前記始動空気システム(10)は、前記シリンダに始動空気および/またはチャージ空気を断続的に供給するために、前記始動空気供給管路(7)内に配置された始動空気弁(3)を有している、請求項1から10までのいずれか1項記載の空気供給システム。
【請求項12】
前記チャージ空気レシーバ(1)と前記始動空気分配器(4)とが、チャージ空気供給管路を介して互いに接続されており、任意には、前記始動空気分配器(4)の前記チャージ空気供給部が部分負荷運転中に開放されている、請求項11記載の空気供給システム。
【請求項13】
前記始動空気供給部、前記始動空気供給管路(7)、または前記チャージ空気レシーバ(1)に通じるチャージ空気導入管路のうちの少なくとも1つに配置された火炎監視装置(2)をさらに有しており、該火炎監視装置(2)は、火炎検知器と、前記シリンダへの前記チャージ空気供給部の開閉のための、特に前記始動空気弁(3)の開閉のための制御ユニットとを有している、請求項1から12までのいずれか1項記載の空気供給システム。
【請求項14】
内燃機関、特にミラー・バルブタイミングを有する内燃機関であって、
請求項1から13までのいずれか1項記載の空気供給システムと、
シリンダであって、前記内燃機関の始動過程時に前記内燃機関の前記シリンダに始動空気を断続的に供給するために、始動空気システム(10)が前記シリンダに接続されている、シリンダと、
コンプレッサ、特にターボチャージャ装置であって、チャージ空気レシーバ(1)にチャージ空気を供給するために前記チャージ空気レシーバ(1)に接続されている、コンプレッサと、
を有する、内燃機関。
【請求項15】
内燃機関、特にミラー・バルブタイミングを有する内燃機関を運転する方法であって、前記内燃機関が始動空気システム(10)を有しており、該方法は、
前記始動空気システム(10)が前記内燃機関のシリンダに始動空気を断続的に供給することによって、前記内燃機関を始動するステップと、
前記始動空気システム(10)が前記シリンダにチャージ空気を断続的に供給するために、前記内燃機関の部分負荷運転中に前記チャージ空気レシーバ(1)から前記始動空気システム(10)にチャージ空気を供給するステップと、
を含む、内燃機関を運転する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関用の空気供給システム、内燃機関および内燃機関を運転する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関、特に中速走行するセグメントの大型エンジンは、今日では、いわゆるミラー・バルブタイミング(Miller-Steuerzeiten)および高効率の高圧過給を有することが増えている。このバルブタイミングは、吸気行程の終了を下死点前に行うことにより特徴付けられている。この構成は、一方では、燃料消費を減少させ、内部の膨張によってNOx排出量を大幅に減少させるが、他方では、始動時、加速時、部分負荷運転時の挙動に悪影響を与える。
【0003】
極端なミラー・バルブタイミングにより、たとえばアイドリング時に小さな質量しかシリンダ内に到達しないので、ディーゼルエンジンでは、圧縮段階において必要な燃焼温度が達成されず、したがってエンジンの始動は不可能である。さらに、部分負荷運転の大きな範囲において充填量が少ないので、許容可能な排気ガス温度での無煙燃焼を保証することはできない。
【0004】
ミラー・バルブタイミングを有するガスエンジンでは、圧縮段階の終了時の低い温度は、点火性、ひいてはエンジンの運転挙動に不都合に作用する。一般に、ミラー・バルブタイミングにより、加速挙動または応答挙動に不都合な影響を与えてしまう。加えて、アイドリング時および低負荷運転中には、ピストンの上下の空間の間で望ましくない不都合な圧力勾配が生じる運転状態が発生してしまう。
【0005】
ミラー・バルブタイミングを有する内燃機関の、低負荷時に部分的に不満足である運転挙動に対する対抗措置として、今日では様々な異なる技術が使用されている。これらの技術のうちの幾つかは、たとえば、部分負荷運転中の吸気行程の終了を変更させることを目的としている。
【0006】
上記を勘案して、さらなる改善が要求されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1に記載の空気供給システムによって少なくとも部分的に解消される。さらに、この課題は、請求項14に記載の内燃機関および請求項15に記載の、内燃機関を運転する方法によって解決される。別の実施形態、変化形および改良形は、以下の説明および添付の特許請求の範囲に基づき明らかになる。
【0008】
一実施形態によれば、内燃機関、特にミラー・バルブタイミングを有する内燃機関用の空気供給システムが提供される。空気供給システムは、チャージ空気を受け取るチャージ空気レシーバと、始動空気システムとを有している。始動空気システムは、内燃機関のシリンダに接続された始動空気供給管路を有している。さらに、始動空気システムは、内燃機関の始動過程時に内燃機関のシリンダに始動空気を、特に始動空気供給部から断続的に供給するように構成されている。チャージ空気レシーバは、内燃機関の部分負荷運転中に始動空気システムにチャージ空気をチャージ空気レシーバから供給するために、始動空気システムにチャージ空気遮断弁を介して接続されており、これにより、始動空気システムは、内燃機関の部分負荷運転時に始動空気供給管路を介してシリンダにチャージ空気を断続的に供給する。
【0009】
一実施形態によれば、内燃機関、特にミラー・バルブタイミングを有する内燃機関が提供される。内燃機関は、本明細書に開示された実施形態のうちのいずれか1つの実施形態による空気供給システムを有している。さらに、内燃機関はシリンダを有しており、始動空気システムは、内燃機関の始動過程時に内燃機関のシリンダに始動空気を断続的に供給するために、シリンダに接続されている。内燃機関は、コンプレッサ、特にターボチャージャ装置を有しており、ターボチャージャ装置は、チャージ空気レシーバにチャージ空気を供給するために、チャージ空気レシーバに接続されている。
【0010】
一実施形態には、内燃機関、特にミラー・バルブタイミングを有する内燃機関を運転する方法が記載されており、内燃機関は、本明細書に開示された実施形態のうちのいずれか1つの実施形態による始動空気システムを有している。この方法は、始動空気システムが内燃機関のシリンダに始動空気を断続的に供給することにより内燃機関を始動するステップを含んでいる。さらに、方法は、内燃機関の部分負荷運転中にチャージ空気レシーバから始動空気システムにチャージ空気を供給するステップを含んでおり、これにより始動空気システムはシリンダにチャージ空気を断続的に供給する。
【0011】
以下に本発明を複数の実施形態につき詳細に説明するが、これらの実施形態は、請求項により定義された保護範囲を制限するものではない。
【0012】
添付の図面は、複数の実施形態を可視化し、明細書と共に本発明の原理を説明するために役立つ。図面に示した要素は互いに相対的であり、かつ必ずしも正しい縮尺ではない。同一の参照符号は、対応する類似の部分を示している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】一実施形態による内燃機関用の空気供給システムを示す図である。
図1B】一実施形態による内燃機関用の空気供給システムを示す図である。
図2】一実施形態による内燃機関用の空気供給システムを示す図である。
図3】一実施形態による内燃機関用の空気供給システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
一実施形態によれば、内燃機関用の空気供給システムが提供される。好適には、内燃機関は、ミラー・バルブタイミングを有する内燃機関である。特に、空気供給システムは、内燃機関への組み合わせられたチャージ空気供給および始動空気供給のために提供される。
【0015】
空気供給システムは、始動空気システム10を有している。始動空気システム10は、特に内燃機関の始動過程時に有利に使用することができる。始動空気システムは、以下で始動空気とも呼ぶ圧縮された空気を増大された圧力で内燃機関のシリンダ内、特に燃焼室内に導入することを可能にし、内燃機関の1つまたは複数のピストンが回転し、これにより燃料供給を開始して、エンジンを始動させることができる。
【0016】
始動空気システム10は、始動空気供給管路7を有している。始動空気供給管路7は、内燃機関のシリンダに接続されている。内燃機関は複数のシリンダを有していてよく、始動空気システム10は、始動空気供給管路7を介してそれぞれ全てのシリンダにわたって接続されていてよい。始動空気供給管路7は、網状の管路および/または複数の管路であってよい。始動空気システム10は、内燃機関の始動過程時に内燃機関のシリンダに始動空気を断続的に供給するように構成されている。
【0017】
断続的な供給は、1つの態様によれば、始動空気が始動空気供給管路を介してシリンダに供給される供給インターバルと、この供給インターバル間の、供給が中断されている遮断インターバルとの周期的な連続を含んでいる。断続的な供給は、好適には周期的に、かつ(吸気弁の操作周期の一定倍である周囲、つまり吸気弁の操作周期とほぼ同じ周期、または半分もしくは2倍の周期で)内燃機関の吸気弁の操作に同期して行われる。
【0018】
始動空気供給管路7は、シリンダヘッドに機械的に結合されていてよい。図1A図1B図2および図3は、始動空気システム10および始動空気供給管路7の実施形態を例示的に示している。
【0019】
始動空気供給管路は、吸気弁を介した空気-燃料混合物の吸気に対して付加的に設けられている。さらに、始動空気供給管路は、シリンダへの、吸気弁とは別個の始動ガス入口または始動ガス吸気部を有している。一般的に、始動空気供給管路は、内燃機関の吸気管路またはインテークマニホールドに流体接続していない。
【0020】
始動空気システムは、圧縮空気始動器と見なすこともできる。始動空気システムは、内燃機関の始動過程時に内燃機関のシリンダ内に始動空気を直接に送り込むことを可能にする。有利には、本開示による始動空気システム10は、たとえば、数秒以内またはそれどころか1秒未満の極めて迅速な始動過程を可能にする。吸気管路またはインテークマニホールドに接続された従来の始動器とは異なり、本開示によれば、始動空気を内燃機関の全てのシリンダ内に送り込むことは規定されておらず、むしろ、1つのシリンダまたは幾つかのシリンダ、たとえば2つのシリンダへの送込みが行われる。典型的に、始動空気は従来の空気または窒素であり、排ガスまたは内燃機関用の燃料のガスではない。
【0021】
始動空気システム10は、始動空気供給部に接続されていてよい。典型的には、始動空気供給部は、圧力ガスボンベまたは圧力容器である。始動空気システム10は、内燃機関の始動過程時に内燃機関のシリンダに始動空気供給部から始動空気を断続的に供給するように構成されていてよい。たとえば、始動空気は、約30バールの圧力を有していてよい。
【0022】
始動空気システム10は、始動空気遮断弁12を有していてよい。この始動空気遮断弁12は、内燃機関の始動過程時に始動空気の供給部を開放し、特に始動空気供給部と始動空気システム10との接続部を開放するように、制御されていてよい。内燃機関の部分負荷運転中および特に全負荷運転時には、始動空気システムへの始動空気の供給部は好適には遮断されている。図1A図1B図2および図3は、始動空気遮断弁12の実施形態を例示的に示している。一般に、始動空気システムは、(たとえば始動過程後の)通常運転時の始動空気の供給部を(たとえば始動空気遮断弁12を閉じることにより)遮断するように構成されている。
【0023】
始動空気システム10は、始動空気供給管路7内に配置された始動空気弁3をさらに有していてよい。特に始動空気弁3は、内燃機関のシリンダの上流側に配置されていてよい。始動空気供給管路7がシリンダヘッドに機械的に結合されている場合、始動空気弁3は、シリンダヘッドに機械的に結合されていてよい。幾つかの実施形態では、始動空気弁3は、始動空気システム10の方向への内燃機関のシリンダからの空気またはガスの流れを阻止するというタスクを達成する。このような場合、始動空気弁3は、逆止弁であってよい。幾つかの別の実施形態では、始動空気弁3は、明細書の続きにおいて説明する付加的な機能を満たす。特に、そのような場合、(シリンダから始動空気システム10へ、かつ始動空気システム10からシリンダへの)2つの方向での空気またはガスの流れを可能にし、かつ遮断するように構成されている始動空気弁3を使用することができる。たとえば、始動空気弁3は、このような場合、電磁切換弁であってよい。図1A図1B図2および図3は、始動空気弁3の実施形態を例示的に示している。
【0024】
一実施形態では、始動空気システム10が、始動空気分配器4を有していてよい。始動空気分配器4は、始動空気供給管路7に接続されていてよい。内燃機関が1つのシリンダを有している場合、始動空気供給管路7は、1つの管路を有していてよく、始動空気分配器4は、始動空気供給管路7のこの管路に接続されていてよい。1つのシリンダを有する内燃機関用の空気供給システムの一実施形態が、たとえば図1Bに図示されている。内燃機関が複数のシリンダを有している場合、始動空気供給管路7は複数の管路を有していてよく、始動空気分配器4は、好適には始動空気供給管路7の複数の管路の全てにそれぞれ接続されている。複数のシリンダを有する内燃機関用の始動空気供給システムの一実施形態が、たとえば図1Aに図示されている。一実施形態によれば、始動空気分配器4は、1つまたは複数の開口を備えた回転する軸であってよい。この軸は、特に内燃機関のクランクシャフトに同期して(場合によっては固定の変速比で、たとえば1:1または1:2の変速比で)駆動する。始動空気分配器4は、特に始動空気供給部から始動空気供給管路(7)を介してシリンダに始動空気を断続的に供給するように構成されていてよい。
【0025】
図1A図1B図2および図3は、空気供給システム、特に始動空気システム10の概略的な実施形態を示している。図面には内燃機関のシリンダは示されていない。内燃機関のシリンダへの始動空気(および後に説明されるようなチャージ空気)の流れは、始動空気弁3の上側の区分に矢印により示唆されている。
【0026】
空気供給システムは、チャージ空気を受け取るためのチャージ空気レシーバ1をさらに有している。チャージ空気レシーバ自体は、当業者にとって公知である。チャージ空気レシーバ1とは、正圧が占めている圧力室であると理解することができる。幾つかの実施形態では、チャージ空気レシーバ1内の正圧を、コンプレッサ、特にターボチャージャ装置により形成することができる。コンプレッサ、特にターボチャージャ装置は、チャージ空気レシーバ1へとチャージ空気を供給するためにチャージ空気レシーバに接続されていてよい。
【0027】
チャージ空気レシーバ1は、始動空気システム10に内燃機関の部分負荷運転中にチャージ空気レシーバ1からチャージ空気を供給するために、チャージ空気遮断弁6を介して始動空気システム10に接続されている。したがって、チャージ空気を、チャージ空気レシーバ1から始動空気システム10に、かつ始動空気システム10から、始動空気供給管路7によって内燃機関のシリンダに断続的に供給することができる。好適には、チャージ空気の断続的な供給は、内燃機関の部分負荷運転中に行われる。
【0028】
チャージ空気遮断弁6は、内燃機関の始動過程時に、かつ特に全負荷運転時に、始動空気システム10へのチャージ空気の供給部を遮断するために制御されていてよい。内燃機関の部分負荷運転中に、チャージ空気レシーバ1から始動空気システム10へのチャージ空気の供給部は、好適には開放されている。図1A図1B図2および図3は、チャージ空気遮断弁6の実施形態を例示的に示している。
【0029】
特に内燃機関の始動過程時の始動空気の供給および特に内燃機関の部分負荷運転中のチャージ空気の供給は、好適には、内燃機関の作動サイクル内の定義された時点に行われる。換言すると、始動空気およびチャージ空気の供給は、好適には、内燃機関の吸気弁の定義された位置(または開放段階/閉鎖段階の互いに異なる時点)で、または内燃機関のクランクシャフトの定義された回転角で行われる。
【0030】
一実施形態では、始動空気システム10が、内燃機関のクランクシャフトの回転角に依存してシリンダに始動空気およびチャージ空気を断続的に供給するように構成されている。始動空気システム10は、内燃機関の吸気弁の開放時または開放後にシリンダへのチャージ空気の供給を可能にするように構成されていてよい。始動空気システム10は、シリンダへのチャージ空気の供給を、下死点の後にクランクシャフトの回転角が30°、好適には20°に到達する前に、または到達時に遮断するように構成されていてよい。
【0031】
特に内燃機関の始動過程時の始動空気の供給および特に内燃機関の部分負荷運転中のチャージ空気の供給は、好適には作動サイクル内の様々な時点に行われる。換言すると、チャージ空気の断続的な供給は、始動空気システム10により、始動空気の場合とは異なるクランクシャフトの回転角で行うことができる。始動空気システム10は、クランクシャフトの第1の回転角領域においてチャージ空気を断続的に供給し、かつ/またはクランクシャフトの第2の回転角領域において始動空気を断続的に供給することができる。第1の回転角領域は、第2の回転角領域とは異なっていてよい。
【0032】
本発明によれば、始動空気システム10の様々な特徴は、チャージ空気および/または始動空気の断続的な供給を可能にし、かつ特に始動空気の場合とは異なるクランクシャフトの回転角で始動空気システム10によるチャージ空気の断続的な供給を可能にするように構成されていてよい。以下では、複数の実施形態のうちの幾つかの実施形態を、図面に関連して説明する。しかし、これらの実施形態の特徴は任意に組み合わせることができる。
【0033】
一実施形態によれば、チャージ空気レシーバ1は、チャージ空気供給管路を介して始動空気分配器4に接続されていてよい。図1Aおよび図1Bは、チャージ空気レシーバ1が、始動空気分配器4に接続されている実施形態を示している。好適には、チャージ空気遮断弁6が、チャージ空気供給管路内に設けられている。始動空気分配器4は、シリンダに始動空気およびチャージ空気を断続的に供給するように構成されていてよい。一実施形態によれば、始動空気分配器4は、1つの開口を備えた回転する軸であってよく、この軸は、特に内燃機関のクランクシャフトに同期して駆動され、回転する軸の開口と、始動空気供給管路7とのオーバラップが存在する場合に、始動空気および/またはチャージ空気の供給が断続的に行われる。(たとえば図1Bに図示されているように)複数のシリンダと、始動空気供給管路7の複数の管路とが設けられている場合、回転する軸は、互いにずらされた複数の開口を有していてよい。一実施形態では、始動空気分配器4は、位相調節器をさらに有していてよい。位相調節器は、始動空気の断続的な供給とは異なる、内燃機関のクランクシャフトの別の回転角度でのチャージ空気の断続的な供給を可能にすることができる。任意には、この実施形態では、切換弁3が逆止弁であってよい。
【0034】
一実施形態では、始動空気システム10が、チャージ空気分配器8をさらに有していてよい。チャージ空気分配器8は、特に始動空気分配器4に対して付加的に設けられていてよい。チャージ空気レシーバ1と、チャージ空気分配器8とは、チャージ空気供給管路を介して互いに接続されていてよい。好適には、チャージ空気遮断弁6がチャージ空気供給管路内に設けられていてよい。図2は、始動空気システム10が、チャージ空気分配器8を有している実施形態を示している。特に、始動空気供給管路7は、チャージ空気分配器8および/または始動空気分配器4をシリンダに接続することができる。始動空気分配器4は、シリンダに始動空気を断続的に供給するように構成されていてよい。チャージ空気分配器8は、シリンダにチャージ空気を断続的に供給するように構成されていてよい。始動空気システム10が、2つの分配器、すなわち始動空気分配器4およびチャージ空気分配器8を有していることにより、特に、チャージ空気のための開放時間および開放期間を、始動空気のための開放時間および開放期間に依存せずに、特に要求に応じて調節することができる。有利には、始動空気分配器4は、始動空気供給管路7から始動空気分配器4を通る空気またはガスの流れが行われないゼロ位置を有していてよく、かつ/または、チャージ空気分配器8が、始動空気供給管路7からチャージ空気分配器8を通る空気またはガスの流れが行われないゼロ位置を有していてよい。特に、複数のシリンダが存在していて、始動空気分配器4および/またはチャージ空気分配器8と始動空気供給管路7の管路との複数の接続部が存在している場合には、始動空気分配器4および/またはチャージ空気分配器8がゼロ位置を有していてよい。一実施形態では、始動空気分配器4および/またはチャージ空気分配器8は、特に内燃機関のクランクシャフトに同期して駆動される回転する軸であってもよい。任意には、本実施形態では、切替弁3は、逆止弁であってよい。
【0035】
一実施形態によれば、チャージ空気レシーバ1は、チャージ空気供給管路7を介して始動空気分配器4に接続されていてよい。図3は、チャージ空気レシーバ1が始動空気分配器4に接続されている実施形態を示している。好適には、チャージ空気遮断弁6が、チャージ空気供給管路7内に設けられている。始動空気分配器4は、特に内燃機関のクランクシャフトに依存せずに、チャージ空気レシーバ1から始動空気システム10へのチャージ空気の持続的な供給を可能にすることができるように、好適には内燃機関の部分負荷運転中に遮断可能であってよい。複数のシリンダが設けられている場合、始動空気分配器4は、始動空気供給管路7の全ての管路へのチャージ空気の持続的な供給が可能にされるように、遮断可能であってよい。始動空気供給管路7に配置された始動空気弁3は、シリンダにチャージ空気および/または始動空気を断続的に供給するように構成されていてよい。始動空気弁3は、切換弁、特に電磁切換弁であってよい。したがって、始動空気システム10から内燃機関のシリンダへのチャージ空気の断続的な供給の開放時点および/または開放期間は、各シリンダの必要に応じて、かつ始動空気の断続的な供給の開放時点および/または開放期間に依存せずに選択することができる。一実施形態では、始動空気分配器4が、始動空気を断続的に供給するように構成されていてよく、始動空気弁3が、チャージ空気を断続的に供給するように構成されていてよい。
【0036】
空気供給システム、特に始動空気システム10は、シリンダに始動空気および/またはチャージ空気を断続的に供給するための始動空気弁3の断続的な操作、つまり開閉のための制御装置をさらに有していてよい。
【0037】
任意には、本明細書に記載されている複数の実施形態のそれぞれにおいて、空気供給システムが火炎監視装置2を含んでいてもよい。なお、火炎監視装置2は、始動空気供給部、始動空気供給管路7、またはチャージ空気レシーバ1に通じるチャージ空気導入管路のうちの少なくとも1つに配置されていてよい。火炎監視装置2は、火炎検知器と、シリンダへの空気供給部を開閉するための制御ユニット、特に始動空気弁3を開閉するための制御ユニットとを有していてよい。
【0038】
任意には、本明細書に記載された複数の実施形態のそれぞれにおいて、空気供給システムは、始動空気システム10に接続された過圧防止弁5をさらに有していてよい。過圧防止弁5は、漏れ開始圧力(Ansprechdruck)を上回った場合に始動空気システム10から空気を導出するように構成されていてよい。
【0039】
一実施形態によれば、内燃機関、特にミラー・バルブタイミングを有する内燃機関が提供される。内燃機関は、本明細書に開示された実施形態のうちのいずれか1つの実施形態による空気供給システムを有している。さらに、内燃機関はシリンダを有しており、始動空気システム10は、内燃機関の始動過程時に内燃機関のシリンダに始動空気を断続的に供給するために、シリンダに接続されている。好適には、内燃機関は、複数のシリンダを有しており、始動空気システム10は、始動空気供給管路7を介してそれぞれ全てのシリンダにわたって接続されていてよい。始動空気供給管路7は、網状の管路および/または複数の管路であってよい。
【0040】
内燃機関は、チャージ空気レシーバ1にチャージ空気を供給するためにチャージ空気レシーバ1に接続されているコンプレッサ、特にターボチャージャ装置を有している。始動空気システム10は、シリンダにとって始動空気またはチャージ空気の供給のための互いに異なる複数の時点が設けられているように構成されていてよい。特に内燃機関の始動過程時における始動空気の供給と、特に内燃機関の部分負荷運転中のチャージ空気の供給とは、好適には作動サイクル内の異なる時点に行われる。
【0041】
一実施形態によれば、内燃機関、特にミラー・バルブタイミングを有する内燃機関を運転する方法が記載されており、内燃機関は、本明細書に開示された実施形態のうちのいずれか1つの実施形態による始動空気システム10を有している。この方法は、始動空気システム10が内燃機関のシリンダに始動空気を断続的に供給することによって、内燃機関を始動させるステップを含む。さらに、この方法は、始動空気システム10がシリンダにチャージ空気を断続的に供給するように、内燃機関の部分負荷運転中に、チャージ空気レシーバ1から始動空気システム10にチャージ空気を供給するステップを含んでいる。
【0042】
有利には、本明細書に開示された実施形態のいずれか1つの実施形態による空気供給システムは、既に存在するチャージ空気レシーバおよび/または始動空気システム10の既に存在する1つまたは複数の機能を備えた内燃機関において、コスト効率よく実現することができる。特に、チャージ空気レシーバ1および/または始動空気システム10の1つまたは複数の機能が存在する場合、本発明を実施するために大幅な構造的な変更は必要ない。有利には、本発明による実施形態は、内燃機関のために僅かな構成要素の追加を必要とするだけで、これにより、手間と効果の間の好適な関係が生じる。始動空気システム10によってチャージ空気レシーバ1によりチャージ空気を断続的に供給することは、特にアイドリング中や部分負荷運転中に、「ミラー効果」または「ミラー・バルブタイミング」の不都合な作用を排除することができる。先行技術とは異なり、本明細書に記載された空気供給システムは、吸気弁の作動機構または吸気弁の構造的な変更を実施することなしに、また吸気行程の終了の変更を実施することなしに、「ミラー効果」または「ミラー・バルブタイミング」の不都合な作用を、特にアイドリング中および部分負荷中に排除することができる。本明細書に記載された空気供給システムは、ミラー・バルブタイミングを有しない内燃機関でも、特にアイドリング中や部分負荷運転中に有利に使用することができる。
【0043】
本明細書において特定の実施形態を図示および説明してきたが、本発明の保護範囲から逸脱することなしに、示した実施形態を適切に変更することは本発明の枠内にある。
図1A
図1B
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2021-09-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関用の空気供給システムであって、該空気供給システムは、
チャージ空気を受け取るためのチャージ空気レシーバ(1)と、
始動空気システム(10)と、
を有しており、
前記始動空気システム(10)は、前記内燃機関のシリンダに接続された始動空気供給管路(7)を有しており、前記始動空気システム(10)は、前記内燃機関の始動過程時に、前記内燃機関の前記シリンダに始動空気を断続的に供給するように構成されており、
前記チャージ空気レシーバ(1)は、前記内燃機関の部分負荷運転中に前記始動空気システム(10)に前記チャージ空気レシーバ(1)からチャージ空気を供給するために、前記始動空気システム(10)にチャージ空気遮断弁(6)を介して接続されており、これにより、前記始動空気システム(10)が、前記内燃機関の部分負荷運転時に前記始動空気供給管路(7)を介して前記シリンダにチャージ空気を断続的に供給する、空気供給システム。
【請求項2】
前記始動空気システム(10)は、前記始動空気供給管路(7)内に配置された始動空気弁(3)を有している、請求項1記載の空気供給システム。
【請求項3】
前記チャージ空気遮断弁(6)は、前記内燃機関の始動過程時に前記始動空気システム(10)への前記チャージ空気の供給部を遮断し、前記内燃機関の部分負荷運転中に前記チャージ空気レシーバ(1)からのチャージ空気の供給部を開放するように、制御されており、かつ/または
前記始動空気システム(10)は始動空気遮断弁(12)を有しており、該始動空気遮断弁(12)は、前記内燃機関の部分負荷運転時に前記始動空気システム(10)への始動空気の供給部を遮断し、始動過程時に始動空気の前記供給部を開放するように、制御されている、請求項1記載の空気供給システム。
【請求項4】
前記始動空気システム(10)は、前記内燃機関のクランクシャフトの回転角に依存して前記シリンダに始動空気およびチャージ空気を断続的に供給するように構成されている、請求項1記載の空気供給システム。
【請求項5】
前記始動空気システム(10)は、前記内燃機関の吸気弁の開放以後に、かつ/または下死点の後に前記クランクシャフトの回転角が30°に到達する前に、または到達するまで、チャージ空気を供給するように構成されている、請求項4記載の空気供給システム。
【請求項6】
前記始動空気システム(10)は、前記始動空気の断続的な供給時とは異なる前記クランクシャフトの回転角で、前記チャージ空気を断続的に供給する、請求項5記載の空気供給システム。
【請求項7】
前記始動空気システム(10)は、前記始動空気供給部から前記シリンダに前記始動空気供給管路(7)を介して始動空気を断続的に供給するために、前記始動空気供給管路(7)に接続された始動空気分配器(4)を有している、請求項1記載の空気供給システム。
【請求項8】
前記チャージ空気レシーバ(1)と前記始動空気分配器(4)とが、チャージ空気供給管路を介して互いに接続されている、請求項7記載の空気供給システム。
【請求項9】
前記始動空気分配器(4)は、前記シリンダに始動空気およびチャージ空気を断続的に供給するように構成されている、請求項7記載の空気供給システム。
【請求項10】
前記始動空気分配器(4)は、前記内燃機関のクランクシャフトの、始動空気の断続的な供給とは異なる回転角でのチャージ空気の断続的な供給を可能にするために、位相調整器をさらに有している、請求項9記載の空気供給システム。
【請求項11】
前記始動空気システム(10)はチャージ空気分配器(8)をさらに有しており、前記チャージ空気レシーバ(1)と前記チャージ空気分配器(8)とが、チャージ空気供給管路を介して互いに接続されており、前記始動空気供給管路(7)は、前記チャージ空気分配器(8)を前記シリンダに接続している、請求項1記載の空気供給システム。
【請求項12】
前記チャージ空気分配器(8)は、前記シリンダにチャージ空気を断続的に供給するように構成されている、請求項11記載の空気供給システム。
【請求項13】
前記始動空気システム(10)は、前記シリンダに始動空気および/またはチャージ空気を断続的に供給するために、前記始動空気供給管路(7)内に配置された始動空気弁(3)を有している、請求項1記載の空気供給システム。
【請求項14】
前記チャージ空気レシーバ(1)と前記始動空気分配器(4)とが、チャージ空気供給管路を介して互いに接続されている、請求項13記載の空気供給システム。
【請求項15】
前記始動空気供給部、前記始動空気供給管路(7)、または前記チャージ空気レシーバ(1)に通じるチャージ空気導入管路のうちの少なくとも1つに配置された火炎監視装置(2)をさらに有しており、該火炎監視装置(2)は、火炎検知器と、前記シリンダへの前記チャージ空気供給部の開閉のための制御ユニットとを有している、請求項1記載の空気供給システム。
【請求項16】
内燃機関であって、
請求項1記載の空気供給システムと、
シリンダであって、前記内燃機関の始動過程時に前記内燃機関の前記シリンダに始動空気を断続的に供給するために、始動空気システム(10)が前記シリンダに接続されている、シリンダと、
コンプレッサであって、チャージ空気レシーバ(1)にチャージ空気を供給するために前記チャージ空気レシーバ(1)に接続されている、コンプレッサと、
を有する、内燃機関。
【請求項17】
内燃機関を運転する方法であって、前記内燃機関が始動空気システム(10)を有しており、該方法は、
前記始動空気システム(10)が前記内燃機関のシリンダに始動空気を断続的に供給することによって、前記内燃機関を始動するステップと、
前記始動空気システム(10)が前記シリンダにチャージ空気を断続的に供給するために、前記内燃機関の部分負荷運転中に前記チャージ空気レシーバ(1)から前記始動空気システム(10)にチャージ空気を供給するステップと、
を含む、内燃機関を運転する方法。
【国際調査報告】