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特表2022-527329神経疾患を処置するために有用なレトロマー安定化剤としてのアミノグアニジンヒドラゾン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-01
(54)【発明の名称】神経疾患を処置するために有用なレトロマー安定化剤としてのアミノグアニジンヒドラゾン
(51)【国際特許分類】
   C07C 281/18 20060101AFI20220525BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220525BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20220525BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20220525BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20220525BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20220525BHJP
   A61K 31/155 20060101ALI20220525BHJP
   A61K 31/167 20060101ALI20220525BHJP
   A61K 31/18 20060101ALI20220525BHJP
   A61K 31/235 20060101ALI20220525BHJP
   A61K 31/495 20060101ALI20220525BHJP
   C07D 295/185 20060101ALI20220525BHJP
   C07D 295/215 20060101ALI20220525BHJP
   A61K 31/40 20060101ALI20220525BHJP
   A61K 31/4168 20060101ALI20220525BHJP
   C07D 233/88 20060101ALI20220525BHJP
   C07D 235/30 20060101ALI20220525BHJP
   A61K 31/4184 20060101ALI20220525BHJP
【FI】
C07C281/18 CSP
A61P43/00 111
A61P25/00
A61P21/00
A61P25/28
A61P25/16
A61K31/155
A61K31/167
A61K31/18
A61K31/235
A61K31/495
C07D295/185
C07D295/215
A61K31/40
A61K31/4168
C07D233/88
C07D235/30 A
A61K31/4184
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021558741
(86)(22)【出願日】2020-04-01
(85)【翻訳文提出日】2021-11-29
(86)【国際出願番号】 EP2020059207
(87)【国際公開番号】W WO2020201326
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】19166534.8
(32)【優先日】2019-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】517423431
【氏名又は名称】オスペダーレ・サン・ラッファエーレ・エッセエッレエッレ
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100083389
【弁理士】
【氏名又は名称】竹ノ内 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100198317
【弁理士】
【氏名又は名称】横堀 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】ジャンヴィト マルティーノ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ ムーツィオ
(72)【発明者】
【氏名】ニーロ リーヴァ
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィデ ゴルナーティ
(72)【発明者】
【氏名】ぺエルファウスト セネシ
(72)【発明者】
【氏名】シモーナ カルメン エレウテーリオ
【テーマコード(参考)】
4C086
4C206
4H006
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086BC07
4C086BC38
4C086BC50
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA02
4C086ZA16
4C086ZA94
4C086ZC41
4C206AA01
4C206AA02
4C206AA03
4C206AA04
4C206HA31
4C206JA14
4C206KA01
4C206MA01
4C206MA04
4C206NA14
4C206ZA01
4C206ZA02
4C206ZA16
4C206ZA94
4C206ZC41
4H006AA01
4H006AA02
4H006AA03
4H006AB20
4H006AB21
4H006AC59
4H006BA66
4H006BB14
(57)【要約】
本発明は、レトロマー安定化剤として有効であり、神経保護薬として有用である、式(I)の新規のアミノグアニジンヒドラゾン-誘導体に関する。本発明はまた、化合物を含む医薬組成物ならびに治療および診断でのそれらの使用にも関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
(I)
(式中、
は、水素およびハロから選択され;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシおよびアルキルから選択され;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシおよびアルキル、アラルキル、アリール、-COOR、-NHCOR、-NHSO、-COR、-NOおよびアミノグアニジル-ヒドラゾンから選択され;
は、水素およびアルキルから選択され;
は、水素およびアルキルから選択され;
は、水素、アルキル、アリールおよびアリールアルキルから選択され;
は、水素およびアルキルから選択され;
または
およびRは、それらが結合する2つの窒素原子と共に、イミダゾリノ、テトラヒドロピリミジノおよびベンズイミダゾリノから選択される環を形成し;
または
およびRは、それぞれ独立して、それらが結合する窒素原子と共に、ピロリジノまたはピペリジノ基を形成し;
は、水素、置換アルキルおよびアリールから選択され;
は、式(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、(IIId)および(IIIe)
【化2】

[式中、アスタリスク()は、連結する結合を示す]
の基から選択される)
の化合物ならびにその塩および溶媒和物。
【請求項2】
は、水素および臭素から選択され;
は、水素、臭素、ヒドロキシ、メトキシ、メチル、n-ブチルおよびn-ブチルオキシから選択され;
は、水素、臭素、メトキシ、-NO、フェニル、-NHCOCH、NHCO-p-トリル、-NHSOCH、-NHSO-p-トリル、COOCH、-CO-Rおよびアミノグアニジル-ヒドラゾンから選択され;
は、水素およびメチルから選択され;
は、水素であり;
は、水素、メチル、n-ブチルおよびベンジルから選択され;
は、水素であり、
または
およびRは、それらが結合する2つの窒素原子と共に、イミダゾリノ、テトラヒドロピリミジノおよびベンズイミダゾリノから選択される環を形成し;
または
およびRは、それらが結合する窒素原子と共に、ピロリジノ基を形成し;
は、式(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、(IIId)および(IIIe)
【化3】

[式中、アスタリスク()は、連結する結合を示す]
の基から選択されることを特徴とする請求項1に記載の式(I)の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物の1つ。
【請求項3】
式中:
- R、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2a)
- Rは臭素であり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2b)
- Rは臭素であり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2c)
- Rはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2d)
- Rはメトキシであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2e)
- Rはn-ブチルオキシであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2f)
- Rはメチルであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2g)
- Rは臭素であり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2h)
- Rはメトキシであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2i)
- Rはニトロであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2j)
- Rはフェニルであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2k)
- Rはアセトアミドであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2l)
- Rはp-トリルアミドであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2m)
- Rはメシルアミドであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2n)
- Rはp-トシルアミドであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2o)
- Rはカルボメトキシであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2p)
- Rは1-(4’-フェニルピペラジニル)カルボニル基であり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2q)
- Rはアミノグアニジルであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2r)
- Rはn-ブチルであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2t)
- Rはベンジルであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2u)
- RおよびRは、それらが結合する窒素原子と共に、ピロリジノ基を形成し、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2v)
- Rはトシルアミドであり、Rはn-ブチルであり、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2w)
- RおよびRは、それらが結合する窒素原子と共に、イミダゾリジノ基を形成し、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2x)
- Rはメチルであり、RおよびRは、それらが結合する窒素原子と共に、イミダゾリジノ基を形成し、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2y)
- RおよびRは、それらが結合する窒素原子と共に、ベンズイミダゾリジノ基を形成し、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2z)、
式(I)の化合物から選択される請求項1または2に記載の式(I)の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物の1つ。
【請求項4】
化合物2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g、2i、2l、2vおよび2zから選択される、請求項3に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
その塩の1つの形態であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の少なくとも1つ、および少なくとも1つの薬学的に許容される担体または賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項7】
治療および/または診断でのその使用のための、請求項1~5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項8】
レトロマー安定化剤としてのその使用のための、請求項1~5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項9】
神経保護剤としてのその使用のための、請求項1~5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項10】
筋萎縮性側索硬化症(ALS)、シャルコー・マリー・トゥース病、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)およびレトロマー安定化活性が有益である他の神経疾患を含む神経疾患の処置および/または予防のための、請求項1~5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項11】
請求項1~5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物の1つの調製のための方法であって、
式(IV)
【化4】
(IV)
(式中、R、RおよびRは上記に定義した通りである)
の化合物を、
式(V)
【化5】
(V)
(式中、R、R、RおよびRは上記に定義した通りである)
の化合物またはその塩と好適な溶媒中で反応させるステップ、ならびに
そのようにして得られた式(I)の化合物を単離するステップ、
任意選択で精製するステップ、および/または
任意選択でそれをその塩もしくは溶媒和物に変換するステップ
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レトロマー安定化剤として有効であり、神経保護薬として有用である新規のアミノグアニジンヒドラゾン誘導体に関する。本発明はまた、それらを含む医薬組成物ならびに治療および診断におけるそれらの使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
エンドサイトーシス経路(Huotari and Helenius 2011)は、原形質膜受容体およびリガンドの優勢なリサイクル回路、(巨大)分子および外因性大粒子の消化のための分解系、ならびに前の回路から後の回路への非選別流および膜成分の輸送のための後期エンドソーム(LE)媒介供給経路を含む。神経細胞における機能障害性エンドサイトーシス膜移動は、神経変性疾患(NDD)に共通しており、機能障害性タンパク質およびオルガネラの蓄積、神経脆弱性および細胞死をもたらす(Schreij,Fonら 2016)。
【0003】
レトロマー複合体(Seaman 2005)は、エンドソームからの積荷の回収およびトランスゴルジネットワーク(TGN)へのそれらの輸送(Seaman 2004);ならびにエンドソームから細胞表面へと戻す積荷のリサイクリング(Temkin,Laufferら 2011)に関与するマルチモジュラータンパク質アセンブリーである。その三量体の積荷認識コア(CRC)(Hierro,Rojasら 2007)は、膜貫通タンパク質に結合し、輸送される。CRCは、VPS35骨格上でアセンブルする液胞タンパク質選別関連タンパク質26(VPS26)およびVPS29によって作成される。
【0004】
NDDにおけるレトロマー機能障害は、積荷の神経毒性断片への異常なプロセシング(Bhalla,Vetanovetzら 2012)、エンドソーム-リソソーム系におけるタンパク質オリゴマーおよび凝集物のプロテアーゼ駆動分解の減少(Futerman and van Meer 2004)、オートファゴソーム形成および機能性の障害(Zavodszky,Seamanら 2014)、細胞内神経毒性凝集物の播種および細胞間拡散の増加(Walker,Diamondら 2013)、ならびにミクログリア食作用受容体の減少(Lucin,O’Brienら 2013)を引き起こし得る。
【0005】
レトロマーレベルの増加は、細胞における積荷の移動および輸送を増強する(Small,Kentら 2005)。CRCタンパク質間の強化された相互作用は、レトロマーを安定化し(Norwood,Shawら 2011)、その機能性を増加させるはずである。近年、インシリコスクリーニングは、VPS35とVPS29の間の界面におけるレトロマー安定化剤(Mecozzi,Bermanら 2014)結合を標的化した。チオフェン-連結ビス-イソチオウレアR55(1)は、VPS35-VPS29界面で結合することができる薬理学的シャペロンとして同定された(Convertino,Dasら 2016)。R55は、インビトロでCMCを安定化し(CMCの変性温度のおよそ10℃増加)、神経細胞培養におけるVPS35レベル(およそ180%)およびVPS26レベル(およそ150%)を増加し、50μMまで毒性ではない(Mecozzi,Bermanら 2014)。R55は、野生型およびAPP変異海馬神経細胞においてAβ40(44%まで)およびAβ42(39%まで)のレベルを減少させる(Mecozzi,Bermanら 2014)。
【化1】
1 (R55)
【0006】
例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、Charcot-Marie Tooth病、アルツハイマー(Azheimer’s)病(AD)、パーキンソン病(PD)など、いくつかの神経疾患の処置および予防において有効であり、有用であり得る新規のレトロマー安定化剤の必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、レトロマー安定化剤として有効な新規の化合物を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、診断および治療における、特に、例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、Charcot-Marie Tooth病、アルツハイマー(Azheimer’s)病(AD)、パーキンソン病(PD)などの神経疾患の処置における、本発明の新規の化合物の使用を提供することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、本発明の新規の化合物を含む医薬組成物を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、本発明の新規の化合物の調製のための方法を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、Neuro2a細胞におけるVPS35へのR55の生化学的効果を示す図である。ヒストグラムは、平均(±s.d.)値(各群につきn=3)を示す。スチューデントのt検定を使用して決定した**P<0.01。
図2図2は、G93AマウスにおけるVPS35、VPS29およびVPS26レベルを示す図である。Aは、WTおよびG93Aマウスからの腰部SC腹側角におけるVPS35NeuN推定の運動神経細胞(MN)の共焦点スタックの最大投影を示す(30、60および90日、n=4/時点)。VPS26およびNeuNを標識した隣接切片をBに示す(30、60および90日、n=4/時点)。パネルCは、20、60および100日でのWTおよびG93Aマウスからの腰部SC抽出物におけるVPS35およびβアクチンのWBを示す(n=4/時点)。ノーマライズしたVPS35レベルの定量(平均±s.d.)(WTに対する比)をパネルCのヒストグラムに示す。Dは、100日目のWTおよびG93AマウスからのSCにおけるVPS26bおよびβ-チューブリンの代表的なWBを示す。ノーマライズしたVPS26bレベルの定量(平均±s.d.)(WTに対する比)をパネルのヒストグラムに示す(n=5 WTおよびn=6 G93A)。Eは、100日目のWTおよびG93AマウスからのSCにおけるVPS29レベルのWBを示す。ノーマライズしたVPS29bレベルの定量(平均±s.d.)(WTに対する比)をパネルのヒストグラムに示す(各群につきn=6)。パネルFは、WT(60日目にサンプリングした、n=4)およびG93Aマウス(30、60および90日、n=3/時点)からの腰部SCにおけるリアルタイムPCRによるVps35、Vps26およびVps29mRNAの定量を示す(WT対する比)。二元配置分散分析(two way ANOVA)後にボンフェローニの多重比較検定を使用してパネルCのデータを解析した。両側スチューデントのt検定を使用して、パネルDおよびEの統計的優位性を決定した。一元配置分散分析(one way ANOVA)後にテューキーの多重比較検定を使用してパネルFのデータを解析した。**p<0.01;***p<0.001。パネルBのスケールバー、80μm。
図3図3は、非トランスフェクト-;pcDNA3.1(+)SOD1G93A(1μg/ウェル)-pCAAG-GFP(0.2μg/ウェル)-;pcDNA3.1(+)SOD1G93A(1μg/ウェル)-pCAAG-GFP(0.2μg/ウェル)+2a(10μM)-およびpCAAG-GFP(1.2μg/ウェル)-トランスフェクトNeuro2a(4×10個の細胞/ウェル)における、GFPとGolgin97のマージした共焦点スタックを示す図である。正常、中間体または断片化ゴルジの形態学的解析は、非トランスフェクト細胞(n=83)、G93A-GFP(n=88)、G93A-GFP+2a(n=84)およびGFP(n=109)で行った。パネルAのヒストグラムは、4回の独立した実験からの、条件当たりのゴルジ構築物の総数のパーセント(平均±s.d.)として表されるゴルジサブクラスを示す。未処置のNeuro2a細胞(3×10個の細胞/ウェル)およびpcDNA3.1(+)SOD1G93A(2μg/ウェル)-pCAAG-GFP(0.5μg/well)またはpCAAG-GFP(2μg/ウェル)によってトランスフェクトした細胞からの等量の細胞ライセートをSDS-PAGEにかけ、Golgin97およびβアクチンに対する抗体によって免疫ブロットした。定量(未処置細胞に対する平均変化倍率±s.d.)を、左側のパネルに示す(n=3/群)。Bは、pCMV-LacZ(1.25μg/ウェル、n=19ウェル)、pcDNA3.1(+)SOD1G93A(1.25μg/ウェル、n=19ウェル)、pcDNA3.1(+)SOD1G93A(1.25μg/ウェル)+2a(10μM、n=24ウェル)、および化合物2a(10μM、n=17ウェル)、(4×10個の細胞/ウェル)によって処置した細胞の、非トランスフェクトNeuro2a細胞(n=19ウェル)と比較した平均比として表される細胞生存率を示す。陽性対照は、Neuro2a細胞をH(200μM、16ウェル、4×10個の細胞/ウェル)で処置することによって得られる。データ(平均±s.d.)は、3回の独立した実験に由来する。パネルCは、pCMV-LacZ+pcCDNA3.1-VPS35(1μg/ウェル+0.25μg/ウェル);pcDNA3.1(+)SOD1G93A+pCMV-LacZ(1μg/ウェル+0.25μg/ウェル)およびpcDNA3.1(+)SOD1G93A+pcCDNA3.1(+)VPS35(1μg/ウェル+0.25μg/ウェル)、(4×10個の細胞/ウェル)によってトランスフェクトした細胞の細胞生存率(未処置のNeuro2aに対する比)を示す。ヒストグラムは、3回の独立した実験(n=17/群)由来する平均(±s.d.)を示す。パネルDは、以下の状態を受ける細胞の細胞生存率(未処置のNeuro2aに対する比)を示す:pCMV-LacZ(1μg/ウェル)とスクランブルまたはSh56プラスミド(それぞれ0.25μg/ウェル);pcDNA3.1(+)SOD1G93A(1μg/ウェル)とスクランブルまたはSh56プラスミド(0.25μg/ウェル)およびリード2a(10μM)ありまたはなし;(3回の独立した実験からn=20/群、4×10個の細胞/ウェル)。パネルEは、パネルDでプロットした実験のように処置および条件を受けるNeuro2a(4×10個の細胞/ウェル)におけるLDHアッセイを示す。細胞毒性(平均±s.d.)は、上澄み液に放出されたLDHの量を測定することによって算出した(3回の独立した実験からn≧9ウェル/群)。二元配置分散分析後にボンフェローニの多重比較検定を使用してパネルAのデータを解析した。一元配置分散分析後にテューキーの多重比較検定を使用してパネルB~Eのデータを解析した。p<0.05、***p<0.001。n.s.は有意ではない。Aのスケールバー、10μm。
図4図4は、VPS35の低分子干渉プラスミドによってトランスフェクトした細胞におけるVPS35レベルを示す図である。Neuro2a細胞(3×10個の細胞/ウェル)を、スクランブルまたは市販のVPS35 RNAiプラスミド(Sh56、Sh58およびSh59、2μg/ウェル)によってトランスフェクトした。ノックダウンは、トランスフェクションの48時間後にサンプリングしたRNAのリアルタイムPCR解析によって評価した。Aのヒストグラムは、未処置の細胞に対する比として報告したノーマライズしたVps35 mRNAレベル(平均±s.d.)を示す(n=3/群)。WBを行い、スクランブルまたはVPS35 RNAiプラスミドを受ける細胞におけるVPS35のノックダウンを確かめた。パネルBの黒い境界線は、同じフィルターから切り取ったレーンを示す。未処置の細胞に対する比として報告したノーマライズしたVPS35タンパク質レベル(平均±s.d.)の定量をCに示す(n=3/群)。平行培養(3×10個の細胞/ウェル)は、スクランブル(D)またはSh56(E)プラスミドと一緒に、pCAAG-GFPプラスミドによってトランスエフェクトし、GFPおよびVPS35を標識した。Eの矢印は、Sh56プラスミドを受けるGFP細胞におけるVPS35免疫反応性を示す。Eの矢印は、正常レベルでVPS35を発現する同じ視野からのGFPを示す(n=3/群)。一元配置分散分析後にテューキーの多重比較検定を使用してデータを解析した。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。
図5図5は、化合物2aがNeuro2a細胞におけるVPS35レベルを安定化することを示す図である。パネルAは、Neuro2a細胞(3×10個の細胞/ウェル)におけるVPS35の分解の速度を決定するために実施したシクロヘキシミド(CHX)追跡アッセイを示す。細胞は、24時間、ビヒクルまたは2a(10μM)によって処置し、次いで2、4および8時間、CHX(10μg/mL)によって追跡した。Aは、ビヒクルおよび化合物2a処置したNeuro2a細胞におけるVPS35およびβアクチンレベルの代表的なWBを示す。ノーマライズしたVPS35レベルの定量(0時間で確立した、平均のノーマライズした比±s.e.m.)をパネルBに示す(各群につきn=8)。Cは、化合物2aを受けるNeuro2a細胞におけるVps35、Vps26およびVps29mRNAの定量的リアルタイムPCR(3回の独立した実験から各群につきn=8、10μM 48時間、3×10個の細胞/ウェル)を示し、ヒストグラムは、ビヒクル処置細胞に対する比を報告した。二元配置分散分析後にボンフェローニの多重比較検定を使用してパネルBにプロットしたデータを解析した。両側スチューデントのt検定を使用して、Cの統計的優位性を決定した。**p<0.01。
図6図6は、中枢神経系における2aの透過性を示す図である。パネルAは、10mg/kgの2aを毎日注射し、1、7、15および30日目にサンプリングした(各時点についてn=4)C57BL/6Jマウスにおける脳への取り込みのタイムコースを示す。データは平均(±s.d.)として表す。Bは、ビヒクル、R55/1および2aを毎日注射した(7日間、10mg/kg)C57BL/6JマウスからのSC抽出物におけるVPS35およびβアクチンの代表的なWBを示す。黒い境界線は、平行フィルターから切り取ったレーンをマークする。ノーマライズしたVPS35レベルの定量(ビヒクル処置したマウスに対する比)は、ヒストグラムのパネルに示す(各ドットは、個々のマウスを表す)。一元配置分散分析後にテューキーの多重比較検定を使用してデータを解析した。
図7】Aは、Neuro2a細胞および一次神経細胞培養における2aの毒性を示す。細胞生存の非線形フィッティング解析は、化合物2aの257.9μMのLD50を示す。データ(平均±s.d.)は、Neuro2a細胞が48時間、漸増量の2aを受ける3回の独立した実験からのn=24ウェル/群に由来する。陽性対照、HによるNeuro2a細胞の確立された処置(48時間、200μM、4×10個の細胞/ウェル、3回の独立した実験からn=24ウェル)をパネルのヒストグラムに示す。パネルBおよびCは、1μM(B)および100μM(C)の濃度で、2aによって処置した一次皮質神経細胞(3×10個の皮質神経細胞/チップ、n=4チップ)をプレートした代表的な微小電極アレイバイオチップの同じ電極からの神経細胞活性の記録を示す。神経細胞は、漸増量の2a(1、3、10、30および100μM)を受け、5分ごとに記録した。Dは、低濃度の2a(1μM)に曝露された神経細胞において測定したスパイク数の変化倍率(平均±s.e.m.)として報告されたファイアリング活性の定量を示す。パネルEは、リード化合物がH誘導細胞死を回復しないことを示す。パネルのヒストグラムは、化合物:2a、2c、2dおよび2g(10μM)ありまたはなしで、H(200μM)を受けるNeuro2aにおいて確立された細胞生存の定量(未処置に対する変化倍率、平均値±s.d.)を示す。48時間で、細胞を回収し、細胞生存を確立した(それぞれ6回反復からなるn=3の独立した実験)。Hを受ける細胞とH+リードを受ける細胞の間の差は、有意ではない。一元配置分散分析後にテューキーの多重比較検定を使用してデータを解析した。
図8図8は、G93Aマウスにおける運動神経変性に対抗する2aの能力を示す図である。パネルAは、ビヒクル処置したWTマウス(n=10);ビヒクル処置したG93Aマウス(n=15);2a処置したWTマウス(n=10)および2a処置したG93Aマウス(n=16)、(10mg/kg、毎日)において、3日ごとに測定した体重曲線を示す。データは、平均±s.e.m.を示す。Bは、ビヒクルおよびリード2a処置したWTマウス(各群についてn=10)において、ロータロッド装置の回転棒を落下するまでの時間を示す。Cは、ビヒクルおよびリード2a処置したG93Aマウス(各群につきn=15)における落下までの時間を示す。データは、平均±s.e.m.として報告する。Dでは、ビヒクル処置したWTマウス、ビヒクル処置したG93Aマウスおよびリード2a処置したG93Aマウスからの腰部SC切片(10mg/kg、100日目にサンプリングした)は、NeuNを標識した。定量は、推定の運動神経細胞をスコアリングするSC腹側角で行った(点は、個々の動物を表し;線は平均およびs.e.m.を示す)。Eは、腰部SC切片のChATのIHCを示す。SCの腹側角におけるChAT/切片の定量は、パネルEのヒストグラムに示す(各点は1匹の動物を表し;線は平均およびs.e.m.を示す。)。両側スチューデントのt検定を使用して、パネルAにプロットしたデータの統計的優位性を決定した。二元配置分散分析後にボンフェローニの多重比較検定を使用してパネルBおよびCのデータを解析した。一元配置分散分析後にテューキーの多重比較検定を使用してパネルDおよびEのデータを解析した。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、n.s.は有意ではない。スケールバー、50μm。
図9図9は、2aが神経変性からG93Aマウスを保護することを示す図である。パネルAは、ビヒクルを受けるWTマウスにおいて正常な線維を示す代表的な横断面半薄坐骨切片を示す(低倍率を左に示し、高倍率を右に示す)。パネルBは、ビヒクルを受ける代表的なG93Aマウスからの画像を示す(高倍率写真の矢印は、変性線維を示す)。パネルCは、線維変性の著しい現象を示す化合物2a(10mg/kg)を受けるG93aマウスからの代表的な画像を示す。変性線維の定量は、パネルDのヒストグラムにプロットした。各シンボルは、1匹の動物を表すが、ヒストグラムは平均値±s.d.を示す(一元配置分散分析後にテューキーの多重比較を使用して決定したP<0.05)。
図10図10は、2a処置したG93Aマウスに由来する神経における脱髄の減少を示す図である。パネルA~Cは、100日目にサンプリングした(処置レジメン:毎日10mg/kg)ビヒクル処置したWT(A)、ビヒクル処置したG93Aマウス(B)および2a処置したG93Aマウス(C)からの坐骨神経の矢状切片のLuxol Fast Blue(LFB)染色を示す。LFBカバー領域の定量(平均±s.d.)は、ビヒクル処置したWTマウスの比として報告し、パネルDに示す(各点は個々の動物を表す)。NF-MおよびMBPを標識した平行切片をパネルEに示す(各群につき≧5)。ビヒクル処置したG93Aマウスの矢印は、ビヒクル処置したG93Aマウスからの線維において損傷したミエリンを示す。一元配置分散分析後にテューキーの多重比較検定を使用してパネルDのデータを解析した。p<0.05、***p<0.001。スケールバー50μm。
図11】パネルA、B、C、DおよびFは、VPS35/NeuN(A)、VPS26/NeuN(B)、CI-MPR/NeuN(C)、Sortilin/NeuN(D)およびCTSD/NeuN(F)を標識した、ビヒクル処置したWT、ビヒクル処置したG93Aおよび2a(10mg/kg、100日)処置したG93Aマウス(n=3/群)の腰部SC(腹側角)からの共焦点スタックの最大投影を示す。VPS35(Alexafluor488)の、ゲートしたNeuNMN(点線は代表的な細胞を示す、n≧38/群)の平均蛍光強度(MFI)は、Aにおいて平均の任意単位(a.u.±s.e.m.)として報告する。落射蛍光スケールをパネルに示す。ゲートしたNeuNMN(点線は代表的な細胞を示す、n≧40/群)で定量したVPS26(Alexafluor488)の平均MFI(a.u.±s.e.m.)をBに示す。落射蛍光スケールをパネルに示す。NeuN+MN(n≧35個の細胞/群)におけるCI-MPR MFIの平均MFI(Alexafluor488、a.u.±s.e.m.)をCに示す。落射蛍光スケールをパネルに示す。ゲートしたNeuNMN(点線は代表的な細胞を示す、n≧32/群)において定量した平均Sortilin MFIレベル(Alexafluor488、a.u.±s.e.m.)をDに示す。落射蛍光スケールをパネルに示す。Eは、CTSD(重鎖(46~50kDa)および軽鎖(28~30kDa))の代表的なWBを示す。タンパク質負荷のノーマライゼーションは、βアクチンによって行った。Eのヒストグラムは定量を示し、点は個々のマウスを示す(線は平均+s.e.m.を示す)。ゲートしたNeuNMN(点線は代表的な細胞を示す)の平均CTSD MFIレベル(Alexafluor488、a.u.±s.e.m.)は、Fに示す。落射蛍光スケールをパネルに示す。NeuNMNの面積でノーマライズしたCTSD点の数は、Fのヒストグラムに示す(点は1匹の動物を示す、n≧16個の細胞/群)。一元配置分散分析後にテューキーの多重比較検定を使用して、パネルA、B、C、D、EおよびFのデータを解析した。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。A、B、DおよびFのスケールバー30μm;Cのスケールバー25μm。
図12】Aは、ビヒクル処置したWTマウス、ビヒクル処置したG93Aマウスおよび2a(10mg/kg、100日でサンプリング)処置したG93Aマウス(n=6/群)からのSCにおけるVPS35およびβアクチンの代表的なWBを示す。ビヒクル処置したWTに対する比(平均±s.d.)として報告したノーマライズしたVPS35レベルの定量をパネルBに示す。Cは、ビヒクル処置したWTマウス、ビヒクル処置したG93Aマウスおよび2a(10mg/kg、100日でサンプリング)処置したG93Aマウスから得たSCライセートにおけるVPS26bおよびβアクチンの代表的なWBを示す。ビヒクル処置したWTに対する比(平均±s.d.)として報告したノーマライズしたVPS26bレベルの定量をパネルDに示す(n=6/群)。一元配置分散分析後にテューキーの多重比較検定を使用してこれらのデータを解析した。
図13】パネルAは、シャムおよびボルテゾミブ(10nM、BTZ)処置したNeuro2a細胞(3×10個の細胞/ウェル)によって表される実験対照ならびにビヒクル処置したWTマウス、ビヒクル処置したG93Aマウスおよび2a処置したG93Aマウス(10mg/kg、100日)からの腰部SC抽出物におけるポリユビキチン化タンパク質の代表的なWBを示す。タンパク質負荷のノーマライゼーションは、βアクチンによって行った。パネルAの黒い境界線は、独立したフィルターから切り取ったレーンを示す。Bでは、βアクチンでノーマライズしたレーンの集合密度を定量のために使用した(平均±s.d.、点は個々の動物を表し、データは独立したフィルターからサンプリングした)。Cは、ユビキチン(Ubi)およびNeuN(n=3/群)を標識したビヒクル処置したWT、ビヒクル処置したG93Aおよび化合物2a処置したG93Aマウス(10mg/kg、100日でサンプリング)の腰部SCからの共焦点スタックの最大投影を示す。Ubi(Alexafluor488)の、ゲートしたNeunMNの平均蛍光強度(MFI)を、Dに報告する(矢印は代表的な細胞を示す、n≧30/群)。落射蛍光スケールを右側のパネルDに示す。Eは、NeuNおよびGM130を標識した腹部MNの共焦点スタックの最大投影を示す(共焦点顕微鏡での獲得ステップ:0.4μm)。各パネルの矢印は、挿入に高倍率で示した領域を示す。GM130領域および分布の定量をパネルEに示す(n=4/群、≧30個の細胞/群)。一元配置分散分析後にテューキーの多重比較検定を使用して、パネルB、DおよびEのデータを解析した。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。Cのスケールバー50μm、Eのスケールバー20μm。
図14】パネルAは、ビヒクルおよび2a処置したG93Aマウスの落下までの時間を示す(10mg/kg、n=6/群、83日目から103日目まで処置した)。データは、平均±s.d.として報告する。ビヒクルおよびリード2a処置したマウスからの腰部SC抽出物を負荷したブルーネイティブポリアクリルアミドゲルの代表的な免疫ブロットをBに示す。メンブレンを酢酸中でインキュベートしてタンパク質を固定し、抗huSOD1抗体によってプローブした。等量のタンパク質抽出物を平行SDS-PAGEに負荷し、ニトロセルロースフィルターにブロットし、抗βアクチン抗体によってプローブした。黒い境界線は、異なるフィルターから切り取ったレーンをマークする。Cは、シャムまたは化合物2aによって処置したマウスからのSOD1の変異形態の定量を示す(各点は個々の動物を示す)。パネルDのヒストグラムは、安定なNeuro2aクローン(クローン7B11)で測定した、ノーマライズしたpHfluorin-LC3を示す。細胞は、48時間、漸増濃度の化合物2a(0.1~100μM)によって処置したが、対照はバフィロマイシンA1(200nM)およびTorin-1(250nM)を使用して確立した。細胞は、フローサイトメトリーによってアッセイし、pHfluorin LC3変化倍率は、未処置の細胞に対して算出した(各群につきn=4、点は単一のウェルを示す)。両側スチューデントのt検定を使用してAの統計的優位性を決定した;マン・ホイットニーのU検定を使用してCの統計的優位性を決定した。一元配置分散分析後にテューキーの多重比較検定を使用してDの統計的優位性を決定した。
図15】Neuro2a細胞(4×10個の細胞/ウェル)は、トランスフェクトした細胞を同定するためにGFPをコードするプラスミド(0.1μg/ウェル)と共に、スクランブルプラスミド(0.5μg/ウェル、A)またはVPS35 RNAiプラスミド(Sh56、0.5μg/ウェル、B)によってトランスフェクトした。増殖培地は24時間後に交換して飢餓を誘導し、細胞はFBSフリーの培地中でさらに24時間維持した。細胞は、画像化の前に30分間リソトラッカー(75nM)とインキュベートした。個々のGFP細胞におけるリソトラッカーカバー領域の定量(平均パーセンテージ±s.d.)はマージした共焦点画像で行い、データをCに示す(n=15個の細胞/群、3回の独立した実験)。スクランブルまたはSh56プラスミド(2μg/ウェル、48時間)を受けるNeuro2a細胞(3×105個の細胞/ウェル)からのタンパク質ライセートを、トランスフェクションの48時間後にブロットし、ユビキチンおよびβアクチンを標識した(D)。各Ubiタンパク質レーンの集合密度はβアクチンレベルに対して表し、平均値±s.d.をパネルEのヒストグラムにプロットした(n=3/群)。Neuro2a細胞(4×10個の細胞/ウェル)は、GFP(0.6μg/ウェル)をコードするプラスミドまたはGFP(0.1μg/ウェル)およびpcDNA3.1(+)SOD1G93A(0.5μg/ウェル)を含有するプラスミドのカクテルによってトランスフェクトした。トランスフェクション細胞は2a(10μM)またはビヒクルを受け、24時間後、それらを飢餓させ、さらに24時間、2aを含むまたは含まないFBSフリー培地中で維持した。細胞は、画像化の前に30分間リソトラッカー(75nM)とインキュベートした。Fは、GFPおよびリソトラッカーを標識した細胞の代表的なマージした共焦点画像を示す。各群におけるリソトラッカーカバー領域の定量(平均パーセンテージ±s.d.)をパネルGに示す(n≧15個の細胞、3回の独立した実験)。両側スチューデントのt検定を使用してパネルCおよびEの統計的優位性を決定した。一元配置分散分析後にテューキーの多重比較試験を使用してパネルGにプロットしたデータを解析した。p<0.05;***p<0.001。スケールバー10μm。
図16図16は、CNI-1494がVPS35を調節しないことを示す図である。パネルAは、CNI-1493の分子構造を示す。パネルBは、48時間、CNI-1493またはDG004(それぞれ10μM)で処置したNeuro2aにおいて測定したVPS35の変化倍率を示す。Cでは、LPS(100ng/ml)を受ける1時間前に、Raw264.7細胞をCNI-1493または2a(10μM)で処置する。上澄み液をLPA送達の4時間後に回収し、標準的なELISAを使用して放出されたTNFαを検出した。化合物2aは、TNFα放出を阻害しなかった。逆に、CNI-1493は、TNFα発現を著しく鈍化した。データは、平均値(±s.d.)として表す(各実験につきn=3)。独立した実験から、一元配置分散分析後にテューキーの多重比較検定により解析した。p<0.05、***p<0.001。
図17】パネルAおよびBは、対照(A)およびALS(B)からのSC生検の腹側角からの代表的な切片におけるアルファ-MNでのVPS35免疫反応性を示す。CおよびDは、対照(C)およびALS患者(D)からの隣接する切片におけるアルファ-MNのVPS26を示す。両CRCタンパク質の免疫組織化学を、5人のALS患者および4人の非神経学的対照由来の生検で行った。パネルEは、健常なボランティア(#8)およびALS患者(#13、SOD1Leu144Phe変異を持つ)からのiPSC由来MNの代表的な培養におけるVPS35およびISLET1の共焦点スタックの最大投影を示す。iPSC由来MN培養(#8 SOD1Asn65Ser、#13 SOD1Leu144Phe、#27 SOD1Asp97Asnならびに年齢および性別が適合する健常ボランティア#2、#4および#8)からのVPS35およびβアクチンのWBをFに示す。パネルGは、リード2a(10μM 6日間)ありまたはなしでの、健常ボランティア(#8)およびALS患者(#27 SOD1Asp97Asn)から培養したiPSC由来MNにおいて確立されたVPS35およびISLET1の共焦点スタックからの代表的な横断面を示す。パネルHは、ビヒクルまたは2a(10μM 6日間)で処置したiPSC由来MNにおけるVPS35およびβアクチンのウェスタンブロットを示す。各レーンは、独立したウェルを表し、定量はパネルのヒストグラムにプロットした。両側スチューデントのt検定を使用して、パネルLおよびNの統計的優位性を決定した。**p<0.01。スケールバー:Hでは150μm、H’では25μm、Jでは15μm、Kでは10μm、Mでは20μm。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、その態様の1つによれば、式(I)
【化2】
(I)
(式中、
は、水素およびハロから選択され;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシおよびアルキルから選択され;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシおよびアルキル、アラルキル、アリール、-COOR、-NHCOR、-NHSO、-COR、-NOおよびアミノグアニジル-ヒドラゾンから選択され;
は、水素およびアルキルから選択され;
は、水素およびアルキルから選択され;
は、水素、アルキル、アリールおよびアリールアルキルから選択され;
は、水素およびアルキルから選択され;
または
およびRは、それらが結合する2つの窒素原子と共に、イミダゾリノ、テトラヒドロピリミジノおよびベンズイミダゾリノから選択される環を形成し;
または
およびRは、それぞれ独立して、それらが結合する窒素原子と共に、ピロリジノまたはピペリジノ基を形成し;
は、水素、置換アルキルおよびアリールから選択され;
は、式(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、(IIId)および(IIIe)
【化3】

[式中、アスタリスク()は、連結する結合を示す]
の基、ならびにその塩および溶媒和物から選択される)
の新規化合物およびその塩に関する。
【0013】
用語「ハロ」は、本明細書では、任意のハロゲン原子、好ましくは塩素および臭素、有利には臭素を示す。
【0014】
用語「アルキル」は、本明細書では、直鎖または分岐鎖で飽和のC~Cアルキル、好ましくはC~Cアルキル、例えばメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピルおよびn-ブチル、i-ブチル、sec-ブチルおよびtert-ブチルを示す。アルキル基は、好ましくはハロゲン原子、ヒドロキシ、C~Cアルコキシまたはアミノ基により、任意選択で置換されてもよい。
【0015】
用語「アルコキシ」は、本明細書では、直鎖または分岐鎖で飽和のC~Cアルコキシ、好ましくはC~Cアルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシおよびブトキシ基を示す。
【0016】
用語「アリール」は、本明細書では、任意選択で置換されたアリール基、好ましくは、任意選択で置換された単環アリールを示し、ハロゲン原子、直鎖または分岐鎖C~Cアルキル、ヒドロキシ、C~Cアルコキシまたはアミノ基によって任意選択で置換され;前記の任意選択で置換されたアリール基は、好ましくは、フェニルおよびp-トリルなどのトリルから選択される。
【0017】
用語「アリールアルキル」は、本明細書では、アルキル残基、好ましくはメチレンにより式(I)に結合する、任意選択で置換されたアリール、好ましくは任意選択で置換された単環アリール基を指し;好ましいアリールアルキル基はベンジルである。
【0018】
好ましい実施形態により、式(I)の化合物において、
は、水素および臭素から選択され;
は、水素、臭素、ヒドロキシ、メトキシ、メチル、n-ブチルおよびn-ブチルオキシから選択され;
は、水素、臭素、メトキシ、-NO、フェニル、-NHCOCH、-NHCO-p-トリル、-NHSOCH、-NHSO-p-トリル、COOCH、-CO-Rおよびアミノグアニジル-ヒドラゾンから選択され;
は、水素およびメチルから選択され;
は、水素であり;
は、水素、メチル、n-ブチルおよびベンジルから選択され;
は、水素であり、
または
およびRは、それらが結合する2つの窒素原子と共に、イミダゾリノ、テトラヒドロピリミジノおよびベンズイミダゾリノから選択される環を形成し;
または
およびRは、それらが結合する窒素原子と共に、ピロリジノまたはピペリジノ基を形成し;
は、式(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、(IIId)および(IIIe)
【化4】

[式中、アスタリスク()は、連結する結合を示す]
の基から選択される。
【0019】
本発明による好ましい化合物は、
式中:
- R、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2a)
- Rは臭素であり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2b)
- Rは臭素であり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2c)
- Rはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2d)
- Rはメトキシであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2e)
- Rはn-ブチルオキシであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2f)
- Rはメチルであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2g)
- Rは臭素であり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2h)
- Rはメトキシであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2i)
- Rはニトロであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2j)
- Rはフェニルであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2k)
- Rはアセトアミドであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2l)
- Rはp-トリルアミドであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2m)
- Rはメシルアミドであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2n)
- Rはp-トシルアミドであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2o)
- Rはカルボメトキシであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2p)
- Rは1-(4’-フェニルピペラジニル)カルボニル基であり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2q)
- Rはアミノグアニジルであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2r)
- Rはn-ブチルであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2t)
- Rはベンジルであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2u)
- RおよびRは、それらが結合する窒素原子と共に、ピロリジノ基を形成し、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2v)
- Rはトシルアミドであり、Rはn-ブチルであり、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2w)
- RおよびRは、それらが結合する窒素原子と共に、イミダゾリジノ基を形成し、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2x)
- Rはメチルであり、RおよびRは、それらが結合する窒素原子と共に、イミダゾリジノ基を形成し、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2y)
- RおよびRは、それらが結合する窒素原子と共に、ベンズイミダゾリジノ基を形成し、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2z)、
式(I)の化合物である。
【0020】
本発明によるさらなる好ましい化合物は、
式中:
- Rはベンジルであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2aa)
- Rは2’-アミノエチルアミドであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2bb)
- Rはp-メトキシベンズアミドであり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2cc)
- Rはカルボ(2-アミノエチルオキシ)であり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2dd)
- Rはカルボ(2-(4’-モルホリニル)エチルオキシ)であり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2ee)
- RはN,N-ジエチルアミノカルボニル基であり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2ff)
- RはN-モルホリルカルボニル基であり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2gg)
- Rは1-(4’-メチルピペラジニル)カルボニル基であり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2hh)
- Rは1-(4’-(3”-ニトロフェニル)ピペラジニル)カルボニル基であり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2ii)
- Rは1-(4’-(4”-メトキシフェニル)ピペラジニル)カルボニル基であり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2jj)
- Rは1-(4’-(4”-クロロフェニル)ピペラジニル)カルボニル基であり、R、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2kk)
- RおよびRは、それらが結合する窒素原子と共に、テトラヒドロピリミジノ基を形成し、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2ll)
- RおよびRは、それらが結合する窒素原子と共に、ピペリジノ基を形成し、R、R、R、R、Rは全て水素である(化合物2mm)、
式(I)の化合物である。
【0021】
最も好ましい化合物は、化合物2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g、2i、2l、2vおよび2zである。
【0022】
あらゆるタイプの式(I)の化合物の塩が、例えば合成ステップにおいてまたは精製上の理由から、調製することができ、全ての塩は本発明の保護の範囲内に含まれる。
【0023】
好ましい実施形態によれば、式(I)の化合物の塩は、好ましくは薬学的に許容される塩である。
【0024】
式(I)の化合物は、様々な有機および無機酸により塩を形成することができる。そのような塩は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、メタンスルホン酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、マレイン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸およびその他(例えば、硝酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、サリチル酸塩等)によって形成されるものを含む。そのような塩は、当業者に公知の通りに形成することができる。
【0025】
好ましい塩は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸および酢酸塩である。
【0026】
式(I)の化合物は、任意の好適な合成方法によって調製することができる。
【0027】
本開示では、明確に示さない場合でも常に、式(I)の化合物は、その塩および/または溶解和物の1つの形態であり得る。
【0028】
式(I)の化合物の任意の可能な立体異性体および可能な結晶形態ならびにそれらの塩または溶媒和物が、本発明の範囲に含まれる。
【0029】
その態様の1つによれば、本発明は、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物の調製のための方法であって、
式(IV)
【化5】
(IV)
(式中、R、RおよびRは上記に定義した通りである)
の化合物を、
式(V)
【化6】
(V)
(式中、R、R、RおよびRは上記に定義した通りである)
の化合物またはその塩と好適な溶媒中で反応させるステップ、ならびに
そのようにして得られた式(I)の化合物を単離するステップ、
任意選択で精製するステップ、および/または
任意選択でそれをその塩もしくは溶媒和物に変換するステップ
を含む、方法に関する。
【0030】
式(IV)および(V)の出発化合物は公知の化合物であるか、または当技術分野で公知の方法によって調製されてもよい。
【0031】
それらの調製の例は、以下のスキームおよび実験の節で示す。
【0032】
式(V)の化合物は、式(IV)の化合物の少なくとも2倍の量であるモル量で使用される。
【0033】
好ましい実施形態によれば、式(V)の化合物は、塩化形態、例えば臭化水素酸塩、塩酸塩またはヨウ化水素酸塩の形態で使用される。
【0034】
上記の反応は、40℃から反応混合物の還流温度の範囲の温度、好ましくは60℃から反応混合物の還流温度、有利には約80℃で行われてよい。
【0035】
溶媒は、好ましくは低級アルコール、好ましくはエタノールである。しかしながら、他の溶媒も本発明の方法において使用してよい。
【0036】
好ましくは、触媒量の酸、好ましくは塩酸または酢酸を上記の反応で使用してよい。
【0037】
反応は、数時間、例えば1~12時間で完了する。当業者は、従来の方法、例えばクロマトグラフ技術、例えば薄層クロマトグラフィー(TLC)により、反応の発生を完全にチェックすることができる。
【0038】
式(I)の化合物は、一般的な技術、例えば濾過または反応混合物からの適切な溶媒による抽出によって単離することができる。
【0039】
必要または所望であれば、式(I)の化合物は、従来の技術、例えばクロマトグラフィー、結晶化等により精製することができる。
【0040】
がアミノグアニジル-ヒドラゾン基である式(I)の化合物は、式(IV)の化合物の代わりに、式(VI)
【化7】
(VI)
の化合物を、先に開示した同じ反応条件で、上記のように式(V)の化合物と反応させることによっても調製することができる。
【0041】
比較例として、
式(VII)
【化8】
(VII)
の化合物を、式(VIII)
【化9】
(VIII)
の化合物を上記に定義した通りの式(V)の化合物と上記に開示したのと同じ反応条件で反応させることによって調製した。化合物(VIII)は、炎症モジュレーターとしてWO95/19767に開示されている。
【0042】
以下の合成スキームでは、点線は2つの塩化窒素間の電荷の非局在化を示す。
【0043】
合成の試薬および条件は、本明細書の実験の節で示す。
スキーム1
【化10】

試薬および条件:触媒HCl、EtOH、80℃、2時間、89%。
スキーム2
【化11】
試薬および条件:(a)触媒HCl、EtOH、80℃、2時間、89%。
スキーム3
【化12】
試薬および条件:(a)THF中1M BH、乾燥THF、N2、0℃~室温、48時間、86%;(b)MnO、CHCl、70℃、16時間、86%;(c)触媒HCl、EtOH、80℃、4時間、88%。
スキーム4
【化13】

試薬および条件:(a1)MeI、KCO、乾燥DMF、N、室温、24時間、60%;(a2)n-BuBr、KCO、乾燥DMF、N2、85℃、24時間、75%;(b)触媒HCl、EtOH、80℃、2時間、77%(2d)、79%(2e)または80%(2f)。
スキーム5
【化14】
試薬および条件:(a)THF中1M BH、乾燥THF、N、0℃~室温、48時間、80~88%;(b)MnO、CHCl、70℃、16時間、77~92%;(c)触媒HCl、EtOH、80℃、2~8時間、77(2g)、88%(2h)、81%(2i)または80%(2j)。
【0044】
化合物2aa(R=CHPh)は、相当する5-ベンジル-フェニル1,3-ジカルボン酸9aaから出発して、スキーム3に示すように調製することができる。
スキーム6
【化15】
試薬および条件:(a)PhB(OH)2、Pd(PPh、2N NaCO水溶液、ジオキサン、105℃、6時間、82%;(b)MnO、CHCl、70℃、16時間、81%;(c)触媒HCl、EtOH、80℃、8時間、79。
スキーム7
【化16】
試薬および条件:(a)TBDMS-Cl、1H-イミダゾール、CHCl、0℃~室温、3時間;(b)触媒10% Pd/C、H、EtOH、室温、24時間、78%(2ステップ);(c)アシル化剤、TEA、DMAP、CHCl、0℃~室温、1~2時間、89%(10l)または80%(10m);(d)AcCl、乾燥MeOH、N、0℃、30分、94%(8l)または84%(8m);(e)MnO、CHCl、70℃、16時間、88%(7l)または83%(7m);(f)触媒HCl、EtOH、80℃、4~6時間、85%(2l、2m)。
【0045】
化合物2bb(R=CHCHNH)および2cc(R=p-OMePh)は、ステップcにおいて相当するアシル化剤を使用してそれぞれ10bbおよび10ccを得て、スキーム7に示すように調製することができる。
スキーム8
【化17】
試薬および条件:(a)スルホニル化剤、ピリジン、DMAP、CHCl、0℃~室温、16時間、85%(2o);(b)AcCl、乾燥MeOH、N、0℃、30分、81%(2o);(c)MnO、CHCl、70℃、16時間、68%(2n、3ステップ)または90%(2o);(d)触媒HCl、EtOH、80℃、4時間、83%(2l)または79%(2o)。
スキーム9
【化18】
試薬および条件:(a)1.8M NaOH水溶液、MeOH、室温、24時間;(b)THF中1M BH、乾燥THF、N、0℃~室温、24時間、54%(2ステップ);(c)MnO2、CHCl、70℃、16時間、85%;(d)触媒HCl、EtOH、80℃、4時間、71%。
【0046】
化合物2dd(COOCHCHNHエステル)および2ee(R=2-モルホリニルエチルエステル)は、化合物7pを加水分解し、それをN-保護エタノールアミンによってまたはN-ヒドロキシエチルモルホリンによってエステル化することにより、スキーム9に示すように調製することができる。
スキーム10
【化19】
試薬および条件:(a)NaOH、水/THF、室温、24時間;(b)4-Ph-ピペラジン、EDC、HOBt、TEA、乾燥CH2Cl2、N2、室温、24時間、30%(2ステップ);(c)触媒HCl、EtOH、80℃、4時間、72%。
【0047】
化合物2ff(ジエチルアミド)、2gg(モルホリノアミド)、2hh(4’-メチルピペラジニルアミド)、2ii(4’-(3”-ニトロフェニル)ピペラジニルアミド)、2jj(4’(4”-メトキシフェニル)ピペラジニルアミド)および2kk(4’-(4”-クロロフェニル)ピペラジニルアミド))は、N-フェニルピペラジンを適切なアミド化剤で置換することにより、スキーム10に示すように調製することができる。
スキーム11
【化20】
試薬および条件:(a)触媒HCl、EtOH、80℃、4時間、78%
スキーム12
【化21】
試薬および条件:(a)n-BuNH(14t)、BnNH2(14u)またはピロリジン(14v)、MeOH、室温、72時間、80%(14t)、60%(14u)または89%(14v);(b)EtOH、80℃、16時間、53%(2s)、70%(2u)または80%(2t)。
【0048】
化合物2ll(RX=-CH-)は、ステップaにおいてアミド化剤としてピペリジンを使用して14llを産生することにより、スキーム12に示すように調製することができる。
スキーム13
【化22】
試薬および条件:(a)EtOH、80℃、16時間、70%。
スキーム14
【化23】
試薬および条件:(a)EtOH、80℃、16時間、82%(2x、2y)。
【0049】
化合物2mm(RX=-(CH-)は、ステップaにおいてアミノグアニジル化剤としてテトラヒドロピリミジン含有アミノグアニジンを使用して2mmを産生することにより、スキーム14に示すように調製することができる。
スキーム15
【化24】
試薬および条件:(a)触媒AcOH、EtOH、80℃、2時間、66%。
【0050】
治療および診断における、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩の使用は、本発明のさらなる主題である。
【0051】
式(I)の化合物、特に上記の好ましい化合物は、興味深いレトロマー安定化剤活性を示し、例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、Charcot-Marie Tooth病、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)およびその他の神経疾患など、レトロマー安定化活性が有益であるいくつかの神経疾患の処置および予防において有用である。
【0052】
治療におけるそれらの使用のため、式(I)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の1つは、好ましくは医薬組成物の形態で投与される。
【0053】
本発明は、その態様の1つによれば、式(I)の化合物の少なくとも1つ、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の1つを、好ましくは少なくとも1つの薬学的に許容される担体および/または賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物に関する。
【0054】
本発明の組成物は、本発明の化合物がその意図する目的を達成するのに有効な量で含まれる全ての組成物を含む。各個人のニーズは多様であるが、各成分当たりの有効量の最適範囲を決定することは、当業者に公知である。したがって、投与量は、レシピエントの年齢、健康および体重、処置のタイプ、処置の頻度、および所望の効果の性質による。
【0055】
典型的には、化合物は、処置される哺乳動物の体重1kgあたり1~100mg、またはその薬学的に許容される塩の1つのその等量の用量で、哺乳動物、特にヒトに、毎日、経口投与することができる。好ましくは、約1~100mg/kgが毎日投与される。筋肉内投与では、用量は通常、経口用量の半分である。例えば、許容される筋肉内用量は、約0.5~50mg/kgであり、より好ましくは約0.1~10mg/kgである。
【0056】
好ましくは、組成物は、経口および非経口経路によって投与することができ、当業者に公知のものであり、例えばそれらは、錠剤、糖衣錠、持効性放出ピルおよびカプセル、うがい薬、ゲル、液体懸濁液、染毛剤、整髪用ジェル、シャンプー、ならびに座薬などの直腸に投与することができる他の製剤であり、非経口、局所または経口投与のための許容される溶液の形態であり、約0.01~99%、好ましくは0.25~75%の活性成分を含有する。
【0057】
医薬組成物は、所望の目的を達成する任意の手段によって投与することができる。例えば、投与は、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮、バッカル、髄腔内、頭骸内、鼻腔内または経口であってよい。
【0058】
本発明の医薬製剤は、例えば、従来の混合、顆粒化、糖衣、溶解または凍結乾燥プロセスによって、当業者に公知のようにして産生される。したがって、経口使用のための医薬製剤は、活性成分を固体賦形剤と組み合わせることにより、また任意選択で、所望および必要であれば錠剤または糖衣錠のコアを得るために好適な賦形剤を添加した後、生じた混合物を粉砕し顆粒混合物を処理することにより、得ることができる。
【0059】
特に、好適な賦形剤は、糖、セルロースおよびリン酸カルシウムなどの希釈剤および充填剤、ならびに例えばデンプン、ゼラチン、セルロースおよびポリビニルピロリドンなどの結合剤である。所望であれば、脱凝集剤は、上述のデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、アガーおよびアルギン酸、ならびにその塩として添加することができる。他の有用な賦形剤は、流動性剤および滑剤、例えばシリカ、滑石、ステアリン酸およびその塩、ならびにポリエチレングリコールである。ピルおよび錠剤のコアは、所望であれば、消化液に耐性である好適なコーティングを有することができる。消化液に耐性のコーティングを産生するため、当業者に周知のように好適なポリマーを使用することが可能である。
【0060】
経口で使用することができる他の医薬組成物は、ゼラチンで作られた硬カプセル剤のほか、ゼラチンおよび例えばグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤で作られた密封された軟カプセル剤を含む。硬カプセル剤は、希釈剤、結合剤および/または滑剤ならびに任意選択で安定化剤と混合することができる顆粒の形態の活性成分を含有することができる。軟カプセル剤では、活性成分は、好ましくは好適な液体、例えば脂肪油または液体パラフィン中に溶解または懸濁される。さらに、安定化剤を添加することができる。
【0061】
直腸に使用することができる見込みのある医薬組成物は、例えば、1つまたは複数の活性成分と、好適な賦形剤との組合せからなる座薬を含む。そのような好適な賦形剤は、例えば天然もしくは合成トリグリセリドまたはパラフィン系炭化水素である。
【0062】
非経口投与に好適な製剤は、可溶な形態の、好ましくは水に可溶な形態の活性成分の水溶液を含む。さらに、活性成分の懸濁液、例えば、好適な注射可能油の懸濁液を投与することができる。好適な親油性溶媒または担体は、脂肪油または合成脂肪酸のエステルを含む。水溶液注入は、懸濁液の粘度を増加させる物質、例えばソルビトールまたはデキストランを含有することができる。任意選択で、懸濁液は、安定化剤を含有することもできる。
【0063】
医薬組成物で投与されるのに加えて、上記の式(I)の化合物は、純粋な化合物としても投与することができる。
【0064】
本発明は、別のその態様によれば、例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、Charcot-Marie Tooth病、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)およびその他の神経疾患など、レトロマー安定化活性が有益であるいくつかの神経疾患の処置および/または予防における、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の1つの使用に関する。
【0065】
本発明は、別のその態様によれば、例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、Charcot-Marie Tooth病、アルツハイマー(Azheimer’s)病(AD)、パーキンソン病(PD)およびその他の神経疾患など、レトロマー安定化活性が有益であるいくつかの神経疾患の処置および/または予防における、本発明の医薬組成物の使用に関する。
【0066】
本発明は、別のその態様によれば、レトロマー安定化剤としておよび神経保護薬としてのその使用のための、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。
【0067】
本発明は、別のその態様によれば、例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、Charcot-Marie Tooth病、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)およびその他の神経疾患など、レトロマー安定化活性が有益であるいくつかの神経疾患の処置および/または予防のための方法であって、それを必要とする対象に、有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の1つ、または本発明に記載の医薬組成物を投与するステップを含む、方法に関する。
【0068】
治療、特に上記に開示したものなどの神経疾患の処置および/または予防において、式(I)の化合物は、単独で、または、式(I)の別の化合物ならびに/または前記処置および/もしくは予防において有用な別の治療剤と組み合わせて、投与することができる。
【0069】
本発明は、別のその態様によれば、診断における式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物の1つの使用に関する。
【0070】
本発明は、別のその態様によれば、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の1つを含む診断ツールに関する。
【0071】
限定ではなく例示する目的で、本発明を以下の実験節でさらに開示する。
【0072】
実験節
アミノグアニジンヒドラゾンの生化学的検討
いくつかの実験的証拠は、特に加齢性の神経変性障害において、レトロマーが神経保護的な役割を有することを示す。例えば、この老齢の多量体の崩壊は、パーキンソン病(PD)およびアルツハイマー病(AD)を含む多くの疾患で観察された(Small and Petsko 2015)。PDでは、VPS35(D620N)の変異は、疾患の遅発性形態で優勢である(Vilarino-Guell,Widerら 2011)。さらに、VPS35レベルは、ADに対して選択的に弱い脳領域において著しく減少する(Small,Kentら 2005)。
【0073】
したがって、VPS35のレベル、その結果レトロマー複合体を著しく増加することができる本発明に従って合成された新規の薬理学的シャペロンは、それらの神経保護効果を試験するのに有望な化合物である。本発明の大半の合成アミノグアニジンヒドラゾンを機能的にスクリーニングし、レトロマー複合体へのそれらの効果を決定するため、本発明者らはNeuro2a細胞を10μMの濃度で各合成分子とインキュベートした。インキュベーションの48時間後にVPS35レベルを効果的に、および用量依存的に増加した標準化合物R55(Mecozzi,Bermanら 2014)を使用して各実験に対照を含めた(図1A、B)。
【0074】
試験は、本発明の各試験化合物につき3回実行し、細胞ライセートを48時間のインキュベーション後に確立し、VPS35のレベルをウェスタンブロットによりハウスキーピング遺伝子βアクチンでノーマライズした。本発明者らは、化合物中に予備的SARを観察した。
【0075】
本発明のほとんどの試験化合物は、VPS35のレベルを増加することができたが、一定の変異性を伴う。特に、化合物2aは、複製中にわずかな変動でVPS35レベルを一貫して増加することができた(表1)。
【0076】
表1は、48時間、10μMで各化合物を受ける独立した培養(n=3)からの平均変化倍率±s.d.を示す。変化倍率は、ビヒクル処置した細胞で測定されたノーマライズしたVPS35レベルで算出される。
【表1】



x:単回実験、標準偏差なし
【0077】
比較として、化合物(VIII)も上記と同じ条件で試験した。試験の結果を表2に報告する。
【表2】


x:単回実験、標準偏差なし
【0078】
筋萎縮性側索硬化症におけるレトロマーレベル
レトロマーの役割は、いくつかの神経変性疾患で評価されるが(Small,Kentら 2005;Vilarino-Guell,Widerら 2011)、ALSではいずれの推定される役割についても公知ではない。ミスフォールドした凝集タンパク質は、運動神経(MN)細胞死をもたらす発症機序に関係すると考えられる(Cleveland 1999)。例えば、TAR DNA結合タンパク質-43(TDP-43)は、多くの孤発性ALS患者においてユビキチン化含有物のコア成分として同定される(Arai,Hasegawaら 2006)。レトロマーは、患者の脳におけるアミロイドベータプラークおよびAβタンパク質の凝集を特色とするADに関与し、ならびにVPS35における変異は、常染色体優性のPD患者において同定される(MacLeod,Rhinnら 2013)。
【0079】
本発明者らは、hSOD1G93Aを持つマウス(マウス株B6.Cg-Tg(SOD1G93A)1Gur/J、以降G93A)およびそれらの野生型(WT)同腹仔(Gurney,Puら 1994)のMNにおけるVPS35レベルを決定した。本発明者らは、前臨床のG93A(30日、60日および90日)マウスの腰髄(SC)におけるVPS35免疫反応性をスコア化した。切片をマーカーNeuNによって二重標識し、MNを同定した(図2A)。VPS35は、層IV-Vの皮質興奮性神経細胞において優先的に発現されるが、抑制性神経細胞は、このタンパク質を低レベルで発現する(Wen,Tangら 2011)。同様に、WT脊髄において、本発明者らは、真に良質な腹部MNにおけるVPS35免疫反応性を観察した。興味深いことに、VPS35発現レベルは、G93A MNにおいて大幅に減少した(図2A)。30日および60日目に、G93Aマウスは無症状であり(Gowing,Philipsら 2008)、MNは本発明者らが神経細胞マーカーNeuNを使用して示したようにまだ退化しない。したがって、VPS35の欠損は、MNの一般的な欠損に寄与しなかった。本発明者らは、次いで、レトロマーのCRCメンバーが、G93AマウスのVPS26およびNeuNを二重標識した平行切片において低減されることを確認した(図2B)。興味深いことに、VPS35およびVPS26タンパク質レベルの減少は、それらのmRNAレベルの減少に由来しなかった(図2F)。本発明者らは、次に、前臨床および臨床G993Aマウスの腰髄からの総タンパク質抽出物のウェスタンブロッティングにより、本発明者らの観察を確証した。また、この実験において、本発明者らは、VPS35レベルがG93Aの遺伝的背景で著しく減少したことに気が付いた(図2C)。同様に、VPS26bならびにVPS29のレベルは、100日目にサンプリングしたG93Aの腰部SCからのタンパク質抽出物において著しく減少した(図2DおよびE)。
【0080】
レトロマー安定化は、G93Aトランスフェクト細胞の細胞生存を増加する。
ゴルジ装置の病理学的変更、例えばその断片化は、ALSを含む多くの神経変性障害で記載されている。SOD1のG93A変異型形態をコードするプラスミドによってトランスフェクトしたNeuro2a細胞は、ゴルジ輸送の変更を示す(Soo,Halloranら 2015)。同じように、ゴルジ断片化は、ALSマウスにおいて神経筋の神経除去および軸索後退を進行する(van Dis,Kuijpersら 2014)。本発明者らは、化合物2a(10μM)の存在下または不在下で、ヒトSOD1遺伝子のG93A変異形態(以降G93A)をコードするプラスミドによってNeuro2a細胞をトランスフェクトした。48時間後に細胞を回収し、Golgin-97で標識し、トランス-ゴルジの分布をスコア化した。未処置の細胞およびGFPをコードする対照のプラスミドを受ける細胞は、Golgin-97のコンパクトな分布を示したが、ゴルジ複合体の部分的または完全な断片化を示す細胞のパーセンテージはG93Aプラスミドによってトランスフェクトした細胞において大きく増加した。しかしながら、化合物2aの投与は、これらのパーセンテージを著しく低下させ、対照細胞において観察されるGolgin-97分布を再構成する(図3A)。注目すべきことに、G93Aプラスミドを受ける細胞におけるゴルジの断片化は、Golgin97発現レベルによらなかった(図3A)。本発明者らは、ゴルジ断片化が、この細胞株において細胞死を悪化させ得ると考察した。したがって、本発明者らは、G93AプラスミドによってトランスフェクトしたNeuro2aの細胞生存をアッセイした。したがって、G93Aプラスミドによって、またはLacZをコードする対照プラスミドによって細胞をトランスフェクトした。本発明者らはまた、10μMの化合物2aが細胞において毒性効果を引き起こさなかったことをアッセイした。細胞生存率は、未処置の細胞と比較した場合、対照間-すなわちLacZプラスミドまたは化合物2aを受ける細胞で類似していた。一方、G93Aプラスミドの過剰発現はNeuro2a細胞の生存に影響した。化合物2aの投与は、この表現型を著しく回復した(図3B)。次に、本発明者らは、化合物2aを受ける細胞において本発明者らが観察した細胞生存のレスキューがレトロマーの機能性により得るかどうか調べた。本発明者らは、さらなる実験を実施し、本発明者らは、レトロマーの安定化を促進するために化合物2aを使用する代わりに、VPS35をコードするプラスミドによって細胞をトランスフェクトした。本発明者らは、VPS35をコードするプラスミドありまたはなしでG93AプラスミドによってNeuro2a細胞をトランスフェクトした。予測した通り、細胞生存率は、G93Aプラスミドを受けるNeuro2a細胞では減少したが、G93AプラスミドとVPS35プラスミドの両方によってトランスフェクトした細胞は細胞生存率が著しく増加した。
【0081】
次に、本発明者らは、G93Aプラスミドも受けた細胞におけるVPS35レベルを減少させる最終目的で、さらなるプラスミドを使用して、Neuro2a細胞におけるVPS35低分子干渉を実施した。本発明者らは、まず、VPS35発現を阻害するプラスミドの有効性を確立した。本発明者らは、Neuro2a細胞においてVps35 mRNAを干渉するように設計された3つの異なる市販のプラスミドをトランスフェクトした。それら全てがVPS35レベルを減少させることができるが、Sh56プラスミドはVPS35 mRNAおよびタンパク質レベルの60%減少をもたらした(図4A~C)。さらに、VPS35の免疫蛍光は、Sh56-RNAiプラスミドによってトランスフェクトしたNeuro2a細胞におけるVPS35免疫反応性の大幅な減少を示した(図4E)。
【0082】
次に、本発明者らは、Sh56またはスクランブルプラスミドと一緒にG93AによってNeuro2a細胞をトランスフェクトした。Neuro2a細胞におけるVPS35レベルの単純な減少は、それらの生存に影響しなかった。予想した通り、細胞生存は、G93Aプラスミドを受けるNeuro2a細胞で減少した(図3D)。興味深いことに、G93Aトランスフェクト細胞においてSh56によりVPS35レベルを低下させることは、細胞生存をさらに低下させ、とりわけ化合物2aのこの表現型を回復する能力に大幅に影響した(図3D)。
【0083】
次に、本発明者らは、LDH-Glo(商標)細胞毒性アッセイにより、乳酸脱水素酵素(LDH)放出を測定することにより細胞毒性をアッセイした。細胞を、化合物2aありまたはなしで、G93AおよびSh56-RNAi配列をコードするプラスミドによって処置したが、上澄み液を使用してLDH含量を測定した。LacZコードプラスミドまたはLacZ+Sh56プラスミドによってトランスフェクトした細胞と比較した場合、G93Aの過剰発現は、Neuro2a細胞によるLDHの放出を増加した(図3E)。化合物2aは、G93Aプラスミドによってトランスフェクトした細胞においてLDH放出を著しく減少させた。一方、細胞がSh56プラスミドと一緒にG93Aプラスミドを受けた場合、LDH放出が増加した。興味深いことに、LDHの高い放出は、G93AプラスミドおよびSh56プラスミドによってトランスフェクトし、化合物2aによって処置したNeuro2a細胞において観察され、レトロマー複合体を標的化することにより2aがSOD1G93A-媒介細胞毒性に対抗することをさらに確認した(図3E)。
【0084】
化合物2aは、インビトロでレトロマー複合体の安定性を増加する。本発明者らは、シクロヘキシミド(CHX)追跡アッセイによりVPS35の分解速度を測定することによりこの概念をさらに立証した。Neuro2a細胞は、24時間、ビヒクルまたはリード2a(10μM)を受け、次いでCHXを培地に添加し、ウェスタンブロットによりVPS35レベルを測定した。本発明者らは、ビヒクル処置した細胞が、CHX処置の8時間後にVPS35レベルの低下(~40%)を示したことを観察した。逆に、リード2aによって前処置した細胞は、VPS35を分解から保護した(図5A、B)。R55(Mecozzi,Bermanら 2014)と同様に、化合物2aは、Neuro2a細胞におけるCRC遺伝子の転写レベルに影響しない。したがって、Vps35、Vps26およびVps29のmRNAレベルは、48時間2a(10μM)によって処置したNeuro2a細胞において変化しなかった(図5C)。
【0085】
次に、本発明者らは、化合物2aが脳の血液脳関門(BBB)を通過できるかどうか調べた。本発明者らは、化合物2aの腹腔内注射を毎日受けたC57BL6Jマウスにおいて薬物動態アッセイを実施した(10mg/Kg/日)。マウスは、1、7、15および30日後に屠殺され、マススペクトロメトリーによる化合物2aレベルの決定のために使用した血液循環および脳に含有される化合物のCNS夾雑を避けるために生理食塩水灌流した。本発明者らは、脳において著しい量の化合物2aを検出し、化合物2aのCNSを通過する能力を確認した(図6A)。次に、本発明者らは、レトロマー安定化が化合物2a処置に応答して生じるかどうかインビトロで調べた。本発明者らは、上記のように成体C57BL6jマウスにR55および化合物2aを腹腔内に注射した。1週間後、マウスを屠殺し、タンパク質抽出物をウェスタンブロットによってアッセイした。R55による処置は、SC抽出物におけるVPS35レベルを増加させなかったが、化合物2aはそのようなレベルを著しく増加させ(およそ1.7、図6B)、レトロマー複合体を安定化する化合物2aの能力をさらに確認した。
【0086】
これら全ての実験において、本発明者らは、Neuro2a細胞における細胞毒性、ならびに化合物2aを注射したマウスにおけるいずれの有害事象も観察しなかった。にもかかわらず、本発明者らは、化合物2aの細胞毒性を評価し、漸増濃度の2aに曝露したNeuro2a細胞の細胞生存を測定した。算出したLD50は、~260μMであり(図7A)、本発明者らのインビトロ実験においてレトロマーを安定化するのに必要な濃度よりもずっと高い値であった。本発明者らのアプローチの最終目的は、ALS MNにおいて、または一般に、レトロマー発現が大幅に低下した神経細胞において、レトロマーを安定化することである。したがって、本発明者らは、Micro Electrode Array(MEA)装置と併せて、一次神経細胞培養を使用することにより神経細胞における化合物2a毒性を調べた。マウスE16.5大脳皮質からの神経細胞をMEAにプレートし、14日間培養で維持し、自然発火活性の発生を可能にした。本発明者らは、漸増濃度の2aを受ける神経細胞においてスパイクを記録した(1~100μM、図7B、C)。低濃度の化合物2aは、神経細胞発火を変更しなかったが、神経細胞が最高濃度の2aとインキュベートされた場合、本発明者らは、わずかに、顕著ではないスパイクの減少を観察した(図7D)。これらの結果を合わせると、VPS35レベルを増加するのにインビトロで必要な低μMレトロマー影響濃度を考慮して、リード2aの広い治療濃度域を示す。
【0087】
本発明者らは、DNA断片化および細胞死をもたらすH誘導性染色体切断に基づくアッセイで、化合物2aの特異性を試験した。原理的には、そのようなDNA損傷は、レトロマーによって影響されないプロセスによる細胞死の原因である。したがって、本発明者らのリードは、Hを受けるNeuro2a細胞の細胞生存率を調節できないはずである。本発明者らは、Neuro2a細胞を、化合物2a、2c、2dおよび2g(10μM)と共に200μMのH2O2とインキュベートした。本発明者らの化合物ありまたはなしでHを受ける細胞間での細胞生存の比較は、いずれの顕著な差も生じず(図7E)、本発明者らのリードがレトロマーを操作し、当然、DNA断片化によって引き起こされる細胞死を防止しないという考えをさらに確証する。これらの結果を合わせると、ゴルジのG93A媒介性の変更ならびにNeuro2a細胞で観察される細胞死亡率の増加は、レトロマー複合体に特異的に作用する薬理的なシャペロン2aにより対抗されることを示す。最後に、本発明者らはまた、化合物2aがマウスのBBBを通過することができることを実証した。
【0088】
化合物2aは、G93Aマウスにおける臨床機能障害およびMN細胞死を弱める。
化合物2aがBBBを通過することが確立されたため、本発明者らは、SOD1のG93A変異形態を持つマウスの処置を開始した。30日から開始して、G93AマウスおよびそれらのWT同腹仔に、化合物2a(10mg/kg)またはビヒクルを毎日注射した。2aを受けるマウスは、ビヒクル処置を受けるマウスと比較した場合、わずかな体重減少を示したが、そのような減少は統計的優位性には達しなかった(図8A)。しかしながら、2aを受けるG93Aは、加速するロータロッド試験における落下するまでの時間の増加により表される運動パフォーマンスの大幅な改善を示した。実際、80日から開始して、落下するまでの時間は、ビヒクル処置したG93Aでは次第に低下した。実際、本発明者らは、50日で記録した値と比較した場合、100日でこのパラメーターの30%減少を記録した(図8C)。2aを受けるG93Aマウスは、時間に沿って非常に一定であり、WTマウスで測定した値と重なる運動パフォーマンスを示し、レトロマー複合体の安定化はインビボでの保護効果を促進できることを示す(図8B、C)。
【0089】
マウスを100日目に屠殺し、腰部SCをMN細胞形態学および数についてアッセイした。本発明者らは、まず、SCの腹側角においてNeuN神経細胞をスコア化し、真に良質な運動神経細胞をモニターした。化合物2aを受けるマウスは、ビヒクル処置したG93Aマウスよりも著しく多くの運動神経細胞を示した(図8D)。したがって、平行切片におけるコリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)運動神経細胞の数をスコア化する類似の結果を観察した(図8E)。
【0090】
次に、本発明者らは、WT対照および化合物2aまたはビヒクルを受けるG93Aマウスからの坐骨神経の病理組織学的解析を実施した。疾患の進行期と一致して、100日目のG93Aマウスは、それらのWT同腹仔と比較した場合、坐骨神経において軸索変性を示した(図9A、B)。一方、2aによって処置したG93Aマウスは、変性を起こしている線維の減少によって表される末梢神経線維の大幅な保護を示した(図9C、D)。ミエリン鞘のリポタンパク質に結合するルクソール・ファスト・ブルー(LFB)染色を使用して、本発明者らはこれらの神経の矢状切片におけるミエリン形成を解析した。本発明者らは、化合物2aを受けるG93Aマウスが、ビヒクル処置したG93Aマウスと比較した場合、脱髄プロセスの大幅な減衰を示したことを観察した(図10A~D)。ミエリン塩基性タンパク質(MBP)およびミディアムニューロフィラメント(NF-M)を標識した平行切片は、ビヒクル処置したG93Aマウスにおいて異常なミエリンを示したが、化合物2aの投与は、G93Aマウスのミエリンの完全性を維持した(図10E)。したがって、本発明者らは、化合物2aによって処置したG93Aマウスの坐骨神経において、線維変性および脱髄の減少を観察した。
【0091】
次に、本発明者らは、VPS35およびNeuNについて、100日目に屠殺したマウスのレトロマータンパク質標識切片をアッセイした。腰部腹側角の共焦点スタックの解析は、VPS35の蛍光強度レベル(MFIとして測定された)が、ビヒクル処置したG93Aマウスで測定された強度と比較した場合、化合物2aを受けるG93Aマウスで大幅に増加したことを明らかにした(図11A)。同様に、本発明者らはVPS26レベルが、化合物2aを受けるG93Aマウスで増加したことを観察した(図11B)。本発明者らは、化合物2aがレトロマーの機能性を増加したことを観察する本発明者らの実験的発見をさらに確証した。カチオン非依存性マンノース6リン酸受容体(CI-MPR)は、VPS26ノックアウト細胞(Seaman 2004)で不安定なレトロマー複合体の積荷(Arighiら、2004)である。本発明者らは、WT同腹仔と比較した場合、ビヒクル処置したG93AマウスのMNにおけるCI-MPR MFIレベルの大幅な減少を観察した(図11C)。しかしながら、MFIレベルは、リード2aによって処置したマウスのG93A MNで大幅に増加した(図11C)。SortilinはVps10ファミリーに属する受容体をコードし、それは前頭側頭型認知症(FTD)に関与した(Lane,2012)。Sortilinは、MPRと機能的相同性を共有し、脳抽出物においてVPS35と免疫共沈降し(Muhammad 2008)、VPS35ノックアウト細胞において下方制御される(Pan 2017)、別の重要なレトロマー積荷(Nielsenら、2001)である。Sortilin MFIレベルは、ビヒクル処置したG93AマウスのMNにおいて大幅に減少し、したがって、本発明者らが先に観察したCI-MPRの減少を表す。しかしながら、リード2aによる処置は、G93A MNにおけるSortilinレベルを大幅に増加させた(図11D)。
【0092】
次に、本発明者らは、G93AマウスにおけるカテプシンD(CTSD)発現および分布を、このリソソーム酵素の輸送がレトロマー複合体を含むことが公知であるため調べた(Seaman 2004)。ヒトでは、CTSDの成熟は、小胞体においてpro-CTSD(52kDa)へと変換されるpre-pro-CTSDから開始する。pro-CTSDのリサイクリング、およびその下流の酸性コンパートメントへの異動は、CI-MPRおよびレトロマー経路を含む。後期エンドソームでは、pro-CTSDは中間形態(48kDa)にさらにプロセスされ、最終的にリソソームにおいて成熟CTSD(34kDa)に変換される(Laurent-Matha 2006)。VPS35の不活性化またはVPS26ノックダウンは、CTSDの成熟に影響する。本発明者らは、ビヒクル処置したWT、ビヒクルを受けるG93Aマウス、およびリード2aによって処置したG93Aから得た等量の腰部SC抽出物におけるCTSDレベルをスコア化した。本発明者らは、成熟CTSD/pro-CTSD比が、WT同腹仔と比較した場合、わずかにだが、顕著ではなく、ビヒクル処置したG93AマウスのSC抽出物において減少したことを観察した。あるいは、100日目に、G93Aマウスのグリア細胞が高量の成熟CTSDを発現するため、本発明者らは、総タンパク質ライセートにおける成熟CTSDの減少を見ることができなかった(図11E)。しかしながら、成熟CTSDのレベルは、リード2a処置したG93Aマウスにおいて大幅に増加した(図11E)。次に、本発明者らは、共焦点顕微鏡によりMNにおけるCTSDレベルを解析した。本発明者らは、ビヒクル処置したG93AのMNにおけるこのプロテアーゼの著しい減少を観察したが、そのレベルは化合物2aによって処置したG93Aマウスにおいて増加した(図11F)。同様に、腰部NeuNMNにおけるCTSD点の数は、ビヒクル処置したG93A MNで減少したが、それらは化合物2a処置したマウスにおいて増加した(図11F)。これらのデータは、リード2aによって媒介されるレトロマー複合体の安定化が、SortilinおよびCI-MPR発現レベルを回復し、CTSDの成熟を改善し、したがって、ALSマウスにおけるリソソームの健康を回復することを示す。
【0093】
最終的に、化合物2aがレトロマー複合体の安定化を増加できることを証明するため、本発明者らは、VPS35およびVPS26についてSC抽出物をプローブした。これらの実験は、G93AマウスにおけるVPS35およびVPS26bレベルを増加する2aの能力をさらに確認した(図12A~D)。
【0094】
ユビキチン化含有物は、sALSおよびfALS患者のMN、およびALSマウスの腰部SCに蓄積する(Kabashi 2001)。高レベルのユビキチン化タンパク質は、タンパク質ミスフォールディングおよび凝集に対するMNの対応不可能な応答、ならびにリソソーム機能性の減少を示し得る。本発明者らは、10%変性PAGEにより腰部SCタンパク質抽出物におけるポリユビキチン化タンパク質を特徴付けた。本発明者らは、ポリユビキチン化を増加することができるプロテアソーム阻害剤ボルテゾミブ(BTZ)によって処置したNeuro2a細胞からのタンパク質抽出物を、実験対照として本発明者らの実験に含めた(図13A)。これらのブロットの濃度測定解析は、ビヒクル処置したG93Aマウスが豊富なポリユビキチン化タンパク質を表したことを示した。しかしながら、ポリユビキチン化は、化合物2aによって処置したマウスにおいて大幅に減少した(図13A、B)。次に、本発明者らは、G92Aマウスの腹側角MNにおけるユビキチンMFIレベルをスコア化した。ウェスタンブロットによって得られたデータにより、ビヒクル処置したG93A MNにおけるユビキチン蛍光のMFIレベルは、化合物2a処置したG93Aマウスにおいてスコア化されたレベルよりも高く、本発明者らの、および他の結果(Saxesa 2009)をさらに確認した(図13CおよびD)。Neuro2a細胞において先に観察されたように、G93Aプラスミドの過剰発現はゴルジ装置に影響し、したがって本発明者らは、腰部切片のcis-ゴルジマトリックスタンパク質GM130を標識することによって、G93Aマウスにおいて同様の変更が生じ得るかどうか調べた。本発明者らは、ビヒクル処置したG93AマウスからのMNの大部分がGM130カバー領域の減少を示し、このオルガネラの断片化を示す可能性があることを観察した(図13E)。しかしながら、この現象は、化合物2a処置したG93AマウスのMNにおいて大幅に回復した(図13E)。
【0095】
SOD1変異は、このタンパク質の細胞内で凝集する傾向を増加した(Johnston 2000)。本発明者らは、化合物2aがインビボでG93A凝集物の蓄積を減少できたかどうか調べた。出生後83日で開始し、本発明者らは、化合物2a(10mg/kg)を毎日G93AマウスおよびWT同腹仔に注射した。本発明者らは、103日まで、ビヒクルおよび化合物2a処置したG93Aマウスの両方で運動パフォーマンスをスコア化した。化合物2aを受けるマウスは、本発明者らの先の観察を確認する、運動障害の全体的な減衰を示した(図14A)。103日目に、本発明者らは、ブルーネイティブポリアクリルアミドゲル電気泳動によってSCタンパク質抽出物を分離し、これらのゲルを抗SOD1抗体によってプローブし、本発明者らは、WT同腹仔では完全に存在しなかった高分子量のスメアをG93Aマウスにおいて観察した。これらの高分子量の実体の強度は、リード2aによって処置したマウスでは低かった(図14B、C)。合わせると、化合物2aによるレトロマー安定化は、インビトロおよびインビボでのリソソームの恒常性を増加させ、タンパク質のポリユビキチン化を減少させ、したがってG93A凝集のレベルを低下させた。
【0096】
これらの結果は、ユビキチン化タンパク質(図13A、B)および高分子量SOD1凝集物(図14B、C)が両方とも、化合物2a処置したマウスにおいて減少することを示す。リソソームの機能性を増加する他に、本発明者らは、化合物2aがオートファジーシステムも増強できると仮定した。したがって、本発明者らはpHfluorin-LC3ベースのアッセイを使用して、生きたNeuro2a細胞においてオートファジープロセスをモニターした。本発明者らは、本研究所において、ph感受性GFP/phlourinと結合した微小管結合タンパク質1A/1B-軽鎖3(LC3)を発現するNeuro2a安定細胞クローン(7B11)を確立した。このアッセイは、フローサイトメトリーに基づき、周知のオートファジー阻害剤(バフィロマイシンA1)および活性剤(Torin-1)を使用して確認し、アッセイ活性の上境界および下境界の確立を可能にした(示さない)。さらに、本発明者らは、バフィロマイシンA1およびTorin-1(示さない)を使用して、Z因子および厳密に標準化された平均差(SSMD)パラメーターを算出する本発明者らのアッセイの質を評価した。
【0097】
Neuro2a-7B11細胞を、漸増濃度の化合物2a(0.1~100μM)ならびに対照分子であるバフィロマイシンA1およびTorin-1とインキュベートした。48時間後、ph感受性であるGFP/phluorinシグナルをフローサイトメトリーによって測定し、変化倍率を未処置の細胞に対して算出した。予測通り、本発明者らは、バフィロマイシンA1処置により、リソソームによるオートファゴソームの融合をブロッキングする増強した蛍光を観察した。一方、蛍光シグナルは、mTORC1/2阻害剤であるTorin-1によって著しく弱められた(図14D)。GFP/phluorinシグナルは、0.1および1μMの化合物2aを受ける細胞において変化しなかったが、本発明者らは、10および100μMで処置した細胞では蛍光レベルの著しい減少を観察した(図14D)。100μMの化合物2aを受けた細胞において本発明者らが記録した蛍光のレベルは、0.25μMのTorin-1によって処置した細胞において測定されたレベルと異ならなかった。したがって、本発明者らは、化合物2a処置したマウスにおいて本発明者らが観察したユビキチン化タンパク質の分解の一部は、オートファジーシステムの直接/間接増強を含み得ることを証明した。
【0098】
次に、本発明者らは、Neuro2a細胞におけるVPS35レベルの減少が、リソソームの恒常性に影響したかどうか、ALSマウスモデルにおいて本発明者らおよびその他の発明者らが観察したものを模倣して決定した(Cheng 2018)。本発明者らは、Sh56 RNAiをコードするプラスミドによってNeuro2a細胞をトランスフェクトし、VPS35を下方制御した。飢餓の24時間後、本発明者らは、リソトラッカーを使用してリソソームを解析した。本発明者らは、Sh56によりVPS35干渉した細胞におけるリソソームの拡大した、異常な分布を観察した(図15A~C)。次に、本発明者らは、VPS35標的化RNAiを受けるNeuro2a細胞においてポリユビキチン化タンパク質レベルが2倍であることを評価し、レトロマーの機能性の欠損がリソソームの恒常性、したがって、ポリユビキチン化タンパク質の蓄積を変えることをさらに示す(図15D、E)。本発明者らは、G93Aプラスミドが、類似のリソソームの変更ももたらすかどうか調べた。本発明者らは、化合物2a(10μM)ありまたはなしで、G93AをコードするプラスミドによってNeuro2a細胞をトランスフェクトした。飢餓の24時間後、本発明者らは、リソトラッカーによりそのような細胞におけるリソソームをモニターした。G93Aプラスミドのみを受ける細胞は拡大したリソソームを示したが、化合物2aによる処置は、この表現型を著しく回復した(図15F、G)。
【0099】
本発明者らは、化合物2aを特徴付ける分子構造が、特許化合物CNI-1493(N、N’-ビス[3,5-ビス[1(アミノイミノメチル)ヒドラゾノ]エチル]フェニル]デカンジアミドテトラヒドロクロリド(CAS Reg.No.164301-51-3))によく似ていることを観察した(図16A)。CNI-1493は、多発性硬化症の動物モデルにおけるマクロファージ活性化を阻害し、これらのマウスの臨床および病理学的転帰の全般的な改善を生じる(Martiney,Rajanら 1998)。さらに、G93AマウスへのCNI-1493の投与は、疾患の発症を遅延させ、マウスの寿命を増加させた(Dewil,dela Cruzら 2007)。CNI-1493は、いくつかの障害において神経変性プロセスを伴う有害なシグナルの過多に属する炎症性サイトカインの産生を抑制する。特に、CNI-1493は、TNFα、IL-1β、IL-6ならびにマクロファージ炎症性タンパク質1αおよび1βの発現を阻害する(Bianchi,Bloomら 1996)。明らかに、レトロマーを調節するこの化合物の能力はアッセイされていない。本発明者らはまず、CNI-1493が、10μMの濃度で48時間この化合物によって処置するNeuro2a細胞においてVPS35レベルを増加できるかどうか試験した。しかしながら、VPS35レベルはCNI-1493処置細胞において増加しなかったが、そのレベルは化合物2aによって増加した(図16B)。次に、本発明者らは、マウスマクロファージ様細胞株Raw264.7におけるLPS媒介TNFα発現を阻害する化合物2aの能力をアッセイした。本発明者らは、このサイトカインの産生を鈍らせるCNI-1493の能力を記載するBianchiと同僚によって出版された実験手順に従った(Bianchi,Bloomら 1996)。細胞は、CNI-1493(10μM)とまたは化合物2a(10μM)と1時間インキュベートし、次いで本発明者らはLPS(100ng/ml)を培地に添加した。次に、本発明者らは、TNFαレベルの評価のために細胞から上澄み液を回収した(LPS刺激の4時間後)。LPSを受けるRaw細胞は効果的にTNFαを誘導したが、CNI-1493はこのサイトカインの発現を著しく阻害した(図16C)。一方、化合物2aを受けるraw細胞は、TNFαのいずれの減少も示さず、2aがCNI-1493の同じ分子経路を操作しないことを示している。
【0100】
死後のASL試料および家族性ALS線維芽細胞からのiPSC由来MNにおけるVPS35発現の欠損
次に、本発明者らは、ヒトSCの腹側角に局在する死後の大脳のアルファ-MNにおけるVPS35を調べた(図17A)。VPS35の免疫反応性は、ALS検体由来のMNにおいて大幅に減少し、G93Aマウスに行われた本発明者らの初期の観察を確認した(図17B)。VPS26をプローブした平行切片は、ALS試料におけるこのタンパク質の大幅な減少を明らかにした(図17C、D)。
【0101】
次に、本発明者らは、3つのSOD1遺伝子バリアント(ALS8:p.Asn65Ser;ALS 13:p.Leu144Phe;ALS 27:p.Asp97Asn)を持つfALS患者から、ならびに3人の年齢および性別が適合した健常ボランティアからiPSC株を生成した。OCT3/4、SOX2、NANOG、TRA1-60およびSSEA4の培養を標識して、効率的なリプログラミングを評価した(示さない)。出版されたプロトコールに従って、本発明者らは、OLIG2PAX6を発現する尾部の神経上皮前駆細胞の表現型を獲得するためにiPSC株を誘導した(Du 2015)。本発明者らは、これらの前駆細胞を分化させ、OLIG2ISLET1細胞表現型を獲得させた。本発明者らは、核の総数におけるISLET1のパーセンテージをスコア化し、本発明者らは、対照およびALS試料の間で細胞分化の類似の率を観察した(対照:81.6%±9;ALS:81.8±12)。免疫蛍光法およびWBを使用して、本発明者らは、33日目に、ALS患者由来のISLET1MNにおけるVPS35レベルの大幅な減少を観察した(図17E、F)。次に、本発明者らは、1つの対照細胞株(#8)および1つのALS細胞株(ALS27)を選択し、本発明者らの化合物2aを適用した。本発明者らがOLIG2PAX6前駆細胞を確立すると、本発明者らは、培養培地中にリード2a(10μM、6日)を含むこれらの細胞の分化を開始させた。細胞は、ISLET1およびVPS35を標識し、共焦点顕微鏡により、本発明者らは、化合物2aありまたはなしでVPS35点をスコア化した。ALS27細胞は、対照より少ないVPS35点を示したが、リード2aによって処置した場合、対照とALSの両方がこの数を著しく増加させた(図17G)。次に、本発明者らは、WBにより、VPS35タンパク質レベルを増加する化合物2aの能力を確かめた(図17H)。これらの結果は、2aがVPS35レベルを増加し、したがってヒトレトロマー複合体を安定化するために使用できることを示す。
【0102】
結論
レトロマー複合体は、真核生物で高度に保存され、PDおよびADを含むいくつかの神経変性障害に関連するが、ALSでは調べられていない。G93Aトランスジェニックマウスを使用して、本発明者らは、CRCタンパク質レベルがALS運動神経細胞において大幅に減少することを観察した。興味深いことに、そのような減少は疾患の任意の兆候の出現前、とりわけ運動神経細胞変性前に生じる。ALS患者からの死後のSCで実施した平行実験は、真に良質な運動神経細胞の腹側角におけるVPS35およびVPS26レベルの減少をさらに示す。これらの結果は、レトロマーの失敗はこれらの細胞の変性を予期することができることを示唆し、したがって、レトロマーの安定化を育成する戦略はALSにおいて神経保護性であり得る。化合物2aは、VPS35レベル、結果としてレトロマー機能性を著しく増加することができる。そのような化合物は、インビトロおよびインビボでゴルジ断片化をレスキューし、とりわけG93Aプラスミドを受けるNeuro2a細胞株における細胞死の率を減少した。本発明者らが化合物2aをG93Aマウスに注射する前臨床実験では、本発明者らは、インビボでレトロマー機能性を育成することにより、本発明者らがMN変性、脱髄および末梢線維喪失を減少することができることを観察した。結果として、化合物2aを受けるG93Aマウスは、運動パフォーマンスの増加を示す。さらに、運動パフォーマンスの増加は、本発明者らがMNにおいてスコア化したVPS35およびVPS26のレベルの増加により、ならびに2つのレトロマーの積荷、すなわちCI-MPRおよびSortilinのレベルの増加により表された。本発明者らは、化合物2aによって処置したG93Aの脊髄における成熟CTSDの大幅な増加も観察した。CTSDおよびおそらく他のリソソーム酵素の一般的な増加は、ALSの病理学的特徴である、ポリユビキチン化タンパク質の蓄積を減少させた。興味深いことに、本発明者らは、これらのマウスにおいて凝集したSOD1の減少も観察した。これらの知見は、ALSの処置の新しい道を開く。
【0103】
合成方法
基本手順。H NMRスペクトルを、400MHzで、溶媒としてCDCl、CDODまたはDO中で、Bruker Avance 400MHz装置で記録した。13C NMRスペクトルを、101MHzで溶媒としてCDCl、CDODまたはDO中で記録した。結合定数はHertzで与えられ、0.1Hzに四捨五入される。LC-MSデータは、Acquity UPLC(商標) HSS T3カラム(2.1mm×50mm、1.8μm)およびSQD検出器を備えたWaters Acquity(商標) Ultra performance LCで回収した。精製は、Kieselgelの、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(粒子サイズ60μm、230~400メッシュ)により、またはBiotage(商標)フラッシュクロマトグラフィー[Biotageカラム Si-25-M(150×25mm;シリカゲル(40~63μm)、流速25mL/分)]により、またはBiotage(商標)C18逆相クロマトグラフィー[Biotageカラム C18HS(150×25mm;KP-C18-HS(35~70μm)、流速25mL/分)]により行われた。一部の最終化合物は、Waters X-Bridgeカラム(19mm×15.0cm。5μm)を使用するC18逆相セミ分取HPLCによって精製した。融点は、Stuart Scientific SMP3融点装置によって決定した。溶媒は、標準手順に従って蒸留および乾燥させ、無水条件を必要とする反応は、窒素またはアルゴン雰囲気下で実施した。
【0104】
置換イソフタル酸、アルコールへの還元、基本手順A(8c、8g-j、8p)。無水THF(およそ1mL/mmol)中の置換イソフタル酸(2.4~3.3mmol、1当量)の懸濁液を、強く攪拌し、窒素雰囲気過下で0℃に冷却した。THF中1M BH3の溶液(9.6~13.2mL、4当量)を、1時間滴下により添加した。反応混合物を室温までゆっくりと温め、さらに48時間攪拌した。MeOH(7~10mL)を反応混合物に滴下により添加し、溶媒を減圧下で蒸発させた。MeOHの添加と蒸発を繰り返した(7~10mL×3回)。次いで、粗生成物をEtOAc(40mL)に溶解し、飽和NaHCO(2×20mL)およびブライン(10mL)によって洗浄した。有機層を無水NaSOによって脱水し、減圧下で濾過および蒸発させた。生じた固体は、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(溶離液混合物:n-ヘキサン/EtOAc)、相当する純粋な置換1,3-ビス-ベンジルアルコールを産出した。
【0105】
置換1,3-ビス-ベンジルアルコール、アルデヒドへの酸化、基本手順B(7c、7g-j、7k-p)。二酸化マンガン(2.5~10mmol、5当量)を、クロロホルム(およそ5mL/mmol)中の置換1,3-ビス-ベンジルアルコール(0.5~2mmol、1当量)の溶液に強い攪拌下で添加し、反応混合物を還流で加熱した。終夜の還流/攪拌後、反応混合物を室温に冷却し、セライトパッドを通して濾過した。パッドを、CHCl(40mL)によって徹底的に洗浄し、結合した有機相を真空下で濃縮し、残渣をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(溶離液混合物:n-ヘキサン/EtOAc)、相当する純粋な置換イソフタルアルデヒドを産出した。
【0106】
置換イソフタルアルデヒド、アミノグアニジンによる凝縮、基本手順C(2a-z)。アミノグアニジン塩酸塩(1~2mmol、1当量)および1N HCl水溶液(3~5滴、触媒)を、強く攪拌した無水EtOH(およそ10mL/mmol)中置換イソフタルアルデヒド(0.5~1mmol、1当量)の温かい溶液に順に添加した。TLCモニタリング(8:2 CHCl:MeOH AcOH数滴を含む)しながら、反応混合物を2~8時間還流した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、固体産物を濾過し、冷EtOH(10mL)、EtO(10mL)で洗浄し、真空で乾燥し、二塩酸塩として相当する純粋なN-非置換1,3-ビス-アミノグアニジンフェニルヒドラジンを産生した。
【0107】
置換イソフタルアルデヒド、N-置換アミノグアニジンによる凝縮、基本手順D(2a-z)。N-置換アミノグアニジン塩(0.6~1.8mmol、1当量)を、強く攪拌した無水EtOH(およそ7.5mL/mmol)中置換イソフタルアルデヒド(0.3~0.9mmol、1当量)の温かい溶液に添加した。TLCモニタリング(8:2 CHCl:MeOH AcOH数滴を含む)しながら、反応混合物を8時間還流した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、固体産物を濾過し、冷EtOH(10mL)、EtO(10mL)で洗浄し、真空で乾燥し、二塩酸塩として相当する純粋なN-非置換1,3-ビス-アミノグアニジンフェニルヒドラジンを産生した(特定の場合では、分取HPLC分離を必要とする)。
【0108】
1,3-ビス-アミノグアニジンフェニルヒドラゾン、二塩酸塩(2a)。表題の化合物(280mg、0.88mmol、88%収率、≧95%純度、白色固体)は、基本手順Cの実験プロトコールに従って、無水エタノール(10mL)中のイソフタルアルデヒド(134mg、1mmol、1.0当量)およびアミノグアニジン塩酸塩(221mg、2mmol、1当量)から二塩酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 12.26 (bs, 2H, NH), 8.32 (s, 1H, H2), 8.22 (s, 2H, H1', H3'), 8.15-7.58 (bs, 6H, NH), 7.96 (d, J = 7.6 Hz, 2H, H4), 7.53 (t, J = 7.6 Hz, 1H, H5). 13C_NMR (100 MHz, D2O): δ(ppm) 154.7, 147.3, 133.2, 129.2, 126.6. MS (ESI+): m/z 247.30 [M+H+]. 計算値MS, C10H14N8: 246.28.
【0109】
2-ブロモ-1,3-ビス-アミノグアニジンフェニルヒドラゾン、二塩酸塩(2b)。表題の化合物(280mg、0.88mmol、88%収率、≧95%純度、白色固体)は、基本手順Cの実験プロトコールに従って、無水エタノール(9mL)中の2-ブロモイソフタルアルデヒド(197mg、0.93mmol、1.0当量)およびアミノグアニジン塩酸塩(205mg、1.86mmol、1当量)から二塩酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 12.22 (bs, 2H, NH), 8.65 (s, 2H, H1', H3'), 8.38 (d, J = 7.7 Hz, 2H, H4), 8.30-7.60 (bs, 6H, NH), 7.51 (t, J = 7.7 Hz, 1H, H5). 13C_NMR (100 MHz, D2O): δ(ppm) 155.6, 146.7, 132.9, 130.0, 126.9. MS (ESI+): m/z 325.29および327.29 [M+H+]. 計算値MS, C10H13BrN8: 324.18および326.18.
【0110】
1,3-ビス-(ヒドロキシメチル)-4-ブロモベンゼン(8c)。表題の化合物(455mg、2.10mmol、86%収率)は、基本手順Aの実験プロトコールに従って、THF(2.5mL)中の4-ブロモイソフタル酸(590mg、2.41mmol、1.0当量)およびTHF中1M BH(10mL、10.00mmol、およそ4当量)から調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 7.39 (m, 3H, H2, H5, H6), 5.39 (t, J = 5.6 Hz, 2H, OH), 4.52 (d, J 5.6 Hz, 4H, H1', H3'). MS (ESI+): m/z 218.12 [M+H+]. 計算値MS, C8H9BrO2: 217.04.
【0111】
4-ブロモイソフタルアルデヒド(7c)。表題の化合物(108mg、0.51mmol、87%収率)は、基本手順Bの実験プロトコールに従って、クロロホルム(3mL)中の8c(128mg、0.59mmol、1.0当量)および二酸化マンガン(257mg、2.95mmol、5.0当量)から調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 10.40 (s, 1H, H1'), 10.06 (s, 1H, H3'), 8.42 (d, J = 2.09 Hz, 1H, H2), 7.98 (dd, J = 2.09 Hz, J = 7.88 Hz, 1H, H6), 7.72 (d, J = 7.88 Hz, 1H, H5). MS (ESI+): m/z 214.16 [M+H+]. 計算値MS, C8H5BrO2: 213.01.
【0112】
4-ブロモ-1,3-ビス-アミノグアニジンフェニルヒドラゾン、二塩酸塩(2c)。表題の化合物(178mg、0.44mmol、88%収率、≧95%純度、白色固体)は、基本手順Cの実験プロトコールに従って、無水エタノール(5mL)中の4-ブロモイソフタルアルデヒド(108mg、0.51mmol、1.0当量)およびアミノグアニジン塩酸塩(112mg、1.02mmol、1当量)から二塩酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 12.40 (bs, 2H, NH), 8.58 (d, J = 2.0 Hz, 1H, H2), 8.54 (s, 1H, H1'), 8.20 (s, 1H, H3'), 8.20-7.60 (bs, 6H, NH), 7.98 (dd, J = 2.0 Hz, J = 8.4 Hz, H6), 7.78 (d, J = 8.4 Hz, 1H, H5). 13C_NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 157.0, 156.8, 146.3, 145.8, 134.8, 134.7, 133.8, 131.1, 128.5, 126.5. MS (ESI+): m/z 315.33および317.33 [M+H+]. 計算値MS, C10H13BrN8: 324.18および326.18.
【0113】
1-ヒドロキシ-2,4-ビス-アミノグアニジンフェニルヒドラゾン、二塩酸塩(2d)。表題の化合物(224mg、0.67mmol、77%収率、≧95%純度、白色固体)は、基本手順Cの実験プロトコールに従って、無水エタノール(8mL)中の7d(132mg、0.87mmol、1.0当量)およびアミノグアニジン塩酸塩(193mg、1.75mmol、1当量)から二塩酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 12.05 (bs, 2H, NH), 10.95 (bs, 1H, OH), 8.52 (s, 1H, H, H1'), 8.48 (d, J = 1.8 Hz, 1H, H2), 8.12 (s, 1H, H3'), 8.20-7.40 (bs, 6H, NH), 7.95 (dd, J = 8.6 Hz, J = 1.8 Hz, 1H, H6), 7.05 (d, J = 8.6 Hz, 1H, H5). 13C_NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 158.8, 155.7, 155.4, 148.4, 147.4, 131.6, 129.4, 126.1, 119.3, 117.7. MS (ESI+): m/z 263.37 [M+H+]. 計算値MS, C10H14N8O: 262.28.
【0114】
4-メトキシイソフタルアルデヒド(7e)。MeI(0.13mL、2mmol、1当量)を、窒素雰囲気下で乾燥DMF(5mL)中の4-ヒドロキシイソフタルアルデヒド7d(150mg、1mmol、1当量)およびKCO(420mg、3mmol、1.5当量)の攪拌混合物に添加した。反応混合物は、24時間室温で攪拌し、次いで溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をEtOAc(30mL)に溶解し、5%NaOH水溶液(3×20mL)およびブライン(10mL)で洗浄した。合わせた有機層を無水NaSOで脱水し、減圧下で濾過および濃縮した。4-メトキシイソフタルアルデヒド7e(105mg、0.60mmol、60%収率)を、さらなる精製をせずに使用するのに十分な純度の白色固体として得た。1H_NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 10.50 (s, 1H, H1'), 10.01 (s, 1H, H3'), 8.35 (d, J = 2.0 Hz, 1H, H2), 8.12 (dd, J = 2.0 Hz, J = 9.1 Hz, 1H, H6), 7.15 (d, J = 9.1 Hz, 1H, H5), 4.00 (s, 3H, OMe). MS (ESI+): m/z 179.21 [M+H+]. 計算値MS, C9H8NO3: 178.17.
【0115】
1-メトキシ-2,4-ビス-アミノグアニジンフェニルヒドラゾン、二塩酸塩(2e)。表題の化合物(126mg、0.36mmol、79%収率、≧95%純度、白色固体)は、基本手順Cの実験プロトコールに従って、無水エタノール(4.5mL)中の4-メトキシイソフタルアルデヒド(75mg、0.46mmol、1.0当量)およびアミノグアニジン塩酸塩(101mg、0.92mmol、1当量)から二塩酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 12.12 (bs, 2H, NH), 8.51 (s, 1H, H1'), 8.49 (s, 1H, H2), 8.19 (s, 1H, H3'), 8.20-7.40 (m, 6H, NH), 8.00 (d, J = 6.6 Hz, 1H, H6), 7.12 (d, J = 6.6 Hz, 1H, H5), 3.92 (s, 3H, OMe). 13C_NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 160.1, 156.9, 147.2, 142.7, 132.2, 127.4, 127.0, 123.0, 114.2, 56.2. MS (ESI+): m/z 277.44 [M+H+]. 計算値MS, C11H16N8O: 276.31.
【0116】
4-(n-ブトキシ)イソフタルアルデヒド(7f)。n=BuBr(0.22mL、2mmol、1当量)を、窒素雰囲気下で乾燥DMF(5mL)中の7d(150mg、1mmol、1当量)およびKCO(420mg、3mmol、1.5当量)の攪拌混合物に添加した。反応混合物は、85℃に加熱し、24時間攪拌し、次いで室温に冷却した。溶媒を減圧下で除去した後、粗生成物をEtOAc(30mL)に溶解し、5%NaOH水溶液(3×20mL)およびブライン(10mL)で洗浄した。合わせた有機層を無水NaSOで脱水し、減圧下で濾過および濃縮した。4-(n-ブトキシ)イソフタルアルデヒド7f(155mg、0.75mmol、75%収率)を、さらなる精製をせずに使用するのに十分な純度の白色固体として得た。1H_NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 10.50 (s, 1H, H'), 10.00 (s, 1H, H3'), 8.35 (d, J = 2.0Hz, 1H, H2), 8.12 (dd, J = 2.0 Hz, J = 9.1 Hz, 1H, H6), 7.15 (d, J = 9.1 Hz, 1H, H5), 4.23 (t, J = 2.4 Hz, 2H, H4'), 1.91 (m, 2H, H4''), 1.56 (m, 2H, H4'''), 1.04 (t, J = 7.8 Hz, 3H, H4''''). MS (ESI+): m/z 221.35 [M+H+]. 計算値MS, C12H14NO3: 220.23.
【0117】
1-(n-ブトキシ)-2,4-ビス-アミノグアニジンフェニルヒドラゾン、二塩酸塩(2f)。表題の化合物(166mg、0.42mmol、80%収率、≧95%純度、白色固体)は、基本手順Cの実験プロトコールに従って、無水エタノール(5mL)中の7f(110mg、0.53mmol、1.0当量)およびアミノグアニジン塩酸塩(118mg、1.06mmol、1当量)から二塩酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 12.12 (bs, 2H, NH), 8.51 (s, 2H, H1', H1), 8.16 (s, 1H, H3'), 8.20-7.40 (bs, 6H, NH), 8.00 (d, J = 8.7 Hz, 1H, H6), 7.12 (d, J = 8.7 Hz, 1H, H5), 4.15 (t, J = 2.4 Hz, 2H, H4'), 1.80 (m, 2H, H4''), 1.52 (m, 2H, H4'''), 0.99 (t, J = 7.8 Hz, 3H, H4''''). 13C_NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 160.1, 156.9, 147.2, 142.7, 132.2, 127.4, 127.0, 123.0, 114.2, 69.1, 31.3, 19.3, 14.3. MS (ESI+): m/z 319.66 [M+H+]. 計算値MS, C14H22N8O: 318.38.
【0118】
1,3-ビス-(ヒドロキシメチル)-5-メチルベンゼン(8g)。表題の化合物(410mg、2.70mmol、81%収率)は、基本手順Aの実験プロトコールに従って、THF(3mL)中の5-メチルイソフタル酸(600mg、3.33mmol、1.0当量)およびTHF中1M BH(13.3mL、13.3mmol、4当量)から調製した。1H_NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 6.96 (s, 1H, H2), 6.80 (s, 2H, H4), 4.62 (s, 4H, H1', H3'), 3.81 (s, 3H, Me), 2.11 (s, 2H, OH). MS (ESI+): m/z 153.21 [M+H+]. 計算値MS, C9H12O2: 152.19.
【0119】
5-メチルイソフタルアルデヒド(7g)。表題の化合物(151mg、1.02mmol、77%収率)は、基本手順Bの実験プロトコールに従って、クロロホルム(6.5mL)中の8g(200mg、1.32mmol、1.0当量)および二酸化マンガン(575mg、6.60mmol、5当量)から調製した。1H_NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 10.15 (s, 2H, CHO), 8.25 (s, 1H, H2), 8.00 (s, 2H, H4), 2.53 (s, 3H, Me). MS (ESI+): m/z 149.29 [M+H+]. 計算値MS, C9H8O2: 148.16.
【0120】
5-メチル-1,3-ビス-アミノグアニジンフェニルヒドラゾン、二塩酸塩(2g)。表題の化合物(179mg、0.54mmol、77%収率、≧95%純度、白色固体)は、基本手順Cの実験プロトコールに従って、無水エタノール(7mL)中の7g(104mg、0.70mmol、1.0当量)およびアミノグアニジン塩酸塩(155mg、1.40mmol、1当量)から二塩酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 12.25 (bs, 2H, NH), 8.21 (s, 2H, H1', H3'), 8.10 (s, 1H, H2), 8.00-7.50 (bs, 6H, NH), 7.82 (s, 2H, H4), 2.41 (s, 3H, Me). 13C_NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 156.9, 147.4, 139.9, 135.2, 130.9, 125.5, 21.4. MS (ESI+): m/z 261.45 [M+H+]. 計算値MS, C11H16N8: 260.28.
【0121】
1,3-ビス-(ヒドロキシメチル)-5-ブロモベンゼン(8h)。表題の化合物(475mg、2.19mmol、88%収率)は、基本手順Aの実験プロトコールに従って、THF(2.5mL)中の5-ブロモイソフタル酸(610mg、2.49mmol、1.0当量)およびTHF中1M BH(10mL、10mmol、およそ4当量)から調製した。1H_NMR (400 MHz, アセトン-d6): δ(ppm) 7.43 (s, 2H, H4), 7.28 (s,1H, H2), 4.67 (s, 4H, H1', H3'), 1.79 (s, 2H, OH). MS (ESI+): m/z 217.20および219.20 [M+H+]. 計算値MS, C8H9BrO2: 216.15および218.15.
【0122】
5-ブロモイソフタルアルデヒド(7h)。表題の化合物(97mg、0.45mmol、76%収率)は、基本手順Bの実験プロトコールに従って、クロロホルム(3mL)中の8h(128mg、0.59mmol、1.0当量)および二酸化マンガン(257mg、2.95mmol、5当量)から調製した。1H_NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 10.06 (s, 2H, CHO), 8.30 (t, J = 1.4 Hz, 1H, H2), 8.26 (d, J = 1.4 Hz, 2H, H4). MS (ESI+): m/z 213.24および215.24 [M+H+]. 計算値MS, C8H5BrO2: 212.12および214.12.
【0123】
5-ブロモ-1,3-ビス-アミノグアニジンフェニルヒドラゾン、二塩酸塩(2h)。表題の化合物(133mg、0.33mmol、91%収率、≧95%純度、白色固体)は、基本手順Cの実験プロトコールに従って、無水エタノール(3.5mL)中の7h(75mg、0.35mmol、1.0当量)およびアミノグアニジン塩酸塩(78mg、0.70mmol、1当量)から二塩酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 12.31 (bs, 2H, NH), 8.27 (d, J = 1.2 Hz, 2H, H4), 8.22 (t, J = 1.2 Hz, 1H, H2), 8.17 (s, 2H, H1', H3'), 8.20-7.60 (bs, 6H, NH). 13C_NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 156.9, 145.8, 137.5, 132.0, 127.8, 124.1. MS (ESI+): m/z 327.45および329.45 [M+H+]. 計算値MS, C10H13BrN8: 324.25および326.25.
【0124】
3,5-ビス-(ヒドロキシメチル)-1-メトキシベンゼン(8i)。表題の化合物(377mg、2.24mmol、80%収率)は、基本手順Aの実験プロトコールに従って、THF(2.8mL)中の5-メトキシイソフタル酸(550mg、2.80mmol、1.0当量)およびTHF中1M BH(11.2mL、11.2mmol、4当量)から調製した。1H_NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 6.96 (s, 1H, H2), 6.80 (s, 2H, H4), 4.62 (s, 4H, H1', H3'), 3.81 (s, 3H, Me), 2.11 (s, 2H, OH). MS (ESI+): m/z 169.21 [M+H+]. 計算値MS, C9H12O3: 168.19.
【0125】
5-メトキシイソフタルアルデヒド(7i)。表題の化合物(297mg、1.81mmol、92%収率)は、基本手順Bの実験プロトコールに従って、クロロホルム(10mL)中の8i(330mg、1.97mmol、1.0当量)および二酸化マンガン(825mg、9.95mmol、5当量)から調製した。1H_NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 10.30 (s, 2H, H1', H3'), 7.96 (s, 1H, H2), 7.61 (s, 2H, H4), 3.99 (s, 3H, Me). MS (ESI+): m/z 165.29 [M+H+]. 計算値MS, C9H8O3: 164.16.
【0126】
1-メトキシ-3,5-ビス-アミノグアニジンフェニルヒドラゾン、二塩酸塩(2i)。表題の化合物(161mg、0.46mmol、81%収率、≧95%純度、白色固体)は、基本手順Cの実験プロトコールに従って、無水エタノール(6mL)中の7i(93mg、0.57mmol、1.0当量)およびアミノグアニジン塩酸塩(125mg、1.14mmol、1当量)から二塩酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 12.25 (bs, 2H, NH), 8.22-7.61 (bs, 6H, NH), 8.17 (s, 2H, H1', H3'), 7.83 (t, J = 1.08 Hz, 1H, H2), 7.59 (d, J = 1.08 Hz, 2H, H4), 3.82 (s, 3H, OMe). 13C_NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 160.3, 155.9, 146.3, 135.7, 120.6, 114.7, 56.2. MS (ESI+): m/z 277.47 [M+H+]. 計算値MS, C11H16N8O: 276.30.
【0127】
3,5-ビス-(ヒドロキシメチル)-1-ニトロベンゼン(8j)。表題の化合物(504mg、2.75mmol、83%収率)は、基本手順Aの実験プロトコールに従って、THF(3mL)中の5-ニトロイソフタル酸(700mg、3.32mmol、1.0当量)およびTHF中1M BH(13.2mL、13.2mmol、4当量)から調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 8.16 (s, 2H, H4), 7.72 (s, 1H, H2), 4.83 (s, 4H, H1', H3'). MS (ESI+): m/z 184.24 [M+H+]. 計算値MS, C8H9NO4: 183.17.
【0128】
5-ニトロイソフタルアルデヒド(7j)。表題の化合物(94mg、0.53mmol、78%収率)は、基本手順Bの実験プロトコールに従って、クロロホルム(4mL)中の8j(123mg、0.67mmol、1.0当量)および二酸化マンガン(291mg、3.395mmol、5当量)から調製した。1H_NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 10.21 (s, 2H, H1', H3'), 8.96 (s, 2H, H4), 8.72 (s, 1H, H2). MS (ESI+): m/z 180.29 [M+H+]. 計算値MS, C8H5NO4: 179.14.
【0129】
1-ニトロ-3,5-ビス-アミノグアニジンフェニルヒドラゾン、二塩酸塩(2j)。表題の化合物(154mg、0.42mmol、80%収率、≧95%純度、白色固体)は、基本手順Cの実験プロトコールに従って、無水エタノール(5mL)中の7j(94mg、0.53mmol、1.0当量)およびアミノグアニジン塩酸塩(117mg、1.06mmol、1当量)から二塩酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 12.44 (bs, 2H, NH), 8.80 (d, J = 1.6 Hz, 2H, H4), 8.75 (t, J = 1.6 Hz, 1H, H2), 8.34 (s, 2H, H1', H3'), 8.25-7.75 (bs, 6H, NH). 13C_NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 156.0, 149.4, 144.5, 136.3, 132.7, 123.2. MS (ESI+): m/z 292.47 [M+H+]. 計算値MS, C10H13N9O2: 291.29.
【0130】
1,3-ビス-(ヒドロキシメチル)-5-フェニルベンゼン(8k)。2MのNaCO水溶液(1.86mL、3.72mmol、3当量)を、窒素雰囲気下において室温で強く攪拌しながら、1,4-ジオキサン(8mL)中の8h(270mg、1.24mmol、1当量)、フェニルボロン酸(177mg、1.45mmol、1.2当量)およびPd(PPh(143mg、0.124mmol、0.1当量)の混合物に添加した。混合物は、加熱還流し、6時間攪拌した。室温に冷却後、次いで反応混合物をEtOAc(40mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(20mL)およびブライン(15mL)で洗浄した。有機層を減圧下で濃縮し、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(溶離液:75:25 n-ヘキサン/EtOAc)、白色固体として純粋な1,3-ビス-(ヒドロキシメチル)-5-フェニルベンゼン8k(220mg、1.02mmol、86%収率)を生成した。1H_NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 7.62 (d, J = 7.2 Hz, 2H, H2''), 7.54 (s, 2H, H4), 7.46 (t, J = 7.2 Hz, 2H, H3''), 7.38 (m, 2H, H2, H4''), 4.79 (s, 4H, H1', H3'), 1.86 (bs, 2H, OH). MS (ESI+): m/z 215.43 [M+H+]. 計算値MS, C14H14O2: 214.26.
【0131】
5-フェニルイソフタルアルデヒド(7k)。表題の化合物(135mg、0.64mmol、81%収率)は、基本手順Bの実験プロトコールに従って、クロロホルム(4mL)中の8k(170mg、0.79mmol、1.0当量)および二酸化マンガン(343mg、3.95mmol、5当量)から調製した。1H_NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 10.21 (s, 2H, H1', H3'), 8.39 (dd, J = 1.5 Hz, 2H, H4), 8.37 (t, J = 1.5 Hz, 1H, H2), 7.71 (dd, J = 8.6 Hz, J = 1.5 Hz, 2H, H2''), 7.54 (dt, J = 8.6 Hz, J = 7.3 Hz, 2H, H3''), 7.48 (dt, J = 7.3 Hz, J = 1.5 Hz, 1H, H4''). MS (ESI+): m/z 211.31 [M+H+]. 計算値MS, C14H10O2: 210.23.
【0132】
5-フェニル-1,3-ビス-アミノグアニジンフェニルヒドラゾン、二塩酸塩(2k)。表題の化合物(190mg、0.48mmol、79%収率、≧95%純度、白色固体)は、基本手順Cの実験プロトコールに従って、無水エタノール(6mL)中の7k(127mg、0.61mmol、1.0当量)およびアミノグアニジン塩酸塩(134mg、1.22mmol、1当量)から二塩酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 12.35 (bs, 2H, NH), 8.30-8.25 (m, 5H, H2, H4, H1', H3'), 8.20-7.60 (bs, 6H, NH), 7.83 (d, J = 8.4 Hz, 2H, H2''), 7.53 (t, J = 8.4 Hz, 2H, H3''), 7.44 (t, J = 8.4 Hz, 1H, H4''). 13C_NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 156.0, 146.4, 1411.7, 139.3, 135.1, 129.4, 128.5, 127.5, 126.4. MS (ESI+): m/z 323.53 [M+H+]. 計算値MS, C16H18N8: 322.38.
【0133】
3,5-ビス-(t-ブチルジメチルシリルオキシメチル)-1-ニトロベンゼン(10j)。1H-イミダゾール(500mg、7.35mmol、1.5当量)および8j(450mg、2.45mmol、1当量)を、攪拌しながら室温でCHCl(12mL)に溶解した。次いで、溶液を0℃に冷却し、t-ブチルジメチルシリルクロリド(930mg、6.12mmol、1.25当量)を単回で添加した。反応混合物を室温までゆっくりと温め、さらに3時間攪拌した。次いで、反応混合物をCHCl(15mL)で希釈し、5%クエン酸水溶液(15mL)、5%NaOH水溶液(15mL)およびブライン(15mL)で洗浄した。合わせた有機層を無水NaSOによって脱水し、減圧下で濾過および蒸発させた。粗製の3,5-ビス-(t-ブチルジメチルシリルオキシメチル)-1-ニトロベンゼン10j(900mg、2.19mmol)を、黄色油状物として得て、次の反応ステップでさらなる精製をせずに使用した。1H_NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 8.00 (s, 2H, H4), 7.62 (s, 1H, H2), 4.81 (s, 4H, H1', H3'), 0.98 (s, 18H, t-Bu), 0.1 (s, 12H, Me). MS (ESI+): m/z 412.84 [M+H+]. 計算値MS, C20H37Si2NO4: 411.69.
【0134】
3,5-ビス-(t-ブチルジメチルシリルオキシメチル)-1-アミノベンゼン(11)。10% Pd/C(80mg、触媒)を、無水EtOH(10mL)中の10j(797mg、1.93mmol、1当量)の溶液に添加し、反応混合物は、24時間水素雰囲気下において室温で強く攪拌した。次いで、反応混合物は、繰返しの洗浄のため、MeOH(50mL)を使用してセライトの経路を通して濾過した。減圧下での濃縮後、粗生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(溶離液混合物:ニートのCHClから95:5 CHCl/EtOAc)、淡黄色油状物として、純粋な3,5-ビス-(t-ブチルジメチルシリルオキシメチル)-1-アミノベンゼン11(591mg、1.559mmol、2段階で78%収率)を産出した。1H_NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 6.68 (s, 1H, H2), 6.59 (s, 2H, H4), 4.65 (s, 4H, H1', H3'), 4.00 (bs, 2H, NH), 0.98 (s, 18H, t-Bu), 0.1 (s, 12H, Me). MS (ESI+): m/z 382.82 [M+H+]. 計算値MS, C20H39Si2NO2: 381.70.
【0135】
3,5-ビス-(t-ブチルジメチルシリルオキシメチル)-1-アセトアミドベンゼン(10l)。TEA(0.55mL、4mmol、およそ5当量)および11(300mg、0.79mmol、1当量)をCHCl(8mL)中に攪拌しながら溶解した。次いで、無水酢酸(0.22mL、2.36mmol、3当量)およびジメチルアミノピリジン(ヘラ先、触媒)を添加し、溶液をさらに2時間室温で攪拌した。CHCl(15mL)による希釈後、溶液は5%クエン酸水溶液(10mL)、飽和NaHCO水溶液(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄した。合わせた有機層を無水NaSOによって脱水し、減圧下で濾過および蒸発させた。3,5-ビス-(t-ブチルジメチルシリルオキシメチル)-1-アセトアミドベンゼン10lを、粗製の黄色油状物(350mg)として得て、次の反応ステップでそのまま使用した。1H_NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 7.33 (s, 2H, H4), 7.28 (bs, 1H, NH), 7.08 (s, 1H, H2), 4.74 (s, 4H, H1', H3'), 2.22 (s, 3H, CO-Me), 0.98 (s, 18H, t-Bu), 0.1 (s, 12H, Si-Me). MS (ESI+): m/z 446.88 [M+Na+]. 計算値MS, C22H41Si2NO3: 423.74.
【0136】
3,5-ビス-(ヒドロキシメチル)-1-アセトアミドベンゼン(8l)。化合物10l(350mg、理論0.79mmol、1当量)を、窒素雰囲気下で乾燥MeOH(8mL)中に溶解した。溶液を0℃に冷却し、塩化アセチル(30μL、0.39mmol、およそ0.5当量)を攪拌しながら添加した。反応混合物を、さらに30分、0℃で攪拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、残渣をアセトン(10mL)中で粉砕し、濾過した。固体を冷アセトン(3×8mL)で洗浄し、乾燥させ、白色固体として純粋な3,5-ビス-(ヒドロキシメチル)-1-アセトアミドベンゼン8l(143mg、0.67mmol、2ステップで84%収率)を生成した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 9.92 (s, 1H, NH), 7.45 (s, 2H, H4), 6.90 (s, 1H, H2), 5.18 (bs, 2H, OH), 4.41 (s, 4H, H1', H3'), 2.00 (s, 3H, CO-Me). MS (ESI+): m/z 196.31 [M+H+]. 計算値MS, C10H13NO3: 195.22.
【0137】
5-アセトアミドイソフタルアルデヒド(7l)。表題の化合物(104mg、0.54mmol、88%収率)は、基本手順Bの実験プロトコールに従って、クロロホルム(10mL)中の8l(120mg、0.62mmol、1.0当量)および二酸化マンガン(268mg、3.10mmol、5当量)から調製した。1H_NMR (400 MHz, CD3CN): δ(ppm) 10.01 (s, 2H, H1', H3'), 8.65 (bs, 1H, NH), 8.72 (s, 2H, H4), 8.02 (s, 1H, H2), 2.09 (s, 3H, CO-Me). MS (ESI+): m/z 192.23 [M+H+]. 計算値MS, C10H9NO3: 191.19.
【0138】
1-アセトアミド-3,5-ビス-アミノグアニジンフェニルヒドラゾン、二塩酸塩(2l)。表題の化合物(163mg、0.43mmol、85%収率、≧95%純度、白色固体)は、基本手順Cの実験プロトコールに従って、無水エタノール(5mL)中の7l(97mg、0.51mmol、1.0当量)およびアミノグアニジン塩酸塩(113mg、1.02mmol、1当量)から二塩酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 12.18 (bs, 2H, NH), 10.22 (s, 1H, NH), 8.19 (s, 2H, H1', H3'), 8.17 (s, 1H, H2), 8.00-7.75 (m, 6H, NH), 7.94 (s, 2H, H4), 2.08 (s, 3H, CO-Me). 13C_NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 170.2, 156.8, 147.6, 141.2, 135.6, 122.1, 121.4, 24.4. MS (ESI+): m/z 326.40 [M+Na+]. 計算値MS, C12H17N9O: 303.33.
【0139】
3,5-ビス-(t-ブチルジメチルシリルオキシメチル)-1-p-トリルアミドベンゼン(10m)。TEA(0.23mL、1.63mmol、2当量)および11(310mg、0.82mmol、1当量)をCHCl(8mL)中に0℃で攪拌しながら溶解した。次いで、4-メチルベンゾイルクロリド(0.14mL、1.06mmol、3当量)を添加し、溶液をさらに1時間0℃で攪拌した。MeOH(1mM)によるクエンチングおよびCHCl(15mL)による希釈後、溶液は5%クエン酸水溶液(10mL)、飽和NaHCO水溶液(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄した。合わせた有機層を無水NaSOによって脱水し、減圧下で濾過および蒸発させた。粗生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(溶離液混合物:ニートのCHClから95:5 CHCl/EtOAc)、淡黄色の油状物として純粋な3,5-ビス-(t-ブチルジメチルシリルオキシメチル)-1-アミノ(p-メチルベンゾイル)ベンゼン10m(265mg、0.53mmol、67%収率)を産出した。1H_NMR (400 MHz, アセトン-d6): δ(ppm) 9.29 (bs, 1H, NH), 7.75 (d, J = 8.2Hz, 2H, H7) 7.59 (s, 2H, H2), 7.18 (d, J = 8.2 Hz, 2H, H8), 7.01 (s, 1H, H1), 4.64 (s, 4H, H3), 2.27 (s, 3H, H6), 0.82 (s, 18H, H5), 0.00 (s, 12H, H4). MS (ESI+): m/z 523.06 [M+Na+]. 計算値MS, C28H45Si2NO3: 499.84.
【0140】
3,5-ビス-(ヒドロキシメチル)-1-p-トリルアミドベンゼン(8m)。化合物10m(260mg、0.52mmol、1当量)を、窒素雰囲気下で乾燥MeOH(10mL)中に溶解した。溶液を0℃に冷却し、塩化アセチル(20μL、0.26mmol、およそ0.5当量)を攪拌しながら添加した。反応混合物を、さらに30分、0℃で攪拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、粗製の3,5-ビス-(ヒドロキシメチル)-1-p-トリルアミドベンゼン8m(140mg)を生成し、次のステップでさらなる精製をせずに使用した。1H_NMR (400 MHz, アセトン-d6): δ(ppm) 9.40 (bs, 1H, NH), 7.95 (d, J = 8.2 Hz, 2H, H2'') 7.75 (s, 2H, H4), 7.33 (d, J = 8.2 Hz, 2H, H3''), 7.12 (s, 1H, H2), 4.64 (s, 4H, H1', H3'), 2.42 (s, 3H, H4''). MS (ESI+): m/z 272.48 [M+H+]. 計算値MS, C16H17NO3: 271.32.
【0141】
5-p-トリルアミドイソフタルアルデヒド(7m)。表題の化合物(113mg、0.42mmol、83%収率)は、基本手順Bの実験プロトコールに従って、クロロホルム(10mL)中の8m(140mg、0.52mmol、1.0当量)および二酸化マンガン(340mg、5.20mmol、10当量)から調製した。1H_NMR (400 MHz, CDCl3): δ(ppm) 10.18 (s, 2H, H1', H3'), 9.96 (bs, 1H, NH), 8.73 (d, J = 4.1 Hz, 2H, H4), 8.22 (t, J = 4.1 Hz, 1H, H2), 8.00 (d, J = 8.2 Hz, 2H, H2''), 7.38 (d, J = 8.2 Hz, 2H, H3''), 2.44 (s, 3H, H4''). MS (ESI+): m/z 268.38 [M+H+]. 計算値MS, C16H13NO3: 267.29.
【0142】
1-p-トリルアミド-3,5-ビス-アミノグアニジンフェニルヒドラゾン、二塩酸塩(2m)。表題の化合物(69mg、0.15mmol、83%収率、≧95%純度、白色固体)は、基本手順Cの実験プロトコールに従って、無水エタノール(4mL)中の7m(47mg、0.18mmol、1.0当量)およびアミノグアニジン塩酸塩(41mg、0.37mmol、1当量)から二塩酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 12.15 (bs, 2H, NH), 10.43 (bs, 1H, NH), 8.23 (s, 2H, H1', H3'), 8.20 (s, 1H, H2), 8.17 (s, 2H, H4), 7.95 (d, J = 8.2 Hz, 2H, H2''), 7.83 (bs, 6H, NH), 7.37 (d, J = 8.2 Hz, 2H, H3''), 2.41 (s, 3H, H4''). 13C_NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 165.9, 155.9, 146.6, 142.4, 140.3, 134.8, 131.9, 129.5, 128.2, 122.9, 121.6, 21.5. MS (ESI+): m/z 380.50 [M+H+]. 計算値MS, C18H21N9O: 379.43.
【0143】
3,5-ビス-(t-ブチルジメチルシリルオキシメチル)-1-メチルスルホンアミドベンゼン(10n)。ピリジン(0.72mL、0.87mmol、2当量)および11(166mg、0.43mmol、1当量)をCHCl(4mL)中に0℃で攪拌しながら溶解した。次いで、4-メチルスルホニルクロリド(50μL、0.65mmol、1.5当量)を添加し、溶液を1時間0℃で、および15時間室温で攪拌した。CHCl(15mL)による希釈後、溶液は水(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄した。合わせた有機層を無水NaSOによって脱水し、減圧下で濾過および蒸発させた。粗生成物をシリカゲルで素早く溶出し(溶離液混合物:98:2 CHCl/EtOAc)、淡黄色の油状物として粗製の3,5-ビス-(t-ブチルジメチルシリルオキシメチル)-1-メチルスルホンアミドベンゼン10n(200mg)を産出し、次のステップでさらなる精製をせずに使用した。1H_NMR (400 MHz, アセトン-d6): δ(ppm) 8.44 (bs, 1H, NH), 7.12 (s, 2H, H4), 7.01 (s, 1H, H2), 4.64 (s, 4H, H1', H3'), 2.84 (s, 3H, SO2-Me), 0.83 (s, 18H, t-Bu), 0.00 (s, 12H, Si-Me). MS (ESI+): m/z 460.94 [M+H+]. 計算値MS, C21H41Si2NO4S: 459.80.
【0144】
3,5-ビス-(ヒドロキシメチル)-1-メチルスルホンアミドベンゼン(8n)。化合物10n(200mg、理論0.43mmol、1当量)を、窒素雰囲気下で乾燥MeOH(8mL)中に溶解した。溶液を0℃に冷却し、塩化アセチル(20μL、0.26mmol、およそ0.7当量)を攪拌しながら添加した。反応混合物を、さらに30分、0℃で攪拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、淡い茶色固体として粗製の3,5-ビス-(ヒドロキシメチル)-1-メチルスルホンアミドベンゼン8n(100mg)を生成し、次のステップでさらなる精製をせずに使用した。MS (ESI+): m/z 232.41 [M+H+]. 計算値MS, C9H13NO4S: 231.27.
【0145】
5-メチルスルホンアミドイソフタルアルデヒド(7n)。表題の化合物(65mg、0.29mmol、3ステップで68%収率)は、基本手順Bの実験プロトコールに従って、クロロホルム(6mL)中の8n(100mg、理論0.43mmol、1.0当量)および二酸化マンガン(300mg、4.33mmol、およそ10当量)から調製した。1H_NMR (400 MHz, アセトン-d6): δ(ppm) 10.02 (s, 2H, H1', H3'), 9.02 (bs, 1H, NH), 8.09 (s, 1H, H2), 8.01 (s, 2H, H4), 3.01 (s, 3H, SO2-Me). MS (ESI+): m/z 228.30 [M+H+]. 計算値MS, C9H9NO4S: 227.24.
【0146】
1-メチルスルホンアミド-3,5-ビス-アミノグアニジンフェニルヒドラゾン、二塩酸塩(2n)。表題の化合物(100mg、0.24mmol、83%収率、≧95%純度、白色固体)は、基本手順Cの実験プロトコールに従って、無水エタノール(3.5mL)中の7n(65mg、0.29mmol、1.0当量)およびアミノグアニジン塩酸塩(63mg、0.58mmol、1当量)から二塩酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 12.25 (bs, 2H, NH), 10.01 (s, 1H, NH), 8.24 (s, 1H, H2), 8.21 (s, 2H, H1', H3'), 7.86 (bs, 6H, NH), 7.60 (s, 2H, H4), 3.10 (s, 3H, SO2-Me). 13C_NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 155.9, 146.3, 149.6, 135.4, 122.1, 121.4, 39.98. MS (ESI+): m/z 340.50 [M+H+]. 計算値MS, C11H17N9O2S: 339.37.
【0147】
3,5-ビス-(t-ブチルジメチルシリルオキシメチル)-1-メチルスルホンアミドベンゼン(10o)。ピリジン(0.72mL、0.87mmol、2当量)および11(166mg、0.43mmol、1当量)をCHCl(5mL)中に0℃で攪拌しながら溶解した。次いで、p-トシルスルホニルクロリド(125mg、0.65mmol、1.5当量)を添加し、溶液を1時間0℃で、および6時間室温で攪拌した。CHCl(15mL)による希釈後、溶液は飽和NaHCO水溶液(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄した。合わせた有機層を無水NaSOによって脱水し、減圧下で濾過および蒸発させた。粗生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(溶離液混合物:ニートのCHClから95:5 CHCl/EtOAc)、白色固体として純粋な3,5-ビス-(t-ブチルジメチルシリルオキシメチル)-1-p-トリルスルホンアミドベンゼン10o(195mg、0.37mmol、86%収率)を産出した。1H_NMR (400 MHz, アセトン-d6): δ(ppm) 8.87 (bs, 1H, NH), 7.61 (d, J = 8.2 Hz, 2H, H2''), 7.22 (d, J = 8.2Hz, 2H, H3''), 7.06 (s, 2H, H4), 6.93 (s, 1H, H2), 4.60 (s, 4H, H1', H3'), 2.28 (s, 3H, Ar-Me), 0.85 (s, 18H, t-Bu), 0.00 (s, 12H, Si-Me). MS (ESI+): m/z 536.94 [M+H+]. 計算値MS, C27H45Si2NO4S: 535.89.
【0148】
3,5-ビス-(ヒドロキシメチル)-1-p-トリルスルホンアミドベンゼン(8o)。化合物10o(195mg、0.36mmol、1当量)を、窒素雰囲気下で乾燥MeOH(8mL)中に溶解した。溶液を0℃に冷却し、塩化アセチル(10μL、0.13mmol、およそ0.4当量)を攪拌しながら添加した。反応混合物を、さらに2時間、0℃で攪拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルのクロマトグラフにかけ(溶出液混合物:7:3 n-ヘキサン/EtOAc)、白色固体として純粋な3,5-ビス-(ヒドロキシメチル)-1-p-トリルスルホンアミドベンゼン8o(90mg、0.29mmol、81%収率)を生成した。1H_NMR (400 MHz, アセトン-d6): δ(ppm) 8.72 (bs, 1H, NH), 7.57 (d, J = 8.2 Hz, 2H, H2''), 7.18 (d, J = 8.2Hz, 2H, H3''), 7.00 (s, 2H, H4), 6.89 (s, 1H, H2), 4.39 (s, 4H, H1', H3'), 4.03 (s, 2H, OH), 2.22 (s, 3H, Me). MS (ESI+): m/z 330.41 [M+Na+]. 計算値MS, C15H17NO4S: 307.36.
【0149】
5-p-トリルスルホンアミドイソフタルアルデヒド(7o)。表題の化合物(79mg、0.26mmol、3ステップで90%収率)は、基本手順Bの実験プロトコールに従って、クロロホルム(6mL)中の8o(90mg、0.29mmol、1.0当量)および二酸化マンガン(200mg、2.9mmol、10当量)から調製した。1H_NMR (400 MHz, アセトン-d6): δ(ppm) 9.95 (s, 2H, H1', H3'), 8.02 (s, 1H, H2), 7.90 (s, 2H, H4), 7.63 (d, J = 8.2 Hz, 2H, H2''), 7.22 (d, J = 8.2Hz, 2H, H3''), 2.22 (s, 3H, Me). MS (ESI+): m/z 304.39 [M+H+]. 計算値MS, C15H13NO4S: 303.33.
【0150】
1-p-トリルスルホンアミド-3,5-ビス-アミノグアニジンフェニルヒドラゾン、二塩酸塩(2o)。表題の化合物(80mg、0.16mmol、76%収率、≧95%純度、白色固体)は、基本手順Cの実験プロトコールに従って、無水エタノール(3mL)中の7o(64mg、0.21mmol、1.0当量)およびアミノグアニジン塩酸塩(46mg、0.42mmol、1当量)から二塩酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 12.15 (bs, 2H, NH), 10.56 (s, 1H, NH), 8.17 (s, 1H, H2), 8.12 (s, 2H, H1', H3'), 7.82 (bs, 6H, NH), 7.71 (d, J = 8.2 Hz, 2H, H2''), 7.46 (s, 2H, H4), 7.36 (d, J = 8.2 Hz, 2H, H3''), 2.34 (s, 3H, Me). 13C_NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 155.4, 145.8, 143.5, 138.8, 136.6, 134.9, 129.8, 126.8, 121.2, 120.7, 21.0. MS (ESI+): m/z 416.56 [M+H+]. 計算値MS, C17H21N9O2S: 415.47.
【0151】
1,3,5-ベンゼントリカルボン酸モノメチルエステル(9p)。1.8M NaOH水溶液(9.1mL、16.4mmol、およそ2当量)を、室温で、MeOH(64mL)中の強く攪拌した1,3,5-ベンゼントリカルボン酸トリメチルエステル(2.0g、8.0mmol、1当量)に滴下により添加した。室温での攪拌は5時間続けられ、透明な溶液を得た。減圧下での溶媒の蒸発後、水(25mL)を添加し、6N HCl水溶液の滴下添加によりpHを2.0にした。生じた懸濁液をEtOAc(2×25mL)で抽出した。水(2×10mL)およびブライン(2×10mL)による洗浄後、結合した有機相を減圧下で濃縮した。粗製の1,3,5-ベンゼントリカルボン酸モノメチルエステル9p(1.5g)は、さらなる精製をせずに次の反応ステップで使用した。MS (ESI+): m/z 225.22 [M+H+]. 計算値MS, C10H8O6: 224.17.
【0152】
メチル3,5-ビス-(ヒドロキシメチル)-ベンゼンカルボン酸塩(8p)。表題の化合物(775mg、3.94mmol、2ステップで54%収率)は、基本手順Aの実験プロトコールに従って、THF(3mL)中の9p(1.5g、理論6.7mmol、1.0当量)およびTHF中1M BH(33mL、33mmol、およそ5当量)から調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 7.80 (s, 2H, H4), 7.49 (s, 1H, H2), 4.58 (s, 4H, H1', H3'), 3.45 (s, 2H, OH). MS (ESI+): m/z 197.27 [M+H+]. 計算値MS, C10H12O4: 196.20.
【0153】
5-カルボメトキシイソフタルアルデヒド(7p)。表題の化合物(645mg、3.35mmol、85%収率)は、基本手順Bの実験プロトコールに従って、クロロホルム(20mL)中の8p(775mg、3.94mmol、1.0当量)および二酸化マンガン(1.9mg、19.5mmol、およそ5当量)から調製した。MS (ESI+): m/z 193.26 [M+H+]. 計算値MS, C10H8O4: 192.17.
【0154】
1-カルボメトキシ-3,5-ビス-アミノグアニジンフェニルヒドラゾン、二塩酸塩(2p)。表題の化合物(109mg、0.29mmol、71%収率、≧95%純度、白色固体)は、基本手順Cの実験プロトコールに従って、無水エタノール(4mL)中の7p(78mg、0.41mmol、1.0当量)およびアミノグアニジン塩酸塩(90mg、0.81mmol、1当量)から二塩酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 12.30 (bs, 2H, NH), 8.64 (s, 1H, H2), 8.44 (s, 2H, H1', H3'), 8.30 (s, 2H, H4), 7.91 (bs, 6H, NH), 3.92 (s, 3H, OMe). 13C_NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 166.1, 156.0, 145.7, 135.1, 131.5, 130.7, 130.0, 53.0. MS (ESI+): m/z 305.33 [M+H+]. 計算値MS, C12H16N8O2: 304.26.
【0155】
5-カルボキシイソフタルアルデヒド(12)。2M NaOH水溶液(0.47mL、0.94mmol、1.05当量)を、室温で強く攪拌しながら、MeOH(10mL)中の7p(174mg、0.90mmol、1当量)の懸濁液に添加した。生じた懸濁液は24時間室温で攪拌した。24時間後、溶媒を減圧下で除去し、粗製の5-カルボキシイソフタルアルデヒド(160mg)をさらなる精製をせずに次のステップで使用した。MS (ESI+): m/z 169.21 [M+H+]. 計算値MS, C9H6O4: 168.14.
【0156】
5-(N-フェニルピペラジニル)カルボキサミドイソフタルアルデヒド(7q)。HOBt(162mg、1.2mmol、1.25当量)およびEDC(230mg、1.2mmol、1.25当量)を、窒素雰囲気下において室温で強く攪拌しながら乾燥CHCl(10mL)中の粗製の12(160mg、理論0.90mmol)の懸濁液に順に添加した。生じた混合物を15分間室温で攪拌し、次いで4-フェニル-1-ピペラジン(195mg、1.2mmol、1.25当量)およびTEA(0.28mL、1.8mmol、2当量)を順に添加した。生じた溶液を24時間室温で攪拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣をEtOAc(20mL)に吸収し、5%クエン酸溶液(5mL)、飽和NaHCO水溶液(5mL)およびブライン(5mL)によって洗浄した。NaSOで脱水後、合わせた有機相を減圧下で濾過および濃縮した。純粋な5-(N-フェニルピペラジニル)カルボキサミドイソフタルアルデヒド7q(90mg、0.28mmol、2ステップで30%収率)が、クロマトグラフ精製(溶出液混合物:4:6 n-ヘキサン/AcOEt+1% TEA)後に得られた。1H NMR (400 MHz, アセトン-d6): δ: 10.15 (s, 2H, H1', H3'), 8.46 (s, 1H, H2), 8.23 (s, 2H, H4), 7.32 (m, 2H, H3'''), 6.94 (m, 3H, H2''', H4'''), 3.99 (bs, 3H, H2''), 3.61 (bs, 1H, H2''), 3.30 (bs, 3H, H3''), 3.18 (bs, 1H, H3''). MS (ESI+): m/z 323.46 [M+H+]. 計算値MS, C19H18N2O3: 322.36.
【0157】
5-(N-フェニルピペラジニル)カルボキサミド-3,5-ビス-アミノグアニジンフェニルヒドラゾン、二塩酸塩(2q)。表題の化合物(110mg、0.20mmol、72%収率、≧95%純度、白色固体)は、基本手順Cの実験プロトコールに従って、無水エタノール(5mL)中の7q(90mg、0.28mmol、1.0当量)およびアミノグアニジン塩酸塩(62mg、0.56mmol、1当量)から二塩酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 12.32 (bs, 2H, NH), 8.35 (s, 1H, H2), 8.25 (s, 2H, H1', H3'), 8.09 (s, 2H, H4), 7.85 (bs, 6H, NH), 7.32 (m, 2H, H3'''), 7.21 (m, 2H, H2'''), 6.98 (m, 1H, H4'''), 3.92 (bs, 1H, H2''), 3.57 (bs, 1H, H2''), 3.28 (bs, 1H, H3''), 3.17 (bs, 1H, H3''). 13C_NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 168.5, 156.0, 145.7, 137.3, 134.9, 129.7, 128.2, 127.4, 121.2. MS (ESI+): m/z 435.63 [M+H+]. 計算値MS, C21H26N10O: 434.58.
【0158】
1,3,5-トリス-アミノグアニジンフェニルヒドラゾン、三塩酸塩(2r)。表題の化合物(105mg、0.24mmol、78%収率、≧95%純度、白色固体)は、基本手順Cの実験プロトコールに従って、無水エタノール(5mL)中の1,3,5-ベンゼントリカルボキシアルデヒド(50mg、0.31mmol、1.0当量)およびアミノグアニジン塩酸塩(105mg、0.94mmol、1当量)から三塩酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, D2O): δ(ppm) 7.57 (s, 3H, H1'), 7.30 (s, 3H, H2). 13C_NMR (100 MHz, D2O): δ(ppm) 154.5, 146.3, 133.4, 127.6. MS (ESI+): m/z 331.53 [M+H+]. 計算値MS, C12H18N12: 330.36.
【0159】
-n-ブチルアミノグアニジンヨウ化水素酸塩(14t)。S-メチルイソチオセミカルバジド二ヨウ化水素酸塩13(510mg、2.19mmol、1当量)をMeOH(6mL)に溶解し、n-ブチルアミン(325μL、3.28mmol、1当量)を室温で攪拌しながら添加した。反応混合物を、72時間後に減圧下で濃縮した。粗製のN-n-ブチルアミノグアニジンヨウ化水素酸塩14tを、精製をせずに次のステップで使用される赤色油状物(565mg)として得た。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 8.46 (bs, 1H, NH), 7.25 (bs, 3H, NH), 4.69 (bs, 2H, NH), 3.13 (s, 2H, H1), 1.48 (m, 2H, J = 7 Hz, H2) 1.28 (m, 4H, J = 7 Hz, H3), 0.92 (m, 3H, J = 7 Hz, H4).MS (ESI+): m/z 131.26 [M+H+]. 計算値MS, C5H14N4: 130.19.
【0160】
1,3-ビス-(N-n-ブチルアミノ)グアニジンフェニルヒドラゾン、二ヨウ化水素酸塩(2t)。表題の化合物(265mg、0.44mmol、53%収率、≧95%純度、淡黄色固体は)、基本手順Dの実験プロトコールに従って、および分取HPLC分離(溶離液混合物:ニート水からニートCHCN)により、無水エタノール(5mL)中のイソフタルアルデヒド(110mg、0.82mmol、1.0当量)および14t(490mg、理論1.90mmol、1.15当量)から二ヨウ化水素酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 11.44 (bs, 2H, NH), 8.25 (m, 3H, H1', H3', H2), 8.21-7.90 (bs, 4H, NH), 8.03 (d, J = 8.1 Hz, 2H, H4), 7.57 (t, J=8 Hz, 1H, H5), 3.37 (m, 4H, H6), 1.54 (m, 4H, H7), 1.35 (m, 4H, H8), 0.94 (t, J = 7.12 Hz, 6H, H9). 13C_NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 154.4, 146.5, 134.5, 129.6, 127.5, 41.3, 31.1, 19.7, 14.1.MS (ESI+): m/z 359.69 [M+H+]. 計算値MS, C18H30N8: 358.51.
【0161】
-ベンジルアミノグアニジンヨウ化水素酸塩(14u)。S-メチルイソチオセミカルバジドヨウ化水素酸塩13(995mg、4.28mmol、1当量)をMeOH(8mL)に溶解し、ベンジルアミン(470μL、4.28mmol、1当量)を室温で攪拌しながら添加した。反応混合物を、72時間後に減圧下で濃縮した。N-ベンジルアミノグアニジンヨウ化水素酸塩14uは、オレンジ色固体としてEtOH/ジエチルエーテルから再結晶後に得た(425mg、1.46mmol、34%収率)。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 8.69 (bs, 1H, NH), 7.46-7.20 (m, 8H, NH, H2, H3, H4), 4.76 (s, 2H, NH2), 4.42 (s, 2H, H1'). MS (ESI+): m/z 165.27 [M+H+]. 計算値MS, C8H12N4: 164.21.
【0162】
1,3-ビス-(N-ベンジルアミノ)グアニジンフェニルヒドラゾン、二ヨウ化水素酸塩(2u)。表題の化合物(177mg、0.26mmol、70%収率、≧95%純度、淡黄色固体)は、基本手順Dの実験プロトコールに従って、および分取HPLC分離(溶離液混合物:ニート水からニートCHCN)により、無水エタノール(5mL)中のイソフタルアルデヒド(50mg、0.37mmol、1.0当量)および14u(250mg、0.86mmol、1.3当量)から二ヨウ化水素酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 11.60 (bs, 2H, NH), 8.57 (m, 2H, H4), 8.27 (m, 3H, H2, H1', H3'), 8.05 (bs, 4H, NH), 7.55 (t, J = 7.8 Hz, 1H, H5), 7.35 (m, 10H, H2'', H3'', H4''), 4.60 (d, J = 5.4 Hz, 4H, H1''). 13C_NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 154.7, 146.9, 137.5, 134.5, 129.6, 129.0,1128.0, 127.7, 127, 5, 44.5.MS (ESI+): m/z 449.69 [M+Na+]. 計算値MS, C24H26N8: 426.53.
【0163】
-ピロリジニルグアニジンヨウ化水素酸塩(14v)。S-メチルイソチオセミカルバジドヨウ化水素酸塩13(1.21g、5.21mmol、1当量)をMeOH(10mL)に溶解し、ピロリジン(650μL、7.81mmol、1.5当量)を室温で攪拌しながら添加した。反応混合物を、72時間後に減圧下で濃縮した。粗製のN-ピロリジニルグアニジンヨウ化水素酸塩14vは、EtOAc(20mL)による摩砕、減圧下での溶媒濃縮、ジエチルエーテル(20mL)による摩砕、ジエチルエーテル(3×5mL)による濾過および洗浄から得た。粗製の14v(1.22g、ピンク固体)は、次の反応ステップでそのまま使用した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 8.74 (bs, 1H, NH), 7.22 (bs, 3H, NH), 4.78 (bs, 2H, NH2), 3.30 (t, 4H, J = 6.4, H1), 1.90 (m, 4H, J = 6.4, H2). MS (ESI+): m/z 129.22 [M+H+]. 計算値MS, C5H12N4: 128.18.
【0164】
1,3-ビス-(N-ピロリジニル)グアニジンフェニルヒドラゾン、二ヨウ化水素酸塩(2v)。表題の化合物(128mg、0.21mmol、70%収率、≧95%純度、淡黄色固体)は、基本手順Dの実験プロトコールに従って、無水エタノール(3mL)中のイソフタルアルデヒド(40mg、0.30mmol、1.0当量)および14v(168mg、0.66mmol、1.1当量)から二ヨウ化水素酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 11.31 (bs, 2H, NH), 8.43 (s, 2H, H1', H3'), 8.28 (s, 1H, H2), 8.06 (d, J = 7.84 Hz, 2H, H4), 7.97 (bs, 4H, NH), 7.57 (t, J = 7.84 Hz, 1H, H5), 3.50 (t, J = 6.4 Hz, 8H, H1''), 2.00 (t, J = 6.4 Hz, 8H, H2''). 13C_NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 152.3, 147.1, 134.5, 129.8, 129.7, 127.4, 48.1, 25.1.MS (ESI+): m/z 355.58 [M+H+]. 計算値MS, C18H26N8: 354.46.
【0165】
1-p-トリルアミド-3,5-ビス-(N-n-ブチルアミノ)グアニジンフェニルヒドラゾン、二ギ酸塩(2w)。表題の化合物(170mg、0.29mmol、69%収率、≧95%純度、淡ピンク固体)は、基本手順Dの実験プロトコールに従って、および分取HPLC分離(溶離液混合物:ニート水からニートMeOH+0.3%ギ酸)により、無水エタノール(7mL)中の7m(110mg、0.42mmol、1.0当量)および14t(254mg、0.98mmol、1.2当量)から二ギ酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 10.32 (bs, 1H, NH), 8.64 (bs, 2H, NH), 8.31 (s, 2H, NH), 8.13 (s, 2H, H1', H3'), 8.08 (s, 1H, H2), 8.05 (s, 2H, H4), 7.93 (d, J = 8.2 Hz, 2H, H2''), 7.83 (bs, 4H, NH), 7.36 (d, J = 8.2 Hz, 2H, H3''), 3.24 (bs, 4H, H1'''), 2.40 (s, 3H, H4''), 1.53 (m, 4H, H2'''), 1.36 (m, 4H, H3'''), 0.92 (t, J = 8.3 Hz, 6H, H4'''). 13C_NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 166.2, 165.9, 144.9, 142.3, 140.1, 132.1, 129.4, 128.2, 122.1, 121.8, 40.4, 31.3, 21.5, 19.9, 14.1. MS (ESI+): m/z 492.70 [M+H+]. 計算値MS, C26H37N9O: 491.64.
【0166】
1,3-ビス-(N-イミダゾリジニル)グアニジンフェニルヒドラゾン、二臭化水素酸塩(2x)。表題の化合物(196mg、0.43mmol、82%収率、≧95%純度、白色固体)は、基本手順Dの実験プロトコールに従って、無水エタノール(3.5mL)中のイソフタルアルデヒド(70mg、0.52mmol、1.0当量)およびイミダゾリジンアミノグアニジン臭化水素酸(198mg、1.10mmol、1.05当量)から二臭化水素酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 12.42 (bs, 2H, NH), 8.75 (bs, 4H, NH), 8.27 (s, 2H, H1', H3'), 8.22 (s, 1H, H2), 7.99 (d, J = 7.79 Hz, 2H, H4), 7.59 (t, J = 7.79 Hz, 1H, H5), 3.77 (s, 8H, H1''). 13C_NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) δ 157.9, 148.1, 132.9, 130.0, 129.6, 128.0, 43.0. MS (ESI+): m/z 295.47 [M+H+]. 計算値MS, C14H18N8: 294.35.
【0167】
1,3-ビス-(N-メチル-N-イミダゾリジニル)グアニジンフェニルヒドラゾン、二臭化水素酸塩(2y)。表題の化合物(205mg、0.42mmol、80%収率、≧95%純度、白色固体)は、基本手順Dの実験プロトコールに従って、無水エタノール(3.5mL)中のイソフタルアルデヒド(70mg、0.52mmol、1.0当量)およびN-メチルイミダゾリジンアミノグアニジン臭化水素酸(213mg、1.10mmol、1.05当量)から二臭化水素酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6/D2O混合物): δ(ppm) 8.38 (s, 1H, H2), 8.19 (s, 2H, H1', H3'), 8.05 (d, J = 7.75 Hz, 2H, H4), 7.60 (t, J = 7.75 Hz, 1H, H5), 3.81 (s, 6H, N-Me), 3.75 (s, 8H, H1''). 13C_NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 159.5, 144.4, 134.5, 130.0, 129.7, 128.3, 43.6, 22.2. MS (ESI+): m/z 327.49 [M+H+]. 計算値MS, C16H22N8: 326.41.
【0168】
1,3-ビス-(N-ベンズイミダゾリジニル)グアニジンフェニルヒドラゾン、二酢酸塩(2z)。N,N’-ベンズイミダゾリルアミジノグアニジン(110mg、0.74mmol、1.05当量)およびAcOH(50μL)を、無水EtOH(5mL)中のイソフタルアルデヒド(46mg、0.34mmol、1当量)の溶液に、室温で攪拌しながら添加した。反応混合物は、2時間加熱還流した。室温まで冷却し、濾過後、固体沈殿物を回収し、水(2×5mL)で洗浄し、乾燥して、黄色固体として純粋な1,3-ビス-N-ベンズイミダゾリルグアニジンフェニルヒドラゾン、二酢酸塩2z(87mg、0.22mmol、66%収率)を産出した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 11.68 (bs, 4H, NH), 8.36 (s, 1H, H2), 8.15 (s, 2H, H1', H3'), 7.75 (d, J = 7.7 Hz, 2H, H4), 7.59 (t, 1H, J = 7.7 Hz, H5), 7.33 (m, 4H, H1''), 7.05 (m, 4H, H2''). 13C_NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 149.8, 146.4, 134.8, 131.6, 129.7, 128.9, 127.4, 123.6, 112.6. MS (ESI+): m/z 395.55 [M+H+]. 計算値MS, C22H18N8: 394.44.
【0169】
参照例
1’,3’-ジメチル-1,3-ビス-アミノグアニジンフェニルヒドラゾン、二塩酸塩(化合物(VIII))。表題の化合物(274mg、0.73mmol、70%収率、≧95%純度、白色固体)は、基本手順Cの実験プロトコールに従って、無水エタノール(10mL)中の1,3-ジアセチルベンゼン(170mg、1.05mmol、1.0当量)およびアミノグアニジン塩酸塩(232mg、2.10mmol、1当量)から二塩酸塩として調製した。1H_NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm) 11.40 (bs, 2H, NH), 8.35 (s, 1H, H2), 8.06 (d, J = 9.2 Hz, 2H, H4), 8.15-7.60 (bs, 6H, NH), 7.50 (t, J = 9.2 Hz, 1H, H5), 2.41 (s, 6H, Me). 13C_NMR (100 MHz, D2O): δ(ppm) 155.3, 152.7, 136.0, 128.6, 127.6, 124.0, 13.3. MS (ESI+): m/z 275.45 [M+H+]. 計算値MS, C12H18N8: 274.33.
【0170】
生物学
細胞培養
マウスアルビノ神経芽細胞腫Neuro2a細胞は、標準培地(DMEM+2mMグルタミン+10%ウシ胎仔血清(FBS))中で維持した。サブコンフルエントな培養(70~80%)を1:3~1:8に分け、すなわち4×10000個の細胞/cmで播種し、5% CO;37℃に維持した。トランスフェクションは、製造業者の説明書に従って、Lipofectamine(登録商標)LTX トランスフェクション試薬(Thermofisher)を使用して実施した。以下のプラスミドを使用した:pcDNA3.1(+)SOD1G93A、pCAGG GFP、pCMV-LacZ、CMV-VPS35、Sigma Mission shRNA:TRCN000011556(Sh56)、TRCN000011559(Sh59)、TRCN000011558(Sh58)、スクランブル。
【0171】
細胞生存実験は、製造業者の推奨に従って、Cell Counting Kit-8(CCK8)生存キット(96992-Sigma)を使用して96ウェルプレートで実施した。化合物2aの細胞毒性は、48時間漸増量の化合物2a(1、10、50、100、200、500および1000μM)を受けるNeuro2a細胞で試験した。
【0172】
LDHの細胞毒性は、LDH-Glo(商標)Cytotoxicity Assay(Promega)を使用して96ウェルプレートで実施した。簡潔に述べると、Neuro2a細胞は、VPS35低分子干渉プラスミド(Sh56)または化合物2a(10μM)ありまたはなしで、pCMV-LacZ;pcDNA3.1(+)SOD1G93Aをコードするプラスミドによってトランスフェクトした。製造業者の推奨に従って、48時間後、5μlの上澄み液をLDH保存緩衝液(Tris-HCl 200mM、10%グリセロール、1%BSA、Sigma-Aldrich)中で100倍に希釈し、LDHを決定するために使用した。最大LDH放出対照は、2μLの10% TritonX-100(Sigma-Aldrich)によって未処置のNeuro2a細胞を溶解して得た。各実験では、本発明者らは、%細胞毒性=(Exp.LDH Release-Medium Background)/(Max LDH Release Control-Medium Background)を算出し、本発明者らは、平行して200μM Hによる陽性対照処置細胞を実行した。
【0173】
6ウェルプレートに播種したNeuro2a細胞にシクロヘキシミド(CHX)アッセイを行い、24時間化合物2a(10μM)またはビヒクルとインキュベートした。次に、本発明者らはCHX(Sigma)を10μg/mLで添加し、VPS35レベルの経時的アッセイの0、2、4および8時間で細胞を回収した。
【0174】
オートファジーアッセイは、pHluorin-mKate2-タグ付きヒトLC3プラスミドを発現する安定なNeuro2a細胞クローンを使用して行い、本発明者らの発表した方法(Mazzocchi 2016)に従って細胞クローンを生成した。トランスフェクション時に、細胞は400μg/mL G418 二硫酸塩溶液(Sigma-Aldrich、St.Louis、MO)によって選択し、限界希釈によりさらにクローニングした。候補細胞クローンをフローサイトメトリー(Cytoflex-S)によって評価し、クローン7B11を選択した。アッセイの品質管理は、バフィロマイシンA1(200nM)およびTorin-1(250nM)処置したNeuro2a 7B11細胞におけるZ因子(>0.5)およびSSMD(バフィロマイシンA1では>4.7、Torin-1では<4.7)値を算出して行った(7回の独立した実験)。Neuro2a 7B11細胞は、48時間化合物2a(0.1~100μM)によって処置し、次いでpHfluorinのMFIレベルはフローサイトメトリーにより生細胞で測定した。
【0175】
Neuro2a細胞におけるアミノグアニジンヒドラゾン2a-2mmのライブラリーのスクリーニング。
Neuro2a細胞は、100000個の細胞/ウェルの濃度で12ウェルのマルチウェルに播種した。細胞は、標準R55を含む各化合物と10μMで48時間インキュベートした。次いで細胞を、PBS1×で洗浄し、プロテアーゼ阻害剤カクテル(Sigma)1×と、Tris-HCl 10mM pH8、EDTA 1mM pH8、NaCl 100mM、NP40 1%を含有する緩衝液で溶解した。細胞スクレーパーを使用して、各ウェルから全ライセートを回収し、BCAで定量した(BCAタンパク質アッセイ、Thermofisher)。5μgをプレキャスト10%アクリルアミドゲル(Biorad)で分離した。タンパク質をPVDFメンブレン(Millipore)に移し、以下の抗体を使用してウェスタンブロットを実施した:ヤギαVPS35(1:1000)、マウスα-βアクチン(1:10000)。タンパク質の検出は、化学発光検出キット(PerkinElmer)によって得られた。
【0176】
免疫ブロッティング
腰髄は、生理食塩水で灌流したマウスから解剖し、以下の溶解緩衝液中で素早くホモジナイズした:Tris-HCl 10mM pH8、EDTA pH8 1mM、NaCl 100mM、NP40 1%およびプロテアーゼ阻害剤カクテル(Sigma)。タンパク質抽出物は、タイトフィットガラスPotter組織粉砕機(1ml;Wheaton)を使用して得られ、次いで20kHz(10回~1秒)の頻度で超音波処理した。細胞培養からのタンパク質ライセートは、PBS1×洗浄を受けるプレートから得られ、続いて溶解緩衝液を超音波処理した。タンパク質濃度は、製造業者の推奨に従って、BCAタンパク質アッセイキット(Thermofisher)によって測定した。10μgのタンパク質抽出物を、PAGE(Bio-Rad)のため10% Mini-PROTEIN TGX Stain-Freeプレキャストゲルにロードした。ゲル電気泳動は、2時間100Vで実施した。ゲルは、製造業者の説明書(Millipore)に従って、Immobilon(登録商標)-P PVDFメンブレンに移した。ブロットは、シェイカー上で、4℃で終夜、一次抗体:ヤギα-VPS35 1:800(ab10099、Abcam);ウサギα-VPS26b 1:1000(15915-1-AP、ProteinTech);ウサギα-VPS29 1:1000(ab236796 Abcam);マウスα-βアクチン 1:25000(Sigma);マウスα-Golgin97 1:1000(Invitrogen);マウスα-Ubiquitin 1:500(Merk)を結合させる前に1時間、Tris緩衝生理食塩水+0.1% Tween-20(TBS-T)中の5% BSAでブロックした。TBS-T 1×で数回洗浄後、ブロットは室温で1時間、適当なHRP-標識二次抗体(Bio-Rad)とインキュベートした。タンパク質バンドの可視化は、製造業者の説明書に従って、ClarityMax-ECL(Bio-Rad)を使用して得られ、画像はChemiDoc(Bio-Rad)で獲得した。定量は、Image Lab6.0.1ソフトウェア(Bio-Rad)を使用して行った。
【0177】
ブルーネイティブゲル電気泳動
G93AマウスおよびそれらのWT同腹仔は、ビヒクルまたは化合物2a(10mg/kg、83日から103日)を毎日注射した。生理食塩水灌流したマウスから解剖した腰髄を、Tris-HCl 10mM pH8、EDTA 1mM pH8、NaCl 100mM、NP40 1%およびプロテアーゼ阻害剤カクテル(Sigma)中に溶解した。抽出物は、タイトフィットガラスPotter組織粉砕機(1ml;Wheaton)を使用して得た。本発明者らは、250μlの各抽出物を100mM ヨードアセトアミド(Sigma)とインキュベートした。試料は、4×Sample Native PAGE(Thermofisher)試料緩衝液およびG-250添加剤(Thermofisher)と混合し、タンパク質は、150Vでゲルの長さの1/3まで、Dark Blue Cathode緩衝液(Thermofisher)によりネイティブ4~15% Bis-Trisゲル(Bio-Rad)で分解した。本発明者らは、ランニング緩衝液をLight Blue Cathode Bufferと置き換え、ランを完了した。電気泳動の終了時に、ゲルを15分間5mM tris(2-カルボキシエチル)ホスフィン(Sigma)で洗浄し、次いでタンパク質をニトロセルロースに移し、15分間8%酢酸によってメンブレン上に固定した。ウサギα-SOD1(1:2000、Genetex)は、上記のように終夜インキュベートした。タンパク質の可視化は、製造業者の説明書に従って、ClarityMax-ECL(Bio-Rad)を使用して実施し、画像はChemiDoc(Bio-Rad)で獲得した。
【0178】
免疫組織化学、免疫蛍光および形態計測解析
パラフィン包埋したSCはTarget ALS Human Postmortem Tissue CoreからのALS患者および非神経対照から得た。切片はINSPE組織Bankで保存した。切片は、脱水および抗原回復(スライドを、水浴によりTRIS EDTA pH=9中で97℃に温めた)後に、ポリクローナルVPS35抗体(1:400 Abcam ab97545)およびポリクローナルVPS26抗体(ab23892 Abcam)とインキュベートした。ペルオキシダーゼ-ジアミノベンジジン(DAB)反応は、一次抗体、ビオチン化抗ウサギIgG(H+L)(1:500 Vector laboratories)およびアビジン-ビオチン複合体(ABC 1:100 Vector laboratories)を検出するために使用した。続いて、疾患状態および人口統計データを盲検にしたオペレーターがこれらの切片を評価した。
【0179】
マウスからの切片(凍結乾燥切片)または細胞を含有するガラスカバーを、PBS 1×(Lonza、各5分)で3回洗浄し、以下のブロッキング混合物:PBS 1×/FBS 10%(Invitrogen)、BSA 1mg/mL(Sigma)、TritonX100 0.1%(Sigma)中で、室温で1時間インキュベートした。製造業者の説明書に従って、抗体をブロッキング混合物で希釈し、+4℃で終夜インキュベートした。次の日、切片をPBSでリンスし、ブロッキング混合物中で希釈した蛍光二次抗体-すなわち、一次抗体が由来する種に由来しない-(Alexafluorコンジュゲート)を、製造業者の説明書に従って使用した。スライドは、核の対比染色のためHoechst33342(Sigma)とインキュベートした。必要であれば、本発明者らは、試料を5分間10mMクエン酸ナトリウム(pH6)中でボイルすることにより抗原回復を実施した。以下の抗体および作用濃度を使用した:ウサギα-VPS35 1:1000(ab97545 Abcam);ウサギα-VPS26 1:1000(ab23892 Abcam);ウサギα-Sortilin 1:1000(ab16640 Abcam);マウスα-CI-MPR 1:100(Novus bio.NB-300-514)、マウスα-NeuN 1:800(Millipore MAB377);マウスα-Ubiquitin 1:500(Millipore MAB1510);マウスαGolgin97 1:700(Thermofisher A21270);ウサギα-ISLET 1:1000(ab20670 Abcam);ヤギα-ChAT 1:200(Millipore ab144p);トリα-GFP 1:1000(Invitrogen);トリα-Neurofilament-medium 1:500(Biolegend PCK-593P);ラットα-MBP 1:100(Dr.A.Bolinoのご厚意により提供された);マウスα-GM130 1:100(BD biosciences,610823);ラットα-CTSD 1:100(R&D system MAB1029)。適当であれば、チラミドシグナル増幅(TSA、PerkinElmer)を使用して、単一のおよび二重の免疫蛍光における蛍光強度を改善した。
【0180】
画像化
本発明者らは、以下のカメラ:Leica CCD顕微鏡DFC3000 GおよびDMC2900を搭載した以下の対物レンズ:X20、X40およびX63を備えたOlympus、BX51を使用して、16ビットの光および蛍光画像(1296×966ピクセル)を得た。蛍光画像は、Photoshop(Adobe)CS4またはNHI-ImageJソフトウェア(米国国立衛生研究所)を使用してマージした。本発明者らは、X40およびX64対物レンズを備え、高感度HyD検出器を搭載したLeica SP8を使用して、共焦点画像を得た。本発明者らは、方形の8ビット画像(1024×1024ピクセル)として各蛍光シグナルを記録した。画像は、Las-Xソフトウェアを使用して後処理し、Z-stackの最大射影(0.4~0.8μmステップで獲得)およびZ-stackの横断面プロファイル(0.3μmステップで獲得)および疑似カラーを作成した。
【0181】
ELISAアッセイ
Raw264.7細胞(10個/ウェル)は、1時間、化合物2a、CNI-1493またはビヒクルによって処置し、次いで本発明者らはLPS(100ng/ml)を適用し、上澄み液を4時間後に回収した。本発明者らは、製造業者の説明書に従って、マウスTNFα(BD-Biosciences)の検出のためのOptEIA(商標)セットにより、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)手順を使用した。TNFαの濃度を、標準曲線に従って算出し、マイクロリットル当たりナノグラムとして表した。サイトカインの濃度が検知閾値以下である場合、それらは0ng/μlと仮定した。
【0182】
組織MNにおけるMFIレベルの定量
VPS35、VPS26、CI-MPR、Sortilin、CTSDおよびUbiquitinの蛍光強度レベルは、以下のプロトコールに従って、NHI-ImageJソフトウェア(米国国立衛生研究所)を使用して算出した:共焦点画像のスタックを使用して、最大射影(Las-X)を生成し、次いでNHI-ImageJにより事後処理し、脊髄腹側角からの単一のNeuNMNを得た。次に、本発明者らは、NHI-ImageJ平均値フィルター(半径2.0ピクセル)を適用して個々のMNにおいて平均NeuN蛍光レベルを算出する前に、各チャネルの背景(二次抗体のみを受けた隣接する切片で算出)除去を実施した。このアプローチを使用して、本発明者らは、単一のMNをゲートする目的の領域(ROI)を確立した。この選択されたROIでは、本発明者らは、各タンパク質の平均蛍光レベル(MFI)を算出した。
【0183】
Neuro2aにおけるゴルジ装置の形態学的評価
ゴルジ形態は、公開された方法(Stafa 2012)に従って、化合物2a(10μM)ありまたはなしで、G93Aプラスミドを受ける対照またはNeuro2a細胞において評価した。各実験では、本発明者らは、さらなる対照としてGFPトランスフェクト細胞を含めた。本発明者らは、Golgin97免疫蛍光を使用して、トランスゴルジネットワークメンブレンを標識した。本発明者らはゴルジ形態を以下のように分類した:正常(分極したネットワーク)、中間体(部分的に断片化)または断片化(細胞質全体に散乱したゴルジ層板によりひどく断片化)(Stafa 2012)。各実験では、細胞は3つのカバースリップから無作為にサンプリングされた。ゴルジサブクラスは、各実験条件でスコア化したゴルジ体の総数のパーセントとして表した。
【0184】
微小電極アレイ(MEA)記録
一次神経細胞培養は、E16.5 C57BL6J胚の大脳皮質から確立した。解剖時に、細胞をMEAバイオチップ(60電極MEAバイオチップ、200μm電極間隔および30μm電極直径を有し、内部参照電極を有する、Multichannel Systems,GmbH)に3×10個の細胞/MEAの密度でプレートし、14日間、B27を補足したNeurobasal培地中で維持した。14日目に、神経細胞培養を、Krebs-Ringer-Hepes緩衝液(KRH、130mM NaCl、5mM KCl、1.2mM KH2PO4、1.2mM MgSO4、2mM CaCl2、25mM Hepes、0.6%グルコース、1%グルタミン、Sigma)中で漸増濃度のリード2a(1、3、10、30および100μM)に曝露した。発火活性は、前増幅段階(MEA-1060-Inv-BC-標準、ゲイン:55、バンド幅:300Hz~8kHz、MCS GmbH)、増幅および濾過段階(FA64S、ゲイン20、バンド幅:10Hz~6kHz、MCS GmbH)ならびにデータ獲得装置(サンプリング頻度:25kHz)を使用して記録した。次いで、オフラインシグナル処理を実施し、生データをMC-Rack ソフトウェア(MCS GmbH)により解析した。
【0185】
リアルタイムPCR
生理食塩水で灌流したマウスから解剖した腰髄またはNeuro2a細胞を溶解し、製造業者の推奨に従って、DNase(Promega)消化を含む、RNeasy Mini Kit(Qiagen)を使用して全RNAを抽出した。本発明者らは、製造業者の説明書に従って、ThermoScript RT-PCRシステム(Invitrogen)およびRandom Hexamer(Invitrogen)を使用してcDNAを合成した。LightCycler 480 System(Roche)およびLightCycler480 SYBR GreenI Master Mix(Roche)を、リアルタイムPCR実験に使用した。ノーマライゼーションは、ハウスキーピング遺伝子Histon H3(H3 F:5’-GGTGAAGAAACCTCATCGTTACAGGCCTGGTAC-3’ H3 R:5’-CTGCAAAGCACCAATAGCTGCACTCTGGAAGC-3’)を使用して得た。以下の特異的プライマーを遺伝子発現解析に使用した:
VPS35F:5’-GTGCCGTGGTGTGCAGCATCCG-3’
VPS35R:5’-ATGCTGCATCCGCACCCAGAGC-3’
VPS26AF:5’-GCTAAGTATGAAATAATGGATGGGGC-3’
VPS26AR:5’-CTTGTTCACATCTCTCATCGTGGGG-3’
VPS29F:5’-CCAGCACATCCTCTGCACCGGC-3’
VPS29R:5’-CCACGGAATAACTTGGTGTCCGTG-3’
【0186】
薬理学-インビボ
マウスから単離した脳および血液試料における化合物2aの検出
健康なマウスは、ビヒクルまたは化合物2a(10mg/kg)を毎日注射し、1、7、15、および30日後に屠殺した。生理食塩水による灌流時に、脳を頭蓋骨から分離し、注意深く計量し、すぐにドライアイス中で保存した。次いで、脳(~400mg)の化合物2aの存在を調べた。抽出は、Yuanら、2012で報告されたプロトコールに従ってMeOHにより実施した。抽出後、各生物試料を60μlのLC/MSグレード水中に再懸濁し、5μLを、ポジティブモードでTriple TOF5600+マススペクトロメーター(SCIEX)と組み合わせたUPLC1290(Agilent Technologies)を使用して、LC-MS/MSによって解析した。Waters ACQUITY UPLC BEH HILICカラム(2.1×10mm、1.7μm)を、溶媒A(ACN+0.1% FA)および溶媒B(HO+0.1% FA)の勾配を通すクロマトグラフィーによる分離に使用した。MultiQuant2.1ソフトウェア(SCIEX)を使用して、ピーク領域対相当する濃度をプロットすることにより、検量線を構築した。
【0187】
ヒト誘導性多能性幹細胞(hiPSC)からMNの生成
San Raffaele Hospitalでのインフォームフォコンセント後に、ALS患者および健常ボランティアからの皮膚生検を局所麻酔下で実施した。プロトコールは、地元の倫理委員会によって認可された。一次線維芽細胞は、Glutamax Iを含むダルベッコ変法イーグル培地(GIBCO)で増殖させた。ヒトiPS細胞株は、インテグレートしないセンダイウイルスを使用して生成し、胚性幹細胞(HESC)Matrigel(Corning)上のmTeSR1(Stem Cell Technologies)中でフィーダー細胞を含まない条件で維持した。MNは、最小限に改変したDuおよび同僚によって公表されたプロトコールに従って生成した(Duら、2015)。簡潔に述べると、hiPSCがコンフルエンスに達すると、それらはEDTAを使用して剥がし、Matrigel ESコートしたディッシュの、ROCK阻害剤(StemMACS、Miltenyi Biotec)を補足したmTeSR1中に、1:4でプレートした。次の日、培地を既知組成のneural培地:DMEM/F12、Neurobasal培地 1:1比、1% B27、0.5% N2(全てGibco、ThermoFisher Scientific)、1% P/S(Gibco)、1% Glutamax(Gibco)および0.1mMアスコルビン酸(Sigma)によって置き換えた。CHIR99021(3μM、Tocris)、DMH1(2μM、Tocris)およびSB431542(2μM、Miltenyi Biotec)を培地に添加した。6日目まで、1日おきに培地を交換した。7日目に、細胞をDispase(1U/mL)によって分離し、1:4に分け、1μM CHIR99021、2μM DMH1、2μM SB431542、RA(レチノイン酸、0.1μM、Sigma)およびSAG(Smoothened Agonist、0.5μM、Calbiochem)を補足した上記のbasal neural培地中、Matrigel増殖因子低減(MaGR)で6日間維持した。13日目に、細胞をDispase(1U/mL)によって分離し、1:4に分け、3μM CHIR99021、2μM DMH1、2μM SB431542、0.1μM RA、0.5μM SAGおよび0.5mM Valproic Acid(VPA、Tocris)を補足したneural培地中で6日間維持した。MN分化を誘導するため、細胞をDispase(1U/mL)によって分離し、0.5μM RAおよび0.1μM SAGを含むneural培地中、懸濁液で6日間培養した。25日目に、細胞をAccumax(Sigma)によって単一細胞へと分離し、MaGRコートしたプレートの、0.5μM RA、0.1μM SAG、0.1μM 化合物E(Calbiochem)を含むneural培地中に、35日目までプレートした。通常、培地の半分を1日おきに交換した。
【0188】
動物
マウスは、San Raffaele Hospitalマウス施設(Milan、Italy)の病原体フリー条件下で維持した。1986年11月24日のEuropean Communities Council Directive(86/609/EEC)により、苦しむ動物を最小限にし、使用するマウスの数を減らす全ての努力がなされた。全ての動物実験プロトコールは、イタリア保健省の動物実験倫理委審査委員会によって認可された。手順は、San Raffaele Scientific Instituteの動物実験委員会のガイドラインに従って実施した(プロトコール番号693/2015PR)。SOD1G93Aアリールを持つトランスジェニック変異SOD1マウス(株B6.Cg-Tg(SOD1G93A)1Gur/J)は、Jackson研究所から購入したが、繁殖および実験目的で使用したC57BL6JはCharles River(イタリア)から購入した。化合物2a(10mg/kg)は、処置および遺伝子型を知らないオペレーターによって、毎日腹腔内に注射された。屠殺時、マウスに過剰量の麻酔薬を与え、生理食塩水により、続いて80/100mlのPBS中4%のパラホルムアルデヒド、pH7.2(Sigma)により経心的に灌流した。脊髄は、~6mmの厚さで冠状にスライスし、+4℃で12時間、PBS中4%のパラホルムアルデヒド(Sigma)、pH7.2で後固定した。組織は、PBS/30% スクロース(Sigma)中で凍害保護し、OCT包含培地中に包埋し、プロセシングの前に-80℃に保存した。腰髄は12μMの切片にし、標識し、デジタル画像を2.5mmの脊髄を包含する領域で350μmごとに獲得した。動物コホート数は、予備調査結果に基づき、電力解析によって決定した。
【0189】
坐骨神経の比較研究は、生理食塩水による灌流の際に除去され、すぐに0.12mol/Lリン酸緩衝液中の2%グルタルアルデヒドで固定し、1%四酸化オスミウムで後固定し、Epon(Fluka)に包埋した組織で行った。半薄切片(1μm厚)はトルイジンブルーによって染色し、光学顕微鏡(Olympus BX51)によって調べた。相当するレベルの坐骨神経からのデジタル化したオーバーラップしない半薄切片画像を、40×対物レンズを使用してデジタルカメラ(Leica DFC300F)によって得た。定量は、各マウスからの少なくとも5個の獲得した画像で行った。変性している神経線維の数は、ImageJソフトウェアを使用して定量した(国立衛生研究所、Bethesda、MD)。
【0190】
運動機能
G93Aマウスの運動活性は、ロータロッドより評価した。マウスは、静止ローター上で1分間、一定のスピード(4rpm)で1分間を2回で慣らし、次いで3連続日(1日1回)に実施した3回の試験での運動機能を試験した。各試験は、15分間隔のセッションによる、3回の試験セッションからなる。各セッションでは、5匹のマウスを加速するローター(4~40rpm)に置き、落下までの時間を記録し、個々の動物の最大限度を900秒に設定した。
【0191】
統計
本発明者らは、独立した実験の平均値(±標準誤差(s.e.m)または±標準偏差(s.d.))としてデータを表した。本発明者らは、Kolmogorov-Smirnov検定(P値はDallas-Wilkinson-Lilleによる)またはD’Agostino&Pearsonオムニバス正規性検定のいずれかを適用してデータの正規性を評価した。比較は以下の検定を使用して行った:独立t検定、一元配置または二元配置分散分析(ANOVA)後のテューキーの多重比較検定またはボンフェローニ多重比較検定。統計解析は、PRISM5.01(GraphPad Software、La Jolla、CA、USA)を使用して実施した。0.05より低い値は、統計的に有意であると考えた。
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【国際調査報告】