(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-01
(54)【発明の名称】飲料容器のための冷却器
(51)【国際特許分類】
F25D 11/00 20060101AFI20220525BHJP
F25D 17/06 20060101ALI20220525BHJP
F25D 23/02 20060101ALI20220525BHJP
F25D 25/00 20060101ALI20220525BHJP
G07F 9/10 20060101ALI20220525BHJP
【FI】
F25D11/00 101J
F25D17/06 310
F25D23/02 303M
F25D25/00 L
G07F9/10 101Z
F25D11/00 102E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021558817
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(85)【翻訳文提出日】2021-09-30
(86)【国際出願番号】 US2020025983
(87)【国際公開番号】W WO2020205877
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】201941013807
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591235706
【氏名又は名称】ペプシコ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(72)【発明者】
【氏名】デシュパンデ,プラシャント
【テーマコード(参考)】
3E044
3L045
3L102
3L345
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044BA01
3E044BA02
3E044BA03
3E044BA05
3E044FB11
3L045AA02
3L045AA05
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3L102JA03
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3L345FF12
3L345FF46
3L345KK02
3L345KK04
3L345KK05
(57)【要約】
飲料容器を貯蔵するための冷却器。冷却器は、第1の飲料容器を第1の所定の温度で貯蔵するための内容積部を画定するハウジングと、第2の飲料容器を飲料の凝固点以下である第2の所定の温度で貯蔵するためのハウジングの内容積部内の隔室とを含む。冷却器は、ユーザ入力を受信して第2の飲料容器を払い出すためのユーザインターフェースと、第2の飲料容器へのアクセスを提供するための受渡ポータルと、を更に含む。シュートが、第2の飲料容器を隔室から受渡ポータルに送り、飲料の核形成を引き起こし、スラッシュ飲料を形成するように構成されている。冷却ユニットが、ハウジングの内容積部を第1の所定の温度に維持し、隔室を第2の所定の温度に維持するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料容器のための冷却器であって、
第1の所定の温度で第1の飲料容器を貯蔵するための内容積部を画定するハウジングと、
第2の飲料容器内の飲料の凝固点以下である第2の所定の温度で前記第2の飲料容器を貯蔵するために、前記ハウジングの前記内容積部内に配置された隔室であって、前記隔室が密閉されている、隔室と、
ユーザ入力を受信して前記隔室から前記第2の飲料容器を払い出すためのユーザインターフェースと、
前記第2の飲料容器へのアクセスを提供するための受渡ポータルと、
前記隔室から前記受渡ポータルに前記第2の飲料容器を送るように構成されたシュートであって、前記第2の飲料容器に機械的衝撃を受けさせて、前記第2の飲料容器内の前記飲料の核形成を引き起こし、前記第2の飲料容器内にスラッシュ飲料を形成するように構成されている、シュートと、
前記ハウジングの前記内容積部を前記第1の所定の温度に維持し、前記隔室を前記第2の所定の温度に維持するように構成された冷却ユニットと、を備える、冷却器。
【請求項2】
前記隔室が、断熱材を備える、請求項1に記載の冷却器。
【請求項3】
前記隔室が、空気入口ポートと、前記空気入口ポートを通る前記隔室内への空気の流れを調整するように構成された調節可能なダンパと、を更に備える、請求項1に記載の冷却器。
【請求項4】
前記隔室が、前記隔室内の温度を測定するように構成された温度センサを更に備え、前記温度センサが、前記調節可能なダンパの向きを制御する制御ユニットと連通して前記隔室を前記第2の所定の温度に維持する、請求項3に記載の冷却器。
【請求項5】
前記隔室が、空気の流れが前記隔室から出ることを可能にするための空気出口ポートを更に備える、請求項3に記載の冷却器。
【請求項6】
前記隔室が、前記第2の飲料容器を前記シュートに向けて誘導するための内部通路を備える、請求項1に記載の冷却器。
【請求項7】
前記第2の所定の温度が、-20℃~0℃である、請求項1に記載の冷却器。
【請求項8】
前記第2の所定の温度が、-10℃~-7℃である、請求項7に記載の冷却器。
【請求項9】
前記シュートが、前記冷却器の縦軸に平行に配置された第1の区画を備え、前記第1の区画に対してある角度で第2の区画が配置され、それにより、前記シュートが、前記第2の飲料容器内の飲料が核形成を受けるように、前記第2の飲料容器に自重落下を受けさせるように構成されている、請求項1に記載の冷却器。
【請求項10】
前記シュートの前記第2の区画が、横断面に対して下向きの角度で配置され、それにより、前記第2の区画は、前記第2の飲料容器が重力によって前記第2の区画に沿って前記受渡ポータルに向かって移動することを可能にするように構成されている、請求項9に記載の冷却器。
【請求項11】
前記冷却ユニットが、前記隔室に空気の流れを分配するための蒸発器を備える、請求項1に記載の冷却器。
【請求項12】
前記ハウジングが、閉位置から、前記ハウジングの前記内容積部にアクセス可能な開位置まで移動可能なドアを備える、請求項1に記載の冷却器。
【請求項13】
飲料容器のための冷却器であって、
第1の飲料容器を貯蔵するための内容積部を画定するハウジングと、
第2の飲料容器を貯蔵するための前記ハウジングの前記内容積部内に配置された隔室であって、密閉されている、隔室と、
ユーザ入力を受信して前記隔室から前記第2の飲料容器を払い出すためのユーザインターフェースと、
前記ハウジングに移動可能に接続され、受渡ビンを有するドアであって、前記ハウジングの前記内容積部が消費者にアクセス不能である閉位置と、前記ハウジングの前記内容積部が消費者にアクセス可能である開位置との間で移動可能である、ドアと、
前記ドアが前記閉位置にあるときに、前記第2の飲料容器を前記ドアの前記受渡ビンに送るように構成され、それにより、前記第2の飲料容器が、前記受渡ビンを介して前記ハウジングの外部からアクセス可能である、前記隔室に接続されたシュートと、を備える、冷却器。
【請求項14】
前記ドアは、前記ハウジングの内容積部が前記ハウジングの外部から見えるように透明部分を備える、請求項13に記載の冷却器。
【請求項15】
前記隔室が、前記第2の飲料容器内の飲料の凝固点以下である所定の温度で前記第2の飲料容器を維持するように構成されている、請求項13に記載の冷却器。
【請求項16】
飲料容器のための冷却器であって、
ドアを備え、第1の飲料容器を貯蔵するための内容積部を画定するハウジングであって、前記ハウジングの前記内容積部が、前記ハウジングの前記ドアを開放することによってアクセス可能である、ハウジングと、
第2の飲料容器を貯蔵するために前記ハウジングの前記内容積部内に配置された隔室であって、前記第2の飲料容器が前記ハウジングの前記内容積部からアクセス不可能であるように密閉されている、隔室と、
前記ハウジング上に配置された受渡ポータルであって、前記隔室と連通し、それにより、前記第2の飲料容器が払い出されるときに、前記第2の飲料容器が前記受渡ポータルを介して前記ハウジングの外部からアクセス可能である、受渡ポータルと、を備える、冷却器。
【請求項17】
前記受渡ポータルが、前記ハウジング内に配置されたシュートを介して前記隔室と連通している、請求項16に記載の冷却器。
【請求項18】
ユーザ入力を受信して前記第2の飲料容器を払い出すためのユーザインターフェースを更に備える、請求項16に記載の冷却器。
【請求項19】
前記受渡ポータルが、前記ハウジングの前記ドア上に配置され、前記第1の飲料容器が、前記受渡ポータルに供給されない、請求項16に記載の冷却器。
【請求項20】
前記ハウジングの前記内容積部を第1の所定の温度に維持し、前記隔室を前記第2の飲料容器内の飲料の凝固点以下である第2の所定の温度に維持するように構成された冷却ユニットを更に備える、請求項16に記載の冷却器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の実施形態は、概して、飲料容器を貯蔵するための冷却器に関する。詳細には、本明細書に記載の実施形態は、第1の飲料容器を第1の温度で貯蔵し、第2の飲料容器を第1の温度とは異なる第2の温度で貯蔵するための冷却器に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料容器は、多くの場合、保冷冷却器に貯蔵される。かかる冷却器は、多くの場合、食料品店、コンビニエンスストア、レストラン、売店、映画館などで使用される。冷却器は、飲料容器が消費者によって消費される準備が整うように、飲料容器を低温に維持する役割を果たす。冷却器はまた、飲料容器が消費者に陳列されるように、飲料容器を貯蔵及び整理する役割を果たす。しかし、従来の冷却器は、機能が限定されており、飲料容器を単一の温度で単に貯蔵するだけである。
【0003】
したがって、より幅広いタイプの飲料オプションへのアクセスを消費者に提供するために追加の機能を有する飲料容器のための冷却器が引き続き必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの実施形態は、第1の飲料容器を第1の所定の温度で貯蔵するための内容積部を画定するハウジングと、第2の飲料容器を第2の飲料容器内の飲料の凝固点以下である第2の所定の温度で貯蔵するためにハウジングの内容積部内に配置された隔室であって、密閉されている、隔室とを含む、飲料容器のための冷却器に関する。冷却器は、ユーザ入力を受信して隔室から第2の飲料容器を払い出すためのユーザインターフェースと、第2の飲料容器へのアクセスを提供するための受渡ポータルと、を更に含む。シュートは、第2の飲料容器を隔室から受渡ポータルに送るように構成され、シュートは、第2の飲料容器に機械的衝撃を受けさせて、第2の飲料容器内で飲料の核形成を引き起こし、第2の飲料容器内にスラッシュ飲料を形成するように構成されている。冷却ユニットは、ハウジングの内容積部を第1の所定の温度に維持し、隔室の内容積部を第2の所定の温度に維持するように構成されている。
【0005】
いくつかの実施形態は、第1の飲料容器を貯蔵するための内容積部を画定するハウジングと、第2の飲料容器を貯蔵するためにハウジングの内容積部内に配置された隔室とを含む、飲料容器のための冷却器に関する。隔室は密閉されている。冷却器は、ユーザ入力を受信して隔室から第2の飲料容器を払い出すためのユーザインターフェースと、ハウジングに移動可能に接続され、受渡ビンを有するドアと、を含み、そのドアは、ハウジングの内容積部がアクセス不可能である閉位置と、ハウジングの内容積部が消費者にアクセス可能である開位置との間で移動可能である。シュートは、ドアが閉位置にあるときに、第2の飲料容器をドアの受渡ビンに送るように構成された隔室に接続され、それにより、第2の飲料容器が、受渡ビンを介してハウジングの外部からアクセス可能である。
【0006】
いくつかの実施形態は、ドアを有し、第1の飲料容器を貯蔵するための内容積部を画定するハウジングを含む飲料容器のための冷却器に関し、そのハウジングの内容積部は、ハウジングのドアを開放することによってアクセス可能である。隔室は、第2の飲料容器を貯蔵するためのハウジングの内容積部内に配置され、その隔室は、第2の飲料容器がハウジングの内容積部からアクセス不可能であるように密閉されている。受渡ポータルは、ハウジング上に配置されており、その受渡ポータルは隔室と連通し、それにより、第2の飲料容器が払い出されると、第2の飲料容器は、受渡ポータルを介してハウジングの外部からアクセス可能である。
【0007】
本明細書で論じられている様々な実施形態のいずれにおいても、隔室は断熱材を含み得る。
【0008】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれにおいても、隔室は、空気入口ポートと、空気入口ポートを通る隔室内への空気の流れを調整するように構成された調節可能なダンパと、を含み得る。いくつかの実施形態では、隔室は、隔室内の温度を測定するように構成された温度センサを含んでもよく、その温度センサは、調節可能なダンパの向きを制御する制御ユニットと連通して、隔室を第2の所定の温度に維持する。いくつかの実施形態では、隔室は、空気の流れが隔室から出ることを可能にするための空気出口ポートを含み得る。
【0009】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれにおいても、隔室は、第2の飲料容器をシュートに向かって誘導するための内部通路を含み得る。
【0010】
本明細書で論じる様々な実施形態のいずれにおいても、第2の所定の温度は、-20℃~0℃であり得る。いくつかの実施形態では、第2の所定の温度は、-10℃~-7℃であり得る。
【0011】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれにおいても、シュートは、冷却器の縦軸に平行に配置された第1の区画を含み得、その第1の区画に対してある角度で第2の区画は配置され、それにより、シュートは、第2の飲料容器に自重落下を受けさせ、第2の飲料容器内の飲料が核形成を受けるように構成されている。いくつかの実施形態では、シュートの第2の区画は、横断面に対して下向きの角度で配置され得、それにより、第2の区画は、第2の飲料容器が重力によって第2の区画に沿って受渡ポータルに向けて移動することを可能にするように構成されている。
【0012】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれにおいても、冷却ユニットは、隔室に空気の流れを分配するための蒸発器を含み得る。
【0013】
本明細書で論じる様々な実施形態のいずれにおいても、ハウジングは、閉位置からハウジングの内容積部がアクセス可能な開位置へと移動可能なドアを含み得る。
【0014】
本明細書で論じる様々な実施形態のいずれにおいても、ドアは、ハウジングの内容積部がハウジングの外部から見えるように透明部分を含み得る。
【0015】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれにおいても、受渡ポータルは、ハウジング内に配置されたシュートを介して隔室と連通し得る。
【0016】
本明細書で論じる様々な実施形態のいずれにおいても、冷却器は、ユーザ入力を受信して第2の飲料容器を払い出すためのユーザインターフェースを含み得る。
【0017】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれにおいて、受渡ポータルは、ハウジングのドア上に配置され得、第1の飲料容器は受渡ポータルに供給されない。
【0018】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれにおいても、冷却器は、ハウジングの内容積部を第1の所定の温度に維持し、隔室を第2の飲料容器内の飲料の凝固点以下である第2の所定の温度に維持するように構成された冷却ユニットを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付図面は、本開示を示し、この説明と共に、本開示の原理を更に説明し、当業者が本開示を作成及び使用することを可能にする。
【0020】
【
図1】実施形態による飲料容器のための冷却器の斜視図である。
【0021】
【
図2】飲料容器を有さない
図1の冷却器の斜視図である。
【0022】
【0023】
【
図4】実施形態による冷却器の構成要素の概略図である。
【0024】
【
図5】実施形態による冷却器の冷却ユニットの構成要素の概略図である。
【0025】
【
図6】矢印で冷却器内の空気の流れの方向を示した、実施形態による冷却器の側面の縦断面図である。
【0026】
【
図7】実施形態による冷却器の隔室の背面斜視図である。
【0027】
【
図8】実施形態による冷却器の隔室の構成要素の概略図である。
【0028】
【
図9】実施形態による冷却器の側面の縦断面図である。
【0029】
【
図10】実施形態が実装され得る例示的なコンピュータシステムの概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
ここで、添付の図面に示される代表的な実施形態を詳細に参照する。以下の説明は、複数の実施形態を1つの好ましい実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。それに対して、本発明は、特許請求の範囲によって定義される実施形態の趣旨及び範囲の範囲内に含まれ得る代替物、変形物、及び均等物を包含することを意図している。
【0031】
飲料容器の冷却器は、多くの場合、飲料容器が冷蔵されるように、低温で飲料を貯蔵するために使用される。しかし、冷却器は、機能が限定されており、一般に、同時に、飲料の第1の群を第1の温度で貯蔵し、飲料の第2の群を第2の温度で貯蔵することはできない。特定の温度での飲料容器を選択する選択肢を消費者に提供することにより、消費者が飲料を選択する際の選択肢を増やすことを可能にする。例えば、消費者は、冷蔵された飲料容器又は部分的に凍結したスラッシュ飲料を収容する飲料容器を購入する選択肢を有する恩恵を受け得る。
【0032】
更に、いくつかの店舗オーナーは、冷蔵飲料又はスラッシュ飲料を購入する選択肢を顧客に提供することを望むことがある。しかし、いくつかの店舗は、スラッシュ飲料販売機又は払出機に店舗内の空間を提供することができないか、又は単純にそれを好まないことがある。したがって、空間を節約し、同時に追加の飲料オプションを消費者に提供するために、冷蔵飲料を貯蔵するための冷却器であって、飲料容器内にスラッシュ飲料を貯蔵及び払い出すこともできる冷却器を提供することが望ましい。
【0033】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、冷蔵飲料容器、及びスラッシュ飲料(例えば、過冷却飲料)を収容する飲料容器の両方を貯蔵し、消費者に提供することが可能な、飲料容器のための冷却器に関する。記載されるいくつかの実施形態では、飲料容器のための冷却器は、飲料容器を、冷蔵飲料を提供するために好適な温度などの第1の所定の温度で貯蔵し、飲料容器を貯蔵するハウジングの内容積部内の隔室を、飲料が過冷却され、したがってスラッシュ飲料として提供され得るように飲料容器を飲料の凝固点以下である第2の所定の温度で貯蔵するための内容積部を有するハウジングを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、冷却器100は、第1の飲料容器400を第1の所定の温度で貯蔵するための内容積部108と、第2の飲料容器500を第1の所定の温度よりも低い第2の所定の温度で貯蔵するための内容積部108内の隔室130と、を有するハウジング102を含む。冷却器100は、内容積部108が、ハウジング102の外部からアクセス不可能である閉位置から開位置へと移動することができるドア140を含み、それにより、消費者はハウジング102の内容積部108内の第1の飲料容器400にアクセスすることができる。冷却器100は、シュート170によってなど、隔室130と連通する受渡ポータル180を更に含み得る。シュート170は、第2の飲料容器500内の飲料を撹拌し、消費者に第2の飲料容器500へのアクセスを提供するために、第2の飲料容器500を隔室130から受渡ポータル180に送るように構成され得る。冷却器100はまた、ハウジング102の内容積部108及び隔室130をそれぞれ第1及び第2の所定の温度に維持するための冷却ユニット160を含み得る。
【0035】
本明細書に記載される様々な実施形態のいずれにおいても、「飲料容器」という用語は、飲料を貯蔵するための様々なタイプの容器のうちのいずれかを指し得る。飲料容器は、例えば、ボトル又は缶の形態であってもよい。飲料容器は、とりわけ、ガラス、アルミニウムなどの金属、又はポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)などのプラスチックを含む、様々な材料のいずれかで構成されてもよい。
【0036】
本明細書で使用される場合、「飲料」という用語は、炭酸又は非炭酸であり得る任意の消費可能な自由流動性液体又は半液体の製品を含み、とりわけ、ソフトドリンク、水、炭酸水、乳飲料、ジュース、アルコール飲料、スポーツドリンク、スムージー、コーヒー飲料、茶飲料、及びミルクセーキを含むが、これらに限定されない。更に、「スラッシュ飲料」という用語は、少なくとも部分的に凍結され、それによって飲料がブブ的に液体及び部分的に固体である、本明細書に記載の任意の飲料を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、冷却器100は、例えば、
図1~
図3に示されるように、第1の所定の温度での第1の飲料容器400、及び第2の所定の温度での第2の飲料容器500に対して構成される。冷却器100は、内容積部108を画定するハウジング102を含む。ハウジング102は、キャビネットの形態であってもよい。ハウジング102は、概して直方体として成形されてもよく、又は様々な他の形状のいずれかを有してもよい。例えば、ハウジング102は、1つ以上の丸みを帯びた側壁を含んでもよい。冷却器100は、自立型又は独立型のデバイスであってもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、冷却器100のハウジング102は、第1の飲料容器400の貯蔵、整理、及び陳列を容易にするために、内容積部108内に1つ以上の棚105を含んでもよい。棚105は、構成上、概ね平面であり得る。棚105は、固体プレートであってもよく、又は冷却器100の内容積部108を通る空気流を促進するように、金網若しくは格子の形態であってもよい。各棚105は、冷却器100の縦軸を横断する平面内に配置されてもよい。更に、棚105は、ハウジング102の下端部106からハウジング102の上端部104まで、冷却器100の縦軸に沿って互いに離間されてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、冷却器100のハウジング102は、透明部分144を更に含み得、消費者は、冷却器100の内容積部108及びその中の製品を冷却器100の外部から閲覧し得る。透明部分144は、ガラスなどの透明材料を含んでもよく、これはシリカ系ガラス、又はポリカーボネートなどの透明なポリマー材料を含んでもよい。透明部分144は、消費者が、冷却器100を開放し、それによってハウジング102内の温度の変動をもたらし得、水分がハウジング102に入り込ませ得ることなく、入手可能な飲料を閲覧することを可能にする。
【0040】
いくつかの実施形態では、冷却器100は、消費者がハウジング102の内容積部108にアクセスすることを可能にするドア140を更に含み、それにより、消費者は第1の飲料容器400を取り出し得る。ドア140は、ハウジング102の内容積部108を画定するハウジング102の一部分を形成し得る。したがって、いくつかの実施形態では、ドア140は、冷却器100の側壁又は側壁の一部分を形成し得る。ドア140は、第1の位置(閉位置)と第2の位置(開位置)との間で移動可能であり得る。いくつかの実施形態では、ドア140はハウジング102に枢動可能に接続され得、それにより、ドア140は、ヒンジ又は枢動点を中心として回転することによって、第1の位置と第2の位置との間で移動する。いくつかの実施形態では、ドア140はハウジング102に摺動可能に接続され、ハウジング102の1つ又は複数のトラックに沿って摺動することによって、第1の位置と第2の位置との間で移動し得る。ハウジング102のドア140は、上述のように透明部分144を含んでもよく、これにより、消費者は、ドア140の透明部分144を通してハウジング102の内容積部108を閲覧し得る。実質的にドア140全体が透明部分144を含んでもよく、又はドア140の中央部分など、ドア140の一部分のみが透明であってもよい。
【0041】
冷却器100は、ハウジング102の内容積部108内に配置された隔室130を更に含む。隔室130は、第1の飲料容器400から分離して第2の飲料容器500を貯蔵するように構成されている。特に、隔室130は、第2の飲料容器500(
図9を参照)を第2の所定の温度で貯蔵するように構成され、第2の所定の温度は第2の飲料容器500内の飲料の凝固点以下の温度であり得、それにより、飲料は過冷却される。隔室130は、様々な形状のいずれかを有してもよく、いくつかの実施形態では、隔室130は、立方体又は直方体として成形され、隔室130は、第2の飲料容器500を貯蔵するための内容積部を画定する。隔室130は、隔室130への熱伝達の影響を受けない断熱材料の中でも、発泡ポリスチレン(expanded polystyrene、EPS)発泡体などの断熱材料で構成されてもよい。隔室130は、隔室130内に貯蔵された第2の飲料容器500が隔室130の外部からアクセス不可能であるように密閉されている。したがって、冷却器100のドア140が開放されると、消費者は、冷却器100の内容積部から第1の飲料容器400を取り出し得るが、密閉された隔室130内に貯蔵された第2の飲料容器500を同様には取り出すことはできない。第2の飲料容器500は、代わりに、以下に記載されるように、受渡ポータル180を介して消費者に払い出される。隔室130へのアクセスを制限することによって、隔室130及びその中の第2の飲料容器500にアクセスする消費者によって引き起こされる温度変動を伴わずに、隔室130を第2の所定の温度に維持することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、隔室130は、飲料容器を隔室130に装填するための飲料容器入口131(
図1を参照)を画定し得る。飲料容器入口131は、飲料容器を受容するようなサイズ及び形状であるスロットの形態であり得る。したがって、飲料容器入口131は、缶形状、ボトル形状を有してもよく、又はとりわけ矩形、円形、若しくは楕円形を有してもよい。飲料容器入口131は、飲料容器を横向き又は水平方向に受容するように構成されてもよく、それにより、飲料容器はそれらの側面で隔室130内に貯蔵される。飲料容器入口131は、飲料容器入口131を取り外し可能に覆う可動カバーを更に含み得、隔室130を第2の所定の温度に維持することを容易にする。
【0043】
いくつかの実施形態では、隔室130は、第2の飲料容器500を飲料容器入口131から飲料容器出口134に順次誘導するように構成された内部通路132を更に画定し得、シュート170に接続され得る(
図9を参照)。第2の飲料容器500は、隔室130内に最初に挿入された飲料容器が隔室130から最初に取り出されることになるように、通路132を通して順次誘導される。通路132は、蛇行構成を有し得る。更に、いくつかの実施形態では、通路132は、1つ以上のトラック133によって画定され得る。トラック133は、第2の飲料容器500が重力によってトラック133に沿って転動することを可能にするように構成された傾斜面を有する線材トラックであってもよい。第2の飲料容器500は、通路132に沿って第2の飲料容器500の転動を容易にするために、横向きに隔室130内に貯蔵されてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、冷却器100は、ハウジング102の内容積部108の温度を第1の所定の温度に維持し、更に隔室130の温度を第2の所定の温度に維持するように構成された冷却ユニット160を更に含む。第2の所定の温度は、第1の所定の温度と異なっていてもよく、第1の所定の温度未満であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の所定の温度は、第1の飲料容器400を冷却又は冷蔵するのに好適な温度であり、例えば、約0.5℃~約10℃、又は約1℃~約7℃、又は約2℃~約5℃であってもよい。当業者には理解されるように、第1の所定の温度は、第1の飲料容器内に貯蔵された飲料のタイプに基づいて選択され得る。いくつかの実施形態では、第2の所定の温度は、約-20℃~約0℃、又は約-10℃~約-7℃であってもよく、それにより、第2の飲料容器500内の飲料は、飲料の凝固点以下である。第2の所定の温度は、第2の飲料容器内の特定の飲料が過冷却されるように選択され得る。当業者には理解されるように、異なる飲料は、異なる凝固点を有し得る。したがって、隔室130内に貯蔵される第2の飲料容器500は、過冷却されてもよい。「過冷却」液体は、その凝固点以下の温度であるが液体状態に留まっている液体である。過冷却液体は、飲料容器を振ること、又は飲料容器に機械的衝撃若しくは躍動を受けさせることなどによって撹拌されるまで液体状態に留まっている。攪拌により、過冷却液体が相変化を受けて、固体又は部分固体を形成する。このようにして、飲料を第2の所定の温度に維持することによって、第2の飲料容器500は、過冷却飲料、すなわち撹拌されたときに第2の飲料容器500内のスラッシュ飲料を提供する。
【0045】
いくつかの実施形態では、冷却ユニット160は、例えば
図5に示されるように、圧縮機164と連通している蒸発器162と、凝縮器166と、冷媒を循環させるための膨張弁168とを含み得る。蒸発器162は、冷却された空気をハウジング102の内容積部108に、更にハウジング102内の隔室130に分配する。蒸発器162は、空気循環を促進するファンを含み得る。代替的な実施形態では、ハウジング102の内容積部108を第1の所定の温度に維持し、隔室130を第2の所定の温度に維持することが可能な他のタイプの冷却ユニット、とりわけ熱電冷却システムなどが使用され得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、隔室130が冷却器100のハウジング102の上端部104に向かって配置され、それにより、隔室130はハウジング102の上端部104に配置された蒸発器162に直接隣接する。一般に、蒸発器162によって供給される空気は、蒸発器162のすぐ近傍の最低温度であり、空気がハウジング102内を循環するにつれて、空気の温度が上昇する。したがって、隔室130を蒸発器162に直接隣接するように位置決めすることによって、隔室130に冷却空気が供給され、隔室130を第2の所定の温度に維持するのを助ける。
【0047】
いくつかの実施形態では、隔室130は、蒸発器162から冷却空気を受け取るための空気入口ポート137と、隔室130内の空気を隔室130から逃がすことを可能にするための空気出口ポート139とを含む。いくつかの実施形態では、空気入口ポート137及び空気出口ポート139は、
図7に示されるように、隔室130の背面135上に配置され得る。しかし、代替的な実施形態では、空気入口ポート137及び/又は空気出口ポート139は、それぞれ、隔室130の上面上又は下面上など、隔室130の様々な部分に配置されてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、調節可能なダンパ138は、隔室130の各空気入口ポート137に配置される。調節可能なダンパ138は、隔室130内への冷却空気の流れを調整する役割を果たして隔室130の温度を調整し、その結果、第2の隔室130を第2の所定の温度に維持し、いくつかの実施形態では、例えば、約-20℃~約0℃であってもよい。調節可能なダンパ138は、ピッチ又は向きで調節可能なパネルを含み、それにより、空気入口ポート137に入る空気の量を制御し得る。調節可能なダンパ138は、モータ又はアクチュエータなどの駆動機構によって調節されてもよい。調節可能なダンパ138は、電子的に制御されてもよく、それにより、ダンパ138の向きは、隔室130の温度を上昇又は低下させる空気入口ポート137を通る空気流の量を増加又は減少させるように調節することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、隔室130は、
図8に示されるように、少なくとも1つの温度センサ136を更に含む。温度センサ136は、隔室130内に位置決めされ、隔室130内の温度を測定し得る。温度センサ136は、他の温度感知デバイスの中でもとりわけ、サーミスタ又は熱電対であってもよい。隔室130内の温度を第2の所定の温度に維持するために、温度センサ136は制御150と通信し、その制御ユニット150は、温度センサ136によって測定される温度に基づいて、隔室130の空気入口ポート137における調節可能なダンパ138の向き又はピッチを調節して、隔室130内の温度を上昇又は低下させるように構成されている。例えば、隔室130の所定の温度が-8℃であり、温度センサ136が-2℃の隔室130内の温度を検出した場合、制御ユニット150は、温度を低下させるために、調節可能なダンパ138を調節して隔室130内への空気流を増加させる。
【0050】
冷却器100の動作中に、蒸発器162は、例えば
図6に示されるような方法でハウジング102内に空気流を提供する。冷却空気は、蒸発器162から冷却器100のハウジング102の内容積部108内に流入し、隔室130の空気入口ポート137を通って隔室130内にも流入する。空気入口ポート137を介して隔室130内に流入する空気の量は、調節可能なダンパ138によって調整される。空気は、隔室130内を循環し、その中で第2の飲料容器を冷却する。隔室130内の空気は、空気出口ポート139を通って隔室130を出て、冷却器100のハウジング102の内容積部108に流入する。
【0051】
隔室130から第2の飲料容器500を払い出すために、冷却器100は、ユーザ入力を受信して隔室130から第2の飲料容器500を払い出すためのユーザインターフェース120を更に含み得る。ユーザ入力は、過冷却され、隔室130内に貯蔵される第2の飲料容器の選択であってもよい。ユーザインターフェース120は、ハウジング102上に配置され、ハウジング102の外部に配置されてもよく、それにより、ユーザインターフェース120は、冷却器100のドア140を開放することなくアクセスすることができる。ユーザインターフェース120は、ユーザ入力を受信するための1つ以上のボタン、レバー、ハンドル、スイッチ、又はアクチュエータを含み得る。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース120は、命令又は他の情報を消費者に表示するための液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)又は発光ダイオード(light emitting diode、LED)ディスプレイなどの電子ディスプレイを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース120は、ユーザ入力を受信し、ユーザに指示又は情報を表示するためのタッチスクリーンディスプレイを含んでもよい。ユーザインターフェース120は、支払い方法の中でもとりわけ、クレジットカードリーダ、モバイルデバイス若しくはモバイルアプリケーションスキャナ、又は硬貨、紙幣、若しくはトークンを受信するためのスロットなどの、ユーザからの支払いを受け付ける手段を更に含んでもよい。
【0052】
冷却器100は、隔室130から第2の飲料容器500を払い出すための動作を調整するための制御ユニット150を含み得る。ユーザインターフェース120から第2の飲料容器500を払い出すためのユーザ入力を受信すると、制御ユニット150は、第2の飲料容器500を隔室130から放出させ得、それにより、第2の飲料容器500が冷却器100の受渡ポータル180に送られる。受渡ポータル180は、ハウジング102のハウジング102又はドア140の様々な部分のいずれかに配置され、払い出された飲料容器へのアクセスを消費者に提供し得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、第2の飲料容器500は、
図9に示されるように、シュート170を介して隔室130から受渡ポータル180に送られる。シュート170は、第2の飲料容器500内にスラッシュ飲料を提供するために、第2の飲料容器500に機械的衝撃を受けさせて、第2の飲料容器500内の飲料の核形成を引き起こすように構成され得る。第1の飲料容器400は、同様に受渡ポータル180に提供されるわけではなく、代わりに、第1の飲料容器400は、冷却器100の内容積部108から取り出されなければならない。いくつかの実施形態では、隔室130は、受渡ポータル180と直接連通され得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、シュート170は、冷却器100の縦軸に概ね平行である第1の区画172と、冷却器100の横軸に対してある角度で配置された第2の区画174とを含み得、それにより、第2の飲料容器500は、重力によってシュート170の第1の区画172内で第2の区画174上に落下する。このようにして、シュート170は、第2の飲料容器500に機械的影響を受けさせて、第2の飲料容器500内での過冷却飲料の核形成を引き起こし、その結果、第2の飲料容器500内にスラッシュ飲料を生成する。シュート170の第1の区画172は、約6~約50インチ、又は約12~約36インチの高さh1を有し得、その結果、飲料を過度に攪拌して開封時に炭酸飲料があふれ出る又は「爆発する」ことをもたらすことなく、第2の飲料コンテナ500内で飲料の核形成を引き起こすのに十分な機械的衝撃が落下によって提供される。更に、シュート170の高さh1は、冷却器100の内容積部108の高さによって制限される。シュート170の第2の区画174は、冷却器100の横軸に対して下向きの角度θ1で配備され得る。その角度は、約1~約20度であってもよく、又は約5~約15度であってもよい。このようにして、第2の飲料容器500が、第1の区画172を通ってシュート170の第2の区画174上に落下した後、第2の飲料容器500は、重力によって、第2の区画174に沿って、シュート出口176及び受渡ポータル180に向かって移動又は転動し得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、シュート170の第1の区画172は、ドア140の反対側の冷却器100の後方部分101に配置されてもよい。このようにして、ドア140により近いハウジング102における前方部分103の内容積部108は、第1の飲料容器400の貯蔵のために使用され得る。シュート170の第2の区画174は、ハウジング102の後方部分101からハウジング102の前方部分103におけるハウジング102のドア140に向かって延在し、シュート出口176で終端する。シュート出口176は、ドア140上などのハウジング102上に配置された受渡ポータル180と連通し得る。このようにして、受渡ポータル180は、消費者が容易にアクセスすることができる。いくつかの実施形態では、シュート170は、ドア140上の受渡ポータル180と連通し得、受渡ポータル180は、払い出された飲料容器を保持するための受渡ビン182を含み得る。受渡ビン182は、ドア140が閉鎖構成にあるとき、シュート170と連通し得る。受渡ビン182は、隔室130からシュート170を通して払い出された第2の飲料容器500を受容し、冷却器100の外部から消費者がアクセスすることができる。このようにして、消費者は、払い出された第2の飲料容器500にアクセスするために、冷却器100のドア140を開放する必要はない。
【0056】
動作中、消費者は、冷却器100のドア140を開放するなどによって冷却器100の内容積部108にアクセスし、第1の所定の温度で貯蔵された第1の飲料容器400にアクセスし得、この結果、第1の飲料容器400は冷却又は冷蔵される。代替的に、スラッシュ飲料は、飲料選択などの入力をユーザインターフェース120に提供することによって、冷却器100から払い出され得る。入力を受信すると、冷却器100は、隔室130から第2の飲料容器500を払い出し得、第2の飲料容器500は、第2の飲料容器内の飲料の凝固点以下である第2の所定の温度で貯蔵されている。過冷却液体を収容する第2の飲料容器500は、重力によってシュート170の第1の区画172を通ってシュート170の第2の区画174上に落下することによってシュート170内で機械的衝撃を受け、その結果、それによって飲料の核形成を引き起こし、第2の飲料容器500内にスラッシュ飲料を生成する。シュート170は、消費者によってアクセス又は取り出されるように、スラッシュ飲料を含む第2の飲料容器500を冷却器100の受渡ポータル180に搬送する。
【0057】
図10は、実施形態又はその一部分がコンピュータ可読コードとして実装され得る、例示的なコンピュータシステム700を示している。本明細書において論じられる制御ユニット150は、本明細書において論じられるプロセスを実装するためのコンピュータシステム700の構成要素の全て又はいくつかを有するコンピュータシステムであってもよい。
【0058】
プログラマブルロジックが使用される場合、このようなロジックは、市販の処理プラットフォーム又は特定の目的のデバイス上で実行することができる。当業者であれば、開示された主題の実施形態が、マルチコアマルチプロセッサシステム、ミニコンピュータ、及びメインフレームコンピュータ、分散された機能とリンク又はクラスタ化されたコンピュータ、並びに、仮想的に任意のデバイスに埋め込まれ得る普及型又は小型コンピュータを含む、様々なコンピュータシステム構成により実践され得ることを理解することができる。
【0059】
例えば、少なくとも1つのプロセッサデバイス及びメモリは、上記された実施形態を実装するために使用されてもよい。プロセッサデバイスは、単一のプロセッサ、複数のプロセッサ、又はこれらの組み合わせでもよい。プロセッサデバイスは、1つ以上のプロセッサ「コア」を有してもよい。
【0060】
本発明の様々な実施形態は、この例示的なコンピュータシステム1000に関して実装され得る。この説明を読めば、他のコンピュータシステム及び/又はコンピュータアーキテクチャを用いて、本発明の1つ以上が実施できる方法が当業者には明らかになるであろう。動作は連続的なプロセスとして記載され得るが、動作の一部は、実際に、平行して、同時に、かつ/又は分散環境において実施されてもよく、シングル又はマルチプロセッサマシンによるアクセスに対してローカルに又はリモートに記憶されたプログラムコードにより実施されてもよい。加えて、いくつかの実施形態では、動作順序は、開示された主題の趣旨を逸脱することなく、再調整されてもよい。
【0061】
プロセッサデバイス1004は、特殊目的又は汎用プロセッサデバイスであってもよい。当業者に理解されるように、プロセッサデバイス1004はまた、マルチコア/マルチプロセッサシステムにおける単一のプロセッサであってもよく、かかるシステムは、単独で動作するか、又はクラスタ若しくはサーバファームにおいて動作するコンピュータデバイスのクラスタで動作する。プロセッサデバイス1004は、通信インフラストラクチャ1006、例えば、バス、メッセージキュー、ネットワーク、又はマルチコアメッセージ受渡しスキームに接続される。
【0062】
コンピュータシステム1000はまた、メインメモリ1008、例えば、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)を含み、二次メモリ1010も含んでもよい。二次メモリ1010は、例えば、ハードディスクドライブ1012又は取り外し可能な記憶ドライブ1014を含んでもよい。取り外し可能な記憶ドライブ1014は、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、フラッシュメモリなどを含んでもよい。取り外し可能な記憶ドライブ1014は、周知の様式で、取り外し可能な記憶ユニット1018に対して読み出し及び/又は書き込みを行う。取り外し可能な記憶ユニット1018は、フロッピーディスク、磁気テープ、光ディスク、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus、USB)ドライブなどを含んでもよく、これらは、取り外し可能な記憶ドライブ1014によって読み出し及び書き込みされる。当業者によって理解されるように、取り外し可能な記憶ユニット1018は、コンピュータソフトウェア及び/又はデータを記憶したコンピュータ使用可能記憶媒体を含む。
【0063】
コンピュータシステム1000は(任意選択的に)、表示ユニット1030に表示するためのグラフィック、テキスト、及び他のデータを通信インフラストラクチャ1006から(又は、図示されていないフレームバッファから)転送する表示インターフェース1002(キーボード、マウスなどのような入力及び出力デバイスを含むことができる)を含む。
【0064】
代替的な実装形態では、二次メモリ1010は、コンピュータプログラム又は他の命令がコンピュータシステム1000にロードされることを可能にするための他の同様の手段を含んでもよい。かかる手段は、例えば、取り外し可能な記憶ユニット1022及びインターフェース1020を含んでもよい。かかる手段の実施例は、プログラムカートリッジ及びカートリッジインターフェース(ビデオゲームデバイスに見られるようなものなど)、取り外し可能なメモリチップ(EPROM又はPROMなど)及び関連するソケット、並びに、ソフトウェア及びデータを取り外し可能な記憶ユニット1022からコンピュータシステム1000に伝送することができる他の取り外し可能な記憶ユニット1022及びインターフェース1020を含んでもよい。
【0065】
コンピュータシステム1000はまた、通信インターフェース1024を含んでもよい。通信インターフェース1024は、ソフトウェア及びデータがコンピュータシステム1000と外部デバイスとの間で伝送されることを可能にする。通信インターフェース1024は、モデム、ネットワークインターフェース(イーサネットカードなど)、通信ポート、PCMCIAスロット、及びカードなどを含み得る。通信インターフェース1024を介して伝送されるソフトウェア及びデータは、信号の形態であってもよく、これは、電子的、電磁気的、光学的、又は通信インターフェース1024により受信されることができる他の信号であってもよい。これらの信号は、通信経路1026を介して通信インターフェース1024に提供されてもよい。通信経路1026は、信号を搬送し、ワイヤ若しくはケーブル、光ファイバ、電話回線、携帯電話リンク、RFリンク、又は他の通信チャネルを使用して実装されてもよい。
【0066】
本明細書では、「コンピュータプログラム媒体」又は「コンピュータ使用可能媒体」という用語は、一般には、取り外し可能な記憶ユニット1018、取り外し可能な記憶ユニット1022、及びハードディスクドライブ1012内にインストールされたハードディスクなどの媒体を指すために使用される。コンピュータプログラム媒体及びコンピュータ使用可能媒体はまた、メインメモリ1008及び二次メモリ1010などのメモリを指すこともあり、これは、メモリ半導体(例えば、DRAMなど)であり得る。
【0067】
コンピュータプログラム(コンピュータ制御ロジックとも呼ばれる)は、メインメモリ1008及び/又は二次メモリ1010内に記憶される。コンピュータプログラムはまた、通信インターフェース1024を介して受信され得る。かかるコンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステム1000が、本明細書において論じられる実施形態を実行することを可能にする。特に、コンピュータプログラムは、実行されると、プロセッサデバイス1004が、本明細書において論じられる実施形態の処理を実行することを可能にする。したがって、かかるコンピュータプログラムは、コンピュータシステム1000の制御装置を表す。実施形態がソフトウェアを使用して実行される場合、ソフトウェアは、コンピュータプログラム製品内に記憶され、取り外し可能な記憶ドライブ1014、インターフェース1020、及びハードディスクドライブ1012、又は通信インターフェース1024を使用してコンピュータシステム1000にロードされ得る。
【0068】
本発明の実施形態はまた、任意のコンピュータ使用可能媒体上に記憶されたソフトウェアを含むコンピュータプログラム製品を対象とするものであり得る。このようなソフトウェアは、1つ以上のデータ処理デバイスにおいて実行されると、データ処理デバイスに、本明細書で記載されたように動作させる。本発明の実施形態は、コンピュータ使用可能又は読み取り可能媒体を採用してもよい。コンピュータ使用可能媒体の例としては、一次記憶デバイス(例えば、任意のタイプのランダムアクセスメモリ)、二次記憶デバイス(例えば、ハードドライブ、フロッピーディスク、CD ROM、ZIPディスク、テープ、磁気記憶デバイス、及び光学記憶デバイス、MEMS、ナノ技術記憶デバイスなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0069】
発明の概要及び要約の項ではなく、発明を実施するための形態の項は、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されていることを理解されたい。発明の概要及び要約の項は、本発明者(ら)によって想到されるような、本発明の1つ以上であるが全てではない例示的な実施形態を示し得るが、本発明及び添付の特許請求の範囲をいかようにも限定することを意図するものではない。
【0070】
特定の機能の実施及びそれらの関係を例示する機能的ビルディングブロックの助けにより、本発明を上で説明してきた。これらの機能的ビルディングブロックの境界は、説明の便宜上、本明細書において任意に定義されている。特定の機能及びこれらの関係が適切に行われる限り、代替の境界を定義することができる。
【0071】
特定実施形態の前述の説明により、本発明の一般的な性質が完全に明らかになり、他者が、当業者の知識を適用することによって、過度の試行錯誤をすることなく、本発明の一般的な概念を逸脱することなく、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に修正及び/又は適合させることができる。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書で提示した教示及び指導に基づいて、開示された実施形態の等価物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書の表現法又は用語法は、説明を目的とするものであって、限定するものではないことを理解されたく、それ故、本明細書の用語法又は表現法は、本明細書の教示及び指導の観点から当業者によって解釈されるべきである。
【0072】
本発明の幅及び範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、下記特許請求の範囲及びこれらの等価物に従ってのみ定義されるべきである。
【国際調査報告】