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特表2022-527343無糖コーティングを有する菓子製品の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-01
(54)【発明の名称】無糖コーティングを有する菓子製品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23G 3/54 20060101AFI20220525BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20220525BHJP
   A23G 4/20 20060101ALI20220525BHJP
   A23G 4/06 20060101ALI20220525BHJP
【FI】
A23G3/54
A23L5/00 F
A23G4/20
A23G4/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021558930
(86)(22)【出願日】2020-04-01
(85)【翻訳文提出日】2021-11-24
(86)【国際出願番号】 EP2020059324
(87)【国際公開番号】W WO2020201393
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】102019204936.2
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515053771
【氏名又は名称】ズートツッカー アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハスリンガー,ベルント
(72)【発明者】
【氏名】リヒフィールト,ダーヴィト
(72)【発明者】
【氏名】ツセムベリー,ローラント
【テーマコード(参考)】
4B014
4B035
【Fターム(参考)】
4B014GB17
4B014GE03
4B014GG03
4B014GG08
4B014GK03
4B014GK05
4B014GL10
4B014GL11
4B014GQ02
4B035LC07
4B035LC16
4B035LE07
4B035LG17
4B035LG19
4B035LG35
4B035LK02
4B035LK03
(57)【要約】
本発明は、無糖コーティングを有する菓子製品の製造方法、および該方法により得られる製品、特に無糖コーティングを有する菓子製品に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無糖コーティングを有する菓子製品の製造方法であって、
a)少なくとも1つの菓子コアと、イソマルト含有コーティング媒体と、少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物とを提供するプロセスステップであって、前記少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物が、(前記少なくとも1つの米デンプン・イソマルト組成物の全乾燥物に対して)少なくとも30重量%の米デンプンを含むプロセスステップと、
b)以下:
b1)前記少なくとも1つの菓子コアに前記イソマルト含有コーティング媒体を施与して、前記コアを覆うコーティング膜を得るプロセスステップと、
b2)前記少なくとも1つの菓子コアを覆うコーティング膜の上に前記少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物を散布して、コーティング層を得るプロセスステップと、
b3)プロセスステップb2)で得られた、前記少なくとも1つのコーティング層を有する少なくとも1つの菓子コアのコーティング層を結晶化させるプロセスステップと
を含む初期コーティングサイクルを実施するプロセスステップと、
c)以下:
c1)前記少なくとも1つのコーティング層に前記イソマルト含有コーティング媒体を施与して、前記コアを覆う少なくとも1つのさらなるコーティング膜を得るプロセスステップと、
c2)前記少なくとも1つの菓子コアを覆うコーティング膜の上に前記少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物を散布して、さらなるコーティング層を得るプロセスステップと、
c3)プロセスステップc2)で得られた、前記少なくとも1つのコーティング層を有する少なくとも1つの菓子コアのコーティング層を結晶化させるプロセスステップと
を含む少なくとも1回の後続のコーティングサイクルを実施するプロセスステップと、
X)前記コアを覆う少なくとも1つのさらなるコーティング膜を得るための少なくとも1つのプロセスステップを実施するプロセスステップであって、プロセスステップb)の後でかつプロセスステップe)の前に、前記少なくとも1つのコーティング層に前記イソマルト含有コーティング媒体を少なくとも1回施与して、前記コアを覆う少なくとも1つのさらなるコーティング膜を得るが、ただしこれに次いで、前記少なくとも1つの菓子コアを覆うコーティング膜に前記少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物を散布しない、プロセスステップと、
d)プロセスステップb)の後に少なくとも1回の乾燥を実施するプロセスステップと、
e)無糖コーティングを有する菓子製品を得るプロセスステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記プロセスステップd)の少なくとも1回の乾燥を、35~45℃の温度で5~45分間実施する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プロセスステップd)による乾燥温度が、前記プロセスステップb)および/またはc)の温度よりも高い、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
プロセスステップX)を、プロセスステップd)の前に実施する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法を、アラビアガムおよびTiO2を使用せずに行い、TiO2およびアラビアガムを含まない無糖コーティングを有する菓子製品が得られる、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記プロセスステップa)で提供される少なくとも1つの菓子コアが、甘味のある菓子コアまたは甘味のない菓子コアである、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記プロセスステップa)で提供される菓子コアが、チューインガムコアであり、したがって、プロセスステップe)で、無糖コーティングを有するチューインガムが得られる、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物が、米デンプンを(前記少なくとも1つの米デンプン・イソマルト組成物の全乾燥物に対して)30~80重量%含む、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物において、米デンプンとイソマルトとの比が(米デンプンおよびイソマルトの全乾燥物に対して)30:70重量%~80:20重量%である、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記菓子製品の前記コーティングの割合が、(前記無糖コーティングを有する菓子製品の総重量に対して)20~60重量%である、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記プロセスステップb3)および/またはc3)の結晶化時間が、2~10分である、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記プロセスステップb)および/またはc)の温度が、15~30℃である、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
プロセスステップc)を、少なくとも10回実施する、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
プロセスステップd)を、プロセスステップb)および/またはc)の後に1~5回実施する、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
プロセスステップb)の後の前記プロセスステップd)による乾燥を、プロセスステップc)を少なくとも5回実施した後に実施する、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の方法によって製造可能な、特に請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の方法によって製造された、無糖コーティングを有する菓子製品、特にチューインガム。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、無糖コーティングを有する菓子製品の製造方法、および該方法により得られる製品、特に無糖コーティングを有する菓子製品に関する。
【0002】
特に白色の菓子製品を製造するために、従来では着色料として二酸化チタンを使用した組成物が主に使用されてきた。しかし、二酸化チタン自体は、特定の状況下で、特に多量に摂取すると、健康への影響が懸念されると考えられる場合がある。無糖コーティングを有する菓子製品の代替的な製造法としてはマルチトールおよびデキストリンの使用が知られているが、これでは白色の菓子製品ができず、菓子製品が帯黄色に呈色する。このように、従来知られている方法の欠点は、白色の菓子製品を製造するために、二酸化チタンのような、場合によっては健康への影響が懸念される物質を使用しなければならないか、または白さが不十分な無糖菓子製品が製造されることにある。
【0003】
そのため、特に二酸化チタンを含まない菓子製品、特にチューインガムを、消費者にとって魅力的な様式で、すなわち特に白色で提供するための、特に二酸化チタンを含まない代替法が求められている。
【0004】
したがって、本発明は、健康への影響の懸念なく白色を特徴とする無糖コーティングを有する菓子製品、特にチューインガムの製造を可能にする方法を提供するという技術的課題に基づく。
【0005】
本発明は、独立請求項の教示を提供することにより、その基礎となる技術的課題を解決するものである。
【0006】
したがって、本発明は、無糖コーティングを有する菓子製品の製造方法であって、
a)少なくとも1つの菓子コアと、イソマルト含有コーティング媒体と、少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物とを提供するプロセスステップであって、少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物が、(少なくとも1つの米デンプン・イソマルト組成物の全乾燥物の総重量に対して)少なくとも30重量%の米デンプンを含むプロセスステップと、
b)以下:
b1)少なくとも1つの菓子コアにイソマルト含有コーティング媒体を施与して、コアを覆うコーティング膜を得るプロセスステップと、
b2)少なくとも1つの菓子コアを覆うコーティング膜の上に少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物を散布して、コーティング層を得るプロセスステップと、
b3)プロセスステップb2)で得られた、少なくとも1つのコーティング層を有する少なくとも1つの菓子コアのコーティング層を結晶化させるプロセスステップと
を含む初期コーティングサイクルを実施するプロセスステップと、
c)以下:
c1)少なくとも1つのコーティング層にイソマルト含有コーティング媒体を施与して、コアを覆う少なくとも1つのさらなるコーティング膜を得るプロセスステップと、
c2)少なくとも1つの菓子コアを覆うコーティング膜の上に少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物を散布して、さらなるコーティング層を得るプロセスステップと、
c3)プロセスステップc2)で得られた、少なくとも1つのコーティング層を有する少なくとも1つの菓子コアのコーティング層を結晶化させるプロセスステップと
を含む少なくとも1回の後続のコーティングサイクルを実施するプロセスステップと、
X)コアを覆う少なくとも1つのさらなるコーティング膜を得るための少なくとも1つのプロセスステップを実施するプロセスステップであって、プロセスステップb)の後でかつプロセスステップe)の前に、少なくとも1つのコーティング層にイソマルト含有コーティング媒体を少なくとも1回施与して、コアを覆う少なくとも1つのさらなるコーティング膜を得るが、ただしこれに次いで、少なくとも1つの菓子コアを覆うコーティング膜に少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物を散布しない、プロセスステップと、
d)プロセスステップb)の後に少なくとも1回の乾燥を実施するプロセスステップと、
e)無糖コーティングを有する菓子製品を得るプロセスステップと
を含む、方法に関する。
【0007】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップX)が、少なくとも1回、少なくとも2回、少なくとも3回、特に1回、2回、または3回以上実施されることを提供することができる。
【0008】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップd)が、少なくとも1回、特に少なくとも2回、特に3回、特に1回、2回、または3回以上実施されることが提供される。
【0009】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップX)が、プロセスステップd)の前に実施されることが提供される。
【0010】
特に好ましい実施形態では、少なくとも1つのプロセスステップX)が、プロセスステップd)の直前に、すなわち1つ以上のプロセスステップを挟まずに実施されることが提供される。
【0011】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップX)が、第1回目の、第2回目のおよび/またはさらなるプロセスステップd)の実施の直前に、すなわち1つ以上のプロセスステップを挟まずに実施されることが提供される。特に好ましい実施形態では、少なくとも1つのプロセスステップX)が、プロセスステップd)の第1回目の、第2回目のおよび/またはさらなる実施の直前に実施されることが提供される。
【0012】
特に好ましい実施形態では、少なくとも1つのプロセスステップX)が、プロセスステップd)の第1回目の実施の直前に実施されることが提供される。
【0013】
本発明の特に好ましい実施形態では、プロセスステップX)は、プロセスステップd)の前後に実施される。
【0014】
本発明によれば、プロセスステップX)は、プロセスステップb)またはc)またはb)およびc)で施与されたコーティング層を乾燥ステップd)の実施前に保護し、特に穏やかな乾燥を保証するために有利に実施される。したがって、本発明による方法は特に、初期および後続のコーティングサイクルによって菓子コアにコーティング層を施与し、該コーティング層を、初期および後続のコーティングサイクル以外で別個に、少なくとも1つのプロセスステップd)で乾燥させることを提供し、ここで、少なくとも1つの乾燥ステップd)、特に実施され得るすべての乾燥ステップd)は、好ましい実施形態では、少なくとも1つのプロセスステップX)の実施後に実施され、その際、プロセスステップX)は、特に穏やかな乾燥を可能にする。好ましい実施形態では、少なくとも1つのプロセスステップX)が、プロセスステップd)の実施の直前に、特にプロセスステップd)の第1回目の実施の直前に実施されることが提供される。理論に拘束されるものではないが、プロセスステップX)による少なくとも1つのコーティング膜の施与は、プロセスステップb)および/またはc)で施与された少なくとも1つのコーティング層、特にその粉体状成分が摩滅しなくなることにもつながる。
【0015】
本発明はまた、無糖コーティングを有する菓子製品の製造方法であって、
a)少なくとも1つの菓子コアと、イソマルト含有コーティング媒体と、少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物とを提供するプロセスステップであって、少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物が、(少なくとも1つの米デンプン・イソマルト組成物の全乾燥物の総重量に対して)少なくとも30重量%の米デンプンを含むプロセスステップと、
b)以下:
b1)少なくとも1つの菓子コアにイソマルト含有コーティング媒体を施与して、コアを覆うコーティング膜を得るプロセスステップと、
b2)少なくとも1つの菓子コアを覆うコーティング膜の上に少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物を散布して、コーティング層を得るプロセスステップと、
b3)プロセスステップb2)で得られた、コーティング層を有する少なくとも1つの菓子コアのコーティング層を結晶化させるプロセスステップと
を含む初期コーティングサイクルを実施するプロセスステップと、
c)以下:
c1)少なくとも1つのコーティング層にイソマルト含有コーティング媒体を施与して、コアを覆う少なくとも1つのさらなるコーティング膜を得るプロセスステップと、
c2)少なくとも1つの菓子コアを覆うコーティング膜の上に少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物を散布して、さらなるコーティング層を得るプロセスステップと、
c3)プロセスステップc2)で得られた、少なくとも1つのコーティング層を有する少なくとも1つの菓子コアのコーティング層を結晶化させるプロセスステップと
を含む少なくとも1回の後続のコーティングサイクルを実施するプロセスステップと、
d)プロセスステップb)の後に少なくとも1回の乾燥を実施するプロセスステップと、
e)無糖コーティングを有する菓子製品を得るプロセスステップと
を含む、特にこれらのプロセスステップからなる、方法にも関する。
【0016】
したがって、本発明は、無糖コーティングを有する菓子製品の製造方法であって、第1のプロセスステップa)において、少なくとも1つの菓子コアと、イソマルト含有コーティング媒体と、少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物とを提供する方法を提供する。
【0017】
少なくとも3つのサブステップを含む、特にちょうど3つのサブステップからなる第2のプロセスステップb)では、初期コーティングサイクルが実施される。ここで、少なくとも3つのサブステップb1)、b2)およびb3)は、連続して、特に間をあけずに連続して、すなわち好ましくは中間ステップなしで実施され、b1)では、少なくとも1つの菓子コアにイソマルト含有コーティング媒体を施与して、コアを覆うコーティング膜を得て、すなわち、コーティング膜を有するコアであって該コーティング膜がコアを部分的または完全に覆うコアを得て、続く第2のプロセスステップb2)では、少なくとも1つの菓子コアを覆うコーティング膜の上に少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物を散布して、菓子コアを部分的または完全に覆うコーティング層を得る。次いで、第3のサブステップb3)では、サブステップb2)で得られた、コーティング層を有する少なくとも1つの菓子コアのコーティング層を結晶化、特に予備乾燥させる。ここで、好ましい実施形態では、コーティング層中の溶解したイソマルトの結晶化が有利に行われる。
【0018】
さらなるプロセスステップc)では、後続のコーティングサイクルで、少なくとも3つの、特にちょうど3つのサブステップが実施され、すなわちプロセスステップc)は、少なくとも3つのサブステップを含み、特にちょうど3つのサブステップからなる。ここで、少なくとも3つのサブステップc1)、c2)およびc3)は、連続して、特に間をあけずに連続して、すなわち好ましくは中間ステップなしで実施される。サブステップc1)では、少なくとも1つのコーティング層、すなわち菓子コアを覆う少なくとも1つのコーティング層にイソマルト含有コーティング媒体を施与して、コア、すなわちコーティング層で覆われたコアを部分的または完全に覆う少なくとも1つのさらなるコーティング膜を得る。この少なくとも1つのさらなるコーティング膜の上に、続くサブステップc2)では、少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物を散布して、さらなるコーティング層を得る。このさらなるコーティング層は、少なくとも1つのコーティング層を有する少なくとも1つの菓子コアを部分的または完全に覆う。次いで、第3のサブステップc3)では、先行するサブステップc2)で得られた、少なくとも1つのコーティング層を有する少なくとも1つの菓子コアのコーティング層を結晶化、特に予備乾燥させる。ここで、好ましい実施形態では、コーティング層中の溶解したイソマルトの結晶化が有利に実施される。
【0019】
有利な実施形態では、プロセスステップc)を、少なくとも2回、特に少なくとも9回実施することができる。実施されるプロセスステップc)の数(すなわちサイクル数)に応じて、施与されるコーティング層の数が決まる。
【0020】
本発明によれば、好ましくは、または必ず、少なくとも1つの追加のプロセスステップX)において、プロセスステップb)の後でかつプロセスステップe)の前に、特にプロセスステップd)の前に、特にプロセスステップd)の直前に、すなわち好ましくはプロセスステップd)の前に1つ以上のプロセスステップを挟まずに、好ましくは少なくとも1回、少なくとも1つのコーティング層に少なくとも1つのコーティング媒体を施与して、コアを覆う少なくとも1つのさらなるコーティング膜を得るが、ただしこれに次いで、少なくとも1つの菓子コアを覆うコーティング膜に少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物を散布しない。
【0021】
さらなるプロセスステップd)では、プロセスステップb)の後に少なくとも1回の乾燥を実施し、すなわち本発明による少なくとも1つのコーティング層を備えた菓子コアを乾燥させる。
【0022】
好ましい実施形態では、プロセスステップd)による乾燥が、プロセスステップb)の後でかつプロセスステップc)の前に実施されることが提供される。本発明によれば、好ましい実施形態では、プロセスステップd)による乾燥が、少なくとも1つのプロセスステップc)の後に実施されることが提供される。好ましい実施形態では、プロセスステップd)による乾燥が、本発明による方法の間に少なくとも1回、特に少なくとも2回、特に2回、特に3回実施され、その際、それぞれ各プロセスステップd)の間に少なくとも1つのプロセスステップc)、好ましくは1~15のプロセスステップc)が実施されることが提供される。本発明によれば、好ましい実施形態では、少なくとも2つのプロセスステップd)が実施され、特にプロセスステップb)の後にそれぞれ1つのプロセスステップd)が実施され、かつ/または1つのプロセスステップc)の実施後に1つ以上のプロセスステップd)が実施され、その際、各プロセスステップd)の間にそれぞれ少なくとも1つのプロセスステップc)が実施されることが提供される。
【0023】
さらなる特に好ましい実施形態では、プロセスステップd)による乾燥が、プロセスステップc)が少なくとも1回実施された直後でかつプロセスステップe)の前に、特に好ましくは少なくとも1つのプロセスステップc)の第1回目の実施の直後に、特に好ましくはプロセスステップc)のある段階の第1回目の実施の後に実施されることが提供される。
【0024】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップd)による乾燥が、プロセスステップb)の後でかつプロセスステップe)の前に、すなわち無糖コーティングを有する菓子製品が得られる前に実施されることが提供される。特に好ましい実施形態では、プロセスステップd)がプロセスステップb)の後でかつプロセスステップe)の前に実施され、その際、少なくとも2つのプロセスステップc)、すなわち少なくとも2つの後続のコーティングサイクルが実施され、プロセスステップc)の少なくとも1つがプロセスステップd)の後に実施されることが提供される。
【0025】
さらなるプロセスステップe)では、無糖コーティングを有する菓子製品を得る。本発明により得られるコーティングは、少なくとも2つのコーティング層を含み、特にこれらからなる。
【0026】
好ましい実施形態では、本発明によれば、着色料を含まない、特にTiO2を含まないコーティング媒体が使用され、コーティングの間に、特にプロセスステップb)、c)およびd)の間に、特にプロセスステップb)、c)、d)およびX)の間に着色料、特にTiO2(二酸化チタン)が添加されないため、コーティングが着色料を含まない、特にTiO2を含まない菓子製品が製造される。
【0027】
本発明の特に好ましい実施形態では、イソマルト含有コーティング媒体は、アラビアガムを含まない。
【0028】
本発明の特に好ましい実施形態では、本発明により製造される菓子製品の無糖コーティングは、アラビアガムを含まない。
【0029】
特に好ましい実施形態では、本発明によれば、アラビアガムを含まないコーティング媒体が使用され、コーティングの間に、特にプロセスステップb)、c)およびd)の間に、特にプロセスステップb)、c)、d)およびX)の間にアラビアガムが添加されないため、コーティングがアラビアガムを含まない菓子製品が製造される。
【0030】
本発明の特に好ましい実施形態では、着色料を含まない、特にTiO2およびアラビアガムを含まないコーティング媒体が使用され、コーティングの間に、特にプロセスステップb)、c)およびd)の間に、特にプロセスステップb)、c)、d)およびX)の間に、着色料、特にTiO2およびアラビアガムが添加されないため、コーティングが着色料を含まず、特にTiO2およびアラビアガムを含まない、菓子製品が製造される。
【0031】
したがって、本発明の好ましい実施形態では、着色料を含まない、特にTiO2およびアラビアガムを含まない無糖コーティングを有する菓子製品、特にチューインガムが提供される。
【0032】
理論に拘束されるものではないが、本発明による方法、特に粉末状米デンプン・イソマルト組成物の使用と、特にイソマルト含有コーティング媒体および少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物を含むコーティング層の乾燥とによって、有利に、特に無糖コーティングを有する白色の菓子製品が得られる。粉末状米デンプン・イソマルト組成物を使用することで、純粋な米デンプンを使用した場合に比べて、コーティングの生成が特に速くなる。
【0033】
本発明によれば、好ましい実施形態では、プロセスステップb2)およびc2)で使用される米デンプン・イソマルト組成物が、固形、すなわち粉末状で、いわば顔料としてコーティング膜の表面に施与、いわば付着されることが特に提供される。本発明によれば、好ましくは、米デンプン・イソマルト組成物が水性分散液で存在せず、したがって古典的な様式によらずに、つまり従来の様式によらずにコーティングされることが提供される。好ましい実施形態では、これにより、水に長時間分散した米デンプンがイソマルトと組み合わさって望ましくない色調が生じることが回避される。
【0034】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップa)で提供される菓子コアは、甘味のある菓子コアまたは甘味のない菓子コアである。
【0035】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップa)で提供される菓子コアは、甘味のある菓子コアである。
【0036】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップa)で提供される菓子コアは、甘味のない菓子コアである。
【0037】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップa)で提供される菓子コアは、チューインガムコア、チョコレートコア、ハードキャラメルコア、ソフトキャラメルコア、ゼラチンベースのコアまたはゼラチン様のコア、発泡菓子コア、フレークコア、ドラジェコア、タブレットコア、フルーツコンフィコア、クロカントコア、ヌガーコア、氷菓コア、チョコレートコア、リコリスコア、マジパンコア、シリアルバーコア、またはアイスクリームコアである。
【0038】
特に好ましい実施形態では、菓子コアは、チューインガムコア、特に無糖チューインガムコア、特にイソマルト含有チューインガムコア、特にイソマルトST含有チューインガムコアである。
【0039】
特に好ましい実施形態では、チューインガムコアは、イソマルト、特にイソマルトSTと、少なくとも1つのさらなる糖アルコール、例えばソルビトールとを含む無糖チューインガムコアである。
【0040】
特に好ましい実施形態では、本発明により使用されるチューインガムコアは、チューインガムベース、ソルビトール、イソマルト、リカシン(Lycasin)および高甘味度甘味料、例えば、アセスルファムKおよびアスパルテーム、ならびにフレーバー剤およびアロマ剤、例えば、メントールおよびペパーミント、ならびに着色料を含むことができる。
【0041】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップa)で提供される菓子コアは、ラウゲンゲベックコア、リコリスコア、ベーコンコア、乾燥肉コア、ナッツコア、核果、チョコレートコア、パンコア、クルトンコア、魚コア、野菜コア、シーフードコア、ポテトコア、チップスコア、またはライスもしくはコーンウエハースコアである。
【0042】
特に好ましい実施形態では、使用される粉末状米デンプン・イソマルト組成物は、米デンプンおよびイソマルトを含み、特にこれらからなる。特に、使用される粉末状米デンプン・イソマルト組成物は、米デンプン粒および粉末状イソマルトを含み、特にこれらからなる。
【0043】
特に好ましい実施形態では、使用される粉末状米デンプン・イソマルト組成物は、特に2μm~9μmのサイズ、特に直径を有する米デンプン粒と、粉末状イソマルト、特にイソマルトSTまたはイソマルトPFとを含み、特にこれらからなる。
【0044】
特に好ましい実施形態では、米デンプン・イソマルト組成物中の米デンプンは、糊化米デンプン、非糊化米デンプン、可溶性糊化米デンプン、可溶性非糊化米デンプン、顆粒状糊化米デンプン、顆粒状非糊化米デンプンおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0045】
本発明によれば、特に好ましい実施形態では、好ましくは非糊化米デンプンが使用されることが提供される。本発明によれば、糊化または予備糊化米デンプンは、該デンプンが、糊化されても2μm~9μmのサイズ、特に直径を有するデンプン粒の形態で存在する場合にのみ好ましい。
【0046】
特に好ましい実施形態では、米デンプンは、中性米デンプン、特に粉末状の中性米デンプンである。
【0047】
特に好ましい実施形態では、米デンプンは、天然の米デンプンであり、特に、清浄化して砕いた米からデンプンを抽出および精製して製造されたものである。
【0048】
特に好ましい実施形態では、米デンプンは、冷水に不溶である。
【0049】
さらに好ましい実施形態では、米デンプンは、0.2~0.6g/cm3、特に0.3~0.5g/cm3、特に0.4g/cm3の嵩密度を有する。
【0050】
好ましい実施形態では、米デンプンは、デンプン粒の形態で存在する。
【0051】
好ましい実施形態では、米デンプンは、2~9μm、特に2~8μm、特に2~7μm、特に3~9μm、特に3~8μm、特に3~7μm、特に4~9μm、特に4~8μm、特に4~7μmのサイズ、特に直径を有するデンプン粒の形態で存在する。
【0052】
本発明によれば、このようなサイズ、特に直径のデンプン粒によって、有利に製造中に特に迅速に菓子製品の白色が達成され、かつ菓子製品の表面が特に滑らかになることを観察することができた。
【0053】
デンプン粒は、任意選択で50μm~1000μm、特に250μm~1000μm、特に75μm~200μmのサイズを有するデンプン凝集体の形態で存在することもできる。しかし、そのままで特に2μm~9μmのサイズ、特に直径を有するデンプン粒の形態で存在する米デンプンを使用することが好ましい。任意選択で、本発明によれば、米デンプンは、本発明による方法の間に急速にデンプン粒へと崩壊する凝集体の形態で使用することもできる。
【0054】
本発明の特に好ましい実施形態では、米デンプンは、粉末状である。
【0055】
特に好ましい実施形態では、イソマルト含有コーティング媒体が、イソマルト、特にイソマルトGSを、(それぞれコーティング媒体の総重量に対して)55~75重量%、特に60~75重量%、特に65~75重量%、特に70~75重量%、特に55~70重量%、特に55~65重量%、特に55~60重量%、特に60~70重量%含むことが提供される。
【0056】
特に好ましい実施形態では、イソマルト含有コーティング媒体が、(それぞれコーティング媒体の総重量に対して)55~80重量%、特に60~75重量%、特に65~73重量%、特に60~73重量%、特に62~71重量%、特に60~70重量%の乾燥物含有量を有することが提供される。
【0057】
特に好ましい実施形態では、イソマルト含有コーティング媒体は、水性のイソマルト含有コーティング媒体である。
【0058】
本発明の特に好ましい実施形態では、イソマルト含有コーティング媒体は、炭水化物、糖アルコール、糖代替物、高甘味度甘味料、脂質、食用酸、アミノ酸、着色料、食物繊維、タンパク質、フレーバー剤、ミネラル、金属酸化物、ビタミンおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのさらなる物質を含む。
【0059】
特に好ましい実施形態では、イソマルト含有コーティング媒体は、少なくとも1つのさらなる物質を、(それぞれコーティング媒体の総重量に対して)0.1~1重量%、好ましくは0.2~0.7重量%、特に0.2~0.6重量%含む。
【0060】
本発明の特に好ましい実施形態では、プロセスステップa)で提供される少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物が、米デンプンを(それぞれ少なくとも1つの米デンプン・イソマルト組成物の全乾燥物の総重量に対して)30~80重量%、特に30~70重量%、特に30~60重量%、特に30~50重量%、特に30~40重量%、特に40~80重量%、特に50~80重量%、特に60~80重量%、特に70~80重量%含むことが提供される。
【0061】
本発明の特に好ましい実施形態では、プロセスステップa)で提供される少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物が、イソマルトを(それぞれ少なくとも1つの米デンプン・イソマルト組成物の全乾燥物の総重量に対して)20~70重量%、特に20~60重量%、特に20~50重量%、特に20~40重量%、特に20~30重量%、特に30~70重量%、特に40~70重量%、特に50~70重量%、特に60~70重量%含むことが提供される。
【0062】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップa)で提供される少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物において、米デンプンとイソマルトとの比が、(それぞれ米デンプンの乾燥物とイソマルトの乾燥物との総重量に対して)30:70重量%~80:20重量%、特に40:60重量%、特に50:50重量%、特に60:40重量%、特に70:30重量%であることが提供される。
【0063】
本発明の特に好ましい実施形態では、菓子製品のコーティングの割合は、(それぞれ無糖コーティングを有する菓子製品の総重量に対して)20~60重量%、特に30~60重量%、特に40~60重量%、特に50~60重量%、特に20~55重量%、特に30~55重量%、特に40~55重量%、特に50~55重量%、特に20~45重量%、特に25~45重量%、特に30~45重量%、特に35~45重量%、特に40~45重量%、特に25~40重量%、特に25~35重量%、特に25~30重量%である。
【0064】
特に好ましい実施形態では、無糖コーティングを有する菓子製品、特にコーティングは、TiO2を少量のみ、(それぞれ菓子製品の乾燥物、特にコーティングの乾燥物の総重量に対して)特に最大で0.05重量%、特に最大で0.01重量%、特に0.001重量%のみ含み、特にTiO2を含まない。
【0065】
特に好ましい実施形態では、無糖コーティングを有する菓子製品は、白色である。
【0066】
特に好ましい実施形態では、無糖コーティングは、白色である。
【0067】
特に好ましい実施形態では、無糖コーティングおよび菓子コアは、白色である。
【0068】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップe)で得られた、無糖コーティングを有する菓子製品のコーティングにおいて、コーティング膜と、プロセスステップb2)および/またはc2)で散布される米デンプン・イソマルト組成物との重量比は、(それぞれコーティング膜と米デンプン・イソマルト組成物との総重量に対して)65:35~55:45、特に60:40、特に50:50である。
【0069】
プロセスステップb3)およびc3)は、プロセスステップb2)およびc2)で得られたコーティング層に結晶化および予備乾燥の時間を与えるプロセスステップである。プロセスステップb3)およびc3)は、通常の統合された結晶化および予備乾燥ステップである。
【0070】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップb3)および/またはc3)、特にプロセスステップb3)、プロセスステップc3)、またはプロセスステップb3)およびc3)の結晶化時間は、2~10分である。
【0071】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップb)および/またはc)、特にプロセスステップb)、プロセスステップc)、またはプロセスステップb)およびc)における温度は、15~35℃、特に20~35℃、特に25~35℃、特に30~35℃、特に15~30℃、特に15~25℃、特に15~20℃、特に20~30℃である。
【0072】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップb)および/またはc)における温度は、15~30℃である。
【0073】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップb)の後でかつプロセスステップe)の前の、特にプロセスステップd)の前の追加のプロセスステップX)において、少なくとも1つのコーティング層に少なくとも1つのコーティング媒体を少なくとも1回施与して、コアを覆う少なくとも1つのさらなるコーティング膜を得るが、ただしこれに次いで、少なくとも1つの菓子コアを覆うコーティング膜に少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物を散布しない。
【0074】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップX)が、少なくとも1回、好ましくは2回、好ましくは3回以上、特に2~50回、特に5~40回、特に10~30回実施されることを提供することができる。特に、プロセスステップX)が2回以上実施される好ましい実施形態では、プロセスステップX)が、間をあけずに続けて、すなわち少なくとも1つの段階の形態で実施されるか、または1つ以上のプロセスステップc)および/もしくはd)を間に挟んで別々に実施されることを提供することができる。
【0075】
実施されるプロセスステップX)の数(すなわちサイクル数)に応じて、施与される層の数が決まる。プロセスステップX)は、シールまたはシーリングステップとも呼ばれる。
【0076】
本発明の特に好ましい実施形態では、プロセスステップX)は、2~5回、特に間をあけずに連続して、すなわち1つの段階の形態で、プロセスステップb)の後でかつプロセスステップd)の前に、特にプロセスステップd)の第1回目の実施の前に、特にプロセスステップd)の第1回目の実施の直前に実施される。
【0077】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップX)は、少なくとも2つの段階で、すなわち、2つの互いに別々の、間をあけずに連続するプロセスステップX)のシーケンスで、特にプロセスステップc)および/またはd)を間に挟んだシーケンスで、実施することができる。
【0078】
本発明の特に好ましい実施形態では、2~5つのプロセスステップX)の第1の段階が、プロセスステップc)の第1の段階の後でかつプロセスステップd)の前に、特にプロセスステップd)の第1回目の実施の前に、特にプロセスステップd)の第1回目の実施の直前に実施され、プロセスステップX)の第2の段階が、プロセスステップc)の第2の段階の後に実施されることが提供される。
【0079】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップX)の第1の段階は、プロセスステップc)の第1の段階の後でかつプロセスステップd)の前に、特にプロセスステップd)の第1回目の実施の前に、特にプロセスステップd)の第1回目の実施の直前に実施され、プロセスステップX)の第2の段階は、プロセスステップc)の第2の段階の後に実施され、このプロセスステップc)の第2の段階は、プロセスステップd)による乾燥の後に実施される。
【0080】
本発明の特に好ましい実施形態では、プロセスステップc)の第1の段階の直後に、プロセスステップd)による乾燥を実施し、続いてプロセスステップc)の第2の段階およびプロセスステップX)の第1の段階を実施し、その直後にプロセスステップd)による第2の乾燥ステップを実施し、その後、プロセスステップc)の第3の段階を実施し、その直後にプロセスステップd)による第3の乾燥ステップを実施し、続いてプロセスステップX)の第2の段階を実施することが提供される。
【0081】
本発明の特に好ましい実施形態では、プロセスステップX)の第1の段階は、プロセスステップc)の第1の段階の後でかつプロセスステップd)の前に、特にプロセスステップd)の第1回目の実施の直前に実施され、プロセスステップX)の第2の段階は、プロセスステップc)の第2の段階およびその直後のプロセスステップd)による第2の乾燥の後に実施される。
【0082】
本発明の特に好ましい実施形態では、プロセスステップX)における温度は、15~35℃、特に20~35℃、特に25~35℃、特に30~35℃、特に15~30℃、特に15~25℃、特に15~20℃、特に20~30℃である。特に好ましい実施形態では、プロセスステップX)における温度は15~30℃、特に25℃である。
【0083】
本発明の好ましい実施形態で達成される、本発明の方法の、特にプロセスステップd)を用いることの利点は、プロセスステップX)で施与されるコーティングの割合、ひいてはこれに使われる時間をも減らすことができることにある。特に好ましい実施形態では、本発明により提供されるプロセスステップd)を用いることで、プロセスステップX)で多くても25重量%のコーティングを施与すれば済むことを達成することができる。
【0084】
特に好ましい実施形態では、本発明によれば、プロセスステップX)で1重量%~25重量%、特に2重量%~23重量%、特に5重量%~20重量%、特に10重量%~20重量%のコーティングが施与されることを提供することができる。特に好ましくは、プロセスステップX)で6~14重量%のコーティングが施与される。
【0085】
本発明の特に好ましい実施形態では、プロセスステップc)は、少なくとも10回、特に少なくとも20回、特に少なくとも30回、特に少なくとも40回、特に少なくとも50回、特にちょうど10回、特にちょうど20回、特にちょうど30回、特にちょうど40回、特にちょうど50回実施される。
【0086】
好ましい実施形態では、プロセスステップc)は、10~70回、特に20~60回、特に30~50回、特に10~25回実施される。
【0087】
本発明の特に好ましい実施形態では、プロセスステップd)による乾燥は、プロセスステップb)の後で且つプロセスステップc)を少なくとも5回実施した後、特にプロセスステップc)を少なくとも10回実施した後、特にプロセスステップc)を少なくとも20回実施した後に行われる。このようにして、好ましい実施形態では特に、表面が特に滑らかな菓子製品を得ることができ、好ましくは、乾燥させずに得られた菓子製品、特にプロセスステップc)を少なくとも5回実施した後、特にプロセスステップc)を少なくとも10回実施した後、特にプロセスステップc)を少なくとも20回実施した後に乾燥させずに得られた菓子製品と比較して、より滑らかな表面を有する菓子製品を得ることができる。
【0088】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップd)による乾燥がプロセスステップb)の後且つプロセスステップc)の第1の段階の後に行われること、およびプロセスステップd)による乾燥の後にプロセスステップc)の第2の段階が行われること、すなわち後続のコーティングサイクルを、特に1~30回、特に1~20回、特に1~15回行ってよいことを提供することができる。
【0089】
本発明の特に好ましい実施形態では、プロセスステップd)は、それぞれプロセスステップb)、c)、X)またはb)およびc)およびX)の後に、少なくとも2回、特に1~5回、特に3~5回実施される。
【0090】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップd)の乾燥時間は、5~45分、特に10~45分、特に15~45分、特に20~45分、特に25~45分、特に30~45分、特に35~45分、特に40~45分、特に45分、特に5~40分、特に5~30分、特に5~20分、特に5~15分、特に5分、特に15~40分、特に15~35分、特に15~30分、特に15~25分、特に15~20分、特に15分である。
【0091】
本発明の特に好ましい実施形態では、プロセスステップd)の乾燥時間は、5~45分である。
【0092】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップb3)およびc3)の結晶化時間は、2~10分であり、プロセスステップd)の乾燥時間は、5~45分、特に15~45分、特に20~45分、特に25~45分、特に30~45分、特に35~45分、特に40~45分、特に15~40分、特に15~35分、特に好ましくは15~30分である。
【0093】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップd)の乾燥温度は、20~45℃、特に25~45℃、特に30~45℃、特に35~45℃、特に40~45℃、特に20~40℃、特に20~35℃、特に20~30℃、特に25~40℃、特に25~35℃、特に25~30℃、特に30~40℃、特に31℃~40℃である。
【0094】
本発明の特に好ましい実施形態では、プロセスステップd)の乾燥温度は、35~45℃である。
【0095】
本発明の特に好ましい実施形態では、プロセスステップd)の乾燥は、35~45℃の温度で5~45分間実施される。
【0096】
好ましい実施形態では、プロセスステップd)による乾燥温度は、プロセスステップb)および/またはc)の温度よりも高く、特にプロセスステップc)の温度よりも高い。特に好ましい実施形態では、本発明により、プロセスステップd)の乾燥温度が、プロセスステップb)、プロセスステップc)またはプロセスステップb)およびc)で、特に、プロセスステップb3)、プロセスステップc3)またはプロセスステップb3)およびc3)で、特にコーティング装置内で使用される温度よりも高いことが提供される。
【0097】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップb)の温度は、15~30℃、特に15~25℃、特に15~20℃、特に好ましくは20~30℃であり、プロセスステップd)による乾燥温度は、35~45℃、特に好ましくは35~40℃である。
【0098】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップc)の温度は、15~30℃、特に15~25℃、特に15~20℃、特に好ましくは20~30℃であり、プロセスステップd)による乾燥温度は、35~45℃、特に好ましくは35~40℃である。
【0099】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップb)およびc)の温度は、15~30℃、特に15~25℃、特に15~20℃、特に好ましくは20~30℃であり、プロセスステップd)による乾燥温度は、35~45℃、特に好ましくは35~40℃である。
【0100】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップb3)の温度は、15~30℃、特に15~25℃、特に15~20℃、特に好ましくは20~30℃であり、プロセスステップd)による乾燥温度は、35~45℃、特に好ましくは35~40℃である。
【0101】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップc3)の温度は、15~30℃、特に15~25℃、特に15~20℃、特に好ましくは20~30℃であり、プロセスステップd)による乾燥温度は、35~45℃、特に好ましくは35~40℃である。
【0102】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップb3)およびc3)の温度は、15~30℃、特に15~25℃、特に15~20℃、特に好ましくは20~30℃であり、プロセスステップd)による乾燥温度は、35~45℃、特に好ましくは35~40℃である。
【0103】
特に好ましい実施形態では、本発明は、本発明による方法によって製造可能な、特に本発明による方法によって製造された、無糖コーティングを有する菓子製品、特にチューインガムにも関する。
【0104】
特に好ましい実施形態では、X)を含むプロセスステップa)からe)は、コーティングドラムを備えたコーティング装置、例えば、ドリアコータ(Driacoater)で実施することができる。好ましくは、プロセスステップd)は、コーティングドラムを備えたコーティング装置、例えば、好ましくはプログラム可能な制御ユニットを備えた自動コーティング装置で実施することができる。
【0105】
特に好ましい実施形態では、本発明により、プロセスステップd)においてコーティングドラムを低回転速度で回転させること、またはさらなる実施形態では、好ましくは低回転速度での回転と、コーティングドラムの停止とを、交互に行うことが提供される。
【0106】
好ましい実施形態では、プロセスステップd)において、菓子コアが、低い、特にプロセスステップb)またはc)またはb)およびc)の間よりも低い、回転速度、特に壁速度で動かされることが提供される。特に好ましい実施形態では、プロセスステップd)におけるコーティングドラムの回転速度、特に壁速度が、プロセスステップb)またはc)またはb)およびc)の間よりも低く、特に少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%低いことが提供される。
【0107】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップd)において、特に上記の低い壁速度での運動、特に回転と、停止とが、交互に行われる。
【0108】
特に好ましい実施形態では、プロセスステップd)の壁速度は、150cm/分~200cm/分、特に180cm/分~190cm/分、特に188cm/分である。
【0109】
特に好ましい実施形態では、特に2つのプロセスステップd)を、特に35℃でそれぞれ30分ずつ実施することができる。
【0110】
本発明によれば、3つのプロセスステップd)を、特に35℃でそれぞれ15分ずつ実施することも可能である。
【0111】
特に好ましい実施形態では、1つ、2つ、3つ、4つ、または5つすべてのプロセスステップb1)、b2)、c1)、c2)および/またはX)をそれぞれ実施した後にそれぞれ、各施与成分、すなわちコーティング媒体および/または米デンプン・イソマルト組成物の分配ステップを実施して、特にそれぞれの被コーティング表面上に可能な限り均一な分布を生じさせることを提供することができる。
【0112】
さらに好ましい実施形態では、プロセスステップe)で得られた菓子製品を、通常のさらなる処理ステップ、特に艶出しおよび/またはワックス処理ステップに供することを提供することができる。
【0113】
本発明の特に好ましい実施形態では、本方法により使用される成分をプロセスステップa)で提供した後に、プロセスステップb)を1回実施し、次にプロセスステップc)を2~15回、特に5~12回、好ましくは9回、特に10回実施し、次にプロセスステップX)を好ましくは1~5回、好ましくは1~3回、好ましくは2回実施し、その直後にプロセスステップd)を30℃~45℃、特に35℃~45℃で5~45分間、特に40℃で35分間、特に35℃で30分間にわたって1回実施し、次にプロセスステップc)を1~20回、特に5~15回、特に15回実施することができ、好ましくは、次にプロセスステップX)が1~20回、特に10~20回、特に17回実施される。これに続いて、プロセスステップe)で得られた生成物にワックス処理を施してもよいし、施さなくてもよい。
【0114】
本発明の特に好ましい実施形態では、本方法により使用される成分をプロセスステップa)で提供した後に、プロセスステップb)を1回実施し、次にプロセスステップc)を2~15回、特に5~12回、好ましくは9回、特に10回実施し、次にプロセスステップX)を好ましくは1~5回、好ましくは2~5回、好ましくは5回実施し、その直後にプロセスステップd)を30℃~45℃、特に35℃~45℃で5~45分間、特に40℃で35分間、特に35℃で30分間にわたって1回実施し、次にプロセスステップc)を1~20回、特に5~15回、特に7回、特に15回実施することができ、好ましくは、次にプロセスステップX)が1~30回、特に15~30回、特に26回実施される。これに続いて、プロセスステップe)で得られた生成物にワックス処理を施してもよいし、施さなくてもよい。
【0115】
本発明のさらなる特に好ましい実施形態では、本方法により使用される成分をプロセスステップa)で提供し、プロセスステップb)を1回実施した後に、次にプロセスステップc)を2~15回、特に5~15回、特に5回実施することができる。次にプロセスステップd)が、30~45℃、特に35~45℃で5~15分間、特に35℃で15分間実施される。その後、プロセスステップc)が2~15回、特に3~10回、特に5回実施される。その後、プロセスステップX)が1~5回、特に1~3回、特に2回実施される。その直後に、プロセスステップd)が30~45℃、特に35~45℃で5~15分間、特に35℃で15分間にわたって1回実施される。その後、プロセスステップc)が1~20回、特に5~15回、特に15回実施される。その後、プロセスステップd)が30~45℃、特に35~45℃で5~15分間、特に35℃で15分間にわたって1回実施される。その後、プロセスステップX)が1~30回、特に10~30回、特に10~20回、特に12回実施される。これに続いて、プロセスステップe)で得られた生成物にワックス処理を施してもよいし、施さなくてもよい。
【0116】
本発明のさらなる特に好ましい実施形態では、本方法により使用される成分をプロセスステップa)で提供し、プロセスステップb)を1回実施した後に、次にプロセスステップc)を2~15回、特に5~12回、好ましくは9回実施することができる。次にプロセスステップX)が、好ましくは1~5回、好ましくは1~3回、特に2回実施される。その直後に、プロセスステップd)が30℃~45℃、特に35℃~45℃で5~45分間、特に35℃で30分間にわたって1回実施される。その後、プロセスステップc)が1~20回、特に5~15回、特に15回実施され、次にプロセスステップd)が30℃~45℃、特に35℃~45℃で5~45分間、好ましくは40℃で35分間、特に35℃で30分間にわたって実施され、次にプロセスステップX)が1~30回、特に10~30回、特に15~30回、特に17~25回、特に17回実施される。これに続いて、プロセスステップe)で得られた生成物にワックス処理を施してもよいし、施さなくてもよい。
【0117】
本発明に関連して、「無糖コーティング」とは、少なくとも2つのコーティング層を含むとともに、スクロースを少量のみ、(コーティングの乾燥物の総重量に対して)特に最大で0.5重量%、特に最大で0.1重量%、特に最大で0.01重量%のみ含み、特にスクロースを含まない菓子製品の被覆を意味すると理解される。
【0118】
本発明に関連して、「菓子製品」とは、甘味を有する製品を意味すると理解される。この味は、菓子コアおよび/またはコーティングによって付与することができる。
【0119】
本発明に関連して、「菓子コア」とは、甘くても甘くなくてもよい固体および/または液体の組成物を意味すると理解される。
【0120】
本発明に関連して、「イソマルト含有コーティング媒体」とは、イソマルトを含み、菓子コアをコーティングするのに適した溶液または懸濁液(シロップとも呼ばれる)、特に溶液、または特にシロップ、特に水溶液または水性懸濁液を意味すると理解される。
【0121】
本発明に関連して、「イソマルト」とは、6-O-α-D-グルコピラノシル-D-ソルビトール(1,6-GPS)と、1-O-α-D-グルコピラノシル-D-マンニトール(1,1-GPM)と、任意選択で1-O-α-D-グルコピラノシル-D-ソルビトール(1,1-GPS)との混合物、特にイソマルトGSまたはイソマルトSTを意味すると理解される。
【0122】
本発明に関連して、「イソマルトGS」とは、(それぞれイソマルトGSの乾燥物の総重量に対して)72~78重量%、好ましくは75重量%の1,6-GPSと、22~28重量%、特に25重量%の1,1-GPMとの混合物を意味すると理解される。
【0123】
本発明に関連して、「イソマルトST」とは、(イソマルトGSの乾燥重量に対して)53~47重量%の1,6-GPSと、47~53重量%の1,1-GPMとの混合物を意味すると理解される。
【0124】
好ましい実施形態では、粉末状イソマルトが使用され、特にイソマルトST-PFが使用される。
【0125】
本発明に関連して、「デンプン粒」とは、最大で9μmのサイズ、特に直径を有するデンプンの粒子を意味すると理解される。このような粒子が複数集まって、より大きなサイズの凝集体を形成することもある。
【0126】
本発明に関連して、「粉末状」とは、固体の粒子状の状態を意味すると理解される。
【0127】
本発明に関連して、「米デンプン」とは、特に米粒から得ることができ、特に主に米粒から得られる炭水化物を含み、特にこれからなることを特徴とする、米から得られたデンプン含有組成物を意味すると理解される。例えば、米デンプンは、オリザ・サティバ・ジャポニカ(Oryza sativa ssp. japonica)、O.サティバ・シニカ(O. sativa ssp. sinica)、O.サティバ・インディカ(O. sativa ssp. indica)、O.サティバ・アロマティック(O. sativa ssp. aromatic)またはO.サティバ・アウス(O. sativa ssp. aus)の米粒から得られたものであってよく、好ましくは米デンプンは、O.サティバ・インディカ(O. sativa ssp. indica)の米粒から得られる。
【0128】
本発明に関連して、「コーティング膜」とは、コアに施与されたコーティング媒体により得られた、菓子コアを覆う膜を意味すると理解される。
【0129】
本発明に関連して、「コーティング層」とは、本発明により使用される粉末状米デンプン・イソマルト組成物をコーティング膜に散布することによって得られる、菓子コアを覆う層を意味すると理解され、すなわちコーティング層は、コアに施与された、コーティング媒体により得られたコーティング膜と、その上に散布された米デンプン・イソマルト組成物とを含む。
【0130】
本発明に関連して、「コーティング」とは、すべてのコーティング層、および任意選択でプロセスステップX)により存在する施与されたコーティング膜の全体を意味すると理解される。
【0131】
本発明に関連して、「プロセスステップb3)およびc3)による結晶化」とは、少なくとも1つのコーティング膜の上に粉末状米デンプン・イソマルト組成物を散布した後に行われ、かつ結晶化の役割を果たす、それ自体は通常のプロセスステップを意味すると理解される。
【0132】
結晶化は、プロセスステップd)の意味での乾燥には該当しない。特に、プロセスステップd)による乾燥は、プロセスステップb3)および/またはc3)による結晶化の後に行うことができる。本発明によれば、結晶化と予備乾燥とを組み合わせることが好ましい。特に好ましい実施形態によれば、結晶化は、予備乾燥である。乾燥とは対照的に、結晶化では、先行するプロセスステップb2)および/またはc2)で得られたコーティング層内に結晶が形成される。プロセスステップd)による乾燥は、結晶の形成を伴わず、さらに時間および/または温度といった技術的パラメータの点で本発明による結晶化とは異なる。
【0133】
本発明に関連して、「乾燥」とは、初期または後続のコーティングサイクルの後に実施される乾燥ステップを意味すると理解される。本発明によれば、「乾燥」は「結晶化」には該当しない。特に、乾燥は、時間および/または温度といった技術的パラメータの点で本発明による結晶化とは異なり得る。したがって、特に好ましい実施形態では、本発明により、プロセスステップd)の乾燥温度が、プロセスステップb)、プロセスステップc)またはプロセスステップb)およびc)で、特に、プロセスステップb3)、プロセスステップc3)またはプロセスステップb3)およびc3)で特にコーティング装置内で使用される温度よりも高いことが提供される。乾燥によって特に、存在し得る水分が排除されることで、イソマルトと組み合わせた米デンプンの光学的機能が維持される。
【0134】
本発明に関連して、「初期コーティングサイクル」とは、菓子コアに第1のコーティング層を部分的または完全に施与し、予備乾燥させ、その際に結晶化させるサイクルを意味すると理解される。
【0135】
本発明に関連して、「後続のコーティングサイクル」とは、コーティング層を有する菓子コアに、さらなるコーティング層を部分的または完全に施与し、予備乾燥させるサイクルを意味すると理解される。
【0136】
本発明に関連して、「シールまたはシーリングステップ」とは、プロセスステップb)および/またはc)で得られたコーティング層にイソマルト含有コーティング媒体を少なくとも1回施与するが、ただしこれに次いで、このプロセスステップX)により施与された、少なくとも1つの菓子コアを覆うコーティング膜に、少なくとも1つの粉末状米デンプン・イソマルト組成物を散布しないプロセスステップを意味すると理解される。
【0137】
本発明に関連して、サイクルとは、プロセスステップb)、c)、d)またはX)を実施することを意味すると理解される。
【0138】
本発明に関連して、段階とは、間をあけずに連続する少なくとも2つのプロセスステップb)、c)、d)またはX)のシーケンスを意味すると理解される。このような段階は、施与量、分配時間および/または結晶化時間および/または乾燥時間などのパラメータが同一またはほぼ同一である複数のサイクルを含む。
【0139】
本発明に関連して、プロセスステップb)の温度、ならびにプロセスステップc)の温度、特にプロセスステップb3)およびプロセスステップc3)の温度は、周囲温度、すなわちコーティング装置、特にコーティングドラムにおいて存在する温度を意味すると理解される。したがって、特に好ましい実施形態では、これは、コーティング装置、特にコーティングドラム内に存在する空気の温度とすることができる。
【0140】
本発明に関連して、互いに関連する2つのプロセスステップに関する「直前」または「直後」という語句の並びは、関連するこれらの2つのプロセスステップが、時間的に互いにずらされて実施され、特にこれらの2つのプロセスステップの間に1つ以上のプロセスステップを挟まないことを意味する。
【0141】
本発明に関連して、「および/または」という語句の並びは、「および/または」という語句で結ばれている群のすべてのメンバーが、互いに選択的にも、それぞれ任意の組み合わせで互いに累積的にも開示されることを意味する。例示的に、「A、Bおよび/またはC」という表現について、これは以下の開示内容を意味すると理解されるべきである:i)(AまたはBまたはC)、またはii)(AおよびB)、またはiii)(AおよびC)、またはiv)(BおよびC)、またはv)(AおよびBおよびC)。
【0142】
本発明に関連して、「白色」の存在は、光学的に、好ましくは分光測色計、特にミノルタ社製分光測色計CM-5によって判定され、好ましくは、菓子製品の透過および反射の色値L、a、b、Cおよびh°(国際CIELAB(L、a、b)およびCIELCH(L、C、h°)値(国際照明委員会(Commission Internationale de l’Eclairage)、ウィーン)での結果のデータ)が、特にDIN 5033(1983-07版)、DIN 6167(1980-01版)、DIN 6174(1979-01版)、DIN 55981(1979-05版)および/またはDIN EN 1557(1996版)に準拠して測定される。
【0143】
パラメータの意味:L=明度(0~100)、a=赤色ないし緑色の色度(-150~100)、b=黄色ないし青色の色度(-100~150)、C=彩度(0~150)(Chroma)、h°=彩度を°で表したもの(色相角度)。
【0144】
特に好ましい実施形態では、本発明により製造された菓子製品のコーティングを用いて本発明による方法により得られる明度値Lは、特に高く、特に着色料を含まない、特にTiO2を含まない既知の菓子製品よりも高い。
【0145】
本発明に関連して、小数点以下第1位および第2位、または小数点以下第2位が数字で示されていない場合、これはゼロとすることができる。
【0146】
本発明に関連して、生成物または組成物の成分の定量的データ、特にパーセンテージが示されている場合、これらは、別段の明示がない限り、または当業者に自明であるように、組成物または生成物の他の明示されたまたは当業者に自明であるさらなる成分と合わせて合計で100%の組成物および/または生成物となる。
【0147】
本発明に関連して、ある成分が0重量%の量で「存在する」、またはこれを「含む」もしくは「有する」ことが明示または暗示されている場合、これは、各成分が測定可能な量では存在せず、特に存在しないことを意味する。
【0148】
さらなる有利な実施形態は、従属請求項から明らかである。
【0149】
以下の図面および実施例を参照して、本発明をさらに詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0150】
図1】例1の試験1および試験2のサイクルのシーケンスを示す図。棒は、コーティング媒体の使用量を示し、互いに連結された三角形は、粉末状イソマルト(ST PF)の使用量を示し、互いに連結された円形は、粉末状米デンプン(Remy B7)の使用量を示す。
図2】例1の試験3、試験4および試験5のサイクルのシーケンスを示す図。棒は、コーティング媒体の使用量を示し、互いに連結された三角形は、粉末状米デンプン・イソマルト組成物の使用量を示す。
図3】例1の試験6および試験7のサイクルのシーケンスを示す図。棒は、コーティング媒体の使用量を示し、互いに連結された三角形は、粉末状米デンプン・イソマルト組成物の使用量を示す。
図4】例2の試験1のサイクルのシーケンスを示す図。棒は、コーティング媒体の使用量を示し、互いに連結された三角形は、粉末状米デンプン・イソマルト組成物の使用量を示す。円グラフは、得られた菓子製品のコーティングにおけるコーティング膜と散布された粉末との重量比を示す。
図5】例2の試験2、試験3および試験4のサイクルのシーケンスを示す図。棒は、コーティング媒体の使用量を示し、互いに連結された三角形は、粉末状米デンプン・イソマルト組成物の使用量を示す。円グラフは、得られた菓子製品のコーティングにおけるコーティング膜と散布された粉末との重量比を示す。
図6】例2の試験5のサイクルのシーケンスを示す図。棒は、コーティング媒体の使用量を示し、互いに連結された三角形は、粉末状イソマルト・TiO2組成物の使用量を示す。円グラフは、得られた菓子製品のコーティングにおけるコーティング膜と散布された粉末との重量比を示す。
【実施例
【0151】
例1の試験1~試験7の図のすべてのグラフ、および例2の試験1~試験5の図のすべてのグラフのY軸に、シロップ(コーティング媒体)あるいは粉末の量をそれぞれグラム単位で示す。
【0152】
例1の試験1~試験7の図のすべてのグラフ、および例2の試験1~試験5の図のすべてのグラフのX軸に、各試験のサイクル数を示す。
【0153】
シロップは、コーティング媒体を意味し、粉末は、散布(施与)用の粉末状成分を意味し、これは例えば、イソマルト、米デンプン、米デンプン・イソマルト組成物、またはイソマルト・TiO2組成物である。
【0154】
[例1]
下記の試験1~試験7では、無糖コーティングを有する7つの異なる菓子製品をチューインガムの形態で製造した。
【0155】
試験1、試験2および試験7は、本発明によらない対照試験である。表1に、イソマルト含有コーティング媒体、粉末状米デンプン・イソマルト組成物、およびさらなる添加物質の組成を示す。
【0156】
試験1および試験2では、以下の組成のコアを使用した。
【0157】
ソフトチューインガムベース16%、ハードチューインガムベース16%、ソルビトールP60(Roquette)29.2%、イソマルトST PF(Beneo)25%、Lycasin 80/55(Roquette)10.6%、噴霧乾燥メントール(Symrise)1.5%、ペパーミントオイル(Symrise)1.5%、アセスルファムK(Beneo)0.1%、およびアスパルテーム(Beneo)0.1%(チューインガムベースの総質量に対するパーセンテージ)。
【0158】
試験2では、コーティングがTiO2を含むように、コーティング媒体にTiO2を加えた。他のすべての試験1および試験3~試験7のコーティングは、着色料を含まず、特にTiO2を含まない。
【0159】
試験3~試験7では、市販のチューインガムコアを使用した。
【0160】
各試験には、未被覆コアを各2.5kg使用した。
【表1】
【0161】
表2に、7つの菓子製品の各製造プロセスをまとめた。
【表2】
【0162】
段階とは、施与量、分配時間および結晶化/乾燥時間などのパラメータがほぼ同一である複数のサイクルの集合体であり、これらの段階には、ビルドアップ段階、メイン段階、スムージング段階およびワックス段階を含むことができ、これらの各段階は、複数のサイクルを含むことができる。
【0163】
各製造サイクルの正確なシーケンスを、図1図2および図3に示す。
【0164】
試験1および試験2のチューインガムの製造には、米デンプン・イソマルト組成物を使用しなかった。その代わりに、試験1および試験2のチューインガムの製造では、初期コーティングサイクルおよび9つの後続のコーティングサイクルで、コーティング膜に粉末状イソマルトST PFを散布した。試験1のサイクル11~サイクル15およびサイクル27~サイクル36、ならびに試験2ではサイクル11~サイクル20およびサイクル22~サイクル31で、コーティング膜に粉末状米デンプンを散布した(図1参照)。試験1および試験2の各サイクル21では、乾燥を35℃で30分間行った。試験1では、サイクル16~サイクル20、サイクル22~サイクル26およびサイクル37~サイクル74で、それぞれ1つのコーティング膜のみを施与し、すなわち粉末状組成物を散布しなかった。試験2では、サイクル32~サイクル55でそれぞれ、1つのコーティング膜のみを施与し、すなわち粉末状組成物を施与しなかった。
【0165】
試験3、試験4および試験5は、本発明による試験である。3つの試験すべてにおいて、最初の10サイクルで、コーティング媒体を施与した後に、コーティング膜に米デンプン・イソマルト組成物(イソマルトST PFと米デンプンとの1:1混合物)を散布した(図2参照)(プロセスステップb)およびc))。次に、それぞれ異なる数のコーティング膜を施与し(プロセスステップX))、35℃で30分の乾燥時間の乾燥ステップ(プロセスステップd))を実施した。この乾燥ステップの後、複数の後続のコーティングサイクル(プロセスステップc))を実施し、続いてコーティング膜を複数回施与した(プロセスステップX))。
【0166】
試験6も本発明による試験であるが、試験7は、この試験で乾燥ステップ(プロセスステップd))を実施しなかったため、本発明によるものではない。どちらの試験でも、最初の10サイクルで、コーティング媒体を施与した後に、コーティング膜に米デンプン・イソマルト組成物(イソマルトST PFと米デンプンとの1:1混合物)を散布した(図3参照)(プロセスステップb)およびc))。次に、2つのコーティング膜を施与した(プロセスステップX))。試験6では、その後に乾燥ステップ(プロセスステップd))を35℃で30分間実施した。その後、後続のコーティングサイクル(プロセスステップc))を15回実施し、米デンプン・イソマルト組成物を散布せずに17個のコーティング膜を施与した(プロセスステップX))。試験7では、2つのコーティング膜を施与した直後に、後続のコーティングサイクルを15回実施し、次に、米デンプン・イソマルト組成物を散布せずに17個のコーティング膜を施与した。
【0167】
試験1~試験7では、初期および後続のコーティングサイクルb)およびc)ならびにプロセスステップX)を、25℃の温度(コーティングドラム内の温度)で実施した。
【0168】
次に、試験1~試験7で製造した菓子製品を写真により検査した(表3および表4参照)。その際、明度(L)(lightness)、マゼンタ/緑色値(a)、黄色/青色値(b)、彩度(C)および色相角度(色相、h°)(Hue angle)を分析した(Minolta、CM5、測定視野3mm、反射)。
【0169】
試験1による菓子製品を、さらなる試験1aでさらにワックス層で覆って測定した。さらに、増白着色料を含む従来の参照チューインガム(参照1および参照2)の明度を調べた。
【表3】
【表4】
【0170】
表3および表4のデータは、ミノルタ社製分光測色計CM-5(測定視野3mm、反射)を用いて得られたものである。表3および表4から、本発明による試験3~試験6により製造されたチューインガムコーティングは、チカパン(Ticapan)(増白剤)またはTiO2なしにもかかわらず、有利に特に明色であることが明らかである。
【0171】
本発明による試験3、試験4、試験5および試験6で得られたチューインガムは、本発明によらない、同様に着色料を含まず、特にTiO2を含まない試験1および試験7のチューインガムに比べて、著しく優れた明度値、特にL値を有することが明らかである。試験2で得られた比較試験のTiO2含有チューインガム、ならびに参照2および参照1(チカパン(Ticapan))は、そのチカパン(Ticapan)あるいはTiO2の含有に基づき、より高い明度を示す。
【0172】
[例2]
下記の試験1~試験5では、無糖コーティングを有する5つの異なる菓子製品をチューインガムの形態で製造した。
【0173】
試験1~試験5では、以下の組成の黒色のコアを使用した。
【0174】
ソフトチューインガムベース16%、ハードチューインガムベース16%、イソマルトST-PF25%、ソルビトールP60(Roquette)28%、Lycasin 80/55(Roquette)10.50%、メントール(Symrise)1.5%、ペパーミントオイル(Symrise)1.5%、アスパルテーム(Beneo)0.1%、アセスルファムK(Beneo)0.1%、着色料Symcolor LBMFST No.107564 1%。
【0175】
各試験には、未被覆コアを各2.5kg使用した。
【0176】
試験5(イソマルトを使用し、米デンプンを使用しない粉末状組成物、TiO2を使用)は、本発明によらない対照試験である。試験1~試験4のコーティングは、着色料を含まず、特にTiO2を含まなかった。
【0177】
次の表5に、製造した5つのチューインガムの組成、および製造に使用したプロセスパラメータをまとめた。
【0178】
初期および後続のコーティングサイクルb)およびc)ならびにプロセスステップX)における施与時の温度は、25℃(コーティングドラム内の温度)であった。
【表5】
【0179】
試験1では、2つの乾燥プロセスステップd)を、温度35℃で各30分間実施した。試験2、試験3および試験4では、3つの乾燥プロセスステップd)を実施し、これらのプロセスステップをそれぞれ温度35℃で各15分間実施した。試験5では、乾燥プロセスステップd)を実施しなかった。
【0180】
試験1~試験5では、初期および後続のコーティングサイクルb)およびc)ならびにプロセスステップX)を、25℃の温度(コーティングドラム内の温度)で実施した。
【0181】
個々の製造サイクルの詳細なシーケンスを、図4図5および図6に示す。試験1によるチューインガムの製造は、本発明によるものである。この試験では、最初の10サイクルでそれぞれコーティング媒体を施与した後に、コーティング膜に粉末状米デンプン・イソマルト組成物(イソマルトST PFと米デンプンとの50:50混合物)を散布した(図4参照)(プロセスステップb)およびc))。次に、2つのコーティング膜を施与し(プロセスステップX))、乾燥ステップ(プロセスステップd))を35℃で30分間実施した。この乾燥ステップの後、後続のコーティングサイクル(プロセスステップc))を15回実施し、続いてさらなる乾燥ステップ(プロセスステップd))を35℃で30分間実施し、続いてコーティング膜の施与(プロセスステップX))を17回行った。プロセスステップe)で得られたチューインガムのコーティングにおけるコーティング膜と米デンプン・イソマルト組成物との重量比は、56:44(コーティング膜:米デンプン・イソマルト組成物)である。
【0182】
試験2、試験3および試験4も、本発明による試験である。3つの試験すべてにおいて、最初の5サイクルにおいてそれぞれコーティング媒体を施与した後に、コーティング膜に粉末状米デンプン・イソマルト組成物を、イソマルトST PFと米デンプンとの比率を変えて散布した(図5参照)(プロセスステップb)およびc))。試験2では、散布時のコーティング粉末において、イソマルト:米デンプンの混合比は50:50であり、試験3では30:70であり、試験4では70:30であった。コーティング媒体を施与した後、乾燥ステップ(プロセスステップd))を35℃で15分間実施した。続いて、上述の可変混合比の米デンプン・イソマルト組成物を、それぞれさらなる5つのサイクルで散布した(プロセスステップb)およびc))。次に2つのコーティング膜を施与し(プロセスステップX))、さらなる乾燥ステップ(プロセスステップd))を35℃で15分間実施した。この乾燥ステップの後、コーティング媒体および上記の粉末状米デンプン・イソマルト組成物をそれぞれ15回施与した(プロセスステップc))。35℃で15分間の第3回目の乾燥ステップ(プロセスステップd))の後、それぞれ12個のコーティング膜を施与した(プロセスステップX))。プロセスステップe)で得られたチューインガムのコーティングにおけるコーティング膜と米デンプン・イソマルト組成物との重量比は、54:46(コーティング膜:米デンプン・イソマルト組成物)である。
【0183】
試験5は、コーティング粉末として粉末状イソマルトST PF・TiO2組成物のみを使用し、かつ製造プロセス中に乾燥ステップ(プロセスステップd))を実施しないため、本発明によるものではない。試験5では、最初の25サイクルにおいてコーティング媒体を施与した後にそれぞれ、粉末状イソマルト・TiO2組成物を施与した。その後、17個のコーティング膜を施与した。試験5の後に得られたチューインガムでは、コーティング膜とイソマルト・TiO2組成物との重量比は、54:46(コーティング膜:イソマルト・TiO2組成物)である。
【0184】
次に、試験1~試験5で製造した菓子製品を写真により検査した(表6参照)。その際、明度(lightness)、マゼンタ/緑色値、黄色/青色値、彩度および色相角度(hue angle)を分析した(Minolta CM-5、測定視野3mm、反射)。
【表6】
【0185】
本発明による試験1~試験4の生成物は、TiO2なしにもかかわらず、好ましい明度、特に明度Lを有することがわかる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】