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特表2022-527346単極及び双極機能を有する電気外科用装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-01
(54)【発明の名称】単極及び双極機能を有する電気外科用装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20220525BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021558966
(86)(22)【出願日】2020-03-23
(85)【翻訳文提出日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 IB2020052710
(87)【国際公開番号】W WO2020201902
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】16/375,375
(32)【優先日】2019-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー・マシュー
(72)【発明者】
【氏名】グラセット・マーク
(72)【発明者】
【氏名】ティム・リチャード・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】フランプトン・チャド
(72)【発明者】
【氏名】ミシュレ・ガエターナ
(72)【発明者】
【氏名】ブレイディ・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】エニンガー・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】バコス・グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ミューレンカンプ・タイラー
(72)【発明者】
【氏名】バートケ・ブライアン・ディー
(72)【発明者】
【氏名】ウォルター・ブライアン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
(57)【要約】
概して、単極及び双極機能を有する電気外科用装置のためのシステム、方法、及び装置を提供する。例示的な一実施形態では、外科用装置は、装置によって係合された組織が双極エネルギー送達モードで処理される双極機能を有することができ、また、装置によって係合された組織が単極エネルギー送達モードで処理される単極機能を有することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気外科用装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジングから延在している細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの遠位端に結合されたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、第1のジョー及び第2のジョーを含み、前記第1のジョー及び前記第2のジョーのうちの少なくとも1つが、前記エンドエフェクタを開位置と閉位置との間で移動させるように、他方に対して枢動可能である、エンドエフェクタと、
前記第1のジョーの第1の電極部分及び第2の電極部分であって、前記第1の電極部分が、前記第2の電極部分の周囲に沿った包囲関係にあり、それにより、前記第1の電極部分が、前記第2の電極部分の横方向外側に位置付けられ、前記第1の電極部分は、前記エンドエフェクタが前記閉位置にある状態で、及び前記エンドエフェクタが前記開位置にある状態で、前記第1のジョーの縁部に沿って露出するように構成されている、第1の電極部分及び第2の電極部分と、を備え、
双極動作モードでは、前記第2の電極部分が、前記エンドエフェクタによって係合された組織にエネルギーを送達するように構成され、前記第1の電極部分が、前記エンドエフェクタによって係合された組織にエネルギーを送達できなくなっており、
単極動作モードでは、前記第1の電極部分が、組織にエネルギーを送達するように構成されている、電気外科用装置。
【請求項2】
前記単極動作モードでは、前記第2の電極部分が組織にエネルギーを送達できなくなっている、及び組織にエネルギーを送達できるようになっている、のうちの1つである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2のジョーが、前記第1の電極部分及び前記第2の電極部分の合計幅よりも狭い幅を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
単一の電極が、前記第1の電極部分及び前記第2の電極部分を含み、前記第1の電極部分が、前記第2の電極部分の前記周囲に沿った包囲関係にあり、前記第2の電極部分が、前記第1の電極部分と直接接触している、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第2のジョーに戻り電極を更に備え、前記戻り電極が、前記双極動作モード時にエネルギーが戻るように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の電極部分が、前記第1のジョーの遠位先端に沿ってのみ、かつ前記第1のジョーの単一の横縁部に沿ってのみ、前記第2の電極部分の前記周囲に沿った包囲関係にある、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の電極部分が、前記第1のジョーの単一の横縁部に沿ってのみ、前記第2の電極部分の前記周囲に沿った包囲関係にある、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記エンドエフェクタが前記閉位置にあるときを検知するように構成されたセンサと、
前記センサによって検知された、前記エンドエフェクタが前記閉位置にある状態でのみ、前記双極動作モードでのエネルギー送達を生じるように作動されるように構成されたアクチュエータと、を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記エンドエフェクタが前記開位置にある状態でのみ、前記単極動作モードが可能である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記単極動作モードでのエネルギー送達を生じるように作動されるように構成された第2のアクチュエータを更に備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
第1の電極が、前記第1の電極部分を含み、
第2の異なる電極が、前記第2の電極部分を含み、
前記装置が、前記第1の電極と前記第2の電極との間に挟まれるように、前記第2の電極の前記周囲に沿った包囲関係にある絶縁材を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の電極部分が、前記第1のジョーの遠位先端に沿ってかつ前記第1のジョーの2つの横縁部に沿って、前記第2の電極部分の前記周囲に沿った包囲関係にある、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記エンドエフェクタが前記開位置及び前記閉位置にある状態で、前記単極動作モードが可能である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
単一の電極が、前記第1の電極部分及び前記第2の電極部分を含み、
前記第1の電極部分が、上にコーティングを有するが、前記第2の電極部分が、前記コーティングを有しない、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
電気外科用装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジングから延在している細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの遠位端に結合されたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、第1のジョー及び第2のジョーを含み、前記第1のジョー及び前記第2のジョーのうちの少なくとも1つが、前記エンドエフェクタを開位置と閉位置との間で移動させるように、他方に対して枢動可能である、エンドエフェクタと、を備え、
前記第1のジョーの電極が、前記第1のジョーの外側縁部から横方向外側に延在し、それにより、前記エンドエフェクタが前記閉位置にある状態で前記電極が露出し、それによって、前記エンドエフェクタが前記閉位置にある状態で、及び前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間にいかなる組織も係合されていない状態で、前記電極が、組織に接触することを可能し、
前記電極は、前記エンドエフェクタが前記開位置にある状態で、及び前記エンドエフェクタが前記閉位置にある状態で、組織にエネルギーを送達するように構成されている、電気外科用装置。
【請求項16】
前記電極が、単一の電極であり、
前記電極の第1の部分が、前記第1のジョーの前記外側縁部から横方向外側に延在し、かつ前記電極の第2の部分の周囲に沿った包囲関係にあり、それにより、前記電極の前記第1の部分が前記電極の前記第2の部分の横方向外側に位置付けられ、
双極動作モードでは、前記電極の前記第2の部分が組織にエネルギーを送達するように構成され、前記電極の前記第1の部分が組織にエネルギーを送達できなくなっており、
単極動作モードでは、前記電極の前記第1の部分が、組織にエネルギーを送達するように構成されている、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1のジョーに第2の異なる電極を更に備え、前記電極が、前記第2の電極の周囲に沿った包囲関係にあり、それにより、前記電極が前記第2の電極の横方向外側に位置付けられ、
双極動作モードでは、前記第2の電極が組織にエネルギーを送達するように構成され、前記電極が組織にエネルギーを送達できなくなっており、
単極動作モードでは、前記第1の電極が組織にエネルギーを送達するように構成され、前記第2の電極が組織にエネルギーを送達できなくなっており、
前記装置が、前記第2のジョーに戻り電極を更に含み、前記戻り電極が、前記双極動作モード時にエネルギーを戻すように構成されている、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記エンドエフェクタが前記閉位置にあるときを検知するように構成されたセンサと、
前記センサによって検知された、前記エンドエフェクタが前記閉位置にある状態でのみ、前記双極動作モードでのエネルギー送達を生じるように作動されるように構成されたアクチュエータと、を更に備える、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記エンドエフェクタが前記開位置及び前記閉位置にある状態で、前記単極動作モードが可能である、請求項17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、単極及び双極機能を有する電気外科用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
低侵襲手術には、異なる種類の組織を圧縮、横切、及び封止するために、様々な外科用装置を使用することができる。概して、これらの装置は、間に組織を係合するように構成された一対の対向するジョーを伴うエンドエフェクタを有することができ、また、対向するジョーによって係合された組織を横切するように構成された切断機構を有することができる。エンドエフェクタは、対向するジョーの間に係合された組織に電気エネルギーを印加するように構成することができる。係合された組織への電気エネルギーの印加は、切断機構によって切断されている組織を封止して出血を防止又は低減するなどのために、組織を封止し、凝固させることができる。
【0003】
しかしながら、ユーザが、組織のある部分全体をクランプして封止することを必要とすることなく制御された様式で組織のスポットにエネルギーを選択的に印加したいなど、最初に、対向するジョーの間で組織を把持することを必要とすることなくエネルギーを組織に印加することを望む様々な状況が、手術中に起こり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、外科用装置から組織への改善されたエネルギー送達に対する必要性が存在したままである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
概して、単極及び双極機能を有する電気外科用装置のためのシステム、方法、及び装置を提供する。
【0006】
一態様では、電気外科用装置を提供し、電気外科用装置は、一実施形態では、ハウジングと、ハウジングから延在している細長いシャフトと、細長いシャフトの遠位端に結合されたエンドエフェクタと、を含む。エンドエフェクタは、第1のジョー及び第2のジョーを含む。第1のジョー及び第2のジョーのうちの少なくとも1つは、エンドエフェクタを開位置と閉位置との間で移動させるように、他方に対して枢動可能である。この装置は、第1のジョーの第1の電極部分及び第2の電極部分も含む。第1の電極部分は、第2の電極部分の周囲に沿った包囲関係にあり、それにより、第1の電極部分は、第2の電極部分の横方向外側に位置付けられている。第1の電極部分は、エンドエフェクタが閉位置にある状態で、及びエンドエフェクタが開位置にある状態で、第1のジョーの縁部に沿って露出するように構成されている。双極動作モードでは、第2の電極部分が、エンドエフェクタによって係合された組織にエネルギーを送達するように構成され、第1の電極部分が、エンドエフェクタによって係合された組織にエネルギーを送達できなくなっている。単極動作モードでは、第1の電極部分が、組織にエネルギーを送達するように構成されている。
【0007】
この装置は任意の数の変形例を有し得る。例えば、単極動作モードでは、第2の電極部分は、組織にエネルギーを送達できなくなっている、及び組織にエネルギーを送達できるようになっている、のうちの1つである。別の実施例の場合、第2のジョーは、第1の電極部分及び第2の電極部分の合計幅よりも狭い幅を有することができる。更に別の実施例の場合、単一の電極は、第1の電極部分及び第2の電極部分を含むことができ、第1の電極部分は、第2の電極部分の周囲に沿った包囲関係にあり、第2の電極部分は、第1の電極部分と直接接触している。なお別の実施例の場合、この装置は、第2のジョーに戻り電極を含むことができ、戻り電極は、双極動作モード時にエネルギーが戻るように構成することができる。別の実施例の場合、第1の電極部分は、第1のジョーの遠位先端に沿ってのみかつ第1のジョーの単一の横縁部に沿ってのみ、第2の電極部分の周囲に沿った包囲関係にあり得る。更に別の実施例の場合、第1の電極部分は、第1のジョーの単一の横縁部に沿ってのみ、第2の電極部分の周囲に沿った包囲関係にあり得る。
【0008】
別の実施例の場合、この装置はまた、エンドエフェクタが閉位置にあるときを検知するように構成されたセンサと、センサによって検知された、エンドエフェクタが閉位置にある状態でのみ、双極動作モードでのエネルギー送達を生じるように作動されるように構成されたアクチュエータと、を含むこともできる。少なくともいくつかの実施形態では、エンドエフェクタが開位置にある状態でのみ、単極動作モードが可能であり得る。少なくともいくつかの実施形態では、この装置は、単極動作モードでのエネルギー送達を生じるように作動されるように構成された第2のアクチュエータを含むことができる。
【0009】
更に別の実施例の場合、第1の電極は、第1の電極部分を含むことができ、第2の異なる電極は、第2の電極部分を含むことができ、この装置は、第1の電極と第2の電極との間に挟まれるように、第2の電極の周囲に沿った包囲関係にある絶縁材を更に含むことができる。
【0010】
なお別の実施例では、第1の電極部分は、第1のジョーの遠位先端に沿ってかつ第1のジョーの2つの横縁部に沿って、第2の電極部分の周囲に沿った包囲関係にあり得る。少なくともいくつかの実施形態では、エンドエフェクタが開位置及び閉位置にある状態で、単極動作モードが可能であり得る。
【0011】
別の実施例では、単一の電極は、第1の電極部分及び第2の電極部分を含むことができ、第1の電極部分は上にコーティングを有するが、第2の電極部分はコーティングを有しない場合がある。
【0012】
別の実施形態では、電気外科用装置は、ハウジングと、ハウジングから延在している細長いシャフトと、細長いシャフトの遠位端に結合されたエンドエフェクタと、を含む。エンドエフェクタは、第1のジョー及び第2のジョーを含む。第1のジョー及び第2のジョーのうちの少なくとも1つは、エンドエフェクタを開位置と閉位置との間で移動するように、他方に対して枢動可能である。第1のジョーの電極は、第1のジョーの外側縁部から横方向外側に延在し、それにより、エンドエフェクタが閉位置にある状態で電極が露出し、それによって、エンドエフェクタが閉位置にある状態で、かつ第1のジョーと第2のジョーとの間にいかなる組織も係合されていない状態で、電極が、組織に接触することを可能にする。電極は、エンドエフェクタが開位置にある状態で、及びエンドエフェクタが閉位置にある状態で、組織にエネルギーを送達するように構成されている。
【0013】
この装置は任意の数の変形例を有し得る。例えば、電極は、単一の電極とすることができ、電極の第1の部分は、第1のジョーの外側縁部から横方向外側に延在し得、また、電極の第2の部分の周囲に沿った包囲関係にあり得、それにより、電極の第1の部分が電極の第2の部分の横方向外側に位置付けられ、双極動作モードでは、電極の第2の部分が組織にエネルギーを送達するように構成することができ、電極の第1の部分が組織にエネルギーを送達できなくなっており、単極動作モードでは、電極の第1の部分は、組織にエネルギーを送達するように構成することができる。
【0014】
別の実施例の場合、この装置は、第1のジョーに第2の異なる電極を含むことができ、電極は、第2の電極の周囲に沿った包囲関係にあり得、それにより、電極が第2の電極の横方向外側に位置付けられ、双極動作モードでは、第2の電極が組織にエネルギーを送達するように構成することができ、電極が組織にエネルギーを送達できなくなっていることができ、単極動作モードでは、第1の電極が組織にエネルギーを送達するように構成することができ、第2の電極が組織にエネルギーを送達できなくなっていることができ、装置は、第2のジョーに戻り電極を更に含むことができ、戻り電極は、双極動作モード時にエネルギーが戻るように構成することができる。少なくともいくつかの実施形態では、装置は、エンドエフェクタが閉位置にあるときを検知するように構成されたセンサと、センサによって検知された、エンドエフェクタが閉位置にあるときにだけ、双極動作モードでのエネルギー送達を生じるように作動されるように構成されたアクチュエータと、を更に含むことができる。少なくともいくつかの実施形態では、エンドエフェクタが開位置及び閉位置にある状態で、単極動作モードが可能であり得る。
【0015】
別の態様では、外科的方法を提供し、一実施形態では、外科用装置のエンドエフェクタを組織と接触して位置付けることを含む。エンドエフェクタは、外科用装置の細長いシャフトの遠位端に結合され、エンドエフェクタは、第1のジョー及び第2のジョーを含み、第1の電極部分及び第2の電極部分は、第1のジョーにあり、第1の電極部分は、第2の電極部分の周囲に沿った包囲関係にあり、それにより、第1の電極部分は、第2の電極部分の横方向外側に位置付けられている。方法はまた、外科用装置を双極動作モードで作動させ、それにより、第2の電極部分が組織にエネルギーを送達するが、第1の電極部分が組織にエネルギーを送達しないことも含む。方法はまた、外科用装置を単極動作モードで作動させ、それにより、第1の電極部分が組織にエネルギーを送達することも含む。
【0016】
方法は、任意の様々な方法で異なり得る。例えば、単極動作モードでは、第2の電極部分は、エネルギーを組織に送達することができない。別の実施例の場合、この方法は、エンドエフェクタが閉位置にあるときに、センサによって検知することを更に含むことができ、双極動作モードで外科用装置を作動させることは、センサによって検知されたときに、閉位置にあるエンドエフェクタによってだけ可能であり得、単極動作モードで外科用装置を作動させることは、開位置にあるエンドエフェクタによってだけ可能であり得る。更に別の実施例の場合、単極動作モードで外科用装置を作動させることは、エンドエフェクタが開位置にある状態、及び閉位置にある状態で可能であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明は、以下の発明を実施するための形態を添付図面と併せて読むことで、より完全に理解されるであろう。
図1】外科用装置の一実施形態の側面概略図である。
図2】発生器に動作可能に結合された図1の外科用装置の側面部分透視図である。
図3図1の外科用装置の圧縮部材の斜視図である。
図4】装置のジョーを開いた状態の、図1の装置の遠位部分の斜視図である。
図5】ジョーを閉じた状態の、図4の装置の遠位部分の斜視図である。
図6図5の装置の遠位部分の上面図である。
図7図5の装置の遠位部分の底面図である。
図8】装置のジョーを閉じた状態の、外科用装置の別の実施形態の遠位部分の側面概略断面図である。
図9図8の装置の概略断面図である。
図10図8の装置の別の概略断面図である。
図11】装置のジョーを開いた状態の、外科用装置の別の実施形態の遠位部分の斜視図である。
図12】ジョーを閉じた状態の、図11の装置の遠位部分の斜視図である。
図13図12の装置の端部概略断面図である。
図14】装置のジョーを閉じた状態の、外科用装置の別の実施形態の端部概略断面図である。
図15】装置のジョーを閉じた状態の、外科用装置の更に別の実施形態の遠位部分の側面概略断面図である。
図16図15の装置の概略断面図である。
図17図15の装置の別の概略断面図である。
図18】装置のジョーを開いた状態の、外科用装置のなお別の実施形態の遠位部分の斜視概略図である。
図19図18の装置の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願で開示する装置、システム、及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理が総括的に理解されるように、特定の例示的実施形態について、これから説明する。これらの実施形態のうちの1つ又は2つ以上の実施例が、添付の図面に図示される。当業者であれば、本明細書で詳細に説明し、添付の図面に示される装置、システム、及び方法は、非限定的な例示的実施形態であり、本発明の範囲は、特許請求の範囲のみによって定義されることが理解されるであろう。例示的な一実施形態に関連して図示又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。このような改変及び変形は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0019】
更に、本開示においては、実施形態の同様の名称の構成要素は概して同様の特徴を有するものであり、したがって、特定の実施形態において、同様の名称の各構成要素の各特徴については必ずしも完全に詳しく述べることはしない。追加的に、開示されるシステム、装置、及び方法の説明で直線寸法又は円寸法が使用される範囲において、かかる寸法は、かかるシステム、装置、及び方法と組み合わせて使用することができる形状の種類を限定しようとするものではない。当業者には、任意の幾何学的形状についてかかる直線寸法及び円寸法に相当する寸法を容易に決定することができる点が認識されるであろう。当業者は、寸法が正確な値ではなくても、製作公差及び測定機器の感度などの諸々の要因により、その値に近い値であると考えられることを理解するであろう。システム及び装置、並びにその構成要素のサイズ及び形状は、少なくとも、システム及び装置が内部で使用される対象の解剖学的構造、システム及び装置が使用される構成要素のサイズ及び形状、並びにシステム及び装置が使用される方法及び処置に依存し得る。
【0020】
概して、単極及び双極機能を有する電気外科用装置のためのシステム、方法、及び装置を提供する。例示的な一実施形態では、外科用装置は、装置によって係合された組織が双極エネルギー送達モードで処理される双極機能を有することができ、また、装置によって係合された組織が単極エネルギー送達モードで処理される単極機能を有することができる。この装置は、装置の双極エネルギー送達モードでエネルギーを送達するように構成された第1の部分と、装置の単極エネルギー送達モードで、及び電極の第1の部分に対して少なくとも部分的な包囲関係でエネルギーを送達するように構成された第2の部分と、を含む、単一の電極を含むことができる。他の実施形態では、第1の電極は、装置の双極送達モードでエネルギーを送達するように構成され、第2の電極は、装置の単極送達モードで、及び電極の第1の部分に対して少なくとも部分的な包囲関係でエネルギーを送達するように構成されている。
【0021】
図1は、組織を把持及び切断するように構成された外科用装置の一実施形態を図示する。図示する外科用装置100は、ハウジング10と、細長いシャフト12と、組織を把持するように構成されたエンドエフェクタ14と、を含む。ハウジング10は、エンドエフェクタ14を回転させる、関節運動させる、接近させる、及び/又は発射させるなどの様々な機能を作動させるために、アクチュエータレバー、ノブ、トリガ、スライダなどの様々なアクチュエータを携持するように構成された、当該技術分野で既知の任意の種類のピストルグリップ、シザーグリップ、ペンシルグリップ、又は他の種類のハンドルとすることができる。図示する実施形態では、ハウジング10は、固定グリップハンドル22及び固定グリップハンドル22に対して移動させてエンドエフェクタ14を開く及び閉じるように構成された閉鎖グリップハンドル20に結合されている。シャフト12は、ハウジング10から遠位に延在しており、また、エンドエフェクタ14を作動させるための機構を携持するためにそこを通って延在している少なくとも1つのルーメン12aを含む。
【0022】
エンドエフェクタ14は、様々なサイズ、形状、及び構成を有することができる。図1に示すように、エンドエフェクタ14は、シャフト12の遠位端12dに配置された、第1の下部ジョー16bと、第2の上部ジョー16aと、を含む。ジョー16a、16bは、ジョー16a、16bがある距離をおいて離間される開位置と、ジョー16a、16bが互いに向かって移動され、実質的に対向する閉位置との間で移動するように構成されている。閉位置にあるジョー16a、16bは、ジョー16a、16bの間で組織に係合して、ジョー16a、16bの間に配置された組織に力を印加する。図示する実施形態では、エンドエフェクタ14が、シャフト12に対して、及び下部ジョー16bに対して上部ジョー16aを枢動させることによって開位置と閉位置との間で移動し、一方で、下部ジョー16bが、固定されたままの状態であるように構成されている。他の実施形態では、ジョー16a、16bの両方を、開位置と閉位置との間でエンドエフェクタ14を移動させるように移動可能とすることができ、又は下部ジョー16bを、シャフト12及び上部ジョー16aに対して枢動させて、開位置と閉位置との間でエンドエフェクタ14を移動させるように構成することができる。
【0023】
図示するジョー16a、16bは、各々がその長手方向長さに沿って一方の側に対して湾曲しているが、当業者は、ジョー16a、16bの一方又は両方が、反対方向へ湾曲している、又は実質的に細長い直線状の形状を有する、などの他の形状を有し得ることを理解するであろう。顎部16a、16bは、組織と係合するための任意の適切な軸方向長さを有し得るが、その長さは、切除及び/又は封止のための標的とされる解剖学的構造に基づいて選択され得る。
【0024】
装置100は、シャフト12と、エンドエフェクタ14に動作可能に結合されたノブ44と、を含む。ノブ44は、ハウジング10に対して回転させて、シャフト12及びエンドエフェクタ14をシャフトの長手方向軸12の周りに回転させるように構成されている。
【0025】
閉鎖ハンドル20は、開位置と閉位置との間で、固定ハンドル22に対して、及びそこに向かって、及びそこから離れて枢動して、エンドエフェクタ14を移動させるように構成されている。具体的には、閉鎖ハンドル20は、第1の位置と第2の位置との間で移動可能である。図1に図示する第1の位置では、閉鎖ハンドル20が固定ハンドル22からオフセット及び離間されて、エンドエフェクタ14のジョー16a、16bを開く。少なくともいくつかの実施形態では、閉鎖ハンドル20が第1の位置まで付勢され、それにより、エンドエフェクタ14が開くように付勢される。第2の位置では、閉鎖ハンドル20が固定ハンドル22と隣接して、又は実質的に接触して位置付けられて、エンドエフェクタ14のジョー16a、16bを閉じる。エンドエフェクタを開く及び閉じる実施形態の更なる説明は、2014年10月10日に出願された「Surgical Device With Overload Mechanism」と題する米国特許第10,010,309号に提供されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0026】
少なくともいくつかの実施形態では、当業者によって認識されるように、装置100は、閉鎖ハンドル20を固定ハンドル22に対して適所でロックするように構成された係止特徴を含む。例えば、係止特徴は、閉鎖ハンドル20が第2の位置へ移動したときに、例えば固定ハンドル22と隣接して、又は実質的に接触して位置付けられたときに、自動的に係合するように構成することができる。別の実施例の場合、係止特徴は、閉鎖ハンドル20が、ラチェットなどを介して、第1の位置と第2の位置との間で枢動される複数の位置の各々で自動的に係合するように構成することができる。
【0027】
閉鎖ハンドル20は、手動又は電動の構成要素を使用することができる。手動の実施形態では、閉鎖ハンドル20は、(例えば、ユーザによって直接的に、又はロボット手術制御を介してユーザによって間接的に)手動で移動させて、ハウジング10及び/又はシャフト12内に配置された、様々な構成要素、例えば歯車、ラック、駆動ねじ、駆動ナットなどを使用して、エンドエフェクタ14を手動で開く/閉じるように構成されている。
【0028】
電動の実施形態では、閉鎖ハンドル20は、(例えば、ユーザによって直接的に、又はロボット手術制御を介してユーザによって間接的に)手動で移動させ、それによって、エンドエフェクタ14を、完全に電子的に、又は手動力に加えて電子的に開かせる/閉じさせるように構成されている。この図示する実施形態では、図2に示すように、装置100は、電動であり、モータ48と、電力源52と、プロセッサ54と、を含み、これらは、この図示する実施形態では、各々がハウジング10内に配置されている。閉鎖ハンドル20の手動の移動は、プロセッサ54に、モータ48に送信する制御信号を伝送させるように構成され、モータ48は、装置100の様々な構成要素と相互作用して、ジョー16a、16bを開かせる/閉じさせるように構成されている。電力源52は、オンボード電力をプロセッサ54及びモータ48に提供するように構成されている。他の実施形態では、プロセッサ54及び/又はモータ48は、代替的又は追加的に、外部電力源によって給電されるように構成することができる。装置100は、電動エンドエフェクタを開く及び閉じること、並びに/又は組織切断などの他の装置特徴を容易にするために、1つ又は2つ以上のセンサ18を含むことができる。このようなセンサの様々な実施形態は、2006年1月31日に出願された「Motor-Driven Surgical Cutting And Fastening Instrument With Loading Force Feedback」と題する米国特許第7,416,101号、及び2014年4月8日に出願された「Methods And Devices For Controlling Motorized Surgical Devices」と題する米国特許第9,675,405号で更に説明されており、これらは、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0029】
外科用装置100は、切断要素を前進させて、ジョー16a、16bの間で把持された組織を切断するように作動されるように構成された、切断又は発射アクチュエータ24を含む。アクチュエータ24は、様々な構成、例えばボタン、ノブ、トリガなどを有することができるが、図示するアクチュエータ24は、押下されるように構成されたボタンである。切断アクチュエータ24は、切断アクチュエータ24を作動させたときに、様々な歯車、ラック、駆動ねじ、駆動ナット、モータ(例えば、モータ48)及び/又はプロセッサ(例えば、プロセッサ54)と機械的又は電気的に通信して、切断要素の移動を生じさせることができる。切断要素は、ジョー16a、16bの間に捕捉された組織を横切するように構成され、様々な厚さ及び種類の組織を横切又は切断するようにサイズ決定及び成形することができる。例示的な一実施形態では、Iビーム圧縮部材28は、図3に示す各ジョー16a、16bに形成されたスロットを通って、長手方向軸Lcに沿って移動して、ジョーを平行配向に引っ張り、ジョーの間で組織を圧縮して、そして、鋭利な刃先を有する又はその上に装着されたナイフブレードを有するなどの遠位端28dによって、組織をその遠位端28dの切断要素を使用して横切するように構成されている。
【0030】
外科用装置100は、エンドエフェクタ14によって係合された組織に印加される高周波(radiofrequency、RF)又は超音波エネルギーなどのエネルギーを生じさせるように作動されるように構成された封止アクチュエータ26を含む。アクチュエータ26は、ボタン、ノブ、トリガなどの様々な構成を有することができるが、図示するアクチュエータ26は、押下されるように構成されたボタンである。他の実施形態では、切断アクチュエータ24及び封止アクチュエータ26を含む代わりに、外科用装置は、切断及び封止を同時に生じさせるように作動されるように構成された、切断及び封止組み合わせアクチュエータを含むことができる。
【0031】
装置100は、組織へのエネルギーの送達を容易にするように構成された様々な構成要素を含む。これらの構成要素は、近位ハンドル部分10及び/又はジョー16a、16bの一方又は両方などの、装置100の様々な場所に配置することができる。封止アクチュエータ26を作動させることは、信号をプロセッサ54に伝送させるように構成され、それに応じて、発生器52及び/又は電力源50からエンドエフェクタ14によって係合された組織へのエネルギーの送達を生じさせるように構成されている。発生器52は、ハンドル部分10に組み込むことができ、又は図2に示すようなこの図示する実施形態では、外科用装置100に電気的に接続された別個のユニットであり得る。発生器52は、RF発生器又は超音波発生器などの、当該技術分野で既知の任意の好適な発生器である。
【0032】
シャフト12のルーメン12aは、その中に配置された1つ又は2つ以上の電気経路46、例えばリード、導電部材、ワイヤなどを有し、封止アクチュエータ26の作動に応じて、電気エネルギーをエンドエフェクタ14に送達するように構成されている。1つ又は2つ以上の電気経路46は、この図示する実施形態では、発生器52に動作可能に結合されており、発生器52は、エネルギーを1つ又は2つ以上の電気経路46に供給するように構成されている。エネルギー送達の作動に応じて、ジョーの間で把持された組織に電流を送達ための1つ又は2つ以上の電気経路46を介して、ジョー16a、16bの一方又は両方の1つ又は2つ以上の電極にエネルギーを送達して、組織の封止、マーキング、切断などを遂行するように構成されている。外科用装置によるエネルギー印加の実施形態の更なる説明は、2014年12月17日に出願された「Surgical Devices And Methods For Tissue Cutting And Sealing」と題する米国特許第10,010,366号、2003年11月21日に出願された「Tuned Return Electrode With Matching Inductor」と題する米国特許第7,169,145号、2003年1月22日に出願された「Electrosurgical Instrument And Method Of Use」と題する米国特許第7,112,201号、及び2015年11月17日に出願された「Methods And Devices For Auto Return Of Articulated End Effectors」と題する米国特許公開第2017/0135712号に提供されており、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0033】
外科医又は他の医療専門家は、外科的処置を行う過程で、双極エネルギー及び単極エネルギーの各々を印加することを望み得る。双極エネルギーは、把持された組織にエネルギーが印加されるので、組織への集束させたエネルギーの印加に有用であり得る。単極エネルギーは、組織が戻り極としての役割を果たし得るので、及びエンドエフェクタのジョー16a、16bの間に位置し、ジョー16a、16bによって押圧された組織にエネルギーが印加されないので、双極エネルギー程は集束されない。しかしながら、単極エネルギーは、凝固を提供するのに十分高温になるように構成されているので、単極エネルギーは、外科医又は他の医療専門家が出血を望まない組織の切断のためなどには依然として有用である。
【0034】
装置100は、双極動作モード(本明細書では「双極送達モード」とも称される)を有し、双極動作モードでは、エンドエフェクタ14によって係合された組織に印加されるエネルギーは、送達電極又は活性電極17bによって印加され、かつ戻り電極17aによって受け取られるエネルギーである。ジョー16a、16bのうちの1つ(この図示する実施形態では、下部ジョー16b)は、その組織対向面に活性電極17bを含み、ジョー16a、16bの他の1つは(この図示する実施形態では、上部ジョー16a)は、その組織対向面に戻り電極17aを含む。戻り電極17aは、活性電極17bから電気的に絶縁され、それにより、エネルギーを、活性電極17bからジョー16a、16bの間に把持された組織に印加することができ、戻り電極17aを通る戻り経路を有することができる。したがって、エネルギーは、エンドエフェクタ14が閉位置にあるときに、ジョー16a、16bの間に把持された組織に送達されるように構成されている。
【0035】
装置100はまた、単極動作モード(本明細書では「単極送達モード」とも称する)も有し、エンドエフェクタ14によって係合された組織に印加されるエネルギーエネルギーは、活性電極17bによって印加されるエネルギーである。したがって、下で更に論じるように、同じ電極17bは、双極送達モードでエネルギーを印加し、かつ単極送達モードでエネルギーを印加するように構成されている。単極エネルギー印加中のエネルギー戻り経路は、周囲組織を通るもの、概して装置100を通るもの、患者の身体に配置された接地パッドを通るもの、などであり得る。戻り電極17a又はそのための戻り経路は、単極送達モードでのエネルギー印加中に不活性であるか、又は使用できない。組織封止は、エンドエフェクタ14によって把持された(例えば、ジョー16a、16bの間に位置し、クランプされている)組織にエネルギーを印加することによって、双極動作モードで達成することができるが、エンドエフェクタ14に隣接し、かつそれによって把持されていない(例えば、ジョー16a、16b外側に位置する)標的組織にスポットエネルギーを印加して、スポット凝固、非クランプ封止及び/又は止血、組織のマーキング、組織の切断又は焼くことを可能にすることが有益であり得る。装置の単極動作モードは、このスポットエネルギー印加を可能にする。
【0036】
図4図7は、活性電極17bを更に詳細に図示する。活性電極17bは、第1の部分30と、第2の部分32と、を含む。第2の電極部分32は、第1の部分30及び第2の部分32が同じ電極17bの一部であるので、第1の電極部分30と直接接触している。第1の部分30は、コーティングを有する電極17bの一部分によって画定され、例えば、電極17bは、第1の部分30にコーティングを有し、第2の部分32にはコーティングを有しない。コーティングは、エネルギーがそこを通ることを可能にするが、コーティングを通して、例えばコーティングが位置する第1の電極部分30を通して送達可能なエネルギーは、コーティングを伴わない電極17bを通して、例えばコーティングのない第2の電極部分32を通して送達可能であるエネルギーよりも多くの電力を必要とする。コーティングを形成することができる材料の例としては、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)が挙げられる。したがって、装置100は、第1の電極部分30に提供される電圧を変化させることによって、第1の電極部分を通してエネルギーを送達することを選択的に可能に及び阻止するように構成され、より高い電圧、例えば約400Vよりも高い電圧又は約500Vよりも高い電圧の状態では、第1の電極部分を通したエネルギー送達を可能にし、より低い電圧、例えば約300Vよりも低い電圧又は約400Vよりも低い電圧の状態では、第1の電極部分を通したエネルギー送達を阻止する。
【0037】
電極17bの第2の部分32は、第1のジョー16bの組織対向面に位置している。スロット34は、第2の電極部分32を通って長手方向に延在し、スロット34内を圧縮部材28(又は、圧縮部材28に含まれていない場合は、装置の切断要素)が摺動するように構成されている。第2のジョー16aの組織対向面の戻り電極17aは同様に、戻り電極17aに沿って長手方向に延在しているスロット(図では不明瞭である)を有しスロット内を圧縮部材28(又は、圧縮部材28に含まれていない場合は、装置の切断要素)が摺動するように構成されている。
【0038】
電極17bの第1の部分30は、電極17bの第2の部分32の周囲に沿った包囲関係にあり、それにより、第1の部分30は、第2の部分32の横方向外側に位置付けられる。この図示する実施形態では、第1の電極部分30は、U字形状であり、第2の電極部分の長手方向両側の実質的に全体に沿って、かつ第2の電極部分の長手方向両側を接続している第2の電極部分の遠位先端の周囲に連続的に延在している。当業者は、第1の電極部分30が、第2の電極部分の長手方向両側の全体に沿って延在していない場合があるが、それでもなお、製作公差及び測定機器の感度などの諸々の要因により、第2の電極部分の長手方向両側の実質的に全体に沿って延在していると考慮され得ることが理解されるであろう。そのように成形され、位置している第1の電極部分30は、第1の電極部分30がエンドエフェクタ14の実質的に全周に沿って延在するので、エンドエフェクタ14の患者の身体内での再配向を伴うことなく、又は最小にしながら、装置100のユーザによって所望に応じて組織にエネルギーを印加することができることを確実にするのを補助し得る。遠位先端の周囲に位置している第1の電極部分30は、組織の比較的小さい領域への的を絞ったエネルギー印加を容易にし得る。長手方向両側に沿って位置している第1の電極部分30は、組織の長さに沿ったエネルギー印加を容易にして、長さ全体を、例えば、切断して凝固させることを可能にし得る。他の実施形態では、第1の電極部分30は、第2の電極部分32の遠位先端の周囲にだけ位置し得るが、第2の電極部分の長手方向両側に沿って位置し得ないか、第2の電極部分の長手方向両側に沿って位置し得るが、長手方向両側を接続している遠位先端の周囲には位置し得ないか、又は第2の電極部分の長手方向両側の一方だけに沿って位置し得るが、長手方向両側を接続している遠位先端の周囲には位置し得ない。
【0039】
図8図10は、活性電極17b’の代替の実施形態を図示し、電極17b’の第1の電極部分30’は、活性電極17b’の第2の電極部分32’の長手方向両側に沿ってだけあり、長手方向両側を接続している遠位先端の周囲にはない。それ以外の点では、エンドエフェクタ14及びエンドエフェクタ14を含む装置100は、図1図7に関して上で論じたものと同様に構成及び使用され、また、図1図7に関して説明した任意の数の代替の特徴を含むことができる。
【0040】
図1図7の実施形態を再度参照すると、第1の電極部分30は、ジョー16a、16bを開いた状態(図1図2、及び図4)で、及び、ジョー16a、16bを閉じた状態(図5図7)で、第1のジョー16bの縁部に沿って露出されるように構成されている。換言すれば、電極17bの第1の部分30は、第1のジョー16bにオーバーハングしている。この図示する実施形態では、第1のジョー16bは、第1の電極部分のオーバーハングを容易にするために、第1の電極部分30及び第2の電極部分32の合計幅よりも狭い幅を有する。オーバーハングの量は、例えば、第1のジョー16bの各側で、約0.010インチ~0.30インチの範囲とすることができる。例示的な一実施形態では、オーバーハングを含む第1のジョー16bの全幅は、第1のジョー16bが、約0.220インチ~0.230インチの範囲の内径を有する5mmのトロカールなどのトロカールを通して嵌合することを可能にするように構成されている。第2のジョー16aは、第1のジョー16bと実質的に同じサイズであるので、第2のジョー16aは、ジョー16a、16bを開いているとき、又は、ジョー16a、16bを閉じているときに第1の電極部分30が露出することを妨げない。したがって、第2のジョー16aもまた、第1の電極部分のオーバーハングを容易にするために、第1の電極部分30及び第2の電極部分32の合計幅よりも狭い幅を有する。当業者は、第1のジョー及び第2のジョー16a、16bが、正確に同じサイズではない場合あるが、それでもなお、製作公差、測定機器の感度などの諸々の要因により、実質的に同じサイズであると考えられることを理解するであろう。ジョー16a、16bが開いているか、閉じているかにかかわらず第1の電極部分30を介して組織にエネルギーを印加することができるので、第1の電極部分30の露出は、ジョー16a、16bが開いているか、閉じているかにかかわらず、装置100のユーザに柔軟性を提供する。
【0041】
第2の電極部分32は、開口ジョー16a、16bが開いた状態で露出され、ジョー16a、16bが閉じた状態で露出されないように構成されている。同様に、戻り電極17aは、開口ジョー16a、16bが開いた状態で露出され、ジョー16a、16bが閉じた状態で露出されないように構成されている。
【0042】
電極17bの第1の部分30は、単極動作モードでエネルギーを送達するように構成され、電極17bの第2の部分32は、双極動作モードでエネルギーを送達するように構成されている。したがって、同じ電極17bは、単極機能の場合及び双極機能の場合の両方で、異なる時間にエネルギーを送達するように構成することができる。
【0043】
装置100は、電極17bの第2の部分32を介して双極エネルギーが印加される双極送達モード、及び電極17bの第1の部分30を介して単極エネルギーが印加される単極送達モードで選択的に動作するように構成されている。装置100は、任意の様々な方法で、双極送達モードと単極送達モードとの間で変更するように構成することができる。
【0044】
例示的な一実施形態では、封止アクチュエータ26は、図1及び図2に例示するような単一のアクチュエータではないが、代わりに、双極エネルギー送達を生じるように作動されるように構成された第1の封止アクチュエータと、単極エネルギー送達を生じるように作動されるように構成された第2の封止アクチュエータと、を含む。作動させる第1及び第2のアクチュエータのうちの1つは、装置100が双極送達モードであるか単極送達モードであるかを定義する。
【0045】
別の例示的な実施形態では、装置100は、ハウジング10においてユーザがアクセス可能であるモードセレクタ、例えばスイッチ、ノブ、レバーなどを含む。モードセレクタは、双極送達モード選択を示す第1の位置と単極送達モード選択を示す第2の位置との間で移動するように構成されている。モードセレクタが第1の位置にあるか、第2の位置にあるかに依存して、封止アクチュエータ26の作動は、(モードセレクタが第1の位置にある)双極動作モードでのエネルギー送達又は(モードセレクタが第2の位置にある)単極動作モードでのエネルギー送達のいずれかを生じさせるように構成されている。モードセレクタは、モードセレクタの位置を示す信号をプロセッサ54に提供するように構成することができ、装置100のセンサ18は、モードセレクタが第1の位置にあるか、第2の位置にあるかを検知して、モードセレクタの位置を示す信号をプロセッサ54に提供するように構成することができる。プロセッサ54は、例えば発生器52からのエネルギーを方向付けて、装置の双極エネルギー回路(双極送達モード)のための電流経路、及び装置の単極エネルギー回路(単極送達モード)のための電流経路のうちの1つを活性化するように構成されている。単極送達モードの場合、プロセッサ54もまた、戻り電極17a又は戻り電極の戻り経路が使用できなくされるか、さもなければ不活性化されるように構成されている。
【0046】
外科用装置の単極送達モード及び双極送達モードを変更する実施形態は、2019年4月4日に出願された「Surgical Devices Switchable Between Monopolar Functionality And Bipolar Functionality」と題する米国特許出願第16/375,338号で更に説明されており、参照によりその全体が組み込まれる。
【0047】
図1図7の図示する実施形態では、第1の電極部分30及び第2の電極部分32が互いに電気的に絶縁されていないので、単極動作モードでエネルギーを送達するように構成されている電極17bの第1の部分30に加えて、電極17bの第2の部分32が、単極動作モードでエネルギーを送達するように構成されている。換言すれば、電極17b全体が単極送達モードでエネルギーを送達するように構成され、第1の電極部分30ではなく、第2の電極部分32が双極動作モードでエネルギーを送達するように構成されている。ジョー16a、16bが開いているとき、及び/又はジョー16a、16bによって組織が把持されていないときに、単極送達モードで組織にエネルギーを印加することが望まれる場合があるため、第2の電極部分32が単極エネルギーを送達することで、電極17bの第1の部分30と比較して電極17bの比較的大きな表面積のために、エネルギー送達を受けることを意図していない組織が、それでもなおエネルギーを受けることにつながり得る。
【0048】
少なくともいくつかの実施形態では、活性電極17bは、ジョー16a、16bが開いているときに、不活性になるように、又は使用できなくなるように構成することができる。このようにすることにより、ジョー16a、16bが開いているときには、単極であるか双極であるかにかかわらずエネルギーを送達することができない。したがって、意図しない組織へのエネルギー送達が起こる可能性が低くなり得る。活性電極17bは、任意の様々な方法でジョー16a、16bが開いているときに、不活性になるように、又は使用できなくするように構成することができる。
【0049】
一実施形態では、センサ18は、ジョー16a、16bを開いたときを検知して、プロセッサ54にジョーの開位置/閉位置を示す信号を提供するように構成することができる。プロセッサ54は、検知した情報に基づいてジョー16a、16bが開いているときに、電極17bが使用できなくなるか、さもなければ不活性化するように構成することができる。センサ18は、固定ハンドル22に対する閉鎖ハンドル20の位置を検知すること、閉鎖ハンドル20を固定ハンドル22に対して適所でロックするように構成されたロック特徴がロックされているか、ロック解除されているかを検知すること、ジョーを開かせる/閉じさせるように移動するように構成された閉鎖チューブ又は他の機構の位置を検知すること、などによって、任意の様々な方法でジョー16a、16bの開位置/閉位置を検知するように構成することができる。
【0050】
別の実施形態では、装置100は、ジョー16a、16bが閉じた状態で係合し、ジョー16a、16bが開いた状態で係合解除するように構成されたスイッチを含むことができる。スイッチは、単極送達モードでエネルギーを、及び双極送達モードでエネルギーをエンドエフェクタ14に送達するように構成された1つ以上の電気経路46に含まれている。したがって、スイッチが係合解除されたときには、エンドエフェクタ14にエネルギーを提供することができず、電極17bを効果的に使用できなくする。
【0051】
電極17bが、単極送達モード及び双極送達モードの両方に使用可能な単一の要素であることで、電極17b及び/又は装置100の製造を単純化し得、及び/又はコストを低減させ得る。他の実施形態では、電極17bは、1つではなく2つの電極とすることができ、一方の電極は、双極送達モードではエネルギーを送達するが、単極送達モードではエネルギーを送達しないように構成され、他方の電極は、単極送達モードではエネルギーを送達するが、双極送達モードではエネルギーを送達しないように構成されている。2つの電極を提供することは、製造を複雑にし得、及び/又はコストを増加させ得るが、2つの電極は、互いに電気的に絶縁して、単極送達モードでのより的を絞ったエネルギーの送達を容易にすることができる。
【0052】
図11図13は、図1及び図2のエンドエフェクタ14のための代替の電極構成の一実施形態を図示する。戻り電極17aは、第2のジョー16aに同様に存在する。しかしながら、第1のジョー16aに単一の電極17bを有する代わりに、第1のジョー16aの電極は、第1の単極電極36によって画定された第1の部分と、第2の双極電極38によって画定された第2の部分と、を含む。それ以外の点では、エンドエフェクタ14及びエンドエフェクタ14を含む装置100は、図1図7に関して上で論じたものと同様に構成及び使用され、また、図1図7に関して説明した任意の数の代替の特徴を含むこと、例えば、モードセレクタを含むこと、2つの封止アクチュエータを含むこと、ロック特徴を含むこと、ジョー16a、16bを開いたときに双極動作モードでのエネルギー送達を(及び少なくともいくつかの実施形態では、単極動作モードでのエネルギー送達も)使用できなくすること、などができる。
【0053】
第1の電極36は、電極17bの第1の部分30及び第2の部分32に関して上で論じたものと同様に、第2の電極38の周囲の包囲関係にあるが、この図示する実施形態では、絶縁材40が第1の電極36と第2の電極38との間に配置されているか、挟まれている。絶縁材40は、第2の電極38の周囲に沿った包囲関係にあり、例えば、第1の電極36と同様に実質的にU字形状であり、したがって、第1の電極36及び第2の電極38を互いに電気的に絶縁するように構成されている。
【0054】
図14は、第1の単極電極41によって画定された第1の部分及び第2の双極電極42によって画定された第2の部分を含む電極構成の別の実施形態を図示する。図14の実施形態は、第1の電極41と第2の電極42との間に配置された、又は挟まれた絶縁材43が、包囲関係で第2の電極42の周囲に沿ってないことを除いて、図11図13の実施形態と同様である。したがって、単極電極41は、双極電極42の内面の平面P2からオフセットされた平面P1にある内面を有する。対照的に、図11図13の実施形態では、単極電極36は、双極電極38の内面と同じ平面P3に内面を有する。図11図13の単極電極36の内面は、電極36、38の内面が同じ平面P3にあることを可能にするために、そのいずれか横方向側面にステップを含む。
【0055】
図1図7の実施形態の単極電極(電極17bの第1の部分30)、図8図10の実施形態の単極電極(電極17b’の第1の部分30’)、図11図13の実施形態の単極電極(単極電極36)、及び図14の実施形態の単極電極(単極電極41)は、第2の電極部分の長手方向両側に沿って延在し、第1のジョーの長手方向両側の各々から横方向外向きに延在している。図15図17は、活性電極53の第1の単極部分51が活性電極53の第2の双極部分55の1つの長手方向側だけに沿って、及び第1のジョー16bの1つの長手方向側だけから横方向外向きに延在していることを除いて、図8図10の実施形態と同様の一実施形態を図示する。
【0056】
図18及び図19は、活性電極59の第1の単極部分57が活性電極59の第2の双極部分61の1つの長手方向側だけに沿って、及び第1のジョー16bの1つの長手方向側だけから横方向外向きに延在している、図15図17の実施形態と同様の別の実施形態を図示する。しかしながら、図18及び図19の実施形態では、単極部分57もまた、双極部分61の遠位先端の周囲に延在している。追加的に、図19に最良に示すように、ジョー16a、16bの各々の組織接触面、例えば戻り電極17a及び双極部分61の組織接触面は、図1図17の実施形態のように実質的に平坦である代わりに、この図示する実施形態では湾曲している。本明細書で説明するジョーの実施形態のいずれかは、湾曲した又は実質的に平坦な組織接触面を有することができ、同じ外科用装置のジョーが、各々が湾曲しているか、又は各々が実質的に平坦であるかのいずれかである。
【0057】
当業者には、上で説明される実施形態に基づいて本発明の更なる特徴及び利点が認識されよう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除き、具体的に示され説明された内容により限定されるものではない。本明細書に引用されるすべての刊行物及び文献は、それらの全容を本明細書に明示的に援用する。
【0058】
〔実施の態様〕
(1) 電気外科用装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジングから延在している細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの遠位端に結合されたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、第1のジョー及び第2のジョーを含み、前記第1のジョー及び前記第2のジョーのうちの少なくとも1つが、前記エンドエフェクタを開位置と閉位置との間で移動させるように、他方に対して枢動可能である、エンドエフェクタと、
前記第1のジョーの第1の電極部分及び第2の電極部分であって、前記第1の電極部分が、前記第2の電極部分の周囲に沿った包囲関係にあり、それにより、前記第1の電極部分が、前記第2の電極部分の横方向外側に位置付けられ、前記第1の電極部分は、前記エンドエフェクタが前記閉位置にある状態で、及び前記エンドエフェクタが前記開位置にある状態で、前記第1のジョーの縁部に沿って露出するように構成されている、第1の電極部分及び第2の電極部分と、を備え、
双極動作モードでは、前記第2の電極部分が、前記エンドエフェクタによって係合された組織にエネルギーを送達するように構成され、前記第1の電極部分が、前記エンドエフェクタによって係合された組織にエネルギーを送達できなくなっており、
単極動作モードでは、前記第1の電極部分が、組織にエネルギーを送達するように構成されている、電気外科用装置。
(2) 前記単極動作モードでは、前記第2の電極部分が組織にエネルギーを送達できなくなっている、及び組織にエネルギーを送達できるようになっている、のうちの1つである、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記第2のジョーが、前記第1の電極部分及び前記第2の電極部分の合計幅よりも狭い幅を有する、実施態様1に記載の装置。
(4) 単一の電極が、前記第1の電極部分及び前記第2の電極部分を含み、前記第1の電極部分が、前記第2の電極部分の前記周囲に沿った包囲関係にあり、前記第2の電極部分が、前記第1の電極部分と直接接触している、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記第2のジョーに戻り電極を更に備え、前記戻り電極が、前記双極動作モード時にエネルギーが戻るように構成されている、実施態様1に記載の装置。
【0059】
(6) 前記第1の電極部分が、前記第1のジョーの遠位先端に沿ってのみ、かつ前記第1のジョーの単一の横縁部に沿ってのみ、前記第2の電極部分の前記周囲に沿った包囲関係にある、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記第1の電極部分が、前記第1のジョーの単一の横縁部に沿ってのみ、前記第2の電極部分の前記周囲に沿った包囲関係にある、実施態様1に記載の装置。
(8) 前記エンドエフェクタが前記閉位置にあるときを検知するように構成されたセンサと、
前記センサによって検知された、前記エンドエフェクタが前記閉位置にある状態でのみ、前記双極動作モードでのエネルギー送達を生じるように作動されるように構成されたアクチュエータと、を更に備える、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記エンドエフェクタが前記開位置にある状態でのみ、前記単極動作モードが可能である、実施態様8に記載の装置。
(10) 前記単極動作モードでのエネルギー送達を生じるように作動されるように構成された第2のアクチュエータを更に備える、実施態様9に記載の装置。
【0060】
(11) 第1の電極が、前記第1の電極部分を含み、
第2の異なる電極が、前記第2の電極部分を含み、
前記装置が、前記第1の電極と前記第2の電極との間に挟まれるように、前記第2の電極の前記周囲に沿った包囲関係にある絶縁材を更に備える、実施態様1に記載の装置。
(12) 前記第1の電極部分が、前記第1のジョーの遠位先端に沿ってかつ前記第1のジョーの2つの横縁部に沿って、前記第2の電極部分の前記周囲に沿った包囲関係にある、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記エンドエフェクタが前記開位置及び前記閉位置にある状態で、前記単極動作モードが可能である、実施態様12に記載の装置。
(14) 単一の電極が、前記第1の電極部分及び前記第2の電極部分を含み、
前記第1の電極部分が、上にコーティングを有するが、前記第2の電極部分が、前記コーティングを有しない、実施態様1に記載の装置。
(15) 電気外科用装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジングから延在している細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの遠位端に結合されたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、第1のジョー及び第2のジョーを含み、前記第1のジョー及び前記第2のジョーのうちの少なくとも1つが、前記エンドエフェクタを開位置と閉位置との間で移動させるように、他方に対して枢動可能である、エンドエフェクタと、を備え、
前記第1のジョーの電極が、前記第1のジョーの外側縁部から横方向外側に延在し、それにより、前記エンドエフェクタが前記閉位置にある状態で前記電極が露出し、それによって、前記エンドエフェクタが前記閉位置にある状態で、及び前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間にいかなる組織も係合されていない状態で、前記電極が、組織に接触することを可能し、
前記電極は、前記エンドエフェクタが前記開位置にある状態で、及び前記エンドエフェクタが前記閉位置にある状態で、組織にエネルギーを送達するように構成されている、電気外科用装置。
【0061】
(16) 前記電極が、単一の電極であり、
前記電極の第1の部分が、前記第1のジョーの前記外側縁部から横方向外側に延在し、かつ前記電極の第2の部分の周囲に沿った包囲関係にあり、それにより、前記電極の前記第1の部分が前記電極の前記第2の部分の横方向外側に位置付けられ、
双極動作モードでは、前記電極の前記第2の部分が組織にエネルギーを送達するように構成され、前記電極の前記第1の部分が組織にエネルギーを送達できなくなっており、
単極動作モードでは、前記電極の前記第1の部分が、組織にエネルギーを送達するように構成されている、実施態様15に記載の装置。
(17) 前記第1のジョーに第2の異なる電極を更に備え、前記電極が、前記第2の電極の周囲に沿った包囲関係にあり、それにより、前記電極が前記第2の電極の横方向外側に位置付けられ、
双極動作モードでは、前記第2の電極が組織にエネルギーを送達するように構成され、前記電極が組織にエネルギーを送達できなくなっており、
単極動作モードでは、前記第1の電極が組織にエネルギーを送達するように構成され、前記第2の電極が組織にエネルギーを送達できなくなっており、
前記装置が、前記第2のジョーに戻り電極を更に含み、前記戻り電極が、前記双極動作モード時にエネルギーを戻すように構成されている、実施態様15に記載の装置。
(18) 前記エンドエフェクタが前記閉位置にあるときを検知するように構成されたセンサと、
前記センサによって検知された、前記エンドエフェクタが前記閉位置にある状態でのみ、前記双極動作モードでのエネルギー送達を生じるように作動されるように構成されたアクチュエータと、を更に備える、実施態様17に記載の装置。
(19) 前記エンドエフェクタが前記開位置及び前記閉位置にある状態で、前記単極動作モードが可能である、実施態様17に記載の装置。
(20) 外科的方法であって、
外科用装置のエンドエフェクタを組織と接触して位置付けることであって、前記エンドエフェクタが、前記外科用装置の細長いシャフトの遠位端に結合され、前記エンドエフェクタが、第1のジョー及び第2のジョーを含み、第1の電極部分及び第2の電極部分が、前記第1のジョーにあり、前記第1の電極部分が、前記第2の電極部分の周囲に沿った包囲関係にあり、それにより、前記第1の電極部分が、前記第2の電極部分の横方向外側に位置付けられている、位置付けることと、
前記外科用装置を双極動作モードで作動させ、それにより、前記第2の電極部分が前記組織にエネルギーを送達するが、前記第1の電極部分が前記組織に前記エネルギーを送達しないことと、
前記外科用装置を単極動作モードで作動させ、それにより、前記第1の電極部分が前記組織にエネルギーを送達することと、を含む、外科的方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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図16
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【国際調査報告】