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特表2022-527359媒介動物媒介性疾患およびウイルス性疾患の治療または予防のための全身性イソキサゾリン系寄生虫駆除剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-01
(54)【発明の名称】媒介動物媒介性疾患およびウイルス性疾患の治療または予防のための全身性イソキサゾリン系寄生虫駆除剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/42 20060101AFI20220525BHJP
   A61P 33/06 20060101ALI20220525BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20220525BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20220525BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220525BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20220525BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20220525BHJP
   A61P 33/02 20060101ALI20220525BHJP
   A61K 31/422 20060101ALI20220525BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20220525BHJP
   A61K 31/513 20060101ALI20220525BHJP
   A61K 31/427 20060101ALI20220525BHJP
   A61K 31/635 20060101ALI20220525BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20220525BHJP
   A61K 31/675 20060101ALI20220525BHJP
   A61K 31/7056 20060101ALI20220525BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20220525BHJP
   A61K 31/4045 20060101ALI20220525BHJP
【FI】
A61K31/42
A61P33/06
A61P31/12
A61P31/14
A61P43/00 121
A61P31/00
A61P31/04
A61P33/02
A61K31/422
A61K31/437
A61K31/513
A61K31/427
A61K31/635
A61K31/497
A61K31/675
A61K31/7056
A61K31/519
A61K31/4045
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559187
(86)(22)【出願日】2020-04-03
(85)【翻訳文提出日】2021-12-01
(86)【国際出願番号】 IB2020053229
(87)【国際公開番号】W WO2020202111
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】62/829,573
(32)【優先日】2019-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520211889
【氏名又は名称】ターサス ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アザミアン ボバック ロバート
(72)【発明者】
【氏名】アッカーマン ダグラス マイケル
(72)【発明者】
【氏名】スタイヴァーズ クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ヒッコク ショーン ディー.
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC13
4C086BC42
4C086BC48
4C086BC67
4C086BC82
4C086CB05
4C086CB22
4C086DA20
4C086DA38
4C086EA16
4C086GA04
4C086GA09
4C086GA10
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA55
4C086MA63
4C086NA05
4C086NA10
4C086ZB31
4C086ZB33
4C086ZB35
4C086ZB38
4C086ZC75
(57)【要約】
本明細書では、マラリア原虫の寄生および/またはマラリアが確認されたかまたは疑われる個体に、1回、2回、またはそれ以上の全身用量のイソキサゾリン系抗寄生虫治療剤を送達することを介して、生物に関連する感染を治療または予防する方法、あるいはマラリア原虫の寄生および/またはマラリアを含む媒介動物媒介性疾患を予防する方法が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マラリアを治療する方法であって、治療を必要とする個体に治療上有効な治療量のイソキサゾリン系寄生虫駆除製剤を投与することを含み、前記治療量が、前記個体内のプラスモジウム属(Plasmodium)種の健康または生活環を阻害するのに十分な全身生物学的利用能を有するのに十分である、方法。
【請求項2】
前記イソキサゾリン系寄生虫駆除製剤を30日以内に複数回投与することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記製剤が経口投与される、請求項1から2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記製剤が非経口投与される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記製剤が経皮投与される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記プラスモジウム属の種が、熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum)、三日熱マラリア原虫(P.vivax)、四日熱マラリア原虫(P.malaria)、卵型マラリア原虫(P.ovale)、およびサルマラリア原虫(P.knowlesi)からなる群から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記製剤が、前記個体の肝臓において前記プラスモジウム属の種の健康または生活環を阻害するために治療上有効である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記個体においてプラスモジウム属の種の健康または生活環を阻害するために治療上有効な別の治療剤を投与することをさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
別の治療剤の投与が、前記イソキサゾリン系寄生虫駆除製剤と同じ製剤で行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
マラリアと診断された前記個体を識別することをさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記イソキサゾリン系寄生虫駆除剤が、フルララネル、ロチラネル、サロラネル、およびアフォキソラネルからなる群から選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
マラリアの治療に用いるイソキサゾリン系寄生虫駆除製剤であって、前記製剤が、治療を必要とする個体に治療上有効であり、前記製剤が、前記個体内のプラスモジウム属(Plasmodium)種の健康または生活環を阻害するのに十分な全身生物学的利用能を有するのに十分である、イソキサゾリン系寄生虫駆除製剤。
【請求項13】
前記イソキサゾリン系寄生虫駆除剤が、フルララネル、ロチラネル、サロラネル、およびアフォキソラネルからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
媒介動物媒介性疾患に対する予防の方法であって、治療を必要とする個体に治療上有効な単一治療量のイソキサゾリン系寄生虫駆除製剤を投与することを含み、前記単一治療量が、媒介動物または媒介動物媒介性疾患生物の健康または生活環を少なくとも約1カ月間阻害するのに十分な全身生物学的利用能を有するのに十分である、方法。
【請求項15】
媒介動物または媒介動物媒介性疾患生物の健康または生活環を少なくとも約3カ月間阻害するのに十分な全身生物学的利用能を有するのに十分である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記イソキサゾリン系寄生虫駆除剤が、フルララネル、ロチラネル、サロラネル、およびアフォキソラネルからなる群から選択される、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
媒介動物媒介性疾患に対する予防の方法であって、治療を必要とする個体に治療上有効な治療量のイソキサゾリン系寄生虫駆除製剤を間隔を空けて複数回投与することを含み、前記間隔を空けた治療量は、1週間以内に2~7用量を含むが、少なくとも約1カ月の期間内にそれ以上の用量は含まず、前記複数の間隔を空けた治療量は、媒介動物または媒介動物媒介性疾患生物の健康または生活環を少なくとも約1カ月間阻害するのに十分な全身生物学的利用能を有するのに十分である、方法。
【請求項18】
前記複数の間隔を空けた治療量が、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤の経口用量であり、前記経口用量がそれぞれ約500mg以下である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも約3カ月の期間内にそれ以上の用量を含まない、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
媒介動物または媒介動物媒介性疾患生物の健康または生活環を少なくとも約3カ月間阻害するのに十分な全身生物学的利用能を有するのに十分である、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記媒介動物媒介性疾患がマラリアを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記媒介動物媒介性疾患がライム病を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記媒介動物媒介性疾患が、デング熱、西ナイルウイルス、チクンギヤ(chikungya)、黄熱病、フィリアリシス(filiarisis)、野兎病、ジロフィラリアシス(dilofilariasis)、日本脳炎、セントルイス脳炎、西部ウマ脳炎、ジカ熱、EEE(東部ウマ脳炎)、ライム病、アナプラズマ症、エーリキア症、バベシア症、ボレリア・ミヤモトイ感染症、リケッチア・パルケリ紅斑熱、太平洋岸のダニ熱(Pacific Coast tick fever)、エーリキア・ムリス様感染症(Ehrlichia muris-like infection)、ハートランドウイルス、バーボンウイルス、B.マヨニイ(B.mayonii)感染、およびその他のダニ媒介性疾患からなる群の1つまたは複数を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
ウイルス感染症を治療または予防する方法であって、
治療または予防を必要とする被験体にイソキサゾリン系寄生虫駆除剤を含む医薬組成物を投与することを含み、前記製剤が前記被験体において前記ウイルス感染症を治療または予防するのに治療上有効である方法。
【請求項25】
前記ウイルス感染症を治療することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記医薬組成物が、1回限りの単回用量である、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
前記ウイルス感染症がコロナウイルス感染症を含む、請求項24~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記ウイルス感染症がSARS-CoV2(COVID19)を含む、請求項24~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記医薬組成物が、前記ウイルスの健康または生活環を少なくとも約1カ月間阻害するのに十分な全身生物学的利用能を有するのに十分である、請求項24~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記イソキサゾリン系寄生虫駆除剤が、フルララネル、サロラネル、ロチラネル、アフォキソラネル、フルキサメタミド、およびイソシクロセラムからなる群から選択される、請求項24~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記イソキサゾリン系寄生虫駆除剤が、前記医薬組成物中の単一の活性薬剤である、請求項24~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
以下の追加の活性薬剤:バリシチニブ;ロピナビルおよび/またはリトナビル、ダルナビル、ファビピラビル、レムデシビル、リバビリン、ガリドセイビル(galidseivir)、BCX-4430、アルビドール、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、メフロキン、および/またはニタゾキサニドの1つまたは複数をさらに含む、請求項24~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
ウイルス感染に対する予防の方法であって、治療を必要とする個体に治療上有効な治療量のイソキサゾリン系寄生虫駆除製剤を間隔を空けて複数回投与することを含み、前記間隔を空けた治療量は、1週間以内に2~7用量を含むが、少なくとも約1カ月の期間内にそれ以上の用量は含まず、前記複数の間隔を空けた治療量は、ウイルスの生活環および/または複製を少なくとも約1カ月間阻害するのに十分な全身生物学的利用能を有するのに十分である、方法。
【請求項34】
前記ウイルス感染症がコロナウイルスを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記ウイルス感染症がSARS-CoV2(COVID19)を含む、請求項33または34に記載の方法。
【請求項36】
前記複数の間隔を空けた治療量が、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤の経口用量であり、前記経口用量がそれぞれ約500mg以下である、請求項33~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
少なくとも約3カ月の期間内にそれ以上の用量を含まない、請求項33~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
ウイルスの複製または生活環を少なくとも約3カ月間阻害するのに十分な全身生物学的利用能を有するのに十分である、請求項33~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記イソキサゾリン系寄生虫駆除剤が、フルララネル、サロラネル、ロチラネル、アフォキソラネル、フルキサメタミド、およびイソシクロセラムからなる群から選択される、請求項33~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
以下の追加の活性薬剤:バリシチニブ;ロピナビルおよび/またはリトナビル、ダルナビル、ファビピラビル、レムデシビル、リバビリン、ガリドセイビル(galidseivir)、BCX-4430、アルビドール、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、メフロキン、および/またはニタゾキサニドの1つまたは複数をさらに含む、請求項33~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
病原体の治療または予防に用いるイソキサゾリン系寄生虫駆除薬物であって、前記薬物は、治療を必要とする個体に治療上有効であり、前記製剤は、前記病原体の健康または生活環を阻害するのに十分な全身生物学的利用能を有するのに十分である、イソキサゾリン系寄生虫駆除薬物。
【請求項42】
前記病原体がウイルスを含む、請求項41に記載の薬物。
【請求項43】
前記ウイルスがコロナウイルスを含む、請求項42に記載の薬物。
【請求項44】
前記ウイルスがSARS-CoV2(COVID19)を含む、請求項43に記載の薬物。
【請求項45】
前記病原体を処置するための、請求項41~44のいずれか一項に記載の薬物。
【請求項46】
前記病原体を予防するための、請求項41~44のいずれか一項に記載の薬物。
【請求項47】
前記イソキサゾリン系寄生虫駆除剤が、フルララネル、サロラネル、ロチラネル、アフォキソラネル、フルキサメタミド、およびイソシクロセラムからなる群から選択される、請求項41~46のいずれか一項に記載の薬物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本願は、2019年4月4日出願の米国特許仮出願第62/829,573号の米国特許法第119条(e)に基づく利益を主張するものであり、その内容は参照によりその全文が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
いくつかの局面において、本発明の実施形態は、新しい治療様式および予防様式が切実に必要とされている、様々な媒介動物媒介生物および他の伝染性病原生物の処置および予防に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一部の実施形態では、本明細書に開示される任意の数の特徴/要素を含む、それらから本質的になる、またはそれらからなる、多様な媒介動物媒介性疾患および他の病原性疾患および関連生物の処置および/または予防のための、医薬製剤を含む製剤、およびそれを使用する方法が本明細書に開示される。
【0004】
一部の実施形態では、本明細書に開示される任意の数の特徴/要素を含む、それらから本質的になる、またはそれらからなる、多様な病原性疾患と、寄生虫、細菌、ウイルス、真菌および/または他の生物を含む関連生物の処置および/または予防のための、医薬製剤を含む製剤、およびそれを使用する方法が本明細書に開示される。
【0005】
一部の実施形態では、治療を必要とする個体に治療上有効な治療量のイソキサゾリン系寄生虫駆除製剤を投与することを含み、該治療量が、個体内のプラスモジウム属(Plasmodium)の種の健康または生活環を阻害するのに十分な全身生物学的利用能を有するのに十分である、マラリアを治療する方法が本明細書に開示される。
【0006】
一部の実施形態では、本方法は、イソキサゾリン系寄生虫駆除製剤を30日以内に複数回投与することを含む。
【0007】
一部の実施形態では、製剤は経口投与される。
【0008】
一部の実施形態では、製剤は非経口投与される。
【0009】
一部の実施形態では、製剤は経皮的に投与される。
【0010】
一部の実施形態では、プラスモジウム属の種は、熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum)、三日熱マラリア原虫(P.vivax)、四日熱マラリア原虫(P.malaria)、卵型マラリア原虫(P.ovale)、およびサルマラリア原虫(P.knowlesi)からなる群から選択される。
【0011】
一部の実施形態では、製剤は、個体の肝臓においてプラスモジウム属の種の健康または生活環を阻害するために治療上有効である。
【0012】
一部の実施形態では、本方法は、個体においてプラスモジウム属の種の健康または生活環を阻害するために治療上有効な別の治療剤を投与することをさらに含む。
【0013】
一部の実施形態では、別の治療剤の投与は、イソキサゾリン系寄生虫駆除製剤と同じ製剤で行われる。
【0014】
10.マラリアと診断された前記個体を識別することをさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【0015】
一部の実施形態では、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤は、フルララネル、ロチラネル、サロラネル、およびアフォキソラネルからなる群から選択される。
【0016】
一部の実施形態では、マラリアの治療に使用するためのイソキサゾリン系寄生虫駆除製剤が開示され、前記製剤は、治療を必要とする個体に治療上有効であり、前記製剤は、個体内のプラスモジウム属の種の健康または生活環を阻害するのに十分な全身生物学的利用能を有するのに十分である。
【0017】
一部の実施形態では、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤は、フルララネル、ロチラネル、サロラネル、およびアフォキソラネルからなる群から選択される。
【0018】
また、治療を必要とする個体に治療上有効な単一治療量のイソキサゾリン系寄生虫駆除製剤を投与することを含み、単一治療量が、媒介動物または媒介動物媒介性疾患生物の健康または生活環を少なくとも約1カ月間阻害するのに十分な全身生物学的利用能を有するのに十分である、媒介動物媒介性疾患に対する予防の方法も本明細書に開示される。
【0019】
一部の実施形態では、本方法は、媒介動物または媒介動物媒介性疾患生物の健康または生活環を少なくとも約3カ月間阻害するのに十分な全身生物学的利用能を有するのに十分である。
【0020】
一部の実施形態では、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤は、フルララネル、ロチラネル、サロラネル、およびアフォキソラネルからなる群から選択される。
【0021】
一部の実施形態では、治療を必要とする個体に治療上有効な治療量のイソキサゾリン系寄生虫駆除製剤を間隔を空けて複数回投与することを含み、間隔を空けた治療量は1週間以内に2~7用量を含むが、少なくとも約1カ月の期間内にそれ以上の用量は含まず、複数の間隔を空けた治療量は、媒介動物または媒介動物媒介性疾患生物の健康または生活環を少なくとも約1カ月間阻害するのに十分な全身生物学的利用能を有するのに十分である、媒介動物媒介性疾患に対する予防の方法が本明細書に開示される。
【0022】
一部の実施形態では、複数の間隔を空けた治療量は、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤の経口用量であり、この経口用量はそれぞれ約500mg以下である。
【0023】
一部の実施形態では、本方法は、少なくとも約3カ月の期間内にそれ以上の用量をさらに含まない。
【0024】
一部の実施形態では、本方法は、媒介動物または媒介動物媒介性疾患生物の健康または生活環を少なくとも約3カ月間阻害するのに十分な全身生物学的利用能を有するのに十分である。
【0025】
一部の実施形態では、媒介動物媒介性疾患は、マラリアを含む。
【0026】
一部の実施形態では、媒介動物媒介性疾患は、ライム病を含む。
【0027】
一部の実施形態では、媒介動物媒介性疾患は、デング熱、西ナイルウイルス、チクンギヤ(chikungya)、黄熱病、フィリアリシス(filiarisis)、野兎病、ジロフィラリアシス(dilofilariasis)、日本脳炎、セントルイス脳炎、西部ウマ脳炎、ジカ熱、EEE(東部ウマ脳炎)、ライム病、アナプラズマ症、エーリキア症、バベシア症、ボレリア・ミヤモトイ感染症、リケッチア・パルケリ紅斑熱、太平洋岸のダニ熱(Pacific Coast tick fever)、エーリキア・ムリス様感染症(Ehrlichia muris-like infection)、ハートランドウイルス、バーボンウイルス、B.マヨニイ(B.mayonii)感染、およびその他のダニ媒介性疾患からなる群の1つまたは複数を含む。
【0028】
一部の実施形態では、本明細書に開示されるのは、治療または予防を必要とする被験体にイソキサゾリン系寄生虫駆除剤を含む医薬組成物を投与することを含む、ウイルス感染症を治療または予防する方法であり、該製剤は、被験体においてウイルス感染症を治療または予防するのに治療上有効である。
【0029】
一部の実施形態では、本方法は、ウイルス感染症を治療することを含む。
【0030】
一部の実施形態では、医薬組成物は、1回限りの単回用量である。
【0031】
一部の実施形態では、ウイルス感染症は、コロナウイルス感染症を含む。
【0032】
一部の実施形態では、ウイルス感染症は、SARS-CoV2(COVID19)を含む。
【0033】
一部の実施形態では、医薬組成物は、ウイルスの健康または生活環を少なくとも約1カ月間阻害するのに十分な全身生物学的利用能を有するのに十分である。
【0034】
一部の実施形態では、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤は、フルララネル、サロラネル、ロチラネル、アフォキソラネル、フルキサメタミド、およびイソシクロセラムからなる群から選択される。
【0035】
一部の実施形態では、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤は、医薬組成物中の単一の活性薬剤である。
【0036】
一部の実施形態では、本方法は、以下の追加の活性薬剤:バリシチニブ;ロピナビルおよび/またはリトナビル、ダルナビル、ファビピラビル、レムデシビル、リバビリン、ガリドセイビル(galidseivir)、BCX-4430、アルビドール、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、メフロキン、および/またはニタゾキサニドの1つまたは複数をさらに含む。
【0037】
一部の実施形態では、本明細書に開示されるのは、治療を必要とする個体に治療上有効な治療量のイソキサゾリン系寄生虫駆除製剤を間隔を空けて複数回投与することを含む、ウイルス感染に対する予防の方法であり、この際、該間隔を空けた治療量は、1週間以内に2~7用量を含むが、少なくとも約1カ月の期間内にそれ以上の用量は含まず、複数の間隔を空けた治療量は、ウイルスの生活環および/または複製を少なくとも約1カ月間阻害するのに十分な全身生物学的利用能を有するのに十分である。
【0038】
一部の実施形態では、ウイルス感染は、コロナウイルスを含む。
【0039】
一部の実施形態では、ウイルス感染症は、SARS-CoV2(COVID19)を含む。
【0040】
一部の実施形態では、複数の間隔を空けた治療量は、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤の経口用量であり、この経口用量はそれぞれ約500mg以下である。
【0041】
一部の実施形態では、本方法は、少なくとも約3カ月の期間内にそれ以上の用量をさらに含まない。
【0042】
一部の実施形態では、本方法は、ウイルスの複製または生活環を少なくとも約3カ月間阻害するのに十分な全身生物学的利用能を有するのに十分である。
【0043】
一部の実施形態では、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤は、フルララネル、サロラネル、ロチラネル、アフォキソラネル、フルキサメタミド、およびイソシクロセラムからなる群から選択される。
【0044】
一部の実施形態では、本方法は、以下の追加の活性薬剤:バリシチニブ;ロピナビルおよび/またはリトナビル、ダルナビル、ファビピラビル、レムデシビル、リバビリン、ガリドセイビル(galidseivir)、BCX-4430、アルビドール、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、メフロキン、および/またはニタゾキサニドの1つまたは複数をさらに含む。
【0045】
また、本明細書に開示されるのは、病原体の処置または予防に用いるイソキサゾリン系寄生虫駆除薬物であり、前記薬物は、治療を必要とする個体に治療上有効であり、前記製剤は、病原体の健康または生活環を阻害するのに十分な全身生物学的利用能を有するのに十分である。
【0046】
一部の実施形態では、病原体はウイルスを含む。
【0047】
一部の実施形態では、ウイルスはコロナウイルスを含む。
【0048】
一部の実施形態では、ウイルスはSARS-CoV2(COVID19)を含む。
【0049】
一部の実施形態では、薬物は、病原体を処置するためのものである。
【0050】
一部の実施形態では、薬物は、病原体を防ぐためのものである。
【0051】
一部の実施形態では、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤は、フルララネル、サロラネル、ロチラネル、アフォキソラネル、フルキサメタミド、およびイソシクロセラムからなる群から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0052】
マラリアは、マラリア原虫によって引き起こされる、深刻で、時には生命を脅かす疾患であり、マラリア媒介動物として知られる、感染したハマダラカに刺されることによって人に伝染される。世界保健機関(WHO)によれば、2017年のマラリアの罹患者数は87か国で推定2億1900万人であり、2017年の推定マラリア死亡者数は435,000人であった。
【0053】
WHOアフリカ地域は、世界のマラリア負担のシェアが不釣り合いに高いと言われている。2017年に、この地域では、マラリアの症例の92%とマラリアによる死亡の93%があった。WHOによると、世界ですべてのマラリアの症例のほぼ半数を占めるのは、ナイジェリア(25%)、コンゴ民主共和国(11%)、モザンビーク(5%)、インド(4%)、ウガンダ(4%)の5か国である。世界の人口のほぼ半数はマラリアのリスクにさらされていると推定されている。ほとんどのマラリアの症例および死亡はサハラ以南のアフリカで発生する。しかし、東南アジア、東地中海、西太平洋、および南北アメリカのWHO地域も危険にさらされている。2017年には、87の国と地域でマラリアの感染が続いていた。
【0054】
マラリアの防除と撲滅のための総資金は、2017年に推定31億ドルに達した。一部の人口集団は、他の集団よりもマラリアに罹患し、重篤な疾患を発症するリスクがかなり高くなっている。これらには、乳幼児、5歳未満の子供、妊婦およびHIV/AIDS患者、ならびに免疫のない移住者、移動人口、旅行者が含まれる。
【0055】
ヒトにマラリアを引き起こす寄生虫の種は、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、四日熱マラリア原虫、卵型マラリア原虫、およびサルマラリア原虫を含む、少なくとも5つある。2017年、熱帯熱マラリア原虫は、WHOアフリカ地域の推定されるマラリア症例の99.7%を占め、WHOの東南アジア地域(62.8%)、東地中海地域(69%)、および西太平洋地域(71.9%)でも症例の大半を占めている。三日熱マラリア原虫は、南北アメリカのWHO地域で優勢な寄生虫であり、マラリア症例の74.1%に相当する。
【0056】
マラリアは、急性の熱性疾患である。症状は、通常、原因となる蚊に刺されてから約10~15日後に現れる。一般に発熱、頭痛および悪寒などの初期症状は軽度で、マラリアと認識するのが困難な場合がある。例えば熱帯熱マラリア原虫によるマラリアは、24時間以内に治療しないと、重篤な病気に進行し、多くの場合、死に至る可能性がある。
【0057】
重度のマラリアの子供は、重度の貧血、代謝性アシドーシスに関連する呼吸困難、または脳マラリアのうちの1つまたは複数の症状を発症する場合が多い。成人では、多臓器不全も頻繁に起こる。マラリア流行地域では、人々は部分的な免疫を獲得し、無症候性の感染が起こることがある。
【0058】
ハマダラカには400種を超える種類があり、約30種類が主に重要なマラリア媒介動物である。典型的な媒介蚊は夜間に刺す。感染の強さは、寄生虫、媒介動物、ヒト宿主、および環境に関連する要因に依存する。
【0059】
ハマダラカは水中に卵を産み、それが孵化して幼虫となり、最終的に成虫の蚊となって出てくる。雌の蚊は、卵に栄養を与えるために血液の食事を求める。蚊の寿命が長く(そのため寄生虫が蚊の体内で発育を完了する時間がある)、蚊が他の動物よりも人間を好んで刺す場所では、感染の発生率が上昇する可能性がある。アフリカの媒介動物種の寿命が長く、ヒトを刺す習性の強さが、世界のマラリア症例の約90%がアフリカにある主な理由である。
【0060】
感染はまた、蚊の数と生存に影響を与える可能性のある気候条件、例えば降雨パターン、温度、湿度などにも依存する。多くの場所で、感染は季節的であり、雨季の間と雨季の直後にピークがある。マラリアの流行は、人々がマラリアに対する免疫をほとんどまたはまったく持たない地域で、気候およびその他の条件が突然感染を促進する場合に発生する可能性がある。また、免疫力の低い人々が、例えば仕事を求めて、または難民として、マラリアの感染が激しい地域に移動した場合にもマラリアは発生する可能性がある。
【0061】
特に感染状態が中程度または激しい地域の成人の間では、ヒトの免疫はもう1つの重要な要因である。部分免疫は、何年にもわたる曝露で発現し、決して完全な防御を提供するものではないが、マラリア感染が重篤な疾患を引き起こすリスクを軽減する。このため、アフリカでのマラリアによる死亡のほとんどは幼児に起こるが、感染率が低く免疫力が低い地域では、すべての年齢群にリスクがある。
【0062】
少なくとも前述の理由により、マラリアを治療および/または予防する改善されたシステムおよび方法、ならびに本明細書に開示されるものを含む他の条件が必要とされる。
【0063】
一部の実施形態では、本明細書に開示されるのは、マラリア原虫の寄生および/またはマラリアの感染が確認されたかまたは疑われる個体に、1回、2回、またはそれ以上の全身用量のイソキサゾリン系抗寄生虫治療剤を送達することを介して、マラリア原虫の寄生および/またはマラリアを治療する方法である。
【0064】
一部の実施形態では、本明細書に開示されるのは、媒介動物媒介生物、例えば、ボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia Burgdorferi)、ボレリア・マヨニイ(Borrelia mayonii)、ボレリア・ミヤモトイ(Borrelia miyamotoi)、その他のボレリア属の種、バベシア・ミクロチ(Babesia microti)、他のバベシア属の種、エーリキア・ムリス・オークレアレンシス(Ehrlichia muris eauclairensis)、エーリキア・シャフェンシス(Ehrlichia chaffeensis)、エーリキア・エウィンギイ(Ehrlichia ewingii)、他のエーリキア属の種、アナプラズマ・ファゴサイトフィルム(Anaplasma phagocytophilum)、他のアナプラズマ属の種、フランシセラ・ツラレンシス(Francisella tularensis)、他のフランシセラ属の種、リケッチア・リケッチア(Rickettsia rickettsia)、リケッチア・パルケリ(Rickettsia parkeri)、他のリケッチア属の種、ポワッサンウイルス、ハートランドウイルス、バーボンウイルス、および/またはコロラドダニ熱ウイルスなどの寄生を、そのような媒介動物媒介生物の寄生および/またはそれに起因する疾患が確認されたかまたは疑われる個体に、1回、2回、またはそれ以上の全身用量のイソキサゾリン系抗寄生虫治療剤を送達することを介して治療する方法である。
【0065】
一部の実施形態では、本明細書に開示されるのは、ヒトおよびその他の動物の媒介動物媒介性疾患、例えば、ライム病、アナプラズマ症、エーリキア症、バベシア症、ボレリア・ミヤモトイ感染症、回帰熱、ポワッサンウイルス疾患、野兎病、ハートランドウイルス疾患、バーボンウイルス疾患、ロッキー山紅斑熱、R.パルケリ・リケッチア症、コロラドダニ熱、ダニ媒介性回帰熱、南部マダニに関連する発疹病、または他のそのようなダニ媒介性疾患などを、1回、2回、またはそれ以上の全身用量のイソキサゾリン系抗寄生虫剤を個体に送達することを介して予防する方法であり、また、生物を運ぶ媒介動物、例えば、ハマダラカ属の蚊(ガンビアハマダラカ(Anopheles gambiae)、ステフェンスハマダラカ(Anopheles stephensi)などを含む)、クロアシマダニ(Ixodes Scapularis)、アンブリオンマ・アメリカナム(Amblyomma americanum)、アメリカイヌカクマダニ(Dermacentor variabilis)、クリイロコイタマダニ(Rhipicephalus sanguineus)、イキソデス・クッキー(Ixodes cookie)、アンブリオンマ・マキュラタム(Amblyomma maculatum)、デルアセントル・アンデルソニ(Dermacentor andersoni)、ヒメダニ属の種(Ornithodoros spp.)、セイブクロアシマダニ(Ixodes pacificus)、または関連媒介動物の他の種を、生物の媒介動物からヒトへの継代の前、または近接して別のヒトを噛む前、例えば約1、2、4、6、8、12、15、18、24またはそれ以上の時間以内、約5、10、15、30、45分以内、または約4~8時間の範囲内)、または前述の値のいずれか2つを含む範囲内に殺傷することによって感染を防ぐ方法である。
【0066】
一部の実施形態では、本明細書に開示されるのは、地理的に近接した(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の平方マイル以内、約10~50平方マイル以内、または約100平方マイル以内の)1人または複数の個体に、1回、2回、またはそれ以上の全身用量のイソキサゾリン系抗寄生虫剤を送達することを介して、ヒトの媒介動物媒介性疾患を予防する方法、ならびに、前記1人または複数の個体を刺した後、ハマダラカ属の蚊(例えばガンビアハマダラカ、ステフェンスハマダラカなど)などの疾患を媒介する媒介動物を殺傷することによって感染を防ぎ、それによって局所的な媒介動物集団を減少させる方法である。
【0067】
また、ライム病、アナプラズマ症、またはマラリアなどの媒介動物媒介性疾患、または本明細書の他所に開示される他の疾患の治療に用いるイソキサゾリン系寄生虫駆除製剤も本明細書において開示され、前記製剤は、治療を必要とする個体に治療上有効であり、前記製剤は、個体内のプラスモジウム属種などの媒介動物媒介生物の健康または生活環を阻害するのに十分な全身生物学的利用能を有するのに十分である。この製剤は、本明細書の他所に開示されているように、任意の数の特性を有し得る。
【0068】
また、媒介動物媒介性疾患の予防に用いるイソキサゾリン系寄生虫駆除製剤も本明細書において開示され、前記製剤は、前記全身に循環する抗寄生虫剤に妥当な確率(例えば、約50%、60%、70%、80%、90%またはそれ以上またはそれ以下の媒介動物死亡率)で遭遇する媒介動物の死を引き起こすのに十分な全身生物学的利用能を有するのに十分である。この製剤は、本明細書の他所に開示されているように、任意の数の特性を有し得る。
【0069】
本明細書で使用される「化合物(compound)」、「化合物(compounds)」、「化学的実体(chemical entity)」、および「化学的実体(chemical entities)」とは、本明細書に開示される一般式に包含される化合物、それらの一般式の任意の亜属、および一般式および亜属式内の化合物の任意の形態を指し、それには1つまたは複数の化合物のラセミ体、立体異性体、および互変異性体が含まれる。
【0070】
本明細書において使用される、「有効量」という用語は、例えば、研究者または臨床医によって求められている組織、系、ヒトまたは非ヒト動物の生物学的または医学的応答を誘発する薬物または医薬品の量を意味する。
【0071】
さらに、「治療上有効な量」という用語は、そのような量を投与されていない対応する被験体と比較して、疾患、障害、または副作用の改善された治療、治癒、予防、または寛解、あるいは疾患または障害の進行速度の低下をもたらす任意の量を意味する。この用語には、正常な生理機能を強化するために効果的な量もその範囲内に含む。
【0072】
本明細書において使用される、「賦形剤」という用語は、医薬品有効成分(API)を医薬製剤に製剤化するために使用される物質を意味する。賦形剤(例えば、マンニトール、カプチゾール(Captisol)(登録商標)、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルカム、セルロース、クロスカルメロースナトリウム、グルコース、ゼラチン、スクロース、炭酸マグネシウムなど)は、医薬品開発の不可欠な部分であり、限定されるものではないが、製造の補助、薬剤の安定性および有効性の変更をはじめとする、望ましい製品プロファイルを実現するのに役立つ。許容される賦形剤は、無毒であり、本明細書に記載された少なくとも1つの化学的実体の治療上の利益に悪影響を及ぼさない。そのような賦形剤は、任意の固体、液体、半固体であってもよいし、エアロゾル組成物の場合には、一般に利用可能な気体の賦形剤であってもよい。
【0073】
さらに、「賦形剤」という用語は、可溶化剤、安定剤、担体、希釈剤、充填剤、pH緩衝剤、トニシファイング・エージェント(tonicifying agents)、抗菌剤、湿潤剤、および乳化剤(例えば、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、シクロデキストリン誘導体、モノラウリン酸ソルビタン、酢酸トリエタノールアミン、オレイン酸トリエタノールアミンなど)を包含する。賦形剤は、ヒトおよび他の動物投与が承認されているか、または安全であると考えられていることが好ましい。一般に、意図する投与様式に応じて、医薬組成物は、約0.005%~95%の;特定の実施形態では、約0.5%~50重量%の化学的実体を含む。本明細書において、「凍結乾燥(lyophilization)」、「凍結乾燥(lyophilized)」および「凍結乾燥(freeze-dried)」とは、乾燥させる材料を最初に凍結させ、次に真空環境での昇華によって氷または凍結溶媒を除去するプロセスを指す。「凍結乾燥粉末」または「凍結乾燥調製物」という用語は、凍結乾燥、すなわち、水溶液の凍結乾燥によって得られる任意の固体材料を指す。水溶液は、非水性溶媒、すなわち、水性および1つまたは複数の非水性溶媒で構成される溶液を含み得る。好ましくは、凍結乾燥調製物は、薬学的に許容される賦形剤として水で構成される溶液を凍結乾燥することによって固体材料が得られる調製物である。
【0074】
本明細書において使用される「薬学的に許容される」という用語は、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、または他の問題もしくは合併症がなく、合理的な利益/リスク比に見合った、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに適した化合物、材料、組成物、および剤形を指す。
【0075】
本明細書において使用される、「薬学的に許容される塩」という用語は、当技術分野で周知の多様な有機および無機対イオンに由来し、ほんの例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、およびテトラアルキルアンモニウムを含み、分子が塩基性の官能基を含む場合には、有機または無機酸の塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、およびシュウ酸塩などを含む、薬学的に許容される塩を指す。
【0076】
化合物の薬学的に許容される塩は調製することができる。これらの薬学的に許容される塩は、化合物の最終的な単離および精製中にその場で調製してもよいし、その遊離酸または遊離塩基の形態の精製化合物を、それぞれ適した塩基または酸と別々に反応させることによって調製してもよい。
【0077】
したがって、「化合物またはその薬学的に許容される塩の文脈において「または」という語は、化合物またはその薬学的に許容される塩(代替物)か、または化合物およびその薬学的に許容される塩(組合せ)のいずれかを指すと理解される。
【0078】
本明細書において使用される、「医薬組成物」(本明細書では1つまたは複数の製剤とも呼ばれる)という用語は、化合物と、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤を説明する。1つまたは複数の賦形剤は、組成物の他の成分と適合性があり、そのレシピエントに有害ではないという意味で許容可能であり得る。本発明の別の態様によれば、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤を用いて、薬剤またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を調製するためのプロセスも提供される。医薬組成物は、本明細書に記載される状態のいずれかの治療および/または予防に使用することができる。
【0079】
親の(parental)投与に適合させた医薬組成物には、抗酸化剤、緩衝液、制菌剤と、意図するレシピエントの血液と組成物を等張にする溶質が含まれ得る水性および非水性の滅菌注射液;ならびに、懸濁剤および増粘剤を含み得る水性および非水性の滅菌懸濁液が含まれる。組成物は、単位用量または複数用量(多用量型)の容器、例えば密封されたアンプルおよびバイアルに提示されてもよく、無菌の液体担体、例えば注射水を使用直前に添加することだけを必要とする凍結乾燥(凍結乾燥)状態で保存され得る。即時注射液および懸濁液は、無菌の粉末、顆粒剤および錠剤から調製されてもよい。
【0080】
「ラセミ体」は、エナンチオマーの混合物を指す。本発明の実施形態では、治療剤、またはその薬学的に許容される塩は、言及されるキラル炭素のすべてが1つの構成にある1つのエナンチオマーで鏡像異性的に濃縮されている。一般に、鏡像異性的に濃縮された化合物または塩と呼ぶことは、指定されたエナンチオマーがその化合物または塩のすべてのエナンチオマーの総重量の50重量%超を含むことを意味する。
【0081】
化合物の1つの「溶媒和物」または複数の「溶媒和物」とは、化学量論量または非化学量論量の溶媒に結合している、上記で定義される化合物を指す。
【0082】
化合物の溶媒和物には、すべての形態の化合物の溶媒和物が含まれる。特定の実施形態では、溶媒は、揮発性、非毒性、および/またはヒトへの投与に微量で許容される。適した溶媒和物には、水が含まれる。
【0083】
化合物の1つの「立体異性体」または複数の「立体異性体」とは、1つまたは複数の立体中心のキラリティーが異なる化合物を指す。立体異性体には、エナンチオマーおよびジアステレオマーが含まれる。
【0084】
光学活性(R)異性体および(S)異性体およびdおよびI異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を使用して調製するか、または従来の手法を使用して分離することができる。例えば、本発明の化合物の特定のエナンチオマーを望む場合、それは、不斉合成によるか、またはキラル補助剤を用いる誘導体化によって調製することができ、得られたジアステレオマー混合物を分離し、補助基を切断して、純粋な所望のエナンチオマーを得ることができる。あるいは、分子がアミノ基などの塩基性官能基、またはカルボキシル基などの酸性官能基を含む場合、ジアステレオマー塩は、適切な光学活性な酸または塩基で形成することができ、続いて、このようにして形成されたジアステレオマーを、当技術分野で知られている分画結晶化またはクロマトグラフィー手段によって分離し、その後、純粋なエナンチオマーを回収することができる。さらに、エナンチオマーとジアステレオマーの分離は、キラルな固定相を用いるクロマトグラフィーを使用して、場合によっては化学的誘導体化(例えば、アミンからのカルバメートの形成)と組み合わせて達成されることが多い。
【0085】
「互変異性体」とは、エノール-ケトおよびイミン-エナミンの互変異性体などのプロトンの位置が異なる化合物の代替形態、あるいは、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、テトラゾールなどの環-NH-部分と環=N-部分の両方に結合した環原子を含むヘテロアリール基の互変異性形態を指す。
【0086】
一部の実施形態のそのような化合物は、特定の幾何学的形態または立体異性形態で存在することができる。本発明は、(-)-および(+)-エナンチオマー、(R)-および(S)-エナンチオマー、(D)-異性体、(L)-異性体、それらのラセミ混合物、および鏡像異性的に濃縮された混合物などのそれらの他の混合物を含む、すべてのそのような化合物を本発明の範囲内にあるものとして企図する。追加の不斉炭素原子は、アルキル基などの置換基に存在することができる。そのようなすべての異性体、ならびにそれらの混合物は、本発明に含まれることが意図される。
【0087】
患者の疾患の「治療(treating)」または「治療(treatment)」とは、1)疾患の素因があるか、または疾患の症状をまだ示していない患者に疾患が生じることを防ぐこと;2)疾患を抑制するか、または疾患の発生を阻むこと;または3)疾患またはその症状を寛解させるかまたは退行を引き起こすことを指す。
【0088】
イソキサゾリン系寄生虫駆除剤は、獣医学適応症のための殺虫剤および殺ダニ剤として従来から使用されている寄生虫駆除剤のクラスである。1つまたは複数のイソキサゾリン系寄生虫駆除剤は、単独で、または他の治療剤と組み合わせて、本明細書に開示されるようなシステムおよび方法と共に利用することができる。一部の実施形態では、治療を必要とする患者は、限定されるものではないが、イソキサゾリン置換ベンズアミド誘導体を含むイソキサゾリン系寄生虫駆除剤ファミリーの化学物質の活性薬剤で治療することができる。理論に制限されるものではないが、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤は、特定の生物の神経系を選択的に標的とするGABA-塩化物拮抗薬として作用することができる。GABAに媒介される塩化物の流入は、細胞膜の過分極を引き起こし、抑制性シナプス後電位を生成し得る。これにより、活動電位の発生確率が低下し、生物の麻痺および最終的な死が引き起こされる。イソキサゾリン系寄生虫駆除剤としては、例えば、任意の数のフルララネル、サロラネル、ロチラネル、アフォキソラネル、イソシクロセラム、および/またはフルキサメタミドを挙げることができ、これにはその誘導体、類似体、およびL異性体およびD異性体が含まれ、これには、限定されるものではないが、エナンチオマー、ラセミ混合物を含む組成物、および鏡像異性的に純粋な組成物が含まれ得る。一部の実施形態では、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤、または本明細書に開示される他の有効成分は、製剤および/または方法において利用される唯一の有効成分である。一部の実施形態では、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤は、イソキサゾリン置換ベンズアミド誘導体である。一部の実施形態では、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤は、その化学構造中に1つ、2つ、3つ、またはそれ以上のフッ素基、例えば三フッ素基などを有する(例えば、R-CF)。一部の実施形態では、製剤には、例えば本明細書の他所に開示される量/濃度で、本明細書の他所に開示されるイソキサゾリン系寄生虫駆除剤の代わりに、またはそれに加えて、他のイソキサゾリン系寄生虫駆除剤に対する前駆体化合物(例えば、イソキサゾール-4-カルボン酸を含むイソキサゾールカルボン酸)、または分解化合物(例えば、イソキサゾールチオペンカルボン酸)が含まれ得る。一部の実施形態では、製剤は、本明細書において開示されるものを含め、いかなる前駆体化合物も分解化合物も含まない。一部の実施形態では、製剤は、アリールイソキサゾリン部分を含むピラゾール-5-カルボキサミドを含み得る。
【0089】
一部の実施形態では、システムおよび方法は、疾患を有する媒介動物を殺傷するために治療上有効であり得、これは、少なくとも約45日、60日、75日、90日またはそれ以上の間、媒介動物の保護を提供するために、例えば約500mg未満、または約100~1,000mgの範囲内、または約1,000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、75、50、25mg以下の範囲、あるいは前述の値のいずれか2つを含む範囲のイソキサゾリン系寄生虫駆除剤の単回経口投与のみを必要とすることがあり得る。一部の実施形態では、全身曝露の期間または大きさを減らすことが望ましい場合には、投与量は、100mg未満、例えば50~100mgの単回経口投与のみを必要とし得る。一部の実施形態では、体重の異なる個体に好ましい血漿レベルを送達するために、複数の投与量を利用することができ得る。一部の実施形態では、投与量は、食物摂取の前後の30、60、または90分以内に投与されると、投与量が少なく、より効果的で、腸により良く吸収され得る。一部の実施形態では、本明細書に開示されるのは、限定されるものではないが、マラリア媒介動物の防除を含む、媒介動物の防除のためのイソキサゾリン系寄生虫駆除剤の比較的低用量の投与を提供することである。そのような低用量の投与は、安全のために全身曝露を非常に低くすることができ、蚊の高い殺傷率は必ずしも必要ではない。そのような製剤は、媒介動物(例えば、蚊など)が噛むか、そうでなければ生物を次の人に感染させることができないように、媒介動物を弱める(またはその一部を殺す)範囲を提供することができる。一般に、ダニを殺すためには蚊よりも高い、例えば、2倍、3倍、4倍、または5倍の用量が必要である。一部の実施形態では、処方には、単回経口投与と、その後に1回も投与しないか、または限られた数の少量の追跡用量(例えば、毎日、毎週、または例えば本明細書の他所に開示されるような他の間隔で投与される、1、2、3、4、5、6、7回またはそれ以上またはそれ以下の追跡用量(または前述の値のいずれか2つを含む範囲))を含めることができる。一部の実施形態では、治療剤は、限定されるものではないが、2~3週間ごと、1、2、3、4、5、6カ月ごと、またはそれ以上またはそれ以下、または前述の値のいずれかを含む範囲など、いくらか間隔を空けて(例えば、毎月またはそれ以上)投与される1回低用量で提供される。一部の実施形態では、3~4カ月に1回の投与は、季節性マラリア感染のある場所では、結局は1年に1回を意味することがあり得る。一部の実施形態では、製剤または方法は、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤、または本明細書で他所に開示されているものを含む他の治療剤の患者におけるピークまたはランダムな血中、血漿、血清、または他の体液レベルをもたらし、それは、約1,000、750、500、250、200、175、150、125、100、75、50、25、20、15、10、5、4、3、2、1ng/ml以下またはさらに少ない。
【0090】
一部の実施形態では、治療有効量での投与は、媒介動物の保護を提供するだけでなく、殺寄生虫活性を含めてマラリア原虫または他の種の健康および/または生活環(例えば、複製)をさらに破壊するのに十分なイソキサゾリン系寄生虫駆除剤の全身曝露/血漿濃度をもたらすことができる。そのような他の種には、ダニ媒介生物、例えばボレリア・ブルグドルフェリ、ボレリア・マヨニイ、ボレリア・ミヤモトイ、他のボレリア属の種、バベシア・ミクロチ、他のバベシア属の種、エーリキア・ムリス・オークレアレンシス(Ehrlichia muris eauclairensis)、エーリキア・シャフェンシス、エーリキア・エウィンギイ(Ehrlichia ewingii)、他のエーリキア属の種、アナプラズマ・ファゴサイトフィルム、他のアナプラズマ属の種、フランシセラ・ツラレンシス、他のフランシセラ属の種、リケッチア・リケッチア(Rickettsia rickettsia)、リケッチア、パルケリ、他のリケッチア属の種、ポワッサンウイルス、ハートランドウイルス、バーボンウイルス、およびコロラドダニ熱ウイルスなどが含まれ得る。理論に制限されるものではないが、これは、上で考察したように、媒介動物防除の適応よりも複数および/またはより高い投薬を必要とする可能性がある。一部の実施形態では、投薬は、45日、60日、75日、90日、またはそれ以上の期間にわたる単回経口投与よりも多く、例えば少なくとも約2回、3回、4回、5回、6回、7回、またはそれ以上の用量であり得る。用量は、例えば、週に1回、2回、3回、4回、5回、6回またはそれ以上、あるいは、例えば毎日1回、2回、3回、またはそれ以上であり得る。一部の実施形態では、治療の過程で投与されるイソキサゾリン系寄生虫駆除剤の累積投与量は、少なくとも約1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、2週、3週、4週、45日、60日、75日、90日、またはそれ以上の期間に分割された、少なくとも約500mg、1g、1.5g、2g、3g、4g、5g、6g、7g、8g、9g、10g、またはそれ以上であり得る。一部の実施形態では、投与量は、単回経口投与よりも多くてもよく、その投与量は異なる量であってもよい。一部の実施形態では、個体の標的部位のマラリア原虫の数は、治療開始前と比較して治療後1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、14日、またはそれ以上の日で、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれ以上減少する可能性がある。
【0091】
一部の実施形態では、治療剤、例えば、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤および/または他の薬剤を投与して、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、またはそれ以上の日にわたって、例えば、約1ng/mL~約50,000ng/mL、約10ng/mL~約10,000ng/mL、約100ng/mL~約5,000ng/mL、約、少なくとも約、またはわずか約1、5、10、50、100、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1,000、5,000、10,000、25,000、または50,000ng/mL、または前述の値のいずれか2つを含む範囲の、ピーク、トラフ、またはランダムな血漿濃度を生成することができる。一部の実施形態では、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤を投与して、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、またはそれ以上の日にわたって、例えば、約1nM~約50,000nM、約10nM~約10,000nM、約100nM~約5,000nM、約、少なくとも約、またはわずか約1、5、10、50、100、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1,000、5,000、10,000、25,000、または50,000nM、または前述の値のいずれか2つを含む範囲の、ピーク、トラフ、またはランダム血漿濃度を生成することができる。
【0092】
一部の実施形態では、治療剤、例えば、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤および/または他の薬剤は、長時間作用型(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、またはそれ以上の日、2週、3週、4週、またはそれ以上の週、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月、またはそれ以上の月、またはそれ以上またはそれ以下)で比較的一定の血漿曝露を生じるような方法で投与することができる。非限定的な例として、寄生虫駆除剤は、3週間の間隔で週に1回、固形の経口錠剤を介して送達し、その後約1、2、3、4、5、6カ月またはそれ以上またはそれ以下の期間にさらなる寄生虫駆除剤による治療を行わないことができ、この際、各錠剤は、約1、2、3、4、5、6カ月またはそれ以上またはそれ以下の期間、または前述の値のいずれか2つを含む範囲にわたって、比較的一定の血漿レベル(例えば、変動は約10%未満、または約20%未満)を維持するようにイソキサゾリンを全身に送達する。
【0093】
一部の実施形態では、治療剤、例えば、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤および/または他の薬剤は、1回だけの単回投与で、または約、少なくとも約、またはわずか約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30回の用量、または前述の値のいずれか2つを含む範囲で投与することができる。
【0094】
一部の実施形態では、治療有効量は、ヒトなどの哺乳動物の標的器官でマラリア原虫の複製を阻害することができ、マラリアの徴候および/または症状を改善することができる。標的器官は、肝臓、脾臓、骨髄、または他の部位であり得る。
【0095】
一部の実施形態では、システムおよび方法は、限定されるものではないが、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、四日熱マラリア原虫、卵型マラリア原虫、サルマラリア原虫などを含む様々なプラスモジウム属の種を治療することができる。
【0096】
一部の実施形態では、用量は、寄生虫の耐性進化の可能性を減らすために、感染/寄生を有する個体を治療するために必要とされるよりも意味があるように高い全身曝露/血漿濃度をもたらす可能性がある。
【0097】
一部の実施形態では、イソキサゾリン系寄生虫駆除製剤は、経口的に(例えば、錠剤、チュアブル剤、カプセル剤、シロップ剤、舌下剤、分散剤、押しつぶせる製剤、溶解性の製剤、または他の製剤で)、注射(例えば、筋肉内、皮下、静脈内、骨内)を介して、経皮的に(例えば、パッチ、クリーム、軟膏、オイルなどを介して)、経皮吸収(例えば、バンドエイド、フィルム、衣類などを介して)を用いずに経口または鼻腔スプレーを介して、経直腸または経膣坐剤、点眼製剤を介して局所に、治療上有効な全身生物学的利用能などに十分な用量で送達することができる。一部の実施形態では、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤は、何らかの望ましい効果を得るために、例えば、経口錠剤と、パッチ、クリーム、軟膏などを介した経皮適用の両方として、2つ以上の形式または投与経路で投与されてもよい。
【0098】
一部の実施形態では、製剤は、局所使用ではなく、全身使用のために構成されている。一部の実施形態では、製剤は、眼科経路を介して送達されるように構成されている。一部の実施形態では、製剤は、経皮的に送達されるように構成されている。
【0099】
一部の実施形態では、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤は、マラリア、疥癬、シラミ、または線虫の寄生などの他の疾患または状態を治療するため、耐性の可能性を減らすため、媒介動物を殺すかまたは別の場合には不活性化させる効果を高めるため、または他の有益な効果のために、予想外の相乗効果を求めて、1つ、2つ、またはそれ以上の追加の抗マラリア剤、抗生物質、および/または抗寄生虫剤と組み合わせて利用することができる。追加の1つまたは複数の抗マラリア剤は、異なるイソキサゾリン系寄生虫駆除剤であり得る(例えば、1つの非限定的な例として、一緒に同じまたは異なる投与経路を介するフルララネルおよびロチラネル)。追加の抗マラリア剤は、例えば、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、コアルテム、メフロキン、プログアニル、クロルプログアニル、クロルグアニド、ビグアナイド、ピリミジン、トリメトプリム、クロロキン、ルメファントリン、アトバコン、ピリメタミン、ピリメタミン-スルファドキシン、ピリメタミン-ダプソン、ハロファントリン、キニーネ、キニジン、シンコニン、シンコニジン、キニマックス(キニーネ-キニジン-シンコニン)、アモジアキン、アモピロキン、スルホンアミドおよびその他のサルファ剤(例えば、スルファドキシン、トリメトプリム-スルファメトキサゾール)、アルテミシニン、ASAQ(アーテスネート-アモジアキン)、アルテフレン、アルテメテル、アーテスネート、プリマキン、ピロナリジン、クリンダマイシン、およびそれらの組合せのうちの1つまたは複数であり得る。1つまたは複数の追加の薬剤は、別の抗寄生虫剤、例えば、イベルメクチン、モキシデクチン、セラメクチン、ドラメクチン、エプリノメクチン、アバメクチン、またはアベルメクチンクラスの任意の他の薬剤などであり得る。他の実施形態では、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤は、ドキシサイクリン、アモキシシリン、セフロキシムアキセチル、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、またはエリスロマイシンなどの抗生物質を組み合わせることがあり得る。他の実施形態では、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤は、全身用製剤の唯一の活性薬剤であり得る。他の実施形態では、前述の活性薬剤のうちの任意の2つを、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤の有無にかかわらず利用することができる。
【0100】
また、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤を選択された地域の感染した個体と感染していない個体の両方に投与することにより、感染した個体のマラリアを同時に治療し、マラリアに対する集団抵抗性を作り出す方法も本明細書において開示される。イソキサゾリン系寄生虫駆除剤は、感染した個体のマラリア原虫感染を治療するのに十分であり、投与された個体の血液を食べる蚊を殺すのに十分である、治療有効量であり得る。集団への投薬は、感染した個体内のマラリア原虫を処置する際に効果的であり、その地域の蚊の集団を縮小することもできる。
【0101】
一部の実施形態では、本明細書に開示されるのは、イソキサゾリン抗寄生虫剤を媒介動物防除の方法または技術と組み合わせることによる、媒介動物媒介性疾患の治療および/または予防の方法である。媒介動物防除の方法または技術には、ネット、有害生物防除剤/殺虫剤スプレーまたは他の製剤、教育、貯留水の除去、トラップ、煙/香などの1つ、2つ、またはそれ以上が含まれ得る。一部の実施形態では、イソキサゾリン抗寄生虫剤は、ネット、屋内外の壁、床、天井、家具、衣類(靴、ブーツ、手袋、帽子、メガネなどを含む)、フェンス、手すりなど、関連する媒介動物と接触する可能性のあるあらゆる物品を、コーティングするか、覆うか、飽和させるか、または別の場合には投与するために使用することができる。
【0102】
一部の実施形態では、イソキサゾリン系寄生虫駆除製剤の投与用量は、感染した個体におけるマラリア原虫の寄生を処置するために治療上有効であるが、望ましくないおよび/または許容されない副作用を生成/誘発するほど高くはない。
【0103】
一部の実施形態では、投薬の頻度を減らし、かつ/または効果の持続時間を増加させ、かつ/または薬物コンプライアンスを向上させ、かつ/またはイソキサゾリン系寄生虫駆除剤および/または併用療法で使用される他の治療剤に対する媒介動物の耐性の可能性および/または割合を減少させるために利用される、徐放性製剤およびまたは薬物デバイス構成が本明細書に開示される。長い半減期のイソキサゾリン系寄生虫駆除製剤を、遅延/徐放技術と組み合わせて利用して、非常に長期間の持続的な血漿中薬物濃度を提供することができる。持続期間は、例えば、約または少なくとも約1、2、または3週間、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15、18、21、24カ月、3、4、5年、またはそれ以上の年、または前述の値のいずれか2つを含む範囲であり得る。徐放性製剤は、皮膚パッチ、クリーム、軟膏、ゲル(イソキサゾリンを含有する任意の種類のヒドロゲルを含む、これは所望の効果に応じて経皮的に、直腸に、注射を介して、または他の投与経路によって送達され得る)、経口剤形、または任意の他の製剤を含む、本明細書に記載される実施形態のいずれかを含むことができる。
【0104】
一部の実施形態では、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤は、体の特定の部位で体循環への放出を引き起こす製剤を介して投与することができ得る。例えば、寄生虫駆除剤は、望ましい性能に応じて、経口投与後に胃で、または腸で吸収されることによって全身吸収に利用可能になり得る。このような吸収は、食物摂取に非常に近接して与えられた場合に強化され得る。
【0105】
一部の実施形態では、本明細書において開示される他の実施形態に記載されるイソキサゾリン系寄生虫駆除剤の効果は、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤の代謝産物の活性によって支持され、強化され、または別の場合には改善されることがある。
【0106】
一部の実施形態では、特定の地域の水道水に、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤を投与して、集団予防を提供するのに治療上有効なイソキサゾリン系寄生虫駆除剤の濃度を維持することができる。
【0107】
一部の実施形態では、動物に、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤を投与して、媒介動物の防除を提供、支持、または強化するのに治療上有効なイソキサゾリン系寄生虫駆除剤の濃度を維持することができる。このような動物には、家畜(例えば、牛、豚、羊)、人および/または物品の輸送に使用される馬または他の動物、屋内および/または屋外のペットを含むその他の飼い馴らされた動物、およびマウス、鳥および/または鹿などの飼い馴らされていない動物が含まれ得、媒介動物集団のさらなる縮小を支持する点で有用であり得る。
【0108】
一部の実施形態では、患者は、治療を受けた個体に自然なマラリア耐性を引き起こすのに十分なイソキサゾリン系寄生虫駆除剤を合成させる、遺伝子治療(例えば、ウイルスまたはプラスミドベクター)で治療され得る。一部の実施形態では、家畜を含む動物は、治療を受けた動物にバイオリアクターとして機能するのに十分な乳などに排泄され得るイソキサゾリン系寄生虫駆除剤を合成させる、遺伝子治療(例えば、ウイルスまたはプラスミドベクター)で治療され得る。
【0109】
一部の実施形態では、製剤および/または包装は、極端な環境条件(例えば、高熱またはUV光への曝露)に耐性があるように特別に構成することができる。包装には、場合によっては防水包装などの不透明または反射包装を含めることができ得る。一部の実施形態では、香味料および/または甘味料が、味を改善するために経口製剤に添加され得る。
【0110】
一部の実施形態では、イソキサゾリン系寄生虫駆除製剤は、本明細書の他所に開示されているようなシステムおよび方法を介して他の適応症/疾患を治療するために利用することができる。疾患は、蚊の媒介動物などの昆虫の媒介動物を介して広がることもあり得る。この疾患には、例えば、デング熱、西ナイルウイルス、チクンギヤ(chikungya)、黄熱病、フィリアリシス(filiarisis)、野兎病、ジロフィラリアシス(dilofilariasis)、日本脳炎、セントルイス脳炎、西部ウマ脳炎、ジカ熱などが含まれ得る。一部の実施形態では、この疾患には、例えば、EEE(東部ウマ脳炎)およびその他のダニ媒介性疾患/病原体:ライム病、アナプラズマ症、エーリキア症、バベシア症、ボレリア・ミヤモトイ感染症、リケッチア・パルケリ紅斑熱、太平洋岸のダニ熱(Pacific Coast tick fever)、エーリキア・ムリス様感染症(Ehrlichia muris-like infection)、ハートランドウイルス、バーボンウイルス、B.マヨニイ感染、およびその他のダニ媒介性疾患が含まれ得る。
【0111】
一部の実施形態では、イソキサゾリン系寄生虫駆除製剤を利用して、河川盲目症(オンコセリアシス(onchoceriasis))、リーシュマニア症、クリプトスポリジウム症、アメーバ症、シャーガス病、アフリカトリパノソーマ症などを含む、他の内部寄生虫状態(または原生動物またはアメーバ性疾患)を治療することができる。
【0112】
一部の実施形態では、理論に制限されるものではないが、マラリアの治療または予防のために全身的に使用されるイソキサゾリン系寄生虫駆除剤は、いくつもの以下の特性を含み得る:作用機序には、5HT3受容体、GABA Cl-チャネル、グルタミン酸作動性Cl-チャネル、セルペンチン受容体の阻害または活性化、またはプラスモジウム属種の脱分極または他の神経活動の1つ、2つ、またはそれ以上が含まれ得る;作用機序には、マラリア原虫シグナル認識粒子(SRP)の核移行の遮断、またはグルコース恒常性の調節のためのファルネソイドX受容体の関与が含まれる;肝細胞内の寄生虫の発生を阻害し、結果として生じる寄生虫血症を軽減することにより、マラリア原虫感染の肝段階を抑制し、それにより疾患の重症度を低下させ、患者の生存率を高める;ならびに/あるいは、アベルメクチン、例えば、イベルメクチンおよび/またはマラリア原虫に対する活性について本明細書で考察される他の治療剤と組み合わせて使用することができる。
【0113】
一部の実施形態では、本明細書において開示される医薬製剤および方法は、1つ、2つ、またはそれ以上の病原体による感染を治療または予防するために使用することができ、病原体(病原体を宿している可能性のある媒介動物だけではない)に直接影響を及ぼすことができる。病原体には、例えば、以下の任意の数が含まれ得る:ウイルス(限定されるものではないが、コロナウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、単純ヘルペスウイルス、パピローマウイルス、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、肝炎ウイルス、コクサッキーウイルス、帯状疱疹ウイルス、麻疹ウイルス、ムンプスウイルス、風疹、狂犬病ウイルス、出血性のウイルス熱、H1N1などを含む)、プリオン、寄生虫、真菌、カビ、酵母および細菌(グラム陽性菌、グラム陰性菌、嫌気性菌、抗酸菌などの両方)が含まれ得る。
【0114】
一部の実施形態では、病原体は、ウイルス、例えば、DNAまたはRNAウイルスである。一部の実施形態では、ウイルスは、RNAウイルス、例えば、一本鎖または二本鎖ウイルスである。一部の実施形態では、RNAウイルスは、プラスセンスの一本鎖RNAウイルスである。一部の実施形態では、ウイルスは、ニドウイルス目の一部である。一部の実施形態では、ウイルスは、コロナウイルス科に属している。一部の実施形態では、ウイルスは、アルファコロナウイルス、ベータコロナウイルス、ガンマコロナウイルスまたはデルタコロナウイルス属に属している。一部の実施形態では、アルファコロナウイルスは、限定されないが、ヒトコロナウイルス229E、ヒトコロナウイルスNL63または伝染性胃腸炎ウイルス(TGEV)である。一部の実施形態では、ベータコロナウイルスは、限定されないが、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)、SARS-CoV-2(COVID-19)、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)、ヒトコロナウイルスHKU1、またはヒトコロナウイルスOC43である。一部の実施形態では、ガンマコロナウイルスは感染性気管支炎ウイルス(IBV)である。一部の実施形態では、コロナウイルスは動物ウイルスであり、ネコ腸腹膜炎(FIP)、イヌ呼吸器コロナウイルス(CRCoV)、ウシコロナウイルス、またはウマ腸コロナウイルスを引き起こす。
【0115】
製剤は、例えば、ヒトおよび/または他の非ヒト動物、例えばイヌ、ネコ、家畜、霊長類、コウモリなどに投与することができる。
【0116】
理論に制限されるものではないが、一部の実施形態では、限定されるものではないが、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤および/または本明細書の他所に開示される他の治療剤を含む医薬製剤は、任意の数の以下のものに、結合し、その発現を阻害し、別の場合には直接または間接的に影響を及ぼすことができる:
【0117】
ウイルス表面に含まれるスパイク(S)糖タンパク質;
【0118】
膜貫通型アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)結合に関与するS1上の受容体結合ドメイン(RBD);
【0119】
ACE2(アンジオテンシン変換酵素2)-ウイルスSタンパク質に結合する宿主細胞上のウイルス受容体タンパク質;
【0120】
アンジオテンシンAT2受容体;
【0121】
S2タンパク質(細胞膜とのウイルス融合に関与);
【0122】
エンベロープ小膜核タンパク質(Eタンパク質);
【0123】
膜タンパク質(Nタンパク質);
【0124】
3CLpro(コロナウイルスメインプロテアーゼ3CLpro)および/またはPLpro(パパイン様プロテアーゼPLpro)-ウイルスポリタンパク質を機能単位にタンパク質分解するためのプロテアーゼ);
【0125】
RdRp(ウイルスゲノムを複製するためのRNA依存性RNAポリメラーゼ);
【0126】
TMPRSS2(膜貫通タンパク質、セリン2-Sタンパク質をプライミングしてACE2へのその結合を促進する宿主細胞産生プロテアーゼ)および/または
【0127】
ウイルス感染を治療または予防するための血球凝集素エステラーゼ(HE)。
【0128】
一部の実施形態では、限定されるものではないが、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤(例えば、例えば、フルララネル、サロラネル、ロチラネル、アフォキソラネル、フルキサメタミド、およびイソシクロセラム)および/または本明細書の他所に開示される他の治療剤を含む製剤は、単一の活性薬剤として使用することができ、限定されるものではないが、SARS-CoV2(COVID19)などを含むウイルス感染症などの病原性感染症を治療するための追加の薬剤と組み合わせて使用した場合に、予期しない相乗効果を得ることができる。一部の実施形態では、本明細書に開示される形態を含む他の形態、例えば、その誘導体、類似体、およびL異性体およびD異性体(限定されるものではないが、エナンチオマー、ラセミ混合物を含む組成物、および鏡像異性的に純粋な組成物を含む)も利用することができる。
【0129】
一部の実施形態では、限定されるものではないが、スピノシンおよび/または本明細書の他所に開示される他の治療剤を含む製剤は、単一の活性薬剤として使用することができ、限定されるものではないが、SARS-CoV2(COVID19)などを含むウイルス感染症などの病原性感染症を治療するための追加の薬剤と組み合わせて使用した場合に、予期しない相乗効果を得ることができる。スピノシンには、例えば、スピノシンA、B、C、D、E、F、G、H、J、K、L、M、N、O、P、Q、R、S、T、U、V、W、Yなどが含まれ得る。スピノシンは、多様な害虫に殺虫活性を有する大環状ラクトンのファミリーである。初期に同定されたスピノシンは、5,6,5-トリシリック(tricylic)環系に、12員の大環状ラクトン、中性糖(ラムノース)、およびアミノ糖(フォロサミン)が融合していることがわかった。スピノシンは、米国特許第5,496,931号、同第5,670,364号、同第5,591,606号、同第5,571,901号、同第5,202,242号、同第5,767,253号、同第5,840,861号、同第5,670,486号および同第5,631,155号、ならびにSantosらに対する米国特許出願公開第2020/0031859号にも開示されており、その各々は参照によりその全文が本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、本明細書に開示される形態を含む他の形態、例えば、その誘導体、類似体、およびL異性体およびD異性体(限定されるものではないが、エナンチオマー、ラセミ混合物を含む組成物、および鏡像異性的に純粋な組成物を含む)も利用することができる。
【0130】
一部の実施形態では、限定されるものではないがアルベンダゾール、カンベンダゾール、フェンベンダゾール、フルベイイダゾール(flubeiidazole)、メベンダゾール、オクスフェンダゾール、パラベンダゾール、チアベンダゾール、トリクラベンダゾール、アミトラズ、デミディトラズ、クロルスロン、クロサンテル、オキシクロナジド(oxyclonazide)、ラフォキサニド、シフェノトリン、フルメトリン、ペルメトリン、プロマジン、デルカンテル、ジアムフェネチド(diamphenetide)、ジシシアニル(dicycianil)、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、チアメトキサム、アバメクチン、ドラメクチン、エマメクチン、エプノメクチン(epnnomectin)、イベルメクチン、モキシデクチン、セラメクチン、ミルベマイシン・オキシム、エモデプシド、エプシプランテル、フィプロニル、フルアズロン、フルヘキサホン、インドキサカルブ、レバミソール、ルフェヌロン、メタフルミゾン、メトプレン、モネパンテル、モランテル、ニクロサミド、ニトロスカナート、ニトロキシニイ(nitroxynii)、ノバルロン、オキサンテル、プラジカンテル、ピランテル、ピンプロール(pynprole)、ピブリプロキシフェン(pvriproxyfen)、シサプロムル(sisaproml)、スピノサド、スピネトラム、リンデン、ピクロトキシン、ディルドリン、アルファ-エンドスルファン、および/またはトリフルメゾピリムを含む製剤は、単一の活性薬剤として使用することができ、限定されるものではないが、本明細書の他所に開示されるSARS-CoV2(COVID19)などを含むウイルス感染症などの病原性感染症を治療するための追加の薬剤と組み合わせて使用した場合に、予期しない相乗効果を得ることができる。
【0131】
一部の実施形態では、限定されるものではないが、メタジアミド(例えば、ブロフラニリド、テトラニリプロール、またはシクラニリプロール)、シクロジエン、および/または大環状ラクトン(アベルメクチンおよびミルベマイシンを含む);活性薬剤であり得るアルツハイマー病治療薬、例えばガランタミン、ドネペジルおよびその他のピペリジン類似体、リバスチグミンおよびその他のカルバメート類似体、タクリン、7-メトキシタクリン、他のピリジン類似体、ヒューペルジンAおよびその他のアルカロイド類似体などを含む製剤は、単一の活性薬剤として使用することができ、限定されるものではないが、SARS-CoV2(COVID19)などを含むウイルス感染症などの病原性感染症を治療するための追加の薬剤と組み合わせて使用した場合に、予期しない相乗効果を得ることができる。
【0132】
一部の実施形態では、限定されるものではないが、ホルムアミジン系寄生虫駆除剤を含む製剤は、単一の活性薬剤として使用することができ、限定されるものではないが、SARS-CoV2(COVID19)などを含むウイルス感染症などの病原性感染症を治療するための追加の薬剤と組み合わせて使用した場合に、予期しない相乗効果を得ることができる。ホルムアミジン系寄生虫駆除剤は、例えば、アミトラズであり得る。アミトラズの代謝産物であるN-(2,4-ジメチルフェニル)-N-メチホルムアミジン(methyformamidine)(DPMF)は、単独でまたは追加で、もう1つの有効な治療剤となり得る。2,4-ジメチルアナリン(dimethylanaline)は、DPMFの加水分解代謝産物であり、他の実施形態ではこれも有効な治療剤となり得る。一部の実施形態では、本明細書に開示される形態を含む他の形態、例えば、その誘導体、類似体、およびL異性体およびD異性体(限定されるものではないが、エナンチオマー、ラセミ混合物を含む組成物、および鏡像異性的に純粋な組成物を含む)も利用することができる。
【0133】
一部の実施形態では、限定されるものではないが、ホルムアミジン系寄生虫駆除剤を含む製剤は、単一の活性薬剤として使用することができ、限定されるものではないが、SARS-CoV2(COVID19)などを含むウイルス感染症などの病原性感染症を治療するための追加の薬剤と組み合わせて使用した場合に、予期しない相乗効果を得ることができる。これらの殺虫剤の化学構造は、ピラゾール環の窒素原子の1つにフェニル基が結合した中央のピラゾール環が特徴である。フェニルピラゾール寄生虫駆除剤のいくつかの非限定的な例としては、例えば、アセトプロール、エチプロール、フィプロニル、フルフィプロール、ピラクロホス、ピラフルプロール(pyraflprole)、ピリプロール、ピロラン、およびバニリプロールが挙げられる。
【0134】
一部の実施形態では、限定されるものではないが、有機リン酸塩を含む製剤は、単一の活性薬剤として使用することができ、限定されるものではないが、本明細書の他所に開示されるSARS-CoV2(COVID19)などを含むウイルス感染症などの病原性感染症を治療するための追加の薬剤と組み合わせて使用した場合に、予期しない相乗効果を得ることができる。有機リン酸塩には、例えば、アセフェート、アザメチホス、アジンホスエチル、アジンホスメチル、ブロモホス、ブロモホスエチル、カズサホス、カルボフェニチオン(carbophenythion)、クロルメホス、クロルホキシム、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クロルチオホス、クロルヴィンホス(chlorvinophos)、クロウマホス(croumaphos)、クロトキシホス、クルホメート、シアノフェンホス、シアノホス、デメフロン(demephron)-O、デメフロン(demephron)-S、デメトン-O、デメトン-S、デメトン-S-メチル、デメトン-S-メチルスルホン、ジアリホス、ダイアジノン、ジクロフェンチオン、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメフホキス(dimefphox)、ジメトエート、ジオキサベンゾホス、ジオキサチオン、ジスルホトン、ジタルミホス(ditalmifos)、エディフェンホス、EPBP、EPN、ESP、エチオン、エトプロポス、エトリムホス、ファムフール、フェナミホス、フェンクロルホス、フェニトロチオン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フェノホス(fenofos)、ホルモチオン、ホスメチラン、ヘプテノホス、イサゾフォス、イソフェンホス、イソチオアート、イソキサチオン、ジョドフェンホス、レプトホス、メトリホナート、マラチオン、メナゾン、メホスフォラン、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシデメトン-メチル、パラチオン、パラチオン-メチル、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホスファミドンアミド、ホスホラン、ホキシム、ピリミホス-エチル、ピリミホス-メチル、プロフェノフォス、プロパホス、プロペタンホス、プロチオホス、プロトエート、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、キニルホス(quinlphos)、シュラーダン、スルホテップ、スルプロホス、テメホス、TEPP、テルブホス、テトラクロルビンホス、チオメトン、チオナジン、トリアゾホス、トリクロルホン、バミドチオン、これらのプロドラッグ、およびこれらの薬学的に許容される塩またはエステルの1つまたは複数が含まれ得る。一部の実施形態では、有機リン酸塩は、ジクロルボスまたはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩もしくはエステルであり得る。一部の実施形態では、有機リン酸塩は、メトリホナートまたはそのプロドラッグまたは薬学的に許容される塩もしくはエステルであり得る。一部の実施形態では、本明細書に開示される形態を含む他の形態、例えば、その誘導体、類似体、およびL異性体およびD異性体(限定されるものではないが、エナンチオマー、ラセミ混合物を含む組成物、および鏡像異性的に純粋な組成物を含む)も利用することができる。
【0135】
追加の薬剤は、例えば、抗ウイルス活性を持つ他の薬剤であり得、それには、限定されるものではないがバリシチニブまたは他のJAK阻害剤;ロピナビルおよび/またはリトナビル、ダルナビル、ファビピラビル、レムデシビル、リバビリン、ガリドセイビル(galidseivir)、BCX-4430(ガリデシビルの塩形態)、アルビドール、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、メフロキン、ニタゾキサニド、アシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、ホスカルネット、イドクスウリジン、ソリブジン、トリフルオロチミジン、バラシクロビル、ビダラビン、ジダノシン、ジデオキシイノシン、スタブジン、ザルシタビン、ジドブジン、アマンタジン、インターフェロンアルファ、リマンタジン、オセルタミビル、ザナミビル、および/またはバロキサビル、ならびに本明細書の他所に開示される他の薬剤が含まれる。
【0136】
一部の実施形態では、治療剤は、限定されるものではないが、2~3週間ごと、1、2、3、4、5、6カ月ごと、またはそれ以上またはそれ以下、または前述の値のいずれかを含む範囲など、いくらか間隔を空けて(例えば、毎月またはそれ以上)投与される単一の1回低用量で提供される。一部の実施形態では、3~4カ月に1回の投与は、季節性病原体感染のある場所では、結局は1年に1回を意味することがあり得る。一部の実施形態では、製剤または方法は、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤、または本明細書で他所に開示されているものを含む他の治療剤の患者におけるピークまたはランダムな血中、血漿、血清、または他の体液レベルをもたらし、それは、約1,000、750、500、250、200、175、150、125、100、75、50、25、20、15、10、5、4、3、2、1ng/ml以下またはさらに少ない。一部の実施形態では、単回投与、または複数回投与を提供することができ、各用量の製剤は半減期が約または少なくとも約20、25、30、35、40、45、50、55、60日、またはそれ以上の日数である。場合によっては、そのような長時間作用型の投薬は、半減期が比較的長いことを考えると、感染予防または治療効果の延長、ウイルス量の減少または肺炎、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、敗血性ショック、心筋症、腎不全などの二次的な合併症の予防の点で、代わりとなる有望な薬物に比べていくつかの利点を有する。しかし、一部の実施形態では、投薬は、例えば、毎日約または少なくとも約1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、またはそれ以上、例えば毎日1~2回であり得る。一部の実施形態では、治療は、週1回、単回投与、または限定されたコースの治療でもあり得る。
【0137】
一部の実施形態では、投薬は、45日、60日、75日、90日、またはそれ以上の期間にわたる単回経口投与よりも多く、例えば少なくとも約2回、3回、4回、5回、6回、7回、またはそれ以上の用量であり得る。用量は、例えば、週に1回、2回、3回、4回、5回、6回またはそれ以上、あるいは、例えば毎日1回、2回、3回、またはそれ以上であり得る。一部の実施形態では、例えば、治療の過程で投与されるイソキサゾリン系寄生虫駆除剤または本明細書に開示される任意の他の薬剤などの活性薬剤の累積投与量は、少なくとも約1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、2週、3週、4週、45日、60日、75日、90日、またはそれ以上の期間に分割された、約、少なくとも約、またはわずか約50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、1g、1.5g、2g、3g、4g、5g、6g、7g、8g、9g、10g、またはそれ以上であり得る。一部の実施形態では、投与量は、単回経口投与よりも多くてもよく、その投与量は異なる量であってもよい。一部の実施形態では、個体のウイルス量は、治療開始前と比較して治療後1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、14日、またはそれ以上の日で、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれ以上減少する可能性がある。
【0138】
一部の実施形態では、活性薬剤、例えば、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤または任意の他の薬剤または本明細書に開示される薬剤の組合せなどを投与して、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、またはそれ以上の日にわたって、例えば、約1ng/mL~約50,000ng/mL、約10ng/mL~約10,000ng/mL、約100ng/mL~約5,000ng/mL、約、少なくとも約、またはわずか約1、5、10、50、100、500、1,000、5,000、10,000、25,000、または50,000ng/mL、または前述の値のいずれか2つを含む範囲の、ピーク、トラフ、またはランダムな血漿濃度を生成することができる。一部の実施形態では、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤を投与して、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、またはそれ以上の日にわたって、例えば、約1nM~約50,000nM、約10nM~約10,000nM、約100nM~約5,000nM、約、少なくとも約、またはわずか約1、5、10、50、100、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1,000、5,000、10,000、25,000、または50,000nM、または前述の値のいずれか2つを含む範囲の、ピーク、トラフ、またはランダム血漿濃度を生成することができる。一部の実施形態では、例えば、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤などの活性薬剤は、長時間作用型(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、またはそれ以上の日、2週、3週、4週、またはそれ以上の週、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月、またはそれ以上の月、またはそれ以上またはそれ以下)で比較的一定の血漿曝露を生じるような方法で投与することができる。非限定的な例として、活性薬剤、例えば、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤は、3週間の間隔で週に1回、固形の経口錠剤を介して送達し、その後約1、2、3、4、5、6カ月またはそれ以上またはそれ以下の期間にさらなる寄生虫駆除剤による治療を行わないことができ、この際、各錠剤は、約1、2、3、4、5、6カ月またはそれ以上またはそれ以下の期間、または前述の値のいずれか2つを含む範囲にわたって、比較的一定の血漿レベル(例えば、変動は約10%未満、または約20%未満)を維持するようにイソキサゾリンを全身に送達する。
【0139】
一部の実施形態では、活性薬剤、例えば、イソキサゾリン系寄生虫駆除製剤または任意の他の薬剤または本明細書に開示される薬剤の組合せは、経口的に(例えば、錠剤、チュアブル剤、カプセル剤、シロップ剤、舌下剤、分散剤、押しつぶせる製剤、溶解性の製剤、または他の製剤で)、注射(例えば、筋肉内、皮下、静脈内、骨内)を介して、経皮的に(例えば、パッチ、クリーム、軟膏、オイル等を介して)、経口または鼻腔スプレーを介して、経直腸または経膣坐剤、点眼製剤を介して局所に、治療上有効な全身生物学的利用能などに十分な用量で送達することができる。一部の実施形態では、イソキサゾリン系寄生虫駆除剤は、何らかの望ましい効果を得るために、例えば、経口錠剤と経皮適用の両方として、2つ以上の形式または投与経路で投与されてもよい。
【0140】
一部の実施形態では、活性薬剤、例えば、イソキサゾリン系寄生虫駆除製剤または任意の他の薬剤または本明細書に開示される薬剤の組合せは、例えば、約、少なくとも約、またはわずか約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mg、1000mg、1250mg、1500mg、1750mg、2000mg、2500mg、3000mg、4000mg、5000mg、またはそれ以上またはそれ以下、または前述の値のいずれか2つを含む範囲の個別の用量で投与され得る。投薬は、1日に少なくとも約、約、またはわずか約1、2、または3回;2日に1回、3日に1回、週に1回、2回、3回、4回、5回、6回、または7回;2週に1回、1カ月に1回、2カ月に1回、3カ月に1回、1回限りの単回用量、または前述の値のいずれか2つを含む範囲であり得る。この治療計画は、合計で約、少なくとも約、またはわずか約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、21、28日、またはそれ以上またはそれ以下、または前述の値のいずれか2つを含む範囲で投与することができる。
【0141】
他の様々な修正、適合、および代替設計は、上記の教示を踏まえて当然可能である。したがって、この時点で、添付の特許請求の範囲内で、本発明は、本明細書に具体的に記載されている以外の方法で実施され得ることを理解されたい。上に開示された実施形態の特定の特徴および態様の様々な組合せまたはサブコンビネーションが作成されてもよく、それでもそれは本発明の1つまたは複数に含まれることが企図される。さらに、1つの実施形態に関連する任意の特定の機能、態様、方法、特性、特徴、品質、属性、要素などの本明細書における開示は、本明細書に記載の他のすべての実施形態で使用することができる。したがって、開示された実施形態の様々な機能および態様は、開示された発明の様々な様式を形成するために、互いに組み合わせるか、またはそれらを置き換えることができることを理解されたい。したがって、本明細書に開示された本発明の範囲は、上記の特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。さらに、本発明は様々な修正、および代替形態の影響を受けやすいが、その具体例を図面に示し、本明細書で詳細に説明する。しかし、本発明は、開示された特定の形態または方法に限定されるものではなく、逆に、本発明は、記載された様々な実施形態および添付の特許請求の範囲の精神および範囲内にあるすべての改変、同等物、および代替物を網羅するものであることを理解されたい。本明細書に開示されるいずれの方法も、記載される順序で実行される必要はない。本明細書に開示される方法には、開業医が行う特定の行為が含まれる。しかし、これらの方法は、それらの行為を第三者が指示することも明示的または暗示的に含み得る。例えば、「イソキサゾリン系寄生虫駆除剤の医薬製剤の経口投与」などの行為には、「イソキサゾリン系寄生虫駆除剤の医薬製剤の経口投与の指示」が含まれる。本明細書に開示される範囲はまた、ありとあらゆる重複、サブ範囲、およびそれらの組合せを包含する。「まで」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」、「の間」などの言葉には、列挙された数が含まれる。本明細書において使用される「およそ」、「約」、および「実質的に」などの用語が前に付く数字は、列挙される数字を含み(例えば、約10%=10%)、また、望む機能を依然として実行するか、または望む結果を実現する、述べた量に近い量を表す。例えば、「およそ」、「約」、および「実質的に」という用語は、述べた量の10%未満の範囲内、5%未満の範囲内、1%未満の範囲内、0.1%未満の範囲内、および0.01%未満の範囲内の量を指すことがある。
【国際調査報告】