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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-02
(54)【発明の名称】脊椎変形減捻器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/70 20060101AFI20220526BHJP
【FI】
A61B17/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021558744
(86)(22)【出願日】2020-04-01
(85)【翻訳文提出日】2021-11-29
(86)【国際出願番号】 EP2020059294
(87)【国際公開番号】W WO2020201376
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】16/371,836
(32)【優先日】2019-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502154016
【氏名又は名称】アエスキュラップ アーゲー
【住所又は居所原語表記】Am Aesculap-Platz, 78532 Tuttlingen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ パーク
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL24
4C160LL62
4C160LL63
(57)【要約】
脊椎変形を矯正するための外科手術用器具(100)は、管状体(110)を含み、管状体(110)は、管状体(110)を経由して第2器具(200)を受けるように適合されている。管状体(110)は、管状体(110)を経由して長手方向固定要素を受けるように適合されている横断通路(126)を形成している。管状体(110)は、外科手術用器具(100)を椎骨アンカー(300)に接続するための第1及び第2アーム(150、160)をさらに含む。第1及び第2アーム(150、160)は、1つ以上の開き防止特徴を含み、この開き防止特徴は、第2器具(200)が管状体(110)内に挿入されるのに伴って、第2器具(200)上の開き防止特徴に噛み合って、第1及び第2アーム(150、160)が開くことを防止する、ように適合されている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊椎変形を矯正するための外科手術用器具(100)であって、近位端部(112)、近位端部(112)の反対側の遠位端部(114)、及び、近位端部(112)と遠位端部(114)の間に延在する中間セクション(116)を有している管状体(110)を備えており、
管状体(110)が、長手方向軸(118)と、長手方向軸(118)に沿って近位端部(112)から遠位端部(114)に延在する長手方向通路(120)を規定しており、
長手方向通路(120)が、管状体(110)を経由して第2器具(200)を受けるように適合されており、
管状体(110)が、第1長手方向スロット(122)と、第1長手方向スロット(122)の反対側の第2長手方向スロット(124)をさらに規定しており、
第1長手方向スロット(122)及び第2長手方向スロット(124)が、管状体(110)の遠位端部(114)において終端をなし、管状体(110)を経由して横断通路(126)を形成しており、
横断通路(126)が、管状体(110)を経由して長手方向固定要素を受けるように適合されており、
管状体(110)が、第1延在部(132)と、第1延在部(132)の反対側の第2延在部(134)をさらに備えており、
第1延在部(132)が、第1長手方向スロット(122)及び第2長手方向スロット(124)によって第2延在部(134)から分離されており、
第1延在部(132)が、外科手術用器具(100)を椎骨アンカー(300)上の第1コネクタに取り外し可能に接続するための第1旋回アーム(150)と、外科手術用器具(100)を椎骨アンカー(300)上の第2コネクタに取り外し可能に接続するための第2旋回アーム(160)を備えており、
第1旋回アーム(150)が、第1作動端部(152)と、第1作動端部(152)の反対側の第1取り付け端部(154)を有しており、
第2旋回アーム(160)が、第2作動端部(162)と、第2作動端部(162)の反対側の第2取り付け端部(164)を有しており、
第1旋回アーム(150)が、第1作動端部(152)から第1取り付け端部(154)に延在する第1開き防止スロット(170)を規定しており、
第1開き防止スロット(170)が、長手方向通路(120)に開放されており、第2器具(200)上の第1開き防止要素(250、260)を受けるように適合されており、
第2旋回アーム(160)が、第2作動端部(162)から第2取り付け端部(164)に延在する第2開き防止スロット(180)を規定しており、
第2開き防止スロット(180)が、長手方向通路(120)に開放されており、第2器具(200)上の第2開き防止要素(250、260)を受けるように適合されている、外科手術用器具(100)。
【請求項2】
管状体(110)が、少なくとも一部分が第1延在部(132)内に延在する第1細長アパーチャ(142)と、少なくとも一部分が第2延在部(134)内に延在する第2細長アパーチャ(144)を規定している、請求項1の外科手術用器具(100)。
【請求項3】
第1旋回アーム(150)が第1細長アパーチャ(142)内に旋回的に装着されているとともに、第2旋回アーム(160)が第2細長アパーチャ(144)内に旋回的に装着されており、及び/又は、
第1旋回アーム(150)が、第1旋回接続部(147)によって第1細長アパーチャ(142)内に装着されているとともに、第2旋回アーム(160)が第2旋回接続部(148)によって第2細長アパーチャ(144)内に装着されている、請求項2の外科手術用器具(100)。
【請求項4】
第1旋回アーム(150)の第1作動端部(152)が、第1ドッグレッグ形セクション(156)によって第1取り付け端部(154)に接続されており、
第2旋回アーム(160)の第2作動端部(162)が、第2ドッグレッグ形セクション(166)によって第2取り付け端部(164)に接続されている、請求項1から3のいずれか一項の外科手術用器具(100)。
【請求項5】
第1開き防止スロット(170)が、管状体(110)の近位端部(112)に面する第1ドッグレッグ形セクション(156)において、第1アパーチャ(171)を規定しており、
第1アパーチャ(171)が、第2器具(200)上の第1開き防止要素(250)を軸方向に受けるように構成されており、
第2開き防止スロット(180)が、管状体(110)の近位端部(112)に面する第2ドッグレッグ形セクション(166)において、第2アパーチャ(181)を規定しており、
第2アパーチャ(181)が、第2器具(200)上の第2開き防止要素(260)を軸方向に受けるように構成されており、及び/又は、
第1旋回アーム(150)が、第1ドッグレッグ形セクション(156)において第1旋回接続部(147)に接続されており、
第2旋回アーム(160)が、第2ドッグレッグ形セクション(166)において第2旋回接続部(148)に接続されている、請求項4の外科手術用器具(100)。
【請求項6】
第1旋回アーム(150)及び第2旋回アーム(160)が、第1取り付け端部(154)及び第2取り付け端部(164)が椎骨アンカー(300)に取り付け可能である取り付け位置と、第1取り付け端部(154)及び第2取り付け端部(164)が椎骨アンカー(300)から撤収可能である解放位置との間で、管状体(110)に対して旋回的に変位可能である、請求項1から5のいずれか一項の外科手術用器具(100)。
【請求項7】
第1旋回アーム(150)の第1作動端部(152)が、前記取り付け位置におけるよりも解放位置における方が長手方向軸(118)により近接しており、
第2旋回アーム(160)の第2作動端部(162)が、前記取り付け位置におけるよりも解放位置における方が長手方向軸(118)により近接している、請求項6の外科手術用器具(100)。
【請求項8】
第1旋回アーム(150)を前記取り付け位置に向けて付勢する第1付勢要素と、第2旋回アーム(160)を前記取り付け位置に向けて付勢する第2付勢要素をさらに備えている、請求項6又は7の外科手術用器具(100)。
【請求項9】
第1付勢要素が、第1旋回アーム(150)の第1作動端部(152)に第1径方向外向き付勢力(F)をかける第1ばね(153)を備えており、
第2付勢要素が、第2旋回アーム(160)の第2作動端部(162)に第2径方向外向き付勢力(F)をかける第2ばね(163)を備えている、請求項8の外科手術用器具(100)。
【請求項10】
第1旋回アーム(150)及び第2旋回アーム(160)が、第1旋回アーム(150)及び第2旋回アーム(160)の第1作動端部(152)及び第2作動端部(162)にそれぞれ印加された径方向内向き力に応じて、第1径方向外向き付勢力(F)及び第2径方向外向き付勢力(F)に抗って前記解放位置に向けて旋回的に変位可能である、請求項9の外科手術用器具(100)。
【請求項11】
第1旋回アーム(150)及び第2旋回アーム(160)の前記解放位置への旋回的変位によって、第1ばね(153)及び第2ばね(163)が蓄積されたエネルギを負って圧縮される、請求項9又は10の外科手術用器具(100)。
【請求項12】
第1旋回アーム(150)の第1作動端部(152)が、第1ばね(153)を受ける第1窪み(151)を備えており、
第2旋回アーム(160)の第2作動端部(162)が、第2ばね(163)を受ける第2窪み(161)を規定している、請求項9から11のいずれか一項の外科手術用器具(100)。
【請求項13】
第1旋回アーム(150)が前記取り付け位置にあるときに、第1旋回アーム(150)の第1作動端部(152)が、第1アパーチャ(171)から径方向外向きに突出しており、
第2旋回アーム(160)が前記取り付け位置にあるときに、第2旋回アーム(160)の第2作動端部(162)が、第2アパーチャ(181)から径方向外向きに突出しており、及び/又は、
第1アパーチャ(171)が、第1旋回アーム(150)の前記取り付け位置を超える旋回的変位を制限するための第1止めと、第1旋回アーム(150)の前記解放位置を超える旋回的変位を制限するための第2止めと、を備えている、請求項6から12のいずれか一項の外科手術用器具(100)。
【請求項14】
第1旋回アーム(150)が前記取り付け位置に変位されると、第1旋回アーム(150)の第1取り付け端部(154)が、長手方向通路(120)内に延在し、
第2旋回アーム(160)が前記取り付け位置に変位されると、第2旋回アーム(160)の第2取り付け端部(164)が長手方向通路(120)内に延在し、及び/又は、
第1旋回アーム(150)が前記解放位置に変位されると、第1旋回アーム(150)の第1取り付け端部(154)が長手方向通路(120)の外に出て、
第2旋回アーム(160)が前記解放位置に変位されると、第2旋回アーム(160)の第2取り付け端部(164)が長手方向通路(120)の外に出る、請求項6から13のいずれか一項の外科手術用器具(100)。
【請求項15】
管状体(110)の近位端部(112)が、第2器具(200)を長手方向通路(120)の内部において軸方向にガイドするための接続要素を備えている、請求項1から14のいずれか一項の外科手術用器具(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、脊椎変形を矯正するための器具に関し、より詳細には、減捻(derotation)手技を他の処置と一緒に実施するための器具に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書に引用により組み込まれる米国特許第7,454,939号に開示されるように、外科手術においては、脊柱の一部分、即ち椎骨を、互いに対して所望の空間的関係にアライメントし、調節し、及び/又は、固定するために、脊椎固定システムが使用され得る。多くの脊椎固定システムは、脊椎を支持するために、及び、様々な治療の目的で脊椎の構成要素を適正に位置決めするために、脊椎固定ロッドを用いる。この脊椎ロッドは、コバルトクロム又はチタンといった金属で概して形成されており、変形の矯正、椎体の互いに対する移動の防止、又は、他の目的で、埋設され得る。ピン、ボルト、スクリュー、及び、フックを備えた椎骨アンカーが椎骨に係合して、ロッドを異なる椎骨に接続する。
【0003】
成人脊椎変形(Adult Spinal Deformity:ASD)は、脊椎湾曲が、規定された正常範囲外にある脊椎の複数の状況を指す。患者によっては、この変形が、矢状面といった特定の面からの回転度で測定される。「減捻」とは、この回転を調節して病的な脊椎湾曲を矯正するための処置を指す。減捻処置においては、椎体に埋設された1つ以上の椎骨アンカーに曲げモーメントを印加するために1つ以上の器具が使用される。曲げモーメントは、椎体の、隣接する椎体に対する回転及び並進移動を誘発する。各椎骨アンカーは、切開部内に深く埋設されており、アンカーに対する力の直接的な印加を困難にしている。したがって、曲げモーメントは、通例、椎骨アンカーに取り付けられていて且つ切開部の上方に延在する長い延在管に減捻力を印加することにより、椎骨アンカーに間接的に印加される。
【0004】
延在管は、椎骨アンカーに対する減捻力の印加とは別に、多数の機能を実施することができる。例えば、延在管は、減捻前又は減捻後に椎骨アンカーにアクセスするために第2器具を挿入することが可能な中空の導管をもたらすことができる。時として、第2器具を延在管内に挿入することにより、延在管には延在管アームの外向きの撓みを生じる外向きの力が結果的に生じる。この外向きの撓みは、本明細書において「開き(splaying)」と称し、延在管アームの、椎骨アンカーからの接続解除と外科手術処置の中断を生じる恐れがある。
【発明の概要】
【0005】
本説明による減捻器具は、他の器具が挿入されるときに開きを阻止する多機能延在管をもたらす。これらの減捻器具は、他の器具上の特徴に協働的に係合して、減捻器具上の取り付けアームが開くこと及び椎骨アンカーから外れることを防止する特徴を含むことが可能である。
【0006】
本説明による減捻器具は、減捻手技を実施するためだけではなく、固定要素(例えば脊椎固定ロッド)を固定要素受け内に位置決めし、且つ、この固定要素受けを椎骨アンカーにロックするためにも使用することができる。加えて、本説明による減捻器具は、他の器具が椎骨アンカーにアクセスすることを可能にする入口をもたらすことができる。
【0007】
この開示の1つの有益な態様において、脊椎変形を矯正するための器具は、脊椎変形を矯正するための外科手術用器具を含み、外科手術用器具は、近位端部、近位端部の反対側の遠位端部、及び、近位端部と遠位端部の間に延在する中間セクションを有している管状体を含む。管状体は、長手方向軸と、長手方向軸に沿って近位端部から遠位端部に延在する長手方向通路を規定しており、長手方向通路は、管状体を経由して第2器具を受けるように適合されている。
【0008】
この開示の別の有益な態様において、管状体は、第1長手方向スロットと、第1長手方向スロットの反対側の第2長手方向スロットをさらに規定し得る。第1長手方向スロット及び第2長手方向スロットは、管状体の遠位端部において終端をなすことができ、管状体を経由して横断通路を形成することができる。横断通路は、管状体を経由して長手方向固定要素を受けるように適合することができる。
【0009】
この開示の別の有益な態様において、管状体は、第1延在部と、第1延在部の反対側の第2延在部をさらに含み得る。第1延在部は、第1長手方向スロット及び第2長手方向スロットにより、第2延在部から分離されている。第1延在部は、外科手術用器具を椎骨アンカー上の第1コネクタに取り外し可能に接続するための第1旋回アームと、外科手術用器具を椎骨アンカー上の第2コネクタに取り外し可能に接続するための第2旋回アームを含み得る。第1旋回アームは、第1作動端部と、第1作動端部の反対側の第1取り付け端部を含むことができ、第2旋回アームは、第2作動端部と、第2作動端部の反対側の第2取り付け端部を含むことができる。
【0010】
この開示の別の有益な態様において、第1旋回アームは、第1作動端部から第1取り付け端部に延在する第1開き防止スロットを規定し得る。第1開き防止スロットは、長手方向通路に開放することができ、第2器具上の第1開き防止要素を受けるように適合され得る。第2旋回アームは、第2作動端部から第2取り付け端部に延在する第2開き防止スロットを規定し得る。第2開き防止スロットは、長手方向通路に開放することができ、第2器具上の第2開き防止要素を受けるように適合され得る。
【0011】
この開示の別の有益な態様において、管状体は、第1細長アパーチャであって、少なくとも一部分が第1延在部内に延在する第1細長アパーチャと、第2細長アパーチャであって、少なくとも一部分が第2延在部内に延在する第2細長アパーチャを規定し得る。
【0012】
この開示の別の有益な態様において、第1旋回アームは第1細長アパーチャ内に旋回的に装着することができ、且つ、第2旋回アームは第2細長アパーチャ内に旋回的に装着することができる。
【0013】
この開示の別の有益な態様において、第1旋回アームは、第1旋回接続部によって第1細長アパーチャ内に装着することができ、且つ、第2旋回アームは、第2旋回接続部によって第2細長アパーチャ内に装着することができる。
【0014】
この開示の別の有益な態様において、第1旋回アームの第1作動端部は、第1ドッグレッグ形セクションにより第1取り付け端部に接続することができ、第2旋回アームの第2作動端部は、第2ドッグレッグ形セクションにより第2取り付け端部に接続することができる。
【0015】
この開示の別の有益な態様において、第1開き防止スロットは、管状体の近位端部に面する第1ドッグレッグ形セクションにおいて第1アパーチャを規定することができ、且つ、第1アパーチャは、第2器具上の第1開き防止要素を軸方向に受けるように構成されている。
【0016】
この開示の別の有益な態様において、第2開き防止スロットは、管状体の近位端部に面する第2ドッグレッグ形セクションにおいて第2アパーチャを規定することができ、且つ、第2アパーチャは、第2器具上の第2開き防止要素を軸方向に受けるように構成されている。
【0017】
この開示の別の有益な態様において、第1旋回アームは、第1ドッグレッグ形セクションにおいて第1旋回接続部に接続することができ、且つ、第2旋回アームは、第2ドッグレッグ形セクションにおいて第2旋回接続部に接続することができる。
【0018】
この開示の別の有益な態様において、第1取り付け端部及び第2取り付け端部が椎骨アンカーに取り付け可能である取り付け位置と、第1取り付け端部及び第2取り付け端部が椎骨アンカーから撤収可能である解放位置との間で、第1旋回アーム及び第2旋回アームは、管状体に対して旋回的に変位可能であり得る。
【0019】
この開示の別の有益な態様において、第1旋回アームの第1作動端部は、取り付け位置よりも解放位置の方が、長手方向軸により近接していることができ、第2旋回アームの第2作動端部は、取り付け位置よりも解放位置の方が、長手方向軸により近接していることができる。
【0020】
この開示の別の有益な態様において、第1付勢要素は、第1旋回アームを取り付け位置に向けて付勢することができ、第2付勢要素は、第2旋回アームを取り付け位置に向けて付勢することができる。
【0021】
この開示の別の有益な態様において、第1付勢要素は、第1旋回アームの第1作動端部に第1径方向外向き付勢力をかける第1ばねを含むことができ、第2付勢要素は、第2旋回アームの第2作動端部に第2径方向外向き付勢力をかける第2ばねを含むことができる。
【0022】
この開示の別の有益な態様において、第1旋回アーム及び第2旋回アームは、第1旋回アーム及び第2旋回アームの第1作動端部及び第2作動端部にそれぞれ印加された径方向内向きの力に応じて、第1径方向外向き付勢力及び第2径方向外向き付勢力に抗って解放位置に向けて旋回的に変位可能であり得る。
【0023】
この開示の別の有益な態様において、第1旋回アーム及び第2旋回アームの解放位置への旋回的変位により、第1ばね及び第2ばねは、蓄積されたエネルギを負って圧縮され得る。
【0024】
この開示の別の有益な態様において、第1旋回アームの第1作動端部は、第1ばねを受ける第1窪みを含むことができ、第2旋回アームの第2作動端部は、第2ばねを受ける第2窪みを規定することができる。
【0025】
この開示の別の有益な態様において、第1旋回アームが取り付け位置にあるときに、第1旋回アームの第1作動端部は、第1アパーチャから径方向外向きに突出することができ、且つ、第2旋回アームが取り付け位置にあるときに、第2旋回アームの第2作動端部は、第2アパーチャから径方向外向きに突出することができる。
【0026】
この開示の別の有益な態様において、第1アパーチャは、第1旋回アームが取り付け位置を超える旋回的変位を行うことを制限するための第1止めと、第1旋回アームが解放位置を超える旋回的変位を行うことを制限するための第2止めを含み得る。
【0027】
この開示の別の有益な態様において、第1旋回アームが取り付け位置に変位されると、第1旋回アームの第1取り付け端部は、長手方向通路内に延在することができ、且つ、第2旋回アームが取り付け位置に変位されると、第2旋回アームの第2取り付け端部は、長手方向通路内に延在することができる。
【0028】
この開示の別の有益な態様において、第1旋回アームが解放位置に変位されると、第1旋回アームの第1取り付け端部は、長手方向通路の外に出ることができ、且つ、第2旋回アームが解放位置に変位されると、第2旋回アームの第2取り付け端部は、長手方向通路の外に出ることができる。
【0029】
この開示の別の有益な態様において、管状体の近位端部は、第2器具を長手方向通路の内部において軸方向にガイドするための接続要素を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
上述の概要及び以下の詳細な説明は、図示された非限定的な例と一緒にされると、より良好に理解されるであろう。
図1】1つの実施形態による減捻器具の斜視図である。
図2】部分断面図で示された、図1の減捻器具の側面図である。
図2A図2に示された減捻器具の一部位の拡大図である。
図3図1の減捻器具の分解斜視図である。
図4図1の減捻器具の構成要素のうちの1つの遠位セクションの拡大切頭側面図である。
図5】第1動作状態にある、図1の減捻器具の側面図である。
図6】第2動作状態にある、図1の減捻器具の側面図である。
図7図1の減捻器具と、この減捻器具と共に使用することが可能な別個のインサートプッシャ器具と、の斜視図である。
図8図1の減捻器具とともに使用することが可能な椎骨アンカーの分解斜視図である。
図9図7のインサートプッシャ器具の遠位端部及び図8の椎骨アンカーの椎骨アンカーの一部分を切除した状態の拡大図である。
図10図7のインサートプッシャ器具の側面図である。
図11】部分断面図で示された図7のインサートプッシャ器具の別の側面図である。
図11A図11に示されたインサートプッシャ器具の一部位の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1及び図2を参照すると、1つの実施形態に従った減捻器具100が示されている。減捻器具100は、脊椎への矯正的調節を実施し、且つ、その後、椎体に埋設された椎骨アンカーに固定要素を保定するために、椎骨アンカーに取り外し可能に接続するために構成されている。例えば、減捻器具100は、脊椎の湾曲を調節するために、椎骨アンカーにおいて曲げモーメントを誘発するように動作可能である。このことは、減捻器具100を椎骨アンカーに接続して減捻力を手動で印加することによって達成することができる。外科医は、手動で減捻器具に直接的に減捻力を印加すること、又は、減捻器具に取り付けられた別の器具若しくは付属品を経由して減捻器具に間接的に減捻力を印加することが可能である。減捻力は、減捻器具及び椎骨アンカーを経由して椎体に伝達される。本明細書において使用されるような「減捻力」という用語は、脊椎の病的な湾曲を矯正するために椎体において曲げモーメントを誘発するものであり、脊椎外科医又は他のユーザにより手動で印加される力を指す。本明細書において使用されるような「力印加器具」という用語は、減捻力を印加するように構成された器具を指し、この器具は減捻器具自体であってよく、又は、減捻器具に取り付けられた器具若しくは附属品であってよい。力印加器具は、減捻力の印加前、印加中、及び/又は、印加後において、他の機能を実施するようにも構成され得る。
【0032】
解説されるように、減捻器具100は、ロッド受けを骨スクリューに一時的にロックするために別の器具と共に使用することが可能である。減捻器具100は、ロッドの押し込みを実施するために、ロッドパースエイダ(persuader)器具とともに使用することもできる。また、減捻器具100は、減捻器具が取り付けられている椎骨アンカーに他の器具がアクセスすることを可能にする入口として使用することができる。用途によっては、減捻器具100は、脊椎の他の椎体に取り付けられた1つ以上の他の減捻器具と一緒に動作させることができる。
【0033】
減捻器具100は、近位端部112、近位端部の反対側の遠位端部114、及び、近位端部と遠位端部との間に延在する中間セクション116を有している管状体110を含む。管状体110は、長手方向軸118と、長手方向軸に沿って延在する長手方向通路120を規定している。長手方向通路120は、管状体110の近位端部112から遠位端部114に延在する。
【0034】
管状体110は、第1長手方向スロット122と、第1長手方向スロットの反対側の第2長手方向スロット124を規定している。第1長手方向スロット122及び第2長手方向スロット124は、管状体110の遠位端部114において終端をなしており、管状体を経由して横断通路126を形成している。横断通路126は、管状体を経由して脊椎固定ロッドといった長手方向固定要素を受けるように適合されている。減捻器具100は、長手方向固定要素を椎骨アンカー内に挿入し、長手方向固定要素を椎骨アンカー内において位置決めし、及び、長手方向固定要素をロック要素により椎骨アンカー内に保定するために、他の器具使用の支援を得て使用することが可能である。
【0035】
管状体110は、第1延在部132と、第1延在部の反対側の第2延在部134も含む。第1延在部132及び第2延在部134は、管状体110の中間セクション116に合流しており、遠位端部114において終端をなす自由端部137を有している。第1延在部132は、第1長手方向スロット122及び第2長手方向スロット124によって、第2延在部134から分離されている。
【0036】
本開示による第1延在部及び第2延在部は、椎骨アンカーに取り外し可能に接続するように構成されている。例えば、本開示による第1延在部及び第2延在部は、椎骨アンカーに関連付けられたロッド受け又は「チューリップ形(tulip)」構成要素に取り外し可能に接続するように構成され得る。この点に関して、第1延在部及び第2延在部は、椎骨アンカーの外部幾何学的形状になじむように適合された内部幾何学的形状を有し得る。例えば、これらの延在部は、椎骨アンカーのロッド受け又はチューリップ形構成要素に関連付けられた丸い外部幾何学的形状になじむ凹状の内側表面を有している円弧形の延在部であり得る。本例において、第1延在部132及び第2延在部134の各々は、椎骨アンカーのロッド受けの円形の外部幾何学的形状になじむ凹状の内側表面133を有している部分円筒を形成している。この構成において、第1延在部132及び第2延在部134は、それらの間にロッド受けを受け、且つ、ロッド受け上にしっかりとクランプするように構成されている。
【0037】
第1延在部132及び第2延在部134は、第1延在部及び第2延在部と椎骨アンカーとの間のクランプ係合をロック及びロック解除するように構成されている連結機構140を含む。連結機構140は、第1延在部132を椎骨アンカー上の第1コネクタに取り外し可能に連結するための第1旋回アーム150を含む。連結機構140は、第2延在部134を椎骨アンカー上の第2コネクタに取り外し可能に接続するための第2旋回アーム160も含む。本開示による旋回アームは、複数の配置で管状体に装着され得る。本例において、管状体110は、一部分が第1延在部132内に延在する第1細長アパーチャ142と、一部分が第2延在部134内に延在する第2細長アパーチャ144を規定している。第1旋回アーム150は、第1細長アパーチャ142内に旋回的に装着されており、且つ、第2旋回アーム160は、第2細長アパーチャ144内に旋回的に装着されている。特に、第1旋回アーム150は、第1旋回軸143の周りを第1細長アパーチャ142を経由して旋回するように構成されており、第2旋回アーム160は、第2旋回軸145の周りを第2細長アパーチャ144を経由して旋回するように構成されている。第1旋回軸143及び第2旋回軸145は、互いに平行であり、管状体110の長手方向軸118に対して直角をなす。
【0038】
図3を参照すると、減捻器具100及びその構成要素のさらなる詳細が示されている。第1旋回アーム150は、第1作動端部152と、第1作動端部の反対側の第1取り付け端部154を有している。同様に、第2旋回アーム160は、第2作動端部162と、第2作動端部の反対側の第2取り付け端部164を有している。第1旋回アーム150は、第1細長アパーチャ142内に、第1細長アパーチャを横切るピン147の形状の第1旋回接続部によって装着されている。第2旋回アーム160は、第2細長アパーチャ144内に、第2細長アパーチャを横切るピン148の形状の第2旋回接続部によって装着されている。
【0039】
第1旋回アーム150の第1作動端部152は、第1ドッグレッグ形セクション156により第1取り付け端部154に接続されている。第2旋回アーム160の第2作動端部162は、第2ドッグレッグ形セクション166により第2取り付け端部164に接続されている。第1ドッグレッグ形セクション156は、ピン147を受けて第1旋回アーム150を第1細長アパーチャ142内に装着するように適合されている貫通孔157を規定している。第2ドッグレッグ形セクション166は、ピン148を受けて第2旋回アーム160を第2細長アパーチャ152内に装着するように適合されている貫通孔167を規定している。この配置において、第1旋回アーム150及び第2旋回アーム160は、ピン147及びピン148の周りをそれぞれ旋回可能である。つまり、第1旋回アーム150及び第2旋回アーム160は、第1細長アパーチャ142及び第2細長アパーチャ152内にそれぞれ係留された状態で保持されているが、これらの第1細長アパーチャ及び第2細長アパーチャ内で旋回的に変位可能である。
【0040】
第1旋回アーム150及び第2旋回アーム160は、取り付け位置と解放位置との間で管状体110に対して独立して旋回可能である。図5に示される取り付け位置において、第1旋回アーム150及び第2旋回アーム160は、第1取り付け端部154及び第2取り付け端部164が長手方向軸118に向けて内向きに旋回され、各々が椎骨アンカーに係合することが可能であるように位置決めされる。第1取り付け端部154及び第2取り付け端部164は、解説されるように、フォームロック様式で椎骨アンカーに係合し、減捻器具100を椎骨アンカーに接続する。図6に示される解放位置において、第1取り付け端部154及び第2取り付け端部164は、長手方向軸118から外向きに離れる方向に旋回され、減捻器具100を椎骨アンカーから取り外すことを可能にする。図5及び図6から認識されるであろうこととして、第1取り付け端部154及び第2取り付け端部164は、解放位置よりも取り付け位置の方が、長手方向軸118により近接している。反対に、第1作動端部152及び第2作動端部162は、取り付け位置よりも解放位置の方が、長手方向軸118により近接している。
【0041】
本開示による減捻器具は、1つ以上の付勢機構を有して構成することができ、この付勢機構は、付勢機構が何らかの対抗力により解放されるか又は打ち負かされるまで、取り付け端部と椎骨アンカーとの間の取り付けを維持する。本例において、減捻器具100は、第1旋回アーム150を取り付け位置に向けて付勢する第1付勢要素と、第2旋回アーム160を取り付け位置に向けて付勢する第2付勢要素を含む。様々なタイプの付勢機構を使用することができ、これらの付勢機構には、力が印加及び除去されるとエネルギを蓄積及び解放する、板ばね、ウェーブスプリング、ねじりばね、コイルばね、ばね座金、及び、他の付勢要素が含まれるが、これらに限定されない。
【0042】
第1旋回アーム150は、第1ばね153の形状の付勢要素を受ける円形の止まり孔又は窪み151を規定している。同様に、第2旋回アーム160は、第2ばね163の形状の付勢要素を受ける円形の止まり孔又は窪み161を規定している。第1ばね153及び第2ばね163は、軸方向の圧縮力に応じてエネルギを蓄積し、且つ、軸方向の圧縮力が除去されるとエネルギを解放するように構成されているウェーブスプリングである。
【0043】
図2Aは、第1旋回アーム150の窪み151の内部に組み付けられた第1ばね153の拡大図を示している。第1ばね153は、管状体110の内部に固定された座金157の形状の壁を圧迫する第1端部155を有している。第1ばね153は、窪み151の内部の内側表面又はばね座159を圧迫する第2端部158も有している。第1ばね153の軸方向の長さLSは、窪み151の軸方向の深さDRよりも大きく、それにより、第1ばねは、図示されるように、弛緩状態又は非圧縮状態にあるときには窪みの外部に突出している。
【0044】
第2ばね163は、第1ばね153が第1旋回アーム150に組み付けられているのと同じ配置及び様式で、第2旋回アーム160に組み付けられている。したがって、第2旋回アーム160の内部における第2ばね163の配置は、図2Aに示される第1旋回アーム150内の第1ばね153と同じように現れる。第1ばね153の場合と同様に、第2ばね163は、管状体110の内部に固定された座金167の形状の壁を圧迫する第1端部165を有している。第2ばね163は、窪み161の内部の内側表面又はばね座169を圧迫する第2端部168も有している。第2ばね163の軸方向の長さは、窪み161の軸方向の深さよりも大きく、それにより、第2ばねは、弛緩状態又は非圧縮状態にあるときには窪みの外部に突出している。
【0045】
図1を参照すると、第1ばね153は、第1旋回アーム150の第1作動端部152に第1径方向外向き付勢力Fをかけるように構成されている。第2ばね163は、第2旋回アーム160の第2作動端部162に第2径方向外向き付勢力Fをかけるように構成されている。付勢力Fは第1径方向外向き方向に方向付けられ、付勢力Fは第1径方向外向き方向とは反対の第2径方向外向き方向に方向付けられている。第1作動端部152及び第2作動端部162は、長手方向軸118に対して互いに正反対に対向しており、それにより、付勢力F、Fが、第1取り付け端部154及び第2取り付け端部164を、互いに、即ち、それらのそれぞれの取り付け位置に向けて押圧する効果を有する。
【0046】
第1旋回アーム150及び第2旋回アーム160は、第1作動端部152及び第2作動端部162を、それらの各解放位置に向けて変位させるように、付勢力F、Fにそれぞれ抗って旋回的に変位可能である。つまり、第1作動端部152は、第1作動端部に印加された第1内向きに方向付けられた力に応じて、長手方向軸118に向けて旋回的に内向きに変位可能である。同じく、第2作動端部162も、第2作動端部に印加された第2内向きに方向付けられた力に応じて、長手方向軸118に向けて旋回的に内向きに変位可能である。ここで、このような力の方向は、第1内向きに方向付けられた力の方向のほぼ反対に方向付けられている。第1作動端部152と第2作動端部162の間の間隔は小さいが、その目的は、ユーザが自身の親指をこれらの作動端部の一方に押し当てて、且つ、自身の人差し指をこれらの作動端部の他方に押し当てることにより、第1作動端部及び第2作動端部を共に手動で圧縮又は圧搾することを許容することである。
【0047】
本開示による第1取り付け端部及び第2取り付け端部は、椎骨アンカーに取り付けるための様々な構成を有し得る。例えば、第1旋回アーム及び第2旋回アームは、1つ以上の係合構造を有することができ、この1つ以上の係合構造は、椎骨アンカー上の1つ以上の相補的な係合構造に噛み合うように設計されている。これらの係合構造は、孔、スロット、切り抜き部、又は、他の定形若しくは不定形の空隙に解放可能に係合し、且つ、ばね付勢機構を伴うか又は伴わない、ボス、ピン、タブ、又は、他の定形若しくは不定形の隆起の形を取り得る。理解されるであろうこととして、このような隆起はいずれも旋回アーム上に形成することができ、このような空隙はいずれも椎骨アンカー上に形成することができ、又は、その逆の場合もあり得る。
【0048】
図3及び図4を参照すると、第1取り付け端部154及び第2取り付け端部164は、それぞれ第1ロックタブ172及び第2ロックタブ182の形状の係合構造を有している。第1ロックタブ172及び第2ロックタブ182は、同一に構成されており、第1旋回アーム150及び第2旋回アーム160の他の特徴の場合と同様に、鏡面配置で配置されている。簡潔にするために、第1ロックタブ172の詳細のみについて説明し、同じ説明が第2ロックタブ182にも該当すると理解されたい。
【0049】
第1ロックタブ172は、第1旋回アーム150の近傍セクション150aから径方向内向きに突出する不定形のタブ本体173を有している。第1旋回アーム150の近傍セクション150aは、テーパ状の端部セクション150cに移行する定幅セクション150bを有している。テーパ状の端部セクション150cは、丸められた端部150eに移行する2つの線形側面150dを有している。タブ本体173は、近位端部174、遠位端部175、及び、近位端部と遠位端部との間の中間セクション176を有している。中間セクション176は、近傍セクション150aの定幅セクション150bの幅よりも狭い定幅の狭隘セクション176aを含む。狭隘セクション176aは、近傍セクション150aの定幅セクション150bと同じ幅を有している拡張セクション176bに移行している。拡張セクション176bは、近傍セクション150aにおける定幅セクション150bの幅よりも狭い幅を有しているネック部分176cに移行している。最後に、ネック部分176cは、円形の端部部分176dに移行しており、端部部分176dは、その外周の一部分が近傍セクション150aの丸められた端部150eに連なっている。
【0050】
タブ本体173は、椎骨アンカーのロッド受けの外側側壁における第1切り抜き部内に挿入されるように構成されている。この切り抜き部は、第1旋回アーム150が長手方向軸118に向けて取り付け位置に旋回するのに伴い、係止(keyed)配置でタブ本体173を受けるように適合されている。切り抜き部の形状は、タブ本体173の前述のセクションのうちのいくつか、又は、これらのセクションの全てと同一であり得る。いずれのケースにおいても、切り抜き部の形状は、フォームロック様式で、狭隘セクション176a、拡張セクション176b、ネック部分176c、及び/又は、端部部分176dに嵌合するように狭隘化及び拡張化したセクションを有し得る。タブ本体173が切り抜き部内に一旦旋回されて取り付け位置を取ると、タブ本体の外部壁が、フォームロック係合で切り抜き部の内部壁に当接し、解放位置に向けた第1旋回アーム150の旋回的変位に応じた外向きの方向以外の任意の方向にタブ本体が切り抜き部内で移動することを防止する。
【0051】
椎骨アンカーは、第1ロックタブ172に関しての上記と同一の配置及び様式で、第2旋回アーム160の第2ロックタブ182を受けるように適合されている第2切り抜き部を有し得る。
【0052】
第1旋回アーム150及び第2旋回アーム160は、このようにして、減捻器具100を椎骨アンカーにロックする役割を担う。
【0053】
次に図7を参照すると、減捻器具100が、インサートプッシャ器具又は「インサートプッシャ」200の形状の第2器具と共に示されている。インサートプッシャ200の主な目的は、ロッド及びロックスクリュー(例えばセットスクリュー)を椎骨アンカー内に挿入することなく、椎骨アンカー上においてロッド受けの位置を骨スクリューの位置に対して暫定的にロックすることである。このことは、ロッド受けの骨スクリューの周りにおける多軸回転を不能にする一時的なロック処置(「ポリロック(polylocking)」と呼ぶ)として実施される。ポリロックが一旦実施されると、骨スクリュー及びロッド受けは、単一の固定された構築物を形成し、ロッド受け及び骨スクリューの両方に一斉に調節力が印加されることを可能にする。
【0054】
図8及び図9は、本開示による、減捻器具及びインサートプッシャと共に使用され得る椎骨アンカー300の1つの例を示している。椎骨アンカー300は、球形のスクリュー頭部312及びねじ山付きシャンク314を有した多軸骨スクリュー310を含む。骨スクリュー310は、ロッド受け320内に受けられるように構成されている。ロッド受け320は、脊椎ロッドといった細長い固定要素を受けるためにU字形の経路323を規定する上側部分322を有している。ロッド受け320は、その内側に球状座326と、貫通穴328とを規定している下側部分324も有している。貫通穴328は、スクリュー頭部312の直径よりも小さい直径を有している。したがって、ロッド受け320は、着座された配置において、スクリュー頭部312が球状座326内に着座され、且つ、ねじ山付きシャンク314が貫通穴328から突出した状態で骨スクリュー320を受けるように構成されている。
【0055】
ロッド受け320は、ロッド受けの外側において開放されているとともにロッド受けの壁内に延在する一対の正反対に対向する切り抜き部321を有している。切り抜き部321は、減捻器具100上のロックタブ172、182の不定形状になじむ不定形状を有している。
【0056】
椎骨アンカー300は、インサート330も含む。インサート330は、脊椎ロッドといった細長い固定要素を受けるためにU字形の窪み334を規定している上側部分332を有している。インサート330は、球形の凹部338を有した下側部分336も有している。椎骨アンカー300が組み付けられると、インサート330は、ロッド受け320内のスクリュー頭部312に対して近位の位置に位置決めされる。この位置において、窪み334は、脊椎ロッドといった細長い固定要素を受けるように位置決めされ、凹部338は、スクリュー頭部312を圧迫し、且つ、スクリュー頭部312に摩擦係合するように位置決めされる。
【0057】
図9は、椎骨アンカー300の内部における、インサート330に係合しているインサートプッシャ200の断面図を示している。インサートプッシャ200は、インサート330に軸方向の力を印加することにより、ロッド受け320の位置をロックするように動作可能である。このことを達成するために、インサートプッシャ200は、インサート330の頂部上の載置部(landing)331に係合する4つのプッシャポスト236を有している。載置部331への軸方向の力により、インサートが圧縮され、このインサートを骨スクリュー310のスクリュー頭部312と摩擦係合させる。摩擦係合は、ロッド受けが骨スクリュー310上で旋回又は「揺動(flop)」しないように、スクリュー頭部312上でロッド受け320を安定化させるのに充分なものである。
【0058】
ロッド受け及び多軸スクリューが一旦ポリロックされると、椎骨アンカーに減捻力を印加するために、減捻器具を使用することができる。椎骨アンカーのポリロックは、減捻力の印加時に役立つものの、必須ではない。したがって、企図されることとして、ポリロックなしに、且つ、定位置におけるインサートプッシャ200なしに、椎骨アンカー300に減捻力を印加するために減捻器具100を使用することができる。
【0059】
インサートプッシャ200が定位置にある状態で減捻が実施されると、減捻器具100に印加された減捻力は、ポリロックされたロッド受け320及び骨スクリュー310に伝達され、椎体の位置を調節する。
【0060】
図10図11Aには、インサートプッシャ200の特徴がより詳細に示されている。インサートプッシャ200は、近位端部212、近位端部の反対側の遠位端部214、及び、近位端部と遠位端部との間に延在する中間セクション216を有している管状体210を含む。管状体210は、長手方向軸218と、長手方向軸に沿って延在する長手方向通路220を規定している。長手方向通路220は、管状体210の近位端部212から遠位端部214に延在する。
【0061】
管状体210は、第1長手方向スロット222と、第1長手方向スロットの反対側の第2長手方向スロット224を規定している。第1長手方向スロット222及び第2長手方向スロット224は、管状体210の遠位端部214において終端をなし、管状体を経由して横断通路226を形成している。減捻器具100の横断道路126の場合と同様に、横断通路226は、管状体を経由して脊椎固定ロッドといった長手方向固定要素を受けるように適合されている。管状体210は、第1延在部232と、第1延在部の反対側の第2延在部234も含む。第1延在部232は、第1長手方向スロット222及び第2長手方向スロット224によって第2延在部234から分離されている。加えて、第1延在部232及び第2延在部234は、管状体の中間セクション216に合流しており、遠位端部214において終端をなしている。第1延在部232及び第2延在部234の各々は、一対のプッシャポスト236を有している。上述したように、プッシャポスト236は、椎骨アンカー内のインサートに軸方向の力を印加し、骨スクリューに対するロッド受けの位置及び配向をポリロックするように構成されている。
【0062】
インサートプッシャ200の近位端部212は、減捻器具100の内側にインサートプッシャ200を接続するように構成されているコネクタリング221を有している。コネクタリング221は、減捻器具の内部においてインサートプッシャを軸方向に変位させ、且つ、インサートプッシャを減捻器具と同軸にアライメントされた関係に維持するようにも動作可能である。コネクタリング221は、回転可能連結器223によってインサートプッシャ200の中間セクション216に接続されている。図11Aを参照すると、回転可能連結器223は、コネクタリング221の内部における環状溝227内に部分的に受けられており、且つ、中間セクション216における円周溝217内に部分的に受けられているスナップリング225を含む。この配置において、コネクタリング221は、インサートプッシャ200の中間セクション216及び遠位端部214に対して回転可能であるが、中間セクション及び遠位端部に軸方向に固定されている。
【0063】
コネクタリング221は、鋸歯状の表面222を有しており、鋸歯状の表面222は、インサートプッシャ220にトルクを印加するためにコネクタリングに連結され得る別の器具の同様の鋸歯状の表面に係合するように構成されている。コネクタリング221は、その円周の周囲に延在する雄ねじ229も有している。雄ねじ229は、減捻器具100の近位端部112の内部の雌ねじ129に噛み合うように構成されている。雌ねじは、図2及び図3に示されている。雄ねじ229が雌ねじ129に噛み合わされると、コネクタリング221の回転に応じて、インサートプッシャ200が軸方向に変位可能になり、長手方向通路120の内部においてガイドされる。雄ねじ229と雌ねじ129との係合により、インサートプッシャ200は、減捻器具100と同軸アライメントが維持される。このアライメントと、プッシャポスト236及び多軸スクリューにおけるインサートの予めアライメントされた配置とによって、プッシャポストがインサートの適切なセクションに接触し、軸方向の力の印加と、ロッド受けの椎弓根スクリュー上へのロックが確実になる。
【0064】
本開示に従ったインサートプッシャ及び減捻器具は、これらの器具が組み合わされたときに第1旋回アーム及び第2旋回アームが開くことを防止する1つ以上の機構を有し得る。開くことが防止されない場合、第1旋回アーム及び第2旋回アームの椎骨アンカーからの接続解除と、外科手術処置の中断を生じる恐れがある。
【0065】
本明細書において使用されるような「開き防止(anti-splaying)」という用語は、第1旋回アーム及び第2旋回アームをそれらのロック位置に保持し、且つ、ロックアームが開くことを防止する任意の特徴を指す。本開示による開き防止機構は、インサートプッシャを減捻管内及び椎骨アンカー内に推進させてポリロック力を印加する間に、減捻器具上の第1旋回アーム及び第2旋回アームが開くことを防止する。本例において、インサートプッシャ200の中間セクション216は、ロックレール250の形状の第1対開き防止要素を有している。加えて、第1延在部232及び第2延在部234は、ロックレール250と軸方向にアライメントされたロックレール260の形状の第2対開き防止要素を有している。ロックレール260は、軸方向において、ロックレール250よりも長い。
【0066】
各ロックレール250、260は、管状体210から外向きに延在するステム部分272と、ステム部分272に対して概して直角をなして延在するフランジ部分274を備えたT字形の本体270を有している。図3を再び参照すると、第1旋回アーム150は、第1ドッグレッグ形セクション156から第1取り付け端部154に延在する第1開き防止スロット170を規定している。同様に、第2旋回アーム160は、第2ドッグレッグ形セクション166から第2取り付け端部164に延在する第2開き防止スロット180を規定している。第1開き防止スロット170及び第2開き防止スロット180は、それらの近位端部を経由して、第1ロックレール250及び第2ロックレール260を軸方向に受けて、これらのロックレールが旋回アーム150、160の遠位端部へ軸方向に摺動することを可能にするように適合されている。特に、第1開き防止スロット170は、管状体210の近位端部212に面する第1ドッグレッグ形セクション156において、第1アパーチャ171を規定している。第2開き防止スロット180も同様に、管状体210の近位端部212に面する第2ドッグレッグ形セクション166において、第2アパーチャ181を規定している。第1アパーチャ171及び第2アパーチャ181の各々は、第1ロックレール250及び第2ロックレール260を軸方向に受けて、これらのロックレールが旋回アーム150、160の遠位端部へ軸方向に摺動することを可能にするように構成されている。
【0067】
第1開き防止スロット170及び第2開き防止スロット180は、長手方向通路120に開放されているそれぞれの開口部170A、180Aを規定している。開口部170A、180Aは、ロックレール250、260が旋回アーム150、160内に挿入すると、これらのロックレールのステム部分272を受ける。インサートプッシャを長手方向通路120内にできる限り推進させて椎骨アンカーのインサート330に係合させたときに、ロックレール250、260が旋回アーム150、160の遠位端部の外向きの開き又は曲がりを防止するように、ロックレールはインサートプッシャ200上に軸方向に位置決めされる。これにより、旋回アーム150、160は、ロックタブ172、182がロッド受け320の切り抜き部321内に堅固に固定された状態で真っ直ぐな構成に維持される。
【0068】
減捻器具100及びインサートプッシャ200は、脊椎湾曲を調節又は矯正するために、以下の様式で動作させることができる。記載される動作様式は、椎骨アンカーが、前述の椎骨アンカー300又は同様の多軸スクリューアセンブリであることを想定している。しかしながら、理解されるであろうこととして、減捻器具100及びインサートプッシャ200は、他のタイプの椎骨アンカーとともに使用することが可能である。椎骨アンカー300が椎体に埋設された後に、ロッド受け320が第1延在部132と第2延在部134との間で長手方向通路120内に受けられるようにロッド受けの周囲で自由端部137を下げることによって、ロッド受けに減捻器具100が取り付けられる。減捻器具100は、第1ロックタブ172及び第2ロックタブ182がロッド受け320の外側側面における切り抜き部321とアライメントされるように、ロッド受け320に対しても配向される。第1ロックタブ172及び第2ロックタブ182が一旦切り抜き部321と適正にアライメントされると、ロッド受け320が第1延在部132と第2延在部134との間でクランプされるまで減捻器具100をロッド受けの上方で軸方向に推進させる。
【0069】
減捻器具100は、複数の方式でロッド受け320とクランプ係合させてロックされることが可能である。第1ロック方法においては、第1旋回アーム150及び第2旋回アーム160が取り付け位置にある状態で減捻器具100をロッド受け320の上方において推進させる。つまり、第1作動端部152又は第2作動端部162に力が印加されない。この状況で、第1取り付け端部154及び第2取り付け端部164は、図5に示されるように、共により近接し、長手方向通路120内に突出する。減捻器具100がロッド受け320の上方を推進するのに伴い、ロックタブ172、182は、切り抜き部321内に軸方向に摺動し、ロッド受けにロック係合する。
【0070】
第2ロック方法においては、第1旋回アーム150及び第2旋回アーム160が解放位置に移動された状態で、減捻器具100をロッド受け320の上方において推進させる。つまり、第1作動端部152及び第2作動端部162に径方向内向きの圧搾力が印加されて、図6に示されるように、第1取り付け端部154及び第2取り付け端部164をさらに離れる方向に広げる。第1旋回アーム150が取り付け位置にあるときに、第1作動端部152は、第1細長アパーチャ142から径方向外向きに突出する。第2旋回アームが取り付け位置にあるときに、第2旋回アーム160の第2作動端部162は、第2細長アパーチャ144から径方向外向きに突出する。
【0071】
第1旋回アーム150及び第2旋回アーム160の解放位置への旋回的変位により、第1ばね153及び第2ばね163が、蓄積されたエネルギを負って圧縮され、第1取り付け端部154及び第2取り付け端部164が長手方向通路120の外部に移動される。この状態で、減捻器具100をロッド受けの上方において最後まで推進させることができ、このことは、減捻器具及びロッド受けの止め表面が互いに接触したときの触感により、又は、他の手段により判断することが可能である。減捻器具100をロッド受けの上方において最後まで一旦推進させると、第1作動端部152及び第2作動端部162に対する内向きの圧搾力が除去される。これにより、第1ばね153及び第2ばね163に対する圧力が解放され、これらのばねが、伸張して第1作動端部152及び第2作動端部162を径方向外向きに押すことを可能にする。このことは次いで、第1ロックタブ172及び第2ロックタブ182が、ロッド受け320における対応する切り抜き部321に入るように第1取り付け端部154及び第2取り付け端部164を径方向内向きに旋回させる。第1取り付け端部154及び第2取り付け端部164がこの様式で一旦旋回すると、第1取り付け端部及び第2取り付け端部は、切り抜き部321におけるそれらのそれぞれの取り付け位置となって、減捻器具100をロッド受け320にロックする。
【0072】
本開示による減捻器具は、インサートプッシャが旋回アーム内に挿入されないときに第1旋回アーム及び第2旋回アームの旋回運動を制限するための1つ以上の特徴も含み得る。このことは、旋回後の作動端部及び取り付け端部の位置を制御するため、並びに、ばねに印加される力の量を制限するために望ましいことがあり得る。例えば、本開示による減捻器具は、旋回アームの旋回運動の範囲を制限する1つ以上の止め要素を有し得る。現在の例において、第1細長アパーチャ142及び第2細長アパーチャ144の各々は、各側面に沿って、近位止め192及び遠位止め194を有している。第1旋回アーム150及び第2旋回アーム160は、近位止め表面196及び遠位止め表面198を有している。近位止め表面196は、第1旋回アーム150及び第2旋回アーム160が解放位置に旋回されると近位止め192に当接するように構成されている。これにより、ばね153、163の撓みが制限され、第1取り付け端部154及び第2取り付け端部164の外向きの変位が制限される。遠位止め表面198は、第1旋回アーム150及び第2旋回アーム160が取り付け位置に旋回されると遠位止め194に当接するように構成されている。これにより、第1取り付け端部154及び第2取り付け端部164の内向きの変位が制限され、第1作動端部152及び第2作動端部162のそれぞれの細長アパーチャ142、144の外部への外向きの変位が制限される。
【0073】
減捻器具100が椎骨アンカーに一旦取り付けられると、この減捻器具は、椎骨アンカーにポリロック力を印加するための力印加器具を受けることができる。例えば、管状体210を長手方向通路120と軸方向にアライメントすることにより、減捻器具100内にインサートプッシャ200を挿入することができる。インサートプッシャ200を減捻器具100内に推進させる前に、インサートプッシャは、レール250、260が第1開き防止スロット170及び第2開き防止スロット180とそれぞれ軸方向にアライメントされるように、適正な配向で配向されなければならない。この目的のために、減捻器具100及びインサートプッシャ200は、インサートプッシャが減捻器具の長手方向通路120内に挿入され且つ推進されるのに伴って、インサートプッシャを適正な配向に維持する配向機構280を特徴として備えている。
【0074】
本開示による器具は、噛み合い表面上に固有の幾何学的特徴を含むがこれらに限定されない、多くの異なるタイプの配向機構を特徴として備え得る。本例において、配向機構280は、図11に示されるように、管状体210に沿って延在する一対の正反対に対向する長手方向バー281を含む。長手方向バー281は、レール250から角度的に90度オフセットされている。配向機構280は、管状体110の内部壁内に延在する一対の正反対に対向する長手方向経路101も含む。図3には、管状体110の1つの側面における1つの経路101の一部分が示されており、この管状体の反対側の内部壁に同一の長手方向経路が延在すると理解されたい。インサートプッシャ200は、長手方向バー281が長手方向経路101と軸方向にアライメントされる場合にのみ、減捻器具100の長手方向通路120内において挿入され且つ推進させることが可能である。各長手方向経路101の幅は、各長手方向バー281の幅よりも僅かに広い。このようにして、インサートプッシャ200が減捻器具100内に挿入されるのに伴って前者が後者に対して回転することを防止する係留配向において、長手方向経路101は、長手方向バー281を受けるように適合されている。このことにより、インサートプッシャ200の挿入中に、レール150、160が第1開き防止スロット170及び第2開き防止スロット180と軸方向にアライメントされた状態を保つことが確実となる。
【0075】
この説明は、特定の実施形態及び例示について言及しているが、この発明は、図示された詳細に限定することを意図していない。例えば、認識されるであろうこととして、本開示による減捻器具は、専らインサートプッシャと共に作用する必要はなく、むしろ、定位置におけるインサートプッシャなしに、他のタイプの器具と共に使用することができる。例えば、本開示による減捻器具は、ロッドパースエイダ器具と共に作用するように構成され得る。このようなアセンブリにおいて、ロッドパースエイダ器具は、インサートプッシャ200上における、上述したロックレール250、260と同じ様式で、減捻器具の旋回アームと協働するように配置されたロックレールを含み得る。
【0076】
それゆえに、本開示は、当初出願された請求項の均等物の領域及び範囲内に収まり得る変形例を含む、本明細書に記載される特定の実施形態及び例示の様々な改変及び組み合わせを包含している。
【0077】
第1態様による本発明は、脊椎変形を矯正するための外科手術用器具100について言及しており、外科手術用器具100は、近位端部112、近位端部112の反対側の遠位端部114、及び、近位端部112と遠位端部114の間に延在する中間セクション116を有している管状体110を備えており、管状体110が、長手方向軸118と、長手方向軸118に沿って近位端部112から遠位端部114に延在する長手方向通路120を規定しており、長手方向通路120が、管状体110を経由して第2器具200を受けるように適合されており、管状体110が、第1長手方向スロット122と、第1長手方向スロット122の反対側の第2長手方向スロット124とをさらに規定しており、第1長手方向スロット122及び第2長手方向スロット124が、管状体110の遠位端部114において終端をなすとともに、管状体110を経由して横断通路126を形成しており、横断通路126が、管状体110を経由して長手方向固定要素を受けるように適合されており、管状体110が、第1延在部132と、第1延在部132の反対側の第2延在部134をさらに備えており、第1延在部132が、第1長手方向スロット122及び第2長手方向スロット124によって第2延在部134から分離されており、第1延在部132が、外科手術用器具100を椎骨アンカー300上の第1コネクタに取り外し可能に接続するための第1旋回アーム150と、外科手術用器具100を椎骨アンカー300上の第2コネクタに取り外し可能に接続するための第2旋回アーム160を備えており、第1旋回アーム150が、第1作動端部152と、第1作動端部152の反対側の第1取り付け端部154を有しており、第2旋回アーム160が、第2作動端部162と、第2作動端部162の反対側の第2取り付け端部164を有しており、第1旋回アーム150が、第1作動端部152から第1取り付け端部154に延在する第1開き防止スロット170を規定しており、第1開き防止スロット170が、長手方向通路120に開放されているともに、第2器具200上の第1開き防止要素250、260を受けるように適合されており、第2旋回アーム160が、第2作動端部162から第2取り付け端部164に延在する第2開き防止スロット180を規定しており、第2開き防止スロット180が、長手方向通路120に開放されているとともに、第2器具200上の第2開き防止要素250、260を受けるように適合されている。
【0078】
この発明の第2態様によると、第1態様による外科手術用器具100は、管状体110が、少なくとも一部分が第1延在部132内に延在する第1細長アパーチャ142と、少なくとも一部分が第2延在部134内に延在する第2細長アパーチャ144を規定していることをさらに特徴とする。
【0079】
この発明の第3の態様によると、第2態様による外科手術用器具100は、第1旋回アーム150が第1細長アパーチャ142内に旋回的に装着されており、且つ、第2旋回アーム160が第2細長アパーチャ144内に旋回的に装着されていることをさらに特徴とする。
【0080】
この発明の第4の態様によると、第2又は第3の態様による外科手術用器具100は、第1旋回アーム150が、第1旋回接続部147によって第1細長アパーチャ142内に装着されており、且つ、第2旋回アーム160が、第2旋回接続部148によって第2細長アパーチャ144内に装着されていることをさらに特徴とする。
【0081】
この発明の第5の態様によると、第1から第4の態様のうちの1つによる外科手術用器具100は、第1旋回アーム150の第1作動端部152が、第1ドッグレッグ形セクション156によって第1取り付け端部154に接続されており、第2旋回アーム160の第2作動端部162が、第2ドッグレッグ形セクション166によって第2取り付け端部164に接続されていることをさらに特徴とする。
【0082】
この発明の第6の態様によると、第5の態様による外科手術用器具100は、第1開き防止スロット170が、管状体110の近位端部112に面する第1ドッグレッグ形セクション156において第1アパーチャ171を規定しており、且つ、第1アパーチャ171が、第2器具200上の第1開き防止要素250を軸方向に受けるように構成されており、第2開き防止スロット180が、管状体110の近位端部112に面する第2ドッグレッグ形セクション166において第2アパーチャ181を規定しており、第2アパーチャ181が、第2器具200上の第2開き防止要素260を軸方向に受けるように構成されていることをさらに特徴とする。
【0083】
この発明の第7の態様によると、第5又は第6の態様による外科手術用器具100は、第1旋回アーム150が、第1ドッグレッグ形セクション156において第1旋回接続部147に接続されており、且つ、第2旋回アーム160が、第2ドッグレッグ形セクション166において第2旋回接続部148に接続されていることをさらに特徴とする。
【0084】
この発明の第8の態様によると、第1から第7の態様のうちの1つによる外科手術用器具100は、第1取り付け端部154及び第2取り付け端部164が椎骨アンカー300に取り付け可能である取り付け位置と、第1取り付け端部154及び第2取り付け端部164が椎骨アンカー300から撤収可能である解放位置の間で、第1旋回アーム150及び第2旋回アーム160が、管状体110に対して旋回的に変位可能であることをさらに特徴とする。
【0085】
この発明の第9の態様によると、第8の態様による外科手術用器具100は、第1旋回アーム150の第1作動端部152が、取り付け位置よりも解放位置の方が長手方向軸118により近接しており、第2旋回アーム160の第2作動端部162が、取り付け位置よりも解放位置の方が長手方向軸118により近接していることをさらに特徴とする。
【0086】
この発明の第10の態様によると、第8又は第9の態様による外科手術用器具100は、第1旋回アーム150を取り付け位置に向けて付勢する第1付勢要素と、第2旋回アーム160を取り付け位置に向けて付勢する第2付勢要素によってさらに特徴付けられる。
【0087】
この発明の第11の態様によると、第10の態様による外科手術用器具100は、第1付勢要素が、第1旋回アーム150の第1作動端部152に第1径方向外向き付勢力Fをかける第1ばね153を備えており、第2付勢要素が、第2旋回アーム160の第2作動端部162に第2径方向外向き付勢力Fをかける第2ばね163を備えていることをさらに特徴とする。
【0088】
この発明の第12の態様によると、第11の態様による外科手術用器具100は、第1旋回アーム150及び第2旋回アーム160が、第1旋回アーム150及び第2旋回アーム160の第1作動端部152及び第2作動端部162にそれぞれ印加された径方向内向き力に応じて、第1径方向外向き付勢力F及び第2径方向外向き付勢力Fに抗って解放位置に向けて旋回的に変位可能であることをさらに特徴とする。
【0089】
この発明の第13の態様によると、第11又は第12の態様による外科手術用器具100は、第1旋回アーム150及び第2旋回アーム160の、解放位置への旋回的変位により、第1ばね153及び第2ばね163が、蓄積されたエネルギを負って圧縮されることをさらに特徴とする。
【0090】
この発明の第14の態様によると、第11、第12、又は第13の態様による外科手術用器具100は、第1旋回アーム150の第1作動端部152が、第1ばね153を受ける第1窪み151を備えており、第2旋回アーム160の第2作動端部162が、第2ばね163を受ける第2窪み161を規定していることをさらに特徴とする。
【0091】
この発明の第15の態様によると、第8、第9、第10、第11、第12、第13、又は第14の態様による外科手術用器具100は、第1旋回アーム150が取り付け位置にあるときに、第1旋回アーム150の第1作動端部152が、第1アパーチャ171から径方向外向きに突出しており、且つ、第2旋回アーム160が取り付け位置にあるときに、第2旋回アーム160の第2作動端部162が、第2アパーチャ181から径方向外向きに突出していることをさらに特徴とする。
【0092】
この発明の第16の態様によると、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、又は第15の態様による外科手術用器具100は、第1アパーチャ171が、第1旋回アーム150の取り付け位置を超える旋回的変位を制限するための第1止めと、第1旋回アーム150の解放位置を超える旋回的変位を制限するための第2止めを備えていることをさらに特徴とする。
【0093】
この発明の第17の態様によると、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、又は第16の態様による外科手術用器具100は、第1旋回アーム150が取り付け位置に変位されると、第1旋回アーム150の第1取り付け端部154が長手方向通路120内に延在し、且つ、第2旋回アーム160が取り付け位置に変位されると、第2旋回アーム160の第2取り付け端部164が長手方向通路120内に延在することをさらに特徴とする。
【0094】
この発明の第18の態様によると、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、又は第17の態様による外科手術用器具100は、第1旋回アーム150が解放位置に変位されると、第1旋回アーム150の第1取り付け端部154が長手方向通路120の外に出て、且つ、第2旋回アーム160が解放位置に変位されると、第2旋回アーム160の第2取り付け端部164が長手方向通路120の外に出ることをさらに特徴とする。
【0095】
この発明の第19の態様によると、第1から第18の態様のうちの1つによる外科手術用器具100は、管状体110の近位端部112が、第2器具200を長手方向通路120の内部において軸方向にガイドするための接続要素を備えていることをさらに特徴とする。
図1
図2
図2A
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図11A
【手続補正書】
【提出日】2021-12-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊椎変形を矯正するための外科手術用器具であって、近位端部、近位端部の反対側の遠位端部、及び、近位端部と遠位端部の間に延在する中間セクションを有している管状体を備えており、
管状体が、長手方向軸と、長手方向軸に沿って近位端部から遠位端部に延在する長手方向通路を規定しており、
長手方向通路が、管状体を経由して第2器具を受けるように適合されており、
管状体が、第1長手方向スロットと、第1長手方向スロットの反対側の第2長手方向スロットをさらに規定しており、
第1長手方向スロット及び第2長手方向スロットが、管状体の遠位端部において終端をなし、管状体を経由して横断通路を形成しており、
横断通路が、管状体を経由して長手方向固定要素を受けるように適合されており、
管状体が、第1延在部と、第1延在部の反対側の第2延在部をさらに備えており、
第1延在部が、第1長手方向スロット及び第2長手方向スロットによって第2延在部から分離されており、
第1延在部が、外科手術用器具を椎骨アンカー上の第1コネクタに取り外し可能に接続するための第1旋回アームと、外科手術用器具を椎骨アンカー上の第2コネクタに取り外し可能に接続するための第2旋回アームを備えており、
第1旋回アームが、第1作動端部と、第1作動端部の反対側の第1取り付け端部を有しており、
第2旋回アームが、第2作動端部と、第2作動端部の反対側の第2取り付け端部を有しており、
第1旋回アームが、第1開き防止スロットを規定しており、

第2旋回アームが、第2開き防止スロットを規定しており、
第1開き防止スロットが、第1作動端部から第1取り付け端部に延在しており、
第1開き防止スロットは、長手方向通路に開放されており、
第1開き防止スロットは、第2器具上の第1開き防止要素を受けるように適合されており、
第2開き防止スロットが、第2作動端部から第2取り付け端部に延在しており、
第2開き防止スロットが、長手方向通路に開放されており、
第2開き防止スロットが、第2器具上の第2開き防止要素を受けるように適合されている、外科手術用器具。
【請求項2】
管状体が、少なくとも一部分が第1延在部内に延在する第1細長アパーチャと、少なくとも一部分が第2延在部内に延在する第2細長アパーチャを規定している、請求項1の外科手術用器具。
【請求項3】
第1旋回アームが第1細長アパーチャ内に旋回的に装着されているとともに、第2旋回アームが第2細長アパーチャ内に旋回的に装着されており、及び/又は、
第1旋回アームが、第1旋回接続部によって第1細長アパーチャ内に装着されているとともに、第2旋回アームが第2旋回接続部によって第2細長アパーチャ内に装着されている、請求項2の外科手術用器具。
【請求項4】
第1旋回アームの第1作動端部が、第1ドッグレッグ形セクションによって第1取り付け端部に接続されており、
第2旋回アームの第2作動端部が、第2ドッグレッグ形セクションによって第2取り付け端部に接続されている、請求項1から3のいずれか一項の外科手術用器具。
【請求項5】
第1開き防止スロットが、管状体の近位端部に面する第1ドッグレッグ形セクションにおいて、第1アパーチャを規定しており、
第1アパーチャが、第2器具上の第1開き防止要素を軸方向に受けるように構成されており、
第2開き防止スロットが、管状体の近位端部に面する第2ドッグレッグ形セクションにおいて、第2アパーチャを規定しており、
第2アパーチャが、第2器具上の第2開き防止要素を軸方向に受けるように構成されており、及び/又は、
第1旋回アームが、第1ドッグレッグ形セクションにおいて第1旋回接続部に接続されており、
第2旋回アームが、第2ドッグレッグ形セクションにおいて第2旋回接続部に接続されている、請求項4の外科手術用器具。
【請求項6】
第1旋回アーム及び第2旋回アームが、第1取り付け端部及び第2取り付け端部が椎骨アンカーに取り付け可能である取り付け位置と、第1取り付け端部及び第2取り付け端部が椎骨アンカーから撤収可能である解放位置との間で、管状体に対して旋回的に変位可能である、請求項1から5のいずれか一項の外科手術用器具。
【請求項7】
第1旋回アームの第1作動端部が、前記取り付け位置におけるよりも解放位置における方が長手方向軸により近接しており、
第2旋回アームの第2作動端部が、前記取り付け位置におけるよりも解放位置における方が長手方向軸により近接している、請求項6の外科手術用器具。
【請求項8】
第1旋回アームを前記取り付け位置に向けて付勢する第1付勢要素と、第2旋回アームを前記取り付け位置に向けて付勢する第2付勢要素をさらに備えている、請求項6又は7の外科手術用器具。
【請求項9】
第1付勢要素が、第1旋回アームの第1作動端部に第1径方向外向き付勢力をかける第1ばねを備えており、
第2付勢要素が、第2旋回アームの第2作動端部に第2径方向外向き付勢力をかける第2ばねを備えている、請求項8の外科手術用器具。
【請求項10】
第1旋回アーム及び第2旋回アームが、第1旋回アーム及び第2旋回アームの第1作動端部及び第2作動端部にそれぞれ印加された径方向内向き力に応じて、第1径方向外向き付勢力及び第2径方向外向き付勢力に抗って前記解放位置に向けて旋回的に変位可能である、請求項9の外科手術用器具。
【請求項11】
第1旋回アーム及び第2旋回アームの前記解放位置への旋回的変位によって、第1ばね及び第2ばねが蓄積されたエネルギを負って圧縮される、請求項9又は10の外科手術用器具。
【請求項12】
第1旋回アームの第1作動端部が、第1ばねを受ける第1窪みを備えており、
第2旋回アームの第2作動端部が、第2ばねを受ける第2窪みを規定している、請求項9から11のいずれか一項の外科手術用器具。
【請求項13】
第1旋回アームが前記取り付け位置にあるときに、第1旋回アームの第1作動端部が、第1アパーチャから径方向外向きに突出しており、
第2旋回アームが前記取り付け位置にあるときに、第2旋回アームの第2作動端部が、第2アパーチャから径方向外向きに突出しており、及び/又は、
第1アパーチャが、第1旋回アームの前記取り付け位置を超える旋回的変位を制限するための第1止めと、第1旋回アームの前記解放位置を超える旋回的変位を制限するための第2止めと、を備えている、請求項6から12のいずれか一項の外科手術用器具。
【請求項14】
第1旋回アームが前記取り付け位置に変位されると、第1旋回アームの第1取り付け端部が、長手方向通路内に延在し、
第2旋回アームが前記取り付け位置に変位されると、第2旋回アームの第2取り付け端部が長手方向通路内に延在し、及び/又は、
第1旋回アームが前記解放位置に変位されると、第1旋回アームの第1取り付け端部が長手方向通路の外に出て、
第2旋回アームが前記解放位置に変位されると、第2旋回アームの第2取り付け端部が長手方向通路の外に出る、請求項6から13のいずれか一項の外科手術用器具。
【請求項15】
管状体の近位端部が、第2器具を長手方向通路の内部において軸方向にガイドするための接続要素を備えている、請求項1から14のいずれか一項の外科手術用器具。
【国際調査報告】