(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-02
(54)【発明の名称】非侵襲性音響サブシジョンによって組織およびセルライトを治療するシステム、デバイス、および方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/225 20060101AFI20220526BHJP
A61H 23/00 20060101ALI20220526BHJP
【FI】
A61B17/225
A61H23/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559069
(86)(22)【出願日】2020-04-02
(85)【翻訳文提出日】2021-11-29
(86)【国際出願番号】 US2020026425
(87)【国際公開番号】W WO2020206146
(87)【国際公開日】2020-10-08
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515245583
【氏名又は名称】ソリトン, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】カペッリ, クリストファー シー.
(72)【発明者】
【氏名】ロバートソン, デイビッド ダブリュー.
【テーマコード(参考)】
4C074
4C160
【Fターム(参考)】
4C074AA01
4C074AA03
4C074AA04
4C074BB01
4C160JJ33
(57)【要約】
本開示の実施形態は、非集束または平面非キャビテーティング音響衝撃波を使用して、真皮、脂肪、筋骨格、血管、肝組織等の組織に物理的効果を誘発するシステム、デバイス、および方法を対象とする。物理的効果は、標的組織の線維性細胞外基質の破壊を含む。本開示の実施形態は、高速音響パルス(例えば、衝撃波)を印加し、線維性細胞外基質に崩壊を引き起こし、治療エリア内のセルライトまたは瘢痕の出現を低減させることを含む。そのような非集束または平面非キャビテーティング音響衝撃波は、線維症の軽減、血管形成の誘発、またはリンパ管形成等の組織反応を誘発し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速音響パルスを使用して、線維構造の破壊を引き起こすように構成された音響サブシジョンデバイスであって、前記音響サブシジョンデバイスは、
筐体と、
前記筐体に結合されたパルス発生システムと、
前記パルス発生システムに結合され、前記パルス発生システムに衝撃波パルスを発生させるように構成されたコントローラと
を備え、
前記衝撃波パルスは、線維性脂肪中隔の破壊を引き起こすように構成されている、音響サブシジョンデバイス。
【請求項2】
前記筐体は、チャンバおよび衝撃波出口を画定し、前記チャンバは、液体を受け取るように構成され、前記筐体は、
前記チャンバ内に配置され、1つ以上のスパーク間隙を画定するように構成された複数の電極と、
前記チャンバ内に配置された音響反射体と、
前記複数の電極に機械的に結合された単一のサーボモータと
をさらに備え、
前記スパーク間隙の各々は、スパーク間隙サイズと、スパーク間隙場所とを有し、
前記単一のサーボモータは、一貫したスパーク間隙サイズおよびスパーク間隙場所を維持するように前記複数の電極のうちの各電極を調節するように構成されている、請求項1に記載の音響サブシジョンデバイス。
【請求項3】
前記音響反射体は、自由形状音響反射体を備えている、請求項2に記載の音響サブシジョンデバイス。
【請求項4】
前記複数の電極は、第1の電極と、第2の電極とを備え、
前記単一のサーボモータは、前記第1の電極および前記第2の電極に機械的に結合されている、請求項2に記載の音響サブシジョンデバイス。
【請求項5】
前記第2の電極に機械的に結合された複数の旋回アームをさらに備えている、請求項4に記載の音響サブシジョンデバイス。
【請求項6】
前記複数の旋回アームは、前記単一のサーボモータが作動させられることに応答して、前記第1の電極に向かって前記第2の電極を前進させるように構成されている、請求項5に記載の音響サブシジョンデバイス。
【請求項7】
前記複数の電極を移動させ、一貫した長さで前記スパーク間隙を維持するように動作するように、閉ループ制御を介して、前記単一のサーボモータに信号を送るように構成されたコントローラをさらに備えている、請求項2に記載の音響サブシジョンデバイス。
【請求項8】
前記コントローラは、前記閉ループ制御を介して、前記単一のサーボモータに信号を送るようにさらに構成され、前記単一のサーボモータに信号を送るために、前記コントローラは、
識別された充電電圧における前記複数の電極の放電のパルス時間を測定することと、
前記測定されたパルス時間に基づいて、移動するように前記単一のサーボモータに信号を送り、それによって、一貫した長さで前記スパーク間隙を維持することと
を行うように構成されている、請求項7に記載の音響サブシジョンデバイス。
【請求項9】
前記パルス発生システムは、前記筐体が前記パルス発生システムに対して移動可能であり、前記パルス発生システムが前記複数の電極と電気通信するように、前記複数の電極に結合されるように構成されている、請求項2に記載の音響サブシジョンデバイス。
【請求項10】
前記音響反射体は、前記筐体と一体型である、請求項9に記載の音響サブシジョンデバイス。
【請求項11】
前記パルス発生システムは、電気液圧式(EH)スパークヘッドを備えている、請求項1に記載の音響サブシジョンデバイス。
【請求項12】
前記衝撃波パルスの各音響波面は、500ナノ秒より小さい立ち上がり時間を有する、請求項1-11のいずれかに記載の音響サブシジョンデバイス。
【請求項13】
前記衝撃波パルスの各音響波面は、150ナノ秒~300ナノ秒の立ち上がり時間を有する、請求項1-12のいずれか1項に記載の音響サブシジョンデバイス。
【請求項14】
前記衝撃波パルスは、1~20MPaのピーク出力圧力を有する、請求項1-13のいずれか1項に記載の音響サブシジョンデバイス。
【請求項15】
前記音響サブシジョンデバイスは、10Hzより大きいパルス繰り返し率において前記衝撃波パルスを出力するように構成されている、請求項1-14のいずれか1項に記載の音響サブシジョンデバイス。
【請求項16】
前記音響サブシジョンデバイスは、20Hzより大きいパルス繰り返し率において前記衝撃波パルスを出力するように構成されている、請求項1-14のいずれか1項に記載の音響サブシジョンデバイス。
【請求項17】
高速音響パルスを使用して、線維構造の破壊を引き起こすように構成された音響サブシジョンシステムであって、前記音響サブシジョンシステムは、
衝撃波発生プローブであって、前記衝撃波発生プローブは、
筐体と、
前記筐体に結合されたパルス発生システムと、
前記筐体に結合された自由形状反射体ヘッドと、
前記パルス発生システムに結合され、前記パルス発生システムに衝撃波パルスを発生させるように構成されたコントローラと
を備え、前記衝撃波パルスは、線維性脂肪中隔の破壊を引き起こすように構成されている、衝撃波発生プローブと、
治療部位において陰圧を発生させるように構成された真空ヘッドと
を備えている、音響サブシジョンシステム。
【請求項18】
真空システムをさらに備え、前記真空システムは、
制御ユニットであって、前記制御ユニットは、
弁と、
前記弁に結合され、前記弁を調節するように構成されたモータと、
前記弁の位置に対応する指示を出力するように構成されたインジケータと、
制御信号を前記モータおよび前記インジケータに送信するように構成されたコントローラと
を備えている、制御ユニットと、
前記コントローラおよび前記真空ヘッドに結合された導管と
を備え、
前記真空ヘッドは、
窓および1つ以上のポートを画定する真空ヘッド筐体と、
前記真空ヘッド筐体に結合された柔軟部材と、
前記真空ヘッド筐体に結合された1つ以上のセンサと、
前記真空ヘッド筐体に結合された1つ以上のライトと
を備えている、請求項17に記載の音響サブシジョンシステム。
【請求項19】
前記コントローラは、前記真空ヘッドと統合され、前記線維構造は、皮膚線維構造、皮下線維構造、または両方を含む、請求項17に記載の音響サブシジョンシステム。
【請求項20】
音響サブシジョンデバイスを使用して、患者を治療し、セルライトの外観を改善する方法であって、前記方法は、
治療部位に近接して前記音響サブシジョンデバイスを位置付けることと、
衝撃波を前記治療部位に印加することと
を含み、
前記衝撃波は、線維性脂肪中隔に破壊を引き起こすように構成されている、方法。
【請求項21】
複数の衝撃波を前記治療部位に印加することをさらに含み、前記複数の衝撃波は、10Hz~200Hzのパルス繰り返し率において印加される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記複数の衝撃波は、治療セッションにわたる複数の治療持続時間にわたって印加される、請求項20または21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記治療部位は、複数の治療場所を含み、前記複数の衝撃波は、皮膚線維構造、皮下線維構造、または両方の破壊を引き起こす、請求項20-22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記音響サブシジョンデバイスを前記治療部位の第2の治療場所に再配置することと、
第2の衝撃波を前記第2の治療場所に印加することと、
前記治療部位のための治療セッションを中止することと
をさらに含む、請求項20-23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記治療部位は、100cm
2の面積を有する、請求項20-24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記治療部位は、400cm
2の面積を有する、請求項20-25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
治療セッションは、1回以上の治療を前記治療部位の1つ以上の治療場所に印加することを含み、治療セッションは、毎日、毎週、または毎月繰り返される、請求項20-26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記治療部位内の皮膚隆線またはくぼみの位置を特定することをさらに含み、複数の衝撃波は、前記皮膚隆線またはくぼみに印加される、請求項20-27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記治療部位上に真空ヘッドを位置付けることと、
前記真空ヘッドを前記治療部位に適用することと、
前記治療部位において陰圧を発生させることと
をさらに含む、請求項20-28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
冷気を前記治療部位に印加することをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記治療部位から前記真空ヘッドを除去することをさらに含む、請求項29または30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記衝撃波は、自由形状音響反射体から放出される、請求項20-31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記自由形状音響反射体は、形状が放物線ではない、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記衝撃波の音響波面は、500ナノ秒より小さい立ち上がり時間を有する、請求項20-33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記衝撃波の音響波面は、150ナノ秒~300ナノ秒より小さい立ち上がり時間を有する、請求項20-34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記衝撃波は、1~20MPaのピーク出力圧力を有する、請求項20-35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記衝撃波は、5MPaのピーク出力圧力を有し、プローブは、50Hzのパルス繰り返し率を有する、請求項20-36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記治療部位の治療場所のための治療持続時間は、1分であり、前記治療部位のための治療セッションは、25~45分である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記衝撃波は、6MPaのピーク出力圧力を有し、プローブは、100Hzのパルス繰り返し率を有する、請求項20-36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記治療部位の治療場所のための治療持続時間は、3分であり、前記治療部位のための治療セッションは、25~45分である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記治療部位の治療場所あたり500~60,000回の音響パルスを印加することをさらに含む、請求項20-40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
高速音響パルスを使用して、線維構造に破壊を引き起こすことによって、患者を治療し、セルライトの外観を改善する方法であって、前記方法は、
セルライトを含む治療部位を識別することと、
一連の衝撃波パルスを前記治療部位に印加することと
を含む、方法。
【請求項43】
前記治療部位に対応する治療エリアは、前記治療部位の外部から0.5~6cmの深度以内である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記治療部位は、性器、臀部、大腿部、腹部、腰、上腕エリア、またはそれらの一部である、請求項42または43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記衝撃波パルスは、非集束および非キャビテーティング衝撃波に対応する、請求項42-44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記衝撃波パルスは、150ナノ秒~300ナノ秒の衝撃波面を有する、請求項42-45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記衝撃波パルスは、少なくとも0.015mJ/mm
2を有する、請求項42-46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記衝撃波パルスは、0.01mJ/mm
2~5mJ/mm
2を有する、請求項42-46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記衝撃波パルスは、少なくとも10Hzのパルス繰り返し率を有する、請求項42-48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記衝撃波パルスは、20Hz~1,000Hzのパルス繰り返し率を有する、請求項42-48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記衝撃波パルスは、0.5cm
2~20cm
2の面積を有する衝撃波出口窓を介して伝搬される、請求項42-50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記衝撃波パルスは、実質的に平面状の衝撃波である、請求項42-51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
前記衝撃波パルスは、電気液圧式波発生器を含むプローブによって放出される、請求項42-52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記プローブは、流体充填チャンバと、前記チャンバ内に配置され、1つ以上のスパーク間隙を画定するように構成された複数の電極とを備え、前記複数の電極は、パルス発生システムから電圧パルスを受け取るように構成され、それによって、前記流体充填チャンバの液体の一部が、蒸発させられ、前記液体を通して、治療部位または真空ヘッドと接触する前記衝撃波出口窓に衝撃波を伝搬する、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記プローブは、前記複数の電極を受け取るように、かつ前記流体充填チャンバを画定するように構成された筐体を備え、前記筐体は、前記チャンバを画定する自由形状音響反射体表面を備えている、請求項53または54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記衝撃波パルスは、前記治療部位のために1~30分の治療時間にわたって放出される、請求項42-55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記治療部位のための治療は、少なくとも6週間にわたって2週間に少なくとも1回生じる、請求項42-56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
真空システムであって、前記真空システムは、
ポンプに結合するように構成された制御ユニットと、
前記制御ユニットおよび真空ヘッドに結合するように構成された導管と
を備え、
前記真空ヘッドは、治療部位に結合するように構成され、
前記真空ヘッドは、
窓および1つ以上のポートを画定する真空ヘッド筐体と、
前記真空ヘッド筐体に結合された柔軟部材と、
前記真空ヘッド筐体に結合された1つ以上のセンサと、
前記真空ヘッド筐体に結合された1つ以上のライトと
を備えている、真空システム。
【請求項59】
前記ポンプをさらに備えている、請求項58に記載の真空システム。
【請求項60】
前記制御ユニットは、前記ポンプと統合され、前記真空ヘッドは、前記治療部位の皮膚を前記真空ヘッドの中に持ち上げることによって、音響サブシジョンを支援するように構成されている、請求項59に記載の真空システム。
【請求項61】
前記柔軟部材は、治療部位に接着し、前記治療部位と前記真空ヘッドとの間にシールを生成するように構成されたフォトポリマーフランジを備えている、請求項58-60のいずれかに記載の真空システム。
【請求項62】
前記柔軟部材は、治療部位に接着し、前記治療部位と前記真空ヘッドとの間にシールを生成するように構成されたオーバーモールドされたフランジを備えている、請求項58-60のいずれかに記載の真空システム。
【請求項63】
前記フォトポリマーフランジまたは前記オーバーモールドされたフランジは、30ショアA~50ショアAの硬度を有する、請求項61または62のいずれかに記載の真空システム。
【請求項64】
前記1つ以上のセンサは、前記真空ヘッドの真空状態を示すデータを発生させるように構成されている、請求項58-63のいずれかに記載の真空システム。
【請求項65】
前記1つ以上のライトは、治療部位を照明すること、前記真空ヘッドの真空状態を示すこと、または両方を行うように構成されている、請求項58-64のいずれかに記載の真空システム。
【請求項66】
前記1つ以上のセンサは、圧力センサ、赤外線センサ、または両方を含む、請求項58-65のいずれかに記載の真空システム。
【請求項67】
前記制御ユニットは、
弁と、
前記弁に結合され、前記弁を調節するように構成されたモータと、
前記弁の位置に対応する指示を出力するように構成されたインジケータと、
制御信号を前記モータおよび前記インジケータに送信するように構成されたコントローラと
をさらに備えている、請求項58-66のいずれかに記載の真空システム。
【請求項68】
真空システムであって、前記真空システムは、
ポンプに結合するように構成された統合真空デバイスを備え、
統合真空デバイスは、
1つ以上のポートおよび1つ以上の貫通チャネルを画定する本体と、
前記本体に結合され、前記1つ以上のポートの反対側にある真空ヘッドと
を含み、
前記真空ヘッドは、
窓および1つ以上のポートを画定する真空ヘッド筐体と、
前記真空ヘッド筐体に結合された柔軟部材と、
前記真空ヘッド筐体に結合された1つ以上のセンサと、
前記真空ヘッド筐体に結合された1つ以上のライトと
を備えている、真空システム。
【請求項69】
前記ポンプをさらに備えている、請求項68に記載の真空システム。
【請求項70】
前記真空ヘッドは、前記治療部位の皮膚を前記真空ヘッドの中に持ち上げることによって、音響サブシジョンを支援するように構成されている、請求項68または69のいずれかに記載の真空システム。
【請求項71】
前記柔軟部材は、治療部位に接着し、前記治療部位と前記真空ヘッドとの間にシールを生成するように構成されたフォトポリマーフランジを備えている、請求項68-70のいずれかに記載の真空システム。
【請求項72】
前記柔軟部材は、治療部位に接着し、前記治療部位と前記真空ヘッドとの間にシールを生成するように構成されたオーバーモールドされたフランジを備えている、請求項68-70のいずれかに記載の真空システム。
【請求項73】
前記フォトポリマーフランジまたは前記オーバーモールドされたフランジは、30ショアA~50ショアAの硬度を有する、請求項71または72のいずれかに記載の真空システム。
【請求項74】
前記1つ以上のセンサは、前記真空ヘッドの真空状態を示すデータを発生させるように構成されている、請求項68-73のいずれかに記載の真空システム。
【請求項75】
前記1つ以上のライトは、治療部位を照明すること、前記真空ヘッドの真空状態を示すこと、または両方を行うように構成されている、請求項68-74のいずれかに記載の真空システム。
【請求項76】
前記1つ以上のセンサは、圧力センサ、赤外線センサ、または両方を含む、請求項68-75のいずれかに記載の真空システム。
【請求項77】
前記本体は、制御ユニットをさらに含み、
前記制御ユニットは、
弁と、
前記弁に結合され、前記弁を調節するように構成されたモータと、
前記弁の位置に対応する指示を出力するように構成されたインジケータと、
制御信号を前記モータおよび前記インジケータに送信するように構成されたコントローラと
を備えている、請求項68-76のいずれかに記載の真空システム。
【請求項78】
高速音響パルスを使用して、組織の破壊を引き起こすように構成された音響サブシジョンデバイスであって、前記音響サブシジョンデバイスは、
真空ヘッド筐体と、
前記真空ヘッド筐体に結合されたパルス発生システムと、
前記パルス発生システムに結合され、前記パルス発生システムに衝撃波パルスを発生させるように構成されたコントローラと
を備え、
前記衝撃波パルスは、組織の線維性細胞外基質構造の破壊を引き起こすように構成されている、音響サブシジョンデバイス。
【請求項79】
前記衝撃波パルスは、非集束および非キャビテーティングである、請求項1または78のいずれか1項に記載の音響サブシジョンデバイス。
【請求項80】
前記衝撃波パルスは、0.5マイクロ秒より小さい負のパルス成分を有する、請求項1、78、または79のいずれか1項に記載の音響サブシジョンデバイス。
【請求項81】
前記衝撃波パルスは、1マイクロ秒より小さい負のパルス成分を有する、請求項1、78、または79のいずれか1項に記載の音響サブシジョンデバイス。
【請求項82】
衝撃波パルスは、2マイクロ秒より小さい負のパルス成分を有する、請求項1、78、または79のいずれか1項に記載の音響サブシジョンデバイス。
【請求項83】
非キャビテーティング高速音響パルスを使用して、組織構造の破壊を誘発することによって、ヒトまたは動物の組織症状を治療する方法であって、前記方法は、
治療部位を識別することと、
一連の衝撃波パルスを前記治療部位に印加することと
を含む、方法。
【請求項84】
前記治療部位は、ケロイド、肥厚性瘢痕、またはインプラント被膜収縮を含む、請求項20-41または83のいずれか1項に記載の方法。
【請求項85】
前記治療部位は、線維性プラークを含む、請求項20-41または83のいずれか1項に記載の方法。
【請求項86】
前記治療部位は、線維性器官を含む、請求項20-41または83のいずれか1項に記載の方法。
【請求項87】
前記高速音響パルスは、非集束である、請求項20-41、83-86のいずれか1項に記載の方法。
【請求項88】
前記高速音響パルスは、実質的に平面状である、請求項20-41、83-87のいずれか1項に記載の方法。
【請求項89】
前記高速音響パルスは、0.5マイクロ秒より小さい負のパルス成分を有する、請求項20-41または83-88のいずれか1項に記載の方法。
【請求項90】
前記高速音響パルスは、1マイクロ秒より小さい負のパルス成分を有する、請求項20-41または83-88のいずれか1項に記載の方法。
【請求項91】
前記高速音響パルスは、2マイクロ秒より小さい負のパルス成分を有する、請求項20-41または83-88のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる2019年4月3日に出願された米国仮特許出願第62/829,026号、および2019年8月28日に出願された米国仮特許出願第62/892,973号の利益を主張する。
(技術分野)
【0002】
本発明は、概して、衝撃波を使用する組織およびセルライトのための治療のデバイスおよび方法に関する。限定ではないが、より具体的に、本発明は、衝撃波を使用して、標的組織の線維性細胞外基質の破壊を引き起こすための治療の方法に関する。
【背景技術】
【0003】
女性型リポジストロフィは、皮膚の局所構造の改変、例えば、平滑な外観ではなく、くぼんだ外観につながる皮下組織の局所性障害である。一般的に「セルライト」として公知であるこの症状は、腰部、臀部、および大腿部に出現する。
【0004】
セルライトは、皮下組織において、より具体的に、表皮および真皮層の下方の皮下脂肪組織において形成される。この領域では、脂肪細胞が、中隔と呼ばれる(小柱とも称され、コラーゲン束を含む)線維性結合組織帯によって包囲される空洞内に配置される。セルライトは、これらの線維構造(例えば、支柱)の略平行向きに起因し得、これらの構造は、皮膚といくぶん垂直である。これらの線維構造によって画定される周辺内に保持される脂肪細胞は、体重増加および加齢に伴って拡張し、それは、例えば、中隔および周辺結合組織を引き伸ばす。最終的に、この結合組織が、収縮し、硬化し(硬化性になり)、ある非伸縮性の長さで皮膚を保持する一方、中隔間の空洞は、例えば、体重増加または水分増加に伴って拡張し続ける。これは、皮膚のエリアが引き下ろされるが、隣接する区分が外向きに膨張することをもたらし、望ましくない凹凸のある「オレンジの皮」または「カッテージチーズ」のような外観をもたらす。
【0005】
サブシジョンは、陥没皮膚瘢痕、しわ、および、セルライトのくぼみおよび隆線を治療するために使用される外科的手技である。それは、皮下切開外科手術とも称される。サブシジョンは、皮膚表面内の穿刺を通して挿入される特殊な皮下注射針(例えば、3ベベル皮下注射針)を使用して実施される。皮下注射針の鋭い縁は、皮膚欠陥(例えば、瘢痕、しわ、またはセルライトくぼみ)を下層組織に繋いでいる線維性ストランドを断絶するために表皮下切断(「sub」cuticular cuts)または切開(「cision」)を行うために、欠陥の下で操作される。この手技の原理は、瘢痕を下層皮下組織に繋いでいる線維性ストランドを断絶することである。欠陥または陥没は、手技の解放作用によるのみならず、正常な創傷治癒の過程中に形成される新しい結合組織から持ち上げられる。皮下注射針を用いてサブシジョンを実施することの代替として、レーザ(例えば、レーザ支援サブシジョン)が、サブシジョンを実施するために使用されることができる。レーザは、皮膚欠陥を繋いでいる線維性ストランドへの照準線を有するように皮膚表面内の穿刺の中に挿入され得、それによって、レーザが、放射線を用いて線維性ストランドを「切断」するためのエネルギーを印加できる。
【0006】
一例として、3ベベル皮下注射針を使用するサブシジョンは、局部または浸潤等の局所麻酔下で実施される。18または20番ゲージ針またはNokor針(1.5インチ、18ゲージ)が、ベベルを上向きにして皮膚表面と平行に、皮膚陥没に隣接して挿入され、深部真皮の中に挿入される。針は、皮膚または深部皮膚皮下面における線維帯を解放するように、瘢痕または欠陥の下で扇状運動において前後に移動させられる。針は、除去され、創傷は、過剰な血液を排出し、大きな血腫形成を防止するために退出点の周囲で円周方向に圧搾される。小さい血腫が、形成されることが可能にされ、それは、解放された瘢痕を支持する。止血が、圧力および氷冷法を用いて維持される。
【0007】
現在のサブシジョン方法による、皮下領域内の線維中隔の切断または解放は、労働集約的であり、時間がかかり、技法は、極めて可変的である。打撲傷および軽い痛みが、手技に続く数日にわたってよく見られ、介入を伴わずに経時的に解消するであろう。
【0008】
サブシジョンに加えて、セルライトの治療、および不要な脂肪組織の除去のための種々の他のアプローチが、提案されている。例えば、罹患エリアへの機械的マッサージ技法が、皮膚の外観を平滑化するために、凹凸のある組織を分解すること、および/またはリンパ排液を増加させることを目標にして、試行され、提案されている。別の例として、種々の局部作用物質の適用が、凹凸のある組織を分解すること、および/またはコラーゲンを増加させることを目標にして、提案されている。超音波を使用し、皮下組織を破壊する方法およびデバイスも、説明されている。そのような方法およびデバイスは、治癒応答を誘発し、コラーゲン成長を促進することを目標にして、生物学的効果および応答を引き起こすことによって、他の皮下組織(例えば、線維中隔以外の組織および構造)を破壊する。
【0009】
しかしながら、そのような他のアプローチは、セルライトを治療するために、サブシジョンと比較して異なる機構に依拠する。具体的に、他のアプローチは、サブシジョンで使用されるプロセスである皮膚欠陥(例えば、瘢痕、しわ、またはセルライトくぼみ)を下層組織に繋いでいる線維性ストランドを断絶することを試行せず、それが可能であることが示されていない。サブシジョンは、より長く続く結果、およびより進行したセルライト(例えば、グレード2以上のセルライト)を治療する能力を提供するが、サブシジョンは、疼痛、麻酔、治癒時間、合併症、感染症の危険性等の外科的手技に伴う全ての欠点を有する。例えば、合併症は、出血に起因する大きい血腫(小さい血腫は正常である)、治療された部位における疼痛/圧痛、肥厚性瘢痕(5~10%)またはケロイド瘢痕、感染症、一時的な炎症後色素脱失(日焼け防止/回避が要求される)、準最適応答または改善の不足、神経または血管への傷害等を含む。治癒プロセスは、数週間かかり得、痛みを伴う打撲傷および/または治療部位の近傍の血腫形成が、よく見られる。
【0010】
また、サブシジョンは、肥厚性またはケロイド瘢痕、現在または最近の(例えば、12ヶ月以内の)全身性経口レチノイド(例えば、アシトレチン、イソトレチノイン等)薬剤、出血または血液凝固障害(例えば、凝固障害)、活動性細菌またはウイルス性感染症等の病歴を伴う患者等のある患者集団のために好適ではない。したがって、現在の非侵襲性技法は、サブシジョンを実施することが不可能であり、進行したセルライト、瘢痕、および線維性障害の出現を低減させることに効果的ではなく、現在の侵襲性技法は、ある患者集団で使用されることができず、有意な合併症、疼痛、および回復時間を有する。
【0011】
加えて、体外衝撃波療法(ESWT)が、広範囲の適応症のために過去40年にわたって臨床医学で利用されている。組織へのESWTの影響は、大部分がキャビテーション気泡の結果としての機構であると考えられる。崩壊するキャビテーション気泡の領域内に及ぼされる強い力が、組織における機械的破壊または微小病変を引き起こす。この組織破壊は、新しい血管形成等の組織反応(例えば、治癒)につながる。
【0012】
キャビテーション気泡は、衝撃波の立ち下がり陰圧パルス中に生じ、成長する。キャビテーション気泡が崩壊するとき、それらは、流動場を発生させ、流動場は、その近傍の付着細胞における剪断応力を誘発する。剪断応力は、細胞と基質との間の接着力を断絶し、細胞を破壊し、または細胞膜を過渡的に透過性にし、分子摂取を促進するために十分に強力である。
【0013】
しかしながら、キャビテーション気泡は、痛みを伴う治療をもたらし得る。ESWTおよび他の集束衝撃波療法は、通常、突き刺すようであり、鋭いものとして説明される衝撃波誘発疼痛を生じる。衝撃波の形成、移動、および爆縮は、疼痛をもたらす皮膚内の表在性侵害受容器、および腎皮膜、胸膜、腹膜、および筋肉内の深部内臓侵害受容器の刺激につながるキャビテーション気泡を体液または組織内に発生させた。したがって、現在の衝撃波療法は、組織反応を促進すること、および、キャビテーションに依拠することなく、疼痛を引き起こすことなく療法を提供することができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本開示の実施形態は、高周波数衝撃波を使用して、標的組織の線維性細胞外基質を破壊するためのシステム、デバイス、および方法を対象とする。いくつかの実施形態において、高周波数衝撃波は、皮下脂肪内の硬化性(例えば、剛直性で無反応な)線維中隔を切断するように、皮膚に印加される。皮下脂肪内の線維中隔の破壊および/または切断は、皮膚(例えば、より平滑な皮膚)上のセルライトの外観の改善をもたらし得る。皮下脂肪内の線維中隔の破壊および/または切断は、従来の音響療法によって生成されない物理的効果である。本明細書に説明される高周波数衝撃波は、コラーゲン形成、血管形成、リンパ管形成、および炎症阻害等の従来の音響療法と類似する生物学的効果も生成し、または引き起こす。いくつかの実施形態において、印加された衝撃波は、衝撃波が皮膚隆線、くぼみ、または欠陥に印加されるような率および規模において印加される。いくつかの実施形態において、医療および美容治療方法は、公知のシステムに対して、望ましくない副作用および治療あたりの合計時間(TTPT)を低減させることができる。さらに、本衝撃波療法は、合併症を大いに軽減し、治療の合間の時間を短縮し、患者快適性を増加させるために、非侵襲的に使用されることができる。
【0015】
本開示のいくつかの実施形態は、非集束非キャビテーティング高速音響パルス(RAP)(例えば、音響衝撃波パルス)を使用して、組織構造の線維性細胞外基質の機械的破壊を通して、組織反応を誘発するシステム、デバイス、および方法を対象とする。本開示のそのような実施形態は、高速音響パルスを印加し、組織構造に破壊を引き起こし、疼痛を伴わずに組織反応をもたらすことを含む。特定の実施形態において、組織反応は、線維症の軽減である。別の特定の実施形態において、組織反応は、血管形成、コラーゲン形成、またはリンパ管形成の誘発である。そのような組織反応は、創傷、瘢痕(すなわち、ケロイド、肥厚性等)、インプラント被膜収縮、線維性プラーク(例えば、ペイロニー病)、線維性器官(例えば、肝線維症)等の治療に有用性を有する。
【0016】
音響衝撃波の2つの基本的効果が存在し、1つ目は、機械力の直接発生(正の圧縮高圧上昇からの一次効果等)として特徴付けられ、2つ目は、キャビテーションによって生成される機械力の間接的発生(例えば、高速圧力マイクロ噴射)である。キャビテーションは、衝撃波の負の引張圧力領域からの二次効果である。さらに、衝撃波の正および負の部分/領域は、連携して稼働し、音響圧力衝撃波効果を向上させる相乗効果を有する。
【0017】
集束音響衝撃波では、キャビテーションは、それぞれの組織症状に存在する病原体の外膜を破壊することにおいて、または組織再生を促すために主要な役割を果たす。集束音響衝撃波では、「集束音響圧力衝撃波、または拡散音響圧力波、または平面音響圧力波、または円筒音響圧力波のキャビテーション相のための最大電位を有するために、繰り返し率または周波数は、好ましくは、1~8Hzの範囲内である。」(米国特許第US20180221688A1号)さらに、キャビテーション気泡は、それらの最大寸法まで成長し、次いで、100m/秒を上回る速度を有する高速噴射を伴って崩壊するために十分な時間を必要とする。8Hzよりも高い周波数は、通常、組織症状の治療では好ましくない。米国特許第US20180221688A1号を参照されたい。
【0018】
米国特許第6,390,995号に開示されるように、集束衝撃波療法に起因する微細破壊は、十分な組織血管化につながる血管新生の増加を促す目的のために、制御された様式で、細胞変化、および細胞外基質および高分子変化を誘発すると考えられる。循環および血管化の増加は、次いで、身体の自然な細胞(組織特有の)治癒プロセスを誘発する。重要な組織効果は、波伝搬の陰性相によって引き起こされるキャビテーションからのものである。
【0019】
しかしながら、集束衝撃波療法に関する1つの問題は、キャビテーション気泡が痛みを伴う治療をもたらし得ることである。衝撃波誘発疼痛は、通常、突き刺すようであり、鋭いものとして説明される。衝撃波の形成、移動、および爆縮は、治療を受ける患者にとって疼痛および不快感をもたらす皮膚内の表在性侵害受容器、および腎皮膜、胸膜、腹膜、および筋肉内の深部内臓侵害受容器の刺激につながるキャビテーション気泡を体液または組織内に発生させた。
【0020】
キャビテーション誘発疼痛によって引き起こされる問題を所与として、従来の(例えば、集束)衝撃波からの有益な効果の多くは、力学的効果ではなく「微生物学効果」を通して組織反応を提供するように、非集束および/または平面状衝撃波の使用を通して取得されることができる。具体的に、非集束および/または平面状衝撃波は、細胞または組織損傷および治療痛をもたらすであろうキャビテーション気泡を生成することなく、細胞応答を促すために使用されることができる。刺激された細胞および組織は、治癒を加速する成長因子のうちの1つ以上のものを放出または産生するであろう。キャビテーション気泡に起因する力学的効果を回避することは、患者が集束衝撃波形態で非常によく見られる疼痛の感覚を体験する必要がないことを効果的に保証する。
【0021】
装置(例えば、高速音響パルスを使用して、線維構造(皮膚および/または皮下)の破壊を引き起こすように構成された音響サブシジョンデバイス)のいくつかの実施形態は、筐体と、筐体に結合されたパルス発生システムと、パルス発生システムに結合され、パルス発生システムに衝撃波パルスを発生させるように構成されたコントローラであって、衝撃波パルスは、線維性脂肪中隔の破壊を引き起こすように構成されたコントローラとを備えている。
【0022】
装置の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、筐体は、チャンバおよび衝撃波出口を画定し、チャンバは、液体を受け取るように構成され、装置は、チャンバ内に配置され、1つ以上のスパーク間隙を画定するように構成された複数の電極と、チャンバ内に配置された音響反射体と、複数の電極に機械的に結合された単一のサーボモータとをさらに備え、スパーク間隙の各々は、スパーク間隙サイズと、スパーク間隙場所とを有し、単一のサーボモータは、複数の電極のうちの各電極を調節し、一貫したスパーク間隙サイズおよびスパーク間隙場所を維持するように構成される。
【0023】
装置の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、音響反射体は、自由形状音響反射体を備えている。いくつかの実装において、複数の電極は、第1の電極と、第2の電極とを備え、単一のサーボモータは、第1の電極および第2の電極に機械的に結合される。
【0024】
装置の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、装置は、第2の電極に機械的に結合された複数の旋回アームをさら備えている。いくつかの実装において、複数の旋回アームは、単一のサーボモータが作動させられることに応答して、第1の電極に向かって第2の電極を前進させるように構成される。
【0025】
装置の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、装置は、複数の電極を移動させ、一貫した長さでスパーク間隙を維持するように動作するように、閉ループ制御を介して、単一のサーボモータに信号を送るように構成されたコントローラをさらに備えている。いくつかの実装において、コントローラは、閉ループ制御を介して、単一のサーボモータに信号を送るようにさらに構成され、単一のサーボモータに信号を送るために、コントローラは、識別された充電電圧における複数の電極の放電のパルス時間を測定し、測定されたパルス時間に基づいて移動するように単一のサーボモータに信号を送り、それによって、一貫した長さでスパーク間隙を維持するように構成される。
【0026】
装置の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、パルス発生システムは、筐体がパルス発生システムに対して移動可能であり、パルス発生システムが複数の電極と電気通信するように、複数の電極に結合されるように構成される。いくつかの実装において、音響反射体は、筐体と一体型である。装置の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、パルス発生システムは、電気液圧式(EH)スパークヘッドを備えている。
【0027】
装置の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、衝撃波パルスの各高周波数波面は、500ナノ秒より小さい立ち上がり時間を有する。いくつかの実装において、衝撃波パルスの各高周波数波面は、100ナノ秒より小さい立ち上がり時間を有する。加えて、または代替として、衝撃波パルスは、1~20MPa、6~20MPa、1~30MPa、または6~30MPaのピーク出力圧力を有する。
【0028】
装置の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、音響サブシジョンデバイスは、10Hzより大きいパルス繰り返し率において衝撃波パルスを出力するように構成される。いくつかの実装において、音響サブシジョンデバイスは、20Hzより大きいパルス繰り返し率において衝撃波パルスを出力するように構成される。
【0029】
本システム(例えば、高速音響パルスを使用して、線維構造の破壊を引き起こすように構成された音響サブシジョンシステム)のいくつかの実施形態は、筐体と、筐体に結合されたパルス発生システムと、筐体に結合された自由形状反射体ヘッドと、パルス発生システムに結合され、パルス発生システムに衝撃波パルスを発生させるように構成されたコントローラであって、衝撃波パルスは、線維性脂肪中隔の破壊を引き起こすように構成されている、コントローラとを含む衝撃波発生プローブと、治療部位において陰圧を発生させるように構成された真空ヘッドとを備えている。
【0030】
本システムの前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、本システムは、弁と、弁に結合され、弁を調節するように構成されたモータと、弁の位置に対応する指示を出力するように構成されたインジケータと、制御信号をモータおよびインジケータに送信するように構成されたコントローラとを備えている制御ユニットと、制御ユニットおよび真空ヘッドに結合するように構成された導管とを含む真空システムをさらに備え、真空ヘッドは、窓および1つ以上のポートを画定する真空ヘッド筐体と、真空ヘッド筐体に結合された柔軟部材と、筐体に結合された1つ以上のセンサと、真空ヘッド筐体に結合された1つ以上のライトとを備えている。本システムの前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、コントローラは、真空ヘッドと統合され、線維構造は、皮膚線維構造、皮下線維構造、または両方を含む。
【0031】
音響サブシジョンデバイスを使用して、患者を治療し、セルライトの外観を改善する本方法のいくつかの実施形態は、治療部位に近接して音響サブシジョンデバイスを位置付けることと、衝撃波を治療部位に印加することであって、衝撃波は、線維性脂肪中隔に破壊を引き起こすように構成されている、こととを含む。本方法の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、本方法は、複数の衝撃波を治療部位に印加することをさらに含み、複数の衝撃波は、10Hz~200Hzのパルス繰り返し率において印加される。
【0032】
本方法の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、複数の衝撃波は、治療セッションにわたる複数の治療持続時間にわたって印加される。いくつかの実装において、治療部位は、複数の治療場所を含み、複数の衝撃波は、皮膚線維構造、皮下線維構造、または両方の破壊を引き起こす。
【0033】
本方法の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、本方法は、音響サブシジョンデバイスを治療部位の第2の治療場所に再配置することと、第2の衝撃波を第2の治療場所に印加することと、治療部位のための治療セッションを中止することとをさらに含む。いくつかの実装において、治療部位は、100cm2の面積を有する。他の実装において、治療部位は、400cm2の面積を有する。
【0034】
本方法の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、治療セッションは、1回以上の治療を治療部位の1つ以上の治療場所に印加することを含み、治療セッションは、毎日、毎週、または毎月繰り返される。
【0035】
本方法の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、本方法は、治療部位内の皮膚隆線を特定することをさらに含み、複数の衝撃波は、皮膚隆線に印加される。
【0036】
本方法の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、本方法は、治療部位上に真空ヘッドを位置付けることと、真空ヘッドを治療部位に適用することと、治療部位において陰圧を発生させることとをさらに含む。いくつかの実装において、本方法は、冷気を治療部位に印加することをさらに含む。加えて、または代替として、本方法は、治療部位から真空ヘッドを除去することをさらに含む。
【0037】
本方法の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、衝撃波は、自由形状音響反射体から放出される。いくつかの実装において、自由形状音響反射体は、形状が放物線ではない、または放物面形状ではない。
【0038】
本方法の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、衝撃波の高周波数波面は、500ナノ秒より小さい立ち上がり時間を有する。いくつかの実装において、衝撃波の高周波数波面は、250ナノ秒より小さい立ち上がり時間を有する。いくつかの実装において、衝撃波の高周波数波面は、100ナノ秒より小さい立ち上がり時間を有する。本方法の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、衝撃波は、6~30MPaのピーク出力圧力を有する。
【0039】
本方法の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、衝撃波は、5MPaのピーク出力圧力を有し、音響サブシジョンデバイスは、50Hzのパルス繰り返し率を有する。いくつかのそのような実装において、治療部位の治療場所のための治療持続時間は、1分であり、治療部位のための治療セッションは、20分である。いくつかのそのような実装において、治療部位の治療場所のための治療持続時間は、2分であり、治療部位のための治療セッションは、25~45分である。特定の実装は、治療部位のための治療セッションは、30分である。
【0040】
本方法の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、衝撃波は、10MPaのピーク出力圧力を有し、音響サブシジョンデバイスは、50Hzのパルス繰り返し率を有する。いくつかのそのような実装において、治療部位の治療場所のための治療持続時間は、2分であり、治療部位のための治療セッションは、20分である。
【0041】
本方法の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、衝撃波は、6MPaのピーク出力圧力を有し、音響サブシジョンデバイスは、100Hzのパルス繰り返し率を有する。いくつかのそのような実装において、治療部位の治療場所のための治療持続時間は、3分であり、治療部位のための治療セッションは、20分である。
【0042】
本方法の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、本方法は、治療部位の治療場所あたり500~60,000回の音響パルスを印加することをさらに含む。
【0043】
高速音響パルスを使用して、線維構造に破壊を引き起こすことによって、患者を治療し、セルライトの外観を改善する本方法のいくつかの実施形態は、セルライトを含む治療部位を識別することと、一連の衝撃波パルスを治療部位に印加することとを含む。
【0044】
本方法の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、治療部位に対応する治療エリアは、治療部位の外部から0.5~6cmの深度以内である。いくつかの実装において、治療部位は、臀部、大腿部、腹部、腰部、上腕エリア、またはそれらの一部である。
【0045】
本方法の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、衝撃波パルスは、衝撃波に対応する。いくつかの実装において、衝撃波パルスは、100ナノ秒より小さい衝撃波面を有する。加えて、または代替として、衝撃波パルスは、少なくとも0.015mJ/mm2または少なくとも0.3mJ/mm2を有する。いくつかのそのような実装において、衝撃波パルスは、0.1mJ/mm2~5mJ/mm2または0.4mJ/mm2~1.5mJ/mm2を有する。組織の線維細胞外基質構造の破壊を引き起こすとき等のいくつかの実装において、衝撃波パルスは、0.020mJ/mm2~0.035mJ/mm2を有する。特定の実装において、衝撃波パルスは、0.027mJ/mm2を有する。
【0046】
本方法の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、衝撃波パルスは、少なくとも10Hzのパルス繰り返し率を有する。いくつかの実装において、衝撃波パルスは、20Hz~1,000Hzのパルス繰り返し率を有する。
【0047】
本方法の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、衝撃波パルスは、0.5cm2~20cm2の面積を有する衝撃波出口窓を介して伝搬される。加えて、または代替として、衝撃波パルスは、実質的に平面状の衝撃波である。
【0048】
本方法の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、衝撃波パルスは、電気液圧式波発生器を含むプローブによって放出される。いくつかの実装において、プローブは、流体充填チャンバと、チャンバ内に配置され、1つ以上のスパーク間隙を画定するように構成された複数の電極とを備え、複数の電極は、流体充填チャンバの液体の一部が、蒸発させ、液体を通して、治療部位または真空ヘッドと接触する衝撃波出口窓に衝撃波を伝搬するように、パルス発生システムから電圧パルスを受け取るように構成される。
【0049】
本方法の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、プローブは、複数の電極を受け取るように、かつ流体充填チャンバを画定するように構成された筐体を備え、筐体は、チャンバを画定する自由形状音響反射体表面を備えている。いくつかの実装において、衝撃波パルスは、治療部位のために1~40分の治療時間にわたって放出される。加えて、または代替として、治療部位のための治療は、2週間に少なくとも1回~12週間に1回生じる。
【0050】
本システム(例えば、真空システム)のいくつかの実施形態は、ポンプに結合するように構成された制御ユニットと、制御ユニットおよび真空ヘッドに結合するように構成された導管と、治療部位に結合するように構成された真空ヘッドであって、窓および1つ以上のポートを画定する真空ヘッド筐体と、真空ヘッド筐体に結合された柔軟部材と、真空ヘッド筐体に結合された1つ以上のセンサと、真空ヘッド筐体に結合された1つ以上のライトとを備えている、真空ヘッドとを備えている。
【0051】
本システムの前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、本システムは、ポンプをさらに備えている。いくつかの実装において、制御ユニットは、ポンプと統合され、真空ヘッドは、組織部位の皮膚を真空ヘッドの中に持ち上げることによって、音響サブシジョンを支援するように構成される。
【0052】
本システムの前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、柔軟部材は、治療部位に接着し、治療部位と真空ヘッドとの間にシールを生成するように構成されたフォトポリマーフランジを備えている。他の実装において、柔軟部材は、治療部位に接着し、治療部位と真空ヘッドとの間にシールを生成するように構成されたオーバーモールドされたフランジを備えている。いくつかのそのような実装において、フォトポリマーフランジまたはオーバーモールドされたフランジは、30ショアA~50ショアAの硬度を有する。
【0053】
本システムの前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、1つ以上のセンサは、真空ヘッドの真空状態を示すデータを発生させるように構成される。
【0054】
いくつかの実装において、1つ以上のライトは、治療部位を照明すること、真空ヘッドの真空状態を示すこと、または両方を行うように構成される。加えて、または代替として、1つ以上のセンサは、圧力センサ、赤外線センサ、または両方を含む。
【0055】
本システムの前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、制御ユニットは、弁と、弁に結合され、弁を調節するように構成されたモータと、弁の位置に対応する指示を出力するように構成されたインジケータと、制御信号をモータおよびインジケータに送信するように構成されたコントローラとをさらに備えている。
【0056】
本システム(例えば、真空システム)のいくつかの実施形態は、ポンプに結合するように構成された統合真空デバイスであって、1つ以上のポートおよび1つ以上の貫通チャネルを画定する本体と、本体に結合され、1つ以上のポートの反対側にある真空ヘッドであって、窓および1つ以上のポートを画定する真空ヘッド筐体と、真空ヘッド筐体に結合された柔軟部材と、真空ヘッド筐体に結合された1つ以上のセンサと、真空ヘッド筐体に結合された1つ以上のライトとを備えている真空ヘッドとを含む統合真空デバイスを備えている。本システムの前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、本システムはさらに、ポンプを備えている。加えて、または代替として、真空ヘッドは、組織部位の皮膚を真空ヘッドの中に持ち上げることによって、音響サブシジョンを支援するように構成される。
【0057】
本システムの前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、柔軟部材は、治療部位に接着し、治療部位と真空ヘッドとの間にシールを生成するように構成されたフォトポリマーフランジを備えている。他の実装において、柔軟部材は、治療部位に接着し、治療部位と真空ヘッドとの間にシールを生成するように構成されたオーバーモールドされたフランジを備えている。いくつかのそのような実装において、フォトポリマーフランジまたはオーバーモールドされたフランジは、30ショアA~50ショアAの硬度を有する。
【0058】
本システムの前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、1つ以上のセンサは、真空ヘッドの真空状態を示すデータを発生させるように構成される。
【0059】
いくつかの実装において、1つ以上のライトは、治療部位を照明すること、真空ヘッドの真空状態を示すこと、または両方を行うように構成される。加えて、または代替として、1つ以上のセンサは、圧力センサ、赤外線センサ、または両方を含む。
【0060】
本システムの前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、本体は、弁と、弁に結合され、弁を調節するように構成されたモータと、弁の位置に対応する指示を出力するように構成されたインジケータと、制御信号をモータおよびインジケータに送信するように構成されたコントローラとを備えている制御ユニットをさらに含む。
【0061】
装置(例えば、音響サブシジョンデバイス)のいくつかの実施形態は、筐体と、筐体に結合されたパルス発生システムと、パルス発生システムに結合され、パルス発生システムに衝撃波パルスを発生させるように構成されたコントローラであって、衝撃波パルスは、組織の線維性細胞外基質構造の破壊を引き起こすように構成されたコントローラとを備えている。
【0062】
装置の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、衝撃波パルスは、非集束および非キャビテーティングである。装置の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、衝撃波パルスは、2マイクロ秒より小さい負のパルス成分を有する。いくつかのそのような実装において、衝撃波パルスは、1マイクロ秒より小さい負のパルス成分を有する。他のそのような実装において、衝撃波パルスは、0.5マイクロ秒より小さい負のパルス成分を有する。
【0063】
本方法(例えば、非キャビテーティング高速音響パルスを使用して、組織構造の破壊を誘発することによって、ヒトまたは動物の組織症状を治療する方法)のいくつかの実施形態は、治療部位を識別することと、一連の衝撃波パルスを治療部位に印加することとを含む。
【0064】
本方法の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、治療部位は、ケロイド、肥厚性瘢痕、またはインプラント被膜収縮を含む。本方法の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、治療部位は、線維性プラークを含む。本方法の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、治療部位は、線維性器官を含む。
【0065】
本方法の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、高速音響パルスは、非集束である。本方法の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、高速音響パルスは、実質的に平面状である。
【0066】
装置の前述の実施形態のうちのいくつかにおいて、高速音響パルスは、2マイクロ秒より小さい負のパルス成分を有する。いくつかのそのような実装において、高速音響パルスは、1マイクロ秒より小さい負のパルス成分を有する。他のそのような実装において、高速音響パルスは、0.5マイクロ秒より小さい負のパルス成分を有する。
【0067】
用語「結合される」は、「接続される」として定義されるが、必ずしも直接ではなく、かつ必ずしも機械的ではなく、「結合される」2つの項目は、互いに一体型であり得る。用語「a」および「an」は、本開示が明示的に別様に要求しない限り、「1つ以上の」として定義される。用語「実質的に/略」は、当業者によって理解されるように、必ずしも全体的ではないが大部分が、規定されるものとして定義される(規定されるものを含み、例えば、実質的に90度は、90度を含み、略平行は、平行を含む)。任意の開示される実施形態において、「実質的に/略」、「ほぼ」、および「約」は、規定されるもの「の[ある割合]以内」と代用され得、割合は、0.1、1、5、および10パーセントを含む。
【0068】
用語「comprise(~を備えている)」(および「comprises」および「comprising」等のcompriseの任意の形態)、「have(~を有する)」(および「has」および「having」等のhaveの任意の形態)、「include(~を含む)」(および「includes」および「including」等のincludeの任意の形態)、および「contain(~を含む)」(および「contains」および「containing」等のcontainの任意の形態)は、制限のない連結動詞である。結果として、1つ以上の要素を「備えている」、「有する」、「含む」、または「含む」システムまたは装置は、それらの1つ以上の要素を保有するが、それらの要素のみを保有することに限定されない。同様に、1つ以上のことを「備えている」、「有する」、「含む」、または「含む」方法は、それらの1つ以上のことを保有するが、それらの1つ以上のことのみを保有することに限定されない。
【0069】
本システム、装置、および方法のうちのいずれかの任意の実施形態は、説明されるステップ、要素、および/または特徴のうちのいずれかを備えている/含む/含む/有するのではなく、それから成る、または本質的にそれから成ることができる。したがって、請求項のうちのいずれかでは、用語「~から成る」または「本質的に~から成る」が、所与の請求項の範囲を、別様に制限のない連結動詞を使用して生じるであろうものから変更するために、上記に記載される制限のない連結動詞のうちのいずれかに代用されることができる。
【0070】
さらに、ある方法で構成される構造(例えば、装置の構成要素)は、少なくともそのように構成されるが、また、具体的に説明されるもの以外の方法で構成されることもできる。
【0071】
上記に説明される実施形態およびその他に関連付けられる詳細が、下記に提示される。
【図面の簡単な説明】
【0072】
以下の図面は、限定ではなく一例として、図示する。簡単かつ明確にするために、所与の構造の全ての特徴が、その構造が出現する全ての図で常に標識されるわけではない。同じ参照番号は、必ずしも同じ構造を示すわけではない。むしろ、同一の参照番号は、同じではない参照番号が使用され得るように、類似特徴または類似機能性を伴う特徴を示すために使用され得る。図は、(別様に記述されない限り)一定の縮尺で描かれ、描写される要素のサイズは、少なくとも図に描写される実施形態に関して相互に対して正確であることを意味する。
【0073】
【
図1】
図1は、音響サブシジョン治療を標的組織に提供するための音響サブシジョンシステムの例のブロック図を描写する。
【0074】
【
図2A】
図2Aは、
図1のシステムによって標的組織の中に放出され得る波形を描写する。
【0075】
【0076】
【
図2C】
図2Cは、集束衝撃波と圧力波との波形間の比較を描写する。
【0077】
【
図2D】
図2Dは、
図1のシステムによって標的組織の中に放出され得る別の波形を描写する。
【0078】
【
図2E】
図2Eは、
図1のシステムによって標的組織の中に放出され得る別の波形を描写する。
【0079】
【
図3】
図3は、電気液圧式(EH)衝撃波発生音響サブシジョンデバイスの例のブロック図を描写する。
【0080】
【
図4】
図4は、このEH衝撃波発生音響サブシジョンデバイスのいくつかの実施形態のためのハンドヘルドプローブの断面側面図を描写する。
【0081】
【
図5】
図5A-5Bは、この音響サブシジョンデバイスのシステム内のエネルギーサイクルまたは電圧パルスの時限印加の一例のタイミング図を描写する。
【0082】
【
図6】
図6は、自由形状反射体および音響波のグラフィック図を描写する。
【0083】
【
図7】
図7および8は、それぞれ、音響サブシジョンデバイスのスパークヘッド部分の等角および断面図を描写する。
【
図8】
図7および8は、それぞれ、音響サブシジョンデバイスのスパークヘッド部分の等角および断面図を描写する。
【0084】
【
図9】
図9は、改良された音響波面を有する音響波の電気液圧式発生のための音響サブシジョンデバイスの一実施形態の断面図を描写する。
【0085】
【
図10】
図10は、
図9の音響サブシジョンデバイスのある構成要素の斜視図を描写する。
【0086】
【0087】
【0088】
【
図13】
図13は、真空システムのコントローラの例の斜視図を描写する。
【0089】
【0090】
【
図15】
図15は、真空システムの真空ヘッドの例の斜視図を描写する。
【0091】
【
図16】
図16A-16Eは、真空システムの真空ヘッドの例を図示する追加の図を描写する。
【0092】
【
図17】
図17Aおよび17Bは、音響サブシジョンシステムの統合真空システムの例を図示する2つの図を描写する。
【0093】
【
図18】
図18は、音響サブシジョンデバイスを使用して、患者を治療し、セルライトの外観を改善する方法の例を図示するフローチャートを描写する。
【0094】
【
図19】
図19は、高速音響パルスを使用して、線維構造に破壊を誘発することによって、患者を治療し、セルライトの外観を改善する方法の例を図示するフローチャートを描写する。
【0095】
【
図20】
図20Aおよび20Bは、線維中隔の比較を図示するスライドの2つの写真を描写する。
【0096】
【
図21】
図21Aおよび21Bは、線維中隔の比較を図示するスライドの2つの写真を描写する。
【0097】
【
図22】
図22Aおよび22Bは、線維中隔の比較を図示するスライドの2つの写真を描写する。
【0098】
【
図23】
図23Aおよび23Bは、音響サブシジョンデバイスを用いた治療の前(
図23A)および後(
図23B)のセルライトの比較を図示する2つの写真を描写する。
【0099】
【
図24】
図24Aおよび24Bは、線維中隔を図示するスライドの2つの写真を描写する。
【0100】
【
図25】
図25Aおよび25Bは、線維中隔および新しい血管系の比較を図示するスライドの2つの写真を描写する。
【0101】
【
図26】
図26は、線維中隔の新しい血管系を図示するスライドの3つの写真を描写する。
【0102】
【
図27】
図27Aおよび27Bは、線維中隔の比較を図示し、新しい血管系を図示する2つの写真を描写する。
【0103】
【
図28】
図28Aおよび28Bは、線維中隔の比較を図示し、筋肉内の新しい血管系を図示する2つの写真を描写する。
【0104】
【
図29】
図29Aおよび29Bは、皮膚コラーゲンの比較を図示する2つの写真を描写する。
【0105】
【
図30】
図30Aおよび30Bは、皮膚コラーゲンの比較を図示する2つの写真を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0106】
本開示の実施形態は、高周波数衝撃波を使用して、標的組織の線維性細胞外基質構造を破壊するためのシステム、デバイス、および方法を対象とする。いくつかの実施形態において、高周波数衝撃波は、皮下脂肪内の硬化性(例えば、剛直性で無反応な)線維中隔を切断するように、皮膚に印加される。皮下脂肪内の線維中隔の破壊および/または切断は、皮膚(例えば、より平滑な皮膚)上のセルライトの外観の改善をもたらし得る。皮下脂肪内の線維中隔の破壊および/または切断は、従来の音響療法または他の非侵襲性療法によって生成されない物理的効果である。
【0107】
本明細書に説明される高周波数衝撃波は、コラーゲン形成、血管形成、リンパ管形成、および炎症阻害等の従来の音響療法と類似する生物学的効果も生成するか、または、引き起こす。いくつかの実施形態において、印加された衝撃波は、衝撃波が、皮膚隆線、くぼみ、または欠陥に対応する硬化性中隔に破壊を引き起こすような率および規模において、皮膚隆線、くぼみ、または欠陥に印加される。いくつかの実施形態において、医療および美容治療方法は、公知のシステムに対して、望ましくない副作用および治療あたりの合計時間(TTPT)を低減させることができる。さらに、本衝撃波療法は、合併症を大いに軽減し、治療の合間の時間を短縮し、患者快適性を増加させるために、非侵襲的に使用されることができる。
【0108】
線維細胞外基質の物理的効果(破壊)を引き起こす能力は、4つの要因に依存する:(1)印加される強度(Pa)、(2)波パルス率(Hz)、(3)波形の形状(例えば、波面立ち上がり時間および持続時間(ナノ秒))、および、(4)暴露の持続時間。これらの要因のうちの1つ以上のものは、皮下脂肪内の線維性細胞外基質の破壊を引き起こすように操作されることができる。加えて、組織反応を誘発する能力は、機械的波によって引き起こされるキャビテーションを限定することまたは排除することに依存する。
【0109】
本デバイスのいくつかの実施形態において、セルライトおよび他の線維性欠陥を引き起こす線維構造を破壊するように皮膚を通して伝送される高周波数衝撃波(すなわち、高速音響パルスまたは(RAP))を使用する音響サブシジョンデバイスが、提供される。音響サブシジョンデバイスは、非侵襲性である。結果として、麻酔、刺創からの感染症の危険性、および長い回復時間が、排除される。
【0110】
ある実施形態において、高速音響パルスは、治療場所あたり500~60,000を上回る音響パルスを送達するための持続時間にわたって10Hz~200Hzのパルス繰り返し率において高周波数衝撃波を含む。各高周波数パルス(すなわち、その波面)は、500ナノ秒より小さい立ち上がり時間と、1MPa~50MPaの平均ピーク出力圧力とを有する。好ましい実施形態において、高速音響パルスは、100ナノ秒より小さい立ち上がり時間と、2MPa~15MPaの平均ピーク出力圧力とを有する各音響波を用いて、治療場所あたり500~30,000を上回る音響パルスを提供するための持続時間にわたって50Hz~100Hzのパルス繰り返し率において提供される高周波数衝撃波を含む。
【0111】
生物学的効果は、細胞が、機械的信号を細胞外基質成分(例えば、コラーゲン)の遺伝子発現等の細胞生物学的事象に変換するメカノトランスダクションの結果としてのものである(Wang、Thampatty、Lin、およびIm、2007)。細胞が種々の微小機械的刺激にさらされると、膜貫通インテグリンが、細胞外基質(ECM)から細胞骨格に機械力を伝達する。これは、信号伝導カスケードを活性化し、それが、次に、細胞骨格機能を改変し、ECM再形成を誘発する(Bae、2017)。
【0112】
本発明の高速音響パルス波は、細胞外基質を構成する線維構造、または線維中隔(皮下組織の場合)の破壊(すなわち、サブシジョン)の形態で、物理的効果を誘発することができる。これらの物理的効果は、線維構造の剪断によって引き起こされる。
【0113】
高周波数波面の速い立ち上がり時間(<500ナノ秒)および高い平均ピーク出力圧力(1MPa~50MPa)は、剪断誘発組織傷害で使用される。圧力勾配が大きくなるほど、さらなる組織傷害が生じる(Lokhandwalla、McAteer、Williams、およびSturtevant、2001)。重要なこととして、衝撃誘発剪断は、傷害を開始し得るが、個々の高周波数音響波は、そうするために十分な剪断を生成しない(Freund、Colonius、およびEvan、2007)。
【0114】
剪断から十分な組織損傷を生成するために、複数の音響衝撃波が、治療部位に投与される必要がある。例えば、Howardによる組織模倣構造への集束衝撃波の機械的影響の論文では、膜損傷は、衝撃波の数が増加するにつれて次第に増加することが観察される。例えば、砕石術中の衝撃波からの腎傷害が、1,000または2,000回の衝撃波後に腎実質の病巣領域に広がる。(HowardおよびSturtevant、1997)
【0115】
しかしながら、組織に影響を及ぼすために重要であるものは、衝撃波の数だけではない。例えば、1,000回の衝撃波が、数時間または数日の周期にわたって腎臓に提供される場合、たとえあったとしてもごくわずかな組織損傷しか存在しないであろう。したがって、音響パルスの数に加えて、組織に提供される音響パルスの音響パルス率が、決定要因である。
【0116】
これの1つの例示的理由は、ヒトの皮膚が、異方性、非線形粘弾性、負荷履歴依存性の物質であることである(JookakiおよびPanzer、2018)。所与の音響パルス繰り返し率において、組織に関する緩和時間が遅くなるほど、累積衝撃誘発剪断からの組織分解が多くなる(「累積剪断機構」)(Freund、Colonius、およびEvan、2007)。故に、パルスが、組織緩和時間よりも遅いパルス繰り返し率において組織に印加されるとき、典型的に、累積損傷が存在しない。しかしながら、パルスが、組織緩和時間よりも速いパルス繰り返し率において組織に印加される場合、膜損傷は、衝撃波の数が増加するにつれて次第に増加することが観察される(HowardおよびSturtevant、1997)。
【0117】
驚くことに、本明細書に説明される音響サブシジョンデバイスは、治療場所あたり500~30,000音響パルスを上回るパルスを送達するための持続時間にわたって10Hz~200Hzのパルス率において高周波数衝撃波を印加することによって、皮膚を通して線維構造を破壊し、各高周波数衝撃波(例えば、その波面)は、500ナノ秒より小さい立ち上がり時間と、1MPa~50MPaの間の平均ピーク出力圧力とを有する。結果として、一実施形態において、有意義なセルライト改善が、単一の治療診察において生じ得る。
【0118】
いくつかの実施形態において、患者を治療し、治療エリアの皮下脂肪内の線維中隔を破壊する方法は、一連の衝撃波に患者の外部エリアをさらすために、衝撃波発生プローブ(下記に説明されるプローブ38または38a等)を向けることを含むことができ、衝撃波発生プローブは、衝撃波出口窓を備え、衝撃波発生プローブは、衝撃波出口窓において少なくとも0.01mJ/mm2または少なくとも0.3mJ/mm2を発生させるように構成される。例えば、衝撃波は、0.01、0.015.0.02...0.5、0.6、0.8、0.9、1、1.2、1.4、1.6、1.8、2、2.2、2.4、2.6、2.8、3、3.4、3.8、4、4.4、4.8、5、5.5、6、6.5、7mJ/mm2、またはそれらの間の任意の値または範囲を有することができる。いくつかの実施形態において、衝撃波発生プローブは、0.4mJ/mm2~1.5mJ/mm2を発生させるように構成されるか、または、発生させる。いくつかの実施形態において、衝撃波出口窓は、0.5cm2~20cm2の面積を有する。例えば、出口窓は、少なくとも0.5、0.8、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20cm2、またはそれらの間の任意の値または範囲の面積を有することができる。
【0119】
いくつかの実施形態において、衝撃波は、患者の治療エリアの中に進入することに先立って、非集束かつ実質的に平面状である。いくつかの実施形態において、1つ以上の衝撃波は、脂肪組織が存在する深度に向けられる。いくつかの実施形態において、1つ以上の衝撃波は、標的組織の深度に向けられる。
【0120】
いくつかの実施形態において、治療エリアは、性器、臀部、大腿部、胃、腰部、および/または上腕エリアの一部である。いくつかの実施形態において、皮下脂肪の治療エリアは、0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6cm、またはそれらの間の任意の値または範囲等の外部エリアから0~6cmの深度以内である。いくつかの実施形態において、治療エリアは、0.1~4cmの深度にある。
【0121】
いくつかの実施形態において、治療エリアは、末梢血管系の一部である。いくつかの実施形態において、末梢血管系の治療エリアは、0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6cm、またはそれらの間の任意の値または範囲等の外部エリアから0~6cmの深度以内である。いくつかの実施形態において、治療エリアは、0.1~4cmの深度にある。
【0122】
いくつかの実施形態において、治療エリアは、筋骨格系の一部である。いくつかの実施形態において、筋骨格系の治療エリアは、0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6cm、またはそれらの間の任意の値または範囲等の外部エリアから0~6cmの深度以内である。いくつかの実施形態において、治療エリアは、0.1~4cmの深度にある。
【0123】
いくつかの実施形態において、治療エリアは、肝門脈系の一部である。いくつかの実施形態において、肝門脈系の治療エリアは、0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、12、20cm、またはそれらの間の任意の値または範囲等の外部エリアから0~6cmの深度以内である。いくつかの実施形態において、治療エリアは、0.1~4cmの深度にある。
【0124】
図1を参照すると、音響サブシジョンシステム100の例のブロック図が、図示される。
図1では、音響サブシジョンシステム100は、音響サブシジョンデバイス110と、随意に、真空システム112とを含む。音響サブシジョンシステム100は、療法的治療または内科治療を患者の組織部位150に印加するように構成される。音響サブシジョンデバイス110は、衝撃波パルス132を発生させ、組織部位150に印加するように構成される。
【0125】
音響サブシジョンデバイス110は、プローブ120と、反射体ヘッド122と、コントローラ124とを含む。
図1では、反射体ヘッド122およびコントローラ124は、プローブ120と別個であるものとして図示される。しかしながら、他の実装において、反射体ヘッド122、コントローラ124、または両方は、プローブ120と一体型であり得る。プローブ120は、衝撃波を発生させ、衝撃波を反射体ヘッド122に印加するように構成される。反射体ヘッド122は、受け取られた衝撃波を集束させ、分配し、衝撃波パルス132を形成するように、かつ衝撃波パルス132を組織部位150に向けるように構成される。コントローラ124は、プローブ120を制御し、例えば、アクティブにし、随意に、反射体ヘッド122を調節するように構成される。音響サブシジョンデバイス110およびその構成要素の追加の詳細が、
図3、4、6、および9-11Cを参照して説明される。衝撃波パルス132は、
図2Aおよび2Bを参照してさらに説明される。
【0126】
真空システム112は、口語的に「真空」と称される陰圧を発生させるように構成される1つ以上の構成要素を含み得る。真空システム112は、組織部位150に印加されるように、かつ音響サブシジョンデバイス110に向かって、患者の身体から離れるように、組織192を上向きに「引く」(例えば、持ち上げる陰圧または吸引力を生成する)ように構成される。真空システム112の例が、
図12-16Bを参照してさらに説明される。用語「真空システム」が使用されるが、真空システムは、いくつかの実装において、単一のデバイスであり得る。
【0127】
真空システム112は、衝撃波パルス132の印加の有効性を増加させ得る。例えば、真空システム112は、骨、器官、他の組織等の患者の身体の他の部分から離れるように組織部位150の層を引き得る。故に、衝撃波パルス132は、192-198等の
図1に図示される組織部位150の層に向けられることが可能であり得、衝撃波パルス132は、衝撃波パルス132が患者の身体の他の部分または一部(例えば、骨、内部器官、筋肉組織等の意図されていない治療エリア)に伝搬する(例えば、到達する)時間までに放散し(例えば、広がり)、または弱められ得る(ピーク出力圧力が低減する)。
【0128】
組織部位150は、組織192(例えば、真皮または皮膚)と、皮下脂肪194、198と、線維中隔196とを含む。
図1に図示されるように、組織192の下に、皮下脂肪194、198の1つ以上の層がある。皮下脂肪194、198は、空洞内に配置され、線維中隔196によって分離され得る。
【0129】
音響サブシジョンデバイス110は、衝撃波パルス132を印加することによって、線維中隔196の破壊を引き起こすように構成される。パルス132(例えば、複数のパルス)は、本明細書にさらに説明されるように、
図5Aおよび5Bの略図に従って印加され得る。故に、音響サブシジョンシステム100は、組織部位150内で物理的効果を非侵襲的に引き起こし、または誘発するように構成され、組織部位150(例えば、平滑性)の外観が、改善される。
【0130】
図2A-2Eを参照すると、
図2A-2Eは、超音波/圧力波および衝撃波等の種々のタイプの機械的波の波形を図示する。
図2A-2Eの各々は、衝撃波を図示し、
図2A-2Cは、圧力波も図示する。
【0131】
図2A-2EのRAPは、物理的効果を引き起こし、圧縮力(すなわち、陽圧)によって治癒を促進し得る。
図2A、2D、および2EのRAPは、陰圧および/または圧力発振によって引き起こされるキャビテーションの効果から独立して、またはそれを伴わずに、血管化等の組織反応を誘発することによって、治癒をさらに促進し得る。
【0132】
図2Aを参照すると、オシロスコープ読み取り値の画像は、時間が重複した、RAPパルス200と、非RAP波形250との比較を示す。垂直軸は、圧力を描写し、水平軸は、時間を描写する。垂直軸の単位は、MPaであり、水平軸の単位は、マイクロ秒である。
【0133】
図2Aでは、プローブ(例えば、110)からある体積の組織の中に放出され得る衝撃波の波形(すなわち、パルス200)が、図示される。描写される波形(すなわち、高速音響パルス(RAP))は、組織内で物理的効果、すなわち、剪断を引き起こすことが可能である。例証として、パルス(例えば、衝撃波)を繰り返すことによって組織内で誘発される張力は、組織の緩和率を上回る率において印加されたとき、累積的に蓄積する。閾値張力が到達されると、組織は、パルスによって誘発される圧力により、崩壊する(すなわち、剪断される)。
【0134】
パルス200は、下記に説明される電気液圧式(EH)スパークヘッドによって発生させられるインパルスに関して1つの例示的パルス形状を図示する。例えば、パルス200は、9.6MPaとして図示される高いピーク出力圧力と、100ナノ秒未満(0.1マイクロ秒)として図示される急速な立ち上がり時間(または波面立ち上がり時間)と、500ナノ秒未満(0.5マイクロ秒)として図示される短い持続時間と、最小限の負の振幅を伴う発振として図示される非常に短いリングダウン周期とを有する。
【0135】
加えて、
図2Aは、比較の波形250に関して非RAP音響デバイスの例示的波形を描写する。波形250は、圧力波であり、約1MPaのピーク出力圧力と、約5,000ナノ秒(5マイクロ秒)の立ち上がり時間とを有する。波形250は、35マイクロ秒以上等の比較的に長い持続時間にわたって1MPaまたはそれ未満のゼロではないピーク出力を有する。
【0136】
図2Bを参照すると、衝撃波および圧力波に関する参照波形が、図示される。圧力波および衝撃波は、異なるタイプの機械的波である。異なる波タイプの各々は、衝撃波に関する集束または平面状、および圧力波に関する集束または放射状等の異なるサブタイプを有し得る。パルス200は、非集束または平面状衝撃波の例であり、波形250は、放射状圧力波の例である。平面状衝撃波(例えば、非集束平面状衝撃波)は、多くの場合、0.1~5.5cmの深度において身体内で療法的効果を及ぼす。集束衝撃波は、最大12cmの深度において効果を及ぼし得る。圧力波は、多くの場合、最大3cmの深度において身体内で療法的効果を及ぼす。
【0137】
いくつかの実装において、パルス200等の平面状衝撃波のエネルギー束密度は、皮膚の表面において0.01~0.4mJ/mm2である。加えて、または代替として、平面状衝撃波、すなわち、パルス200の正のピーク出力圧力は、多くの場合、30MPa以下である。参考として、集束衝撃波が、1.5mJ/mm2以上のエネルギー束密度と、100MPa以上の正のピーク圧力とを有することができる一方、放射状圧力波は、最大0.3mJ/mm2のエネルギー束密度と、最大10MPaの正のピーク圧力とを有することができる。
【0138】
図2Bでは、例示的な代表的RAPパルス260(例えば、パルス200等の衝撃波パルス)および例示的な代表的圧力波形265(例えば、圧力波パルス)が、代替例証および比較のために、並んで図示される。パルス260は、下記に説明される電気液圧式(EH)スパークヘッドによって発生させられるインパルスに関する別の例示的パルス形状を図示する。
図2Bでは、RAPパルス260は、0.5マイクロ秒のパルス持続時間を有し、圧力波形265は、500マイクロ秒のパルス持続時間を有する。
【0139】
図2Cを参照すると、集束衝撃波パルス270と超音波圧力波形275との間の比較が、図示される。
図2Cでは、比較的に大きい陰圧振幅を有する例示的集束衝撃波パルス270が、図示される。
図2Cは、細胞および組織作用を促進する圧縮領域を図示する。圧縮領域は、集束衝撃波パルス270が陰圧区分およびリングダウンに先立って、陽圧を有する/誘発する領域に対応する。細胞および組織作用は、数マイクロ秒の持続時間を有する圧縮領域によって誘発され得る。
【0140】
図2Cは、細胞作用を促進するキャビテーション領域も図示する。キャビテーション領域は、集束衝撃波パルス270が陽圧区分に続き、かつリングダウンに先立つ陰圧を有する/誘発する領域に対応する。細胞作用は、2マイクロ秒を上回る持続時間を有するキャビテーション領域によって誘発され得る。圧力波250および265と同様、超音波275が、キャビテーションを生成するが、それは、集束衝撃波パルス270と比較して最小限である。
【0141】
例証として、キャビテーション気泡が、衝撃波の立ち下がり陰圧パルス中に生じ始める。従来の衝撃波(集束衝撃波パルス270を含む)は、キャビテーション気泡がそれらの最大寸法まで成長するために十分な時間を可能にする、2マイクロ秒を上回って持続する陰圧領域を有する。結果として、キャビテーション気泡は、組織破壊を引き起こす大きい力を伴って崩壊する前、大きいサイズまで成長し得る。
【0142】
図2Dを参照すると、圧縮された、または低減させられた負のパルス成分を伴う例示的な代表的圧縮RAPパルス280。パルス280は、下記に説明される説明される電気液圧式(EH)スパークヘッドによって発生させられるインパルスに関して別の例示的パルス形状を図示する。270等の集束衝撃波および200および260等のRAP(例えば、非集束衝撃波)と比較して、圧縮RAPパルス280は、圧縮された陰圧成分を有する。すなわち、パルスが陰圧を有する短縮された時間量および/または低減させられた量のピーク陰圧(MPa)を有する。
【0143】
図2Dに図示されるように、負のパルス持続時間(例えば、負のパルス成分の持続時間)は、560ナノ秒(0.560マイクロ秒)である。
図2Cの負のパルス持続時間、すなわち、5マイクロ秒(5,000ナノ秒)と比較して、
図2Dの負のパルス持続時間は、短縮されている。短縮された負のパルス持続時間は、キャビテーションを大いに低減させるか、または、キャビテーションを排除する。すなわち、限定された陰圧時間が、キャビテーション気泡がそれらの崩壊がそうでなければ組織破壊を引き起こすであろう大きいサイズまで成長するために十分な時間を提供しないので、皮膚へのキャビテーションの影響を低減させ、または排除する。
【0144】
図2Eを参照すると、従来のRAPパルス290と圧縮RAPパルス295との間の比較が、従来のRAPと比較して、本明細書に説明されるRAPの圧縮をさらに描写するように図示される。パルス295は、下記に説明される説明される電気液圧式(EH)スパークヘッドによって発生させられるインパルスに関して別の例示的パルス形状を図示する。
図2Eに図示されるように、圧縮RAPパルス295は、従来のRAPパルス290と比較して、同様のピーク陽圧を伴って、より短い全体的持続時間と、より速い立ち上がり時間とを有する。加えて、圧縮RAPパルス295は、従来のRAPパルス290と比較して、低減させられた量のピーク陰圧を有する。さらに、圧縮RAPパルス295は、従来のRAPパルス290と比較して、陰圧を伴う短縮または圧縮された時間量を有する。特に、圧縮RAPパルス295の長い持続時間音響テールは、従来のRAPパルス290の音響テールの持続時間と比較して、著しく短縮されている。そのような圧縮RAPパルス295は、第PCT/US2017/704212号を参照して説明されるように、2段階アプローチによって発生させられ得る。
【0145】
圧縮RAPパルス295は、1マイクロ秒未満である衝撃波の負の引張圧力領域を伴って圧縮される。
図2Eに示されるように、圧縮RAPパルス295の立ち下がり陰圧パルス持続時間は、0.560マイクロ秒である一方、従来のRAPパルス290の立ち下がり陰圧パルス持続時間は、2マイクロ秒を上回る。衝撃波の負の引張圧力領域が1マイクロ秒未満であるので、圧縮RAPパルス295が印加されたとき、キャビテーション気泡は、全く形成されないことも、その崩壊が組織損傷および疼痛を引き起こすような十分なサイズまで成長しないこともある。
【0146】
従来の衝撃波パルスと比較した圧縮RAPまたは圧縮および/または低減させられた陰圧成分を伴うRAP(200、280、および295等)は、血管化等の組織反応につながるまたはそれを促進する組織破壊を引き起こし得る。そのようなRAP(例えば、200、280、および295)は、キャビテーション効果によって細胞作用または反応を引き起こす、または誘発する等の細胞反応を引き起こさない、または誘発しないこともある。具体的に、低減させられた陰圧および本明細書に説明されるRAPが陰圧を有する時間は、キャビテーションおよびそれによって引き起こされる効果を低減させる。例えば、より高いレベルのキャビテーションは、不要な熱的効果、疼痛等を引き起こし得る。したがって、本明細書に説明される音響サブシジョンデバイスによって発生させられるRAPは、キャビテーションを伴わずに組織の機械的破壊から強い組織反応を誘発し、したがって、疼痛を伴わずに音響波(例えば、非集束衝撃波)の療法的使用を促進することができる。
【0147】
組織反応の一例は、線維症軽減である。通常の創傷治癒では、筋線維芽細胞が、組織修復のために要求される。しかしながら、病態において、活性化された筋線維芽細胞は、線維性障害の主要または重要な作用因子になる。傷害後に恒常性を修復、再生、および復元するために、組織に常駐する線維芽細胞が、活性化され、筋線維芽細胞に変換する(Bae、2017)。線維性疾患の進行では、周辺微小環境内の機械的応力は、筋線維芽細胞の分化における主要な仲介因子である(Bae、2017)。
【0148】
線維芽細胞および筋線維芽細胞に関して、機械的応力は、パラクリン成長因子の放出を促すことによって間接的に、またはEMCタンパク質および成長因子を産生する遺伝子を活性化する細胞内シグナリング経路を誘起することによって直接、ECMタンパク質の産生を調整することができる(Chiquet、Renedo、Huber、およびFluck、2003)。細胞表面における焦点接着は、体系内で発生させられる機械的張力が細胞骨格網に伝達されることを可能にする。これらの変化は、ECMからサイトゾルの中に信号を伝送するインテグリンに付着するリガンドとして作用する糖タンパク質、主に、フィブロネクチンへの(例えば、Ca1チャネルを開放することによる)シグナリングを介して細胞に伝送される機械的張力への感受性を生成する。細胞質から、Smad3、Sma4信号が、核に進入し、TGF-b1刺激、プロコラーゲン形成、コラーゲン形成、筋線維芽細胞への線維芽細胞の分化、および過剰なコラーゲンIIIを伴う創傷収縮を開始する、錯体を形成するように、この張力によって刺激される(Widgerow、2011)。
【0149】
ECM生体力学的特性、特に、剛性の改変は、筋線維芽細胞形成および線維症を変調することが可能である重要な療法的標的であり得る(Bae、2017)。研究は、低弾性基質上で培養される線維芽細胞が正常な表現型を維持し得ることを示唆している。しかしながら、高弾性基質上で培養されたとき、それらは、筋線維芽細胞に活性化される(Bae、2017)。重要なこととして、低弾性基質上で培養されたとき、筋線維芽細胞の活性化は、可逆的であった。Marinkovic et al(Marinkovic、Liu、およびTshumperlin、2013)は、線維性肺に由来する一次線維芽細胞における収縮および増殖機能が、軟質基質(例えば、約1kPaの弾性率)内で培養されたときに著しく阻害されることを実証した。これらの結果に基づいて、筋線維芽細胞表現型は、恒久的状態ではないこともあるが、基質の特性の改変によって逆転されることができる(Bae、2017)(Marinkovic、Liu、およびTshumperlin、2013)。
【0150】
Wang et al(Wang、Haeger、Kloxin、Leinwan、およびAnseth、2012)は、低減させられた基質弾性に応答したブタ大動脈弁筋線維芽細胞の運命が、α-平滑筋アクチン(α-SMA)、応力線維、および増殖の減少、および筋線維芽細胞アポトーシスの増加を示すことを実証した。さらに、α-SMAおよび結合組織成長因子(CTGF)を含む遺伝子発現のレベルは、弁の筋線維芽細胞が剛性基質(例えば、前石灰化病変組織を模倣する32kPaの弾性率)上で培養されたときに著しく上方調整された(Wang、Haeger、Kloxin,Leinwan、およびAnseth、2012)。これらの結果に基づいて、Wang et al(Wang、Haeger、Kloxin,Leinwan、およびAnseth、2012)は、基質の機械的剛性が活性化された筋線維芽細胞の運命を調整し、主に静止した線維芽細胞集団をもたらし得ることを示唆した(Bae、2017)(Wang、Haeger、Kloxin,Leinwan、およびAnseth、2012)。機械的ベースの抗線維化療法は、既存の薬剤アプローチに対していくつかの実質的な利益を提供することができる。これらの利益は、おそらく、改良された安全性および低減させられた全身性副作用を提供するであろう、全身性活性と対照的な局所/局部的活性、用量調節および中止の容易性を含む。
【0151】
本明細書に説明される非集束非キャビテーティング高速パルス音響衝撃波は、組織に印加されたとき、組織構造における破壊を引き起こす。組織構造のこの破壊は、これらの組織構造の機械的剛性の損失をもたらす。結果として、線維性組織で見出される活性化された筋線維芽細胞は、線維症の軽減につながる静止またはアポトーシス状態に押しやられることができる。RAP治療後の瘢痕の外観の改善は、瘢痕基質の機械的剛性の低減につながる瘢痕コラーゲン基質の微視的破壊を通して達成されると考えられる。瘢痕基質の機械的剛性のこの低減は、瘢痕の外観の改善につながる静止またはアポトーシス状態に筋線維芽細胞が押しやられることをもたらすことができる。RAPの高いパルス率は、周辺組織のキャビテーション損傷または熱分解、または集束音響デバイスで見られる疼痛を伴わない、非侵襲性瘢痕組織破壊を可能にする。
【0152】
本明細書に説明される非集束非キャビテーティング高速音響パルスは、線維性組織に印加されたとき、線維性組織構造に破壊を引き起こすことができる。線維性組織が瘢痕組織である場合、RAPは、瘢痕組織構造に破壊を引き起こすことができる。限定的ではなく、一実施形態において、瘢痕組織は、ケロイド瘢痕の形態である。別の実施形態において、瘢痕組織は、肥厚性瘢痕の形態である。さらに別の実施形態において、瘢痕組織は、組織接着の形態である。さらに別の実施形態において、瘢痕組織は、インプラント被膜収縮の形態である。
【0153】
組織反応の別の例は、血管形成誘導である。血管形成は、組織破壊(すなわち、傷害)への非特異的応答である。血管形成および新血管形成は、創傷治癒の初期段階中に中心的役割を果たす。この血管形成応答は、組織破壊および炎症性細胞浸潤の結果として放出される種々の成長因子によって促される。
【0154】
血管内皮成長因子A(VEGF-A)は、血管の形成を促す細胞によって産生されるシグナリングタンパク質である。VEGF-Aは、例えば、創傷治癒、腫瘍血管形成、糖尿病性網膜症、および加齢黄斑変性症において、血管を伴う器官再形成および疾患中に成人にとって不可欠である。
【0155】
正常な皮膚におけるVEGF-A発現は、ない。しかしながら、皮膚における機械的破壊は、時間的および空間的の両方で新しい血管の増殖と互いに関係があるVEGF-A発現の強い上方調整を引き起こす。最終結果は、罹患エリア内の増加した血管密度として見られる。血管形成成長因子の放出は、種々の方法によって生成され得る組織傷害への非特異的応答であることが理論化されており、すなわち、「血管形成仮説」である。
【0156】
本発明の高速音響パルスは、組織に印加されたとき、組織構造に破壊を引き起こす。この組織破壊は、新しい血管の増殖につながる血管形成成長因子の放出をもたらし得る。
【0157】
結果として、本発明の非集束非キャビテーティング高速音響パルスは、組織に印加されたとき、組織構造に破壊を引き起こし、それによって、新しい血管形成の形態で組織反応を誘発することができる。限定的ではないが、一実施形態において、RAPは、非治癒創傷において新しい血管形成を誘発するために使用されることができる。別の実施形態において、RAPは、皮膚において新しい血管形成を誘発するために使用されることができる。さらに別の実施形態において、RAPは、脂肪組織において新しい血管形成を誘発するために使用されることができる。さらに別の実施形態において、RAPは、心筋組織等の筋肉組織において新しい血管形成を誘発するために使用されることができる。さらに別の実施形態において、RAPは、勃起機能不全の治療で、膣の若返り等で使用される等、生殖に関する健康に関連する組織において新しい血管形成を誘発するために使用されることができる。
【0158】
いくつかの実施形態において、衝撃波発生プローブは、伝達媒質内で以下の波形特性を備えている衝撃波を放出することができる。伝達媒質は、組織(例えば、脂肪組織)または水溶液(例えば、0.1~10%濃度におけるもの等の生理食塩水)であり得る。いくつかの実施形態において、プローブの出口窓において放出される、および/または治療エリアに送達される衝撃波は、伝達媒質内で測定されると、500ナノ秒未満、400ナノ秒未満、300ナノ秒未満、250ナノ秒未満、200ナノ秒未満、100ナノ秒未満、80ナノ秒未満、50ナノ秒未満、または未満20ナノ秒より小さい衝撃波面立ち上がり時間を有することができる。例えば、プローブの出口窓において放出される、および/または治療エリアに送達される衝撃波は、100ナノ秒、200ナノ秒、300ナノ秒、400ナノ秒、500ナノ秒等の衝撃波面立ち上がり時間を有することができる。いくつかの実施形態において、放出される実際の音響パルス振幅は、0.5~50MPaであり得る。
【0159】
いくつかの実施形態において、プローブは、少なくとも10Hzのパルス繰り返し率(パルス率とも称される)において衝撃波を放出する。例えば、プローブは、20、30、40、50、60、70、8090、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1,000Hz、またはそれらの間の任意の値または範囲等の10Hz~1,000Hzのパルス繰り返し率において衝撃波を放出する。いくつかの実施形態において、プローブは、10Hz~100Hzのパルス率において衝撃波を放出する。いくつかの実施形態において、プローブは、20Hz~75Hzのパルス率において衝撃波を放出する。いくつかの実施形態において、プローブは、100Hz~500Hzのパルス率において衝撃波を放出する。いくつかの実施形態において、プローブは、500Hz~1,000Hzのパルス率において衝撃波を放出する。いくつかの実施形態において、放出される波は、伝達媒質内で最小限の検出可能な過渡的キャビテーションを誘発するように、またはそれを全く誘発しないように、上記の特性に従って構成される。
【0160】
結果として、従来技術で見られる長い治療時間は、これらの長い治療時間に関連付けられる問題(例えば、診療室空間、コスト、不快感等)とともに、本発明を使用して回避されることができる。例えば、いくつかの実施形態において、治療セッションは、24時間内で1~60分であり得る。治療セッションは、1、2、4、5、8、10、12、15、18、20、22、24、26、28、30、40、45、60分、またはそれらの間の任意の値または任意の範囲内であり得る。治療セッションは、治療エリア内の異なる治療場所/部位への複数の治療印加、または複数の治療エリアへの複数の治療印加等の複数の治療印加を含むことができる。治療場所は、瘢痕、皮膚隆線、くぼみ、またはセルライト(例えば、グレード2以上のセルライト)を含むか、または、それに対応し得る。治療セッションは、毎日、1日おきに、2日おきに、隔週に、毎月、隔月に、および年に4回、実施されることができる。治療計画は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20回のセッション、またはそれらの間の任意の値等の1年内に1~20回のセッションを備えていることができる。いくつかの実施形態において、治療計画は、少なくとも6週間にわたって、2週間に少なくとも1回、セッションを備えている。
【0161】
図1を参照して説明されるように、音響サブシジョンシステム100は、衝撃波発生器を含む。衝撃波発生器は、上記に説明される特性を伴う非集束平面波を送達するように構成されることができる。いくつかの実施形態において、EH波が、発生させられる。例えば、米国特許公開第2014/0257144号に説明されるシステムおよび装置は、説明される率、エネルギーレベル、および持続時間においてEH衝撃波を印加するように構成されることができる。特に、衝撃波発生装置は、平面非集束衝撃波面を発生させるように構成されることができる。
【0162】
図3を参照すると、そのようなシステムは、ハンドヘルドプローブ(例えば、
図4のように第1の筐体を伴う)と、別個のコントローラまたはパルス発生システム(例えば、可撓性ケーブル等を介してハンドヘルドプローブに結合される第2の筐体内にある、またはそれを伴う)とを含むことができる。示される実施形態において、装置10は、チャンバ18および衝撃波出口20を画定する筐体14と、チャンバ内18に配置された液体(54)と、チャンバ内に配置され、1つ以上のスパーク間隙を画定するように構成される(例えば、スパークヘッドまたはモジュール22内の)複数の電極と、10Hz~100Hz、100Hz~500Hz、または500Hz~1,000Hz等の10Hz~1,000Hzの率において電圧パルスを電極に印加するように構成されるパルス発生システム26とを備えている。本実施形態において、パルス発生システム26は、電圧パルスを電極に印加するように構成され、それによって、液体の一部が、蒸発させられ、液体および衝撃波出口窓を通して衝撃波を伝搬する。
【0163】
示される実施形態において、パルス発生システム26は、交流電源(例えば、壁プラグ)との使用のために構成される。例えば、本実施形態において、パルス発生システム26は、110V壁プラグの中に挿入されるように構成されるプラグ30を備えている。示される実施形態において、パルス発生システム26は、その一例が
図7を参照して下記に説明される容量/誘導コイルシステムを備えている。示される実施形態において、パルス発生システム26は、高電圧ケーブル34を介してスパークヘッドまたはモジュール22内の電極に(例えば、除去可能に)結合され、高電圧ケーブル34は、例えば、2つ以上の導電体を含み、および/または、高電圧ケーブル34は、衝撃を防止するようにゴムまたは他のタイプの電気絶縁材料を用いて厳重に遮蔽され得る。いくつかの実施形態において、高電圧ケーブル34は、1つ以上の(例えば、2つの)液体管腔をさらに含む組み合わせられたテザーまたはケーブルであり、液体管腔を通して、チャンバ18が液体で充填され得、および/または、液体管腔を介して、液体がチャンバ18を通して(例えば、組み合わせられた接続36を介して)循環され得る。示される実施形態において、装置10は、ハンドヘルドプローブまたはハンドピース38を備え、ケーブル34は、2つ以上の導電体44を介してスパークヘッドまたはモジュール22に結合される高電圧コネクタ42を介して、プローブ38に除去可能に結合される。示される実施形態において、プローブ38は、ヘッド46と、ハンドル50とを備え、プローブ38は、オペレータがハンドル50を握持し、動作中にプローブ38を位置付けることを可能にするように、ポリマーまたは他の電気絶縁材料を備えていることができる。例えば、ハンドル50は、プラスチックで成型されることができ、および/または、ゴム等の電気絶縁材料でコーティングされることができる。
【0164】
示される実施形態において、液体54(例えば、蒸留水等の誘電液体、または生理食塩水等の導電性液体)が、チャンバ18内に配置される(例えば、それを充填する)。本実施形態において、スパークヘッド22は、チャンバ18内に位置付けられ、液体の一部が、蒸発させられ、蒸気気泡の崩壊が、液体および衝撃波出口窓20を通して伝搬するであろう衝撃波を発生させるように、電極が(例えば、10Hz~1,000Hz、10Hz~100Hz、100Hz~500Hz、または500Hz~1,000Hzの率において)パルス発生システム26から電圧パルスを受け取り得るように、液体によって包囲される。示される実施形態において、プローブ38は、チャンバ18と出口20との間に音響遅延チャンバ58を含む。本実施形態において、音響遅延チャンバは、(例えば、液体54と同一のタイプの)液体62で実質的に充填され、衝撃波が生じること、および/または、出口20の方に向けられることを可能にするために十分である、長さ66を有する。いくつかの実施形態において、長さ66は、2ミリメートル(mm)~25ミリメートル(mm)であり得る。示される実施形態において、チャンバ18および音響遅延チャンバ58は、衝撃波がチャンバ18から音響遅延チャンバ58の中に進行することを可能にするソノルーセント(音響透過性または透過型)材料の層によって分離される。他の実施形態において、液体62は、液体54と異なり得る(例えば、液体62は、気泡、水、油、鉱油等を備え得る)。気泡等のある特徴は、液体54の音響挙動に非線形性を導入し、および/またはそれを改良し、衝撃波の形成を増加させ得る。
【0165】
さらなる実施形態において、チャンバ18および音響遅延チャンバ58は、一体型であり得る(すなわち、単一のチャンバを備え得る)。さらなる実施形態において、音響遅延チャンバ58は、固体部材(例えば、ポリウレタン等のエラストマ材料の固体円筒)と置換され得る。示される実施形態において、プローブ38は、示されるように、音響遅延チャンバの遠位端において筐体に除去可能に結合される出口部材70をさらに含む。部材70は、組織74の上方に位置する外部エリアに接触するように構成され、部材70は、除去され、滅菌されるか、または患者間で置換されることができる。部材70は、衝撃波が出口20を介して音響遅延チャンバ58から退出することを可能にするように音響透過性であるポリマーまたは他の材料(例えば、低密度ポリエチレンまたはシリコーンゴム)を備えている。いくつかの実施形態において、音響結合ゲル(図示せず)が、潤滑化し、組織74の中への追加の音響透過を提供するように、部材70と組織74との間に配置され得る。
【0166】
示される実施形態において、プローブ38は、音響ミラー78を含み、音響ミラー78は、ある材料(例えば、ガラス)を備え、プローブ38は、音響ミラーに入射する音波および/または衝撃波の大部分を反射するように構成されている。示されるように、音響ミラー78は、非集束様式で(音響遅延チャンバを介して)出口20に向かって音波および/または衝撃波(例えば、スパークヘッド22において生じる)を反射するように角度を付けられることができる。示される実施形態において、筐体14は、ユーザが(例えば、衝撃波の印加中、または標的組織に出口20を位置付けるための衝撃波の印加に先立って)標的細胞を備えている患者の領域(例えば、組織74)を(窓82、チャンバ18、チャンバ58、および部材70を通して)視認することを可能にするように構成される半透明または透明な窓82を備えていることができる。示される実施形態において、窓82は、窓に入射する音波および/または衝撃波の大部分を反射するように構成された音響反射材料(例えば、ガラス)を備えている。例えば、窓82は、スパークヘッド22において生成される高エネルギー音響パルスに耐えるために十分な厚さおよび強度の透明ガラス(例えば、約2mmの厚さおよび50%を上回る光透過効率を有する強化板ガラス)を備えていることができる。
【0167】
図3では、ヒトの眼86は、窓82を通して標的組織を視認するユーザを示すが、標的組織は、カメラ(例えば、デジタルスチルおよび/またはビデオカメラ)を介して窓82を通して「視認され」得ることを理解されたい。直接または間接的観察によって、音響エネルギーは、セルライトの領域等の標的組織に従って、かつ組織の色の変化等の音響エネルギーの指示によって、位置付けられ、印加され、再配置されることができる。
【0168】
図4は、本EH衝撃波発生システムおよび装置のいくつかの実施形態との使用のための本ハンドヘルドプローブまたはハンドピースの第2の実施形態38aの断面側面図を描写する。筐体14aは、いくつかの点に関して、
図3の筐体14に実質的に類似し、例えば、筐体14aは、プローブ38aのいくつかの構成要素を収納または封入する。プローブ38aは、いくつかの点に関して、プローブ38に実質的に類似し、差異が、したがって、主にここで説明される。例えば、プローブ38aも、スパークヘッド22aの複数の電極が、窓82aおよび出口20aを通して(例えば、標的組織の)領域を視認するユーザに可視ではないように、構成される。しかしながら、光学遮蔽体を含むのではなく、プローブ38aは、スパークヘッド22a(およびスパークヘッドの電極)が、窓82aおよび出口20aを通して延びている光学経路からオフセットされているように、構成される。本実施形態において、音響ミラー78aは、チャンバ18aの境界を画定するように、かつ音響波および/または衝撃波をスパークヘッド22aから出口20aに向けるように、示されるように、スパークヘッド22aと出口20aとの間に位置付けられる。示される実施形態において、音響ミラー78aが、窓82aとチャンバ18aとの間に配置され、音波および/または衝撃波が、窓82aに直接入射しないため(すなわち、音波および/または衝撃波が、主に音響ミラー78aによって反射されるので)、窓82aは、ポリマーまたは他の音響透過性または透過型材料を備えていることができる。
【0169】
図4に示される実施形態において、スパークヘッド22aは、複数のスパーク間隙を画定する複数の電極400を含む。複数のスパーク間隙の使用は、それが所与の期間内に送達され得るパルスの数を倍にすることができるので、有利であり得る。例えば、パルスがスパーク間隙内のある量の液体を蒸発させた後、蒸気は、その液体状態に戻らなければならないか、または、依然として液体状態である液体の異なる部分によって取って代わられなければならないかのいずれかである。後続のパルスが追加の液体を蒸発させ得る前、スパーク間隙が水を補充されるために要求される時間に加えて、スパークは、電極を加熱する。したがって、所与のスパーク率に関して、スパーク間隙の数を増加させることは、各スパーク間隙が発射されなければならない率を低減させ、それによって、電極の寿命を延ばす。したがって、10個のスパーク間隙が、潜在的に、可能なパルス率および/または電極寿命を10倍増加させる。
【0170】
上記のように、高いパルス率は、大量の熱を発生させ得、それは、電極における疲労を増加させ、および/または、蒸気が蒸発させられた後に蒸気が液体状態に戻るために必要な時間を増加させ得る。いくつかの実施形態において、この熱は、スパークヘッドの周囲に液体を循環させることによって、管理されることができる。例えば、
図4の実施形態において、プローブ38aは、示されるように、チャンバ18aからそれぞれのコネクタ412および416まで延びている導管404および408を含む。本実施形態において、コネクタ412および416は、チャンバ18aを通して(例えば、熱交換器を通して)液体を循環させるように、ポンプに結合されることができる。例えば、いくつかの実施形態において、パルス発生システム26(
図3)は、直列のポンプと熱交換器とを備えていることができ、それらは、導管等を介してコネクタ412および416に結合されるように構成される。いくつかの実施形態において、フィルタが、チャンバを通して循環される液体を濾過するように、プローブ38a内に、スパーク発生システム(例えば、26)内に、および/または、プローブとスパーク発生システムとの間に含まれることができる。
【0171】
図4に図示されるように、標的組織への各衝撃波の印加は、出口20aから伝搬し、組織74を通して外向きに進行する波面418を含む。示されるように、波面418は、それが外向きに移動するときのその広がりに従って、かつ、部分的に、組織74に接触する出口部材70aの外面の形状に従って、曲線状である。
図3のそれ等の他の実施形態において、接触部材の外側形状は、平面状であり得る。
【0172】
本実施形態において、数Hz~多数のKHz(例えば、最大5MHz)のパルス率が、採用され得る。複数のパルスまたは衝撃波によって生成される疲労事象が、概して、より高いパルス率において累積的であるので、治療時間は、長い休止の持続時間によって間隔を置かれるいくつかのより高い電力の衝撃波ではなく、急速に連続して多くの中程度の電力の衝撃波を使用することによって、かなり短縮され得る。上記のように、本実施形態のうちの少なくともいくつか(例えば、複数のスパーク間隙を伴うもの)は、より高い率における衝撃波の電気液圧式発生を可能にする。例えば、
図5Aは、その間に遅延期間512を伴う本実施形態の電極に印加される2つの一続きの電圧パルス504、508を示すように拡大されたタイミング
図500を描写し、
図5Bは、本実施形態の電極に印加されるより多数の電圧パルスを示すタイミング
図516を描写する。
【0173】
スパークヘッド22a、22b、22cのうちのいずれかに類似する追加の実施形態において、それぞれの側壁(120、120a、120b)の一部は、省略され、それによって、それぞれのスパークチャンバ(124、124a、124b)も、省略されるか、または、開放したままにされ得、それによって、対応するハンドピースのより大きいチャンバ(例えば、18または18a)内の液体が、電極間で自由に循環し得る。そのような実施形態において、スパークチャンバ(例えば、側壁120、120a、120b)は、液体コネクタを含むことができるか、または、液体は、(例えば、
図4に描写されるように)スパークチャンバから独立している液体ポートを通して循環し得る。
【0174】
本システムおよび装置を用いて送達される複数のバーストまたは群504および508によって開始される一連の事象(スパーク)は、何分にもわたって印加される必要があり得るより低いパルス率(PR)に対して治療時間を短縮し得るより高いPRを備えていることができる。実施形態は、望ましいパルス率において衝撃波を送達するために使用されることができる。
【0175】
図6は、自由形状反射体を描写する。自由形状反射体は、スプライン補間のプロセスを使用して、設計され得る。示される実施形態において、結果として生じる反射体形状は、例えば、音響有限要素方法(FEM)シミュレーションを使用して、モデル化されることができる。FEMは、境界値問題への近似解を見出すための数値的技法を指す。FEMシミュレーションが、自由形状音響反射体が実行可能であることを決定する場合、物理的プロトタイプが、次いで、作製され、所望される場合、物理的に試験されることができる。
【0176】
示される実施形態において、反射体形状が画定された後、レイトレーシングが、反射体によって反射されるであろうエネルギー密度を近似するために使用される。従来的に、レイトレーシングは、光の経路をトレースし、仮想オブジェクトとのその遭遇の効果をシミュレートすることによって、画像を発生させるための技法を指す。ここで、
図6に描写されるように、レイトレーシングは、スプライン補間によって画定される反射体形状からのエネルギー密度を近似するために実施されることができる。
図6では、音響波604(ベクトルとして描写される)は、電極間隙608において発生させられ、自由形状反射体606から反射される。これらの音響波は、理想的に、標的組織深度600に到達すると一様な圧力密度を有し、拡散深度602(例えば、治療中止深度または意図された治療中止深度)に到達する時間までに少なくとも2倍放散されている。
図6では、音響波604は、標的組織深度600においてほぼ均一に間隔を置かれ、反射体の外形を横断してほぼ一様なエネルギー分布を示す。しかしながら、拡散深度602において、光線は、さらに離れており、より低いエネルギー密度を示す。標的組織深度における一様な圧力密度が理想的であるが、自由形状反射体からの他のピーク圧力読み取り値の10、20、または30パーセント超/未満のピーク圧力変動も、望ましくない結果を伴わずに所望の療法的機能を実施し得る。
【0177】
図6はまた、横断光線または重複光線を描写する鎖線も含む。重複光線(または交差光線)は、放物線反射体設計では一般的である。そのような光線は、波が合体し、建設的干渉を示し、すなわち、規模を増加させ得るので、ピーク圧力の増加を示す。しかしながら、自由形状、すなわち、放物線または放物面ではない、または非放物線または放物面音響反射体設計では、それらは、交差しない。すなわち、光線は、拡散深度602の前または後に交差しない。故に、自由形状音響反射体は、拡散602を越えた種々の位置においてピーク圧力の増加を引き起こさない。
【0178】
図7および8は、療法的波発生器の実施形態を描写する。
図7は、自由形状反射体706を備えている開示される療法的波発生器のスパークヘッド部分の等角図を描写する。加えて、
図8は、自由形状反射体706を備えている療法的波発生器の一実施形態のスパークヘッド部分の断面を描写する。
【0179】
図9、10、および11A-11Cは、音響波の電気液圧式発生のための装置の例を図示する。
図9は、改良された音響波面を有する音響波の電気液圧式発生のための装置の一実施形態の断面図を描写する。
図9に示されるように、音響波の電気液圧式発生のための装置1000は、チャンバ1008および衝撃波出口1012を画定する筐体1004と、チャンバ1008内に配置される液体と、チャンバ1008内の音響反射体1020と、チャンバ1008内に配置され、1つ以上のスパーク間隙708を画定するように構成される(例えば、スパークヘッドまたはモジュール内の)複数の電極1016a、1016bと、10Hz~5MHzの率において電圧パルスを電極1016a、1016bに印加するように構成されるパルス発生システムとを備えている。示される実施形態において、音響反射体1020は、自由形状反射体であるか、または、それを備えている一方、他の実施形態において、音響反射体は、放物面であり得る。
【0180】
本実施形態において、安定させられた音響波面が、複数の電極から形成されるスパーク間隙を有する自由形状音響反射体を使用して達成され、音響波面は、音響反射体からの一定の焦点場所で維持される。
【0181】
本実施形態のうちのいくつかにおいて、複数の(例えば、2つの)電極間のスパーク間隙が、音響反射体からの実質的に一定の焦点場所にスパーク間隙を維持するように、単一のサーボモータ1024を使用して、自動的に調節される。例えば、
図9、10、および11A-11Cに示される実施形態において、単一のサーボモータが、電極間隙のサイズおよび場所が実質的に一定に維持されるような方法で、一対の電極を移動させるために使用される。
図9は、衝撃波を電気液圧式に発生させるように電源に接続され得る装置またはプローブ1000の一部の斜視断面図を描写し、
図10は、スパーク間隙のサイズおよび場所を維持するための電極の調節を可能にするプローブ1000の構成要素の斜視図を描写し、
図11A-11Cは、スパーク間隙の維持を図示する3つの異なる位置における
図10の構成要素を描写する。
【0182】
示される実施形態において、装置1000は、チャンバ1008および衝撃波出口1012を画定する筐体1004と、水または生理食塩水等の液体を受け取る(例えば、それで充填される)ように構成されるチャンバとを含む。示されるように、装置1000は、複数の電極1016a、1016bと、チャンバ1008内に配置される(例えば、その境界の一部を画定する)音響反射体1020とも備えている。示されるように、電極1016は、チャンバ1008内に配置され、サイズ(すなわち、電極1016aと1016bとの端面間の距離)および場所を有する1つ以上のスパーク間隙708を画定するように構成される。示される実施形態において、反射体1020は、自由形状反射体である。
【0183】
示される実施形態において、装置1000は、複数の電極1016a、1016bに機械的に結合された単一のサーボモータ1024を備え、単一のサーボモータ1024は、スパーク間隙708のサイズおよび場所を実質的に一定に維持するように、電極の各々を調節するように構成される。本実施形態において、サーボモータ1024は、チャックまたは結合器1032を伴う出力シャフト1028を有し、チャックまたは結合器1032は、送りねじ1036にシャフト1028を結合し、送りねじ1036は、ねじ山を介してシャトルまたはプッシャ1040に結合され、それによって、送りねじ1036の回転が、プッシャ1040の縦方向移動をもたらす。一次電極1016aが、プッシャ1040に結合され(例えば、それによって押されるように構成され)、例えば、示される実施形態において、一次電極キャリア1044が、一次電極1016aを延長し/拡張し、示されるようにプッシャ1040まで延びている。他の実施形態において、電極キャリア1044および一次電極1016aは、一体型であり得る(例えば、単一の材料片から形成される)。示されるように、スプレッダバー1048が、一次電極キャリア1044に対して固定関係で結合され、スプレッダバー1048は、2つのプッシャロッド1052a、1052bを運び、2つのプッシャロッド1052a、1052bは、スプレッダバー1048から延び、2つのそれぞれの旋回アーム1056a、1056bと相互作用するように構成される。示されるように、旋回アーム1056a、1056bの各々は、プッシャロッド1052a、1052bが方向1064に前進するように、それぞれの旋回点1060a、1060bにおいて(例えば、ピンを介して)筐体1004に旋回可能に結合される。
【0184】
本実施形態において、二次電極1016bが、二次電極キャリア1064に結合される(かつそれによって運ばれる)。示されるように、二次電極キャリア1064は、逆U字形を有し、筐体1004にスライド可能に結合される(例えば、スロットまたはトラック1068内にスライド可能に配置される)。加えて、ばねまたは他の付勢部材(図示せず)が、一次電極1016aから離れた方向1072に二次キャリア1064および二次電極1016bを付勢する。
【0185】
この構成では、
図11A-11Cの進行に示されるように、モータ1024が作動させられるとき、シャフト1028は、送りねじ1036を回転させ、それは、次に、方向1072にシャトル1040、一次電極キャリア1044、一次電極1016a、スプレッダバー1048、およびプッシャロッド1052a、1052bを縦方向に前進させる。これらの構成要素が前進するにつれて、プッシャロッド1052a、1052bは、旋回アーム1056a、1056bのそれぞれの第1の端部1076a、1076bに接触し、それらに方向1072への力を授ける。第1の端部1076a、1076bへの上向きの(
図11A-11Cに描写される向きにおける)力は、旋回アーム1056a、1056bをそれらのそれぞれの旋回点1060a、1060bの周囲で旋回させ、旋回アームのそれぞれの第2の端部1080a、1080bを下向きに移動させ、二次電極キャリア1064に方向1084への力を授け、一次電極1016aに向かって二次電極1016bを移動させる。このように、電極が使用中に腐食するにつれて、単一のサーボモータが、同時に、一次電極1016aを上向きに、二次電極1016bを下向きに移動させ、電極1016a、1016bの端部の間の電極間隙のサイズおよび位置の両方を維持することができる。
【0186】
一次電極1060aがアノードであるので、一次電極1060aは、特定の比率で、カソードである二次電極1060bより速い率で、各スパーク放電とともに摩耗または劣化し得る。旋回点1060a、1060bからの旋回アーム1056aおよび1056bの第1の端部1076a、1076bの長さと、旋回点1060a、1060bからの旋回アーム1056aおよび1056bの第2の端部1076a、1076bの長さとは、モータ1024が1段階移動し、一次電極1060aを1072の方向に上向きに固定距離で移動させると、旋回点1060a、1060bからの旋回アーム1056a、1056bの長さの差が、第2の端部1076a、1076bが二次電極キャリア1064を押し、アノード(電極1016a)とカソード(電極1016b)との摩耗差と同じ比率で1084の方向に下向きに二次電極1016bを移動させるようにし、それによって、反射体1020の焦点において間隙を保ちながら、適切な長さで間隙708を維持するであろうように設計され得る。
【0187】
示される実施形態において、装置1000は、米国仮特許出願第62/365,009号(上記に組み込まれる)に説明されるように、外部パルス発生システム(図示せず)から電圧を受け取り、電圧パルスを一次電極1016aに、および/または、それを通して送達し、電極間にスパーク、それによって、衝撃波を発生させるようにも構成される回路基板アセンブリ1100を収納する。示される実施形態において、コントローラ1104は、コントローラが電極の間のスパークの測定に基づいてモータ1024を制御し得るように、接続1108を介して(例えば、示されるように回路基板アセンブリ1100を介して、または他の実施形態では直接)電極の一方または両方と、かつ接続1112を介してモータ1024と電気通信して結合される。例えば、一定の電極間隙サイズおよび場所を維持するために、閉ループ制御が、電極を前方に送給し、所望のサイズでスパーク間隙708を維持するようにモータ1124に信号を送るために、使用される。この閉ループ制御は、特定の充電電圧における放電のパルスを測定することによって、実施され得る。放電の特性は、スパーク間隙708(例えば、電極間隙)距離に非常に密接に互いに関係がある。これらの特性を測定することによって、閉ループ制御は、移動し、それによって、電極間の間隙を維持し、次に、放電の所望の電気的特性を維持するように、モータ1024に信号を送ることによって、実施されることができる。
【0188】
いくつかの実施形態において、コントローラ1104は、スパーク発生システムの構成要素である(例えば、コントローラ1104に関して説明される機能性は、スパーク発生システムの一次放電コントローラによって実行される命令またはコードの中に組み込まれる)。例えば、モータ1024は、延長された導線を用いて、電気パルスをモータ巻線に直接印加することによって、スパーク発生システムの主要放電コントローラから直接駆動されることができる。他の実施形態において、コントローラ1104は、別個の調節機能を伴う第2のおよび/または独立したコントローラである。例えば、コントローラ1104は、筐体内に搭載されることができ、スパーク発生システムのあるまたは一次コントローラからアナログまたはデジタル信号(例えば、電気、光学等)を受信することができる。
【0189】
本明細書に開示される電気液圧式衝撃波発生器は、改良された音響波面一様性を有する音響波面を生成する。一実施形態によると、この改良された音響波面一様性は、自由形状音響反射体と単一のサーボモータ電極調節システムとを使用する電気液圧式発生器の使用を通して達成される。結果として、ここで開示される電気液圧式装置は、患者を治療するために使用されるとき、より一貫した、より快適な音響衝撃波療法を提供する。
【0190】
図12は、
図1の真空システム112等の真空システムの例の概略図面を図示する。
図12は、コントローラ1210(例えば、制御ユニット)と、1つ以上のタイプの療法の印加を支援するために使用されることが可能な真空ヘッド1212(例えば、遠隔ヘッド)とを含む、分散型真空システム1200を描写する。
図12では、真空ヘッド1212は、コントローラ1210と別個であり、アンビリカル1214と称される可撓性管または導管を介して、コントローラに結合される。
【0191】
コントローラ1210(例えば、制御ユニット)は、コントローラ1220(例えば、制御論理、回路基板、プロセッサおよびメモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイ等)と、モータ1222(例えば、サーボまたはサーボモータ)と、弁1224(例えば、バタフライ弁)と、インジケータ1226とを含む。
図12に図示されるように、コントローラ1210は、(例えば、電力ケーブル1216を介して)電源1218に結合される。他の実装において、コントローラ1220は、バッテリ駆動式であり、バッテリまたは他の電源を含む。コントローラ1220は、モータ1222を制御し、弁1224の位置を制御または調節する等、弁1224を動作させるように構成される。加えて、コントローラ1220は、インジケータ1226を制御し、弁1224の位置を示すように構成される。故に、コントローラ1220は、真空ヘッド1212への陰圧および/または冷気1240の送達を制御するように構成される。
【0192】
冷気1240は、いくつかの手技のみのために使用され得る。例えば、冷気は、レーザまたは電磁波/放射線が治療エリアに放出されるとき、レーザ誘発光学崩壊(LIOB)療法のために好適であり得る。冷気1240は、音響サブシジョン療法または治療のために利益を殆どまたは全く提供しないこともあるので、使用されない場合もある。しかしながら、真空システム1200の中への冷気構成要素および機能性の包含は、単一の真空システム(例えば、その1210および/または1212等の1200)が、音響サブシジョン治療および他の治療(例えば、入墨除去等のLIOB治療)で使用されることを可能にし得る。
【0193】
真空ヘッド1212は、1つ以上のライト1230と、1つ以上のセンサ1232とを含む。
図12に図示されるように、真空ヘッド1212は、1つ以上のLEDと、1つ以上の赤外線センサとを含む。いくつかの実装において、1つ以上のLEDは、光を真空ヘッドの基部および/または窓に提供し、治療場所を照らすように構成される。加えて、または代替として、真空ヘッド1212は、1つ以上のLEDを介して、指示を提供するように構成される。例えば、真空ヘッド1212は、真空ステータスの指示を提供するように構成され得る。例証として、真空ヘッド1212は、1つ以上のLEDを介して、動作ステータス(例えば、達成および/または維持される陰圧または真空)、真空放出(例えば、真空または陰圧の損失)、または両方を示し得る。アンビリカル1214は、陰圧、冷気、還気等を提供するための1つ以上の専用管腔等の1つ以上の管腔を含み得る。
【0194】
他の実装において、コントローラ1210は、陰圧をアクティブにするように、および/または印加するように構成される電力スイッチ(例えば、1302)を含み得る。例えば、コントローラ1210は、コントローラ1220、モータ1222、弁1224、またはインジケータ1226のうちの1つ以上のものを含まないこともある。例証として、コントローラ1210は、ポンプの制御システム(例えば、ポンプの制御アクティブ化またはオン/オフ)を含むか、または、それに対応し得る。代替として、コントローラ1210は、コントローラ1220、モータ1222、弁1224、またはインジケータ1226のうちの1つ以上のものを含むが、そのような実装において、コントローラ1220、モータ1222、弁1224、インジケータ1226、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上のものは、真空または陰圧に対応する。例証として、弁1224は、コントローラ1220によって制御されるモータ1222に応答する陰圧の印加を制御するように構成され得、インジケータ1226は、真空圧力または弁1224位置を示す。冷気構成要素および/または機能性が省略されるそのような実装において、真空ヘッド1212は、真空ポート等の1つのポートを含み得、第2のまたは冷気ポートを含まないこともある。加えて、または代替として、アンビリカル1214は、単一の管腔(例えば、陰圧管腔)を含み得る。
【0195】
図13は、コントローラ1210(例えば、制御ユニット)の例の斜視
図1300を図示する。
図13に図示されるように、コントローラ1210は、電力スイッチ1302と、プラグを受け取るように構成されるポートまたはジャック1304における電力と、配線ポート1306と、空気ポート(例えば、冷気出力ポート、真空ポート、または両方)1308と、出力管または導管1310と、インジケータライト1312とを含む。
【0196】
図14は、コントローラ1210の内部構成要素の例を図示するコントローラ1210(例えば、制御ユニット)の例の斜視半透視図を図示する。
図14に図示されるように、コントローラ1210は、可撓性シャフト1406を介してサーボモータ1404に結合される、バタフライ弁1402を含む。コントローラ1210は、ゴム脚部1408をさらに含む。コントローラ1210の他の構成要素の例証的設置も、
図14に描写される。
【0197】
図15は、真空ヘッド1212(例えば、遠隔ヘッド)の例の斜視
図1500を図示する。真空ヘッド1212は、1つ以上のポートを含む。
図15に図示されるように、真空ヘッド1212は、冷気取り入れポート1502と、真空圧力取り入れポート1504と、真空放出スイッチ1506とを含む。他の実装において、真空ヘッド1212は、真空ヘッド1212がLIOB療法を提供するために使用されないとき等に冷気取り入れポート1502を含まない。いくつかの実装において、真空ヘッド1212は、1つ以上のライト(例えば、LED等の1232)をさらに含む。
【0198】
真空ヘッド1212は、音響サブシジョンを生体媒質内の標的面積に選択的に提供することを支援するように構成される。示されるように、真空ヘッド1212は、そのうちのいくつかが真空ヘッド内に位置付けられ得る本明細書に説明される音響サブシジョンデバイス等の音響サブシジョンデバイスと共に使用されるように構成される。真空ヘッド1212の遠位(または
図14の向きでは下)端は、生体媒質(例えば、組織192または皮膚)に対して押し付けられるように構成される。例えば、真空ヘッド1212の筐体は、ポリマーまたは他の材料を備えていることができる。示されるように、真空ヘッド1212の筐体は、1つ以上の内部チャネル、および1つ以上の開口部(例えば、環状開口部)を画定し、それを通して、真空が、吸引力を皮膚または他の生体媒質に印加するように(例えば、持続的に、または治療エリアの周辺の周囲の複数の点において)連通される。本開示で使用されるように、用語「真空」は、物質の完全な非存在ではなく、周囲大気圧よりも低い圧力(例えば、陰圧)を指す。
【0199】
いくつかの実装において、真空ヘッド1212は、窓(例えば、透明な窓)を含み、窓は、真空ヘッド1212を通して衝撃波の伝送を可能にし、(例えば、皮膚から熱エネルギーを引き出すヒートシンクを提供することによって、または冷気を提供することによって)皮膚または他の生体媒質の冷却を支援し、および/または、(例えば、真空または吸引力が皮膚に印加され得る封入空間を生成することによって)皮膚または他の生体媒質の安定化を支援する。いくつかの実施形態において、窓は、例えば、生体媒質(例えば、皮膚)と接触して設置されることに先立って冷却され得るサファイア材料を備えていることができる。
【0200】
いくつかのそのような実装において、真空ヘッド1212は、窓と接触するように生体媒質の一部を引っ張ることによって、生体媒質の一区分を分離することを支援する。これは、治療のために生体媒質の一部を安定させる。
図15に示されるように、本実施形態において、真空ヘッド1212の筐体は、外部接続(例えば、ポート1502、1504)を含み、それを通して、真空源が、内部チャネルに接続され、治療エリアに連通されることができる。
【0201】
他の実施形態において、真空ヘッド1212は、筐体に結合され、皮膚または他の生体媒質の温度を監視するように向けられた温度計(例えば、赤外線または他の非接触温度計)も備えている。他の実施形態は、覆われていない空隙または開口部を選んで窓を省略し、温度計を省略し、および/または、光源(例えば、LED)を省略し得る。
【0202】
図16A-16Eは、真空システム112または1200等の真空システムの真空ヘッド(例えば、遠隔ヘッド)の例の追加の図を図示する。
図16Aは、真空ヘッド1612の例の斜視図を図示する。
図16Bは、
図16Aの真空ヘッド1612の側面断面図を図示する。
図16Aを参照すると、ライト1632およびセンサ1634の例示的レイアウトが、図示される。
図16Aでは、真空ヘッドは、複数の指示ライト1632A(例えば、白色LED)と、照明ライト1632B(例えば、RGB LED)と、温度センサ、圧力センサ、または両方等の(例えば、緑色回路基板の下の)センサ1634とを含む。
図16は、ライト1632およびセンサ1634のレイアウトも図示し、真空ヘッド1612の本体または筐体の底部または基部に結合されるフランジ1622をさらに図示する。
図16Aおよび16Bに図示されるように、フランジ1622(例えば、柔軟部材)は、治療部位とシールを形成し、真空ヘッド1612による真空または陰圧の発生および維持を可能にするように構成される。
【0203】
図16Cおよび16Dは、
図16Aおよび16Bの真空ヘッド1612のフランジ1622の追加の図を図示する。
図16Cを参照すると、フランジ1622の斜視図が、図示される。
図16Dは、
図16Cのフランジ1622の側面断面図を図示する。いくつかの実装において、フランジ1622は、フォトポリマーから作製されるか、または、それを含む。
【0204】
図16Eは、真空ヘッド1652の側面断面図を図示する。真空ヘッド1652は、オーバーモールドされたフランジ1624、および、真空ヘッド1612に対してコンパクトな、または薄型の基部(例えば、筐体または本体)を含む。フランジ1624は、フランジ1622と同様に動作する。
図16A-16Eに図示されるフランジ1622、1624は、いくつかの実装において、30ショアA~50ショアAの硬度を有し得る。フランジ1622、1624は、大気圧下で、約5水銀柱インチ(in Hg)、およそ24in Hgである圧力において動作するように構成され得る。いずれのライトまたはセンサも
図16Eに図示されないが、他の実装において、真空ヘッド1652は、ライト(例えば、1632A、1632B、または両方)、センサ(例えば、1634)、またはそれらの組み合わせを含む。
【0205】
図17Aおよび17Bは、統合真空システムの例の図を図示する。
図17Aは、統合真空システム1712(例えば、統合ヘッド)の例の斜視
図1700を図示する。統合システムは、筐体(真空ヘッド筐体とも称される)内に含まれているコントローラまたは制御ユニット(例えば、1つ以上のその構成要素)を指し、筐体は、真空ヘッドも含むか、または、それを画定する。統合真空システム1712は、1つ以上のポートを画定する筐体または基部を含む。他の真空システムと同様、統合真空システム1712も、電源、冷気源、および/または真空源に結合される。
図17Aに図示されるように、統合真空システム1712は、LEDと、センサとを含む。他の実装において、統合真空システム1712は、ライト(例えば、LED)、センサ、または両方を省略し得る。
【0206】
図17Bは、
図17Aに図示される真空ヘッド1212(例えば、遠隔ヘッド)の例の側面切断
図1750を図示する。
図17Bは、
図17Aに図示される1つ以上のポートに対応する統合真空システム1712によって画定されるチャネルを通して図示する。加えて、
図15に参照される内部チャネル、環状リング、および窓/開口部は、
図17Bの統合真空システム1712の真空ヘッド1212に図示される。
【0207】
図18は、音響サブシジョンデバイスを使用して、患者を治療し、セルライトの外観を改善する方法1800を図示する。方法1800は、システム100(例えば、そのデバイス110)、システム600等において、またはそれによって、実施され得る。方法1800は、1810において、治療部位に近接して音響サブシジョンデバイスを位置付けることを含む。例えば、音響サブシジョンデバイスは、音響サブシジョンデバイス110、プローブ38、プローブ38a、システム600、装置1000を含むか、または、それに対応し得、治療部位は、治療エリアである組織部位150、治療エリア内の治療場所である組織74または組織192を含むか、または、それに対応し得る。
【0208】
方法1800は、1812において、衝撃波を治療部位に印加することをさらに含む。例えば、衝撃波は、高速音響パルス(RAP)等の衝撃波パルスを含むか、または、それに対応し得る。例証として、上記に説明される音響サブシジョンデバイスのうちの1つは、
図1の衝撃波パルス132または
図2Aのパルス200を発生させる。
【0209】
いくつかの実装において、方法1800は、複数の衝撃波を治療部位に印加することをさらに含み、複数の衝撃波は、10Hz~200Hz、50Hz~100Hz、20Hz~500Hz、または10Hz~1,000Hzのパルス繰り返し率において印加される。
【0210】
いくつかの実装において、方法1800は、複数の衝撃波を個別的な間隔において治療部位に印加することをさらに含み、間隔は、1~3分の持続時間を有し、治療部位内の特定の治療場所に対応する。
【0211】
いくつかの実装において、方法1800は、治療部位上に真空ヘッドを位置付けることと、真空ヘッドを治療部位に適用することと、陰圧を発生させることとをさらに含む。例えば、真空ヘッドは、真空システム112、真空システム1202、真空ヘッド1212、または統合真空システム1612を含むか、または、それに対応し得る。例証として、真空ヘッド1212は、組織部位150の組織192に取り付けられる。特定の実装において、方法1800は、
図15を参照して説明されるように、冷気を治療部位に印加することをさらに含む。
【0212】
したがって、方法1800は、音響サブシジョンデバイスを使用して、患者を治療し、セルライトの外観を改善する方法を説明する。音響サブシジョンデバイスは、療法的治療および内科治療が組織に物理的効果を引き起こし、皮下脂肪内の線維中隔に破壊を引き起こすことを可能にする。現在のサブシジョンデバイスおよび技法と比較して、方法1800は、非侵襲性であり、それによって、適応性を増加させ、合併症および患者不快感を低減させる。故に、本明細書に説明される音響サブシジョンデバイスおよび方法は、脂肪組織欠陥の改良された治療を可能にし、それによって、患者快適性および治療への信頼を前進させ得る。
【0213】
図19は、高速音響パルスを使用して、線維構造(皮膚および/または皮下)に破壊を引き起こすことによって、患者を治療し、セルライトの外観を改善する方法1900を図示する。方法1900は、システム100またはシステム600の1つ以上の構成要素を使用して、患者または介護提供者によって実施され得る。方法1900は、1910において、セルライトを含む治療部位を識別することを含む。例えば、治療部位は、治療エリアである組織部位150、治療エリア内の治療場所である組織74または組織192を含むか、または、それに対応し得る。例証として、患者または介護提供者(例えば、技術者、看護師、医師等)が、セルライトを含むか、または、セルライトに対応する治療部位またはエリアを識別する。いくつかの実装において、方法1900は、治療部位またはエリア内の治療場所を識別することをさらに含む。
【0214】
方法1900は、1912において、一連の衝撃波パルスを治療部位に印加することも含む。例えば、衝撃波は、高速音響パルス(RAP)等の衝撃波パルスを含むか、または、それに対応し得る。例証として、音響サブシジョンデバイス(例えば、音響サブシジョンデバイス110、プローブ38、プローブ38a、システム600、装置1000)は、
図5Aおよび5Bを参照して説明されるように、本明細書に説明されるようなパルス132またはパルス200を印加する。
【0215】
いくつかの実装において、方法1900は、複数の衝撃波を治療部位に印加することをさらに含み、複数の衝撃波は、10Hz~200Hz、50Hz~100Hz、20Hz~500Hz、または10Hz~1,000Hzのパルス繰り返し率において印加される。
【0216】
いくつかの実装において、方法1900は、複数の衝撃波を個別的な間隔において治療部位に印加することをさらに含み、間隔は、1~3分の持続時間を有し、治療部位内の特定の治療場所に対応する。
【0217】
いくつかの実装において、方法1900は、治療部位上に真空ヘッドを位置付けることと、真空ヘッドを治療部位に適用することと、陰圧を発生させることとをさらに含む。例えば、真空ヘッドは、真空システム112、真空システム1202、真空ヘッド1212、または統合真空システム1612を含むか、または、それに対応し得る。例証として、真空ヘッド1212は、組織部位150の組織192に取り付けられる。特定の実装において、方法1900は、
図15を参照して説明されるように、冷気を治療部位に印加することをさらに含む。
【0218】
したがって、方法1900は、高速音響パルスを使用して、皮膚および/または皮下線維構造に破壊を引き起こすことによって、患者を治療し、セルライトの外観を改善することを説明する。高速音響パルス(例えば、ピーク圧力、圧力上昇および降下時間、およびその繰り返し率)は、療法的治療および内科治療が組織に物理的効果を引き起こし、皮下脂肪内の線維中隔に破壊を引き起こすことを可能にする。現在のサブシジョンデバイスおよび技法と比較して、方法1900は、非侵襲性であり、それによって、適応性を増加させ、合併症および患者不快感を低減させる。現在の圧力波技法または侵襲性技法と比較して、方法1900は、以前は治療不可能であったセルライト(例えば、進行した、またはグレード2以上のセルライト)および他の線維性症状を標的化し、そのような標的への増加したピーク圧力、圧力上昇および降下時間、および繰り返し率の標的治療セッションを利用し、物理的効果(例えば、硬化性中隔の破壊)を引き起こす累積衝撃/応力を誘発する。故に、本明細書に説明される音響サブシジョンデバイスおよび方法は、脂肪組織欠陥の改良された治療を可能にし、それによって、患者快適性および治療への信頼を前進させ得る。
【0219】
方法1800は、線維中隔を治療することを説明するが、他の実装において、皮膚、脂肪組織、筋肉組織、器官組織(例えば、生殖器組織および/またはその対応する皮膚組織)等の他のタイプの組織も、治療され得る。加えて、方法1900は、セルライトを含むものとして治療部位を説明するが、他の実装において、治療部位は、セルライトに加えて、またはその代替として、ケロイド、肥厚性瘢痕、またはインプラント被膜収縮等の他のものを含み得る。いくつかのそのような実装において、2マイクロ秒より小さい負のパルス成分持続時間を伴う非集束または平面状衝撃波等の圧縮された非キャビテーティングRAP(例えば、200、280、295)が、使用され得る。
【0220】
図20A-22Bを参照すると、皮下脂肪内の線維中隔および破壊された療法後の治療された線維中隔を描写する代表的組織学スライドが、図示される。
図20A、21A、および22Aは、ゲッティンゲンミニブタの線維中隔を図示する代表的組織学スライドを図示し、そのような線維中隔は、セルライト、瘢痕、皮膚隆線等に対応するヒト線維中隔を表す。
図20B、21B、および22Bは、音響サブシジョンを用いた治療後の線維中隔を図示する代表的組織学スライドを図示する。
【0221】
図23Aおよび23Bを参照すると、治療前および後の写真が、代表的ヒト患者に関して図示される。
図23Aは、治療に先立った患者の大腿部上のセルライト皮膚隆線を図示する画像である。
図23Bは、治療後12週間目の
図23Aのセルライト皮膚隆線を図示する画像である。
【0222】
図24A-30Bを参照すると、破壊された療法後の治療された線維中隔、および血管化およびコラーゲン形成等の組織反応を描写する代表的スライドが、図示される。
図20A-30Bは、実験結果の節を参照して、さらに説明される。
(実験結果)
【0223】
実験が、本発明の音響サブシジョンデバイスを実証するために行われた。
(例1:皮下線維中隔の音響サブシジョン)
【0224】
研究が、高い(例2において下記に説明される第2の研究に対して、約10MPa)平均ピーク出力圧力(すなわち、各パルスのピーク出力圧力の平均)を有する音響パルスを生成した音響サブシジョンデバイスを使用して、線維性細胞外基質破壊を評価するために、約30キログラムの重さのゲッティンゲンミニブタを使用して行われた。音響サブシジョンデバイスは、非集束非キャビテーティング高速音響パルス(RAP)を生成した。そのような非集束非キャビテーティング高速音響パルス(RAP)は、パルス200、280、295を含むか、または、それに対応し得る。
【0225】
一般的手順は、動物に麻酔をかけ、バリカン、次いで、剃刀を使用して、体毛を除去することによって、腹中部位を準備することであった。音響サブシジョンデバイスが、次いで、各衝撃波が2分にわたって50Hzのパルス繰り返し率において約10MPaのピーク出力圧力を有する高周波数衝撃波を治療部位において提供するために使用された。
【0226】
高周波数衝撃波を用いた治療に続いて、生検が、3mm円形パンチ生検器具を使用して治療部位において行われた。治療された組織サンプルが、緩衝ホルマリン溶液の中に入れられた。組織スライドが、次いで、治療された組織サンプルから作製され、顕微鏡検査のためにヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)染色で染色された。未治療組織サンプルから作製されたスライドは、対照サンプルとしての役割を果たした。
【0227】
図20Aおよび20Bは、皮下組織内の線維中隔を示す2倍率における組織画像を提供する。
図20Aは、未治療部位の線維中隔を図示し、
図20Bは、治療された部位の線維中隔を図示する。
図20Aおよび20Bの組織学画像から分かり得るように、
図20Aの未治療部位の線維中隔と比較して、
図20Bの治療された部位の線維中隔は、大規模な破壊を経験したと考えられる。
図20Bは、治療された部位からの組織にキャビテーションまたは熱損傷の証拠が存在しなかったことも図示する。さらに、血管は、巨視的血腫のいずれの証拠も伴わずに、無傷で損傷されていないままであった。
【0228】
図21Aおよび21Bは、皮下組織内の線維中隔を示す20倍率における異なる組織サンプルからの組織画像を提供する。
図21Aは、未治療部位の線維中隔を図示し、
図21Bは、治療された部位の線維中隔を図示する。再度、
図20Aおよび20Bの組織学画像から分かり得るように、
図21Aの未治療部位の線維中隔と比較して、
図21Bの治療された部位の線維中隔は、大規模な破壊を有すると考えられる。
図21Bはまた、治療された部位からの組織にキャビテーションまたは熱損傷の証拠が存在しなかったことも図示する。本研究の結果は、皮下線維中隔の音響サブシジョンを引き起こす本発明の高速音響パルスの能力を支持する。
(例2:皮下線維中隔の音響サブシジョン)
【0229】
別の研究が、中程度(約6MPa)の平均ピーク出力圧力を有する音響パルスを生成した音響サブシジョンデバイスを使用して、皮下脂肪内の線維中隔破壊を評価するために、ゲッティンゲンミニブタを使用して行われた。例1に概説されるものと同一の一般的手順が、辿られた。しかしながら、音響サブシジョンデバイスは、次いで、各衝撃波が3分にわたって100Hzのパルス繰り返し率において約6MPaの平均ピーク出力圧力を有する高周波数衝撃波を治療部位において提供するために使用された。
【0230】
図22Aおよび22Bは、皮下組織内の線維中隔を示す20倍率における組織画像を提供する。
図22Aは、未治療部位の線維中隔を図示し、
図22Bは、治療された部位の線維中隔を図示する。
図22Aおよび22Bの組織学画像から分かり得るように、
図22Aの未治療部位の線維性細胞外基質と比較して、
図22Bの治療された部位の線維性細胞外基質は、大規模な破壊を有すると考えられる。
図22Bは、治療された部位からの組織にキャビテーションまたは熱損傷の証拠が存在しなかったことも図示する。本研究の結果は、皮下線維中隔の音響サブシジョンを引き起こす高速音響パルス技術の能力をさらに支持する。本研究の結果は、組織構造に破壊を安全に引き起こすRAPによる音響サブシジョンの能力も支持する。
【0231】
実験が、それに対応する皮下脂肪内の硬化性中隔を含む線維皮下中隔等のセルライトへの衝撃波による音響サブシジョンの影響を観察するために、ヒトに行われた。
(例3:パイロット研究)
【0232】
施設内倫理委員会(IRB)承認ヒト臨床試験が、硬化性線維中隔から引き起こされるセルライトくぼみまたは隆線の外観を改善するための本発明の音響サブシジョンデバイスの有効性を試験するために行われた。パイロット研究の目標は、非侵襲性音響サブシジョンデバイス(ASD)の印加が、患者によって十分に耐えられ、その印加が、平均簡略化セルライト重症度スコア(CSS)の低減によって測定されるようなセルライトの外観の改善をもたらすことを検証することであった。
【0233】
グレードIIセルライトおよび30未満のBMIを伴う女性が、登録の対象であった。各参加者の一方の無作為に選択された脚の大腿上部上の約25cm×25cmのエリアが、単一の診察において患者あたり合計20分の治療のために、エリア内の20個の治療部位においてASDの20回の1分間の印加を用いて、単一のセッションで治療された。20個の治療部位の各々は、1分間の印加を受けた。各高周波数衝撃波印加は、50Hzのパルス繰り返し率において約6MPaの平均ピーク出力圧力を有した。動物実験からの組織学的証拠は、これらの高速音響パルスが脂肪中隔の全体を通してコラーゲン線維を破壊し、中隔の破壊、おそらく、サブシジョンを効果的にもたらすことを示している。標準化された写真が、治療の12週間前および後に撮影された。これらの前/後写真ペアは、治療後に撮影された写真を識別するように、かつ両方の写真に関して0~5点のCSSスコアを提供するように求められた3人の盲検審査者によって査定された。0~10点スケール上の有害事象および疼痛が、治療後に記録され、0は、疼痛なしを示し、10は、可能な最悪の疼痛を示した。
【0234】
30~54歳の5人の女性が、研究に登録された。数時間以内に解消した軽度の毛嚢炎のみが、治療部位において留意され、紅斑、浮腫、または挫傷は報告されなかった。疼痛が、治療部位の97%において0~10点上で「0」(疼痛なし)のレベルにおいて評定された。最高スコアは、ASDが大腿骨大転子にわたって直接印加されたとき、1人の参加者によって1つの治療部位において4であり、それは、転子の側方にASDを再配置することによって解消された。3人の審査者による盲検査定は、4.27~3.03(p<0.001)のCSSの平均低減、および治療前/後ペアからの治療後写真の100%正しい識別を示した。
【0235】
本パイロット研究の結果は、非侵襲性でほぼ無痛の音響サブシジョンデバイスを用いた単一の治療セッションが、患者にとってダウンタイムを伴わずにセルライトの外観の有意な改善をもたらすことを示した。
(例4:セルライトの治療-症例報告)
【0236】
この症例報告は、上記の例3に説明される研究から得られた。
【0237】
本研究における1人の特定の患者は、深部皮膚隆線を特徴とした重度のセルライトを有した。このタイプの深部皮膚隆線は、通常、切開サブシジョン(すなわち、特殊な皮下注射針が、皮下脂肪内の中隔を切断するように皮膚内の穿刺を通して挿入される)等の外科的手技を使用して治療されるであろう。本研究では、深部皮膚隆線を含む特定の患者のセルライトは、上記に概説されるプロトコル通りに治療された。
図23Aおよび23Bは、RAP治療の直前(
図23A)およびRAP治療の12週間後(
図23B)からの写真を図示する。
図23Aおよび23Bから分かり得るように、12週間の時点において、患者の大腿部内のRAPで治療された深部皮膚隆線は、明白な改善を実証した。患者の前後のセルライト連続写真が、3人の独立医師審査メンバーによって評価され、セルライト重症度スケールを使用してスコア化された(Kaminer, et al.、2015)。12週間において、皮膚隆線を含む患者セルライトは、有意な1.5点低減(前の4.83から後の3.33)を実証した。RAP治療を使用する音響サブシジョンデバイスを用いた単一の治療は、いずれの疼痛、打撲傷、腫脹、またはダウンタイムも伴わずに、この患者におけるセルライト隆線の有意な解消を提供した。
【0238】
上記の明細および例は、例示的実施形態のプロセスおよび使用の説明を提供する。ある実施形態が、ある程度の詳細を伴って、または1つ以上の個々の実施形態を参照して、上記に説明されているが、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、開示される実施形態に多数の改変を行い得る。したがって、本方法の種々の例証的実施形態は、開示される特定のステップに限定されることを意図していない。むしろ、それらは、請求項の範囲内に該当する全ての修正および代替物を含み、示されるもの以外の実施形態は、描写される実施形態の特徴のうちのいくつかまたは全てを含み得る。さらに、適切である場合、上記に説明される例のうちのいずれかの側面が、同等なまたは異なる性質を有し、同一または異なる問題に対処する、さらなる例を形成するように、説明される他の例のうちのいずれかの側面と組み合わせられ得る。同様に、上記に説明される利益および利点は、一実施形態に関し得る、またはいくつかの実施形態に関し得ることを理解されたい。
(例5:RAPによる組織反応の誘発)
【0239】
研究が、200、280、および295等の(非キャビテーティング)圧縮RAPを使用した組織構造の物理的破壊によって組織反応(例えば、血管化)を誘発することを評価するために、約30キログラムの重さのゲッティンゲンミニブタを使用して行われた。例1に概説されるものと同一の一般的手順が、辿られた。しかしながら、RAPは、2分にわたって50Hzの率において8~9MPaの平均ピーク出力圧力を有した。加えて、RAPは、2マイクロ秒より小さい負のパルス成分持続時間を有した。
【0240】
図24A-26は、治療後の異なる時間における皮下組織内の組織(例えば、線維中隔)の破壊を示す組織画像を提供する。
図24Aを参照すると、
図24Aは、治療の直後の皮下組織内の組織(例えば、線維中隔)の破壊を示す5倍率における組織画像である。
図24Bは、治療の直後の皮下組織内の組織(例えば、線維中隔)の破壊をより詳細に示す
図24Aの組織画像の一部の拡大組織画像である。
【0241】
図25Aおよび25Bは、5倍率における組織画像を提供し、それは、治療直後の組織(
図25A、
図24Aに類似する)を治療後6日目の組織(
図25B)と比較する。
図25Bに示されるように、治療後6日目の組織は、
図25Aに示される組織と比較して、有意な組織反応(例えば、血管化)を実証した。
【0242】
図26は、
図25Bに図示される治療後6日目の組織サンプルの詳細な組織画像を提供する。
図26は、
図25Bに類似する、治療後6日目の組織サンプルの10倍率における組織画像2600を含む。
図26は、真皮および皮下組織を図示する2つのさらなる拡大区分2610および2620をさらに含む。拡大区分2610に図示される真皮および拡大区分2620に図示される皮下組織の両方は、新しいコラーゲン堆積および新しい血管系に続発するより厚い線維中隔の形態で有意な組織反応を実証した。接写組織学画像(拡大区分2610および2620)分かり得るように、含脂肪細胞および線維中隔の両方は、破壊を被っていると考えられる。組織にキャビテーションまたは熱損傷の証拠は存在しなかった。
【0243】
本研究の結果は、真皮および皮下脂肪組織内の新しいコラーゲンおよび新しい血管の誘導によって実証されるような組織反応につながる組織破壊を安全に引き起こす音響サブシジョンデバイスRAPの能力を支持する。
(例6:RAPによる組織反応の誘発)
【0244】
別の研究が、200、280、および295等の(非キャビテーティング)圧縮RAPを使用した、組織構造の物理的破壊によって組織反応(例えば、血管化)を誘発することを評価するために、ゲッティンゲンミニブタを使用して行われた。例1に概説されるものと同一の一般的手順が、辿られた。しかしながら、RAPは、例5と同様、約8~9MPaの平均ピーク出力圧力を有し、2マイクロ秒より小さい負のパルス成分持続時間を有し、2分にわたって50Hzの率において提供された。
【0245】
図27Aおよび27Bは、治療後6日目の同一の治療部位からの組織(
図27B)に対する治療の直後(
図27A)の皮下組織内の組織(例えば、線維性細胞外基質)の破壊を示す5倍率における組織画像を提供する。治療後6日目の組織は、コラーゲン堆積および新しい血管系からのより厚い線維中隔の形態で有意な組織反応を実証した。組織にキャビテーションまたは熱損傷の証拠は存在しなかった。
【0246】
図28Aおよび28Bは、治療日(
図28A)および治療後6日目(
図28B)からの筋肉組織の接写組織画像を提供する。治療後6日目の筋肉組織は、増加した血管化の形態で有意な組織反応を実証した。
【0247】
本研究の結果は、真皮、皮下脂肪組織、および筋肉組織内の新しいコラーゲンおよび新しい血管の誘導によって実証されるような組織反応につながる組織破壊を安全に引き起こす音響サブシジョンデバイスRAPの能力を支持する。
(例7:ヒトにおけるRAPによる組織反応の誘発)
【0248】
別の研究では、腹部形成術を受ける予定である中年女性対象が、RAPを使用して、皮膚細胞外基質組織構造の物理的破壊を誘発することを評価するために、音響サブシジョンを用いて治療された。治療部位および対照部位が、画定され、ペンでマークされた。麻酔を用いることなく、音響サブシジョンデバイスは、RAPを治療部位に提供した。音響サブシジョンデバイスによって提供されたRAPは、約4~6MPaの平均ピーク出力圧力を有し、各10cm2面積あたり約2分にわたって50Hzの率において提供された。加えて、RAPは、2マイクロ秒より小さい負のパルス成分持続時間を有した。参加者は、RAP印加中にいずれの不快感も報告しなかった。
【0249】
治療後4日目に、参加者は、対照部位上で腹部形成術を受けた。外科的手技後、切除された皮膚上の治療部位および対照部位エリアが、3mm円形パンチ生検器具を使用して生検された。組織サンプルが、緩衝ホルマリンの中に入れられた。組織サンプルの組織学スライドが、顕微鏡検査のためにH&Eで染色された。
【0250】
図29Aおよび29Bは、対照部位(
図29A)および治療部位(
図29B)に関して治療後4日目の組織の10倍率における組織画像を提供する。分かり得るように、
図29Aの対照部位組織と比較して、
図29Bの治療部位組織は、著しい組織破壊を実証する。治療部位(
図29B)の組織にキャビテーションまたは熱損傷の証拠は存在しなかった。
【0251】
類似動物実験では、破壊された皮膚組織は、
図30A(第0日)および30B(第62日)に示されるように、治療後62日目における新しいコラーゲン(コラーゲン形成)の増加によって実証されるような組織反応を誘発する。
図30Aおよび30Bに示されるスライドは、8倍率にあり、新しいコラーゲン(染色されたときに青色である)が治療後の62日にわたって発育していることを図示する。
【0252】
本研究の結果は、再び、キャビテーションまたは熱損傷の証拠を伴わずに、組織(すなわち、真皮)構造に破壊を安全に引き起こす非集束非キャビテーティング高速パルス音響衝撃波の能力を支持する。さらに、破壊された組織は、真皮内の新しいコラーゲンの増加によって実証されるような組織反応を誘発する。
【0253】
例5-7の研究の結果は、血管化および/または皮膚コラーゲン形成等の組織反応につながる組織破壊を安全に引き起こす音響サブシジョンデバイスRAPの能力を支持する。
(例8:RAPを使用したヒト瘢痕組織の治療)
【0254】
別の研究が、音響サブシジョンを使用して、線維性瘢痕の低減を誘発することを評価するために実施され、より古い治癒した帝王切開の部位に線維性瘢痕を伴う中年女性対象が、RAPを用いて治療された。治療部位は、ペンでマークされ、基準3D写真が、Antera 3Dカメラ(Miravex)を使用して撮影された。麻酔を用いることなく、音響サブシジョンデバイスは、RAPをヒドロゲルで被覆された治療部位に提供した。音響サブシジョンデバイスによって提供されたRAPは、約4~6MPaの平均ピーク出力圧力を有し、約6分にわたって50Hzの率において線維性瘢痕部位に提供された。加えて、RAPは、2マイクロ秒より小さい負のパルス成分持続時間を有した。参加者は、RAP印加中にいずれの不快感も報告しなかった。
【0255】
対象の治療に続く6週間目に、治療された線維性瘢痕部位の3D写真が、再び撮影された。結果は、線維性瘢痕の体積が約7%減少し、線維性瘢痕の高さが約29%減少したことを示した。
【0256】
研究の結果は、線維性瘢痕組織の低減等の組織反応につながる組織破壊を安全に引き起こす音響サブシジョンデバイスの能力を支持する。
【0257】
(例9:RAPを使用する線維性瘢痕の低減)
【0258】
単一施設概念実証IRB承認ヒト臨床研究が、線維性瘢痕の外観の一時的改善のためのRAPデバイスの安全性、耐性、および有効性を評価するために実施された。RAPデバイスは、毎秒50パルスの高速の率において高強度音響衝撃波を生成し、皮膚線維構造および皮下線維構造を破壊することが可能である。これは、瘢痕組織基質の微細破壊および瘢痕再形成につながる線維性線維芽細胞の下方調整の両方を通して、瘢痕の外観を改善する潜在性を有する。RAPデバイスは、レーザベースの入墨除去を加速するための2つのIRB認証ヒト臨床試験で、およびセルライトの外観を改善するための概念実証試験で正常に使用されている。
【0259】
単一の6分間のRAPセッションが、10人の参加者において11個の線維性瘢痕(すなわち、ケロイドまたは肥厚性瘢痕)を治療するために使用された。治療の直後に、予期しない有害事象(UAE)および治療耐性が、記録された。瘢痕寸法および外観の査定が、3次元マルチスペクトルカメラ(Antera 3D Pro、Miravex(Dublin,Ireland))を用いて撮影された前後の写真を使用して、実施された。Antera 3D Proを用いて入手された画像が、前治療から12週間目の追跡調査までの瘢痕体積および高さの変化に関して、専用ソフトウェアを使用して分析された。12週間目の追跡調査時に、参加者が、「患者満足度」調査に記入するように求められた。
【0260】
11個の治療された瘢痕の治療前および後写真の3D瘢痕査定が、29.6%(p<0.01)(範囲2%~-48%)の体積の平均低減および14.6%(p<0.005)(範囲0%~-34%)の高さの平均低減を実証した。軽度の紅斑および点状出血を除いて、いずれのUAEも、RAP治療から生じなかった。治療セッションは、全ての対象によって許容可能であると見なされた。平均疼痛スコアは、(10が可能な最悪の疼痛である、0~10の疼痛スコア上で)2.2であった。10人の参加者のうちの7人が、瘢痕が改善されたことに同意または大いに同意した一方、2人が、中立であり、1人が、同意しなかった。10人のうちの8人が、治療を再び行うであろうことに同意または大いに同意した一方、1人が、中立であり、1人が、同意しなかった。最後に、10人のうちの6人が、治療を友人に推奨するであろうことに同意または大いに同意した一方、3人が、中立であり、1人が、同意しなかった。
【0261】
RAPデバイスを使用する線維性瘢痕の治療は、安全かつ許容可能である。12週間における追跡調査は、RAPが、最小限の疼痛を伴って、単一の短い持続時間の非侵襲性治療から線維性瘢痕の有意な改善を提供し、殆どの患者が、進行の量に伴って満足度を表すことを実証する。
【0262】
請求項は、そのような限定が、それぞれ、語句「~するための手段」または「~するためのステップ」を使用して、所与の請求項で明示的に記載されない限り、手段プラスまたはステッププラス機能の限定を含むことを意図しておらず、それを含むと解釈されるべきではない。
【表1】
【図】
【国際調査報告】