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特表2022-527660薬剤調剤システムおよび方法による薬剤容器の処理
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-02
(54)【発明の名称】薬剤調剤システムおよび方法による薬剤容器の処理
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20220526BHJP
【FI】
A61J3/00 310K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560594
(86)(22)【出願日】2020-04-01
(85)【翻訳文提出日】2021-12-07
(86)【国際出願番号】 IB2020053082
(87)【国際公開番号】W WO2020208479
(87)【国際公開日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】16/379,835
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/379,831
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/430,456
(32)【優先日】2019-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/559,716
(32)【優先日】2019-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】521444114
【氏名又は名称】テク ファーマシー サービシズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【弁理士】
【氏名又は名称】藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】エイナヴ,オメル
(72)【発明者】
【氏名】シャバノフ,ドロン
(72)【発明者】
【氏名】ベン デイビッド,タミール
(72)【発明者】
【氏名】リシッツ,エーヤル
(72)【発明者】
【氏名】マッキニー,トーマス エー.
(72)【発明者】
【氏名】リベルマン,モシェ
(72)【発明者】
【氏名】スペロ,アンソニー ジョセフ
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047JJ08
4C047JJ25
4C047JJ27
4C047JJ31
4C047JJ32
4C047KK04
4C047KK09
4C047KK10
4C047KK13
4C047KK28
(57)【要約】
薬剤パネルと、薬剤コンテナを収容するための複数のドッキングポートと、グリッパと、1つまたは複数のアクチュエータによって移動可能な、容器を保持するための台を含んでいる容器キャリアとを含む、薬剤調剤システム。一部の実施形態では、このシステムは、容器キャリアを移動するための配置信号を出力し、グリッパを移動して薬剤投与量を薬剤コンテナから選別し、操作するための投与量操作信号を出力する制御回路を含み、少なくとも投与量操作信号を出力する前に、容器の開口部と薬剤投与量の間の水平距離が、20cm未満である。この方法は、薬剤を薬剤コンテナから抽出することと、少なくとも抽出の前に、容器キャリアによって、薬剤と容器の開口部の間の20cm未満の水平距離で容器を配置することと、薬剤を容器に調剤することとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブを挿入して薬剤コンテナから薬剤投与量を選別し、前記薬剤投与量を薬剤容器の開口部に調剤する薬剤調剤システムであって、
前記薬剤コンテナを収容するための複数のドッキングポートを含んでいる薬剤パネルと、
1つまたは複数のアクチュエータと、
前記プローブに取り付け可能であるか、または前記プローブを含んでいるグリッパと、
前記1つまたは複数のアクチュエータによって移動可能な、前記容器を保持するための容器台を備えている容器キャリアと、
前記容器キャリアを移動するための配置信号を前記1つまたは複数のアクチュエータに出力し、前記グリッパを移動して前記薬剤コンテナから前記薬剤投与量を選別し、操作するための投与量操作信号を前記1つまたは複数のアクチュエータに出力する、制御回路とを備え、
少なくとも前記投与量操作信号を出力する前に、前記容器の前記開口部と前記薬剤投与量の間の水平距離が20cm未満である、薬剤調剤システム。
【請求項2】
前記配置信号が、水平面上の前記容器の前記開口部の投影と前記薬剤コンテナの投影の間の水平距離を20cm未満に維持する、請求項1に記載の薬剤調剤システム。
【請求項3】
前記投与量操作信号が、20cm未満の合計水平距離を有する前記薬剤コンテナと前記薬剤容器の前記開口部の間の薬剤経路内の前記薬剤投与量を操作する、請求項1に記載の薬剤調剤システム。
【請求項4】
単一のユニットを形成するように前記容器キャリアを支持する調剤ヘッドを備え、前記単一のユニットが、前記容器を前記調剤ヘッドと一緒に移動する、請求項1に記載の薬剤調剤システム。
【請求項5】
前記グリッパが前記調剤ヘッドに回転可能なように結合される、請求項4に記載の薬剤調剤システム。
【請求項6】
前記操作信号が、前記薬剤コンテナから薬剤投与量を選別することと、前記薬剤投与量を前記容器の前記開口部の上に垂直方向に配置することとの間で、前記グリッパを回転させることを含む、請求項1に記載の薬剤調剤システム。
【請求項7】
前記容器が薬袋であり、前記薬袋が、薬剤投与量を受け取るために前記薬袋の上側が開いている、開いた状態を有する、請求項1に記載の薬剤調剤システム。
【請求項8】
マニピュレータを前記薬袋の面に結合することによって前記薬袋を開けるように構成された前記マニピュレータを含んでいる、薬袋開け器モジュールを備える、請求項7に記載の薬剤調剤システム。
【請求項9】
前記1つまたは複数のアクチュエータが、前記薬剤コンテナ間で、前記容器キャリアを垂直方向に移動する、請求項1に記載の薬剤調剤システム。
【請求項10】
薬剤コンテナから薬剤投与量を選別し、前記薬剤投与量を薬剤容器の開口部に調剤するためのグリッパを含んでいる調剤システムを使用して、薬剤を容器に調剤するための方法であって、
前記グリッパモジュールによって、または前記グリッパを前記薬剤コンテナに挿入されたプローブに結合することによって、前記薬剤投与量を前記薬剤コンテナから抽出することと、
少なくとも前記抽出の前に、容器キャリアによって、前記薬剤投与量と前記容器の前記開口部の間の20cm未満の水平距離で容器を配置することと、
前記薬剤投与量を前記容器に調剤することとを含む、方法。
【請求項11】
前記薬剤容器の前記開口部の上に垂直方向に存在するように前記薬剤投与量を配置することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記配置することが、前記容器キャリアを前記グリッパに対して移動することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記調剤の前に前記容器を開けることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記配置と前記調剤の間に前記容器を開けることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記抽出と前記調剤の間の時間が1秒未満である、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記抽出の前に、前記薬剤コンテナ内に挿入されたプローブと一直線になるように前記グリッパを回転させることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記調剤システムが、前記グリッパを支持する調剤ヘッドを備え、前記方法が、前記抽出の前に前記容器キャリアおよび前記調剤ヘッドを結合することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記配置が前記抽出に先立つ、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
前記配置が、水平面上の前記容器の前記開口部の前記投影と前記薬剤コンテナの前記投影の間の重複を維持することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記グリッパを前記薬剤コンテナに近づけることを含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で2019年7月4日に出願された米国特許仮出願第16/430,456号明細書の優先権の利益を主張する。本出願は、2019年4月10日に出願された米国特許出願第16/379,835号明細書および第16/379,831号明細書の一部継続(CIP:Continuation-in-Part)であり、2019年9月4日に出願された第16/559,716号明細書の一部継続(CIP)でもある。
【0002】
上記の出願の内容は、完全に示されているかのように、参照によって全体がすべて本明細書に組み込まれている。
【0003】
本発明は、本発明の一部の実施形態において、薬剤調剤システムに関し、より詳細には、薬剤調剤システムにおける薬剤容器の処理および配置に関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0004】
米国特許出願公開第2013/0123977号明細書は、「薬剤を自動的に調剤するために使用されるキャニスタを管理するためのシステムおよび方法。キャニスタは、設計プロセスおよび構築プロセスを介して、さまざまな薬剤を正確に調剤するように構成可能である。設計プロファイルは、キャニスタ管理システムによって作成されて格納され、キャニスタを構築して充填するために使用されるワークステーション、および薬剤を調剤するために使用されるワークステーションと統合される。構築プロセス、充填プロセス、および調剤プロセスに関連する情報も、このシステムによって統合される。このシステムは、ワークステーション上のクライアントアプリケーションとキャニスタ管理システムの間での他の種類のメッセージの送信も可能にする。このシステムは、キャニスタを設計し、構築し、配布し、使用するために使用される供給連鎖の構造に関わらず、データを統合するのに役立つ」と開示している。
【0005】
国際特許公開第2018/052160号パンフレットは、「空間利用率が高く、大量の薬剤パッケージが充填され、薬剤調剤効率が高く、薬剤パッケージのサイズおよび種類に関わらず円滑な調剤を可能にする薬剤調剤器。薬剤パッケージが充填されるキャニスタが収容されるキャニスタモジュールと、個別のユニット内の薬剤パッケージを取り上げるためのピックアップロボットとを備えている薬剤調剤器が提供される、これらのキャニスタは、薬剤パッケージがキャニスタ内をキャニスタの長軸方向に移動できるようにする充填空間を提供するためのL字型の第1および第2の壁と、第2の壁とのすき間を調整するために第1の壁を第2の壁に向かって移動させるためのガイドと、充填空間に沿って移動して、薬剤パッケージを圧力によって互いに密着させる接触板と、接触板に圧力を供給する、コイル形状に巻かれた帯状の渦巻ばねとを含んでいる」と開示している。
【0006】
米国特許出願公開第2018/0122177号明細書は、「単位服用量で製品の複数の位置をそれぞれ含んでいる複数の筐体ユニットを含む、単位服用量での製品のための格納および配布システム。筐体ユニットは、選別壁の少なくとも一部を作り出すように、垂直面上に編成され、選別壁内で、単位服用量での製品のための位置は、選択的な選別メンバーに面している。選別ユニットは、単位服用量でパッケージ化された製品を選別するために、選別壁上で方向付けられた選別メンバーを含んでいる。収集ユニットは、選別ユニットの第2の側面に配置され、選別ユニットの第1の側面に面している複数のペグを含んでいるラックを含む。これらのペグは、単位服用量でパッケージ化された製品を選別メンバーから選別するため、または選別メンバー上に置くために、選別メンバーに達する。複数のペグは、全体として、自動格納において格納され得る数より小さい数の単位服用量の製品を収集することができる」と開示している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一部の実施形態の態様によれば、プローブを挿入して薬剤コンテナから薬剤投与量を選別し、薬剤投与量を薬剤容器の開口部に調剤する薬剤調剤システムが提供されている。一部の実施形態によれば、このシステムは、薬剤コンテナを収容するための複数のドッキングポートを含んでいる薬剤パネル、1つまたは複数のアクチュエータ、プローブに取り付け可能であるか、またはプローブを含んでいるグリッパ、1つまたは複数のアクチュエータによって移動可能な、容器を保持するための容器台を備えている容器キャリアを含む。一部の実施形態では、このシステムは、容器キャリアを移動するための配置信号を1つまたは複数のアクチュエータに出力し、グリッパを移動して薬剤コンテナから薬剤投与量を選別し、操作するための投与量操作信号を1つまたは複数のアクチュエータに出力する、制御回路を含む。一部の実施形態では、少なくとも投与量操作信号を出力する前に、容器の開口部と薬剤投与量の間の水平距離は20cm未満である。
【0008】
一部の実施形態によれば、配置信号は、水平面上の容器の開口部の投影と薬剤コンテナの投影の間の水平距離を20cm未満に維持する。
【0009】
一部の実施形態によれば、投与量操作信号は、20cm未満の合計水平距離を有する薬剤コンテナと薬剤容器の開口部の間の薬剤経路内の薬剤投与量を操作する。
【0010】
一部の実施形態によれば、このシステムは、単一のユニットを形成するように容器キャリアを支持する調剤ヘッドを含み、この単一のユニットは、容器を調剤ヘッドと一緒に移動する。一部の実施形態では、グリッパは、調剤ヘッドに回転可能なように結合される。一部の実施形態では、調剤ヘッドは、ヘッド筐体、およびヘッド筐体に回転可能なように結合された可動ベースプラットフォームを備える。一部の実施形態では、グリッパは、ベースプラットフォームに結合される。一部の実施形態では、グリッパは、ヘッド筐体に対して直線的に移動可能である。
【0011】
一部の実施形態によれば、操作信号は、薬剤コンテナから薬剤投与量を選別することと、薬剤投与量を容器の開口部の上に垂直方向に配置することとの間で、グリッパを回転させることを含む。
【0012】
一部の実施形態によれば、容器は薬袋であり、この薬袋は、薬剤投与量を受け取るために薬袋の上側が開いている、開いた状態を有する。
【0013】
一部の実施形態によれば、このシステムは、マニピュレータを薬袋の面に結合することによって薬袋を開けるように構成されたマニピュレータを含んでいる、薬袋開け器モジュールを含む。
【0014】
一部の実施形態によれば、1つまたは複数のアクチュエータが、薬剤コンテナ間で、容器キャリアを垂直方向に移動する。
【0015】
一部の実施形態によれば、薬剤投与量が前述のプローブから放出されたときに開口部に入るように、前述の水平距離には、水平面上の容器の開口部の投影と、薬剤投与量の投影との間に重複が存在する。一部の実施形態によれば、アクチュエータのうちの1つまたは複数または調剤ヘッドは、容器キャリアを水平方向に移動して、容器の開口部と薬剤投与量の間の水平距離が一定になるように、容器キャリアを作動させる。
【0016】
一部の実施形態によれば、容器キャリアは、2つ以上の容器を保持するように構成される。
【0017】
一部の実施形態によれば、容器は、1つまたは複数の薬剤投与量を収容するように構成される。
【0018】
一部の実施形態によれば、調剤システムは1つまたは複数の出力ポートを備え、容器キャリアは、容器を1つまたは複数の出力ポートに供給するように移動可能である。
【0019】
一部の実施形態によれば、調剤システムは複数の調剤ヘッドを備える。
【0020】
一部の実施形態によれば、調剤システムは複数の容器キャリアを備える。
【0021】
一部の実施形態によれば、容器キャリアは、薬剤投与量を容器に調剤した後に、調剤ヘッドから分離される。
【0022】
一部の実施形態によれば、配置信号の出力と投与量操作信号の出力の間、またはそれらの信号の出力中に、水平面上の容器の開口部の投影と、薬剤コンテナの投影との間に重複が存在する。
【0023】
一部の実施形態によれば、容器キャリアは、少なくとも投与量操作信号を出力する前に、調剤ヘッドに結合される。一部の実施形態では、容器キャリアは、接近信号を出力する前に、調剤ヘッドに結合される。一部の実施形態では、容器キャリアは、接近信号を出力した後に、調剤ヘッドに結合される。
【0024】
一部の実施形態によれば、制御回路は、薬剤投与量の1つまたは複数のパラメータを受信することと、薬剤投与量の1つまたは複数のパラメータに従って、定義された1つまたは複数の速度プロファイルを処理することとを実行するように構成される。一部の実施形態では、制御回路は、1つまたは複数の速度プロファイルを含んでいる操作信号を出力する。
【0025】
本発明の一部の実施形態の態様によれば、薬剤コンテナから薬剤投与量を選別し、薬剤投与量を薬剤容器の開口部に調剤するためのグリッパモジュールを含んでいる調剤システムを使用して、薬剤を容器に調剤するための方法が提供されている。一部の実施形態によれば、この方法は、グリッパモジュールによって、またはグリッパモジュールを薬剤コンテナに挿入されたプローブに結合することによって、薬剤投与量を薬剤コンテナから抽出することと、少なくとも抽出の前に、容器キャリアによって、薬剤投与量と容器の開口部の間の20cm未満の水平距離で容器を配置することと、薬剤投与量を容器に調剤することとを含む。
【0026】
一部の実施形態によれば、この方法は、薬剤容器の開口部の上に垂直方向に存在するように薬剤投与量を配置することを含む。一部の実施形態によれば、この配置することは、容器キャリアをグリッパに対して移動することを含む。
【0027】
一部の実施形態によれば、この方法は、調剤の前に容器を開けることを含む。一部の実施形態によれば、この方法は、配置と調剤の間に容器を開けることを含む。一部の実施形態によれば、抽出と調剤の間の時間は1秒未満である。
【0028】
一部の実施形態によれば、この方法は、抽出の前に、薬剤コンテナ内に挿入されたプローブと一直線になるようにグリッパモジュールを回転させることを含む。
【0029】
一部の実施形態によれば、調剤システムは、グリッパモジュールを支持する調剤ヘッドを含み、この方法は、抽出の前に容器キャリアおよび調剤ヘッドを結合することを含む。
【0030】
一部の実施形態によれば、この配置は抽出に先立つ。一部の実施形態によれば、この配置は、水平面上の容器の開口部の投影と薬剤コンテナの投影の間の重複を維持することを含む。
【0031】
一部の実施形態によれば、この方法は、保持モジュールを薬剤コンテナに近づけることを含む。
【0032】
一部の実施形態によれば、この方法は、調剤の後に容器を閉じることを含む。
【0033】
特に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および/または科学用語は、本発明に関連する当業者によって一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。本明細書に記載された方法および材料に類似または相当する方法および材料が、本発明の実施形態の実践または試験において使用され得るが、以下では、例示的な方法および/または材料が説明される。定義を含めて矛盾が生じた場合、本特許明細書が統制する。加えて、材料、方法、および例は、単なる例示であり、必ずしも限定するよう意図されていない。
【0034】
当業者によって理解されるように、本発明の一部の実施形態は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化されてよい。したがって、本発明の一部の実施形態は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェアの態様とハードウェアの態様を組み合わせる実施形態の形態を取ってよく、これらはすべて、本明細書では、一般に「回路」、「モジュール」、または「システム」と呼ばれてよい。さらに、本発明の一部の実施形態は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化されている1つまたは複数のコンピュータ可読媒体において具現化されたコンピュータプログラム製品の形態を取ってよい。本発明の一部の実施形態の方法および/またはシステムの実装は、選択された作業を手動で、自動で、またはこれらの組み合わせで実行および/または完了することを含むことができる。さらに、本発明の方法および/またはシステムの一部の実施形態の実際の実装および機器に従って、複数の選択された作業が、ハードウェアによって、ソフトウェアによって、もしくはファームウェアによって、および/または例えばオペレーティングシステムを使用して、これらの組み合わせによって、実装され得る。
【0035】
例えば、本発明の一部の実施形態に従って選択された作業を実行するためのハードウェアは、チップまたは回路として実装され得る。ソフトウェアとしての、本発明の一部の実施形態に従う選択された作業は、任意の適切なオペレーティングシステムを使用してコンピュータによって実行される複数のソフトウェア命令として、実装され得る。本発明の実施形態例では、本明細書において説明されている方法および/またはシステムの一部の実施形態例に従う1つまたは複数の作業が、複数の命令を実行するためのコンピューティングプラットフォームなどの、データプロセッサによって実行される。任意選択的に、このデータプロセッサは、命令および/もしくはデータを格納するための揮発性メモリ、ならびに/または命令および/もしくはデータを格納するための不揮発性ストレージ(例えば、磁気ハードディスクおよび/もしくは取り外し可能な媒体)を含む。任意選択的に、ネットワーク接続も提供される。ディスプレイおよび/またはキーボードもしくはマウスなどのユーザ入力デバイスも、任意選択的に提供される。
【0036】
本発明の一部の実施形態では、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが利用されてよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読ストレージ媒体であってよい。コンピュータ可読ストレージ媒体は、例えば、電子、磁気、光、電磁気、赤外線、もしくは半導体システム、装置、もしくはデバイス、またはこれらの任意の適切な組み合わせであってよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読ストレージ媒体のさらに具体的な例(非網羅的な一覧)としては、1つもしくは複数のワイヤ、ポータブルフロッピーディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、読み取り専用メモリ(ROM:read-only memory)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM:erasable programmable read-only memoryもしくはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM:compact disc read-only memory)、光ストレージデバイス、電磁ストレージデバイス、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含んでいる電気的接続が挙げられる。本文書との関連において、コンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行システム、命令実行装置、もしくは命令実行デバイスによって、またはこれらに関連して使用するためのプログラムを含むか、または格納することができる任意の有形の媒体であってよい。
【0037】
コンピュータ可読の信号媒体は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化された伝搬データ信号を、例えば、ベースバンドに、または搬送波の一部として含んでよい。このような伝搬信号は、電磁気、光、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない、さまざまな形態のいずれかを取ってよい。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読ストレージ媒体ではなく、命令を実行するシステム、機器、もしくはデバイスによって、またはそれらに関連して使用するためにプログラムを伝達、伝搬、または搬送することができる任意のコンピュータ可読媒体であってよい。
【0038】
コンピュータ可読媒体に具体化されたプログラムコードおよび/またはそれらのプログラムコードによって使用されるデータは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の適切な媒体を使用して送信されてよい。
【0039】
本発明の一部の実施形態の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されてよい。プログラムコードは、ユーザのコンピュータ上で全体的に実行すること、スタンドアロンソフトウェアパッケージとしてユーザのコンピュータ上で部分的に実行すること、ユーザのコンピュータ上およびリモートコンピュータ上でそれぞれ部分的に実行すること、またはリモートコンピュータ上もしくはサーバ上で全体的に実行することができる。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)もしくは広域ネットワーク(WAN:wide area network)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてよく、または接続は、(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)外部コンピュータに対して行われてよい。
【0040】
本発明の一部の実施形態は、本発明の実施形態に従って、方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照して下で説明されることができる。フローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャート図および/またはブロック図に含まれるブロックの組み合わせが、コンピュータプログラム命令によって実装され得るということが理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックに指定される機能/動作を実施する手段を作り出すべく、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されてマシンを作り出すものであってよい。
【0041】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読媒体に格納されてもよく、コンピュータ可読媒体に格納された命令がフローチャートおよび/またはブロック図のブロックにおいて指定された機能/動作を実施する命令を含んでいる製品を作り出すように、コンピュータ、その他のプログラム可能なデータ処理装置、またはその他のデバイスに、特定の方式で機能するように指示することができる。
【0042】
コンピュータプログラム命令は、コンピュータ上、またはその他のプログラム可能な装置上で実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックに指定される機能/動作を実施するためのプロセスを提供するように、コンピュータ、その他のプログラム可能なデータ処理装置、またはその他のデバイスに読み込まれてもよく、それによって、一連の動作可能なステップを、コンピュータ上、その他のプログラム可能な装置上、またはコンピュータ実装プロセスを生成するその他のデバイス上で実行させる。
【0043】
本明細書に記載された方法の一部は、通常、コンピュータのみによって使用するために設計されており、専門家によって純粋に手動で実行することに関して、実現可能でも実用的でもなくてよい。薬剤容器を薬剤選別プローブに対して配置すること、および薬剤投与量を調剤システム内の薬剤コンテナに近接して調剤することなどの、同様の作業を手動で実行したかった専門家が、全く異なる方法を使用することを期待されることがあり、例えば、専門知識および/または人間の脳のパターン認識能力を活用することは、本明細書に記載された方法のステップを手動で実施するよりも大幅に効率的であろう。
【0044】
本明細書では、添付の図面を単に例として参照し、本発明の一部の実施形態が説明される。ここで、図面を詳細に参照するが、これらの詳細が例として示されており、本発明の実施形態の例示的な説明を目的としているということが強調される。これに関して、図面を使用して行う説明によって、本発明の実施形態を実践する方法を、当業者に対して明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明の一部の実施形態に従う、薬剤調剤システムのブロック図の簡略化された図である。
図2】本発明の一部の実施形態に従う、薬剤調剤システムのブロック図の簡略化された図である。
図3A】本発明の一部の実施形態に従って調剤プロセスを示す簡略化されたフローチャートである。
図3B】本発明の一部の実施形態に従って調剤プロセスを示す簡略化されたフローチャートである。
図3C】本発明の一部の実施形態に従って調剤プロセスを示す簡略化されたフローチャートである。
図3D】本発明の一部の実施形態に従って調剤プロセスを示す簡略化されたフローチャートである。
図4】本発明の一部の実施形態に従って薬剤コンテナパネルの透視図の簡略化された図である。
図5】本発明の一部の実施形態に従う、調剤ヘッドのブロック図の簡略化された図である。
図6A】本発明の一部の実施形態に従う、調剤システムの側面図の簡略化された図である。
図6B】本発明の一部の実施形態に従う、調剤システムの側面図の簡略化された図である。
図6C】本発明の一部の実施形態に従う、調剤システムの側面図の簡略化された図である。
図7A】本発明の一部の実施形態に従う、調剤システムの側面図および正面図の簡略化された図である。
図7B】本発明の一部の実施形態に従う、調剤システムの側面図および上面図の簡略化された図である。
図7C】本発明の一部の実施形態に従う、調剤システムの側面図および上面図の簡略化された図である。
図8図8Aおよび8Bは、本発明の一部の実施形態に従う、薬袋供給ユニットの透視図の簡略化された図である。
図9-1】図9Aおよび9Bは、本発明の一部の実施形態に従う、薬袋キャリアの一部の透視図および上面図の簡略化された図である。
図9-2】図9Cは、本発明の一部の実施形態に従う、薬袋キャリアの一部の透視図の簡略化された図であり、図9Dは、本発明の一部の実施形態に従う、薬袋キャリアの一部の側面図の簡略化された図である。
図9-3】図9Eは、本発明の一部の実施形態に従う、薬袋キャリアの一部の透視図の簡略化された図であり、図9Fは、本発明の一部の実施形態に従う、薬袋キャリアの一部の上面図の簡略化された図である。
図10A】本発明の一部の実施形態に従う、薬剤調剤システムの動作の例示的なワークフローを示す簡略化されたフローチャートである。
図10B】本発明の一部の実施形態に従う、薬剤調剤システムの動作の例示的なワークフローを示す簡略化されたフローチャートである。
図10C】本発明の一部の実施形態に従う、薬剤調剤システムの動作の例示的なワークフローを示す簡略化されたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明は、本発明の一部の実施形態において、薬剤調剤システムに関し、より詳細には、薬剤調剤システムにおける薬剤容器の処理および配置に関するが、これに限定されない。
【0047】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明が、その適用において、以下の説明において示され、かつ/または図面および/もしくは実施例において示された、コンポーネントおよび/または方法の構造および構成の詳細に必ずしも限定されないということが、理解されるべきである。本発明は、他の実施形態であることができ、またはさまざまな方法で実践もしくは実行することができる。
【0048】
概要
本発明の一部の実施形態の広い態様は、薬剤投与量を薬剤コンテナから抽出し、その薬剤投与量をシステムに提供された容器内に置くための、薬剤調剤システムに関する。
【0049】
一部の実施形態によれば、調剤システムは、薬剤調剤システムの動作パラメータに影響を与えるように構成された、内部の配置および相互作用を含む。一部の実施形態では、調剤システムは、薬剤調剤システムの動作パラメータを定めて制御する、制御回路および制御回路に電気的に接続されたアクチュエータを備える。一部の実施形態では、動作パラメータは、薬剤投与量の移動を最小限に抑えることを含む。一部の実施形態では、動作パラメータは、薬剤投与量を、薬剤コンテナから抽出された後に、かつ容器内に置かれる前に、短い移動で移動することを含む。
【0050】
本発明の一部の実施形態の態様は、1つまたは複数の薬剤投与量を薬剤コンテナから抽出し、その薬剤投与量を薬剤容器内に置くように構成された薬剤調剤システム内で、薬剤投与量を薬剤容器の外側に誤って置くのを減らすことに関する。
【0051】
一部の実施形態によれば、調剤システムは、薬剤投与量を薬剤容器内に置く前に、抽出された薬剤投与量が誤って外れるのを減らすために、薬剤投与量の短い移動を実行するように機械的に構造化される。
【0052】
一部の実施形態によれば、薬剤調剤システムは、薬剤投与量を選別するためのグリッパを備え、調剤システムは、薬剤容器をグリッパに近接して配置することによって、薬剤投与量の移動を最小限に保つ。一部の実施形態では、調剤システムは、薬剤投与量をコンテナから抽出している間、および薬剤投与量を薬剤容器内に置いている間に、薬剤容器をグリッパに近接して配置する。
【0053】
一部の実施形態によれば、このシステムは、薬剤投与量の移動を制御する制御回路を含む。一部の実施形態では、制御回路は、薬剤コンテナと容器の間の経路(以下では、「薬剤経路」と呼ばれる)上の薬剤投与量を操作する信号を1つまたは複数のアクチュエータに出力し、前述の薬剤経路は、20cm未満の(水平面上の薬剤経路の投影として定義された)合計水平距離を有する。
【0054】
容器をグリッパに近接して保つことの潜在的な利点は、薬剤投与量が薬剤コンテナの外側で移動する長さおよび時間を減らすことである。
【0055】
本発明の一部の実施形態の態様は、調剤プロセス中の薬剤投与量の安全な行き先を含む薬剤調剤システムに関する。
【0056】
一部の実施形態によれば、調剤システムは、薬剤容器を搬送し、容器を薬剤投与量に近接して保つための容器キャリアを備える。一部の実施形態では、薬剤容器は、薬剤投与量を受け取るためのじょうごとして機能する開口部を備える。一部の実施形態では、薬剤投与量と容器の開口部の間の水平距離は20cm未満に維持される。一部の実施形態では、薬剤投与量と容器の開口部の間の水平距離は、水平面上の薬剤投与量の投影と水平面上の容器の開口部の投影との間の最大距離として定義される。
【0057】
一部の実施形態では、容器キャリアは、薬剤投与量を抽出することと薬剤投与量を置くこととの間に、20cm未満の水平距離内で薬剤容器の開口部を保持して配置する。一部の実施形態では、容器キャリアは、薬剤投与量を抽出することと薬剤投与量を置くこととの間に、薬剤投与量の下で垂直方向に薬剤容器の開口部を保持して配置する。
【0058】
一部の実施形態によれば、薬剤調剤システムは、薬剤投与量を選別するためのグリッパを備える。一部の実施形態では、薬剤調剤システムは、グリッパを移動するための1つまたは複数のアクチュエータを備える。一部の実施形態では、グリッパによって薬剤投与量を抽出する前に、アクチュエータは、薬剤コンテナに近接してグリッパを配置する。一部の実施形態では、調剤システムはグリッパをプローブに結合し、前述のプローブは、薬剤投与量を薬剤コンテナから選別するために薬剤コンテナに挿入される。
【0059】
一部の実施形態によれば、調剤システムは調剤ヘッドを含み、グリッパが調剤ヘッドに結合される。一部の実施形態では、グリッパは、調剤ヘッドに移動可能に結合される。一部の実施形態では、グリッパは、調剤ヘッドに回転可能なように結合される。一部の実施形態では、アクチュエータは、調剤ヘッドを移動し、薬剤コンテナに対してグリッパを配置する。一部の実施形態では、アクチュエータは、調剤ヘッドを移動し、容器に対してグリッパを配置する。
【0060】
一部の実施形態では、容器が調剤ヘッドと一緒に移動するように、容器キャリアが調剤ヘッドに結合される。一部の実施形態では、薬剤投与量を選別する前に、少なくとも薬剤を容器に置くまで、容器キャリアが調剤ヘッドに結合される。一部の実施形態では、調剤ヘッドおよび容器キャリアは単一のユニットである。
【0061】
一部の実施形態では、薬剤容器は薬袋である。
【0062】
一部の実施形態では、プローブは、薬剤投与量をコンテナから選別するため、および薬剤を置くために使用される。一部の実施形態では、プローブが薬剤コンテナに結合され、薬剤投与量を抽出することは、グリッパによってプローブをコンテナからつかむことによる。一部の実施形態では、薬剤投与量を置くことは、薬剤投与量を、グリッパまたはプローブからグリッパの下に配置された容器の開口部に落とすことによる。
【0063】
一部の実施形態によれば、水平面上の容器の開口部の投影と薬剤コンテナの投影の間に、水平方向の重複が存在する。一部の実施形態では、容器は、プローブを選別することと薬剤を置くこととの間に、20cm未満の水平距離内でプローブの下に配置される。一部の実施形態では、コンテナからプローブを選別することと、薬剤投与量を置くこととの間の時間は、10秒より短い。
【0064】
潜在的な利点は、薬剤投与量を置く前に、薬剤投与量をプローブから誤って失うのを減らすことである。別の潜在的な利点は、プローブがコンテナから除去されたときに、薬剤コンテナが開いたままになる時間を最小限に抑えることである。
【0065】
本発明の一部の実施形態の態様は、調剤プロセス中に、薬剤投与量を薬剤コンテナから抽出し、薬袋に形成された開口部を介して薬剤投与量を調剤する、薬剤調剤システムに関する。
【0066】
一部の実施形態によれば、調剤システムは、調剤プロセス中の特定の期間に薬袋を開けるように構成された薬袋開け器モジュールを備える。一部の実施形態では、薬袋開け器モジュールは、薬剤投与量を抽出することと薬剤投与量を薬袋内に置くこととの間の期間に、薬袋を開ける。
【0067】
一部の実施形態によれば、複数の薬剤投与量が、単一の薬袋内で調剤され得る。一部の実施形態では、薬袋が開かれない場合、薬袋内の薬剤の汚染を防ぐために、薬袋は閉じた状態に保たれる。
【0068】
一部の実施形態によれば、このシステムは、薬袋を保持することと、開けることとを実行するように構成された、薬袋キャリアを含む。一部の実施形態では、このシステムは、制御回路および1つまたは複数のアクチュエータを含み、制御回路は、キャリアを作動させて薬袋を開くための信号を1つまたは複数のアクチュエータに出力する。一部の実施形態では、薬袋開け器モジュールは薬袋キャリアに結合される。
【0069】
本発明の一部の実施形態の態様は、薬剤投与量を薬剤コンテナから選別することと、投与量を薬剤容器内に置くこととの間に、1つまたは複数のアクチュエータを作動させて薬剤投与量を操作するための信号を出力する制御回路を含んでいる薬剤調剤システムに関する。
【0070】
一部の実施形態によれば、制御回路は、1つまたは複数の薬剤パラメータに従って信号のタイミングおよび信号の値を処理する。一部の実施形態では、信号は1つまたは複数の速度プロファイルを含む。一部の実施形態では、信号は1つまたは複数の加速度値を含む。一部の実施形態では、信号は移動の長さおよび方向を含む。薬剤パラメータの例は、重量、種類、形状、およびコストである。一部の実施形態では、制御回路は、薬剤パラメータ、速度プロファイル、および薬剤パラメータに従って選択された速度プロファイルを含んでいる薬剤投与量の調剤の成功/失敗の比率などの、履歴データを格納するためのストレージを含む。
【0071】
米国特許出願第16/379,835号明細書は、薬剤配列モジュールおよびメカニカルアームモジュールを含んでいる、薬剤調剤プロセスの少なくとも一部を実行するように構成されたモジュール式の薬剤調剤装置を開示している。本明細書の他の場所で説明された薬剤を抽出して容器に調剤するための調剤モジュールを含んでいる調剤システムは、出願第16/379,835号明細書において開示された装置の一部であることができる。
【0072】
米国特許出願第16/214,081号明細書は、施設に配置された調剤装置を含んでいる少なくとも1つの施設のための薬剤調剤のシステムを開示している。本明細書の他の場所で説明された薬剤を抽出して容器に調剤するための調剤モジュールおよび回路を含んでいる調剤システムおよび方法は、出願第16/214,081号において開示された調剤装置およびシステム内のコンポーネントであることができる。
【0073】
特許出願第16/214,081号明細書および第16/379,835号明細書は、本明細書では、個々の公開文献、特許、または特許出願が具体的かつ個別に参照によって本明細書に組み込まれていると示された場合と同じ程度まで、全体的に参照によって本明細書に組み込まれる。
【0074】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明が、その適用において、以下の説明において示され、かつ/または図面および/もしくは実施例において示された、コンポーネントおよび/または方法の構造および構成の詳細に必ずしも限定されないということが、理解されるべきである。本発明は、他の実施形態であることができ、またはさまざまな方法で実践もしくは実行することができる。
【0075】
薬剤調剤システム
ここで図1を参照すると、図1は、本発明の一部の実施形態に従う、薬剤調剤システムのブロック図の簡略化された図である。
【0076】
図1に示されているように、薬剤調剤システム100は、薬剤の供給品を収容するための1つまたは複数の薬剤パネル102を含んでいる。一部の実施形態によれば、薬剤が薬剤コンテナ104に格納される。一部の実施形態では、薬剤パネル102は、薬剤コンテナ104をパネル102に結合するための複数のドッキングポートを含む。
【0077】
調剤システム100は、薬剤投与量を薬剤コンテナ104から受け取ることと、薬剤投与量を薬剤容器108内に配置するまで薬剤投与量を保持することとを実行するように構成された、薬剤グリッパ106を含んでいる。一部の実施形態によれば、グリッパ106は、パネル102の隣に移動することと、薬剤投与量を受け取るためにコンテナ104に接近することとを実行するように構成される。一部の実施形態では、調剤システム100は複数のグリッパ106を含んでいる。一部の実施形態では、薬剤グリッパ106は、薬剤投与量を複数の薬剤容器108内に調剤するように構成される。
【0078】
一部の実施形態によれば、調剤システム100は、薬剤投与量を、任意選択的に薬剤グリッパ106の下に配置された薬剤容器108に落とすことによって、薬剤投与量を調剤する。一部の実施形態では、調剤システム100は、薬剤容器108の上にグリッパ106を移動し、薬剤投与量を薬剤容器108に落とすことができるようにする。一部の実施形態では、調剤システム100は、グリッパ106の下に薬剤容器108を移動し、薬剤投与量を薬剤容器108に落とすことができるようにする。一部の実施形態では、薬剤投与量の配置は、薬剤投与量を薬剤グリッパ106に近接して配置された容器108に操作することによる。
【0079】
図1に示されているように、調剤システム100は、薬剤投与量を受け取るための開口部を含んでいる1つまたは複数の薬剤容器108を操作するための1つまたは複数の容器キャリア110を含んでいる。一部の実施形態では、容器キャリア110は、薬剤グリッパ106の位置に追随するように、薬剤容器108を操作する。一部の実施形態では、容器キャリア110は、薬剤容器108の開口部が30cm未満の水平距離内で薬剤グリッパ106の下に垂直方向に配置されるように、薬剤容器108を操作する。一部の実施形態では、容器キャリア110は、薬剤容器108の開口部が20cm未満の水平距離内で薬剤グリッパ106の下に垂直方向に配置されるように、薬剤容器108を操作する。一部の実施形態では、容器キャリア110は、薬剤容器108の開口部が10cm未満の水平距離内で薬剤グリッパ106の下に垂直方向に配置されるように、薬剤容器108を操作する。一部の実施形態では、薬剤投与量がグリッパ106から放出されたときに容器108の開口部に入るように、水平面上の容器108の開口部の投影と、薬剤投与量の投影との間に重複が存在する。一部の実施形態では、水平面上の容器108の開口部の投影とコンテナ104の投影の間に、重複が存在する。
【0080】
薬剤容器108を薬剤グリッパ106に近接して移動することにおける潜在的な利点は、投与量を容器108に落とすためにグリッパ106が薬剤投与量と共に移動する長さおよび時間を減らすことである。別の潜在的な利点は、投与量をコンテナ104から受け取ることと容器108に落とすこととの間に薬剤投与量を失うリスクを低下させることである。例えば、薬剤投与量がグリッパ106から落下するか、または放出される場合、重複は、容器108によって薬剤投与量を受け取る可能性を増やすことができる場合がある。
【0081】
一部の実施形態では、グリッパ106は、薬剤投与量を受け取った後に、容器108に向かって水平方向に移動しない。水平移動を減らすことの潜在的な利点は、薬剤の準備時間を減らして、薬剤のパッケージ化速度を増やすことである。別の潜在的な利点は、薬剤投与量をグリッパ106から失うリスクを低下させることである。
【0082】
一部の実施形態によれば、調剤システム100は、グリッパ106および容器キャリア110を作動させるための作動信号を出力するように構成された制御回路109を含んでいる。一部の実施形態では、システム100は、制御回路109から作動信号を配信することによって、1つまたは複数のアクチュエータ111を使用して、グリッパ106および容器キャリア110を作動させる。
【0083】
一部の実施形態によれば、制御回路109は、グリッパ106を移動して薬剤コンテナ104に近づけるための接近信号をアクチュエータ111に出力する。一部の実施形態では、制御回路109は、グリッパ106を移動して薬剤コンテナ104からの薬剤投与量を操作するための投与量操作信号をアクチュエータ111に出力する。一部の実施形態では、制御回路109は、グリッパ106を移動して、容器104の開口部を薬剤投与量から30cm未満の水平距離内に配置するための配置信号を、アクチュエータ111に出力する。一部の実施形態では、制御回路109は、接近信号と投与量操作信号の間、またはそれらの信号の出力中に、配置信号を出力する。
【0084】
一部の実施形態によれば、複数の薬剤投与量が、単一の薬剤容器108内で調剤され得る。複数の薬剤投与量を単一の薬剤容器108内で調剤することにおける潜在的な利点は、容器を収集するためおよび/またはパッケージ化された容器を供給するためのグリッパ106および/またはキャリア110の移動を減らすことである。別の潜在的な利点は、患者1人当たりのパッケージ化される容器の数を減らすことである。
【0085】
一部の実施形態によれば、容器キャリア110は、グリッパ106とは無関係に移動可能である。一部の実施形態では、調剤システム100は、容器キャリア110を移動する1つまたは複数のキャリアアクチュエータ111を含む。一部の実施形態では、キャリアアクチュエータが容器キャリア110を直線的に移動する。一部の実施形態では、キャリアアクチュエータがキャリア110をパネル102と平行に移動する。一部の実施形態では、容器キャリア110を移動することは、グリッパ106の移動と同期する。
【0086】
一部の実施形態によれば、調剤システム100は調剤ヘッド107を含み、グリッパ106が調剤ヘッド107に結合される。一部の実施形態では、グリッパ106は調剤ヘッド107に移動可能に結合される。一部の実施形態では、グリッパ106は調剤ヘッド107に回転可能なように結合される。一部の実施形態では、アクチュエータ110は、調剤ヘッド107を移動し、薬剤コンテナ104に対してグリッパ106を配置する。一部の実施形態では、アクチュエータ110は、調剤ヘッド107を移動し、容器108に対してグリッパ106を配置する。
【0087】
一部の実施形態によれば、調剤システム100は、容器キャリア110を調剤ヘッド107と一緒に移動するように機械的に構成される。一部の実施形態では、容器キャリア110は、薬剤を調剤する前にヘッド107に取り付けられるように構成される。一部の実施形態では、容器キャリア110は、コンテナ104に接近する前にヘッド107に取り付けられるように構成される。一部の実施形態では、容器キャリア110は、グリッパ106によって薬剤投与量を選別する前にヘッド107に取り付けられるように構成される。一部の実施形態では、容器キャリア110は、薬剤投与量を調剤する前にヘッド107に取り付けられるように構成される。一部の実施形態では、キャリア110をヘッド107に取り付けることは、ヘッド107を容器キャリア110に向かって移動することによる。一部の実施形態では、キャリア110をヘッド107に取り付けることは、容器キャリア110をヘッド107に向かって移動することによる。一部の実施形態では、キャリア110およびヘッド107は1つのユニットの一部である。
【0088】
一部の実施形態によれば、容器キャリア110は、1つまたは複数の薬剤容器108を搬送するように構成される。一部の実施形態では、容器キャリア110は、薬剤投与量を調剤する前に薬剤容器108を受け取って保持する。一部の実施形態では、容器キャリア110は、薬剤投与量を薬剤コンテナ104から抽出する前に薬剤容器108を受け取って保持する。
【0089】
一部の実施形態では、制御回路109は、容器キャリア110を移動して、容器104の開口部を薬剤投与量から20cm未満の水平距離内に配置するための配置信号を、アクチュエータ111に出力する。一部の実施形態では、水平距離は、薬剤投与量から10cm未満である。一部の実施形態では、水平距離は、薬剤投与量から5cm未満である。一部の実施形態では、薬剤投与量と容器104の開口部の間の水平距離は、水平面上の薬剤投与量の投影と水平面上の容器104の開口部の投影との間の最大距離として定義される。
【0090】
一部の実施形態では、制御回路109は、薬剤コンテナ104間で容器キャリア110を移動するための配置信号をアクチュエータ111に出力する。一部の実施形態では、制御回路109は、接近信号と投与量操作信号の間、またはそれらの信号の出力中に、配置信号を出力する。一部の実施形態では、薬剤コンテナ104間で容器キャリア110を移動することは、1つのコンテナ104に近接して配置されることから、別のコンテナ104に近接して配置されることまでの、容器108の移動として定義される。一部の実施形態では、コンテナ間の容器108の移動は水平方向である。一部の実施形態では、コンテナ104間の容器108の移動は垂直方向である。一部の実施形態では、コンテナ104間の容器108の移動は、パネル102からの容器108の距離を増やすことを伴わない。一部の実施形態によれば、薬剤容器108は薬袋である。一部の実施形態では、薬剤容器108は、長方形の箱、円筒形、円錐形などの、3D形状を有する。一部の実施形態では、薬剤容器108は、プラスチック製キャニスタのように硬質である。一部の実施形態では、薬剤容器108は、プラスチック、ナイロン袋、および紙のように軟質である。
【0091】
一部の実施形態によれば、調剤システム100は、容器108を格納するための1つまたは複数の容器供給ユニット112を含む。一部の実施形態では、キャリア110は、容器108を容器供給ユニット112から取得するように構成される。一部の実施形態では、供給ユニット112は、異なるサイズの容器108と共に充填される。一部の実施形態では、調剤システム100は、本明細書の他の場所で説明されているように、異なる種類の容器108を収容することに適した複数の供給ユニット112を含む。
【0092】
一部の実施形態によれば、調剤システム100は、容器108内に配置された薬剤に関連する情報(例えば、患者情報、薬剤投与量情報、時間など)を含むラベルを薬剤容器108に付けるためのラベル付けまたは印刷ユニット114を含む。一部の実施形態では、印刷ユニット114は、容器108の表面に印刷するように構成される。一部の実施形態では、薬剤容器108にラベル付けすることは、ステッカーを容器108の表面に付けることによる。
【0093】
一部の実施形態によれば、調剤システム100は容器密封機116を含んでいる。一部の実施形態では、容器108が薬袋である場合、密封機116は圧着デバイスであることができる。一部の実施形態では、密封機116は、蓋/カバーによって容器108を閉じるように構成されたデバイスである。
【0094】
一部の実施形態によれば、調剤システム100は、薬剤投与量を含んだ後の薬剤容器108を収容するための1つまたは複数の出力ポートを含む。一部の実施形態によれば、出力ポートのうちの1つまたは複数は、薬剤投与量を含んだ後の薬剤容器108を収容するための薬剤運搬箱118の形態である。一部の実施形態では、出力ポートのうちの1つまたは複数は、薬剤運搬箱118を介さずに薬剤を提供するためのPRN出力である。
【0095】
一部の実施形態では、調剤システム100は、必要なエネルギーをシステム100の各部分に供給するように構成された電源130を備えている。一部の実施形態では、電源130は、システム100が外部電源を必要とせずに動作できるようにする。
【0096】
図2を参照すると、図2は、本発明の一部の実施形態に従って1つまたは複数の薬剤を受け取るように構成された薬袋を処理することに関与する調剤システムのモジュールの簡略化されたブロック図である。
【0097】
図2に示されているように、調剤システム200は、薬袋202を格納するための1つまたは複数の薬袋格納ユニット204を備えている。
【0098】
一部の実施形態によれば、システム200は、薬袋202に印刷するように構成されたラベルプリンタ206を備えている。一部の実施形態では、プリンタ206は、配置された薬剤投与量に関連する情報を薬袋202に印刷する。
【0099】
一部の実施形態によれば、システム200は、調剤動作中に薬袋202を受け取って保持するように構成された調剤ヘッド208を備えている。一部の実施形態では、調剤ヘッド208は、薬袋202を受け取って保持するための薬袋キャリアを含む。一部の実施形態では、調剤ヘッド208は、ヘッド208および薬袋キャリアを結合することによって、薬袋202を受け取って保持する。
【0100】
一部の実施形態によれば、調剤ヘッド208は、薬剤投与量214を、薬剤コンテナパネル210内に配置された薬剤コンテナ212から選別するように構成される。一部の実施形態では、調剤ヘッド208は、薬剤投与量214を薬剤コンテナ212から選別するためのグリッパを含んでいる。一部の実施形態では、薬剤投与量214を選別する前に、1つまたは複数の薬袋202が調剤ヘッド208に結合される。一部の実施形態では、薬剤投与量214を薬袋202内に配置するときに、薬剤投与量214をヘッド208のより高い位置からより低い位置にある薬袋202に落とすことによって薬剤投与量214が調剤されるように、薬袋202が調剤ヘッド208の下部に結合される。一部の実施形態では、薬剤投与量214をグリッパから薬袋202に落とす前に、薬袋202がグリッパの下に配置される。
【0101】
一部の実施形態によれば、薬袋202は、投与量214を薬袋に挿入できるように薬袋202の体積が拡大される、開いた状態を有する。一部の実施形態では、ヘッド208は、薬袋202の状態を開いた状態に変更するように構成される。一部の実施形態では、ヘッド208に結合された薬袋キャリアが、薬袋202の状態を設定する。一部の実施形態では、薬袋202を開けることは、薬袋202がヘッド208に結合された後である。一部の実施形態では、薬剤投与量214を配置する前に、ヘッド208が薬袋202を開ける。一部の実施形態では、水平面上の開いた状態での容器の投影の少なくとも90%が、薬剤投与量のためのじょうごであり、薬剤投与量がその投影に落とされるときに、薬剤投与量が容器に注ぎ込まれる。
【0102】
一部の実施形態によれば、調剤システム200は、調剤ヘッド208の移動および動作を制御する制御回路220を含んでいる。一部の実施形態では、制御回路220は、薬袋202の状態を設定することを制御する。一部の実施形態では、制御回路220は、ヘッド208を作動させて、薬袋202を開いた状態に設定する。一部の実施形態では、制御回路220は、ヘッド208を作動させて、薬袋202をヘッド208に結合する。一部の実施形態では、制御回路220は、投与量操作信号を出力することによって、ヘッド208を作動させ、薬剤投与量214を薬剤コンテナ212から選別する。一部の実施形態では、制御回路220は、調剤信号を出力することによって、ヘッド208を作動させ、薬剤投与量214を薬袋202内に配置する。
【0103】
一部の実施形態によれば、システム200はクリンパ216を備え、クリンパ216は、薬剤投与量214で満たされた後の薬袋202を受け取り、密封する。一部の実施形態では、薬袋202は、薬袋202が、最小の状態での体積を有して平坦になる、閉じた状態を有する。一部の実施形態では、クリンパ216によって薬袋202を受け取る前に、開いた状態で薬袋202を保持することが終了される。
【0104】
一部の実施形態によれば、システム200は、密封された薬袋202を受け取って格納するための1つまたは複数の薬剤運搬箱218を備えている。一部の実施形態では、薬袋202内にパッケージ化された薬剤を配布するために、施設の職員が薬袋202を薬剤運搬箱218から取り外す。
【0105】
調剤される薬剤の準備プロセス
ここで図3A~3Dを参照すると、これらの図は、本発明の一部の実施形態に従う、調剤される薬剤の準備プロセスを示す簡略化されたフローチャートである。図3A~3Dで説明される準備プロセス間の違いの一部は、容器が調剤グリッパに近接して配置される方法、動作の一部の順序、および準備プロセスのうちのいずれか1つに追加できる、複数の投与量を容器に挿入するなどの任意選択的動作である。
【0106】
一部の実施形態によれば、調剤される薬剤の準備プロセスは、以下の活動のカテゴリに分割され得る。
【0107】
準備前活動。薬剤容器を供給すること、および容器を調剤グリッパに近接して配置することなど。
【0108】
準備活動。薬剤投与量を抽出すること、および薬剤を容器に挿入することなど。一部の実施形態では、挿入ステップは繰り返され得る。例えば複数の投与量が単一または複数の容器に挿入される場合。
【0109】
準備後活動。容器を密封すること、および容器を収集ユニット/薬剤運搬箱に配置することなど。
【0110】
準備前活動
薬剤容器を調剤ヘッドに結合する-
一部の実施形態によれば、例えば図3A、3C、および3Dに示されているように、薬剤投与量を含んでいる薬袋の準備の前に、薬剤容器(例えば、108)が、グリッパ(例えば、106)を含んでいる調剤ヘッド(例えば、107)に結合される。準備の前に薬剤容器を調剤ヘッドに結合することの潜在的な利点は、準備プロセス中にグリッパの移動を減らすことである。
【0111】
図3Aに示されているように、一部の実施形態によれば、薬剤容器を供給することは以下のステップを含む。
調剤ヘッド(例えば、107)を容器供給ユニット(例えば、112)に結合し(302-1)、
容器(例えば、108)を容器供給ユニット(例えば、112)から調剤ヘッドに運ぶ(304-1)。
【0112】
図3Cおよび3Dに示されているように、一部の実施形態によれば、薬剤容器を供給することは、容器キャリア(110)を調剤ヘッド(107)に取り付けることにより、以下のステップを含む。
容器を受け取るために容器キャリアを容器供給ユニットに結合し(302-2)、
容器を容器キャリアに運び(304-2)、
容器キャリアを調剤ヘッドに取り付ける(322)。
【0113】
グリッパを薬剤コンテナの隣に配置する-
図3A~3Dに示されているように、調剤プロセスは、グリッパを薬剤コンテナパネル(102など)内の薬剤コンテナ(104など)に近づけること(308)を含んでいる。
【0114】
一部の実施形態によれば、近づけることは、グリッパの直線移動による。一部の実施形態では、この直線移動は、垂直方向である。一部の実施形態では、この直線移動は、1つまたは複数の水平方向である。一部の実施形態では、この直線移動は、水平移動と垂直移動の組み合わせである。一部の実施形態では、この直線移動は、薬剤コンテナと角度を有する移動を含む。
【0115】
一部の実施形態によれば、近づけることは、制御回路(例えば、109)によって、グリッパを移動して薬剤コンテナに近づけるための接近信号を1つまたは複数のアクチュエータ(例えば、111)に出力することである。
【0116】
一部の実施形態によれば、例えば図3Bに示されているように、結合すること(302-2)、運ぶこと(304-2)、およびラベル付けすること(306)などの容器準備ステップのうちの1つまたは複数は、調剤ヘッドまたはグリッパによって実行される、近づけること(308)および抽出すること(310)などの1つまたは複数の活動と並列に実行され得る。調剤ヘッドまたはグリッパの活動と並列に容器準備ステップを実行することにおける潜在的な利点は、調剤速度を増やすことである。
【0117】
準備活動-
薬剤投与量を受け取って保持する
図3A~3Dに示されているように、薬剤グリッパが、対象の薬剤を含んでいる薬剤コンテナの隣に配置された後に、グリッパが薬剤投与量を選別して保持する。図3A、3C、および3Dに示されているように、一部の実施形態によれば、薬剤投与量を抽出するステップの前に、薬剤容器が調剤ヘッドに結合される。
【0118】
一部の実施形態によれば、薬剤を抽出することは、薬剤投与量を薬剤コンテナから抽出すること(310)による。一部の実施形態では、抽出すること(310)は、抽出プローブを介して吸引を供給ことによる。一部の実施形態では、抽出することは、薬剤投与量をつかむことによる。一部の実施形態では、抽出することは、抽出プローブを薬剤コンテナから持ち上げることを含む。
【0119】
一部の実施形態によれば、抽出すること(310)は、制御回路によって、調剤ヘッドおよびグリッパのうちの1つまたは複数を移動して薬剤コンテナからの薬剤投与量を操作するための投与量操作信号を1つまたは複数のアクチュエータに出力することを含む。一部の実施形態では、信号は1つまたは複数の速度プロファイルを含む。一部の実施形態では、信号は1つまたは複数の加速度プロファイルを含む。一部の実施形態では、信号は移動の長さおよび方向を含む。一部の実施形態では、投与量操作信号を出力することの前に、薬剤投与量の1つまたは複数のパラメータを受信することと、薬剤投与量の1つまたは複数のパラメータに従って、1つまたは複数の速度プロファイルを処理することとが先行する。薬剤パラメータの例は、重量、種類、形状、およびコストである。一部の実施形態では、速度プロファイルの処理は、薬剤パラメータ、速度プロファイル、および薬剤パラメータに従って選択された速度プロファイルを含んでいる薬剤投与量の調剤の成功/失敗の比率などの、履歴データの処理を含む。
【0120】
図3Cに示されているように、準備プロセスは、薬剤投与量を容器に挿入する前に、薬剤容器の上に配置されるように薬剤投与量を方向付けること(326)を含む。一部の実施形態では、方向付けること(326)は、抽出プローブを方向付けることを含む。一部の実施形態では、方向付け(326)の間に、調剤ヘッドと薬剤コンテナの間の距離が変化しない。一部の実施形態では、抽出と挿入の間に、コンテナから離れた水平方向のグリッパの直線移動が存在しない。
【0121】
図3Bに示されているように、準備プロセスは、容器を抽出された薬剤投与量の下に配置すること(312)を含む。一部の実施形態では、薬剤投与量を抽出する前に、容器が調剤ヘッドにまだ結合されていないときに、配置すること(312)が適用される。一部の実施形態では、配置すること(312)は、調剤システムが、薬剤投与量を抽出する前に、容器を調剤ヘッドに結合せずに、挿入することとは無関係に移動するように構成された容器キャリアを含んでいるときに、適用される。一部の実施形態では、配置すること(312)は、抽出された薬剤投与量の下での容器の開口部の配置である。
【0122】
一部の実施形態によれば、配置すること(312)は、近づけること(308)と抽出すること(310)の間に、またはそれらの実行中に、制御回路によって、調剤ヘッド、グリッパ、および容器キャリアのうちの1つまたは複数を移動して、容器の開口部を薬剤投与量から20cm未満の水平距離内に配置するための配置信号を、1つまたは複数のアクチュエータに出力することを含む。一部の実施形態では、水平距離は10cm未満である。一部の実施形態では、水平距離は5cm未満である。一部の実施形態では、水平距離は50cm未満である。
【0123】
一部の実施形態によれば、例えば、容器が薬袋(例えば、202)である場合、準備プロセスは、容器を開けて(311)開いた状態にすることを含む。一部の実施形態では、開けること(311)は、薬袋の体積を拡大して、薬剤投与量を挿入できるようにするためである。一部の実施形態では、例えば図3Aに示されているように、開けること(311)は、抽出すること(310)と挿入すること(314)の間にある。一部の実施形態では、開けること(311)は、配置すること(312)の後である。開けること(311)は、図3Aに例示されているが、図3B~3Dのうちのいずれか1つにおいて説明されているフロー、または図3A~3Dにおいて説明されていない他の実施形態に適用され得る。
【0124】
図3A~3Dに示されているように、準備プロセスは、薬剤投与量を薬剤容器(例えば、108)に挿入すること(314)を含んでいる。
【0125】
一部の実施形態では、挿入すること(326)は、コンテナのポートを介して、薬剤投与量を薬剤コンテナから容器に直接落とすことによる。
【0126】
一部の実施形態では、吸引を使用して薬剤が薬剤グリッパによって保持される場合、吸引を減らし、投与量を容器に落とすことによって、挿入が実行される。
【0127】
一部の実施形態によれば、例えば図3Aおよび3Bに示されているように、挿入すること(314)の後に、追加の投与量を同じ容器に挿入する必要があるかどうかをチェックする(316)任意選択的なステップが続く。一部の実施形態では、チェックすること(316)は、図3Cおよび3Dに示されているフローなどの、準備プロセスの他のフローの選択肢での任意選択的なステップである。
【0128】
準備後活動
プローブが薬剤コンテナから選別される一部の実施形態によれば、準備後活動は、プローブを薬剤コンテナに戻すことを含む。一部の実施形態では、プローブを戻すことは、プローブを薬剤コンテナに再び方向付けて挿入することを含む。一部の実施形態では、再び方向付けて挿入することの間に、調剤ヘッドと薬剤コンテナの間の距離が変化しない。一部の実施形態によれば、薬剤コンテナに近づけること(308)とプローブを薬剤コンテナに挿入することとの間に、薬剤グリッパの直線移動が存在しない。一部の実施形態では、近づけること(308)と挿入することとの間に、垂直方向の薬剤グリッパの直線移動が存在しない。一部の実施形態では、近づけること(308)と挿入することとの間に、水平方向の薬剤グリッパの直線移動が存在しない。
【0129】
一部の実施形態によれば、薬剤投与量を含んでいる容器が密封され、容器収集ゾーンに供給される。準備後活動は以下を含む。
【0130】
薬剤投与量で満たされた後の薬剤容器を密封する(318)。一部の実施形態によれば、密封すること(318)は容器を覆うことを含む。一部の実施形態では、覆うことは蓋による。
【0131】
一部の実施形態では、容器が薬袋(例えば、202)であり、密封すること(318)は薬袋を圧着することによる。一部の実施形態では、準備後活動は、最小限の体積を有して平坦になるように、薬袋を閉じることを含む。一部の実施形態では、薬袋を閉じることは、薬袋を開いた状態に保つ力を終了することによる。一部の実施形態では、薬袋を閉じることは、クリンパによって薬袋を受け取ることに先立つ。
【0132】
薬剤投与量で満たされた薬剤容器を収集ユニット/薬剤運搬箱に配置する(320)。一部の実施形態では、配置すること(320)の後に、薬剤容器を患者に調剤することが続く。
【0133】
一部の実施形態によれば、準備プロセスは、容器に処方情報を含むラベルを付けること(306)を含む。ラベルを付けること(306)は、準備前ステップ、準備ステップ、または準備後ステップであることができる。一部の実施形態では、例えば図3Cに示されているように、ラベルを付けること(306)は、調剤ヘッドに取り付ける(322)前に実行される。一部の実施形態では、例えば図3Dに示されているように、ラベルを付けること(306)は、挿入すること(314)の後である。一部の実施形態では、ラベルを付けること(306)は、密封すること(318)の後である。一部の実施形態では、ラベルを付けること(306)は、運ぶこと(304)に先立つ。
【0134】
薬剤コンテナパネル
ここで図4Aおよび4Bを参照すると、これらの図は、本発明の一部の実施形態に従う、薬剤コンテナパネルの透視図の簡略化された図である。
【0135】
図4Aおよび4Bに示されているように、一部の実施形態によれば、薬剤コンテナパネル400は、複数の薬剤コンテナ402を収容する。一部の実施形態では、パネル400は、薬剤コンテナ402を結合するための複数のドッキングポート404を含む。
【0136】
図4Aに示されているように、コンテナパネル400-1内で薬剤コンテナ402が垂直方向(Y方向)に配置される。一部の実施形態では、パネル400-1は垂直方向に平坦である。一部の実施形態では、コンテナ402はパネル400-1上で傾斜している。一部の実施形態では、コンテナ402は、コンテナを結合して傾斜した向きになるようにドッキングポート404-1を成形することによって、傾斜している。
【0137】
一部の実施形態では、パネルが傾斜している。一部の実施形態では、パネルが弓形である。一部の実施形態では(図示せず)、パネルが円筒形である。
【0138】
垂直方向に広がる薬剤パネルを含むことの潜在的な利点は、パネルの水平方向のサイズを減らすことである。一部の実施形態では、パネルの水平方向のサイズを減らすことによって、調剤システムの水平方向のサイズが縮小する。
【0139】
図4Bに示されているように、一部の実施形態によれば、薬剤調剤システムは、コンテナパネル400-2内で水平方向に配置された複数の薬剤コンテナ402を収容するように構成された、薬剤コンテナパネル400-2を含んでいる。一部の実施形態では、パネル400-2は水平方向に平坦である。一部の実施形態では、パネル400-2は、垂直軸(Y)の周囲で円形または弓形である。
【0140】
水平方向に広がる薬剤パネルを含むことの潜在的な利点は、パネルの垂直方向のサイズを減らすことである。一部の実施形態では、パネルの垂直方向のサイズを減らすことによって、調剤システムの垂直方向のサイズが縮小する。一部の実施形態では、薬剤コンテナ402を水平方向の配置で配置することによって、システムの水平方向のサイズが縮小する。
【0141】
一部の実施形態によれば、図4Aに示されているように、本明細書の他の場所で説明された調剤ヘッド(例えば、107/208/600)は、薬剤パネル400上に取り付けられた移動可能な垂直レール420上で移動可能であり、調剤ヘッドは、垂直レール420上で垂直方向に移動するように構成される。一部の実施形態では、調剤ヘッドは、パネル400に備えられた1つまたは複数の水平レール422/424上で垂直レール420を移動することによって、水平方向に移動するように構成される。一部の実施形態によれば(図示せず)、調剤ヘッドは、薬剤パネルに結合された水平レール上で移動可能であり、ヘッドの直線移動が水平レール上に存在する。一部の実施形態では、調剤ヘッドの垂直移動は、薬剤パネルに備えられた1つまたは複数の垂直レール上で水平レールを移動することによる。
【0142】
容器キャリアを含む調剤ヘッド
ここで図5を参照すると、図5は、本発明の一部の実施形態に従う、調剤ヘッドのブロック図の簡略化された図である。
【0143】
調剤ヘッド500は、薬剤を収容している薬剤コンテナから薬剤をつかむように構成される。一部の実施形態によれば、調剤ヘッド500は、1つまたは複数の方向に移動して薬剤コンテナ402に接近し、薬剤投与量を受け取るように構成される。一部の実施形態によれば、例えば薬剤パネルのレイアウトが垂直方向である場合(例えば、400-1)、薬剤コンテナに接近することは、調剤ヘッド500を少なくとも垂直方向(例えば、図4AのY方向)に移動することによる。一部の実施形態では、例えば薬剤パネルのレイアウトが水平方向である場合(例えば、400-2)、調剤ヘッド500を移動することは、少なくとも水平方向(例えば、図4BのXおよびZ方向)である。
【0144】
図5に示されているように、調剤ヘッド500は、ヘッド500のモジュールを保持するための1つまたは複数のベースプラットフォーム502を含んでいる。一部の実施形態によれば、ヘッド500は、薬剤投与量をコンテナから選別するためのグリッパ512を含んでいる。一部の実施形態では、グリッパ512は、薬剤投与量を保持するプローブを選別するように構成された、プローブグリッパである。一部の実施形態では、グリッパは、プローブによって薬剤を選別して保持するために、プローブへの吸引を適用するように構成される。
【0145】
一部の実施形態によれば、調剤ヘッド500は、108などの1つまたは複数の薬剤容器をヘッド500に結合するための容器キャリア504を含んでいる。
【0146】
一部の実施形態によれば、調剤ヘッド500は、1つまたは複数のモーターによって移動可能である。一部の実施形態では、モーター506はヘッド500を水平方向Xに移動する。一部の実施形態では、モーター508はヘッド500を垂直方向Yに移動する。一部の実施形態では、モーター506または508のうちの1つはヘッド500を水平方向Zに移動する。一部の実施形態では、モーター506/508のうちの1つまたは複数は、制御回路510によって作動される。一部の実施形態では、制御回路510は調剤ヘッド500に結合される。一部の実施形態では、例えば図5に示されているように、制御回路510はヘッド500の外部にある。一部の実施形態では、モーター506はヘッド500に結合される。一部の実施形態では、例えば図5に示されているように、モーター506がヘッド500の外部に配置され、モーターの運動がヘッド500に伝達される。一部の実施形態では、モーター508はヘッド500に結合される。一部の実施形態では、例えば図5に示されているように、モーター508がヘッド500の外部に配置され、モーターの運動がヘッド500に伝達される。一部の実施形態では、モーター506/508のうちの1つまたは複数は、ステップモーターである。一部の実施形態では、モーター506/508のうちの1つまたは複数は、サーボモーターである。
【0147】
一部の実施形態によれば、調剤システムは、本明細書の他の場所で説明されたように薬剤投与量を抽出プローブに取り付けるために、ヘッド500に接続された吸引システム520を含んでいる。一部の実施形態では、吸引システム520によって、プローブを介して吸引を適用するために、吸引がグリッパ512に供給される。一部の実施形態では、吸引システム520は吸引ポンプ522を含んでいる。一部の実施形態では、吸引システム520は、グリッパ512に供給された吸引を制御するために、吸引ポンプ520に接続された吸引コントローラ524を含んでいる。一部の実施形態では、吸引コントローラ524はヘッド500内に配置される。一部の実施形態では、必要な吸引力を決定することは、薬剤投与量の特性およびパラメータ(例えば、種類、形状、重量など)に従う。一部の実施形態では、吸引システム520は、グリッパ512に供給される吸引力を測定するための吸引センサを含む。一部の実施形態では、吸引センサはグリッパ512に接続される。一部の実施形態では、調剤ヘッド500に結合された1つまたは複数の吸気弁によって、吸引力が制御される。
【0148】
一部の実施形態によれば、制御回路510は、薬剤投与量の特性およびパラメータ(例えば、種類、形状、重量など)に従って、ヘッド500の移動速度を制御する。ヘッド500の速度および/または吸引力を制御することの潜在的な利点は、薬剤投与量がコンテナから抽出された後に、調剤ヘッド500に結合された薬剤投与量を失う可能性を低減することがあることである。吸引力を制御することの別の潜在的な利点は、調剤ヘッド500によって薬剤投与量を抽出することにおける失敗を減らすことである。
【0149】
一部の実施形態によれば、グリッパ512は、プラットフォーム502に対して直線的に移動可能である。一部の実施形態では、グリッパ512は、コンテナから離れているプローブを直線運動でつかむために、グリッパ512をプローブに近づけることによって、薬剤コンテナに挿入されたプローブをつかむように構成される。一部の実施形態では、グリッパ512は、プローブを、コンテナに向かう直線運動でコンテナに戻すように構成される。一部の実施形態では、グリッパ512は、プラットフォーム502に結合された線形システム516によって直線的に移動するように作動される。一部の実施形態では、直線運動でグリッパ512を移動することは、薬剤パネルに対してプラットフォーム502を移動することを伴わない。
【0150】
一部の実施形態によれば、抽出された薬剤投与量を薬剤容器に挿入するために、選別されたプローブがグリッパ512によって回転され、薬剤容器の上に配置される。一部の実施形態では、グリッパ512は回転するようにプラットフォーム502に結合される。一部の実施形態では、グリッパ512の回転は、プラットフォーム502に結合されたシステム514を回転させることによる。一部の実施形態では、ヘッド500は、薬剤パネルに対してプラットフォーム502を移動せずに、回転運動でグリッパ512を移動するように構成される。一部の実施形態では、薬剤投与量の抽出と挿入の間に、コンテナから離れた水平方向でのグリッパ512の直線移動が存在しない。一部の実施形態では、この回転は10~85度の範囲内である。一部の実施形態では、この回転は25~75度の範囲内である。一部の実施形態では、この回転は30~60度の範囲内である。
【0151】
一部の実施形態では、制御回路510は、グリッパ512を移動して、容器の開口部を薬剤投与量から10cm未満の水平距離内に配置するための配置信号を、アクチュエータ514/516に出力する。一部の実施形態では、制御回路510は、接近信号の出力と投与量操作信号の出力の間、またはそれらの信号の出力中に、配置信号を出力する。
【0152】
ヘッド500によるプローブの運動を制限することにおける潜在的な利点は、プローブがコンテナから離れているときに、薬剤コンテナが開いたままになる時間が最小限に抑えられることである。一部の実施形態では、グリッパ512によってコンテナからプローブをつかむことと、薬剤投与量を薬剤容器に挿入することとの間の時間は、10秒より短い。一部の実施形態では、グリッパ512によってコンテナからプローブをつかむことと、薬剤投与量を薬剤容器に挿入することとの間の時間は、4秒より短い。一部の実施形態では、グリッパ512によってコンテナからプローブをつかむことと、薬剤投与量を薬剤容器に挿入することとの間の時間は、1秒より短い。別の潜在的な利点は、薬剤投与量を薬剤容器内に挿入する前に、プローブから薬剤投与量が誤って外れるのを減らすことである。
【0153】
一部の実施形態によれば、ヘッド500は、コンテナに取り付けられたチップもしくはRFIDタグを介して、またはコンテナでバーコードを使用することによって、薬剤コンテナと通信するように構成される。一部の実施形態では、コンテナの動作パラメータを送信するために、RFID/チップが使用される。RFID/チップを介して伝達され得る情報の例は、コンテナ内の薬剤を識別すること、薬剤投与量を数えること、状態の詳細、準備の状態を受信することなどである。一部の実施形態では、ヘッド500は、コンテナ上のエンコードされた情報を更新する。例えば、ヘッドによって投与量を抽出した後に、コンテナ内に残っている薬剤投与量を更新する。一部の実施形態では、ヘッド500は、RFID/タグリーダおよび/またはエンコーダ526を含む。一部の実施形態では、リーダ/エンコーダ526はプラットフォーム502に結合される。一部の実施形態では、リーダ/エンコーダ526はグリッパ512に結合される。
【0154】
一部の実施形態によれば、リーダ/エンコーダは、薬剤コンテナに接近することおよび離れることを可能にするために、移動可能である。一部の実施形態では、リーダ/エンコーダ526は、グリッパ512と一緒に移動するように構成される。例えば、グリッパ512によってプローブを選別しているときに、コンテナのRFIDタグ/チップに接近するためである。一部の実施形態では、リーダ/エンコーダ526は、グリッパ512とは無関係に移動するように構成される。一部の実施形態では、リーダ/エンコーダ526は、グリッパ512と共に回転すること、およびグリッパ512とは無関係に直線的に移動することを実行するように構成される。リーダ/エンコーダ526を移動することにおける潜在的な利点は、ヘッド500がヘッド500をさらに移動せずに薬剤コンテナと通信することである。このようにすることは、ヘッド500の移動を最小限に抑えること、および準備プロセスの時間を減らすことに役立つことができる。コンテナとのヘッド500の通信は、リーダ526がコンテナのチップから何らかの予期しない入力(例えば、薬剤がなくなっている)を検出した場合に、薬剤抽出の開始を防ぐことにも役立つことができる。そのような例外は、欠陥のある調剤プロセスを処理せずに、ヘッド500を別のコンテナに自動的に移動することを進めることができる。これによって、オペレータによる故障の処理を減らして、有用性を向上することができる。これによって、調剤システムのアイドル状態を減らすこともできる。
【0155】
図5図Aを参照すると、図Aは、本発明の一部の実施形態に従う、容器キャリア504の簡略化されたブロック図である。
【0156】
一部の実施形態によれば、容器キャリア504は、薬剤投与量を容器に挿入するときに1つまたは複数の容器(例えば、108)を保持するように構成された容器台528を含んでいる。
【0157】
一部の実施形態によれば、容器を容器台528に結合することによって、容器がヘッド500に取り付けられる。一部の実施形態では、結合することは、台528によって容器に加えられる吸引力による。一部の実施形態では、吸引を台528に供給するために、吸引システム512が容器キャリア504に接続される。一部の実施形態では、容器キャリア504に接続された吸引システム512は、グリッパ512に接続された吸引システムと異なっている。
【0158】
一部の実施形態によれば、キャリア504は、台528によって保持された容器が開いた状態であるか、または閉じた状態であるかを判定するための状態検出器530を含んでいる。一部の実施形態では、開いた状態である場合にのみ、調剤動作が実行される。一部の実施形態では、検出器530は、容器の開いた状態/閉じた状態に基づいて薬剤の調剤を制御するための制御回路510に接続される。容器の開いた状態/閉じた状態を検出することの潜在的な利点は、容器内の薬剤投与量を失うリスクを低下させることである。別の潜在的な利点は、薬剤投与量が閉じた容器に調剤されるという浪費を減らすことである。
【0159】
一部の実施形態によれば、薬剤投与量を調剤するときに、容器の重量が増える。一部の実施形態では、容器の重量を測定するために、重量センサ532が使用される。一部の実施形態では、センサ532によって測定された重量に従って、容器台528に供給される吸引が決定される。一部の実施形態では、重量測定値が増えるときに、吸引コントローラ516が吸引力を増やす。一部の実施形態では、重量の測定は、容器内の薬剤の挿入を検証するために使用される。
【0160】
一部の実施形態によれば、容器キャリア504は、容器供給ユニット(112など)から容器を取得する。一部の実施形態では、キャリア504は、容器を供給ユニットから取得する容器取得器533を含んでいる。一部の実施形態では、取得器533を供給ユニットとかみ合わせるように、ヘッド500が隣に配置される。
【0161】
一部の実施形態によれば、準備プロセス中に、容器をキャリア504の外部に移動することが、1回または複数回、必要である。一部の実施形態では、キャリア504は、容器をキャリア504から排出するように構成された容器排出器536を含んでいる。一部の実施形態では、薬剤を容器に挿入した後に、容器が、ヘッド500から、薬剤運搬箱(118など)などの薬剤出力/収集ユニットに排出される。
【0162】
一部の実施形態では、単一の準備プロセス中に、容器取得器533によって容器を取得すること、および排出器536によって容器をキャリア504の外部に移動することが、2回以上繰り返される。例えば、容器を容器供給ユニット(例えば、112)から取得し、次に、容器をラベル付けまたは印刷ユニット(114など)に移動し、ヘッドキャリア504に戻す。別の例:容器を薬剤運搬箱(例えば、118)などの出力/収集ユニット内に配置する前に、容器を密封/圧着ユニット(116など)との間で移動する。
【0163】
一部の実施形態によれば、容器キャリア504は、例えば薬剤を容器内に挿入する前に、容器を取得器533から台528に運ぶためのコンベヤ534を含んでいる。一部の実施形態では、例えば薬剤を挿入した後に、容器を台528から排出器536に運ぶことは、コンベヤ534による。一部の実施形態では、排出器536に運ぶことは、例えば準備プロセス中にエラーが発生したときに、満たされていない容器を廃棄するためである。
【0164】
一部の実施形態では、調剤ヘッド500は、複数の容器キャリア504を含むことによって複数の容器を保持するように構成される。一部の実施形態では、調剤ヘッド500は、容器キャリア504内に複数の容器台528を含むことによって複数の容器を保持するように構成される。
【0165】
ここで図6A~6Cを参照すると、これらの図は、本発明の一部の実施形態に従う、調剤ヘッドの側面図の簡略化された図である。
【0166】
図6Aに示されているように、調剤ヘッド600は、垂直パネル400-1を横切って移動し、パネル400-1に結合されたコンテナ402に接近するように構成される。ヘッド600は、垂直方向Yでの直線移動よって薬剤コンテナ402間を移動するように構成される。一部の実施形態では、この直線移動は、パネル400-1を横切るX方向での水平移動とY方向での垂直移動の組み合わせである。
【0167】
図6Aおよび6Bに示されているように、調剤ヘッド600はヘッド筐体602を含んでいる。一部の実施形態では、ヘッド600は、筐体602に回転可能なように結合された可動プラットフォーム604を含んでいる。
【0168】
一部の実施形態によれば、ヘッド600は、プラットフォーム604に結合されたグリッパモジュール606と、グリッパモジュール606に結合され、薬剤コンテナ402に結合されたプローブPを選別するように構成されたグリッパ608とを含んでいる。
【0169】
図6A~6Cに示されているように、一部の実施形態では、グリッパモジュール606は、筐体602に対して近位方向610-1および遠位方向610-2に直線的に移動可能である。一部の実施形態では、グリッパモジュール606は、グリッパ608を近位方向610-1にプローブPに近づけることによって、コンテナからプローブPをつかみ、遠位の直線運動によって方向610-2にコンテナから離れてプローブをつかむために、グリッパ608を作動させるように構成される。一部の実施形態では、プローブPをコンテナに戻すことは、グリッパモジュール606によって近位の直線運動でコンテナに向かって方向610-1にグリッパ608を作動させることによる。一部の実施形態では、グリッパ608を近位方向610-1および遠位方向610-2に移動することは、薬剤パネル(400-1など)に対して筐体602を移動することを伴わない。一部の実施形態では、近位方向610-1および遠位方向610-2はY方向に垂直である。
【0170】
一部の実施形態によれば、薬剤パネルに対してグリッパ608を回転させることは、筐体602を回転させることを伴わず、ヘッド600を移動することを伴わない。一部の実施形態では、例えば図6Aおよび6Bに示されているように、ヘッド600は、プラットフォーム604および筐体602を相互接続する歯車機構612を含んでいる。一部の実施形態では、歯車612によるプラットフォーム604の回転は、グリッパ608を方向612-1(図6Bに示されている)および612-2(図6Aに示されている)に回転させる。一部の実施形態では、回転方向612-1および612-2は、軸YおよびZと直角な軸Xを軸にする。
【0171】
一部の実施形態によれば、本明細書の他の場所で説明されているように、ヘッドは、コンテナ上にエンコードされた情報を更新するように構成される。図6Aおよび6Cに示されているように、ヘッド600は、グリッパモジュール606に結合されたRFID/タグリーダおよび/またはエンコーダ614を含んでいる。一部の実施形態では、グリッパモジュール606は、リーダ/エンコーダ614を近位方向610-1および遠位方向610-2に作動させ、薬剤コンテナ402に結合されたRFIDタグ/チップに接近することおよび離れることを可能にするように構成される。
【0172】
一部の実施形態では、リーダ/エンコーダ614は筐体602に対して移動可能である。一部の実施形態では、例えば図6A~6Cのように、リーダ/エンコーダ614は、例えば、グリッパ608によってプローブを選別しているとき、コンテナのRFIDタグ/チップに接近するために、グリッパ608と一緒に移動するように構成される。一部の他の実施形態では、リーダ/エンコーダ614は、グリッパ608とは無関係に移動するように構成される。
【0173】
一部の実施形態では、ヘッド600は、歯車モジュール606および筐体602を相互接続する直線的な歯車機構616を含んでいる。一部の実施形態では、歯車616による歯車モジュール606の移動は、グリッパ608を方向610-1(図6Cに示されている)および610-2(図6Aおよび6Bに示されている)に移動する。一部の実施形態では、直線的な歯車機構616は、歯車モジュール606およびプラットフォーム604を相互接続する。一部の実施形態では、歯車616をプラットフォーム604に接続することは、筐体602に対する直線運動および回転運動の両方で、グリッパ608および/またはリーダ614の作動を可能にする。
【0174】
一部の実施形態によれば、調剤ヘッド600は、1つまたは複数の薬袋(202など)をヘッド600に結合するための薬袋キャリア618を含んでいる。一部の実施形態では、例えば図6Aに示されているように、薬袋キャリア618は、グリッパ608の下で筐体602に結合される。一部の実施形態によれば、薬袋キャリア618は、薬剤投与量を薬袋に調剤するときに薬袋(例えば、202)を保持するように構成された薬袋台620を含んでいる。図6Aに示されているように、薬袋台620は、薬袋202をグリッパ608の下で垂直方向に保持している。一部の実施形態では、薬剤投与量を保持するためにプローブPが使用される場合、プローブPから開いた薬袋に薬剤Mを落とすことによって、プローブの先端に配置された薬剤が調剤されるように、薬袋台620がプローブPの先端の下で垂直方向に薬袋202を保持している。
【0175】
一部の実施形態では、薬袋を保持することは、台620によって薬袋の表面に加えられた吸引力による。一部の実施形態では、吸引を台620に配置された吸引ポートに供給するために、吸引システム(520など)が薬袋キャリア618に接続される。
【0176】
容器キャリアから取り外された調剤ヘッド
図7A~7Cを参照すると、これらの図は、本発明の一部の実施形態に従う、調剤ヘッドおよび薬剤コンテナパネルの側面図の簡略化された図である。
【0177】
図7Aは、垂直コンテナパネル400-1の実施形態の側面図および正面図を示し、図7Bは、水平コンテナパネル400-2の実施形態の側面図および上面図を示す。両方の実施形態では、キャリア702-1/2が調剤ヘッド700-1/2から分離されている。
【0178】
一部の実施形態によれば、1つまたは複数のキャリアアクチュエータがキャリア702-1/2を水平方向に移動する。一部の実施形態では、例えば図7Aおよび7Bに示されているように、キャリア702-1/2が容器704を薬剤パネル400-1/2の下で水平方向に移動する。
【0179】
一部の実施形態では、水平方向に移動することは、ヘッド700と容器704の開口部の間の水平距離D1を事前に定義された範囲内に維持するためである。一部の実施形態では、距離D1は50cmより短い。一部の実施形態では、距離D1は10cmより短い。一部の実施形態では、距離D1は20cmより短い。一部の実施形態では、距離D1は5cmより短い。一部の実施形態では、容器704は調剤ヘッド700の下に垂直方向に存在する。一部の実施形態では、例えば図7Bに示されているように、調剤ヘッド700に結合されたグリッパ706と容器704の開口部の間の距離D1が測定される。一部の実施形態では、例えば図7Bに示されているように、グリッパ706によって薬剤投与量Mを保持する位置と容器704の開口部の間の距離D1が測定される。一部の実施形態では、薬剤投与量Mを保持する位置は(本明細書の他の場所で説明されるように)プローブPの先端である。
【0180】
一部の実施形態では、例えば図7Bに示されているように、距離D1を制御することは、ヘッド700-2とキャリア702-2の両方を水平方向(例えば、X方向)に移動することによって制御される。
【0181】
一部の実施形態では、調剤システムは、キャリア702-1/2を作動させるためのキャリアコントローラを含んでいる制御回路を含む。一部の実施形態では、制御回路は、薬剤投与量を受け取った後の調剤ヘッドのより短い移動を決定する最適化アルゴリズムに従って、キャリア702-1/2を作動させる。一部の実施形態では、制御回路は、速度最適化アルゴリズムに従って、キャリア702-1/2を移動する速度を制御する。一部の実施形態では、本明細書の他の場所で説明されているように、容器に調剤する前に薬剤投与量が外れるのを減らすように、速度が制御される。
【0182】
一部の実施形態によれば、キャリア702-1/2を移動して、キャリア702-1/2を調剤ヘッドからある水平距離に配置することは、コンテナ402に接近することに先立つ。一部の実施形態では、キャリア702-1/2を移動して、キャリア702-1/2を調剤ヘッドから事前に定義された水平距離に配置することは、調剤ヘッド700-1/2が薬剤投与量を受け取った後、かつその薬剤投与量を容器704に調剤する前である。
【0183】
図7Aに示されているように、薬剤Mを開いた容器704に落とすことによって、薬剤がヘッド700によって調剤されるように、キャリア702-1が、薬袋の容器704を調剤ヘッド700の下で垂直方向に保持している。図7Cは、コンテナ402内に配置されているところ(M0)から、コンテナ402から抽出され(M1)、コンテナ402から離れて配置され(M2)、コンテナ402から抽出された後に薬剤投与量Mの下に垂直方向に配置された開いた薬袋704によって定められたじょうごに落とされる(M3)までの、薬剤投与量Mの例示的な経路M0~M3を示している。
【0184】
一部の実施形態では、例えば図7Bに示されているように、水平パネル400-2がスロット406を含んでおり、スロット406は、薬剤投与量Mをパネル400-2の片側(例えば、パネルの上部)にあるヘッド700-2から、パネル400-2の反対側(例えば、パネルの下部)にある容器704に調剤できるようにする。
【0185】
一部の実施形態によれば、キャリア702-1/2は、ヘッド700から独立しており、薬剤を調剤する前にヘッド700に取り付けられるように構成される。一部の実施形態では、(本明細書の他の場所で説明されているように)調剤プロセス中に、垂直方向のキャリアアクチュエータが、キャリア702を垂直方向に移動して、キャリア702を調剤ヘッド700に結合する。
【0186】
薬袋の容器
本明細書の他の場所で説明されているように、容器は、本発明の一部の実施形態では、薬袋の形態である。
【0187】
ここで図8A~8Bを参照すると、これらの図は、本発明の一部の実施形態に従う、薬袋供給ユニットの透視図の簡略化された図である。
【0188】
一部の実施形態によれば、薬袋供給ユニット800は、薬袋802の形態で容器を供給するように構成される。一部の実施形態によれば、薬袋802は、折り畳み式蓋804を含んでいる。図8Aに示されているように、蓋804は折り畳まれた状態を有し、蓋804が薬袋802の本体の上に折り畳まれている。一部の実施形態では、薬袋802は、折り畳まれた状態で供給ユニット800に格納される。一部の実施形態では、折り畳まれた状態は、薬袋802が最小のサイズになる状態である。図8Bに示されているように、蓋804は折り畳まれていない状態を有し、蓋804が折り畳まれておらず、薬袋802の本体から離れて配置されている。一部の実施形態では、折り畳まれていない状態は、薬袋802を容器キャリアに移行する前に薬袋802が成形された状態である。
【0189】
一部の実施形態によれば、供給ユニット800は、1つまたは複数の薬袋802が格納されている供給ユニット筐体805を含んでいる。一部の実施形態では、ユニット800は、蓋804を開けるために、筐体805に結合された1つまたは複数の蓋開け器806を含んでいる。一部の実施形態では、供給ユニット800は、薬袋802を下方に移動し、開け器806によって蓋804を押すことによって、薬袋802の蓋804を折り畳まれた状態から折り畳まれていない状態に変える。一部の実施形態では、薬袋802を薬袋キャリアに供給することは、薬袋802を筐体805の外側で下方に移動することによる。一部の実施形態では、薬袋キャリアを供給することは、供給ユニット800をキャリアに結合した後である。
【0190】
ここで図9Aおよび9Bを参照すると、これらの図は、本発明の一部の実施形態に従って、調剤プロセス中に薬袋が取り付けられた、薬袋キャリアの一部の透視図(9A)および上面図(9B)の簡略化された図である。
【0191】
薬袋キャリア900は、本明細書の他の場所で説明された容器キャリア(例えば、618、504)のうちの1つであることができる。図9Aおよび9Bに示されているように、薬袋キャリア900は、薬袋802を保持するように構成された薬袋台902を含んでいる。一部の実施形態では、台902は、薬袋802の面に吸引を適用することによって薬袋802をキャリア900に結合するために、1つまたは複数の吸引カップを備えている。一部の実施形態によれば、キャリア900は、薬剤投与量を受け取るための開口部806が上部に形成された、開いた状態で薬袋802を保持するように構成される。
【0192】
一部の実施形態によれば、キャリアは、薬袋802の上部を引き込んで開口部806を形成する、引き込みモジュール904を含んでいる。一部の実施形態では、引き込みモジュール904は、薬袋802の上部を離して開口部806を閉じる。一部の実施形態では、引き込みモジュール904は伸縮式である。
【0193】
一部の実施形態によれば、キャリア900は、開いた状態で薬袋802を保持する2つのフォーク906を含んでいる。一部の実施形態では、引き込みモジュール904が薬袋802の上部を引き込んでいるときに、フォーク906が薬袋802を保持する。一部の実施形態では、フォーク906は、フォーク906間の距離を変更するように移動可能である。一部の実施形態では、フォーク906は、薬袋802を締めて、フォーク906間の距離を縮め、薬袋802を開ける。一部の実施形態では、薬袋802を閉じることは、フォーク906間の距離を増やすことによる。一部の実施形態では、フォーク906は台902に結合される。一部の実施形態によれば、キャリア900は、薬袋802が開いた状態であるかどうかをチェックするために、薬袋センサ908を含んでいる。一部の実施形態では、センサ908は、送信器908と受信器908’の間に光学ビーム908”を送信することによって、薬袋802の状態をチェックするように構成される。一部の実施形態では、薬袋802を開けること/閉じることは、センサ908の信号に従って開始される。
【0194】
一部の実施形態では、キャリア900は、蓋804が折り畳まれていないかどうかをチェックする蓋センサを含んでいる。一部の実施形態では、蓋センサは、折り畳まれていない状態において、送信器と受信器の間に送信された光学ビームの中断を感知することによって、蓋804の状態をチェックするように構成される。
【0195】
ここで図9C~9Fを参照すると、これらの図は、本発明の一部の実施形態に従って、調剤プロセス中に薬袋が取り付けられた、薬袋キャリアの一部の透視図(9Cおよび9E)、側面図(9D)、ならびに上面図(9F)の簡略化された図である。
【0196】
図9C~9Fに示されているように、薬袋キャリア900の実施形態例は、閉じた状態(図9C~9Dに示されている)と開いた状態(図9E~9Fに示されている)の間で薬袋の状態を変更するために、薬袋開け器モジュール910を備えている。
【0197】
薬袋開け器モジュール910は、ブラケット912と、ブラケット912に移動可能に結合され、近位の引っ張りヘッド916および遠心端918を含んでいるマニピュレータ914とを備えている。
【0198】
図9C~9Fの実施形態例では、閉じた状態と開いた状態の間で薬袋802の状態を変更することは、引っ張りヘッド916を薬袋802の1つの面とかみ合わせ、引き込みモジュール904を反対側の面とかみ合わせることによる。一部の実施形態では、開けることは、引っ張りヘッド916および引き込みモジュール904を薬袋802の2つの向かい合った面に結合し、引っ張りヘッド916および引き込みモジュール904のうちの1つまたは複数を、互いに離れて移動するように作動させることによる。薬袋802を閉じることは、引っ張りヘッド916および引き込みモジュール904を近づけることによる。一部の実施形態では、制御回路が、引っ張りヘッド916および引き込みモジュール904のうちの1つまたは複数の移動を開始する。
【0199】
一部の実施形態によれば、引っ張りヘッド916を薬袋802の面と結合することは、吸引による。一部の実施形態では、吸引は、マニピュレータ914によって、遠心端918を介して適用される。一部の実施形態では、結合することは、引っ張りヘッド916を薬袋802に固定することによる。一部の実施形態では、結合することは、粘着材を引っ張りヘッド916に適用することによる。一部の実施形態では、結合することは、静電力を引っ張りヘッド916に加えることによる。
【0200】
一部の実施形態では、マニピュレータ914は、ブラケット912内で回転することによって、薬袋802に向かって、および薬袋802から離れて、直線的に移動する。一部の実施形態では、マニピュレータ914は伸縮式である。
【0201】
一部の実施形態によれば、開け器モジュール910が薬袋供給ユニット800に結合される。一部の実施形態では、開け器モジュール910および薬袋供給ユニット800が、単一のユニットを形成する。一部の実施形態では、キャリア900、開け器モジュール910、および薬袋供給ユニット800が、単一のユニットを形成する。一部の実施形態では、調剤ヘッド(本明細書の他の場所で説明されている)、キャリア900、開け器モジュール910、および薬袋供給ユニット800が、単一のユニットを形成する。
【0202】
薬剤の調剤のその他の例示的なワークフロー
ここで図10A、10B、および10Cを参照すると、これらの図は、本発明の一部の実施形態に従う、薬剤調剤システム(100など)の動作に関連する活動の一部を示す簡略化されたフローチャートである。
【0203】
図10Aに示されているように、一部の実施形態によれば、活動は以下を含む。
【0204】
調剤システムを初期化する(1002)。
【0205】
一部の実施形態では、初期化すること(1002)は、薬剤の供給を準備することを含む。一部の実施形態では、初期化すること(1002)は、システムに処方を入力することを含む。一部の実施形態では、初期化すること(1002)は、薬剤容器/薬袋の供給を準備することを含む。一部の実施形態では、初期化すること(1002)は、調剤システム内のセンサ、弁などに関する。一部の実施形態では、初期化すること(1002)は、制御回路に移動計画を入力することを含む。一部の実施形態では、初期化すること(1002)は、制御回路に予定表を入力することを含む。
【0206】
調剤ヘッドを初期化する(1004)。
【0207】
薬剤パネル内の薬剤コンテナをスキャンする(1006)。
【0208】
スキャンすることは、例えば、コンテナ内の薬剤の正しい供給を評価すること、薬剤パネル内の使用可能な薬剤の量を評価することなどのためであることができる。一部の実施形態では、スキャンすることは任意選択的であり、本明細書の他の場所で説明されているように、調剤システムによって指示が提供される。
【0209】
一部の実施形態では、スキャンすることは、調剤ヘッドによる。一部の実施形態では、スキャンすることは、オペレータによる。
【0210】
コンテナにあるRFIDおよび/またはバーコードがデータベースに格納された値に一致するかどうかをチェックする(1008)。
【0211】
一致が存在しない場合、エラーに関する指示を提供する(1010)。
【0212】
一部の実施形態では、エラーを修正することは、オペレータ/看護師による。一部の実施形態では、エラーを修正することは、コンテナを置き換えることによる。一部の実施形態では、コンテナを置き換えることは、薬剤パネルから薬剤コンテナ、および/または薬剤コンテナに取り付けられたカートリッジにアクセスすることによって、実行される。一部の実施形態では、コンテナおよび/またはカートリッジへのアクセスは、他のコンテナを移動することを必要としない。一部の実施形態では、コンテナおよび/またはカートリッジへのアクセスは、薬剤の引き出しを使用して他のコンテナを移動することを必要としない。
【0213】
薬袋の供給の準備ができたかどうかをチェックする(1012)。一部の実施形態では、チェックすることは、薬袋格納箱に接続されたマイクロスイッチから信号を受信することによる。一部の実施形態では、信号は、近接センサ、圧力センサ、および重量センサなどの、センサから来る。
【0214】
(任意選択的に)薬袋の準備ができていないことに関する指示を受信した場合、調剤システム内の薬袋の供給を検証および/または挿入する(1014)。
【0215】
(任意選択的に)薬袋が薬袋キャリア内あるかどうかをチェックする(1016)。
【0216】
一部の実施形態では、別の薬袋を取得する必要がある場合(例えば、追加の投薬指示がキューに存在する場合)、このステップが必要である。
【0217】
チェック(1016)が、薬袋がキャリア内に存在しないということを示している場合、薬袋を薬袋供給ユニットから取得する(1018)。
【0218】
(任意選択的に)薬袋の蓋が折り畳まれていないかどうかをチェックする(1020)。
【0219】
一部の実施形態によれば、薬剤を薬袋内に挿入するために薬袋の本体を拡大するには、薬袋の蓋が折り畳まれていないことが必要である。一部の実施形態では、薬袋に印刷するには、薬袋の蓋が折り畳まれていないことが必要である。
【0220】
一部の実施形態によれば、折り畳まれていない蓋のチェック1020は、1つまたは複数のセンサによる。一部の実施形態では、センサが調剤ヘッドに配置される。一部の実施形態では、センサが薬袋キャリアに配置される。一部の実施形態では、蓋が折り畳まれていないかどうかをチェックすること(1020)は、センサが光路内の中断を感知することによる。一部の実施形態では、蓋が折り畳まれていないかどうかをチェックすること(1020)は、圧力センサが蓋の圧力を受信することによる。一部の実施形態では、蓋が折り畳まれていないかどうかをチェックすること(1020)は、近接センサによる。
【0221】
チェックすること(1020)が、薬袋の蓋が折り畳まれているということを明らかにした場合、薬袋を廃棄する(1022)。一部の実施形態では、廃棄すること(1022)は、薬袋を調剤システム内の廃棄ゾーンに廃棄する調剤ヘッドによる。一部の実施形態では、廃棄すること(1022)は、調剤システムの外部の廃棄ゾーンへの廃棄である。
【0222】
薬剤を薬袋に挿入する(1024)。
【0223】
図10Bに示されているように、一部の実施形態によれば、挿入すること(1024)は以下を含む。
【0224】
ヘッドを薬袋供給ユニットに移動する(1030)。
【0225】
一部の実施形態によれば、薬袋キャリアが調剤ヘッドに結合され、移動すること(1030)が、薬袋キャリアの移動を含む。
【0226】
薬袋をヘッドに取り付ける(1032)。
【0227】
一部の実施形態では、移動すること(1030)および取り付けること(1032)は、薬袋が薬袋キャリア内にあるかどうかをチェックすること(1016)に先立つ。一部の実施形態では、移動すること(1030)および取り付けること(1032)は、(図10Aの)薬袋の蓋が折り畳まれていないかどうかをチェックすること(1020)に先立つ。
【0228】
データを薬袋に印刷する(1034)。
【0229】
一部の実施形態では、印刷は、折り畳まれていない状態の蓋を含んでいる薬袋に対して行われる。
【0230】
調剤ヘッドを移動して、調剤される必要がある薬剤を含んでいる薬剤コンテナに近づける(1036)。
【0231】
一部の実施形態では、移動すること(1036)は、制御回路によって、調剤ヘッドを移動して薬剤コンテナに近づける接近信号を1つまたは複数のアクチュエータに出力することを含む。
【0232】
プローブを薬剤コンテナからつかむ(1038)。一部の実施形態では、つかむことは、調剤ヘッドに結合されたプローブ保持モジュールによる。一部の実施形態では、調剤ヘッドによって真空が作動され、プローブに/プローブを介して適用される。
【0233】
一部の実施形態では、つかむこと(1038)は、制御回路によって、調剤ヘッドまたは保持モジュールを移動する操作信号を1つまたは複数のアクチュエータに出力することを含む。
【0234】
プローブによって錠剤が見つかった/抽出されたかどうかをチェックする(1040)。
【0235】
一部の実施形態では、抽出された錠剤をチェックするためのセンサが、保持モジュールに配置される。一部の実施形態では、チェックすることは、プローブでの真空の値を測定することによる。一部の実施形態では、プローブによって錠剤が選別されたときに、真空圧値が増加する。
【0236】
薬袋が開いているかどうかをチェックする(1041)。
【0237】
一部の実施形態では、チェックすること(1041)は、薬袋の形状を測定し、薬袋が開いているか、または平坦であるかを判定するように構成されたセンサによる。
【0238】
薬剤の挿入の準備ができるように、薬袋を開ける(1042)。
【0239】
一部の実施形態によれば、薬袋は、調剤システムによって開ける(1042)まで、平坦な(閉じた)状態である。一部の実施形態では、薬袋を開けること(1042)は、吸引を薬袋の側面に適用することによる。一部の実施形態では、薬袋を開けること(1042)は、空気ノズルによって空気を薬袋に吹き込むことによる。一部の実施形態では、開けること(1042)は、薬袋の2つの側面を押すことによる。
【0240】
薬剤を抽出する前に薬袋が開いているかどうかをチェックし(1041)、薬剤を閉じた薬袋に落とすのを防ぐことによって、薬剤が外れるのを防ぐことができる場合がある。チェックすること(1041)によって、薬袋の準備ができる前に薬剤を調剤するように調剤ヘッドが作動されない。
【0241】
一部の実施形態では、取り付け1032の後に薬袋が開き、ステップ1041~1042は任意選択的である。一部の実施形態では、開けること(1042)は、取り付けること(1032)に先立つ。一部の実施形態では、チェックすること(1041)は、つかむこと(1038)に先立ち、薬袋に調剤する準備ができる前に薬剤が抽出されないため、薬剤が外れるのを減らす可能性がある。一部の実施形態では、チェックすること(1041)は、移動すること(1036)に先立ち、薬袋が開く前に薬剤に向かうヘッドの移動を減らす可能性がある。
【0242】
錠剤を薬袋に配置/挿入する(1044)。
【0243】
一部の実施形態では、錠剤を配置/挿入すること(1044)は、錠剤をつかんだ(1038)後に、錠剤の下に配置された薬袋に落とすことによる。一部の実施形態では、錠剤を配置/挿入すること(1044)は、プローブで錠剤を保持している吸引を終了することによる。
【0244】
任意選択的に、錠剤がプローブに見つからなかったかどうかをチェックすること(1040)を繰り返す(1045)。一部の実施形態では、繰り返しは2~10回である。一部の実施形態では、繰り返しは3~8回である。一部の実施形態では、繰り返しは4~6回である。
【0245】
任意選択的に、コンテナが錠剤を含んでいることをチェックする(1046)。一部の実施形態では、チェックすること(1046)は、錠剤の数を数えることを含む。
【0246】
一部の実施形態では、コンテナに錠剤がない場合、調剤システムは、警告して薬袋を排出することに進むように構成される(1048)。一部の実施形態では、コンテナが空である場合、調剤システムは、薬剤を含んでいる代替の位置を特定するように構成される。
【0247】
一部の実施形態では、調剤システムと通信して、警告が別のシステムに送信される。一部の実施形態では、動作が、警告に対する応答によって決まる。一部の実施形態では、排出することは、警告に関する詳細を受信するユーザによる/ユーザに向けられる。一部の実施形態では、薬袋に、例外を識別するためのマークが付けられる。
【0248】
コンテナを薬剤で満たす(1050)。
【0249】
一部の実施形態によれば、薬剤パネルは、2つ以上の薬剤アセンブリ内で準備された薬剤の冗長性を有する。一部の実施形態では、冗長性は、重要な警告、薬袋の廃棄、中断、システムのアイドル状態、および/またはオペレータの注意を必要とすることを伴わずに、薬袋を含んでいるヘッドを別のコンテナに移動することによる調剤の失敗を減らした。
【0250】
一部の実施形態では、満たすこと(1050)の後に、調剤ヘッドが、プローブを薬剤コンテナからつかむこと(1038)によって、調剤ステップを繰り返すことを続ける。一部の実施形態では、調剤ステップを繰り返す前に薬袋を閉じる任意選択的なステップが存在する。一部の実施形態では、移動1030と圧着1058の間の時間の80~98%の間、薬袋が閉じられる。一部の実施形態では、移動1030と圧着1058の間の時間の85~95%の間、薬袋が閉じられる。一部の実施形態では、移動1030と圧着1058の間の時間の90~93%の間、薬袋が閉じられる。一部の実施形態では、チェック1040と錠剤の配置1044の間にのみ、薬袋が開く。動作間で薬袋を閉じることによって、薬袋の内部に配置された薬剤の汚染を減らすことができる場合がある。
【0251】
本明細書の他の場所で説明された一部の実施形態によれば、調剤ヘッドをコンテナに近づける前に、コンテナアセンブリの内容が知られる。
【0252】
プローブを戻し、RFIDを書き込む(1052)。
【0253】
挿入された錠剤が、薬袋に挿入される必要がある最後の錠剤であるかどうかをチェックする(1054)。
【0254】
薬袋が追加の錠剤を受け取るべきである場合、ヘッドは、ステップ1036から繰り返すことを続ける。
【0255】
薬袋に配置される必要がある最後の錠剤を挿入した場合、薬袋が圧着モジュールに移動され(1056)(図10Cを参照)、圧着されることができる(1058)。
【0256】
PRNをチェックする(1060)。
【0257】
PRNのチェック1060が肯定である場合、薬袋を排出する(1062)。
【0258】
一部の実施形態によれば、薬剤を患者に直ちに提出する必要がある場合(例えば、患者が痛がっているか、またはまだデータベースに存在しないか、または施設に登録されたばかりである場合)、PRNのチェック1060は肯定である。一部の実施形態では、排出すること(1062)は、単一の方法で、薬剤運搬箱を介さず、看護師に向けられる。
【0259】
薬袋を薬剤運搬箱内に配置することを続ける(1064)。一部の実施形態では、PRNのチェック1060が否定になるように、続けること(1064)は、スケジューリングされた投薬の実行に基づく。
【0260】
上記のチェックステップのうちの1つまたは複数は、任意選択的であることができる。チェックステップは、例えば、コンテナ内の薬剤の準備ができていないか、または薬袋が適切な状態でないときに、調剤ヘッドの冗長な移動を防ぎ、薬袋の準備ができていないときに、薬剤の抽出を防ぎ、薬袋が開いていないときに、薬剤を含んでいるヘッドの移動を防ぐことができる場合がある。
【0261】
抽出プローブ
一部の実施形態によれば、薬剤投与量を選別するために、取り外し可能なプローブPが薬剤コンテナ(402など)に結合される。一部の実施形態では、薬剤投与量を抽出することは、薬剤グリッパ(本明細書の他の場所で説明された106/608など)によって、プローブPを薬剤コンテナからつかむことによる。
【0262】
一部の実施形態によれば、調剤システムは、調剤ヘッドを作動させてプローブPを操作するための操作信号を出力する制御回路(109など)を含む。一部の実施形態では、信号は速度プロファイルを含む。一部の実施形態では、信号は加速度プロファイルを含む。一部の実施形態では、信号は移動の長さおよび方向を含む。一部の実施形態では、操作信号および/または配置信号は、薬剤投与量の1つまたは複数のパラメータに従って選択される。一部の実施形態では、制御回路は調剤ヘッドに結合される。
【0263】
一部の実施形態では、プローブPが、コンテナに配置された薬剤にアクセスできるように、プローブPは、薬剤コンテナ内に配置されるように構成された先端を含む。一部の実施形態によれば、薬剤投与量を選別することは、プローブPの先端を介して吸引を適用することによる。一部の実施形態では、調剤ヘッドによって吸引が適用され、プローブPは、吸引をその先端に伝えるために、空洞である。一部の実施形態によれば、プローブPの薬剤投与量を放出することは、吸引を終了することによる。
【0264】
一部の実施形態では、プローブPは、プローブPの先端に配置された把握要素によって薬剤を選別するように構成される。一部の実施形態では、プローブPによる把握は、吸引を伴わない。
【0265】
紛失薬剤収集器
薬剤投与量は、調剤動作中に、またはその他の環境に起因して、失われる/落下することがある。一部の実施形態によれば、調剤システム100は、容器108への配置に失敗した薬剤投与量を追跡して収集するように構成され得る。
【0266】
図1を再び参照すると、調剤システム100は、錠剤などの薬剤投与量が蓄積することができる紛失薬剤収集器120を含んでいる。一部の実施形態では、収集器120は、パネル102の下部に配置される。一部の実施形態では、収集器120は、パネル102の下(パネルの外部)に配置される。一部の実施形態では、収集器120は取り外し可能である。一部の実施形態では、収集器120は引き出しの形態である。一部の実施形態では、収集器120は、薬剤調剤システム100から失われた薬剤を自動的に収集して運ぶ。一部の実施形態では、調剤システム100は、1つまたは複数の失われた薬剤投与量に関する指示をオペレータに提供する。
【0267】
収集器120を含むことの潜在的な利点は、調剤システムの有用性の向上である。収集器120を含むことの別の潜在的な利点は、失われた薬物の数を減らし、薬剤の記録の追跡を提供することによって、薬局の責任を増やすことである。収集器120を含むことの別の潜在的な利点は、失われた薬剤投与量を放出するために必要になる可能性があるシステムダウンタイムを減らすことである。
【0268】
一部の実施形態では、調剤システム100は内蔵カメラ122を含んでいる。一部の実施形態では、カメラ122は、容器108への配置に失敗した薬剤投与量を見つけるために使用され得る。一部の実施形態では、カメラ122は調剤ヘッド107に結合される。
【0269】
容器/薬袋を戻す
一部の実施形態によれば、調剤システム100は、薬剤を含んでいる容器/薬袋を戻すプロセスをサポートする。一部の実施形態では、戻された容器/薬袋を格納器に格納することによって、閉じた容器/薬袋が戻され得る。一部の実施形態では、格納器は、戻された薬剤の品質を維持するように構成される。一部の実施形態では、容器/薬袋を戻すことは、薬剤データベースに接続されたか、または薬剤データベースと通信するスキャナ128によって容器/薬袋をスキャンすることを含む。
【0270】
準備ステップ
一部の実施形態によれば、図3A~3Dに示された調剤プロセスは、システム技術者、看護師、および薬剤師などの施設の職員によって実行される準備活動を含んでいる。一部の実施形態では、調剤プロセスの後に、施設の職員によって実行されるパッケージ化された薬剤に対する活動が続く。
【0271】
一部の実施形態によれば、準備ステップは、調剤システム(例えば、100)に処方データを入力することを含む。処方データは、医療施設内の患者のデータであることができる。
【0272】
一部の実施形態によれば、準備ステップは、薬剤容器(108など)の供給を準備することを含む。
【0273】
一部の実施形態によれば、準備ステップは、薬剤コンテナ(104など)を準備することを含む。一部の実施形態では、薬剤コンテナはカートリッジを備え、カートリッジによって薬剤がコンテナ内に配置される。一部の実施形態では、準備することは、計画された薬剤投与量に関して受信されたデータに従う。一部の実施形態では、データは、処方データ内の薬剤の種類に関する。一部の実施形態では、準備することは、処方の入力に関連しない操作手順に従う。
【0274】
一部の実施形態によれば、パネル102での薬剤コンテナ104の配置は、薬剤グリッパ106の移動の軌道を縮小するように最適化される。一部の実施形態では、配置を最適化することは、薬剤グリッパ106の移動および/もしくはシステム100によって調剤された薬剤の履歴データ、ならびに/または調剤計画に従う。一部の実施形態では、薬剤コンテナ104の位置は、薬剤の使用に関するデータによって決定される。一部の実施形態では、調剤システム100に接続されたコンピュータ130によってデータが作成される。一部の実施形態では、データは、処方された薬剤、調剤された薬剤、薬剤コンテナ104から抽出された薬剤のうちの少なくとも1つを含む。
【0275】
一般
本出願から成熟する特許権の存続期間の間に、多くの関連する薬剤の種類、薬剤コンテナ、薬剤容器、およびプローブが開発されることが期待されており、薬剤の種類、薬剤コンテナ、薬剤容器、およびプローブという用語の範囲は、そのような新しい技術をすべて先験的に含むよう意図されている。
【0276】
量または値を参照して本明細書において使用されるとき、「約」という用語は「~の±20%以内である」ということを意味する。
【0277】
用語「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、およびこれらの活用形は、「~を含んでいるが、これに限定されない」ということを意味する。「~から成る」という用語は、「~を含んでいるが、これに限定されない」ということを意味する。「基本的に~から成る」という用語は、組成、方法、または構造が追加の原料、ステップ、および/または部品を含んでよいということを意味するが、ただしそれは、追加の原料、ステップ、および/または部品が、請求された組成、方法、または構造の基本的な新しい特性を著しく変更しない場合に限る。
【0278】
本明細書において使用されるとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈において特に明確に示されない限り、複数の参照を含む。例えば、「化合物」または「少なくとも1つの化合物」という用語は、化合物の混合を含む、複数の化合物を含んでよい。
【0279】
本出願全体を通じて、本発明のさまざまな実施形態が、範囲の形式を参照して提示されることがある。範囲の形式における説明が、単に便宜および簡潔さのためであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない制限であると解釈されるべきではないということが、理解されるべきである。したがって、範囲の説明は、その範囲内の個別の数値に加えて、すべての可能な部分範囲を特に開示していると見なされるべきである。例えば、1~6などの範囲の説明は、その範囲内の個別の数値、例えば、1、2、3、4、5、および6に加えて、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲を特に開示していると見なされるべきである。このことは、範囲の幅に関わらず当てはまる。
【0280】
本明細書において数値範囲が示された場合、常に、示された範囲内の任意の記載した数値(分数または整数)を含むよう意図される。1番目に示された数値と2番目に示された数値の「間の範囲にわたる」、および1番目に示された数値「から」2番目に示された数値「まで(to)」の「範囲にわたる」という語句は、本明細書では交換可能なように使用され、1番目に示された数値および2番目に示された数値、ならびにそれらの間のすべての分数および整数を含むよう意図される。
【0281】
明確にするために別々の実施形態との関連において説明された本発明の特定の複数の特徴が、単一の実施形態において組み合わさって提供されてもよいということが、理解される。反対に、簡潔にするために単一の実施形態との関連において説明された本発明のさまざまな特徴は、別々に、もしくは任意の適切な部分的組み合わせで、または本発明の任意のその他の説明された実施形態において適切であるように、提供されてもよい。さまざまな実施形態との関連において説明された特定の特徴は、そのような要素なしでは実施形態が動作不能になるのでない限り、それらの実施形態の不可欠な特徴と見なされるべきではない。
【0282】
本発明は、その特定の実施形態と併せて説明されたが、多くの代替、変更、および変形が当業者にとって明らかであるということは明白である。したがって、添付の特許請求の思想および広い範囲に含まれるすべてのそのような代替、変更、および変形を包含することが、意図されている。
【0283】
本明細書において言及されたすべての公開文献、特許、および特許出願は、本明細書では、個々の公開文献、特許、または特許出願が具体的かつ個別に参照によって本明細書に組み込まれていると示された場合と同じ程度まで、全体的に参照によって本明細書に組み込まれる。加えて、本出願におけるすべての参照の引用または識別は、そのような参照が従来技術として本発明に使用可能であることの承認であると解釈されてはならない。セクションの見出しが使用されている範囲内において、それらの見出しが必ずしも制限であると解釈されるべきではない。加えて、本出願のすべての優先権書類が、参照によって本明細書に全体的に組み込まれている。加えて、本出願のすべての優先権書類が、参照によって本明細書に全体的に組み込まれている。
【符号の説明】
【0284】
100 調剤システム
102 薬剤パネル
104 薬剤コンテナ
106 グリッパ
107 調剤ヘッド
108 薬剤容器
108-1 薬剤容器
108-2 薬剤容器
108-3 薬剤容器
109 制御回路
110 容器キャリア
112 容器供給ユニット
112 アクチュエータ
114 容器ラベル付け/印刷ユニット
116 容器密封機/クリンパユニット
118 薬剤運搬箱
120 落下薬剤収集器
122 カメラ
124 監視インターフェイス
126 ユーザ入力インターフェイス
128 スキャナ
130 電源
200 調剤システム
202 薬袋
204 薬袋格納ユニット
206 プリンタ
208 調剤ヘッド
210 薬剤パネル
212 薬剤コンテナ
216 クリンパ
218 薬剤運搬箱
220 制御回路
302-1 ステップ
302-2 ステップ
304-1 ステップ
304-2 ステップ
306 ステップ
308 ステップ
310 ステップ
311 ステップ
312 ステップ
314 ステップ
316 ステップ
318 ステップ
320 ステップ
322 ステップ
324 ステップ
326 ステップ
400 パネル
400-1 パネル
400-2 パネル
402 パネル
402-1 パネル
402-2 パネル
404 ドッキングポート
404-1 ドッキングポート
404-2 ドッキングポート
406 スロット
420 垂直レール
422 水平レール
424 水平レール
500 ヘッド
502 プラットフォーム
504 容器キャリア
506 水平方向Xのモーター
508 垂直方向Yのモーター
510 制御回路
512 グリッパ
514 回転システム
516 線形システム
520 吸引システム
522 吸引ポンプ
524 吸引コントローラ
526 RFID/タグリーダ/エンコーダ
528 容器台
530 状態検出器
532 重量センサ
533 容器取得器
534 コンベヤ
536 容器排出器
600 調剤ヘッド
602 筐体
604 プラットフォーム
606 歯車モジュール
608 グリッパ
610-1 近位方向
610-2 遠位方向
612 歯車機構
612-1 回転方向
612-2 回転方向
614 リーダ/エンコーダ
616 歯車機構
620 薬袋台
700 調剤ヘッド
700-2 ヘッド
702-1 キャリア
702-2 キャリア
704 容器
706 グリッパ
718 吸引センサ
800 薬袋供給ユニット
802 薬袋
804 蓋
805 筐体
806 蓋開け器
900 キャリア
902 薬袋台
904 引き込みモジュール
906 フォーク
908 センサ
908’ 受信器
908” 光学ビーム
910 開け器モジュール
912 ブラケット
914 マニピュレータ
916 引っ張りヘッド
918 遠心端
1002 ステップ
1004 ステップ
1006 ステップ
1008 ステップ
1010 ステップ
1012 ステップ
1014 ステップ
1016 ステップ
1018 ステップ
1020 ステップ
1022 ステップ
1024 ステップ
1030 ステップ
1032 ステップ
1034 ステップ
1036 ステップ
1038 ステップ
1040 ステップ
1041 ステップ
1042 ステップ
1044 ステップ
1045 ステップ
1046 ステップ
1048 ステップ
1050 ステップ
1052 ステップ
1054 ステップ
1056 ステップ
1058 ステップ
1060 ステップ
1062 ステップ
1064 ステップ
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8
図9-1】
図9-2】
図9-3】
図10A
図10B
図10C
【国際調査報告】