(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-02
(54)【発明の名称】可動ファンブレードホルダ付きキャリア
(51)【国際特許分類】
F01D 25/28 20060101AFI20220526BHJP
F16M 3/00 20060101ALI20220526BHJP
B64F 5/50 20170101ALI20220526BHJP
【FI】
F01D25/28 E
F16M3/00 Z
B64F5/50
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021565046
(86)(22)【出願日】2020-11-20
(85)【翻訳文提出日】2021-11-01
(86)【国際出願番号】 TR2020051141
(87)【国際公開番号】W WO2021211074
(87)【国際公開日】2021-10-21
(32)【優先日】2020-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521478474
【氏名又は名称】テュルク ハヴァ ヨッラルイ テクニク アノニム シルケティ
【氏名又は名称原語表記】TURK HAVA YOLLARI TEKNIK ANONIM SIRKETI
【住所又は居所原語表記】Sabiha Gokcen Havalimani E Kapisi Thy Habom Kargo Yolu,Pendik/Istanbul(TR)
(74)【代理人】
【識別番号】100109634
【氏名又は名称】舛谷 威志
(74)【代理人】
【識別番号】100129263
【氏名又は名称】中尾 洋之
(72)【発明者】
【氏名】ケケッチ,バイラム ツナ
(57)【要約】
本発明は、特に、垂直軸において独立して旋回可能な可動ファンブレードホルダ(2)を有するキャリアであって、航空機エンジンのメンテナンスまたは修理工程を実行する際に、エンジンから取り外されるか、エンジンに取り付けられるファンブレードおよび嵌合パーツを担持して積載するためのキャリアに関する。更に、本発明によって確実に、インデックス機構(7)を介してホルダ(2)をインデックスし、ベルト(4)を介してファンブレードをホルダ(2)に留める。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機エンジンから取り外され、または前記エンジンに取り付けられるファンブレードを担持して積載するためのキャリアにおいて、前記ファンブレードが留められる少なくとも1つのホルダ(2)を備え、前記ホルダは、
少なくとも2枚の重なり合うプレートから構成され、前記キャリアを垂直に維持する少なくとも1つのマスト(1)と、
前記マスト(1)のプレート上に開けられた少なくとも1つの穴(1.1)と、
下端および/または上端を通って前記穴(1.1)内に配置されることによって、前記穴(1.1)内で独立して旋回可能な少なくとも1つのホルダ支柱(2.1)と、
前記ホルダ支柱(2.1)の下端から外側に延在し、前記ファンブレードの前記下部が配置される少なくとも1つのベース(2.2)と、
前記ホルダ支柱(2.1)の前記上端から外側に延在し、前記ファンブレードの上部が配置されるリクライニング部(2.3)と、を備えることを特徴とするキャリア。
【請求項2】
請求項1に記載のキャリアにおいて、前記ホルダ支柱(2.1)を前記下端および/または前記上端との間、および前記穴(1.1)に配置することによって、前記ホルダ支柱(2.1)が独立して旋回する際に生じる擦れを回避する少なくとも1つのジョイント(2.4)を備えることを特徴とするキャリア。
【請求項3】
先行する請求項のいずれかに記載のキャリアにおいて、
マスト(1)上に設計され、ユーザの手工具および前記ファンブレードの部品を載置するための空間を形成する棚(3)部分と、
棚(3)部分上に設計され、取り外しおよび/または締結されるボルトを載置するための空間を有する少なくとも1つの穴あきブロック(3.1)と、を備えることを特徴とするキャリア。
【請求項4】
請求項1に記載のキャリアにおいて、
前記リクライニング部(2.3)の端部に設けられた少なくとも1つのベルトハンガ(4.1)と、
前記リクライニング部(2.3)の前記ホルダ支柱(2.1)に近い端部から前記ベルトハンガ(4.1)の周りを回転し、可動ホルダ(2)上でのインデックスによって可動ホルダ(2)に配置された前記ファンブレードを留めることができるようにする少なくとも1つのスナップファスナベルト(4)と、を備えることを特徴とするキャリア。
【請求項5】
請求項1に記載のキャリアにおいて、ファンブレードがホルダ支柱(2.1)上に設けられ、ファンブレードの取り付けおよび/または取り外しに必要な嵌合構成部品を担持および積載することを可能にするポケット(5)を備えることを特徴とするキャリア。
【請求項6】
請求項1に記載のキャリアにおいて、
前記マスト(1)との間に距離を有するように前記マスト(1)の下に配置された少なくとも1つの下部プレート(6)と、
前記下部プレート(6)の下に配置されることによって移動を可能にする少なくとも1つのホイール(6.1)と、
前記下部プレート(6)から外側に延在することによって、ユーザが前記下部プレート(6)を方向付けることを可能にする少なくとも1つのハンドル(6.2)とを備えることを特徴とするキャリア。
【請求項7】
請求項1に記載のキャリアにおいて、前記リクライニング部(2.3)を前記マスト(1)と係合させることにより前記ファンブレードを堅く留めることを可能にする少なくとも1つのインデックス機構(7)を備え、前記インデックス機構(7)は、
一端が前記マスト(1)に留められ、他端が前記リクライニング部(2.3)に向かって延在し、間隙を有する少なくとも1つのインデックスシャフト取付部(7.1)と、
前記インデックスシャフト取付部(7.1)上の間隙を通ってリクライニング部(2.3)に向かって延在する少なくとも1つのインデックスシャフト(7.2)と、
前記インデックスシャフト取付部(7.1)上の空間から上向きに配置されたインデックスシャフト機構であって、その上部の一方の縁部を低く、他方の縁部を相対的に高くすることを確実にすることによって得られる角度により、その中の前記インデックスシャフト(7.2)がどの程度下降したかを判定し、これによりインデックス工程が実行されるか否かを判定する、少なくとも1つのインデックスシャフト機構(7.3)と、
前記インデックスシャフト(7.2)の上端に配置され、前記インデックスシャフト機構(7.3)をその高縁部および低縁部に向けて引くことによりインデックスおよび非インデックス工程を行う少なくとも1つインデックスヘッド (7.4) と、
インデックスシャフトハウジング取付部(7.6)であって、その間隙が、前記インデックスシャフト(7.2)が下方向に解放されたときに、前記インデックスシャフト取付部(7.1)の間隙と重なり合うように前記リクライニング部(2.3)に係合する少なくとも1つのインデックスシャフトハウジング取付部(7.6)と、
低壁に配置され、前記インデックスシャフト(7.2)が、前記インデックスシャフトハウジング取付部(7.6)の間隙内で下方向に解放されたときに配置される少なくとも1つのインデックスシャフトハウジング(7.5)と、を備えることを特徴とするキャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、航空機エンジンから取り外された、または、エンジンに取り付けられるファンブレード及び嵌合パーツを担持したり積載するための可動ファンブレードホルダを有するキャリアに関する。
【0002】
本発明は、特に、垂直軸において独立して旋回することができる可動ファンブレードホルダを有するキャリアであって、航空機エンジンのメンテナンスまたは修理プロセスを実行する間に、エンジンから取り外されるかまたはエンジンに取り付けられるファンブレードおよび嵌合パーツを担持して積載するためのキャリアに関する。さらに、本発明によって確実に、ピン機構を介してホルダのインデックスを行い、ベルトを介してファンブレードがホルダに留められる。
【背景技術】
【0003】
従来技術において、航空機エンジンの故障またはメンテナンスの場合にファンブレードを取り外して担持したり、修理済みの、又は、新たなファンブレードをその位置に取り付けることは、非常に消耗的な工程である。従来技術におけるキャリアは、ホルダが安定しており、デッドスペースに収容することができないタイプのキャリアであることから、空気通路が確保されるようにブレード幅に従って螺旋状に湾曲するように形成される不均一な構造を有するファンブレード間のデッドスペースが原因で、ファンブレードを積載する際にかなりのスペースが無駄になる。
【0004】
従来技術の出願第TR2012/10267号には、ウイング式航空機エンジンを取り付けて維持するためのキャリアプラットフォームが開示されている。前記発明は、垂直方向、水平方向、角度方向及び全体的に様々な軸線に調整可能であり、ウイング式航空機エンジンの取り外し、維持及び再取り付けに使用されるように設計されたキャリアプラットフォームに関する。この目的のために、前記プラットフォームは、一般的に、エンジン保持フレームと、プラットフォームをその下のホイールによって移動可能にする下部フレームと、枢動ガイド上で右または左に回転可能な枢動グループと、X-Y線形移動グループと、グローバル駆動システムによって駆動される雌ホルダグループおよびグローバルアダプタグループとを備える。しかしながら、前記発明は、ファンブレードではなくエンジン複合体を取り外す際に使用されるように設計されていることに留意されたい。したがって、前記発明は地面に非常に近い低い外形を有している。前記発明は、独立して旋回可能な可動ファンブレードホルダについて開示していない。
【0005】
従来技術における他の文献として、公開番号CN106628877Aの出願では、大型航空機エンジンのファンブレードの輸送メンテナンスプラットフォームが開示されている。前記輸送メンテナンスプラットフォームは、底板と、回転テーブルと、コーミングと、輸送ホイールとを備え、前記輸送ホイールは前記底板の下面に固定され、前記回転テーブルは、支柱と、上部チャックと、下部チャックとを備え、前記支柱は前記底板の上面に回転可能に支持され、前記上部チャック及び前記下部チャックはそれぞれ前記支柱に同軸に固定され、前記上部チャックと前記下部チャックとの間の距離は前記ファンブレードのサイズに対応し、前記下部チャックと前記底板の前記上面との間に一定の距離が保たれ、前記ファンブレードの上部及び下部をインデックスするために使用されるインデックス機構が前記回転テーブル上に配置され、前記ファンブレードが前記回転テーブルに吊り下げられて前記回転テーブルと共に回転する。輸送メンテナンスプラットフォームは、メンテナンスに便利であり、大型航空機エンジンのファンブレードの輸送の安全性という利点を有する。前記出願では、上部チャック及び下部チャックが支柱に同軸に固定されていることが記載されている。前記出願において、ファンブレードが固定されるホルダは、この固定された実施形態のために垂直軸において独立して移動することができない。ここで、重なりあう2つのディスクからなり、当該2つのディスクが、ホルダと共に全体として単一軸の周りで同軸に回転可能なホルダ構造を達成する。各ホルダは、ディスクおよび他のホルダから独立して旋回することができないことに留意されたい。しかしながら、本発明では、各ホルダは旋回することができ、それによって角度回転を行うことができる。
【0006】
結果、上述した課題に関する既存の解決策の欠点および不十分さにより、関連する技術分野における開発の必要性が生じた。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、現状に鑑みてなされたものであり、上記課題を解決することを目的とする。
【0008】
本発明の主な目的は、可動ファンブレードホルダを有するキャリアであって、航空機エンジンから取り外された、またはエンジンに取り付けられるファンブレードおよび嵌合パーツの、装着/取外し位置を達成可能にすることで、キャリアへ装着したり、キャリアから取り出したり、またはキャリアへの積載を容易にするキャリアを提供することである。
【0009】
他の目的は、航空機エンジンのメンテナンスまたは修理工程を実行する際に、エンジンから取り外された、または、エンジンに取り付けられるファンブレードおよび嵌合パーツを担持して積載するように、垂直軸において独立して旋回することができる可動ファンブレードホルダを有するキャリアを提供することである。
【0010】
他の目的は、可動ファンブレードホルダを有し、ホルダが移動可能であるため、ファンブレードを積載する際にファンブレードが互いに接近することにより、ファンブレード間のデッドスペースを節約するキャリアを提供することである。したがって、著しく軽量で耐久性のあるキャリアも提供される。
【0011】
上述の目的を達成するために、本発明は、航空機エンジンから取り外され、または前記エンジンに取り付けられるファンブレードを担持して積載するためのキャリアにおいて、前記ファンブレードが固定される少なくとも1つのホルダを備え、前記ホルダは、
少なくとも2枚の重なり合うプレートから構成され、前記キャリアを垂直に維持する少なくとも1つのマストと、
前記マストのプレート上に開けられた少なくとも1つの穴と、
下端および/または上端を通って前記穴内に配置されることによって、前記穴内で独立して旋回可能な少なくとも1つのホルダ支柱と、
前記ホルダ支柱の下端から外側に延在し、前記ファンブレードの前記下部が配置される少なくとも1つのベースと、
前記ホルダ支柱の前記上端から外側に延在し、前記ファンブレードの上部が配置されるリクライニング部と、を備えることを特徴とするキャリア。
【0012】
本発明の構造的および特徴的な仕様およびすべての利点は、以下の図面およびこれらの図面を参照して記載された詳細な説明によってより明確に理解され、したがって、評価はこれらの図面および詳細な説明を考慮して行われるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の可動ファンブレードホルダを有するキャリアの代表的な斜視図である。
【
図2A】本発明の可動ファンブレードホルダを有するキャリアのホルダを示す代表的な斜視図である。
【
図2B】本発明の可動ファンブレードホルダを有するキャリアのホルダを示す代表的な斜視図である。
【
図2C】本発明の可動ファンブレードホルダを有するキャリアのホルダを示す代表的な斜視図である。
【
図3】本発明の可動ファンブレードホルダを有するキャリアの代表的な斜視図である。
【
図4】本発明の可動ファンブレードホルダを有するキャリアの代表的な斜視図である。
【
図5】本発明の可動ファンブレードホルダを有するキャリアの代表的な斜視図である。
【
図6】キャリアのホルダの下端と本発明の可動ファンブレードホルダとの接続を示す図である。
【
図7A】キャリアのホルダの上端と本発明の可動ファンブレードホルダとの接続を示す図である。
【
図7B】本発明の可動ファンブレードホルダを含むキャリアのインデックス機構のインデックス解除された様子を示す図である。
【
図7C】本発明の可動ファンブレードホルダを含むキャリアのインデックス機構のインデックスされている様子を示す図である。
【符号の説明】
【0014】
1. マスト
1.1 穴
2. ホルダ
2.1 ホルダ支柱
2.2 ベース
2.3 リクライニング部
2.4 ジョイント
3. 棚
3.1 穴あきブロック
4. ベルト
4.1 ベルトハンガ
5. ポケット
6. 下部プレート
6.1 ホイール
6.2 ハンドル
7. インデックス機構
7.1 インデックスシャフト取付部
7.2 インデックスシャフト
7.3 インデックスシャフト機構
7.4 インデックスヘッド
7.5 インデックスシャフトハウジング
7.6 インデックスシャフトハウジング取付部
【発明を実施するための形態】
【0015】
本詳細な説明では、可動ファンブレードホルダ(2)を有する本発明のキャリアは、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の主旨をよりよく理解するために記載したものである。
【0016】
図1は、航空機エンジンから取り外され、エンジンに取り付けられるファンブレードを担持して積載するように設計されたキャリアの代表図である。本発明のキャリアは、ファンブレードが固定されるホルダ(2)であって、好ましくは2つの環状プレートが好ましくは同軸上に重なるように配置され、好ましくはこれらの間に支柱が設けられた、キャリアを垂直に維持するマスト(1)を含むホルダ(2)と、マスト(1)のプレート上に好ましくは対向するように穿孔された穴(1.1)と、下端および/または上端を通って穴(1.1)内に配置されることによって穴(1.1)内で独立して旋回可能なホルダ支柱(2.1)と、ホルダ支柱(2.1)の下端から外側に延在し、ファンブレードが配置されるベース(2.2)と、ホルダ支柱(2.1)の上端から外側に延在し、ファンブレードの上部が配置され、および/または、リクライニングされるリクライニング部(2.3)とを含む。
【0017】
前記ホルダ支柱(2.1)の軸形状を有する下端および/または上端が穴(1.1)に直接挿入され、ベース(2.2)およびリクライニング部(2.3)が水平軸においてホルダー支柱(2.1)に垂直に留められるため、ホルダー(2)は互いに独立して旋回することができる。ホルダ支柱(2.1)の下端および/または上端から突出し、円筒シャフト形状を有する凸部は、同径の各穴(1.1)内で他のホルダ(2)とは独立して動作する。各ホルダ(2)は、それぞれ穴(1.1)による回転軸を有する。ホルダ(2)は、底部および頂部におけるヒンジ状構造を介して確実に回転するようになっている。この軸は、好ましくはキャリア中心の周囲に環状に配置されるように設計される。ホルダ(22)は好ましくは環状に22個配置されており、IAE V2500モータ用のユニットとなっている。
図2に見られるように、ベース(2.2)は、垂直構成部品と、垂直構成部品の端部に取り付けられた角度構成部品とを備えている。角度構成部品は垂直構成部品内で移動し、ファンブレードのブレード幅と同程度に螺旋状に湾曲しているため、その結果生じる深さに応じて調整することができる。本発明では、各ファンブレードに対してそれぞれのホルダ(2)があり、各ホルダ(2)は、互いに独立して角度的に旋回することができる。
【0018】
本発明の好ましい実施形態において、ホルダ支柱(2.1)を下端および/または上端との間、および穴(1.1)に配置することによって、ホルダ支柱(2.1)が独立して旋回する際に生じる擦れを回避するジョイント(2.4)が設けられている。ジョイント(2.4)もまた、ホルダ支柱(2.1)の下端および/または上端と同じ形状を有しており、穴(1.1)に挿入することができる。すなわち、円筒シャフト形状で外向きに突出している。
図6は、この実施形態を示す。
【0019】
本発明の好ましい実施形態において、ユーザの手工具およびファンブレードの構成部品を配置するための棚(3)部分と、取り外しおよび/または締結されるボルトを棚(3)部分の上に載置するための隙間とを含む穴あきブロック(3.1)がマスト(1)上に設計されていてもよい。本発明には、3段の棚(3)部分が含まれることが好ましい。
【0020】
本発明の別の実施形態において、リクライニング部(2.3)端部におけるベルトハンガ(4.1)およびリクライニング部(2.3)は、ホルダ支柱(2.1)に近い端部からベルトハンガ(4.1)の周りを回転し、それ自体にインデックスされるため、可動ホルダ(2)に固定されたファンブレードを留めるためのスナップファスナベルト(4)を含む。
図2は、ベルト(4)のインデックスされた様子を示す。
【0021】
本発明の別の実施形態において、ホルダ支柱(2.1)上に、ファンブレードの取り付けおよび/または取り外しに必要となる嵌合構成部品を担持および積載を可能にするポケット(5)を設けてもよい。
【0022】
本発明の別の好ましい実施形態において、マスト(1)との間に距離を有するようにマスト(1)の下に配置された下部プレート(6)と、下部プレート(6)の下に配置されることによって移動を可能にするホイール(6.1)と、下部プレート(6)から外側に延在することによってユーザが下部プレート(6)を方向付けることを可能にするハンドル(6.2)とが設けられている。したがって、キャリアを移動させて運搬可能に使用することができる。
【0023】
結論として、本発明の好ましい実施形態は、リクライニング部(2.3)をマスト(1)に係合させることによってファンブレードを堅く留めることを可能にするインデックス機構を備え、前記インデックス機構は、一端がマスト(1)に留められ、他端がリクライニング部(2.3)に向かって延在し、間隙を有するインデックスシャフト取付部(7.1)と、インデックスシャフト取付部(7.1)上の間隙を通ってリクライニング部(2.3)に向かって延在するインデックスシャフト(7.2)と、インデックスシャフト取付部(7.1)上の空間から上向きに配置されたインデックスシャフト機構であって、その上部の一方の縁を低く、他方の縁を相対的に高くすることを確実にすることによって得られる角度により、その中のインデックスシャフト(7.2)がどの程度下降したかを判定し、これによりインデックス工程が実行されるか否かを判定する、インデックスシャフト機構(7.3)と、インデックスシャフト(7.2)の上端に配置され、インデックスシャフト機構(7.3)をその高縁部および低縁部に向けて引くことによりインデックスおよびインデックス解除工程を行うインデックスヘッド(7.4)と、インデックスシャフトハウジング取付部(7.6)であって、その間隙が、インデックスシャフト(7.2)が下方向に解放されたときに、インデックスシャフト取付部(7.1)の間隙と重なり合うようにリクライニング部(2.3)に係合するインデックスシャフトハウジング取付部(7.6)と、低壁に配置され、インデックスシャフト(7.2)が、インデックスシャフトハウジング取付部(7.6)の間隙内で下方向に解放されたときに配置されるインデックスシャフトハウジング(7.5)と備える。各ホルダ(2)は、それぞれのインデックス機構(7)によって別々にインデックスされてもよく、インデックスされた位置が、それぞれの定位である。
図7は、ピン構造の動作を示す。インデックスヘッド(7.4)がインデックスシャフト機構(7.3)の高縁部上にある間、インデックスシャフト(7.2)の長さのためにインデックス工程を実行することができないが、インデックスヘッド(7.4)がインデックスシャフト機構(7.3)の相対的に低縁部に移動された場合、インデックスシャフト(7.2)がインデックスシャフトハウジング取付部(7.6)上のインデックスシャフトハウジング(7.5)内に挿入されるように、インデックス工程が実行される。
【0024】
互いのコピーであるファンブレードは、前記キャリアの実施形態によって互いに近接して担持された状態で保持され積載されてもよい。ファンブレードを互いに近接させて保持することにより、カバーされる空間がより少なくなる。しかしながら、一つのブレードを取り出すには、ブレードの形状のため、他のブレードとの距離が必要である。本発明によって、他のブレードから所望のファンブレードを取り出し、ファンブレードを他の複数のブレードに配置することが可能となる。
図3、
図4および
図5は、ファンブレードを示す。ファンブレードの装着または取り外しが望まれる場合、ホルダ(2)はインデックス解除され、ホルダ(2)を数度回転させて所望の位置に移動させる。装着工程を実行する場合、ファンブレードは、載置後にスナップファスナベルト(4)によってホルダ(2)に留められる。取り外し工程を実行する場合、スナップファスナベルト(4)を外してファンブレードをホルダ(2)から解放して、取り外される。その後、ホルダ(2)は手動で定位に移動され、インデックス機構によって留められる。換言すると、ホルダ(2)はインデックス機構(7)を介して常時中心位置に留められている。ホルダ(1)は、装着および取り出し工程中にインデックス機構(7)のインデックス解除によって左に移動され、ファンブレードを容易に取り出し、載置することができる。ホルダ(2)のインデックス機構(7)がインデックス解除しない場合、それらは5~10度の移動度を達成する。本発明をよりよく理解するための例を挙げると、その目的は、店舗内の衣類を選択する際に、ハンガーを引き戻して窓を開けることである。インデックス機構(7)がインデックス解除され、ハンガーと窓は角度的に移動されインデックスされる。ファンブレードは、ホルダ(2)を若干移動させることによって生じる角度ギャップによって、ホルダ(2)に対して取り外し、取り付けができる。
図4において、
図2のホルダ(2)に配置されたファンブレードに対して角度ギャップが形成され、
図5ではホルダ(2)から取り外されている。さらに、これらの図はまた、デッドスペースがどのように使用されるかを示している。
【0025】
互いに独立して旋回できる、すなわち本発明において角度的に移動できるホルダ(2)の存在下で、これらのホルダ(2)は直線的に移動し、かつ、驚くべき効果を構成しないことが、当業者には予測可能である。その理由は、直線運動素子同士の接続点に様々な形状の隙間を形成することで容易に実現できるからである。さらに、本発明および図面に関して、好ましくは環状に配置されたホルダ(2)を、正方形および長方形などの形態にすることは、平易な技術開発によって達成可能である。
【0026】
したがって、航空機エンジンのメンテナンスまたは修理工程を実行する際にエンジンから取り外された、または、エンジンに取り付けられるファンブレードおよび嵌合パーツを担持して積載することを可能にする、可動ファンブレードホルダ(2)を有するキャリア、および、垂直軸において独立して旋回可能なその代替的な実施形態とが提供される。
【国際調査報告】