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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-03
(54)【発明の名称】履物の動的ソール
(51)【国際特許分類】
   A43B 13/22 20060101AFI20220527BHJP
   A43C 15/00 20060101ALI20220527BHJP
【FI】
A43B13/22 Z
A43C15/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560347
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(85)【翻訳文提出日】2021-11-29
(86)【国際出願番号】 IB2020052806
(87)【国際公開番号】W WO2020201925
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】102019000004763
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521440714
【氏名又は名称】ワフ エッセ.エッレ.エッレ.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボリア、ファニー
(72)【発明者】
【氏名】デ サンティス、マッティア
(72)【発明者】
【氏名】ボニオーロ、イーヴォ エマヌエレ フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】カザーリ、パトリツィア
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050BA08
4F050BA33
4F050GA30
(57)【要約】
本記述は、リーニング表面3を有する第1の層2、及び前記第1の層2に結合されて複数の座部5に付随する第2の層4を有する履物ソール1に関連する。ソール1が複数の被作動部材6をさらに有し、複数の被作動部材6の各々がそれぞれの座部5の中に設置され、第1の位置又は後退位置と第2の位置又は延伸位置との間で移動可能又はシフト可能であり、それぞれの第1の位置において、被作動部材6が第1の層2の第1の構成を決定する傾向を有し、第2の位置において、被作動部材6が第1の層2の第2の構成を決定する傾向を有し、第2の構成において、リーニング表面3が第1の構成を基準とした複数の隆起部又は突出部を有するか又は形成する。ソール1が、被作動部材6を第1の位置と第2の位置との間で及びその逆で移動させるように構成される作動部材7をさらに有する。本記述はさらに、このソールによって実現され得る方法、さらにはこのソールを有する履物に関連する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物ソール(1)であって、
- 使用時に歩行面の方を向くように構成されたリーニング表面(3)を有する第1の層(2)と、
- 前記第1の層(2)に結合された第2の層(4)と、
- それぞれが前記第2の層(4)に関連付けられた複数の座部(5)と;
- それぞれの座部(5)にそれぞれ設置される複数の被作動部材(6)であって、各被作動部材(6)が、対応する座部(5)の内部に収容される第1の位置又は後退位置と、それぞれの座部から前記第1の層(2)の方に少なくとも部分的に突き出る第2の位置又は延伸位置との間で移動可能である、複数の被作動部材(6)と、
- 前記被作動部材(6)を前記後退位置と前記延伸位置との間で、及びその逆で移動させるように構成された作動部材(7)と
を有し、
それぞれの前記第1の位置又は後退位置にある前記複数の被作動部材(6)は前記第1の層(2)の第1の構成を決定する傾向があり、
それぞれの前記第2の位置又は延伸位置にある前記複数の被作動部材(6)は前記第1の層(2)の第2の構成を決定する傾向があり、前記第1の層(2)の前記第2の構成において、前記リーニング表面(3)は、前記第1の層(2)の前記第1の構成に対して複数の隆起部又は突出部を有し又は形成し、前記複数の隆起部又は突出部の各隆起部又は突出部は被作動部材(6)のところに配置される、履物ソール(1)。
【請求項2】
前記第1の層(2)の前記第1の構成において、前記リーニング表面(3)は実質的にフラットであり、又は突出部を有していない、請求項1に記載の履物ソール(1)。
【請求項3】
前記第2の層(4)は、前記第1の層(2)と共に、拡張可能チャンバ(13)又は拡張チャンバを画定する、請求項1から2までのいずれか一項に記載の履物ソール(1)。
【請求項4】
前記被作動部材(6)の移動により前記拡張可能チャンバ(13)又は拡張チャンバの収縮又は拡張が引き起こされ、それにより前記第1の層(2)の構成が修正される、請求項1から3までのいずれか一項に記載の履物ソール(1)。
【請求項5】
前記第1の位置すなわち前記後退位置において、前記被作動部材(6)は、前記拡張チャンバ(13)での、前記第2の層(4)に対する前記第1の層(2)の最接近を決定し、一方、前記第2の位置すなわち前記延伸位置において、前記被作動部材(6)は、前記拡張チャンバ(13)での、前記第1の層(2)に対する前記第2の層(4)の最大距離を決定する、請求項1から4までのいずれか一項に記載の履物ソール(1)。
【請求項6】
前記複数の被作動部材(6)の各被作動部材(6)が、前記複数の座部(5)のそれぞれの座部(5)に回転可能に設置され、且つ前記第1の位置又は前記後退位置と前記第2の位置又は前記延伸位置との間で及びその逆で回転する傾向がある、請求項1から5までのいずれか一項に記載の履物ソール(1)。
【請求項7】
前記ソール(1)は、使用時に使用者の足の主展開方向に平行に配置される主展開方向(L)を有し、前記複数の被作動部材(6)の各被作動部材(6)が、前記ソール(1)の前記主展開方向(L)に垂直な回転軸(R)上に装着された偏心形状要素又はカムである、請求項1から6までのいずれか一項に記載の履物ソール(1)。
【請求項8】
前記複数の被作動部材(6)の各被作動部材(6)が主展開軸(A)を有し、前記主展開軸(A)は、前記第1の位置又は前記後退位置において前記ソール(1)の前記主展開方向(L)に実質的に平行であり、また前記第2の位置又は前記延伸位置において前記ソール(1)の前記主展開方向(L)に実質的に垂直である、請求項1から7までのいずれか一項に記載の履物ソール(1)。
【請求項9】
前記作動部材(7)は、複数の被作動部材(6)を、それぞれ前記第1の位置又は前記後退位置から前記第2の位置又は前記延伸位置まで同時に回転させるように構成された少なくとも2つの連結部材(8)を有する、請求項1から8までのいずれか一項に記載の履物ツール(1)。
【請求項10】
前記作動部材(7)は、前記少なくとも2つの連結部材(8)に接続されたロータ(9)であって、前記連結部材(8)の張力を制御するように構成されたロータ(9)を有する、請求項1から9までのいずれか一項に記載の履物ソール(1)。
【請求項11】
前記複数の被作動部材の各被作動部材(6)が孔(10)を有し、少なくとも1つの連結部材(8)が前記孔(10)に挿入され、前記ロータ(9)の第1の回転方向の回転が、前記連結部材(8)を介して、それぞれの前記被作動部材(6)を前記第1の位置又は前記後退位置から前記第2の位置又は前記延伸位置まで移動させる傾向がある、請求項1から10までのいずれか一項に記載の履物ソール(1)。
【請求項12】
前記作動部材(7)は複数のねじりばね(11)をさらに有し、前記複数のねじりばね(11)の各ねじりばね(11)が、前記座部(5)のそれぞれの内部に収容され且つそれぞれの被作動部材(6)に接続され、前記ロータ(9)の前記第1の回転方向の前記回転が、前記ねじりばね(11)の捻じれ運動及び前記ねじりばね(11)自体の荷重付加を決定する傾向があり、前記ロータ(9)の前記第1の回転方向とは反対の回転方向の回転が、前記連結部材(8)及び前記ねじりばね(11)を解放して、前記ねじりばね(11)の動作により前記被作動部材(6)を前記第2の位置又は前記延伸位置から前記第1の位置又は前記後退位置まで回転させるのを可能にする傾向がある、請求項10又は11に記載の履物ソール(1)。
【請求項13】
前記ロータ(9)は前記ソール(1)の端部領域に配置される、請求項10から12までのいずれか一項に記載の履物ソール(1)。
【請求項14】
前記ロータ(9)は、電子的に又は手動で動作可能である、請求項10から13までのいずれか一項に記載の履物ソール(1)。
【請求項15】
請求項2から14までのいずれか一項に記載の履物のためのソール(1)を有する履物(20)。
【請求項16】
前記ロータ(9)は、前記履物(20)の後方領域に配置される、請求項10から13までのいずれか一項と組み合わせた請求項1から15までに記載の履物(20)。
【請求項17】
履物のためのソール(1)のリーニング表面(3)の構成を修正するための方法であって、前記リーニング表面(3)は使用時に歩行面の方を向くように構成され、前記方法は、
- 履物のためのソール(1)の第1の層(2)を提供するステップであって、前記第1の層(2)は前記リーニング表面(3)を画定している、ステップと、
- 前記第1の層を第2の層(4)に結合するステップと、
- 前記第2の層(4)にそれぞれ関連付けられた複数の座部(5)を提供し、且つそれぞれの座部(5)にそれぞれ設置される複数の被作動部材(6)を提供するステップであって、前記被作動部材(6)は、それぞれの座部(5)の内部に収容される第1の位置又は後退位置と、それぞれの座部(5)から前記第1の層(2)の方に少なくとも部分的に突き出る第2の位置又は延伸位置との間で移動可能である、ステップと、
- 前記被作動部材(6)を移動させるように構成された作動部材(7)を提供するステップと、
- 前記第1の位置又は後退位置と前記第2の位置又は延伸位置との間で前記複数の被作動部材(6)を移動させるステップと
を含み、
それぞれの前記第1の位置又は後退位置にある前記複数の被作動部材(6)は前記第1の層(2)の第1の構成を決定する傾向があり、それぞれの前記第2の位置又は延伸位置にある前記複数の被作動部材(6)は前記第1の層(2)の第2の構成を決定する傾向があり、前記第1の層(2)の前記第2の構成において、前記リーニング表面(3)は、各被作動部材(6)のところに、前記第1の層(2)の前記第1の構成に対して複数の隆起部又は突出部を有し又は形成する、方法。
【請求項18】
前記第2の層(4)は、前記第1の層(2)と共に、拡張可能チャンバ(13)又は拡張チャンバを画定する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記被作動部材(6)の移動により前記拡張可能チャンバ(13)又は拡張チャンバの収縮又は拡張が引き起こされ、それにより前記第1の層(2)の構成が修正される、請求項1から18までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の被作動部材(6)の各被作動部材(6)が、前記複数の座部(5)のそれぞれの座部(5)に回転可能に設置され、且つ前記第1の位置又は前記後退位置と前記第2の位置又は前記延伸位置との間で及びその逆で回転する傾向がある、請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
前記ソール(1)が、使用時に使用者の足の主展開方向に平行に構成される主展開方向(L)を有し、前記複数の被作動部材(6)の各被作動部材(6)が、前記ソール(1)の前記主展開方向(L)に垂直な回転軸(R)上に装着された偏心形状要素又はカムである、請求項1から20までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記複数の被作動部材(6)の各被作動部材(6)が主展開軸(A)を有し、前記主展開軸(A)は、前記第1の位置又は前記後退位置において前記ソール(1)の前記主展開方向(L)に実質的に平行であり、また前記第2の位置又は前記延伸位置において前記ソール(1)の前記主展開方向(L)に実質的に垂直である、請求項1から21までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記作動部材(7)を提供するステップが、複数の被作動部材(6)を、それおれ前記第1の位置又は前記後退位置から前記第2の位置又は前記延伸位置まで同時に回転させるように構成された少なくとも2つの連結部材(8)を提供するステップを含む、請求項18から22までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記作動部材(7)を提供するステップが、前記少なくとも2つの連結部材(8)に接続されたロータ(9)であって、前記連結部材(8)の張力を制御するように構成されたロータ(9)を提供するステップをさらに含む、請求項1から23までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の位置又は後退位置と前記第2の位置又は延伸位置との間で及びその逆で前記複数の被作動部材(6)を移動させる前記ステップが、前記連結部材(8)に張力を加えるために前記ロータ(9)を第1の回転方向に回転させるステップと、前記第1の位置又は後退位置から前記第2の位置又は延伸位置までのそれぞれの前記被作動部材(6)の移動を決定するステップとを含む、請求項1から24までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記作動部材(7)を提供するステップが、前記複数の被作動部材(6)の各被作動部材のためのねじりばね(11)を提供するステップと、前記ねじりばね(11)を前記複数の被作動部材(6)の被作動部材と結合するステップと、前記ねじりばね(11)が結合される前記複数の被作動部材(6)の前記被作動部材(6)のそれぞれの前記座部に前記ねじりばね(11)を収容するステップとをさらに含む、請求項1から25までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の位置又は後退位置と前記第2の位置又は延伸位置との間で及びその逆で前記複数の被作動要素(6)を移動させる前記ステップが:
- 前記ロータ(9)を前記第1の回転方向に回転させるステップであって、それにより前記ねじりばね(11)のねじれ運動及び前記ねじりばね(11)の荷重付加を決定し、前記ねじりばね(11)の前記ねじれ運動は、前記第1の位置又は後退位置から前記第2の位置又は延伸位置までの前記被作動部材(6)の移動を引き起こし、且つ前記ねじりばね(11)の解放を妨害して前記第2の位置又は延伸位置から前記第1の位置又は後退位置までの前記被作動部材(6)の移動を防止する、ステップと、
- 前記回転方向と反対の第2の回転方向に前記ロータ(9)を回転させるステップであって、それにより前記連結部材(8)の緩和が決定され、前記ねじりばね(11)が前記被作動部材(6)を前記第2の位置又は延伸位置から前記第1の位置又は後退位置まで移動させることが可能となる、回転させるステップと
を含む、請求項1から26までのいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本記載は、一般に履物(footwear)製品の分野に関するものであり、より詳細には、使用者によってその構造が動的に修正され得る履物ソール、及び履物ソールの構造を修正するための関連の方法に関するものである。本記載はさらに、そのようなソールを有する履物に関する。
【背景技術】
【0002】
スリップ(滑り、ずれ)は、使用者が労働活動/非労働活動中に被る主要なリスクの1つである。スリップはソールと歩行面との間の付着性(adhesion)の低下により生じる。上記の付着性の低下は、リーニング表面(leaning surface)上に使用者の足によって加えられる力の水平成分と垂直成分との間の比が、この同じソールとリーニング表面との間の摩擦係数を下回ったときに生じる。
【0003】
スリップのリスクを低減するために、特定の種類の歩行面とのソールの付着性を最適化するための特定のコンパウンド又は特定のデザインのみが検討されてきた。しかし、これらの検討は実質的に「静的」な解決策であり、歩行面の特性にソールの特性を適合させることを可能にしない。実際、使用者が活動している間、使用者は、多様な特性を有する表面の上を又は気象条件によりその特性が変化する表面の上を歩行していることに気付くことがあるため、既知の技術によるソールを有する履物の使用により、部分的にのみスリップの問題が解消される。
【発明の概要】
【0004】
上記に照らして、本記述は、従来技術を参照して上記で言及した欠点を解消すること及び/又は別の利点を達成することを可能にする履物ソールを提供することを目的とする。これは、それぞれの独立請求項で定義される履物ソール及び方法によって達成される。二次的な特性及び本記述の対象の具体的な実施例が、対応する従属請求項で定義される。
【0005】
本記述による履物ソールは、使用時に又は使用者の歩行中に歩行面の方を向くように構成されたリーニング表面を有する第1の層を有する。本記述によるソールは、第1の層に結合される第2の層と、第2の層に各々付随する複数の座部(seat)とをさらに有する。ソールが複数の被作動部材をさらに有し、複数の被作動部材の各々が具体的には隙間であるそれぞれの座部内に設置され、第1の位置又は後退位置と第2の位置又は延伸位置との間で移動可能又はシフト可能である。上記第1の位置では、これらの被作動部材がそれぞれの座部内に収容され、対して上記第2の位置では、これらの被作動部材がそれぞれの座部から第1の層の方に少なくとも部分的に突出する。言い換えると、延伸位置で、被作動部材が履物ソールのリーニング表面の方に突出する。本記述によるソールが、第1の位置と第2の位置との間で及びその逆での被作動部材を移動させるように構成される作動部材をさらに有する。それぞれの第1の位置にある被作動部材が第1の層の第1の構成を決定するような傾向を有し、対して第2の位置にある被作動部材が第1の層の第2の構成を決定するような傾向を有し、第1の層の第2の構成では、リーニング表面が第1の構成を基準とした複数の隆起部又は突出部を有するか又は形成する。
【0006】
「隆起部」という用語は本開示の範囲内では、歩行面の粗さをいくらかの程度で強調して決定する傾向を有する、いくらかの程度で目立つものである複数の突起部又は突出要素或は同様の要素を意味する。
【0007】
これらの隆起部又は突出部は各々の被作動部材上に配置される。結果として、上記第2の構成にあるときに、第1の層に、隆起部、突出部、又は拡張部分が形成されることにより、ソールのリーニング表面の延在量が決定される。これにより、有利には、平坦ではない歩行面の場合に、履物ソールと歩行面との間の接触面が増大し、ソール自体とリーニング表面との間の摩擦係数が増大し、使用者のスリップのリスクが低減される。言い換えると、特には例えば、柔らかい地面、草の多い地面、雪の多い地面、又は泥の多い地面の事例では、上記隆起部又は突出部が存在することにより、ソールと地面との間の接触面が第1の層の第1の構成と比較して増大し、それによりリーニング表面と歩行面との間の摩擦係数が増大する。
【0008】
本記述の好適な態様によると、上記第1の層の第1の構成において、リーニング表面が実質的にフラットであり、又は突出部を有さない。これにより、複数の被作動部材と、上記被作動部材を移動させるのを可能にする作動部材とが存在するにより、ソールのリーニング表面が、例えば、オフィス又は家の床などの、平坦な歩行面に適する実質的にフラットな構成又はフラットな構成から、平坦ではない歩行面に適する隆起部又は突出部を有する構成となるように修正され得るようになる。
【0009】
別の好適な態様によると、本記述による履物ソールでは、第2の層が、第1の層と共に、拡張可能チャンバ又は拡張チャンバを形成する。被作動部材の移動が上記拡張可能チャンバ又は拡張チャンバの収縮又は拡張を与え、この収縮及び拡張が第1の層の構成を変える。言い換えると、後退位置から延伸位置まで移行するとき、被作動部材が第2の層を第1の層から離すように、又は間隔をあけて移動させるように構成され、それにより上記拡張チャンバが拡張する。つまり、被作動部材の第1の位置すなわち後退位置が拡張チャンバにおける第2の層に対しての第1の層の最大レベルの近接度(最接近)又は密接度に対応しており、対して、被作動部材の第2の位置すなわち延伸位置が拡張チャンバにおける第2の層からの第1の層の最大レベルの距離又は分離度に対応している。これは、被作動部材の第1の位置つまり後退位置により、拡張チャンバにおける第2の層に対しての第1の層の最大レベルの密接度が得られ、対して、被作動部材の第2の位置つまり延伸位置により、拡張チャンバにおける第1の層からの第2の層の最大レベルの距離(最大距離)又は分離度が得られる。
【0010】
この好適な態様によると、被作動部材が上記拡張可能チャンバ又は拡張チャンバの内部に配置される。したがって、被作動部材が上記拡張チャンバ内に収容される。したがって、被作動部材が第1の層と第2の層との間に配置される。言い換えると、被作動部材が、ソールのリーニング表面により歩行面から分離される。したがって、このような被作動部材が地面に直接に接触することから保護され、それによりこのような要素の破損のリスクが低減される。
【0011】
本記述の好適な態様によると、第1の位置つまり後退位置で、被作動部材が複数の座部のそれぞれの座部の中に完全に収容されるか又はその中で完全に折り畳まれる。結果として、被作動部材が完全に後退するとき、第1の層の構成が、フラットなリーニング表面又は隆起部を有さないリーニング表面を得るような構成となる。
【0012】
別の好適な態様によると、各被作動部材がそれぞれの座部の中に回転可能に設置され、第1の位置と第2の位置との間で及びその逆で回転するように構成される。さらに、履物ソールが、使用時に、使用者の足の主展開方向に平行となるか又は使用者の歩行方向に平行となるように構成される主展開方向を有し、各被作動部材が、ソールの上記主展開方向に対して垂直に構成される回転軸上に装着される偏心形状要素又はカムである。この態様によると、本記述による履物ソールが、被作動部材を第2の層自体を基準として垂直方向に摺動させるか又は平行移動させる構成と比較して、より小さい体積を有するか又はより小さい厚さを有する第2の層を特徴とする。
【0013】
本記述の好適な態様によると、作動部材が、複数の被作動部材を第1の位置から第2の位置まで並行に回転させるように構成される少なくとも2つの連結部材を有する。これにより、ソールのすべての被作動部材が後退位置から延伸位置まで同時に移動させられ得るようになる。
【0014】
本記述の別の好適な態様によると、作動部材が、連結部材に接続されて連結部材の張力を制御するように構成されるロータを有する。加えて、各被作動部材が孔を有し、少なくとも1つの連結部材要素がこの孔の中に挿入される。したがって、ロータの第1の回転方向の回転が、連結部材により被作動部材を第1の位置から第2の位置まで移動させる傾向を有する。
【0015】
本記述の別の好適な態様によると、作動部材が、各々の座部の内部に収容されてそれぞれの被作動部材に接続されるねじりばねをさらに有する。このねじりばねが、ロータの第1の回転方向の回転がねじりばね自体のねじれ運動及び荷重付加を引き起こす傾向を有することになるように及びロータの反対の回転方向の回転が連結部材及びねじりばねを解放してねじりばねの作用下で被作動部材を第2の位置から第1の位置まで回転させるのを可能にする傾向を有することになるように、構成される。結果として、この態様によると、被作動部材を第2の位置から第1の位置まで移動させるのに、ロータを第1の回転方向を基準とした反対方向に回転させることで十分となる。
【0016】
本記述の別の好適な態様によると、ロータがソールの端部領域に配置される。この態様によると、ロータの位置がソールの使用中に使用者への妨害を最小するような位置である。
【0017】
さらに、本記述の別の態様によると、ロータが手動で又は電子的に動作させられ得る。つまり、ロータが動作可能であり、すなわち使用者により又は電気的に動作可能である。
【0018】
本記述が別の対象としてソールを有する履物を有する。
【0019】
最後に、本記述は、履物ソールのリーニング表面の構成を修正するための方法に関連し、上記リーニング表面が使用時に歩行面の方を向くように構成される。本方法が、履物ソールの第1の層を提供するステップであって、上記第1の層がこのリーニング表面を画定する、提供するステップと、この第1の層を第2の層に結合するステップと、を含む。さらに、本方法が、第2の層に各々付随する複数の座部を提供することと、それぞれの座部内に各々設置される複数の被作動部材を提供することとを実現する。各被作動部材が、それぞれの座部内に収容されることになる第1の位置又は後退位置と、それぞれの座部から第1の層の方に少なくとも部分的に突出することになる第2の位置又は延伸位置との間で移動させられ得る。さらに、被作動部材を移動させるように構成される作動部材が提供され、上記複数の被作動部材が第1の位置又は後退位置と第2の位置又は延伸位置との間で移動させられる。それぞれの第1の位置又は後退位置にある複数の被作動部材が第1の層の第1の構成を決定する傾向を有し、対して、それぞれの第2の位置又は延伸位置にある複数の被作動部材が第1の層の第2の構成を決定する傾向を有し、第1の層の上記第2の構成では、リーニング表面が各々の被作動部材のところに第1の層の第1の構成を基準とした複数の隆起部又は突出部を有するか又は形成する。
【0020】
上で言及した方法の好適な態様によると、上記第2の層が、上記第1の層と共に、拡張可能チャンバ又は拡張チャンバを画定する。
【0021】
上で言及した方法の別の好適な態様によると、被作動部材の移動が拡張可能チャンバ又は拡張チャンバを収縮又は拡張させ、それにより第1の層の構成を変える。
【0022】
上で言及した方法の別の好適な態様によると、複数の被作動部材の各被作動部材が複数の座部のそれぞれの座部の中に回転可能に設置され、第1の位置又は後退位置と第2の位置又は延伸位置との間で及びその逆で回転する傾向を有する。
【0023】
上で言及した方法の別の好適な態様によると、ソールが、使用時に、使用者の足の主展開方向に平行となるように構成される主展開方向を有し、複数の被作動部材の各被作動部材が、ソールの上記主展開方向に対して垂直である回転軸上に装着される偏心形状要素又はカムである。この好適な態様によると、さらに、複数の被作動部材の各被作動部材が主展開軸を有し、上記主展開軸が上記第1の位置又は後退位置においてソールの主展開方向に実質的に平行であり、上記第2の位置又は延伸位置においてソールの主展開方向に対して実質的に垂直である。
【0024】
上で言及した方法の別の好適な態様によると、上記作動部材を提供することが、第1の位置又は後退位置から第2の位置又は延伸位置まで複数の被作動部材をそれぞれ並行にすなわち同時に回転させるように構成される少なくとも2つの連結部材を提供することを含む。この好適な態様によると、上記作動部材を提供することが、連結部材の張力を制御するように構成されるロータを提供することと、上記ロータを少なくとも2つの連結部材に接続することとをさらに含む。
【0025】
加えて、上で言及した方法のこの好適な態様によると、複数の被作動部材を第1の位置又は後退位置と第2の位置又は延伸位置との間で及びその逆で移動させる上記ステップが、連結部材に張力を加えるためにロータを第1の回転方向に回転させることを含み、それにより、それぞれの被作動部材を第1の位置又は後退位置から第2の位置又は延伸位置まで移動させる。
【0026】
上で言及した方法のこの好適な態様によると、上記作動部材を提供することが、複数の被作動部材の各被作動部材のためのねじりばねを提供することと、上記ねじりばねを複数の被作動部材の被作動部材に結合することと、ねじりばねを結合するところの複数の被作動部材の被作動部材のそれぞれの座部の中で上記ねじりばねを収容することとをさらに含む。
【0027】
最後に、上で言及した方法のこの好適な態様によると、上記複数の被作動部材を第1の位置又は後退位置と第2の位置又は延伸位置との間で及びその逆で移動させる上記ステップが:
- ロータを第1の回転方向に回転させることであって、それにより、連結部材のねじれ運動及びねじりばねの荷重付加を引き起こし、連結部材の上記ねじれ運動により被作動部材が第1の位置又は後退位置から第2の位置又は延伸位置まで移動され、第2の位置又は延伸位置から第1の位置又は後退位置までの被作動要素の移動を防止することによりねじりばねの解放を妨害する、回転させることと;
- 第1の回転方向の反対の第2の回転方向にロータを回転させることであって、それにより連結部材が緩められ、それによりねじりばねが被作動部材を第2の位置又は延伸位置から第1の位置又は後退位置まで移動させることが可能となる、回転させることと
を含む。
【0028】
非限定の例として提示される本記述の実施例の以下の詳細な説明から、本記述の対象の別の利点、特性、及び使用が明らかとなる。
【0029】
しかし、本記述の対象の各実施例が上記に列記される利点のうちの1つ又は複数の利点を有することができることは明らかである。しかし、いずれの場合も、各実施例が列記されるすべての利点を同時に有することが必要というわけではない。
【0030】
添付図面の図を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本記述による履物ソールを示す側面図である。
図2】本記述による履物ソールを示す側断面図である。
図3】本記述による履物ソールを示す上面図である。
図4】本記述による履物ソールを示す底面図である。
図5】本記述による被作動部材を示す側面図である。
図6】第1の層が第1の構成である、本記述による履物を示す側面図である。
図7】第1の層が第2の構成である、本記述による履物を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
添付図面を参照すると、履物ソールの実施例が参照符号1により示されている。
【0033】
「履物ソール」とうい言い回しは、本記述の範囲内では、履物に付随するように、また具体的には、例えば履物のアッパーである頂部分に付随するように構成される要素を意味する。
【0034】
本記述の実施例によると、ソール1が、使用時に、歩行面に、又は使用者の歩行中に履物をその上に載せているところである地面に、接触することを意図される第1の層2又は下側層を有する。より具体的には、上記第1の層2が、使用時に上記歩行面の方を向くように構成されるリーニング表面3を有する。
【0035】
図1から5で見ることができるように、本記述による履物ソール1が、上記第1の層2に結合される第2の層4をさらに有する。この第2の層4が、上記第1の層2の構成を修正するのに適するシステムための支持体又は支持要素として機能する。実際には、本記述の履物のためのソール1の上記第2の層4が、例えばフラットな表面上での歩行を促進するのに適する第1の構成を越えて、例えば平坦ではない表面又は粗い表面に対してのより高い付着性を提供する第2の構成までとなるように構成される。
【0036】
好適には、上記第1の層2及び上記第2の層4が、使用者の足の裏と同じ形状又は実質的に同じ形状を有する重なり合うフラットな要素である。具体的には、履物ソール1が、使用時に、使用者の足の主展開方向に平行となるように構成される主展開方向Lを有する。
【0037】
より具体的には、本記述による履物ソール1が複数の座部5を有し、複数の座部5の各々が第2の層4に付随する。実施例によると、複数の座部の各座部5が上記第2の層4の中にある開口部又は貫通孔である。
【0038】
履物ソール1が、ソール1の第1の層2の構成を修正するように構成される複数の被作動部材6をさらに有する。具体的には、各被作動部材6がそれぞれの座部5の内部に設置され、第1の位置又は後退位置から第2の位置又は延伸位置までの間で移動させられ得る。好適には、この第1の位置又は後退位置にある各被作動部材6がそれぞれの座部5の中に収容され、好適にはそれぞれの座部5の中に完全に又は実質的に完全に隠される。言い換えると、この第1の位置では、各々の被作動部材6が第2の層4の中に実質的にその全体が配置され、上記第2の層4から突出しないか又はわずかに突出する。第2の位置又は延伸位置では、各々の被作動要素6がそれぞれの座部5から第1の層2の方に少なくとも部分的に突出する。例えば、被作動部材6が、上記第2の位置又は延伸位置において、上記第2の層4から第1の層2の方向に突き出るか、突出するか、又は延伸する。
【0039】
さらに具体的には、実施例によると、各被作動部材6がそれぞれの座部5の中に回転可能に設置され、上記第1の位置又は後退位置と上記第2の位置又は延伸位置との間で及びその逆で回転するように構成される。好適には、各被作動部材6が、回転軸R上に装着される偏心形状要素又はカムである。より好適には、この回転軸Rが、履物ソール1の主展開方向Lに対して垂直に配置される。言い換えると、各々の被作動部材6が実質的なプレート要素であり、上記プレート要素によって画定される平面に対して垂直な軸を中心として枢動可能となるように設置され、この軸がプレート要素自体の中心とは異なるポイントを通過する。
【0040】
より好適には、各被作動部材6が、主展開軸Aを有する偏心形状要素である。好適には、被作動部材6が上記第1の位置又は後退位置にあるとき、その主展開軸Aが履物ソール1の主展開方向Lに実質的に平行である。対照的に、被作動部材6が上記第2の位置又は延伸位置にあるとき、それらの主展開軸Aが履物ソール1の主展開方向Lに対して実質的に垂直である。
【0041】
好適には、座部5及びそれぞれの被作動部材6の数が多様である。図に示される実施例によると、座部5及び被作動部材6の数が13である。好適には、少なくとも1つの座部5及び1つの被作動部材6が履物のためのソール1の踵又は後方部分のところに配置され、少なくとも1つの座部5及び1つの被作動部材6が履物ソール1の先端部又は前方部分のところに配置される。より好適には、複数の座部5及び被作動部材6が履物ソール1の側方領域のところに配置される。さらに、実施例によると、少なくとも1つの座部5及びそれぞれの被作動部材6が履物ソール1の中央領域のところに配置され、すなわち履物ソール1の上記側方領域の間にある領域内に配置される。
【0042】
上述したように、複数の被作動部材6が、第1の層2の構成を修正するように構成される。より具体的には、第1の位置又は後退位置にある被作動部材6が第1の層2の第1の構成を決定する傾向を有する。好適には、第1の層2のこの第1の構成では、リーニング表面3が実質的にフラットであるか或は隆起部又は突出部を有さない。第1の層2のこの構成では、リーニング表面3が、例えば家又はオフィスの床などのフラットであるか又は実質的にフラットである歩行面に対して最大レベルの付着性を促す。代わりに、第2の位置又は延伸位置にある被作動部材6が第1の層2の第2の構成を決定する傾向を有する。より具体的には、第1の層2のこの第2の構成では、リーニング表面3が、第1の層2の第1の構成を基準とした複数の隆起部又は突出部を有するか又は形成する。好適には、この隆起部又は突出部の数が被作動部材6の数に一致する。より好適には、複数の突出部の各々の突出部が被作動部材6のところに配置される。
【0043】
好適な実施例によると、第2の層4が、第1の層2と共に、拡張可能チャンバ13又は拡張チャンバを画定する。つまり、第1の層2及び第2の層4が一体に結合され、それによりそれらの間に上記拡張可能チャンバ13又は拡張チャンバを画定する。言い換えると、第1の層2及び第2の層4が、それらの間に拡張可能な空隙又は中空空間を形成するように互いに関連付けられ、ここでは、上記の空隙又は中空空間が拡張可能チャンバ13又は拡張チャンバと呼ばれる。好適には、被作動部材6の移動がこの拡張可能チャンバ13又は拡張チャンバの収縮又は拡張を与える。拡張可能チャンバ13又は拡張チャンバのこの収縮又は拡張がさらに、第1の層2の構成を変える。したがって、有利には、被作動部材6がこの拡張可能チャンバ13又は拡張チャンバの内部に配置される。これにより被作動要素6と歩行面との間の直接の接触が防止され、それにより、摩耗が低減され、及び/又は被作動要素6の破損のリスクが低減される。言い換えると、被作動要素6の移動が、拡張可能チャンバ13又は拡張チャンバの拡張又は収縮により第2の層4に作用する。つまり、被作動部材6の第1の位置すなわち後退位置が拡張チャンバ13における第2の層4に対しての第1の層2の最大レベルの近接度又は密接度に対応し、対して、被作動部材6の第2の位置又は延伸位置が拡張チャンバ13における第2の層4に対しての第1の層2の最大レベルの距離又は分離度に対応する。言い換えると、第1の位置すなわち後退位置において、被作動要素6が拡張チャンバ13における第2の層4に対しての第1の層2の最大限の近接度を与え、対して、第2の位置すなわち延伸位置において、被作動要素6が第1の層2に対しての第2の層4の最大レベルの距離又は分離度を与え、結果として拡張チャンバ13が拡張する。言い換えると、後退位置から延伸位置まで移行するとき、被作動部材6が第2の層4を第1の層2から離すように、又は間隔をあけて移動させるように構成される。
【0044】
第1の位置又は後退位置から第2の位置又は延伸位置まで及びその逆で被作動部材6を移動させるために、本記述による履物ソール1が作動部材7を有する。この作動部材7が、第1の位置から第2の位置まで複数の被作動部材6の各部材を同時に回転させるように構成される少なくとも2つのタイ・ロッド要素8を有する。言い換えると、作動部材7が、複数の被作動要素6に平行に接続されて複数の被作動要素6の同期の移動を可能にする少なくとも2つの連結部材要素8を有する。2つのタイ・ロッド8が複数の被作動部材6の各被作動部材に付随する。言い換えると、2つのタイ・ロッド8が被作動部材6に付随し、延伸位置と後退位置との間での及びその逆での被作動部材6の移動を同時につまり同時発生的に作用させるように構成される。
【0045】
より具体的には、複数の被作動部材6の各被作動部材6が孔10を有し、上記連結部材8のうちの少なくとも1つの連結部材8が孔10の中に挿入される。したがって、各被作動部材6が孔10又はリングを装備し、少なくとも1つの連結部材8が孔10又はリングの内部を通過させられる。こうすることで、各被作動要素6が連結部材8に接続される。
【0046】
作動部材7が、少なくとも2つの連結部材8に接続されるロータ9をさらに有する。好適には、ロータ9が回転要素であり、連結部材8の端部がこの回転要素の周りで巻かれている。好適には、ロータ9が、例えば手動でこの要素を回転させる形で、使用者によって手動で動作させられ得るか、又は電子的に動作せられ得る。つまり、ロータ9が電子的に又は手動で動作させられ得、すなわち作動又は始動させられ得る。さらに、上記ロータ9が連結部材8の張力を制御するように構成される。例えば、ロータ9の第1の回転方向の回転が連結部材8に張力を加えるか又は連結部材8の張力を増大させ、対して、ロータ9の上記第1の回転方向の反対の回転方向の回転が連結部材8を解放し、つまり連結部材8を緩める。つまり、ロータ9の第1の回転方向の回転が連結部材8を張力状態にし、対して、ロータ9の第1の回転方向の反対の第2の回転方向の回転が連結部材8を解放するか、緩めるか、又は非張力状態にする。好適には、ロータ9の第1の回転方向の回転が、第1の位置又は後退位置から第2の位置又は延伸位置までの被作動部材6の移動を与える傾向を有する。さらに、好適には、被作動部材6の第1の位置から第2の位置までのこの移動が、連結部材8の張力によるものである。
【0047】
好適には、履物ソール1が、上記第2の層4を第1の層2と上記第3の層12との間に配置するように構成される第3の層12をさらに有する。言い換えると、履物ソール1の層の構成が、使用時に歩行面の方に向くことになるように第1の層を構成するような、及び使用時に使用者の足の方に向くことになるように第3の層12を構成するような、構成である。より好適には、ソール1の3つの層が、使用者の歩行を妨害しないようにするために被作動部材6及び作動部材7を第1の層2と第3の層12との間に完全に収容することになるように、構成及びサイズ決定される。好適な実施例によると、第1の層2及び/又は第3の層12が、好適にはゴムである、弾性材料の層である。
【0048】
さらに、好適には、ロータ9がソール1の端部領域に配置される。例えば、ロータ9が履物ソール1の後方領域に配置される。より具体的には、ロータ9がソール1の踵領域に配置され、その結果、同時に、連結部材8の張力が使用者により容易に調整され得、方向中に使用者の邪魔をしない。
【0049】
実施例によると、作動部材7がねじりばね11をさらに有する。好適には、作動部材7が複数のねじりばね11を有し、複数のねじりばね11の各々が複数の座部のうちの1つの座部5の内部に収容され、同じ座部5の中に配置される被作動部材6に接続される。したがって、ねじりばね11の各々がそれぞれの被作動部材6及び作動部材6によって占有される座部5に付随する。好適には、ねじりばね11が座部5の中に配置され、それぞれの被作動部材6に接続され、それによりこれらの被作動部材6に対しての連結部材8の作用に対抗する。さらに、好適には、ねじりばね11がそれらの作用を各々の被作動部材6のピン14又は突出部に働かせることができる。好適には、各々のねじりばね11がそれぞれの座部5の中に固定的に設置され、例えば被作動部材6の回転軸R上に設置される。具体的には、ねじりばね11が座部5の中に配置されること及びねじりばね11が被作動部材6に接続されることにより、ロータ9の第1の回転方向の回転がねじりばね11のねじれ運動及び荷重付加を引き起こす傾向を有する。同時に、ねじりばね11が座部5の中に配置されること及びねじりばね11が被作動部材6に接続されることにより、ロータ9の上記第1の回転方向の反対の回転方向の回転がねじりばね11自体の作用下でタイ・ロッド8を解放して第2の位置又は延伸位置から第1の位置又は後退位置までの被作動要素6の回転を可能にする傾向を有する。言い換えると、ロータ9の第1の回転方向の回転が、ねじりばね11のねじり及び荷重付加を引き起こす傾向を有する。逆に、ロータ9の第1の回転方向の反対の第2の回転方向の回転が、連結部材8及びねじりばね11を緩めるか又は解放して第2の位置又は延伸位置から第1の位置又は後退位置までの被作動要素6の移動また具体的には回転を可能にする傾向を有する。つまり、ロータ9の第1回転方向の反対の回転方向の回転が連結部材8を緩めることができ、それにより各ねじりばね11によりねじりばね11に付随する被作動部材6を第2の位置から第1の位置まで移動させることが可能となる。
【0050】
本記述の別の対象が、これまでに説明した履物ソール1を有する履物20である。この履物20が図6から8に示される。
【0051】
好適な実施例によると、ロータ9が上記履物20の後方領域に配置され、好適には履物自体の踵領域と一体である。
【0052】
最後に、本記述が、履物のためのソール1のリーニング表面3の構成を修正するための方法に関連し、ここでは、上記リーニング表面3が使用時に歩行面の方を向くように構成される。具体的には、本記述の方法である対象が履物ソール1の第1の層2を提供することを実現し、ここでは、上記第1の層2が上記リーニング表面3を画定する。本方法が、上記第1の層2を第2の層4に結合するステップ、及びこの第2の層4に各々が付随する複数の座部5を提供するステップをさらに含む。複数の被作動部材6がさらに提供され、複数の被作動部材6の各々がそれらのそれぞれの座部5の中に設置され、ここでは、この被作動部材6が、それぞれの座部5の内部に収容されることになる第1の位置又は後退位置と、それぞれの座部5から第1の層2の方に少なくとも部分的に突出することになる第2の位置又は延伸位置との間で移動することが可能となる形で、それぞれの座部5の中に設置される。
【0053】
したがって、本方法が、被作動部材6を移動させるように構成される作動部材7を提供することと、第1の位置又は後退位置と第2の位置又は延伸位置との間で被作動部材6を移動させることとを実現する。具体的には、それぞれの第1の位置又は後退位置にある複数の被作動要素6が第1の層2の第1の構成を決定する傾向を有し、対して、それぞれの第2の位置又は延伸位置において、複数の被作動部材6が、第1の層2の第2の構成を決定する傾向を有する。より具体的には、第1の層2の上記第2の構成では、リーニング表面3が、各々の被作動部材6において第1の層2の第1の構成を基準とした複数の隆起部又は突出部を有するか又は形成する。第1の層2の上記第1の構成では、リーニング表面3が実質的に平らであり、つまり平坦であるか又は上記の隆起部又は突出部を有さない。
【0054】
実施例によると、第2の層4が、第1の層2と共に、拡張可能チャンバ13又は拡張チャンバを画定する。言い換えると、第1の層2を第2の層4に結合するとき、上記第1の層2と上記第2の層4との間に拡張可能チャンバ13又は拡張チャンバが画定される。具体的には、この実施例によると、被作動部材5の移動がこの拡張可能チャンバ13を収縮又は拡張させ、それにより第1の層2の構成を変える。
【0055】
好適には、各被作動部材6が、それぞれの座部5の中に回転可能に設置される偏心形状要素又はカムである。したがって、各被作動部材6が、第1の位置又は後退位置と第2の位置又は延伸位置との間で及びその逆で回転するように構成される。したがって、各被作動部材6が、第1の位置又は後退位置と第2の位置又は延伸位置との間で及びその逆で回転する。
【0056】
好適には、ソール1が、使用時に、使用者の足の主展開方向に平行となるように構成される主展開方向を有し、複数の被作動部材6の各被作動部材が、ソール1の上記主展開方向Lに対して垂直である回転軸R上に装着される偏心形状要素又はカムである。言い換えると、ソール1が主として主展開方向Lに展開又は延在する。この主展開方向Lが使用時に使用者の足の主展開方向に平行である。被作動部材6が、ソール1の主展開方向Lに対して垂直である回転軸R上に装着される偏心形状の要素又はカムである。
【0057】
好適には、複数の被作動部材6の各被作動部材6が主展開軸Aを有し、上記主展開軸Aが、第1の位置又は後退位置においてソール1の主展開方向Lに実質的に平行であり、上記第2の位置又は延伸位置においてソール1の主展開方向Lに対して実質的に垂直である。つまり、各被作動部材6が主として主展開軸Aに沿って展開する。被作動部材6が上記第1の位置又は後退位置にあるとき、この主展開軸Aが主展開方向Lに平行であり、被作動部材6が上記第2の位置又は延伸位置にあるとき、主展開軸Aが主展開方向Lに対して垂直である。
【0058】
好適には、上記作動部材7を提供することが、複数の被作動要素6の各々を第1の位置又は後退位置から第2の位置又は延伸位置まで同時に回転させるように構成される少なくとも2つの連結部材8を提供することを含む。
【0059】
好適には、上記作動部材7を提供することが、連結部材8の張力を制御するように構成されるロータ9を提供することと、上記ロータ6を少なくとも2つの連結部材8に接続することとをさらに含む。より具体的には、被作動部材6を移動させるように構成される作動部材7が、少なくとも2つの連結部材8に接続されてこれらの連結部材8の張力を制御するように構成されるロータ9を有する。連結部材8がさらに少なくとも1つの被作動部材6に接続される。具体的には、この構成により、第1の位置と第2の位置との間での被作動要素6の移動フェーズが、ロータ9の回転時にタイ・ロッド8によって実行され得る。一般に、タイ・ロッド要素8の張力を変化させることにより被作動部材6が移動する。好適には、ロータ9の第1の回転方向の回転が連結部材8の張力を増大させ、それにより第1の位置又は後退位置から第2の位置又は延伸位置までの部材6の回転を促す。つまり、ロータ9を第1の回転方向に回転させることにより、連結部材8が張力を加えられ、それによりそれぞれの被作動部材6が第1の位置又は後退位置から第2の位置又は延伸位置まで移動する。言い換えると、第1の位置又は後退位置と第2の位置又は延伸位置との間で及びその逆で上記複数の被作動要素6を移動させるステップが、タイ・ロッド要素8に張力を加えてそれぞれの被作動要素6を第1の位置又は後退位置から第2の位置又は延伸位置まで移動させることを目的としてロータ9を第1の回転方向に回転させることを含む。
【0060】
好適な実施例によると、上記作動部材7を提供することが、複数の被作動部材6の各被作動部材のためのねじりばね11を提供することと、上記ねじりばね11を複数の被作動部材6の被作動部材に結合することと、ねじりばね11を結合しているところの複数の被作動部材6の被作動部材のそれぞれの座部5の中にねじりばね11を収容することと、をさらに含む。したがって、作動部材7が、各々の座部5の内部に収容されて、これらの座部5の各々の内部に収容される被作動要素6に接続されるねじりばね11をさらに有する。好適には、各々のねじりばね11がそれぞれの座部5の内部に固定的に設置される。
【0061】
この実施例によると、第1の位置又は後退位置と第2の位置又は延伸位置との間で及びその逆で複数の被作動要素6を移動させるステップが:
- 連結部材8のねじれ運動及びねじりばね11の荷重付加を引き起すためにロータ9を第1の回転方向に回転させることであって、連結部材8の上記ねじれ運動が被作動要素6を第1の位置又は後退位置から第2の位置又は延伸位置まで移動させ、ねじりばね11の解放を妨害して第2の位置又は延伸位置から第1の位置又は後退位置までの被作動要素6の移動を防止する、回転させることと;
- 第1の回転方向の反対の第2の回転方向にロータ9を回転させることであって、それにより連結部材8が緩められ、それにより、ねじりばね11により、被作動要素6を第2の位置又は延伸位置から第1の位置又は後退位置まで移動させることが可能となる、回転させることと
を含む。
【0062】
つまり、ロータ9の第1の回転方向の回転がねじりばね11のねじれ運動及び荷重付加を引き起こす。この構成では、ねじりばね11の作用による、第2の位置又は延伸位置から第1の位置又は後退位置までの被作動部材6の移動が、連結部材8の張力によって防止される。逆に、ロータ9の第1の回転方向の反対の回転方向の回転が連結部材8及び上記ねじりばね11を解放する傾向を有し、ねじりばね11の作用下で第2の位置又は延伸位置から第1の位置又は後退位置までの被作動部材6の回転を可能にする。言い換えると、ロータ9の第1の回転方向の反対の回転方向の回転が連結部材8を緩め、それにより各々の座部5内のねじりばね11が被作動部材6を第2の位置から第1の位置まで移動させることが可能となる。
【0063】
本明細書で説明されて示される実施例に対しての任意の変化形態又は追加形態が当業者によって作られ得、これらの変化形態又は追加形態が以下の特許請求の範囲内に留まる。具体的には、別の実施例が、個別の形で、又は任意の相互交換可能な組み合わせの形で、本文で説明されるか又は図面に示される1つ又は複数の技術的特性を追加して、以下のクレームのうちの1つのクレームの技術的特性を有することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-11-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物ソール(1)であって、
- 使用時に歩行面の方を向くように構成されたリーニング表面(3)を有する第1の層(2)と、
- 前記第1の層(2)に結合された第2の層(4)と、
- それぞれが前記第2の層(4)に関連付けられた複数の座部(5)と;
- それぞれの座部(5)にそれぞれ設置される複数の被作動部材(6)であって、各被作動部材(6)が、対応する座部(5)の内部に収容される第1の位置又は後退位置と、それぞれの座部から前記第1の層(2)の方に少なくとも部分的に突き出る第2の位置又は延伸位置との間で移動可能である、複数の被作動部材(6)と、
- 前記被作動部材(6)を前記後退位置と前記延伸位置との間で、及びその逆で移動させるように構成された作動部材(7)と
を有し、
それぞれの前記第1の位置又は後退位置にある前記複数の被作動部材(6)は前記第1の層(2)の第1の構成を決定する傾向があり、
それぞれの前記第2の位置又は延伸位置にある前記複数の被作動部材(6)は前記第1の層(2)の第2の構成を決定する傾向があり、前記第1の層(2)の前記第2の構成において、前記リーニング表面(3)は、前記第1の層(2)の前記第1の構成に対して複数の隆起部又は突出部を有し又は形成し、前記複数の隆起部又は突出部の各隆起部又は突出部は被作動部材(6)のところに配置される、履物ソール(1)。
【請求項2】
前記第1の層(2)の前記第1の構成において、前記リーニング表面(3)は実質的にフラットであり、又は突出部を有していない、請求項1に記載の履物ソール(1)。
【請求項3】
前記第2の層(4)は、前記第1の層(2)と共に、拡張可能チャンバ(13)又は拡張チャンバを画定する、請求項に記載の履物ソール(1)。
【請求項4】
前記被作動部材(6)の移動により前記拡張可能チャンバ(13)又は拡張チャンバの収縮又は拡張が引き起こされ、それにより前記第1の層(2)の構成が修正される、請求項に記載の履物ソール(1)。
【請求項5】
前記第1の位置すなわち前記後退位置において、前記被作動部材(6)は、前記拡張チャンバ(13)での、前記第2の層(4)に対する前記第1の層(2)の最接近を決定し、一方、前記第2の位置すなわち前記延伸位置において、前記被作動部材(6)は、前記拡張チャンバ(13)での、前記第1の層(2)に対する前記第2の層(4)の最大距離を決定する、請求項に記載の履物ソール(1)。
【請求項6】
前記第2の層(4)は、前記第1の層(2)と共に、拡張可能チャンバ(13)又は拡張チャンバを画定する、請求項2に記載の履物ソール(1)。
【請求項7】
前記被作動部材(6)の移動により前記拡張可能チャンバ(13)又は拡張チャンバの収縮又は拡張が引き起こされ、それにより前記第1の層(2)の構成が修正される、請求項6に記載の履物ソール(1)。
【請求項8】
前記第1の位置すなわち前記後退位置において、前記被作動部材(6)は、前記拡張チャンバ(13)での、前記第2の層(4)に対する前記第1の層(2)の最接近を決定し、一方、前記第2の位置すなわち前記延伸位置において、前記被作動部材(6)は、前記拡張チャンバ(13)での、前記第1の層(2)に対する前記第2の層(4)の最大距離を決定する、請求項7に記載の履物ソール(1)。
【請求項9】
前記複数の被作動部材(6)の各被作動部材(6)が、前記複数の座部(5)のそれぞれの座部(5)に回転可能に設置され、且つ前記第1の位置又は前記後退位置と前記第2の位置又は前記延伸位置との間で及びその逆で回転する傾向がある、請求項に記載の履物ソール(1)。
【請求項10】
前記ソール(1)は、使用時に使用者の足の主展開方向に平行に配置される主展開方向(L)を有し、前記複数の被作動部材(6)の各被作動部材(6)が、前記ソール(1)の前記主展開方向(L)に垂直な回転軸(R)上に装着された偏心形状要素又はカムである、請求項に記載の履物ソール(1)。
【請求項11】
前記複数の被作動部材(6)の各被作動部材(6)が主展開軸(A)を有し、前記主展開軸(A)は、前記第1の位置又は前記後退位置において前記ソール(1)の前記主展開方向(L)に実質的に平行であり、また前記第2の位置又は前記延伸位置において前記ソール(1)の前記主展開方向(L)に実質的に垂直である、請求項10に記載の履物ソール(1)。
【請求項12】
前記作動部材(7)は、複数の被作動部材(6)を、それぞれ前記第1の位置又は前記後退位置から前記第2の位置又は前記延伸位置まで同時に回転させるように構成された少なくとも2つの連結部材(8)を有する、請求項に記載の履物ツール(1)。
【請求項13】
前記作動部材(7)は、前記少なくとも2つの連結部材(8)に接続されたロータ(9)であって、前記連結部材(8)の張力を制御するように構成されたロータ(9)を有する、請求項12に記載の履物ソール(1)。
【請求項14】
前記複数の被作動部材の各被作動部材(6)が孔(10)を有し、少なくとも1つの連結部材(8)が前記孔(10)に挿入され、前記ロータ(9)の第1の回転方向の回転が、前記連結部材(8)を介して、それぞれの前記被作動部材(6)を前記第1の位置又は前記後退位置から前記第2の位置又は前記延伸位置まで移動させる傾向がある、請求項13に記載の履物ソール(1)。
【請求項15】
前記作動部材(7)は複数のねじりばね(11)をさらに有し、前記複数のねじりばね(11)の各ねじりばね(11)が、前記座部(5)のそれぞれの内部に収容され且つそれぞれの被作動部材(6)に接続され、前記ロータ(9)の前記第1の回転方向の前記回転が、前記ねじりばね(11)の捻じれ運動及び前記ねじりばね(11)自体の荷重付加を決定する傾向があり、前記ロータ(9)の前記第1の回転方向とは反対の回転方向の回転が、前記連結部材(8)及び前記ねじりばね(11)を解放して、前記ねじりばね(11)の動作により前記被作動部材(6)を前記第2の位置又は前記延伸位置から前記第1の位置又は前記後退位置まで回転させるのを可能にする傾向がある、請求項13又は14に記載の履物ソール(1)。
【請求項16】
請求項1、3又は7に記載の履物のためのソール(1)を有する履物(20)。
【請求項17】
履物のためのソール(1)のリーニング表面(3)の構成を修正するための方法であって、前記リーニング表面(3)は使用時に歩行面の方を向くように構成され、前記方法は、
- 履物のためのソール(1)の第1の層(2)を提供するステップであって、前記第1の層(2)は前記リーニング表面(3)を画定している、ステップと、
- 前記第1の層を第2の層(4)に結合するステップと、
- 前記第2の層(4)にそれぞれ関連付けられた複数の座部(5)を提供し、且つそれぞれの座部(5)にそれぞれ設置される複数の被作動部材(6)を提供するステップであって、前記被作動部材(6)は、それぞれの座部(5)の内部に収容される第1の位置又は後退位置と、それぞれの座部(5)から前記第1の層(2)の方に少なくとも部分的に突き出る第2の位置又は延伸位置との間で移動可能である、ステップと、
- 前記被作動部材(6)を移動させるように構成された作動部材(7)を提供するステップと、
- 前記第1の位置又は後退位置と前記第2の位置又は延伸位置との間で前記複数の被作動部材(6)を移動させるステップと
を含み、
それぞれの前記第1の位置又は後退位置にある前記複数の被作動部材(6)は前記第1の層(2)の第1の構成を決定する傾向があり、それぞれの前記第2の位置又は延伸位置にある前記複数の被作動部材(6)は前記第1の層(2)の第2の構成を決定する傾向があり、前記第1の層(2)の前記第2の構成において、前記リーニング表面(3)は、各被作動部材(6)のところに、前記第1の層(2)の前記第1の構成に対して複数の隆起部又は突出部を有し又は形成する、方法。
【請求項18】
前記第2の層(4)は、前記第1の層(2)と共に、拡張可能チャンバ(13)又は拡張チャンバを画定する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記被作動部材(6)の移動により前記拡張可能チャンバ(13)又は拡張チャンバの収縮又は拡張が引き起こされ、それにより前記第1の層(2)の構成が修正される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記作動部材(7)を提供するステップが、複数の被作動部材(6)を、それおれ前記第1の位置又は前記後退位置から前記第2の位置又は前記延伸位置まで同時に回転させるように構成された少なくとも2つの連結部材(8)を提供するステップを含む、請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
前記作動部材(7)を提供するステップが、前記少なくとも2つの連結部材(8)に接続されたロータ(9)であって、前記連結部材(8)の張力を制御するように構成されたロータ(9)を提供するステップをさらに含む、請求項1から20までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の位置又は後退位置と前記第2の位置又は延伸位置との間で及びその逆で前記複数の被作動部材(6)を移動させる前記ステップが、前記連結部材(8)に張力を加えるために前記ロータ(9)を第1の回転方向に回転させるステップと、前記第1の位置又は後退位置から前記第2の位置又は延伸位置までのそれぞれの前記被作動部材(6)の移動を決定するステップとを含む、請求項1から21までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記作動部材(7)を提供するステップが、前記複数の被作動部材(6)の各被作動部材のためのねじりばね(11)を提供するステップと、前記ねじりばね(11)を前記複数の被作動部材(6)の被作動部材と結合するステップと、前記ねじりばね(11)が結合される前記複数の被作動部材(6)の前記被作動部材(6)のそれぞれの前記座部に前記ねじりばね(11)を収容するステップとをさらに含む、請求項1から22までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の位置又は後退位置と前記第2の位置又は延伸位置との間で及びその逆で前記複数の被作動要素(6)を移動させる前記ステップが:
- 前記ロータ(9)を前記第1の回転方向に回転させるステップであって、それにより前記ねじりばね(11)のねじれ運動及び前記ねじりばね(11)の荷重付加を決定し、前記ねじりばね(11)の前記ねじれ運動は、前記第1の位置又は後退位置から前記第2の位置又は延伸位置までの前記被作動部材(6)の移動を引き起こし、且つ前記ねじりばね(11)の解放を妨害して前記第2の位置又は延伸位置から前記第1の位置又は後退位置までの前記被作動部材(6)の移動を防止する、ステップと、
- 前記回転方向と反対の第2の回転方向に前記ロータ(9)を回転させるステップであって、それにより前記連結部材(8)の緩和が決定され、前記ねじりばね(11)が前記被作動部材(6)を前記第2の位置又は延伸位置から前記第1の位置又は後退位置まで移動させることが可能となる、回転させるステップと
を含む、請求項1から23までのいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】