(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-06
(54)【発明の名称】冷凍保存バッグ内の液体材料を成形して所望の固体形状を得る方法
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20220530BHJP
【FI】
A61J3/00 301
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021526775
(86)(22)【出願日】2019-10-02
(85)【翻訳文提出日】2021-05-17
(86)【国際出願番号】 US2019054346
(87)【国際公開番号】W WO2020209892
(87)【国際公開日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】PCT/US2019/027047
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519421983
【氏名又は名称】バイオライフ・ソリューションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BioLife Solutions, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・シュライバー
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA12
4C047AA22
4C047BB11
4C047BB13
4C047BB17
4C047BB19
4C047CC04
4C047FF03
(57)【要約】
凍結手順を受けている間に冷凍保存バッグ内の液体材料を成形するシステム、装置、及び方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凍結手順を受けている間に冷凍保存バッグ内の液体材料を成形するためのシステムであって、
液体材料を受け入れるように構成された内部領域を画定するシールされた周辺部を有する冷凍保存バッグであって、前記内部領域が内周形状を有する冷凍保存バッグと、
外周部を有するとともに、前記内部領域の内周形状と略同じ形状の切り取り部を有する一対のクッション部材であって、前記一対のクッション部材の間に前記冷凍保存バッグを挟むように構成された一対のクッション部材と、
前記一対のクッション部材の外周部と略同じ外周部を有するとともに、所望の形状を有する窓部を備える一対のフレーム部材であって、前記冷凍保存バッグ及び前記一対のクッション部材が前記一対のフレーム部材の間に挟まれたときに、前記窓部の位置が前記冷凍保存バッグの内部領域に略対応し、前記冷凍保存バッグ及び前記一対のクッション部材が前記一対のフレーム部材の間に挟まれたときに、前記冷凍保存バッグと前記一対のクッション部材と前記一対のフレーム部材とが容器アセンブリを提供する一対のフレーム部材と、
前記窓部の所望の形状と略同じ外周部を有し、前記一対のフレーム部材の前記窓部の内部に最小限の公差で配置される一対のスペーサと、
前記一対のクッション部材の外周部と略同じ外周部を有するとともに、平坦な内面を有する一対の熱伝導性プレートであって、凍結手順の間、前記容器アセンブリと前記一対のスペーサとを一緒に挟むように構成された一対の熱伝導性プレートと、
を備える、システム。
【請求項2】
前記一対のクッション部材は、極低温で柔軟性を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記一対のスペーサは、極低温で柔軟性を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記一対のクッション部材は、熱絶縁性材料を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記一対のスペーサは、熱絶縁性材料を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記一対のフレーム部材は、剛性を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記所望の形状は、矩形である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記所望の形状は、凍結手順後の前記液体材料の固体形状の長さ及び幅を決定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記容器アセンブリと前記一対のスペーサとが前記一対の熱伝導性プレートの間に挟まれているとき、前記一対の熱伝導性プレートの平坦な内面間の距離が固体形状の高さを決定する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記冷凍保存バッグと前記一対のクッション部材と前記一対のフレーム部材とは、前記容器アセンブリを提供するようにファスナで一緒に固定されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記シールされた周辺部は、前記ファスナの通過を可能にするように構成された複数の窪み部を有する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ファスナは、複数のリベットと複数のガイド穴とを有する、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記リベットは、プラスチックであり、熱変形によって前記ガイド穴内に固定される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記一対の熱伝導性プレートを前記一対のスペーサ及びその間に挟まれた前記容器アセンブリに対して内側に押し付けるように構成されたクランプ構造体を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記冷凍保存バッグは、前記内部領域から外側に延在し、前記内部領域と流体連通するアクセス溝部を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記アクセス溝部は、前記容器アセンブリが組み立てられたときに、前記一対のクッション部材の外周部を超えて外側に延びる長さを有する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
凍結手順を受けている間に冷凍保存バッグ内の液体材料を成形する方法であって、
一対のクッション部材の間に冷凍保存バッグを配置するステップと、
一対のフレーム部材の間に前記冷凍保存バッグ及び前記一対のクッション部材を配置するステップと、
前記冷凍保存バッグと前記一対のクッション部材と前記一対のフレーム部材とを一緒に固定して容器アセンブリを提供するステップと、
前記容器アセンブリの前記冷凍保存バッグの内部領域にアクセスして液体材料を充填するステップと、
前記容器アセンブリの前記冷凍保存バッグの内部領域に前記液体材料を封入するステップと、
前記冷凍保存バッグの余分な部分をトリミングするステップと、
前記一対のフレーム部材の窓部の内部に、前記冷凍保存バッグと接触するスペーサを取り付けるステップと、
前記一対のクッション部材と前記一対のフレーム部材と前記スペーサとによって画定される前記冷凍保存バッグの領域に、前記液体材料を規制するステップと、
対向する2つの熱伝導性プレートの間で、前記一対のフレーム部材の窓部の内部に前記容器アセンブリ及び前記スペーサを挟むステップと、
前記一対のクッション部材と前記一対のフレーム部材と前記スペーサと前記熱伝導性プレートによって画定される固体形状を提供するように、前記液体材料を凍結するステップと、
を含む、方法。
【請求項18】
凍結手順の間、前記容器アセンブリと前記スペーサと前記冷凍保存バッグと前記冷凍保存バッグの内部領域内に規制された前記液体材料とに圧縮力が作用するように、前記熱伝導性プレートの外面にクランプ圧力を加えるステップを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記固体形状は、2つの対向する主要な平坦且つ平行な表面を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記冷凍保存バッグの内部領域にアクセスして充填するステップの前に、前記冷凍保存バッグと前記一対のクッション部材と前記一対のフレーム部材とをファスナで一緒に固定するステップを更に含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2019年4月11日に出願された国際出願番号PCT/US2019/027047号の一部継続出願であって、2018年4月11日に出願された米国仮特許出願番号62/655,895号の優先権を主張するものであり、これらの各出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(本発明の分野)
本発明は、冷凍保存バッグを保護するシステム及び方法に関するものである。特に、本発明は、凍結、保存、搬送、及び解凍のプロセスの間の冷凍保存バッグへの衝撃、ショック、及び加速による損傷からの保護を提供する装置に関するものである。また、本発明は、内容物の固体化時に冷凍保存バッグの体積寸法や表面形状を制御する装置に関するものである。更に、本発明は、凍結した冷凍保存バッグの安全で確実な取り扱いを容易にする装置、及び、冷凍保存バッグを凍結、保存、解凍の機械や器具と相互接続させるための装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
極低温での凍結及び保存による細胞の懸濁液の長期保存は、確立された技術である。多細胞構造体及び微生物に加えて、多種多様な単一細胞種が、冷凍保存液への懸濁とそれに続く制御された温度低下率での凍結によって無期限に保存され得る。細胞懸濁液を凍結させる低温保存容器は、通常、液体窒素で冷やされた真空断熱タンク内で長期保存されるが、機械的な冷凍システムが適用される場合もある。このような方法で保存された細胞懸濁液は、温度を維持するための冷媒として液体窒素を吸収材に導入した真空断熱フラスコを用いて、-196~-150℃の極低温状態を維持しながら遠隔地に輸送することもできる。このような容器は「ドライシッパー」という。また、-80℃から-50℃までの短期間の温度変化が細胞の生存に大きな影響を及ぼさない場合は、ドライアイスを冷媒とした断熱容器を使用することもできる。目的地に到着したら、凍結した細胞懸濁液は、現地の長期保存システムに移されてもよいし、冷蔵輸送システムから回収してそのまま使用されてもよい。使用前には、凍結した細胞懸濁液を解凍し、保存容器から取り出さなければならない。凍結、現地輸送、現地保存、運送、遠隔地受領、遠隔地保存、遠隔地輸送、解凍を含む冷凍保存システムを包括する取り扱いプロセス、保持条件、及びドキュメンテーションは、しばしば「コールドチェーンオブカスタディ(cold chain of custody)」という。
【0004】
解凍された細胞懸濁液は、様々な解凍後の処理が行われてもよく、その例としては、検査、評価、濃縮、流体交換、細胞集団の培養拡大、細胞選別、細胞工学などが挙げられる。また、一部の細胞治療のため、解凍した細胞懸濁液は、直接的に受容者に投与されてもよい。細胞治療分野における最近の継続的な進歩に伴い、製薬業界は、コールドチェーンオブカスタディの細部に強い関心を持っている。プロセスのどの段階においても失敗は、治療効果を低下させたり、製品を使用不可にさせたりし得る。細胞治療薬は、製品コストが比較的高く、受容者にとっては生存の唯一の希望でもあるため、コールドチェーンオブカスタディの間、製品の完全性を維持することは重要な検討事項である。このように、凍結懸濁液保存容器の信頼性は、必須の特性である。
【0005】
一般的なタイプの極低温保存容器は、「凍結バッグ」、「冷凍保存保管バッグ」、又は「冷凍保存バッグ」ともいう柔軟な壁を有する保管バッグである。市販されている(従来技術の)冷凍保存バッグ100の非限定的な表現を
図1に示す。冷凍保存バッグ100は、柔軟なポリマー材料の2つの積層体を備え、各層は、異なるポリマー材料で構成されている積層構造である。冷凍保存バッグ100は、2つの側部エッジ101,103と、ボトムエッジ102と、トップエッジ104とを有する。2つの積層体は、アクセスポート構造体106及び充填チューブ130によって中断されるところを除いて、全てのエッジの周りに連続した閉鎖経路を形成する溶融継ぎ目105で接合され、それによって、流体が充填チューブ130を介して導入されて収容されるチャンバ110が形成される。バッグのボトム部115の二次的なシール領域は、冷凍保存バッグをハンガー装置から吊り下げる目的で提供される貫通スロット125の配置を可能にするために提供されることが多い。冷凍保存バッグのいくつかのバージョンは、データ又は識別情報を有するカード部材がそこに形成された凹部ポケットに挿入されて格納されるように、シールされていない一方のエッジ126の長さに隣接する領域120を有してもよい。商業的に提供されているように、充填チューブは、複雑で分岐が多いチューブのシステム(図示せず)と連続しており、各分岐は、様々な連結具又はポートシールの1つで終端している。一般的な使用では、冷凍保存バッグのチャンバ又はパウチ110の充填に続いて、チューブ130が熱シールされ(図示しないシール)、延長部として不特定の長さが残される。延長部が存在する場合、延長部は、冷凍保存バッグの流体内容物の一部によって占有されてもよく、切断によって分離されるとともに、実験室での試験を含む様々な目的のために使用され得るサンプル容積を残して、間隔(図示せず)を空けて熱シールされる。いくつかの実施例において、冷凍保存バッグの外面は、印刷又はエンボス加工された英数字などの識別情報を有する。いくつかの実施例において、冷凍保存バッグの外面は、情報カードを保持するように構成された成形ポケットを有する。
【0006】
冷凍保存バッグを使用する際の一般的な手順としては、選択した容量まで冷凍保存バッグを充填した後、チューブの延長部をポートに近い場所で熱シールし、チューブアセンブリの残りの部分が切断されて廃棄されることが多い。いくつかの実施例において、ユーザは、解凍後に細胞液の一部を様々な試験目的で分離できるように、間欠的にシールされたポートエリアにチューブの短い延長部を残す。ポートのエッジに対して反対側の冷凍保存バッグのエッジは、シール領域の延長線上に、冷凍保存バッグを吊り下げ装置に吊るすためのスロットが配置されている場合がある。冷凍保存バッグのこのエッジを「ボトムエッジ」といい、冷凍保存バッグの残りの2つの側部を「側部エッジ」ということがある。冷凍保存バッグの4つのエッジが同一平面上にあり、冷凍保存バッグの表面の平面が重力場ベクトルに対して垂直である向きを「平坦な向き」ということがある。また、冷凍保存バッグの表面が重力場ベクトルに対して平行で且つポートのエッジが上にある場合、その向きを「直立向き」ということがあり、延長部と吊り下げスロットのあるエッジが上にある場合、その向きを「倒立向き」ということがある。
【0007】
いくつかの手順において、冷凍保存バッグは、凍結プロセスの一部として、保存又は輸送用カセット内に封入される。
図2を参照すると、市販(従来技術)のカセット200の非限定的な例が示されている。カセット200は、アルミニウムシート金属で構成され、その中に含まれる冷凍保存バッグ230を封入して保護するように構成されている。アルミニウムシートのカセットは、典型的には、蓋体をケースに接続する側面205に沿って2つの貫通ピン又はリベット215によって結合されるカバー210を備えている。蓋体210の閉鎖時において、U溝状の留め金220がリベットヒンジ部225で回転してケースと蓋体とを捕捉し、それによってカセットの内部に冷凍保存バッグの筐体を固定する。代表的な冷凍保存バッグ230及びカセットは、所定のバッグサイズ(公称容積500mlの冷凍保存バッグ)の縮尺で描かれていることに留意すべきである。このように、表示された空の内部マージン235も縮尺に合わせて描かれており、内部マージン235は、通常の使用時に、カセットの外部から力を加えてカセット内で冷凍保存バッグのどのようにして慣性的な移動が発生するかを示しており、前記力が十分に大きい場合には、カセットの内壁と冷凍保存バッグのエッジとの間の衝突が起こりやすくなる。冷凍保存バッグ及び内容物の凍結前、並びに輸送、保存、及び輸送中に、図示されているタイプのアルミニウム製カセットに冷凍保存バッグを収容することは、ほぼ一般的な慣行であるので、これらのコールドチェーン段階の総和の間のある時点で、冷凍保存バッグのエッジとカセットの内壁との間の1以上の衝突事故が発生し、各事故が冷凍保存バッグの損傷を招く危険性があることが理解され得る。冷凍保存バッグの材料は、極低温では柔軟性がなく脆くなるため、チューブの延長部が硬く凍結した状態で衝撃を受けるようなカセットに対する冷凍保存バッグのずれや移動があると、チューブと冷凍保存バッグの継ぎ目との接合部に回転トルクがかかり、しばしば接合部の周りに破壊が生じることになる。
【0008】
冷凍保存バッグの柔軟な特性及び壊れやすいデザインの結果として、これらのタイプの冷凍保存バッグの容器を準備して凍結する際には、一般的に、様々な手順に従い、規制が適用される。例えば、冷凍保存バッグの容器の厚さを制御するために、冷凍保存バッグは、通常、充填容積を制限し、冷凍保存バッグの主要な平坦面が重力ベクトルに対して垂直になるような向き(「平坦」な向きともいう)で凍結される。場合によっては、冷凍された冷凍保存バッグと内容物との厚さを規制して制御するために、充填された冷凍保存バッグを剛性を有するカセット内に収納しながら冷凍することもある。しかしながら、凍結プロセス中の努力にもかかわらず、柔軟な冷凍保存バッグ内の水溶液の自然な膨張により、表面のばらつき、寸法、及び溶液の厚さが不均一になり、これは望ましくないことであり、解凍時の凍結サンプルの生存率に間接的に影響を与える可能性がある。
【0009】
内容物の同一性を確認するために輸送用カセットを取り扱い、搬送、及び/又は開封する際にユーザが接触した結果、温度変動によって細胞又はサンプルの損傷が更に生じる可能性がある。このことは、カセットがアルミニウムなどの熱伝導性材料で構成されている場合に特に当てはまる。更に、一部のカセット材料は、カセット内に含まれるRFIDタグなどの様々な技術のリモートスキャンを妨げるファラデーケージ(Farady cage)として機能する。
【0010】
したがって、敏感な冷凍材料を準備し、搬送し、保存するための様々な方法及び装置が現在存在するが、課題は未だ存在する。本発明の装置及び方法は、これらのニーズに対処し、満たすものである。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、凍結、保存、搬送、及び解凍のプロセスの間に、冷凍保存バッグへの衝突、衝撃、及び加速による損傷からの保護を提供する装置に関するものである。また、本発明は、内容物の固体化時に冷凍保存バッグの容積寸法及び表面形状を制御する装置に関するものである。更に、本発明は、凍結した冷凍保存バッグの安全で確実な取り扱いを容易にする装置、及び冷凍保存バッグを凍結、保存、及び解凍の機械及び器具と相互接続するための装置に関する。
【0012】
第1態様において、本発明は、冷凍保存バッグ用の低コストで使い捨ての保護カセット又はシェルに向けられている。保護シェルは、一般的なプラスチックリサイクルシステムを介してリサイクルすることができ、無線又は可視電磁波長に対して不透明ではなく、また、冷凍保存バッグと保護シェルとの間に介在して、冷凍保存バッグと保護シェルとの間の衝突による損傷を低減又は排除し、更に、保護シェルとの無防備な接触による皮膚凍結の危険性を低減する保護インターフェースクッションデバイスを備えている。いくつかの実施例において、保護シェルの材料は、更に、凍結した冷凍保存バッグの取り扱いにおいて増加したグリップの安全性を提供し、冷凍器具、保存システム、搬送システム、及び解凍器具内で冷凍保存バッグを正しく位置決めする。
【0013】
第2態様において、本明細書に記載のシステム及び方法は、好適な構成を利用するように特別に設計された凍結、保存、輸送、及び解凍の装置と冷凍保存バッグ及び内容物との相互接続を大幅に容易にする構成で凍結サンプルを準備し、それによって装置に関連するプロセスの1以上の性能パラメータを向上させることができる。
【0014】
第3態様においては、冷凍保存バッグ及びその内容物の充填、冷凍、保存、搬送、追跡、及び/又は解凍のプロセスを最適化するように構成された1以上の所望の装置に冷凍保存バッグを構成して適合させる装置において、一般的に入手可能な冷凍保存バッグの容器を取り囲むための保護インターフェースクッションデバイスを備える冷凍保存システム装置が提供される。本システム及び方法のいくつかの態様は、市販の冷凍保存バッグ又はカスタム設計された冷凍保存バッグに保護インターフェースクッションデバイスを封入、取り付け、位置決めすることにより、冷凍保存バッグと周囲の剛性を有する保護シェルとの間にエネルギ吸収材及び力分配材を介在させることに関するものである。
【0015】
第4態様において、本発明は、i)位置、ii)幾何学的形状、及びiii)冷凍保存バッグ内に収容される液体及び固体の境界の少なくとも1つを制御するための1以上の方法及び装置を提供する。いくつかの実施例において、この制御は、市販の又はカスタム設計された冷凍保存バッグに保護インターフェースクッションデバイスを取り付けて位置決めすることによって達成される。いくつかの実施例において、冷凍保存バッグ内の液体の位置決め及び選択的封じ込めのためのシステム及び方法は、結果として得られる固体塊が冷凍保存バッグ内の選択された幾何学的形状及び位置を達成するような固体化プロセス中に達成される。いくつかの実施例において、本発明のシステム及び方法を適用して得られる成形形状は、冷凍保存バッグへの運動衝突、衝撃、又は加速による損傷の可能性の低減に貢献することができる。いくつかの実施例において、本発明のシステム及び方法を適用して得られる固体成形形状は、予め配置され幾何学的に構成された形状を利用して、解凍プロセスの使い易さ、解凍速度、相分離、及び温度制御の態様を最適化するように構成された解凍装置を可能にする。本発明の他の態様においては、極低温での保護インターフェースクッションデバイス及び冷凍保存バッグアセンブリの確実で安全な取り扱いを向上させる特性及び構造を有する保護インターフェースクッションデバイスが提供される。更に、いくつかの実施例においては、例えば、組立機器、バッグ充填機器、凍結器具、ロボットアーカイブ機器、及び解凍器具などの機械との相互接続を可能にする又は最適化するための1以上の特徴を有する保護インターフェースクッションデバイスが提供される。いくつかの実施例において、保護インターフェースクッションデバイスは、意図的な分離を容易にするために予め構成された1以上の継ぎ目を有し、それによって保護インターフェースクッションデバイスに対する冷凍保存バッグの容易な挿入及び除去を可能にする。
【0016】
第5態様においては、前述した保護インターフェースクッションデバイスと冷凍保存バッグとのアセンブリの選択された表面を包囲して直接的に係合することができる保護シェルが提供される。いくつかの実施例においては、極低温から周囲温度までの温度範囲で保護シェルを可逆的に組み立て且つ分解できるように構成された2以上の組立部品を有する保護シェルが提供される。いくつかの実施例においては、保護シェルの様々な部品が、互いに係合し、締結された構成又は締結されていない構成を達成するために部品の一時的な歪みを必要とする特徴によって固定されている。いくつかの実施例においては、保護シェルの独立したラッチ部品が、剛性を有するシェルの様々な係合部品の抵抗に打ち勝って、使用中のシェル部品の締結及び解除をアシストするように構成されている。
【0017】
第6態様においては、フラップアクセスを固定する役割を果たす設計要素に加えて、選択された位置で保護シェルの内部へのフラップアクセスを生成する切り取り領域及び経路を有する保護シェルが提供される。保護シェルのいくつかのバリエーションは、様々な延長部、成形されたフランジ部、及び/又は、例えば、組立機器、冷凍器具、解凍器具、ロボット収納機構、輸送用コンテナ、ロボット搬送又は選別機械、及び手動ツールなどの特定の機械との相互接続のための取り付け又はグリップ点を提供する付加的な付属品を備えている。
【0018】
第7態様において、本発明は、保護インターフェースクッションデバイス、及び、代替的に保護シェルを使用して、凍結プロセスの前後に、保護インターフェースクッションデバイスの内部及び冷凍保存バッグアセンブリの内部に冷凍保存バッグの内容物の位置を選択的に構成するための方法を含む。本方法のいくつかの態様は、記載された幾何学的形状を達成するための好適な凍結機器の説明に加えて、凍結プロセス中の液体内容物の固体化時に、前述のアセンブリ内における冷凍保存バッグの内容物の特定の幾何学的形状の形成に適用される。同様に、本方法のいくつかの態様は、本発明によって利用可能になった1以上の性能パラメータを利用するように構成された解凍器具及び解凍機器を用いて達成される1以上の凍結形状の使用に関し、本方法、システム、及び装置を適用したときの、解凍速度の向上、解凍プロセス中及びその後の液化した内容物の過熱の防止、解凍プロセス中の液相と固相との動的且つ自動的な分離、及び解凍器具の使い易さの向上を含むがこれらに限定されない。
【0019】
いくつかの実施例において、凍結手順を受けている間に冷凍保存バッグ内の液体材料を成形するためのシステムが提供される。当該記システムは、液体材料を受け入れるように構成された内部領域を画定するシールされた周辺部を有する冷凍保存バッグであって、前記内部領域が内周形状を有する冷凍保存バッグと、外周部を有するとともに、前記内部領域の内周形状と略同じ形状の切り取り部を有する一対のクッション部材であって、前記一対のクッション部材の間に前記冷凍保存バッグを挟むように構成された一対のクッション部材と、前記一対のクッション部材の外周部と略同じ外周部を有するとともに、所望の形状を有する窓部を備える一対のフレーム部材であって、前記冷凍保存バッグ及び前記一対のクッション部材が前記一対のフレーム部材の間に挟まれたときに、前記窓部の位置が前記冷凍保存バッグの内部領域に略対応し、前記冷凍保存バッグ及び前記一対のクッション部材が前記一対のフレーム部材の間に挟まれたときに、前記冷凍保存バッグと前記一対のクッション部材と前記一対のフレーム部材とが容器アセンブリを提供する一対のフレーム部材と、前記窓部の所望の形状と略同じ外周部を有し、前記一対のフレーム部材の前記窓部の内部に最小限の公差で配置される一対のスペーサと、前記一対のクッション部材の外周部と略同じ外周部を有するとともに、平坦な内面を有する一対の熱伝導性プレートであって、凍結手順の間、前記容器アセンブリと前記一対のスペーサとを一緒に挟むように構成された一対の熱伝導性プレートとを備えている。
【0020】
いくつかの実施例において、前記一対のクッション部材は、極低温で柔軟性を有する。いくつかの実施例において、前記一対のスペーサは、極低温で柔軟性を有する。いくつかの実施例において、前記一対のクッション部材は、熱絶縁性材料を含む。いくつかの実施例において、前記一対のスペーサは、熱絶縁性材料を含む。いくつかの実施例において、前記一対のフレーム部材は、剛性を有する。
【0021】
本発明のいくつかの態様において、所望の形状は、矩形である。いくつかの実施例において、所望の形状は、凍結手順後の前記液体材料の固体形状の長さ及び幅を決定する。いくつかの実施例において、前記容器アセンブリと前記一対のスペーサとが前記一対の熱伝導性プレートの間に挟まれているとき、前記一対の熱伝導性プレートの平坦な内面間の距離が固体形状の高さを決定する。いくつかの実施例において、前記冷凍保存バッグと前記一対のクッション部材と前記一対のフレーム部材とは、前記容器アセンブリを提供するようにファスナで一緒に固定されている。いくつかの実施形態において、前記冷凍保存バッグのシールされた周辺部は、前記ファスナの通過を可能にするように構成された複数の窪み部を有する。いくつかの実施例において、前記ファスナは、複数のリベットと複数のガイド穴とを有する。前記リベットは、プラスチックであり、熱変形によって前記ガイド穴内に固定されてもよい。
【0022】
本発明のいくつかの態様においては、クランプ構造体が提供され、前記一対の熱伝導性プレートを前記一対のスペーサ及びその間に挟まれた前記容器アセンブリに対して内側に押し付けるように構成されている。
【0023】
いくつかの実施例において、前記冷凍保存バッグは、前記内部領域から外側に延在し、前記内部領域と流体連通するアクセス溝部を更に備えている。前記アクセス溝部は、前記容器アセンブリが組み立てられたときに、前記一対のクッション部材の外周部を超えて外側に延びる長さを有する。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態は、凍結手順を受けている間に冷凍保存バッグ内の液体材料を成形する方法を更に含む。前記方法は、一対のクッション部材の間に冷凍保存バッグを配置するステップと、一対のフレーム部材の間に前記冷凍保存バッグ及び前記一対のクッション部材を配置するステップと、前記冷凍保存バッグと前記一対のクッション部材と前記一対のフレーム部材とを一緒に固定して容器アセンブリを提供するステップと、前記容器アセンブリの前記冷凍保存バッグの内部領域にアクセスして液体材料を充填するステップと、前記容器アセンブリの前記冷凍保存バッグの内部領域に前記液体材料を封入するステップと、前記冷凍保存バッグの余分な部分をトリミングするステップと、前記一対のフレーム部材の窓部の内部に、前記冷凍保存バッグと接触するスペーサを取り付けるステップと、前記一対のクッション部材と前記一対のフレーム部材と前記スペーサとによって画定される前記冷凍保存バッグの領域に、前記液体材料を規制するステップと、対向する2つの熱伝導性プレートの間で、前記一対のフレーム部材の窓部の内部に前記容器アセンブリ及び前記スペーサを挟むステップと、前記一対のクッション部材と前記一対のフレーム部材と前記スペーサと前記熱伝導性プレートによって画定される固体形状を提供するように、前記液体材料を凍結するステップと、を含む。いくつかの実施例において、本発明の方法は、凍結手順の間、前記容器アセンブリと前記スペーサと前記冷凍保存バッグと前記冷凍保存バッグの内部領域内に規制された前記液体材料とに圧縮力が作用するように、前記熱伝導性プレートの外面にクランプ圧力を加えるステップを更に含む。いくつかの実施例において、前記固体形状は、2つの対向する主要な平坦且つ平行な表面を有する。いくつかの実施例において、本発明の方法は、前記冷凍保存バッグの内部領域にアクセスして充填するステップの前に、前記冷凍保存バッグと前記一対のクッション部材と前記一対のフレーム部材とをファスナで一緒に固定するステップを含む。
【0025】
本発明のこれら及び他の態様、実施形態、及び利点は、添付の図面及び以下の詳細な説明に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】従来の冷凍保存バッグデバイスの斜視図である。
【
図2】従来の剛体ストレージ又は輸送用カセット内に収納された従来の冷凍保存バッグデバイスの開封された構成での斜視図である。
【
図3】本発明の代表的な実施形態に係る保護インターフェースクッションデバイスの上面斜視図である。
【
図4A】本発明の代表的な実施形態に係る保護インターフェースクッションデバイスの分解斜視図及び凍結プロセス後の冷凍保存バッグの領域図である。
【
図4B】本発明の代表的な実施形態に係る凍結プロセス後の保護インターフェースクッションデバイスの分解斜視図及び冷凍保存バッグの領域図である。
【
図5A】本発明の代表的な実施形態に係る保護インターフェースクッションデバイスの正面図の寸法図である。
【
図5B】本発明の代表的な実施形態に係る保護インターフェースクッションデバイスの側面図の寸法図である。
【
図6】本発明の代表的な実施形態に係る保護インターフェースクッションデバイス内に組み立てられた空の冷凍保存バッグの斜視図である。
【
図7A】本発明の代表的な実施形態に係る、凍結プロセス後に保護インターフェースクッションデバイス内に組み立てられた充填された冷凍保存バッグの斜視図である。
【
図7B】
図7Aの冷凍保存バッグ及び保護インターフェースクッションデバイスの断面図である。
【
図8A】本発明の代表的な実施形態に係る、凍結プロセス後に保護インターフェースクッションデバイス内に組み立てられ充填された冷凍保存バッグの斜視図であって、保護インターフェースクッションデバイスが、予め構成された継ぎ目を有する図である。
【
図8B】
図8Aの冷凍保存バッグ及び保護インターフェースクッションデバイスの断面図である。
【
図9】本発明の代表的な実施形態に係る保護インターフェースクッションデバイス及びラッチ部品を有する保護シェルを備えている。冷凍保存バッグ保存システムの分解斜視図である。
【
図10A】本発明の代表的な実施形態に係る、組み立てられた冷凍保存バッグ保存システムの斜視図である。
【
図11】本発明の代表的な実施形態に係る冷凍保存バッグ保存システムの保護シェルの湾曲リム及びリム部の詳細な断面図である。
【
図12】本発明の代表的な実施形態に係る、係合構造にある保護シェルのコーナーラッチの詳細断面図である。
【
図13】本発明の代表的な実施形態に係る保護シェルのコーナースナップロック係合機構の詳細断面図である。
【
図14A】本発明の代表的な実施形態に係る保護シェルの締結ラッチの上面図の寸法図である。
【
図14B】本発明の代表的な実施形態に係る保護シェルの締結ラッチの底面図の寸法図である。
【
図14C】本発明の代表的な実施形態に係る保護シェルの締結ラッチの側面図の寸法図である。
【
図15A】本発明の代表的な実施形態に係る、切り取りスロットを有する組み立てられた保護シェルカセットの上面図である。
【
図15B】本発明の代表的な実施形態に係る、係合構造にある切り取りスロット及びコーナーラッチを有する組み立てられた保護シェルカセットの上面図である。
【
図16A】本発明の代表的な実施形態に係る、外部凍結器具部品と一緒に使用する保護インターフェースクッションデバイス内の冷凍保存バッグの斜視図である。
【
図16B】本発明の代表的な実施形態に係る外部凍結器具部品による凍結処理後の保護インターフェースクッションデバイス内の冷凍保存バッグの斜視図である。
【
図16C】
図16Bの保護インターフェースクッション内の冷凍保存バッグの断面図である。
【
図17A】本発明の代表的な実施形態に係る、解凍手順の前に、外部解凍器具部品に近接した保護インターフェースクッション内の冷凍保存バッグの斜視図である。
【
図17B】本発明の代表的な実施形態に係る、外部解凍器具部品に接触して解凍手順を受けている保護インターフェースクッション内の冷凍保存バッグの斜視図である。
【
図18A】本発明の代表的な実施形態に係る容器アセンブリ及び冷凍保存バッグの分解斜視図である。
【
図18C】本発明の代表的な実施形態に係る、容器アセンブリに組み付けられる前のクッション部品及び熱伝導性プレートの分解斜視図である。
【
図18D】本発明の代表的な実施形態に係る、容器アセンブリと共に組み立てられたクッション部品及び熱伝導性プレートの断面図である。
【
図18E】本発明の代表的な実施形態に係る冷凍保存バッグの分解斜視図であって、冷凍保存バッグの冷凍内容物が所望の形状を有する図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、均一で一貫した凍結及び解凍手順を最適化するように構成された特徴を有する冷凍保存バッグのための保存システムを提供するとともに、輸送及び保存中に冷凍保存バッグ及びその内容物に対して保護を提供する。この保存システムは、市販の冷凍保存バッグと連動するように構成されており、既存又は将来考えられる冷凍保存バッグとの互換性のために適合させることができる。
【0028】
いくつかの実施形態において、冷凍保存バッグのための保存システムは、保護インターフェースクッションデバイス、保護インターフェースクッション、クッションデバイス、又は、サンドウィッチ構造やラミネート構造で冷凍保存バッグを受け入れるように構成された上半部及び下半部を有するクッションデバイスを備えるように設けられている。冷凍保存バッグは、クッションデバイスの上半部及び下半部の間に挿入される。いくつかの実施形態において、上半部及び下半部は、別個の部品である。いくつかの実施形態において、上半部及び下半部は、例えば、上半部及び下半部の横方向の側面、トップエッジ、又はボトムエッジに沿って、ヒンジ式に取り付けられている。いくつかの実施形態において、上半部及び下半部は、2以上の端面に取り付けられて、冷凍保存バッグを受け入れるように構成されたエンベロープ又は二層スリーブを形成する。
【0029】
いくつかの実施形態において、上半部及び/又は下半部は、半部の内面に形成された1以上の切り取り及び/又は1以上の凹部を有する。これらの特徴は、凍結プロセスの間及びその後に冷凍保存バッグ内の溶液の所望の形状又は構造を達成するために、型として提供されて作用する。上半部及び/又は下半部は、バッグのポート又はバッグのポート延長チューブへのアクセスを提供するため、或いは、保護インターフェースクッションと冷凍保存バッグのポート又はポート延長チューブとの干渉を抑えるために、1以上の開口部を更に有してもよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、上半部及び下半部は、2以上のラミネーション層に更に分割される。他の実施形態においては、材料の付加的な層が、上半部と下半部の間、特に上半部及び下半部の少なくとも一方のエッジに沿って挿入される。保護インターフェースクッション材の層は、単一の接合方法又は複数の方法の組合せにより、任意の経路に沿って接合されてもよい。いくつかの実施形態において、前記層は、専ら保護インターフェースクッションデバイスのエッジに近接し且つ当該エッジに沿って接合されるが、他の実施形態において、前記層は、エッジから更にオフセットされた経路に沿って接合され、エッジに垂直な経路で接合され、或いは、湾曲部を有する経路で接合される。いくつかの実施形態において、接合部は、全てのクッション層を結合してもよい。一方、いくつかの実施形態において、接合部は、ラミネーションのサブセットのみを結合してもよい。いくつかの実施形態において、保護クッションラミネーションは、ステッチ、接着剤結合、熱融合溶接、超音波融合溶接、高周波融合溶接によって、或いは、固体ストリップ、フレームワーク、又はステープル間の捕捉部によって接合されてもよい。いくつかの実施形態において、一部又は全てのラミネーション層を捕捉する固体又は固体材料は、クッションデバイスを、外部の付属品、機械、又は器具と共に、保持、吊り下げ、又は連動させるための補強された領域又はより剛性の高い領域を形成してもよい。いくつかの実施形態において、これらの固体又は固体材料は、ラミネーション層に開口部を形成する1以上の貫通穴又は他の特徴を囲む1以上の捕捉体を提供する。
【0031】
一般に、凍結プロセス中に冷凍保存バッグの液体内容物が凝固すると、冷凍保存バッグの一部が1以上の切り取り部及び/又は1以上の凹部内へ膨張する。その後、保護インターフェースクッションデバイスを取り外すと、冷凍保存バッグ及びその内容物の結果としての所望の形状又は構成が、冷凍保存バッグの保存に役立つ可能性がある。いくつかの実施例において、冷凍保存バッグ及びその内容物の結果としての所望の形状又は構成は、外部の解凍機器装置及び/又は構成要素との最適な相互接続を提供するなど、冷凍保存バッグの内容物を処理するために利用される。
【0032】
凍結プロセスに続いて、保護インターフェースクッションデバイスの上半部及び下半部の1以上の切り取り部及び/又は1以上の凹部は、凍結した内容物にクッション性を提供し、熱シールされた縫い目などの冷凍保存バッグの壊れやすい要素を保護するとともに、保護インターフェースクッションデバイス及び保存システムの他の要素に対する冷凍保存バッグの望ましくない移動又はシフトを抑える。いくつかの実施形態において、保護インターフェースクッションデバイスは、極低温で、衝突、衝撃、及び加速力を吸収する熱絶縁性材料で構成されている。
【0033】
いくつかの実施形態において、保存システムは、第1半部及び第2半部を有する保護シェルカセットを更に備え、各半部は、保護インターフェースクッションデバイス及びその中に保存された低温保存バッグの少なくとも一部を受け入れて収容するための内面を有する。いくつかの実施形態において、内面は、カセットの2つの半部が閉じた構成で結合されたときに、保護インターフェース面が保護シェルカセット内で移動又はシフトすることを抑えるように、保護インターフェースクッションの位置をその中に正確に受け入れて確実に保持するように構成されている。いくつかの実施形態において、保護シェルカセットの内面の1以上の部分は、凍結プロセス中及びその後に冷凍保存バッグ内の溶液の所望の形状又は構成を達成するために型として提供される形状又は他の特徴を有する。いくつかの実施形態において、保護シェルカセットの内面は平坦であり、凍結プロセス中に平坦な内面に接触する冷凍保存バッグの任意の部分が平坦になる。いくつかの実施形態において、内面の一部は、凹んでいる。いくつかの実施形態において、内面の一部は、突出している。
【0034】
いくつかの実施形態において、冷凍保存バッグ保存システムは、保護インターフェースクッションデバイスのみで構成されている。いくつかの実施形態において、冷凍保存バッグ保存システムは、保護インターフェースクッションデバイスの選択された表面に直接接触するように構成された保護シェルと組み合わせて使用される保護インターフェースクッションデバイスを備え、保護インターフェースクッションデバイス及び保護インターフェースクッションデバイス内に配置された冷凍保存バッグを完全に又は部分的に取り囲むようになっている。いくつかの実施形態において、保護シェルは、凍結プロセス中に、保護インターフェースクッションデバイス内に配置された冷凍保存バッグの1以上の部分に接触するように構成された1以上の表面を更に備えている。いくつかの実施形態において、保護インターフェースクッションデバイスは、例えば、凍結器具とインターフェースで接続するとき、又は解凍器具とインターフェースで接続するときに、保護シェルなしで使用することを意図している。他の実施形態において、保護インターフェースクッションデバイスは、例えば、その中に配置された冷凍保存バッグの冷凍保存、又は輸送の間に、保護シェル内に収容され、保護シェルとともに使用することを意図している。
【0035】
いくつかの実施形態において、保護シェルは、極低温で寸法的に安定している剛性材料で構成されている。いくつかの実施形態において、保護シェルは、凍結プロセス中に冷凍保存バッグの内容物からの増加した内圧による膨らみ又は横方向の膨張に対して抵抗のある剛性材料で構成されている。いくつかの実施形態において、保護シェルは、放射線透過性材料で構成されている。いくつかの実施形態において、保護シェルは、視覚的に透過性のある材料で構成されている。いくつかの実施形態において、保護シェルは、熱絶縁性材料で構成されている。いくつかの実施形態において、保護シェルは、熱伝導性材料で構成されている。
【0036】
以下の議論では、上記の
図1及び
図2に関連して示され且つ議論されているような、市販されている様々な従来技術の冷凍保存バッグに存在する特徴に関連して、方向性の基準が記載される。
【0037】
本発明の特徴のいくつかは、本発明の実施を例示する目的で提供され且つその範囲の制限を構成しない
図3~
図17に一般的に記載されている。
【0038】
ここで
図3を参照すると、保護インターフェースクッションデバイス300が示されている。いくつかの実施形態において、保護インターフェースクッションデバイス300は、上半部301と下半部302とを備えている。上半部301と下半部302とは、任意の数の層で構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、上半部301と下半部302とはそれぞれ、単一の層で構成されている。他の実施形態において、上半部301及び下半部302の少なくとも1つは、2以上の層で構成されている。
【0039】
いくつかの実施形態において、上半部及び下半部の外形の境界線は、公称長方形の形状であり、いくつかの実施形態において、1以上のコーナー部又は半部は、留め継ぎエッジ309でトリミングされている。
【0040】
いくつかの実施形態において、上半部301と下半部302とは、1以上のエッジに沿って継ぎ目で接合される。例えば、いくつかの実施形態において、上半部と下半部とは、側部エッジ305,307のうちの少なくとも1つに沿って接合される。いくつかの実施形態において、上半部と下半部とは、ボトムエッジ306に沿って接合される。いくつかの実施形態において、上半部と下半部とは、トップエッジ308の少なくとも一部に沿って接合される。いくつかの実施形態において、上半部及び下半部は、側部エッジ305,307の少なくとも一部、ボトムエッジ306の少なくとも一部、又はトップエッジ308の少なくとも一部に沿って接合される。いくつかの実施形態において、エッジ面は、半部の絶対的なエッジからある距離だけオフセットされた位置で接合される。各エッジのオフセット距離は、各エッジ毎に異なっていてもよく、エッジに沿って変化してもよい。
【0041】
いくつかの実施形態において、上半部301及び下半部302の少なくとも一方は、切り取り空間を更に有する。いくつかの実施形態においては、両方の半部を通じて延びる切り取り空間310,325,345,340が設けられている。いくつかの実施形態において、領域350,330は、一方の半部のみ、一方の半部の部分的な深さ、両方の半部の部分的な深さ、又はそれらの組み合わせで除去されてもよい。いくつかの実施形態において、部分的又は完全な切り取り空間(すなわち、除去された領域)は、残った部材315,316,317のマージンによって画定されるフレーム(すなわち、310)を提供する。除去された領域の境界と保護インターフェースクッションデバイス300の継ぎ目との間の距離は、保護インターフェースクッションデバイス300の周囲エッジを基準に測定して、1mm以上である。いくつかの実施形態において、保護インターフェースクッションデバイス300の残った部材316,317の表面は、側部継ぎ目305,307などの対向する周囲エッジの間で連続している。いくつかの実施形態において、境界フレームマージン315から、フレーム310を提供する切り取り領域内に延びる1以上の突起部320が設けられている。
【0042】
いくつかの実施形態において、保護インターフェースクッションデバイス300は、上部領域335を有する。上部領域335は、図示されているように、全体の厚さ又は薄められた厚さを有してもよい。この上部領域335において、半部の層は、独立していてもよいし、1以上の継ぎ目によって接合されてもよいし、熱融合を含む1以上の接合方法によって領域全体にわたって接合されてもよい。いくつかの実施形態において、継ぎ目305,306,307,及び308は、ステッチプロセス、熱シール、超音波溶接、高周波溶接、接着剤、ステープル、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つによって接合されている。いくつかの実施形態において、上部領域335には、貫通溝345が設けられている。いくつかの実施形態において、上部領域335には、貫通穴340が設けられている。
【0043】
保護インターフェースクッションデバイス300は、極低温で衝突、衝撃、及び加速力を吸収するように構成された任意の材料又は材料の組み合わせを有してもよい。周囲温度で柔軟であるほとんどの材料は、極低温では硬くなるため、極低温で柔軟性及び圧縮性を維持するクッション材料を選択することは、アプリケーションにとって有益であり得る。いくつかの実施形態において、保護インターフェースクッションデバイス300は、周囲温度から極低温までの温度範囲で柔軟性又は変形可能なままである熱絶縁性材料で構成されている。いくつかの実施形態において、保護インターフェースクッションデバイスは、極低温では、繊維状の剛性ポリマー材料で構成されてもよい。ポリマー繊維は圧縮可能なクッション効果を維持するのに十分な柔軟性を保つことができる。また、密度が均一であり且つ硬い介在物が材料ストックから確実に存在しないような構造である合成ポリマー繊維マット又はフェルト材料が適用されてもよい。更に、繊維状の熱可塑性フェルト材料は、ステッチ結合又は熱融着を含む様々な方法で接合又は接着されてもよい。いくつかの実施形態において、保護インターフェースクッションデバイスは、ポリプロピレンフェルト材料で構成されてもよい。ポリプロピレン繊維で構成されたフェルト材料は、様々な密度、圧縮性、剛性、及び厚さで市販されている。他の実施形態において、保護インターフェースクッションデバイスは、ポリプロピレン以外のポリマーから構築された繊維マット又はフェルトを有してもよい。ポリマーマット又はフェルト材料を使用して、シート材料を型抜き又はCNC機械切断し、その後、クッション構造を形成するために適当な形状の積層物を接合することによって、クッション構造を安価に構成することができる。他の実施形態において、保護インターフェースクッションデバイスは、フォーム材料などの代替材料構造で構成されてもよい。いくつかの実施形態において、保護インターフェースクッションデバイスは、ポリプロピレン発泡体、ポリエチレン発泡体、又はブレンドポリマー発泡体で構成されている。
【0044】
ここで
図4A及び
図4Bを参照すると、保護インターフェースクッションデバイス400の上半部401及び下半部402の代表的な実施形態が、冷凍保存バッグの様々な潜在的領域との関連で示されている。いくつかの実施形態において、冷凍保存バッグの容積領域405は「充填容積部」といい、容積領域410は「オーバーフロー容積部」といい、空又は最小に充填された領域415は「排除領域」といい、容積領域420は「ポート解放領域」という。
【0045】
いくつかの実施形態において、保護インターフェースクッションデバイス400の上半部401及び下半部402は、凍結プロセス中に冷凍保存バッグのための1以上の所望の領域を収容又は提供するための複数の切り取り部を有する。例えば、いくつかの実施形態において、保護インターフェースクッションデバイス400は、冷凍保存バッグのポート解放領域420を収容するための切り取り部を有している。この領域に対応する保護インターフェースクッションデバイス400の領域は、ポートアセンブリとの干渉がないように完全に切り取られている。一般に、冷凍保存バッグの領域405、410、415及び420は、保護インターフェースクッションデバイス400の上半部401及び下半部402の特徴に直接対応しており、例えば、様々な切り取り部、フレーム残骸、及び突起部を有してもよい。領域405,410,及び415は、保護インターフェースクッションデバイス400の上半部401及び下半部402の間に挟まれて保持されたときの冷凍保存バッグの収納領域に集合的に対応する。いくつかの実施形態において、冷凍保存バッグの収納領域は、排除領域415を含んでいる。排除領域415は、上半部401及び下半部402の2つの対応する対向面の間に配置される冷凍保存バッグの領域又は部分に対応し、2つの対向面は、排除領域415に圧縮力を印加し、それによって、当該領域における液体内容物の存在を低減させる。
【0046】
いくつかの実施形態において、上半部401及び/又は下半部402の1以上の対応する表面、切り取り部、フレーム、又は他の特徴は、冷凍保存バッグのための好適な充填容積部を達成するために提供される。例えば、いくつかの実施形態において、保護インターフェースクッションデバイス400は、充填容積部405が冷凍保存バッグの液体内容物によって十分に占有されるように構成されている。いくつかの実施形態において、保護インターフェースクッションデバイス400は、充填容積部405が液体内容物によって部分的に満たされるか、或いは、部分的に占有されているように構成されている。いくつかの実施形態において、保護インターフェースクッションデバイス400は、例えば、保護インターフェースクッションデバイス400の上半部401又は下半部402の容積制限パラメータ又は寸法に起因して、充填容積部405内に収容される流体の一部が充填容積部405から変位するとき、又は、充填容積部405の固体化する液体内容物の膨張体積が充填容積部405の容積容量を超え、それによって付加的な容積を占有する必要があるときに、オーバーフロー容積部410が液体内容物によって部分的に充填されるか、或いは部分的に占有されるように構成されている。いくつかの実施形態において、保護インターフェースクッションデバイス400は、オーバーフロー容積部410を利用する必要性が、冷凍保存バッグを直立状態で凍結することによって達成されるように構成されている。本明細書において交換可能に使用される用語は、その容器の形状に適合するが、圧力に依存しない(略)一定の体積を保持する任意の略非圧縮性の材料をいい、当該材料は更に極低温で固体を形成する。
【0047】
他の実施形態において、保護インターフェースクッションデバイス400は、オーバーフロー容積部410を利用する必要性がないように構成されている。これらの実施形態において、保護インターフェースクッションデバイス400は、充填容積部405の容量を超えることなく、冷凍保存バッグを任意の向きで冷凍することができるように、充填容積部405が予め決められた容量まで充填されるか、或いは容量の近くまで充填されるように構成されている。保護インターフェースクッションデバイス400の上半部401及び下半部402の様々な特徴及び表面は、容積部405,410,415,及び420のサイズ及び相対的な位置が特定のアプリケーションに基づく利便性、嗜好性、又は必要性に応じて変化し得るように構成されている。いくつかの実施形態において、保護インターフェースクッションデバイス400は、オーバーフロー容積部410が充填容積部405とポート解放領域420との間に配置又は位置するように構成されている。いくつかの実施形態において、保護インターフェースクッションデバイス400は、領域410及び415の少なくとも1つが存在しないように構成されている。
【0048】
次に、
図5A及び
図5Bを参照すると、積層された保護インターフェースクッションデバイス500の代表的な実施形態の寸法入り正面図及び側面図が示されている(寸法はインチ)。当業者であれば、クッションデバイス500の寸法及び特徴が、所望の冷凍保存バッグとの使用に対応するために必要に応じて変更され得ることを容易に認識し、理解するであろう。例えば、本開示に照らして、当業者であれば、凍結プロセス後の冷凍保存バッグ及び冷凍保存バッグの内容物の1以上の所望の形態を実現するために、切り取り領域510の数、形状、深さ、層、及び位置を所望に応じてカスタマイズしてもよいことを容易に認識し、理解するであろう。したがって、市販の冷凍保存バッグ製品の範囲、及び、冷凍保存バッグと共に使用するように構成された冷凍前及び冷凍後の操作、手順、機械、及び装置の範囲を考慮して、クッションデバイス500の複数の実施形態を実現することができ、
図5A及び
図5Bに示す寸法、形状、及び特徴を含むが、それらに限定されない。
【0049】
次に
図6を参照すると、空の冷凍保存バッグ650が、上述の
図3~
図5に関連して以前に説明した1以上の特徴を有する保護インターフェースクッションデバイス600内に組み立てられた状態で示されている。いくつかの実施形態において、保護インターフェースクッションデバイス600は、冷凍保存バッグ650の充填容積部605に対応する充填領域を提供する第1切り取り部630を備えている。保護インターフェースクッションデバイス600は、冷凍保存バッグ650のオーバーフロー容積部610に対応するオーバーフロー領域を提供する第2切り取り部640を更に備えている。第1切り取り部630及び第2切り取り部640の外周は、外側フレーム部分623から内向きに延び、第1切り取り部630及び第2切り取り部640の間に配置されたフレーム突出部又は突起部625によって分離される。保護インターフェースクッションデバイス600は、冷凍保存バッグ650の(排除領域620の背部に配置された冷凍保存バッグ650の曖昧な)排除エリアに対応する排除領域620を画定するフレーム又はフレーム残骸を更に備えている。一般的に、排除領域620は、凍結プロセス中に冷凍保存バッグ650内の液体が冷凍保存バッグ650の排除領域内に蓄積することを妨げるように、冷凍保存バッグ650の排除領域内の利用可能な容積を最小化するが、冷凍保存バッグ650内の液体は、必要に応じて充填容積部605及びオーバーフロー容積部610に分散して収集される。
【0050】
次に
図7A及び
図7Bを参照すると、容量まで充填され、直立した向きで凍結するように構成された保護インターフェースクッションデバイス750内に組み立てられた冷凍保存バッグ700の斜視図及び断面図が提供されており、重力によって冷凍保存バッグ700内の液体720が、固体化する前に冷凍保存バッグ700の充填容積部705内に引き込まれるようになっている。そのように、冷凍保存バッグ700のオーバーフロー容積部710は、空で示されている。
【0051】
いくつかの実施形態において、冷凍保存バッグ700の平坦な表面又は(曖昧な)排除エリアは、保護インターフェースクッションデバイス750の対応する排除領域715によって形成されている。いくつかの実施形態において、冷凍保存バッグ700の様々な領域の平面又は平坦な構成は、以下でより詳細に議論されるように、冷凍保存バッグ700の充填容積部705、オーバーフロー容積部710、及び排除領域715の1以上に外形(図示せず)及び/又は外圧を適用することによって達成される。いくつかの実施形態において、
図7Bに示すように、充填容積部705内の液体内容物は、凍結時に固体塊720を提供する。
【0052】
次に
図8A及び
図8Bを参照すると、容量まで充填され、様々な向き(直立及び平坦な配向を含むがこれに限定されない)で凍結するように構成された保護インターフェースクッションデバイス850内に組み立てられた冷凍保存バッグ800の斜視図及び断面図が提供される。いくつかの実施形態において、保護インターフェースクッションデバイス850は、オーバーフロー領域なしで提供され、冷凍保存バッグ800の充填容積部805の総容積を制限するように更に構成されている。オーバーフロー領域の代わりに、保護インターフェースクッションデバイス850は、拡張又は拡大された排除領域815を備えている。排除領域815によって提供される容積制限及び外圧は、バッグ800の液体内容物820の全体を充填容積部805内に変位させる。したがって、液体内容物820は、充填容積部805への変位について重力に依存しない。したがって、保護インターフェースクッションデバイス850は、様々な向きでの凍結に適合する。いくつかの実施形態において、充填容積部805の平坦な外面は、充填容積部805及び排除領域815に対応する冷凍保存バッグ800の表面及び/又は保護インターフェースクッションデバイス850の表面に直接適用するなど、充填容積部805及び排除領域815の1以上に外形(図示せず)及び/又は外圧を適用することによって達成される。
【0053】
いくつかの実施形態において、クッションデバイス850は、継ぎ目830を更に備えている。継ぎ目830は、保護インターフェースクッションデバイス850へのアクセスを提供し、保護インターフェースクッションデバイス850から冷凍保存バッグ800を取り外すために破られ得る。いくつかの実施形態において、継ぎ目830は、バッグ800にアクセスするためにクッション部材を手動で切断することを容易にするため、保護インターフェースクッションデバイス850の1以上の層の貫通穴を有している。一実施形態において、継ぎ目830は、保護インターフェースクッションデバイス850の上層の貫通穴を有している。いくつかの実施形態は、保護インターフェースクッションデバイスからの冷凍保存バッグの容易なアクセス及び解放を提供するように構成された1以上の留め具を更に有してもよい。適当な留め具の非限定的な例としては、面ファスナ、接着剤による接合、プルリリースステッチによる留め具、部材の相補的な嵌合、及び延伸ピンによる留め具が挙げられる。他の実施形態において、安全ハサミを使用して部材の切断を容易にするために、クッション部材の経路を薄くしてもよい。
【0054】
次に
図9を参照すると、代表的な保存システム900の分解図が示されている。いくつかの実施形態において、保存アセンブリ900は、冷凍保存バッグ902を受け入れるように構成された保護インターフェースクッションデバイス925と、保護インターフェースクッションデバイス925を受け入れるように構成された保護シェル903とを更に備えている。
【0055】
保護シェル903は、一般的に、保護インターフェースクッションデバイス925の下側又は下半部をしっかりと受け入れて収容するための下側内面を有する下側トレイ905と、保護インターフェースクッションデバイス925の上側又は上半部をしっかりと受け入れて収容するための上側内面を有する上側蓋体940とを備えている。下側トレイ905は、上側蓋体940上の成形されたリップ945に適合的に係合する成形されたリム943を備えている。成形されたリム943が成形されたリップ945に係合すると、下側トレイ905及び上側蓋体940は、それらの周囲エッジに沿って一緒に固定される。一緒に固定されると、下側トレイ905の下側内面及び上側蓋体940の上側内面は、保護インターフェースクッションデバイス925の外形寸法に略等しい内部寸法を有し、下側トレイ905及び上側蓋体940が、最小の公差で保護インターフェースクッションデバイス925を適合的に受け入れて収容するように構成されている。したがって、下側トレイ905及び上側蓋体940の内面内での保護インターフェースクッションデバイス925の横方向の移動又はシフトは、最小化及び/又は排除される。
【0056】
いくつかの実施形態において、下側トレイ905及び上側蓋体940の内面は、凍結プロセスの一部として又は凍結プロセス中に冷凍保存バッグ902の1以上の部分、表面、又は容積に、所望の形態又は形状を付与するための構造的構成を有する。例えば、いくつかの実施形態において、下側トレイ905及び/又は上側蓋体940の少なくとも1つの内面は、平坦である。いくつかの実施形態において、平坦な内面は、保護インターフェースクッションデバイス925が下側トレイ905及び上側蓋体940内に取り囲まれているとき、保護インターフェースクッションデバイス925内に格納された冷凍保存バッグ902の充填容積部に対応する。
【0057】
いくつかの実施形態において、下側トレイ905及び/又は上側蓋体940の内面は、段差を有する表面を含む。段差を有する表面の第1部分は、平坦であり、第1高さを構成する。段差を有する表面の第2部分は、平坦であり、第2高さを構成する。第1高さは、第2高さよりも大きい。いくつかの実施形態において、第1高さ及び第2高さは、保護インターフェースクッションデバイス925が下側トレイ905及び上側蓋体940内に取り囲まれているときに、保護インターフェースクッションデバイス925内に格納されたときの、冷凍保存バッグ902の排除領域及び充填容積部930にそれぞれ対応する。このように、第1高さは、排除領域に外圧を加えるように、又は固体化中の液体内容物の熱膨張のために利用可能なヘッドスペースを低減するように構成されてもよく、それによって、この領域の利用可能な容積を最小化し、液体内容物を充填容積部又は冷凍保存バッグ902の他の部分に誘導する。同様に、第2高さは、充填容積部930の膨張を可能にするように構成されてもよい。第2高さの平坦な表面は、液体内容物が固体化中に膨張する際に冷凍保存バッグ902の充填容積部が丸くなったり、凸状の構成になったりすることを抑え得る。いくつかの実施形態において、段差を有する表面は、オーバーフロー容積部935に対応する第3部分を更に備えている。いくつかの実施形態において、段差を有する表面の第1部分又は第2部分は、オーバーフロー容積部935に対応している。更に、いくつかの実施形態において、トレイ905及び/又は蓋体940の内面の一部は、保護インターフェースクッションデバイス925のフレームの残余部又は他の表面に対応する。前記内面の一部は、フレーム残骸に外圧を加えることができ、及び/又は、凍結プロセス中にフレーム残骸の膨張又は移動を規制することによって、フレーム残骸に対応する冷凍保存バッグ902の一部の膨張を抑えることができる。
【0058】
いくつかの実施形態において、下側トレイ905及び/又は上側蓋体940の内面は、平坦な表面、凹んだ表面、突出した表面、テクスチャ、パターン、溝、ビード、バンプ、ノッチ、ウェッジ、キー、不規則な表面、テーパ状の表面、凸状の表面、凹状の表面、及び英数字の文字のうちの少なくとも1つを含む。
【0059】
いくつかの実施形態において、トレイ905の成形されたリム943は、一端部に2つの丸みを帯びたコーナー部910を備え、各丸みを帯びたコーナー部は、成形された張り出し部912を収容し、成形されたリム943は、丸みを帯びたコーナー部910に対向する2つの留め継ぎされるコーナー部960を更に備えている。2つの留め継ぎされるコーナー部960のそれぞれは、成形された直線的な張り出し部920を収容する。張り出し920は、留め継ぎされるコーナー部960にも成形された平坦な台地915上に配置される。
【0060】
いくつかの実施形態において、蓋体940の成形されたリップ945は、トレイ905の成形されたリム943にスナップフィットするように設計された外形を有している。蓋体940の2つの丸みを帯びたコーナー部942は、トレイ905の丸みを帯びたコーナー部910に設けられた張り出し部912を通過するように曲げられて、その下に捕捉されるように構成されている。更に、蓋体940のコーナー部942は、トレイ905の丸みを帯びたコーナー部910に単純に落ち込むように構成されている。次いで、蓋体940の留め継ぎされるコーナー部950は、2つの留め継ぎされるコーナー部960の成形された直線状の張り出し部920に係合するように構成されたラッチ955によって固定される。ラッチ955は、張り出し部920に係合して、以下に更に説明するように、蓋体940をトレイ905に固定する。
【0061】
保護シェル900は、極低温の用途での使用に適合する任意の材料で構成されてもよい。いくつかの実施形態において、保護シェル900は、剛体又は半剛体であり、低温安定性であり、放射透過性であるポリマー材料で構成されている。いくつかの実施形態において、保護シェル900は、耐衝撃性があり、周囲温度から極低温までの温度範囲にわたって耐久性がある材料で構成されている。いくつかの実施形態において、保護シェル900は、使い捨てでリサイクル可能な低コストの材料で構成されている。いくつかの実施形態において、保護シェル900は、後続の凍結プロセスに再利用することができる耐久性のある材料で構成されている。いくつかの実施形態において、保護シェル900は、電磁透過性の材料で構成されている。いくつかの実施形態において、保護シェル900は、極低温での分解及び再組み立てに適合する材料で構成されている。いくつかの実施形態において、保護シェル900は、低い熱伝導率を有する材料で構成されている。いくつかの実施形態において、保護シェル900は、透明なポリマー又はポリマーブレンドで構成されている。いくつかの実施形態において、ポリマーブレンドは、共重合ポリエステルであってもよい。いくつかの実施形態において、保護シェル900は、トライタン(Tritan:登録商標)共重合ポリエステルプラスチックで構成されている。いくつかの実施形態において、保護シェル900及びその様々な構成要素は、プラスチックシート材料の真空成形又は射出成形によって構成されている。
【0062】
次に、
図10A及び
図10Bを参照すると、組み立てられた保存システム1000の斜視図及び断面図がそれぞれ示されている。いくつかの実施形態において、保存システム1000の保護シェルは、蓋体1010をトレイ1005に選択的に固定するように構成された1以上のラッチ又はタブ1015を更に備えている。いくつかの実施形態において、保存システム1000は、1以上のタブ1015を備えている。いくつかの実施形態において、保存システム1000は、2以上のタブ1015、例えば、2つ、3つ、4つ、又は4つより多いタブを備えている。いくつかの実施形態において、タブ1015は、蓋体1010及び/又はトレイ1005上に配置される。いくつかの実施形態において、タブ1015は、蓋体1010の1以上のコーナー部に配置される。いくつかの実施形態において、タブ1015は、蓋体1010の1以上のエッジに沿って配置される。
【0063】
いくつかの実施形態において、蓋体1010のラッチ又はタブ1015は、トレイ1005と係合したときに蓋体1010の上面と同一平面になる。したがって、いくつかの実施形態において、蓋体1010の上面は、係合又はロックされた構成にあるときにタブ1015の少なくとも一部を受け入れるための凹部を備えている。係合又はロックされた構成にあるとき、トレイ1005の成形されたリムと蓋体1010の成形されたリップとの間の係合、及びタブ1015とトレイ1005の直線状の張り出し部との間の係合により、冷凍プロセス中のトレイ1005からの蓋体1010の分離が抑えられる。
図10Bに示すように、保護インターフェースクッションデバイスの上半部1020と蓋体1010の内面とのインターフェース、及び保護インターフェースクッションデバイスの下半部1025とトレイ1005の内面とのインターフェースは、凍結プロセス中に冷凍保存バッグ1030が膨張して成形されることができる剛性を有する筐体を提供する。凍結プロセスの結果として、冷凍保存バッグ1030の液体内容物1035は、トレイ1005及び蓋体1010の内面に及びそれに対して膨張し、内容積を完全に充填し、マージンを除いて2つの表面の間に隙間を残さない。一般的に、冷凍保存バッグ1030のエッジのマージンは、上半部(又は上側積層体)1020及び下半部(又は下側積層体)1025との間で捕捉又は挟まれており、冷凍保存バッグ1030の絶対的なエッジ1040は、上半部1020及び下半部1025が対向する横方向のエッジに沿って接合されるステッチ継ぎ目1045のすぐ隣にある点にある。このように構成されているので、剛性を有するシェル又はカセット内での冷凍保存バッグ1030の動きは、非常に制限される。更に、周囲リムに加えられるあらゆる衝撃力は、保護インターフェースクッションデバイスの上半部1020及び下半部1025の部材に抑制されて分配され、それによって、凍結した脆い冷凍保存バッグ1030の保護レベルが大幅に向上する。
【0064】
次に
図11を参照すると、保存システム1100のトレイ1120及び蓋体1115の構成要素の詳細な断面図が示されている。いくつかの実施形態において、トレイ1120及び蓋体1115は、それぞれのリップ1110及びリム1105の構造に沿って接触して係合する。当該構造は、トレイ1120及び蓋体1115の2つの内面の間の中間面に配置される内部経路1125と一致する。トレイのリップの外形は、蓋体1115の対応するリム1140が入れ子になっている拡大されたU字型のバネ溝部1135で反転する成形された側部を有する。U字型溝部1140は、一側部が蓋体1115の下降壁に取り付けられ、反対側の側部が短縮されたフランジ1145で終端する。蓋体1115の最も外側のフランジ1145は、トレイ1120のU字型溝部1140の側壁とバネ接触して圧縮されて外向きに付勢されており、2つのU字型が一緒になって横方向の衝撃力に対するバネ抵抗を提供する。図示されているように、蓋体1115のリムとトレイ1120のリップとは、垂直方向の変位によって自由に係合及び離脱するように構成されている。したがって、いくつかの実施形態において、蓋体1115及びトレイ1120の構成要素は、それぞれのコーナー部でのみ係合する。いくつかの実施形態において、蓋体1115及びトレイ1120は、2つの隣接するコーナー部の間に位置する接触点で互いに係合する。
【0065】
次に
図12を参照すると、係合構造のラッチ1240の詳細な断面図が示されている。いくつかの実施形態において、ラッチ又は閉鎖ラッチ1240は、ラッチが蓋体及びトレイから離脱し得る解除レバー1245を備えている。ラッチは、ラッチ1240の前方先端突起部1222において、トレイ1206の留め継ぎされるコーナー部1205に設けられた成形されたアンダーカット部1220と係合するように構成されている。トレイの台地面1235は、ラッチ1240の支柱1230と係合する。留め継ぎされるコーナー部1205上の成形されたアンダーカット部1220を挟むコーナー突起部1225の両方において、先端部1222の係合は、支柱1230よりもアンダーカット部1220の直線的な前部に対して更に離れた位置にある。このように、台地面1235が支柱1230を押し上げると、アンダーカット部1220は、コーナー突起部1225で先端棚1222の後方曲面を下方に押し下げ、その結果、ラッチ1240を(図示される視野において)反時計回りに回転させようとするトルクが発生し、蓋体1207をラッチ1240の延長部の下に捕捉して保持する。
【0066】
ラッチ1240の延長部がアンダーカットエッジ1245から持ち上げられると、台地面1235は、ラッチ1240がトレイ1206のアンダーカット部1220から外れて解放されるまで、支柱1230が接触点1225の周りを回転することを可能にする。取付けサイクルは、取外しサイクルの逆である。
【0067】
いくつかの実施形態において、蓋体1207及びトレイ1206のアセンブリは、隣接するコーナー部に1つ又は2つのラッチを備えている。他の実施形態において、蓋体及びトレイのアセンブリは、斜めに対向するコーナー部に1つ又は2つのラッチを備えている。また、他の実施形態において、蓋体及びトレイのアセンブリは、3つ又は4つのコーナー部にラッチ1240を備えている。いくつかの実施形態において、蓋体1207及びトレイ1206の組立及びラッチ1240の閉鎖に続いて、蓋体及びトレイのアセンブリの内容物が以前に開けられていないことを保証する手段として、半永久的な破断可能なラベルシールが、指アクセス部1250及びラッチエッジ1245を覆い隠すように、ラッチ1240及びトレイ1206の接合部上に配置される。
【0068】
次に
図13を参照すると、保護シェル1300の上側蓋体1305及び下側トレイ1310の丸型コーナー部1301の詳細な断面端面図が示されている。いくつかの実施形態において、下側トレイ1310は、トレイ1310の周囲に延びる湾曲リム溝部1340を備えている。いくつかの実施形態において、湾曲リム溝部1340は、トレイ1310の周囲全体に延在する。いくつかの実施形態において、丸型コーナー部1301上のU字型溝部1340は、嵌め込み型張り出し部1320を備えている。嵌め込み型張り出し部1320は、U字型溝部1340の一部の上を内向きに延びることによってアンダーカット棚1325を形成する。いくつかの実施形態において、張り出し部1320は、トレイ1310の単一の丸型コーナー部1301に存在する。いくつかの実施形態において、張り出し部1320は、トレイ1310の2つの隣接する丸型コーナー部1301に存在する。
【0069】
いくつかの実施形態において、上側蓋体1305は、上側蓋体1305の周囲に延びる湾曲リップ溝部1335を備えている。いくつかの実施形態において、湾曲リップ溝部1335は、連続的なリップを形成する蓋体1305の周囲全体に延びる。溝部1335の外側フランジ1330は、アンダーカット面1325と係合するように構成され、ユーザが蓋体1305の主面をトレイ1310の主面と平行な向きに維持しながら蓋体1305を取り外そうとしたときに、蓋体1305がトレイ1310から容易に取り外されないように、アンダーカット面1325によって捕捉される。組立て中、蓋体1305がトレイ1310に下方に押し付けられると、蓋体1305の一部及び外側フランジ1330が張り出し部1350に接触する。蓋体1305及び/又は外側フランジ1330と張り出し部1350との接触部は、外側フランジ1330及び湾曲リップ溝部1335の外側部分を内向きに付勢する。蓋体1305の対向する内部経路1330とトレイ1340の経路1325とが(図示するように)接触する時点で、外側フランジ1330及び湾曲リップ溝部1335の外側部分の内向きの付勢が解除される。その結果、外側フランジ1330は、アンダーカット面1325に対して、外向きに付勢されてスナップするようになる。いくつかの実施形態において、外側フランジ1330及び/又は湾曲リップ溝部1335の一部は、外側フランジ1330が張り出し部1350の面を過ぎて下方に移動する際に一時的に変形する。いくつかの実施形態において、蓋体1305の外側フランジ1330は、張り出し部1350を構成する丸型コーナー部1301でのみ拘束されて保持される。他の全ての場所において、外側フランジ1330は、機械的に拘束されず、トレイ1310と相互に接続されていない。例えば、ラッチロックが取り外されたとき、残りの隣接する留め継ぎ加工されたコーナー部のうちの2つが拘束されなくなると、拘束されていない2つのコーナー部が持ち上げられ、それによって、アンダーカット面1325に対する外側フランジ1330の角度が変化して、外側フランジ1330がアンダーカット面1325から外れることがある。いくつかの実施形態において、蓋体1305の留め継ぎ加工されたコーナー部(すなわち、蓋体1305の反対側の端部に配置されたコーナー部)を持ち上げることによって発生するテコの力は、蓋体1305、外側フランジ1330、及び張り出し部1350の両方の歪みを誘発し、それによって、外側フランジ1330及び蓋体1305がアンダーカット面1325及びトレイ1310から解放されるまで、様々な相互接続及び/又は接触部品が互いに通過することを可能にする。
【0070】
図14A、
図14B、及び
図14Cを参照すると、ラッチ又はタブラッチ1400の代表的な実施形態の寸法入り上面図、底面図、及び側面図が示されている(寸法はインチ)。当業者は、タブラッチ1400の寸法及び特徴が、所望の上側蓋体又は保護シェルとの使用に対応するために必要に応じて変更され得ることを容易に認識し、理解するであろう。例えば、本開示に照らして、当業者は、ラッチ1400の形状、輪郭、厚さ、長さ、稜線、サイズ、及び寸法が、所望の機能性、上側蓋体との互換性、下側蓋体との互換性、或いは、本発明の他の特徴及び/又は構成要素を達成するために、所望の通りにカスタマイズされてもよいことを容易に認識し、理解するであろう。いくつかの実施形態において、特に様々な公称サイズの冷凍保存バッグの封入に関連して、蓋体及びトレイ機構の他の実施形態と最適に統合するように、タブラッチ1400の1以上の寸法が変更されたとき、タブラッチ1400の同一又は適切な性能及び機能が得られる。
【0071】
図14Aの上面図において、先端のアンダーカット係合面1405が視認可能である。アンダーカット係合面1405は、ラッチ1400の上部エッジを横切って延び、等しく反対側の位置1410で終了する距離だけ両側に続いている。このように、アンダーカット係合面1405は、ラッチ1400の上部エッジの中央部に位置する。
【0072】
図14Bの底面図においては、切り取り円弧部1425が示されている。切り取り円弧部1425の末端部は、エッジ1415(
図14A参照)から外向きに延び、タブラッチ1400の下側に円弧形状を形成する。いくつかの実施形態において、切り取り円弧部1425は、ラッチ1400の持ち上げ及び取り外し、或いは、位置の調整を目的とした、指又は爪によるエッジ1415(
図14A参照)の係合を容易にする。いくつかの実施形態において、成形プロセス中のラッチ1400のポリマー質量及び表面収縮及び/又は凹みを低減するために、1以上の空洞1430が底面に設けられている。
【0073】
次に、
図15A及び
図15Bを参照すると、保護シェル1500の上面図が示されている。保護シェル1500は、下側トレイ(覆い隠された)に結合された上側蓋体1510を備えている。上側蓋体及び下側トレイは、保存システムを提供するために冷凍保存バッグが設置される内部空洞を有している。いくつかの実施形態において、保護シェル1500は、ラッチ1525,1530(ラッチは、切り取り部1501を示すために
図15Aで取り外されている)を受け入れるように構成された1以上の凹部、穴、又は切り取り部1501を有する。いくつかの実施形態は、冷凍保存バッグの充填チューブを保護シェルの外側に延ばす目的で、切り取りスロット1515を有する。切り取りスロット1515に連続して、蓋体1510には、三方フラップ1520を形成する薄い切り込みがある。いくつかの実施形態において、フラップ1520は、キットの一部としての保護シェル、保護インターフェースクッションデバイス、及び冷凍保存バッグへのユーザのアクセスを可能にする。例えば、フラップ1520は、キットの冷凍保存バッグの分岐したチューブアセンブリの外部経路設定を実現するために使用されてもよい。このチューブの具現化は、通常、市販の冷凍保存バッグで提供される。本発明に係る保存システムキットは、最初に分岐したチューブアセンブリを介して冷凍保存バッグを充填することによって利用されてもよい。冷凍保存バッグが充填されたら、チューブを熱シールしてもよい。いくつかの実施例において、チューブアセンブリの未使用のバルク部分を切断し、フラップ1520を僅かに持ち上げて、チューブの延長部を空洞に滑り込ませ、フラップを自然な位置に戻すことによって、残骸をカセットに挿入する。フラップ1535のコーナー部は、外部の物体との偶発的且つ意図しない係合を抑えるために、ラッチタブ1525,1530の下方に位置して固定されてもよい。任意の後続のプロセス中のフラップのひっかかりを抑えるために、フラップ1520の中間部の水平方向のエッジは、半永久的な接着ラベル又はシールによって固定されてもよい。
【0074】
ここで
図16A、
図16B、及び
図16Cを参照すると、市販の冷凍保存バッグ1601を用いて本発明の保存システムを使用するための商業的方法を説明するステップが提供されている。いくつかの実施形態において、本発明の商業的方法は、保護インターフェースクッションデバイス1602内に液体内容物を含む市販の冷凍保存バッグ1601を配置するステップと、冷凍保存バッグ1601及び保護インターフェースクッションデバイス1602を保護シェル1604内に更に封入するステップとを含む。他の実施形態において、本発明の商業的方法は、液体内容物を含む市販の冷凍保存バッグ1601を保護インターフェースクッションデバイス1602内に配置するためのステップを含み、冷凍保存バッグ1601及び保護インターフェースクッションデバイスを保護シェル1604内に更に封入するためのいかなるステップも除外されている。したがって、本発明の方法及びシステムは、保護シェル1604を用いても用いなくても実施することができる。
【0075】
いくつかの実施形態において、冷凍保存バッグ1601は、保護インターフェースクッションデバイス1602の充填容積部領域と略等しい、等しい、又は僅かに大きい予め決められた容積の液体で充填される。一旦充填されると、冷凍保存バッグ1602は、(バッグの1以上の延伸管を熱シールするなどして)シールされ、その後、保護シェルから保護インターフェースクッションデバイス及び冷凍保存バッグを取り外す際に、冷凍保存バッグ内の固体化した液体内容物が、保護インターフェースクッションデバイス1602の充填容積部領域1620内に主に収容され凍結される。凍結した液体内容物及び冷凍保存バッグ1601の対応する領域は、充填容積部領域1620内の2つの平面を有する。当該2つの平面は、互いに平行である。いくつかの実施形態においては、この例のために、過充填領域を有しておらず、事前に組み立てられている保護インターフェースクッションデバイス(すなわち、平坦な空の冷凍保存バッグが、保護インターフェースクッションデバイス1601の2つの主要な層、又は、上半部及び下半部内に予め封入されている)は、充填された冷凍保存バッグ1601及び保護インターフェースクッションデバイス1602を保護シェル1604に配置する前に、保護インターフェースクッションデバイス1602の充填容積部領域1611の体積に相当する容積の液体で充填される。保護シェル1604は、保護インターフェースクッションデバイス1602及び冷凍保存バッグ1601を収容し、保護インターフェースクッションデバイス1602の2つの主面及び側面、並びに冷凍保存バッグ1601の任意の露出した部分又は表面に直接係合するように、サイズ、寸法、及び構成された内面を備えている。いくつかの実施形態において、液体を充填した後、冷凍保存バッグ内に残っているガスは、冷凍保存バッグ1601の充填管を通してガスを引き抜くことによって除去される。その後、充填管は、充填管と冷凍保存バッグ1601との接合部から約1~5インチの距離で熱シールされ、切断線の両側のシールが無傷であるように、シールを横切って切断される。
【0076】
いくつかの実施形態において、冷凍保存バッグ1601と保護インターフェースクッションデバイス1602とのアセンブリは、その後、任意のチューブの延長部とともに保護シェル1604のトレイ内に導入される。保護シェルの蓋体は、保護インターフェースクッションデバイス、冷凍保存バッグ、及びチューブの延長部の上に配置され、その後、蓋体は、圧力駆動型ロックなどの1以上のコーナー張り出しロック機構を係合させることによって、又はラッチ部の係合によって、適宜トレイとロック係合される。他の実施形態において、冷凍保存バッグ1601と保護インターフェースクッションデバイス1602とのアセンブリは、保護シェル1604に導入されるのではなく、凍結プロセスを完了するために、対向する表面の間でクランプされるか、又は他の方法で圧縮される。したがって、対向する表面は、アセンブリから熱を除去するとともに、保護インターフェースクッションデバイス1602の充填容積部領域によって画定されるように冷凍保存バッグの充填容積部の所望の形状又は構成を維持する、という二重の機能を果たすことができる。いくつかの実施形態において、対向する表面は、凍結プロセスの間、冷凍保存バッグの充填容積部の所望の形状又は構成を維持するという単一の機能を提供する。熱は、二次的なソース又はデバイス(冷却環境など)によってアセンブリから除去される。
【0077】
前述の方法の少なくとも1つに従って組み立てられると、冷凍保存バッグ1601の排除領域に対応する保護インターフェースクッションデバイス1602の領域は、これらの領域を圧縮し、それによって、これらの領域内の液体が、保護インターフェースクッションデバイス1602の充填容積部領域によって画定されるように、冷凍保存バッグの充填容積部を充填して占有することを促進する。
【0078】
保護インターフェースクッションデバイスと冷凍保存バッグ(液体荷重を有する)とのアセンブリ1605(オプションの保護シェル1604と共に示される)(本明細書では「凍結アセンブリ」ともいう)が液体の凝固点以下の環境に導入されると、液体が固体化する。固体化すると、水溶液は、体積が膨張し、それによって実質的な外向きの力又は膨張力を発揮することになる。したがって、いくつかの実施形態において、本発明を使用する方法は、
図16Aに示すように、凍結アセンブリの外側表面に剛性を有する拘束及び/又は閉じ込め構造体1610,1615を追加することを更に含む。いくつかの実施形態において、閉じ込め構造体1610及び1615は、凍結プロセス中に膨らんで非平面的になる冷凍保存バッグの充填容積部の部分に付加的な外部圧力及び拘束力を提供する。いくつかの実施形態において、閉じ込め構造体1610及び1615は、凍結プロセスを開始する前に、凍結アセンブリの厚さと同一の制限された距離で互いに間隔を空けて維持される。
【0079】
いくつかの実施形態において、閉じ込め構造体1610及び1615は、凍結手順の間に課される膨張圧力に効果的に抵抗するように構造的に強化されている。このようにして閉じ込められた冷凍アセンブリ内の液体内容物は、特に排除領域、及び(保護インターフェースクッションデバイスの充填容積部領域によって画定される)冷凍保存バッグの充填容積部を直接的に取り囲む付加的な領域にくさびを打ち込むことによって、閉じ込め装置の表面に平行な方向に膨張する。
【0080】
凍結アセンブリ1605の内部の液体の固体化に続いて、凍結アセンブリは、構造的閉じ込め装置1610及び1615から取り外され、当該凍結アセンブリの内容物を解凍する適当な時期まで、アーカイブストレージに移されてもよい。保護シェルを備える実施形態の場合、保護シェルを除去すると、冷凍保存バッグ及び内容物と、保護インターフェースクッションデバイスとを備えるサブアセンブリが提供される。サブアセンブリは、保護インターフェースクッションデバイス1602の充填領域1611に対応する冷凍保存バッグ1601の充填容積部1620を優位に占める凍結塊を備えている。保護シェルを備えない実施形態についても、この同じ効果が達成される。保護インターフェースクッションデバイス1602の充填領域1611に対応する冷凍保存バッグ1601の充填容積部1620を優位に占める凍結塊は、閉じ込め構造体又は構造体閉じ込め装置1610,1615から冷凍アセンブリを取り外す際に提供される。いくつかの実施形態において、凍結塊は、充填容積部領域1611のサイズ、形状、及び構成によって画定されるように、冷凍保存バッグの両側面1625上に平面を更に備えている。直立の向きで示されているが、過充填容積を有さない本発明の凍結アセンブリは、同一の結果を伴う任意の向きで凍結ステップを受けることができる。
【0081】
記載された方法論を、記載された凍結及び閉じ込め装置と組み合わせて適用することで、上述のように所望の寸法を有する凍結塊が一貫して得られる。このようにして記載された幾何学的特性を有する凍結塊を成形することの利点は、多岐にわたる。まず、
図16Bに示すアセンブリは、最小限の身体の保護で安全に取り扱うことができる。保護インターフェースクッションデバイスの材料の熱伝導率が低いため、材料が最初は極低温であっても、すぐに凍結損害を引き起こすような速度で熱を十分に伝導することはない。層状材料の摩擦係数は、低温の冷凍保存バッグの表面の摩擦係数よりも実質的に大きくなるため、
図16Bのアセンブリを取り扱うことで、独立して凍結された冷凍保存バッグと比較して、偶発的な落下の可能性が大幅に減少する。
【0082】
本発明の付加的な利点は、本発明の成形された冷凍保存バッグ及び凍結内容物との使用のためにカスタマイズされ得る複数の有利な特徴及び特性を有する解凍器具の互換性のある使用を含む。例えば、一実施形態において、保護インターフェースクッションデバイス及び保護シェルは、解凍システム及び器具との互換性のある使用のために特別に選択された寸法を有する成形冷凍保存バッグ及び凍結内容物を提供するようにカスタマイズされる。一実施形態において、解凍装置のアクセスポートへの容易なアクセス及び互換性のために凍結サンプル構造が提供される。成形された冷凍保存バッグ及び凍結内容物は、単一の迅速な動作で挿入することができ、それにより、手順の複雑さに起因する遅延又はステップの繰り返しの機会が減少する。当該機会は、解凍装置にサンプルを積載するステップでの解凍プロセスの開始中に、不注意に一時的で一貫性のない加温を課す可能性がある。一実施形態において、アセンブリ境界に対して挿入された凍結塊の位置が既知であることによって、充填容積部の既知の位置及び領域に対して配置された専用のヒータブロックを備えるように解凍器具が構成されている。いくつかの実施形態において、ヒータブロックは、充填容積部領域の2以上の側面に同時に接触するように配置される。いくつかの実施形態において、解凍装置は、凍結塊の既知の位置にクランプ圧力を加えるように更に最適化され、それにより、凍結した液体荷重への熱エネルギの流入速度が大幅に向上する。いくつかの実施形態において、凍結荷重が液化すると、クランプ圧力によって液体が凍結した塊から排除領域へと押し出される。いくつかの実施形態において、本発明の保護シェルは、凍結手順の後の任意の時点で、簡単且つ容易に除去される。保護シェルによって閉じ込められないので、保護インターフェースクッションデバイスのより柔らかい材料が減圧して膨張し、それによって、解凍された液体が排除領域にあふれ、液化した内容物のための一時的な貯水槽として機能する。
【0083】
更に、いくつかの実施形態において、凍結した液体荷重を解凍する方法は、排除領域に隣接するヒータブロックを使用せずに、当該領域で融解温度を僅かに上回る温度が維持されることで達成される。
【0084】
いくつかの実施形態において、本発明の装置は、極低温と融解温度との間の最小の通過時間から恩恵を受ける細胞種で使用するように構成された解凍装置で使用するために最適化される。したがって、本発明の装置の1以上の寸法は、短い通過間隔で高い熱エネルギの流入を可能にするように構成されてもよい。
【0085】
いくつかの実施形態において、解凍プロセスの終了は、予め設定された最小のギャップが解凍プロセスの完了を知らせるように構成されているので、2つのヒータブロック間の距離に基づいて単純に決定されてもよい。解凍プロセスに先立って凍結塊をこの方法で事前に構成することにより、解凍プロセスにおける最大レベルの均一性及び一貫性が可能になり、それにより、特にそのような状況に伴う知識や技能のばらつき、技術の広さの観点で、分散した場所のシステム上で、再生された生細胞治療薬の共通の、予測可能で再現可能な結果及び生存率を最適化して保証することができる。
【0086】
図17A及び
図17Bを参照すると、本発明の方法に係る冷凍保存バッグの内容物の凍結に続いて、先に説明したように、保護インターフェースクッションデバイス1705と冷凍保存バッグとのアセンブリと一緒に使用され得る解凍装置の実施形態の構成要素を示す一対の図面が示されている。
図17Aを参照すると、保護インターフェースクッションデバイスの充填容積部を占める成形された平行な平坦面状の固体荷重を有する保護インターフェースクッションデバイスと冷凍保存バッグとのアセンブリ1700が示されている。いくつかの実施形態において、2つの代表的な熱伝導性ヒータブロック1710の開始位置は、冷凍保存バッグの表面に対して非接触で引き込まれる向きにある。本発明の方法の実施において、平坦な接触面を有する2つのヒータブロック1710は、ブロックの温度及びブロックの熱伝導性出力のワット数が調節され得るように、熱エネルギが制御された方法でブロックに導入されるであろう手段を備えている。いくつかの実施形態において、ヒータブロック1710は、その間に冷凍積層クッション及び冷凍保存バッグを挿入する前に、通電され、予め決められた温度にされる。いくつかの実施形態において、2つのブロックは、充填容積部の領域における冷凍保存バッグの平坦面がヒータブロックの平坦面と平行になるように配置される。いくつかの実施形態において、ヒータブロックの側面と保護インターフェースクッションデバイスの充填容積部の境界とが一致している。
【0087】
図17Aに示された構成要素の説明した配置に続いて、解凍器具の機構は、ヒータブロックの平坦面と冷凍保存バッグの対向する平坦面とが接触するまで、ヒータブロック1710を前進させるように構成されている。このステップにおいて、解凍器具の機構は、ヒータブロックに圧縮クランプ力を印加して、ヒータブロックと冷凍保存バッグとの界面に圧力をかける。いくつかの実施形態において、この印加される圧力は、ヒータブロックから冷凍保存バッグ、及び、冷凍及び/又は液体の内容物への熱エネルギの伝達を最適化する。
【0088】
いくつかの実施形態において、冷凍保存バッグの材料は、表面で迅速に温まり、材料の柔軟性が加熱時に増加する。それにより、冷凍保存バッグの材料は、ヒータブロックと冷凍保存バッグとの界面でギャップフィラーとして作用することができる。いくつかの実施形態において、この界面での熱エネルギの伝達が最適化される。冷凍保存バッグの内容物の温度が上昇すると、内容物が固体の相変化温度に近づき、凍結した液体内容物が液化し始める。いくつかの実施形態において、圧縮された界面の液体は、直ちに冷凍保存バッグの内部に流れる。いくつかの実施形態において、冷凍保存バッグの内部は、保護インターフェースクッションの排除領域のサイズ、配置、形状、及び位置によって決定されるように、冷凍保存バッグの排除領域に隣接して位置する。液体の除去は、ヒータブロックと接触している冷凍保存バッグの内面に示された残りの固体内容物の接触を永続させる。いくつかの実施形態において、冷凍保存バッグの排除領域1715は加熱されない。したがって、排除領域に集まった液体の温度は、比較的一定に保たれる。
【0089】
この連続的なプロセスによって、液体の温度は、固体材料の融解温度に非常に近いままであり、ヒータブロックシステムのワット数出力容量によってのみ制限されて、冷凍保存バッグシステムへの高い割合での熱流入を課すことができる。この方法を適用することによって、冷凍保存バッグの内容物の極低温から融解温度への温度遷移と、固体材料の相変化の持続時間との両方を最小限に抑えることができる。最小限の温度遷移時間で解凍することで最大の生存率が得られる細胞種にとって、本方法の適用は大きな利益となる。また、解凍時間の短縮、予測可能で一貫した性能の可能性に加えて、本方法が提供する安全性及び使いやすさの向上は、本方法を適用することができる臨床及び研究の両方の場面で大きな利益をもたらすであろう。
【0090】
図18A~
図18Eを参照すると、システム及び付随する方法が提供されており、それによって、i)柔軟性を有する冷凍保存バッグが、一対のクッション部材及びフレーム部材を有する容器アセンブリ内に順次配置され、ii)冷凍保存バッグの内部領域にアクセスして流体を充填し、iii)流体が冷凍保存バッグ内に封入され、iv)冷凍保存バッグの余分な部分が切り取られ、v)スペーサが、フレーム部材の窓部に嵌め込まれて冷凍保存バッグと接触し、vi)クッション部材、フレーム部材、及びスペーサによって画定される冷凍保存バッグの領域に流体が規制され、vii)容器アセンブリ及びスペーサが2つの剛性を有する熱伝導性プレートの間に閉じ込められ、viii)流体が凍結され、冷凍保存バッグの凍結された内容物が、クッション部材、フレーム部材、スペーサ、及び剛性を有する熱伝導性プレートによって画定される固体形状を有する。このように、いくつかの実施形態において、凍結手順を受けている間に、冷凍保存バッグ内の液体材料を成形するためのシステム及び/又は方法が提供される。
【0091】
図18Aを参照すると、柔軟性を有する冷凍保存バッグ1850が、空の状態で、又は液体で満たされる前の状態で示されている。この図には、更に、クッション部材1812及びフレーム部材1801が分解された構成で示されている。冷凍保存バッグ1850は、本明細書に開示された任意の冷凍保存バッグの任意の特徴又は構成要素を有してもよい。一般的に、冷凍保存バッグ1850は、シール領域1806によって互いに結合された単一又は積層材料の2つの層を有する。シール領域は、内部領域1809を完全に取り囲み、カプセル化する。いくつかの実施形態において、冷凍保存バッグは、液体材料を受け入れるように構成された内部領域を画定するシールされた周辺部を有する。内部領域は、内周形状を有する。
【0092】
いくつかの実施形態において、内部領域1809は、経路1811のように、シール領域1806の端部を切断するか又は別の方法で除去した後に、内部領域1809が充填され得るアクセス溝部1810を備えている。アクセス溝部1810の遠位端部が切断されるか又は他の方法で除去されると、アクセス溝部1810は、内部領域1809がアクセス溝部1810を介して冷凍保存バッグ1850の外部環境と流体連通するような経路を提供する。
【0093】
クッション部材1812が更に提供される。いくつかの実施形態において、クッション部材1812は、極低温で柔軟性を保つ軟質材料で構成されている。いくつかの実施形態において、クッション部材1812は、ポリプロピレンのフェルト材料で構成されている。いくつかの実施形態において、クッション部材1812は、所望の切り取り部1813を有している。いくつかの実施形態において、切り取り部1813は、単一の形状である。いくつかの実施形態において、切り取り部1813の単一形状は、冷凍保存バッグ1850の内部領域1809と略同じ形状である。いくつかの実施形態において、切り取り部1813は、2以上の形状を有し、そのうちの少なくとも1つの形状は、内部領域1809の形状とは異なる。クッション部材1812は、外周部を更に有する。
【0094】
いくつかの実施形態において、クッション部材1812は、クッション部材1812の外周部に対して間隔を置いて配置された複数のファスナ1817を有する。いくつかの実施形態において、ファスナ1817は、クッション部材1812の厚さを貫通して形成され、プラスチックリベットなどのリベットを受け入れるように構成された複数のガイド穴を有する。一般的に、各クッション部材の全てのファスナ1817は、冷凍保存バッグ1850がクッション部材1812の間に挟まれたときにファスナ1817が整列するように整列している。いくつかの実施形態において、冷凍保存バッグ1850のシール領域1806は、ファスナ1817を収容するための1以上の特徴を備えている。例えば、いくつかの実施形態において、シール領域1806は、ファスナ1817の様々な位置に対応する窪み部1815を有している。いくつかの実施形態において、シール領域1806は、ファスナ1817の様々な位置に対応する複数の穴を有している。
【0095】
フレーム部材1801が更に提供される。いくつかの実施形態において、フレーム部材1801は、切り取り部1813と概ね同じ形状である窓部1805を有する剛性材料で構成されている。いくつかの実施形態において、フレーム部材1801は、プラスチック材料で構成されている。いくつかの実施形態において、プラスチック材料は、コポリエステル混合材料である。いくつかの実施形態において、フレーム部材1801は、クッション部材の外周部と略同じ外周部を有する。
【0096】
いくつかの実施形態において、フレーム部材1801は、クッション部材1812よりも大きい厚さを有する。いくつかの実施形態において、フレーム部材1801とクッション部材1812とを組み合わせた厚さは、冷凍保存バッグ1850の冷凍内容物のための所望の厚さよりも略大きい又は等しい。
【0097】
フレーム部材1801は、フレーム部材1801の外周部に対して間隔を空けて配置された複数のファスナ1803を更に有する。いくつかの実施形態において、ファスナ1803は、クッション部材1812のファスナ1817内に適合して挿入されるように配置及び構成された複数のプラスチックリベットを有する。いくつかの実施形態において、ファスナ1803は、機械的な干渉を介してファスナ1817と結合する。いくつかの実施形態において、ファスナ1803は、プラスチック溶接を介してファスナ1817と結合している。いくつかの実施形態において、第1のフレーム部材は、複数のプラスチックリベットを有し、対向して配置された第2のフレーム部材は、複数のガイド穴を有している。リベット及びガイド穴は、ガイド穴を介してリベットが挿入されるように構成され、これにより、第1及び第2のフレーム部材は、熱変形などにより、リベット及びガイド穴を介して結合される。いくつかの実施形態において、ファスナ1817は、その中にリベットが挿入されるように更に構成され、それによって、フレーム部材1801は、
図18Bに示すように、容器アセンブリ1860を提供するように、クッション部材1812及び冷凍保存バッグ1850を挟む。
【0098】
次に
図18Cを参照すると、冷凍保存バッグ1850が流体で充填された後の容器アセンブリ1860が示されている。冷凍保存バッグ1850に流体を充填するプロセスは、経路1811のようなアクセス溝部1810の一部を切断又は他の方法で除去することによって、内部領域1809にアクセスすることを伴う。除去されると、アクセス溝部1810を介して内部領域1809に流体を加えることができる。内部領域1809が所望量の流体で満たされると、アクセス溝部1810は、例えば、熱シールによってシールされる。いくつかの実施形態において、アクセス溝部1810は、フレーム部材1801に近接してシールされ、アクセス溝部1810の過剰な部分が冷凍保存バッグ1850から取り除かれたときに、アクセス溝部1810の最小の長さがフレーム部材1801の外周部を超えて延びるようになっている。いくつかの実施形態において、アクセス溝部1810は、アクセス溝部1810がフレーム部材1801の外周部と略同じ高さになるようにシールされるとともにトリミングされる。いくつかの実施形態において、アクセス溝部1810は、内部領域1809から遠位の第1の位置1821でシールされるとともに、内部領域1809から近位の第2の位置1822で更にシールされる。
【0099】
冷凍保存バッグ1850の流体内容物を凍結させる準備として、一対のスペーサ1830がフレーム部材1801の窓部1805内に取り付けられる。スペーサ1830は、ポリプロピレンフェルト材料などの可撓性材料で構成されている。いくつかの実施形態において、スペーサ1830は、圧縮可能である。スペーサ1830は、スペーサが最小の公差で窓部1805の周辺部に収まり、実質的に埋めることができるように、窓部1805と略等しい外形を有する。スペーサ1830は、更に、フレーム部材1801の厚さと等しいか、それ以下の厚さを有する。
【0100】
いくつかの実施形態において、スペーサ1830は、所望の形状を有する開口部1835を更に有する。一般的に、開口部1835の形状及び寸法は、内部領域1809の制限された領域1825に隔離された流体内容物の凍結時に、冷凍保存バッグ1850の流体及び膨張した壁の所望の二次元又は三次元の固体形状1825を達成するように選択される。凍結時に、流体内容物は、冷凍保存バッグ1850の壁を外側に偏らせる熱膨張を経験し、クッション部材1812及びフレーム部材1801を通過して、スペーサ1830と接触する。第1及び第2の寸法(すなわち、x軸及びy軸に沿う寸法)における流体(及び流体が収容された冷凍保存バッグ)の膨張は、フレーム部材1801の窓部1805の剛体の制約によって制御される。第3の寸法(すなわち、z軸に沿う寸法)における流体の膨張は、
図18Dに示すように、スペーサ1830及び容器アセンブリを、剛性を有する熱伝導性プレート1840の間に挟むことによって制御される。
【0101】
図18Dを参照すると、容器アセンブリ1860及びスペーサ1830は、2つの剛性を有する熱伝導性プレート1840の間に閉じ込められ、クランプ構造体1845で定位置に保持されている。いくつかの実施形態において、熱伝導性プレート1840は、クッション部材の外周部と略同じ外周部を有する。クランプされたアセンブリは、低温環境に置かれる。内部領域1809の制限領域1829内に位置する流体は、熱伝導性プレート1840との冷凍保存バッグ1850の接触又は界面の領域で、2つの主要な平坦且つ平行な表面1827を有する固体塊に固体化する。いくつかの実施形態において、熱伝導性プレート1840は、例えば、アルミニウム合金などの金属材料で構成されている。
【0102】
図18Eを参照すると、冷凍保存バッグ1850の凍結流体内容物の分解図が示され、冷凍保存バッグ1850の2つの層1851,1852が明確にするために分離されている。本発明の1以上の実施形態によれば、冷凍保存バッグ1850の凍結された流体内容物は、本明細書に記載されているように、クッション部材1812、フレーム部材1801、スペーサ1830、及び剛性を有する熱伝導性プレート1840の少なくとも1つによって画定される所望の3次元固体形状1825を有する。いくつかの実施形態において、固体形状1825は、フレーム部材1801の窓部1805の剛性の制約によって制御される第1及び第2の寸法(すなわち、x軸及びy軸に沿った寸法)を有し、熱伝導性プレート1840の剛性の制約によって制御される第3の寸法(すなわち、z軸に沿った寸法)を更に有する。いくつかの実施形態において、結果として得られる3次元固体形状1825は、2つの対向する主要な平面及び平行面1857を有する概ね正方形又は長方形の外形である。いくつかの実施形態において、表面1857は、解凍プロセスの間、加熱部材によって接触される。冷凍保存バッグ1850の凍結内容物の解凍に続いて、流体内容物は、ロケーション1858で皮下注射針を用いて引き出されてもよい。いくつかの実施形態において、冷凍保存バッグ1850は、アクセスロケーション1858において内部領域1809内に配置された内部シールド1859を更に備えている。内部シールド1859は、皮下注射針を用いて流体内容物にアクセスする際の両バッグ層の意図しない貫通を抑える。
【0103】
本発明の前述の議論は、例示及び説明の目的で提示されている。前述の内容は、本発明を本明細書に開示された形態に限定することを意図したものではない。本発明の説明は、1つの実施形態並びに特定の変形及び変更の説明を含んでいるが、他の変形及び変更は、本発明の範囲内であり、例えば、本開示を理解した後に、当業者の技術及び知識の範囲内であり得るものである。本明細書に開示されたものと代替、交換、及び/又は同等の構造、機能、範囲又はステップを含む、許可された範囲で代替の実施形態を含む権利を取得することを意図しており、特許性のある主題を公に献上することを意図していない。
【国際調査報告】